<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、外周壁31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁31に囲繞されて構成される。また、遊技領域32の左側には、外周壁31に沿って設けられ、発射された遊技球を遊技領域32の所定位置まで誘導する誘導路490を形成する誘導壁491が設けられている。
遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図12参照)により検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図12参照)により検出される。
センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)及び第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、始動入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。この入賞装置90は、上部の流入口91に流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている。この振分部材92は前後方向に沿った回動軸を中心として回動可能であり、流入する遊技球の重みにより傾倒する方向が変化し、左側の第1始動入賞口36と右側の第2始動入賞口97とに交互に遊技球を振り分けるようになっている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図12参照)により検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図12参照)により検出される。また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図12参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図12参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。
普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部616は上面617が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面617で受け止め、特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。また、誘導部616には特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置630が設けられている。
この情報表示装置630は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数を表示する第1情報表示部、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数を表示する第2情報表示部を備える。また、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームを表示する第3情報表示部や、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを表示する第4情報表示部を備える。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成され、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されている。第2表示装置にはこれらの六つの発光部材が三つずつ左右に二列で並んで配されている。右列の上部二つの発光部材は第1情報表示部を構成し、左列の上部二つの発光部材は第2情報表示部を構成している。また、右列の下部一つの発光部材は第3情報表示部を構成し、左列の下部一つの発光部材は第4情報表示部を構成している。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成されているが、それぞれの情報表示部の周囲には二つの発光部材が関連していることがわかるような意匠が施されており、一見して二つの発光部材で一つの情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。また、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されているが、これらの情報表示部の周囲の意匠はそれぞれ独立していることがわかるような意匠とされており、一見して一つの発光部材で情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。なお、発光部材の周囲の意匠は遊技機全体の意匠と一体感のあるものとされ、美観を損なわないようにされている。また、発光部材の周囲の意匠は、シールなどを貼付したものではなく誘導部616を構成する部材に成形されたものであり、製造の際の手間やコストを削減できる。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の右下部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が配設されている。第1特別変動入賞装置38は上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉部材38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが上大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち第1特別変動入賞装置38は、駆動装置としての上大入賞口ソレノイド38b(図12参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される上大入賞口を備え、特別遊技状態(大当りに基づく第1特別遊技状態や小当りに基づく第2特別遊技状態)中は、上大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、上大入賞口の内部(入賞領域)には、当該上大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図12参照)が配設されている。
また、第1特別変動入賞装置38の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉部材39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材39cが下大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材39cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち第2特別変動入賞装置39は、駆動装置としての下大入賞口ソレノイド39b(図12参照)により駆動される開閉部材39cによって開閉される下大入賞口を備え、特別遊技状態(大当りに基づく第1特別遊技状態や小当りに基づく第2特別遊技状態)中は、下大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、下大入賞口の内部(入賞領域)には、当該下大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図12参照)が配設されている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで入賞装置90の第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図3に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51(D1)及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52(D2)と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器54(D11、D12)、特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器55(D13、D14)、とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(D3〜D7)、時短状態(普電サポート中、特定遊技状態中)であるかを報知する第1遊技状態表示部76(D9)、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技状況に対応した打ち方を報知する第1報知手段をなす第2遊技状態表示部77(D8)が設けられている。また、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)78(D17)が設けられている。また、一括表示装置50には、普図変動表示ゲーム用の普図表示器74(D10、D18)、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器75(D15、D16)を備える。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームにおいては、図3(b)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。また、特図変動表示ゲームを表示するための複数の識別情報(特図、特別図柄)を順次表示することで変動中であることを表示しても良い。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(第1始動記憶数=保留数)を、図3(c)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる普通変動入賞装置37や第2始動入賞口97への入賞球数のうち未消化の球数(第2始動記憶数=保留数)を、図3(c)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。ラウンド表示部60はLEDランプ等で構成され、特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、図3(d)に示すように特別遊技状態中には結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部76は、図3(e)に示すように、時短状態である場合はLEDを点灯し、時短状態でない場合はLEDを消灯する。第2遊技状態表示部77は、図3(e)に示すように、左打ちの遊技状況の場合(通常打ち時)にはLEDを消灯状態にし、右打ちの遊技状況の場合(右打ち時)にはLEDを点灯状態にする。第3遊技状態表示部78は、図3(e)に示すように、電源投入時に高確率状態である場合にはLEDを点灯し、高確率状態でない場合はLEDを消灯状態にする。
普図表示器74における普図変動表示ゲームは、普図変動表示ゲームの変動表示中は、図3(g)に示す変動用図柄番号を交互に変更して二つのLEDを交互に点灯して変動中であることを表示する。そして、結果が当りの場合は当り種類に応じた点灯態様で点灯して当りであることを示し、結果がはずれの場合は二つのLEDを消灯してはずれであることを示すようになっている。普図保留表示器75は、普図表示器74の変動開始条件となる普図始動ゲート34の通過球数のうち未消化の球数(普図始動記憶数=保留数)を、図3(f)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
図4には特図1表示器51における表示態様を示した。特図1変動表示ゲームの変動表示中は中央のセグメント及び7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントを100m秒の周期で点滅させる。そして、変動時間の終了に伴い結果に対応する態様で点灯することで結果を表示する。なお、一つの結果に対して複数の点灯態様が対応付けられているものもあり、この場合はこれらのうちから乱数等によりいずれか一つの点灯態様が選択される。
図5、図6には特図2表示器52における表示態様を示した。特図2変動表示ゲームの変動表示中は中央のセグメントを100m秒の周期で点滅させる。そして、変動時間の終了に伴い結果に対応する態様で点灯することで結果を表示する。なお、一つの結果に対して複数の点灯態様が対応付けられているものもあり、この場合はこれらのうちから乱数等によりいずれか一つの点灯態様が選択される。
図7には、大当り及び小当りの確率と、大当りに当選した場合の大当り種類の振分確率、小当りに当選した場合の小当り種類の振分確率を示した。なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率は特図1と特図2で共通であり、低確率状態である通常遊技状態と高確率状態である特定遊技状態での確率はそれぞれ図7(a)に示すような確率となっている。本実施形態の遊技機では、大当りに基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後に高確率状態となり、所定回数(ここでは50回)の特図変動表示ゲームを実行すると低確率状態になるように構成されている。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図7(b)に示すような確率となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が低くなっている。これにより、特図2変動表示ゲームを主として実行する高確率状態中において小当りが頻発してゲームの流れが途切れることがないようにしている。また、小当り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選においては大当りと小当りは重複して当選しない。
また、図7(c)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と、各大当り種類で開放される特別変動入賞装置及び振分確率を示し、図7(d)には特図1と特図2で選択可能な小当り種類と、各小当り種類で開放される特別変動入賞装置、開放時間と開放回数及び振分確率を示した。なお、特図2の2R確変D1については出球はほとんど望めないが、大当りであるので高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数が再度50回に設定される。この2R確変D1に基づく特別遊技状態では、高確率状態で実行可能なゲーム数が上乗せされるような演出を行う。
図8、図9には、特図変動表示ゲームの変動パターンを示した。図8には通常遊技状態(低確率状態)における変動パターンの種類と選択率が規定される変動パターンテーブルの内容を示した。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで共通の変動パターンテーブルを用いる。
図8(a)には結果がはずれとなる場合であって始動記憶数が1〜3である場合に用いられる変動パターンテーブルを示した。ここでの始動記憶数は第1始動記憶と第2始動記憶数の合計数である。なお、始動記憶数が4以上の場合は、変動時間の短い変動パターンであるリーチなし3000msや7000msの選択率が高くなるようにされ、それ以外の変動時間の長い変動パターンの選択率が低くなるようにされている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
図8(b)には、結果が大当り(第1特別結果)となる場合に用いられる変動パターンテーブルを示した。大当りの場合は始動記憶数に関係なく変動パターンが選択される。また、大当りの場合は必ずリーチ状態となるようにしている。図8(c)には、結果が小当り(第2特別結果)となる場合に用いられる変動パターンテーブルを示した。小当りの場合も大当りの場合と同様であって、始動記憶数に関係なく変動パターンが選択される。また、小当りの場合も必ずリーチ状態となるようにしている。
図9には特定遊技状態(高確率状態)における変動パターンの種類と選択率が規定される変動パターンテーブルの内容を示した。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで共通の変動パターンテーブルを用いる。
図9(a)には結果がはずれとなる場合であって始動記憶数が1〜3である場合に用いられる変動パターンテーブルを示した。ここでの始動記憶数は第1始動記憶と第2始動記憶数の合計数である。なお、始動記憶数が4以上の場合は、変動時間の短い変動パターンであるリーチなし1000msや2000msの選択率が高くなるようにされ、それ以外の変動時間の長い変動パターンの選択率が低くなるようにされている。図9(b)、(c)には、結果が大当り(第1特別結果)となる場合に用いられる変動パターンテーブルと、結果が小当り(第2特別結果)となる場合に用いられる変動パターンテーブルを示した。大当りや小当りの場合は始動記憶数に関係なく変動パターンが選択される。
図10、図11には、大当り(第1特別結果)に基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)及び小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)における特別変動入賞装置の開閉パターンを示した。図10には、特図1変動表示ゲームで選択可能な大当り種類及び小当り種類における特別変動入賞装置の開閉パターンを示し、図11には特図2変動表示ゲームで選択可能な大当り種類及び小当り種類における特別変動入賞装置の開閉パターンを示した。
例えば図10に示すように、特図1変動表示ゲームで大当り種類が16R確変A1の大当りとなった場合は特図1上大入賞口開閉パターン1に従い第1特別変動入賞装置38が開放される。特図1上大入賞口開閉パターン1では、5000msのファンファーレ期間の後、初回のラウンド(1R)で29000msの開放期間が設定される。その後、2000msのインターバル期間と29000msの開放期間が設定されるラウンドを繰り返して16ラウンドまで行い、11000msのエンディング期間の経過後、特別遊技状態が終了する。
なお、図10、図11に示す各開閉パターンでのインターバル期間とエンディング期間に記載の時間は、残存球処理時間とインターバル時間又はエンディング時間を加算した時間である。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1でのインターバル期間は2000msであり、このうち前半の1400msが残存球処理時間であり、後半の600msがインターバル時間である。また、特図1上大入賞口開閉パターン1でのエンディング期間は11000msであり、このうち前半の1400msが残存球処理時間であり、後半の9600msがエンディング時間である。
その他の開閉パターンについては図示するようなファンファーレ期間、開放期間、インターバル期間(残存球処理時間を含む)及びエンディング期間(残存球処理時間を含む)となっており、これに従い第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39が開放される。なお、図11の特図2上大入賞口開閉パターン5については、5Rにおける27200msの開放期間を200msの開放と1500msの閉鎖を11回繰り返した後に25000msの開放を行うことで構成されている。また、いずれの開閉パターンにおいても、各ラウンドにおいて規定数の入賞があった場合にはその時点で当該ラウンドの開放期間が終了する。
なお、例えば特図1上大入賞口開閉パターン1〜3及び特図2上大入賞口開閉パターン2,3のように特別遊技状態の開始から途中まで開閉態様が同じ開閉パターンの場合は、表示装置41における演出も同じにして大当り種類や小当り種類の判別が困難となるようにしても良い。さらに、特別遊技状態中に大当り種類や小当り種類の判別を可能とする情報の示唆や報知を行うようにしても良い。
また、特図2上大入賞口開閉パターン4、5の何れかによって大当りが実行される場合、4R終了以降に再度長開放ラウンドが実行されるか否か(継続するか否か)の演出を行うようにしてもよい。この場合例えば、特図2上大入賞口開閉パターン4であれば5Rから最終ラウンドとなる16Rまで短開放が行われて大当りが終了し、特図2上大入賞口開閉パターン5であれば5Rにおいて前述の特図2上大入賞口開閉パターン4の5Rから16Rまでと略同一となる短開放が行われた後に長開放(25000ms)が行われ以降は4Rまでと同様の長開放が再開する。そのため、特図2上大入賞口開閉パターン4であれば5Rから15Rまでの間、特図2上大入賞口開閉パターン5であれば5Rの複数回の短開放の間、の時間を使って継続演出を行い、特図2上大入賞口開閉パターン4であれば長開放が再開しない(大当り遊技が継続しない)旨の結果を報知し、特図2上大入賞口開閉パターン5であれば長開放が再開する(大当り遊技が継続する)旨の結果を報知するようにすることで、遊技者の期待感を煽るようにしてもよい。
以上のことから、特別結果には、第1特別遊技状態を発生可能な第1特別結果(大当り)と、該第1特別遊技状態よりも遊技者に付与可能な遊技価値が低い第2特別遊技状態を発生可能な第2特別結果(小当り)と、が含まれていることとなる。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下して、入賞領域をなす一般入賞口35、入賞装置90の第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、入賞装置90の第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図12参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
第1始動入賞口36への入賞球は、内部に設けられた始動口1スイッチ36aによって特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。特図1変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、第1始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第1始動記憶が記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数が1減算される。一方、特図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲームが行われてその特図1変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、第1始動記憶数が上限数未満ならば、第1始動記憶数が1加算されて第1始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、第1始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図1変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、第1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが開始される。
第2始動入賞口97への入賞球は、内部に設けられた始動口3スイッチ97aによって特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出される。また、普通変動入賞装置37への入賞球は、内部に設けられた始動口2スイッチ37aによって特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出される。特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口97又は普通変動入賞装置37への入賞があった場合には、当該入賞に基づき即座に特図2変動表示ゲームが実行される。また、特図2変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図2変動表示ゲームが行われてその特図2変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第2始動入賞口97又は普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、第2始動記憶数が上限数未満ならば、第2始動記憶数が1加算されて第2始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、第2始動記憶数が1以上となった状態で、特図2変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図2変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、第2始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが開始される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図12参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として所定回数(例えば、第1始動記憶、第2始動記憶それぞれについては最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器54、特図2保留表示器55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが特別結果(大当り又は小当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、図4、図5に示したような表示態様で変動表示を行った後、図4〜図6に示したような所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1表示器51が、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通変動入賞装置37又は第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。飾り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、後述するように、主表示図柄として設定された一方を他方より大きく表示するようになっている。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
そして、大当りが発生して特別遊技状態となった場合には右打ちにより第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39を狙うことができる。大当りに基づく特別遊技状態の終了後には高確率状態である特定遊技状態となる。この特定遊技状態では、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である高確率状態となる。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
さらに特定遊技状態では、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とする時短状態となる。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
図12は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態(普電サポート状態))、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の上大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39a、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチ98に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a及び下大入賞口スイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号、アウトスイッチ98の検出信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(上大入賞口ソレノイド)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(下大入賞口ソレノイド)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報(大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号)など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。すなわち、遊技制御装置100が、遊技機の外部へ情報を出力する出力手段をなす。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置450へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置450との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、アウトスイッチ98には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図13を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46や情報表示装置630を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
これらの制御回路においては、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値等を抽出してRAM111Cに第1始動記憶を記憶する。この第1始動記憶の大当り判定用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97に備えられた始動口3スイッチ97aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値等を抽出してRAM111Cに第2始動記憶を記憶する。この第2始動記憶の大当り判定用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、上大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、上大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。または、下大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉部材39cを開放させ、下大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として特定遊技状態を発生可能となっている。この特定遊技状態は高確率状態かつ時短状態(普電サポート状態)である。なお、高確率状態又は時短状態の一方のみを発生するようにしても良いし、何れも発生させない(低確率状態かつ時短なし)としても良い。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図14及び図15に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図18に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図14に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップX7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップX8からX12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップX9;Y)は、ステップX8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップX9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップX11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップX12)。タイマの値が0でない場合(ステップX12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップX15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップX16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップX16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップX17)、正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップX18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップX19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップX20)。チェックサムが一致する場合(ステップX20;Y)は、図15のステップX21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップX16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX17;NもしくはステップX18;N)、チェックサムが正常でない(ステップX20;N)と判定された場合は、図15のステップX23へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図15のステップX21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップX21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号フラグ領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
その後、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ステータスに対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップX22)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX22では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定コマンドとしては、特図1及び特図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップX16、X17、X18、X20からステップX23へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップX23)、ビジー信号フラグ領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップX24)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップX25)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX26)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップX27)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX27では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップX28では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップX28のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX29)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップX30)、割込みを許可する(ステップX31)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップX32)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップX32の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX33)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX34)。停電監視信号がオンでない場合(ステップX34;N)は、初期値乱数更新処理(ステップX32)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX32)の前に割り込みを許可する(ステップX31)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップX32での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップX34;Y)は、ステップX33で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX35)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX35;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX34)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX35;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップX36)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX37)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX38)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX39)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX40)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX41)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップX42)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図16には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップX19、X40)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップX51)、繰り返し数を設定し(ステップX52)、算出値として「0」を設定する(ステップX53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップX54)、算出アドレスを+1更新して(ステップX55)、繰り返し数を−1更新し(ステップX56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップX57)。算出が終了していない場合(ステップX57:N)は、ステップX54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップX57:Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図17には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップX32)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップX61)、小当り図柄初期値乱数1を+1更新して(ステップX62)、初期値乱数更新処理を終了する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームでの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームでの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図18のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理におけるステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX104)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX105)、乱数更新処理1(ステップX106)、乱数更新処理2(ステップX107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)を行う。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX109)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX110)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX111)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX112)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX114)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX115)を行って、アウトスイッチ98での遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出する処理等を行う状態表示編集出力処理を行い(ステップX116)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)の詳細について説明する。図19に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップX121)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX122)、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップX123)。
次に、入力ポート2、即ち、第2入力ポート123のアドレスを準備し(ステップX124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップX125)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX126)した後、反転するビットデータを準備し(ステップX127)、スイッチ読込み処理(ステップX128)を行う。
その後、入力ポート3、即ち、第3入力ポート124のアドレスを準備し(ステップX129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップX130)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX131)した後、反転するビットデータを準備し(ステップX132)、スイッチ読込み処理(ステップX133)を行い、入力処理を終了する。
なお、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。また、上記の未使用のビットデータや反転するビットデータについての情報は、各入力ポートに対応して用意された情報を用いるようになっている。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップX128、X133)の詳細について説明する。図20に示すように、スイッチ読込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップX141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX142)、反転の必要なビットを反転(ステップX143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップX144)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(ステップX145)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップX146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX147)、反転の必要なビットを反転(ステップX148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップX149)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップX150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップX151)。
次に、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップX152)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップX153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてセーブし(ステップX154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブして(ステップX155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップX104)の詳細について説明する。図21に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135(図12参照)にオフデータを出力(リセット)する(ステップX161)。次に、上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(ステップX162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップX163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得し(ステップX164)、取得した情報と外部情報データを合成する(ステップX165)。そして、合成したデータをデジット出力用のポート136及び外部情報出力用のポート137に出力する(ステップX166)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップX167)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート135に出力する(ステップX168)。
