以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。なお、パチンコ遊技機の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿、下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。
遊技盤1は各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器(図示略)、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器5(図4に図示)が設けられている。また、遊技領域1a内には、普通変動入賞装置7(入賞装置)と、補助遊技としての特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特図記憶表示器(図示略)、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器9(図4に図示)が設けられている。なお、普図記憶表示器、普図表示器5、特図記憶表示器、特図表示器9は、遊技状態を表す遊技状態LED8(図4に図示)と併せて、セグメントLED(図示略)として一体に設けられている。
さらに遊技領域1aには、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって、開閉部材10aにより大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10が配設されている。この他、遊技領域1aには、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。また、遊技領域1aには、所定数の遊技球を貯留する貯留装置100が配設されている。なお、貯留装置100の詳細については後に詳しく説明する。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4a(図4に図示)が設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普図記憶表示器にて表示されるようになっている。
普図(普通図柄)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた普図表示器5で実行されるようになっている。なお、画像表示装置41の表示部42の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別情報として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は上部に始動入賞口7cを有するとともに、左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL7b、図4に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。この普通変動入賞装置7は、特図変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)に備えられた始動口SW7d(図4に図示)によって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特図記憶表示器にて表示されるようになっている。
補助遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、画像表示装置41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した変動表示ゲームとしての飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
この特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームの変動表示態様としては、通常変動表示態様と特殊変動表示態様とがある。通常変動表示態様は、特図変動表示ゲームの開始時に飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報の変動表示を開始するとともに特図変動表示ゲームの終了まで変動表示を維持し、特図変動表示ゲームの終了時に飾り特図変動表示ゲームにおいて識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示するものである。すなわち、通常変動表示態様は、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回行って結果態様を導出するものである。
また、特殊変動表示態様は、後述するように、飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を、貯留装置100の遊技球貯留部110に貯留されている遊技球の数に対応して一回以上行って結果態様を導出するものである。また、特殊変動表示態様のうち、特に単位変動表示が二回以上の複数回行われる場合は、あたかも複数回の変動表示ゲームが実行されたかのような演出を行う、いわゆる擬似連変動表示態様となる。また、特殊変動表示態様は、画像表示装置41での表示や効果音などの演出が通常変動表示態様とは異なるものとされている。
そして、この特図変動表示ゲームの結果態様として、特図表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示装置41の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に特図表示器9を備えずに、画像表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となり、特別遊技状態となった場合には、特別変動入賞装置10が、開閉部材10aにより大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換される。これにより、大入賞口内への遊技球の流入が容易になり、遊技者に所定の遊技価値(賞球としての遊技球)を付与することが可能となる。なお、開閉部材10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL10b、図4に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントSW10c(図4に図示)が配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口SW12a(図4に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置によって排出される(払い出される)ようになっている。
また、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、画像表示装置41が配されるようになっている。この画像表示装置41は、例えば、液晶表示装置41a(図4に図示)を備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、画像表示装置41は、液晶表示装置41aを備えるものに限らず、EL、CRT等の表示装置を備えるものであっても良い。
また、図2,3に示すように、センターケース20の左側部には、遊技球が流入可能な遊技球流入口23が形成されているとともに、この遊技球流入口23に流入した遊技球を、表示部42の前方であってセンターケース20の下部に形成されたステージ部90上へ誘導する誘導流路24が形成されている。
センターケース20の下部に形成されたステージ部90は、上面を遊技球が転動可能とされており、ステージ部90の後側部分をなす後方部91と、該後方部91よりも一段低く、ステージ部90の前側部分をなす前方部92とを有する。後方部91は左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。また、略W字状に形成された後方部91において、上向きに突出した中央部の両側に位置する最も低くなった部分は、前方に向かって下る傾斜面91aとされている。
後方部91における前面側から見て左端部には、誘導流路24の遊技球流出口25が位置しており、誘導流路24を流下した遊技球がここからステージ部90上に流入し、略W字状の後方部91の傾斜に沿って右方向へ流下するようになっている。また、後方部91における上向きに突出した中央部には、該後方部91の中央であって遊技球が転動可能な面の下側に形成された誘導路93への流入口93aが形成されている。誘導路93は前後方向に沿って前方へ向かって下るように傾斜した流路であって、この誘導路93に流入した遊技球は、前方部92の中央部分に形成された前方誘導路92bに流出するようになっている。また、誘導路93への流入口93aには、流下する遊技球を検出可能なステージSW94が設けられており、後述するように、特図変動表示ゲームの所定期間に、このステージSW94で遊技球が検出されることにより、貯留装置100で遊技球が貯留可能となるようになっている。すなわち、誘導路93、流入口93aが遊技領域1aに設定された特定領域をなし、ステージSW94が遊技盤1の特定領域を遊技球が通過したことを検出する遊技球検出手段をなす。
前方部92は左右方向の中央部が最も低くなるように下向きに突出した円弧状に形成されている。また、前方部92の前端には、左右方向の中央部分を除いて遊技球が転動する面に対して垂直に上方へ延出する規制壁92aが形成されており、前方部92に至った遊技球は、左右方向の中央部分から下方の遊技領域1aへ流下するようになっている。そして、規制壁92aがなく遊技球を遊技領域1aへ流下可能とされた前方部92の左右方向の中央部分は、後方部91に形成された誘導路93を流下した遊技球を前方へ誘導する前方誘導路92bが中央に形成され、その左右に前方誘導路92bに流入しなかった遊技球を前方へ誘導する側方誘導路92cが形成されている。
図1に示すように、前方誘導路92bの下方には普通変動入賞装置7が設けられており、誘導路93および前方誘導路92bを流下した遊技球は、高い確率で普通変動入賞装置7に入賞することとなる。なお、前方誘導路92bに流入せず側方誘導路92cから遊技領域1aに流下した遊技球は、前方誘導路92bを通過した場合よりは低い確率であるが、ステージ部90の外を流下する遊技球よりは高い確率で普通変動入賞装置7に入賞する可能性がある。
以上のことから、表示部42の前方に遊技球が転動可能なステージ部90を形成し、ステージ部90に遊技球検出手段(ステージSW94)を設けたこととなる。
また、図4に示すように、遊技機は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40を備えている。
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を備える遊技用マイクロコンピュータ31とともに、入出力インタフェース32(入出力I/F)、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)34(発振器)等により構成されている。
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM31bは、普通変動入賞装置7に設けられた始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェース32には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10c、貯留球検出SW102、ステージSW94などが接続されている。そして、入出力インタフェース32は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。
また、入出力インタフェース32には、CPU31aから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース32により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、普電開閉SOL7b、大入賞口SOL10b、特図表示器9、普図表示器5、遊技状態LED8、特図記憶表示器(図示略)、普図記憶表示器(図示略)、遊技機外部の管理装置などと接続する外部出力端子16、演出制御装置40などに出力される。
また、遊技制御装置30には、電源供給装置50から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置50から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置50には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源51が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
サブ制御装置としての演出制御装置40は、制御装置としてのCPU40a、ROM40b、RAM40c、入出力インタフェースや、画像表示装置41の液晶表示装置41aにおける表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、画像や映像データが記憶されたCGROM40dなどを含むビデオ回路、グラフィックプロセッサとしてのVDP40e(video display processor)を備えている。また、遊技盤1や該遊技盤1の前方を覆うクリア部材保持枠に設けられた装飾用の各種LED43などを駆動するドライバ40f、音の出力を制御する音源LSI40gを備えている。
この演出制御装置40は図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30が接続されている。そして、遊技制御装置30から入力される各種信号(演出制御データ(各種コマンドなど))は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPUに対し出力される。演出制御装置40は、この遊技制御装置30から受信した演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機の制御を行う。また、入出力インタフェースには、ステージ部90に設けられたステージSW94、貯留装置100に設けられた回転体SW133からの検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40はこれらの検出信号に基づき(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機の制御を行う。
