JP4011468B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、選出図柄を変動表示する図柄表示装置の表示画面に、所定の選出図柄の当り図柄態様が確定表示された場合に、遊技者に所定の利益を供与することとなる特別遊技作動を実行するパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示画面に選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、選出図柄の変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を図柄表示装置の表示画面で実行する図柄制御手段を備え、図柄始動条件の成立を契機として図柄制御手段が実行する一連の図柄生成行程を選定し、かつ確定表示する所定の選出図柄の当り図柄態様を選定した場合に、遊技者に所定の利益を供与することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を具備する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機はよく知られている。これらには、所謂第一種パチンコ遊技機,第三種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第一種パチンコ遊技機は、開閉片により開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置を備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、可変入賞装置の大入賞口の開放と、所定開放時間の満了又は該所定開放時間内での規定個数の入賞による大入賞口の閉鎖とを生じる開閉ラウンドを、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することを継続条件として、所定回数継続してなる大当りとしての特別遊技作動を実行するものである。
【0004】
また、一般的な第三種パチンコ遊技機は、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域を遊技球が通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置と、遊技球の通過に伴って該大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、普通電動役物を開放制御し、その内部の特別作動領域を遊技球が通過すると大当りとしての特別遊技作動を実行する。該特別遊技作動は、役物を駆動して特定領域への遊技球流入を可能とし、かつ該特定領域への遊技球の流入毎に、大入賞口の開放と閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを所定回数継続してなるものである。
【0005】
かかるパチンコ遊技機にあって、大当りとしての特別遊技作動が実行されると、可変入賞装置の大入賞口が開閉される開閉ラウンドが所定回数継続するので、大入賞口への遊技球の入賞に基づいて大量の賞球が払い出されることにより、遊技者に所定の利益が供与される。
【0006】
従って、特別遊技作動は、遊技者が最も望むものであり、このような特別遊技作動の実行契機として図柄表示装置の表示画面で表示される選出図柄の図柄生成行程では、例えば三つの選出図柄の内の二つを同一図柄で先に停止させるリーチ作動を行ったり、或いは該リーチ作動が行われることを予告するリーチ予告図柄や、選出図柄が当り図柄態様で確定表示される可能性が高いことを予見させる大当り予告図柄を、選出図柄の図柄生成行程中で表示する演出を行ったりして、遊技者に大当り発生の期待感を抱かせ、遊技の興趣性の向上が図られている。
【0007】
ところで、上記のようなリーチ作動や当り図柄態様の確定表示等の所定遊技形態の発生を予見させるリーチ予告図柄や大当り予告図柄等の予告演出図柄が表示される選出図柄の図柄生成行程は、大当り発生の可能性が高い図柄生成行程であり、従来は、このような図柄生成行程の一連の変動態様を記憶しておけば大当り発生を予見することが一応可能であった。しかしながら、遊技中においては、当り図柄態様が確定表示されるまで、異なるハズレ図柄態様の図柄生成行程が何度も表示されるため、当り図柄態様を確定表示する図柄生成行程を予測して、その図柄生成行程の変動態様を記憶することは極めて困難であり、当り図柄態様が確定表示されて大当りが発生してしまうと、遊技者はどのような変動態様の図柄生成行程で大当りとなったかを詳細に覚えていることは殆どなかった。
【0008】
かかる問題を解決し得る先行技術として、特別遊技作動中に、図柄表示装置の表示画面にその特別遊技作動をもたらしたリーチ状態が再現表示されるようにした構成(特許文献1参照)が提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−217997号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1の構成によれば、特別遊技作動中に、その特別遊技作動をもたらしたリーチ状態が再現表示されるため、当り図柄態様を確定表示するに至った当該図柄生成行程の変動態様を記憶することが容易となる。
【0011】
しかしながら、最近のパチンコ遊技機にあっては、数回の図柄生成行程に亘って予告演出図柄を表示して大当り発生の可能性が高いことを予見させる連続予告を行うなど、演出が複雑になっており、特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程を記憶するだけでは大当りの予兆を察知することが困難となっている。
【0012】
一方、遊技店で実際に稼動しているパチンコ遊技機にあって、ある特定のハズレ図柄態様の図柄生成行程(一種類とは限らない)が表示されると、遊技機に設定されている制御内容に関係なく、次の図柄生成行程で当り図柄態様が確定表示されるという現象が往々にして生じることがある。このような現象は遊技機メーカーが設計段階で意図したものではなく、実際に稼動させると次第に明らかとなるものであり、その原因は不明であるが、このような現象を発見すれば大当りの予兆を察知することが可能となり、遊技の興趣が向上する。
【0013】
従って、大当りの予兆を察知するためには、特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程と、少なくともその直前のハズレ図柄態様の図柄生成行程とを覚えておくことが必要となる。現状の遊技機で大当りに至る図柄生成行程の表示経緯を覚えようとすれば、数多くの大当りを経験しなければならないが、大当りは希にしか発生しないため、長時間に亘って遊技をしなければならない上、投資金額も多大なものとなる。また、遊技中は図柄変動状態を毎回注視していなければならず、遊技者は過度の緊張を強いられることとなる。
【0014】
