以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部に装飾LEDをなすLED等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した第1飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40における上部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
センターケース40における表示装置41の右上方には、第1特図変動表示ゲームに対応した第2飾り特図変動表示ゲームを表示する表示領域81aと、第2特図変動表示ゲームに対応した第2飾り特図変動表示ゲームを表示する表示領域81bとを備える第4表示領域81が設けられている。この第4表示領域81には、表示領域81aに配される特図1第4図柄LED601と、表示領域81bに配される特図2第4図柄LED602とを備え、それぞれの特図第4図柄LED601,602の発光態様により第2飾り特図変動表示ゲームを表示する進行報知装置600が備えられている。
この第4表示領域81では、特図変動表示ゲームの変動表示中は対応した発光態様(例えば点滅)とし、特図変動表示ゲームの終了に伴い結果に対応する発光態様とすることで第2飾り特図変動表示ゲームを表示する。結果に対応する発光態様には、例えば、はずれ結果態様に対応した発光態様(例えば消灯)や、大当りの結果態様に対応した発光態様(例えば点灯)がある。これらの発光態様が第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄をなす。また、第2飾り特図変動表示ゲームを実行していない表示領域81では、当該表示領域81で行われた前回の第2飾り特図変動表示ゲームの結果に対応した結果態様を表示した状態が維持されるようになっている。
なお、第2飾り特図変動表示ゲームは第1飾り特図変動表示ゲームとは独立した飾り特図変動表示ゲームとしたが、表示装置41に表示される図柄と表示領域81の表示とを合わせて一つの飾り特図変動表示ゲームを表示するものとしても良い。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。始動入賞口36、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口、下大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下カウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、下カウントスイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ38aに検出されるようになっている。このように下カウントスイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。また、第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の左上部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口、上大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備え、この一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、センターケース40の内側への遊技球の流入を規制する鎧部40aが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となって特別遊技状態となった場合には、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられて遊技球の流入が可能となり、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定される。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54、55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1から3を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ2のみを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ3のみを点灯状態とする。そして、保留数が「4」のときはランプ1から3の全てを点灯状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。ここでは、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55において普図保留表示器56と同様の点灯態様で始動記憶数を表示するようにしている。
第1遊技状態表示部57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される第1飾り特図変動表示ゲームや第4表示領域81に表示される第2飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における第1飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する第1飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
第4表示領域81に表示される第2飾り特図変動表示ゲームは、対応する特図変動表示ゲームの変動表示中は対応した表示領域を点滅させ、特図変動表示ゲームの変動表示の終了に伴い当該対応する表示領域を、特図変動表示ゲームの結果に対応する発光態様(消灯や点灯)とする。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121aからの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下カウントスイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a及び上カウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路125が設けられており、シュミットトリガ回路125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を生成する第1出力ポート131を備える。遊技制御装置100から払出制御装置200へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、バッファ132が設けられている。このバッファ132は遊技用マイコン111から演出制御装置300へのデータの通信経路に配されており、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するためのものである。遊技制御装置100から演出制御装置300へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード、装飾LED603)を有する盤装飾装置46や進行報知装置600を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード、装飾LED603)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ)等の枠演出装置45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出役物スイッチ44aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられたスピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した第1飾り特図変動表示ゲームを表示する処理や第4表示領域81で特図変動表示ゲームに対応した第2飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出の制御や、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム(飾り変動表示ゲーム)を表示装置41や第4表示領域81に表示する制御を行う演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39c,39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが1000ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100ms)よりも長い第2開放時間(例えば1352ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)しても良い。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)を行う。次に、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS4)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS5)を行う。
その後、電源ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS6)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
さらに、初期化スイッチの回路構成は、初期化スイッチを操作した場合に所定時間に亘り継続して信号が出力されるように構成され、第1入力ポート122の状態を読み込む処理(ステップS4)において初期化スイッチからの入力があると確実に検出できるようにされている。この初期化スイッチの回路構成については後述する。
電源ディレイタイマを設定する処理(ステップS6)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS7からS11)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS7)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS8)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS8;Y)は、ステップS7で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS9)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS9;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS8)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS9;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS8;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS10)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS11)。タイマの値が0でない場合(ステップS11;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS7)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS11;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS12)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS13)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、演出制御装置300との通信に使用)を設定し(ステップS14)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から電源装置400内の初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS15)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS15;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、図6のステップS20へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS15;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが正常でない(ステップS19;N)と判定された場合は、図6のステップS25へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図6のステップS20では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS20)。ここでの初期化すべき領域とは、停電復旧検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS21)。ここで、高確率でない場合(ステップS21;N)は、ステップS22,S23をスキップしてステップS24へ移行する。また、高確率である場合(ステップS21;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS22)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS23)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信し(ステップS24)、ステップS29へ進む。
一方、ステップS15、S16、S17、S19からステップS25へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS25)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS26)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS27)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
なお、ステップS24で送信される停電復旧時のコマンド及びステップS28で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
ステップS29では、特図1表示器51の表示データとして初期図柄を設定し(ステップS29)、次に、特図2表示器52の表示データとして初期図柄を設定する(ステップS30)。これらの処理では、対応する停止図柄番号領域の値を初期図柄の値に変更する処理を行う。そして、ステップS29,S30で設定した表示データを対象のセグメント領域にセーブする(ステップS31)。これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52に初期図柄が表示されることとなる。なお、初期図柄はどのような図柄であってもよいが、特別結果態様でない図柄とすることが望ましい。また、特図変動表示ゲームの結果を表示するものとしては用いられない図柄を表示することで停電復旧した状態であることを明確に示すようにしても良い。
