JP2022134993A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】入球口への必要以上の入球を抑える弾球遊技機を提供すること。【解決手段】弾球遊技機は、上方に向けて開口して入球口6Cと、入球口6Cの直上位置に配置され、入球口6Cを入球可能な状態と入球不可能な状態とに切り替えるシャッタ部材63Cと、を備えたものである。シャッタ部材63Cは、遊技盤2の盤前面の前後方向に沿って進退変位可能で、盤前面の側からその前方へ略直角方向に進出した進出位置にて入球口6Cを入球不可能な状態に閉鎖するようになし、且つ進出位置にて、遊技球を遊技盤2の略幅方向に沿って転動可能な流下路631をなし得る一方、シャッタ部材63Cは後方に退避した退避位置にて入球口6Cを入球可能な状態に開放するようになす。そして、シャッタ部材63Cの上面には、少なくとも流下路631の上流部に、シャッタ部材63Cの進退方向に沿って延びる凸部67を設けた。【選択図】 図17

Description

本発明は弾球遊技機、特に、遊技領域を流下する遊技球を入球させ得る入球口と、当該入球口を入球可能な状態と入球不可能な状態とに切り替えるシャッタ部材とを備えた弾球遊技に関する。
従来、弾球遊技機であるパチンコ機には、上方に向かって開口して遊技球が通過し得る開口部と、当該開口部を開閉するシャッタ部材と、開口部における球詰まりを防止するようにシャッタ部材を駆動するアクチュエータとで入賞口を構成したものがある(例えば、特許文献1参照。)。この種の入賞口によれば、球の零れが少なく、入球させ易い。
特開2018-27194号公報
しかしながら、特許文献1のような入賞口を、大入賞口や普通電動役物に採用した昨今の遊技機では、一部の小当り(小当り時の開放で略100%の確率でV通過させるように設計されたもの)が実行される場合や、普図当りに基づいて「超短開放」(入球を回避するよう設計されたもの)を実行する場合において、その高い入球性能がゆえに、必要以上の入球を発生させることになってしまっていた。このため、弾球遊技機の設計時点での入賞性能と実際の入賞性能とに差異が生じるといった問題があった。
そこで本発明は、前記事情に鑑み、入球口への必要以上の入球を抑えることができる弾球遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
本発明の弾球遊技機は、遊技盤と、
前記遊技盤の盤前面に設けられた遊技領域と、
前記遊技領域に配置され、上方に向けて開口して前記遊技領域を流下する遊技球を入球させ得る入球口と、
前記入球口の直上位置に配置され、前記入球口を前記遊技球が入球可能な状態と入球不可能な状態とに切り替えるシャッタ部材と、
を備えた弾球遊技機において、
前記シャッタ部材は、前記入球口の直上位置を前記遊技盤の盤前面の前後方向に沿って進退変位可能で、前記盤前面の側からその前方へ向け前記盤前面に対して略直角方向に進出した進出位置にて前記入球口の上方を前記入球不可能な状態に閉鎖するようになし、
且つ前記シャッタ部材は、前記進出位置にて、前記盤前面の略幅方向に沿って延びる前記シャッタ部材の上面が前記遊技球を前記略幅方向に沿って転動可能な流下路をなし得る一方、
前記シャッタ部材は、後方に退避した退避位置にて前記入球口の上方を前記入球可能な状態に開放するようになし、
前記シャッタ部材の上面には、少なくとも前記流下路の上流部に、前記シャッタ部材の進退方向に沿って延びる凸部を備えたことを要旨とする。
本発明の弾球遊技機は、シャッタ部材が進出位置にあり入球口を閉鎖しているときに、シャッタ部材上面の流下路を遊技球が転動すると、遊技球は凸部に当接してこれを乗り越えるように上方へ跳ね上げられる。このタイミングで、シャッタ部材が進出位置から後方に退避して入球口が開放されても、跳ね上げられた遊技球は即時に入球口へ入球しない。そして、遊技球が跳ね上げられている間に、再度、シャッタ部材が前方に進出して進出位置に戻ると、跳ね上げられた遊技球はシャッタ部材の上面に受け止められ、該遊技球が入賞することを阻止することができる。このように本発明の弾球遊技機は、シャッタ部材が後方の退避位置にあり入球口の上方が開放された時点で入球口の上方に到達した遊技球の入賞を阻害するものではないが、入球口の開放の前に既にシャッタ部材の上面を転動していた遊技球は、入球口への入球を予定していない遊技球として入球口への入球を阻止することができる。従って、入球口への必要以上の入球を抑えることができ、もって設計時点での入賞性能と実際の入賞性能との差異を軽減できる弾球遊技機を提供することができる。
本発明の弾球遊技機は、シャッタ部材の上面の凸部を、少なくともシャッタ部材上面の流下路の上流部寄りの位置に、流下路の幅方向ほぼ全幅にわたって配置することが好適である。これにより、遊技球が凸部に当接して跳ね上げられるタイミングを、遊技球がシャッタ部材の上面を転動する早いタイミングで遊技球を跳ね上げることができる。これによりシャッタ部材が退避し、再度、シャッタ部材が進出位置に進出したときに、跳ね上げた遊技球を受け止める可能性を高くできる。よって跳ね上げた遊技球が入賞してしまう前に、これを受け止めることができる。
また、シャッタ部材の上面の凸部は、シャッタ部材上面の流下路の全幅にわたって延びる凸条形状とすることが望ましい。これにより、シャッタ部材上面をその幅方向に転動する遊技球が、シャッタ部材上面の流下路の幅方向(流下方向と直交する方向)の何れの位置にあったとしても、遊技球が確実に凸部に当接して遊技球を上方へ跳ね上げることができる。尚、凸部は、凸条形状ではなく、流下路の全幅にわたって連続せずに分断された形態で形成することも考えられる。
更に、凸部は、シャッタ部材の流下路の最上流部の位置に設けることは勿論、これを含めてシャッタ部材の流下路の長さ方向(流下方向)に沿って間隔をおいて複数列設けることも考えられる。この場合、流下路の途中で跳ね上げた遊技球がシャッタ部材より更に下流に落下するのであれば、入球口の閉鎖を待たずに該遊技球の入球を阻止することができる。
更にまた、凸部は、流下路の長さ方向の断面形状に関しては流下路を転動する遊技球を跳ね上げることが可能な形状として、断面三角形に形成することが考えられる。この場合、凸部の上流側の傾斜面をシャッタ部材の上面に対して遊技球の転動方向に沿う斜め上方略30~45度の範囲の傾斜角にすることが考えられる。これによれば、遊技球がシャッタ部材の凸部に当接した際に遊技球の流下路を転動する移動エネルギーを、無駄なく、遊技球を上方へ跳ね上げるエネルギーに変換し、遊技球が上昇した後に落下してくるまで(入賞してしまうまで)の時間をなるべく長くすることができ、入球口を再び閉鎖したシャッタ部材が遊技球を受け止める可能性が高くなる。尚、凸部の上流側の傾斜面を断面凹形の円弧状に形成することも考えられる。
尚、シャッタ部材の凸部の断面形状は、三角形に限らず、断面方形状としたり、断面半円状としたりすることも考えられる。これらの構成でも、遊技球と当接した際に該遊技球を上方に向けて跳ね上げることができる。さらに、他の形状であっても、当接により跳ね上げることが期待できるのであればその形状を採用することができる。
本発明を適用した弾球遊技機の正面図である。 前記弾球遊技機の遊技盤の正面図である。 前記弾球遊技盤の右打ち遊技領域の説明図である。 前記弾球遊技機の背面図である。 前記弾球遊技機の電気ブロック図である。 前記弾球遊技機で用いられる特別図柄を示す図である。 前記弾球遊技機の遊技仕様を示す図である。 前記弾球遊技機で用いられる大入賞口に関する第1の説明図である。 前記大入賞口に関する第2の説明図である。 前記大入賞口に関する第3の説明図である。 前記大入賞口で用いられる得る他のシャッタ部材に関する説明図である。 前記弾球遊技機で用いられる他の大入賞口に関する第1の説明図である。 前記他の大入賞口に関する第2の説明図である。 前記他の大入賞口に関する第3の説明図である。 前記他の大入賞口で用いられる得る他のシャッタ部材に関する説明図である。 前記弾球遊技機で用いられる普通電動役物に関する第1の説明図である。 前記普通電動役物に関する第2の説明図である。 前記普通電動役物に関する第3の説明図である。
〔第1の実施例〕
以下、第1の実施例の弾球遊技機(パチンコ機)について、図面を参照しながら説明する。まず、図1から図4を参照して、本実施例におけるパチンコ機1の外観構成を説明する。
(1.パチンコ機1の概略構成)
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技者が遊技可能な遊技機であり、遊技施設に設置される。
(1-1.パチンコ機1の前面構成)
パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101,101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び内枠30(図4参照)が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び内枠30はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して内枠30を開放するようになし、反時計回りの操作により前枠11を開放可能である。
前枠11の板ガラス110の奥には内枠30に保持された遊技盤2(図2参照)が設けてある。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112,112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
本パチンコ機1は、所謂、CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に精算表示装置170の球貸スイッチ171、精算スイッチ172及び精算表示器が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
(1-2.パチンコ機1の遊技盤の構成)
図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。また遊技領域は、そのほぼ中央上方寄りの位置にセンターケース200が装着されている。これにより遊技領域20は、所定力未満の発射威力で発射された遊技球が流下する可能性が高い左打ち遊技領域Lと、前記所定力以上の発射威力で発射された遊技球が流下する可能性が高い右打ち遊技領域Rとに分けられる。尚、遊技領域20には多数の遊技釘や風車が植設されている。
