以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、清算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、画像表示部30と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、主制御基板70と、演出制御基板80と、電飾表示用サブ制御部90とを備える。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板70により行われる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄、青色の数字「7」図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cに対応する位置に設けられた透明な窓部である。遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄を目視することができる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板70に送られる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。メダル投入口13からメダルを投入すると、主制御基板70は、投入メダル検出センサ61からの信号に基づいて、現在のクレジット数からその投入したメダルの数だけ増加させた数を計数して貯留し、クレジット数表示部14に表示させる。また、主制御基板70は、ゲームにおいて所定の役が成立すると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダルを賭けてゲーム(遊技)を行う旨を指示するための遊技指示手段であり、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、メダルを三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、メダルを一枚、二枚又は三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、メダルを一枚賭けてゲームを行うことが選択され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、メダルを二枚賭けてゲームを行うことが選択され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、メダルを三枚賭けてゲームを行うことが選択される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各センサ62,63からの検出信号は、主制御基板70に送られる。これにより、主制御基板70は、メダルを何枚賭けてゲームを行うのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームにおいて賭けられたメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが六つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインと、表示窓12の左部の真ん中から中央部の真ん中に向かって延び、その中央部の真ん中から右下に向かって延びるラインとである。メダルを何枚賭けるかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。メダルを一枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。メダルを二枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、メダルを三枚賭けてゲームを行う場合には、六つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、六つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームに必要な数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームに必要な数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板70に送る。主制御基板70は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、抽選を行い、前回のゲーム開始信号の受信時から所定時間(4.1秒)経過した後、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板70は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、それらの回胴リール11a,11b,11cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立することになる。
役の種類には、大きく分けて、大当りである大役(ボーナス)と、小当りである小役とがある。大役には、例えば、赤色の数字「7」の図柄及び青色の数字「7」の図柄(BB図柄)のうちいずれかが有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるビッグボーナス(BB)と、「BAR」の図柄(RB図柄)が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるレギュラーボーナス(RB)とがある。大役になると、回胴式遊技機は、遊技者に有利な遊技状態に移行する。例えば、BBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームに突入する。また、RBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームに突入する。
一方、小役には、例えば、スイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(スイカ小役)と、ベル図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(ベル小役)と、チェリー図柄が有効な入賞ライン上の左側の位置に停止した場合の役(チェリー小役)とがある。かかる小役が成立したときには、それぞれ所定枚数のメダルが払い出される。その他に、リプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(リプレイ)がある。このリプレイが成立した場合には、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームに賭けたメダルと同数のメダルが自動投入され、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイはメダルの払出しがないことから、リプレイを小役に含めていないが、次の遊技のための賭数設定すなわち新たなメダルの投入操作が不要なので、その遊技に使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイを小役として取扱うことも可能である。また、役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に揃わなかった場合には、外れとなる。
払出数表示部22は、成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板70により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が清算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。