ステップS32では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS32のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS33)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、例えば図7に示すように、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS34)、割込みを許可する(ステップS35)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS36)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS36の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS37)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS38)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS38;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS36)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS36)の前に割り込みを許可する(ステップS35)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS36での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS38;Y)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS39)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS39;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS38)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS39;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS40)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS41)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS42)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS43)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS44)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS45)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS46)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。なお、電源の遮断後は、バックアップ電源から供給される電力によりRAM111Cの情報が保持されることでバックアップされた状態となる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。また、遊技制御装置100が、停電発生時にバックアップを行うバックアップ手段(記憶保持手段)をなす。
従来より、遊技を統括的に制御する主制御手段と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段と、を備える遊技機が知られている。このような遊技機では、電源を投入すると各制御手段でそれぞれ電源投入時の処理を行って起動するが、その処理内容や制御手段の処理能力により起動するまでの時間はまちまちである。このため、先に主制御手段が起動し、未だ起動していない従制御手段に指示を送信してしまうことで、従制御手段が指示を取りこぼしてしまうことがあった。これを防止するため、電源投入の際に従制御装置の起動を待つことを目的として主制御装置の起動を遅らせるようにした遊技機が提案されている(例えば特開2012−120734号公報参照)。
近年では、遊技の興趣を高めるために従制御装置での制御内容や記憶容量が増加しており、従制御装置の起動にかかる時間も長く、主制御装置の起動を従来よりも遅らせる必要がある。しかしながら、起動を遅らせる時間を長くすることに伴い、電源投入時において様々な不具合が発生する可能性が高まる。
そこで、遊技を統括的に制御する主制御手段と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段と、を備える遊技機において、電源投入時における不具合に適切に対処できるようにすることを目的として上記の構成とすることで、主制御手段の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。これにより、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
これにより、初期化操作部の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化操作部の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化操作部を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化操作部を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。これにより、待機時間の経過までRAMへのアクセスが許可されないので、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS101)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS102)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS103)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS104)、乱数更新処理1(ステップS105)、乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a、上カウントスイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS107)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS108)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS109)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS110)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS111)、電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する電波不正監視処理(ステップS112)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS113)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS114)を行い、ステップS101で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS115)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS116)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS108)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図8に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下カウントスイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた上カウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA7)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図9に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図9に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。そして、第4表示領域81に設けられた進行報知装置600の特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の点灯を出力する(ステップC3)。これにより、遊技機10の電源投入に伴い表示領域81a及び表示領域81bが点灯状態となり、進行報知装置600が正常に動作するかを目視により確認することができる。
次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC4)、割込みを許可する(ステップC5)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC6)、乱数シードを設定し(ステップC7)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC8)。
ステップC1からC8のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC9)。次いで、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC10)を行う。演出ボタン25からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出ボタン25からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC11)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC12)を行い、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC13)を行う。
次いで、演出表示編集処理(ステップC14)を行い、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC15)。演出表示編集処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC16)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC16で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC16;N)には、ステップC16の処理を繰り返して行う。一方、ステップC16で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC16;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC18)、盤装飾装置46、枠装飾装置18、進行報知装置600のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC19)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC20)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC9)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図10には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC13)を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC31)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC32)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC32;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC32;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC33)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC34)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC35)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC36)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC36で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC36;N)には、ステップC34の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC36;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC37)、受信コマンド解析処理(ステップC38)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC39)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC40)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC40;N)には、ステップC37の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC40;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図11には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC38)を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC51)、MODEは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC52)。MODEは正常範囲であると判定した場合(ステップC52;Y)には、ACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC53)。そして、ACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC53;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC54)。
また、ステップC52で、MODEは正常範囲でないと判定した場合(ステップC52;N)、ステップC53で、ACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC53;N)、あるいは、ステップC54で、MOEDに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC54;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC54で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC54;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC55)。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC55;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC56)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC55で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC55;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC57)。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC57;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC58)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC57で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC57;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC59)。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC59;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC60)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC59で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC59;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC61)。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC61;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC62)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC61で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC61;N)には、MODEは先読み系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC63)。そして、MODEは先読み系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC63;Y)には、先読み系コマンド処理(ステップC64)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。一方、ステップC63で、MODEは先読み系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC63;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
