JP3781132B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係わり、詳しくは遊技の演出効果の向上とともに、遊技中の各種状態報知の的確性の向上を図った遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機における発射操作装置(発射操作ノブ)は、遊技機の前面下部の操作パネル(前面パネル)における受け皿の右側に配設され、操作パネルに取り付けるベース部と発射の強弱を調整する回動部材(操作部)とから構成されていた。
そして発射操作装置内部には、回動部材の回動量を検出する発射ボリューム(可変抵抗器)や、発射の一時停止を行う単発スイッチや、遊技者の発射操作装置への接触状態を検出し接触時のみ発射を可能にするタッチ検出器等が備えられていた。
そして、従来の遊技機における遊技中の状態報知や演出は、遊技盤に備えられる各種表示装置により主に行っており、他には、補助的に前面枠の上方部のパイロットランプで大当り等の装飾表示を行っているのみであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、従来の遊技機にあっては、以下のような問題点があった。
(イ)遊技盤面内の表示装置或いは前面枠のパイロットランプのみで遊技状態の演出表示を行っていたため、単調な演出表示になってしまっていて斬新さに欠けるものであった。
(ロ)また、従来の発射操作装置(発射操作ノブ)には、飛距離調整用の回動部材(操作部)とタッチ検出器と単発スイッチしか備えられておらず、発射装置における作動状態の演出や報知を行っていなかった。
このため、例えば発射装置における飛距離の認識等は弾発した玉の到達位置により行うのみであり、的確な報知が行われていなかった。
また、発射操作装置(発射操作ノブ)は遊技者が唯一遊技機に常時接触する箇所であり、遊技者が注目する部分であるにも係わらず、何の演出も行われていなかったため、遊技の興趣向上に限界があった。
【0004】
そこで本発明は、従来の限界を越えて、遊技の演出効果の向上や、遊技中の各種状態報知の的確性の向上が実現できる遊技機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、遊技球の発射装置と、前記発射装置による遊技球の発射状態を変更可能な発射操作装置とを備えた遊技機において、
前記発射操作装置は、
当該遊技機側へ取り付けられる発射操作装置ベース部と、
前記発射操作装置ベース部に対して回動自在に設けられた回動操作部と、
前記回動操作部の前面側をカバーする前面カバー部と、
から構成され、
前記発射操作装置ベース部は、小径部の先端側に大径部が形成され、大径部の前面側が開口するとともに、該大径部内の取付ベース盤が取り付けられて構成され、
前記回動操作部は、透明或いは半透明部材により成形され、該回動操作部の裏面側の外周縁が前記発射操作装置ベース部の大径部の端縁外周を覆う状態で配設され、
前記取付ベース盤の前面には発光表示部材が取り付けられ、
前記発光表示部材は、前記回動操作部の内側であって、前記大径部の外周壁に形成された切り欠きに臨む位置に配置され、
更に、前記前面カバー部は、全体としてカップ型で、前面カバー部の内周側には複数の取付リブが裏面側に突設され、該各取付リブの端面にネジにより円盤状の前面カバー取付ベース盤が取り付けられて構成され、
前記前面カバー部の内部に振動発生装置が収納され、
前記振動発生装置は、前記前面カバー部の内面における一側部に形成された凹部にはめ込まれて取付部材により取り付けられていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、パチンコ装置に適用した実施例として図面を参照して説明する。
【0007】
A.パチンコ装置の正面構成及び全体構造
まず、図1乃至図3により、本発明を適用した一例であるパチンコ装置の正面構成及び全体構造について説明する。図1はパチンコ装置のパチンコ機(遊技機)を示す正面斜視図である。
パチンコ装置は、例えばいわゆるCR機(カードリーディング機)と称されるものの場合、大きく分けてパチンコ機と、遊技媒体貸出装置としてのカード式玉貸機(以下、単に玉貸機という)によって構成され、これらが対をなして設置されるが、この場合各図においては、玉貨機の図示を省略している。
【0008】
このパチンコ機は、前面に遊技領域が形成された遊技盤10が、遊技盤収納枠11(図2に示す)を介して機枠12に対して開閉自在に取付けられている。そして、図1に示すように、これら遊技盤10及び遊技盤収納枠11の前面を覆うように、ガラス枠13と前面パネル14とが前面側に配置され、遊技盤収納枠11とは独立にそれぞれが機枠12に対して開閉自在に取付けられている。なおこのパチンコ機は、遊技盤10、遊技盤収納枠11、機枠12、ガラス枠13、及び前面パネル14等を構成する主な構成部材が、全て合成樹脂により形成されている。また、ガラス枠13と前面パネル14とは、図示省略したスライドヒンジによりそれぞれ別個に機枠12に取付けられ、これらガラス枠13等の開動運動は、単なる蝶番によりヒンジを構成した場合と異なり、特に開き始めにこれらガラス枠13等が前面側に若干浮くような動きとなり、開閉動作が極めて滑らかなものとなっている。
【0009】
ガラス枠13は、ほぼ中央に開口部13aが形成され、開口部13aを通して遊技盤10における遊技領域が見えるようになっている。このガラス枠13の前面には、遊技領域を囲むように、上部ランプカバー15a,15b,15c、開口縁部ランプカバー16、及びサイドランプカバー17a,17bが設けられ、これらカバー内には装飾ランプ(図示省略)が内蔵されている。これらカバーは、前面側に突出する膨出状の形状とされ、透明又は半透明で、内蔵された装飾ランプの点灯光を透過可能である。これらカバーの表面にはカラフルな色彩が施されていてもよい。
また、ガラス枠13の前面における右下隅部には、ガラス枠13を施錠する施錠装置(図示省略)を操作するための、鍵挿入部18が設けられている。ガラス枠13を開く場合には、鍵挿入部18に所定のキーを挿入して回動操作すれば、前記施錠装置のロック状態が解除されてガラス枠13のみがオープンする。
【0010】
前面パネル14は、ガラス枠13の下側に配置されたもので、ガラス枠13とは独立に機枠12に対して開閉自在に取付けられている。この前面パネル14には、上皿21と、上皿21の玉を後述の玉貯留皿(下皿)24に移す玉通路開閉用の押し釦22と、灰皿23と、玉を貯留する玉貯留皿24と、玉貯留皿24に貯留された玉を外部下方に抜くための玉抜きレバー25と、後述の発射装置620の操作を行う発射操作ノブ26(発射操作装置)とが設けられている。なお、発射操作ノブ26については、図5乃至図7により詳細を後述する。
前面パネル14の前面における右上隅部には、前面パネル14を施錠する施錠装置(図示省略)を操作するための鍵挿入部27が設けられている。前面パネル14を開く場合には、鍵挿入部27に所定のキーを挿入して回動操作すれば、前記施錠装置のロック状態が解除されて前面パネル14のみがオープンする。なお、この前面パネル14を開けるための所定のキーは、ガラス枠13の前述の施錠装置を解除するための所定のキーと同一のものとされ、施錠管理が容易化されている。
また図示省略しているが、上皿21には、玉貨機に投入されたプリペードカードの残高を表示するカード残高表示器と、玉を購入するときに操作される玉貸釦と、プリペイドカードを排出するときに操作されるカード排出釦とが設けられている。なお、これら表示器や各釦の信号線や発射操作ノブ26の信号線は、前面パネル14の裏面ヒンジ側から引出されて、例えば遊技盤収納枠11の裏面に設けられた後述の配線中継回路810、或いは後述の発射制御回路630等に接続されている。
またなお、図1において符号21aで示すものは、後述する遊技盤収納枠11に設けられた賞球排出路603(図2に示す)に接続された賞球排出口であり、符号24aで示すものは、遊技盤収納枠11に設けられた後述のファール球排出路602(図2に示す)、上皿21からの玉抜き流路、及び例えば遊技盤収納枠11の裏面に設けられた排出処理部740(図4に示す)の後述するオーバーフロー流路(下皿賞球流路)に接続された下皿玉排出口である。
【0011】
B.遊技盤の概略構成
次に、遊技盤10の概略構成について説明する。
図2は遊技盤10と遊技盤11を示す前面側斜視図、図3は遊技盤10の裏面側斜視図、図4は遊技盤10を取付けた状態の遊技盤収納枠11を示す裏面側斜視図である。
遊技盤10の前面には、パチンコ玉を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定を行う領域(遊技領域)が形成され、入賞口に玉が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の賞品玉が上皿21に排出されるようになっている。
なおここでは、遊技盤10における遊技領域はどのようなものでもよく、遊技球を使用するパチンコ遊技機であれば、任意の構成を取り得る。例えば、いわゆる「第1種」に属するもので、複数の図柄を可変表示可能な可変表示装置を備え、この表示装置における可変表示結果が予め定められた特別図柄で表示されたことを条件に遊技者に有利な特別遊技状態(大当り状態)を発生可能な遊技機でもよい。また、表示装置の図柄内容を変化させてゲームを行うもので、「第3種」に属する遊技機、あるいは表示装置を備えた他の種類の遊技機、いわゆる「第2種」に属する遊技機、又はその他の機種(例えば、他種タイプ)等に幅広く適用が可能である。また、表示装置を備えていない各種類の遊技機にも適用することができる。
本例では「第1種」に属するタイプのものを用いた例を以下説明する。
【0012】
遊技盤10は、図2及び図3に示すように、前面に遊技領域を構成する各種要素が設けられる遊技盤本体200と、この遊技盤本体200の裏面に取付けられる蓋部材360とを備える。
(a)遊技盤の前面側構成
まず、遊技盤10の前面側構成について説明する。
遊技盤本体200は、全体として裏面が開口した薄い箱形の樹脂成形品である。遊技盤本体200の前面には、図2に示すように、遊技領域の周囲を囲むレール201と、このレール201内のほぼ中央に位置する可変表示装置装飾カバー220と、可変表示装置装飾カバー220の下方に配設された特定入賞装置230と、この特定入賞装置230の下方に配設された変動入賞装置250と、可変表示装置装飾カバー220の左右両側に配置された一般入賞装置270と、特定入賞装置230の左右両側に配置された風車(打球方向変換部)290と、一般入賞装置270の上方、及び風車290の下方に配置された玉案内片209,210,211,212と、レール201内の底部中央に位置するアウト球回収口213とを備える。
ここでレール201は、図2に示すように一端が遊技盤10の左側下端部まで伸びて、玉導入部201aを形成しており、ここに向って遊技球が発射され、レール201に沿って打ち上げられて遊技領域に打込まれる。また、玉案内片209,210,211,212は、従来の複数の案内釘と同様の機能を果すものである。