画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図2に示すように、液晶パネル31と、液晶パネル31を制御する液晶制御基板32とを有する。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技の演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の制御は、主制御基板70からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板80により行われる。
電飾表示部40は、複数の表示用ランプ(表示素子)を点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技の演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode、以下「LED」とも称する。)を用いている。かかる発光ダイオードはパルス幅変調(Pulse Width Modulation、以下「PWM」とも称する。)制御が可能なものである。この電飾表示部40は、図1及び図2に示すように、トップLEDユニット41aと、トップLED基板41bと、左上部LEDユニット42aと、左サイドLEDユニット42bと、左サイドLED基板42cと、右上部LEDユニット43aと、右サイドLEDユニット43bと、右サイドLED基板43cと、左パネルLEDユニット44aと、左パネルLED基板44bと、右パネルLEDユニット45aと、右パネルLED基板45bと、左操作部LEDユニット46aと、左操作部LED基板46bと、右操作部LEDユニット47aと、右操作部LED基板47bとを有する。
トップLEDユニット41aは、前扉の裏側であってその外周の上部に設けられている。このトップLEDユニット41aは、複数の単色発光のLEDから構成される。具体的には、60個の赤色発光のLEDから構成されている。かかるトップLEDユニット41aはトップLED基板41bに搭載されている。また、本実施形態では、5個のLEDを制御単位とし、同じ制御単位に含まれるLEDについては一斉同時制御を行うことにしている。すなわち、5個のLEDを1ビットの信号で制御することにより、かかる5個のLEDが全く同じ内容の点灯表示を行うようにしている。この一斉同時制御の単位となる5個のLEDを「1ブロック」と称することにする。したがって、トップLEDユニット41aは、12ブロックの赤色発光のLEDから構成されており、トップLED基板41bには、その12ブロックに対応して12個の制御信号用入力端子が設けられている。
左上部LEDユニット42aは、前扉の裏側であってその外周の左側上部に設けられている。この左上部LEDユニット42aは、1ブロックの単色(赤色)発光のLEDから構成されている。また、左サイドLEDユニット42bは、前扉の裏側であってその外周の左側部に設けられている。この左サイドLEDユニット42bは、5ブロックの三色(赤、緑、青)発光のLEDから構成されている。左上部LEDユニット42a及び左サイドLEDユニット42bは、左サイドLED基板42cに搭載されている。多色発光のLEDに対してはその点灯表示制御が発光色毎に行われるので、5ブロックの三色発光のLEDの点灯表示制御には、15(=5×3)ビットの信号が必要である。したがって、左サイドLED基板42cには、左上部LEDユニット42aを制御するための1個の制御信号用入力端子と、左サイドLEDユニット42bを制御するための15個の制御信号用入力端子とを併せた合計16個の制御信号用入力端子が設けられている。
右上部LEDユニット43aは、前扉の裏側であってその外周の右側上部に設けられている。この右上部LEDユニット43aは、1ブロックの単色(赤色)発光のLEDから構成されている。また、右サイドLEDユニット43bは、前扉の裏側であってその外周の右側部に設けられている。この右サイドLEDユニット43bは、5ブロックの三色(赤、緑、青)発光のLEDから構成されている。右上部LEDユニット43a及び右サイドLEDユニット43bは、右サイドLED基板43cに搭載されている。そして、右サイドLED基板43cには、右上部LEDユニット43aを制御するための1個の制御信号用入力端子と、右サイドLEDユニット43bを制御するための15個の制御信号用入力端子とを併せた合計16個の制御信号用入力端子が設けられている。
左パネルLEDユニット44aは、前扉の裏側であって左サイドLEDユニット42bの内側に設けられている。具体的には、表示窓12の左側には五つのパネル部が形成されており、かかるパネル部に対応する部分に左パネルLEDユニット44aが設けられている。この左パネルLEDユニット44aは、5ブロックの単色(赤色)発光のLEDから構成されている。ここで、左パネルLEDユニット44aを構成する25個の赤色発光のLEDは、ブロック毎に上下方向に沿って各パネル部に対応する位置に設けられている。かかる左パネルLEDユニット44aは、左パネルLED基板44bに搭載されており、左パネルLED基板44bには、5個の制御信号用入力端子が設けられている。
右パネルLEDユニット45aは、前扉の裏側であって右サイドLEDユニット43bの内側に設けられている。具体的には、表示窓12の右側には三つのパネル部が形成されており、かかるパネル部に対応する部分に右パネルLEDユニット45aが設けられている。この右パネルLEDユニット45aは、3ブロックの単色(赤色)発光のLEDから構成されている。ここで、右パネルLEDユニット45aを構成する15個の赤色発光のLEDは、ブロック毎に上下方向に沿って各パネル部に対応する位置に設けられている。かかる右パネルLEDユニット45aは、右パネルLED基板45bに搭載されており、右パネルLED基板45bには、3個の制御信号用入力端子が設けられている。
左操作部LEDユニット46aは、前扉の裏側であってその外周の左側中央部に設けられている。すなわち、遊技者が操作するスタートレバー18の近傍に設けられている。この左操作部LEDユニット46aは、2ブロックの単色(赤色)発光のLEDから構成されている。かかる左操作部LEDユニット46aは、左操作部LED基板46bに搭載されており、左操作部LED基板46bには、2個の制御信号用入力端子が設けられている。
右操作部LEDユニット47aは、前扉の裏側であってその外周の右側中央部に設けられている。すなわち、遊技者が操作する第三停止ボタン19cの近傍に設けられている。この右操作部LEDユニット47aは、2ブロックの単色(赤色)発光のLEDから構成されている。かかる右操作部LEDユニット47aは、右操作部LED基板47bに搭載されており、右操作部LED基板47bには、2個の制御信号用入力端子が設けられている。
また、本実施形態では、電飾表示部40に含まれる複数のLEDを複数のグループ(表示群)に分けている。図3はLEDのグループ分けの一例を説明するための図である。図3の例では、LEDが単色発光のものであるかどうか、及び、LEDがどこに配置されているのかという観点から、複数のLEDを四つのグループに分けている。具体的には、前扉の外周に配置された単色発光のLEDから構成される第一のグループと、多色発光のLEDから構成される第二のグループと、第一のグループの内側であって表示窓12の左側に配置された単色発光のLEDから構成される第三のグループと、第一のグループの内側であって表示窓12の右側に配置された単色発光のLEDから構成される第四のグループとに分けている。すなわち、第一のグループには、トップLEDユニット41aと、左上部LEDユニット42aと、右上部LEDユニット43aと、左操作部LEDユニット46aと、右操作部LEDユニット47aとが属する。第二のグループには、左サイドLEDユニット42bと、右サイドLEDユニット43bとが属する。そして、第三のグループには、左パネルLEDユニット44aが属し、第四のグループには、右パネルLEDユニット45aが属する。
