以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。図1は、本実施例のパチンコ遊技機の正面図、図2はその外観斜視図を示したものである。パチンコ遊技機10は、パチンコ機本体側部を構成する外枠11と、パチンコ機前面部のベースとなる内枠12とを備え、その内枠12の額縁状に形成された開口内周縁には金枠13が嵌められると共に、その金枠13には遊技盤14の前面を覆うガラス扉15が開閉可能に設けられる。
そしてガラス扉15の下方位置には、球発射装置に供給される遊技球を貯留するための受け皿(上受け皿)16が取り付けられ、更にその下方には、賞品球の排出時に上受け皿16から溢れた遊技球を貯留するための球受け皿(下受け皿)17が設けられている。尚、上受け皿16に設けられる球抜けボタン18の操作により上受け皿16内の遊技球が下受け皿17に向けて抜き落とされる。
下受け皿17の図中右側位置には、遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する発射レバー20が設けられ、この発射レバー20には遊技球を一球毎に発射する為の単発スイッチ21が備えられる。発射レバー20の回動操作する量に応じて遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する程度が調整されると共に、所定回動位置の検出により発射電源が投入されるようになっている。
前記内枠12の上辺縁から図中右側辺縁には、合成樹脂製のレンズ体で構成される枠トップ飾り23が設けられ、この枠トップ飾り23の内部には、枠飾りランプ24,24…や前記ガラス扉15開閉用の鍵穴25の周囲を飾る鍵飾りランプ26が設けられている。
パチンコ遊技機10の一側には、プリペイドカードによる玉貸機(以下、「プリペイドカードユニット」と称する)30が設置される。このプリペイドカードユニット30は、1台の遊技機に1台づつ設置される。このプリペイドカードユニット30の設置に対応してパチンコ遊技機10の前記上受け皿16には、プリペイドカードによる遊技球の貸出し操作を行う為の球貸し操作部31が設けられ、この球貸し操作部31には、プリペイドカードによる球貸出しを操作する球貸出しボタン32、その球貸出しの可能状態を示す球貸出しボタンランプ33、プリペイドカードを排出させるカード返却ボタン34、プリペイドカードの残高表示、及びエラー表示を行う度数表示部35等が備えられている。
プリペイドカードの使用に際しては、プリペイドカードユニット30に備えられるカード利用可表示ランプ36の点灯中にカード挿入口37にプリペイドカードを挿入し、金額設定ボタン38を操作することにより、貸出し金額(100円、200円、300円、500円等)を選択することができる。前記上受け皿16に備えられる球貸し操作部31の球貸出しボタン32を操作することにより、予め選択された金額の遊技球が貸出されることになる。
前記内枠12の前面に設けられる遊技盤14は、遊技板に装着された金属製の内レール41、打球槌により球発射位置より弾発発射された遊技球を盤面に向けて誘導する為の外レール42、打球位置及び発射レールより転動し遊技盤面に至った遊技球の跳ね返り作用のより再び打球が発射レールや打球位置に戻ることを防止するファール止43、打球位置より転動してきた過大な飛送力を有する遊技球を遊技板右上部において衝撃を吸収しつつ停止阻止し遊技板面下に向けて落下させる返しゴム44等によりその周囲が構成され、その内側に遊技領域が形成される。
図3は、その遊技盤面を拡大して示したものである。遊技盤14の遊技領域の中央やや上方には特別図柄表示装置50が設けられ、その中央部に3つの特別図柄表示部(図中左から順に左図柄表示部50A、中図柄表示部50B、右図柄表示部50Cが設けられる。この特別図柄表示装置50の各図柄表示部50A、50B、50Cには、夫々「1、2、3、4、5、6、7、8、9」までの数字と、4種類のキャラクタ図柄等により合計13種類の図柄が表示されるようになっている。
この特別図柄表示装置50の真下位置には、遊技球の入賞により特別図柄表示装置50の各図柄50A、50B、50Cの図柄変動を開始させる普通電動役物である可変翼タイプの第1種始動入賞口51が設けられ、更にその下方位置には、通常は閉じている特別電動役物である大入賞口52と、該大入賞口52が開放された時に入賞可能となる特定領域入賞口53とを備える。
更に遊技盤14面には前記大入賞口52の左右位置に、普通入賞口である左落し入賞口54、右落し入賞口55が設けられると共に、その上方位置には左袖入賞口56、右袖入賞口57が各々備えられる。これらの各入賞口に遊技球が入賞すると第1種始動入賞口51及び左右落し入賞口54,55、左右袖入賞口56,57においては5個、大入賞口52及び特定領域入賞口53においては15個の賞品球が各々払出されるように構成されている。
また、前記特別図柄表示装置50の周囲を囲む装飾枠体58の上部に形成された半円弧形状の装飾枠部には、7セグメントのデジタル表示により表示される普通図柄表示装置60が備えられる。この普通図柄表示装置60には、「0」〜「9」までの数字が表示される。そして、前記特別図柄表示50の左右位置に、左ゲート61、右ゲート62が設けられ、これら左右ゲート61,62への遊技球の通過に伴って、普通図柄表示装置60が図柄変動を開始するように構成されている。
