以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプおよびモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段としての演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤前面の遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置(図2参照)における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に可変表示手段としての表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。さらに、図示しないが、センターケース40の上部には、4個のLEDなどのランプを有し特図始動記憶数の表示や演出の際の補助表示を行うのに利用されるサブ表示部が設けられている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37bを備え内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置37(普電)が配設されている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、上記表示装置41での変動表示ゲームの結果(停止図柄の態様)によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。また、遊技領域32の外側、遊技盤30の上部には上記表示装置41における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応した変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51および第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、変動表示ゲームの実行時間を短縮する時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部を設けてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中すなわち表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、特図1表示器51では例えば「3」または「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示し、特図2表示器52では「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。なお、特図1と特図2の変動表示ゲームは、それぞれラウンド数やラウンドの種類の異なる大当り遊技を発生するように設定することができる。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口(36)への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、例えば保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つのランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは3つのランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる始動入賞口2(普電)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。普図保留表示器は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときは2つのランプを消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つのランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。エラー表示器は、例えば遊技機の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球および普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41またはサブ表示部42においても表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞もしくはその記憶に基づいて、特図表示器51または52で特図変動表示ゲームを行うとともに、表示装置41にて演出表示としての飾り特図変動表示ゲームを行う。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行なわれる。また、表示装置41では、特別図柄入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体すなわち主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤および遊技制御装置は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400もしくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPUの作業領域を提供するワークエリアとして利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、大当りを発生するか否かを判定するのに使用する大当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理すなわちロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61および振動センサスイッチ62からの信号および上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第1入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63および前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号および払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)および演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号もしくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130すなわち主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えば前記サブ表示装置42等)を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば前記装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動演出役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/ソレノイド制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータおよびソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、本実施形態の遊技機の特徴である表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出制御の具体的内容について説明する。なお、飾り特図変動表示ゲームに関しては、本実施形態では、特図1の変動表示ゲームも特図2の変動表示ゲームも変わりがないので、特に区別して説明しない。
本実施形態における演出制御の特徴は、特定の変動表示ゲーム(特定ゲーム)において変動が開始される際に、図5(a)に示すように、「このゲームで当ればプレミアムリーチ!」のようなメッセージを画面上に表示して、プレミアムリーチが見られる可能性があることを遊技者に報知する。このように、特定の変動パターン選択テーブルを参照して変動表示ゲームが実行される場合に、当該変動表示ゲームの結果が特定結果となれば必ず特別リーチであるプレミアムリーチが出現することを報知するので、遊技者は当該変動表示ゲームで遊技結果が特定結果となることを望みゲームの変化に注目するため、興趣を高めることができる。
本実施形態では、図5(a)に続いて、図5(b)に示すように、リーチ変動を期待度の低いノーマルリーチで開始させる。このとき、リーチが発展する可能があることを知らせるメッセージを画面上に表示してもよい。特定の変動表示ゲームは、例えば直近の大当りの図柄番号(特図表示器51,52に表示される本特図の図柄に付与される番号)に応じて、大当り遊技終了後10ゲーム目とか30ゲーム目とかのように決定する。その後、当該変動表示ゲームの結果が外れの場合(結果は始動入賞時に取得した乱数によってゲーム開始時に決定している)には、図5(c)に示すように、はずれ図柄で停止して結果を表示するとともに、特定ゲームで外れたことが分かるような表示(「残念……」等)を行う。
また、当該変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、ノーマルリーチからノーマルリーチよりも大当りの期待度の高いスペシャルリーチに発展させる演出として、図5(d)に示すようなプレミアムリーチによる演出を行う。具体的には、特定ゲームであってゲーム結果が大当りであることを条件に、乱数に応じて複数種類の変動パターンの中から1つを選択するそれまでの通常の変動パターンテーブルを、特別リーチ変動パターンとしてのプレミアムリーチのみを選択可能なテーブルに切り替えることで、必ずプレミアムリーチが実行されるようにしている。このように、変動パターン選択テーブルが切り替わる場合に、プレミアムリーチのみを選択可能な特定変動パターン選択テーブルに切り替わりプレミアムリーチが実行されることがあるので、変動表示ゲームを行う遊技機における興趣を高めることができる。
