以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は複数の遊技状態からなり、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)などが考えられる。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置などを設け、当該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘47などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
センターケース46の窓部右方には、第1可動役物100が設けられる。第1可動役物100は、遊技の進行に応じて表示装置48の前方を覆うように表示装置48の表示領域中央に向かって動作する。また、センターケース46の窓部左方には、第2可動役物200が設けられる。第2可動役物は、遊技の進行に応じて表示装置48の前方を覆うように表示装置48の表示領域中央に向かって動作する。第1可動役物100及び第2可動役物200についての詳細は、図28以降に後述する。
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路46bを通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターケース46の右下側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれ、センターケース46の上方を通過して右側の遊技領域を流下する遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると(所定条件の成立)、普図変動表示ゲーム(所定遊技)が実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側の普図始動ゲート34の下方には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(特定結果)となった場合には、駆動装置(駆動機構)としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、普図変動表示ゲーム及び可動部材38aは、後述する遊技制御装置500(図3参照)によって制御される。遊技制御装置500は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに遊技領域10aの第1始動入賞口37の右側には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、遊技領域10aの最下部には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部51〜60が設けられている。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘47や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、アウト口43へ流入し遊技領域10aから排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると(所定条件の成立)、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲーム(所定遊技)が実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を所定期間表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(表示装置48、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、実行権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が16R当りや4R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。本発明では、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチに対応するリーチとして、リーチA、リーチB、リーチC、リーチD(表示バトル演出)、リーチE(役物バトル演出)が設定されている。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S701)や特図普段処理(S709)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(払出制御コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、図示しないカードユニットからの貸出要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ(操作手段SW31a)や盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ31bのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
また、演出制御装置550は、遊技場で隣接して配置された遊技機1の演出制御装置550と通信可能である。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1.6秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は9回)継続する(繰り返す)制御(ラウンド遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置500による制御のうちメイン処理について説明する。図5Aは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図5Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図5BのS541〜S545の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図5BのS517〜S523)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S517)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S518)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S519)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S520)。高確率でないと判定された場合には(S520の結果が「N」)、S523以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S520の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S521)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDをオン(点灯)に設定する(S522)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S523)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S541)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S542)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S543)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定する(例えばセキュリティ信号を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする)(S544)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S545)、S524以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S523又はS545の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S524)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S525)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S526)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S527)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S528)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S529)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S530の結果が「N」)、S528の初期値乱数更新処理を再び実行し、S528からS530までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S528)の前に割り込みを許可(S527)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S528)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S530の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS529の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S531)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S531の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S531の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S532〜S538)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S532)、全出力ポートをオフに設定する(S533)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S534)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S535)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S536)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S537)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S538)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S601)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS601の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S602)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S603)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S604)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S605)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S606)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S607)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S608)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図7にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S609)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S610)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S611)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S612)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S613)。その後、S601の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S614)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S615)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S608)の詳細について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S701)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図8にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S702)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S703)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S709〜S715)を実行するときに初期値がセットされ、S703の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S709;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S704の結果が「N」)、S716以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S704の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S705)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S706)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S707)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S708)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S708の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S709)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図11にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S708の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S710)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S708の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S711)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。なお、特図表示中処理の詳細については、図17A及び図17Bにて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S708の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S712)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S708の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S713)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S708の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S714)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S708の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S715)。