センターケース200は中央に演出図柄表示装置46(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。尚、センターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
センターケース200の直下には、常時入球(入賞)可能な第1特別図柄(以下、単に第1特図という)の第1特図始動口23が設置されている。第1特図始動口23へは、左打ち遊技領域Lからセンターケース200のワープ樋等を流下する遊技球が入球しやすい構成である。第1特図始動口23は、入球により第1特図の当否判定が実行される起因となる入球口である。第1特図始動口23への入球により第1特図の大当り決定用乱数、第1特図の大当り図柄決定用乱数、第1特図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、当否判定に用いられる。第1特図の保留記憶は4つまで記憶される。これら保留記憶に基づいて第1特図の当否判定が実行され、結果は大当り、ハズレのいずれかの判定がなされる。また左打ち遊技領域Lには複数の一般入賞口27が配置されている。
図2及び図3に右打ち遊技領域Rの詳細を示し、右打ち遊技領域Rは、透明な流下路203に沿って遊技球が流下するように構成されている。流下路203には、上流側から役連ゲート204、普図作動ゲート21、普通電動役物(単に、普電役物という)22、第2特図始動口24、及び大入賞口25が配置されている。流下路203に沿って流下する遊技球は先ず、役連ゲート204に入球し、これを通過することで遊技球が右打ち遊技領域Rへ入ったことが検知される。
役連ゲート204の下流には、鉛直下方へ遊技球を誘導する流路205が連結されている。そして流路205には、普図作動ゲート21が配置されている。普図作動ゲート21は、役連ゲート204を通過した遊技球が高い確率で入球し通過可能に設けられている。普図作動ゲート21は、遊技球が入球し通過することにより普通図柄(以下、単に普図という)の当否判定が実行される起因となるものである。普図作動ゲート21は、遊技球の通過により普図の当り決定用乱数、普図の当り図柄決定用乱数、普図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、これらの乱数が当否判定に用いられる。普図の保留記憶は4つまで記憶される。これら保留記憶に基づいて普図の当否判定が実行され、結果は普図当り、ハズレのいずれかの判定がなされる。
更に流路205には、普図作動ゲート21の左右両側には遊技球をパチンコ機台内へ取り込むアウト球口206,206が配置されている。これらは流路205の左右両側壁に設けられた開口部と連通され、普図作動ゲート21へ入球できなかった遊技球を取り込むように構成されている。即ち、遊技球が普図作動ゲート21へ入球し通過する際に球の流下速度が落ちるため、後続の遊技球が前の球に衝突して横に逸れて前記開口部より流下路外へ飛び出すことになり、アウト球口206,206は、これらの球を取り込むものである。これにより普図作動ゲート21へ連続して入球する遊技球はある程度の間隔をおくことになる。
流路205の下流側には、普電役物22が配置されている。普電役物22の詳細については図16乃至図18を用いて詳細を後述するが、普電役物22は、遊技球が入球可能な状態と入球不可な状態とに切換可能な入球口6Cからなる。普電役物22(6C)は、上方に向けて開口する開口部61と、該開口部61を開閉可能となすシャッタ部材63Cとを備えている。そして普電役物22(6C)は、シャッタ部材63Cの開閉により、内部に配置された第2特図始動口24を入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに択一的に切り替え可能である。
普電役物22は、通常、シャッタ部材63Cにより閉鎖状態とされている。この場合、普図作動ゲート21から流下する遊技球が、普電役物22の上流側の遊技釘により案内されて普電役物22に達すると、閉鎖状態のシャッタ部材63Cの上面に沿って遊技球を遊技盤2の略幅方向に沿う下流側へ誘導可能である。
そして、普電役物22は、普図の当否判定の結果が普図当りであれば、普図当り遊技においてシャッタ部材63Cが作動することにより、所定の開放態様、開放時間で開放され、シャッタ部材63Cの開放時にのみ第2特図始動口24への入球が可能とされている。
第2特図始動口24は、入球により第2特別図柄(以下、単に第2特図という)の当否判定が実行される起因となる入球口である。第2特図始動口24への入球により第2特図の大当り決定用乱数、第2特図の大当り図柄決定用乱数、第2特図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、これらの乱数が当否判定に用いられる。第2特図の保留記憶は4つまで記憶される。これら保留記憶に基づいて第2特図の当否判定が実行され、結果は大当り、小当り又はハズレのいずれかの判定がなされる。
尚、普電役物22は、閉鎖状態ではシャッタ部材63C上面が遊技球の流下路をなし、普電役物22の位置に到達した遊技球を、普電役物22のシャッタ部材63C上面を通過させつつ、右打ち遊技領域Rの中央側かつ下流側に位置する大入賞口25へ向けて案内(誘導)する。
右打ち遊技領域Rには普電役物22の下流側に大入賞口25は配置されている。大入賞口25の詳細については図8乃至図10を用いて詳細を後述するが、大入賞口25は、遊技球が入球可能な状態と入球不可な状態とに切換可能な入球口6からなる。大入賞口25(6)は、上方に向けて開口する開口部61と、該開口部61を開閉可能となすシャッタ部材63とを備えている。そして大入賞口25(6)は、シャッタ部材63の開閉により、入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに択一的に切り替え可能である。
大入賞口25は、通常、シャッタ部材63により閉鎖状態とされている。この場合、普電役物22側から流下する遊技球が、大入賞口25の上流側の遊技釘により案内されて大入賞口25に達すると、閉鎖状態のシャッタ部材63の上面に沿って遊技球を転動させつつ遊技盤2の略幅方向に沿う中央側かつ下流側へ誘導可能である。
大入賞口25は、第1特図の当否判定に起因する大当り遊技、第2特図に起因する大当り遊技及び小当り遊技においてシャッタ部材63が作動することにより所定の開放態様で開放される。大入賞口25は、開放時にのみ入球可能とされている。また、大入賞口25はV入賞口26を備え、V入賞口26には大入賞口25に入球した遊技球が略100%の確率で入球するようにしてある。
大入賞口25の下流には、一般入賞口27が配置されている。更に、図2に示すように、遊技領域20の中央下端部の盤面最下部には遊技球を取込むアウト球口206が配置されている。
また、遊技盤2の右下端部には、レール201の外部に配置された状態報知部において、第1特図表示装置281、第1特図保留数表示装置282、第2特図表示装置283、第2特図保留数表示装置284、普通図柄表示装置285及び普図保留数表示装置286が配置されている。
(1-3.パチンコ機1の裏面構成)
図4はパチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏面側には、遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図4の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り上皿12に払い出される。また、賞球を払い出す払出ユニット33により球貸スイッチ171の操作で払い出される貸球も払い出す構成である。
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図4では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の裏側に設けられている。
主制御装置40には、RWMクリアスイッチ及び設定キースイッチが設けられる。RWMクリアスイッチは、主として、主制御装置40に内蔵されたRWMに記憶された遊技情報等をクリアする際に操作される。尚、RWMクリアスイッチは、払出制御装置41や電源基板45に配置してもよい。
主制御装置40には、4つの7セグメントLED表示器からなる性能表示装置が設けられている。パチンコ機1は、性能表示装置をパチンコ機1の裏面側に設けることにより、遊技中の遊技者から見えない位置に性能表示装置を配置することができる。
また、払出制御装置41には、不正があったと主制御装置40が判断した場合に、LEDを点灯し、不正があった旨を遊技施設の従業員等に報知する不正報知ランプが設けられている。
パチンコ機1の裏面側には、球タンク31の右側に、外部接続端子板38が配置され、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ500(図5参照)へ送られる。尚、従来はホールコンピュータ500へ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータ500へ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータ500へ出力するための端子)の2種類を用いられているが、本実施例では、一つの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ500へ送信される。
(2.パチンコ機1の電気的構成)
次に、図5を参照して、パチンコ機1の電気的構成を説明する。パチンコ機1は、遊技進行等の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43及び発射制御装置44を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、いずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置はいずれもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
本実施例において、発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等が設けられてもいてもよい。
(2-1.主制御装置40)
