以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置(主制御手段)500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材(電動役物)38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では第2始動入賞口に遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、可動部材38aが逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置500(図3参照)によって制御される。遊技制御装置500は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉(特別電動役物)42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1始動記憶表示器54、特図2始動記憶表示器55、普図始動記憶表示器56)を備える。
また、一括表示装置50では、ラウンド表示部(決定ラウンド数表示器)57を設けて大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示したり、図示しない第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)を設けて大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知したり、図示しない第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)を設けて時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知したり、図示しないエラー表示器を設けて遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示したりする。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1始動記憶表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、始動記憶数が「0」のときは2つのランプ1,2を全て消灯状態にし、始動記憶数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、始動記憶数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、始動記憶数が「3」のときはランプ1を点滅状態、かつランプ2を点灯状態にし、始動記憶数が「4」のときはランプ1,2を点滅状態にする。
特図2始動記憶表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1始動記憶表示器54と同様にして表示する。
普図始動記憶表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を、特図1始動記憶表示器54と同様にして表示する。
決定ラウンド数表示器57は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor12ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、決定ラウンド数表示器57は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
その他、図示しない第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。また、図示しない第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。さらに、エラー表示器は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
遊技機は、内部の遊技領域10a内に遊技球を発射して(弾球して)遊技を行うものである。遊技機は、図示しないカバーガラス(透明部材)によって前面を覆われる遊技盤10を遊技枠に収装し、遊技盤10に遊技領域10aを設置する。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図始動記憶表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の可動部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1始動記憶表示器54、特図2始動記憶表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42の開閉扉42aが所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当り、12R当り又は2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置(従制御手段)550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1001)や特図普段処理(S1009)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常(低)確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、本発明の第1の実施の形態における遊技状態について図5及び図6を参照して説明する。
まず、図5を参照して特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態において、特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合の大当り図柄の振り分けパターンの一例を示すテーブルである。図5(A)は、第1始動入賞口37に遊技球が入賞して特図1変動表示ゲームが実行された結果、大当りとなる場合について示している。図5(B)は、第2始動入賞口38に遊技球が入賞して特図2変動表示ゲームが実行された結果、大当りとなる場合について示している。
まず、第1始動入賞口37から入賞した始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合は、図5(A)のテーブルを用いて、当該始動記憶に記憶された大当り図柄乱数値に対応する図柄番号が特定されて、当該図柄番号に対応する大当り図柄の種類が特定される。
また、第2始動入賞口38から入賞した始動記憶に対応する特図2変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合は、図5(B)のテーブルを用いて、同様に大当り図柄が特定される。
本発明の第1の実施の形態では、特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合の大当り図柄の振り分けは、15R確変A、15R確変B、12R確変A、12R確変Bとなっている。ここで、確変Aと確変Bとでは、1Rあたりの特別変動入賞装置42の開閉扉42aの開放時間が異なる。確変Aでは、途中のラウンド(例えば5R)まで1R最大20秒の開放時間が設定されて、それ以降のラウンド(6R以降)は1R0.5秒の開放時間が設定されている。確変Bでは、全てのラウンドで1R最大20秒の開放時間が設定されている。
また、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの大当り確率状態が通常状態の場合は、特別遊技状態終了後、大当りの発生確率が高い確変状態となる。さらに、特別遊技状態終了後、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態が普電サポート状態となって、100回継続する。この回数は、特図変動表示ゲームの実行回数に対応する。したがって、特別遊技状態終了後に、特図変動表示ゲームの結果が100回連続してはずれると、第2始動入賞口38の動作状態は、普電サポート状態から通常状態に移行する。なお、本発明の第1の実施の形態では、大当りの確率状態を高確率状態から低確率状態に落とす転落抽選を実行しているが、転落抽選の当選の有無に関わらず、普電サポート状態は、特図変動表示ゲームが100回終了するまで継続する。そして、普電サポート状態となっている間は、基本的に確率状態の報知状態を完全非報知とし、遊技状態を報知するモード表示内容は一切変更しない。
ところで、第2始動入賞口38で入賞するためには、可動部材38aを開状態とする必要があり、第1始動入賞口37よりも入賞しにくい。そのため、第2始動入賞口38における始動記憶による大当りが発生した場合には、第1始動入賞口37における大当りの場合よりも遊技者に有利となるように構成されている。具体的には、図5(A)と図5(B)とを比較すると、図5(B)のテーブルによる大当り図柄の振り分けでは、一定の遊技価値の獲得が望める15ラウンド大当りの振分確率が、図5(A)のテーブルにおける15ラウンド大当りの振分確率よりも高く設定される。
続いて、各遊技状態の遷移について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態の特有の遊技状態遷移パターンを示す状態遷移図である。
前述したように本発明の第1の実施の形態では、転落抽選を実施している。ここでは、主に転落抽選に当選するタイミングに係る遊技状態遷移について説明する。
遊技機1の初期遊技状態は、通常遊技状態(通常状態)である。このとき、大当りの発生確率は低確率(通常確率)であり、普電サポート状態でもない。
そして、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果が大当りとなると、遊技状態は、特別遊技状態となる。このとき、大当りの発生確率は低確率で、普電サポート状態でもないが、図5に示す大当り図柄の種類に応じて特別変動入賞装置42の開閉扉42aが開放される。