本発明は、かかる従来の実状に鑑みて成されたものであり、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯を効率よく覚え得るようにしたパチンコ遊技機を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表示画面に選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、選出図柄の変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を図柄表示装置の表示画面で実行する図柄制御手段を備え、図柄始動条件の成立を契機として図柄制御手段が実行する一連の図柄生成行程を選定し、かつ確定表示する所定の選出図柄の当り図柄態様を選定した場合に、遊技者に所定の利益を供与することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を具備する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、図柄制御手段が、前記特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程の、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程と、前記当り図柄態様の図柄生成行程とを、図柄表示装置の表示画面に順に再現表示する制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機である(請求項1)。
【0016】
かかる構成にあって、特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程の、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程と、前記当り図柄態様の図柄生成行程とが、図柄表示装置の表示画面に順に再現表示されるので、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯を、長い遊技時間や多大の投資金額をかけずに効率よく覚えることができる。これにより、数回の図柄生成行程に亘って予告演出図柄を表示して連続予告を行うパチンコ遊技機にあっては、当該当り図柄態様の図柄生成行程とともに、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程を覚えることができるため、大当りの予兆を察知することが容易となる。また、特定のハズレ図柄態様の図柄生成行程が表示されると、次の図柄生成行程で当り図柄態様が確定表示される現象が生じるパチンコ遊技機にあっては、その現象を発見することが容易となるとともに、その発見により大当りの予兆を察知することが可能となる。
【0017】
上記構成のパチンコ遊技機において、図柄制御手段が、特別遊技作動の開始から終了に至る時間に略対応するように、再現表示される図柄生成行程の表示時間及び表示回数を設定する制御内容を備えている構成(請求項2)が提案される。かかる構成にあって、特別遊技作動の実行に要する時間は、大入賞口への遊技球の入賞状態により多少変動はするものの略一定であるのに対して、図柄生成行程の再現表示に要する時間は、選出図柄の変動態様によって大きく変動する。即ち、図柄生成行程には、リーチ作動を含まない最も短時間の変動態様や、ロングリーチ作動を含んだ極端に長い変動態様があり、そのまま再現表示すると、時間が大幅に余ったり、逆に不足したりする事態が生じるため、短い再現表示時間となる場合には、複数回に亘って再現表示する一方、長い再現表示時間となる場合には、早送りや特徴的な変動態様部分の抜粋表示等の時間短縮手段を用いて表示時間を調整することにより、特別遊技作動の所要時間内での適正な再現表示が可能となる。
【0018】
また、図柄制御手段が、再現表示される図柄生成行程内に、所定遊技形態の発生を予見させる予告演出図柄が表示された場合に、該予告演出図柄を明示する報知指標を表示する制御内容を備えている構成(請求項3)が提案される。かかる構成にあっては、報知指標により予告演出図柄の存在が遊技者に対して明確に示されるため、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯中における最も特徴的な部分を容易に認識させることができる。
【0019】
また、図柄制御手段が、報知指標の表示時に、図柄生成行程を一時停止又は通常より遅い速度で再現表示する制御内容を備えている構成(請求項4)が提案される。かかる構成にあっては、予告演出図柄を明示する報知指標の表示時に、図柄生成行程が一時停止又は通常より遅い速度で再現表示されることにより、予告演出図柄の存在が大きくアピールされ、遊技者に予告演出図柄の存在を強く印象付けることができるとともに、予告演出図柄が短時間の表示若しくは変化であっても視認が容易となり、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯中における最も特徴的な部分をさらに容易に認識させることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した第一実施例を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0021】
パチンコ遊技機の遊技盤1には、図1に示すように、略円形の誘導レール3で囲繞された遊技領域4が設けられており、該遊技領域4の略中央にセンターケース5が配設されている。このセンターケース5には、液晶表示器,CRT表示器等からなる図柄表示装置6が組み付けられており、該図柄表示装置6の表示画面7には、三つの特別図柄A,B,Cが変動表示される。ここで、第一種パチンコ遊技機にあっては、この特別図柄A,B,Cを選出図柄としている。また、表示画面7には、後述する予告演出図柄30a,30b(図4(ハ),図7(ホ)参照)が所定の表示パターンで表示される。
【0022】
センターケース5の右上部には、4個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置8が設けられている。この特別図柄始動記憶数表示装置8は、後述する主制御基板60(図2参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された特別図柄始動記憶数をパイロットランプの点灯数によって表示する。また、前記表示画面7の一部領域には、普通図柄表示部9が設けられており、該普通図柄表示部9には右図柄と左図柄からなる二つの普通図柄E1 ,E2 が変動表示される。この普通図柄E1 ,E2 は、「7」と「−」の二種類の図柄で構成されており、右図柄及び左図柄ともに「7」が停止する当り図柄態様が確定表示された場合には、後述する普通電動役物13が開放される。また、センターケース5の左上部には、4個の発光ダイオードからなる普通図柄始動記憶数表示装置11が設けられており、後述する普通図柄始動スイッチS2(図2参照)からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板60(図2参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。
