(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明による遊技機の第1実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技機の遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
図1を参照して、本発明の第1実施形態による遊技機1について説明する。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられた開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に設置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図3参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ(前面枠開放検出SW)25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ(ガラス枠開放検出スイッチ)26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17(入力操作部)が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確率変動状態(確変状態)や、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の部材であり、その前面に区画部材としてのガイドレール32を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース(包囲枠体)34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース34はその開口に遊技盤30の前方から嵌装される。センターケース34の上部には、遊技状態に応じて遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な上部変動入賞装置36が配設される。上部変動入賞装置36は、上部大入賞口と、大入賞口ソレノイド28a(図3参照)によって上端側が左側に倒れる方向に回動して上部大入賞口を開放可能とする開閉扉36aと、を備える。上部変動入賞装置36は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、上部大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、上部大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するように構成されている。
遊技盤30の裏面には、制御ベースユニット(図示省略)を介して、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する変動表示装置35が配設される。制御ベースユニットには、変動表示装置35のほか、動作演出や発光演出を行う可動演出ユニット(電動役物)等が配設される。
変動表示装置35は、その表示部35aがセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には特図変動表示ゲームに関する複数の識別情報(飾り図柄)やキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定し、各表示領域の各々で独立した画像を表示する。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき特図変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口37bと、を備える。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材(普通電動役物)37cを備えている。開閉部材37cは、通常状態においては、遊技球の直径程度の間隔を空けた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図3参照)によって、先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入しやすい入賞容易状態(遊技者にとって有利な状態)となる。
また、センターケース34の左側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普図変動表示ゲームの始動条件を付与可能な普図始動ゲート40が配設される。
始動入賞口37の左側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口38が三つ配設され、始動入賞口37の右側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口38が一つ配設される。
始動入賞口37の下方の遊技領域31には、下部変動入賞装置39が設けられる。下部変動入賞装置39は、下部大入賞口と、大入賞口ソレノイド28b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して大入賞口を開放可能とするアタッカ形式の開閉扉39aと、を備える。下部変動入賞装置39は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するように構成されている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車41や障害釘(図示省略)等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口33が配設される。
遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲームの特図の変動表示、特図入賞記憶数(始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数、及び大当たりの決定ラウンド数を表示する状態表示器42が配設される。
上記のように構成される遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール32の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31内を流下する。遊技領域31内を流下した遊技球は、普図始動ゲート40、一般入賞口38、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、上部変動入賞装置36の上部大入賞口、又は下部変動入賞装置39の下部大入賞口に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口33から遊技機1の外部に排出される。一般入賞口38、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、上部大入賞口、又は下部大入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(図示省略)から払い出される。
遊技球が普図始動ゲート40を通過した場合には、状態表示器42において普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば既に普図変動表示ゲームが行われ当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や普図変動表示ゲームの結果が当りとなって開閉部材37cが開状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート40を通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)される。普図始動記憶数は、状態表示器42に設けられる普図保留表示器に表示される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当り外れを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様が導出される。普図始動ゲート40への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値である場合には、普通図柄が所定の停止表示態様で停止し、当り状態となる。この時、普電ソレノイド27(図3参照)が駆動され、開閉部材37cが所定の時間だけ開状態に変換され、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37aの内部には、第1始動入賞口37aへ入賞した遊技球を検出する第1始動口スイッチ601(図3参照)が備えられる。第1始動口スイッチ601によって遊技球を検出すると、第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。
第1特図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームのいずれかが実行開始され当該特図変動表示ゲームが終了していない場合や特図変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別遊技状態(大当り遊技状態)が発生している場合に、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞すると、特図1始動記憶の上限数(4つ)未満ならば、特図1始動記憶数が加算(+1)される。
第1特図変動表示ゲームが開始できる状態となると、特図1始動記憶に記憶された始動記憶数を1つ減算して、第1特図変動表示ゲームを開始するための処理が行われる。
特図1始動記憶には第1特図変動表示ゲームの当り外れを決定するための大当り判定用乱数値が記憶されるようになっており、第1特図変動表示ゲームを開始するための処理では、この大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定する。大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致した場合には、第1特図変動表示ゲームが大当りとなって特定の結果態様が導出される。第1始動入賞口37aへの入賞検出時に抽出した特図乱数値が当り値である時には、第1特別図柄が所定の停止表示態様で停止し、大当り状態となる。この時、上部変動入賞装置36の開閉扉36a又は下部変動入賞装置39の開閉扉39aの一方が所定時間だけ開放状態に変換され、上部大入賞口又は下部大入賞口への遊技球の入賞が許容される。
開放された上部大入賞口又は下部大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで、開閉扉36a、39aが大入賞口を開放することを1回のラウンドとし、特別遊技状態中に所定回数のラウンドが継続して行われる。
一方、第2始動入賞口37bの内部には、第2始動入賞口37bを通過した遊技球を検出する第2始動口スイッチ602(図3参照)が備えられる。第2始動口スイッチ602によって遊技球を検出すると、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生する。
第2特図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームのいずれかが実行開始され当該特図変動表示ゲームが終了していない場合や特図変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別遊技状態が発生している場合に、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞すると、特図2始動記憶の上限数(4つ)未満ならば、特図2始動記憶の数が加算(+1)される。
第2特図変動表示ゲームが開始できる状態となると、特図2始動記憶に記憶された始動記憶数を1つ減算して、第2特図変動表示ゲームを開始するための処理が行われる。
特図2始動記憶には第2特図変動表示ゲームの当り外れを決定するための大当り判定用乱数値が記憶されるようになっており、第2特図変動表示ゲームを開始するための処理では、この大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定する。大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致した場合には、第2特図変動表示ゲームが大当りとなって特定の結果態様が導出される。第2始動入賞口37bへの入賞検出時に抽出した特図乱数値が当り値である場合には、第2特別図柄が所定の停止表示態様で停止し、大当り状態となる。この時、第1特図変動表示ゲームが大当りとなった場合と同様に、上部変動入賞装置36の開閉扉36a又は下部変動入賞装置39の開閉扉39aの一方が所定時間だけ開放状態に変換され、上部大入賞口又は下部大入賞口への遊技球の入賞が許容される。
なお、遊技機1では、大当り遊技状態後に特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の大当り確率が変化する場合があり、確率状態は特図変動表示ゲームの当選確率が低い低確率状態(通常遊技状態における確率状態)又は低確率状態よりも当選確率が高い高確率状態に設定される。また、遊技機1では、遊技状態に応じて第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放頻度が変化する場合があり、開閉部材37cの作動状態は開閉部材37cの開放頻度が低い抑制状態、抑制状態よりも開放頻度が高い促進状態(普電サポート状態)に設定される。
上記の通り、補助遊技としての特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)は、遊技盤30に設けられた状態表示器42で実行される。そして、変動表示装置35では、状態表示器42での特図変動表示ゲームに対応して、複数の識別情報(飾り図柄)を変動表示する飾り特図変動表示ゲームが実行される。変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームの制御は演出制御装置700(変動表示ゲーム制御手段)によって行われる。状態表示器42で実行される特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームの結果態様は特別結果態様(「7、7、7」のように識別情報等が特定の並び順で揃った状態)となる。このように演出制御装置700は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を特別結果態様に制御する特別結果態様制御手段として機能する。
次に、図3及び図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図3は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図4は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。また、遊技制御装置600は、始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき特別遊技状態(大当り状態)を発生させるか否かを決定するための抽選を実行する抽選手段しても機能する。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605a、605bが接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート40を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605aは遊技球が上部大入賞口に入賞したことを検出するスイッチであり、カウントスイッチ605bは遊技球が下部大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出SW25及びガラス枠開放検出SW26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12や状態表示器42等から構成される一括表示装置、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28a、大入賞口ソレノイド28b、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
遊技用マイコン611のROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
なお、リーチ(リーチ状態)とは、変動表示装置35が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特別遊技状態となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態、例えば最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態をいう。別の表現をすれば、リーチ状態とは、変動表示装置35の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行ういわゆる全回転リーチもリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、変動表示装置35の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域において特別結果態様となる条件を満たした状態、すなわち同一の識別情報で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。この他にも、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態、例えば同一の識別情報となった状態(但し特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性(期待度)が異なるリーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアムリーチ等が設定されている(図17(A)及び図17(B)参照)。期待度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャルリーチ3<プレミアムリーチの順に高くなるように構成されている。
