以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプおよびモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段としての演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。本実施形態では、上記演出ボタン25は、中央に配置された大きなメイン操作ボタン25aのほか、その近傍に配置された小さなサブ操作ボタン25bを備えている。
この実施形態の遊技機においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤前面の遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置(図2参照)における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に可変表示手段としての表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。さらに、図示しないが、センターケース40の上部には、4個のLEDなどのランプを有し特図始動記憶数の表示や演出の際の補助表示を行うのに利用されるサブ表示部が設けられている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37bを備え内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置37(普電)が配設されている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、上記表示装置41での変動表示ゲームの結果(停止図柄の態様)によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。また、遊技領域32の外側、遊技盤30の上部には上記表示装置41における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応した変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51および第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部を設けてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中すなわち表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、特図1表示器51では例えば「3」または「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示し、特図2表示器52では「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。なお、特図1と特図2の変動表示ゲームは、それぞれラウンド数やラウンドの種類の異なる大当り遊技を発生するように設定することができる。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口(36)への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、例えば保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つのランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは3つのランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる始動入賞口2(普電)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。普図保留表示器は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときは2つのランプを消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つのランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。エラー表示器は、例えば遊技機の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球および普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41またはサブ表示部42においても表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞もしくはその記憶に基づいて、特図表示器51または52で特図変動表示ゲームを行うとともに、表示装置41にて演出表示としての飾り特図変動表示ゲームを行う。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行なわれる。また、表示装置41では、特別図柄入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体すなわち主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤および遊技制御装置は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400もしくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPUの作業領域を提供するワークエリアとして利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、大当りを発生するか否かを判定するのに使用する大当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理すなわちロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61および振動センサスイッチ62からの信号および上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第1入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63および前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号および払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)および演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号もしくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130すなわち主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えば前記サブ表示装置42等)を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば前記装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/ソレノイド制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータおよびソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、本実施形態の遊技機が特徴とする表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出制御の具体的内容について説明する。なお、飾り特図変動表示ゲームに関しては、本実施形態では、特図1の変動表示ゲームも特図2の変動表示ゲームも変わりがないので、特に区別して説明しない。
本実施形態における演出制御の特徴は、表示装置41の表示画面を複数(実施例では4つ)の領域に分割し、1回の変動表示ゲームにおいて分割した複数の領域でそれぞれ異なる内容の変動表示ゲーム(以下、分割マルチ変動表示ゲームと称する)を実行するとともに、複数の領域の変動表示ゲームの中から遊技者がいずれかを選択できるようにすることにある。さらに、かかる選択を可能にするため、演出制御装置300は表示装置41の表示画面にカーソルを表示するとともに、演出ボタン25からの信号に基づいて遊技者が選択した変動表示ゲームを認識するようにした。
