JP2008220409A - 遊技機 - Google Patents

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信 黒川
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Abstract

【課題】送信側基板と受信側基板との間を接続する配線の数を減らすことができる遊技機を提供する。
【解決手段】演出制御基板120のCPU123とサブ中継基板130に搭載された各シリアル−パラレル変換素子(変換回路131に含まれる。)との間での信号送信にシリアル通信方式が用いられる。CPU123からサブ中継基板130の各シリアル−パラレル変換素子に対してシリアル信号を送信するためのシリアルデータ線及びシリアルクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用する。また、各シリアル−パラレル変換素子には、演出制御基板120のCPU123から送られるシリアル信号のうち自己宛のシリアル信号を選択して取り込むための固有アドレスが設定されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、遊技の状況に応じて各種の遊技の演出を行う、パチンコ遊技機や回胴式遊技機等の遊技機に関するものである。
上記遊技機の一つである回胴式遊技機は、複数の図柄が記された三つの回胴リールと、三つの回胴リールの回転開始を指示するためのスタートレバーと、各回胴リールの回転停止を指示するための三つの停止ボタンと、主制御基板と、演出制御基板と、複数の演出手段とを備えている。遊技者がスタートレバーを操作すると、三つの回胴リールの駆動が開始し、各停止ボタンを押下すると、当該停止ボタンに対応する回胴リールの駆動が停止する。主制御基板は、回胴リールの制御等、遊技内容の制御や、遊技媒体の払出の制御を行う。
各演出手段は遊技に関わる演出を行うものである。具体的に、画像を表示することにより遊技の演出を行う画像表示部、点灯表示により遊技の演出を行う電飾表示部等が演出手段に該当する。画像表示部としては例えば液晶表示装置が用いられる。この画像表示部は、液晶パネルと、液晶パネルを制御する個別制御基板とを有する。また、電飾表示部は、複数の表示素子と、複数の表示素子の点灯駆動を行う集積回路素子が搭載された個別制御基板とを有している。
演出制御基板は、主に遊技の演出の制御を行うものである。すなわち、演出制御基板は、主制御基板からのコマンド(指令信号)に基づいて遊技の演出内容を決定した後、その決定した遊技の演出内容にしたがって各演出手段を制御するための制御データを作成し、その作成した制御データを当該演出手段の個別制御基板に送信する。
特に、最近では、演出制御基板と電飾表示部の複数の集積回路素子との間での信号送信をそれぞれ、シリアル通信方式で個別に行い、かかるシリアル通信において各集積回路素子に送られるクロック信号及びラッチ信号として共通のものを使用するという回胴式遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかる回胴式遊技機では、演出制御基板と電飾表示部の個別制御基板との間においてより少ない数の信号線で信号送信を行うことができるので、配線を節約することができるという利点がある。
国際公開第2006/064947号パンフレット
このように、上記従来の回胴式遊技機では、演出制御基板(送信側基板)と電飾表示部の個別制御基板(受信側基板)との間におけるクロック線及びラッチ線の数を少なくすることができるが、送信側基板と受信側基板との間におけるデータ線の数は元のまま変わらない。すなわち、制御データを送信するための信号線については相変わらずその数が多く、送信側基板と受信側基板との間を接続する配線が煩雑であった。このため、送信側基板と受信側基板との間を接続する配線の数を減らすことができる遊技機の実現が望まれている。尚、かかる遊技機の実現に際しては、受信側基板の各受信素子が送信側基板の送信素子から送られるデータを確実に取り込むことができるように工夫を凝らす必要がある。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、送信側基板と受信側基板との間を接続する配線の数を減らすことができる遊技機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、送信側基板に搭載された送信素子と少なくとも一つの受信側基板に搭載された複数の受信素子との間での信号送信にシリアル通信方式が用いられる遊技機において、前記送信素子から前記各受信素子に対してシリアル信号を送信するためのデータ線及びクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用し、前記各受信素子には、前記送信素子から送られるシリアル信号のうち自己宛のシリアル信号を選択して取り込むための選択手段が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、前記選択手段は、当該受信素子を識別するための固有コードを設定するものであり、前記受信素子は、前記送信素子から固有コードに関する信号が送られたときに、その送られた固有コードの内容が当該選択手段で設定された固有コードと一致すれば、その後に前記送信素子から送られるシリアル信号を受信することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の遊技機において、受信側には前記各受信素子が取り込んだ信号に基づいて点灯表示により遊技の演出を行う複数の表示素子が備えられており、前記送信素子はシリアル信号として複数の表示素子の点灯を制御するための点灯指令信号を送信するものであり、前記各受信素子は自己宛の前記点灯指令信号をパラレル信号に変換して所定の各表示素子に向けて出力するシリアル−パラレル変換素子を含むことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明では、送信素子から各受信素子に対してシリアル信号を送信するためのデータ線及びクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用し、各受信素子には、送信素子から送られるシリアル信号のうち自己宛のシリアル信号を選択して取り込むための選択手段が設けられている。このように、クロック線だけでなくデータ線についてもその送信線の一部を共通に使用しているので、送信側基板と受信側基板との間を接続する配線の数を減らすことができる。しかも、各受信素子には選択手段が設けられているので、各受信素子は送信素子から送られる自己宛のシリアル信号を確実に受信することができる。
請求項2記載の発明では、選択手段は当該受信素子を識別するための固有コードを設定するものであり、受信素子は、送信素子から固有コードに関する信号が送られたときに、その送られた固有コードの内容が当該選択手段で設定された固有コードと一致すれば、その後に送信素子から送られるシリアル信号を受信する。これにより、各受信素子は、固有コードを利用した簡易な方法で、自己宛のシリアル信号を確実に受信することができる。
請求項3記載の発明では、受信側には各受信素子が取り込んだ信号に基づいて点灯表示により遊技の演出を行う複数の表示素子が備えられており、送信素子はシリアル信号として複数の表示素子の点灯を制御するための点灯指令信号を送信するものであり、各受信素子は自己宛の点灯指令信号をパラレル信号に変換して所定の各表示素子に向けて出力するシリアル−パラレル変換素子を含んでいる。これにより、送信素子は、各受信素子にシリアル信号である点灯指令信号を送信して、複数の表示素子に多彩な内容の演出を行わせることができる。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機のドア部の概略裏面図、図3はその遊技機の本体部の概略正面図、図4はその遊技機の概略ブロック図、図5はその遊技機における演出制御基板、サブ中継基板及び中央トップLED基板の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1、図2及び図3に示すように、本体部1と、その本体部1の前面側に開閉可能に設けられたドア部2とを有する。図1はそのドア部2を正面から見たときの回胴式遊技機を示しており、図3はそのドア部2を開けたときの本体部1を示している。かかる回胴式遊技機は、図1乃至図4に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、精算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、払出装置25と、画像表示部30と、開閉扉装置40と、電飾表示部50と、スピーカ部60と、冷陰極管ユニット71と、投入メダル検出センサ81と、MAXベットボタン操作検出センサ82と、一枚投入ボタン操作検出センサ83と、スタートレバー操作検出センサ84と、第一停止ボタン操作検出センサ85a,第二停止ボタン操作検出センサ85b,第三停止ボタン操作検出センサ85cと、第一回胴リール駆動手段86a,第二回胴リール駆動手段86b,第三回胴リール駆動手段86cと、電源ユニット90と、主制御基板110と、演出制御基板120と、サブ中継基板130とを備える。
図1及び図3に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが並べて配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これらの回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な図柄表示手段としての役割を果たすものである。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段86aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段86bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段86cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段86a,86b,86cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段86a,86b,86cの制御は、主制御基板110により行われる。尚、主制御基板110は、各回胴リール11a,11b,11cが表示窓12内の所定の位置に表示している図柄をステッピングモータのステップ数で把握することが可能であり、かかる表示図柄の把握には公知の方法が用いられる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄(赤7図柄)、青色の数字「7」図柄(青7図柄)、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cの前側に設けられた透明な窓部である。この表示窓12は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に回胴リールの回転方向に沿って三つの図柄を、その回転方向に直交する方向に沿って三つの図柄を表示することができる。すなわち、遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄(合計九つの図柄)を目視することができる。
回胴式遊技機では、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に表示される図柄を、各種の役に対応する図柄の組合せに揃えるというゲーム(遊技)が行われる。すなわち、三つの回胴リール11a,11b,11cが回転を開始した後に三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せが表示窓12に停止表示されれば、ゲームの結果は当該役の入賞となる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ81はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ81からの検出信号は主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる投入メダル検出センサ81からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。主制御基板110は、ゲームの結果が所定の役の入賞になると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