図12には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(ステップC62)を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEはRAMクリアであるかを判定する(ステップC71)。MODEはRAMクリアであると判定した場合(ステップC71;Y)には、特図第4図柄LEDの消灯を出力し(ステップC72)、消灯フラグをセットする(ステップC73)。その後、遊技制御装置100でのRAM初期化を伴う電源投入に対応した処理を行うRAMクリア設定処理(ステップC74)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEはRAMクリアでないと判定した場合(ステップC71;N)には、MODEは停電復旧であるかを判定する(ステップC75)。
消灯フラグは、特図第4図柄LED601,602の消灯を出力する処理を行ったことを示すものである。この消灯フラグは、演出制御装置300に電力が供給されている間はセットされた状態が維持され、演出制御装置300の電源遮断に伴いクリアされるか、図9のメイン処理における初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップC8)において初期値が設定されることでクリアされるようになっている。
MODEは停電復旧であると判定した場合(ステップC75;Y)には、特図第4図柄LEDの消灯を出力し(ステップC76)、消灯フラグをセットする(ステップC77)。その後、停電復旧に関する処理を行う停電復旧設定処理(ステップC78)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは停電復旧でないと判定した場合(ステップC75;N)には、MODEは客待ちデモであるかを判定する(ステップC79)。
MODEは客待ちデモであると判定した場合(ステップC79;Y)には、消灯フラグがあるかを判定する(ステップC80)。そして、消灯フラグがない場合(ステップC80;N)は、特図第4図柄LEDの消灯を出力し(ステップC81)、消灯フラグをセットする(ステップC82)。その後、客待ち状態の開始に関する処理などを行う客待ちデモ設定処理(ステップC83)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、消灯フラグがある場合(ステップC80;Y)は、客待ちデモ設定処理(ステップC83)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは客待ちデモでないと判定した場合(ステップC79;N)には、MODEは特図1保留系の範囲であるかを判定する(ステップC84)。
MODEは特図1保留系の範囲であると判定した場合(ステップC84;Y)には、特図1の保留に関する情報の記憶などを行う特図1保留情報設定処理(ステップC85)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは特図1保留系の範囲でないと判定した場合(ステップC84;N)には、MODEは特図2保留系の範囲であるかを判定する(ステップC86)。
MODEは特図2保留系の範囲であると判定した場合(ステップC86;Y)には、特図2の保留に関する情報の記憶などを行う特図2保留情報設定処理(ステップC87)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは特図2保留系の範囲でないと判定した場合(ステップC86;N)には、MODEは確率情報系の範囲であるかを判定する(ステップC88)。
MODEは確率情報系の範囲であると判定した場合(ステップC88;Y)には、確率状態に対応した演出の設定などの処理などを行う確率情報設定処理(ステップC89)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは確率情報系の範囲でないと判定した場合(ステップC88;N)には、MODEはエラー/不正系の範囲であるかを判定する(ステップC90)。
MODEはエラー/不正系の範囲であると判定した場合(ステップC90;Y)には、エラー報知などの処理などを行うエラー/不正設定処理(ステップC91)を行って、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEはエラー/不正系の範囲でないと判定した場合(ステップC90;N)には、単発系コマンドとして設定され得る上述したもの以外のMODEの全てについての振り分け判定と対応する処理を行って単発系コマンド処理を終了する。
図13、図14には、遊技機の電源投入時における進行報知装置600における発光態様や、遊技盤30や前面枠12に設けられた装飾LED603の発光態様を示した。まず、図13には、遊技制御装置100のRAM111Cをクリアする処理が行われた場合の例を示した。
遊技機の電源投入(t1)に伴い各制御装置に電力が供給されると、遊技制御装置100では図5に示すメイン処理が開始され、演出制御装置300では図9に示すメイン処理が開始される。そして、演出制御装置300において特図第4図柄LED601,602の点灯を出力する処理が行われることにより、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が点灯状態となり、進行報知装置600が正常に動作するかを目視により確認することができるようになる。このとき装飾LEDは全て消灯した状態とされるので、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602のみが点灯状態した状態となり、確認作業が容易となる。
特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の点灯状態は遊技制御装置100からコマンド(ここではRAMクリアコマンド)が送信されるまで維持される。遊技制御装置100では、電源の投入後に他の制御装置のプログラムが正常に起動するのを待つための起動ウェイト時間(例えば3秒)が設定されるようになっている(ステップS6〜S11)。このため演出制御装置300へ送信するコマンドは、この起動ウェイト時間を経てから送信されるので、少なくともこの起動ウェイト時間に亘り特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の点灯状態が維持され、進行報知装置600の動作状況の確認作業に必要な時間が確保されることとなる。
そして、起動ウェイト時間が経過すると遊技制御装置100ではRAMをクリアする処理が行われ、RAMクリアコマンドを演出制御装置300に送信する(t2)。その後、必要な処理を行うことで遊技を開始可能な状態となる。演出制御装置300では、RAMクリアコマンドを受信することにより、特図第4図柄LEDの消灯を出力する処理(ステップC72)を行い、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が消灯状態となる。また、RAMクリア設定処理(ステップC74)においては、RAMクリアが行われたことを報知するために、RAMクリア報知期間(例えば30秒)に亘り装飾LED603を点滅させたり、RAMクリアが行われたことを示す音声を出力したりする処理などを行う。
RAMクリア報知期間が終了(t3)すると装飾LEDの点滅やRAMクリアを示す音声の出力が終了する。ここでは電源の投入から始動記憶が発生しておらず特図変動表示ゲームが開始されていないため、装飾LEDは客待ち状態での発光態様となる。また、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602は消灯状態(はずれ図柄表示)が維持されたままとなる。
図14(a)には、客待ち状態中に電源が遮断され、遊技制御装置100が電源遮断時にバックアップされたデータに基づき復旧する場合の例を示した。遊技機の電源投入(t11)に伴い各制御装置に電力が供給されると、図13の場合と同様に遊技制御装置100では図5に示すメイン処理が開始され、演出制御装置300では図9に示すメイン処理が開始される。そして、演出制御装置300において特図第4図柄LEDの点灯を出力する処理が行われることにより、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が点灯状態となり、進行報知装置600が正常に動作するかを目視により確認することができるようになる。このとき装飾LEDは全て消灯した状態とされるので、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602のみが点灯状態した状態となり、確認作業が容易となる。
特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の点灯状態は遊技制御装置100から客待ちデモコマンド(MODEが客待ちデモであるコマンド)が送信されるまで維持される。この場合も演出制御装置300へ送信するコマンドは、起動ウェイト時間を経てから送信されるので、少なくともこの起動ウェイト時間に亘り特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の点灯状態が維持され、進行報知装置600の動作状況の確認作業に必要な時間が確保されることとなる。
そして、起動ウェイト時間が経過すると遊技制御装置100ではバックアップされたデータに基づき復旧する処理が行われ、客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信する(t12)。その後、必要な処理を行うことで遊技を実行可能な状態となる。演出制御装置300では、客待ちデモコマンドを受信することにより、特図第4図柄LEDの消灯を出力する処理(ステップC81)を行い、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が消灯状態となる。また、客待ちデモ設定処理(ステップC83)においては、装飾LED603を客待ち状態の発光態様とする処理などを行う。この後に始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始されると、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602や装飾LED603の発光態様は、当該特図変動表示ゲームに応じた発光態様とされる。
図14(b)には、客待ち状態中でない場合に電源が遮断され、遊技制御装置100が電源遮断時にバックアップされたデータに基づき復旧する場合の例を示した。遊技機の電源投入(t21)に伴い各制御装置に電力が供給されると、図13の場合と同様に遊技制御装置100では図5に示すメイン処理が開始され、演出制御装置300では図9に示すメイン処理が開始される。そして、演出制御装置300において特図第4図柄LEDの点灯を出力する処理が行われることにより、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が点灯状態となり、進行報知装置600が正常に動作するかを目視により確認することができるようになる。このとき装飾LEDは全て消灯した状態とされるので、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602のみが点灯状態した状態となり、確認作業が容易となる。
特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の点灯状態は遊技制御装置100から停電復旧コマンド(MODEが停電復旧であるコマンド)が送信されるまで維持される。この場合も演出制御装置300へ送信するコマンドは、起動ウェイト時間を経てから送信されるので、少なくともこの起動ウェイト時間に亘り特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の点灯状態が維持され、進行報知装置600の動作状況の確認作業に必要な時間が確保されることとなる。
そして、起動ウェイト時間が経過すると遊技制御装置100ではバックアップされたデータに基づき復旧する処理が行われ、停電復旧コマンドを演出制御装置300に送信する(t22)。その後、必要な処理を行うことで電源遮断時に実行していた遊技を再開する。演出制御装置300では、停電復旧コマンドを受信することにより、特図第4図柄LEDの消灯を出力する処理(ステップC76)を行い、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が消灯状態となる。また、停電復旧設定処理(ステップC78)においては、停電復旧が行われたことを報知するために、停電復旧報知期間に亘り装飾LED603を点滅させる処理などを行う。なお、図13に示したRAMクリアを伴う場合とは、RAMクリアが行われたことを示す音声の出力の有無により区別可能である。このほかに装飾LEDの点滅態様を異なるものとすることで区別可能としても良い。
遊技制御装置100からゲーム状態に応じたコマンドを受信(t3)すると、停電復旧報知期間が終了する。停電復旧報知期間は、遊技制御装置100からゲーム状態に応じたコマンドを受信するまで継続されるものであるので、電源遮断時の状況により停電復旧報知期間の時間値は異なる。
また、停電復旧報知期間の終了後の特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602や装飾LED603の発光態様は、遊技制御装置100から受信したコマンドにより異なる。すなわち、電源遮断時の状況や電源復旧後の状況、遊技制御装置100における遊技制御の仕様などによって異なる。
例えば、遊技制御装置100における遊技制御の仕様として、演出制御装置300に対して送信するゲーム状態に応じたコマンドが、特図変動表示ゲームの開始時に送信する変動開始コマンドのみとされている場合、次の特図変動表示ゲームの開始まで演出制御装置300にはゲーム状態に応じたコマンドが送信されないこととなる。この場合の停電復旧報知期間は、次の特図変動表示ゲームの開始又は所定時間(例えば30秒)の経過の何れか早い方までとなる。
すなわち、始動記憶がある状態での特図変動表示ゲームの実行中に電源が遮断されて復旧した場合において、復旧から所定時間の経過前までに始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されれば停電復旧報知期間はそこで終了し、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602や装飾LED603の発光態様は、当該特図変動表示ゲームに対応した発光態様となる。また、所定時間の経過前までに始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されなかった場合は、所定時間の経過に伴い停電復旧報知期間は終了する。この場合は、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602は消灯状態(はずれ図柄表示)が維持されたままとなり、装飾LED603は客待ち状態での発光態様となる。
