以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第一実施例に係る弾球遊技機全体を示す正面図、図2は同実施例におけるステージ(遊技球転動部材)から始動入賞口付近を示す正面図、図3は同実施におけるステージ(遊技球転動部材)の一部を示す斜視図、図4は図2のA−A断面図、図5は同弾球遊技機における電気制御を簡略に示すブロック図、図6は第二実施例における侵入防止部材が配設された弾球遊技機の一部を示す正面図、図7は図6のB−B断面図、図8は図6のC−C断面図、図9は第三実施例に係る弾球遊技機全体を示す正面図、図10は第三実施例における第二始動入賞口及び第二高確率入賞経路付近を示す正面図である。
図1に示す第一実施例の弾球遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤3の縁に外レール4及び内レール5で構成される遊技領域6が前記遊技盤3上に設けられている。前記遊技領域6の中心線上にその上部から下部に向かって順に図柄表示装置9、始動入賞口10、特別電動役物である大入賞口15、アウト口17が配設され、また上部左右にはランプ風車18a,18b、中央左右には普通図柄変動開始用左ゲート19と右ゲート21、その下側左右に風車22a,22b、さらにその外側下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25、その下方に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。さらに、図柄表示装置9と前記始動入賞口10間における前記遊技領域6の中心線よりも左側に侵入防止部材41が配設されている。また、前記遊技領域6には、前記遊技領域6に打ち込まれた遊技球の自由な流下を阻止したり、流下方向をランダムな方向に変更したりする誘導釘Jが立設されている。
前記弾球遊技機1の前面側には、ランプ表示器35(枠飾り上ランプ35a、枠飾り右ランプ35b、縁飾り左ランプ35c)、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6に向けて弾発発射する球発射装置64が設けられ、さらにプリペイドカードユニット66が接続されている。前記球発射装置64によって発射された遊技球は、前記外レール4と前記内レール5間を通って前記遊技領域6へ打ち込まれる。なお、符号F1は弾球遊技機の外枠、F2は外枠F1に取り付けられた前枠、Gは前枠F2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下主要な部分について説明する。
前記図柄表示装置9は、請求項5の電気的遊技装置に相当する。前記図柄表示装置9は、枠部9aと、前記枠部9aで囲まれた特別図柄表示部42と、前記特別図柄表示部42の左下に組み込まれた普通図柄表示部43とよりなる。前記特別図柄表示部42は、請求項5の遊技状態を報知する報知手段に相当する。前記遊技状態としては、前記始動入賞口10へ入賞した遊技状態や、大当たりによる特別遊技状態等がある。また、前記遊技状態の報知としては、前記始動入賞口10への入賞に起因して前記特別図柄表示部42で特別図柄を変動させたり、その後の特別図柄の停止により大当たりか否かを示したり、大当たりの場合には特別図柄の変動停止時の特別図柄を特定の組み合わせにしたり、特別遊技状態時には特別遊技状態を示す表示を行ったりする等が挙げられる。前記特別図柄表示部42は、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成される。前記普通図柄表示部45は、液晶表示器の一部を表示領域としている。
前記特別図柄表示部42は、図柄を可変表示可能なものとされ、左右に並ぶ左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域の3つに分割された特別図柄表示領域を有し、前記特別図柄表示領域に大当たりの当否判定結果用の特別図柄が表示される。前記左側表示領域には左特別図柄が、中央表示領域には中特別図柄が、右側表示領域には右特別図柄が変動表示及び停止表示可能とされ、停止表示された図柄組合せによって当否判定結果が表示され、それによって遊技者に当否判定結果を報知する。本実施例における前記左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域にそれぞれ表示される特別図柄は、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12種類の図柄とされている。また、前記特別図柄表示部42には、前記特別図柄とは異なる画像、例えば前記特別図柄とは異なる他の図柄、キャラクター画像、背景画像、文字画像等が前記特別図柄に加えて表示可能とされ、前記他の図柄、キャラクター画像、背景画像、文字画像等が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっている。
前記普通図柄表示部43は、小当たり判定図柄として記号或いは絵等からなる普通図柄を変動表示及び停止表示可能とされている。本実施例における前記普通図柄表示部43に変動及び停止表示される普通図柄(小当たり判定図柄)は、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の10通りの図柄とされており、所定条件に起因して変動及び停止表示される。
