以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、1つの特別図柄表示器つのみを備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄)の可変表示が行われる。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9の表示画面には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)になる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示が使用されるが、演出表示装置9で行われる演出は、演出図柄の変動表示に限られず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、サッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面における下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。よって、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、同期して実行される。同期するとは、変更開始タイミングおよび変動終了タイミングが略同じであることを意味する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン150が設けられている。なお、操作ボタン150は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
なお、この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態:通常状態と比較して大当りとなる確率が高められた遊技状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8や演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる。)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータは、遊技の進行状態を示すデータに相当する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新する乱数発生機能を有する。そして、読出される数値データが乱数値として使用される。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン150に対する押圧操作に応じた操作信号(押下信号)および回転操作に応じた操作信号(回転量を示す回転信号)を操作ボタン150から入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り決定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り決定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り決定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、CPU56は、乱数を用いた変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り決定用乱数等の各決定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(決定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別決定用)
(2)ランダム2:変動パターンの(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り決定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(3)の普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが決定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り決定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り決定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り決定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または通常大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「5R通常大当り」、「10R確変大当り(時短30回)」、「15R確変大当り(時短50回)」、「15R確変大当り(時短100回)」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「5R通常大当り」、「10R確変大当り(時短30回)」、「15R確変大当り(時短50回)」、「15R確変大当り(時短100回)」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
「5R通常大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が5回(5ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を非確変状態(低確率状態)に移行させることになる大当りである。「10R確変大当り(時短30回)」は、大当り遊技中に大入賞口が10回(10ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、特別図柄の可変表示(変動)が30回実行されるまで継続する。
「15R確変大当り(時短50回)」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を確変状態に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態に移行する。時短状態は、特別図柄の可変表示が50回実行されるまで継続する。「15R確変大当り(時短100回)」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を確変状態に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態に移行する。時短状態は、特別図柄の可変表示が100回実行されるまで継続する。
第1特定遊技状態が「5R通常大当り」であるとすると、第1特定遊技状態に比べて遊技者にとって有利な第2特定遊技状態は、「10R確変大当り(時短30回)」に相当する。第2特定遊技状態に比べて遊技者にとって有利な第3特定遊技状態は、「15R確変大当り(時短50回)」または「15R確変大当り(時短100回)」に相当する。
時短状態の継続期間(具体的には、時短回数)に着目すると、大当り遊技後に長い継続期間になるような大当りが有利な特定遊技状態に相当し、ラウンド数に着目すると、ラウンド数が多い大当りが有利な特定遊技状態に相当する。
なお、この実施の形態では、大当り種別として、「5R通常大当り」、「10R確変大当り(時短30回)」、「15R確変大当り(時短50回)」、「15R確変大当り(時短100回)」があるが、他の大当り種別があってもよい。例えば、「5R確変大当り」や「10R通常大当り」があってもよい。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図8に示す例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか大当りとするか、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様などの各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、リーチ演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様(例えば、スーパーリーチ)を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様(速度や回転方向等)の変動が行われたりキャラクタ等が現れたりすることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