続いて、外部情報端子板71へ出力するデータをロードして合成し(ステップX169)、合成したデータと発射許可の出力データを合成して(ステップX170)、合成したデータを外部情報出力用のポート137へ出力する(ステップX171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップX172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップX173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップX174)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップX175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップX176)し、出力処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技機の外部へ情報を出力する出力手段をなす。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップX105)の詳細について説明する。図22に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップX181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップX181:N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップX182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップX183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップX183;Y)と判定すると、ステップX192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップX183;N)と判定すると、ステップX181へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップX181で、カウント数がある(ステップX181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップX184)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出数を取得する(ステップX185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算して新たな賞球残数とし(ステップX186)、賞球残数領域にセーブする(ステップX187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果からメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10を減算し(ステップX188)、減算結果が0以上であるかを判定する(ステップX189)。減算結果が0以上でない場合(ステップX189;N)は、ステップX192に移行する。なお、この場合は減算した結果は賞球残数領域にセーブされないため、減算前の値が賞球残数領域に記憶された状態となる。減算結果が0以上である場合(ステップX189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(ステップX190)、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップX191)、ステップX188に戻る。
これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ステップX192では、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(ステップX192)、払出コマンド送信タイマが0になったかを判定する(ステップX193)。払出コマンド送信タイマが0でない場合(ステップX193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合(ステップX193;Y)は、払出ビジー信号フラグがビジー中であるかを判定する(ステップX194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号フラグは、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態の何れかが設定される。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号フラグ領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
この払出ビジー信号フラグがビジー中である場合(ステップX194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。なお、ここでは不定状態である場合もビジー中であるものと判定する。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号フラグがビジー中でない場合(ステップX194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップX195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント数がない場合(ステップX195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップX196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップX197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップX197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップX197;N)と判定すると、ステップX195へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップX195で、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント数がある(ステップX195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップX198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出コマンドを取得する(ステップX199)。そして、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップX201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図23には、タイマ割込み処理(図18参照)における乱数更新処理1(ステップX106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX221)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX221;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX221;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX222)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップX223)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX224;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX224;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX225)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップX226)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図24には、タイマ割込み処理(図18参照)における乱数更新処理2(ステップX107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。即ち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップX231)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップX232)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップX233)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンに設けられているM1カウンタの値をロードする(ステップX234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得してM1カウンタの値をマスクする(ステップX235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップX236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップX236;Y)は、加算値として上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップX237)、ステップX239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップX236;N)は、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップX238)、ステップX239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数が2バイト乱数かを判定し(ステップX239)、2バイト乱数である場合(ステップX239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップX240)、ステップX242に進む。また、更新する乱数が2バイト乱数でない場合(ステップX239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップX241)、ステップX242へ進む。
ステップX242では、乱数値にステップX237又はX238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップX233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップX243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップX243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップX243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップX244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。
次に、更新した乱数が2バイト乱数であるかを判定し(ステップX246)、2バイト乱数でない場合(ステップX246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップX246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップX247)、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図25には、タイマ割込み処理(図18参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の一方の上大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップX301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX302)を実行する。
入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)には、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口スイッチテーブルには、監視の繰り返し数(スイッチの数)、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1のアドレス、入賞数カウンタ領域2のアドレスの情報が定義されている。これらの不正監視テーブルや入賞テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)内の他方の下大入賞口スイッチ39aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップX303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX304)を実行する。次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップX305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX306)を実行する。
そして、常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ97a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップX307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップX308)を行う。次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップX309)。この状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップX310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX311)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップX312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX313)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が0であるかを判定し(ステップX314)、エラースキャンカウンタの値が0でない場合(ステップX314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が0である場合(ステップX314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップX315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX316)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号フラグを設定する払出ビジー信号チェック処理(ステップX317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップX315からX317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にステップX315からX317の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図26には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップX302,X304,X306)を示した。この不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置38の二つの上大入賞口スイッチ38aの各々、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39a、普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理である。これらについては、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップX321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップX322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが上大入賞口スイッチ38aである場合は第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ39aである場合は第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。また、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップX322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップX323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップX323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップX332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップX323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップX324)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかを判定する(ステップX325)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が入賞口の開閉部材に挟まり、その遊技球が入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない場合(ステップX325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップX330)。また、判定個数を超えた場合(ステップX325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップX326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(ステップX327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップX328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップX329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップX322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップX330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップX331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップX332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップX333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップX333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップX333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の上大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の上大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、第1特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ39aや始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップX335)、値が0でない場合(ステップX335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップX335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップX336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップX337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップX338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップX339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップX338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップX340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップX340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップX341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図27には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップX308,X331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルの入賞口スイッチテーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップX351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップX352)。
入力がない場合(ステップX352:N)は、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新し(ステップX368)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX369)。また、入力がある場合(ステップX352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップX353)、ロードした値を+1更新して(ステップX354)、オーバーフローするか判定する(ステップX355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップX356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップX357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップX358)、オーバーフローするか判定する(ステップX359)。そして、オーバーフローが発生した場合(ステップX359;Y)は、ステップX361に移行する。また、オーバーフローが発生していない場合(ステップX359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップX360)、ステップX361に移行する。
ステップX361では各入賞口に入賞した遊技球の総数を計数するための総入賞数カウンタ領域の値をロードし(ステップX361)、ロードした値を+1更新して(ステップX362)、オーバーフローするか判定する(ステップX363)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX363;N)は、更新後の値を総入賞数カウンタ領域にセーブする(ステップX364)。これにより、各入賞口に入賞した遊技球が計数され、計数結果が保持される。すなわち、遊技制御装置100が入賞検出センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ35a)での検出数を計数する総入賞数カウンタをなす。その後、アウト数エラーの判定に必要な差分を算出する差分算出処理を行い(ステップX365)、ステップX368に移行する。
差分算出処理や差分に基づくエラーの詳細については後述するが、各入賞口での遊技球の検出数が、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチ98での遊技球の検出数を超えた数を差分として算出する処理である。この差分が所定数を超えた場合にはアウト数エラーとなる。
一方、オーバーフローが発生した場合(ステップX363;Y)は、総入賞数カウンタ領域に差分カウンタ領域の値をセーブし(ステップX366)、アウトカウンタ領域に0をセーブして(ステップX367)、ステップX368に移行する。差分カウンタ領域は上述の差分の値を格納する領域であり、アウトカウンタ領域はアウトスイッチ98での遊技球の検出数を格納する領域である。総入賞数カウンタ領域の値がオーバーフローした場合は、総入賞数カウンタ領域とアウトカウンタ領域の値を上述のように設定する。なお、差分カウンタ領域の値は維持される。これによりアウト数エラーの検出に不都合がないようにしている。
その後、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新して(ステップX368)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX369)。全スイッチの監視が終了していない場合(ステップX369;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップX352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップX369;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1、2及び総入賞数カウンタ領域が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔演出コマンド設定処理〕
図28には、上述の不正&入賞監視処理での演出コマンド設定処理(ステップX342)を示した。なお、この演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における演出コマンド設定処理に共通する処理である。この演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX371)、送信バッファが満杯であるかを判定する(ステップX372)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX372;Y)は、ステップX371に戻る。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX372;N)は、コマンドデータ(MODE(上位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX373)、シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX374)、送信バッファが満杯であるかを判定する(ステップX375)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX375;Y)は、ステップX374に戻る。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX375;N)は、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX376)、演出コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置300に対してはシリアル通信でコマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。
〔遊技機状態チェック処理〕
図29には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップX311、X313、X316)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップX451)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップX452)。
状態監視テーブルには、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(ステップX453)、対象の状態オフコマンドを取得して準備する(ステップX454)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップX455)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX459)。対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップX456)、対象の状態オンコマンドを取得して準備する(ステップX457)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップX458)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX459)。対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップX459;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップX463)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップX459;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップX460)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップX461)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップX463)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップX463;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップX463:Y)は、状態監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップX464)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップX465)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップX465;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップX465;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップX466)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX467)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップX454で準備した状態オフコマンド又はX457で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図30には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップX317)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップX471)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンでない場合(ステップX471;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップX472)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32ms)を設定する(ステップX473)。また、払出ビジー信号がオンである場合(ステップX471;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップX474)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32ms)を設定する(ステップX475)。
その後、ビジー信号状態領域の値は今回の信号の状態と同じであるかを判定、すなわちオン、オフの変化があったかを判定し(ステップX476)、同じである場合(ステップX476;Y)は、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。また、同じでない場合(ステップX476;N)は、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップX477)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップX478)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ確定監視タイマ比較値よりも大きいか、すなわち信号確定時間(例えば32ms)に達したかを判定する(ステップX480)。信号確定時間に達していない場合(ステップX480;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、信号確定時間に達した場合(ステップX480;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新して、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ確定監視タイマ比較値の−1の値に留め(ステップX481)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブして(ステップX482)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号フラグが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号フラグを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号フラグを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号フラグがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号フラグは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX109)の詳細について説明する。図31に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX485)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX486)。そして、当該ハード乱数取得処理で第1始動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX487)。
第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX487;N)は、ステップX494へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX487;Y)は、高確率中であるかを判定する(ステップX488)。そして、高確率中である場合(ステップX488;Y)は、ステップX490に移行する。また、高確率中でない場合(ステップX488;N)は、大当り中(大当りに基づく特別遊技状態中)であるかを判定する(ステップX489)。
そして、大当り中でない場合(ステップX489;N)はステップX490に移行する。また、大当り中である場合(ステップX489;Y)はステップX492に移行する。ステップX490では右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX490)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX491)。その後、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX492)、特図始動口スイッチ共通処理を行う(ステップX493)。
次に、始動口2(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX494)、ハード乱数取得処理を行い(ステップX495)、普通変動入賞装置37への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX496)。
普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX496;N)は、ステップX501へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX496;Y)は、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップX497)、普通電動役物が作動中である場合(ステップX497;Y)は、ステップX499に移行する。一方、普通電動役物が作動中でない場合(ステップX497;N)は、普電不正発生中であるかを判定する(ステップX498)。
ステップX498では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップX498にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップX498;Y)は、ステップX501に移行する。また、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップX498;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX499)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップX500)を行った後、ステップX501に移行する。
次に、始動口3(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップX501)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX502)。そして、当該ハード乱数取得処理で第2始動入賞口97への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX503)。
第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX503;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX503;Y)は、高確率中であるかを判定する(ステップX504)。そして、高確率中である場合(ステップX504;Y)は、ステップX508に移行する。また、高確率中でない場合(ステップX504;N)は、大当り中(大当りに基づく特別遊技状態中)であるかを判定する(ステップX505)。
そして、大当り中でない場合(ステップX505;N)はステップX506に移行する。また、大当り中である場合(ステップX505;Y)はステップX508に移行する。ステップX506では右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX506)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX507)。その後、始動口3による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX508)、特図始動口スイッチ共通処理を行い(ステップX509)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
演出制御装置300では、ステップX490やX506で送信された右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。高確率状態中である場合は時短状態となるため普通変動入賞装置37に入賞可能な右打ちの方が遊技者にとって有利であり、特別遊技状態中も第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞可能な右打ちの方が遊技者にとって有利である。よって、左打ちでなければ入賞しないようになっている第1始動入賞口36や第2始動入賞口97で高確率状態中において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。なお、小当りに基づく特別遊技状態では入賞の可能性が低いため右打ち報知を行わないが行うようにしても良い。また、2R確変大当りに基づく特別遊技状態の場合は入賞の可能性が低いため右打ち報知を行わないようにしても良い。また、特別遊技状態におけるエンディング中である場合には右打ち報知を行わないようにしても良い。
〔ハード乱数取得処理〕
図32には、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップX486、X495、X502)を示した。このハード乱数取得処理では、まず、始動口入賞なし情報を設定し(ステップX511)、対象のスイッチに入力があるかを判定する(ステップX512)。
対象のスイッチに入力がない場合(ステップX512;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象のスイッチに入力がある場合(ステップX512;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップX513)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップX514)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップX514;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップX514;Y)は、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備する(ステップX515)。そして、始動口入賞あり情報を設定して(ステップX516)ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップX493,X500,X509)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図33に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX523)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップX524)、ステップX525の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)は、ステップX525の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定して、セーブしないよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップX525)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップX525;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップX525;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップX526)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップX527)、演出コマンド設定処理(ステップX528)を行って、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップX529)。
続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップX530)、ステップX486,X495,X502のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップX532)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。
次いで、変動パターン乱数(本実施形態の場合、変動パターン乱数1から3)を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップX534)。そして、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップX535)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX536)。その後、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX537)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1の始動口である第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2の始動口である第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
図34には、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップX537)を示した。特図保留情報判定処理は、特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。この特図保留情報判定処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(ステップX543)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX544;Y)は、大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX545)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX546)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX544;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を行う(ステップX547)。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX548;Y)は、小当りの停止図柄情報を設定し(ステップX549)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。また、判定結果が小当りでない場合(ステップX548;N)は、はずれの停止図柄情報を設定し(ステップX550)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備(ステップX551)した後、演出コマンド設定処理を行う(ステップX552)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップX553)を行い、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する特図変動パターン設定処理を行う(ステップX554)。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップX555)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX556)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX553における特図情報設定処理、ステップX554における特図変動パターン設定処理は、特図1普段処理の特図1変動開始処理や特図2普段処理の特図2変動開始処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、特図始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図1ゲーム処理〕
図35には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX110)を示した。特図1ゲーム処理では特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。この特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY101)。
