以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f(図4参照))がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する第1演出ボタン31(操作手段)及び演出ボタンスイッチ(SW)32a(図4参照)を内蔵する第2演出ボタン32(操作手段)が備えられている。遊技者は、第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、遊技状態に関わらず、遊技者が第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、遊技状態には、通常遊技状態(通常状態)と特別な遊技状態とがある。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する事前演出などを実行することができる。
ここで、演出ボタンスイッチ31aとは、遊技者の操作によって実行中の変動表示ゲームが特別結果となるかを事前に予告する予告演出などを実行する場合に、当該変動表示ゲームが特別結果を導出する信頼度が高いことを遊技者に認識可能に報知(第1報知、通常演出)するための操作態様を検出する検出手段(第1検出手段)である。演出ボタンスイッチ31aは、第1演出ボタン31の操作態様を検出する。また、演出ボタンスイッチ32aとは、当該変動表示ゲームで導出される停止結果を遊技者に認識可能に報知(第2報知、大当り発生の確定告知)するための操作態様を検出する検出手段(第2検出手段)である。演出ボタンスイッチ32aは、第2演出ボタン32の操作態様を検出する。遊技者に認識可能な報知とは、表示装置48での画面表示だけでなく、音声報知、ランプ点灯など光による報知、さらに、役物の動作態様、特別図柄の変動態様、遊技機枠などに設けられる体感装置(振動を発生させるものなど)などによる報知を含む。
なお、信頼度については後述する。
本発明の第1の実施の形態では、第1演出ボタン31は、その操作により前述のような通常演出が実行される通常演出ボタンである。また、第2演出ボタン32は、大当りとなる場合にその操作により前述のような大当り発生の確定告知が実行されるプレミア演出ボタン(大当り発生告知ボタン)である。第1演出ボタン31と第2演出ボタン32とは、ボタンの色が異なっていたり、画面表示で指示されたりして、区別がつくように設けられる。従って、遊技者は、第1演出ボタン31が通常演出ボタンの役割で、第2演出ボタン32がプレミア演出ボタンの役割であることを認識可能である。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S801)や特図普段処理(S809)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32にそれぞれ内蔵されているスイッチ31a及びスイッチ32aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図6のS631〜S635の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6のS601〜S607)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S601)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S602)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S603)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S604)。高確率でないと判定された場合には(S604の結果が「N」)、S607以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S604の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S605)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S606)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S607)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S631)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S632)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S633)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S634)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S635)、S608以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S607又はS635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S608)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S609)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S610)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S611)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S612)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S613)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S614の結果が「N」)、S612の初期値乱数更新処理を再び実行し、S612からS614までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S612)の前に割り込みを許可(S611)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S612)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S614の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS613の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S615)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S615の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S614)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S615の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S616〜S622)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S616)、全出力ポートをオフに設定する(S617)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S618)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S619)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S620)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S621)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S622)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S809〜S815)を実行するときに初期値がセットされ、S803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S809;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S804の結果が「N」)、S816以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S808)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S815)。大当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S816)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S817)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S818)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S819)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S901)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S903)。普通電動役物が作動中である場合には(S903の結果が「Y」)、S906以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S903の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S905)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S904及びS905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S905の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S905の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S906)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S902、S907)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1001、S1002)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1002の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1003)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1004)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1005)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1006、S1007)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1007の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1008)。