なお、遊技盤本体200の前面における可変表示装置装飾カバー220の上方には、図2に示すように、裏面側から障害釘構成部材(図示略)の障害釘354が挿通されて前面に突出している。
【0013】
可変表示装置装飾カバー220は、遊技盤10の裏面側の図3に示す取付けリブ363内に収納される可変表示装置220a(図8に示す)の前面を装飾するカバー部材であり、この場合可変表示装置220aの画面を前面に臨ませるよう中央が開口したフレーム状のものである。
なおここで可変表示装置220aは、いわゆる役物装置であって、例えばCRTや液晶表示装置(LCD)よりなり、この可変表示装置220aの後部に取付けられた表示制御回路380(図4に示す)を介して役物制御回路400(図4に示す)により制御され、カラーで各種の図柄を表示するものである。なお、可変表示装置の可変表示結果が予め定められた特別図柄で表示されたことを条件に遊技者に有利な特別遊技状態(大当り状態)が発生する。
【0014】
特定入賞装置230は、いわゆるチャッカーを構成するもので、前面側に入賞口(始動口)が設けられ、ここに入った玉を内部のセンサである始動スイッチ441(図8にのみ示す)により検出して後部下方から遊技盤内部の入賞球案内空間(図示略)に排出するものである。
また、特定入賞装置230のセンサの出力は、例えば、役物制御回路400に入力されて前述の可変表示装置220aの制御に利用される。即ち後述するように、このセンサからの信号によりこの特定入賞装置230に玉が入ったことを検知した役物制御回路400は、特別遊技状態(大当り状態)を発生させるか否かの判定処理を実行して、これに応じて可変表示装置220aの表示図柄を変化させる。
【0015】
変動入賞装置250は、いわゆるアタッカーを構成するものであり、図2に示すように、前面中央に大入賞口252が配置され、その両側には一般入賞口253が形成されており、ここに入った玉を内部のセンサにより検出して後部下方から遊技盤内部の入賞球案内空間(図示略)に排出するものである。大入賞口252は、役物制御回路400により制御されて開閉動作し、後述する如く特別遊技状態(大当り状態)が発生したときにだけ所定期間開放されて開くもので、内部の特定箇所にはいわゆるV入賞と呼ばれる特別な入賞位置が設定されている。
この変動入賞装置250には、大入賞口252の開閉動作を駆動するソレノイド(図示略)、大入賞口252に入った全ての玉を検出するセンサであるカウントスイッチ442(図8にのみ示す)、大入賞口252に入った玉のうちV入賞した玉を検出するセンサである継続スイッチ443(図8にのみ示す)等が設けられている。
【0016】
なお、変動入賞装置250のソレノイドは役物制御回路400により制御されて作動する。
また、変動入賞装置250の各センサの出力は、例えば役物制御回路400に入力されて大入賞口252の開閉制御に利用される。即ち後述するように、これらセンサからの信号により大入賞口252に玉が入ったことを検知した役物制御回路400は、その数をカウントして所定数となったときに大入賞口252を閉じる処理を行い、またV入賞した玉があったことを判別した役物制御回路400は、再度連続して大入賞口252を開放する処理を実行し、大当り状態を継続する。
【0017】
なお、一般入賞装置270は、前述の特定入賞装置230とほぼ同じ構成である。但し、この場合一般入賞装置270には、センサ等が設けられていない。
風車290は、打球方向を変換するためのものである。
そして、遊技盤本体200における左右両端面の上下には、図2及び図3に示すように係合用開口311,312が設けられ、遊技盤収納枠11に設けられた後述する係止具の係合爪(図示略)が係合するようになっている。
(b)遊技盤の裏面側構成
次に、遊技盤10の裏面側構成について説明する。
まず、遊技盤本体200の裏面構造について説明する。遊技盤本体200の裏面の外周縁321は、図3に示すように、裏面側に突出する薄板状とされて、遊技盤収納枠11に形成された後述の嵌合凹室溝506にはまり込む嵌合突起壁を構成している。この外周縁321の内側には、やはり裏面側に突出する薄板状の仕切り壁322が、外周縁321の内面に沿うように全体として四角形状に立設されている。
この仕切り壁322の内側の空間は、蓋部材360が取付けられて閉じた空間とされることにより、入賞球を案内する入賞球案内空間を構成する。そして、遊技盤10の前面に設けられた前述の各入賞装置から入った入賞球が、この入賞球案内空間を経由して、入賞球の排出口325から遊技盤10の下方に落下するように構成されている。すなわち、仕切り壁322と外周縁321は、図3に示すように下辺側の一部分において途切れており、ここに入賞球の排出口325が形成されており、前記入賞球案内空間を落下する全ての入賞球が排出口325から遊技盤10の下方に落下するように構成されている。
【0018】
一方、仕切り壁322の外側で外周縁321より内側の空間は、配線処理空間330を構成し、この場合遊技盤10の遊技領域内における左右両側に設けられたサイドランプの配線(図示省略)がこの配線処理空間330内を整然と引回されて役物制御回路400に接続されている。なお、仕切り壁322の両辺部の中央には、サイドランプの配線を配線処理空間330内に導出するための切り欠き331,332が形成されている。
また、遊技盤本体200の裏面における下部中央には、図3に示すように、アウト球案内路348が形成されている。このアウト球案内路348は、遊技盤本体200の前面に形成された前述のアウト球回収口213の周辺から裏面側へ一体的に立設されたもので、アウト球を裏面側に導くものである。
【0019】
次に、蓋部材360及びこれに取付けられる機器について説明する。
蓋部材360の裏面における略中央位置であって、前述の可変表示装置装飾カバー220の後方位置には、図3に示すように、取付けリブ363が形成されている。この取付けリブ363は、断面四角形の形状とされ、内部に、前述の可変表示装置220aと、表示制御回路380(図4に示す)の前端部がはめ込まれて収納される。
可変表示装置220a(図8に示す)は、例えばその外ケースの側壁に形成された係止爪(図示略)が、取付けリブ363に形成された係合穴(図3では図示省略)に弾力的に係合することにより、蓋部材360の裏面側から取付けリブ363内にワンタッチで取付けられる。また、表示制御回路380は、図4に示すように、可変表示装置の裏面側にビス止め等により取付けられる。
なお、表示制御回路380は、役物制御回路400の指令に基づいて可変表示装置220aを作動させるための制御回路で、図4に示すように、フラットケーブル381と後述の中継基板390とを介して役物制御回路400に接続されている。
【0020】
また、蓋部材360の裏面における取付けリブ363の下方位置には、図3に示すように、特定入賞装置230のコネクタ244(図4に示す)を裏面側に臨ませる開口部364と、変動入賞装置250のコネクタ258(図4に示す)を裏面側に臨ませる開口部365とが形成されている。
また、図示省略しているが、蓋部材360の裏面における左下の位置には、嵌合穴が形成された取付けボスが4箇所に形成され、この位置に役物制御回路400(図4に示す)が取付けられる。役物制御回路400の外ケースにはこれら取付けボスの嵌合穴に密に嵌合する嵌合突起(図示略)が突設されており、役物制御回路400は、この嵌合突起を取付けボスの嵌合穴に密に嵌合させることで、ワンタッチで容易に取付けられる。
役物制御回路400は、後述するように、特定入賞装置230のセンサからの信号(始動口入賞信号)を受けて、大当り状態を発生させるか否かの判定を行い、これに応じて可変表示装置に所定の図柄を表示させる処理や、大当り状態となったときに、変動入賞装置250のソレノイドを作動させて大入賞口252を所定期間開放するといった処理、あるいは遊技状態に応じて各ランプ類を点灯又は点滅させる制御処理、さらには、遊技状態に応じて後述のハンドル演出処理(図9に示す)を行うものである。
【0021】
また、蓋部材360の裏面における右下の位置には、図3に示すように、保持部367,係止爪368及び取付けボス369が形成され、この位置に中継基板390が取付けられるようになっている。ここで、保持部367は、4箇所に設けられて中継基板390の4隅に当接するものであり、係止爪368は、中継基板390の下縁に係合するものである。すなわち、中継基板390は、四隅を保持部367に当接させるようにはめ込み、下縁を係止爪368に係合させて保持した後、上縁の貫通孔に挿通したネジを取付けボス369に捩じ込むことにより、蓋部材360に安定的に取付けられる。
この中継基板390は、コネクタ391,392,393,394,395を搭載し、役物制御回路400と表示制御回路380や入賞装置230,250との間の信号や、役物制御回路400等と遊技店の管理コンピュータとの間の信号(遊技情報)を中継する基板である。図3又は図4に示すように、コネクタ391は、ケーブル396により遊技店の管理コンピュータに接続され、コネクタ392は、ケーブル381により前述の表示制御回路380に接続されている。また、コネクタ393は、ケーブル397により変動入賞装置250(コネクタ258)に接続され、コネクタ394は、ケーブル398により特定入賞装置230(コネクタ244)に接続され、コネクタ395は、ケーブル401により役物制御回路400に接続されている。なお、ケーブル396を介して、例えば大当り回数等の遊技情報が役物制御回路400から遊技店の管理コンピュータに出力される。
また、蓋部材360の下縁の略中央位置であって、遊技盤本体200の裏面に形成されたアウト球案内路348の後方の位置には、図3に示すように、このアウト球案内路348を遊技盤10の裏面側に臨ませるための切り欠き360aが形成されている。
【0022】
C.遊技盤収納枠の概略構成
次に、遊技盤収納枠11の概略構成について説明する。
遊技盤収納枠11は、図2に示すように、合成樹脂の一体成形品である遊技盤収納枠本体500からなるものである。遊技盤収納枠本体500は、遊技盤10の裏機構(例えば前述した表示制御回路や役物制御回路等)を干渉を避けて配置するための全体として四角形状の開口501が上部中央に形成されたもので、この開口501の周囲には、遊技盤10の周縁がはまり込む段部502が形成され、この段部502の内側に遊技盤収納部503が形成されている。また、遊技盤収納枠本体500の前面下部、及び裏面には、各種の機構体設置部が一体成形により設けられて、ここに各種の機構体が取付けられている。
(a)遊技盤収納部周辺の構造
以下、遊技盤収納部503周辺の構造の概略について説明する。
段部502の内側の奥壁504には、図2に示すように、段部502の内側に沿うように嵌合壁505が立設され、段部502と嵌合壁505との間の溝が、遊技盤10の外周縁321(嵌合突起壁)がはまり込む嵌合凹室溝506を構成している。
【0023】