さらに、入出力インタフェースには、CPU40aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバ40fを介して各種LED43、貯留装置100の回転体モータ132や切換片SOL122に出力される。なお、CPU40aから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU40aからVDP40eに出力され、VDP40eから該制御信号に基づく画像データが液晶表示装置41aに出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音源LSI40gに出力され、音源LSI40gから該制御信号に基づく音声データがスピーカ44に出力される。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31では、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器5に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、普通変動入賞装置7に備えられた始動口SW7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、この結果を始動記憶として記憶する処理を行う。この始動記憶は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で記憶可能であり、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームを開始する。すなわち、遊技制御装置30が、始動入賞口7cへの遊技球の入賞を、該入賞ごとに特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶として所定の上限数まで記憶し、最先の始動記憶から順に特図変動表示ゲームを実行するようにする始動記憶手段をなす。
また、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31では、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動開始時に、変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出コマンド)を、演出制御装置40に出力する。そして、特図表示器9に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、画像表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理や、スピーカ44からの音の出力、装飾装置としての各種LED43を制御する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が、一の変動表示ゲームの変動表示態様を決定する変動表示態様決定手段をなし、演出制御装置40が、変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)によって決定された変動表示態様で変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。
そして、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31は、特図変動表示ゲームの結果が大当たりの場合は、特図表示器9に特別の結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉部材10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または1秒)か経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回または2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31は、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口SW7d、カウントSW10c、入賞口SW12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置に制御信号を出力し、排出装置を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
次に、貯留装置100の構成と制御について説明する。図1に示すように、貯留装置100は、遊技盤1の前面側から見て普通変動入賞装置7の右下方に隣接して設けられている。この貯留装置100は、図5から10に示すように、始動入賞口7cに入賞した遊技球を受け入れて貯留する遊技球貯留部110と、遊技球貯留部110への遊技球の流入を許可する流入許可状態と流入を阻止する流入阻止状態とに変換可能な流入切換部材120と、遊技球貯留部110に貯留された遊技球を遊技球貯留部110から排出する貯留解除機構130と、を備えている。
図5,6に示すように貯留装置100は、各種部材が取り付けられる板状のベース部材101を備え、該ベース部材101を遊技盤本体1bに固定することで、貯留装置100が遊技盤1に取り付けられるようになっている。このベース部材101は普通変動入賞装置7において各種部材が取り付けられるベース部材7eと一体となっている。このうち、普通変動入賞装置7のベース部材7eは、遊技盤本体1bの前面よりも前側に重なるようになって厚さの分だけ前方に突出して配されるようになっている。また、その外周は遊技球の流下を妨げないように、外側へ向かって後方へ下るように厚さが薄くなった傾斜部とされている。これに対して貯留装置100のベース部材101は、遊技盤本体1bに形成された開口に嵌め込まれ、前面が遊技盤本体1bの前面と同一平面をなすようになっている。
遊技球貯留部110は、貯留壁部112、カバー部材113、後壁部材114により遊技盤1と平行に延在するように形成される貯留流路111を備えている。この貯留流路111は、普通変動入賞装置7側の側部に流入口111aを備え、前面側から見て流入口111aから右側へ向かって下るように形成されており、前後幅及び上下幅が、遊技球の直径よりもやや広い幅とされている。また、流下方向に沿った長さは遊技球の直径の4倍よりやや長く、流入した遊技球を一列に並べて最大で4個貯留できるようになっている。なお、この貯留流路111における最大の貯留個数は、始動記憶手段が記憶可能な始動記憶の上限数と同じ数となっている。
以上のことから、始動入賞口7cへの遊技球の入賞を、該入賞ごとに変動表示ゲームを実行するための始動記憶として所定の上限数まで記憶し、最先の始動記憶から順に変動表示ゲームを実行するようにする始動記憶手段(遊技制御装置30)を備え、遊技球貯留部110には、始動記憶手段により記憶可能な所定の上限数と同数の遊技球を貯留可能であることとなる。
貯留壁部112はベース部材101の裏面に、該裏面に対して垂直に後方へ延出するように形成されていて、貯留流路111の上壁、下壁と、下流側の側壁をなすように、後方から見て略U字状に形成されている。この略U字状に形成された貯留壁部112の開口した端部は、貯留流路111の流入口111aを形成する部分であり、普通変動入賞装置7に入賞した遊技球が流下する流路に隣接して位置するようになっている。また、貯留流路111の流入口111aを形成する貯留壁部112における開口した端部には、貯留流路111へ流入する遊技球を検出する貯留球検出SW102(図4に図示)を取り付けるためのセンサ取付部112aが形成されている。また、貯留壁部112における貯留流路111の上壁を形成する部分の上側と、下壁を形成する部分の下側には、後方に配される後壁部材114、駆動源取付ベース103を、ねじにより貯留壁部112に固定するためのねじ止め部112bが形成されている。
また、ベース部材101における貯留壁部112で囲まれた部分には、前後に貫通した貯留球視認用窓部101aが形成され、この貯留球視認用窓部101aにはベース部材101と略同じ厚みを有するカバー部材113が嵌め込まれることにより閉鎖されている。すなわち、このカバー部材113が貯留流路111の前側の壁面をなす。また、カバー部材113は透明な材質からなり、貯留流路111内の遊技球を、遊技盤1の前方から貯留球視認用窓部101aのカバー部材113を透して視認できるようになっている。
また、貯留壁部112の後端には、貯留壁部112で囲まれた領域の後方を閉鎖し、貯留流路111の後壁をなす後壁部材114が取り付けられている。この後壁部材114には、貯留流路111の最下流に位置する遊技球を貯留流路111の後方へ排出するための、遊技球が通過可能な前後に貫通した貯留解除用開口114aが形成されている。また、後壁部材114の前面には、貯留壁部112により形成される貯留流路111の上壁および下壁と平行となるように、貯留流路111の延在方向に沿った誘導リブ114bが形成されている。この誘導リブ114bは、貯留流路111の流入口111aから貯留解除用開口114aの手前までの範囲に形成されており、誘導リブ114bの前端とカバー部材113の裏面との間隔が、遊技球の直径よりやや広い間隔となるようにされている。
また、後壁部材114には貯留壁部112に形成されたねじ止め部112bに対応して前後に貫通した挿通孔114cが形成されており、後壁部材114の後方に配される駆動源取付ベース103と併せて、ねじにより貯留壁部112に固定できるようになっている。また、後壁部材114における貯留流路111の流入口111a側の端部には、後述する流入切換部材120の切換片121の軸部121bを、後壁部材114の前方から後方へ配設可能とするための切欠部114dが形成されている。
後壁部材114の後方には、貯留解除機構130の駆動源としての回転体モータ132や流入切換部材120の駆動源としての切換片SOL122を取り付けるための駆動源取付ベース103が配されている。この駆動源取付ベース103は、断面形状がクランク状となった板状の部材で、屈曲した部分を境に、一方の端部が第一取付部103aとされ、該第一取付部103aと平行な他方の端部が第二取付部103bとされている。また、第一取付部103aと第二取付部103bに挟まれ、第一取付部103aおよび第二取付部103bに対して垂直な部分が第三取付部103cとされている。そして、第一取付部103aには、貯留解除機構130の回転体モータ132が取り付けられ、第二取付部103bには、流入切換部材120の切換片SOL122が取り付けられる。また、第三取付部103cには、貯留解除機構130の回転体SW133が取り付けられるようになっている。また、第二取付部103bには、貯留壁部112に形成されたねじ止め部112bに対応して前後に貫通した挿通孔103dが形成されており、後壁部材114の後方に、後壁部材114と併せて、ねじにより貯留壁部112に固定されるようになっている。このとき駆動源取付ベース103は、第一取付部103aおよび第二取付部103bが、遊技盤1と平行となり、かつ、第一取付部103aが第二取付部103bよりも後方に位置するように取り付けられる。
流入切換部材120は、遊技球貯留部110の貯留流路111への遊技球の流入を許可する流入許可状態と、流入を阻止する流入阻止状態とを切り換えるためのもので、貯留流路111の流入口111aの近傍に配される切換片121と、該切換片121を駆動する駆動源としてのソレノイド(切換片SOL122)を備える。
切換片121は、貯留流路111の流入口111aを遊技球が流入できないように閉鎖する板状の平板部121aと、該平板部121aの一側に沿って延出する軸部121bとを備え、軸部121bが貯留流路111の下壁の端部に隣接する位置で、遊技盤1の前後方向に沿って後方へ延出するような向きで配される。そして軸部121bは、後壁部材114の後方に取り付けられる駆動源取付ベース103に取り付けられた切換片SOL122と図示しないリンク機構を介して接続されており、切換片SOL122のプランジャの動作に伴い軸部121bを中心として所定の角度の範囲で回動するようになっている。
このように回動可能とされた切換片121の可動範囲は、図7に示すように、平板部121aが下壁と略垂直となって流入口111aを閉鎖した位置から、図8に示すように、平板部121aが下壁と略平行となって流入口111aを開放した位置との間とされている。そして、図7に示すように平板部121aが流入口111aを閉鎖した状態が流入阻止状態であり、この流入阻止状態では、平板部121aは普通変動入賞装置7に入賞した遊技球が流下する流路7fから退避した状態となり、該流路7fを流下する遊技球の妨げとならないようにされている。また、図8に示すように平板部121aが流入口111aを開放した状態が流入許可状態であり、この流入許可状態では、平板部121aは普通変動入賞装置7に入賞した遊技球が流下する流路7f内に突出した状態となり、該流路7fを流下する遊技球を受け止めて貯留流路111へ誘導するようになっている。なお、図7,8では、後壁部材114の表示を省略している。
貯留解除機構130は、遊技球貯留部110の貯留流路111に貯留された遊技球を遊技球貯留部110から排出するためのものである。図5,6に示すように、この貯留解除機構130は、後壁部材114に形成された貯留解除用開口114aの後方に配される貯留解除用回転体131と、該貯留解除用回転体131を駆動する駆動源としての回転体モータ132と、貯留解除用回転体131の回転位相を検出するための回転体SW133とを備える。
貯留解除用回転体131は円柱状の部材で、円形の両端面の中心を通る中心軸に沿った幅が、遊技球の直径と略同じ幅となっている。この貯留解除用回転体131の周面には、中心軸へ向かって窪んだ球保持部131aが一ヶ所形成されており、この球保持部131aで遊技球を1個保持できるようになっている。また、貯留解除用回転体131には、棒状の検出片131bが外側へ延出するように形成されている。