遊技制御装置500は、S1008の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1007の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1009、S1010)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1010の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1011)。さらに、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1012)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1013)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)する(S1014)。さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1015)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1016)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(S1017)、さらに、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1018)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1019)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1020)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1021)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行するために用いられる。ここで、変動パターン乱数1は後半の変動のリーチ系統を選択するための乱数で、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分けを行うための乱数で、変動パターン乱数3は前半の変動を選択するための乱数である。
また、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、S1018の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1022)。最後に、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である特図保留情報判定処理を実行し(S1023)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1010の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1030、S1031)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S1031の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1032)、コマンド設定処理を実行して(S1033)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S1031の結果が「N」)には、遊技制御装置500は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔大当り種類と振分け〕
次に、本発明の第1の実施の形態における大当りの種類及び変動パターンの一例を説明する。図11Aは、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるときの大当り図柄の種類と振分けを示すテーブルである。
本発明の第1の実施の形態の大当り図柄番号1〜3には、順に2R確変大当り、15R確変大当り、15R通常大当りが設定される。大当り図柄番号が1又は2の場合には、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率が高い状態(確変状態)となる。さらに、大当り図柄番号が2の場合には、特別遊技状態終了後から次回大当りとなるまでの間、普電サポート状態(入賞容易状態)となる。また、大当り図柄番号が3の場合には、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームが100回実行されるまでの間、第2始動入賞口38に備えられた可動部材38aの動作状態が普電サポート状態となる。すなわち、特図変動表示ゲームの結果が100回連続してはずれになると、普電サポート状態から通常状態(非入賞容易状態)に移行する。
また、大当り図柄番号1〜3は、大当りとなる特図変動表示ゲームが第1始動入賞口37に入賞した遊技球に基づいて実行される特図1変動表示ゲームであった場合と、第2始動入賞口38に入賞した遊技球に基づいて実行される特図2変動表示ゲームであった場合とで、選択される割合が異なる。特図1変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、大当り図柄番号1が選択される割合は50%で、大当り図柄番号2又は3が選択される割合はそれぞれ25%である。特図2変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、大当り図柄番号1が選択されることはなく、大当り図柄番号2が選択される割合は75%で、大当り図柄番号3が選択される割合は25%である。
このように、特図2変動表示ゲームにおける大当り種類の振分けでは15ラウンドかつ高確率状態となる大当りが多くなるように設定し、特図1変動表示ゲームにおける大当り種類の振分けでは2ラウンドの大当りが多くなるように設定する。これにより、特図1変動表示ゲームによる大当りよりも特図2変動表示ゲームによる大当りの価値を高く設定することができる。
なお、前述した大当りの種類及び変動パターンは一例であり、大当りの他に小当りを設けてもよいし、振分けパターンを増やしてもよい。
続いて、図11Bは、本発明の第1の実施の形態の変動パターンテーブルである。そして、図11B(a)は、大当り時の変動パターンテーブルで、図11B(b)は、はずれ時の変動パターンテーブルである。
図11Bは、後半の変動のリーチ系統を選択するための変動パターン乱数1と、乱数値に対応するリーチ系統及び変動時間とが設定されている。
図11B(a)では、変動パターン乱数1によってノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの4つの変動パターンが設定される。リーチ演出は信頼度が高いほど変動時間が長い。また、図11B(a)は大当り時の変動パターンテーブルなので、全乱数に対して信頼度が高いリーチ演出ほど対応する乱数値が多くなる。
図11B(b)では、変動パターン乱数1によってリーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ及びスペシャル3リーチの5つの変動パターンが設定される。リーチ演出は信頼度が高いほど変動時間が長い。また、図11B(b)ははずれ時の変動パターンテーブルなので、リーチなし演出となる乱数がほとんどであり、信頼度が高いリーチ演出ほど対応する乱数値が少なくなる。
なお、変動パターンテーブルは、遊技状態や保留されている始動記憶数などを考慮して複数用意してもよい。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S1201)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S1202)。そしてCPU初期化処理を実行する(S1203)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S1204)、乱数初期化処理を実行する(S1205)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S1206)。そして割込みを許可する(S1207)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S1208)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S1203)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32の操作信号を検出し、検出した信号に応じた処理を行う演出ボタン入力処理を実行する(S1209)。なお、演出ボタン入力処理についての詳細は、図13を参照して後述する。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S1210)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置500のバッファ532aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S1211)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS1215〜S1217の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S1210)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S1212)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図16を参照して後述する。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S1213)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知を行う情報の設定など所定の処理を実行する。ここで、実際に遊技状態LED29を点灯したり、スピーカー20から警報音を発する制御は、後述するS1215〜A1217の処理において行われる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S1214)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S1215)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S1216)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S1217)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S1218)、S1208の処理に戻る。以降、S1208からS1218までの処理を繰り返す。
〔演出ボタン入力処理〕
