以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプおよびモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤前面の遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置(図2参照)における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)が行われる。すなわち、表示装置41が変動表示ゲームを表示する表示装置をなす。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37bを備え内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置37(普電)が配設されている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、上記表示装置41での変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態(入賞不可能状態)と受け入れ易い状態(入賞可能状態)とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。また、遊技領域32の外側、遊技盤30の上部には上記表示装置41における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応した変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図5(A)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51および第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りや時短状態などの遊技状態を表示する遊技状態表示器、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などを設けてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中すなわち表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、特図1表示器51では例えば「3」または「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示し、特図2表示器52では「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、4つのランプを備え、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口(36)への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つのランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは3つのランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプをすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる始動入賞口2(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。普図保留表示器56は、2つのランプからなり、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときは2つのランプを消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球および普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞もしくはその記憶に基づいて、特図表示器51または52で特図変動表示ゲームを行うとともに、表示装置41にて演出表示としての飾り特図変動表示ゲームを行う。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特別図柄入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体すなわち主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤および遊技制御装置は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400もしくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPUの作業領域を提供するワークエリアとして利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、大当りを発生するか否かを判定するのに使用する大当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理すなわちロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61および振動センサスイッチ62からの信号および上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63および前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号および払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)および演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号もしくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130すなわち主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば前記枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータおよびソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、遊技制御装置100による遊技制御処理について説明する。この遊技制御処理は、遊技を統括的に制御するメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われるタイマ割込処理とからなる。図5は、メイン処理を説明するためのフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御装置100のCPU111Aが、起動直後に、ROM111Bに記憶されているメイン処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図5に示すように、メイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理として、電源投入時の初期化処理を行い(ステップS1)、停電復旧処理を行う(ステップS2)。次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、割込みタイマを起動する処理を行って、CTC(カウンタ・タイマ・サーキット)を起動する(ステップS3)。次に、割込みを禁止する処理を行い(ステップS4)、当り判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(ステップS5)。その後、割込みを許可する処理を行う(ステップS6)。
そして、RAM111Cの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定を行う(ステップS7)。停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。ステップS7において、停電が発生していないと判定した場合は、ステップS4に移行し、ステップS4〜S7の処理を繰り返す。一方、ステップS7において、停電が発生したと判定した場合は、停電発生時の処理を行う(ステップS8)。停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理では、まず、割込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM111Cの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM111Cへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM111Cに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
図6は、タイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込処理は、メイン処理のステップS6において割込み許可がなされたときに実行される。図6に示すように、ステップS11では、タイマ割込要求が発生したとき(割込許可がなされたとき)に、レジスタに格納されているデータをRAM111Cに待避する。ステップS12では、各種センサからの検出信号を入力する。なお、各種センサとは、始動入賞口36内に設けられている始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置(普電)37内に設けられている始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内に設けられているゲートスイッチ34a、一般入賞口35内に設けられている一般入賞口スイッチ35a−35n、特別変動入賞装置38内に設けられているカウントスイッチ38aなどである。また、各種処理でセットされた出力データをソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)や特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53等に出力する。
ステップS13では、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300等に出力する(コマンド送信処理)。ステップS14では、特図当り判定用乱数、図柄決定用乱数、普図当り判定用乱数を更新する(乱数更新処理1)。ステップS15では、乱数の時間的な規則性を崩すために乱数の初期値を更新する(初期値乱数更新処理)。
ステップS16では、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数を更新する(乱数更新処理2)。ステップS17では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a−35n、カウントスイッチ38a等から検出信号の入力があるか否かを監視する(入賞口SW監視処理)。ステップS18では、各入賞口に対応して設けられたセンサ、球切れセンサ、払出球検出センサ、オーバーフローセンサ、枠開放検出センサ(何れも図示略)等からの検出信号に基づいて、異常状態が発生していないかを監視する(エラー監視処理)。