また、前記図柄表示装置9には、図2及び図3からも理解されるように、前記窓枠9aにおける前記特別図柄表示部42の下方位置に、上面が凹面となるように湾曲した弧状のステージ44が設けられている。前記ステージ44は、本発明の請求項1における遊技球転動部材に相当し、前記図柄表示装置9の上方の誘導釘J間から前記ステージ44上に落下した遊技球を左右に転動(揺動)可能になっている。前記遊技球転動部材としてのステージ44は、前記のように遊技球を左右に転動(揺動)させることから遊技球揺動部材と称することもできる。前記ステージ44は、両側部分が遊技球の転動(揺動)可能な転動部(揺動部)44bを構成し、且つ前記転動部(揺動部)44bの前方側(ガラス枠G側、遊技者側)44aが下方へ傾斜して形成され、前記遊技球が転動中に下方へ落下可能となっている。さらに、前記ステージ44の中央位置には遊技球を略直下方向(図示の例では直下方向)へ誘導する遊技球誘導形状からなる遊技球誘導部45が設けられている。本実施例のステージ44は、金属板状が弧状に湾曲したものからなり、前記遊技球誘導部45の遊技球誘導形状は、前記ステージ44の中央が下方へ窪んだ凹形状からなり、さらに下面の前方側45aが下方へ傾斜して前記遊技球誘導部45の遊技球を直下方向へ落下し易くしている。
前記遊技球誘導部45には、前記遊技球誘導部45に遊技球が進入したことを検出する侵入防止部材用遊技球検出スイッチ(請求項1における侵入防止部材用遊技球検出手段)46が遊技盤3の裏側に設けられている。前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46による検出信号は、後記する主制御回路へ送信される。なお、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46の位置は、後記の高確率入賞経路LKにおける通常経路LTとの交差位置Z(図2に示す)より上方の遊技盤3の裏側として、高確率入賞経路LKに遊技球が進入したことを検出するようにしてもよい。
前記ステージ44の遊技球誘導部45と前記始動入賞口10間には、前記遊技球誘導部45から直下方向へ流下した遊技球を前記始動入賞口10へ流下可能とする高確率入賞経路LKが設けられている。前記高確率入賞経路LKは、前記遊技球誘導部45の直下方向に直線状に前記始動入賞口10に至るように形成されている。前記高確率入賞経路LKは、前記始動入賞口10の垂直線に対して傾斜し前記高確率入賞経路LKと交差する通常経路LTに比べ、前記始動入賞口10への入賞(入球)確率が高くなるように、前記始動入賞口10の位置、前記遊技球誘導部45の形状、前記高確率入賞経路LKの遊技球流下方向が設定されている。本実施例では、前記始動入賞口10への遊技球の入賞確率が、前記通常経路LTよりも前記高確率入賞経路LKの方で高くなるようにするため、前記始動入賞口10を前記遊技球誘導部45の直下方向に位置させたり、前記遊技球誘導部45の形状を遊技球が真っ直ぐ下方へ流下し易い前記凹形状にしたり、前記高確率入賞経路LKの遊技球流下方向を前記遊技球誘導部45の直下方向の前記始動入賞口10に至る方向にしたりしている。
前記通常経路LTに関し、本実施例では、前記遊技領域6の中心線より左側、すなわち前記高確率入賞経路LKの左側において、前記表示装置9の下側に前記高確率入賞経路LKへ向けて傾斜した一列状に通常経路用誘導釘JTを遊技盤3表面に複数立設し、前記一列状の複数の誘導釘JT上及びその延長上を、遊技球の流下(誘導)可能な第一通常経路LTaとし、また前記遊技領域6の中心線より右側、すなわち前記高確率入賞経路LKの右側では、前記表示装置9の下側に前記高確率入賞経路LKへ向けて傾斜した一列状に通常経路用誘導釘JTを遊技盤3の表面に複数立設し、前記一列状の複数の誘導釘JT上及びその延長上を、遊技球の流下(誘導)可能な第二通常経路LTbに設定している。前記一列に配設された複数の誘導釘JTの下流方向先端位置の誘導釘JTaは、第一通常経路LTa及び第二通常経路LTbそれぞれにおいて、前記高確率入賞経路LKの手前にあり、前記第一通常経路LTaあるいは第二通常経路LTbを流下してきた遊技球PTは、前記各通常経路LTa,LTbの先端の誘導釘JTaに接触して落下し、場合によっては前記始動入賞口10への入賞が可能となる。なお、前記第一通常経路LTa及び第二通常経路LTbは、それぞれ一列状の複数の誘導釘JT及びその延長上として設定されているが、それに限るものではなく、例えば、前記ステージ44のうち、前記遊技球誘導部45以外の部分(前記転動部44b)から流下する遊技球の流下経路であってもよい。
前記侵入防止部材41は、前記通常経路LTを流下してきた遊技球PTが、前記高確率入賞経路LKに侵入して、前記高確率入賞経路LKを流下中の遊技球PKと衝突するのを防止し、前記高確率入賞経路LKを流下中の遊技球PKが前記衝突により前記高確率入賞経路LKから外れるのを防ぐためのものである。前記侵入防止部材41は、前記高確率入賞経路LKと前記通常経路LTとの交差位置Zよりも前記通常経路LTの上流側(前記交差位置Zに対して前記通常経路LTからの遊技球進入側)における前記通常経路LTの途中位置に配設され、前記通常経路LTを流下してくる遊技球PTが前記高確率入賞経路LKへ侵入する前に、前記侵入防止部材41と接触可能とされる。そして、その接触によって前記高確率入賞経路LKへの侵入が防止可能となっている。この第一実施例では、前記高確率入賞経路LKと前記第一通常経路LTaの交差位置Zよりも前記第一通常経路LTaの上流側(前記高確率入賞経路LKに対して前記第一通常経路LTaからの遊技球進入側であり、前記高確率入賞経路LKの左側)における前記第一通常経路LTaの途中位置に、前記侵入防止部材41が設けられている。