次に、前述した主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理(図12)における演出ボタン入力処理(S1209)について詳細を説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の演出ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。
まず、主制御用マイコン(1stCPU)551は、現在演出ボタン監視タイミングであるかを確認し、判定する(S1301、S1302)。監視タイミングとは、第1演出ボタン31のスイッチ31a及び第2演出ボタン32のスイッチ32aへの入力を確認する処理を行うタイミングである。入力確認は、本処理が実行される度に行ってもよいし、本処理が所定回数実行される毎に1回行ってもよいので、ここで入力確認を行うタイミングなのか否かを確認している。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン監視タイミングでない場合には(S1302の結果が「N」)、そのまま演出ボタン入力処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン監視タイミングの場合には(S1302の結果が「Y」)、演出ボタンスイッチ1をチェックして(S1303)、演出ボタンスイッチ1がオンになったか否かを判定する(S1304)。
ここで、本発明の第1の実施の形態では、演出ボタンスイッチ1は、演出ボタンスイッチ31aに該当し、遊技者が第1演出ボタン31を押したことを検出する。このとき演出ボタンスイッチ1はオンになる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタンスイッチ1(演出ボタンスイッチ31a)がオンである場合には(S1304の結果が「Y」)、演出ボタンスイッチ1オンフラグをセットする(S1305)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタンスイッチ1(演出ボタンスイッチ31a)がオンでない場合には(S1304の結果が「N」)、演出ボタンスイッチ1オンフラグをクリアして(S1306)、さらに、演出ボタン操作開始フラグ1もクリアする(S1307)。
このように、第1演出ボタン31が押されていない場合は、演出ボタンスイッチ1オンフラグを都度クリアにする必要がある。
演出ボタンスイッチオンフラグは、演出ボタンが押されることでセットされる。このため、演出ボタンを押すことで遊技履歴が画面表示されるような場合にも、演出ボタンスイッチオンフラグはセットされる。ここで、演出ボタンが押されていない場合に演出スイッチオンフラグをクリアしない場合は、いつまでも遊技履歴を見るときのセット状態が継続される。これでは、演出ボタンスイッチオンフラグが所定時間以上オフのときに客待ちデモ画面が生じるように設定されている場合に、本来デモカウントされるはずの時間が中断されてしまう。このような問題を防ぐために演出ボタンスイッチオンフラグをクリアする処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタンスイッチ2をチェックして(S1308)、演出ボタンスイッチ2がオンになったか否かを判定する(S1309)。
ここで、本発明の第1の実施の形態では、演出ボタンスイッチ2は、演出ボタンスイッチ32aに該当し、遊技者が第2演出ボタン32を押したことを検出する。このとき演出ボタンスイッチ2はオンになる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタンスイッチ2(演出ボタンスイッチ32a)がオンである場合には(S1309の結果が「Y」)、演出ボタンスイッチ2オンフラグをセットして(S1310)、演出ボタン入力処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタンスイッチ2(演出ボタンスイッチ32a)がオンでない場合には(S1309の結果が「N」)、演出ボタンスイッチ2オンフラグをクリアして(S1311)、さらに、演出ボタン操作開始フラグ2もクリアして(S1312)、演出ボタン入力処理を終了する。
このように、演出ボタン入力処理では、遊技者が第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32を操作(入力)したか否かを確認する。演出ボタン入力処理は、前述した1stメイン処理(図12)のループ処理(S1208〜S1218)の1つなので、繰り返し演出ボタンの入力が確認できるようになっている。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S1401)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S1402)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S1403)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S1404)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S1405)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S1406)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S1411)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S1407)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S1408)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S1409)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S1409の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S1410)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S1411)、S1408の処理に戻る。以降、S1408からS1411までの処理を繰り返す。
〔通常ゲーム処理(2ndCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図14)における通常ゲーム処理(S1411)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)551で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S1501)。
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(S1212)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御/表示処理を実行する(S1502)。ここで2ndシーン制御/表示処理は、後述する背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行され、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位を設定する。そして、表示装置48に表示される画像のうち、演出の中で静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S1503)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S1504)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S1505)。
また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S1506)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S1507)。そして本処理を終了して、メイン処理のS1408に戻る。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図12)における1stシーン制御処理(S1212)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S1601)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S1601の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S1601の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S1602)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S1602の結果が「N」)、S1603〜S1606の処理を実行せずにS1607の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS1608〜S1616の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S1602の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S1603)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S1210)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S1604)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S1604の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S1605)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S1606)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S1604の結果が「N」)、S1605及びS1606の処理を実行せずにS1607の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S1210)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S1607)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S1608)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S1609)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S1610)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S1611)。変動中処理において、前述した演出ボタン入力処理(図13)に基づく演出が設定される。なお、変動中処理の詳細については、図17にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S1612)。