ステップS19では、特図変動表示ゲームに関する処理を行う(特図ゲーム処理)。この特図ゲーム処理についての詳細は後述する。ステップS20では、普図変動表示ゲームに関する処理を行う(普図ゲーム処理)。この普図ゲーム処理において普図当り抽選が実行される。ステップS13において演出制御装置300等に送信される演出制御コマンドは、主としてステップS19の特図ゲーム処理又はステップS20の普図ゲーム処理により生成される。ステップS21では、遊技に関する各種情報を表示する表示器(セグメントLED、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56など)の表示に関する処理を行う(セグメントLED編集処理)。
ステップS22では、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う(外部情報編集処理)。ステップS23では、タイマ割込処理が終了したことを宣言する処理を行う。ステップS24では、ステップS11でRAM111Cに待避しておいたレジスタのデータを復帰する処理を行う。ステップS25では、タイマ割込処理が完了し、割込要求を受け付け可能な状態となったことを設定する処理を行う。
図7は、特図ゲーム処理(図6のステップS19)の一例について示すフローチャートである。図7のステップS101では、図6のステップS17(入賞口SW監視処理)における監視結果(検出信号の有無)に基づいて、始動入賞口36への入賞(特図1始動入賞)があるか否かを判定する。そして、始動入賞口36への入賞があると判定した場合はステップS102に移行し、始動入賞口36への入賞がないと判定した場合はステップS107に移行する。ステップS102では、現在の特図1始動記憶数(保留数)を取得する。ステップS103では、特図1始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図1始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特図1始動記憶の上限数を超えている場合(保留4)はステップS107に移行し、特図1始動記憶数が4以上でない(保留0〜3)と判定した場合はステップS104に移行する。ステップS104では、特図1始動記憶数を1加算して更新する。
ステップS105では、更新した特図1始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図1始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当り判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。ステップS106では、更新された保留数を示す保留数コマンドなどを、特図1始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図6のステップS13で演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では、この演出制御コマンドに基づき飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ステップS107では、図6のステップS17における監視結果に基づいて、普通変動入賞装置37への入賞(特図2始動入賞)があるか否かを判定する。そして、普通変動入賞装置37への入賞があると判定した場合はステップS108に移行し、普通変動入賞装置37への入賞がないと判定した場合はステップS113に移行する。ステップS108では、現在の特図2始動記憶数を取得する。ステップS109では、特図2始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図2始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特図2始動記憶の上限数を超えている場合はステップS113に移行し、特図2始動記憶数が4以上でないと判定した場合はステップS110に移行する。ステップS110では、特図2始動記憶数を1加算して更新する。
ステップS111では、更新した特図2始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図2始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当り判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。ステップS112では、更新された保留数を示す保留数コマンドなどを、特図2始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図6のステップS13で演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では、この演出制御コマンドに基づき飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ステップS113では、特図ゲーム処理番号を取得する。ステップS114では、ステップS113で取得した特図ゲーム処理番号に基づき特図ゲーム分岐処理を行う。この特図ゲーム分岐処理の詳細については後述する。ステップS115では、後述する特図タイマの更新等を行うための特図変動制御処理を実行する。そして、特図ゲーム処理を終了する。
以上のことから、遊技制御装置100が、遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞したこと(始動情報)を検出する(始動情報)検出手段をなす。また、遊技制御装置100が、検出手段(遊技制御装置100)による遊技球の検出に基づき、抽選手段(遊技制御装置100)による抽選を行う(始動情報)権利を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶手段をなす。また、演出制御装置300が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段をなす。
図8は、特図ゲーム分岐処理(図7のステップS114)の一例を示すフローチャートである。この特図ゲーム分岐処理は、始動記憶(始動権利)に基づく特図変動表示ゲームの実行を制御するための処理であり、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの両方に共通の処理である。
ステップS121では、特図ゲーム処理番号が“0”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“0”であると判定した場合はステップS122に移行し、特図ゲーム処理番号が“0”でないと判定した場合はステップS123に移行する。ステップS122では、特図当り抽選などを行うための特図普段処理を実行する。遊技機10では、特図2始動権利に基づく変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が特図1始動権利に基づく変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に優先して実行されるようになっている。すなわち、特図普段処理では、まず特図2始動記憶があるか否かを判定し、特図2始動記憶があると判定した場合に、この特図2始動記憶に係る特図当り判定用乱数により特図2当り抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“1”に変更して、元の処理(図7のステップS115)に復帰する。また、特図2始動記憶がない場合は特図1始動記憶があるか否かを判定し、特図1始動記憶があると判定した場合に、この特図1始動記憶に係る特図当り判定用乱数により特図1当り抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“2”に変更して、元の処理に復帰する。なお、特図1始動記憶又は特図2始動記憶がない場合は、演出制御装置300に表示装置41における客待ちデモ画像の表示制御を指示する客待ちデモコマンドを設定して、特図ゲーム処理番号は“0”のまま元の処理に復帰する。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行されることはなく、特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームに優先して実行されるようになっている。つまり、特図1始動記憶と特図2始動記憶の両方がある場合に、特図変動表示ゲームの実行が可能になると、特図2変動表示ゲームが実行されるようになっている。
ステップS123では、特図ゲーム処理番号が“1”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“1”であると判定した場合はステップS124に移行し、特図ゲーム処理番号が“1”でないと判定した場合はステップS125に移行する。ステップS124では、特図2変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図2変動開始処理を実行する。
この特図2変動開始処理では、例えば、図7のステップS111で記憶した特図当り判定用乱数の判定結果(特図2当り抽選の結果)が大当りの場合に、図7のステップS111で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄(大当り種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図7のステップS111で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。
また、図7のステップS111で記憶した特図当り判定用乱数の判定結果が大当りでなかった場合には、小当りであるか否かを判定(小当り値と一致するかを判定)し、小当りの場合(一致する場合)には、小当りの場合の変動パターンを設定する。なお、始動入賞時に特図当り判定用乱数とは別に小当り判定用乱数を取得し、この小当り判定用乱数により小当りであるか否かを判定するようにしても良い。
大当り図柄や変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
ステップS125では、特図ゲーム処理番号が“2”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“2”であると判定した場合はステップS126に移行し、特図ゲーム処理番号が“2”でないと判定した場合はステップS127に移行する。ステップS126では、特図1変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図1変動開始処理を実行する。この特図1変動開始処理では、例えば、特図1当り抽選の結果が大当りの場合に、図7のステップS105で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄(大当り種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図7のステップS105で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。