本実施形態の回胴式遊技機では、メダルを1枚、2枚又は3枚投入することにより、一回のゲームを行うことができる。1枚、2枚又は3枚のメダルを投入することは、ゲームを行うための条件である。このため、遊技者は、ゲームを行う際に、1枚、2枚又は3枚のメダルをメダル投入口13から投入するか、或いは、現在のメダルのクレジット数からメダル1枚分、メダル2枚分又はメダル3枚分のクレジット数を使用しなければならない。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダル投入口13から実際にメダルを投入することに代えて、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段である。MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、クレジットされているメダルの中から1枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、クレジットされているメダルの中から2枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。
MAXベットボタン操作検出センサ82はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ83は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各ボタン操作検出センサ82,83からの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる検出信号を受けると、何枚のメダルを使用してゲームを行うのかを認識すると共に、現在のクレジット数からその認識したメダル枚数分のクレジット数を減算し、その減算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームに使用するメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ84は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ84は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板110に送る。主制御基板110は、投入メダル検出センサ81、MAXベットボタン操作検出センサ82、一枚投入ボタン操作検出センサ83のいずれかから信号が送られて、ゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されていることを認識しているときに、スタートレバー操作検出センサ84からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板110は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。このように、スタートレバー18は、三つの回胴リール11a,11b,11cの変動表示動作を開始する契機を与える変動指示手段としての役割を果たしている。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。すなわち、各停止ボタン19a,19b,19cは、当該回胴リールが停止表示する契機を与える停止指示手段としての役割を果たす。また、第一停止ボタン操作検出センサ85aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ85bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ85cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ85a,85b,85cからの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、停止ボタン操作検出センサ85a,85b,85cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインとである。メダルを何枚使用してゲームを行うかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。1枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。2枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、3枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、五つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄の組合せが揃えば、ゲームの結果はその組合せに対応する役の入賞となる。
役の種類には、ベル小役と、チェリー小役と、スイカ小役と、リプレイ役と、ビッグボーナス(BB)と、チャレンジタイムビッグボーナス(CT)とがある。このうち、ベル小役、チェリー小役及びスイカ小役は、小当りである小役と称されるものである。主制御基板110による役の抽選処理によりベル小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、ベル小役の入賞となる。また、主制御基板110による役の抽選処理によりチェリー小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄を表示窓12内のいずれかの位置に停止表示させることが可能になる。そして、第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄が表示窓12内のいずれかの位置に停止表示されると、チェリー小役の入賞となる。更に、主制御基板110による役の抽選処理によりスイカ小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのスイカ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、スイカ小役の入賞となる。このように小役に入賞すると、当該小役の種類に応じて所定枚数のメダルが払い出される。
また、主制御基板110による役の抽選処理によりリプレイ役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのリプレイ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、リプレイ役の入賞となる。リプレイ役に入賞すると、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームで使用したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されたものとみなされ、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイ役はメダルの払出しがないことから、リプレイ役を小役に含めていないが、次のゲームのための新たなメダルの投入操作が不要なので、そのゲームに使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイ役を小役として取扱うことも可能である。
BB及びCTは、いわゆるボーナスと称される大役である。主制御基板110による役の抽選処理によりBBに当選すると、遊技者は、三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。三つの赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、BBの入賞となる。BBに入賞すると、回胴式遊技機では、BBゲームが実行される。BBゲームでは、小役の当選確率が飛躍的に向上して、遊技者が短期間に多量のメダルを獲得することができる。このBBゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば345枚を超えたときに終了する。また、主制御基板110による役の抽選処理によりCTに当選すると、遊技者は、三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。この三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CTの入賞となる。CTに入賞すると、回胴式遊技機では、CTゲームが実行される。CTゲームでは、リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。このCTゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば150枚を超えたときに終了する。
払出数表示部22は、各ゲームにおいてそのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板110により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が精算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。また、払出装置25は、所定の回転機構を利用してメダルを一枚ずつメダル放出口23から払い出す装置である。かかる払出装置25の動作は、主制御基板110により制御される。
画像表示部30、開閉扉装置40、電飾表示部50、スピーカ部60は、遊技の状況に応じて遊技に関わる演出を行う演出手段としての役割を果たすものである。画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図4に示すように、液晶パネル31と、液晶制御基板32とを有する。液晶パネル31は表示窓12の上側中央に配置されている。液晶制御基板32は液晶パネル31を制御するものである。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を液晶パネル31の画面に変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の演出制御は、主制御基板110からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板120により行われる。
開閉扉装置40は、液晶パネル31の前面側に設けられている。この開閉扉装置40は、図1及び図4に示すように、左扉部41aと、右扉部41bと、開閉扉制御基板42とを有する。左扉部41aは液晶パネル31の左前面側に配され、右扉部41bは液晶パネル31の右前面側に配されている。左扉部41a及び右扉部41bはそれぞれ、左右方向に移動可能に構成されている。かかる左扉部41a及び右扉部41bの基本的な状態には、左扉部41a及び右扉部41bが互いに中央で接している状態である完全閉状態、完全閉状態から左扉部41aだけが左方向に移動した状態である左開状態、完全閉状態から右扉部41bだけが右方向に移動した状態である右開状態、そして、完全閉状態から左扉部41aが左方向に、右扉部41bが右方向に移動した状態である完全開状態がある。扉部41a,41bが完全閉状態にある場合、遊技者は液晶パネル31の画面を全く見ることができない。扉部41a,41bが左開状態又は右開状態にある場合、遊技者は液晶パネル31の画面の左半分又は右半分しか見ることができない。扉部41a,41bが完全開状態にある場合、遊技者は液晶パネル31の画面をすべて見ることができる。尚、図1には扉部41a,41bが完全開状態にある場合を示している。