前述の変動中処理で演出ボタン操作による入力が禁止された場合は、図柄停止処理において、演出ボタン禁止情報がクリアされる。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S1613)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S1614)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S1615)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S1616)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄コマンド受信処理(S1617)、及び、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置500から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数コマンド受信処理を実行する(S1618)。さらに、先読みコマンド受信処理(S1619)、及び、受信した確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに背景コマンドを2ndCPUに送信する確率情報コマンド受信処理(S1620)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図16)における変動中処理(S1611)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S1701)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS1606で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S1701の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S1702)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S1702の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S1703)、演出ボタン関連処理を実行して(S1712)、変動中処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S1702の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、演出ボタン関連処理のみ実行して(S1712)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S1701の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示ゲームの終了間際などに遊技者によって押された第1演出ボタン31などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S1704)。これにより、前回の変動表示ゲームにおける操作が今回の変動表示ゲームに影響しない。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S1705)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S1706)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S1707)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S1706で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S1708)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S1709)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S1710)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(S1711)、演出ボタン関連処理を実行し(S1712)、変動中処理を終了する。
〔演出ボタン関連処理〕
次に、前述の変動中処理(図17)における演出ボタン関連処理(S1712)について詳細を説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の演出ボタン関連処理の手順を示すフローチャートである。
まず、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの進行を確認する(S1801)。ここでは、現在、S1706で設定された変動パターンにおいて予め設定されている演出ボタン操作可能期間であるか否かを確認する。演出ボタン操作可能期間は、例えば、変動パターンの開始何秒後から始まって所定時間経過するまで、と変動パターン情報に設定されている。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、現在、演出ボタン操作可能期間の開始タイミングであるか否かを判定する(S1802)。前述したように、変動パターンの開始から現在までの経過時間と、演出ボタン操作可能期間の始まりが設定された時間とが一致するか否かを判定する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン操作可能期間の開始タイミングである場合には(S1802の結果が「Y」)、演出ボタンスイッチ1オンフラグ及び演出ボタンスイッチ2オンフラグをクリアする(S1803、S1804)。さらに、演出ボタン操作開始フラグ1及び2をオンにセットする(S1805、S1806)。そして、演出ボタン関連処理を終了する。
ここで、演出ボタンが操作可能になるタイミングで演出ボタンスイッチ1オンフラグ及び演出ボタンスイッチ2オンフラグをクリアするのは(S1803、S1804)、今回の演出ボタン操作可能期間前からの演出ボタンの長押しなど操作可能期間以前の操作が影響しないようにするためである。また、演出ボタン操作開始フラグ1及び演出ボタン操作開始フラグ2をセットするのは(S1805、S1806)、演出ボタン操作可能期間中かつ演出ボタン監視タイミング中における演出ボタンの入力を検出するためである。前述した1stメイン処理(図12)のループ処理の1つである演出ボタン入力処理(S1209、図13)において演出ボタンの監視が始まると、S1301→S1302→S1303→S1304→S1306と処理が進み、S1805でセットされていた演出ボタン操作開始フラグ1がクリアされる(S1307)。同様に、演出ボタンスイッチ2についてもS1308→S1309→S1311と処理が進み、S1806でセットされていた演出ボタン操作開始フラグ2がクリアされる(S1312)。その後の演出ボタン関連処理では、S1801→S1802→S1807と処理が進む。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン操作可能期間の開始タイミングでない場合には(S1802の結果が「N」)、演出ボタン操作開始フラグ1又は2がオンであるか否かを判定する(S1807)。そして、演出ボタン操作開始フラグ1又は2がオンでない場合には(S1807の結果が「N」)、すなわち、前述のS1307又はS1312の処理が実行済みである場合には、演出ボタン操作可能期間中であるか否かを判定する(S1808)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン操作可能期間中である場合には(S1808の結果が「Y」)、演出ボタン判定処理を実行して(S1809)、演出ボタン関連処理を終了する。演出ボタン判定処理についての詳細は、図19を参照して後述する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン操作開始フラグ1又は2がオンである場合(S1807の結果が「Y」)、又は、演出ボタン操作可能期間中でない場合には(S1808の結果が「N」)、演出ボタン判定処理を実行することなく演出ボタン関連処理を終了する。
なお、演出ボタン操作による変動表示ゲームの結果告知がはずれである場合に、変動表示ゲームの開始早々に結果を告知されては、遊技者は落胆してしまうので、演出ボタン操作可能期間は、変動表示ゲームの終盤に設定したほうがよい。
また、変動表示ゲームの開始早々には確定的な結果告知を行わず、曖昧な(確定的ではない)結果告知をするようにするなどして、演出ボタン操作可能期間を前半に設定してもよい。
〔演出ボタン判定処理〕
続いて、前述の演出ボタン関連処理(図18)における演出ボタン判定処理(S1809)について詳細を説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の演出ボタン判定処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施の形態では、1回の変動表示ゲームの中で、変動表示ゲームの結果を必ず告知する第2演出ボタン32が押されると、以降の第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32の操作は無効になる。また、第1演出ボタン31が押されると、以降の第2演出ボタン32の操作は無効になる。なお、第1演出ボタン31の操作は、第2演出ボタン32が押されるまで、設定される上限回数まで何度でも有効である。
ここで、上限回数は、変動表示ゲームの実行パターンに応じて設定されるものでもよいし、遊技状態、始動記憶の数、他の予告の実行状況などに応じて設定されるものでもよいし、乱数等でランダムに決定されるものでもよい。
まず、主制御用マイコン(1stCPU)551は、全演出ボタン操作が禁止になっていないか演出ボタン操作全禁止情報を確認し(S1901)、演出ボタンの全操作が禁止されているか否かを判定する(S1902)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタンの全操作が禁止されている場合には(S1902の結果が「Y」)、演出ボタン判定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタンの全操作が禁止されていない場合には(S1902の結果が「N」)、演出ボタン入力情報を確認し(S1903)、まず、第2演出ボタン32の入力があるか否かを判定する(S1904)。そして、第2演出ボタン32の入力がある場合には(S1904の結果が「Y」)、S1911以降の処理に移行する。また、第2演出ボタン32の入力がない場合には(S1904の結果が「N」)、第1演出ボタン31の入力があるか否かを判定する(S1905)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1演出ボタン31の入力がある場合には(S1905の結果が「Y」)、演出ボタンスイッチ1オンフラグ及び演出ボタンスイッチ2オンフラグをクリアする(S1906、S1907)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、通常演出種類振分テーブルを設定し(S1908)、当該テーブルと図柄情報やリーチ演出情報などの各種情報から通常演出種類を設定する(S1909)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の操作が無効になるように禁止情報を設定して(S1910)、演出ボタン判定処理を終了する。
