図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。
開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に遊技者が操作可能な演出ボタンSW6aと十字キーSW6bとエンターボタンSW6cとを有する演出操作装置6(操作手段6、「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。
発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入され、遊技領域4aを流下する。
図2、図3に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1,第2始動口10a,10bを有する始動口装置10と、開閉式の第2始動口11aを有する第2始動口装置11と、ゲート12と、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13と、複数の一般入賞口14が、夫々遊技球が入賞(入球・通過)可能に図示の配置で設けられている。ゲート12と複数の一般入賞口14には、入賞した遊技球を検出するゲートSW12aと複数の一般入賞口SW14aが夫々付設されている。
図2〜図4に示すように、始動口装置10は、第1,第2始動口10a,10bと、第1始動口10aに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10cと、第2始動口10bに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW10dと、複数の遊技球を第1始動口10aと第2始動口10bとに振分け可能な振分装置20とを備えている。
図4に示すように、振分装置20は、遊技球を導入する導入口21aを含む導入通路21と、導入通路21から分岐して遊技球を第1始動口10aへ誘導する第1誘導通路22と、導入通路21から分岐して遊技球を第2始動口10bへ誘導する第2誘導通路23と、導入通路21に導入された複数の遊技球を第1誘導通路22と第2誘導通路23とに交互に振分ける振分機構25とを備えている。尚、第1,第2誘導通路22,23から遊技球を排出可能な排出口(図示略)も備えている。
第1,第2始動口10a,10bは、夫々第1,第2誘導通路22,23の下部後側に設けられ、第1,第2誘導通路22,23の下部には、夫々第1,第2誘導通路22,23を落下してきた遊技球を後方へ方向変換して第1,第2始動口10a,10bに案内する第1,第2案内部22a,23aが設けられている。振分装置20は、遊技盤4に固定された合成樹脂製のケーシング24を有し、このケーシング24によって、導入通路21、第1,第2誘導通路22,23、振分機構25の一部が形成されている。
振分機構25は、導入通路21の直下に配置されてケーシング24に前後方向の軸心回りに回動自在に装着された回動部材26と、回動部材26の下側に位置するようにケーシング24に形成された膨出部27と、ケーシング24に取付けられた固定磁石28と、回動部材26に取付けられた可動磁石29とを有する。回動部材26は、第1,第2切換羽根26a,26bと振分羽根26cとを有し、膨出部27は、第1,第2切換羽根26a,26bが夫々係合する第1,第2回動規制部27a,27bを有する。
図4(1)に示すように、第2切換羽根26bが第2回動規制部27bに係合した状態で、回動部材26が第1振分位置になって、第1切換羽根26aを第1誘導通路22側に張出して、振分羽根26cを上方斜め右側に傾けた右傾斜姿勢になり、図4(2)に示すように、第1切換羽根26aが第1回動規制部27aに係合した状態で、回動部材26が第2振分位置になって、第2切換羽根26bを第2誘導通路23側に張出して、振分羽根26cを上方斜め左側に傾けた左傾斜姿勢になる。
先ず、回動部材26が図4(1)に示す第1振分位置にあるときに、導入通路21に導入された遊技球は、振分羽根26cにより第1誘導通路22に案内され、第1切換羽根26aを押動しながら落下して、回動部材26を第1振分位置から第2振分位置に回動させて切換える。次に、回動部材26が図4(2)に示す第2振分位置にあるときに、導入通路21に導入された遊技球は、振分羽根26cにより第2誘導通路23に案内され、第2切換羽根26bを押動しながら落下して、回動部材26を第2振分位置から第1振分位置に回動させて切換える。依って、導入口21aから導入通路21に導入された複数の遊技球は、振分機構25により第1誘導通路22と第2誘導通路23とに交互に振分けられ、つまり、基本的に第1始動口10aと第2始動口10bとに交互に入賞することになる。
固定磁石28と可動磁石29は常時互いに反発するように、そして、回動部材26が振分羽根26cを上方へ向けた中立位置にあるときに、その反発力が最大になるように、つまり磁石28,29が再接近するように配設されている。この磁石28,29によって、回動部材26は、中立位置よりも第1振分位置側へ位置するときには、第1振分位置へ回動付勢され、中立位置よりも第2振分位置側へ位置するときには、第2振分位置へ回動付勢される。依って、回動部材26は、第1又は第2振分位置に切換えられると、その第1又は第2振分位置に確実に停止し、ガタつかないように保持される。
図2、図3に示すように、第2始動口装置11は、第2始動口11aと、第2始動口11aを開閉する開閉部材11bと、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11cと、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)とを有する。第2始動口11aは、開閉部材11bと第2始動口SOL11dにより、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13aと、大入賞口13aを開閉する開閉部材13bと、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13cと、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dとを有する。大入賞口13aは、開閉部材13bと大入賞口SOL13dにより、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
遊技領域4aに発射された遊技球が入賞口10a,10b,11a,13a,14の何れかに入賞すると、遊技球1個の入賞につき入賞口10a,10b,11a,13a,14毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として貯留皿5に払出される。遊技領域4aに発射された遊技球が入賞口10a,10b,11a,13a,14の何れかに入賞すると、そこから遊技領域4aの外部へ排出され、一方、入賞口10a,10b,11a,13a,14の何れにも入賞しないと、最終的に下部排出口9から遊技領域4aの外部へ排出される。
遊技球が始動口10a,10b,11aの何れかに入賞すると特別遊技抽選が行われ、その特別遊技抽選で当選すると、大入賞口13aが開放する特別遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過すると補助遊技抽選が行われ、その補助遊技抽選で当選すると、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示装置16と第1,第2可動役物装置17,18が装備されている。センタ役物15は、そのセンタ枠体15aが遊技盤4に形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、そのセンタ枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。画像表示装置16は、その画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体15aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示装置16に主に遊技演出が表示される。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
第1特図表示器19aに第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dに第1特図保留数が表示され、第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10aに遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bに第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eに第2特図保留数が表示され、第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口10b,11aの何れかに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合に1減算されて、第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で特別遊技抽選の結果が表示され、或いは、第2特図保留数が1以上の場合に1減算されて、第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で特別遊技抽選の結果が表示される。