また、この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図12および図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。
なお、CPU56は、ステップS51Aの処理で、合算保留記憶数の値が0になってから所定時間(例えば、1分)が経過したときに客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行う。そのような制御を実現するために、例えば、CPU56は、合算保留記憶数の値が0になったときに所定のタイマをスタートし、合算保留記憶数の値が1に変化した場合にはタイマを停止するが、タイマが停止せずタイマの値が所定値になったときに客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行う。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図7(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS74に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、CPU56は、た大当り種別判定テーブル(図7(B)参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「5R通常大当り」、「10R確変大当り(時短30回)」、「15R確変大当り(時短50回)」、「15R確変大当り(時短100回)」)を大当りの種別に決定する(ステップS72)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS73)。例えば、大当り種別が「5R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「10R確変大当り(時短30回)」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、「15R確変大当り(時短50回)」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、「15R確変大当り(時短100回)」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS74)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「5R通常大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。「「10R確変大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当り(時短50回)」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変大当り(時短100回)」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定するが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS75)。
図14は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされているときは、CPU56は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS92)。大当りフラグがセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS93)。
大当り用変動パターン決定テーブルには、図8に示された大当りのときに選択される変動パターン(「02H」「04H」「06H」「08H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示されたはずれのときに選択される変動パターン(「00H」「01H」「03H」「05H」「07H」「09H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、はずれ用変動パターン決定テーブルは、遊技状態が通常遊技状態のときの変動パターン決定テーブルであって、遊技状態が確変状態のときは、別の変動パターン決定テーブルが用いられる。例えば、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示されたはずれのときに選択される変動パターン(「03H」「05H」「08H」「09H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
なお、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルは、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと同じテーブルが用いられる。ただし、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルとを異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて演出図柄の変動パターンを決定する(ステップS101)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが演出表示装置9で実行される演出図柄の変動パターンと決定される。なお、この実施の形態では、変動パターン決定用乱数は始動入賞発生時に抽出され乱数格納バッファに格納されているが、CPU56は、変動パターン決定用乱数を、特別図柄の変動開始時に抽出(例えば、変動パターン設定処理において抽出)し、抽出した乱数にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンド)を送信する制御を行い(ステップS103)、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS102)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS104)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する(ステップS105)。
図15は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、大当りであるか否かや、決定されている大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種類(種別)に応じて、表示結果2指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。大当り種別は、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。
ステップS113では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS114)。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS127)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示は、具体的には、特別図柄変動中処理となり特別図柄プロセスフラグの値が3となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の変動表示が実行される。
また、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4(後述する特別図柄停止処理を示す値)となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS65で決定された停止図柄)を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(5、、10または15)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。セットされている場合には、ステップS147に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS146)。
