JP2004121729A - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定図柄種で大当りとなり、高確率遊技作動が発生した場合にあって、遊技者の意志によって次回も特定図柄種での大当りによる高確率遊技作動を発生させ易くしたパチンコ遊技機を提供する。
【解決手段】遊技制御手段が、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機にあって、図柄始動領域として、第一図柄始動領域9と、第二図柄始動領域10とを設けるとともに、遊技制御手段に、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率を、第一図柄始動領域9の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域10の遊技球通過に起因する場合の方が高くなるようにした制御内容を具備させた。これにより、遊技球が第二図柄始動領域10を通過するように球発射操作を行えば、高確率遊技作動を容易に発生させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】遊技制御手段が、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機にあって、図柄始動領域として、第一図柄始動領域9と、第二図柄始動領域10とを設けるとともに、遊技制御手段に、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率を、第一図柄始動領域9の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域10の遊技球通過に起因する場合の方が高くなるようにした制御内容を具備させた。これにより、遊技球が第二図柄始動領域10を通過するように球発射操作を行えば、高確率遊技作動を容易に発生させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、大当りとしての特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示画面に複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球が図柄始動領域を通過することに起因して、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を表示画面に表示させる図柄制御手段と、前記表示画面に選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段を備え、さらに該遊技制御手段が、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機はよく知られている。これらには、所謂第一種パチンコ遊技機,第三種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第一種パチンコ遊技機にあっては、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が予め定められた特定図柄種であった場合に、大当りとしての特別遊技作動終了後に発生する高確率遊技作動として、次回の当り図柄態様が確定表示されるまで、当り図柄態様となる確率が通常確率(例えば1/300程度)から高確率(例えば1/60程度)に変更される確率変動作動が実行されるとともに、時間当たりの選出図柄変動回数を多くして当り図柄態様となるまでの時間を早めるために、選出図柄の変動時間を通常の約10秒から約 5秒に短縮する時短作動が実行され、さらに図柄始動領域として設けられている普通電動役物の開放契機となる普通図柄の変動時間が通常の約30秒から約 5秒に短縮されるとともに、普通図柄が当り態様の場合に開放される普通電動役物の開放時間も通常の約0.2秒から約 2秒に延長される。また、このように頻繁に開放される普通電動役物に遊技球が入賞する度に所定個数(例えば 5個)の賞球が払い出されるため、高確率遊技作動中は次の大当りが発生するまで遊技者の持ち球が減ることがない。
【0004】
このように、高確率遊技作動は、持ち球を減らすことなく、次の大当りを早く発生させることができるので、遊技者は当り図柄態様で確定表示される選出図柄が毎回、特定図柄種となることを望んでいる。
【0005】
一方、上記のように選出図柄に特定図柄種を定めることなく、当り図柄態様となる確率が異なる二つの特別遊技抽選領域(図柄始動領域)として困難領域と容易領域とを設け、遊技球の進入が相対的に困難な困難領域への遊技球進入に起因して高確率で特別遊技抽選を行って大当りを発生させ易くしたもの(特許文献1参照)も提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−172225号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が予め定められた特定図柄種であった場合に、大当りとしての特別遊技作動終了後に、次回の当り図柄態様が確定表示されるまで、高確率遊技作動を発生させるようにしたものにあっては、複数の選出図柄の略半数を特定図柄種としており、高確率遊技作動の発生確率が1/2程度となっている。このため、通常遊技時に運良く特定図柄種で大当りとなり、高確率遊技作動が発生しても、次回に再び特定図柄種で大当りとなる確率は五分五分であるため、いくら遊技者が特定図柄種での大当りを望んでいても、遊技者の意志によって特定図柄種での大当りによる高確率遊技作動を発生させることはできなかった。
【0008】
一方、前記特許文献1に記載されたものにあっては、遊技球の進入が相対的に困難な困難領域へ遊技球を進入させれば、高確率で当り図柄態様となる特別遊技抽選が行われるが、困難領域は遊技球の進入が困難であるため、高確率での特別遊技抽選の実行頻度は低く、簡単に大当りが発生するものではなかった。
【0009】
本発明は、特定図柄種で大当りとなり、高確率遊技作動が発生した場合にあって、遊技者の意志によって次回も特定図柄種での大当りによる高確率遊技作動を発生させ易くしたパチンコ遊技機を提供することを目的をするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表示画面に複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球が図柄始動領域を通過することに起因して、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を表示画面に表示させる図柄制御手段と、前記表示画面に選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段を備え、さらに該遊技制御手段が、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機において、前記図柄始動領域として、第一図柄始動領域と、第二図柄始動領域とを設けるとともに、遊技制御手段が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率を、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合の方が高くなるようにした制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機である(請求項1)。
【0011】
かかる構成にあって、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率が、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合の方が高いため、遊技球が第二図柄始動領域を通過するように球発射操作を行えば、高確率遊技作動を容易に発生させることができる。
【0012】
上述のパチンコ遊技機にあって、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して払い出される賞球数が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して少なく設定されている構成(請求項2)が提案される。ここで、賞球数が少ないという概念には0個も含まれる。かかる構成にあって、第二図柄始動領域を遊技球が通過すると、上述のように特定図柄種で当り図柄態様となる確率が高い反面、賞球数が少なく、第一図柄始動領域を遊技球が通過すると、特定図柄種で当り図柄態様となる確率が低い反面、賞球数が多い。これにより、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れを狙って球発射操作を行うかで遊技性が変わり、遊技者の選択によって好みや状況に応じた遊技を行うことができる。
【0013】
また、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して表示画面に変動表示される特定図柄種の表示割合が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して多く設定されている構成(請求項3)が提案される。かかる構成にあっては、表示画面での選出図柄の変動表示が、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因するものなのかを遊技者に容易に認識させることができるとともに、どの選定図柄が特定図柄種なのかの識別が容易となる。
【0014】
また、遊技制御手段が、第一図柄始動領域または第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の図柄生成行程数を始動記憶図柄の表出数により表示する始動記憶表示部に、第一図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項4)が提案される。かかる構成にあっては、始動記憶図柄の表示形態により、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0015】