普図表示器19cに普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fに普図保留数が表示され、普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合に1減算されて、普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で補助遊技抽選の結果が表示される。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板33は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板31のコンピュータは、第1始動口SW10c、第2始動口SW10d,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号、払出制御基板32からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板32、演出制御基板33に制御情報(コマンド)を出力する。
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報、払出球検出SW36b、球有り検出SW36c、満タン検出SW36dからの信号を受けて、払出モータ36aを制御し、遊技制御基板31に制御情報を出力する。演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31、画像制御基板34、ランプ制御基板35からの制御情報、演出操作装置6(SW6a,6b,6c)からの信号を受けて、画像制御基板34、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。
画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示装置16、スピーカ37を制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報、第1,第2可動役物装置17,18(原点SW)からの信号を受けて、遊技演出用の枠ランプ38a、盤ランプ38b、第1,第2可動役物装置17,18(電動モータ)を制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。
図5に示すように、遊技制御基板31(主制御部)の主にコンピュータにより、図示の各手段40〜47,50〜57,60,65,66が構成されている。特図カウンタ手段40は、大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を、夫々設定範囲内で微小時間毎に順次更新する。
特図取得手段41は、第1特図保留数が4未満の場合に、遊技球が第1始動口10aに入賞すると取得条件が成立し、特図カウンタ手段40により更新された大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を、1組の第1特図判定情報として取得し、第2特図保留数が4未満の場合に、遊技球が第2始動口10b,11aの何れかに入賞すると取得条件が成立し、特図カウンタ手段40により更新された大当り判定値、図柄判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を、1組の第2特図判定情報として取得する。
特図保留記憶手段42は、特図取得手段41により取得され且つ特図判定手段44の大当り判定手段44aによる判定に供していない第1,第2特図判定情報を夫々4個まで、つまり特図判定情報を合計8個まで記憶(保留)可能であり、特図保留記憶手段42に記憶されている第1特図判定情報の数が第1特図保留数となり、特図保留記憶手段42に記憶されている第2特図判定情報の数が第2特図保留数となる。
特図保留消化手段43は、特図保留記憶手段42に記憶されている特図判定情報を、特別図柄の変動開始毎に順次1ずつ大当り判定手段44aによる判定に供して特図保留記憶手段42から消去(保留消化)する。その際、特図保留記憶手段42に複数の特図判定情報が記憶されている場合、それら複数の特図判定情報を特図保留記憶手段42に記憶された順番(即ち、特図取得手段41により取得された順番)で消化する。
特図判定手段44においては、大当り判定手段44a(判定手段44a)が、特図保留記憶手段42に記憶された特図判定情報、詳しくは特図保留消化手段43により消化された当該特図判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定し、特別遊技である大当り遊技を行うと判定すると、図柄判定手段44bが、大当り遊技における大入賞口13aの開放パターン、及び大当り遊技終了後の遊技状態を判定する。
具体的に、先ず、大当り判定手段44aは、当該特図判定情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技である大当り遊技を行うか否かを、また、大当り遊技と部類が異なる特別遊技である小当り遊技を行うか否かを判定する。この場合、図6に示すように、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて判定する。
低確テーブルでは、大当り判定値が約1/320 の割合で大当り特定値(3,247 ・・・)の何れかと一致すると、大当り遊技を行うと判定し、高確テーブルでは、大当り判定値が約10/320の割合で大当り特定値(3,7 ・・・)の何れかと一致すると、大当り遊技を行うと判定し、低確テーブルと高確テーブルの何れでも、大当り判定値が約3/320 の割合で小当り特定値(4,44・・・)の何れかと一致すると、小当り遊技を行うと判定する。
図柄判定手段44bは、大当り判定手段44aにより大当り遊技を行うと判定されると、当該特図判定情報の図柄判定値に基づいて、複数の大当り図柄(図7に示す大当り図柄A〜H)の何れか1つを選択し、ここで、当該特図判定情報が第1特図判定情報の場合、図7に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で、また、第2特図判定情報の場合、図7に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。大当り判定手段44aにより小当り遊技を行うと判定されると、小当り図柄を選択し、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定されると、ハズレ図柄を選択する。
特図判定手段44において、変動態様判定手段44c(変動態様決定手段44c)は、当該特図判定情報(具体的には、大当り判定手段44a、図柄判定手段44bによる判定結果(選択された判定図柄;大当り図柄A〜H、小当り図柄、ハズレ図柄の何れか)、リーチ乱数、変動パターン乱数)に基づいて、更に、現在の遊技状態、及び特図保留数等に基づいて、特別図柄(図柄)を変動表示させる特図変動態様(変動態様(変動時間))を判定(決定)する。この特図変動態様を決定する具体的な処理については後で説明する。
特図表示制御手段45(図柄表示制御手段45)は、特図保留消化手段43により第1特図判定情報が消化されると始動条件が成立し、第1特別図柄の変動表示を開始させ、また、特図保留消化手段43により第2特図判定情報が消化されると始動条件が成立し、第2特別図柄の変動表示を開始させ、夫々、変動態様判定手段44cにより判定された特図変動態様で特別図柄を変動表示させ、つまり当該特図変動態様で規定される変動時間、特別図柄を変動表示させた後に、大当り判定手段44a、図柄判定手段44bによる判定結果を示す判定図柄で停止表示させる。
つまり、大当り判定手段44aにより大当り遊技を行うと判定されると、大当り図柄A〜Hの何れかを判定図柄として停止表示させ、小当り遊技を行うと判定されると、小当り図柄を判定図柄として停止表示させ、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定されると、ハズレ図柄を判定図柄として停止表示させる。
特別遊技実行手段46は、大当り判定手段44aにより特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行うと判定された場合、特図表示制御手段45により、当該判定結果を示す判定図柄(図柄判定手段44bにより選択された大当り図柄、小当り図柄)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで大入賞口13aを開放する遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行う。