図5に示すように、パチンコ機1の電気的構成は、主として遊技の制御を司る主制御装置40を中心に構成される。主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介してホールコンピュータ500又は試射試験装置(図示せず)に電気的に接続される。そして、主制御装置40からの出力信号は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介してホールコンピュータ500又は試射試験装置に送られる。
主制御装置40には、裏配線中継端子板530を介して、前枠11(図1参照)が開放しているか否かを検出するガラス枠開放スイッチ501、及び、内枠30(図4参照)が開放しているか否かを検出する内枠開放スイッチ502が接続される。尚、図においてスイッチは、単にSWと記載する。これらガラス枠開放スイッチ501及び内枠開放スイッチ502は、各々の検出信号を主制御装置40に出力する。尚、図5において、「スイッチ」は「SW」と記す。
また、主制御装置40には、遊技盤中継端子板531を介して、第1特図始動口23(図2参照)への入球を検出する第1特図始動口スイッチ503、第2特図始動口24(図2参照)への入球を検出する第2特図始動口スイッチ504、普図作動ゲート21(図2参照)への入球を検出する普通図柄作動スイッチ505、大入賞口25(図2参照)への入球数をカウントするカウントスイッチ506、役連ゲート204(図2参照)への入球を検出する役連ゲートスイッチ507、V入賞口26(図2参照)への入球数を検出するV入賞口スイッチ508、一般入賞口27(図2参照)への入球を検出する一般入賞口スイッチ509、及びアウト球口206(図2参照)に取り込まれた遊技球を検出するアウト球口スイッチ510が接続される。そして、これら第1特図始動口スイッチ503、第2特図始動口スイッチ504、普通図柄作動スイッチ505、カウントスイッチ506、役連ゲートスイッチ507、V入賞口スイッチ508、一般入賞口スイッチ509及びアウト球口スイッチ510は、各々の検出信号を主制御装置40に出力する。尚、図5において「スイッチ」は、「SW」と記載した。
更に、主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して大入賞口ソレノイド511が接続され、これを駆動することにより大入賞口25(図2参照)の開閉制御を行う。更にまた、主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して普電役物ソレノイド512が接続され、これを駆動することにより普電役物22(図2参照)の開閉制御を行う。尚、図5において「ソレノイド」は、「SOL」と記載した。
主制御装置40は、搭載されたプログラムに従って動作する。そして、主制御装置40は、各種検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種コマンドを生成し、払出制御装置41及びサブ統合制御装置42にコマンドを出力する。更に、主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板533を介して接続された第1特図表示装置281、第1特図保留数表示装置282、第2特図表示装置283、第2特図保留数表示装置284、普通図柄表示装置285及び普通図柄保留数表示装置286の表示制御を行う。
尚、主制御装置40に搭載されるMPU(Micro Processing Unit)は、CPUと、ROMと、RAMと、カウンタ回路と、タイマ回路と、乱数回路とを主に備える。CPU、ROM、RAM、カウンタ回路、タイマ回路及び乱数回路の各々は、内部バスを介して接続され、内部バスは、外部バスインターフェイスを介して、パチンコ機1に設けられた各種スイッチや各種装置等に通信可能に接続されている。
(2-2.払出制御装置41)
次に払出制御装置41について説明する。払出制御装置41は、主制御装置40に対して双方向通信可能に接続される。払出制御装置41には、払出中継端子板534及び裏配線中継端子板530を介してガラス枠開放スイッチ501及び内枠開放スイッチ502に接続される。そして、払出制御装置41は、外部接続端子板38を介して賞球に関する情報、前枠11及び内枠30の開閉状態に関する情報等をホールコンピュータ500又は試射試験装置(図示せず)に送信する。また、払出制御装置41は、必要に応じて、遊技球の発射を停止させるための発射停止信号を発射制御装置44に送信する。
また、払出制御装置41は、裏配線中継端子板530を介して、球タンク31(図4参照)が空状態になったことを検出する球切れスイッチ520が接続される。球切れスイッチ520は、球タンク31が空状態になったことを検出すると、検出信号を払出制御装置41に出力する。
更に、払出制御装置41には、払出中継端子板534を介して、遊技球の払出を行う払出モータ521と、遊技球が払い出されたことを検出する払出スイッチ522とが接続される。払出制御装置41は、主制御装置40から送られるコマンドに応じて払出モータ521を駆動し、遊技球の払出を行う。払出スイッチ522は、遊技球が払い出されたことを検出すると、検出信号を払出制御装置41に出力する。更に、払出制御装置41には、下皿13が満杯状態になったことを検出する満杯スイッチ523が接続される。満杯スイッチ523は、下皿13が満杯状態になったことを検出すると、検出信号を払出制御装置41に出力する。
払出制御装置41は、球切れスイッチ520から検出信号が入力された場合、及び、満杯スイッチ523から検出信号が入力された場合、払出モータ521を停止する。これにより、払出ユニット33による賞球の払出動作が停止される。球切れスイッチ520は、球切れ状態が解消されるまで検出信号を出力し続け、満杯スイッチ523は、下皿13の満杯状態が解除されるまで検出信号を出力し続ける。そして、払出制御装置41は、球切れスイッチ520及び満杯スイッチ523からの検出信号の入力が停止すると、払出モータ521の駆動を再開する。
尚、機台内に封入した遊技球を循環させて遊技を行う封入式遊技機等に本発明を採用する場合、主制御装置40から払出制御装置41(封入式遊技機の場合では、遊技球の払出が行われないため、枠制御装置と称するのが好適)への一方向通信としてもよい。この場合、遊技機は、不正され難い構成とすることができる。
更に、払出制御装置41には、CRユニット端子板535を介して、CRユニットCR及び精算表示装置170に双方向通信可能に接続される。精算表示装置170には、遊技者により操作される球貸スイッチ171及び精算スイッチ172が接続される。球貸スイッチ171は、遊技者が遊技球の貸出を要求する際に操作されるスイッチであり、精算スイッチ172は、遊技者が精算を要求する際に操作されるスイッチである。
球貸スイッチ171は、遊技者による操作を検知すると、貸出要求の操作信号を出力する。球貸スイッチ171が出力した貸出要求信号は、精算表示装置170を介してCRユニットCRに入力され、CRユニットCRから払出制御装置41へ貸出要求信号が発信される。そして、払出制御装置41は、CRユニットCRから貸出要求信号を受けると、払出モータ521を駆動し、遊技球の払出を行うと共に、CRユニットCRに挿入されたプリペイドカードの残高表示を制御する。
精算スイッチ172は、遊技者による操作を検知すると、精算要求の操作信号を出力する。精算スイッチ172が出力した精算要求信号は、精算表示装置170を介してCRユニットCRに入力され、CRユニットCRは、精算要求信号に応じて、CRユニットCRに挿入されたプリペイドカードの残高管理及び残高表示に関する制御を行う。
また、払出制御装置41には、一般入賞口27への入球頻度が異常であると判断され場合に、点灯するLEDである不正報知ランプが設けられる。払出制御装置41は、主制御装置40から不正コマンドを受信すると、不正報知ランプを点灯させることにより、遊技施設の従業員等に対し、不正が行われたおそれがあることを報知できる。
(2-3.サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43)
サブ統合制御装置42は、演出中継端子板532を介して主制御装置40に接続されると共に、主制御装置40からサブ統合制御装置42への通信を可能とする。そして、サブ統合制御装置42は、主制御装置40から受信したコマンドに基づいて演出制御を行う。サブ統合制御装置42には、演出ボタン15及びジョグダイヤル16が接続される。演出ボタン15及びジョグダイヤル16はそれぞれ、操作による各々の検出信号をサブ統合制御装置42に入力する。
そして、サブ統合制御装置42は、スピーカ112の駆動により音声の出力を制御すると共に、枠側装飾ランプ113を含む各種LEDやランプの点灯及び消灯等を制御する。更に、サブ統合制御装置42には、スピーカ112から出力する音量を調節する音量調節スイッチが設けられる。サブ統合制御装置42は、音量調節スイッチから入力された操作信号に基づいて、スピーカ112から出力する音量を制御する。
演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42に対して双方向通信可能に接続される。サブ統合制御装置42は、演出図柄制御装置43に対し、キャラクタ等を表示する疑似演出や特図の疑似図柄の表示態様に関するコマンドを送信する。一方、演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られるコマンドに応じた疑似演出図柄を演出図柄表示装置46のLCDパネルに表示する。
また、サブ統合制御装置42は、一般入賞口27への入球頻度が異常であると判断された場合に、スピーカ112、枠側装飾ランプ113及び演出図柄表示装置46によるエラー報知を行う。
(2-4.発射制御装置44)
発射制御装置44は、払出制御装置41に接続され、払出制御装置41から発射制御装置44への通信を可能とする。発射制御装置44は、払出制御装置41を介して主制御装置40から送られるコマンドや、発射ハンドル14の回動信号に基づいて発射モータ526を制御し、遊技球の発射及び発射停止を行う。