遊技盤収納枠11の段部502の両側の縁部507,508は、裏面側内部が中空状になっており、各縁部507,508の上下位置(合計4箇所)には、図2に示すように係止具配置凹部509,510が形成され、さらにこの係止具配置凹部509,510には、遊技盤10を取付け状態に保持するための係止具(図示略)が回転操作自在に支持されている。すなわち、段部502を構成する両側の側壁における上下位置(係止具配置凹部509,510の内側位置の合計4箇所)には、矩形の貫通孔513,514が設けられ、前記係止具を回動させることにより、これら貫通孔から係止具の係合爪(図示略)が内側に突出し、段部502内にはめ込まれた遊技盤10の前述の係合用開口311,312にそれぞれはまり込んで係合するようになっている。
【0024】
また、段部502の底辺部における右側位置には、入賞球取込み穴515が設けられている。この入賞球取込み穴515は、段部502内にはめ込まれた遊技盤10に設けられた前述の入賞球の排出口325に接続される位置に設けられ、前記排出口325から落下する入賞球がここから遊技盤収納枠11の下側に導入される構成となっている。
また、段部502の内側の奥壁504の下辺部中央には、図2に示すような矩形の切り欠き516が形成されている。この切り欠き516は、段部502内にはめ込まれた遊技盤10の裏面下部に設けられた前述のアウト球案内路348を遊技盤10の裏面側に臨ませるための切り欠きである。
また、遊技盤収納枠11の正面から見て左側の外側端面には、図2に示すように、機枠12側のピンヒンジ(図示省略)がそれぞれ挿通される上下方向のヒンジ孔531,532が設けられ、機枠12に対して開動自在に取付けられるようになっている。
また、遊技盤収納枠11の右側の縁部508の上下には、縦長状のロック片配置凹部533,534が形成されている。そして、これらロック片配置凹部533,534には、図示省略したロック片が回動操作自在に支持されて取付けられている。これらロック片は、水平に引き起こすように操作されて機枠12に形成された係合部(図示略)に係合することで、遊技盤収納枠11を機枠12に対して閉じ位置に保持するものである。
【0025】
(b)遊技盤の取付け作業
なお、遊技盤10は、以下のようにして容易かつ頑丈に取付けられる。すなわち、図2に示すように、遊技盤10を前面側から遊技盤収納枠11の遊技盤収納部503にはめ込んで、遊技盤10の裏面の外周縁321を遊技盤収納枠11の前述の嵌合凹室溝506内に嵌合させる。そしてその後、前述の係止具を回動させてその係合爪を遊技盤10に形成された前記係合用開口311又は312に係合させればよい。この際、前記係止具は遊技盤収納枠11の前面側から操作できるので、遊技盤収納枠11を開ける必要は全く無く、ガラス枠13等を開けるだけでよい。
なお、この取付け状態において遊技盤10は、その裏面の外周縁321が前記嵌合凹室溝506内に密に嵌合して、略全周に渡ってガタツキなく強固に保持される。
また、こうして取付けられた遊技盤10は、上記取付け作業と逆の手順により容易に取外せる。
【0026】
(c)遊技盤収納枠の前面下部の構成
次に、遊技盤収納枠11の前面下部(遊技盤収納空間503よりも下側部分)の概略構成について説明する。
遊技盤収納枠11の前面下部には、各種機構体の設置部(左上にファール球回収部材設置部、右上に発射レール設置部が、右下に発射装置設置部が、下側中央に発射制御回路設置部)が遊技盤収納枠本体500に一体成形されて設けられ、また、これら設置部が設けられていない部分(例えば左下側)には格子状の補強リブ590が一体成形されている。そして、各設置部には、それぞれ、図2に示すように、ファール球回収部材600(遊技球流路構成部材)、発射レール610、発射玉止め部材615、発射装置620、発射制御回路630が取付けられる。
【0027】
ファール球回収部材600は、上面及び右下側面が開口し、底面が右下に傾斜した箱形のファール球回収部601と、この回収部601の右端下部に設けられて前面に開口したファール球排出路602と、回収部601の左端上部に設けられて前後に開口した賞球排出路603とを有する。このファール球回収部材600は、上記ファール球回収部材設置部に設けられた取付けリブ552等の内側に当接させてはめ込んだ後、ネジ止めされることにより容易に取付けられる。このように取付ければ、ファール球回収部601の上面の開口が、発射レール610の終端と遊技盤10のレール201の始端(前述の玉導入部201a)との間に位置し、賞球排出路603が賞球排出開口(図示略)に接続される所定位置に、ファール球回収部材600が自動的に位置決めされて取付けられる。
なおここで、賞球排出開口は、遊技盤収納枠本体500に一体成形され、遊技盤収納枠裏面の排出処理部740(図4に示す)に設けられた後述の上皿側賞球流路(図示略)に連通したものである。
また、ファール球排出路602は、前面パネル14が閉じられると、前面パネル14の下皿玉排出口24a(図1に示す)に接続され、また賞球排出路603は、前面パネル14の賞球排出口21a(図1に示す)に接続される。
そして、発射レール610から打出されたが遊技盤10の遊技領域に達しない遊技球(即ち、ファール球)は、遊技盤10のレール201に沿って玉導入部201aから上記ファール球回収部601内に落下し、或いは発射レール610の終端から上記ファール球回収部601内に落下して、ファール球排出路602を経由して下皿玉排出口24aから下皿24に排出される。
また、前記排出処理部740内の後述の排出装置770(図4に示す)の動作により流路切換え装置780(図4に示す)を通って排出された玉が、前記上皿側賞球流路に導入され、賞球排出路603及び前面パネル14の賞球排出口21aを経由して上皿21に排出される構成となっている。なお、上皿21及び上記上皿側賞球流路がいっぱいになると、排出処理部740の図示省略したオーバーフロー流路に流路切換え装置780からの玉が流出するようになり、前述の下皿玉排出口24aを介して下皿24に排出される。
【0028】
発射レール610は、遊技球が転動又は滑動する1条の溝が上面に形成されたもので、上記発射レール設置部に一体成形された各取付けリブ562等の内側に当接させてはめ込んだ後、ネジ止めすることにより容易に取付けられる。このように取付ければ、図4に示すように、発射レール610の始端が、発射装置620の後述する杵部材624の先端(杵先)に対して適正位置となり、発射レール610の終端が遊技盤10のレール201の始端(前述の玉導入部201a)に向う所定位置に、自動的に位置決めされて取付けられる。
また、発射玉止め部材615は、前面パネル14の上皿21から図示省略した整列装置により1個ずつ供給される遊技球を、発射レール610の始端位置(発射位置)に重力に抗して保持するもので、図2に示す如くこの始端位置にある遊技球(即ち、発射待機球)に当接する爪部616を有する。この発射玉止め部材615は、発射レール設置部の所定位置に形成されたネジ穴に対するネジ止めにより容易に所定位置に取付けられる。
【0029】
発射装置620は、発射装置設置部に一体成形された取付けリブ571,572,573の内側にはめ込み可能な基板621の裏面に発射装置本体(図示略)が設けられたもので、ここで発射装置本体は、揺動自在な杵部材624を駆動するロータリーソレノイド622(図8にのみ示す)を内蔵するもので、発射制御回路630の制御により作動して杵部材624を間欠的に揺動させる。
この発射装置620は、上記発射装置設置部に設けられた各取付けリブ571,572,573の内側にはめ込んだ後、ネジ止めすることにより、容易に図2の如く取付けられる。このように取付ければ、前述の発射待機球に対する杵部材624の杵先の位置決めが自動的に行われる。またこの際、発射装置本体は、上記発射装置設置部に設けられた凹部575(図4に裏面側を示す)にはまり込むようにして収納されて配置される。
【0030】
発射制御回路630は、直方体状のケース内に回路基板が収納されたもので、ケースを発射制御回路設置部に設けられた凹部581(図4に裏面側を示す)にはめ込むようにして配置される。この発射制御回路630は、発射操作ノブ26に設けられた後述のタッチ検出器960aや発射ボリューム912(可変抵抗器)等の出力信号を受けて発射装置620を制御し、発射制御を行う。
例えば、後述するように、発射操作ノブ26を人が握ったことがタッチ検出器960aにより検出されると、発射ボリューム912の出力値に応じて発射装置620のロータリーソレノイド622(図8に示す)を間欠的に励磁する。これにより、発射操作ノブ26の操作量に応じた強さで杵部材624の杵先が発射玉に打ちつけられる。
また、この発射制御回路630の正面上部には調整つまみ635,636が設けられ、これら調整つまみ635,636により、前記タッチセンサの感度調整と、発射ボリューム調整とが行えるようになっている。ここで、発射ボリューム調整とは、前記発射ボリュームの出力値に対するロータリソレノイドの励磁電流値(球技球の発射強度)を決める増幅率の調整をいう。
【0031】
(d)遊技盤収納枠の裏面側の構成
次に、遊技盤収納枠11の裏面側の構成について説明する。
遊技盤収納枠11の裏面には、図4に示すように、左上に貯留タンク700が、右上に枠情報及び電源のための配線中継部710が、右側部に排出処理部740が、右下に排出制御回路800及び玉貸機からの配線の配線中継回路810が、開口部501の下側にアウト球セーフ球処理部820が、設けられている。そして、遊技盤収納枠本体500の下側の各所には格子状の補強リブ860が一体成形されている。
貯留タンク700は、島設備から補給された排出前の玉を貯留しておくタンクで、この貯留タンク700の下部には導出樋701(シュート)が接続されている。導出樋701は、貯留タンク700の下部から若干下方に傾斜した姿勢で横方向に伸びて排出処理部740内の上部に形成された玉導入流路(図示略)に接続され、貯留タンク700内の玉を排出処理部740に導くものである。
【0032】
配線中継部710は、図4に示すように、遊技盤収納枠本体500の右上隅部に一体成形されたターミナル基板設置部711と、ここに収納されるターミナル基板(図示略)と、このターミナル基板設置部711を覆うように取付けられる蓋部材730とを備える。
ターミナル基板は、信号中継回路と、パチンコ機の電源入力回路とを構成するものである。信号中継回路は、パチンコホールの管理コンピュータとパチンコ機側の発射制御回路630や排出制御回路800との間で授受される信号(いわゆる枠情報の信号)を中継する回路である。電源入力回路は、パチンコ機側の役物制御回路400,発射制御回路630及び排出制御回路800を含む各種電気機器に電源を供給するための回路である。なお、枠情報の信号としては、例えば玉補給信号(大)、玉補給信号(小)、玉発射信号、賞球排出信号、及びガラス枠開放信号等がある。
なお、このターミナル基板へのホール側からの配線721は、ターミナル基板設置部711の上面に形成された切り欠きから引き込まれている。
【0033】
排出処理部740は、遊技盤収納枠本体500に一体成形された凹室の前面開口を覆うようにカバー部材790が取付けられて、内部上側に玉導入流路(図示略)が、内部中央に排出装置770及び流路切換え装置780の配置空間が、内部下側に賞球流路及び玉抜き室(図示略)が形成されたものである。
玉導入流路は、導出樋701を通って横から流入した玉が下向きに流れ落ちるように湾曲した形状の流路であり、導出樋701から流入した玉を下方に流して排出装置770に送る。
