JP5444319B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、演出制御装置が外部に露出したバスを介して装飾制御装置を制御する構成を備えた遊技機に関する。
遊技盤に形成された遊技領域における遊技の進行を制御する遊技制御手段と遊技盤に設けられた液晶ディスプレイのような画像表示装置(変動表示装置)の表示制御を行う表示制御手段とを備えた遊技機が知られている。
この遊技機において、遊技制御装置から画像表示装置の表示制御を行う演出制御装置へ指示を与えることで、画像表示装置上に形成される複数の変動表示領域に識別情報を変動表示させ、演出制御装置が、遊技の状況に合わせて、各種ランプやLED等で構成される装飾装置を作動させるために、装飾制御装置に装飾制御データを出力して、装飾制御装置を制御していた。
演出制御装置及び装飾制御装置の配線が簡素で、組み立て性の良い遊技機を実現するための技術として、特許文献1に開示された技術などが知られている。
特許文献に開示された遊技機では、演出制御装置が、I2Cバス(アイスクエアシーバス)を介して演出制御装置の外部に設けられた装飾制御装置を制御する構成となっている。
特開2010−88667号公報
特許文献1に記載の遊技機では、ICバスが演出制御装置の外部に露出されているため、ICバスが短絡などされて不正に操作されると通信が停止してしまう。
遊技機に発生した異常や不正に関する報知を行なう報知制御手段がICバスに接続されている場合には、報知を行なうための制御指令が報知制御手段に伝達されない状態となり報知を行なうことができない。
このため、不正行為者によって外部に露出したICバスが操作された後に不正行為が行われると、不正が行なわれたにも拘わらず報知が行なわれないため、遊技店は不正を発見することができずに不利益を蒙る虞があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、演出制御装置が外部に露出したバスを介して装飾制御装置を制御する構成を備えた遊技機において、制御装置の外部から制御装置内に設けられた報知制御手段の動作を阻害するような行為を防止することにある。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
遊技領域を形成した遊技盤と、
遊技機にて発生した異常を報知可能な報知装置と、
遊技を統括的に制御する遊技制御手段を有する遊技制御装置と、
前記遊技制御手段からの制御指令に対応して発光装置の発光態様を変化させるための制御を行う演出制御手段を有する演出制御装置と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記報知装置から異常が発生したことを示す異常報知を行うための制御をする異常報知制御手段と、
遊技機の外部に設けられ、前記発光装置の制御を行なう発光制御手段と、
前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記発光制御手段と前記異常報知制御手段の各々を統括的に制御する統括制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記統括制御手段を介して制御指令を前記異常報知御手段又は前記発光制御手段に送信することで、前記異常報知制御手段又は前記発光制御手段を制御可能に構成され、
遊技機に異常が発生した場合には、前記報知装置に前記異常報知を行なうための制御指令を前記異常報知制御手段に送信する制御を行ない、
前記統括制御手段は、前記発光制御手段を統括的に制御する第1統括制御手段と前記異常報知制御手段を統括的に制御する第2統括制御手段を含み、
前記第1統括制御手段から前記発光制御手段の間と、前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間には、タイミング信号を伝達するタイミング信号線と、データを伝達するデータ線を少なくとも含む接続線を備えることにより、
前記第1統括制御手段と前記発光制御手段との間と、前記第2統括制御手段と前記異常報知制御手段との間で相互にデータ送信を可能とし、
前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線は、前記第1統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線と分離して構成されることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、LEDの制御を行うICバスと異常報知制御を行うICバスを分離して構成したので、演出制御装置の外部に露出している前記統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線が不正に操作されて、異常報知制御手段の動作が阻害されることを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記演出制御装置は、
前記異常報知制御手段と前記統括制御手段を有し、
前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線は前記演出制御装置内に設けられていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、前記統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線は、演出制御装置内に設けるようにしたので、演出制御装置の外部から不正に操作されることを防止することができる。
本発明によれば、演出制御装置が外部に露出したバスを介して装飾制御装置を制御する構成を備えた遊技機において、LEDの制御を行うICバスと異常報知制御を行うICバスを分離して構成したので、演出制御装置の外部に露出している前記第1統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線が不正に操作されて、異常報知制御手段の動作が阻害されることを防止することができる。
遊技機を示す斜視図である(実施形態1)。 遊技機に備えられる遊技盤を示す正面図である(実施形態1)。 パチンコ遊技機の制御システムのブロック図である(実施形態1)。 演出制御装置の構成を示すブロック図である(実施形態1)。 演出制御装置と遊技盤との接続図である(実施形態1)。 演出制御装置と前面枠との接続図である(実施形態1)。 装飾制御装置の構成を示すブロック図である(実施形態1)。 音源LSIの構成を示すブロック図である(実施形態1)。 音源LSIを構成するサウンドコントローラの一例を示すブロック図である(実施形態1)。 I2C通信においてやり取りされるSDA、SCLの信号を示す一般的なタイムチャートである(実施形態1)。 I2C通信によってデータを送る様子を示すタイムチャートである(実施形態1)。 バス切替スイッチを設けた演出制御装置の構成を示すブロック図である(実施形態2)。 演出制御装置の制御用マイコン(CPU)の1stメイン処理のフローチャートである(実施形態2)。 マスタICの制御下にあるスレーブを初期化するスレーブ初期化処理(1stメイン処理のステップC02)のフローチャートである(実施形態2)。 サウンド制御処理(1stメイン処理のステップB25)の詳細を示すフローチャートである(実施形態2)。 マスタICを2個とし、バス切替スイッチを設けた演出制御装置の構成を示すブロック図である(実施例1)。 サウンド制御処理を示すフローチャートである(実施例1)。 マスタICを2個とし、音場補正DSPとバス切替スイッチを設けた演出制御装置の構成を示すブロック図である(実施例2)。 サウンド制御処理を示すフローチャートである(実施例2)。 マスタICを1個とし、バス切替スイッチを設けた演出制御装置の構成を示すブロック図である(実施例3)。 演出制御装置が外部に露出したバス(I2Cバス)を介して演出制御装置の外部に設けられた装飾制御装置を制御する構成を備えた遊技機の従来例を示すブロック図である。
≪実施形態1≫
以下、図1から図11までを参照しつつ、本発明の実施形態1に係る遊技機について説明する。 図1は、実施形態1の遊技機10を正面側から見た斜視図である。
実施形態1の遊技機10は、本体枠(外枠)11及び前面枠(内枠)12を備え、該前面枠12は本体枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態1の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態1の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32の中央部には、開口部40aが形成された枠状のセンターケース40が配置されている。センターケース40の後方には表示装置41が配置され、センターケース40の開口部40aから表示装置41の表示面41aを臨むようになっている。
表示装置41(特別図柄表示装置、装飾表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32におけるセンターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられる。また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が配設され、その下には、普通変動入賞装置(普電)37が配設され、さらにその下には、特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
普通変動入賞装置37は、内部に第2始動入賞口を有しており、上部に逆「ハ」の字状に開いた状態と、遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態とに変換する一対の可動部材37b、37bを備えている。この一対の可動部材37b,37bは、常時は閉じた状態を保持しており、その上方には障害物が設けられているので、可動部材37b,37bが閉じた状態では、遊技球が入賞できないよう(遊技者にとって不利な状態)になっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、可動部材37b,37bが開いた状態になり、普通変動入賞装置37に遊技球が流入可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化するようになっている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉扉を閉じた状態(遊技球を受け入れない遊技者にとって不利な状態)から大入賞口を開放した状態(遊技球を受け入れ可能な遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を可能にし、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