また、発射制御装置44には、発射ハンドル14に設けられた発射停止スイッチ524、及び、発射ハンドル14に遊技者が接触していることを検出するタッチスイッチ525が接続される。タッチスイッチ525は、遊技者による発射ハンドル14の接触を検出した場合に、検出信号を発射制御装置44に入力する。そして、発射制御装置44は、タッチスイッチ525から検出信号が入力されている場合に、遊技球を発射する。一方、発射停止スイッチ524は、遊技者による操作があった場合に、検出信号を発射制御装置44に入力する。そして、発射制御装置44は、発射停止スイッチ524から検出信号が入力されると、タッチスイッチ525から検出信号が入力されている場合であっても、遊技球の発射を停止する。
(2-5.電源基板45)
図略であるが、電源基板45は、電源回路と、受電回路と、停電検出回路と、バックアップ用電源回路とを備える。電源回路は、外部に設けられたAC電源(主電源AC24V)から供給される交流電圧を変換し、直流電圧を生成する。受電回路には、電源スイッチが設けられ、電源回路は、受電回路を介してAC電源に接続される。電源スイッチをONにすると、電源回路は、AC電源と導通し、電源回路に主電源AC24Vが供給される。そして、電源回路は、必要な直流電圧各種制御装置やアクチュエータ等に供給する。
停電検出回路は、電源回路から供給される電圧を監視する。そして、停電検出回路は、供給された電圧が所定電圧未満となった場合に、電源スイッチのOFFへの切替え、或いは、停電に伴う電源の遮断が発生したと判断し、主制御装置40及び払出制御装置41に出力する停電検出信号をハイレベル(ON)にする。その一方、停電検出回路は、電源回路から供給される電圧が所定電圧以上に上昇した場合に、停電検出信号をローレベル(OFF)にする。
尚、本実施例において、停電検出回路は、停電検出信号を主制御装置40及び払出制御装置41に送信する場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば停電検出回路は、停電検出信号を主制御装置40及び払出制御装置41の何れか一方のみに送信し、主制御装置40から払出制御装置41に、或いは、払出制御装置41から主制御装置40に対し、停電用のコマンドを送信する構成としてもよい。
バックアップ用電源回路は、コンデンサ等により構成される。バックアップ用電源回路は、電源回路がAC電源から電力を供給しながら生成したDC5Vの電力を充電し、停電となった場合に、バックアップ電源(DC5V)を主制御装置40のRWM及び払出制御装置41のRWM等に供給する。
本実施例において、バックアップ電源は、主制御装置40のRWM及び払出制御装置41のRWMに供給される。よって、パチンコ機1は、電源が遮断された後においても一定時間に亘り、電源断発生時に主制御装置40及び払出制御装置41に記憶されていた内容、例えば、パチンコ機1の遊技状態や賞球として払い出す遊技球の数等の情報を保持できる。
その一方、バックアップ電源は、サブ統合制御装置42のRWMには供給されない。よって、パチンコ機1への電力供給が停止されると、サブ統合制御装置42のRWMに記憶されていた内容は、消去される。
(3.パチンコ機1の作動)
パチンコ機1の作動について説明する。
(3-1.基本遊技)
パチンコ機1は、普図作動ゲート21に遊技球が入球すると、普図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値に基づいて当否判定を行う。この当否判定の結果に基づき、パチンコ機1は、普通図柄表示装置285において普図の変動表示を開始し、所定時間後に確定表示を行う。
そして、当否判定の結果が当りであれば、パチンコ機1は、普電役物22を開放し、第2特図始動口24への入球を可能とする。普電役物22の開放時間及び開放回数は、例えば、通常遊技状態で0.052秒×1回、遊技者にとって有利な遊技状態(後述の時短遊技状態)では、3.5秒×1回に設定される。
パチンコ機1は、第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第1特図の保留記憶として所定数記憶する。そして、パチンコ機1は、保留記憶された乱数値に基づいて当否判定を行い、大当りであるか又はハズレであるか判定される。この当否判定の結果に基づき、パチンコ機1は、第1特図表示装置281において第1特図の変動表示を開始し、所定時間経過後に確定表示を行う。また、パチンコ機1は、演出図柄表示装置46において第1特図に対応する疑似演出図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に確定表示を行う。
同様に、パチンコ機1は、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第2特図の保留記憶として所定数記憶する。そして、パチンコ機1は、保留記憶された第2特図の乱数値に基づいて当否判定を行い、大当り、小当り、ハズレの何れであるか判定される。この当否判定に基づき、パチンコ機1は、第2特図表示装置283において第2特図の変動表示を開始し、所定時間経過後に第2特図の確定表示を行う。また、パチンコ機1は、演出図柄表示装置46において第2特図に対応する疑似演出図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に確定表示を行う。
尚、第1特図及び第2特図の変動表示及び確定表示は、遊技盤2の隅に小さく表示される。そこで、パチンコ機1は、遊技領域20の中央に設けた演出図柄表示装置46において第1特図及び第2特図に対応する疑似演出図柄による疑似演出表示を行い、疑似演出表示を通して遊技者に当否判定の結果を報知する。パチンコ機1は、疑似演出表示において、3つの疑似演出図柄の変動表示を行い、当否判定の結果が大当りであれば、3つの疑似演出図柄を同一図柄で停止させる。また、パチンコ機1は、疑似演出表示において、2つの疑似演出図柄を同じ図柄で停止させた状態で残り1つの疑似演出図柄の変動表示を行うリーチ演出を行うことにより、当否判定において大当りになることの期待感を遊技者に与えることができる。
尚、パチンコ機1は、第1特図の当否判定よりも第2特図の当否判定を優先的に実施する構成である。例えば、第1特図の保留記憶があっても第2特図始動口24への入球により第2特図の保留記憶が記憶されると、第1特図の保留記憶よりも先に第2特図の保留記憶の当否判定が実施される。この場合、特図及び疑似演出図柄の変動も第2特図の変動が優先して実施される。尚、本発明を実施する上で優先的に第2特図の当否判定を実施する遊技構成である必要はなく、第1特図と第2特図とが同時変動の遊技構成でもよい。
パチンコ機1は、第1特図又は第2特図当否判定の結果が、第1特図又は第2特図の確定表示された態様に応じて大当りであれば、大当り遊技が実施される。この大当り遊技において、パチンコ機1は、条件装置が作動し、これに応じて役物連続作動装置が作動することにより大入賞口25の開閉を行う。具体的に、パチンコ機1は、大入賞口25の開放を開始してから所定時間(例えば、28秒)が経過した際、或いは、大入賞口25の開放を開始してから入球した遊技球が規定入賞数(本実施例では10個)に到達した際に、大入賞口25を閉鎖する、といった一連の動作を1ラウンドとするラウンド遊技を所定回数行う。
大当り遊技では、実施されるラウンド遊技の実施回数が、第1特図又は第2特図の当否判定時に決定された大当り図柄に応じて決定される。例えば、大当り遊技は、大当り図柄に応じて、ラウンド遊技を4ラウンド行う4R大当り遊技や15ラウンド行う15R大当り遊技など複数種類の大当り遊技から一つの遊技が決定される。パチンコ機1は、大当り遊技において、右打ち遊技領域Rへ向けて遊技球を発射する右打ち遊技により大入賞口25を狙う遊技を行う。
パチンコ機1は、第2特図当否判定の結果が、第2特図の確定表示した態様に応じて小当りであれば、小当り遊技が実施される。小当り遊技の場合、パチンコ機1は、条件装置及び役物連続作動装置を作動することなく、大入賞口25の開閉を行う。小当り遊技では、例えば、大入賞口25を6.0秒開放する開放動作が1回実行される。
そして、パチンコ機1は、小当り遊技で開放された大入賞口25のV入賞口26へ遊技球が入球することにより役物大当りが生起する。役物大当りでは、条件装置が作動し、これに応じて役物連続作動装置が作動することにより大入賞口25の開閉を行う。役物大当りによる大当り遊技では、実施されるラウンド遊技の実施回数が、第2特図の当否判定時に決定された小当り図柄に応じて決定される。例えば、大当り遊技は、何れの小当り図柄においても役物大当りではラウンド遊技を10ラウンド行う。
(3-2.遊技状態)
パチンコ機1は、大入賞口25が閉鎖された遊技状態と大入賞口25が開放された遊技状態との2つの遊技状態に大別される。更にパチンコ機1は、大入賞口25が閉鎖された遊技状態には、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも普電役物22への入球に有利な遊技状態とが含まれる。普電役物22への入球に有利な遊技状態は、小当りの獲得に有利であり、且つ大当り遊技の生起により賞球の獲得に有利である。
具体的に、普電役物22への入球に有利な遊技状態は、第1特図又は第2特図の当否判定における特図の平均変動時間を短縮する特図時短機能、普図の当否判定時の当選確率が高確率とされる普図確変機能、普図の当否判定に伴う普図の変動時間が短縮される普図時短機能、普図の当選により開放される普電役物22の開放時間が延長される開放延長機能を備えている。普電役物22への入球に有利な遊技状態は、これらの全てが機能する構成に限らず何れか複数の機能、若しくは一つの機能が作動する構成でもよい。尚、普電役物22への入球に有利な遊技状態は、時短遊技状態ともいう。
このように、時短遊技状態では、普電役物22への入球、更には第2特図始動口24への入球が容易であり、第2特図の当否判定では小当りの当選確率が高く小当りの獲得に有利である上、小当りから役物大当りに容易に発展するので賞球の獲得に極めて有利な状態となる。勿論、時短遊技状態は、右打ち遊技領域Rを狙う右打ち遊技が推奨される。
パチンコ機1において、時短遊技は、図柄大当り又は役物大当りによる大当り遊技終了後に、大当り遊技を経て移行される構成である。パチンコ機1は、第1特図に起因する大当り又は第1特図に起因する大当りにかかわらず大当り遊技終了後に必ず時短遊技(a時短遊技ともいう)に移行する構成である。尚、パチンコ機1は、時短遊技状態にて大当りが生起せず、予め設定された時短の終了条件が成立すると時短遊技状態が終了となる。時短遊技状態が終了すると、通常遊技状態へ移行する。
