以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の説明図である。
遊技機1の前面枠(遊技枠)3は、本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して、遊技機1の前面に開閉回動可能に組み付けられる。前面枠3の表側には、遊技盤10(図2参照)が収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾部材9a、9bが備えられている。装飾部材9a、9bの内部にはランプやLED等からなる装飾装置が備えられている。装飾装置を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9a、9bが所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ30が備えられている。また、ガラス枠18の上方には照明ユニット11が備えられている。
照明ユニット11の右側には、遊技機1において異常が発生したことを報知するための異常報知LED29が備えられている。
前面枠3の下部の開閉パネル20には図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21が、固定パネル22には灰皿15、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を発射する。
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が備えられている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、遊技盤10に設けられた表示装置53(図2参照)における特図変動表示ゲームの演出内容を選択して、表示装置53における特図変動表示ゲームに、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
特図変動表示ゲームは、発射された遊技球が遊技盤10に備わる始動口36(図2参照)に入賞した場合に開始される。特図変動表示ゲームでは、表示装置53において複数の識別情報が変動表示する。そして、変動表示していた識別情報が停止し、停止した識別情報の結果態様が特定の結果態様である場合に、遊技機1の状態が遊技者に有利な状態(特典が付与される状態)である特別遊技状態に遷移する。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。さらに、これらの球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技盤10の正面図である。
図1に示す遊技機1は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うもので、ガラス枠18のカバーガラスの奥側には、遊技領域10aを構成する遊技盤10が設置されている。
遊技盤10は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行う。
遊技領域10aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部52を形成するセンターケース51が取り付けられている。センターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配される。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部53aがセンターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
さらに、センターケース51の左部には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、遊技領域10aに向けて入口50aが開放した状態で開設されている。球導入路50は、センターケース51の内部に連通しており、入口50aから流入した遊技球は、センターケース51の裏側を通過して、ユニット側ステージ部49b上に排出される。さらに、ユニット側ステージ部49b上で転動した遊技球が当該ユニット側ステージ部49bの下方に配置されたベース側ステージ部49a上に流下できるように構成されている。
センターケース51の周縁部には、複数の装飾具47が配置される。センターケース51の左下部には、装飾ランプ48が配置される、センターケース51の上部には、複数の装飾ピース46を上下動可能な状態で配置される。装飾具47、装飾ランプ48及び装飾ピース46は、後述する演出制御装置550からの命令に従って演出動作を行う。センターケース51の構成については、図3を参照しながらさらに詳細に説明する。
また、遊技領域10aのうちセンターケース51の下方には、遊技球を受入可能(入賞可能)な特図変動表示ゲームを始動させるための始動口36が配置される。さらに、センターケース51の側方(左側方)には、普図変動表示ゲームを始動させるための普図始動ゲート34が配置される。
さらに、遊技領域10aには、センターケース51の左下方及び右下方に、発光によって各種装飾表示を行うサイドランプ45が配置される。また、サイドランプ45には、一般入賞口44が備えられている。
さらに、始動口36の下方には大入賞口42が配置され、該大入賞口42の下方であって遊技領域10aの下縁部には、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口43が開設される。大入賞口42は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを備える。特図変動表示ゲームの結果によって開閉扉42aを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
また、センターケース51、始動口36やサイドランプ45等の取付部分を除いた遊技領域10a内には、この他、遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車(図示略)、及び多数の障害釘(図示略)などが配設されている。そして、センターケース51と、該センターケース51を挟んで普図始動ゲート34とは反対側に位置する前面構成部材33との間に縦長な円弧状の遊技球通路57が形成されている。
さらに、遊技盤10には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームを実行する普図・特図表示器35が備えられている。普図・特図表示器35には、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図・特図表示器35は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして設けられている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートSW34a(図9参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが開始される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態で、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数が上限数未満であるならば、普図始動記憶数が1加算されて、当該普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数が普図始動記憶として一つ記憶される。
普図変動表示ゲームが開始できない状態とは、例えば、普図変動表示ゲームが既に行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームに当選して始動口36が開状態に変換されている状態のことをいう。
なお、普図変動表示ゲームは、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることによって行うようにする。
普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合には、普図変動表示ゲームに当選したものとして、始動口36の開閉部材36aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。始動口36の開閉部材36aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームに当選した場合)には、ソレノイド(普電SOL36b、図9参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて始動口36に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられる。
また、本発明の実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、遊技状態として、表示装置53における特図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮する時短動作状態(第2動作状態)を発生可能となっている。時短動作状態(第2動作状態)は、通常動作状態(第1動作状態)と比較して始動口36の開閉部材36aが開放状態となりやすい状態である。
時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、単位時間当りの始動口36の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームに当選したことによって始動口36が開放される場合に、開放時間が通常動作状態の開放時間よりも長くなるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当選結果に対して、始動口36が1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短動作状態においては普図変動表示ゲームの当選結果となる確率が通常動作状態よりも高くなるように制御される。すなわち、通常動作状態よりも始動口36の開放回数が増加され、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、始動口36の内部には、始動口36を通過した遊技球を検出するための、始動口SW36d(図9参照)が備えられる。始動口SW36dによって遊技球を検出すると、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。このとき、特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で特図始動記憶として記憶される。
特図変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動口36に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、特図始動記憶数が1加算され、始動口36に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が特図始動記憶として一つ記憶される。そして、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、特図始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される。
補助遊技としての特図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行され、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置53にて特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)が変動表示される。そして、特図変動表示ゲームの結果として、普図・特図表示器35の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置53の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、普図・特図表示器35ではなく、表示装置53のみで特図変動表示ゲームを実行するように構成してもよい。
また、本発明の実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変状態(第2確率状態)を発生可能となっている。この確変状態(第2確率状態)は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態(第1確率状態)に比べて高い状態である。なお、確変状態と上述した時短動作状態はそれぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
図3は、本発明の実施の形態のセンターケース51の分解斜視図である。
センターケース51は、遊技盤本体10b(遊技盤10)の表面側に前面構成部として配置される装飾枠部65と、遊技盤本体10bの裏面側に裏面構成部として配置される枠体基部60とを前後に重合して構成されている。装飾枠部65は、遊技盤本体10bの表面に止着される環状の装飾ベース66を備える。装飾ベース66の裏面側には、装飾ベース66と略同じ大きさで円形状に形成された装飾パネルユニット67を備え、装飾枠部65は、装飾ベース66と装飾パネルユニット67とを前後に重合して構成されている。
装飾ベース66の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なベース側ステージ部49aが配置され、該ベース側ステージ部49aと遊技球通路57との間には装飾ランプ48が配置されている(図2参照)。そして、ベース側ステージ部49aを挟んで装飾ランプ48とは反対側には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)50が設けられ、球導入路50の入口50aを装飾ベース66の外方へ向けて開放した状態で開設し、球導入路50の出口50bを後述する装飾パネルユニット67の裏側へ連通している。
装飾パネルユニット67は、略円形状の透明樹脂板で形成されたカバーパネル部69を備え、該カバーパネル部69の前面側の周縁に複数の装飾具47を配置している。装飾パネルユニット67と装飾枠部65とを重合すると、装飾具47が装飾ベース66の内周縁に沿って配置されるように設定されている(図2参照)。
また、カバーパネル部69の裏面側の下部には、上面に遊技球を前後方向及び左右方向に転動可能なユニット側ステージ部49bが配置される。ユニット側ステージ部49bは、装飾ベース66のベース側ステージ部49aよりも上方に配置される。
さらに、カバーパネル部69のうち球導入路50の出口50bに重合する箇所には球流入口68を開設し、該球流入口68を介して球導入路50とユニット側ステージ部49bとを連通している。したがって、遊技領域10aを流下する遊技球が球導入路50に流入すると、球導入路50がこの遊技球をユニット側ステージ部49b上に導入できるように構成されている。
枠体基部60は、遊技盤10の裏面側に止着される額縁状の基部ケース61を前側が開放した状態で備え、該基部ケース61の内側(言い換えるとセンターケース51の内部)に、開口部62aが前面側に設けられた凹室62を形成している。
また、基部ケース61のうち凹室62の後方には矩形状の窓部52を前後方向へ貫通して開設し、基部ケース61の後方から表示装置53を装着して、表示装置53の表示部53aを窓部52及び凹室62を通してセンターケース51の前方へ臨ませている。
さらに、窓部52の上縁部の前側には、役物駆動ソレノイド(図示せず)によって上下動可能な複数の装飾ピース46が配置され、窓部52の左右両側の周縁には、表示部53aの前方へ移動して演出動作を行う可動演出装置58が備えられる。
そして、枠体基部60の前方に装飾枠部65を重合すると、凹室62の開口部62a及び窓部52をカバーパネル部69で前方から被覆し、表示装置53の表示部53aを装飾枠部65の内側(カバーパネル部69が露出した箇所)からセンターケース51の前方へ臨ませるように構成されている。
図4及び図5は、本発明の実施の形態の可動演出装置58の構成を説明する図である。
可動演出装置58は、第1演出ユニット63と第2演出ユニット64とを互いに離間した位置に備えて構成され、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が連動して演出動作が実行される。
図4は、可動演出装置58が動作する前の状態を示す図であり、図5は、可動演出装置58が動作し、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が動作した結果、当接部(第1当接部121及び第2当接部122)にて当接している状態を示す図である。
第1演出ユニット63は、センターケース51の左側、すなわち、基部ケース61の窓部52の周縁の左側に配置される。また、第2演出ユニット64は、センターケース51の右側に配置される。センターケース51の前方から見て第1演出ユニット63と第2演出ユニット64との間に凹室62及び窓部52を臨ませるように配置される。
第1演出ユニット63は、表示部53aの前方へ移動可能な第1演出部材70と、該第1演出部材70の駆動力を発生する第1演出駆動源としての役物駆動第1モータ(MOT)71と、役物駆動第1MOT71から発生した駆動力(回動力)を第1演出部材70へ伝達する第1演出伝達機構(第1主腕部材73及び第1副腕部材74)とを備える。
また、役物駆動第1MOT71の出力軸(第1出力軸)71aがセンターケース51の前後方向に延在し、第1出力軸71aには第1駆動ギア76を共回り可能に軸着している。
第1主腕部材73は、第1駆動ギア76と噛合される第1主腕ギア77が形成され、当該第1駆動ギア76の上方に軸着される。第1副腕部材74は、第1駆動ギア76と噛合される第1副腕ギア78が形成され、当該第1駆動ギア76の下方に軸着される。第1主腕部材73及び第1副腕部材74は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第1演出部材70に軸着し、第1演出部材70を支持している。
第1演出ユニット63は、役物駆動第1MOT71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第1MOT71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第1MOT71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第1MOT71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を上方へ延出して縦向き姿勢に設定すると、図4に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方から外れて位置させた第1演出停止状態となり、第1演出部材70が窓部52の側方に位置して、装飾枠部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第1演出停止状態から役物駆動第1MOT71を駆動して第1駆動ギア76をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第1MOT71の駆動力(回動力)を第1駆動ギア76及び第1主腕ギア77を介して第1主腕部材73へ伝達し、この駆動力により第1主腕部材73がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第1MOT71の駆動力を第1駆動ギア76及び第1副腕ギア78を介して第1副腕部材74へ伝達し、この駆動力により第1副腕部材74が第1主腕部材73と同じ時計方向へ回動する。この結果、第1演出部材70が第1主腕部材73及び第1副腕部材74に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第1MOT71の駆動力により第1主腕部材73及び第1副腕部材74を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第1演出部材70を表示部53aの前方へ位置させた第1演出実行状態となり、第1演出部材70が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
第2演出ユニット64は、表示部53aの前方へ移動可能な第2演出部材80と、該第2演出部材80の駆動力を発生する第2演出駆動源としての役物駆動第2モータ(MOT)81と、役物駆動第2MOT81から発生した駆動力(回動力)を第2演出部材80へ伝達する第2演出伝達機構(第2主腕部材83及び第2副腕部材84)とを備える。
また、役物駆動第2MOT81を出力軸(第2出力軸)81aがセンターケース51の前後方向に延在し、第2出力軸81aには第2駆動ギア86を共回り可能に軸着している。
第2主腕部材83は、第2駆動ギア86と噛合される第2主腕ギア87が形成され、当該第2駆動ギア86よりも第1演出ユニット63寄りの位置に軸着される。第2副腕部材84は、第2駆動ギア86と噛合される第2副腕ギア88が形成され、当該第2駆動ギア86の下方に軸着される。第2主腕部材83及び第2副腕部材84は、基部ケース61と軸着された端部の反対側の端部が互いに異なる位置で第2演出部材80に軸着し、第2演出部材80を支持している。
第2演出ユニット64は、役物駆動第2MOT81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動すると、役物駆動第2MOT81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動する。また、役物駆動第2MOT81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ反時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で下降する。
そして、役物駆動第2MOT81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して第2演出部材80を下死点へ到達させ、引き続き第2主腕部材83及び第2副腕部材84を回動して斜め下方へ延出して縦向き姿勢に設定し、第2演出部材80を下死点から僅かに上昇させると、図4に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方から外れて位置させた第2演出停止状態となり、第2演出部材80が装飾枠部65の後方及び遊技盤本体10bの後方に隠れる(図2参照)。
一方、第2演出停止状態から役物駆動第2MOT81を駆動して第2駆動ギア86をセンターケース51の正面から見て反時計方向へ回動すると、役物駆動第2MOT81の駆動力(回動力)を第2駆動ギア86及び第2主腕ギア87を介して第2主腕部材83へ伝達し、この駆動力により第2主腕部材83がセンターケース51の正面から見て時計方向へ回動する。
また、役物駆動第2MOT81の駆動力を第2駆動ギア86及び第2副腕ギア88を介して第2副腕部材84へ伝達し、この駆動力により第2副腕部材84が第2主腕部材83と同じ時計方向へ回動する。この結果、第2演出部材80が第2主腕部材83及び第2副腕部材84に支持された状態で上昇する。