ここで、排出装置770及び流路切換え装置780の配置空間は、玉導入流路の下側に連通状態に形成され、排出装置770及び流路切換え装置780が縦に並んではまり込む幅寸法とされた縦長の室である。
【0034】
賞球流路及び玉抜き室は、上記配置空間の下側に連通状態に形成され、仕切り壁(図示略)の手前側に賞球流路が、奥側に玉抜き室が配置されている。
賞球流路の下側には、オーバーフロー(図示略)が設けられ、このオーバーフロー部の一方側には、上皿賞球流路が形成され、オーバーフロー部の外側には、下皿賞球流路が形成されている。すなわち、賞球流路の下側は、オーバーフロー部を境にして、上皿賞球流路と下皿賞球流路とに分れている。
そして、この賞球流路は、流路切換え装置780から落下した玉を、上皿側又は下皿側に振分けて排出する。すなわち、上皿賞球流路は、遊技盤収納枠11の前面の前述の賞球排出開口を介して賞球排出路603に連通しており、この上皿賞球流路に入った玉は、前記賞球排出開口,賞球排出路603及び賞球排出口21aを経由して、前面パネル14の上皿21に流出するよう構成されている。一方、下皿賞球流路は、例えば図示省略した接続流路を介して、下皿玉排出口24aに連通しており、下皿賞球流路に入った玉は、前面パネル14の下皿24に流出するよう構成されている。上記オーバーフロー部は、後述するように流路切換え装置780により賞球流路に振分けられて落下する玉が、上皿21に玉が充満していない場合には上皿21に玉が排出され、上皿21に玉が充満すると、このオーバーフロー部を越えて下皿賞球流路側に玉が流れ落ちるようになり、過剰な玉が下皿24に排出される構成となっている。
また、玉抜き室内に落下した玉は、例えば図示省略した流路によって、遊技島の設備である玉回収樋(通常遊技島の底部に設けられている)に排出される構成となっている。
【0035】
排出装置770は、上面から流入した玉を1個ずつ下面側から排出し、指令された数だけ玉を排出する装置で、排出制御回路800により制御されて作動する。なおこの排出装置770は、例えば、外周に玉が1個ずつはまり込む歯が形成されたスプロケットと、このスプロケットを指令された回転数或いは回転角度だけ回転させる機構とよりなるものである。
流路切換え装置780は、上面から流入する玉を下面側の2方向に振分けるための分岐路が内部に形成され、この分岐路にソレノイド等により駆動される流路切換え部材を配設してなるもので、例えば図示省略したスイッチの操作により、振分け方向が切換わるようになっている。この場合流路切換え装置780は、排出装置770から流下した玉を、上述の賞球流路又は玉抜き室のいずれか一方に振分けて落下させるもので、通常は(遊技中は)賞球流路に玉を落下させ、閉店時等に前記スイッチが操作されることで玉抜き室側に振分け方向を切換えて、貯留タンク700等の玉を全て島側に回収する玉抜き処理を実現する。
【0036】
排出制御回路800は、直方体状のケースの内部に回路基板が収納されたもので、ケースの両側端面には、嵌合突起(図示略)を有する取付け片801が突設されている。この発射制御回路630は、遊技盤収納枠本体500の制御回路設置部800aに一体成形された取付けボス802の穴に、取付け片801の嵌合突起を密に嵌合させることで、ワンタッチで容易に取付けられる。なお排出制御回路800は、図示省略した配線により排出装置770や後述するセーフ球処理装置840等に接続され、入賞があったことを示す信号を受けて、排出装置770を制御し、所定数の賞球の排出を実行させる制御回路である。またこの排出制御回路800は、配線中継回路810を介して玉貸機に接続され、玉貸機からの指令により、排出装置770を制御して貸玉としての遊技球を所定数排出する処理を実行する機能も有する。
配線中継回路810は、直方体状のケースの内部にターミナル基板(図示略)が収納されたもので、ケースの両側端面には、嵌合突起(図示略)を有する取付け片811が突設されている。この配線中継回路810は、遊技盤収納枠本体500の制御回路設置部800aに一体成形された取付けボス812の穴に、取付け片811の嵌合突起を密に嵌合させることで、ワンタッチで容易に取付けられる。
なお、配線中継回路810は、図2に示す配線35や図示省略した配線により、玉貸機や、前面パネル14に設けられた玉貸し関係の表示器又はスイッチ類(図示省略)、或いは排出制御回路800に接続され、これら表示器やスイッチ類、或いは排出制御回路800と玉貸機との間の信号を中継するものである。
【0037】
アウト球セーフ球処理部820は、遊技盤収納枠本体500の裏面に形成されたセーフ球導入流路凹室(図示略)及び機構体設置凹室(図示略)と、この機構体設置凹室内に収納されて設置されるセーフ球処理装置840と、前記セーフ球導入流路凹室及び前述のアウト球案内路348(図3に示す)を覆うように取付けられるアウト球セーフ球排出樋850とを備える。
セーフ球導入流路凹室は、前述の入賞球取込み穴515(図2に示す)に連通状態に形成され、下側がセーフ球処理装置840の玉入口に連通したもので、開口する前面側がアウト球セーフ球排出樋850の蓋部853により閉じられることにより、遊技盤10の前述の排出口325(図3に示す)から落下するセーフ球をセーフ球処理装置840の玉入口に導入するセーフ球導入流路を構成している。
機構体設置凹室は、セーフ球処理装置840が埋設可能な凹室で、埋設されたセーフ球処理装置840の右側面の玉出口から排出されたセーフ球は、アウト球セーフ球排出樋850の下部を経由してパチンコ機の下側に排出される構成となっている。
【0038】
セーフ球処理装置840は、上面の玉入口から玉を導入し、右側面の玉出口から玉を排出するもので、通過する玉を検出するセーフ球センサ(図示略)と、ソレノイドにより駆動される玉保持機構(図示略)を内蔵している。このセーフ球処理装置840は、前記機構体設置凹室にはめ込まれた後、ネジ止めされることにより取付けられる。
なお、このセーフ球処理装置840は、内部においてセーフ球を1個保持した状態で検出し、排出制御回路800の制御による賞球の排出が完了すると、保持状態を解除してそのセーフ球を排出するものである。
アウト球セーフ球排出樋850は、箱型の樋本体部の左側に蓋部853が延設されたもので、樋本体部は、下面側が開口し、下部は、仕切り壁(図示略)により左右両側に区画されており、上部に対して閉じられた左側の室がセーフ球排出部となっている。この樋本体部は、前面側(遊技盤収納枠本体500に接合される側)の上部には、遊技盤10に設けられたアウト球案内路348(図3に示す)に接続される開口(図示略)が形成され、セーフ球排出部の前面側は、セーフ球処理装置840の玉出口に接続される開口(図示略)が形成されている。
このアウト球セーフ球排出樋850によれば、アウト球排出流路とセーフ球排出流路とが構成される。すなわち、アウト球案内路348(図3に示す)から出たアウト球は、樋本体部を経由してアウト球セーフ球排出樋850の下面から排出され、また、セーフ球処理装置840の玉出口から出たセーフ球は、樋本体部のセーフ球排出部を経由してアウト球セーフ球排出樋850の下面から排出される。
なお、このアウト球セーフ球排出樋850の下面から排出されたアウト球又はセーフ球は、例えば図示省略した流路や計数装置を経由して、遊技島の底部に配設された玉回収樋に放出される。この際、本例の構成では、極めて近接した位置からアウト球とセーフ球とがそれぞれ排出されるため、上記玉回収樋或いは計数装置の受け皿等を小型化でき、その場合でも玉がこぼれる恐れがない。
【0039】
また、図1に示す通常状態(閉じ状態)においては、遊技盤収納枠11の前面上側(即ち遊技盤10)は、ガラス枠13により覆われ、遊技領域のみが開口部13a(ガラス板)を介して前面に望んだ状態となり、また、上述の各種機構体が設けられた遊技盤収納枠11の前面下側は、前面パネル14により覆われた状態となる。
【0040】
D.発射操作装置の構成
次に、本発明の発射操作装置を構成する発射操作ノブ26の構成について、図5乃至図7により説明する。図5は、発射操作ノブ26の外観を示す斜視図、図6及び図7は、発射操作ノブ26の内部構成を示す分解斜視図である。
発射操作ノブ26は、図5に示すように、遊技機の前面パネル14への取り付けを行うための発射操作装置ベース部900と、このベース部900に対して回動自在に設けられた回動操作部940と、前面側をカバーする前面カバー部960と、から主に構成されている。
(a)発射操作装置ベース部の構成
まず、図6により発射操作装置ベース部900の構成を説明する。
発射操作装置ベース部900は、合成樹脂の一体成形品であり、図6に示すように小径部901の先端側に大径部902が形成されてなり、内部が中空状とされているとともに、大径部902の前面側が開口しているものである。大径部902の奥内面からは、先端部にネジ穴が形成された円柱状の取付けリブ903,904,905,906が前面側に向って突設され、このうち下側の中央に配置された取付けリブ906の先端には凹部906aが形成されている。そして、この凹部906aには、断面L字状の前面カバー固定部材907がはめ込まれてネジ止めされる。この前面カバー固定部材907は、例えば鋼材等の導電性を有する材料よりなり、凹部906aにはめ込まれる側の片状部分に貫通孔907aが、前面に突出する片状部分にネジ孔907bが形成されている。そしてこの前面カバー固定部材907は、貫通孔907aに挿通したネジを取付けリブ906先端のネジ穴に捩じ込むことで締結されており、かつこのネジ締結部には、後述するタッチ検出器960aの信号線908の端子908aと、後述のリターンバネ946のフック部947とが重ねて締め付けられる構成となっている。
なお、ここで信号線908は、例えば後述の取付けベース盤910のスリット921を経由して、小径部901の基端面に形成された貫通孔(図示略)から引出され、さらに前面パネル14裏面のヒンジ側を経由して、最終的に前述の発射制御回路630に接続される。
また、発射操作装置ベース部900の大径部902の外周壁には、図6に示すように、二つの切り欠き902a,902bが形成されている。このうち切り欠き902aは、後述するLED936の光を放射するための窓として機能し、切り欠き902bは、後述の単発スイッチ操作部材923の押圧操作部(図示省略)を突出させるためのものである。
【0041】
そして、発射操作装置ベース部900の大径部902内には、取付けベース盤910が取付けられている。この取付けベース盤910の中央には、円形の凹部911が形成され、この凹部911の裏面側に発射ボリューム912が取付けられる。発射ボリューム912は、可変抵抗器であり、一端に入力軸913が突設され、この入力軸913の基端側外周には固定用の雄ネジ部914が形成されている。そしてこの発射ボリューム912は、取付けベース盤910の凹部911の底面に形成された貫通孔915から、入力軸913と雄ネジ部914とを前面側に突出させた状態に配置され、雄ネジ部914に対して取付けベース盤910の前面側からナット916を締め付けることにより、取付けベース盤910に固定される。なおこの場合、凹部911の底面とナット916との間には、スペーサ917が介装される。