尚、一般にパチンコ機においては、近時、時短遊技として、大当り遊技を経て移行される時短遊技を含む複数種類の時短遊技を設けることが行われている。本実施例のパチンコ機1は、複数種類の時短遊技の一つに、大当り遊技終了後に第1特図及び第2特図の当否判定により連続して大当りとならない変動(小当り変動又は外れ変動)が予め設定された所定の到達回数(特典時短到達回数ともいう、例えば900回)に達すると、大当り遊技を介さずに通常遊技から移行され得る特典時短遊技(b時短ともいう)を備える。尚、特典時短遊技は、第1時短遊技と同一の遊技内容とすることが考えられる。
更にパチンコ機1は、時短遊技の種類に、通常遊技状態において、第1特図又は第2特図の当否判定時に予め定められた所定のハズレ図柄(時短図柄)が決定されることにより大当り遊技を介さずに通常遊技から移行され得る時短遊技(c時短ともいう)を備える。尚、時短図柄による時短遊技は、第1時短遊技と同一の遊技内容とすることが考えられる。
これらの時短遊技は、何れの場合も、第1特図及び第2特図の当否判定により連続して大当りとならなかった特図の変動回数が予め定められた継続回数(例えば、3回)に達する、又は普図の当否判定に伴う普図の変動回数が予め定められた継続回数(例えば、10回)に達するといった終了条件が成立することで通常遊技に移行する構成である。
尚、以降、短遊技状態、特典時短遊技、c時短遊技を説明するにあたり、各時短遊技を分けて説明する際は、時短遊技、特典時短遊技、c時短遊技とするが、説明内容が各時短遊技に共通するものであり、各時短遊技を区別する必要がないときは単に時短遊技とする。
パチンコ機1は、時短遊技状態において第1特図の変動回数及び第2特図の変動回数の合計を計数するカウンタを備えている。特図の変動回数を計数するカウンタ(以下、特図計数カウンタとする)は、第1特図及び第2特図の変動回数の合計が所定の特図変動規定回数に達すると、特図変動規定回数に達したことを記憶する。そして特図計数カウンタは、時短遊技状態の継続終了に応じてカウント値をクリアする。
パチンコ機1は、時短遊技状態における普図の変動回数を計数するカウンタを備えている。普図の変動回数を計数するカウンタ(以下、普図計数カウンタとする)は、普図の変動回数が所定の普図変動規定回数に達すると、普図変動規定回数に達したことを記憶する。そして、普図計数カウンタは、時短遊技状態の継続終了に応じてカウント値をクリアする。
尚、時短遊技は、遊技構成によっては特図の平均変動時間は短縮されずに、普図確変機能、普図時短機能、開放延長機能が付与される構成でもよい。特に「b時短」、「c時短」といった大当り遊技を介さずに時短を付与する構成の場合、大当り遊技を介さずに当選確率を高確率に移行させるものは規則で認められていないため、そのような時短遊技を有する構成の場合は普図の当選確率を高確率に移行させずに時短遊技状態を構成させる必要がある。このことから、単に、普電役物への入賞が容易な状態とするものを時短遊技と呼んでもよい。
(3-3.特別図柄)
図6を参照して、パチンコ機1で用いる大当り図柄、小当り図柄、及びハズレ図柄について、及び大当り図柄、小当り図柄に応じて設定される大当り遊技の種類について説明する。パチンコ機1は、図6に示すように、例えば、「第1大当り図柄」、「第2大当り図柄」、「第3大当り図柄」、「小当り図柄A」、「小当り図柄B」、「ハズレ図柄1」及び「ハズレ図柄2」等の7種類の特図を有する。
「第1大当り図柄」は、第1特図の当否判定時に選択される図柄であり、大当り遊技の種類として「4R大当り」を選択する図柄である。そして、「4R大当り」は、ラウンド遊技を4ラウンド行う大当り遊技であり、大当り遊技終了後に遊技状態が「a時短遊技」に移行される構成である。「4R大当り」は、第1特図の大当り時に選択される選択率が60%とされる。
「第2大当り図柄」は、第1特図の当否判定時に選択される図柄であり、大当り遊技の種類として「15R大当り1」を選択する図柄である。そして、「15R大当り1」は、ラウンド遊技を15ラウンド行う大当り遊技であり、大当り遊技終了後に遊技状態が「a時短遊技」に移行される構成である。「15R大当り1」は、第1特図の大当り時に選択される選択率が40%とされる。
「第3大当り図柄」は、第2特図の当否判定時に選択される図柄であり、大当り遊技の種類として「15R大当り2」を選択する図柄である。そして、「15R大当り2」は、ラウンド遊技を15ラウンド行う大当り遊技であり、大当り遊技終了後に遊技状態が「a時短遊技」に移行される構成である。「15R大当り2」は、第2特図の大当り時に選択される選択率が100%とされる。
「小当り図柄A」は、第2特図の当否判定時に選択される図柄であり、「小当り図柄A」に起因する「小当りA」による遊技では、大入賞口25の開放時間及び開放回数が、通常遊技状態又は時短遊技状態の何れであっても6.0秒×1回に設定されている。また当該小当り遊技では、規定数が1カウントとされ、大入賞口25へ遊技球が1個入球することで、開放時間が6.0秒に満たなくても、大入賞口25を閉鎖し、小当り遊技を終了する。
「小当り図柄A」は、小当り遊技からV入賞口26への入球により発展する役物大当り遊技の種類として「10R大当りA」を選択する図柄である。そして、「10R大当りA」は、ラウンド遊技を10ラウンド行う大当り遊技であり、大当り遊技終了後に遊技状態が「a時短遊技」に移行される構成である。尚、「小当りA」は、第2特図の小当り時に選択される選択率が60%とされる。
「小当り図柄B」は、第2特図の当否判定時に選択される図柄であり、「小当り図柄B」に起因する「小当りB」による遊技では、大入賞口25の開放時間及び開放回数が、通常遊技状態又は時短遊技状態の何れであっても0.028秒×1回に設定されている(超短開放ともいう)。また当該小当り遊技では、規定数が1カウントとされる。
「小当り図柄B」は、小当り遊技からV入賞口26への入球により発展する役物大当り遊技の種類として「10R大当りB」を選択する図柄である。そして、「10R大当りB」は、ラウンド遊技を10ラウンド行う大当り遊技であり、大当り遊技終了後に遊技状態が「a時短遊技」に移行される構成である。尚、「小当りB」は、第2特図の小当り時に選択される選択率が40%とされる。
「ハズレ図柄1」、「ハズレ図柄2」の内の「ハズレ図柄1」は「時短図柄」である。「ハズレ図柄1」は、当該図柄の確定後、大当り遊技を介さずに、次回の変動から遊技状態が「c時短遊技」に設定される図柄である。
(4.パチンコ機1の遊技仕様)
次に、パチンコ機1の基本的な遊技仕様を説明する。図7に示すように、パチンコ機1は、第1特図及び第2特図の大当りの当選確率を、設定値に応じて変更可能な構成である。例えば、設定値1での大当り確率は、第1特図及び第2特図共に1/209に設定され、設定値2では1/204に、設定値3では1/199に、設定値4では1/194に、設定値5では1/189に、設定値6では1/184に設定される。
パチンコ機1は、第1特図の当否判定において小当り判定されない構成である。
第2特図の小当りの当選確率は、設定値に拘わらず一定であり、1/3.0に設定されている。
次に、パチンコ機1の通常遊技状態から生起する大当り遊技の種類について説明する。第1特図の当否判定による図柄大当りでは、例えば、「4R大当り」、「15R大当り1」から何れか一つの大当り遊技が選択される。時短遊技状態における第2特図の当否判定による図柄大当りでは、「15R大当り2」の大当り遊技のみが実施される。
第2特図の小当り遊技からの役物大当りでは、例えば、「10R大当りA」、「10R大当りB」から何れか一つの大当り遊技が選択される。
次に特図の変動時間について説明する。特図の変動時間は、第1特図と第2特図とで共通であり、遊技状態が非時短遊技状態(通常遊技状態)、時短遊技状態ごとに設定される。例えば、非時短遊技状態(通常遊技状態)では第1特図及び第2特図共に変動時間が平均10秒に設定される。短遊技状態では第1特図及び第2特図共に変動時間が平均4.0秒に設定される。
続いて普図の当否判定及び普電役物の作動に関連する遊技仕様を説明する。パチンコ機1は、通常遊技状態において、普図の変動時間が6.2秒に設定されている。また普図の当選確率が100分の1に設定されている。当選により作動する普電役物22の開放時間及び開放回数は、0.052秒×1回に設定されている(超短開放ともいう)。
時短遊技状態において、普図の変動時間は0.7秒に設定されている。また普図の当選確率は1/5に設定される。当選により作動する普電役物22の開放時間及び開放回数は、3.5秒×1回に設定されている。
(5.大入賞口の詳細)
図8乃至図11を参照して大入賞口25に用いた入球口6の詳細を説明する。
(5-1.入球口6の構成)
図8(a)は入球口6の概略正面図である。図8(b)は図8(a)のY-Y線に沿う位置での入球口6が閉鎖状態での縦断面図である。図8(c)は図8(a)のY-Y線に沿う位置での入球口6が開放状態での縦断面図である。
図8(a)、(b)に示すように、入球口6は、合成樹脂からなる入球口本体60、入球口6を開閉するシャッタ部材63、及びシャッタ部材63を開閉駆動するソレノイド65(大入賞口ソレノイド511)とを備える。
入球口本体60は遊技盤の前後方向(図8(b)矢印参照)に沿って奥行きを有する形状である。入球口本体60は、遊技盤2の前方より遊技盤2の前面に嵌め込むように設けられる。例えば、入球口本体60は、その後半部を遊技盤2の取付用開口部に篏合し、ベース部600を遊技盤2の前面に固定することにより取り付けられる。
入球口本体60は、遊技盤2の前面に張り出す前半部に上方へ向かって開口する開口部61を備えている。開口部61は遊技盤2の前面の幅方向(単に遊技盤2の幅方向ともいう)に沿って伸びる長径に形成されている。そして、入球口本体60は、開口部61から連なる断面略逆L時状の球流路602を備え、球流路602の下流端には遊技盤2の背面側へ遊技球を取り込む取込口62を設けている。
尚、入球口本体60は、遊技盤2の幅方向に沿って伸びる球流路602の底面が正面視で遊技盤2の幅方向に沿う緩やかな傾斜姿勢をなす(図8(a)において左下がり傾斜)。そして球流路602の底面の傾斜下流部にはV入賞口26を備えている。尚、入球口6は、入球した遊技球が高確率でV入賞口26へ入球する構成で、V入賞口26を経て遊技盤2の背面側へ遊技球を取り込む。また、入球口本体60は、その開口部61も球流路602の底面の傾斜姿勢と略平行な傾斜状をなす。
シャッタ部材63は、合成樹脂の板体で、遊技盤2の前面に沿う方向の幅寸法が少なくとも開口部61の閉鎖時に開口部61全体を覆う寸法をなす。シャッタ部材63は、入球口本体60の開口部61に応じて設けられたシャッタ部材用スリットにこれを前後方向(図8(b)矢印参照)に貫通するように配置され、前後方向に沿って移動可能に設けられている。