そして、役物駆動第2MOT81の駆動力により第2主腕部材83及び第2副腕部材84を表示部53aの前方へ延出して横向き姿勢に設定すると、図5に示すように、第2演出部材80を表示部53aの前方へ位置させた第2演出実行状態となり、第2演出部材80が表示部53aとカバーパネル部69との間の空間部のうち表示部53aの中央部分の前方に位置する。
図6は、本発明の実施の形態の第1演出部材70の分解斜視図である。
第1演出部材70は、センターケース51の正面から見て略半円形状の部材であり、第1演出ユニット63側に円弧面を配置した姿勢に設定されている。
第1演出部材70には、基部となる第1演出ベース100が備えられる。第1演出ベース100は、透明な樹脂によって形成される。第1演出ベース100の上部には、第1主腕部材73を第1演出ベース100の前方から軸着する第1主腕軸着部101を形成し、第1演出ベース100の下部には、第1副腕部材74を第1演出ベース100の後方から軸着する第1副腕軸着部102を形成している。
第1演出ベース100の前面には、光を拡散しながら透過可能な第1光拡散シート103が重合される。さらに、第1光拡散シート103の前面に透明な第1保護パネル104を重合することによって、第1光拡散シート103が第1演出部材70から脱落することを阻止している。
また、第1演出ベース100の後部を前方へ窪ませて第1基板収納空間部105を形成し、該第1基板収納空間部105にLEDなどの発光装置(装飾装置620、図14参照)が実装された第1発光基板106を収納する。さらに、この状態で第1基板収納空間部105を第1ベース蓋部107で閉塞し、第1発光基板106が第1演出部材70から脱落することを阻止している。
そして、第1発光基板106の発光装置から光を発生すると、この光が第1演出ベース100、第1光拡散シート103、第1保護パネル104を透過してセンターケース51の前方へ照射されるように構成されている。
さらに、第1当接部121の第1基板収納空間部105側には、後部が開放された第1演出磁石ホルダ124を窪ませて形成されている。第1演出磁石ホルダ124には、ボタン形状の永久磁石からなる第1磁石125を磁極が第2演出部材80側へ向いた姿勢で、第1磁石125が第1当接部121(第1演出磁石ホルダ124)から脱落しないように収納されている。
第1発光基板106には、装飾装置620の発光を制御するためのI2CI/Oエクスパンダ615(図14参照)が搭載され、演出制御装置550から出力された制御信号(電気信号)など送信するためのデータ線及びクロック線(信号線)が接続される。さらに、装飾装置620を発光させるために必要な電力を供給するための電源線などが接続される。これらの接続線は、ケーブル108としてまとめられて接続されている。
図7は、本発明の実施の形態の第2演出部材80の分解斜視図である。
第2演出部材80は、センターケース51の正面から見て上部に切欠部分がある略平行四辺形状となっている。第2演出停止状態においては第2演出部材80の上下両側面を第2演出ユニット64側から第1演出ユニット63側へ向けて下り傾斜させ(図4参照)、第2演出実行状態においては当該第2演出部材80の左右両側面を第2演出ユニット64側から第1演出ユニット63側へ向けて下り傾斜させる姿勢に設定されている(図5参照)。
第2演出部材80には、基部となる第2演出ベース110が備えられる。第2演出ベース110は、透明な樹脂によって形成される。第2演出ベース110の上部には、第2主腕部材83を第2演出ベース110の前方から軸着する第2主腕軸着部111を形成し、第2演出ベース110の下部には、第2副腕部材84を第2演出ベース110の後方から軸着する第2副腕軸着部112を形成している。
さらに、第2演出ベース110の前面には、光を拡散しながら透過可能な第2光拡散シート113を重合される。第2光拡散シート113の前面に透明な第2保護パネル114を重合することによって、第2光拡散シート113が第2演出部材80から脱落することを阻止している。
また、第2演出ベース110の後部を前方へ窪ませて第2基板収納空間部115を形成し、該第2基板収納空間部115にLEDなどの発光装置(装飾装置620)が実装された第2発光基板116を収納し、この状態で第2基板収納空間部115を第2ベース蓋部117で閉塞して、第2発光基板116が第2演出部材80から脱落することを阻止している。
そして、第2発光基板116の発光装置から光を発生すると、この光が第2演出ベース110、第2光拡散シート113、第2保護パネル114を透過してセンターケース51の前方へ照射されるように構成されている。
さらに、第2当接部122の第2基板収納空間部115側には、後部が開放された第2演出磁石ホルダ128を窪ませて形成されている。第2演出磁石ホルダ128には、ボタン形状の永久磁石からなる第2磁石129が、第1当接部121及び第2当接部122を挟んで第1磁石125とは対称となる位置に収納されている。
第2発光基板116には、第1発光基板106と同様に、装飾装置620の発光を制御するためのI2CI/Oエクスパンダ615(図14参照)が搭載され、演出制御装置550から出力された制御信号などを送信するためのデータ線及びクロック線(信号線)が接続される。さらに、装飾装置620を発光させるために必要な電力を供給するための電源線などが接続される。これらの接続線は、ケーブル118としてまとめられて接続されている。
可動演出装置58は、第1演出部材70に第1当接部121を備えるとともに、第2演出部材80に第2当接部122を備える。そして、第1演出ユニット63を第1演出実行状態へ変換するとともに、第2演出ユニット64を第2演出実行状態へ変換すると、第1当接部121と第2当接部122とが当接し、第1演出部材70と第2演出部材80とで1つの装飾体を形成する。このとき、第1磁石125と第2磁石129との間で吸引力を発生するように第1磁石125及び第2磁石129が配置されている。さらに、この形成された装飾体を表示部53aの中央部の前方に位置させるように構成している。
図8は、本発明の実施の形態の遊技機1の配線を説明する図である。
図8では、遊技盤本体10bにセンターケース51が取り付けられ、表示装置53がセンターケース51に取り付けられる前の状態を示している。また、表示装置53の背面には、演出制御装置550が取り付けられている。演出制御装置550には、コネクタ90が備えられており、コネクタ90を介して制御対象の演出装置に対し、制御信号の送信や電力の供給を行う。具体的には、後述する中継基板600にケーブル91を介して接続する。
また、遊技盤本体10bの背面下部には、遊技制御装置500や各種制御基板を含む制御ユニット700が配置される。制御ユニット700に搭載される制御基板には、演出制御装置550から送信された制御信号を、装飾制御装置610(図9参照)に中継する中継基板600が含まれる。装飾制御装置610は、詳細については後述するが、遊技を演出するための発光装置(例えば、LED)や可動物(例えば、モータ)などの演出装置の制御を行う。また、中継基板600は、装飾制御装置610と同様に、発光装置や可動装置を接続可能である。
中継基板600には、演出制御装置550にケーブル91を介して接続される上流コネクタ601が備えられる。ケーブル91の一方のコネクタ91aは、前述のように、演出制御装置550のコネクタ90に接続される。ケーブル91の他方のコネクタ91bは、中継基板600の上流コネクタ601に接続される。さらに、遊技機1に備えられた各演出装置の制御を行う装飾制御装置610に接続するためのコネクタ602a〜602eを備える。
さらに、中継基板600には、接続されたケーブルの接続状態を示す空き端子モニタ603が備えられている。空き端子モニタ603の詳細については、図13にて説明する。
また、図示は略するが、遊技制御装置500を構成するユニットが、中継基板600のコネクタ装着面を覆うようにして設けられている。そのため、遊技制御装置500は、中継基板600の各コネクタに必要なケーブルを装着した後に取り付けられる配置構成となっている。
前面枠3には、当該前面枠3に配置されたスピーカ30及び装飾部材9a、9bなどを制御するための信号を送信するケーブル3bが接続されている。このケーブル3bのコネクタは、遊技盤10の裏面側へ設けられる制御ユニット700の中継基板600に接続され、例えば、コネクタ602bに接続される。
遊技盤本体10bには、サイドランプ45を取り付けるための開口部45bが形成されている。サイドランプ45には、電力及び信号を送信するケーブル45aが接続され、開口部45bから遊技盤10の裏面側へ導入される。遊技盤10の裏面側へ導入されたケーブル45aは、中継基板600に接続され、例えば、コネクタ602dに接続される。
また、遊技盤10の下部には、図2に示したように、始動口36及び大入賞口42が配置される。始動口36が配置されている遊技盤10の裏側には、普図変動表示ゲームに当選した場合に開放される開閉部材36aを開閉するための普電ソレノイド(SOL)36bが配置される。また、特図変動表示ゲームに当選した場合に、大入賞口42を開閉するための大入賞口SOL42bも遊技盤10の裏側に配置されている。普電SOL36b及び大入賞口SOL42bには、制御信号の入力を受け付けるためのケーブル(図示略)が接続され、このケーブルは遊技制御装置500に接続されている。また、ケーブル42cは、大入賞口42の内部に備えられる演出用のLEDを点灯させるための電力及び信号を伝達するケーブルとして中継基板600に接続され、例えば、コネクタ602fに接続される。
前述のように、遊技盤10の中央部には、センターケース51が取り付けられている。センターケース51の内部には、第1演出部材70及び第2演出部材80によって構成される可動演出装置58が備えられる。図8では、第1演出部材70及び第2演出部材80が当接面(121,122)で当接している状態となっている。
また、可動演出装置58の第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64には、前述のように、第1演出部材70及び第2演出部材80を稼動させるためのモータ(役物駆動第1モータ71、役物駆動第2モータ81)が備えられている。そして、これらのモータを制御するための信号及びモータを駆動させるための電力を供給するためのケーブル652が可動演出装置58に接続されている。また、可動演出装置58には、これらのモータの動作状態を検知するためのモータ位置検出センサ560(図示せず)が備えられており、センシング結果を受信するためのケーブル651が接続されている。ケーブル652及びケーブル651は、センターケース51の開口部51bから遊技盤10の裏面側に延びており、中継基板600に接続される。例えば、ケーブル652はコネクタ602cに接続され、ケーブル651はコネクタ602eに接続される。
さらに、演出制御装置550から出力された制御信号を、センターケース51の内部に配置されたLEDなどの演出装置を制御するための装飾制御装置610(図9参照)へ伝達するケーブル653が接続される。ケーブル653は、センターケース51に設けられた開口部51aから遊技盤10の裏面側の中継基板600に接続され、例えば、コネクタ602aに接続される。
図9は、本発明の実施の形態の遊技機1の構成を示すブロック図である。
遊技機1は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500、各種演出を行うために表示装置53及びスピーカ30等を制御する演出制御装置550、遊技球を払い出すために図示しない払出モータを制御する払出制御装置580を備える。
まず、遊技制御装置500の構成について説明する。なお、演出制御装置550については、図10にて説明する。
遊技制御装置500は、遊技用マイコン501、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506、及び外部通信端子507を備える。
遊技用マイコン501は、CPU502、ROM(Read Only Memory)503及びRAM(Random Access Memory)504を備える。
CPU502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に遊技制御装置500を接続する。
CPU502は、入力I/F505を介して各種入力装置(始動口SW36d、一般入賞口SW44a〜44n、ゲートSW34a、カウントSW42d、ガラス枠開放SW18a、前面枠開放SW3a、球切れSW54、振動センサ55、及び磁気センサ56)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
始動口SW36dは、始動口36に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。一般入賞口SW44a〜44nは、一般入賞口44に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ゲートSW34aは、普図始動ゲート34を遊技球が通過したことを検出するスイッチである。カウントSW42dは、大入賞口42に遊技球が入賞したことを検出するスイッチである。
ガラス枠開放SW18aは、ガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。前面枠開放SW3aは、前面枠3が開放されたことを検出するスイッチである。
球切れSW54は、遊技機1の内部に貯留され、払い出しに用いられる遊技球の数が所定数以下になったことを検出するスイッチである。
振動センサ55は、遊技機1に与えられた振動を検出するセンサであり、遊技機1を振動させるなどの不正行為を検出する。磁気センサ56は、始動口36の第2始動入賞口、一般入賞口44、大入賞口42、及び普図始動ゲート34付近に設けられ、磁力を検出するセンサである。磁気センサ56は、各入賞口付近に磁石を近づけて、遊技領域10aに発射された遊技球を各入賞口に導く不正を検出する。
また、CPU502は、出力I/F506を介して、普図・特図表示器35、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、払出制御装置580、及び演出制御装置550に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普図・特図表示器35には、前述のように、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームが実行される。さらに、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶数)及び普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)が表示される。普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む普図始動記憶、及び特図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数を含む特図始動記憶が記憶されている。
普電SOL36bは、普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となった場合に、開閉部材36aを開放することによって、始動口36に遊技球が入賞しやすい状態にする。
大入賞口SOL42bは、特図変動表示ゲームの結果が特別の結果態様となって、特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に、大入賞口42の開閉扉42aを開放して、遊技球が入賞しやすい状態に変換する。
遊技制御装置500は、外部情報端子508から図示しない情報収集端末装置を介して、遊技機データを図示しない遊技場管理装置に出力する。遊技場管理装置は、遊技場に設置された遊技機1の遊技データを収集管理する計算機である。
払出制御装置580は、遊技球が一般入賞口44又は大入賞口42に入賞した場合に、入賞した入賞口に対応する数の遊技球の払出指令を遊技制御装置500から受信する。また、球貸ボタン26が操作された場合にも所定数の遊技球の払い出しを行う払出指令を遊技制御装置500から受信する。払出制御装置580は、受信した払出指令に基づいて、図示しない払出モータを制御し、払出指令に指定された数の遊技球を払い出す。
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、遊技の状況を示す遊技データとして、出力I/F506を介して、演出制御装置550へ送信する。
図10は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力される遊技データに基づいて、演出内容を決定し、表示装置53及びスピーカ30を制御するとともに、中継基板600を介して演出装置を制御する。
演出装置には、LEDなどの装飾装置620、役物駆動第1MOT(第1演出モータ)71及び役物駆動第2MOT(第2演出モータ)81などが含まれる。装飾装置620は、中継基板600に直接接続されるものと、装飾制御装置610を介して接続されるものとがある。詳細については後述するが、これら装飾装置620、役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81によって、遊技の演出が行われる。
また、演出制御装置550は、演出ボタン17から当該演出ボタン17が操作されたことを示す信号が入力される。さらに、モータ位置検出センサ560によって検出された役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81の位置情報が、中継基板600を介して入力される。
演出制御装置550は、CPU551、制御ROM552、RAM553、画像ROM554、音ROM555、VDP556、音LSI557、入力I/F558a、出力I/F558b、電源投入検出回路559、マスタIC570及びNORゲート回路590を備える。
CPU551、VDP556、RAM553、制御ROM552、音LSI557、入力I/F558a、及び出力I/F558bは、バス563を介してそれぞれ接続されている。
CPU551は、遊技制御装置500から送信された指令信号が割込信号(INT)として入力され、入力された指令信号に基づいて、各種演出を制御する。また、CPU551には、マスタIC570の後述するコントローラ574から割込信号が入力されるとともに、VDP556から割込信号が入力される。CPU551は、割込信号の入力を受け付けると、実行中の処理を中断し、入力された割込信号に対応する処理を実行する。
制御ROM552には、演出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)が格納されている。RAM553は、演出制御時にワークエリアとして利用される。
画像ROM554は、VDP556に接続され、表示装置53に表示される画像データを格納する。VDP556は、表示装置53への画像出力を制御するプロセッサである。
また、VDP556は、表示装置53に表示される画像を更新する周期(33ms周期)と同期する同期信号を発生させる同期信号発生手段を備える。同期信号発生手段は、同期信号を発生させるごとに、発生させた同期信号をCPU551に割込信号として入力する。
音ROM555は、音LSI557に接続され、スピーカ30から出力される音データを格納する。音LSI557は、スピーカ30からの音声出力を制御する回路である。
入力I/F558aは、フィルタ565を介して外部から入力された情報を受け付けるインタフェースである。具体的には、演出ボタン17が操作されたことを示す信号の入力を受け付けたり、中継基板600を介してモータ位置検出センサ560によって検出された各モータの位置情報などの入力を受け付けたりする。なお、演出ボタン17は、図1で説明したように、上皿21の上縁部に設けられており、遊技者の操作によって、表示装置53で実行される特図変動表示ゲームにおける演出を選択したりすることができる。
電源投入検出回路559は、演出制御装置550に電源が投入された場合に、マスタIC570の図示しないレジスタをデフォルト状態(すべて0)に初期化するリセット信号を発生させ、NORゲート回路590に出力する。
また、CPU551は、所定の条件が成立した場合に、バス563を介してリセット信号を出力I/F558bに出力する。そして、出力I/F558bは、入力されたリセット信号をNORゲート回路590に出力し、さらに、フィルタ565を介して中継基板600に当該リセット信号を出力する。所定の条件とは、例えば、すべての装飾制御装置610において、エラーフラグが「ON」になった場合などである(図30参照)。
なお、電源投入検出回路559からNORゲート回路590に入力されるリセット信号と、CPU551から出力I/F558bを介してNORゲート回路590に入力されるリセット信号は、いずれの場合にもLOWレベルの状態のときにリセットを指令する信号として機能する。そのため、電源投入検出回路559及びCPU551の少なくとも一方からNORゲート回路590にリセット信号が出力されていれば、NORゲート回路590を介してリセット信号がマスタIC570に入力される。
次に、マスタIC570について説明する。
マスタIC570は、制御対象となる装飾装置を制御する装飾制御装置610に個別に割り当てられたアドレスを指定して、指定した個別アドレスの装飾制御装置610に装飾装置の制御内容を出力する。なお、装飾制御装置610の個別アドレスは、正確には、装飾制御装置610に含まれるI2CI/Oエクスパンダ615(図14参照)の個別アドレスである。
マスタIC570は、接続線SDA、接続線SCL、接続線GND、接続線Vcc、接続線Vled、接続線Vms、及び接続線Vseの7種類の接続線を介して、中継基板(装飾制御装置)600に接続される。これらの接続線は、マスタIC570と中継基板600とを接続するケーブル91(図8参照)により構成される。
接続線SDAは、演出制御装置550と装飾制御装置610との間でデータを通信するための接続線であり、本発明の実施の形態におけるデータ線として機能する。接続線SCLは、接続線SDAでのデータ通信に用いられるクロック信号を入出力するための接続線であり、本発明の実施の形態におけるタイミング信号線として機能する。接続線GNDは、接続線Vcc、接続線Vled、接続線Vms、及び接続線Vseで供給される電源のグランドである。
接続線Vccは、中継基板600及び装飾制御装置610にロジック用の電源を供給するための接続線である。接続線Vledは、LED(装飾装置620)を発光させるための電源を供給するための接続線である。接続線Vmsは、演出装置に含まれるモータやソレノイド(具体的には、役物駆動第1MOT71、役物駆動第2MOT81)に電源を供給するための接続線である。接続線Vseは、各種センサ(演出装置に含まれるモータの状態を検出する状態検出センサであって、具体的には、モータ位置検出センサ560が相当する)に電源を供給するための接続線である。
中継基板600と装飾制御装置610との間は、接続線Vcc、接続線Vled、接続線SDA、接続線SCL、及び接続線GNDを介して接続される。本発明の実施の形態では、モータ位置検出センサ560、役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81は、中継基板600に直接接続されるため、装飾制御装置610に接続するための配線に接続線Vms及び接続線Vseは含まれない。なお、接続線Vmsはケーブル652(図8参照)に含まれており、接続線Vseはケーブル651(図8参照)に含まれている。