開閉扉制御基板42は、左扉部41aの動作と右扉部41bの動作とを個別に制御するものである。具体的に、開閉扉制御基板42は、扉部41a,41bが上記四つの基本的な状態のいずれかに移行するのを制御するが、その際に各扉部41a,41bをさまざまな速度で動作させることができる。本実施形態では、開閉扉装置40を、遊技に関わる演出を行う装置として使用している。例えば、開閉扉装置40は、液晶パネル31の画面に表示される画像の内容に応じて扉部41a,41bが動作を行うことにより、その画像が表示されている画面の全部又は一部を覆い隠して、その覆い隠した部分で表示されている画像の内容を遊技者に見せないようにするという演出を行う。この開閉扉装置40の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。
電飾表示部50は、複数の表示用ランプ(表示素子)を点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode、以下「LED」とも称する。)を用いている。この電飾表示部50は、図1、図2及び図4に示すように、中央トップLED基板51と、左側トップLED基板52と、右側トップLED基板53と、左サイドLED基板54と、右サイドLED基板55と、左パネルLED基板56と、右パネルLED基板57と、左操作部LED基板58と、右操作部LED基板59とを有する。尚、図2では、中央トップLED基板51、左側トップLED基板52、右側トップLED基板53については、それらの位置を明確に指示するために、太い実線で示している。
中央トップLED基板51は、図1及び図2に示すように、ドア部2の上端部裏側であってその中央部に設けられている。中央トップLED基板51には中央トップLEDユニットが搭載されている。この中央トップLEDユニットは、24個の白色発光のLEDから構成されている。本実施形態では、2個のLEDを制御単位とし、同じ制御単位に含まれるLEDについては一斉同時制御を行うことにしている。すなわち、2個のLEDを1ビットの信号で制御することにより、かかる2個のLEDが全く同じ内容の点灯表示を行うようにしている。この一斉同時制御の単位となる2個のLEDを「1ブロック」と称することにする。したがって、中央トップLEDユニットは12ブロックの白色発光のLEDから構成されており、その中央トップLEDユニットの点灯表示制御には12ビットの信号が必要である。
また、図1及び図2に示すように、左側トップLED基板52はドア部2の上端部裏側であってその左側部に設けられ、右側トップLED基板53はドア部2の上端部裏側であってその右側部に設けられている。左側トップLED基板52には左側トップLEDユニットが搭載され、右側トップLED基板53には右側トップLEDユニットが搭載されている。左側トップLEDユニット及び右側トップLEDユニットはそれぞれ、6個(3ブロック)の三色(赤、緑、青)発光のLEDから構成されている。多色発光のLEDに対してはその点灯表示制御が発光色毎に行われるので、3ブロックの三色発光のLEDの点灯表示制御には、9(=3×3)ビットの信号が必要である。
左サイドLED基板54は、図1に示すように、ドア部の左端部裏側であってその外周部に設けられている。左サイドLED基板54には左サイドLEDユニットが搭載されている。この左サイドLEDユニットは、22個(11ブロック)の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。このため、左サイドLEDユニットの点灯表示制御には11ビットの信号が必要である。また、右サイドLED基板55は、図1に示すように、ドア部の右端部裏側であってその外周部に設けられている。右サイドLED基板55には右サイドLEDユニットが搭載されている。この右サイドLEDユニットは、22個(11ブロック)の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。このため、右サイドLEDユニットの点灯表示制御には11ビットの信号が必要である。
左パネルLED基板56は、図1及び図2に示すように、ドア部の裏側であって左サイドLED基板54よりも中央寄りの位置に設けられている。具体的に、表示窓12の左側には五つのパネル部が形成されており、かかるパネル部に対応する部分に左パネルLED基板56が設けられている。この左パネルLED基板56には左パネルLEDユニットが搭載されている。この左パネルLEDユニットは、10個(5ブロック)の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。ここで、左パネルLEDユニットを構成する10個の赤色発光のLEDは、ブロック毎に上下方向に沿って各パネル部に対応する位置に設けられている。かかる左パネルLEDユニットの点灯表示制御には5ビットの信号が必要である。
右パネルLED基板57は、図1及び図2に示すように、ドア部の裏側であって右サイドLED基板55よりも中央寄りの位置に設けられている。具体的に、表示窓12の右側には三つのパネル部が形成されており、かかるパネル部に対応する部分に右パネルLED基板57が設けられている。この右パネルLED基板57には右パネルLEDユニットが搭載されている。この右パネルLEDユニットは、6個(3ブロック)の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。ここで、右パネルLEDユニットを構成する6個の赤色発光のLEDは、ブロック毎に上下方向に沿って各パネル部に対応する位置に設けられている。かかる右パネルLEDユニットの点灯表示制御には3ビットの信号が必要である。
左操作部LED基板58は、図1に示すように、ドア部の裏側であって、遊技者が操作するスタートレバー18の近傍に設けられている。この左操作部LED基板58には左操作部LEDユニットが搭載されている。この左操作部LEDユニットは、2個(1ブロック)の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。このため、左操作部LEDユニットの点灯表示制御には1ビットの信号が必要である。また、右操作部LED基板59は、図1に示すように、ドア部の裏側であって、遊技者が操作する第三停止ボタン19cの近傍に設けられている。この右操作部LED基板59には右操作部LEDユニットが搭載されている。この右操作部LEDユニットは、2個(1ブロック)の単色(赤色)発光のLEDから構成されている。このため、右操作部LEDユニットの点灯表示制御には1ビットの信号が必要である。
電飾表示部50の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。具体的には、演出制御基板120は、主制御基板110からのコマンドに基づいて電飾演出の内容を決定する。演出制御基板110は、その決定した電飾演出の内容に基づいて第一点灯指令信号及び第二点灯指令信号を作成し、第一点灯指令信号をサブ中継基板130に、第二点灯指令信号をサブ中継基板30を介して中央トップLED基板51に送信する。そして、サブ中継基板130は、第一点灯指令信号に基づいて、左サイドLEDユニット、右サイドLEDユニット、左パネルLEDユニット、右パネルLEDユニット、左操作部LEDユニット及び右操作部LEDユニットに含まれる複数のLEDを点灯表示制御する。また、中央トップLED基板51は、第二点灯指令信号に基づいて、中央トップLEDユニット、左側トップLEDユニット及び右側トップLEDユニットに含まれる複数のLEDを点灯表示制御する。すなわち、サブ中継基板130及び中央トップLED基板51は、複数のLEDを点灯駆動する役割を果たしている。
スピーカ部60は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部60の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。かかるスピーカ部60は、図1乃至図4に示すように、第一ドアスピーカ61と、第二ドアスピーカ62と、背面スピーカ63とを有する。第一ドアスピーカ61及び第二ドアスピーカ62はそれぞれ、ドア部2の裏側上部の左側、右側に設けられている。また、背面スピーカ63は本体部1の背面側に設けられている。
冷陰極管ユニット71は、図2に示すように、ドア部2の裏側であって表示窓12の上方に設けられている。冷陰極管ユニット71には、冷陰極管と、冷陰極管基板とが含まれる。冷陰極管は、主に、回胴リール11a,11b,11cに光を照射して、回胴リール11a,11b,11cに記された図柄の視認性を良くするという役割を果たす。冷陰極管基板は、冷陰極管を駆動するものである。具体的に、冷陰極管基板には、インバータ回路や高電圧発生回路等が搭載されている。駆動用のパルス信号(ON信号)が演出制御基板120からサブ中継基板130を介して冷陰極管基板に送られると、インバータ回路が駆動し、そのインバータ回路からの信号に基づいて高電圧発生回路が高電圧を発生させることにより、冷陰極管が点灯する。
電源ユニット90は、外部から供給される交流の電圧100Vの電力を直流の各種電圧(例えば24V、12V、5V)に変換して、各部に電力を供給するものである。この電源ユニット90は、図3に示すように、回胴式遊技機の本体部1の左側下部に配置されている。
次に、主制御基板110について説明する。主制御基板110は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行うものであり、図3に示すように、本体部1の上部に設けられている。かかる主制御基板110には、複数の集積回路素子が実装されている。具体的に、主制御基板110は、図4に示すように、ROM111と、RAM112と、CPU113とを備える。ROM111には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM112は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
CPU113は、ROM111に格納されたプログラムを実行することにより、遊技内容の制御等を行う。例えば、CPU113は、役の抽選処理を行う。具体的に、この役の抽選処理は次のようにして行われる。ROM111には、役と乱数値との対応関係を示した抽選テーブルが格納されている。CPU113は、スタートレバー操作検出センサ84からの信号を受けると、乱数値を取得する。そして、その取得した乱数値が、抽選テーブルにおいていずれの役に該当するかを調べることにより、どの役に当選したか、いずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」に当選したかを決定する。CPU113は、役抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板120に送信したりする。
また、CPU113は、三つの回胴リールの駆動を開始するリール駆動開始制御及び回胴リールの駆動を停止するリール駆動停止制御を行う。このリール駆動停止制御には、小役、リプレイ役、大役のいずれかの役に当選した場合に行われるリール引込み制御、不当選に当選した場合に行われる外れ制御等が含まれる。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役に入賞することはない。
一方、外れ制御とは、有効な入賞ラインには小役、リプレイ役、大役のいずれの役も成立しないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役にも入賞せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
また、CPU113は、遊技状態の管理をも行っている。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技機の遊技状態として、「一般遊技状態」、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。「一般遊技状態」とは、通常の遊技状態のことである。「BB遊技状態」は、小役の当選確率が飛躍的に向上したBBゲームが行われることにより遊技者が最も多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。また、「CT遊技状態」は、CTゲームが行われることによりBB遊技状態に次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。CPU113は、ゲームが開始されたときに行われる役抽選の結果やそのゲームの結果等に基づいて遊技状態の移行を制御する。このように回胴式遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。