特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY101;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY102)、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY103)。また、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY101;Y)は、ステップY103に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY104)。特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY119に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY105)。そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY106)、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY107)。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY108)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップY109)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップY110)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY112)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY113)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップY114)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY115)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY116)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY117)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップY118)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(ステップY119)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY120)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図36には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX111)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行う。この特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY131)。そして、特図1の大当り/小当り中でない場合(ステップY131;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY132)、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY133)。また、特図1の大当り/小当り中である場合(ステップY131;Y)は、ステップY133に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY134)。特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY152に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY136)。そして、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY137)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY138)。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY139)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップY140)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップY141)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY142)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY143)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY144)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップY139)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップY145)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY146)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY147)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY148)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY149)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(ステップY152)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY153)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
図37には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップY102、Y132)を示した。この大入賞口スイッチ監視処理では、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)の開放中であるかを判定する(ステップY161)。そして、上大入賞口が開放中である場合(ステップY161;Y)は、ステップY166に移行する。また、上大入賞口が開放中でない場合(ステップY161;N)は、上大入賞口の残存球処理中であるかを判定する(ステップY162)。なお、この判定における残存球処理には、大当りに基づく大入賞口残存球処理と小当りに基づく小当り残存球処理の両方を含む。
上大入賞口の残存球処理中である場合(ステップY162;Y)は、ステップY166に移行する。また、上大入賞口の残存球処理中でない場合(ステップY162;N)は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)の開放中であるかを判定する(ステップY163)。そして、下大入賞口の開放中でない場合(ステップY163;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、下大入賞口の開放中である場合(ステップY163;Y)は、下大入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップY164)。
なお、ステップY161及びY163における開放中とは、第1特別結果(大当り)に基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態での開放中と、第2特別結果(小当り)に基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態での開放中の両方を含む。また、ステップY161〜Y163の判定では特図1又は特図2ゲーム処理番号を参照して判定するようにしても良いし、それぞれの状態であるか否かを示すフラグを設定するようにして、このフラグに基づき判定するようにしても良い。
下大入賞口スイッチに入力がない場合(ステップY164;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、下大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップY164;Y)は、今回の大入賞口スイッチ監視処理において加算される大入賞口への入賞数をカウントするための入賞カウンタに1をセットし(ステップY165)、ステップY175に移行する。
一方、上大入賞口が開放中である場合(ステップY161;Y)又は上大入賞口の残存球処理中である場合(ステップY162;Y)に移行するステップY166においては、入賞カウンタに0をセットする(ステップY166)。その後、上大入賞口スイッチ1(一方の上大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定し(ステップY167)、入力がない場合(ステップY167;N)は、ステップY171に移行する。
また、上大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップY167;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップY168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY169)。第1特別変動入賞装置38の場合は、入賞による演出を行うために大入賞口カウントコマンドを送信するようになっている。さらに、入賞カウンタを+1更新し(ステップY170)、上大入賞口スイッチ2(他方の上大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップY171)。
そして、上大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップY171;N)は、ステップY175に移行する。また、上大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップY171;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップY172)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY173)。さらに、入賞カウンタを+1更新して(ステップY174)、ステップY175に移行する。
その後、入賞カウンタの値が0である場合(ステップY175;Y)、大入賞口残存球処理中である場合(ステップY176;Y)又は小当り残存球処理中である場合(ステップY177;Y)の何れかである場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でなく(ステップY175;N)、大入賞口残存球処理中でなく(ステップY176;N)、小当り残存球処理中でもない(ステップY177;N)場合は、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップY178)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数)以上となったかを判定する(ステップY179)。
大入賞口カウント数が上限値(ここでは9)以上となっていない場合(ステップY179;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップY179;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップY180)、対象の特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアする(ステップY181)。そして、大当りでの開放中、すなわち、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態での開放であるかを判定する(ステップY182)。
大当りでの開放中でない場合(ステップY182;N)、すなわち小当りでの開放中である場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大当りでの開放中である場合(ステップY182;Y)、大入賞口制御ポインタ領域に大当り開放動作終了の値をセーブして(ステップY183)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
なお、下大入賞口スイッチに入力があった場合(ステップY164;Y)も大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い。また、下大入賞口についての残存球処理がある場合には、当該残存球処理中に下大入賞口スイッチに入力があった場合にも大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い。
〔特図1普段処理〕
図38には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY108)を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるかを判定する(ステップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)は、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号をセーブし(ステップY217)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)は、左打ち指示報知済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているかを判定する(ステップY202)。左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)は、ステップY206に移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY204)。その後、左打ち指示報知フラグをセットし(ステップY205)、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY206)。左打ち指示報知フラグは、高確率状態である特定遊技状態で最後に行われた特図変動表示ゲームが終了する際にクリアされるようになっており、これにより低確率状態である通常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
そして、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)は、ステップY217に移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY208)。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開始処理を行い(ステップY209)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップY210)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY211)。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY210)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から−1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY212)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0〜5の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。
次に、高確率状態中であるかを判定する(ステップY213)。そして、高確率状態中である場合(ステップY213;Y)は、ステップY216に移行する。また、高確率状態中でない場合(ステップY213;N)は、高確率最終変動中であるかを判定する(ステップY214)。高確率最終変動中とは、第1特別遊技状態の終了から所定回数目(ここでは50回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
高確率最終変動中である場合(ステップY214;Y)は、ステップY216に移行する。また、高確率最終変動中でない場合(ステップY214;N)は、特図1変動チェックフラグをセットする(ステップY215)。すなわち、低確率状態で特図1変動表示ゲームが開始された場合に特図1変動チェックフラグがセットされる。その後、特図1変動中処理移行設定処理を行って(ステップY216)、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図39には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY139)を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるかを判定する(ステップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)は、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号をセーブし(ステップY237)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)は、特図2保留数が0であるかを判定する(ステップY222)。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY224)。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図2変動開始処理を行い(ステップY225)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップY226)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY227)。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY226)を行う時点では特図2変動表示ゲームの開始に基づく特図2保留数の減算は行われておらず、現在の特図2保留数から−1した特図2保留数に対応する保留数コマンドを準備している。
次に、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップY228)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。そして、高確率状態中であるかを判定し(ステップY229)、高確率状態中である場合(ステップY229;Y)は、ステップY232に移行する。また、高確率状態中でない場合(ステップY229;N)は、高確率最終変動中であるかを判定する(ステップY230)。高確率最終変動中とは、第1特別遊技状態の終了から所定回数目(ここでは50回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
高確率最終変動中である場合(ステップY230;Y)は、ステップY232に移行する。また、高確率最終変動中でない場合(ステップY230;N)は、特図2変動チェックフラグをセットする(ステップY231)。すなわち、低確率状態で特図2変動表示ゲームが開始された場合に特図2変動チェックフラグがセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理を行って(ステップY232)、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)は、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY233)。そして、特図1保留数が0である場合(ステップY233;Y)は、特図1が変動中であるかを判定する(ステップY234)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップY234;N)は、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップY235)、開示済みでない場合(ステップY235;N)は客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY233;N)、特図1が変動中である場合(ステップY234;Y)又は客待ちデモが開始済みである場合(ステップY235;Y)は、ステップY239に移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(ステップY236)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップY237)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY238)、ステップY239に移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行うことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化することも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送信するようにしている(ステップY207、Y223)。これにより、演出制御装置300において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにしたことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコマンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図40には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209)を示した。この特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY241)、特図1変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップY244)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY245)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図変動パターン設定処理(ステップY246)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY247)を行う。これらの処理により、これから実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターンが決定される。その後、高確率状態とする期間の管理を行うための高確率変動回数更新処理を行い(ステップY248)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
図41には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225)を示した。この特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY261)、特図2変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップY264)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY265)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図変動パターン設定処理(ステップY266)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY267)を行う。これらの処理により、これから実行される特図2変動表示ゲームの結果や変動パターンが決定される。その後、高確率状態とする期間の管理を行うための高確率変動回数更新処理を行い(ステップY268)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図42には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(ステップY271)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY272)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY273)、特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大当りであるかを判定し(ステップY275)、大当りである場合(ステップY275;Y)は、ステップY279に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY275;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY276)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りである場合(ステップY277;Y)は、ステップY272にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY278)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りでない場合(ステップY277;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY279)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りである場合(ステップY280;Y)は、ステップY271にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY281)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りでない場合(ステップY280;N)は、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ1領域及び小当りフラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図43には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域を0クリアする。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大当りであるかを判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y)は、ステップY299に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY295;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステップY297;Y)は、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ステップY297;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステップY300;Y)は、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(ステップY300;N)は、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図44には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップY276、Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップY313)。
そして、高確率状態である場合(ステップY313;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。また、高確率状態でない場合(ステップY313;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY316;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップY318)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図45には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップY279、Y299)を示した。この小当り判定処理では、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップY321)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップY321;N)は、特図1の情報設定中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームについての判定であるかを判定する(ステップY322)。
そして、特図1の情報設定中である場合(ステップY322;Y)は、特図1用の小当り上限判定値を設定し(ステップY323)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY322;N)、すなわち特図2変動表示ゲームについての判定である場合は、特図2用の小当り上限判定値を設定し(ステップY324)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY325;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップY325;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップY327)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図46には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY332)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示ゲームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY337)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図1大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY338)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)は、小当りフラグ1は小当りであるかを判定し(ステップY339)、小当りである場合(ステップY339;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY340)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップY341)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY342)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY343)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップY339;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブし(ステップY344)、はずれ停止図柄パターンを特図1停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY345)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブし(ステップY347)、演出コマンド設定処理(ステップY348)を行う。この飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY349)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップY350)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY351)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図47には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップY361;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップY363)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図2変動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY367)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図2大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY368)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)は、小当りフラグ2は小当りであるかを判定し(ステップY369)、小当りである場合(ステップY369;Y)は、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY370)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY371)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY372)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY373)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY369;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブし(ステップY374)、はずれ停止図柄パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY375)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブし(ステップY377)、演出コマンド設定処理(ステップY378)を行う。この飾り特図2コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY379)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップY380)、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY381)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
図48には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップY244、Y264)を示した。この特図情報設定処理は特図1と特図2で共通の処理であり、特図1変動開始処理で行われる場合は特図1を対象の特図とし、特図2変動開始処理で行われる場合は特図2を対象の特図として処理を行う。
この特図情報設定処理では、まず、高確率中であるかを判定する(ステップY401)。高確率中でない場合(ステップY401;N)は、低確率時変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY402)、対象の特図の停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY403)、対象の特図は大当り、すなわち対象の特図の停止図柄パターンが大当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ステップY404)。
対象の特図は大当りである場合(ステップY404;Y)は、ステップY412に移行する。また、対象の特図は大当りでない場合(ステップY404;N)は、対象の特図は小当り、すなわち対象の特図の停止図柄パターンが小当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ステップY405)。そして、対象の特図は小当りでない場合(ステップY405;N)、すなわちはずれである場合は、前半オフセットデータに特図保留数を加算して値を変換し(ステップY407)、ステップY412に移行する。また、対象の特図は小当りである場合(ステップY405;Y)は、ステップY412に移行する。
一方、高確率中である場合(ステップY401;Y)は、高確率時変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY408)、対象の特図の停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY409)、ステップY412に移行する。
そして、以上のように設定した前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブするとともに(ステップY412)、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY413)、特図情報設定処理を終了する。
つまり通常遊技状態における特図変動表示ゲームは、はずれの場合には前半変動パターンのみ特図保留数を考慮して変動パターンが決定されるようにし、大当りや小当りの場合は特図保留数を考慮せずに変動パターンが決定されるようにする。また、特定遊技状態における特図変動表示ゲームは、特図保留数を考慮せずに変動パターンが決定されるようにする。
〔特図変動パターン設定処理〕
図49には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図変動パターン設定処理(ステップY246、Y266)を示した。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
この特図1変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップY451)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備して(ステップY452)、対象の特図の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップY453)。
次に、特図1はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(ステップY454)、対象の特図がはずれである場合(ステップY454;Y)は、2バイト振り分け処理を行って(ステップY455)、ステップY457に移行する。また、対象の特図がはずれでない場合(ステップY454;N)は、振り分け処理を行って(ステップY456)、ステップY457に移行する。結果が大当りや小当りの場合は振り分け値が1バイトであるが、結果がはずれの場合は多彩な演出を可能とするため振り分け値が2バイトとなっている。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY457)、対象の特図の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY458)。そして、振り分け処理(ステップY459)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップY460)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY461)、変動振分情報1と決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY462)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY463)、対象の特図の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップY464)。
その後、振り分け処理(ステップY465)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY467)、特図変動パターン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始される特図変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔2バイト振り分け処理〕
図50には、上述の特図変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップY455)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(ステップY501)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブルにあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップY502;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップY502;N)は、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップY503)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップY373にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップY504)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップY505)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップY505;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップY506)、処理をステップY503に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、ステップY503にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップY505にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY504)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY505)。
上記の処理をステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY505;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY505;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図51には、上述の特図変動パターン設定処理及び特図変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップY456、Y459、Y465)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(ステップY511)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップY512;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップY512;N)は、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップY513)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップY513にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップY514)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップY515)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップY515;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップY516)、処理をステップY513に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、ステップY513にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップY515にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY514)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY515)。
上記の処理をステップY515にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY515;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、ステップY515にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY515;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
図52には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップY247、Y267)を示した。この変動開始情報設定処理では、まず、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY551)、特図1の情報設定中である場合(ステップY551;Y)は、特図1の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域(保留数1用)をクリアする(ステップY552)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY551;N)、すなわち特図2の情報設定中である場合は、特図2の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップY553)。
次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップY554)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップY555)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップY556)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップY557)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップY558)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY559)。
その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップY564)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップY565)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY566)。次に、対象の特図保留数を−1更新し(ステップY568)、対象の特図の乱数格納領域の内容をシフトし(ステップY569)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップY570)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき、変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を決定することが可能な決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げられる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。さらに、遊技制御装置100が、第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報並びに第2変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信することが可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終了する計測手段をなす。
