以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.遊技機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.装置裏面側の構成:
A−4.制御回路の構成:
A−5.遊技の概要:
B.遊技機の制御内容:
B−1.電源投入直後の動作:
B−2.制御開始準備動作:
B−3.遊技制御の概要:
B−3−1.ウォッチドッグタイマリセット処理:
B−3−2.賞球払出処理:
B−3−3.普通図柄遊技開始判断処理:
B−3−4.普通図柄遊技処理:
B−3−5.普通電動役物遊技処理:
B−3−6.特別図柄遊技開始判断処理:
B−3−7.特別図柄遊技処理:
B−3−8.特別図柄変動パターン設定処理:
B−3−9.特別電動役物遊技処理:
B−4.電源断発生時処理:
C.第1実施例:
D.第2実施例:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種ランプ類4b〜4fが設けられている。更に、前面枠4の上部には、2つの賞球表示LED表示部4gと、エラーLED表示部4hとが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。ここで、重度のエラーとは、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合のエラーであり、軽度のエラーとは、それ以外のエラーである。
また、前面枠4の下方には、上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13〈CRユニット)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニットに供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタン5dなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカ5yが設けられている。また、上皿部5の前面側には、2つの操作スイッチSW1、SW2が設けられている。遊技者は、このスイッチを押すことによって、遊技中にキャラクタや遊技条件を選択するなど、遊技の進行に介入することが可能となっている。
下皿部6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。また、下皿部6には、図示しない下皿満タンスイッチ6sが設けられており(図6参照)、下皿部6が遊技球で一杯になると、これを検出して遊技球の払い出しが中断されるようになっている。下皿部6に貯まった遊技球を排出するために、下皿部6の底面には、下皿部6内から遊技球を排出するための図示しない球技き穴が設けられており、下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは通常時は直立状態であるが、下端を奥側に押圧すると上端を回転軸として回転し、球抜き穴が開放状態となって、下皿部6に貯まった遊技球を排出することが可能となっている。また、排出ノブ6bの左右には、第2スピーカ6cが設けられている。
下皿部6の左端には灰皿7が設けられており、下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニットに接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニットに伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータ8mが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に接続されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられている。そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)スイッチ17s(図6参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物(始動口)ソレノイド17m(図6参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
中央装置26の中央には、特別図柄表示装置27が設けられている。特別図柄表示装置27は、液晶画面を搭載しており、キャラクタ図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄や、特別図柄を変動停止表示することが可能となっている。特別図柄表示装置27の画面構成については後述する。
また、中央装置26の上部には、普通図柄表示装置28が設けられている。普通図柄表示装置28は、主に7セグメントLEDによって構成されており、普通図柄を変動停止表示することが可能となっている。
遊技領域11の左右には、普通図柄作動ゲート36,37が設けられており、これらゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36s,37sが設けられている。更に、左右の普通図柄作動ゲート36,37と中央装置26との間には、ランプ風車24,25が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
変動入賞装置18のほぼ中央には、大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31は、略長方形状に大きく開口する大入賞口31dと、大入賞口31dを開放あるいは閉鎖する開閉板31pと、開閉板31pを開閉するための大入賞口ソレノイド31m(図6参照)と、図示しない連動杆などから構成されている。大入賞口31dは、後述する所定の条件が成立すると開放状態となる。大入賞口31dが開放すると、遊技球は高い確率で入球することとなり、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態が開始される。尚、大入賞口31dの内部には、図示しない大入賞口スイッチ31sが設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。更に、大入賞口31dの内部には、図示しない特定領域(Vゾーン)が設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球が特定領域を通過した場合には、これを検出することが可能となっている。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。パック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。一方、内レール15の先端部には、図示しないファール球防止部材が取り付けられ、ファール球防止部材と略正反対側(遊技盤10の右半分側)には、図示しない返しゴムが外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
次に、普通図柄表示装置28および特別図柄表示装置27の構成について説明する。図3は、本実施例の遊技機1に搭載された普通図柄表示装置28の構成を示す説明図である。本実施例の普通図柄表示装置28には、7セグメントLEDによって構成された普通図柄表示部28aと、4つのLEDによって構成された普通図柄保留表示部28bとが設けられている。普通図柄表示部28aでは、「1」〜「9」までの9つの数字を変動表示することが可能となっており、普通図柄保留表示部28bでは、4つのLEDを順次点灯させることで、後述する普通図柄の保留数を最大4つまで表示することが可能となっている。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された特別図柄表示装置27の構成を示す説明図である。前述したように、特別図柄表示装置27は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面は、画面の下辺領域を占める横長形状の主表示領域27Aと、その他の領域の副表示領域27Bとに区分されている。
主表示領域27Aの中央には、特別図柄保留表示部30cが設けられており、主表示領域27Aの右端には、後述する当否判定の結果を表す特別図柄表示部30が設けられている。尚、特別図柄表示部30は、左特別図柄30aと右特別図柄30bとから構成されており、これら2つの図柄の組合せによって当否判定結果を表示している。左右の特別図柄の表示内容、および2つの図柄の組合せが示す判定結果については別図を用いて後述する。
液晶画面の大部分を占める副表示領域27Bには、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cと、その背景に表示される背景図柄27dとが表示可能となっている。このうち、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、上述した左右の特別図柄30a,30bの表示に合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。また、副表示領域27Bの左上隅には、現在の遊技状態を表示するための遊技状態表示部27eが設けられている。遊技状態表示部27eでは、現在の遊技状態が、後述する確変状態である場合は「確変中」と表示され、また、後述する時短状態である場合は「チャンスタイム」と表示される。その他、副表示領域27Bで行われる詳細な演出内容については後述する。尚、遊技状態表示部27eは、遊技状態表示手段の一態様を構成している。
以上、遊技機1の前面側の構成について説明したが、最後に上皿部5の前面左端部に設けられた2つの操作スイッチSW1,SW2の働きについて説明しておく。操作スイッチSW1、SW2は、図柄表示装置27の液晶画面上で表示される演出の形態を選択する機能を有している。つまり、遊技者が、所定の条件の下でスイッチSW1、SW2を操作すると、液晶画面上で行われる演出の形態や、背景図柄27dなどを変更することができる。このため、遊技者は、あたかも、特別図柄表示装置27で表示される演出に参加しているような気分を味わうことが可能となっている。
A−3.装置裏面側の構成 :
次に、遊技機1の裏面構造について説明する。図5は、本実施例の遊技機1の裏面構造を示した説明図である。本実施例では、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。図5では、ヒンジ103は、中枠3右側の上端付近および下端付近に示されている。
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、前述した特別図柄表示装置27が格納された蓋付きの裏ケース111と、後述する主制御基板200が格納された主制御基板ケース112と、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース113と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
賞球タンク105には底部にタンクスイッチ104が設けられており、球切れを検出することができる。賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されており、図上でタンクレール106の右側には球抜きレバー107が設けられ、またタンクレール106の下流側には図示しない補給球切れ検知スイッチが設けられている。更に、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図5では、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
また、主制御基板ケース112、中継端子板190や、払出制御基板ケース118などの各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121および大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板122が設けられている。尚、電源ターミナル基板121には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ(図示を省略)を接続してもよい。また、中継端子板122の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えた球貸装置13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
A−4.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。図6は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基盤や、各種基盤、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、効果音やランプを用いた遊技の演出に関する制御を司る音・ランプ制御基板220と、普通図柄表示装置28や特別図柄表示装置27による演出の制御を司る図柄制御基板230と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。また、図6中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。尚、図6では、主制御基板200に搭載されたCPU201およびRAM202のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているROMやPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM,ROMなどについては図示が省略されている。
図示されているように主制御基板200は、始動口スイッチ17sや、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36s,37sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、音・ランプ制御基板220や、図柄制御基板230、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御基板200には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。更に、主制御基板200は、始動口17に設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31mに信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
音・ランプ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、各種のスピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板に駆動信号を出力することによって、遊技の演出を行う。また、前述した特別図柄表示装置27や普通図柄表示装置28における演出に関わるコマンドは、図柄制御基板230に転送し、図柄制御基板230が普通図柄表示装置28および特別図柄表示装置27を制御することにより、効果音やランプによる演出と同期した状態で遊技の演出を行う。また、前述した操作スイッチSW1,SW2からの操作信号は、演出ボタン基板228を介して音・ランプ制御基板220に入力される。音・ランプ制御基板220の詳細な入出力関係については後述する。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御基板240に入力される。また、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御基板200でも計数されている。
更に、前述した賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御基板240に入力されている。このため、払出制御基板240は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。また、下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御基板240に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御基板240が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御基板240に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、あるいは遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御基板240は、主制御基板200からの制御の元で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御基板260に向かって出力しており、発射制御基板260は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、音・ランプ制御基板220に対する信号あるいはコマンドの入出力関係について説明する。図7は、音・ランプ制御基板220についての入出力関係を示したブロック図である。図示されているように、音・ランプ制御基板220には、図柄制御基板230と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
音・ランプ制御基板220は、前述したように主制御基板200から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、各種スピーカ5y,6cで出力する効果音、更には、各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯もしくは点滅の具体的な態様を決定する。また、前述した普通図柄表示装置28や特別図柄表示装置27での演出に関わるコマンドについては、図柄制御基板230に転送する。図柄制御基板230にコマンドを転送することに合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって各種スピーカ5y,6cから効果音を出力し、装飾駆動基板226に駆動信号を供給することによって、各種LEDやランプ類の点灯・点滅動作を制御する。更に、前述したように、上皿部5の前面側に設けられた操作スイッチSW1,SW2を、遊技者が操作すると、この操作信号が音・ランプ制御基板220に供給され、音・ランプ制御基板220から図柄制御基板230に供給される。操作スイッチSW1,SW2の操作信号は、このようにして音・ランプ制御基板220および図柄制御基板230に供給され、上述した特別図柄表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能となっている。
図8は、発射制御基板260についての入出力関係を示したブロック図である。図示されているように発射制御基板260には、発射装置ユニットを直接制御する発射駆動基板262や、発射装置ユニットに1球ずつ遊技球を供給するための球送りソレノイド8tなどが接続されている。また、発射駆動基板262には、発射装置ユニットに内蔵されて遊技球を発射するための発射モータ8mや、遊技者が発射ハンドル8に触れていることを検出するタッチスイッチ8a、更には、遊技者が遊技球の発射を一時的に停止する際に操作する発射停止スイッチ8bなどが接続されている。発射制御基板260は、払出制御基板からの発射許可信号を受け取ると、発射駆動基板262とデータをやり取りしながら発射モータ8mを駆動して、遊技球を発射する制御を行う。
A−5.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる制御の内容について説明するが、その準備として、先ず初めに、遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニットに供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球が打ち出される強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左右に設けられたいずれかの普通図柄作動ゲート36,37を通過すると、普通図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、普通図柄表示装置28は7セグメントLEDによって構成されており、「1」〜「9」の数字を変動表示可能となっている。普通図柄は所定時間変動表示すると、いずれかの数字で停止表示される。このときの停止図柄が奇数の図柄であれば、普通図柄の当りとなって、始動口17が所定時間だけ開放状態となる。
尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、普通図柄保留表示部29bに表示される。
次いで、開放状態となった始動口17に遊技球が入球すると、今度は、特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄は、図4を用いて説明したように特別図柄表示装置27に設けられた特別図柄表示部30によって表示される。前述したように、本実施例の特別図柄表示部30は、左特別図柄30aと、右特別図柄30bとから構成されており、左特別図柄30aは、「−」と、「1」〜「8」までの9通りの図柄を表示可能となっており、右特別図柄30bは、赤色または青色の2通りの図柄を表示可能となっている。図9には、本実施例の左特別図柄30a,右特別図柄30bがそれぞれ表示可能な図柄がまとめて示されている。