この貯留解除用回転体131は、後壁部材114の後方に取り付けられる駆動源取付ベース103に取り付けられた回転体モータ132の駆動軸に、中心軸が一致するように接続され、回転体モータ132を駆動することで、中心軸を中心として貯留解除用開口114aの後方で遊技盤1と平行に回転するようになっている。なお、駆動源取付ベース103は、回転体モータ132が取り付けられる第一取付部103aが、切換片SOL122が取り付けられる第二取付部103bよりも遊技球の直径と略同じ幅だけ後方に位置するように、クランク状に屈曲して形成されている。よって、後壁部材114と駆動源取付ベース103との間に遊技球の直径と略同じ幅の間隙が形成され、この間隙に貯留解除用回転体131が後壁部材114の貯留解除用開口114aの後方に隣接するように配されるようになっている。
このとき貯留解除用回転体131の中心軸は、遊技盤1の前後方向に沿うような向きで、貯留解除用開口114aの中心の下方であって貯留解除用開口114aの下端よりも下側の位置に配されるようになっている。さらに、貯留解除用回転体131は、球保持部131aが中心軸の真上に位置する状態で、球保持部131aの周面が貯留解除用開口114aの下側の周囲と一致または下方に位置し、貯留解除用開口114aから流出する遊技球を受け入れることができるような位置に配されるようになっている。また、貯留解除用回転体131は、球保持部131aが貯留解除用開口114aから退避した状態では、側面が貯留解除用開口114aに臨み、遊技球の流出を規制できるような位置に配されるようになっている。
これにより、図9に示すように、球保持部131aが貯留解除用開口114aに臨み、貯留流路111の最下流に位置する遊技球Bを受入可能な受入状態と、図10に示すように、球保持部131aが貯留解除用開口114aから退避して、貯留解除用回転体131の側面が貯留解除用開口114aに臨み、貯留流路111の最下流に位置する遊技球Bの受け入れを不能とする受入不能状態とに変換可能となっている。なお、図9,10では、後壁部材114の表示を省略している。また、受入不能状態において、図8に示すように、特に球保持部131aが中心軸の真下に位置し、球保持部131aに受け入れた遊技球が確実に排出される状態が排出状態とされている。
また、図5に示すように、クランク状に形成された駆動源取付ベース103の第三取付部103cにおける貯留解除用回転体131の周面と対向する面には、貯留解除用回転体131の回転位相を検出するためのセンサである回転体SW133が取り付けられている。この回転体SW133は、発光部133aと受光部133bとが対向して配された光センサで、受光部133bにおいて発光部133aからの光を検出することでON信号を出力するものであり、貯留解除用回転体131に形成された検出片131bが、発光部133aと受光部133bの間を通過するような位置に取り付けられている。
この回転体SW133においては、貯留解除用回転体131が排出状態にあるときは、検出片131bが回転体SW133の発光部133aと受光部133bとの間に挿入された状態となり、発光部133aからの光が遮られて受光部133bで検出不能な状態、すなわち回転体SW133がOFFとなる。また、図9,10に示すように、貯留解除用回転体131が排出状態にないときは、検出片131bが回転体SW133の発光部133aと受光部133bの間から退避し、発光部133aからの光を受光部133bで検出可能な状態、すなわち回転体SW133がONとなる。これにより、回転体SW133を監視することで貯留解除用回転体131の動作状態を検出することが可能となる。
このような構成を有する貯留解除機構130は、通常は図5、8に示すような受入不能状態における排出状態となるようにされ、遊技球貯留部110での遊技球の貯留を可能とするとともに、球保持部131aに遊技球が保持されていない状態とされている。このとき検出片131bは、回転体SW133の発光部133aと受光部133bとの間に挿入された状態となっている。そして、この排出状態から、回転体モータ132を駆動して貯留解除用回転体131を裏面側から見て反時計回り方向に駆動すると、図9に示すような受入状態となり、球保持部131aに貯留流路111の最下流に位置する遊技球Bが1個受け入れられる。また、これにより検出片131bは、回転体SW133の発光部133aと受光部133bとの間から退避した状態となる。
さらに、この受入状態から、回転体モータ132を駆動して貯留解除用回転体131を裏面側から見て反時計回り方向に駆動すると、図10に示すように、球保持部131aで遊技球Bを保持した状態で受入不能状態となる。この後、回転体モータ132を駆動して貯留解除用回転体131を裏面側から見て反時計回り方向に駆動することで図5,8に示すような排出状態に戻り、球保持部131aで保持していた遊技球Bが図示しない排出流路に排出される。このとき検出片131bは、再び回転体SW133の発光部133aと受光部133bとの間に挿入された状態となる。以上のように回転体モータ132により貯留解除用回転体131を1回転することで、遊技球貯留部110で貯留されていた遊技球Bを1個排出できるようになっている。また、貯留解除用回転体131が排出状態にあることと、1回転して再び排出状態に戻ったことを、回転体SW133からの検出信号により検出できるようになっている。
次に、以上のような貯留装置100の制御について説明する。貯留装置100は、特図変動表示ゲームの所定期間としてのリーチ状態である期間に、遊技盤1の特定領域をなすステージ部90の誘導路93へ遊技球が流入することに基づき、遊技球の貯留を開始するように制御される。そして、特図変動表示ゲームが特殊変動表示態様で実行される場合に、その進行に対応して貯留した遊技球を排出するようになっている。
遊技制御装置30では、遊技球貯留部110への遊技球の貯留状態を監視するための貯留状態監視処理が行われる。この貯留状態監視処理では、まず、ステージSW94の有効期間であるか否かの判定(ステップS1)を行う。上述したようにステージSW94は、遊技盤1の特定領域をなすステージ部90の誘導路93の流入口93aに設けられており、流入口93aを通って誘導路93へ流入する遊技球を検出するものである。このステージSW94の有効期間であるか否かの判定(ステップS1)において、ステージSW94の有効期間でない場合(ステップS1;No)は、貯留状態監視処理を終了する。また、ステージSW94の有効期間であるか否かの判定(ステップS1)において、ステージSW94の有効期間である場合(ステップS1;Yes)は、ステージSW94での検出があるか否かの判定(ステップS2)を行う。
ステージSW94での検出があるか否かの判定(ステップS2)において、ステージSW94での検出がない場合(ステップS2;No)は、ステージSW94の有効期間が終了したか否かの判定(ステップS7)を行う。また、ステージSW94での検出があるか否かの判定(ステップS2)において、ステージSW94での検出がある場合(ステップS2;Yes)は、始動入賞があるか否かの判定(ステップS3)を行う。
始動入賞があるか否かの判定(ステップS3)では、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞して始動口SW7dで検出されたかが判定される。この始動入賞があるか否かの判定(ステップS3)において、始動入賞がない場合(ステップS3;No)は、ステージSW94の有効期間が終了したか否かの判定(ステップS7)を行う。また、始動入賞があるか否かの判定(ステップS3)において、始動入賞があった場合(ステップS3;Yes)は、貯留球の検出があるか否かの判定(ステップS4)を行う。
貯留球の検出があるか否かの判定(ステップS4)では、普通変動入賞装置7に入賞した遊技球が貯留流路111に流入口111aを通って流入して貯留球検出SW102で検出されたかが判定される。この貯留球の検出があるか否かの判定(ステップS4)において、貯留球の検出がない場合(ステップS4;No)は、ステージSW94の有効期間が終了したか否かの判定(ステップS7)を行う。また、貯留球の検出があるか否かの判定(ステップS4)において、貯留球の検出があった場合(ステップS4;Yes)は、貯留カウンタを1インクリメントする処理(ステップS5)を行う。貯留カウンタは、遊技球貯留部110の貯留流路111に貯留されている貯留球を計数するためのもので、貯留球検出SW102での検出に基づき1インクリメントされるようになっている。すなわち、遊技制御装置30が、貯留流路111に貯留された遊技球の個数を検出する貯留数検出手段をなす。
貯留カウンタを1インクリメントする処理(ステップS5)を行った後、貯留カウンタが上限値であるか否かの判定(ステップS6)を行う。貯留カウンタの上限値は、貯留流路111に貯留可能な遊技球の数と同じ値であり、例えば、本実施形態では4とされている。そして、貯留カウンタが上限値であれば、これ以上、貯留流路111に遊技球を貯留できない状態であることとなる。この貯留カウンタが上限値であるか否かの判定(ステップS6)において、貯留カウンタが上限値である場合(ステップS6;Yes)、すなわちこれ以上遊技球を貯留できない場合は貯留状態監視処理を終了する。また、貯留カウンタが上限値であるか否かの判定(ステップS6)において、貯留カウンタが上限値でない場合(ステップS6;No)、すなわち、まだ遊技球を貯留可能である場合は、ステージSW94の有効期間が終了したか否かの判定(ステップS7)を行う。
ステージSW94の有効期間が終了したか否かの判定(ステップS7)において、ステージSW94の有効期間が終了していない場合(ステップS7;No)は、ステージSW94での検出があるか否かの判定(ステップS2)に戻る。また、ステージSW94の有効期間が終了したか否かの判定(ステップS7)において、ステージSW94の有効期間が終了した場合(ステップS7;Yes)は、貯留状態監視処理を終了する。すなわち、ステージSW94の有効期間が終了するまで、もしくは、貯留流路111がいっぱいになるまで、上述のステージSW94での検出があるか否かの判定(ステップS2)から貯留カウンタが上限値であるか否かの判定(ステップS6)までの処理が繰り返し行われるようになっている。
また、遊技制御装置30では、特図変動表示ゲームでの変動パターン(変動表示態様)を決定する変動パターン決定処理が行われる。図12に示すように、この変動パターン決定処理では、まず、特図変動表示ゲームが終了しているか否かの判定(ステップS10)を行う。この特図変動表示ゲームが終了しているか否かの判定(ステップS10)において、特図変動表示ゲームが終了していない場合(ステップS10;No)は、変動パターン決定処理を終了する。また、特図変動表示ゲームが終了しているか否かの判定(ステップS10)において、特図変動表示ゲームが終了している場合(ステップS10;Yes)は、始動記憶があるか否かの判定(ステップS11)を行う。
始動記憶があるか否かの判定(ステップS11)において、始動記憶がない場合(ステップS11;No)は、変動パターン決定処理を終了する。また、始動記憶があるか否かの判定(ステップS11)において、始動記憶がある場合(ステップS11;Yes)は、変動パターングループを決定する処理(ステップS12)を行う。変動パターングループを決定する処理(ステップS12)では、大当たり乱数により決定される特図変動表示ゲームの結果(確変大当たり、通常大当たり、はずれなど)に基づき、複数の変動パターングループから一つを選択して決定する処理が行われる。各変動パターングループには複数の変動パターンが含まれており、後にここから一つの変動パターンが選択されるようになっている。
この変動パターングループを決定する処理(ステップS12)を行った後、貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS13)を行う。貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS13)では、遊技球貯留部110の貯留流路111に貯留されている貯留球を計数する貯留カウンタの値が0であるかを判定し、遊技球貯留部110に遊技球が貯留されているかを判定する。この貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS13)において、貯留カウンタが0である場合(ステップS13;Yes)は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS13)において、貯留カウンタが0でない場合(ステップS13;No)は、変動パターンとして特殊演出(特殊変動表示態様)を実行するか否かの判定(ステップS14)を行う。
変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS14)において、変動パターンとして特殊演出を実行しない場合(ステップS14;No)は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。この特殊演出を実行しない場合とは、例えば、決定された変動パターングループに特殊演出が含まれていない場合や、特殊演出が実行されないことが事前に決定されている場合である。また、変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS14)において、変動パターンとして特殊演出を実行する場合(ステップS14;Yes)は、貯留カウンタの値を取得する処理(ステップS15)を行う。その後、貯留カウンタをクリアする処理(ステップS16)を行い、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。