【0023】
一方、センターケース5の左右両側には、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)12,12が配設されており、遊技球の通過により、この普通図柄作動ゲート12,12が具備する普通図柄始動スイッチS2 から遊技球検出信号が発生すると、前記普通図柄表示部9の普通図柄E1 ,E2 が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示されることとなる。
【0024】
また、センターケース5の直下位置には、内部を特別図柄始動領域14とするとともに、開閉翼片15,15により入賞口を兼ねた入り口の開口度を変化させるようにした普通電動役物13が配設されている。そして前記普通図柄表示部9の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド26(図2参照)等の駆動源によって開閉翼片15,15が所定時間(約 0.2秒)拡開されて、特別図柄始動領域14に遊技球が入り易い状態となる。この特別図柄始動領域14は、特別図柄始動スイッチS1(図2参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS1 による遊技球の入賞検知に伴って、前記図柄表示装置6の表示画面7に特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。
【0025】
さらに、普通電動役物13の下方には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口20を備え、かつ、横長矩形状の開閉片21を大入賞口ソレノイド25(図2参照)等の駆動源によって開閉制御することにより、大入賞口20を開放状態と閉鎖状態とに変換する可変入賞装置22が配設されている。そして、前記図柄表示装置6の表示画面7に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとしての特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉片21が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉片21の上面の案内作用を介して、大入賞口20内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞により開閉片21が起立して大入賞口20が閉鎖される開閉ラウンドを、特定領域の球通過を条件として所定制限回数(例えば15回)継続するものであって、この特別遊技作動の実行によって多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利益が供与される。可変入賞装置22の内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3(図2参照)と、一回の開閉ラウンド毎の入賞個数を計数するカウントスイッチS4(図2参照)とが設けられている。また、特定領域スイッチS3 で検知される遊技球は、一回の開閉ラウンド中に計数される入賞個数に合算される。
【0026】
その他、遊技領域4には、複数の一般入賞口36が配設されており、その内部に具備する一般入賞スイッチS5(図2参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。
【0027】
図2は、上述のパチンコ遊技機の遊技制御手段を構成する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、大当り特別乱数テーブルk、大当り図柄乱数テーブルl、ハズレ図柄乱数テーブルm 、リーチ乱数テーブルn、リーチ図柄乱数テーブルp、リーチ態様乱数テーブルq、普通当り乱数テーブルu、普通当り図柄乱数テーブルv、予告乱数テーブルw,x等の固定データが格納されている。そして所定の図柄始動条件が成立すると主制御用中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、普通当り乱数値U、普通当り図柄乱数値V、予告乱数値W,X等が選出される。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0028】
上記主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーも接続されている。
【0029】
また、上記主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、図柄表示制御基板62,音源制御基板63,光源制御基板64,払出制御基板65の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1 が接続されるとともに、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2 ,特定領域スイッチS3 ,カウントスイッチS4 ,一般入賞スイッチS5 が接続されている。そして、主制御基板60は所定時間毎(例えば2ms毎)に上記各スイッチS1 〜S5 の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド25,普通電動役物ソレノイド26が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0030】
また、主制御用中央制御装置CPU及び上記各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65に夫々送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0031】
上記図柄表示制御基板62には、図柄表示装置6の表示画面7に表示される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この記憶装置ROMには、上述した特別図柄A,B,C及び普通図柄E1 ,E2 の図柄形態が記憶され、さらに特別図柄A,B,C及び普通図柄E1 ,E2 の変動パターン,特別図柄A,B,Cのリーチ態様パターンや、予告演出図柄30a,30b及び報知指標31(図4(ニ),図7(ヘ)参照)の表示パターン等の固定データやその動作プログラムが記憶されている。