このように、主制御用マイコン(1stCPU)551が上述のS1908及びS1909の処理を実行することにより、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、実行中の変動表示ゲームにおいて、表示装置48に通常演出を表示することができる(第1報知実行手段)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1演出ボタン31の入力がない場合には(S1905の結果が「N」)、第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32が操作されていないということなので、演出ボタン判定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の入力がある場合には(S1904の結果が「Y」)、第2演出ボタン32の操作禁止情報を確認して(S1910)、第2演出ボタン32の操作が禁止されているか否かを判定する(S1912)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の操作が禁止されている場合には(S1912の結果が「Y」)、演出ボタン判定処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の操作が禁止されていない場合には(S1912の結果が「N」)、演出ボタンスイッチ2オンフラグ及び演出ボタンスイッチ1オンフラグをクリアする(S1913、S1914)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの結果が大当りとなる変動か否かを判定する(S1915)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には(S1915の結果が「Y」)、大当り発生告知種類振分テーブルを設定し(S1916)、当該テーブルと図柄情報やリーチ演出情報などの各種情報から大当り発生告知種類を設定する(S1917)。そして、第2演出ボタン32が操作されたので、以降の演出ボタンの操作を禁止するため演出ボタン操作全禁止情報を設定して(S1919)、演出ボタン判定処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの結果が大当りではない場合には(S1915の結果が「N」)、はずれ発生告知表示を設定して(S1918)、演出ボタン操作全禁止情報を設定してから(S1919)、演出ボタン判定処理を終了する。はずれの場合は、表示なしでもよい。
このように、主制御用マイコン(1stCPU)551が上述のS1916〜S1918の処理を実行することにより、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48において実行中の変動表示ゲームで導出される結果(大当り又ははずれ)を遊技者に報知することができる(第2報知実行手段)。
上述したように、第2演出ボタン32の入力を第1演出ボタン31の入力よりも先に検出することで、第2演出ボタン32の操作を優先する。これにより、遊技者は第2演出ボタン32の操作による変動表示ゲームの結果告知を受ける機会を多く得ることができる。
その他、演出ボタンの入力により演出の種類を設定してから所定回数演出ボタンを操作させてから設定した演出を表示するようにしてもよい。また、一方の演出ボタンを押したまま他方の演出ボタンを押した場合や演出ボタンの長押しなどを検出して、操作を有効とするか否かを適宜決定するようにしてもよい。
〔振分テーブル〕
図20は、本発明の第1の実施の形態の通常演出及び大当り発生告知種類の振分テーブルである。図20(A)は、前述のS1908で用いられる通常演出振分テーブルである。図20(B)は、前述のS1916で用いられる大当り発生告知種類振分テーブルである。
図20(A)では、変動表示ゲームの結果がはずれの場合に、リーチ演出の信頼度が高いほど、表示装置48で表示する表示内容の信頼度を高くする。すなわち、リーチなし及びノーマルリーチの場合は、表示内容Aとし、スペシャル1リーチ及びスペシャル2リーチの場合は、表示内容Bとし、スペシャル3リーチの場合は、表示内容Cとする。ここで、特別結果態様が導出される可能性(信頼度)は、表示内容A<表示内容B<表示内容Cの順に高くなるようになっている。表示内容Aは表示内容を1パターンではなく、複数パターン(a1,a2,・・)の表示内容を含んでもよい。
また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、表示内容A,B,Cのいずれかが設定される。ここでは、全表示内容のうち信頼度の高い表示内容Cが選択される割合を高くしてもよい。また、リーチ演出の信頼度に応じて、例えば、スペシャル1リーチのときよりもスペシャル3リーチの方が、表示内容Cが選択される割合を高くしてもよい。
上述のような表示内容によって遊技者に、通常よりも信頼度が高いことを報知する(第1報知)。
図20(B)では、変動表示ゲームの結果が大当りであることを告知する方法の種類を4つ設けている。それぞれの告知種類が設定される割合はそれぞれ25%である。告知種類1では、装飾部材9の内部ランプや照明ユニット11の内部ランプ(第1可動式照明13及び第2可動式照明14)を告知ランプとして点灯させることにより遊技者に大当りを報知する。告知種類2では、スピーカー30から告知音を発することにより遊技者に大当りを報知する(第2報知)。告知種類3では、前述の告知ランプの点灯と告知音とを足し合わせて遊技者に大当りを報知する。告知種類4では、表示装置48でプレミア画像、例えば、第2演出ボタン32を押したときにしか見られない演出Dを表示することにより遊技者に大当り発生を報知する。
〔変動表示ゲームの結果がはずれの場合の画面遷移〕
図21は、本発明の第1の実施の形態において変動表示ゲームの結果がはずれの場合の画面遷移の一例を示す図である。
図21(A)は、変動表示ゲームの開始直前の画面である。画面中央には、前回の変動表示ゲームにおける特別図柄の結果が停止表示されている。
図21(B)は、今回の変動表示ゲームが開始され、特別図柄が変動している画面である。そして、変動表示ゲームの開始から所定時間が経過すると、演出ボタン操作可能期間が開始となり、画面下に演出ボタンの操作を促す「PUSH」という文字が表示される。
図21(C1)及び(D1)は、始めに第1演出ボタン31を操作した場合の画面遷移である。
図21(C1)は、遊技者が第1演出ボタン31を押したので、前述した図20(A)の通常演出振分テーブルに基づいて表示内容Aが特別図柄の下に表示された画面である。このとき変動表示ゲームの結果ははずれであり、リーチ演出はリーチなし又はノーマルリーチである。
図21(D1)は、再び、遊技者が第1演出ボタン31を押したときの画面である。変動表示ゲームの結果がはずれの場合の表示内容はリーチ演出で決まるので、このときの表示は表示内容Aのままである。
ここで、例えば表示内容Aとは大まか予告グループの種類を示すものであり、図21(D1)において、再び、遊技者が第1演出ボタン31を押したときに、表示内容Aの予告グループに属する予告に変化(a1からa2など)させてもよい。
なお、1回の変動表示ゲーム中に、第1演出ボタン31の操作回数などに応じて表示内容をAからBに変更してもよい。
図21(C2)及び(D2)は、始めに第2演出ボタン32を操作した場合の画面遷移である。
図21(C2)は、遊技者が第2演出ボタン32を押したので、変動表示ゲームの結果を告知する画面である。ここで、変動表示ゲームの結果ははずれなので、変動中の特別図柄の下に「はずれ」という文字が表示される。この表示は所定時間後に消える。
なお、所定時間ではなく、遊技者の第2演出ボタン32の操作回数が所定回数に達した場合に、表示を消すようにしてもよい。
これにより、第2演出ボタン32を操作することにリスク(はずれとなる変動表示ゲームで第2演出ボタン32を操作すると、「はずれ」表示を消すために所定の操作が必要である)を設定することができ、興趣が高まる。
図21(D2)は、再び、遊技者が演出ボタンを押したときの画面である。ここでは、一度第2演出ボタン32が押されると、以降の演出ボタン操作は無効となる。このため、遊技者が第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32を押しても、画面上には何も表示されない。
〔変動表示ゲームの結果が大当りの場合の画面遷移〕
図22は、本発明の第1の実施の形態において変動表示ゲームの結果が大当りの場合の画面遷移の一例を示す図である。
図22(A)は、変動表示ゲームの開始直前の画面である。画面中央には、前回の変動表示ゲームにおける特別図柄の結果が停止表示されている。
図22(B)は、今回の変動表示ゲームが開始され、特別図柄が変動している画面である。そして、変動表示ゲームの開始から所定時間が経過すると、演出ボタン操作可能期間が開始となり、画面下に演出ボタンの操作を促す「PUSH」という文字が表示される。
図22(C1)及び(D1)は、始めに第1演出ボタン31を操作した場合の画面遷移である。
図22(C1)は、遊技者が第1演出ボタン31を押したので、前述した図20(A)の通常演出振分テーブルに基づいて表示内容Aが特別図柄の下に表示された画面である。このとき変動表示ゲームの結果は大当りであり、リーチ演出に応じて表示内容A〜Cのいずれかが選択される割合が異なる。
図22(D1)は、再び、遊技者が第1演出ボタン31を押したときの画面である。変動表示ゲームの結果が大当りの場合の表示内容は、リーチ演出によって異なる選択割合で表示内容A〜Cのいずれかが選択される。このときは、表示内容Cが選択され、画面下に表示される。
図22(C2)及び(D2)は、始めに第2演出ボタン32を操作した場合の画面遷移である。
図22(C2)は、遊技者が第2演出ボタン32を押したので、変動表示ゲームの結果を告知する画面である。ここで、変動表示ゲームの結果は大当りなので、変動中の特別図柄の下にプレミア画像が表示される。この表示は所定時間後に消える。
なお、プレミア画像が表示されたときに、遊技者が第2演出ボタン32をさらに操作することで、所定時間後に消さないようにしてもよい。
これは、例えば、遊技者がカメラ機能付きの携帯電話等を利用してプレミア画像を撮影しようとした場合に、プレミア画像の表示時間が短すぎると、撮影タイミングを逃してしまう虞があるからである。
従って、プレミア画像が表示されたときに、遊技者が第2演出ボタン32をさらに操作した場合には、通常よりも長い時間プレミア画像を表示するようにしてもよい。
図22(D2)は、再び、遊技者が演出ボタンを押したときの画面である。ここでは、一度第2演出ボタン32が押されると、以降の演出ボタン操作は無効となる。このため、遊技者が第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32を押しても、画面上には何も表示されない。
〔タイムチャート〕
続いて、図23は、本発明の第1の実施の形態における演出ボタン操作と演出のタイミングを示すタイムチャートである。