電飾表示部40の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。具体的には、演出制御基板80は、主制御基板70からのコマンドに基づいて所定の点灯指令信号を作成し、その点灯指令信号を電飾表示用サブ制御部90に送信する。ここで、演出制御基板80は、複数のLEDをグループ毎に点灯表示制御するような点灯指令信号を作成する。そして、電飾表示用サブ制御部90は、演出制御基板80からの点灯指令信号に基づいて、複数のLEDを点灯表示制御する。これにより、複数のLEDには、グループ毎に一つのまとまったパターン(仕様)で演出を行わせることができる。このため、本実施形態では、上述したように、複数のLEDを、発光色等の性質や配置位置等の違いに応じて四つのグループに分けているのである。具体的に、第一のグループを構成するLEDには、遊技状態の報知等、全体で一つのまとまった遊技の演出を行わせることにしている。また、第二のグループを構成するLEDには、いわゆるフルカラー点灯表示による遊技の演出を行わせることにしている。そして、第三のグループを構成するLED及び第四のグループを構成するLEDにはそれぞれ、当該LEDに対応する前扉のパネル部に描かれた内容を点灯表示させることにしている。
スピーカ部50は、音により遊技の演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかるスピーカ部50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、前扉の裏側上部の左側、右側に設けられている。すなわち、図1において、前扉上部に点線で描いた円の部分が第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52である。また、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。
主制御基板70は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板70には、複数の集積回路素子が実装されている。具体的に、主制御基板70は、図2に示すように、ROM71と、RAM72と、CPU(遊技制御手段)73とを備える。ROM71には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM72は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
CPU73は、ROM71に格納されたプログラムを実行することにより、遊技内容の制御等を行う。例えば、CPU73は、役の抽選処理を行う。具体的に、この役の抽選処理は次のようにして行われる。ROM71には、役と乱数値との対応関係を示した抽選テーブルが格納されている。CPU73は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けると、乱数値を取得する。そして、その取得した乱数値が、抽選テーブルにおいていずれの役に該当するかを調べることにより、役の不当選、各種の役の当選のいずれであるかを決定する。CPU73は、抽選結果に応じて所定のコマンドを演出制御基板80に送信する。
また、CPU73は、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU73のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、役に当選しなかった場合に行われる外れ制御等がある。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役は成立しないことになる。
外れ制御とは、有効な入賞ラインにはいずれの役も成立しないように、リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役も成立せず、ゲームの結果は外れとなる。
また、CPU73は、遊技状態の管理をも行っている。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技機の遊技状態として、「BB未作動時の一般遊技状態」、「BB内部中状態」、「RB内部中状態」、「BB作動時の一般遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。CPU73は、役の抽選結果に基づいて遊技状態の移行を制御する。
更に、CPU73は、演出制御基板80へコマンドを送信する処理を行う。CPU73から演出制御基板80に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、役の抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU73は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU73が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けて、賭数の設定が行われた状態となれば、乱数値に基づく抽選処理は行われる。
次に、演出制御基板80について説明する。図4は演出制御基板80の概略ブロック図である。演出制御基板80は、主に遊技の演出に関する制御を行うものである。演出制御基板80には、複数の集積回路素子が実装されている。具体的に、演出制御基板80は、図4に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU(演出制御手段)83と、音源LSI84と、音源データROM85と、パワーアンプ86とを備える。ROM81には、遊技演出の制御等に関する各種のプログラム、画像演出用パターンデータや電飾演出用パターンデータ等の各種のデータが格納されている。また、RAM82は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。尚、本実施形態では、CPU83として、パラレル通信機能とシリアル通信機能とを兼ね備えるものを用いている。
音源LSI84は、音源データを送出するための複数のチャンネルを有しており、音源データROM85に記憶されている音源データを所定のチャンネルを通じて、スピーカ部50へ送出して音声を再生出力させるものである。音源データROM85には、複数の音源データと共に、各音源データに対する再生制御データが格納されている。再生制御データは、音源LSI84における当該音源データの送出を制御することによりスピーカ部50での音声の再生出力を制御するためのデータである。パワーアンプ86は、音源LSI84から送出された音信号を増幅して、スピーカ部50に出力するためのものである。
演出制御基板80内の複数の集積回路素子の間では、双方向シリアルバス方式により情報の伝送が行われる。ここで、双方向シリアルバス方式とは、集積回路素子を複数個並列に接続可能な伝送線を介して情報を双方向に逐次伝送する方式である。特に、本実施形態では、双方向シリアルバス方式として、I2Cバス(Inter-Integrated Circuit Bus)方式を採用している。
CPU83は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する。具体的には、CPU83は、主制御基板70から演出コマンドを受けたとき、その演出コマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。そして、CPU83は、その決定した演出内容に対応する画像演出用パターンデータをROM81から読み出し、液晶制御基板32に送出する。これにより、液晶制御基板32は、その画像演出用パターンデータに基づいて画像の表示を制御する。また、CPU83は、その決定した演出内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM81から読み出した後、その電飾演出用パターンデータに基づいて所定の点灯指令信号を生成する。そして、CPU83は、その生成した点灯指令信号を電飾表示用サブ制御部90に送出し、その電飾表示用サブ制御部90を介して電飾表示部40を制御する。更に、CPU83は、その決定した演出内容についての情報を音源LSI84に送ると、音源LSI84は、当該情報に対応する音源データと再生制御データとを音源データROM85から読み出す。そして、音源LSI84は、その再生制御データに基づいて当該音源データの送出を制御する。音源LSI84から送出された音信号は、パワーアンプ86で増幅された後、スピーカ部50から出力される。