さらに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第一普通電動役物を第一図柄始動領域として備えるとともに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第二普通電動役物を第二図柄始動領域として備え、両普通電動役物の閉鎖時にあって、第二図柄始動領域に比して、第一図柄始動領域の遊技球通過を容易とした構成(請求項5)が提案される。ここで、両普通電動役物の閉鎖時においては、第一図柄始動領域に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過が困難若しくは不能となるように構成することができる。かかる構成にあって、第一普通電動役物の閉鎖時においては、第一図柄始動領域の遊技球通過が比較的に容易であるため、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率は低いものの、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する選出図柄の変動表示頻度を高くすることができる。一方、第二普通電動役物の閉鎖時においては、第二図柄始動領域の遊技球通過が比較的困難若しくは不能であるため、特定図柄種で当り図柄態様となる確率は高いものの、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する選出図柄の変動表示頻度を低くすることができる。
【0016】
また、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第一普通図柄を変動表示させる第一普通図柄始動領域と、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第二普通図柄を変動表示させる第二普通図柄始動領域とが設けられ、遊技制御手段が、第一普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物を開放させる一方、第二普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第二普通電動役物を開放させるとともに、第一普通図柄と第二普通図柄とを相互に種類が異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示する制御内容を備えている構成(請求項6)が提案される。かかる構成にあっては、第一普通図柄と第二普通図柄とが種類の異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示されるので、第一普通図柄または第二普通図柄が当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物と第二普通電動役物の何れが開放されるのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0017】
また、遊技制御手段が、第一普通図柄始動領域または第二普通図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の普通図柄生成行程数を普通始動記憶図柄の表出数により表示する普通図柄始動記憶表示部に、第一普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で普通始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項7)が提案される。かかる構成にあっては、普通始動記憶図柄の表示形態により、第一普通図柄始動領域と第二普通図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の普通図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した場合における一実施例を、添付図面に基づいて説明する。
【0019】
パチンコ遊技機の遊技盤1には、図1に示すように、略円形の誘導レール2で囲繞された遊技領域3が設けられており、該遊技領域3の略中央にセンターケース4が配設されている。このセンターケース4には、比較的精細に図柄表示可能な液晶表示器,CRT表示器等からなる図柄表示装置5が組み付けられており、該図柄表示装置5の表示画面6には、三つの特別図柄A,B,Cが変動表示される。ここで、第一種パチンコ遊技機にあっては、この特別図柄A,B,Cを選出図柄としている。
【0020】
特別図柄A,B,Cは、図2(イ),(ロ)に示すように、夫々「0」〜「9」の10個の図柄を備えた図柄列x,yにより構成されている。両図柄列x,yが備える10個の図柄には、後述する高確率遊技作動を発生する特定図柄種zが設定されており、該特定図柄種zには、所定のキャラクタからなる特定指標29が付されて、特定図柄種zであることを遊技者が認識し易いようになっている。そして、この特定図柄種zの割合が図柄列xと図柄列yとで異なっており、図柄列xでは、図2(イ)に示すように、「1」「3」「5」「7」「9」の図柄に特定指標29を付して特定図柄種zの割合を5/10としているのに対して、図柄列yでは、図2(ロ)に示すように、「1」「2」「3」「5」「6」「7」「9」の図柄に特定指標29を付して特定図柄種zの割合を7/10としている。
【0021】
前記表示画面6内の右下部には、図3(イ),(ロ)に示すように、特別図柄始動記憶表示部7が設けられている。該特別図柄始動記憶表示部7には、後述する主制御基板60(図5参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された特別図柄始動記憶数が表示される。即ち、この特別図柄始動記憶表示部7は、特別図柄A,B,Cの変動中に、後述する第一図柄始動領域9または第二図柄始動領域10を遊技球が通過すると、その遊技球通過に起因して発生する未実行の図柄生成行程数を始動記憶図柄8a,8bの表出数により表示するものであって、第一図柄始動領域9を遊技球が通過した場合と、第二図柄始動領域10を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で始動記憶図柄8a,8bが表示される。ここでは、第一図柄始動領域9を遊技球が通過した場合には、「ヒヨコ」の図柄からなる始動記憶図柄8aが表示される一方、第二図柄始動領域10を遊技球が通過した場合には、「ニワトリ」の図柄からなる始動記憶図柄8bが表示される。この始動記憶図柄8a,8bの表示数は合わせて四個までとしている。そして、これにより、第一図柄始動領域9と第二図柄始動領域10の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の図柄生成行程なのかを、遊技者が認識し易いようになっている。
【0022】
前記表示画面6内の左上部には、図3(イ),(ロ)に示すように、普通図柄表示部11が設けられている。該普通図柄表示部11には、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bとが選択的に変動表示される。ここで、第一普通図柄12a,12bは、後述する第一普通図柄始動領域14の遊技球通過に起因して変動し、第二普通図柄13a,13bは、後述する第二普通図柄始動領域15の遊技球通過に起因して変動する。また、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bは、相互に種類が異なる図柄形態の図柄となっており、第一普通図柄12a,12bは果実類である「チェリー」と「グレープ」からなる2個の図柄で構成され、第二普通図柄13a,13bは宝石類である「ダイヤ」と「水晶」からなる2個の図柄で構成されている。そして、第一普通図柄12a,12bが変動後に同じ図柄の組合せとなる当り態様で確定表示された場合には、後述する第一普通電動役物16が開放される。また、第二普通図柄13a,13bが変動後に同じ図柄の組合せとなる当り態様で確定表示された場合には、後述する第二普通電動役物17が開放される。このように、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bとが種類の異なる図柄形態で普通図柄表示部11に変動表示されるので、第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bが当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物16と第二普通電動役物17の何れが開放されるのかを、遊技者が認識し易いようになっている。
【0023】
さらに、前記表示画面6内の左下部には、図3(イ),(ロ)に示すように、普通図柄始動記憶表示部18が設けられている。該普通図柄始動記憶表示部18には、後述する主制御基板60(図5参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された普通図柄始動記憶数が表示される。即ち、この普通図柄始動記憶表示部18は、前記第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bの変動中に、後述する第一普通図柄始動領域14または第二普通図柄始動領域15を遊技球が通過すると、その遊技球通過に起因して発生する未実行の普通図柄生成行程数を普通始動記憶図柄19a,19bの表出数により表示するものであって、第一普通図柄始動領域14を遊技球が通過した場合と、第二普通図柄始動領域15を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で普通始動記憶図柄19a,19bが表示される。ここでは、第一普通図柄始動領域14を遊技球が通過した場合には、果実類である「イチゴ」の図柄からなる普通始動記憶図柄19aが表示される一方、第二普通図柄始動領域15を遊技球が通過した場合には、宝石類である「サファイヤ」の図柄からなる普通始動記憶図柄19bが表示される。この普通始動記憶図柄19a,19bの表示数は合わせて四個までとしている。そして、このように普通始動記憶図柄19aと普通始動記憶図柄19bとを異なる表示形態で表示することにより、第一普通図柄始動領域14と第二普通図柄始動領域15の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の普通図柄生成行程なのかを、遊技者が認識し易いようになっている。
【0024】