本実施例の遊技機1では、これら左右の特別図柄で表示される図柄の組合せによって、特別図柄の当否判定の結果を表示している。図10は、左右の特別図柄の組合せと、図柄の組合せが示す当否判定結果との対応関係を示した説明図である。図示されているように、左特別図柄30aの表示が「−」の場合は、右特別図柄30bの表示が「赤」「青」いずれの場合も、当否判定結果「外れ」を表している。また、左特別図柄30aの表示が「1」「2」「4」「6」「8」で右特別図柄30bの表示が「青」の組合せ、若しくは左特別図柄30aの表示が「4」「6」「8」で右特別図柄30bの表示が「赤」の組合せの場合は、当否判定結果「時短当り」を表している。左特別図柄30aの表示が「1」「2」「3」「5」「7」で右特別図柄30bの表示が「赤」の組合せ、若しくは左特別図柄30aの表示が「3」「5」「7」のいずれかで右特別図柄30bの表示が「青」の組合せの場合は、当否判定結果「確変当り」を表している。
停止表示された図柄の組合せが「時短当り」または「確変当り」であった場合には、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態が開始される。本実施例の特別遊技状態は、大入賞口31dが開放状態となり、開放中に遊技球が大入賞口31d内の所定領域(Vゾーン)を通過することを条件として、所定回数だけ開放状態が繰り返されるように構成されている。大入賞口31dは大きく開口するために、遊技球は高い確率で入球することとなる。その結果、所定回数のラウンドが繰り返される間に遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となっている。
尚、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口17に入球した場合は、この遊技球の入球が特別図柄の保留数として蓄えられて、現在の特別図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。特別図柄の保留も最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている特別図柄の保留数は、図4に示した特別図柄保留表示部30cに表示される。
また、左右の特別図柄の組合せが、図10で「確変当り」と表示した組合せ(以下では、このような組合せの図柄を「確変図柄」と呼ぶことがあるものとする)で停止した場合は、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまでの間、若しくは特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動表示されるまでの間、当り図柄で停止表示される確率が通常の状態よりも高くなる。このような遊技状態は、確率変動状態(若しくは、確変状態)と呼ばれる。
更に、左右の特別図柄の組合せが、図10で「時短当り」と表示した組合せ(以下では、このような組合せの図柄を「時短図柄」と呼ぶことがあるものとする)で停止した場合は、特別遊技の終了後、特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動表示されるか、若しくは次回の特別遊技状態が開始されるまでの間、特別図柄の変動時間が短くなるとともに、始動口17の開放時間が若干長くなる。このような遊技状態は、変動時間短縮状態(若しくは、時短状態)と呼ばれる。尚、本実施例の遊技機1においては、こうした時短機能は、時短図柄で停止表示された場合だけでなく、確変図柄で停止表示された場合にも作動するようになっている。また、本実施例の遊技機1では、「確変当り」でない当り状態は「時短当り」しか設けられていないことから明らかなように、本実施例の「時短当り」は、通常当りの一態様を構成している。
上述した左右の特別図柄30a,30bの変動停止表示に合わせて、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bではキャラクタ図柄などを用いた各種の演出が行われる。図11は、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bで行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bには、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cを表示可能である。前述した主表示領域27Aで左右の特別図柄30a,30bの変動表示が開始されると、これら3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cも一斉に変動表示を開始する。本実施例では、キャラクタ図柄として「0」〜「9」までの10個の数字を意匠化した図柄が用意されている。
図11(a)には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左キャラクタ図柄27aが「0」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右キャラクタ図柄27cが停止表示され、最後に中キャラクタ図柄27bが停止表示される。
これら副表示領域27Bで停止表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した主表示領域27Aで停止表示される左右の特別図柄30a,30bの組合せと連動するように構成されている。たとえば、主表示領域27Aの特別図柄が確変当りの図柄で停止する場合は、副表示領域27Bの3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。また、主表示領域27Aの特別図柄が時短当りの図柄で停止する場合は、副表示領域27Bの3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、偶数を表す同じ図柄で停止表示される。更に、主表示領域27Aの特別図柄が外れの図柄で停止する場合は、副表示領域27Bの3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、少なくとも3つの図柄が全て同じ図柄とはならない状態で停止表示される。
このように、左右の特別図柄30a,30bの組合せと、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、それぞれの表示図柄が確定するタイミングも同じに設定されているため、どちらの表示を見ながら遊技をすることも可能である。しかし、図2に示すように、左右の特別図柄30a,30bよりもキャラクタ図柄27a,27b,27cの方が目に付き易い位置に表示され、表示画面も大きく設定されており、更に、確変当りか、時短当りか、外れかの表示内容も分かり易いので、遊技者は副表示領域27Bに表示されたキャラクタ図柄27a,27b,27cを見ながら遊技を行うことが通常である。従って、副表示領域27Bの画面上で初めに停止表示される左キャラクタ図柄27aと、続いて停止表示される右キャラクタ図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中キャラクタ図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように2つのキャラクタ図柄が同じ図柄で停止表示されて、最後のキャラクタ図柄が変動表示されている状態は「リーチ状態」と呼ばれる。このようなリーチ演出を行えば、遊技者の興趣を高めることが可能である。また、リーチ演出にも種々の演出態様が用意されており、遊技者の興趣を一層、効果的に高めることが可能である。
B.遊技機の制御内容 :
以下では、本実施例の遊技機1が、上述した遊技を実現するために行っている制御内容について詳しく説明する。
B−1.電源投入直後の動作 :
図12は、遊技機1に電源を投入後、主制御基板200によって遊技の制御が開始されるまでの大きな流れを示した説明図である。図6を用いて前述したように、遊技機1の制御回路は主制御基板200の他にも多くの制御基板が搭載されているが、これら制御基板についても、電源投入後はほぼ同様の動作が行われた後、それぞれの制御が開始される。図12に示されているように、遊技機1に電源が投入されると、先ず初めにCPUが初期化される。かかる動作は、システム初期化動作(あるいはシステムリセット)と呼ばれ、図示しない電源回路から各制御基板のCPUに向かって初期化信号が供給されることによって行われる。CPUの初期化を行うと、今度はセキュリティチェックが行われる。セキュリティチェックとは、各制御基板に搭載されたCPUが制御を開始するに当たって、プログラムや各種制御パラメータの格納された領域を含むメモリの内容をチェックして、プログラムや制御パラメータなどが不正に改変されていないかどうかを確認する作業である。遊技機1は、メーカーからの出荷後に不正に改造されるようなことがあってはならないため、遊技の制御を開始する前にセキュリティチェックを行うのである。尚、セキュリティチェックは、広いメモリ領域をチェックするため、チェック完了までにはある程度の時間が必要となる。
セキュリティチェックが終了すると、各制御基板に搭載されたCPUは、それぞれの制御プログラムを開始する。制御プログラムは、各制御基板に搭載されたROMの所定のメモリ領域に記憶されており、大きくは、制御を開始するための準備を行う処理(制御開始準備処理)と、制御開始準備処理の終了後に起動されて遊技中に実行される処理とから構成されている。主制御基板200に搭載されたCPU201では、図12に示したように、制御開始準備処理の終了後は遊技制御処理が開始されるが、他の各種制御基板に搭載されたCPUについてもほぼ同様な処理を行う。また、遊技中に行われる制御は、各制御基板に搭載されたタイマからの割込信号を受けて、一定の時間間隔で周期的に遊技機の状態(例えば、各入球口への入球や作動ゲートへの通過など)を検出していることから、各制御基板で行われる制御開始準備処理では、タイマ割込を発生させるための準備動作も行われる。
B−2.制御開始準備動作 :
図13は、主制御基板200に搭載されたCPU201が起動直後に実施する制御開始準備処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って、説明する。制御準備処理を開始すると、先ず初めにCPU201は、割込を受け付けない状態に設定する(S10)。以下に行う制御準備処理は、適切な制御を行うための準備として実施するものであり、準備動作が完了する前は、例え割込が発生しても制御を適切な実行することができないので、準備動作が完了するまでは割込を受け付けない設定にしておくのである。
次いで、スタックポインタを設定する(S12)。スタックポインタとは、簡単に言えば、現在の処理を中断して別の処理を実施するときに、処理中のデータを一時的に退避するためのメモリ領域を指示する変数である。遊技制御が開始されると、割込が発生して処理が中断されることがあるので、そのときに中断した処理を再開するための各種データを退避しておくメモリ領域を設定しておくのである。
続いて、主制御基板200に搭載されたCPU201は、周辺ディバイスの初期設定を行う(S14)。ここでは、CTC(カウンター・タイマー・サーキット)やPIO(周辺機器インターフェース)などの各種ディバイスの初期設定を行う。遊技制御が実施されると、CTCを用いて定期的に(代表的には2msec毎)にタイマ割込を発生させ、各種スイッチの状態を検出したり、各種の乱数値を更新している。従って、CTCに、こうしたタイマ割込を発生させるための設定も、制御開始準備処理のS14において行う。
CPU201は、周辺ディバイスの設定に続いて、RAMクリアスイッチがONになっているか否かを検出する(S16)。電源投入時にRAMクリアスイッチがONになっていれば、遊技店の開店時に、店員がRAMクリアスイッチをONにしながら電源を投入したものと推測される。しかし、RAMクリアスイッチがONでない場合は(S16:no)、停電などの理由で電源が切断された可能性もあるので、バックアップフラグがONになっているか否かを検出する(S18)。そして、バックアップフラグがONになっている場合は(S18:yes)、停電などの理由で電源が切断されたため遊技が正常に終了されておらず、切断前の遊技状態を復旧する必要があると考えられる。そこで、以下のような、復旧動作を行う。
復旧動作を開始すると、初めにチェックサムを算出する(S20)。チェックサムは、大まかには次のようにして算出される。予め、所定のチェックサムデータを設定しておく。そして、RAM202上の対象領域に記憶されているデータについて、順次データを読み出してチェックサムデータとの排他的論理和を算出し、得られた値をチェックサムデータエリアに順次書き込んでいく。こうしてRAM202の対象領域に記憶されている全データについての排他的論理和を書き込んだら、書き込んだ領域の各ビットの値を反転させ、得られたデータをチェックサムとする。停電などの電源切断時に行われる電源断処理では、バックアップRAM領域のデータについてチェックサムが算出されて保存されている。従って、バックアップRAM領域に記憶されているデータが変更されていなければ、復旧動作時に算出したチェックサムは、電源断時に算出したチェックサムと同じ値になるはずである。
そこで、S20で算出したチェックサムと電源断時に保存しておいたチェックサムとが一致するか否かを判断する(S22)。両者が一致していれば(S22:yes)、バックアップRAM領域のデータは正しく保存されていると考えられる。この場合は、保存されているデータを読み出して電源断時の遊技状態を取得した後(S24)、バックアップフラグをOFFに設定する(S26)。そして、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などを電源断前の遊技状態に復旧させるべく、これら各種制御基板に対して電源断復旧時のコマンドを送信する(S28)。コマンドを送信する方法については別図を用いて後述する。その結果、電源断前の遊技状態が復元され、以降、遊技が継続される。
一方、S16においてRAMクリアスイッチがONであることが検出された場合は、通常の電源投入動作であると考えられるので、以下に示す通常の初期化動作を行う。また、RAMクリアスイッチはONになっていないが、バックアップフラグがONになっていない場合(S18:no)は、バックアップデータが存在しないと思われる。従って、この場合は、通常の電源投入動作ではないと考えられるが、やはり通常の初期化動作を行う。更に、バックアップフラグがONであり、バックアップデータが存在する場合でも、チェックサムが一致していない場合は(S22:no)、もはや、そのバックアップデータを使用することはできないでの、やはりこの場合も通常の初期化動作を行うことになる。
通常の初期化動作では、先ず初めにRAM202の初期化を行う(S30)。すなわち、RAMの全データ領域に一旦「0」を書き込んだ後、RAM上の所定のアドレスに初期データを設定する処理を行う。
次いで、音・ランプ制御基板220に向かって、初期コマンドを送信する(S32)。すなわち、主制御基板200で新たな遊技制御が開始されることに合わせて、効果音、ランプ類の点灯・点滅などによる各種の演出制御も新たな制御を開始するべく、音・ランプ制御基板220に向かって制御状態を初期化するコマンドを送信するのである。尚、初期化コマンドは、音・ランプ制御基板220から図柄制御基板230にも転送されて、特別図柄表示装置27および普通図柄表示装置28の表示も初期状態に設定される。
前述したように、制御開始準備処理では初めに割込が禁止状態に設定されているので、以上に説明した一連の動作を、確実に実施することができる。そして、全ての準備動作が終了したら、割込を許可状態に設定して(S34)、制御開始準備処理を終了し、遊技制御を開始する。
ここで、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かってコマンドを送信する様子について説明しておく。図14は、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって、各種のコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。尚、図14は、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かってコマンドを出力する場合について示しているが、主制御基板200から払出制御基板240など、他の制御基板に向かってコマンドを出力する場合も同様にして出力されている。主制御基板200と音・ランプ制御基板220とは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されており、このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。主制御基板200から音・ランプ制御基板220にコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。音・ランプ制御基板220は、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御基板200から送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
本実施例の遊技機1では、コマンドデータは2バイトデータ(すなわち、16ビット分のデータ)となっている。そこで主制御基板200は、先ず8ビット分のコマンドデータを出力して1ビットのストローブ信号を出力し、続いて、残りの8ビット分のコマンドデータを出力して再びストローブ信号を出力する。音・ランプ制御基板220はストローブ信号が立ち上がる度に、8ビット分ずつ2回に分けてコマンドデータを読み取る。このようにすれば、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって、16ビット分のコマンドを確実に供給することができる。尚、1バイト(すなわち、8ビット)のコマンドを供給する場合は、ストローブ信号を1回だけ出力すればよい。前述した電源断復旧動作において出力される電源断復旧時のコマンドや、通常の初期化動作において出力される初期コマンドは、このようにして各種の制御基板に出力される。その結果、遊技盤面上に設けられた特別図柄表示装置27では適切な演出用図柄が表示され、各種ランプ類やスピーカーは適切な状態に制御されることになる。
B−3.遊技制御の概要 :
主制御基板200に搭載されたCPU201は、図13に示した制御準備開始処理を終了すると、遊技機1の遊技制御を開始する。図15は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。図示されるように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理、普通電動役物遊技処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。
また、前述したように、CTCは約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出スイッチなどの状態を検出する処理などが行われる。図15に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理、普通電動役物遊技処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理を実施する。そして、これら各処理中で、音・ランプ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種のコマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図15のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
B−3−1.ウォッチドッグタイマリセット処理 :
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技制御処理を開始すると、制御基板上に搭載されたウォッチドッグタイマをリセットする処理を行う(S70)。前述したように、ウォッチドッグタイマからはCPU201を初期化する信号が出力されており、ウォッチドッグタイマから初期化信号が出力される前に、ソフトウェアプログラム上でウォッチドッグタイマをリセットするようになっている。こうすれば、仮にCPU201が暴走した場合にはウォッチドッグタイマをリセットすることができなくなるので、ウォッチドッグタイマが出力する初期化信号によってCPU201が初期化され、直ちに暴走から復帰することが可能となる。そこで、CPU201はS80において、ウォッチドッグタイマをリセットする処理を行う。
B−3−2.賞球払出処理 :
次いで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S90)。すなわち、主制御基板200に接続されている始動口スイッチ17sあるいは大入賞口スイッチ31sの状態を検出して、遊技球が入球したか否かを判断し、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払い出し個数を算出した後、払出個数を指定して、払出制御基板240に向かって払出コマンドを出力する。RAM202上に、始動口スイッチ17s、または大入賞口スイッチ31sへの入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出コマンドを出力する。
主制御基板200から払出制御基板240へ払出コマンドを出力するに際しては、図14を用いて前述したように、先ず、払出制御基板240に向かってストローブ信号を出力し、続いてコマンドデータを出力する。払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出コマンドで指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B−3−3.普通図柄遊技開始判断処理 :