〔高確率変動回数更新処理〕
図53には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(ステップY248、Y268)を示した。この高確率変動回数更新処理では、まず、高確率中であるかを判定し(ステップY581)、高確率中でない場合(ステップY581;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率中である場合(ステップY581;Y)は、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を−1更新し(ステップY582)、高確率変動回数が0であるかを判定する(ステップY583)。
高確率変動回数が0でない場合(ステップY583;N)、すなわち高確率状態が継続する場合は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が0である場合(ステップY583;Y)すなわち高確率状態を終了する場合は、高確率状態及び時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY585)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
さらに、遊技状態表示番号領域に低確率状態及び時短なし中の番号をセーブし(ステップY586)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップY587)。そして、変動開始する図柄に対応する高確率最終変動フラグをセットし(ステップY588)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップY589)、高確率変動回数更新処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に所定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間にわたり特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段をなす。なお、特定遊技状態として高確率状態かつ時短状態としたが、一方のみを発生させる状態としても良い。
本実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態を設定するようにしているが、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能であるので、高確率状態の回数を管理する高確率変動回数更新処理は特図変動表示ゲームの開始時に行うようにしている。従来のように一方の特図変動表示ゲームの実行中は他方の特図変動表示ゲームを実行しないようにする遊技機であれば、所定回数目の特図変動表示ゲームの終了までに確率状態を低確率状態に変更すれば問題は生じない。しかし、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、所定回数目の特図変動表示ゲームの終了時に確率状態を低確率状態に変更するものとすると、当該一方の特図変動表示ゲームの実行中に開始される他方の特図変動表示ゲームまでも高確率状態で判定が行われてしまい、所定回数以上に亘り高確率状態で遊技を実行可能となってしまう。よって、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、所定回数目となる一方の特図変動表示ゲームを高確率状態で判定した後に、他方の特図変動表示ゲームの開始までに低確率状態としておく必要があり、ここでは、所定回数目となる一方の特図変動表示ゲームについて開始時の処理を終えた後すぐに低確率状態へ変更できるようにしている。
このように高確率変動回数更新処理は特図変動表示ゲームの開始時に行われるため、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームについては、当該特図変動表示ゲームの変動表示中にはすでに低確率状態になっている。よって、当該特図変動表示ゲームの変動表示中において他の処理が現実の確率状態を参照して処理を行うと、低確率状態であるものとして処理が行われてしまうために不都合が生じる虞がある。そこで当該特図変動表示ゲームについては高確率状態として実行しているゲームとして扱うことができるようにするために高確率最終変動フラグを設定するようにしている。また、高確率最終変動フラグは、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームが、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れであるかを判定できる情報を含んでいる。
〔特図1変動中処理移行設定処理〕
図54には、特図1普段処理における特図1変動中処理移行設定処理(ステップY216)を示した。この特図1変動中処理移行設定処理では、まず、特図1ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY601)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY602)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY603)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY604)。ここでは特別図柄1変動中信号をONに設定する。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY605)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY606)。さらに、特図1変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY607)、特図1変動中処理移行設定処理を終了する。
特図1変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
〔特図2変動中処理移行設定処理〕
図55には、特図2普段処理における特図2変動中処理移行設定処理(ステップY230)を示した。この特図2変動中処理移行設定処理では、まず、特図2ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY611)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY612)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY613)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY614)。ここでは特別図柄2変動中信号をONに設定する。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY615)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY616)。さらに、特図2変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY617)、特図2変動中処理移行設定処理を終了する。
特図2変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52において変動表示を開始する際にはすべてのセグメントを消灯状態とした状態から開始するとしたが、これに限られるものではない。例えば、何れの結果態様の点灯態様とも異なる点灯態様から変動表示を開始するようにしても良いし、何れの結果態様でも用いられないセグメントがあれば少なくとも当該セグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしても良い。また、必ず毎回同じ一のセグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしてもよい。また、特図1表示器51と特図2表示器52で変動を開始する際の点灯態様は同じでも良いし異なっていても良い。
〔特図1変動中処理〕
図56には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY109)を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY621)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY622)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY623)。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY625)。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演出制御装置300に送信するようにしている。
その後、高確率の最終変動であるかを判定する(ステップY626)。なお、特図1変動表示ゲームが高確率の最終変動である場合は特図1の高確率最終変動フラグが設定されている。そして、高確率の最終変動でない場合(ステップY626;N)は、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定し(ステップY627)、ステップY629に移行する。また、高確率の最終変動である場合(ステップY626;Y)は、高確率最終変動時の表示時間を設定し(ステップY628)、ステップY629に移行する。なお、ここで設定される特図1変動表示ゲームの表示時間(停止時間)としては、高確率最終変動でない場合には、はずれの場合に600ms、大当りの場合に2000ms、小当りの場合に600msの表示時間が設定される。また、高確率最終変動である場合には、結果にかかわらず2000msの表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY629)。特図1はずれである場合(ステップY629;Y)は、ステップY644に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY629;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図2変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY630)。なお特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY630;Y)は、ステップY640に移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY630;Y)は、特図2表示中処理中であるかを判定する(ステップY631)。すなわちこの場合は、特図1変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY631;Y)は、ステップY633に移行する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY631;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY632)、特図2の表示時間として上記で設定した特図1の表示時間+4msの表示時間を設定する(ステップY633)。特図2の表示時間として特図1の表示時間+4msの表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY634)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY635)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY636)。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY637)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY638)、特図2表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY639)。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY640)、特図1小当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY641)。特図1小当りである場合(ステップY641;Y)は、ステップY644に移行する。また、特図1小当りでない場合(ステップY641;N)、すなわち大当りである場合は、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY642)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY643)。
その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし(ステップY644)、特図1表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY645)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図57には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY140)を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY651)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY652)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY653)。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY655)。その後、高確率の最終変動であるかを判定する(ステップY656)。なお、特図2変動表示ゲームが高確率の最終変動である場合は特図2の高確率最終変動フラグが設定されている。
そして、高確率の最終変動でない場合(ステップY656;N)は、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定し(ステップY657)、ステップY659に移行する。また、高確率の最終変動である場合(ステップY656;Y)は、高確率最終変動時の表示時間を設定し(ステップY658)、ステップY659に移行する。なお、ここで設定される特図2変動表示ゲームの表示時間(停止時間)としては、高確率最終変動でない場合には、はずれの場合に600ms、大当りの場合に2000ms、小当りの場合に600msの表示時間が設定される。また、高確率最終変動である場合には、結果にかかわらず2000msの表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY659)。特図2はずれである場合(ステップY659;Y)は、ステップY674に移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY659;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図1変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY660)。なお特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY660;Y)は、ステップY670に移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY660;Y)は、特図1表示中処理中であるかを判定する(ステップY661)。すなわちこの場合は、特図2変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY661;Y)は、ステップY664に移行する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY661;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY662)、ステップY664に移行する。
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY664)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY665)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY666)。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY667)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY668)、特図1表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY669)。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY670)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY671)。特図2小当りである場合(ステップY671;Y)は、ステップY674に移行する。また、特図2小当りでない場合(ステップY671;N)、すなわち大当りである場合は、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY672)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY673)。
その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし(ステップY674)、特図2表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY675)、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
図58には、上述の特図1変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理1(ステップY645)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY681)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY682)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY683)。ここでは特別図柄1変動中信号をOFFに設定する。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY684)、特図1変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
図59には、上述の特図2変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理1(ステップY675)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY691)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY692)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY693)。ここでは特別図柄2変動中信号をOFFに設定する。その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY694)、特図2変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
図60には、上述の特図2変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理2(ステップY669)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY701)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY702)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY703)、その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY704)。
ここまでは上述の特図1表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY705)、特図1ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY706)。
次に、特図1大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY707)、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして(ステップY708)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY709)。そして、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステップY710)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY711)、はずれ停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY712)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
図61には、上述の特図1変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理2(ステップY639)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY721)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY722)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY723)、その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY724)。
ここまでは上述の特図2表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY725)、特図2ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY726)。
次に、特図2大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY727)、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブして(ステップY728)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY729)。そして、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステップY730)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY731)、はずれ停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY732)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
以上の図56〜図61の処理により、一方の特図変動表示ゲームが特別結果となった場合に他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることとなる。すなわち、特図1変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第1終了制御処理がなされ、特図2変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第2終了制御処理がなされることとなる。
また、はずれ停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップY732、Y712)は、試射試験装置で停止した特図変動表示ゲームの結果に対応する試験信号が取り込まれるタイミングまでに行えば良い。例えば、はずれ停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップY712、Y732)と、変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップY703、Y723)を一の割込みタイミングにおいて行うようにしているが、はずれ停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップY712、Y732)を行って当該データが出力された後の割込みタイミングで、変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップY703、Y723)を行うようにしても良い。すなわち、はずれ結果に変更される特図変動表示ゲームについて、変動終了に関する試験信号の出力の前にはずれ結果である旨の試験信号が出力されるようにしても良い。
以上のことから、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行制御が行われている第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、第2変動表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であることとなる。これにより、一方の変動表示ゲームで特別結果が導出された際に他方の変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止させることでき、同時変動を行う場合であっても不具合が生じることのないようにすることができる。
〔特図1表示中処理〕
図62、図63には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップY110)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードして(ステップY751)、小当りフラグ1領域をクリアする(ステップY752)。
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1ロードして(ステップY753)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップY754)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ1が大当り情報かを判定し(ステップY755)、大当りでない場合(ステップY755;N)は、ステップY777に移行する。また、大当りである場合(ステップY755;Y)は、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY756)。
その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY759)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16,8,4又は2)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY760)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY761)。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY763)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY764)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY765)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY766)。本実施形態の場合、ステップY766において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にONとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされる。また、大当り3信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にONとされる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms、3000ms又は4ms)を設定して(ステップY767)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY768)。そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるかを判定する(ステップY769)。
上大入賞口を開放する大当りである場合(ステップY769;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY770)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY771)、ステップY774に移行する。また、上大入賞口を開放する大当りでない場合(ステップY769;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する大当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY772)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY773)、ステップY774に移行する。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY774)、特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY775)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776)を行い、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップY755にて、特図1は大当りでない場合(ステップY755;N)、すなわち大当りフラグ1がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ1が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY777)。そして、小当りフラグ1が小当りである場合(ステップY777;Y)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY778)。
高確率最終変動でない場合(ステップY778;N)は、ステップY783に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY778;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY779)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY780)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY781)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアする(ステップY782)。左打ち指示報知フラグをクリアすることで、次回行われる特図1普段処理において左打ち指示報知コマンドが設定されて左打ちを指示する報知が行われるようになる。
その後、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY783)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY784)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY785)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY786)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY790)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY791)。これにより第1遊技状態表示部77が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し(ステップY792)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY792;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY793)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY794)、ステップY797に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY792;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY795)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY796)、ステップY797に移行する。そして、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を行い、特図1表示中処理を終了する。
また、ステップY777にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステップY777;N)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY798)。
高確率最終変動でない場合(ステップY798;N)は、ステップY806に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY798;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY799)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY800)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY801)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアし(ステップY802)、高確率状態及び時短状態の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY803)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。
次に特図2の小当り中、すなわち特図2変動表示ゲームで発生した小当りに基づく第2特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY804)。特図2の小当り中である場合(ステップY804;Y)は、ステップY807に移行する。これにより右打ちを指示する状態が維持される。また、特図2の小当り中でない場合(ステップY804;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY805)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY806)。その後、特図ステータス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)し(ステップY807)、特図1普段処理移行設定処理1を行って(ステップY808)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図64、図65には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップY141)を示した。なお、この特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等の処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ2領域に設定された小当りフラグ2をロードして(ステップY811)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステップY812)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY813)、大当りフラグ2領域をクリアする(ステップY814)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ2が大当り情報かを判定し(ステップY815)、大当りでない場合(ステップY815;N)は、ステップY837に移行する。また、大当りである場合(ステップY815;Y)は、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY816)。
その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY819)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16,8,4又は2)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY820)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY821)。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY822)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY823)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY824)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY825)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY826)。本実施形態の場合、ステップY826において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にONとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされる。また、大当り3信号は、大当り種類が2R確変D1以外の大当りである場合にはONとされ、高確率状態中での2R確変D1である場合にOFFとされ、低確率状態中での2R確変D1である場合にONとされる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms、3000ms又は4ms)を設定して(ステップY827)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY828)。そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるかを判定する(ステップY829)。
上大入賞口を開放する大当りである場合(ステップY829;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY830)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY831)、ステップY834に移行する。また、上大入賞口を開放する大当りでない場合(ステップY829;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する大当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY832)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY833)、ステップY834に移行する。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY834)、特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY835)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY836)を行い、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップY815にて、特図2は大当りでない場合(ステップY815;N)、すなわち大当りフラグ2がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ2が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY837)。そして、小当りフラグ2が小当りである場合(ステップY837;Y)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY838)。
高確率最終変動でない場合(ステップY838;N)は、ステップY843に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY838;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY839)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY840)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY841)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアする(ステップY842)。左打ち指示報知フラグをクリアすることで、次回行われる特図1普段処理において左打ち指示報知コマンドが設定されて左打ちを指示する報知が行われるようになる。
その後、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY843)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY844)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY845)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY846)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY850)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY851)。これにより第1遊技状態表示部77が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し(ステップY852)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY852;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY853)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY854)、ステップY857に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY852;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY855)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY856)、ステップY857に移行する。そして、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を行い、特図2表示中処理を終了する。
また、ステップY837にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステップY837;N)は、高確率最終変動であるか、すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する(ステップY858)。高確率最終変動でない場合(ステップY858;N)は、ステップY866に移行する。また、高確率最終変動である場合(ステップY858;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY859)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY860)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY861)、左打ち指示報知フラグ及び高確率最終変動フラグをクリアして(ステップY862)、高確率状態及び時短状態の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY863)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。
次に特図1の小当り中、すなわち特図1変動表示ゲームで発生した小当りに基づく第2特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY864)。特図1の小当り中である場合(ステップY864;Y)は、ステップY867に移行する。これにより右打ちを指示する状態が維持される。また、特図1の小当り中でない場合(ステップY864;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY865)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY866)。その後、特図ステータス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)し(ステップY867)、特図2普段処理移行設定処理1を行って(ステップY868)、特図2表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴って特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生させる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図66には、上述の特図1表示中処理及び特図2表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776、Y836)の詳細について説明する。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY871)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。次に高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップY875)。
そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY876)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(ステップY877)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
次に、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブし(ステップY878)、高確率最終変動フラグ領域をクリアする(ステップY879)。さらに、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。その後、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブし(ステップY882)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を終了する。