遊技領域32における特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50(特別図柄表示装置)は、図示は省略するが、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部を設けることもできる。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1始動記憶表示器(図示略)は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2始動記憶表示器(図示略)は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1始動記憶表示器と同様にして表示する。
普図始動記憶表示器(図示略)は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器(図示略)は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器(図示略)は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器(図示略)は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部(図示略)は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態1の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(図示略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(図示略)に表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを表示するともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など変動表示ゲームに伴う多様な演出画像を表示する。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第1始動記憶(第2始動記憶)が記憶されて、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶(第2始動記憶)に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が上限数未満ならば、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1加算されて第1始動記憶(第2始動記憶)が1つ記憶されることになる。そして、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、第1始動記憶数(第2始動記憶数)が1減算されるとともに、記憶された第1始動記憶(第2始動記憶)に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63(図3参照)や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64(図3参照)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態1のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備える。遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する(主に、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき前記変動表示ゲームの進行制御を行う)主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態1では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理や特図普段処理にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
≪演出制御装置の構成≫
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からの指令情報に基づき装飾表示装置の表示制御を行うもので、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる制御用マイコン(CPU)311と、該CPU311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
なお、図4において、演出制御装置300を矩形で囲っている部分は、装置全体として一つの筐体に納められており、不正行為(不正を行う遊技者がひそかに店内に持ち込む程度の短絡目的の器具)からその内部が保護されている。
上記制御用マイコン(CPU)311には、CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなる制御ROM321がデータバス340を介して接続される。VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続される。音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。制御用マイコン(CPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP313へ出力映像の描画を指示する。また、制御用マイコン(CPU)311は、データバス340及び後述する第3マスタIC353を介して音源LSI314への再生音の指示を与える。さらに、制御用マイコン(CPU)311は、後述する第1マスタIC351、第1マスタIC352を介して、遊技盤30、前面枠12にある装飾制御装置に指示を与え、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。制御用マイコン(CPU)311の作業領域を提供するRAM331は、データバス340を介して接続されている。なお、作業領域を提供するRAMは制御用マイコン311のチップ内部に設けるようにしてもよい。
制御用マイコン(CPU)311のデータバス340には、上述したVDP313、RAM331、制御ROM321のほかに、第1マスタIC351、第2マスタIC352、第3マスタIC353、出力インタフェース回路371、入力インタフェース回路372が接続される。発明が解決しようとする課題の項で述べたように、これら三つのマスタICは、I2C(アイスクエアシー)と呼ばれるシリアル通信の規格において用いられる通信に特化した機能を有するICである。このマスタICは、(複数の)スレーブ機器を従えて統括的に制御することができる。図4に描いた実施形態では、第1マスタIC351のスレーブ機器は、遊技盤30内にある装飾制御装置であって、遊技盤との接続端子391を介してデータ信号及びクロック信号をやりとりしてシリアル通信を実行する。第2マスタIC352のスレーブ機器は、前面枠12内にある装飾制御装置であって、前面枠との接続端子392を介してデータ信号及びクロック信号をやりとりしてシリアル通信を実行する。第3マスタIC353のスレーブ機器は、音源LSI314であって、演出制御装置300の内部に設けられた信号線であるデータ信号線SDA及びクロック信号線SCLを介してシリアル通信を実行する。すなわち、第1マスタIC351、第2マスタIC352のI2Cバスは外部へ露出しているが、第3マスタIC353のI2Cバスは外部へ露出していない。
制御用マイコン(CPU)311から遊技盤30への出力(例えば、役物装置を駆動する駆動回路へ指示を与える信号。図5参照)は、バス340、出力インタフェース回路371、ドライバ381、遊技盤との接続端子391を経て遊技盤30へ送られる。制御用マイコン(CPU)311から前面枠12への出力(例えば、照明装置を駆動する駆動回路へ指示を与える信号。図6参照)は、バス340、出力インタフェース回路371、ドライバ382、前面枠との接続端子392を経て前面枠12へ送られる。
遊技盤30から制御用マイコン(CPU)311への入力(例えば、モータ位置検出センサの検出信号。図5参照)は、遊技盤との接続端子391、フィルタ383、入力インタフェース回路372、バス340を介して取り込まれる。前面枠12から制御用マイコン(CPU)311への入力(例えば、モータ位置検出センサの検出信号、演出ボタンからの入力信号。図6参照)は、前面枠との接続端子392、フィルタ384、入力インタフェース回路372、バス340を介して取り込まれる。
音源LSIの出力は、前面枠との接続端子392を介して前面枠12に送られ、スピーカの入力信号となる(図6及び図8参照)。図4の音源LSI314に接続され、スピーカから出力される音量を設定する音量設定器319は、遊技機裏面に設けられ、遊技店の店員により操作されるものである。また、音量設定がいずれの量に設定されているかを制御用マイコン(CPU)311へ入力することとしてもよい(図4の破線矢印)。当該音量設定の情報が制御用マイコン(CPU)311へ入力されると、それに基づいて遊技盤30又は前面枠12のいずれかへ表示させるようにすることもできる。
制御用マイコン(CPU)311からバス340を介して出力インタフェース回路371から各RES端子へリセット信号を出力することができるようになっている。第1マスタIC351、第2マスタIC352、第3マスタIC353、音源LSI314(図8参照)は、このリセット信号を受けると当該自身の回路をリセットする。
また、遊技制御装置100、VDP313、第1マスタIC351、第2マスタIC352、第3マスタIC353から、割込み信号(INT)が制御用マイコン(CPU)311へ送られる。当該割込み信号を受けると制御用マイコン(CPU)311は、それぞれ要求された処理を割込み処理として実行する。
制御用マイコン(CPU)311と音源LSI314との間は、マスタICを介してシリアル方式でデータの送受信が行なわれるが、制御用マイコン(CPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)(図示略)や、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ(図示略)、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路(図示略)などが設けられている。
VDP313から制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン(図示略)へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン(図示略)からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン(図示略)から制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン(図示略)が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。