マスタIC570と装飾制御装置610とは、接続線SDA及び接続SCLによって2ライン双方向通信を行う。
マスタIC570は、中継基板600及び装飾制御装置610にデータを送信する場合には、まず、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることにより、装飾制御装置610へのデータ出力を開始するためのスタート条件を成立させる(装飾制御装置610に対してスタートコンディションを発行する)。
この後、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをLOWに変更し、接続線SCLの信号レベルがLOWである間に接続線SDAの信号レベルを送信データの最初のビットのレベルに設定し、所定時間後に接続線SCLの信号レベルをLOWからHIGHに変化させる。接続線SCLの信号レベルがHIGHに変化すると、装飾制御装置610は接続線SDAの信号レベルを取得し、送信データの最初のビットとして認識する。次いで、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHからLOWに戻す。
この手順を1回実行すると、マスタIC570から装飾制御装置610へ1ビットのデータが送信され、最終的にはこの手順が8回繰り返されることで、送信データの8ビットすべてがマスタIC570から装飾制御装置610へ送信される(1バイト分のデータが送信される)。
そして、マスタIC570は、最後の8ビット目のデータ送信が終了すると、接続線SCLの信号レベルをHIGHからLOWに戻した際に、接続線SDAを解放して装飾制御装置610からの返答信号を受信することを待機する受信待機状態にする。
受信待機状態になると、装飾制御装置610は、接続線SDAを介して1ビットの返答信号(後述するACK又はNACK)をマスタIC570に返す。次いで、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをLOWからHIGHに変化させて返答信号のレベルを取り込み、所定時間後に接続線SCLの信号レベルをHIGHからLOWに変化させると、装飾制御装置610は接続線SDAを解放する。
マスタIC570は、このような1バイト分のデータ送信と1ビット分の返答信号の受信とを交互に繰り返し、装飾制御装置610へ出力すべきデータがすべて出力されるまで継続する。マスタIC570は、出力すべきデータの出力が終了した場合には、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをLOWからHIGHに変更させることにより、装飾制御装置610へのデータ出力を終了するためのストップ条件を成立させる(装飾制御装置610に対してストップコンディションを発行する)。
入力用BUF571は、装飾制御装置610から接続線SDAを介して入力されたデータが一時的に記憶される記憶装置である。
具体的には、マスタIC570が入力モードに設定された場合において、装飾制御装置610からマスタIC570に送信されたデータが、フィルタ575aによりノイズが除去されて入力用BUF571に一時的に記憶される。
出力用BUF572は、装飾制御装置610に接続線SDAを介して出力するデータが一時的に記憶される。
リセットレジスタ(REG)573は、バス563に接続され、CPU551からの指令を受けてリセット信号をコントローラ574に出力する。コントローラ574は、マスタIC570を統括的に制御し、各種処理を実行する。
フィルタ575aは、接続線SDAから入力されたデータのノイズを除去する。ドライバ576aは、接続線SDAからデータを出力する場合に、トランジスタ578aが動作可能な電圧をトランジスタ578aに印加する。
接続線SDAは、プルアップ抵抗Rによって所定の電圧が印加され(図18参照)、フィルタ575a及びトランジスタ578aに接続されている。
トランジスタ578aは、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられている。トランジスタ578aのゲートはドライバ576aに接続され、ドレインはプルアップ抵抗Rにより所定の電圧が印加された接続線SDAに接続され、ソースは接地されている。
トランジスタ578aのゲートに印加される電圧がトランジスタ578aを動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れないので、接続線SDAに印加された電圧は降下せず、その結果、接続線SDAはHIGHレベルとなる。一方、トランジスタ578aのゲートに印加される電圧がトランジスタ578aを動作させる所定値以上であれば、所定値の電圧が印加されたドレインから接地されているソースへ電流が流れることによって、接続線SDAの電圧が低下し、その結果、接続線SDAはLOWレベルとなる。
なお、トランジスタ578aは、10ミリアンペア程度の電流をドレインからソースへ流しても破損しない仕様のものを用いている。このため、接続線SDAには、通常のI2Cバス使用で用いられる電流値よりもはるかに大きい10ミリアンペア程度の電流を流すことが可能であり、演出制御装置550と装飾制御装置610との間のデータ送信が、ノイズによる障害に耐えうる構成となっている。
ドライバ576aは、データを接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ578aにドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ578aのゲートにトランジスタ578aが動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ576aは、接続線SDAの電圧を、HIGHレベル又はLOWレベルに設定することによって、データを接続線SDAから出力する。
また、フィルタ575bは、接続線SCLから入力されたデータのノイズを除去する。ドライバ576bは、接続線SCLからデータを出力する場合に、トランジスタ578bが動作可能な電圧をトランジスタ578bに印加する。
接続線SCLは、プルアップ抵抗Rによって所定の電圧が印加され(図18参照)、フィルタ575b及びトランジスタ578bに接続されている。
トランジスタ578bは、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられている。トランジスタ578bのゲートはドライバ576bに接続され、ドレインはプルアップ抵抗Rにより所定の電圧が印加された接続線SCLに接続され、ソースは接地されている。
トランジスタ578bのゲートに印加される電圧がトランジスタ578bを動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れないので、接続線SCLに印加された電圧は降下せず、その結果、接続線SCLはHIGHレベルとなる。一方、トランジスタ578bのゲートに印加される電圧がトランジスタ578bを動作させる所定値以上であれば、所定値の電圧が印加されたドレインから接地されているソースへ電流が流れることによって、接続線SCLの電圧が低下し、その結果、接続線SCLはLOWレベルとなる。
なお、トランジスタ578bは、10ミリアンペア程度の電流をドレインからソースへ流しても破損しない仕様のものを用いている。そのため、接続線SCLには、通常のI2Cバス使用で用いられる電流値よりもはるかに大きい10ミリアンペア程度の電流を流すことが可能であり、演出制御装置550と装飾制御装置610との間のデータ送信が、ノイズによる障害に耐えうる構成となっている。
ドライバ576bは、クロック信号を接続線SCLから出力する場合に、トランジスタ578bにドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ578bのゲートにトランジスタ578bが動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ576bは、接続線SCLの電圧を、HIGHレベルとLOWレベルとに繰り返し変化させることによって、クロック信号を接続線SCLから出力する。
電源投入リセット回路577は、マスタIC570に電源が投入されて、電源投入リセット回路577内の電圧が所定値に達した場合に、入力用BUF571及び出力用BUF572などの記憶領域をデフォルト状態にするためのリセット信号をコントローラ574に出力する。
次に、中継基板600及び装飾制御装置610について説明する。
中継基板600は、装飾制御装置610と同等の機能を有し、マスタIC570に直接接続されている。そして、中継基板600に接続された装飾制御装置610に、マスタIC570から送信された電気信号を送信(中継)する。
装飾装置620は、装飾制御装置610に備えられるI2CI/Oエクスパンダ615(図14参照)によって制御され、電流を流すことによって光が点滅して演出を行う発光装置であり、例えばLEDなどである。装飾装置基板625は、サイドランプ45(図8参照)に設けられる基板であり、サイドランプ45の発光装置(LED)が搭載されている。このサイドランプ45の発光装置は、中継基板600に備えられるI2CI/Oエクスパンダ615によって、直接制御される。
役物駆動第1モータ(MOT)71及び役物駆動第2MOT81は、電流が流れると回転動作することによって演出動作を行う駆動装置である。役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81は、演出制御装置550のドライバ564により中継基板600を経由して直接制御されるので、I2CI/Oエクスパンダ615を介在させる処理は行われない。
本発明の実施の形態では、役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81は、可動演出装置58に含まれ、具体的には、役物駆動第1MOT71は第1演出ユニット63、役物駆動第2MOT81は第2演出ユニット64に含まれている。
演出制御装置550は、役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81を制御することによって、第1演出ユニット63及び第2演出ユニット64が連動した演出動作を実行させる。
なお、演出制御装置550と中継基板600との接続方法、及び中継基板600と中継基板600以外の装飾制御装置610との接続方法については、図11〜図13にて詳細を後述する。また、装飾制御装置610の構成及び接続方法などについては、図14〜図19にて詳細を後述する。
図11は、本発明の実施の形態の中継基板600及び装飾制御装置610の接続状態を示す図であり、遊技機1に前面枠3が取り付けられる場合を示す図である。
なお、本発明の実施の形態の遊技機1には複数の仕様があり、通常版遊技機1と廉価版遊技機1とがある。通常版遊技機1は、標準仕様の装飾部材を備えている前面枠3(通常版前面枠)を備えている。廉価版遊技機1は、標準仕様の装飾部材よりも廉価なコストで構成された装飾部材を備えている前面枠3(廉価版前面枠)を備えている。
図11は、通常版遊技機1に関するものであり、通常版前面枠3を備えている。これに対して、廉価版遊技機1は、通常版前面枠3の代わりに廉価版前面枠3が設けられる。
図12は、本発明の実施の形態の通常版前面枠3の代わりに設けられる廉価版前面枠3について説明する図である。
廉価版遊技機1は、図11における通常版前面枠3の部分を、図12の廉価版前面枠3に置換した遊技機に相当する。
装飾制御装置610は、主として、遊技盤10及び前面枠3に取り付けられている。前面枠3に取り付けられた装飾制御装置610が制御する装飾装置(LED)620は、装飾部材9a、9b、照明ユニット11、及び異常報知LED29を照射するものである。一方、遊技盤10に取り付けられる装飾制御装置610は、センターケース51、表示装置53、及び演出制御装置550を一体化して構成される補助遊技装置ユニット12に含まれている。
補助遊技装置ユニット12を構成するセンターケース51は、前述したように、枠装飾部65と枠体基部60とを組み合わせて構成される。
枠装飾部65には、変動表示ゲームなどの補助遊技の演出を行うための演出装置や当該演出装置を制御するための装飾制御装置610などが複数個備えられる。これらの装飾制御装置610同士を所定の信号ケーブルにより相互に接続し、さらに、この装飾制御装置610に制御される演出装置もケーブルで接続することにより、当該枠装飾部65が一体構成される。
また、枠体基部60にも、変動表示ゲームなどの補助遊技の演出を行うための演出装置や当該演出装置を制御するための装飾制御装置610が複数個備えられる。これらの装飾制御装置610同士を所定の信号ケーブルにより相互に接続し、さらに、この装飾制御装置610に制御される演出装置もケーブルで接続することにより、当該枠体基部60が一体構成される。
ゆえに、枠装飾部65や枠体基部60は、本実施形態における一体型演出ユニットを構成している。これに対し、サイドランプ45などは、一体型演出ユニットに含まれない単体の演出装置であるので、分離型演出装置を構成することになる。
なお、補助遊技装置ユニット12に含まれる演出装置のすべてが補助遊技装置ユニット12内部の装飾制御装置610によって制御される必要はない。例えば、本発明の実施の形態では、センターケース51内に配置される可動物は、中継基板600を介して、演出制御装置550により直接制御される。
通常版前面枠3と廉価版前面枠3とは、装飾部材9a、9bに含まれる装飾装置620の数が相違し、さらに、装飾装置620を制御する装飾制御装置610の数も相違する。具体的には、通常版前面枠3の装飾部材9a、9bは四つの装飾制御装置610によって制御され、廉価版前面枠3の装飾部材9a’、9b’は二つの装飾制御装置610によって制御される。装飾部材9a、9bは最大60個のLEDによって照射するのに対して、装飾部材9a’、9b’は最大30個のLEDによって照射するので、通常版前面枠3のほうが廉価版前面枠3よりも明るくなり、実行可能な演出のバリエーションを増やすことも可能である。このため、通常版前面枠3が取り付けられた場合の装飾装置620の制御と、廉価版前面枠3が取り付けられた場合の装飾装置620の制御が相違する。
このため、通常版前面枠3に取り付けられる装飾制御装置610の個別アドレスと廉価版前面枠3に取り付けられる装飾制御装置610の個別アドレスに同じアドレスを割り当てた場合には、演出制御装置550から装飾制御装置610へ送信する演出制御データを、通常版前面枠3の場合と廉価版前面枠3の場合とで異ならせる必要があるので、遊技機1に取り付けられる前面枠3に応じて通常版用の演出制御装置550と廉価版用の演出制御装置550をそれぞれ用意しなければならない。したがって、製造メーカーが遊技機1を出荷する場合には、通常版用の演出制御装置550と廉価版用の演出制御装置550とを用意しなければならず、製造コストが上昇してしまう。
このため、本発明の実施の形態では、通常版前面枠3と廉価版前面枠3とで制御が異なる装飾制御装置610の個別アドレスには、異なるアドレスを割り当て、演出制御装置550から装飾制御装置610へ送信する演出制御データが、通常版前面枠3の場合と廉価版前面枠3の場合とで共通となるように構成することで、一つの演出制御装置550で通常版用の制御と廉価版用の制御とを実行できるように構成した。こうすることによって、通常版用の演出制御装置550と廉価版用の演出制御装置550とをそれぞれ用意する必要がなくなり、製造コストを抑えることができる。なお、本発明の実施の形態では、補助遊技装置ユニット12については、通常版であっても廉価版であっても同じ構成としている。
装飾制御装置610には、前述のように、装飾装置620を制御するためのI2CI/Oエクスパンダ615が搭載され、I2CI/Oエクスパンダ615には、個々のI2CI/Oエクスパンダ615を識別するための個別アドレスが割り当てられている。本発明の実施の形態では、前述のように、I2CI/Oエクスパンダ615の個別アドレスが、装飾制御装置610の個別アドレスとして利用される。
演出制御装置550は、I2CI/Oエクスパンダ615の個別アドレスを指定して制御信号を送信することによって、装飾装置620を個別に制御して演出動作を実行することが可能となる。図11に示す補助遊技装置ユニット12及び通常版前面枠3に含まれるすべての装飾制御装置610には、それぞれ異なる個別アドレス(図中に「ad=」で示す)が割り当てられている。
また、装飾制御装置610は、接続形態によって、分岐型(分岐基板)、連結型(連結基板)及び終端型(終端基板)の三種類に分類される。分岐型、連結型及び終端型いずれの装飾制御装置610にも装飾装置620を接続可能であり、接続された装飾装置620を制御することが可能である。
分岐型の装飾制御装置610は、下流側に複数の装飾制御装置610が直接接続され、これらの複数の装飾制御装置610に受信した制御信号を送信する。連結型の装飾制御装置610は、下流側に一つの装飾制御装置610が接続され、接続された装飾制御装置610に受信した制御信号を送信する。終端型の装飾制御装置610は、下流側に装飾制御装置610が接続されず、装飾装置620の制御のみを行う。分岐型、連結型、終端型の装飾制御装置610の詳細に関しては、図14を用いて後述する。
なお、下流側とは、演出制御装置550から送信された電気信号を送信する側であり、反対に、上流側とは、演出制御装置550から送信された電気信号を受信する側である。
ここで、本発明の実施の形態では、前述のように、可動演出装置58を構成する第1演出部材70及び第2演出部材80の可動部分に装飾制御装置610が配置されている。言い換えれば、図6において、第1演出部材70の可動部(第1演出ベース100)に装飾制御装置610(第1発光基板106)が配置され、図7において、第2演出部材80の可動部(第2演出ベース110)に装飾制御装置610(第2発光基板116)が配置されている。
このとき、従来のシフトレジスタのように、各装飾制御装置610をデイジーチェーンで配線すると、少なくとも一方の装飾制御装置610に入力用のケーブルと出力用のケーブルを接続する必要がある。可動部に複数のケーブルが接続されると、可動部とともに装飾制御装置610(第1発光基板106、第2発光基板116)自体が可動する構造となってケーブルも移動するため、配線の引き回しが困難になってしまうおそれがある。さらに、ケーブルの移動により、ケーブルを構成する接続線が断線する可能性が生じ、演出に影響を与えるおそれがある。
本発明の実施の形態では、第1演出部材70及び第2演出部材80に配置された装飾制御装置610を終端型とし、これらの装飾制御装置610の上流に分岐型の装飾制御装置610を配置している。そのため、終端型の装飾制御装置610(第1発光基板106、第2発光基板116)には、第1演出部材70及び第2演出部材80の外部に備えた他の装飾制御装置610へ信号を伝達するケーブルが、接続されない構造となる。このように装飾制御装置610を配置すれば、可動部に配置された装飾制御装置610には入力ケーブルのみを接続すればよいことになる。したがって、デイジーチェーンで配線する場合と比較して、配線の引き回しが容易になり、断線する可能性を少なくすることができる。
装飾制御装置610は、受信した制御信号の宛先アドレスが自宛でない場合、下流側にさらに装飾制御装置610が接続されていれば受信した制御信号を送信する。また、送信先がなければ受信した制御信号を破棄する。
装飾制御装置610は、16個のポートに対応するLEDを制御することが可能であり、装飾制御装置610に搭載されたLEDと、当該装飾制御装置610に接続された外部の装飾装置基板625に搭載されたLEDとの合計数が16以下であれば、両方のLEDを制御することが可能である。すなわち、一体型の装飾制御装置610(I2CI/Oエクスパンダ615と装飾装置620がともに配置される主動型基板に相当)では、装飾装置基板625(I2CI/Oエクスパンダ615が配置されず装飾装置620が配置される従動型基板に相当)をさらに接続することによって、内部に備えられた装飾装置620と外部に接続した装飾装置620の両方を制御することが可能である。
こうすることによって、離れて配置された装飾装置620を1つの装飾制御装置610で制御することが可能となり、装飾制御装置610の数を最小限にすることができる。
中継基板600は、上流側では演出制御装置550に搭載されたマスタIC570に接続し、マスタIC570から送信された制御信号を受信する。また、下流側では、補助遊技装置ユニット12に含まれる装飾制御装置610A(正確には一体型演出ユニットである枠体基部60に含まれる装飾制御装置610A)、及び通常版前面枠3に取り付けられる装飾制御装置610Hに接続する。さらに、中継基板600は、遊技盤10に備えられた分離型演出装置である装飾装置基板625(サイドランプ45(図8参照)に設けられた基板)に接続し、当該中継基板600に備えたI2CI/Oエクスパンダ615によって、当該装飾装置基板625に搭載された装飾装置620を制御する。
補助遊技装置ユニット12には、装飾制御装置610A〜610Gが含まれる。装飾制御装置610Aは、分岐型の装飾制御装置であり、装飾制御装置610B及び装飾制御装置610CにマスタIC570から受信した制御信号を送信する。また、装飾制御装置610Bには、装飾装置基板625Bが接続されており、装飾装置基板625Bに配置されたLEDなどの演出装置(装飾装置620)が装飾制御装置610Bによって制御される。
装飾制御装置610Cは、連結型の装飾制御装置610であり、下流側の装飾制御装置610Dに受信した制御信号を送信する。装飾制御装置610Dは、分岐型の装飾制御装置610Eが接続され、さらに、装飾装置基板625Dに含まれる装飾装置620Dを制御する。
装飾制御装置610Eには、第1演出部材70を制御する装飾制御装置610Fと、第2演出部材80を制御する装飾制御装置610Gとが接続される。第1演出部材70及び第2演出部材80は、連動して演出動作が実行される。装飾制御装置610Fは、第1演出部材70に含まれる第1発光基板106に配置され(図6)、また、装飾制御装置610Gは、第2演出部材80に含まれる第2発光基板116に配置されている(図7)。
本発明の実施の形態では、装飾制御装置610Fは第1演出部材70に含まれるLEDなどを制御し、装飾制御装置610Gは第2演出部材80に含まれるLEDなどを制御する。なお、第1演出部材70及び第2演出部材80をそれぞれ表示部53aの前方に移動させるための駆動力を出力するための役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81は、中継基板600によって制御される。
演出制御装置550は、変動表示ゲーム実行時など、所定の条件を満たすと、第1演出ユニット63(第1演出部材70)及び第2演出ユニット64(第2演出部材80)を制御して演出動作を実行する。具体的には、第1演出ユニット63に含まれる役物駆動第1MOT71及び第2演出ユニット64に含まれる役物駆動第2MOT81を制御するために、中継基板600の個別アドレス(「0000」)を指定して、これらのモータを動作させるための制御信号を送信する。さらに、第1演出部材70に含まれるLEDなどの発光装置を制御する制御信号を、第1演出部材70を制御する装飾制御装置610Fの個別アドレス(「0110」)を指定して送信する。同様に、第2演出部材80に含まれるLEDなどの発光装置を制御する制御信号を、第2演出部材80を制御する装飾制御装置610Gの個別アドレス(「0111」)を指定して送信する。その後、ストップコンディションを発行する。