次いで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S100)。図16は、CPU201が普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理(普通図柄遊技開始判断処理)を示したフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、遊技球が普通図柄作動ゲート36,37を通過したか否かを判断する(S102)。普通図柄作動ゲート36,37にはゲートスイッチ36s,37sが組み込まれており、CPU201はゲートスイッチ36s,37sからの信号に基づいて遊技球の通過を検出することが可能である。
遊技球が普通図柄作動ゲート36,37を通過していれば(S102:yes)、普通図柄の保留数が「4」以上か否かを判断する(S104)。主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、普通図柄保留数のデータが書き込まれており、S104では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、この値が「4」か否かの判断を行う。そして、保留数が「4」に達していなければ(S104:no)、普通図柄の当否判定用乱数を取得し、この乱数値をRAM202の所定アドレスに記憶するとともに、普通図柄保留数の値を1つ加算する(S106)。詳細には後述するが、普通図柄の当否判定は、こうして記憶した普通図柄当否判定用乱数を用いて行われる。また、普通図柄保留数は、上述したようにRAM202の所定アドレスに記憶されている。尚、普通図柄の当否判定用乱数は、乱数発生用のプログラムによってソフトウェア的に発生させてもよいし、乱数発生用の専用ICを用いてハードウェア的に発生させてもよい。更に簡便には、発振器とカウンタとを組み合わせることによって、ハードウェア的に発生させた疑似乱数を用いることとしても良い。
一方、S104において、保留数が「4」に達している場合は(S104:yes)、普通図柄の当否判定用乱数の取得は行わない。すなわち、普通図柄の当否判定用乱数は、最大4つまで記憶することが可能となっており、このことに対応して、普通図柄保留表示部29cにも、最大4つまでの保留を表示可能となっている(図3参照)。
最後に、普通図柄表示装置28の普通図柄保留表示部29bで普通図柄の保留数を表示するべく、音・ランプ制御基板220に向かって普通図柄の保留数表示コマンドを出力する。普通図柄保留数表示コマンドは、直ちに音・ランプ制御基板220から図柄制御基板230に転送され、図柄制御基板230の制御の下で、普通図柄の保留数が点灯表示される。
以上のようにして、普通図柄の保留数表時コマンドを出力したら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S110)。普通電動役物は、普通図柄遊技を行った結果として作動する役物である。従って、普通電動役物が作動中であれば(S110:yes)、重ねて普通図柄遊技を開始する必要はないので、普通図柄遊技は開始しないと判断する(すなわち、S100:no)。一方、普通電動役物が作動中でない場合は(S110:no)、普通図柄遊技を開始すると判断する(すなわち、S100:yes)。
図15に示した遊技制御処理のステップS100では、普通図柄遊技を開始するか否かを、以上のようにして判断する。そして、普通図柄遊技を開始すると判断した場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を開始する(S150)。一方、普通図柄遊技を開始しないと判断した場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理はスキップする。
B−3−4.普通図柄遊技処理 :
図17は、普通図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、普通図柄が変動中か否かを判断する(S152)。図3を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では普通図柄表示装置28に普通図柄表示部29aが設けられており、「1」〜「9」までの普通図柄を変動表示することが可能となっている。図17に示す普通図柄遊技処理を開始したら、先ず初めに、普通図柄が変動表示中か否かを判断するのである。
普通図柄が変動中でない場合は(S152:no)、普通図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかのいずれかであると考えられる。そこで、現在の状態が、普通図柄の停止図柄を所定期間表示させるべく設定された時間(停止表示時間)中であるか否かを判断する(S154)。後述するように、普通図柄の変動表示開始や変動表示の停止は、主制御基板200に搭載されたCPU201が制御している。このためCPU201は、現在の状態が普通図柄の停止表示時間中であるか否かを、内部の制御状態に基づいて容易に判断することができる。
普通図柄の停止表示時間中ではないと判断された場合(S154:no)、すなわち、普通図柄が変動表示されておらず且つ普通図柄の停止図柄を表示中でもない場合は、普通図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S156)。普通図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、普通図柄の保留が残っている場合は(S156:no)、普通図柄の当否判定および、当否判定結果に応じた変動パターンと停止図柄とを決定する処理を行う(S158)。普通図柄の当否判定は、普通図柄の保留時に記憶しておいた当否判定用乱数値が、予め定めておいた当り値と一致するか否かを判断することによって行う。すなわち、前述した図16のS106で記憶した乱数値が、所定の当り値と一致していれば普通図柄の当りと判断し、一致していなければ普通図柄の外れと判断する。また、変動パターンや停止図柄についても、それぞれの乱数を発生させることによって決定することができる。
こうして普通図柄の当否判定、および変動パターンと停止図柄とを決定したら、主制御基板200のCPU201は、図3に示した普通図柄表示部29において普通図柄の変動表示を開始するべく、音・ランプ制御基板220に向かって普通図柄変動パターン指定コマンドを出力する(S160)。ここで、普通図柄変動パターン指定コマンドとは、普通図柄の変動停止表示を行うために主制御基板200から出力される普通図柄関連コマンドの1つであり、普通図柄の変動パターン(本実施例では変動時間)を指定するコマンドである。普通図柄関連コマンドには、普通図柄変動パターン指定コマンドの他に、変動後に停止する普通図柄を指定するコマンド(普通図柄指定コマンド)や、普通図柄の変動を停止させるコマンド(普通図柄停止コマンド)などが用意されている。
図18は、これら普通図柄関連コマンドを一覧的に表示した説明図である。普通図柄の変動パターン指定コマンドには、変動パターンに応じて、コマンドChp1 ,コマンドChp2 ,コマンドChp3 ,コマンドChp4 ・・・など、各種の指定コマンドが予め設定されている。また、普通図柄指定コマンドには、変動後に停止させる普通図柄に応じて、コマンドChs1 ,コマンドChs2 ,コマンドChs3 ,コマンドChs4 ・・・などの各種の指定コマンドが設定されており、普通図柄の変動表示を停止させるためのコマンドとしては、コマンドChstpが設定されている。もちろん、表示されているコマンド以外に他のコマンドを設定しておくことも可能である。これらの普通図柄関連コマンドは、主制御基板200に内蔵されたROMに予め記憶されている。図17のステップS160では、S158で決定した変動パターンに応じて、対応する普通図柄変動パターン指定コマンドを読み出した後、音声・ランプ制御基板220に向かってストローブ信号とともに出力する処理を行う(図14を参照のこと)。こうして、普通図柄変動パターン指定コマンドを出力したら、普通図柄保留数から「1」を減算した後(S162)、図17に示した普通図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、S156で「yes」と判断された場合、すなわち、普通図柄の変動表示中ではなく、且つ普通図柄の停止表示時間中でもないが、普通図柄の保留数が「0」である場合は、S158ないしS162の処理を行うことなく、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。
また、S152において、普通図柄が変動中であると判断された場合は(S152:yes)、既に行われた普通図柄遊技処理の中で、普通図柄の変動表示が開始されているものと考えられる。そこで、普通図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S164)。普通図柄の変動表示時間は、変動表示が開始された段階で予め定められており、主制御基板200に搭載されたCPU201は、所定の変動時間が経過したか否かを判断する。
そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S163:no)、普通図柄変動パターン指定コマンドを出力してから未だ時間が経っていないものと考えられるので、今度は、普通図柄指定コマンドを出力した後(S164)、普通図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。尚、図18を用いて前述したように、普通図柄指定コマンドとは、普通図柄の変動表示後に停止表示する図柄を指定するコマンドである。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S163:yes)、普通図柄表示装置28において変動表示している普通図柄を停止表示させるべく、音・ランプ制御基板220に向かって普通図柄停止コマンドを出力する(S166)。このときの停止図柄は、S163において出力した普通図柄指定コマンドで指定された図柄となる。すなわち、S160で普通図柄の変動表示を開始するに先だって既に普通図柄の当否が決定されており(S158)、当否判定結果が当りの場合は、奇数の図柄で停止表示され、当否判定結果が外れの場合は、偶数の図柄で停止表示させることになる。
図19は、上述した普通図柄遊技処理のS160からS166の処理において、主制御基板200が各種の普通図柄関連コマンドを出力する様子を概念的に示した説明図である。普通図柄遊技処理が開始されて、S160の処理が実行されると、普通図柄の変動パターン指定コマンドが、主制御基板200から出力される。図19に示した白抜きの矢印は、コマンドが出力されていることを模式的に示したものである。音声・ランプ制御基板220は、普通図柄の変動パターン指定コマンドを受け取ると、直ちに図柄制御基板230に転送する。音声・ランプ制御基板220および図柄制御基板230では、こうして受け取ったコマンドに基づいてそれぞれの処理が開始され、その結果、所定の効果音やランプの点滅をともなって、普通図柄表示装置28で普通図柄の変動表示が開始される。
ここで、図15に示した遊技制御処理は、ほぼ4msec間隔で繰り返し実行されており、従って、図17の普通図柄遊技処理も約4msec間隔で実行される。初回の実行時には、既に普通図柄の変動表示が開始されているから、今度は、普通図柄指定コマンドが出力される(図17のS163)。本実施例の遊技機1のように、図柄の指定が1回で良い場合、すなわち普通図柄表示装置28が同時には1つの普通図柄しか表示することができず、且つ変動開始後に1回だけ普通図柄を停止表示させる場合は、普通図柄指定コマンドは1回だけ出力される。しかし、普通図柄表示装置28が同時に複数の普通図柄を表示可能な場合、あるいは同時には1つの図柄しか表示できないものの変動表示と疑似的な停止とを何回か繰り返した後に最終的な普通図柄で停止表示する場合などには、普通図柄指定コマンドを複数回出力することになる。そして、図17に示す普通図柄遊技処理を何回か繰り返し実行しているうちに、普通図柄変動時間が経過すると(図15のS162:yes)、主制御基板200は音・ランプ制御基板220に向かって普通図柄停止コマンドを出力する(S166)。
図17に示した普通図柄遊技処理のS160〜S166では、図19に示したようにして、主制御基板200から音・ランプ制御基板220、図柄制御基板230に向かって、各種の普通図柄関連コマンドが出力される。こうして普通図柄停止コマンドを出力したら(S166)、停止表示された図柄を遊技者が確認することができるように、停止図柄の表示時間を設定する(S168)。
次いで、停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断し(S170)、設定された停示時間が経過していない場合は(S170:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止図柄の表示時間が経過したと判断された場合は(S170:yes)、停止表示された図柄が普通電動役物を作動させることとなる図柄(本実施例では図9(c)に示した図柄)であるか否かを判断する(S172)。停止表示された普通図柄が普通電動役物を作動させる図柄でない場合は(S172:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止表示された普通図柄が普通電動役物の作動図柄である場合は(S172:yes)、普通電動役物の作動を開始し(S174)、その後、普通図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。本実施例のパチンコ機1では普通電動役物が作動すると、始動口17の内部に設けられた普通電動役物ソレノイド(始動口ソレノイド)17mが駆動され、始動口の翼片部が外側の回動して始動口17が開放状態となる。
図15に示すように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理から復帰すると普通電動役物が作動中か否かを判断する(S190)。主制御基板200のCPU201は、普通電動役物が作動中であれば、内部の制御状態に基づいてこれを容易に検出することができる。普通電動役物が作動中でなければ(S190:no)、普通電動役物遊技処理(S200)はスキップするが、普通電動役物が作動中であれば(S190:yes)、以下に説明する普通電動役物遊技処理を開始する(S200)。
B−3−5.普通電動役物遊技処理 :
図20は、普通電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。普通電動役物遊技処理では、先ず初めに、普通電動役物が所定の作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。前述したように、普通電動役物が作動すると、始動口17に設けられた一対の翼片部が外側に向かって回動し、始動口が開放状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片部が直立した通常の状態に復帰する。そこで、S202では、普通電動役物が予め設定しておいた作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202:yes)、普通電動役物の作動を停止した後(S206)、普通電動役物遊技処理を終了して図15に示した遊技制御処理に復帰する。
一方、始動口17は開放中に規定数の遊技球が入球すると、開放時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物の作動時間が所定時間に達していない場合は(S202:no)、普通電動役物に規定数の遊技球が入球したか否かを判断し(S204)、規定数の遊技球が入球したと判断された場合は(S204:yes)、普通電動役物の作動を停止して、図20に示した普通電動役物遊技処理を終了する。逆に、規定数の入球がないと判断された場合は(S204:no)、普通電動役物を作動させたまま、図20に示した普通電動役物遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
図15に示すように、遊技制御処理では、図20に示す普通電動役物遊技処理から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。その結果、特別図柄遊技処理を開始しないと判断された場合には(S300:no)、特別図柄遊技処理(S350)をスキップし、逆に、特別図柄遊技処理を開始すると判断された場合には(S300:yes)、特別図柄遊技処理(S350)を行う。
B−3−6.特別図柄遊技開始判断処理 :
図15に示したように、遊技制御処理では、普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断する(S300)。図21は、特別図柄遊技を行うか否かを判断する処理の流れを示したフローチャートである。図16を用いて前述した普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断時と同様に、特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっても、先ず初めに、特別図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、始動口17に遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。前述したように、始動口17の内部には遊技球の通過を検出する始動口スイッチ17sが組み込まれており、主制御基板200のCPU201は、かかるスイッチによって始動口17に遊技球が入球したことを検出することができる。
始動口17に遊技球が入球している場合は(S302:yes)、特別図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S304)。主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、特別図柄保留数のデータが書き込まれており、S304では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、特別図柄の保留数が4以上か否かの判断を行う。そして、特別図柄保留数が4に達していなければ(S304:no)、特別図柄の当否判定用乱数を取得して、この乱数値をRAM202の所定アドレスに記憶するとともに、特別図柄保留数を1つ加算する(S306)。特別図柄についての当否判定も、前述した普通図柄の当否判定と同様に、こうして記憶された当否判定用乱数に基づいて行われる。一方、特別図柄の保留数が4に達している場合は(S304:yes)、新たな当否判定用乱数の取得は行わない。尚、特別図柄の当否判定用乱数についても、前述した普通図柄の当否判定用乱数と同様に、乱数発生用のプログラムによってソフトウェア的に発生させてもよいし、乱数発生用の専用ICなどを用いてハードウェア的に発生させてもよい。
最後に、図4に示した特別図柄保留表示部30cで特別図柄の保留数を表示するべく、音・ランプ制御基板220に向かって特別図柄保留数表示コマンドを出力する(S308)。図4を用いて前述したように、特別図柄表示装置27の主表示領域27Aには4つの特別図柄保留表示部30cが設けられており、特別図柄保留数が4個であれば、全ての保留数表示部を点灯表示させる。また、特別図柄保留数が3個であれば1ないし3までの保留数表示部を点灯表示させ、特別図柄保留数が2個であれば1および2の保留数表示部を、特別図柄保留数が1個であれば1つの保留数表示部を点灯表示させる。また、特別図柄の保留数が0個であれば、いずれの保留数表示部も点灯表示させない。図21のS308では、こうした特別図柄保留数の表示を指示するためのコマンド(特別図柄保留数表示コマンド)が、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって出力され、音・ランプ制御基板220から図柄制御基板230に転送される。図柄制御基板230は、こうして転送されてきたコマンドを受けて、特別図柄表示装置27の特別図柄保留表示部30cにおいて適切な保留数を表示する。
以上のようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、条件装置が作動中か否かを判断する(S310)。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、左右の特別図柄30a,30bの組合せが図10に示した「時短当り」のまたは「確変当り」の組合せで停止表示されると作動を開始する装置である。条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞口31dが連続して開放する遊技状態(いわゆる特別遊技状態)が開始される。S310において、条件装置が作動中と判断されれば(S310:yes)、重ねて特別遊技状態を開始することを避けるため、特別図柄遊技は開始しないと判断する(すなわち、S300:no)。一方、条件装置が作動中でない場合は(S310:no)、特別図柄遊技を開始すると判断する(S300:yes)。
図15に示した遊技制御処理のステップS300では、以上のようにして、特別図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、特別図柄遊技を開始すると判断した場合は(S300:yes)、以下に説明する特別図柄遊技処理を開始する(S320)。
B−3−7.特別図柄遊技処理 :
図22は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S322)。図4を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では特別図柄表示装置27の主表示領域27Aに特別図柄表示部30が設けられており、左右の特別図柄30a,30bを変動表示可能となっている。