シャッタ部材63は、遊技盤2の背面側に張り出した基端部630がソレノイド65のプランジャ651の前端に連結され、これによりシャッタ部材63はソレノイド65のプランジャ651の作動により前後方向に移動可能である。通常、ソレノイド65は励磁されておらず、プランジャ651が戻りばねの付勢によりソレノイドケース650から前方へ突出した位置にある。これによりシャッタ部材63は進出端632側の前半部が前方へ押し出された進出位置にて開口部61を閉鎖する状態をなす。
シャッタ部材63は、遊技盤2の幅方向に傾斜状の開口部61と略平行な傾斜姿勢をなす。そして、シャッタ部材63は、開口部61を閉じる進出位置において、遊技盤2の幅方向に沿って伸びるシャッタ部材の上面が遊技球を遊技盤2の幅方向に沿って転動可能な流下路631をなす。例えば、流下路631は、入球口6の右側上部に遊技盤2の幅方向に緩やかな左下がりの傾斜状に配置された複数の遊技釘S(図8(a)参照)に沿って矢印F1方向に流下する遊技球Bをあたかも入球口6を素通りするように入球口6の左側へ誘導する。
一方、図8(c)に示すように、ソレノイド65が励磁されプランジャ651が戻りばねの付勢力に抗して後方(矢印F2方向)へ後退することにより、シャッタ部材63は後方の退避位置へ退避して開口部61を開放する。これにより開口中の入球口6へ到達した遊技球は開口部61へ入球し(矢印F3)、球流路602及びV入賞口26(図8(a))を経て取込口62から遊技盤2の背面側(矢印F4)へ取り込まれる。
図8(a)、(b)及び図9(a)に示すように、シャッタ部材63には進出端632の端縁に沿って本発明の要旨である凸部64が進出端632に一体に形成されている。凸部64は、シャッタ部材63の進退方向に対して交差する方向に延び、且つ上方へ突出する形状をなす。更に凸部64は、シャッタ部材63の進出端632の端縁の全長にわたって延びる凸条形状に形成されている。
また凸部64は、シャッタ部材63が遊技盤2側に退避していく際に遊技球Bと当接するようなし、且つ遊技球Bを略直上に跳ね上げることが可能な形状とされている。例えば、凸部64は、シャッタ部材63の上面(流下路631)からの凸部の高さ寸法を0.5~3mm程度の範囲とし、例えば2mmとしてある。
更に凸部64は、シャッタ部材63の進退方向に沿う断面形状として、シャッタ部材63の退避方向側の内面641を、シャッタ部材63の上面(流下路631)から連なる断面凹形の円弧状に立ち上がる湾曲面状とされている。この場合、内面641の湾曲する円弧はその半径Rを遊技球Bの半径r(5.5mm)より大きくすることが望ましく、例えば6.5mmとすることが考えられる。尚、凸部64は、シャッタ部材63の進出方向側の外面を、シャッタ部材63の進出端632の端面と面一の鉛直面に形成されている。
(5-2.入球口6の作動)
図9(b)、(c)及び図10を参照して入球口6の作動について説明する。図9(b)に示すように、ソレノイド65が励磁されプランジャ651が後方(矢印F2方向)へ後退することにより、シャッタ部材63は後方の退避位置へ退避して開口部61を開放する。この場合、シャッタ部材63の流下路631を遊技球Bが転動している最中であれば、シャッタ部材63の退避により凸部64の湾曲内面641が遊技球Bと当接する。更に遊技球Bは凸部64に押されてその反対側のベース部600上面部に当接する。この時に、遊技球Bは凸部64及びベース部600上面部を押し返すように反発する。この反発の力が凸部64の湾曲内面641により上向きの力に変えられて遊技球を上方へ跳ね上げることとなる。(図9(c)矢印F5)
特に、本実施例では凸部64はその高さが2mmに設定されているが、例えば高さが遊技球Bの半径である5.5mmに近い高さであれば、湾曲内面641の上縁はその上方への延長線が略鉛直方向に延びるように形成されるので、シャッタ部材63が後退変位するに伴い、遊技球Bは湾曲内面641とベース部600上面部とに当接して、略鉛直方向に跳ね上げられる。しかし、本実施例のように比較的低い凸部64として形成されると、湾曲内面641の上縁は上方への延長線が鉛直方向にならないため、遊技球は、遊技盤2の前方かつ上方に向かって跳ね上げられ、ガラス板内面に衝突して遊技盤2方向へ跳ね上がり、遊技盤2或いはベース部600上面部等に衝突し、結果的に、シャッタ部材63の上面から、およそ4mm程度上昇する。
遊技球Bは上昇した後に落下する。この間に、前記「小当りB」の「超短開放」であれば、遊技球Bが開口部61へ入球する前に、ソレノイド65の戻しばねの付勢力(矢印F6)によりシャッタ部材63が進出位置に戻って開口部61を塞ぎ、落下する遊技球Bを受け、開口部61への入球を阻止することができる。
(6.第1の実施例の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は以下の構成を有する。即ち、パチンコ機1は、遊技盤2と、遊技盤2の盤前面に設けられた遊技領域20と、遊技領域20に配置され、上方に向けて開口して遊技領域20を流下する遊技球を入球させ得る入球口6と、入球口6の直上位置に配置され、入球口6を遊技球が入球可能な状態と入球不可能な状態とに切り替えるシャッタ部材63と、を備える。シャッタ部材63は、入球口6の直上位置を遊技盤2の盤前面の前後方向に沿って進退変位可能で、盤前面の側からその前方へ向け盤前面に対して略直角方向に進出した進出位置にて入球口6の上方を入球不可能な状態に閉鎖するようになす。更に、シャッタ部材63は、進出位置にて、盤前面の略幅方向に沿って延びるシャッタ部材63の上面が遊技球を略幅方向に沿って転動可能な流下路631をなし得る一方、シャッタ部材63は、後方に退避した退避位置にて入球口6の上方を入球可能な状態に開放するようになす。そして、シャッタ部材63の上面には、少なくとも上面の進出端632側に、シャッタ部材63の進退方向に対して交差する方向に延びる凸部64を備える構成である。
これによれば、シャッタ部材63が入球口6を閉鎖しているときに、シャッタ部材63上面の流下路631を遊技球が転動しているタイミングで、シャッタ部材63が進出位置から後方に退避して入球口6が開放されると、シャッタ部材63上の流下路631を転動中の遊技球が退避するシャッタ部材上面の凸部64の作用で遊技球が上方に向けて跳ね上げられる。これにより、遊技球はシャッタ部材63の上面による下からの支えを失っても即時に入球口へ入球せず、跳ね上げられている間に、再度、シャッタ部材63が前方に進出して進出位置に戻ると、跳ね上げられた遊技球はシャッタ部材63の上面に受け止められ、遊技球が入賞することを阻止することができる。このようにパチンコ機1は、シャッタ部材63が後方の退避位置にあり入球口6の上方が開放された時点で入球口6に到達した遊技球の入賞を阻害するものではないが、例えば、入球口6の超短時間開放の前に既にシャッタ部材63の上面を転動していた遊技球は、入球口6への入球を予定していない遊技球として入球口6への入球を阻止することができる。従って、入球口6への必要以上の入球を抑えることができ、もって設計時点での入賞性能と実際の入賞性能との差異を軽減できる。
尚、パチンコ機1はシャッタ部材63の凸部64を、シャッタ部材63が進出位置から遊技盤2側の退避位置に移動していく際、最後に退避することとなるシャッタ部材63の進出端632縁に沿って配置している。これにより、遊技球を跳ね上げるタイミングを、退避移動の遅いタイミングにできるので、再度、シャッタ部材63が進出位置に進出したときに、跳ね上げた遊技球を受け止める可能性を高くでき、跳ね上げた遊技球が入賞してしまう前に、これを受け止めることができる。
また、シャッタ部材63の凸部64は、シャッタ部材63の進出端632の全長にわたって延びる凸条形状としたので、シャッタ部材63の流下路631を転動する遊技球が流下路631の流下方向の何れの位置にあったとしても、凸部64が確実に遊技球に当接して遊技球を上方へ跳ね上げることができる。尚、凸部64は、凸条形状ではなく、シャッタ部材63の進出端632の全長にわたって連続せずに分断された形態で形成することも考えられる。更に、凸部64は、シャッタ部材63の進出端632に沿って設けることは勿論、これを含めてシャッタ部材63の上面の進出端632側に複数列設けることも考えられる。
更に、シャッタ部材63の凸部64は、シャッタ部材63の退避方向側の内面641を、シャッタ部材63の上面から断面凹形の円弧状に立ち上がる湾曲面としたので、遊技球と凸部64とが当接した際に生じる遊技球からの凸部64を押し戻すように作用する反発の力を、無駄なく、遊技球を上方へ跳ね上げるエネルギーに変換し、効率よく遊技球を跳ね上げることができる。そして上昇した遊技球が落下してしまうまでの時間をなるべく長くすることができ、入球口6を再び閉鎖したシャッタ部材63が遊技球を受け止める可能性を高くすることができる。更にまた、入球口6は普電役物(22)に用いてもよい。
(7.第1の実施例の他の凸部の構成)
尚、本実施例において、凸部64は、その内面641が湾曲面を有する形状に限らず、シャッタ部材63が遊技盤2側に退避していく際に遊技球が当接すると遊技球を略直上に跳ね上げることが可能な形状であればよい。例えば、図11(a)に示すように、凸部64Aは、内面641をシャッタ部材63の上面(流下路631)から進出方向に向けて前上がりのスロープ面とすることが考えられる。
更に、図11(b)に示すように、凸部64Bは、断面方形状となし、内面641をシャッタ部材63の上面(流下路631)に対して垂直面とすることも考えられる。
〔第2の実施例〕
(8-1.入球口6Bの構成)
次に、第2の実施例の遊技機(パチンコ機)の大入賞口として用いられ得る入球口6Bについて図12乃至図15を参照しながら説明する。本実施例の入球口6Bは、シャッタ部材63Bの進出端632に、シャッタ部材63の前方への進出作動の最中に遊技球に当接することにより、これを掬い上げる球干渉部66を備えた構成である。尚、入球口6Bの基本構成は、第1の実施例のそれと同一であり、以下に第1の実施例の相違点を中心に説明する。また図において同一部材は同一符号で示す。
図12乃至図13(a)に示すように、シャッタ部材63Bは、合成樹脂の板体で、少なくとも閉鎖時に開口部61全体を覆う寸法をなす。シャッタ部材63Bは、入球口本体60のシャッタ部材用スリットにこれを前後方向(図12(b)矢印参照)に貫通するように配置され、前後方向に沿って移動可能に設けられている。
