JP4261780B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ遊技機に関し、更に詳しくは、「大当たり」状態を大当たり乱数値により決定制御するパチンコ遊技機においてその大当たり乱数値を外部から認識できないようにした不正防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ遊技機においては遊技盤面上に各種入賞口が設けられ、遊技者はこれらの入賞口に遊技球を入賞させることによって一定数の賞品球(以下「賞球」という)払出しを得るものである。この入賞口の中には普通図柄表示装置や特別図柄表示装置を変動させる入賞口が設けられ、その入賞口への入賞によって複数の図柄(数字や絵模様等)が変動し、該表示装置に表示される停止図柄の組合せによっては「大当たり」と称される条件装置が働き、遊技盤面下方に設けられる大入賞口が連続して開口され、その間に多数の入賞が得られ遊技者に大量の賞球が払出されるものである。
【0003】
しかし、この様な遊技機における「大当たり」状態は、「大当たり」が発生する確率及びその判定値を主制御基板に内蔵される中央演算装置(CPU)により制御指示することによって得られる。そしてこの制御指示は、乱数を用いたポインタやカウンタの値と予め設定された「大当たり」の値が一致するか否かで判定することから、該ポインタやカウンタの値がパターン化し易く、確率及び判定値も単一化してしまう等の問題があった。
【0004】
この問題を解決すべく、特開平7−155436号公報には、制御回路に設けられた乱数列ポインタの変化によって乱数列が変化し、順番ポインタの変化によって乱数列中に読み出す乱数の順番を変化させることによって当たりの確率を遊技状況に応じて変化させる様にした技術が開示されている。この公報ののものによれば、乱数列を指定するポインタと乱数列中の順番を指定するポインタを有し、これらを時間カウンタによって増分処理し、乱数値を設定するものである。
【0005】
又、特開平8−129480号公報には、制御回路に設けられた演算回路にて乱数生成演算を行い、一様乱数を発生させる乱数生成用ICを用いて動作制御を行うパチンコ遊技機が開示されている。この遊技機によれば、演算タイミング制御部によって発せられたタイミング信号に基づいて乱数生成演算を行い、インターフェイス部を介して外部の制御装置に乱数データを出力して制御が行われるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−155436号公報及び特開平8−129480号公報に開示されたものは、何れも「大当たり」を判定する値は変動することなく、遊技状況に応じて変動する乱数値を細分化して設定可能な方法にとどまり、「大当たり」を判定する値を変動させるには至っていない。その為、制御信号やカウンタ及びポインタから発せられる信号を検知すれば「大当たり」の設定値が認識できることから、不正基板を取付けて故意に「大当たり」状態を発生させることにより、大量の賞球の不正授受が発生する問題があった。
【0007】
尚、上記不正基板を用いて不正に「大当たり」発生させる方法を図11のフローチャートにて示す。不正な制御基板として用いられるいわゆる「ぶら下げ基板」は、ROM及びRAMが内蔵されたCPU等によって構成され、遊技機の裏面に備えられた主制御基板から第1種始動口用スイッチ及び主制御基板の割り込み周期やスイッチ等に送られる、信号を取得するものである。その為、前記主制御基板と各々信号が取得できる位置に外部からバイパスして設置される。
【0008】
その作動は、遊技機本体の電源が「ON」となると同時に作動し(S100)、前記割り込み信号に対して監視を開始する(S102)。そして、リセット割り込みが発生する毎に主制御基板に内蔵されたカウンタ値に「1」ずつ加算されると、「ぶら下げ基板」同様に「1」ずつカウンタ値を加算していく(S104)。この時遊技者は通常に遊技を行うが(S106)、一定条件を用いた、いわゆる「セット打法」を開始する(S108)。「セット打法」とは、遊技盤面上に設けられた第1種始動入賞口に一定数の遊技球を入賞させた後、一旦遊技を止め一定時間(例えば3分)待機した後に再度遊技を開始する(S110)。そして、再び一定数の遊技球を入賞させて一定時間が経過するのを待つ(S112)。
【0009】