また前記侵入防止部材41は、ブロック状あるいは板状体等からなり、さらに、前記侵入防止部材41が一方の通常経路(前記第一通常経路LTa)の途中にのみ設けられている。この第一実施例では、他方の通常経路(前記第二通常経路LTb)を流下してきた遊技球が、前記高確率入賞経路LKとの交差位置Zを超えてさらに流下し、前記侵入防止部材41と接触して軌道が変更され、それによって前記始動入賞口10へ過度に多く入賞するのを防止可能とするため、前記他方の通常経路(前記第二通常経路LTb)を流下する遊技球と接触しないように、前記侵入防止部材41の配設位置や傾斜角度が設定されている。以上の構成にすることで、他方の通常経路(前記第二通常経路LTb)を流下している遊技球が過度に多く前記始動入賞口10に入賞し、遊技店側が極めて不利な状態になる虞を低減することが可能である。
さらに、前記侵入防止部材41は、図4から理解されるように、前記遊技盤3の裏側に配設された前進後退可能な作動部47aを有するソレノイド47(請求項1及び2における駆動手段)によって、前記遊技盤3の表面から突出した第一状態(図4の波線で示す41b)と、前記遊技盤3の表面から後退した第二状態(図4の実線で示す41c)間を前進後退可能とされている。前記第一状態においては、前記侵入防止部材41が前記遊技盤3の表面から突出した状態となるため、前記通常経路LT(第一実施例では第一通常経路LTa)を流下する遊技球PTは、前記高確率入賞経路LKへ侵入する前に前記侵入防止部材41に接触して軌道が変更され、前記高確率入賞経路LKへの侵入が防止可能となり、それに対して前記第二状態においては、前記侵入防止部材41が前記遊技盤3の表面から後退した状態となるため、前記通常経路LT(第一実施例では第一通常経路LTa)を流下する遊技球PTは、前記侵入防止部材41と接触できなくなり、前記遊技球PTの前記高確率入賞経路LKへの侵入防止不可能となる。
前記侵入防止部材41は、通常は前記遊技盤3の表面から後退した第二状態とされる。そのため、前記通常経路LT(第一通常経路LTa)を流下してくる遊技球PTは、前記侵入防止部材41と接触することなく前記遊技領域6を流下し、前記高確率入賞経路LKへ侵入する可能性がある。それに対し、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ(侵入防止部材用遊技球検出手段)46により、前記遊技球誘導部45に遊技球が進入したこと(前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46が前記高確率入賞経路LKに設けられている場合には前記高確率入賞経路LKに遊技球が進入したこと)が検出されると、前記検出信号が主制御回路へ送信され、主制御回路からの制御信号によって前記ソレノイド47が作動し、前記侵入防止部材41が前記遊技盤3の表面から突出した第一状態に所定期間され、その後再び前記第二状態に戻る。前記第一状態において、前記通常経路LT(第一通常経路LTa)を流下してくる遊技球PTは、前記高確率入賞経路LKへ侵入する前に前記侵入防止部材41に接触して軌道が変更され、前記高確率入賞経路LKへの侵入が防止可能となる。そのため、前記高確率入賞経路LKを流下してくる遊技球PKは、前記通常経路LT(第一通常経路LTa)を流下してくる遊技球PTと衝突することなく、前記始動入賞口10へ入賞することが可能になる。
なお、前記第一状態にされる所定期間としては、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46による遊技球の検出から、前記高確率入賞経路LKを流下する遊技球PKが前記始動入賞口10へ入賞するまでの時間を予め設定しておいたり、あるいは前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46による遊技球の検出時点から、前記始動入賞口10への遊技球の入賞が後記の特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサー)で検出された時点までとし、特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサー)による遊技球検出によって前記侵入防止部材41が第二状態に戻るように設定してもよい。
また、この第一実施例では、前記侵入防止部材41を、前記高確率入賞経路LKの左側の前記第一通常経路LTaの途中に設けたが、前記高確率入賞経路LKの右側の前記第二通常経路LTbの途中に設けてもよい。
前記始動入賞口10は、本発明の請求項1における入賞領域に相当し、さらには遊技の当たり外れ(大当たりか否か)を判定する起因となる本発明の請求項4における特定入賞領域に相当するもので、前記遊技球誘導部45の直下方向に設けられている。前記始動入賞口10には、図2からも容易に理解されるように、2つの可動片(羽根状役物)10a,10bが設けられ、図4に示すように背面の始動入賞口用ソレノイド10cにより略垂直な平行状態と、略V字形(逆ハの字形)をした拡開状態間を変化可能とされている。前記可動片10a,10bが略垂直な平行状態になると、遊技球が前記可動片10a,10b間を通って始動入賞口10へ入球し難くなり、それに対し、前記可動片10a,10bが拡開状態になると、遊技球が前記可動片10a,10b間を通って前記始動入賞口10へ入球しやすくなる。本実施例では、前記可動片10a,10bは、通常時に略垂直状態とされ、前記普通図柄表示部43の普通図柄(小当たり判定図柄)が変動した後、予め決められた特定の普通図柄で確定停止表示されて小当たり(普通図柄当たり)が表示されることにより、前記拡開状態となる。
