JP2003117120A - 遊技機、コンピュータプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

遊技機、コンピュータプログラムおよび記録媒体

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JP2003117120A
JP2003117120A JP2001320679A JP2001320679A JP2003117120A JP 2003117120 A JP2003117120 A JP 2003117120A JP 2001320679 A JP2001320679 A JP 2001320679A JP 2001320679 A JP2001320679 A JP 2001320679A JP 2003117120 A JP2003117120 A JP 2003117120A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抽選と、特別図柄の変動表示の開始とを遊技
者の操作により実行することにより、遊技者が自らクジ
を引いた感覚になることができる遊技機を実現する。 【解決手段】 遊技球が第1種始動口に入賞すると、大
当りかハズレかの抽選を行う権利が発生し、その数がR
AMに記憶される。この時点では、まだ抽選を行わない
で、ボタンM1〜M5を押したタイミングで抽選を行
い、特別図柄の変動表示を開始する。また、切替ボタン
A1の操作により、抽選をマニュアルとオートとに切替
えることができる。さらに、ボタンM1〜M5にはLE
Dが内蔵されており、その点灯により、抽選可能な回数
1〜5がボタン上に表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遊技球が所定の領域
を通過したことに基いて、遊技状態が遊技者に有利な遊
技状態に変化するか否かを抽選する遊技機、この遊技機
をコンピュータにより機能させるためのコンピュータプ
ログラムおよびそのコンピュータプログラムが記録され
た記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の遊技機として、たとえば
図12に示すパチンコ機が知られている。図12は従来
のパチンコ機を正面から見た概略説明図である。パチン
コ機500に設けられた操作ハンドル501を操作して
発射された遊技球が、第1種始動口502、あるいは、
両翼を開放した普通電動役物503に入賞すると、大当
りかハズレかの抽選がコンピュータにより行われる。そ
して、図柄表示装置504が画面上の横方向3個所にお
いて複数の図柄(たとえば、0〜9)を上下方向にスク
ロール表示し、所定時間経過後に3個所におけるスクロ
ールが停止し、抽選結果に対応した停止図柄が表示され
る。たとえば、抽選結果が大当りの場合は、大当り図柄
(たとえば、図12に示すように777)が表示され、
ハズレの場合は、ハズレ図柄(たとえば、776など)
が表示される。大当り図柄が表示されると、扉式の開閉
部材505が開作動し、大入賞口506が形成される。
そして、大入賞口506に遊技球が入賞すると、入賞球
1個に付き、所定個数(たとえば、15個)の賞球が上
受け皿508に払出される。また、大入賞口506に入
賞した入賞球の数が所定数(たとえば、10個)に達す
るか、あるいは、大入賞口506が開口してから所定時
間(たとえば、30秒)経過するか、いずれかの条件が
満たされると、開閉部材505が閉作動し、大入賞口5
06が閉口する。さらに、大入賞口506に入賞した遊
技球が大入賞口506の内部に設けられた特定領域50
7を通過すると、大入賞口506が連続して開口する権
利が発生する。このように、大入賞口506が開口して
から閉口するまでを1ラウンドとし、遊技球が特定領域
507を通過することを条件として、複数のラウンド
(たとえば、16ラウンド)の遊技を行うことができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
パチンコ機500は、遊技球が第1種始動口502、あ
るいは、両翼を開放した普通電動役物503に入賞した
時点で即座に大当りかハズレかの抽選がコンピュータに
より行われ、図柄の変動が開始される。また、図柄の変
動中に遊技球が第1種始動口502、あるいは、両翼を
開放した普通電動役物503に入賞した場合は、始動記
憶として最大4つまで記憶され、現在の図柄の変動が終
了すると、始動記憶に基いて次の図柄の変動が開始され
る。この場合も遊技球が第1種始動口502、あるい
は、両翼を開放した普通電動役物503に入賞したとき
に抽選が行われ、その抽選結果は記憶される。つまり、
上記従来のパチンコ機500は、遊技球が第1種始動口
502、あるいは、両翼を開放した普通電動役物503
に入賞したときに機械的に抽選が行われ、図柄の変動が
開始されてしまうため、機械の都合でクジを引かされて
いるようで、自ら所望のタイミングでクジを引くという
感覚がないという問題がある。また、従来のパチンコ機
500では、抽選が自動的に行われ、特別図柄の変動表
示が自動的に開始されるため、その抽選結果が大当りで
あり、大入賞口506が開口したときに、プリペイドカ
ードの残り度数がなくなったり、硬貨がなくなったりす
ると、大入賞口506に入賞させる遊技球がなくなって
しまうため、慌ててプリペイドカードを買いに行ったり
両替をしに行ったりしなければならないという問題もあ
る。この場合、大入賞口506の開口から30秒以内に
遊技球が特定領域507を通過しない場合は、最初のラ
ウンドで終了したしまうため、遊技者は、多大の利益を
獲得する機会を逸することになる。
【0004】そこでこの発明は、上記問題を解決するた
めになされたものであり、抽選と、画像の変動表示の開
始とを遊技者の操作により実行することにより、遊技者
が自らクジを引いた感覚になることができる遊技機を実
現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段・作用および効果】この発
明は、上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項
7に記載の発明では、所定の領域を通過した遊技球の通
過数を記憶する記憶手段と、この記憶手段に前記通過数
が記憶されていることを条件として、遊技状態が遊技者
に有利な遊技状態に変化するか否かを抽選する抽選手段
と、画像を変動表示した後に前記抽選手段による抽選結
果に対応する画像を表示する表示手段と、遊技者の操作
により、前記抽選手段に対して前記抽選を実行させ、か
つ、前記表示手段に対して画像の変動表示を開始させる
操作手段とを備えたという技術的手段を用いる。
【0006】遊技球が所定の領域を通過すると、その通
過数が記憶手段に記憶される。そして、遊技者が操作手
段を操作すると、抽選手段が、記憶手段に通過数が記憶
されていることを条件として、遊技状態が遊技者に有利
な遊技状態に変化するか否かの抽選を実行し、表示手段
が画像の変動表示を開始する。そして、表示手段は、抽
選結果に対応する画像を表示する。つまり、遊技者が操
作手段を操作することにより抽選が行われ、画像の変動
表示が開始されるため、遊技者が自らクジを引いた感覚
になることができる遊技機を実現することができる。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の遊技機において、前記操作手段は、前記記憶手段に
