以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
また、図2に示すように、遊技機10の裏面には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置100(主制御装置)と、遊技制御装置100から送信されたコマンドに基づき各種電子部品(LEDやソレノイド、モータ、センサなど)を制御する演出制御装置300(副制御装置)が備えられている。遊技制御装置100の裏面には外部情報信号を出力する外部情報端子71が備えられている。さらに、遊技機10の裏面には、遊技球の払出を制御する払出制御装置200(副制御装置)と、各制御装置に電力を供給する電源装置400、遊技機10に隣接して配されるカードユニットと接続するためのカードユニット接続基板600が備えられている。
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図6(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、図6(b)のように、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する(図6(b)参照)。
普図保留表示器56は、図6(c)に示すように、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC18V,DC12V,DC3.3V,DC3.3VBBなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記の直流電圧を生成するAC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、停電検出信号(後述の停電検出信号1)やリセット信号(後述の停電検出信号2、3)などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば13V以下に下がると停電発生を検出して停電検出信号やリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する(はずれとなる)場合における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば3.3Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。なお、後述するように、遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC3.3Vで動作し、遊技制御装置100と払出制御装置200及び演出制御装置300の通信には12Vが用いられるため、信号のレベル変換の機能が設けられている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は3.3Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。なお、後述するように、遊技制御装置100の遊技用マイコン111及び演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作し、遊技制御装置100と演出制御装置300の通信には12Vが用いられるため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC3.3Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
図7には電源装置400の詳細を示した。トランス440によってAC100Vから変換され電源装置400に入力されたAC24Vは、過電流保護回路401、電源スイッチ402を介して整流回路411に供給される。なお、一部は整流回路411を介さずに、図8に示すようにカードユニット接続基板600を介してカードユニット601へ出力される。整流回路411により全波整流された後、一部はNDC24Vとして出力され、一部は平滑化回路412へ入力されて平滑化される。平滑化回路412で平滑化された直流電圧は、DC−DCコンバータからなる直流電圧生成回路(413から417)に入力され、DC32V,DC18V,DC12V,DC3.3V,DC3.3VBBに変換されて出力される。
停電検出回路431は、32Vの電圧を監視し、それが例えば13V以下に下がると停電検出信号1生成回路433、停電検出信号2生成回路434、停電検出信号3生成回路435に停電検出信号を出力させる。なお、停電検出信号2生成回路435は遅延回路432を介して停電検出回路431と接続されており、停電検出信号2は停電検出信号1,3の出力から所定時間後に出力される。
また、電源装置400は初期化スイッチ436を備え、電源投入時に初期化スイッチ436がオン状態にされたときには、初期化信号生成回路437から初期化スイッチ信号が出力される。この初期化スイッチ信号により、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報が強制的に初期化される。