図8に示すように、大当り遊技における大入賞口13aの開放パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定され、小当り遊技における大入賞口13aの開放パターンは、大当り図柄D,E,G,Hに対応する開放パターンと同様に設定される。
具体的に、16R(ラウンド)長期開放では、大入賞口13aが16Rに亙って開閉され、各Rは、大入賞口13aを開放して開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口13aを閉塞して終了する。8R長期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各Rは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。8R短期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各Rは開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば0.1 秒経過するR終了条件が成立すると終了する。
確率設定手段47は、大当り判定手段44aにより大当り遊技を行うと判定される大当り確率を、図6に示す低確テーブルを用いて低確率(約1/320 )又は図6に示す高確テーブルを用いて低確率よりも高い高確率(約10/320)に設定する。
一方、普図カウンタ手段50は、当り判定値、普図判定値を、夫々微小時間毎に順次更新する。普図取得手段51は、普図保留数が4未満の場合に、遊技球がゲート12を通過すると取得条件が成立し、普図カウンタ手段50により更新された当り判定値、普図判定値を、1組の普図判定情報として取得する。普図保留記憶手段52は、普図取得手段51により取得され且つ普図判定手段54による判定に供していない普図判定情報を4個まで記憶(保留)可能であり、普図保留記憶手段52に記憶されている普図判定情報の数が普図保留数となる。
普図保留消化手段53は、普図保留記憶手段52に記憶されている普図判定情報を、普通図柄の変動開始毎に順次1ずつ普図判定手段54による判定に供して普図保留記憶手段52から消去(保留消化)する。その際、普図保留記憶手段52に複数の普図判定情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定情報を普図保留記憶手段52に記憶された順番(即ち、普図取得手段51により取得された順番)で消化する。
普図判定手段54は、普図保留記憶手段52に記憶された普図判定情報、詳しくは普図保留消化手段53により消化された当該普図判定情報に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。普図表示制御手段55は、普図保留消化手段53により普図判定情報が消化されると始動条件が成立し、普図表示器19cに普通図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄で停止表示させる。普図判定手段54により補助遊技を行うと判定されると、当り図柄を停止表示させ、補助遊技を行わないと判定されると、ハズレ図柄を停止表示させる。
補助遊技実行手段56は、普図判定手段54により補助遊技を行うと判定された場合、普図表示制御手段55により、当該判定結果を示す判定図柄(当り図柄)が停止表示された後、第2始動口11aを開放する補助遊技を行う。作動モード設定手段57は、図9に示すように、第2始動口作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モード又は開状態に作動させ易い高作動モードを設定する。
具体的に、低作動モードでは、普図判定手段54により補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普図表示制御手段55により普通図柄が変動表示される普図変動時間が12秒、補助遊技実行手段56により補助遊技において第2始動口11aを開放する第2始動口開放パターンが0.1 秒×1回に設定され、高作動モードでは、当り確率が10/10 、普図変動時間が0.5 秒、第2始動口開放パターンが2.0 秒×3回に設定される。
遊技状態制御手段60は、複数の遊技状態(図10示す「通常遊技状態」(低確・非時短状態)、「時短遊技状態」(低確・時短状態)、「潜確遊技状態」(高確・非時短状態)、「確変遊技状態」(高確・時短状態))の何れかを設定し、その遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には「通常遊技状態」を設定する。
図10に示すように、「通常遊技状態」「時短遊技状態」では、確率設定手段47により低確率が設定され、「潜確遊技状態」「確変遊技状態」では、確率設定手段47により高確率が設定される。また、「通常遊技状態」「潜確遊技状態」では、作動モード設定手段57により低作動モードが設定され、「時短遊技状態」「確変遊技状態」では、作動モード設定手段57により高作動モードが設定される。
遊技状態制御手段60は、特別遊技実行手段46により大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技終了後の遊技状態を図8に示すように設定変更する。大当り図柄A〜Cの何れかが停止表示され所謂「確変大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「確変遊技状態」が設定され、大当り図柄A,Bの停止からは、その後、特図表示器19a,19bでの特別図柄の特図変動回数が10000 回に達すると、「通常遊技状態」へ移行され、大当り図柄Cの停止からは、その後、特図変動回数が50回に達すると、「潜確遊技状態」へ移行され、更に、特図変動回数が10000 回に達すると、「通常遊技状態」へ移行される。
大当り図柄Dが停止表示され所謂「突確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「確変遊技状態」が設定され、その後、特図変動回数が10000 回に達すると、「通常遊技状態」へ移行される。大当り図柄Eが停止表示され所謂「潜確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「潜確遊技状態」(又は「確変遊技状態」)が設定され、その後、特図変動回数が10000 回に達すると、「通常遊技状態」へ移行される。
大当り図柄Fが停止表示され所謂「通常大当り」になった場合、また、大当り図柄Gが停止表示され所謂「突時大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「時短遊技状態」が設定され、その後、特図変動回数が50回に達すると、「通常遊技状態」へ移行される。大当り図柄Hが停止表示され所謂「突通大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に「通常遊技状態」が設定される。一方、特別遊技実行手段46により小当り遊技が行われた場合、つまり小当り図柄が停止表示され所謂「小当り」になった場合、当該小当り遊技終了後に当該小当り遊技開始前の遊技状態が設定される。
ここで、前記の変動態様判定手段44cが特別図柄の変動時間(特図変動態様)を決定する具体的な処理について、図11、図12に基づいて説明する。
図11に示すように、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」であるとき、大当り判定手段44aにより特別遊技を行わない(ハズレ)と判定されて、図柄判定手段44bによりハズレ図柄が選択された場合、先ず、当該特図判定情報のリーチ判定値に基づいて、リーチ状態にしないでハズレを報知することが可能な第1種変動時間にするか、或いは、リーチ状態にしてハズレを報知することが可能な第2種変動時間にするかを判定する。
第1種変動時間にする場合、特図保留数(当該特別図柄の変動開始直前の第1特図保留数と第2特図保留数の合計)に基づいて、その第1種変動時間として、図示の9 秒,7秒,5秒,4秒,3秒の何れか(特図保留数に応じた特図変動時間)を決定し、第2種変動時間にする場合、当該特図判定情報の変動パターン判定値に基づいて、その第2種変動時間として、図示の13秒,15 秒・・・,20 秒,25 秒・・・,50 秒の何れかを決定する。
一方、大当り判定手段44aにより特別遊技を行う(大当り又は小当り)と判定されて、図柄判定手段44bにより大当り図柄(大当り図柄A〜Hの何れか)又は小当り図柄が選択された場合、その選択された図柄の種類と、当該特図判定情報の変動パターン判定値に基づいて、基本的にリーチ状態にして大当り又は小当りを報知することが可能な第3種変動時間として、図示の14秒,16 秒・・・,30 秒,35 秒・・・,60 秒の何れかを決定する。
図12に示すように、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」であるとき、大当り判定手段44aにより特別遊技を行わないと判定されて、図柄判定手段44bによりハズレ図柄が選択された場合、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」であるときと同様に、先ず、当該特図判定情報のリーチ判定値に基づいて、第1種変動時間にするか、或いは、第2種変動時間にするかを判定する。