そして、前記左右ゲート61,62を通過した遊技球は、装飾枠体58の内部を通過した後、下側枠縁上に誘導される。この装飾枠体58の内枠縁部はすり鉢状に構成され、その中央にはモータ駆動による誘導部材63が設けられる。装飾枠体58に誘導されてきた遊技球はこの誘導部材63により遊技盤14面を再び落下される。
尚、この遊技盤14面には、前記図柄表示装置や入賞口等のほかに、遊戯者によって弾発発射された遊技球の落下方向を無作為に変更させたり、その流下速度を変化させる風車64、64及びランプ風車65、65等が設けられている。これにより、弾発発射された遊技球は遊技盤14面の遊技域内で転動しつつ下方へ落下して行き、上記した各装置及び入賞口に入賞するか、何処にも入賞しなければ遊技域の最下部の設けられた排出口66にて遊技盤14の裏側へ排出される。
図4は、パチンコ遊技機の裏面図を示し、図5はその外観斜視図を示したものである。パチンコ遊技機10の裏面に設けられる機構板76面の上方位置に、遊技場の島から供給される遊技球を一時貯留する球タンク77が設けられると共に、その球タンク77に連設されてタンクレール78が設けられ、このタンクレール78の遊技球流下端部位に球払出装置80が連設されている。
タンクレール78には、前記球タンク77やタンクレール78上の遊技球の補給状態により作動される補給スイッチ81が設けられ、又、球払出装置80の直前において賞品球の球切れを検出し球払出しの空動作を防止する為の空切り防止スイッチ82が設けられている。さらに球払出装置80より払出された賞品球がパチンコ遊技機内に充満した場合にこれを検出する満タンスイッチ83、あるいは遊技機内に遊技球が充満した時に遊技球の払出しを一旦停止させる満タンストッパ84等も備えられている。
機構板76には遊技盤14面の各入賞口に入った入賞球(セーフ球)を一球毎に球切りして検出するセーフ球排出機構部85も設けられ、このセーフ球排出機構部85により検出されたセーフ球はこの後機外へ排出されるようになっている。又、遊技盤14の裏面は中央カバー86に覆われている各セーフ球誘動樋を介してセーフ球排出機構部85へ導出される。
ところで、この機構板76には、各種の制御基板が取付けられている。例えば、プリペイドカードに係わる情報をパチンコ遊技機10の外部において処理するプリペイドカードユニット30と遊技機本体とを電気的に接続するCR外部接続端子基板87を含む外部接続端子97、発生したセーフ球の種別に応じて所定個数の賞品球を前記球払出装置80に払出動作させたり、球貸出しボタン32の操作による球貸出し要求信号に基づいてその球払出機構80に貸し球の払出しを動作させる回路が装着されたCR払出制御基板88、該CR払出制御基板88とプリペイドカードユニット30との間に設けられ、プリペイドカードユニット30に挿入されたプリペイドカードの情報と、パチンコ遊技機10の前面に設けられた球貸し操作部31への球貸し要求信号と球貸し状態を表示する度数表示情報と、球貸し情報に基づいてCR払出制御部を司令制御する情報との授受を行うカードインターフェイス基板89が設けられている。
また前記CR外部接続端子基板87、カードインターフェイス基板89、CR払出制御基板88相互間においてカードデータ処理に係わる信号を中継するCR中継基板90、パチンコ遊技機10の遊技盤14面で発生したセーフ球を検出して特別図柄表示装置50を駆動制御し、その特別図柄の表示態様を設定切り替え制御し、入賞の種別に対応して所定個数の賞品球の払出しをCR払出制御部へ指令する等を行う主制御基板91等がこの機構板76に取付けられている。そしてこれら独立してそれぞれ組み付けられた各種基板がパチンコ遊技機に組み付けられた後、コネクタ配線により互いに脱着可能に電気接続されている。パチンコ遊技機10の外部のプリペイドカードユニット30と遊技機本体との間の情報の入出力は、カードインターフェイス接続部92を介して行われる。
前記CR払出制御基板88は、賞品球の不足欠乏、及び供給状態、排出状態の異常を検出し、払出動作の停止と、表示動作も合わせて行われるもので、ここにはCR払出制御基板88や球払出装置80等の球払出制御機構において遊技球の不足、球詰まり、回路操作異常、ソフトエラー等の異常が発生した場合にその旨を表示するエラー表示部93、あるいはエラー状態が解除された場合に前記エラー表示部93を初期状態に復帰リセットさせるエラー表示リセットボタン94が設けられている。
また前記主制御基板91には、特定図柄表示装置50に於いて発生する当たりの出現状態(確率)を3個のLEDにて表示する設定表示LED95、あるいは前記当たりの出現確率を所定条件下のみ切替え可能に設定する為の確率モード設定スイッチ96が設けられている。
パチンコ遊技機10で発生した各種情報は機構板76の上部片隅に設けられる外部接続端子97を介して遊技機外部の遊技場管理装置へ出力される。特別図柄表示装置50の図柄若しくは入賞装置の始動回数、所定図柄の確定により発生する大当たりの発生回数、遊技者に特別な利益状態を継続させる継続情報、当該パチンコ遊技機における当たりの出現確率、不正検出信号等の各種情報がこの外部接続端子92を介して入出力されることになる。