【0032】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60からの制御指令信号を入力ポートを介して受信すると、図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄変動を演出する特別図柄A,B,Cと普通図柄E1 ,E2 の変動態様データを、出力ポートを介して表示用ドライバに夫々送信する。該表示用ドライバは前記変動態様データに従って、図柄表示装置6の表示画面7に所定の変動態様で特別図柄A,B,Cと普通図柄E1 ,E2 とを夫々変動表示させる。そして、この表示用ドライバ及び図柄表示制御基板62とによって、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を、図柄表示装置6の表示画面7に表示する図柄制御手段が構成されている。また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60からの制御指令信号を入力ポートを介して受信すると、特別遊技作動の際に図柄生成行程を再現表示するために、所定数(例えば2信号)を上限として受信した制御指令信号を記憶装置RAMに記憶する。
【0033】
一方、上記音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに送信して、スピーカから所定の効果音を出力させる。
【0034】
また、上記光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードや装飾ランプ等の電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯,点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオード,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光演出データを出力ポートを介して光源作動基板に送信し、電飾装置や特別図柄始動記憶数表示装置8及び普通図柄始動記憶数表示装置11の発光ダイオードや装飾ランプ等を所定の演出態様で点灯,点滅させる。
【0035】
さらに、上記払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等が具備する各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム,貸球や賞球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この払出制御基板65は、入力ポートを介して主制御基板60から制御指令信号を受信し、該制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動させて、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、プリペイド金額を記憶したプリペイドカードの読み込み・書き込みを行うプリペイドカードユニットと、プリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続されており、プリペイド金額の残額データ等を送受する。
【0036】
次に、図2に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が図示しない発射装置より遊技盤1の遊技領域4に発射され、この遊技球が特別図柄始動領域14を通過し、特別図柄始動スイッチS1 がON作動すると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている各乱数テーブルから抽選によって、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、予告乱数値W,X等を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。尚、遊技球が特別図柄始動領域14を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1 のON作動に基づいて抽選される上記各乱数値が、発生順に主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されるとともに、特別図柄始動スイッチS1 による遊技球検出数が特別図柄始動記憶数として主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、上述したように特別図柄始動記憶数表示装置8のパイロットランプがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、特別図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。このパイロットランプは表示画面7の特別図柄A,B,Cが変動開始する度に消灯されて、始動記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、特別図柄始動領域14を遊技球が通過しても無効となる。
【0037】
ここで、主制御基板60の記憶装置ROMには、0〜599の600コマからなる大当り特別乱数テーブルkが格納されており、表示画面7に当り図柄態様で確定表示される特別図柄A,B,Cの表示内容によって、当該当り図柄態様に基づいて実行される特別遊技作動後に、再度当り図柄態様となる確率を高めた高確率状態と、当り図柄態様となる確率が変化しない通常確率状態の何れかが発生する。
【0038】
高確率状態では、大当り特別乱数テーブルkから選出される大当り特別乱数値KがK=7,97,157,187,247,277,337,367,457,547の場合に当りとなる。即ち、大当り確率は10/600=1/60である。一方、通常確率状態では、大当り特別乱数値K=7,457の場合に当りとなる。即ち、大当り確率は2/600=1/300である。そしてそれ以外の大当り特別乱数値Kはハズレとなる。また、記憶装置ROMには、上述したように大当り図柄乱数テーブルlが格納されている。ここで大当り図柄乱数テーブルlは、「0」〜「9」の大当り図柄の何れかを選出し、上記大当り特別乱数値Kが当りの場合に特別図柄A,B,Cの当り図柄態様を決定するものである。そして、この大当り図柄乱数テーブルlから選出される大当り図柄乱数値Lに従って、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の何れかの確変図柄により当り図柄態様が確定表示された場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程を、当り図柄態様が確定表示されるまで、上述した高確率状態となるようにしている。そして、このような高確率状態とすることによって、特別遊技作動後に実行される特定有利遊技作動としての、当り図柄態様となる確率を高める確率変動作動を付与するようにしている。また、大当り図柄乱数値Lに従って、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の何れかの通常図柄により当り図柄態様が確定表示された場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程を通常確率状態となるようにしている。