なお、ここで「プレミアムリーチ」とは、通常の変動ゲームではそれが表示されると100%の確率で変動表示ゲームの結果が大当りで終了するリーチであり、例えば同一図柄が3つ揃った状態で変動するいわゆる「全回転リーチ」のように遊技者の期待感を高めることができる特殊なリーチである。そして、この「プレミアムリーチ」は、他のスペシャルリーチよりも変動時間を長く設定することで、遊技者の期待感を一層高める演出とすることができる。
図5の表示例においては、始動入賞時に取得した乱数によって変動パターンを決定する際に、リーチ変動をしないと決定した場合には、矢印A1のように通常の図柄変動から外れ図柄での停止へ移行しても良い。また、特定ゲームでかつゲーム結果が大当りの場合には、矢印A2のように通常の図柄変動からノーマルリーチを経ずにいきなりプレミアムリーチへ移行するようにしても良い。
次に、変動表示ゲームおよび上記のような演出制御を実行する遊技制御装置100および演出制御装置300の制御処理について説明する。
先ず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6および図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば2msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS5,S6)。その後、電源装置内のバックアップ用メモリ(RAM111C)のクリアスイッチがオンしているか否か判定する(ステップS7)。
バックアップ用メモリ(RAM)は、バックアップ電源電圧源によってその記憶内容がバックアップされるようになっているが、電源投入時にバックアップクリアスイッチがオンである場合には、バックアップ用メモリの初期化を行う。そこで、ステップS7でクリアスイッチがオフであれば、ステップS8で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かおよびチェックサムと呼ばれるデータの正常/異常を調べるためのコードを検査する(ステップS9,S10)。
停電検査領域には、後述するように停電によりパチンコ遊技機10の電源が遮断された場合に、停電復旧検査領域チェックデータが設定される(ステップS27)ようになっており、通常時は停電復旧検査領域チェックデータが記憶されていない。よって、この停電復旧検査領域チェックデータの有無を判定することで、停電復旧であるか否かを判定することができる。
停電復旧であるか否かの判定(ステップS9)において、停電復旧でない場合(No)は、使用するRAMをクリアする処理(ステップS14)を行う。また、停電復旧であるか否かの判定(ステップS9)において、停電復旧である場合(Yes)は、チェックサムは正常であるか否かの判定(ステップS10)を行う。
ステップS10においては、バックアップされたRAMのデータとチェックデータを比較し、両者が一致すれば正常と判定し、一致しなければ異常と判定する。これにより、RAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを判断することができる。
ステップS10において、チェックサムが正常でない場合(No)は、使用するRAMをクリアする処理(ステップS14)を行う。なお、このようにRAMのデータとチェックデータが一致しない場合としては、例えば、落雷の異常電流等によってデータが破壊された場合の他、パチンコ遊技機を初めて設置した場合や、電源の遮断時間がバックアップ可能な時間を超過した場合が考えられる。また、何らかの理由で電源供給装置と遊技制御装置との接続が遮断され、バックアップ電源が供給されなくなったためRAMが初期化された場合が考えられる。さらに不正な遊技制御装置100は、RAMがバックアップされていないことが多いので、不正な遊技制御装置が取り付けられたことも考えられる。
また、ステップS10において、チェックサムが正常である場合(Yes)は、停電発生時の状態へ復帰するための処理を行う。この停電発生時の状態へ復帰するための処理としては、まず、RAMに停電復旧時の初期値を設定する処理(ステップS11)を行う。さらに、遊技枠の状態にかかる領域をクリアする処理(ステップS12)を行った後、停電復旧コマンドを送信する処理(ステップS13)を行なってから、ステップS18へ移行する。
また、ステップS7においてバックアップクリアスイッチがオン(ON)であると判定した場合(Yes)は、メインループの処理として電源投入時の初期化処理を行う。この電源投入時の初期化処理としては、まず、使用するRAMをクリアする処理(ステップS14)を行い、RAMに電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップS15)を行う。その後、大当たりの発生確率が異なる複数の機種に対してプログラムの共通化を図った場合に、機種に応じた演出制御を実行するため、演出制御装置300に対して機種を指定するコマンドを送信する処理(ステップS16)、さらに、電源投入コマンドを送信する処理(ステップS17)を行なってから、図7のステップS18へ移行する。
ステップS18では、割込みタイマを起動するとともに、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、割込みを禁止する処理(ステップS19)を行なってから、初期値乱数更新処理により初期値乱数を更新する処理(ステップS20)、割込みを許可する処理(ステップS21)を行う。その後、RAMの停電検査領域をチェックする処理(ステップS22)、停電が発生したか否かの判定(ステップS23)を行う。停電検査領域には、後述するように停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定される(ステップS27)ようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
ステップS23において、停電が発生していない場合(No)は、上述の割込みを禁止する処理(ステップS19)に戻り、以降、電源の遮断がなければステップS19からステップS23までを繰り返し行う。また、ステップS23において、停電が発生した場合(Yes)は、停電発生時の処理を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源により以下の停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理では、まず、割り込みを禁止する処理(ステップS24)を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理(ステップS25)、停電検査領域をクリアする処理(ステップS26)を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS27)を行った後、RAMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS28)、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS29)を行って遊技機10の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
次に、遊技制御装置100による図8のタイマ割込み処理について説明する。このタイマ割込み処理は、CTCで生成される周期的なタイマ割込み信号が遊技用マイコン111aに入力されることで開始される。
図8のタイマ割込み処理が開始されると、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAMに移すレジスタ退避の処理(ステップa)を行う。次に、各種センサ(図3の始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ1〜N118a、カウントスイッチ38a、ガラス枠開放スイッチ(前枠開放スイッチ)63、内枠開放スイッチ(遊技枠開放スイッチ)64などからの入力を取り込む入力処理(ステップb)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(普電ソレノイド37c、大入賞口ソレノイド38b)等のアクチュエータの駆動制御を行うための出力処理(ステップc)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップd)、乱数更新処理(ステップe)を行う。この乱数更新処理(ステップe)では、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための大当たり判定用乱数や、特図変動表示ゲームの大当たり図柄を判定するための大当り図柄乱数の更新(取込み)を行う。また、普図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための当たり乱数や、特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数の更新(取込み)も行う。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ1〜N35a〜35n、ゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップf)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップg)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップh)を行う。
次に、遊技盤31や遊技機の前面枠12等に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップi)を行う。それから、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップj)を行う。続いて、割込みの終了を宣言する処理(ステップk)を行い、待避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップl)を行った後、割込みを許可する処理(ステップm)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理のステップgにおける特図ゲーム処理の詳細を、図9を用いて説明する。