また、複数の領域でそれぞれ異なる内容の変動表示ゲームを実行するように制御した場合でも、もともと1回の変動表示ゲームであるので複数の領域の変動表示ゲームの結果を異ならせることはできない。従来、複数のリーチ演出を実行可能な遊技機においては、リーチの種類によって演出時間を変えるのが一般的であり、そのような演出方法を採用すると複数の変動表示ゲームが順繰りに停止した結果がばらばらに出る。そのため、最初に停止したゲームの結果(外れまたは当り)と同等のゲーム結果が次々と現れることになり、遊技者は最初に停止したゲーム以外のゲームに注意を払わないようになってしまう。その結果、分割マルチ変動表示ゲームへの興趣が減退するおそれがある。
そこで、本実施形態では、図5(A)に示すように、大当りの発生確率の低いノーマルリーチよりも大当りの発生確率の高い他のリーチ(以下、スペシャルリーチと称する)の演出実行時間を例えば40秒に統一することとした。これにより、複数の領域の変動表示ゲームが同時に変動停止して結果が同時に出るように演出制御を行うことができ、分割マルチ変動表示ゲームへの興趣が減退するのを抑制することができる。なお、図5(A)に示すノーマルリーチ以外のスペシャルリーチは、分割マルチ変動表示ゲームにおける遊技者の期待感を高めるため、選択ノーマルリーチから発展するような演出態様を採用するのが望ましい。
さらに、本実施形態では、大当りとなる特定結果態様を構成する図柄によって大当り遊技終了後の変動表示ゲームにおける大当りの発生確率が低いものと高いものとを設けた場合(確率変動)に、分割マルチ変動表示ゲームにおいて遊技者が分割表示領域の選択という行動を起こしてもゲーム結果が期待したものから大きく外れて失望しないようにするため、演出内容を工夫するようにした。以下、具体的な分割マルチ変動表示ゲームの演出内容について説明する。
なお、図5(B)には、本実施形態で採用した大当りとなる特定結果態様と大当り遊技のラウンド数と確率変動の有無との関係を示す。図5(B)において、「飾り図柄種類」とは表示装置41において行われる飾り特図変動表示ゲームで大当りとなる特定結果態様を構成する停止図柄のことで、表示装置41の画面上において3つの識別図柄を変動表示させ停止したときに図5(B)の飾り図柄が3つ揃うと特定結果態様となり、大当りが発生することを意味する。また、「チャンス目」とは、飾り停止図柄が3つ揃わなくても特定の並び(例えば「3,5,7」)になると遊技者が得る利益の少ない当り状態を発生する図柄の組合せのことである。
図6〜図9には、本実施形態における分割マルチ変動表示ゲームの具体例が示されている。図6<a>は表示装置41の画面上に表示される分割マルチ変動表示ゲームでない通常の変動表示ゲームであり、3つの識別図柄が変動表示されている様子を表している。図6<b>は分割マルチ変動表示ゲームの例であり、この実施例では表示装置41の画面を4つの領域A1〜A4に分割して各領域でそれぞれ内容の異なる変動表示ゲームを縮小して表示するようにしている。分割マルチ変動表示ゲームを実行する場合に、図6<b>の状態から開始してもよいが、図6<a>の通常の変動表示ゲームから開始して、途中で図6<b>の分割マルチ変動表示ゲームへ発展させるようにしてもよい。
図7<c>は分割マルチ変動表示ゲームにおいて、リーチが発生せずにゲームが終了した状態を示しており、4つの領域A1〜A4の変動表示ゲームはすべて外れ図柄で停止している。図7<d>は分割マルチ変動表示ゲームにおいて、2つの領域A2,A4でリーチが発生せずに外れ図柄で停止し、残りの2つの領域A1,A3でリーチが発生した状態を表わしている。また、図8<e>は分割マルチ変動表示ゲームにおいて、4つの領域A1〜A4すべでリーチが発生している状態を表わしている。さらに、図8<f>は分割マルチ変動表示ゲームにおいて、4つの領域A1〜A4すべでリーチが発生しその後異なるスペシャルリーチに発展することを遊技者に報知している状態を表わしている。図9<g>は4つの領域A1〜A4で発生したリーチが発展したスペシャルリーチ状態を表わしている。本実施例では、このとき表示画面のいずれかの領域に例えば楕円形のカーソルCを表示させるとともに、遊技者に演出ボタンを操作することを促す「PUSH」なるメッセージを表示させるようにしている。
カーソルCは、図1の演出ボタン25のサブ操作ボタン25bを操作することで順次移動(シフト)させることができ、メイン操作ボタン25aが操作されるか操作可能な時間が経過するとそのときカーソルCが表示されている領域の変動表示ゲームが選択され、それが表示画面全体に拡大されてゲームが進行し、変動表示が停止して結果が導出される。演出ボタンが1つしかない遊技機においては、演出ボタンを操作することでカーソルをシフトさせ、所定時間が経過したときにカーソルが表示されている領域が選択されように制御すればよい。最初にカーソルCを表示させる領域は固定されていてもよいし、乱数を用いて決定するようにしてもよい。また、4つの領域A1〜A4のいずれかに、他の領域のリーチよりも大当りの発生確率(遊技者から見た期待度)の高いリーチのゲームを表示する場合には、図9<h>のように、大当りの発生確率の高いリーチのゲームが表示されている領域A1にカーソルCを表示させるようにするとよい。これにより、遊技者が初心者でどの領域のゲームを選択してよいか分からないような場合に、期待度の高いリーチのゲームを選択してその後の発展の様子を楽しませることができる。すなわち、カーソルの初期表示位置が、特定結果となる確率が高い演出パターンが表示された領域に設定されるので、分割表示演出に不慣れな遊技者でも期待度の高い領域を選択し易くなる。
なお、図6〜図9において、リーチの図柄として偶数の数字を使用しているのは、図5(B)から分かるように、本実施例では、奇数の数字が「確率変動あり」の図柄として設定され、偶数の数字は「確率変動なし」の図柄として設定されている。そのため、奇数の数字をリーチの図柄として変動表示ゲームを進行し、その後「確率変動なし」の偶数の数字が停止図柄として表示してゲームの結果を導出させたとすると、遊技の流れに矛盾が生じ、遊技者の期待感を裏切ることとなって、ゲームを発展させて遊技の興趣を高める演出を行うことができなくなる。これに対し、本実施形態のように、リーチ状態を表示する領域では特定結果を導出する場合に、低確率状態となる組み合わせでリーチ状態が表示されるため、遊技者がどの領域を選択しても結果として矛盾を生じないようにすることができる。
図10には、スペシャルリーチを実行することとした変動表示ゲームにおいて上記のような分割マルチ変動表示ゲームを実行する場合のタイムチャートの一例が示されている。図に示すように、タイミングt1で変動表示ゲームの図柄変動が開始され、所定時間経過したタイミングt2で表示画面が分割されて複数領域で図柄が変動するマルチ変動表示ゲームが開始される。その後、若干の期間T1は選択が不能にされる。遊技者がゲームを選択するための判断の時間を確保するためである。そして、タイミングt3で、いずれかの領域にカーソルCを表示させるとともに、内部的には演出ボタン25の信号を受け付けてゲームの選択を可能にする。その後、タイミングt4で少なくとも1つの領域でリーチが発生し、タイミングt5でノーマルリーチからスペシャルリーチに発展する。この実施例では、スペシャルリーチ開始タイミングt5まで、ゲームの選択可能期間が設定されている。ただし、図10に破線で示すように、変動表示ゲーム終了タイミングt7の少し前のタイミングt6まで、ゲームの選択可能期間を設定するようにしてもよい。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図11および図12に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば2msec)で行われる図13に示すタイマ割込み処理とからなる。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図11に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS5,S6)。その後、電源装置内のバックアップ用メモリ(RAM111C)のクリアスイッチがオンしているか否か判定する(ステップS7)。
バックアップ用メモリ(RAM)は、バックアップ電源電圧源によってその記憶内容がバックアップされるようになっているが、電源投入時にバックアップクリアスイッチがオンである場合には、バックアップ用メモリの初期化を行う。そこで、ステップS7でクリアスイッチがオフであれば、ステップS8で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かおよびチェックサムと呼ばれるデータの正常/異常を調べるためのコードを検査する(ステップS9,S10)。