変動パターンを設定する処理(ステップS17)では、決定された変動パターングループから変動パターンを選択し、設定する処理が行われる。この変動パターンを設定する処理(ステップS17)は、例えば、貯留カウンタが0である場合(ステップS13;Yes)や、変動パターンとして特殊演出を実行しない場合(ステップS14;No)には、特殊演出以外の変動パターン(通常変動表示態様)を設定する処理を行う。また、特殊演出を実行する場合は、取得した貯留カウンタの値を特殊演出における単位変動表示の回数に設定する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が、一の変動表示ゲームの変動表示態様を、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回行って結果態様を導出する通常変動表示態様と、単位変動表示を一回以上行って結果態様を導出する特殊変動表示態様と、の何れで実行するかを決定する変動表示態様決定手段をなす。
変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行った後、変動表示コマンドを設定する処理(ステップS18)を行い、変動パターン決定処理を終了する。変動表示コマンドを設定する処理(ステップS18)では、上述のように決定された変動パターンに関する情報を含む変動表示コマンドを出力バッファにセットする処理が行われる。この変動表示コマンドは、出力処理において演出制御装置40に出力されるようになっている。
また遊技制御装置30では、特殊演出中における新たな遊技球の貯留を禁止するための貯留禁止フラグ設定処理が行われる。図13に示すようにこの貯留禁止フラグ設定処理では、まず、特図変動表示ゲームが開始したか否かの判定(ステップS20)を行う。この特図変動表示ゲームが開始したか否かの判定(ステップS20)において、特図変動表示ゲームが開始していない場合(ステップS20;No)は、貯留禁止フラグ設定処理を終了する。また、特図変動表示ゲームが開始したか否かの判定(ステップS20)において、特図変動表示ゲームが開始した場合(ステップS20;Yes)は、特殊演出があるか否かの判定(ステップS21)を行う。
特殊演出があるか否かの判定(ステップS21)において、特殊演出がない場合(ステップS21;No)は、貯留禁止フラグ設定処理を終了する。また、特殊演出があるか否かの判定(ステップS21)において、特殊演出がある場合(ステップS21;Yes)は、貯留禁止フラグをセットする処理(ステップS22)を行い、変動が終了したか否かの判定(ステップS23)を行う。
変動が終了したか否かの判定(ステップS23)において、変動が終了していない場合(ステップS23;No)は、再び変動が終了したか否かの判定(ステップS23)を行う。すなわち、変動の終了まで変動が終了したか否かの判定(ステップS23)を繰り返し行う。また、変動が終了したか否かの判定(ステップS23)において、変動が終了した場合(ステップS23;Yes)は、貯留禁止フラグをリセットする処理(ステップS24)を行い、貯留禁止フラグ設定処理を終了する。これにより、特殊演出が行われる特図変動表示ゲーム中は、貯留禁止フラグがセットされた状態となる。この貯留禁止フラグがセットされることで、後述するように、切換片121の開状態への変換が行われないこととなる。よって、特図変動表示ゲームが特殊変動表示態様で実行中である場合における、遊技球貯留部110への新たな遊技球の貯留を禁止することができる。すなわち、遊技制御装置30が、流入切換部材120の流入許可状態への切換を禁止する流入状態切換禁止制御手段をなす。
このように特殊変動表示態様の実行中に新たな遊技球を貯留しないようにすることで、現在貯留されている遊技球の数が特殊変動表示態様にて行われる単位変動表示の回数であることを遊技者に明確に示すことができる。また、特殊変動表示態様の進行に伴い貯留された遊技球が一つずつ排出される過程が、カウントダウンされる過程のようになり、特殊変動表示態様の進行につれて遊技者の期待を高めることができて、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上のことから、変動表示ゲームが特殊変動表示態様にて実行されている場合には、切換制御手段(演出制御装置40)による流入切換部材120の流入許可状態への切換を禁止する流入状態切換禁止制御手段(遊技制御装置30)を備えたこととなる。
また、演出制御装置40では、特図変動表示ゲームの所定期間としてのリーチ状態である期間に、遊技盤1の特定領域をなすステージ部90の誘導路93へ流入口93aを通って流入する遊技球をステージSW94で検出した際に、遊技球の貯留を可能とする貯留状態変換処理が行われる。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な画像表示装置41(変動表示装置)を有し、該画像表示装置41が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果(結果態様)が予め定められた特定の表示態様の組合せ(特別結果態様)となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、画像表示装置41の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態もリーチ状態に含まれる。
また、リーチ状態とは、画像表示装置41の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
図14に示すように、この貯留状態変換処理では、まず、リーチが発生したか否かの判定(ステップS30)を行う。このリーチが発生したか否かの判定(ステップS30)において、リーチが発生していない場合(ステップS30;No)は、貯留状態変換処理を終了する。また、リーチが発生したか否かの判定(ステップS30)において、リーチが発生した場合(ステップS30;Yes)は、貯留禁止フラグがあるか否かの判定(ステップS31)を行う。
貯留禁止フラグがあるか否かの判定(ステップS31)において、貯留禁止フラグがある場合(ステップS31;Yes)は、貯留状態変換処理を終了する。また、貯留禁止フラグがあるか否かの判定(ステップS31)において、貯留禁止フラグがない場合(ステップS31;No)は、ステージSW94を有効化する処理(ステップS32)を行い、ステージSW94で遊技球を検出したか否かの判定(ステップS33)を行う。上述したように、貯留禁止フラグは、特図変動表示ゲームが特殊変動表示態様で実行中である場合に設定されるようになっており、この貯留禁止フラグがある場合は、ステージSW94を有効化する処理(ステップS32)が行われない。よって、特図変動表示ゲームが特殊変動表示態様で実行中である場合には、遊技球貯留部110に新たに遊技球が貯留されることはない。
ステージSW94で遊技球を検出したか否かの判定(ステップS33)において、ステージSW94で遊技球を検出した場合(ステップS33;Yes)は、切換片121を開状態へ変換する処理(ステップS34)を行う。この切換片121を開状態へ変換する処理(ステップS34)では、切換片SOL122を駆動して切換片121を開状態へ変換する処理がなされる。これにより、流入切換部材120が遊技球貯留部110の貯留流路111への遊技球の流入を許可する流入許可状態となる。
切換片121を開状態へ変換する処理(ステップS34)を行った後、特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS35)を行う。この特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS35)において、特図変動表示ゲームが終了していない場合(ステップS35;No)は、再び特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS35)を行う。すなわち、特図変動表示ゲームの終了まで特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS35)を繰り返し行う。また、特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS35)において、特図変動表示ゲームが終了した場合(ステップS35;Yes)は、ステージSW94を無効化する処理(ステップS37)を行う。
また、ステージSW94で遊技球を検出したか否かの判定(ステップS33)において、ステージSW94で遊技球を検出していない場合(ステップS33;No)は、特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS36)を行う。この特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS36)において、特図変動表示ゲームが終了していない場合(ステップS36;No)は、ステージSW94で遊技球を検出したか否かの判定(ステップS33)に戻る。また、特図変動表示ゲームが終了したか否かの判定(ステップS36)において、特図変動表示ゲームが終了した場合(ステップS36;Yes)は、ステージSW94を無効化する処理(ステップS37)を行う。すなわち、リーチの発生から特図変動表示ゲームの終了までの期間が、遊技球検出手段をなすステージSW94による遊技球の検出が有効な検出有効期間となる。よって、演出制御装置40が、変動表示ゲームでの所定期間を、遊技球検出手段による遊技球の検出が有効な検出有効期間とする検出有効化手段をなす。
ステージSW94を無効化する処理(ステップS37)を行った後、切換片121を閉状態へ変換する処理(ステップS38)を行い、貯留状態変換処理を終了する。この切換片121を閉状態へ変換する処理(ステップS38)では、切換片SOL122を駆動して切換片121を閉状態へ変換する処理がなされる。これにより、流入切換部材120が遊技球貯留部110の貯留流路111への遊技球の流入を阻止する流入阻止状態となる。なお、ステージSW94が有効化されたが、ステージSW94で遊技球を検出せずに変動が終了し、流入切換部材120が流入許可状態に変換されなかった場合は、そのまま流入阻止状態が維持される。
以上のような処理により、特殊変動表示態様のために遊技球を貯留するという今までにないゲーム性を持たせることができ、また、特図変動表示ゲームの所定期間に貯留可能としたことで、よりゲーム性を高めることができて、遊技の幅を広げることができるとともに、特殊変動表示態様による演出効果を高めることができ、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。また、後述するように遊技球貯留部110へ貯留される遊技球が特殊変動表示態様に使用されることとなるので、遊技者が、遊技球貯留部110に遊技球を貯留することを目指して遊技球を発射するようになり、リーチ時などにおける止め打ちを防止することができる。
以上のことから、遊技球貯留部110への遊技球の流入を許可する流入許可状態と、遊技球貯留部110への遊技球の流入を阻止する流入阻止状態と、に変換可能な流入切換部材120と、流入切換部材120を駆動する駆動機構を制御する切換制御手段(演出制御装置40)と、遊技盤1の特定領域(誘導路93、流入口93a)を遊技球が通過したことを検出する遊技球検出手段(ステージSW94)と、変動表示ゲームでの所定期間を、遊技球検出手段による遊技球の検出が有効な検出有効期間とする検出有効化手段(演出制御装置40)と、を備え、切換制御手段は、検出有効期間に遊技球検出手段により遊技球が検出されることに基づき、流入切換部材120を流入阻止状態から流入許可状態へ切り換えるようにしている。
また、演出制御装置40では、貯留解除機構130を制御する回転体駆動処理が行われる。図15に示すようにこの回転体駆動処理では、まず、変動表示コマンドを受信したか否かの判定(ステップS40)を行う。変動表示コマンドは特図変動表示ゲームの変動パターン(変動表示態様)に関する情報を含むものであり、特図変動表示ゲームの変動開始時に遊技制御装置30から演出制御装置40に出力されるようになっている。この変動表示コマンドを受信したか否かの判定(ステップS40)において、変動表示コマンドを受信していない場合(ステップS40;No)は、回転体駆動処理を終了する。また、変動表示コマンドを受信したか否かの判定(ステップS40)において、変動表示コマンドを受信した場合(ステップS40;Yes)は、特殊演出(特殊変動表示態様)が実行されるか否かの判定(ステップS41)を行う。
特殊演出が実行されるか否かの判定(ステップS41)では、変動表示コマンドの内容から、特図変動表示ゲームにおいて特殊演出が実行されるかが判定される。この特殊演出があるか否かの判定(ステップS41)において、特殊演出が実行されない場合(ステップS41;No)は、回転体駆動処理を終了する。また、特殊演出があるか否かの判定(ステップS41)において、特殊演出が実行される場合(ステップS41;Yes)は、単位変動表示の実行回数を取得する処理(ステップS42)を行う。
単位変動表示の実行回数を取得する処理(ステップS42)では、変動表示コマンドの内容から、特殊演出における単位変動表示の回数を取得する処理を行う。なお、単位変動表示とは、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する一区切りの変動表示のことであり、特殊変動表示態様ではこの単位変動表示が一回以上行われることとなる。
単位変動表示の実行回数を取得する処理(ステップS42)を行った後、単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)を行う。この単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)において、単位変動表示が開始していない場合(ステップS43;No)は、再び単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)を行う。すなわち、単位変動表示が開始するまで、単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)を繰り返し行う。また、単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)において、単位変動表示が開始した場合(ステップS43;Yes)は、回転体を駆動する処理(ステップS44)、貯留球を排出する処理(ステップS45)を行う。