大当り終了処理は、S709の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、大当り終了処理の詳細については、図18にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S716)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S717)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S718)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S719)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における始動口スイッチ監視処理(S701)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S801)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S802)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S803)。普通電動役物が作動中である場合には(S803の結果が「Y」)、S806以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S803の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S804)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S805)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S804及びS805の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S805の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S805の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S806)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S807)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図8)における特図始動口スイッチ共通処理(S802、S807)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S901、S902)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S902の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S902の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S903)。そして、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出した大当り乱数をロードして準備する(S904)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S905)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S906、S907)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S907の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S908)。
遊技制御装置500は、S908の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S907の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S909、S910)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S910の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S911)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S912)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S913)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S914)。
次に、遊技制御装置500は、S911で更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S915)。
続いて、遊技制御装置500は、S904の処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S916)、対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)して準備する(S917)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S918)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数セーブ領域にセーブする(S919)。変動パターン乱数は、例えば、変動パターンを設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
また、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である特図保留情報判定処理を実行する(S920)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図10にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S910の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S931、S932)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S932の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S933)、コマンド設定処理を実行して(S934)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S932の結果が「N」)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図9)における特図保留情報判定処理(S920)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、保留中の始動記憶が先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックし(S1001)、判定する(S1002)。先読み演出を実行してよい条件とは、例えば、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであること、又は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dである場合には普電サポート中又は大当り中でないこと、である。このような条件にすることで、特図変動表示ゲームの実行にあたり、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームの実行に優先させて実行させることができる。
そして、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S1002の結果が「Y」)、大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1003)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(S1004)。
そして、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1004の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定する(S1005)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当り時の識別図柄を特定する図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている情報テーブルのアドレスや大当り乱数の判定値に応じた大当り種類の振り分け率が定義されている。
次に、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、演出内容を選択するためのテーブルとして設定する(S1006)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1004の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1007)。
続いて、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、RWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1008)。さらに、設定した情報テーブルから始動入賞演出図柄コマンドを取得し、RWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1009)。
次に、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備した後(S1010)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(S1011)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1012)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(S1013)。
そして、遊技制御装置500は、前述の変動パターン設定処理(S1013)で準備された変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE、ACTION)を準備した後(S1014)、コマンド設定処理を実行する(S1015)。
続いて、遊技制御装置500は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1016)、コマンド設定処理を実行する(S1017)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1014の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらにS1016の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始のタイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における特図普段処理(S709)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1101、S1102)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1102の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1103、S1104)。このように、特図2保留数のチェック(S1101)を、特図1保留数のチェック(S1103)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1104の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1105、S1106)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1106の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1107)。続いて、客待ちデモコマンドを準備して(S1108)、演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1109)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1106の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1110以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1110)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理1の詳細については、図21にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1102の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1111)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1112)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、特図2変動開始処理1の詳細については、図13にて後述する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1104の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1113)。そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1114)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。なお、特図1変動開始処理1の詳細については、図12にて後述する。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図11)における特図1変動開始処理1(S1113)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための対応する大当りフラグ1(特図1用)に、大当り乱数の判定によってはずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1201)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける特図1停止図柄の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1202)。
その後、遊技制御装置500は、特図1停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1203)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された図柄情報をRWMの特図1に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(S1204)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)を設定して準備し(S1205)、その後RWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1206)。続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定する特図1用のテーブルを準備する(S1207)。
そして、遊技制御装置500は、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行し(S1208)、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のパターンを設定する変動パターン設定処理を実行した後(S1209)、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行して(S1210)、特図1変動開始処理1を終了する。なお、変動パターン設定処理についての詳細は、図14にて後述する。