特別図柄が変動中でない場合は(S322:no)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる表示時間中であるか否かを判断する(S324)。そして、特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止図柄を表示している表示時間中でもない場合は(S324:no)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S326)。特別図柄保留数は、主制御基板200上に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されている。S326では、このアドレスに記憶されている特別図柄保留数のデータが「0」か否かを判断する。特別図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、特別図柄の保留が残っている場合は(S326:no)、特別図柄の当否判定を開始する。
本実施例の遊技機1では、特別図柄の当否判定に先立って、現在の遊技状態が確率変動状態(確変状態)か否かを判断する(S328)。前述したように、確変状態とは、図柄表示装置27の特別図柄が当り図柄で停止表示される確率(すなわち、特別遊技状態が発生する確率)が、通常の確率よりも高くなる遊技状態をいう。確変状態は、図4に示した特別図柄表示部30に表示される図柄の組合せが、図10中に示す「確変当り」のいずれかの図柄の組合せで停止した場合に、特別遊技状態が終了してから次の特別遊技が開始されるまでの間、若しくは特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動表示されるまでの間、継続される。このことから、S328では、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判断して、確変中であれば(S328:yes)、当りの確率が高めに設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S330)。逆に、確変中でなければ(S328:no)、当りの確率が通常の値に設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S332)。
特別図柄の当否判定は、次のような当否判定テーブルを参照することによって行う。図24は、本実施例の特別図柄遊技処理において特別図柄の当否判定を行うために参照する当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、当否判定テーブルには、確変用のテーブルと非確変用のテーブルとが用意されており、それぞれのテーブルには、当否の判定結果が特別図柄当否判定用乱数に対応付けて記憶されている。ここで特別図柄当否判定用乱数とは、遊技球が始動口17に入球したときに取得されて、主制御基板200上のRAM202に記憶されている乱数である(図21のS306を参照のこと)。図22に示した特別図柄遊技処理のS328〜S332では、特別図柄の当否判定に先立って確変中か否かを判断し、確変中であれば、図24(b)に示した当否判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行い、確変中でなければ、図24(a)の当否判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行うのである。
以上のようにして、特別図柄の当否を判断したら、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S340)。詳細な処理内容については後述するが、S340では、先ず初めに、特別図柄を停止表示させる図柄を決定した後、決定した停止図柄に応じて、特別図柄の変動パターンを決定する処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄の変動パターンを設定すると、特別図柄表示装置27における特別図柄の変動表示を開始するべく、音・ランプ制御基板220に向かって特別図柄変動パターン指定コマンドを出力する(S342)。
ここで、特別図柄変動パターン指定コマンドとは、特別図柄の変動停止表示を行うために主制御基板200から出力される特別図柄関連コマンドの1つであり、左右の特別図柄30a,30bの変動パターン(本実施例では変動時間)を指定するコマンドである。尚、本実施例の遊技機1では、前述したように3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動停止表示は特別図柄の変動停止表示と連動していることから、特別図柄変動パターンを指定すれば、同時に3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動時間も指定したことになる。また、特別図柄関連コマンドには、特別図柄変動パターン指定コマンドの他に、左特別図柄30aの停止図柄を指定するコマンド(左特別図柄指定コマンドCtsL )や、右特別図柄30bの停止図柄を指定するコマンド(右特別図柄指定コマンドCtsR )、特別図柄の変動を停止させるコマンド(特別図柄停止コマンドCtstp)も用意されている。更に、大当り時の効果音の出力を指定するコマンド(大当り効果音指定コマンドCLsF )や、大当り発生時のラウンド数を指定するコマンド(大当りラウンド指定コマンドCLsR )、大入賞口スイッチ31sで入球がカウントされた遊技球数を指定するコマンド(大入賞口カウント指定コマンドCLsC )なども設けられている。図25には、これら特別図柄関連コマンドが一覧的に示されている。
主制御基板200に内蔵されたROMには、上述した各種の特別図柄関連コマンドが、予め記憶されている。図22のステップS342では、S340の特別図柄変動パターン設定処理で決定した変動パターンに応じて、対応する特別図柄変動パターン指定コマンドを読み出した後、音声・ランプ制御基板220に向かってストローブ信号とともに出力する処理を行う(図14を参照のこと)。こうして、特別図柄変動パターン指定コマンドを出力したら、特別図柄保留数から1を減算した後(S344)、図22に示した特別図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、S324で「yes」と判断された場合、すなわち、特別図柄の変動表示中ではなく、且つ特別図柄の停止表示時間中でもないが、特別図柄の保留数が「0」である場合は、S326ないしS344の処理を行うことなく、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。
また、S322において、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S322:yes)、既に行われた特別図柄遊技処理の中で特別図柄変動パターン指定コマンドが出力されて、特別図柄の変動表示が開始されているものと考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S346)。すなわち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、主制御基板200に搭載されたCPU201は、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。
そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S346:no)、左右の特別図柄指定コマンドを出力する(S348)。具体的には、初めに左特別図柄指定コマンドを出力した後、特別図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。そして、約4msec後に、再び図22の特別図柄遊技処理が実行されたときには、右特別図柄指定コマンドを出力して、特別図柄遊技処理を終了した後、図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S346:yes)、特別図柄表示部30において変動表示している左右の特別図柄30a,30bを停止表示させるべく、音・ランプ制御基板220に向かって特別図柄停止コマンドを出力する(S350)。このときの停止図柄は、S348において出力した特別図柄指定コマンドで指定された図柄となる。
図26は、上述した特別図柄遊技処理のS342からS350の処理において、主制御基板200が各種の特別図柄関連コマンドを出力する様子を概念的に示した説明図である。特別図柄遊技処理が開始されて、S342の処理が実行されると、特別図柄変動パターン指定コマンドが、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって出力される。図26に示した白抜きの矢印は、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって出力されたコマンドの流れを模式的に示したものである。音声・ランプ制御基板220は、特別図柄変動パターン指定コマンドを受け取ると、直ちに図柄制御基板230に転送する。音声・ランプ制御基板220および図柄制御基板230では、こうして受け取ったコマンドに基づいてそれぞれの処理が開始され、左右の特別図柄30a,30bの変動表示、および3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動表示が開始される。
前述したように、図22に示した特別図柄遊技処理は約4msec周期で実行されるから、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって特別図柄変動パターン指定コマンドを出力すると、約4msec後には、左特別図柄指定コマンドが出力される。更に、その4msec後には、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって、今度は右特別図柄指定コマンドが出力されることになる。特別図柄表示装置27の主表示領域27Aに表示される特別図柄は、以上のようにして主制御基板200から出力された特別図柄変動パターン指定コマンド、左特別図柄指定コマンド、右特別図柄指定コマンドに基づいて変動表示される。
一方、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bに表示されるキャラクタ図柄の変動表示は、次のようにして行われる。先ず、音・ランプ制御基板220は、主制御基板200から特別図柄変動パターン指定コマンド、左特別図柄指定コマンド、右特別図柄指定コマンドを受け取ると、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cを用いて演出態様を決定する。すなわち、特別図柄の変動パターンが決まれば特別図柄の変動時間も決まり、特別図柄の変動停止とキャラクタ図柄の変動停止とは連動しているから、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動時間も決まる。更に、左右の特別図柄の停止図柄から、当否の判定結果が「確変当り」か「時短当り」か「外れ」であるかを知ることができる。そこで、幾つか設定されているキャラクタ図柄の演出態様の中から、変動時間および当否判定結果に応じて可能な演出態様を1つ選択するのである。ここで、キャラクタ図柄の演出態様とは、例えば、前述したリーチ演出や、いわゆる予告演出、リーチ演出は行わないが背景図柄を切り換える演出、更には、幾段階かに発展するリーチ演出など、種々の演出態様が設定されている。また、詳細には後述するが、本実施例の遊技機1では、特別遊技状態の終了後に時短状態から確変状態に昇格させる昇格演出も設定されている。尚、選択可能な演出態様が複数存在する場合は、抽選によって1の態様を選択する。
次いで、音・ランプ制御基板220は、決定した演出態様に基づいて、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの停止図柄を指定するコマンド(キャラクタ図柄指定コマンド)を図柄制御基板230に出力し、続いて、具体的な演出態様を指定するコマンド(演出指定コマンド)を出力する。図柄制御基板230は、こうして音・ランプ制御基板220から供給された各種コマンドに基づいて、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bにおける各種演出を実行する。図26では、音・ランプ制御基板220から図柄制御基板230に出力されるコマンドは、斜線を付した矢印によって表示している。尚、本実施例の遊技機1では、キャラクタ図柄が3つ設けられていることに対応して、図26では、キャラクタ図柄指定コマンドは3回に分けて出力している。もちろん、必ずしも3回に分けて出力するのではなく、1回でまとめて出力することとしても良い。
音・ランプ制御基板220および図柄制御基板230で以上のような処理が行われている間は、左右の特別図柄30a,30bは変動表示されている。そして、特別図柄の変動時間が経過すると(図22のS346:yes)、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって特別図柄停止コマンドが出力される(S350)。音・ランプ制御基板220は、受け取った特別図柄停止コマンドを直ちに図柄制御基板230に転送し、図柄制御基板230はコマンドを受け取ると、左右の特別図柄30a,30bを停止表示させると共に、キャラクタ図柄を用いた演出を終了させる。
図22に示した特別図柄遊技処理のS342〜S350では、図26に示したようにして、主制御基板200から音・ランプ制御基板220、図柄制御基板230に向かって、各種の特別図柄関連コマンドが出力され、音・ランプ制御基板220からは図柄制御基板230に向かって各種の演出用コマンドが出力される。そして特別図柄停止コマンドを出力したら(S350)、停止表示された図柄を遊技者が確認することができるように、停止図柄の表示時間を設定する(S352)。
次いで、停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断し(S356)、設定された停示時間が経過していない場合は(S356:no)、そのまま図22に示した特別図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S356:yes)、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(図23のS358)。ここで、条件装置を作動させることとなる図柄とは、図10に示した「時短当り」あるいは「確変当り」の図柄である。図23のS358では、特別図柄表示装置27の特別図柄表示部30に停止表示された左右の特別図柄30a,30bが、これら図柄の組合せに該当するか否かを判断する。
停止表示された図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄であった場合は(S358:yes)、外れの連続回数Nをリセットする(S359)。詳細には後述するが、本実施例の遊技機1では、特別遊技状態の終了後、当否判定結果の外れが所定回数連続した場合には、後述する特定の変動パターン指定コマンドを音・ランプ制御基板220に出力する処理を行う。このため、当否判定結果の外れが連続する回数(外れ連続回数N)を計数する処理を行っている。そこで、停止表示された図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄であった場合は(S358:yes)、S359において、計数している外れ連続回数Nをリセットしておくのである。
次いで、条件装置を作動させる(S360)。ここで条件装置とは、後述する役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が前述した確変図柄または時短図柄で停止表示されると作動を開始して大入賞口31dを開放させる装置である。詳細には別図を用いて説明するが、こうして条件装置を作動させることにより、特別図柄遊技処理を抜けて図15の遊技制御処理に復帰すると特別電動役物遊技処理が開始され、特別遊技状態が開始されることになる。本実施例の遊技機1では、条件装置の作動時は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。そこで、図23のS360において条件装置を作動させたら、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S362)。確変中であれば(S362:yes)、確変機能および時短機能が作動しているので、これら機能を停止させる(S364)。一方、現在の遊技状態が確変中ではなかった場合は(S362:no)、時短中か否かを確認し(S368)、時短中であった場合は(S368:yes)、時短機能を停止させる(S370)。また、本実施例の遊技機1では、時短機能が作動している場合は、普通電動役物の開放時間を延長する機能も働いているので、S364あるいはS370において時短機能を停止したら、普通電動役物開放時間の延長機能も停止させた後(S366)、図22および図23に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図15の遊技制御処理に復帰する。一方、S360で条件装置を作動させたときの遊技状態が確変中でも時短中でもなかった場合は(S368:no)、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、遊技制御処理に復帰する。
以上、特別図柄表示装置27で停止表示された左右の特別図柄30a,30bが、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せであった場合(S358:yes)の処理について説明したが、停止表示された左右の特別図柄30a,30bが条件装置を作動させる図柄の組合せでなかった場合は(S358:no)、次のような処理を行う。
先ず、外れ連続回数Nに1を加算する(S371)。S359においても触れたように、本実施例の遊技機1では、特別遊技状態の終了後、当否判定結果の外れが所定回数連続した場合には、後述する特定の変動パターン指定コマンドを音・ランプ制御基板220に出力する処理を行う。そこで、停止図柄が条件装置を作動させる図柄でないと判断された場合は(S358:no)、当否判定結果の外れが連続している回数(外れ連続回数N)に1を加算する処理を行う。ついで、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S372)。そして、確変中であった場合は(S372:yes)、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、図15の遊技制御処理に復帰する。
一方、S372において現在の遊技状態が確変中ではないと判断された場合は(S372:no)、時短中か否かを判断する(S382)。そして、時短中と判断された場合は(S382:yes)、時短中の特別図柄の変動回数を計数した後(S384)、変動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S386)。前述したように本実施例の遊技機1では、時短状態についても、次の特別遊技状態が発生するか、もしくは特別図柄が所定回数(ここでは100回)回転するまでは継続する設定となっている。そこで、現在の遊技状態が時短中であった場合は(S382:yes)、特別図柄の変動回数が所定回数に達したか否かを判断するのである(S386)。そして、所定回数に達していれば(S386:yes)、時短機能を停止させ(S388)、続いて、普通電動役物開放時間の延長機能も停止させた後(S366)、図22および図23に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図15の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の変動回数が、未だ所定回数に達していなければ(S386:no)、時短状態を維持したまま、特別図柄遊技処理を抜けて、図15の遊技制御処理に復帰する。
B−3−8.特別図柄変動パターン設定処理 :
ここで、図22に示した特別図柄遊技処理のS340において、特別図柄の変動パターンを設定するために行われる処理(特別図柄変動パターン設定処理)の詳細な内容について説明する。図27は、特別図柄変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。特別図柄の変動パターンは、後述するパターンテーブルを参照することによって決定されており、パターンテーブルは、特別図柄の当否判定結果や、確変中もしくは時短中か否かなどの組合せによって複数のテーブルが用意されている。特別図柄の変動パターン設定処理では、これら複数のテーブルの中から適切なテーブルを参照して、変動パターンを設定する処理を行う。以下、図27のフローチャートに従って説明する。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄変動パターン設定処理を開始すると先ず初めに、特別図柄の当否判定結果が当りか否かを判断する(S3402)。前述したように、特別図柄の当否は、既に特別図柄当否判定用乱数に基づいて決定されていることから(図22のS330またはS332)、ここでは判定結果を読み出すだけで容易に判断することができる。
次いで、特別図柄乱数を発生させることにより、特別図柄をいずれの図柄で停止表示させるかを決定する処理を行う(S3404、S3410)。特別図柄乱数は、特別図柄の停止図柄を決定するために用いられる乱数であり、本実施例では停止図柄を決定する際にソフトウェア的に発生させる。もちろん、特別図柄乱数は、乱数発生用の専用LSIを用いてハードウェア的に発生させても良いし、発振器とカウンタとを組み合わせて発生させた疑似乱数を用いても良い。