第1種変動時間にする場合、特図保留数に基づいて、その第1種変動時間として、図示の12秒,2秒の何れか(特図保留数に応じた変動時間)を決定し、第2種変動時間にする場合、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」であるときと同様に、当該特図判定情報の変動パターン判定値に基づいて、その第2種変動時間として、図示の13秒,15 秒・・・,20 秒,25 秒・・・,50 秒の何れかを決定する。
一方、大当り判定手段44aにより特別遊技を行うと判定されて、図柄判定手段44bにより大当り図柄又は小当り図柄が選択された場合、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」であるときと同様に、その選択された図柄の種類と、当該特図判定情報の変動パターン判定値に基づいて、第3種変動時間として、図示の14秒,16 秒・・・,30 秒,35 秒・・・,60 秒の何れかを決定する。
次に、特図判定手段44において、事前判定手段44dは、特図保留記憶手段42に記憶されている特図判定情報(即ち、後に特図保留消化手段43により消化される特図判定情報)に基づいて、具体的には、特図取得手段41により特図判定情報が取得された際、その特図判定情報に対して、大当り判定手段44a、図柄判定手段44b、変動態様判定手段44cによる判定が行われる前に、その判定と同等の判定(即ち、大当り図柄A〜H、小当り図柄、ハズレ図柄の何れかの選択、特図変動態様(特別図柄の変動時間)の決定)を事前に行うことが可能である。
尚、事前判定手段44dは、取得された各特図判定情報に対して、基本的には取得時の遊技状態に基づいて事前判定を行うが、特図判定情報が取得されたときに、その当該特図判定情報よりも先に取得された特図判定情報に基づく事前判定の結果等から、当該特図判定情報の取得時の遊技状態と当該特図判定情報の消化時の遊技状態が異なることが判ると、その消化時の遊技状態に基づいて事前判定を行うようにしてもよい。
コマンド生成手段65は、遊技の進行に応じたコマンド(図13に示す各種コマンド)を生成し、コマンド送信手段66は、コマンド生成手段65により生成されたコマンドを演出制御基板33に送信する。
特図保留増加コマンドは特図判定情報の取得・記憶時に生成・送信され、この特図保留増加コマンドには、事前判定手段44dによる事前判定で決定された判定図柄と特図変動態様を示す情報が含まれている。特図変動開始コマンドは特別図柄の変動開始時に、また、特図変動停止コマンドは特別図柄の変動停止時に、夫々生成・送信され、特図変動開始コマンドには、大当り判定手段44a、図柄判定手段44b、変動態様判定手段44cによる当該判定で決定された判定図柄と特図変動態様を示す情報が、また、特図変動停止コマンドには、当該判定で決定された判定図柄を示す情報が、夫々含まれている。
オープニングコマンドは特別遊技の開始時に、また、エンディングコマンドは特別遊技の最終Rの終了時に、夫々生成・送信され、オープニングコマンドには、当該判定で決定された判定図柄に基づいて開始される特別遊技の種類(大入賞口13aの開放パターン)を示す情報が、また、エンディングコマンドには、当該判定で決定された判定図柄に基づいて特別遊技の終了後に設定される遊技状態を示す情報が、夫々含まれている。
図5に示すように、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35(演出制御部)のコンピュータにより、図示の各手段67,70〜74が構成されている。コマンド受信手段67は、遊技制御基板31のコンピュータから、そのコマンド送信手段66により送信されたコマンドを受信する。
演出制御手段70は、変動演出制御手段71、保留演出制御手段72、特別遊技演出制御手段73、先読み演出制御手段74を有し、コマンド受信手段67により受信されたコマンドに基づいて、つまり、主に特図判定手段44(大当り判定手段44a,図柄判定手段44b,変動態様判定手段44c,事前判定手段44d)による判定結果に基づいて、遊技演出を実行し、ここで演出手段80(画像表示装置16、可動役物装置17,18、スピーカ37、ランプ38a,38b)に遊技演出を行わせる。
変動演出制御手段71は、画像表示装置16に表示される画像(動画)、及びその画像に合わせてスピーカ37から出力される音声等により、特図表示制御手段45により特別図柄が変動表示されているときに、当該特別図柄の変動開始時に受けた特図変動開始コマンドに基づいて、当該特別図柄の(変動態様判定手段44cにより決定された)特図変動態様に応じた図柄変動演出であって、大当り判定手段44a、図柄判定手段44bによる判定結果を示唆する図柄変動演出を、図14(1)に示す複数の図柄変動演出(図柄変動演出1,2,3・・・n)の中から選択して行わせる。
図15に示すように、図柄変動演出では、基本的に、画像表示装置16に、(1)3組の演出図柄列16aが変動開始した後、(2)左側の演出図柄「X」が変動停止し、(3)右側の演出図柄「Y」が変動停止し、(4)中央の演出図柄「Z」が変動停止するように表示され、これら3つの停止図柄列「XZY」が確定表示されて、大当り判定手段44a、図柄判定手段44bによる判定結果を示す組み合わせ表示態様になる。
ここで、変動演出制御手段71は、現在の遊技状態等に応じて、複数の演出モード(図16に示す「通常モード」「時短モード」「確変モード」「潜確示唆モード」「先読みモード」)の何れかを設定し、その設定している演出モードで図柄変動演出を行わせる。各演出モードでの図柄変動演出は、他の演出モードでの図柄変動演出に対して、画像表示装置16に表示される演出図柄の背景となる背景画像や、演出図柄の表示態様(演出図柄の柄、サイズ、変動態様等)を異ならせたものになる。
基本的に、「通常遊技状態」のときには「通常モード」を、「時短遊技状態」のときには「時短モード」を、「確変遊技状態」のときには「確変モード」を設定する。但し、場合により、「潜確大当り」「突通大当り」「小当り」となる特別遊技の終了後、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」であるときに、特別図柄変動回数が設定回数(例えば、1 〜60回の何れかの回数)を超えるまでの間、「潜確示唆モード」を設定する。
また、事前判定手段44dによる判定結果に基づいて、保留されている先読み演出の対象とされた特図判定情報に対して、その対象とされた特図判定情報に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでに、例えば、「通常モード」又は「潜確示唆モード」を設定しているときに、特別図柄が数回(1〜8回の何れかの回数)に亙って変動表示される間、「先読みモード」を設定し、この「先読みモード」で図柄変動演出を行わせることで、大当りになることを期待させることができる。
ここで、図14(1)に示すように、図柄変動演出1,2,3・・・nの各々は、特別遊技が行われる期待度;特別遊技期待度が比較的低い第1種変動演出と、特別遊技期待度が第1種変動演出よりも高い第2種変動演出及び第3種変動演出の何れかに分類され、特図変動時間が図11、図12に示す第1種変動時間であると、第1種変動演出が行われ、図11、図12に示す第2種変動時間であると、第2種変動演出が行われ、図11、図12に示す第3種変動時間であると、第3種変動演出が行われる。
具体的に、図柄変動演出では、図17に示すように、(1)3組の演出図柄列16aが変動開始した後、(2)先ず、左側の演出図柄「7」が変動停止し、(3)次に、右側の演出図柄「1」が変動停止すると、これら演出図柄「7」「1」が揃わない非リーチ状態になり、(4)次に、中央の演出図柄「6」が変動停止し、「761」となるハズレ停止図柄列が確定表示されると、「ハズレ」となる当該判定結果が報知される。
図17に示すように、(2)左側の演出図柄「7」が変動停止した後、(5)右側の演出図柄「7」が変動停止すると、これら演出図柄「7」「7」が揃うリーチ状態になって「リーチ演出」が開始され、その「リーチ演出」において発展演出に移行しない「ノーマルリーチ演出」が行われると、その後、(6)中央の演出図柄「6」が変動停止し、「767」となるハズレ停止図柄列が確定表示されると、「ハズレ」となる当該判定結果が報知され、(7)中央の演出図柄「7」が変動停止し、「777」となる当り停止図柄列が確定表示されると、「大当り」となる当該判定結果が報知され、(8)中央の演出図柄「★」が変動停止し、「7★7」となる当り停止図柄列が確定表示されると、「大当り」又は「小当り」となる当該判定結果が報知される。
尚、図17(1)の3組の演出図柄列16aの変動開始時から、図17(4)までの一連の演出が第1種変動演出である「Nハズレ演出」であり、図17(6)までの一連の演出が第2種変動演出である「NRハズレ演出」であり、図17(7)又は(8)までの一連の演出が第3種変動演出である「NR当り演出」である。尚、「N」はノーマルを意味し、「NR」はノーマルリーチを意味する。