図23(A)は、始めに第1演出ボタン31が操作され、かつ、変動表示ゲームの結果がはずれである場合のタイムチャートである。前述した図21(A)→(B)→(C1)→(D1)に対応する。
図23(A)では、変動表示ゲームが開始され、所定時間が経過すると演出ボタン操作可能となる。このとき表示装置48には、演出ボタンの操作を促す画面が表示される。そして、この演出ボタン操作可能期間中に、遊技者が第1演出ボタン31を押すことで演出ボタンスイッチ1オンフラグがセットされる。その後、通常演出種類振分テーブルに基づいて通常演出の表示内容が設定され、報知演出が実行される。
1回目の報知演出が実行されている間に、1回目の演出ボタン操作可能期間が終了する。そして、2回目の演出ボタン操作可能期間が始まり、表示装置48には演出ボタンの操作を促す画面が表示される。このとき、遊技者は第2演出ボタン32を押しても、S1910の処理により操作は無効とされるので、演出ボタンスイッチ2オンフラグがセットされても対応する演出は実行されない。
次に、遊技者が第1演出ボタン31を押すと、1回目と同様に、演出ボタンスイッチ1オンフラグがセットされ、通常演出種類振分テーブルに基づいて通常演出の表示内容が設定され、報知演出が実行される。
図23(B)は、始めに第2演出ボタン32が操作された場合のタイムチャートである。前述した図22に対応する。
図23(B)では、変動表示ゲームが開始され、所定期間が経過すると演出ボタン操作可能となる。このとき表示装置48には、演出ボタンの操作を促す画面が表示される。そして、この演出ボタン操作可能期間中に、遊技者が第2演出ボタン32を押すことで演出ボタンスイッチ2オンフラグがセットされる。その後、変動表示ゲームの結果が大当りの場合は大当り発生告知種類振分テーブルに基づいて大当り報知演出が実行される。また、変動表示ゲームの結果がはずれの場合にもはずれ報知演出が実行される。なお、はずれの場合は、特に表示なしでもよい。
そして、第2演出ボタン32が一度操作されると、以降の演出ボタン操作は無効となるので、第1演出ボタン31が押されて演出ボタンスイッチ1オフフラグがセットされても無効となって対応する演出は表示されない。
さらに、2回目の演出ボタン操作可能期間中になっても、第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32ともに操作無効のままであるので、第1演出ボタン31が押されて演出ボタンスイッチ1オフフラグがセットされても無効となって対応する演出は表示されない。また、このとき、本来は演出ボタン操作可能期間なので1回目と同様に演出ボタンの操作を促す画面が表示されるはずであるが、全演出ボタン操作が無効なので、演出ボタンの操作を促す画面は表示されない。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技者は、変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性が高いことを報知する通常演出ボタンと変動表示ゲームの結果が大当りとなることを報知するプレミア演出ボタンのどちらの演出ボタンを操作するか、自分の好みに応じて選択可能であるので、好みの演出表示を楽しむことができる。また、遊技者は自分の好みの演出にしようと演出ボタンを積極的に操作するので、操作意欲が低下することがない。
また、変動表示ゲームにおいて、先に通常演出ボタンが操作されるとプレミア演出ボタンの操作が無効になって、遊技者は変動表示ゲームの結果を知ることができなくなる。このため、最初に操作する演出ボタンの選択が重要となり、リスクや緊張感が高まるので、操作意欲も高まるとともに、遊技の興趣も高まる。
さらに、1回の変動表示ゲームにおいて、プレミア演出ボタンの操作による大当り発生告知は1度きりである。このため、大当り発生告知は重要かつ貴重な価値の高い報知となり、プレミア演出ボタンの操作の緊張感が高まる。
また、プレミア演出ボタンの操作によって、通常演出ボタンの操作が無効になり、変動表示ゲームが停止するまで通常演出は実行されない。このため、プレミア演出ボタンの操作に、リスクをもたせることになり、演出ボタンの選択の興趣が高まる。
また、プレミア演出ボタンの操作によって実行されるプレミア演出の種類には、プレミア演出ボタンの操作限定の演出が含まれる。このため、プレミア演出ボタンの操作による大当り発生告知の価値が高まる。また、演出の種類が増えるので、遊技の興趣もさらに向上する。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32の操作回数を演出に考慮していないが、本発明の第2の実施の形態では、第2演出ボタン32の操作回数が多い遊技者はシンプルな演出を好むと分析して、この分析結果を演出に反映させる。
以下、第2の実施の形態について図24から図27を参照して説明する。
まず、図24から図26を参照して、第2の実施の形態における変動中処理について説明する。
〔変動中処理〕
図24は、本発明の第2の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図17と同じ符号を割り当てて記載を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがあって(S1701の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替える場合に、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理(S1704〜S1712)を実行している。さらに、第2の実施の形態では、乱数シード初期化処理(S1707)の後に、演出ボタン操作分析処理を実行し(S2401)、S1708におけるシーンシーケンステーブルの設定に代わって、S1706で設定された変動パターンとS2401の演出ボタン操作分析結果に対応するシーンシーケンステーブルを設定する(S2402)。
〔演出ボタン操作分析処理〕
次に、図25を参照して、前述の変動中処理(図24)の演出ボタン操作分析処理(S2401)について説明する。図25は、本発明の第2の実施の形態の演出ボタン操作分析処理の手順を示すフローチャートである。
まず、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の操作回数を確認し(S2501)、操作回数が所定回数以上であるか否かを判定する(S2502)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の操作回数が所定回数以上である場合には(S2502の結果が「Y」)、第1演出ボタン31の操作回数を確認する(S2503)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1演出ボタン31の操作回数と第2演出ボタン32の操作回数とを比較し(S2504)、第2演出ボタン32の操作回数が第1演出ボタン31の操作回数よりも多いか否かを判定する(S2505)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の操作回数が第1演出ボタン31の操作回数よりも多い場合には(S2505の結果が「Y」)、事前演出実行判定テーブルBを設定し(S2506)、演出ボタン操作分析処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の操作回数が所定回数に満たなかった場合(S2502の結果が「N」)、又は、第2演出ボタン32の操作回数が所定回数以上でも第1演出ボタン31の操作回数よりも少ない場合には(S2505の結果が「N」)、事前演出実行判定テーブルAを設定し(S2507)、演出ボタン操作分析処理を終了する。
ここで、演出ボタンの操作回数は、変動表示ゲームの結果が大当りとなったらリセットされる。
このように、第2の実施の形態では、第2演出ボタン32の操作回数が多い遊技者に対しては、先読み演出をシンプルな演出に変更する。
〔事前演出実行判定テーブル〕
続いて、図26を参照して、前述の演出ボタン操作分析処理(図25)で設定される先読み演出のテーブルについて説明する。図26は、本発明の第2の実施の形態の事前演出実行判定テーブルの一例である。
図26(A)は、通常の事前演出実行確率が設定された事前演出実行判定テーブルAである。
事前演出(先読み演出)を実行する確率は、図柄情報及びリーチ演出に応じて異なる。変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、リーチ演出の信頼度が高いほど、事前演出実行確率が高くなる。具体的には、リーチなし及びノーマルリーチの場合は、実行確率1%とし、スペシャル1リーチ及びスペシャル2リーチの場合は、実行確率20%とし、スペシャル3リーチの場合は、実行確率30%とする。
また、変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、リーチ演出の種類に関わらず30%の確率で事前演出が実行される。
図26(B)は、シンプルな演出になるように事前演出実行確率が設定された事前演出実行判定テーブルBである。
事前演出を実行する確率は、変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、リーチなし及びノーマルリーチの場合は、実行確率0.5%とし、スペシャル1リーチ及びスペシャル2リーチの場合は、実行確率5%とし、スペシャル3リーチのときでも実行確率10%とする。このように、前述のテーブルAよりも低い確率が設定される。
また、変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、前述のテーブルAにおける実行確率が30%であるのに対し、70%の高確率で事前演出が実行される。
このように、事前演出実行判定テーブルBによれば、大当りとなる始動記憶に対して事前演出が実行される確率が高く、はずれとなる始動記憶に対して事前演出が実行される確率は低い。このため、事前演出として保留表示された始動記憶の色が変わったり背景が切り替わったりした場合は、高い確率で大当りとなる。これにより、シンプルな演出を好む遊技者に分かりやすい事前演出を提供することができる。なお、シンプルな演出として、表示装置48における表示内容にも変化を設けてもよい。
続いて、図27を参照して、前述した演出ボタンの操作回数をカウントする処理について説明する。
〔演出ボタン判定処理〕
図27は、本発明の第2の実施の形態の演出ボタン判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図19と同じ符号を割り当てて記載を省略する。
第2の実施の形態では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32の入力はないが第1演出ボタン31の入力があった場合に(S1904→S1905の結果が「Y」)、第1演出ボタン操作回数を1加算する(S2701)。そして、第2演出ボタン32の入力があって、このとき第2演出ボタンの操作が禁止されていなければ(S1904→1912の結果が「N」)、第2演出ボタン操作回数を1加算する(S2702)。
〔第2の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、遊技者の演出の好みを判断することができ、その好みを演出に反映させるので、遊技者が演出に煩わしさを感じることがない。よって、興趣の高い遊技を提供することができる。