電源装置400により生成された直流電源電圧や制御信号は、図8に示すように各制御装置へ分配される。遊技制御装置100には、DC32V,DC12V,DC3.3V,DC3.3VBB、停電検出信号1,2、初期化信号が出力される。また、演出制御装置300には、DC32V,DC18V,DC12V,DC3.3V、NDC24V,停電検出信号3が出力される。また、払出制御装置200には、DC32V,DC12V,DC3.3V、DC3.3VBB,停電検出信号1,2、初期化信号が出力される。さらに、払出制御装置200を介して発射制御装置210へ、DC32V,DC3.3Vが出力される。また、カードユニット接続基板600にはAC24Vが出力され、さらに、カードユニット接続基板600を介してカードユニット601にAC24Vが出力される。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、特別遊技状態の発生確率である確率状態を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高めた高確率状態との何れかで制御する確率変動制御手段をなす。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様として開放時間を第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数を第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図9及び図10に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図11に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図10のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図10のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグを設定してから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電検出信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図12に示すように、特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動記憶が発生した場合は、飾り特図保留数コマンドを演出制御装置300に出力する。また、事前判定の結果に関する情報を含む始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンドを演出制御装置300に出力する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図変動表示ゲームを開始する際には、当該特図変動表示ゲームに関する情報を含む変動開始コマンドを演出制御装置300に出力する。また、所定時間遊技が行われていない場合は、演出制御装置300に客待ちデモコマンドを出力する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。また、大当り終了後の確率状態の情報として、確率情報コマンドを演出制御装置300に出力する。
その後、分岐処理にて準備したテーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA16)。そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA17に移行して、それ以降の処理を行う。
図13は、特別遊技状態の終了後に移行する遊技状態について示す説明図である。なお、図13では、確率状態が通常確率状態であり普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態である遊技状態である通常状態Fにおいて特図当り抽選に当選した場合について示しているが、遊技状態D、Eにおいて特図当り抽選に当選した場合もほぼ同様である。特別結果態様が導出されることを契機とする遊技状態の移行は、遊技制御装置100により制御される。具体的には、特図ゲーム処理内で行われる。
通常状態Fにおいて2R確変当りに当選すると、2R当り状態Bが発生し、特別変動入賞装置38が1秒×2R開放される。そして、大当り終了後に高確率状態Dに移行する。高確率状態Dは、確率状態が高確率状態であり普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である遊技状態である。なお、高確率状態Dは次回の大当りの発生まで継続される。また、通常状態Fにおいて15R確変当りに当選すると、15R当り状態Cが発生し、特別変動入賞装置38が20秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当り終了後に高確率状態Dに移行する。
また、15R通常当りに当選すると、15R当り状態Cが発生し、特別変動入賞装置38が20秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当り終了後に低確率状態Eに移行する。低確率状態Eは、確率状態が通常確率状態であり普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である遊技状態である。なお、低確率状態Eで100回の特図変動表示ゲームを実行すると、通常状態Fに移行する。また、通常状態Fにおいて小当りに当選すると、小当り状態Aが発生し、2R当り状態Bと同様に特別変動入賞装置38が1秒×2R開放される。そして、小当り終了後に通常状態Fに戻る。なお、通常状態Fとは異なる遊技状態D,Eの何れかにおいて小当り抽選に当選した場合は、小当り終了後には元の遊技状態に戻ることとなる。つまり、例えば高確率状態Dにおいて小当り抽選に当選した場合は、小当り終了後も高確率状態Dは継続される。