図5は本実施形態の演出制御基板のCPUにおけるI2Cバス方式の通信を制御するための概略機能ブロック図である。本実施形態の演出制御基板80のCPU83は、音声や光などによる遊技の演出を制御する演出主制御部830と、電飾表示用サブ制御部90との間でI2Cバス方式の通信を制御するI2Cコントロール部831と、I2Cコントロール部831が転送するデータを更新する割込みコントロール部832と、を備えている。なお、図5では、図を簡略化するために、I2Cコントロール部831と割込みコントロール部832が一組して設けられていないが、後述するように、本実施形態では演出制御基板と電飾表示用サブ制御部との間で二組のI2Cバス・ラインを使用してデータ転送を行なうので、I2Cコントロール部831と割込みコントロール部832も、二組設けられている。
I2Cバス方式の通信では、通常、1バイト単位で、各転送バイトごとにアドレス番号を指定してデータの転送を行なう。本実施形態のI2Cバス方式の通信では、一度の連続転送で10バイト分のデータを連続転送する。かかる連続転送を行なうときには、初めの1バイト分のデータは転送開始信号とともに、演出主制御部830によってI2Cコントロール部831に送られ、残りの9バイト分のデータは割込みコントロール部832によってI2Cコントロール部831に送られる。演出主制御部830は、転送開始信号と、初めの1バイト分のデータをI2Cコントロール部831に送るとともに、割込みコントロール部832に割込み許可信号を発する。I2Cコントロール部831は、クロック信号に基づいて1バイト毎にデータを電飾表示用サブ制御部90に転送する。このとき、I2Cコントロール部831は、1バイトのデータを転送する毎に、データ転送が正常に行われたときには転送完了信号IS-CMPを、またデータ転送途中でエラーが発生したときにはエラー信号IS-EHを割込みコントロール部832に送る。なお、この転送完了信号によりRAM82に設けられた転送完了フラグがセットされ、エラー信号によりRAM82に設けられたエラーフラグがセットされる。
割込みコントロール部832は、I2Cコントロール部831によるI2Cバス方式の通信処理の進捗状況等を管理する。例えば、割込みコントロール部832は、演出主制御部830からの割込み許可信号を受けた後に、I2Cコントロール部831からの転送完了信号を受けると、次の1バイト分のデータをI2Cコントロール部831に送る。以後、I2Cコントロール部831からの転送完了信号を受ける毎に、次の1バイト分の転送データをI2Cコントロール部831に送る。この処理を繰り返すことにより、9バイト分のデータをI2Cコントロール部831に送る。また、割込みコントロール部832は、I2Cコントロール部831からのエラー信号を受けると、この転送処理を終了する。このエラー信号は、例えば8ビットのデータの転送途中で1ビット分ずれたりしたときに、発せられる。
図6(a)は本実施形態のCPU83内に設けられたランプ制御用データバッファの構成を説明するための図、(b)は本実施形態のCPU83内に設けられたデータ転送制御管理用バッファの構成を説明するための図である。ランプ制御用データバッファは、図6(a)に示すように、転送しようとするデータのバイト数を一時的に記憶する記憶領域301と、データの転送先となる電飾表示用サブ制御部90内のデバイス(後述するLEDディマー)のアドレス番号を記憶する記憶領域302と、転送先デバイスのコントロールレジスタの設定値を記憶する記憶領域303と、第一のPSC設定用データを記憶する記憶領域304と、第一のPWM設定用データを記憶する記憶領域305と、第二のPSC設定用データを記憶する記憶領域306と、第二のPWM設定用データを記憶する記憶領域307と、表示用ランプの点灯制御方法のデータを記憶する4つの記憶領域308〜311と、を備えている。各記憶領域301〜311には1バイト分のデータが格納されており、記憶領域302〜311に記憶された10バイト分のデータが連続転送により電飾表示用サブ制御部90に転送される。
記憶領域303に記憶される「デバイスのコントロールレジスタの設定値」には、通信に必要な転送方法等を設定するための値、例えばデータを転送するときの転送モードを示す値が含まれている。本実施形態の転送モードには、1バイトの転送データ毎にアドレス番号を送ってデータを転送する個別転送モードと、上述したように初めの1バイト目のアドレス番号を送った後、2バイト目以降は、アドレス番号を送らずにデータのみを連続して転送する連続転送モードとがある。この転送モードを示す値は、例えば転送する8ビットのデータのうちの1ビットを用いて、個別転送モードでデータを転送するときには、このビットのデータを“0”に設定し、連続転送モードでデータを転送するときには、このビットのデータを“1”に設定する。また、ランプ制御用データバッファの記憶領域304〜311の各データは、CPU83によって生成された、上述した点灯指令信号であり、後述する各LEDディマー92に設けられている点灯制御用レジスタに格納されるデータとなる。記憶領域308〜311に記憶される制御方法設定用データは、一つのランプに対して2ビットのデータを用いて点灯制御の方式を設定する。例えば、“00”(二進数、以下同様である)は消灯制御を行うことを意味し、“01”は点灯制御を行うことを意味し、“10”及び“11”はPWM制御を行うことを意味する。各記憶領域は1バイトであるので、記憶領域308〜311の各記憶領域は4つのランプの点灯制御の方式を設定することができる。なお、点灯制御の詳細な説明は後述する。
また、I2Cバス方式を用いたデータ転送では、基本的には、転送先のアドレス番号を指定して、データを転送する。しかし、本実施形態のように連続転送を行なうときには、初めの1バイト目のデータの転送先であるアドレス番号のみを転送し、2バイト目以降のアドレス番地は、データの発信側から送らずに、データの転送を受けるデバイス側で1バイト目のアドレス番号を自動でインクリメントすることにより生成する。
データ転送制御用バッファは、図6(b)に示すよう、連続転送する10バイト分のデータの転送順を制御するためのデータ制御管理用ポインタ401と、1バイトのデータが転送される毎に減数するデータ制御管理用カウンタ402と、を備えている。データ制御管理用ポインタ401には、連続転送する10バイトのデータの1バイト目のデータが記憶されている記憶領域302のアドレス番号が記憶される。なお、このアドレス番号には、4ビットのデータを用いている。2バイト目以降の転送データが記憶されている記憶領域303〜311のアドレス番号は、このデータ制御管理用ポインタ401の番号をインクリメントすることにより自動生成される。また、データ制御管理用カウンタ402は、連続転送するバイト数(本実施形態の場合は10)を記憶し、1バイト分のデータの転送が終わる毎に、その値がデクリメントされる。本実施形態では、このポインタ401とカウンタ402により、どのデータまで転送されたかを管理することができる。
図7は、本実施形態においてI2Cバス方式で通信を行なうときの主ルーチンの処理手順を示す図である。なお、以下では、転送モードが連続転送モードである場合について説明する。図7に示す主ルーチンは、CPU83によって実行され、電源の投入とともに処理を開始し、電源が遮断されるまで実行される。まず、ステップS1では、図6(a)に示すランプ制御用データバッファを初期化する。ステップS2では、同図(b)に示すデータ転送制御用バッファのデータ制御管理用ポインタ401及びカウンタ402の値をクリアする。ステップS3では、ランプ制御用データ更新フラグをクリアする。このランプ制御用データ更新フラグは、演出制御基板80のRAM82に設けられ、CPU83が新しい演出を決定したとき、或いはCPU83が後述するデューティ(duty)比を変えるときに、立てられる。