次に、特別遊技状態が終了したら、遊技状態は、規定された回数(図5では100回)の普電サポートが連続して実行される第1特定遊技状態となる。このとき、大当り図柄の種類が確変である場合は、大当りの発生確率は高確率となり、大当り図柄の種類が通常である場合は、大当りの発生確率は低確率(通常確率)となる。なお、図5に示した大当り図柄は全て確変であるので、第1特定遊技状態が開始された直後は、大当りの発生確率が必ず高確率となっている。
また、第1特定遊技状態では転落抽選が実行される。そして、転落抽選に当選した場合は、大当りの発生確率を高確率から低確率に変更するいわゆる転落が実行される。そして、規定回数の特図変動表示ゲームが実行されるまで普電サポートを継続し、すなわち、大当りの発生確率が低確率に設定された第1特定遊技状態を継続する。その後、停止時間演出が実行され、遊技状態は、通常遊技状態に戻る。
一方、第1特定遊技状態において転落抽選に当選しなかった場合は、規定回数の普電サポート終了後、第2特定遊技状態となる。第2特定遊技状態とは、転落抽選に当選せずに、特別遊技状態終了後から規定回数の普電サポートが実行された後の遊技状態であり、大当りの発生確率は第1特定遊技状態から維持されるが、普電サポート状態は解除されている状態である。
そして、第2特定遊技状態でも転落抽選が実行され、転落抽選に当選した場合は、前述した転落が実行され、遊技状態は、通常遊技状態に戻る。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図8は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S701)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S702)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S703)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S704)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S705)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S706)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S707)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S708)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S709)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S709の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域をチェックする(S710)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には停電検査領域チェックデータが記憶される。S710の処理では停電検査領域に記憶された停電検査領域チェックデータが正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常である、すなわち、停電から復旧したと判定された場合には(S711の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値が、電源切断時に算出されたチェックサムの値と一致するか否かを判定する(S713)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S709の結果が「Y」)、停電から復旧していない場合(S711の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS712の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S713の結果が「N」)、図8のS821〜S823の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S713の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図8のS801〜S806)。
まず、遊技制御装置500は、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、初期化すべき領域(停電検査領域及びチェックサムが記憶されていた領域)に停電復旧時の初期値をセーブ(保存)する(S801)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S802)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S803)。高確率状態でないと判定された場合には(S803の結果が「N」)、S806以降の処理を実行する。
停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S803の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S804)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S805)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S806)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、使用する作業領域をリセットする(S821)。さらに、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S822)。そして、電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S823)、S807以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S806又はS823の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S807)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S808)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S809)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S810)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)、大当りの確率状態を高確率状態から低確率状態に落とす転落抽選に当選する乱数(転落当選乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S811)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数、転落当選乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数、転落当選乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S812)。停電監視信号がオンであるか否かによって停電が発生したか否かを判定することができる。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S812の結果が「N」)、S811の初期値乱数更新処理を再び実行し、S811とS812の処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S811)の前に割り込みを許可(S810)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S811)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S812の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S813〜S818)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S813)、全出力ポートをオフに設定する(S814)。その後、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする(S815)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S816)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S817)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S818)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S901)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS901の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S902)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S903)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S904)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S905)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S906)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S907)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S908)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図10にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S909)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S910)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(S911)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S912)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S913)。