以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、1つの特別図柄表示器のみを備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄)の可変表示が行われる。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9の表示画面には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)になる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示が使用されるが、演出表示装置9で行われる演出は、演出図柄の変動表示に限られず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とが設けられていてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。よって、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、同期して実行される。同期するとは、変更開始タイミングおよび変動終了タイミングが略同じであることを意味する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域7には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段の一例である操作ボタン150が設けられている。なお、押下ではなく、回転や押し倒し等による操作手段が用いられていてもよい。
操作ボタン150には、白色LED(例えば、赤色発光LED、緑色発光LED、青色発光LEDを内蔵)、赤色LEDおよびバイブレータ(振動モータ)が組み込まれている。操作ボタン150は、白色LEDおよび赤色LEDの発色を遊技者が視認可能になるように形成されている。バイブレータが動作すると、操作ボタン150は振動する。
なお、この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態:通常状態と比較して大当りとなる確率が高められた遊技状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8や演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる。)ように制御された遊技状態である高ベース状態(高頻度状態)に移行する。高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータは、遊技の進行状態を示すデータに相当する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新する乱数発生機能を有する。そして、読出される数値データが乱数値として使用される。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン150に対する押圧操作に応じた操作信号(押下信号)を操作ボタン150から入力する。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、白色LED151、赤色LED152およびバイブレータ153に駆動信号を与える。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作を説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り決定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り決定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り決定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、CPU56は、乱数を用いた変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り決定用乱数等の各決定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(決定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別決定用)。
(2)ランダム2:変動パターンの(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)。
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り決定用)。
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(3)の普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが決定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り決定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り決定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り決定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または通常大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
「通常大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を非確変状態(低確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、特別図柄の可変表示(変動)が100回実行されるまで継続する。「確変大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、次に大当りが発生するまで継続する。
なお、この実施の形態では、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」があるが、他の大当り種別があってもよい。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図8に示す例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか大当りとするか、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様などの各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、リーチ演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「リーチA」は、所定のリーチ態様(例えば、ノーマルリーチ演出)を伴う変動パターンである。「リーチB」は、「リーチA」とは異なるリーチ態様(例えば、スーパーリーチ演出)を伴う変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様(速度や回転方向等)の変動が行われたりキャラクタ等が現れたりすることをいう。なお、「リーチA」および「リーチB」では、大当りになる場合と大当りにならない場合とがある。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS215A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図12(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図12(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図12(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図12(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS216A)。ステップS216Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図12(B)は、保留記憶に対応する乱数等の保存領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図12(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
また、CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS218A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS215B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS216B)。ステップS216Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
また、CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS218B)。
図13および図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図12(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
なお、第1特別図柄の変動(可変表示)に対して、第2特別図柄の変動が優先して実行されるようにしてもよい。つまり、CPU56は、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御してもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図7(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS216Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS216Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かを確認することによって判定される。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS74に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、CPU56は、大当り種別判定テーブル(図7(B)参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS72)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS73)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS74)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定するが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS75)。