記憶されている通過数の範囲内での連続操作が有効であ
り、前記抽選手段は、前記操作手段が操作される毎に前
記抽選を行うという技術的手段を用いる。
【0008】つまり、遊技者が操作手段を連続して操作
することにより、記憶手段に記憶されている通過数の範
囲内で連続して抽選を行うことができるため、複数の抽
選の結果を早く知ることができる。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は請求項2に記載の遊技機において、前記記憶手段に記
憶される通過数に対応した複数の前記操作手段が備えら
れたという技術的手段を用いる。
【0010】つまり、記憶手段に記憶される通過数に対
応した複数の操作手段が備えられているため、遊技者
は、通過数に対応した操作手段を操作することにより、
記憶手段に記憶されている複数の通過数のうち、所望の
通過数に基いた抽選を行うことができる。したがって、
複数の抽選を行う権利の中から所望の権利を選択して抽
選を行うことができる。
【0011】請求項4に記載の発明では、請求項1ない
し請求項3のいずれか1つに記載の遊技機において、前
記記憶手段に記憶されている通過数は、前記抽選手段に
よる抽選の回数に対応して減少し、前記記憶手段に記憶
されている通過数を表示する記憶数表示手段が備えられ
たという技術的手段を用いる。
【0012】つまり、遊技者は、記憶数表示手段の表示
を見ることにより、記憶手段に記憶されている通過数を
知ることができる。
【0013】請求項5に記載の発明では、請求項1ない
し請求項4のいずれか1つに記載の遊技機において、前
記抽選結果表示手段は、複数の抽選結果に対応する表示
を連続して行う場合は、その表示を開始してから終了す
るまでの時間を短縮するという技術的手段を用いる。
【0014】つまり、複数の抽選結果に対応する表示を
連続して行う場合は、その表示を開始してから終了する
までの時間を短縮することができるため、遊技者は、複
数の抽選結果を早く知ることができる。
【0015】請求項6に記載の発明では、請求項1ない
し請求項5のいずれか1つに記載の遊技機において、前
記操作手段による操作の有効または無効を切替える切替
手段を備えており、前記抽選手段は、前記切替手段によ
り前記操作手段の操作が無効になった場合は、遊技球が
前記所定の領域を通過したときに前記抽選を行うという
技術的手段を用いる。
【0016】つまり、抽選を遊技者の操作により手動で
行うか、あるいは、自動で行うかを切替えることができ
るため、遊技者の好みに対応した抽選を行うことができ
る。
【0017】請求項7に記載の発明では、請求項1ない
し請求項6のいずれか1つに記載の遊技機において、前
記抽選手段は、前記記憶手段に前記通過数が記憶されて
から所定時間経過しても前記操作手段による操作が行わ
れない場合は、前記抽選を開始するという技術的手段を
用いる。
【0018】つまり、記憶手段に通過数が記憶されてか
ら所定時間経過しても操作手段による操作が行われない
場合は、抽選を開始することができるため、遊技者が操
作手段の操作を忘れた場合であっても、自動的に抽選を
行うことができる。したがって、抽選の機会を逃すこと
により、遊技者に不利益が及ぶという事態を防止でき
る。
【0019】請求項8に記載の発明では、所定の領域を
通過した遊技球の通過数を記憶する記憶手段と、この記
憶手段に前記通過数が記憶されていることを条件とし
て、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態に変化するか否
かを抽選する抽選手段と、画像を変動表示した後に前記
抽選手段による抽選結果に対応する画像を表示する表示
手段と、遊技者の操作により、前記抽選手段に対して前
記抽選を実行させ、かつ、前記表示手段に対して画像の
変動表示を開始させる操作手段とを備えた遊技機をコン
ピュータにより機能させるためのコンピュータプログラ
ムであって、前記所定の領域を通過した遊技球の通過数
を前記記憶手段に記憶する記憶処理と、前記操作手段に
よる操作があった場合に、前記記憶手段に前記通過数が
記憶されていることを条件として、遊技状態が遊技者に
有利な遊技状態に変化するか否かを抽選する抽選処理
と、前記表示手段に対して画像の変動表示を指令する指
令処理とを含む処理を実行するためのコンピュータプロ
グラムという技術的手段を用いる。
【0020】つまり、請求項1に記載の遊技機は、たと
えば、後述する発明の実施の形態に記載するように、パ
チンコ機(遊技機)に内蔵されたCPU(コンピュー
タ)により機能するため、上記コンピュータプログラム
をROMなどの記録媒体に記憶しておき、その記憶され
たコンピュータプログラムを上記CPU(コンピュー
タ)が実行することにより、上記パチンコ機(遊技機)
を機能させることができる。
【0021】請求項9に記載の発明では、所定の領域を
通過した遊技球の通過数を記憶する記憶手段と、この記
憶手段に前記通過数が記憶されていることを条件とし
て、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態に変化するか否
かを抽選する抽選手段と、画像を変動表示した後に前記
抽選手段による抽選結果に対応する画像を表示する表示
手段と、遊技者の操作により、前記抽選手段に対して前
記抽選を実行させ、かつ、前記表示手段に対して画像の
変動表示を開始させる操作手段とを備えた遊技機をコン
ピュータにより機能させるためのコンピュータプログラ
ムが記録された記録媒体であって、前記所定の領域を通
過した遊技球の通過数を前記記憶手段に記憶する記憶処
理と、前記操作手段による操作があった場合に、前記記
憶手段に前記通過数が記憶されていることを条件とし
て、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態に変化するか否
かを抽選する抽選処理と、前記表示手段に対して画像の
変動表示を指令する指令処理とを含む処理を実行するた
めのコンピュータプログラムが記録された記録媒体とい
う技術的手段を用いる。
【0022】つまり、コンピュータにより遊技を制御す
る遊技機にあっては、たとえば、後述する発明の実施の
形態に記載するように、パチンコ機(遊技機)に設けら
れたROMなどの記録媒に記録されたコンピュータプロ
グラムをCPU(コンピュータ)が実行することにより
機能することから、上記コンピュータプログラムを記録
したROMなどの記録媒体を使用することにより、請求
項1に記載の遊技機を実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る遊技機の実
施形態について図を参照して説明する。なお、以下に記
載する各実施形態では、この発明に係る遊技機として、
第1種のパチンコ機を例に挙げて説明する。 [全体の主要構成]まず、この実施形態のパチンコ機の
主要構成について図1ないし図3を参照して説明する。
図1は、そのパチンコ機の外観を示す正面説明図であ
る。図2は、図1に示すパチンコ機に備えられた上受け
皿の正面説明図である。図2(A)はマニュアル・オー
ト切替ボタン(以下、切替ボタンと略称する)がオート
になっている状態を示す正面説明図であり、図2(B)
は切替ボタンがマニュアルになっている状態を示す正面
説明図である。図3は、図1に示すパチンコ機に備えら
れた遊技盤の正面説明図である。
【0024】図1に示すように、パチンコ機1には、前