回転体を駆動する処理(ステップS44)では、貯留解除機構130の回転体モータ132を駆動し、貯留解除用回転体131を回転させる処理が行われる。また、貯留球を排出する処理(ステップS45)では、回転駆動される貯留解除用回転体131が、受入状態を経て排出状態に戻ったことを回転体SW133の検出信号に基づき検出し、該排出状態で回転体モータ132を停止する処理を行う。これにより、遊技球貯留部110から1個の遊技球が排出されることとなる。すなわち、演出制御装置40が、貯留解除機構130を制御する貯留解除制御手段をなす。
また、貯留解除用回転体131を排出状態で停止するようにしたことで、単位変動表示の開始時における遊技球の排出時のみ貯留解除機構130が受入状態となる。よって、遊技球を確実に遊技球貯留部110に貯留することができ、貯留されるべき遊技球が誤って排出されてしまい遊技者が不満に思うことを防止できる。
以上のことから、貯留解除制御手段(演出制御装置40)は、特殊変動表示態様での単位変動表示の開始時のみ貯留解除機構130を受入状態とするようにしたこととなる。
貯留球を排出する処理(ステップS45)を行った後、単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)を行う。この単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)において、単位変動表示が終了していない場合(ステップS46;No)は、再び単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)を行う。すなわち、単位変動表示が終了するまで、単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)を繰り返し行う。また、単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)において、単位変動表示が終了した場合(ステップS46;Yes)は、単位変動表示実行カウンタの値を1インクリメントする処理(ステップS47)を行う。この単位変動表示実行カウンタは、単位変動表示の終了毎に1インクリメントすることで単位変動表示の実行回数を計数するものである。
単位変動表示実行カウンタの値を1インクリメントする処理(ステップS47)を行った後、実行回数が終了したか否かの判定(ステップS48)を行う。実行回数とは、単位変動表示の実行回数を取得する処理(ステップS42)で取得した実行回数であり、特殊演出において単位変動表示を実行する回数である。この実行回数が終了したか否かの判定(ステップS48)において、実行回数が終了していない場合(ステップS48;No)は、単位変動表示を開始する処理(ステップS43)に戻る。これにより、次回の単位変動表示の開始時においても遊技球貯留部110から1個の遊技球を排出する処理がなされる。また、実行回数が終了したか否かの判定(ステップS48)において、実行回数が終了した場合(ステップS48;Yes)は、単位変動表示実行カウンタの値をクリアする処理(ステップS49)を行い、回転体駆動処理を終了する。
以上のような処理により、特殊変動表示態様における単位変動表示の開始毎に、遊技球貯留部110から1個の遊技球が排出されるようになる。このような特殊変動表示態様の進行について図16から20を参照して説明する。ここでは、特殊変動表示態様で実行される特図変動表示ゲームの開始前に、遊技球貯留部110に4個の遊技球が貯留されている場合について説明する。
図16(a)には、特図変動表示ゲームの開始前における表示部42の状態を示しており、中央には識別情報42aが停止表示され、左下部には始動記憶の個数を表示する始動記憶表示42bが表示されている。この状態から特図変動表示ゲームの開始に伴い、1回目の単位変動表示が開始されると、図16(b)に示すように、始動記憶が1つ減少して、始動記憶表示42bが一つ消去されるとともに、識別情報42aが変動表示される。このとき、図16(c)に示すように、遊技球貯留部110に貯留されている4個の遊技球のうち、最下流の遊技球Bが貯留解除機構130により遊技球貯留部110から排出される。これにより、遊技球貯留部110の遊技球は順次下流側へ流下し、図17(c)に示すように、遊技球貯留部110に3個の遊技球Bが貯留された状態となる。
そして、1回目の単位変動表示が終了することで、図17(a)に示すように、識別情報42aが停止表示される。この状態から2回目の単位変動表示の開始に伴い、図17(b)に示すように、識別情報42aが変動表示される。また、2回目の単位変動表示の開始に伴い、図17(c)に示すように、遊技球貯留部110に貯留されている3個の遊技球Bのうち、最下流の遊技球Bが貯留解除機構130により遊技球貯留部110から排出される。これにより、遊技球貯留部110の遊技球は順次下流側へ流下し、図18(c)に示すように、遊技球貯留部110に2個の遊技球Bが貯留された状態となる。
なお、1回目の単位変動表示の終了後も特図変動表示ゲームは依然継続中であり、新たな特図変動表示ゲームが開始されたものではないため始動記憶は減少せず、図17(a)、(b)に示すように、始動記憶表示42bは変化しない。ただし、特図変動表示ゲームの開始である1回目の単位変動表示の開始時と同様に、2回目の単位変動表示の開始時にも遊技球貯留部110から遊技球が排出される。よって、特殊変動表示態様において、あたかも貯留されている遊技球により新たな特図変動表示ゲームが開始されたかのような演出を行うことが可能となる。
そして、2回目の単位変動表示が終了することで、図18(a)に示すように、識別情報42aが停止表示される。この停止表示は仮停止表示であり表示されている識別情報42aは結果態様を示すものではない。この状態から3回目の単位変動表示の開始に伴い、図18(b)に示すように、識別情報42aが変動表示される。また、3回目の単位変動表示の開始に伴い、図18(c)に示すように、遊技球貯留部110に貯留されている2個の遊技球Bのうち、最下流の遊技球Bが貯留解除機構130により遊技球貯留部110から排出される。これにより、遊技球貯留部110の遊技球は順次下流側へ流下し、図19(c)に示すように、遊技球貯留部110に1個の遊技球Bが貯留された状態となる。
また、2回目の単位変動表示の終了後も特図変動表示ゲームは依然継続中であり、新たな特図変動表示ゲームが開始されたものではないため始動記憶は減少せず、図18(a)、(b)に示すように、始動記憶表示42bは変化しない。ただし、特図変動表示ゲームの開始である1回目の単位変動表示の開始時と同様に、3回目の単位変動表示の開始時にも遊技球貯留部110から遊技球が排出されるため、このときも特殊変動表示態様において、あたかも貯留されている遊技球により新たな特図変動表示ゲームが開始されたかのような演出を行うことが可能となる。
さらに、3回目の単位変動表示が終了することで、図19(a)に示すように、識別情報42aが停止表示される。この停止表示も仮停止表示であり表示されている識別情報42aは結果態様を示すものではない。この状態から4回目の単位変動表示の開始に伴い、図19(b)に示すように、識別情報42aが変動表示される。また、4回目の単位変動表示の開始に伴い、図19(c)に示すように、遊技球貯留部110に貯留されている1個の遊技球Bが貯留解除機構130により遊技球貯留部110から排出される。これにより、図20(b)に示すように、遊技球貯留部110に貯留されていた遊技球Bがすべて排出された状態となる。
また、3回目の単位変動表示の終了後も特図変動表示ゲームは依然継続中であり、新たな特図変動表示ゲームが開始されたものではないため始動記憶は減少せず、図19(a)、(b)に示すように、始動記憶表示42bは変化しない。ただし、特図変動表示ゲームの開始である1回目の単位変動表示の開始時と同様に、4回目の単位変動表示の開始時にも遊技球貯留部110から遊技球が排出されるため、このときも特殊変動表示態様において、あたかも貯留されている遊技球により新たな特図変動表示ゲームが開始されたかのような演出を行うことが可能となる。
そして、4回目の単位変動表示が終了することで、図20(a)に示すように、識別情報42aが停止表示される。また、これで特図変動表示ゲームが終了することとなり、停止表示されている識別情報42aが結果態様となる。このとき、図20(b)に示すように、遊技球貯留部110に貯留されていた遊技球Bがすべて排出された状態となる。
なお、特殊変動表示態様においては、遊技球貯留部110に貯留された遊技球が2個以上の場合は、上述のように特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示が一回以上行われる。すなわち、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様が導出される。そして、各単位変動表示の開始毎に遊技球貯留部110からは遊技球が排出される。このように、特殊変動表示態様において単位変動表示が二回以上の複数回行われる場合は、あたかも複数回の変動表示ゲームが実行されたかのような演出を行う、いわゆる擬似連変動表示態様となる。また、遊技球貯留部110に貯留された遊技球が1個であるときは、実行される単位変動表示の回数が通常変動表示態様と同じく一回となるが、画像表示装置41での表示や効果音などの演出が特殊変動表示態様における演出とされる。また、単位変動表示の開始に伴い遊技球貯留部110からは遊技球が排出される。
以上のように遊技が進行することで、遊技球が始動入賞口7cへ入賞することにより変動表示ゲームが開始されるのに似せて、貯留された遊技球が消化されることにより単位変動表示が開始されるような従来にない演出を行うことができ、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。特に、特殊変動表示態様として、複数回の変動表示ゲームが実行されたかのように複数回の単位変動表示を実行する、いわゆる擬似連変動表示態様を行う場合には効果的であり、従来は単なる表示上の演出であった擬似連変動表示態様に遊技球の動作が関連することとなって、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上のことから、遊技盤1に配設されて遊技球が入賞可能な始動入賞口7cを備える入賞装置(普通変動入賞装置7)と、該始動入賞口7cへの遊技球の入賞に基づき複数の識別情報42aを変動表示する変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示部42を有する画像表示装置41と、を備え、変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果態様となった場合に遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技盤1に、遊技者が視認可能な状態で遊技球を貯留する遊技球貯留部110と、遊技球貯留部110に貯留された遊技球を当該遊技球貯留部110から排出する貯留解除機構130と、を備え、一の変動表示ゲームの変動表示態様を、複数の識別情報42aを所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回行って結果態様を導出する通常変動表示態様と、単位変動表示を一回以上行って結果態様を導出する特殊変動表示態様と、の何れで実行するかを決定する変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)と、該変動表示態様決定手段によって決定された変動表示態様で変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(演出制御装置40)と、貯留解除機構130を制御する貯留解除制御手段(演出制御装置40)と、を備え、貯留解除制御手段は、変動表示態様決定手段によって特殊変動表示態様にて変動表示ゲームが実行されることが決定された場合に当該特殊変動表示態様での単位変動表示の開始に対応させて貯留解除機構130を駆動し、所定数の遊技球を遊技球貯留部110から排出するようにしたこととなる。
また、遊技球貯留部110は、始動入賞口7cへ入賞した遊技球を受け入れて遊技盤1と平行に一列に整列させて貯留する貯留流路111を備え、貯留流路111は、貯留された遊技球を、遊技者が視認できるようにする貯留球視認用窓部101aを前面に備えるとともに、貯留解除機構130と連通する貯留解除用開口114aが下流側端部の後方に開設され、貯留解除機構130は、外周に1個の遊技球を保持可能な球保持部131aが形成され、貯留解除用開口114aの後方で遊技盤1と平行に回転する貯留解除用回転体131と、該貯留解除用回転体131を回転駆動させる駆動源(回転体モータ132)と、を備え、球保持部131aが貯留解除用開口114aに臨み、遊技球を受け入れる受入状態と、球保持部131aが貯留解除用開口114aから退避して遊技球の受け入れを不能とする受入不能状態と、該受入不能状態であって、球保持部131aに受け入れた遊技球を排出する排出状態と、に変換可能に構成され、貯留流路111に貯留された遊技球の個数を検出する貯留数検出手段(遊技制御装置30)を備え、変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)は、変動表示ゲームを特殊変動表示態様にて実行することを決定した場合に、単位変動表示の回数を貯留数検出手段により検出された遊技球の貯留数とし、貯留解除制御手段(演出制御装置40)は、変動表示態様決定手段によって変動表示ゲームが特殊変動表示態様にて実行されることが決定された場合に、当該特殊変動表示態様での単位変動表示の開始毎に駆動源を駆動し、貯留解除機構130を排出状態から受入状態に変換して貯留流路111の遊技球を受け入れた後に排出状態に変換する排出動作を行い、遊技球貯留部110に貯留されている遊技球を、遊技球貯留部110から1個ずつ排出するようにしたこととなる。
なお、遊技球貯留部110は普通変動入賞装置7に入賞した遊技球を貯留するとしたが、これに限られるものではなく、例えば、他の入賞口に入賞した遊技球や、アウト口から排出される遊技球を貯留するようにしても良い。
また、遊技球検出手段を設ける特定領域をステージ部90としたが、遊技領域1aの他の部分に設けるようにしても良い。