なお、図示を省略したが、映像制御用マイコン(2ndCPU)を設けることができ、それには、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速な、つまり高価なCPUが使用される。制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)を設けて処理を分担させることによって、制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、図示を省略したが、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)が設けられる。このコマンドI/Fを介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/Fには信号のレベル変換の機能が設けられている。
図3に示した電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/Fの電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、制御用マイコン311、映像制御用マイコン、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路、スピーカを駆動するアンプ回路に供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコンとVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
≪演出制御装置と遊技盤との接続≫
図5は、実施形態1における演出制御装置300と遊技盤30との接続を詳しく描いたブロック図である。
まず、マスタICは、第1マスタIC351、第2マスタIC352、第3マスタIC353と3個あるが、すべて同様の構成である。代表して第1マスタIC351についてその構成を説明する。
第1マスタIC351は、該マスタIC全体を統括的に制御するコントローラ551、該コントローラ551からバス340へデータを送る際に一時的に当該データを蓄える入力用バッファ552、バス340からコントローラ551へデータを取り込む際に一時的に当該データを蓄える出力用バッファ553、CPU311がバス340を介して第1マスタIC351をソフト的にリセットする際に働くリセットレジスタ554、STA、STO、SI、MODEの各ビットを保持するコマンドレジスタ555、状態に関する情報を保持するステータスレジスタ556、当該ICがスレーブとして機能する場合にアドレス設定をする自身アドレス設定レジスタ557、出力インタフェース回路371からのリセット信号の入力があるときにコントローラ551にハードウェア的なリセットをかける電源投入リセット回路558、SDA信号線を介してスレーブ側から返ってくるACK信号を取り込むためのフィルタ561、SDA信号線を介してスレーブ側へ送信データを送るためのドライバ562、マスタICがスレーブとして機能(マルチマスタ)する場合にSCL信号線を介して他のマスタから出力されるクロック信号を取り込むためのフィルタ563、SCL信号線を介してスレーブ側へクロック信号を送るためのドライバ564を備える。
上述のコマンドレジスタ555が保持する4つのビットの意味を説明する。STAは、マスタICがスタート条件の出力を指示するためのビットである。STOは、マスタICがストップ条件の出力を指示するためのビットである。SIは、マスタICから演出制御装置に割込みを発生させるときに設定されるビットである。MODEは、データを送信するモードを指定するビットである。
データを送信するモードには、バッファモードとバイトモードとが含まれる。バッファモードは連続する複数バイトのデータを一度にまとめて送信するモードである。最大68バイトのデータの送信が可能である。装飾データのように、送信の途中においてデータの内容が損なわれたとしてもさほど問題が大きくないものについてはバッファモードで送信される。
バイトモードは、1回の送信で1バイト(8ビット)のデータだけが送信可能なモードである。初期化信号などの重要な送信についてはバイトモードが用いられる。
バッファモードもバイトモードも8ビットごとに受信側からACK信号を返すことにおいて共通である。バイトモードでは、ACK信号を受けるたびにCPU311へ割込みをかける。バッファモードでは、ACK信号を受信できているうちはCPU311への割込み信号をその都度送ることはしないで、ACK信号が返ってこない場合のみCPU311への割込み信号を送るようになっている。
また、図5に示すようにマスタICは複数のスレーブ機器を備えるため、SCLピン(端子)、SDAピン(端子)双方ともオープンドレイン構成となっており、各端子には駆動トランジスタが設けられる。このことはスレーブ機器側も同様である。
演出制御装置300から遊技盤30に向けて、スレーブ駆動のための電圧Vcc、Led駆動のための電圧Vled、モータ駆動のための電圧Vms、モータの位置検出センサを駆動するための電圧Vseが供給される。また、グランドGND線も接続されている。
なお、図5でコントローラ551から外に向けて出ている割込み信号INTは、CPU311に対して割込みをかけるための信号である。CPU311に割込み信号が入るとCPU311はバス340を介してマスタICの各種バッファ、各種レジスタとのやりとりを行い、処理を進めて装飾制御処理をはじめとする演出制御を実行する。
スレーブ側について次に説明する。図5で第1マスタIC351の制御下にあるスレーブ機器は、中継基板670、装飾制御装置614である。図5で中継基板(装飾制御装置)670と書いたのは、中継基板が単に信号の通過体として設けられたものであってもよいし、それ自体の中に装飾制御装置の構成を備えたものであってもよいことを意味する。役物駆動モータ駆動回路621とモータ位置検出センサ623とは、第1マスタIC351のスレーブ機器ではない。
中継基板670は、第1マスタIC351と他のスレーブとのやり取りを中継する基板である。必要な電源をそれぞれのスレーブに供給するとともに、第1マスタIC351が通信を開始したときに、SDA信号線を介してアドレスとRead/Write要求(マスタが受信するのか、送信するのかの区別)を、SCL信号線を介してクロック信号を、すべての他のスレーブに引渡す役割を果たすのが中継基板670である。それを受けた各スレーブは、送られてきたアドレスと自己のアドレスとが一致する場合に、SDA信号線を介してACK信号を送り、データを送る(又は受ける)準備をする。これによりSDA信号線を独占してマスタICとの間で1対1の信号を始める準備ができる。マスタ側は、SCL信号線を介してクロック信号を送るのを再開するとともに、SDA信号線を介して次のデータのやりとりをする。
I2C通信についての詳細は、図10と図11のタイムチャートを参照しつつ後述するが、おおまかにはマスタとスレーブとの間でこのようなやりとりがなされることで通信が開始される。装飾制御装置614は、図7に示す装飾制御装置514ともほぼ同じ構成である。
役物駆動モータ駆動回路621は、CPU311からバス340、出力インタフェース回路371、ドライバ381、中継基板670を介して送られる役物駆動モータのための情報を受け取って、それに基づいて当該モータを駆動するための信号を生成し、その信号を当該モータに供給することにより役物駆動モータを動作させ、それにより演出部材を駆動させて演出を実行する。モータでなくてソレノイドを用いる場合にも同様の処理がなされる。
モータ位置検出センサ623は、必要な電源の供給を受けて、モータの位置を検出するセンサであって、検出した信号を中継基板670、フィルタ383、入力インタフェース回路372、バス340を介してCPU311へ入力する。
≪演出制御装置と前面枠との接続≫
図6は、実施形態1における演出制御装置300と前面枠12との接続を詳しく描いたブロック図である。
演出制御装置300の内部に備わる第2マスタIC352、第3マスタIC353の内部の構成は、図5に描かれた第1マスタIC351の構成と同一である。演出制御装置300の内部に備えられた音源LSI314は、第3マスタIC353の制御下にあるスレーブ機器としての音源LSIであって、SDA端子、SCL端子及びI2C通信を実現する回路を備えて、第3マスタIC353との間でSDA信号線及びSCL信号線により接続される。音源LSI314の構成については、図8を参照しつつ後述する。
図6において、第2マスタIC352のI2Cバスは、演出制御装置300の外部に露出し、前面枠12に備えられた中継基板770のSDA端子、SCL端子と接続される。それに対し、第3マスタIC353のI2Cバスは、演出制御装置の外部には露出しない。内部に設けられたスレーブ機器としての音源LSI314に接続されている。
中継基板770は、ここでは単に信号を通過させる基板であって装飾制御装置を有してはいない。演出制御装置300と中継基板770との間には、前述したGND線、Vcc、Vled、Vms、Vseの各電力線が接続されており、前面枠12内の各回路にそれぞれ必要な電源が供給される。
また、CPU311からの照明駆動に関する情報の出力がバス340、出力インタフェース回路371、ドライバ382、中継基板770を介して照明駆動第1モータ駆動回路721及び照明駆動第1モータ駆動回路722に送られ、当該回路ではそれに基づいてモータ駆動信号を生成し、それぞれのモータを駆動する。ここで照明駆動とはムービングライト16を駆動させることをいう。
そして、モータ位置検出センサ723からの検出信号及び演出ボタン25を遊技者が操作して生ずる操作信号は、中継基板770、フィルタ384、入力インタフェース回路372、バス340を介してCPU311へ入力する。ここでは、演出ボタン25の操作信号を入力インタフェース回路372を経由してCPU311へ入力することとして図6を描いてあるが、演出ボタン25のすぐ近くには装飾装置があるので、装飾制御装置、マスタICを介してCPU311へ入力することとしてもよい。その場合の構成について図7を参照しつつ後述する。
スピーカ19へは、音源LSI314の出力信号が中継基板770を素通りして入力される。スピーカ19へそのまま入力することが適切でない場合には、中間に設けるべき回路を中継基板770上に設けてもよい。
図6の構成にあっては、前面枠12側に設けられたI2Cのスレーブ機器は装飾制御装置514である。装飾制御装置514は第2マスタIC352の制御下にあるスレーブであり、そのバス(I2Cバス)は、演出制御装置300の外部に露出している。
≪演出ボタンと装飾装置を含む装飾制御装置の構成≫