【0039】
一方、特別図柄始動スイッチS1 のON信号に基づき、主制御基板60は、主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に送信するとともに、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々送信する。主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットの図示しないソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球払出音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0040】
そして、特別図柄始動スイッチS1 のON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている特別図柄始動記憶数の消化の何れかによる図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数値Kを判定し、大当り図柄乱数値Lとハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc の何れか一方を有効とするとともに、リーチ乱数値Nに従ってリーチとするか否かを判定する。また、予告乱数値Wに従って予告演出を実行するか否かを判定する。そして、これらの結果に基づき、図柄表示装置6で実行される図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
【0041】
上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、該図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の動作プログラムを用いて、表示画面7で演出する図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを順次停止し、特別図柄A,B,Cを確定表示する図柄生成行程を実行する。
【0042】
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を上記図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に送信するとともに、電飾制御指令信号を光源制御基板64に送信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の音データをサウンドジェネレータを介してスピーカより出力する。また前記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の光演出データに基づいて、光源作動基板を介して、発光ダイオードもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。
【0043】
上述の大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値である場合、主制御基板60は、大当り図柄乱数値Lを有効とするとともに、予告乱数値W、リーチ図柄乱数値P,リーチ態様乱数値Qを有効とし、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は、予告乱数値Wに割り当てられた後述する予告演出態様(図3(イ)参照)に従い所定の予告演出図柄30a,30bを表示するとともに、リーチ図柄乱数値Pに従い特別図柄をA=Cで停止して、リーチ態様乱数値Qに従い所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を実行した後、大当り図柄乱数値Lに従って、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cを確定表示する。この時、同時に光源制御基板64及び音源制御基板63が所定の電飾演出と効果音を発生させる。尚、リーチ態様乱数値Qによって選定されるリーチ変動態様としては、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等、種々の変動態様がある。
【0044】
このように所定の当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド25を駆動して、開閉片21を前方傾倒させることにより大入賞口20を開放する大当りとしての一連の特別遊技作動を実行する。
【0045】
即ち、サウンドジェネレータがファンファーレを発するとともに、大入賞口ソレノイド25が駆動し、開閉片21が所定作動態様で開閉駆動される開閉ラウンドが開始される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(例えば30秒間)が経過するか、この所定制限時間内で、カウントスイッチS4 と特定領域スイッチS3 とにより所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口20内の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3 がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片21が閉鎖駆動して一ラウンドが終了した後、再び大入賞口20が開放されて次の開閉ラウンドへ移行する。このような開閉ラウンドが所定制限回数(例えば15回)繰り返されると特別遊技作動が終了する。
【0046】
一方、大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値でない場合には、主制御基板60は、上述のハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc に基づく制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信し、該図柄表示制御基板62は、この制御指令信号に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ図柄態様で表示する。ここで、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc が当り図柄態様を選出していた場合には、再びハズレ図柄乱数テーブルmでハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc を選出して、ハズレ図柄態様を表示する。また、リーチ乱数値Nによりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数値Pに従って、特別図柄をA=Cで一旦表示し、リーチ態様乱数値Qに従って、所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を発生させるようにした後、ハズレ図柄態様を確定表示する。さらに、予告乱数値Xにより予告演出を行う場合には、該予告乱数値Xに割り当てられた予告演出態様(図3(ロ)参照)に従い所定の予告演出図柄30a,30bが表示されることとなる。