更に、CPU113は、演出制御基板120へコマンドを送信する処理を行う。CPU113から演出制御基板120に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、役の抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。主制御基板110から演出制御基板120に送信する上記各コマンド等、各種の信号の送信は、パラレル通信方式により行われる。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU113は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU113が、投入メダル検出センサ81、MAXベットボタン操作検出センサ82、一枚投入ボタン操作検出センサ83のいずれかから信号を受けて、1枚、2枚若しくは3枚のメダルが投入されたことをすでに認識していれば、乱数値に基づく役抽選処理は行われる。
次に、演出制御基板120について説明する。演出制御基板120は、主に遊技の演出に関する制御を行うものであり、図3に示すように、本体部1の中央部の左側に設けられている。演出制御基板120には、複数の集積回路素子が実装されている。具体的に、演出制御基板120は、図5に示すように、ROM121と、RAM122と、CPU123と、音源LSI124と、音源データROM125と、パワーアンプ126とを備える。ROM121には、遊技演出の制御等に関する各種のプログラム、電飾演出用パターンデータ等の各種のデータが格納されている。RAM122は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
音源LSI124は、音源データを送出するための複数のチャンネルを有しており、音源データROM125に記憶されている音源データを所定のチャンネルを通じて、スピーカ部60へ送出して音声を再生出力させるものである。音源データROM125には、複数の音源データと共に、各音源データに対する再生制御データが格納されている。再生制御データは、音源LSI124における当該音源データの送出を制御することによりスピーカ部60での音声の再生出力を制御するためのデータである。パワーアンプ126は、音源LSI124から送出された音信号を増幅して、スピーカ部60に出力するためのものである。
CPU123は、ROM121に格納されたプログラムを実行することにより、画像表示部30、開閉扉装置40、電飾表示部50、スピーカ部60等を制御する。具体的には、CPU123は、主制御基板110から演出コマンドを受けたとき、その演出コマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。そして、CPU123は、その決定した演出内容に対応する画像演出制御用コマンドを作成し、サブ中継基板130を介して液晶制御基板32に送出する。これにより、液晶制御基板32は、その画像演出制御用コマンドに基づいて所定の画像パターンの表示を制御する。また、CPU123は、その決定した演出内容に対応する開閉扉演出制御用コマンドを作成し、サブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42に送出する。これにより、開閉扉制御基板42は、その開閉扉演出制御用コマンドに基づいて扉部41a,41bの動作を制御する。ここでは、画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドとしてそれぞれ、8ビットの信号が用いられている。
また、CPU123は、その決定した演出内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM121から読み出した後、その電飾演出用パターンデータに基づいて第一点灯指令信号及び第二点灯指令信号を生成する。CPU123は、その生成した第一点灯指令信号をサブ中継基板130に送出し、そのサブ中継基板130を介して左サイドLEDユニット、右サイドLEDユニット、左パネルLEDユニット、右パネルLEDユニット、左操作部LEDユニット及び右操作部LEDユニットを点灯表示制御する。一方、CPU123は、その生成した第二点灯指令信号を中央トップLED基板51に送出し、その中央トップLED基板51を介して中央トップLEDユニット、左側トップLEDユニット及び右側トップLEDユニットを点灯表示制御する。
更に、CPU123は、その決定した演出内容についての情報を音源LSI124に送ると、音源LSI124は、当該情報に対応する音源データと再生制御データとを音源データROM125から読み出す。そして、音源LSI124は、その再生制御データに基づいて当該音源データの送出を制御する。音源LSI124から送出された音信号は、パワーアンプ126で増幅された後、スピーカ部60から出力される。尚、CPU123は、冷陰極管を駆動するための駆動信号を、サブ中継基板130を介して冷陰極管ユニット71に送出する。
このCPU123としては、パラレル通信機能とシリアル通信機能とを兼ね備えるものを用いている。これにより、CPU123は、伝送線Lを介して主制御基板110からの各種のコマンド(パラレル信号)を受信することができる。また、CPU123と演出制御基板120内の各集積回路素子との間では、双方向シリアルバス方式により情報の伝送を行う。ここで、双方向シリアルバス方式とは、集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する方式である。特に、本実施形態では、双方向シリアルバス方式として、ICバス(Inter-Integrated Circuit Bus)方式を採用している。
また、本実施形態では、演出制御基板120とサブ中継基板130との間における第一点灯指令信号の送信、及び、演出制御基板120と中央トップLED基板51との間における第二点灯指令信号の送信を、シリアル通信方式により行うと共に、演出制御基板120と液晶制御基板32との間における画像演出制御用コマンドの送信、及び、演出制御基板120と開閉扉制御基板42との間における開閉扉演出制御用コマンドの送信を、パラレル通信方式により行うことにしている。このため、演出制御基板120とサブ中継基板130との間を接続する伝送線Lは、シリアル通信用の信号線とパラレル通信用の信号線とを含んで構成されている。特に、本実施形態では、シリアル通信用の信号線としては、フィリップス社によって開発されたICバスが用いられる。
Cバスは、一般に、二本の信号伝送線からなる簡単な構造の双方向性バスである。すなわち、ICバスは、シリアルデータ線とシリアルクロック線という二本のバス・ラインのみで構成される。このバス・ラインには、回路基板や集積回路素子等の複数のデバイスの並設が可能である。また、ICバスに接続されている各デバイスはそれぞれ固有のアドレスを持つので、その固有アドレスを用いることにより、ソフトウエアによる各デバイスのアドレス指定が可能である。更に、かかるICバスには、集積回路素子間相互の制御を効率よく行うことができ、ハードウエアの効率を最大限に引き上げ、回路の簡素化を図ることができるといった、さまざまな利点がある。
具体的に、本実施形態では、演出制御基板120とサブ中継基板130との間には、二組のICバス・ラインが設けられている。ここで、ICバス・ラインは、シリアルデータ線とシリアルクロック線とから構成されている。一方のICバス・ラインは、演出制御基板120がサブ中継基板130に第一点灯指令信号を送信するためのものであり、他方のICバス・ラインは、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して中央トップLED基板51に第二点灯指令信号を送信するためのものである。また、サブ中継基板130と中央トップLED基板51との間には、一組のICバス・ラインが設けられている。このICバス・ラインは、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して中央トップLED基板51に第二点灯指令信号を送信するためのものである。
また、本実施形態では、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して液晶制御基板32に画像演出制御用コマンドを送信するためのデータ線、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42に開閉扉演出制御用コマンドを送信するためのデータ線については、データ線の一部を共通に使用することにしている。すなわち、演出制御基板120は、画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドを、共通のデータ線を用いて所定の制御基板32,42に送信する。このように共通のデータ線を用いて画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドの送信を行うには、演出制御基板120は各制御基板32,42に対してトリガ信号を送信する必要がある。このため、本実施形態では、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して液晶制御基板32にトリガ信号を送信するためのスロトーブ線と、演出制御基板120がサブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42にトリガ信号を送信するためのスロトーブ線とを個別に設けている。ここで、トリガ信号は1ビットの信号であり、このトリガ信号としてはON信号が用いられる。演出制御基板120は、画像表示部30に所定の演出を実行させる場合、液晶制御基板32にトリガ信号(ON信号)を付与することにより液晶制御基板32に画像演出制御用コマンドを受信させ、一方、開閉扉装置40に所定の演出動作を行わせる場合には、開閉扉制御基板42にトリガ信号(ON信号)を付与することにより開閉扉制御基板42に開閉扉演出制御用コマンドを受信させる。尚、以下では、画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドをまとめて単に「演出制御用コマンド」とも称することにする。
次に、サブ中継基板130について説明する。サブ中継基板130は、図2に示すように、ドア部2の裏面の上部に取り付けられている。ここで、図2では、サブ中継基板130の位置を明確に指示するために、サブ中継基板130を太い実線で示している。かかるサブ中継基板130には、演出制御基板120から各種の信号、すなわち、演出制御用コマンド、トリガ信号、第一点灯指令信号、第二点灯指令信号、冷陰極管駆動信号等が送られる。サブ中継基板130は、これらの信号を中継して、液晶制御基板32、開閉扉制御基板42、各LED基板51,54〜59、冷陰極管ユニット71に送信する。
サブ中継基板130には、図5に示すように、各基板120,32,42,51,54〜59,71と接続するための複数のコネクタCN1〜CN10が設けられている。具体的に、コネクタCN1は演出制御基板120のコネクタと接続するためのものである。ここで、コネクタCN1と演出制御基板130のコネクタとの間を接続する伝送線Lは、演出制御用コマンドDを送信するための8本のデータ線と、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するための1本のストローブ線と、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するための1本のストローブ線と、第一点灯指令信号S1を送信するためのICバス・ラインと、第二点灯指令信号S2を送信するためのICバス・ラインと、冷陰極管駆動信号Pを送信するための1本のデータ線とを含んで構成されている。