なお、発射ボリューム912の配線918は、発射操作装置ベース部900の小径部901の基端面に形成された貫通孔(図示略)から引出され、さらに前面パネル14裏面のヒンジ側を経由して、最終的に前述の発射制御回路630に接続される。
【0042】
また、取付けベース盤910の凹部911の周囲には、中心にそれぞれ貫通孔が形成された三つの取付けボス919が間隔をあけて形成され、これら取付けボス919の貫通孔に挿通したネジ(図示略)が、発射操作装置ベース部900の大径部902の奥内面に形成されたネジ穴(図示略)に捩じ込まれることにより、取付けベース盤910が発射操作装置ベース部900に対して固定されている。なおこの取付け状態において、前述の取付けリブ903は、取付けベース盤910に形成された貫通孔920を貫通して前面に突出した状態となり、また、前述の取付けリブ904,905,906は、取付けベース盤910に形成された円弧状のスリット921を貫通して前面に突出した状態となる。
また、取付けベース盤910の前面における左上の位置(前記取付けボス919の一つに隣接する位置)には、図6に示すように軸部922が形成され、この軸部922に揺動自在に支持されて単発スイッチ操作部材923が取付けられる。単発スイッチ操作部材923は、レバー部924の基端に軸受け用円筒部925が形成されたもので、レバー部924の先端側の外側面に押圧操作部(図示省略)が、レバー部924の先端側の前面に受圧片926が、またレバー部924の先端側の裏面に押圧片(図示略)がそれぞれ形成されている。
ここで、軸受け用円筒部925は、軸部922の先端部外周に回動可能にはめ込まれ、これによりレバー部924が揺動自在に取付けられる。なお、軸部922の端面のネジ穴には、スペーサを介して図示省略したネジが捩じ込まれ、これにより単発スイッチ操作部材923の脱落(即ち、軸受け用円筒部925の軸部922からの脱落)が防止される。なおこの取付け状態においては、レバー部924に形成された前述の押圧操作部が、レバー部924の揺動に伴って、発射操作装置ベース部900の前述の切り欠き902bから外方に対して出没するように、位置決めされる構成となっている。
また、レバー部924に形成された前述の受圧片926は、回動操作部940の回転位置が後述の非操作位置の近傍にあるときに、回動操作部940の裏面に形成された突起により押圧されるよう構成され、またこの状態において、レバー部924に形成された前述の押圧片が、後述の単発スイッチ930の操作片931を押圧するとともに、前記押圧操作部が前記切り欠き902b内に没するようになっている。
【0043】
また、取付けベース盤910の前面における左側(前記レバー部924の揺動位置の裏面側)の位置には、位置決めピン927と、ネジ穴928とが形成されており、ここに単発スイッチ930が取付けられている。単発スイッチ930は、この場合いわゆるマイクロスイッチであり、操作片931が内側に押圧されると、内部接点の接続状態が切替わる。そしてこの単発スイッチ930には、前記位置決めピン927が嵌合する位置決め穴(図示略)と、ネジ挿通孔(図示略)とが形成され、この位置決め穴にピン927を嵌合させ、さらにネジ挿通孔に挿通したネジをネジ穴928に捩じ込むことにより、所定位置に位置決めされて取付けられる。この取付け状態においては、前述したように、単発スイッチ操作部材923のレバー部924に形成された前述の押圧片が、レバー部924の揺動に伴ってこの単発スイッチ930の操作片931を押圧可能となる。なお、単発スイッチ930の操作片931は、常に外側(非操作位置)に付勢された状態になり、前述の押圧片が離れると、自動的に非操作位置に復帰する。
また、この単発スイッチ930の端子932に接続される信号線(図示略)は、取付けベース盤910の凹部911の内側面に形成された開口911aを通して取付けベース盤910の裏面側に引回され、発射操作装置ベース部900の小径部901の基端面に形成された貫通孔(図示略)から引出され、さらに前面パネル14裏面のヒンジ側を経由して、最終的に前述の発射制御回路630に接続される。
【0044】
また、取付けベース盤910の前面における、前述の発射操作装置ベース部900の切り欠き902aの内側の位置には、図6に示すようにネジ孔933が形成され、このネジ孔933に対してネジ止めされることにより、発光表示部材935が取付けられている。発光表示部材935は、この場合LED936を搭載した基板であり、その信号線937は、やはり前述の開口911aを通して取付けベース盤910の裏面側に引回され、発射操作装置ベース部900の基端面に形成された貫通孔(図示略)から引出され、さらに前面パネル14裏面のヒンジ側を経由して、最終的に前述の役物制御回路400又は発射制御回路630に接続されている。なお、この発光表示部材935のLED936としては、多彩な多色発光演出が可能となるように、発光色が異なるものを複数設けることが好ましい。また、この発光表示部材935のLED936の点灯制御(ハンドル演出処理)については後述する。
またなお、この発光表示部材935のLED936は、回動操作部940の内側であって、前述の切り欠き902aに望む位置に配置されることで、その放射光が透明又は半透明とされた回動操作部940から外部に透過し、乱反射して拡散するようになっている。
【0045】
(b)回動操作部の構成
次に、図6により回動操作部940の構成を説明する。
回動操作部940は、合成樹脂の一体成形品であり、この場合透明とされているが、半透明としてもよい。また、カラフルな色彩を施してもよい。
この回動操作部940は、全体として円板状のもので、外周に指掛け部941,942が、裏面側中心線上に前記発射ボリューム912の入力軸913が相対回転不能に嵌合する嵌合穴(図示略)が、また前面側中心線上に中空軸943が形成されている。
そしてこの回動操作部940は、裏面の嵌合穴に前記入力軸913が嵌合することで裏面側を支持され、裏面側の外周縁が、発射操作装置ベース部900の大径部902の端縁外周を覆う状態で配設されて、発射操作装置ベース部900や取付けベース盤910に対して、前記入力軸913と一体的に回動可能となっている。
なお、発射操作装置ベース部900に形成された前述の取付けリブ903,904,905,906や、タッチセンサの配線908は、この回動操作部940の内周に形成された円弧状のスリット944,945を通して前面側に突出し、回動操作部940の回動により、これら取付けリブとの干渉が起きない構成となっている。
また、これらスリット944,945のエンド部分が取付けリブ903や取付けリブ904,905に当接することにより、回動操作部940(即ち、入力軸913)の回動範囲が、非操作位置から最大回動位置までに規制されている。
すなわち、回動操作部940は、中空軸943の周囲に配設されるコイル状のリターンバネ946により、常に正面から見て反時計回りに付勢される構成とされているため、なんら外力を加えないで開放すれば、取付けリブ903がスリット944の一方のエンドに当接するとともに、取付けリブ904がスリット945の一方のエンドに当接した状態に保持され、この位置が非操作位置となる。
また、回動操作部940が、遊技者等により最大限時計回りに回動操作されると、取付けリブ903がスリット944の他方のエンドに当接するとともに、取付けリブ905がスリット945の他方のエンドに当接した状態で回動が規制され、この位置が最大回動位置となる。
なお、リターンバネ946の一端のフック部947は、前述したように、発射操作装置ベース部900の取付けリブ906に対して、前面カバー固定部材907とともに一体的にネジ止めされており、一方、リターンバネ946の他端側のフック部(図示略)は、図6に示すように回動操作部940の前面内周に形成された係合部948に引掛けられている。
【0046】
そして、回動操作部940の前面側には、円板状の軸受けベース盤950が配設され、回動操作部940の中空軸943の先端が回転自在に支持されており、また回動操作部940の前面側への抜け止めがなされている。
すなわち、軸受けベース盤950は、前述の取付けリブ903,904,905に対応する位置に貫通孔951,952,953が形成され、図示省略したネジをこれら貫通孔から挿通し各取付けリブの先端のネジ穴に捩じ込むことにより、発射操作装置ベース部900に対して固定状態に取付けられている。
そして、この軸受けベース盤950の中心線上には、軸受けボス954が形成され、この軸受けボス954に裏面側から前述の中空軸943の先端部が回動自在にはまりこむことにより、回動操作部940ががたつきなく保持され円滑に回動可能となり、しかも前面側への脱落が阻止される。なお、軸受けボス954の内周と、中空軸943の先端部外周との間には、例えばリング状の固体軸受けを介装させるようにしてもよい。
なお、この軸受けベース盤950には、前述の取付けリブ906に対応する位置に、開口955が形成されており、この開口955から、前述の前面カバー固定部材907(特にネジ孔907bが形成された片状部分)が前面側に突出するように構成されている。
また、この軸受けベース盤950の前面における軸受けボス954の周囲には、図6に示す如く、この場合三つの係合部956が所定間隔で形成され、これらそれぞれに後述する前面カバー取付けベース盤970の係合部972(図7に示す)が回動操作により係合可能となっている。
【0047】
(c)前面カバー部の構成
次に、図7により前面カバー部960の構成を説明する。
前面カバー部960は、全体としてカップ形の合成樹脂一体成形品であり、開口した裏面側に、円板状の前面カバー取付けベース盤970がはめ込み状態に取付けられる。
すなわち、前面カバー部960の内周側には、三つの取付けリブ961が裏面側に突設され、ネジ962を前面カバー取付けベース盤970に形成された取付けボス971の貫通孔にそれぞれ挿通して、各取付けリブ961の端面のネジ穴に捩じ込むことにより、前面カバー取付けベース盤970が前面カバー部960内に取付けられている。
そして、前面カバー部960の内部の、前面カバー取付けベース盤970の奥側には、スピーカー963及び振動発生器964(振動発生装置)が収納されている。
スピーカー963は、外周縁に、各取付けリブ961の外周がはまり込む半円形の切り欠き963aが形成され、前面カバー部960の内部(各取付けリブ961の内側)に、前面カバー取付けベース盤970と略平行にはめ込まれ、後面側を前面カバー取付けベース盤970に当接保持されて、収納されている。
振動発生器964(振動発生装置)は、例えば圧電材料等を利用した振動子や、ソレノイドよりなるもので、前面カバー部960の内面における一側部に形成された凹部965にはめ込まれ、図7に示す取付け部材966により固定されて取付けられている。すなわち、凹部965にはめ込まれた振動発生器964を跨ぐように取付け部材966を配置し、図示省略したネジを取付け部材966の両側に形成された貫通孔967に挿通し、凹部965の両側に形成されたネジ穴968に捩じ込むことにより、固定される。
また、前面カバー部960の内面における他側部には、前述の前面カバー固定部材907のネジ孔907bに対応する貫通穴969が形成されている。
【0048】