停電検査領域には、後述するように停電によりパチンコ遊技機10の電源が遮断された場合に、停電復旧検査領域チェックデータが設定される(ステップS27)ようになっており、通常時は停電復旧検査領域チェックデータが記憶されていない。よって、この停電復旧検査領域チェックデータの有無を判定することで、停電復旧であるか否かを判定することができる。
停電復旧であるか否かの判定(ステップS9)において、停電復旧でない場合(No)は、使用するRAMをクリアする処理(ステップS14)を行う。また、停電復旧であるか否かの判定(ステップS9)において、停電復旧である場合(Yes)は、チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS10)を行う。
ステップS10においては、バックアップされたRAMのデータとチェックデータを比較し、両者が一致すれば正常と判定し、一致しなければ異常と判定する。これにより、RAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを判断することができる。
ステップS10において、チェックサムが正常でない場合(No)は、使用するRAMをクリアする処理(ステップS14)を行う。なお、このようにRAMのデータとチェックデータが一致しない場合としては、例えば、落雷の異常電流等によってデータが破壊された場合の他、パチンコ遊技機を初めて設置した場合や、電源の遮断時間がバックアップ可能な時間を超過した場合が考えられる。また、何らかの理由で電源供給装置と遊技制御装置との接続が遮断され、バックアップ電源が供給されなくなったためRAMが初期化された場合が考えられる。さらに不正な遊技制御装置100は、RAMがバックアップされていないことが多いので、不正な遊技制御装置が取り付けられたことも考えられる。
また、ステップS10において、チェックサムが正常である場合(Yes)は、停電発生時の状態へ復帰するための処理を行う。この停電発生時の状態へ復帰するための処理としては、まず、RAMに停電復旧時の初期値を設定する処理(ステップS11)を行う。さらに、遊技枠の状態にかかる領域をクリアする処理(ステップS12)を行った後、停電復旧コマンドを送信する処理(ステップS13)を行なってから、ステップS18へ移行する。
また、ステップS7においてバックアップクリアスイッチがオン(ON)であると判定した場合(Yes)は、メインループの処理として電源投入時の初期化処理を行う。この電源投入時の初期化処理としては、まず、使用するRAMをクリアする処理(ステップS14)を行い、RAMに電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップS15)を行う。その後、大当たりの発生確率が異なる複数の機種に対してプログラムの共通化を図った場合に、機種に応じた演出制御を実行するため、演出制御装置300に対して機種を指定するコマンドを送信する処理(ステップS16)、さらに、電源投入コマンドを送信する処理(ステップS17)を行なってから、図12のステップS18へ移行する。
ステップS18では、割込みタイマを起動するとともに、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、割込みを禁止する処理(ステップS19)を行なってから、初期値乱数更新処理により初期値乱数を更新する処理(ステップS20)、割込みを許可する処理(ステップS21)を行う。その後、RAMの停電検査領域をチェックする処理(ステップS22)、停電が発生したか否かの判定(ステップS23)を行う。停電検査領域には、後述するように停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定される(ステップS27)ようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
ステップS23において、停電が発生していない場合(No)は、上述の割込みを禁止する処理(ステップS19)に戻り、以降、電源の遮断がなければステップS19からステップS23までを繰り返し行う。また、ステップS23において、停電が発生した場合(Yes)は、停電発生時の処理を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源により以下の停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理では、まず、割り込みを禁止する処理(ステップS24)を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理(ステップS25)、停電検査領域をクリアする処理(ステップS26)を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS27)を行った後、RAMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS28)、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS29)を行って遊技機10の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
次に、図13のタイマ割込み処理について説明する。このタイマ割込み処理は、CTCで生成される周期的なタイマ割込み信号が入力されることで開始される。遊技用マイコン111aにタイマ割込みが発生すると、図13のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAMに移すレジスタ退避の処理(ステップa)を行う。次に、各種センサ(図3の始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ1〜N118a、カウントスイッチ38a、ガラス枠開放スイッチ(前枠開放スイッチ)63、内枠開放スイッチ(遊技枠開放スイッチ)64などからの入力を取り込む入力処理(ステップb)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(普電ソレノイド37c、大入賞口ソレノイド38b)等のアクチュエータの駆動制御を行うための出力処理(ステップc)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップd)、乱数更新処理(ステップe)を行う。この乱数更新処理(ステップe)では、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための大当たり判定用乱数や、特図変動表示ゲームの大当たり図柄を判定するための大当り図柄乱数の更新(取込み)を行う。また、普図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための当たり乱数や、特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数の更新(取込み)も行う。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ1〜N35a〜35n、ゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップf)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップg)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップh)を行う。
次に、遊技盤31や遊技機の前面枠12等に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップi)を行う。それから、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップj)を行う。続いて、割込みの終了を宣言する処理(ステップk)を行い、待避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップl)を行った後、割込みを許可する処理(ステップm)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理のステップgにおける特図ゲーム処理の詳細を、図14を用いて説明する。