また、図7のステップS111で記憶した特図当り判定用乱数の判定結果が大当りでなかった場合には、小当りであるか否かを判定(小当り値と一致するかを判定)し、小当りの場合(一致する場合)には小当りの場合の変動パターンを設定する。なお、始動入賞時に特図当り判定用乱数とは別に小当り判定用乱数を取得し、この小当り判定用乱数により小当りであるか否かを判定するようにしても良い。また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで小当りの確率が異なるようにしても良い。
大当り図柄や変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
ステップS127では、特図ゲーム処理番号が“3”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“3”であると判定した場合はステップS128に移行し、特図ゲーム処理番号が“3”でないと判定した場合はステップS129に移行する。ステップS128では、特図変動表示ゲームの変動時間を監視するための特図変動中処理を実行する。特図タイマ(変動時間)が0になると、特図変動表示ゲームの結果を停止表示させる時間(停止図柄表示時間)を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“4”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(変動時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“3”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS129では、特図ゲーム処理番号が“4”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“4”であると判定した場合はステップS130に移行し、特図ゲーム処理番号が“4”でないと判定した場合はステップS131に移行する。ステップS130では、図柄停止後の変動表示ゲームの制御などを行う特図表示中処理を実行する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になると、特図当り抽選結果が大当り又は小当りであるかを判定する。特図当り抽選結果が大当り又は小当りであると判定した場合には、大当り又は小当りが開始されることを演出で報知する時間(大当り/小当り開始時間)を特図タイマにセットし、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(大当り/小当り開始コマンド)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“5”に変更して、元の処理に復帰する。一方、特図当り抽選結果がハズレであると判定した場合には、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“4”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS131では、特図ゲーム処理番号が“5”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“5”であると判定した場合はステップS132に移行し、特図ゲーム処理番号が“5”でないと判定した場合はステップS133に移行する。ステップS132では、大当り又は小当り発生時の初期化などを行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する。特図タイマ(大当り/小当り開始時間)が0になると、大当り又は小当りの種類に応じて規定ラウンド数(例えば、15R又は2R)をセットする。また、一のラウンドにおいて特別変動入賞装置38入賞可能状態とすることが可能な最大時間である開放可能時間(例えば、20秒又は1秒)を開放時間タイマにセットにセットする。また、ラウンド数及び大入賞口の入賞カウンタを初期化し、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(大当り/小当り開始時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“5”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS133では、特図ゲーム処理番号が“6”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“6”であると判定した場合はステップS134に移行し、特図ゲーム処理番号が“6”でないと判定した場合はステップS135に移行する。ステップS134では、特別変動入賞装置38を開放するための大入賞口開放中処理を実行する。大入賞口の入賞カウンタが9以上となるか、特図タイマ(開放可能時間)が0になると、大入賞口閉鎖時間を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“7”に変更して、元の処理に復帰する。大入賞口の入賞カウンタが9以上又は特図タイマ(開放可能時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“6”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS135では、特図ゲーム処理番号が“7”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“7”であると判定した場合はステップS136に移行し、特図ゲーム処理番号が“7”でないと判定した場合はステップS137に移行する。ステップS136では、ラウンドの終了により特別変動入賞装置38を閉鎖した後に、特別変動入賞装置38内に残存するすべての遊技球を流下させるために一定時間待機する大入賞口残存球処理を実行する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になると、ラウンド数が規定ラウンド数に達しているか判定する。規定ラウンド数に達している場合は、大当り又は小当りが終了したことを演出で報知する時間(大当り終了時間)を特図タイマにセットするとともに、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(大当り終了コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“8”に変更して元の処理に復帰する。一方、規定ラウンド数に達していない場合は、一のラウンドにおいて特別変動入賞装置38入賞可能状態とすることが可能な最大時間である開放可能時間(例えば、20秒又は1秒)を開放時間タイマにセットにセットする。そして、ラウンド数を1加算して更新するとともに、大入賞口の入賞カウンタを0に初期化し、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して元の処理に復帰する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“7”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS137では、特図ゲーム処理番号が“8”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“8”であると判定した場合はステップS138に移行し、特図ゲーム処理番号が“8”でないと判定した場合はそのまま元の処理に復帰する。ステップS138では、大当り又は小当り終了後の確率状態などを大当り又は小当りの種類に応じて変更するための大当り終了処理を実行する。特図タイマ(大当り終了時間)が0になると、大当り抽選結果又は小当り抽選結果に応じて確率状態を設定するとともに、次の特図変動表示ゲーム以降で参照する変動パターン決定用テーブルを設定する処理を行い、演出制御装置300に送信する演出制御コマンド(確率状態コマンド、移行先モードコマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図ゲーム分岐処理は、以上のようにして実行される。
上述したように、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理(図6のステップS19)において、始動入賞に基づいて変動表示ゲームの特図当り判定用乱数を抽出し、始動記憶に対応付けて記憶する。また、特図当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている大当り判定値又は小当り判定値を比較し、大当り又は小当りの当否を判定する(特図当り抽選)。そして、特図始動記憶に係る始動権利に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52において特図変動表示ゲームを実行する。特図当り抽選結果が大当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様を表示させるとともに特別遊技状態を発生させる。特図当り抽選結果が小当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に小当り結果態様を表示させるとともに特別遊技状態を発生させる。一方、特図変動表示ゲームの結果がハズレの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にハズレの結果態様を表示させる。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
そして、特図変動表示ゲームで条件装置の作動を伴う特別結果態様が導出される確率の状態である確率状態には、通常確率状態(第1確率状態)と、高確率状態(第2確率状態)の二つの確率状態があり、遊技制御装置100では何れか一つの確率状態を設定するようになっている。高確率状態は、特図変動表示ゲームでの大当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。例えば、通常確率状態では大当り結果となる確率が1/316であり、高確率状態では大当り結果となる確率が通常確率状態の10倍の1/31.6である。通常確率状態では特定値として所定数の第1判定値が設定され、この特定値(第1判定値)と大当り乱数とを比較し、一致する場合に大当りと判定するようになっている。また、高確率状態では特定値として第1判定値及び第1判定値とは別の第2判定値が設定され、この特定値(第1判定値、第2判定値)と大当り乱数とを比較し、一致する場合に大当りと判定するようになっている。なお、特図変動表示ゲームで条件装置の作動を伴わない特別結果である小当りが導出される確率は常に1/200である。