図15は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされているときは、CPU56は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS92)。大当りフラグがセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS93)。
大当り用変動パターン決定テーブルには、図8に示された大当りのときに選択される変動パターン(「02H」「04H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示されたはずれのときに選択される変動パターン(「00H」「01H」「03H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、はずれ用変動パターン決定テーブルは、遊技状態が通常状態のときの変動パターン決定テーブルであって、遊技状態が確変状態のときは、別の変動パターン決定テーブルが用いられる。例えば、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示されたはずれのときに選択される変動パターン(「01H」「03H」「05H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
なお、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルは、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと同じテーブルが用いられる。ただし、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルとを異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて演出図柄の変動パターンを決定する(ステップS101)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが演出表示装置9で実行される演出図柄の変動パターンと決定される。なお、この実施の形態では、変動パターン決定用乱数は始動入賞発生時に抽出され乱数格納バッファに格納されているが、CPU56は、変動パターン決定用乱数を、特別図柄の変動開始時に抽出(例えば、変動パターン設定処理において抽出)し、抽出した乱数にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンド)を送信する制御を行い(ステップS103)、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS102)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS104)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する(ステップS105)。
図16は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、大当りであるか否かや、決定されている大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種類(種別)に応じて、表示結果2指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。大当り種別は、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。
ステップS113では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS114)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS127)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示は、具体的には、特別図柄変動中処理となり特別図柄プロセスフラグの値が3となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の変動表示が実行される。
また、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4(特別図柄停止処理を示す値)となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS65で決定された停止図柄)を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(5、10または15)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。セットされている場合には、ステップS147に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS146)。
ステップS147では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には、ステップS172に移行する。
確変大当りである場合には、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS174に移行する。
ステップS170,S171の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときに、遊技状態が確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。
なお、この実施の形態では、ステップS173の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS172では、CPU56は、時短回数(時短状態における変動可能回数)をカウントするための時短回数カウンタに所定数(例えば、100)をセットする(ステップS172)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS173)。そして、ステップS174に移行する。
ステップS174では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。ステップS174の処理で、UCPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS175)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図20は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。さらに、演出図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのか解析する。
図21および図22は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。以上の処理によって、1つの演出制御コマンド(2バイトのコマンド)が取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS615)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS616)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS627)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS662)。具体的には、保留表示を1増やす。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞が生じたときにその旨を示す第1始動入賞指定コマンドを送信し、第2始動入賞が生じたときにその旨を示す第2始動入賞指定コマンドを送信し、演出制御用CPU101が、第1始動入賞指定コマンドを受信したときには第1保留態様(例えば、青色)で合算保留記憶表示部18cにおける表示を1増やし、第2始動入賞指定コマンドを受信したときには第2保留態様(例えば、緑色)で合算保留記憶表示部18cにおける表示を1増やすような制御を行ってもよい。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS664)。具体的には、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトする。
受信した演出制御コマンドが遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド:図9参照)であれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、RAMに確保されている遊技状態データの領域に、受信した遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態に応じた値を設定する(ステップS671)。以下、遊技状態データの領域に設定された値を遊技状態データという。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS691)。
図23は、遊技状態データの値の一例を示す説明図である。図23に示す例では、低確率低ベース状態(非確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「01(H)」である。低確率高ベース状態(非確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「02(H)」である。高確率低ベース状態(確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「03(H)」である。高確率高ベース状態(確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「04(H)」である。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高確率低ベース状態(確変非時短状態)になることはないので、遊技状態データの値が「03(H)」に設定されることはない。
図24は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図24に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および操作演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
操作演出決定用乱数SR2は、操作演出(ボタン演出)を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。