枠2がヒンジ8によって開閉可能に設けられており、そ
の前枠2には、ガラス枠4が開閉可能に取付けられてい
る。ガラス枠4の内部には、遊技盤5が設けられてお
り、前枠2の右側下方には、遊技球を遊技盤5へ発射す
る発射装置(図示省略)を操作するための発射ハンドル
15aが回動可能に取付けられている。ガラス枠4の下
方には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口6a
が形成されており、この賞球・貸球供給口6aの供給側
には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や
貸球を溜めておくための上受け皿6が取付けられてい
る。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を
超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作
により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する
排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側に
は、その排出口7aから排出された遊技球を収容してお
くための下受け皿7が設けられている。また、遊技盤5
の上方には、枠ランプ9が設けられており、前枠2の左
端には、プリペイドカードユニット90が取付けられて
いる。
【0025】プリペイドカードユニット90には、プリ
ペイドカードの利用が可能であることを示すカード利用
ランプ91と、貸出金額(たとえば、100円、200
円、300円、500円)の設定を行うための金額設定
ボタン92と、金額設定ボタン92により設定した貸出
金額を表示する貸出金額表示部93と、100円未満の
残高およびメンテナンス情報を度数表示パネル80の度
数表示部82(図2)に表示させる場合に押す端数表示
ボタン94と、プリペイドカードユニット90が接続さ
れるパチンコ機本体の方向を示す連結台方向表示ランプ
95と、プリペイドカードがパチンコ機に対応している
ことを示す玉表示ランプ96と、プリペイドカードを挿
入するカード挿入口98と、カード挿入口98にプリペ
イドカードが挿入されていることを示すカード挿入中ラ
ンプ97とが備えられている。
【0026】図2に示すように、上受け皿6には、度数
表示パネル80が設けられている。度数表示パネル80
には、遊技球の貸出しを行う場合に押す貸出ボタン81
と、返却ボタン83と、プリペイドカードユニット90
により読取られたプリペイドカードの残り度数を表示す
る度数表示部82とが備えられている。度数表示部82
は、たとえば7セグメントのLEDにより数字を表示す
る部分の3桁分により構成されており、100円単位で
表示し、たとえば、500円分が残っている場合には、
005と表示する。また、上受け皿6には、大当りの抽
選および特別図柄の変動開始をオート(自動)またはマ
ニュアル(手動)に切替えるための切替ボタンA1と、
マニュアルで抽選を行う場合に押すマニュアルスタート
ボタン(以下、ボタンと略称する)M1〜M5とが備え
られている。
【0027】切替ボタンA1は、1回押す毎にオートと
マニュアルとが切替わり、オートに切り替わっている場
合には、図2(A)に示すように、切替ボタンA1の中
にLEDにより文字Aが表示され、マニュアルに切り替
わっている場合には、図2(B)に示すように、切替ボ
タンA1の中にLEDにより文字Mが表示される。ボタ
ンM1〜M5には、左から順に数字の1〜5を表示する
LEDがそれぞれ内蔵されており、ボタンを押したとき
にそのボタンのLEDにより数字が表示される。ボタン
M1〜M5は、特別図柄の始動記憶の数(以下、始動記
憶数と略称する)に対応しており、始動記憶数に対応す
る数のボタンのLEDが点灯する。たとえば、始動記憶
数が「3」の場合は、ボタンM1〜M3のLEDが点灯
する。また、各ボタンのLEDは、始動記憶数の減少に
対応して消灯する。たとえば、始動記憶数が「3」から
「2」に減少した場合は、ボタンM3のLEDが消灯す
る。なお、ボタンM1〜M5および切替ボタンA1に内
蔵されているLEDは、それぞれランプ制御装置300
(図4)に接続されている。
【0028】[遊技盤5の主要構成]次に、遊技盤5の
主要構成について図3を参照して説明する。図3は遊技
盤5の主要構成を示す正面説明図である。遊技盤5の略
中央には、センターケース30が備えられている。セン
ターケース30には、3個のLEDからなる普通図柄表
示装置34と、この普通図柄表示装置34の始動可能な
回数を4個のLEDにより表示する普通図柄始動記憶表
示LED35と、複数の特別図柄からなる図柄列の変動
表示、背景画像の表示などを行う特別図柄制御装置32
とが備えられている。センターケース30の両側上方に
は、LEDにより装飾された装飾風車46がそれぞれ設
けられている。右側の装飾風車46の右斜め下方には、
普通図柄表示装置34を作動させるための普通図柄作動
右ゲート25が設けられており、左側の装飾風車46の
左斜め下方には、同じく普通図柄作動左ゲート26が設
けられている。センターケース30の両側下方には、風
車24がそれぞれ設けられており、右側の風車24の下
方には、右入賞口22が設けられており、左側の風車2
4の下方には、左入賞口23が設けられている。センタ
ーケース30の下方には、特別図柄制御装置32を作動
させる機能を有する第1種始動口27が設けられてお
り、この第1種始動口27の下部には普通図柄表示装置
34の停止図柄が当たり図柄となった場合に両翼を開放
する普通電動役物28が設けられている。両翼を開放し
た普通電動役物28は、第1種始動口27と同様に特別
図柄制御装置32を作動開始させる機能を備えている。
【0029】普通電動役物28の下方には、特別図柄制
御装置32の3個所の表示領域において大当り図柄が停
止表示された場合に作動する変動入賞装置40が設けら
れている。この変動入賞装置40には、大当りの発生時
に開放動作して大入賞口41を開口する板状の開閉部材
43が扉式に開閉可能に取り付けられている。変動入賞
装置40の右側には、右下入賞口14が設けられてお
り、変動入賞装置40の左側には、左下入賞口44が設
けられている。また、変動入賞装置40の内部には、開
閉部材43を連続して開放動作させる機能を有する特定
領域と、この特定領域を通過した遊技球を検出する特定
領域スイッチ(図4に符号42aで示す)が設けられて
いる。また、遊技盤5には、発射された遊技球を遊技領
域へ案内するレール16が取付けられており、遊技盤5
の上部には、上部左右の両コーナーをLEDなどにより
装飾するコーナー飾り11が設けられており、遊技盤5
の左右には、LEDなどにより装飾するサイド飾り20
がそれぞれ設けられている。さらに、遊技盤5の最下部
には、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収する
アウト口45が設けられている。そして、遊技盤5に
は、多くの釘(図示省略)が打ち込まれており、遊技盤
5に発射された遊技球は、釘の間を乱舞しながら落下
し、各入賞口や第1種始動口27に入賞したり、普通図
柄作動ゲート25,26を通過したり、あるいはアウト
口45から回収されたりする。
【0030】[パチンコ機1の電気的構成]次に、パチ
ンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示
す図4を参照して説明する。パチンコ機1には、主基板
100が設けられており、この主基板100には、マイ
クロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロ
セッサ110には、大当りかハズレかの抽選、大入賞口
41への入賞数のカウント、大当りの遊技におけるラウ
ンドの制御などの遊技の主な制御を実行するメインCP
U112と、このメインCPU112が各種制御などを
実行するためのコンピュータプログラムなどが記録され
たROM114と、遊技球が第1種始動口27を通過し
たことの検出結果や入賞などの遊技中に発生する各種デ
ータ、ROM114から読出されたコンピュータプログ
ラムなどを一時的に格納するRAM116とが搭載され
ている。主基板100には、次に記載するものが電気的
に接続されている。遊技球が第1種始動口27または開
放した普通電動役物28に入賞したことを検出する第1
種始動口スイッチ27a、ボタンM1〜M5、切替ボタ
ンA1、特別図柄制御装置32、LEDやランプ類を制
御するランプ制御装置300、電源基板71、賞球の払
出しなどを制御する払出制御基板200、遊技中の効果
音などを制御する音声制御装置79、賞球払出数や大当
りの発生などに関する遊技盤情報をパチンコホールの管
理室などに設けられたホールコンピュータHCへ送信す
るための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、
遊技枠中継基板53である。
【0031】払出制御基板200には、主基板100か
ら送出される制御コマンドを入力して動作するマイクロ
プロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッ
サ210には、賞球および貸球の払出しなどを制御する
サブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払
出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが
記録されたROM214と、サブCPU212が各種制
御プログラムを実行する際にROM214から読出され
た制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数な
どの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭
載されている。また、払出制御基板200には、電源基
板71、CR接続基板56、発射モータ15eを駆動す
るための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基
板52および払出中継基板55が電気的に接続されてい
る。CR接続基板56には、プリペイドカードユニット
90および度数表示基板57が接続されており、度数表
示基板57には、貸出ボタン81と返却ボタン83とが
接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射
モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号
を出力させるための発射スイッチ15dが接続されてい
る。
【0032】遊技枠中継基板53には、下受け皿7が遊
技球で満杯になったことを検出する下皿満杯検出スイッ
チ72、賞球切れを検出する賞球切れ検出スイッチ73
およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。
センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた
賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55
と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸
球切れを検出する貸球切れ検出スイッチ61、賞球払出
モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続さ
れている。盤面中継基板51には、普通電動役物28を
駆動する普通電動役物ソレノイド28a、普通図柄表示
装置34、普通図柄作動右ゲート25を通過した遊技球
を検出する右ゲートスイッチ25a、普通図柄作動左ゲ
ート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ
26a、大入賞口41に入賞した遊技球を検出する大入
賞口スイッチ41a、右入賞口22に入賞した遊技球を
検出する右入賞口スイッチ22a、左入賞口23に入賞
した遊技球を検出する左入賞口スイッチ23a、右下入
賞口14に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッ
チ14a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する
左下入賞口スイッチ44aおよび大入賞口中継基板50
である。大入賞口中継基板50には、特定領域スイッチ
42a、特定領域を変化させる部材を駆動する特定領域
ソレノイド42bおよび開閉部材43を駆動する大入賞
口ソレノイド41bが電気的に接続されている。電源基
板71は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源
70から電源の供給を受け、各基板、装置および発射ス
イッチ15dなどへ必要電源を供給する。
【0033】[遊技の主な流れ]次に、遊技の主な流れ
について図5ないし図9を参照して説明する。図5は、
メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れ
を示すフローチャートである。図6は、メインCPU1
12が実行する抽選処理の流れを示すフローチャートで
ある。図7は、メインCPU112が実行する変動パタ
ーン決定処理の流れを示すフローチャートである。図8
は、メインCPU112が実行する特別図柄制御の流れ
を示すフローチャートである。図9は、遊技の主な流れ
を示すタイムチャートである。図9(A)は、マニュア
ルで抽選を1回行った場合のタイムチャートであり、図
9(B)は、マニュアルで抽選を2回行った場合のタイ
ムチャートであり、図9(C)は、オートで抽選を1回
行った場合のタイムチャートである。
【0034】(遊技の概要)切替ボタンA1がマニュア
ルに切り替えられている場合は、図9(A)に示すよう
に、遊技球が第1種始動口27または開放した普通電動
役物28に入賞した時刻t1から3秒後の時刻t2を経
過すると、ボタンM1〜M5の押下操作が有効となる。
図に示す例では、時刻t3にてボタン操作が行われてい
る。そして、ボタン操作により、特別図柄の変動が開始
され、その7秒後の時刻t5にて変動が停止される。ま
た、図9(B)に示すように、特別図柄の変動が行われ
ている間の時刻t4にてボタン操作が行われた場合は、
現在の変動が終了する時刻t5から3秒経過した時刻t
6から次の変動が開始され、その変動は7秒後の時刻t
7にて停止する。一方、切替ボタンA1がオートに切り
替えられている場合は、図9(C)に示すように、遊技
球が第1種始動口27または開放した普通電動役物28
に入賞した時刻t1から3秒後の時刻t2にて自動的に