ステップS4では、ランプ制御用データ更新フラグをチェックする。このチェックの結果、ランプ制御用データ更新フラグが立っていなければ、ステップS4に戻り、このフラグが立っていれば、ステップS6に移行する(ステップS5)。これにより、図7に示す主ルーチンは、常に、新しい演出があるか、或いはデューティ比を変える必要があるかをチェックする。ステップS6では、ランプ制御用データ更新フラグをクリアして、ステップS7に移行する。ステップS7では、ランプ制御用データバッファに記憶されたデータのうち初めに転送される1バイト分のデータが記憶されている記憶領域302のアドレス番地を取得し、その値をデータ制御管理用ポインタ401にセットする。また、連続転送するときのバイト数(本実施形態の場合10バイト)をデータ制御管理用カウンタ402にセットする。
ステップS8では、演出主制御部830から、I2Cバス方式の通信処理の開始を指示する開始信号と、初めの1バイト目のデータ、すなわちポインタ401にセットされたアドレス番号によって示される記憶領域302に記憶されている「デバイスのアドレス番号」のデータが、I2Cコントロール部831に送られる。ステップS9では、演出主制御部830から割込みコントロール部832に割込み処理を許可する信号を送る。図7に示す主ルーチンは、これにより、ステップS4に戻り、次のランプ制御用データ更新フラグが立つまで、待機状態となる。一方、I2Cコントロール部831は、一バイト目のデータである「デバイスのアドレス番号」のデータを電飾表示用サブ制御部90に送る。
図8は、本実施形態においてI2Cバス方式で通信を行なうときのサブルーチンの処理手順を示す図である。図8に示すサブルーチンは、CPU83によって実行され、演出主制御部830から割込みコントロール部832に割込み許可信号が発せられると、処理が開始される。まず、ステップS11で、ランプ転送制御用データバッファのデータ制御管理用カウンタ402の値が「0」であるか否かを判断する。このカウンタ402の値が「0」であれば、転送する残りのバイト数がゼロであるので、すなわち転送予定の10バイト分のデータをすべて転送し終わったことになるので、ステップS17に移行して、本サブルーチンの終了処理を行う。ステップS17では、I2Cコントロール部831に対して、ソフトリセットを掛け、I2Cコントロール部831によるデータ転送を終了させる。これにより、I2Cバスが開放され、I2Cコントロール部831の新たな使用が可能となる。また、この場合は10バイト分のデータの転送を終えていることになるので、ステップS18に移行し、割込み処理を禁止して、本サブルーチンの処理を終了する。これにより、次の新たな割込み許可が発せられるまで本サブルーチンは実行されない。
一方、ステップS11の判断で、カウンタ402の値が「0」でないときには、ステップS12に移行する。ステップS12では、I2Cコントロール部831による1バイト分のデータ転送で、I2Cコントロール部831からエラー信号IS-EHが発せられているか否かを判断する。エラー信号IS-EHが発せられていれば、ステップS17に移行して、上述した本サブルーチンの終了処理を行う。
ステップS12の判断で、エラー信号IS-EHが発せられていないと判断したときには、すなわちエラーフラグがセットされていないときには、ステップS13に移行して、データ転送制御用バッファのデータ制御管理用ポインタ401の値をインクリメントし、ステップS14に移行する。ステップS14では、初めの1バイト分のデータの転送が主ルーチンにおいて処理されているので、データ転送制御用バッファのデータ制御管理用カウンタ402の値をデクリメントし、ステップS15に移行する。ステップS15では、ポインタ401のアドレス番号に基づいて記憶領域303に記憶されている2バイト目のデータである「デバイスのコントロールレジスタの設定値」をI2Cコントロール部831に送って、I2Cコントロール部831のレジスタにセットする。ステップS16では、I2Cコントロール部831にこの2バイト目のデータである「デバイスのコントロールレジスタの設定値」の転送を指示するべく、I2Cコントロール部831のレジスタに送信開始をセットして、本サブルーチンの処理を終了する。この場合、割込み処理が禁止されていないので、ステップS11に戻って、さらに3バイト目のデータ転送を行なう。このようにして、10バイト分のデータの転送を全て終わると、カウンタ402の値がゼロになるので、上述したように、本サブルーチンの処理を終了する。
次の新たな10バイトのデータを転送するときには、再び主ルーチンを実行し、上述しように演出主制御部830が送信開始信号と、初めの1バイト目のデータをI2Cコントロール部831に転送し、更にサブルーチンを実行する。本実施形態の図8に示すサブルーチンは、上述したように図7に示す主ルーチンが行なう電飾表示用サブ制御部90へのデータの転送を補助する役割を果たす。
本実施形態のデータ転送方法によれば、I2Cコントロール部831がクロック信号に併せて1バイト分のデータを自動的に送るので、CPU83の負荷が軽減される。また、CPU83はランプの点灯制御以外にも、音声や液晶表示装置等の制御も行っているので、この1バイト分のデータ転送の間に、CPU83は他の作業を行なうことができ、したがって、CPUがクロック信号に併せてデータを転送する場合に比べて、他の処理の処理速度の向上を図ることかできる。
また、本実施形態のように、連続転送モードでデータを転送することにより、個別転送モードでデータを送る場合に比べて、約半分のデータ量で必要とするデータを転送することができる。
次に、電飾表示用サブ制御部90について説明する。図9は電飾表示用サブ制御部90の概略ブロック図である。電飾表示用サブ制御部90は、演出制御基板80が行う遊技演出の制御のうち電飾表示部40に対する制御を補助する役割を果たすものである。具体的に、電飾表示用サブ制御部90は、上述した転送方法で演出制御基板80から送られる点灯指令信号(上述した各種の設定用データ)に基づいて電飾表示部40の点灯・消灯を制御する。電飾表示用サブ制御部90は、図9に示すように、四つの基板91a,91b,91c,91dから構成されている。四つの基板91a,91b,91c,91dにはそれぞれ、LEDディマー(Dimmer)92等の複数の集積回路素子が実装されている。ここで、図9における各基板91a,91b,91c,91dには、LEDディマー92だけを記載しており、他の集積回路素子を省略して示している。本実施形態では、LEDディマー92として、フィリップス(PHILIPS)社製のPCA9552を用いている。また、各基板91a,91b,91c,91d内において、複数の集積回路素子の間では、双方向シリアルバス方式により情報の伝達が行われる。この場合も、双方向シリアルバス方式としてI2Cバス方式が採用されている。
本実施形態では、演出制御基板80内、電飾表示用サブ制御部90の各基板91a,91b,91c,91d内においては、複数の集積回路素子の間の信号送信がI2Cバス方式により行われることから、上述したように演出制御基板80と電飾表示用サブ制御部90の各基板91a,91b,91c,91dとの間での信号送信をシリアル通信方式により行うことにしている。このため、演出制御基板80と電飾表示用サブ制御部90の各基板91a,91b,91c,91dとの間をシリアル配線により接続する。特に、本実施形態では、かかるシリアル配線として、フィリップス社によって開発されたI2Cバスを用い、演出制御基板80と電飾表示用サブ制御部90の各基板91a,91b,91c,91dとの間では、上述したようにI2Cバス方式により信号の送信を行っている。
I2Cバスは、一般に、二本のワイヤー(信号伝送線)からなる簡単な構造の双方向性バスである。すなわち、I2Cバスは、シリアル・データ・ライン(SDA)とシリアル・クロック・ライン(SCL)という二本のバス・ラインのみで構成される。このバス・ラインには、回路基板や集積回路素子等の複数のデバイスの並設が可能である。また、I2Cバスに接続されている各デバイスはそれぞれ固有のアドレスを持つので、その固有アドレスを用いることにより、ソフトウエアによる各デバイスのアドレス指定が可能である。更に、かかるI2Cバスには、集積回路素子間相互の制御を効率よく行うことができ、ハードウエアの効率を最大限に引き上げ、回路の簡素化を図ることができるといった、さまざまな利点がある。