図7は、実施形態1における装飾制御装置の構成を示すブロック図である。I2C I/Oエクスパンダ514は、マスタICのスレーブ機器として機能すべくI2C通信機能を有し、スレーブアドレスを有するICである。I2Cは、そもそも Inter Integrated Circuit を意味し、ICとICとの間の通信を目的として開発されたものである。I2C I/Oエクスパンダは、図7における装飾装置18のように、通信機能を有しない装置をI2CのマスタICの制御下に置く目的で、当該装置にI2C通信機能を与える目的で使用される。
図7のブロック図にあっては、I2C I/Oエクスパンダ514と装飾装置18と演出ボタン25を含む全体で装飾制御装置を構成している。
2C I/Oエクスパンダ514は、SDA、SCLからなるI2Cバスを統括的に制御するバスコントローラ515、SDA端子から入力されるデータを取り込んでバスコントローラへ入力するためのフィルタ518、オープンドレイン構成を有するSDA端子を介してACK信号及び演出ボタン操作信号をマスタICに送るためのドライバ519、SCL端子から入力されるクロック信号を取り込んでバスコントローラへ引き渡すフィルタ520、バスコントローラの指示に基づいてLED点灯のための出力信号を設定する出力設定レジスタ516、各回路が駆動するのに必要な電源Vcc及びリセット信号を各回路に供給するリセット信号発生回路517、出力設定レジスタの設定に基づいて出力信号をドライバを介して出力する出力コントローラ541、出力コントローラの制御によりLED駆動信号を装飾装置内の個々のLEDに送るドライバ550を有している。
ドライバ550から装飾装置18の各LEDへ向けて出力信号を送る端子は、オープンドレイン構成となっている。装飾装置の各LEDにはLEDを駆動する電圧Vledが供給される。図7の例では、ポート0〜15の16系統のLEDを制御する。
演出ボタン25には、電圧Vseが供給されており、スイッチが押されるとフィルタ525を介して操作信号がバスコントローラ515に送られる。
スレーブアドレスは、A0〜A3の4つのピンをグランドに短絡する形式で設定され、ピンに固定される。すなわち、遊技機を工場で組み立てる際にハードウェア的に設定されて不変のアドレスとなる。この4つのピンによるアドレス設定は、24通り、すなわち16通りであるが、そのうちスレーブ機器のアドレスとして用いることができるのは、14個までである。スレーブアドレス「D0h」(A0=0,A1=0,A2=0,A3=1)は、すべてのスレーブ機器(装飾制御装置)に対する指令を出力する場合に指定される「オールコールアドレス」の電源投入時のデフォルト値として使用される。また、スレーブアドレス「D6h」(A0=1,A1=1,A2=0,A3=1)は、ソフトウェアによってデバイスをリセットする場合に用いられるアドレスである。
制御ROMに格納されるCPU311のプログラムには、このスレーブアドレスに基づいて、マスタICの動作が書き込まれる。
また、図7の例では、演出ボタン25の操作信号がフィルタ525、バスコントローラ515、ドライバ519、第2マスタIC352を介して、CPU311に送られる構成となっている。図6では、演出ボタン25の操作信号はフィルタ384、入力インタフェース回路372、バス340を介してCPU311に送られる。
ソフトウェアの面及び通信手順の面から図6と図7との演出ボタン操作信号処理の違いについて述べる。図6の場合は、CPU311の1stメイン処理(図13のフローチャートに記載された実施形態2の1stメイン処理からステップC01とステップC02とを取り除いたもの)におけるメインループ処理にある演出ボタン入力処理(図13のステップB19)において、CPU311が、演出ボタンの操作信号を常に監視し、入力があればそれを取得し、それを用いて変動表示ゲームにおける演出における音量変更処理を行う。その結果、演出ボタンによって遊技者が音量変更可能に構成される。ただし、前述した音量設定器319で設定された音量を上限とする範囲内で変更可能である。CPU311が演出ボタン入力を監視し、音源LSIに音量を設定するためのコマンドを送信することでこの音量変更を実現する。
それに対して、図7の場合は、CPU311の1stメイン処理の演出ボタン入力処理(図13のステップB19)では、第2マスタIC352に演出ボタン25の操作信号の取得を指示する。第2マスタIC352は、それを受けて第2マスタIC352の制御下にあるすべてのスレーブ機器に宛ててI2C通信を開始し、SCL信号線でクロック信号を送ると共に、SDA信号線において図7の装飾制御装置(I2C I/Oエクスパンダ514)が有するアドレスを7ビットで送り、8ビット目にRead要求(マスタが受信側になること)を送る。アドレスが異なるスレーブは何ら応答せずに、図7の装飾制御装置(I2C I/Oエクスパンダ514)のみがこのとき応答し、SDA信号線で9ビット目にACK信号を返す。バスコントローラ515は、演出ボタン25からフィルタ525を介してバスコントローラ515に取得された演出ボタン25の操作信号を、ドライバ519、SDA端子のオープンドレイン、SDA信号線を介して送信する。このとき第2マスタIC352からACK信号を返す形でI2C通信が進む。スタート条件、ストップ条件を生成するなどのI2C通信の主導権は常に第2マスタIC352が有する。
第2マスタIC352が、演出ボタン25の操作信号を取得すると、それを入力用バッファ552に書き込む。そして、割込み信号INTをCPU311へ送る。CPU311は、1stメイン処理のうちのメインループ処理を行っているので、割込みが許可された状態にある。CPU311からの割込み信号を受けると、割込み処理をすることにより第2マスタIC352の入力用バッファにある演出ボタン25の操作信号を取得する。そして、再び1stメイン処理のメインループ処理を繰り返し実行することで、当該演出ボタンの操作信号を生かした演出処理(音量変更処理)を行う。
図7では、一つのスレーブアドレスを有するI2C I/Oエクスパンダ514が装飾装置18、演出ボタン25という二つの機器を管理している。装飾装置はマスタICからのデータの読込みのみをする出力機器であり、演出ボタン25はマスタICへの書込みのみをする入力機器であるので、このことが可能となっている。すなわち、バスコントローラ515は、第2マスタIC352からWrite要求(マスタが送信側になること)がくれば、受けた情報を装飾装置18へ引き渡す。また、Read要求(マスタ側が受信になること)がくれば、演出ボタン25からの信号を取り込んでそれを第2マスタIC352へ送信する。
≪I2C通信機能を有する音源LSI≫
図8は、実施形態1における音源LSI314の構成を示すブロック図である。音源LSI314は、I2C通信機能を有し、I2Cスレーブアドレスの設定された音源LSIである。図4,6,8,12,16,20に記載された音源LSI314は、ハードウェア的にこれと同一のものを指している。図18に記載する音源LSI714は、I2C通信機能を有するものではなくて、バス340を介してCPU311と直接パラレル通信を行うものである。なお、CPU311と音源LSI714の通信はパラレル通信に限らずシリアル通信を行うものであってもよい。
図8に示すように、LSI314は、SDA、SCLからなるI2Cバスを統括的に制御するバスコントローラ315、SDA端子から入力されるデータを取り込んでバスコントローラへ入力するためのフィルタ318、オープンドレイン構成を有するSDA端子を介してACK信号をマスタICに返送するためのドライバ319、SCL端子から入力されるクロック信号を取り込んでバスコントローラへ引き渡すフィルタ320、バスコントローラの指示に基づいてスピーカのための出力信号を設定するコントロールレジスタ316、各回路が駆動するのに必要な電源Vcc及びリセット信号を各回路に供給するリセット信号発生回路317、コントロールレジスタの設定に基づいて出力信号を生成し出力インタフェース350を介して出力するサウンドコントローラ341、サウンドコントローラの出力を前面枠内のスピーカに送るための出力インタフェース350を有している。また、音声データが記憶された音ROM324がサウンドコントローラ341に接続される。
音源LSI314のスレーブアドレスは、図8のA0〜A3の4つのピンをグランドに短絡する形式で設定され、ピンに固定される。すなわち、遊技機(演出制御装置)を工場で組み立てる際にハードウェア的に設定されて不変のアドレスとなる。制御ROMに格納されるCPU311のプログラムには、このスレーブアドレスに基づいて、マスタICの動作が書き込まれる。
図4、6の構成では、音源LSI314は、第3マスタIC353の制御下のスレーブ機器として機能する。図12の構成では、音源LSI314は、バス切替スイッチの動作により、通常時は第2マスタIC352のスレーブ機器として動作し、異常報知を行う際には第3マスタIC353のスレーブ機器として動作する。図16の構成では、音源LSI314は、第2マスタIC352の制御下のスレーブ機器である。図20の構成では、第1マスタIC351の制御下のスレーブ機器である。いずれの場合も音源LSI314は、当該マスタICを介してCPU311とのやりとりを実行する。
≪サウンドコントローラ≫
図9は、実施形態1における音源LSIを構成するサウンドコントローラの一例を示すブロック図である。サウンドコントローラは音源LSIの核となる部分であって、さまざまな実施例があり得るが、ここに示すのはごく一般的な例である。
図9には、演出制御装置300を構成する音源LSI314に含まれるサウンドコントローラ341の内部構成を示す機能ブロック図が示されている。
サウンドコントローラ341は、コントロールレジスタ316とのやりとりにしたがってCPU311からのコマンドに応じてフレーズの再生や音量設定、パン(各チャンネルの音の混合比率や出力比率等)の設定などの処理を音ROM324に格納されているシーケンスに従って順次実行するシーケンサ342、遊技制御装置100から送信された簡易アクセスコマンドを受信したことに応じて音ROM324から該コマンド対応したコマンド列を読み出して実行する簡易アクセス回路343、音ROM324から読み出された圧縮音声データを伸長するデコーダ344を備える。
さらに、サウンドコントローラ341は、該回路内に設けられている16チャンネルの単位音源のそれぞれについて音量を設定するチャンネルボリューム回路345、任意のチャンネルの音源同士を混合するチャンネルミックス回路346、各チャンネルの音源もしくは混合された合成音にエフェクト(音響効果)を与えるエフェクト回路347、16チャンネル全体での音量を調節するトータルボリューム回路348、調節された音源データをアナログ信号に変換して指定された出力端子へスピーカ駆動信号として出力する出力インタフェース349を備える。出力インタフェース349から出力されるスピーカ駆動信号は、本実施形態では、上スピーカ(左右)19a用の駆動信号R,Lと、下スピーカ19b用の駆動信号SUBである。