図14には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様となる場合における特別結果態様の種類の選択確率を示した。図14(a)に示すように、第1特図変動表示ゲームでは、2R確変当りが選択される確率が24%、15R確変当りが選択される確率が38%、15R通常当りが選択される確率が38%となっている。これに対して、図14(b)に示すように、第2特図変動表示ゲームでは、15R確変当りが選択される確率が62%、15R通常当りが選択される確率が38%となっており、2R確変当りが選択される確率は0%である。すなわち、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームの方が、遊技者にとって有利となっている。
遊技制御装置100は、上述した各種の処理で設定されるコマンドを、RAM111Cのコマンド送信領域に一時的に記憶し、コマンド送信処理(ステップS44)において各種装置に出力するようになっている。
図15(a)に示すように、RAM111Cの記憶領域はアドレスが2バイトで構成され、記憶されるデータに応じて予め格納領域が定められた専用記憶領域(例えば、コマンド送信領域)と、格納される領域が固定されていないデータを記憶する汎用記憶領域(例えば作業領域)と、を有する。専用記憶領域をなすコマンド送信領域は、RAM111Cの記憶領域のうち所定の領域に設定されている。このコマンド送信領域は、アドレスの下位バイトから上位バイトへの桁上がりを含む格納領域であって、桁上がり格納領域をなす。コマンド送信領域を桁上がり領域としているのは、この領域を送信領域に使用して他のサブルーチンで使用されることがないようにするためで、サブルーチンによる処理の途中でアドレスの桁上がりが生じないようにするためである。具体的には、図15(b)に示すように、コマンド送信領域は、アドレスが連続した2のn乗(例えば64個)の格納領域を有し、例えばnビット(6ビット)のアドレスカウンタの値に応じて(例えば先頭アドレスとアドレスカウンタの値)で順次アクセス可能なリングバッファとして動作するように構成されており、送信されるコマンドを書き込む領域はnビットのライトカウンタの値に応じて指定され、送信するコマンドを読み出す領域はnビットのリードカウンタの値に応じて指定される。
図16には、各種処理で発生した送信コマンドを、コマンド送信領域に設定するための書き込み処理を示した。この書き込み処理では、まず、ライトカウンタの値に応じてアドレスを取得する処理(ステップA30)を行う。この処理ではコマンド送信領域の先頭アドレスにライトカウンタの値を加算することでアドレスを取得する。そして、取得したアドレスにより指定される領域にデータ(コマンド)を書き込む処理(ステップA30)を行う。その後、ライトカウンタを1インクリメントする処理(ステップA32)を行い、書き込み処理を終了する。
このように、コマンドを書き込む毎にライトカウンタが+1されることで、順次隣接する領域にコマンドが書き込まれるようになる。なお、ライトカウンタの値は0から63の範囲であり、値が63となった後は0に戻る。すなわち循環更新されるようになっている。これにより、64番目の領域にコマンドが書き込まれた後は1番目の領域にコマンドが書き込まれることとなる。
また、図17には、コマンド送信領域に書き込まれたコマンドを送信するためのコマンド送信処理を示した。このコマンド送信処理は、図11に示すように、タイマ割込み処理において行われる。まず、ライトカウンタの値とリードカウンタの値が等しいか否かの判定(ステップA40)を行う。ライトカウンタの値とリードカウンタの値が等しい場合(ステップA40;Y)は、コマンド送信処理を終了する。この場合は送信するコマンドがない場合である。
また、ライトカウンタの値とリードカウンタの値が等しくない場合(ステップA40;N)は、リードカウンタの値に応じてアドレスを取得する処理(ステップA40)を行う。この処理ではコマンド送信領域の先頭アドレスにリードカウンタの値を加算することでアドレスを取得する。そして、取得したアドレスにより指定された領域に書き込まれているデータ(コマンド)を送信する処理(ステップA42)を行う。
その後、リードカウンタの値を1インクリメントする処理(ステップA43)を行い、コマンド送信処理を終了する。このように、リードカウンタもライトカウンタと同様に、コマンドを読み出す毎に+1されるようになっており、これにより順次隣接する領域からコマンドが読み出される。また、リードカウンタの値も0から63の範囲であり、値が63となった後は0に戻る。すなわち循環更新されるようになっている。これにより、64番目の領域のコマンドを読み出した後は1番目の領域のコマンドを読み出すこととなる。