また、遊技制御装置100における遊技制御の仕様として、演出制御装置300に対して送信するゲーム状態に応じたコマンドが、特図変動表示ゲームの開始時に送信する変動開始コマンドと、変動停止時に送信する停止コマンドとされている場合は、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間の終了か、次の特図変動表示ゲームの開始まで演出制御装置300にはゲーム状態に応じたコマンドが送信されないこととなる。この場合の停電復旧報知期間は、変動時間の終了、次の特図変動表示ゲームの開始又は所定時間(例えば30秒)の経過の何れか早い方までとなる。
遊技制御装置100における遊技制御の仕様は様々なものが考えられるが、停電復旧報知期間は、コマンドの送信タイミング又は所定時間(例えば30秒)の経過の何れか早い方までとなる。そして、コマンドの受信により停電復旧報知期間が終了すれば、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602や装飾LED603の発光態様は当該コマンドに応じた発光態様とされ、所定時間の経過により停電復旧報知期間が終了すれば、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602は消灯状態が維持され、装飾LED603は客待ち状態での発光態様となる。
図15には、特図変動表示ゲームと飾り特図変動表示ゲームの実行態様を示した。始動記憶がなく特図変動表示ゲームを実行していない状態(t31)では、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲーム及び特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームとも変動表示が停止している。また、表示装置41における第1飾り特図変動表示ゲームの変動表示や、表示領域81a,81bにおける第2飾り特図変動表示ゲームの変動表示も停止している。
なお、この状態において、特図1表示器51、特図2表示器52、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602では、対応する特図変動表示ゲーム又は第2飾り特図変動表示ゲームを開始するまで、前回実行した対応する特図変動表示ゲーム又は第2飾り特図変動表示ゲームの結果態様を表示した状態が維持される。また、電源投入後に対応する特図変動表示ゲーム又は第2飾り特図変動表示ゲームを実行していない場合は、初期図柄となるはずれの結果態様が表示された状態が維持される。ここでは、はずれの結果態様が維持されている。
また、表示装置41では第1飾り特図変動表示ゲームを開始するまで前回実行した第1飾り特図変動表示ゲームの結果態様を表示した状態が維持される。また、電源投入後に第1飾り特図変動表示ゲームを実行していない場合は、初期図柄となるはずれの結果態様が表示された状態が維持される。
そして、始動入賞口36(始動口1)に遊技球が入賞すると第1特図変動表示ゲームが開始され(t32)、これに伴い対応する表示部で変動表示が開始される。すなわち、特図1表示器51では一部又は全部を点滅表示する変動表示が開始され、表示装置41では第1飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始され、特図1第4図柄LED601では点滅表示を行う第2飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始される。また、対応しない表示部である特図2表示器52や特図2第4図柄LED602では変動表示は行われず、はずれの結果態様を表示した状態が維持される。
その後、変動時間(実行時間)の終了(t33)に伴い、特図1表示器51、表示装置41及び特図1第4図柄LED601での変動表示が終了し、結果態様が表示される。ここでは結果がはずれであり、それぞれはずれの結果態様が表示される。また、対応しない表示部である特図2表示器52や特図2第4図柄LED602でははずれの結果態様を表示した状態が維持される。
次に、普通変動入賞装置37(始動口2)に遊技球が入賞すると第2特図変動表示ゲームが開始され(t34)、これに伴い対応する表示部で変動表示が開始される。すなわち、特図2表示器52では一部又は全部を点滅表示する変動表示が開始され、表示装置41では第1飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始され、特図2第4図柄LED602では点滅表示を行う第2飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始される。また、対応しない表示部である特図1表示器51や特図1第4図柄LED601では変動表示は行われず、はずれの結果態様を表示した状態が維持される。
その後、変動時間(実行時間)の終了(t35)に伴い、特図2表示器52、表示装置41及び特図2第4図柄LED602での変動表示が終了し、結果態様が表示される。ここでは結果がはずれであり、それぞれはずれの結果態様が表示される。また、対応しない表示部である特図1表示器51や特図1第4図柄LED601でははずれの結果態様を表示した状態が維持される。
このように、特図変動表示ゲームの実行中は特図1第4図柄LED601又は特図2第4図柄LED602が点滅する、つまり点灯と消灯を繰り返すように発光態様が変化するので、特図変動表示ゲームが進行しているか否かを把握可能となる。すなわち、進行報知装置を備えた表示領域81が、表示装置41とは別個に設けられ変動表示ゲームの実行期間に亘って発光態様が変化することで当該変動表示ゲームが進行しているか否かを把握可能とする進行報知部をなす。また、演出制御装置300が、進行報知部の発光態様を制御する制御手段をなす。
特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602は、特図変動表示ゲームの実行中は点滅する発光態様となっており、電源投入からコマンド受信までにおける発光態様(ここでは点灯)とは異なるものとされている。これにより、電源投入後に進行報知装置600の動作確認のために発光しているのか、第2飾り特図変動表示ゲームの実行により発光しているのかを区別でき、電源投入の際の確認のための表示領域81の発光態様を変動表示中であると誤って認識してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602での当りの結果態様を点灯としたが、この当りの結果態様についても電源投入からコマンド受信までにおける発光態様とは異なるものとしても良い。このようにすれば、電源投入後に遊技を開始可能となるまでの期間における進行報知装置600の動作確認のための発光態様と、その後に遊技を開始可能となった状態における発光態様とがまったく異なることとなり、より容易にこれらを区別することが可能となる。
すなわち、始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示装置で複数の図柄を変動表示した後に結果に対応する図柄を停止表示する変動表示ゲームを行う遊技機において、停電から復旧した際にすぐに停電発生時に表示していた図柄を表示するようにすると、当該遊技機で停電があったことを外部から確認することが困難であった。しかし上述したように、停電復旧時に進行報知装置600の発光態様を所定時間に亘って、変動表示ゲームの実行期間における進行報知部の発光態様とは異なる発光態様となるようにすることで、停電復旧した状態であることが解りやすくなるという効果を奏する。
特に停電復旧時の発光態様を特別結果の発光態様以外とすれば、特別結果態様が表示されているのに特別遊技状態とならないとった発光態様と実際の遊技状態に齟齬が生じていると遊技者が思ってしまうことを防止でき、遊技者と遊技店との間で故障ではないかという疑念によるトラブルを防止できるという効果も奏する。また、停電復旧時の発光態様を第2飾り特図変動表示ゲームでは使用されない発光態様とすることで、不正に遊技機の電源の遮断及び再投入が行われたことを遊技店の店員が目視により確認できるようになり、不正行為による被害を防止することができるという効果も奏する。
また、特図1表示器51や特図2表示器52についても電源投入から所定期間に亘り全てのLEDを点灯状態とするようにして動作の確認ができるようにしても良い。この場合に、特図変動表示ゲームの変動中や結果態様の表示として全てのLEDを点灯する発光態様を含まないようにすれば、動作確認のための発光と特図変動表示ゲームにおける発光とを容易に区別可能となる。
以上のことから、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが予め定めた結果態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、表示装置41とは別個に設けられ、変動表示ゲームの実行期間に亘って発光態様が変化することで当該変動表示ゲームが進行しているか否かを把握可能とする進行報知部(表示領域81a、表示領域81b)と、進行報知部の発光態様を制御する制御手段(演出制御装置300)と、を備え、制御手段は、当該遊技機の電源が投入されたことに対応して、進行報知部の発光態様を所定時間に亘って、変動表示ゲームの実行期間における進行報知部の発光態様とは異なる発光態様となるように制御するようにしていることとなる。
ここで進行報知部は、発光可能な部材を備えるものであればよく、LEDやランプを備えるもの、液晶やELなどで構成される点状や面状、7セグ形状、ディスプレイ形状等の発光部を備えるものなどが挙げられる。また、発光態様には点灯、消灯、点滅、発光色の変化等が含まれる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源投入時に演出制御装置300の制御によらず進行報知装置600が動作確認のために発光するようになっている。
本変形例の遊技機では、演出制御装置300や進行報知装置600、盤装飾装置46や枠装飾装置18の回路構成として図15のような回路構成を備えている。演出制御装置300には、盤装飾LED制御回路332及び枠装飾LED制御回路333をなすシリアルI/F付LEDドライバ350が備えられている。このシリアルI/F付LEDドライバ350には、クロック信号SCLを基準にしてデータ信号SDAが入力され、このデータ信号に基づき出力部OUTの制御を行うことで各LEDを制御するようになっている。また、リセット信号RESETも入力可能とされている。
演出制御装置300には、進行報知装置600と接続するためのコネクタ351と、装飾LED603を備える盤装飾装置46や枠装飾装置18と接続するためのコネクタ352が設けられ、それぞれシリアルI/F付LEDドライバ350の対応する出力部と接続されている。このコネクタ351,352に各装置のコネクタ604,605が接続されることでシリアルI/F付LEDドライバ350により各装置のLEDを制御可能となる。また、演出制御装置300のコネクタ351,352には各装置を駆動するための電力が供給されており、コネクタを接続することにより各装置に電力も供給されるようになる。
また、進行報知装置600を制御するための回路には、電源投入時に演出制御装置300の制御によらず進行報知装置600が動作確認のために発光するようにするための動作確認手段が含まれている。この動作確認手段360は、特図1第4図柄LED601が配される回路と特図2第4図柄LED602が配される回路のそれぞれにトランジスタQ1,Q2を配するとともに、トランジスタQ1,Q2をオンにするための電力(DC5V)を供給するものである。
このような動作確認手段360を備えることで、遊技機10に電源を投入することにより進行報知装置600を駆動するための電力(DC12V)が供給されるとともに、動作確認手段360に電力(DC5V)が供給されて動作確認手段360のトランジスタQ1,Q2がオンになる。これにより、シリアルI/F付LEDドライバ350を用いた制御によらずに特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が点灯状態となる。なお、所定時間の経過後に動作確認手段360への電力(DC5V)の供給が終了するようにされ、以降はシリアルI/F付LEDドライバ350により特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の発光状態が制御される。
このように、遊技機10の電源が投入された場合には、制御手段による制御を開始するよりも前に、進行報知装置600に電源を供給して特定の発光態様となるようにしたので、進行報知装置600の動作確認を迅速かつ確実に行うことができる。なお、演出制御装置300に動作確認手段360を備えたが、演出制御装置300と進行報知装置600との間で信号を中継する装飾中継装置に備えるようにしても良いし、進行報知装置600に備えるようにしても良い。また、動作確認手段360の構成は、電源投入時に演出制御装置300の制御によらず進行報知装置600が動作確認のために発光するようにするものであればどのようなものであっても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき表示装置41で複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが予め定めた結果態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、表示装置41とは別個に設けられ、変動表示ゲームの実行期間に亘って発光態様が変化することで当該変動表示ゲームが進行しているか否かを把握可能とする進行報知部(表示領域81a、表示領域81b)と、進行報知部の発光態様を制御する制御手段(演出制御装置300)と、を備え、当該遊技機の電源が投入された場合には、制御手段による制御を開始するよりも前に、進行報知部に電源を供給して特定の発光態様となるようにし、制御手段は、変動表示ゲームの実行期間における進行報知部の発光態様を、特定の発光態様とは異なる発光態様となるように制御するようにしていることとなる。
ここで進行報知部は、発光可能な部材を備えるものであればよく、LEDやランプを備えるもの、液晶やELなどで構成される点状や面状、7セグ形状、ディスプレイ形状等の発光部を備えるものなどが挙げられる。また、発光態様には点灯、消灯、点滅、発光色の変化等が含まれる。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、発光部をなす特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の構成が異なる。
本変形例の特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602は、複数の異なる発光色の発光体610が近接して設けられて各発光体の発光色以外の色彩の生成が可能とされている。ここでは、赤、青、緑の発光体を備え、各発光体の発光態様を制御することで様々な発光色を生成可能ないわゆるフルカラーLEDを用いている。
また、表示領域81aは二つの発光領域に分かれており、各発光領域に特図1第4図柄LED601が備えられ、それぞれ独立して発光態様を制御できるようにされている。表示領域81bも二つの発光領域に分かれており、各発光領域に特図2第4図柄LED602が備えられ、それぞれ独立して発光態様を制御できるようにされている。これらの表示領域81a、81bでは、対応する特図変動表示ゲームの変動表示中は点滅したり順次発光色を変化させたりするなど発光態様を変化させることで変動表示中であることを報知するように制御される。そして、変動時間が終了すると、特図変動表示ゲームの結果態様に応じた発光態様となるように制御される。
ここでは表示装置41の表示と表示領域81a又は81bでの発光態様により一の飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっており、表示装置41に表示される特別図柄(識別情報)と、表示領域81a又は81bでの発光態様との組み合わせにより飾り特図変動表示ゲームの結果態様(特図変動表示ゲームの結果態様)を表示するようになっている。すなわち、表示領域81a及び表示領域81bが、発光態様により変動表示ゲームの結果態様を表示する報知部をなす。また、演出制御装置300が、報知部の発光態様を制御する制御手段をなす。
図17には結果態様の表示例を示した。なお、表示領域81aにおける二つの発光領域のうち、一方の発光領域を特図1第4図柄上とし、他方の発光領域を特図1第4図柄下とする。また、表示領域81bにおける二つの発光領域のうち、一方の発光領域を特図2第4図柄上とし、他方の発光領域を特図2第4図柄下とする。