ステップS147では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図18は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当り(10R確変大当りまたは15R確変大当り)であるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には、ステップS174に移行する。
確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS171)。また、CPU56は、大当りの種別に応じた時短回数(10、50または100:図7(B)参照)を時短回数カウンタに設定し(ステップS172)、時短フラグをセットする(ステップS173)。そして、ステップS174に移行する。
ステップS166〜S173の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときに、遊技状態が確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。
なお、この実施の形態では、ステップS173の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS174では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。ステップS174の処理で、CPU56は、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS175)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図19は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。さらに、演出図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのか解析する。
図20および図21は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。以上の処理によって、1つの演出制御コマンド(2バイトのコマンド)が取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A001(H))であれば(ステップS620)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS621)、ファンファーレコマンド(大当り開始指定コマンド)を受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS622)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド(大当り終了指定コマンド):A301(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS624)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド:図9参照)であれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、RAMに確保されている遊技状態データの領域に、受信した遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態に応じた値を設定する(ステップS671)。以下、遊技状態データの領域に設定された値を遊技状態データという。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS672)。
図22は、遊技状態データの値の一例を示す説明図である。図22に示す例では、低確率低ベース状態(非確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「01(H)」である。低確率高ベース状態(非確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「02(H)」である。高確率低ベース状態(確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「03(H)」である。高確率高ベース状態(確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「04(H)」である。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS671の処理で、受信した遊技状態指定コマンドとそのときの遊技状態に応じて遊技状態データの値を設定する。一例として、低確率低ベース状態(遊技状態データの値は「01(H)」である。)において高ベース状態指定コマンドを受信した場合には、低確率高ベース状態であることを示す「02(H)」を設定する。高確率高ベース状態(遊技状態データの値は「04(H)」である。)において低ベース状態指定コマンドを受信した場合には、高確率低ベース状態であることを示す「03(H)」を設定する。
図23は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図23に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および再抽選・昇格演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
再抽選・昇格演出決定用乱数SR2は、再抽選演出および昇格演出(確変昇格演出)を実行するか否かと演出の種類を決定するために用いられる乱数である。なお、この実施の形態では、再抽選演出および昇格演出を実行するか否かと演出の種類とが一時に決定されるが、まず、再抽選演出および昇格演出を実行するか否か決定し、実行すると決定した場合に、演出の種類を決定するようにしてもよい。
「再抽選演出」は、演出表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、演出図柄の変動表示期間の途中で、演出表示装置9において左中右の演出図柄を同一の非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい)を揃った状態で仮停止表示(例えば、図柄を揺れ変動させ完全には停止していない状態)し、図柄を再変動させる演出を行って、確変大当りになる(確変大当りに昇格する)か否かを報知する演出である。
再変動の後に、例えば、所定の報知演出が実行されると確変大当りに昇格したこと(確変大当りであること)が報知されたことになり、確変大当りではないことを報知する演出が実行されると確変大当りへの昇格に失敗したことが報知されたことになる。なお、後述するように、この実施の形態では、再抽選演出の具体的な演出態様として文字画像による報知(具体的には、「確変」等の文字と奇数図柄で揃った演出図柄)が行われるが、再抽選演出の演出態様は、そのような態様に限られない。例えば、パトランプ(緊急用の赤色灯)状の画像を表示したり、可動部材を動かしたり、表示画面上に所定のキャラクタを登場させたり、装飾LEDを所定のパターンで点灯させたり点滅表示させたり、スピーカ27から所定の効果音を出力させたりすることによって、再抽選演出を実行してもよい。
「確変昇格演出」は、演出表示装置9に大当り図柄が導出表示されることが事前に決定されている場合において、演出表示装置9において左中右の演出図柄が同一である大当り図柄(はずれ図柄であってもよい)を揃った状態で導出表示し、大当り遊技の開始後に確変大当りに昇格するか否かを報知する演出である。なお、この実施の形態では、大当り遊技中または大当り遊技の終了時のエンディング演出中において確変昇格演出が行われる。
なお、この実施の形態では、所定の移行条件を成立させると決定されたこと(確変大当りと決定されたこと)を報知する報知演出として、上記の再抽選演出や確変昇格演出が実行されるが、例えば、報知演出として実行される再抽選演出と昇格演出の双方が実行されることによって、確変大当りであることが確定するようにしてもよい(その場合、再抽選演出では「失敗演出」(確変大当りに昇格しないことを報知する演出)、または、確変大当りに昇格するかいなか不明な演出が実行される)。
図24は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、所定演出制御処理(ステップS810)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、ステップS800〜S807の各々の処理の結果を直ちに反映できるようにするために、所定演出制御処理(ステップS810)をステップS800〜S807の各々の処理において(ステップS800〜S807の各々の処理を実行した直後に)実行するようにしてもよい。