〔特図2変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図11)における特図2変動開始処理1(S1111)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
特図2変動開始処理1は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1変動開始処理1と同様の手順で遊技制御装置500によって実行される。具体的には、S1301〜S1310の処理はそれぞれS1201〜S1210の処理に対応して、S1301の処理で大当りフラグ2が処理対象となり、S1302及びS1303の処理で特図2停止図柄が処理対象となり、S1305及びS1306の処理で特図2変動フラグが処理対象となる。さらにS1307の処理で特図2用のテーブルが処理対象となる。
〔変動パターン設定処理〕
続いて、前述した特図保留情報判定処理(図10)における変動パターン設定処理(S1013)、特図1変動開始処理1(図12)における変動パターン設定処理(S1209)及び特図2変動開始処理1(図13)における変動パターン設定処理(S1309)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置500は、特図ゲームモードフラグ領域をチェックして(S1401)、高確率フラグ及び時短フラグが設定されているか否か、すなわち遊技状態が高確率かつ電サポ状態であるか否かを判定する(S1402)。高確率フラグ及び時短フラグは、後述する大当り終了設定処理2のS1905で設定されるフラグである。
そして、遊技制御装置500は、高確率フラグ及び時短フラグが設定されていない場合には(S1402の結果が「N」)、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報かチェックして判定する(S1403、S1404)。図柄情報は、前述のS1008の処理、S1204の処理又はS1304の処理でRWMの特図に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブされている。
遊技制御装置500は、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報である場合には(S1404の結果が「Y」)、はずれ変動パターン選択テーブル(通常時用)のアドレスを取得して準備する(S1405)。また、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報でない場合、すなわち当り図柄情報である場合には(S1404の結果が「N」)、当り変動パターン選択テーブル(通常時用)のアドレスを取得して準備する(S1406)。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグ及び時短フラグが設定されている場合にも(S1402の結果が「Y」)、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報かチェックして判定する(S1407、S1408)。
そして、遊技制御装置500は、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報である場合には(S1408の結果が「Y」)、はずれ変動パターン選択テーブル(特殊演出用)のアドレスを取得して準備する(S1409)。また、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報でない場合、すなわち当り図柄情報である場合には(S1408の結果が「N」)、当り変動パターン選択テーブル(特殊演出用)のアドレスを取得して準備する(S1410)。
その後、遊技制御装置500は、前述の特図始動口スイッチ共通処理におけるS919の処理でRWMの変動パターン乱数セーブ領域にセーブした変動パターン乱数をロードし、準備して(S1411)、変動表示ゲームの変動態様を表す変動パターン乱数の振り分け値(変動パターン番号)を決める振分け処理を実行する(S1412)。ここで、変動パターン番号は、前述のS1405の処理、S1406の処理、S1409の処理、又はS1410の処理で準備した変動パターン選択テーブルを用いて決定される。変動パターン選択テーブルの詳細については、図15及び図16にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、取得した変動パターン番号をRWMの対象の変動パターン番号領域にセーブして(S1413)、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動パターン選択テーブル〕
図15は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理で用いる変動パターン選択テーブル振分テーブルである。本図は、前述の変動パターン設定処理で遊技状態に応じて準備される変動パターン選択テーブルを一覧表にまとめたものである。
まず、特図変動表示ゲーム後の遊技状態が通常状態の場合と、特図高確率状態かつ電サポ状態の場合とで変動パターン選択テーブルが振分けられる。さらに、対応する特図変動表示ゲームの結果がはずれになる場合と、当りになる場合とで変動パターン選択テーブルが振分けられる。
具体的には、遊技状態が通常状態の場合、特図変動表示ゲームの結果がはずれのときははずれ変動パターン選択テーブル(通常時用)が用いられ、当りのときは当り変動パターン選択テーブル(通常時用)が用いられる。また、遊技状態が特図高確率状態かつ電サポ状態の場合、特図変動表示ゲームの結果がはずれのときははずれ変動パターン選択テーブル(特殊演出用)が用いられ、当りのときは当り変動パターン選択テーブル(特殊演出用)が用いられる。
続いて、図16を参照して変動パターン選択テーブルの内容について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理で用いる変動パターン選択テーブルの一例である。図16(A)は通常時用、すなわち前述の変動パターン設定処理のS1402の処理の結果が「N」の場合に用いられる変動パターン選択テーブルであり、図16(B)は特殊演出用、すなわち前述の変動パターン設定処理のS1402の処理の結果が「Y」の場合に用いられる変動パターン選択テーブルである。
ここで変動パターンは6パターンあり、図16(A)に示すように通常時用のはずれ変動パターン選択テーブルでは高い確率で通常変動が選択される。また、通常時用の当り変動パターン選択テーブルでは通常変動ではなく必ずリーチ演出A〜Eのいずれかに振り分けられる。
図16(B)に示すように特殊演出用のはずれ変動パターン選択テーブルでは99.8%の確率で通常変動が選択され、0.2%の確率でリーチ演出Eが選択される。また、特殊演出用の当り変動パターン選択テーブルでは、100%の確率でリーチ演出Eが選択される。
このように、遊技状態が高確率かつ電サポ状態の場合のリーチ演出は、必ず役物(第1可動役物100及び第2可動役物200)を用いたリーチ演出Eが選択される。そして、遊技結果がはずれの場合にリーチ演出Eが選択される確率は0.2%である。また、遊技状態が通常状態の場合においても遊技結果がはずれであればリーチ演出Eが選択される確率は0.05%である。よって、本発明の第1の実施の形態では、リーチ演出Eの実行は遊技結果がほぼ大当りになることを示す。第1可動役物100及び第2可動役物200を用いたリーチ演出Eについての詳細は、図28以降で後述する。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における特図表示中処理(S711)の詳細について説明する。図17Aは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図17Bは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S1701)、大当りフラグ2領域をクリアする(S1702)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S1703)、大当りであるか否かを判定する(S1704)。そして、大当りと判定された場合には(S1704の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1710)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1711)。特図2大当りの開始に関する信号には、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄2当り信号をONにしたりすることが含まれる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1704の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(S1705)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1が設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1706)。
続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(S1707)、大当りであるか否かを判定する(S1708)。そして、大当りと判定された場合には(S1708の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1709)。特図1大当りの開始に関する信号には、特図2大当りの場合と同様に、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄1当り信号をONにしたりすることが含まれる。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1709)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1711)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S1712)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S1713)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S1714)。
このように、ラウンド数上限値テーブル上には、ラウンド数上限値及びラウンドLEDポインタが定義される。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S1715)、コマンド設定処理を実行する(S1716)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報をRWMからロードし、当該図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S1717)、コマンド設定処理を実行する(S1718)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、16R確変大当りと4R通常大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S1719)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S1720)。
次に、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブするとともに、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号もRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S1721)。
さらに、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S1722)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1723)。
その後、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞数をセーブしている大入賞口不正入賞数領域をリセットし(S1724)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S1725)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(S1726)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、特図ゲーム処理においてファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、大当り終了処理(図18)におけるS1807の処理で特殊演出情報(振分用)領域にセーブされた特殊演出情報(設定用)をクリア(0クリア)したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(一括表示装置50のエラー表示部58)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示部58)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1708の結果が「N」)、遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S1730)。遊技状態が時短状態の場合には、所定のゲーム回数を消化すると、他の遊技状態に遷移するため、ゲームの消化回数を管理するための処理を行う必要がある。
遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態の場合には(S1730の結果が「Y」)、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了したため、時間短縮変動回数を1減算して更新する(S1731)。
そして、遊技制御装置500は、S1731の処理で更新された時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(S1732)。時間短縮変動回数が0の場合には(S1732の結果が「Y」)、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了することになるので、時間短縮終了時の確率情報コマンドを準備し(S1733)、コマンド設定処理を実行する(S1734)。そして、普図状態は非入賞容易状態(普電サポートなし)になるので、遊技状態を通常状態に移行して特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を実行し(S1735)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)では、遊技状態を時短状態から通常状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。なお、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)の詳細については、図22にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態でない、すなわち、遊技状態が確変状態又は通常状態である場合(S1730の結果が「N」)、もしくは、次回の特図変動表示ゲームも時短状態である場合(S1732の結果が「N」)には、遊技状態を遷移せずに特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1736)、特図表示中処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理1の詳細については、図21にて後述する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における大当り終了処理(S715)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納されている確率変動判定フラグが高確率突入フラグか否かをチェックし、判定する(S1801、S1802)。そして、確率変動判定フラグが高確率突入フラグでない場合には(S1802の結果が「N」)、大当り終了設定処理1を実行する(S1803)。大当り終了設定処理1の詳細については、図19にて後述する。また、確率変動判定フラグが高確率突入フラグである場合には(S1802の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(S1804)。大当り終了設定処理2の詳細については、図20にて後述する。