特図変動表示ゲームで所定の特別結果が導出された場合に、特別遊技状態の終了後、10回の特図変動表示ゲームを実行するまでは確率状態が高確率状態とされる(いわゆる回数切り)。また、高確率状態である場合に特図変動表示ゲームで所定の特別結果が導出された場合には、確率状態に拘らず、一旦通常確率状態となる。そして、特別遊技状態の終了後に再び高確率状態となる。
すなわち、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が条件装置の作動を伴う特別結果となることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う特別結果となる当選確率を第1当選確率(通常確率値)と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率(高確率値)との何れかに設定する確率変更制御手段をなす。
特別遊技状態では、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38を開放させて遊技球の流入を可能とする。そして、特別変動入賞装置38に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、特別変動入賞装置38の開放時間が開放可能時間(例えば、20秒又は1秒)に達するかの何れかの条件が達成されるまでを1ラウンド(ラウンド遊技)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15Rまたは2R)継続する制御を行う(サイクル遊技)。なお、特別遊技状態における開放可能時間やラウンド数は、例えば、特図変動表示ゲームの結果態様(当選した大当りの種類)に基づいて決定される。
ここで、条件装置の作動を伴う特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とすることである。
条件装置の作動を伴う特別結果態様の種類には、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドである15R当り(図柄)、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドである2R当り(図柄)の二種類が設定されている。
15R当りに基づく特別遊技状態(第1の特別遊技状態)では、各ラウンドでの特別変動入賞装置38の開放可能時間を第1開放時間(20秒)とする。また2R当りに基づく特別遊技状態(第2の特別遊技状態)では、各ラウンドでの特別変動入賞装置38の開放可能時間を第1開放時間よりも短い第2開放時間(1秒)とする。ここで、2R当りに基づく特別遊技状態では、大入賞口を1秒開放する動作を1秒のウエイト時間(閉鎖時間)を挟んで2回行うようになっている。このため大入賞口に遊技球が入賞することは非常に困難であるが、僅かに大入賞口に入賞する可能性はあり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な状態である。また、このように遊技球の入賞は困難であるが、他の特別結果態様に基づく特別遊技状態の場合と同様に大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの監視も行われる。
すなわち、15R当りが所定期間実行される第1の特別遊技状態を発生させるものであり、2R当りが第1の特別遊技状態よりも実行期間が短く設定された第2の特別遊技状態を実行するものである。なお、特別遊技状態は、第1の特別遊技状態と該第1の特別遊技状態よりも小さい利益を付与可能な第2の特別遊技状態との何れか一方が(大当り図柄乱数値に基づき)選択されるとも言える。なお、小さい利益を付与するとは、特別遊技状態で開放される特別変動入賞装置38において開放時間が短いことや開放回数が少ないことの他、遊技球の入賞上限数が少ないことや入賞時の賞球が少ないことなどであっても良い。
また、条件装置の作動を伴わない小当りに基づく特別遊技状態は、2R当りに基づく特別遊技状態と同様であって、各ラウンドでの特別変動入賞装置38の開放可能時間を第1開放時間よりも短い第2開放時間(1秒)とする。ただし、このとき条件装置は作動していない。小当り発生時の挙動は、厳密には2R当り発生時の挙動と同一でなくてもよく、類似の挙動であっても構わない。大当り当選時とは異なり、小当り当選時には遊技状態の移行は一切行われない。
また、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理(図6のステップS20)において、普図始動ゲート34を遊技球が通過することに基づいて普図当り判定用乱数を抽出して普通始動情報(始動権利)として記憶する。すなわち普図始動ゲート34が、普通始動情報を検出する普通始動情報検出手段をなす。そして、普図始動記憶に係る始動権利に基づいて、普図当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている普図当り判定値を比較し、普図当りの当否を判定する(普図当り抽選)し、普図表示器53において普図変動表示ゲームを実行する。すなわち、遊技制御装置100が、普通始動情報検出手段(普図始動ゲート34)による普通始動情報の検出に基づいて普通変動表示ゲームを行う普通変動表示ゲーム実行手段をなす。普図当り抽選結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示させるとともに、普電ソレノイド37cにより可動部材37b,37b(普通電動役物)を所定時間開放し、普通変動入賞装置37への遊技球の流入を可能とする。一方、普図当り抽選結果がハズレの場合は、普図表示器53にハズレの結果態様を表示させる。すなわち、遊技制御装置100が、普通変動表示ゲームの結果が特定結果になることに基づき普通変動入賞装置37を所定期間開状態に変換する普通変動入賞装置制御手段をなす。
普通変動入賞装置37の動作状態には、通常動作状態(第1動作状態)と、時短動作状態(第2動作状態)の二つの動作状態があり、遊技制御装置100では何れかの動作状態を設定するようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、普通変動入賞装置37の動作状態を設定する動作状態設定手段をなす。通常動作状態は、普図変動表示ゲームの変動表示時間が第1の変動表示時間(例えば30秒)とされる。また、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合の開放態様は、開放時間が第1開放時間(例えば0.3秒)とされ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第1開放回数(例えば1回)とされる。
時短動作状態は、普通変動入賞装置37の動作状態が、通常動作状態に比べて開放状態となりやすい状態である。この時短動作状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における長い実行時間である第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される(普図時短状態)。また、時短動作状態における、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合の開放態様は、開放時間が第2開放時間(例えば1.5秒)とされ(開放期間延長状態)、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば3回)とされる(開放パターン変更状態)。
本実施形態の遊技機では、普図変動表示ゲームが当りとなる確率は常に255/256となっているが、通常動作状態ではこの確率よりも低くし、時短動作状態でのみこの確率となるように制御(普図確率変動状態)してもよい。すなわち、時短動作状態は通常動作状態よりも普通変動入賞装置37の開放回数が増加され、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる入賞容易化状態である。また、普通電動役物としての普通変動入賞装置37に遊技球が入賞しやすくした電動役物サポート状態(電サポ状態)であるとも言える。
上述した特図ゲーム処理及び普図ゲーム処理では、特図変動表示ゲーム又は普図変動表示ゲームに応じて演出装置(例えば、表示装置41等)を制御するための演出制御コマンドが生成され、演出制御装置300に出力される。演出制御装置300は、遊技制御装置100からの演出制御コマンドに基づいて、例えば、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示させたり、始動記憶数に対応する飾り特図始動記憶を表示させたりする処理を行う。また、スピーカ19a,19bからの音の出力、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45を制御する処理等を行う。さらに、演出制御装置300は、確率状態コマンドや移行先モードコマンドに基づいて、現在の確率状態(当選確率の状態)を明確に又は不明瞭に報知するステージ・モード演出を制御する。
以上のことから、遊技制御装置100が、遊技球が流下する遊技領域32に設けられた始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞したことを条件に、当りであるか否かの抽選を実行する抽選手段をなす。また、検出手段(遊技制御装置100)により遊技球の入賞を検出したことを条件に、当りであるか否かの抽選を実行する抽選手段をなすとも言える。また、始動入賞により発生する始動権利に基づいて、条件装置の作動を伴う大当り又は条件装置の作動を伴わない小当りに当選したか否かを判定する抽選手段をなすとも言える。
また、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)による抽選結果に基づいて表示装置(表示装置41)において複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後、結果態様を表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を行う変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、抽選結果に対応する変動表示ゲームを実行させるための変動パターン(変動時間)を設定する変動パターン設定手段をなす。また、遊技制御装置100、演出制御装置300、表示装置41等が、設定された変動パターンに従って特図変動表示ゲームを実行する変動表示手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶に係る変動パターンによる特図変動表示ゲームの実行を順次指示する変動表示指示手段をなす。ここで、始動記憶に係る変動パターンとは、始動記憶に対応付けて記憶されている変動パターン決定用乱数に基づいて決定された変動パターンのことである。