また、前記遊技盤3の背面には、前記始動入賞口10に入球(入賞)した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサー)が入球遊技球(入賞球)用通路に設けられており、該入球遊技球(入賞球)が検出されると、遊技の大当たりを判定するための大当たり判定用乱数が取得され、前記特別図柄柄表示部42で特別図柄の変動が開始される(遊技状態の報知の一種)。そして、前記取得された大当たり判定用乱数が大当たりであったことを契機に、前記特別図柄表示部42で特別図柄が特定の図柄組み合わせで停止表示されて大当たりが表示される(遊技状態の報知の一種)と共に、大当たりまでの通常遊技に比べ遊技者にとって有利な特別遊技が実行される。
前記普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21は、小当たり用始動入賞口に相当するものであり、前記遊技盤3の背面には遊技球が前記両ゲート19,21に入球したことを検出する普通図柄変動開始スイッチを備えている。前記普通図柄変動開始スイッチで遊技球が検出されると、遊技の小当たりを判定するための小当たり判定用乱数が取得され、前記普通図柄表示部43で普通図柄の変動が開始する。前記取得された小当たり判定用乱数が小当たりの場合には、前記普通図柄表示部43で普通図柄が特定の図柄で停止表示されることによって小当たりが表示され、前記始動入賞口10の前記可動片10a,10bが拡開状態になる。
また、前記左袖入賞口23と右袖入賞口25には入賞球(入球遊技球)を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチが、他方前記左落とし入賞口27と右落とし入賞口29には入賞球(入球遊技球)を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口15は、遊技盤背面の大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板61を備えている。この大入賞口15は、通常は開閉板61が閉じた状態とされ、当該大入賞口15の一部には、該大入賞口15が開いた際に開口して入賞(入球)可能にする特定領域入賞口63を有する。さらに、前記特定領域入賞口63には、所定条件時に特定領域開放用ソレノイドにより開閉される開閉扉(図示せず)が設けられている。また、前記特定領域入賞口63には特定領域入賞口63への入賞球(入球遊技球)を検出する特定入賞球検出スイッチ(特定領域センサー)が設けられ、該入賞球の検出により大入賞口15を再度開ける継続権利が成立するようにされている。前記大入賞口15内の略中央には、前記大入賞口15に入賞し、かつ前記特定領域入賞口63に入賞しなかった入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサー)が設けられている。
前記大入賞口15は、前記特別遊技状態時に前記開閉板61が開いて前記遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め、前記大入賞口15へ入賞(入球)可能にする。そして、前記大入賞口15への入賞があると、賞球払出装置(図示せず)により所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記大入賞口15の開閉板61は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは前記入賞球数カウントスイッチで検出された入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。
また、前記大入賞口15の開放中又は大入賞口15が閉じてから約2秒以内に、前記特定領域入賞口63への入賞球を特定入賞球検出スイッチが検出すると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高15回又は13回)、前記開閉板61の開放を繰り返すようになっている。
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により遊技機内側の発射モータが作動して遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤面に立設された外側誘導レール4と内側誘導レール5間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導されるようになっている。前記発射球誘導路により遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記始動入賞口10や各入賞口に入賞(入球)するか、或いは何処にも入賞(入球)しなければ前記アウト口17から遊技盤3の裏側へ排出されるように構成されている。
また、前記遊技機1の裏側には、遊技を制御するための複数の制御回路や装置が設けられている。図5のブロック図は同遊技機の電気制御を簡略に示すものであり、前記制御回路として、主制御回路70、表示制御回路90、発光体制御回路88、払出制御回路110、音声制御回路120等が示されている。
前記主制御回路70は、主制御手段に相当し、プログラムに従って制御動作を行うCPU72、該CPU72のワーク用メモリとして機能するRAM73、遊技制御用プログラムを記憶するROM74を備えたワンチップマイクロコンピュータ71、該ワンチップコンピュータ71と表示制御回路90等を結ぶI/O(入出力)バス75,76、出力ポート77、ドライバ78、バッファゲート79、インターフェイス80等により構成され、前記プログラムの実施により機能する初期設定手段、データ取得手段、大当たり当否判定手段、特別遊技実行手段、記憶手段、データ読み出し手段、記憶制御手段及び小当たり判定手段等を備える。