特別図柄の停止図柄は、当否判定用乱数によって決定された当否判定結果と、特別図柄乱数との組合せによって決定される。図28は、特別図柄の当否判定結果と、特別図柄乱数との組合せに応じて、特別図柄の停止図柄が決定される様子を示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では特別図柄乱数は0〜15の値を取ることができ、各々の乱数値に対して、当否判定結果が当りの場合あるいは外れの場合の停止図柄が設定されている。図中の左側には、当否判定結果が当りの場合に表示される停止図柄が示されており、図中の右側には、当否判定結果が当りの場合に表示される停止図柄が示されている。図27に示した変動パターン設定処理のS3402において、当否判定の結果が当りと判断された場合は(S3402:yes)、特別図柄乱数に対応する停止図柄を、図28の左側に示した対応関係に基づいて決定する(S3404)。逆に、当否判定の結果が外れと判断された場合は(S3402:no)、図28の右側に示した対応関係に基づいて決定する処理を行う(S3410)。
以上のようにして、当否判定結果が当りの場合の停止図柄を決定したら(S3404)、今度は、変動パターンを設定するためのテーブルとして、パターンテーブルAを選択する(S3406)。後述するように、パターンテーブルには、特別図柄変動乱数と特別図柄の変動パターンとの対応関係が設定されており、特別図柄変動乱数を発生させて、かかるテーブルを参照することにより、変動パターンを決定可能となっている。S3406では、複数種類用意されているパターンテーブルの中から、当否判定結果が当りの場合用に設定されているパターンテーブルAを選択する。
次いで、選択したパターンテーブルAを参照することにより、特別図柄の変動パターンを決定する(S3408)。決定に際しては、先ず初めに、特別図柄変動乱数を発生させる。特別図柄変動乱数とは、特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、他の乱数値と同様にして発生させることができる。次いで、先に選択しておいたパターンテーブルの中から、乱数の値に対応付けて設定されている変動パターンを選択する。
一方、特別図柄の当否判定結果が外れであった場合は(S3402:no)、図28を参照しながら説明したようにして特別図柄の停止図柄を決定した後(S3410)、現在の遊技状態が確変中もしくは時短中か否かを判断する(S3412)。ここで、当否判定が外れの場合の変動パターンを設定するために、現在の遊技状態が確変中もしくは時短中であるか否かを判断しているのは、次の理由によるものである。特別図柄の変動時間は短いものから長いものまで種々の時間が設定されており、これらは、特別図柄の変動パターンに対応付けて予め定められている。ところが、前述したように、確変中もしくは時短中は特別図柄の変動時間が短縮されているので、図柄の変動時間があまり長くなるような変動パターンを選ぶことはできない。そこで、変動パターンを設定する際には、現在の遊技状態が確変中もしくは時短中か否かを判断しておくのである。
当否判定結果が外れで(S3402:no)、確変中もしくは時短中であると判断された場合は(S3422:yes)、パターンテーブルBを選択する(S3414)。パターンテーブルBは、当否判定結果が外れで、確変中もしくは時短中の場合用に設定されているテーブルである。また、時短中でないと判断された場合は(S3412:no)、パターンテーブルCを選択する(S3416)。パターンテーブルCは、当否判定結果が外れで、確変中でも時短中でもない場合用に設定されているテーブルである。
このようにして、当否判定結果が外れの場合に、確変中もしくは時短中か否かに応じてパターンテーブルBまたはパターンテーブルCのいずれか適切なテーブルを選択したら、今度は、リーチの有無を決定する(S3418)。リーチとは、図11を用いて前述したように、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bに表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cのうち、2つのキャラクタ図柄が同じ図柄で停止表示されて、最後のキャラクタ図柄が変動表示されている状態をいう。リーチ演出を行うか否かで演出用図柄の変動時間は大きく異なり、これに連動して特別図柄表示装置27に表示される左右の特別図柄30a,30bの変動時間も大きく異なることから、パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する前に、リーチ演出を行うか否かを決定しておくのである。
リーチ演出を行うか否かの決定は、リーチ判定用乱数を発生させることによって行う。リーチ判定用乱数も、他の乱数と同様にして発生させることができる。S3418の処理では、こうして発生させたリーチ判定用乱数の値が、予め定められた値であればリーチ演出を行うと判断し、そうでなければリーチ演出を行わないと判断する。図29は、リーチ判定用乱数の値に応じて、リーチ演出を行うか否かが設定されている様子を示した説明図である。
そして、リーチ演出を行うと判断された場合は(S3418:yes)、選択しておいたパターンテーブルを参照することにより、特別図柄の変動パターンを決定する(S3420)。すなわち、S3408における処理と同様に、特別図柄変動乱数を発生させて、得られた乱数の値に対応付けて設定されている変動パターンを選択する。
図30は、パターンテーブルAに設定されている当り用の変動パターンを例示した説明図である。図示されているように、パターンテーブルAには、リーチ演出ありの場合について、特別図柄変動乱数の値に対応する変動パターンが設定されている。例えば、得られた特別図柄変動乱数が「20」であれば、「パターン特2」という変動パターンが選択される。また、図31は、当否判定結果が外れで(図27のS3402:no)、確変中もしくは時短中である場合(S3412:yes)に選択されるパターンテーブルBを例示した説明図である。パターンテーブルBについても、リーチ演出なしの場合と、ありの場合とについて、特別図柄変動乱数に対する変動パターンが設定されているが、設定内容はパターンテーブルAとは異なった変動パターンが設定されている。
図32は、当否判定結果が外れで(図27のS3402:no)、確変中もしくは時短中でもない場合(S3412:no)に選択されるパターンテーブルCを例示した説明図である。パターンテーブルCも、パターンテーブルBと同様にリーチ演出なしの場合とリーチ演出ありの場合のそれぞれについて、特別図柄変動パターンが設定されている。また、「パターン特25」という変動パターンは、パターンテーブルBおよびパターンテーブルCに設定されていることから、当否判定結果が外れの場合には所定の確率で選択される変動パターンであるが、後述する昇格演出を行う場合にも、この変動パターン「パターン特25」が音・ランプ制御基板220に向かって出力される。尚、本実施例の変動パターン「パターン特25」は、特定変動パターンの一態様を構成している。図27のS3420では、以上のような各種パターンテーブルの中から、先に選択しておいたパターンテーブルを参照することにより、特別図柄変動乱数に対応する変動パターンを決定する。
一方、リーチ判定用乱数の値がリーチ演出を行わない値であった場合は(S3418:no)、後述する特定変動パターンを設定する処理を行う(S5000)。この処理は、当否判定結果が外れでリーチ演出を行わない場合に変動パターンを設定するとともに、所定の条件が成立した場合には、昇格演出を行うために、変動パターンとして「パターン特25」を設定する処理である。詳細には後述するが、本実施例の主制御基板200は、このように「パターン特25」という特定の変動パターンを出力するという単純な処理で、一連の昇格演出を行うことが可能となっている。本実施例の遊技機1で行われる昇格演出については後述する。
以上のようにして、特別図柄の変動パターンを設定したら、図27に示した特別図柄変動パターン設定処理を終了して、図22の特別図柄遊技処理に復帰する。前述した図22のS340では、以上のような処理を行うことにより、特別図柄の停止図柄と変動パターンとを決定しているのである。尚、以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、「確変当り」か、「時短当り」か、「外れ」かを決定するとともに、「パターン特25」を含む各種の変動パターンを出力する機能は、主に主制御基板200によって実現されている。従って、主制御基板200は、抽選結果決定手段、変動パターン出力手段、特定変動パターン出力手段の一態様を構成している。
尚、図30ないし図32に例示されているように、特別図柄の変動パターンが決まれば、特別図柄の変動時間も決定される。変動時間は、変動パターンが異なれば種々の値を取るが、リーチ演出を行う場合の変動時間は、リーチ演出を行わない場合の変動時間よりも長い値となっている。このため、変動パターンが決まれば、これに対応する変動時間に基づいて、その変動パターンがリーチ演出ありのパターンか、リーチ演出無しのパターンかを判断することが可能となっている。
B−3−9.特別電動役物遊技処理 :
図15に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S390)。前述したように条件装置は、役物連続作動装置を作動させることにより、いわゆる特別遊技状態を開始させる装置である。そこで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S400)。一方、条件装置が作動中でなければ(S390:no)、特別電動役物遊技処理(S400)はスキップする。
図33は、特別電動役物遊技処理における前半部分の処理の流れを示すフローチャートである。また、図34は、特別電動役物遊技処理における後半部分の処理の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる特別遊技状態が発生する。以下、図33および図34のフローチャートを参照しながら特別電動役物遊技処理について説明するが、その準備として、いわゆる特別遊技状態と呼ばれる遊技の内容について簡単に説明しておく。
図2を用いて前述したように、遊技盤の下方には大入賞口31dが設けられており、この大入賞口31dは通常の遊技状態では閉鎖されている。しかし、特別遊技状態が開始されると、大入賞口31dが開放される。本明細書中でいう特別電動役物とは、大入賞口31dを開放させる装置である。大入賞口31dは他の入賞口に比べて大きく開口するため、大入賞口31dが開放されると、遊技球が高い確率で入球することになる。大入賞口31dは、一定期間だけ開放した後、あるいは所定数の遊技球が入球すると閉鎖されるが、開放中に、大入賞口31dの内部に設けられた特定領域(いわゆるV入賞口)を遊技球が通過していると、再び開放状態となる。本明細書中でいう役物連続作動装置とは、大入賞口31dを再び開放状態とする装置である。
こうして、大入賞口31dの開放中に遊技球が特定領域を通過している限り、大入賞口31dは、所定回数までは開放と閉鎖とを繰り返すことになる。大入賞口31dが開放してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド」と呼ばれる。そして、大入賞口31dが所定回数(例えば、15回)まで開放するか(すなわち、所定回数のラウンドを消化するか)、あるいは遊技球が特定領域を通過することなく大入賞口31dが閉鎖されたら、特別遊技状態が終了する。このような特別遊技状態は、図15に示した遊技制御処理において、図33および図34に示した特別電動役物遊技処理が繰り返し実行されることによって実現されている。以下、図33を参照することによって特別電動役物遊技処理の前半部分を説明し、図34を参照することにより、特別電動役物遊技処理の後半部分の処理について説明する。
図33に示されるように、特別電動役物遊技処理を開始すると、先ず初めに、大入賞口31dが開放中か否かを判断する(S402)。大入賞口31dは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、特別電動役物遊技の開始直後も、大入賞口31dは閉鎖状態となっている。そこで、大入賞口は開放中ではないと判断して(S402:no)、特定領域有効時間が終了したか否かを判断する(S416)。特定領域有効時間とは、大入賞口31d内部に設けられた特定領域(いわゆるVゾーン)を、遊技球が通過したか否かを確認するための時間である。特別電動役物遊技処理が初めて開始されたときには、特定領域有効時間は終了していないから、S416では「no」と判断し、続いて、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断する(S418)。特別電動役物遊技が開始された直後は、大入賞口31dが閉鎖されており、従って遊技球が特定領域を通過することもないから、S418では「no」と判断して、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
図15に示されているように、遊技制御処理に復帰すると、CPU初期化回路部に内蔵されているウォッチドッグタイマをリセットした後(S70)、続くS80ないしS390の各処理を行って、再び、特別電動役物遊技処理(S400)に復帰する。
前述したように、特別電動役物遊技処理が開始された直後は、大入賞口31dは閉鎖されているが、こうして図15の遊技制御処理を繰り返し行う間に、やがて大入賞口31dが開放状態となる。その結果、特別電動役物遊技処理(S400)において、大入賞口が開放中と判断されるので(S402:yes)、続いて、特定領域を遊技球が通過したか否かを判断する(S404)。そして、遊技球が特定領域を通過している場合は(S404:yes)、役物連続作動装置が作動中か否かを判断する(S406)。前述したように、本実施例における役物連続作動装置とは、一旦閉鎖された大入賞口31dを再び開放させる装置である。役物連続作動装置が作動中でなければ(S406:no)、役物連続作動装置の作動を開始する(S408)。役物連続作動装置が既に作動している場合は(S406:yes)、役物連続作動装置を重ねてさせることの無いように、S408の処理はスキップする。
次いで、大入賞口31dの開放時間が所定時間に達したか否かを判断する(S410)。前述したように特別遊技では、大入賞口31dが開放状態とした後、所定時間開放されるか、または大入賞口31dに所定数の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S410では先ず大入賞口31dの開放時間が所定時間に達したか否かを判断するのである。そして、開放時間が所定時間に達していれば(S410:yes)、大入賞口を閉鎖する(S414)。一方、開放時間が所定時間に達していない場合は(S410:no)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S412)。そして、遊技球が規定数に達した場合は(S412:yes)、大入賞口31dを閉鎖する(S414)。しかし、規定数に達していない場合は、大入賞口31dの開放時間が未だ所定時間に達しておらず、しかも大入賞口31dに入球した遊技球も規定数に達していないと考えられるので、大入賞口31dを開放させたまま、図33および図34に示す特別電動役物遊技処理を終了して、図15の遊技制御処理に復帰する。
遊技制御処理に復帰すると、先ず初めにCPU初期化回路部のウォッチドッグタイマをリセットした後(S70)、続く一連の判断を行って、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。こうした処理を繰り返している間に、大入賞口31dは閉鎖され、S402において「no」と判断される。S402で「no」と判断されると、続いて特定領域有効時間が経過したか否かを判断する(S416)。前述したように、本実施例の遊技機1では、特定領域有効時間の間に遊技球が特定領域を通過した場合には、役物連続作動装置が作動するように構成されている。そして、特定領域有効時間が経過していない場合は(S416:no)、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断し(S418)、通過していない場合は(S418:no)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、遊技球が特定領域を通過している場合は(S418:yes)、役物連続作動装置が作動しているか否かを判断し(S420)、既に役物連続作動装置が作動している場合は(S420:yes)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、未だ役物連続作動装置が作動していない場合は(S420:no)、役物連続作動装置を作動させた後(S422)、特別電動役物遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、S416で「yes」と判断された場合、すなわち、大入賞口31dが閉鎖されており、特定領域有効時間も既に経過している場合は、いわゆる特別遊技状態におけるラウンドが終了したものと考えられる。そこで、大入賞口31dの開放中および特定領域有効時間中に、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断する(S424)。そして、遊技球が特定領域を通過していない場合は(S424:no)、いわゆるパンク状態となって、役物連続作動装置を停止させる(S426)。
一方、遊技球が特定領域を通過している場合は(S424:yes)、大入賞口の閉鎖時間が終了したことを確認した後(S428:yes)、役物連続作動装置が作動中か否かを判断する(図34のS430)。役物連続作動装置が作動中であれば(S430:yes)、大入賞口31dを開放させた後(S432)、特別電動役物遊技処理を終了して、図15に示した遊技制御処理に復帰する。一方、いわゆるパンク状態となって、役物連続作動装置が停止されているか、所定ラウンド(例えば、15ラウンド)を消化していれば、役物連続作動装置は作動していないから(S430:no)、この場合は、条件装置の作動が、前述した確変当り図柄によるものか否かを判断する(S434)。ここで、条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。そして、条件装置の作動が確変当り図柄によるものである場合は(S434:yes)、確変機能の作動を開始した後(S436)、条件装置の作動を停止する(S438)。一方、条件装置の作動が確変当り図柄によるものでない場合(時短当り図柄によるものである場合)は(S434:no)、確変機能を作動させることなく直ちに条件装置の作動を停止する(S438)。そして、特別図柄の時短機能を作動させ(S440)、続いて、普通電動役物開放延長機能を作動させた後(S442)、特別電動役物遊技処理を終了する。そして、最後に、本実施例の特別電動役物遊技処理では、昇格演出フラグをONに設定した後(S444)、図15に示した遊技制御処理に復帰する。ここで、昇格演出フラグとは、特別遊技状態の終了後、当否判定結果が外れの状態が連続した場合に強制的に特定変動パターン「パターン特25」を出力するために用いられるフラグである。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1の遊技を進行させることが可能となっている。
B−4.電源断発生時処理 :
次に、遊技機1の遊技中に、停電などが発生して電源が予期せずに切断された場合に、遊技中の状態をバックアップデータとして記憶するための処理、すなわち電源断発生時処理について説明する。
図35は、電源断発生時処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、電源から供給されている電圧が所定値以下に低下したことが検出されると、主制御基板200のCPU201に向かって割込が発生することによって開始される。かかる処理は、緊急を要する処理であるため、マスク不能の割込に設定されており、割込が発生した場合には直ちに実施される。
電源断発生処理が開始されると、先ず初めに、CPU201の全レジスタの内容が、RAM上のバックアップ領域に記憶される(S900)。次いで、スタックポインタの設定値もバックアップ領域に保存される(S902)。スタックポインタには、プログラムの開始アドレスが設定されている。従って、全レジスタの内容と、スタックポインタの内容とを保存しておけば、再びプログラムを開始する場合にも、同じ条件で、同じ箇所から開始させることができる。
次いで、賞球の払出装置109内に残存している賞球を確認するために、所定期間だけ払出スイッチ109a,109bの出力を監視する処理を行う(S904)。尚、払出装置109内に残存している賞球があれば、この期間に通過した遊技球の数を検出して、記憶しておく。
その後、バックアップ領域に記憶されたバックアップデータについてチェックサムを算出し、得られた結果を記憶した後(S906)、バックアップフラグをONに設定する(S908)。そして最後に、RAMをアクセス禁止状態に設定して(S910)、電源断発生時処理を終了する。図13を用いて前述した制御開始準備処理において、バックアップフラグがONになっていると判断された場合は(図13のS18:yes)、このようにして保存されたバックアップデータを読み出すことにより、電源断前の遊技状態を復旧することが可能となる。
C.第1実施例 :
以上に説明した本実施例の遊技機1では、所定の条件が成立した場合には特定の変動パターンを出力するだけで、一連の昇格演出を行うことが可能となっている。より詳しくは、主制御基板200は、所定の条件が成立すると「パターン特25」という変動パターンを出力し、音・ランプ制御基板220で、この変動パターンを適切に解釈することによって種々の昇格演出を行っている。このため、遊技機全体の(特に主制御基板200の)制御内容が複雑になってしまうことを回避しつつ、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となっている。
加えて、昇格演出の開始に先立って、昇格するか否かを、信頼度とともに遊技者に報知することも可能となっており、こうした信頼度の報知についても、遊技機全体(特に主制御基板200)の制御内容を複雑にすることなく実現することが可能となっている。以下、このような第1実施例について説明する。