また、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図25は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS813)。
図26は、図24に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。
図27は、演出図柄の停止図柄(最終停止図柄)の一例を示す説明図である。図27に示す例では、図27に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが5R通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定〜表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。
ただし、再抽選演出が実行される場合および昇格演出が実行される場合には、最終停止図柄ではない仮停止図柄として、偶数図柄が選択される。
大当り図柄を決定する際に、具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS822の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
また、演出制御用CPU101は、再抽選演出および昇格演出に関する決定を行うための再抽選演出・昇格演出決定処理を実行する(ステップS823)。
再抽選演出・昇格演出決定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS824)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS825)。
図28は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図28に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出図柄を可変表示する演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(ステップS826)。例えば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマ(演出図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS827)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS828)。
図29は、再抽選演出・昇格演出決定処理を示すフローチャートである。再抽選演出・昇格演出決定処理において、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドで特定される大当り種別が5R通常大当りである場合には、通常大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルを選択する(ステップS2101,S2102)。大当り種別が10R確変大当りである場合には、10R確変大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルを選択する(ステップS2103,S2104)。大当り種別が15R確変大当り(時短50回)である場合には、15R確変大当り(時短50回)用再抽選・昇格演出決定テーブルを選択する(ステップS2105,S2106)。大当り種別が15R確変大当り(時短100回)である場合には、15R確変大当り(時短100回)用再抽選・昇格演出決定テーブルを選択する(ステップS2107,S2108)。
図30(A)は、通常大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルを示す説明図である。通常大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルには、「再抽選演出・昇格演出を実行しない」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)(初回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタB表示)(初回操作で報知)」、「5R中に昇格なし報知」の演出態様にそれぞれに対応する判定値が設定されている。
図30(B)は、10R確変大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルを示す説明図である。10R確変大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルには、「再抽選演出・昇格演出を実行しない」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(初回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(2回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(3回操作で報知)」、「5R中に昇格あり報知」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・5R中に昇格あり報知(キャラクタB表示)」、「エンディング演出中に昇格あり報知」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・エンディング演出中に昇格あり報知(キャラクタB表示)」の演出態様にそれぞれに対応する判定値が設定されている。
図31は、15R確変大当り(時短50回)用再抽選・昇格演出決定テーブルを示す説明図である。15R確変大当り(時短50回)用再抽選・昇格演出決定テーブルには、「再抽選演出・昇格演出を実行しない」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(初回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(2回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(3回操作で報知)」、「5R中に昇格あり報知」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・5R中に昇格あり報知(キャラクタB表示)」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・5R中に昇格あり報知(キャラクタB表示)・10R中にラウンド数増加報知」、「エンディング演出中に昇格あり報知」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・エンディング演出中に昇格あり報知(キャラクタB表示)」の演出態様にそれぞれに対応する判定値が設定されている。
図32は、15R確変大当り(時短100回)用再抽選・昇格演出決定テーブルを示す説明図である。15R確変大当り(時短100回)用再抽選・昇格演出決定テーブルには、「再抽選演出・昇格演出を実行しない」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(初回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(2回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(3回操作で報知)」、「5R中に昇格あり報知」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・5R中に昇格あり報知(キャラクタB表示)」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・5R中に昇格あり報知(キャラクタB表示)・10R中にラウンド数増加報知」、「エンディング演出中に昇格あり報知」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)・エンディング演出中に昇格あり報知(キャラクタB表示)」の演出態様にそれぞれに対応する判定値が設定されている。