特図変動表示ゲームの結果には、特別遊技状態を発生しないはずれと、特別遊技状態を発生する大当りとがある。大当りには、特別遊技状態でのラウンド数がそれぞれ16、15、10ラウンドで、特別遊技状態の終了後に次回の大当りまで確変状態となる大当りである16R確変、15R確変、10R確変と、特別遊技状態でのラウンド数が10ラウンドで、特別遊技状態の終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる大当りである10R通常がある。
そして、これらの結果に応じてそれぞれ異なるように、特別図柄と発光領域での発光態様の組み合わせからなる結果態様が設定されている。さらに、一の結果に対して複数の結果態様が対応する場合もあり、10R確変では当初から確変状態となることを報知するか否かにより結果態様も異なっている。このように結果態様の表示のバリエーションを多彩なものとすることで、遊技者が結果を容易に識別できないようにし、遊技の興趣を向上するようにしている。
例えば、第1特図変動表示ゲームで結果がはずれである場合は、表示装置41での左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)の組み合わせが、ぞろ目以外の表示であるはずれ出目となり、特図1第4図柄上及び特図1第4図柄下は消灯した状態となる。また、16R確変である場合は、表示装置41の各変動表示領域の組み合わせが「333」又は「777」となり、特図1第4図柄上及び特図1第4図柄下は赤色で点灯した状態となる。
また、15R確変である場合は、表示装置41の各変動表示領域の組み合わせが「111」、「555」又は「999」となり、特図1第4図柄上及び特図1第4図柄下は、両方とも赤色、両方とも緑色又は両方とも青色で点灯した状態となる。図17に示す結果態様においては、はずれの場合には発光領域が消灯し、大当りの場合には発光領域が点灯するように制御される。よって、特図1第4図柄LED601や特図2第4図柄LED602が故障して点灯しなくなった場合でも、遊技者に誤って有利な状態であることを報知してしまうことを防止できる。
ここで、結果態様の表示において、特図1第4図柄上、特図1第4図柄下、特図2第4図柄上及び特図2第4図柄下では、特図1第4図柄LED601や特図2第4図柄LED602において異なる発光色の発光体610を同時に発光させないようにしている。すなわち、各発光領域の発光態様は、赤、青、緑又は消灯の何れかとなるようにされている。
複数の発光体610の発光により生成される発光色を結果態様の表示として用いると、一つの発光体610が故障しても予定していた発光色とは異なる発光色で発光することとなるため、工場出荷時の検査では各結果態様について発光色までも確認することが必要となり、検査を効率良く行うことができないという問題が生じる。しかし、一の発光体において異なる発光色の発光体610を同時に発光させないようにすることで、工場出荷時の検査において大当りを発生させた場合には、発光領域が点灯するか否かさえ確認すれば良くなるので故障の発見が容易となり、工場出荷時の検査を効率良く行うことができるようになる。
また、本変形例の遊技機において、第1変形例と同様に電源投入時には演出制御装置300の制御によらず進行報知装置600が動作確認のために発光するようにしても良い。この場合には、演出制御装置300や進行報知装置600の回路構成として図18のような回路構成を備えるようにする。
すなわち、進行報知装置600を制御するための回路に、電源投入時に演出制御装置300の制御によらず進行報知装置600が動作確認のために発光するようにするための動作確認手段360を含むようにする。この動作確認手段360は、特図1第4図柄LED601が配される回路と特図2第4図柄LED602が配される回路のそれぞれにトランジスタQ1〜Q6を配するとともに、トランジスタQ1〜Q6をオンにするための電力(DC5V)を供給するものである。
このような動作確認手段360を備えることで、遊技機10に電源を投入することにより進行報知装置600を駆動するための電力(DC12V)が供給されるとともに、動作確認手段360に電力(DC5V)が供給されて動作確認手段360のトランジスタQ1〜Q6がオンになる。これにより、シリアルI/F付LEDドライバ350を用いた制御によらずに特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602が点灯状態となる。なお、所定時間の経過後に動作確認手段360への電力(DC5V)の供給が終了するようにされ、以降はシリアルI/F付LEDドライバ350により特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602の発光状態が制御される。
ここでは特図1第4図柄LED601と特図2第4図柄LED602を一つずつとして示しているが、実際には各発光領域に対応してそれぞれ二つずつ設けられており、それぞれについて動作確認手段360が設けられている。ただし、起動中であることを報知することを目的として点灯させる場合には、少なくとも一つのLEDが点灯するようにすれば良い。また、特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602を、保護用ダイオードを内蔵したタイプで図示したが外付けタイプの構成にしてもよい。
なお、本変形例の遊技機では、電源の投入時に特図1第4図柄LED601及び特図2第4図柄LED602を、上記の動作確認手段360を備えずに演出制御装置300の制御により又は動作確認手段360により点灯する場合、赤、青、緑の全ての発光体610が点灯し、白色の発光色となるようにされている。これにより、発光体610が故障して点灯しない場合には白色以外の発光色となるので容易に故障を発見することが可能となる。
また、電源の投入時に、演出制御装置300の制御により又は動作確認手段360により点灯状態とされる場合の発光色(ここでは白色)は、特図変動表示ゲームの変動表示中や結果態様の表示中及び客待ち状態などの遊技中には使用されない発光色とされている。これにより、電源投入の際の確認のための発光を遊技によるものと誤って認識してしまうことを防止することができる。また、遊技が可能であるか否かを判別することも可能となる。
また、電源の投入時に、演出制御装置300の制御により又は動作確認手段360により特定の発光色の発光体610のみを発光させるように構成すれば白色以外の発光色とすることも可能である。特に動作確認手段360によらず演出制御装置300の制御により電源投入時の確認発光を行うようにする場合は、任意の発光色にすることも可能である。
また、本変形例では、赤、青、緑の発光体610を備えたフルカラーLEDを用いたが、複数の異なる発光色の発光体610が近接して設けられて各発光体610の発光色以外の色彩の生成が可能なものであれば良く、異なる発光色の発光体610が二種類のものや4種類以上のものでも良い。
また、表示装置41に表示される特別図柄と、表示領域81a又は81bでの発光態様との組み合わせにより飾り特図変動表示ゲームの結果態様(特図変動表示ゲームの結果態様)を表示するようにしたが、表示装置41とは独立して表示領域81a又は81bの発光態様のみで結果態様を表示できるものとしても良い。さらに、表示装置41を備えずに表示領域81a又は81bでの発光態様で結果態様を表示できるものとしても良い。また、表示領域81a又は81bの構造も、LEDやランプを備えるもののほか、液晶やELなどで構成される点状や面状、7セグ形状、ディスプレイ形状などのものとしても良い。また、発光態様には点灯、消灯、点滅、発光色の変化等が含まれる。
以上のことから、始動条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果態様が予め定めた結果態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、発光態様により変動表示ゲームの結果態様を表示する報知部(表示領域81a、表示領域81b)と、報知部の発光態様を制御する制御手段(演出制御装置300)と、を備え、報知部は、複数の異なる発光色の発光体610が近接して設けられて各発光体610の発光色以外の色彩の生成が可能な発光部(特図1第4図柄LED601、特図2第4図柄LED602)を有し、制御手段は、結果態様の種類に応じて異なる発光態様となるように制御し、結果態様を表示する際には、一の発光部において異なる発光色の発光体を同時に発光させないように制御するようにしたこととなる。したがって、工場出荷時の検査の際には発光部が点灯するか否かさえ確認すれば良くなるので、工場出荷時の検査を効率良く行うことができる。
ここで発光部は、LEDやランプを備えるもの、液晶やELなどで構成される点状や面状、7セグ形状、ディスプレイ形状などが挙げられる。また、発光態様には点灯、消灯、点滅、発光色の変化等が含まれる。
また、変動表示ゲームは、報知部(表示領域81a、表示領域81b)とは別個の表示装置41における複数の識別情報の表示と、報知部での発光態様との組み合わせにより結果態様が表示されるように構成され、制御手段(演出制御装置300)は、結果態様の種類に応じて複数の識別情報と発光部の発光態様との組み合わせが異なるように発光部の発光態様を制御するようにしたこととなる。したがって、複数の識別情報と発光部の発光態様との組み合わせにより結果態様が表示されるので、結果態様の表示のバリエーションを多彩なものとすることができる。
また、制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの実行期間に亘って報知部(表示領域81a、表示領域81b)の発光態様を変化させることで当該変動表示ゲームが進行しているか否かを把握可能とし、予め定められた結果態様以外の結果態様を表示する場合には、発光部が消灯となるように制御し、予め定められた結果態様を表示する場合には、発光体610の発光色のうちのいずれかの色彩となるように制御するようにしたこととなる。したがって、報知部の発光態様により変動表示ゲームの進行を確認することができる。また、予め定められた結果態様以外の結果態様の場合には消灯し、予め定められた結果態様の場合には点灯するようにしたので、発光体が故障して点灯しなくなった場合に、遊技者に誤って有利な状態であることを報知してしまうことを防止できる。
また、制御手段(演出制御装置300)は、当該遊技機の電源が投入されたことに対応して、発光部(表示領域81a、表示領域81b)の発光態様を所定期間に亘って、変動表示ゲームの実行期間における発光部の発光態様とは異なる発光態様となるように制御するようにしたこととなる。したがって、電源投入の際の確認のための報知部の発光態様を変動表示ゲームによるものと誤って認識してしまうことを防止することができる。
また、制御手段(演出制御装置300)は、所定期間における発光部(表示領域81a、表示領域81b)の発光態様が、遊技中に発光部で使用されない発光態様となるように制御するようにしたこととなる。したがって、電源投入の際の確認のための報知部の発光態様を遊技によるものと誤って認識してしまうことを防止することができる。また、遊技が可能であるか否かを判別することも可能となる。
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、進行報知装置600の機能を表示装置41が担うようにしている。すなわち、第1特図変動表示ゲームに対応した第2飾り特図変動表示ゲームを表示する表示領域81aと、第2特図変動表示ゲームに対応した第2飾り特図変動表示ゲームを表示する表示領域81bを備える第4表示領域81を、表示装置41における表示部の一部に備えている。
この第3変形例以降は、特図変動表示ゲームを表示する特図1表示器51及び特図2表示器52、第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80c、第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81についての、停電復旧時における表示態様の例を示すものである。
そして、上述した実施形態や第1及び第2変形例と、第3変形例以降の各変形例の構成は組み合わせることが可能である。この組み合わせとしては、進行報知装置600を備える上述した実施形態の構成を主として、第3変形例以降の各変形例における第4表示領域81の表示態様を、進行報知装置600における発光態様として適用可能である。また、進行報知装置600を備えない第3変形例以降の各変形例の構成を主として、上述の実施形態における電源投入時の進行報知装置600での発光態様である、所定時間に亘って変動表示ゲームの実行期間における発光態様とは異なる発光態様となるようにすることを、第3変形例以降の各変形例の第4表示領域81の表示態様として適用可能である。
まず、特図変動表示ゲームに応じた特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41での表示について説明する。特図1表示器51及び特図2表示器52での表示の制御は、主に図8に示した特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA17、A19)で行われる。この処理では、特図変動表示ゲームが変動中である場合は点滅表示を行い、変動中でない場合には前の特図変動表示ゲームの結果に対応した図柄である結果態様を表示した状態を維持するように制御する。表示する結果態様の種類は、RAM111Cの停止図柄番号領域に記憶された値に基づき設定されるようになっている。この停止図柄番号領域の値の設定は、特図普段処理(ステップA9)における特図1停止図柄設定処理や特図2停止図柄設定処理で、特図変動表示ゲームの結果に基づき設定される。
図19には、特図1表示器51や特図2表示器52に表示される結果態様の例を示した。図19(a)に示す結果態様は、はずれ結果に対応した結果態様であるはずれ結果態様であり、図19(b)に示す結果態様は特別結果に対応した結果態様である特別結果態様である。図19(b)に示す特別結果態様は、図19(a)に示すはずれ結果態様以外の結果態様であれば良い。
図20には、第2特図変動表示ゲームが変動中である場合の表示態様の一例を示した。この場合は、図20(a)に示す状態と図20(b)に示す状態とを交互に繰り返す表示が行われる。第1特図変動表示ゲームを表示する特図1表示器51では、第1特図変動表示ゲームが実行されていないので前回の第1特図変動表示ゲームの結果に対応した結果態様を表示した状態が維持されるようになっており、ここでは特結果態様が表示されている。また、第2特図変動表示ゲームを表示する特図2表示器52では、第2特図変動表示ゲームが変動中であるので、中央のセグメントの点灯と消灯を繰り返す点滅表示が行われる。ここでは、はずれ結果態様の点灯と全セグメントの消灯が繰り返されるようになっている。なお、変動中では、はずれ結果態様や特別結果態様を順次表示するようにしても良い。
図21には、表示装置41での表示の例を示した図21(a)に示すように、表示装置41の中央部分には特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームとして第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cが設定されている。また表示装置41の左上部には、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームとして第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81が設定されている。また、表示装置41の下部には、第1始動記憶の数や先読み情報などの情報を表示する第1飾り特図始動記憶表示82aと、第2始動記憶の数や先読み情報などの情報を表示する第2飾り特図始動記憶表示82bが表示される。
左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cを用いて行われる第1飾り特図変動表示ゲームは、数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を各変動表示領域のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域80a、右変動表示領域80c、中変動表示領域80bの順に順次停止させて、左変動表示領域80a、中変動表示領域80b、右変動表示領域80cの各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。この第1飾り特図変動表示ゲームでは、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを同じ表示領域80a,80b,80cを用いて実行する。