また、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が当りである場合に、図柄制御手段(遊技制御装置100)により図柄を変動表示させた後に予め定められた当り図柄を停止表示させ、遊技領域32に設けられた特別電動役物(特別変動入賞装置38)を遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段をなす。また、抽選結果が大当り又は小当りとなる場合に、特別変動入賞装置38を所定の態様で開放することにより遊技者に利益(賞球など)を付与する利益付与手段をなすとも言える。また、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)による変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様になることに基づき遊技者にとって有利な特別遊技状態を実行する特別遊技実行手段をなすとも言える。また、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が当りである場合に、ラウンド遊技の実行回数を予め定められた複数通りの実行回数のうちから(図柄決定用乱数に基づき)選択するラウンド遊技実行回数選択手段をなす。
図9は、当り終了後に移行する遊技状態について示す説明図である。なお、図9では、確率状態が通常確率状態であり普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態である遊技状態である通常状態Gにおいて特図当たり抽選に当選した場合について示しているが、遊技状態DからFにおいて特図当り抽選に当選した場合もほぼ同様である。大当りに当選することを契機とする遊技状態の移行は、遊技制御装置100により制御される。具体的には、特図ゲーム処理(図6のステップS19)内で行われる。
通常状態Gにおいて2R当りに当選すると、2R当り状態Bとなり特別変動入賞装置38が1秒×2R開放される。そして、大当り終了後に高確率状態(電サポ有り)D又は高確率状態(電サポ無し)Eに移行する。高確率状態(電サポ有り)Dは、確率状態が高確率状態であり普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である遊技状態であり、高確率状態(電サポ無し)Eは、確率状態が高確率状態であり普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態である遊技状態である。なお、高確率状態(電サポ有り)D及び高確率状態(電サポ無し)Eで10回の特図変動表示ゲームを実行すると、通常状態Gに移行する。
また、通常状態Gにおいて15R当りに当選すると、15R当り状態Cとなり特別変動入賞装置38が20秒×15R開放される。そして、大当り終了後に高確率状態(電サポ有り)D、高確率状態(電サポ無し)E、通常確率状態(電サポ有り)Fの何れかに移行する。通常確率状態(電サポ有り)Fは、確率状態が通常確率状態であり普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である遊技状態である。なお、通常確率状態(電サポ有り)Fで10回の特図変動表示ゲームを実行すると、通常状態Gに移行する。
また、通常状態Gにおいて小当りに当選すると、小当り状態Aが発生し、2R当たり状態Bと同様に特別変動入賞装置38が1秒×2R開放される。そして、小当りに基づく特別遊技の終了後に通常状態Gに戻る。なお、通常状態Gとは異なる遊技状態DからFのいずれかにおいて小当り抽選に当選した場合は、小当りに基づく特別遊技の終了後には元の遊技状態に戻ることとなる。つまり、例えば高確率状態(電サポ有り)Dにおいて小当り抽選に当選した場合は、小当り終了後も高確率状態(電サポ有り)Dは継続される。
ここで、高確率状態(電サポ有り)Dと通常確率状態(電サポ有り)Fは、何れの状態であるかを明確に報知せず、例えば、表示装置41における背景表示を同じとし、遊技者が何れの状態であるかを判別することを困難としている。また、高確率状態(電サポ無し)Eと、小当りに基づく特別遊技の終了後10回の特図変動表示ゲームを実行するまでの通常状態Gは、何れの状態であるかを明確に報知せず、例えば、表示装置41における背景表示を同じとし、遊技者が何れの状態であるかを判別することを困難としている。すなわち、高確率状態(電サポ有り)D、高確率状態(電サポ無し)E、通常確率状態(電サポ有り)F、小当りに基づく特別遊技の終了後10回の特図変動表示ゲームを実行するまでの通常状態Gとなる期間は、高確率状態の可能性が高い期間であり、この期間では、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態としている。これにより、遊技者に高確率状態であることに対する期待感をもたせ、遊技の興趣を向上するようにしている。
すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態(小当り後所定期間を除く通常状態G)と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態(小当り後所定期間の通常状態G、高確率状態(電サポ有り)D、高確率状態(電サポ無し)E、通常確率状態(電サポ有り)F)と、の何れかを設定する報知状態設定手段をなす。
また、高確率状態(電サポ有り)D、高確率状態(電サポ無し)E、通常確率状態(電サポ有り)F、小当りに基づく特別遊技の終了後10回の特図変動表示ゲームを実行するまでの通常状態Gでは、所定実行回数の特図変動表示ゲームを実行するまでの期間が特殊遊技状態とされる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、所定実行回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を特殊遊技状態とする特殊遊技状態制御手段をなす。
この特殊遊技状態は、当該特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの実行回数を遊技者が認識しにくい状態とし、遊技者に特殊遊技状態が一回の特図変動表示ゲームのように見せるものである。これにより、高確率状態の可能性が高い特図変動表示ゲームの実行回数が一定の特定上限数(10回)であっても、特殊遊技状態での特図変動表示ゲームの実行回数を変化させることで、特殊遊技状態の終了後に高確率状態の可能性が高い特図変動表示ゲームの実行回数を変化させることができる。よって、高確率状態の可能性が高い特図変動表示ゲームの実行回数が複数種類あるように思わせることができ、高確率状態の可能性が高い期間に対する興趣を高めることができる。
特殊遊技状態とする期間の長さは、当該特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの実行回数にかかわりなく同一又は略同一の時間(約10秒)とされる。また、特殊遊技状態では、表示装置において特殊遊技状態の開始から終了に亘り、連続した物語調の特殊演出が実行される。連続した物語調の特殊演出とは、例えば、特殊演出の最初から最後まで一貫した筋書きに沿って展開される内容の映像、画像又はアニメーションである。なお、特殊演出は、遊技制御装置100が演出制御装置300に対して送信した特殊遊技状態になる旨の情報に基づき演出制御装置300が制御するようになっている。すなわち演出制御装置300が、特殊遊技状態の開始から終了に亘り、連続した物語調の特殊演出を実行する特殊演出実行手段をなす。
これにより、特殊遊技状態毎に実行される特図変動表示ゲームの実行回数が異なっても、各特殊遊技状態で同様の一回の特図変動表示ゲームが実行されたかのように見せることが可能となる。また、特殊遊技状態は同一又は略同一の時間であるので、当該特殊遊技状態で実行される物語調の特殊演出として同一又は略同一の時間の映像を用意しておけば良く、記憶領域を削減できるとともに制御の負担を軽減することができる。
さらに特殊遊技状態では、表示装置41に表示される特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)が、特殊遊技状態でない場合の特図変動表示ゲームよりも遊技者が認識しにくい態様で実行されるようになっている。
特殊遊技状態でない場合は、図10(b)に示すように、複数の変動表示領域150の各々で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、複数の変動表示領域150の各々で停止した識別情報の組み合わせにより結果態様を表示する特図変動表示ゲームを行う。これに対して特殊遊技状態である場合は、図10(a)に示すように、一の変動表示領域150で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、一の変動表示領域150の停止した識別情報により結果態様を表示する特図変動表示ゲームを行う。すなわち、複数の変動表示領域150の各々で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、複数の変動表示領域150の各々で停止した識別情報の組み合わせにより結果態様を表示する変動表示ゲームを行わない。
なお、図10(a)に示す例では、単純な図形における色彩や模様が異なる複数の識別情報を用いており、識別情報を数字等の文字情報やキャラクタなどで表示する場合よりも遊技者が識別しにくくなるようにしている。また、特殊遊技状態である場合の表示装置41における特図変動表示ゲームの表示領域の大きさは、特殊遊技状態でない場合における特図変動表示ゲームの表示領域よりも小さくされており、これによっても遊技者が識別しにくくなる。この識別情報にも、当りに対応した識別情報(ここでは白丸)と、はずれに対応した識別情報(ここでは斜線の丸)が設定されており、これらを交互に又はランダムに所定の変動時間に亘り変動表示した後、何れかの識別情報を停止表示して結果を報知する特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を実行する。
これにより、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの実行回数を遊技者が認識しにくい状態となり、特殊遊技状態毎に実行される特図変動表示ゲームの実行回数が異なっても、各特殊遊技状態で同様の一回の特図変動表示ゲームが実行されたかのように見せることが可能となる。
以上のことから、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、特殊遊技状態では、複数の変動表示領域150の各々で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、複数の変動表示領域150の各々で停止した識別情報の組み合わせにより前記結果態様を表示する変動表示ゲームを行わず、特殊遊技状態以外では、複数の変動表示領域150の各々で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、複数の変動表示領域150の各々で停止した識別情報の組み合わせにより結果態様を表示する変動表示ゲームを行うようにしたこととなる。
