以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置(変動表示装置)48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない非遊技状態(客待ち中)や、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクターが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
本発明の第1の実施の形態には、2種類の第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様(普電サポート)が含まれる。具体的には、非入賞容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり、時短状態)とが含まれる。
非入賞容易状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりにくく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくい状態である。一方、入賞容易状態は、非入賞容易状態と比較して第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりやすい状態である。例えば、非入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が1/251、開放時間が0.1秒であり、入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が250/251、開放時間が1.7秒、さらに開放回数が3回とする。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
なお、特図変動表示ゲームには、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行される特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とが含まれる。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクター図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクター図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクターの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V、DC12V、DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1102)や特図普段処理(S1109)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン511の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路541が設けられており、シュミットトリガ回路541はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路541によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の開閉部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38c)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクター画像や映像データが記憶された画像ROM556が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM556から読み出されたキャラクターなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり、電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の開閉部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a、30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、本発明の第1の実施の形態の概要について説明する。具体的には、本発明の第1の実施の形態の遊技における遊技状態及び当該遊技状態の遷移について説明する。
〔実施形態の概要〕
図5は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームにおける当りの種類を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームの当りの種類には、2R大当り、15R大当り及び小当りが含まれる。これらの当りは、特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様が導出される場合に発生する。
2R大当りは、大入賞口(特別変動入賞装置42)を2ラウンド分開放する特別遊技状態が発生する。そして、特別遊技状態が終了すると、特図変動表示ゲームの当選確率(特図確率)が高確率状態に設定される。また、特別遊技状態終了後の普電サポート状態は、普電サポートなし(非入賞容易状態)となり、いわゆる潜伏確変となる。なお、普電サポートがある状態となる2R大当りがあってもよい。
15R大当りは、大入賞口を15ラウンド分開放する特別遊技状態が発生する。そして、特別遊技状態が終了すると、特図確率が高確率状態に設定される。また、特別遊技状態終了後の普電サポートは、普電サポートあり(入賞容易状態)となり、特図変動表示ゲームが100回実行されるまで継続される。なお、普電サポートが実行される期間を大当り図柄に応じて設定するようにしてもよい。例えば、図柄が「7」で15R大当りした場合には、100回の普電サポートをし、図柄が「5」で15R大当りした場合には、10回の普電サポートをしてもよい。
また、小当りが発生しても特図確率は変化せず、小当り終了後の普電サポート状態も変化しない。本発明の第1の実施の形態では、小当りが発生した場合には大入賞口(特別変動入賞装置42)を2ラウンド分開放させるようにするが、所定数の賞球を払い出すようにしてもよい。
なお、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態となっている間には、特図変動表示ゲームが実行されるたびに転落抽選が実行され、転落抽選に当選すると、高確率状態から低確率状態に遷移(転落)する。
また、普電サポートは、確率状態の変化に依存せずに、特図変動表示ゲームが所定の回数実行されるまで継続するが、特図変動表示ゲームが所定の回数実行された後であっても、転落せずに高確率状態が維持されている場合には普電サポートを継続するようにしてもよい。
さらに、大当り後の特図確率が低確率になる2R大当り(2R通常)、15R(15R通常)があってもよい。15R通常の場合には、特図変動表示ゲームが所定回数(時短回数)実行されるまで、普電サポートが実行される。
図6は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームにおける抽選確率を示す図である。
図6に示すように、本発明の第1の実施の形態では、低確率状態では、特図変動表示ゲームの当選確率は1/300に設定されている。また、高確率時には1/30に設定されており、低確率時と比較して10倍の当選確率となっている。なお、小当りが発生する確率は、1/50程度に設定すればよい。
また、転落抽選の当選確率は、1/70に設定されている。15R大当りが発生した場合、普電サポートが終了するまで高確率状態が継続する確率は24%程度である。
図7は、本発明の第1の実施の形態の遊技状態の遷移を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の遊技機の遊技モードには、通常遊技モード、チャンスモード1、チャンスモード2、スペシャル(SP)チャンスモード、時短モード(時短状態)の5種類が含まれる。
通常遊技モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率又は高確率(いわゆる、潜伏確変状態)で、かつ、普電サポートがない状態である。通常遊技モードにおいて、特図変動表示ゲームで2R大当り又は小当りが発生すると、チャンスモード1又は2に遷移する。また、通常遊技モードにおいて、特図変動表示ゲームで15R大当り(又は、高確率状態の2R大当り)が発生すると、SPチャンスモードに遷移する。
なお、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率に設定され、通常遊技モードが表示されている状態が、いわゆる通常遊技状態である。
チャンスモードは、通常遊技モードで2R大当り又は小当りが発生した場合に遷移する遊技モードである。チャンスモードでは、背景が相違したり、特別なキャラクターが出現するなど、通常遊技モードと異なる演出が実行される。本発明の第1の実施の形態では、2R大当り及び小当りが発生すると、大入賞口が2ラウンド分開放されるため、遊技者に見分けがつかず、ゲーム性の高い遊技を行うことができる。2R大当りが発生した場合のチャンスモードでは高確率状態、小当りが発生した場合のチャンスモードでは低確率状態となっている。また、普電サポートなしとなっている。
なお、このチャンスモードが本願の高確率示唆状態に該当する。
チャンスモードは、チャンスモード1とチャンスモード2とを含み、いずれのチャンスモードでも特図変動表示ゲームの大当り確率が高い高確率状態と低確率状態とを含む、いわゆる潜伏確変状態である。なお、チャンスモード2では、高確率である期待度が、チャンスモード1より高い。すなわち、チャンスモード1では、高確率である期待度が低く、チャンスモード2では、高確率である期待度が高い。
従って、チャンスモード1が本願の第1演出モードに該当し、チャンスモード2が本願の第2演出モード2に該当する。
チャンスモードにおいて、特図変動表示ゲームが実行されるたびに表示モード転落抽選が実行される。この表示モード転落抽選に当選すると、通常遊技モードに遷移する。この状態遷移は演出態様が変化するだけであり(表示モード転落)、確率状態などが変化するものではない。チャンスモードにおいて、通常は、転落抽選が行われるが、小当りでチャンスモードに遷移した場合、転落抽選は行われない。また、チャンスモード1又は2において、表示モード転落抽選の結果によって、他のチャンスモードに遷移する場合もある。
通常遊技モード及びチャンスモードにおいて、特図変動表示ゲームで15R大当り(又は、高確率状態の2R大当り)が発生すると、SPチャンスモードに遷移する。なお、低確率状態であるチャンスモードで2R大当りが発生した場合であっても特別遊技状態終了後にSPチャンスモードに遷移するようにしてもよい。また、チャンスモード中に小当りが発生した場合には、再びチャンスモードに遷移する。
SPチャンスモードは、通常遊技モード又はチャンスモードで15R大当りが発生した場合、又は、高確率状態の通常遊技モード又は高確率状態のチャンスモードで2R大当りが発生した場合に遷移する遊技状態である。SPチャンスモードでは、チャンスモードと同様に、背景が相違したり、特別なキャラクターが出現するなど、他の遊技状態と異なる演出が実行される。したがって、SPチャンスモードは、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態、普電サポートありとなっている。SPチャンスモードは、いわゆる確変状態に対応する。
SPチャンスモード実行中に転落抽選に当選した場合には時短モードに遷移する。また、SPチャンスモードでは、転落抽選に当選せずに、時短回数上限まで普電サポートが実行されると、通常遊技モードに遷移する。
時短モードは、前述のように、SPチャンスモード実行中に転落抽選に当選した場合に遷移するもので、1回の特図変動表示ゲームの時間を短くすることによって、単位時間内に多くの回数の特図変動表示ゲームを実行するモードである。このとき、演出態様は、SPチャンスモードと同じになっている。すなわち、SPチャンスモードから時短モードに遷移しても遊技者に報知されない。時短モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率、かつ、普電サポートありの状態であり、時短回数上限まで継続する。
なお、時短モードでは、時短回数上限まで普電サポートが実行された後、通常遊技モードに遷移する。このとき、時短モードからチャンスモードに遷移するようにしてもよく、所定確率で通常遊技モード又はチャンスモードに移行するようにしてもよい。このように制御することによって、遊技者が確率状態を把握しにくくすることが可能となり、ゲーム性の高い遊技を行うことができる。
また、時短モードで2R大当り又は15R大当りが発生した場合には、当然、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態となる。