また、遊技球検出手段としてのステージSW94での検出を有効とする所定期間をリーチ状態の期間としたが、これ以外の期間としても良い。また、リーチ状態であって、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすい(大当りの期待度が高い)特定のリーチ(スペシャルリーチ、スーパーリーチ等)の期間としても良い。
また、所定条件の成立に基づき、貯留されている遊技球をすべて排出するようにしても良い。この所定条件の成立とは、遊技機の電源投入時や、所定期間始動入賞口7cへの入賞がない状態である客待ち状態となること、遊技者の交代の検出したこと、貯留から所定ゲーム数が経過したことなどである。このような構成とする場合には、所定条件が成立した場合に遊技制御装置30が貯留カウンタの値を演出制御装置40に出力するようにする。そして、貯留解除機構130を制御する貯留解除制御手段(演出制御装置40)により、貯留解除用回転体131を少なくとも貯留カウンタの値と同じ回数回転するように貯留解除機構130を駆動して遊技球を排出するようにする。なお、このとき、貯留解除用回転体131を貯留カウンタの値よりも多い回数回転するようにしても良い。これにより遊技球貯留部110に貯留されていた遊技球がすべて排出されることとなる。このようにすることで、直近の遊技の結果が特殊変動表示態様の内容に反映されるようにすることができて、遊技と特殊変動表示態様の関連を明確にでき、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上のことから、貯留解除制御手段(演出制御装置40)は、所定条件の成立に基づき、貯留解除機構130を駆動して貯留されている遊技球をすべて排出するようにしたこととなる。
また、図11に示す貯留状態監視処理において、貯留球の検出があるか否かの判定(ステップS4)と、貯留球の検出があった場合に貯留カウンタを1インクリメントする処理(ステップS5)との2つの処理のみを行うようにしても良い。上述したように、貯留流路111の流入口111aには、ステージSW94が有効な期間にステージSW94で遊技球を検出した場合に流入可能状態に変換される流入切換部材120が設けられている。よって、貯留が可能な期間以外は遊技球が貯留されることは無いため、貯留状態監視処理においてステージSW94に関する処理を行わなくても良い。
また、図11に示す貯留状態監視処理において、貯留球の検出があるか否かの判定(ステップS4)、貯留球の検出があった場合に貯留カウンタを1インクリメントする処理(ステップS5)、貯留カウンタの値が上限値であるか否かの判定(ステップS6)の処理のみを行うようにしても良い。さらに、貯留カウンタの値が上限値であるか否かの判定(ステップS6)において上限値である場合(ステップS6;Y)に、その旨の情報を含むコマンドを演出制御装置40に出力するようにし、図14に示す貯留状態変換処理において、このコマンドを受信した場合に切換片121を閉状態へ変換する処理を行うようにしても良い。
また、単位変動表示の開始毎に遊技球貯留部110から1個ずつ遊技球を排出するとしたが、複数個の遊技球を排出するようにしても良い。さらに、特殊変動表示態様における単位変動表示の回数を、遊技球貯留部110に貯留されている遊技球の数と同じ数とするとしたが、異なる数であっても良い。すなわち、少なくとも特殊変動表示態様での単位変動表示の開始に対応させて貯留解除機構130を駆動し、所定数の遊技球を遊技球貯留部110から排出するような構成であれば良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第一変形例について図21を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特殊変動表示態様で実行される特図変動表示ゲームの結果が大当たりとなる場合には、単位変動表示の回数を、遊技球貯留部110に貯留された遊技球の数よりも1つ多い回数とするようにしている。
本変形例の変動パターン決定処理では、図21に示すように、まず、特図変動表示ゲームが終了しているか否かの判定(ステップS10)を行い、特図変動表示ゲームが終了していない場合(ステップS10;No)は、変動パターン決定処理を終了する。また、特図変動表示ゲームが終了している場合(ステップS10;Yes)は、始動記憶があるか否かの判定(ステップS11)を行う。
始動記憶があるか否かの判定(ステップS11)において、始動記憶がない場合(ステップS11;No)は、変動パターン決定処理を終了する。また、始動記憶がある場合(ステップS11;Yes)は、変動パターングループを決定する処理(ステップS12)を行い、特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かの判定(ステップS50)を行う。
特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かの判定(ステップS50)において、大当たりでない場合(ステップS50;No)は、貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS13)を行う。この貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS13)において、貯留カウンタが0である場合(ステップS13;Yes)は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、貯留カウンタが0でない場合(ステップS13;No)は、変動パターンとして特殊演出(特殊変動表示態様)を実行するか否かの判定(ステップS14)を行う。
変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS14)において、変動パターンとして特殊演出を実行しない場合(ステップS14;No)は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS14)において、変動パターンとして特殊演出を実行する場合(ステップS14;Yes)は、貯留カウンタの値を取得する処理(ステップS15)、貯留カウンタをクリアする処理(ステップS16)を行い、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かの判定(ステップS50)において、大当たりである場合(ステップS50;Yes)は、貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS51)を行う。この貯留カウンタが0であるか否かの判定(ステップS51)において、貯留カウンタが0である場合(ステップS51;Yes)は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、貯留カウンタが0でない場合(ステップS51;No)は、変動パターンとして特殊演出(特殊変動表示態様)を実行するか否かの判定(ステップS52)を行う。
変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS52)において、変動パターンとして特殊演出を実行しない場合(ステップS52;No)は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS52)において、変動パターンとして特殊演出を実行する場合(ステップS52;Yes)は、貯留カウンタの値を取得する処理(ステップS53)、貯留カウンタをクリアする処理(ステップS54)を行い、貯留カウンタの値が上限未満であるか否かの判定(ステップS55)を行う。
貯留カウンタの値が上限未満であるか否かの判定(ステップS55)において、貯留カウンタの値が上限未満でない場合(ステップS55;No)、すなわち、上限値である場合は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、貯留カウンタの値が上限未満であるか否かの判定(ステップS55)において、貯留カウンタの値が上限未満である場合(ステップS55;Yes)は、貯留カウンタの値より一つ多い数を単位変動表示実行回数としてセットする処理(ステップS56)を行い、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。
変動パターンを設定する処理(ステップS17)では、決定された変動パターングループ、から変動パターンを選択し、設定する処理が行われる。この変動パターンを設定する処理(ステップS17)では、例えば、貯留カウンタが0である場合(ステップS13、ステップS51;Yes)や、変動パターンとして特殊演出を実行しない場合(ステップS14、ステップS52;No)には、特殊演出以外の変動パターンを設定する処理を行う。また、特殊演出を実行する場合は、取得した貯留カウンタの値を特殊演出における単位変動表示の回数に設定する処理を行うが、貯留カウンタの値より一つ多い数を単位変動表示実行回数としてセットする処理(ステップS56)が行われた場合は、その値に設定する。
この変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行った後、変動表示コマンドを設定する処理(ステップS18)を行い、変動パターン決定処理を終了する。変動表示コマンドを設定する処理(ステップS18)では、上述のように決定された変動パターンに関する情報を含む変動表示コマンドを出力バッファにセットする処理が行われる。この変動表示コマンドは、出力処理において演出制御装置40に出力されるようになっている。
このように、特殊変動表示態様が実行される特図変動表示ゲームの結果が大当たりで、かつ、貯留カウンタの値が上限未満である場合に、単位変動表示の実行回数を貯留カウンタの値より一つ多い数とすることで、特殊変動表示態様の最後まで遊技者の興趣を引き付けることができ、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上のことから、変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)は、変動表示ゲームを特殊変動表示態様にて実行することを決定した場合に、当該変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合には、特殊変動表示態様での単位変動表示の回数を、貯留数検出手段(遊技制御装置30)により検出された遊技球の貯留数よりも1つ多い回数としたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第二変形例について図22を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技球を誘導する誘導状態と遊技球を誘導しない非誘導状態とに変換可能であり、誘導状態ではステージ部90から始動入賞口7cへ遊技球を誘導する誘導手段150を備えている。
誘導手段150は、遊技領域1aにおけるセンターケース20の下方であって、ステージ部90に形成された前方誘導路92bの前端と、普通変動入賞装置7の始動入賞口7cとの間に設けられている。この誘導手段150は、遊技領域1aに出没可能な誘導板151と、該誘導板151を駆動する図示しない駆動源とを備えている。誘導板151は、前方誘導路92bの前端から、直下の普通変動入賞装置7の始動入賞口7cへの流下経路の左右に設けられている。また、誘導板151は、駆動源によって前後にスライド移動できるようにされており、図22に示すように遊技領域1a内に突出した誘導状態と、該誘導状態から後方へ移動して遊技領域1aに突出しない状態である非誘導状態とに変換可能となっている。
この誘導手段150は、変換手段をなす演出制御装置40により制御されて、誘導状態と非誘導状態とに変換されるようになっていて、通常は、誘導板151が遊技領域1aに突出しない非誘導状態となるようにされている。そして、ステージSW94の検出有効期間に、ステージSW94で遊技球を検出したことに基づき、所定期間の間だけ誘導状態に変換されるようになっている。上述したように、ステージSW94の検出有効期間にステージSW94で遊技球を検出した場合には、遊技球貯留部110への遊技球の貯留が可能となるようにされており、誘導手段150をこのように制御することで、遊技者にとって関心のある遊技球貯留部110への遊技球の貯留の開始と始動入賞口7cへの入賞が高い確率で同時に達成され、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上のことから、遊技球を誘導する誘導状態と遊技球を誘導しない非誘導状態とに変換可能であり、誘導状態ではステージ部90から始動入賞口7cへ遊技球を誘導する誘導手段150を備え、遊技球検出手段(ステージSW94)が、検出有効期間中に遊技球を検出した場合に、誘導手段150を非誘導状態から誘導状態に変換する変換手段(演出制御装置40)を備えたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第三変形例について図23を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技球貯留部110に貯留された遊技球が2個以上の場合に特殊変動表示態様を実行可能となるようにしている。
本変形例の変動パターン決定処理では、図23に示すように、まず、特図変動表示ゲームが終了しているか否かの判定(ステップS10)を行い、特図変動表示ゲームが終了していない場合(ステップS10;No)は、変動パターン決定処理を終了する。また、特図変動表示ゲームが終了している場合(ステップS10;Yes)は、始動記憶があるか否かの判定(ステップS11)を行う。
始動記憶があるか否かの判定(ステップS11)において、始動記憶がない場合(ステップS11;No)は、変動パターン決定処理を終了する。また、始動記憶がある場合(ステップS11;Yes)は、変動パターングループを決定する処理(ステップS12)を行い、貯留カウンタの値が2以上であるか否かの判定(ステップS60)を行う。