図36は、所定の条件が成立したことを検出して特定変動パターン(パターン特25)を出力する特定変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、主制御基板200のCPU201が、図27に示した特別図柄変動パターン設定処理の中で、当否判定結果が外れでリーチ演出を行わない場合に実行する処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
CPU201は、特定変動パターン設定処理を開始すると、先ず初めに、昇格演出フラグがONか否かを判断する(S5002)。昇格演出フラグは、図34に示したように、特別遊技状態の終了時に、ONに設定されるフラグである。
昇格演出フラグがONでない場合は(S5002:no)、図27の特別図柄変動パターン設定処理中で選択しておいたテーブル(パターンテーブルBまたはパターンテーブルC)を参照して、リーチなしの変動パターンを決定する(S5004)。変動パターンの決定に際しては、前述したように特別図柄乱数を発生させて、パターンテーブルに設定されている変動パターンを読み出すことにより決定する。こうして、リーチなしの変動パターンを決定したら、図36に示す特定変動パターン設定処理を抜けて、図27の特別図柄変動パターン設定処理に復帰する。
一方、昇格演出フラグがONの場合は(S5002:yes)、外れの連続回数を示す値Nが、予め定めておいたリミット値に達したか否かを判断する(S5006)。ここでは、リミット値は「10」に設定されているものとして説明する。Nがリミット値に達していない場合は(S5006:no)、信頼度報知演出パターン決定処理を行う(S6000)。詳細な処理内容については別図を用いて後述するが、この処理では、昇格演出の開始を信頼度とともに遊技者に報知するか否か、そして報知する場合には、どのような信頼度として報知するかを決定する処理を行う。
信頼度報知演出パターン決定処理に続いて、図27の特別図柄変動パターン設定処理中で選択しておいたテーブルを参照してリーチなしの変動パターンを決定し(S5004)、図36に示す特定変動パターン設定処理を抜けて、図27の特別図柄変動パターン設定処理に復帰する。
一方、外れの連続回数を示す値Nがリミット値に達した場合は(S5006:yes)、特別図柄の変動パターンを「パターン特25」に設定する(S5008)。すなわち、外れの連続回数を示す値Nがリミット値に達すると、変動パターンが必ず「パターン特25」に設定されることになる。次いで、外れの連続回数を示す値Nを「0」に初期化した後(S5010)、報知回数Iの値を「0」に初期化する(S5012)。ここで、報知回数Iとは、後述する信頼度報知演出パターン決定処理の中で、複数回の図柄変動に亘って連続して信頼度の報知演出を行うために用いられる変数である。後述するように「パターン特25」の変動パターンが出力されると昇格演出が行われることから、外れ連続回数Nとともに報知回数Iの設定も初期化しておくのである。報知回数Iの意味する内容および昇格演出が行われた後は報知回数Iの設定を初期化する理由については、後述する信頼度報知演出パターン決定処理の中で詳しく説明する。次いで、昇格演出フラグをOFFに設定した後(S5014)、図36に示す特定変動パターン設定処理を終了して、図27の特別図柄変動パターン設定処理に復帰する。
以上のような特別図柄変動パターン設定処理および特定変動パターン設定処理を行う結果、主制御基板200は、遊技球が始動口17に入球するたびに当否判定を行い、判定結果に応じた特別図柄変動パターンを決定して、音・ランプ制御基板220に出力するが、特別遊技状態の終了後に連続して外れが続く状況では、連続回数がリミット回数に達する毎に「パターン特25」という変動パターンが出力されることになる。後述するように、音・ランプ制御基板220は、このようにして出力される変動パターンを解釈することで、一連の昇格演出を行う。その結果、主制御基板200側では、単に外れが所定回数連続した場合には、特定の変動パターンを出力するという極めて単純な処理で昇格演出を行うことが可能となる。
尚、ここでは、外れの連続回数Nがリミット値に達して「パターン特25」を出力すると(S5008)、S5010においてNを初期化するものとして説明した。しかし、外れの連続回数Nがリミット値に達しても、Nを初期化しないものとしても良い。この場合は、Nがリミット値に達した後は、当否判定結果が当りになるまで、「パターン特25」が音・ランプ制御基板220に向かって出力されることになる。
また、以上の説明では、変動パターンを「パターン特25」に変更するためのリミット値は「10」に固定されているものとして説明したが、リミット値は必ずしも固定されている必要はない。例えば、リミット値を複数設定しておき、その中から抽選によって選択された値をリミット値として用いることとしても良い。こうすれば、当否判定結果の外れが続いた場合に、「パターン特25」が出力されるタイミングを種々に変更することができるので、遊技に変化を与えることが可能となる。
次に、昇格演出に際して信頼度を報知する演出内容を決定する処理(信頼度報知演出パターン決定処理)について説明する。図37は、信頼度報知演出パターン決定処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図36に示した特定変動パターン設定処理の中で、主制御基板200のCPU201によって実行される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
信頼度報知演出パターン決定処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず初めに、信頼度の報知回数Iが「0」か否かを判断する(S6002)。ここで、信頼度の報知回数Iが意味するところについて説明する。後述するように、本実施例の遊技機1では、特別図柄やキャラクタ図柄の複数回の変動にまたがって、昇格演出の信頼度を報知することが可能となっている。そして、以下に説明する信頼度報知演出パターン決定処理においては、信頼度の報知演出を連続して行う回数、すなわち、特別図柄やキャラクタ図柄の何回分の変動に亘って報知演出を行うかを決定して、その回数を報知回数Iに設定する。その後、図柄変動1回分の報知演出が行われる度に、設定した報知回数Iを1つずつ減算する処理を行う。このことから明らかなように、報知回数Iとは、信頼度の報知演出を、あと何回分の図柄変動に亘って実施するかを示す変数となっており、例えば、報知回数Iが「2」と設定されていれば、あと2回分の図柄変動に亘って信頼度の報知演出が行われることを意味している。このことから、報知回数Iが「0」か否かを判断してやれば、設定した回数の報知演出が終わっているか否かを判断することが可能である。
信頼度報知演出パターン決定処理において最初に行われる判断において、報知回数Iが「0」ではないと判断された場合は(S6002:no)、設定した回数の報知演出が終わっていないと考えられる。そこで、主制御基板200のCPU201は、信頼度の報知レベルLを指定するコマンドを、音・ランプ制御基板220に向かって出力する(S6014)。信頼度の報知レベルの意味するところについては後述する。
一方、報知回数Iが「0」と判断された場合は(S6002:yes)、設定した回数の報知演出は終わっていると考えられるので、信頼度の報知演出を行うか否かを判断する(S6004)。かかる判断は、報知演出を行うか否かを判定するための乱数を取得して、取得した乱数と、所定の当り値とを比較することによって行う。すなわち、報知回数Iが「0」と判断された場合には、報知演出を行うか否かが、図柄が変動する毎に抽選によって決定されることになる。そして、乱数が当り値と一致していなければ、信頼度報知演出は行わないと判断して(S6004:no)、そのまま信頼度報知演出パターン決定処理を終了し、図36の特定変動パターン設定処理に復帰する。
これに対して、取得した乱数が当り値と一致していれば信頼度報知演出を行うと判断して(S6004:yes)、報知レベルLを「1」に設定する処理を行う(S6006)。ここで、報知レベルLとは、報知する信頼度の程度を表す変数である。以下、この点について説明する。
図38は、信頼度の報知レベルLに応じて、特別図柄表示装置27の画面上で行われる演出の内容を概念的に示した説明図である。本実施例の遊技機1では、信頼度の報知は、特別図柄表示装置27の画面上でキャラクタ図柄27a〜27cが変動表示している期間に行われ、信頼度の報知は、図示されているように、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの間に、信頼度を表示するための特別キャラクタ図柄27gを出現させて行うようになっている。この特別キャラクタ図柄27gには6個の星形が上下に並んで設けられており、各星型は内部の色を変化させることが可能となっている。そして、一番下の星形から何番目の星形まで色が変わっているかによって、信頼度を報知することができる。例えば、一番下の星型の下部だけ色が変わっていれば、信頼度が最も低い状態を表しており、これに対して、一番下の星形から一番上の星形まで全ての星形の色が変わっていれば、信頼度が最も高い状態を表している。また、星型の並びの側方には、信頼度の値を示す数字が表示されており、色が変わっている箇所の数値を読み取ることで、具体的な信頼度の値を知ることが可能となっている。
図38(a)に示されているように、報知レベル1は、約40%の信頼度を報知する状態を表している。また、報知レベル2は、図38(b)に示されているように、約70%の信頼度を報知する状態を表しており、報知レベル3は、図38(c)に示されるように、100%の信頼度を報知する状態、すなわち、時短状態から確変状態へ昇格することが確定した状態を表している。このように報知レベルLとは、どのような信頼度の報知を行うかを示す数値である。
また、前述したように図37に示した信頼度報知演出パターン決定処理では、信頼度報知演出を行うと判断した場合には(S6004:yes)、報知レベルLを「1」に設定している(S6006)。これは、次のような理由によるものである。先ず、信頼度報知演出を行うか否かの判断は、S6002:yesの時、すなわち、先に設定した回数の報知演出が全て終わっている状態で行われる。従って、判断の結果として行われる信頼度報知の演出は、新たに複数回の図柄の変動に亘って行われる報知演出の初回の演出と考えられる。そこで、このような初回の報知演出は、図38(a)に示したような信頼度が最も低い状態の演出を行っておき、以降、報知演出が連続して行われる度に、図38(b)に示した報知レベル2の演出、図38(c)に示した報知レベル3の演出と、信頼度の高い報知演出に発展させる演出を行う。このような演出を可能とするために、S6004:yesにおいて信頼度報知演出を行うと判断した場合には、報知レベルLを「1」に設定しておくのである。
次いで、リミット値から外れ連続回数Nを引いた値が「3」より大きいか否かを判断する(S6008)。ここでリミット値とは、図36を用いて前述した特定変動パターン設定処理において、外れ連続回数Nが達したらパターン特25を出力することになっている数値であり、本実施例では「10」に設定されている。そして、リミット値から外れ連続回数Nを引いて得られた減算値が「3」以下であった場合は(S6008:no)、その減算値を報知回数Iに設定する(S6010)。図36を用いて前述したように、特定変動パターン設定処理では、外れ連続回数Nがリミット値に達するとパターン特25の変動パターンが出力され(図36のS5008)、外れ連続回数Nが「0」に設定される(図36のS5010)。すなわち、外れ連続回数Nは、「0」〜リミット値までの値しか取り得ないので、リミット値から外れ連続回数Nを減算した値が「3」以下と判断された場合は(図37のS6008:no)、続くS6010の処理では、1回〜3回までのいずれかの回数が報知回数Iとして設定されることになる。
一方、リミット値から外れ連続回数Nを減算した値が「3」より大きいと判断された場合は(S6008:yes)、抽選を行うことにより1回または2回のいずれかの値を決定して、決定した回数を報知回数Iに設定する(S6012)。結局、信頼度報知演出を行うと判断したときに、(リミット値−N)の値が0〜3の範囲にあれば、1回〜3回までのいずれか回数が報知回数Iに設定され、(リミット値−N)の値が3を越えている場合は、1回または2回のいずれかの回数が報知回数Iに設定されることになる。
こうして報知回数Iを設定したら、主制御基板200のCPU201は音・ランプ制御基板220に向かって、報知レベルLを指定するコマンドを出力する(S6014)。前述したように、信頼度報知演出を行うと判断された場合には(S6004:yes)、報知レベルLは「1」に設定されるので(S6006)、S6014では報知レベル1を指定するコマンドが出力されることになる。尚、報知レベルを指定するコマンドは、図14を用いて説明したように、先ず初めにストローブ信号を送信し、続いてコマンドデータを送信することによって出力される。
以上に説明したように、信頼度報知演出を行うと判断した場合には(S6004:yes)、報知レベルLを「1」に設定し(S6006)、報知回数Iを設定した後(S6010またはS6012)、報知レベルLの指定コマンドを出力して、報知レベルLを1つ増加させるとともに(S6016)、報知回数Iを1つ減少させる(S6018)。従って、S6010またはS6012において報知回数Iが「1」に設定されていた場合には、続くS6018の処理では報知回数Iには「0」が設定される。これに対して、報知回数Iが「2」または「3」に設定されていた場合は、続くS6018の処理では、それぞれ「1」または「2」が報知回数Iに設定される。
こうして、報知回数Iおよび報知レベルLの設定を変更した後、図37の信頼度報知演出パターン決定処理を一旦終了して、図36の特定変動パターン設定処理に復帰する。そして、次のループで信頼度報知演出パターン決定処理が開始されたときに、報知回数Iが「0」でなかった場合には(S6002:no)、設定した報知回数Iが終了していないと判断して、直ちに報知レベルLを指定するコマンドを出力する(S6014)。このとき出力する報知レベルLは、前回のループで出力した報知レベルLがレベル1であればレベル2となり、前回出力した報知レベルLがレベル2であればレベル3と、報知レベルLは連続して報知するに従って1つずつ増加していく。尚、報知回数Iは「3」以下の値しか取らないので、報知レベルLがレベル3よりも高くなることはない。
図39は、報知回数Iの設定値と、報知レベルLの変化との関係について示した説明図である。図39(a)および図39(b)は、外れ連続回数Nがリミット値に達した結果、強制的に「パターン特25」の変動パターンが出力される場合を示している。先ず、図39(a)に例示した場合について説明する。
図39(a)の上段には、外れ連続回数Nの値が示されている。図36の特定変動パターン設定処理で説明したように、外れ連続回数Nがリミット値(本実施例では「10」)に達すると、強制的に「パターン特25」の変動パターンが出力される。また、図39(a)の中段には、信頼度の報知演出を行うか否かについての判断結果と、そのときに設定された報知回数Iとが示されている。ここで、「報知演出の判断結果」とは、図37のS6004において行った判断の結果であり、「そのときに設定された報知回数I」とは、図37のS6010またはS6012において設定された報知回数Iである。例えば、図39(a)に示した例では、外れ連続回数Nが「2」および「7」のときに、信頼度の報知演出を行うと判断され(図37のS6004:yes)、外れ連続回数Nが「2」の時には抽選によって報知回数Iに「2」が設定され(S6012)、外れ連続回数Nが「7」の時には(リミット値−N)の値(=3)が報知回数Iに設定された(S6010)場合が例示されている。
また、図39(a)の下段には、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって指定される報知レベルLが示されている。先ず、外れ連続回数Nが「2」の時に報知演出を行うと判断した場合について説明する。図示されているように、報知演出を行うと判断した場合は、それ以前の特別図柄およびキャラクタ図柄の変動では、信頼度の報知演出は行われていない。これは、図37に示した信頼度報知演出パターン決定処理において、報知回数Iが「0」の場合にだけ信頼度報知演出を行うか否かの判断を行うことから(S6004)、報知演出を行うと判断されるタイミングは前回の図柄変動で信頼度報知演出を行っていない場合に限られるからである。このことから、報知演出を行うと判断したときは、必ず初回の報知演出となるから、報知レベルLはレベル1に設定される。図中で「L1」と表示されているのは、報知レベル1を指定するコマンドが出力されたことを表している。
こうして報知レベル1を指定するコマンドを出力したら、図37を用いて説明したように、報知レベルLを1つ増加させるとともに、報知回数Iを1つ減少させる(図37のS6016およびS6018)。従って、報知レベルLはレベル1から1つ増加してレベル2に変更され、報知回数Iは「2」から1つ減少して「1」に変更される。
続いて行われる外れ連続回数N「3」の図柄変動では、報知回数Iが「1」となっており、報知回数Iが「0」ではないから(図37のS6002:no)、そのまま現在の報知レベルLを指定するコマンドが出力される。上述したように、報知レベルLはレベル1からレベル2に変更されているので、報知レベル2を指定するコマンドが出力されることになる。図中に「L2」と表示されているのは、報知レベル2を指定するコマンドが出力されたことを表している。こうして報知レベルLの指定コマンドを出力したら、報知回数Iを1つ減少して「0」とする。そして、次に行われる図柄変動(外れ連続回数N「4」)では、報知回数Iが「0」となっているので(図37のS6002:yes)、信頼度報知演出を行うか否かの抽選が行われる(図37のS6004)。
抽選の結果、信頼度の報知演出を行わないと判断された場合は(S6004:no)、そのまま信頼度報知演出パターン決定処理を終了する。結局、外れ連続回数Nが「2」の時に開始された報知演出は、その図柄変動では、図38(a)に示したような報知レベル1の態様で信頼度の報知が行われ、次の図柄変動では、図38(b)に示した報知レベル2の態様に発展するものの、図38(c)に示した報知レベル3に発展することなく終了することになる。尚、報知回数Iが「0」に達して、その直後に行った抽選で報知演出を行うと判断された場合にも、信頼度の報知演出が連続して行われることになる。図39(a)の例示に即して説明すると、外れ連続回数N「3」の図柄変動ではレベル2の報知演出が行われて、報知回数Iが「0」となる。続く、外れ連続回数N「4」の図柄変動で報知演出を行うと判断されれば、レベル1の報知演出が行われることになり、結局、外れ連続回数N「2」から始まる一連の報知演出と、外れ連続回数N「4」から始まる報知演出とが、連続して発生することになる。もっとも、報知演出を行うか否かの判断で、演出を行うと判断される確率はそれほど高くはないから、こうしたことは滅多に生じることはない。
次に、図39(a)において、外れ連続回数Nが「7」の時に報知演出を行うと判断した場合について説明する。図37の信頼度報知演出パターン決定処理において説明したように、報知演出を行うと判断された場合は、続いて、リミット値から外れ連続回数Nを減算した減算値が「3」を越えているか否かが判断される(図37のS6008)。ここではリミット値は「10」としており、外れ連続回数Nは「7」であるから減算値は「3」となり、S6008では「no」と判断され、その結果、報知回数Iには減算値「3」が設定される(図37のS6010)。図39(a)において、外れ連続回数N「7」で報知演出を「する」と判断したときに報知回数Iが「3回」と表示されているのは、このようにして設定されたものである。
また、外れ連続回数N「7」で行う報知演出は初回の演出であるから、前述した外れ連続回数N「2」の場合と同様に、報知レベルLはレベル1に設定されている。図39(a)には、このように、外れ連続回数N「7」の時に信頼度の報知演出を行うと判断されて、報知回数Iが3回に設定されるとともに、報知レベル1を指定するコマンドが出力された様子が示されている。そして、報知回数Iが1つ減少して2回に変更されるとともに、報知レベルLは1つ増加してレベル2に変更された後、続く、外れ連続回数N「8」の図柄変動では報知レベル2を指定するコマンドが出力され、その次の外れ連続回数N「9」の図柄変動では報知レベル3を指定するコマンドが出力される。続いて、外れ連続回数Nがリミット値である「10」に達すると、図36の特定変動パターン設定処理において前述したように「パターン特25」の変動パターンが出力され、この変動パターンを受けて、後述する昇格演出が行われることになる。図39(a)に示した「パターン特25」という表示は、主制御基板200から音・ランプ制御基板220に向かって、「パターン特25」の変動パターンが出力されることを表したものである。
結局、外れ連続回数N「7」の時に、信頼度の報知演出を行うと判断された場合は、必ず報知回数Iは3回に設定され、図38(a)に示したような報知レベル1の態様から、図38(c)に示した報知レベル3の態様に発展して、時短状態から確変状態へ昇格させる演出(昇格演出)が行われることになる。尚、以上の説明では、報知レベル3で信頼度の報知が行われた後、続く図柄の変動時に昇格演出が行われるものとしたが、レベル3の報知を行った後、実際の昇格演出を開始するタイミングは種々に設定することが可能である。例えば、レベル3の報知を行った後、その図柄変動で昇格演出を行っても良いし、あるいは、レベル3の報知後、図柄変動を1回おいて、その次の図柄変動で昇格演出を行うこととしても良い。このように、報知レベル3の信頼度(すなわち信頼度100%)で報知演出を行った後、特別図柄およびキャラクタ図柄の変動を1回挟んでから、昇格演出を行うこととすれば、遊技者を一旦はガッカリさせてから昇格演出を開始することとなるので、昇格を行うことによる演出効果を大きく向上させることが可能となる。