【0047】
次に、本発明の要部について説明する。
本発明にかかるパチンコ遊技機は、上述した図柄制御手段が、前記特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程の、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程と、前記当り図柄態様の図柄生成行程とを、図柄表示装置6の表示画面7に順に再現表示する制御内容を備えている。
【0048】
上述したように、図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの変動が開始されると、主制御基板60から図柄表示制御基板62に対して制御指令信号が送信されるが、該制御指令信号として、大当りか否かの情報を含んだ、図柄変動パターンを指示する図柄変動制御コマンドと、特別図柄A,B,Cの停止図柄を夫々指示する停止図柄制御コマンドと、図柄停止要求制御コマンドとが送信される。図柄変動制御コマンドは、上述した大当り図柄乱数値Lまたはハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc 、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、予告乱数値Wまたは予告乱数値Xに基づく図柄変動態様の演出内容とその表示時間を定めた情報を備えており、主制御基板60は、その表示時間だけ次の図柄変動または特別遊技作動の開始を待ち、時間満了となると確認の図柄停止要求制御コマンドを図柄表示制御基板62に送信してから、次の図柄変動または特別遊技作動にかかる新たな制御指令信号を送信する。
【0049】
図柄表示制御基板62は、前記図柄変動制御コマンドを受信すると記憶装置ROMに予め記憶されている複数の図柄変動パターンから該図柄変動制御コマンドで指示された所定の図柄変動パターンを選択して実行する。図柄変動パターンは、表示画面7で表示する図柄や演出画像を何処に何秒表示するか等の変動表示態様が演出内容に応じて組み立てられた一連の図柄生成行程を構成するものであり、主制御基板60から送信される図柄変動制御コマンドの種類だけ記憶装置ROMに複数記憶されている。
【0050】
また、図柄表示制御基板62は、受信した制御指令信号としての図柄変動制御コマンドを所定数(例えば2信号)を上限として記憶装置RAMに記憶する。この記憶された所定数の図柄変動制御コマンドは、新しく記憶された図柄変動制御コマンドに大当りの情報(大当り特別乱数値Kが当り乱数値である場合の制御情報)が含まれていない場合には、最も古い図柄変動制御コマンドから順に破棄される。そして、この記憶装置RAMに記憶された所定数の図柄変動制御コマンドに基づいて、後述するように、特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程が、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程に続いて、図柄表示装置6の表示画面7に再現表示される。
【0051】
一方、表示画面7で特別図柄A,B,Cの変動開始から確定表示に至る一連の図柄生成行程を実行するに際して、予告乱数値Wまたは予告乱数値Xに基づいて予告演出を行う場合には、図3(イ),(ロ)に示すように、予告乱数値Wまたは予告乱数値Xに割り当てられた予告演出態様に従って、リーチ予告である予告演出図柄30a(図4(ハ)参照)と大当り予告である予告演出図柄30b(図7(ホ)参照)が表示される。ここで、予告乱数値Wは、上述した大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値である場合に、リーチ図柄乱数値P,リーチ態様乱数値Qとともに有効とされ、0〜89の90コマからなる予告乱数テーブルwから選出される予告乱数値Wが、図3(イ)に示すように、W=0〜70であるとリーチ予告及び大当り予告の両方を行う予告演出態様となり、W=71〜80であると大当り予告のみを行う予告演出態様となり、W=81〜86であるとリーチ予告のみを行う予告演出態様となる。さらにW=87〜89の場合にはリーチ予告と大当り予告の何れも行われない演出態様となる。また、予告乱数値Xは、大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値でない場合において、リーチ図柄乱数値P,リーチ態様乱数値Qが有効とされた場合に有効とされ、0〜89の90コマからなる予告乱数テーブルxから選出される予告乱数値Xが、図3(ロ)に示すように、W=0〜85であるとリーチ予告のみを行う予告演出態様となり、W=86であるとリーチ予告及び大当り予告の両方を行う予告演出態様となり、W=87であると大当り予告のみを行う予告演出態様となり,W=88,89の場合にはリーチ予告と大当り予告の何れも行われない演出態様となる。
【0052】
また、数回の図柄生成行程に亘って上記のような予告演出図柄30a,30bを表示して大当り発生の可能性が高いことを予見させる連続予告を行うために、主制御基板60は、特別図柄A,B,Cの変動中に最高4個まで記憶される特別図柄始動記憶の内で、大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値である特別図柄始動記憶が記憶された場合に、現在実行中の図柄生成行程からいくつ先の図柄生成行程であるかを算出して、現在実行中の図柄生成行程に対する図柄停止要求制御コマンドにその値を加えて図柄表示制御基板62に送信する。ここで、図柄停止要求制御コマンドは、例えば、0E400Hの2バイト構成の文字列からなり、1バイト目のE4が停止要求を表し、2バイト目の00は他の制御指令信号と長さを揃えるために付加されている。また、先頭の0はEが数字であることを示すためのものであり、最後のHはコマンドが16進数を用いていることを示すためのものである。そして、このような構成からなる図柄停止要求制御コマンドの2バイト目に大当りまでの図柄生成行程数が加えられる。即ち、特別図柄始動記憶数が0個の場合には0E400Hとなり、特別図柄始動記憶数が1個の場合には0E401Hとなり、特別図柄始動記憶数が2個の場合には0E402Hとなり、特別図柄始動記憶数が3個の場合には0E403Hとなり、特別図柄始動記憶数が4個の場合には0E404Hとなる。
【0053】
図柄表示制御基板62は、受信した図柄停止要求制御コマンドの2バイト目から連続予告の回数を求め、次から実行する図柄生成行程で、上述した図柄変動制御コマンドで指示される予告乱数値Wまたは予告乱数値Xに基づいて、リーチ予告である予告演出図柄30a(図4(ハ)参照)と大当り予告である予告演出図柄30b(図7(ホ)参照)を表示する。そして、図柄生成行程が終了する毎に連続予告の回数が減算され、当り図柄態様の図柄生成行程で予告乱数値Wに基づいて最終予告が行われると連続予告回数がゼロとなり、連続予告が終了する。