特殊遊技状態の終了後には、高確率状態である可能性が高い状態で実行される特図変動表示ゲームの残り回数が報知される。なお、残り回数は、高確率状態の可能性が高い状態で実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数である特定上限数(10回)から、特殊遊技状態で実行した特図変動表示ゲームの実行回数を引いた値である。なお、残り回数の報知は、遊技制御装置100が演出制御装置300に対して送信した情報に基づき演出制御装置300が制御するようになっている。すなわち演出制御装置300が、高確率値が設定される変動表示ゲームの残り実行回数を報知する報知手段をなす。
例えば、特殊遊技状態で1回の特図変動表示ゲームが実行された場合は、図11(a)に示すように、「残り9回」と報知される。また、特殊遊技状態で4回の特図変動表示ゲームが実行された場合は、図11(b)に示すように、「残り6回」と報知される。このように特殊遊技状態中では残り実行回数の報知を行わずに特殊遊技状態の終了後に報知を行うことで、高確率状態の可能性が高い特図変動表示ゲームの実行回数が複数種類あるように思わせることができ、高確率状態の可能性が高い期間に対する興趣を高めることができる。
以上のことから、高確率値が設定される変動表示ゲームの残り実行回数を報知する報知手段(演出制御装置300)を備え、該報知手段は、特殊遊技状態では残り実行回数の報知を行わないようにしたこととなる。
遊技制御装置100では、このような特殊遊技状態の設定に関する処理として、図12に示す特殊テーブル設定処理を行う。この特殊テーブル設定処理では、まず、当りが終了したか否かの判定(ステップS140)を行う。当りが終了したか否かの判定(ステップS140)では、大当り又は小当りに基づく特別遊技の終了タイミングであるかが判定される。この当りが終了したか否かの判定(ステップS140)において、当りが終了していない場合(ステップS140;N)は、特殊テーブル設定処理を終了する。また、当りが終了したか否かの判定(ステップS140)において、当りが終了した場合(ステップS140;Y)は、始動記憶数に基づき特殊テーブルに変更する回数を設定する処理(ステップS141)を行い、特殊テーブル設定処理を終了する。この特殊テーブルに変更する回数が特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数となる。すなわち、遊技制御装置100が、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数(所定実行回数)を決定する期間決定手段をなす。
以上のことから、始動情報を所定上限数まで始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、始動記憶に基づき変動表示ゲームを実行するように構成され、期間決定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了時の始動記憶数に基づき所定実行回数を決定するようにしていることとなる。
遊技制御装置100において変動パターンを選択する際には、複数の変動パターンが設定されている変動パターン決定用テーブルを参照し、所定条件の成立に関連して取得した変動パターン乱数値に対応する変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようになっている。上述の特殊テーブルは、特図変動表示ゲームの変動パターン(変動時間や演出の内容など)を選択するための変動パターン決定用テーブルの一つであって、特殊遊技状態で実行される各特図変動表示ゲームに対して用いられる変動パターン決定用テーブルである。
この特殊テーブルは、特殊遊技状態で実行される各特図変動表示ゲームの実行時間が、特殊遊技状態を実行する同一又は略同一の時間(10秒)を特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数で割った時間となるように変動時間を設定するテーブルである。すなわち、特殊遊技状態での各特図変動表示ゲームの変動時間は、この特殊テーブルと、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの実行回数の情報と、により決定される。これにより、特殊遊技状態で実行される各特図変動表示ゲームの実行時間は図13に示す時間に決定される。例えば、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの実行回数が4回であれば、各特図変動表示ゲームの実行時間は2.5秒とされる。なお、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの実行回数が3回である場合は、各特図変動表示ゲームの実行時間は3.3秒となり実行時間の和が9.9秒となるが、この実行時間は他の実行時間の和である10秒と比較して略同一の時間の範囲内にあると言える。すなわち、遊技制御装置100が、特殊遊技状態における変動表示ゲームの実行時間の和が、所定実行回数に拘らず同一又は略同一の時間となるように実行時間を設定する特殊実行時間設定手段をなす。
なお、特図変動表示ゲームの実行時間は、複数の識別情報を変動表示する変動時間と、結果態様を表示する停止時間の和である。よって、特殊テーブルは停止時間を考慮して、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの実行時間の和が特殊遊技状態を実行する同一又は略同一の時間(10秒)となるような変動時間を設定するようになっている。ただし、停止時間は僅かな時間であるので、この時間を無視して、特殊遊技状態で実行される各特図変動表示ゲームの変動時間を、特殊遊技状態を実行する同一又は略同一の時間(10秒)を特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数で割った時間とするようにしても良い。
以上のことから、始動情報を検出する始動情報検出手段(遊技制御装置100)と、該始動情報検出手段による始動情報の検出に基づいて表示装置41において複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後、結果態様を表示する変動表示ゲームを行う変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、該変動表示ゲーム実行手段による変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様になることに基づき遊技者にとって有利な特別遊技状態を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置100)と、を有する遊技機において、変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様になる確率値を、通常確率値と、該通常確率値よりも高い高確率値と、の何れかに設定し、特別遊技状態終了後、変動表示ゲーム実行手段による変動表示ゲームの実行回数が特定上限数になるまで、高確率値を設定可能に構成する確率変更制御手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、所定実行回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を特殊遊技状態とする特殊遊技状態制御手段(遊技制御装置100)と、所定実行回数を決定する期間決定手段(遊技制御装置100)と、特殊遊技状態における変動表示ゲームの実行時間の和が、所定実行回数に拘らず同一又は略同一の時間となるように実行時間を設定する特殊実行時間設定手段(遊技制御装置100)と、特殊遊技状態の開始から終了に亘り、連続した物語調の特殊演出を実行する特殊演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
なお、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を始動記憶数と同じ回数としたが、表示装置41に始動記憶に対応して飾り特図始動記憶表示を行う場合、特別遊技状態中や特殊遊技状態では、飾り特図始動記憶表示を表示しないことが望ましい。これにより、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を分かりにくくすることができる。また、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を、始動記憶数以内の数から抽選により選択した回数とすれば、特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数をより分かりにくくすることができる。また、抽選により決定する場合は、特別遊技状態における演出表示の表示結果で抽選結果を示唆する報知をするようにしても良い。
また、特殊遊技状態で実行される各特図変動表示ゲームの実行時間は、特殊遊技状態を実行する同一又は略同一の時間(10秒)を特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数で均等に割った時間としたが、各特図変動表示ゲームの実行時間は同じでなくても良い。すなわち、特殊遊技状態を実行する同一又は略同一の時間内に、始動記憶数により決定された回数の特図変動表示ゲームが実行されれば良く、各特図変動表示ゲームの実行時間が異なっていても良い。このように各特図変動表示ゲームの実行時間が異なるようにすれば、特図変動表示ゲームの実行時間から特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数を推測することが困難となる。
また、特殊遊技状態では、表示装置41に表示される特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)が、特殊遊技状態でない場合の特図変動表示ゲームよりも遊技者が認識しにくい態様で実行されるようになっているとしたが、特殊遊技状態では表示装置41に特図変動表示ゲームを表示しないようにしても良い。なお、特図1表示器51や特図2表示器52では、遊技状態に拘らず特図変動表示ゲームを表示する。このようにすることで、特殊遊技状態での特図変動表示ゲームの実行態様がより分かりにくくなり、特殊遊技状態において何回の変動表示ゲームが実行されたかが分かりにくくすることができる。
以上のことから、表示装置41とは別体の第2表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52)を備え、特殊遊技状態以外では、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)が表示装置および第2表示装置で変動表示ゲームを実行し、特殊遊技状態では、変動表示ゲーム実行手段が第2表示装置のみで変動表示ゲームを実行するとともに、特殊演出実行手段(演出制御装置300)が表示装置41で特殊演出を実行するようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本変形例の遊技機では、特殊遊技状態における特図変動表示ゲームの実行回数を決定する際に、始動記憶内に結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶がある場合は、当該特図変動表示ゲームが特殊遊技状態で実行される最後の特図変動表示ゲームとなるようにしている。また、特殊遊技状態における特図変動表示ゲームの実行回数を決定する際に、始動記憶内に結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶がない場合は、上述の実施形態と同様に始動記憶数に基づき特殊遊技状態で実行する特図変動表示ゲームの回数を決定するようにしている。