この特図ゲーム処理では、まず、始動入賞口36に設けられている始動口1スイッチ36a及び普通変動入賞装置37内に設けられている始動口2スイッチ37aに基いて入賞球の有無を判定する始動口スイッチ監視処理(ステップg1)を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップg1)の詳細については後述する。
次いで、ゲーム処理を合理的に進行させるために設けたゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)を行う。このステップg2において、取得したゲーム処理ナンバーNo.が「0」と判定した場合は、特図普段処理(ステップg3)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行って特図ゲーム処理を一旦終了し次の処理へ進む。特図普段処理(ステップg2)では、特図1始動記憶(=特図1保留数)または特図2始動記憶(=特図1保留数)がある場合には、対応する特別図柄の変動開始の設定や、変動パターンの決定を行う。また、第1始動記憶または第2始動記憶がない場合には、客待ちデモ画面の設定を行う。特図変動制御処理(ステップg12)では、特図1表示器51もしくは特図2表示器52の変動制御を行う。
また、ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「1」と判定した場合(No.=1)は、特図変動表示ゲームの変動パターンの決定や、乱数のセーブ領域のシフト、飾り特図変動パターンコマンドの設定、飾り特図コマンドの設定、飾り特図始動記憶数コマンドの設定などを行う特図変動開始処理(ステップg4)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
また、ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「2」と判定した場合(No.=2)は、可変表示装置41で行われる飾り特図変動表示ゲームの変動停止を指示するコマンド(変動停止コマンド)の設定や図柄の停止表示時間の設定を行う特図変動中処理(ステップg5)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「3」と判定した場合は、変動表示ゲームの遊技結果が大当りであった場合に、大入賞口の連続作動回数の上限値の設定や大当り時のファンファーレ時間の設定を行う特図表示中処理(ステップg6)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「4」と判定した場合は、大入賞口の作動回数の更新や大入賞口の開放処理を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップg7)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「5」と判定した場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する処理等を行う大入賞口開放中処理(ステップg8)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「6」と判定した場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する大入賞口残存球処理(ステップg9)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「7」と判定した場合は、特図普段処理(ステップg3)を行うために必要な情報として、特別遊技状態の終了後における確率状態に応じて特図普段動作設定テーブルをセットする大当り終了処理(ステップg10)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
次に、図14の特図ゲーム処理のステップg4における特図変動開始処理の詳細を、図15を用いて説明する。この特図変動開始処理では、特別図柄の変動に係る情報の設定を行う。具体的には、図15に示すように、まず、大当りフラグをクリアする(ステップg401)。次に、変動表示ゲームの変動パターンを設定する処理(ステップg402)、演出制御装置300へ送信する変動パターンコマンドを設定する処理(ステップg403)、可変表示装置41における停止特図を指定する飾り特図コマンドを設定する処理(ステップg404)、対応する特図の始動記憶(特図保留)の記憶領域をシフトする処理(ステップg405)を実行する。
その後、対応する特図の始動記憶数(特図保留数)をデクリメント(−1)する処理(ステップg406)、始動記憶(特図保留数)を演出制御装置300へ知らせる記憶数コマンドを設定する処理(ステップg407)を実行した後、ゲーム処理ナンバーを「2」に設定して当該特図変動開始処理を終了する(ステップg408)。
次に、演出制御装置300によって実行される演出制御について説明する。
演出制御装置300による制御処理は、図16(A)に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われる図16(B)に示す割込み処理とからなる。メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
メイン処理においては、図16(A)に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理は、電源投入時の初期化処理(ステップS101)と、タイマを起動する処理(ステップS102)である。その後、演出制御装置300は、メインループ処理ステップS103〜S109を行う。
このループ処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップS103)を行う。このメインコマンド解析処理(ステップS103)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(例えば、負論理データ)と、第2コマンド(例えば、第1コマンドをビット反転した正論理データ)との一対のデータにより構成されている。そして、受信した第1コマンドと第2コマンドが矛盾しない場合(例えば、一方の反転ビットが他方に一致する場合)に正しくコマンドを受信したと判定するようになっている。
その後、一括表示装置50の変動表示部51、52における特図変動表示ゲームと並行して可変表示装置41で実行される飾り特図変動表示ゲームの変動時間や変動パターン、揺れ変動の設定、時短モード継続演出の設定等制御に関するゲーム制御処理(ステップS104)、可変表示装置41における揺れ変動の表示や時短モード継続演出の表示およびこれらの表示に関連してセンターケースに設けられた状態報知ランプ(盤装飾装置42)等を駆動する表示制御処理(ステップS105)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a,19bの駆動処理)である音制御処理(ステップS106)、前面枠12に設けられた装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップS107)を行う。さらに、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行うエラー監視処理(ステップS108)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップS109)を行い、メインコマンド解析処理(ステップS103)に戻る。
一方、演出制御装置300における割込み処理では、図16(B)に示すように、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップS111)を行い、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップS112)、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップS113)を行う。その後、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップS114)を行い、割込み処理を終了する。
次に、演出制御装置300によって表示装置41の画面上で分割マルチ変動表示ゲームを実行するための設定を行うマルチモード設定処理の具体的手順の一例を、図17を用いて説明する。なお、この処理は、例えば図16(A)のメイン処理中のゲーム制御処理S104の中で実行される。