前記CPU72は、制御部、演算部、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、遊技の制御に使用する乱数値の生成、例えば、特別図柄による大当たり(特別遊技状態)の発生や普通図柄による小当たりの発生を定める乱数、さらには表示制御回路90等のサブ制御回路や他の制御装置に対する制御信号(コマンド)等をプログラムに従って生成する。
前記RAM73は前記特別図柄変動開始スイッチの検出信号や普通図柄変動開始スイッチの検出信号及び前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチの検出信号用の記憶領域、前記CPU72で生成される各種乱数用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、並びに前記CPU72の作業領域を備える。また、前記ROM74には、遊技上の制御プログラムや制御データ、制御信号(コマンド)が書き込まれている他、大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。
その他、前記ワンチップマイクロコンピュータ71には、遊技機1の電源投入時に各種制御情報を初期化する初期リセット回路と、ワンチップマイクロコンピュータ71のROM74に記憶されている遊技制御用プログラムを定期的(この例では2msec毎)に実行させる定期リセット回路が設けられている。
前記主制御回路70から出力される制御信号(コマンド)は、前記I/Oバス75や出力ポート77、ドライバ78を介して種々のサブ制御回路や装置を制御する。すなわち、前記ドライバ78には始動入賞口10、大入賞口15、侵入防止部材用ソレノイド(駆動手段)47、情報出力回路83等が接続され、前記出力ポート77には表示制御回路90、発光体制御回路88、音声制御回路120が接続され、前記I/Oバス75には音声制御回路120が接続されている。なお、前記情報出力回路83には、ホストコンピュータであるホール用の管理装置84が接続され、大当たり情報や図柄確定情報、確率変動情報等の各種遊技情報が出力される。
前記表示制御回路90は、前記主制御回路70から特別図柄の変動態様、停止特別図柄、各種遊技状態の制御信号(コマンド)を受信し、受信した制御信号に基づいて所定の表示制御処理を行うサブ制御回路(サブ制御手段)であって、この表示制御回路90に接続されている前記特別図柄表示部42、前記普通図柄表示部43、前記発光体制御回路88、前記音声制御回路120の制御を行う。
前記発光体制御回路88は、前記ランプ表示器35(枠飾り上ランプ35a、枠飾り右ランプ35b、枠飾り左ランプ35c)が接続され、前記発光体制御回路88によって前記ランプ表示器35の発光が制御される。また、前記払出制御回路110では、遊技媒体払出装置(図示せず)による遊技媒体(賞品球や貸球)の払い出しを制御する。
前記音声制御回路120は、音声制御手段に相当し、音声発生手段としてのスピーカ38が接続され、前記主制御回路70及び表示制御回路90から受信した音声制御信号(コマンド)に基づいて前記スピーカ38からの音声発生を制御する。
また、前記主制御回路70のインターフェィス80には、特別図柄変動開始スイッチ、普通図柄変動開始スイッチ、特定入賞球検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチ、その他の入賞口用検出スイッチ、侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46等が接続され、各検出スィッチ等から出力される検出信号が前記インターフェイス80を介してワンチップマイクロコンピュータ71に送信されるようになっている。
その他、前記主制御回路70には、電源回路87と、前記発射装置64による遊技球の発射を制御するための発射制御回路100が接続されている。
図6は第二実施例の遊技機の一部を示す正面図、図7は図6のB−B断面図、図8は図6のC−C断面図である。この第二実施例では、前記第一実施例における侵入防止部材41に相当する侵入防止部材410a,410bを、前記高確率入賞経路LKの両側で前記高確率入賞経路LKを挟むように設けた構成からなり、他の構成は前記第一実施例と同様である。なお、前記第一実施例と同様の部分については、前記第一実施例で用いた符号と同じ符号で示すと共に、説明を省略あるいは簡略にし、相違する部分についてのみ詳細に説明する。
第二実施例では、前記高確率入賞経路LKの左側については、前記第一通常経路LTaと前記高確率入賞経路LKとの交差位置Zよりも前記第一通常経路LTaの上流側(前記交差位置Zに対して前記第一通常経路LTaからの遊技球進入側)に第一侵入防止部材410aが設けられて、前記第一通常経路を流下してきた遊技球PTaが前記高確率入賞経路LKへ侵入するのが防止可能とされ、また前記高確率入賞経路LKの右側については、前記第二通常経路LTbと前記高確率入賞経路LKとの交差位置Zよりも前記第二通常経路LTbの上流側(前記交差位置Zに対して前記第二通常経路LTbからの遊技球進入側)に第二侵入防止部材410bが設けられて、前記第二通常経路LTbを流下してきた遊技球PTbが前記高確率入賞経路LKへ侵入するのが防止可能とされている。