〔特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図67には、上述の特図1表示中処理における特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を示した。この特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY891)、当該処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY892)。
次に、小当りファンファーレ時間(例えば4ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY893)、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY894)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号及び大当り4信号をONに設定する。さらに、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY895)。ここでは特別図柄1小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY896)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY897)、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図68には、上述の特図2表示中処理における特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を示した。この特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY901)、当該処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY902)。
次に、小当りファンファーレ時間(例えば4ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY903)、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY904)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号及び大当り4信号をONに設定する。さらに、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY905)。ここでは特別図柄2小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY906)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY907)、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図69には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111、Y142)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップY951)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備し(ステップY952)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY953)。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設定し(ステップY954)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(ステップY955)。大当り中処理制御ポインタ初期値としては、一のラウンドにおいて開閉を繰り返す場合には0を設定する。ここでは、16R確変F3(特図2上大入賞口開閉パターン5)の5R目が相当する。また、一のラウンドにおいて連続した1回の開放を行う場合には、大当り動作終了値である21を設定する。なお、一のラウンドにおける開閉回数に応じて初期値を0以外に設定しても良い。
そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間を設定し(ステップY956)、処理番号として4を設定する(ステップY957)。ここで設定する開放時間としては、例えば200ms、600ms、1600ms、29000msの何れかである。
次に特図1の大当りであるかを判定し(ステップY958)、特図1の大当りである場合(ステップY958;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY959)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY960)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY958;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入賞口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。
そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の大当りであるかを判定する(ステップY963)。上大入賞口開放の大当りであるかは設定されている大入賞口開放情報から判別することが可能である。上大入賞口開放の大当りである場合(ステップY963;Y)は、大入賞口開放中処理移行設定処理1を行い(ステップY964)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。また、上大入賞口開放の大当りでない場合(ステップY963;N)は、大入賞口開放中処理移行設定処理2を行い(ステップY965)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理1〕
図70には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理1(ステップY964)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理1においては、まず、上大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY971)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、第1特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY972)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY973)、大入賞口開放中処理移行設定処理1を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理2〕
図71には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理2(ステップY965)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理2においては、まず、下大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY981)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、第2特別変動入賞装置39の開閉部材39cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY982)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY983)、大入賞口開放中処理移行設定処理2を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
図72には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップY112,Y143)を示した。この大入賞口開放中処理では、まず、大当り中処理制御ポインタをロードし(ステップY1001)、ロードした値が大当り動作終了値(ここでは21)以上であるかを判定する(ステップY1002)。
ロードした値が大当り動作終了値(ここでは21)以上でない場合(ステップY1002;N)は、大当り動作移行設定処理を行って(ステップY1003)、大当り中処理制御ポインタを+1更新し(ステップY1004)、大入賞口開放中処理を終了する。この場合は一のラウンド中に開閉が行われる場合であり、更新された大当り中処理制御ポインタに応じて特別変動入賞装置の開閉態様が設定されることとなる。
一方、ロードした値が大当り動作終了値(ここでは21)以上である場合(ステップY1002;Y)は、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1005)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップY1005;N)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップY1006)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。また、最終ラウンドである場合(ステップY1005;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備し(ステップY1007)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する残存球処理時間を設定し(ステップY1009)、処理番号として大入賞口残存球処理にかかる5を設定する(ステップY1010)。残存球処理時間としては、600ms、800ms又は1400msが設定される。そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1011)。
特図1の大当りである場合(ステップY1011;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1012)、残存球処理時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1013)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1011;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1014)、残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1015)。
その後、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1016)、大入賞口開放中処理を終了する。なお、ステップY1016では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
〔大当り動作移行設定処理〕
図73には、上述の大入賞口開放中処理における大当り動作移行設定処理(ステップY1004)を示した。この大当り動作移行設定処理では、まず、大当り中処理制御ポインタの値が偶数か奇数かによる分岐処理を行う(ステップY1021)。なお、ここでは0は偶数であるとして分岐処理を行う。
ステップY1021にて大当り中処理制御ポインタの値が偶数である場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間を設定する(ステップY1022)。ここではウェイト時間として1500msを設定する。なお、ポインタの値によって異なるウェイト時間を設定するようにしても良い。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステップY1023)、ステップY1026に移行する。なお、ステップY1023では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
一方、ステップY1021にて大当り中処理制御ポインタの値が奇数である場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間を設定する(ステップY1024)。ここでは大入賞口開放時間として大当り中処理制御ポインタの値が1〜19である場合には200msを設定し、21である場合には25000msを設定する。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1025)、ステップY1026に移行する。なお、本実施形態の遊技機では一のラウンド中に開閉を繰り返すのは上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)のみであるため、ステップY1024では上大入賞口ソレノイドについてオンデータをセーブしている。もちろん遊技機の設定によっては下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)についても一のラウンドにおいて開閉を繰り返すことができるようにしても良い。
その後、特図1の大当りであるかを判定し(ステップY1026)、特図1の大当りである場合(ステップY1026;Y)は、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1027)、大当り動作移行設定処理を終了する。また、特図1の大当りでない場合(ステップY1026;N)は、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1028)、大当り動作移行設定処理を終了する。以上の処理により、一のラウンドにおいて大入賞口の開閉を繰り返すことが可能となる。
〔大入賞口残存球処理〕
図74には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップY113、Y144)を示した。この大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1041)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップY1041;N)は、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1042)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。次に、大入賞口開放情報と今回のラウンド数とに対応するインターバル時間を設定し(ステップY1043)、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる3を設定する(ステップY1044)。
ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間と600msのインターバル時間が設定されるので、インターバル期間は2000msとなり、このインターバル期間において、表示装置41等でインターバル演出が実行される。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップY1041;Y)は、大当り終了処理移行設定処理を行い(ステップY1045)、停止図柄パターンに対応するエンディング時間を設定して(ステップY1046)、処理番号として特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理にかかる6を設定する(ステップY1047)。
そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1048)。特図1の大当りである場合(ステップY1048;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1049)、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1050)、大入賞口残存球処理を終了する。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1048;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1051)、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1052)、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からエンディング時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間と9600msのエンディング時間が設定されるので、エンディング期間は11000msとなり、このエンディング期間において、表示装置41等でエンディング演出が実行される。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図75には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップY1045)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大入賞口の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1071)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップY1072)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップY1073)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップY1074)。
そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップY1075)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップY1076)、大入賞口の開閉態様を設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアし(ステップY1077)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔特図1大当り終了処理〕
図76には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY114)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、特図1普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1101)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1102)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1103)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、高確率状態と時短状態(普電サポート状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1104)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
その後、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1105)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1106)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
そして、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1107)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次に、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブする(ステップY1108)。なお、本実施形態の遊技機では、高確率中は必ず時短状態であるので、ここではこれらを区別せずに高確率中の番号としている。その後、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1109)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブする(ステップY1110)。
次に、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1111)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1112)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1113)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
その後、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(ステップY1114)、高確率状態での特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための高確率変動回数領域に初期値(ここでは50)をセーブする(ステップY1115)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップY1116)、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1117)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブし(ステップY1118)、特図1大当り終了処理を終了する。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1117において特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。なお、特図2ゲームウェイト時間値を設定しないようにして特図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となるようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な状態としないようにするゲーム処理待機手段をなす。
〔特図2大当り終了処理〕
図77には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY145)を示した。この特図2大当り終了処理は上述の特図1大当り処理でのステップY1117を行わない以外は同等の処理である。
まず、特図2普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1121)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1122)。次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1123)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、高確率状態と時短状態(普電サポート状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1124)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
その後、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1125)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1126)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
そして、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1127)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次に、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブする(ステップY1128)。なお、本実施形態の遊技機では、高確率中は必ず時短状態であるので、ここではこれらを区別せずに高確率中の番号としている。その後、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1129)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブする(ステップY1130)。
次に、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1131)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1132)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1133)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
その後、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(ステップY1134)、高確率状態での特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための高確率変動回数領域に初期値(ここでは50)をセーブする(ステップY1135)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップY1136)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップY1137)、特図2大当り終了処理を終了する。
これらの特図1大当り処理及び特図2大当り処理により、第1特別遊技状態の終了後に50回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態かつ時短状態である特定遊技状態が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘り、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。また、特定遊技状態発生手段は、特定遊技状態として、所定期間に亘り、変動表示ゲームの結果が第1特別結果となる確率を通常状態よりも高めるようにしていることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップY115、Y146)の詳細について説明する。図78に示すようにこの小当りファンファーレ中処理では、まず、開放パターンによる分岐を行う(ステップY1201)。
ステップY1201にて開放パターンが小当り1(特図1下大入賞口開閉パターン1)である場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1202)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1203)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1204)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1205)。
その後、小当り開放時間1(ここでは48ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1206)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1207)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1208)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り2(特図2下大入賞口開閉パターン2)である場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1209)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1210)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1211)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1212)。
その後、小当り開放時間2(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1213)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1214)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1215)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り3(特図2上大入賞口開閉パターン6)である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1216)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1217)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1218)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1219)。
その後、小当り開放時間3(ここでは1200ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1220)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1221)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1222)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り4(特図2上大入賞口開閉パターン7)である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1224)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1225)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1226)。
その後、小当り開放時間4(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1227)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1228)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1229)、ステップY1230に移行する。これらの小当り種類に応じた処理を行った後、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップY1230)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理〕
図79には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り中処理(ステップY116、Y147)を示した。この小当り中処理では、まず、小当り終了画面コマンドを準備し(ステップY1241)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1242)。次に、開放パターンによる分岐を行う(ステップY1243)。
ステップY1243にて開放パターンが小当り1(特図1下大入賞口開閉パターン1)である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1244)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1245)。そして、小当り残存球処理時間1(ここでは600ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1246)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1247)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り2(特図2下大入賞口開閉パターン2)である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1248)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1249)。そして、小当り残存球処理時間2(ここでは600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1250)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1251)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り3又は4(特図2上大入賞口開閉パターン6又は7)である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1252)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1253)。そして、小当り残存球処理時間3(ここでは800ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1254)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1255)、小当り中処理を終了する。
なお、ステップY1247、Y1251、Y1255では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
〔小当り残存球処理〕
図80には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップY117、Y148)を示した。この小当り残存球処理では、まず、特図1の小当りであるかを判定する(ステップY1271)。特図1の小当りである場合(ステップY1271;Y)は、処理番号として特図1小当り終了処理にかかる10を設定して(ステップY1272)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1273)。次に、小当りエンディング時間(ここでは100ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1274)、ステップY1278に移行する。
また、特図1の小当りでない場合(ステップY1271;N)は、処理番号として特図2小当り処理にかかる10を設定して(ステップY1275)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1276)。次に、小当りエンディング時間(ここでは100ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1277)、ステップY1278に移行する。
そして、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1278)。ここでは、特別電動役物1作動中信号及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。さらに、大入賞口カウント数領域をクリアして(ステップY1279)、小当り残存球処理を終了する。
〔特図1小当り終了処理〕
図81には、上述の特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(ステップY118)を示した。この特図1小当り終了処理では、まず、処理番号として特図1普段処理にかかる0を設定し(ステップY1301)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1302)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1303)。ここでは、特別図柄1小当り信号をOFFに設定する。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1304)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1305)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1306)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、高確率中であるかを判定し(ステップY1307)、高確率中である場合(ステップY1307;Y)は、ステップY1310に移行する。また、高確率中でない場合(ステップY1307;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1308)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1309)、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1310)。ここでも特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。なお、特図2ゲームウェイト時間値を設定しないようにして特図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となるようにしても良い。その後、小当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップY1311)、特図1小当り終了処理を終了する。ここでは、大当り1信号及び大当り4信号をOFFに設定する。
〔特図2小当り終了処理〕
図82には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY149)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理にかかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップY1335)。その後、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1336)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1337)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、高確率中であるかを判定し(ステップY1338)、高確率中である場合(ステップY1338;Y)は、特図2小当り終了処理を終了する。また、高確率中でない場合(ステップY1338;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1339)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1340)、小当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップY1341)、特図2小当り終了処理を終了する。ここでは、大当り1信号及び大当り4信号をOFFに設定する。
〔図柄変動制御処理〕
図83には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップY120、Y153)を示した。図柄変動制御処理は、特図1表示器51や特図2表示器52での特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(特図1又は特図2)の変動制御フラグが変動中であるかをチェックする(ステップY1401)。
そして、変動制御フラグが変動中である場合(ステップY1402;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得し(ステップY1403)、制御対象の図柄に係る点滅制御タイマを−1更新して(ステップY1404)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップY1405)。
点滅制御タイマの値が0でない場合(ステップY1405;N)は、ステップY1408に移行する。また、点滅制御タイマの値が0である場合(ステップY1405;Y)は、点滅制御タイマ初期値(ここでは100ms)を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップY1406)、制御対象の図柄に係る変動図柄番号を+1更新して(ステップY1407)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップY1408)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1411)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、変動制御フラグが変動中でない場合(ステップY1402;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップY1409)。そして、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップY1410)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1411)、図柄変動制御処理を終了する。これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップX112)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器75、第1遊技状態表示部76、第2遊技状態表示部77、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図84に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、点滅制御タイマを+1更新して(ステップX581)、点滅制御タイマの特定ビットが1か否かによって、出力オンタイミングであるかを判定する(ステップX582)。本実施形態では、点滅制御タイマのビット5が1である場合に出力オンタイミングであると判定することで、128m秒の点滅周期を作っている。
出力オンタイミングである場合(ステップX582;Y)は、普図保留表示器での表示態様が規定された普図保留数表示テーブル1,2のうちの、普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップX583)、出力オンタイミングでない場合(ステップX582;N)は、普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップX584)。そして、設定した普図保留数表示テーブルから普図保留数に対応する表示データを取得し、普図保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップX585)。本実施形態では、普図保留数が「0」〜「2」の何れかであれば、どちらの普図保留数表示テーブルが設定された場合であっても、表示データは同じになる。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップX586)、出力オンタイミングである場合(ステップX586;Y)は、特図1保留表示器での表示態様が規定された特図1保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップX587)、出力オンタイミングでない場合(ステップX586;N)は、特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップX588)。そして、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1保留数に対応する表示データを取得し、特図1保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップX589)。
その後、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップX590)、出力オンタイミングである場合(ステップX590;Y)は、特図2保留表示器での表示態様が規定された特図2保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップX591)、出力オンタイミングでない場合(ステップX590;N)は、特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップX592)。そして、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2保留数に対応する表示データを取得し、特図2保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップX593)。
さらに、ラウンド表示部での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定して(ステップX594)、ラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、ラウンド表示部のセグメント領域にセーブする(ステップX595)。
次に、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定して(ステップX596)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、第1遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(ステップX597)。本実施形態では、1個のLEDからなる第1遊技状態表示部を、通常中には消灯させ、特図時短中(普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
その後、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第2遊技状態表示部での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定して(ステップX598)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、第2遊技状態表示部のセグメント領域にセーブして(ステップX599)、セグメントLED編集処理を終了する。本実施形態では、1個のLEDからなる第2遊技状態表示部を、通常打ち(左打ち)時には消灯させ、右打ち時(本実施形態の場合、大当り中、小当り中、普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
〔磁石不正監視処理〕