この操作を数回行うことによって「セット完了」し(S114)、次に遊技球が入賞することによってスイッチが「ON」になるタイミングを制御する(S116)。この制御によって第1種始動口用スイッチは「ON」となり「大当たり」が発生する(S118、S120)。
【0010】
本発明の解決しようとする課題は、大当たり発生の有無の判定に用いられる大当たり値を乱数カウンタに対応する大当たり値決定テーブルの数値を基に設定すると共に、大当たり値を変更可能なものとし、これにより不正を防止して公平且つ遊興性の高いパチンコ遊技機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明に係るパチンコ遊技機は、請求項1に記載されるように、任意の複数の数値をカウント範囲としてカウント更新する乱数カウンタ(RND)と、任意の複数の数値をカウント範囲としてカウント更新する乱数Aカウンタと、始動入賞口へ入球した遊技球を検出した時点における前記乱数Aカウンタの数値と前記乱数カウンタ(RND)の数値を記憶する乱数記憶手段と、前記乱数Aカウンタの前記複数の数値に対応する数値が設定された大当たり値決定テーブルとを備え、前記乱数記憶手段に記憶された乱数Aカウンタの数値に対応した前記大当たり値決定テーブルの数値を大当たり発生の有無を判定するための大当たり値として設定し、前記乱数記憶手段に記憶された乱数カウンタ(RND)の数値を大当たり判定値とし、前記大当たり値と前記大当たり判定値に基づいて、大当たり発生の有無を判定する大当たり判定を行い、前記大当たり判定値が前記大当たり値と一致した場合に大当たりと判定して大当たり遊技状態とすることを要旨とするものである。
【0013】
本発明による請求項1に記載のパチンコ遊技機によれば、乱数Aカウンタの数値に対応する数値が設定された大当たり値決定テーブルを備えると共に、記憶手段に記憶された乱数Aカウンタの数値に対応した前記大当たり値決定テーブルの数値を大当たり値として設定できることから、始動入賞口に入賞した遊技球の検出に基づいて大当たり値を変更することができる。これによって大当たり値の予測をすることが困難となり、従来のような不正な大当たり発生を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。図1は、本実施例のパチンコ遊技機の遊技機正面図、図2はその外観斜視図を示したものである。パチンコ遊技機10はパチンコ機本体側部を構成する外枠11と、パチンコ機前面部のベースとなる内枠12とを備え、その内枠12の額縁状に形成された開口内周縁には金枠13が嵌められると共に、その金枠13には遊技盤14の前面を覆うガラス扉15が開閉可能に設けられる。
【0015】
そしてガラス扉15の下方位置には、打球発射装置に供給される遊技球を貯留するための上受け皿16が取り付けられ、更にその下方には賞球の排出時に上受け皿16から溢れた球を貯留する下受け皿17が設けられている。尚、上受け皿16に設けられる球抜けボタン18の操作により上受け皿16内の遊技球が下受け皿17に向けて抜き落とされる。
【0016】
下受け皿17の図中右側位置には、遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する発射レバー20が設けられ、この発射レバー20には遊技球を一球毎に発射する為の単発スイッチ21が備えられる。前記発射レバー20は、その回動操作する量に応じて遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する程度が調整されると共に、一定回動位置の検出により発射電源が投入される。
【0017】
又、前記内枠12の上辺縁から図中右側辺縁には、合成樹脂製のレンズ体で構成される枠トップ飾り23が設けられ、この枠トップ飾り23の内部には、枠飾りランプ24,24…や前記ガラス扉15開閉用の鍵穴25の周囲を飾る鍵飾りランプ26が設けられる。
【0018】
遊技機10の一側には、プリペイドカードによる玉貸機(以下、「プリペイドカードユニット」と称する)30が設置される。このプリペイドカードユニット30は遊技機毎に各1台づつ設置される。又、前記上受け皿16には、該プリペイドカードによる遊技球の貸出し操作を行う為の球貸し操作部31が設けられ、この球貸し操作部31には、プリペイドカードによる球貸出しを操作する球貸出しボタン32、その球貸出しの可能状態を示す球貸出しボタンランプ33、プリペイドカードを排出させるカード返却ボタン34、プリペイドカードの残高表示、及びエラー表示を行う度数表示部35等が備えられる。