さらに、前記第一侵入防止部材410a及び前記第二侵入防止部材410bは、図7及び図8から理解されるように、前記遊技盤3の裏側に配設された前進後退可能な作動部471a,471bを有するソレノイド472a,472b(請求項1及び2における駆動手段)によって、前記遊技盤3の表面から突出した第一状態(図7,図8の波線で示す411a,411b)と、前記遊技盤3の表面から後退した第二状態(図7,図8の実線で示す412a,412b)間を前進後退可能とされている。前記第一状態においては、前記第一侵入防止部材410aと第二侵入防止部材410bが前記遊技盤3の表面から突出した状態となるため、前記第一通常経路LTaを流下する遊技球PTaは前記高確率入賞経路LKへ侵入する前に前記第一侵入防止部材410aに接触して軌道が変更され、また、前記第二通常経路LTbを流下する遊技球PTbは前記高確率入賞経路LKへ侵入する前に前記第二侵入防止部材410bに接触して軌道が変更され、それぞれ前記高確率入賞経路LKへの侵入が防止可能となる。それに対して前記第二状態においては、前記第一侵入防止部材410a及び前記第二侵入防止部材410bが前記遊技盤3の表面から後退した状態となるため、前記第一通常経路LTaを流下する遊技球PTa及び前記第二通常経路LTbを流下する遊技球PTbが、前記第一侵入防止部材410aや前記第二侵入防止部材410bと接触できなくなるため、前記高確率入賞経路LKへの前記遊技球PTa,PTbの侵入防止が不可能となる。
前記侵入防止部材410a,410bは、通常は前記遊技盤3の表面から後退した第二状態とされる。そのため、前記第一通常経路LTaを流下してくる遊技球PTa及び前記第二通常経路LTbを流下してくる遊技球PTbは、前記第一侵入防止部材410aや前記第二侵入防止部材410bと接触することなく流下し、前記第一通常経路LTaや前記第二通常経路LTbと前記高確率入賞経路LKとの交差位置Zを超えて流下することがある。なお、前記第一通常経路LTaと前記第二通常経路LTbが前記高確率入賞経路LKに対して対称に配設されていない場合には、前記第一通常経路LTaと前記高確率入賞経路LKとの交差位置と、前記第二通常経路LTbと前記高確率入賞経路LKとの交差位置は一致せず、異なる位置となるが、本発明はそのような交差位置が異なる場合でもよい。
それに対し、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ(侵入防止部材用遊技球検出手段)46により、前記遊技球誘導部45に遊技球が進入したこと(前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46が前記高確率入賞経路LKに設けられている場合には前記高確率入賞経路LKに遊技球が進入したこと)が検出されると、前記検出信号が主制御回路へ送信され、主制御回路からの制御信号によって前記第一侵入防止部材のソレノイド472a及び前記第二侵入部材のソレノイド472bが作動し、前記第一侵入防止部材410a及び前記第二侵入防止部材410bが同時に前記遊技盤3の表面から突出した第一状態に所定期間され、その後再び前記第二状態に戻る。前記第一状態において、前記第一通常経路LTaを流下してくる遊技球PTaは、前記高確率入賞経路LKへ侵入する前に前記第一侵入防止部材410aに接触して軌道が変更され、また、前記第二通常経路LTbを流下する遊技球PTbは前記高確率入賞経路LKへ侵入する前に前記第二侵入防止部材410bに接触して軌道が変更され、それぞれ前記高確率入賞経路LKへの侵入が防止可能となる。そのため、前記高確率入賞経路LKを流下してくる遊技球PKが、前記第一通常経路LTaを流下してくる遊技球PTa及び前記第二通常経路LTbを流下してくる遊技球PTbの何れとも衝突することなく、前記始動入賞口10への入賞が可能になる。したがって、前記第二実施例においては、前記高確率入賞経路LKを流下する遊技球PKが、他の経路からの遊技球と衝突して、前記高確率入賞経路LKから軌道が外れるのをより確実に防止することができ、前記高確率入賞経路LKを流下する遊技球PKが前記始動入賞口10へ入賞する可能性を一層向上させることが可能である。
なお、前記第一状態にされる所定期間としては、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46による遊技球の検出から、前記高確率入賞経路LKを流下する遊技球PKが前記始動入賞口10へ入賞するまでの時間を予め設定しておいたり、あるいは前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46による遊技球の検出時点から、前記始動入賞口10への遊技球の入賞が前記特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサー)で検出された時点までとし、特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサー)による遊技球検出によって前記第一侵入防止部材410a及び前記第二侵入防止部材410bが第二状態に戻るように設定してもよい。
なお、前記第一侵入防止部材410a及び前記第二侵入防止部材410bの作動は、前記高確率入賞経路LKを流下してくる遊技球PKが、前記第一通常経路LTaを流下してくる遊技球PTa及び前記第二通常経路LTbを流下してくる遊技球PTbの何れとも衝突しなければ、同時でなくてもよい。例えば、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ46による遊技球の検出に基づき、まず前記第一侵入防止部材410aが前記第一状態になり、その後所定時間遅れて前記第二侵入防止部材410bが前記第一状態になり、また、前記第二状態に戻る際には、まず前記第二侵入防止部材410bが前記第二状態に戻り、続いて前記第一侵入防止部材410aが前記第二状態に戻るように設定したり、あるいはそれらの逆の順序にしてもよい。