図85には、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップX113)を示した。この磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ(磁気センサスイッチ)がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップX611)。磁石センサがオンである場合(ステップX611;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップX613)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップX613;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップX614)、磁石不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップX615)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップX616)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップX617)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁石センサ(磁気センサスイッチ)がオンでない場合(ステップX611;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップX618)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX619)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX620)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップX613;N)もステップX619の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX620;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が0である場合(ステップX620;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップX621)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップX622)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX623)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップX623;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップX623;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップX624)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX625)、磁石不正監視処理を終了する。
〔盤電波不正監視処理〕
図86には、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップX114)を示した。盤電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この盤電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップX631)。盤電波センサがオンである場合(ステップX631;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップX632)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップX633)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップX634)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX639)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサがオンでない場合(ステップX631;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX635)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX636)。
電波不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX636;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が0である場合(ステップX636;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップX637)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップX638)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX639)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップX639;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップX639;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップX640)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX641)、盤電波不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
図87には、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップX115)を示した。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップX105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)、磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波不正監視処理(ステップX114)などでの監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
この外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中であるかを判定し(ステップX701)、ガラス枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX701;N)は、本体枠(前面枠12)開放エラーの発生中であるかを判定する(ステップX702)。そして、本体枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX702;N)は、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX703)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX704)、ステップX707に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップX701;Y)や、本体枠(前面枠12)開放エラーの発生中である場合(ステップX702;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX705)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップX706)、ステップX707に移行する。すなわち、ガラス枠14や前面枠12が開放されている情報が外部情報として出力される。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX707)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、セキュリティ信号制御タイマの値が0でない場合(ステップX708;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に移行する。これにより、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。また、セキュリティ信号制御タイマの値が0である場合(ステップX708;Y)は、前面枠12に設けられた枠電波センサにより異常な電波を検出することである枠電波不正の発生中であるかを判定する(ステップX709)。
枠電波不正の発生中である場合(ステップX709;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に移行する。また、枠電波不正の発生中でない場合(ステップX709;N)は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーの発生中であるかを判定する(ステップX711)。そして、スイッチ異常エラーの発生中でない場合(ステップX711;N)は、ステップX713に移行する。また、スイッチ異常エラーの発生中である場合(ステップX711;Y)は、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX712)、ステップX713に移行する。
そして、磁石不正発生中(ステップX713;Y)、盤電波不正発生中(ステップX714;Y)、大入賞口不正発生中(ステップX715;Y)の少なくとも一つに該当する場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX718)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX719)、ステップX720に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。また、ステップX713〜X715の何れのエラーも発生していない場合は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX717)、ステップX720に移行する。
そして、第1始動入賞口36への入賞信号を編集する始動口1信号編集処理(ステップX720)、普通変動入賞装置37への入賞信号を編集する始動口2信号編集処理(ステップX721)、第2始動入賞口97への入賞信号を編集する始動口3信号編集処理(ステップX722)を行う。次に、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップX723)を行い、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の設定を行う図柄確定回数信号編集処理を行って(ステップX724)、外部情報編集処理を終了する。
〔始動口1信号編集処理〕
図88には、上述の外部情報編集処理における始動口1信号編集処理(ステップX720)を示した。この始動口1信号編集処理では、まず、始動口1信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX731)。なお、始動口1信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、始動口1信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX732)。始動口1信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX732;Y)は、始動口1信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX733)。
そして、始動口1信号出力回数が0でない場合(ステップX733;N)は、始動口1信号出力回数を−1更新し(ステップX734)、始動口1信号出力制御タイマ領域に始動口1信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX735)。この始動口1信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、始動口1信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX737)、始動口1信号編集処理を終了する。また、始動口1信号出力回数が0である場合(ステップX733;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX738)、始動口1信号編集処理を終了する。
一方、始動口1信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX732;N)は、始動1口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX736)。なお、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口1信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX736;Y)は、処理をステップX737に移行する。また、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX736;N)は、外部装置用の始動口1信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX738)、始動口1信号編集処理を終了する。なお、上述の外部情報編集処理における始動口2信号編集処理(ステップX721)や始動口3信号編集処理(ステップX722)は、この始動口1信号編集処理と同じ処理を始動口2信号や始動口3信号について行う。
〔メイン賞球信号編集処理〕
図89には、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップX723)を示した。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
このメイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX741)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX742)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX742;Y)は、メイン賞球信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX743)。
そして、メイン賞球信号出力回数が0でない場合(ステップX743;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップX744)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX745)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX747)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0である場合(ステップX743;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX742;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX746)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX746;Y)は、処理をステップX747に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX746;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
〔図柄確定回数信号編集処理〕
図90には、上述の外部情報編集処理における図柄確定回数信号編集処理(ステップX724)を示した。図柄確定回数信号編集処理は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための処理である。
この図柄確定回数信号編集処理では、まず、図柄確定回数信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX751)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX752)。図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX752;Y)は、特図変動表示ゲームが終了する毎に+1更新される図柄確定回数信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX753)。
そして、図柄確定回数信号出力回数が0でない場合(ステップX753;N)は、図柄確定回数信号出力回数を−1更新し(ステップX754)、図柄確定回数信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX755)。この図柄確定回数信号出力制御タイマ初期値は、図柄確定回数信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(ここでは128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(ここでは64ms)を加算した時間(ここでは192ms)となっている。
その後、図柄確定回数信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX757)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。また、図柄確定回数信号出力回数が0である場合(ステップX753;Y)は、外部装置用の図柄確定回数信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX758)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
一方、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX752;N)は、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX756)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX756;Y)は、処理をステップX757に移行する。また、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX756;N)は、外部装置用の図柄確定回数信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
次に、表示装置41における演出について説明する。図91(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、主表示図柄に設定された飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。飾り特図変動表示ゲーム表示部85では、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
飾り特図変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームに対応した飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応した飾り特図2変動表示ゲームとがある。演出制御装置300では、特図1と特図2のうち一方を主表示図柄に設定し、他方を副表示図柄に設定する。主表示図柄を特図1と特図2の何れにするかは、遊技の状態に応じて演出制御装置300が設定可能である他、遊技者等による演出ボタン25の操作によっても設定可能である。
表示領域の左上部には、副表示図柄に設定された飾り特図変動表示ゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88には、飾り特図1変動表示ゲームを表示する特図1第2飾りゲーム表示部88aと、飾り特図2変動表示ゲームを表示する特図2第2飾りゲーム表示部88bとが設けられ、表示位置により何れの特図が副表示図柄に設定されているかを判別可能としている。この第2飾りゲーム表示部88の特図1第2飾りゲーム表示部88aと特図2第2飾りゲーム表示部88bのそれぞれで表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85と同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
なお、図91(a)では説明のために、特図1第2飾りゲーム表示部88aと特図2第2飾りゲーム表示部88bの両方に飾り特図変動表示ゲームが表示されているようにしたが、実際には、図91(b)のように副表示図柄に設定された特図(図91(b)では特図2)に対応する飾り特図変動表示ゲームのみが対応する表示部に表示される。もちろん、図91(a)に示したように常に両方の特図の飾り特図変動表示ゲームを表示するようにしても良い。また、特図1第2飾りゲーム表示部88aと特図2第2飾りゲーム表示部88bの配置はここに示した配置に限られず、表示領域のうちの異なる位置であれば良い。また、第2飾りゲーム表示部88では、特図1第2飾りゲーム表示部88aと特図2第2飾りゲーム表示部88bを異なる表示部としたが、一の表示部に飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームのうち副表示図柄に設定された飾り特図変動表示ゲームを表示するようにしても良い。
また、飾り特図変動表示ゲーム表示部85についても、飾り特図1変動表示ゲームを表示する表示部と、飾り特図2変動表示ゲームを表示する表示部を異なる表示部とするようにしても良い。また、飾り特図変動表示ゲーム表示部85や第2飾りゲーム表示部88において表示部の位置により特図1と特図2を判別可能とするのではなく、識別情報の色彩や形状等を特図1と特図2で異ならせることで判別できるようにしても良い。また、特図1と特図2の何れであるかを示す情報を表示しても良いし、背景やランプ、BGMなどの音声により判別できるようにしても良い。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図91(a)では、消化順序が1番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。ここでは第2始動記憶が3つあることを示している。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図1変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84をなす第1実行中記憶表示部84aが設けられている。この第1実行中記憶表示部84aには、特図1変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
第2記憶表示部83bの左方には、現在実行中の特図2変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84をなす第2実行中記憶表示部84bが設けられている。この第2実行中記憶表示部84bには、特図2変動表示ゲームの開始時に第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図2変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
図91(b)から(h)には特図変動表示ゲームが実行中である場合の表示の一例を示した。図91(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図91(b)に示すように第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が第1実行中記憶表示部84aへ流入する表示が行われる。ここでは、第1実行中記憶表示部84aにおいても先読み演出と同様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。また、ここでは特図1は主表示図柄に設定されており、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
また、図91(a)に示す状態から第2始動記憶が消化されて減少すると、図91(b)に示すように第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が第2実行中記憶表示部84bへ流入する表示が行われる。ここでは、第2実行中記憶表示部84bにおいては特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等は示唆されていない。また、始動記憶数表示部86では、第2始動記憶数表示部86bの数値が1つ減少する。また、ここでは特図2は副表示図柄に設定されており、第2飾りゲーム表示部88では特図2第2飾りゲーム表示部88bのみに飾り特図変動表示ゲームが表示され、この特図2第2飾りゲーム表示部88bで第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
図91(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85では、まず左変動表示領域で識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示される。次に、図91(d)に示すように右変動表示領域で識別情報が仮停止する。ここでは、左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が停止するリーチ状態となっており、リーチ演出が開始される。もちろん左変動表示領域と右変動表示領域で異なる識別情報が停止してリーチ状態とならない場合もある。このようにリーチ状態の態様で右変動表示領域が仮停止するまでが前半変動であり、以降が後半変動となる。
そして、図91(e)に示すように中変動表示領域で識別情報が仮停止し、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の全ての変動表示領域で識別情報が仮停止した状態となる。なお、仮停止している状態は変動表示中と同等であり、ここでは未だ変動表示中の状態である。その後、特図1変動表示ゲームの変動時間が終了すると図91(f)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。
さらに、特図1変動表示ゲームの停止時間の終了に伴い飾り特図1変動表示ゲームが終了する。これに伴い図91(g)に示すように第1実行中記憶表示部84aの表示が消去され、次の飾り特図1変動表示ゲームを開始可能な状態となる。そして、図91(h)に示すように新たな第1始動記憶に基づき特図1変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では対応する飾り特図1変動表示ゲームが開始される。
また、第2飾りゲーム表示部88でも飾り特図変動表示ゲーム表示部85と同様に飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっており、図91(c)に示すように、まず左領域で識別情報が仮停止し、図91(d)に示すように右領域で識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示される。
その後、中領域が仮停止して飾り特図変動表示ゲーム表示部85の全ての変動表示領域で識別情報が仮停止した状態となる。なお、仮停止している状態は変動表示中と同等である。その後、特図2変動表示ゲームの変動時間が終了すると図91(e)に示すように飾り第2飾りゲーム表示部88の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。
さらに、特図2変動表示ゲームの停止時間の終了に伴い飾り特図2変動表示ゲームが終了する。これに伴い図91(f)に示すように第2実行中記憶表示部84bの表示が消去され、次の飾り特図2変動表示ゲームを開始可能な状態となる。そして、図91(g)に示すように新たな第2始動記憶に基づき特図2変動表示ゲームが開始され、第2飾りゲーム表示部88では対応する飾り特図2変動表示ゲームが開始される。なお、特図1第2飾りゲーム表示部88aに飾り特図1変動表示ゲームを表示する場合も同様に行われる。
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは独立して同時に実行可能であるため、これらに対応する飾り特図変動表示ゲームも独立して同時に実行される。そして、一方の特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り又は小当り)であれば、他方の特図変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で終了されて特別遊技状態となる。この場合、飾り特図変動表示ゲームも強制停止されるようになっていて、図91(f)の状態で主表示図柄に対応する特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り又は小当り)であれば、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では特別結果が表示され、副表示図柄に対応する第2飾りゲーム表示部88での飾り特図変動表示ゲームは、はずれ結果で終了する。
また、図91(e)の状態で副表示図柄に対応する特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り又は小当り)であれば第2飾りゲーム表示部88では特別結果が表示され、主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲーム表示部85での飾り特図変動表示ゲームは、はずれ結果で終了する。この場合、副表示図柄に対応する特図変動表示ゲームの終了後に主表示図柄と副表示図柄が入れ替えられて、第2飾りゲーム表示部88に表示されていた特別結果が飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示された後に特別遊技状態となるようにされている。これにより、特別結果が導出されたことを遊技者に明示するようにしている。またこの場合、図93で説明するようにスキップ演出が行われる場合がある。
また、図91(f)の状態で副表示図柄に対応する始動記憶がなければ副表示図柄に対応する特図変動表示ゲームは実行されず、新たな始動記憶が発生するまで第2飾りゲーム表示部88は結果を表示した状態のままとなる。同様に、図91(g)の状態で主表示図柄に対応する始動記憶がなければ主表示図柄に対応する特図変動表示ゲームは実行されない。この場合、副表示図柄に対応する特図変動表示ゲームが実行中であれば、主表示図柄と副表示図柄が入れ替えられる。
これにより、第2飾りゲーム表示部88で表示中の飾り特図変動表示ゲームが飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される。また、第2飾りゲーム表示部88では、副表示図柄に変更された特図に対応して飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示されていた結果が表示される状態となる。すなわち、一方の特図変動表示ゲームのみが実行される状況では、当該実行される特図変動表示ゲームが主表示図柄となるようにされる。もちろんこのような変更を行わずに、飾りゲーム表示部88のみで飾り特図変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。また、図91(g)の状態で主表示図柄に対応する始動記憶がなく、副表示図柄に対応する特図変動表示ゲームも実行されない状態であれば客待ち状態となる。
また、本実施形態の遊技機では、演出ボタン25の押下により主表示図柄と副表示図柄を入れ替えることが可能となっている。図92には、遊技者による演出ボタン25の操作に基づき主表示図柄が変更される場合の表示装置41における表示の一例を示した。
図92(a)は、特図1が主表示図柄であり特図2が副表示図柄であり、主表示図柄と副表示図柄の何れにおいても特図変動表示ゲームが実行されている状態である。第2飾りゲーム表示部88では特図2第2飾りゲーム表示部88bのみに飾り特図変動表示ゲームが表示される。
この状態で遊技者が演出ボタン25を押下すると、主表示図柄と副表示図柄が入れ替わる。これに伴い図92(b)に示すように、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示が第2飾りゲーム表示部88へ移動するとともに、第2飾りゲーム表示部88の表示が飾り特図変動表示ゲーム表示部85に移動する演出が行われ、図92(c)に示すように互いの表示が入れ替わる。この場合、特図1が副表示図柄となるので飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示は特図1第2飾りゲーム表示部88aへ移動する。また、特図2が主表示図柄となるので特図2第2飾りゲーム表示部88bの表示が飾り特図変動表示ゲーム表示部85へ移動し、特図2第2飾りゲーム表示部88bでは飾り特図変動表示ゲームが表示されない状態となる。
また、図92(d)には、特図1が主表示図柄であり特図2が副表示図柄であり、主表示図柄と副表示図柄の何れにおいても特図変動表示ゲームが実行されている状態であって、飾り特図1変動表示ゲームでリーチ演出が行われている状態を示した。この状態でリーチ演出中に演出ボタン25の操作が行われた場合には、図92(e)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示が入れ替わるとともに、図92(f)に示すようにリーチ演出が表示されない状態となる。
その後、再度演出ボタン25を操作すると、図92(g)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示が入れ替わる。この場合、特図2が副表示図柄となるので飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示は特図2第2飾りゲーム表示部88bへ移動する。また、特図1が主表示図柄となるので特図1第2飾りゲーム表示部88aの表示が飾り特図変動表示ゲーム表示部85へ移動し、特図1第2飾りゲーム表示部88aでは飾り特図変動表示ゲームが表示されない状態となる。また、この変更に伴い図92(h)に示すようにリーチ演出が再開される。この場合、リーチ演出は図92(e)の中断された時点から再開するのではなく、主表示図柄に変更される特図変動表示ゲームの進行に対応した時点から再開される。
なお、図92(d)のようにリーチ演出が行われて飾り特図変動表示ゲーム表示部85が縮小表示されている場合に、第2飾りゲーム表示部88における対応する特図の表示部において飾り特図変動表示ゲームを表示するようにしても良い。例えば図92(d)の場合は、主表示図柄が特図1であるので、飾り特図変動表示ゲーム表示部85ではなく特図1第2飾りゲーム表示部88aに飾り特図変動表示ゲームを表示しても良い。
また、第2飾りゲーム表示部88で右領域が停止した際に、左領域と右領域で同じ識別情報が停止してリーチ状態となった場合も図92(f)のように中領域の変動表示を継続する状態となるがリーチ演出は表示されない。この状態で副表示図柄である特図が主表示図柄に変更された場合は図92(h)のように変更された時点から対応するリーチ演出が行われる。
このように、遊技者の意思により主表示図柄と副表示図柄を入れ替えることを可能としたことで、遊技者の好みに合わせた表示とすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
図93には、スキップ演出の一例を示した。スキップ演出は演出ボタン25の操作に基づき特図変動表示ゲームが終了したかのように見せる演出である。上述したように、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されている状態で一方の特図変動表示ゲームが特別結果となって終了すると、他方の特図変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で終了されるようになっている。このような強制停止が行われる際にスキップ演出を行って遊技者の操作によって強制停止したかのように見せることで、遊技の興趣を向上させるようにしている。
図93(a)に示す状態は、主表示図柄と副表示図柄が何れも特図変動表示ゲームの実行中であって副表示図柄が主表示図柄よりも先に終了する状態であり、かつ、副表示図柄の結果が特別結果となる状態である。なお、ここでは特図1が主表示図柄であり特図2が副表示図柄となっているが逆でも良い。この状態で副表示図柄の残り変動時間が所定時間となるとスキップ演出が開始される。図93(b)に示すようにスキップ演出では、演出ボタン25の押下を指示する指示表示94が行われるとともに、演出ボタン25の操作が可能な期間(特定期間)の残り時間の変化を視覚的に表示するために時間の経過とともに特定の色彩で表示された部分が減少するタイムバーである操作期間表示93が行われる。
そして、演出ボタン25が押下された場合は、主表示図柄と副表示図柄が入れ替えられるとともに、図93(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が仮停止した状態となる。すなわち、図93(b)において副表示図柄である特図変動表示ゲームに対応して第2飾りゲーム表示部88(ここでは特図2第2飾りゲーム表示部88b)に表示されていた飾り特図変動表示ゲームが、図93(c)では主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームとなって飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示されて特別結果態様で仮停止した状態となる。
これにより、演出ボタン25の操作に基づき特図変動表示ゲームが終了したかのように見せることができる。なお、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示を入れ替える際に、図92に示したような移動の様子を示す演出を行わないことで、図93(b)において飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示されていた飾り特図変動表示ゲームが途中で停止したかのように見せることができる。
図93(c)の時点では特別結果となる特図変動表示ゲームの変動時間は終了していないため、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報は仮停止した状態とし、副表示図柄となった特図に対応する特図変動表示ゲームは未だ強制停止されていないため、第2飾りゲーム表示部88(ここでは特図1第2飾りゲーム表示部88a)では変動表示が継続されている。
その後、特別結果となる特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、図93(d)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止する。またこれに伴い、他方の特図変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で停止されるので、第2飾りゲーム表示部88では、はずれ結果を表示して停止する。この後、特別遊技状態となる。
図93(e)から(h)には、スキップ演出において演出ボタン25が押下されなかった場合を示した。スキップ演出は、特別結果となる特図変動表示ゲームの変動時間の終了よりも前に終了するようになっており、このスキップ演出の終了に伴い図93(e)に示すように指示表示94や操作期間表示93が終了し、変動表示されている様子が示される状態となる。
そして、図93(f)に示すように特別結果となる副表示図柄の特図変動表示ゲームの変動時間が終了するまでに、主表示図柄の特図変動表示ゲームに対応して飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示している飾り特図変動表示ゲームをはずれ結果で停止させる。この際、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では通常のはずれ結果の表示の際と同様に、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に識別情報を停止し、当初からはずれ結果で停止することが予定されていたかのように停止する。実際には、特別結果となる副表示図柄の特図変動表示ゲームの変動時間が終了することにより主表示図柄の特図変動表示ゲームがはずれ結果で強制停止されているが、強制停止を明確に示さないように停止させるようにしている。
その後、特図変動表示ゲームの停止時間において、図93(g)に示すように主表示図柄と副表示図柄を入れ替えて飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示を入れ替え、図93(h)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85に特別結果を表示し、特別遊技状態に移行する。
なお、主表示図柄と副表示図柄が何れも特図変動表示ゲームの実行中であって副表示図柄が主表示図柄よりも先に終了する状態であり、かつ、副表示図柄の結果が特別結果となる状態であるがスキップ演出の実行条件を満たさない場合は、スキップ演出は行わずに図93(e)〜(h)のような表示を行うようにする。
図94には、図93に示したスキップ演出が実行される際のタイムチャートを示した。なお、主表示図柄と演出については、上段にスキップ演出で演出ボタン25の押下があった場合(図93(c)、(d))を示し、下段にスキップ演出で演出ボタン25の押下がなかった場合(図93(e)から(h))を示した。
ここではまず、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは何れも実行中であり、特図2変動表示ゲームが特別結果となって特図1変動表示ゲームよりも先に終了するようになっている。そして、主変動図柄が特図1変動表示ゲームであり、副変動図柄が特図2変動表示ゲームである状態で、特別結果となる特図2変動表示ゲームの残り変動時間が所定時間となるとスキップ演出が開始される(t11)。この所定時間は、スキップ演出の最大実行時間(t11〜t13)である3000msと、スキップ演出において演出ボタンが押下されなかった場合に飾り特図変動表示ゲーム表示部85ではずれ結果で識別情報を停止させるのに必要な時間(t13〜t14)である1000msと、と合わせた時間(4000ms)である。
スキップ演出(特定期間)が開始されると、指示表示94や操作期間表示93の表示等を行う押下指示演出が開始される(t11、図93(b))。そして、スキップ演出で演出ボタン25の押下があると(t12)、主変動図柄と副変動図柄が入れ替えられるとともに主変動図柄に対応する飾り特図変動表示ゲーム表示部85での飾り特図変動表示ゲームを仮停止した状態とし、スキップ演出を終了する(図93(c))。仮停止の状態は特図2変動表示ゲームが特別結果で停止するまで継続する(t14)。
その後、特図2変動表示ゲームが特別結果で停止することに伴い、特図1変動表示ゲームは予定されていた変動時間(t17まで)に達していなくても強制的にはずれ結果で停止される(t14、図93(d))。飾り特図変動表示ゲーム表示部85では仮停止した状態を終了し、特図変動表示ゲームの停止時間にわたり識別情報を停止表示する(t14〜t16)。また、第2飾りゲーム表示部88では副変動図柄となった特図1変動表示ゲームに対応してはずれ結果を停止表示する。そして、停止時間の終了に伴い特別遊技状態が開始される(t16)。
一方、スキップ演出で演出ボタン25が押下されなかった場合は、スキップ演出の最大実行時間の終了に伴いスキップ演出(特定期間)が終了し(t13、図93(e))、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の変動表示を停止するための変動演出が行われる(t13〜t14)。この変動演出においては、通常のはずれ結果の表示の際と同様に、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に識別情報を停止させる。
そして、特図変動表示ゲームの停止時間の開始に伴い飾り特図変動表示ゲーム表示部85にはずれ結果が停止表示され、第2飾りゲーム表示部88に特別結果が表示される(t14、図93(f))。その後、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示が入れ替えられ(t15、図93(g))、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に特別結果が停止表示され、第2飾りゲーム表示部88にはずれ結果が表示された状態となる。そして、停止時間の終了に伴い特別遊技状態が開始される(t16)。
なお、飾り特図変動表示ゲーム表示部85にはずれ結果を停止表示し、第2飾りゲーム表示部88に特別結果を表示する時間(t14〜t15)を、特図変動表示ゲーム表示部85ではずれ結果を表示する際の時間と同じ時間とすれば、はずれ結果であったかの印象を与えることができ、特別結果であることが示された際の興趣が向上する。また、実際にはずれ結果の特図変動表示ゲームが終了した際にも特別結果に変化する期待感を持たせることができる。
また、スキップ演出では、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示を入れ替える際に、図92に示したような移動の様子を示す演出を行わないとしたが、移動の様子を示す演出を行って副表示図柄に対応していた飾り特図変動表示ゲームが停止したことを示しても良い。また、演出ボタン25の押下に伴い仮停止させる際には飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示を入れ替えず、飾り特図変動表示ゲーム表示部85ではずれ結果を仮停止し、その後、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示と第2飾りゲーム表示部88の表示を入れ替えても良い。
また、図93(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85で特別結果を仮停止した後に、特図変動表示ゲームが終了する前から特別遊技状態の開始時のファンファーレ演出を行っても良い。この場合、仮停止する時間を特図変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合の停止時間と同じ時間とするようにしても良い。
また、図93、図94では結果が大当りとなる場合を示したが、小当りとなる場合も同様にスキップ演出を実行可能である。この場合、小当りとなる特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの結果として飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示する結果態様を小当りを示す結果態様としても良いし、はずれを示す結果態様としても良い。
〔メイン処理〕
以上のような表示装置41での表示を制御するために、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって図95に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。メイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時の処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行う。そして、スキップ演出に関する処理を行うスキップ演出処理を行い(ステップC19)、主変動図柄と副変動図柄の切替を行う表示切替処理を行って(ステップC20)、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔スキップ演出処理〕
図96には、上述のメイン処理におけるスキップ演出処理(ステップC19)を示した。このスキップ演出処理では、まず、スキップ演出の実行中に設定されるスキップ演出フラグがあるかを判定する(ステップC41)。スキップ演出フラグがある場合(ステップC41;Y)、すなわちスキップ演出の実行中である場合はステップC49に移行する。また、スキップ演出フラグがない場合(ステップC41;N)は、同時変動中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れもが変動表示中であるかを判定する(ステップC42)。
同時変動中でない場合(ステップC42;N)は、スキップ演出処理を終了する。この場合はスキップ演出が設定されない。また、同時変動中である場合(ステップC42;Y)は、副表示図柄が当りとなるかを判定する(ステップC43)。ここでは、現在副表示図柄に設定されている特図の特図変動表示ゲームの結果が当りとなるかを判定する。当りには大当りと小当りの両方を含むが何れか一方のみとしても良い。