【0019】
プリペイドカードの使用に際しては、プリペイドカードユニット30に備えられるカード利用可表示ランプ36の点灯中にカード挿入口37にプリペイドカードを挿入し、金額設定ボタン38を操作することにより、貸出し金額(100円、200円、300円、500円等)を選択することができる。前記上受け皿16に備えられる球貸し操作部31の球貸出しボタン32を操作することにより、予め選択された金額の球技球が貸出される。
【0020】
前記内枠12の前面に設けられる遊技盤14は、遊技板に装着された金属製の内レール41、打球発射位置より弾発発射された遊技球を盤面に向けて誘導する外レール42、打球位置及び発射レールより転動し遊技盤面に至った球の跳ね返り作用により、再び打球が発射レールや打球位置に戻ることを防止するファール止43、弾発発射された遊技球の衝撃を吸収しつつ遊技板面下に向けて落下させる返しゴム44等によりその周囲が構成され、その内側に遊技領域が形成される。
【0021】
図3は、遊技盤面を拡大して示したものである。遊技盤14の遊技領域の中央やや上方には特別図柄表示装置2が設けられ、その中央部に3つの特別図柄表示部(左図柄表示部2a、中図柄表示部2b、右図柄表示部2c)が設けられる。特別図柄表示装置2の直下位置には第1種始動入賞口4が設けられ、更にその下方位置に通常は閉じている大入賞口6と、該大入賞口6が開放されたときに遊技球の入賞が可能となる特定領域入賞口8とを備える。
【0022】
そして、その左右には普通入賞口である左落とし入賞口11、右落とし入賞口12が設けられ、更に該表示装置2の上部には天入賞口16、左右側部には左袖入賞口18及び右袖入賞口20が備えられる。これらの入賞口に遊技球が入賞すると一定個数の賞球(例えば、第1種始動入賞口4及び天入賞口16は6個、左右落とし入賞口11,12、左右袖入賞口18,20は10個、大入賞口6は15個等)が払出される。
【0023】
前記特別図柄表示装置2の左側には遊技球が通過可能なゲート22が備えられ、遊技球が通過する毎に普通図柄表示装置24の図柄がセグデジタル表示で変動を開始する。ここでゲート22を通過した遊技球はカウントされ、普通図柄用記憶表示LED25において最大4個まで記憶されランプの点灯でもって表示される。
【0024】
尚、前記ゲート22は遊技球が通過したときに賞球(例えば6個)が払出されるようにしてもよい。又、遊技盤14面には、弾発発射された遊技球の落下方向を無作為に変更したり、打球の流下速度及び方向を変化させる風車26及びランプ風車27、袖下飾り28或いは単なる通過口29が設けられる。
【0025】
更に、遊技盤14には各種のランプが設けられ、一定の遊技状況の発生を受けて点灯点滅を行う。遊技盤14の左右にはサイドランプ30、又、遊技領域外上部には賞球の払出し動作時に点灯(点滅)し表示する球払出LED46、遊技機10の裏面に設けられたタンクやタンクレール上の遊技球が一定量以下になった場合に点灯(点滅)し、その旨表示する球切れLED47が備えられている。更に前記特別図柄表示装置2の両側には、特別図柄用記憶表示LED42a〜42dが設けられ、最大4個まで記憶されランプの点灯でもって表示される。
【0026】
そして、前記発射装置20により遊技盤14面に発射された遊技球が第1種始動入賞口4に入賞すると、特別図柄表示装置2の各表示部2aから2cの特別図柄が変動を開始する。そして一定時間が経過すると変動は停止し、その時に表示された図柄の組合せが全て一致した時には、いわゆる「大当り」と称せられる特別遊技状態が得られ条件装置が作動する。
【0027】
上記条件装置が作動すると大入賞口6が一定時間開放され、開口した大入賞口6に遊技球が入賞すると賞球が払出される(例えば15個)。そして遊技球が特定領域入賞口8を通過すると、役物連続作動装置が作動し大入賞口6の開放動作終了後に再び大入賞口6が開放される。この大入賞口6が開放される間に一定個数の遊技球(例えば10個)が入賞する都度、開放動作時間中であっても大入賞口6は一旦閉じられ、
【0028】
一定のインターバル時間(例えば、3〜4秒)経過後、次の開放動作へ移行する。尚、この「大当り」の遊技状態における連続開閉作動は最高作動回数が決められ、この回数内で作動を繰り返す。但し、大入賞口6が開放動作中に遊技球が特定領域入賞口8を通過しなかった場合、その大入賞口6の開放動作の終了後、新たにその大入賞口6が開放されることはなく、これにより「大当り」の状態は終了する。