シャッタ部材63Bは、ソレノイド65のプランジャ651の作動により前後方向に移動可能である。通常、シャッタ部材63Bは進出端632側の前半部が前方へ押し出された進出位置にて開口部61を閉鎖する状態をなす。
シャッタ部材63Bは、開口部61と略平行な傾斜姿勢をなす。そして、シャッタ部材63Bは、開口部61を閉じる進出位置において、遊技球を遊技盤2の幅方向に沿って転動可能な流下路631をなす。例えば、シャッタ部材63Bの流下路631は、入球口6Bの右側上部に緩やかな左下がりの傾斜状に配置された複数の遊技釘S(図12(a)参照)に沿って矢印F1方向に流下する遊技球Bをあたかも入球口6Bを素通りするようにその左側へ誘導する。
一方、図12(c)に示すように、ソレノイド65が励磁されプランジャ651が後方(矢印F2方向)へ後退することにより、シャッタ部材63Bは後方の退避位置へ退避して開口部61を開放する。これにより開口中の入球口6Bへ到達した遊技球は開口部61へ入球し(矢印F3)、取込口62から遊技盤2の背面側(矢印F4)へ取り込まれる。
図12及び図13(a)に示すように、シャッタ部材63Bには進出端632の端縁に沿って球干渉部66が形成されている。球干渉部66は、シャッタ部材63Bの進退方向に対して交差する方向に延び、且つシャッタ部材63Bの上面(流下路631)から前下がりに傾斜姿勢をなす先細り状に突出する形状をなす。更に球干渉部66は、シャッタ部材63Bの進出端632の端縁の全長にわたって形成されている。
また球干渉部66は、シャッタ部材63Bが遊技盤2側から進出していく際に遊技球Bに当接すると遊技球Bをシャッタ部材63Bの上面に掬い上げることが可能な形状とされている。例えば、球干渉部66は、シャッタ部材63Bの進出方向側の外面側が断面凹形の円弧状の湾曲面状とされている。そして、断面円弧状の外面はその先端を前方(シャッタ部材63Bの進出方向)へ延長する延長線がほぼ水平線をなすように形成している。
そして球干渉部66は、湾曲する円弧がその半径Rを遊技球Bの半径r(5.5mm)より大きくすることが望ましく、例えば6.5mmとすることが考えられる。尚、球干渉部66の高さ寸法は、シャッタ部材63Bの板厚分で略2mmである。
(8-2.入球口6Bの作動)
図13(b)、(c)及び図14を参照して入球口6Bの作動について説明する。例えば、入球口6Bは閉鎖中で、進出位置のシャッタ部材63Bの流下路631を遊技球が転動している最中に、シャッタ部材63Bが退避位置に退避して入球口6Bが開放されると、シャッタ部材63Bによる支えを失った遊技球は開口部61へ自由落下することになる。このとき、シャッタ部材63Bの開放が前記「小当りB」の「超短開放」であれば、遊技球Bの重心(球体中心)が開口部61へ入球する前に、ソレノイド65の励磁がオフとなって戻しばねの付勢力(矢印F6)によりシャッタ部材63Bが進出位置に戻し得ることとなる。
図13(b)に示すように、このシャッタ部材63Bが進出位置に戻る最中に、進出端の球干渉部66が遊技球Bの下半部(重心(球体中心)より下半部)に当接すると、更に遊技球Bは球干渉部66に押されてその反対側の開口部61の開口縁に当接する。この時に、遊技球Bは球干渉部66及び開口部61の開口縁を押し返すように反発する。この反発の力が球干渉部66の湾曲外面によりシャッタ部材63B側斜め上向きの力(図13(c)矢印F7)に変えられて遊技球をシャッタ部材63Bの上へ掬い上げることとなる(図14参照)。
(9.第2の実施例の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は以下の構成を有する。即ち、パチンコ機1は、遊技盤2と、遊技盤2の盤前面に設けられた遊技領域20と、遊技領域20に配置され、上方に向けて開口して遊技領域20を流下する遊技球を入球させ得る入球口6Bと、入球口6Bの直上位置に配置され、入球口6Bを遊技球が入球可能な状態と入球不可能な状態とに切り替えるシャッタ部材63と、を備える。シャッタ部材63Bは、入球口6Bの直上位置を遊技盤2の盤前面の前後方向に沿って進退変位可能で、盤前面の側からその前方へ向け盤前面に対して略直角方向に進出した進出位置にて入球口6Bの上方を入球不可能な状態に閉鎖するようになす。更に、シャッタ部材63Bは、進出位置にて、盤前面の略幅方向に沿って延びるシャッタ部材63Bの上面が遊技球を略幅方向に沿って転動可能な流下路631をなし得る一方、シャッタ部材63Bは、後方に退避した退避位置にて入球口6Bの上方を入球可能な状態に開放するようになす。そして、シャッタ部材63Bの上面には、少なくともシャッタ部材の進出端632縁に沿って、シャッタ部材63Bの退避位置から進出位置への作動の最中に進出端632の縁に当接した遊技球を掬い上げ得る球干渉部66を備える構成である。
これによれば、シャッタ部材63Bが進出位置にあり入球口6Bを閉鎖しているときに、シャッタ部材63B上面の流下路631を遊技球が転動しているタイミングで、シャッタ部材63Bが進出位置から後方に退避して入球口6Bが開放されると、転動中の遊技球がシャッタ部材63Bの上面による下からの支えを失って自由落下を始める。そして球干渉部66の先端の高さが、遊技球の重心よりも低い位置にある間に、再度、シャッタ部材63Bが前方に進出すると、落下中の遊技球が球干渉部66によってシャッタ部材63Bの上面に掬い上げられて、遊技球の入賞を阻止することができる。即ち、進出作動中のシャッタ部材63Bの球干渉部66が遊技球の中心より低い位置に当接することにより、更なるシャッタ部材63Bの進出作動に伴い、シャッタ部材63Bの高さが変わるわけではないが、遊技球の下に滑り込むように遊技球を掬い上げて、入球口6Bへの入球を阻止する。
このようにパチンコ機1は、シャッタ部材63Bが後方の退避位置にあり入球口6Bの上方が開放された時点で入球口6Bの上方に到達した遊技球の入賞を阻害するものではないが、入球口6Bの開放の前に既にシャッタ部材63Bの上面を転動していた遊技球は、入球口6Bへの入球を予定していない遊技球として入球口6Bへの入球を阻止することができる。従って、入球口6Bへの必要以上の入球を抑えることができ、もって設計時点での入賞性能と実際の入賞性能との差異を軽減できるパチンコ機を提供することができる。
更に、シャッタ部材63Bの球干渉部66は、シャッタ部材63Bの進出方向側の外面を、シャッタ部材63Bの上面から断面凹形の円弧状に前下がりの湾曲面としたので、遊技球と球干渉部66とが当接した際に生じる遊技球からの球干渉部66を押し戻すように作用する反発の力を、無駄なく、遊技球を上方へ掬い上げるエネルギーに変換し、効率よく遊技球を掬い上げることができ、入球口6Bを再び閉鎖したシャッタ部材63Bが遊技球を受け止める可能性を高くすることができる。更にまた、入球口6Bは普電役物(22)に用いてもよい。
(10.第2の実施例の他の球干渉部の構成)
尚、本実施例において、球干渉部66は、シャッタ部材63B進出方向に向けて前下がりの湾曲面を有する形状に限らず、シャッタ部材63Bが遊技盤2側から進出していく際に遊技球が当接すると遊技球を掬い上げることが可能な形状であればよい。例えば、図15に示すように、球干渉部66Bは、シャッタ部材63Bの上面(流下路631)から進出方向に向けて前下がりのスロープ面とすることが考えられる。
〔第3の実施例〕
(11-1.入球口6Cの構成)
次に、前記第1及び第2の実施例の遊技機(パチンコ機)の普電役物22(図2、図3参照)として用いられ得る入球口6Cについて図16乃至図18を参照しながら説明する。本実施例の入球口6Cは、シャッタ部材63Cの上面に設けた流下路631の上流部に、シャッタ部材63Cの進退方向に沿って延び、流下路631を転動する遊技球を跳ね上げ得る凸部67を備えた構成である。尚、入球口6Cの基本構成は、第1の実施例のそれと同一であり、以下に第1の実施例との相違点を中心に説明する。また図において同一部材は同一符号で示す。
図16に示すように、普電役物用の入球口6Cは、遊技盤2の幅方向に沿う幅寸法が、第1及び第2の実施例の大入賞口用の入球口6、6Bのそれよりも小さい構成である。その分、入球口6Cの開口部61も幅寸法が大入賞口用のものよりも小さい。そして、開口部61を開閉するシャッタ部材63Cにおいても遊技盤2の幅方向に沿う幅寸法が、大入賞口用のシャッタ部材63、63Bよりも小さい。
更に入球口6Cは、幅寸法が小さいことにより、閉鎖時のシャッタ部材63C上を遊技球が転動する距離が短いので、入球口6Cの上流側(遊技釘S側)から流下する遊技球がその流下の勢いで入球口6C閉鎖時にこれを通過可能であるため、シャッタ部材63C及び開口部61が略水平に設けられている。
シャッタ部材63Cは、合成樹脂の板体で、少なくとも閉鎖時に開口部61全体を覆う寸法をなす。シャッタ部材63Cは、入球口本体60のシャッタ部材用スリットにこれを前後方向(図16(b)矢印参照)に貫通するように配置され、前後方向に沿って移動可能に設けられている。
シャッタ部材63Cは、ソレノイド65(普電役物ソレノイド512)のプランジャ651の作動により前後方向に移動可能である。通常、シャッタ部材63Cは進出端632側の前半部が前方へ押し出された進出位置にて開口部61を閉鎖する状態をなす。
シャッタ部材63Cは、開口部61を閉じる進出位置において、遊技球を遊技盤2の幅方向に沿って転動可能な流下路631をなす。例えば、シャッタ部材63Cの流下路631は、入球口6Cの右側上部に緩やかな左下がりの傾斜状に配置された複数の遊技釘S(図16(a)参照)に沿って矢印F1方向に流下する遊技球Bをあたかも入球口6Cを素通りするようにその左側へ誘導する。
一方、図16(c)に示すように、ソレノイド65が励磁されプランジャ651が後方(矢印F2方向)へ後退することにより、シャッタ部材63Cは後方の退避位置へ退避して開口部61を開放する。これにより開口中の入球口6Cへ到達した遊技球は開口部61へ入球し(矢印F3)、取込口62(第2特図始動口24、図2、図3参照)から遊技盤2の背面側(矢印F4)へ取り込まれる。
図16(a)、(b)及び図17(a)に示すように、シャッタ部材63Cには流下路631の上流部及び中間部にそれぞれ凸部67が形成されている。凸部67は、シャッタ部材63Cの進退方向に沿って凸条形状に延び、且つ進退方向に沿う流下路631の略全幅にわったて形成されている。