この特図ゲーム処理では、まず、始動入賞口36に設けられている始動口1スイッチ36a及び普通変動入賞装置37内に設けられている始動口2スイッチ37aに基いて入賞球の有無を判定する始動口スイッチ監視処理(ステップg1)を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップg1)の詳細については後述する。
次いで、ゲーム処理を合理的に進行させるために設けたゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)を行う。このステップg2において、取得したゲーム処理ナンバーNo.が「0」と判定した場合は、特図普段処理(ステップg3)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行って特図ゲーム処理を一旦終了し次の処理へ進む。特図普段処理(ステップg2)では、特図1始動記憶(=特図1保留数)または特図2始動記憶(=特図1保留数)がある場合には、対応する特別図柄の変動開始の設定や、変動パターンの決定を行う。また、第1始動記憶または第2始動記憶がない場合には、客待ちデモ画面の設定を行う。特図変動制御処理(ステップg12)では、特図1表示器51もしくは特図2表示器52の変動制御を行う。
また、ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「1」と判定した場合(No.=1)は、特図変動表示ゲームの変動パターンの決定や、乱数のセーブ領域のシフト、飾り特図変動パターンコマンドの設定、飾り特図コマンドの設定、飾り特図始動記憶数コマンドの設定などを行う特図変動開始処理(ステップg4)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
また、ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「2」と判定した場合(No.=2)は、可変表示装置41で行われる飾り特図変動表示ゲームの変動停止を指示するコマンド(変動停止コマンド)の設定や図柄の停止表示時間の設定を行う特図変動中処理(ステップg5)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「3」と判定した場合は、変動表示ゲームの遊技結果が大当りであった場合に、大入賞口の連続作動回数の上限値の設定や大当り時のファンファーレ時間の設定を行う特図表示中処理(ステップg6)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「4」と判定した場合は、大入賞口の作動回数の更新や大入賞口の開放処理を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップg7)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「5」と判定した場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する処理等を行う大入賞口開放中処理(ステップg8)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「6」と判定した場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する大入賞口残存球処理(ステップg9)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
ゲーム処理ナンバーを判定する処理(ステップg2)において、取得したナンバーが「7」と判定した場合は、特図普段処理(ステップg3)を行うために必要な情報として、特別遊技状態の終了後における確率状態に応じて特図普段動作設定テーブルをセットする大当り終了処理(ステップg10)を行ってから、テーブルデータセーブ処理(ステップg11)、特図変動制御処理(ステップg12)を行い、特図ゲーム処理を一旦終了して次の処理へ進む。
次に、第1の実施形態において、図9の特図ゲーム処理のステップg4で実行される特図変動開始処理の詳細を、図10を用いて説明する。この特図変動開始処理では、特別図柄の変動に係る情報の設定を行う。具体的には、図10に示すように、まず、大当り状態であることを示す大当りフラグをクリアする(ステップg401)。次に、図9の特図普段処理(ステップg3)の中で抽出された大当り乱数値を取得する処理(ステップg402)、該大当り乱数値に応じて大当りの発生確率が高い遊技状態(いわゆる確変状態)を伴うものであるか否かを示す確率状態情報を取得する処理(ステップg403)、取得した確率状態に応じた判定値(判定テーブル)を設定する処理(ステップg404)を行う。それから、ステップg402で取得した大当り乱数値と判定値(判定テーブル)とに基づいて大当りか否かを判定する(ステップg405)。そして、ステップg405で大当りでない(No)と判定したならば、一旦当該特図変動開始処理を終了する。
一方、ステップg405で大当りである(Yes)と判定すると、次のステップg406で大当りフラグをセットしてから、大当り図柄乱数に基づいて変動表示ゲームの停止図柄を設定する(ステップg407)。続いて、設定された停止図柄が確変図柄か否か判定し(ステップg408)、確変図柄でないときはステップg409をスキップし、確変図柄であるときは高確率フラグをセットする(ステップg409)。しかる後、変動パターン選択テーブルを設定する処理(ステップg410)を実行する。前述した通常の変動パターンテーブルを、プレミアムリーチのみを選択可能なテーブルに切り替える処理は、このステップS410で実行される。そして、設定された選択テーブルに基づいて変動表示ゲームの変動パターンを設定する処理(ステップg411)、演出制御装置300へ送信する変動パターンコマンドを設定する処理(ステップg412)、可変表示装置41における停止特図を指定する飾り特図コマンドを設定する処理(ステップg413)、対応する特図の始動記憶(特図保留)の記憶領域をシフトする処理(ステップg414)を実行する。
その後、対応する特図の始動記憶数(特図保留数)をデクリメント(−1)する処理(ステップg415)、始動記憶数(特図保留数)を演出制御装置300へ知らせる記憶数コマンドを設定する処理(ステップg416)を実行した後、ゲーム処理ナンバーを「2」に設定して当該特図変動開始処理を終了する(ステップg417)。なお、ステップg405で大当りでないと判定すると、ステップg410へジャンプして変動パターン選択テーブルを設定し、ステップg411で変動表示ゲームの変動パターンをはずれ変動パターンに設定してからステップg412〜S417を実行する。
なお、上記のように遊技制御装置100から演出制御装置300へ変動パターンを指定するコマンドを送信する代わりに、変動時間を指定するコマンドを送信して演出制御装置300が変動時間に対応する変動パターンを選択するように構成してもよい。そして、その場合、演出制御装置300側において1つの変動時間に対応する変動パターンを複数用意しておいて、演出制御装置300が受信したコマンドが指定する変動時間に対応する複数の変動パターンの中から任意のパターンを選択できるように構成してもよい。後述の実施例では、変動時間と変動パターンとが1対1で対応されている。
次に、図10の特図変動開始処理のステップg410における変動パターン選択テーブル設定処理の詳細を、図11を用いて説明する。
この変動パターン選択テーブル設定処理では、まず、直近の大当りの図柄番号および大当り遊技終了後に実行済みのゲーム数を取得する(ステップg421)。次に、図10のステップS406においてセットされる大当りフラグを確認(ステップg422)し、大当りかどうかおよび大当り遊技終了後から所定ゲーム数目の特定ゲームであるかどうかに応じた振り分け処理(ステップg423)を実行する。大当りの図柄番号と特定ゲームとの関係は、例えば図12のように設定されており、ステップg423では図12のテーブルに従って特定ゲームであるか否かを判定する。
ステップg423の判定で、特定ゲームでない通常ゲームであってゲーム結果が「はずれ」であると判定した場合には、図13(A)のような通常はずれテーブルを設定する(ステップg424)。なお、図13に示されているテーブルは、すべて変動パターンを決定するためのテーブルである。ただし、図13に示されているのは、すべてのテーブルではなく、遊技状態等に応じてさらに別個のテーブルが設定される。
ステップg423の判定で、通常ゲームであってゲーム結果が「大当り」であると判定した場合には、図13(B)のような通常大当りテーブルを設定する(ステップg425)。図13(B)の大当りテーブルでは、プレミアムリーチの発生確率が1/50に設定されており、めったに出現しないリーチであることが分かる。また、図13(A)の通常はずれテーブルには、プレミアムリーチがのっていないので、ゲーム結果がはずれとなるリーチの場合にはプレミアムリーチは実行されない、つまりプレミアムリーチが実行されるゲームは必ず大当りになることが分かる。
さらに、ステップg423の判定で、特定ゲームであってゲーム結果が「はずれ」であると判定した場合には、図13(C)のような特定ゲームはずれテーブルを設定する(ステップg426)。また、ステップg423の判定で、特定ゲームであってゲーム結果が「大当り」であると判定した場合には、図13(D)のような特定変動パターン選択テーブルとしての特定ゲーム大当りテーブルを設定する(ステップg426)。図13(D)から分かるように、この特定ゲーム大当りテーブルは、乱数の値に関わらずプレミアムリーチが選択されるテーブルであるので、特定ゲームであってゲーム結果が「大当り」である場合には、図9の特図ゲーム処理中の特図変動中処理(ステップg5)において、プレミアムリーチが実行されることとなる。