このマルチモード設定処理においては、先ず変動表示ゲームの変動を開始するか否かの判定を行う(ステップS401)。この判定において変動開始でない(No)と判定すると当該マルチモード設定処理から抜ける。一方、ステップS401で変動開始(Yes)と判定すると、次のステップS402で分割マルチ変動表示ゲーム実行中か否かを示すフラグ(マルチモードフラグ)がオンになっているか否か判定する。ここで、マルチモードフラグがオンになっていないと判定すると、ステップS403へ進みマルチモードを開始するか否かの抽選を行う。大当りの発生確率の高い確変状態中はこの抽選は行わないようにしてもよい。
そして、次のステップS404で、上記抽選の結果に基づいてマルチモードを開始するか否かの判定を行い、マルチモードを開始しない(No)と判定すると当該マルチモード設定処理から抜ける。また、ステップS404でマルチモードを開始する(Yes)と判定すると、次のステップS405で、マルチモードフラグをオンに設定する。その後、マルチモード表示設定処理(図18参照)S406を実行してから、ステップS407で操作可能フラグ設定タイマの更新許可フラグをオンにして当該マルチモード設定処理から抜ける。なお、操作可能フラグ設定タイマの更新許可フラグの代わりに、操作可能フラグをオンに設定してもよい。
一方、ステップS402で、マルチモードフラグがオンになっていると判定すると、ステップS408へ進みマルチモードを終了するか否かの抽選を行う。この抽選も変動表示ゲームごとではなく、所定の状態のときにやったりあるいは所定の条件が成立したとき(例えば大当りの発生)にはやらないようにしてもよい。そして、次のステップS409で、上記抽選の結果に基づいてマルチモードを終了するか否かの判定を行い、マルチモードを終了しない(No)と判定すると当該マルチモード設定処理から抜ける。また、ステップS409でマルチモードを終了しない(No)と判定すると、マルチモード表示設定処理(図18参照)S406を実行してから、ステップS407で、操作可能フラグ設定タイマの更新を許可したり不許可にしたりするために用意されているフラグをオンにして当該マルチモード設定処理から抜ける。また、ステップS409で、マルチモードを終了する(Yes)と判定すると、次のステップS410で、マルチモードフラグをクリアして当該マルチモード設定処理を終了する。大当りが発生するゲームの場合もマルチモードフラグをクリアするようにしてもよい。
図18には、上記ステップS406におけるマルチモード表示設定処理の詳しい内容が示されている。このマルチモード表示設定処理では、先ずRAMの所定領域から大当り情報をリードして確認(ステップS461)し、今回開始する変動表示ゲームの結果が「大当り」か否か判定する(ステップS462)。ここで、大当りである(Yes)と判定すると、次のステップS463でその当りは確変かつまり高確率状態に移行するものであるか否か判定する。そして、この判定で確変でない(No)と判定すると、次のステップS464で分割表示領域のうちリーチが成立している領域に表示するリーチ図柄を通常図柄に設定してから、ステップS467へ移行する。確変図柄でリーチ演出を行なった後に通常図柄の大当りが発生することで遊技者を失望させないためである。ステップS463で当りが確変である(Yes)と判定すると、ステップS466で分割表示領域のうちリーチが成立している領域に表示するリーチ図柄を、図19(A)に示すようなテーブルを使用してランダムに設定してから、ステップS467へ移行する。
一方、ステップS462において、大当りでない(No)と判定するとステップS465へ進み、遊技制御装置100からのコマンドに基づいてリーチありの変動表示ゲームであるか否か判定する。ここで、リーチなし(No)と判定すると当該マルチモード表示設定処理から抜ける。また、リーチあり(Yes)と判定すると、次のステップS466で分割表示領域のうちリーチが成立している領域に表示するリーチ図柄をランダムに設定してから、ステップS467へ移行する。ここでは、確変図柄でリーチ演出を行うように設定されたとしても、最終的に外れでゲームが終了するので、ゲームの流れとしては問題がないためである。なお、図19(A)において、「すべて確変図柄」とはすべての領域に表示するリーチ図柄を確変図柄とすること意味し、「すべて通常図柄」とはすべての領域に表示するリーチ図柄を通常図柄とすること意味し、「両方」とはリーチ図柄を確変図柄とする領域とリーチ図柄を通常図柄とする領域とがあることを意味している。また、「はずれ1」と「はずれ2」は変動時間が異なるはずれ変動を意味する。
ステップS467では、例えば図19(B)に示すようなテーブルを使用して大当り発生確率の高いリーチ(以下、強リーチと称する)を表示するか否か、およびどの分割表示領域(4つすべての場合を含む)においてリーチ表示を行うかの抽選を行う。次に、ステップS467での抽選結果に基づいて強リーチ(図5の「虹リーチ」)を表示するとしたか否か判定(ステップS468)を行い、強リーチを表示する(Yes)と判定すると、次のステップS469で、強リーチを含む表示を選択された領域に設定してから、カーソル初期表示位置すなわちカーソルを最初に表示する領域を、強リーチ表示領域に設定する処理(ステップS470)を行なって当該マルチモード表示設定処理を終了する。一方、ステップS468で、強リーチを表示しない(No)と判定すると、ステップS471へ進んで、強リーチを含まない表示を各領域に設定してから、カーソル初期表示位置をランダムに設定する処理(ステップS472)を行なって当該マルチモード表示設定処理を終了する。
図19(B)に示すように、ゲームの結果が確変図柄の大当りとなる場合には、「強リーチ」を選択率が80%のように高い確率に設定されている。また、「はずれ1」や「はずれ2」の場合にも稀に(1%,2%)選択されるように設定されている。これによって、「強リーチ」が表示されたとしてもゲーム結果がはずれとなる場合を生じさせることができ、遊技者は「強リーチ」が発生したからといって必ず大当りとなるとは限らないと認識して変動ゲームを最後まで期待感とハラハラ感をもって楽しむことができる。
次に、演出制御装置300によって、演出ボタン25からの信号の入力を許可するための設定を行う操作可能フラグ設定処理の具体的手順の一例を、図20を用いて説明する。なお、この処理は、分割表示領域の選択不能時間(図10の期間T1)を計時するためのもので、例えば図16(B)の割込み処理中のタイマ更新処理S111の中で実行される。
この操作可能フラグ設定処理が開始されると、先ず図18のステップS407で設定される操作可能フラグ設定タイマ更新許可フラグがオンになっているか判定する(ステップS121)。ここで、操作可能フラグ設定タイマ更新許可フラグがオンに設定されていない(No)と判定すると、何もせずに当該操作可能フラグ設定処理から抜ける。一方、ステップS121で、操作可能フラグ設定タイマ更新許可フラグがオンに設定されている(Yes)と判定すると、ステップS122へ進み、操作可能フラグ設定タイマを更新する。そして、次のステップS123で、そのタイマをチェックして予め設定されている時間を経過(タイムアップ)したか否か判定する。
このステップS123で、タイムアップしていない(No)と判定すると、ステップS124〜S126をスキップして当該操作可能フラグ設定処理から抜ける。また、ステップS123で、タイムアップした(Yes)と判定すると、ステップS124へ進み、当該タイマを初期化(リセット)してから、演出ボタン25からの信号の入力を許可するために用意されている操作可能フラグをオンに設定する(ステップS125)。その後、操作可能フラグ設定タイマ更新許可フラグをクリアして当該操作可能フラグ設定処理を終了する(ステップS126)。なお、操作可能フラグ設定タイマ更新許可フラグは、マルチモード表示が開始される図10のタイミングt2でオンに設定され、操作可能フラグは変動表示ゲームが終了する直前のタイミングt7でクリアされる。
以上、リーチ演出を実行する際に表示装置41の表示画面を4つの領域に分割して各領域で変動表示ゲームを行うようにした第1の実施形態について説明したが、リーチ演出の場合に限らず、図21(A)に示すように、リーチの発生しない通常の変動表示ゲームを実行する際に表示画面を4つの領域に分割して各領域で変動表示ゲームを行う際の背景画像として図9<g>と同様な演出画像を表示するように制御してもよい。図21(B)には、そのような背景画像演出を行う場合に使用する選択テーブルの一例を示す。なお、この背景画像演出と前述したリーチ演出とで類似のテーマの演出を行う場合には、背景画像演出とリーチ演出とで全体の色調あるいは登場するキャラクタの色を変えたり、動画の進行速度を変えたりするなどの手法で差異をつけるようにするとよい。また、変動表示ゲーム中に図21(A)のような背景画像演出から図9<g>のようなリーチ演出に発展させるように制御してもよい。