第4表示領域81には、第1特図変動表示ゲームに対応した第2飾り特図変動表示ゲームを表示する表示領域81aと、第2特図変動表示ゲームに対応した第2飾り特図変動表示ゲームを表示する表示領域81bとが設定されている。この第4表示領域81を用いて行われる第2飾り特図変動表示ゲームでは、図21(b)に示すように、はずれ結果態様と、確変大当りの結果態様と、通常大当りの結果態様が設定された第4図柄を用いる。そして、変動中はこれらを順次表示する変動表示を行い、特図変動表示ゲームの終了に伴い対応する結果態様を表示する。また、第2飾り特図変動表示ゲームを実行していない表示領域81では、当該表示領域81で行われた前回の第2飾り特図変動表示ゲームの結果に対応した結果態様を表示した状態が維持されるようになっている。
図22には、飾り特図変動表示ゲームの表示態様の一例を示した。図22(a)に示す状態は、第1特図変動表示ゲームで確変大当りの特別結果態様が導出された状態である。第1飾り特図変動表示ゲームでは、左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cのそれぞれに同じ識別情報が表示された特別結果態様が表示される。また、識別情報が「7」であることで確変大当りであることを示している。第2飾り特図変動表示ゲームでは、第1特図変動表示ゲームに対応する表示領域81aに確変大当りに対応した結果態様が表示されている。なお、第2特図変動表示ゲームに対応する表示領域81bでは、前回の第2特図変動表示ゲームの結果であるはずれ結果に対応した結果態様を表示した状態が維持されている。また、第1飾り特図始動記憶表示82aでは第1始動記憶が一つあることが報知され、第2飾り特図始動記憶表示82bでは第2始動記憶が一つあることが報知されている。
そして、第2特図変動表示ゲームが開始されると、図22(b)に示すように第1飾り特図変動表示ゲームでは、左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cのそれぞれで識別情報を変動する変動表示が行われる。また、第2飾り特図変動表示ゲームでは、第2特図変動表示ゲームに対応する表示領域81bで識別情報を変動する変動表示が行われる。このとき、第1特図変動表示ゲームに対応する表示領域81aでは、前回の第1特図変動表示ゲームの結果を表示した状態が維持される。また、第2飾り特図始動記憶表示82bでは第2始動記憶が消化されて0になったことが報知されている。
その後、図22(c)に示すように第2飾り特図変動表示ゲームでの変動表示が終了して結果態様が表示される。ここでは第2特図変動表示ゲームの結果ははずれであり、第1飾り特図変動表示ゲームでは、左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cの識別情報がぞろ目とならないはずれの結果態様が表示される。また、第2飾り特図変動表示ゲームでは、第2特図変動表示ゲームに対応する表示領域81bにはずれの結果に対応したはずれ結果態様が停止表示される。
次に、停電が発生して復旧した場合の特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41の表示について説明する。停電が発生した場合には、バックアップ電源部420から電力が供給されることによりRAM111Cの情報はバックアップされるようになっており、このバックアップされる情報には上述の停止図柄番号領域の値も含まれている。すなわち、遊技制御装置100が、停電発生時にも、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)による第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームに関する制御情報を記憶保持可能な記憶保持手段(バックアップ手段)をなし、記憶保持手段は、制御情報としてゲーム表示制御手段が表示中の結果態様(停止図柄番号領域の値)を少なくとも記憶保持するようにしていることとなる。そして、停電から復旧した場合には、ステップS29〜S30の処理により、バックアップされていた停止図柄番号領域の値が初期図柄の値とされることにより特図1表示器51及び特図2表示器52に初期図柄が表示されることとなる。
図23には、停電発生時の特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41の表示態様の例を示した。この例では、図23(a)に示すように第2特図変動表示ゲームが実行されている状態で停電が発生している。停電状態では、バックアップ電源部420から電力が供給されることによりRAM111Cの情報はバックアップされるようになっているが、図23(b)に示すように特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41の表示は消えた状態となる。
その後、停電状態から復旧すると、図23(c)に示すように特図1表示器51及び特図2表示器52に初期図柄が表示される。ここでの初期図柄ははずれ結果に対応した図柄とされている。この初期図柄についてはどのような図柄であってもよいが、特別結果態様でない図柄とすることが望ましい。また、特図変動表示ゲームでは用いられない図柄を表示することで停電復旧した状態であることを明確に示すようにしても良い。また、初期図柄を初期化の有無(RAMクリアの有無)により異ならせるようにしても良い。このようにすれば停電の復旧の他、RAMクリアの有無も報知できる。
また、表示装置41の表示は演出制御装置300により制御されるようになっているが、演出制御装置300は停電発生時にバックアップが行われないため、停電復旧時には図88や図89に示すように初期化が行われる。これにより、第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cや、第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81には、予め定められた初期図柄が停電復旧時に表示されることとなる。ここでは初期図柄としてはずれ結果に対応する図柄が表示されるようになっている。この初期図柄についてもどのような図柄であってもよいが、特別結果態様でない図柄とすることが望ましい。また、特図変動表示ゲームの結果を表示するものとしては用いられない図柄を表示することで停電復旧した状態であることを示すようにしても良い。
この第4表示領域81における初期図柄の表示は、図9に示す特図第4図柄LEDの点灯を出力する処理(ステップC3)を、初期図柄を表示する処理として置き換えることで行うことができる。また、図12における特図第4図柄LEDの消灯を出力する処理(ステップC72、C76,C81)を、初期図柄の表示を終了する処理として置き換えることで、初期図柄が所定期間に限り表示されるようになる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームを変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52)に複数の識別図柄を用いて表示するゲーム表示制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、ゲーム表示制御手段は、停電復旧時に変動表示装置に予め定められた初期図柄を表示するようにしていることとなる。
また、遊技に関する表示を行う表示装置41と、変動表示ゲームに対応した飾り変動表示ゲームを表示装置41に複数の識別図柄を用いて表示する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、停電復旧時に表示装置41に予め定められた初期図柄を表示するようにしていることとなる。
始動口への遊技球の入賞に基づき、変動表示装置で複数の図柄を変動表示した後に結果に対応する図柄を停止表示する変動表示ゲームを行う遊技機が知られているが、停電から復旧した際に停電発生時に表示していた図柄を表示するようにすると、当該遊技機で停電があったことを外部から確認することが困難であった。しかし、停電復旧時に初期図柄を表示するようにしたことで、停電復旧した状態であることが解りやすくなる。特に初期図柄を特別結果態様以外とすれば、特別結果態様が表示されているのに特別遊技状態とならないとった表示された図柄と実際の遊技状態に齟齬が生じていると遊技者が思ってしまうことを防止でき、遊技者と遊技店との間で故障ではないかという疑念によるトラブルを防止できるという効果を奏する。また、初期図柄を特図変動表示ゲームでは使用されない図柄とすることで、不正に遊技機の電源の遮断及び再投入が行われたことを遊技店の店員が目視により確認できるようになり、不正行為による被害を防止することができるという効果も奏する。
次に、演出ボタン25や初期化スイッチの操作に基づく信号を出力するための回路構成について説明する。図24には初期化スイッチを除くスイッチであって例えば演出ボタン25など遊技に使用される遊技用スイッチの場合の回路構成を示し、図25には初期化スイッチの場合の回路構成を示した。図24に示す回路構成に対して図25に示す回路構成は、R2を備えるグランドへの接続線を備えていない。
図24、図25に示す回路構成では何れも、スイッチSWが操作されてONとされることでコンデンサCが充電される。コンデンサCの充電が完了するとトランジスタTrがONとなり、所定の電圧レベルの信号がCPUに対して出力される。その後、スイッチSWの操作が解除されてOFFとされるとコンデンサCからの放電が開始される。コンデンサCからの放電が継続している期間はトランジスタTrがONのままとなり、CPUに対する信号の出力は継続される。そして、コンデンサCからの放電が終了するとトランジスタTrがOFFとなり、CPUに対する信号の出力が停止する。
すなわち、図24に示す回路構成においては、スイッチSWが遊技用スイッチをなす。また、コンデンサCを備える部分が、遊技に使用される遊技用スイッチが操作されたことに対応して電荷を充電し、遊技用スイッチの操作が解除されたことに対応して充電した電荷を放電する第1充放電回路をなす。さらに、トランジスタTrを含み、トランジスタTrがONとなることでCPUに対して信号を出力する部分が、第1充放電回路を経て入力される信号を、遊技用スイッチ操作信号として所定の電圧レベルで出力する第1ドライバ回路をなす。
また、図25に示す回路構成においては、スイッチSWが初期化スイッチをなす。また、コンデンサCを備える部分が、RAMを初期化するためのRAM初期化スイッチが操作されたことに対応して電荷を充電し、RAM初期化スイッチの操作が解除されたことに対応して充電した電荷を放電する第2充放電回路をなす。さらに、トランジスタTrを含み、トランジスタTrがONとなることでCPUに対して信号を出力する部分が、第2充放電回路を経て入力される信号を、RAM初期化信号として所定の電圧レベルで出力する第2ドライバ回路をなす。
図26には、スイッチSWの操作と、トランジスタTrへの入力及びCPUに対する出力のタイミングチャートを示した。図26(a)は図24に示す回路構成におけるタイミングチャートであり、図26(b)は図25に示す回路構成におけるタイミングチャートである。
何れの回路構成においても、スイッチSWが操作されてONとされ(t1)、その後、コンデンサCの充電が完了する(t2)と、トランジスタTrのベースへの入力がONとなり、所定の電圧レベルの信号のCPUに対する出力が開始される(t2)。コンデンサCが充電されるまでの時間(t1からt2)は何れも同じ時間である。そして、スイッチSWの操作が解除されてOFFとされても(t3)、コンデンサCからの放電が終了するまで(t4)は、トランジスタTrのベースへの入力がONのままとなり、所定の電圧レベルの信号のCPUに対する出力が継続される(t3からt4)。
ここで、図24に示す回路構成では、コンデンサCからの放電経路に、抵抗R1及び抵抗R2を介する経路と、トランジスタTrを介する経路とがあり、コンデンサCの放電期間(図26(a)のT2)は、それほど長くはない。これにより、スイッチの操作に機敏に対応した信号の出力が可能となる。
これに対して図25に示す回路構成では、スイッチSWとコンデンサCを備えた充放電回路との間にはグランドに接続する接続線を設けていないので、コンデンサCからの放電経路はトランジスタTrを介する経路のみである。よって、スイッチSWの操作が解除されてOFFとなった後にCPUに対する信号の出力が維持される期間(図26(b)のT2)は、図24に示す回路構成に比べて長い。これにより、遊技機の電源投入時に初期化スイッチを操作すれば、図5に示すメイン処理における第1入力ポート122の状態を読み込む処理(ステップS4)を行うまでは確実に初期化スイッチの操作に対応する信号が出力されるようになり、RAM初期化スイッチを操作したにも拘わらずにRAMの初期化が行われないなどの不具合を防止できる。
以上のことから、RAM111Cを初期化するためのRAM初期化スイッチが操作されたことに対応して電荷を充電し、RAM初期化スイッチの操作が解除されたことに対応して充電した電荷を放電する充放電回路と、充放電回路を経て入力される信号を、RAM初期化信号として所定の電圧レベルで出力するドライバ回路と、備え、RAM初期化スイッチと充放電回路との間には、グランドに接続する接続線を設けないようにし、RAM初期化スイッチの操作が解除された場合に、充放電回路に充電された電荷を放電することによりRAM初期化信号を所定期間に亘って継続して出力するようにしていることとなる。
また、遊技に使用される遊技用スイッチ(演出ボタン25)が操作されたことに対応して電荷を充電し、遊技用スイッチの操作が解除されたことに対応して充電した電荷を放電する第1充放電回路と、第1充放電回路を経て入力される信号を、遊技用スイッチ操作信号として所定の電圧レベルで出力する第1ドライバ回路と、RAM111Cを初期化するためのRAM初期化スイッチが操作されたことに対応して電荷を充電し、RAM初期化スイッチの操作が解除されたことに対応して充電した電荷を放電する第2充放電回路と、第2充放電回路を経て入力される信号を、RAM初期化信号として所定の電圧レベルで出力する第2ドライバ回路と、備え、遊技用スイッチと第1充放電回路との間にはグランドに接続する接続線を設ける一方で、RAM初期化スイッチと第2充放電回路との間にはグランドに接続する接続線を設けないようにしていることとなる。
なお、スイッチSWの操作が解除されてOFFとなった後にCPUに対する信号の出力が維持される期間(図26(b)のT2)を十分長くできる構成とした場合には、図5に示すメイン処理において、第1入力ポート122の状態を読み込む処理(ステップS4)を行わずに、初期化スイッチがオンにされたかの判定(ステップS15)で第1入力ポート122の状態を読み込むようにしても良い。この場合、電源の投入直後に初期化スイッチを操作したとしても、電源投入ディレイタイマによる遅延時間を経て初期化スイッチがオンにされたかの判定(ステップS15)を過ぎるまで充放電回路からの放電により初期化信号の出力が継続されるように充放電回路を構成するようにする。
また、図24に示す遊技用スイッチの回路構成においては、充放電回路を備えなくとも良い。また、初期化スイッチを電源装置400に設けるとしたが、遊技制御装置100に設けても良いし、遊技機10におけるこれ以外の場所に設けるようにしても良い。
〔第4変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、所定時間に亘り初期化スイッチがONである場合に初期化処理を行うようにしている。
〔メイン処理〕
本変形例の遊技機では、図5の処理に替えて図27に示す処理を行う。この処理では、第1入力ポート122の状態を読み込む処理(ステップS4)を行わず、初期化スイッチがオンにされたかの判定(ステップS15)で第1入力ポート122の状態を読み込むようにしている。
また、初期化スイッチ(初期化信号)がオンである場合(ステップS15;Y)には、初期化信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(ここでは256回)を設定して、当該回数に亘り連続して初期化信号がオンであるかの判定を行う(ステップS911)。そして、256回の読み込みに亘り連続して初期化信号がオンであった場合(ステップS911;Y)は、ステップS25以降の初期化の処理を行う。また、当初から初期化スイッチ(初期化信号)がオフである場合や、256回の読み込みに亘り連続して初期化信号がオンとならなかった場合(ステップS15;N)は、ステップS16以降の処理を行う。
なお、本変形例では、電源の投入直後に初期化スイッチを操作したとしても、少なくとも初期化信号をポート及びデータバスを介して読み込んで複数回チェックする処理(ステップS911)において当該複数回オンであると判定するまでの期間を過ぎるまで充放電回路からの放電により初期化信号の出力が継続されるよう充放電回路を構成するようにする。これにより、初期化スイッチ(初期化信号)の状態を長期間にわたって監視することができるようになり、信号線へのノイズ等により誤ってRAMを初期化してしまうことを防止することができる。