このようにリングバッファとしたことで、プログラムの容量を抑えつつ、所定の処理が効率よく行われるようにできるとともに、プログラムを共通化しやすくできる。すなわち、桁上がりを含む領域であってもアドレスを全バイト指定しなくてもよく、プログラムの容量を抑えつつ、所定の処理が効率よく行われるようにできる。また、記憶領域を効率よく利用することができる。さらに、異なる機種等でプログラムを共通化してもアドレスの桁上がりによる不具合が発生することがない。また、一時的にコマンドを記憶する領域を効率よく利用できる。なお、上述の実施形態では、桁上がり記憶領域(コマンド送信領域)のリングバッファ構造を用いたが、配列リストを用いても良い。また、桁上がり格納領域に含まれる各領域に順次アクセス可能としたが、データを書き込む際には空き領域にランダムにアクセス可能とし、データを読み出す際には書き込まれている領域にアクセスするようにしても良い。
以上のことから、遊技を制御する制御装置(遊技制御装置100等)を備える遊技機において、制御装置は、データを記憶可能な記憶手段(RAM111C)を備え、記憶手段は、記憶されるデータに応じて予め格納領域が定められた専用記憶領域と、格納される領域が固定されていないデータを記憶する汎用記憶領域と、を有し、専用記憶領域は、アドレスを複数バイトで構成し、アドレスの下位バイトから上位バイトへの桁上がりを含む桁上がり格納領域を、カウンタもしくは所定の配列リストの値に応じてアクセス可能な形式でデータを記憶する領域とするようにしたこととなる。なお、カウンタはハードウェアカウンタでも良いしソフトウェアカウンタでも良い。また、カウンタの値に応じてアクセス可能とは、例えばリングバッファである。
また、制御装置をなし遊技を統括的に制御する主制御装置(遊技制御装置100)と、主制御装置から送信されたコマンドに基づき各種電子部品を制御する副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)と、を備え、桁上がり記憶領域は、副制御装置に送信するコマンドを、カウンタが循環更新されるリングバッファ形式で記憶するようにしたこととなる。
そして、このように遊技制御装置100から出力されるコマンドの送信に用いる電圧は、遊技制御装置100が制御する電子部品で用いる複数の電圧のうち、当該遊技制御装置100のCPU111Aの動作電圧よりも高い何れかの電圧と同一の電圧とされている。上述したように、消費電力を抑えるために遊技制御装置100や演出制御装置300、払出制御装置200のCPUの駆動電圧は、3.3Vとされている。しかしながら、CPU動作用電源の3.3Vを制御コマンドの送信用に使用すると、電圧が低いためノイズ等の影響によりデータが正確に伝達されない可能性がある。そこで、図18、図19に示すように、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aなどの近接センサの駆動もしくはバイアスに用いるために遊技制御装置100に供給されている12Vの電圧と同一の電圧によりハイレベルを規定した信号によって通信を行うようにしている。
なお、遊技制御装置100と演出制御装置300との間の通信は、遊技制御装置100から演出制御装置300への単方向のみであるが、遊技制御装置100と払出制御装置200との間の通信は、双方向の通信となっている。払出制御装置200には、払い出し前の遊技球の不足を検出するためのシュート球切れスイッチなどの近接スイッチに用いるためにDC12Vが供給されており、これを通信に用いる。このように、電子部品で用いる電圧を用いるので、出力信号の論理レベルを規定する電圧を新たに生成する必要はない。
以上のことから、遊技を制御する主制御装置(遊技制御装置100)と、当該主制御装置から出力される出力信号に基づいて各種電子部品(LEDやソレノイド、モータ、センサなど)を制御する副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)とを備える遊技機であって、主制御装置から出力される出力信号は、当該主制御装置が制御する電子部品で用いる複数の電圧のうち、当該主制御装置のCPU111Aの動作電圧よりも高い何れかの電圧と同一の電圧により論理レベルの一つが規定される信号であることとなる。
また、停電の発生の検出においては、通信の論理レベルを規定する電圧のうち最も高い電圧よりも高い所定電圧以下になった場合に停電が発生したと判定するようになっている。図20には、停電発生時における通常電源部410から出力される電圧と、停電検出信号の出力タイミングを示した。電源が遮断される(t1)と徐々にDC32Vの電圧が低下し、電圧が13Vになると停電検出回路431により停電の発生が検出される(t2)。すなわち、停電検出回路431が停電を検出する停電検出手段をなす。なお、電源遮断から停電の発生の検出までの期間(t1からt2)に、再度電力が供給される状態となった場合は、継続して遊技が可能である。すなわちこの期間は、僅かな時間の停電による遊技機のリセット等の動作を防止し、遊技の継続を可能とする瞬停保証期間である。
停電検出回路431により停電の発生が検出される(t2)と、停電検出信号1生成回路433から遊技制御装置100及び払出制御装置200に停電検出信号1(停電検出信号)が出力され、停電検出信号3生成回路435から停電検出信号3(リセット信号)が演出制御装置300に出力される(t3)。これにより、例えば遊技制御装置100においては図10のステップS29から33に示すようなデータのバックアップ処理が行われる。なお、このとき上述のコマンド送信領域でのデータの読み書きの位置を指示するライトカウンタの値とリードカウンタの値もバックアップされる。これにより、停電復旧時にコマンド送信の途中から実行することができ、同じコマンドを重複して送信する心配がない。