特別図柄の変動が開始され、15秒後の時刻t8にて変
動が停止する。なお、変動時間(特別図柄の変動開始か
ら総ての停止図柄が確定表示されるまでに要する時間)
の15秒は、一例であり、変動パターンによって異な
る。以上のように、切替ボタンA1がマニュアルに切り
替えられている場合の特別図柄の変動時間は、オートに
切り替えられている場合よりも短縮されており、抽選結
果を早く知ることができるようになっている。
【0035】(第1種始動口処理)メインCPU112
は、第1種始動口スイッチ27a(図4)がONしたと
判定すると(図5のステップ(以下、Sと略す)10:
Yes、図9のt1)、始動記憶数U1が「5」未満で
あるか否かを判定する(S12)。ここで、「5」未満
であると判定すると(S12:Yes)、始動記憶数U
1に「1」を加算し(S14)、その結果、始動記憶数
U1が「1」になったか否かを判定する(S16)。こ
こで、始動記憶数U1が「1」になったと判定すると
(S16:Yes)、ボタンM1に内蔵されたLEDを
点灯させる指令をランプ制御装置300へ送信する(S
18)。この指令を受信したランプ制御装置300は、
ボタンM1に内蔵されたLEDを点灯させる。また、メ
インCPU112は、始動記憶数U1は「1」ではない
と判定すると(S16:No)、始動記憶数U1は
「2」であるか否かを判定し(S20)、「2」である
と判定すると(S20:Yes)、ボタンM1,M2に
内蔵されたLEDを点灯させる指令をランプ制御装置3
00へ送信する(S22)。この指令を受信したランプ
制御装置300は、ボタンM1,M2に内蔵されたLE
Dを点灯させる。
【0036】また、メインCPU112は、始動記憶数
U1は「2」ではないと判定すると(S20:No)、
始動記憶数U1は「3」であるか否かを判定し(S2
4)、「3」であると判定すると(S24:Yes)、
ボタンM1〜M3に内蔵されたLEDを点灯させる指令
をランプ制御装置300へ送信する(S26)。この指
令を受信したランプ制御装置300は、ボタンM1〜M
3に内蔵されたLEDを点灯させる。また、メインCP
U112は、始動記憶数U1は「3」ではないと判定す
ると(S24:No)、始動記憶数U1は「4」である
か否かを判定し(S28)、「4」であると判定すると
(S28:Yes)、ボタンM1〜M4に内蔵されたL
EDを点灯させる指令をランプ制御装置300へ送信す
る(S30)。この指令を受信したランプ制御装置30
0は、ボタンM1〜M4に内蔵されたLEDを点灯させ
る。また、メインCPU112は、始動記憶数U1は
「4」ではない、つまり「5」であると判定すると(S
28:No)、ボタンM1〜M5に内蔵されたLEDを
点灯させる指令をランプ制御装置300へ送信する(S
32)。この指令を受信したランプ制御装置300は、
ボタンM1〜M4に内蔵されたLEDを点灯させる。な
お、上記の第1種始動口処理は、ROM114に記録さ
れたコンピュータプログラムにより実行される。
【0037】(抽選処理)そしてメインCPU112
は、始動記憶数U1が「1」以上であるか否かを判定し
(図6のS50)、始動記憶数U1が「1」以上である
と判定すると(S50:Yes)、切替ボタンA1がマ
ニュアルに切り替えられているか否かを判定する(S5
2)。ここで、マニュアルに切り替えられていると判定
すると(S52:Yes)、ボタンM1〜M5のうち、
LEDが点灯しており、ボタン操作が有効ないずれかの
ボタンが押されたか否かを判定する(S54)。ここ
で、いずれのボタンも押されていないと判定すると(S
54:No)、この処理を離脱し、次の処理へ移行す
る。つまり、この段階では、大当りかハズレかの抽選は
行わない。また、いずれかのボタンが押されたと判定す
ると(S54:Yes)、その押されたボタンのLED
を消灯させる指令をランプ制御装置300へ送信する
(S56)。その指令を受信したランプ制御装置は、対
応するボタンのLEDを消灯する。続いてメインCPU
112は、大当りカウンタがカウントしたカウント値を
1つ取得し(S58)、その取得したカウント値をRA
M116に一時的に格納する(S60)。大当りカウン
タは、複数の数、たとえば0〜255の計256の数を
カウントする。また、大当りカウンタがカウントする数
のうち、通常確率時では、1つの数(たとえば、
「7」)が大当り値として大当り値テーブルに設定され
ており、高確率時(確変時)では、複数の数(たとえ
ば、「7」、「77」、「117」、「177」、「2
17」および「247」の計6つ)が大当り値として大
当り値テーブルに設定されている。
【0038】続いてメインCPU112は、始動記憶数
U1から「1」を減算し(S62)、S58においてR
AM116に格納したカウント値を読出し(S64)、
確変が設定されていることを示す確変フラグがセットさ
れているか否か(確変フラグ=1か0か)を判定する
(S66)。ここで確変とは、特定の特別図柄で大当り
し、大当りの遊技が終了した次の遊技状態が、大当りの
発生する確率の高い高確率状態に変化することをいう。
なお、切替ボタンA1がマニュアルに切り替えられてい
る場合は、始動記憶数U1から「1」を減算するとき
に、ここで、確変フラグがセットされていると判定した
場合は(S66:Yes)、高確率時の大当り値テーブ
ルを参照し(S68)、確変フラグがセットされていな
いと判定した場合は(S66:No)、通常確率時の大
当り値テーブルを参照する(S70)。続いてメインC
PU112は、S64で読出したカウント値と同一の大
当り値が大当り値テーブルに設定されているか否かに基
いて、大当りかハズレかを判定する(S72)。たとえ
ば、確変フラグがセットされており、S62で読出した
カウント値が「77」であった場合は、大当りと判定す
る(S70:Yes)。続いてメインCPU112は、
大当りと判定した場合は(S72:Yes)、大当りが
発生したことを示す大当りフラグをセットする(S7
4)。なお、上記の抽選処理は、ROM114に記録さ
れたコンピュータプログラムにより実行される。
【0039】(変動パターン決定処理)そしてメインC
PU112は、大当りフラグがセットされているか否か
(大当りフラグ=1か0か)を判定し(図7のS8
0)、大当りフラグがセットされている場合は(S8
0:Yes)、大当り図柄を決定する大当り図柄テーブ
ルを参照して大当り図柄を決定し(S82)、その選択
した大当り図柄が確変図柄であるか否かを判定する(S
84)。ここで、確変図柄とは、大当り図柄のうち、確
変になることが約束される特定の図柄(たとえば、奇数
の大当り図柄)のことを意味する。ここで、確変図柄で
ある場合は(S84:Yes)、確変フラグをセットす
る(S86)。またメインCPU112は、大当りフラ
グがセットされていないと判定した場合は(S80:N
o)、ハズレ図柄を決定するハズレ図柄テーブルを参照
して左図柄、中図柄および右図柄のハズレ図柄をそれぞ
れ決定する(S88)。なお、大当り図柄テーブルは、
複数の乱数(たとえば、0〜9)と複数の特別図柄(た
とえば、000〜999)とを対応付けて構成されてお
り、メインCPU112が無作為に選択した乱数に対応
付けられている特別図柄が大当り図柄に決定される。ま
た、ハズレ図柄テーブルは、複数の乱数(たとえば、0
〜9)と複数の特別図柄(たとえば、0〜9)とを対応
付けて構成されており、メインCPU112が無作為に
選択した乱数に対応付けられている特別図柄がハズレ図