従って、この実施形態においては、特定の変動パターン選択テーブル(特定ゲーム大当りテーブル)を使用した際には、変動表示ゲームの結果が特定結果となる場合には、必ず特別リーチであるプレミアムリーチが出現することとなるため、遊技者の好奇心を満足させ興趣を高めることができる。また、予め定められたゲーム数を消化したときにだけ特定の変動パターン選択テーブルが参照されるので、特別リーチであるプレミアムリーチの選択頻度を不当に高めることがない。また、遊技者が遊技を続ける動機付けとなり得るため、いわゆる止め打ちを防止して遊技機の稼動率が低下するのを回避することができる。さらに、直近の特定結果(大当り)導出時の、当該特定結果の種類によって特定変動パターン選択テーブルを参照する特定ゲームが実行されるゲーム数が異なるので、同じゲーム数を消化したゲームでばかり特定ゲームが実行され、遊技の進行が単調になるのを回避して、興趣を高めることができる。
図13(A)の通常はずれテーブルと図13(C)のような特定ゲームはずれテーブルとを比較すると分かるように、特定ゲームはずれテーブルではリーチなしの場合にも変動時間が長く設定されているのは、図5(a)のような特定ゲームであることを報知する表示を行えるようにするためである。なお、図13(D)のテーブルにおいて、プレミアムリーチは1種類のみでなく2種類以上設けても良い。また、プレミアムリーチの確率を100%でなく95%など比較的高い確率に設定したテーブルを用いてもよい。さらに、上記のように特定ゲームを大当り遊技終了後からのゲーム数によって決定してプレミアムリーチを実行する代わりに、変動表示ゲームの実行時間を短縮するいわゆる時短モードの終了間際のゲームが当りである場合にプレミアムリーチが実行するようにしてもよい。上記のように、本実施形態では、特定変動パターン選択テーブルにおけるプレミアムリーチの選択割合が通常の変動パターン選択テーブルとは異なって設定されているため、プレミアムリーチの選択割合に適度な変化が生じ、プレミアムリーチへの遊技者の興味を維持し、興趣を高めることができる。
次に、演出制御装置300によって実行される演出制御について説明する。
演出制御装置300による制御処理は、図14(A)に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われる図14(B)に示す割込み処理とからなる。メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
メイン処理においては、図14(A)に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理は、電源投入時の初期化処理(ステップS101)と、タイマを起動する処理(ステップS102)である。その後、演出制御装置300は、メインループ処理ステップS103〜S109を行う。
このループ処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップS103)を行う。このメインコマンド解析処理(ステップS103)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(例えば、負論理データ)と、第2コマンド(例えば、第1コマンドをビット反転した正論理データ)との一対のデータにより構成されている。そして、受信した第1コマンドと第2コマンドが矛盾しない場合(例えば、一方の反転ビットが他方に一致する場合)に正しくコマンドを受信したと判定するようになっている。
その後、一括表示装置50の変動表示部51、52における特図変動表示ゲームと並行して可変表示装置41で実行される飾り特図変動表示ゲームの変動時間や変動パターン、揺れ変動の設定、時短モード継続演出の設定等制御に関するゲーム制御処理(ステップS104)、可変表示装置41における揺れ変動の表示や時短モード継続演出の表示およびこれらの表示に関連してセンターケースに設けられた状態報知ランプ(盤装飾装置42)等を駆動する表示制御処理(ステップS105)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a,19bの駆動処理)である音制御処理(ステップS106)、前面枠12に設けられた装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップS107)を行う。さらに、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行うエラー監視処理(ステップS108)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップS109)を行い、メインコマンド解析処理(ステップS103)に戻る。
一方、演出制御装置300における割込み処理では、図14(B)に示すように、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップS111)を行い、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップS112)、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップS113)を行う。その後、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップS114)を行い、割込み処理を終了する。
次に、演出制御装置300によって表示装置41の画面上で特定ゲームを実行するための設定を行う特定ゲーム設定処理の具体的手順の一例を、図15を用いて説明する。なお、この特定ゲーム設定処理は、例えば図14(A)のメイン処理中のゲーム制御処理S104の中で実行される。
図15の特定ゲーム設定処理においては、先ず変動表示ゲームの変動を開始するか否かの判定を行う(ステップS401)。この判定において変動開始でない(No)と判定すると、当該特定ゲーム設定処理から抜ける。一方、ステップS401で変動開始(Yes)と判定すると、次のステップS402で、特定ゲームを知るため図12のテーブルに従って直近の大当り図柄番号に対応したゲーム数を確認する。そして、実行しようとしている変動表示ゲームが特定ゲームであるか否か判定する(ステップS403)。ここで、特定ゲームでない(No)と判定すると、当該特定ゲーム設定処理から抜ける。
一方、ステップS403で、特定ゲームである(Yes)と判定すると、次のステップS404で、特定ゲームである旨を報知するための設定をする。その後、遊技制御装置100から送られて来る変動パターン、変動時間等の情報(コマンド)を確認する(ステップS405)。そして、その情報から大当りであるか否か判定する(ステップS406)。ここで、大当りである(Yes)と判定すると、次のステップS407で、図5(d)に示すようなプレミアムリーチを実行するための設定をする。また、ステップS406で大当りでない(No)と判定すると、ステップS408へ進み、図5(c)に示すような、はずれ図柄で停止して結果を表示するための特定ゲームはずれ設定を行い、当該特定ゲーム設定処理を終了する。確変状態においてのみ特定ゲームでプレミアムリーチを実行させるように設定してもよく、その場合には、ステップS403の判定で、確変状態か否かの条件をつけて判定を行うようにすれば良い。これにより、特定ゲームでのプレミアムリーチの実行は確変確定を意味することを遊技者に認識させることができる。
図16(A)には上記特定ゲームにおいて大当りが発生する場合のタイムチャートが、また図16(B)には上記特定ゲームにおいてはずれが発生する場合のタイムチャートが示されている。図16(A)に示すように、大当りが発生する場合には、タイミングt1で特定ゲームの図柄変動が開始されるとともに特定ゲームであることの報知がなされ、所定時間T1経過したタイミングt2で特定ゲームの報知が終了してノーマルリーチが開始される。そして、タイミングt3で、ノーマルリーチが終了してプレミアムリーチが開始される。つまり、リーチがノーマルリーチからプレミアムリーチへ発展する。その後、タイミングt4で、変動が終了して大当りが発生する。なお、期間T0は、特定ゲームの前の通常の変動表示ゲームの実行および図柄停止の期間である。
一方、特定ゲームにおいてはずれが発生する場合には、図16(B)に示すように、タイミングt1で特定ゲームの図柄変動が開始されるとともに特定ゲームであることの報知がなされ、所定時間T1経過したタイミングt2で特定ゲームの報知が終了してノーマルリーチが開始される。そして、タイミングt3で、ノーマルリーチが終了して特定ゲームがはずれであったことが報知される。つまり、ノーマルリーチからプレミアムリーチへ発展が失敗となる。その後、タイミングt4’で、変動が終了してはずれが確定する。なお、特定ゲームにおいてはずれが発生する場合には、期間T2のリーチがない場合もある(図13(C)参照)。
次に、上記第1実施形態の第1の変形例を、図17および図18を用いて説明する。第1の変形例は、確率状態を報知するモードと報知しないモードを有する遊技機において、プレミアムリーチを実行可能な特定ゲームを、大当り遊技終了後の時短モード中に2回発生させるとともに、発生させるゲーム数を確率状態に応じて変えることで、遊技者が確率状態をある程度推測できるようにしたものである。具体的には、図17に示すように、確率状態が確変(高確率)の場合には大当り遊技終了後比較的早いゲーム数目で特定ゲームを発生させ、確率状態が通常(低確率)の場合には大当り遊技終了後に確変の場合よりも遅いゲーム数目で特定ゲームを発生させるように、特定ゲーム選択テーブルを設定する。
図17のテーブルより、例えば、大当り遊技終了後30ゲーム目で特定ゲームが発生するのは、直近の大当り図柄番号が「31〜40」の場合のみであり、この大当りでは確率状態は「通常」であるので、遊技者は、大当り遊技終了後30ゲーム目で特定ゲームが発生した場合には、そのときの確率状態は確変でない低確率の状態であると推測できる。なお、30ゲーム目で特定ゲームが発生した場合の時短回数は「100」回であるので、時短モードの長短も推測できる。