続いて、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図8A、図8Bは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時、例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S801)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S802)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S803)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S804)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S805)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S806)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S807)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S808)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S809)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S809の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S810〜S813)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S810及びS811の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S812及びS813の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S813の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S814)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S815)、これらの値が一致するか否かを判定する(S816)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S809の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S811又はS813の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS814の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S816の結果が「N」)、図6のS631〜S635の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S816の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図8BのS817〜S823)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S817)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S818)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S819)。
リセットされる領域は、エラースキャンカウンタ、セキュリティ信号制御タイマ、前枠開放監視領域、遊技枠開放監視領域、シュート球切れ監視領域、オーバーフロー監視領域、払い出し異常監視領域、スイッチ異常監視領域、大入賞口不正入賞監視領域、普電不正入賞監視領域、磁気監視領域、大入賞口不正監視情報、普電不正監視情報、外部情報領域のセキュリティ信号/扉・枠開放信号、試験信号領域の遊技機エラー状態信号がある。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S820)。高確率でないと判定された場合には(S820の結果が「N」)、S823以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S820の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S821)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S822)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S823)。
停電復旧時のコマンドには、機種指定コマンド、飾り特図1保留数コマンド、飾り特図2保留数コマンド、確率情報コマンドが含まれ、さらに、復旧画面コマンド又は客待ちデモコマンドが含まれる。
特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S839)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S840)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S841)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(S842)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S843)、S824以降の処理を実行する。電源投入時のコマンドには、機種指定コマンド及び電源投入コマンドが含まれる。
遊技制御装置500は、S607又はS635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S824)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S825)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S826)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S827)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S828)。ステップS828で初期化される乱数には、大当り初期値乱数、当り初期値乱数、大当り図柄初期値乱数1、大当り図柄初期値乱数2が含まれる。
また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S829)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S630)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S630の結果が「N」)、S612の初期値乱数更新処理を再び実行し、S628からS630までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S828)の前に割り込みを許可(S827)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S828)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S830の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS829の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S831)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S831の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S830)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S831の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S832〜S838)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S832)、全出力ポートをオフに設定する(S833)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S834)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S835)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S836)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S837)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S838)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S901)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS901の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S902)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S1003)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S904)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S905)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S906)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S907)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視する。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S908)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図10にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S909)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S910)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S911)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S912)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S913)。その後、S901の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S914)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S915)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S908)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S1001)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S1002)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1003)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、S1003の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1004の結果が「N」)、S1016以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1004の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1005)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1006)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1007)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1008)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1008の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図13にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1008の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1008の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1008の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1008の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S1013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1008の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1008の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1015)。