また、コネクタCN2は伝送線Lにより液晶制御基板32のコネクタと接続され、コネクタCN3は伝送線Lにより開閉扉制御基板42のコネクタと接続される。ここで、伝送線Lは、演出制御用コマンドDを送信するための8本のデータ線と、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するための1本のストローブ線とを含み、伝送線Lは、演出制御用コマンドDを送信するための8本のデータ線と、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するための1本のストローブ線とを含んでいる。また、コネクタCN4は伝送線Lにより中央トップLED基板51と接続される。ここで、伝送線Lは、第二点灯指令信号S2を送信するためのICバス・ラインを含んでいる。更に、コネクタCN5は伝送線Lにより左サイドLED基板54と接続され、コネクタCN6は伝送線Lにより右サイドLED基板55と接続され、コネクタCN7は伝送線Lにより左パネルLED基板56と接続され、コネクタCN8は伝送線Lにより右パネルLED基板57と接続され、そして、コネクタCN9は伝送線Lにより左操作部LED基板58及び右操作部LED基板59と接続される。コネクタCN10は、冷陰極管駆動信号Pを送信するための1本のデータ線を含む伝送線L10により冷陰極管ユニット71のコネクタと接続される。尚、ここでは詳細な説明を省略するが、回胴式遊技機では、電源ユニット90が各基板に電力を供給しており、上記の各伝送線L〜L10には、通常、データ線の他に、電源線及び接地線が含まれている。また、サブ中継基板130には、電源供給のための専用コネクタも設けられているが、図5ではそのような専用コネクタを省略して示している。
また、サブ中継基板130は、演出制御基板120が行う遊技演出の制御のうち電飾表示部50に対する制御を補助する役割をも果たしている。具体的に、サブ中継基板(受信側基板)130は、演出制御基板(送信側基板)120のCPU(送信素子)123から送られた第一点灯指令信号に基づいて、電飾表示部50のうち左サイドLEDユニット、右サイドLEDユニット、左パネルLEDユニット、右パネルLEDユニット、左操作部LEDユニット、右操作部LEDユニットについての点灯・消灯を制御する。このため、サブ中継基板130には、図5に示すように、変換回路131が搭載されている。
図6乃至図9はサブ中継基板130の回路構成の一例を示す図である。変換回路131は、図7、図8及び図9に示すように、バッファ素子141と、二つのシリアル−パラレル変換素子(受信素子)142,143と、四つの駆動素子144a,144b,144c,144dとを備えている。演出制御基板120から送られた第一点灯指令信号S1は、サブ中継基板130内において、双方向シリアルバス方式により、伝送線151(151a,151b)を通り、バッファ素子141、伝送線251(251a,251b)を経て、各シリアル−パラレル変換素子142,143に伝達される。この場合も、双方向シリアルバス方式としてICバス方式が採用されている。シリアル−パラレル変換素子142,143は、シリアルデータ信号である第一点灯指令信号S1をパラレル信号に変換する。
本実施形態では、演出制御基板120のCPU123とサブ中継基板130内の変換回路131に設けられた各シリアル−パラレル変換素子142,143との間における第一点灯指令信号S1の送信を、ICバス方式により行うことにしている。このため、演出制御基板120のCPU123は、伝送線L内のシリアルクロック線を用いてシリアルクロック信号をサブ中継基板130に送り、そのシリアルクロック信号に合わせてシリアルデータ線を用いてシリアルデータ信号をサブ中継基板130に送信する。図6の例では、そのシリアルクロック信号SCL1はコネクタCN1の第7番端子からサブ中継基板130に入力し、そのシリアルデータ信号SDA1はコネクタCN1の第9番端子からサブ中継基板130に入力する。そして、サブ中継基板130上には、そのシリアルクロック信号SCL1を送信するための1本のシリアルクロック線151aと、そのシリアルデータ信号SDA1を送信するための1本のシリアルデータ線151bとが形成されている。ここで、シリアルクロック線151aとシリアルデータ線151bとが伝送線151を構成する。図7、図8及び図9に示すように、かかるシリアルクロック線151a及びシリアルデータ線151bはバッファ素子141を経由してシリアルクロック線251a及びシリアルデータ線251bに引き継がれ、その後、それぞれ途中で分岐させて、二つのシリアル−パラレル変換素子142,143に接続されている。ここで、シリアルクロック線251aとシリアルデータ線251bとが伝送線251を構成する。このように、本実施形態では、演出制御基板120のCPU123からサブ中継基板130の各シリアル−パラレル変換素子142,143に対してシリアル信号を送信するためのデータ線及びクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用している。
その結果、演出制御基板120から送られたシリアルクロック信号SCL1及びシリアルデータ信号SDA1は、バッファ素子141を介して、各シリアル−パラレル変換素子142,143に伝達される。このバッファ素子141は、シリアルクロック信号SCL1及びシリアルデータ信号SDA1が一定電圧(例えば5V)の信号となるように信号の安定化を図るためのものである。ここで、バッファ素子141として、例えばP82B96TDなる市販の集積回路素子を用いている。
また、本実施形態では、シリアル−パラレル変換素子142,143として、例えばPCA9532PWなる市販の集積回路素子を用いている。かかるシリアル−パラレル変換素子142,143は、ICバス方式で信号送信を行えるものであり、固有のアドレス(固有コード)を設定することができる。かかる固有アドレスの設定は、図8及び図9に示すように、シリアル−パラレル変換素子142,143に設けられている第1番端子から第3番端子までの合計三つの端子を用いて行われる。すなわち、これら三つの端子の各々は、5V電源又はアースに接続される。第1番端子に入力する信号をA0、第2番端子に入力する信号をA1、第3番端子に入力する信号をA2とすると、当該シリアル−パラレル変換素子の固有のアドレスは、“A2A1A0”で表される。具体的に、シリアル−パラレル変換素子142では、第1番端子及び第3番端子をアースに接続し、第2番端子を5V電源に接続している。このため、このシリアル−パラレル変換素子142の固有アドレスは“010”(10進法で表すと“2”)である。また、シリアル−パラレル変換素子143では、第3番端子をアースに接続し、第1番端子及び第2番端子を5V電源に接続している。このため、このシリアル−パラレル変換素子143の固有アドレスは“011”(10進法で表すと“3”)である。
演出制御基板120のCPU123は、第一点灯指令信号S1を送信する場合、まず、当該第一点灯指令信号S1を送信しようとするシリアル−パラレル変換素子を特定するために、当該シリアル−パラレル変換素子に設定された固有アドレスの内容を示すアドレス信号を送信し、その後、当該第一点灯指令信号S1を送信する。各シリアル−パラレル変換素子142,143は、アドレス信号を受信したとき、そのアドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致していると判定すると、その後に送信されてくる第一点灯指令信号S1を取得する。一方、自己の固有アドレスに一致していないと判定すると、その後に送信されてくる第一点灯指令信号S1を取得しない。このように、シリアル−パラレル変換素子142,143は、固有アドレスを利用して自己宛の第一点灯指令信号S1を取り込む。すなわち、シリアル−パラレル変換素子142,143における第1番端子から第3番端子までの合計三つの端子は、演出制御基板120のCPU123から送られる第一点灯指令信号S1のうち自己宛のものを選択して取り込むための選択手段としての役割を果たしている。
特に、本実施形態では、第一点灯指令信号S1として、二つの8ビットのシリアルデータ信号から構成されるものを用いている。このため、演出制御基板120のCPU123は、8ビットのシリアルデータ信号の送信を二回行うことにより、第一点灯指令信号S1を送信する。各シリアル−パラレル変換素子142,143は、演出制御基板120のCPU123から送られる自己宛の二つの8ビットのシリアルデータ信号を取得すると、その二つのシリアルデータ信号を16ビットのパラレル信号に変換し、その変換された16ビットのパラレル信号をそれぞれ、第4番端子〜第20番端子(第12番端子を除く。)から出力する。具体的に、シリアル−パラレル変換素子142から出力される16ビットのパラレル信号のうち、第4番端子〜第11番端子から出力される下位8ビットの信号はデータ線253aを介してそれぞれ、駆動素子144aの第2番端子〜第9番端子に送られ、第13番端子〜第20番端子から出力される上位8ビットの信号はデータ線253bを介してそれぞれ、駆動素子144bの第2番端子〜第9番端子に送られる。同様に、シリアル−パラレル変換素子143から出力される16ビットのパラレル信号のうち、第4番端子〜第11番端子から出力される下位8ビットの信号はデータ線253cを介してそれぞれ、駆動素子144cの第2番端子〜第9番端子に送られ、第13番端子〜第20番端子から出力される上位8ビットの信号はデータ線253dを介してそれぞれ、駆動素子144dの第2番端子〜第9番端子に送られる。
また、図8及び図9に示すように、シリアル−パラレル変換素子142と駆動素子144a,144bとを繋ぐ各データ線253a,253b、及び、シリアル−パラレル変換素子143と駆動素子144c,144dとを繋ぐ各データ線253c,253dはそれぞれ、抵抗を介して5Vの電源に接続されている。これは、シリアル−パラレル変換素子142,143では最終段のトランジスタのコレクタがそのまま出力として取り出されているので、そのコレクタの出力を5V電圧にプルアップするためである。これにより、各駆動素子144a,144b,144c,144dには、5Vのパラレル信号が入力することになる。
各駆動素子144a,144b,144c,144dは、第2番端子〜第9番端子から入力した5Vのパラレル信号に基づいてLEDを点灯するための12Vの駆動信号(パラレル信号)を生成するものである。ここで、これらの駆動素子144a,144b,144c,144dとしては、例えばTD62387AFNGなる市販の集積回路素子が用いられる。各駆動素子144a,144b、144c,144dで生成された駆動信号は第19番端子〜第12番端子から出力される。
具体的に、駆動素子144aの第19番端子〜第12番端子から出力される駆動信号はデータ線255aを介してそれぞれ、コネクタCN5の第2番端子2〜第9番端子に送られる。駆動素子144bの第19番端子〜第17番端子から出力される駆動信号はデータ線255b1を介してそれぞれ、コネクタCN5の第10番端子〜第12番端子に送られ、駆動素子144bの第16番端子〜第12番端子から出力される駆動信号はデータ線255b2を介してそれぞれ、コネクタCN7の第2番端子〜第6番端子に送られる。また、駆動素子144cの第19番端子〜第12番端子から出力される駆動信号はデータ線255cを介してそれぞれ、コネクタCN6の第2番端子〜第9番端子に送られる。駆動素子144dの第19番端子〜第17番端子から出力される駆動信号はデータ線255d1を介してそれぞれ、コネクタCN6の第10番端子〜第12番端子に送られ、駆動素子144dの第16番端子〜第14番端子から出力される駆動信号はデータ線255d2を介してそれぞれ、コネクタCN8の第2番端子〜第4番端子に送られる。そして、駆動素子144dの第13番端子、第12番端子から出力される駆動信号はデータ線255d3を介してそれぞれ、コネクタCN9の第2番端子、第3番端子に送られる。これにより、伝送線LによりコネクタCN5と接続される左サイドLED基板54には11個の駆動信号が送られて、左サイドLEDユニットの点灯表示が制御され、伝送線LによりコネクタCN6と接続される右サイドLED基板55には11個の駆動信号が送られて、右サイドLEDユニットの点灯表示が制御される。伝送線LによりコネクタCN7と接続される左パネルLED基板56には5個の駆動信号が送られて、左パネルLEDユニットの点灯表示が制御され、そして、伝送線LによりコネクタCN8と接続される右パネルLED基板57には3個の駆動信号が送られて、右パネルLEDユニットの点灯表示が制御される。また、伝送線LによりコネクタCN9と接続される左操作部LED基板58、右操作部LED基板59にはそれぞれ1個の駆動信号が送られて、左操作部LEDユニット、右操作部LEDユニットの点灯表示が制御される。