更に機構板76の裏面下方隅寄り位置には、前記上受け皿16に供給された遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射するための打球発射装置100が備えられている。この打球発射装置100は、打球発射モータ101のほか、発射装置制御回路、打球槌、弾発力調整手段等により構成される。タッチ感度調整ボリューム102は、遊技者の打球発射操作ハンドルへの接触を検出して打球発射モータ101の電源を投入するタッチスイッチ回路の検出感度を調整する為に設けられ、又、遊技球発射調整ダイヤル103は、遊技盤14面へ向けての遊技球弾発力、飛走距離をパチンコ遊技機の裏面側で調整設定する為に設けられている。
打球発射装置100に近接して発射装置制御基板104が設けられ、これには打球発射モータ101の駆動制御回路及びタッチスイッチ回路が含まれている。打球発射モータ101の駆動制御回路では、モータの回転速度、トルク、特に1分間に発射する打球間隔、速度等が設定されている。
尚、このパチンコ遊技機10は電源プラグ106を介してAC100V電源に接続されている。また前記外部接続端子97より引き出されたリード線107は、コネクタ108及び電源プラグ109を介してAC24V電源に接続されている。
図6は、遊技盤14面の各入賞口やゲートを通過した遊技球の遊技盤面における流出経路及び各種スイッチ類やソレノイド類等の配置状態を示した図である。図示されるように、前記第1種始動入賞口51に落入した遊技球の流出経路には第1種始動口用検知スイッチ110が設けられ、また前記大入賞口52における入賞球の流出経路にはその入賞球数をカウントするカウント用スイッチ111が設けられ、更に前記特定領域入賞口53における入賞球の流出経路にはその入賞を検知する特定領域用スイッチ112が設けられる。更に前記左右ゲート61,62における遊技球通過経路にはその通過を検知する左ゲート用スイッチ113及び右ゲート用スイッチ114が設けられている。
更に、第1種始動入賞口51を開閉動作する普通電動役物用ソレノイド115、大入賞口52を開閉動作させる大入賞口開放用ソレノイド116、特定領域入賞口53を開閉動作させる特定領域開放用ソレノイド117が設けられ、装飾枠体58の内側下部に設けられた誘導部材63を上下動作するための誘導部材駆動用モータ118も設けられる。
一方、前記右袖入賞口57における入賞球の流出経路には入賞検出用スイッチ119aが、左袖入賞口56の流出経路には入賞検出用スイッチ119bが、前記右落し入賞口55の流出経路には入賞検出用スイッチ119cが、前記左落し入賞口54の流出経路には入賞検出用スイッチ119dが夫々設けられており夫々の入賞口に入賞する度に5個ずつの賞品球が払出されるようになっている。セーフ球検出スイッチ121は機外へ排出されるセーフ球の数を計数する。
ちなみに、このパチンコ遊技機10の遊技内容を、図7に示した制御フローチャートに基づいて説明する。この遊技機10では、遊技者によって遊技盤14面に向けて発射された遊技球がゲート61,62の何れかを通過したことが左右ゲートスイッチ113,114により検知される(S10「YES」)と、その信号に基づいて普通図柄変動装置60が図柄変動を開始する(S12)。そしてこの普通図柄表示装置60は図柄変動を開始してから6.0秒を経過するとその図柄変動を停止し、変動図柄が確定する(S24)。この確定図柄のうち、いわゆる「当たり」と称される図柄が出れば(S26「YES」)、主制御基板91からの指令信号により遊技盤14面の第1種始動入賞口51が開放される(S28)。
そして、この開放された第1種始動入賞51に遊技球が入賞する(S30「YES」)と、第1種始動入賞口用スイッチ110からの検出信号に基づき特別図柄表示装置50の各図柄50A、50B、50Cが順に図柄変動を開始する(S32)。この特別図柄表示装置50は「大当たり」が発生する低確率と高確率の2段階の抽選確率を有し、抽選確率が低確率の場合(S34「YES」)は5.8秒経過後に図柄変動を停止し(S40)、高確率の場合(S34「NO」)は、それよりも短い5.0秒経過後に図柄変動が停止される(S38)。
この特別図柄表示装置50の各図柄50A、50B、50Cに表示される確定図柄の組合せによって「大当たり」と称する遊技状況が発生し、「大当たり」図柄の組合せが出た場合(S42「YES」)は、条件装置が作動し、その「大当たり」図柄の組合せがいわゆる通常図柄(非特定図柄)の場合は大入賞口52が開放状態を繰り返す連続作動回数は最大16回に設定され(S44「YES」、S48)、「大当たり」図柄の組合せがいわゆる特定図柄の場合は、その大入賞口52が開放状態を繰り返す連続作動回数が最大14回に設定され(S44「NO」、S50)、更にその条件装置の作動停止から次の作動開始まで特別図柄表示装置50に係る抽選確率は高確率へと移行する。