図25は、操作演出のうちの操作前演出を説明するための説明図である。操作演出は、遊技者による操作ボタン150などの操作部の操作前に実行される演出である操作前演出と、操作部の操作後に実行される演出である操作後演出とを含んで構成される。図25(A)に示すように、演出制御用CPU101は、演出図柄の表示状態がリーチ状態になった後、所定の時期に、遊技者のボタン操作(操作ボタン150の押下)を促すための操作促進画像9aを、所定のサイズと所定の色で演出表示装置9の表示画面に表示する制御を行う。なお、この実施の形態において、「促進」は、遊技者の操作を進めるという意味ではなく、遊技者の操作を促す(勧誘する)という意味で用いられている。
また、図25(B)に示すように、演出制御用CPU101は、演出図柄の表示状態がリーチ状態になった後、所定の時期(この実施の形態では、操作促進画像9aの表示開始時期とほぼ同じ時期)に、操作ボタン150の態様を通常の態様から変える。
操作ボタン150の通常の態様は、発色せず(白色LED151および赤色LED152が消灯)、かつ、バイブレータ153による振動が行われていない状態である。従って、演出制御用CPU101は、操作ボタン150の態様を通常の態様から変えるときに、白色LED151による発色、赤色LED152による発色、もしくはバイブレータ153による振動、または、それらのうちの2つ以上の制御を行う。操作前演出は、上述した操作促進画像9aを表示する演出と上述した操作ボタン150を通常の態様から変更する演出とを含む。
図26は、操作演出のうちの操作後演出を説明するための図である。図26(A)を参照して、操作後演出のうち「CHANCE」の文字を表示する演出は、大当り遊技状態となる期待度が低い弱操作後演出の一例である。図26(B)を参照して、操作後演出のうち「激熱」の文字を表示する演出は、大当り遊技状態となる期待度が弱操作後演出よりも高い強操作後演出の一例である。
演出の大当り遊技状態となる期待度とは、その演出が実行された後に大当り遊技状態となる割合のことである。大当り確率がpであり、大当りとすることが決定されているときのその演出の選択確率がqであり、ハズレとすることが決定されているときのその演出の選択確率がrである場合、その演出が実行された場合の大当り遊技状態の期待度sは、s(%)=p×q×100/(p×q+(1−p)×r)である。
また、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、操作演出などの演出の実行頻度を通常頻度から高頻度に変更するように遊技者が設定することが可能である。演出図柄の可変表示中には、演出表示装置9の一部(たとえば、左下隅)などの遊技者が視認可能な場所に、演出の実行頻度が変更されている旨を示す情報(たとえば、高頻度に変更されている旨を示す「演出実行頻度:高」という内容の文字情報)が薄く比較的遅く点滅表示される。
この表示は、リーチ状態となるまで表示させるようにしてもよいし、大当り状態中は表示させないようにしてもよい。薄く表示させるまたは比較的遅く点滅させることで、演出表示装置9で表示されている他の演出の興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
図27は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図28は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS813)。
変動パターン受信フラグがセットされていない(ステップS811でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされたか否かを判断する(ステップS815)。
客待ちデモ指定コマンドは、図9で示したコマンドであるが、特別図柄の可変表示が終了したときに次の保留記憶が無いときに遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100で客待ちデモ指定コマンドが受信されると、演出制御用CPU101は、図22のステップS691で、受信した客待ちデモ指定コマンドに対応する客待ちデモ指定コマンドをセットする。
客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされた(ステップS815でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS816)、可変表示が終了してからの経過時間である変動後時間の計時を開始する(ステップS817)。
客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされていない(ステップS815でNO)と判断した場合、および、ステップS817の後、演出制御用CPU101は、操作演出の実行頻度が高頻度に設定されているか否かを判断する(ステップS871)。高頻度に設定される場合は、後述するステップS886で演出高頻度設定フラグがセットされる。
高頻度設定中でない(ステップS871でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、計時されている変動後時間が30秒となったか否かを判断する(ステップS881)。30秒となった(ステップS881でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、客待ちデモ映像の再生を開始する(ステップS882)。客待ちデモ映像は、遊技が所定時間、行なわれていないと判断される場合に再生される当該機種のデモンストレーションとしての映像であり、当該機種の説明の映像や当該機種で実行される演出の映像など当該機種に関連する映像である。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
変動後時間が30秒でない(ステップS881でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出の実行頻度を設定するための演出設定画面を表示させる遊技者の操作(ここでは、客待ちデモ映像表示中における操作ボタン150の操作)が有ったか否かを判断する(ステップS883)。
演出設定画面を表示させる操作が有った(ステップS883でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に演出設定画面を表示させる(ステップS884)。
図29は、演出設定画面および演出設定初期化画面を示す図である。図29(A)を参照して、演出表示装置9に表示される演出設定画面には、演出(ここでは操作演出)の実行頻度の選択を促す旨の内容、および、演出の実行頻度として「通常頻度」または「高頻度」を選択するための選択肢が含まれる。
図28に戻って、演出設定画面を表示させる操作が無い(ステップS883でNO)と判断した場合、および、ステップS884の後、演出制御用CPU101は、演出設定画面が表示されている状態において「高頻度」の選択肢が選択されたか否かを判断する(ステップS885)。
演出設定画面においては、四角の枠が数秒ごと(たとえば2秒ごと)に交互に「通常頻度」または「高頻度」の選択肢を囲むように表示される。いずれかの選択肢が枠に囲まれているときに操作ボタン150が押下されると、枠に囲まれている選択肢が選択される。
「高頻度」が選択された(ステップS885でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出高頻度設定フラグをセットすることで、操作演出の実行頻度を高頻度に設定するとともに演出設定画面を消去する(ステップS886)。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
「高頻度」が選択されていない(ステップS885でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出設定画面が表示されている状態において「通常頻度」の選択肢が選択されたか否かを判断する(ステップS887)。
「通常頻度」が選択された(ステップS887でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出高頻度設定フラグをリセットすることで、操作演出の実行頻度を通常頻度に設定するとともに演出設定画面を消去する(ステップS888)。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
操作演出が高頻度に設定中である(ステップS871でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンドが受信された後に演出の実行頻度を通常頻度に戻すか否かを確認済であることを示す確認済フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS872)。確認済フラグがオンである(ステップS872でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理を前述したステップS881に進める。
一方、確認済フラグがオンでない(ステップS872でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、計時されている変動後時間が20秒となったか否かを判断する(ステップS873)。20秒となった(ステップS873でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、操作演出の実行頻度を通常頻度に戻すか否かを確認するための選択肢を含む演出設定初期化画面を演出表示装置9に表示する(ステップS874)。
図29(B)を参照して、演出表示装置9に表示される演出設定初期化画面には、高頻度に設定された演出(ここでは操作演出)の実行頻度を通常頻度に戻すか否かを確認する旨の内容、および、演出の実行頻度を高頻度から通常頻度に「戻す」または「戻さない」を選択するための選択肢が含まれる。
図28に戻って、ステップS874の後、演出制御用CPU101は、確認済フラグをオフにする(ステップS875)。
変動後時間が20秒でない(ステップS873でNO)と判断した場合、および、ステップS875の後、演出制御用CPU101は、演出設定初期化画面が表示されている状態において「戻す」の選択肢が選択されたか否かを判断する(ステップS876)。
演出設定初期化画面においては、四角の枠が数秒ごと(たとえば2秒ごと)に交互に「戻す」または「戻さない」の選択肢を囲むように表示される。いずれかの選択肢が枠に囲まれているときに操作ボタン150が押下されると、枠に囲まれている選択肢が選択される。
「戻す」が選択された(ステップS876でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出高頻度設定フラグをリセットすることで、操作演出の実行頻度を通常頻度に戻すよう設定する(ステップS877)。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS879に進める。