〔第5変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態又は第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、停電復旧時に特図1表示器51及び特図2表示器52に所定期間に亘り初期図柄を表示した後、停電発生前の図柄を表示するようにしている。
図28には、停電発生時の特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41の表示態様の例を示した。図28(a)から(c)は図23(a)から(c)と同様である。そして、初期図柄の表示から所定期間が経過すると、図28(d)に示すように特図1表示器51及び特図2表示器52に停電発生時に表示されていた結果態様が再度表示される。この所定期間としては、特図変動表示ゲームが開始されるまでや所定の時間などが挙げられる。上述した実施形態のように、電源投入からコマンドを送信するまでの期間としても良い。
ここで、停電発生時に変動中でない特図変動表示ゲームに対応する特図表示器である特図1表示器51では、停電発生前に表示されていた結果態様が再度表示される。また、停電発生時に変動中であった特図変動表示ゲームに対応する特図表示器である特図2表示器52では変動中の態様が表示される。なお、停電発生時に変動中であった特図変動表示ゲームについては、変動中であった特図変動表示ゲームの結果態様を停電復旧時に表示するようにしても良い。また、特図変動表示ゲームを実行していない客待ち状態であった場合に停電が発生した場合は、所定期間の経過後に特図1表示器51及び特図2表示器52に停電発生前に表示されていた結果態様が再度表示される。これにより、停電の発生を容易に確認できるとともに、停電発生前の状態に戻ったことも確認できるようになる。また、初期図柄を特図変動表示ゲームでは使用されない図柄とし、これが所定期間に亘り表示されることで、不正に遊技機の電源の遮断及び再投入が行われたことを遊技店の店員が目視により確認しやすくなり、不正行為による被害を防止することができるという効果も奏する。
このような構成とするため本変形例の遊技機では、RAM111Cに停止図柄番号領域の値を退避しておく退避領域を設け、通常の遊技中は停止図柄番号領域と退避領域に同じ値を記憶するようにするとともに、停電発生時には両領域の値がバックアップされるようにする。停電復旧時にはステップS29〜S31の処理により停止図柄番号領域の値が初期図柄の値とされることで特図表示器51,52に初期図柄が表示されるが、このとき退避領域の値は停電発生時の値のままとされる。
〔図柄変動表示処理〕
さらに本変形例の遊技機では、図8に示した特図ゲーム処理における図柄変動処理として図29に示す図柄変動処理を行う。この図柄変動表示処理では、初期図柄を表示する所定期間中であるかを判定し(ステップA951)、所定期間中である場合(ステップA951;Y)はステップA281〜A291の処理を行わない。これにより、所定期間が経過するまでは初期図柄が表示された状態が維持されるようになる。
また、所定期間中でない場合(ステップA951;N)は、所定期間の終了タイミングであるかを判定する(ステップA952)。所定期間の終了タイミングとは、対象の図柄(特図1又は特図2)について所定期間が終了した後に最初に図柄変動表示処理を行った場合である。この所定期間の終了タイミングである場合は(ステップA952;Y)、退避領域の値を停止図柄番号領域に設定し(ステップA953)、ステップA281〜A291の処理を行う。すなわち、所定期間が終了した際には特図1及び特図2のそれぞれについて、停電発生前の結果態様を表示するための処理であるステップA953の処理が行われ、これにより所定期間の経過に伴い停電発生前の結果態様を表示可能となる。
なお、図29の図柄変動制御処理では、変動表示の停止表示中か否かに関係なく、所定期間が経過するまでは初期図柄を表示するようにしたが、変動表示の停止表示中である特図表示器についてのみ初期図柄を表示するようにしてもよい。すなわち、停電復旧後に特図変動表示ゲームを再開又は開始した場合であっても、所定期間が経過するまでは当該特図変動表示ゲームを表示する特図表示器でも初期図柄を表示するとしているが、実行している特図変動表示ゲームを表示する特図表示器では変動表示を行い、他方の実行していない特図変動表示ゲームを表示する特図表示器においては初期図柄を表示するようにしても良い。
以上のことから、始動口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、変動表示装置として、第1変動表示装置(特図1表示器51)と、第2変動表示装置(特図2表示器52)とを備え、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行するように構成され、ゲーム表示制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動表示ゲームを第1変動表示装置に複数の識別図柄を用いて表示し、第2変動表示ゲームを第2変動表示装置に複数の識別図柄を用いて表示し、第1変動表示ゲームの結果に対応した表示である結果態様を表示してから次の第1変動表示ゲームが開始されるまでの間は第1変動表示装置に当該結果態様を表示した状態を維持し、第2変動表示ゲームの結果に対応した表示である結果態様を表示してから次の第2変動表示ゲームが開始されるまでの間は2変動表示装置に当該結果態様を表示した状態を維持するように構成され、停電発生時にバックアップを行うバックアップ手段(遊技制御装置100)を備え、バックアップ手段は、ゲーム表示制御手段が表示中の結果態様を少なくともバックアップし、ゲーム表示制御手段は、停電復旧時には、初期図柄を所定期間に亘り表示した後、バックアップ手段がバックアップした情報に基づき停電発生時に表示されていた結果態様を表示するようにしていることとなる。
〔第6変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態又は第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、表示装置41で表示される飾り特図変動表示ゲームについて停電発生時に表示されていた結果態様を停電復旧時に表示するようになっている。
本変形例の遊技機では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を送信する処理(ステップS24)において、停電復旧時のコマンドと、停止図柄番号領域の値の情報を含む図柄系コマンドを送信するようにする。なお、ステップS24の処理は、ステップS29、S30の処理より前に行われるので、停止図柄番号領域の値は停電発生時の値のままである。
また、演出制御装置300では、図柄系コマンドに含まれた停止図柄番号領域の値の情報に基づき各表示領域80a,80b,80c,81の表示を設定する。これにより、遊技制御装置100でバックアップされていた情報に基づき、各表示領域80a,80b,80c,81に停電発生前に表示されていた結果態様が再度表示されることとなる。これにより、停電の発生前後で同じ結果態様が表示されるので、停電発生前の状態に正しく復帰したのかが確認しやすくなる。
以上のことから、遊技に関する表示を行う表示装置41と、変動表示ゲームに対応した飾り変動表示ゲームを表示装置41に表示する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、飾り変動表示ゲームとして、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち実行中の変動表示ゲームに対応して、複数の表示領域(左変動表示領域80a、中変動表示領域80b、右変動表示領域80c)の各々で複数の識別情報を変動表示した後に一の識別情報を停止表示し、複数の表示領域に停止表示された識別情報の組合せにより結果態様を構成する第1飾り変動表示ゲームと、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのそれぞれに対応した単一の表示領域(第4表示領域81)を用い、当該単一の表示領域で複数の識別情報を変動表示した後に一の識別情報を停止表示することで結果態様を構成する第2飾り変動表示ゲームと、を表示可能であり、第2飾り変動表示ゲームについては、第1変動表示ゲームの結果態様を表示してから次の第1変動表示ゲームが開始されるまでの間は当該結果態様に対応した結果態様を、第1変動表示ゲームに対応する表示領域に表示した状態を維持し、第2変動表示ゲームの結果態様を表示してから次の第2変動表示ゲームが開始されるまでの間は当該結果態様に対応した結果態様を、第2変動表示ゲームに対応する表示領域に表示した状態を維持するように構成され、停電復旧時には、バックアップ手段(遊技制御装置100)がバックアップした情報に基づき、第2飾り変動表示ゲームの表示について停電発生時に表示されていた結果態様を表示するようにしていることとなる。
なお、停電発生時に演出制御装置300のデータをバックアップする機能を備えれば、停電復旧コマンドに停止図柄番号領域の値の情報を含まなくとも第4表示領域81に停電発生前に表示されていた結果態様を再度表示することが可能となる。また、第2飾り特図変動表示ゲームだけでなく第1飾り特図変動表示ゲームについても、又は、第1飾り特図変動表示ゲームのみについて停電発生前に表示されていた結果態様を再度表示するようにしても良い。
〔第7変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第5変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、表示装置41で表示される飾り特図変動表示ゲームについて停電復旧から所定期間は初期図柄を表示し、所定期間の経過後に停電発生時に表示されていた結果態様を表示するようになっている。
〔図柄変動表示処理〕
本変形例の遊技機では、図29に示した図柄変動表示処理に替えて図30に示す図柄変動処理を行う。この図柄変動表示処理では、所定期間の終了タイミングである場合(ステップA952;Y)に、退避領域の値に基づき飾り特図コマンドを設定する(ステップA954)。この飾り特図コマンドは演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこのコマンドに基づき初期図柄に替えて停電発生前の結果態様を表示する。
図31には、停電発生時の特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41の表示態様の例を示した。図31(a)から(c)は図28(a)から(c)と同様である。そして、初期図柄の表示から所定期間が経過すると、図31(d)に示すように特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41(ここでは表示領域81a)に停電発生時に表示されていた結果態様が再度表示される。なお、停電発生時に変動中でない特図変動表示ゲームに対応する特図表示器である特図1表示器51では、停電発生前に表示されていた結果態様が再度表示される。また、停電発生時に変動中であった特図変動表示ゲームに対応する特図表示器である特図2表示器52では変動中の態様が表示される。
また、表示装置41の表示は所定期間の経過に伴い送信される飾り特図コマンドに含まれた停止図柄番号領域の値の情報に基づき設定されるようになっている。これにより、第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cには、変動中であった第2特図変動表示ゲームの結果態様が表示される。また、第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81には、停電発生時に変動中でない特図変動表示ゲームに対応する表示領域81aで、停電発生前に表示されていた結果態様が再度表示される。また、停電発生時に変動中であった特図変動表示ゲームに対応する表示領域81bでは変動中であった特図変動表示ゲームの結果態様が表示される。
なお、図30の図柄変動制御処理では、変動表示の停止表示中か否かに関係なく、所定期間が経過するまでは特図表示器に初期図柄を表示するとともに、停電発生前の結果態様を特定可能な飾り特図コマンドを設定するようにしたが、変動表示の停止表示中である特図についてのみこのような処理を行うようにしてもよい。すなわち、停電復旧後に特図変動表示ゲームを再開又は開始した場合であっても、所定期間が経過するまでは当該特図変動表示ゲームを表示する特図表示器及び表示装置41でも初期図柄を表示するとしているが、実行している特図変動表示ゲームを表示する特図表示器や表示装置41の対応する領域では変動表示を行い、他方の実行していない特図変動表示ゲームを表示する特図表示器や表示装置41の対応する領域においては初期図柄を表示するようにしても良い。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、飾り変動表示ゲームとして、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち実行中の変動表示ゲームに対応して、複数の表示領域(左変動表示領域80a、中変動表示領域80b、右変動表示領域80c)の各々で複数の識別情報を変動表示した後に一の識別情報を停止表示し、複数の表示領域に停止表示された識別情報の組合せにより結果態様を構成する第1飾り変動表示ゲームと、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのそれぞれに対応した単一の表示領域(第4表示領域81a,81b)を用い、当該単一の表示領域で複数の識別情報を変動表示した後に一の識別情報を停止表示することで結果態様を構成する第2飾り変動表示ゲームと、を表示可能であり、停電復旧時には、初期図柄を所定期間に亘り表示した後、バックアップ手段(遊技制御装置100)がバックアップした情報に基づき、第2飾り変動表示ゲームの表示について停電発生時に表示されていた結果態様を表示するようにしていることとなる。
また、ゲーム表示制御手段(遊技制御装置100)は、停電復旧時に、第1変動表示装置(特図1表示器51)と第2変動表示装置(特図2表示器52)に初期図柄を所定期間に亘り表示した後、記憶保持手段(遊技制御装置100)が記憶保持した制御情報に基づき停電発生時に表示されていた結果態様を表示し、演出制御手段(演出制御装置300)は、停電復旧時に、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのそれぞれに対応した単一の表示領域(第4表示領域81a,81b)に初期図柄を所定期間に亘り表示した後、記憶保持手段が記憶保持した制御情報に基づき停電発生時に表示されていた結果態様を表示するようにしていることとなる。初期図柄が表示されることで停電の発生を容易に確認できる。
〔第8変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態又は第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、停電復旧時に特図1表示器51及び特図2表示器52には停電発生前の図柄を表示し、表示装置41には初期図柄を表示するようにしている。
このような構成とするために、図6のステップS29、S30では、バックアップされていた停止図柄番号領域の値に対応する図柄を特図1表示器51及び特図2表示器52の表示データとして設定する。これにより、停電発生時に表示されていた結果態様が表示されるので、停電がなければ得られていた情報を遊技者が得られなくなってしまうことがなく、停電により遊技者が不利益を受けることがない。また、停電発生前の状態に戻ったことも確認できるようになる。
ここで、停電発生時に変動中でない特図変動表示ゲームに対応する特図表示器である特図1表示器51では、停電発生前に表示されていた結果態様が再度表示される。また、停電発生時に変動中であった特図変動表示ゲームに対応する特図表示器である特図2表示器52では変動中であった特図変動表示ゲームの結果態様が表示される。なお、停電発生時に変動中であった特図変動表示ゲームについては、変動中の態様(図20参照)を停電復旧時に表示するようにしても良い。また、特図変動表示ゲームを実行していない客待ち状態であった場合に停電が発生した場合は、特図1表示器51及び特図2表示器52に停電発生前に表示されていた結果態様が再度表示される。
また、表示装置41の表示は演出制御装置300により制御されるようになっているが、演出制御装置300は停電発生時にバックアップが行われないため、停電復旧時には初期化が行われる。これにより、第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cや、第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81には、予め定められた初期図柄が停電復旧時に表示されることとなる。このように初期図柄が表示されることで停電の発生を容易に確認できるようになる。ここでは初期図柄としてはずれ結果に対応する図柄が表示されるようになっている。この初期図柄についてもどのような図柄であってもよいが、特別結果態様でない図柄とすることが望ましい。また、特図変動表示ゲームの結果を表示するものとしては用いられない図柄を表示することで停電復旧した状態であることを示すようにしても良い。