柄に決定される。決定したハズレ図柄が大当り図柄と同
一であった場合は、再度、ハズレ図柄を決定する。
【0040】続いてメインCPU112は、切替ボタン
A1がマニュアルに切り替えられているか否かを判定し
(S90)、マニュアルに切り替えられている場合は
(S90:Yes)、特別図柄が変動してから総ての停
止図柄が確定するまでに要する時間(以下、変動時間と
いう)を短縮した特別図柄の変動パターン(以下、時短
変動パターンという)を決定する(S92)。またメイ
ンCPU112は、切替ボタンA1はマニュアルに切り
替えられていない、つまりオートに切り替えられている
場合は(S90:No)、短縮されていない通常の変動
時間の変動パターンを決定する(S94)。時短変動パ
ターンおよび変動パターンの決定は、それぞれ複数の乱
数と複数種類の変動パターンとを対応付けて構成された
変動パターンテーブルを参照し、無作為に選択した乱数
に対応付けられている変動パターンを選択することによ
り行う。なお、上記の変動パターン決定処理は、ROM
114に記録されたコンピュータプログラムにより実行
される。
【0041】(特別図柄制御)そしてメインCPU11
2は、特別図柄制御装置32へ画像制御コマンドを送信
しているか否かに基いて、特別図柄制御装置32が特別
図柄を変動表示しているか否かを判定し(図8のS10
0)、変動中ではないと判定すると(S100:N
o)、切替ボタンA1がマニュアルに切り替えられてい
るか否かを判定する(S102)。ここで、マニュアル
に切り替えられていると判定すると(S102:Ye
s)、前述の抽選処理のS54において、ボタンM1〜
M5のうち、LEDが点灯して有効になっているいずれ
かのボタンが押されと判定されたか否かを判定する(S
104)。ここでボタンが押されたと判定されていない
と判定した場合は(S104:No)、この処理から離
脱し、次の処理へ移行する。つまり、この段階では特別
図柄の変動表示を開始しない。また、ボタンが押された
と判定されている場合は(S104:Yes)、特別図
柄の変動開始を指示する変動開始コマンドを特別図柄制
御装置32へ送信する(S106)。
【0042】その変動開始コマンドには、変動パターン
決定処理のS82において決定した大当り図柄の指定、
または、S88において決定したハズレ図柄の指定、S
92において決定した時短変動パターンの指定、また
は、S94にいおいて決定した変動パターンの指定など
が含まれている。その変動開始コマンドを受信した特別
図柄制御装置32は、画面上の3個所において複数の特
別図柄からなる図柄列を、受信した変動開始コマンドに
より示される変動パターンに従って変動表示(スクロー
ル表示)する。続いてメインCPU112は、特別図柄
の変動時間の計測を開始し(S108)、その計測時間
がタイムアップすると(S110:Yes)、変動表示
されている特別図柄を総て停止させる全図柄停止コマン
ドを特別図柄制御装置32へ送信し(S112)、計測
時間をリセットする(S114)。全図柄停止コマンド
を受信した特別図柄制御装置32は、受信した変動パタ
ーンにより示される大当り図柄またはハズレ図柄を画面
上の3個所に停止表示する。なお、上記の特別図柄制御
は、ROM114に記録されたコンピュータプログラム
により実行される。
【0043】[第1実施形態の効果] (1)以上のように、第1実施形態のパチンコ機1を使
用すれば、遊技者がボタンM1〜M5を操作することに
より抽選が行われ、画像の変動表示が開始されるため、
遊技者が自らクジを引いた感覚になることができるパチ
ンコ機を実現することができる。 (2)しかも、遊技者の任意のタイミングで抽選を行う
ことができるため、プリペイドカードの残り度数がなく
なった場合や硬貨がなくなった場合であっても、プリペ
イドカードを買いに行ってから、また、両替を行ってか
ら抽選を行うことができる。したがって、従来のよう
に、自動的に行われた抽選結果が大当りであり、大入賞
口が開口したときにプリペイドカードの残り度数がなか
ったり、硬貨がなかったりすることにより、大入賞口へ
入賞させる遊技球がなくなってしまい、慌ててプリペイ
ドカードを買いに行ったり、両替に行ったりする必要が
ない。また、特定領域に遊技球を通過させることができ
ず、最初のラウンドで終了してしまい、遊技者が多大の
利益を獲得する機会を逸することもない。 (3)また、操作が有効になっているボタンM1〜M5
を連続して操作することにより、連続して抽選を行うこ
とができるため、複数の抽選の結果を早く知ることがで
きる。
【0044】(4)さらに、ボタンM1〜M5のうち、
操作が有効になっているボタンであれば、所望のボタン
を押すことができるため、複数の抽選を行う権利の中か
ら所望の権利を選択して抽選を行うことができる。つま
り、複数のクジの中から所望のクジを引く感覚にするこ
とができる。 (5)ボタンM1〜M5のうち、操作が有効になってい
るボタンのLEDが点灯し、1〜5の数字が表示される
ため、抽選可能な回数を知ることができる。 (6)切替ボタンA1がマニュアルに切り替えられてい
る場合は、特別図柄の変動時間を短縮することができる
ため、遊技者は、複数の抽選結果を早く知ることができ
る。 (7)切替ボタンA1の操作により、抽選を遊技者のボ
タン操作により手動で行うか、あるいは、自動で行うか
を切替えることができるため、遊技者の好みに対応した
抽選を行うことができる。
【0045】<第2実施形態>次に、この発明の第2実
施形態について図10を参照して説明する。図10は、
メインCPU112が実行するオート抽選の流れを示す
フローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ
機は、図10に示す処理以外は、前述の第1実施形態の
パチンコ機1と同一の構成および機能であるため、その
同一部分の説明を省略し、同一部分については同一の符
号を用いて説明する。メインCPU112は、切替ボタ
ンA1がマニュアルに切り替えられているか否かを判定
し(S130)、マニュアルに切り替えられていると判
定すると(S130:Yes)、そのマニュアルに切り
替えられたタイミングからの経過時間Taの計測を開始
する(S132)。続いてメインCPU112は、ボタ
ンM1〜M5のうち、操作が有効になっているいずれか
のボタンが押されたか否かを判定し(S134)、押さ
れたと判定すると(S134:Yes)、S132にお
いて計測を開始した経過時間Taが30秒以上になった
か否かを判定する(S136)。ここで30秒以上にな
ったと判定すると(S136:Yes)、始動記憶数U
1が「1」以上であるか否かを判定し(S138)、
「1」以上である場合は(S138:Yes)、前述の
抽選処理のS56へスキップし(S140)、経過時間
Taをリセットする(S142)。つまり、切替ボタン
A1がマニュアルに切り替えられてから30秒経過して
もボタンM1〜M5のいずれも操作されない場合は、抽
選処理のS56へスキップし、自動的に抽選を開始す
る。なお、このときボタンM1〜M5のうち、いずれか
に内蔵されたLEDが消灯する。
【0046】[第2実施形態の効果]以上のように、第
2実施形態のパチンコ機1を使用すれば、抽選を行うこ
とができる状態において、切替ボタンA1をマニュアル
に切り替えてから30秒経過してもボタンM1〜M5の
いずれも押されない場合には、自動的に抽選を行うよう
にすることができる。したがって、遊技者がボタンM1