この実施形態のサウンドコントローラ341のトータルボリューム回路348には、情報収集端末装置(遊技場管理装置。図示略)からの音量規制信号または該音量規制信号に応じて制御用マイコン(CPU)311から供給されるミュート信号MUTEが入力され、該信号に応じて最小音量(無音)のスピーカ駆動信号を出力するようになっている。なお、音量規制信号が入力された場合に、制御用マイコン(CPU)311から音源LSI314へミュート信号MUTEでなく最小レベルの音量(後述の音量レベル「1」に相当する音量)を指定する信号を供給するようにしてもよい。
≪I2C通信についての説明≫
以下、図10と図11とを参照しつつ、I2C通信について説明する。図10は、I2C通信の一般的なタイムチャートである。図10(a)は、スタート条件とストップ条件とを説明するタイムチャートであり、図10(b)は、8ビット(1バイト)のデータを転送する際にACK信号が返される様子を示すタイムチャートである。図11は、I2C通信によってデータを送る様子を示すタイムチャートである。
I2C通信の特徴は、第一に個々のスレーブ機器がアドレスを持っていること、第二にSDA(データ)とSCL(クロック)との二つの信号線(I2Cバス)を用いるシリアル同期通信であること、第三にデータの中に(スレーブの)アドレスが含まれていること、第四に1バイト転送時に受信側からACK信号の返送をすることである。
I2C通信の基本的な転送タイミングは次のようになっている。まずマスタ側が、SCLがHighの時にSDAをHighからLowに変化させるときをスタート条件とする(図10(a)のスタート条件S)。その後、続けてマスタがクロックの供給を続けながら、アドレスとRead/Write要求(マスタ側が受信側となる通信を開始するのか、送信側となる通信を開始するのかの区別)のデータを送信する(図11)。
この後は、アドレスで指定されたスレーブ機器がマスタと1対1で、指定された方向で通信を行う。SCLのクロックにしたがって送信側から8ビットのデータが出力され、続いて受信側からアクノレッジ(ACK)信号が返送される。マスタが最後のデータを送り終わりACKを確認したとき、SDAを開放する。マスタはSDAをLowにしてクロックを停止してHighにしてから、SDAをLowからHighへと変化させるとこれがストップ条件となり、通信が完了する。
なお、実施形態1では、図7、8において、スレーブ側のSCL端子にはドライバを設けない構成とした。しかし、スレーブ側のSCL端子にドライバを設ける構成とすることでクロックストレッチ機能を用いた通信をすることが可能となる。クロックストレッチ機能は、スレーブ側がマスタ側にACK信号を返送した直後、スレーブ側の操作によってSCLを強制的にLowにすることにより、マスタ側からの次の送信を一時停止するものである。クロックストレッチの解除によりマスタ側が次のデータを送ることを再開する。スレーブ機器の数が多い場合や、数段の階層構造をもつスレーブ接続をしている場合などには特に有効な機能である。本実施形態にあっては、スレーブ機器の数がそれほど多くないので、クロックストレッチ機能を用いない構成としている。
図10(b)にあるように、マスタ側から8ビットのデータ出力された直後の9ビット目にスレーブ側からACK信号を返送する。スレーブ側からACK出力があるとSDAはLowとなり、ACK信号がないとSDAはHighとなる。
次に、CPU311との関係について述べる。マスタICは、通信専用のICである。CPU311の1stメイン処理にしたがって動作する。マスタICからの割込み信号があるとそれをきっかけに、CPU311はバス340を介してマスタIC内の各種バッファや各種レジスタとやりとりを実行して処理を進める。実施形態1におけるCPU311の1stメイン処理のフローチャートそれ自体は描いてはいないが、後述する図13に実施形態2のそれを描いている。図13のフローチャートからステップC01、ステップC02を取り除いたものが実施形態1のフローチャートである。そして、図13のメインループステップB17からB28を何回か回るとともに、その間にマスタICからの割込みを処理することによってCPU311はマスタICに装飾制御処理などの演出処理を実行させるものである。
図5でコマンドレジスタ555の説明で触れたように、データを送信するモードはバッファモードとバイトモードとがあり、バイトモードではACK信号が返ってくるたびにCPU311へ割込信号INTを送って割り込みをかける。そして、CPU311の処理がなされるのを待って、次の通信をするべき事態が考えられる。そのために生じるタイムラグがある。図11において、9ビット目のACK信号の後に間が置かれているのはこのタイムラグを示すものである。
なお、バッファモードにおいては、連続する複数バイト(最大68バイト)のデータを一度にまとめて送信するので、そのタイムラグは小さくなる。すなわち、バッファモードにおいては、正常にACK信号が返ってくる間はCPU311への割込みをかけない。ACK信号が返ってこないような異常時にのみ割込みをかける。
≪本願の目的、課題≫
本願の目的は、制御装置の外部から制御装置内に設けられた報知制御手段の動作を阻害するような行為を防止することにある。
このことを、図21を参照しつつ、説明する。図21は、演出制御装置が外部に露出したバス(I2Cバス)を介して演出制御装置の外部に設けられた装飾制御装置を制御する構成を備えた遊技機の従来例を示すブロック図である。従来の遊技機の構成であるがこれまで積極的に公開してきたものではないので、ここで図21を参照しつつ述べる。煩雑を避けるため、本発明に用いる装置、部材、部品、回路等とハードウェア的に見て同じものについては、同一の符号を用いる。
演出制御装置300は、遊技制御装置100の指示に基づいて、いくつかの演出装置を制御するものであって、CPU311及びそのバス340に接続する回路を有している。演出装置には、遊技盤のセンターケース40の後方に配置される表示装置41のほか、遊技盤30に配置される発光手段(LED)、前面枠12に配置される発光手段(LED)、スピーカなどを含む。
図21の遊技機の演出制御装置は、外部(遊技盤、前面枠)に設けられた装飾制御装置との間でI2C通信を採用している。当該通信規格にあっては、CPU311のバス340に、マスタIC(第1マスタIC351)という通信に特化した機能を有するICを設けて、遊技盤30、前面枠12の側には、I2C I/Oエクスパンダと呼ばれるICを設けて装飾制御装置を構成し、LED、スピーカ、役物などを制御する。I2C I/OエクスパンダはマスタICのスレーブ機器として機能する。マスタICは、幾つかのスレーブ機器を統合的に制御する機能を有する。図12では、第1マスタIC351は、遊技盤30内の装飾制御装置、前面枠12内の装飾制御装置、音源LSI314の三つをスレーブ機器として統合的に制御している。I2Cでは、クロック信号とデータ信号とをシリアル通信によりやり取りする。図21では、遊技盤30と遊技盤との接続端子391との間に描かれた一番上の双方向矢印、及び前面枠12と前面枠との接続端子392との間に描かれた一番上の双方向矢印がI2Cバスである。演出制御装置300は、一つの筐体で覆われているが、このI2Cバスは、演出制御装置300の外部に露出している。
I2Cは装置内の周辺機器の接続のため開発された規格である。その信号線も規格品であり、周辺機器を自由に配置できるようにするため、取り回しがしやすいように作られている。したがって、I2Cバスの信号線を被覆するカバーもフレキシビリティの高い材料で構成されており、不正行為をする者が短絡等を試みることに対する対策を講じることが考えられてはいない。例えば、信号線を断線させるまではしないが、信号線を被覆するカバーを少し傷つけて短絡させる種類の不正行為は、事後その器具を取り外すことで外見上もとと同様の状況に復帰するため、遊技店の店員が発見しにくい不正行為、不正行為者を特定しづらい行為の一つとして問題になりえる。
今、遊技盤30と遊技盤との接続端子391との間のI2Cバスが不正行為者により短絡されるとする。すると、ACK信号(データ転送が正常に終わったことを受信側から送信側に知らせる信号)が第1マスタIC351に返らなくなるため、第1マスタIC351はずっと待ち状態になり、スレーブを制御できなくなる。その結果、そのスレーブ機器の一つである音源LSI314もまた、機能しなくなる。異常が起こったときの報知手段がスピーカであり、その音源がこの音源LSI314である場合には、バスが短絡されたという事態が発生した場合に、異常事態を報知することができなくなるという問題が生ずる。それにより遊技店が不利益を蒙ることになる。
≪実施形態1の作用、効果≫
実施形態1では、図4に示すように、マスタICと音源LSIとを結ぶ接続線を、マスタICとLED制御装置(枠装飾制御装置)とを結ぶ接続線とは分離して設けている。そのことを実現するのに、第3マスタIC353の制御下のスレーブ機器として音源LSI314を設け、第2マスタIC352の制御下のスレーブ機器として枠装飾制御装置514を設けた。これにより、演出制御装置300の外部に露出する接続線が不正に短絡等された場合であっても、異常報知制御手段の動作が阻害されることを防止することができる。
今、遊技店において、不正行為をする者が演出制御装置の外部に露出するI2Cバスを短絡させるような器具を取り付けて、不正に利益を得ようとしたとする。エラーを監視する遊技機エラー監視処理(演出制御装置のCPUの1stメイン処理のループ処理に含まれる処理のうちの一つであるステップB23)がそれを検出して、報知処理を実行する。報知処理のうちの異常報知音発生については、同じく1stメイン処理のループ処理に含まれる処理のうちの一つであるサウンド制御処理(ステップB25)が実行する。図4に示すように音源LSI314は、第3マスタIC353の制御下にあるスレーブ機器であり、演出制御装置300の筐体内に設けられており、その接続線(I2Cバス)は外部へ露出していない。したがって、不正行為者によってI2Cバスを短絡させるような器具を用いられたとしても、異常音の発生を妨げられない。したがって、その異常音の発生に伴い、遊技店の従業員が駆けつけるなどの適切な運用をすることにより、この種の不正行為を減らすことが期待できる。
≪実施形態2≫
図12から図15までを参照しつつ、実施形態2について説明する。実施形態1と同じ部材、回路等については、同一の符号を用いる。図1から図3までの構成は実施形態2においてもまた、後述する実施例1〜3においても同一である。実施形態2の構成が実施形態1と異なるのは、バス切替スイッチを設けたことにある。
図12は、バス切替スイッチ362を設けた演出制御装置の構成を示すブロック図である。バス切替スイッチ362は、例えば汎用のロジックICを用いることができ、CPU311の指示をバス340、出力インタフェース回路371を介して受け取ることにより、バスの接続、切り離しなどを実現する回路である。図12において、バス切替スイッチ362は、平常時は音源LSI314が第2マスタIC352のスレーブ機器として働くように作用し、異常報知を行うべきときには、CPU311の指示に基づき音源LSI314を第2マスタIC352から切り離し、第3マスタIC353のスレーブ機器として働くように作用する。