その後、S901の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S914)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S915)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図9)における特図ゲーム処理(S908)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S1001)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S1002)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1003)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S1009〜S1015)を実行するときに初期値がセットされ、S1003の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S1009;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1004の結果が「N」)、 遊技制御装置500は、S1016以降の処理を実行する。
一方、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1004の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1005)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1006)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1007)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1008)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1008の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図15にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1008の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1008の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1008の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1008の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S1013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1008の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1008の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1015)。大当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1016)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1017)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1018)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S1019)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図10)における始動口スイッチ監視処理(S1001)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1101)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1102)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図12にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S1103)。普通電動役物が作動中である場合には(S1103の結果が「Y」)、S1106以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S1103の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1104)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1105)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1104及びS1105の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1105の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1105の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1106)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1107)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図11)における特図始動口スイッチ共通処理(S1102、S1107)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1201、S1202)。対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1202の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1202の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、当該対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1203)。さらに、対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1204)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1205、S1206)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1206の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1207)。
遊技制御装置500は、S1207の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1206の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1208、S1209)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1209の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)を1加算して更新する(S1210)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1211)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1212)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1213)。そして、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1214)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの対象の乱数セーブ領域にセーブし(S1215)、さらに、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数を抽出して、RWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1216)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1217)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1218)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1219)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