【0029】
尚、第1種始動入賞口4への入賞個数は4個まで記憶され、その個数分特別図柄表示装置2の左右に設けられる特別図柄用記憶表示LED42a〜42dが点灯する。そして、この特別図柄用記憶表示LED42a〜42dに表示される個数分、特別図柄表示装置2の各表示部2a、2b、2cの図柄変動停止が繰り返される。
【0030】
特別図柄表示装置2の直上位置には、7セグメントデジタル表示の普通図柄表示装置24が設けられる。この普通図柄表示装置24の図柄は、遊技盤14面の特別図柄表示装置2の左側に設けられたゲート22を遊技球が通過すると変動を開始する。そして、一定時間が経過すると変動停止して表示図柄が確定し、その図柄に応じた時間分、前記第1種始動入賞口4が開放動作を行う。この開放中に第1種始動入賞口4に遊技球が入賞すれば、入賞個数分だけ前述の特別図柄表示装置2の特別図柄の変動開始回数が増えることになる。
【0031】
前記ゲート22を通過した遊技球の個数は4個まで記憶され、その個数分普通図柄表示装置24の隣に設けられる普通図柄用記憶表示LED25a〜25dが点灯する。そして、記憶表示LED25a〜25dが点灯した個数分、普通図柄の変動と停止が繰り返される。
【0032】
図4は遊技機10の裏面図、図5はその外観斜視図である。遊技機10の裏面に設けられる機構板76面の上方位置に、遊技場の島から供給される遊技球を一時貯留する賞球タンク77が設けられると共に、該賞球タンク77に連設されてタンクレール78が設けられ、このタンクレール78の賞球流下下端部分に同じく機構板76面に設けられる賞球払出機構部80が連設される。
【0033】
このタンクレール78には、前記賞球タンク77やタンクレール78上の遊技球の補給状態により作動される補給スイッチ81が設けられ、又、賞球払出機構部80の直前において賞球の欠乏を検出し、払出し機構の空動作を防止する空切り防止スイッチ82が設けられる。更に、賞球払出機構により払出された賞球が遊技機内で充満した場合に、これを検出する満タンスイッチ83或いは機内で充満した遊技球により係動され満タンスイッチ83を押動する満タンストッパ84等も備えられる。
【0034】
又、機構板76には遊技盤14面の各入賞口に入った入賞球(セーブ球)を一球毎に球切りして検出するセーフ球排出機構部85が設けられ、このセーフ球排出機構部85により検出されたセーブ球は、機外へ排出される。遊技機10の遊技板裏面は中央カバー86に覆われており、各入賞口に入ったセーフ球は、この中央カバー86が覆設される機構板76下部に形成されたセーフ球誘導路で集められてセーフ球排出機構部85へ導出される。
【0035】
そして、各種制御基板がこの機構板76には取付けられている。例えば、プリペイドカードに係わる情報を遊技機10の外部において処理するプリペイドカードユニット30と遊技機本体とを電気的に接続するCR外部接続端子基板87を含む外部接続端子97、発生したセーフ球の種別に応じて一定個数の賞球を賞球払出機構部80に払出し動作させる回路が装着されたCR賞球払出制御基板88、該CR賞球払出制御基板88とプリペイドカードユニット30及び球貸し操作基板が設けられる。
【0036】
更に度数表示基板(図2の球貸し操作部31に収容されている)との間に設けられ、プリペイドカードユニット30に挿入されたプリペイドカードの情報と、遊技機10の前面に設けられた球貸し操作部31への球貸し要求信号と球貸し状態を表示する度数表示情報と、球貸し情報に基づいてCR賞球払出制御部を司令制御する情報との授受を行うカードインターフェイス基板89が設けられる。
【0037】
又、前記CR外部接続端子基板87、カードインターフェイス基板89、CR賞球払出制御基板88の相互間においてカードデータ処理に係わる信号を中継するCR中継基板90、遊技機10の遊技盤14面で発生したセーフ球を検出して特別図柄表示装置2を駆動制御し、該特別図柄の表示態様を設定制御すると共に入賞の種別に応じて一定個数の賞球の払出し等を行う主制御基板91等がこの機構板76に取付けられている。そして、これら独立した各種基板が遊技機10に各々組み付けられた後、コネクタ配線を用いて互いに脱着可能に電気接続される。尚、遊技機10の外部のプリペイドカードユニット30と遊技機本体との間の情報の入出力は、カードインターフェイス接続部92を介して行われる。