遊技用マイコン611のRAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(各種乱数値等)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634と、を備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28a、28b及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは上部変動入賞装置36の開閉扉36a(図2参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは下部変動入賞装置39の開閉扉39a(図2参照)を回動させる。普電ソレノイド27は、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置は、遊技状態報知LED12及び状態表示器42等から構成されている。一括表示装置のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。一括表示装置のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。一括表示装置のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605a、605bからの信号や、大入賞口ソレノイド28a、大入賞口ソレノイド28b、及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力する。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力する。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830と、を備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図4に示すように、演出制御装置700は、アミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705と、を備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン720へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI705への再生音をの指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からのコマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、及び主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするためのVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の発光状態とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるための割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLEDから構成される枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める可動装飾装置等から構成される盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これら制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンスイッチ(演出ボタンSW)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータスイッチ(演出モータSW)752a〜752nのオン又はオフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するSW入力回路750、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路741〜744、707、708に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
次に、遊技制御装置600で実行される遊技制御の具体的処理について説明する。
〔メイン処理〕
図5及び図6を参照して、遊技制御装置600が実行するメイン処理を説明する。図5はメイン処理の前半部のフローチャートであり、図6はメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機1の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
メイン処理が開始されると、S101において、遊技制御装置600は割込み処理を禁止する。その後、遊技制御装置600は、割込み処理が発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行し(S102)、割込みが発生した時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S103)。そして、遊技制御装置600は、割込み処理のモードを設定する(S104)。
S104の処理後、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで、例えば4ミリ秒間待機(ディレイ)する(S105)。これにより、電源投入の際に、遊技制御装置600が起動完了前の払出制御装置640にコマンドを送信してしまうことを回避でき、払出制御装置640による送信コマンドの取りこぼしを防止できる。
S105の処理後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可し(S106)、全出力ポートを出力が無い状態(オフ)に設定して(S107)、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S108)。
S108の処理後、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S109)。
初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時等に正常に電源が切断され翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するため、遊技機1が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合(S109の結果が「N」)には、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S110〜S113)。停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶されている。S110及びS111の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。S112及びS113の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域1、2の停電検査領域チェックデータ1、2がともに正常であると判定された場合(S111の結果及びS113の結果が「Y」)には、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S114)。
S114の処理後、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S115)、これらの値が一致するか否かを判定する(S116)。
S114の処理で算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合(S116の結果が「Y」)には、停電処理が正常に実行されているため、遊技制御装置600は停電前の状態に復旧させる処理を実行する(図6のS117〜S123)。これに対して、S114の処理で算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致しない場合(S116の結果が「N」)や、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S109の結果が「Y」)、停電検査領域1、2の値が正常でない場合(S111又はS113の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、図6のS140〜S144の初期化処理を実行する。
S116の結果が「Y」の場合、遊技制御装置600は、RWM内の領域を初期化して全ての停電検査領域をクリアし(S117)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S118)。そして、遊技制御装置600は、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S119)。
S119の処理後、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S120)。高確率状態でないと判定された場合(S120の結果が「N」)には、遊技制御装置600はS123以降の処理を実行する。
これに対して、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合(S120の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にオン情報を保存し(S121)、状態表示器42に設けられる高確率報知LEDをオン(点灯)に設定してセグメント領域にオンデータを保存する(S122)。そして、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(S123)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時コマンドを演出制御装置700に送信することで、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することが可能となる。
ここで、S140〜S144の初期化処理について説明する。初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機1を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
初期化処理では、遊技制御装置600は、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアし(S140)、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S141)。そして、遊技制御装置600は、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値を保存する(S142)。その後、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する期間として出力タイマ初期値を設定し、出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域に保存する(S143)。S143の処理後、遊技制御装置600は電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信する(S144)。
S123又はS144の処理が終了すると、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S124)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、CTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S125)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定する等の処理を実行する。S125の処理後、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(S126)、割込みを許可する(S127)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
S127の処理後、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S128)。本実施形態では、大当り乱数は、乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
S128の処理の後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力される停電監視信号をチェックする回数を設定する(S129)。チェック回数は、通常2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることで、停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定し(S130)、停電監視信号がオンでない場合(S130の結果が「N」)には停電していないとしてS128からS130までの処理を実行する。
なお、本実施形態では、初期値乱数更新処理(S128)の前に割り込みを許可(S127)するので、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、S128の初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合(S130の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS129の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S131)。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合(S131の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S130)。これに対して、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合(S131の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S132〜S138)。
停電発生時の処理では、遊技制御装置600は、割込みを禁止し(S132)、全出力ポートをオフに設定する(S133)。その後、遊技制御装置600は、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1を保存し(S134)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2を保存する(S135)。
S135の処理後、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S136)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域に保存する(S137)。その後、遊技制御装置600は、RWMの内容が変更されないようにRWMへのアクセスを禁止し(S138)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
図7を参照して、遊技制御装置600によって実行されるタイマ割込み処理を説明する。図7は、タイマ割込み処理のフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S201)。なお、本実施形態では、遊技用マイコン611としてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS201の処理が実行される。
S201の処理後、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチ等からの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S202)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605a、605b等が含まれる。S202の入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
S202の処理後、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(S203)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御を行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには大入賞口ソレノイド28a、28bや普電ソレノイド27等が含まれる。S203の出力処理には、遊技機1における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力することも含まれる。
そして、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信するコマンド送信処理を実行する(S204)。その後、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S205)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S206)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタ等)の値を1ずつ加算する。
続いて、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチ等を監視したり、枠の不正な開放等のエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(S207)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605a、605bが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したり、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないか等を監視したりする。