そして、停電検出信号1,3の出力(t3)から遅延回路432による遅延時間の経過後に、停電検出信号2生成回路434から停電検出信号2(リセット信号)が遊技制御装置100及び払出制御装置200に出力される(t4)。これにより、システムをリセットする処理が行われる。なお、DC3.3Vは、停電検出信号2の出力から所定時間(t5)までは供給されるようになっている。すなわち、電源の遮断(t1)から停電検出信号2の出力後所定時間(t5)までの期間がDC3.3V保証期間となっており、データのバックアップやリセット処理が可能となっている。
このように、停電検出手段(停電検出回路431)は、出力可能な電圧が、遊技制御装置100から出力される出力信号の論理レベルを規定する電圧のうち最も高い電圧よりも高い所定電圧以下になった場合に停電を検出するので、遊技制御装置100から演出制御装置300や払出制御装置200にコマンドが送信不能となる前に停電発生時の処理を行うことができる。これにより、送信途中のコマンドを最後まで送信でき、コマンドが脱落してしまうことや、停電復旧時に同じコマンドが送信されるなどのコマンドの送信が完了しないことによる不具合を防止できる。
以上のことから、主制御装置(遊技制御装置100)及び副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)に電源を供給する電源装置400を備え、電源装置400は、出力可能な電圧が、主制御装置から出力される出力信号の論理レベルを規定する電圧のうち最も高い電圧よりも高い所定電圧以下になった場合に停電を検出する停電検出手段(停電検出回路431)を備えることとなる。
また、カウンタは、桁上がり記憶領域におけるデータの読み出し位置を指示するリードカウンタ及びデータの書き込み位置を指示するライトカウンタを有し、主制御装置(遊技制御装置100)は、コマンドを送信中に停電になった際に、リードカウンタ及びライトカウンタをバックアップするようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、停電発生時の処理が異なり、図21に示すように、RAM111Cの記憶領域の先頭と末尾の格納領域を、停電復旧時に記憶領域のデータが破損していないことを検査するための停電復旧データを記憶する停電復旧領域1、2としている。
また、図9、図10に示すメイン処理におけるステップS29からS33の処理に代えて、図22に示す停電発生処理を行う。この停電発生処理では、まず、停電発生時の割り込み許可/禁止状態を保存する処理(ステップS60)を行い、全レジスタを退避する処理(ステップS61)、スタックポインタを退避する処理(ステップS62)を行う。
その後、ポートOFFを出力する処理(ステップS63)、停電復旧領域1、2を共にオンにする(例えば同一のチェックデータをセーブする)処理(ステップS64)を行い、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行って停電発生処理を終了する。この後、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。この処理により、停電発生時に停電復旧領域1、2に停電復旧データが記憶される(停電復旧領域1、2がオンになる)。
また、図9、図10に示すメイン処理におけるステップS9からS23の処理に代えて、図23に示す停電復帰処理を行う。この停電復帰処理では、まず、停電復旧領域1、2が共にオンであるか否かの判定(ステップS70)を行う。
停電復旧領域1、2が共にオンである場合(ステップS70;Y)は、停電時にデータ等が正しくバックアップされ、停電復旧時にバックアップされていたデータに異常がない場合であって、停電復旧時に初期化スイッチが操作されていない場合である。この場合は、スタックポインタを復帰する処理(ステップS71)を行い、停電発生時に初期化する領域に初期値を設定する処理(ステップS72)を行う。その後、停電復旧時コマンドの編集と送信を行い(ステップS73)、CTCを起動する(ステップS74)。さらに、全レジスタを復帰し(ステップS75)、割り込み状態を復帰して(ステップS76)、停電復帰処理を終了する。
一方、停電復旧領域1、2が共にオンでない場合(ステップS70;N)は、停電復旧領域1、2が異なるか否かの判定(ステップS77)を行う。停電復旧領域1、2が異なるとは、一方がオンで他方がオフである場合(例えば一方のみチェックデータがセーブされている場合)である。
この停電復旧領域1、2が異なるか否かの判定(ステップS77)において、停電復旧領域1、2が異なる場合(ステップS77;Y)は、停電時にデータ等が正しくバックアップされていなかった場合や、停電復旧時にバックアップされていたデータが破損した場合などである。この場合は、異常報知を行い(ステップS78)、遊技機の動作を停止する処理(ステップS79)を行って、停電復旧処理を終了する。異常報知は、例えば、表示装置41に異常が発生した旨を表示することや、ランプLEDの点灯、音声の出力により行う。また、遊技機の動作の停止は、遊技を行えない状態とするようにしても良いし、遊技機の電源を遮断するようにしても良い。