【0038】
前記CR賞球払出制御基板88は、賞球の不足欠乏及び供給状態、排出状態の異常を検出すると共に払出し動作の停止と表示動作も行われるもので、ここには、CR賞球払出制御基板88や賞球払出機構部80等の賞球払出制御機構において遊技球の不足、球詰まり、回路操作異常、ソフトエラー等の異常が発生した場合にその旨を表示するエラー表示部93、或いはエラー状態が解除された場合に前記エラー表示部93を初期状態に復帰リセットさせるエラー表示リセットボタン94が設けられる。
【0039】
又、前記主制御基板91には、特定図柄表示装置2に発生する当たりの出現状態(確率)を3個のLEDにて表示する設定表示LED95、或いは前記当たりの出現確率を一定条件下のみ切替え可能に設定する確率モード設定スイッチ96が設けられる。
【0040】
遊技機10で発生した各種情報は、機構板76の上部片隅に設けられる外部接続端子97を介して遊技機外部の遊技場管理装置へ出力される。特別図柄表示装置2の図柄若しくは入賞装置の始動回数、一定図柄の確定により発生する「大当たり」の発生回数、遊技者に特別な利益状態を継続させる継続情報、当該パチンコ遊技機における当たりの出現確率、不正検出信号等の各種情報等が、この外部接続端子92を介して入出力される。
【0041】
更に機構板76の裏面下方隅寄り位置には、前記上受け皿16に供給された遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する打球発射装置100が備えられる。該打球発射装置100は打球発射モータ101の他、発射装置制御回路、打球槌、弾発力調整手段等により構成される。タッチ感度調整ボリューム102は、遊技者の打球発射操作ハンドルへの接触を検出して打球発射モータ101の電源を投入するタッチスイッチ回路の検出感度を調整し、遊技球発射調整ダイヤル103は、遊技盤14面へ向けての遊技球弾発力、飛走距離を遊技機の裏面側で調整設定する。
【0042】
又、打球発射装置100に近接して発射装置制御基板104が設けられ、これには打球発射モータ101の駆動制御回路及びタッチスイッチ回路が含まれる。該打球発射モータ101の駆動制御回路ではモータの回転速度、トルク、特に1分間に発射する打球間隔、速度等が設定される。
【0043】
尚、この遊技機10は電源プラグ106を介してAC100V電源に接続されている。又、前記外部接続端子97より引き出されたリード線107の端末にはコネクタ108が設けられ、このコネクタ108に脱着可能に継がれる電源プラグ109側の電源入力線を介してAC24V電源へ接続される。
【0044】
図6は、遊技盤裏面における賞球の流出経路を示したものである。図示されるように、第1種始動入賞口4、左落とし入賞口11、天入賞口16、左袖入賞口20に入賞した入賞球は、傾斜版状の入賞球集合路(入賞球集合板)50上に落下し、その傾斜位置に設けられる、同じ傾斜版上の入賞球誘導路(入賞球誘導版)51を介して入賞球排出機構部へ誘導される。又、第1種始動入賞口4、大入賞口6、特定入賞口8、右袖入賞口20、右落とし入賞口12に入賞した入賞球は、直接入賞球誘導路51上に落下し、入賞球排出機構部へ誘導される。
【0045】
前記第1種始動入賞口4の流出経路には、各々入賞を検知する第1種始動口用検出スイッチ52が設けられる。又、前記大入賞口6の流出経路には、該大入賞口6への入賞球数をカウントするカウント用スイッチ54が設けられ、特定領域入賞口8の流出経路には、特定領域入賞検出用スイッチ55が設けられる。更に前記ゲート22を遊技球が通過したことを検知する入賞口用スイッチ56が設けられる。
【0046】
そして、前記第1種始動口用検出スイッチ52から検出信号が発せられ、第1種始動入賞口4に入賞があったことが検知されると、特別図柄表示装置2が駆動する。又、前記カウント用スイッチ54から検出信号が発せられ、大入賞口6の1回の開放状態において10個の入賞球があったことが検知されると、該大入賞口6は閉じられる。更に大入賞口6の開放中に前記特定領域入賞口8に入賞球があったことが検知されれば、これらの動作は繰り返される。
【0047】