S207の処理後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(S208)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S209)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8を参照して後述する。
S209の処理後、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(例えば状態表示器42)の表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S210)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLEDに出力するためのパラメータを編集する。
そして、遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S211)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりする等して外部に報知する。
S211の処理後、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力される各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(S212)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S213)。続いて、遊技制御装置600は、S201の処理で一時退避させたレジスタを復帰させ(S214)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可して(S215)、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
図8を参照して、図7のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S208)の詳細について説明する。図8は、遊技制御装置600によって実行される特図ゲーム処理のフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄)の表示の設定が行われる。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(S301)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9を参照して後述する。
S301の処理後、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理1を実行して(S302)、カウントスイッチ監視処理2を実行する(S303)。カウントスイッチ監視処理1では、カウントスイッチ605aによって上部変動入賞装置36の上部大入賞口に入賞した遊技球を検出して、入賞した遊技球の数を監視する。カウントスイッチ監視処理2では、カウントスイッチ605bによって下部変動入賞装置39の下部大入賞口に入賞した遊技球を検出して、入賞した遊技球の数を監視する。
S303の処理後、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は特図ゲーム処理タイマを1減算して更新した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S304及びS305)。特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S310〜S316)を実行する時に初期値がセットされ、S304の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間であり、例えば特図普段処理(S310;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は特図変動表示ゲームにおいて特図が変動表示されている時間である。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合(S305の結果が「N」)には、遊技制御装置600はS317以降の処理を実行する。
一方、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合(S305の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S306)。そして、遊技制御装置600は、特図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S307)。続いて、遊技制御装置600は、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S308)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S309)。
ゲーム処理番号が「0」の場合(S309の結果が「0」)には、遊技制御装置600は特図普段処理を実行する(S310)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図14を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「1」の場合(S309の結果が「1」)には、遊技制御装置600は特図変動中処理を実行する(S311)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合(S309の結果が「2」)には、遊技制御装置600は特図表示中処理を実行する(S312)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
ゲーム処理番号が「3」の場合(S309の結果が「3」)には、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S313)。ファンファーレ/インターバル中処理は、上部大入賞口又は下部大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「4」の場合(S309の結果が「4」)には、遊技制御装置600は大入賞口開放中処理を実行する(S314)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様になった場合に大入賞口開放時間に基づいて上部変動入賞装置36の開閉扉36a又は下部変動入賞装置39の開閉扉39aを開放し、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる処理である。
ゲーム処理番号が「5」の場合(S309の結果が「5」)には、遊技制御装置600は大入賞口残存球処理を実行する(S315)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に上部大入賞口又は下部大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
ゲーム処理番号が「6」の場合(S309の結果が「6」)には、遊技制御装置600は大当り終了処理を実行する(S316)。大当り終了処理は、S310の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う処理である。
S305、S310〜S316のいずれかの処理を実行した後、遊技制御装置600は、状態表示器42において図柄(特図1)の変動を制御するためのテーブルを準備し(S317)、特図1に関する図柄変動制御処理を実行する(S318)。
次に、遊技制御装置600は、状態表示器42において図柄(特図2)の変動を制御するためのテーブルを準備し(S319)、特図2に関する図柄変動制御処理を実行して(S320)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
図9を参照して、図8の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S301)の詳細について説明する。図9は、遊技制御装置600が実行する始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留(始動記憶)の情報を設定するテーブルを準備する(S401)。
S401の処理後、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S402)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10を参照して後述する。
続いて、遊技制御装置600は、普通電動役物(第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中であるか否か、すなわち開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを確認する(S403)。
開閉部材37cが作動中である場合(S403の結果が「Y」)には、遊技制御装置600はS406以降の処理を実行する。これに対して、開閉部材37cが作動中でない場合(S403の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S404及びS405)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。S404及びS405の処理では、遊技制御装置600は、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合(S405の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに始動口スイッチ監視処理を終了する。これに対して、不正入賞数が不正判定個数未満の場合(S405の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(S406)、特図始動口スイッチ共通処理を実行して(S407)、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、S407の特図始動口スイッチ共通処理は、S402の特図始動口スイッチ共通処理と同じ処理である。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図10を参照して、図9の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S402及びS407)の詳細について説明する。図10は、遊技制御装置600が実行する特図始動口スイッチ共通処理のフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理が開始されると、遊技制御装置600は、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602(図3参照)のうち、監視対象の始動口スイッチから信号が入力されたか否かを判定する(S501及びS502)。対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合(S502の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、対象の始動口スイッチから信号が入力された場合(S502の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、当該対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S503)。そして、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S504)。
S504の処理後、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報、すなわち遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして(S505)、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かを確認する(S506及びS507)。
始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合(S507の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、更新後の始動口信号出力回数の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S508)。
S508の処理の終了後、又は始動口信号出力回数がオーバーフローする場合(S507の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを確認する(S509及びS510)。
特図保留数が上限値未満でない場合(S510の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601であるか否かを判断する(S511及びS512)。対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601である場合(S712の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S513)、コマンド設定処理を実行して(S514)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。これに対して、対象の始動口スイッチが第2始動口スイッチ602である場合(S512の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
特図保留数が上限値未満の場合(S510の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。遊技制御装置600は、更新対象の特図保留数、すなわち第1特図変動表示ゲームに関する始動記憶数(保留数)又は第2特図変動表示ゲームに関する始動記憶数(保留数)を1加算して更新する(S515)。このように遊技制御装置600は、始動記憶を上限数まで記憶する始動入賞記憶手段として機能する。
S515の処理の後、遊技制御装置600は、変動表示装置35で実行される飾り特図変動表示ゲームに関連する飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、モード部とアクション部によって構成される。つまり、遊技制御装置600は、まず対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S516)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S517)。そして、遊技制御装置600は、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行し(S518)、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S519)。
S519の処理の後、遊技制御装置600は、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S520)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数を抽出し(S521)、大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S522)。
S522の処理後、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S523)。続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数2を抽出してRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(S524)、対応する変動パターン乱数3を抽出してRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S525)。なお、変動パターン乱数1〜3は、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数を遊技制御用プログラムによって更新するのではなく、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
S525の処理後、遊技制御装置600は、S522の処理でRWMにセーブされた大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を用いて特図保留情報判定処理を実行し(S526)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
図11を参照して、図10の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(S526)の詳細について説明する。図11は、遊技制御装置600が実行する特図保留情報判定処理のフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
特図保留情報判定処理が開始されると、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしているか否かをチェックし(S601)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(S602)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には普電サポートなしであって特別遊技状態でないことであり、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。
先読み演出の実行条件を満たしていない場合(S602の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図保留情報判定処理を終了する。これに対して、先読み演出の実行条件を満たしている場合(S602の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S603)。大当り判定処理において、遊技制御装置600は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