また、停電復旧領域1、2が異なるか否かの判定(ステップS77)において、停電復旧領域1、2が異ならない場合(ステップS77;N)は、停電復旧領域1、2が共にオフである場合(両方ともチェックデータがセーブされていない場合)であって、初期化スイッチが操作された場合である。この場合は、RAMをクリアし(ステップS80)、停電発生時に初期化する領域に初期値を設定する(ステップS81)。そして、CTCを起動し(ステップS82)、割り込み状態を復帰して(ステップS83)、停電復帰処理を終了する。以上のような処理により、停電復旧時のデータの破損を確実に検出することができる。
以上のことから、記憶手段(RAM111C)は、記憶領域の先頭と末尾の格納領域を、停電復旧時に当該記憶領域のデータが破損していないことを検査するための停電復旧データを記憶する格納領域とするようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、RAM111Cの記憶領域に不正防止用データを記憶し、当該不正防止用データをチェックすることで異常の発生を監視するようにしている。
図24に示すように、RAM111Cの記憶領域のうち、コマンド送信領域(桁上がり格納領域)に続く後の格納領域に、所定の不正防止用データを格納する不正防止作業領域が設定されている。そして、遊技制御装置100は、図25に示すように、大当り(特別遊技状態)の終了タイミングとなることを所定条件の成立として、不正防止作業領域をチェックする不正防止作業領域確認処理を行う。
この不正防止作業領域確認処理では、まず、大当り終了タイミングであるか否かの判定(ステップS90)を行い、大当り終了タイミングでない場合(ステップS90;N)は、不正防止作業領域確認処理を終了する。また、大当り終了タイミングである場合(ステップS90;Y)は、不正防止作業領域は正常であるか否かの判定(ステップS91)を行う。
不正防止作業領域は正常であるか否かの判定(ステップS91)では、不正防止作業領域に所定の不正防止用データが格納されている場合に正常であると判定する。この不正防止作業領域は正常であるか否かの判定(ステップS91)において、不正防止作業領域は正常である場合(ステップS91;Y)は、不正防止作業領域確認処理を終了する。また、不正防止作業領域は正常でない場合(ステップS91;N)、すなわち、所定の不正防止用データが格納されていない場合は、異常報知を行い(ステップS92)、遊技機の動作を停止する処理(ステップS93)を行って、不正防止作業領域確認処理を終了する。
このように、所定条件の成立毎に不正防止領域をチェックすることで、停電復旧時だけでなく、遊技の実行中でも異常の発生を検出できる。なお、所定の不正防止用データは、常に同じデータであっても良いし、所定条件の成立毎に変更するようにしても良い。また遊技機固有のデータとしても良い。また、不正防止作業領域は、コマンド送信領域(桁上がり格納領域)に続く後の格納領域以外の格納領域に設定するようにしても良い。また、不正防止領域をチェックするタイミングは大当り終了時以外であっても良い。
以上のことから、記憶手段(RAM111C)は、桁上がり格納領域に続く後の格納領域を、不正防止用データを記憶する格納領域とし、主制御装置(遊技制御装置100)は、所定条件の成立に基づき当該不正防止用データを参照することで異常の発生を監視するようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100が出力する出力信号で論理レベルを規定する信号の電圧が、出力先の制御装置毎に異なっている。
図26に示すように、遊技制御装置100から演出制御装置300へ出力するデータの通信でハイレベルを既定する電圧を12Vとし、遊技制御装置100から演出制御装置200へ出力するデータの通信でハイレベルを既定する電圧を32Vとしている。この通信に用いる電圧は、何れも遊技制御装置100のCPU111Aの動作電圧(3.3V)よりも高い。また、演出制御装置300との通信で用いる12Vの電圧は、遊技制御装置100が制御する近接センサ(始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aなど)で用いる電圧と同一の電圧とされている。さらに、払出制御装置200との通信で用いる32Vの電圧は、遊技制御装置100が制御するソレノイド(大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cなど)で用いる電圧と同一の電圧とされている。
このように、送信先の制御装置毎に論理レベルを規定する電圧が異なる出力信号を用いることで、出力信号の電圧を確認するだけで、どの制御装置に送信するためのデータであるかがわかるので検査がしやすくなる。また、電子部品で用いるための電力を用いるので、出力信号用の論理レベルを規定する電圧を新たに生成する必要はない。
以上のことから、複数の副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)を備え、主制御装置(遊技制御装置100)は、副制御装置毎に論理レベルを規定する電圧が異なる出力信号を用い、各出力信号は、当該主制御装置が制御する電子部品で用いる複数の電圧のうち、当該主制御装置のCPU111Aの動作電圧よりも高い電圧の何れかと同一の電圧により論理レベルの一つが規定される信号であることとなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100が出力する出力信号で論理レベルを規定する信号の電圧が、出力先の制御装置で制御する電子部品により異なっている。