一方、通常版前面枠3には、装飾制御装置610H〜610Lが配置されている。装飾制御装置610Hは、照明ユニット11を制御する。装飾制御装置610I及び装飾制御装置610Jは、通常版前面枠3の左側部分の装飾部材9aを制御する。また、装飾制御装置610K及び装飾制御装置610Lは、通常版前面枠3の右側部分の装飾部材9bを制御する。
装飾制御装置610Hは、分岐型の装飾制御装置であり、装飾制御装置610I及び装飾制御装置610Jに受信した制御信号を送信する。また、装飾制御装置610Hには、異常報知LED29を点灯させるための装飾装置基板625Hが接続されており、当該装飾制御装置610Hによって異常報知LED29が制御される。
通常版前面枠3の左側部分の装飾部材9aは、前述のように、連結型の装飾制御装置610I、及び終端型の装飾制御装置610Jを含む。装飾制御装置610Iは、演出制御装置550のマスタIC570から送信された制御信号を、装飾制御装置610Hから受信し、装飾制御装置610Jに送信する。装飾制御装置610I及び装飾制御装置610Jは、それぞれ接続された装飾装置基板625I及び装飾装置基板625Jを制御する。
通常版前面枠3の右側部分の装飾部材9bは、前述のように、連結型の装飾制御装置610K、及び終端型の装飾制御装置610Lを含む。装飾制御装置610Kは、演出制御装置550のマスタIC570から送信された制御信号を、装飾制御装置610Hから受信し、装飾制御装置610Lに送信する。装飾制御装置610K及び装飾制御装置610Lは、それぞれ接続された装飾装置基板625K及び装飾装置基板625Lを制御する。
また、装飾部材9a及び装飾部材9bに含まれる装飾制御装置610I〜610Lにも、それぞれ異なる個別アドレスが割り当てられており、マスタIC570から送信された制御信号に基づいて、それぞれ別々の演出動作を実行させることができる。具体的には、通常版前面枠3の装飾部材9aに含まれる装飾制御装置610I及び610Jの個別アドレスには「1010」及び「1100」、装飾部材9bに含まれる装飾制御装置610K及び610Lの個別アドレスには「1101」及び「1110」が割り当てられている。
一方、廉価版前面枠3(図12参照)には、通常版前面枠3に備えられている装飾制御装置のうち、装飾制御装置610I、610J、610K及び610L(第1の仕様依存型グループ単位制御手段)に相当するものが存在せず、代わりに、装飾制御装置610M及び610N(第2の仕様依存型グループ単位制御手段)が取り付けられている。但し、通常版前面枠3に備えられていた装飾制御装置610Hは、廉価版前面枠3にも取り付けられており、通常版前面枠3と同様に、照明ユニット11を制御し、異常報知LED29を点灯させるための装飾装置基板625Hが接続されている。また、装飾制御装置610Hには、通常版前面枠3と同じ個別アドレスが割り当てられており、同じ制御が実行される。
前述のように、通常版前面枠3の装飾部材9a,9bが最大60個のLEDによって照射するのに対し、廉価版前面枠3の装飾部材9a’,9b’は、最大30個のLEDによって照射する。
また、廉価版前面枠3では、左側の装飾部材9a’を制御する装飾制御装置610M、及び右側の装飾部材9b’を制御する装飾制御装置610Nが取り付けられている。装飾制御装置610M及び装飾制御装置610Nには、同じ個別アドレス(「1111」)が割り当てられている。したがって、廉価版前面枠3では、左右の装飾部材で同じ制御が実行され、LEDによる照射が同じタイミングで実行される。
また、装飾制御装置610M及び装飾制御装置610Nには、通常版前面枠3の装飾制御装置610に割り当てられていない個別アドレスが割り当てられている。
そして、通常版前面枠3と廉価版前面枠3の何れに使用される場合であっても、演出制御装置550からは、装飾部材9a、9b、9a’、9b’のI2CI/Oエクスパンダ615に割り当てられた個別アドレスである「1001」、「1010」、「1100」、「1101」、「1110」及び「1111」のすべてを含んだ演出制御データが、装飾制御装置610に送信される。
したがって、本発明の実施の形態の演出制御装置550は、通常版用の制御と廉価版用の制御とを行うことができるため、各前面枠で共用できるため、演出制御装置550の製造コストを削減することができる。
なお、廉価版前面枠3では、個別アドレスが「1001」、「1010」、「1100」、「1101」及び「1110」となるI2CI/Oエクスパンダ615は使用されず、通常版前面枠3では、個別アドレスが「1111」となるI2CI/Oエクスパンダ615は使用されない。そのため、いずれの前面枠3であっても、異常判定テーブル3000(図30参照)において、接続されないI2CI/Oエクスパンダ615が存在することになる。しかしながら、後述するように、異常判定テーブル3000に登録されている少なくとも1つのI2CI/Oエクスパンダ615と、マスタIC570との間で正常にデータ送信が行われていれば、正常に動作していると判定されるため、これが原因で処理が中断することはない。
図13は、本発明の実施の形態の装飾制御装置610A〜610Nの接続状態を説明する図である。なお、説明の都合上、装飾制御装置610として、1個の中継基板600と、6個の装飾制御装置(610A、610C、610D、610H、610I、610J)を図示しているが、実際には、遊技機1の仕様に対応して必要な数の装飾制御装置610が接続されている。
演出制御装置550は、接続線Vcc、接続線Vled、接続線SDA、接続線SCL、接続線GND、接続線M11〜M14、接続線M21〜M24、接続線M31〜M34、接続線SL1、接続線SL2、接続線SE1〜3、接続線Vms、及び接続線Vseによって中継基板600と接続される。
接続線Vcc、接続線Vled、接続線SDA、接続線SCL、接続線GND、接続線Vms、及び接続線Vseについては、図10にて説明した通りである。
接続線M11〜M14は、第1演出ユニット63に含まれる役物駆動第1MOT71の第1〜4相を制御するための信号が送信される。接続線M21〜M24は、第2演出ユニット64に含まれる役物駆動第2MOT81の第1〜4相を制御するための信号が送信される。役物駆動第1MOT71、役物駆動第2MOT81は4相駆動のステッピングモータを用いている。
接続線M31〜M34は、モータを制御するための接続線であるが、本発明の実施の形態では、中継基板600に対応するモータが接続されないため、接続状態を表示する空き端子モニタ603が接続される。空き端子モニタ603は、接続線M31〜M34に対応した、4個のLEDによって構成されており、各接続線が断線しているか否かを確認することができる。したがって、一部又は全部の接続線が断線している場合には、空き端子モニタ603の一部が点灯しないことになるので、ケーブルの品質を悪いと判断することができる。
特に、本実施形態の遊技機のように、マスタIC570と中継基板600とを接続するケーブル91には、電源を供給するための接続線GND、接続線Vcc、接続線Vled、接続線Vms、及び接続線Vseが含まれている(図10若しくは図13参照)。これらの電力を供給する線は、安定した動作を実現するために、充分な電流量が確保できる断面積の大きい(太い)ケーブルが本来であれば用いられる。
しかしながら、ケーブル91の様なフラット形状のケーブルを用いる場合には、コネクタを接続する関係から、各ケーブルの断面積の大きさを同一(共通化)する必要がある。そこで、断面積の大きいケーブルを代わりに、複数の接続線を用いて電源供給を行うことが考えられ、例えば、接続線GNDとして6本のケーブルを使用し、接続線Vmsとして3本のケーブルを使用するといった構成を実現することができる。
このとき、電力を供給する接続線の一部が断線していても、すべての接続線が断線していなければ、見た目上は問題なく動作していることになるので、LEDを点灯させたり、モータを駆動させたりすることが可能であるが、充分な電流量が確保できていない状態であるため、ケーブル上で異常な発熱が発生したりする恐れがある。このような場合に、空き端子モニタ603に電力を供給する線を接続することによって、一見正常に動作していても、一部の接続線が断線しているような品質の劣るケーブルを発見することができ、障害が発生する前に交換したり必要なメンテナンスを行ったりすることが可能となる。
接続線SL1及び接続線SL2は、遊技盤10の左右に配置されたサイドランプ45を制御する信号を送信するための接続線である。接続線SE1〜3は、モータ位置検出センサ560による検出結果を受信するための接続線である。
中継基板600には、役物駆動モータ(役物駆動第1MOT71、役物駆動第2MOT81)が接続される。中継基板600は、接続線M11〜M14を介して送信された制御信号に基づいて、役物駆動第1MOT71を制御し、同じく、接続線M21〜M24を介して送信された制御信号に基づいて、役物駆動第2MOT81を制御する。さらに、各モータを駆動するために、接続線Vmsから供給された電力を各モータに供給する。なお、装飾ピース46を上下動させるための役物駆動ソレノイドに供給される電力についても接続線Vmsから供給される。
また、中継基板600には、役物駆動モータの回転位置を検出するためのモータ位置検出センサ560が接続される。中継基板600は、モータ位置検出センサ560によって検出された役物駆動モータの回転位置を、接続線SE1〜3を介して演出制御装置550に送信する。
さらに、中継基板600には、遊技盤10に取り付けられるサイドランプ45が接続される。中継基板600は、接続線SL1及びSL2を介して受信した制御信号に基づいて、二つのサイドランプ45の装飾装置620を制御する。
中継基板600を含む装飾制御装置610は、接続線Vcc、接続線Vled、接続線SDA、接続線SCL、及び接続線GND(以下、この5本の接続線を一つのハーネスという)を介して互いに接続される。
また、中継基板600には、二つの装飾制御装置610A及び610Hがそれぞれハーネスによって並列に接続される。
装飾制御装置610Aにはハーネスを介して装飾制御装置610Cが接続され、装飾制御装置610Cにはハーネスを介して装飾制御装置610Dが接続される。
一方、装飾制御装置610Hにはハーネスを介して装飾制御装置610Iが接続され、装飾制御装置610Iにはハーネスを介して装飾制御装置610Jが接続される。
各装飾制御装置610は、ハーネスを自身に接続するための取付口となるコネクタを備える。このコネクタは各装飾制御装置610で共通であるため、各接続線の接続順が共通となっており、誤配線を防止することができる。
ここで、装飾制御装置610に設けられたI2CI/Oエクスパンダ615(図14で後述)が装飾装置620を制御する方法について説明する。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力された遊技データに基づいて、演出装置(装飾装置620)の出力態様を決定する。そして、演出制御装置550は、決定された出力態様となるように、制御対象となる装飾制御装置610の個別アドレス(I2CI/Oエクスパンダ615の個別アドレス)を含む演出制御データ(演出制御情報)を中継基板600に出力する。このとき、演出制御データは、中継基板600から接続線SDAを介してすべての制御対象の装飾制御装置610に出力される。
なお、本発明の実施の形態では装飾制御装置610によって制御される演出装置は主としてLED等の発光装置であるため、LEDの発光態様が演出装置の出力態様に相当する。この場合、演出制御データによって、LEDの点灯/点滅/消灯が指示され、さらに、LEDの点滅周期や点灯輝度も指示される。
各装飾制御装置610には、前述のようにあらかじめ一意な個別アドレスが設定されており、演出制御データが入力されると、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されている個別アドレスとが一致するか否かを判定する。そして、入力された演出制御データに含まれるアドレスと設定されている個別アドレスとが一致すると判定された場合には、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、演出制御データを取り込んで、対応する装飾装置620の出力態様を制御するとともに、8ビット目のデータが入力された直後に返答信号をマスタIC570に出力する。
以上のように、マスタIC570は、当該マスタIC570に接続されるすべての装飾制御装置610に演出制御データを送信し、当該演出制御データに含まれる個別アドレスに対応する装飾制御装置610において、要求した出力態様となるように演出装置を制御することができる。
なお、各装飾制御装置610には、個別アドレス以外にも、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615を初期化するためのリセット用アドレスが設定されている。このリセットアドレスは、すべてのI2CI/Oエクスパンダ615に対して共通に設けられたアドレスであり、個別アドレスとして使用することはできない。また、このリセットアドレスの値を変更することもできないように構成されている(詳細は後述する)。
演出制御装置550は、装飾制御装置610(正確には、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615)を初期化する場合に、このリセット用の共通アドレスを含んだ初期化指示データを、中継基板600に出力する。このとき、初期化指示データ演出制御データは、中継基板600を介して、演出制御装置550に接続されるすべての装飾制御装置610に対して接続線SDAから出力される。
各装飾制御装置610には、リセット用の共通アドレスがあらかじめ設定されているので、入力されたデータに含まれるアドレスと、リセット用の共通アドレスとが一致するか否かを判定する。一致すると判定された場合には、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、返答信号をマスタIC570に出力するとともに、入力データを初期化指示データとして取り込み、I2CI/Oエクスパンダ615自身を初期化する。
なお、I2CI/Oエクスパンダ615が初期化されると、当該初期化されたI2CI/Oエクスパンダ615によって制御される演出装置はオフ状態となる。
このように、装飾制御装置610は、演出制御装置550からの指令に基づく制御を行うので、演出制御装置550と装飾制御装置610との関係は、演出制御装置550のマスタIC570がマスタであり、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615がスレーブとなる。
図13では、中継基板600以外の装飾制御装置610の制御対象は、LEDなどの発光装置である装飾装置620となっているが、モータやソレノイドなどの可動物を制御することも可能である。この場合には、演出装置がモータやソレノイドなどの駆動源となることから、これらの駆動源の動作態様が演出装置の出力態様に相当する。演出制御データには、駆動源の作動/停止指示が含まれ、さらに動作速度を指定することも可能である。
図14は、本発明の実施の形態の装飾制御装置610のブロック図である。
本発明の実施の形態の装飾制御装置610は、前述のように、接続形態に基づいて、分岐型、連結型、及び終端型の3種類に分類される。図14には、分岐型の装飾制御装置610Xに終端型の装飾制御装置610Yが接続されている例を示している。さらに、装飾制御装置610Yには、装飾装置基板625が接続されている。
分岐型の装飾制御装置とは、I2CI/Oエクスパンダ615と、I2CI/Oエクスパンダ615が受信する信号を受け入れるためのコネクタ(上流コネクタ)と、上流コネクタから受け入れた信号を、複数の装飾制御装置610に伝達するコネクタ(下流コネクタ)を備えたものである。例えば、図中の装飾制御装置610Xのように、内部にI2CI/Oエクスパンダ615及びLED(装飾装置620)を備え、さらに、一つの上流コネクタ611と二つの下流コネクタ612A、612Bを備える。
接続線SDA及び接続線SCLは、装飾制御装置610内で二つに分岐し、一方は、そのまま次の装飾制御装置610Yに出力するための下流コネクタ612Bに接続される。他方は、さらに分岐し、一方はI2CI/Oエクスパンダ615に接続され、他方は別の下流コネクタ612Aに接続される。
また、装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615の出力側には、制御対象となる装飾装置620が接続される。I2CI/Oエクスパンダ615の出力側は、図7で説明するポート0〜15によって構成される。さらに、装飾制御装置610のすべてのポートが、図16で後述する電流制限抵抗R0〜R15を介して、内部のLEDに接続されている。なお、この電流制限抵抗R0〜R15も、装飾制御装置610に備えられている。
前述したように、I2CI/Oエクスパンダ615は、演出制御装置550から入力された演出制御データに含まれるアドレスと、当該I2CI/Oエクスパンダ615に設定されている個別アドレスとが一致する場合にのみ、演出制御データに含まれる装飾データに基づいて、I2CI/Oエクスパンダ615に接続されている装飾装置620を制御する。
なお、下流コネクタが1個しか備えないために、上流コネクタから受け入れた信号が、1つの装飾制御装置610にのみ伝達可能となっている装飾制御装置は、連結型の装飾制御装置となる。例えば、前述した装飾制御装置610Xにて、下流コネクタ612Bのみが備えられ、下流コネクタ612Aが存在しないようなものが該当する。
また、終端型の装飾制御装置とは、I2CI/Oエクスパンダ615と、I2CI/Oエクスパンダ615が受信する信号を受け入れるためのコネクタ(上流コネクタ)を有するが、上流コネクタから受け入れた信号を、他の装飾制御装置610に伝達しないものである。例えば、図中の装飾制御装置610Yは、I2CI/Oエクスパンダ615及びLED(装飾装置620)を備え、装飾制御装置610Yの外部に接続される装飾装置基板625に備わるLEDに電流を流すための接続線、装飾装置基板625のLEDに電源電圧を供給する接続線、及び、グランドに接地する接続線を介して、装飾制御装置610と装飾装置基板625とが接続される。
装飾装置基板625は、I2CI/Oエクスパンダ615を備えておらず、LEDなどの発光装置のみを備えた基板である。この場合、装飾装置基板625に備えたLEDに接続される電流制限抵抗(図16)を、装飾装置基板625に設けることになるが、I2CI/Oエクスパンダ615が備えられた装飾制御装置610に設けてもよい。
なお、装飾装置基板625に設けたLEDの数に対応して、装飾制御装置610から装飾装置基板625へ渡されることになる、これらのLEDに電流を流すための接続線の数が決定される。例えば、装飾装置基板625に二つのLEDを備えた場合には、I2CI/Oエクスパンダ615のポートと対応するLEDとを接続するための2本の制御線と、Vledから供給された電力を供給する電源線1本とが、少なくとも必要となる。
そして、装飾制御装置610Yに設けられたI2CI/Oエクスパンダ615も、演出制御装置550から入力された演出制御データに含まれるアドレスと、当該I2CI/Oエクスパンダ615に設定されているアドレスとが一致する場合にのみ、演出制御データに含まれる装飾データに基づいて、I2CI/Oエクスパンダ615に接続されている装飾装置620を制御する。この場合、中央の装飾制御装置610に設けられた装飾装置620と、装飾装置基板625に設けられた装飾装置620の両方が、I2CI/Oエクスパンダ615によって制御される。
このように、装飾装置基板625を設けて、装飾制御装置610から一部の装飾装置(LED)を分離させることで、離れた箇所に配置されたLEDであっても、共通のI2CI/Oエクスパンダ615により制御することができる。
なお、装飾制御装置610は、前述したように、LEDなどの発光装置の代わりに、ソレノイドやモータなどの可動物を制御することが可能であり、具体的には、図17にて後述する。
図15は、本発明の実施の形態のI2CI/Oエクスパンダ615の構成を示すブロック図である。
I2CI/Oエクスパンダ615は、接続線SDAに接続されるトランジスタ630、接続線SDAに接続されるフィルタ631、接続線SDAに接続されるドライバ632、接続線SCLに接続されるフィルタ633、バスコントローラ634、出力設定レジスタ635、出力コントローラ636、I2CI/Oエクスパンダ615の出力側の各ポート0〜15に接続されるドライバ637、各ポート0〜15に接続されるトランジスタ638A〜638P、及びリセット信号発生回路639を備える。
フィルタ631は、接続線SDAに接続され、接続線SDAから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ634に出力する。ドライバ632は、返答信号を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ630が動作可能な電圧をトランジスタ630に印加する。
ドライバ632は、接続線SDAからデータ(返答信号)を出力する場合に、トランジスタ630が動作可能な電圧をトランジスタ630に印加する。
トランジスタ630は、電力消費を抑えるために電界効果トランジスタ(FET)が用いられており、トランジスタ630のゲートはドライバ632に接続され、ドレインはプルアップ抵抗R(図18参照)により所定の電圧が印加された接続線SDAに接続され、ソースは接地されている。
トランジスタ630のゲートに印加される電圧がトランジスタ630を動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れない。一方、トランジスタ630のゲートに印加される電圧がトランジスタ630を動作させる所定値以上であれば、所定値の電圧が印加されたドレインから接地されているソースへ電流が流れることによって、接続線SDAの電圧が低下する。なお、トランジスタ630は、10ミリアンペア程度の電流をドレインからソースへ流しても破損しない仕様のものを用いている。
ドライバ632は、データ(返答信号)を接続線SDAから出力する場合に、トランジスタ630にドレインとソースとの間に電流を流すためにトランジスタ630のゲートにトランジスタ630が動作可能な値の電圧を印加する。そして、ドライバ632は、接続線SDAの電圧をHIGHからLOWへ繰り返し変化させることによって、データを接続線SDAから出力する。
フィルタ633は、接続線SCLに接続され、接続線SCLから入力されたデータのノイズを除去し、ノイズが除去されたデータをバスコントローラ634に出力する。
また、I2CI/Oエクスパンダ615には、当該I2CI/Oエクスパンダ615に備わるアドレス設定用端子A0〜A3によって固有のアドレスが設定されており、バスコントローラ634に入力されている。さらに、I2CI/Oエクスパンダ615をリセットするためのアドレスも、あらかじめ設定されている。
バスコントローラ634は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ615に設定された固有のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に当該データを演出制御データとして取り込む。