また、図17(5)のようにリーチ状態になって「リーチ演出」が開始された後、図18に示すように、その「リーチ演出」において、(1)演出図柄「7」「7」が画面隅側に移動し縮小表示され、(2)発展演出である「SPリーチ演出」が行われると、その後、「SPリーチ演出」の終了により、(3)中央の演出図柄「6」が変動停止し、「767」となるハズレ停止図柄列が確定表示されると、「ハズレ」となる当該判定結果が報知され、(4)中央の演出図柄「7」が変動停止し、「777」となる当り停止図柄列が確定表示されると、「大当り」となる当該判定結果が報知される。
特別図柄が第2種又は第3種変動時間に含まれる特定のSPリーチ変動時間で変動表示されているときには、図18に示すように、(1)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(5)演出操作装置6の操作に応じて複数のSP演出態様の何れかを選択可能な「SP演出態様選択演出」が行われてから、その「SP演出態様選択演出」により選択されたSP演出態様で(2)の「SPリーチ演出」が行われる。
一方、特別図柄が第2種又は第3種変動時間に含まれる通常のSPリーチ変動時間で変動表示されているときには、(1)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(5)の「SP演出態様選択演出」が行われず、このとき、当該判定結果に応じて複数のSP演出態様の何れかが自動的に選択され、その自動的に選択されたSP演出態様で(2)の「SPリーチ演出」が行われる。
ここで、「SP演出態様選択演出」が行われた場合にも、その「SP演出態様選択演出」において、先ずは、当該判定結果に応じて複数のSP演出態様の何れかが自動的に選択され、その自動的に選択されたSP演出態様を、演出操作装置6の操作により他の何れかのSP演出態様に変更し、その変更したSP演出態様を選択することができ、或いは変更しないようにすることもできる。
尚、「SP」はスペシャルを意味し、「SPリーチ演出」は、基本的に「ノーマルリーチ演出」よりも大当り期待度が高い演出であり、図17(1)の3組の演出図柄列16aの変動開始時から、図18(3)までの一連の演出が第2種変動演出である「SPハズレ演出」であり、図18(4)までの一連の演出が第3種変動演出である「SP当り演出」である。
このように、変動演出制御手段71は、「SPリーチ演出」(遊技演出)を行わせる際、当該判定結果に応じて複数のSP演出態様(演出態様)の何れかのSP演出態様を選択し、その選択したSP演出態様で「SPリーチ演出」を実行することが可能な第1演出制御手段71aと、第1演出制御手段71aにより選択されたSP演出態様を、演出操作装置6の操作に応じて複数のSP演出態様のうち第1演出制御手段71aにより選択されたSP演出態様以外の何れかのSP演出態様に変更し、その変更したSP演出態様で「SPリーチ演出」を実行することが可能な第2演出制御手段71bとを有する。
また、図17(5)のようにリーチ状態になって「リーチ演出」が開始された後、図19に示すように、その「リーチ演出」において、先ず、図18と同様に、(1)演出図柄「7」「7」が画面隅側に移動し縮小表示され、(2)発展演出である「SPリーチ演出」が行われると、その後、「SPリーチ演出」の終了により、(3)中央の演出図柄「6」が変動停止した後、再始動し、(4)演出図柄「7」「7」が画面隅側に移動して縮小表示され、(5)「SP・SPリーチ演出」が行われる。
或いは、図17(5)のようにリーチ状態になって「リーチ演出」が開始された後、図19に示すように、「SPリーチ演出」が行われないで、(4)演出図柄「7」「7」が縮小表示され、(5)「SP・SPリーチ演出」が行われる。そして、この「SP・SPリーチ演出」の終了により、(6)中央の演出図柄「6」が変動停止し、「767」となるハズレ停止図柄列が確定表示されると、「ハズレ」となる当該判定結果が報知され、(7)中央の演出図柄「7」が変動停止し、「777」となる当り停止図柄列が確定表示されると、「大当り」となる当該判定結果が報知される。
特別図柄が第2種又は第3種変動時間に含まれる特定のSP・SPリーチ変動時間で変動表示されているときには、図19に示すように、(1)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(8)演出操作装置6の操作に応じて複数のSP演出態様の何れかを選択可能な「SP演出態様選択演出」が行われてから、その「SP演出態様選択演出」により選択された演出態様で(2)の「SPリーチ演出」が行われる。
更に、特別図柄が特定のSP・SPリーチ変動時間で変動表示されているときには、図19に示すように、(4)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(9)演出操作装置6の操作に応じて複数のSP・SP演出態様の何れかを選択可能な「SP・SP演出態様選択演出」が行われてから、その「SP・SP演出態様選択演出」により選択されたSP・SP演出態様で(5)の「SP・SPリーチ演出」が行われる。
一方、特別図柄が第2種又は第3種変動時間に含まれる通常のSP・SPリーチ変動時間で変動表示されているときには、(1)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(8)の「SP演出態様選択演出」が行われず、このとき、当該判定結果に応じて複数のSP演出態様の何れかが自動的に選択され、その自動的に選択されたSP演出態様で(2)の「SPリーチ演出」が行われ、また、(4)演出図柄「7」「7」が縮小表示された後、(9)の「SP・SP演出態様選択演出」が行われず、このとき、当該判定結果に応じて複数のSP・SP演出態様の何れか(例えば、(2)で行われた「SPリーチ演出」のSP演出態様に対応するSP・SP演出態様)が自動的に選択され、その自動的に選択されたSP・SP演出態様で(5)の「SP・SPリーチ演出」が行われる。
ここで、「SP演出態様選択演出」が行われた場合にも、その「SP演出態様選択演出」において、先ずは、当該判定結果に応じて複数のSP演出態様の何れかが自動的に選択され、その自動的に選択されたSP演出態様を、演出操作装置6の操作により他の何れかのSP演出態様に変更し、その変更したSP演出態様を選択することができ、或いは変更しないようにすることもでき、また、「SP・SP演出態様選択演出」が行われた場合にも、その「SP・SP演出態様選択演出」において、先ずは、当該判定結果に応じて複数のSP・SP演出態様の何れか(例えば、(2)で行われた「SPリーチ演出」のSP演出態様に対応するSP・SP演出態様)が自動的に選択され、その自動的に選択されたSP・SP演出態様を、演出操作装置6の操作により他の何れかのSP・SP演出態様に変更し、その変更したSP・SP演出態様を選択することができ、或いは変更しないようにすることもできる。
尚、特別図柄が特定のSP・SPリーチ変動時間で変動表示されているときには、(8)の「SP演出態様選択演出」と(9)の「SP・SP演出態様選択演出」の何れか一方だけが行われるようにしてもよい。尚、「SP・SPリーチ演出」は、基本的に「SPリーチ演出」よりも大当り期待度が高い演出であり、図17(1)の3組の演出図柄列16aの変動開始時から、図19(6)までの一連の演出が第2種変動演出である「SP・SPハズレ演出」であり、図19(7)までの一連の演出が第3種変動演出である「SP・SP当り演出」である。
このように、変動演出制御手段71は、「SP・SPリーチ演出」(遊技演出)を行わせる際、当該判定結果に応じて複数のSP・SP演出態様(演出態様)の何れかのSP・SP演出態様を選択し、その選択したSP・SP演出態様で「SP・SPリーチ演出」を実行することが可能な第1演出制御手段71aと、第1演出制御手段71aにより選択されたSP・SP演出態様を、演出操作装置6の操作に応じて複数のSP・SP演出態様のうち第1演出制御手段71aにより選択されたSP・SP演出態様以外の何れかのSP・SP演出態様に変更し、その変更したSP・SP演出態様で「SP・SPリーチ演出」を実行することが可能な第2演出制御手段71bとを有する。
次に、図18(5)と図19(8)の「SP演出態様選択演出」、図19(9)の「SP・SP演出態様選択演出」について具体的に説明する。尚、これら「SP演出態様選択演出」と「SP・SP演出態様選択演出」については、基本的に同じ演出態様で行われ、以下、「演出態様選択演出」と記し説明する。
ここで先ず、図20に示すように、この「演出態様選択演出」において、選択肢となり得る演出態様が、演出態様A〜Eの5種類あり、これら5種類の演出態様A〜Eには、夫々、「SPリーチ演出」又は「SP・SPリーチ演出」において主人公となる5種類のキャラクタA〜Eが対応付けられている。
図21に示すように、「演出態様選択演出」では、先ず、(1)選択準備画面が画像表示装置16に表示され、この選択準備画面において、キャラクタの選択を指示(指令)する文章(例えば「キャラクタを選べ」)と、その選択肢となる1又は複数のキャラクタ(例えば、キャラクタA〜D)と、キャラクタを選択する為の操作方法(例えば、キャラクタの変更、決定を示す操作)が表示される。
次に、数秒間(例えば、5秒間)の操作有効期間が設定され、この操作有効期間の開始時から終了時まで、(2)(3)選択中画面が画像表示装置16に表示され、この選択中画面において、操作有効期間の経過(操作有効期間の終了までの時間)を示すゲージと、選択肢となる1又は複数のキャラクタと共に、そのうちの1の指定(例えば、点滅)されたキャラクタ(例えば、(2)ではキャラクタA、(3)ではキャラクタC)と、キャラクタを選択する為の操作方法が表示される。