「戻す」が選択されていない(ステップS876でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出設定初期化画面が表示されている状態において「戻さない」の選択肢が選択されたか否かを判断する(ステップS878)。
「戻さない」が選択された(ステップS878でYES)と判断した場合、つまり、高頻度のままとする場合、および、ステップS877の後、演出制御用CPU101は、確認済フラグをオンにするとともに演出設定初期化画面を消去し(ステップS879)、実行する処理をステップS882に進める。
なお、ここでは、ステップS879の後、ステップS882に処理を進めるようにしたが、これに限定されず、ステップS881に処理を進めるようにしてもよい。これにより、パチンコ遊技機1において、演出図柄の可変表示も何らかの遊技者の操作も行なわれなくなってから、一律で30秒後に客待ちのデモ映像の再生が行なわれるようにすることができる。
「戻さない」が選択されていない(ステップS878でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
図30は、図27に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。
例えば、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
大当り図柄を決定する際に、演出制御用CPU101は、ステップS822の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。
また、演出制御用CPU101は、操作演出決定処理を行う(ステップS823)。
図31は、操作演出決定処理を示すフローチャートである。図31に示すように、操作演出実行決定用乱数を生成するためのカウンタから値を読み出し、読み出した値を操作演出実行決定用乱数とする(ステップS501)。そして、演出制御用CPU101は、操作演出実行決定用乱数の値と操作演出実行決定テーブルに設定されている判定値とを比較することによって、操作演出を実行するか否か、および、操作後演出の演出態様(弱操作後演出,強操作後演出)を決定する(ステップS502)。
図32は、操作演出実行決定テーブルの構成例を示す説明図である。操作演出実行決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。図32に示すように、操作演出実行決定テーブルには、操作演出を不実行とすること、弱操作後演出を実行すること、および、強操作後演出を実行することのそれぞれに対して判定値が設定されている。なお、図32には、判定値数が記載されている。
演出制御用CPU101は、ステップS502の処理で、操作演出を不実行とすること、弱操作後演出を実行すること、および、強操作後演出を実行することのいずれとするかを、操作演出実行決定用乱数の値と一致する判定値に対応するものに決定する。なお、演出制御用CPU101は、特別図柄の可変表示ではずれとすると決定されている場合に、演出の実行頻度が通常頻度に設定されているときは、図32(A)に示すテーブルを使用し、演出の実行頻度が高頻度に設定されているときは、図32(B)に示すテーブルを使用する。演出制御用CPU101は、特別図柄の可変表示で大当りとすると決定されている場合に、演出の実行頻度が通常頻度に設定されているときは、図32(C)に示すテーブルを使用し、演出の実行頻度が高頻度に設定されているときは、図32(D)に示すテーブルを使用する。
図32(A),図32(B)に例示されているように、操作演出の実行頻度が通常頻度から高頻度に変更されており、ハズレとする決定がされているときは、強操作後演出の実行頻度の変更量(ここでは、非確変時はハズレ確率が299/300であり、通常頻度時の実行頻度は(299/300)×(1/100)、高頻度時の実行頻度は(299/300)×(1/100)なので、変更量は0)よりも、弱操作後演出の実行頻度を高くする変更量(ここでは、通常頻度時の実行頻度は(299/300)×(29/100)、高頻度時の実行頻度は(299/300)×(74/100)なので、変更量は(299/300)×(45/100))が大きくなるようにされている。なお、ここでは、ハズレとする決定がされているときの強操作後演出の実行頻度の変更量は0としているが、これに限定されず、弱操作後演出の実行頻度を高くする変更量よりも小さければ、通常頻度時の実行頻度よりも高頻度時の実行頻度を高くしてもよいし低くしてもよい。
また、図32(A),図32(B)に例示されているように、操作演出の実行頻度が通常頻度から高頻度に変更されており、ハズレとする決定がされているときは、強操作後演出の実行頻度が変わらない(ここでは、非確変時はハズレ確率が299/300であり、通常頻度時の実行頻度は(299/300)×(1/100)であり、高頻度時の実行頻度も(299/300)×(1/100)である)ようにされている。
また、図32(C),図32(D)に例示されているように、操作演出の実行頻度が通常頻度から高頻度に変更されており、大当りとする決定がされているときは、弱操作後演出の実行頻度の変更量(ここでは、非確変時は大当り確率が1/300であり、通常頻度時の実行頻度は(1/300)×(5/100)、高頻度時の実行頻度は(1/300)×(5/100)なので、変更量は0)よりも、強操作後演出の実行頻度を高くする変更量(ここでは、通常頻度時の実行頻度は(1/300)×(90/100)、高頻度時の実行頻度は(1/300)×(94/100)なので、変更量は(1/300)×(4/100))が大きくなるようにされている。なお、ここでは、大当りとする決定がされているときの弱操作後演出の実行頻度の変更量は0としているが、これに限定されず、強操作後演出の実行頻度を高くする変更量よりも小さければ、通常頻度時の実行頻度よりも高頻度時の実行頻度を高くしてもよいし低くしてもよい。また、高頻度に変更されており、大当りとする決定がされているときは、操作演出を不実行と決定する割合を0としてもよい。つまり、100%、操作演出を実行するようにしてもよい。
また、操作演出の実行頻度を通常頻度に設定している場合の操作演出の実行頻度は、(299/300)×(29/100+1/100)+(1/300)×(5/100+90/100)=9065/30000=30.2%である。操作演出の実行頻度を高頻度に設定している場合の操作演出の実行頻度は、(299/300)×(74/100+1/100)+(1/300)×(5/100+94/100)=22524/30000=75.1%である。このように、操作演出の実行頻度を高めたい遊技者の意思を反映させることができる。
また、操作演出の実行頻度を通常頻度に設定している場合の強操作後演出の大当り期待度SLは、SL=((1/300)×(90/100)×100)/((1/300)×(90/100)+(1−1/300)×(1/100))=9000/(90+299)=23.1%である。操作演出の実行頻度を高頻度に設定している場合の強操作後演出の大当り期待度SHは、SH=((1/300)×(94/100)×100)/((1/300)×(94/100)+(1−1/300)×(1/100))=9400/(94+299)=23.9%である。このように、操作演出の実行頻度を通常頻度から高頻度に変更した場合であっても、強操作後演出の大当り期待度は、ほぼ変化しない。このため、強操作後演出に対する遊技者の期待感を維持することができる。
図31に戻って、ステップS502の後、演出制御用CPU101は、ステップS502で操作演出を実行すると決定されたか否か確認する(ステップS503)。操作演出を実行すると決定されていない(ステップS503でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
操作演出を実行すると決定された(ステップS503でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、操作前演出態様決定用乱数を生成するためのカウンタから値を読み出し、読み出した値を操作前演出態様決定用乱数とする(ステップS504)。そして、演出制御用CPU101は、操作前演出態様決定用乱数の値と操作前演出態様決定テーブルに設定されている判定値とを比較することによって、演出態様(操作促進画像9aの表示態様と変更後の操作ボタン150の態様)を決定する(ステップS505)。
図33は、操作前演出態様決定テーブルの構成例を示す説明図である。操作前演出態様決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。図33に示すように、操作前演出態様決定テーブルには、操作促進画像9aの表示態様と操作ボタン150の態様との組み合わせに対応する判定値が設定されている。なお、図33には、判定値数が記載されている。
演出制御用CPU101は、ステップS502の処理で、操作促進画像9aの表示態様と変更後の操作ボタン150の態様とを、操作演出決定用乱数の値と一致する判定値に対応する態様に決定する。なお、演出制御用CPU101は、特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない(はずれにする)ことに決定されている場合には図33(A)に示すテーブルを使用し、大当り図柄にする(大当りにする)ことに決定されている場合には図33(B)に示すテーブルを使用する。
そして、演出制御用CPU101は、決定した操作前演出および操作後演出の演出態様をRAMに記憶し(ステップS506)、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
図33に例示されているように、この実施の形態では、大当りになる場合には、はずれになる場合に比べて、操作ボタン150の態様が「振動」に決定される割合が大きい。また、「赤」に対応する判定値数は、はずれになる場合に比べて、大当りになる場合の方が多い。つまり、変化後の操作ボタン150の態様によって、大当りになる可能性が示唆されることになる。
また、操作促進画像9aの表示態様に着目すると、大当りになる場合には、はずれになる場合に比べて、「赤」に決定される割合が大きい。「赤/大」に決定される割合は、大当りになる場合には、はずれになる場合に比べて、さらに大きい。
また、操作ボタン150の態様が「赤」に決定される場合(具体的には、「赤」または「赤/振動」)に決定される場合、操作促進画像9aの表示態様は、「白」(具体的には、「白/小」または「白/大」)に決定される。すなわち、演出制御用CPU101は、操作ボタン150の複数の態様に共通する態様の操作促進画像9aを表示する。また、操作ボタン150の態様が「白」に決定される場合(具体的には、「白」または「白/振動」)に決定される場合にも、操作促進画像9aの表示態様は、「白」(具体的には、「白/小」または「白/大」)に決定されることがある。
なお、この実施の形態では、「共通する態様」は「白」であるが、「白/小」の場合もあり「白/大」の場合もある。すなわち、操作促進画像9aの態様の一部が同じである。しかし、「共通する態様」を全く同じ態様にしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、操作促進画像9aの表示態様と変化後の操作ボタン150の態様とを一括して決定するが、それらを別個に決定するようにしてもよい。その場合には、演出制御用CPU101は、例えば乱数を用いた抽選によって操作促進画像9aの表示態様を決定し、他の乱数を用いた抽選によって変化後の操作ボタン150の態様を決定する。