大当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図17にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1016)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1017)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1018)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S1019)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1101)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1102)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図12にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S1103)。普通電動役物が作動中である場合には、S1106以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上(例えば、5個)であるかをチェックし(S1104)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1105)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1104及びS1105の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1105の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1105の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1106)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1107)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S1103、S1110)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1201、S1202)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1202の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1202の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1203)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1204)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1205)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1206、S1207)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1207の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1208)。
遊技制御装置500は、S1208の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1207の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1209、S1210)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1210の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1211)。さらに、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1212)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)する(S1214)。さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1215)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1216)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(S1217)、さらに、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1218)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1219)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1220)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1221)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行するために用いられる。変動パターン乱数1は、後半変動のリーチ系統を選択するための乱数である。変動パターン乱数2は、リーチ系統の中から詳細な演出の振分を行うための乱数である。また、変動パターン乱数3は、前半変動を選択するための乱数である。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、S1218の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備し(S1222)、転落抽選乱数を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S1223)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(S1224)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。特図保留情報判定処理は、特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1210の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1230、S1231)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S1231の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1232)、コマンド設定処理を実行する(S1233)。
一方、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S1231の結果が「N」)、又は、S1233のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(S1009)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1301、S1302)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1302の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1303、S1304)。このように、特図2保留数のチェック(S1301)を、特図1保留数のチェック(S1303)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1304の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1305、S1306)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1306の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1307)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1308)、コマンド設定処理を実行する(S1309)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1306の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1310以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1310)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1302の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1311)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1312)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1304の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1313)。なお、S1313における特図1変動開始処理1の詳細については、図14Aにて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1314)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図1変動開始処理1(S1313)の詳細について説明する。図14Aは、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、実行される特図1変動表示ゲームに対応する転落抽選を実行する(S1401a)。転落抽選は、特図変動表示ゲームが実行されるたびに行われ、当選すると、確率状態が高確率状態から通常確率状態に遷移(転落)する。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1402a)。
次に、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1403a)。
その後、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1404a)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をロードした後(S1405a)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1406a)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1407a)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(S1408a)。
続いて、遊技制御装置500は、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備し(S1409a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1410a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1411a)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1412a)。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1413a)、特図1変動開始処理1を終了する。
また、図14Bは、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1(S1311)は、特図1変動開始処理1と同様の手順である。相違するのは、S1402bの処理で特図2停止図柄設定処理が実行され、また、S1403bの処理で特図1停止図柄番号が特図2停止図柄番号に、S1406b及びS1407bの処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる。
〔転落抽選処理〕