また、サブ中継基板130は、演出制御基板120から送られた各種の信号のうち、第一点灯指令信号以外の信号については、何らの処理をも行わずに、それらの信号を単に中継する役割を果たしている。いま、サブ中継基板130において演出制御用コマンドD、トリガ信号T1,T2、第二点灯指令信号S2及び冷陰極管駆動信号Pの送信を中継する回路の具体例を説明する。
演出制御用コマンドDは8ビットの信号であり、図6の例では、コネクタCN1の第23番端子から第30番端子までの合計8つの端子を介してサブ中継基板130に入力する。ここでは、演出制御用コマンドDの各ビットをそれぞれ、D0,D1,・・・,D7で表している。サブ中継基板130上には、この8ビットの演出制御用コマンドD0〜D7を送信するための8本のデータ線153a,153b,・・・,153hが形成されている。そして、これら8本のデータ線153a,153b,・・・,153hはそれぞれ、コネクタCN2の第1番端子から第8番端子までの各端子に接続されると共に、途中で分岐させて、コネクタCN3の第5番端子から第12番端子までの各端子に接続されている。これにより、演出制御用コマンドD0〜D7は、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して液晶制御基板32及び開閉扉制御基板42に送られることになる。
また、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2はそれぞれ、1ビットの信号であり、図6の例では、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1はコネクタCN1の第31番端子を介してサブ中継基板130に入力し、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2はコネクタCN1の第13番端子を介してサブ中継基板130に入力する。サブ中継基板130上には、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するための1本のストローブ線154と、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するための1本のストローブ線155とが形成されている。そして、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1を送信するためのストローブ線154は、コネクタCN2の第9番端子に接続され、一方、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2を送信するためのストローブ線155は、コネクタCN3の第13番端子に接続されている。これにより、液晶制御基板32に対するトリガ信号T1は、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して液晶制御基板32に送られ、一方、開閉扉制御基板42に対するトリガ信号T2は、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して開閉扉制御基板42に送られることになる。
また、本実施形態では、演出制御基板120のCPU123による第二点灯指令信号S2の送信をシリアル通信方式で行うことにしている。このため、演出制御基板120のCPU123は、伝送線L内のシリアルクロック線を用いてシリアルクロック信号をサブ中継基板130に送り、そのシリアルクロック信号に合わせてシリアルデータ線を用いてシリアルデータ信号をサブ中継基板130に送信する。図6の例では、そのシリアルクロック信号SCL2はコネクタCN1の第3番端子からサブ中継基板130に入力し、そのシリアルデータ信号SDA2はコネクタCN1の第5番端子からサブ中継基板130に入力する。サブ中継基板130上には、そのシリアルクロック信号SCL2を送信するための1本のシリアルクロック線152aと、そのシリアルデータ信号SDA2を送信するための1本のシリアルデータ線152bとが形成されている。そして、シリアルクロック線152aは、コネクタCN4の第5番端子に接続され、一方、シリアルデータ線152bは、コネクタCN4の第4番端子に接続されている。これにより、第二点灯指令信号は、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して中央トップLED基板51に送られることになる。
更に、冷陰極管駆動信号Pは1ビットの信号であり、図6の例では、その冷陰極管駆動信号Pは、コネクタCN1の第12番端子を介してサブ中継基板130に入力する。サブ中継基板130上には、冷陰極管駆動信号Pを送信するための1本のデータ線139が形成されている。そして、そのデータ線139は、コネクタCN10の第2番端子に接続されている。これにより、冷陰極管駆動信号Pは、演出制御基板120からサブ中継基板130を介して冷陰極管ユニット71に送られることになる。
また、サブ中継基板130上には、図6に示すように、三つの演出切替スイッチ161,162,163が設けられている。演出切替スイッチ161,162,163はドア部2の裏面側に設置されており、遊技場の係員だけがこれらの演出切替スイッチ161,162,163を押すことができる。かかる演出切替スイッチ161,162,163は、画像表示部30の表示する演出内容を所定の内容に切り替えるべきことを指示するためのものである。演出切替スイッチ161,162,163が押されると、当該演出切替スイッチに対応する演出切替信号がコネクタCN1を介して演出制御基板120のCPU123に送られる。そして、CPU123は、その演出切替信号に基づいて、演出内容を所定の内容に切り替えるべき旨のコマンドを生成し、液晶制御基板32に送出する。
次に、中央トップLED基板51について説明する。中央トップLED基板51には、図5に示すように、三つのコネクタCN21,CN22,CN23が設けられている。ここで、コネクタCN21は伝送線Lを介してサブ中継基板130のコネクタCN4と接続するためのものである。コネクタCN22は伝送線L22を介して左側トップLED基板52と接続するためのものであり、コネクタCN23は伝送線L23を介して右側トップLED基板53と接続するためのものである。この中央トップLED基板(受信側基板)51は、演出制御基板(送信側基板)120のCPU(送信素子)123から送られた第二点灯指令信号に基づいて、電飾表示部50のうち中央トップLEDユニット、左側トップLEDユニット、右側トップLEDユニットについての点灯・消灯を制御する。このため、中央トップLED基板51には、図5に示すように、変換回路510が搭載されている。
図10、図11及び図12は中央トップLED基板51の回路構成の一例を示す図である。変換回路510は、図10、図11及び図12に示すように、バッファ素子511と、二つのシリアル−パラレル変換素子(受信素子)512,513と、四つの駆動素子514a,514b,514c,514dとを備えている。これらバッファ素子511、シリアル−パラレル変換素子512,513、駆動素子514a,514b,514c,514dはそれぞれ、サブ中継基板130に搭載されたバッファ素子141、シリアル−パラレル変換素子142,143、駆動素子144a,144b,144c,144dと全く同じ機能を有する。また、中央トップLED基板51には、図11及び図12に示すように、中央トップLEDユニットを構成する12ブロックB1〜B12の白色発光のLEDが搭載されている。各ブロックB1〜B12は2個の白色発光のLEDからなり、それらのLEDは直列に接続されている。
図10の例では、演出制御基板120のCPU123から送られたシリアルクロック信号SCL2はコネクタCN21の第5番端子から中央トップLED基板51に入力し、シリアルデータ信号SDA2はコネクタCN21の第4番端子から中央トップLED基板51に入力する。そして、中央トップLED基板51上には、そのシリアルクロック信号SCL2を送信するための1本のシリアルクロック線516aと、そのシリアルデータ信号SDA2を送信するための1本のシリアルデータ線516bとが形成されている。図10、図11及び図12に示すように、かかるシリアルクロック線516a及びシリアルデータ線516bはバッファ素子511を経由してシリアルクロック線616a及びシリアルデータ線616bに引き継がれ、その後、それぞれ途中で分岐させて、二つのシリアル−パラレル変換素子512,513に接続されている。このように、本実施形態では、演出制御基板120のCPU123からサブ中継基板130を介して中央トップLED基板51の各シリアル−パラレル変換素子512,513に対してシリアル信号を送信するためのデータ線及びクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用している。これにより、演出制御基板120から送られたシリアルクロック信号SCL2及びシリアルデータ信号SDA2は、バッファ素子511を介して、各シリアル−パラレル変換素子512,513に伝達される。
また、シリアル−パラレル変換素子512,513については、次のような固有アドレスが設定されている。すなわち、シリアル−パラレル変換素子512では、第1番端子、第2番端子及び第3番端子をアースに接続している。このため、このシリアル−パラレル変換素子512の固有アドレスは“000”(10進法で表すと“0”)である。また、シリアル−パラレル変換素子513では、第2番端子及び第3番端子をアースに接続し、第1番端子を5V電源に接続している。このため、このシリアル−パラレル変換素子513の固有アドレスは“001”(10進法で表すと“1”)である。
演出制御基板120のCPU123は、第二点灯指令信号S2を送信する場合、まず、当該第二点灯指令信号S2を送信しようとするシリアル−パラレル変換素子を特定するために、当該シリアル−パラレル変換素子に設定された固有アドレスの内容を示すアドレス信号を送信し、その後、当該第二点灯指令信号S2を送信する。各シリアル−パラレル変換素子512,513は、アドレス信号を受信したとき、そのアドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致していると判定すると、その後に送信されてくる第二点灯指令信号S2を取得し、一方、自己の固有アドレスに一致していないと判定すると、その後に送信されてくる第二点灯指令信号S2を取得しない。
第二点灯指令信号S2としても、第一点灯指令信号S1と同様に、二つの8ビットのシリアルデータ信号から構成されるものを用いている。このため、演出制御基板120のCPU123は、8ビットのシリアルデータ信号の送信を二回行うことにより、第二点灯指令信号S2を送信する。各シリアル−パラレル変換素子512,513は、演出制御基板120のCPU123から送られる自己宛の二つの8ビットのシリアル信号を取得すると、その二つのシリアル信号を16ビットのパラレル信号に変換し、その変換された16ビットのパラレル信号をそれぞれ、第4番端子〜第20番端子(第12番端子を除く。)から出力する。具体的に、シリアル−パラレル変換素子512から出力される16ビットのパラレル信号のうち、第4番端子〜第11番端子から出力される下位8ビットの信号はそれぞれ、駆動素子514aの第2番端子〜第9番端子に送られ、第13番端子〜第20番端子から出力される上位8ビットの信号はそれぞれ、駆動素子514bの第2番端子〜第9番端子に送られる。同様に、シリアル−パラレル変換素子513から出力される16ビットのパラレル信号のうち、第4番端子〜第11番端子から出力される下位8ビットの信号はそれぞれ、駆動素子514cの第2番端子〜第9番端子に送られ、第13番端子〜第20番端子から出力される上位8ビットの信号はそれぞれ、駆動素子514dの第2番端子〜第9番端子に送られる。
各駆動素子514a,514b,514c,514dは、第2番端子〜第9番端子から入力した5Vパラレル信号に基づいてLEDを点灯するための12V駆動信号(パラレル信号)を生成する。各駆動素子514a,514b、514c,514dで生成された駆動信号は第19番端子〜第12番端子から出力される。