ここで、操作有効期間の開始時には、選択肢となる1又は複数のキャラクタのうち所定のキャラクタ(例えば、最も左側に表示されたキャラクタA)が初期の指定のキャラクタに選択され、複数のキャクタが選択肢となっている場合、その後、操作有効期間の終了時までに1又は複数回、遊技者が右の十字キーSW6bを操作する毎に、指定のキャラクタを、表示された複数のキャラクタのうちの1のキャラクタから次の1のキャラクタに(例えば、(2)ではキャラクタAからはキャラクタBに、(3)のキャラクタCからはキャラクタDに)変更することができる。
その後、操作有効期間が終了すると、或いは、操作有効期間が終了するまでに、遊技者が演出ボタンSW6aを操作すると、最終的に指定された1のキャラクタ(例えば、(3)ではキャラクタC)が選択されて、(4)選択完了画面が画像表示装置16に表示され、この選択完了画面において、選択肢となる1又は複数のキャラクタと共に、そのうちの1の選択(例えば、点滅)されたキャラクタ(例えば、キャラクタC)が表示される。こうして選択されたキャラクタに対応する演出態様で、つまり選択されたキャラクタが主人公となる「SPリーチ演出」又は「SP・SPリーチ演出」が行われる。
次に、「演出態様選択演出」において選択肢となる1又は複数のキャラクタの決定(抽出)、表示等について詳しく説明する。
図22に示すように、「演出態様選択演出」において、選択肢となるキャラクタとして、(1)キャラクタA〜Dの4つ(図21に例示)、(2)キャラクタA〜Dの中の3つとE(図ではキャラクタA〜C,E)、(3)キャラクタA〜Dの中の3つ(図ではキャラクタA〜C)、(4)キャラクタA〜Dの中の2つとE(図ではキャラクタA,B,E)、(5)キャラクタA〜Dの中の2つ(図ではキャラクタA,B)、(6)キャラクタA〜Dの中の1つとE(図ではキャラクタA,E)、(7)キャラクタA〜Eの中の1つ(図ではキャラクタA)、(8)キャラクタEの何れかを決定することが可能である。
図23(A)に示すように、この決定について、当該判定で特別遊技を行わないと判定されたハズレ時と、特別遊技(大当り遊技)を行うと判定された大当り時とで、夫々異なる図示の割合で、図22(1)〜(8)の何れが決定される。この割合から判るように、キャラクタEは大当り時のみ選択肢になり得るものとなり、つまり選択肢にキャクタEが含まれている場合、大当りになることが確定する。また、選択肢にキャラクタEを含まない図22(1)(3)(5)(7)については、その何れが決定されるかによって、大当り期待度が異なり、図23(A)に示す割合では、図22(1)→図22(3)→図22(5)→図22(7)の順番で大当り期待度が高くなる。
特別図柄の変動時間(特図変動態様)と選択肢となるキャラクタとの関係では、図23(B)に示すように、特別図柄の変動時間が第2種変動時間Aであるときには図22(1)が、第2種変動時間Bであるときには図22(3)が、第2種変動時間Cであるときには図22(5)が、第2種変動時間Dであるときには図22(7)が夫々決定される。尚、第2種変動時間A〜Dが夫々決定される割合が、図23(A)に示すハズレ時に図22(1)(3)(5)(7)が夫々決定される割合(40,30,20,10 %)と同一になる。
また、図23(C)に示すように、特別図柄の変動時間が第3種変動時間Aであるときには図22(1)が、第3種変動時間Bであるときには図22(2)が、第3種変動時間Cであるときには図22(3)が、第3種変動時間Dであるときには図22(4)が、
特別図柄の変動時間が第3種変動時間Eであるときには図22(5)が、第3種変動時間Fであるときには図22(6)が、第3種変動時間Gであるときには図22(7)が、第3種変動時間Hであるときには図22(7)が夫々決定される。尚、第3種変動時間A〜Hが夫々決定される割合が、図23(A)に示す大当り時に図22(1)〜(8)が夫々決定される割合(10,5,15,5,25,5,30,5 %)と同一になる。
このように、第2演出制御手段71bが第1演出制御手段71aにより選択された演出態様から変更することが可能な演出態様(SP演出態様/SP・SP演出態様)の数又は種類が、変動態様判定手段44cにより決定された特図変動態様に応じて(第2種変動時間A〜D、第3種変動時間A〜H毎に)異なるように構成されている。
ところで、「演出態様選択演出」において、選択肢として複数のキャラクタが決定されると、それら複数のキャラクタは左側から右側へ順番に並ぶように表示され、操作有効期間において、右の十字キー6bが操作される毎に、指定のキャラクタが、最も右側に表示されたキャラクタ以外のキャラクタからは、その右側に表示されたキャラクタに変更され、最も右側に表示されたキャラクタからは、最も左側に表示されたキャラクタに変更される。
そして、操作有効期間の開始時には、表示された複数のキャラクタのうち最も左側に表示されたキャラクタが初期の指定のキャラクタになり、故に、右の十字キー6bの操作を加味すると、左側に表示されたキャラクタほど選択され易く(最も左側に表示されたキャラクタが最も選択され易く)なり、右側に表示されたキャラクタほど選択され難く(最も右側に表示されたキャラクタが最も選択され難く)なる。
ここで、変動演出制御手段71は、過去の「演出態様選択演出」における演出態様の選択に関する履歴に基づいて、選択肢となる複数のキャラクタの左側から右側への表示の順番によって、「演出態様選択演出」を複数の演出態様のうちの少なくとも1の演出態様が選択され易い、又は選択され難いように実行することが可能である。
そのために、図24(1)、図25(1)、図26(1)に示すように、複数のキャラクタA〜Eに夫々対応付けて複数の表示順位が更新可能に記憶され、「演出態様選択演出」において、選択肢として複数のキャラクタが決められると、これら複数のキャラクタの記憶されている表示順位に基づいて、これら複数のキャラクタは、その表示順位が高いものから順番に左側から右側へ並ぶように表示される。
例えば、電源投入時、又は演出リセット時には、複数のキャラクタA〜Eの表示順位が図24(1)に示すように初期値となるように記憶され、このとき、「演出態様選択演出」において、選択肢としてキャラクタA〜Dが決定された場合には、図24(2)に示すように、これらキャラクタA〜Dが左側から右側へA→B→C→Dの順番に並ぶように表示される。
図24(2)の表示において、キャラクタCが選択されると、その選択されたキャラクタCの表示順位が1になり、それまでキャラクタCよりも表示順位が上のキャラクタA,Bの表示順位が1繰り下げられ、複数のキャラクタA〜Eの表示順位が図25(1)に示すように更新記憶される。尚、図24(2)の表示において、キャラクタAが選択されると、複数のキャラクタA〜Eの表示順位は更新されずに図24(1)に維持される。
複数のキャラクタA〜Eの表示順位が図25(1)のように記憶されているとき、「演出態様選択演出」において、選択肢としてキャラクタA〜Dが決定された場合には、図25(2)に示すように、これらキャラクタA〜Dが、左側から右側へC→A→B→Dの順番に並ぶように表示される。
図25(2)の表示において、キャラクタBが選択されると、その選択されたキャラクタBの表示順位が1になり、それまでキャラクタBよりも表示順位が上のキャラクタC,Aの表示順位が1繰り下げられ、複数のキャラクタA〜Eの表示順位が図26(1)に示すように更新記憶される。尚、図25(2)の表示において、キャラクタCが選択されると、複数のキャラクタA〜Eの表示順位は更新されずに図25(1)に維持される。
複数のキャラクタA〜Eの表示順位が図26(1)のように記憶されているとき、「演出態様選択演出」において、選択肢としてキャラクタA〜Dが決定された場合には、図26(2)に示すように、これらキャラクタA〜Dが、左側から右側へB→C→A→Dの順番に並ぶように表示される。
次に、保留演出制御手段72は、画像表示装置16の画面下部(所定の保留表示部)に、特図保留数(第1,第2特図保留数の合計)と相当数の保留図柄16bを、特図保留記憶手段42に記憶されている特図判定情報ごとに表示させる。
複数の保留図柄16bを表示させる場合、対応する複数の特図判定情報について特図取得手段41により取得された順番(つまり、特図保留消化手段43により消化される順番)で、左側から右側へ一列に並べて表示させ、特図保留消化手段43により特図判定情報が消化されると、対応する最も左側の保留図柄16bを表示消去させ、残りの保留図柄16bを1つ左側へシフトさせ表示させる。
保留図柄16bの表示態様は複数種類(図27に示す○△☆)あり、○が通常表示態様、△☆が通常と異なる先読み表示態様であり、各保留図柄16bは、これら複数種類の表示態様;○△☆の何れかで表示される。尚、図2では、5個の保留図柄16bが全て通常表示態様;○で表示されている。
そして、事前判定手段44dによる判定結果に基づいて、保留されている先読み演出の対象とされた特図判定情報が特図保留消化手段43により消化されるまで、その対象とされた特図判定情報に対応する保留図柄16bの表示態様;○を△☆の何れかに変化させることで、更には、表示態様;△を☆に変化させることで、大当りになることを期待させることができる。