図22には、通常の変動表示ゲームでマルチモード表示を行い各分割表示領域で背景画像演出を行う場合のマルチモード表示設定処理の制御手順を示す。なお、この制御フローは、図18の制御フローに代わるものである。
図22のマルチモード表示設定処理では、先ずRAMの所定領域から大当り情報をリードして確認する(ステップS481)。次に、図23のような選択テーブルを用いて大当りの発生確率の高い背景画像(強背景表示)を行うか否かおよびそのような背景画像の表示を行う領域を選択する抽選を行う(ステップS482)。そして、次のステップS483で抽選の結果に基づいて強背景表示を行うこととなったか否か判定し、強背景表示を行う(Yes)と判定すると、ステップS484で強背景画像を含む表示を選択された領域に設定してから、カーソル初期位置すなわちカーソルを最初に表示する領域を、強リーチ表示領域に設定する処理(ステップS485)を行なって当該マルチモード表示設定処理を終了する。一方、ステップS483で、強背景を表示しない(No)と判定すると、ステップS486へ進んで、強背景画像を含まない表示を各領域に設定してから、カーソル初期位置をランダムに設定する処理(ステップS487)を行なって当該マルチモード表示設定処理を終了する。
次に、前記実施形態の他の変形例を、図24〜図28を用いて説明する。
この変形例は、図28に示すようにリーチ演出の種類によって大当りの発生確率(期待度)が異なっている場合に、マルチモード表示において、図24(A),(B)および図25(C),(D)に示すように、いずれかの分割表示領域に表示するカーソルの表示態様を、カーソルを表示するリーチ演出の期待度に応じて変えるようにしたものである。この変形例では、C1(図24(A)参照)<C2(図24(B)参照)<C3(図25(C)参照)<C4(図25(D)参照)の順に期待度が高いカーソルが表示されている。このようなカーソルC1〜C4が表示されることによって、演出の内容から変動表示ゲームの期待度等が分からなくてもカーソルを見ることで期待度等の推察が可能となり、遊技者はどの分割表示領域に表示されている変動表示ゲームを選択して拡大表示させるのが良いか容易に判断することができるようになる。その結果、遊技に不慣れな遊技者でも適切に分割表示領域を選択することができる。
なお、図24および図25においては、たまたま領域A1<A2<A3<A4の順に高いリーチ演出が選択されて表示されているため、上記の順にカーソルが示されているが、例えば領域A2に最も期待度の高いリーチ(図28では雪リーチ)が表示されるように設定された場合には、領域A2にカーソルが移動された際に、図25(D)に示されている最も期待度が高いカーソルC4が領域A2に表示されることとなる。また、期待度に応じてカーソルの表示態様を変える代わりに、各分割表示領域に、表示されている変動表示ゲームの期待度を示すメータあるいはインジケータのようなものを表示するようにしても良い。
図26には、マルチモード表示において、演出ボタン25からの信号に応じて各分割表示領域に順にカーソルを表示させる場合のカーソル移動処理の制御手順を示す。なお、この処理は、例えば図16(B)の割込み処理中の出力処理S113の中で実行される。また、このカーソル移動処理は、前記実施形態においても応用可能である。
このカーソル移動処理が開始されると、先ず演出ボタン25の操作が有効か否かを示す操作可能フラグがオン(有効)になっているか判定する(ステップS131)。ここで、操作可能フラグがオン(有効)に設定されていない(No)と判定すると、何もせずに当該カーソル移動処理から抜ける。一方、ステップS131で、操作可能フラグがオン(有効)に設定されている(Yes)と判定すると、ステップS132へ進み、演出ボタン25の操作有効時間を計時するための操作終了タイマを更新する。そして、次のステップS133で、そのタイマをチェックして予め設定されている時間を経過(タイムアップ)したか否か判定する。
このステップS133で、タイムアップした(Yes)と判定すると、ステップS134へ進み、当該タイマを初期化(リセット)してから、カーソル位置を確定表示するための設定(ステップS135)を行なった後、操作可能フラグをクリアして当該カーソル移動処理を終了する(ステップS136)。一方、ステップS133で、タイムアップしていない(No)と判定すると、ステップS137へ移行して演出ボタン25の操作があったか否か判定する。なお、演出ボタン25の操作があったか否かは、図16(B)の割込み処理中の入力処理S112の中で行われ、操作情報としてRAMに記憶されている。ステップS137で、操作がされていない(No)と判定すると、当該カーソル移動処理から抜ける。また、ステップS137で、演出ボタン25の操作があった(Yes)と判定すると、ステップS138へ進んでカーソル位置を更新し、当該カーソル位置情報をRAMに記憶する(ステップS139)。そして、次のステップS140で、表示カーソル設定処理を実行して当該カーソル移動処理を終了する。
図27には、図26のステップS140の表示カーソル設定処理の詳しい手順の一例が示されている。なお、この表示カーソル設定処理は、本変形例に特有なものであるが、前記実施形態においても応用可能である。
図27の表示カーソル設定処理においては、先ず図26のステップS139で記憶したカーソル位置情報をRAMから読み出して確認する(ステップS141)。次に、各分割表示領域へのリーチの割り当てすなわちどの領域にどの種類のリーチ演出(あるいはどの種類の背景)が割り当てられているかの確認を行う(ステップS142)。その後、ステップS141で確認したカーソル位置に対応した領域に設定されているリーチの種類(あるいは背景の種類)に応じて表示するカーソルの形態を、図28に示すようなテーブルを参照して選択し(ステップS143)、選択したカーソルを対応する領域に表示させるための設定(ステップS144〜S147)を行なって当該表示カーソル設定処理を終了する。なお、スペシャルリーチに発展する前のノーマルリーチの段階では、最も期待度の低いカーソルC1をいずれか(初期位置)の領域に表示させる。あるいは、図24および図25に示されているカーソルC1〜C4よりもさらに期待度の低いカーソルを用意して、ノーマルリーチの際にはそのようなカーソルを表示させるようにしても良い。
図29には、第1の実施形態におけるさらに他の変形例が示されている。このうち、図29(A)は、一度いずれかの分割表示領域を選択した際に選択された領域を画面全体に拡大表示するとともに、画面の一部(例えば左上隅)に、例えば選択されなかった領域の変動表示ゲームとカーソルを縮小表示して、他の分割表示領域を再選択可能にしたものである。このようにすることによって、マルチモードにおける演出に不慣れな遊技者が、意図しない領域を選択してしまったとしても、再度選択し直すことができるため最終的に期待度の高い変動表示ゲームの領域を選択することが可能となり、興趣を高めることができる。
図29(B)は、分割表示領域に表示されているリーチ演出の期待度に応じて変動表示ゲームの有効ライン数を変化させる、具体的には、期待度の低いリーチ(晴れリーチや風リーチ)が表示されている領域A1,A2では1つの有効ラインによる変動表示ゲームを表示させ、期待度が中程度のリーチ(雨リーチ)が表示されている領域A3では2つの有効ラインによる変動表示ゲームを表示させ、期待度の高いリーチ(雪リーチ)が表示されている領域A4では3つの有効ラインによる変動表示ゲームを表示させる。これによって、どのリーチ演出が期待度の高い演出であるか判断できない不慣れな遊技者であっても、有効ラインの数が多いほど期待度が高いゲームであることを直感的に認識して、そのようなゲームが表示されている領域を選択することが可能となる。すなわち、演出パターンに不慣れな遊技者でも、見た目上の期待度であるリーチライン数を参考にして領域を選択できるので、興趣を高めることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、表示装置41の表示画面を4分割してそれぞれで変動表示ゲームを実行する点では第1の実施形態と同じであるが、遊技者が見たい領域の変動表示ゲームを選択するのではなく、遊技状態が低確率か高確率かを明確に表示しない状態において、質問形式の情報獲得ゲーム(クイズ)を実行して正解した場合に確率状態を報知して、遊技者の参加を促すことで興趣を高めるようにしたものである。ここでは、一例として、例えば始動記憶が4個ある場合に、連続した4回の変動表示ゲームの期間に亘って提示された質問に対して回答を実行する情報獲得ゲームを採用した場合を例にとって説明する。