更に、入賞口用スイッチ56から検出信号が発せられた場合は、普通図柄表示装置24が駆動される。又、その他第1種始動入賞口4を開閉動作する普通電動役物開放用ソレノイド57、大入賞口6を開閉動作する大入賞口開放用ソレノイド58が設けられる。
【0048】
一方、前記天入賞口16及び左右袖入賞口18,20に入賞した入賞球の流路には入賞検出用スイッチ60が設けられ、これらのスイッチからの検出信号に基づいて賞球払出機構部より賞球が払出される。尚、左右落とし入賞口11,12の入賞球の流路には入賞検出用のスイッチは設けられていないが、入賞球払出機構部に設けられる入賞球検出スイッチ62によりトータルの入賞球数がカウントされることから、その個数差分だけの賞球が払出される。即ち、連続してセーフ球排出樋63を流下する賞球は、セーフ球排出樋63の途中に設置されたテコ部材65がセーフ球排出ソレノイド67に間欠的に揺動作用され、セーフ球排出樋63に貯留されている賞球が1個ずつ通過するが、その時に入賞用検出スイッチ60、カウント用スイッチ54、特定領域入賞検出スイッチ55から入賞信号が発せられていなければ、一定数(例えば10個)の賞球が払出される。
【0049】
図7は、各種制御基板の電気的接続関係を示す制御ブロック図である。この制御ブロック図に図示されるように、特別図柄表示装置2の特別図柄制御基板152は直接主制御基板91に接続され、普通図柄表示装置24の普通図柄表示装置基板154は中継基板162を介して主制御基板91に接続されている。また、特別図柄用記憶表示基板153a、153b、ゲートLED基板155a、155b、サイドランプ基板156、袖入賞口ランプ基板157a、157b、ランプ風車基板164a、164b、第1種始動口用スイッチ52、天飾りLED基板161等も中継基板162を介して主制御基板91に接続される。
【0050】
一方、大入賞口ランプ基板159a,159b、大入賞口LED基板160a、160b、第1種始動口用スイッチ52、カウント用スイッチ54、特定領域入賞検出用スイッチ55、普通電動役物開放用ソレイド57、大入賞口開放用ソレノイド58等は大入賞口基板158に接続されており、この大入賞口基板158が中継基板162を介して主制御基板91に接続される。
【0051】
更に前記主制御基板91は、CR外部接続端子基板87やCR賞球払出制御基板88と接続され、CR賞球払出制御基板88はCR中継基板90を介して賞球払出機構部80の賞球モータ131やフォトセンサ134、空切り防止スイッチ82等と接続される。又、CR賞球払出制御基板88には満タンスイッチ83、セーフ球排出ソレノイド141、セーフ球検出スイッチ142、金枠スイッチ163等が接続される他、発射装置制御基板104を介して発射レバー20、単発スイッチ21、発射モータ101が接続される。このCR賞球払出制御基板88は、カードインターフェース基板89を介してプリペイドカードユニット30と接続され、前述の球貸し操作基板及び度数表示基板に接続される。
【0052】
その他にも各種の制御基板、及び各種スイッチ類もこの制御回路内には設けられているが、図面に示すのみで説明は省略する。また、各制御基板間の電気信号の送受信関係や各種スイッチ類信号の入出力関係は矢印で示しており、重ねて説明することは割愛する。
【0053】
図8は、乱数カウンタを用いた大当たり値の設定及びその判定方法を示している。大当たり値を設定する「乱数Aカウンタ」は、「0」〜「M」迄の任意の数値が設定され(S10)、遊技機10に電源が投入された時点に初期値として「0」が入力され初期化され(S12)、その後常時カウント更新される。そして遊技盤面上に設けられた第1種始動入賞口4に遊技球が入賞すると、その入賞時点における「乱数Aカウンタ」の値をメモリに記憶する(S14)。ここで記憶された「乱数Aカウンタ」の値は、大当たり値を有する大当たり値決定テーブルから判定値を抽出するために用いられる。
【0054】
前記「乱数Aカウンタ」は、その各々の値に対応して「大当たり値決定テーブル」の値が設定されており、前記「乱数Aカウンタ」の値をメモリに記憶する際には、その値に対応した「大当たり値決定テーブル」の値を抽出する(S16、S17)。ここで抽出された値は、今回の遊技における大当たり発生か否かを判定する大当たり値として用いられ(S19)、この値をもって大当たり発生か否かが判定されることになる(S21)。
【0055】