また、バスコントローラ634は、接続線SDAから入力されたデータのアドレスがI2CI/Oエクスパンダ615に設定されたリセット用のアドレスと一致するか否かを判定し、一致している場合に当該データを初期化指示データとして取り込み、当該I2CI/Oエクスパンダ615を初期化する。
また、バスコントローラ634は、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が8回に達し、8ビット目のデータを取り込んだ後、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、返答信号を接続線SDAからマスタIC570に出力する。さらに、接続線SCLの信号レベルがLOWからHIGHへ変化することが確認され、再度接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWへ変化すると、接続線SDAを開放する。つまり、接続線SCLの信号レベルのLOWからHIGHへの変化回数が9回になるタイミングで返答信号を出力する。
出力設定レジスタ635には、当該I2CI/Oエクスパンダ615の動作モードやポート0〜15の出力状態が設定される。バスコントローラ634が接続線SDAから初期化指示データを取り込んで、当該I2CI/Oエクスパンダ615が初期化された場合には、出力設定レジスタ635は、すべてのポート0〜15に電流が流れないように初期状態に設定される。
出力コントローラ636は、出力設定レジスタ635に設定されたデータに基づいて、ポートドライバ637を介して、各ポート0〜15に接続された演出装置に電流を流すことによって、演出装置の出力状態を実際に制御する。この出力状態は、バスコントローラ634が接続線SDAから演出制御データを取り込むと、その直後に、マスタIC570から受信するストップコンディションのタイミングで、演出制御データに指定されている内容に更新される。
すなわち、マスタIC570から受信した演出制御データに基づいて、出力設定レジスタ635に設定し、ストップコンディションを受信した時点で、各ポート0〜15の出力状態を更新して演出装置に反映させる。したがって、シフトレジスタのように、LAT信号を受信する必要もなく、すなわち、LAT信号を受信するための配線を必要とすることなく、演出制御を行うことができる。特に、ポート出力状態を、複数のI2CI/Oエクスパンダ615で同時に更新する必要がある場合に有効であり、異なるI2CI/Oエクスパンダ615に制御される演出装置であっても、同時に演出動作を実行するように制御できるため、より演出効果を高めることが可能となる。
ドライバ637は、ポートに電流を流す場合に、電流を流すポートに接続されるトランジスタ638A〜638Pが動作可能な電圧を当該トランジスタに印加する。
トランジスタ638A〜638Pのゲートはドライバ637に接続され、ドレインは図16及び図17に示すように演出装置を動作させるための電圧が印加された接続線に接続するポート端子に接続され、ソースは接地されている。
トランジスタ638A〜638Pのゲートに印加される電圧がトランジスタ638A〜638Pを動作させる所定値よりも小さければ、ドレインとソースとの間に電流が流れない。一方、638A〜638Pのゲートに印加される電圧がトランジスタ638を動作させる所定値以上であれば、図16に示す電源Vled、又は図17に示す電源Vmotや電源Vsolからゲートに印加されている所定の電圧が、トランジスタ638のドレインを介して接地されているソースへ電流が流れることによって、ポート端子に接続された演出装置の出力状態を制御できる。
また、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、I2CI/Oエクスパンダ615のポート端子に接続されたすべての演出装置(LEDなどの装飾装置620)を同時に制御することが可能であるので、I2CI/Oエクスパンダ615のポート端子に接続された一つの演出装置を一つのグループとして制御することができる。
そして、各装飾制御装置610に備わるI2CI/Oエクスパンダ615同士は、互いに異なる個別アドレスが割り当てられているので、演出装置が複数のグループに分割された形態となっている。すなわち、各装飾制御装置610に備わるI2CI/Oエクスパンダ615は、演出装置をグループ単位で制御可能なグループ単位制御手段として構成されているものである。
したがって、各装飾制御装置610を統括する演出制御装置550は、グループ単位制御手段を統括して制御するグループ統括制御手段として機能している。
リセット信号発生回路639には、I2CI/Oエクスパンダ615に電源を供給する接続線Vccに接続されるVcc端子、及び外部からのリセット信号を受け付けるRESET端子が接続されている。
リセット信号発生回路639は、I2CI/Oエクスパンダ615に電源が投入され、電圧が所定値まで立ち上がると、リセット信号を発生させ、発生させたリセット信号をバスコントローラ634、出力設定レジスタ635、及び出力コントローラ636に入力することによって初期化する。
なお、外部からLOWレベルのリセット信号が入力された場合には、リセット信号発生回路639はリセット信号を出力するので、演出制御装置550のCPU551から、NORゲート回路590を経由して、RESET端子からリセット信号を入力するようにしてもよい。RESET端子を使用しない場合には、図16及び図17に示すようにRESET端子はHIGHにプルアップされていてもよい。
図16は、本発明の実施の形態の装飾装置620を制御する装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615周辺の回路図である。
I2CI/Oエクスパンダ615は、入力端子としてNC端子、RESET端子、SCL端子、SDA端子、Vcc端子、A0〜A3端子、及びGND端子を備え、出力端子として、PORT0〜PORT15を備える。
RESET端子には、プルアップ抵抗Rを介してI2CI/Oエクスパンダ615に供給される電源が接続されている。このため、リセット端子に印加される電圧は常にHIGHに維持されている。
SCL端子は接続線SCLに接続され、SDA端子は接続線SDAに接続される。
Vcc端子には、I2CI/Oエクスパンダ615に供給される電源が接続される。さらに、Vcc端子には、電源ノイズを除去するコンデンサCPが接続される。
A0端子〜A3端子は、I2CI/Oエクスパンダ615に個別アドレスを設定するための端子である。なお、I2CI/Oエクスパンダ615の個別アドレスは、通常、4ビットで表現され、この端子にI2CI/Oエクスパンダ615の電源が印加されている場合にはバスコントローラ634に「1」が設定され、この端子がグランドに接続されている場合にはバスコントローラ634に「0」が設定される。
したがって、図16に示すI2CI/Oエクスパンダ615の個別アドレスは「0100」となる。GND端子は、電圧をグランドするための端子である。
PORT0端子〜PORT15端子は、電流制限抵抗R0〜R15を介してLED0〜LED15からなる装飾装置620に接続される。なお、PORT0にように、ポート1個に対して1個のLEDを接続してもよいが、PORT1〜15のように、ポート1個に対して複数個のLEDを接続してもよい。
すべてのポートにLEDを1個ずつ設ける場合は、1個のI2CI/Oエクスパンダ615によって、最大で16個のLEDを制御できることになる。また、各ポートに接続されるLEDの個数が異なる場合は、1個のポートに直列に接続されたすべてのLEDを1種類のLEDということにすれば、1個のI2CI/Oエクスパンダ615によって、最大で16種類のLEDを制御できることになる。
PORT0端子〜PORT15端子に接続されるトランジスタ638A〜638P(図7参照)のゲートに対してドライバ637から電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタ638A〜638Pのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT0端子〜PORT15端子に接続されるLED0〜LED15に電流が流れ、各LED0〜LED15は点灯する。
一方、ドライバ637がトランジスタ638A〜638Pのゲートに電圧を印加しなければ、各LED0〜LED15に電流が流れない状態になり、各LED0〜LED15は点灯しない。
なお、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT15端子には、LEDの代わりに、モータやソレノイドを接続して、このモータやソレノイドを遊技に用いる演出装置として構成することも可能である。以下、図17を参照しながらI2CI/Oエクスパンダ615を用いてモータやソレノイドを制御する場合について説明する。
図17は、本発明の実施の形態の装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615周辺の回路図であり、モータやソレノイドを制御する場合を示す図である。
ここで使用されるモータはステッピングモータにより構成され、ステッピングモータを駆動する各相の信号端子に、所定の電圧を順次印加することで回動する。本発明の実施の形態では、モータの各相の信号端子がPORT0端子〜PORT3端子に接続される。
モータに接続されているPORT0端子〜PORT3端子に接続されるトランジスタ638A〜638Dのいずれかのゲートに対してドライバ637から電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタ638A〜638Dのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT0端子〜PORT3端子に接続されるモータに電流が流れ、役物駆動用のモータが駆動する。
なお、各PORT0端子〜PORT3端子とモータとを接続する接続線は分岐し、分岐した一方の接続線は、モータに供給される電源にダイオードD及びツェナダイオードZDを介して接続される。
また、PORT端子15は、使用されるソレノイドに接続される。ソレノイドに接続されているPORT15端子に接続されるトランジスタ638Pのゲートに対してドライバ637から電圧が印加されると、電圧が印加されたトランジスタ638Pのドレインからソースへ電流が流れることが可能になり、PORT15端子に接続されるソレノイドに電流が流れ、ソレノイドによって駆動される図示しない演出装置が駆動する。
なお、図17では、I2CI/Oエクスパンダ615にモータ及びソレノイドの双方が接続されているが、一つのI2CI/Oエクスパンダ615に対して、モータ及びソレノイドの少なくとも一方だけを接続した構成でもよい。
例えば、ステッピングモータだけを制御するグループとしてのI2CI/Oエクスパンダ615を専用に設けたり、ソレノイドだけを制御するグループとしてのI2CI/Oエクスパンダ615を専用に設けたりするようにしてもよい。このような構成により、同一グループに属する演出装置を同じタイミングで制御することが可能となるので、高速処理が必要な演出装置だけをグループ化して効率よく制御することも可能となる。
図18は、本発明の実施の形態の分岐型の装飾制御装置610の入出力に関する接続線の回路図である。本図においては、前述した分岐型の装飾制御装置610Xに備えられる部品と、同一の付番を付けて説明を行う。
分岐型の装飾制御装置610Xは、上流コネクタ611、2つの下流コネクタ612A、612B、及びI2CI/Oエクスパンダ615を備える。図18に示す分岐型の装飾制御装置610Xでは、2つの下流コネクタ612A、612Bが備えられているが、3つ以上の下流コネクタを備えていてもよい。
上流コネクタ611は、装飾制御装置610Xよりも上流の装飾制御装置610に接続されるコネクタである。下流コネクタ612A及び612Bは、装飾制御装置610Xよりも下流側の装飾制御装置610(例えば、図14では装飾制御装置610Y)に接続される。
二つの下流コネクタ612A、612Bに接続線SDAを接続するために、上流コネクタ611から延びる内部接続線SDA1811は分岐1801で第1接続線SDA1821と第2接続線SDA1831とに分岐する。第1接続線SDA1821は下流コネクタ612Aに接続され、第2接続線SDA1831は下流コネクタ612Bに接続される。
同じく、上流コネクタ611から延びる内部接続線SCL1812は分岐1802で第1接続線SCL1822と第2接続線SCL1832とに分岐する。第1接続線SCL1822は下流コネクタ612Aに接続され、第2接続線SCL1832は下流コネクタ612Bに接続される。
接続線SDAをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、第2接続線SDA1831は分岐1803で分岐し、分岐した第2接続線SDA1831はI2CI/Oエクスパンダ615の図16及び図17に示すSDA端子に接続される。また、接続線SCLをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、第2接続線SCL1832は分岐1804で分岐し、分岐した第2接続線SCL1832はI2CI/Oエクスパンダ615の図16及び図17に示すSCL端子に接続される。
なお、I2CI/Oエクスパンダ615には、I2CI/Oエクスパンダ615の電源電圧となる電圧Vccが供給されている。また、図18では図示されていないが、I2CI/Oエクスパンダ615からは、装飾制御装置610Xに設けられたLED(装飾装置620)を駆動する各ポート0〜15の信号線(図16参照)が出力されている。
また、I2CI/Oエクスパンダ615は、第2接続線SDA1831及び第2接続線SCL1832が接続されるとしたが、第1接続線SDA1821及び第1接続線SCL1822に接続されてもよい。
I2CI/Oエクスパンダ615が上流の装飾制御装置610に接続線SDAを介して出力する信号、及び上流の装飾制御装置610から装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615に接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SDA1811にはツェナダイオードZD1841が接続されている。
具体的には、内部接続線SDA1811は分岐1805で分岐し、分岐した内部接続線SDA1811はツェナダイオードZD1841のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1841のアノード側は接地されている。
このため、内部接続線SDA1811に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1841によって逃がされる。
また、上流の装飾制御装置610から装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SCL1812にはツェナダイオードZD1842が接続されている。
具体的には、内部接続線SCL1812は分岐1806で分岐し、分岐した内部接続線SCL1812はツェナダイオードZD1842のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1842のアノード側は接地されている。
このため、内部接続線SCL1812に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1842によって逃がされる。
装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615が下流コネクタ612Aに接続された装飾制御装置610Yに接続線SDAを介して出力する信号、及び下流コネクタ612Aに接続された装飾制御装置610から装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、第1接続線SDA1821にはツェナダイオードZD1843が接続されている。
具体的には、第1接続線SDA1821は分岐1807で分岐し、分岐した第1接続線SDA1821はツェナダイオードZD1843のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1843のアノード側は接地されている。
このため、第1接続線SDA1821に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1843によって逃がされる。
また、第1接続線SDA1821に接続されるツェナダイオードZD1843と同じく、第2接続線SDA1831にもツェナダイオード1845が接続される。
また、装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615から下流コネクタ612Aに接続された装飾制御装置610へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、第1接続線SCL1822にはツェナダイオードZD1844が接続されている。
具体的には、第1接続線SCL1822は分岐1808で分岐し、分岐した第1接続線SCL1822はツェナダイオードZD1844のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1844のアノード側は接地されている。
このため、第1接続線SCL1822に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1844によって逃がされる。
また、第1接続線SCL1822に接続されるツェナダイオードZD1844と同じく、第2接続線SCL1832にもツェナダイオードZD1846が接続される。
また、本発明の実施の形態では、中継基板600は、分岐型の装飾制御装置として機能する。分岐型の装飾制御装置610Xが中継基板600である場合には、マスタIC570に接続される上流側の接続線SDA、及び装飾制御装置610に接続される下流側の接続線SDAの電圧をプルアップするためのプルアップ抵抗R1851が、第1接続線SDA1821に接続される。同じく、マスタIC570に接続される上流側の接続線SCL、及び装飾制御装置610に接続される下流側の接続線SCLの電圧をプルアップするためのプルアップ抵抗R1852が、第1接続線SCL1822に接続される。
具体的には、第1接続線SDA1821は分岐1809で分岐し、分岐した第1接続線SDA1821はプルアップ抵抗R1851に接続される。同じく第1接続線SCL1822は分岐1810で分岐し、分岐した第1接続線SCL1822はプルアップ抵抗R1852に接続される。
なお、分岐型の装飾制御装置610であっても、中継基板600でなければ接続線SDA及び接続線SCLの電圧をプルアップするプルアップ抵抗R1851及び1852は不要である。一方、中継基板600であれば、図19にて説明する連結型の装飾制御装置610であってもプルアップ抵抗R1851及び1852が必要となる。
また、プルアップ抵抗R1851及び1852は、接続線SDA及び接続線SCLを駆動するトランジスタのドレインの端子に電圧Vccを供給可能な箇所に備えられていればよい。例えば、プルアップ抵抗R1851及び1852がマスタIC570に備えられていれば、分岐型の装飾制御装置610が中継基板600の場合であっても、装飾制御装置610内にプルアップ抵抗R1851及び1852が備えられている必要はない。
装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615に電源電圧を供給する接続線Vccに接続される上流コネクタ601のVcc端子から延びる内部接続線Vcc1871と、上流コネクタ601のGND端子から延び、接地されている内部接続線GND1872とは、平滑コンデンサC1861及びバイパスコンデンサCP1862を介して接続されている。
平滑コンデンサC1861は、電源の電圧波形を滑らかにするためのコンデンサであり、バイパスコンデンサCP1862は、電源の電圧のノイズを除去するためのコンデンサである。
このため、装飾制御装置610XのI2CI/Oエクスパンダ615に供給される電源電圧は、平滑コンデンサC1861により電圧が平滑化され、バイパスコンデンサCP1862によりノイズが除去されて、I2CI/Oエクスパンダ615に供給される。
同じく、下流コネクタ612A、612BのVcc端子から延びる内部接続線Vcc1873と、GND端子から延びる内部接続線GND1874とは、平滑コンデンサC1861及びバイパスコンデンサCP1862を介して接続されている。これによって、平滑化され、ノイズが除去された電圧が下流の装飾制御装置610に接続される接続線Vccに印加される。
図19は、本発明の実施の形態の連結型の装飾制御装置610の入出力に関する接続線の回路図である。本図においては、前述した分岐型の装飾制御装置610Xに備えられる部品と同一の付番を付けて説明を行うが、下流コネクタ612Bは上流コネクタ612として説明を行う。また、連結型の装飾制御装置なので、下流コネクタ612Aに相当するコネクタは存在しない。
連結型の装飾制御装置610は、上流コネクタ611、I2CI/Oエクスパンダ615、及び下流コネクタ612を備える。
上流コネクタ611には、中継基板600又は上流側の装飾制御装置610からバスが接続される。下流コネクタ612には、下流側の装飾制御装置610に接続するバスが接続される。
上流コネクタ611のSDA端子と下流コネクタ612のSDA端子とは、内部接続線SDA1911によって接続されている。また、上流コネクタ611のSCL端子と下流コネクタ612のSCL端子とは、内部接続線SCL1912によって接続されている。
接続線SDAをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、内部接続線SDA1911は分岐1901で分岐し、分岐した内部接続線SDA1911はI2CI/Oエクスパンダ615の図16及び図17に示したSDA端子に接続される。また、接続線SCLをI2CI/Oエクスパンダ615に接続するために、内部接続線SCL1912は分岐1902で分岐し、分岐した内部接続線SCL1912はI2CI/Oエクスパンダ615の図16及び図17に示したSCL端子に接続される。
なお、I2CI/Oエクスパンダ615には、I2CI/Oエクスパンダ615の電源電圧となる電圧Vccが供給されている。また、図19には図示されていないが、I2CI/Oエクスパンダ615からは、当該装飾制御装置610に係わるLED(装飾装置620)を駆動する各ポート0〜15の信号線(図16参照)が接続されている。
図19に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615が上流コネクタ611に接続された上流の装飾制御装置610又は中継基板600に接続線SDAを介して出力する信号、及び上流コネクタ611に接続された上流の装飾制御装置610又は中継基板600から図19に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SDA1911にはツェナダイオードZD1941が接続されている。
具体的には、内部接続線SDA1911は分岐1903で分岐し、分岐した内部接続線SDA1911はツェナダイオードZD1941のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1941のアノード側は接地されている。
このため、内部接続線SDA1911に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1941によって逃がされる。