この実施形態では、マルチモードの変動表示が開始してしばらくすると、図30<a>のように、表示画面の一部(図で中央)に問題(質問)が表示される。次に、図30<b>のように、各分割表示領域に上記問題(質問)に関連した異なる画像を表示させるとともに、カーソルを順次移動させる。そして、遊技者が正しいと判断した領域にカーソルが移動して来たタイミングで演出ボタン25を操作して回答を確定させると、図31<c>のように“正解”あるいは“不正解”のような結果を知らせる画面を表示する。
その後、当該変動表示ゲームの結果が表示された後、2回目の変動表示ゲームが開始され、図31<d>のように、次の回答を行うマルチモード画面が表示される。不正解の場合は、図30<a>の画面に戻って、再度最初の問題(質問)が表示される。ここで、再び遊技者が正しいと判断した領域にカーソルが移動して来たタイミングで演出ボタン25を操作して回答を確定させると、図31<c>のように“正解”あるいは“不正解”のような結果を知らせる画面を表示する。上記ゲームを繰り返して4回連続して正解すると、図32<e>のように“正解”を知らせる画面を表示した後、図32<f>のように現在の確率状態を報知する画面を表示する。その後、当該変動表示ゲームの結果が表示される。本実施形態によれば、時系列的な関係を有する複数の表示パターンもしくは画像を表示した複数の分割表示領域が、所定回数の変動表示ゲームにわたって連続して選択可能に表示され、選択された順序に応じてその後遊技者にとって関心の高い情報が報知されるか否かが決定されるため、選択操作自体が興趣の高いものとなる。なお、この実施形態では、カーソルを自動的に移動(シフト)させるように制御しているが、第1実施形態と同様に、遊技者が任意にカーソルを動かせるように制御してもよい。
図33には、本実施形態における上述したような質問形式のゲームを含むマルチ変動表示ゲームを実行する場合のタイムチャートの一例が示されている。
図32に示すように、タイミングt11で変動表示ゲームの図柄変動が複数の分割表示領域で表示されるマルチモードでゲームを開始し、所定時間経過したタイミングt12で情報を獲得するための質問形式の情報獲得ゲーム(クイズ)の表示が開始され、表示画面に図30<a>のような問題(質問)が表示される。その後、タイミングt13で演出ボタンの操作可能フラグをオンさせてカーソルを表示、移動させて遊技者が演出ボタンを操作して回答する期間T2を設ける。遊技者がゲームを選択するための判断の時間を確保するためである。そして、期間T2が終了したタイミングt14で、マルチモードの表示を停止して図31<c>のような“正解”あるいは“不正解”のような結果を知らせる画面を表示する(期間T3)。続いて、タイミングt15で情報獲得ゲームを終了し、通常の変動表示ゲームの図柄変動を画面全体で表示して、タイミングt16で図柄の変動を停止してゲームを終了する。
上記期間T3で表示したゲーム結果が「正解」であった場合には、上記タイミングt11〜t16の制御を繰り返し、連続した4回の変動表示ゲームで「正解」となると、4回目のゲームの期間T3で図32<e>のように“正解”を知らせる画面が表示された後、図32<f>のように現在の確率状態を報知する画面が表示される。なお、期間T3でゲーム結果を表示した後に、ノーマルリーチからスペシャルリーチに発展する場合もある。
上記のようにこの実施形態では、変動表示ゲーム中に質問形式のゲームを実行し、正解すると遊技者が関心の高い確率状態のような情報が表示されるため、遊技者は積極的に情報獲得ゲームに参加するようになり、遊技の興趣が高まるという利点がある。なお、この実施例では、期間T3でゲーム結果を表示した後に、正解すると遊技者が関心の高い確率状態のような情報を表示するとしたが、確率状態情報以外の遊技者が関心の高い情報を表示しても良いし、そのような情報の代わりに所定の特典(例えばサービスポイント)を与えたり、あるいは情報や特典を与えなくても遊技者の興味を引くようなクイズを表示するようにすれば遊技者の参加を促し興趣を高めることができる。
図34には、第2の実施形態における情報獲得ゲームの開始設定処理の制御手順を示す。なお、この制御フローは、図18のマルチモード表示設定処理の制御フローに代えて、あるいは追加して実行されるものである。
この情報獲得ゲーム開始設定処理では、先ず現在の遊技状態が低確率か高確率かを明確に表示しない確率曖昧状態か否か判定する(ステップS491)。なお、ステップS491は、この実施例では獲得情報としてゲームの最後に確率状態を報知するため設けられており、ゲームで報知する情報が異なる場合には、この処理は不要もしくは他の処理に置き換えられる。ステップS491で、確率曖昧状態でない(No)と判定すると当該情報獲得ゲーム開始処理から抜ける。また、確率曖昧状態である(Yes)と判定すると、次のステップS492で情報獲得ゲーム中であるか否かを示す情報獲得ゲームフラグがオンになっているか否か判定する。そして、この判定でフラグがオンになっている(Yes)と判定すると、当該情報獲得ゲーム開始処理から抜ける。
一方、ステップS492で情報獲得ゲームフラグがオンになっていない(No)と判定すると、図35に示すようなテーブルを参照して、情報獲得ゲームを開始するか否か決定するための抽選を行う(ステップS493)。具体的には、変動表示ゲームの保留数(始動記憶数)が1〜3個の場合には、10%の確率で情報獲得ゲームを開始させ、保留数(始動記憶数)が4個の場合には、80%の確率で情報獲得ゲームを開始させるようにしている。本実施形態では、4回のゲームで連続して正解となった場合に、高確率状態か否かを報知するため、あまり保留数が少ない状況で情報獲得ゲームを開始すると、4回のゲームを連続して実行できず間延びしてしまうためである。
ステップS493の次のステップS494では、上記抽選結果に基づき情報獲得ゲームを開始するか否かの判定を行い、開始しない(No)と判定すると当該情報獲得ゲーム開始処理から抜ける。また、ステップS494で、情報獲得ゲームを開始する(Yes)と判定すると、次のステップS495で今回の問題に対する正解順序(例えばA1−A2−A3−A4)を設定してから、順序に対応した画像を各分割表示領域A1〜A4に設定する(ステップS496)。続いて、情報獲得ゲームフラグをオンに設定(ステップS497)して当該情報獲得ゲーム開始処理を終了する。
図36には、第2の実施形態における情報獲得ゲームカーソル処理の制御手順を示す。なお、この制御フローは、図26のカーソル移動処理の制御フローに代えて、あるいは追加して実行されるもので、この処理は、例えば図16(B)の割込み処理中の出力処理S113の中で実行される。
この情報獲得ゲームカーソル処理が開始されると、先ず演出ボタン25の操作が有効か否かを示す操作可能フラグがオン(有効)になっているか判定する(ステップS151)。ここで、操作可能フラグがオン(有効)に設定されていない(No)と判定すると、何もせずに当該情報獲得ゲームカーソル処理から抜ける。一方、ステップS151で、操作可能フラグがオン(有効)に設定されている(Yes)と判定すると、ステップS152へ進み、演出ボタン25の操作有効時間を計時するための操作終了タイマを更新する。そして、次のステップS153で、そのタイマをチェックして予め設定されている時間を経過(タイムアップ)したか否か判定する。
このステップS153で、タイムアップしていない(No)と判定すると、ステップS154へ移行して、演出ボタン25の操作があったか否か判定する。なお、演出ボタン25の操作があったか否かは、図16(B)の割込み処理中の入力処理S112の中で行われ、操作情報としてRAMに記憶されている。ステップS154で、操作がされていない(No)と判定すると、当該情報獲得ゲームカーソル処理から抜ける。また、ステップS154で、演出ボタン25の操作があった(Yes)と判定すると、ステップS155へ進んでカーソル位置を更新し、当該カーソル位置情報をRAMに記憶する(ステップS156)。一方、ステップS153で、タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップS157へ進み、当該タイマを初期化(リセット)してから、カーソル位置を確定表示するための設定(ステップS158)を行なった後、操作可能フラグをクリア(ステップS159)して、次のステップS160で、情報獲得ゲーム判定処理を実行して当該情報獲得ゲームカーソル処理を終了する。