図27に示すように、遊技制御装置100から演出制御装置300へ出力するデータのうち、表示装置41での表示に関する液晶用データの通信でハイレベルを既定する電圧を12Vとし、枠装飾装置18や盤装飾装置42などのLEDの制御に関するLED用データの通信でハイレベルを既定する電圧を32Vとしている。なお、図28には、シリアル通信の場合を示したが、この場合も同様である。シリアル通信とすれば遊技機裏面側の配線を減らすことができる。
演出制御装置300では、このように電子部品により電圧が異なるデータを選別するために、図29に示すデータ受信処理を行う。このデータ受信処理では、受信したデータがDC12Vのデータである場合(ステップS100;Y)は、液晶表示装置用データとして処理する(ステップS101)。一方、受信したデータがDC32Vのデータである場合(ステップS102;Y)は、LED用データとして処理する(ステップS103)。このように、電子部品により異なる電圧の出力信号を用いることで、出力信号の電圧を確認するだけでどの電子部品に対応するデータであるかがわかるので検査がしやすくなる。
以上のことから、主制御装置(遊技制御装置100)は、副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)で制御する電子部品により論理レベルが規定される電圧が異なる出力信号を用いるようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100が出力する出力信号で論理レベルを規定する信号の電圧を遊技状態により変更するようにしている。
遊技制御装置100では、出力する信号でハイレベルを既定する電圧を選択するために、図30に示す電圧選択処理を行う。この電圧選択処理では、まず、大当り中(特別遊技状態中)であるか否かの判定(ステップS110)を行い、大当り中である場合(ステップS110;Y)は、データ送信用電圧をDC32Vに設定する処理(ステップS111)を行う。また、大当り中でない場合(ステップS110;N)は、データ送信用電圧をDC12Vに設定する処理(ステップS112)を行う。
遊技状態が大当り中である場合は、遊技盤の裏面側を流下する遊技球の数が通常時と比較して多いため、静電気等によるノイズが発生しやすい。このような場合に、出力信号の電圧を高めるようにすることで、ノイズの影響によりデータの送受信で不具合が発生することを防止できる。
また、図31に示すように、電源投入時である場合(ステップS120;Y)には、データ送信用電圧をDC32Vに設定する処理(ステップS121)を行い、電源投入時でない場合(ステップS120;N)には、データ送信用電圧をDC12Vに設定する処理(ステップS122)を行うようにしても良い。
電源投入時とは電源の投入から所定期間であり、この期間は同時に複数の遊技機や設備の電源が投入されることから、ノイズが発生しやすい期間である。このような場合に、出力信号の電圧を高めるようにすることで、ノイズの影響によりデータの送受信で不具合が発生することを防止できる。
以上のことから、主制御装置(遊技制御装置100)は、遊技状態に応じて副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)に送信する出力信号で論理レベルが規定される電圧を変更可能であることとなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100から払出制御装置200に送信する払出数コマンドの送信態様が異なる。
入賞口への入賞を検出した遊技制御装置100は、払出制御装置200に対して対応する数の賞球を払い出させるための払出数コマンドを送信する。この払出数コマンドは、賞球1個に対して1つのパルスを出力することにより賞球数を指示するものとなっている。
図32に示すように、遊技制御装置100と払出制御装置200との通信においては、0V,12V,32Vの電圧により3種類の状態を表すことができるようにされている。この12V,32Vは、遊技制御装置100が制御する電子部品(近接センサ、ソレノイド)で用いる電圧と同一の電圧である。このように、電子部品で用いるための電力を用いるので、出力信号用の電圧を新たに生成する必要はない。
コマンドが送信されていないアイドル状態では12Vの状態とされ、通信の開始及び終了時に0Vの状態とされる。この0Vの状態がスタートビット及びストップビットをなす。そして、これらの間に、賞球数に対応する32Vのパルスを送信する。払出制御装置200は、このパルスの数をカウントすることで賞球数を取得し、賞球を払い出す処理を行う。
次に、上述した実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信するコマンドの送信態様が異なる。
図33に示すように、遊技制御装置100から演出制御装置300へのデータ送信は、遊技用マイコン111などを備えるモジュール100aから送信装置100bを介して送信されるようになっている。送信装置100bにはモジュール100aからクロック信号、データ信号、イネーブル信号が入力され、送信装置100bはこれらの信号から送信信号を生成して演出制御装置300に送信する。