また、図17のテーブルより、大当り遊技終了後10ゲーム目と11ゲーム目で特定ゲームが発生するのは、直近の大当り図柄番号が「11〜16」と「30」の場合であり、前者の場合は確率状態が確変で、後者の場合は確率状態が確変でない低確率の状態であるので、図18(A)のように、10ゲーム目と11ゲーム目で連続して特定ゲームが発生した場合には、遊技者は、そのときの確率状態は確変である可能性の方が高いと推測できる。また、図18(B)のように、10ゲーム目で特定ゲームが発生し11ゲーム目で特定ゲームが発生しなかった場合には、確変である可能性が低いと推測できる。
図17のテーブルで、確率状態が「通常」である大当り図柄番号が「30」の場合にも10ゲーム目と11ゲーム目で特定ゲームを発生するように設定している(いわゆるガセを設けている)のは、完全に確率状態を推測できるようにするよりも、多少推測が困難であるようにしておいた方が、遊技者にハラハラ感を与えて遊技としての面白さを高めることができるためである。同様の理由から、大当り図柄番号が「17〜18」と「27〜29」の場合と、「19〜20」と「21〜26」の場合にも、それぞれ確率状態が異なるにもかかわらず同一のゲーム数目に特定ゲームを発生するように設定している。これにより、遊技者は10ゲーム目と20ゲーム目で特定ゲームが発生または20ゲーム目と40ゲーム目で特定ゲームが発生した場合にも、確率状態が「通常」であるのか「確変」であるのか、完全に推測することはできない。ただし、「通常」である確率の方が若干高くなるように設定しているので、長く遊技をしている遊技者にはある程度推測が可能になる。
上記のように、この変形例では、特定変動パターン選択テーブルを参照する変動表示ゲームの出現態様、すなわち当該変動表示ゲームの結果が特定結果となる場合には必ず特別リーチとしてのプレミアムリーチが出現することを遊技者に報知する変動表示ゲームの出現態様によって、特定結果となる確率が高確率状態であるか低確率状態であるか報知可能であるため、遊技の内容に確率状態推察の要素も加わり、ゲーム性が増し興趣を高めることができる。なお、この変形例においては、特定ゲームが発生する時期で確率状態が確変であるか確変でないかをある程度推測できるようにテーブルを設定しているが、確率状態よりも時短回数すなわち時短モードの長短をより推測し易いようにテーブルを設定してもよい。また、上記の説明では、時短回数としたが、普通変動入賞装置の開放時間を延長する電サポモードが継続されるゲーム回数としてもよい。
次に、第1実施形態の他の変形例を、図19〜図21を用いて説明する。このうち、図19(A)は、第1実施形態の第2の変形例を示す。この第2変形例は、大当り遊技後に所定回数(例えば70回)の変動表示ゲームの実行で高確率の確変状態から低確率の通常状態へ戻るSTモード制御を行う遊技機において、STモードのゲームの残り回数が例えば5回以下になった場合に0回になるまで連続して特定ゲームを発生し、これらの特定ゲームの中で大当りが発生する場合に、変動パターンの選択テーブルを図13(D)のようなテーブルに切り替えることによってプレミアムリーチを実行するようにしたものである。かかる制御を行うことによって、STモードの終了間際に大当りが発生する上、プレミアムリーチを見ることができるため、遊技者の満足感を大いに高めることができる。
図19(B)は、第1実施形態の第3の変形例を示す。この第3変形例は、大当りが所定回数連続して発生した場合に、その所定回数目の変動表示ゲームで変動パターンの選択テーブルを図13(D)のようなテーブルに切り替えることによってプレミアムリーチを実行するようにしたものである。かかる制御を行うことによって、大当りが連続した上、さらにプレミアムリーチも見ることができるため、遊技者の満足感を大いに高めることができる。すなわち、特定結果が連続して発生すると、特別リーチとしてのプレミアムリーチの出現率の高い特定変動パターン選択テーブルを参照可能となるので、遊技者は特定結果が連続して発生することを目指し遊技するので興趣が高まる。なお、ここでいう「大当りの連続発生」は、連続する変動表示ゲームのみでなく、上記STモードや時短モード、電サポモードが終了する前に次の大当りが発生することを含む。
図20(A),(B)は、第1実施形態の第4の変形例を示す。この第4変形例は、特定ゲームが発生するゲーム数または特定ゲームが発生したゲームで見たいリーチの種類を、遊技者が選択できるようにしたものである。この選択は、例えば大当り遊技の終了直後(いわゆる大当りエンディング表示期間)に実行するように設定すると良い。遊技者による選択は、表示装置41の画面上にゲーム数やリーチの種類を示すリストと、いずれかを指定するカーソルとを表示してカーソルを移動させ、遊技者が演出ボタン25を操作した時にカーソルが位置するゲーム数やリーチを選択されたゲーム数またはリーチと判断することで実現できる。なお、ゲーム数とリーチの種類の両方を遊技者が選択できるように構成することも可能である。また、演出ボタン25に2つのボタンを設け、一方でカーソルをシフトさせ、他方で選択を確定させるようにしても良い。
図21(a)〜(d)は、第1実施形態の第5の変形例を示す。この第5変形例は、特図の始動記憶数(保留数)を表示装置41の画面上に表示する場合に、いわゆる保留の先読みによって、例えば図21(b)のように保留数を示す画像B1〜B4のいずれかの表示色を変えることで大当りの信頼度を予告報知するとともに、例えば図21(c)のように保留数を示す画像B1〜B4の表示態様を例えば点灯から点滅等へ変えることで特定ゲームが発生することも予告報知するようにしたものである。また、図21(d)のように、1つの始動記憶に対して大当りの信頼度と特定ゲームの発生の両方の予告報知を行うようにすることも可能である。ただし、特定ゲームの発生予告報知がされている始動記憶よりも後に実行される始動記憶に対しては、大当りの信頼度予告報知をしないようにするのが望ましい。特定ゲームが「はずれ」であることが、遊技者によって予測されてしまうためである。
次に、本発明の第2の実施形態を、図22〜図26を用いて説明する。
第2の実施形態は、複数のプレミアム演出を用意しておいて、遊技者に制限時間を選択させ、選択した制限時間内に次の大当りが発生した場合に、制限時間の長さに応じたプレミアム演出を表示装置41の画面上に表示するようにしたものである。具体的には、演出制御装置300は、大当り遊技終了後のエンディング表示期間等に、図22(a)に示すように、タイマ(以下、これを演出タイマと称する)の設定を促す画面を表示装置41に表示する。また、この画面上に選択可能な制限時間として演出タイマの設定時間を、40秒、60秒、100秒、140秒のように表示するとともに、いずれかの設定時間にカーソルを表示して、カーソルを順次シフトさせ、遊技者が演出ボタン25を操作したときにカーソルが位置する設定時間が、選択された制限時間として認識する。そして、図22(b1),(b2),(b3)に示すように、選択された制限時間と、その時間内に次の大当りが発生するとプレミアム演出が出現する旨のメッセージを表示する。
その後、大当り後の遊技が開始されるとともに演出タイマのカウントダウンが開始され、図22(c)に示すように、変動表示ゲームが実行されている間に、選択された制限時間(図では40秒)の残り時間が表示される。そして、制限時間が経過しても次の大当りが発生しなかった場合は、図22(d)のように、プレミアム演出の出現に失敗したことを表示する。なお、図22では、大当り後の遊技において、そのときの確率状態が確変である場合には確変であることを表示するようにしているが、このような表示はせず、確率曖昧状態として遊技を行わせるようにしてもよい。
一方、60秒や100秒のような他の制限時間が選択された場合にも、図23(A),(B)の(b1),(b2)のように、選択された制限時間と、その時間内に次の大当りが発生するとプレミアム演出が出現する旨のメッセージを表示する。その後、大当り後の遊技が開始されるとともに演出タイマのカウントダウンが開始され、図23(c1),(c2)に示すように、変動表示ゲームが実行されている間に、選択された制限時間(図では60秒または100秒)の残り時間が表示される。そして、図23(d1),(d2)のように、制限時間が経過する前に次の大当りが発生した場合は、図23(e1),(e2)のように、制限時間の長さに対応したプレミアム演出Bまたはプレミアム演出Cが出現して表示される。
ここで、プレミアム演出とは、リーチのように変動時間に依存する演出ではなく、通常の演出では出現しないキャラクタなどを出現させたり、通常の演出で出現するキャラクタなどの色を特殊な色に設定して出現させるなどの演出である。これにより、遊技制御装置100からコマンド等を送信することなく、演出制御装置300の側の制御のみで実現することができる。なお、選択した制限時間が短いほど、希少価値の高いキャラクタなどを出現させるとよい。上記のように、遊技者が設定した制限時間内に特定結果となった場合に、遊技者が設定した制限時間に応じてプレミアム演出が導出されるので、プレミアム演出の価値を不当に下げることなく出現割合を変化させることができ、プレミアム演出への遊技者の興味を持続させることができる。また、プレミアム演出の出現により遊技者に達成感を与えることができる。
次に、上記のような遊技者が選択した制限時間内に次回大当りが発生した場合にプレミアム演出を実行するため、演出制御装置300によって実施される制御の手順について、図24〜図27を用いて説明する。
図24は、演出タイマ設定処理の具体的手順の一例を示す。なお、この処理は、例えば図14(B)に示す割込み処理中のタイマ更新処理S111の中で実行される。
この演出タイマ設定処理が開始されると、先ず演出タイマの設定中であるか否かを示す演出タイマ設定中フラグがオンになっているか判定する(ステップS121)。ここで、演出タイマ設定中フラグがオンに設定されていない(No)と判定すると、次のステップS122で、大当りのエンディングの表示を開始するタイミングであるか否かを判定する。そして、エンディングの表示開始でない(No)と判定すると何もせずに当該演出タイマ設定処理から抜ける。また、ステップS122で、エンディングの表示開始である(Yes)と判定すると、ステップS123へ進み、図22(a)に示すような演出タイマの設定を促す画面を表示装置41に表示させるための設定を行う。そして、演出タイマ設定中フラグをオンにして当該演出タイマ設定処理から抜ける(ステップS124)。