そして、前面カバー取付けベース盤970の裏面には、前述の軸受けベース盤950の三つの係合部956にそれぞれ対応する三つの係合部972が形成され、前面カバー取付けベース盤970の裏面を軸受けベース盤950の前面に接合させた状態で、前面カバー部960全体を一方向に回転させるとこれら係合部956と係合部972がそれぞれ相互に係合し、前面カバー取付けベース盤970が(即ち、前面カバー部960が)前面側に外れなくなる。
さらに、この係合状態においては、前述の前面カバー固定部材907のネジ孔907bが、前面カバー部960の貫通穴969に対向する位置に位置決めされるように構成されており、この貫通孔969に挿通したネジ(図示省略)をネジ穴907bに捩じ込めば、前面カバー部960が発射操作装置ベース部900に対して軸方向にも回転方向にも固定されるようになっている。
なおこの取付け状態において、スピーカー963の配線963bや振動発生器964の配線964aは、例えば前面カバー取付けベース盤970に形成された開口(図示省略)や、軸受けベース盤950の前述の開口955等を経由して、発射操作装置ベース部900の基端面に形成された貫通孔(図示略)から引出され、さらに前面パネル14裏面のヒンジ側を経由して、最終的に前述の役物制御回路400又は発射制御回路630に接続されている。なお、スピーカー963及び振動発生器964(振動発生装置)の制御(ハンドル演出処理)については後述する。
【0049】
また、前面カバー部960の表面には、タッチ検出器960aが形成されている。これは、例えば真空蒸着或いはメッキ等により前面カバー部960の表面に形成された導電性の膜よりなり、ここに遊技者の手が接触することによる静電容量の変化を検出することにより、遊技者の手の接触を検出するもので、ネジ穴907bに捩じ込まれる前述のネジと前面カバー固定部材907とを介して前述の信号線908の端子908aに電気的に接続されている。
【0050】
(d)発射操作ノブの取付け構造
なお、発射操作ノブ26は、例えば発射操作装置ベース部900の小径部901が、前面パネル14に形成された嵌合穴14a(図5に示す)にはめ込まれ、この小径部901の基端面に形成されたネジ穴に捩じ込まれるネジによりビス止めされることにより、前面パネル14に図5に示す如く取付けられる。
【0051】
(e)発射操作ノブの動作
次に、上記発射操作ノブ26の動作について説明する。
まず、前面カバー部960の表面に遊技者が手を触れると、前述のタッチ検出器960aの静電容量が変化し、これがタッチ検出信号となって発射制御回路630に入力される。
また、回動操作部940が操作されずに非操作位置にあるときには、回動操作部940の裏面に設けられた突起が、単発スイッチ操作部材923の受圧片926を内側に押圧し、単発スイッチ操作部材923の押圧片が単発スイッチ930の操作片931を押圧した状態となる。この状態の単発スイッチ930の接点出力が発射停止信号として発射制御回路630に入力される。
そして、回動操作部940が時計回りに回動操作され、非操作位置の近傍範囲から外れると、回動操作部940の裏面に設けられた突起が単発スイッチ操作部材923の受圧片926を押圧する位置から離れ、単発スイッチ操作部材923の押圧片も、単発スイッチ930の操作片931の復元力により、その操作片931を押圧する位置から離れる。すると、単発スイッチ930の接点出力が切替わり、これが発射開始信号として発射制御回路630に入力される。
またこの際、単発スイッチ操作部材923が、操作片931の復元力により外側に揺動すると、単発スイッチ操作部材923の押圧操作部が、前述した発射操作装置ベース部900の切り欠き902aから突出する。
さらに、回動操作部940が時計回りに回動操作された上記状態において、発射操作装置ベース部900の切り欠き902aから突出する単発スイッチ操作部材923の押圧操作部が遊技者の操作により押込まれると、単発スイッチ操作部材923の押圧片が単発スイッチ930の操作片931を押圧する位置に保持されるので、発射開始信号は出力されない。
また、回動操作部940が時計回りに回動操作されると、これと一体的に発射ボリューム912の入力軸913が回動し、回動操作量に応じた発射強度信号が出力される。
そして、発射制御回路630では、これらの信号を受けて、後述の発射制御処理或いはハンドル演出処理を行う。
【0052】
E.制御系の構成
次に、図8は本例のパチンコ装置における制御系のブロック図である。なお、賞球の排出等を行う排出制御についての制御系の図示及び説明は繁雑になるので省略する。
図8において、この制御系は大きく分けると、役物制御回路400、発射制御回路630、表示制御回路380、及びこれら各制御回路に接続される役物やセンサ或いは表示器等の各種機器によって構成される。
役物制御回路400は、マイクロコンピュータを含む回路で、前述の図4に示すように、この場合遊技盤10の裏面に取付けられたボードユニットにより実現されている。
この役物制御回路400は、図8に示すように、パチンコ遊技等に必要な制御を行う役物用IC411と、制御プログラム等を格納しているROM412と、水晶の発振周波数を分周して役物用IC411の基本クロックを得る分周回路と、役物用IC411等に必要な電源を供給する電源回路414と、各種情報信号を受け入れるローパスフィルタ415と、ローパスフィルタ415からの信号をバス416を介して役物用IC411に出力するバッファゲート417と、役物用IC411からの信号をバス416を介して受ける出力ポート418と、出力ポート418を介して入力される制御信号をドライブして各種駆動信号を生成して各機器に出力するドライバ419と、遊技に必要な効果音を生成する(あるいは音声合成を行ってもよい)サウンドジェネレータ420と、サウンドジェネレータ420からの音声信号を増幅するアンプ421とによって構成される。
ここで役物用IC411は、遊技制御のために必要な演算処理を行うCPU431と、ワークエリアの設定や制御に必要なデータの一時記憶等を行うRAM432とを内蔵している。
【0053】
サウンドジェネレータ420により生成された効果音は、アンプ421により増幅されて、例えばガラス枠13又は前面パネル14等に設けられたスピーカー433(図8のみに示す)から、或いは、発射操作ノブ26内に設けられた前述のスピーカー963から放音される。なお、ハンドル演出処理におけるスピーカー963からの効果音出力については後述する。
ローパスフィルタ415には、始動スイッチ441、カウントスイッチ442、継続スイッチ443、及び確率設定装置444からの信号が入力されている。なお、ローパスフィルタ415からCPU431に取込まれる信号については、CPU431でソフト的に2回読み込む処理を行うことにより、ノイズの時定数等を考慮し、チャタリング防止を図っている。
始動スイッチ441は、前述したように、特定入賞装置230に玉が入賞したことを検出し、カウントスイッチ442は、変動入賞装置250の大入賞口252に入った全ての玉を検出し、継続スイッチ443は、大入賞口252に入った玉のうちV入賞した玉を検出する。確率設定装置444は、大当りとなる確率を設定変更(通常3段階)するためのもので、パチンコ機自体に設けられたスイッチ等(図示省略)により構成されていてもよいし、ホールの管理装置から入力される構成でもよい。
ドライバ419からは、変動入賞装置250の大入賞口252の開閉動作を駆動するソレノイドや、各種装飾ランプ451(例えばガラス枠13の前述の上部ランプカバー15a等に設けられたもの)や、始動記憶表示器452や、外部情報端子453に制御信号が出力される。
ここで、始動記憶表示器452は、例えば遊技盤10の前面の遊技領域に設けられた複数のLED(図示略)よりなり、始動記憶の数を表示するものである。また、外部情報端子453は、例えば大当り回数等の遊技情報をホールの管理コンピュータに送信するための中継端子で、この場合例えば前述した中継基板390に設けられている。
【0054】
表示制御回路380は、役物用IC411から命令やデータを受けて可変表示装置220aの図柄を可変作動させるための制御を行うものである。
発射制御回路630は、発射操作ノブ26内に設けられた前述の単発スイッチ930、タッチ検出器960a、発射ボリューム912からの信号に基づいて、発射装置620のロータリーソレノイド622を駆動する発射制御(後述する)を行う。
また発射制御回路630は、図8に点線で示すように、発射操作ノブ26内のスピーカー963に対して音声信号を出力する音声出力回路630aや、発射操作ノブ26内の振動発生装置964や発光表示部材935に対して駆動信号を出力するドライバ630bを備えて、例えば後述のハンドル演出処理(図10に示すもの)を行う構成としてもよい。
【0055】
F.制御系の動作
次に、上記制御系により行われるパチンコ機の制御について説明する。
(a)発射制御
まず、発射制御の概要について説明する。発射制御は、発射制御回路630により行われる。
すなわち、発射操作ノブ26を人が握ったことがタッチ検出器960aにより検出されてタッチ検出信号が入力され、かつ、回動操作部940が時計回りに回動させられて、単発スイッチ930の接点出力が切替わって発射開始信号が入力されると、発射制御回路630は、その際の発射ボリューム912の出力値に応じて発射装置620のロータリーソレノイド622を間欠的に励磁する。これにより、発射操作ノブ26の回動操作部940の回動操作量に応じた強さで杵部材624の杵先が発射玉に打ちつけられ、順次玉が遊技領域に打込まれる。
なお、発射操作ノブ26が握られてタッチ検出器960aによりタッチ検出信号が出力されており、かつ、回動操作部940が時計回りに回動させられていたとしても、前述の単発スイッチ操作部材923の押圧操作部が押圧操作されて、単発スイッチ930の操作片931を押圧する位置に保持されると、発射開始信号は出力されず、この場合発射制御回路630は、発射装置620のロータリーソレノイド622の駆動を停止し、玉の発射を停止する。
【0056】
(b)遊技制御
次に、遊技制御の概要について説明する。パチンコ機の遊技制御は、役物用IC411を初めとする役物制御回路400により行われる。
始動スイッチ441からの信号により、特定入賞装置230に玉が入ったことを検知した役物制御回路400は、可変表示装置220aの表示図柄を回転させるとともに、所定の大当り確率に基づいて、所定のタイミングで乱数抽出等を行って特別遊技状態(大当り状態)を発生させるか否かの判定処理を実行し、さらに可変表示装置220aの停止図柄を決定して、これに応じて可変表示装置220aの表示図柄を変化させる。
例えば、大当りと決定した場合には、可変表示装置220aの表示図柄を最終的にゾロ目(例えば「777」)で停止させ、大当りでない場合には、表示図柄をゾロ目以外の状態(例えば「227」)で停止させる。
なおこの際の大当り確率の設定は、例えば乱数抽出において大当りとなる数字の設定数の増減等により行われる。この大当り確率は、いわゆる確率変動を行わないノーマル機においては確率設定装置444の設定に基づく一定値であるが、いわゆる確率変動機と呼ばれる機種の場合には、役物制御回路400の遊技制御中の処理において、遊技状態に応じて自動的に設定変更され増減する。例えば、大当りしたときの表示図柄が、所定の確率変動図柄であることを条件に、その後の大当り確率を一定期間増加させる等の処理が行われる。