なお、停電復旧時の表示について、第1飾り特図変動表示ゲームでは停電発生時に実行中であった特図変動表示ゲームの結果の表示や変動中の態様の表示を行い、第2飾り特図変動表示ゲームのみ初期図柄を表示するようにしても良い。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームを変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52)に複数の識別図柄を用いて表示するゲーム表示制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、始動口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、変動表示装置として、第1変動表示装置(特図1表示器51)と、第2変動表示装置(特図2表示器52)とを備え、変動表示ゲーム実行手段は、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行するように構成され、ゲーム表示制御手段は、第1変動表示ゲームを第1変動表示装置に複数の識別図柄を用いて表示し、第2変動表示ゲームを第2変動表示装置に複数の識別図柄を用いて表示し、第1変動表示ゲームの結果に対応した表示である結果態様を表示してから次の第1変動表示ゲームが開始されるまでの間は第1変動表示装置に当該結果態様を表示した状態を維持し、第2変動表示ゲームの結果に対応した表示である結果態様を表示してから次の第2変動表示ゲームが開始されるまでの間は第2変動表示装置に当該結果態様を表示した状態を維持するように構成され、停電発生時にも、変動表示ゲーム実行手段による第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームに関する制御情報を記憶保持可能な記憶保持手段(遊技制御装置100)を備え、記憶保持手段は、制御情報としてゲーム表示制御手段が表示中の結果態様を少なくとも記憶保持し、ゲーム表示制御手段は、停電復旧時には、記憶保持手段が記憶保持した制御情報に基づき停電発生時に表示されていた結果態様を表示するようにしていることとなる。
始動口への遊技球の入賞に基づき、変動表示装置で複数の図柄を変動表示した後に結果に対応する図柄を停止表示する変動表示ゲームを行う遊技機が知られているが(例えば、特開2005−185622号公報参照)、停電から復旧した際に初期化が行われると停電発生時に表示していた図柄を表示できなくなり、停電がなければ得られていた情報を遊技者が得られなくなってしまい不利益を受けてしまうという問題があった。しかし上述の構成によれば、停電発生時に表示されていた結果態様が表示されるので、停電により遊技者が不利益を受けることがない。また、停電発生前の状態に戻ったことも確認できるようになる。
また、遊技に関する表示を行う表示装置41と、変動表示ゲームに対応した飾り変動表示ゲームを表示装置41に複数の識別図柄を用いて表示する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、停電復旧時に前記表示装置に予め定められた初期図柄を表示するようにしていることとなる。これにより、初期図柄が表示されることで停電の発生を容易に確認できる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、飾り変動表示ゲームとして、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち実行中の変動表示ゲームに対応して、複数の表示領域(左変動表示領域80a、中変動表示領域80b、右変動表示領域80c)の各々で複数の識別図柄を変動表示した後に一の識別図柄を停止表示し、複数の表示領域に停止表示された識別図柄の組合せにより結果態様を構成する第1飾り変動表示ゲームと、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのそれぞれに対応した単一の表示領域(第4表示領域81a,81b)を用い、当該単一の表示領域で複数の識別図柄を変動表示した後に一の識別図柄を停止表示することで結果態様を構成する第2飾り変動表示ゲームと、を表示可能であり、停電復旧時には、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのそれぞれに対応した単一の表示領域に、予め定められた初期図柄を表示する一方で、第1変動表示装置(特図1表示器51)と第2変動表示装置(特図2表示器52)に、記憶保持手段(遊技制御装置100)が記憶保持した制御情報に基づき結果態様を表示するようにしていることとなる。これにより、停電の発生を容易に確認できるとともに、停電発生前の状態に戻ったことも確認できるようになる。
なお、上述のように、図6におけるステップS29〜S31の処理において、バックアップされていた停止図柄番号領域の値に対応した表示データを設定し、特図1表示器51、特図2表示器52について停電発生前に表示されていた結果態様を即座に表示するように設定することも可能である。すなわち、ゲーム表示制御手段(遊技制御装置100)は、記憶保持手段(遊技制御装置100)が記憶保持した情報に基づき、停電発生時に表示されていた結果態様を停電復旧時に(即座に)表示することも可能である。
よって、上述の実施形態や変形例の構成と組み合わせれば、停電復旧時に特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41の表示について、停電発生前に表示されていた結果態様を即座に表示することと、初期図柄の表示から所定期間経過後に停電発生前に表示されていた結果態様を表示することの何れかを選択的に適用可能である。さらに表示装置41については、第1飾り特図変動表示ゲームと第2飾り変動表示ゲームのそれぞれについて停電復旧時の表示態様を別々に設定することも可能である。
例えば、特図1表示器51、特図2表示器52及び表示装置41の全てについて停電発生前に表示されていた結果態様を即座に表示するようにしても良いし、これらの全てについて予め定められた初期図柄を所定期間に亘り表示するようにしても良い。また、これらのうち一つ又は二つについては停電発生前に表示されていた結果態様を即座に表示するようにし、これ以外は予め定められた初期図柄を所定期間に亘り表示するようにしても良い。なお、初期図柄の表示から所定期間経過後には停電発生前に表示されていた結果態様が表示されるが、例えば停電復旧時に初期図柄の情報を設定するのみとすれば、対応する特図変動表示ゲームが開始されるまで初期図柄を表示した状態を維持する構成とすることも可能である。
図33には、このような停電復旧時の表示の組合せの例を示した。図33(a)、(b)は図23(a)、(b)と同様である。そして、停電から復旧した場合の特図1表示器51及び特図2表示器52での表示については、図33(c)又は(d)の何れかを設定可能である。図33(c)は停電発生時に表示していた結果態様又は停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示するものであり、ここでは特図1表示器51に停電発生時に表示していた結果態様を表示し、特図2表示器52に停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示している。図33(d)は特図1表示器51及び特図2表示器52の両方に初期図柄を表示するものである。
また、停電から復旧した場合の表示装置41での表示については、図33(e)から(h)の何れかを設定可能である。図33(e)は第1飾り特図変動表示ゲーム及び第2飾り特図変動表示ゲームの両方について初期図柄を表示するものである。図33(f)は、第1飾り特図変動表示ゲームについては初期図柄を表示し、第2飾り特図変動表示ゲームについては停電発生時に表示していた結果態様又は停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示するものである。ここでは、第1特図変動表示ゲームに対応する表示領域81aでは停電発生時に表示していた結果態様を表示し、第2特図変動表示ゲームに対応する表示領域81bでは停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示している。
図33(g)は、第1飾り特図変動表示ゲームについては停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示し、第2飾り特図変動表示ゲームについては初期図柄を表示するものである。図33(h)は、第1飾り特図変動表示ゲーム及び第2飾り特図変動表示ゲームの両方について停電発生時に表示していた結果態様又は停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示するものである。ここでは、第1飾り特図変動表示ゲームについて、停電発生時に実行していた第2特図変動表示ゲームの結果態様を表示し、第2飾り特図変動表示ゲームについては、第1特図変動表示ゲームに対応する表示領域81aでは停電発生時に表示していた結果態様を表示し、第2特図変動表示ゲームに対応する表示領域81bでは停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示している。
すなわち停電復旧時の表示として、特図表示器について図33(c)と(d)の何れかを設定可能であり、表示装置41については図33(e)から(h)の何れかを設定可能であるので、これらの組合せである8通りの表示の何れかを停電復旧時の表示として設定することが可能である。この設定は遊技機で変更できないものとしても良いし、遊技店の店員の操作により変更できるものとしても良い。
停電復旧時に初期図柄を表示するようにすれば、停電復旧した状態であることが解りやすくなるという効果を奏することが可能となる。特に初期図柄を特別結果態様以外とすれば、特別結果態様が表示されているのに特別遊技状態とならないとった表示された図柄と実際の遊技状態に齟齬が生じていると遊技者が思ってしまうことを防止でき、遊技者と遊技店との間で故障ではないかという疑念によるトラブルを防止できるという効果を奏する。また、初期図柄を特図変動表示ゲームでは使用されない図柄とすることで、不正に遊技機の電源の遮断及び再投入が行われたことを遊技店の店員が目視により確認できるようになり、不正行為による被害を防止することができるという効果も奏する。
そして、停電復旧時に停電発生時に表示していた結果態様又は停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を表示するようにすれば、停電発生前の状態に復帰したことを容易に確認できるという効果を奏するとともに、停電発生時に実行中であった特図変動表示ゲームの結果を報知できるという効果を奏することが可能となる。初期図柄を表示するようにすると、停電の前後で表示内容が異なってしまい停電前の状態に復旧でき来たのかが判断し難くなるという問題もあるが、停電発生時に表示していた結果態様又は停電発生時に実行していた特図変動表示ゲームの結果態様を停電復旧時に表示するようにすればこのような問題を解消できる。
よって、停電復旧時の特図表示器51,52での表示と表示装置41での表示を適宜設定することにより、上記の何れかの効果又は両方の効果を奏することが可能である。例えば、遊技者の視線に入り難い特図表示器51,52には初期図柄を表示し、遊技者の視線に入りやすい表示装置41には停電発生時に実行中であった特図変動表示ゲームの結果を表示することで、遊技者に対しては停電復旧後に速やかに遊技が再開されたことを報知できるとともに、停電前の状態に復旧したことを容易に確認できるようになる。さらに、遊技店の店員は特図表示器51,52の表示を確認することで停電の発生を確認することができるようになる。
なお、図33(e)から(h)の表示態様を、進行報知装置600を備える上述の実施形態の遊技機に適用する場合に、第4表示領域81における初期図柄を動作確認のための点灯の発光態様とすることが可能である。また、上述の実施形態や変形例では第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの二種類の特図変動表示ゲームを実行可能な遊技機について説明したが、一種類の特図変動表示ゲームのみを実行する遊技機についても適用可能である。
また、第4表示領域81が、第2飾り特図変動表示ゲームを表示するものではなく、第1飾り特図変動表示ゲームの一部を構成する図柄を表示するものとしても良い。このようにした場合でも、停電復旧時における左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cの表示と第4表示領域81の表示について、初期図柄を表示するか停電発生時の表示をするかを別々に設定可能としても良い。
以上のような遊技機10は、始動条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果態様が予め定めた結果態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機であって、発光態様により変動表示ゲームの結果態様を表示する報知部(表示領域81a、表示領域81b)と、報知部の発光態様を制御する制御手段(演出制御装置300)と、を備え、報知部は、複数の異なる発光色の発光体610が近接して設けられて各発光体610の発光色以外の色彩の生成が可能な発光部(特図1第4図柄LED601、特図2第4図柄LED602)を有し、制御手段は、結果態様の種類に応じて異なる発光態様となるように制御し、結果態様を表示する際には、一の発光部において異なる発光色の発光体610を同時に発光させないように制御するようにしている。
ここで発光部は、LEDやランプを備えるもの、液晶やELなどで構成される点状や面状、7セグ形状、ディスプレイ形状などが挙げられる。また、発光態様には点灯、消灯、点滅、発光色の変化等が含まれる。
したがって、工場出荷時の検査の際には発光部が点灯するか否かさえ確認すれば良くなるので、工場出荷時の検査を効率良く行うことができる。
また、変動表示ゲームは、報知部(表示領域81a、表示領域81b)とは別個の表示装置41における複数の識別情報の表示と、報知部での発光態様との組み合わせにより結果態様が表示されるように構成され、制御手段(演出制御装置300)は、結果態様の種類に応じて複数の識別情報と発光部の発光態様との組み合わせが異なるように発光部の発光態様を制御するようにしている。
したがって、複数の識別情報と発光部の発光態様との組み合わせにより結果態様が表示されるので、結果態様の表示のバリエーションを多彩なものとすることができる。
また、制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの実行期間に亘って報知部(表示領域81a、表示領域81b)の発光態様を変化させることで当該変動表示ゲームが進行しているか否かを把握可能とし、予め定められた結果態様以外の結果態様を表示する場合には、発光部が消灯となるように制御し、予め定められた結果態様を表示する場合には、発光体610の発光色のうちのいずれかの色彩となるように制御するようにしている。
したがって、報知部の発光態様により変動表示ゲームの進行を確認することができる。また、予め定められた結果態様以外の結果態様の場合には消灯し、予め定められた結果態様の場合には点灯するようにしたので、発光体が故障して点灯しなくなった場合に、遊技者に誤って有利な状態であることを報知してしまうことを防止できる。
また、制御手段(演出制御装置300)は、当該遊技機の電源が投入されたことに対応して、発光部(表示領域81a、表示領域81b)の発光態様を所定期間に亘って、変動表示ゲームの実行期間における発光部の発光態様とは異なる発光態様となるように制御するようにしている。
したがって、電源投入の際の確認のための報知部の発光態様を変動表示ゲームによるものと誤って認識してしまうことを防止することができる。
また、制御手段(演出制御装置300)は、所定期間における発光部(表示領域81a、表示領域81b)の発光態様が、遊技中に発光部で使用されない発光態様となるように制御するようにしている。
したがって、電源投入の際の確認のための報知部の発光態様を遊技によるものと誤って認識してしまうことを防止することができる。また、遊技が可能であるか否かを判別することも可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。