S603の処理後、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S604)。
大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(S604の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定し(S607)、S608以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合(S604の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(S605)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
S605の処理後、遊技制御装置600は、S605の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S606)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
S606又はS607の処理後、遊技制御装置600は、S606の処理で設定した大当り情報テーブル又はS607の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S608)。
続いて、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S609)。そして、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S610)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S611)。
S611の処理後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S612)。そして、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S613)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S614)。
S613の後半変動パターン設定処理及びS614の変動パターン設定処理は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
S614の処理後、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備し(S615)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(S616)、コマンド設定処理を実行する(S617)。
S617の処理後、遊技制御装置600は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S618)、コマンド設定処理を実行して(S619)、特図保留情報判定処理を終了する。
遊技制御装置600は、S615及びS616の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、S618の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。そのため、演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている保留表示の表示態様を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知することができる。このように、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
図12は、遊技制御装置600から演出制御装置700に送信される先読みコマンドとしての始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドの一例を示す図である。
始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドは、MODE部とACTION部を含み、各8バイトの計16バイトで構成されている。
始動口入賞演出図柄コマンドは、はずれ又は大当りを通知し、大当りの種類まで含む。始動口入賞演出図柄コマンドは図11のS609で設定される。一方、始動口入賞演出コマンドは、はずれ又は大当りを通知し、大当りの種類及びリーチの種類を含む。始動口入賞演出コマンドのMODE部は図11のS615で設定され、ACTION部はS616で設定される。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から先読みコマンドを受信すると、受信したコマンドの内容に基づいて、保留表示を変更する等の先読み演出を実行する。先読み演出は、常に正確な結果を示唆するものでなくてもよく、例えばはずれの場合であっても始動口入賞演出コマンドに基づいて所定のリーチ(SP1リーチ以上)が発生すれば、結果にかかわらず先読み演出を実行して遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
図13は、特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に使用される変動パターン乱数1と、リーチ態様との関係を示す図である。遊技機1では、変動パターン乱数1に基づいて選択されるリーチ態様が、始動記憶数(第1始動記憶数と第2始動記憶数の和)に応じて変化するように構成されている。始動記憶数が多い場合には特図変動表示ゲームの実行回数を増やすために比較的に短い変動時間の変動パターンが選択され、始動記憶数が少ない場合には始動記憶数が0になりにくいように比較的に長い変動時間の変動パターンが選択される。
例えば、変動パターン乱数1が15000から20000の間の値であると、始動記憶数が1又は2の場合にはノーマルリーチが発生し、始動記憶数が3の場合にはノーマルリーチかリーチなしのいずれかになり、始動記憶数が4から8の場合にはリーチなしとなる。このように、図11の網掛け部は、始動記憶数によってリーチの態様が異なる乱数の範囲を示している。
なお、実際に特図変動表示ゲームが実行されるタイミングの始動記憶数を先読み演出実行時に正確に把握することはできないため、図13の網掛け部における変動パターン乱数1が抽出された場合には先読み演出を実行しないようにしてもよい。
〔特図普段処理〕
図14を参照して、図8の特図ゲーム処理における特図普段処理(S310)の詳細について説明する。図14は、遊技制御装置600が実行する特図普段処理のフローチャートである。
特図普段処理が開始されると、遊技制御装置600は、特図2保留数(特図2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(S701及びS702)。
特図2保留数が0の場合(S702の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(S703及びS704)。このように、遊技機1は、特図2保留数の有無の判定を特図1保留数の有無の判定よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するように構成されている。
特図1保留数が0の場合(S704の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(S705及びS706)。
客待ちデモを開始していない場合(S706の結果が「N」)には、遊技制御装置600は客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定し(S707)、客待ちデモコマンドを準備して(S708)、コマンド設定処理を実行する(S709)。一方、既に客待ちデモが開始されている場合(S706の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、既に客待ちデモコマンドを演出制御装置700に送信済みであると判断して、S710以降の処理を実行する。
S709の処理後、又は既に客待ちデモが開始されている場合(S706の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行し(S710)、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1では、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定したり、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定したりする。
ところで、S702の処理で特図2保留数が0でないと判定された場合(S702の結果が「N」)、すなわち第2特図変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置600は特図2変動開始処理1を実行する(S711)。特図2変動開始処理1の詳細については、図16を参照して後述する。S711の処理後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するための第2特図用テーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(S712)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図2)では、遊技制御装置600は、第2特図用テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図変動表示ゲームの変動中に係る試験信号等を設定する。
また、S704の処理で特図1保留数が0でないと判定されれた場合(S704の結果が「N」)、すなわち第1特図変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置600は特図1変動開始処理1を実行する(S713)。特図1変動開始処理1の詳細については、図15を参照して後述する。S713の処理後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するための第1特図用テーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(S714)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図1)では、遊技制御装置600は、第1特図用テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号等を設定する。
〔特図1変動開始処理1及び特図2変動開始処理1〕
図15及び図16を参照して、図14の特図普段処理における特図1変動開始処理1(S713)及び特図2変動開始処理1(S711)の詳細を説明する。図15は遊技制御装置600が実行する特図1変動開始処理1のフローチャートであり、図16は遊技制御装置600が実行する特図2変動開始処理1のフローチャートである。
図15に示す特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理である。特図1変動開始処理1が開始されると、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S801a)。そして、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S802a)。
S802aの処理後、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(S803a)、図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S804a)。そして、遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)を設定して準備し(S805a)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S806a)。
S806aの処理後、遊技制御装置600は、特図1用の変動パターンに関する情報(変動表示時間等)を、始動記憶として記憶されている乱数に基づき設定するテーブルを準備し(S807a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S808a)。そして、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S809a)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S810a)。
S810aの処理後、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S811a)、特図1変動開始処理1を終了する。
なお、図16に示す特図2変動開始処理1は、特図2変動表示ゲームの開始時に実行される処理であって、図15の特図1変動開始処理1と同様の手順で実行される。図15のS801b〜S811bの処理は図14のS801a〜S811aの処理にそれぞれ対応しており、S801bの処理でフラグ2が処理対象となり、S802b及びS803bの処理で特図2停止図柄が処理対象となり、S805b及びS806bの処理で特図2変動フラグが処理対象となる。
第1特図変動表示ゲームの変動パターンは図15のS809a及びS810aにおいて設定され、第2特図変動表示ゲームの変動パターンは図16のS809b及びS810bにおいて設定される。設定される変動パターンの内容について、図17(A)及び図17(B)を参照して説明する。図17(A)は、はずれ時の変動パターンの一例を示すはずれ変動パターンテーブルである。図17(B)は、大当り時の変動パターンの一例を示す大当り変動パターンテーブルである。なお、遊技機1は、図17(A)及び図17(B)の変動パターン以外にも、各種遊技状態(時短状態等)に対応する変動パターンを設定可能に構成されている。
特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、変動パターンは、図17(A)のはずれ変動パターンテーブルに基づいて、リーチなし変動(変動パターン1)、ノーマルリーチ変動(変動パターン2)、変動時間の異なるSP1リーチ変動(変動パターン3〜5)、変動時間の異なるSP2リーチ変動(変動パターン6〜8)、及び変動時間の異なるSP3リーチ変動(変動パターン9〜11)の中から1つの変動パターンに設定される。
はずれ変動パターンテーブルでは、リーチなし変動、ノーマルリーチ変動、SP1リーチ変動、SP2リーチ変動、SP3リーチ変動の順番で、選択率が低くなるとともに変動時間が長くなるように設定される。また、SP1リーチ変動の変動パターン3〜5は、疑似連続回数が多くなるほど変動時間が長くなるように設定されている。SP2リーチ変動の変動パターン6〜8及びSP3リーチ変動の変動パターン9〜11も、疑似連続回数が多くなるほど変動時間が長くなるように設定されている。
なお、演出制御装置700は、設定された変動時間において疑似連続演出を行うために割り当てられている時間中に、疑似連続演出を実行するが、疑似連続演出の代わりに別の演出(ムービー予告等)を実行するようにしてもよい。
期待度が高く、変動時間が長めに設定される変動パターン4、5、7、8、10、11では、1つの始動記憶を使用して実行される1回の特図変動表示ゲーム中において、変動表示装置35に変動表示される飾り図柄(識別図柄)を特別結果態様以外の停止態様で疑似的に停止(仮停止)させて複数回の変動表示ゲームが連続して行われているかのような疑似連続演出を実行する。疑似連続演出では、飾り図柄の仮停止を伴う疑似変動表示ゲームが所定回数連続して行われる。変動パターン4、5、7、8、10、11における疑似連続回数は1回の特図変動表示ゲーム中における疑似変動表示ゲームの回数であり、変動パターン4、7、10では疑似連続回数が2回に設定され、変動パターン5、8、11では疑似連続回数が3回に設定される。
なお、疑似連続演出を実行しない変動パターンでは、飾り図柄は変動開始してから所定時間経過後に仮停止することなく停止(本停止)するが、仮停止した直後に本停止するようにしてもよい。このような場合には、疑似連続演出を実行しない変動パターンを疑似連続回数が1回の変動パターンとして捉えることができる。
一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、変動パターンは、図17(B)の大当り変動パターンテーブルに基づいて、ノーマルリーチ変動(変動パターン2)、変動時間の異なるSP1リーチ変動(変動パターン3〜5)、変動時間の異なるSP2リーチ変動(変動パターン6〜8)、変動時間の異なるSP3リーチ変動(変動パターン9〜11)、及びプレミアムリーチ変動(変動パターン12)の中から1つの変動パターンに設定される。
大当り変動パターンテーブルでは、ノーマルリーチ変動、SP1リーチ変動、SP2リーチ変動、SP3リーチ変動の順番で、選択率が高くなるように設定されている。なお、プレミアムリーチ変動は大当りとなる期待度が非常に高いものであるため、プレミアムリーチ変動の選択率は最も低くなるように設定される。また、変動時間は、ノーマルリーチ変動、SP1リーチ変動、SP2リーチ変動、SP3リーチ変動、プレミアムリーチ変動の順番で長くなるように設定されている。
期待度が高く、変動時間が長めに設定される変動パターン4、5、7、8、10〜12では、疑似連続演出が実行される。変動パターン4、7、10では疑似連続回数が2回に設定され、変動パターン5、8、11では疑似連続回数が3回に設定される。プレミアムリーチ変動を伴う変動パターン12では、疑似連続回数が4回に設定される。このように、遊技機1は、疑似変動表示ゲームの実行回数が増加するほど、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度(特別遊技状態が発生する期待度)が高くなるように構成されている。
なお、遊技機1では、遊技制御装置600が変動パターンの種類に応じて変動時間や対応リーチ種類、疑似連続回数を指定するようにしてもよいし、遊技制御装置600が変動パターンの種類に応じて変動時間を指定して演出制御装置700が対応するリーチ種類、疑似連続回数を指定するようにしてもよい。
〔1stCPUメイン処理〕