一方、センターケース4の左側には、図1に示すように、普通図柄始動ゲートからなる第一普通図柄始動領域14が配設されており、遊技球の通過により、この第一普通図柄始動領域14が具備する普通図柄始動スイッチS3 (図5参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記普通図柄表示部11で第一普通図柄12a,12bが変動し、所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過後に停止して種々の組合せの図柄態様が表示される。また、センターケース4の右側には、普通図柄始動ゲートからなる第二普通図柄始動領域15が配設されており、遊技球の通過により、この第二普通図柄始動領域15が具備する普通図柄始動スイッチS4 (図5参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記普通図柄表示部11で第二普通図柄13a,13bが変動し、所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過後に停止して種々の組合せの図柄態様が表示される。
【0025】
また、センターケース4の直下位置には、開閉翼片からなる開閉部材20,20により入賞口を兼ねた入り口の開口度を変化させるようにした第一図柄始動領域9としての第一普通電動役物16と、開閉翼片からなる開閉部材21,21により入り口の開口度を変化させるようにした第二図柄始動領域10としての第二普通電動役物17とが上下二段に配設されている。上側の第一普通電動役物16は、前記第一普通図柄12a,12bの変動表示結果が所定の当り態様の場合に、図4(イ)に示すように、開閉部材20,20が所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)拡開して開放され、第一図柄始動領域9を遊技球が通過し易い状態となる。この第一図柄始動領域9は、特別図柄始動スイッチS1(図5参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS1 による遊技球の通過検知に伴って、所定個数(例えば 5個)の賞球が払い出されるとともに、前記表示画面6に上述した図柄列x(図2(イ)参照)で特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。また、下側の第二普通電動役物17は、前記第二普通図柄13a,13bの変動表示結果が所定の当り態様の場合に、図4(ロ)に示すように、開閉部材21,21が所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)拡開して開放され、第二図柄始動領域10を遊技球が通過し易い状態となる。この第二図柄始動領域10は、特別図柄始動スイッチS2(図5参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS2 による遊技球の通過検知に伴って、表示画面6に上述した図柄列y(図2(ロ)参照)で特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。尚、第二図柄始動領域10の特別図柄始動スイッチS2 が遊技球の通過を検知しても賞球は払い出されない。また、第二普通電動役物17は、図4(イ),(ロ)に示すように、下方に遊技球を放出する開口部22を備えており、特別図柄始動スイッチS2 を通過した遊技球は、回収されることなく該開口部22から遊技領域3に放出されることとなる。
【0026】
ここで、下側の第二普通電動役物17を、上側の第一普通電動役物16に近接させて配設することにより、下側の第二普通電動役物17の閉鎖時にあっては、遊技球の流入が困難若しくは不能となっている。一方、上側の第一普通電動役物16は閉鎖時にあっても左右の開閉翼片からなる開閉部材20,20間に遊技球が流入し得る間隙が生ずるようになっている。これにより、両普通電動役物16,17の閉鎖時にあっては、第二図柄始動領域10に比して、第一図柄始動領域9の遊技球通過が容易となるようにしている。
【0027】
さらに、第二普通電動役物17の下方には、図1に示すように、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23を備え、かつ、横長矩形状の開閉片24を大入賞口ソレノイド25(図5参照)等の駆動源によって開閉制御することにより、大入賞口23を開放状態と閉鎖状態とに変換する可変入賞装置26が配設されている。そして、前記図柄表示装置5の表示画面6に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとしての特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉片24が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉片24の上面の案内作用を介して、大入賞口23内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒間)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞により開閉片24が起立して大入賞口23が閉鎖される開閉ラウンドを、特定領域の球通過を条件として所定制限回数(例えば15回)継続するものであって、この特別遊技作動の実行によって多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利得が供与される。可変入賞装置26の内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS5(図5参照)と、一回の開閉ラウンド毎の入賞個数を計数するカウントスイッチS6(図5参照)とが設けられている。また、特定領域スイッチS5 で検知される遊技球は、一回の開閉ラウンド中に計数される入賞個数に合算される。
【0028】
その他、遊技領域3には、大入賞口23より上方となる所定位置に複数の一般入賞口28が配設されており、その内部に具備する一般入賞スイッチS7(図5参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。
【0029】
図5は、上述のパチンコ遊技機の遊技制御手段を構成する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、大当り特別乱数テーブルk、大当り図柄乱数テーブルg,h、ハズレ図柄乱数テーブルm、リーチ乱数テーブルn、リーチ図柄乱数テーブルp、リーチ態様乱数テーブルq、当り普通乱数テーブルu、当り普通図柄乱数テーブルv,w、ハズレ普通図柄乱数テーブルi,j等の固定データが格納されている。そして所定の図柄始動条件が成立すると主制御用中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値G,H、ハズレ図柄乱数値Ma ,Mb ,Mc 、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、当り普通乱数値U、当り普通図柄乱数値V,W、ハズレ普通図柄乱数値I,J等が選出される。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 及び普通図柄始動スイッチS3 ,S4 のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマーを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0030】
上記主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーも接続されている。
【0031】
また、上記主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、図柄表示制御基板62,音源制御基板63,光源制御基板64,払出制御基板65の各入力ポートに向けて一方向に発信されるようになっている。また、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 が接続されるとともに、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS3 ,S4 、特定領域スイッチS5 、カウントスイッチS6 、一般入賞スイッチS7 が接続されている。そして、主制御基板60は所定時間毎(例えば2ms毎)に上記各スイッチS1 〜S7 の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド25、第一普通電動役物ソレノイド27a、第二普通電動役物ソレノイド27bが接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0032】
また、主制御用中央制御装置CPU及び上記各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65に夫々送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0033】
上記図柄表示制御基板62には、図柄表示装置5の表示画面6に表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この記憶装置ROMには、上述した特別図柄A,B,Cの図柄形態及び表出パターン,当りパターン,リーチ態様パターン等の固定データやその動作プログラムと、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bの図柄形態及び表出パターン,当りパターン等の固定データやその動作プログラムが記憶されている。
【0034】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60からの制御指令信号を入力ポートを介して受信すると、図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄変動を演出する変動態様データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。該表示用ドライバは前記変動態様データに従って、図柄表示装置5の表示画面6に所定の変動態様で特別図柄A,B,C、及び第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bを夫々変動表示させる。そして、この表示用ドライバ及び図柄表示制御基板62と主制御基板60とによって、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を図柄表示装置5の表示画面6に表示させる図柄制御手段が構成されている。