特別遊技演出制御手段73は、画像表示装置16に表示される画像(動画)、及びその画像に合わせてスピーカ37から出力される音声等により、特別遊技実行手段46により特別遊技が行われているときに、当該特別遊技の開始時に受けたオープニングコマンドに基づいて、図14(2)に示す複数の特別遊技演出(特別遊技演出1,2,3・・・n)の中から選択した特別遊技演出を行わせ、特別遊技演出の終盤に受けたエンディングコマンドに基づいて、図14(3)に示す複数のエンディング演出(エンディング演出1,2,3・・・n)の中から選択したエンディング演出を行わせる。
先読み演出制御手段74は、特別図柄情報の取得時に受けた特図保留増加コマンド、即ち事前判定手段44dによる判定結果に基づいて、先読み演出を行うか否かを判定し、先読み演出を行うと判定した場合に、その先読み演出の対象とされた特別図柄情報に対して、その特別図柄情報が消化される前から、図柄変動演出や保留図柄によって、事前判定手段44dによる判定結果(特別遊技期待度)を示唆して、大当り期待度を高め得る先読み演出を行わせる。
図柄変動演出による先読み演出に関して、先読み演出制御手段74は、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」であるとき、例えば、図28に示すように、特図変動時間として、第1種変動時間(通常ハズレ)を決定する事前判定が行われた特図判定情報に対しては、2%の割合で「先読みモード」を選択し、第2種変動時間(リーチハズレ)を決定する事前判定が行われた特図判定情報に対しては、5%の割合で「先読みモード」を選択し、第3種変動時間(大当り又は小当り)を決定する事前判定が行われた特図判定情報に対しては、20%の割合で「先読みモード」を選択する。
図柄変動演出制御手段71は、「通常モード」又は「潜確示唆モード」を設定しているときに、先読み演出制御手段74により「先読みモード」が選択された場合、その先読み演出制御手段74により決定されたタイミングで(シナリオに基づいて)、「通常モード」又は「潜確示唆モード」を「先読みモード」に変更し、つまり図柄変動演出が「先読みモード」で行われ、その対象とされた特図判定情報に基づく特別図柄の変動表示が終了し、大当り又は小当りにならないと、再び「通常モード」又は「潜確示唆モード」に変更する。
保留図柄による先読み演出に関して、先読み演出制御手段74は、例えば、図29に示すように、保留図柄16bの表示態様として、第1種変動時間(通常ハズレ)を決定する事前判定が行われた特図判定情報に対しては、5%の割合で表示態様;△を、0%の割合で表示態様;☆を選択し、第2種変動時間(リーチハズレ)を決定する事前判定が行われた特図判定情報に対しては、30%の割合で表示態様;△を、10%の割合で表示態様;☆を選択し、第3種変動時間(大当り又は小当り)を決定する事前判定が行われた特図判定情報に対しては、10%の割合で表示態様;△を、30%の割合で表示態様;☆を選択する。
保留演出制御手段72は、先読み演出制御手段74により表示態様;△が選択された場合、その先読み演出制御手段74により決定されたタイミングで(シナリオに基づいて)、その対象とされた特図判定情報に対応する保留図柄16bの表示態様;○を△に変化させ、先読み演出制御手段74により表示態様;☆が選択された場合、その先読み演出制御手段74により決定されたタイミングで(シナリオに基づいて)、その対象とされた特図判定情報に対応する保留図柄16bの表示態様;○を☆に変化させ、或いは、表示態様;○を△→☆に段階的に変化させる。
以上説明したパチンコ遊技機1の作用・効果は次の通りである。
遊技者は、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」であるときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂「左打ち」により遊技を行い、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」であるとき、或いは特別遊技が行われているときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂「右打ち」により遊技を行う。
「左打ち」により始動口装置10(振分装置20)、つまり第1,第2始動口10a,10bを狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10aに入賞すると、第1特図判定情報が取得され特図保留記憶手段42に記憶されて、第1特図保留数が1増加し、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口10bに入賞すると、第2特図判定情報が取得され特図保留記憶手段42に記憶されて、第2特図保留数が1増加する。
振分装置20において、導入口21aから導入通路21に導入された複数の遊技球は、振分機構25により第1誘導通路22と第2誘導通路23とに交互に振分けられ、基本的に第1始動口10aと第2始動口10bとに交互に入賞する。依って、「左打ち」により特図保留数(第1,第2特図保留数の合計)を最大で8まで増加させることができる。
一方、「右打ち」により第2始動口11a、ゲート12を狙うことができ、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定情報が取得され特図保留記憶手段42に記憶されて、第2特図保留数が1増加し、普図保留数が4未満のときに、遊技球がゲート12を通過すると、普図判定情報が取得され普図保留記憶手段52に記憶されて、普図保留数が1増加する。
ここで先ず、普図保留記憶手段52に記憶された普図判定情報は、普通図柄の変動開始毎に順次消化(消去)されて、普図保留数が1減少し、補助遊技抽選が行われる。すると、普図表示器19cに普通図柄が変動表示され、その補助遊技抽選で当選すると、当り図柄が停止表示されて、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」では、「右打ち」を行っても第1,第2始動口10a,10bへの遊技球の入賞を殆ど期待できないうえ、第2始動口作動モードとして低作動モードが設定され、第2始動口11aへの遊技球の入賞も殆ど期待できないため、「左打ち」により所有の遊技球の数を減らしながら遊技を行い、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」では、第2始動口作動モードとして高作動モードが設定され、「右打ち」を行って第2始動口11aへの比較的多くの遊技球の入賞を期待できるため、「右打ち」により所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。
特図保留記憶手段42に記憶された特図判定情報は、特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)され、その際、特図保留記憶手段42に複数の特図判定情報が記憶されている場合には、それら複数の特図判定情報は取得(記憶)された順番で消化されて、特図保留数(第1,第2特図保留数の何れか)が1減少し、特別遊技抽選が行われる。すると、特図表示器19a,19bcの何れかに特別図柄が変動表示され、その特別遊技抽選で当選すると、大当り図柄が停止表示されて、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生し、小当り図柄が停止表示されて、大入賞口13aが開放する小当り遊技が発生する。
大当り遊技では、変動停止した大当り図柄の種類によって、大入賞口13aが16R長期開放、8R長期開放、8R短期開放の何れかがで開放され、小当り遊技では、大入賞口13aが8R短期開放で開放され、「右打ち」により大入賞口13aを狙うことで、16R長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、8R長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得でき、8R短期開放では、遊技球を実質獲得できない。また、変動停止した大当り図柄の種類によって、大当り遊技終了後の遊技状態として、「通常遊技状態」「時短遊技状態」「潜確遊技状態」「確変遊技状態」の何れかが設定される。
尚、大当り遊技における大入賞口13aの開放パターン、及び大当り遊技終了後の遊技状態については、第2特図判定情報(第2始動口10b,11aへの遊技球の入賞)に基づく特別遊技抽選で当選した場合、第1特図判定情報(第1始動口10aへの遊技球の入賞)に基づく特別遊技抽選で当選した場合よりも、遊技者に有利になる割合が高い。
これを前提に、「通常遊技状態」又は「潜確遊技状態」での「左打ち」により、複数の遊技球が第1,第2始動口10a,10bに交互に入賞して、第1特図判定情報に基づく特別遊技抽選と第2特図判定情報に基づく特別遊技抽選とが交互に行われる一方、「時短遊技状態」又は「確変遊技状態」での「右打ち」により、複数の遊技球が第2始動口11aに連続的に入賞して、第2特図判定情報に基づく特別遊技抽選が連続的に行われるので、遊技性が高められる。