次に、前述した特図変動開始処理(図14A、図14B)における転落抽選処理(S1401a、S1401b)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の転落抽選処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、遊技制御装置500は、S1223においてRWMの乱数セーブ領域にセーブした転落抽選乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1501)。
S1502〜S1508の処理は、前述した転落判定処理のS1401〜S1407の処理と同様である。転落判定処理では、まだ対象の始動記憶は保留状態であるので、転落抽選に当選したか否かを判定するのみで、当選しても実際に転落を実行しない。転落抽選処理では、対象の始動記憶の特図変動表示ゲームが開始される際に再び転落抽選に当選したか否かを判定し、当選したら実際に転落を実行するための処理を実行する。
具体的には、遊技制御装置500は、まず、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1502)。そして、高確率状態でない場合は(S1502の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1510)、転落抽選処理を終了する。
一方、高確率状態である場合は(S1502の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の下限判定値をRWMに設定し(S1503)、転落抽選乱数値が下限判定値未満であるか否かをチェックする(S1504)。そして、転落抽選乱数値が下限判定値未満である場合は(S1505の結果が「Y」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1510)、転落抽選処理を終了する。
転落抽選乱数値が下限判定値以上である場合は(S1505の結果が「N」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の上限判定値をRWMに設定して(S1506)、転落抽選乱数値が上限値以下であるか否かをチェックする(S1507)。そして、転落抽選乱数値が上限値より大きい場合は(S1508の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1510)、転落抽選処理を終了する。
一方、転落抽選乱数値が上限値以下である場合は(S1508の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落抽選に当選したと判定して、転落時情報設定処理を実行する(S1509)。なお、転落時情報設定処理についての詳細は、図16にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1510)、転落抽選処理を終了する。
〔転落時情報設定処理〕
次に、前述した転落抽選処理(図15)における転落時情報設定処理(S1509)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の転落時情報設定処理の手順を示すフローチャートである。転落時情報設定処理では、RWMに格納される遊技状態を示す情報を書き替える処理である。
遊技制御装置500は、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態を示す番号を表示するために、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率状態を示す番号をセーブする(S1601)。
次に、遊技制御装置500は、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(S1602)。
さらに、遊技制御装置500は、停電復旧後に停電前の遊技状態に復旧できるようにRWMの停電復旧時送信コマンド領域に低確率状態である確率情報コマンドをセーブする(S1603)。
最後に、遊技制御装置500は、低確率状態である確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためにコマンド設定処理を実行して(S1604)、転落時情報設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(S1015)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをチェックし(S1701)、確率変動判定フラグが潜伏確変突入フラグであるか否かを判定する(S1702)。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが潜伏確変突入フラグの場合には(S1702の結果が「Y」)、すなわち、潜伏確変に移行する場合には、大当り終了設定処理1を実行する(S1703)。この場合、特図変動表示ゲームの結果が2R大当りであり、遊技状態はチャンスモードに遷移する。大当り終了設定処理1の詳細については、図18にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが潜伏確変突入フラグでない場合には(S1702の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(S1705)。この場合、特図変動表示ゲームの結果が15R大当りであり、遊技状態はSPチャンスモードに遷移する。大当り終了設定処理2の詳細については、図19にて説明する。
本発明の第1の実施の形態では、大当り終了時には、当り図柄にかかわらず、一律に確率状態が高確率状態に設定される。前述のように、時短状態、すなわち、普電サポートの態様を図柄に対応させて設定するようにしてもよい。
遊技制御装置500は、大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S1707)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1708)。
そして、遊技制御装置500は、振り分け判定フラグ領域にセーブされた変動振り分けデータをロードし(S1707)、ロードした変動振り分けデータを振り分け情報領域にセーブする(S1708)。最後に、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理3を実行し(S1709)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(S1703)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を潜伏確変状態(チャンスモード)に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、潜伏確変の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S1801)。さらに、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S1802)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏確変状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏確変状態の番号をセーブする(S1803)。
次に、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグ/普電サポートなしフラグをセーブする(S1804)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブする(S1805)。最後に、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブし(S1806)、大当り終了設定処理1を終了する。
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理2(S1704)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を確変状態(SPチャンスモード)に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確率(SPチャンスモード)の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S1901)。具体的には、大当り2信号をオンに設定する。
さらに、遊技制御装置500は、高確率の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S1902)。具体的には、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1高確率状態信号、普通図柄1変動時間短縮信号、普通電動役物1開放延長状態信号をオンに設定する。
また、遊技制御装置500は、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確率時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S1903)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S1904)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S1905)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S1906)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短回数(100回)をセットし(S1907)、大当り終了設定処理2を終了する。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2001)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2002)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2004)、乱数初期化処理を実行する(S2005)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2006)。そして割込みを許可する(S2007)。なお、割込みの発生タイミングではコマンド受信割込み処理が実行される。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(S2009)。本実施の形態の遊技機では、演出ボタン31の操作の検出結果はボタン操作判定処理(図25)のステップS2503で使用される。また、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2010)。具体的には、受信したコマンド、すなわち、割込によってバッファに格納したコマンドをシーン制御処理のための区分けする。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。すなわち、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される、表示や役物等の確認作業である。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2010)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(S2012)。シーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、特図変動表示ゲームの大当り又は高確率状態の転落を事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2013)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2014)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2015)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2016)、さらに、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2017)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2018)、S2008の処理に戻る。以降、S2008からS2018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
図21は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。この1stシーン制御処理は、演出制御装置550の1stCPU551で実行される。
演出制御装置550は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S2101)。その結果、テストモード中であれば、シーンを制御する必要がないので、この処理を終了する。一方、テストモード中でなければ、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(S2102)。シーン変更コマンド受信していなければ、ステップS2107に進む。一方、シーン変更コマンド受信していれば、ステップS2103に進む。