具体的に、駆動素子514aの第19番端子〜第12番端子から出力される駆動信号はそれぞれ、コネクタCN22の第2番端子〜第9番端子に送られ、駆動素子514bの第19番端子から出力される駆動信号は、コネクタCN22の第10番端子に送られる。コネクタCN22は伝送線L22により左側トップLED基板52と接続されており、これにより、左側トップLED基板52には9個の駆動信号が送られて、左側トップLEDユニットの点灯表示が制御される。駆動素子514bの第18番端子〜第13番端子から出力される駆動信号はそれぞれ、中央トップLEDユニットのうち6ブロックB1〜B6の白色発光のLEDに送られる。これにより、当該6ブロックB1〜B6の白色発光のLEDが点灯表示制御される。また、駆動素子514cの第19番端子〜第12番端子から出力される駆動信号はそれぞれ、コネクタCN23の第2番端子〜第9番端子に送られ、駆動素子514dの第19番端子から出力される駆動信号は、コネクタCN23の第10番端子に送られる。コネクタCN23は伝送線L23により右側トップLED基板53と接続されており、これにより、右側トップLED基板53には9個の駆動信号が送られて、右側トップLEDユニットの点灯表示が制御される。駆動素子514dの第18番端子〜第13番端子から出力される駆動信号はそれぞれ、中央トップLEDユニットのうち残り6ブロックB7〜B12の白色発光のLEDに送られる。これにより、当該6ブロックB7〜B12の白色発光のLEDが点灯制御される。尚、駆動素子514bの第12番端子、駆動素子514dの第12番端子は空き端子となっている。
ところで、バッファ素子511、シリアル−パラレル変換素子512,513、駆動素子514a,514b,514c,514dについては、それらの素子をサブ中継基板130に搭載することも可能であるが、本実施形態では、それらの素子をサブ中継基板130ではなく、意図的に中央トップLED基板51に搭載することにしている。この理由は次の通りである。すなわち、中央トップLED基板51、左側トップLED基板52、右側トップLED基板53は、図1及び図2に示すように、互いに近接した箇所に設置されており、一方、サブ中継基板130と中央トップLED基板51、左側トップLED基板52、右側トップLED基板53とは比較的離れた箇所に設置されている。このため、もし、上記の各素子をサブ中継基板130に搭載することにすると、サブ中継基板130と中央トップLED基板51との間、サブ中継基板130と左側トップLED基板52との間、そして、サブ中継基板130と右側トップLED基板53との間を配線で接続しなければならなくなり、配線距離が長くなると共にその配線数が多くなってしまう。これに対し、本実施形態のように、上記の各素子を中央トップLED基板51に搭載することにより、サブ中継基板130と中央トップLED基板51との間、中央トップLED基板51と左側トップLED基板52との間、そして、中央トップLED基板51と右側トップLED基板53との間を配線で接続すればよいので、配線距離を短くして、配線の引き回しを少なくすることができる。
次に、本実施形態においてICバス方式によりシリアル信号を送信する処理手順を詳しく説明する。図13はICバス方式により送信されるシリアルクロック信号及びシリアルデータ信号のタイミングチャートを示す図である。ここでは、演出制御基板120のCPU123とサブ中継基板130のシリアル−パラレル変換素子142,143との間でシリアル信号を送信する場合について説明するが、演出制御基板120のCPU123と中央トップLED基板51のシリアル−パラレル変換素子512,513との間でシリアル信号を送信する場合も全く同様である。
まず、CPU123は、シリアルクロック線とシリアルデータ線とについて、シリアルクロック線がHレベルにあり、且つ、シリアルデータ線がHレベルからLレベルに立ち下がるという送信開始状態を生成する(A)。その後、CPU123は、第一点灯指令信号を送信しようとするシリアル−パラレル変換素子に付与された固有アドレスに関するアドレス信号を生成し、シリアルクロック信号の出力に合わせて、そのアドレス信号をシリアルデータ線から出力する。このとき、CPU123は、シリアルクロック信号として9ビットの信号を出力し、アドレス信号として8ビットの信号を出力する。具体的に、CPU123は、アドレス信号として、当該シリアル−パラレル変換素子に付与された固有アドレスを10進法で表したときの数値に1を加算した値に対応する番号のビットをHレベルに、他のビットをLレベルに設定したものが用いられる。例えば、シリアル−パラレル変換素子142の固有アドレスは10進法で表すと“2”であるので、このシリアル−パラレル変換素子142に対して第一点灯指令信号を送信する場合には、アドレス信号として、第3番目のビットだけがHレベルであり、他のビットがLレベルであるような信号が生成される。ここでは、CPU123がシリアル−パラレル変換素子142に対して第一点灯指令信号を送信するものとする。
各シリアル−パラレル変換素子142,143は、シリアルクロック線及びシリアルデータ線が送信開始状態になったことを検知すると、その後に送られる8ビットのアドレス信号を受信する。そして、各シリアル−パラレル変換素子142,143は、その受信したアドレス信号の何番目のビットがHレベルであるかを調べることにより、そのアドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致するか否かを判断する。ここでは、アドレス信号として、第3番目のビットがHレベルであるものが送られているので、シリアル−パラレス変換素子142は当該アドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致すると判断し、シリアル−パラレル変換素子143は当該アドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致しないと判断することとなる。こうして、シリアル−パラレル変換素子143は、当該アドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致しないと判断すると、その後に送られるシリアルデータ信号を取得せず、シリアルクロック線及びシリアルデータ線が再び、送信開始状態になるのを待つ。
また、シリアル−パラレル変換素子142は、当該アドレス信号の内容が自己の固有アドレスに一致すると判断すると、CPU123から第9番目のビットのシリアルクロック信号(アクノリッジパルス)が送られたときに、アクノリッジを生成する、すなわち、シリアルデータ線を一定期間、Lレベルにする(B)。そして、CPU123は、シリアルデータ線が一定期間、Lレベルになったことを認識すると、当該アドレス信号が、その内容と一致する固有アドレスを有するシリアル−パラレル変換素子に受信されたということを認識し、アドレス信号の送信を終了する。
次に、CPU123は、シリアルクロック信号の出力に合わせて、シリアルデータ信号を出力する。このとき、CPU123は、シリアルクロック信号として9ビットの信号を出力し、シリアルデータ信号として8ビットの信号を出力する。ここで、今回出力する8ビットのシリアルデータ信号は、第一点灯指令信号の前半部分である。シリアル−パラレス変換素子142は、そのシリアルデータ信号を受信する。その後、シリアル−パラレル変換素子142は、第9番目のビットのシリアルクロック信号が送られたときに、アクノリッジを生成する(C)。CPU123は、アクノリッジが生成されたことを認識すると、続いて、9ビットのシリアルクロック信号の出力に合わせて、第一点灯指令信号の後半部分である8ビットのシリアルデータ信号を出力する。シリアル−パラレス変換素子142は、そのシリアルデータ信号を受信し、その後、第9番目のビットのシリアルクロック信号が送られたときに、アクノリッジを生成する(D)。
その後、CPU123は、シリアルクロック線とシリアルデータ線とについて、シリアルクロック線がHレベルにあり、且つ、シリアルデータ線がLレベルからHレベルに立ち下がるという送信終了状態を生成する(E)。シリアル−パラレル変換素子142は、シリアルクロック線及びシリアルデータ線が送信終了状態になったことを検知すると、シリアルデータ信号の送信が終了したことを認識する。そして、シリアル−パラレル変換素子142は、その取得した二つの8ビットのシリアルデータ信号(第一点灯指令信号)を16ビットのパラレル信号に変換し、駆動素子144a,144bに出力する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において、画像表示部30及び開閉扉装置40を制御する処理の手順について説明する。
演出制御基板120のCPU123は、役の抽選処理の結果に基づいて生成された演出コマンドが主制御基板110から送られると、遊技の演出の内容を決定し、その決定した内容に対応する演出制御用コマンド(画像演出制御用コマンド、開閉扉演出制御用コマンド)を生成する。次に、CPU123は、その生成した画像演出制御用コマンド及び開閉扉演出制御用コマンドをそれぞれ、液晶制御基板32、開閉扉制御基板42に送信する。この送信処理は次のように行われる。液晶制御基板32及び開閉扉制御基板42はそれぞれ、トリガ信号(ON信号)が送られている期間中、演出制御基板120から送られる8ビットの演出制御用コマンドを受信する。このため、例えば、CPU123は、まず、液晶制御基板32にトリガ信号を送信し、開閉扉制御基板42にはトリガ信号を送信しないでおく。そして、CPU123は、液晶制御基板32にトリガ信号を送信している期間中に、画像演出制御用コマンドを共通のデータ線から送信する。これにより、当該期間中には、開閉扉制御基板42はその共通のデータ線から送られる画像演出制御用コマンドを受信せず、液晶制御基板32がその共通のデータ線から送られる画像演出制御用コマンドを受信する。その後、CPU123は、液晶制御基板32にはトリガ信号を送信せず、開閉扉制御基板42にトリガ信号を送信する。そして、CPU123は、開閉扉制御基板42にトリガ信号を送信している期間中に、開閉扉演出制御用コマンドを共通のデータ線から送信する。これにより、当該期間中には、液晶制御基板32はその共通のデータ線から送られる開閉扉演出制御用コマンドを受信せず、開閉扉制御基板42がその共通のデータ線から送られる開閉扉演出制御用コマンドを受信する。こうして、液晶制御基板32及び開閉扉制御基板42にはそれぞれ、画像演出制御用コマンド、開閉扉演出制御用コマンドが送られる。液晶制御基板32はその画像演出制御用コマンドに基づいて所定の画像パターンの表示を制御すると共に、開閉扉制御基板42はその開閉扉演出制御用コマンドに基づいて扉部41a,41bの動作を制御する。
このように、本実施形態では、演出制御基板120のCPU123が液晶制御基板32、開閉扉制御基板42に対して演出制御用コマンドを送信するためのデータ線を共用することにより、演出制御用コマンド送信のための配線や制御素子の数を減らすことができる。しかも、演出制御用コマンドを送信するためのデータ線の数を少なくしても、画像表示部30及び開閉扉装置40の制御を確実に行うことができると共に画像表示装置30及び開閉扉装置40に多彩な内容の演出を実行させることができる。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において、電飾表示部50を制御する処理の手順について説明する。
演出制御基板120のCPU123は、役の抽選処理の結果に基づいて生成された演出コマンドが主制御基板110から送られると、遊技の演出の内容を決定し、その決定した内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM121から読み出す。そして、CPU123はその電飾演出用パターンデータに基づいて、第一点灯指令信号及び第二点灯指令信号を生成する。