例えば、前記「乱数Aカウンタ」の数値を「0、1、2」の3種類に設定したとする。そして第1種始動入賞口4に遊技球が入賞し、その時の「乱数Aカウンタ」の数値が「1」だった場合、この「1」はメモリに記憶されると共に、「大当たり値決定テーブル」からは該「1」に対応する値(例えば「17」)が抽出される。この「17」が今回の遊技状況における大当たり値として設定され、大当たり発生の有無の判定に用いられる(S23)。
【0056】
図9は、前記図8中に示した「更新処理」を詳細に示したフローチャートである。前記「乱数Aカウンタ」は、リセット割り込みが発生する毎に更新処理され、その値が変動する。尚、この「乱数Aカウンタ」の更新処理を行う際に必要な条件を表1((a)加算値決定用カウンタに対応する加算値)、(b)各値の設定範囲)に示す。そして図9(a)に示すように、「乱数Aカウンタ」の値はリセット割り込みの発生に伴って更新処理が開始され(S30)、遊技機10本体への電源投入と共にRAMには初期値「0」が与えられ初期化される(S32「YES」、S34)。このRAMの初期化に伴って、加算値「N」には初期値として「1」が与えられ、「RND」には初期値「0」が与えられる。この値を初期値として加算値決定用カウンタ「CNT1」の更新処理が行われる(S36)。
【0057】
【表1】
【0058】
但し、遊技機10本体への電源投入以外の場合は、前記「N」及び「RND」の値を初期化する必要はなく、そのまま「RND」の値の更新処理を行う(S32「NO」、S38)。そして前記「RND」の値を更新処理した後、「CNT1」の値の更新処理が行われる(S36)。
【0059】
ここで前記加算値決定用カウンタ「CNT1」の更新処理方法を図9(b)に示す(S36)。この「CNT1」には「0」から「6」迄の数値が設定され、、リセット割り込みが発生すると、その時点での「CNT1」の値に対応した「N」の値を得るものである。この「CNT1」は「0」を初期値として常時「1」ずつ加算し、その値が最大設定値である「6」に至れば「0」に戻り再度「1」ずつの加算を繰り返す(S40、S42、S44)。例えば、リセット割り込みが発生し「CNT1」の値が「3」であったとすると、「N」の値は「7」を得ることになる(表1参照)。
【0060】
次に前記「RND」の値の更新処理方法を図9(c)に示す(S38)。第1種始動入賞口4に遊技球が入賞すると、その入賞時点における「RND」の値はメモリに記憶される。但し「RND」の値が「0」であった場合は(S50「YES」)、「CNT1」に対応した「N」の値を抽出し、これを「RND」に加算する(S52,S54)。例えば、「CNT1」の値が「1」であった場合は「2」を、「4」であった場合は「11」を加算した値が「RND」の値となる。そして「RND」が「0」以外の値であった場合(S50「NO」)は、該「RND」の値に「N」を加算する(S54)。ここで「N」を加算した結果「RND」の値が「201」を越えてしまった場合(S56「YES」)は、この「RND」の値から「201」を減算して値を補正する(S58)。そしてこの補正が終了した場合、若しくは「RND」の値が「201」を越えていなければ(S56「NO」)、処理を終了する(S60)。
【0061】
図10は前記「RND」の値をメモリに記憶させる方法を示したフローチャートである。「RND」の値はリセット割り込みが発生する度に主制御基板91に備えられるEEPROMに記憶される。
【0062】
つまり、図10(a)に示すように、リセット割り込みが発生すると乱数更新処理が発生することになる(S70、S72)。図10(b)に示すように(S72)第1種始動入賞口4に遊技球が入賞すると、その入賞時点における「RND」の値はメモリに記憶される。但し、ここで前記「RND」の値が「0」であった場合は(S78「YES」)、「CNT1」に対応した「N」の値を抽出し、これを「RND」に加算する(S80,S82)(表1参照)。ここで「RND」の値が「0」以外であれば(S78「NO」)、該「RND」の値に「N」を加算する(S82)。ここで加算した結果「RND」の値が「201」を越えてしまった場合は(S84「YES」)、この「RND」の値から「201」を減算して補正する(S86)。そして補正処理が終了した場合、又は「RND」が「201」以下であった場合は(S84「NO」)、更新処理を終了する。
【0063】