また、この実施の形態では、リーチになる演出図柄の変動中に常に操作演出が実行されるが、演出制御用CPU101は、例えば乱数を用いた抽選によって、操作演出を実行するか否か決定するようにしてもよい。
演出図柄変動制御処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS824)。
図34は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図34に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出図柄を可変表示する演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(ステップS826)。例えば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS827)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を、演出図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS828)。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B)。
また、ボタン有効期間タイマが動作中であれば、ボタン有効期間タイマの値を−1する(ステップS840C)。
演出制御用CPU101は、ボタン有効期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS840D)、演出表示装置9の表示画面から操作促進画面9sを消去し、操作ボタン150の態様を通常の態様に戻す(ステップS840E)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。タイムアウトしていない場合には、ステップS844に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS843)。そして、ステップS844に移行する。
ステップS844では、演出制御用CPU101は、操作前演出を実行するタイミングとなったか否かを判断する。操作前演出を実行するタイミングは、リーチ状態となる前である。しかし、これに限定されず、操作前演出を実行するタイミングは、リーチ状態となった後(たとえば、リーチ状態となった後スーパーリーチ演出が実行される前であってもよいし、スーパーリーチ演出の実行中であってもよい)し、操作前演出の対象が未だ保留記憶であるときであってもよいし、大当り状態中であってもよいし、大当り状態後の高ベース状態中であってもよいし、大当り状態後の低確率高ベース状態中であってもよい。操作前演出実行タイミングでない(ステップS844でNO)と判断した場合には、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS852に移行する。
変動時間タイマの値が所定時間の経過に相当する値になったときには、演出制御用CPU101は、ステップS502の処理で決定されRAMに記憶されている態様で操作促進画像9aを表示する(ステップS845)。また、操作ボタン150の態様を、ステップS502の処理で決定されRAMに記憶されている態様にする(ステップS846)。つまり、ステップS845,ステップS846において操作前演出を実行する。
演出制御用CPU101は、ステップS846の処理で、操作ボタン150を白色にすることに決定されている場合には、白色LED151に駆動信号を与える。操作ボタン150を赤色にすることに決定されている場合には、赤色LED152に駆動信号を与える。操作ボタン150を振動させることに決定されている場合には、バイブレータ153に駆動信号を与える。
また、演出制御用CPU101は、ボタン有効期間タイマに操作有効期間に応じた値をセットする(ステップS847)。そして、ステップS852に移行する。
ステップS852では、演出制御用CPU101は、ボタン有効期間タイマが動作中であるか否か(値が0でないか否か)確認する。ボタン有効期間タイマが動作中である場合には、演出制御用CPU101は、入力ポート107(図3参照)を介して操作ボタン150が操作されたことを検出したら(ステップS853)、操作ボタン150の態様を通常の態様に戻す(ステップS854)。すなわち、白色LED151、赤色LED152およびバイブレータ153の駆動を停止する。
また、演出制御用CPU101は、ステップS854の処理に続いて、演出表示装置9の表示画面から操作促進画面9sを消去し、図31のステップS502での決定結果に基づいて、図26で示したような操作後演出(当該演出は操作演出に含まれる。)を実行する(ステップS855)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS861)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS863)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS862)、演出制御用CPU101は、ステップS863の処理を実行する。
図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS8300)、ステップS822の処理で決定された停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
また、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8311)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8312に移行する。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、大当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8313)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8314)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8315)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8316)。
ステップS8312では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
なお、大当り表示処理(ステップS804)において、演出制御用CPU101は、ステップS8313の処理で選択されたプロセステーブルに設定されているデータに従って、ファンファーレ演出を実行する。
以上に説明したように、演出制御用CPU101は、大当り遊技状態への期待度に応じて操作ボタン150の態様を複数の態様のいずれかに変化させ、大当り遊技状態への期待度に応じて操作促進画像9aを複数の態様のいずれかで表示するが操作ボタン150の複数の態様に共通する態様の操作促進画像9aを表示するので、また、大当り遊技状態への期待度に応じて操作促進画像9aの表示態様を複数の表示態様のいずれかに変化させ、大当り遊技状態への期待度に応じて操作ボタン150の態様を複数の態様のいずれかにするが操作ボタン150の態様を操作促進画像9aの複数の表示態様に共通する態様(例えば、図33に示す「白」(具体的には、「白」または「白/振動」)にするので、操作手段を用いた演出による遊技の興趣をより向上させることができる。
また、この実施の形態では、「赤/小」または「赤/大」(操作促進画像9aに関して)と「赤」または「赤/振動」(操作ボタン150に関して)との組み合わせで演出が実行されることはない。操作促進画像9aの表示態様(この場合には、赤)と操作ボタン150の態様(この場合には、赤)とが同じであると、遊技者は、何かを期待するおそれがあるが、同じ態様で操作促進画像9aと操作ボタン150の演出が実行されないようにして、遊技者が何かを期待したが期待に応じた事象が生じないという状況の発生が防止される。
なお、この実施の形態では、「有利度」を大当りの期待度(信頼度)としたが、他の遊技状態の発生等の期待度にしてもよい。例えば、確変大当たりの期待度、時短状態への移行の期待度、多い時短回数の期待度、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難な状態(いわゆる潜伏確変)にする機能を有する場合の潜伏確変にしてもよい。
また、この実施の形態では、操作促進画像9aの表示態様に対応する判定値と操作ボタン150の態様とは、ともに、大当りの信頼度に応じて割り振られているが(図33参照)、すなわち、同一の対象に対する信頼度(本明細書では、「有利度」と同義)応じて判定値が割り振られているが、異なる対象に対する信頼度(異なる対象についての有利度)応じて判定値が割り振られてもよい。例えば、一方の態様に対応する判定値が大当りの信頼度度に応じて割り振られ、他方の態様に対応する判定値が確変大当りの信頼度に応じて割り振られるようにしてもよい。
また、信頼度(期待度)の対象は、遊技に関する信頼度(例えば、大当り信頼度)でなくてもよい。例えば、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が押下されたことにもとづいてポイント付与のための演出(一種の操作演出)を実行し(図35に示すステップS854の処理に続いてポイント付与のための演出を開始する。)、演出の結果に応じて遊技者に付与されるポイントの有無やポイント数に対する信頼度であってもよい。なお、例えば、遊技者が獲得したポイント数が所定数に達すると、遊技機は、通常では実行しない特別な演出が実行可能になったりするように構成される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、リーチ演出中に操作演出を実行するが、例えば、大当り遊技中に実行してもよい。その場合、操作演出を、操作ボタン150が押下されたときに開始される確変昇格演出やラウンド昇格演出として実行してもよい。確変昇格演出は、演出図柄を通常大当り図柄で停止表示させ、大当り遊技の開始後に確変大当りに昇格するか否かを報知するための演出である。ラウンド昇格演出は、少ないラウンド数の大当り遊技状態に対応する演出図柄を停止表示させた後に、実際には多いラウンド数の大当り遊技状態であることを報知するための演出である。そのようなタイミングで操作演出を実行する場合にも、操作促進画像9aの表示態様に対応する判定値と操作ボタン150の態様とが、確変状態や多いラウンド数の大当たり遊技状態に対する信頼度(有利度)に応じて割り振られる。