なお、「変動中に昇格あり報知(または、昇格なし報知)」は、再抽選演出(再変動演出)が実行され、確変大当りに昇格する(または、しない)ことを報知するような演出態様である。「初回操作で報知」は、操作ボタン150が1回操作されると、報知するような演出態様である。「2回操作で報知」は、操作ボタン150が2回操作されると、報知するような演出態様である。「3回操作で報知」は、操作ボタン150が3回操作されると、報知するような演出態様である。
「キャラクタA表示」は、報知演出中に演出表示装置9においてキャラクタAが表示されるような演出態様である。「キャラクタB表示」は、報知演出中に演出表示装置9においてキャラクタB(キャラクタAとは異なる)が表示されるような演出態様である。
「5R中に報知」は、大当り遊技における第5ラウンドにおいて、確変大当りに昇格する(または、しない)ことを報知するような演出態様である。「エンディング演出中に昇格あり報知」は、エンディング演出中に、確変大当りに昇格することを報知するような演出態様である。
図30〜図32に示されたテーブルの構成で特徴的なことは、「演出図柄変動中に昇格あり報知(3回操作で報知)」、「5R中に昇格あり報知」、「エンディング演出中に昇格あり報知」の各々に対応する判定値の数が、通常大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルよりも10R確変大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルの方が多く、10R確変大当り用再抽選・昇格演出決定テーブルよりも15R確変大当り(時短50回)用再抽選・昇格演出決定テーブルの方が多く、15R確変大当り(時短50回)用再抽選・昇格演出決定テーブルよりも15R確変大当り(時短100回)用再抽選・昇格演出決定テーブルの方が多いことである。
なお、図30〜図32に示す例では、10R確変大当り用再抽選・昇格演出決定テーブル、15R確変大当り(時短50回)用再抽選・昇格演出決定テーブル、15R確変大当り(時短100回)用再抽選・昇格演出決定テーブルの各々において、再抽選演出に割り当てられている判定値の数は5R中の昇格演出およびエンディング演出中の昇格演出に割り当てられている判定値の数よりも多いか同数であり、5R中の昇格演出に割り当てられている判定値の数はエンディング演出中の昇格演出に割り当てられている判定値の数よりも多いか同数であるが、エンディング演出中の昇格演出に割り当てられている判定値の数を最も多くし、5R中の昇格演出に割り当てられている判定値の数を次に多くし、再抽選演出に割り当てられている判定値の数を最も少なくしてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態の遊技価値が高くなるほど(ラウンド数の多い大当りであるほど、または、時短回数が多くなる大当りであるほど)、報知演出(再抽選演出や確変昇格演出)が実行されるタイミングが全体として(平均して)遅くなるので、遅いタイミングで報知演出(遅い方の昇格演出)が実行されることによって、実行中の大当り遊技状態が遊技価値の高い大当り遊技状態であることに対する期待感を高めることができる。
図30〜図32に示されたテーブルを用いて再抽選・昇格演出に関する決定が行われることによって、演出制御用CPU101は、第2特定遊技状態(例えば、10R確変大当り)に制御される場合と第3特定遊技状態(例えば、15R確変大当り(時短50回)または15R確変大当り(時短100回))に制御される場合とで、確変状態への移行条件が成立したことを報知する演出(移行条件成立報知演出:この実施の形態では、再抽選演出および昇格演出)を実行するタイミングの決定割合を異ならせることができる。
また、演出制御用CPU101は、移行条件成立報知演出を実行するタイミングとして第1タイミング(例えば、演出図柄の変動中)と第2タイミング(例えば、大当り遊技中)とが決定された場合に、第2タイミングにおいて、第1タイミングで実行される移行条件成立報知演出(例えば、「演出図柄変動中に昇格なし報知」)とは異なる種類の演出(例えば、「演出図柄変動中に昇格あり報知」)を実行することができる。
また、演出制御用CPU101は、第1タイミングで所定の移行条件が成立しないことを報知し第2タイミングで移行条件成立報知演出を実行する場合には、第1タイミングで実行可能な移行条件成立報知演出の信頼度以上の信頼度に対応する種類の移行条件成立報知演出を選択することになる。例えば、キャラクタAの表示演出に伴って「演出図柄変動中に昇格なし報知」を実行した場合には、大当り遊技中およびエンディング演出中において、キャラクタAの表示演出に伴う昇格演出(昇格あり演出(昇格成功演出))の実行が制限される。つまり、この実施の形態では、所定の移行条件が成立するときにキャラクタAの表示演出を伴う報知が行われないので、第1タイミングで所定の移行条件が成立しないことを報知し第2タイミングで移行条件成立報知演出を実行する場合には、第2タイミングにおいて、第1タイミングで実行可能な演出の信頼度以下の演出の実行が制限される。
なお、この実施の形態では、第2タイミングでキャラクタBの表示演出に伴う報知が行われる場合には必ず「昇格あり演出」が実行されるが、低い割合で「昇格なし演出」が実行されるようにしてもよい(例えば、通常大当りの場合に、第2タイミングでキャラクタBの表示演出に伴う「昇格なし演出」を実行可能にする)。また、キャラクタA,Bだけでなく、より他種類のキャラクタ画像を用いてもよい。また、確変昇格の信頼度に応じた演出はキャラクタ画像を用いる演出に限られず、他の画像、発光体、音、可動役物等による演出を用いてもよい。
また、この実施の形態では、15R確変大当りである場合に、大当り遊技中の第10ラウンドにおいて、「ラウンド数増加演出」が実行されることがある(図31および図32参照)。そのような演出が実行されたことによって、遊技者に、あたかも大当り遊技のラウンド数が増えたかのような印象を与えることができる。そして、図31および図32に示すように、「ラウンド数増加演出」は、15R確変大当り(時短50回)の場合に比べて、15R確変大当り(時短100回)である場合の方が実行されやすい。つまり、遊技者にとって有利な大当り遊技状態である場合における「ラウンド数増加演出」の実行割合が多い。
演出制御用CPU101は、ステップS2101〜S2108の処理を実行した後、選択したテーブルを用いて再抽選演出/昇格演出を実行するか否かと演出の種類(演出態様)を決定する(ステップS2109)。具体的には、再抽選・昇格演出決定用乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値に対応する、再抽選演出/昇格演出を実行するか否かと演出の種類を決定する。
そして、演出制御用CPU101は、決定した演出態様に対応するフラグをセットする。
すなわち、演出制御用CPU101は、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)」に決定した場合には、再抽選失敗Aフラグをセットする(ステップS2110)。なお、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)に決定した場合」には、決定結果の一部にそれが含まれる場合も含まれる。このことは、他の演出態様についても同様である。
また、演出制御用CPU101は、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタB表示)」に決定した場合には、再抽選失敗Bフラグをセットする(ステップS2111)。
また、演出制御用CPU101は、「演出図柄変動中に昇格あり報知(初回操作で報知)」に決定した場合には、再抽選初回報知フラグをセットする(ステップS2112)。
また、演出制御用CPU101は、「演出図柄変動中に昇格あり報知(2回操作で報知)」に決定した場合には、再抽選2回目報知フラグをセットする(ステップS2113)。
また、演出制御用CPU101は、「演出図柄変動中に昇格あり報知(3回操作で報知)」に決定した場合には、再抽選3回目報知フラグをセットする(ステップS2114)。
また、演出制御用CPU101は、「5R中に昇格なし報知」」に決定した場合には、5R中失敗報知フラグをセットする(ステップS2115)。
また、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、「5R中に昇格あり報知」」に決定した場合には、5R中昇格報知フラグをセットする(ステップS2116)。
また、演出制御用CPU101は、「エンディング演出中に昇格あり報知」」に決定した場合には、エンディング中昇格報知フラグをセットする(ステップS2117)。
また、演出制御用CPU101は、「ラウンド数増加演出」を実行することに決定した場合には、ラウンド数増加演出フラグをセットする(ステップS2118)。