そしてこの条件装置の作動によって大入賞口52が開放状態にあるときに、この大入賞口52に遊技球が入賞する(S52「YES」)と、1個の入賞球(セーフ球)に対して15個の賞品球が払出される(S54)。この大入賞口52は1個につき約20秒間開放状態を維持し、その間にセーフ球が10個入賞したことがカウント用スイッチ111からの検知信号により確認される(S64「YES」)と、時間経過前にも閉じるようになっている(S62)。また、大入賞口52の開放に伴って特定領域入賞口53が開放されるが、大入賞口52の開放の間にこの特定領域入賞口53に遊技球が1個入賞する(S56「YES」)と、特定領域入賞検出用スイッチ112からの検出信号に基づき特定領域入賞口53は閉じられ、これに伴って大入賞口52も閉じられる(S58)。
そして連続役物作動回数に達したか否かが判定され(S60)、まだ連続作動回数に達していない場合には、再度大入賞口52が開放される。この連続役物作動には、大入賞口52の開放中及び第1種特別電動役物の作動終了後、約2.0秒以内に遊技球が特定領域入賞口53を通過することによって大入賞口52が閉じられた後、再度大入賞口52が開放されるものである。
そして、所定の連続作動回数が終了するまで前記大入賞口52の開放状態と閉じた状態を繰り返し(S60「NO」)、所定連続回数回数が終了すると大入賞口52は閉じられる(S60「YES」、S62)。また、特定領域入賞口53に遊技球が入賞しなかった場合(S56「NO」)は、大入賞口52が開放状態になってから約20秒経過した後、或いは大入賞口52に遊技球が10個入賞することにより大入賞口52は閉じられ(S64「YES」、S62)、これらの条件を満たすまでは第1種特別電動役物の作動を繰り返し(S64「NO」)、一連の動作は終了する(S66)。
一方、S10において遊技盤14面に向けて発射された遊技球が、ゲート61、62を通過しなかった(S10「NO」)が、遊技盤14面に設けられる何れかの入賞口54〜57等に入賞する(S16「YES」)か、或いはゲートを通過した後に何れかの入賞口に入賞した場合には、入賞検出用スイッチ119a〜119dからの検知信号に基づき入賞球1個につき5個の賞品球が払出される(S18)。なお、何処の入賞口にも入賞しない場合は「はずれ」として処理される(S20)。また、S42において特別図柄表示装置50の変動図柄の確定により「大当たり図柄が出なかった場合(S42「NO」)」も「はずれ」として処理される(S46)。
図8は賞品球の払出経路と入賞球(セーフ球)の払出経路との位置関係を図示したものである。前述したことと一部重複するが、タンクレール78の球流路下端部に遊技球払出樋122と球抜き樋123とが分岐して設けられ、遊技球払出樋122の下流位置に前記球払出装置80が設けられる。そして、その球払出装置80より遊戯者に払出される遊技球(これは後に詳述するが、遊技盤14面の各種入賞口に入賞することによって払出される賞品球の場合と、プリペードカード使用によって払出される貸し球の場合の両方がある。)がクッションローラ124を介して賞球保留部125に一時的に保留され、通常は球出口126より上受け皿16へ払出され、上受け皿16が満杯になったときは賞球通路樋体128を介して下受け皿17へ払出されるようになっている。
図9は、図8に示した遊技球の球払出機構及びそれに隣接して設けられる球抜機構の構成を拡大して示したものである。図示されるように、遊技球払出樋122と分岐して設けられる球抜き樋123の上流端には、賞品タンク77やタンクレール78に貯留される遊技球の球抜き装置130が設けられる。この球抜き装置130は球タンク77やタンクレール78上の遊技球を球払出機構(球払出装置)80へ誘導する遊技球払出樋122との分岐位置において、遊技球の球抜き開口部131が設けられ、その球抜き開口部131に球抜き片132が支軸133を介して開閉自由に設けられている。そしてその球抜き片133に設けられる重鍾(バランサ)134により球タンク77やタンクレール78上に遊技球が存在しない時には球抜き開口部131が閉じられている。
そしてこの球抜き開口部131を開閉を規制するストッパ部材135が支軸136を介して回動自在に設けられ、そのストッパ部材135に設けられる係合爪137が球抜き片132に係脱自在に係合されることにより球タンク77やタンクレール78上に遊技球が存在していても球抜き片132から不用意に開放されることがないように規制されている。さらに前記ストッパ部材135の球抜き片132との係合を解除する球抜き作動レバー138の作動ピン139が前記ストッパ部材135に係合された構成とされている。
したがってこの球抜きレバー138をこの遊技機の管理者が図中手前に引くことにより作動ピン139によりストッパ部材135が押し下げられ、係合爪137が球抜き片132から外されることにより球抜き片132上の遊技球の荷重によって球抜き片132が押し開かれ、球タンク77やタンクレール78上の遊技球が球抜き開口部131より球抜き樋123へ流出されるようになっている。
図10は、前述の球払出装置80を示した図であり、(a)は球払出装置の正面図、(b)は球払出装置の側面図、(c)は球払出装置のA−A線断面図、(d)はB−B線断面図を示している。球払出装置80は、球タンクレール78及び遊技球払出樋122が2列であることに対応して図示のように2本の球補給経路150a、150bを上部に有し、球補給路150aから補給された球は賞品球として払出され、球補給路150bから補給される球は貸し球として払い出される。