図37には、図36のステップS160の情報獲得ゲーム判定処理の詳しい手順の一例が示されている。
図37の情報獲得ゲーム判定処理においては、先ず図36のステップS156で記憶したカーソル位置情報とそれまでのゲーム(クイズ)の経過情報(ゲーム回数)をRAMから読み出して確認する(ステップS601)。次に、カーソル位置が順番通りかすなわち問題に対する回答が正解かどうかの判定を行う(ステップS602)。ここで、回答が不正解である(No)と判定した場合には、ステップS603へ移行して、回答が「不正解」であることを表示させるための設定を行う。一方、ステップS602で、回答が正解であると判定した場合には、ステップS604へ進んで、今回のゲームを含めてそれまでのゲーム(クイズ)の経過情報(ゲーム回数)をRAMに記憶する。それから、それまでのゲーム(クイズ)が全て成功しているか判定する(ステップS605)。
ステップS605で、全て成功ではない(No)と判定した場合には、ステップS606へ移行して、今回の変動表示ゲームの結果は「大当り」であるか否かを遊技制御装置から受信したコマンド等に基づいて判定する。ここで、大当りでない(No)と判定した場合には、ステップS607へ進んで、今回のクイズの回答が「正解」であることを表示させるための設定を行う。一方、ステップS605でそれまでのゲーム(クイズ)が全て成功(Yes)と判定した場合およびステップS606で今回の変動表示ゲームの結果は「大当り」である(Yes)と判定した場合には、ステップS608へ進んで、クイズの回答が「全正解」であることを表示させるための設定を行う。すなわち、ゲーム結果が「大当り」である場合には、全て正解していなくても特別に全正解したのと同じ扱いにする。
その後、図34のステップS497でオン設定した情報獲得ゲームフラグをクリア(ステップS609)してから、ステップS604で記憶したゲーム(クイズ)の経過情報(ゲーム回数)をクリア(ステップS610)して当該情報獲得ゲーム処理を終了する。なお、ステップS602で回答が不正解である(No)と判定して移行したステップS603で回答が「不正解」であることを表示させるための設定を行なった場合も、ステップS609で情報獲得ゲームフラグをクリアしてから、ゲーム(クイズ)の経過情報(ゲーム回数)をクリア(ステップS610)して当該情報獲得ゲーム処理を終了する。
次に、第2の実施形態の変形例を、図38〜図43を用いて説明する。
この変形例は、情報獲得ゲームの内容を変え、図38<b>、図39<d>、図40<f>のように、質問の回答に関するヒントを文章で表示するとともに、全正解した場合に遊技者に与える情報として、特図表示器51,52に表示される図柄の意味を報知するようにしたものである。図38〜図41に示されている情報獲得ゲーム(クイズ)では、特に限定されるものでないが、分割表示領域A2−A3−A1−A1の順序で選択された場合に全正解となる場合が示されており、変動表示ゲームの停止前にそれぞれ正解か不正解かの表示が行われる。
そして、全正解した場合には、例えば図41<h>のように確変図柄の種類を報知するようにしている。図30〜図32に示す情報獲得ゲームでは、表示される画像の中にヒントがあるため、ヒントを有する画像データを作成してROM323(図4参照)に記憶しておく必要があり、ROMの記憶容量が増大するという不具合がある。これに対し、本変形例では、ヒントを文章で表示するようにしているため、ROM323の記憶容量を節約することができるという利点がある。
なお、図41<h>には、全正解した場合に遊技者に与える情報として確変図柄の種類を報知する場合を示したが、遊技者の関心の高い特図の図柄種類としては、上記確変図柄の他に、例えば図42に示すような図柄種類が考えられる。近年の遊技機には、大当りとして大入賞口の開放回数に相当するラウンド数の異なる大当りが用意され、大当り遊技中にラウンド数の少ない大当りからラウンド数の多い大当りへ昇格させるような制御が行われるものがある。そのような遊技機においては、遊技者は、ラウンド数が昇格するか否か前もって知りたいという欲求が生じるので、情報獲得ゲーム(クイズ)の結果で上記のような図柄情報を表示させることで、ゲームへの参加意欲を高め遊技の興趣を向上させることができる。また、なお、情報獲得ゲームにおいては、ゲームの進行度合を示すメータのようなものを表示領域の一部に表示するようにしても良い。
図43には、上記変形例における情報獲得ゲームの開始設定処理の制御手順を示す。なお、この制御フローは、図34のマルチモード表示設定処理の制御フローに代えて、あるいは追加して実行されるものである。図34の制御フローと図43の制御フローとの違いは、図43の制御フローには、図34の制御フローの最初に行う確率曖昧状態か否かの判定処理がない点と、図43の制御フローでは、図34の制御フローにおけるステップS496の順序に対応した画像を各分割表示領域A1〜A4に設定する処理の後に、ヒントを表示するための設定(ステップS496a)を設けた点にある。
具体的には、この変形例の情報獲得ゲーム開始設定処理(図43)では、先ず情報獲得ゲーム中であるか否かを示す情報獲得ゲームフラグがオンになっているか否か判定する(ステップS492)。そして、この判定でフラグがオンになっている(Yes)と判定すると、当該情報獲得ゲーム開始処理から抜ける。一方、ステップS492で情報獲得ゲームフラグがオンになっていない(No)と判定すると、情報獲得ゲームを開始するか否か決定するための抽選を行う(ステップS493)。次に、上記抽選結果に基づき情報獲得ゲームを開始するか否かの判定(ステップS494)を行い、開始しない(No)と判定すると当該情報獲得ゲーム開始処理から抜ける。また、ステップS494で、情報獲得ゲームを開始する(Yes)と判定すると、次のステップS495で今回の問題に対する正解順序(例えばA2−A3−A1−A1)を設定してから、順序に対応した画像を各分割表示領域A1〜A4に設定する(ステップS496)。その後、ヒントを表示するための設定(ステップS496a)を行った後に、情報獲得ゲームフラグをオンに設定(ステップS497)して当該情報獲得ゲーム開始処理を終了する。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、始動記憶の先読みを行なって、始動記憶の中に「大当り」となるものが含まれている場合に前述したような分割表示領域によるマルチモードの変動表示ゲームを行う際に、図44(A)に示すように、同一の画像を4つの分割表示領域の全てに表示して、遊技者がどの領域を選択したとしても、正解として図44(B)に示すような「大当り」の情報を報知するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、情報獲得ゲームして質問形式のゲームを表示するようにしたものを説明したが、各分割表示領域ごとに演出ボタンを操作する回数を異ならせる指令型のゲームを行うようにしても良い。さらに、カーソルの表示に合わせてスピーカより音あるいはメロディを出力させ、カーソルの位置に応じて音色あるいはメロディを変えるように制御しても良い。
さらに、前記実施形態では、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて実行される一回の変動表示ゲームの実行期間中に、表示領域を4つに分割してそれぞれの領域で独立した変動表示ゲーム(停止図柄や停止タイミングは異なってもよいが結果は同一)を実行するようにしているが、分割数は4つに限定されず、任意の数とすることができる。また、例えば始動記憶(保留数)が4個以上ある場合に、4つの始動記憶を同時に消化して4つの分割表示領域で異なる始動記憶に基づく変動表示ゲームをそれぞれ実行するように構成することも可能である。そして、その場合には、各分割表示領域の変動表示ゲームの結果として異なる結果を導出させるようにすることができる。
さらに、前記実施形態では、特図1の変動表示ゲームと特図2の変動表示ゲームの2種類の変動表示ゲームを実行可能な遊技機を説明したが、1種類の変動表示ゲームを実行可能に構成しても良い。また、上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明は、パチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。