シーン変更コマンドには、電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、大当り/小当りファンファーレコマンド、大入開放(n回目)コマンド、インターバルコマンド、大当り/小当りエンディングコマンド等の表示状態が変化するコマンドが含まれる。
ステップS2103では、更新する遊技状態を取得し(S2103)、受信したコマンドが有効なコマンドであるか否かを判定する(S2104)。受信したコマンドが有効なコマンドであれば、受信コマンドをセーブし(S2105)、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグである演出リクエストフラグをセーブする(S2106)。一方、受信したコマンドが有効なコマンドではなければ、ステップS2107に進む。
ステップS2107では、遊技制御装置500から受信したコマンドのコマンド識別子によって、ステップS2108からS2116に分岐する。具体的には、受信したコマンドが電源投入コマンドであれば、電源投入処理を実行する(S2108)。受信したコマンドが停電復旧コマンドであれば、停電復旧(客待ち以外)処理を実行する(S2109)。受信したコマンドが客待ちデモコマンドであれば、客待ち処理を実行する(S2110)。受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば、変動中処理を実行する(S2111)。なお、変動中処理は、図22を用いて説明する。受信したコマンドが図柄停止コマンドであれば、図柄停止処理を実行する(S2112)。この図柄停止処理では、ボタン禁止情報がクリアされる。受信したコマンドがファンファーレコマンドであれば、ファンファーレ処理を実行する(S2113)。受信したコマンドが大入開放(n回目)コマンドであれば、ラウンド中処理を実行する(S2114)。受信したコマンドがインターバルコマンドであれば、インターバル処理を実行する(S2115)。受信したコマンドがエンディングコマンドであれば、エンディング処理を実行する(S2116)。このエンディング処理のタイミングで、2R確変、小当り経由でモードを遷移してもよいし、アタッカー開放中にモードを遷移してもよい。分岐した各処理が終了するとステップS2117に進む。
次に、遊技制御装置500から受信した図柄コマンドに基づいて、停止図柄をセットする図柄コマンド受信処理を実行する(S2117)。そして、始動入賞時及び変動開始時に送信される遊技制御装置500から受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留数の表示内容を更新(増減)する保留数コマンド受信処理を実行する(S2118)。その後、遊技制御装置500から受信した先読みコマンドに基づいて、特図記憶領域に格納された乱数値を取得する先読みコマンド受信処理を実行する(S2119)。さらに、遊技制御装置500から受信した確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに、背景コマンドを2ndCPU552に送信する確率情報コマンド受信処理を実行し(S2120)、1stシーン制御処理を終了する。
〔変動中処理〕
図22は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。この変動中処理は、1stシーン制御処理(図21)のステップS2111において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される。
演出制御装置550は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(S2201)。その結果、演出リクエストフラグが設定されていれば、ステップS2202に進む。一方、演出リクエストフラグが設定されていなければ、ステップS2212に進む。なお、演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に、1stシーン制御処理(図21)のステップS2106で設定されるフラグである。この演出リクエストフラグが設定されている場合、受信したコマンドに基づく処理を実行する。
すなわち、変動中処理のステップS2210において演出リクエストフラグがクリアされることから、ステップS2201では、この変動中処理がシーン変更後の1回目に実行されるものであれば変動表示に関する各種情報を設定し、2回目以後に実行されるものであればタイマにより表示演出状態を変更するか否かを判定する。
ステップS2202では、演出ボタン関連情報をクリアする。その後、可動体リクエストをセットし、役物を初期化するように制御する(S2204)。そして、変動パターン情報設定処理を実行し、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定する(S2204)。さらに、乱数シード初期化処理を実行し、乱数の種値を初期化する(S2205)。
その後、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(S2206)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクターの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルであり、このテーブルに従い飾り特図変動表示ゲームが実行される。
次に、時短回数などを管理するための変動回数管理処理を実行し(S2207)。変動表示ゲームの実行時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S2208)。その後、表示モードを移行するモード移行設定処理を実行し(S2209)、演出リクエストフラグをクリアする(S2210)。
その後、背景表示(ステージ)を変更するための演出ボタン31の操作がされているか否かを判定するボタン操作判定処理を実行する(S2211)。
一方、ステップS2212では、更新タイマがタイムアップしたか否かを判定する。更新タイマがタイムアップしていれば、表示演出状態を変更するタイミングなので、シーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S2213)、変動中処理を終了する。
図23は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。この変動パターン情報設定処理は、変動中処理(図22)のステップS2204において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理で、遊技状態と演出情報とに基づいて、コマンドに対応する変動パターンを決定する処理である。
演出制御装置550は、まず、遊技状態を確認し(S2301)、始動記憶数を確認する(S2302)。
そして、遊技制御装置500からの変動表示指令信号に基づいて、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであるか否かを判定する(S2303)。その結果、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであれば、ステップS2301で取得した遊技状態に対応する大当り時の変動パターン選択テーブルを設定する(S2307)。
一方、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものでなければ、ステップS2301、S2302で取得した遊技状態及び始動記憶数に対応するはずれ時の変動パターン選択テーブルを設定する(S2304)。その後、受信した変動パターンコマンドに基づくリーチ系統の判定情報を取得し(S2305)、設定したテーブルと取得した判定情報によって変動パターン情報を設定し(S2306)、変動パターン情報設定処理を終了する。
なお、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものである場合には、遊技状態に対応する大当り時の変動パターン選択テーブルを設定するようにしたが、遊技状態だけではなく、遊技状態及び始動記憶数に対応する大当り時の変動パターン選択テーブルを設定するようにしてもよい。
図24A、図24Bは、本発明の第1の実施の形態の変動パターン選択テーブルを説明する図であり、図24Aは、変動パターン情報設定処理(図23)のステップS2304において(はずれ時に)設定されるテーブルを、図24Bは、ステップS2307において(大当り時に)設定されるテーブルを示す。
これらの変動パターン選択テーブルは、リーチ系統振分率、リーチ系統情報、選択率、ステップアップ、リーチ時予告の欄を含む。
リーチ系統振分率は、リーチ系統情報にて定義される系統のリーチが選択される割合を示し、所定の乱数によって、定義された振り分け率に従って、リーチの種類が定まる。
選択率は、ステップアップにて定義される変動表示中の演出が選択される割合を示す。なお、ステップアップに「ステップ5」が定義されている場合、ステップ1→ステップ2→ステップ3→ステップ4→ステップ5の順で演出が行われることによって、飾り特図変動表示ゲームが進行する。また、ステップアップに「ステップ3」が定義されている場合、変動表示中に、ステップ1→ステップ2→ステップ3の順で飾り特図変動表示ゲームが進行し、ステップ4、5は表示されない。
このように、本実施の形態では、リーチ予告前の演出の変化によっても、リーチや当りの可能性を遊技者に示唆することができる。
リーチ時予告は、リーチ成立時(直後)の予告演出の最終段階での演出の種類を示す。例えば、Aは図32の左列に示すように泡が出現するリーチで、Bは図32の中列に示すようにイカが出現するリーチで、Cは図32の右列に示すように魚群が出現するリーチである。
はずれ時に設定されるテーブル(図24A)と、大当り時に設定されるテーブル(図24B)とを比較すると、大当りが導出される特図変動表示ゲームにおいては、予告演出Cが表示されやすいことが分かる。
従って、予告演出C(第2予告演出)を実行することで、予告演出A(第1予告演出)が実行された場合より前記特別結果が導出される可能性が高いことを示唆していることになる。
図25は、本発明の第1の実施の形態のボタン操作判定処理の手順を示すフローチャートである。このボタン操作判定処理は、変動中処理(図22)のステップS2211において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理で、ステージ(背景)チェンジの予告演出(切替補助予告演出)の処理である。
ステージ(背景)としては、海辺ステージ、海中ステージ、海上ステージなど、単に背景を異ならせる以外にも、ステージごとの固有の予告等を設定してもよい。また、予告の出現率を変化させてもよいが、確率状態等を加味してステージを変化する必要はない。
演出制御装置550は、まず、ステージを変更するための演出ボタン31の操作の有効期間か否かを確認する(S2501、S2502)。例えば、ボタン操作の有効期間は、変動開始後の所定期間(5秒以内)などを設定することができる。
その結果、ステージを変更するためのボタン操作の有効期間内でなければ、ステージを変更しないので、ボタン操作判定処理を終了する(S2502の結果が「N」)。一方、ステージを変更するためのボタン操作の有効期間内であれば(S2502の結果が「Y」)、演出ボタン31の操作の検出の有無を判定する(S2503、S2504)。なお、演出ボタン31の操作は、メイン処理(図20)のステップS2009において検出される。
その結果、演出ボタン31の操作による入力信号が検出されなければ、ステージを変更しないので、ボタン操作判定処理を終了する(S2504の結果が「N」)。一方、演出ボタン31の操作による入力信号が検出されれば(S2504の結果が「Y」)、遊技制御装置500から送信された変動表示指令信号に基づいて、実行中の変動パターンを確認する(S2505、S2506)。その結果、実行中の変動パターンが大当り変動であれば(S2506の結果が「Y」)、大当り時のステージチェンジ演出選択テーブルを設定する(S2507)。一方、実行中の変動パターンが大当り変動でなければ(S2506の結果が「N」)、はずれ時のステージチェンジ演出選択テーブルを設定する(S2509)。
その後、設定したテーブルとリーチ系統情報とからステージチェンジの演出を設定する(S2508)。なお、ステージの切替時に始動記憶の先読みの予告演出を表示してもよい。その後、ボタン操作判定処理を終了する。
なお、ステージを変更するためのボタン操作の有効期間内に、複数回ボタン操作が行われた場合には、最初のボタン操作、もしくは最後のボタン操作に基づいて、ボタン操作判定処理が行われるようにしてもよい。
図26A、図26Bは、本発明の第1の実施の形態のステージチェンジ演出選択テーブルを説明する図であり、図26Aは、ボタン操作判定処理(図25)のステップS2509において(はずれ時に)設定されるテーブルを、図26Bは、ステップS2509において(大当り時に)設定されるテーブルを示す。
これらのステージチェンジ演出選択テーブルは、リーチ系統情報、選択率、表示内容の欄を含む。選択率は、リーチ系統情報にて定義される系統のリーチの中で、各表示内容が選択される割合を示し、所定の乱数によって、定義された選択率に従って、表示内容の種類が定まる。