また、積極的に第2演出ボタン32を操作する遊技者はシンプルな演出を好むと判断し、先読み演出の実行確率を変更し、先読み演出のにぎやかし頻度を下げて、大当りのときの先読み演出実行頻度を上げる。これにより先読み演出が実行されると高い確率で大当りとなるので、シンプルでわかりやすい先読み演出となり、遊技者が演出に煩わしさを感じることがない。
これらの演出変更は遊技者の演出ボタンの操作回数に応じて行われるので、遊技者は、自分の好みに合う演出にしようと演出ボタンを積極的に操作するようになる。よって遊技者の操作意欲が低下することがない。
(第3の実施の形態)
本発明の第1及び第2の実施の形態では、第1演出ボタン31が通常演出ボタンであり、第2演出ボタン32がプレミア演出ボタン(大当り発生告知ボタン)であることが遊技者に認識可能であったが、本発明の第3の実施の形態では、各演出ボタンの役割を事前に遊技者は認識できない。そして、どちらの演出ボタンがプレミア演出ボタンであるかは、遊技状況に応じて変化する。また、本発明の第2の実施の形態では、操作が有効である大当り発生告知ボタンの操作回数に応じて事前演出実行判定テーブルを設定していたが、本発明の第3の実施の形態では、大当り発生告知ボタンの設定回数に対する大当り発生告知ボタンの操作回数の割合に応じて事前演出実行判定テーブルを設定する。
以下、第3の実施の形態について図28から図32を参照して説明する。
まず、図28から図30を参照して、本発明の第3の実施の形態における演出ボタンの役割設定について説明する。
〔演出ボタン関連処理〕
図28は、本発明の第3の実施の形態の演出ボタン関連処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図18と同じ符号を割り当てて記載を省略する。
第3の実施の形態では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームが開始され、演出ボタン操作可能期間が開始となる場合に(S1802の結果が「Y」)、S1803〜S1806のフラグ処理の後、演出ボタンの役割を決める演出ボタン設定処理を実行する(S2801)。演出ボタン設定処理の詳細については後述する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン操作可能期間中である場合に(S1808の結果が「Y」)、S2801でセーブされた演出ボタン設定情報を確認する(S2802)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1演出ボタン31を通常演出ボタンに設定したか否かを判定する(S2803)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1演出ボタン31を通常演出ボタンに設定した場合には(S2803の結果が「Y」)、演出ボタン判定処理1を実行する(S2804)。演出ボタン判定処理1の処理内容は、第1及び第2の実施の形態における演出ボタン判定処理(図19)と同じである。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1演出ボタン31を通常演出ボタンに設定しなかった、すなわち、第1演出ボタン31をプレミア演出ボタンに設定した場合には(S2803の結果が「N」)、演出ボタン判定処理2を実行する(S2805)。演出ボタン判定処理2の処理内容は、第1及び第2の実施の形態における演出ボタン判定処理(図19)において、第1演出ボタンと第2演出ボタンとを入れ替えた処理内容となる。
〔演出ボタン設定処理〕
続いて、図29を参照して、前述の演出ボタン関連処理(図28)の演出ボタン設定処理(S2801)について説明する。図29は、本発明の第3の実施の形態の演出ボタン設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、主制御用マイコン(1stCPU)551は、これから開始する変動表示ゲームの変動パターン情報を取得して準備する(S2901)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、プレミア演出を行う大当り発生告知ボタン選択テーブルを設定し(S2902)、変動パターン情報と大当り発生告知ボタン選択テーブルによって、大当り発生告知ボタンに第1演出ボタン31及び第2演出ボタン32のどちらかを選択する(S2903)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当り発生告知ボタンに第1演出ボタン31が選択されたか否かを判定する(S2904)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当り発生告知ボタンに第1演出ボタン31が選択された場合には(S2904の結果が「Y」)、第1演出ボタン31が大当り発生告知ボタンに設定されたとの第1演出ボタン設定情報をセーブする(S2905)。また、第2演出ボタン設定情報をクリアすることで(S2906)、設定の重複を防止する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1演出ボタン31が大当り発生告知ボタンに設定された第1演出ボタン設定回数を1加算して(S2907)、さらに、全体で演出ボタンの設定が行われた演出ボタン設定回数も1加算して(S2911)、演出ボタン設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当り発生告知ボタンに第1演出ボタン31が選択されなかった場合には(S2904の結果が「N」)、第2演出ボタン32が大当り発生告知ボタンに設定されたとの第2演出ボタン設定情報をセーブする(S2908)。また、第1演出ボタン設定情報をクリアする(S2909)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2演出ボタン32が大当り発生告知ボタンに設定された第2演出ボタン設定回数を1加算して(S2910)、さらに、全体で演出ボタンの設定が行われた演出ボタン設定回数も1加算して(S2911)、演出ボタン設定処理を終了する。
〔大当り発生告知ボタン選択テーブル〕
続いて、図30を参照して、大当り発生告知ボタンを選択するテーブルについて説明する。図30は、本発明の第3の実施の形態の大当り発生告知ボタン選択テーブルの一例である。
図30(A)は、大当り発生告知ボタンを変動パターンのリーチ演出に応じて設定する場合のテーブルであり、大当り発生告知ボタン選択テーブル1である。
図30(A)によれば、リーチ演出がリーチなし、ノーマルリーチ又はスペシャル3リーチの場合は、第1演出ボタン31が大当り発生告知ボタンとなり、スペシャル1リーチ又はスペシャル2リーチの場合は、第2演出ボタン32が大当り発生告知ボタンとなる。
図30(B)は、大当り発生告知ボタンを変動パターンのリーチ演出とその日の大当り回数とに応じて設定する場合のテーブルであり、大当り発生告知ボタン選択テーブル2である。
図30(B)によれば、リーチ演出がノーマルリーチ、スペシャル1リーチ又はスペシャル2リーチの場合は、大当り回数に関わらず図30(A)と同様に大当り発生告知ボタンが設定されるが、リーチなし又はスペシャル3リーチの場合は、大当り回数によって大当り発生告知ボタンが第1演出ボタン31に設定されたり、第2演出ボタン32に設定されたりする。
具体的に、大当り回数が5回未満の場合は、前述の図30(A)と同様に大当り発生告知ボタンが設定される。大当り回数が5回以上10回未満の場合は、リーチ演出がリーチなし、スペシャル1リーチ又はスペシャル2リーチのとき大当り発生告知ボタンが第2演出ボタン32に設定される。また、ノーマルリーチ又はスペシャル3リーチのとき大当り発生告知ボタンが第1演出ボタン31に設定される。大当り回数が10回以上の場合は、リーチ演出がリーチなし又はノーマルリーチのとき大当り発生告知ボタンが第1演出ボタン31に設定され、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ又はスペシャル3リーチのとき大当り発生告知ボタンが第2演出ボタン32に設定される。
なお、図30(A)及び(B)では、所定の情報における大当り発生告知ボタンは第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32に決定されるが、例えば、第1演出ボタン31が選択される確率をテーブルに設定してもよい。
また、大当り発生告知ボタン選択テーブルは、営業日の日付や曜日等に応じてテーブルを設定してもよい。前述の演出ボタン設定処理(図29)では、S2907、S2910及びS2911の処理によって全体の演出ボタン設定回数に対する各演出ボタンの設定割合を算出できるようにしている。例えば、日にちによってどちらの演出ボタンが大当り発生告知ボタンに選択されやすいかを内部で設定し、その日大当り発生告知ボタンに選択される確率が高い演出ボタンを予め遊技者に報知する。これにより、遊技者は、後述するS3105で算出され、S3106で報知される現在の各演出ボタンの設定率を比較して、以後どちらの演出ボタンを操作すればよいか判断することが可能となる。
〔演出ボタン操作分析処理〕
続いて、図31を参照して、第3の実施の形態における演出ボタン操作分析処理について説明する。図31は、本発明の第3の実施の形態の演出ボタン操作分析処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図25と同じ符号を割り当てて記載を省略する。
第3の実施の形態では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当り発生告知ボタンに第1演出ボタン31を設定した設定回数を確認する(S3101)。次に、大当り発生告知ボタンに第2演出ボタン32を設定した設定回数を確認する(S3102)。さらに、大当り発生告知ボタンにどちらかの演出ボタンを設定した設定回数を確認する(S3103)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、各演出ボタンの設定率を算出し(S3104)、算出した設定率を報知する表示設定を実行する(S3105)。設定率の報知タイミングはいつでもよい。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者が大当り発生告知ボタンに設定された演出ボタンを操作した操作回数を確認する(S3106)。そして、S3103で確認した演出ボタン設定回数をS3106で確認した大当り発生告知ボタン操作回数で除することで、大当り発生告知ボタン選択率が算出されるので、当該大当り発生告知ボタン選択率を表示するように設定する(S3107)。選択率の表示タイミングはいつでもよい。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3107で算出した大当り発生告知ボタン選択率が所定以上であるか否かを判定する(S3108)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当り発生告知ボタン選択率が所定以上である場合には(S3108の結果が「Y」)、プレミア演出用の事前演出実行判定テーブルB(図26(B))を設定する。また、大当り発生告知ボタン選択率が所定未満である場合には(S3108の結果が「N」)、通常演出用の事前演出実行判定テーブルA(図26(A))を設定する。
〔画面遷移例〕
図32は、本発明の第3の実施の形態において変動表示ゲームの結果がはずれの場合の画面遷移の一例を示す図である。