副表示図柄が当りとならない場合(ステップC43;N)は、スキップ演出処理を終了する。また、副表示図柄が当りとなる場合(ステップC43;Y)は、副表示図柄が先に停止するかを判定する(ステップC44)。ここでは、主変動図柄の特図の特図変動表示ゲームの残り変動時間と、副変動図柄の特図の特図変動表示ゲームの残り変動時間とを比較し、副変動図柄の特図の特図変動表示ゲームの残り変動時間の方が短いかを判定する。すなわち、当りとなる副変動図柄の特図の特図変動表示ゲームが先に終了して主変動図柄の特図の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されるかを判定する。
副表示図柄が先に停止しない場合(ステップC44;N)は、スキップ演出処理を終了する。また、副表示図柄が先に停止する場合(ステップC44;Y)は、残り変動時間は所定時間であるかを判定する(ステップC45)。ここでは、副変動図柄の特図の特図変動表示ゲームの残り変動時間を参照し、当該残り変動時間が所定時間であるかを判定する。この所定時間は、図94で示したように、スキップ演出の最大実行時間(図94のt11〜t13)である3000msと、スキップ演出において演出ボタンが押下されなかった場合に飾り特図変動表示ゲーム表示部85ではずれ結果で識別情報を停止させるのに必要な時間(図94のt13〜t14)である1000msと、を合わせた時間(4000ms)である。
残り変動時間は所定時間でない場合(ステップC45;N)は、スキップ演出処理を終了する。また、残り変動時間は所定時間である場合(ステップC45;Y)は、スキップ演出を設定する(ステップC46)。これにより、指示表示94や操作期間表示93の表示等を行う押下指示演出が開始される。次に、スキップ演出フラグを設定し(ステップC47)、スキップ演出タイマに初期値を設定する(ステップC48)。ここで設定する初期値は、スキップ演出の最大実行時間(図94のt11〜t13)に相当する値である。
その後、スキップ演出タイマが0でなければ−1更新し(ステップC49)、スキップ演出タイマが0になったかを判定する(ステップC50)。スキップ演出タイマが0になっていない場合(ステップC50;N)は、スキップ演出処理を終了する。また、スキップ演出タイマが0になった場合(ステップC50;Y)、すなわち、スキップ演出において演出ボタン25が押下されずに最大実行時間が経過した場合は、スキップ演出を終了し(ステップC51)、スキップ演出フラグをクリアして(ステップC52)、スキップ演出処理を終了する。
〔表示切替処理〕
図97には、上述のメイン処理における表示切替処理(ステップC20)を示した。この表示切替処理では、まず、主表示図柄と副表示図柄の切替操作があったかを判定する(ステップC61)。ここでは切替操作は演出ボタン25の単回の押下であるが、切替操作の操作態様は任意に設定可能である。また、タッチパネル29の操作とすることも可能である。
切替操作があった場合(ステップC61;N)は、同時変動中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れもが変動表示中であるかを判定する(ステップC62)。
同時変動中でない場合(ステップC62;N)は、表示切替処理を終了する。また、同時変動中である場合(ステップC62;Y)は、切替許可フラグがあるかを判定する(ステップC63)。切替許可フラグは、切替操作に応じて主表示図柄と副表示図柄の切替が可能な状態において設定されるフラグである。この切替許可フラグがない場合(ステップC63;N)は、表示切替処理を終了する。また、切替許可フラグがある場合(ステップC63;Y)は、スキップ演出の実行中に設定されるスキップ演出フラグがあるかを判定する(ステップC64)。
スキップ演出フラグがない場合(ステップC64;N)は、主表示図柄を変更し(ステップC70)、切替時の演出を設定して(ステップC71)、表示切替処理を終了する。これにより、主表示図柄と副表示図柄が切り替えられるとともに、図92に示したような切替時の演出が行われる。
一方、スキップ演出フラグがある場合(ステップC64;Y)、すなわちスキップ演出の実行中である場合は、主表示図柄を変更して変更後の主表示図柄を仮停止する(ステップC65)。これにより、図93(c)に示したように、副表示図柄とされていた特図の特図変動表示ゲームに対応して第2飾りゲーム表示部88に表示されていた飾り特図変動表示ゲームが飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示されるとともに、結果が仮停止した状態となる。
その後、切替許可フラグをクリアし(ステップC66)、スキップ演出フラグをクリアして(ステップC67)、スキップ演出タイマをクリアし(ステップC68)、表示切替処理を終了する。切替許可フラグをクリアすることにより、飾り特図変動表示ゲーム表示部85で結果が仮停止した状態が維持され、あたかもゲームが終了して結果態様が表示されているかのように見せることができる。また、スキップ演出フラグ及びスキップ演出タイマをクリアすることでスキップ演出が終了することとなる。切替許可フラグは新たな特図変動表示ゲームの開始時に再度設定されるようになっている。
また、切替操作がない場合(ステップC61;N)は、切替条件が成立したかを判定する(ステップC69)。ここでの切替条件とは、主表示図柄の特図変動表示ゲームが実行されず副表示図柄の特図変動表示ゲームのみが実行される状況となった場合や、副表示図柄の特図変動表示ゲームが特別結果となった場合などの遊技の進行に関する条件の成立などが挙げられる。もちろんこれ以外の条件としても良く、例えば副表示図柄でのみリーチ状態となった場合などが挙げられる。この切替条件が成立していない場合(ステップC69;N)は、表示切替処理を終了する。また、切替条件が成立した場合(ステップC69;Y)は、主表示図柄を変更し(ステップC70)、切替時の演出を設定して(ステップC71)、表示切替処理を終了する。
なお、図96に示すスキップ演出処理において、スキップ演出を設定するための条件としてステップC42〜C45を挙げたが、これに限られるものではない。例えば、スキップ演出を実行するか否かの抽選を行うようにしても良い。また、主変動図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームでリーチ演出や特定の演出が実行されていないことを、スキップ演出を設定する条件としても良い。また、主変動図柄と副変動図柄の一方が当りとなる場合に、当りとなる特図を強制的に副変動図柄に変更させてスキップ演出を行うようにしても良い。
また、副表示図柄が当りとなる場合に限られず、主表示図柄が当りとなり副表示図柄よりも先に停止する場合にスキップ演出を実行可能としても良い。この場合、主表示図柄の結果がはずれであってもスキップ演出を行うようにしても良く、リーチなしの変動パターンが選択された場合にスキップ演出を実行可能としても良い。また、スキップ演出では、演出ボタン25の操作に対応して即座に結果を仮停止するとしたが、演出ボタン25の操作に対応して所定時間以内に識別情報が順次停止するようにしても良い。すなわち、変動時間が短縮されたかのような演出としても良い。
また、基本的には常に主表示図柄と副表示図柄を入れ替え可能としたが、スキップ演出の実行時のみ入れ替え可能としても良い。また、主表示図柄の設定は任意に決定可能であるが、例えば、RAMクリアを伴う電源の投入時には特図1とする。ただし、その後に特図2の変動が先に開始された場合は、特図2のみが変動している状態となるため主表示図柄は特図2に変更されることとなる。また、特別遊技状態の終了後は、当該特別遊技状態を実行する契機となった特別結果を導出した特図を主表示図柄とする。
また、第2飾りゲーム表示部88の飾り特図変動表示ゲームでリーチ状態が開始された場合に、自動的に主変動図柄と副変動図柄を入れ替えるようにしても良い。この場合、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の飾り特図変動表示ゲームがリーチ状態でないことを入れ替える条件としても良い。また、主表示図柄と副表示図柄の変動パターンを比較し、特別結果となる可能性が高い方を主表示図柄に設定するようにしても良い。この場合、一方が特別結果となる場合には、変動パターンに係らず当該特別結果となる特図変動表示ゲームを主表示図柄とするようにしても良いし、当該特別結果となる特図変動表示ゲームを副表示図柄としてスキップ演出の実行を可能としても良い。
また、表示装置41における表示態様は上述したものに限られない。例えば、本実施形態では、主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示を副表示図柄に対応する第2飾りゲーム表示部88の表示よりも大きく表示するとしたが、図98(a)に示すように両者を同じ大きさで表示するようにしても良いし、副表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームを表示しないようにしても良い。
また、図98(b)に示すように主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームと、副表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームを重ねて表示しても良い。この場合、一部を重ねるようにしても良いし、全部を重ねるようにしても良い。また、主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームは副表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームよりも前側に重なるように表示する。
さらに、図98(b)に示すように主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームの識別情報の色彩と、副表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームの識別情報の色彩を異なるものとしても良い。ここでは、後方に位置する副表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームの識別情報の色彩を、主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームの識別情報の色彩よりも薄くしている。この他に、主表示図柄と副表示図柄で識別情報自体が異なるようにしても良い。
また、リーチ演出は、主表示図柄に対応する飾り特図変動表示ゲームについてのみ行うとしたが、主表示図柄と副表示図柄の両方でリーチ状態となった場合には、双方のリーチ演出を表示するようにしても良い。この場合、図98(c)に示すように画面を分割して双方でリーチ演出を実行可能としても良いし、双方のリーチ演出を重ねて表示しても良い。
また、双方のリーチ演出を統合して一のストーリーの演出において双方の特図変動表示ゲームの結果を示すようにしても良い。例えば、図98(d)〜(g)に示すように、敵キャラクタと戦うバトル演出において、それぞれの特図変動表示ゲームの結果導出に合わせてバトルの結果を導出して特図変動表示ゲームの結果を示すようにしても良い。
図98(d)に示すように、双方の特図変動表示ゲームでリーチ状態となったことに基づき双方のリーチ演出を統合したリーチ演出が開始される。ここでは、主表示図柄の特図変動表示ゲームが先に終了する場合であり、図98(d)ではこの特図変動表示ゲームに対応したバトルが第1試合として開始され、図98(e)に示すように結果が表示される。この特図変動表示ゲームの結果ははずれ結果であり、バトルの結果は引き分けとされる。
引き続き、図98(f)に示すように副表示図柄の特図変動表示ゲームに対応したバトルが第2試合として開始され、図98(g)に示すように結果が表示される。この特図変動表示ゲームの結果は特別結果であり、バトルの結果は味方キャラクタの勝利となる。なお、このような演出は、双方がリーチ状態である場合に限られず、一方又は両方がリーチ状態でない場合でも実行可能である。なお、図98(a)から(g)に示した例においても、飾り特図変動表示ゲーム表示部85や第2飾りゲーム表示部88において特図1と特図2で表示部を異ならせるようにしても良いし、異ならせないようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口への入賞に基づき識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞口として、第1始動入賞口36と、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)と、を備え、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、遊技に関する演出を表示可能な表示装置41と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、演出制御手段は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームを主として表示装置41に表示し、所定条件の成立に基づき、主として表示する変動表示ゲームを変更可能であることとなる。したがって、同時に異なる特図変動表示ゲームを実行可能な遊技機において遊技者が主として表示する特図変動表示ゲームを選択でき、遊技の興趣を向上することができる。
ここで、所定条件の成立としては、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25、タッチパネル29)の操作があったことの他、主表示図柄の特図変動表示ゲームが実行されず副表示図柄の特図変動表示ゲームのみが実行される状況となった場合や、副表示図柄の特図変動表示ゲームが特別結果となった場合などの遊技の進行に関する条件の成立などが挙げられる。もちろんこれ以外の条件としても良く、例えば副表示図柄でのみリーチ状態となった場合などが挙げられる。
また、所定の流入口91に流入した遊技球を、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに交互に振り分ける振分手段(入賞装置90)を備えていることとなる。したがって、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行される可能性が高く、遊技者が主として表示する特図変動表示ゲームを選択できることで遊技の興趣を向上することができる。
第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行制御が行われている第2変動表示ゲームが前記特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、第2変動表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームが同時に実行されている場合であって、先に結果が導出される変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、当該先に結果が導出される変動表示ゲームで結果が導出されるタイミングの所定時間前から当該結果が導出されるタイミングまでの間に設定される特定期間において、所定条件の成立に基づき主として表示する変動表示ゲームを変更可能であることとなる。したがって、一方の特図変動表示ゲームの結果が導出される際に遊技者が主として表示する特図変動表示ゲームを選択でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定期間における所定条件の成立に基づき、変更後の主として表示する変動表示ゲームに対応する識別情報を仮停止状態とすることとなる。したがって、遊技者の操作に基づき特図変動表示ゲームを停止させたかのような演出を実行でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定期間における所定条件の成立に基づき、主として表示する変動表示ゲームを変更した場合は、少なくとも当該変動表示ゲームの終了までは主として表示する変動表示ゲームの変更を禁止することとなる。したがって、遊技者の操作に基づき特図変動表示ゲームを停止させたかのような演出を実行でき、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図柄確定信号の出力態様について説明する。図柄確定信号は、特図変動表示ゲームの変動表示が停止することに伴い、遊技機10の外部にある外部装置へ出力されるようになっている。外部装置では、この図柄確定信号に基づき特図変動表示ゲームが停止して結果が導出されたことを把握可能となる。
図99には、図柄確定信号の出力態様の一例を示した。図99(a)に示すように、特図1変動表示ゲームが変動表示している状態から停止状態となることに基づき、図柄確定信号の出力が開始される(t31)。ここでは、当該特図1変動表示ゲームの結果がはずれ結果であるので、停止時間として600msが設定されている(t31〜t34)。なお、特図変動表示ゲームの停止時間としては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れであっても高確率最終変動でない場合には、はずれの場合に600ms、大当りの場合に2000ms、小当りの場合に600msの表示時間が設定される。また、高確率最終変動である場合には、結果にかかわらず2000msの表示時間が設定される。
図柄確定信号は、当該特図1変動表示ゲームの停止に伴いON状態となり(t31)、128msにわたりON状態を継続した後にOFF状態となる(t32)。そして、64msにわたりOFF状態を継続した後に出力が終了する(t33)。出力の終了後はOFF状態が継続される。一回の図柄確定信号の出力に要する時間は192msであり、特図変動表示ゲームの停止時間として選択された時間に係らず当該停止時間内に出力が完了するようになっている。
また、特図2変動表示ゲームが変動表示している状態から停止状態となる場合も同様に、停止状態となることに基づき図柄確定信号の出力が開始される(t35)。この場合も図柄確定信号は、当該特図2変動表示ゲームの停止に伴いON状態となり(t35)、128msにわたりON状態を継続した後にOFF状態となる(t36)。そして、64msにわたりOFF状態を継続した後に出力が終了する(t37)。出力の終了後はOFF状態が継続される。
図99(b)には、先に停止した特図変動表示ゲームについての図柄確定信号の出力中に他方の特図変動表示ゲームが停止した場合を示した。この例では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが何れも実行中であり、先に特図1変動表示ゲームが停止している(t41)。これに基づき図柄確定信号が出力される(t41〜t44)。この図柄確定信号の出力中に特図2変動表示ゲームが停止している(t42)。この場合、特図1変動表示ゲームについての図柄確定信号の出力中であるため、当該特図2変動表示ゲームについての図柄確定信号の出力は待機した状態となる。そして、特図1変動表示ゲームについての図柄確定信号の出力が終了すると、特図2変動表示ゲームについての図柄確定信号の出力が開始される(t44)。図柄確定信号が2回連続して出力されることとなるが、一の図柄確定信号は最後にOFF状態の期間(例えばt43〜t44)が存在するため、外部装置では2回の図柄確定信号をそれぞれ独立して検出可能である。
なお、ここでは特図1変動表示ゲームが先に停止した場合を示したが、特図2変動表示ゲームが先に停止した場合も同様である。また、図柄確定信号の出力中であってOFF状態の期間(例えばt43〜t44)に他方の特図変動表示ゲームが停止した場合も当該OFF状態の期間の終了後から新たな図柄確定信号の出力が開始される。
図99(c)には、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に実行されており、一方の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに基づき他方の特図変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に停止された場合を示した。この場合も2回の図柄確定信号が連続して出力されることとなる。
この例では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが何れも実行中であり、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されている(t51)。これに基づき、特図1変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で停止される(t51)。特図2変動表示ゲームの結果は特別結果をなす大当りであり、停止時間として2000msが設定され(t51〜t57)、この停止時間の終了後に特別遊技状態が開始される(t57〜)。また、特図1変動表示ゲームは結果がはずれ結果であるので、停止時間として600msが設定される(t51〜t56)。
図柄確定信号は、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの停止に基づき一回目の出力が開始される(t51)。そして、一回目の図柄確定信号の出力が終了すると二回目の出力が開始される(t53)。この二回の図柄確定信号の出力は、特別結果となった特図2変動表示ゲームの停止時間内に終了するようになっている。これにより、図柄確定信号の出力が特別遊技状態中に行われることを防止でき、外部装置において特別遊技状態中に特図変動表示ゲームが停止したかのように把握してしまうことを防止できる。
また、外部装置に対しては、特別遊技状態に関する外部情報として大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号を出力可能である。大当り1信号は、大当りに基づく第1特別遊技状態中と小当り1〜4に基づく第2特別遊技状態中に出力される(ON状態とされる)。大当り2信号は、第1特別遊技状態中に出力され、第2特別遊技状態中には出力されない。ただし、低確率状態中で発生した2R確変D1に基づく第1特別遊技状態である場合にOFFとされる。また、大当り2信号は、普通変動入賞装置37の時短動作状態中(普電サポート中)である場合にも出力される。すなわち、特定遊技状態である場合に出力される特定情報をなす。なお、ここでは特定遊技状態を高確率状態かつ時短状態としたが、何れか一方のみを発生させる状態としても良く、この場合であっても特定遊技状態中に大当り2信号を出力するようにしても良い。
大当り3信号は、第1特別遊技状態中に出力され、第2特別遊技状態中には出力されない。なお、高確率状態中で発生した2R確変D1に基づく第1特別遊技状態である場合にOFFとされる。大当り4信号は、第1特別遊技状態中に出力されず、第2特別遊技状態中には出力される。外部装置では大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号に基づき特別遊技状態の実行の有無や種類、時短状態の有無を把握し、情報の表示等を行うようにしている。
この例では時短状態ではない状態で特別結果が導出されて特別遊技状態が開始される場合であり、特別遊技状態の開始前では大当り1〜4信号はOFF状態であり、特別遊技状態の開始にともない大当り1〜4信号がON状態となる(t57)。これに基づき、外部装置では特別遊技状態であることを把握可能となる。よって、大当り1〜4信号の何れかにより外部装置が特別遊技状態であることを把握する前に図柄確定信号の出力が終了するようにしている。言い換えれば、図柄確定信号の出力が終了するまで、外部装置が特別遊技状態であることを把握する情報(大当り1〜4信号)の出力を待機しているとも言える。
なお、外部装置では、図柄確定信号のON状態への変化(信号の立ち上がり)に基づき特図変動表示ゲームが停止して結果が導出されたと判断するため、少なくとも2回目の図柄確定信号のON状態への変化(t53)が停止時間内又は大当り1〜4信号の何れかにより外部装置が特別遊技状態であることを把握する前に行われれば良い。
図100には、時短状態の終了時において外部へ出力される情報の出力態様を示した。本実施形態の遊技機は、特別遊技状態の終了から50回目の特図変動表示ゲームまで高確率状態かつ時短状態となるようにされている。図100(a)に示すように、特別遊技状態の終了から48回目の特図変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームが実行されている状態で49回目となる特図変動表示ゲームとして特図1変動表示ゲームが開始されている(t61)。その後、50回目となる特図変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームが開始されている(t62)。
ここで、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、50回目の特図変動表示ゲームの終了時に確率状態を低確率状態に変更するものとすると、当該一方の特図変動表示ゲームの実行中に開始される他方の特図変動表示ゲームまでも高確率状態で判定が行われてしまい、50回以上に亘り高確率状態で遊技を実行可能となってしまう。よって、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、50回目となる特図変動表示ゲームを高確率状態で判定した後に、次の特図変動表示ゲームの開始までに低確率状態としておく必要があり、ここでは、50回目となる特図変動表示ゲームについて開始時の処理を終えた後すぐに低確率状態へ変更するようにしている(t62)。
この高確率状態かつ時短状態の終了に伴い、遊技状態を示す試験信号はON状態からOFF状態となり、低確率状態かつ時短なし状態を示す状態となる(t62)。具体的には、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。試験信号は遊技機の試験の際に試射試験装置で遊技状態を把握可能とするためのものであり、現実の遊技状態の変化に応じて出力状態が変化するようにされている。
これに対して時短状態又は特別遊技状態である場合にON状態とすることが可能な大当り2信号は、50回目の特図変動表示ゲームの終了までON状態が継続され、その後OFF状態とされる(t64)。大当り1〜4信号は、遊技店に設けられる外部装置において遊技に関する情報の収集や表示を可能とするためのものであり、外部装置での表示の都合に合わせた出力態様とされている。
外部装置の一つとして遊技機の上方に設けられる情報表示装置では、大当り1〜4信号や図柄確定信号等に基づき特図変動表示ゲームの実行回数や特別結果の導出回数などの情報を表示するようにしている。この情報表示装置においては、時短状態でない状態での当りを初当りとし、この初当りを含め当該初当りから時短状態が所定回数の特図変動表示ゲームの実行により終了して通常遊技状態となるまでの大当り回数を連荘回数として表示可能となっているが、大当り2信号を所定回数となる50回目の特図変動表示ゲームの終了までON状態とする方が連荘回数の表示においては都合が良い。
図100(b)には、50回目の特図変動表示ゲームが特別結果となる場合を示した。特別遊技状態の終了から50回目の特図変動表示ゲームが開始されるまでは、遊技状態が高確率状態かつ時短状態である(t72)。この状態では、大当り2信号はON状態とされて時短状態であることを示し、試験信号もON状態とされて高確率状態及び時短状態であることを示す状態とされる。なお、特別遊技状態中にON状態とすることが可能な大当り1,3,4信号はOFF状態となっている。
そして、50回目の特図変動表示ゲームが開始されると、遊技状態は低確率状態かつ時短なし状態とされる(t72)。これに伴い試験信号はOFF状態とされるが大当り2信号はON状態のままとされる。この50回目の特図変動表示ゲームの実行中に51回目の特図変動表示ゲームが開始されているが(t73)、この特図変動表示ゲームは低確率状態で判定が行われている。
その後、この50回目の特図変動表示ゲームで特別結果が導出される(t74)。この特別結果の導出に伴い、他方の特図変動表示ゲームである51回目の特図変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で停止される。また、50回目の特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることに伴い、当該50回目の特図変動表示ゲームと、強制的に停止された51回目の特図変動表示ゲームに対応する図柄確定信号が出力される(t74、t75)。
外部装置では、この図柄確定信号に基づき特図変動表示ゲームの停止を把握するとともに、大当り2信号がON状態であることから時短状態中での特図変動表示ゲームの停止であると判断する。その後、特別遊技状態の開始に伴い大当り1,3,4信号がON状態となることから、外部装置においても特別遊技状態が開始されたことを把握する。この際に上述したように直前に終了した特図変動表示ゲームが時短状態中のものであると判断していることから、今回の大当りが連荘大当りであると判定して連荘回数を加算する。
50回目の特図変動表示ゲームの実行中は、演出においても高確率状態での最後の特図変動表示ゲームである旨の演出が行われており、この特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には遊技者が連荘大当りであると認識することが通常であり、遊技者の認識と情報表示装置での表示とを一致させることができる。仮に大当り2信号が試験信号と同様に遊技状態に応じて変化するものとすると、50回目の特図変動表示ゲームの終了時には時短なし状態であることを示す状態となっているために情報表示装置では初当りとして表示を行うこととなって遊技者の認識と異なる表示となってしまい、遊技の興趣を低下させてしまう。
なお、大当り2信号の変化を本実施形態のようにすることで、図100(b)の例において50回目の特図変動表示ゲームの実行中に終了する特図変動表示ゲーム(ここでは49回目の特図変動表示ゲーム)が特別結果となった場合にも連荘大当りとして扱うことが可能となる。また、演出制御装置300においても、50回目の特図変動表示ゲームや50回目の特図変動表示ゲームの実行中に終了する特図変動表示ゲームについて、結果が特別結果となった場合には連荘大当りとして扱うようにする。
以上のことから、始動入賞口への入賞に基づき識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞口として、第1始動入賞口36と、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)と、を備え、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、遊技機の外部へ情報を出力する出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、第1変動表示ゲーム実行制御手段は、第1変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第2変動表示ゲームが特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として停止させる強制停止制御が可能であり、第2変動表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果として停止させる強制停止制御が可能であり、出力手段は、変動表示ゲームが停止することに対応して停止情報を外部へ出力可能であり、強制停止制御が行われた場合には、特別結果の導出に基づく特別遊技状態の開始までに第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームの各々に対応する停止情報を出力するようにしたこととなる。したがって、外部装置での情報の把握に不都合が生じることを防止できる。
また、特別遊技状態の終了後に所定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間にわたり特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)を備え、出力手段は、特定遊技状態である場合に特定情報を外部へ出力可能であり、特定遊技状態発生手段は、所定回数目となる変動表示ゲームの開始に伴い特定遊技状態を終了し、出力手段は、所定回数目となる変動表示ゲームの終了に伴い特定情報の出力を終了するようにしたこととなる。したがって、外部装置での情報の把握に不都合が生じることを防止できる。
なお、上述の実施形態では高確率状態及び時短状態を50回目の特図変動表示ゲームの開始時に終了するとしたが、高確率状態については50回目の特図変動表示ゲームの開始時に終了し、時短状態については50回目の特図変動表示ゲームの終了時に終了するようにしても良い。そして、特定情報をなす大当り2信号は、時短状態ではON状態とし、時短なし状態ではOFF状態とするようにしても良い。このようにすることでも図100に示したのと同様に、外部装置において50回目の特図変動表示ゲームや、50回目の特図変動表示ゲームの実行中に終了する特図変動表示ゲームが特別結果となった場合にも連荘大当りとして扱うことが可能となる。
すなわち、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞不能な閉状態と、該閉状態よりも遊技球が入賞容易若しくは入賞可能な開状態とに変換可能な普通変動入賞装置37と、普通変動入賞装置37の動作状態を、通常動作状態と、該通常動作状態よりも入賞が容易な時短動作状態と、の何れかの動作状態で制御する動作制御手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後に所定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間にわたり特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後に所定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間にわたり、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態に設定可能な確率設定手段と、を備え、確率設定手段は、特定遊技状態の開始に伴い高確率状態を設定し、所定回数目の変動表示ゲームの開始に伴い通常確率状態に移行するのに対し、動作制御手段は、特定遊技状態の開始に伴い時短動作状態での制御を開始し、特定遊技状態が終了することとなる所定回数目の変動表示ゲームが終了することに基づき通常動作状態に移行するようにしても良い。
次に、アウトスイッチ98での遊技球の検出に基づくアウト数エラーの監視について説明する。アウトスイッチ98は、各入賞口に入賞したセーフ球と、各入賞口に入賞せずにアウト口30aから排出されるアウト球と、を検出するセンサである。すなわち、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するものである。このアウトスイッチ98での遊技球の検出数と、各入賞口での遊技球の検出数に基づき、アウト数エラーの監視を行うようにしている。
具体的には、アウトスイッチ98での遊技球の検出数よりも各入賞口での遊技球の検出数が所定数以上多い場合にアウト数エラーが発生したと判定するようにしている。アウトスイッチ98での遊技球の検出数とはアウト球とセーフ球の合計数であり、各入賞口での遊技球の検出数とはセーフ球の数である。よって通常は各入賞口での遊技球の検出数がアウトスイッチ98での遊技球の検出数を超えることはほとんどなく、超えた場合は異常であることが想定される。ただし、検出のタイミングや検出数を保持するカウンタのリセットのタイミング等により、各入賞口での遊技球の検出数がアウトスイッチ98での遊技球の検出数を超えることも想定されることから、所定数以上多くなった場合にアウト数エラーが発生したと判定するようにしている。
このようなアウト数エラーが発生する場合としては、糸釣り球による不正行為が想定される。糸釣り球による不正行為とは、糸を付けた遊技球や金属片を入賞口に侵入させて糸を操作することで不正に入賞センサでの検出を発生させる行為である。このような不正行為が行われた場合は、入賞口での遊技球の検出数だけが増加するためアウトスイッチ98での遊技球の検出数を超える事態が発生することがある。
〔状態表示編集出力処理〕
図101には、上述のタイマ割込み処理における状態表示編集出力処理(ステップX116)を示した。この状態表示編集出力処理においては、まず、アウトスイッチに入力があるかを判定する(ステップX801)。アウトスイッチに入力がない場合(ステップX801;N)は、ステップX809に移行する。また、アウトスイッチに入力がある場合(ステップX801;Y)は、アウトカウンタ領域の値をロードし(ステップX802)、ロードした値を+1更新して(ステップX803)、オーバーフローするかを判定する(ステップX804)。
オーバーフローが発生していない場合(ステップX804;N)は、更新後の値をアウトカウンタ領域にセーブする(ステップX805)。これにより、遊技機から排出される遊技球が計数され、計数結果が保持される。すなわち、遊技制御装置100が排出センサ(アウトスイッチ98)での検出数を計数する総排出数カウンタ(アウトカウンタ)をなす。その後、アウト数エラーの判定に必要な差分を算出する差分算出処理を行って(ステップX806)、ステップX809に移行する。
また、オーバーフローが発生した場合(ステップX804;Y)は、総入賞数カウンタ領域に差分カウンタ領域の値をセーブし(ステップX807)、アウトカウンタ領域に0をセーブして(ステップX808)、ステップX809に移行する。差分カウンタ領域は差分算出処理で算出される差分の値を格納する領域であり、総入賞数カウンタ領域は各入賞口に入賞した遊技球の総数を格納する領域である。アウトカウンタ領域の値がオーバーフローした場合は、総入賞数カウンタ領域とアウトカウンタ領域の値を上述のように設定する。なお、差分カウンタ領域の値は維持される。これによりアウト数エラーの検出に不都合がないようにしている。
その後、アウトスイッチ98での遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出するベース値算出処理を行い(ステップX809)、アウト数エラーの監視を行うアウト数エラー監視処理を行って(ステップX810)、状態表示編集出力処理を終了する。
〔差分算出処理〕
図102には、上述の入賞数カウンタ更新処理及び状態表示編集出力処理における差分算出処理(ステップX365、X806)を示した。この差分算出処理においては、まず、アウトカウンタ領域の値をロードし(ステップX821)、総入賞数カウンタ領域の値をロードして(ステップX822)、差分を算出する(ステップX823)。差分の算出においては、総入賞数カウンタ領域の値からアウトカウンタ領域の値を引いた値を算出して差分とする。ただし、算出の結果が0未満である場合は算出された差分が0であるものとして扱うようにしても良い。
その後、算出された差分が差分カウンタ領域の値よりも大きいかを判定する(ステップX824)。算出された差分が差分カウンタ領域の値よりも大きい場合(ステップX824;Y)は、差分カウンタ領域に算出された差分をセーブし(ステップX825)、差分算出処理を終了する。また、算出された差分が差分カウンタ領域の値よりも大きくない場合(ステップX824;N)は、差分カウンタ領域に算出された差分をセーブせずに差分算出処理を終了する。よって、差分カウンタ領域には差分の最大値が保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、総入賞数カウンタの値が総排出数カウンタの値を超えた値である差分数を算出する算出手段をなすとともに、算出手段により算出した差分数を保持可能な差分カウンタをなす。
〔アウト数エラー監視処理〕
図103には、上述の状態表示編集出力処理におけるアウト数エラー監視処理(ステップX810)を示した。このアウト数エラー監視処理においては、まず、差分カウンタ領域の値をロードし(ステップX841)、差分カウンタ領域の値がアウト数エラー発生判定個数(ここでは13)より大きいかを判定する(ステップX842)。
なお、アウト数エラー発生判定個数は任意の値に設定可能であるが、連続した入賞が最も発生しやすい特別遊技状態を考慮して、ラウンドの終了条件となる入賞個数(例えば10)よりも大きいことが好ましく、同時に他穴に入賞することも考慮してラウンドの終了条件となる入賞個数よりも大きい余裕を持った値とすることが好ましい。この他に、入賞からアウトスイッチ98で検出されるまでの時間や、ノイズによる検出信号の誤認の可能性も考慮して余裕を持った値に設定することが好ましい。本実施形態ではこれらを考慮してアウト数エラー発生判定個数を13としている。
差分カウンタ領域の値がアウト数エラー発生判定個数より大きい場合(ステップX842;Y)、すなわちアウト数エラーが発生したと判定された場合は、差分カウンタ領域の値をアウト数エラー発生判定個数に留め(ステップX843)、アウト数エラー報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(ステップX844)。次に、アウト数エラー発生コマンドを準備し(ステップX845)、不正フラグとしてアウト数エラー発生フラグを準備して(ステップX846)、準備した不正フラグをアウト数エラー発生フラグ領域の値と比較する(ステップX853)。
一方、差分カウンタ領域の値がアウト数エラー発生判定個数より大きくない場合(ステップX842;N)、すなわちアウト数エラーが発生していない場合は、アウト数エラー報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX847)。なお、アウト数エラー報知タイマの最小値は0に設定されている。
その後、アウト数エラー報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップX848)、値が0でない場合(ステップX848;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、アウト数エラー監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップX848;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、アウト数エラー解除コマンドを準備し(ステップX849)、不正フラグとしてアウト数エラー解除フラグを準備する(ステップX850)。そして、アウト数エラー報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップX851)。
アウト数エラー報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX851;Y)、すなわち今回のアウト数エラー監視処理でアウト数エラー報知タイマの値が0になった場合は、差分カウンタ領域の値をクリアし(ステップX852)、準備した不正フラグをアウト数エラーフラグ領域の値と比較する(ステップX853)。また、アウト数エラー報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップX851;N)、すなわち前回以前のアウト数エラー監視処理でアウト数エラー報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグをアウト数エラーフラグ領域の値と比較する(ステップX853)。
そして、準備した不正フラグとアウト数エラーフラグ領域の値が一致した場合(ステップX853;Y)は、アウト数エラー監視処理を終了する。また、準備した不正フラグとアウト数エラーフラグ領域の値が一致しない場合(ステップX853;N)は、準備した不正フラグをアウト数エラーフラグ領域にセーブし(ステップX854)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX855)、アウト数エラー監視処理を終了する。以上の処理により、アウト数エラーの発生に伴いアウト数エラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、アウト数エラーの解除に伴いアウト数エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、アウト数エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が入賞検出センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ35a)及び排出センサ(アウトスイッチ98)からの検出信号に基づく制御を行う制御手段をなす。
図104には、アウト数エラーを検出するための各カウンタ領域における値の変化の一例を示した。総入賞数カウンタ領域、アウトカウンタ領域及び差分カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられる領域であり、RAMクリアを伴う電源投入によりクリアされて図104(a)のa1に示すように値が0に設定される。なお、RAMクリアを伴わない電源投入の場合は電源遮断時の値が維持されるが、この場合であってもクリアされるようにしても良い。
そして、いずれかの入賞口からの検出信号に基づき総入賞数カウンタの値が+1更新され(a2)、これに伴い差分が算出される。ここでは、アウトカウンタ領域の値が0であるので差分は1となり、更新前の差分カウンタ領域の値である0よりも大きいため差分カウンタ領域には1が設定される。
その後、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新される(a3)。アウトスイッチ98では入賞口に入賞したセーフ球も検出されるため、通常は遊技球の入賞により総入賞数カウンタの値が+1更新されれば、当該遊技球がアウトスイッチ98で検出されることによりアウトカウンタ領域の値が+1更新されることとなる。このアウトカウンタ領域の値が更新されることに伴い差分が算出される。ここでは総入賞数カウンタ領域の値及びアウトカウンタ領域の値がいずれも1であるので差分は0であり、更新前の差分カウンタ領域の値である1よりも小さいため差分カウンタ領域の値は更新されず1が維持される。
次に、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新される(a4)。この更新はいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口30aから排出されるアウト球がアウトスイッチ98で検出されたものである。この更新に伴い差分が算出されるが、差分は−1であって更新前の差分カウンタ領域の値よりも小さいので差分カウンタ領域の値が維持される。
この後、入賞口からの検出信号に基づく総入賞数カウンタ領域の値の更新が連続する(a5〜a7)。この更新がある度に差分が算出されるが、a7において差分が2となり更新前の差分カウンタ領域の値である1よりも大きくなるので差分カウンタ領域の値が2に更新される。このように総入賞数カウンタ領域の値だけが増加する場合は、特別遊技状態のように短時間に入賞口に遊技球が入賞して未だアウトスイッチ98で検出されていない状態でも発生しうるが、糸釣り球による不正行為により入賞口での検出のみが発生する場合も考えらえる。このように総入賞数カウンタ領域の値が増加して差分が増加し、差分の値がアウト数エラー発生判定個数(例えば13)を超えるとアウト数エラーと判定される。
図104(b)にはアウト数エラーが発生する場合を示した。この例ではまず、総入賞数カウンタ領域の値が52であり、アウトカウンタ領域の値が40であって差分カウンタ領域の値が12となっている(b1)。そして、入賞口からの検出信号に基づき総入賞数カウンタ領域の値が+1更新されて差分カウンタ領域の値が13となり(b2)、さらに、入賞口からの検出信号に基づき総入賞数カウンタ領域の値が+1更新されて差分カウンタ領域の値が14となって、アウト数エラー発生判定個数である13を超えている(b3)。これにより、アウト数エラーが発生したと判定され、異常の報知が行われるアウト数エラー報知状態となる。アウト数エラー報知状態は、アウト数エラーが発生したと判定された時から所定時間(ここでは60000ms)にわたり継続される。
アウト数エラーが発生したと判定された後に差分カウンタ領域の値はアウト数エラー発生判定個数である13に変更される(b4)。ここでは、その後にさらに入賞口からの検出信号に基づき総入賞数カウンタ領域の値が+1更新されている(b5)。この更新に基づき差分が算出され、更新前の差分カウンタ領域の値よりも大きいため差分カウンタ領域には算出された差分の値である15が設定される。この差分の設定に伴い、再度アウト数エラーが発生したと判定され、アウト数エラー報知状態の報知期間が再設定(延長)される。
アウト数エラーが発生したと判定された後に差分カウンタ領域の値はアウト数エラー発生判定個数である13に変更される(b6)。その後、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新されて差分が算出されるが、ここでも差分は14であり再度アウト数エラーと判定される(b7)。
このように、アウト数エラーが発生したと判定された後に差分カウンタ領域の値をアウト数エラー発生判定個数とし、報知期間中であっても異常の監視を継続して行うことで、アウト数エラーが発生したと判定された後にさらに入賞口からの検出信号が入力された場合には即座にアウト数エラーであると判定できるようにしている。さらに、アウト数エラーが発生したと判定された後にさらに入賞口からの検出信号が入力された場合は、報知期間を延長してアウト数エラーの解除までに長い時間がかかるようにされている。アウト数エラーは入賞口からの検出信号が異常に多い場合に発生するものであり入賞口において不正行為が行われている可能性が高い状態である。このアウト数エラーが発生した後も入賞口からの検出信号が発生する場合は不正行為が継続されている可能性が高い。このような場合に容易にアウト数エラー報知状態が解除されないようにして不正行為が継続されることを防止している。