以上に説明したように、信頼度の報知は必ず報知レベル1(図38(a)参照)から開始されものの、その後、発展する場合と発展しない場合とが存在する。また、発展する場合にも、報知レベル2、報知レベル3と発展する場合と、報知レベル2で止まってしまう場合とが存在する。更に、報知レベル3まで発展した場合は必ず昇格演出が開始されるが、報知レベル1あるいは報知レベル2で止まってしまった場合には、昇格演出が行われる場合と、行われない場合とが存在する。以下では、図39(b)および図39(c)を参照しながら、こうしたことが生じる理由について説明する。
図39(b)には、信頼度の報知演出を行うと判断したタイミングが、外れ連続回数N「3」および「8」であった場合を示している。外れ連続回数N「3」であった場合は、(リミット値−N)が「3」を越えていると判断され、報知回数Iは1回または2回の何れかが抽選によって決定される(図37のS6008およびS6012参照のこと)。図39(b)に示した例では報知回数Iは1回に設定されており、1回だけ報知レベル1で信頼度の報知が行われる。そして、このタイミングで出力される変動パターンが「パターン特25」でない場合は、信頼度報知の演出はいわゆる「ガセ演出」ということになる。もちろん、変動パターン「パターン特25」が出力された場合は、報知レベル1の信頼度報知が行われた後に、昇格演出が開始されることになる。図39(c)には、報知レベル1の信頼度報知が行われ、報知レベル2に発展したにも関わらず、実際には確変状態に昇格しなかった「ガセ演出」の場合と、報知レベル1の信頼度報知が行われた後、直ちに変動パターン「パターン特25」が出力されて、確変状態に昇格した場合とが例示されている。
また、図39(b)に示されているように、報知演出を行うと判断されたタイミングが外れ連続回数N「8」であった場合は、(リミット値−N)は「2」となるから、報知回数Iは必ず2回と設定され、報知レベル1、報知レベル2と発展した後、「パターン特25」の変動パターンが出力される。すなわち、この場合は、報知レベル2まで発展すると、外れ連続回数Nがリミット値に達して「パターン特25」の変動パターンが出力され、その結果として、昇格演出が行われることになる。もちろん、報知演出を行うと判断したタイミングが、図柄変動1回分だけ遅ければ、報知レベル1の信頼度報知が行われた後、外れ連続回数Nがリミット値に達して昇格演出が開始される。更に、報知演出を行うと判断されないまま、外れ連続回数Nがリミット値に達した場合には、信頼度の報知が行われることなく昇格演出が開始されることになる。
以上に説明したように、図37に示した信頼度報知演出パターン決定処理では、信頼度の報知演出を行うか否かを抽選によって決定し、報知演出を行うと判断したときの外れ連続回数Nが0〜6の範囲にあれば、報知回数Iは、1回または2回の何れかに設定される。そして、報知回数Iが1回の場合は、報知レベル1の信頼度報知が行われ、報知レベル2に発展することはない。一方、報知回数Iが2回に設定された場合は報知レベル1から報知レベル2まで発展するが、報知レベル3まで発展することはない。こうした信頼度の報知演出とは別に、図27に示した特別図柄変動パターン設定処理においては、ある確率で「パターン特25」の変動パターンが選択される。その結果、報知レベル1に続いて変動パターン「パターン特25」が選択されて確変状態に昇格する場合もあれば、報知レベル2まで発展した段階で昇格する場合、更には、信頼度の報知演出が行われることなく、確変状態に昇格するなど、種々の態様の演出が行われることになる。
これに対して、報知演出を行うと判断したときの外れ連続回数Nが7以上であった場合は、ほどなくリミット値に達して「パターン特25」の変動パターンが出力されるので、これに合わせた報知回数Iが設定される。すなわち、報知演出を行うと判断してからリミット値に達するまでの図柄変動回数に応じて、適切な回数が算出されて報知回数Iに設定される。そして、報知演出を行うと判断したタイミングが、外れ連続回数N「9」の時であれば、報知レベル1の段階で確変状態への昇格が行われ、外れ連続回数Nが「8」の時であれば、報知レベル2まで発展した段階で昇格し、外れ連続回数Nが「7」の時であれば報知レベル3まで発展した段階で確変状態に昇格することになる。このように、報知回数Iは、外れ連続回数Nがリミット値に達するタイミングを見計らって適切な回数に設定され、そして設定された報知回数Iによって発展する報知レベルLが決まるようになっている。このため、報知レベル3の信頼度で報知演出が行われた場合には、必ず「パターン特25」の変動パターンが出力されて、確変状態への昇格が開始されることになる。
以上、図36に示した特定変動パターン設定処理、および図37の信頼度報知演出パターン決定処理が行われ、その結果として、報知レベルLを指定するコマンドおよび「パターン特25」の変動パターンが出力される様子を詳しく説明した。次は、このようにして出力されたコマンドを受け取って、音・ランプ制御基板220が適切な演出を行う処理について説明する。
図40は、特別図柄変動パターンおよび報知レベルLの指定に基づいて、昇格演出あるいは信頼度の報知を含む各種の演出を行う処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、音・ランプ制御基板220に搭載されたCPUによって実行される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
図40に示したキャラクタ図柄演出処理が開始されると、音・ランプ制御基板220のCPUは、先ず初めに、確変当りか否かを判断する(S5102)。前述したように、主制御基板200は、特別遊技処理において、確変当り、時短当り、外れのいずれかを決定し、特別図柄関連コマンドとして出力していることから、音・ランプ制御基板220は、主制御基板200からのコマンドに基づいて、確変当りか否かを判断することができる。
そして、確変当り状態であると判断された場合は(S5102:yes)、昇格演出を行うか否かを決定する(S5104)。昇格演出を行うか否かの決定は、例えば乱数を発生させて、得られた乱数が所定値である場合に昇格演出を行うものと決定することができる。その結果、昇格演出を行うと決定された場合は(S5104:yes)、昇格予定フラグをONに設定して(S5106)、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bにおいてキャラクタ図柄などを用いて行われる演出態様を、時短当りの演出態様に変更した後(S5108)、設定された態様で副表示領域27Bにおける演出を行う(S5110)。すなわち、主制御基板200からの特別図柄関連コマンドによれば確変当りの演出を行うべきところが、S5106で昇格予定フラグがONに設定されて、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bでは時短当り用の演出が行われることになる。具体的には、副表示領域27Bの3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、偶数の同じ数字を表す図柄で停止表示されて、特別遊技状態が開始される。そして、特別遊技状態の終了後は、遊技状態表示部27eに「チャンスタイム」と表示される。尚、昇格予定フラグとは、本来は確変中であるにも関わらず、確変状態へ昇格する演出を行うことを予定して、時短状態の演出を行ったことを意味するフラグである。従って、昇格予定フラグがONになっている場合は、主制御基板200側では確変中の制御を行っているが、特別図柄表示装置27では、時短中の表示がされていることを表している。
一方、昇格演出を行わないと判断された場合は(S5104:no)、昇格予定フラグをOFFに設定して(S5112)、副表示領域27Bにおける演出態様を確変当りの態様に設定した後(S5114)、設定された態様でキャラクタ図柄などによる演出を行う(S5110)。具体的には、副表示領域27Bの3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、奇数の同じ数字を表す図柄で停止表示されて特別遊技状態が開始されるとともに、特別遊技状態の終了後は、遊技状態表示部27eに「確変中」と表示される。
これに対して、主制御基板200における決定内容が、確変当りではないと判断された場合は(S5102:no)、時短当りか否かを判断する(S5116)。そして、時短当りであった場合は(S5116:yes)、昇格予定フラグをOFFに設定して(S5118)、副表示領域27Bにおけるキャラクタ図柄などの演出態様を時短当りの演出態様に設定した後(S54108)、設定された態様でキャラクタ図柄などの演出を行う(S5110)。具体的には、副表示領域27Bの3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、同じ偶数の図柄で停止表示されて特別遊技状態が開始される。また、特別遊技状態の終了後には遊技状態表示部27eに「チャンスタイム」と表示される。
一方、確変当りでも、時短当りでもない場合は(S5116:no)、当否判定結果は外れということになる。この場合は、昇格予定フラグがONか否かを判断する(S5120)。ここで、昇格予定フラグがOFFである場合は(S5120:no)、主制御基板200から出力された特別図柄関連コマンドに従って、副表示領域27Bの演出態様を外れの態様に設定し(S5128)、設定された態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(S5110)。すなわち、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが変動表示を開始して、少なくともいずれか1つの図柄が揃わない状態で停止表示する演出を行う。
これに対して、昇格予定フラグがONとなっていれば(S5120:yes)、主制御基板200からは確変当り状態が指示されたにも関わらず、昇格演出を行うことを予定して、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bでは時短当り状態の表示がされているものと考えられる。そこで、S5120:yesであれば、主制御基板200から供給された特別図柄の変動コマンドが、「パターン特25」であるか否かを判断する(S5122)。尚、図36を用いて説明したように、変動パターン「パターン特25」は外れの当否判定結果が所定回数連続すると、昇格予定フラグの状態に関わらず出力される変動パターンであるとともに、図31および図32に示すようなパターンテーブルから選択されることで一定の確率で出力される変動パターンでもある。そして、「パターン特25」であった場合は(S5122:yes)、副表示領域27Bにおける演出態様を昇格当り演出に設定した後(S5124)、設定された態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(S5110)。この結果、副表示領域27Bでは、時短状態から確変状態への昇格を予感させる演出が行われた後、確変状態に昇格した旨の演出が行われることになる。昇格当り演出とは、このように確変状態への昇格を予感させる演出の後、確変状態に昇格させる演出をいう。
図36を用いて前述したように、「パターン特25」という特別図柄変動パターンは、当否判定結果の外れの状態が、所定回数連続すると出力される変動パターンである。従って、確変当りに当選して昇格演出を行うべく時短当りの表示をしていた場合でも、所定回数外れが連続すれば必ず出力される変動パターンである。すなわち、確変当りに当選しているにも関わらず、遊技者を偽って時短当りの表示をする場合、「パターン特25」を受け取ったら昇格当り演出を行うこととしておけば、しばらく当りが得られない状況が続くと必ず確変状態に昇格させることが可能となるのである。
もちろん、遊技者を偽って時短当りの表示をしている段階で、当否判定結果が当りとなった場合には、確変状態に昇格させる演出を行うことはできなくなってしまう。しかし、確変状態とは、当否判定で当りの確率が高くなっている状態であるから、実際に当りが得られるのであれば、時短の表示中に当たろうが確変の表示中に当たろうが同じことであり、たとえ昇格演出を行うことができなかったとしても、遊技者に取って不利益となることはない。
また、S5122において受け取った変動パターンが「パターン特25」出はないと判断された場合は(S5122:no)、信頼度報知の演出レベルを、指定された報知レベルに設定する(S5126)。すなわち、図37および図39を用いて前述したように、主制御基板200から報知レベルLを指定するコマンドが出力されていた場合には、コマンドで指定された報知レベルLを設定する。逆に、報知レベルLを指定するコマンドが出力されていなければ、設定するレベルが指定されていないので、報知レベルLの設定は行わない。続いて、主制御基板200から受け取った特別図柄関連コマンドに従って、副表示領域27Bの演出態様を外れの態様に設定し(S5128)、設定された態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(S5110)。このとき、S5126において信頼度演出の報知レベルLが設定されていた場合には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが変動表示を開始した後、これらキャラクタ図柄の間に、図38に示したような特別キャラクタ図柄27gが出現して、信頼度報知の演出が行われる。そして、S5126で設定されていた報知レベルがレベル1であった場合には、図38(a)に示した態様で信頼度報知が行われ、設定されていた報知レベルがレベル2であった場合には、図38(b)に示した態様で信頼度報知が、報知レベル3が設定されていた場合には、図38(c)に示した態様で信頼度報知が行われることになる。
以上に説明した第1実施例の遊技機1においては、全体として簡単な処理により、時短状態を確変状態に昇格させる昇格演出を行うことができる。特に、主制御基板200では、当否判定結果が所定回数連続して外れになると、特定の変動パターン(パターン特25)を出力するだけで、昇格演出を行うことができる。このため、主制御基板200側のプログラム数の増加や、処理負担の増加といった問題を引き起こすことがない。
加えて、昇格演出が開始されるか否かの信頼度を報知する演出も、極めて簡便に実現することが可能である。すなわち、主制御基板200において報知回数Iおよび報知レベルLを決定するに際しては、特定の変動パターン(パターン特25)を出力するために用いた変数(外れ連続回数N)を利用して決定しているために、特定の変動パターンを出力するタイミングに合わせた適切な報知回数Iおよび報知レベルLを、簡便に設定することが可能である。このため、昇格演出が行われるか否かの信頼度を報知する演出を、主制御基板200側のプログラム数や処理負担を増加させることなく実施することが可能である。また、音・ランプ制御基板220側でも、決定された報知レベルLを受け取って対応する演出を行うという、極めて簡単な処理で、信頼度報知の演出を行うことができる。このため、遊技機1全体の構成を簡素に保っておくことが可能となる。
尚、上述したように音・ランプ制御基板220は、主制御基板200から確変当り状態を表すコマンドを受け取ると、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bにおいて、確変当りの表示を行うか、時短当りの表示を行うかを決定する。また、当否判定の結果を表示したり、昇格当りの演出を行うか否かについての判断も行っている。従って、音・ランプ制御基板220は、当り表示態様決定手段、抽選結果表示手段、表示変更手段の一態様を構成している。
D.第2実施例 :
以上に説明した第1実施例では、最も単純な場合、すなわち、確変当りの場合に昇格予定フラグをONに設定して時短当りの演出を行うとともに、昇格予定フラグがONの場合に変動パターン「パターン特25」を受け取ると、必ず昇格当り演出を行う場合について説明した。しかし、このような単純な場合に限らず、たとえば時短当りに対して時短当りの演出を行った場合にも、最終的には確変状態に昇格しない態様の昇格演出(いわゆる昇格外れ演出)を行うこととしても良い。更には、「パターン特25」を受け取った場合に昇格当り演出を行うか否かを抽選などによって決定し、当選した場合にだけ確変状態に昇格させることとしても良い。
加えて、昇格演出の信頼度を報知する演出に関しても、上述した第1実施例では、昇格の信頼度を報知する演出を行うか否か、および報知を行う場合には、どのレベルの信頼度で報知するかを主制御基板200の側で決定した。これは、特定の変動パターン(パターン特25)を出力するために、主制御基板200側で外れ連続回数Nをカウントしており、このカウント値を利用することで、信頼度を報知する演出を簡便に実現することを狙ったためである。従って、音・ランプ制御基板220の側でも昇格演出を行うために何らかの数値をカウントしている場合は、このカウント値を利用することによっても、信頼度報知の演出を簡便に行うことが可能となる。
更に、確変状態に昇格させるか否かを抽選によって決定する場合は、いつまでも抽選に外れ続ける可能性が生じるので、このような場合を想定した処理も必要になる。以下では、このような第2実施例について説明する。
第2実施例において主制御基板200側で行う処理、すなわち特定変動パターン設定処理については、前述した第1実施例とほぼ同様であるため、ここでは図36を流用しながら簡単に説明する。図36に示されているように、前述した第1実施例の特定変動パターン設定処理では、外れ連続回数Nがリミット値に達していない場合には(図36のS5006:no)、信頼度報知演出パターン決定処理(S6000)を行って信頼度報知演出を行うか否か、および信頼度の報知レベルLを決定した後、特別図柄およびキャラクタ図柄の変動パターンを決定した(S5004)。これに対して、第2実施例の特定変動パターン設定処理では、信頼度報知演出パターンを設定する処理は行わない。すなわち、外れ連続回数Nがリミット値に達していなければ(図36のS5006:noに相当)、そのまま変動パターンを決定する処理を行う(図36のS5004に相当)。従って、第2実施例では、主制御基板200側で行われる特定変動パターン設定処理の内容を、第1実施例の特定変動パターン設定処理よりも大幅に簡素化することが可能である。結局、第2実施例の特定変動パターン設定処理では、特別図柄およびキャラクタ図柄の変動パターンのみが決定され、信頼度の報知レベルLが決定されることはなく、報知レベルLは、音・ランプ制御基板220側で行われるキャラクタ図柄演出処理の中で決定されることになる。
図41は、第2実施例のキャラクタ図柄演出処理の一部を示すフローチャートである。また、図42は、第2実施例のキャラクタ図柄演出処理の残余部分を示すフローチャートである。これら処理も、主制御基板200からの供給された特別図柄関連コマンドに基づいて、音・ランプ制御基板220に搭載されたCPUによって実行される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
図41に示した第2実施例のキャラクタ図柄演出処理が開始されると、音・ランプ制御基板220のCPUは、主制御基板200から供給された特別図柄関連コマンドに基づいて、確変当りか否かを判断する(S5202)。そして、確変当りであった場合は(S5202:yes)、確変フラグをONに設定した後(S5204)、昇格演出を行うか否かを判断する(S5206)。昇格演出を行うか否かの判断は、例えば乱数を発生させて、得られた乱数が所定値であれば昇格演出を行うものとすればよい。その結果、昇格演出を行う場合は(S5206:yes)、昇格実行フラグをONに設定し(S5208)、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bにおける演出態様を時短当りの演出態様に設定する(S5210)。昇格実行フラグとは、昇格演出(時短状態の表示を確変状態に昇格させる昇格当り演出、もしくは確変状態に昇格させない昇格外れ演出)を実行可能なことを意味するフラグである。第2実施例では、確変当りに対して時短当りの表示を行っている場合に限らず、時短当りに対して時短当りの表示を行っている場合にも昇格演出を行う可能性があるので、昇格演出を実行可能なことを示すフラグ(昇格実行フラグ)が設けられている。S5208では、この昇格実行フラグをONに設定する処理を行う。
昇格実行フラグをONに設定したら、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bにおける演出態様を、時短当り演出に設定した後(S5212)、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kをいずれも「0」に設定する。ここで、図柄変動回数Mは、昇格実行フラグがONになってから実際に昇格当り演出が行われるまでの間、特別図柄が変動表示された回数を示す値である。第2実施例では、昇格実行フラグがONになって「パターン特25」が供給されても、昇格当り演出を行うか否かは抽選によって決定されるので、いつまでも抽選に外れ続ける可能性がある。このような場合を考慮して、第2実施例では、後述するように、昇格実行フラグがONになった後の特別図柄の変動回数を計数している。
また、昇格演出回数Kは、昇格実行フラグがONになってから昇格当り演出が行われるまでの間、昇格外れ演出が行われた回数を示す値である。以下に説明するように、第2実施例では、昇格演出を開始しても、抽選に外れると確変状態に昇格されない演出(昇格外れ演出)を行うため、何度も昇格外れ演出が行われる可能性がある。昇格外れ演出が連続すると、昇格演出を行う効果が減殺されかねないので、第2実施例では、昇格外れ演出が連続した回数を計数している。昇格演出回数Kとは、確変状態に昇格するまでに何度も昇格外れ演出が行われた場合に、昇格外れ演出が行われた回数を示す変数である。