また、演出制御用CPU101は、可変表示中のリーチ成立前に、操作ボタン150が押下されたときに予告演出(一種の操作演出)を開始するようにしてもよい。そのようなタイミングで操作演出を実行する場合にも、操作促進画像9aの表示態様に対応する判定値と操作ボタン150の態様とが、大当りやスーパーリーチに対する信頼度(有利度)に応じて割り振られる。
また、この実施の形態では、操作ボタン150の態様の種類として発色と振動を用いたが、操作ボタン150の回転、操作ボタン150の突出(跳ね上がり)、操作ボタン150の温度変化、操作ボタン150の硬化等を用いてもよい。また、この実施の形態では、操作ボタン150の発色として白色および赤色を用いたが、それらの色は一例である。
また、この実施の形態では、操作手段として操作ボタン150が用いられるが、他の類いの操作手段を用いてもよい。例えば、所定方向に倒れる操作レバーやタッチパネル(赤外線方式その他の方式による)を用いることができる。操作レバーを用いる場合には、操作ボタン150を用いる場合と同様に発色および振動を発生することができる。タッチパネルを用いる場合には、タッチパネルの周囲に発光部(発色が異なる複数種類の発光部や発光可能面積(発光領域のサイズ)を変化させることができる発光体)を設ければよい。
(変形例)
図37は、操作演出の変形例を説明するための説明図である。図37に示すように、演出図柄の可変表示が実行され(図37(A)参照)、リーチになった後(図37(B)参照)、操作促進画像9aとともにメータ状の画像9cが表示画面に表示される(図37(C)参照)。なお、メータ状の画像9cにおいて、メータ部分(着色部分(黒色部分))の端は時間経過に伴って右に移動するように表示制御される。また、メータ状の画像9cとともに画像9cの特定位置を指示する画像9bも表示される。特定位置は固定された位置である。
そして、遊技者が、操作ボタン150を押下したことにもとづいて(図37(D)参照)、特定演出(例えば特定のキャラクタ画像9dの移動表示)が実行される(図37(E)参照)。また、操作ボタン150を押下したタイミングが特定タイミング(メータ状の画像9cにおけるメータ部分の端が特定位置に達したとき)で押下されると、保留記憶表示の表示態様が変化する(図37(E)参照)。図37には、その後大当りになる例が示されている(図37(F)参照)。
図38および図39は、変形例における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図38に示すように、演出制御コマンドとしてコマンドC4XX(H)も規定されている。コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である(図39参照)。変形例では、後述する入賞時判定処理(図41参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて大当りとなるか否かを判定するとともに、その始動入賞にもとづく可変表示の変動パターンを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
図40は、変形例における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。変形例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56は、第1始動入賞口13において始動入賞が生じたとき、および、第2始動入賞口14において始動入賞が生じたときに、入賞時判定処理を実行する(ステップS217A,S217B)。
図41は、ステップS217A,S217Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、ステップS216A,S216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS221)。
なお、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定処理における判定結果にもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示の態様を変更する制御を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS216A,S216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り種別決定用乱数と大当り種別判定テーブルとを用いて、大当り種別を判定する(ステップS224)。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして大当り種別に対応するデータ(「04」または「05」:図10参照)を設定する(ステップS225)。そして、ステップS231に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、始動入賞にもとづいて開始される変動(可変表示)の開始時の遊技状態が確変状態になるか否か確認する(ステップS222)。
ステップS222の処理で、CPU56は、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがセットされていれば)、保留記憶バッファにおいて通常大当りの判定値(図7(B)参照)と一致する大当り種別決定用乱数を有する保留記憶(現在判定中の保留記憶を除く。)がある場合には、遊技状態が確変状態にならないと判定する。また、CPU56は、現在の遊技状態が通常状態であって(確変フラグがセットされていない)、保留記憶バッファにおいて確変大当りの判定値(図7(B)参照)と一致する大当り種別決定用乱数を有する保留記憶(現在判定中の保留記憶を除く。)がない場合にも、遊技状態が確変状態にならないと判定する。
遊技状態が確変状態になる場合には、CPU56は、ステップS216A,S216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。一致する場合には、ステップS224に移行する。
一致しない場合には、CPU56は、ステップS216A,S216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された変動パターン決定用乱数と変動パターン決定テーブルとを用いて、変動パターンがリーチ演出を伴うリーチ変動パターンになるか否か判定する(ステップS226,S227)。なお、合算保留記憶数が多い場合に平均的な変動時間を短縮するように構成され、変動パターン決定テーブルにおいて合算保留記憶数の多寡に関わらず特定のリーチ変動パターン(例えば、スーパーリーチ)には共通の判定(変動パターン決定用乱数の値と比較される)が割り当てられている場合に、CPU56は、いずれの合算保留記憶数であっても、変動パターン決定用乱数の値が判定値と一致したときには特定のリーチ変動パターンになると判定できる。
変動パターンがリーチ変動パターンになる場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンであるが、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「02」または「03」:図10参照)を設定する(ステップS228)。そして、ステップS231に移行する。
変動パターンがリーチ変動パターンにならない場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、非リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンではなく、かつ、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「01」:図10参照)を設定する(ステップS229)。そして、ステップS231に移行する。
ステップS231では、CPU56は、ステップS225,S228,S229の処理でEXTデータが設定された入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
図42は、変形例における演出制御用CPU101が実行するコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。変形例では、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS651)、受信した入賞時判定結果指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の保存領域に格納する処理(ステップS652)も実行する。
図43は、入賞時判定結果記憶バッファの構成例を示す説明図である。図43に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(保存領域1〜8)が確保されている。
なお、図43には、5個の入賞時判定結果指定コマンドが受信された例(保留記憶数が5である場合に相当)が示されている。
また、入賞時判定結果記憶バッファには、決定された保留記憶表示の表示態様を格納するための領域も設けられている。
図44は、変形例における演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。変形例では、演出制御用CPU101は、保留態様決定処理を実行した後(ステップS800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。
図45は、保留態様決定処理の一例を示すフローチャートである。保留態様決定処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの入賞時判定結果指定コマンドを新たに受信したか否かを確認する(ステップS510)。具体的には、図43に示す入賞時判定結果記憶バッファに入賞時判定結果指定コマンドが新たに格納されているか否かを判定することによって確認される。新たな入賞時判定結果指定コマンドを受信していなければ、処理を終了する。
新たな入賞時判定結果指定コマンドを受信している場合には、演出制御用CPU101は、保留態様決定用乱数を抽出する(ステップS511)。変形例では、図46に示すように、保留態様決定用乱数SR3も用いられる。
演出制御用CPU101は、保留態様決定用乱数の値と保留態様決定テーブルに設定されている判定値とを比較することによって、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示の態様を決定する(ステップS512)。
図47は、保留態様決定テーブルの構成例を示す説明図である。保留態様決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。図47に示すように、保留態様決定テーブルには、保留記憶表示の表示態様に対応する判定値が設定されている。なお、図47には、判定値数が記載されている。
演出制御用CPU101は、ステップS512の処理で、保留記憶表示の表示態様を、保留態様決定用乱数の値と一致する判定値に対応する態様に決定する。なお、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドが大当りにならない(はずれになる)ことを示している場合には図47(A)に示すテーブルを使用し、大当りになることに示している場合には図47(B)に示すテーブルを使用する。図47に示すように、大当りの場合には、はずれの場合と比較して、保留記憶表示の態様が「赤」に決定されやすい。