また凸部67は、シャッタ部材63Cの流下路631を遊技球Bが流下する際に遊技球Bと当接するようなし、且つ遊技球Bを流下方向前斜め上方に跳ね上げることが可能な形状とされている。例えば、凸部67は、シャッタ部材63Cの上面(流下路631)からの凸部の高さ寸法を0.5~1.5mm程度の範囲とし、例えば1mmとしてある。
更に凸部67は、シャッタ部材63の進退方向に対して直交する断面形状として略三角形状をなし、且つ流下路631の上流側の前面671を、シャッタ部材63の上面(流下路631)から連なる断面凹形の円弧状に前斜め立ち上がる湾曲面状とされている。この場合、前面671は、流下路631との境界の面前縁と頂点の面後縁との傾斜角を流下路631に対して略30~45度の範囲で、例えば30度の傾斜角をなす。また前面671の湾曲する円弧はその半径Rを遊技球Bの半径r(5.5mm)より大きくすることが望ましく、例えば6.5mm程度とすることが考えられる。尚、凸部64は、後面が流下路631に対する垂直面に形成されている。
(11-2.入球口6Cの作動)
図17(b)、(c)及び図18を参照して入球口6Cの作動について説明する。例えば、入球口6Cは閉鎖中で、進出位置のシャッタ部材63Cの流下路631を遊技球が転動している最中に、遊技球Bがシャッタ部材63C上面の凸部67の前面671に当接すると、前面671の傾斜に案内されて遊技球Bが流下方向に前斜め上方(矢印F8)へ跳ね上げられる。このとき、普図の当選により入球口6Cのシャッタ部材63Cが「超短開放」にて開閉すると、遊技球が再度閉鎖した状態(進出位置)のシャッタ部材63Cに受けられ(矢印F9)、入球口6Cへの入賞が阻止される。
例えば、凸部67は高さが1mmで、比較的低く形成されている。これにより、流下してきた遊技球Bが最も勢いを削がれた場合であっても、凸部67に当接した際に流下が阻害されて停滞することはない。遊技球Bの流下の勢いに強弱はあるが、強い場合には、凸部67により、シャッタ部材上面から上方におよそ3mm程度跳ね上げられ、シャッタ部材63Cの下流端よりさらに下流に落下する。これにより、シャッタ部材63Cが「超短開放」して、跳ね上げられた遊技球が落下までにシャッタ部材63Cの閉鎖が完了しなかったとしても、遊技球の入賞を阻止できる。また、遊技球Bの流下の勢いが弱い場合であっても、凸部67により、シャッタ部材63Cの上面から上方におよそ2mm跳ね上げられ、仮にシャッタ部材63Cの下流端より上流に落下することとなっても、シャッタ部材63Cは「超短開放」により遊技球Bが跳ね上げられて落下してくるまでに、遊技球Bを捕球可能な位置に復帰し得ることとなる。
(12.第3の実施例の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は以下の構成を有する。即ち、パチンコ機1は、遊技盤2と、遊技盤2の盤前面に設けられた遊技領域20と、遊技領域20に配置され、上方に向けて開口して遊技領域20を流下する遊技球を入球させ得る入球口6Cと、入球口6Cの直上位置に配置され、入球口6Cを遊技球が入球可能な状態と入球不可能な状態とに切り替えるシャッタ部材63と、を備える。シャッタ部材63Cは、入球口6Cの直上位置を遊技盤2の盤前面の前後方向に沿って進退変位可能で、盤前面の側からその前方へ向け盤前面に対して略直角方向に進出した進出位置にて入球口6Cの上方を入球不可能な状態に閉鎖するようになす。更に、シャッタ部材63Cは、進出位置にて、盤前面の略幅方向に沿って延びるシャッタ部材63Cの上面が遊技球を略幅方向に沿って転動可能な流下路631をなし得る一方、シャッタ部材63Cは、後方に退避した退避位置にて入球口6Cの上方を入球可能な状態に開放するようになす。そして、シャッタ部材63Cの上面には、少なくとも流下路631の上流部に、シャッタ部材63の進退方向に沿って延びる凸部67を備える構成である。
これによれば、シャッタ部材63Cが進出位置にあり入球口6Cを閉鎖しているときに、シャッタ部材63C上面の流下路631を遊技球が転動すると、遊技球は凸部67に当接してこれを乗り越えるように上方へ跳ね上げられる。このタイミングで、シャッタ部材63Cが進出位置から後方に退避して入球口6Cが開放されても、跳ね上げられた遊技球は即時に入球口6Cへ入球しない。そして、遊技球が跳ね上げられている間に、再度、シャッタ部材63Cが前方に進出して進出位置に戻ると、跳ね上げられた遊技球はシャッタ部材の上面に受け止められ、該遊技球が入賞することを阻止することができる。このように本実施例のパチンコ機1は、シャッタ部材63Cが後方の退避位置にあり入球口6Cの上方が開放された時点で入球口6Cの上方に到達した遊技球の入賞を阻害するものではないが、入球口6Cの開放の前に既にシャッタ部材63Cの上面を転動していた遊技球は、入球口6Cへの入球を予定していない遊技球として入球口6Cへの入球を阻止することができる。従って、入球口6Cへの必要以上の入球を抑えることができ、もって設計時点での入賞性能と実際の入賞性能との差異を軽減できる。
尚、パチンコ機1は、シャッタ部材63Cの上面の凸部67を、少なくともシャッタ部材63C上面の流下路631の上流部寄りの位置に、流下631路の幅方向ほぼ全幅にわたって配置した。これにより、遊技球が凸部67に当接して跳ね上げられるタイミングを、遊技球がシャッタ部材63Cの上面を転動する早いタイミングで遊技球を跳ね上げることができる。これによりシャッタ部材63Cが退避し、再度、シャッタ部材63Cが進出位置に進出したときに、跳ね上げた遊技球を受け止める可能性を高くできる。よって跳ね上げた遊技球が入賞してしまう前に、これを受け止めることができる。
また、シャッタ部材63Cの上面の凸部67は、シャッタ部材63C上面の流下路631の全幅にわたって延びる凸条形状とする。これにより、シャッタ部材63C上面を転動する遊技球が、シャッタ部材63Cの流下路631の幅方向(流下方向と直交する方向)の何れの位置にあったとしても、遊技球が確実に凸部67に当接して遊技球を上方へ跳ね上げることができる。尚、凸部67は、凸条形状ではなく、流下路631の全幅にわたって連続せずに分断された形態で形成することも考えられる。
更に、凸部67は、シャッタ部材63Cの流下路631の最上流部の位置に設けることは勿論、これを含めてシャッタ部材63Cの流下路631の長さ方向(流下方向)に沿って間隔をおいて複数列設けることも考えられる。
更にまた、凸部67は、流下路の長さ方向の断面形状に関しては流下路631を転動する遊技球を跳ね上げることが可能な形状として、断面三角形の流下路631上流側の前面671を遊技球の転動方向に沿う前上がりのスロープ面となし、その傾斜角を流下路631に対して略30~45度の範囲の傾斜角にすることが考えられる。これによれば、遊技球がシャッタ部材63Cの凸部67に当接した際に遊技球の流下路631を転動する移動エネルギーを、無駄なく、遊技球を上方へ跳ね上げるエネルギーに変換し、遊技球が落下してくるまでの時間をなるべく長くすることができ、入球口を再び閉鎖したシャッタ部材が遊技球を受け止める可能性が高くなる。
尚、シャッタ部材63Cの凸部67の断面形状は、三角形に限らず、断面方形状としたり、断面半円状としたりすることも考えられる。これらの構成でも、遊技球に当接した際に該遊技球を上方に向けて跳ね上げることができる。さらに、他の形状であっても、当接により跳ね上げることが期待できるのであればその形状を採用することができる。更に、入球口6Cは大入賞口に用いてもよい。
本発明は上記の実施例にも限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、第1の実施例の凸部64と第2の実施例の球干渉部66とを組み合わせた構成が考えられる。この場合、シャッタ部材63の進出端632に球干渉部66を設けるとともに、球干渉部66より内側(シャッタ部材63の退避方向)のシャッタ部材63の上面に凸部64を設けることが望ましい。これによれば、超短時間開放時にシャッタ部材63の上面を転動している遊技球Bを凸部64により跳ね上げて入賞を阻止することができる一方、超短時間開放にて再びシャッタ部材63が進出位置へ進出する際に落下中の遊技球Bを球干渉部66により掬い上げて入賞を阻止することができ、必要以上の入賞をより抑えることができる。
また、第1の実施例の凸部64と第3の実施例の凸部67とを組み合わせた構成も考えられる。この場合、両凸部64,67が異なるタイミングで遊技球Bを跳ね上げることができるため、必要以上の入賞をより抑えることができる。
更にまた、第2の実施例の球干渉部66と第3の実施例の凸部67とを組み合わせた構成、更には第1の実施例の凸部64、第2の実施例の球干渉部66及び第3の実施例の凸部67とを全て組み合わせた構成も考えられる。
更に本発明のパチンコ機は、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する封入式遊技機や回胴式遊技機に適用してもよい。
1:パチンコ機、2:遊技盤、20遊技領域、22:普通電動役物(普電役物)、25:大入賞口、6,6B,6C:入球口、61:開口部、63,63B,63C:シャッタ部材、631:流下路、632:進出端、64,67:凸部、66:球干渉部

Claims (1)

  1. 遊技盤と、
    前記遊技盤の盤前面に設けられた遊技領域と、
    前記遊技領域に配置され、上方に向けて開口して前記遊技領域を流下する遊技球を入球させ得る入球口と、
    前記入球口の直上位置に配置され、前記入球口を前記遊技球が入球可能な状態と入球不可能な状態とに切り替えるシャッタ部材と、
    を備えた弾球遊技機において、
    前記シャッタ部材は、前記入球口の直上位置を前記遊技盤の盤前面の前後方向に沿って進退変位可能で、前記盤前面の側からその前方へ向け前記盤前面に対して略直角方向に進出した進出位置にて前記入球口の上方を前記入球不可能な状態に閉鎖するようになし、
    且つ前記シャッタ部材は、前記進出位置にて、前記盤前面の略幅方向に沿って延びる前記シャッタ部材の上面が前記遊技球を前記略幅方向に沿って転動可能な流下路をなし得る一方、
    前記シャッタ部材は、後方に退避した退避位置にて前記入球口の上方を前記入球可能な状態に開放するようになし、
    前記シャッタ部材の上面には、少なくとも前記流下路の上流部に、前記シャッタ部材の進退方向に沿って延びる凸部を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
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