遊技制御装置500は、S1803もしくはS1804の大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S1805)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1806)。
そして、遊技制御装置500は、特殊演出情報(設定用)をロードして特殊演出情報(振分用)領域にセーブした後(S1807)、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理3(大当り終了時)を実行し(S1808)、大当り終了処理を終了する。なお、特図普段処理移行処理3(大当り終了時)の詳細については、図23にて後述する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理(図18)における大当り終了設定処理1(S1803)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S1901)。また、時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S1902)。さらに、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S1903)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S1904)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(S1905)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(S1906)。最後に、時短変動回数領域に時短変動回数の初期値をセーブし(S1907)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理(図18)における大当り終了設定処理2(S1804)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S2001)。また、高確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S2002)。さらに、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S2003)。
そして、遊技制御装置500は、高確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S2004)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S2005)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S2006)。最後に、次回大当りまで高確率状態が継続するため、時短変動回数領域をリセットし(S2007)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図11)における特図普段処理移行設定処理1(S1110)及び特図表示中処理(図17B)における特図普段処理移行設定処理1(S1736)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理1は、遊技状態を移行することなく特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号として「0」を設定し(S2101)、RWMの特図ゲーム処理番号領域にセーブする(S2102)。そして、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセットし(S2103)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブした後(S2104)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)〕
続いて、前述した特図表示中処理(図17B)における特図普段処理移行設定処理2(S1735)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理2は、遊技状態を時短状態から通常(低確率)状態に移行して特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号として「0」を設定し(S2201)、RWMの特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(S2202)。そして、時短の終了に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2203)。また、時短の終了に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2204)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(S2205)。そして、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブし(S2206)、さらにRWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(S2207)。
そして、遊技制御装置500は、RWMの停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(S2208)。また、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセットして(S2209)、特殊演出情報(振分用)領域もリセットする(S2210)。その後、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3(大当り終了時)〕
続いて、前述した大当り終了処理(図18)における特図普段処理移行設定処理3(S1808)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理3の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理3は、遊技状態を大当り状態を終了して特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号として「0」を設定し(S2301)、RWMの特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(S2302)。そして、大当りの終了に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2303)。また、大当りの終了に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2304)。
次に、遊技制御装置500は、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセットし(S2305)、大当りのラウンドLEDポインタ領域もリセットする(S2306)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(S2307)、特殊演出情報(設定用)領域をリセットした後(S2308)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
続いて、演出制御装置550による処理について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2401)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2402)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2403)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2404)、乱数初期化処理を実行する(S2405)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2406)。そして割込みを許可する(S2407)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2408)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2403)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S2409)。そして、演出ボタン31の操作タイミングや操作内容に応じた演出を行うボタン演出制御処理を実行する(S2410)。ボタン演出制御処理の詳細については、図41にて後述する。続いて、第1可動役物100及び第2可動役物200の動作演出を行う可動役物制御処理を実行する(S2411)。可動役物制御処理の詳細については、図35にて後述する。また、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2412)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2413)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2412)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S2414)。なお、1stシーン制御処理の詳細については、図27にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2415)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2416)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2417)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2418)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2419)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2420)、S2408の処理に戻る。以降、S2408からS2420までの処理を繰り返す。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S2501)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S2502)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S2503)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S2504)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S2505)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2506)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S2511)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S2507)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S2508)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2509)。システム周期待ちフラグは、説明を省略するが、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S2509の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2510)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S2511)、S2508の処理に戻る。以降、S2508からS2511までの処理を繰り返す。
〔通常ゲーム処理(2ndCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図25)における通常ゲーム処理(S2511)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)551で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S2601)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S2602)。次に、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S2603)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S2604)。
また、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S2605)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(S2414)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御/表示処理を実行する(S2606)。ここで2ndシーン制御/表示処理は、背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。そして、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S2607)。そして本処理を終了して、メイン処理のS2508に戻る。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図24)における1stシーン制御処理(S2414)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S2701)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S2701の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S2701の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S2702)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S2702の結果が「N」)、S2703〜S2706の処理を実行せずにS2707の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S2702の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S2703)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2710)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S2704)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S2704の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S2705)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S2706)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S2704の結果が「N」)、S2705及びS2706の処理を実行せずにS2707の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2412)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S2707)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S2708)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S2709)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S2710)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S2711)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S2712)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S2713)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S2714)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S2715)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S2716)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄コマンド受信処理(S2717)、保留数コマンド受信処理(S2718)、先読みコマンド受信処理(S2719)、及び確率情報コマンド受信処理(S2720)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。