また、上流コネクタ611に接続される上流の装飾制御装置610又は中継基板600から図19に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SCL1912にはツェナダイオードZD942が接続されている。
具体的には、内部接続線SCL1912は分岐1904で分岐し、分岐した内部接続線SCL1912はツェナダイオードZD1942のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1942のアノード側は接地されている。
このため、内部接続線SCL1912に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1942によって逃がされる。
図19に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615が下流コネクタ612に接続された下流の装飾制御装置610に接続線SDAを介して出力する信号、及び下流コネクタ612に接続された下流の装飾制御装置610から図19に示す装飾制御装置のI2CI/Oエクスパンダ615へ接続線SDAを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SDA1911にはツェナダイオードZD1943が接続されている。
具体的には、内部接続線SDA1911は分岐1905で分岐し、分岐した内部接続線SDA1911はツェナダイオードZD1943のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1943のアノード側は接地されている。
このため、内部接続線SDA1911に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1943によって逃がされる。
また、図19に示す装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615から下流コネクタ612に接続された下流の装飾制御装置610へ接続線SCLを介して入力される信号のノイズを除去するために、内部接続線SCL1912にはツェナダイオードZD1944が接続されている。
具体的には、内部接続線SCL1912は分岐1906で分岐し、分岐した内部接続線SCL1912はツェナダイオードZD1944のカソード側に接続され、ツェナダイオードZD1944のアノード側は接地されている。
このため、内部接続線SCL1912に印加された所定以上の電圧(例えば、パルス性のノイズ信号)は、ツェナダイオードZD1944によって逃がされる。
装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615に電源電圧を供給する接続線Vccに接続される上流コネクタ611のVcc端子から延びる内部接続線Vcc1971と、上流コネクタ611のGND端子から延び、接地されている内部接続線GND1972とは、平滑コンデンサC1961及びバイパスコンデンサCP1962を介して接続されている。
平滑コンデンサC1961は図18に示す平滑コンデンサC961と同じコンデンサであり、バイパスコンデンサCP1962は図18に示すバイパスコンデンサCP962と同じコンデンサである。
また、下流コネクタ612のVcc端子から延びる内部接続線Vcc1973と、GND端子から延びる内部接続線GND1974とは、平滑コンデンサC1961及びバイパスコンデンサCP1962を介して接続されている。
図20は、本発明の実施の形態の演出制御装置550から装飾制御装置610に出力されるデータに含まれるスレーブアドレス2000の説明図である。
スレーブアドレス2000は、上位3ビットからなる固定アドレス部2001及び下位5ビットからなる可変アドレス部2002によって構成される。
固定アドレス部2001は、「110」の値があらかじめ設定され、I2CI/Oエクスパンダ615によって変更することができない。
可変アドレス部2002は、I2CI/Oエクスパンダ615によって設定可能である。可変アドレス部2002は、制御対象となるI2CI/Oエクスパンダ615のA0〜A3の端子に設定されているパターンに対応した4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレス2003と、当該データが読み出し要求であるのか書き込み要求であるのかを示す1ビットのR/W識別データ2004とによって構成される。
演出制御装置550から装飾制御装置610に出力される演出制御データは、書き込み要求であるので、R/W識別データ2004には、通常「0」が登録される。
なお、終端型の装飾制御装置610に関しては、下流コネクタ612とその周辺のツェナダイオードやコンデンサが存在しないだけの構成となるので、詳細な説明は省略する。
図21は、本発明の実施の形態のI2CI/Oエクスパンダアドレステーブル2100の説明図である。
I2CI/Oエクスパンダアドレステーブル2100は、マスタIC570によって管理されるテーブルである。I2CI/Oエクスパンダアドレステーブル2100は、スレーブアドレス2101とI2CI/Oエクスパンダアドレス2102との対応関係を示している。
スレーブアドレス2101には、演出制御装置550により送受信の対象として指定される装飾制御装置610のスレーブアドレスが格納されている。スレーブアドレスは、図20で前述したように、上位3ビットからなる固定アドレス部と、4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレスと、1ビットのR/W識別データとを組み合わせて構成される。
I2CI/Oエクスパンダアドレス2102には、図16や図17で前述したように、各スレーブアドレスに対応する4ビットのI2CI/Oエクスパンダアドレスが登録される。
ただし、I2CI/Oエクスパンダアドレスのうち、アドレス「1000」及びアドレス「1011」(図21の網掛けされたエントリ)は、各I2CI/Oエクスパンダ615を相互に識別するための固有のアドレスとしては使用できない。
アドレス「1000」は、すべての装飾制御装置610に対して共通の指令を出力する場合に指定されるアドレス(オールコールアドレス)の電源投入時のデフォルト値として用いられる。アドレス「1011」は、ソフトウェアによって、マスタIC570に接続されているすべての装飾制御装置610を無条件にリセットする場合に用いられる共通アドレスである。
以上のように、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615に設定可能なアドレスは14個であるため、演出制御装置550は、14個のI2CI/Oエクスパンダ615を制御することができる。また、各装飾制御装置610には、PORT0〜PORT15が備えられているので、16個(言い換えれば16種類)のLEDを制御することが可能である。よって、演出制御装置550は、224個(言い換えれば224種類)のLEDを制御することが可能である。
図22は、本発明の実施の形態のI2CI/Oエクスパンダ615に備えられる出力設定レジスタ635に割り当てられたワークレジスタを説明するための図である。
I2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635には、ワークレジスタ(デバイスレジスタ)と、コントロールレジスタ(制御レジスタ)とが割り当てられている。
ワークレジスタは、I2CI/Oエクスパンダ615に対してあらかじめ定義されている設定を行うための情報や、I2CI/Oエクスパンダ615に接続されている演出装置(装飾装置620、例えば、LED)の出力態様を特定するための情報を記憶するものである。
また、コントロールレジスタは、ワークレジスタへのデータ書き込み手順を規定する情報を記憶する。なお、ワークレジスタは、複数の情報を異なる記憶領域に分散して記憶する構成となっており、記憶領域毎に異なるレジスタ番号が付与されている。
レジスタ番号「00h」及びレジスタ番号「01h」は、I2CI/Oエクスパンダ615の初期設定を行うためのモードレジスタに対応する。レジスタ番号「00h」の記憶領域にはレジスタ名「MODE1」が付与されている。また、レジスタ番号「01h」の記憶領域にはレジスタ名「MODE2」が付与されている。レジスタ番号「00h」及び「01h」の記憶領域に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、I2CI/Oエクスパンダ615の初期設定が行われる。
なお、「MODE2」のレジスタのビット3(OCH)は、I2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635に格納された演出制御データを演出装置に実際に反映させるタイミングを規定するパラメータである。本発明の実施の形態では、図15にて説明したように、「0」が設定されており、ストップコンディションを受信した時点で出力設定レジスタ635に格納された演出制御データを出力し、演出装置の出力状態を実際に制御するように設定されている。
レジスタ番号「02h」〜「11h」(レジスタ名「PWM0」〜「PWM15」)には、装飾装置620に含まれるLEDなどの制御対象のパラメータが設定される。レジスタ番号「02h」〜「11h」の記憶領域のいずれかに値が書き込まれると、I2CI/Oエクスパンダ615に接続される発光装置(装飾装置620)を構成する16個のLEDのうち、値が書き込まれたレジスタ番号に対応するLEDの輝度が、書き込まれた値に基づいて調整される。例えば、レジスタ番号「02h」の記憶領域に値が書き込まれた場合には、図16に示すポート0に接続されたLED0の輝度が調整される。
なお、I2CI/Oエクスパンダ615は、前述のように、モータやソレノイドといった可動物を制御することも可能である。I2CI/Oエクスパンダ615にソレノイドが接続される場合には、ソレノイドが接続されるポートに対応するレジスタ番号には、ソレノイドを通電させて作動させるか、通電せずに未作動の状態にするかを示す値が書き込まれる。また、I2CI/Oエクスパンダ615にモータが接続される場合には、モータが接続されるポートに対応するレジスタ番号には、モータの目標回転位置を示す値が書き込まれる。
レジスタ番号「12h」(レジスタ名「GRPPWM」)及びレジスタ番号「13h」(レジスタ名「GRPFREQ」)には、制御対象全体の動作パターンなどを指定するパラメータが設定される。レジスタ番号「12h」及び「13h」の記憶領域に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、LED(16個のLED)全体の点滅パターンが設定される。具体的には、レジスタ番号「12h」には、LED全体のオン・オフ比率であるデューティサイクルが設定され、レジスタ番号「13h」には、LED全体の点滅周期が設定される。
レジスタ番号「14h」(レジスタ名「LEDOUT0」)〜「17h」(レジスタ名「LEDOUT3」)には、各ポートで制御されるLEDの出力状態が設定される。各レジスタには、それぞれ4つのずつLEDの出力状態を設定することが可能となっている。
レジスタ番号「14h」の記憶領域に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、LED0〜LED3の出力状態が設定される。同様に、レジスタ番号「15h」の記憶領域にはLED4〜LED7の出力状態、レジスタ番号「16h」の記憶領域にはLED8〜LED11の出力状態、レジスタ番号「17h」の記憶領域にはLED12〜LED15の出力状態が設定される。
レジスタ番号「18h」〜「1Ah」(レジスタ名「SUBADR1」〜「SUBADR3」)にはサブアドレスが設定される。レジスタ番号「18h」〜「1Ah」の記憶領域に値が書き込まれると、書き込まれた値に基づいて、第1サブアドレス〜第3サブアドレスが設定される。
レジスタ番号「1Bh」(レジスタ名「ALLCALLADR」)にはすべての装飾制御装置610に対する指令を出力するためのオールコールアドレスが設定される。オールコールアドレスは、例えば、電源投入時などにすべての装飾制御装置610で初期化処理を実行する場合などに使用される。
図23は、本発明の実施の形態のマスタIC570が接続線SDA及び接続線SCLを介してデータを出力するスタート条件及びストップ条件の説明図である。
接続線SCLは、データの非送信時には信号レベルがHIGHになっている。マスタIC570は、装飾制御装置610にデータを出力する際に、接続線SCLの信号レベルをLOWからHIGHに変化させ、装飾制御装置610が接続線SDAのデータを取り込むためのストローブ信号として作用させる。
接続線SDAは、データの非送信時には信号レベルがHIGHになっており、接続線SCLのクロック信号に合わせて接続線SDAからデータが出力される。
マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることで、データの出力が開始することを示すスタート条件となる信号を出力する。
装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、接続線SDA及び接続線SCLからスタート条件となる信号が入力されると、データの出力が開始されることを認識する。
マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをLOWからHIGHに変化させることで、データの出力が終了することを示すストップ条件を示す信号を出力する。
装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、ストップ条件が入力されると、データの出力が終了することを認識する。本発明の実施の形態では、前述のように、装飾制御装置610がストップ条件を示す信号を受信すると、当該装飾制御装置610が制御する演出装置の制御を開始する。
図24は、本発明の実施の形態のマスタIC570から出力されたデータが入力された装飾制御装置610が返答信号を出力するタイミングチャートである。
装飾制御装置610は、スタート条件が成立してから接続線SCLの信号レベルの変化回数を計数し、接続線SCLのクロック信号に合わせて接続線SDAから入力されるデータを取り込む。
そして、装飾制御装置610は、スタート条件が成立してから接続線SCLの信号レベルの変化回数が9回に達する直前に、返答信号をマスタIC570に接続線SDAを介して出力する。換言すると、装飾制御装置610は、接続線SDAから8ビット目のデータを取り込んだ後に、接続線SCLの信号レベルがHIGHからLOWに変化する契機に、当該接続線SDAを介して返答信号を出力する。
なお、図24に示すように、データの受信に成功したことを示す返答信号(ACKの返答信号)はLOWレベルによって示され、データの受信に失敗したことを示す返答信号(NACKの返答信号、図ではACK出力なしに相当)はHIGHレベルによって示される。
また、マスタIC570は、スタート条件が成立してから接続線SCLの信号レベルが8回変化すると、接続線SDAを解放することによって、装飾制御装置610から返答信号の入力を待機する。そして、マスタIC570は、接続線SDAを解放したまま、接続線SCLの信号レベルを変化させて、装飾制御装置610からの返答信号を取り込む。
図25は、本発明の実施の形態のマスタIC570が演出制御データを出力する場合の接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルのタイミングチャートである。
まず、マスタIC570は、データの出力を開始する場合には、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることによって、スタート条件を示す信号を出力し、データの出力を開始することを装飾制御装置610に通知する。
次に、マスタIC570は、合計7ビットからなる制御対象となる装飾制御装置610のスレーブアドレスを出力する。さらに、マスタIC570は、読み出し要求である書き込み要求であるかを示す情報を8ビット目に出力する。
そして、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルが9回目にHIGHになるときに、装飾制御装置610から返答信号が入力されるので、ACKの返答信号であれば接続線SDAの信号レベルがLOWに変化し、NACKの返答信号であれば接続線SDAの信号レベルがHIGHに変化する。
次に、マスタIC570は、アドレスデータの出力後、8の倍数となるビット数でデータを出力する。さらに、データの8ビット目を出力した後、ACKの返答信号が入力されるのを待ってデータの9ビット目を出力する。以降、8の倍数番目に相当するビットのデータを出力すると、ACKの返答信号が入力されるのを確認してから、(8の倍数+1)番目のビットを出力し、全データが出力されるまで繰り返す。
なお、マスタIC570は、データの8の倍数番目となるビットを出力した後、所定時間経過してもACKの返答信号が入力されない場合には、データの送信に失敗したものとみなして、再度スタート条件を送信する。次いで、接続線SDAを介して、再度アドレスデータを出力し、ACKの返答信号を確認しながら、もう一度、データを1ビット目から出力する。
また、マスタIC570は、データの最後のビットのデータを出力した後、ACKの返答信号が入力されるのを待って、ストップ条件を示す信号を出力する。
なお、図25では、スタート条件を示す信号を出力してからストップ条件を示す信号を出力するまでの間に、合計24ビット(スレーブアドレス8ビット、データ16ビット)のデータを出力しているが、送信するデータのサイズに応じて、24ビット以上であってもよいし、24ビット以下であってもよい。
図26は、本発明の実施の形態のマスタIC570が、スレーブの個別アドレスを指定して装飾制御装置610に演出制御データを設定する場合において、マスタIC570とI2CI/Oエクスパンダ615との間で送受信されるデータのフォーマットを説明する図である。
最初に出力される8ビットのデータ2601には、データ送信の対象となる装飾制御装置610のアドレス「A0〜A6」と、当該データが読み出し要求であるのか書き込み要求であるのかを示す1ビットのR/W識別データとが含まれる。アドレス「A0〜A6」のうち、「A4〜A6」は値「110」となる固定アドレス部であり、「A0〜A3」はI2CI/Oエクスパンダ615のA0〜A3の端子に設定されている個別アドレスに相当する(図16参照)。なお、データ2601は、図25における「ADRESS」及び「R/W」に対応するデータである。
次に出力される8ビットのデータ2602には、I2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635(図15参照)に割り当てられているコントロールレジスタへの設定データが含まれる。データ2602は、図25において1番目に送信される「DATA」に対応するデータである。
ここで、コントロールレジスタについて説明する。コントロールレジスタは8ビットからなり、上位3ビット「AI0〜AI2」が出力設定レジスタ635のワークレジスタへの書き込み又は読み出し方法を指定する自動書込パラメータであり、下位5ビット「D0〜D4」がワークレジスタにおけるアクセス開始位置(書き込みを開始する先頭位置、又は読み出しを開始する先頭位置)を指定するレジスタアドレスである。
自動書込パラメータは、マスタIC570によって、レジスタアドレスが指定するアクセス開始位置の領域のみをアクセス(オートインクリメントを禁止)するのか、指定するアクセス開始位置の領域に隣接する領域も含んでアクセス(オートインクリメントを許可)するのかを指定するパラメータであり、具体的には「000」、「100」、「101」、「110」、「111」の何れかの値を設定することができる。
自動書込パラメータに「000」の値を設定すると、オートインクリメントが禁止され、レジスタアドレスが指定するアクセス開始位置の領域のみをアクセスし、開始位置以外の領域はアクセスしない。例えば、レジスタアドレスが「10100」であれば、レジスタ番号が「14h」となる記憶領域のみがアクセスされ、他の記憶領域にはアクセスされない。すなわち、特定のレジスタアドレスの記憶領域の値のみを変更する場合に使用される。複数のレジスタアドレスの記憶領域の値を連続して変更する場合には、以下に示すように、オートインクリメントを許可することによって、アドレスの指定を省略することができる。
自動書込パラメータに「100」の値を設定すると、オートインクリメントが許可され、レジスタアドレスが指定するアクセス開始位置の領域をアクセスした後は、レジスタ番号が増加する方向に領域を移動しながら順にアクセスを繰り返す。そして、レジスタ番号が最終の「1Bh」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「00h」となる記憶領域をアクセスし、再度、レジスタ番号が増加する方向に領域を移動しながら順にアクセスを繰り返す。例えば、レジスタアドレスが「10100」であれば、レジスタ番号が「14h」となる記憶領域にアクセスした後は、レジスタ番号が「15h」→「16h」→・・→「1Bh」→「00h」→「01h」→・・となる領域(すなわち、すべての領域)を、繰り返しアクセスする。
自動書込パラメータに「101」の値を設定すると、自動書込パラメータに「100」の値を設定した場合と同様に、レジスタアドレスが指定するアクセス開始位置の領域をアクセスした後は、レジスタ番号が増加する方向に領域を移動しながら順にアクセスを繰り返す。ただし、一旦、レジスタ番号が「11h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「02h」となる記憶領域をアクセスし、以降、レジスタ番号が「02h」〜「11h」となる区間の記録領域(LEDの輝度調整に関する領域)を繰り返しアクセスする。例えば、レジスタアドレスが「10100」であれば、レジスタ番号が「14h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「15h」→「16h」→・・→「1Bh」→「00h」→「01h」→・・となる領域を、順にアクセスする。そして、レジスタ番号が「11h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「02h」→「03h」→・・→「11h」→「02h」→「03h」→・・となる領域を、繰り返しアクセスする。
自動書込パラメータに「110」の値を設定すると、自動書込パラメータに「100」の値を設定した場合と同様に、レジスタアドレスが指定するアクセス開始位置の領域をアクセスした後は、レジスタ番号が増加する方向に領域を移動しながら順にアクセスを繰り返す。ただし、一旦、レジスタ番号が「13h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「12h」となる記憶領域をアクセスし、以降、レジスタ番号が「12h」〜「13h」となる区間の記録領域(LEDの点滅周期に関する領域)を繰り返しアクセスする。例えば、レジスタアドレスが「10100」であれば、レジスタ番号が「14h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「15h」→「16h」→・・→「1Bh」→「00h」→「01h」→・・となる領域を、順にアクセスする。そして、レジスタ番号が「13h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「12h」→「13h」→「12h」→「13h」→・・となる領域を、繰り返しアクセスする。