アウト数エラーが発生したと判定された後に差分カウンタ領域の値はアウト数エラー発生判定個数である13に変更される(b8)。その後、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新されており差分が算出されている(b9)。ここでは差分が13でありアウト数エラーが発生したとは判定されない。
そして、アウト数エラーが発生したと判定されない状態が継続し、最後にアウト数エラーが発生したと判定された時(b7)から所定時間が経過するとアウト数エラー報知状態が解除されて報知期間が終了する。このアウト数エラー報知状態の解除に伴い、差分カウンタ領域の値はクリアされて0となる(b10)。ただし、総入賞数カウンタ領域の値やアウトカウンタ領域の値はクリアされない。
その後、入賞口からの検出信号又はアウトスイッチ98からの検出信号が入力されると差分が算出される。ここではアウトスイッチ98からの検出信号の入力に基づき差分が算出されて、算出された差分の9が差分カウンタ領域に設定されている。差分カウンタ領域は、保持されている値よりも算出された差分数のほうが大きい場合に更新されるようになっているため、値が減少するような更新が行われることがない。このため、アウト数エラー報知状態の解除に伴い差分カウンタの領域の値をクリアし、異常状態を一旦確実に解除するようにしている。また、総入賞数カウンタ領域の値やアウトカウンタ領域の値はクリアせずに差分カウンタの領域の値のみをクリアすることで、その後のタイミング(b11)における差分数が差分カウンタ領域に反映されるようにしている。なお、アウト数エラー報知状態の解除に伴い、総入賞数カウンタ領域の値、アウトカウンタ領域の値及び差分カウンタ領域の値の全てをクリアして0としても良い。
図104(c)には、アウトカウンタ領域の値がオーバーフローする場合を示した。本実施形態のアウトカウンタ領域は、値として0〜255の値をとりうるものとされ、最大値の255である状態で+1更新されると0に戻るようになっている。この例ではまず、アウトカウンタ領域の値が254であり(c1)、アウトスイッチ98からの検出信号が入力されてアウトカウンタ領域の値が最大値の255となっている(c2)。この状態からさらにアウトスイッチ98からの検出信号が入力され、アウトカウンタ領域の値がオーバーフローして0となっている(c3)。このアウトカウンタ領域のオーバーフローに伴い、総入賞数カウンタ領域には差分カウンタ領域の値である5が設定される(d4)。なお、差分カウンタ領域の値はそのまま維持される。
アウトカウンタ領域の値がオーバーフローした際に、総入賞数カウンタ領域の値をそのまま維持すると、総入賞数カウンタ領域の値がアウト数エラー発生判定個数である13を超える値であった場合は即アウト数エラーの発生と判定されてしまい不都合が生じる。しかし、総入賞数カウンタ領域の値もクリアして0としてしまうと、差分も0となってしまいアウト数エラーの発生の検出が遅れてしまうという不都合が生じる。そこで、総入賞数カウンタ領域の値として差分カウンタ領域の値を設定することで、オーバーフロー発生前の差分の状態を維持し、アウト数エラーの発生の監視をオーバーフローの前後で変化なく継続できるようにしている。
図104(d)には、総入賞数カウンタ領域の値がオーバーフローする場合を示した。本実施形態の総入賞数カウンタ領域は、値として0〜255の値をとりうるものとされ、最大値の255である状態で+1更新されると0に戻るようになっている。この例ではまず、総入賞数カウンタ領域の値が254であり(d1)、入賞口からの検出信号が入力されて総入賞数カウンタ領域の値が最大値の255となっている(d2)。この状態からさらに入賞口からの検出信号が入力され、総入賞数カウンタ領域の値がオーバーフローして0となっている(d3)。この総入賞数カウンタ領域のオーバーフローに伴って総入賞数カウンタ領域には差分カウンタ領域の値である5が設定される(d4)。また、差分カウンタ領域の値はそのまま維持され、アウトカウンタ領域の値はクリアされて0に設定される。
このようにすることで、アウトカウンタ領域の値がオーバーフローする場合と同様に、オーバーフロー発生前の差分の状態を維持し、アウト数エラーの発生の監視をオーバーフローの前後で変化なく継続できるようにしている。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、一般入賞口35)と、入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な入賞検出センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ35a)と、遊技領域32から排出された遊技球を検出可能な排出センサ(アウトスイッチ98)と、入賞検出センサ及び排出センサからの検出信号に基づく制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、入賞検出センサでの検出数を計数する総入賞数カウンタ(遊技制御装置100)と、排出センサでの検出数を計数する総排出数カウンタ(遊技制御装置100)と、総入賞数カウンタの値が総排出数カウンタの値を超えた値である差分数を算出する算出手段(遊技制御装置100)と、を備え、差分数が所定数を超えた場合に異常が発生したと判定するようにしたこととなる。したがって、不正行為を確実に検出することができる。
また、制御手段は、算出手段により算出した差分数を保持可能な差分カウンタ(遊技制御装置100)を備え、当該差分カウンタには差分数が所定数を超えるまでは、算出した差分数の最大値を保持するように構成され、総排出数カウンタをリセットする場合は、総入賞数カウンタには差分カウンタの値を設定し、差分カウンタの値は保持したままとするようにしたこととなる。したがって、不正行為を確実に検出することができる。
また、制御手段は、差分数が所定数を超えた場合に異常の発生を報知する異常報知を所定の報知期間にわたり実行するように構成され、報知期間の終了に伴い、差分カウンタの値をリセットするようにしている。したがって、報知期間の終了に伴い、異常状態が確実に解除されるようになる。
また、制御手段は、報知期間の終了に伴い差分カウンタの値をリセットしても、総入賞数カウンタ及び総排出数カウンタの値は保持したままとするようにしている。したがって、報知期間の終了後に現実の差分数が差分カウンタに反映されるようになる。
また、制御手段は、総入賞数カウンタ又は総排出数カウンタの値が更新されたことに基づき算出手段により差分数を算出して差分カウンタに当該差分数を保持可能であり、当該差分カウンタの値が所定数を超えた場合に異常の発生を報知するように構成され、異常が発生したと判定したことに基づき、差分カウンタの値を所定数に設定するようにしたこととなる。したがって、異常を検出した後の再度の異常を即座に検出できるようになり、不正行為を確実に検出できるようになる。なお、上述の実施形態では、異常の発生に基づき差分カウンタ領域に設定する所定数をアウト数エラー判定個数としたが、これ以外の値であっても良い。
また、制御手段は、異常の発生を報知する異常報知を所定の報知期間にわたり実行するように構成され、報知期間中も総入賞数カウンタ又は総排出数カウンタの値が更新された際に算出手段により差分数を算出して差分カウンタに当該差分数を保持可能であることとなる。したがって、異常を検出した後の再度の異常を即座に検出できるようになり、不正行為を確実に検出できるようになる。
また、制御手段は、報知期間中に差分カウンタの値が所定数を超えて異常が発生したと判定した場合には、当該判定に基づき報知期間を延長するようにしている。したがって、容易に異常の報知が終了しないようにして不正行為が継続されることを防止することができる。ここで、報知期間の延長は、新たな異常の発生に基づいて残りの報知期間をクリアするとともに再度の報知期間を設定するようにしても良いし、残りの報知期間に加えて所定の報知期間を設定するようにしても良い。また、新たな異常の発生に基づいて延長される時間は、延長が行われる回数に係らず同じ時間であっても良いし、延長が行われる回数に応じて異なるようにしても良く、例えば延長が行われる回数が多いほど延長する時間を長くするようにしても良い。
なお、差分算出処理については、入賞数カウンタ更新処理においてのみ行い、状態表示編集出力処理においては行わないようにしても良い。状態表示編集出力処理での差分算出処理(ステップX806)は、アウトスイッチ98に入力があった場合に行われるものであり、アウト数エラーが発生しない方向への値の変化が起こるのみであるため、差分算出処理を省略しても問題はない。
また、総入賞数カウンタ領域又はアウトカウンタ領域の値がオーバーフローした際にはアウトカウンタ領域の値を0とするとしたが、アウトカウンタ領域の値にも差分カウンタ領域の値を設定するようにしても良い。
また、差分カウンタ領域の値は更新前の値と比較して最大値を維持するとしたが、算出された差分をそのまま設定するようにしても良い。また、アウト数エラーが発生したと判定された際に差分カウンタ領域の値をアウト数エラー発生判定個数に変更するとしたが、これより小さい値に変更しても良く、0クリアするようにしても良い。さらに、アウト数エラーが発生したと判定された際に総入賞数カウンタ領域の値、アウトカウンタ領域の値及び差分カウンタ領域の値の全てについて、アウト数エラー発生判定個数に変更するようにしても良いし、これより小さい値に変更しても良いし、0クリアするようにしても良い。
また、アウト数エラー報知状態においても総入賞数カウンタ領域の値、アウトカウンタ領域の値及び差分カウンタ領域の値を更新するようにしたが、アウト数エラー報知状態においては全ての領域の値を更新しないようにしても良い。また、アウト数エラー報知状態においては入賞口への入賞に基づく払い出しを行わないようにしても良い。
また、所定の条件に応じてアウト数エラー発生判定個数を変化させても良い。例えば、遊技状態に応じてアウト数エラー発生判定個数を変化させても良い。遊技状態としては、時短なし状態、時短状態、特別遊技状態等が挙げられる。時短状態は入賞の頻度が時短なし状態よりも高く、特別遊技状態は時短状態よりも入賞の頻度が高いため、アウト数エラーと判定されやすい状態となる。このため、時短状態や特別遊技状態では、時短なし状態よりもアウト数エラー発生判定個数を多くするようにしても良い。さらに、時短状態よりも特別遊技状態の方がアウト数エラー発生判定個数を多くするようにしても良い。
この場合、アウト数エラー発生判定個数が少ない遊技状態へ移行する場合に、移行前における差分カウンタ領域の値が移行後の遊技状態におけるアウト数エラー発生判定個数を超えている場合には、移行とともにアウト数エラーが発生したと判定されてしまうおそれがある。このため、移行に伴って差分カウンタ領域の値を移行後の遊技状態におけるアウト数エラー発生判定個数以下の値に変更するようにする。
また、総入賞数カウンタ領域の値、アウトカウンタ領域の値及び差分カウンタ領域の値の全てについて、一定時間ごとに0クリアするようにしても良い。一定時間としては、例えば遊技球を継続して発射した際にアウトカウンタ領域の値が上限値に達するまでの時間よりも早い時間とする。
また、上述の実施形態では、総入賞数カウンタ、アウトカウンタ及び差分カウンタを用いるとしたが、一つのカウンタによりアウト数エラーを検出するようにしても良い。この場合、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきカウンタを+1更新し、入賞口からの検出信号に基づきカウンタを−1更新するようにし、カウンタの値がアウト数エラー発生判定個数(例えば−13)を下回る場合にアウト数エラーが発生したと判定するようにする。
また、この場合、通常はアウトスイッチ98からの検出信号の方が入賞口からの検出信号よりも多いため、カウンタが0の状態から始めて時間が経過するほどアウト数エラーの発生を検出しにくくなる。そこで、カウンタの上限値をそれほど大きくない値(例えば255)に設定してオーバーフローにより0に設定される機会が一定の頻度で発生するようにしても良い。また、一定期間が経過するごとにカウンタを0クリアするようにしても良い。
また、差分がアウト数エラー発生判定個数を超えた場合に異常が発生したと判定するようにしたが、差分がアウト数エラー発生判定個数以上となった場合に異常が発生したと判定するようにしても良く、判定方法やアウト数エラー発生判定個数は任意に選択可能である。さらに、アウト数エラーの判定に限らず、取得した値を判定値と比較して処理を行う場合に、当該値が判定値を超えるかを判断基準としても良いし、当該値が判定値に以上かを判断基準としても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100においてスキップ演出を実行するための変動パターンを選択可能となっている。
図105、図106には、特図変動表示ゲームの変動パターンを示した。図105には通常遊技状態(低確率状態)における変動パターンの種類と選択率が規定される変動パターンテーブルの内容を示した。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで共通の変動パターンテーブルを用いる。図105(a)〜(c)は、第1実施形態の図105(a)〜(c)と同様である。本変形例の遊技機は、図105(d)の大当り変動パターンテーブル2及び図105(e)の小当り変動パターンテーブル2を備えている。
図105(b)の大当り変動パターンテーブル1と図105(d)の大当り変動パターンテーブル2は、図105(d)の大当り変動パターンテーブル2にリーチなしの変動パターンがある点が異なる。同様に、図105(c)の小当り変動パターンテーブル1と図105(e)の小当り変動パターンテーブル2は、図105(e)の小当り変動パターンテーブル2にリーチなしの変動パターンがある点が異なる。
図106には特定遊技状態(高確率状態)における変動パターンの種類と選択率が規定される変動パターンテーブルの内容を示した。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで共通の変動パターンテーブルを用いる。図106(a)〜(c)は、第1実施形態の図106(a)〜(c)と同様である。本変形例の遊技機は、図106(d)の大当り変動パターンテーブル2及び図106(e)の小当り変動パターンテーブル2を備えている。
図106(b)の大当り変動パターンテーブル1と図106(d)の大当り変動パターンテーブル2は、図106(d)の大当り変動パターンテーブル2にリーチなしの変動パターンがある点が異なる。同様に、図106(c)の小当り変動パターンテーブル1と図106(e)の小当り変動パターンテーブル2は、図106(e)の小当り変動パターンテーブル2にリーチなしの変動パターンがある点が異なる。
図105(d)、(e)、図106(d)、(e)に示した変動パターンテーブル2は、他方の特図変動表示ゲームが実行されている場合に選択可能である。この状況において、リーチなしの短時間の変動パターンが選択可能であることで、当りとなる特図変動表示ゲームが他方の特図変動表示ゲームよりも先に停止する可能性が高まり、スキップ演出の実行を容易としている。
また、このリーチなしの変動パターンの変動時間は4000msとされている。この変動時間は、図94で示したように、スキップ演出の最大実行時間(図94のt11〜t13)である3000msと、スキップ演出において演出ボタンが押下されなかった場合に飾り特図変動表示ゲーム表示部85ではずれ結果で識別情報を停止させるのに必要な時間(図94のt13〜t14)である1000msと、を合わせた時間(4000ms)に等しい時間である。
この変動パターンが選択された場合には、演出制御装置300が特図変動表示ゲームの開始に伴い即座にスキップ演出を開始するようになっている。また、この変動パターンが選択されてスキップ演出が行われたが演出ボタン25が操作されなかった場合は、はずれ結果の場合の停止態様と同様に識別情報を停止する停止態様で特別結果が停止するようにされる。これにより、当該変動パターンが選択された特図が主変動図柄であれば、飾り特図変動表示ゲーム表示部85で識別情報が高速変動している状態でスキップ演出が開始されるようになる。
〔特図情報設定処理〕
本変形例の遊技機では、図48に示した特図情報設定処理に替えて図107に示す特図情報設定処理を行う。この特図情報設定処理では、低確率状態と高確率状態の何れであっても、結果が大当り又は小当りである場合(ステップY404;Y、ステップY405;Y、ステップY414;N)に、他方の特図変動表示ゲームは変動中であるかを判定する(ステップY415)。
他方の特図変動表示ゲームは変動中でない場合(ステップY415;N)は、ステップY412に移行する。また、他方の特図変動表示ゲームは変動中である場合(ステップY415;Y)は、他方の特図変動表示ゲームの残り変動時間は所定時間以上であるかを判定する(ステップY416)。この所定時間は、図94で示したように、スキップ演出の最大実行時間(図94のt11〜t13)と、スキップ演出において演出ボタンが押下されなかった場合に飾り特図変動表示ゲーム表示部85ではずれ結果で識別情報を停止させるのに必要な時間(図94のt13〜t14)と、を合わせた時間である。
他方の特図変動表示ゲームの残り変動時間は所定時間以上でない場合(ステップY416;N)は、ステップY412に移行する。
また、他方の特図変動表示ゲームの残り変動時間は所定時間以上である場合(ステップY416;Y)は、前半オフセットデータにテーブル2への変換値を加算して値を変換し(ステップY417)、後半オフセットデータにテーブル2への変換値を加算して値を変換して(ステップY418)、ステップY412に移行する。
これにより、スキップ演出が実行可能な状況で、確率状態や結果に応じて図105(d)、(e)、図106(d)、(e)の変動パターンテーブル2が設定されることとなる。これらの変動パターンテーブル2では、リーチなしで変動時間が4000msの変動パターンが選択可能である。
なお、他方の特図変動表示ゲームは変動中でない場合(ステップY415;N)や、他方の特図変動表示ゲームの残り変動時間は所定時間以上でない場合(ステップY416;N)であっても、他方の始動記憶がある場合には連続して他方の特図変動表示ゲームが実行されることからステップY416に移行するようにしても良い。また、図105(d)、(e)、図106(d)、(e)に示した変動パターンテーブル2ではリーチなしの変動パターンのみ選択可能としても良い。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、入賞があった場合に差分の算出までに一定の猶予期間を設けるようにしている。
図108(a)には上述の第1実施形態での各カウンタ領域における値の変化の一例を示した。この例は図104(a)と同じ内容である。図108(a)に示すように、いずれかの入賞口に遊技球が入賞して検出信号が入力されることに基づき総入賞数カウンタの値が+1更新され(a2)、これに伴い差分が算出される。ここでは、アウトカウンタ領域の値が0であるので差分は1となり、更新前の差分カウンタ領域の値である0よりも大きいため差分カウンタ領域には1が設定される。その後、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新される(a3)。このアウトカウンタ領域の値が更新されることに伴い差分が算出される。ここでは総入賞数カウンタ領域の値及びアウトカウンタ領域の値がいずれも1であるので差分は0であり、更新前の差分カウンタ領域の値である1よりも小さいため差分カウンタ領域の値は更新されず1が維持される。
アウトスイッチ98では入賞口に入賞したセーフ球も検出されるため、異常な状態でない場合には遊技球の入賞により総入賞数カウンタの値が+1更新されれば、その後に当該遊技球がアウトスイッチ98で検出されることによりアウトカウンタ領域の値が+1更新されることとなる。よって、この一連の検出で見れば、総入賞数カウンタ領域とアウトカウンタ領域が何れも+1更新されるので、実質的な差分数は入賞前の値から変化しないこととなる。
しかし、各入賞口の入賞口スイッチからアウトスイッチ98までは一定の距離があるため、入賞口スイッチからの検出信号の入力からアウトスイッチ98からの検出信号の入力までは一定の時間がかかる。このため、総入賞数カウンタの値が+1更新された時点では差分数が+1され(a2)、その後にアウトカウンタ領域の値が+1更新されても(a3)、最大値を維持する差分カウンタ領域の値は1のまま維持されてしまい、実質的な差分数との差が生じてしまう。
そこで本変形例では、図108(b)に示すように、いずれかの入賞口に遊技球が入賞して検出信号が入力されることに基づき総入賞数カウンタの値が+1更新された際に(b2)、すぐに差分を算出せず猶予期間(ここでは5000ms)を設定する。そして、この猶予期間内にアウトスイッチ98からの検出信号が入力された場合は、先の入賞口への入賞(b2)に基づく差分の算出を行わないようにしている。これにより、差分カウンタ領域の値を実質的な差分に応じた値とすることができる(b3)。
また、いずれかの入賞口に遊技球が入賞して検出信号が入力されることに基づき総入賞数カウンタの値を+1更新して猶予期間を設定した後に(b4)、当該猶予期間内にアウトスイッチ98からの検出信号が入力されなかった場合は差分の算出を行い、算出結果が差分カウンタ領域の値よりも大きければ算出結果を差分カウンタ領域に記憶するようにしている(b6)。これにより、糸釣り球による不正行為のように入賞口スイッチでの検出のみが発生する不正行為が行われている場合は差分カウンタ領域の値が増加し、アウト数エラー発生判定個数(例えば13)を超えた場合にアウト数エラーと判定されるようになる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
本変形例では、図27に示した入賞数カウンタ更新処理に替えて図109に示す入賞数カウンタ更新処理を行う。この入賞数カウンタ更新処理においては、差分算出処理(ステップX365)に替えて、猶予タイマの初期値を猶予タイマ領域にセーブし(ステップX871)、インカウンタ領域の値を+1更新する(ステップX872)。
猶予タイマは猶予期間を管理するためのもので、ここでは初期値として5000msが設定される。この時間は、遊技球が各入賞口の入賞口スイッチで検出されてからアウトスイッチ98で検出されるまでに十分な時間とされている。インカウンタ領域は、差分の算出を猶予している入賞の個数を計数するためのカウンタであり、後述するようにインカウンタ領域の値と同数のアウトスイッチ98での検出があることに基づき入賞した遊技球が排出されたと判断するようにしている。
〔状態表示編集出力処理〕
また、図101に示した状態表示編集出力処理に替えて図110に示す状態表示編集出力処理を行う。この状態表示編集出力処理においては、まず、猶予タイマが0であるかを判定し(ステップX881)、0である場合(ステップX881;Y)は、ステップX801に移行する。この場合は猶予タイマがすでに0であって猶予期間外である場合である。
また、猶予タイマが0でない場合(ステップX881;N)、すなわち猶予期間内である場合は、猶予タイマを−1更新し(ステップX882)、猶予タイマが0になったかを判定する(ステップX883)。猶予タイマが0になっていない場合(ステップX883;N)、すなわち猶予期間が終了していない場合は、アウトスイッチに入力があるかを判定する(ステップX884)。アウトスイッチに入力がない場合(ステップX884;N)は、ステップX801に移行する。
また、アウトスイッチに入力がある場合(ステップX884;Y)は、インカウンタ領域の値を−1更新し(ステップX885)、インカウンタ領域の値が0となったかを判定する(ステップX886)。そして、インカウンタ領域の値が0でない場合(ステップX886;N)は、ステップX801に移行する。また、インカウンタ領域の値が0である場合(ステップX886;Y)、すなわち、差分の算出を猶予している入賞数に対応する遊技球の排出を検出した場合は、猶予タイマ領域を0クリアして(ステップX887)、ステップX801に移行する。これにより猶予期間が終了する。
一方、猶予タイマが0になった場合(ステップX883;Y)、すなわち猶予期間が終了した場合は、差分算出処理を行う(ステップX888)。この差分算出処理は図102に示した処理である。その後、インカウンタ領域を0クリアし(ステップX889)、猶予タイマ領域を0クリアして(ステップX890)、ステップX801に移行する。
なお、この状態表示編集出力処理では、アウトスイッチに入力があり(ステップX801;Y)、アウトカウンタ領域がオーバーフローしない場合(ステップX805;N)に行っていた差分算出処理(ステップX806)は行わないようにしている。ここでの差分算出処理(ステップX806)は、アウトカウンタ領域の値が増加してアウト数エラーが発生しない方向へ値が変化した場合に行われるものであるため省略しても問題はない。もちろん差分算出処理を行うようにしても良い。
また、上述の説明では、入賞数カウンタ更新処理において差分算出処理を行わないようにして、入賞口スイッチでの検出が即座に差分数に反映されないようにしたが、入賞数カウンタ更新処理において差分数の算出を行い、その算出結果を差分カウンタ領域に反映させる時期を猶予するようにしても良い。そして、猶予期間中に猶予している入賞と同数のアウトスイッチ98での検出があった場合には当該算出結果を破棄するようにする。
また、インカウンタ領域の値が所定値(例えば20)を超えた場合には、猶予期間を設定せずに差分算出処理を行うようにしても良い。猶予期間中に新たな入賞が発生すると、当該入賞から新たに猶予期間が設定されることとなるが、入賞が差分数に反映されない期間が長くなりすぎると不正の検出が遅れてしまうおそれがあるため、猶予期間の再設定が所定回数行われた場合には、猶予期間を設定せずに差分算出処理を行うようにし、異常の検出が行われるようにしても良い。
また、入賞口スイッチで検出した遊技球が排出される際に当該遊技球を検出する入賞球アウトスイッチをアウトスイッチ98とは別に設けても良い。上述の例では、アウトスイッチ98での検出は、入賞口に入賞した遊技球(セーフ球)によるものか、アウト口30aから排出される遊技球(アウト球)によるものかを区別していないため、例えば、入賞口スイッチでの検出があった後、猶予期間内にアウト口30aから排出される遊技球がアウトスイッチ98で検出された場合でも正常とみなしていた。入賞球アウトスイッチを設けることで入賞口に入賞した遊技球の排出を確認でき、入賞口スイッチでの検出があった後、猶予期間内に入賞球アウトスイッチで検出があった場合に正常とみなすことで、より正確に不正行為を判別することができる。
なお、アウトスイッチ98は、入賞球アウトスイッチで検出された遊技球も検出するようにしても良いし、入賞球アウトスイッチで検出された遊技球は検出しないようにしても良い。アウトスイッチ98が入賞球アウトスイッチで検出された遊技球も検出するようにする場合は、アウトスイッチ98での検出のみをアウトカウンタ領域で計数するようにする。また、アウトスイッチ98が入賞球アウトスイッチで検出された遊技球を検出しないようにする場合は、アウトスイッチ98での検出と入賞球アウトスイッチでの検出の両方を合算した値をアウトカウンタ領域で計数するようにする。また、入賞球アウトスイッチは、各入賞口に入賞した遊技球の排出をまとめて検出するものであっても良いし、入賞した遊技球の排出を入賞口ごとに個別に検出するものであっても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、一般入賞口35)と、入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な入賞検出センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ35a)と、遊技領域32から排出された遊技球を検出可能な排出センサ(アウトスイッチ98)と、入賞検出センサ及び排出センサからの検出信号に基づく制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、入賞検出センサでの検出数を計数する総入賞数カウンタ(遊技制御装置100)と、排出センサでの検出数を計数する総排出数カウンタ(遊技制御装置100)と、総入賞数カウンタの値が総排出数カウンタの値を超えた値である差分数を算出する算出手段(遊技制御装置100)と、を備え、差分数が所定数を超えた場合に異常の発生を報知するように構成され、入賞検出センサでの検出から所定の猶予期間が経過するまでは、当該入賞検出センサでの検出が差分数に反映されないようにするようにしたこととなる。しがたって、実質的な差分数との差が生じてしまうことを防止でき、不正行為を確実に検出することができるとともに、誤った検出を防止できる。
また、制御手段は、猶予期間中に、排出センサにおいて、差分数への反映を猶予している入賞検出センサでの検出数と同数の検出があった場合には、猶予期間を終了するようにしたこととなる。したがって、必要以上に猶予期間が継続することを防止できる。
また、制御手段は、猶予期間において排出センサにおける検出数が、差分数への反映を猶予している入賞検出センサでの検出数に満たなかった場合は、差分数への反映を猶予している入賞検出センサでの検出数から猶予期間における排出センサでの検出数を差し引いた値を差分数に反映するようにしたこととなる。したがって、入賞検出センサでの検出のみが発生する不正行為を確実に検出することができる。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、入賞があった場合に差分の算出までに一定の猶予期間を設けるようにしている。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
本変形例では、図110に示した状態表示編集出力処理に替えて図111に示す状態表示編集出力処理を行う。この状態表示編集出力処理では、猶予タイマが0となって猶予期間が終了した場合(ステップX883;Y)に、差分算出処理(ステップX888)に替えて、まず、インカウンタ領域の値をロードし(ステップX901)、ロードした値と差分カウンタ領域の値を加算して(ステップX902)、加算結果を差分カウンタ領域にセーブする(ステップX903)。
これにより、入賞口スイッチでの検出に対応するアウトスイッチ98での検出がなかった入賞数が差分カウンタ領域の値に加算されることとなる。このようにすることでも、糸釣り球による不正行為のように入賞口スイッチでの検出のみが発生する不正行為が行われている場合は差分カウンタ領域の値が増加し、アウト数エラー発生判定個数(例えば13)を超えた場合にアウト数エラーと判定されるようになる。また、総入賞数カウンタ領域やアウトカウンタ領域を設ける必要がなく、さらに差分の算出処理も必要ないため、不正行為の検出に関する制御の負担を軽減することができる。
なお、インカウンタ領域の値が所定値(例えば20)を超えた場合には、猶予期間を設定せずに当該インカウンタ領域の値を差分カウンタ領域の値に加算するようにしても良い。猶予期間中に新たな入賞が発生すると、当該入賞から新たに猶予期間が設定されることとなるが、差分数に反映されない期間が長くなりすぎると不正の検出が遅れてしまうおそれがあるため、猶予期間の再設定が所定回数行われた場合には、猶予期間を設定せずに差分算出処理を行うようにし、異常の検出が行われるようにしても良い。
また、インカウンタ領域の値を差分カウンタ領域に加算することで、複数回の猶予期間で残留したインカウンタ領域の値を合算するようにしているが、一回の猶予期間で残留したインカウンタ領域の値のみに基づき異常の発生を判定するようにしても良い。一回の猶予期間とは、猶予期間でない状態で猶予期間が開始されたときから猶予タイマが0となる又は0クリアされるまでの期間である。猶予期間中に新たな入賞が発生して当該入賞から新たに猶予期間が設定された場合は、猶予タイマが0とはならないので当該新たな入賞の前後の猶予期間は一連の猶予期間であり一回の猶予期間となる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、一般入賞口35)と、入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な入賞検出センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ35a)と、遊技領域32から排出された遊技球を検出可能な排出センサ(アウトスイッチ98)と、入賞検出センサ及び排出センサからの検出信号に基づく制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、入賞検出センサでの検出から所定の猶予期間を設定し、猶予期間中に排出センサでの検出がなかったことに基づき異常の発生を検出可能であることとなる。したがって、入賞検出センサから不正に検出信号を出力させる不正行為を確実に検出することができる。
また、制御手段は、猶予期間中に新たに入賞検出センサでの検出があることに基づき猶予期間を再設定し、猶予期間中における前記排出センサでの検出回数が、当該猶予期間の開始及び再設定の契機となった入賞検出センサの検出回数よりも不足していた場合には、当該不足数が所定数以上となることに基づき異常の発生を報知するようにしたこととなる。したがって、入賞検出センサから不正に検出信号を出力させる不正行為を確実に検出することができる。
また、複数回の猶予期間での不足数を合計し、当該合計数が所定数以上となることに基づき異常の発生を報知するようにしたこととなる。したがって、入賞検出センサから不正に検出信号を出力させる不正行為を確実に検出することができる。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、カウンタがオーバーフローした際の値の設定方法が異なる。また、差分カウンタ領域を使用しないようにしている。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
本変形例では、図27に示した入賞数カウンタ更新処理に替えて図112に示す入賞数カウンタ更新処理を行う。この入賞数カウンタ更新処理においては、総入賞数カウンタ領域のオーバーフローが発生した場合(ステップX363;Y)に差分算出処理を行う(ステップX911)。なお、この差分算出処理では図113に示すように、図102の差分算出処理で行っていた差分カウンタ領域に関する処理(ステップX824、X825)を行わない。
図112に戻り、差分算出処理(ステップX911)を行った後、差分算出結果を+1更新する(ステップX912)。差分の算出においてオーバーフローの原因となった入賞が反映されていないため、ここで差分算出結果を+1更新することで差分数に反映されるようにする。そして、差分算出結果が0より大きいかを判定する(ステップX913)。
差分算出結果が0より大きい場合(ステップX913;Y)は、総入賞数カウンタ領域に差分算出結果をセーブする(ステップX915)。また、差分算出結果が0より大きくない場合(ステップX913;N)は、差分算出結果を0に設定し(ステップX914)、総入賞数カウンタ領域に差分算出結果をセーブする(ステップX915)。その後、アウトカウンタ領域に0をセーブして(ステップX367)、ステップX368以降の処理を行う。
なお、総入賞数カウンタ領域がオーバーフローしない場合(ステップX363;N)に行っていた差分算出処理(ステップX365)についてはここでは行わず、後述する図115に示すアウト数エラー監視処理において行うようにしている。
〔状態表示編集出力処理〕
また、図101に示した状態表示編集出力処理に替えて図114に示す状態表示編集出力処理を行う。この状態表示編集出力処理においては、アウトカウンタ領域のオーバーフローが発生した場合(ステップX804;Y)に差分算出処理を行う(ステップX921)。この差分算出処理は上述の図113に示した処理である。
図114に戻り、差分算出処理(ステップX921)を行った後、差分算出結果を−1更新する(ステップX922)。差分の算出においてオーバーフローの原因となったアウトスイッチ98での検出が反映されていない、ここで差分算出結果を−1更新することで差分数に反映されるようにする。そして、差分算出結果が0より大きいかを判定する(ステップX923)。
差分算出結果が0より大きい場合(ステップX923;Y)は、総入賞数カウンタ領域に差分算出結果をセーブする(ステップX925)。また、差分算出結果が0より大きくない場合(ステップX923;N)は、差分算出結果を0に設定し(ステップX924)、総入賞数カウンタ領域に差分算出結果をセーブする(ステップX925)。その後、アウトカウンタ領域に0をセーブして(ステップX808)、ステップX809以降の処理を行う。
なお、アウトカウンタ領域がオーバーフローしない場合(ステップX804;N)に行っていた差分算出処理(ステップX806)についてはここでは行わず、後述する図115に示すアウト数エラー監視処理において行うようにしている。
以上の処理により、総入賞数カウンタ領域やアウトカウンタ領域がオーバーフローしてもオーバーフローする前の差分の情報が引き継がれ、継続して不正行為の監視を行うことができる。また、差分算出結果が0より大きくない場合(ステップX913,X923;N)には、差分算出結果を0に設定するので、不正行為の検出を確実に行うことができる。すなわち、正常に遊技が行われている場合は入賞口スイッチでの検出数よりもアウトスイッチ98での検出数の方が多いため、差分はアウト数エラー発生判定個数から大きく離れてしまう。この状態で不正行為が開始された場合、差分がアウト数エラー発生判定個数に達するまでの期間が長くなり不正行為の検出が遅れるおそれがあるが、差分算出結果が0より大きくない場合に差分算出結果を0に設定することで不正行為を確実に検出できるようになる。
〔アウト数エラー監視処理〕
また、図103に示したアウト数エラー監視処理に替えて図115に示すアウト数エラー監視処理を行う。このアウト数エラー監視処理においては、まず、アウト数エラー報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップX931)、アウト数エラー報知タイマの値が0である場合(ステップX931;Y)、すなわちアウト数エラーが発生していない場合は、差分算出処理を行う(ステップX933)。この差分算出処理は、上述の図113に示した処理である。
その後、差分算出結果がアウト数エラー発生判定個数より大きいかを判定する(ステップX934)、差分算出結果がアウト数エラー発生判定個数より大きい場合(ステップX934;Y)、すなわちアウト数エラーが発生したと判定された場合は、ステップX844以降の処理を行う。また、差分算出結果がアウト数エラー発生判定個数より大きくない場合(ステップX934;N)、すなわちアウト数エラーが発生していない場合は、ステップX847以降の処理を行う。
一方、アウト数エラー報知タイマの値が0でない場合(ステップX931;N)、すなわちアウト数エラーが発生して報知を行っている場合は、総入賞数カウンタ領域の値又はアウトカウンタ領域の値に変化があるかを判定する(ステップX932)。そして、総入賞数カウンタ領域の値又はアウトカウンタ領域の値に変化がある場合(ステップX932;Y)は、ステップX933以降の処理を行う。この場合、差分算出結果がアウト数エラー発生判定個数より大きい場合(ステップX934;Y)は、アウト数エラーの報知が再設定されることとなる。また、総入賞数カウンタ領域の値又はアウトカウンタ領域の値に変化がない場合(ステップX932;N)は、ステップX847以降の処理を行う。なお、アウト数エラー報知タイマの値が0であるかの判定(ステップX931)は行わないようにしても良い。
また、アウト数エラー報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX851;Y)、すなわち今回のアウト数エラー監視処理でアウト数エラー報知タイマの値が0になり、アウト数エラーが解除される場合は、総入賞数カウンタ領域に0をセーブし(ステップX935)、アウトカウンタ領域に0をセーブして(ステップX936)、ステップX853以降の処理を行う。
図116には、アウト数エラーを検出するための各カウンタ領域における値の変化の一例を示した。なお、本変形例では差分カウンタ領域を備えないので差分の欄は差分算出結果を意味する。図104(a)のa1に示すように総入賞数カウンタ領域及びアウトカウンタ領域の値が0である場合は差分も0となる(a1)。この状態からいずれかの入賞口からの検出信号が入力されると総入賞数カウンタの値が+1更新され(a2)。ここでは、アウトカウンタ領域の値が0であるので差分算出結果は1となる。
その後、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新される(a3)。ここでは総入賞数カウンタ領域の値及びアウトカウンタ領域の値がいずれも1であるので差分算出結果は0である。次に、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新される(a4)。この更新はいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口30aから排出されるアウト球がアウトスイッチ98で検出されたものである。この更新により差分算出結果は−1となる。この後、入賞口からの検出信号に基づく総入賞数カウンタ領域の値の更新が連続すると(a5〜a7)、これに伴い差分算出結果も増加する。このように差分算出結果は算出する時点のカウンタの値に応じた値となる。
図116(b)にはアウト数エラーが発生する場合を示した。この例ではまず、総入賞数カウンタ領域の値が52であり、アウトカウンタ領域の値が40であって差分カウンタ領域の値が12となっている(b1)。そして、入賞口からの検出信号に基づき総入賞数カウンタ領域の値が+1更新されて差分算出結果が13となり(b2)、さらに、入賞口からの検出信号に基づき総入賞数カウンタ領域の値が+1更新されて差分算出結果が14となって、アウト数エラー発生判定個数である13を超えている(b3)。これにより、アウト数エラーが発生したと判定され、異常の報知が行われるアウト数エラー報知状態となる。アウト数エラー報知状態は、アウト数エラーが発生したと判定された時から所定時間(ここでは60000ms)にわたり継続される。
本変形例では差分カウンタ領域を用いないので、アウト数エラーが発生したと判定された後に差分をアウト数エラー発生判定個数にする処理は行わない。また、アウト数エラー報知状態中では総入賞数カウンタ領域又はアウトカウンタ領域の値が変化しない場合は差分の算出を行わない(b4)。
さらにアウト数エラー報知状態である状態で入賞口からの検出信号に基づき総入賞数カウンタ領域の値が+1更新されている(b5)。この更新に基づき差分が算出され、差分算出結果は15となっている。この差分算出結果はアウト数エラー発生判定個数である13を超えているので再度アウト数エラーが発生したと判定され、アウト数エラー報知状態の報知期間が再設定(延長)される。その後、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新されて差分が算出されるが、ここでも差分算出結果は14であり再度アウト数エラーと判定される(b7)。
そして、アウトスイッチ98からの検出信号に基づきアウトカウンタ領域の値が+1更新されて差分が算出されているが(b9)、ここでは差分算出結果が13でありアウト数エラーが発生したとは判定されない。このようにアウト数エラーが発生したと判定されない状態が継続し、最後にアウト数エラーが発生したと判定された時(b7)から所定時間が経過するとアウト数エラー報知状態が解除されて報知期間が終了する。このアウト数エラー報知状態の解除に伴い、総入賞数カウンタ領域の値やアウトカウンタ領域の値は0クリアされる(b10)。
図116(c)には、アウトカウンタ領域の値がオーバーフローする場合を示した。本変形例のアウトカウンタ領域は、値として0〜255の値をとりうるものとされ、最大値の255である状態で+1更新されると0に戻るようになっている。この例ではまず、アウトカウンタ領域の値が254であり(c1)、アウトスイッチ98からの検出信号が入力されてアウトカウンタ領域の値が最大値の255となっている(c2)。
この状態からさらにアウトスイッチ98からの検出信号が入力されると、アウトカウンタ領域の値がオーバーフローすることとなるので対応する処理が行われる。まず、アウトカウンタ領域を更新せずに差分を算出する(c3)。そして、差分算出結果を−1更新し(c4)、差分算出結果が0より大きいかを判定する。ここでは差分算出結果が0以下であるので差分算出結果を0に設定する(c5)。その後、総入賞数カウンタ領域に差分算出結果である0を設定するとともに、アウトカウンタ領域を0クリアする(c6)。
なお、総入賞数カウンタ領域の取り得る最大値が、アウトカウンタ領域が取り得る最大値よりも大きい場合は、アウトカウンタ領域の値がオーバーフローする際の処理における差分算出結果が0より大きくなることも考えられる。図116(d)にはこのような場合の例を示した。
この例ではまず、総入賞数カウンタ領域の値が260であり、アウトカウンタ領域の値が254となっていて(d1)、アウトスイッチ98からの検出信号が入力されてアウトカウンタ領域の値が最大値の255となっている(d2)。この状態からさらにアウトスイッチ98からの検出信号が入力されると、アウトカウンタ領域の値がオーバーフローすることとなるので対応する処理が行われる。まず、アウトカウンタ領域を更新せずに差分を算出する(d3)。そして、差分算出結果を−1更新し(d4)、差分算出結果が0より大きいかを判定する。ここでは差分算出結果が0より大きいので差分算出結果をそのまま総入賞数カウンタ領域に設定するとともに、アウトカウンタ領域を0クリアする(c5)。
図116(e)には、総入賞数カウンタ領域の値がオーバーフローする場合を示した。本実施形態の総入賞数カウンタ領域は、値として0〜255の値をとりうるものとされ、最大値の255である状態で+1更新されると0に戻るようになっている。この例ではまず、総入賞数カウンタ領域の値が254であり(e1)、入賞口からの検出信号が入力されて総入賞数カウンタ領域の値が最大値の255となっている(e2)。
この状態からさらに入賞口からの検出信号が入力されると、総入賞数カウンタ領域の値がオーバーフローすることとなるので対応する処理が行われる。まず、総入賞数カウンタ領域の値を更新せずに差分を算出する(e3)。そして、差分算出結果を+1更新し(e4)、差分算出結果が0より大きいかを判定する。ここでは差分算出結果が0より大きいので差分算出結果をそのまま総入賞数カウンタ領域に設定するとともに、アウトカウンタ領域を0クリアする(e5)。
なお、アウトカウンタ領域の取り得る最大値が、総入賞数カウンタ領域が取り得る最大値よりも大きい場合は、総入賞数カウンタ領域の値がオーバーフローする際の処理における差分算出結果が0以下となることも考えられる。図116(f)にはこのような場合の例を示した。
この例ではまず、総入賞数カウンタ領域の値が254であり、アウトカウンタ領域の値が260となっていて(f1)、入賞口からの検出信号が入力されて総入賞数カウンタ領域の値が最大値の255となっている(f2)。この状態からさらに入賞口からの検出信号が入力されると、総入賞数カウンタ領域の値がオーバーフローすることとなるので対応する処理が行われる。まず、総入賞数カウンタ領域を更新せずに差分を算出する(f3)。そして、差分算出結果を+1更新し(f4)、差分算出結果が0より大きいかを判定する。ここでは差分算出結果が0以下であるので差分算出結果を0に設定し(f5)、総入賞数カウンタ領域に差分算出結果である0を設定するとともにアウトカウンタ領域を0クリアする(f6)。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入賞可能な入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、一般入賞口35)と、入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な入賞検出センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ35a)と、遊技領域32から排出された遊技球を検出可能な排出センサ(アウトスイッチ98)と、入賞検出センサ及び排出センサからの検出信号に基づく制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、入賞検出センサでの検出数を計数する総入賞数カウンタ(遊技制御装置100)と、排出センサでの検出数を計数する総排出数カウンタ(遊技制御装置100)と、総入賞数カウンタの値が総排出数カウンタの値を超えた値である差分数を算出する算出手段(遊技制御装置100)と、を備え、差分数が所定数を超えた場合に異常の発生を報知するように構成され、総入賞数カウンタと総排出数カウンタのいずれかがオーバーフローする場合は、差分数を算出して、当該差分数が0より大きい場合は当該差分数を総入賞数カウンタの値とするとともに総排出数カウンタの値を0に設定し、当該差分数が0以下である場合は総入賞数カウンタの値と総排出数カウンタの値をいずれも0に設定するようにしたこととなる。したがって、入賞検出センサから不正に検出信号を出力させる不正行為を確実に検出することができる。また、カウンタがオーバーフローの前後で継続して不正行為を監視することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。