続いて、遊技機1の第1可動役物100及び第2可動役物200を用いた役物バトル演出(図16のリーチ演出E)について説明する。本発明では、第1可動役物100及び第2可動役物200の動作によって特図変動表示ゲームの遊技結果(遊技結果A、遊技結果B)を報知する演出が行われる。ここで、遊技結果A及び遊技結果Bは、大当りの種類(第1大当り、第2大当り)である。役物バトル演出では、最終場面で第1可動役物100が動作した場合は第1大当り、第2可動役物200が動作した場合は第2大当りになることを報知する。なお、最終場面でどちらの役物も動作しない場合ははずれを報知する。
〔役物バトル演出例〕
次に、図28〜図31を参照して、リーチ演出E(役物バトル演出)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の第1可動役物100及び第2可動役物200が動作する前の初期状態を示す図である。図29は、本発明の第1の実施の形態の役物バトル演出の前半部分の第1パターンの演出遷移を示す図である。図30は、本発明の第1の実施の形態の役物バトル演出の前半部分の第2パターンの演出遷移を示す図である。図31は、本発明の第1の実施の形態の役物バトル演出の後半部分の演出遷移を示す図である。
図28に示すように、初期状態における第1可動役物100及び第2可動役物200は、表示装置48の左右側部に位置している。表示装置48では、画面中央に3つの識別情報が表示され、画面下方に特図1及び特図2にそれぞれ対応する始動記憶の保留数を表す保留玉が表示され、画面中央上方に第4図柄が表示される。ここでは画面下方左側に表示された保留玉にて特図1の始動記憶の保留数が4の状態を、画面下方右側に表示された保留玉にて特図2の始動記憶の保留数が2の状態を示している。そして、画面中央の識別情報がリーチ状態になり、リーチ演出E(役物バトル演出)が始まる。
図29(A)は、第1パターンの役物バトル演出の開始を示す図である。まず、第1可動役物100及び第2可動役物200が最大可動位置まで動作する。そして、図29(B)に示すように、双方が初期位置と最大可動位置の中間位置まで戻って対峙する。このとき遊技者に演出ボタン31の操作を促す促進演出が実行される。その後、図31の演出へと続く。
ここで図29(A)に示す第1可動役物100及び第2可動役物200が最大可動位置に動作した最大可動状態について説明する。前述の図2に示す動作前の初期状態から第1可動役物100は左に向かって動作し、第2可動役物200は右に向かって動作する。そして、第1可動役物100及び第2可動役物200は表示装置48の中央で互いが接触しない最大可動位置で動作を停止し、双方が最大可動状態となる。このとき、第1可動役物100及び第2可動役物200は、第1可動役物100の先端(手)が第2可動役物200の先端(手先の刃)よりも前方に動作するように前後方向の動作が決められている。また、表示装置48に表示される第4図柄は第1可動役物100及び第2可動役物200の動作によって被覆されることはない。
このように第1可動役物100及び第2可動役物200は互いが接触しないように動作範囲が規制されているので、接触による部品の破損を防止することができる。また、役物動作の検査を行う場合に、双方を同時に動作させて検査することができるので検査時間の短縮に効果的である。
図30(A)は、第2パターンの役物バトル演出の開始を示す図である。まず、第1可動役物100が最大可動位置まで動作する。このとき第2可動役物200は初期位置を維持する。そして、表示装置48では、最大可動位置の第1可動役物100に被覆されない左側領域に第1可動役物100が発したように見せるメッセージが表示される。例えば、「かかってこい」等、挑発して第2可動役物200に対戦をけしかけるメッセージが表示される。
そして、図30(B)に示すように、第1可動役物100が初期位置と最大可動位置の中間位置まで戻った後、図30(C)に示すように、今度は第2可動役物200が最大可動位置まで動作する。このとき第1可動役物100はさらに初期位置に戻る。そして、表示装置48では、最大可動位置の第2可動役物200に被覆されない右側領域に第2可動役物200が発したように見せるメッセージが表示される。例えば、「受けて立つ」等、第1可動役物100との対戦を受けるメッセージが表示される。
なお、第1可動役物100及び第2可動役物200が最大可動位置から戻る位置は初期位置でも中間位置でもどちらでもよい。図29の第1パターンでは第1可動役物100及び第2可動役物200が同時に動作するのに対し、図30の第2パターンでは第1可動役物100及び第2可動役物200が交互に動作すればよい。役物の動作順、戻る位置やメッセージの表示内容及び表示態様に応じて、大当りの期待度を示唆してもよい。
最後に、図30(D)に示すように、第2可動役物200は初期位置と最大可動位置の中間位置まで戻る。第1可動役物100は初期位置から中間位置まで動作し、双方が中間位置で対峙する。このとき遊技者に演出ボタン31の操作を促す促進演出が実行される。その後、図31の演出へと続く。
図31は役物バトル演出の後半部分の演出遷移を示すが、ここでは遊技結果に対応したパターンが設けられている。図31(A)は第1大当りになる場合の演出遷移を示し、図31(B)は第2大当りになる場合の演出遷移を示し、図31(C)ははずれになる場合の演出遷移を示す。
図31(A)に示すように、遊技結果が第1大当りになる場合には、図29(B)又は図30(D)の状態から第1可動役物100は最大可動位置に動作し、第2可動役物200は初期位置に動作する。その後、第1可動役物100が初期位置に戻り、表示装置48では第1大当りに対応する識別情報「7」が3つ揃って表示され、役物バトル演出が終了する。この後、第1大当り遊技へと移行する。
なお、表示装置48におけるリーチ状態は、第2大当りに対応した表示態様(識別情報が「4」)である。第1大当りになる場合は、すでに停止表示されている識別情報を「4」から「7」に変更する必要がある。そこで、前述のように表示装置48において、2つの識別情報が「4」の第2大当りに対応するリーチ状態から3つの識別情報が「7」の第1大当りに対応する特別結果態様に直接表示切り替えするのではなく、図中に点線矢印で示すように、後述する第2大当りに対応する特別結果態様の表示を経由した後、第1大当りに昇格するような表示演出を行うようにしてもよい。
図31(B)に示すように、遊技結果が第2大当りになる場合には、図29(B)又は図30(D)の状態から第2可動役物200は最大可動位置に動作し、第1可動役物100は初期位置に動作する。その後、第2可動役物200が初期位置に戻り、表示装置48では第2大当りに対応する識別情報「4」が3つ揃って表示され、役物バトル演出が終了する。この後、第2大当り遊技へと移行する。
図31(C)に示すように、遊技結果がはずれになる場合には、図29(B)又は図30(D)の状態から第1可動役物100及び第2可動役物200は初期位置に動作して戻る。そして、表示装置48ではリーチ変動中であった中央の識別情報が他の識別情報と異なる態様で停止表示され、役物バトル演出が終了する。この後、通常遊技へと移行する。
〔タイミングチャート〕
次に、図32A〜図34Bを参照して、前述の役物バトル演出におけるタイミングチャートを説明する。
図32Aは、本発明の第1の実施の形態の第1大当りの場合の役物バトル演出において演出ボタンの有効操作が検出されるときのタイミングチャートである。このタイミングチャートは、前述の図28、図29及び図31(A)に示した演出遷移に対応する。
タイミングチャートは、縦軸に上段から特別図柄の変動/停止、装飾図柄(識別情報)の変動/停止、第1可動役物100の動作位置、第2可動役物200の動作位置、演出ボタン31の操作の有効/無効、演出ボタン31の操作を検出するセンサ31aのON/OFF、遊技盤10の右側領域を照らすLEDの明度、遊技盤10の左側領域を照らすLEDの明度の順に項目が挙げられている。横軸は時間の経過を示す。
まず、時刻toで特図変動表示ゲームが開始され、一括表示装置50の特図1表示器51又は特図2表示器52に表示される特別図柄と、表示装置48に表示される装飾図柄(識別情報)とが変動表示を開始する。そして時刻tzで、特別図柄と装飾図柄の変動表示が停止して特図変動表示ゲームが終了する。
特図変動表示ゲームの開始により、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1可動役物100及び第2可動役物200の動作制御を行う可動役物制御処理において先頭の役物演出設定処理(図36)から下位処理に進むことが可能になる。可動役物制御処理等の詳細については、図35〜図40にて後述する。また、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン31の操作に係る演出制御を行うボタン演出制御処理についても先頭の処理から下位処理に進むことが可能になる。ボタン演出制御処理の詳細については、図41〜図43にて後述する。
そして、時刻taで、第1可動役物100及び第2可動役物200は初期位置(第1位置)から最大可動位置(第3位置)に動作し、前述の図30A(A)に示す最大可動状態となる。これらの動作は、可動役物制御処理(図35)における処理のひとつである役物演出開始処理(図37)で実行される。このとき遊技盤10を照らすLEDは、第1可動役物100及び第2可動役物200が両方動作しているので、右側領域と左側領域ともに高い明度で照らす。なお、LEDは、通常時は中程度の明度で遊技盤10を照らしている。
その後、時刻tbでボタン演出実行開始タイミングとなる。このときボタン演出制御処理(図41)の処理のひとつであるボタン演出開始処理(図42)が実行され、第1可動役物100及び第2可動役物200は最大可動位置(第3位置)から中間位置(第2位置)に動作する。そして、時刻tcで演出ボタン31の操作が有効になり、前述の図30A(B)に示すように演出ボタン31の操作促進演出が実行される。また、第1可動役物100及び第2可動役物200の動作に伴い、演出ボタン31の操作促進演出が実行されるタイミング(時刻tc)で、遊技盤10を照らすLEDは、明度を高から低に切り替える。
演出ボタン31の操作の有効期間中の時刻td〜時刻teで遊技者が演出ボタン31を操作すると、演出ボタンセンサ31aが操作を検出し、ボタン演出制御処理(図41)の処理のひとつであるボタン演出実行中処理(図43)が実行される。演出ボタン31の操作検出により、時刻teで、演出ボタン31の操作有効期間は終了する。したがって、遊技者への演出ボタン31の操作促進演出も終了する。
また、演出ボタン31の操作検出により可動役物制御処理(図35)における処理のひとつである役物演出実行処理(図38)が実行され、時刻teで、第1可動役物100が中間位置(第2位置)から最大可動位置(第3位置)に動作し、第2可動役物200が中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に動作して、前述の図31(A)上段に示す状態となる。このとき遊技盤10を照らすLEDは、最大可動位置(第3位置)にある第1可動役物100が配設される側の遊技盤10a、すなわち遊技盤10の右側領域の明度を低から高に切り替る。このとき、初期位置(第1位置)に戻った第2可動役物200が配設される側の遊技盤10、すなわち遊技盤10の左側領域の明度は低を維持する。
その後、時刻tzの特別図柄と装飾図柄の変動表示が停止するタイミングが役物演出終了タイミングとなるので、可動役物制御処理(図35)における処理のひとつである役物演出終了処理(図40)が実行され、第1可動役物100は最大可動位置(第3位置)から初期位置(第1位置)に動作し、前述の図31(A)下段に示す状態となる。このとき遊技盤10を照らすLEDは、役物演出終了タイミングに応じて右側領域及び左側領域の明度を通常の中に切り替える。
図32Bは、本発明の第1の実施の形態の第1大当りの場合の役物バトル演出において演出ボタンの有効操作が検出されないときのタイミングチャートである。このタイミングチャートも前述の図32Aと同様に、前述の図28、図29及び図31(A)に示した演出遷移に対応する。ここでは、前述の図32A(演出ボタン31の操作があるとき)と異なる部分について説明する。
図32Bでは、時刻tcで演出ボタン31の操作が有効になるが有効期間中に遊技者が演出ボタン31を操作しないまま時刻tf(>時刻td)に操作有効期間が終了する。遊技者による演出ボタン31の操作がない場合には、所定の時刻tg(>時刻te)で役物演出報知タイミングとなり、演出ボタン31の操作によって実行可能になる役物演出実行処理(図38)の代わりに役物演出報知処理(図39)が実行される。そして、時刻tgで、図32Aの時刻teで行われた制御と同じ制御が行われ、時刻teの状態と同じ状態になる。
以上のように、役物バトル演出において、演出ボタン31の有効操作が検出される場合には図32Aのように演出ボタン31の操作タイミング(時刻te)で役物による遊技結果の報知演出が実行される。これに対し、演出ボタン31の有効操作が検出されない場合には図32Bのように所定の報知タイミング(時刻tg)で役物による遊技結果の報知演出が実行される。
次に、図33Aは、本発明の第1の実施の形態の第2大当りの場合の役物バトル演出において演出ボタンの有効操作が検出されるときのタイミングチャートである。また、図33Bは、本発明の第1の実施の形態の第2大当りの場合の役物バトル演出において演出ボタンの有効操作が検出されないときのタイミングチャートである。これらのタイミングチャートは、前述の図28、図29及び図31(B)に示した演出遷移に対応する。役物演出実行処理(図38)及び役物演出報知処理(図39)において、第1大当りの場合は第1可動役物100が最大可動位置(第3位置)に動作するのに対し、第2大当りの場合は第2可動役物200が最大可動位置(第3位置)に動作する。ここでは、前述の図32A及び図32B(第1大当りの場合)と異なる部分について説明する。
図33A及び図33Bは、それぞれ図32Aの時刻te〜時刻tz及び図32Bの時刻tg〜時刻tzにおける第1可動役物100及び第2可動役物200の動作状態が反対になる。すなわち、時刻te及び時刻tgで、第1可動役物100が初期位置(第1位置)に動作し、第2可動役物200が最大可動位置(第3位置)に動作して、前述の図31(B)上段に示す状態となる。また、遊技盤10を照らすLEDも右側領域の明度を低に維持したまま、左側領域の明度を高に切り替える。そして、時刻tzで、第2可動役物200は最大可動位置(第3位置)から初期位置(第1位置)に動作し、前述の図31(B)下段に示す状態となる。
続いて、図34Aは、本発明の第1の実施の形態のはずれの場合の役物バトル演出において演出ボタンの有効操作が検出されるときのタイミングチャートである。また、図34Bは、本発明の第1の実施の形態のはずれの場合の役物バトル演出において演出ボタンの有効操作が検出されないときのタイミングチャートである。これらのタイミングチャートは、前述の図28、図29及び図31(C)に示した演出遷移に対応する。役物演出実行処理(図38)及び役物演出報知処理(図39)において、はずれの場合は第1可動役物100及び第2可動役物200は初期位置(第1位置)に動作する。ここでは、前述の図32A及び図32B(第1大当りの場合)と異なる部分について説明する。
図34A及び図34Bでは、時刻te及び時刻tgで、第1可動役物100及び第2可動役物200が中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に動作して、前述の図31(C)上段に示す状態となる。これに伴い、遊技盤10を照らすLEDも右側領域及び左側領域の明度を低に維持する。そして、時刻tzでも、第1可動役物100及び第2可動役物200は初期位置(第1位置)を維持し、前述の図31(C)下段に示す状態となる。
次に、図35〜図40を参照して、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行される役物バトル演出の具体的な制御処理について説明する。また、図41〜図43を参照して、演出ボタン31の操作に係る制御処理について説明する。
〔可動役物制御処理〕