次に、CPU123は、第一点灯指令信号を送信しようとするシリアル−パラレル変換素子に設定された固有アドレスの内容を示すアドレス信号を送信し、その後、その第一点灯指令信号を送信する。その第一点灯指令信号は、サブ中継基板130の二つのシリアル−パラレル変換素子142,143のうち、当該アドレス信号の内容と一致している固有アドレスを有するシリアル−パラレル変換素子に受信される。こうして、各シリアル−パラレル変換素子142,143は、自己宛の第一点灯指令信号を受け取ると、その第一点灯指令信号をパラレル信号に変換して、自己と接続された二つの駆動回路に出力する。各駆動回路は、そのパラレル信号に基づいてLEDを駆動するための8個の駆動信号を生成する。具体的に、駆動回路144aで生成された8個の駆動信号は左サイドLED基板54に出力され、駆動回路144bで生成された8個の駆動信号のうち3個の駆動信号は左サイドLED基板54に、5個の駆動信号は左パネルLED基板56に出力される。駆動回路144cで生成された8個の駆動信号は右サイドLED基板55に出力される。駆動回路144dで生成された8個の駆動信号のうち3個の駆動信号は右サイドLED基板55に、3個の駆動信号は右パネルLED基板57に、2個の駆動信号はそれぞれ左操作部LED基板58、右操作部LED基板59に出力される。こうして、左サイドLEDユニット、右サイドLEDユニット、左パネルLEDユニット、右パネルLEDユニット、左操作部LEDユニット、右操作部LEDユニットの点灯が制御される。
同様に、CPU123は、第二点灯指令信号を送信しようとするシリアル−パラレル変換素子に設定された固有アドレスの内容を示すアドレス信号を送信し、その後、その第二点灯指令信号を送信する。その第二点灯指令信号は、中央トップLED基板51の二つのシリアル−パラレル変換素子512,513のうち、そのアドレス信号の内容と一致している固有アドレスを有するシリアル−パラレル変換素子に受信される。こうして、各シリアル−パラレル変換素子512,513は、自己宛の第二点灯指令信号を受け取ると、その第二点灯指令信号をパラレル信号に変換して、自己と接続された二つの駆動回路に出力する。各駆動回路は、そのパラレル信号に基づいてLEDを駆動するための駆動信号を生成する。具体的に、駆動回路514aで生成された8個の駆動信号は左側トップLED基板52に出力される。駆動回路514bで生成された8個の駆動信号のうち1個の駆動信号は左側トップLED基板52に、6個の駆動信号は中央トップLEDユニットにおける6ブロックB1〜B6の白色発光のLEDに出力される。駆動回路514cで生成された8個の駆動信号は右側トップLED基板53に出力される。駆動回路514dで生成された8個の駆動信号のうち1個の駆動信号は右側トップLED基板53に、6個の駆動信号は中央トップLEDユニットにおける6ブロックB7〜B12の白色発光のLEDに出力される。こうして、中央トップLEDユニット、左側トップLEDユニット、右側トップLEDユニットの点灯が制御される。
本実施形態の回胴式遊技機では、演出制御基板(送信側基板)のCPU(送信素子)からサブ中継基板(受信側基板)の各シリアル−パラレル変換素子(受信素子)に対してシリアル信号を送信するためのシリアルデータ線及びシリアルクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用すると共に、演出制御基板のCPUからサブ中継基板を介して中央トップLED基板(受信側基板)の各シリアル−パラレル変換素子(受信素子)に対してシリアル信号を送信するためのシリアルデータ線及びシリアルクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用している。そして、各シリアル−パラレル変換素子には、演出制御基板のCPUから送られるシリアル信号のうち自己宛のシリアル信号を選択して取り込むための固有アドレスが設定されている。このように、シリアルクロック線だけでなくシリアルデータ線についてもその送信線の一部を共通に使用しているので、演出制御基板とサブ中継基板との間、及び、サブ中継基板を介して演出制御基板と中央トップLED基板との間を接続する配線の数を減らすことができる。しかも、各シリアル−パラレル変換素子には固有アドレスが設定されているので、各シリアル−パラレル変換素子は演出制御基板のCPUから送られる自己宛のシリアル信号を確実に受信することができる。
また、各シリアル−パラレル変換素子は、演出制御基板のCPUから固有コードに関するアドレス信号が送られたときに、その送られた固有コードの内容が当該シリアル−パラレル変換素子の固有コードと一致すれば、その後に演出制御基板のCPUから送られるシリアルデータ信号を受信する。これにより、各シリアル−パラレル変換素子は、固有コードを利用した簡易な方法で、自己宛のシリアルデータ信号を確実に受信することができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、演出制御基板とサブ中継基板との間に二組のICバス・ラインを設け、一方のICバス・ラインを用いて演出制御基板のCPUからサブ中継基板の二つのシリアル−パラレル変換素子への信号送信を行い、他方のICバス・ラインを用いて演出制御基板のCPUから中央トップLED基板の二つのシリアル−パラレル変換素子への信号送信を行う場合について説明したが、一組のICバス・ラインだけを用いて、演出制御基板のCPUからサブ中継基板の二つのシリアル−パラレル変換素子及び中央トップLED基板の二つのシリアル−パラレル変換素子への信号送信を行うようにしてもよい。尚、上記の実施形態のように二組のICバス・ラインを用いると、一組のICバス・ラインだけを用いる場合に比べて、信号の送信速度を高めることができる。
また、上記の実施形態では、演出制御基板のCPU(送信素子)がシリアル通信方式で信号を送信する対象であるシリアル−パラレル変換素子(受信素子)を、サブ中継基板、中央トップLED基板に搭載した場合について説明したが、送信素子と受信素子とは同一の基板に搭載するようにしてもよい。これにより、遊技機内における送信素子と受信素子との間を結ぶデータ線の数を減少させることができる。
更に、上記の実施形態では、本発明を、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パロット機、パチロット機等と称される、遊技媒体としてパチンコ球を使用したスロットマシン遊技機に適用してもよい。また、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。
以上説明したように、本発明の遊技機では、送信素子から各受信素子に対してシリアル信号を送信するためのデータ線及びクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用し、各受信素子には、送信素子から送られるシリアル信号のうち自己宛のシリアル信号を選択して取り込むための選択手段が設けられている。このように、クロック線だけでなくデータ線についてもその送信線の一部を共通に使用しているので、送信側基板と受信側基板との間を接続する配線の数を減らすことができる。しかも、各受信素子には選択手段が設けられているので、各受信素子は送信素子から送られる自己宛のシリアル信号を確実に受信することができる。したがって、本発明は、遊技の状況に応じて各種の遊技の演出を行う、パチンコ遊技機や回胴式遊技機等の遊技機に適用することができる。
本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図である。 その遊技機のドア部の概略裏面図である。 その遊技機の本体部の概略正面図である。 その遊技機の概略ブロック図である。 その遊技機における演出制御基板、サブ中継基板及び中央トップLED基板の概略ブロック図である。 サブ中継基板の回路構成の一例を示す図である。 サブ中継基板の回路構成の一例を示す図である。 サブ中継基板の回路構成の一例を示す図である。 サブ中継基板の回路構成の一例を示す図である。 中央トップLED基板の回路構成の一例を示す図である。 中央トップLED基板の回路構成の一例を示す図である。 中央トップLED基板の回路構成の一例を示す図である。 Cバス方式により送信されるシリアルクロック信号及びシリアルデータ信号のタイミングチャートを示す図である。
符号の説明
1 本体部
2 ドア部
11a 第一回胴リール
11b 第二回胴リール
11c 第三回胴リール
12 表示窓
13 メダル投入口
14 クレジット数表示部
15 MAXベットボタン
16 一枚投入ボタン
17 ベット枚数表示部
18 スタートレバー
19a 第一停止ボタン
19b 第二停止ボタン
19c 第三停止ボタン
21 精算ボタン
22 払出数表示部
23 メダル放出口
24 メダル受皿
25 払出装置
30 画像表示部
31 液晶パネル
32 液晶制御基板
40 開閉扉装置
41a 左扉部
41b 右扉部
42 開閉扉制御基板
50 電飾表示部
51 中央トップLED基板(受信側基板)
510 変換回路
511 バッファ素子
512,513 シリアル−パラレル変換素子(受信素子)
514a,514b,514c,514d 駆動素子
516a,616a シリアルクロック線
516b,616b シリアルデータ線
52 左側トップLED基板
53 右側トップLED基板
54 左サイドLED基板
55 右サイドLED基板
56 左パネルLED基板
57 右パネルLED基板
58 左操作部LED基板
59 右操作部LED基板
60 スピーカ部
61 第一ドアスピーカ
62 第二ドアスピーカ
63 背面スピーカ
71 冷陰極管ユニット
81 投入メダル検出センサ
82 MAXベットボタン操作検出センサ
83 一枚投入ボタン操作検出センサ
84 スタートレバー操作検出センサ
85a 第一停止ボタン操作検出センサ
85b 第二停止ボタン操作検出センサ
85c 第三停止ボタン操作検出センサ
86a 第一回胴リール駆動手段
86b 第二回胴リール駆動手段
86c 第三回胴リール駆動手段
90 電源ユニット
110 主制御基板
111 ROM
112 RAM
113 CPU
120 演出制御基板(送信側基板)
121 ROM
122 RAM
123 CPU(送信素子)
124 音源LSI
125 音源データROM
126 パワーアンプ
130 サブ中継基板(受信側基板)
131 変換回路
141 バッファ素子
142,143 シリアル−パラレル変換素子(受信素子)
144a,144b,144c,144d 駆動素子
151a,251a,152a シリアルクロック線
151b,251b,152b シリアルデータ線
153a,153b,・・・,153h データ線
253a,253b,253c,253d データ線
255a,255b1,・・・,255d3 データ線
154,155 ストローブ線
161,162,163 演出切替スイッチ

Claims (3)

  1. 送信側基板に搭載された送信素子と少なくとも一つの受信側基板に搭載された複数の受信素子との間での信号送信にシリアル通信方式が用いられる遊技機において、
    前記送信素子から前記各受信素子に対してシリアル信号を送信するためのデータ線及びクロック線の各々についてその送信線の一部を共通に使用し、
    前記各受信素子には、前記送信素子から送られるシリアル信号のうち自己宛のシリアル信号を選択して取り込むための選択手段が設けられていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記選択手段は、当該受信素子を識別するための固有コードを設定するものであり、前記受信素子は、前記送信素子から固有コードに関する信号が送られたときに、その送られた固有コードの内容が当該選択手段で設定された固有コードと一致すれば、その後に前記送信素子から送られるシリアル信号を受信することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 受信側には前記各受信素子が取り込んだ信号に基づいて点灯表示により遊技の演出を行う複数の表示素子が備えられており、
    前記送信素子はシリアル信号として複数の表示素子の点灯を制御するための点灯指令信号を送信するものであり、前記各受信素子は自己宛の前記点灯指令信号をパラレル信号に変換して所定の各表示素子に向けて出力するシリアル−パラレル変換素子を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
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