【0054】
そして、特別図柄A,B,Cが所定の当り図柄態様で確定表示されると、主制御基板60は、図柄表示制御基板62に大当り開始ディレイコマンドを送信し、所定時間経過後に、大当りとしての上述した特別遊技作動を実行する。図柄表示制御基板62は、上述したように記憶装置RAMに記憶される所定数(例えば2信号)の図柄変動制御コマンドに基づいて、特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程の、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程と、前記当り図柄態様の図柄生成行程とを、図柄表示装置6の表示画面7に順に再現表示する。
【0055】
この再現表示に先立って、図柄表示制御基板62は、記憶装置RAMに記憶された所定数(例えば2信号)の図柄変動制御コマンドから各図柄生成行程の所要時間を合計し、その合計時間が90秒を越えるか否かを予め判定する。ここで、特別遊技作動の実行に要する時間は、遊技球が1分間に100個発射され、一回の開閉ラウンドで10個入賞し、開閉ラウンドが15回継続するとすれば、単純計算でも最低所要時間は、0.6 (秒/個)×10×15=90秒となるため、各図柄生成行程の所要時間が90秒未満であり、さらに45秒未満であれば、各図柄生成行程の再現表示を2回繰り返す制御がなされる。また、45秒以上であれば各図柄生成行程の再現表示をそのまま1回行う制御がなされる。一方、各図柄生成行程の所要時間が90秒以上であり、かつ135秒未満であれば、1.5 倍速の早送りで再現表示し、135秒以上180秒未満であれば、2.0 倍速の早送りで再現表示を行うように制御される。尚、特別遊技作動が終了するまでに各図柄生成行程の再現表示が終了し、時間が余った場合には、その残余時間に予め用意されているデモンストレーション画像が表示されることとなる。また、各図柄生成行程の再現表示は、特別遊技作動中に連続的に実行してもよいし、開閉ラウンド毎で区切って断続的に実行してもよい。
【0056】
かかる構成にあって、特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程の、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程と、前記当り図柄態様の図柄生成行程とが、図柄表示装置6の表示画面7に順に再現表示されるので、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯を、長い遊技時間や多大の投資金額をかけずに効率よく覚えることができる。これにより、数回の図柄生成行程に亘って予告演出図柄30a,30bを表示して連続予告を行うパチンコ遊技機にあっては、当該当り図柄態様の図柄生成行程とともに、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程を覚えることができるため、大当りの予兆を察知することが容易となる。また、特定のハズレ図柄態様の図柄生成行程が表示されると、次の図柄生成行程で当り図柄態様が確定表示される現象が生じるパチンコ遊技機にあっては、その現象を発見することが容易となるとともに、その発見により大当りの予兆を察知することが可能となる。
【0057】
次に、第二実施例について説明する。この実施例では、前記第一実施例にあって、再現表示する各図柄生成行程内に、リーチ作動や当り図柄態様の確定表示等の所定遊技形態の発生を予見させる予告演出図柄30a,30bが存在する場合に、図柄表示制御基板62によって、該予告演出図柄30a,30bを明示する所定の報知指標31を表示する制御がなされる。図4〜図7に該報知指標31の各種の表示形態例を示す。図4(イ)〜(ト)は、再現表示されるハズレ図柄態様の一連の図柄生成行程を示し、該図柄生成行程内で、図4(ハ)に示すように、リーチ予告を行う魚群からなる予告演出図柄30aが表示された場面において、図4(ニ)に示すように、矢印からなる報知指標31によって該予告演出図柄30aを明示するようにした例である。図5は、再現表示される(イ)〜(ト)で示されたハズレ図柄態様の一連の図柄生成行程内で、図5(ハ)に示すように、リーチ予告を行う魚群からなる予告演出図柄30aが表示された場面において、図5(ニ)に示すように、予告演出図柄30aを囲繞する破線や実線等の囲繞線からなる報知指標31によって該予告演出図柄30aを明示するようにした例である。図6は、同じくハズレ図柄態様の一連の図柄生成行程内で、図6(ハ)に示すように、リーチ予告を行う魚群からなる予告演出図柄30aが表示された場面において、図6(ニ)に示すように、「予告中」等の所定の報知文字からなる報知指標31によって該予告演出図柄30aを明示するようにした例である。図7は、再現表示される(イ)〜(ト)で示された当り図柄態様の一連の図柄生成行程内で、図7(ニ)に示すように、特別図柄がA=Cで停止してリーチ状態となった後、図7(ホ)に示すように、大当り予告を行う魚群からなる予告演出図柄30bが表示された場面において、図7(ヘ)に示すように、予告演出図柄30bを囲繞する囲繞線からなる報知指標31によって該予告演出図柄30bを明示するようにした例である。
【0058】
かかる構成にあっては、報知指標31により予告演出図柄30a,30bの存在が遊技者に対して明確に示されるため、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯中における最も特徴的な部分を容易に認識させることができる。
【0059】
また、上記第二実施例にあって、報知指標31の表示時に、図柄表示制御基板62によって、図柄生成行程を一時停止又は通常より遅い速度で再現表示するように制御してもよい。この場合には、図柄生成行程の一時停止又は通常より遅い速度での再現表示により長くなる時間を各図柄生成行程の所要時間に合算して、再現表示される各図柄生成行程の表示時間及び表示回数が予め設定されることとなる。
【0060】
かかる構成にあっては、報知指標31の表示時における図柄生成行程の一時停止又は通常より遅い速度での再現表示により、予告演出図柄30a,30bの存在が大きくアピールされ、遊技者に予告演出図柄30a,30bの存在を強く印象付けることができるとともに、予告演出図柄30a,30bが短時間の表示若しくは変化であっても視認が容易となり、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯中における最も特徴的な部分をさらに容易に認識させることが可能となる。
【0061】