また、可変表示装置220aの表示図柄の回転を停止させる際には、所定の条件によりリーチ発生か否かを決定し、リーチ発生の場合には所定のリーチアクションを行う。例えば、大当りを発生させないと決定した場合でも、決定された停止図柄の左右が等しい場合(例えば「232」)には、まず、左右の図柄を所定の停止図柄(「2」)に停止させた後、中央の図柄をゆっくり回転させた後、最終的に所定の停止図柄(「3」)に停止させるという表示動作を行って、遊技のスリル等を高める演出を行う。なおこの際、役物制御回路400の制御により、装飾ランプ451が点灯又は点滅されることによっても、或いはスピーカー433から効果音が放音されることによっても、このリーチアクションの演出が行われる。
なお、このリーチアクションとしては、上記例に限られず各種の態様がありうる。例えば可変表示装置220aに、所定のキャラクターであるパイロットが搭乗した戦闘機が、表示された数字等の特定の図柄を撃墜することで、特定の位置の図柄が変化してゆくようなイメージを表示するもの(いわゆるシューティング表示)であってもよい。
【0057】
そして、前述の判定で大当りと決定し、可変表示装置220aの表示図柄を最終的にゾロ目(例えば「777」)で停止させると(即ち、大当りが発生すると)、役物制御回路400は以下の大当り処理を行う。すなわち、変動入賞装置250の大入賞口252を所定期間開放して開く動作を複数回連続させる。例えば、変動入賞装置250のカウントスイッチ442から検知される入賞球の数をカウントして所定数となったときに大入賞口252を閉じる処理を行い、また大入賞口252の開放中に継続スイッチ443の信号によりV入賞した玉があったことを判別した場合には、一定の限界に達するまで再度連続して大入賞口252を開放する処理を実行し、大当り状態を継続する。
なおこの大当り状態においても、役物制御回路400の制御により、装飾ランプ451が点灯又は点滅されることにより、或いはスピーカー433から効果音が放音されることによって、この大当り状態の演出が行われる。
また、特定入賞装置230に玉が入ったことを起因として行われる上記一連の処理中に、再度特定入賞装置230に玉が入り始動スイッチ441からの信号が入力された場合には、役物制御回路400は、一定の限界値までその回数を始動記憶値として記憶し、その値を始動記憶表示器452に表示する。
【0058】
(c)役物制御回路によるハンドル演出処理
次に、役物制御回路400によるハンドル演出処理を図9により説明する。
なおこのハンドル演出処理は、上記遊技制御の処理の一部であって、プログラム上では、上記遊技制御のメインルーチン(図示省略)、或いはその下位のサブルーチンに対するサブルーチンとして実行される処理である。そして、遊技制御のメインルーチンは、パチンコ装置の電源投入と同時に開始され、例えば最終ステップ終了後のリセット待ち処理において所定のサイクルタイムでハード的に割込みがかかって繰返し実行され、これに伴ってこのハンドル演出処理もメインルーチンの一部として繰返し実行される。
【0059】
このハンドル演出処理のサブルーチンが開始されると、まずステップS100でリーチ発生か否か判定され、リーチ発生であればステップS102,ステップS104,ステップS106に順次進み、リーチが発生していなければステップS108に進む。
ステップS102では、リーチ状態の演出のために、発射操作ノブ26内のLED936を点灯又は点滅させて、例えば多色発光演出表示を行う。具体的には、例えば通常のリーチにおいては緑色点灯表示を行い、いわゆる確変リーチの場合には、例えば赤色点灯表示を行う。なおここで確変リーチとは、前述の確率変動図柄(当たった場合に確率変動する図柄)でのリーチ状態のことをいう。
ステップS104では、リーチ状態の演出のために、発射操作ノブ26内のスピーカー963を駆動し、所定のリーチ演出音(例えば、音楽、効果音、音声合成による音声等)を出力する。なおこのリーチ演出音は、パチンコ装置本体側(即ち、例えば前述のスピーカ433)から出力するものと同じでも良いし、違う演出音を出力してもよい。また、パチンコ装置本体側で高音を出力し、発射操作ノブ26側で低音を出力してもよい。低音を出力すれば、この音による振動も発射操作ノブ26を介して遊技者の手に強く伝えられるようになり、より演出が効果的になる。また、通常リーチと確変リーチとで出力する演出音を異ならせてもよい。
【0060】
ステップS106では、リーチ状態の演出のために、発射操作ノブ26内の振動発生装置964が駆動される。例えば、上記演出表示やリーチ演出音に対応した振動を出力し、唯一遊技者の身体に接触する部分である発射操作ノブ26を介して、体感ゲーム感覚の振動を遊技者に伝える。具体的には、可変表示装置220aへのリーチ演出表示(リーチアクション)として、例えば前述したようなシューティング表示をした場合において、撃墜表示をしているときに、その撃墜の音を効果音として出力するとともに、その撃墜時の衝撃を表わす振動を振動発生装置964から出力させる。
また、この振動発生装置964による演出においても、通常リーチと確変リーチとでその内容を異ならせてもよい。例えば、確変リーチの場合には、通常リーチよりも強くて早い振動とする。
【0061】
ステップS108では、大当り発生か否か判定され、大当り発生であればステップS110,ステップS112,ステップS114に順次進み、大当りが発生していなければステップS116に進む。
ステップS110では、発射操作ノブ26内のLED936を点灯又は点滅させ、ステップS112では、発射操作ノブ26内のスピーカー963を駆動し、ステップS114では、発射操作ノブ26内の振動発生装置964を作動させて、リーチ発生時と同様に大当り状態の演出が行われる。ただし、演出の内容は、リーチ発生時と異なっていることが好ましい。
また、ステップS116では、確率変動中か否か判定され、確率変動中であればステップS118,ステップS120,ステップS122に順次進み、ステップS122を終了後メインルーチン等にリターンする。
ステップS118では、発射操作ノブ26内のLED936を点灯又は点滅させ、ステップS120では、発射操作ノブ26内のスピーカー963を駆動し、ステップS122では、発射操作ノブ26内の振動発生装置964を作動させて、確率変動中であることの報知が行われる。なおこの際、LED936の点灯制御等の具体的態様は、確率変動中であることを明確に報知するために、リーチ発生時等と異なり固有のものであることが好ましい。
このように、上記ハンドル演出処理によれば、各種の遊技状態(この場合、リーチ状態、大当り状態、確率変動状態)に応じて、発射操作ノブ26から発光表示、効果音の出力、あるいは振動の出力がなされ、より効果の高い演出や、より的確な遊技状態の報知が実現される。
【0062】
(d)発射制御回路によるハンドル演出処理
次に、発射制御回路630によるハンドル演出処理を図10により説明する。
なおこのハンドル演出処理は、前述した発射制御の処理の一部であって、プログラム上では、上記発射制御のメインルーチン(図示省略)或いはその下位のサブルーチンに対するサブルーチンとして実行される処理である。そして、発射制御のメインルーチンは、パチンコ装置の電源投入と同時に開始され、例えば最終ステップ終了後のリセット待ち処理において所定のサイクルタイムでハード的に割込みがかかって繰返し実行され、これに伴ってこのハンドル演出処理もメインルーチンの一部として繰返し実行される。
このハンドル演出処理のサブルーチンが開始されると、まずステップS130で発射装置620が作動中か否か判定され、作動中であればステップS132に進み、作動中でなければメインルーチン等にリターンする。
ステップS132では、飛距離調整が最大値よりも低い所定値以上か否か、即ち、例えば発射ボリューム912の出力値(発射操作ノブ26の回動操作量に比例した値)が最大値よりも低い所定値以上か否かが判定され、所定値以上であればステップS140に進み、所定値以上でなければステップS134,ステップS136,ステップS138に順次進み、ステップS138を終了後メインルーチン等にリターンする。
ステップS134では、ドライバ630bから発射操作ノブ26内の発光表示部材935に制御信号を出力し、発射球の飛距離が短距離であることを表わす光(短距離光)、例えば緑色の光を出力させる。
また、ステップS136では、音声出力回路630aから発射操作ノブ26内のスピーカー963に制御信号を出力し、発射球の飛距離が短距離であることを表わす音(短距離音)、例えば「ピューン…、ピューン…」といった弱い音を出力させる。
また、ステップS138では、ドライバ630bから発射操作ノブ26内の振動発生装置964に制御信号を出力し、発射球の飛距離が短距離であることを表わすパターンの振動(短距離振動)、例えば比較的強度が弱く、また周期が大きくてゆっくりな振動を出力させる。
【0063】
また、ステップS140では、飛距離調整は最大値に近いか否か、即ち、例えば発射ボリューム912の出力値(発射操作ノブ26の回動操作量に比例した値)が最大値に近い否かが判定され、最大値に近い値であればステップS148,ステップS150,ステップS152に順次進み、そうでなければステップS142,ステップS144,ステップS146に順次進み、ステップS152又はステップS146を終了後メインルーチン等にリターンする。
ステップS142では、ドライバ630bから発射操作ノブ26内の発光表示部材935に制御信号を出力し、発射球の飛距離が中距離であることを表わす光(中距離光)、例えばオレンジ色の光を出力させる。
また、ステップS144では、音声出力回路630aから発射操作ノブ26内のスピーカー963に制御信号を出力し、発射球の飛距離が中距離であることを表わす音(中距離音)、例えば「ビュン…、ビュン…」といった中程度の強度の音を出力させる。
また、ステップS146では、ドライバ630bから発射操作ノブ26内の振動発生装置964に制御信号を出力し、発射球の飛距離が中距離であることを表わすパターンの振動(中距離振動)、例えば強度や周期が中程度の振動を出力させる。
そしてステップS148では、ドライバ630bから発射操作ノブ26内の発光表示部材935に制御信号を出力し、発射球の飛距離が長距離であることを表わす光(長距離光)、例えば赤色の光を出力させる。
また、ステップS150では、音声出力回路630aから発射操作ノブ26内のスピーカー963に制御信号を出力し、発射球の飛距離が長距離であることを表わす音(長距離音)、例えば「ギュン、ギュン」といった力強い音を出力させる。
また、ステップS152では、ドライバ630bから発射操作ノブ26内の振動発生装置964に制御信号を出力し、発射球の飛距離が長距離であることを表わすパターンの振動(長距離振動)、例えば強度が比較的強く、周期が小さくて速い振動を出力させる。
このように、上記ハンドル演出処理によれば、発射装置620の遊技球の発射に関連した状態(この場合、発射球の飛距離)に応じて、発射操作ノブ26から発光表示、効果音の出力、あるいは振動の出力がなされ、より効果的な演出や、より的確な遊技状態の報知が実現される。