〜M5を押すことを忘れてしまい、抽選の機会を逃すこ
とにより、遊技者に不利益が及ぶという事態を防止でき
る。なお、経過時間Taの判定基準となる30秒は任意
の時間に設定することができる。
【0047】<他の実施形態> (1)従来のパチンコ機では、第1種始動口または開放
した普通電動役物に対する入賞個数は、多いときで1分
間に20個に達する。しかし、特別図柄の変動時間が1
回当り5秒であるとしても、1分間に12個(=60秒
/5秒)分の入賞個数しか消化することができず、残り
8個は、オーバーフロー球(第1種始動口または開放し
た普通電動役物に入賞しても抽選が行われない入賞球)
になってしまう。このため、遊技者は、始動記憶数が最
大になると、遊技球の発射を中断し、始動記憶数が減少
するまで待機するという傾向があり、パチンコ機の稼働
率が低下してしまうという問題がある。そこで、遊技者
の操作により、始動記憶数を一度に複数消化できるよう
にする。図11は、他の実施形態のパチンコ機に備えら
れた上受け皿6の正面説明図である。上受け皿6には、
ボタンB1が設けられている。切替ボタンA1がマニュ
アルに切り替えられており、ボタンM1〜M5のうちい
くつかの操作が有効になっている場合にボタンB1を1
回押すと、有効になっているボタンに対応する抽選を自
動的に連続して行うことができる(連続抽選手段)。た
とえば、ボタンM1〜M3が有効になっている場合にボ
タンB1を押すと、3個分の始動記憶が一括して消化さ
れ、3回の抽選が連続して行われ、それらの抽選結果に
対応する特別図柄の変動表示が3回連続して行われる。
【0048】また、ボタンB1を押す回数により、連続
して行う抽選回数を選択することもできる。たとえばベ
ットボタンB1を押す毎に、有効になっているボタンの
LEDがM1から順に点滅して行き、その点滅したボタ
ン数により抽選回数を知らせるようにしてもよい。な
お、1分間に20個分の始動記憶を消化するためには、
特別図柄の変動時間を3秒(=60秒/20)以下に設
定すれば良い。また、一度に消化する始動記憶数に対応
して変動時間をその都度演算するようにしても良い。さ
らに、1回目もしくは最初の数回の変動時間を長くし、
それ以降の変動時間を短くしたり、停止図柄のみを表示
しても良い。以上のように、ボタンB1の操作により、
始動記憶数の複数を一括して消化することができるた
め、遊技者が遊技球の発射を中断して始動記憶数の減少
を待つという現象がなくなり、パチンコ機の稼働率を高
めることができる。また、単位時間当りの始動記憶数の
消化数を増加させることができるため、確変になってい
なくても単位時間当りの大当りの発生確率が高くなるの
で、遊技者は、大当り発生への期待感を高めながら楽し
く遊技することができる。さらに、現金機のように、確
変の設定のないパチンコ機に上記機能のボタンB1を設
けることにより、単位時間当りの大当りの発生確率を高
くすることができるため、遊技者は、確変になったよう
な感覚で遊技することができる。なお、上記の場合、ボ
タンB1を技術的思想の概念で表現すれば、始動記憶の
複数を一括で消化する手段ということができる。
【0049】(2)ボタンM1〜M5を設けないで、始
動記憶数を表示するLEDなどをセンターケース30な
どに設けたり、特別図柄制御装置32の画面に始動記憶
数を表示したりする構成のパチンコ機に上記のベットボ
タンB1を設けることもできる。 (3)前記各実施形態では、特別図柄制御装置32の画
面の横一列に大当り図柄が揃った場合に大当りが発生す
る場合、つまり大当りラインが横1本の場合を説明した
が、大当りラインを画面の上中下の横方向に1本ずつの
計3本と、画面の対角線上に2本の合計5本設定し、ボ
タンB1の操作により消化される始動記憶数分、有効な
当りラインを増加させることもできる。たとえば、始動
記憶数を3個分一括して消化する場合は、上中下の3本
の当りラインを有効にする。 (4)切替ボタンA1がマニュアルに切り替えられてい
る場合において、連続して特別図柄の変動表示を行う場
合は、1回目は、抽選結果に対応した特別図柄の変動表
示を行い、2回目以降については、抽選結果に対応した
停止図柄のみを表示することもできる。たとえば、1回
目は変動時間7秒で特別図柄の変動表示を行い、2回目
以降は、2秒間隔で停止図柄を表示して行く。また、リ
ーチの変動パターンに決定されている場合には、リーチ
の表示を行ってから停止図柄を表示する。なお、連続し
て行う抽選の総てについて、停止図柄のみを表示して行
くこともできる。また、通常、変動パターンを実行する
ときの変動速度よりも速い速度で変動パターンを実行す
ることにより、変動時間を短縮することもできる。さら
に、変動内容の特徴ある部分、たとえばリーチの中の特
徴ある部分のみを表示することにより変動時間を短縮す
ることもできる。
【0050】(5)前記各実施形態では、大当りかハズ
レかの抽選を行う場合を説明したが、普通図柄表示装置
34(図3)による抽選に対して本発明を適用すること
もできる。この場合、普通図柄作動右ゲート25または
普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技球の通過数を
記憶し、その記憶数に対応するボタンM1〜M5のLE
Dを点灯させる。そして、LEDが点灯しているいずれ
かのボタンが押されたときに普通図柄の抽選を行い、そ
の抽選結果に対応する普通図柄の停止図柄を普通図柄表
示装置34により表示する。 (6)前記実施形態では、ボタンM1〜M5に内蔵され
たLEDを点灯させることにより、抽選可能な回数を表
示する構成を説明したが、7セグメントLEDや液晶表
示装置などを用いて抽選可能な回数をデジタル表示する
こともできる。この場合、7セグメントLEDや液晶表
示装置などが、請求項4に記載の記憶数表示手段に対応
する。 (7)ボタンM1〜M5はレバー式でもよい。また、切
替ボタンA1もレバー式でもよい。 (8)この発明は、前述の第1種パチンコ機の他第3種
パチンコ機など、遊技球の所定領域の通過に基いて抽選
を行い、その結果を表示する遊技機であれば、どの遊技
機にも適用することができる。
【0051】[請求項と実施形態との対応関係]第1種
始動口27および開放した普通電動役物28が、請求項
1に記載の所定の領域に対応し、始動記憶数が通過数に
対応する。RAM116が記憶手段に対応し、メインC
PU112が抽選手段として機能する。特別図柄制御装
置32が表示手段に対応し、ボタンM1〜M5が操作手
段に対応する。ボタンM1〜M5に内蔵されているLE
Dが請求項4に記載の記憶数表示手段に対応する。切替
ボタンA1が請求項6に記載の切替手段に対応する。そ
して、メインCPU112が実行する第1種始動口処理
のS10〜S14(図5)が、請求項1に記載の記憶手
段として機能するとともに、請求項8および請求項9に
記載の記憶処理に対応する。また、メインCPU112
が実行する抽選処理(図6)が、請求項1に記載の抽選
手段として機能するとともに、請求項8および請求項9
に記載の抽選処理に対応する。さらに、メインCPU1
12が実行する特別図柄制御のS106(図8)が、請
求項8および請求項9に記載の指令処理に対応する。S
10〜S14、抽選処理およびS106の各フローチャ
ートが、請求項8に係るコンピュータプログラムに対応
し、そのコンピュータプログラムが記録されたROM1