【0035】
一方、上記音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに送信して、スピーカから所定の効果音を出力させる。
【0036】
また、上記光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードや装飾ランプ等の電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯,点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオード,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光演出データを出力ポートを介して光源作動基板に送信し、電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプ等を所定の演出態様で点灯,点滅させる。
【0037】
さらに、上記払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等が具備する各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム,貸球や賞球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この払出制御基板65は、入力ポートを介して主制御基板60から制御指令信号を受信し、該制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動させて、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、プリペイド金額を記憶したプリペイドカードの読み込み・書き込みを行うプリペイドカードユニットと、プリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続されており、プリペイド金額の残額データ等を送受する。
【0038】
次に、図5に示した制御回路からなる遊技制御手段の制御内容をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が図示しない発射装置より遊技盤1の遊技領域3に発射され、この遊技球が遊技領域3の左側の第一普通図柄始動領域14を通過し、普通図柄始動スイッチS3 がON作動すると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている当り普通乱数テーブルu、当り普通図柄乱数テーブルv、ハズレ普通図柄乱数テーブルiから抽選によって、当り普通乱数値U、当り普通図柄乱数値V、ハズレ普通図柄乱数値Iを夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。また、普通図柄始動スイッチS3 のON作動を契機として、主制御基板60から図柄表示制御基板62に送信される制御指令信号によって、普通図柄表示部11で第一普通図柄12a,12b(図3(イ)参照)の変動が開始される。
【0039】
尚、第一普通図柄12a,12bの変動中に、普通図柄始動スイッチS3 で遊技球の通過が検出されると、主制御基板60の記憶装置ROMにその遊技球検出数が記憶され、その記憶数に対応する未実行の普通図柄生成行程数が普通始動記憶図柄19a(図3(イ),(ロ)参照)によって表示画面6内の普通図柄始動記憶表示部18に表示される。この普通始動記憶図柄19aは、第一普通図柄12a,12bが変動開始する都度消去される。
【0040】
前記当り普通乱数テーブルuからは所定の確率(例えば9/10)で当りの当り普通乱数値Uが選出される。普通図柄表示部11で第一普通図柄12a,12bの変動が開始されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、当り普通乱数値Uを判定し、該当り普通乱数値Uが当りの場合には、当り普通図柄乱数値Vを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、当り普通図柄乱数値Vで指定されている第一普通図柄12aと第一普通図柄12bが同じ図柄の組合せとなる当り態様で第一普通図柄12a,12bの変動を停止させて確定表示する。
【0041】
このように、第一普通図柄12a,12bの組合せが所定の当り態様で確定表示されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、盤面中継基板61を介して第一普通電動役物ソレノイド27aを駆動して、第一普通電動役物16の開閉部材20,20を所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)開放する。
【0042】
また、前記当り普通乱数値Uが当りでない場合には、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUがハズレ普通図柄乱数値Iを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、ハズレ普通図柄乱数値Iで指定されている第一普通図柄12aと第一普通図柄12bが異なる図柄の組合せとなるハズレ態様で第一普通図柄12a,12bの変動を停止させて確定表示する。
【0043】
一方、遊技球が遊技領域3の右側の第二普通図柄始動領域15を通過し、普通図柄始動スイッチS4 がON作動すると、その信号を認識した主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている当り普通乱数テーブルu、当り普通図柄乱数テーブルw、ハズレ普通図柄乱数テーブルjから抽選によって、当り普通乱数値U、当り普通図柄乱数値W、ハズレ普通図柄乱数値Jを夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。また、普通図柄始動スイッチS4 のON作動を契機として、主制御基板60から図柄表示制御基板62に送信される制御指令信号によって、普通図柄表示部11で第二普通図柄13a,13b(図3(ロ)参照)の変動が開始される。
【0044】
尚、第二普通図柄13a,13bの変動中に、普通図柄始動スイッチS4 で遊技球の通過が検出されると、主制御基板60の記憶装置ROMにその遊技球検出数が記憶され、その記憶数に対応する未実行の普通図柄生成行程数が普通始動記憶図柄19b(図3(イ),(ロ)参照)によって表示画面6内の普通図柄始動記憶表示部18に表示される。この普通始動記憶図柄19bは、第二普通図柄13a,13bが変動開始する都度消去される。
【0045】
前記当り普通乱数テーブルuからは所定の確率(例えば9/10)で当りの当り普通乱数値Uが選出される。普通図柄表示部11で第二普通図柄13a,13bの変動が開始されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、当り普通乱数値Uを判定し、該当り普通乱数値Uが当りの場合には、当り普通図柄乱数値Wを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、当り普通図柄乱数値Wで指定されている第二普通図柄13aと第二普通図柄13bが同じ図柄の組合せとなる当り態様で第二普通図柄13a,13bの変動を停止させて確定表示する。
【0046】
このように、第二普通図柄13a,13bの組合せが所定の当り態様で確定表示されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、盤面中継基板61を介して第二普通電動役物ソレノイド27bを駆動して、第二普通電動役物17の開閉部材21,21を所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)開放する。
【0047】
また、前記当り普通乱数値Uが当りでない場合には、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUがハズレ普通図柄乱数値Jを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、ハズレ普通図柄乱数値Jで指定されている第二普通図柄13aと第二普通図柄13bが異なる図柄の組合せとなるハズレ態様で第二普通図柄13a,13bの変動を停止させて確定表示する。
【0048】
そして、上記のように開放される第一図柄始動領域9としての第一普通電動役物16または第二図柄始動領域10としての第二普通電動役物17に遊技球が流入し、第一図柄始動領域9の特別図柄始動スイッチS1 または第二図柄始動領域10の特別図柄始動スイッチS2 がON作動すると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている各乱数テーブルから抽選によって、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値G,H、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q等を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
【0049】
さらには、特別図柄始動スイッチS1 のON信号に基づき、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に送信するとともに、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々送信する。主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットの図示しないソレノイドを作動させて所定個数(例えば 5個)の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球払出音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0050】