自動書込パラメータに「111」の値を設定すると、自動書込パラメータに「100」の値を設定した場合と同様に、レジスタアドレスが指定するアクセス開始位置の領域をアクセスした後は、レジスタ番号が増加する方向に領域を移動しながら順にアクセスを繰り返す。ただし、一旦、レジスタ番号が「13h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「02h」となる記憶領域をアクセスし、以降、レジスタ番号が「02h」〜「13h」となる区間の記録領域(LEDの輝度及び点滅周期に関する領域)を繰り返しアクセスする。例えば、レジスタアドレスが「10100」であれば、レジスタ番号が「14h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「15h」→「16h」→・・→「1Bh」→「00h」→「01h」→・・となる領域を、順にアクセスする。そして、レジスタ番号が「13h」となる記憶領域をアクセスした後は、レジスタ番号が「02h」→「03h」→・・→「13h」→「02h」→「03h」→・・となる領域を、繰り返しアクセスする。
ここで、図26の説明に戻ると、コントロールレジスタの設定データ2602に続いて、ワークレジスタの設定データ2603が出力される。設定データ2603は、図25において2番目以降に送信される「DATA」に対応するデータである。
自動書込パラメータを「000」とした場合には、設定データ2603は、レジスタアドレスが指定する1箇所の記憶領域を更新するための8ビットのデータとなる。自動書込パラメータを「000」以外の値とした場合には、この設定データ2603は、レジスタアドレスが指定する記憶領域を先頭に、複数の領域を繰り返し更新するために必要な8の倍数となるビットのデータとなる。
図27は、本発明の実施の形態のマスタIC570が、スレーブの個別アドレスを指定して装飾制御装置610に演出制御データを設定する場合において、マスタIC570とI2CI/Oエクスパンダ615との間で送受信される演出制御データに具体的な数値を適用した図である。図27では、オートインクリメントを禁止して、ワークレジスタの特定の記憶領域を1箇所だけを更新する演出制御データを示しており、具体的には、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT3端子に接続されるLEDの発光状態を更新する場合について説明する。
まず、最初に出力される8ビットのデータ2701には、送信先の装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615のスレーブアドレスを示す「1101100」が割り当てられている。
次に出力される8ビットのデータ2702には、自動書込パラメータ、及びLEDの出力データを設定するために割り当てられているI2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635のコントロールレジスタに設定される値が含まれる。
ここでは、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT3端子に接続されるLEDの発光状態を設定するので、レジスタアドレスにはLEDOUT0(アドレス=10100)を指定することにする。
なお、自動書込パラメータには、オートインクリメントを禁止するために「000」が指定されている。
次に、出力される8ビットのデータ2703には、送信先の装飾制御装置610によって制御される装飾装置620の発光態様を設定するデータが含まれる。具体的には、LEDOUT0レジスタに設定されるデータが割り当てられている。これにより、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT3端子に接続されるLEDの発光状態(点灯、消灯、点滅など)が指定され、指定された状態でLEDが発光する。
このようにして、I2CI/Oエクスパンダ615のPORT0端子〜PORT3端子のLEDの発光状態が制御されるが、I2CI/Oエクスパンダ615の他のPORT端子(PORT4〜PORT15)も、コントロールレジスタデータ2702の値を指定して、出力データ2703を設定することで個別に制御可能である。PORT端子に、モータやソレノイドが接続されていても、同様に制御される。
図28は、本発明の実施の形態のマスタICの演出制御データを送信する順序を説明する図である。図28では、オートインクリメントを許可して、ワークレジスタのすべての記憶領域を更新する場合に、演出制御データに含まれる各データを送信する順序を規定している。
まず、マスタIC570は、制御対象となる装飾制御装置610の個別アドレスを特定可能な8ビットのデータ(図26のデータ2601と同一フォーマットのデータ)を送信する。
次に、マスタIC570は、制御対象のI2CI/Oエクスパンダ615の出力設定レジスタ635のコントロールレジスタに設定されるデータ(図26のデータ2602と同一フォーマットのデータ)を送信する。図28においては、オートインクリメントを許可してワークレジスタのすべての記憶領域を更新するため、自動書込パラメータには「100」が指定され、書き込み又は読み出しの開始位置を指定するレジスタアドレスには、ワークレジスタの先頭領域となる「00h」が指定される。
このため、コントロールレジスタ設定値を受信した後の制御対象となる装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615においては、レジスタ番号「00h」の記憶領域(MODE1レジスタ)が最初に更新されることになる。
次に、マスタIC570は、コントロールレジスタ設定値の送信後、MODE1レジスタに書き込む値(合計8ビット)を送信する。I2CI/Oエクスパンダ615は、当該書き込み値を受信するとMODE1レジスタの値を更新し、レジスタ番号をインクリメントして次の「01h」の記憶領域(MODE2レジスタ)を更新するための準備をする。
さらに、マスタIC570は、MODE2レジスタに書き込む値(合計8ビット)を送信し、以降、レジスタ番号が「02h」〜「1Bh」となる残りの記憶領域のレジスタに対して、順に設定値を送信する。I2CI/Oエクスパンダ615は、当該書き込み値を受信する毎に対応するレジスタの値を更新し、レジスタ番号をインクリメントして次の記憶領域を更新するための準備を繰り返すことで、ワークレジスタに割り当てられた「00h」〜「1Bh」のすべてのレジスタの値が更新される。
なお、I2CI/Oエクスパンダ615は、ワークレジスタの最終となる「1Bh」の記憶領域を更新すると、レジスタ番号を「00h」に変更して、MODE1レジスタの更新を待つ状態となる。
図29は、本発明の実施の形態のマスタIC570がI2CI/Oエクスパンダ615を初期化する場合に、マスタIC570からI2CI/Oエクスパンダ615に送信される初期化指示データのフォーマットを説明する図である。
演出制御装置550のCPU551がマスタIC570に対して装飾制御装置610の初期化を行うように指示すると、マスタIC570は、配下に接続されているすべての装飾制御装置610に初期化指示データを送信する。
最初に出力される8ビットのデータ2901には、図27に示す固定アドレス「110」と、共通アドレスであるリセットアドレス「1011」(図21参照)とが含まれる。なお、このデータ2901は、図25における「ADRESS」に対応するものであり、「R/W」のビットには、書き込みを示す「0」が設定される。
次に出力される8ビットのデータ2902には、第1所定値「10100101」が設定され、次に出力される8ビットのデータ2903には、第2所定値「01011010」が設定される。なお、データ2902は、図25において1番目に送信される「DATA」に対応し、データ2903は、図25において2番目に送信される「DATA」に対応する。
マスタIC570に接続されるすべてのI2CI/Oエクスパンダ615は、リセットアドレス、第1所定値、及び第2所定値から構成される初期化指示データを受信すると、自身の初期化を行う。
リセットアドレスの出力後に、さらに第1所定値及び第2所定値の両方を出力するようにした理由は、マスタIC570がリセットアドレス「1011」を送信していないにもかかわらず、ノイズなどの影響によってI2CI/Oエクスパンダ615が誤ってリセットアドレス「1011」を取り込むことによって、誤ったタイミングで初期化が実行されることを防止するためである。
また、リセットアドレスは、個別アドレスとは異なって、すべて(換言すれば複数)のI2CI/Oエクスパンダ615に共通なアドレスである。そのため、リセットアドレスを含んだ初期化指示データを1回送信するだけで、すべて(複数)のI2CI/Oエクスパンダ615を選択して初期化することになるので、I2CI/Oエクスパンダ615を個別に選択して初期化を指示する方法と比較すると、高速に初期化を指示することが可能となる。
なお、図29では、第1所定値と第2所定値とを異なる値としたが、同じ値であってもよい。また、第1所定値及び第2所定値のいずれかが1回送信されるようにしてもよい。
図30は、本発明の実施の形態の異常判定テーブル3000を説明する図である。
異常判定テーブル3000は、演出制御装置550のRAM553に格納される。異常判定テーブル3000は、演出制御装置550のマスタIC570と、当該マスタIC570に接続されるI2CI/Oエクスパンダ615との接続状態を監視するために設けられている。異常判定テーブル3000は、接続状態に応じて、各I2CI/Oエクスパンダ615に対応した情報が格納される。
異常判定テーブル3000は、I/Oエクスパンダアドレス3001、スレーブアドレス3002、エラーカウンタ3003、比較値3004、及びエラーフラグ3005を含む。
I/Oエクスパンダアドレス3001には、マスタIC570に接続されるI2CI/Oエクスパンダ615のA0〜A3の端子に設定されているアドレス(図16参照)に対応している。
スレーブアドレス3002には、図21に示したI2CI/Oエクスパンダアドレステーブル2100に登録されているスレーブアドレスが登録される。
エラーカウンタ3003は、マスタIC570からI2CI/Oエクスパンダ615に演出制御データを送信し、当該I2CI/Oエクスパンダ615からACKを2回連続して受信できなかった場合にインクリメントされる。
比較値3004には、I2CI/Oエクスパンダ615に障害が発生しているか否かを判定するために、エラーカウンタ3003の値と比較するための値が登録される。なお、比較値3004の値は、制御対象の演出装置の種類に応じて設定してもよい。
エラーフラグ3005には、当該エントリのI2CI/Oエクスパンダ615との接続状態に異常が発生したか否かを示すエラーフラグが登録される。
I2CI/Oエクスパンダ615に障害が発生しているか否かを判定する方法について具体的に説明すると、エラーカウンタ3003の値が、比較値3004に設定された所定値に達した場合、エラーフラグ3005に「ON」が設定され、当該エントリに対応するI2CI/Oエクスパンダ615に障害が発生したことが登録される。
本発明の実施の形態では、後述するように、演出制御データの出力処理(図31参照)は、VDP割込(約33.3ms周期)に同期して実行されるようにしている。
前述したように、マスタIC570からI2CI/Oエクスパンダ615への2回目の演出制御データの送信に対して、I2CI/Oエクスパンダ615からのACKが受信できなければ、エラーカウンタ3003がインクリメントされる。
したがって、異常が発生している場合には、データ出力処理の実行周期が33.3msで、比較値3004が「300」であるので、33.3ms×300≒10sでI2CI/Oエクスパンダ615に関する異常が発生したことを検出する。
図31は、本発明の実施の形態の演出制御装置550による処理の手順を示すフローチャートである。
図31に示す処理は、演出制御装置550のCPU551によって実行される。
演出制御装置550は、演出制御装置550に電源が投入されると、まずステップ3101〜3103の処理を実行し、ステップ3104の処理でVDP556から画像更新周期と同期する同期信号(例えば、33.3ms秒周期の同期信号)が割込信号としてCPU551に入力されるまで待機する。そして、以降、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号が割込信号としてCPU551に入力される毎に、ステップ3105〜3117の処理を繰り返し実行する。
まず、演出制御装置550は、演出制御装置550のRAM553の初期化などを含む初期化処理を実行する(3101)。
そして、演出制御装置550は、出力I/F558bとNORゲート回路590を介してリセットパルスをマスタIC570へ入力し、マスタIC570をハード的に初期化する(3102)。
そして、演出制御装置550は、マスタIC570に接続されたすべての装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615を初期化するために、マスタIC570から初期化指示データを出力するスレーブリセット処理を実行する(3103)。スレーブリセット処理の詳細については、図32にて説明する。
次に、演出制御装置550は、VDP556から画像更新周期と同期する同期信号(VDP割込)の受け入れを許可する(3104)。このとき、タイマ割り込みの受け入れも許可する。
そして、演出制御装置550は、表示装置53に画像を表示するために、VDP556に画像を表示させる指令となるデータを出力する(3105)。さらに、スピーカ30から音を遊技状態に応じて出力させるために、音制御データを音LSI557に出力する。音LSI557は、入力された音制御データに基づいてスピーカ30から音を出力させる(3106)。
次に、演出制御装置550は、発光制御スレーブ出力処理を実行する(3107〜3110)。発光制御スレーブ出力処理は、発光制御装置(発光制御スレーブ)に演出制御データをマスタIC570から出力する処理である。
演出制御装置550は、複数の発光制御装置から、一つの発光制御装置を選択し(3107)、ステップ3107の処理で選択された発光制御装置にマスタIC570からデータを出力するスレーブ連続出力処理を実行する(3108)。スレーブ連続出力処理の詳細については、図33にて説明する。
そして、演出制御装置550は、すべての発光制御装置にデータを出力したか否かを判定する(3109)。
演出制御装置550は、すべての発光制御装置に対するデータの出力が完了していないと判定された場合には(3109の結果が「N」)、次にデータを出力する発光制御装置を選択し(3110)、ステップ3110の処理で選択された発光制御装置にマスタIC570からデータを出力するスレーブ連続出力処理を実行する(3108)。
一方、演出制御装置550は、すべての発光制御装置にデータの出力が完了したと判定された場合には(3109の結果が「Y」)、発光制御スレーブ出力処理を終了する。
そして、演出制御装置550は、VDP556に次に出力されるデータを編集し(3111)、音LSI557に出力される音制御データを編集し(3112)、各グループの発光制御スレーブに次に出力される演出制御データを編集する(3113)。
次に、演出制御装置550は、異常判定テーブル3000を参照し、発光制御スレーブに関するエラー判定処理を実行する(3114)。
エラー判定処理では、演出制御装置550が、異常判定テーブル3000の発光制御スレーブに対応するエントリのエラーフラグ3005がすべて「ON」となっているか否か、つまりすべての発光制御スレーブでエラーが発生しているか否かを判定する。言い換えれば、エラーフラグ3005が「OFF」となっている発光制御スレーブが少なくとも1つ以上あるか否かを判定する。このエラー判定処理によって、すべての発光制御スレーブでエラーが発生していると判定された場合には、マスタIC570及びすべての発光制御スレーブのリセットする条件が成立したものとされる。
演出制御装置550は、ステップ3114のエラー判定処理の結果に基づいてリセット条件が成立しているか否かを判定する(3115)。前述のように、ステップ3114のエラー判定処理の時点ですべての発光制御スレーブのエラーフラグ3005が「ON」になっている場合には、リセット条件が成立したと判定される。
演出制御装置550は、リセット条件が成立したと判定された場合には(3115の結果が「Y」)、マスタIC570を初期化し(3116)、マスタIC570に接続されるすべてのI2CI/Oエクスパンダ615に対して同時に初期化指示データを出力するスレーブリセット処理を実行する(3117)。その後、VDP556から同期信号がCPU551に入力されるまで待機する。
このように、リセット条件が成立したと判定された場合には、ステップ3117の処理で、マスタIC570に接続されるすべてのI2CI/Oエクスパンダ615に対して、同時に初期化を指示する。すなわち、すべてのI2CI/Oエクスパンダ615を同時に選択して初期化することになるので、I2CI/Oエクスパンダ615を個別に選択して初期化を指示する方法と比較すると、高速に初期化を行うことが可能となり、I2CI/Oエクスパンダ615を正常な状態へ迅速に復帰させることができる。このとき、CPU551がバス563を介してリセットREG573に情報を書き込むことにより、マスタIC570をソフト的にリセットする。
なお、ステップ3115の処理でリセット条件成立と見なされた場合は、マスタIC570において異常が発生している可能性があるので、ステップ3116の処理でマスタIC570も初期化するようにしている。
マスタIC570は、CPU551からの指令によって、接続線SDAとSCLの信号レベルを制御する信号レベル制御手段として機能しているので、すべての発光制御装置にてデータ送信に関する異常が発生している場合には、マスタIC570自身に異常が発生していることも考えられる。
そのため、すべての装飾制御装置610にてデータ送信に関する異常が発生している場合には、念のために、CPU551(演算処理手段)によりマスタIC570が初期化される。これにより、マスタIC570で異常が発生している場合であっても確実にマスタIC570を制御可能にすることができる。
一方、演出制御装置550は、リセット条件が成立していないと判定された場合には(3115の結果が「N」)、ステップ3116及び3117の処理を実行せずに、VDP556から同期信号がCPU551に入力されるまで待機する。
このように、図31に示した処理では、表示装置53の画像を更新する周期と同期して、演出制御装置550のマスタIC570から装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615に演出制御データを送信する。そして、I2CI/Oエクスパンダ615は、受信した演出制御データに基づいて装飾装置620を制御するため、表示装置53における演出と装飾装置620における演出とが調和し、遊技者に違和感を与えないので、興趣を高めることができる。
また、表示装置53の画像を更新する周期と同期してマスタIC570から送信された演出制御データが装飾制御装置610で受信されると、その都度、I2CI/Oエクスパンダ615によってワークレジスタの値が更新される。そのため、毎回ワークレジスタの値が最新の状態に更新されるので、ノイズ等でワークレジスタの値が破壊されても、正常な値に復帰することが可能である。
また、表示装置53の画像を更新する周期と同期して、ステップ3114の処理で実行されるエラー判定処理を実行するので、エラーを判定する頻度を適切に設定することができる。すなわち、エラー判定処理の実行頻度が多すぎると、演出制御装置550のCPU551の処理負荷が増大し、逆に、エラー判定処理の実行頻度が少なすぎると、異常の発生を適切なタイミングで検出できなくなる。表示装置53の画像を更新する周期と同期させてエラー判定を行うことによって、適切なタイミングでエラーを検出することが可能となり、各処理における不具合の発生に対して適切に対応することができる。
図32は、本発明の実施の形態のスレーブリセット処理の手順を示すフローチャートである。
スレーブリセット処理は、図31に示すステップ3103又はステップ3116の処理で実行される。
まず、マスタIC570は、接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルを、スタート条件を示す信号レベルに変化させる(3201)。
次に、マスタIC570は、リセット用共通アドレス(図29参照)を示す1バイト分のデータを出力用BUF572に設定し(3202)、タイムアウトの監視を開始する(3203)。さらに、ステップ3202の処理で設定されたリセット用アドレスを接続線SCLの信号レベルを変化させながら、接続線SDAを介して送信する(3204)。
次に、マスタIC570は、データが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号がマスタIC570に入力されたか否かを確認する(3205)。
次に、マスタIC570は、ステップ3205の処理の確認結果に基づいて、データが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されているか否かを判定する(3206)。
マスタIC570は、データが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されていないと判定された場合には(3206の結果が「N」)、割り込みを発生させて(3207)、マスタIC570からデータを出力してから所定時間以内にACKの返答信号が入力されていないことを通知し、ステップ3201の処理に戻り、I2CI/Oエクスパンダ615を初期化するためのデータを再度出力する。
マスタIC570は、データが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されたと判定された場合には(3206の結果が「Y」)、割り込みを発生させ(3208)、マスタIC570からデータを出力してから所定時間以内にACKの返答信号が入力されたことを通知する。
そして、マスタIC570は、初期化指示データを構成する3種類のデータ(図29にて図示している、リセットアドレスを含むデータ2901、第1所定値のデータ2902、第2所定値のデータ2903)をすべて出力したか否かを判定する(3209)。なお、これらのデータは出力順序があらかじめ定められているので、第2所定値のデータ2903が出力された後か否かを判定すればよい。
マスタIC570は、初期化指示データを構成するすべてのデータが出力されていないと判定された場合には(3209の結果が「N」)、次に送信される図29に示す第1所定値(第1所定値の送信に成功していれば第2所定値)を示すデータを出力し(3210)、タイムアウトの監視を開始する(3211)。そして、接続線SDAの開放を待って(3212)、ステップ3210の処理で設定されたデータを送信し(3213)、ステップ3205の処理に進む。
一方、マスタIC570は、初期化指示データを構成するすべてのデータが出力されたと判定された場合には(3209の結果が「Y」)、つまり、図29に示す第2所定値を示すデータが出力された場合には、接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルを、ストップ条件を示す信号レベルに変化させ(3214)、スレーブリセット処理を終了する。