一方、ステップS121で、演出タイマ設定中フラグがオンに設定されている(Yes)と判定すると、ステップS125へ進み設定中の時間を計時する設定中タイマを更新する。そして、次のステップS126で、そのタイマをチェックして予め設定されている時間を経過(タイムアップ)したか否か判定する。このステップS126で、タイムアップしていない(No)と判定すると、ステップS127へ移行して演出ボタン25が操作されたか否かすなわち制限時間が選択された否かを判定する。すなわち、図22(a)の画面において、遊技者がカーソル位置に応じて演出ボタン25を操作したか否かを判定する。
そして、ステップS127で、演出ボタン25が操作されていない(No)と判定した場合はステップS128をスキップして当該演出タイマ設定処理から抜け、操作された(Yes)と判定した場合はステップS128で演出タイマの表示を更新する。すなわち、図22(a)の画面において選択された時間に対応する演出タイマの表示を、例えば選択されたことが分かるような表示に更新する。なお、ステップS127における演出ボタン25が操作されたか否かの判定は、図14(B)に示す割込み処理中の入力処理S112において、演出ボタン25からの信号が変化したことを検出した場合にセットされるフラグ等に基づいて行われる。
また、上記ステップS126で、設定中タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップS129へ進み、当該タイマを初期化(リセット)してから、ステップS124で設定した演出タイマ設定中フラグをクリアする(ステップS130)。その後、演出タイマの確定表示(図22(b1)〜(b3)参照)を設定して当該演出タイマ設定処理を終了する(ステップS131)。なお、演出タイマの設定後であっても、制限時間内であれば延長または短縮できるようにしてもよい。
図25は、プレミアム演出の設定を行う特典設定処理の具体的手順の一例を示す。なお、この処理は、例えば図14(B)に示す割込み処理中のタイマ更新処理S111の中で実行するようにすることができる。
この特典設定処理では、先ず大当りのエンディングの表示を終了するタイミングであるか否かを判定する(ステップS141)。エンディング表示の終了に合わせてこの処理を実行するためである。このステップS141で、エンディングの表示終了でない(No)と判定すると何もせずに当該特典設定処理から抜ける。また、ステップS141で、エンディングの表示終了である(Yes)と判定すると、ステップS142へ進み、遊技者によって選択された演出タイマの設定時間を確認する。そして、次のステップS143で、上記設定時間から図26に示すような特典演出選択テーブルを参照して特典として表示するプレミアム演出を選択し、設定時間内に大当りした場合の演出としてステップS143で選択した特典演出を設定する(ステップS144)。その後、演出タイマの更新が可能であるか否かを示す演出タイマ更新許可フラグをオンに設定にして当該特典設定処理を終了する(ステップS145)。
図27は、演出タイマ更新処理の具体的手順の一例を示す。なお、この処理も、例えば図14(B)に示す割込み処理中のタイマ更新処理S111の中で実行される。
この演出タイマ更新処理が開始されると、先ず上記特典設定処理のステップS145で設定される演出タイマ更新許可フラグがオンになっているか否か判定する(ステップS151)。ここで、演出タイマ更新許可フラグがオンに設定されていない(No)と判定すると、何もせずに当該演出タイマ更新処理から抜ける。また、ステップS151で、演出タイマ更新許可フラグがオンになっている(Yes)と判定すると、ステップS152へ進み、演出タイマを更新する。画面上において、残り時間のカウントダウン表示(図23(c1),(c2)参照)をするためである。
そして、次のステップS153で、そのタイマをチェックして予め設定されている時間を経過(タイムアップ)したか否か判定する。このステップS153で、タイムアップしていない(No)と判定すると、ステップS154へ移行して、変動表示ゲームの変動開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、変動開始タイミングでない(No)と判定した場合は当該演出タイマ更新処理から抜け、変動開始タイミングである(Yes)と判定した場合はステップS155で変動表示ゲームは大当りであるか否かを判定する。そして、大当りでない(No)と判定した場合は当該演出タイマ更新処理から抜け、大当りである(Yes)と判定した場合はステップS156で、図25のステップS144で設定した特典演出(プレミアム演出)を表示するための設定を行う。続いて、タイマ演出の成功終了表示(図23(e1),(e2)参照)を設定してから、演出タイマ更新許可フラグをクリアして当該演出タイマ更新処理を終了する(ステップS158)。
一方、上記ステップS153で、演出タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップS159へ進み、演出タイマ更新許可フラグおよび演出タイマをクリアしてから、特典演出(プレミアム演出)の設定をクリアする(ステップS160)。その後、時間切れによる特典演出の失敗終了表示(図22(d)参照)を設定して当該演出タイマ更新処理を終了する(ステップS161)。なお、ステップS161における設定では、はずれ変動表示ゲームの実行中に演出タイマがタイムアップした場合には、タイマの表示を0秒で止めておいて、変動終了後に図22(d)のような特典演出(プレミアム演出)の失敗終了表示を行うようにすると良い。なお、図27の制御フローでは、変動表示ゲームの変動開始の際にそのゲームが大当りである場合に、プレミアム演出を実行するようにしているが、例えばステップS155で、始動記憶(保留)の先読みによって保留内に大当りがあれば、プレミアム演出を行うようにしてもよい。
以上、所定の条件が成立したときにプレミアム演出を実行するため変動パターン選択テーブルを切り替えるようにした実施形態について説明した。次に説明する実施形態(第3の実施形態)は、変動パターン選択テーブルを変更した場合に、テーブルを変更したことを表示したり追加されたリーチの種類を表示させるようにしたものである。
図28には、第3の実施形態における変動パターンの選択テーブルの構成例が示されている。図28のうち左側半分は大当りとなる変動表示ゲームで参照される選択テーブル、右側半分ははずれとなる変動表示ゲームで参照される選択テーブルである。図28の選択テーブルは、下方のテーブルへ行くほどリーチが追加されるすなわち下側のテーブルほどリーチの種類が増加するようになっている。追加されるリーチは、それまで存在していたリーチとは変動時間が異なる点にも特徴がある。なお、図28の選択テーブルは、一例であってこのようなテーブルに制限されるものではない。例えば、図28の選択テーブルは、下方のテーブルへ行くほどリーチの数が増加するようになっているが、下方のテーブルへ行くほどリーチの数が減るようにしてもよいし、新たに追加するリーチを他のリーチと置き換えるように構成してもよい。さらに、追加されるリーチ以外のリーチについては、変動時間が同一のものが含まれていても良い。
本実施形態においては、図29に示すように、大当り遊技終了後の消化ゲーム数に応じて、参照される選択テーブルを切り替えるように制御する。具体的には、例えば消化ゲーム数が1〜200の間は参照テーブルとして通常の選択テーブル(図28A1またはB1)を使用し、消化ゲーム数が201〜300の間は参照テーブルとして変更テーブル1(図28A2またはB2)を使用する。また、消化ゲーム数が301〜400の間は参照テーブルとして変更テーブル2(図28A3またはB3)を使用し、消化ゲーム数が401以上では参照テーブルとして変更選択テーブル3(図28A4またはB4)を使用するようにしている。なお、図29の表の左側のゲーム数は、直近の大当りの図柄に応じて変更するようにしてもよい。
次に、図29の表に従って、参照する選択テーブルを切り替える本実施形態における変動パターン選択テーブル設定処理の制御手順の一例を、図30を用いて説明する。なお、この制御フローは、図11の制御フローに代わるもので、遊技制御装置100によって実行される。
この変動パターン選択テーブル設定処理では、まず、前回(直近)の大当り遊技終了後に既に実行したゲーム数を取得する(ステップg430)。次に、図29の表を参照して選択テーブルの切替えタイミングであるか否か判定(ステップg431)し、切替えタイミングでない(No)と判定した場合には当該変動パターン選択テーブル設定処理から抜ける。一方、ステップg431で、切替えタイミングである(Yes)と判定した場合には、ステップg430で取得した大当り遊技終了後からのゲーム数および今回のゲーム結果に応じて使用する選択テーブルの振り分け処理(ステップg432)を実行する。
ステップg432の振り分け判定で、ゲームが大当り遊技終了後の1ゲーム目であってゲーム結果が「大当り」の場合には、図28(A1)のような通常大当りテーブルを設定し、ゲームが1ゲーム目であってゲーム結果が「はずれ」の場合には、図28(B1)のような通常はずれテーブルを設定する(ステップg433)。ゲームが201ゲーム目であってゲーム結果が「大当り」の場合には、図28(A2)のような変更大当りテーブル1を設定し、ゲームが201ゲーム目であってゲーム結果が「はずれ」であると判定した場合には、図28(B2)のような変更はずれテーブル1を設定する(ステップg435)。
また、ゲームが301ゲーム目であってゲーム結果が「大当り」の場合には、図28(A3)のような変更大当りテーブル2を設定し、ゲームが301ゲーム目であってゲーム結果が「はずれ」の場合には、図28(B3)のような変更はずれテーブル2を設定する(ステップg437)。さらに、ゲームが401ゲーム目であってゲーム結果が「大当り」の場合には、図28(A4)のような変更大当りテーブル3を設定し、ゲームが401ゲーム目であってゲーム結果が「はずれ」であると判定した場合には、図28(B4)のような変更はずれテーブル3を設定する(ステップg439)。401ゲーム目以降は、切替えタイミングが発生しないので、次回の大当りまで、変更大当りテーブル3または変更はずれテーブル3が設定されたままとなる。