具体的に、図9に示すように、演出制御基板80と電飾表示用サブ制御部90との間には、二組のI2Cバス・ライン、すなわち第一SDA及び第一SCLと、第二SDA及び第二SCLとが設けられている。また、演出制御基板80は、電飾表示用サブ制御部90に点灯指令信号を送出するための二組の入出力ポートを有している。演出制御基板80の二組の入出力ポートはそれぞれ、第一SDA及び第一SCL、第二SDA及び第二SCLに接続されている。一方、電飾表示用サブ制御部90の二つの基板91a,91bの入力ポートはそれぞれ、第一SDA及び第一SCLに接続され、二つの基板91c,91dの入力ポートはそれぞれ、第二SDA及び第二SCLに接続されている。このように、演出制御基板80と電飾表示用サブ制御部90との間に二組のI2Cバス・ラインを設け、上記のような配線を施したのは、演出制御基板80から電飾表示用サブ制御部90の各基板91a,91b,91c,91dへの信号の送信速度を高めるためである。また、当然のことながら、一組のI2Cバス・ラインだけを用いて、演出制御基板80と電飾表示用サブ制御部90との間を接続するようにしてもよい。
尚、本実施形態では、主制御基板70と演出制御基板80との間では、パラレル通信方式により信号送信が行われる。
次に、電飾表示用サブ制御部90の各基板91a,91b,91c,91dに搭載されているLEDディマー92について詳しく説明する。
LEDディマー92は、演出制御基板80からの点灯指令信号に基づいて複数のLEDの点灯を駆動制御する駆動制御手段としての役割を果たすものである。このLEDディマー92としては、16ビットの信号を出力することができるものを用いている。電飾表示用サブ制御部90の各基板91a,91b,91c,91dと電飾表示部40の各基板41b,42c,43c,44b,45b,46b,47bとの間の接続は、電飾表示部40の各基板のうち配置位置が近くにある基板同士を電飾表示用サブ制御部90の一つの基板に接続する等、配線の便宜を考慮して決定される。具体的に、図9に示すように、電飾表示用サブ制御部90の基板91aに搭載されているLEDディマー92の16個の出力端子はそれぞれ、右サイドLED基板43cに設けられた16個の制御信号用入力端子と接続される。ここで、かかる16個の制御信号用入力端子は、右上部LEDユニット43aに対する1個の制御信号用入力端子と、右サイドLEDユニット43bに対する15個の制御信号用入力端子とからなる。また、基板91bに搭載されているLEDディマー92の16個の出力端子はそれぞれ、左サイドLED基板42cに設けられた16個の制御信号用入力端子と接続される。ここで、かかる16個の制御信号用入力端子は、左上部LEDユニット42aに対する1個の制御信号用入力端子と、左サイドLEDユニット42bに対する15個の制御信号用入力端子とからなる。また、基板91cに搭載されているLEDディマー92の16個の出力端子はそれぞれ、トップLED基板41bに設けられた12個の制御信号用入力端子、左操作部LED基板46bに設けられた2個の制御信号用入力端子、右操作部LED基板47bに設けられた2個の制御信号用入力端子に接続される。更に、基板91dに搭載されているLEDディマー92の16個の出力端子のうち8個の出力端子はそれぞれ、左パネルLED基板44bに設けられた5個の制御信号用入力端子、右パネルLED基板45bに設けられた3個の制御信号用入力端子に接続される。
本実施形態では、PWM制御が可能な複数のLEDが電飾表示部40に含まれており、LEDディマー92は、演出制御基板80のCPU83から送られる点灯指令信号に基づいて、ブロック単位での各LEDについて、ON制御、OFF制御、あるいはPWM制御を行うことができる。ON制御とは、単にLEDを点灯し続ける制御であり、OFF制御とは、単にLEDを消灯し続ける制御である。PWM制御とは、LEDに駆動用のパルス信号を出力し、そのパルス幅に応じて各LEDの点灯時間を変化させる制御である。すなわち、パルス信号がONのときにLEDが点灯し、パルス信号がOFFのときにLEDが消灯する。かかるPWM制御を行うために、LEDディマー92には、パルス信号を発生させるパルス発振器が内蔵されている。
また、LEDディマー92には、LEDの点灯制御を行うために必要な情報を記憶する点灯制御用レジスタが設けられている。図10はLEDディマー92に設けられている点灯制御用レジスタの構成を説明するための図、図11はLEDディマー92が送出するパルス信号を説明するための図である。この点灯制御用レジスタには、図10に示すように、第一のPSC設定用レジスタと、第一のPWM設定用レジスタと、第二のPSC設定用レジスタと、第二のPWM設定用レジスタと、制御方法設定用レジスタとが含まれている。第一のPSC設定用レジスタ及び第一のPWM設定用レジスタと、第二のPSC設定用レジスタ及び第二のPWM設定用レジスタとはそれぞれ、PWM制御用のレジスタである。すなわち、LEDディマー92には、二組のPWM制御用レジスタが設けられている。PSC設定用レジスタには、パルス周期(パルス間隔)を決めるレジスタの値(PSC)が記憶され、PWM設定用レジスタには、デューティ(duty)比を決めるレジスタの値(PWM)が記憶される。ここで、デューティ比とは、図11に示すように、パルス周期に対するパルス幅の割合、すなわち一パルス周期の期間においてLEDを点灯する時間の割合である。本実施形態では、第一のPSC設定用レジスタ、第一のPWM設定用レジスタ、第二のPSC設定用レジスタ及び第二のPWM設定用レジスタとして、それぞれ8ビットのものを用いている。このため、パルス周期を決めるレジスタの値PSC、デューティ比を決めるレジスタの値PWMをそれぞれ、0から255までの256段階で設定することが可能である。したがって、パルス周期、デューティ比もそれぞれ、256段階で設定することができる。具体的に、パルス周期(sec)は、PSC設定用レジスタに記憶された値PSCに基づいて、(PSC+1)÷160という関係式から算出される。例えば、PSC=0のとき、パルス周期は約6msであり、PSC=255のとき、パルス周期は約1.6sである。また、デューティ比は、PWM設定用レジスタに記憶された値PWMに基づいて、PWM÷256という関係式から算出される。例えば、PWM=0のとき、デューティ比は0%であり、PWM=255のとき、デューティ比は約99.6%である。
上述したように、デューティ比は、パルス周期に対してLEDを点灯する時間の割合を表している。いま、パルス周期を一定の値(例えば、約6ms)に固定して考えることにする。例えば、LEDの駆動電圧が12Vであり、そのLEDを、50%のデューティ比でPWM制御したとする。この場合、人間の眼には、そのLEDが、6Vの駆動電圧で駆動した場合と同じ明るさ(輝度)で点灯しているように感じられる。すなわち、演出制御基板80のCPU83は、デューティ比を所望の値に選択して、LEDをPWM制御することにより、LEDの輝度を調整することができる。特に、本実施形態では、PWMを256段階で設定することができるので、LEDをPWM制御することにより、当該LEDを256段階の輝度諧調の中から選択された所定の段階の輝度で点灯表示させることができる。
また、本実施形態では、演出制御基板80のCPU83は、パルス周期を、点灯時間と消灯時間との比率、すなわちデューティ比の値にかかわらず一定の値に維持して、LEDをPWM制御することにしている。これにより、当該LEDについては、PWM制御を行いながらも、あたかもON−OFF制御が行われているかのような演出制御を行うことができる。このため、LEDに対して変化に富んだ演出を行わせることができる。ところで、PWM制御を行う際には、パルス周期をなるべく小さく設定しておかないと、LEDの点灯・消灯が人間の眼でも容易に識別できるようになり、LEDからの光がちらついてしまう。このような光のちらつきが生じると、電飾による十分な演出効果が得られなくなってしまう。そこで、本実施形態では、かかるLEDからの光がちらつかないようにするために、PWM制御を行う場合、パルス周期を、当該LEDディマー92で設定することのできる最小値である約6ms(PSC=0)に固定しておくことにする。これにより、上記の第一のPSC設定用レジスタ及び第二のPSC設定用レジスタには、PSC=0という値が常に記憶されることになる。尚、人間の眼でLEDからの光がちらつかないで見えるパルス周期の上限は、約0.02sであると考えられている。したがって、一般的には、CPU83はパルス周期を0.02sよりも短い周期の中から選択して、パルス周期を0.02s以下の所定の値に設定することが望ましい。