図からもわかるように、遊技球払出樋122の下流に位置する球補給経路150a(又は150b)の下方には5個の遊技球を貯留する球貯留部151a(又は151b)が設けられ、その上端開口部には上部係止片152a(又は152b)が設けられ、上部ソレノイド153a(又は153b)により水平方向に往復運動自在に駆動される。また、球貯留部151a(又は151b)の下端開口部には、下部係止片154a(又は154b)が設けられ、下部ソレノイド155a(又は155b)により水平方向に往復運動自在に駆動される。
この球払出機構においては、払出の準備段階には、下部係止片154a(又は154b)を突出させ下端開口部を閉口した状態にするとともに、上部係止片152a(又は152b)を引出して球貯留部151a(又は151b)の上端開口部を開口し、球補給経路150a(又は150b)から供給される球が球貯留部151a(又は151b)に5個補給された後に、上部係止片152a(又は152b)を突出させ球貯留部151a(又は151b)の上端開口部を閉口して球貯留部151a(又は151b)に5個の球が区切られた状態で貯留される。
そして、この球払出機構80が賞品球払出の指令を受けたときには、下部係止片154aをソレノイド155aによって球貯留部151aの下端開口部から引き出すことによりその下端開口部を開口し、球貯留部151aに貯留された5個の遊技球が賞品球払出経路156aに払出され、続いて、次の払出に備えて前記払出の準備段階の動作が行われる。一方、球払出機構80が貸し球払出の指令を受けたときには、下部係止片154bをソレノイド155bにより球貯留部151bの下端開口部から引き出すことによりその下端開口部を開口し、球貯留部151bに貯留された5個の遊技球が貸玉払出経路156bに払出され、続いて、次の払出に備えて前記払出の準備段階の動作が行われる。
賞球払出経路156aには賞品球用払出球検知センサ157aが、貸し球払出経路156bには貸し球用払出球検知センサ157bが夫々設けられており、これにより夫々の払出経路の遊技球の通過が独立して検出される。
図11は、上述した各種制御基板の電気的接続関係を示す制御ブロック図である。この制御ブロック図でもわかるように、特別図柄表示装置50及び普通図柄表示装置60を含む表示ブロックは主制御基板91に接続され、主制御基板91からの指令信号により作動される。また遊技盤14面に設けられる飾りランプやLED等の飾りブロック、あるいは第1種始動入賞口51や大入賞口52等の電動役物を含む役物ブロック、更には音声駆動部165及びスピーカ166を含む音声ブロックなども主制御基板91に接続されている。これらに対しても主制御基板91からの指令信号により制御が行われている。
又、前記主制御基板91は外部接続端子部97やCR払出制御部(基板)88と接続され、CR払出制御部(基板)88は球払出装置80の上部ソレノイド153a,153b及び下部ソレノイド155a,155bに接続される。またCR払出制御部(基板)88にはインターフェイス基板89を介してプリペードカードユニット30が接続され、更に遊技機前面の球貸し操作部31に設けられる度数表示部(基板)35や球貸出しボタン32が接続される。
そしてCR払出制御部(基板)88には、遊技盤面に設けられる各種入賞口への遊技球の入賞信号、及びプリペードカード使用による貸し球要求信号に基づいて前記上部ソレノイド153a及び153bと下部ソレノイド155a及び155bを作動させるソレノイド制御部167が設けられ、更に、発射装置制御部(基板)104を介して打球発射装置100も接続されている。
そして主制御基板91には、入賞検知用スイッチ119a〜119d、セーフ球検知用スイッチ121のほか、前述の球払出装置80に設けられる賞品球用払出球検知センサ157aが接続され、CR払出制御部(基板)88には貸し球用払出球検知センサ157bが接続され、これらの検知信号に基づいて詳細は後述するが、ソレノイド制御部167により球払出機構80が駆動制御されるようになっている。
図12は、このパチンコ遊技機の払出球計数に関係する部分を詳細に説明するための制御ブロック図である。図12中、丸で囲んだ数字(2〜9)は、図13に示す各信号が送信される信号線を示す。主制御基板91には中央処理装置180aと払出球計数回路190aとが設けられおり、CR払出制御基板88には中央処理装置180bと払出球計数回路190bとソレノイド制御部167とが設けられている。
主制御基板に設けられた中央処理装置180aは、賞品球の払出要求信号を受けた場合に球払出機構80に賞品球の払出をするように信号を送信し、その払出が開始してから所定の時間が経過した時に払出球データの読出しを行なうことを知らせる払出データ読出信号をデコーダ193aに送信する。
主制御基板91に設けられる払出球計数回路190aは、カウンタ191aとバスバッファ192aとクリア信号生成手段194aとデコーダ193aとを有している。カウンタ191aは、払出球検知センサ157a、バスバッファ192a及びクリア信号生成手段194aに接続され、払出球検知センサ157aからの払出球検知信号に基づき払出球の個数を計数し、クリア信号生成手段194aからクリア信号を受信したときに払出球計数データを「0」にする。カウンタ191aとしては、例えば、内部でフリップフロップが直列に接続されているカウント用のディジタルICを用いることができる。