そして、演出制御用CPU101は、決定した態様をRAMに記憶する(ステップS513)。
図48および図49は、変形例における演出図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。変形例では、演出制御用CPU101は、ボタン有効期間タイマに操作有効期間に応じた値をセットしたときに(ステップS847)、ボタン操作演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS848)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS849)。また、プロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を開始する(ステップS850)。
ボタン操作演出に応じたプロセステーブルには、図37に示されたメータ状の画像9cと画像9cの特定位置を指示する画像9bとを表示し、その後、メータ状の画像9cにおけるメータ部分が徐々に延伸する制御を実現するためのデータが設定されている。
また、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が操作されたことを検出した場合(ステップS853)、特定演出(図37(E)参照)を開始する(ステップS855)。また、そのタイミングが特定タイミング(メータ状の画像9cにおけるメータ部分の端が特定位置に達したとき)であれば(ステップS856)、入賞時判定結果記憶バッファに格納されている保留記憶表示の表示態様に従って、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示の態様を変更する(ステップS857)。なお、保留記憶表示の態様が変更されないこともある(入賞時判定結果記憶バッファに「赤」の表示態様が設定されていない場合)。
なお、演出制御用CPU101は、操作ボタン150が操作されたタイミングが特定タイミングであれば、期待度の高低に関係なく、必ず保留記憶表示の態様を変更するようにしてもよい。その場合、入賞時判定結果記憶バッファに「赤」の表示態様が設定されていないときには、例えば、保留記憶表示の表示態様を他の色にしたり、点滅するように表示したりする。
また、演出制御用CPU101は、特定のキャラクタ画像9dと保留記憶表示の表示態様変化とが連動するような演出を実行してもよい。例えば、操作ボタン150が操作されたタイミングが特定タイミングである場合、表示画面において、特定のキャラクタ画像9dが保留記憶表示に対して何らかの働きかけ(一例として、衝突)を行うような表示演出を行い、働きかけの結果として保留記憶表示の態様が変更されたような表示制御を行う。その場合、特定のキャラクタ画像9dが保留記憶表示に対して何らかの働きかけを行ったが、保留記憶表示の表示態様が変化しない場合がある(例えば、入賞時判定結果記憶バッファに「赤」の表示態様が設定されていないとき)ようにしてもよい。
また、入賞時判定結果記憶バッファには、図45に示された保留態様決定処理における決定結果が格納されている。また、演出制御用CPU101は、所定時間が経過したときに特定演出を終了する。
変形例では、演出制御用CPU101は、特定タイミングで操作ボタン150への操作が行われたと判定した場合に、保留記憶表示の態様を変化させるので、遊技者が操作のタイミングにも注意を払うようになり、操作手段を用いた演出による遊技の興趣をさらに向上させることができる。
なお、演出制御用CPU101は、第2変形例として、特定タイミングで操作ボタン150への操作が行われたと判定した場合に、特定演出を開始するとともに保留記憶表示の態様を変化させるようにしてもよい。その場合にも、遊技者が操作のタイミングにも注意を払うようになり、操作手段を用いた演出による遊技の興趣をさらに向上させることができる。
[まとめ]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
前記有利状態とするか否かを決定する決定手段と、
遊技者の動作を検出可能な動作検出手段(たとえば、操作ボタン150、操作レバー、タッチパネル、タッチセンサ、赤外線センサ、近接センサ、カメラ)と、
前記決定手段の決定結果と、前記動作検出手段の検出とに基づいて、第1特定演出(たとえば、弱操作後演出)および当該第1特定演出よりも前記有利状態となる期待度の高い第2特定演出(たとえば、強操作後演出)を含む複数種類の特定演出(たとえば、操作後演出)のいずれかを実行可能な特定演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図35のステップS855)と、
前記特定演出の実行頻度を遊技者の指示に応じて第1実行頻度(たとえば、通常頻度)から該第1実行頻度よりも高い第2実行頻度(たとえば、高頻度)に変更可能な変更手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図28のステップS886)とを備え、
前記特定演出実行手段は、前記変更手段により前記特定演出の実行頻度が前記第1実行頻度から前記第2実行頻度に変更されており、かつ前記決定手段により前記有利状態としない決定がされているときは、前記第2特定演出の実行頻度の変更量よりも、前記第1特定演出の実行頻度を高くする変更量が大きくなるように、前記特定演出を実行する(たとえば、図32(A),図32(B)で示すように、はずれとする場合に弱操作後演出を実行すると決定する確率が29%から74%に高められたテーブルを用いて操作演出を決定することによって、操作演出全体の実行頻度を高くする。)。
このような構成によれば、遊技者の指示に応じて特定演出の実行頻度がより高く変更可能である。また、特定演出の実行頻度を高くするために、有利状態としない決定がされているときの第1特定演出の実行頻度を高くする変更量が、第1特定演出よりも期待度の高い第2特定演出の実行頻度の変更量よりも大きくなるようにされる。このため、期待度の比較的高い第2特定演出の期待度をあまり下げずに第1特定演出を含む特定演出の実行頻度を高くすることができる。その結果、遊技の演出の実行頻度を高めたい遊技者の意思を反映しつつ、演出に対して遊技者が期待できなくなってしまうことを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
(1−2) 上記(1−1)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記変更手段により前記特定演出の実行頻度が前記第1実行頻度から前記第2実行頻度に変更されており、かつ前記決定手段により前記有利状態としない決定がされているときは、前記第2特定演出の実行頻度が変わらないように、前記特定演出を実行する(たとえば、図32(A),図32(B)で示すように、はずれとする場合に強操作後演出を実行すると決定する確率が1%のままのテーブルを用いて操作演出を決定する。)。
このような構成によれば、特定演出の実行頻度を高くするために、有利状態としない決定がされているときの第1特定演出の実行頻度は高くされるが、第2特定演出の実行頻度は変わらないようにされる。このため、期待度の比較的高い第2特定演出の期待度を全く下げずに第1特定演出を含む特定演出の実行頻度を高くすることができる。その結果、遊技の演出の実行頻度を高めたい遊技者の意思を反映しつつ、演出に対して遊技者が期待できなくなってしまうことをさらに防止することができる。
(1−3) 上記(1−1)または(1−2)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記変更手段により前記特定演出の実行頻度が前記第1実行頻度から前記第2実行頻度に変更されており、かつ前記決定手段により前記有利状態とする決定がされているときは、前記第1特定演出の実行頻度の変更量よりも、前記第2特定演出の実行頻度を高くする変更量が大きくなるように、前記特定演出を実行する(たとえば、図32(C),図32(D)で示すように、大当りとする場合に強操作後演出を実行すると決定する確率が90%から94%に高められたテーブルを用いて操作後演出を決定することによって、操作演出の実行頻度を高くする。)。
このような構成によれば、特定演出の実行頻度を高くするために、有利状態とする決定がされているときの第2特定演出の実行頻度を高くする変更量が、第2特定演出よりも期待度の低い第1特定演出の実行頻度の変更量よりも大きくなるようにされる。このため、期待度の比較的高い第2特定演出の期待度を上げつつ第2特定演出を含む特定演出の実行頻度を高くすることができる。その結果、遊技の演出の実行頻度を高めたい遊技者の意思を反映しつつ、演出に対して遊技者が期待できなくなってしまうことをさらに防止することができる。
(1−4) 上記(1−1)から(1−3)のいずれかの遊技機において、
前記特定演出の実行頻度が前記変更手段により前記第1実行頻度から前記第2実行頻度に変更されている旨を遊技者に認識させる情報を表示する表示手段(たとえば、図26(A),図26(B)で示すように「演出実行頻度:高」といった表示を画面の隅に薄く点滅表示させる。変動表示中だけでなく変動表示されていないときに表示してもよい。)をさらに備える。
このような構成によれば、特定演出の実行頻度が高められていることを遊技者に認識させることができる。
(1−5) 上記(1−1)から(1−4)のいずれかの遊技機において、
可変表示を実行する可変表示実行手段と、
前記可変表示実行手段によって可変表示が実行されていないときに、前記変更手段によって変更されている前記特定演出の実行頻度を初期化するために遊技者が選択可能な選択肢を表示するリセット表示手段(たとえば、図29(B)で示すように操作演出の実行頻度が高く変更されている場合、演出図柄の可変表示が行なわれていないときに、実行頻度をリセットするための操作ボタン150で選択可能な選択肢を表示する。演出図柄の可変表示が行なわれていない場合に、デモ画面が表示されていないときだけでなく、デモ画面が表示されているときにも実行頻度をリセットするための選択肢を表示してもよい。)をさらに備える。
このような構成によれば、遊技の演出の実行頻度が高められた状態において、演出の実行頻度を高めたくない遊技者が遊技を開始する場合に、実行頻度を容易に元に戻すことができる。
(1−6) 上記(1−1)から(1−5)のいずれかの遊技機において、
前記動作検出手段によって検出される動作を遊技者に促すための動作促進画像(たとえば、図25の操作促進画像9a)を表示可能な動作促進表示手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図35のステップS845)をさらに備え、
前記動作検出手段は、有利度(たとえば、大当りの信頼度)に応じて複数の態様(たとえば、図33に示す「白」,「赤」,「白/振動」,「赤/振動」)のいずれかに変化可能であり、