送信装置100bは図34に示すような論理回路を備えており、伝送線Lの終端にDC12Vにプルアップされた終端抵抗Rpが接続されることによって、例えば図35(a)に示す入力信号(クロックCKa、送信データDa、データの有効期間を示すイネーブル信号Ea)から図35(b)に示すような3値レベルの送信信号を生成して演出制御装置300に出力する。このとき送信信号で用いる電圧は、遊技制御装置100が制御する電子部品で用いる電圧と同一の電圧である。このように、電子部品で用いるための電力を用いるので、出力信号用の電圧を新たに生成する必要はない。また、演出制御装置側で、3値の信号に基づいて例えば、図36に示すような論理回路を用いてもとの3つの信号CKa、Da、Eaを再生することができるため伝送線Lが一本で済むという利点がある。演出制御装置300では、受信した送信信号からデータ信号を取得し、対応する制御を行う。
以上のような遊技機10は、遊技を制御する主制御装置(遊技制御装置100)と、当該主制御装置から出力される出力信号に基づいて各種電子部品(LEDやソレノイド、モータ、センサなど)を制御する副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)とを備える遊技機であって、主制御装置から出力される出力信号は、当該主制御装置が制御する電子部品で用いる複数の電圧のうち、当該主制御装置のCPU111Aの動作電圧よりも高い何れかの電圧と同一の電圧により論理レベルの一つが規定される信号である。
したがって、主制御装置から出力される出力信号は、当該主制御装置が制御する電子部品で用いる複数の電圧のうち、当該主制御装置のCPUの動作電圧よりも高い何れかの電圧と同一の電圧により論理レベルの一つが規定される信号であるので、別途電力を生成することなくコマンドを正確に伝達できる。すなわち、電子部品で用いるための電力を用いるので、出力信号用の論理レベルを規定する電圧を新たに生成する必要がない。また、出力信号に用いる電圧はCPUの動作電圧よりも高いのでノイズにも強く、より確実にデータが送信可能になる。また、消費電力を抑えるため動作電圧が低いCPUを用いたとしても問題なくコマンドを送信することができる。
また、主制御装置(遊技制御装置100)及び副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)に電源を供給する電源装置400を備え、電源装置400は、出力可能な電圧が、主制御装置から出力される出力信号の論理レベルを規定する電圧のうち最も高い電圧よりも高い所定電圧以下になった場合に停電を検出する停電検出手段(停電検出回路431)を備えている。
したがって、電源装置400は、出力可能な電圧が、主制御装置から出力される出力信号の論理レベルを規定する電圧のうち最も高い電圧よりも高い所定電圧以下になった場合に停電を検出する停電検出手段を備えるので、主制御装置から副制御装置にコマンドが送信不能となる前に停電発生時の処理を行うことができる。これにより、送信途中のコマンドを最後まで送信でき、コマンドが脱落してしまうことや、停電復旧時に同じコマンドが送信されるなどのコマンドの送信が完了しないことによる不具合を防止できる。
また、複数の副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)を備え、主制御装置(遊技制御装置100)は、副制御装置毎に論理レベルを規定する電圧が異なる出力信号を用い、各出力信号は、当該主制御装置が制御する電子部品で用いる複数の電圧のうち、当該主制御装置のCPU111Aの動作電圧よりも高い電圧の何れかと同一の電圧により論理レベルの一つが規定される信号である。
したがって、複数の副制御装置を備え、主制御装置は、副制御装置毎に論理レベルを規定する電圧が異なる出力信号を用い、各出力信号は、当該主制御装置が制御する電子部品で用いる複数の電圧のうち、当該主制御装置のCPU111Aの動作電圧よりも高い電圧の何れかと同一の電圧により論理レベルの一つが規定される信号であるので、出力信号の電圧を確認するだけで、どの制御装置に送信するためのデータであるかがわかるので検査がしやすい。
また、主制御装置(遊技制御装置100)は、副制御装置で制御する電子部品により論理レベルが規定される電圧が異なる出力信号を用いるようにしている。
したがって、主制御装置は副制御装置で制御する電子部品により論理レベルが規定される電圧が異なる出力信号を用いるので、出力信号の電圧を確認するだけでどの電子部品に対応するデータであるかがわかるので検査がしやすい。
また、主制御装置(遊技制御装置100)は、遊技状態に応じて副制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)に送信する出力信号で論理レベルが規定される電圧を変更可能である。
したがって、主制御装置は、遊技状態に応じて副制御装置に送信する出力信号で論理レベルが規定される電圧を変更可能であるので、ノイズの影響によりデータの送受信で不具合が発生することを防止できる。例えば、大当り中は遊技盤の裏面側を流下する遊技球の数が通常時と比較して多いため、静電気等によるノイズが発生しやすい。このような場合に、出力信号の電圧を高めるようにすることで、ノイズの影響によりデータの送受信で不具合が発生することを防止できる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。