デコーダ193aは、中央処理装置180a及びバスバッファ192aに接続され、中央処理装置180aが発する払出球計数データ読出信号を検出したときにバスバッファ192aに払出球計数データの送出を指令するリード信号を送出する。バスバッファ192aは、前記リード信号を受信するとカウンタ191aのカウント値を中央処理装置180aに伝達する。クリア信号生成手段194aは、電源投入時に初期リセット信号を受信したとき及び新たな払出要求の発生により中央処理装置180aが発する払出球計数データリセット信号を受けた時にカウンタにクリア信号を発する。
同様に、CR払出制御基板88に設けられる払出球計数回路190bも、カウンタ191bとバスバッファ192bとクリア信号生成手段194bとデコーダ193bとを有している。カウンタ191bは、払出球検知センサ157b、バスバッファ192b及びクリア信号生成手段194bに接続され、払出球検知センサ157bからの払出球検知信号に基づき払出球の個数を計数し、クリア信号生成手段194bからクリア信号を受信したときに払出球計数データを「0」にする。カウンタ191bとしては、例えば、内部でフリップフロップが直列に接続されているカウント用のディジタルICを用いるとよい。
CR払出制御基板に設けられた中央処理装置180bは、貸球の払出要求信号を受けた場合には球払出機構80に貸球の払出をするように信号を送信し、その払出が開始してから所定の時間が経過した時には払出球計数データの読出しを行なうことを知らせる払出データ読出信号をデコーダ193bに送信する。
デコーダ193bは、中央処理装置180b及びバスバッファ192bに接続され、中央処理装置180bが発する払出球計数データ読出信号を検出したときにバスバッファ192bに払出球計数データの送出を指令するリード信号を送出する。バスバッファ192bは、前記リード信号を受信するとカウンタ191bのカウント値を中央処理装置180bに伝達する。クリア信号生成手段194bは、電源投入時に初期リセット信号を受信したとき及び新たな払出要求の発生により中央処理装置180bが発する払出球計数データリセット信号を受けた時にカウンタにクリア信号を発する。
図13は、図12に示す制御ブロック図の各部の動作を説明するタイミングチャートである。先ず、賞品球の払出球の計数について説明する。電源(1)が投入されると、初期リセット信号(2)がクリア信号生成手段194aに入力され、クリア信号生成手段194aはカウンタ191aにクリア信号(5)を出力し、これによりカウンタ191aの払出球計数データは「0」にされる。
払出要求信号(3)を受けた中央処理装置180aは、クリア信号生成手段194aに払出球計数データリセット信号(4)を送出し、この信号を受けたクリア信号生成手段194aはカウンタ191aにクリア信号(5)を出力し、これによりカウンタ191aの払出球計数データは払出を行なう前には「0」にリセットされる。
続いて、中央処理装置180aは払出信号(6)をソレノイド制御部167に送信し、ソレノイド制御部167は球の払出を開始するようにソレノイド153a及び155aを駆動する。払出球検知センサ157aは球払出機構80から落下する球を検知する度に検知信号(7)を出力し、カウンタ191aはこの払出球検知信号を受けるたびに払出球計数データを「1」づつ加算する。
払出を開始して所定の時間が経過した後に、中央処理装置180aは払出信号(6)を停止するので、ソレノイド制御部167は払出動作を終了させる。そして、中央処理装置180aは計数データ読取信号をデコーダ193aに出力し、デコーダ193aはバスバッファ192aにリード信号(8)を出力する。このリード信号を受けたバスバッファ192aは、カウンタ191aの払出球計数データを中央処理装置180aに送出する。
貸し球の払出個数の計数を行なう場合にも、賞品球の払出球の計数の場合と同様に処理を行なう。簡潔に述べると、電源(1)が投入された時及び払出要求信号(3)を受けた際に、カウンタ191bの払出球計数データは「0」にされ、続いて、中央処理装置180bの払出信号(6)により、球の払出が開始される。そして、球払出機構80から落下する球は払出球検知センサ157bによって検知され、カウンタ191bは払出検知信号(7)の回数に計数して払出球個数を計数する。払出を開始して所定の時間が経過して払出動作を終了した後に、中央処理装置180bからの計数データ読取信号に応じて送信されるデコーダ193bからのリード信号(8)を受けたバスバッファ192bは、カウンタ191bの払出球計数データを中央処理装置180bに送出する。
このように構成されたパチンコ遊技機によれば、遊技板14面の各入賞口への遊技球の入賞により主制御基板91の中央処理装置180aからソレノイド制御手段167へ賞品球の払出信号が送信されると、ソレノイド155aは下部係止片154aを貯留部下端から排し、貯留部151aに貯留されている5個の球は払出経路に落下し排出される。賞品球払出経路156aより排出される賞品球は、払出経路156aに設けられる賞品球用払出球検知センサ157aにより検知され、その検知信号に基づいて払出球個数がカウンタ191aにより計数される。