尚、遊技球が第一図柄始動領域9を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1 による遊技球検出数が主制御基板60の記憶装置RAMに始動記憶数として記憶され、その記憶に基づいて上述したように表示画面6の特別図柄始動記憶表示部7に始動記憶図柄8a(図3(イ),(ロ)参照)が表示される。また、遊技球が第二図柄始動領域10を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS2 による遊技球検出数が主制御基板60の記憶装置RAMに始動記憶数として記憶され、その記憶に基づいて特別図柄始動記憶表示部7に始動記憶図柄8bが表示される。この始動記憶図柄8a,8bは合わせて四個まで表示され、表示画面6の特別図柄A,B,Cが変動開始する都度消去されて、始動記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(四個)となっている場合には、第一図柄始動領域9または第二図柄始動領域10を遊技球が通過しても無効となる。
【0051】
そして、特別図柄始動スイッチS1 または特別図柄始動スイッチS2 のON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている夫々の始動記憶数の消化の何れかによる図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始される。ここで、図柄始動条件の成立が、特別図柄始動スイッチS1 の遊技球検知に起因する場合には、上述した図柄列x(図2(イ)参照)で特別図柄A,B,Cが変動し、特別図柄始動スイッチS2 の遊技球検知に起因する場合には、上述した図柄列y(図2(ロ)参照)で特別図柄A,B,Cが変動する。尚、特別図柄始動スイッチS1 を備えた第一図柄始動領域9としての第一普通電動役物16は、開閉部材20,20の閉鎖時にあっても遊技球の流入が容易であるため、通常遊技状態にあっては、特別図柄始動スイッチS1 による遊技球検知回数が多くなり、図柄列xによる特別図柄A,B,Cの変動頻度が高くなる。
【0052】
特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数値Kを判定し、大当り図柄乱数値G,Hとハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc の何れか一方を有効とするとともに、リーチ乱数値Nに従ってリーチとするかどうかを判定する。そして、これらの結果に基づき、図柄表示装置5で実行される図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
【0053】
上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、該図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の動作プログラムを用いて、表示画面6で演出する図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを順次停止し、特別図柄A,B,Cを確定表示する図柄生成行程を実行する。
【0054】
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を上記図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に送信するとともに、電飾制御指令信号を光源制御基板64に送信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の音データをサウンドジェネレータを介してスピーカより出力する。また前記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の光演出データに基づいて、光源作動基板を介して、発光ダイオードもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。
【0055】
上述の大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値である場合、主制御基板60は、大当り図柄乱数値Gと大当り図柄乱数値Hの何れか一方を有効とするとともに、リーチ図柄乱数値P,リーチ態様乱数値Qを有効とし、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。ここで、大当り図柄乱数値Gは、第一図柄始動領域9の遊技球通過に起因して図柄列xで特別図柄A,B,Cが変動している場合に有効となり、大当り図柄乱数値Hは、第二図柄始動領域10の遊技球通過に起因して図柄列yで特別図柄A,B,Cが変動している場合に有効となるものであって、詳しくは後述する。そして、図柄表示制御基板62は、リーチ図柄乱数値Pに従い特別図柄をA=Cで停止して、リーチ態様乱数値Qに従い所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を実行した後、大当り図柄乱数値Gまたは大当り図柄乱数値Hに従って、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cを確定表示する。同時に光源制御基板64及び音源制御基板63が所定の電飾演出と効果音を発生させる。尚、リーチ態様乱数値Qによって選定されるリーチ変動態様としては、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等、種々の変動態様がある。
【0056】
このように所定の当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド25を駆動して、開閉片24を前方傾倒させることにより大入賞口23を開放する大当りとしての一連の特別遊技作動を実行する。
【0057】
即ち、サウンドジェネレータがファンファーレを発するとともに、大入賞口ソレノイド25が駆動し、開閉片24が所定作動態様で開閉駆動される開閉ラウンドが開始される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(例えば30秒間)が経過するか、この所定制限時間内で、カウントスイッチS4 と特定領域スイッチS3 とにより所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3 がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して一ラウンドが終了した後、再び大入賞口23が開放されて次の開閉ラウンドへ移行する。このような開閉ラウンドが所定制限回数(例えば15回)繰り返されると特別遊技作動が終了する。
【0058】
一方、大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値でない場合には、主制御基板60は、上述のハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc に基づく制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信し、該図柄表示制御基板62は、この制御指令信号に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ表示する。ここで、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc が当り図柄態様を選出していた場合には、再びハズレ図柄乱数テーブルmでハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc を選出して、ハズレ図柄態様とする。また、リーチ乱数値Nによりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数値Pに従って、特別図柄をA=Cで一旦表示し、リーチ態様乱数値Qに従って、所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を発生させるようにした後、ハズレ図柄態様を確定表示する。
【0059】
前記図柄制御手段による図柄制御をさらに詳細に説明する。
上述した主制御基板60の記憶装置ROMには、0〜629の630コマからなる大当り特別乱数テーブルkが格納されている。ここで、表示画面6に当り図柄態様で確定表示された特別図柄A,B,Cの表示内容により、当該当り図柄態様に基づいて実行される特別遊技作動後に、再度当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動と、当り図柄態様となる確率が低い通常確率遊技作動の何れかが発生する。尚、通常確率遊技作動は、通常遊技状態で実行される遊技作動である。
【0060】
高確率遊技作動では、大当り特別乱数テーブルkから選出される大当り特別乱数値KがK=7,97,157,187,247,277,337,367,457,547の場合に当りとなる。即ち、大当り確率は10/630=1/63である。一方、通常確率遊技作動では、大当り特別乱数値K=7,457の場合に当りとなる。即ち、大当り確率は2/630=1/315である。そしてそれ以外の大当り特別乱数値Kはハズレとなる。
【0061】
また、記憶装置ROMには、上述したように大当り図柄乱数テーブルg,hが格納されている。大当り図柄乱数テーブルg,hは夫々0〜9の10コマからなり、該大当り図柄乱数テーブルg,hから夫々選出される0〜9の何れかの大当り図柄乱数値G,Hによって、上記大当り特別乱数値Kが当りの場合における特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が決定される。即ち、例えば大当り図柄乱数値Gまたは大当り図柄乱数値Hが0の場合には、当り図柄態様が「0・0・0」となり、大当り図柄乱数値Gまたは大当り図柄乱数値Hが1の場合には当り図柄態様が「1・1・1」となるように、各大当り図柄乱数値G(0〜9)または各大当り図柄乱数値H(0〜9)が特別図柄A,B,Cの当り図柄態様(「0・0・0」〜「9・9・9」)に対応している。
【0062】