本発明の第1の実施の形態において、大当り乱数は、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのどちらの始動口スイッチが遊技球の入賞を検出しても同じ手順で抽出される。すなわち、第1始動入賞口37から入賞した場合であっても、第2始動入賞口38から入賞した場合であっても、入賞した遊技球が大当りとなる乱数は同じである。なお、始動入賞口毎に大当り乱数を設定してもよい。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置500は、対応する転落抽選乱数を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1220)。本発明の第1の実施の形態において、転落抽選は、遊技状態が高確率状態であるときに実行されるが、S1220の処理は、遊技状態に関係なく毎回実行される。
そして、遊技制御装置500は、S1216の処理でRWMにセーブされた対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1221)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(S1222)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1209の結果が「N」)、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1230、S1231)。対象が始動口1スイッチ37dでない場合には(S1231の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1232)、コマンド設定処理を実行する(S1233)。
一方、対象が始動口1スイッチ37dである場合(S1231の結果が「Y」)、又は、S1233のコマンド設定処理が終了した場合には、遊技制御装置500は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図12)における特図保留情報判定処理(S1222)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであるか否かをチェックする(S1301)。監視対象が始動口2スイッチ38dでない場合には(S1302の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口38に備えられた可動部材38a)の開放延長機能が作動中、すなわち、普電サポート中であるか否かを判定する(S1303)。
遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S1303の結果が「N」)、遊技機1が大当り中(特別遊技状態)であるか否かを判定する(S1304)。そして、遊技機1が大当り中でない場合には(S1304の結果が「N」)、転落判定処理を実行する(S1305)。転落判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる転落抽選乱数値が転落当選範囲にあるか否かを判定する。なお、転落判定処理の詳細については、図14にて後述する。
続いて、遊技制御装置500は、転落抽選に当選したという転落情報があるか否かを判定する(S1306)。そして、転落情報がない場合には(S1306の結果が「N」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1307)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中の場合(S1303の結果が「Y」)、大当り中の場合(S1304の結果が「Y」)、又は、転落情報がある場合には(S2306の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであって、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。また、先読み処理に進んでも、転落判定処理において転落抽選に当選した場合には、大当り判定処理以降の処理を実行しないように構成される。本発明の第1の実施の形態では、遊技制御装置500は、S1305の処理実行時の始動記憶に対して転落判定処理を実行しているが、これに限らず、保留中の始動記憶に転落抽選に当選した始動記憶がある場合は、当該始動記憶が消化されるまでS1305及びS1306の処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、転落抽選に当選した始動記憶以降に保留される始動記憶に対しては、最大で4回の変動表示ゲームが終了するまで、転落判定処理を実行しないように構成される。
また、遊技制御装置500は、監視対象が始動口2スイッチ38dの場合には(S1302の結果が「Y」)、転落判定処理を実行する(S1305)。すなわち、監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dの場合には、普電サポート中又は大当り中であるか否かにかかわらず、当該始動記憶に対応した先読み処理を実行する。
その後、遊技制御装置500は、S1307の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S1308)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1308の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1316)。そして、S1317以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1308の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1309、S1310)。
そして、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dでない場合には(S1310の結果が「N」)、大当り図柄乱数チェックテーブル2を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(S1311)。また、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dである場合には(S1310の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(S1312)。
次に、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数をチェックして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得し(S1313)、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する(S1314)。さらに、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(S1315)。
続いて、遊技制御装置500は、S1315又はS1316の処理で設定した情報テーブルから図柄情報を取得し(S1317)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1318)。
そして、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(S1319)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1320)。
次に、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1321)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S1322)。
その後、遊技制御装置500は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1323)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S1324)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1325)。
後半変動パターン設定処理(S1324)及び変動パターン設定処理(S1325)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置500は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(S1326)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(S1327)、コマンド設定処理を実行する(S1328)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1329)、コマンド設定処理を実行する(S1330)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1326及びS1327の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、S1329の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔転落判定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理(図13)における転落判定処理(S1305)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の転落判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(S1401)。そして、高確率状態でない場合は(S1401の結果が「N」)、転落判定処理を終了する。