そして、所定時間が経過した後には貯留されていた5個の球は落下を終了しているので、中央処理装置180aは前記払出信号を停止し、前記カウンタ191aの計数データを読取ることにより払出個数値「5」を取得する。ここで、払出個数が前記入賞した入賞口に対応する払出個数に達していない場合には、その対応する個数に達するまで同様に5個づつ払出を行なう。
一方、プリペードカード使用により貸し球要求信号がCR払出制御部(基板)88に入力されると、該CR払出制御部(基板)88において中央処理装置180bからソレノイド制御部167へ貸し球の払出信号が送信される。ソレノイド155bは下部係止片154bを貯留部下端から排し、貯留部151bに貯留されている5個の球は払出経路に落下し排出される。貸し球払出経路156bより排出される賞品球は、払出経路156bに設けられる貸し球用払出球検知センサ157bにより検知され、その検知信号に基づいて払出球個数がカウンタ191bにより計数される。
そして、所定時間が経過した後には前記5個の球は落下を終了しているので、中央処理装置180bは前記払出信号を停止し、前記カウンタ191bの計数データを読取ることにより払出個数値「5」を取得する。ここで、払出個数が前記貸玉要求信号に対応する個数に達していない場合には、その対応する個数に達するまで同様に5個づつ払出を行なう。
図14は、図12に示す制御ブロック図の変形例である。図12に示す制御ブロック図では、中央処理装置180a(又は180b)が払出球計数データリセット信号(4)をクリア信号生成手段194a(又は194b)に送信して、この信号によりクリア信号生成手段194a(又は194b)はカウンタ191a(又は191b)にクリア信号(5)を送信するように構成しているが、該変形例では、中央処理装置180a(又は180b)とクリア信号生成手段194a(又は194b)との接続線を設けずに、デコーダ193a(又は193b)とクリア信号生成手段194a(又は194b)とを接続し、リード信号(8)をクリア信号生成手段194a(又は194b)に送信するようにし、クリア信号生成手段194a(又は194b)はリード信号(8)の終了を検知し、その終了によりカウンタ191a(又は191b)にクリア信号(5)を送信する様にしている。その他の構成及び処理に関しては、両者は相違しない。
図15は、図14に示す制御ブロック図の各部の動作を説明するタイミングチャートである。先ず、賞品球の払出球の計数について説明する。電源(1)が投入されると、初期リセット信号(2)がクリア信号生成手段194aに入力され、クリア信号生成手段194aはカウンタ191aにクリア信号(5)を出力し、これによりカウンタ191aの払出球計数データは「0」にされる。
そこで、払出要求信号(3)を受けた中央処理装置180aは払出信号(6)をソレノイド制御部167に送信し、ソレノイド制御部167は球の払出を開始するようにソレノイド152a、155aを駆動する。払出球検知センサ157aは球払出機構80から落下する球を検知する度に検知信号(7)を出力し、カウンタ191aはこの払出球検知信号を受けるたびに払出球計数データを「1」づつ加算する。
払出を開始して所定の時間が経過した後に、中央処理装置180aは払出信号(6)を停止するので、ソレノイド制御部167は払出動作を終了させる。そして、中央処理装置180aは計数データ読取信号をデコーダ193aに出力し、デコーダ193aはバスバッファ192a及びクリア信号生成手段194aにリード信号(8)を出力する。このリード信号を受けたバスバッファ192aは、カウンタ191aの払出球計数データを中央処理装置180aに送出する。クリア信号生成手段194aはリード信号(8)の終了を検知して、その終了時にそのカウンタ191aにクリア信号(5)を送出し、これによりカウンタ191aの払出球計数データは「0」にされる。
貸し球の払出個数の計数を行なう場合にも、賞品球の払出球の計数の場合と同様に処理を行なう。簡潔に述べると、電源投入時にはカウンタ191bの払出球計数データは「0」にされ、続いて、中央処理装置180bの指示信号(6)により、球の払出が開始される。そして、球払出機構80から落下する球は払出球検知センサ157bによって検知され、カウンタ191bは払出検知信号(7)の回数に計数して払出球個数を計数する。払出を開始して所定の時間が経過して払出動作を終了した後に、中央処理装置180bからの計数データ読取信号に応じて送信されるデコーダ193bからのリード信号(8)を受けたバスバッファ192bは、カウンタ191bの払出球計数データを中央処理装置180bに送出する。そして、カウンタ計数データの読出が終了すると、カウンタ191bの払出球計数データが「0」にリセットされる。
かくして改変された場合にも、遊技板14面の各入賞口への遊技球の入賞により主制御基板91の中央処理装置180aからソレノイド制御手段167へ賞品球の払出信号が送信されると、ソレノイド155aは下部係止片154aを貯留部151aの下端から排し開口し、貯留部151aに貯留されている5個の球は払出経路に落下し排出される。賞品球払出経路156aより排出される賞品球は、払出経路156aに設けられる賞品球用払出球検知センサ157aにより検知され、その検知信号に基づいて払出球個数がカウンタ191aにより計数される。