制御方法設定用レジスタには、LEDディマー92の各出力端子に接続されたLEDについて、ON制御、OFF制御及びPWM制御のうちいずれの方法により点灯制御を行うかについての設定値が記憶される。この制御方法設定用レジスタとしては、16個の出力端子の各々に対して2ビットのデータを記憶できるものを用いている。すなわち、制御方法設定用レジスタには、各出力端子に対して“00”、“01”、“10”、“11”(二進数値)のうちいずれかの値が記憶される。具体的に、“00”という設定値は、当該出力端子に接続されたLEDについてOFF制御、すなわち消灯制御(デューティ比=0%)を行うことを意味する。“01”という設定値は、当該出力端子に接続されたLEDについてON制御、すなわち点灯制御(デューティ比=100%)を行うことを意味する。また、“10”という設定値は、当該出力端子に接続されたLEDについて、第一のPSC設定用レジスタ及び第一のPWM設定用レジスタに記憶された値に従ってPWM制御を行うことを意味し、“11”という設定値は、当該出力端子に接続されたLEDについて、第二のPSC設定用レジスタ及び第二のPWM設定用レジスタに記憶された値に従ってPWM制御を行うことを意味する。
LEDディマー92は、LEDについてON制御を行う場合には、PWM制御用レジスタの内容を無視して、パルス発振器から常にオンの信号を発生させて当該LEDに送出する。同様に、LEDディマー92は、LEDについてOFF制御を行う場合には、PWM制御用レジスタの内容を無視して、パルス発振器から常にオフの信号を発生させて当該LEDに送出する。また、LEDディマー92は、LEDについてPWM制御を行う場合には、二組のPWM制御用レジスタのうちいずれか一方のPWM制御用レジスタに記憶されている値に基づいて、パルス周期及びデューティ比を求め、その求めたパルス周期及びデューティ比に従ったパルス信号をパルス発振器から発生させて、当該LEDに送出する。したがって、かかるLEDディマー92を用いると、各LEDについては、二種類のデューティ比のうちいずれか一方のデューティ比を用いたPWM制御を行うことができる。
本実施形態では、演出制御基板80と電飾表示用サブ制御部90との間の信号送信を、I2Cバスを用いたシリアル通信方式により行うので、演出制御基板80のCPU83は、電飾表示部40を制御する場合、各LEDディマー92に対して点灯指令信号を送ればよい。ここで、かかる点灯指令信号としては、コマンド命令が用いられる。CPU83が各LEDディマー92に対して送信する点灯指令信号には、第一のPSCの設定値及び第一のPWMの設定値と、第二のPSCの設定値及び第二のPWMの設定値と、各LEDに対する点灯制御方法の設定値とが含まれる。第一のPSCの設定値及び第一のPWMの設定値はそれぞれ、LEDディマー92の第一のPSC設定用レジスタ、第一のPWM設定用レジスタに記憶され、第二のPSCの設定値及び第二のPWMの設定値はそれぞれ、LEDディマー92の第二のPSC設定用レジスタ、第二のPWM設定用レジスタに記憶される。ここで、本実施形態では、第一及び第二のPSCの設定値を常にゼロとしている。そして、各LEDに対する点灯制御方法の設定値は、LEDディマー92の制御方法設定用レジスタに記憶される。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において、各LEDを点灯表示制御する処理の手順について説明する。
演出制御基板80のCPU83は、役の抽選処理の結果に基づいて生成された演出コマンドが主制御基板70から送られると、遊技の演出の内容を決定し、その決定した内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM81から読み出す。そして、CPU83はその電飾演出用パターンデータに基づいて、電飾表示部40を制御するための点灯指令信号を生成する。ここで、電飾演出用パターンデータには、複数のLEDをグループ毎に点灯表示するような内容が定められている。かかる点灯指令信号には、LEDディマー92のアドレスと、第一のPSCの設定値及び第一のPWMの設定値と、第二のPSCの設定値及び第二のPWMの設定値と、各LEDに対する点灯制御方法の設定値とが含まれる。
CPU83は、かかる点灯指令信号を生成した後、電飾表示用サブ制御部90に連続転送モードで送信する。この点灯指令信号は、それに含まれるアドレスに対応するLEDディマー92に受信される。LEDディマー92は、自己宛の点灯指令信号を受け取ると、まず、その点灯指令信号に含まれる第一のPSCの設定値及び第一のPWMの設定値をそれぞれ、第一PSC設定用レジスタ、第一PWM設定用レジスタに書き込む。次に、LEDディマー92は、その点灯指令信号に含まれる第二のPSCの設定値及び第二のPWMの設定値をそれぞれ、第二PSC設定用レジスタ、第二PWM設定用レジスタに書き込む。その後、LEDディマー92は、その点灯指令信号に含まれる各LEDに対する点灯制御方法の設定値を、制御方法設定用レジスタに書き込む。
次に、LEDディマー92は、各LEDに対する点灯制御方法の設定値にしたがって、各LEDに制御信号(パルス信号)を送出する。具体的には、点灯制御方法がON制御である場合には、LEDディマー92は、二組のPWM制御用レジスタに書き込まれている情報を無視して、常にオンのパルス信号(デューティ比=100%)を当該LEDに送出する。これにより、当該LEDは常に点灯することになる。また、点灯制御方法がOFF制御である場合には、LEDディマー92は、二組のPWM制御用レジスタに書き込まれている情報を無視して、常にオフのパルス信号(デューティ比=0%)を当該LEDに送出する。これにより、当該LEDは常に消灯することになる。更に、点灯制御方法の設定値が“10”であり、その点灯制御方法がPWM制御である場合には、LEDディマー92は、第一のPSC設定用レジスタ及び第一のPWM設定用レジスタに書き込まれているパルス周期を決める値及びデューティ比を決める値を読み出す。一方、点灯制御方法の設定値が“11”であり、その点灯制御方法がPWM制御である場合には、LEDディマー92は、第二のPSC設定用レジスタ及び第二のPWM設定用レジスタに書き込まれているパルス周期を決める値及びデューティ比を決める値を読み出す。そして、LEDディマー92は、こうして読み出した値からパルス周期及びデューティ比を求め、その求めたパルス周期及びデューティ比に応じたパルス信号をパルス発振器から発生させて、当該LEDに送出する。これにより、当該LEDはPWM制御により点灯表示されることになる。
その後も、CPU83は、所定のタイミングで、電飾演出用パターンデータに基づいて作成された点灯指令信号を電飾表示用サブ制御部90の各LEDディマー92に連続転送モードで送信する。そして、各LEDディマー92は、その送信された点灯指令信号にしたがって電飾表示部40を制御する。こうして、電飾表示部40に含まれる複数のLEDは、グループ毎に所定の点灯表示を行うことになる。