前記「CNT1」は、図10(c)に示すように遊技球の入賞が検知され、その入賞に応じた処理が行われると共に(S90)、第1種始動口用スイッチ52が遊技球の入賞を検知する(S92)。この第1始動口用スイッチ52の通過による波形長から「CNT1」の値が設定されることになる(S92「YES」、S94)。但し、遊技球が入賞した入賞口が第1種始動口用スイッチ52が設けられる入賞口以外であった場合は(S92「NO」)、「CNT1」の値は得ずに処理は終了する。
【0064】
以上、実施例について説明したが、従来「ぶら下げ基板」を用いることによって不正に「大当たり」を発生させることができたものが、この実施例のように、主制御基板の乱数更新処理における更新方法を「+1」ずつではなく「+N」ずつとし、更に「大当たり」の判定を行う乱数カウンタ(RND)の初期値を変動して記憶することによって、外部から「乱数カウンタ」の値を予測及び認識することは困難となる。
【0065】
本発明は、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、乱数カウンタの値の設定範囲の増減、加算値の種類の増減、又、基板及びスイッチとの接続方式を遊技盤面へのコンセントプラグ式とし、更にその上面を絶縁体等のカバーを設けて基板コネクタコードを露出しない等の形状変更等は適宜可能である。それによって効果的に不正を防止できる。
【0066】
【発明の効果】
本発明のパチンコ遊技機は、乱数Aカウンタのカウント範囲の任意の複数の数値の各々に対応する数値が設定された大当たり値決定テーブルを備え、乱数記憶手段に記憶された乱数Aカウンタの数値に対応する大当たり値決定テーブルの数値を大当たり値として設定する構成を採用したことにより、始動入賞口に入賞した遊技球の検出に基づいて大当たり値を変更する事ができる。これによって大当たり値の予測をすることが困難となり、従来のような不正な大当たり発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態におけるパチンコ遊技機の遊技盤正面図である。
【図2】 その斜視図である。
【図3】 図1に示した遊技盤面における詳細図である。
【図4】 本遊技機における裏面図である。
【図5】 その斜視図である。
【図6】 本遊技機における賞球払出経路図である。
【図7】 本遊技機における各種制御基板の電気的接続関係を示す制御ブロック図である。
【図8】 本遊技機における「乱数カウンタ」を用いた「大当たり」の判定方法を示すフローチャートである。
【図9】(a)、(b)、(c) 本遊技機におけるリセット割り込み毎の「乱数カウンタ」の更新処理方法を示すフローチャートである。
【図10】(a)、(b)、(c) 本遊技機における「乱数カウンタ」の初期値を設定条件を契機に記憶させる更新処理方法を示すフローチャートである。
【図11】 不正操作を行う「ぶら下げ基板」を用いた場合の作動方法を示したフローチャートである。
【符号の説明】
2 特別図柄表示装置
4 第1種始動入賞口
10 遊技機
14 遊技盤
52 第1種始動口用スイッチ
91 主制御基板
Claims (1)
- 任意の複数の数値をカウント範囲としてカウント更新する乱数カウンタ(RND)と、任意の複数の数値をカウント範囲としてカウント更新する乱数Aカウンタと、
始動入賞口へ入球した遊技球を検出した時点における前記乱数Aカウンタの数値と前記乱数カウンタ(RND)の数値を記憶する乱数記憶手段と、
前記乱数Aカウンタの前記複数の数値に対応する数値が設定された大当たり値決定テーブルとを備え、
前記乱数記憶手段に記憶された乱数Aカウンタの数値に対応した前記大当たり値決定テーブルの数値を大当たり発生の有無を判定するための大当たり値として設定し、
前記乱数記憶手段に記憶された乱数カウンタ(RND)の数値を大当たり判定値とし、
前記大当たり値と前記大当たり判定値に基づいて、大当たり発生の有無を判定する大当たり判定を行い、前記大当たり判定値が前記大当たり値と一致した場合に大当たりと判定して大当たり遊技状態とすることを特徴とするパチンコ遊技機。
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2001
- 2001-04-10 JP JP2001111867A patent/JP4261780B2/ja not_active Expired - Lifetime
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