以下では、演出制御装置700による制御について具体的な処理を説明する。まず、図18を参照して、演出制御装置700によって実行される1stCPUメイン処理について説明する。図18は、演出制御装置700(主制御用マイコン710)が実行する1stCPUメイン処理を示すフローチャートである。
1stCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。1stCPUメイン処理が開始されると、演出制御装置700は、割込みを禁止し(S901)、作業領域であるRAM711を0クリアして(S902)、CPU初期化処理を実行する(S903)。その後、演出制御装置700は、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(S904)、乱数初期化処理を実行する(S905)。
S905の処理後、演出制御装置700は、所定タイミング(例えば1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(S906)、割込みを許可する(S907)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理が実行可能な状態となる。
S907の処理後、演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S908)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S903)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
S908の処理後、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン17(図1参照)の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(S909)。続いて、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S910)。
S910の処理後、演出制御装置700はテストモード処理を実行する(S911)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査するための処理である。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する時に実行される。
続いて、演出制御装置700は、遊技制御コマンド解析処理(S910)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S912)。1stシーン制御処理では、変動表示装置35の画面の表示内容を統括的に制御する。1stシーン制御処理の詳細については、図19を参照して後述する。
S912の処理後、演出制御装置700は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S913)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合に、警報音の報知等、所定の処理を実行する。
続いて、演出制御装置700は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行し(S914)、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S915)。その後、演出制御装置700は、LED等を含む装飾装置(盤装飾装置760及び枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(S916)、モータやソレノイドで駆動される電動役物等の演出装置(盤演出装置770及び枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S917)。
S917の処理後、演出制御装置700は、演出乱数等の乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S918)、S908の処理に戻る。以降、演出制御装置700は、S908からS918までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
図19を参照して、図18の1stCPUメイン処理における1stシーン制御処理(S912)の詳細について説明する。図19は、演出制御装置700が実行する1stシーン制御処理のフローチャートである。
1stシーン制御処理が開始されると、演出制御装置700は、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(S1001)。
テスト中モードの場合(S1001の結果が「Y」)には、演出制御装置700は1stシーン制御処理を終了する。これに対して、遊技機1がテスト中モードでない場合(S1001の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(S1002)。
シーン変更コマンドを受信していない場合(S1002の結果が「N」)には、演出制御装置700はS1007以降の処理を実行する。これに対して、シーン変更コマンドを受信している場合(S1002の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得する(S1003)。
S1003の処理後、演出制御装置700は、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(S1004)。この処理では、演出制御装置700は、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否か等を判定する。
有効なコマンドを受信していない場合(S1004の結果が「N」)には、演出制御装置700はS1007以降の処理を実行する。これに対して、有効なコマンドを受信した場合(S1004の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、受信したコマンドをメモリにセーブし(S1005)、演出リクエストフラグをセットする(S1006)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(S1011)で使用される。
S1006の処理後、シーン変更コマンドを受信していない場合(S1002の結果が「N」)、又は有効なコマンドを受信していない場合(S1004の結果が「N」)には、演出制御装置700は、コマンド識別子に応じた分岐処理を実行する(S1007)。
受信したコマンドが電源投入コマンドの場合には、演出制御装置700は電源投入処理を実行する(S1008)。電源投入処理では、演出制御装置700は、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが停電復旧コマンドの場合には、演出制御装置700は、停電復旧処理を実行する(S1009)。停電復旧処理では、演出制御装置700は、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが客待ちデモコマンドの場合には、演出制御装置700は客待ち処理を実行する(S1010)。客待ち処理では、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが変動パターンコマンドの場合には、演出制御装置700は変動中処理を実行する(S1011)。変動中処理では、演出制御装置700は、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を実行する。なお、変動中処理の詳細については、図20を参照して後述する。
受信したコマンドが図柄停止コマンドの場合には、演出制御装置700は図柄停止処理を実行する(S1012)。図柄停止処理では、演出制御装置700は、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
受信したコマンドがファンファーレコマンドの場合には、演出制御装置700はファンファーレ処理を実行する(S1013)。ファンファーレ処理では、演出制御装置700は、発生した大当りに対応するファンファーレを出力させる。
受信したコマンドが大入開放n回目コマンドの場合には、演出制御装置700はラウンド中処理を実行する(S1014)。ラウンド中処理では、演出制御装置700は、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
受信したコマンドがインターバルコマンドの場合には、演出制御装置700はインターバル処理を実行する(S1015)。インターバル処理では、演出制御装置700は、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
受信したコマンドがエンディングコマンドの場合には、演出制御装置700はエンディング処理を実行する(S1016)。エンディング処理では、演出制御装置700は、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
S1008〜S1016のいずれかの処理が終了すると、演出制御装置700は、図柄コマンド受信処理を実行する(S1017)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
S1017の処理後、演出制御装置700は、飾り特図保留数コマンド受信処理を実行する(S1018)。飾り特図保留数コマンドは、更新された保留数(始動記憶数)を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、演出制御装置700は受信した保留数に基づいて保留表示等を更新する。
S1018の処理後、演出制御装置700は、先読みコマンド受信処理を実行する(S1019)。先読みコマンド受信処理では、演出制御装置700は、始動口入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドに基づいて保留表示演出等を設定する。
S1019の処理後、演出制御装置700は、確率情報コマンド受信処理を実行し(S1020)、1stシーン制御処理を終了する。確率情報コマンド受信処理では、演出制御装置700は、受信した確率情報コマンドに基づいて内部確率等の遊技状態を設定する。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/電サポなしコマンド等が含まれる。
〔変動中処理〕
図20を参照して、図19の1stシーン制御処理における変動中処理(S1011)の詳細について説明する。図20は、演出制御装置700が実行する変動中処理のフローチャートである。
変動中処理が開始されると、演出制御装置700は、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(S1101)。演出リクエストフラグは、1stシーン制御処理のS1006でセットされるフラグである。
演出リクエストフラグが設定されている場合(S1101の結果が「Y」)には、演出制御装置700はS1102〜S1109の処理を実行する。
S1102において、演出制御装置700は演出ボタン関連情報をクリアする。演出ボタン関連情報とは、演出ボタン17(図1参照)による入力操作に関する情報である。
S1102の処理後、演出制御装置700は可動体リクエストをセットする(S1103)。この処理では、演出制御装置700は、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
S1103の処理後、演出制御装置700は変動パターン情報設定処理を実行する(S1104)。変動パターン情報設定処理では、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームにおける演出態様等を設定する。なお、変動パターン情報設定処理の詳細については、図21を参照して後述する。
S1104の処理後、演出制御装置700は乱数シード初期化処理を実行する(S1105)。乱数シード初期化処理では、演出制御装置700は、演出内容を決定するため等に使用する乱数のシードを初期化する。
S1105の処理後、演出制御装置700は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定し(S1106)、特図変動表示ゲームの変動回数を管理する変動回数管理処理を実行する(S1107)。続いて、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(S1108)、演出リクエストフラグをクリアして(S1109)、変動中処理を終了する。
ところで、S1101の処理で演出リクエストフラグが設定されていないと判定された場合(S1101の結果が「N」)には、演出制御装置700は、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。
まず、演出制御装置700は、更新タイマが0、つまり更新タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S1110)。
更新タイマがタイムアップした場合(S1110の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(S1111)。
S1111の処理が終了した場合、又は更新タイマがタイムアップしていない場合(S1110の結果が「N」)には、演出制御装置700は変動中処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理〕
図21を参照して、図20の変動中処理における変動パターン情報設定処理(S1104)の詳細について説明する。図21は、演出制御装置700が実行する変動パターン情報設定処理のフローチャートである。
変動パターン情報設定処理が開始されると、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した変動パターンコマンドの内容を確認する処理を実行する(S1201)。
S1201の処理後、演出制御装置700は、変動パターンコマンドに基づいて、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンであるか否かを判定する(S1202)。
はずれとなる変動パターンである場合(S1202の結果が「N」)には、演出制御装置700は、変動パターンコマンドによって指示された変動パターンに対応するはずれ演出パターンを選択する(S1203)。はずれ演出パターンは、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合における、変動表示装置35の表示演出に関する情報や可動演出ユニット(電動役物)の動作演出に関する情報を含んでいる。
一方、大当りとなる変動パターンである場合(S1202の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、変動パターンコマンドによって指示された変動パターンに対応する大当り演出パターンを選択する(S1204)。大当り演出パターンは、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合における、変動表示装置35の表示演出に関する情報や可動演出ユニット(電動役物)の動作演出に関する情報を含んでいる。
S1203又はS1204の処理後、演出制御装置700は、S1203又はS1204で選択された演出パターンに基づいて、所定タイミングで実行する各種演出を設定する(S1205)。S1205の処理では、演出制御装置700は、変動表示装置35における各種表示演出や可動演出ユニット(電動役物)における各種動作演出を設定する。例えば、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知可能なリーチ後予告演出やカットイン予告演出の演出内容を設定したり、疑似連続演出の演出内容を設定したりする。このように演出制御装置700は、リーチ後予告演出を実行する予告演出実行手段として機能するとともに、疑似連続演出を実行する疑似連続演出実行手段として機能する。
S1205の処理後、演出制御装置700は、疑似連続演出実行時に表示されるリプレイ図柄を設定するリプレイ図柄設定処理を実行する(S1206:特定識別情報制御手段)。
リプレイ図柄は、疑似連続演出における疑似変動表示ゲーム中に、飾り図柄の一つとして変動表示装置35の画面に表示される識別情報(特定識別情報)である。リプレイ図柄は、疑似連続演出時に所定回数実行される疑似変動表示ゲームのうち先の疑似変動表示ゲームにおいて飾り図柄の一つとして表示され、後の疑似変動表示ゲームが連続して実行されることを報知するものである。さらに、本実施形態では、リプレイ図柄は、実行中の特図変動表示ゲームの期待度を報知するように構成されている。
図22は、特図変動表示ゲームの結果に対する期待度に応じて設定されたリプレイ図柄の種類を示す図である。
リプレイ図柄1は、「継続」の文字から構成された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が低いことを報知する。
リプレイ図柄2は、「継続!」の文字等から構成された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が低いこと及び疑似連続演出において疑似変動表示ゲームが3回継続する可能性が高いことを報知する。
なお、リプレイ図柄1、2は、リプレイ図柄が表示されない場合と比較して特図変動表示ゲームの期待度は高く、他のリプレイ図柄3〜5と比較して特図変動表示ゲームの期待度が低いことを示すものである。
リプレイ図柄3は、「熱!」の文字等から構成された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が中程度であることを報知する。
リプレイ図柄4は、「激熱!」の文字等から構成された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が高いことを報知する。
リプレイ図柄5は、「大当り!」の文字等から構成された識別情報(特別識別情報)であり、特図変動表示ゲームの結果が大当りになることを報知する。このようにリプレイ図柄の種類の1つとして、確実に大当りを報知可能なリプレイ図柄5を用意しておくことで、リプレイ図柄に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
図21のS1206のリプレイ図柄設定処理では、演出制御装置700は、リプレイ図柄に関する各種情報を設定する。なお、リプレイ図柄設定処理の詳細については、図23を参照して後述する。