始動記憶内に結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶があるか否かを判定するために、遊技制御装置100では所定のタイミング(始動入賞時など任意のタイミング)で、特図始動記憶に記憶されている当り判定用乱数や当り図柄用乱数、変動パターン乱数などの判定を行う。そして、特図変動表示ゲームの当りはずれや大当りの図柄(特別結果態様の種類)、リーチの発生の有無を判定する先読み処理を行う。これらの判定の結果は、先読み情報として遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。演出制御装置300では、先読み情報を始動記憶と対応して記憶するようになっており、この先読み情報に基づき、始動記憶内に結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶があるか否かを判定する。
遊技制御装置100では、このような特殊遊技状態の設定に関する処理として、図12に示す特殊テーブル設定処理に代えて図14に示す特殊テーブル設定処理を行う。この特殊テーブル設定処理では、まず、当りが終了したか否かの判定(ステップS140)を行う。当りが終了したか否かの判定(ステップS140)では、大当り又は小当りに基づく特別遊技の終了タイミングであるかが判定される。この当りが終了したか否かの判定(ステップS140)において、当りが終了していない場合(ステップS140;N)は、特殊テーブル設定処理を終了する。また、当りが終了したか否かの判定(ステップS140)において、当りが終了した場合(ステップS140;Y)は、記憶内に当りがあるか否かの判定(ステップS150)を行う。
記憶内に当りがあるか否かの判定(ステップS150)では、各始動記憶に対応して記憶している先読み情報に基づき判定を行う。この記憶内に当りがあるか否かの判定(ステップS150)において、記憶内に当りがない場合(ステップS150;N)は、始動記憶数に基づき特殊テーブルに変更する回数を設定する処理(ステップS141)を行い、特殊テーブル設定処理を終了する。この特殊テーブルに変更する回数が特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数となる。なお、上述の実施形態で説明したように、この回数は始動記憶数と同じ回数であっても良いし、始動記憶数よりも少ない回数であっても良い。
一方、記憶内に当りがあるか否かの判定(ステップS150)において、記憶内に当りがある場合(ステップS150;Y)は、記憶内の当りの位置に基づいて特殊テーブルに変更する回数を設定する処理(ステップS151)を行い、特殊テーブル設定処理を終了する。記憶内の当り位置とは、結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が、消化順に従って数えていくつ目に消化されるものであるかを数えた値である。記憶内の当りの位置に基づいて特殊テーブルに変更する回数を設定する処理(ステップS151)では、この値を特殊遊技状態で実行される特図変動表示ゲームの回数とする。
本変形例の遊技機においては、特殊遊技状態の終了時の演出として、始動記憶内に結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶がある場合に実行される第1演出と、始動記憶内に結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶がない場合に実行される第2演出と、がある。すなわち、第1演出は、特殊遊技状態で実行される最後の特図変動表示ゲームであって、結果が当りとなる特図変動表示ゲームで実行される。また、第2演出は、特殊遊技状態で実行される最後の特図変動表示ゲームであって、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームで実行される。
第1演出は、例えば、図15(a)に示すように男女のキャラクタがキスをする画像を表示する演出となっており、成功を表現する演出となっている。また、この第1演出の表示とともに、特図変動表示ゲームの結果も当りの結果態様(ここでは白丸)が表示される。これに対して第2演出は、例えば、図15(b)に示すように男女のキャラクタが別れる画像を表示する演出となっており、失敗を表現する演出となっている。また、この第2演出の表示とともに、特図変動表示ゲームの結果もはずれの結果態様(ここでは斜線の丸)が表示される。
これにより、特殊演出と特図変動表示ゲームに関連性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技者は特殊演出の演出内容に注目するようになり、ランダムな回数の特図変動表示ゲームが消化される物語調の特殊演出が実行される期間を、遊技者に一の特図変動表示ゲームのように見せることができる。
以上のことから、特殊演出実行手段(演出制御装置300)は、特殊遊技状態において変動表示ゲームの結果が特別結果態様となった場合に、当該変動表示ゲームの終了とともに特殊演出において第1特定演出を行って特殊演出を終了し、特殊遊技状態において所定実行回数となる変動表示ゲームの結果が特別結果態様とならなかった場合には、当該変動表示ゲームの終了とともに特殊演出において第2特定演出を行って特殊演出を終了するようにしたこととなる。
図16には特殊遊技状態での特殊演出の変形例を示した。この特殊演出では遊技者側のキャラクタ151が敵キャラクタ152と戦うゲームを実行し、そのゲームの結果により種々の情報を報知するようになっている。このゲームでは、表示装置41の表示領域における下部に残り体力を表示するゲージが表示される。中央より左側が遊技者側のキャラクタ151の体力を示すゲージ153であり、右側が敵キャラクタ152の体力を示すゲージ154である。攻撃によりダメージを受ける毎に斜線で示す体力が減少するようになっており、体力が無くなることで負けとなる。
図16(a)に示すように、遊技者側のキャラクタ151が負けた場合、遊技者にとって有利な結果ではないことが示唆されることとなる。この場合、例えば図16(b)に示すように、特殊遊技状態が終了して通常状態Gに戻ることが報知される。図16(b)に示すような報知は、通常状態Gで発生した小当りに基づき発生した特殊遊技状態の終了時に行われる。なお、通常状態Gで発生した小当りの終了後10回の特図変動表示ゲームを実行するまでの期間が高確率状態の可能性が高い期間として不明瞭報知状態とされるが、図16(b)のような報知を行った場合は、特別遊技の終了後10回以内であっても不明瞭報知状態を終了する。また、通常確率状態(電サポ有り)Fである場合に、図16(b)に示す報知に代えて、例えば、通常確率状態であることの報知を行うようにしても良い。
図16(c)や図16(e)に示すように、遊技者側のキャラクタ151が勝った場合、遊技者にとって有利な結果であることが示唆されることとなる。この場合、例えば図16(d)や図16(f)に示すように、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの残り回数が報知される。このとき、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの残り回数が多いほど、ゲージ153に表示される遊技者側のキャラクタ151の残り体力が多くなるようにされている。上述したように特殊演出では、特図変動表示ゲームの実行回数を遊技者に認識しにくい状態とし、一回の特図変動表示ゲームであるかのような演出とするようにしている。よって、図16(d)や図16(f)に示すように、特殊演出の終了後に残り実行回数を報知することで、あたかも高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数が複数種類あるように見せることができる。
なお、高確率状態(電サポ有り)D、高確率状態(電サポ無し)Eでのみ図16(c)から(f)に示すような報知を行うようにすれば、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの残り回数を報知することとなる。これに対して、通常確率状態(電サポ有り)F、小当りに基づく特別遊技の終了後10回の特図変動表示ゲームを実行するまでの通常状態Gでも図16(c)から(f)に示すような報知を行うようにすれば、高確率状態である可能性の高い状態で実行可能な特図変動表示ゲームの残り回数を報知することとなる。
また、図16(g)に示すように、遊技者側のキャラクタ151がダメージを受けずに勝った場合、特図変動表示ゲームの結果が当りとなる。すなわち、この演出は特別遊技の終了時の始動記憶内に結果が当りとなる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶がある場合に実行される第1演出となる。
なお、図16(c)(e)に示すように、遊技者側のキャラクタ151が勝った場合であって、高確率状態である可能性の高い状態で再度特別結果が導出された場合は、特別遊技における特殊演出での敵キャラクタ152を前回の特殊演出での敵キャラクタ152とは異なるキャラクタとする。これにより、大当りが連続することにつれて新たなキャラクタが登場するようになり、遊技者が飽きることなく遊技を行うことができる。
また、高確率状態とする特図変動表示ゲームの回数を、特別結果態様の種類によって選択するようにしても良い。このような構成とする場合には、遊技制御装置100において図17に示す高確率回数決定処理を行う。この高確率回数決定処理では、まず、所定の大当り(高確率状態を設定する特別結果)が導出されたか否かの判定(ステップS160)を行い、所定の大当りが導出されていない場合(ステップS160;N)は、高確率回数決定処理を終了する。また、所定の大当りが導出されたか否かの判定(ステップS160)において、所定の大当りが導出された場合(ステップS160;Y)は、大当りの種類で分岐する処理(ステップS161)を行う。
大当りの種類で分岐する処理(ステップS161)では、導出された大当りの種類に基づき、特別遊技の終了後何回転するまで(何回の特図変動表示ゲームを実行するまで)高確率状態とするかを選択する。この処理により、特別遊技の終了後10回転するまで高確率状態とする処理(ステップS162)、特別遊技の終了後20回転するまで高確率状態とする処理(ステップS163)、特別遊技の終了後30回転するまで高確率状態とする処理(ステップS164)のいずれかが選択され、高確率回数決定処理を終了する。