S5212では、副表示領域27Bにおける演出態様が、時短当り演出の態様に設定されたことを受けて(S5210)、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kの計数を新たに開始するべく、これら変数の値を「0」に初期化しておくのである。
次いで、設定された演出態様に従って、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bにおける演出を実施する(S5214)。この結果、主制御基板200からの特別図柄関連コマンドによれば確変当りの態様で演出を行うべきところを、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bでは時短当りの態様で演出が行われることになる。
一方、昇格演出を行わないと判断された場合は(S5206:no)、昇格実行フラグをOFFに設定し(S5216)、副表示領域27Bにおける演出態様を確変当りの演出態様に設定する(S5218)。そして、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kの値を「0」に初期化した後(S5220)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(S5214)。
また、主制御基板200から供給された特別図柄関連コマンドから、確変当りではないと判断された場合は(S5202:no)、時短当りか否かを判断する(S5222)。そして、時短当りであった場合は(S5222:yes)、確変フラグをOFFに設定した後(S5224)、昇格実行フラグをONに設定する(S5208)。第2実施例では、前述した第1実施例とは異なり、時短当りに対して時短状態の演出を行っていた場合にも、変動パターンが「パターン特25」であった場合は昇格外れ演出を行う。そこで、特別図柄関連コマンドから判断された当り態様が時短当りであった場合にも、昇格演出が実行可能であることを意味する昇格実行フラグをONに設定しておくのである(S5208)。そして、演出態様を時短当りの演出態様に設定し(S5210)、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kの値を「0」に初期化した後(S5212)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(S5214)。
一方、確変当りでも、時短当りでもない場合は(S5222:no)、昇格実行フラグがONか否かを判断する(図42のS5226)。そして、昇格実行フラグがONと判断された場合は(S5226:yes)、図柄変動回数Mに「1」を加算した後(S5228)、主制御基板200から供給された特別図柄の変動コマンドが、「パターン特25」であるか否かを判断する(S5230)。尚、前述したように図柄変動回数Mは、昇格実行フラグがONになってから実際に昇格当り演出が行われるまでの間、特別図柄が変動表示された回数を示す値である。
主制御基板200から受け取った変動パターンが「パターン特25」であった場合は(S5230:yes)、昇格演出回数Kが「3」以上か否かを判断する(S5232)。前述したように昇格演出回数Kは、昇格実行フラグがONになってから昇格当り演出が行われるまでの間、昇格外れ演出が行われた回数を示す値である。昇格演出回数Kが「3」に満たない場合は(S5232:no)、昇格演出の態様を決定するための後述する一連の処理を開始する。
これに対して、昇格演出回数Kが「3」に達していた場合は(S5232:yes)、昇格演出そのものを行うか否かを抽選する(S5234)。そして、昇格演出を行うと判断された場合は(S5236:yes)、そのまま、昇格演出の態様を決定するための後述する一連の処理を開始する。しかし、昇格演出を行わないと判断された場合は(S5236:no)、図柄変動回数Mが第1の上限値に達したか否かを判断し(S5256)、判断結果に応じた一連の処理を行う。かかる処理は、S5230において受け取った変動パターンが「パターン特25」でないと判断された場合(S5230:no)の処理と同じであるため、後ほどまとめて説明する。
以下では、S5238以降において昇格演出の態様を決定する処理について説明する。昇格演出の態様を決定するに際しては、先ず初めに、確変フラグがONになっているか否かを判断する(S5238)。ここで、先ず初めに、確変フラグを確認しているのは次のような理由によるものである。後述するように、第2実施例では、昇格演出の態様(昇格当り演出か、昇格外れ演出か)を抽選によって決定するが、時短当り後に「パターン特25」を受け取った場合には、必ず昇格外れ演出を行うこととしている。そこで、昇格演出の態様を決定する処理を開始すると、先ず初めに、確変フラグがONに設定されているか否かを確認しておくのである。尚、確変フラグは、図41を用いて前述したように、主制御基板200から供給された特別図柄関連コマンドに基づいて確変当りと判断された場合は、特別図柄表示装置27の副表示領域27Bにおける表示態様が確変中であるか時短中であるかに関わらず、確変フラグはONに設定されている(図41のS5204)。
確変フラグがONに設定されていることが確認されたら(S5238:yes)、昇格当り演出を行うか否かを抽選によって決定する(S5240)。抽選は、乱数を発生させて、予め定めておいた当り値が得られた場合には、昇格当り演出を行うものと決定し、それ以外の場合は昇格外れ演出を行うものと決定することができる。抽選の結果、昇格当り演出を行うものと判断された場合は(S5242:yes)、副表示領域27Bにおける演出態様を昇格当り演出に設定する(S5244)。そして、昇格実行フラグをOFFに設定し(S5246)、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kに「0」を設定した後(S5248)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(図41のS5214)。尚、昇格当り演出とは、時短状態から確変状態へと昇格させるための演出を行った後、最終的な表示を確変状態の表示とする演出をいう。
一方、抽選の結果、昇格当り演出を行わないと判断された場合は(S5242:no)、副表示領域27Bにおける演出態様を昇格外れ演出に設定する(S5250)。次いで、図柄変動回数Mが第1の上限値に達しているか否かを確認する(S5252)。本実施例では、時短の最大継続回数である「100」を基準として、第1の上限値はこれより少しだけ小さな値である「99」に設定されている。そして、図柄変動回数Mが第1の上限値に達していない場合は(S5252:no)、昇格外れ演出を行った回数を示す昇格演出回数Kに「1」を加算した後(S5254)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(図41のS5214)。これに対して、図柄変動回数Mが第1の上限値に達している場合は(S5252:yes)、昇格実行フラグをOFFに設定し(S5246)、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kに「0」を設定した後(S5248)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(図41のS5214)。
ここで、図柄変動回数Mが第1の上限値(本実施例では、99)に達したら(S5252:yes)、昇格実行フラグをOFFに設定するとともに、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kを初期化している理由について説明する。図41に示されているように、昇格実行フラグは、時短表示状態の場合にONに設定される。そして、昇格実行フラグがONの時に、主制御基板200から変動パターン「パターン特25」を受け取ると、音・ランプ制御基板220において昇格当り演出または昇格外れ演出が実行される。ところが、前述したように、時短状態は特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動すると終了してしまうので、それ以上は昇格演出を行うことができなくなる。もちろん、確変当りであったにも関わらず時短当りの表示を行っている場合は、図36を用いて前述したように、特別遊技状態の終了後、変動回数Mが第1の上限値に達する前に変動パターン「パターン特25」が出力され、昇格当り演出が行われて確変状態の表示に切り換えられることが多いと考えられる。しかし、第2実施例では、昇格演出の結果、確変状態に昇格するか否かは抽選で決定されるので、確変当りであるにも関わらず時短当りの表示をしたまま、図柄の変動回数が第1の上限値に達する可能性も存在する。また、昇格実行フラグは、時短当りに対して時短当りの表示を行っている場合にもONに設定され、そしてこの場合は、後述するように変動パターン「パターン特25」を受け取った場合でも、必ず昇格外れ演出が行われるので、昇格実行フラグがONになったまま、図柄変動回数Mが所定回数(本実施例では100回)に達してしまう。このように、昇格実行フラグがONに設定されたまま、時短の上限回数に達する場合があり得るので、図柄変動回数Mが、時短の上限回数(本実施例では100回)より少し小さな値(本実施例では99)に達した時点で昇格実行フラグをOFFに設定しておくのである。
以上では、昇格実行フラグがONに設定されており、「パターン特25」を受け取った時に確変フラグがONに設定されていた場合(S5238:yes)の処理について説明した。一方、「パターン特25」を受け取ったときに確変フラグがOFFになっていた場合は(S5238:no)、抽選を行うことなく直ちに、副表示領域27Bにおける演出態様を昇格外れ演出に設定する(S5250)。次いで、図柄変動回数Mが第1の上限値に達しているか否かを確認し(S5252)、図柄変動回数Mが第1の上限値に達していない場合は(S5252:no)、昇格外れ演出を行った回数を示す昇格演出回数Kに「1」を加算した後(S5254)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(図41のS5214)。一方、図柄変動回数Mが第1の上限値に達している場合は(S5252:yes)、昇格実行フラグをOFFに設定し、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kを初期化した後(S5246、S5248)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(図41のS5214)。
以上では、昇格実行フラグがONに設定されており、「パターン特25」を受け取った場合(S5230:yes)の処理について説明したが、受け取った変動パターンが「パターン特25」でなかった場合(S5230:no)の処理について説明する。尚、以下の処理は、「パターン特25」を受け取ったにも関わらず抽選の結果、昇格演出を行わないと決定された場合(S5236:no)についても、全く同様な処理が行われる。
主制御基板200から受け取った変動パターンが「パターン特25」ではなかった場合(S5230:yes)には、図柄変動回数Mが第1の上限値(本実施例では99)に達したか否かを判断する(S5256)。そして、未だ第1の上限値に達していないと判断された場合は(S5256:no)、昇格演出回数Kが「2」に達しているか否かを判断する(S5300)。ここで昇格演出回数Kは、前述したように昇格実行フラグがONになってから昇格当たり演出が行われるまでの間に、昇格外れ演出が行われた回数を表している。すなわち、昇格演出回数Kが「2」に達しているということは、それまでに少なくとも2回は、昇格外れ演出が行われたことを示している。前述したように昇格外れ演出とは、時短状態から確変状態への昇格を予感させる演出が行われた後、昇格せずに終わる演出であるから、昇格外れ演出が続いたのでは、昇格を予感させる演出を行っても遊技者の関心を引きつけることが次第に困難となる。こうした点に鑑みて、S5300では昇格演出回数Kが「2」に達しているか否かを判断し、昇格演出回数Kが「2」に達していれば、昇格演出の信頼度を報知するべく、報知レベルLを設定する処理を行う(S5302)。報知レベルLの設定は、報知レベル1、報知レベル2、報知レベル3の中から抽選によって決定することができる。
一方、S5300において、昇格演出回数Kが未だ「2」に達していないと判断された場合には、昇格演出の報知レベルLを設定する処理は行わずに、主制御基板200から受信した変動パターンに基づいて、特別図柄の当否判定結果が外れの演出態様を設定する(S5262)。
以上の処理は、S5256において、図柄変動回数Mが第1の上限値に達していないと判断された場合に行う処理であるが、図柄変動回数Mが第1の上限値に達していた場合は(S5256:yes)、こうした処理は行わず、代わりに昇格実行フラグをOFFに設定し(S5258)、図柄変動回数Mおよび昇格演出回数Kを初期化する(S5260)。そして、受信した変動パターンに基づいて、特別図柄の当否判定結果が外れの演出態様を設定した後(S5262)、設定された演出態様で副表示領域27Bにおける演出を実施する(図41のS5214)。このとき、S5302の処理で昇格演出の報知レベルLが設定されていた場合には、設定された報知レベルLに応じて、図38に例示した何れかの態様で、信頼度を報知する演出が行われることになる。
以上、第2実施例の遊技機1で行われるキャラクタ図柄演出処理について詳しく説明した。上述したように、第2実施例の処理では、昇格演出を行うか否か、昇格演出を行う場合に、昇格当り演出とするか否かを抽選によって決定する。このため、遊技の進行に変化を付けることができ、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
また、第2実施例では、確変当りによる特別遊技状態の終了後に時短当り後の表示を行っている場合に限らず、時短当り後に変動パターン「パターン特25」を受け取った場合にも、昇格外れ演出を行う。こうすれば、遊技者は、時短遊技中にも,もしかしたら確変状態に昇格するかも知れないと期待しながら遊技を勧めることになるので、より一層、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
加えて、以上に説明した第2実施例では、音・ランプ制御基板220の側で昇格演出を行うために用いた変数(昇格演出回数K)を利用して、信頼度の報知演出を行うか否かを決定している。このため、主制御基板200の側では特別な処理を行わずとも、信頼度を報知する演出を行うことができ、遊技機1全体の構成を極めて簡単なものとすることが可能となる。
更に、第2実施例においては、確変当りでありながら時短の表示をしたまま、時短の上限回数に達した場合も生じ得るので、このような場合を考慮して、特別図柄表示装置27に設けられている遊技状態表示部27e(図4参照)の表示内容を、時短状態から確変状態に切り換えることも可能となっている。以下では、こうした機能を実現するための遊技状態表示処理について説明する。
図43は、特別遊技状態の終了後に、遊技状態表示部27eに遊技状態を表示するための処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、特別遊技状態にともなう各種の演出を終了すると、音・ランプ制御基板220に搭載されたCPUによって実行される処理である。以下、フローチャートに従って簡単に説明する。
特別遊技状態終了時の遊技状態表示処理を開始すると、先ず初めに、主制御基板200から遊技状態表示指定コマンドを受け取ったか否かを判断する(S5502)。遊技状態表示指定コマンドを受け取っていない場合は、そのまま処理を終了する。遊技状態表示指定コマンドを受け取った場合は(S5502:yes)、昇格実行フラグがONに設定されているか否かを判断する(S5504)。図41を用いて前述したように、昇格実行フラグは、確変当りに対して時短表示をする場合、若しくは時短当りに対してそのまま時短表示をする場合にONに設定されるフラグである。そして、昇格実行フラグがONに設定されている場合は(S5504:yes)、特別図柄表示装置27の遊技状態表示部27eに「チャンスタイム」と表示する。一方、昇格実行フラグがONに設定されていない場合は、遊技状態表示部27eに「確変中」と表示して(S5508)、図43に示した特別遊技状態終了時の遊技状態表示処理を終了する。尚、昇格実行フラグがONに設定されていない場合に「確変中」と表示しているのは、この処理が特別遊技状態の終了後に実施される処理であり、特別遊技状態の終了後は、チャンスタイムと表示される時短状態か、確変中と表示される確変状態かの2つ状態しか取り得ないためである。もちろん、昇格実行フラグがONに設定されていない場合でも、念のために、確変フラグがONに設定されていることを確認して、確変フラグがONに設定されている場合は「確変中」と表示し、確変フラグがOFFに設定されている場合は「チャンスタイム」と表示することとしても良い。
以上のようにして、特別遊技状態の終了後は、特別図柄表示装置27の遊技状態表示部27eには、「チャンスタイム」または「確変中」のいずれかが表示される。この表示内容は、特別図柄表示装置27の特別図柄30a,30b、もしくはキャラクタ図柄27a,27b,27cが変動停止表示されるたびに更新される。以下では、図柄変動終了時の遊技状態表示処理について説明する。
図44は、図柄変動終了時の遊技状態表示処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、主制御基板200からの特別図柄関連コマンドを受けて、特別図柄表示装置27における特別図柄およびキャラクタ図柄の変動停止表示を行った後に、音・ランプ制御基板220に搭載されたCPUによって実施される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
図柄変動終了時の遊技状態表示処理を開始すると、先ず初めに、変動表示されていた特別図柄30a,30bおよびキャラクタ図柄27a,27b,27cが停止したか否かを判断する(S5402)。これら図柄の停止は、音・ランプ制御基板220のCPUの制御の元で行われており、図柄が停止したか否かは容易に判断することができる。
そして、未だ図柄が停止していなければ(S5402:no)、そのまま図柄変動終了時の遊技状態表示処理を終了する。一方、図柄が停止したと判断された場合は(S5402:yes)、昇格実行フラグがONに設定されているか否かを判断する(S5404)。昇格実行フラグがONに設定されていない場合は(S5404:no)、確変フラグがONか否かを判断し(S5410)、確変フラグがONであれば(S5410:yes)、遊技状態表示部27eに「確変中」と表示し、確変フラグがONでなければ(S5410:no)、遊技状態表示部27eを通常表示とする(S5412)。すなわち、昇格実行フラグも確変フラグをOFFとなっている場合は、通常表示とするのである。ここで通常表示とは、確変中でもチャンスタイムでもない遊技状態の表示であり、本実施例では、いずれの表示もされていない状態が該当する。
一方、昇格実行フラグがONに設定されていた場合は(S5404:yes)、図柄変動回数Mが第2の上限値に達したか否かを判断する(S5406)。ここで、第2の上限値は、前述した第1の上限値よりも少しだけ小さな値に設定されている。すなわち、本実施例においては、第1の上限値は、時短の最大継続回数である「100」より少しだけ小さな値「99」に設定されていたが、第2の上限値は、第1の上限値よりも少しだけ小さな値「95」に設定されている。そして、図柄変動回数Mが第2の上限値よりも小さい場合は(S5406:no)、遊技状態表示部27eには「チャンスタイム」と表示する(S5418)。
一方、図柄変動回数Mが第2の上限値に達した場合は(S5406:yes)、第1の上限値に達したか否かを判断する(S5408)。そして、図柄変動回数Mが第2の上限値(本実施例では95)よりは大きく、第1の上限値(本実施例では99)よりも小さい場合は(S5408:no)、切換表示を行う(S5416)。すなわち、遊技状態表示部27eの表示を、「チャンスタイム」と「確変中」とに所定の時間間隔で交互に切り換える表示を行う。
図柄変動回数Mが第1の上限値(本実施例では99)を越えた場合は(S5408:yes)、確変フラグがONか否かを判断し(S5410)、確変フラグがONであれば(S5410:yes)、遊技状態表示部27eの表示を「確変中」に変更し、確変フラグがOFFであれば(S5410:no)、遊技状態表示部27eの表示を通常表示状態に変更する(S5412)。すなわち、図柄変動回数Mが時短の上限回数に達した時に、確変フラグがONに設定されている場合は、本来は確変状態であったところを時短の表示をしていたものと考えられるので、表示内容を「確変中」に変更し、逆に確変フラグがOFFに設定されている場合は、そのまま時短状態を終了して、通常の遊技状態の表示に変更するのである。
以上、詳しく説明したように、第2実施例では、昇格実行フラグがONになってからの図柄変動回数Mを計数しておき、図柄変動回数Mが第1の上限値に達したら、確変中または通常の遊技状態に表示状態を切り換えることができる。このため、昇格当り演出を行うか否かを抽選で決定することとしたために、抽選に外れ続けて時短の上限回数に達してしまった場合でも、正しい遊技状態を表示することが可能となる。
また、図柄変動回数Mが、第2の上限値に達したら、遊技状態の表示を「チャンスタイム」と「確変中」とに交互に切り換える表示を行う。前述したように、図柄変動回数Mは、特別遊技状態が発生すると初期化されるから、図柄変動回数Mが第2の上限値に達したということは、長い間、特別遊技状態が発生していないことに他ならない。このような場合に、遊技状態が「チャンスタイム」と「確変中」とに切り換われば、遊技状態が確変状態に昇格することを、遊技者に予感させることになる。このため、減退気味の遊技者の遊技意欲をかき立てて遊技を続行させることができ、図柄変動回数Mが第1の上限値に達して遊技状態が「確変中」の表示に変更されれば、遊技者の興趣を大きく高めることが可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。