実施形態1では、ハードウェア構成にその特徴があるものなので、ブロック図でほぼ説明できたが、実施形態2ではソフトウェアによる手段(CPU311)を含めて課題を解決するものであるので、上述した制御回路において行われる遊技制御について、まず説明する。
≪制御回路において行われる遊技制御≫
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、制御用マイコン(CPU)311を備えている。
≪1stメイン処理≫
演出制御装置300の制御用マイコン(CPU)311では、図13に示す1stメイン処理を行う。図13は、演出制御装置の制御用マイコン(CPU)の1stメイン処理のフローチャートである。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定する(ステップB14)。
その後、全マスタをハードリセットする(ステップC01)。全マスタとは、第1マスタIC351、第2マスタIC352、第3マスタIC353のことである。ハードリセットは、CPU311がバス340、出力インタフェース回路371を介して、各回路に設けられたリセット端子RESに対してリセット信号を送り、各回路がそれを受けて当該回路のリセットを行うことである。例えば、図5の第1マスタIC351が出力インタフェース回路371からリセット信号を受け取ると、第1マスタIC351内の電源投入リセット回路558が必要な信号をコントローラ551に与え、コントローラ551は、各バッファ552,553、各レジスタ554〜557を初期化する。
次に、スレーブ初期化処理を実行する(ステップC02)。スレーブ初期化は各マスタICの制御下にあるスレーブ回路を初期化することであり、CPU311がマスタICを介して各スレーブ機器にI2C通信によりリセット指令データを送信し、それに基づいて各スレーブ機器のバスコントローラの制御により当該機器を初期化するものである。バス切替スイッチ362の動作後にこの初期化がなされることで、I2Cのマスタ、スレーブ間の正常な関係が構築される。スレーブ初期化の詳細な内容については図14を参照しつつ後述する。
そして、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動する(ステップB16)。ここまでがプログラム開始時の処理である。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、割込みを許可する(ステップB17)。そして、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。
次に、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。このシーン制御処理(ステップB22)は遊技制御装置100からシーン変更コマンドを受信し、それに基づきシーン(場面)を変更する処理を実行するものである。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(例えば、スピーカからの音声の出力であれば、サウンド制御処理)において制御を行う。
映像制御用マイコン(2ndCPU)を用いる場合は、当該2ndCPUに出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)をステップB23とステップB24との間に行う。
その後、スピーカ(上スピーカ19、下スピーカユニット29)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。サウンド制御処理については図15を参照しつつ後述する。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、割込みを許可する処理(ステップB17)に戻る。
なお、これらのメインループ処理に含まれる複数の処理は、一つ一つが短い時間で次の処理に切り替えて実行されるプログラムとして設けられており、外見上はあたかもこれらのすべての処理が並行して行われるかのような連携をもって処理を進めていくものである。
≪スレーブ初期化処理≫
図14は、マスタICの制御下にあるスレーブを初期化するスレーブ初期化処理(1stメイン処理のステップC02)のフローチャートである。このフローチャートは、CPU311のプログラムとして書かれたものである。また、スレーブ初期化処理(図13のステップC02)においては、割込みが禁止されている(ステップB11)ので、マスタIC側からCPU311への割込み処理の要求は、この間できない。マスタICは、スレーブ初期化処理の間は、CPU311からの指示通りに処理を行うのみである。CPU311は、マスタICがどのような状態であるかを、ステータスレジスタ556を見ることによって知ることは可能である。
図5の説明において述べたように、スレーブ初期化処理におけるマスタとスレーブ間の通信は、バイトモードで行われる。まずマスタICがスタートコンディションを出力する(ステップD11)。スタートコンディションは、図10でスタート条件と書いたものである。
次に、リセット用共通アドレスを設定する(ステップD12)。図7の説明で述べたように、スレーブアドレス「D6h」(A0=1,A1=1,A2=0,A3=1)は、ソフトウェアによってデバイスをリセットする場合に用いられるアドレスである。ここで、設定するというのは、送信ができるように準備することである。
そして、設定したアドレスを送信する(ステップD13)。図11のタイムチャートに示したように、マスタICはSCL信号線でクロックを送るとともに、SDA信号線を用いて最初の7ビットでアドレスを送り、8ビット目でマスタ側からの送信をする要求を送る。このとき、スレーブ側はSDA信号線を用いて9ビット目でACK信号を返送する。
次に、ACK信号の確認を行う(ステップD14)。ここでは、ACK信号が複数返ってきた場合でもそれを数えることはしない。ACKの受信をしたか否かの判断を行う(ステップD15)。ACK信号が一つも返ってこない場合(ステップD15でNo)、強制的にストップコンディションを出力して一旦、バスを開放する(ステップD21)。そして、ステップD11からD15までをやり直す。
ACK信号を受信した場合(ステップD15でYes)、送ろうとするリセット指令データの全てを送ったか否かを判断する(ステップD16)。リセット指令データは2バイト構成である。リセット指令前半値「A5h」を最初の1バイト目で送り、リセット指令後半値「5Ah」を次の2バイト目で送るものである。
まだリセット指令データを何も送っていないときには、最初の1バイト目をまず設定する(ステップD17)。
そして、SDAの開放を待つ(ステップD18)。すべてのスレーブ機器がSDAを開放するとクロック信号に従って、設定したデータを送信する(ステップD19)。D17からD19、そしてD14からD16という流れを二回繰り返してリセット指令データをスレーブ側へ送り終わる。ステップD16でYesとなるので、ストップコンディションを出力する(ステップD20)。リセット指令データを受け取ったスレーブ機器側では、それにしたがって、自身の機器を初期化する。
その後、CPU311は、図13の1stメイン処理へ復帰し、ステップB15の乱数初期化処理へ進む。
≪サウンド制御処理≫
図15は、サウンド制御処理(1stメイン処理のステップB25)の詳細を示すフローチャートである。前述したように、1stメイン処理では、遊技機エラー監視処理(ステップB23)、サウンド制御処理(ステップB25)を含む幾つかの処理をメインループ処理の中で実行している。すなわち、遊技機エラー監視処理とサウンド制御処理とは、メインループ処理が何回も回って繰り返されることによって連携して処理が進むようになっている。そして、このメインループ処理の中にあっては、割込みが許可されており(ステップB17)、各マスタICからの割込み信号を受けてマスタICの制御内容に必要な割込み処理もなされ、遊技機エラー監視処理、サウンド制御処理と連携して実行される。
サウンド制御処理では、まず異常報知送信済みフラグがあるか否かを判断する(ステップS11)。異常報知送信済みフラグは後述するステップS17で設定するものである。今、異常報知済みフラグが設定されていないとすると(ステップS11でNo)、遊技機に異常が発生したか否かを判断する(ステップS12)。サウンド制御処理の直前に行われる遊技機エラー監視処理によってエラーの発生が監視されるので、その結果によって、ステップS12の判断がなされる。異常が発生していなければ(ステップS12でNo)、第2マスタ送信処理を実行する(ステップ13)。第2マスタ送信処理は、遊技制御装置100から受信した遊技制御コマンドに対応する音制御指令を第2マスタIC352へ送信する処理である。前述したように平常時(電源投入後のデフォルト状態も同じ)には、音源LSI314は第2マスタIC352のスレーブ機器として動作して、変動表示ゲームの進行、演出に必要なサウンドを出力している。
第2マスタ送信処理が終了すると、戻る。
ステップS12において、遊技機に異常発生と判断すると(ステップS12でYes)、バス切替スイッチ362に接続切替指令信号を出力し、バスを開放する(ステップS14)。これにより音源LSI314と第2マスタIC352との間のI2Cバスが開放され、音源LSI314は第2マスタIC352のスレーブ機器ではなくなる。ここで、音源LSIは第3マスタIC353との間でI2Cバスによって接続されているが、異常報知を確実に行うためにマスタ、スレーブの関係を、間違いなく確立することが必要である。その手続がステップS15である。すなわち、初期化信号を出力し第3マスタIC353をリセットする。このとき、望ましくは音源LSI314にもリセット信号を出力して初期化する。
次に、異常報知音を出力する異常報知指令を第3マスタIC353に送信する(ステップS16)。これにより音源LSI314は、異常を報知する音をスピーカ19に出力させる。
そして、異常報知送信済みフラグを設定して(ステップS17)、戻る。
ステップS11へ戻って、異常報知送信済みのフラグの有無を判定する(ステップS11)。ステップ17から戻った直後の場合にはフラグが設定されているので(ステップS11でYes)、「異常報知音を出力」すべく第3マスタIC353から音源LSI314に送信したことに対応して、音源LSI314からACK信号の返送があったか否かを判断する(ステップS18)。この通信はバイトモードで行われるので、ACK信号受信の後で割込み信号INTを第3マスタIC353がCPU311へ向けて発している。それを受けてCPU311が割込み処理を実行することによりこの判断が可能である。ACKを受け取っていない場合には、戻ってステップS11,ステップS18を繰り返し、ACK信号を受け取るまで待つ。これにより平常時のサウンド制御処理である第2マスタ送信処理(ステップS13)へ移行するのを防ぐ。