一方、特別図柄が変動表示されているときには、特別遊技抽選の結果(特別遊技期待度)を示唆する図柄変動演出が、また、特別遊技が行われているときには特別遊技演出とエンディング演出が、夫々、画像表示装置16での表示を主体に行われ、これにより、遊技性並びに遊技興趣が一層高められる。
遊技者は、勿論、特別遊技抽選に当選して、特別遊技が行われること、その特別遊技でより有利な(遊技球獲得数が大きな)大当り遊技が行われること、その特別遊技の終了後、より有利な遊技状態(「確変遊技状態」)になることを期待して遊技を行うが、特別遊技抽選の結果が導出される(特別図柄が変動を開始後停止する)までの過程で図柄変動演出を楽しみながら前記期待を持って遊技を行うことができる。
即ち、遊技者は、その図柄変動演出において、複数の演出図柄が変動を開始(特別図柄が変動を開始)すると、先ず、リーチ状態になることを期待して、次に、リーチ状態になると、「ノーマルリーチ演出」よりも大当り期待度が高い「SPリーチ演出」、更には「SPリーチ演出」よりも大当り期待度が高い「SP・SPリーチ演出」が行われること、そして、その「ノーマルリーチ演出」や「SPリーチ演出」や「SP・SPリーチ演出」で「大当り」となることを期待して遊技を行うことができる。
ところで、従来のパチンコ遊技機において、例えば、リーチ演出は複数の演出態様の何れかで実行されるが、その何れの演出態様で実行されるかは、当該特別図柄の変動時間に応じて自動的に決定されるので、つまり遊技者が自由に決められないため、実行されるリーチ演出の演出態様の割合に偏りが生じ、遊技者が見たい演出態様でリーチ演出が中中実行されないこと、或いは、遊技者が見たくない(飽きた)演出態様でリーチ演出が何度も実行されること、等の問題が起こり得る。
そこで、本発明によれば、図17(5)のリーチ状態になる演出を実行後、図18又は図19の「SPリーチ演出」を実行する場合、演出操作装置6の操作に応じて複数のSP演出態様の何れかを選択可能な「SP演出態様選択演出」を実行してから、その「SP演出態様選択演出」により選択されたSP演出態様で「SPリーチ演出」を実行することが可能であり、また、図19の「SP・SPリーチ演出」を実行する場合、演出操作装置6の操作に応じて複数のSP・SP演出態様の何れかを選択可能な「SP・SP演出態様選択演出」を実行してから、その「SP・SP演出態様選択演出」により選択されたSP・SP演出態様で「SP・SPリーチ演出」を実行することが可能である。
特に、図18、図19の「SPリーチ演出」を実行する場合、又は、図19の「SP・SPリーチ演出」を実行する場合、演出操作装置6の操作に応じてSP演出態様又はSP・SP演出態様を選択可能な「SP演出態様選択演出」又は「SP・SP演出態様選択演出」を行うことが可能であり、特に、図19の「SPリーチ演出」を経由する「SP・SPリーチ演出」を実行する場合、演出操作装置6の操作に応じてSP演出態様を選択可能な「SP演出態様選択演出」とSP・SP演出態様を選択可能な「SP・SP演出態様選択演出」の両方を(演出態様選択演出を2回)行うことが可能である。
これにより、遊技者が見たい演出態様でのリーチ演出が中中実行されないこと、或いは、遊技者が見たくない(飽きた)演出態様でのリーチ演出が何度も実行されること、等の課題を解消することができ、即ち、遊技者が見たくない(飽きた)演出態様を遊技者が見たい演出態様に変更して、その遊技者が見たい演出態様でリーチ演出を実行させることができ、つまり遊技者が見たくない演出態様でリーチ演出を実行させないことができるので、リーチ演出の面白さを高め、演出性を高めることができる。
また、過去の「演出態様選択演出」における演出態様の選択に関する履歴に基づいて、「演出態様選択演出」を複数の演出態様のうちの少なくとも1の演出態様が選択され易い、又は選択され難いように実行することが可能である。
例えば、図24〜図26のように、複数のキャラクタは、左側から右側へ順番に並ぶように表示されて、左側に表示されたキャラクタほど選択され易くなるが、過去選択されたキャラクタについて、その選択時期が遅い(即ち、現在に近い)順に、左側から右側へ順番に並ぶように(前回選択されたキャラクタは最も左側に)表示させ、このような学習機能により、例えば、前回(或いは前々回)選択したキャラクタを今回選択するうえで便利で、また、過去数回選択した履歴も視覚的に認識できる機能を設けることができる。
尚、前記実施例を部分的に次のように変更してもよい。
(1)「演出態様選択演出」において、演出態様が選択されたが、特別遊技を行うと判定されたた場合、或いは特別遊技期待度が高い場合、その選択された演出態様ではない演出態様で「SPリーチ演出」や「SP・SPリーチ演出」が実行されるようにしてもよい。つまり、遊技者が選択した演出態様ではない演出態様で「SPリーチ演出」や「SP・SPリーチ演出」が実行されると、大当りになることを期待できる。
(2)図25、図26に示す表示順位について、前記実施例では、今回選択されたキャラクタの表示順位を1とし、それまでそのキャラクタよりも表示順位が上のキャラクタの表示順位を1繰り下げるように決定しているが、これとは異なり、各キャラクタの選択回数(選択頻度)を別途記憶しておいて、その選択回数が多い順に表示順位を決定するようにしてもよい。
(3)「演出態様選択演出」においては、前記以外の態様で、演出操作装置6の操作に応じて複数の演出態様の何れかを選択可能にしてもよい。例えば、前記のように、選択対象の複数の演出態様が全て表示されるのではなく、選択対象の複数の演出態様のうち、1の演出態様のみが指定の演出態様として表示され、演出操作装置6で選択切換操作が行われる毎に、その指定の演出態様が、1の演出態様から他の1の演出態様に切り換えられ、最終的に表示されている指定の演出態様が選択されるようしてもよい。
例えば、図30に示すように、「演出態様選択演出」において、選択対象となる演出態様が演出態様A〜Dである場合、画像表示装置16には、先ず、(1)演出態様Aが表示され、演出ボタンSW6aが1回操作されると、(2)演出態様Bが表示され、演出ボタンSW6aが2回操作されると、(3)演出態様Cが表示され、演出ボタンSW6aが3回操作されると、(4)演出態様Dが表示される。
尚、演出ボタンSW6aが4回以上操作されても、(4)演出態様Dが表示された状態を維持するようしてもよいし、再び、(1)演出態様A→(2)演出態様B→(3)演出態様C→(4)演出態様D・・・のように、表示が切り換わるようにしてもよい。この表示の切り換え順序については、前記同様、その表示順位が高い順番としてもよいが、そうとは限らず、例えば、演出ボタンSW6aが1回操作されると、(2)演出態様Bが表示されるが、演出ボタンSW6aが2回操作されると、(3)演出態様Cが表示されることがあったり、或いは、(4)演出態様Dが表示されることがあったりしてもよい。このように、複数の演出態様をランダムに変更するようにしてもよい。
(4)「演出態様選択演出」においては、前記のように、特別遊技を行うか否かを示唆可能な形態、特別遊技期待度を示唆可能な形態で行うことができるが、その他に、例えば、選択対象となったキャラクタによって、現在の遊技状態(例えば、「通常遊技状態」であるか「潜確遊技状態」であるか)を示唆可能な形態で行うようにしてもよい。
(5)また、振分装置10を設けたことで、「通常遊技状態」(又は「潜確遊技状態」)であるときに、第1特図判定情報に基づく特別遊技抽選と第2特図判定情報に基づく特別遊技抽選とが交互に行われるが、例えば、選択対象となったキャラクタによって、当該判定が第1特図判定情報に基づくものか、或いは、当該判定が第2特図判定情報に基づくものかを示唆可能な形態で行うようにしてもよい。
(6)複数の演出態様を複数の演出モード(これら複数の演出モードは、互いに、画像表示装置16に表示される演出図柄の背景となる背景画像や、演出図柄の表示態様(演出図柄の柄、サイズ、変動態様等)を異ならせたものである)とし、第1の遊技演出において、遊技者が演出操作装置6(例えば、演出ボタンSW6a)を操作することにより、現在の演出モードから他の演出モードに変更するように、演出モードを選択し、ここで選択された演出モードで第2の遊技演出が実行されるようにしてもよい。
この場合、演出操作装置6の操作により演出モードを変更できる期間については、前記実施例同様に、リーチ後、SPリーチ演出やSP・SPリーチ演出が行われるまでの期間とする以外に、特別図柄の変動開始後、リーチになるまでの期間等、種々の期間を設定することが可能である。尚、複数の演出モードに夫々対応する複数のリーチ演出が設定されているものにすると、演出モードを選択されることで、つまりはリーチ演出が選択されることになる。
(7)複数の演出態様(複数の演出モード)は、互いに、前記実施例のように、その内容の大部分が異なるものとなる以外に、その内容の大部分は同じであるが、一部だけ(例えば、画像表示装置16の画面一部に表示されるキャクタ)が異なるものとしてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能であり、種々のパチンコ遊技機等の遊技機に本発明を適用可能である。例えば、このパチンコ遊技機1において、第1,第2始動口10a,10bと振分装置20とを有する始動口装置10を省略し、その代わりに非開閉式の第1始動口を備えたものに適用可能である。