前記動作促進表示手段は、有利度に応じて前記動作促進画像を複数の態様(たとえば、図33に示す「白/小」,「赤/小」,「白/大」,「赤/大」)のいずれかで表示可能であり、前記動作検出手段の複数の態様に共通する態様の前記動作促進画像(たとえば、図33に示す操作ボタン150の発光色「白」に対して「白/小」,「白/大」の操作促進画像9a)を表示可能である。
このような構成によれば、動作検出手段を用いた演出による遊技の興趣をより向上させることができる。
(2−1) 遊技を行う遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、操作ボタン150)と、操作手段を用いた操作演出を実行する操作演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS846の処理を実行する部分)と、操作演出が実行されるときに遊技者の操作を促すための操作促進画像を表示手段に表示する表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS845の処理を実行する部分)とを備え、操作演出実行手段は、有利度(例えば、大当りの信頼度)に応じて操作手段を複数の態様(例えば、図30に示す「白」、「赤」、「白/振動」、「赤/振動」)のいずれかに変化させ、表示制御手段は、有利度に応じて操作促進画像を複数の態様(例えば、図30に示す「白/小」、「赤/小」、「白/大」、「赤/大」)のいずれかで表示し、操作手段の複数の態様に共通する態様(例えば、図30に示す「白」(「白/小」と「白/大」))の操作促進画像を表示する共通画像表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS501〜S503,S845,S846の処理を実行する部分)を含む。
このような構成によれば、操作手段を用いた演出による遊技の興趣をより向上させることができる。
(2−2) 上記(2−1)の遊技機において、操作手段の態様と操作促進画像の態様との組み合わせに応じて有利度が異なるようにしてもよい(図30参照)。
このような構成によれば、操作手段の態様と操作促進画像の態様との組み合わせに遊技者を注目させることができる。
(2−3) 上記(2−1)または(2−2)の遊技機において、操作手段の態様と操作促進画像の態様との組み合わせのうち出現しない組み合わせ(例えば、図30に示す「赤/小」または「赤/大」と「赤」または「赤/振動」との組み合わせ)があるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者に提示することが不適切と考えられる組み合わせが表示されないようにすることができる。
(2−4) 上記(2−1)から(2−3)のいずれか遊技機において、始動領域を遊技媒体が通過した後、可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を開始する遊技機であって、始動領域(例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したが開始条件が成立していない識別情報の可変表示を保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ:図12参照)と、保留記憶に対応する保留記憶表示を行う保留記憶表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS662の処理を実行する部分)と、操作手段への操作が有効になる有効期間を設定する有効期間設定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS847の処理を実行する部分)と、有効期間内の特定タイミングで操作手段への操作が行われたか否かを判定する判定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS852,S853の処理を実行する部分)と、判定手段が特定タイミング(メータ状の画像9cにおけるメータ部分の端が特定位置に達したとき:図34(D)参照)で操作手段への操作が行われたと判定した場合に、特定演出を実行するとともに保留記憶表示の態様を変化させる特定演出手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS856,S857の処理および第2変形例の処理を実行する部分)とを備えていてもよい。
このような構成によれば、遊技者が操作のタイミングにも注意を払うので、操作手段を用いた演出による遊技の興趣をさらに向上させることができる。
[変形例]
次に、以上説明した実施の形態の変形例を説明する。
(1) 上記(1−1)から(1−5)のいずれかの遊技機において、
前記変更手段は、遊技者の指示に応じて、さらに、前記特定演出と異なる複数種類の遊技演出の内容(たとえば、遊技演出の内容には、遊技演出の実行頻度だけでなく、遊技演出の態様も含む。)を個別に変更可能であるとともに、前記特定演出の実行頻度および複数種類の前記遊技演出の内容を一括して変更可能である(たとえば、図29(A)の画面において操作演出の実行頻度が設定されるのと一括して他の演出の実行頻度が設定されるようにしてもよい。)ようにしてもよい。
複数種類の遊技の演出としては、たとえば、(a)保留記憶を演出の対象としたいわゆる先読み予告演出として演出図柄としてチャンス目を表示する演出であってもよいし、(b)先読み予告演出として保留記憶の表示(演出の対象の保留記憶に対応する演出図柄の可変表示が開始された後の保留記憶に対応する表示を含む)を変化させる演出であってもよいし、(c)演出図柄の可変表示中に段階的に実行されるステップアップ予告演出であってもよいし、(d)ほぼ大当り確定であることを告知する一発告知演出のような稀にしか実行されないプレミアム予告演出であってもよい。
このような構成によれば、個別に変更可能である複数種類の遊技演出の内容も、特定演出の実行頻度とともに一括して変更することができる。その結果、遊技の演出を容易に変更することができる。
また、演出の実行頻度だけでなく、通常変動音(たとえば、高頻度設定の場合は通常頻度設定の場合よりも派手な音を出力する)、保留表示の位置(たとえば、高頻度設定の場合は通常頻度設定の場合よりも上に表示位置を上にする)、操作演出における操作促進画像の位置、大きさ(たとえば、高頻度設定の場合は通常頻度設定の場合よりも画面の中心に近く大きく表示する)も、個別に変更可能であるとともに、特定演出の実行頻度とともに一括して変更可能なように構成してもよい。
また、通常モード、アクティブモード、シンプルモードの3つの設定を設けるようにして、アクティブモードに設定された場合は、一部の演出(たとえば、特定演出および先読み演出)の実行頻度が、通常モードよりも高く設定され、シンプルモードに設定された場合は、アクティブモードでの一部の演出よりも多くの演出(たとえば、すべての演出)の実行頻度が、通常モードよりも低く設定されるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、操作演出の実行を決定するテーブルとして、図32で示したように、通常頻度用のテーブルと高頻度用のテーブルとを予め記憶しておくようにした。しかし、これに限定されず、一方(たとえば通常頻度用)のテーブルのみを記憶しておくようにして、操作演出の実行頻度が高頻度に設定された場合は、操作演出不実行以外が決定されるまで、繰返し、テーブルを参照して操作演出の実行を決定するようにしてもよい。このようにした場合であっても、操作演出の実行頻度を高くすることができる。
また、一方のテーブルのみを記憶しておくようにして、操作演出の実行頻度が高頻度に設定された場合は、そのテーブルを、所定回数、繰返し参照して、操作演出の実行または不実行を決定するようにしてもよい。このようにした場合であっても、操作演出の実行頻度を高くすることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図28のステップS883で示したように、客待ちデモ映像の表示中に操作ボタン150の操作が有った場合に、演出設定画面を表示させるようにした。しかし、これに限定されず、他のタイミングで演出設定画面を表示させることが可能であってもよい。たとえば、演出図柄の可変表示がリーチ状態となるまで、演出設定画面を表示させることが可能であってもよい。この場合は、次回の演出図柄の可変表示から変更された設定が適用されるようにしてもよいし、操作前演出の実行タイミング前であれば、当該可変表示から変更された設定が適用されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、図28のステップS874で示したように、特別図柄および演出図柄の可変表示が実行されていないときに、演出設定初期化画面が表示されるようにした。しかし、これに限定されず、他のタイミング(たとえば、可変表示の実行中、可変表示においてリーチ状態となるまで、大当り遊技状態中)でも演出設定初期化画面が表示されるようにしてもよい。
(5) また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
(6) また、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類等(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出である擬似連演出等の特殊演出を実行する場合にはそれも含む。)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(7) また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
(8) また、本明細書において、「高い(大きい)割合」(または、「率を高くする})と表現される場合は、100%である場合(または、100%にする場合)も含まれる。また、「割合が異なる」と表現された場合には、A:B=70%:30%やA:B=50%:50%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含まれる。「低い(小さい)割合」(または、「率を低くする})には、0%である場合(または、0%にする場合)も含まれる。
(9) また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(10) また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(11) また、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(12) また、上記の実施の形態の遊技機は、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機であったが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい。)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に対して上記の実施の形態における機能を適用することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。