ACKを受信すると(ステップS18でYes)、バス切替スイッチ362に対して、接続切替指令信号を出力しバスを閉鎖する(ステップS19)。これにより音源LSI314は、平常時の状態、すなわち第2マスタIC352のスレーブ機器の状態に戻る。そして、異常報知送信済みフラグをクリアする(ステップS20)。そして、ステップS12でNo、ステップS13で第2マスタ送信処理をして戻る、という平常時の処理に復帰する。
≪実施形態2の作用、効果≫
実施形態2の構成により、実施形態1と同様に、異常報知を制御する音源LSIを不正行為を行う者から守り、I2Cバスが短絡等された場合であっても異常報知音を発生することができるように作用する。
図4に示す実施形態1では、マスタICを常に3個用いるので、CPU311は、3個のマスタICからの割込み処理をしなくてはならないため、CPUにかかる負荷が大きくなる。それに対し、図12に示す実施形態2では、マスタICを平常時には2個、異常報知時には1個のみ用いるので、CPUにかかる負荷は小さくなる。実施形態2では、マスタICを3個設けているが、第3マスタICは異常報知時にのみ用いる。第2マスタICは異常報知時には用いない。
≪実施例1≫
図16のブロック図及び図17のフローチャートを参照しつつ、実施例1について説明する。
図16は、実施例1の演出制御装置、すなわちマスタICを2個とし、バス切替スイッチ363を設けた演出制御装置の構成を示すブロック図である。マスタICの個数を減らした点と、バス切替スイッチ363が平常時は第2マスタIC352で前面枠の装飾制御と音源LSI314の制御とを受け持ち、異常時に第2マスタIC352で音源LSI314の制御のみを受け持つように切り替えるものである点との2点のみが実施形態2と異なる点である。他の点は、同一である。実施形態1,2と同一の部材、回路については同一の符号を用いている。
図17は、実施例1のサウンド制御処理を示すフローチャートである。実施例1のサウンド制御処理は、実施形態2のサウンド制御処理とほぼ同様である。
異なるのは、2点ある。第一に、ステップS15のリセットするマスタICが実施形態2では第3マスタIC353であったが、実施例1では第2マスタIC352である点である。このとき、第2マスタIC352の初期化とともに、音源LSI314にもリセットをかけて初期化することが望ましい。
第二に、実施形態2のサウンド制御処理のステップS16が「異常報知音を出力する異常報知指令を第3マスタに送信する」が、実施例1では、「…第2マスタに送信する」点である。
≪実施例1の作用、効果≫
実施例1によっても、実施形態1、2と同様に、I2Cバスが短絡等された場合であっても異常報知音を発生することができるように作用する。
実施例1では、実施形態2よりもさらにマスタIC全体の数を3個から2個に減らし、平常時に2個、異常時に1個用いるようにバス切替スイッチを用いるものである。実施例1では、第2マスタICを平常時にも、異常時にも用いるが、異常時には第2マスタICと前面枠(枠装飾制御装置)との接続を切り離すこととしたものである。
≪実施例2≫
図18のブロック図と図19のフローチャートとを参照しつつ、実施例2について説明する。
図18は、実施例2の演出制御装置、すなわちマスタICを2個とし、音場補正DSPとバス切替スイッチ364を設け、音源LSI714をI2C通信機能を有しないもの(CPU311との間でバス340を介してパラレル通信をするもの)とした演出制御装置の構成を示すブロック図である。
音源LSI714の内部構成は、CPU311との間でコマンドなどの送受信を行うCPUインタフェースと、サウンドコントローラ(図8、図9におけるサウンドコントローラ341と同様の回路)を備える。また、図8に示す音源LSI314と同様に、リセット信号発生回路、コントロールレジスタ、出力インタフェースなどを有し、ここでは音場補正DSP715への入力信号を出力するものである。
なお、制御用マイコン311と音源LSI714との間は、図18に描く実施例では、パラレル通信をするものとしたが、シリアル通信を行うものとしてもよい。その場合には、例えばハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
音場補正DSP715は、音響環境を補正するDigital Signal Processor の意味であり、信号処理に特化した演算用LSIである。遊技機においては、遊技機筐体(前面枠、サイドケース、遊技盤、ガラスなど)への音の反射や干渉などによる聴こえ具合の補正をすべく、デジタル信号を処理して補正する回路である。
この音場補正DSP715は、第2マスタIC352のスレーブ機器として機能するものであるので、I2C通信機能を有しており、第2マスタIC352との間でI2C通信を行う。それとともに、音源LSIの出力を受けて、その信号を処理することのできる回路を有しており、スピーカ19へ信号を出力する。なお、音場補正DSP715の出力信号を変換してスピーカ19へ与える信号変換回路(アンプ等)については図示を省略している。
図19は、実施例2のサウンド制御処理を示すフローチャートである。実施形態2のサウンド制御処理のフローチャートでステップS16の部分を、「音場補正DSP初期設定」(ステップU01)及び「異常報知音を出力する異常報知指令を音源LSIに送信」(U02)の二つのステップに置き換えたものが実施例2のサウンド制御処理である。
実施例2のステップS15において、リセットするマスタICは第2マスタICである。平常時において、第2マスタIC352は、前面枠12内の装飾制御装置514と、音場補正DSP715との双方をスレーブ機器として制御対象とする。異常時においてはバス切替スイッチ364の働きにより第2マスタIC352の制御対象は、音場補正DSP715のみとなる。そして、ステップS15で第2マスタIC352をリセットし、ステップU01で音場補正DSP715を初期設定にするので、確実に異常報知音を発する。
つまり、音場補正DSP715では、起動時などに行なわれる初期設定が正常に行われて初めて異常報知音を出力することが可能となる。そのため、平常時ではバス切替スイッチ364が閉じた状態であるため、外部に露出されているI2Cバスが短絡されてしまうと初期設定できずに異常報知を行なうことができない可能性が発生する。
しかし、異常報知音の出力時には、バス切替スイッチ364を切替え、外部に露出するI2Cバスを分離して初期設定を行なうようにしているため、I2Cバスの不正に関係なく初期設定を行なうことができ、異常報知音を発することが可能となる。
≪実施例2の作用、効果≫
実施例2においても、実施形態1、実施形態2、実施例1と同様に、I2Cバスに不正がある場合でも異常報知音を発することができるのは、同様である。
さらに、実施例2にあっては、音場補正DSP715をマスタICの制御対象として、バス切替の際に初期設定に戻すことで確実に異常報知音を発することができる。
≪実施例3≫
図20は、実施例3の演出制御装置、すなわちマスタICを1個とし、バス切替スイッチを設けた演出制御装置の構成を示すブロック図である。実施例3では、マスタICの数を1個とし、平常時は、第1マスタIC1個で遊技盤30内の装飾制御回路、前面枠12内の装飾制御回路、音源LSI314のすべてをスレーブ機器として制御下に置く。異常報知時には、バス切替スイッチ365の働きにより、第1マスタICが音源LSI314のみを制御して異常報知音を発することとするものである。
他の点は、他の実施例、実施形態と同様である。サウンド制御処理のフローチャートは、実施例1と同様である。
≪実施例3の作用効果≫
実施例3においても、実施形態1、実施形態2、実施例1、実施例2と同様に、I2Cバスに不正がある場合でも異常報知音を発することができるのは、同様である。
さらに、実施例3にあっては、マスタICを1個とすることができ、ハードウェア資源の節約、CPU311の負荷の軽減ができる。
≪発明1≫
遊技領域を形成した遊技盤(遊技盤30)と、
遊技機にて発生した異常を報知可能な報知装置(スピーカ19)と、
遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技用マイコン111、特にCPU111A)を有する遊技制御装置(遊技制御装置100)と、
前記遊技制御手段からの制御指令に対応して発光装置(照明装置16又は枠装飾装置18)の発光態様を変化させるための制御を行う演出制御手段(CPU311)を有する演出制御装置(演出制御装置300)と、を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記報知装置から異常が発生したことを示す異常報知を行うための制御をする異常報知制御手段(音源LSI314又は音源LSI714)と、
遊技機の外部に設けられ、前記発光装置の制御を行なう発光制御手段(装飾制御装置514又は装飾制御装置614)と、
前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記発光制御手段と前記異常報知制御手段の各々を統括的に制御する統括制御手段(マスタIC)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記統括制御手段を介して制御指令を前記異常報知御手段又は前記発光制御手段に送信することで、前記異常報知制御手段又は前記発光制御手段を制御可能に構成され、
遊技機に異常が発生した場合には、前記報知装置に前記異常報知を行なうための制御指令を前記異常報知制御手段に送信する制御を行ない、
前記統括制御手段から前記発光制御手段の間と、前記統括制御手段から前記異常報知制御手段の間には、タイミング信号を伝達するタイミング信号線と、データを伝達するデータ線を少なくとも含む接続線(I2Cバス)を備えることにより、
前記統括制御手段と前記発光制御手段との間と、前記統括制御手段と前記異常報知制御手段との間で相互にデータ送信を可能とし、
前記統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線は、前記統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線と分離可能に構成されていることを特徴とする発明を、上述した詳細な説明から抽出することができる。これを発明1と呼ぶ。
ここで、報知装置は、スピーカ19である。特に上スピーカ19aが遠くまで異常報知音を届けるのに用いられる。
発光装置は、LEDによる発光装置であり、ここでは演出制御装置により制御されるもの、すなわち照明装置16、枠装飾装置18、及び遊技盤などに設けられたLEDを指す。
異常報知制御手段は、音源LSI314又は音源LSI714である。音源LSIはサウンドコントローラを含むものであるので制御手段である。音源LSI314はI2C通信機能を有し、I2CのマスタICの制御下で機能するスレーブ機器である。音源LSI714はI2Cを有していないがCPUのバスに接続されてCPUとの間でパラレル通信を行う機能を有するLSIである。
発光制御手段は、装飾制御装置514又は装飾制御装置614である。装飾制御装置514は前面枠に設けられた装飾制御装置であり、装飾制御装置614は遊技盤に設けられた装飾制御装置である。