一方、高確率状態である場合は(S1401の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、S1402以降の処理で転落当選を判定する。
ここで、遊技制御装置500は、S1220においてRWMの乱数セーブ領域にセーブした転落抽選乱数値が、転落当選判定値と一致するか否かを判定する。本発明の第1の実施の形態では、転落当選判定値として連続する複数の値が設定され、転落当選範囲が設けられている。本発明の第1の実施の形態では、転落当選の確率は、1/70である。
遊技制御装置500は、まず、転落抽選乱数値と比較する転落当選範囲の下限値、すなわち、転落当選判定値の下限判定値をRWMに設定する(S1402)。そして、転落抽選乱数値が下限判定値未満であるか否かをチェックして(S1403)、転落抽選乱数値が下限判定値未満である場合は(S1404の結果が「Y」)、転落判定処理を終了する。
転落抽選乱数値が下限判定値以上である場合は(S1404の結果が「N」)、遊技制御装置500は、転落当選範囲の上限値、すなわち、転落当選判定値の上限判定値をRWMに設定して(S1405)、転落抽選乱数値が上限値以下であるか否かをチェックする(S1406)。そして、転落抽選乱数値が上限値より大きい場合は(S1407の結果が「N」)、転落判定処理を終了する。
一方、転落抽選乱数値が上限値以下である場合は(S1407の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落抽選に当選したと判定して、転落情報をRWMの作業用の設定情報領域にセーブする(S1408)。
そして、遊技制御装置500は、当選した転落抽選乱数を記憶する始動記憶に対応して転落情報コマンドを準備し(S1409)、コマンド設定処理を実行して(S1410)、転落判定処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図10)における特図普段処理(S1009)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1501、S1502)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1502の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1503、S1504)。このように、特図2保留数のチェック(S1501)を、特図1保留数のチェック(S1503)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1504の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1505、S1506)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1506の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1507)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1508)、コマンド設定処理を実行する(S1509)。
一方、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1506の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、遊技制御装置500は、S1510以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1510)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1502の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1511)。なお、S1511における特図2変動開始処理1の詳細については、図16にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1512)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1504の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1513)。なお、S1513における特図1変動開始処理1の詳細については、図16にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1514)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図15)における特図1変動開始処理1(S1513)及び特図2変動開始処理1(S1511)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の特図変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。図16Aは特図1変動開始処理1のフローチャートで、図16Bは特図2変動開始処理1のフローチャートである。
図16Aを参照して、特図1変動表示ゲームの開始時に実行される特図1変動開始処理1について説明する。
遊技制御装置500は、まず、転落抽選処理を実行する(S1601a)。前述した転落判定処理(図14)は、始動記憶に対する先読み処理の一つであるので、当該始動記憶で転落するか否かを判定するのみである。転落抽選処理では、高確率状態から低確率状態に実際に転落させるための処理を実行する。なお、転落抽選処理の詳細については、図17にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1602a)。
さらに、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(S1603a)。なお、小当りフラグ1設定処理の詳細については、図19にて後述する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置42を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置42が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置42が開放される。
続いて、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける停止図柄(特図1停止図柄)を設定する特図1停止図柄設定処理を実行する(S1604a)。
その後、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1605a)。続いて、図柄情報領域から設定された図柄情報をロードした後(S1606a)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1607a)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1608a)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(S1609a)。
続いて、遊技制御装置500は、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備し(S1610a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1611a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1612a)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1613a)。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1614a)、特図1変動開始処理1を終了する。
なお、図16Bの特図2変動表示ゲームの開始時に実行される特図2変動開始処理1(S1511)についても、同様の手順で実行される。具体的には、S1601b〜S1614bの処理はそれぞれS1601a〜S1614aの処理に対応して、S1602b及びS1603bの処理で大当りフラグ2及び小当りフラグ2が処理対象となり、S1604b及びS1605bの処理で特図2停止図柄が処理対象となり、S1608b及びS1609bの処理で特図2変動フラグが処理対象となる。
〔転落抽選処理〕
次に、前述した特図変動開始処理(図16)における転落抽選処理(S1601)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の転落抽選処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、S1220においてRWMの乱数セーブ領域にセーブした転落抽選乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1701)。
S1702〜S1708の処理は、前述した転落判定処理のS1401〜S1407の処理と同様である。転落判定処理では、まだ対象の始動記憶は保留状態であるので、転落抽選に当選したか否かを判定するのみで、当選しても実際に転落を実行しない。転落抽選処理では、対象の始動記憶の特図変動表示ゲームが開始される際に再び転落抽選に当選したか否かを判定し、当選したら実際に転落を実行するための処理を実行する。
具体的には、遊技制御装置500は、まず、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1702)。そして、高確率状態でない場合は(S1702の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
一方、高確率状態である場合は(S1702の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の下限判定値をRWMに設定し(S1703)、転落抽選乱数値が下限判定値未満であるか否かをチェックする(S1704)。そして、転落抽選乱数値が下限判定値未満である場合は(S1705の結果が「Y」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