【0064】
以上のように本例では、発射操作装置である発射操作ノブ26の内部に、遊技機において発生する各種状態の電気的な報知或いは演出が可能な部材(発光表示部材935、スピーカー963、振動発生器964)を収納した。
また、発射操作ノブ26の回動操作部940を透明或いは半透明部材により成形し、この回動操作部940の内側に発光表示部材935を配置した。
また、発光表示部材935は、発射操作装置ベース部900に配設される電気的機器の取り付けベース盤910に配設した。
また、スピーカー963及び振動発生器964は、発射操作ノブ26の前面側をカバーする前面カバー部960の裏面側に配設した。
また、前記部材(発光表示部材935、スピーカー963、振動発生器964)は、前述の役物制御回路400の制御により、遊技状態(リーチ状態、大当り状態、確率変動状態)の電気的な報知等を行うものであり、或いは、前述の発射制御回路630の制御により、遊技球の発射に関連した状態(飛距離が短距離、中距離、長距離である状態)の電気的な報知等を行うものである
したがって、以下の効果を得ることができる。
【0065】
(1)発射操作ノブ26に設けられた部材(発光表示部材935、スピーカー963、振動発生器964)により、遊技機で発生する各種状態の報知や演出を行うから、遊技者が唯一遊技機に常時接触して、特に注目する箇所での報知や演出がなされることになり、遊技者にとって的確な報知や従来にない効果的な演出が実現される。
すなわち、遊技中には常時手で握っている状態の発射操作ノブ26が(即ち遊技者の手元が)、発光表示部材935の光により遊技状態や発射装置の飛距離に応じて輝き、或いは振動発生器964の作動により遊技状態や発射装置の飛距離に応じて振動する。またこの遊技者の手元から、遊技状態や発射装置の飛距離に応じてスピーカー963により音声が出力される。このため、遊技者は従来にない感覚や面白さを感じることになり、かつ確実に報知内容を認識する。
特に、遊技状態に応じた報知や演出である場合には、今までは、遊技領域等に設けられた表示機器等のみによりなされていたものが、遊技者の手元という奇抜で目立つ位置で行われるため、従来にない遊技の興趣が得られる。
また、遊技球の発射状態に応じた報知や演出である場合には、今まで無かった発射装置に関する報知や演出を、発射装置に関連した発射操作ノブ26で行うことになり、的確な報知や演出ができ、また斬新な演出となる。
【0066】
(2)発射操作ノブ26の回動操作部940を透明又は半透明として、その内部に発光表示部材935を備えて報知や演出表示を行うから、発光表示部材935の光は、この回動操作部940から外部に拡散されて放射されることになる。このため、単に発射操作ノブ26のベース部900等にランプ等を取付けた場合と異なり、回動操作される部分が中心となって光ることになって、より斬新で的確な光の演出又は報知が可能となる。
(3)発光表示部材935を、発射ボリューム912や単発スイッチ930等の電気機器が備えられる取り付けベース盤910上に備えることにより、電気機器の取り付けを集約化でき、高い組み付け作業性の確保や整然とした配線処理の実現が可能となり、また、発射操作ノブ26内部の狭い空間を有効的に利用して、小型さを確保できる。
(4)前面カバー部960の裏面側にスピーカー963や振動発生器964を備えたから、効率よく音声を出力可能となり、また、遊技者が最も接触する部分において効率よく振動を伝達できる。
【0067】
なお、本発明は上記形態例に限られず、各種の変形,応用があり得る。例えば、本発明の発光表示部材は、前面カバー部の裏面側に配置し、前面カバー部を透明又は半透明として、この前面カバー部から発光表示部材の光を放射する態様でもよい。
また、振動発生装置が取付けられる部分(例えば、前面カバー部)を、発射操作装置ベース部(固定部分)に対して、例えばゴム等の弾性部材により連結して、積極的に微動可能な構成とし、振動発生装置による振動がより円滑かつ効果的に発生するようにしてもよい。
また、発光表示部材935、スピーカー963、振動発生器964の制御(ハンドル演出処理)は、上述したように、役物制御回路400による制御と、発射制御回路630による制御の両者をそれぞれ行うようにしてもよいが、この態様に限られず、例えば上記二つの制御のうちの何れか一方のみを行う態様でもよい。
また、本発明の発光表示部材935、スピーカー963、振動発生器964の制御は、他の制御回路、例えば玉の排出を行う排出制御回路により行う構成でもよい。この場合、例えば賞球の排出と対応させて発光、放音、或いは振動出力等を行う。
また、不正行為を検出するセンサ(例えば外部からの不正操作用の電波を検出するセンサ等)を設け、このセンサの検出信号に基づいて、発射操作装置(ハンドル部)からの発光又は放音による警告を行うようにしてもよい。
【0068】
また、玉貸機の配置場所は上記例に限られず、例えば前面パネルの部分や皿前装飾体の部分に設けるようにしてパチンコ機と一体にしてもよい。
また、本発明はカードリーダを備えていないパチンコ機にも適用できるのは勿論である。
また、本発明に係わる遊技機は上記実施例のようなプリペイドカード方式のパチンコ機に適用する例に限らない。例えば、クレジット方式のパチンコ機にも適用することができる。遊技盤の構成、機種はどのようなものでもよい。
さらに、プリペイドカード方式でなく、全くカードを使用しないパチンコ機についても幅広く適用することが可能である。また、アレンジボール機や雀球遊技機にも適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、発射操作装置は、当該遊技機側へ取り付けられる発射操作装置ベース部と、発射操作装置ベース部に対して回動自在に設けられた回動操作部と、回動操作部の前面側をカバーする前面カバー部と、から構成され、発射操作装置ベース部は、小径部の先端側に大径部が形成され、大径部の前面側が開口するとともに、該大径部内の取付ベース盤が取り付けられて構成され、回動操作部は、透明或いは半透明部材により成形され、該回動操作部の裏面側の外周縁が発射操作装置ベース部の大径部の端縁外周を覆う状態で配設され、取付ベース盤の前面には発光表示部材が取り付けられ、発光表示部材は、回動操作部の内側であって、大径部の外周壁に形成された切り欠きに臨む位置に配置され、更に、前面 カバー部は、全体としてカップ型で、前面カバー部の内周側には複数の取付リブが裏面側に突設され、該各取付リブの端面にネジにより円盤状の前面カバー取付ベース盤が取り付けられて構成され、前面カバー部の内部に振動発生装置が収納され、振動発生装置は、前面カバー部の内面における一側部に形成された凹部にはめ込まれて取付部材により取り付けられているので、遊技者が唯一遊技機に常時接触して、特に注目する箇所での報知や演出がなされることになり、遊技者にとって的確な報知や従来にない効果的な演出が実現される。
また、発射操作装置の回動操作部を透明或いは半透明部材により成形し、この回動操作部の内側に発光表示部材を配置することにより、遊技中には常時手で握っている状態の発射操作装置が(即ち遊技者の手元が)、発光表示部材の光により各種状態に応じて輝くから、遊技者は従来にない感覚や面白さを感じることになり、かつ確実に報知内容を認識する。
また、発射操作装置の回動操作部を透明或いは半透明部材により成形し、この回動操作部の内側に発光表示部材を配置した場合には、発光表示部材の光が、この回動操作部から外部に放射されることになる。このため、単に発射操作装置のベース部等にランプ等を取付けた場合と異なり、回動操作される部分が光ることになって、より斬新で的確な演出又は報知が可能となる。
発光表示部材を、発射操作装置ベース部に配設される電気的機器の取り付けベース盤に備えた場合には、電気機器の取り付けを集約化でき、高い組み付け作業性の確保や整然とした配線処理の実現が可能となり、また、発射操作装置内部の狭い空間を有効的に利用して、小型さを確保できる。
【0070】
また、前面カバー部に振動発生装置を備えることにより、遊技中には常時手で握っている状態の発射操作装置が(即ち遊技者の手元が)、振動発生装置の作動により各種状態に応じて振動する。このため、遊技者は従来にない感覚や面白さを感じることになり、かつ確実に報知内容を認識する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例であるパチンコ機の全体を示す正面斜視図である。
【図2】同パチンコ機の遊技盤及び遊技盤収納枠を示す分解斜視図である。
【図3】同パチンコ機の遊技盤の裏面構成を示す斜視図である。
【図4】同パチンコ機の遊技盤収納枠の裏面構成を示す斜視図である。
【図5】同パチンコ機の発射操作装置(発射操作ノブ)の外観を示す斜視図である。
【図6】同パチンコ機の発射操作装置(発射操作ノブ)の内部構成を示す分解斜視図である。
【図7】同パチンコ機の発射操作装置(発射操作ノブ)の内部構成を示す分解斜視図である。
【図8】同パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図9】同パチンコ機の役物制御回路によるハンドル演出処理を示すフローチャートである。
【図10】同パチンコ機の発射制御回路によるハンドル演出処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 遊技盤
11 遊技盤収納枠
12 機枠
13 ガラス枠
14 前面パネル
26 発射操作ノブ(発射操作装置)
620 発射装置
900 発射操作装置ベース部
910 取付けベース盤
940 回動操作部(操作部)
960 前面カバー部
963 スピーカー
964 振動発生器(振動発生装置)
935 発光表示部材
Claims (1)
- 遊技球の発射装置と、前記発射装置による遊技球の発射状態を変更可能な発射操作装置とを備えた遊技機において、
前記発射操作装置は、
当該遊技機側へ取り付けられる発射操作装置ベース部と、
前記発射操作装置ベース部に対して回動自在に設けられた回動操作部と、
前記回動操作部の前面側をカバーする前面カバー部と、
から構成され、
前記発射操作装置ベース部は、小径部の先端側に大径部が形成され、大径部の前面側が開口するとともに、該大径部内の取付ベース盤が取り付けられて構成され、
前記回動操作部は、透明或いは半透明部材により成形され、該回動操作部の裏面側の外周縁が前記発射操作装置ベース部の大径部の端縁外周を覆う状態で配設され、
前記取付ベース盤の前面には発光表示部材が取り付けられ、
前記発光表示部材は、前記回動操作部の内側であって、前記大径部の外周壁に形成された切り欠きに臨む位置に配置され、
更に、前記前面カバー部は、全体としてカップ型で、前面カバー部の内周側には複数の取付リブが裏面側に突設され、該各取付リブの端面にネジにより円盤状の前面カバー取付ベース盤が取り付けられて構成され、
前記前面カバー部の内部に振動発生装置が収納され、
前記振動発生装置は、前記前面カバー部の内面における一側部に形成された凹部にはめ込まれて取付部材により取り付けられていることを特徴とする遊技機。
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