14が請求項9に係る記録媒体に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機1の外観
を示す正面説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機に備えられた上受け皿の
正面説明図である。図2(A)は切替ボタンがオートに
なっている状態を示す正面説明図であり、図2(B)は
切替ボタンがマニュアルになっている状態を示す正面説
明図である。
【図3】図1に示すパチンコ機に備えられた遊技盤の正
面説明図である。
【図4】図1に示すパチンコ機1の主な電気的構成をブ
ロックで示す説明図である。
【図5】メインCPU112が実行する第1種始動口処
理の流れを示すフローチャートである。
【図6】メインCPU112が実行する抽選処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図7】メインCPU112が実行する変動パターン決
定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】メインCPU112が実行する特別図柄制御の
流れを示すフローチャートである。
【図9】図9(A)は、マニュアルで抽選を1回行った
場合のタイムチャートであり、図9(B)は、マニュア
ルで抽選を2回行った場合のタイムチャートであり、図
9(C)は、オートで抽選を1回行った場合のタイムチ
ャートである。
【図10】第2実施形態においてメインCPU112が
実行するオート抽選の流れを示すフローチャートであ
る。
【図11】他の実施形態のパチンコ機に備えられた上受
け皿6の正面説明図である。
【図12】従来のパチンコ機を正面から見た概略説明図
である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機) 34 特別図柄制御装置(表示手段) 112 メインCPU(抽選手段) 114 RAM(記憶手段) 116 ROM(記録媒体) A1 切替ボタン(切替手段) M1〜M5 ボタン(操作手段)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の領域を通過した遊技球の通過数を
    記憶する記憶手段と、 この記憶手段に前記通過数が記憶されていることを条件
    として、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態に変化する
    か否かを抽選する抽選手段と、 画像を変動表示した後に前記抽選手段による抽選結果に
    対応する画像を表示する表示手段と、 遊技者の操作により、前記抽選手段に対して前記抽選を
    実行させ、かつ、前記表示手段に対して画像の変動表示
    を開始させる操作手段と、 を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 前記操作手段は、前記記憶手段に記憶さ
    れている通過数の範囲内での連続操作が有効であり、 前記抽選手段は、前記操作手段が操作される毎に前記抽
    選を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段に記憶される通過数に対応
    した複数の前記操作手段が備えられたことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の遊技機。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段に記憶されている通過数
    は、前記抽選手段による抽選の回数に対応して減少し、 前記記憶手段に記憶されている通過数を表示する記憶数
    表示手段が備えられたことを特徴とする請求項1ないし
    請求項3のいずれか1つに記載の遊技機。
  5. 【請求項5】 前記抽選結果表示手段は、複数の抽選結
    果に対応する表示を連続して行う場合は、その表示を開
    始してから終了するまでの時間を短縮することを特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊
    技機。
  6. 【請求項6】 前記操作手段による操作の有効または無
    効を切替える切替手段を備えており、 前記抽選手段は、前記切替手段により前記操作手段の操
    作が無効になった場合は、遊技球が前記所定の領域を通
    過したときに前記抽選を行うことを特徴とする請求項1
    ないし請求項5のいずれか1つに記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 前記抽選手段は、前記記憶手段に前記通
    過数が記憶されてから所定時間経過しても前記操作手段
    による操作が行われない場合は、前記抽選を開始するこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つ
    に記載の遊技機。
  8. 【請求項8】 所定の領域を通過した遊技球の通過数を
    記憶する記憶手段と、この記憶手段に前記通過数が記憶
    されていることを条件として、遊技状態が遊技者に有利
    な遊技状態に変化するか否かを抽選する抽選手段と、画
    像を変動表示した後に前記抽選手段による抽選結果に対
    応する画像を表示する表示手段と、遊技者の操作によ
    り、前記抽選手段に対して前記抽選を実行させ、かつ、
    前記表示手段に対して画像の変動表示を開始させる操作
    手段とを備えた遊技機をコンピュータにより機能させる
    ためのコンピュータプログラムであって、 前記所定の領域を通過した遊技球の通過数を前記記憶手
    段に記憶する記憶処理と、 前記操作手段による操作があった場合に、前記記憶手段
    に前記通過数が記憶されていることを条件として、遊技
    状態が遊技者に有利な遊技状態に変化するか否かを抽選
    する抽選処理と、前記表示手段に対して画像の変動表示
    を指令する指令処理とを含む処理を実行するためのコン
    ピュータプログラム。
  9. 【請求項9】 所定の領域を通過した遊技球の通過数を
    記憶する記憶手段と、この記憶手段に前記通過数が記憶
    されていることを条件として、遊技状態が遊技者に有利
    な遊技状態に変化するか否かを抽選する抽選手段と、画
    像を変動表示した後に前記抽選手段による抽選結果に対
    応する画像を表示する表示手段と、遊技者の操作によ
    り、前記抽選手段に対して前記抽選を実行させ、かつ、
    前記表示手段に対して画像の変動表示を開始させる操作
    手段とを備えた遊技機をコンピュータにより機能させる
    ためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体で
    あって、 前記所定の領域を通過した遊技球の通過数を前記記憶手
    段に記憶する記憶処理と、 前記操作手段による操作があった場合に、前記記憶手段
    に前記通過数が記憶されていることを条件として、遊技
    状態が遊技者に有利な遊技状態に変化するか否かを抽選
    する抽選処理と、前記表示手段に対して画像の変動表示
    を指令する指令処理とを含む処理を実行するためのコン
    ピュータプログラムが記録された記録媒体。
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