前述のメイン処理(図24)における可動役物制御処理(S2411)について説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の可動役物制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、役物バトル演出で報知する遊技結果(第1大当り、第2大当り、はずれ)に応じた演出パターンを設定する役物演出設定処理を実行する(S3501)。なお、役物演出設定処理の詳細については、図36にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述の役物演出設定処理で設定したフラグの種類を判定する(S3502〜S3504)。まず、第1役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S3502)。そして、第1役物作動フラグがON設定である場合には(S3502の結果が「Y」)、後述するS3505の処理に移行する。第1役物作動フラグがON設定でない場合には(S3502の結果が「N」)、第2役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S3503)。そして、第2役物作動フラグがON設定である場合には(S3503の結果が「Y」)、後述するS3505の処理に移行する。第2役物作動フラグがON設定でない場合には(S3503の結果が「N」)、役物ボタン演出実行フラグがON設定であるか否かを判定する(S3504)。そして、役物ボタン演出実行フラグがON設定である場合には(S3504の結果が「Y」)、後述するS3505の処理に移行する。役物ボタン演出実行フラグがON設定でない場合には(S3504の結果が「N」)、役物バトル演出を実行するタイミングではないので、可動役物制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグ、第2役物作動フラグ及び役物ボタン演出実行フラグのいずれかがON設定されている場合に、役物バトル演出を開始する役物演出開始処理を実行する(S3505)。なお、役物演出開始処理の詳細については、図37にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、役物バトル演出において演出ボタン31の有効操作がある場合の遊技結果報知演出を制御する役物演出実行処理を実行する(S3506)。なお、役物演出実行処理の詳細については、図38にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、役物バトル演出において演出ボタン31の有効操作がない場合の遊技結果報知演出を制御する役物演出報知処理を実行する(S3507)。なお、役物演出報知処理の詳細については、図39にて後述する。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、役物バトル演出の終了に係る処理を行う役物演出終了処理を実行し(S3508)、可動役物制御処理を終了する。なお、役物演出終了処理の詳細については、図40にて後述する。
〔役物演出設定処理〕
次に、前述の可動役物制御処理(図35)における役物演出設定処理(S3501)について説明する。図36は、本発明の第1の実施の形態の役物演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S3601)。そして、変動開始コマンドを受信していない場合には(S3601の結果が「N」)、変動表示ゲームが実行されず、役物バトル演出(リーチ演出E)も実行されないので、役物演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動開始コマンドを受信した場合には(S3601の結果が「Y」)、変動パターン番号が「06」(図16参照)であるか否かを判定する(S3602)。変動パターン番号が「06」でない場合には(S3602の結果が「N」)、実行するリーチ演出が役物バトル演出ではないので、役物演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動パターン番号が「06」である場合には(S3602の結果が「Y」)、役物バトル演出を実行するので、遊技結果が第1大当り当選であるか否かを判定する(S3603)。そして、第1大当り当選である場合には(S3603の結果が「Y」)、役物バトル演出において第1大当りを第1可動役物100の動作によって報知するために必要な第1役物作動フラグをON設定して(S3604)、役物演出設定処理を終了する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技結果が第1大当り当選でない場合には(S3603の結果が「N」)、遊技結果が第2大当り当選であるか否かを判定する(S3604)。そして、第2大当り当選である場合には(S3605の結果が「Y」)、役物バトル演出において第2大当りを第2可動役物200の動作によって報知するために必要な第2役物作動フラグをON設定して(S3606)、役物演出設定処理を終了する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技結果が第2大当り当選でない場合には(S3605の結果が「N」)、遊技結果ははずれであるので、役物バトル演出においてはずれを報知する演出のために必要な役物ボタン演出実行フラグをON設定して(S3607)、役物演出設定処理を終了する。
〔役物演出開始処理〕
次に、前述の可動役物制御処理(図35)における役物演出設定処理(S3505)について説明する。図37は、本発明の第1の実施の形態の役物演出開始処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1可動役物100及び第2可動役物200による役物演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S3701)。ここで役物演出開始タイミングは、前述の図32A〜図34Bにおける時刻taであり、予め変動開始からの経過時間(時刻ta−時刻to)が設定されている。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、役物演出開始タイミングである場合には(S3701の結果が「Y」)、第1可動役物100及び第2可動役物200を初期位置(第1位置)から最大可動位置(第3位置)に動作させて(S3702)、役物演出開始処理を終了する。また、役物演出開始タイミングでない場合には(S3701の結果が「N」)、第1可動役物100及び第2可動役物200を動作させることなく役物演出開始処理を終了する。
〔役物演出実行処理〕
次に、前述の可動役物制御処理(図35)における役物演出実行処理(S3506)について説明する。図38は、本発明の第1の実施の形態の役物演出実行処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、役物作動実行フラグがON設定であるか否かを判定する(S3801)。ここで役物作動実行フラグは、後述するボタン演出実行中処理(図43)において演出ボタン31の有効操作が検出された場合であって、第1役物作動フラグ、第2役物作動フラグ及び役物ボタン演出実行フラグのいずれかがON設定である場合にON設定される。なお、ボタン演出実行中処理(図43)の実行前にはボタン演出開始処理(図42)を実行済みであり、前述の役物演出開始処理(図37)で動作させた第1可動役物100及び第2可動役物200は最大可動位置(第3位置)から中間位置(第2位置)に移動している。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、役物作動実行フラグがON設定である場合には(S3801の結果が「Y」)、第1役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S3802)。そして、第1役物作動フラグがON設定である場合には(S3802の結果が「Y」)、第1可動役物100を中間位置(第2位置)から最大可動位置(第3位置)に移動し(S3803)、第2可動役物200を中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に移動する(S3804)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグがON設定でない場合には(S3802の結果が「N」)、第2役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S3805)。そして、第2役物作動フラグがON設定である場合には(S3805の結果が「Y」)、第1可動役物100を中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に移動し(S3806)、第2可動役物200を中間位置(第2位置)から最大可動位置(第3位置)に移動する(S3807)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2役物作動フラグがON設定でない場合には(S3805の結果が「N」)、第1可動役物100及び第2可動役物200を中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に移動する(S3808)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3804の処理、S3807の処理、又はS3808の処理を実行した後、役物作動実行フラグをOFF設定し(S3809)、役物作動実行済フラグをON設定して(S3810)、役物演出実行処理を終了する。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3801の処理で役物作動実行フラグがON設定でない場合には(S3801の結果が「N」)、役物演出実行処理を終了する。
〔役物演出報知処理〕
次に、前述の可動役物制御処理(図35)における役物演出報知処理(S3507)について説明する。図39は、本発明の第1の実施の形態の役物演出報知処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、役物演出報知タイミングであるか否かを判定する(S3901)。ここで役物演出報知タイミングは、前述の図32B、図33B及び図34Bにおける時刻tgであり、予め演出ボタン31の操作有効時間の終了時刻tfからの経過時間(時刻tg−時刻tf)が設定されている。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、役物演出報知タイミングである場合には(S3901の結果が「Y」)、役物演出実行済フラグがON設定であるか否かを判定する(S3902)。そして、役物演出実行済フラグがON設定でない場合には(S3902の結果が「N」)、第1役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S3903)。そして、第1役物作動フラグがON設定である場合には(S3903の結果が「Y」)、第1可動役物100を中間位置(第2位置)から最大可動位置(第3位置)に移動し(S3904)、第2可動役物200を中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に移動する(S3905)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグがON設定でない場合には(S3903の結果が「N」)、第2役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S3906)。そして、第2役物作動フラグがON設定である場合には(S3906の結果が「Y」)、第1可動役物100を中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に移動し(S3907)、第2可動役物200を中間位置(第2位置)から最大可動位置(第3位置)に移動する(S3908)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2役物作動フラグがON設定でない場合には(S3906の結果が「N」)、第1可動役物100及び第2可動役物200を中間位置(第2位置)から初期位置(第1位置)に移動する(S3909)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3905の処理、S3908の処理、又はS3909の処理を実行した後、役物作動実行済フラグをOFF設定(リセット)して(S3910)、役物演出報知処理を終了する。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3901の処理で役物演出報知タイミングでない場合には(S3901の結果が「N」)、役物演出報知処理を終了する。また、S3902の処理で役物演出実行済フラグがON設定である場合には(S3902の結果が「Y」)、前述の役物演出実行処理(図38)で演出ボタン31の操作による役物動作が実行済であるので、役物演出報知処理を終了する。
これにより、遊技者が操作有効期間内に演出ボタンを操作しなかった場合でも、可動役物を作動させて遊技結果を報知することができる。
〔役物演出終了処理〕
次に、前述の可動役物制御処理(図35)における役物演出終了処理(S3508)について説明する。図40は、本発明の第1の実施の形態の役物演出終了処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、役物演出終了タイミングであるか否かを判定する(S4001)。ここで役物演出終了タイミングは、前述の図32A〜図34Bにおける時刻tzであり、予め変動開始からの経過時間(時刻tz−時刻to)が設定されている。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、役物演出終了タイミングである場合には(S4001の結果が「Y」)、第1役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S4002)。そして、第1役物作動フラグがON設定である場合には(S4002の結果が「Y」)、前述の役物演出実行処理(図38)又は役物演出報知処理(図39)で最大可動位置(第3位置)に動作させた第1可動役物100を初期位置(第1位置)に移動する(S4003)。そして、第1役物作動フラグをOFF設定した後(S4004)、役物演出終了処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグがON設定でない場合には(S4002の結果が「N」)、第2役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S4005)。そして、第2役物作動フラグがON設定である場合には(S4005の結果が「Y」)、前述の役物演出実行処理(図38)又は役物演出報知処理(図39)で最大可動位置(第3位置)に動作させた第2可動役物200を初期位置(第1位置)に移動する(S4006)。そして、第2役物作動フラグをOFF設定した後(S4007)、役物演出終了処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第2役物作動フラグがON設定でない場合には(S4005の結果が「N」)、前述の役物演出実行処理(図38)又は役物演出報知処理(図39)で第1可動役物100及び第2可動役物200は初期位置(第1位置)に移動済みであるので、役物ボタン演出実行フラグをOFF設定して(S4008)、役物演出終了処理を終了する。
〔ボタン演出制御処理〕
続いて、前述のメイン処理(図24)におけるボタン演出制御処理(S2410)について説明する。図41は、本発明の第1の実施の形態のボタン演出制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、特図変動表示ゲームが実行中(変動中)であるか否かを判定する(S4101)。そして、変動中である場合には(S4101の結果が「Y」)、当該変動に演出ボタン31を用いたボタン演出が含まれるか否かを判定する(S4102)。そして、ボタン演出がある場合には(S4102の結果が「Y」)、ボタン演出実行開始タイミングであるか否かを判定する(S4103)。ここでボタン演出実行開始タイミングとは、前述の図32A〜図34Bにおける時刻tbであり、予め役物演出開始タイミング(時刻ta)からの経過時間(時刻tb−時刻ta)が設定されている。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン演出実行開始タイミングである場合には(S4103の結果が「Y」)、演出ボタン31の操作を有効にしたり、第1可動役物100及び第2可動役物200を動作させたりするボタン演出開始処理を実行する(S4104)。なお、ボタン演出開始処理の詳細については、図42にて後述する。その後、ボタン演出制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン演出実行開始タイミングでない場合には(S4103の結果が「N」)、演出ボタン31の操作検出が有効であるか否かを判定する(S4105)。そして、有効である場合には(S4105の結果が「Y」)、演出ボタン31の操作有効期間をカウントするボタン演出実行タイマが0になったか否かを判定する(S4106)。ここでボタン演出実行タイマの設定時間は、前述の図32B、図33B及び図34Bにおける時刻tf−時刻tcで算出される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン演出実行タイマが0である場合には(S4106の結果が「Y」)、ボタン演出を終了するために演出ボタン31の操作検出を無効に設定し(S4107)、遊技者への演出ボタン31の操作促進演出を終了する操作指示表示終了処理を実行して(S4108)、ボタン演出制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン演出実行タイマが0でない場合には(S4106の結果が「N])、ボタン演出中であるため演出ボタン31の操作に対応した演出設定を行うボタン演出実行中処理を実行して(S4109)、ボタン演出制御処理を終了する。なお、ボタン演出実行中処理の詳細については、図43にて後述する。