ステージチェンジ演出選択テーブルに定義される表示内容のA、B、Cは、変動パターン選択テーブル(図24A、図24B)において説明した演出と同じである。
はずれ時に設定されるテーブル(図26A)と、大当り時に設定されるテーブル(図26B)とを比較すると、大当りが導出される変動表示ゲームにおいては、表示Cが表示されやすいことが分かる。
図27は、本発明の第1の実施の形態のモード移行設定処理の手順を示すフローチャートである。このモード移行設定処理は、変動中処理(図22)のステップS2209において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理で、遊技状態と演出情報とに基づいてコマンドに対応する演出モードを設定する処理である。本願の演出モード制御手段及び移行制御手段等に該当する。
本実施の形態では、設定される演出モードは、現在の遊技状態によって変わることから、モード移行設定処理によって、遊技状態に応じたテーブルを選択するようにしている。
演出制御装置550は、まず、遊技制御装置500からの変動表示指令信号に基づいて、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであるか否かを判定する(S2701)。その結果、開始する変動表示ゲームが大当りを導出するものでなければ、開始する特図変動表示ゲームが小当りを導出するものであるかであるか否かを判定し(S2702)、開始する特図変動表示ゲームが小当りを導出するものであれば、小当り情報を設定する(S2703)。一方、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであれば、大当たりの種類を確認し(S2704)、種類に応じた大当り情報を設定する(S2705)。
その後、現在設定されている表示モードを確認し(S2706)、さらに、現在設定されている遊技状態を確認する(S2707)。そして、特図変動表示ゲームが低確率状態であるか否かを判定する(S2708)。その結果、特図変動表示ゲームが高確率状態であれば(S2708の結果が「N」)、開始する変動表示ゲームで転落抽選が行われるので、この変動表示ゲームで転落が発生するか否かを判定し(S2709)、開始する変動表示ゲームで転落が発生する場合は、現在の表示モードに応じた転落時の表示モード選択テーブルを設定する(S2710)。一方、開始する変動表示ゲームで転落が発生しない場合は、現在の表示モードに応じた高確率の表示モード選択テーブルを設定する(S2711)。
一方、特図変動表示ゲームが低確率状態であれば(S2708の結果が「Y」)、モード移行が発生した後の所定回数以内のゲームであるか否かを判定し(S2712)、モード移行発生後であれば、現在の表示モードに応じた低確率1の表示モード選択テーブルを設定する(S2713)。これは、高確率の期待が全く持てない遊技状態では、モード移行によって遊技者を混乱させないようにするためである。
一方、モード移行発生後でなければ、現在の表示モードに応じた低確率2の表示モード選択テーブルを設定する(S2714)。モード移行発生後の所定回数以内のゲームであるか否か、モード移行の履歴を記録しておき、この記録された履歴からのゲーム数を参照することによって判定することができる。
なお、転落と、2R確変当り又は小当りとが重複した場合には、転落を優先して、モード移行させる。
このように、モード移行発生後であるか否かによって選択テーブルを変更することによって、チャンスモード抜け後の所定回数以内のゲームであれば、潜伏を匂わすことができる。
その後、各種情報と設定した表示モード選択テーブルから表示モードの移行演出を設定する(S2715)。この各種情報とは、図柄情報、現在の表示モードなどの情報である。そして、転落後、所定回数のゲームが実行されたか否かを判定し(S2716)、所定回数のゲームが実行されていなければ、このモード移行設定処理を終了する。
一方、所定回数のゲームが実行されていれば、通常遊技モードであるか否かを判定し(S2717)、通常遊技モードでなければ、通常遊技モードを設定する(S2718)。
これは、本実施の形態のモード移行設定処理では、低確率状態ではいずれは通常遊技モードに遷移するようになっているが、転落後所定回数のゲームが実行された後にも上位のモードであれば、強制的に通常遊技モードに設定するものである。このため、内部の遊技状態は低確率になっている場合に、上位の演出モードに必要以上に長く滞在することはない。
図28Aから図31Cは、本発明の第1の実施の形態の表示モード選択テーブルを説明する図である。
図28Aから図31Cの表示モード選択テーブルは、選択割合、モード移行時演出、移行後の表示モードの欄を含む。選択割合は、表示モード選択テーブルに定義される表示モード(モード移行時演出、移行後の表示モード)が選択される割合を示す。
図28Aから図28Cは、本発明の第1の実施の形態の転落時の表示モード選択テーブルを説明する図であり、モード移行設定処理(図27)のステップS2710で選択されるもので、図28Aは通常遊技モードにおいて設定されるテーブルを、図28Bはチャンスモード1において設定されるテーブルを、図28Cはチャンスモード2において設定されるテーブルを示す。図28B、図28Cから分かるように、転落時には、演出Aが多く選択されるようになっており、遊技者に期待感を持たせないようになっている。
また、図29Aから図29Cは、本発明の第1の実施の形態の高確率(潜伏確変)時の表示モード選択テーブルを説明する図であり、モード移行設定処理(図27)のステップS2711で設定されるもので、図29Aは通常遊技モードにおいて設定されるテーブルを、図29Bはチャンスモード1において設定されるテーブルを、図29Cはチャンスモード2において設定されるテーブルを示す。
例えば、高確率(潜伏確変)時の表示モード選択テーブルでは、変動表示ゲームの結果が2R当たりとなった場合、必ずスペシャルチャンスモードに遷移する。この場合は、演出モードと遊技状態とが常に同時に変更される。また、チャンスモードにおける高確率時の表示モード選択テーブル(図29B、図29C)では、小当りの場合にチャンスモード2に遷移する割合を高くして、小当りを契機として期待感が向上するようにしている。
また、図30は、本発明の第1の実施の形態の低確率1時の表示モード選択テーブルを説明する図であり、モード移行設定処理(図27)のステップS2713で設定されるテーブルを示す。
また、図31Aから図31Cは、本発明の第1の実施の形態の低確率2時の表示モード選択テーブルを説明する図であり、モード移行設定処理(図27)のステップS2714で設定されるもので、図31Aは通常遊技モードにおいて設定されるテーブルを、図31Bはチャンスモード1において設定されるテーブルを、図31Cはチャンスモード2において設定されるテーブルを示す。
低確率時の表示モード選択テーブル(図30、図31A〜図31C)では、移行なしの割合が高く設定されている。これは、遊技中は低確率で、特図変動表示ゲームの結果が外れである場合が多く、このときにモードの変更が頻繁に発生すると、遊技者が混乱してしまうからである。また、2R確変当たりで高確率に移行する場合に、演出Cが行われる確率を高くして、遊技者の期待を高めるようにしている。
また、低確率1の表示モード選択テーブル(図30)と、低確率2の表示モード選択テーブル(図31A〜図31C)とを比較すると、低確率2のテーブルの方が上位の表示モードへ遷移する割合を高くして、遊技者に期待を持たせるようにしている。
また、チャンスモードにおける低確率時の表示モード選択テーブル(図30、図31A〜図31C)では、チャンスモード2に遷移する割合を低くして、期待感が向上させないようにしている。
これらの表示モード選択テーブルに定義されるモード移行時演出のA、B、Cは、変動パターン選択テーブル(図24A、図24B)において説明した演出と同じである。
高確率(潜伏確変)時の表示モード選択テーブル(図29A〜図29C)は、遊技結果、選択割合、モード移行時演出、移行後の表示モードの欄を含む。遊技結果は、特図変動表示ゲームの結果である。選択割合は、表示モード選択テーブルに定義される表示モード(モード移行時演出、移行後の表示モード)が選択される割合を、遊技結果毎に示す。
また、表示モード選択テーブルから分かるように、潜伏確変時に実行された特図変動表示ゲームの結果が2R確変当りの場合、必ずスペシャルチャンスモードに遷移する。また、小当りの場合は、より上のモードに遷移する。また、15R当りの場合は、必ずSPチャンスモードに遷移するので、この表示モード選択テーブルには記載されていない。
図32から図34は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の飾り特図変動表示ゲームにおける画面遷移を説明する図である。
図32に示すように、飾り特図変動表示ゲームが開始し、左中右の特別図柄(識別情報)が変動表示する(A)。その後、左列に示すように、変動表示中の演出がステップ1からステップ2に進み(B)、二つ(例えば、左右)の特別図柄の変動表示が停止する仮停止状態になり、リーチ状態が発生する(C)。この変動表示において、リーチ時予告に演出Aが選択されていると、泡が出現するリーチ演出が行われ(D)、最終的にはずれの図柄で停止する(E)。
また、中列に示すように、変動表示中の演出がステップ1から順にステップ4に進み(F)、二つ(例えば、左右)の特別図柄の変動表示が停止する仮停止状態になり、リーチ状態が発生する(G)。この変動表示において、リーチ時予告に演出Bが選択されていると、イカが出現するリーチ演出が行われ(H)、最終的にはずれの図柄で停止する(I)。なお、泡が出現するリーチ演出よりイカが出現するリーチ演出の方が期待度が高いので、最終的に停止する図柄も近い図柄で停止すると、遊技者がリーチの期待度を感じられてよい。
また、右列に示すように、変動表示中の演出がステップ1から順にステップ5に進み(J)、二つ(例えば、左右)の特別図柄の変動表示が停止する仮停止状態になり、リーチ状態が発生する(K)。この変動表示において、リーチ時予告に演出Cが選択されていると、魚群が出現するリーチ演出が行われ(L)、最終的に当りの図柄で停止する(M)。
図33は、変動表示中にステージが変更される場合の飾り特図変動表示ゲームにおける画面遷移を示す。
飾り特図変動表示ゲームが開始し、海辺ステージで、左中右の特別図柄(識別情報)が変動表示する(A)。その後、演出ボタン31の操作が可能な期間であることを示す、すなわち、変動表示中にステージ変更が可能なことを示す表示である「PUSH」を表示する(B)(F)(J)。その後、演出ボタン31が操作されると、設定されたステージチェンジ演出選択テーブルに従って選択されたステージ変更時の予告演出を表示し(C)(G)(K)、ステージが変更されて、図柄の変動表示が継続し(D)(H)(L)、二つ(例えば、左右)の特別図柄の変動表示が停止する仮停止状態になり、リーチ状態が発生する(E)(I)(M)。
なお、魚群が出現する予告演出(K)より、イカが出現する予告演出(G)が期待度が低く、イカが出現する予告演出(G)より、泡が出現する予告演出(C)が期待度が低い。このため、泡が出現する予告演出(C)の後は、通常のリーチ(E)となり、イカが出現する予告演出(G)の後は、通常のリーチより期待度が高いスペシャルリーチ1(I)となり、魚群が出現する予告演出(K)の後は、スペシャルリーチ1より期待度が高いスペシャルリーチ3(M)となる。
なお、本実施の形態で、ステージ名は、文字で常に表示してもよいし、背景等で表すものでもよい。また、チャンスモード等では、他のモードとは異なって文字等で報知してもよいし。また、例えば、各ステージにおける天気の状態で表してもよいし、昼間、夕方、夜などで表してもよい。
また、本実施の形態では、変動表示中にステージ変更が可能なことを示す表示である「PUSH」を表示するようにしたが、「PUSH」と表示せずに音声でステージ変更が可能なことを示してもよいし、表示や音声による報知は一切せずに演出ボタン31を発光させて操作可能なことを報知してもよい。
図34は、高確率サポートがない場合の飾り特図変動表示ゲームにおける画面遷移を示す。
チャンスモード1で飾り特図変動表示ゲームが開始し、左中右の特別図柄(識別情報)が変動表示する(A)。その後、左列に示すように、泡が出現する演出が表示され(B)、その後、通常遊技モードに転落する(D)。この予告演出は、通常遊技モードへの移行時のみに表示され、所定時間の表示後に消すようにしてもよい。本実施の形態では、このように、予告演出が表示された場合でも、通常遊技モードに転落する場合がある。
また、中列に示すように、変動表示ゲームの結果、小当りとなった場合(D)、イカが出現する演出が表示され(E)、チャンスモード2に遷移する(F)。この場合、特別図柄は停止してもよいし、仮停止状態で揺れ変動していてもよい。
また、右列に示すように、変動表示ゲームの結果、2R確変当りとなった場合(G)、魚群が出現する演出が表示され(H)、スペシャルチャンスモードに遷移する(I)。この場合、特別図柄は停止してもよいし、揺れ変動していてもよい。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によると、高確率であることを示唆するモードへの移行時に、変動表示ゲームの期待度を示す予告と同様の予告を実行するので、状態移行の期待度が認識しやすくなり、遊技者の混乱を避けることができる。すなわち、変動表示ゲームの期待度を示す予告であれば、大当りするか否かに興味を持つ遊技者が内容を理解していることが多いため、状態移行の予告に関する知識が乏しい遊技者であっても期待感がわかりやすくなる。