図33は、再抽選演出の一例を示す説明図である。図33(A)に示すように、左中右の演出図柄が仮停止した後、再抽選演出が開始される(図33(B)参照)。図33に示す例では、遊技者が操作ボタン150を押下することによって具体的な再抽選演出が実行される。なお、図33において、各矩形は、演出表示装置9の表示画面を示す。また、図33(B)等の下部の矢印付きの表記は、操作ボタン150の押下を示す。
演出制御用CPU101が初回操作で報知を行うことに決定した場合には、遊技者による操作ボタン150の押下に応じて、図33(C),(D)に示すように、結果報知が行われる。図33(D)に示す例は、大当りの種類が5R通常大当りであって、昇格なし演出が実行されている。なお、大当りの種類が5R通常大当りであって昇格なし演出が実行される場合には、キャラクタAまたはキャラクタBの画像を用いた表示演出も実行されるが、図33(D)では、それらは省略されている。
図33(E)〜(I)に示す例は、演出制御用CPU101が3回操作で報知を行うことに決定した場合の例である。図33(E)〜(I)に示すように、操作ボタン150が3回押下されたときに、結果報知が行われる。図33(I)に示す例は、大当りの種類が15R確変大当り(時短50回)であって、昇格あり演出が実行されている。なお、図33(E)〜(I)に示す例では、演出表示装置9の表示画面が図33(B)に示すようであるときの操作ボタン150の押下も含めると4回目の押下によって結果報知がなされることになるが、実際には、操作ボタン150が3回押下されたときに結果報知が行われる。
図33(J),(K)に示す例は、演出制御用CPU101が初回操作で報知を行うことに決定した場合の他の例である。図33(J),(K)に示すように、結果報知が行われる。図33(J),(K)には、結果報知が、「確変大当り図柄」(図33(J)参照)と文字画像による報知(図33(K)参照)との双方によってなされる例が示されている。図33(J),(K)に示す例は、大当りの種類が15R確変大当り(時短30回)であって、昇格なし演出が実行されている。
なお、図33に示す例では、操作ボタン150に対して操作がなされたことを条件に結果報知がなされるが、操作ボタン150に対して操作がなされたことを条件に結果報知を行うことは必須のことではなく、演出制御用CPU101は、例えば、再抽選演出の開始時から所定時間後に結果報知を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技後の時短回数が30回、50回、100回のいずれであっても、初回の操作ボタン150への操作、2回目の操作ボタン150への操作、および3回目の操作ボタン150への操作にもとづく結果報知(確変大当りに昇格する/しないの報知)が実行されうるが、例えば、時短回数が30回である10R確変大当りの場合には初回の操作ボタン150への操作がなされたときに結果報知を行い、15R確変大当り(時短50回)または15R確変大当り(時短100回)の場合には3回目の操作ボタン150への操作がなされたときに結果報知を行うようにしてもよい。さらに、15R確変大当り(時短50回)の場合には2回目の操作ボタン150への操作がなされたときに結果報知を行い、15R確変大当り(時短100回)の場合に3回目の操作ボタン150への操作がなされたときに結果報知を行うようにしてもよい。
また、時短回数が30回である10R確変大当りの場合には再抽選演出によって結果報知を行い、15R確変大当り(時短50回)または15R確変大当り(時短100回)の場合には大当り遊技中(またはエンディング演出中)に昇格演出によって結果報知を行うようにしてもよい。
図34は、大当り遊技中に実行される昇格演出の一例を示す説明図である。図34(A)に示すように、左中右の演出図柄が最終停止した後、昇格演出が開始される(図34(B)参照)。図34に示す例では、遊技者が操作ボタン150を押下することによって具体的な昇格演出が実行される。なお、図34において、各矩形は、演出表示装置9の表示画面を示す。また、図34(B)等の下部の矢印付きの表記は、操作ボタン150の押下を示す。
演出制御用CPU101が「5R中に昇格なし報知」を行うことに決定した場合には、遊技者による操作ボタン150の押下に応じて、図34(C),(D)に示すように、結果報知が行われる。図34(D)に示す例は、大当りの種類が5R通常大当りであって、昇格なし演出が実行されている。なお、実際には、大当り遊技中の第5ラウンドにおいて結果報知が行われる。
演出制御用CPU101が「5R中に昇格あり報知」を行うことに決定した場合には、遊技者による操作ボタン150の押下に応じて、図34(E),(F)に示すように、結果報知が行われる。図34(F)に示す例は、大当りの種類が15R確変大当り(時短30回)であって、昇格あり演出が実行されている。なお、実際には、大当り遊技中の第5ラウンドにおいて結果報知が行われる。
図34(G)〜(J)には、演出制御用CPU101が「5R中に昇格あり報知」を行うことに決定した場合のより具体的な例が示されている。図34(G)〜(J)に示す例では、第5ラウンドにおいて操作ボタン150の押下を促す表示がなされ、遊技者による操作ボタン150の押下に応じて、図34(I),(J)に示すように、結果報知が行われる。図34(I),(J)に示す例は、大当りの種類が15R確変大当り(時短50回)であって、昇格あり演出が実行されている。
図34に示す例では、操作ボタン150に対して操作がなされたことを条件に結果報知がなされるが、操作ボタン150に対して操作がなされたことを条件に結果報知を行うことは必須のことではなく、演出制御用CPU101は、例えば、第5ラウンドにおいて、遊技者による操作がなされなくても結果報知を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第5ラウンドにおいて結果報知(昇格あり/なし)が実行されるが、第5ラウンドで実行されることは必須のことではない。例えば、第7ラウンドや第10ラウンドにおいて結果報知を実行してもよい。
また、例えば、10R確変大当りの場合には第5ラウンドで結果報知を行い、15R確変大当りの場合には第7ラウンドで結果報知を行うようにしてもよい。
また、例えば、大当り遊技中の複数ラウンドにおいて結果報知を行うことがあるようにしてもよい。一例として、第5ラウンドと第7ラウンドとで結果報知を行うように構成する場合には、例えば、10R確変大当りの場合に比べて、15R確変大当りの場合の方が高い割合で第5ラウンドと第7ラウンドとで結果報知を行うように構成される。なお、第5ラウンドと第7ラウンドとで結果報知を行うときには、第5ラウンドでは、失敗演出(昇格なしを報知したり、昇格するか否か不明であるような報知を行う)が行われる。
また、この実施の形態では、大当り遊技後の時短回数が30回、50回、100回のいずれであっても、所定ラウンド(この実施の形態では、第5ラウンド)において結果報知(確変大当りに昇格する/しないの報知)が実行されうるが、例えば、時短回数が30回である10R確変大当りの場合には所定ラウンドにおいて結果報知を行い、15R確変大当り(時短50回)または15R確変大当り(時短100回)の場合には所定ラウンドよりも後のラウンド(例えば、第7ラウンド)で結果報知を行うようにしてもよい。さらに、15R確変大当り(時短50回)の場合には第7ラウンドにおいて結果報知を行い、15R確変大当り(時短100回)の場合に第10ラウンドにおいて結果報知を行うようにしてもよい。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。タイムアウトしていない場合には、ステップS845に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
次いで、演出制御用CPU101は、再抽選演出開始後であるか否か確認する(ステップS845)。再抽選演出開始後でないときには、ステップS850に移行する。再抽選演出開始後である場合には、入力ポート107(図3参照)を介して、ボタン操作がなされたか否か(操作ボタン150が押下されたか否か)確認する(ステップS846)。ボタン操作がなされていないときには、ステップS850に移行する。
なお、再抽選演出開始の時点はあらかじめ定められているが、演出制御用CPU101は、例えば、再抽選演出に関するフラグ(再抽選失敗報知Aフラグ、再抽選失敗報知Bフラグ、再抽選初回報知フラグ、再抽選2回目報知フラグ、再抽選3回目報知フラグ)がセットされている場合であって、変動時間タイマの値が再抽選演出開始の時点までの値を越えているときに、再抽選演出開始後であると判定する。