そして、所定時間が経過した後には前記5個の球は落下を終了しているので、中央処理装置180aは前記払出信号を停止し、前記カウンタ191aの計数データを読取ることにより払出個数値「5」を取得する。ここで、払出個数が前記入賞した入賞口に対応する払出個数に達していない場合には、その対応する個数に達するまで同様に5個づつ払出を行なう。
一方、プリペードカード使用により貸し球要求信号がCR払出制御部(基板)88に入力されると、該CR払出制御部(基板)88において中央処理装置180bからソレノイド制御部167へ貸し球の払出信号が送信される。ソレノイド155bは下部係止片154bを貯留部151bの下端から排し、貯留部151bに貯留されている5個の球は払出経路に落下し排出される。貸し球払出経路156bより排出される賞品球は、払出経路156bに設けられる貸し球用払出球検知センサ157bにより検知され、その検知信号に基づいて払出球個数がカウンタ191bにより計数される。
そして、所定時間が経過した後には前記5個の球は落下を終了しているので、中央処理装置180bは前記払出信号を停止し、前記カウンタ191bの計数データを読取ることにより払出個数値「5」を取得する。ここで、払出個数が前記貸玉要求信号に対応する個数に達していない場合には、その対応する個数に達するまで同様に5個づつ払出を行なう。
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、本発明のパチンコ遊技機はプリペードカード式のものに限定されるものではなく、パチンコ遊技機は、現金が投入された場合に球払出装置によって貸し球の払出を行ない、入賞口に遊技球が入賞すると球払出装置によって賞球の払出を行なうように構成しても良い。球補給経路や球払出経路の形態や数、球払出機構の球貯留部に貯留される球の個数は設計に応じて変更可能であり、賞品球に係る貯留球個数と貸し球に係る貯留球個数とが異なるようにしても良い。そして、貯留球個数が多いほど遊技球の払出動作は速やかに行われることになる。
また、前記実施例では、貸し球の払出及び払出球計数データ取得の処理を実行する中央処理装置と賞品球の払出及び払出球計数データ取得の処理を実行する中央処理装置と夫々設けたが、1つの中央処理装置によって貸し球及び賞品球の払出及び払出球計数データ取得の処理を実行するようにしてもよい。
その他、球抜き装置に関する構成については、パチンコ遊技機がカード式パチンコ遊技機でない場合には、図9における球抜き開口部131等を当該パチンコ遊技機に設ける構成とせず、パチンコ遊技機の何れかの箇所に設けられた球抜き操作手段(パチンコ機前面に設けられた球抜きピン挿通孔に球抜きピン139が押圧挿入されて操作される。)に付設された球抜き操作検出スイッチの検出動作に基づく操作信号を球抜き起動信号として、前記払出装置80が球抜きのために払出動作を行なうように構成してもよい。
例えば、この前記球抜き起動信号がパチンコ遊技機の払出制御部(前記実施の形態においては、主制御基板91又はCR払出制御基板88)に入力すると、前記実施の形態の貸し球払出時又は賞品球払出時と同様に払出動作及び払出球計数処理を行ない、前記実施の形態において賞品球払出経路として用いている払出経路156a又は貸し球の払出経路として用いている払出経路156bに遊技球を球抜きすると共に抜き球の計数をするように構成してもよい。
本発明の請求項1に記載のパチンコ遊技機は、計数手段が払出球検知センサの信号に基づいて払出球の計数を行ない、中央処理装置は計数手段の払出球計数データを読み出すことにより払出の個数値を取得するように構成される。一方、低コストで調達することができる計数手段であっても高速に計数をすることができる。従って、請求項1に記載の発明によれば、低コストで払出球の計数速度を向上させることができ、高速に遊技球を払出す球払出装置を用いることができるようになるという効果を有する。また、中央処理装置は1個づつの払出球の計数処理をする必要がなくなくなり信号処理負担が軽減されるので、遊技機全体の処理の迅速化が図られるという効果を奏するものである。
更に、一旦貯留した複数個の球を払出信号が発生した場合にまとめて払出す構成の球払出装置を用いるようにすれば、簡易な構成で高速に球の払出を行なうことができるようになるとともに、その払出された球を正確に計数できるパチンコ遊技機が提供されることになる。また、いわゆる「当たり」の状態が発生したときに、多数の賞品球が高速に払出されるので、遊技者はより強く「当たり」発生の快感を味わうことができるようになり、このパチンコ遊技機は高いゲーム性を有するものとなるという効果も有する。
また、請求項2に記載の発明によれば、入賞検知信号及び/又は貸し球の払出要求信号に基づいてなされる払出しに関し、請求項1に記載の技術思想を適用するようにしたので、低コストで賞品球及び/又は貸し球の払出球の計数速度の向上が図られ、かつ、中央処理装置の信号処理負担を軽減することができるという利益をもたらす。また、高速に賞品球及び/又は貸し球を払出す球払出装置を用いることができるようになるという効果を有する。