S1206の処理後、演出制御装置700は、設定された演出パターンで特図変動表示ゲームに関する演出を開始するように設定し(S1207)、変動パターン情報設定処理を終了する。
〔リプレイ図柄設定処理〕
図23を参照して、図21の変動パターン情報設定処理におけるリプレイ図柄設定処理(S1206)の詳細について説明する。図23は、演出制御装置700が実行するリプレイ図柄設定処理のフローチャートである。
リプレイ図柄設定処理が開始されると、演出制御装置700は、疑似連続演出の実行が設定されているか否かを判定する(S1301)。
疑似連続演出の実行が設定されていない場合(S1301の結果が「N」)には、演出制御装置700はリプレイ図柄設定処理を終了する。なお、疑似連続演出の実行が設定されていない場合にも、所定の確率でリプレイ図柄を表示(リプレイ図柄の一部だけ表示、リプレイ図柄の色彩を薄めて表示、リプレイ図柄は表示されるが停止しないで通り過ぎる制御、等を含む)して疑似連続演出が行われるように見せかけてもよい。
一方、疑似連続演出の実行が設定されている場合(S1301の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、疑似連続演出が実行される変動パターンが大当りとなるパターンであるか否かを判定する(S1302)。
特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる変動パターンである場合(S1302の結果が「N」)には、演出制御装置700は、図24に示すようなはずれ用リプレイ図柄選択テーブルを設定する(S1303)。一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンである場合(S1302の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図25に示すような大当り用リプレイ図柄選択テーブルを設定する(S1304)。
S1303又はS1304の処理後、演出制御装置700は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、疑似連続演出における疑似連続回数を確認する(S1305)。疑似連続回数は、図17(A)及び図17(B)に示したように、変動パターンの種類に対応付けされている。
S1305の処理後、演出制御装置700は、疑似連続回数等の各種情報と、図24のはずれ用リプレイ図柄選択テーブル又は図25の大当り用リプレイ図柄選択テーブルとから、表示するリプレイ図柄を設定する(S1306)。
図24は、はずれ用リプレイ図柄選択テーブルの一例を示す図である。
特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が2回である場合には(図17(A)の変動パターン4、7、10)、1回目の疑似変動表示ゲーム中に表示されるリプレイ図柄が設定される。具体的には、リプレイ図柄は、図24における所定の選択率に基づいて、リプレイ図柄1〜4(図22参照)うちの1つに設定される。なお、疑似連続回数が2回の場合には、特図変動表示ゲームの期待度が低いことを報知するリプレイ図柄1の選択率が最も高くなっている。
特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が3回である場合には(図17(A)の変動パターン5、8、11)、1回目の疑似変動表示ゲーム中に表示されるリプレイ図柄(1回目のリプレイ図柄)と、2回目の疑似変動表示ゲーム中に表示されるリプレイ図柄(2回目のリプレイ図柄)とが設定される。
1回目のリプレイ図柄には、所定の選択率に基づいてリプレイ図柄1〜4のうちの1つが設定される。1回目のリプレイ図柄の設定では、特図変動表示ゲームの期待度は低いが疑似連続回数が3回継続して行われる可能性は高いことを報知するリプレイ図柄3の選択率が最も高くなっている。
2回目のリプレイ図柄には、所定の選択率に基づいてリプレイ図柄1〜4のうちの1つが設定されるが、1回目に設定されたリプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなるリプレイ図柄は設定されないようになっている。例えば、1回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄3である場合には、2回目のリプレイ図柄はリプレイ図柄3又はリプレイ図柄4となり、2回目のリプレイ図柄としてリプレイ図柄1又は2が設定されることはない。
図25は、大当り用リプレイ図柄選択テーブルの一例を示す図である。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が2回である場合には(図17(B)の変動パターン4、7、10)、1回目の疑似変動表示ゲーム中に表示されるリプレイ図柄が設定される。具体的には、リプレイ図柄は、図25の所定の選択率に基づいてリプレイ図柄1〜5(図22参照)のうちの1つに設定される。なお、疑似連続回数が2回の場合には、大当り用リプレイ図柄選択テーブルは、はずれ用リプレイ図柄選択テーブルと比較して、特図変動表示ゲームの期待度が高いことを報知可能なリプレイ図柄3、4等の選択率が高くなるように構成されている。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が3回である場合には(図17(B)の変動パターン5、8、11)、1回目のリプレイ図柄は所定の選択率に基づいてリプレイ図柄1〜5の1つに設定され、2回目のリプレイ図柄は所定の選択率に基づいてリプレイ図柄1〜5の1つに設定される。なお、2回目のリプレイ図柄には、1回目に設定されたリプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなるリプレイ図柄が設定されないようになっている。例えば、1回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄3である場合には、2回目のリプレイ図柄はリプレイ図柄3〜5のいずれかとなり、2回目のリプレイ図柄としてリプレイ図柄1又は2が設定されることはない。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が4回である場合には(図17(B)の変動パターン12)、1回目のリプレイ図柄は所定の選択率に基づいてリプレイ図柄1〜5の1つに設定され、2回目のリプレイ図柄は所定の選択率に基づいてリプレイ図柄1〜5の1つに設定され、3回目のリプレイ図柄は常にリプレイ図柄5に設定される。
ここで、2回目のリプレイ図柄には、1回目に設定されたリプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなるリプレイ図柄は設定されないようになっている。3回目のリプレイ図柄には、2回目に設定されたリプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなるリプレイ図柄は設定されないようになっている。
なお、大当りとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が4回である場合には(図17(B)の変動パターン12)、1回目のリプレイ図柄をリプレイ図柄4に設定し、2回目のリプレイ図柄をリプレイ図柄3に設定し、3回目のリプレイ図柄をリプレイ図柄2に設定するようにしてもよい。このように、疑似連続回数の増加に伴ってリプレイ図柄により報知される特図変動表示ゲームの期待度を下げることで、大当りとなった時の意外性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の通り、図23のS1306の処理では、演出制御装置700は、図24又は図25のリプレイ図柄選択テーブルを用いて、疑似変動表示ゲーム中に表示されるリプレイ図柄を設定する。このように、演出制御装置700は、リプレイ図柄1〜5のうちから一つを選択する特定識別情報選択手段として機能する。
S1306の処理後、演出制御装置700は、設定(選択)したリプレイ図柄を疑似停止表示させるタイミングを設定するリプレイ図柄停止タイミング設定処理を実行して(S1307)、リプレイ図柄設定処理を終了する。
リプレイ図柄停止タイミング設定処理では、演出制御装置700は、飾り特図変動表示ゲームを構成する3つの飾り図柄のうち2つの飾り図柄が揃った状態で仮停止してリーチ態様を形成した後に変動している最後の飾り図柄をリプレイ図柄に制御するようにリプレイ図柄停止タイミングを設定し、又はリーチ態様を形成していない状態で変動している飾り図柄をリプレイ図柄に制御するようにリプレイ図柄停止タイミングを設定する。リーチ態様を形成していない状態とは、3つの飾り図柄全てが変動している場合や、3つの飾り図柄のうち2つの飾り図柄が変動している場合、3つの飾り図柄のうち2つの飾り図柄が揃っていない状態(はずれ態様)で仮停止しており最後の飾り図柄のみが変動している場合等である。
〔画面遷移例〕
次に、図26〜図30を参照して、遊技制御装置600及び演出制御装置700による処理に基づいて実行される演出内容の一例について説明する。
まず、図26及び図27を参照して、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる変動パターン5(図17(A)参照)における疑似連続演出の内容について説明する。図26(A)は2つの飾り図柄がはずれ態様となった後にリプレイ図柄を表示する場合における疑似連続演出のタイミングチャートであり、図26(B)は2つの飾り図柄がリーチ態様となった後にリプレイ図柄を表示する場合における疑似連続演出のタイミングチャートである。図27(A−1)〜(C−1)は図26(A)に対応する疑似連続演出における1回目のリプレイ図柄の仮停止を説明する画面遷移図であり、図27(A−2)〜(C−2)は図26(B)に対応する疑似連続演出における1回目のリプレイ図柄の仮停止を説明する画面遷移図である。
なお、図27は、変動表示装置35に出力される画面を示したものである。画面中央には、飾り特図変動表示ゲームを構成する3つの飾り図柄が表示される。画面下部左側には第1特図変動表示ゲームの始動記憶(保留)が表示可能となっており、画面下部右側には第2特図変動表示ゲームの始動記憶(保留)が表示可能となっている。
図17(A)の変動パターン5では疑似連続回数が3回に設定されており、図26(A)に示すように、1回の特図変動表示ゲーム中に3回の疑似変動表示ゲームが行われる。つまり、状態表示器42で特図(特別図柄)が変動開始して所定変動時間経過後(60秒後)に停止表示されるまでの間に、変動表示装置35に表示される飾り図柄は、一度仮停止をし(1回目の疑似変動表示ゲーム)、再び変動した後に2度目の仮停止をして(2回目の疑似変動表示ゲーム)、再変動後に3度目の仮停止をしてそのまま本停止する(3回目の疑似変動表示ゲーム)。本停止時における3つの飾り図柄の結果態様によって、特図変動表示ゲームの結果が報知される。なお、最後の疑似変動表示ゲームにおける飾り図柄の仮停止(3回目の仮停止)は省略でき、変動後に仮停止することなく本停止するようにしてもよい。
図26(A)における演出パターンでは、3回目の疑似変動表示ゲーム中にSP1リーチが発生するようになっており、SP1リーチ発生後にキャラクタ等による演出態様がリーチ前演出からSP1リーチ演出に切り換わる。
ここで、疑似連続演出が継続すること及び特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知可能なリプレイ図柄は、1回目及び2回目の疑似変動表示ゲーム中に表示される。
1回目の疑似変動表示ゲームにおけるリプレイ図柄の停止表示について、図27(A−1)〜(C−1)を参照して説明する。図27(A−1)及び図27(B−1)に示すように、変動表示されている3つの飾り図柄のうち左右2つの飾り図柄が異なる数字で停止してはずれ態様が形成された後、図27(C−1)に示すように、中央の飾り図柄がリプレイ図柄に制御されて停止表示される。ここではリプレイ図柄1(図22参照)が停止表示され、リプレイ図柄1の表示によって、疑似連続演出が継続すること及び特図変動表示ゲームの期待度が低いことが報知される。変動表示装置35の画面には、リプレイ図柄1とともに、「まだまだ!」等のメッセージが表示される。
なお、2回目の疑似変動表示ゲームにおいても同様にリプレイ図柄が表示されるが、1回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄1であったので、2回目のリプレイ図柄はリプレイ図柄1〜4のいずれかとなる(図24参照)。
図26(A)及び図27(A−1)〜図27(C−1)では2つの飾り図柄がはずれ態様となった後に中央の飾り図柄がリプレイ図柄に制御されるが、図23のS1307の設定によっては、図26(B)及び図27(A−2)〜図27(C−2)に示すように、右左2つの飾り図柄が揃ってリーチ態様を形成した後に、中央の飾り図柄がリプレイ図柄に制御され停止表示されることもある。
図27(C−2)では、リプレイ図柄2(図22参照)が停止表示され、リプレイ図柄2の表示によって、疑似連続回数が3回である可能性が高いこと及び特図変動表示ゲームの期待度が低いことが報知される。変動表示装置35の画面には、リプレイ図柄2とともに、「まだまだ!」等のメッセージが表示される。
なお、2回目の疑似変動表示ゲームにおいても同様にリプレイ図柄が表示されるが、1回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄2であったので、2回目のリプレイ図柄はリプレイ図柄2〜4のいずれかとなる(図24参照)。
上記の通り、本実施形態の遊技機1では、リプレイ図柄は疑似連続演出が継続すること及び実行中の特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知するように構成されているため、疑似連続演出の継続のみを報知する従来のリプレイ図柄を表示する場合と比較して、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、リプレイ図柄の停止表示タイミングとしては、飾り図柄がリーチ態様を形成していない状態で変動している時(例えば、はずれ態様を形成した後)にリプレイ図柄を停止表示させる場合と、飾り図柄がリーチ態様を形成した後にリプレイ図柄を停止表示させる場合とがあるので、はずれ態様形成後にリプレイ図柄を表示していた従来の遊技機と比べて意外性のあるものとなり、遊技の興趣をより高めることができる。
次に、図28〜図30を参照して、リプレイ図柄によるその他の疑似連続演出例について説明する。
図28(A−1)〜(C−1)は、2回目のリプレイ図柄が1回目のリプレイ図柄よりも報知する期待度が高くなる場合の疑似連続演出例を示す画面遷移図である。図28(A−1)〜(C−1)では、1回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄3(図22参照)であり、2回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄4(図22参照)である。
図28(A−1)に示すように、1回目の疑似変動表示ゲームにおいてリプレイ図柄3が停止表示されると、変動表示装置35にはリプレイ図柄3の停止に対応して円形状の背景エフェクトが表示される。その後、図28(B−1)に示すように飾り図柄が再変動して、図28(C−1)に示すように2回目のリプレイ図柄としてリプレイ図柄4が停止表示されると、変動表示装置35にはリプレイ図柄4の停止に対応して図28(A−1)における背景エフェクトよりも目立つ態様の背景エフェクトが表示される。
このように、後続のリプレイ図柄が先のリプレイ図柄よりも報知する期待度が高くなる場合には、後続のリプレイ図柄停止時における背景エフェクトを、先のリプレイ図柄停止時における背景エフェクトよりも目立つように設定(複雑な形状にしたり、大形化したり、明るい色を使用したり)するので、より遊技の興趣を高めることが可能となる。
図28(A−2)〜(C−2)は、2回目のリプレイ図柄が1回目のリプレイ図柄よりも報知する期待度が高くなる場合の他の疑似連続演出例を示す画面遷移図である。図28(A−2)〜(C−2)では、1回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄4(図22参照)であり、2回目のリプレイ図柄がリプレイ図柄5(図22参照)である。
図28(A−2)〜(C−2)に示すように、リプレイ図柄4が停止表示された後に、飾り図柄が再変動して2回目のリプレイ図柄としてリプレイ図柄5が停止表示された場合には、リプレイ図柄5を右側及び左側の飾り図柄よりも大きく表示するとともに、「大当りだ!」というメッセージを表示する。
このように、後続のリプレイ図柄が特図変動表示ゲームの結果が大当りになることを報知するリプレイ図柄5となる場合には、中央の飾り図柄として表示されるリプレイ図柄5を左右の飾り図柄よりも目立つような態様で表示するので、大当りになる印象を遊技者に強く与えることができ、リプレイ図柄に対する関心を高めることが可能となる。
図29(A−1)〜(C−1)は、リプレイ図柄の表示時に疑似連続回数を報知する疑似連続演出例を示す画面遷移図である。図29(A−1)〜(C−1)は、疑似連続回数が3回である場合を例示したものである。
図29(A−1)に示すように、1回目のリプレイ図柄(リプレイ図柄1)が停止表示された場合には、残りの疑似連続回数(疑似変動表示ゲームの残数)を報知するように「2回?」の文字情報をリプレイ図柄の図柄内に表示する。その後、図29(B−1)のように2回目の疑似変動表示ゲームが開始され、図29(C−1)のように2回目のリプレイ図柄(リプレイ図柄1)が停止表示されると、残りの疑似連続回数を報知するように「1回?」の文字情報をリプレイ図柄の図柄内に表示する。
このように、リプレイ図柄の図柄内に残りの疑似連続回数を報知する文字情報を表示することで、疑似連続演出の興趣を高めることが可能となる。
図29(A−2)〜(C−2)は、リプレイ図柄の表示時に疑似連続回数を報知する他の疑似連続演出例を示す画面遷移図である。図29(A−2)〜(C−2)は、疑似連続回数が3回である場合を例示したものである。
図29(A−2)に示すように、1回目のリプレイ図柄(リプレイ図柄1)が停止表示された場合には、残りの疑似連続回数が2回であるにも関わらず、「1回?」の文字情報をリプレイ図柄の図柄内に表示する。そして、図29(B−2)に示すように、所定のタイミングにおいて、「1回?」と表示された文字情報を、実際の疑似連続回数の残数を報知する「2回!」の文字情報に変更する。その後、図29(C−2)に示すように、2回目の疑似変動表示ゲームを開始する。