ボタン操作がなされたことが確認されたら、演出制御用CPU101は、再抽選演出の種類に応じた報知画面を演出表示装置9に表示する(ステップS847)。
ステップS847では、演出制御用CPU101は、再抽選失敗報知Aフラグ、再抽選失敗報知Bフラグまたは再抽選初回報知フラグがセットされている場合には、初回のボタン操作時に、結果(演出継続(大当り遊技中またはエンディング演出中に昇格演出を実行することに決定されている場合の演出であって、失敗演出または昇格するか否か不明な演出)、または結果報知(昇格あり/なし))を演出表示装置9に表示する。
なお、再抽選失敗報知Aフラグまたは再抽選失敗報知Bフラグがセットされている場合には、図33(D)に示されたような画像を表示する。また、再抽選初回報知フラグがセットされている場合には、図33(K)に示されたような画像を表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、昇格報知を行った場合には、遊技者に第1特典を付与する(ステップS848)。そして、ステップS855に移行する。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動中に再抽選演出が実行され、再抽選演出において昇格演出を行ったときには遊技者に第1特典を付与する。また、大当り遊技中に昇格演出(昇格成功演出)を行ったときには遊技者に第1特典を付与する。
第1特典は、例えば、次回の演出図柄の変動において、通常では使用されない変動パターン(例えば、いわゆる擬似連演出や滑り演出などの特殊演出を伴う変動パターン)が実行される状態になることである。また、第2特典は、二次元バーコード(例えば、所定のWebサイトのURLの情報を含む。)の画像を演出表示装置9に表示する演出である。
なお、第1特典および第2特典は、そのような演出に限られない。再抽選演出に応じた第1特典と大当り遊技中の昇格演出に応じた第2特典とが異なる種類の演出であれば、他の演出等を用いてもよい。
また、エンディング演出中に昇格演出(昇格成功演出)を行うときに遊技者に第3特典(第1特典および第2特典とか異なる種類の特典)を付与するようにしてもよい。
ステップS850では、演出制御用CPU101は、再抽選演出に関するフラグ(再抽選失敗報知Aフラグ、再抽選失敗報知Bフラグ、再抽選初回報知フラグ、再抽選2回目報知フラグ、または再抽選3回目報知フラグ)がセットされているか否か確認する。
再抽選演出に関するフラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、再抽選演出の開示時期になったか否か確認する(ステップS852)。演出制御用CPU101は、例えば、変動時間タイマの値が再抽選演出開始の時点までの値と一致しているときに、再抽選演出の開示時期になったと判定する。再抽選演出の開示時期になっていなければ、ステップS855に移行する。
再抽選演出の開示時期になったときには、演出制御用CPU101は、演出図柄を仮停止表示する(ステップS852)。仮停止図柄は左中右の図柄が揃った図柄の組み合わせ(ただし、偶数図柄)である。そして、再抽選演出を実行するために、使用するプロセステーブルを再抽選演出の種類に応じたテーブルに変更する(ステップS853)。なお、再抽選演出の種類として、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタA表示)(初回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格なし報知(キャラクタB表示)(初回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(初回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(2回操作で報知)」、「演出図柄変動中に昇格あり報知(3回操作で報知)」がある(図30〜図32参照)。その後、ステップS855に移行する。
ステップS855では、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS857)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS856)、演出制御用CPU101は、ステップS857の処理を実行する。
以上のような制御によって、演出図柄の変動中において、再抽選演出・昇格演出決定処理で決定された種類の再抽選演出(図33参照)が実行される。
図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄(最終停止図柄)を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。なお、大当りにすることが決定されている場合に、大当り遊技中またはエンディング演出中に昇格演出を実行することに決定されているときには、停止図柄は左中右の図柄が一致した偶数図柄の組み合わせである。
また、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8302)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8311に移行する。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、大当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8304)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8305)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8306)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8307)。
ステップS8311では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
図37は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に応じた値に更新する(ステップS1911)。
大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1902)。
大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、大当り中昇格演出に関するフラグ(5ラウンド中失敗報知フラグ、5ラウンド中昇格報知フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1903)。セットされていない場合には、ステップS1907に移行する。
大当り中昇格演出に関するフラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、現ラウンドが大当り中昇格演出を実行するラウンド(この実施の形態では、第5ラウンド)であれば、大当り中昇格演出を実行する(ステップS1904,S1905)。また、昇格演出(昇格成功演出)を実行した場合には、遊技者に第2特典を付与する(ステップS1906)。
上述したように、第2特典の演出は、第1特典の演出とは異なる演出であり、この実施の形態では、二次元バーコードの画像を演出表示装置9に表示する演出である。
ステップS1907では、演出制御用CPU101は、ラウンド数増加演出フラグがセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、処理を終了する。
ラウンド数増加演出フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、現ラウンドが第10ラウンドであれば(ステップS1908)、ラウンド数増加演出フラグをリセットし(ステップS1909)、ラウンド数増加演出を行う(ステップS1910)。
ラウンド数増加演出は、例えば、演出表示装置9の表示画面に、ラウンド数が増加したことを示す文字画像を表示することによって実現される。そのような演出が実行されたことによって、遊技者に、あたかも大当り遊技のラウンド数が増えたかのような印象を与えることができる。
大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1921)。次のラウンド数に応じたインターバル演出(ラウンド間演出)を開始し(ステップS1924)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS1925)。