上述したように、本実施形態の回胴式遊技機では、複数のLEDをグループ毎に点灯表示させることができると共に、各LEDを、256段階の輝度諧調の中から選択された所定の段階の輝度で点灯表示させることができるので、電飾表示部40による演出のバリエーションを増やすことができる。具体的には、複数のLEDを、発光色等の性質や配置位置等の違いに応じて四つのグループに分けたことにより、各グループを構成するLEDについては、グループ毎に異なる演出用パターン(演出仕様)での点灯表示を行わせることができる。また、演出制御基板80のCPU83が、各LEDについて、デューティ比を所望の値に選択してPWM制御を行うことにより、各LEDについては、LED毎に輝度を変えた点灯表示を行わせることができる。特に、多色発光のLEDについては、各色の輝度を変えることにより、さまざまな色合いで点灯表示を行わせることができる。ここで、本実施形態では、多色発光のLEDとして、赤、緑、青の三色発光可能なものを用いている。各色に対しては256段階の輝度調整が可能であるので、かかる三色発光のLEDを用いると、理論上、2563色の表現が可能である。しかしながら、LEDの性質上、デューティ比を70%(PWM=180)以上にすると、LEDの輝度はデューティ比を100%にしたときに比べてほとんど変わらない。この点を考慮すると、実際には、三色発光のLEDを用いた場合、1803色の表現が可能であるといえる。
また、LEDの輝度が制御可能であることを利用して、演出制御基板80のCPU83は、次のような小役当選告知の演出を電飾表示部40に行わせることができる。例えば、トップLEDユニット41aと、左パネルLEDユニット44aと、右パネルLEDユニット45aとを用いて、かかる小役当選告知の演出を行うものとする。CPU83は、主制御基板70から演出コマンドを受けると、その演出コマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。このとき、演出コマンドに、今回の抽選で所定の小役に当選した旨の内容が含まれていると、CPU83は、その当選した小役に対応する電飾演出用パターンデータをROM81から読み出し、その電飾演出用パターンデータに基づいて所定の点灯指令信号を生成する。具体的に、CPU83は、今回の抽選でベル小役に当選した場合には、点灯指令信号として、トップLEDユニット41aを輝度100%で赤色点灯させ、左パネルLEDユニット44a及び右パネルLEDユニット45aをそれぞれ輝度100%で白色点灯させるような内容を含むものを生成する。ここで、輝度100%とは、本実施形態の回胴式遊技機で使用している各LEDの最大発光輝度であり、また、上述の通り、デューティ比を70%以上のいずれかの値に設定した場合の輝度の値である。今回の抽選でスイカ小役に当選した場合には、点灯指令信号として、トップLEDユニット41aを輝度80%で赤色点灯させ、左パネルLEDユニット44a及び右パネルLEDユニット45aをそれぞれ輝度80%で白色点灯させるような内容を含むものを生成する。ここで、輝度80%とは、デューティ比を約55%程度の値に設定した場合の輝度の値である。また、今回の抽選でチェリー小役に当選した場合には、点灯指令信号として、トップLEDユニット41aを輝度80%で赤色点灯させ、左パネルLEDユニット44a及び右パネルLEDユニット45aをそれぞれ輝度60%で白色点灯させるような内容を含むものを生成する。ここで、輝度60%とは、デューティ比を約40%程度の値に設定した場合の輝度の値である。CPU83が、かかる点灯指令信号を電飾表示用サブ制御部90に送出すると、複数のLEDはその点灯指令信号の内容に従った演出を行う。これにより、遊技者は、トップLEDユニット41a、左パネルLEDユニット44a及び右パネルLEDユニット45aの明るさに応じて、今回のゲームにおいて、どの小役に当選したのかを容易に知ることができる。
更に、LEDの輝度が制御可能であることを利用すると、演出制御基板80のCPU83は、輝度変化を伴う演出を電飾表示部40に行わせることができる。図12は演出制御基板80のCPU83が行う輝度変化による演出制御の内容を説明するための図である。CPU83は、上述したように、各LEDについて、パルス周期を約6msに維持し、デューティ比を所望の値に設定してPWM制御を行う。このとき、CPU83は、デューティ比を逐次、変更することにより、LEDの輝度を変化させることができる。ここで、デューティ比を変更する場合には、CPU83は、20msよりも長い一定の期間(基準期間)を単位としてデューティ比の変更を行う。すなわち、CPU83は、今回、デューティ比を変更したら、少なくともその基準期間の間、LEDを、その変更したデューティ比でPWM制御すると共に、デューティ比の次回の変更を、今回の変更のときからその基準期間の何倍かの期間の経過後に行う。この基準期間は、人間の眼でLEDの輝度変化を認識することができるような期間として設定される。上述したように、20msという期間は、PWM制御においてLEDからの光のちらつきを人間の眼で認識することができない期間の上限である。このため、例えば、かかる20msよりも短い期間を単位としてデューティ比を変更することにすると、そのデューティ比の変更によるLEDの輝度変化を人間の眼で容易に認識することができない。一方、LEDの輝度が例えば数十秒という長い期間毎に変化したのでは、電飾による演出を効果的に行うことができなくなってしまう。したがって、一般に、CPU83はデューティ比の変更を行う単位となる基準期間を0.02sよりも長く、10sよりも短い期間の中から選択して、基準期間を、20msよりも長く、10sよりも短い一定の値に設定することが望ましい。図12の例では、基準期間を50msに設定している。
例えば、CPU83は、図12に示すようなPWM制御を行う。すなわち、最初の基準期間の間、CPU83は、パルス周期が約6ms、デューティ比が25%に設定された点灯指令信号を作成する。次の基準期間の間には、CPU83は、パルス周期が約6ms、デューティ比が20%に設定された点灯指令信号を作成する。すなわち、最初の基準期間のデューティ比より次の基準期間のデューティ比の方が小さくなるように設定する。さらに次の基準期間の間には、CPU83は、パルス周期が約6ms、デューティ比が15%に設定された点灯指令信号を作成する。CPU83がこのような点灯指令信号を電飾表示用サブ制御部90に送出すると、当該LEDはその点灯指令信号の内容に従った演出を行う。すなわち、図12の例では、当該LEDは、最初の50msの期間、フル点灯のときの輝度を1として、4分の1の輝度で点灯を行い、次の50msの期間、フル点灯のときの5分の1の輝度で点灯を行ない、その次の50msの期間、約7分の1の輝度で点灯を行うことになる。かかる輝度の変化は人間の眼で十分認識することができるので、遊技者に対して十分効果的な演出(フェードアウト)を提供することができる。また、輝度変化を伴う他の演出としては、LEDの明るさをフェードインするような演出が考えられる。かかる演出を行うには、CPU83は、基準期間を単位として、デューティ比が徐々に大きくなるような点灯指令信号を作成して、電飾表示用サブ制御部90に送出すればよい。また、LEDの明るさをフェードインし、その後にフェードアウトするという演出を何度も繰り返すことにより、輝度を一定の周期で滑らかに変化させることもできる。
上記の本実施形態の回胴式遊技機によれば、遊技の演出を変える毎に、或いはパルス幅変調制御のデューティ比を変える毎に、LEDの点灯を演出用パターンに従って制御することができる。また、上記の本実施形態の回胴式遊技機によれば、パルス幅変調制御によりLEDの点灯制御を行なうので、LEDの点灯制御を簡単に変更することがき、したがってLEDを点灯制御するための開発期間の短縮を図ることができる。
また、上記の本実施形態の回胴式遊技機によれば、表示素子としてLED(発光ダイオード)いることにより、少ないエネルギー消費量で輝度の変化を容易につけることができ、LEDによる演出効果を高めることができる。
また、上記の本実施形態の回胴式遊技機によれば、I2Cバス方式にてデータ転送を行なうことにより、大量データの高速転送を可能にすると同時に、演出制御基板のCPU83の負荷を軽減することができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、本発明を、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パロット機、パチロット機等と称される、遊技媒体としてパチンコ球を使用したスロットマシン遊技機に適用してもよい。更に、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。