このように高確率状態とする特図変動表示ゲームの回数を、特別結果態様の種類によって選択するようにすることで、高確率状態で実行される特別遊技状態の回数に変化を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、飾り特図変動表示ゲームでの特別結果態様は、特別結果の種類を明確に報知しない特別結果態様とし、特別遊技の終了後に何回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態とするかを明確に報知しないようにする。また、特殊遊技状態における演出により、何回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態とするかを示唆するようにしても良い。
以上のような遊技機10は、始動情報を検出する始動情報検出手段(遊技制御装置100)と、該始動情報検出手段による始動情報の検出に基づいて表示装置41において複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後、結果態様を表示する変動表示ゲームを行う変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、該変動表示ゲーム実行手段による変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様になることに基づき遊技者にとって有利な特別遊技状態を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置100)と、を有する遊技機であって、変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様になる確率値を、通常確率値と、該通常確率値よりも高い高確率値と、の何れかに設定し、特別遊技状態終了後、変動表示ゲーム実行手段による変動表示ゲームの実行回数が特定上限数になるまで、高確率値を設定可能に構成する確率変更制御手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、所定実行回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を特殊遊技状態とする特殊遊技状態制御手段(遊技制御装置100)と、所定実行回数を決定する期間決定手段(遊技制御装置100)と、特殊遊技状態における変動表示ゲームの実行時間の和が、所定実行回数に拘らず同一又は略同一の時間となるように実行時間を設定する特殊実行時間設定手段(遊技制御装置100)と、特殊遊技状態の開始から終了に亘り、連続した物語調の特殊演出を実行する特殊演出実行手段(演出制御装置300)と、を備えている。
ここで、表示装置は、識別情報の表示のみを行うものであっても良いし、識別情報の表示の他に演出表示を行うもの(例えば、液晶表示装置)であっても良い。
また、「所定実行回数」は、直前の特別結果態様の種類によって決定しても良いし、別途抽選により決定するようにしても良い。抽選により決定する場合は、特別遊技状態における演出表示の表示結果で抽選結果を示唆する報知をするようにしても良い。
また、「所定実行回数」は「特定上限数」よりも少ないことが望ましい。
また、「変動表示ゲームの実行時間」とは、複数の識別情報を変動表示する変動時間と、結果態様を表示する停止時間の和である。
また、「略同一」とは、所定実行回数により実行時間の和が完全に同一ではないが、遊技者がその差を判別困難な程度である範囲を指す。
また、「連続した物語調の特殊演出」とは、例えば、特殊演出の最初から最後まで一貫した筋書きに沿って展開される内容の映像、画像又はアニメーションである。
したがって、特別遊技状態の終了後、所定実行回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を特殊遊技状態とする特殊遊技状態制御手段を備え、該特殊遊技状態制御手段は、所定実行回数を決定する期間決定手段と、特殊遊技状態における変動表示ゲームの実行時間の和が、所定実行回数に拘らず同一又は略同一の時間となるように実行時間を設定する特殊実行時間設定手段と、特殊遊技状態の開始から終了に亘り、連続した物語調の特殊演出を実行する特殊演出実行手段と、を備えるので、高確率値が設定される期間に対する興趣を向上させることができる。すなわち、高確率値が設定されるゲーム数は一定の特定上限数までであるが、そのうち、特別遊技状態の終了後からランダムな回数の変動表示ゲームの終了までが同一又は略同一の時間で処理される特殊遊技状態とされて、その間物語調の特殊演出が表示される。よって、ランダムな回数の変動表示ゲームが消化される物語調の特殊演出が実行される期間を、遊技者に一の変動表示ゲームのように見せることができるとともに、その後の高確率値が設定される残りゲーム数を変化させることができる。これにより、高確率値が設定されるゲーム数が一定の特定上限数であっても、高確率値が設定されるゲーム数が複数種類あるように思わせることができて、高確率値が設定される期間に対する興趣を高めることができる。
また、始動情報を所定上限数まで始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、始動記憶に基づき変動表示ゲームを実行するように構成され、期間決定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了時の始動記憶数に基づき所定実行回数を決定するようにしている。
ここで、「始動記憶数に基づき所定実行回数を決定する」とは、所定実行回数を始動記憶数と同じ回数とするのみではなく、所定実行回数を始動記憶数よりも少ない回数としても良い。
したがって、期間決定手段は、特別遊技状態の終了時の始動記憶数に基づき所定実行回数を決定するので、特殊遊技状態の開始時に所定実行回数を決定でき、確実に特殊遊技状態における変動時間の和を同一又は略同一の時間とすることができる。すなわち、始動記憶があることにより当該始動記憶に基づく変動表示ゲームは連続して実行されることとなるため、予め各変動表示ゲームの実行時間を設定することが可能となり、確実に特殊遊技状態における実行時間の和を同一又は略同一の時間とすることができる。
また、高確率値が設定される変動表示ゲームの残り実行回数を報知する報知手段(演出制御装置300)を備え、該報知手段は、特殊遊技状態では残り実行回数の報知を行わないようにしている。
したがって、高確率値が設定される変動表示ゲームの残り実行回数を報知する報知手段を備え、該報知手段は、特殊遊技状態では残り実行回数の報知を行わないので、高確率値が設定されるゲーム数があたかも複数通りあるようにより強く印象づけることができ、高確率値が設定される期間に対する興趣を高めることができる。すなわち、特殊遊技状態では残り実行回数を行わないことで特殊遊技状態となる所定実行回数が遊技者に報知されないようになる。そして、特殊遊技状態が終了した後に報知される残り実行回数は所定実行回数により変化するため、高確率値が設定されるゲーム数があたかも複数通りあるようにより強く印象づけることができ、高確率値が設定される期間に対する興趣を高めることができる。
また、特殊演出実行手段(演出制御装置300)は、特殊遊技状態において変動表示ゲームの結果が特別結果態様となった場合に、当該変動表示ゲームの終了とともに特殊演出において第1特定演出を行って特殊演出を終了し、特殊遊技状態において所定実行回数となる変動表示ゲームの結果が特別結果態様とならなかった場合には、当該変動表示ゲームの終了とともに特殊演出において第2特定演出を行って特殊演出を終了するようにしている。
ここで、第1演出は第2演出とは異なる演出である。例えば、特殊演出が何らかのゲームを行う演出である場合、第1演出はゲームの結果が成功した演出とし、第2演出はゲームの結果が失敗した演出とする。
したがって、特殊演出実行手段は、特殊遊技状態において変動表示ゲームの結果が特別結果態様となった場合に、当該変動表示ゲームの終了とともに特殊演出において第1特定演出を行って特殊演出を終了し、特殊遊技状態において所定実行回数となる変動表示ゲームの結果が特別結果態様とならなかった場合には、当該変動表示ゲームの終了とともに特殊演出において第2特定演出を行って特殊演出を終了するので、特殊演出と変動表示ゲームに関連性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技者は特殊演出の演出内容に注目するようになり、ランダムな回数の変動表示ゲームが消化される物語調の特殊演出が実行される期間を、遊技者に一の変動表示ゲームのように見せることができる。
また、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、特殊遊技状態では、複数の変動表示領域150の各々で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、複数の変動表示領域150の各々で停止した識別情報の組み合わせにより結果態様を表示する変動表示ゲームを行わず、特殊遊技状態以外では、複数の変動表示領域150の各々で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、複数の変動表示領域150の各々で停止した識別情報の組み合わせにより結果態様を表示する変動表示ゲームを行うようにしている。
したがって、特殊遊技状態では、複数の変動表示領域150の各々で複数の識別情報を所定の変動時間に亘り変動表示した後に停止し、複数の変動表示領域150の各々で停止した識別情報の組み合わせにより結果態様を表示する変動表示ゲームを行わないので、高確率値が設定されるゲーム数が複数種類あるように思わせることができて、遊技の興趣を高めることができる。すなわち、特殊遊技状態以外の場合よりも変動表示ゲームの実行態様が分かりにくくなり、特殊遊技状態において何回の変動表示ゲームが実行されたかが分かりにくくすることができる。これにより、ランダムな回数の変動表示ゲームが消化される物語調の特殊演出が実行される期間の後の高確率値が設定される残りゲーム数が複数種類あるように思わせることができて、遊技の興趣を高めることができる。
また、表示装置41とは別体の第2表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52)を備え、特殊遊技状態以外では、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)が表示装置41および第2表示装置で変動表示ゲームを実行し、特殊遊技状態では、変動表示ゲーム実行手段が第2表示装置のみで変動表示ゲームを実行するとともに、特殊演出実行手段(演出制御装置300)が表示装置41で特殊演出を実行するようにしている。
したがって、表示装置とは別体の第2表示装置を備え、特殊遊技状態では、変動表示ゲーム実行手段が第2表示装置のみで変動表示ゲームを実行するとともに、特殊演出実行手段が表示装置で特殊演出を実行するので、高確率値が設定されるゲーム数が複数種類あるように思わせることができて、遊技の興趣を高めることができる。すなわち、特殊遊技状態以外の場合よりも変動表示ゲームの実行態様が分かりにくくなり、特殊遊技状態において何回の変動表示ゲームが実行されたかが分かりにくくすることができる。これにより、ランダムな回数の変動表示ゲームが消化される物語調の特殊演出が実行される期間の後の高確率値が設定される残りゲーム数が複数種類あるように思わせることができて、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。