以上のような制御によって、大当り遊技中において、再抽選演出・昇格演出決定処理で決定された種類の昇格演出(図34参照)が実行される。
なお、この実施の形態では、大当り遊技中に昇格演出を開始するときに、操作ボタン150に対する操作が行われたことを条件にしないが、図34に例示されたように、操作ボタン150に対する操作が行われたことを条件に大当り遊技中に昇格演出を開始する場合には、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が押下されたときに昇格演出を開始するとともに、第5ラウンドにおいて再度操作ボタン150が押下されたときに昇格演出の結果報知(昇格する/しない)を行う。
図38は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1931)。大入賞口開放中コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1932)、次のラウンド数に応じたラウンド中演出を開始し(ステップS1933)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS1934)。
図39は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS890に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定する(ステップS883)。
次いで、演出制御用CPU101は、エンディング中昇格報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS884)。エンディング中昇格報知フラグがセットされている場合には、昇格報知のための画像(例えば、「確変」の文字画像)を演出表示装置9に表示する(ステップS885)。エンディング中昇格報知フラグがセットされていない場合には、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する(ステップS886)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS890では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS891)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
以上のような制御によって、エンディング演出中において、再抽選演出・昇格演出決定処理で決定された種類の昇格演出が実行される。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りであるか否かを報知する報知演出(再抽選演出、昇格演出)を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知演出の実行タイミングを複数種類の実行タイミングの中から選択し、遊技価値が高い15R確変大当り(時短50回)または15R確変大当り(時短100回)にすると決定されている場合には、遊技価値が低い10R確変大当りとすると決定されている場合と比較して、報知演出の実行タイミングとして遅い実行タイミングを高い割合で選択する。具体的には、この実施の形態では、15R確変大当り(時短50回)または15R確変大当り(時短100回)と決定されている場合には、10R確変大当りと決定されている場合と比較して、演出図柄の変動中に実行される再抽選演出よりも、大当り遊技中や大当り遊技終了時に実行される昇格演出で高い割合で確変報知される。そのように、大当り遊技状態の遊技価値が高くなるほど報知演出が実行されるタイミングが遅くなるので、遅いタイミングで報知演出が実行されることによって、実行中の大当り遊技状態が遊技価値の高い大当り遊技状態であることに対する期待感を高めることができる。従って、報知演出を実行可能に構成した遊技機において、確変大当りとなることに対する期待感だけでなく、実行中の大当り遊技状態が遊技価値の高い大当り遊技状態であることに対する期待感も高めることによって、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技のラウンド数と時短回数とを異ならせることによって、特定遊技状態(大当り遊技状態)の遊技価値を異ならせる場合を示しているが、特定遊技状態の遊技価値の異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大当り遊技中のラウンド数が同じであるものの、ラウンドごとの大入賞口の開放時間を異ならせたり、ラウンドごとの大入賞口の開放回数を異ならせることによって、特定遊技状態の遊技価値を異ならせてもよい。
また、大当り遊技後の確変回数(その回数の変動が実行されるまで遊技状態が確変状態に維持されることになる回数)として複数種類がある場合には、時短回数を異ならせることによって、特定遊技状態(大当り遊技状態)の遊技価値を異ならせるのではなく、確変回数を異ならせることによって、特定遊技状態(大当り遊技状態)の遊技価値を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動中よりも、大当り遊技中や大当り遊技終了時に報知演出が実行される場合に、大当り遊技状態の遊技価値に対する期待感が高まるように構成する場合を示したが、報知演出の実行タイミングの異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、同じ大当り遊技状態中であっても、大当り遊技中の早いラウンド(例えば、ラウンド数5以下のラウンド)で昇格演出が実行される場合と比較して、その大当り遊技状態中の遅いラウンド(例えば、ラウンド数6以上のラウンド)で確変昇格演出が実行される場合に、大当り遊技状態の遊技価値に対する期待感が高まるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、制御される遊技状態が第2特定遊技状態(例えば、10R確変大当りにもとづく大当り遊技状態)または第3特定遊技状態(例えば、15R確変大当り(時短50回)にもとづく大当り遊技状態)であることを報知する報知演出を実行するとともに、報知演出を実行するタイミングを決定したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が報知演出を実行するタイミングを決定してもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560が報知演出を実行するタイミングを決定する場合には、例えば、大当り種別を決定するときに報知演出の実行の有無および報知演出の実行タイミング(報知演出を実行する場合)を決定し、大当り種別を示す演出制御コマンドに加えて、報知演出の実行タイミングを示す演出制御コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。または、報知演出の実行タイミングを示す情報を含む大当り種別を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
また、この実施の形態では、大当りの有利度をラウンド数としたが(例えば、第1特定遊技状態は5R通常大当り、第2特定遊技状態は10R確変大当り、第3特定遊技状態は15R確変大当り)、他の有利度を採用してもよい。例えば、ラウンド数は同じ(一例として、15ラウンド)であるが、大当り遊技終了後の時短回数の差で有利度に差を設けてもよい。一例として、時短回数が、30回、50回、100回の大当りにもとづく大当り遊技状態を、第1特定遊技状態、第2特定遊技状態、第3特定遊技状態としてもよい。
その場合、例えば、時短回数100回の大当り(この例では、第3特定遊技状態に対応)であることを報知した後、100回の変動が完了しないうちに大当りが発生すると、時短状態における100回の変動が完了しない。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第3特定遊技状態であることを報知する報知演出として、時短状態での100回の変動が可能になる旨を遊技者に報知したことになるので、報知の時点において、遊技者に所定の満足感を与えることができる。すなわち、第2特定遊技状態に比べて遊技者にとって有利な第3特定遊技状態であることが遊技者に報知されることに変わりはない(100回の変動が完了しないうちに大当りが発生した場合でも)。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。