ここで、特別図柄始動スイッチS1 の遊技球検知に起因して各特別図柄A,B,Cが図柄列xで変動した場合には、大当り図柄乱数テーブルg,hの内、一方の大当り図柄乱数テーブルgが適用される。この大当り図柄乱数テーブルgにあっては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の大当り図柄乱数値Gに対応する五個の大当り図柄が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zに設定されている。また、他方の大当り図柄乱数テーブルhは、特別図柄始動スイッチS2 の遊技球検知に起因して各特別図柄A,B,Cが図柄列yで変動した場合に適用され、この大当り図柄乱数テーブルhにあっては、「1」、「2」、「3」、「5」、「6」、「7」、「9」の大当り図柄乱数値Gに対応する七個の大当り図柄が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zに設定されている。そして、表示画面6に上記何れかの特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示された場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程が、当り図柄態様が確定表示されるまで、上述した高確率遊技作動となる。また、特定図柄種z以外の通常図柄により当り図柄態様が確定表示された場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程が通常確率遊技作動となる。
【0063】
尚、上記高確率遊技作動にあっては、特別図柄A,B,Cの変動時間を短縮する時短作動が実行される。即ち、特別図柄A,B,Cの、変動開始から停止して確定表示するまでの図柄生成行程に要する平均変動時間を、通常の約10秒間から約 5秒間に短縮して時間効率のよい遊技状態を同時に実行するようにしている。さらに、第一普通図柄12a,12b及び第二普通図柄13a,13bの変動時間が通常の約30秒間から約 5秒間に短縮されるとともに、第一普通図柄12a,12bの当り態様に基づく第一普通電動役物16の開放時間と、第二普通図柄13a,13bの当り態様に基づく第二普通電動役物17の開放時間とが、通常の約0.2秒間から約 2秒間に延長される。
【0064】
かかる構成にあって、通常遊技状態において、特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示されると、当該特別遊技作動終了後に、特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示されるまで、高確率遊技作動が発生する。上述したように、高確率遊技作動時には、第一普通図柄12a,12b及び第二普通図柄13a,13bの変動時間が通常の約30秒間から約 5秒間に短縮され、該第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bの当り態様に基づく第一普通電動役物16または第二普通電動役物17の開放時間が通常の約0.2秒間から約 2秒間に延長される。これにより、遊技領域3の左側に配設されている第一普通図柄始動領域14を狙って遊技球を発射すれば、該第一普通図柄始動領域14の遊技球通過に起因して変動する第一普通図柄12a,12bの当り態様に基づいて、第一普通電動役物16の開放回数及び開放時間が増加し、第一図柄始動領域9を遊技球が通過する頻度が多くなる。ここで、該第一図柄始動領域9を遊技球が通過すればその都度、所定個数(例えば 5個)の賞球が払い出されるので、持ち球が減ることがない。また、上述したように第一図柄始動領域9の遊技球通過に起因して、5/10の割合で特定図柄種zが設定された図柄列xで特別図柄A,B,Cが変動するので、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が再度確定表示される確率は5/10となる。
【0065】
一方、上記高確率遊技作動状態にあって、遊技領域3の右側に配設されている第二普通図柄始動領域15を狙って遊技球を発射すれば、該第二普通図柄始動領域15の遊技球通過に起因して変動する第二普通図柄13a,13bの当り態様に基づいて、第二普通電動役物17の開放回数及び開放時間が増加し、第二図柄始動領域10を遊技球が通過する頻度が多くなる。ここで、該第二図柄始動領域10を遊技球が通過しても賞球は払い出されないため、持ち球は減ることとなる。しかしながら、上述したように第二図柄始動領域10の遊技球通過に起因して、7/10の割合で特定図柄種zが設定された図柄列yで特別図柄A,B,Cが変動するので、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が再度確定表示される確率は7/10となる。
【0066】
即ち、第二普通図柄始動領域15を狙って遊技球を発射すれば、第一普通図柄始動領域14を狙った場合に比して、高確率遊技作動を高い確率で再度発生させることができる反面、高確率遊技作動中にあっても持ち球が減ってしまうこととなる。従って、第一普通図柄始動領域14と第二普通図柄始動領域15の何れを狙って球発射操作を行うかで遊技性が変わり、遊技者の選択によって好みや状況に応じた遊技を行うことが可能となる。
【0067】
尚、上記実施例では、第一普通電動役物16と第二普通電動役物17とを上下二段で配設しているが、これに代えて、左右に並設させてもよい。この場合には、遊技釘の調整等によって開閉部材21,21の閉鎖時における第二普通電動役物17への遊技球の流入を困難若しくは不能とすることができる。
【0068】
また、上記実施例では、第二図柄始動領域10を遊技球が通過しても賞球を払い出さないようにしているが、これに代えて、第一図柄始動領域9の遊技球通過時に比して少ない(例えば 1個)の賞球を払い出すように構成することも可能である。
【0069】
さらに、上記実施例では、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は第三種パチンコ遊技機にも適用可能であり、この第三種パチンコ遊技機では、判定図柄が選出図柄となる。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、図柄始動領域として、第一図柄始動領域と、第二図柄始動領域とを設けるとともに、遊技制御手段が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率を、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合の方が高くなるようにした制御内容を備えてなるパチンコ遊技機であるから(請求項1)、遊技球が第二図柄始動領域を通過するように球発射操作を行えば、高確率遊技作動を容易に発生させることができる。
【0071】
上述のパチンコ遊技機にあって、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して払い出される賞球数が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して少なく設定されている構成(請求項2)とすることにより、第二図柄始動領域を遊技球が通過すると、上述のように特定図柄種で当り図柄態様となる確率が高い反面、賞球数が少なく、第一図柄始動領域を遊技球が通過すると、特定図柄種で当り図柄態様となる確率が低い反面、賞球数が多い。これにより、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れを狙って球発射操作を行うかで遊技性が変わり、遊技者の選択によって好みや状況に応じた遊技を行うことができる。
【0072】
また、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して表示画面に変動表示される特定図柄種の表示割合が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して多く設定されている構成(請求項3)にあっては、表示画面での選出図柄の変動表示が、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因するものなのかを遊技者に容易に認識させることができるとともに、どの選定図柄が特定図柄種なのかの識別が容易となる。
【0073】
また、遊技制御手段が、第一図柄始動領域または第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の図柄生成行程数を始動記憶図柄の表出数により表示する始動記憶表示部に、第一図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項4)構成にあっては、始動記憶図柄の表示形態により、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0074】
さらに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第一普通電動役物を第一図柄始動領域として備えるとともに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第二普通電動役物を第二図柄始動領域として備え、両普通電動役物の閉鎖時にあって、第二図柄始動領域に比して、第一図柄始動領域の遊技球通過を容易とした構成(請求項5)にあっては、第一普通電動役物の閉鎖時においては、第一図柄始動領域の遊技球通過が比較的に容易であるため、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率は低いものの、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する選出図柄の変動表示頻度を高くすることができる。
【0075】