このように、リプレイ図柄の表示とともに、残りの疑似連続回数よりも少ない回数を報知する文字情報を表示し、その後実際の疑似連続回数の残数を報知する文字情報を表示することで、疑似連続演出の興趣を高めることが可能となる。
図30(A−1)〜(C−1)は、リプレイ図柄を一定時間隠蔽するようにした疑似連続演出例を示す画面遷移図である。
図30(A−1)に示すように、左右2つの飾り図柄がはずれ態様で仮停止しており、中央の飾り図柄が仮停止する直前に、中央の飾り図柄の変動表示に対応して隠蔽図柄をスクロール表示する。そして、図30(B−1)に示すように隠蔽図柄によって中央の飾り図柄の全体を隠蔽し、中央の飾り図柄が仮停止するタイミングで、図30(C−1)に示すように隠蔽図柄に代えてリプレイ図柄(例えばリプレイ図柄2)を表示する。
このように、隠蔽図柄によって中央の飾り図柄を隠蔽しておくことで、仮停止前にリプレイ図柄の種類が遊技者に認識されることを防止することができ、疑似連続演出の興趣を高めることが可能となる。
図30(A−2)〜(C−2)は、複数の飾り図柄を用いてリプレイ図柄を表示するようにした疑似連続演出例を示す画面遷移図である。
図30(A−2)〜(C−2)に示すように、1回目の疑似変動表示ゲームの終了後に飾り図柄が再変動し、2回目のリプレイ図柄を表示する場合には、中央の飾り図柄にリプレイ図柄を表示するのではなく、3つの飾り図柄の下部にリプレイ図柄を構成する文字を表示する。
このように、複数の飾り図柄を用いてリプレイ図柄を表示することで、疑似連続演出の演出態様に幅を持たせることが可能となる。
(第2実施形態)
図31〜図34を参照して、本発明の第2実施形態による遊技機1について説明する。
第2実施形態による遊技機1は、第1実施形態の遊技機とほぼ同じ構成であるが、リプレイ図柄設定処理の一部において相違する。以下では、第1実施形態の遊技機とは異なる点を中心に、第2実施形態の遊技機1について説明する。
〔リプレイ図柄設定処理〕
図31は、第2実施形態による遊技機1の演出制御装置700が実行するリプレイ図柄設定処理のフローチャートである。図31の第2実施形態におけるリプレイ図柄設定処理は、図23の第1実施形態におけるリプレイ図柄設定処理にS1308〜S1310の処理を追加したものである。なお、図31のリプレイ図柄設定処理のS1301〜S1307の処理は、図23のS1301〜S1307の処理と同じであるので、説明を省略する。
図31に示すように、S1307においてリプレイ図柄停止タイミングを設定した後、演出制御装置700は、図柄滑り演出抽選処理を実行する(S1308)。図柄滑り演出は、リプレイ図柄表示時に仮停止している右側及び左側の飾り図柄の少なくとも一方の図柄内容を変更する演出である。
図柄滑り演出抽選処理は、S1307の処理でリーチ態様形成後にリプレイ図柄を表示するように設定された場合に、図32の図柄滑り演出抽選テーブルを用いて図柄滑り演出を実行するか否かを決定する。
図32に示すように、図柄滑り演出抽選テーブルは、疑似連続回数が2回の場合には1回目の疑似変動表示ゲーム時に所定の確率で図柄滑り演出が実行され、疑似連続回数が3回及び4回の場合には1回目及び2回目の疑似変動表示ゲーム時に所定の確率で図柄滑り演出が実行されるように構成されている。なお、1回目の図柄滑り演出の方が2回目の図柄滑り演出よりも抽選確率が高く設定されており、また特図変動表示ゲームの結果が大当りになる期待度が高いほど図柄滑り演出の抽選確率が高く設定されている。
なお、本実施形態では、S1308において図柄滑り演出抽選処理を実行するようにしたが、S1306におけるリプレイ図柄設定処理と同時に図柄滑り演出抽選処理を行ってもよい。また、本実施形態では、1回目と2回目の疑似変動表示ゲームごとに滑りリプレイ図柄を抽選するようにしたが、1回目に通常のリプレイ図柄が選択された場合には2回目は滑りリプレイ図柄を選択し、1回目に滑りリプレイ図柄が選択された場合には2回目は通常のリプレイ図柄を選択するようにしてもよい。
図31のS1308の処理後、演出制御装置700は、図柄滑り演出を実行するか否かを判定する(S1309)。
S1308の図柄滑り演出抽選処理で抽選にはずれ、図柄滑り演出を実行しない場合(S1309の結果が「N」)には、演出制御装置700はリプレイ図柄設定処理を終了する。
一方、S1308の図柄滑り演出抽選処理で抽選に当選し、図柄滑り演出を実行する場合(S1309の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、S1306で設定されたリプレイ図柄1〜4の代わりに滑りリプレイ図柄1〜4をリプレイ図柄として再設定し(S1310)、リプレイ図柄設定処理を終了する。
なお、S1310では、通常のリプレイ図柄1〜4の代わりに、対応する滑りリプレイ図柄1〜4を表示するように設定したが、リプレイ図柄1〜4及びそれに対応する滑りリプレイ図柄1〜4を同時に表示するように設定してもよい。
図33は、リプレイ図柄1〜4に対応するように設定された滑りリプレイ図柄の種類を示す図である。
滑りリプレイ図柄1は、リプレイ図柄1(図22参照)に対応するように設定された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が低いこと及び右側の飾り図柄において図柄滑り演出が実行されることを報知する。
滑りリプレイ図柄2は、リプレイ図柄2(図22参照)に対応するように設定された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が低いこと及び左側の飾り図柄において図柄滑り演出が実行されることを報知する。
滑りリプレイ図柄3は、リプレイ図柄3(図22参照)に対応するように設定された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が中程度であること及び左側又は右側の飾り図柄において図柄滑り演出が実行されることを報知する。
滑りリプレイ図柄4は、リプレイ図柄4(図22参照)に対応するように設定された識別情報であり、特図変動表示ゲームの期待度が大きいこと及び左右両方の飾り図柄において図柄滑り演出が実行されることを報知する。
〔画面遷移例〕
次に、図34を参照して、図柄滑り演出の一例を説明する。
図34(A−1)〜(C−1)は、滑りリプレイ図柄1が表示された場合における図柄滑り演出を示す画面遷移図である。
図34(A−1)に示すように、疑似変動表示ゲームにおいて左右の飾り図柄が「5」で仮停止してリーチ態様が形成され、その後中央の飾り図柄が滑りリプレイ図柄1に制御されると、図34(B−1)に示すように、仮停止している右側の飾り図柄において図柄滑り演出が実行される。図34(C−1)に示すように、右側の飾り図柄は図柄滑り演出によって数字「5」よりも一つ小さい数字「4」に変更され、画面中央上部には「まだまだ!」等のメッセージが表示される。
図柄滑り演出後の一方の飾り図柄(右側の飾り図柄)の種類は、他方の飾り図柄(左側の飾り図柄)に応じて設定され、リーチ態様を形成しない図柄で停止表示されるようになっている。例えば、一方の飾り図柄(右側の飾り図柄)は、他方の飾り図柄(左側の飾り図柄)よりも1つ小さい数字等に設定される。
なお、図柄滑り演出後に、滑りリプレイ図柄を数字等の飾り図柄に変化させ、左側、中央、右側の3つの飾り図柄によってはずれ態様を表示するようにしてもよい。
従来の遊技機では、左右2つの飾り図柄がはずれ態様を形成している時に、中央の飾り図柄をリプレイ図柄に制御して、疑似連続演出の継続を報知することが一般的である。本実施形態では、左右2つの飾り図柄がリーチ態様形成した場合に所定確率で滑り図柄演出を実行し、左右2つの飾り図柄の態様をリーチ態様からはずれ態様に変化させてから次の疑似変動表示ゲームを実行するようにしたので、意外性のある疑似連続演出を実行することができ、さらに疑似連続演出の継続を認識することが容易となる。
図34(A−2)〜(C−2)は、滑りリプレイ図柄4が表示された場合における図柄滑り演出を示す画面遷移図である。
図34(A−2)に示すように、疑似変動表示ゲームにおいて左右の飾り図柄が「5」で仮停止してリーチ態様が形成され、その後中央の飾り図柄が滑りリプレイ図柄4に制御されると、図34(B−2)に示すように、仮停止している左右の飾り図柄において図柄滑り演出が実行される。図34(C−2)に示すように、左側の飾り図柄は図柄滑り演出によって数字「5」が変動して再び数字「5」となり、右側の飾り図柄は数字「5」よりも一つ小さい数字「4」に変更される。なお、画面中央上部には、「まだまだ!」等のメッセージが表示される。
このように、図柄滑り演出により左右の飾り図柄を異なる数字に制御し、はずれ態様を形成してから、次の疑似変動表示ゲームを実行するようにしたので、意外性のある疑似連続演出を実行でき、さらに疑似連続演出の継続を認識することが容易となる。
なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれ又は確変大当りとなる時に、滑りリプレイ図柄4によって図柄滑り演出が実行される場合には、確変図柄(例えば「7」)でリーチ態様を形成するように左右の飾り図柄を変更してもよい。これにより、疑似連続演出の興趣をより高めることが可能となる。
(第3実施形態)
図35〜図43を参照して、本発明の第3実施形態による遊技機1について説明する。
第3実施形態による遊技機1は、第2実施形態の遊技機とほぼ同じ構成であるが、リプレイ図柄設定処理の一部において相違する。以下では、第2実施形態の遊技機とは異なる点を中心に、第3実施形態の遊技機1について説明する。
〔リプレイ図柄設定処理〕
図35は、第3実施形態による遊技機1の演出制御装置700が実行するリプレイ図柄設定処理のフローチャートである。図35の第3実施形態におけるリプレイ図柄設定処理は、図31の第2実施形態におけるリプレイ図柄設定処理にS1311〜S1318の処理を追加したものである。なお、図35のリプレイ図柄設定処理のS1301〜S1310の処理は、図31のS1301〜S1310の処理と同じであるので、説明を省略する。
リプレイ図柄設定処理が開始されると、演出制御装置700は、リーチ後予告演出が実行されるか否かを判定する(S1311)。リーチ後予告演出とは、飾り図柄がリーチ態様を形成した後(リーチ態様形成と同時、直後、所定時間後、SPリーチ移行直前、等を含む)に変動表示装置35で実行(表示)される演出(リーチ後演出)であって、特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を遊技者に報知可能な演出である。
図36は、リーチ後予告演出の表示態様の種類を示す図である。図36に示すように、本実施形態ではリーチ後予告演出が4種類設定されている。
リーチ後予告演出1は、複数の泡が浮かび上がる表示態様の演出であって、特図変動表示ゲームの期待度が低いことを報知する。
リーチ後予告演出2は、イカの群れが遊泳する表示態様の演出であって、特図変動表示ゲームの期待度が中程度であることを報知する。
リーチ後予告演出3は、単色の魚の群れが遊泳する表示態様の演出であって、特図変動表示ゲームの期待度が高いことを報知する。
リーチ後予告演出4は、カラフル(虹色等)な魚の群れが遊泳する表示態様の演出であって、特図変動表示ゲームが大当りになることを報知する。
なお、リーチ後予告演出1の実行時にはリーチ態様がノーマルリーチ以上に発展せず、リーチ後予告演出2の実行時にはリーチ態様がSP1リーチ以上まで発展し、リーチ後予告演出3の実行時にはリーチ態様がSP2リーチ以上まで発展するように構成してもよい。
図35のS1311においてリーチ後予告演出が実行されないと判定された場合(S1311の結果が「N」)には、演出制御装置700はS1301の処理を実行する。これに対して、リーチ後予告演出が実行されると判定された場合(S1311の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特殊リプレイ図柄表示演出抽選処理を実行する(S1312)。
特殊リプレイ図柄表示演出抽選処理は、疑似連続演出の継続を報知可能な特殊リプレイ図柄(図37参照)を表示する演出の実行の有無を抽選する処理であって、図38のテーブルの選択率に基づいて行われる。図38に示すように、特殊リプレイ図柄表示演出抽選処理テーブルは、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合に、はずれ時よりも、特殊リプレイ図柄表示演出が実行される選択率(当選確率)が高くなるように構成されている。
図37は、特殊リプレイ図柄の種類を示す図である。図37に示す特殊リプレイ図柄1〜4(予告対応識別情報)は、疑似連続演出の継続及び特図変動表示ゲームの期待度を報知可能な識別情報である。
特殊リプレイ図柄1は、複数の泡を表示する識別情報であり、リーチ後予告演出1(図36参照)の表示態様と関連(対応)するように構成されている。特殊リプレイ図柄1は、特図変動表示ゲームの期待度が低いことを報知する。
特殊リプレイ図柄2は、複数のイカを表示する識別情報であり、リーチ後予告演出2の表示態様と関連するように構成されている。特殊リプレイ図柄2は、特図変動表示ゲームの期待度が中程度であることを報知する。
特殊リプレイ図柄3は、複数の単色の魚を表示する識別情報であり、リーチ後予告演出3の表示態様と関連するように構成されている。特殊リプレイ図柄3は、特図変動表示ゲームの期待度が高いことを報知する。
特殊リプレイ図柄4は、複数のカラフルな魚を表示する識別情報(特別識別情報)であり、リーチ後予告演出4の表示態様と関連するように構成されている。特殊リプレイ図柄4は、特図変動表示ゲームが大当りになることを報知する。
図35のS1312において特殊リプレイ図柄表示演出抽選処理を実行した後、演出制御装置700は、特殊リプレイ図柄表示演出を実行するか否かを判定する(S1313)。
特殊リプレイ図柄表示演出を実行しない場合(S1313の結果が「N」)には、演出制御装置700はS1301の処理を実行する。これに対して、特殊リプレイ図柄表示演出を実行する場合(S1313の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンドに基づいて疑似連続回数を確認する(S1314)。なお、図17(A)及び図17(B)に示したように、疑似連続回数は変動パターンに対応付けられている。疑似連続演出を実行しない変動パターンでは疑似連続回数は1回として認識される。
S1314の処理後、演出制御装置700は、1回の特図変動表示ゲーム中における疑似連続回数が2以上であるか否かを判定する(S1315)。
疑似連続演出が実行されない場合、つまり疑似連続回数が1回の場合(S1315の結果が「N」)には、演出制御装置700は、左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成する前(はずれ態様の形成も含む)に、中央の飾り図柄を特殊リプレイ図柄に制御するように表示タイミングを設定する(S1316)。
一方、疑似連続回数が2回以上の場合(S1315の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図39の表示タイミング抽選テーブルを参照して、特殊リプレイ図柄の表示タイミングを設定する(S1317)。
図39に示すように、中央の飾り図柄は、左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成する前(はずれ態様の形成も含む)又はリーチ態様形成後に、特殊リプレイ図柄に制御される。特殊リプレイ図柄の表示タイミングは、基本的にリーチ態様形成前に設定される確率が高いが、疑似連続演出が長く続くほどリーチ態様形成後に設定される確率が高くなる。
図35のS1316又はS1317の処理で特殊リプレイ図柄の表示タイミングを決定した後、演出制御装置700は、特殊リプレイ図柄の表示タイミングや、疑似連続回数、図40のはずれ用特殊リプレイ図柄選択テーブル、図41の大当り用特殊リプレイ図柄選択テーブルに基づいて、特殊リプレイ図柄表示演出パターンを設定し(S1318)、リプレイ図柄設定処理を終了する。
図40は、はずれ用特殊リプレイ図柄選択テーブルの一例を示す図である。
特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が2回である場合には、1回目の疑似変動表示ゲームにおいて表示される特殊リプレイ図柄は、所定の選択率に基づいて特殊リプレイ図柄1〜3(図37参照)のうちの1つに設定される。
特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が3回である場合には、1回目及び2回目の特殊リプレイ図柄は、所定の選択率に基づいて特殊リプレイ図柄1〜3のうちの1つに設定される。2回目の特殊リプレイ図柄には、1回目に設定された特殊リプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなる特殊リプレイ図柄は設定されないようになっている。
なお、本実施形態では、疑似連続演出を実行しない場合(疑似連続回数が1回の場合)にも、所定の選択率に基づいて特殊リプレイ図柄1〜3のうちの1つが選択される。これは、図42(A)及び図43(A−1)〜(C−1)を参照して後述するように、疑似連続演出が実行されると見せかけてリーチ後予告演出を実行するためである。
図41は、大当り用特殊リプレイ図柄選択テーブルの一例を示す図である。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が2回である場合には、1回目の疑似変動表示ゲームにおいて表示される特殊リプレイ図柄は、所定の選択率に基づいて特殊リプレイ図柄1〜4(図37参照)のうちの1つに設定される。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が3回である場合には、1回目及び2回目の特殊リプレイ図柄は所定の選択率に基づいて特殊リプレイ図柄1〜4の1つに設定される。2回目の特殊リプレイ図柄には、1回目に設定された特殊リプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなる特殊リプレイ図柄は設定されないようになっている。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動パターンであって疑似連続演出における疑似連続回数が4回である場合には、1回目及び2回目の特殊リプレイ図柄は所定の選択率に基づいて特殊リプレイ図柄1〜4の1つに設定され、3回目のリプレイ図柄は常に特殊リプレイ図柄4に設定される。2回目の特殊リプレイ図柄には1回目に設定された特殊リプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなる特殊リプレイ図柄は設定されないようになっており、3回目の特殊リプレイ図柄には2回目に設定された特殊リプレイ図柄よりも特図変動表示ゲームの期待度が低くなる特殊リプレイ図柄は設定されないようになっている。