ステップg433〜g439で参照する選択テーブルを設定した後は、ステップg440へ移行して、参照する選択テーブルの情報すなわちどのテーブルを使用するか演出制御装置300へ知らせるための参照テーブル情報設定処理を実行して、図30の当該変動パターン選択テーブル設定処理を終了する。上記のような制御を行うことによって、参照される変動パターン選択テーブルが切り替わることで、新たに選択可能となる変動時間の異なる追加変動パターンが発生するとともにテーブルの切替えが遊技の進行と関連されるので、遊技が単調となることを阻止することができる。
次に、本第3実施形態において、演出制御装置300側で実行される制御内容および表示例について、図31および図32を用いて説明する。
演出制御装置300側では、参照する選択テーブルが切り替わると図31に示すようなメッセージ設定処理を実行するようになっている。
このメッセージ設定処理では、まず、遊技制御装置100から前回送られて来た参照テーブル情報を確認する(ステップS181)。次に、遊技制御装置100から今回送られて来た参照テーブル情報を確認する(ステップS182)。そして、両者を比較して参照する選択テーブルに変更があった否か判定する(ステップS183)。ここで、テーブルに変更がない(No)と判定した場合には当該メッセージ設定処理から抜ける。一方、ステップS183で、テーブルに変更がある(Yes)と判定した場合には、ステップS182で確認した今回の参照テーブル情報に基づいて、変更テーブルに応じた振り分け処理(ステップS184)を行い、その後、振り分けに従って今回追加されることとなったリーチの種類を表示するメッセージを設定する処理(ステップS188〜S190)を実行する。
具体的には、例えば201ゲーム目で通常選択テーブルから変更テーブル1へ変更される場合には、図32(A)に示すように、「ロングリーチが追加されました」のようなメッセージを表示させるための設定を行い、401ゲーム目で変更テーブル2から変更テーブル3へ変更される場合には、図32(B)に示すように、「虹リーチが追加されました」のようなメッセージを表示させるための設定を行う。このような制御を行うことによって、新たな変動パターンが選択可能となったことを報知することができ、遊技者がそれを認識できるため、興趣を高めることができる。
なお、確率状態を報知しない遊技機において、高確率状態か低確率状態かに応じて、追加されるリーチの種類の異なる複数の選択テーブルを用意しておいて、メッセージで報知される追加リーチの種類によって遊技者が確率状態を推測できるように制御しても良い。その場合、ステップS184では、ゲーム数の他、確率状態も振り分けの判定条件とすることとなる。
次に、上記実施形態の変形例を、図33〜図35を用いて説明する。なお、図33には、大当り時の選択テーブルとはずれ時の選択テーブルを区別せずに記載している。つまり、例えば図33の通常テーブルには大当り用とはずれ用のテーブルが含まれるが、実際の制御では、ゲーム結果が大当りの場合には大当り時の選択テーブルが、またゲーム結果がはずれの場合にははずれ時の選択テーブルが参照される。
第1の変形例は、図33に示すように、選択テーブルの切替えタイミングとなるゲーム(200ゲーム目と、300ゲーム目と、400ゲーム目)で、それぞれ変更後のテーブルに追加されることとなるリーチのみを選択可能なテーブルに暫定的に切り替えることよって、必ず追加されるリーチ演出を出現させるようにしたものである。具体的には、例えば301ゲーム目で変更テーブル1から変更テーブル2へ変更される場合には、300ゲーム目で、図34(A)に示すように、追加されることとなった「雪リーチ」を出現させる。また、401ゲーム目で変更テーブル2から変更テーブル3へ変更される場合には、400ゲーム目で、図34(B)に示すように、追加されることとなった「虹リーチ」を出現させる。このように、参照される変動パターン選択テーブルが切り替わり、新たな変動パターンが選択可能となる場合には、まず、当該新たな変動パターンのみが選択される特定の変動パターン選択テーブルを参照して変動表示ゲームが行われるので、遊技者は新たな変動パターンがどのようなものであるか確認することができ、興趣を高めることができる。
なお、通常、リーチを実行する変動表示ゲームの変動時間ははずれとなる変動表示ゲームの変動時間よりも短く設定されるので、追加されることとなったリーチを出現させるゲームがはずれゲームの場合には変動時間が足りなくなるが、各追加リーチ演出を途中まで実行して中断し、変動を停止させるようにすれば良い。このようにしても、遊技者は追加リーチがおおよそどのようなものかを予め知ることができるため、期待感を高めることができる。また、追加リーチを見せるゲームを区切りの良いゲームとし、かつゲーム開始時に「虹リーチが追加されました」のようなメッセージを表示させることで、該リーチが途中で中断されてゲームがはずれとなったとしても、遊技者に大きな失望感を与えることはない。さらに、追加されることとなったリーチを出現させるゲームがはずれの場合でも、変動時間を長くして、はずれとなるリーチ演出を最後まで見せるようにすることも可能である。
第2の変形例は、選択テーブルを変更する場合、区切りのゲームにおいて、図35(a)のようにゲーム開始時に選択テーブルが変更された旨のメッセージを表示した後、図35(b)のように追加されたリーチ演出を出現させるとともに、以後の変動表示ゲームにおいては追加されたリーチの特徴を備えた背景関連画像を表示させるようにしたものである。ここで、背景関連画像を表示するとは、例えば追加リーチが「雪リーチ」の場合には、図35(c1)のように背景画像を雪の降る情景にしたり、図35(c2)のように変動図柄を雪だるまにしたり、図35(c3)のように雪に関連した予告キャラクタを出現させることである。上記のように、この変形例では、背景関連画像が新たな変動パターンの特徴を備えたものとなるので、どのような内容の変動パターンが新たに選択可能になっているか認識しやすい。なお、第2の変形例においては、選択テーブルを変更した場合、区切りのゲームにおいて、追加されたリーチ演出を出現させるようにしているが、このリーチの出現を省略して選択テーブルが変更された旨のメッセージを表示するようにしてもよい。
次に、図36および図37を用いて、上記変形例のような演出を実行するための制御処理について説明する。このうち図36は、遊技制御装置100によって実行される変動パターン選択テーブル設定処理、図37は、演出制御装置300によって実行されるメッセージ設定処理の手順を示す。
図36の変動パターン選択テーブル設定処理では、まず、前回の大当り遊技終了後に実行したゲーム数を取得する(ステップg430)。次に、図33の表を参照してテーブルの切替えタイミングであるか否か判定(ステップg431)し、切替えタイミングでない(No)と判定した場合には当該変動パターン選択テーブル設定処理から抜ける。一方、ステップg431で、切替えタイミングである(Yes)と判定した場合には、ステップg431で取得した大当り遊技終了後からのゲーム数およびゲーム結果に応じて参照する選択テーブルの振り分け処理(ステップg432)を実行する。なお、以下の説明では、ゲーム結果が大当りの場合には大当り時の選択テーブルが、またゲーム結果がはずれの場合にははずれ時の選択テーブルが参照されるものとする。
ステップg432の振り分け判定において、ゲームが大当り遊技終了後の1ゲーム目であると判定した場合には、ステップg433で、図33の通常テーブル(通常大当りテーブルまたは通常はずれテーブル)を設定してから、参照する選択テーブルの情報を演出制御装置300へ知らせるための参照テーブル情報設定処理ステップg440を実行して、当該変動パターン選択テーブル設定処理を終了する。ゲームが200ゲーム目の場合には、ステップg434で、図33のロングリーチテーブルを設定してから、参照テーブル情報設定処理g440を実行する。ゲームが201ゲーム目の場合には、ステップg435で、図33の変更テーブル1(変更大当りテーブル1または変更通常はずれテーブル1)を設定してから、参照テーブル情報設定処理ステップg440を実行する。
また、ステップg432の振り分け判定において、ゲームが大当り遊技終了後の300ゲーム目であると判定した場合には、ステップg436で、図33の雪リーチテーブルを設定してから、参照する選択テーブルの情報を演出制御装置300へ知らせるための参照テーブル情報設定処理g440を実行する。ゲームが301ゲーム目の場合には、ステップg437で、図33の変更テーブル2(変更大当りテーブル2または変更はずれテーブル2)を設定してから、参照テーブル情報設定処理ステップg440を実行する。ゲームが400ゲーム目の場合には、ステップg438で、図33の虹リーチテーブルを設定してから、参照テーブル情報設定処理g440を実行する。ゲームが401ゲーム目の場合には、ステップg439で、図33の変更テーブル3(変更大当りテーブル3または変更通常はずれテーブル3)を設定してから、参照テーブル情報設定処理ステップg440を実行する。
図37の演出制御装置300によるメッセージ設定処理では、まず、遊技制御装置100から前回送られて来た参照テーブル情報を確認する(ステップS181)。次に、遊技制御装置100から今回送られて来た参照テーブル情報を確認する(ステップS182)。そして、両方のテーブルを比較して参照する選択テーブルに変更があった否か判定する(ステップS183)。ここで、テーブルに変更がない(No)と判定した場合には当該メッセージ設定処理から抜ける。一方、ステップS183で、テーブルに変更があった(Yes)と判定した場合には、ステップS182で確認した今回の参照テーブル情報から変更テーブルに応じて、振り分け処理(ステップS184)を行い、その後、振り分けに従って今回追加されることとなったリーチの種類を表示するメッセージを設定する処理(ステップS185〜S180)を実行する。
具体的には、例えば200ゲーム目で通常選択テーブルからロングリーチテーブルへ変更される場合には、「ロングリーチが追加されました」のようなメッセージを表示させるための設定(ステップS185)を行い、300ゲーム目で雪リーチテーブルへ変更される場合には、図34(a1)に示すように、「雪リーチが追加されました」のようなメッセージを表示させるための設定(ステップS186)を行い、400ゲーム目で虹リーチテーブルへ変更される場合には、図34(b1)に示すように、「虹リーチが追加されました」のようなメッセージを表示させるための設定(ステップS187)を行う。