統括制御手段は、主にI2CのマスタICを指している。マスタICはコントローラを有するので制御手段である。
発明1によれば、LEDの制御を行うICバスと異常報知制御を行うICバスを分離可能に構成したので、演出制御装置の外部に露出している前記統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線が不正に操作されて、異常報知制御手段の動作が阻害されることを防止することができる。
発明1において、
前記演出制御装置は、
前記異常報知制御手段(音源LSI314又は音源LSI714)と前記統括制御手段(マスタIC)を有し、
前記統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線(音源LSIとその上流にある制御手段との間の接続線)は前記演出制御装置内に設けられていることを特徴とする発明を得ることができる。
この発明によれば、前記統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線(I2Cバス)は、演出制御装置内に設けるようにしたので、演出制御装置の外部から不正に操作されることを防止することができる。
また、上述の発明において、
前記演出制御手段から出力される接続切替指令に基づいて、前記統括制御手段から前記発光制御手段に接続されるタイミング信号線とデータ線の接続(I2Cバス)を分離し、前記異常報知制御手段とのみ接続可能にする接続切替手段(バス切替スイッチ362,363,364,365のいずれか一つ)を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出制御手段から前記統括制御手段を介して前記異常報知制御手段に前記異常報知を行なうための制御指令を送信する場合には、
前記統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線を分離し、前記統括制御手段からの接続線を前記異常報知制御手段のみ接続するようにしたことを特徴とする発明を得ることができる。
この発明によれば、演出制御手段は、異常報知を行なうための制御指令を送信する際に、不正に操作される可能性の高い統括制御手段と発光制御手段を接続する接続線(LED制御を行うI2Cバス)を分離して、前記統括制御手段からの接続線を前記異常報知制御手段のみ接続するようにしたので、統括制御手段と発光制御手段を接続する接続線が不正に操作された場合であっても確実に異常報知を行なうことができる。
さらに、上述の発明において、
前記演出制御手段(CPU311)は、
前記統括制御手段と前記異常報知制御手段を初期化する初期化信号を出力する初期化信号出力手段(CPU311、1stメイン処理のB25サウンド制御処理におけるステップS15)を設け、
前記演出制御手段から前記統括制御手段を介して前記異常報知制御手段に前記異常報知を行なうための制御指令を送信する場合には、前記初期化信号を出力して前記統括制御手段と前記異常報知制御手段を初期化した後に、前記異常報知を行なうための制御指令を送信する(ステップS16,T16,U02)ようにしたことを特徴とする発明を得ることができる。
この発明によれば、異常報知を行う場合には、マスタIC及び音源LSIを初期化した後に異常報知指令を送信するようにしたので、制御指令の受信中に接続線が不正に操作されたような場合であっても、異常報知を行なうための制御指令を異常報知制御手段に確実に送信することができる。
≪発明2≫
遊技領域を形成した遊技盤(遊技盤30)と、
遊技機にて発生した異常を報知可能な報知装置(スピーカ19)と、
遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技用マイコン111、特にCPU111A)を有する遊技制御装置(遊技制御装置100)と、
前記遊技制御手段からの制御指令に対応して発光装置(照明装置16又は枠装飾装置18)の発光態様を変化させるための制御を行う演出制御手段(CPU311)を有する演出制御装置(演出制御装置300)と、を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記報知装置から異常が発生したことを示す異常報知を行うための制御をする異常報知制御手段(音源LSI314又は音源LSI714)と、
遊技機の外部に設けられ、前記発光装置の制御を行なう発光制御手段(装飾制御装置514又は装飾制御装置614)と、
前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記発光制御手段と前記異常報知制御手段の各々を統括的に制御する統括制御手段(マスタIC)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記統括制御手段を介して制御指令を前記異常報知御手段又は前記発光制御手段に送信することで、前記異常報知制御手段又は前記発光制御手段を制御可能に構成され、
遊技機に異常が発生した場合には、前記報知装置に前記異常報知を行なうための制御指令を前記異常報知制御手段に送信する制御を行ない、
前記統括制御手段は、前記発光制御手段を統括的に制御する第1統括制御手段と前記異常報知制御手段を統括的に制御する第2統括制御手段を含み、
前記第1統括制御手段から前記発光制御手段の間と、前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間には、タイミング信号を伝達するタイミング信号線と、データを伝達するデータ線を少なくとも含む接続線(I2Cバス)を備えることにより、
前記第1統括制御手段と前記発光制御手段との間と、前記第2統括制御手段と前記異常報知制御手段との間で相互にデータ送信を可能とし、
前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線は、前記第1統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線と分離して構成されることを特徴とする発明を上述の詳細な説明から抽出することができる。この発明を発明2と呼ぶ。
この発明2によれば、LEDの制御を行うICバスと異常報知制御を行うICバスを分離して構成したので、演出制御装置の外部に露出している前記統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線が不正に操作されて、異常報知制御手段の動作が阻害されることを防止することができる。
さらにこの発明2において、
前記演出制御装置は、
前記異常報知制御手段(音源LSI314又は音源LSI714)と前記統括制御手段(マスタIC)を有し、
前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線(音源LSIとその上流にある制御手段との間の接続線)は前記演出制御装置内に設けられることを特徴とすることができる。
この発明によれば、前記統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線(ICバス)は、演出制御装置内に設けるようしたので、演出制御装置の外部から不正に操作されることを防止することができる。
なお、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 遊技機
12 前面枠
16 照明装置(発光装置)
18 枠装飾装置(発光装置)
19 スピーカ(報知装置)
25 演出ボタン
30 遊技盤
100 遊技制御装置
111 遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン、遊技制御手段)
300 演出制御装置
311 制御用マイコン(CPU、演出制御手段)
314,714 音源LSI(異常報知制御手段)
340 データバス
341 サウンドコントローラ
351 第1マスタIC(統括制御手段)
352 第2マスタIC(統括制御手段)
353 第3マスタIC(統括制御手段)
362,363,364,365 バス切替スイッチ(接続切替手段)
514,614 装飾制御装置(発光制御手段)
715 音場補正DSP

Claims (2)

  1. 遊技領域を形成した遊技盤と、
    遊技機にて発生した異常を報知可能な報知装置と、
    遊技演出音を出力可能なスピーカと、
    遊技を統括的に制御する遊技制御手段を有する遊技制御装置と、
    前記遊技制御手段からの制御指令に対応して発光装置の発光態様を変化させるための制御を行うとともに、前記スピーカから遊技演出音を出力するための制御を行う演出制御手段を有する演出制御装置と、を備えた遊技機において、
    前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記報知装置から異常が発生したことを示す異常報知を行なうための制御をする異常報知制御手段と、
    前記演出制御装置の外部に設けられ、前記発光装置の制御を行なう発光制御手段と、
    前記演出制御手段からの制御指令に対応して、前記発光制御手段と前記異常報知制御手段の各々を統括的に制御する統括制御手段と、を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記統括制御手段を介して制御指令を前記異常報知制御手段又は前記発光制御手段に送信することで、前記異常報知制御手段又は前記発光制御手段を制御可能に構成され、
    遊技機に異常が発生した場合には、前記報知装置に前記異常報知を行なうための制御指令を前記異常報知制御手段に送信する制御を行ない、
    前記統括制御手段は、前記発光制御手段を統括的に制御する第1統括制御手段と前記異常報知制御手段を統括的に制御する第2統括制御手段を含み、
    前記第1統括制御手段から前記発光制御手段の間と、前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間には、タイミング信号を伝達するタイミング信号線と、データを伝達するデータ線を少なくとも含む接続線を備えることにより、
    前記第1統括制御手段と前記発光制御手段との間と、前記第2統括制御手段と前記異常報知制御手段との間で相互にデータ送信を可能とし、
    前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線は、前記第1統括制御手段から前記発光制御手段の間を接続する接続線と分離して構成されることを特徴とする遊技機。
  2. 前記演出制御装置は、
    前記異常報知制御手段と前記統括制御手段を有し、
    前記第2統括制御手段から前記異常報知制御手段の間を接続する接続線は前記演出制御装置内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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