なお、本実施形態では、疑似連続演出を実行しない場合(疑似連続回数が1回の場合)にも、所定の選択率に基づいて特殊リプレイ図柄1〜4のうちの1つが選択される。これは、図42(A)及び図43(A−1)〜(C−1)を参照して後述するように、疑似連続演出が実行されると見せかけてリーチ後予告演出を実行するためである。
〔画面遷移例〕
図42及び図43を参照して、遊技制御装置600及び演出制御装置700による処理に基づいて実行される演出内容の一例について説明する。
まず、図42(A)及び図43(A−1)〜(C−1)を参照して、図17(A)の変動パターン3における特殊リプレイ図柄表示演出及びリーチ後予告演出について説明する。図17(A)の変動パターン3は、疑似連続演出が実行されないように設定されている。
図42(A)は、飾り図柄の変動状態及び各種演出の状態を示すタイミングチャートである。図43(A−1)〜(C−1)は、図42(A)に対応する図であり、特殊リプレイ図柄表示演出及びリーチ後予告演出を説明する画面遷移図である。
本実施形態における遊技機1では、疑似連続演出が実行されない場合においても、リーチ後予告演出が実行される時に特殊リプレイ図柄が表示されることがある(S1315→S1316→S1318)。例えば、変動パターンが図17(A)の変動パターン3である場合には、図42(A)及び43(A−1)に示すように、左右2つの飾り図柄がはずれ態様を形成した後に、中央の飾り図柄が特殊リプレイ図柄(例えば特殊リプレイ図柄2)に制御され仮停止する。疑似連続演出が実行されないパターンである場合には、特殊リプレイ図柄2の仮停止直後に図43(B−1)に示すように特殊リプレイ図柄2からイカの図柄が飛び出し、図43(C−1)に示すように左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成するように変化するとともに、飛び出したイカの図柄がリーチ後予告演出2を構成するように変化する。
図42(A)及び図43(C−1)に示すように、特殊リプレイ図柄2の仮停止直後に、左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成して中央の飾り図柄が再変動を始め、実行中の特図変動表示ゲームの期待度が低いことを報知するリーチ後予告演出2が実行される。リーチ後予告演出2の後にはSP1リーチ演出が実行され、3つの飾り図柄が所定のはずれ態様を形成して、特図変動表示ゲームが終了する。
本実施形態では、特殊リプレイ図柄を一旦表示して疑似連続演出が実行されると見せかけた後に、特殊リプレイ図柄を変化させて特殊リプレイ図柄と関連する表示態様のリーチ後予告演出に移行するように構成した。これにより、特殊リプレイ図柄が表示された場合に疑似連続演出が継続する演出パターンと、疑似連続演出が継続せずにリーチ後予告演出に発展する演出パターンとを実現でき、遊技に意外性を持たせることができ、遊技の興趣をより高めることが可能となる。
次に、図42(B)及び図43(A−2)〜(C−2)を参照して、図17(A)の変動パターン4における特殊リプレイ図柄表示演出及びリーチ後予告演出について説明する。図17(A)の変動パターン4は疑似連続演出が実行されるパターンであり、疑似連続回数は2回に設定されている。
図42(B)は、飾り図柄の変動状態及び各種演出の状態を示すタイミングチャートである。図43(A−2)〜(C−2)は、図42(B)に対応する図であり、特殊リプレイ図柄表示演出及びリーチ後予告演出を説明する画面遷移図である。本実施形態における遊技機1では、特殊リプレイ図柄の表示タイミングとしてリーチ態様形成前(はずれ態様形成後を含む)又はリーチ態様形成後が選択されるようになっているが(図35のS1317)、図42(B)及び図43(A−2)〜(C−2)はリーチ態様形成後に特殊リプレイ図柄を表示する場合を示したものである。
特殊リプレイ図柄の表示タイミングがリーチ態様形成後に設定されている場合には、図42(B)及び43(A−2)に示すように、1回目の疑似変動表示ゲームにおいて左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成した後に、リーチ後予告演出(例えばリーチ後予告演出3)が実行される。疑似連続演出が継続する場合には、図43(B−2)に示すようにリーチ後予告演出3で表示された複数の魚が仮停止している右側の飾り図柄を隠蔽し、図43(C−2)に示すように右側の飾り図柄の内容がはずれ態様を形成するように変化するとともに、複数の魚が中央の飾り図柄に集まって特殊リプレイ図柄3を構成するように変化する。
特殊リプレイ図柄3が表示された後、図42(B)に示すように2回目の疑似変動表示ゲームが開始され、2回目の疑似変動表示ゲームでは、左右2つの飾り図柄がリーチ態様を形成し、再びリーチ後予告演出が実行される。このリーチ後予告演出の後にSP1リーチ演出が実行され、3つの飾り図柄が所定のはずれ態様を形成して特図変動表示ゲームが終了する。
本実施形態では、1回目の疑似変動表示ゲームにおいて一旦リーチ後予告演出を行って疑似連続演出が実行されないと見せかけた後に、はずれ態様となるように左右2つの飾り図柄の一方を変化させるとともに、中央の飾り図柄をリーチ後予告演出の表示態様に関連する特殊リプレイ図柄に制御して、疑似連続演出が継続することを報知する。リーチ後予告演出の表示態様が変化して特殊リプレイ図柄に移行することで疑似連続演出の継続等を報知する意外性のある演出を実現でき、遊技の興趣をより高めることが可能となる。
なお、疑似変動表示ゲームにおいて特殊リプレイ図柄がリーチ態様形成前に表示されるように設定されている場合には、特殊リプレイ図柄の表示とリーチ後予告演出とはそれぞれ個別に実行される。
(第4実施形態)
図44及び図45を参照して、本発明の第4実施形態による遊技機1について説明する。
第4実施形態による遊技機1は、第3実施形態の遊技機とほぼ同じ構成であるが、リプレイ図柄設定処理の一部において相違する。以下では、第3実施形態の遊技機とは異なる点を中心に、第4実施形態の遊技機1について説明する。
〔リプレイ図柄設定処理〕
図44は、第4実施形態による遊技機1の演出制御装置700が実行するリプレイ図柄設定処理のフローチャートである。図44の第4実施形態におけるリプレイ図柄設定処理は、図35の第3実施形態におけるリプレイ図柄設定処理にS1319〜S1321の処理を追加したものである。なお、図44のリプレイ図柄設定処理のS1301〜S1318の処理は、図35のS1301〜S1318の処理と同じであるので、説明を省略する。
S1301で疑似連続演出の実行が設定されていないと判定された場合(S1301の結果が「N」)又はS1310の処理後には、演出制御装置700は、通常のリプレイ図柄1〜5や滑りリプレイ図柄1〜4等の各種リプレイ図柄が表示されるように設定されているか否かを判定する(S1319)。
リプレイ図柄が設定されていない場合(S1319の結果が「N」)には、演出制御装置700はリプレイ図柄設定処理を終了する。
これに対して、リプレイ図柄が設定されている場合(S1319の結果が「Y」)又はS1318の処理後には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの結果情報を含む始動口入賞演出図柄コマンドに基づいて、保留されている始動記憶(特図1始動記憶及び特図2始動記憶)の図柄情報を取得する(S1320)。
S1320の処理後、演出制御装置700は、取得した図柄情報に基づいて、次回以降に実行される特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する(S1321)。
次回以降に実行される特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合(S1321の結果「N」)には、演出制御装置700はリプレイ図柄設定処理を終了する。
これに対して、次回以降に実行される特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(S1321の結果「Y」)には、演出制御装置700は、設定されている各種リプレイ図柄(リプレイ図柄1〜5、滑りリプレイ図柄1〜4、特殊リプレイ図柄1〜4)に、次回以降に実行される特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることを報知する先読み情報を付加し(S1322)、リプレイ図柄設定処理を終了する。
なお、先読み情報をリプレイ図柄に付加するか否かについては抽選によって決定するようにしてもよく、次回以降に実行される特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合にも所定確率で同様の先読み情報を付加するようにしてもよい。
図45(A)は、先読み情報を付加した場合の通常のリプレイ図柄1〜5を示す図である。
先読み情報が付加されたリプレイ図柄1では図柄の左下角部に星マークが表示され、先読み情報が付加されたリプレイ図柄2では図柄の右下角部に星マークが表示される。先読み情報が付加されたリプレイ図柄3では図柄の右上角部に星マークが表示され、先読み情報が付加されたリプレイ図柄4では図柄の左上角部に星マークが表示される。先読み情報が付加されたリプレイ図柄5では、大当りの文字が角ばった図形によって取り囲まれる。
このように、リプレイ図柄1〜5は、現在実行中の特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知するものであるが、星マーク等を付加することによって次回以降に実行される特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることも報知することが可能となる。特に、先読み情報が付加されたリプレイ図柄5は、今回及び次回の特図変動表示ゲームの結果がともに大当りとなることを報知するものとなる。
図45(B)は、先読み情報を付加した場合の特殊リプレイ図柄1〜4を示す図である。
先読み情報が付加された特殊リプレイ図柄1では泡の図柄が大きく表示され、先読み情報が付加された特殊リプレイ図柄2では一匹のイカが大きく表示される。先読み情報が付加された特殊リプレイ図柄3では魚の群れが縦方向に遊泳するように表示され、先読み情報が付加された特殊リプレイ図柄4ではカラフルな複数の魚が角ばった図形で取り囲まれる。
先読み情報が付加される特殊リプレイ図柄(図45(B)参照)は、先読み情報が付加されない特殊リプレイ図柄(図37参照)に対して区別可能な表示態様に設定される。このように、特殊リプレイ図柄1〜4は、現在実行中の特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知するものであるが、先読み情報を付加することによって次回以降に実行される特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることも報知することが可能となる。
なお、先読み情報が付加される滑りリプレイ図柄は、図示しないが、先読み情報が付加されない滑りリプレイ図柄(図33参照)に対して区別可能な表示態様に設定される。
上記の通り、本実施形態では、各種リプレイ図柄(リプレイ図柄1〜5、滑りリプレイ図柄1〜4、特殊リプレイ図柄1〜4)に先読み情報を付加するので、今回及び次回以降の特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知でき、遊技の興趣をより高めることが可能となる。
(第5実施形態)
図46〜図49を参照して、本発明の第5実施形態による遊技機1について説明する。
第5実施形態による遊技機1は、第4実施形態の遊技機とほぼ同じ構成であるが、遊技者の好みに応じて各種遊技項目をカスタマイズ可能に構成されている点で相違する。以下では、第4実施形態の遊技機とは異なる点を中心に、第5実施形態の遊技機1について説明する。
第5実施形態による遊技機1は、図46(A)に示すように、遊技終了後に変動表示装置35の画面に表示されるQRコード等を遊技者が携帯電話等に登録することで、遊技履歴を保存できるように構成されている。この遊技機1では、図46(B)に示すように、遊技の開始時に遊技履歴に対応するパスワードを変動表示装置35の画面に入力でき、今までの遊技履歴を引き継いだ状態で遊技を開始することができる。なお、遊技履歴に対応するパスワードは、遊技者が保存した遊技履歴に基づいて会員サイト等で発行される情報である。
上記した遊技機1は遊技者の好みに応じて遊技に関する各種項目をカスタマイズできるものであり、カスタマイズ操作に関する処理は図19のS1010における客待ち処理で実行される。
〔客待ち処理〕
図47を参照して、図19の1stシーン制御処理における客待ち処理(S1010)の詳細について説明する。図47は、演出制御装置700が実行する客待ち処理のフローチャートである。
客待ち処理が実行されると、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信したコマンドを確認する(S1401)
S1401の処理後、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームにおける特図の変動開始に関する情報を含む変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1402)。
変動開始コマンドを受信した場合(S1402の結果が「Y」)には、演出制御装置700は後述するS1410の処理を実行する。
これに対して、変動開始コマンドを受信していない場合(S1402の結果が「N」)には、演出制御装置700は、カスタマイズ操作中であるか否かを判定する(S1403)。遊技に関する各種項目のカスタマイズは遊技者が演出ボタン17を操作することによって行われるので、演出ボタン17の操作状態を検知することでカスタマイズ操作中であるか否かを判定することができる。
図48及び図49は、遊技者によるカスタマイズ操作の一例を示した図である。
遊技機1は、図48に示すように、リプレイ図柄表示タイミング、リプレイ図柄出現割合、及び先読み情報付加設定をカスタマイズ可能に構成されている。
リプレイ図柄表示タイミングとしては、各種リプレイ図柄がリーチ形成前(はずれ態様後を含む)に表示される確率が高くなるリーチ形成前優先パターンや、各種リプレイ図柄がリーチ形成後に表示される確率が高くなるリーチ形成後優先パターン、各種リプレイ図柄がリーチ形成前又はリーチ形成後に表示される確率が等しくなる均等パターンのいずれかを選択できるようになっている。
リプレイ図柄出現割合としては、通常のリプレイ図柄1〜5の出現割合が他のリプレイ図柄の出現割合よりも高く設定される通常リプレイ図柄優先パターンや、滑りリプレイ図柄1〜4の出現割合が他のリプレイ図柄の出現割合よりも高く設定される滑りリプレイ図柄優先パターン、特殊リプレイ図柄1〜4の出現割合が他のリプレイ図柄の出現割合よりも高く設定される特殊リプレイ図柄優先パターン、各種リプレイ図柄の出現割合が等しく設定される均等パターンのいずれかを選択できるようになっている。
リプレイ図柄に先読み情報を付加可能な先読み情報付加設定としては、各種リプレイ図柄に先読み情報の付加をしない付加なしパターンや、各種リプレイ図柄に先読み情報を付加する付加ありパターン、大当りとなる場合のみ各種リプレイ図柄に先読み情報を付加する大当り時付加ありパターンのいずれかを選択できるようになっている。
また、遊技機1は、図49に示すように、所定条件を達成した場合に、所定のリプレイ図柄(例えば滑りリプレイ図柄1〜4)の表示態様をカスタマイズ可能に構成されている。特図変動表示ゲームの総実行回数が3000回を変えた場合や、プレミアムリーチが出現した場合、全てのパターンの疑似連続演出が出現した場合等に、リプレイ図柄の表示態様をカスタマイズすることができるように設定されている。
上記の通り、演出制御装置700は、遊技に関する各種項目を遊技者の好みに応じて設定可能な状態設定手段として機能する。
図47のS1403においてカスタマイズ操作中であると判定された場合(S1403の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、カスタマイズ操作の内容を確認し(S1404)、カスタマイズ操作が完了したか否かを判定する(S1405)。
カスタマイズ操作が完了していない場合(S1405の結果が「N」)には、演出制御装置700は、カスタマイズ操作中情報を設定し(S1406)、客待ち処理を終了する。これに対して、カスタマイズ操作が完了している場合(S1405の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、カスタマイズ操作に対応する各種情報を設定する(S1407)。
S1407の処理後、又はS1403においてカスタマイズ操作中でないと判定された場合(S1403の結果が「N」)には、演出制御装置700は客待ち画面を設定する処理を実行する(S1408)。
S1408の処理後、演出制御装置700は、カスタマイズ操作中情報をクリアして(S1409)、客待ち処理を終了する。
ところで、変動開始コマンドを受信した場合(S1402の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、カスタマイズ操作中情報に基づいてカスタマイズ操作中であるか否かを判定する(S1410)。演出制御装置700は、カスタマイズ操作中情報が設定されている場合にカスタマイズ操作中であると判定する。
カスタマイズ操作中であると判定された場合(S1410の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの開始を優先するため、カスタマイズ操作をキャンセルする(S1411)。
S1411の処理後、又はカスタマイズ操作中でないと判定された場合(S1410の結果が「N」)には、演出制御装置700は、図19の変動中処理(S1011)に移行するための各種情報を設定する変動中処理移行設定処理を実行し(S1412)、客待ち処理を終了する。
上記した第5実施形態による遊技機1では、演出ボタン17を操作することによって、リプレイ図柄に関する各種項目を遊技者の好みに応じてカスタマイズすることができるので、遊技者のニーズに合った遊技演出を提供することが可能となる。
本発明は、上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。