貯留カウンタの値が2以上であるか否かの判定(ステップS60)では、遊技球貯留部110の貯留流路111に貯留されている貯留球の数が2個以上であるかを判定する。この貯留カウンタの値が2以上であるか否かの判定(ステップS60)において、貯留カウンタの値が2以上でない場合(ステップS60;No)、すなわち、1以下(1または0)である場合は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、貯留カウンタの値が2以上であるか否かの判定(ステップS60)において、貯留カウンタの値が2以上(上限値が4であれば2から4の値)である場合(ステップS60;Yes)は、変動パターンとして特殊演出(特殊変動表示態様)を実行するか否かの判定(ステップS14)を行う。
変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS14)において、変動パターンとして特殊演出を実行しない場合(ステップS14;No)は、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。また、変動パターンとして特殊演出を実行するか否かの判定(ステップS14)において、変動パターンとして特殊演出を実行する場合(ステップS14;Yes)は、貯留カウンタの値を取得する処理(ステップS15)、貯留カウンタをクリアする処理(ステップS16)を行い、変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行う。
変動パターンを設定する処理(ステップS17)では、決定された変動パターングループ、から変動パターンを選択し、設定する処理が行われる。この変動パターンを設定する処理(ステップS17)では、例えば、貯留カウンタの値が2以上でない場合(ステップS60;No)や、変動パターンとして特殊演出を実行しない場合(ステップS14;No)には、特殊演出以外の変動パターンを設定する処理を行う。また、特殊演出を実行する場合は、取得した貯留カウンタの値を特殊演出における単位変動表示の回数に設定する処理を行う。
この変動パターンを設定する処理(ステップS17)を行った後、変動表示コマンドを設定する処理(ステップS18)を行い、変動パターン決定処理を終了する。変動表示コマンドを設定する処理(ステップS18)では、上述のように決定された変動パターンに関する情報を含む変動表示コマンドを出力バッファにセットする処理が行われる。この変動表示コマンドは、出力処理において演出制御装置40に出力されるようになっている。
このように、遊技球貯留部110に貯留された遊技球が2個以上の場合に特殊変動表示態様を実行可能とすることで、特殊変動表示態様における単位変動表示の回数が一回となる(通常変動表示態様と同じ回数になる)ことがなくなる。すなわち、本変形例での特殊変動表示態様は、特図変動表示ゲームの開始時に飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報の変動表示を開始し、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う、いわゆる擬似連変動表示態様となる。つまり、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するものとなる。これにより、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上のことから、変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)は、貯留数検出手段(遊技制御装置30)により検出された遊技球の貯留数が所定数(例えば2)以上の場合に、変動表示ゲームの変動表示態様として特殊変動表示態様を選択可能であることとなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第四変形例について図24を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特殊変動表示態様における1回目の単位変動表示の開始時には、貯留球を排出しないようにしている。
本変形例の回転体駆動処理では、図24に示すように、まず、変動表示コマンドを受信したか否かの判定(ステップS40)を行い、変動表示コマンドを受信していない場合(ステップS40;No)は、回転体駆動処理を終了する。また、変動表示コマンドを受信した場合(ステップS40;Yes)は、特殊演出(特殊変動表示態様)が実行されるか否かの判定(ステップS41)を行う。
そして、特殊演出があるか否かの判定(ステップS41)において、特殊演出が実行されない場合(ステップS41;No)は、回転体駆動処理を終了する。また、特殊演出が実行される場合(ステップS41;Yes)は、単位変動表示の実行回数を取得する処理(ステップS42)を行う。
なお、単位変動表示の実行回数を取得する処理(ステップS42)で取得する特殊演出における単位変動表示の回数は、図12に示す変動パターン決定処理における変動パターン設定処理(ステップS17)で設定される。ここで、本変形例を適用する場合には、変動パターン決定処理(ステップS17)において設定する特殊演出での単位変動表示の回数を、取得した貯留カウンタの値に1を加えた数とする処理を行うようにする。
単位変動表示の実行回数を取得する処理(ステップS42)を行った後、単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)を行う。この単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)において、単位変動表示が開始していない場合(ステップS43;No)は、再び単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)を行う。すなわち、単位変動表示が開始するまで、単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)を繰り返し行う。また、単位変動表示が開始したか否かの判定(ステップS43)において、単位変動表示が開始した場合(ステップS43;Yes)は、開始された単位変動表示が1回目であるか否かの判定(ステップS70)を行う。
開始された単位変動表示が1回目であるか否かの判定(ステップS70)において、開始された単位変動表示が1回目でない場合(ステップS70;No)は、回転体を駆動する処理(ステップS44)、貯留球を排出する処理(ステップS45)を行う。
回転体を駆動する処理(ステップS44)では、貯留解除機構130の回転体モータ132を駆動し、貯留解除用回転体131を回転させる処理が行われる。また、貯留球を排出する処理(ステップS45)では、回転駆動される貯留解除用回転体131が、受入状態を経て排出状態に戻ったことを回転体SW133の検出信号に基づき検出し、該排出状態で回転体モータ132を停止する処理を行う。これにより、遊技球貯留部110から1個の遊技球が排出される。この貯留球を排出する処理(ステップS45)を行った後、単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)を行う。
また、開始された単位変動表示が1回目であるか否かの判定(ステップS70)において、開始された単位変動表示が1回目である場合(ステップS70;Yes)は、回転体を駆動する処理(ステップS44)、貯留球を排出する処理(ステップS45)を行わずに単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)を行う。すなわち、この場合は、遊技球貯留部110から遊技球を排出せずに単位変動表示が開始される。
そして、単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)において、単位変動表示が終了していない場合(ステップS46;No)は、再び単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)を行う。すなわち、単位変動表示が終了するまで、単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)を繰り返し行う。また、単位変動表示が終了したか否かの判定(ステップS46)において、単位変動表示が終了した場合(ステップS46;Yes)は、単位変動表示実行カウンタの値を1インクリメントする処理(ステップS47)を行う。
単位変動表示実行カウンタの値を1インクリメントする処理(ステップS47)を行った後、実行回数が終了したか否かの判定(ステップS48)を行い、実行回数が終了していない場合(ステップS48;No)は、単位変動表示を開始する処理(ステップS43)に戻る。また、実行回数が終了したか否かの判定(ステップS48)において、実行回数が終了した場合(ステップS48;Yes)は、単位変動表示実行カウンタの値をクリアする処理(ステップS49)を行い、回転体駆動処理を終了する。
このように、特殊変動表示態様における1回目の単位変動表示の開始時には、貯留球を排出しないようにすることで、遊技球貯留部110に貯留されている遊技球が1個の場合でも、単位変動表示を2回実行可能となる。よって、特殊変動表示態様における単位変動表示の回数が一回となる(通常変動表示態様と同じ回数になる)ことがなくなる。すなわち、本変形例での特殊変動表示態様は、特図変動表示ゲームの開始時に飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報の変動表示を開始し、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う、いわゆる擬似連変動表示態様となる。つまり、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を2回以上の複数回行って結果態様を導出するものとなる。これにより、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
以上のことから、変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)は、変動表示ゲームを特殊変動表示態様にて実行することを決定した場合に、単位変動表示の回数を貯留数検出手段(遊技制御装置30)により検出された遊技球の貯留数よりも一つ多い数とし、貯留解除制御手段(演出制御装置40)は、変動表示態様決定手段によって変動表示ゲームが特殊変動表示態様にて実行されることが決定された場合に、当該特殊変動表示態様での2回目以降の単位変動表示の開始毎に駆動源(回転体モータ132)を駆動し、貯留解除機構130を排出状態から受入状態に変換して貯留流路111の遊技球を受け入れた後に排出状態に変換する排出動作を行い、遊技球貯留部110に貯留されている遊技球を、遊技球貯留部110から1個ずつ排出するようにしたこととなる。
以上のような遊技機は、遊技盤1に配設されて遊技球が入賞可能な始動入賞口7cを備える入賞装置(普通変動入賞装置7)と、該始動入賞口7cへの遊技球の入賞に基づき複数の識別情報42aを変動表示する変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示部42を有する画像表示装置41と、を備え、変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果態様となった場合に遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、遊技盤1に、遊技者が視認可能な状態で遊技球を貯留する遊技球貯留部110と、遊技球貯留部110に貯留された遊技球を当該遊技球貯留部110から排出する貯留解除機構130と、を備え、一の変動表示ゲームの変動表示態様を、複数の識別情報42aを所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回行って結果態様を導出する通常変動表示態様と、単位変動表示を一回以上行って結果態様を導出する特殊変動表示態様と、の何れで実行するかを決定する変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)と、該変動表示態様決定手段によって決定された変動表示態様で変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(演出制御装置40)と、貯留解除機構130を制御する貯留解除制御手段(演出制御装置40)と、を備え、貯留解除制御手段は、変動表示態様決定手段によって特殊変動表示態様にて変動表示ゲームが実行されることが決定された場合に当該特殊変動表示態様での単位変動表示の開始に対応させて貯留解除機構130を駆動し、所定数の遊技球を遊技球貯留部110から排出するようにしている。
したがって、遊技者が視認可能な状態で遊技球を貯留する遊技球貯留部110と、貯留された遊技球を排出する貯留解除機構130と、遊技機に貯留解除機構130を制御する貯留解除制御手段とを備え、貯留解除制御手段が特殊変動表示態様での単位変動表示の開始に対応させて貯留解除機構130を駆動し、所定数の遊技球を遊技球貯留部110から排出するようにしたので、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。すなわち、遊技球が始動入賞口7cへ入賞することにより変動表示ゲームが開始されるのに似せて、貯留された遊技球が消化されることにより単位変動表示が開始されるような従来にない演出を行うことができ、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。特に、特殊変動表示態様として、複数回の変動表示ゲームが実行されたかのように複数回の単位変動表示を実行する、いわゆる擬似連変動表示態様を行う場合には効果的であり、従来は単なる表示上の演出であった擬似連変動表示態様に遊技球の動作が関連することとなって、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、遊技球貯留部110への遊技球の流入を許可する流入許可状態と、遊技球貯留部110への遊技球の流入を阻止する流入阻止状態と、に変換可能な流入切換部材120と、流入切換部材120を駆動する駆動機構を制御する切換制御手段(演出制御装置40)と、遊技盤1の特定領域(誘導路93、流入口93a)を遊技球が通過したことを検出する遊技球検出手段(ステージSW94)と、変動表示ゲームでの所定期間を、遊技球検出手段による遊技球の検出が有効な検出有効期間とする検出有効化手段(演出制御装置40)と、を備え、切換制御手段は、検出有効期間に遊技球検出手段により遊技球が検出されることに基づき、流入切換部材120を流入阻止状態から流入許可状態へ切り換えるようにしている。