また、上位の演出モードから下位の演出モードへの移行時に、前記特別結果が導出されることを示唆する予告演出(A又はB)を実行し、下位の演出モードから上位の演出モードへの移行時に、大当りが導出される可能性がより高いことを示唆する予告演出(B又はC)を実行する。すなわち、変動表示ゲームの結果大当りが導出される可能性が高いことを示唆する予告演出(B又はC)が、状態移行において期待度の高い移行となる場合にも出現するので、遊技者が状態移行の演出を理解しやすい。
また、状態移行の予告演出は、リーチ時に出現する予告演出と同種のものであるため、遊技者がより大当りへの期待感を感じる予告であるため、予告内容を理解している可能性が高い。
また、予告演出C>予告演出B>予告演出Aの順に大当り時に選択される確率が高いので、モード移行演出B、Cが実行された場合の期待感を高めることができる。
また、高確率状態において、上位の演出モードへの移行割合が高いので、上位の演出モードの期待感を高めることができる。
また、リーチ成立前に状態移行が実行されるので、同じ予告演出が実行されても状態移行の期待度を示す予告なのか、変動表示ゲームの期待度を示す予告なのか理解しやすく、遊技者が状態移行の演出を理解しやすい。
また、背景移行時にも予告演出A、B、Cが出現するので、楽しむポイントが増えるとともに、期待感の理解しやすくなる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。前述した第1の実施の形態の遊技機は、変動中処理(図22)において、変動パターンを設定した後(S2204)、モード移行を設定している(S2209)。しかし、第2の実施の形態の遊技機は、前述した第1の実施の形態と異なり、変動パターン設定処理がモード移行処理より先に実行される。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる処理のみを説明し、その他の構成、処理の説明は省略する。
図35は、本発明の第2の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。この変動パターン情報設定処理は、変動中処理(図22)のステップS2204において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理で、遊技状態と演出情報とに基づいて、コマンドに対応する変動パターンを決定する処理である。
演出制御装置550は、まず、遊技状態を確認し(S2301)、始動記憶数を確認する(S2302)。
そして、遊技制御装置500からの変動表示指令信号に基づいて、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであるか否かを判定する(S2303)。その結果、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであれば、ステップS2301で取得した遊技状態に対応する大当り時の変動パターン選択テーブルを設定する(S2307)。
一方、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものでなければ、予告Cの出現を伴うモード移行後、所定ゲーム数以内の変動表示ゲームであるかを確認する(S3501)。その結果、所定ゲーム数以内であれば(S3502の結果が「Y」)、遊技状態、始動記憶数に対応する、はずれ時の特殊変動パターン選択テーブル(図36参照)を設定する(S3503)。一方、予告Cの出現を伴うモード移行後、所定ゲーム数以内の変動表示ゲームでなければ(S3502の結果が「N」)、ステップS2301、S2302で取得した遊技状態及び始動記憶数に対応するはずれ時の変動パターン選択テーブルを設定する(S2304)。その後、受信した変動パターンコマンドに基づくリーチ系統の判定情報を取得し(S2305)、設定したテーブルと取得した判定情報によって変動パターン情報を設定し(S2306)、変動パターン情報設定処理を終了する。
図36は、本発明の第2の実施の形態の特殊変動パターン選択テーブルを説明する図であり、変動パターン情報設定処理(図35)のステップS3503において(はずれ時に)設定されるテーブルを示す。
特殊変動パターン選択テーブルは、リーチ系統振分率、リーチ系統情報、選択率、ステップアップ、リーチ時予告の欄を含む。各欄に定義される内容は、前述した変動パターン選択テーブル(図24A、図24B)と同じである。
特殊変動パターン選択テーブル(図36)では、他の変動パターン選択テーブル(図24A、図24B)と異なり、予告演出Cを含まない。このため、期待度が高い予告演出Cが行われた後、所定数のゲームにおいて、特図変動表示ゲームの結果が外れとなる場合に、さらに予告演出Cが行われることがなくなり、特図変動表示ゲームの結果が外れであるにも拘わらず、遊技者の大当りへの期待度を高めることがない。
なお、変動中処理(図22)において、変動パターン設定処理(S2204)と、モード移行設定処理(S2209)との実行順序を入れ替え、モード移行の判定結果を加味して変動パターンを設定してもよい。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によると、遊技モードの移行において予告演出Cが実行されると、特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる場合以外に予告演出Cが出現しない(第2予告演出の実行を禁止する)ため、予告演出Cと変動表示ゲームの結果との関係性が生じ、予告演出Cの発生により期待できるようになる。すなわち、期待感が高い演出が続いても、特図変動表示ゲームにおいて大当りが導出されない場合が減り、遊技者の期待感と遊技の結果に齟齬が生じることを減らすことができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。前述した第1及び第2の実施の形態の遊技機では、ステージ変更の有効期間は、ボタン操作判定処理(図25)のステップS2501において制御される。この期間は、変動開始後の所定時間が設定され、通常、リーチの成立前にステージが変更される。このため、モード移行時の演出とステージの変更時の演出とが同一又は類似している場合、両者が競合し、表示される演出の意味が遊技者にとって分かりにくくなる。
そこで、第3の実施の形態では、モード移行をステージ変更より優先し、モードを移行する場合に、演出ボタン31の操作を禁止するようにして、モード移行時の演出とステージ変更時の演出とが競合しないように制御する。なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる処理のみを説明し、その他の構成、処理の説明は省略する。
図37は、本発明の第3の実施の形態のモード移行設定処理の手順を示すフローチャートである。このモード移行設定処理は、変動中処理(図22)のステップS2209において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理で、遊技状態と演出情報とに基づいてコマンドに対応する変動パターンを決定する処理である。
演出制御装置550は、まず、遊技制御装置500からの変動表示指令信号に基づいて、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであるか否かを判定する(S2701)。その結果、開始する変動表示ゲームが大当りを導出するものでなければ、開始する特図変動表示ゲームが小当りを導出するものであるかであるか否かを判定し(S2702)、開始する特図変動表示ゲームが小当りを導出するものであれば、小当り情報を設定する(S2703)。一方、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであれば、大当たりの種類を確認し(S2704)、種類に応じた大当り情報を設定する(S2705)。
その後、現在設定されている表示モードを確認し(S2706)、さらに、現在設定されている遊技状態を確認する(S2707)。そして、特図変動表示ゲームが低確率状態であるか否かを判定する(S2708)。その結果、特図変動表示ゲームが高確率状態であれば(S2708の結果が「N」)、開始する変動表示ゲームで転落が発生するか否かを判定し(S2709)、開始する変動表示ゲームで転落が発生する場合は、現在の表示モードに応じた転落時の表示モード選択テーブルを設定する(S2710)。一方、開始する変動表示ゲームで転落が発生しない場合は、現在の表示モードに応じた高確率の表示モード選択テーブルを設定する(S2711)。
一方、特図変動表示ゲームが低確率状態であれば(S2708の結果が「Y」)、モード移行が発生した後の所定回数以内のゲームであるか否かを判定し(S2712)、モード移行発生後であれば、現在の表示モードに応じた低確率1の表示モード選択テーブルを設定し(S2713)、演出ボタン判定禁止情報を初期化する(3701)。一方、モード移行発生後でなければ、現在の表示モードに応じた低確率2の表示モード選択テーブルを設定する(S2714)。なお、転落と、2R確変当り又は小当りが重複した場合には、転落を優先して、モードを移行させる。
このように、モード移行発生後であるか否かによって選択テーブルを変更することによって、チャンスモード抜け後の所定回数以内のゲームであれば、潜伏を匂わすことができる。
その後、各種情報と設定した表示モード選択テーブルから表示モードの移行演出を設定する(S2715)。この各種情報とは、図柄情報、現在の表示モードなどの情報である。そして、モード移行があるかを判定し(S3702)、モード移行がある場合、演出ボタン判定禁止情報を設定する(S3703)。この演出ボタン判定禁止情報が設定されることによって、演出ボタン31の操作を促す表示がされず、演出ボタン31の操作を受け付けない。そして、転落後、所定回数のゲームが実行されたか否かを判定し(S2716)、所定回数のゲームが実行されていなければ、このモード移行設定処理を終了する。
一方、所定回数のゲームが実行されていれば、通常遊技モードであるか否かを判定し(S2717)、通常遊技モードでなければ、通常遊技モードを設定する(S2718)。
その後、モード移行設定処理を終了する。
図38は、本発明の第3の実施の形態のボタン操作判定処理の手順を示すフローチャートである。このボタン操作判定処理は、変動中処理(図22)のステップS2211において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理で、ステージ(背景)チェンジの予告演出の処理である。なお、ステージは、前述した第1の実施の形態と同じである。
演出制御装置550は、まず、演出ボタン判定禁止情報を確認し(S3801、S3802)、演出ボタン判定禁止情報が設定されていれば(S3802の結果が「Y」)、ステージを変更しないので、ボタン操作判定処理を終了する。一方、演出ボタン判定禁止情報が設定されていなければ(S3802の結果が「N」)、ステージを変更するための演出ボタン31の操作の有効期間か否かを確認する(S2501、S2502)。例えば、ボタン操作の有効期間は、変動開始後の所定期間(5秒以内)などを設定することができる。
その結果、ステージを変更するためのボタン操作の有効期間内でなければ、ステージを変更しないので、ボタン操作判定処理を終了する(S2502の結果が「N」)。一方、ステージを変更するためのボタン操作の有効期間内であれば(S2502の結果が「Y」)、演出ボタン31の操作によって入力される情報の有無を判定する(S2503、S2504)。その結果、演出ボタン31の操作による入力信号が検出されなければ(S2504の結果が「N」)、ステージを変更しないので、ボタン操作判定処理を終了する。
一方、演出ボタン31の操作による入力信号が検出されれば(S2504の結果が「Y」)、実行中の変動パターンを確認する(S2505)。その結果、実行中の変動パターンが大当り変動であれば、大当り時のステージチェンジ演出選択テーブルを設定する(S2507)。一方、実行中の変動パターンが大当り変動でなければ、はずれ時のステージチェンジ演出選択テーブルを設定する(S2509)。
その後、設定したテーブルとリーチ系統情報とからステージチェンジの演出を設定する(S2508)。なお、ステージの切替時に始動記憶の先読みの予告演出を表示してもよい。その後、ボタン操作判定処理を終了する。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によると、モードを移行する場合に演出ボタン31の操作を禁止するように制御するので、リーチ発生前の短い変動表示時間内に特別な演出が連続して発生することがなくなる。すなわち、モード移行とステージ移行とが重なると分からなくなるので、より重要なモード移行を優先することができ、遊技者の混乱を避けることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本発明の第4の実施の形態の遊技機は、前述した第1から第3の実施の形態と異なり、リーチの成立をきっかけにモードを移行する。なお、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる処理のみを説明し、その他の構成、処理の説明は省略する。