転落抽選乱数値が下限判定値以上である場合は(S1705の結果が「N」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の上限判定値をRWMに設定して(S1706)、転落抽選乱数値が上限値以下であるか否かをチェックする(S1707)。そして、転落抽選乱数値が上限値より大きい場合は(S1708の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
一方、転落抽選乱数値が上限値以下である場合は(S1708の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落抽選に当選したと判定して、転落時情報設定処理を実行する(S1709)。なお、転落時情報設定処理についての詳細は、図18にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
〔転落時情報設定処理〕
次に、前述した転落抽選処理(図17)における転落時情報設定処理(S1709)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の転落時情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、RWMの遊技状態表示番号領域に、低確率状態を示す番号をセーブする(S1801)。
次に、遊技制御装置500は、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(S1802)。
さらに、遊技制御装置500は、停電復旧後に停電前の遊技状態に復旧できるようにRWMの停電復旧時送信コマンド領域に低確率状態である確率情報コマンドをセーブする(S1803)。
最後に、遊技制御装置500は、低確率状態である確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためにコマンド設定処理を実行して(S1804)、転落時情報設定処理を終了する。
〔小当りフラグ設定処理〕
続いて、前述した特図変動開始処理(図16)における小当りフラグ設定処理(S1603a、S1603b)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ設定処理の手順を示すフローチャートである。図19Aは小当りフラグ1設定処理のフローチャートで、図19Bは小当りフラグ2設定処理のフローチャートである。
図19Aを参照して、特図1変動開始処理1で実行される小当りフラグ1設定処理について説明する。
遊技制御装置500は、まず、RWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(S1901a)。そして、小当り1フラグ設定処理の前に実行されるS1602aの大当り1フラグ設定処理の結果、大当りフラグ1が大当りか否かをチェックする(S1902a)。
そして、大当りである場合は(S1903aの結果が「Y」)、遊技制御装置500は、小当りフラグ1ははずれ情報を保持した状態で、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S1911a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、大当りでない場合は(S1903aの結果が「N」)、遊技制御装置500は、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードして、準備する(S1904a)。
本発明の第1の実施の形態では、小当り判定に用いる小当り乱数は、大当り判定に用いる大当り乱数を併用する。なお、大当り乱数とは別に小当り乱数を設定してもよい。また、小当りとなる確率は、大当りとなる確率よりも大きく設定され、例えば、大当り確率が1/399に対して、小当り確率は1/100とする。
さらに、遊技制御装置500は、特図1判定データを準備して(S1905a)、小当り乱数値、すなわち、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かを判定する小当り判定処理を実行する(S1906a)。そして、判定結果が小当りにならない場合は(S1907aの結果が「N」)、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S1911a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、判定結果が小当りになる場合は(S1907aの結果が「Y」)、遊技制御装置500は、小当りフラグ1領域のはずれ情報を小当り情報に置き換えてセーブする(S1908a)。
続いて、遊技制御装置500は、S1601aの転落抽選処理の結果、転落抽選に当選して遊技状態が高確率状態から低確率状態に転落するか否かを判定し(S1909a)、転落しない場合は(S1909の結果が「N」)、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアして(S1911a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、転落する場合は(S1909の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、確率状態を報知する確率状態報知設定処理を実行して(S1910)、RWMの特図1用大当り乱数セーブ領域を0クリアした後(S1911a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
なお、図19Bの小当りフラグ2設定処理についても、同様の手順で実行される。具体的には、S1901b〜S1911bの処理はそれぞれS1901a〜S1911aの処理に対応して、S1901b及びS1908bの処理で小当りフラグ2が処理対象となり、S1902bの処理で大当りフラグ2が処理対象となる。また、S1904b及びS1911bの処理で特図2用の大当り乱数セーブ領域が用いられ、S1905bの処理で特図2判定データが用いられる。
また、小当りフラグ1に対応するS1906aの小当り判定処理と、小当りフラグ2に対応するS1906bの小当り判定処理とでは、小当りとなる確率を変えてもよいし、同じにしてもよい。例えば、特図1変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/100と設定して、特図2変動表示ゲームにおいて小当りとなる確率を1/200と設定する。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔確率状態報知処理〕
図20は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550によって実行される確率状態報知処理の手順を示すフローチャートである。確率状態報知処理は、遊技制御装置500によって特図変動開始処理1(S1511、S1513)が実行された後に、実行される処理である。
演出制御装置550は、まず、確率状態を報知するためのデータを受信しているか否かを判定する(S2001)。確率状態報知データは、遊技制御装置500によって前述した確率状態報知設定処理(S1910a、S1910b)で設定される。
そして、確率状態報知データを受信していない場合は、演出制御装置550は、確率状態報知処理を終了する。
一方、確率状態報知データを受信している場合は、演出制御装置550は、特図変動表示ゲーム終了後に確率状態を報知するように設定して(S2002)、確率状態報知処理を終了する。
〔小当り開放設定処理〕
図21は、本発明の第1の実施の形態の小当り開放設定処理のフローチャートである。小当り開放設定処理は、ファンファーレ/インターバル中に実行される処理である。
演出制御装置550は、まず、小当りか否かを判定する(S2101)。そして、小当りでない場合は(S2101の結果が「N」)、小当り開放設定処理を終了する。
小当りである場合は(S2101の結果が「Y」)、演出制御装置550は、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S2102)。
そして、大当りの確率状態が高確率状態である場合には(S2102の結果が「Y」)、演出制御装置550は、1回につき特別変動入賞装置42の開閉扉42aを3秒間開放して、これを2回実行するように設定して(S2103)、小当り開放設定処理を終了する。
また、大当りの確率状態が高確率状態でない場合には(S2102の結果が「N」)、演出制御装置550は、1回につき特別変動入賞装置42の開閉扉42aを0.5秒間開放して、これを2回実行するように設定して(S2104)、小当り開放設定処理を終了する。
〔小当り確変報知処理〕
図22は、本発明の第1の実施の形態の小当り確変報知処理について説明する図である。図22(A)はフローチャートであり、図22(B)はタイミングチャートである。
まず、図22(A)を参照して、小当り確変報知処理のフローチャートについて説明する。
演出制御装置550は、遊技状態が確変状態(普電サポート状態、かつ、大当りの発生確率が高い状態)であるか否かを判定する(S2201)。
そして、遊技状態が確変状態である場合は(S2201の結果が「Y」)、演出制御装置550は、遊技状態を曖昧モードで報知しているか否かを判定する(S2202)。
遊技状態を曖昧モードで報知している場合は(S2202の結果が「Y」)、演出制御装置550は、小当りか否かを判定して(S2203)、小当りである場合に(S2203の結果が「Y」)、大当りの確率状態が低確率状態から突然高確率に突入するように見せかける突確表示を設定する(S2204)。
なお、遊技状態が確変状態でない場合(S2201の結果が「N」)、遊技状態を曖昧モードで報知していない場合(S2202の結果が「N」)、又は、小当りでない場合(S2203の結果が「N」)は、演出制御装置550は、何も設定せずに小当り確変報知処理を終了する。