また、201ゲーム目で変更テーブル1へ変更される場合には、その変更に対応する演出(リーチや背景画像、図柄、キャラクタ等)を表示させるための設定(ステップS188)を行い、301ゲーム目で変更テーブル2へ変更される場合には、その変更に対応する演出を表示させるための設定を行う(ステップS189)。さらに、401ゲーム目で変更テーブル3へ変更される場合には、その変更に対応する演出を表示させるための設定を行う(ステップS180)。
図38〜図40には、第3の実施形態における第3の変形例が示されている。上記実施例では、新たに追加されたリーチを有する複数の選択テーブルを用意しておいて、大当り遊技終了後のゲーム数に応じて追加されたリーチを有するテーブルに順次切替えて行くのに対し、この変形例は、複数の選択テーブルでリーチの種類は同じにし、リーチの長さを長くしたテーブルを用意しておいて、大当り遊技終了後のゲーム数に応じて追加されたリーチを有するテーブルに順次切り替えて行くようにしたものである。
具体的には、図38(A),(B)の選択テーブルに対して、図38(C),(D)の選択テーブルは、一部のリーチ(図では雪リーチ)の変動時間を90秒から110秒に長くしてある。そして、この延長された20秒の時間の演出は、図39に示すように、延長される前の90秒の演出にストーリーとして連続するような内容とする。このように設定することによって、90秒の演出と110秒の演出を別々に用意しておくのではなく、90秒の演出と残りの20秒の演出とを用意しておいて、110秒の演出では、90秒の演出の後に20秒の演出を、連続性を妨げないように表示させることができる。
図40には、第3の変形例における具体的な演出の例を示す。図40(A)は90秒の演出であり、図40(B)は110秒の演出である。110秒の演出では、図40(B)の(a)〜(c)のように90秒の演出と全く同じ内容(ストーリー)の演出が表示される。そして、90秒が経過すると、(d)のようにストーリーがさらに展開したような演出表示が行われる。このように、リーチ演出を、分断可能でかつ連続性を保てるように構成しておくことによって、演出装置300側のROMに格納しておく画像データの量を減らすことができ、ROMの記憶容量を少なくすることができる。
上記のようにこの第3変形例では、新たな変動時間の変動パターンは、切り替え前の変動パターン選択テーブルにおける所定変動パターンよりも長い変動時間となっており、また表示内容が、所定の変動パターンの変動時間と同一の期間では、所定の変動パターンとして表示装置に表示される表示演出の内容と同一であり、所定の変動パターンの変動時間を越えて変動する期間では、所定の変動パターンとして表示装置に表示される表示演出の内容と関連した内容であるため、新たな変動パターンと、既存の変動パターンの間に演出的な関連性が生じ、興趣を高めることができる。
図41および図42には、第3の実施形態における第4の変形例が示されている。この変形例は、リーチの長さを長くしたテーブルを用意しておく点では第3の変形例と同じであるが、長くなった時間を表示装置の画像による演出ではなく、表示装置41の近傍に設けられ表示装置の画像と協働して演出効果を高める電動演出役物としての盤演出装置44(図4参照)の動きに変化を持たせて演出時間を延長するようにしたものである。
具体的には、同じ種類のリーチが通常テーブルで選択された場合には図42(A)に示すように90秒の演出の途中の期間T3で演出役物を例えば5秒作動させていたものを、変更テーブルで選択された場合には図42(B)に示すように演出の途中の期間T3で演出役物を例えば10秒作動させるようにする。また、図42(A)と図42(B)のいずれの期間T3においても、表示装置の画面上では静止画もしくは非常にゆっくりと変化する画像、既に表示した画像の繰返し画像を表示させる。
上記のような演出を行うことによって、リーチの変動時間が長くなったとしても、画像データを増加させることなくリーチ演出の種類を増加させることができる。また、新たな変動時間の変動パターンが出現する場合に演出役物の作動時間を増やすだけなので、画像データ等を用意しなくて済む。なお、図42においては、ノーマルリーチからスペシャルリーチへ発展する際に、発展演出の効果を高めるために演出役物を作動させ、その後スペシャルリーチを開始する場合のタイミングを例として示したが、演出役物を作動させる期間はスペシャルリーチへの発展時に限定されるものでない。また、演出役物の作動時間を増やす場合には、例えば通常より遅い速度で作動させることが考えられるが、作動速度を遅くすると、役物動作の進行を通常よりゆっくりと鑑賞することができ、遊技者の興味を引くことも可能となる。
図44および図45には、第3の実施形態における第5の変形例が示されている。この変形例は、始動記憶(保留)の先読み予告を行う遊技機において、変動パターンの選択テーブルの切替えを行う際に、先読みでテーブルの切替えにより追加されるリーチ(追加演出)を見せるためのゲーム(前述した201ゲーム目等の区切りのゲーム)であることを判定した場合に、追加演出を行う変動表示ゲームの前に表示条件成立変動を実行し、あたかも該変動において条件が成立したために新たなリーチが追加されることを報知するとともに、追加演出(リーチ)を行う変動表示ゲームが始動記憶の中にあることを報知する先読み予告表示を行うようにしたものである。
具体的には、例えば図44(a)に示すように、4個の始動記憶(保留)が発生しており4個目の始動記憶が追加演出を行う変動表示ゲームであった場合(この時点では遊技者には分からない)、2個目の始動記憶に対応する変動表示ゲームを実行する際に、図44(b)のように、成立条件を表示してゲームを開始し、図44(c)のように、条件が成立したことおよび追加されたリーチの種類を報知する表示を行う。これとともに、もともと追加演出を行う変動表示ゲームであった始動記憶の表示Dを、例えば点灯から点滅に切替えたり表示色を変更するなどして先読み予告表示に変える。その後、ゲームを消化して先読み予告対象のゲームになった際に、図44(d)のように、追加された演出(リーチ)による変動表示ゲームを実行する。
図45には、上記のような演出制御を行うため演出制御装置300において実行する追加演出実行予告表示設定処理の具体的な手順の一例が示されている。この追加演出実行予告表示設定処理は、図14(B)に示す割込み処理の中で実行される。
この追加演出実行予告表示設定処理が開始されると、先ず追加演出が保留中であることを示す追加演出保留フラグがオンになっているか否か判定する(ステップS191)。なお、追加演出保留フラグは、初期状態すなわち電源投入直後はオフに設定されている。ステップS191で、追加演出保留フラグがオンになっていない(No)と判定した場合には、ステップS192へ移行して、新規保留すなわち新たな始動記憶が発生したか否か判定する。そして、新規保留が発生していない(No)と判定した場合には当該追加演出実行予告表示設定処理を抜ける。
一方、ステップS192で、新規保留が発生した(Yes)と判定した場合には、ステップS193へ進んで、新規保留は追加演出を実行するゲームであるか否か判定する。そして、追加演出実行分でない(No)と判定した場合には当該追加演出実行予告表示設定処理を抜ける。また、ステップS193で、追加演出実行分である(Yes)と判定した場合には、ステップS194へ進んで、追加演出保留フラグをオンに設定してステップS195へ移行する。また、前記ステップS191で追加演出保留フラグがオンになっている(Yes)と判定した場合も、ステップS192〜S194をスキップしてステップS195へ移行する。
ステップS195では、追加演出実行予告表示条件達成情報(図44(b)の成立条件が成立したか否かの情報)を取得し、次のステップS196で、表示条件を達成したか否か判定する。ここで、表示条件を達成していない(No)と判定した場合には、当該追加演出実行予告表示設定処理を抜ける。一方、ステップS196で、表示条件を達成した(Yes)と判定した場合には、ステップS197へ進んで、ステップS194でオン設定した追加演出保留フラグをクリアしてから、図44(c)のような追加演出実行予告表示を行うための設定(ステップS198)を行なって当該追加演出実行予告表示設定処理を終了する。なお、追加演出実行予告の表示は、最大保留数(4個)の中では複数回行なわないようにするのがよい。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、上記先読み予告表示以外では、選択テーブルの切替えで新たなリーチが追加されるゲームになるまでリーチが追加されることが遊技者に分からないようにしているが、図43(A)に示すように、新たなリーチが追加されるゲームまでの残りゲーム回数を予告表示するようにしても良い。変動パターン選択テーブルが切り替わるタイミングまでのゲーム数を報知することにより、遊技者がそのタイミングを目指して遊技を継続するように誘引可能となるので、遊技機の稼動率を高く維持することができる。また、前記実施形態では、選択テーブルの切替えで新たなリーチが追加された場合にリーチが追加されたことおよびリーチの種類を報知しているが、図43(B)に示すように、追加されたリーチの選択率も報知するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、所定条件(所定ゲーム数目で大当り等)が成立した場合に所定のリーチ(プレミアムリーチもしくは追加リーチ)しか選択されないテーブルに切り替えるものを説明したが、所定条件の成立で、テーブルを切り替えずに、変動パターンとしてプレミアムリーチもしくは追加リーチを設定する制御も本発明に含まれると解すべきである。
さらに、前記実施形態では、特図1の変動表示ゲームと特図2の変動表示ゲームの2種類の変動表示ゲームを実行可能な遊技機を説明したが、1種類の変動表示ゲームを実行可能に構成しても良い。また、上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明は、パチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。