したがって、遊技球貯留部110への流入を許可する流入許可状態と流入を阻止する流入阻止状態とに変換可能な流入切換部材120と、流入切換部材120を駆動する駆動機構を制御する切換制御手段と、遊技盤1の特定領域を遊技球が通過したことを検出する遊技球検出手段と、変動表示ゲームでの所定期間を、遊技球検出手段による遊技球の検出が有効な検出有効期間とする検出有効化手段と、を備え、切換制御手段は、検出有効期間に遊技球検出手段により遊技球が検出されることに基づき、流入切換部材120を流入阻止状態から流入許可状態へ切り換えるので、変動表示ゲームの演出効果を高めることができ、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
すなわち、特殊変動表示態様のために遊技球を貯留するという今までにないゲーム性を持たせることができ、また、変動表示ゲームの所定期間に貯留可能としたことで、よりゲーム性を高めることができて、遊技の幅を広げることができるとともに、特殊変動表示態様による演出効果を高めることができ、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。また、遊技球貯留部110へ貯留される遊技球が特殊変動表示態様に使用されることとなるので、遊技者が、遊技球貯留部110に遊技球を貯留することを目指して遊技球を発射するようになり、リーチ時などにおける止め打ちを防止することができる。
また、遊技球貯留部110は、始動入賞口7cへ入賞した遊技球を受け入れて遊技盤1と平行に一列に整列させて貯留する貯留流路111を備え、貯留流路111は、貯留された遊技球を、遊技者が視認できるようにする貯留球視認用窓部101aを前面に備えるとともに、貯留解除機構130と連通する貯留解除用開口114aが下流側端部の後方に開設され、貯留解除機構130は、外周に1個の遊技球を保持可能な球保持部131aが形成され、貯留解除用開口114aの後方で遊技盤1と平行に回転する貯留解除用回転体131と、該貯留解除用回転体131を回転駆動させる駆動源(回転体モータ132)と、を備え、球保持部131aが貯留解除用開口114aに臨み、遊技球を受け入れる受入状態と、球保持部131aが貯留解除用開口114aから退避して遊技球の受け入れを不能とする受入不能状態と、該受入不能状態であって、球保持部131aに受け入れた遊技球を排出する排出状態と、に変換可能に構成され、貯留流路111に貯留された遊技球の個数を検出する貯留数検出手段(遊技制御装置30)を備え、変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)は、変動表示ゲームを特殊変動表示態様にて実行することを決定した場合に、単位変動表示の回数を貯留数検出手段により検出された遊技球の貯留数とし、貯留解除制御手段(演出制御装置40)は、変動表示態様決定手段によって変動表示ゲームが特殊変動表示態様にて実行されることが決定された場合に、当該特殊変動表示態様での単位変動表示の開始毎に駆動源を駆動し、貯留解除機構130を排出状態から受入状態に変換して貯留流路111の遊技球を受け入れた後に排出状態に変換する排出動作を行い、遊技球貯留部110に貯留されている遊技球を、遊技球貯留部110から1個ずつ排出するようにしている。
したがって、遊技球貯留部110は、始動入賞口7cへ入賞した遊技球を受け入れて遊技盤1と平行に一列に整列させて貯留する貯留流路111を備え、貯留流路111は、貯留された遊技球を遊技者が視認できるようにする貯留球視認用窓部101aを前面に備えるとともに、貯留解除機構130と連通する貯留解除用開口114aが下流側端部の後方に開設されているので、貯留された遊技球の個数を容易に把握できるとともに、特殊変動表示態様の進行に伴い、一列に並んだ遊技球が順に消化されていく過程を遊技者に見せることができ、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。また、遊技球が始動入賞口7cへ入賞することにより変動表示ゲームが開始され、その後、その遊技球が貯留されて特殊変動表示態様における単位変動表示の開始の際に利用されるので、従来は排出されるのみであった遊技球を有効に利用することができるとともに、1つの遊技球が2回の変動表示ゲームを実行したかのような演出(始動記憶の発生と単位変動表示の開始)を行うことができ、遊技者が得をしたような感覚を得ることができる。
また、貯留解除機構130は、外周に1個の遊技球を保持可能な球保持部131aが形成された貯留解除用回転体131と、該貯留解除用回転体131を回転駆動させる駆動源と、を備え、球保持部131aが貯留解除用開口114aに臨み、遊技球を受け入れる受入状態と、球保持部131aが貯留解除用開口114aから退避して遊技球の受け入れを不能とする受入不能状態と、該受入不能状態であって、球保持部131aに受け入れた遊技球を排出する排出状態と、に変換可能であるので、遊技球貯留部110に貯留されている遊技球を特殊変動表示態様の進行に伴い遊技球貯留部110から1個ずつ順に排出することができる。
また、貯留流路111に貯留された遊技球の個数を検出する貯留数検出手段を備え、変動表示態様決定手段は、変動表示ゲームを特殊変動表示態様にて実行することを決定した場合に、単位変動表示の回数を貯留数検出手段により検出された遊技球の貯留数とするので、遊技者が、特殊変動表示態様においてより多くの単位変動表示が行われるように、遊技球貯留部110に遊技球を貯留することを目指して遊技球を発射するようになり、リーチ時などにおける止め打ちを防止することができる。また、予め単位変動表示の回数が分かることから、特殊変動表示態様の進行に伴い貯留された遊技球が一つずつ排出される過程が、カウントダウンされる過程のようになり、特殊変動表示態様の進行につれて遊技者の期待を高めることができて、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。また、仮に単位変動表示の回数を報知せず、単位変動表示が連続すれば大当たりの可能性が高くなるような演出とした場合は、単位変動表示が少なかった場合には、その時点で遊技者の期待感が薄れてしまうが、予め単位変動表示の回数を分かるようにすることで、たとえ単位変動表示の回数が少なくても遊技者は最後まで期待感を失うことが無く、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、貯留解除制御手段は、変動表示態様決定手段によって変動表示ゲームが特殊変動表示態様にて実行されることが決定された場合に、単位変動表示の開始毎に排出動作を行い、遊技球貯留部110に貯留されている遊技球を、遊技球貯留部110から1個ずつ排出するようにしたので、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。すなわち、遊技球が始動入賞口7cへ入賞することにより変動表示ゲームが開始されるのに似せて、貯留された遊技球が消化されることにより単位変動表示が開始されるような従来にない演出を行うことができ、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。特に、特殊変動表示態様として、複数回の変動表示ゲームが実行されたかのように複数回の単位変動表示を実行する、いわゆる擬似連変動表示態様を行う場合には効果的であり、従来は単なる表示上の演出であった擬似連変動表示態様に遊技球の動作が関連することとなって、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、貯留解除制御手段(演出制御装置40)は、特殊変動表示態様での単位変動表示の開始時のみ貯留解除機構130を受入状態とするようにしている。
したがって、貯留解除制御手段は、特殊変動表示態様での単位変動表示の開始時のみ貯留解除機構130を受入状態とするので、遊技球を確実に遊技球貯留部110に貯留することができ、貯留されるべき遊技球が誤って排出されてしまい遊技者が不満に思うことを防止できる。
また、変動表示ゲームが特殊変動表示態様にて実行されている場合には、切換制御手段(演出制御装置40)による流入切換部材120の流入許可状態への切換を禁止する流入状態切換禁止制御手段(遊技制御装置30)を備えている。
したがって、変動表示ゲームが特殊変動表示態様にて実行されている場合には、切換制御手段による流入切換部材120の流入許可状態への切換を禁止する流入状態切換禁止制御手段を備えるので、貯留されている遊技球の数が特殊変動表示態様にて行われる単位変動表示の回数であることを遊技者に明確に示すことができる。これにより、特殊変動表示態様の進行に伴い貯留された遊技球が一つずつ排出される過程が、カウントダウンされる過程のようになり、特殊変動表示態様の進行につれて遊技者の期待を高めることができて、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、始動入賞口7cへの遊技球の入賞を、該入賞ごとに変動表示ゲームを実行するための始動記憶として所定の上限数まで記憶し、最先の始動記憶から順に変動表示ゲームを実行するようにする始動記憶手段(遊技制御装置30)を備え、遊技球貯留部110には、始動記憶手段により記憶可能な所定の上限数と同数の遊技球を貯留可能である。
したがって、始動入賞口7cへの遊技球の入賞を該入賞ごとに変動表示ゲームを実行するための始動記憶として所定の上限数まで記憶し、最先の始動記憶から順に変動表示ゲームを実行するようにする始動記憶手段を備え、遊技球貯留部110には始動記憶手段により記憶可能な所定の上限数と同数の遊技球を貯留可能であるので、特殊変動表示態様での単位変動表示の回数が適切な回数となり、また、あたかも始動記憶が増加したかのような演出を行うことができ、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。例えば、貯留可能な遊技球の数を始動記憶の上限数よりも多くすると、特殊変動表示態様での単位変動表示の回数(擬似的に行われる変動表示ゲームの回数)が、始動記憶のみでは発生し得ない回数となり、明らかに擬似的な変動表示であることが遊技者に分かってしまう虞がある。また、貯留可能な遊技球の数を始動記憶の上限数よりも少なくすると、特殊変動表示態様での単位変動表示の回数(擬似的に行われる変動表示ゲームの回数)が少なくなり、十分な演出効果を得ることができない虞があるが、貯留可能な遊技球の数を始動記憶の上限数と同数とすることで、特殊変動表示態様での単位変動表示の回数が適切な回数となり最も高い演出効果を得ることができる。
また、変動表示態様決定手段(遊技制御装置30)は、変動表示ゲームを特殊変動表示態様にて実行することを決定した場合に、当該変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合には、特殊変動表示態様での単位変動表示の回数を、貯留数検出手段(遊技制御装置30)により検出された遊技球の貯留数よりも1つ多い回数としている。
したがって、変動表示態様決定手段は、変動表示ゲームを特殊変動表示態様にて実行することを決定した場合に、当該変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合には、特殊変動表示態様での単位変動表示の回数を、貯留数検出手段により検出された遊技球の貯留数よりも1つ多い回数とするので、特殊変動表示態様の最後まで遊技者の興趣を引き付けることができ、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、貯留解除制御手段(演出制御装置40)は、所定条件の成立に基づき、貯留解除機構130を駆動して貯留されている遊技球をすべて排出するようにしている。
したがって、貯留解除制御手段は、所定条件の成立に基づき、貯留解除機構130を駆動して貯留されている遊技球をすべて排出するので、直近の遊技の結果が特殊変動表示態様の内容に反映されるようにすることができて、遊技と特殊変動表示態様の関連を明確にでき、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、表示部42の前方に遊技球が転動可能なステージ部90を形成し、ステージ部90に遊技球検出手段(ステージSW94)を設けている。
したがって、表示部42の前方に遊技球が転動可能なステージ部90を形成し、ステージ部90に遊技球検出手段を設けたので、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。すなわち、表示部42の表示とステージ部90での遊技球の転動を同時に見ることができ、さらに遊技球のステージ部90への流入により、遊技者にとって関心のある遊技球貯留部110への遊技球の貯留の開始と始動入賞口7cへの入賞が高い確率で同時に達成されるので、遊技の興趣を向上できる。また、遊技球検出手段の配設位置が、遊技者から見えやすく分かりやすい位置となり、変動表示ゲームでの所定期間に、遊技球が遊技球検出手段(特定領域)を通過することで遊技球が貯留可能になるというゲーム性の理解が容易になる。
また、遊技球を誘導する誘導状態と遊技球を誘導しない非誘導状態とに変換可能であり、誘導状態ではステージ部90から始動入賞口7cへ遊技球を誘導する誘導手段150を備え、遊技球検出手段(ステージSW94)が、検出有効期間中に遊技球を検出した場合に、誘導手段150を非誘導状態から誘導状態に変換する変換手段(演出制御装置40)を備えている。
したがって、遊技球を誘導する誘導状態と遊技球を誘導しない非誘導状態とに変換可能であり、誘導状態ではステージ部90から始動入賞口7cへ遊技球を誘導する誘導手段150を備え、遊技球検出手段が、検出有効期間中に遊技球を検出した場合に、誘導手段150を非誘導状態から誘導状態に変換する変換手段を備えるので、遊技者にとって関心のある遊技球貯留部110への遊技球の貯留の開始と始動入賞口7cへの入賞が高い確率で同時に達成され、変動表示ゲームの演出効果を高め、さらなる遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。