次に、図22(B)を参照して、前述した小当り確変報知を実行するタイミングについて説明する。
ここで、図22(B)の上段は、遊技機1の実際の遊技状態を示し、下段は、遊技者に報知する遊技状態を示す。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合、本発明の第1の実施の形態では大当り終了後に遊技状態が確変状態となる。しかし、遊技者には遊技状態が確変状態であることを報知しない。このとき、遊技者への報知は曖昧モード表示(図24(A)参照)とする。
そして、この間に実行される特図変動表示ゲームの結果が小当りになった場合は、突確表示を行った後、確変状態表示に切り替える。これにより、小当りを契機に確率状態が突然確変状態に移行したような演出にすることができる。
〔転落演出表示抽選処理〕
図23は、本発明の第1の実施の形態の転落演出表示抽選処理のフローチャートである。転落演出表示抽選処理は、特図変動表示ゲームの実行に対応して実行される。
演出制御装置550は、普電サポート中である場合に転落演出表示を実行するか否かを抽選する(S2301)。具体的には、1/30の確率でこの抽選に当選する。抽選は、演出制御装置550において乱数を発生させ、乱数と判定値とが1/30の確率で一致するように設定すればよい。
そして、普電サポート中でない場合、又は、普電サポート中であっても転落演出表示の抽選に外れた場合は(S2301の結果が「N」)、演出制御装置550は、転落演出表示抽選処理を終了する。
一方、転落演出表示抽選に当選した場合は(S2301の結果が「Y」)、演出制御装置550は、すでに転落演出表示を実行した回数が2回以上であるか否かを判定する(S2302)。
そして、転落演出表示を実行した回数が2回未満、すなわち、今回の転落演出表示が1回目もしくは2回目になる場合は(S2302の結果が「N」)、演出制御装置550は、そのまま転落演出表示を行うよう設定して(S2306)、転落演出表示抽選処理を終了する。
一方、転落演出表示を実行した回数が2回以上、すなわち、今回の転落演出表示が3回目以降になる場合は(S2302の結果が「Y」)、演出制御装置550は、遊技状態が大当りの発生確率が高確率である確変状態であるか否かを判定する(S2303)。
そして、大当りの発生確率が高確率状態である場合は(S2303の結果が「Y」)、演出制御装置550は、さらに80%の確率で転落演出表示を行うように設定して(S2304)、転落演出表示抽選処理を終了する。
また、大当りの発生確率が低確率状態である場合は(S2303の結果が「N」)、演出制御装置550は、さらに1%の確率で転落演出表示を行うように設定して(S2305)、転落演出表示抽選処理を終了する。
なお、転落演出表示が実行された回数のカウントは、大当り後の特図変動表示ゲームに対応して普電サポートが100回実行されるとリセットされる。
本発明の第1の実施の形態では、大当りになると、特別遊技状態が終了した後、特図変動表示ゲームが100回実行されるまでの間、普電サポートが実行される。ここで、転落演出表示抽選の当選確率は1/30であるので、普電サポート中に転落演出表示抽選に当選する回数は3回程度と考えられる。そこで、3回以上の転落演出表示は、大当りの発生確率状態が低確率状態のときはほとんど実行されないように制御される。
このように転落演出表示を制御することで、普電サポート中に転落演出表示が3回行われる場合は、演出は転落演出表示であっても、遊技状態が大当りの発生確率が高確率である確変状態である可能性が高くなる。
本発明の第1の実施の形態では、転落演出表示抽選処理は、遊技制御装置500によって実行される転落抽選処理(図17)の抽選結果に関係なく、転落演出表示を実行するか否かを決定している。すなわち、転落演出表示抽選に当選しても、転落演出表示が実行されるだけで実際に転落しない場合がある。逆に、実際に転落する場合であっても、転落演出表示が実行されない場合もある。なお、実際に転落する場合には必ず転落演出表示が実行されるようにしてもよい。
〔画面表示〕
続いて、前述した転落演出表示抽選処理(図23)が実行される結果、表示装置48に表示される画面遷移について、図24を参照して説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の画面表示の一例を示す図である。
図24(A)は、確率状態の報知モードが曖昧モードであるときの画面表示である。前述したように大当りになった結果、遊技状態が確変状態になっても遊技者への報知を行わないので、表示装置48には図24(A)に示す画面が表示される。
図24(B)は、転落演出表示を実行したときの画面表示である。前述した転落演出表示抽選処理において転落演出表示を行うように設定された場合に、表示装置48には図24(B)に示すような転落をイメージさせる画面が表示される。
図24(C)は、普電サポートが終了したときの画面表示である。
上段は、普電サポート中に転落演出表示が3回以上実行された場合の画面表示である。前述したように、100回の普電サポート中に転落演出表示が3回以上実行される場合は、遊技状態は大当りの発生確率が高い確変状態である可能性が高い。このため、表示装置48には図24(C)上段に示すような遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを報知する画面が表示される。
下段は、普電サポート中に転落演出表示が実行された回数が2回以下であった場合の画面表示である。このときは、転落演出表示が3回以上実行された場合とは逆に、遊技状態は大当りの発生確率が低い通常状態である可能性が高い。このため、表示装置48には図24(C)下段に示すような遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを報知する画面が表示される。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、特図変動表示ゲームの大当りを契機に、遊技状態は、大当りの発生確率が低い低確率状態(通常状態)から大当りの発生確率が高い高確率状態(確変状態)に移行する。そして、転落抽選に当選した場合に、確率状態が高確率状態から低確率状態に戻る。このため、大当り後に規定回数の普電サポートが実行された後も、転落抽選に当選していなければ確率状態は高確率状態が維持される。よって、普電サポート状態が終了してしまっても、遊技状態は高確率状態の可能性がある。また、高確率状態から低確率状態に転落する可能性もある。さらに、このとき遊技者には、確率状態が判らないように曖昧に報知する。これにより、遊技者は、普電サポート状態の終了を判断した後も、高確率状態が続いていることを期待することができるので、遊技者の遊技意欲が高まる。また、普電サポート終了後も高確率状態の可能性や転落する可能性やこれらに係る演出表示によって様々な態様が生じるので、遊技の興趣が高まる。よって、遊技の稼働率を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、特図変動表示ゲームで大当りにならない場合に小当りを発生させることが可能である。そして、前述した特図変動開始処理において、転落抽選と同時に小当り判定を実行する。ここで、転落抽選に当選した場合は、小当りとなるときに限って、確率状態が高確率状態から低確率状態になることを遊技者に報知する。このため、遊技者は、確率状態が低確率状態であることを報知されるが、小当り分の賞球を得ることができるので、転落による失望感が軽減される。
さらに、転落抽選は、大当り判定とも同時に実行することが可能である。これにより、確率状態が低確率状態になっても、大当り分の賞球を得ることができるので、転落による失望感が軽減される。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、小当りに対応する特別変動入賞装置42の開放時間は、前述した小当り開放設定処理において、確率状態によって異なるよう制御される。このため、遊技者は、特別変動入賞装置42の開放態様を見ることで、確率状態を判断することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、大当りの発生を契機に遊技状態が確変状態になっても遊技者には判らないように曖昧に報知する。そして、このときに小当りが発生した場合は、遊技者に遊技状態が確変状態であることを報知する。このため、小当りの発生を契機に遊技状態が確変状態になったかのように遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技意欲が高まる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、普電サポート中に転落演出表示抽選が実行される。そして、転落演出表示が実行される確率は、実行回数及び確率状態によって異なる。例えば、転落演出表示が所定回数以上実行される場合は、高確率状態である可能性が高くなるように制御する。これにより、普電サポート中に転落演出表示が所定回数以上実行される場合は、表示が転落であっても実際の遊技状態が高確率状態であることを遊技者に期待させることができる。このため、転落演出表示が実行されても、遊技者を失望させることなく、遊技者の遊技意欲を継続させることができる。
(第1の実施の形態の変形例)
図25は、本発明の第1の実施の形態の変形例において、特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合の大当り図柄の振り分けパターンの一例を示す表である。
本発明の第1の実施の形態では、特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合に、大当り図柄に関係なく普電サポート回数を100回と設定していたが、変形例では、15R確変の大当り図柄に対しては普電サポート回数を100回、12R確変の大当り図柄に対しては普電サポート回数を50回に設定する。