図32(A)は、変動表示ゲームの開始直前の画面である。画面中央には、前回の変動表示ゲームにおける特別図柄の結果が停止表示されている。
図32(B)は、今回の変動表示ゲームが開始され、特別図柄が変動している画面である。そして、変動表示ゲームの開始から所定時間が経過すると、演出ボタン操作可能期間が開始となり、画面下に演出ボタンの操作を促す「PUSH」という文字が表示される。
図32(C1)は、遊技者が通常演出ボタンを操作した場合の画面であり、前述の図20(A)の通常演出振分テーブルに基づいて表示内容Aが特別図柄の下に表示される。また、今回の表示内容Aが通常演出ボタンの操作によって表示されたことを遊技者に報知するために特別図柄の上には、「通常予告です」と表示される。
図32(C2)は、遊技者が大当り発生告知ボタンを操作した場合の画面であり、特別図柄の下に「はずれ」と表示される。また、今回の表示が大当り発生告知ボタンの操作によって表示されたことを遊技者に報知するために特別図柄の上には、「大当り告知予告です」と表示される。
〔第3の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、大当り発生告知ボタンに、遊技状況に応じて第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32が設定される。遊技者は、第1演出ボタン31又は第2演出ボタン32を操作した時点で、どちらの演出ボタンが大当り発生告知ボタンなのか明確に判断できない状態で演出ボタンを操作することになる。このため、遊技者は操作した演出ボタンの役割が推測通りであることを期待して演出ボタンを操作するので、遊技の興趣が高まる。また、演出ボタンの操作に対して遊技者に期待感を持たせることができるので、遊技者の操作意欲を低下させない。
また、遊技者が演出ボタンを操作した後、表示装置48では操作した演出ボタンが通常演出ボタンであったのか、それとも大当り発生告知ボタンであったのかを報知する。このため、遊技者は、対応する演出表示がない場合であっても操作した演出ボタンの役割が推測通りであったか答え合わせができる。演出ボタンの役割を推測することも1つのゲームとなるため、遊技の興趣が高まり、遊技者の操作意欲を低下させない。
また、大当り発生告知ボタンとなる演出ボタンが変動表示ゲームのリーチ演出の種類に応じて決まる場合は、遊技者は当該変動表示ゲームのリーチ演出を見ることで大当り発生告知ボタンがどちらの演出ボタンなのかが容易に推測できる。このため、遊技者は、自分の好みに合った演出ボタン操作が可能であり、第2の実施の形態のように操作回数を考慮することで遊技者の好みを演出表示に反映させることができる。
さらに、大当り発生告知ボタンの設定回数に対する大当り発生告知ボタンの操作回数の割合に応じて事前演出実行判定テーブルを設定するので、第2の実施の形態と同様に、大当り発生告知ボタンの操作回数が多い遊技者に対してシンプルな先読み演出を提供することができ、遊技者が演出に煩わしさを感じることがない。
(演出ボタンの変形例)
本発明の第1から第3の実施の形態では演出ボタンを2つ設け、一方の演出ボタンを押したときに通常演出を実行し、他方の演出ボタンを押したときにプレミア演出(大当り発生告知)を実行しているが、これに限らない。
設ける演出ボタンを1つにして、遊技者の操作態様に応じて通常演出の実行とプレミア演出の実行とを区別してもよい。1つの演出ボタンに複数のセンサを設けることで、押す方向(上や下など)を検出することができるので、押す方向によって通常演出の実行又はプレミア演出の実行を判断してもよい。
また、検出する操作態様は、演出ボタンを押す操作の有無や押す方向に限らず、操作スピード、特定の操作リズム、連続操作時間、操作回数でもよい。
また、本発明の第1から第3の実施の形態では、通常演出及びプレミア演出のための演出ボタンは操作可能(有効)期間が同じであるが、1変動表示ゲーム中に限らず通常演出のための演出ボタンの操作が所定回数を超えた場合に、プレミア演出のための演出ボタンの操作が有効になるようにしてもよいし、通常演出の場合と検出される操作態様が異なる場合などプレミア演出の実行を獲得する操作方法を遊技者に報知するようにしてもよい。
また、遊技者が片手で操作できる範囲内であれば、一方の演出ボタンを操作している状態で他方の演出ボタンの操作を有効にしてもよい。
さらに、本発明の第1から第3の実施の形態では、1変動表示ゲーム中において、一度プレミア演出のための演出ボタンを操作すると、それ以降の演出ボタンの操作を無効にしているが、大当り確定が報知された後は、演出ボタンの操作を通常演出用に有効にしてもよい。これにより、変動表示ゲームの結果が判明した後も演出ボタンを用いた通常演出を楽しむことができる。
また、本発明の第3の実施の形態では、通常演出のための演出ボタンとプレミア演出のための演出ボタンの区別がつかない。このような場合は、遊技者の意に反して通常演出が実行されてしまい、遊技者がストレスを感じて操作意欲を失う可能性もある。そこで、先読み演出等で遊技者に期待をさせながら変動表示ゲームの結果がはずれとなるガセ演出の回数が所定回数に達したら、所定期間、プレミア演出のための演出ボタンのみが操作有効になるようにしてもよい。これにより、遊技者のストレスを軽減することができ、遊技者は操作意欲を失うことがない。
また、本発明の第1から第3の実施の形態では、遊技者が演出ボタンを押す操作を検出していており、操作手段として押し下げるボタンタイプを設けているが、これに限らない。ジョグを回すタイプ、レバーを操作するタイプ、手をかざすなどして感知される非接触式のセンサタイプでもよい。特に、遊技領域10aの所定領域(例えばセンターケース46におけるステージ部46a、もしくはステージ部46aの周辺、または表示装置48の上部)に設けられる非接触式センサタイプの操作手段は、遊技者に特別感を与える。この場合には、一方のセンサをステージ部46aに設け、他方のセンサを表示装置48の上部に設けるようにすることで、遊技者が姿勢を変えて操作することになり、さらに興趣が高まる。
通常演出を演出ボタンの操作検出により実行し、プレミア演出をセンサの操作検出により実行するなど、通常演出のための操作手段とプレミア演出のための操作手段とは異なるタイプの操作手段でもよい。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
ところで、従来の遊技機における予告表示内容や特別図柄の変動表示態様の変化は、遊技において重要なもの(例えば大当りするか否か)ではなく、単に表示内容の見た目を盛り上げるだけ(にぎやかし)であり、遊技者によっては、そういった演出を煩わしく感じ、操作手段の操作を行わない場合がある。
そこで、遊技者が操作可能な操作手段を設けた場合に、遊技者の操作意欲を低下させないことが可能な遊技機として、次のものがあげられる。
(1)遊技領域に設けられる始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置を備え、前記変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記変動表示ゲームの進行を補助する報知を実行する補助報知実行手段と、前記操作手段の操作に応じて、前記補助報知実行手段による報知内容を制御する報知内容制御手段と、前記操作手段の操作態様を検出する第1検出手段及び第2検出手段と、を備え、前記報知内容制御手段は、前記操作手段の操作が前記第1検出手段によって検出された場合に、前記特別結果が導出される信頼度が通常よりも高いことを遊技者が認識可能に報知する第1報知を実行する第1報知実行手段と、前記操作手段の操作が前記第2検出手段によって検出された場合に、実行中の変動表示ゲームで導出される停止結果を遊技者が認識可能に報知する第2報知を実行する第2報知実行手段と、を有することを特徴とする遊技機。
(2)前記補助報知実行手段は、前記第2報知実行手段による第2報知の実行を禁止する第2報知禁止手段を有し、前記第2報知禁止手段は、前記変動表示ゲームにおいて、前記第1報知実行手段による第1報知が実行された場合に、当該変動表示ゲームにおける前記第2報知実行手段による第2報知の実行を禁止することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記第2報知禁止手段は、前記変動表示ゲームにおいて、前記第2報知実行手段による第2報知が実行された場合に、当該変動表示ゲームにおける前記第2報知実行手段による新たな第2報知の実行を禁止することを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)前記補助報知実行手段は、前記変動表示ゲームにおいて、前記第2報知実行手段による第2報知が実行された場合に、当該変動表示ゲームにおける前記第1報知実行手段による第1報知の実行を禁止する第1報知禁止手段を有することを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(5)前記第1報知実行手段は、前記変動表示ゲームにおいて前記特別結果が導出される場合に、前記変動表示装置の表示領域で第1予告表示を実行する第1予告表示実行手段を有し、前記第2報知実行手段は、前記変動表示ゲームにおいて前記特別結果が導出される場合に、前記変動表示装置の表示領域で前記第1予告表示、又は、前記第1予告表示実行手段では実行されない第2予告表示を実行する第2予告表示実行手段を有することを特徴とする(4)に記載の遊技機。
(6)前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行に関する判定情報を抽出して当該変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段と、前記始動記憶手段に記憶される始動記憶の判定情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、前記事前判定手段の事前判定結果に基づき前記特別結果が導出されることを所定頻度で、遊技者が認識可能に事前報知する事前報知手段と、をさらに備え、前記補助報知実行手段は、前記第2報知の実行回数を計数する第2報知実行回数計数手段を有し、前記事前報知手段は、前記第2報知実行回数計数手段によって計数された前記第2報知の実行回数が所定回数となった場合に、前記事前報知の実行頻度を、通常よりも高くなるように設定する事前報知実行頻度設定手段を有することを特徴とする(5)に記載の遊技機。
(7)前記事前報知実行頻度設定手段は、前記事前判定手段による事前判定結果が、前記特別結果が導出される判定結果である場合に、事前報知の実行頻度を通常よりも高める第1実行頻度設定手段と、前記事前判定手段による事前判定結果が、前記特別結果が導出される判定結果ではない場合に、事前報知の実行頻度を通常よりも低くする第2実行頻度設定手段と、を備えることを特徴とする(6)に記載の遊技機。
(8)前記操作手段は、前記遊技領域のうち所定領域に設けられる非接触型の操作手段であることを特徴とする(7)に記載の遊技機。
(9)前記第1検出手段及び前記第2検出手段が検出する前記操作手段の操作態様には、第1操作態様と第2操作態様とがあり、前記報知内容制御手段は、前記第1報知実行手段の契機となる前記第1検出手段が検出する前記操作態様を前記第1操作態様又は前記第2操作態様のどちらか一方に設定し、前記第2報知実行手段の契機となる前記第2検出手段が検出する前記操作態様を他方の操作態様に設定する検出操作態様設定手段を備えることを特徴とする(8)に記載の遊技機。