〔ボタン演出開始処理〕
次に、前述のボタン演出制御処理(図41)におけるボタン演出開始処理(S4104)について説明する。図42は、本発明の第1の実施の形態のボタン演出開始処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述の役物演出設定処理(図36)で設定したフラグの種類を判定する(S4201〜S4203)。まず、第1役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S4201)。そして、第1役物作動フラグがON設定である場合には(S4201の結果が「Y」)、後述するS4204の処理に移行する。第1役物作動フラグがON設定でない場合には(S4201の結果が「N」)、第2役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S4202)。そして、第2役物作動フラグがON設定である場合には(S4202の結果が「Y」)、後述するS4204の処理に移行する。第2役物作動フラグがON設定でない場合には(S4202の結果が「N」)、役物ボタン演出実行フラグがON設定であるか否かを判定する(S4203)。そして、役物ボタン演出実行フラグがON設定である場合には(S4203の結果が「Y」)、後述するS4204の処理に移行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグ、第2役物作動フラグ及び役物ボタン演出実行フラグのいずれかがON設定である場合には(S4201、S4202及びS4203のいずれかの結果が「Y」)、役物バトル演出中であり、第1可動役物100及び第2可動役物200を最大可動位置(第3位置)から中間位置(第2位置)に移動する(S4204)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者に演出ボタン31の操作を促す操作指示表示を開始する操作指示表示開始処理を実行し(S4205)、演出ボタン31の操作検出を有効に設定するとともに(S4206)、操作有効時間をカウントするボタン演出実行タイマをセットした後(S4207)、ボタン演出開始処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S4203の処理で役物ボタン演出実行フラグがON設定でない場合には(S4203の結果が「N」)、役物バトル演出ではなく一般的な演出ボタン31の操作による演出を実行することになるので、同様にS4205〜S4207の処理を実行して演出ボタン31の操作を有効に設定した後、ボタン演出開始処理を終了する。
〔ボタン演出実行中処理〕
次に、前述のボタン演出制御処理(図41)におけるボタン演出実行中処理(S4109)について説明する。図43は、本発明の第1の実施の形態のボタン演出実行中処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン31の操作を検出したか否かを判定する(S4301)。そして、演出ボタン31の操作を検出しない場合には(S4301の結果が「N」)、ボタン演出実行中処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン31の操作を検出した場合には(S4301の結果が「Y」)、前述の役物演出設定処理(図36)で設定したフラグの種類を判定する(S4302〜S4304)。まず、第1役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S4302)。そして、第1役物作動フラグがON設定である場合には(S4302の結果が「Y」)、後述するS4306の処理に移行する。第1役物作動フラグがON設定でない場合には(S4302の結果が「N」)、第2役物作動フラグがON設定であるか否かを判定する(S4303)。そして、第2役物作動フラグがON設定である場合には(S4303の結果が「Y」)、後述するS4306の処理に移行する。第2役物作動フラグがON設定でない場合には(S4303の結果が「N」)、役物ボタン演出実行フラグがON設定であるか否かを判定する(S4304)。そして、役物ボタン演出実行フラグがON設定である場合には(S4304の結果が「Y」)、後述するS4306の処理に移行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグ、第2役物作動フラグ及び役物ボタン演出実行フラグのいずれもON設定されていない場合には(S4304の結果が「N」)、役物バトル演出ではなく一般的な演出ボタン31の操作による演出を行う演出変更処理を実行する(S4305)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグ、第2役物作動フラグ及び役物ボタン演出実行フラグのいずれかがON設定である場合には(S4302、S4303及びS4304のいずれかの結果が「Y」)、役物バトル演出中であり、第1可動役物100及び第2可動役物200を用いて遊技結果を報知する演出に必要な役物作動実行フラグをON設定する(S4306)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S4305の処理又はS4306の処理を実行した後、演出ボタン31の操作検出を無効に設定し(S4307)、遊技者に演出ボタン31の操作を促す操作指示表示を終了する操作指示表示終了処理を実行する(S4308)。その後、ボタン演出実行中処理を終了する。
〔役物バトル演出と表示バトル演出との違い〕
ここで、図44を参照して、役物バトル演出(リーチ演出E)と表示バトル演出(リーチ演出D)との違いを説明する。図44は、本発明の第1の実施の形態の役物バトル演出と表示バトル演出との違いを説明する図である。
通常変動中において、遊技盤10の略中央に設けられる表示装置48の画面下方には、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの実行権利である始動記憶の数を把握できるように保留玉を表示する始動記憶表示領域Aが設けられている。また、表示装置48の画面中央には、実行中の特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(装飾図柄、特別図柄)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを実行する変動表示領域Bが設けられている。さらに、表示装置48の画面上方には、一括表示装置50における特図変動表示ゲームの状態を示す第4図柄を連動表示する第4図柄表示領域Cが設けられている。
ここで、飾り特図変動表示ゲームにおいてリーチ演出Dのような表示バトル演出が行われる場合(図44(A))と、リーチ演出Eのような役物バトル演出が行われる場合(図44(B))とについて、表示装置48の表示内容に着眼して説明する。
図44(A)に示すように、表示バトル演出では、表示装置48の画面中央にキャラクタAとキャラクタBとが対戦する表示領域を確保するために、前述の始動記憶表示領域A、変動表示領域B及び第4図柄表示領域Cを画面の隅に移動する必要がある。
これに対し、図44(B)に示すように、役物バトル演出では、表示装置48の周縁前方にキャラクタAに関連する形体の第1可動役物100とキャラクタBに関連する形体の第2可動役物200とを備え、表示装置48の前方でバトル演出が行われるので、表示装置48の表示領域を変更する必要がない。このとき、表示装置48の画面上方中央に表示される第4図柄は第1可動役物100及び第2可動役物200が最大可動位置に移動しても正面視で遊技者から視認可能である。
また、始動記憶表示領域Aの左側4つの保留玉にて特図1の始動記憶数を、始動記憶表示領域Aの右側4つの保留玉にて特図2の始動記憶数を表す際に、始動記憶が1増加するにつれて内側からひとつずつ保留玉の表示態様を変化させるようにすると、可動役物が表示装置48の側方から出現した場合でも始動記憶の有無を遊技者が確認し易くなる。
このように、表示装置48にてバトル演出を行う場合には、対戦する複数のキャラクタを表示する表示領域を確保するために前述の表示領域A〜Cの表示位置を制御する必要があるが、キャラクタに対応する可動役物を用いてバトル演出を行う場合には表示装置48における表示位置の調整が不要となるので、表示制御が複雑化しない。役物バトル演出は対応する表示(映像データ)を必要としないので、映像データの容量を増やすことなくリーチ演出の種類(リーチ演出E)を増やすことができる(図16参照)。
また、バトル演出では、遊技結果に対応してキャラクタが設定され、キャラクタの動作によって遊技結果を報知している。キャラクタと遊技結果とが対になっているので、キャラクタを表す手段(表示装置48、可動役物)に関係なく同一のキャラクタは同一の遊技結果を示唆する。よって、遊技者は報知内容を認識し易い。
また、役物バトル演出(リーチ演出E)において表示装置48で表示バトル演出(リーチ演出D)の表示を行えば、第1可動役物100及び第2可動役物200と表示装置48の表示内容とに統一感が生まれ、演出効果を高めることができる。
(本発明の第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、複数の可動役物(ここでは第1可動役物100及び第2可動役物200)の態様によって遊技結果の報知する役物バトル演出が行われる。例えば、キャラクタAを表す可動役物が演出の最後に第3位置に動作すると、第1大当りを意味し、キャラクタBを表す可動役物が演出の最後に第3位置に動作すると、第2大当りを意味する。役物バトル演出における可動役物の態様(ここでは最後に第3位置に動作する可動役物のキャラクタ)と遊技結果とが対となっているので、遊技者は容易に遊技結果を認識することができる。可動役物による立体的な動作演出によって遊技結果が報知されるので、遊技者へのインパクトが大きく遊技の興趣を高めることができる。
また、表示装置48に不具合が発生して表示制御に支障をきたした場合でも、可動役物によって遊技結果を報知可能なので、演出効果が損なわれるのを防止することができる。
また、一の可動役物(ひとつのキャラクタ)に一の遊技結果が対応するので、遊技者にとって遊技結果がわかりやすい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、前述の第1の実施の形態をベースに、(1)第1可動役物100及び第2可動役物200の表面装飾(図45)、(2)役物バトル演出における遊技者への演出ボタン31の操作促進演出(図46〜図49)及び(3)特別変動入賞装置を追加した遊技領域10aにおける盤面演出(図50及び図51)が異なる。以下に、(1)〜(3)について順に説明する。
(1)本発明の第1の実施の形態では、第1可動役物100及び第2可動役物200は、それぞれキャラクタA及びキャラクタBを表す形体であり、可動役物の表面には対応するキャラクタの装飾が施されている。これに対し、本発明の第2の実施の形態では、第1可動役物100及び第2可動役物200の表面にEL(エレクトロルミネセンス)シートを接着し、表面の表示態様を変化可能にする。
図45は、本発明の第2の実施の形態の第1可動役物100及び第2可動役物200の装飾態様を示す図である。図45(A)〜(C)は、表面にELシートを接着した第1可動役物100及び第2可動役物200の表示パターン例である。
ELシートは、薄いシート状の光源である。発光する光源を制御することで可動役物の表面態様(色や柄)を変化させることができるので、図45(A)及び図45(B)に示すように第1可動役物100及び第2可動役物200はキャラクタA及びキャラクタBだけでなくキャラクタC及びキャラクタDを表すことも可能になる。また、図45(C)に示すように、第1可動役物100及び第2可動役物200はキャラクタA及びキャラクタBにメガネやベルトといったアイテムを追加表示することで、大当りの信頼度を変化させることもできる。
このように可動役物の表面にELシートを取り付けることで、ひとつの可動役物で複数のキャラクタに対応することができ、遊技結果の種類が増えても限られたスペースで最低限の可動役物数で対応することができる。よって、演出のパターンを増やすことができ、役物バトル演出が単調にならないので、遊技者が飽きることがない。
なお、ELシートは柔軟性が高く、折り曲げも可能であるため表面に凸凹が形成された可動役物にも接着することが可能である。ELシートは、可動役物の表面全体を1枚のシートで覆う必要はなく、複数のシートを張り合わせて覆ってもよい。可動役物の表面の少なくとも一部がELシートに覆われていればよい。
(2)本発明の第2の実施の形態では、役物バトル演出における遊技者への演出ボタン31の操作促進演出に指示役物210を用いる。
〔ボタン演出開始処理〕
図46は、本発明の第2の実施の形態のボタン演出開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、S4203の処理で役物ボタン演出実行フラグがON設定でない場合には(S4203の結果が「N」)、役物バトル演出ではなく一般的な演出ボタン31の操作による演出を実行することになるので、表示装置48において遊技者に演出ボタン31の操作を促す操作指示表示を開始する(S4601)。このときの操作指示表示の一例を図47に示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1役物作動フラグ、第2役物作動フラグ及び役物ボタン演出実行フラグのいずれかがON設定である場合には(S4201、S4202及びS4203のいずれかの結果が「Y」)、遊技者に演出ボタン31の操作を促す操作指示役物210を動作させる(S4602)。このときの操作指示役物210の一例を図48に示す。
図47は、本発明の第2の実施の形態の表示装置における操作促進演出の一例を示す図である。前述のボタン演出開始処理(図46)におけるS4601の処理の実行に伴い、表示装置48では演出ボタン31の操作指示が表示される。
表示装置48には、画面下方の始動記憶表示領域Aと画面中央の変動表示領域Bとの間に操作指示表示領域Dが設けられ、演出ボタン31の画像と操作を促すメッセージとが表示される。
図48は、本発明の第2の実施の形態の操作指示役物による操作促進演出の一例を示す図である。前述のボタン演出開始処理(図46)におけるS4602の処理の実行に伴い、表示装置48の画面前方で操作指示役物210による演出ボタン31の操作指示が実行される。
操作指示役物210は、通常(非動作時)は表示装置48の下方であってセンターケース46の裏に配設され、遊技者から視認されない。そして、操作指示役物210は、役物バトル演出における演出ボタン31のボタン演出実行開始タイミングで上方に動作して表示装置48の画面前方に現われ、遊技者に操作を指示する。ここで操作指示役物210は演出ボタン31の形体である。操作指示役物210には、「PUSH」等の具体的指示が記載済みでもよいし、表示制御機能を備えて遊技状態に対応したメッセージが表示されるようにしてもよい。
なお、操作指示役物210の動作時には、第1可動役物100及び第2可動役物200は中間位置(第2位置)に配置されている。そこで、操作指示役物210は、第1可動役物100及び第2可動役物200のさらに前方を動作して、双方に接触することがないように配設される。また、操作指示役物210の動作スピードや出現頻度を遊技店側で調整可能にすることで、可動役物の早期破損を防止する効果が得られる。
また、図49は、本発明の第2の実施の形態の操作指示役物による操作促進演出の別パターンの一例を示す図である。別パターンでは可動式の操作指示役物210とは別途、センターケース46の右下方に操作指示役物210と関連した表示を行う操作指示関連表示部211が設けられる。追加役物の操作指示関連表示部211の詳細について説明する。
図49(A)は操作指示関連表示部211がレベルメーターであり、連続した演出ボタン31の操作を促す場合を示す。ここでは演出ボタン31の操作回数がレベルメーターの上限に到達することを条件に、条件が成立したら遊技者に遊技結果を報知するようにしてもよい。