また、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第一普通図柄を変動表示させる第一普通図柄始動領域と、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第二普通図柄を変動表示させる第二普通図柄始動領域とが設けられ、遊技制御手段が、第一普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物を開放させる一方、第二普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第二普通電動役物を開放させるとともに、第一普通図柄と第二普通図柄とを相互に種類が異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示する制御内容を備えている構成(請求項6)にあっては、第一普通図柄と第二普通図柄とが種類の異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示されるので、第一普通図柄または第二普通図柄が当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物と第二普通電動役物の何れが開放されるのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0076】
また、遊技制御手段が、第一普通図柄始動領域または第二普通図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の普通図柄生成行程数を普通始動記憶図柄の表出数により表示する普通図柄始動記憶表示部に、第一普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で普通始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項7)にあっては、普通始動記憶図柄の表示形態により、第一普通図柄始動領域と第二普通図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の普通図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤1の正面図である。
【図2】(イ)は図柄列x、(ロ)は図柄列yを示す特別図柄の配列形態図である。
【図3】(イ)は表示画面6に表示される各種図柄の表示構成図、(ロ)は(イ)とは異なる表示構成図である。
【図4】(イ)は第一普通電動役物16の開放状態、(ロ)は第二普通電動役物17の開放状態を示す斜視図である。
【図5】遊技制御手段を構成する制御回路を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
5 図柄表示装置
6 表示画面
7 始動記憶表示部(特別図柄始動記憶表示部)
8a,8b 始動記憶図柄
9 第一図柄始動領域
10 第二図柄始動領域
11 普通図柄表示部
12a,12b 第一普通図柄
13a,13b 第二普通図柄
14 第一普通図柄始動領域
15 第二普通図柄始動領域
16 第一普通電動役物
17 第二普通電動役物
18 普通図柄始動記憶表示部
19a,19b 普通始動記憶図柄
20 開閉部材
21 開閉部材
29 特定指標
A,B,C 特別図柄(選出図柄)
z 特定図柄種
【発明の属する技術分野】
本発明は、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、大当りとしての特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示画面に複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球が図柄始動領域を通過することに起因して、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を表示画面に表示させる図柄制御手段と、前記表示画面に選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段を備え、さらに該遊技制御手段が、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機はよく知られている。これらには、所謂第一種パチンコ遊技機,第三種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第一種パチンコ遊技機にあっては、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が予め定められた特定図柄種であった場合に、大当りとしての特別遊技作動終了後に発生する高確率遊技作動として、次回の当り図柄態様が確定表示されるまで、当り図柄態様となる確率が通常確率(例えば1/300程度)から高確率(例えば1/60程度)に変更される確率変動作動が実行されるとともに、時間当たりの選出図柄変動回数を多くして当り図柄態様となるまでの時間を早めるために、選出図柄の変動時間を通常の約10秒から約 5秒に短縮する時短作動が実行され、さらに図柄始動領域として設けられている普通電動役物の開放契機となる普通図柄の変動時間が通常の約30秒から約 5秒に短縮されるとともに、普通図柄が当り態様の場合に開放される普通電動役物の開放時間も通常の約0.2秒から約 2秒に延長される。また、このように頻繁に開放される普通電動役物に遊技球が入賞する度に所定個数(例えば 5個)の賞球が払い出されるため、高確率遊技作動中は次の大当りが発生するまで遊技者の持ち球が減ることがない。
【0004】
このように、高確率遊技作動は、持ち球を減らすことなく、次の大当りを早く発生させることができるので、遊技者は当り図柄態様で確定表示される選出図柄が毎回、特定図柄種となることを望んでいる。
【0005】
一方、上記のように選出図柄に特定図柄種を定めることなく、当り図柄態様となる確率が異なる二つの特別遊技抽選領域(図柄始動領域)として困難領域と容易領域とを設け、遊技球の進入が相対的に困難な困難領域への遊技球進入に起因して高確率で特別遊技抽選を行って大当りを発生させ易くしたもの(特許文献1参照)も提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−172225号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が予め定められた特定図柄種であった場合に、大当りとしての特別遊技作動終了後に、次回の当り図柄態様が確定表示されるまで、高確率遊技作動を発生させるようにしたものにあっては、複数の選出図柄の略半数を特定図柄種としており、高確率遊技作動の発生確率が1/2程度となっている。このため、通常遊技時に運良く特定図柄種で大当りとなり、高確率遊技作動が発生しても、次回に再び特定図柄種で大当りとなる確率は五分五分であるため、いくら遊技者が特定図柄種での大当りを望んでいても、遊技者の意志によって特定図柄種での大当りによる高確率遊技作動を発生させることはできなかった。
【0008】
一方、前記特許文献1に記載されたものにあっては、遊技球の進入が相対的に困難な困難領域へ遊技球を進入させれば、高確率で当り図柄態様となる特別遊技抽選が行われるが、困難領域は遊技球の進入が困難であるため、高確率での特別遊技抽選の実行頻度は低く、簡単に大当りが発生するものではなかった。
【0009】
本発明は、特定図柄種で大当りとなり、高確率遊技作動が発生した場合にあって、遊技者の意志によって次回も特定図柄種での大当りによる高確率遊技作動を発生させ易くしたパチンコ遊技機を提供することを目的をするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表示画面に複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球が図柄始動領域を通過することに起因して、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を表示画面に表示させる図柄制御手段と、前記表示画面に選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段を備え、さらに該遊技制御手段が、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機において、前記図柄始動領域として、第一図柄始動領域と、第二図柄始動領域とを設けるとともに、遊技制御手段が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率を、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合の方が高くなるようにした制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機である(請求項1)。
【0011】
かかる構成にあって、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率が、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合の方が高いため、遊技球が第二図柄始動領域を通過するように球発射操作を行えば、高確率遊技作動を容易に発生させることができる。
【0012】
上述のパチンコ遊技機にあって、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して払い出される賞球数が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して少なく設定されている構成(請求項2)が提案される。ここで、賞球数が少ないという概念には0個も含まれる。かかる構成にあって、第二図柄始動領域を遊技球が通過すると、上述のように特定図柄種で当り図柄態様となる確率が高い反面、賞球数が少なく、第一図柄始動領域を遊技球が通過すると、特定図柄種で当り図柄態様となる確率が低い反面、賞球数が多い。これにより、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れを狙って球発射操作を行うかで遊技性が変わり、遊技者の選択によって好みや状況に応じた遊技を行うことができる。
【0013】
また、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して表示画面に変動表示される特定図柄種の表示割合が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して多く設定されている構成(請求項3)が提案される。かかる構成にあっては、表示画面での選出図柄の変動表示が、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因するものなのかを遊技者に容易に認識させることができるとともに、どの選定図柄が特定図柄種なのかの識別が容易となる。