図9は第三実施例の遊技機1Aの正面図、図10はその遊技領域の右側部分を示す正面図である。なお、前記第一実施例あるいは第二実施例と同様の構成部分は、前記第一実施例あるいは第二実施例で用いた符号と同じ符号を使用し、またその部分の説明については省略あるいは簡略にする。
第三実施例の遊技機1Aは、前記第一実施例及び第二実施例における始動入賞口10の他に遊技領域6の右端下部に第二始動入賞口950を備え、かつ遊技領域6の左側の遊技球流動可能空間が右側よりも大きくなるように図柄表示装置900(請求項5の電気的遊戯装置に相当する)が配設されている。前記図柄表示装置900は、前記遊技領域6の中央に前記第一実施例及び第二実施例と同様の特別図柄表示部42を備え、さらに前記特別図柄表示部42の左下には普通図柄表示部43を備える。符号900aは枠部である。
前記図柄表示装置900における前記特別図柄表示部42の下方位置には、遊技球転動部材として前記ステージ44が設けられ、前記ステージ44の中央の前記遊技球誘導部45の直下方向に前記始動入賞口(本実施例では第一始動入賞口)10に至る高確率入賞経路(図6のLK、本実施例では第一高確率入賞経路に相当する。)が設けられ、前記高確率入賞経路の両側に前記第二実施例と同様の前記第一侵入防止部材410aと前記第二侵入防止部材410bが、前記第一状態と前記第二状態間を変化可能に配設されている。
また前記図柄表示装置900内の右側部分には、上部に遊技球の入口921が設けられると共に下部に遊技球の出口922が設けられ、前記遊技球の入口921から遊技球が前記図柄表示装置900内に進入し、前記図柄表示装置900内を通って前記遊技球の出口922から排出されるようになっている。前記遊技球の出口922は第二ステージ930上の左端(遊技領域6の中央寄り)に位置し、前記遊技球の出口922から排出された遊技球が、図10のように前記第二ステージ930上の転動部(揺動部)930a上を左右に転動(揺動)可能になっている。なお、前記第二ステージ930は、第二遊技球転動部材に相当し、それに対して前記遊技領域中央のステージ44は第一ステージ及び第一遊技球転動部材に相当する。前記第二ステージ930は、前記第一実施例及び第二実施例のステージ44と同様に、金属板状が弧状に湾曲したものからなり、中央が下方へ窪んだ凹形状の前記遊技球誘導部933となっている。前記遊技球誘導部933の下面の前方側(遊技者側)は下方へ傾斜して前記遊技球誘導部933の遊技球を直下方向へ落下し易くしている。なお、前記第二ステージ930は、前記遊技球誘導部933の位置を基準として、後記する侵入防止部材941とは反対側(すなわち遊技領域の端側)の転動部930bからは遊技球が落下できないようにされている。本実施例では、前記反対側の転動部930bについてはカバー931で覆われている。
前記遊技球誘導部933には、前記遊技球誘導部933に遊技球が進入したことを検出する第二侵入防止部材用遊技球検出スイッチ(請求項1及び2の侵入防止部材用遊技球検出手段に相当する)951が遊技盤3の裏側に設けられている。前記第二侵入防止部材用遊技球検出スイッチ951による検出信号は、前記主制御回路へ送信される。なお、前記第二侵入防止部材用遊技球検出スイッチ951の位置は、後記する第二高確率入賞経路LKaにおける第三通常経路LTcとの交差位置Zaより上方の遊技盤3の裏側として、前記第二高確率入賞経路LKaに遊技球が進入したことを検出するようにしてもよい。
前記遊技球誘導部933の直下方向には、第二始動入賞口950が設けられている。前記第二始動入賞口950は、二つの可動片950a,950bが、前記始動入賞口(第一始動入賞口)10の可動片10a、10bと同様に裏側のソレノイド(図示せず)によって拡開可能とされ、拡開時には前記第二始動入賞口950への遊技球の入賞を容易にしている。
前記第二ステージ930の前記遊技球誘導部933から直下方向へ流下した遊技球は、前記遊技球誘導部933から第二始動入賞口950へ向かう第二高確率入賞経路LKaを通り、前記第二始動入賞口950へ入賞可能になる。また、前記第二高確率入賞経路LKaに対して前記遊技領域6の端とは反対側(前記遊技領域6の中央寄り側)のみに、第三通常経路LTc(請求項1の通常経路に相当する。)が形成されている。前記第三通常経路LTcは、前記図柄表示装置900における第二ステージ930の転動部(揺動部)930aから流下する遊技球や、前記図柄表示装置900外から流下する遊技球が前記第二高確率入賞経路LKaと交差するように流下する経路であり、前記遊技盤3の誘導釘等によって遊技球が誘導される経路である。
前記第三通常経路LTcの途中には、前記第三通常経路LTcと前記第二高確率入賞経路LKaとの交差位置Zaよりも前記第三通常経路LTcの上流側(前記交差位置Zaに対して前記第三通常経路LTcからの遊技球進入側)に第三侵入防止部材941(請求項1の侵入防止部材に相当する)が設けられている。前記第三通常経路LTcを流下してきた遊技球PTcは、前記第三侵入防止部材941により前記第二高確率入賞経路LKaへの侵入防止が可能となる。
前記第三侵入防止部材941は、前記第一実施例及び第二実施例の侵入防止部材41、第一侵入防止部材410a及び第二侵入防止部材410bと同様に、遊技盤の裏面に設けられたソレノイド(請求項1及び2における駆動手段に相当する)によって、前記遊技盤3の表面から突出した第一状態と、前記遊技盤3の表面から後退した第二状態間を前進後退可能とされている。前記第一状態においては、前記第三通常経路LTcを流下する遊技球PTcは前記第二高確率入賞経路LKaへ侵入する前に前記第三侵入防止部材941に接触して軌道が変更され、前記第二高確率入賞経路LKaへの侵入が防止可能となる。それに対して前記第二状態においては、前記第三通常経路LTcを流下する遊技球PTcは、前記第三侵入防止部材941と接触することなく流下し、前記第二高確率入賞経路LKaへの侵入防止不可能となる。