これにより、大当りの図柄が15Rの場合は、12Rの場合に比べて普電サポート回数が倍になるので、大当りの中でも15Rになったときの喜びが大きい。大当りが発生した場合に付与される特典(普電サポート回数)を図柄毎に変えることで、大当り図柄の振り分けパターン間に大当り価値の大小が生じるので、遊技の興趣がさらに高まる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と、確率状態の報知処理が異なる。第2の実施の形態では、大当り発生後の遊技状態が確変状態である場合に、転落抽選に当選することなく普電サポートを終えたときは、普電サポート終了後に遊技状態が高確率状態であることを報知する。また、普電サポート中に転落抽選に当選した場合は、当選したときの特図変動表示ゲームにおいてのみ確率状態が低確率状態になったことを報知する転落演出表示を実行する。
〔電サポ終了処理〕
図26は、本発明の第2の実施の形態の電サポ終了処理のフローチャートである。電サポ終了処理は、演出制御装置550によって特図変動表示ゲームの実行に対応して実行される。
演出制御装置550は、まず、普電サポートが今回で終了であるか否かを判定する(S2601)。そして、普電サポート状態が終了し、かつ、高確率状態である場合に(S2601の結果が「Y」、かつ、S2602の結果が「Y」)、遊技状態が高確率状態であることを報知する高確率状態報知処理を実行して(S2603)、電サポ終了処理を終了する。なお、S2603の高確率状態報知処理は、所定の確率で実行されるようにしてもよい。さらに、普電サポート回数が規定回数に達する特図変動表示ゲームにおいてのみ高確率状態報知処理を実行するようにしてもよい。
また、演出制御装置550は、普電サポートが終了しない場合(S2601の結果が「N」)、又は、普電サポートが終了する場合であっても高確率状態でない場合(S2602の結果が「N」)は、電サポ終了処理を終了する。
前述の高確率状態報知処理(S2603)が実行されない場合は、本発明の第1の実施の形態と同様に、普電サポート中は曖昧モード表示が実行される。
〔転落演出表示処理〕
図27は、本発明の第2の実施の形態の転落演出表示処理のフローチャートである。転落演出表示処理は、演出制御装置550によって特図変動表示ゲームの実行に対応して実行される。
演出制御装置550は、まず、普電サポート状態であるか否かを判定する(S2701)。そして、普電サポート中であって、かつ、転落抽選に当選した場合は(S2701の結果が「Y」かつS2702の結果が「Y」)、今回の特図変動表示ゲームにおいてのみ転落演出表示を実行して(S2703)、転落演出表示処理を終了する。
また、演出制御装置550は、普電サポート中でない場合(S2701の結果が「N」)、又は、普電サポート中であっても転落抽選に当選していない場合(S2702の結果が「N」)は、転落演出表示処理を終了する。
ここで、転落演出表示は、第1の実施の形態では、実際に転落抽選に当選するか否かに関係なく実行されているが、第2の実施の形態では、実際に転落抽選に当選した場合にのみ実行される。
以下に、前述した転落演出表示処理(図27)における転落演出表示(S2703)の態様について説明する。
〔転落演出表示1〕
図28は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50における転落演出表示の一例を示す図である。
一括表示装置50においてS2703の処理による転落演出表示が実行される場合は、特図2表示器52の7セグメント型の表示器のセグメントの傍に設けられるドットの形をした8番目のセグメントを点灯もしくは点滅させることによって、確率状態が転落によって高確率状態から低確率状態になることを報知する。
〔転落演出表示2〕
続いて、図29〜図31を参照して、本発明の第2の実施の形態の遊技盤10において遊技球を使った転落演出表示について説明する。
図29は、本発明の第2の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
本発明の第2の実施の形態の遊技盤10には、第1の実施の形態から、表示装置48の上方に配置される回転体400と、回転体400の左側に配置される第2大入賞口142と、第2大入賞口142から回転体400に遊技球を供給する供給通路401と、が追加して設けられる。
ここで、第2大入賞口142は、前述した特別変動入賞装置42の開閉扉42aを有する大入賞口と関連して、大入賞口の開放と連動して開放される。そして、第2大入賞口142に入賞した遊技球は、供給通路401に溜められる。回転体400には、確率状態を示す溝が設けられており、供給通路401から回転体400の確率状態が低確率状態であることを示す溝に遊技球を転がして嵌めることで、確率状態が低確率状態になることを報知する。さらなる詳細は、図30及び図31を参照して後述する。
ここでは、第2大入賞口142に入賞した遊技球を使うが、確率状態の報知に使用する遊技球は1つなので、供給通路401に溜められる遊技球は1つである。入賞した残りの遊技球は、図面中に点線矢印で示すように、遊技盤10の裏に設けられた通路を通って流下して特別変動入賞装置42に入賞した遊技球と合流する。また、転落演出表示に使用する球は、遊技球に限らない。本演出用に封入球を使用してもよい。
〔転落演出表示の作用〕
図30は、本発明の第2の実施の形態の転落演出表示の作用について説明する図である。
回転体400には、確率状態を示す溝A〜Dが設けられており、それぞれ「通常確定」、「高確率確定」、「高確率可能性低い」、「高確率可能性高い」ことを表す。第2大入賞口142に入賞した遊技球は、供給通路401に1つ溜められる。供給通路401に溜められているか否かは、第2入賞球検出センサ142dによって判定することができる。そして、供給通路401の遊技球が回転体400の方へ転がらないようにストッパ401aで通路が遮られている。
遊技球は、転落演出表示の実行指示によってストッパ401aが外されると、回転体400に向かって供給通路401を転がる。このとき回転体400は、供給通路401と溝Aとが連続するように、回転して溝位置を合わせておく。そして、遊技球は、溝Aに嵌まる。これにより、確率状態が通常状態(低確率状態)になったことが報知される。
なお、この演出は、転落演出表示に限らず、現在の遊技状態を報知するために用いることもできる。また、遊技状態を曖昧に報知する曖昧モード表示として、回転体400の溝C又は溝Dに遊技球を入れることも可能である。
〔転落演出表示のタイミングチャート〕
図31は、本発明の第2の実施の形態の転落演出表示を実行するタイミングチャートである。上段は、始動口スイッチによる入賞検出を示す、下段は、特図変動表示ゲームの実行タイミングを示す。
始動口に入賞した始動記憶Aが転落抽選に当選すると、対応する特図変動表示ゲーム後の図柄停止時間が長く設定される。そして、その停止時間に実球による転落演出表示が実行される。
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、遊技状態が確変状態であって、転落抽選に当選することなく普電サポート状態を終えた場合には、遊技者に遊技状態が大当りの発生確率が高い高確率状態であることを報知する。このため、遊技者は、普電サポート中の転落を逃れた喜びと確率状態が高確率状態であると知る喜びを得ることができる。
また、高確率状態の報知は、普電サポートが終了する最後の特図変動表示ゲームでのみ実行してもよい。これにより、この時点で遊技を行っている遊技者にのみ確率状態を報知するので、後に同じ遊技機で遊技を行う遊技者には確率状態が判らない。このため、後の遊技者は、遊技状態が高確率状態である期待をもって遊技を行うことができ、遊技の興趣が高まる。
本発明の第2の実施の形態によれば、普電サポート中は遊技者に遊技状態を曖昧に報知しているが、この間に転落抽選に当選して確率状態が高確率状態から低確率状態に転落する場合は、転落抽選に当選した始動記憶に対応する特図変動表示ゲームにおいてのみ転落演出表示が実行される。そして、転落演出表示が実行された後は、再び曖昧モード表示が実行される。このとき遊技を行っていた遊技者は、転落演出表示後に曖昧モード表示に切り替わったとしても、確率状態が低確率状態になっていることが判るので、遊技を継続するか否か判断し易い。そして、この遊技者が遊技機から離れてしまっても、この遊技機の遊技状態の報知は曖昧モード表示であるため、別の遊技者が高確率状態である期待をもって遊技を開始する可能性が高い。その結果、遊技機の稼働率が向上する。
そして、確率状態が高確率状態から低確率状態に転落することを演出する転落演出表示は、単に画面表示のみで済ますのではなく、実球を用いた演出がなされる。このため、遊技者は、遊技状態が移行したことを容易に理解できる。
また、実球を用いた演出は、特図変動表示ゲームの図柄停止時間を通常よりも長く設定して実行される。このため、遊技者は、図柄が停止しているので転落演出表示に集中することができ、演出を楽しむことができる。
(第2の実施の形態の変形例)
続いて、本発明の第2の実施の形態の変形例について説明する。本発明の第2の実施の形態の変形例では、第2の実施の形態で回転体400に嵌めた遊技球(演出球)が、表示装置48の表示領域の上から下に向かって落ちる演出を追加する。
〔転落演出表示3〕
図32は、本発明の第2の実施の形態の変形例の転落演出表示の一例である。
本発明の第2の実施の形態の変形例では、回転体400の溝に入った遊技球が落下する演出を実行する。この演出は、表示装置48の前面に演出球が通る演出球通路403を上下方向に設けて、実際に実球を落下させてもよいし、表示装置48で映像球が落下する画面を表示してもよい。
ここで、図33を参照して、実球を用いる場合について説明する。図33は、本発明の第2の実施の形態の変形例の演出球通路403について説明する図である。
本発明の第2の実施の形態の変形例の遊技盤10には、第2の実施の形態からさらに、表示装置48の前方で、センターケース46のステージ部46aの後方に、クリア板404が設けられ、両者間に演出球通路403が形成される。クリア板404をコの字型にすれば、演出球通路403を通る実球を直下させることができる。
このように、転落に絡んで表示装置48の上から下に向かって演出球が落ちる演出を実行することで、遊技者は、転落抽選に当選したことを容易に理解することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。