マスタIC570に接続されたすべてのI2CI/Oエクスパンダ615は、リセットアドレス、第1所定値、及び第2所定値から構成されたリセット信号を受信すると、I2CI/Oエクスパンダ615の各レジスタの初期化を行う。したがって、マスタIC570は、マスタIC570に接続されたすべてのI2CI/Oエクスパンダ615に対して同時に初期化の指示を行っていることになる。
I2CI/Oエクスパンダ615に異常が発生した場合には、可能な限り迅速に正常な状態に復帰させる必要がある。このとき、マスタIC570に接続されたすべてのI2CI/Oエクスパンダ615を初期化する必要があるので、本発明の実施の形態のように、マスタIC570に接続されたすべてのI2CI/Oエクスパンダ615を同時に初期化することによって、高速な初期化を実現することができる。
図33は、本発明の実施の形態のスレーブ連続出力処理の手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御装置550は、ACKの返答信号の受信に失敗したことを計数するACKカウンタに0を設定する(3301)。
次に、演出制御装置550は、選択されている装飾制御装置610に出力するデータを生成する(3302)。
そして、演出制御装置550は、ステップ3302の処理で生成されたデータを出力用BUF572に設定するバッファ設定処理を実行する(3303)。
そして、マスタIC570は、接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルを、スタート条件を示す信号レベルに変化させる(3304)。具体的には、マスタIC570は、接続線SCLの信号レベルをHIGHに維持したまま、接続線SDAの信号レベルをHIGHからLOWに変化させることよってスタート条件を示す信号を出力する。
なお、マスタIC570は、スタート条件を示す信号を出力後、制御対象となる装飾制御装置610にデータを送るために、接続線SCLのレベルをLOWに変更する。
そして、マスタIC570は、タイムアウトの監視を開始する(3305)。その後、出力用BUF572に記憶されているデータから、制御対象となる装飾制御装置610のスレーブアドレスの8ビット分のデータを、接続線SCLの信号レベルを変化させながら、接続線SDAを介して出力する(3306)。
ステップ3306の処理で出力されるアドレスデータは8ビットのデータ列であるため、1回の出力処理(接続線SCLが8回HIGHに変化する間の出力)でアドレスデータが出力される。
ステップ3306の処理で出力されたアドレスデータが装飾制御装置610に入力された場合、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、入力されたアドレスデータと自身に設定されているアドレスとが一致するか否かを判定する。
入力されたアドレスデータと一致するアドレスが設定されているI2CI/Oエクスパンダ615は、接続線SCLのLOWからHIGHへの変更回数が8回目になった直後であって、そのHIGHレベルとなっている接続線SCLがLOWレベルへと変化することを契機として、返答信号を接続線SDAからマスタIC570に出力する。
次に、マスタIC570は、ステップ3306の処理でアドレスデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号がマスタIC570に入力されたか否かを確認する(3307)。さらに、ステップ3307の処理の確認結果に基づいて、アドレスデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号がマスタIC570に入力されたか否かを判定する(3308)。
マスタIC570は、ステップ3306の処理でアドレスデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されていないと判定された場合には(3308の結果が「N」)、割り込みを発生させて(3309)、ACKの返答信号が入力されていないことをCPU551に通知する。
CPU551は、ステップ3309の処理で発生した割り込みを受け付けると、ACKカウンタが0であるか否かを判定する(3310)。
CPU551は、ACKカウンタが0であると判定された場合には(3310の結果が「Y」)、ACKの返答信号の受信に失敗したことを計数するためにACKカウンタを+1更新し(3311)、再度同じデータを当該装飾制御装置610に送信するために、ステップ3302の処理に戻る。
一方、CPU551は、ACKカウンタが0でないと判定された場合(つまり2回連続してACK信号を受信できなかった場合)には(3310の結果が「N」)、CPU551は、異常判定テーブル3000に登録されたエントリのうち、I/Oエクスパンダアドレス3001が選択された装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615のアドレスと一致するエントリを選択し、選択されたエントリのエラーカウンタ3003をインクリメントする(3312)。
そして、CPU551は、ステップ3312の処理でインクリメントされたエラーカウンタ3003の値が比較値3004に達しているか否かを判定する(3313)。
CPU551は、ステップ3312の処理でインクリメントされたエラーカウンタ3003の値が比較値3004に達していると判定した場合には(3313の結果が「Y」)、異常判定テーブル3000に登録されたエントリのうち、選択された装飾制御装置610に対応するエントリのエラーフラグ3005を「ON」に設定する(3314)。そして、マスタIC570は、接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルを、ストップ条件を示す信号レベルに変化させ(3315)、スレーブ連続出力処理を終了する。
一方、CPU551は、ステップ3312の処理でインクリメントされたエラーカウンタ3003の値が比較値3004に達していない判定された場合には(3313の結果が「N」)、ステップ3315の処理に進み、接続線SDA及び接続線SCLの信号レベルを、ストップ条件を示す信号レベルに変化させて(3315)、スレーブ連続出力処理を終了する。
一方、マスタIC570は、ステップ3306の処理でアドレスデータが出力されてから所定時間以内にACKの返答信号が入力されたと判定された場合には(3308の結果が「Y」)、出力用BUF572に記憶されているすべてのデータを出力したか否かを判定する(3316)。
マスタIC570は、出力用BUF572に記憶されているすべてのデータを出力していないと判定された場合には(3316の結果が「N」)、接続線SDAの開放を待って(3317)、次の1バイトのデータを選択された装飾制御装置610に出力し(3318)、ステップ3307の処理に進む。
なお、ステップ3306の処理で出力されたアドレスデータが自身に設定されたアドレスと一致する装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615は、ステップ3318の処理で出力されたデータを、接続線SCLがLOWからHIGHになったタイミングで取り込み、次いで接続線SCLがHIGHからLOWへ変化することを契機に、返答信号を接続線SDAからマスタIC570に出力する。
一方、マスタIC570は、出力用BUF572に記憶されているすべてのデータを出力したと判定された場合には(3316の結果が「Y」)、割り込みを発生させて(3319)、出力用BUF572に記憶されているすべてのデータを出力したことをCPU551に通知する。
そして、CPU551は、異常判定テーブル3000に登録されたエントリのうち、選択された装飾制御装置610に対応するエントリのエラーカウンタ3003をクリアし(3320)、当該エントリのエラーフラグ3005をオフに設定する(3321)。そして、マスタIC570がストップ条件を示す信号を出力し(3315)、スレーブ連続出力処理を終了する。
図33による処理では、マスタIC570は、8ビットのデータを出力後に、装飾制御装置610からの返答信号を取り込むことにより、データ転送の成否を判定し、データ転送が失敗している場合(つまり、NACKの返答信号がマスタIC570に入力された場合)、出力したデータを1回だけ再度出力するので、装飾制御装置610にデータを可能な限り確実に出力することができ、演出装置の誤動作を防止できる。また、出力したデータを1回だけ再度出力することにより、データ送信時間が必要以上に長くなることを防止できる。
なお、図33による処理で、ステップ3304の処理でマスタIC570がスタート条件を送信する際には、接続線SDAがHIGHになっている必要があるが、ノイズ等の影響によって、接続線SDAがLOWとなったまま変化しない状態が発生する場合がある。
本発明の実施の形態では、マスタIC570が装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615に送信するスレーブアドレスには、R/W識別データが「0」(書き込みを意味する)となっているものだけを用いている(図20参照)が、ノイズ等の影響によって、R/W識別データが「1」(読み出しを意味する)となった状態で、I2CI/Oエクスパンダ615へ伝わることがある。
この場合、I2CI/Oエクスパンダ615は読み出しモードとなり、マスタIC570によって接続線SCLの信号レベルが変化することに対応して、I2CI/Oエクスパンダ615からマスタIC570へ、接続線SDAを介してデータを1ビットごと伝送する処理を行う。
このとき、I2CI/Oエクスパンダ615は、8ビットのデータを伝送するごとに、マスタIC570から接続線SDAを介してアクノリッジ信号を受信する処理を行い、アクノリッジ信号を受信するとさらに8ビットのデータ伝送を行う。以後、8ビットのデータ伝送とアクノリッジ信号の確認を繰り返すが、この間は、接続線SDAがI2CI/Oエクスパンダ615によって占有されている状態となっている。
一方で、I2CI/Oエクスパンダ615は、8ビットのデータ伝送後に、マスタIC570から接続線SDAを介してアクノリッジ信号を受信できないときは、接続線SDAを解放してデータ伝送を中止する。なお、I2CI/Oエクスパンダ615は、マスタIC570から接続線SDAを介してアクノリッジ信号を受信する際には、接続線SDAがLOWレベルであればアクノリッジ信号を受信したと解釈し、接続線SDAがHIGHレベルであればアクノリッジ信号を受信しないと解釈する。
よって、マスタIC570からのデータがノイズ等の影響により変化し、この変化したデータを意図せず受信して読み出しモードとなったI2CI/Oエクスパンダ615が発生してしまうと、接続線SDAがいつまでも解放されないことになる。
このような場合に、接続線SDAの信号レベルはLOWに維持されたままになり、マスタIC570と、本来送信を行うことを意図していた装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615との間で接続線SDAを介した通信を行うことができなくなる。
そこで、マスタIC570は、ステップ3304の処理でスタート条件を示す信号を出力する前に、接続線SDAからデータが出力できる状態であるか否かを判定するために、接続線SDAの信号レベルがHIGHであるか否かを判定する。
接続線SDAの信号レベルがHIGHでないと判定された場合、接続線SDAからデータが出力できないので、ドライバ576Aによってトランジスタ578Aに動作可能な電圧を印加しないことによってトランジスタ578Aをオンにさせずに(接続線SDAを解放した状態で)、接続SCLの信号レベルを少なくとも9回変化させる。
このような処理を行うことによって、読み出しモードとなったI2CI/Oエクスパンダ615は、接続SCLの信号レベルの変化に合わせて接続線SDAにデータを出力するが、接続SCLの信号レベルの変化が少なくとも9回行われる途中において、マスタIC570からのアクノリッジ信号を確認するタイミングが発生する。このとき、接続線SDAは解放されているのでHIGHレベルとなり、読み出しモードとなったI2CI/Oエクスパンダ615は、アクノリッジ信号を受信しなかったと判断するので、データ伝送をやめて接続線SDAを解放することになる。
なお、この処理は、スタート条件を示す信号を出力する前だけでなく、マスタIC570が装飾制御装置610へデータを出力する前に行われるようにしてもよい。具体的には、ステップ3305、3315及び3318の処理の前に実行されてもよい。
このようにして、読み出しモードとなった装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615から強制的に接続線SDAを解放させるので、接続線SDAの信号レベルはHIGHに維持されるようになる。
図34は、本発明の実施の形態のタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込処理は、タイマ割込が許可されているという条件の下で、2ms周期で発生するタイマ割込をCPU551が受け付けた場合に、CPU551によって図31の処理に割り込む形態で実行される。
まず、演出制御装置550は、入力I/F558aから入力されたデータを処理する(3401)。具体的には、入力された信号からチャタリングなどの影響を除去し、データをRAM553などに格納する。
次に、演出制御装置550は、出力用BUF572に格納されたデータを出力I/F558bから出力する(3402)。
次に、演出制御装置550は、演出ボタン処理を実行する(3403)。具体的には、演出ボタン17からの入力を検知し、遊技者からの入力を検知した場合にはCPU551に通知して所定の処理を実行するように要求する。
次に、演出制御装置550は、モータ位置検出処理を実行する(3404)。モータ位置検出処理では、モータ位置検出センサ560から役物駆動モータ(役物駆動第1MOT71及び役物駆動第2MOT81)の回転位置を検出する。
次に、演出制御装置550は、役物モータ処理を実行する(3405)。役物モータ処理では、ステップ3404の処理で検出されたモータの回転位置に基づいて、実行すべき演出態様にしたがってモータを駆動させるための準備を行う。本発明の実施の形態では、連動して動作する二つの役物駆動モータが備えられているが、中継基板600には役物駆動モータを接続可能なポートを12個有している。これは、4相のステッピングモータを最大で3個駆動できる構成とするためである。そのため、役物駆動モータが接続されていないポートには、空き端子モニタ603が接続されている。また、役物駆動用ソレノイドを制御するためのポートには、センターケース51の上部に備えられた装飾ピース46を上下動させるための役物駆動ソレノイドに接続するが、役物駆動ソレノイドが接続されていないポートにも、図示しないLEDで構成された空き端子モニタが接続されている。
演出制御装置550は、役物モータ処理が実行されると、各役物駆動モータを制御するための出力データを準備し、出力用BUF572に格納する。具体的には、まず、役物駆動第1MOT71の出力データを準備し(3406)、続いて、役物駆動第2MOT81の出力データを準備する(3407)。
演出制御装置550は、役物駆動第3モータの出力データを準備する(3408)。この出力データによって、空き端子モニタ603は、断線していない限り常時点灯する。さらに、装飾ピース46を上下動させるために、役物駆動ソレノイドの出力データを準備する(3409)。この出力データによって、図示しない空き端子モニタも、断線していない限り常時点灯する。次いで、タイマ割込処理を終了する。
本発明の実施の形態によれば、グループ統括手段からグループ単位制御手段に1本のデータ線でデータを送信することができるため、基板間の配線を削減することが可能となる。
さらに、グループ単位制御手段からグループ統括手段に対する返答信号が同じデータ線を介して送信されるため、信号線を追加せずにデータ送信の結果応答を確認可能な構成となっている。したがって、データ送信の結果応答の有無に応じて再送するなどの処理を行うことができるため、誤作動を防止することができる。
この場合には、グループ統括手段からグループ単位制御手段へデータを送信した直後に、グループ単位制御手段からグループ統括手段へ返答信号を返す構成なので、高速なデータ通信が可能となる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、分岐型の装飾制御装置610によって、複数の配線基板(装飾制御装置610)に、個別の信号ケーブルを介してデータ線を分岐して接続可能な構成となっているため、従来技術のシフトレジスタのように、配線基板間をデータ線でデイジーチェーン接続する必要が無くなる。そのため、デイジーチェーン接続のように、一旦、第1配線基板へ入力したデータ線を第2配線基板へ受け渡すような信号ケーブルが不要となり、配線を簡素化することができる。従って、下流の装飾制御装置610でさらにデータ線を分岐して接続することが可能となり、演出制御装置550(グループ統括手段)から装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615(グループ単位制御手段)までの信号線の長さが全体的に短くすることが可能となり、データ送信エラーが起こりにくい通信環境を実現できる。
また、本発明の実施の形態によれば、最下流の装飾制御装置610に装飾装置基板625を接続することによって、当該装飾制御装置610に配置されたLEDと、装飾装置基板625に配置されたLEDを、1つのグループとして制御することができる。
さらに、シフトレジスタを用いて複数の可動物を制御する場合には、装飾制御装置610をデイジーチェーン接続する必要があるため複雑な配線を必要とするが、本発明の実施の形態によれば、中継基板600に複数の可動物を接続し、当該中継基板600によって直接制御するため、配線を簡素化することができる。
また、複数の可動演出装置によって演出を行う場合において、可動演出装置の可動部に装飾制御装置610が配置されて、装飾制御装置610自体が可動する構造とした場合には、演出動作にともなって装飾制御装置610に接続される信号ケーブルも移動するため、断線等の不具合が生じる可能性が高くなる。特に、従来技術のように、装飾制御装置610をデイジーチェーン接続すると、デイジーチェーンの末端に接続された装飾制御装置610には入力用の信号ケーブルのみが接続されるものの、デイジーチェーンの途中に接続された装飾制御装置610には、少なくとも入力用及び出力用の2本のケーブルが接続されることとなる。そのため、可動演出装置が複数個存在してそれぞれに装飾制御装置610を設けることを想定すると、デイジーチェーン接続では、演出時に移動して損傷を受けやすい信号ケーブルの数が増えてしまうことになり、さらに断線等が発生する可能性が高まる。
一方、本発明の実施の形態では、複数の可動演出装置の可動部に搭載される装飾制御装置610の全てを終端型とすることによって、これらの装飾制御装置610に接続される信号ケーブルを、入力用の1本のみにすることができる。そのため、演出時に移動して損傷を受けやすい信号ケーブルの数が減少し、断線等が発生する可能性が低くなる。
また、本発明の実施の形態では、演出制御装置550(グループ統括手段)から、タイミング信号線とデータ線の信号変化による更新指令信号(ストップコンディション)が送信されると、装飾制御装置610のI2CI/Oエクスパンダ615(グループ単位制御手段)はポートの状態を更新して出力するため、従来技術のようなLAT信号が不要になり、配線をより簡素化することが可能となる。
また、本発明の実施の形態では、マスタIC570に直接接続される中継基板600が分岐型の装飾制御装置であるため、マスタから各スレーブまでの配線の距離を全体的に短くすることが可能となる。
さらに、中継基板600が遊技機裏面に配置され、補助遊技装置ユニット12及び前面枠3に接続され、さらに、中継基板600によって補助遊技装置ユニット12に含まれない演出装置のグループ(サイドランプ45に備えた演出装置のグループ)を制御するため、遊技盤や前面枠の各部に分散して設けられている演出装置を制御する構成を実現しながらも、必要な基板数を削減することが可能となり、遊技機内部をバランスよく配線することができる。また、この構成であれば、補助遊技装置ユニット12の完成を待たずに、サイドランプ45に備えた演出装置の動作確認を行うことができる。
また、枠体基部60などの一体型演出ユニットに搭載された各装飾制御装置610へ演出制御データを送信するためのタイミング信号線及びデータ線として機能する信号ケーブル(ケーブル653)が1つに束ねられており、演出制御装置550に接続された中継基板600(分岐基板)に当該ケーブルを装着するだけで、演出制御装置550と各装飾制御装置610とが接続される構成となっているので、一体型演出ユニットに接続されるケーブルを簡素化することが可能となる。
また、枠体基部60などの一体型演出ユニットは、第1演出部材70や第2演出部材80等の可動物を備えていても、これら可動物を動作させるモータへの信号線は、これらのモータから中継基板600に接続され、この中継基板600と演出制御装置550との間は、モータへの信号線と、一体型演出ユニットの装飾制御装置610へ至るタイミング信号線及びデータ線とが一体となった信号ケーブルによって接続されるので、中継基板600と演出制御装置550との間を接続する信号ケーブルが、すべての機種で共通化され、中継基板600を変更するだけで、多くの機種に対応することが可能となる。さらに、モータへの信号線が、データ信号線と独立しているため、高速に駆動源を制御することができる。さらに、一体型演出ユニットを着脱するために、中継基板600と一体型演出ユニットとを接続するケーブルだけを着脱すればよいため、中継基板600及び一体型演出ユニットの取り扱いを容易にすることができる。
また、中継基板600には、演出制御装置550との間に接続された信号ケーブルの状態を示す空き端子モニタを備え、空き端子モニタは、信号ケーブルの信号線に対応する発光部を含み、この発光部は、演出制御装置550から信号を受信した場合に点灯する構成としているので、空き端子モニタが点灯しているか否かを判定することによって、接続ケーブルの品質を確認することができる。例えば、空き端子モニタの一部が点灯しない場合には、電源又やグランドの線が一部断線しているという判断をすることができ、ケーブルの質が悪いと判断することが可能となる。
また、枠体基部60などの一体型演出ユニットは、モータの状態を検出する状態検出センサを含んでいる場合であっても、センサの検出結果を送信する信号線が、センサから中継基板600に接続され、この中継基板600と演出制御装置550との間は、センサの検出結果を送信する信号線と、一体型演出ユニットの装飾制御装置610へ至るタイミング信号線及びデータ線とが一体となった信号ケーブルによって接続されるので、中継基板600と演出制御装置550との間を接続するケーブルがすべての機種で共通化されるため、中継基板600を変更することによって、多くの機種に対応することが可能となる。さらに、状態検出センサに接続された信号線がデータ信号線と独立しているため、状態検出センサによる監視を高速に行うことができる。さらに、一体型演出ユニットを着脱するために、中継基板600と一体型演出ユニットとを接続するケーブルだけを着脱すればよいため、中継基板600及び一体型演出ユニットの取り扱いを容易にすることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。