図39は、本発明の第4の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。この変動パターン情報設定処理は、変動中処理(図22)のステップS2204において、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理で、遊技状態と演出情報とに基づいて、コマンドに対応する変動パターンを決定する処理である。
演出制御装置550は、まず、遊技状態を確認し(S2301)、始動記憶数を確認する(S2302)。
そして、遊技制御装置500からの変動表示指令信号に基づいて、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであるか否かを判定する(S2303)。その結果、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものであれば、ステップS2301で取得した遊技状態に対応する大当り時の変動パターン選択テーブルを設定する(S2307)。
一方、開始する特図変動表示ゲームが大当りを導出するものでなければ、ステップS2301、S2302で取得した遊技状態及び始動記憶数に対応するはずれ時の変動パターン選択テーブルを設定する(S2304)。その後、受信した変動パターンコマンドに基づくリーチ系統の判定情報を取得し(S2305)、設定したテーブルと取得した判定情報によって変動パターン情報を設定する(S2306)。
その後、設定された変動パターンがモード移行を伴うリーチ発生パターンかを確認する(S3901)。そして、リーチとモード移行の両方が発生するか否かを判定し(S3902)、リーチとモード移行の両方が発生すれば、モード移行設定処理におけるモード移行を禁止する設定をする(S3903)。その後、変動パターン情報設定処理を終了する。
図40は、本発明の第4の実施の形態の遊技機の飾り特図変動表示ゲームにおける画面遷移を示す図である。
飾り特図変動表示ゲームが開始し、左中右の特別図柄(識別情報)が変動表示する(A)。その後、左列に示すように、二つ(例えば、左右)の特別図柄の変動表示が停止する仮停止状態になり、リーチ状態が発生する(B)。このリーチの発生を契機に、リーチ時予告に演出Aが選択されていると、モード移行の演出Aが行われ(C)、例えば、チャンスモード1に遷移する(D)。
また、中列に示すように、二つ(例えば、左右)の特別図柄の変動表示が停止する仮停止状態になり、リーチ状態が発生する(E)。このリーチの発生を契機に、リーチ時予告に演出Aが選択されていると、モード移行の演出Aが行われ(F)、例えば、チャンスモード2に遷移する(G)。
また、右列に示すように、二つ(例えば、左右)の特別図柄の変動表示が停止する仮停止状態になり、リーチ状態が発生する(H)。このリーチの発生を契機に、リーチ時予告に演出Aが選択されていると、モード移行の演出Aが行われ(I)、例えば、スペシャルチャンスモードに遷移する(J)。
なお、例えば、本来はスペシャルリーチ1の演出が行われる時間で、モード移行の演出を行ってもよい。
第4の実施の形態では、泡が出現するリーチ演出よりイカが出現するリーチ演出の方が期待度が高いので、遊技者の期待感を向上させる演出が行われるチャンスモード2に遷移する。また、イカが出現するリーチ演出より魚群が出現するリーチ演出の方が期待度が高いので、遊技者の期待感を向上させる演出が行われるスペシャルチャンスモードに遷移する。
なお、第4の実施の形態において、リーチを契機としてモードを移行するのではなく、図柄停止後にモードを移行してもよい。この場合、図柄停止後にモード移行演出が行われ、リーチ時の予告とは区別しやすいうえに、ゲームの最後まで期待感が持続できる。
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態によると、リーチを契機としてモードを移行するので、特別な演出が連続して発生することがなくなり、遊技者の混乱を避けることができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本発明の第5の実施の形態の遊技機は、前述した第1から第4の実施の形態と異なり、高確率であるが普電サポートがないスペシャルチャンス準備モードが設けられている。なお、第5の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる処理のみを説明し、その他の構成、処理の説明は省略する。
図41は、本発明の第5の実施の形態の遊技状態の遷移を示す図である。
本発明の第5の実施の形態の遊技機の遊技状態には、通常遊技モード、チャンスモード1、チャンスモード2、スペシャルチャンス準備モード、スペシャル(SP)チャンスモード、時短モード(時短状態)の6種類が含まれる。
通常遊技モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率又は高確率(いわゆる、潜伏確変状態)で、かつ、普電サポートがない状態である。通常遊技モードにおいて、特図変動表示ゲームで2R大当り又は小当りが発生すると、チャンスモード1又は2に遷移する。また、通常遊技モードにおいて、特図変動表示ゲームで15R大当り(又は、高確率状態の2R大当り)が発生すると、SPチャンスモードに遷移する。
チャンスモードは、通常遊技モードで2R大当り又は小当りが発生した場合に遷移する遊技状態である。チャンスモードでは、背景が相違したり、特別なキャラクターが出現するなど、通常遊技モードと異なる演出が実行される。本発明の第1の実施の形態では、2R大当り及び小当りが発生すると、大入賞口が2ラウンド分開放されるため、遊技者に見分けがつかず、ゲーム性の高い遊技を行うことができる。2R大当りが発生した場合のチャンスモードでは高確率状態、小当りが発生した場合のチャンスモードでは低確率状態となっている。また、チャンスモードでは、普電サポートなしとなっている。
チャンスモードは、チャンスモード1とチャンスモード2とを含み、いずれのチャンスモードでも特図変動表示ゲームの大当り確率が高い高確率状態と低確率状態とを含む、いわゆる潜伏確変状態である。なお、チャンスモード2では、高確率である期待度が、チャンスモード1より高い。すなわち、チャンスモード1では、高確率である期待度が低く、チャンスモード2では、高確率である期待度が高い。
チャンスモードにおいて、特図変動表示ゲームが実行されるたびに表示モード転落抽選が実行される。この表示モード転落抽選に当選すると、通常遊技モードに遷移する。この状態遷移は演出態様が変化するだけであり(表示モード転落)、確率状態などが変化するものではない。チャンスモードにおいて、通常は、転落抽選が行われるが、小当りでチャンスモードに遷移した場合、転落抽選は行われない。また、チャンスモード1又は2において、表示モード転落抽選の結果によって、他のチャンスモードに遷移する場合もある。
スペシャルチャンス準備モードは、チャンスモード2から遷移するモードで、高確率状態であり、普電サポートはない。また、転落抽選が行われる。
通常遊技モード、チャンスモード及びスペシャルチャンス準備モードにおいて、特図変動表示ゲームで15R大当り(又は、高確率状態の2R大当り)が発生すると、SPチャンスモードに遷移する。なお、低確率状態であるチャンスモードで2R大当りが発生した場合であっても特別遊技状態終了後にSPチャンスモードに遷移するようにしてもよい。また、チャンスモード中に小当りが発生した場合には、再びチャンスモードに遷移する。
SPチャンスモードは、通常遊技モード又はチャンスモードで15R大当りが発生した場合、又は、高確率状態の通常遊技モード又は高確率状態のチャンスモードで2R大当りが発生した場合に遷移する遊技状態である。SPチャンスモードでは、チャンスモードと同様に、背景が相違したり、特別なキャラクターが出現するなど、他の遊技状態と異なる演出が実行される。したがって、SPチャンスモードは、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態、普電サポートありとなっている。SPチャンスモードは、いわゆる確変状態に対応する。
SPチャンスモード実行中に転落抽選に当選した場合には時短モードに遷移する。また、SPチャンスモードでは、転落抽選に当選せずに、時短回数上限まで普電サポートが実行されると、通常遊技モードに遷移する。
時短モードは、前述のように、SPチャンスモード実行中に転落抽選に当選した場合に遷移するもので、1回の特図変動表示ゲームの時間を短くすることによって、単位時間内に多くの回数の特図変動表示ゲームを実行するモードである。このとき、演出態様は、SPチャンスモードと同じになっている。すなわち、SPチャンスモードから時短モードに遷移しても遊技者に報知されない。時短モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率、かつ、普電サポートありの状態であり、時短回数上限まで継続する。
なお、時短モードでは、時短回数上限まで普電サポートが実行された後、通常遊技モードに遷移する。このとき、時短モードからチャンスモードに遷移するようにしてもよく、所定確率で通常遊技モード又はチャンスモードに移行するようにしてもよい。このように制御することによって、遊技者が確率状態を把握しにくくすることが可能となり、ゲーム性の高い遊技を行うことができる。
また、時短モードで2R大当り又は15R大当りが発生した場合には、当然、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態となる。
図42は、本発明の第5の実施の形態の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。この先読み予告制御処理は、1stシーン制御処理(図21)のステップS2119において実行される先読みコマンド受信処理に基づいて、演出制御装置550の1stCPU551で実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、表示モードを確認し(S4201)、スペシャルチャンス準備モードであるか否かを判定する(S4202)。スペシャルチャンス準備モードでない場合、先読み予告を実行しないので、先読み予告制御処理を終了する。
なお、スペシャルチャンス準備モードでない場合には、別の制御によって、先読み予告を実行するようにしてもよい。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、スペシャルチャンス準備モードである場合(S4202の結果が「Y」)、受信したコマンドの解析内容を確認する(S4203)。そして、飾り特図保留数コマンドを受信したか否かを判定する(S4204)。飾り特図保留数コマンドを受信していない場合には(S4204の結果が「N」)、先読み対象の始動記憶が存在しないため、先読み予告制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、飾り特図保留数コマンドを受信した場合には(S4204の結果が「Y」)、さらに、対応する始動記憶の先読みコマンドを受信済みか否かを判定する(S4205)。なお、始動口入賞演出コマンドや転落情報コマンドなどが、先読みコマンドである。対応する始動記憶の先読みコマンドを受信済みでない場合には(S4205の結果が「N」)、先読みを実行するか否かを決定することができないため、先読み予告制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対応する始動記憶の先読みコマンドを受信済みの場合には(S2805の結果が「Y」)、転落情報コマンドを受信したか否かをチェックし(S4206)、転落情報コマンドがあるか否かを判定する(S4207)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したコマンドに転落情報コマンドがある場合(S4207の結果が「Y」)、転落示唆保留表示を設定する(S4212)。一方、転落情報コマンドがない場合(S4207の結果が「N」)、特図2保留があるか否かを判定する(S4208)。
その結果、特図2保留がある場合、当該始動記憶の非転落確定報知を設定する(S4211)。一方、特図2保留がない場合、特図保留数などに応じて、転落示唆保留表示抽選を行い(S4209)、抽選結果に応じて転落示唆するか、非転落曖昧報知を設定する(S4210)。
図43は、本発明の第5の実施の形態の遊技機の飾り特図変動表示ゲームにおける画面遷移を説明する図である。
普電サポートはないが、高確率であると推測(又は、報知)されている場合、すなわち、スペシャルチャンス準備モードにおいて、左中右の特別図柄(識別情報)が変動表示する。この間、例えば「保留内は転落なし!?」のような、転落がない旨が曖昧に報知がされる(A)。この段階で、確定的な報知をしないのは、特図1の始動記憶に転落が含まれていない場合でも、特図1の保留を消化する前に、特図2の入賞によって転落抽選が行われ、その結果によって転落する場合があるため、確定的な報知はされない。
その後、特図2の始動入賞が記憶されると、特図2の始動記憶の方が特図1の始動記憶より先に消化されることから、特図2の入賞の結果に基づいて、例えば「次ゲームは高確確定」のような確定的な報知がされる(B)。
さらに、特図2の変動表示が開始し、普電への入賞がなければ、転落なしであることを報知してもよい(C)。
以上説明したように、本発明の第5の実施の形態によると、特図2の始動記憶を優先的に消化するため、普電サポートがない場合に、特図2が変動し転落する可能性を含めて曖昧な報知をすることができ、遊技者の混乱を避けることができる。