尚、図柄表示制御基板62の記憶装置RAMに記憶する図柄変動制御コマンドは、2信号以上の複数とすることができ、その記憶数を多くすれば、当り図柄態様の図柄生成行程から遡って複数のハズレ図柄態様の図柄生成行程を再現表示することができる。この場合、5秒程度にまとめた図柄生成行程を、特別遊技作動中の開閉ラウンド毎に一つずつ再現表示すれば、最大16回の開閉ラウンドを実行する機種にあっては、最大16回の再現表示が可能となる。また、連続予告を含んだ所定回数の図柄生成行程を、特別遊技作動中に繰り返し再現表示してもよい。4回の連続予告であれば、1ラウンドに一つの図柄生成行程を再現表示するとして、16回の開閉ラウンドで4回繰り返す再現表示ができる。さらに、複数回実行されるハズレ図柄態様のリーチ変動を意図的に表示制御したものであれば、特別遊技作動中にハズレ図柄態様のリーチ変動のみを表示された順に再現表示してもよい。
【0062】
また、上記実施例では、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は第三種パチンコ遊技機にも適用可能であり、この第三種パチンコ遊技機にあっては、判定図柄が選出図柄となる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、図柄制御手段が、特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程の、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程と、前記当り図柄態様の図柄生成行程とを、図柄表示装置の表示画面に順に再現表示する制御内容を備えてなるパチンコ遊技機であるから(請求項1)、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯を、長い遊技時間や多大の投資金額をかけずに効率よく覚えることができる。これにより、数回の図柄生成行程に亘って予告演出図柄を表示して連続予告を行うパチンコ遊技機にあっては、当該当り図柄態様の図柄生成行程とともに、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程を覚えることができるため、大当りの予兆を察知することが容易となる。また、特定のハズレ図柄態様の図柄生成行程が表示されると、次の図柄生成行程で当り図柄態様が確定表示される現象が生じるパチンコ遊技機にあっては、その現象を発見することが容易となるとともに、その発見により大当りの予兆を察知することが可能となる。
【0064】
上記構成のパチンコ遊技機において、図柄制御手段が、特別遊技作動の開始から終了に至る時間に略対応するように、再現表示される図柄生成行程の表示時間及び表示回数を設定する制御内容を備えてなる構成(請求項2)にあっては、表示時間を調整することにより、特別遊技作動の所要時間内での適正な再現表示が可能となる。
【0065】
また、図柄制御手段が、再現表示される図柄生成行程内に、所定遊技形態の発生を予見させる予告演出図柄が表示された場合に、該予告演出図柄を明示する報知指標を表示する制御内容を備えてなる構成(請求項3)にあっては、報知指標により予告演出図柄の存在が遊技者に対して明確に示されるため、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯中における最も特徴的な部分を容易に認識させることができる。
【0066】
さらに、図柄制御手段が、報知指標の表示時に、図柄生成行程を一時停止又は通常より遅い速度で再現表示する制御内容を備えてなる構成(請求項4)にあっては、予告演出図柄を明示する報知指標の表示時に、図柄生成行程が一時停止又は通常より遅い速度で再現表示されることにより、予告演出図柄の存在が大きくアピールされ、遊技者に予告演出図柄の存在を強く印象付けることができるとともに、予告演出図柄が短時間の表示若しくは変化であっても視認が容易となり、大当りの予兆となる図柄生成行程の表示経緯中における最も特徴的な部分をさらに容易に認識させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤1の正面図である。
【図2】遊技制御手段を構成する制御回路を示すブロック回路図である。
【図3】(イ)は予告乱数値Wと予告演出態様の関係を示す図表、(ロ)は予告乱数値Xと予告演出態様の関係を示す図表である。
【図4】再現表示される図柄生成行程内に予告演出図柄30aを明示する矢印からなる報知指標31を表示した状態を示す説明図である。
【図5】再現表示される図柄生成行程内に予告演出図柄30aを明示する囲繞線からなる報知指標31を表示した状態を示す説明図である。
【図6】再現表示される図柄生成行程内に予告演出図柄30aを明示する所定の報知文字からなる報知指標31を表示した状態を示す説明図である。
【図7】再現表示される図柄生成行程内に予告演出図柄30bを明示する囲繞線からなる報知指標31を表示した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
6 図柄表示装置
7 表示画面
30a,30b 予告演出図柄
31 報知指標
A,B,C 特別図柄(選出図柄)
Claims (4)
- 表示画面に選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、
選出図柄の変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を図柄表示装置の表示画面で実行する図柄制御手段を備え、図柄始動条件の成立を契機として図柄制御手段が実行する一連の図柄生成行程を選定し、かつ確定表示する所定の選出図柄の当り図柄態様を選定した場合に、遊技者に所定の利益を供与することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を具備する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、
図柄制御手段が、前記特別遊技作動の実行中に、該特別遊技作動の実行契機となった当り図柄態様の図柄生成行程の、少なくともその直前に変動表示されたハズレ図柄態様の図柄生成行程と、前記当り図柄態様の図柄生成行程とを、図柄表示装置の表示画面に順に再現表示する制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 図柄制御手段が、特別遊技作動の開始から終了に至る時間に略対応するように、再現表示される図柄生成行程の表示時間及び表示回数を設定する制御内容を備えていることを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
- 図柄制御手段が、再現表示される図柄生成行程内に、所定遊技形態の発生を予見させる予告演出図柄が表示された場合に、該予告演出図柄を明示する報知指標を表示する制御内容を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパチンコ遊技機。
- 図柄制御手段が、報知指標の表示時に、図柄生成行程を一時停止又は通常より遅い速度で再現表示する制御内容を備えていることを特徴とする請求項3記載のパチンコ遊技機。
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