また、前記第三侵入防止部材941は、通常は前記遊技盤3の表面から後退した第二状態とされる。そのため、前記第三通常経路LTcを流下してくる遊技球PTcは、前記第三侵入防止部材941と接触することなく流下する。前記第二始動入賞口950の付近には、前記第三侵入防止部材941と接触することなく前記第三通常経路LTcを流下してくる遊技球PTcのための流下経路として、前記遊技球PTcが前記第二始動入賞口950へ入賞したり、前記第三通常経路LTcと前記第二高確率入賞経路LKaとの交差位置Zaを超えて流下したりすることが可能な経路が形成されている。
それに対し、前記第三侵入防止部材用遊技球検出スイッチ(侵入防止部材用遊技球検出手段)951により、前記遊技球誘導部933に遊技球が進入したこと(前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ951が前記第二高確率入賞経路LKaに設けられている場合には前記第二高確率入賞経路LKaに遊技球が進入したこと)が検出されると、前記検出信号が主制御回路へ送信され、主制御回路からの制御信号によって前記第三侵入防止部材のソレノイドが作動し、前記第三侵入防止部材941が前記遊技盤3の表面から突出した第一状態に所定期間され、その後再び前記第二状態に戻る。前記第一状態において、前記第三通常経路LTcを流下してくる遊技球PTcは、前記第二高確率入賞経路LKaへ侵入する前に前記第三侵入防止部材941に接触して軌道が変更され、前記第二高確率入賞経路LKaへの侵入が防止可能となる。そのため、前記第二高確率入賞経路LKaを流下してくる遊技球PKaは、前記第三通常経路LTcを流下してくる遊技球PTcと衝突することなく、前記第二始動入賞口950へ入賞することが可能になる。
このように、前記第三実施例においては、前記第二高確率入賞経路LKaを流下する遊技球PKaが、他の経路からの遊技球と衝突して、前記第二高確率入賞経路LKaから軌道が外れるのを防止可能なため、前記第二高確率入賞経路LKaを流下する遊技球PKaが前記第二始動入賞口950へ入賞する可能性を向上させることが可能になる。
また、前記第三実施例において、前記遊技領域6の左側へ遊技球が打ち込まれた場合には、前記第二実施例と同様に、前記第一侵入防止部材410a及び前記第二侵入防止部材410bが作動し、前記第一始動入賞口10や他の入賞口への入賞、あるいは前記アウト口17へ向けて、遊技球が流下する。以上、第三実施例においては、遊技領域の端側に、前記第二高確率入賞経路LKa及び前記第三侵入防止部材941を配置した構成にしているが、図示の例に限るものではなく、例えば、第一実施例及び第二実施例のような遊技領域の中央部において、前記第二通常経路LTbが予め存在しないように設定されている場合に、この第三実施例のように遊技領域の端側に高確率入賞経路及び通常経路を配設してもよい。
なお、本発明の侵入防止部材は、誘導釘以外の部材により構成されるのが好ましい。理由としては、誘導釘を侵入防止部材として用いた場合には遊技球の前記高確率入賞経路への侵入防止の調整が困難となるためである。
本発明は、前記実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチ(侵入防止部材用検出手段)が遊技球の検出信号を送信し、それによって前記侵入防止部材が第一状態になるように設定されているが、前記侵入防止部材用遊技球検出スイッチを遊技球が通過する際に遊技球の自重によって前記侵入防止部材が第一状態になるような構成(例えばシーソー式構造)でもよい。また、前記侵入防止部材は、遊技球を前記高確率入賞経路に侵入防止可能な第一状態と侵入防止不可能な第二状態間を可動とするために前進後退可能な構成となっているが、前記侵入防止部材が、前記侵入防止部材により遊技球を前記高確率入賞経路に侵入防止可能な第一状態と侵入防止不可能な第二状態とに可動するものであればどのような構成であってもよい。
また、前記始動入賞口は、遊技球が入球によって入賞するものに限られず、通過によって入賞するものであってもよい。また、前記実施例においては、始動入賞口付近に高確率入賞経路や侵入防止部材等を設けたが、それに限るものではなく他の入賞口付近に高確率入賞経路や侵入防止部材等を設けてもよい。その場合、前記始動入賞口のように遊技者にとって入賞の価値の高い入賞口付近に高確率入賞経路や侵入防止部材等を設けることにより、本発明の効果がより高まる。更にまた、前記第三実施例では、遊技領域の中央と右端の両方に始動入賞口を設けたが、遊技領域の中央に設けず、遊技領域の端のみに設けるようにしてもよい。更に、本実施例では、本発明を所謂第1種と称される弾球遊技機に適用しているが、所謂第2種や3種等の弾球遊技機に適用してもよい。なお、本実施例において、前記通常経路や高確率入賞経路を遊技球が流下する構成にしているが、ここでいう「流下する」とは、「誘導する」という意味も含まれている。
以上より、高確率入賞経路を流下中の遊技球が通常経路から流下する遊技球に衝突することにより、高確率入賞経路を流下中の遊技球が高確率入賞経路から軌道が外れ、始動入賞口に入賞するはずの遊技球が始動入賞口に入賞しないという可能性が低減されるため、遊技者は安心して、高確率入賞経路を流下する遊技球を見ることが可能であり、更に侵入防止部材が第二状態を有することにより、高確率入賞経路に遊技球が存在しない場合において、通常経路を流下してくる遊技球も始動入賞口に入賞することが可能であり、通常経路を流下してくる遊技球が著しく始動入賞口に入賞し難くなる虞を低減することが可能であるため、趣向性が高まる。