図49(B)は操作指示関連表示部211に演出ボタン31の操作をさらに促すメッセージを表示する場合を示す。ここでは演出ボタン31の操作が遊技者にとって有利な状態を導くことを期待させるメッセージ「チャンス!!」が表示される。
以上のように、本発明の第2の実施の形態では、役物バトル演出のときの演出ボタン31の操作促進演出は、可動式の操作指示役物210を用いる。これにより、遊技者が第1可動役物100及び第2可動役物200によって表示装置48に表示される操作促進演出を遊技者が視認できないといった不具合の発生を防止し、遊技者が容易に操作促進演出を認識することができる。
(3)本発明の第1の実施の形態の特別変動入賞装置がひとつであるのに対し、本発明の第2の実施の形態の特別変動入賞装置は二つである。そして、第1大当り遊技及び第2大当り遊技では、それぞれ異なる特別変動入賞装置が開放状態になる。また、第1の実施の形態の役物バトル演出における遊技盤10の盤面LED演出を1大当り遊技及び第2大当り遊技にも対応させて実行する。
図50は、本発明の第2の実施の形態の特別変動入賞装置の配置を示す図である。図50(A)は、第1大当りの場合に作動する特別変動入賞装置を示す図であり、図50(B)は、第2大当りの場合に作動する特別変動入賞装置を示す図である。
前述の第1の実施の形態と同様に、遊技領域10aの中央下方に設けられる第1始動入賞口37の右側には特別変動入賞装置42が備えられる。これに対し、本発明の第2の実施の形態では、特別変動入賞装置42を第1特別変動入賞装置42とし、さらに第1始動入賞口37の下方に第2特別変動入賞装置41が備えられる。第2特別変動入賞装置41の構成は、第1特別変動入賞装置42の構成と同じである。そして、遊技結果が第1大当りの場合には第1特別変動入賞装置42が開放状態になり、遊技結果が第2大当りの場合には第2特別変動入賞装置41が開放状態になる。
したがって、図50(A)に示すように、第1大当りの場合は、表示装置48の右側に配設される第1可動役物100が報知動作し、大当り遊技で遊技領域10aの右側に配設される第1特別変動入賞装置42が作動する。また、図50(B)に示すように、第2大当りの場合は、表示装置48の左側に配設される第2可動役物200が報知動作し、大当り遊技で遊技領域10aの左側に配設される第2特別変動入賞装置41が作動する。
このように、大当り種類に対応する可動役物と特別変動入賞装置との位置関係が関連しているので、遊技者は役物バトル演出後の大当り遊技で狙う特別変動入賞装置を認識し易くすることができる。例えば、役物バトル演出で第2可動役物200より右側に配設される第1可動役物100が報知動作したならば、遊技者はその後の大当り遊技で第2特別変動入賞装置41より右側に配設される第1特別変動入賞装置42の大入賞口を狙えばよい。
続いて、図51は、本発明の第2の実施の形態の盤面LED演出の一例を示す図である。図51(A)は、第1大当りの場合の盤面LED演出を示す図であり、図51(B)は、第2大当りの場合の盤面LED演出を示す図である。
図51(A)に示すように、第1大当りの場合は、遊技領域10aの第1特別変動入賞装置42を含む右側領域をLEDで明るく照らす。また、図51(B)に示すように、第2大当りの場合は、遊技領域10aの第2特別変動入賞装置41を含む左側領域をLEDで明るく照らす。
このように、大当り種類に応じて遊技領域10aの明度を区分することで、遊技者に大当り遊技で作動する特別変動入賞装置を報知することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、前述の第2の実施の形態をベースに(1)表示装置48の画面表示領域を分割可能な分割ユニット600が追加される点(図52〜図56)、(2)遊技者が視認可能な遊技機1のガラス枠18及び前面枠3の前面に枠ELパネルの装飾を施す点(図57〜図61)が異なる。以下に、(1)及び(2)について順に説明する。
(1)本発明の第3の実施の形態には、表示装置48の画面分割演出を行う分割ユニット600が備えられる。分割ユニット600は、表示装置48の表示領域の前面を動作して、表示領域の一部を覆って表示領域を複数の表示領域に分割する。
図52は、本発明の第3の実施の形態の第1画面分割演出の遷移を示す図である。分割ユニット600は、表示装置48の右上方のセンターケース46裏に配設される上可動装置610と、表示装置48の左下方のセンターケース46裏に配設される下可動装置620と、センターケース46及び遊技盤10の遊技領域10a上に設けられる線状発光部630と、を有する。
図52(A)に示すように、まず、上可動装置610が下方に動作を開始すると上レンズ部611がセンターケース46裏から表示装置48の画面前方に現われる。また、下可動装置620が上方に動作を開始すると下レンズ部621がセンターケース46裏から表示装置48の画面前方に現われる。なお、上可動装置610及び下可動装置620の詳細については、図55にて後述する。
上レンズ部611及び下レンズ部621には、それぞれ画面中央側の側部に発光可能な線状レンズ部611a及び線状レンズ部621aが設けられている。そして、表示装置48において、線状レンズ部611a、621aを直線で結ぶ演出ラインL1が画面表示される。このとき演出ラインL1の延長上に線状レンズ部611a、621aが位置し、演出ラインL1と同色発光する。このように表示装置48では、1本の発光ラインによって画面表示領域を分割するライン演出が行われる。
なお、センターケース46にも、線状レンズ部611a、621aの延長上に位置して発光可能なケース線状発光部631、632が設けられる。また、遊技盤10の盤面にも、ケース線状発光部631、632の延長上に位置して発光可能な盤線状発光部633、634が設けられる。これらケース線状発光部631、632及び盤線状発光部633、634によって線状発光部630が構成される。そして、線状発光部630も演出ラインL1と同色発光することで、表示装置48の画面表示領域だけでなく遊技領域10aも右上から左下に横断する1本の発光ラインによって分割するライン演出が行われる。
このとき表示装置48では、演出ラインL1を挟んで左右の表示領域において識別情報が表示されるが、表示領域毎に識別情報の種類を変えてもよい。例えば、左側の表示領域では数字の識別情報が変動し、右側の表示領域ではキャラクタの識別情報が変動する。そして、演出ボタン31の操作によって遊技者に好みの識別情報を選ばせるボタン演出を行ってもよい。
このように、第1画面分割演出では、上レンズ部611及び下レンズ部621の線状レンズ部611a、621aと、線状発光部630と、表示装置48に表示される演出ラインL1とが1本の発光ラインを形成し、その発光ラインにより表示装置48の画面表示領域及び遊技領域10aを分割するライン演出が行われる。なお、発光ラインの発光色を大当り期待度に応じて変化させてもよい。
その後、図52(A)の表示装置48で変動中の識別情報がリーチ状態になると、図52(B)に示す演出態様に移行し、表示装置48で表示バトル演出(リーチ演出D)が実行される。図52(B)に示すように、表示装置48の右側の表示領域に第1可動役物100が表すキャラクタの顔が表示され、左側の表示領域に第2可動役物200が表すキャラクタの顔が表示される。そして、右側のキャラクタが左側のキャラクタに迫る場面では右側の表示領域が左側の表示領域に割込むように演出ラインL1が左側に湾曲して表示される。
続いて、図53は、本発明の第3の実施の形態の第2画面分割演出の態様を示す図である。第2画面分割演出は、前述の第1画面分割演出(図52(A)もしくは図52(B))から続く演出でもよいし、単独の演出でもよい。ここでは第1画面分割演出からの動作を説明する。
第1画面分割演出の状態から上可動装置610が下方への動作を継続すると、上レンズ部611の上方に配設される分割役物本体部612が表示装置48の前面に現れる。分割役物本体部612は、表示装置48の画面表示領域を左右にまたがるようにその幅が設けられ、画面表示領域を上下に分割する。分割役物本体部612には、表面にキャラクタの目を模した発光部材612a、612bが設けられ、発光態様に応じて遊技結果が大当りとなる期待度を報知する。
ここで、図54を参照して、発光態様について説明する。図54は、本発明の第3の実施の形態の上可動装置の分割役物本体部の発光態様を示す図である。発光部材612a、612bは、(A)〜(D)の4パターンの発光態様を有する。発光態様に応じて期待度が異なり、発光色が濃く、模様が密になるほど(すなわち(A)から(D)になるほど)期待度が高くなる。
なお、第2画面分割演出では、下可動装置620は下方に動作し、下レンズ部621はセンターケース46裏に収納される。また、第1画面分割演出で形成していた発光ラインは、第2画面分割演出に突入して上可動装置610及び下可動装置620が下方に動作し始めると発光を停止する。
ここで、図55を参照して、上可動装置610及び下可動装置620について説明する。図55は、本発明の第3の実施の形態の上可動装置及び下可動装置の動作について説明する図である。第2画面分割演出では、図55(A)に示すように上可動装置610の上レンズ部611及び分割役物本体部612が表示装置48の画面表示領域の一部を左右に亘って覆う。上レンズ部611と分割役物本体部612とは一体化されており、分割役物本体部612が後述する駆動モータ613の駆動力によって動作することで上レンズ部611も伴って動作する。
図55(B)に示すように、上可動装置610は、前述の上レンズ部611及び分割役物本体部612と、分割役物本体部612を動作させるための駆動力を発生させる駆動モータ613と、駆動力を分割役物本体部612に伝達する動力伝達機構614と、を備える。
分割役物本体部612の基端(右端)には、動力伝達機構614のラックギア部材614aに連結される本体部連結部材612cが取り付けられる。また、分割役物本体部612の左端にはスライド部材612dが設けられ、スライド部材612dは図示しない上下方向の溝を移動するので、分割役物本体部612は滑らかな上下方向の移動を行うことができる。
動力伝達機構614は、固定ベース部材615に配設されるギア群である。駆動モータ613の駆動力は、駆動モータ613の出力軸に固定される主動ギア614dから主動ギア614dと噛合する従動ギア614cを介して従動ギア614cと噛合するラックギア部材614aに伝達される。これにより、ラックギア部材614aが可動ベース部材614bを上下方向にスライド可能となり、ラックギア部材614aに取り付けられる本体部連結部材612cを介して分割役物本体部612が上下方向に動作する。
これに対し、下可動装置620は、前述の下レンズ部621とソレノイド622とを可動リンク623で連結し、基点623aを中心とした可動リンク623の回動によって下レンズ部621が可動レール624の溝を上下方向に動作する。
続いて、図53に示すように分割役物本体部612が表示装置48の前面に動作した後の第2画面分割演出の最終態様について説明する。図56は、本発明の第3の実施の形態の第2画面分割演出の最終態様を示す図である。
分割役物本体部612が所定位置で動作を停止すると、表示装置48は、分割役物本体部612の上側の表示領域に識別情報、第4図柄、及び始動記憶といった遊技情報が表示される。そして、下側の表示領域には、分割役物本体部612が表すキャラクタの未表現部分(ここでは、キャラクタの顔の目から下の部分)が表示されるとともに、キャラクタからのメッセージも表示される。メッセージは、分割役物本体部612の発光部材612a、612bの発光態様(すなわち期待度)に応じて異なる。分割役物本体部612と表示装置48における表示とでキャラクタの顔を形成することで、立体的な可動役物と画面上の表示の演出に一体感をもたせる。
このように、第2画面分割演出では、上可動装置610の下方動作により表示装置48の前面に露出する分割役物本体部612によって表示装置48の画面表示領域を上下に分割する演出が行われる。そして、分割役物本体部612に設けられる発光部材612a、612bの発光態様や表示装置48の表示内容(メッセージ)によって期待度を報知する演出が行われる。
以上より、同じ分割ユニット600を用いた表示装置48の画面分割演出において第1画面分割演出及び第2画面分割演出を単独で実行したり、双方を組み合わせて実行したり複数パターンの演出が可能であり、遊技の興趣を高めることができる。また組み合わせて実行する場合には、複数段階(ここでは2段階)で異なった分割演出ができるので、より遊技の興趣を高めることができる。また、発光演出も同時に行うことで、遊技者により大きなインパクトを与えることができる。
(2)本発明の第3の実施の形態では、遊技機1のガラス枠18及び前面枠3の前面にELパネルを備える。図57は、本発明の第3の実施の形態の遊技機の正面概念図である。
従来、遊技機1のガラス枠18や前面枠3の枠表面に特定の装飾を施していたため、枠のモデルチェンジの際には莫大なコストが生じていた。そこで、図57に示すように、枠表面(前飾り)に有機ELパネルを搭載することで、遊技機1の機種毎の枠を開発することなく枠を共用化でき、枠の長期運用が可能となる。これにより、遊技店側も遊技盤10の入れ替えを容易に行うことができる。なお、有機ELパネルは、枠表面全体に備える必要はなく、スピーカーや照明といった被覆されると演出効果が低減する装置や前面枠3に固定される固定パネル22を除いた領域の一部に備えればよい。
図58〜図61は、本発明の第3の実施の形態の遊技機の枠演出態様の一例を示す図である。
まず、図58を参照して、枠演出として遊技盤10の遊技演出に連動した表示を行う場合について説明する。図58(A)に示すように遊技盤10の盤面LED演出(図51)に合わせて枠の明度を連動させたり、図58(B)に示すように第1画面分割演出(図52)に合わせて枠にも発光ラインを形成したりすることで、遊技盤10内に止まらず遊技機1全体で演出を表すことができ、遊技者へのインパクトが大きい。
次に、図59(A)に示すように、枠演出として遊技機1の機種装飾表示を行う場合には、ガラス枠18の枠表面に機種のキャラクタや遊技機メーカー名を表示し、前面枠3の枠表面に機種名を表示する。ELパネルの表示制御のみで容易に機種専用枠を構成することができ、機種毎の差別化を図ることができる。遊技機1の枠が遊技機メーカーで共用化されても、容易にメーカー毎の差別化が可能である。
次に、図59(B)に示すように、枠演出として遊技機1の遊技案内表示を行う場合には、ガラス枠18の枠表面に遊技盤10内の演出に用いられるキャラクタを表示したり、表示装置48における予告演出の種類や予告演出に対する信頼度を表示したりする。このような遊技情報を適宜枠演出で行うことで、演出領域を広げることができるので高い演出効果が得られる。また、表示する遊技情報の選択や表示切り替えに遊技者による演出ボタン31の操作を反映すれば、より遊技の興趣を高めることができる。
次に、図59(C)に示すように、隣接する遊技機1同士が演出制御装置550の通信(サブ間通信)を行って枠演出を行う場合には、複数の遊技機1にわたって前面枠3の枠表面に長いテロップを表示したり、ガラス枠18の枠表面に同一の表示を行ったりする。図中に示すように客待ち時などは、ホールインフォメーションを表示してよい。このような複数の遊技機1に亘って連動する枠演出は、演出の一体感が増し、遊技者に大きなインパクトを与えることができる。
続いて、図60を参照して、エラー報知に枠表面のELパネルを用いる場合について説明する。図60(A)に示すように、遊技盤10に設置した振動センサスイッチ39bによって振動が感知された場合には遊技者に台を揺らさないように警告するメッセージを表示するとともに、背景を赤色にする。また、図60(B)に示すように、下皿23に遊技球が満杯状態の場合には遊技者に下皿23の遊技球を抜いて球箱に入れるよう促すメッセージを表示するとともに、球箱の後方に位置するELパネルの色を赤色にする。
このように、エラー報知を枠で行うので、表示装置48における表示演出を妨害することない。また、エラー内容に該当する場所周辺のELパネルの色を変化させることでエラー報知を強調することができ、遊技者に伝わりやすい。
さらに、図61を参照して、遊技結果の報知に枠表面のELパネルを用いる場合について説明する。図61に示すように、表示装置48における表示バトル演出や第1可動役物100及び第2可動役物200による役物バトル演出と一体となって、枠にバトル結果(遊技結果)を報知するメッセージ(「大当り!」、「VICTORY」等)を表示することで、センターケース46内にとどまらず遊技機1全体でバトル演出を表すことができ、遊技者へのインパクトが大きい。なお、枠表面のELパネルのみで遊技結果を報知するメッセージを表示してもよい。遊技盤10よりも遊技者に近く、通常の遊技領域10a外の枠表面で遊技結果が報知されるので、遊技者に大きなインパクトを与えることができる。
前述した枠演出(図58〜図61)は、全てを組み合わせてもよい。例えば、客待ち状態の場合に図59(A)及び(C)に示すような表示を行い、遊技状態に応じて図58、図59(B)及び図61に示すような表示を行い、発生したエラーに応じて図60に示すような表示を行う。遊技機1の状態を遊技機1全体で常時表すことができるので、より高い演出効果が得られる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。