【0014】
また、遊技制御手段が、第一図柄始動領域または第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の図柄生成行程数を始動記憶図柄の表出数により表示する始動記憶表示部に、第一図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項4)が提案される。かかる構成にあっては、始動記憶図柄の表示形態により、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0015】
さらに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第一普通電動役物を第一図柄始動領域として備えるとともに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第二普通電動役物を第二図柄始動領域として備え、両普通電動役物の閉鎖時にあって、第二図柄始動領域に比して、第一図柄始動領域の遊技球通過を容易とした構成(請求項5)が提案される。ここで、両普通電動役物の閉鎖時においては、第一図柄始動領域に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過が困難若しくは不能となるように構成することができる。かかる構成にあって、第一普通電動役物の閉鎖時においては、第一図柄始動領域の遊技球通過が比較的に容易であるため、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率は低いものの、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する選出図柄の変動表示頻度を高くすることができる。一方、第二普通電動役物の閉鎖時においては、第二図柄始動領域の遊技球通過が比較的困難若しくは不能であるため、特定図柄種で当り図柄態様となる確率は高いものの、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する選出図柄の変動表示頻度を低くすることができる。
【0016】
また、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第一普通図柄を変動表示させる第一普通図柄始動領域と、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第二普通図柄を変動表示させる第二普通図柄始動領域とが設けられ、遊技制御手段が、第一普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物を開放させる一方、第二普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第二普通電動役物を開放させるとともに、第一普通図柄と第二普通図柄とを相互に種類が異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示する制御内容を備えている構成(請求項6)が提案される。かかる構成にあっては、第一普通図柄と第二普通図柄とが種類の異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示されるので、第一普通図柄または第二普通図柄が当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物と第二普通電動役物の何れが開放されるのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0017】
また、遊技制御手段が、第一普通図柄始動領域または第二普通図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の普通図柄生成行程数を普通始動記憶図柄の表出数により表示する普通図柄始動記憶表示部に、第一普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で普通始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項7)が提案される。かかる構成にあっては、普通始動記憶図柄の表示形態により、第一普通図柄始動領域と第二普通図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の普通図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した場合における一実施例を、添付図面に基づいて説明する。
【0019】
パチンコ遊技機の遊技盤1には、図1に示すように、略円形の誘導レール2で囲繞された遊技領域3が設けられており、該遊技領域3の略中央にセンターケース4が配設されている。このセンターケース4には、比較的精細に図柄表示可能な液晶表示器,CRT表示器等からなる図柄表示装置5が組み付けられており、該図柄表示装置5の表示画面6には、三つの特別図柄A,B,Cが変動表示される。ここで、第一種パチンコ遊技機にあっては、この特別図柄A,B,Cを選出図柄としている。
【0020】
特別図柄A,B,Cは、図2(イ),(ロ)に示すように、夫々「0」〜「9」の10個の図柄を備えた図柄列x,yにより構成されている。両図柄列x,yが備える10個の図柄には、後述する高確率遊技作動を発生する特定図柄種zが設定されており、該特定図柄種zには、所定のキャラクタからなる特定指標29が付されて、特定図柄種zであることを遊技者が認識し易いようになっている。そして、この特定図柄種zの割合が図柄列xと図柄列yとで異なっており、図柄列xでは、図2(イ)に示すように、「1」「3」「5」「7」「9」の図柄に特定指標29を付して特定図柄種zの割合を5/10としているのに対して、図柄列yでは、図2(ロ)に示すように、「1」「2」「3」「5」「6」「7」「9」の図柄に特定指標29を付して特定図柄種zの割合を7/10としている。
【0021】
前記表示画面6内の右下部には、図3(イ),(ロ)に示すように、特別図柄始動記憶表示部7が設けられている。該特別図柄始動記憶表示部7には、後述する主制御基板60(図5参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された特別図柄始動記憶数が表示される。即ち、この特別図柄始動記憶表示部7は、特別図柄A,B,Cの変動中に、後述する第一図柄始動領域9または第二図柄始動領域10を遊技球が通過すると、その遊技球通過に起因して発生する未実行の図柄生成行程数を始動記憶図柄8a,8bの表出数により表示するものであって、第一図柄始動領域9を遊技球が通過した場合と、第二図柄始動領域10を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で始動記憶図柄8a,8bが表示される。ここでは、第一図柄始動領域9を遊技球が通過した場合には、「ヒヨコ」の図柄からなる始動記憶図柄8aが表示される一方、第二図柄始動領域10を遊技球が通過した場合には、「ニワトリ」の図柄からなる始動記憶図柄8bが表示される。この始動記憶図柄8a,8bの表示数は合わせて四個までとしている。そして、これにより、第一図柄始動領域9と第二図柄始動領域10の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の図柄生成行程なのかを、遊技者が認識し易いようになっている。
【0022】
前記表示画面6内の左上部には、図3(イ),(ロ)に示すように、普通図柄表示部11が設けられている。該普通図柄表示部11には、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bとが選択的に変動表示される。ここで、第一普通図柄12a,12bは、後述する第一普通図柄始動領域14の遊技球通過に起因して変動し、第二普通図柄13a,13bは、後述する第二普通図柄始動領域15の遊技球通過に起因して変動する。また、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bは、相互に種類が異なる図柄形態の図柄となっており、第一普通図柄12a,12bは果実類である「チェリー」と「グレープ」からなる2個の図柄で構成され、第二普通図柄13a,13bは宝石類である「ダイヤ」と「水晶」からなる2個の図柄で構成されている。そして、第一普通図柄12a,12bが変動後に同じ図柄の組合せとなる当り態様で確定表示された場合には、後述する第一普通電動役物16が開放される。また、第二普通図柄13a,13bが変動後に同じ図柄の組合せとなる当り態様で確定表示された場合には、後述する第二普通電動役物17が開放される。このように、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bとが種類の異なる図柄形態で普通図柄表示部11に変動表示されるので、第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bが当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物16と第二普通電動役物17の何れが開放されるのかを、遊技者が認識し易いようになっている。
【0023】
さらに、前記表示画面6内の左下部には、図3(イ),(ロ)に示すように、普通図柄始動記憶表示部18が設けられている。該普通図柄始動記憶表示部18には、後述する主制御基板60(図5参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された普通図柄始動記憶数が表示される。即ち、この普通図柄始動記憶表示部18は、前記第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bの変動中に、後述する第一普通図柄始動領域14または第二普通図柄始動領域15を遊技球が通過すると、その遊技球通過に起因して発生する未実行の普通図柄生成行程数を普通始動記憶図柄19a,19bの表出数により表示するものであって、第一普通図柄始動領域14を遊技球が通過した場合と、第二普通図柄始動領域15を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で普通始動記憶図柄19a,19bが表示される。ここでは、第一普通図柄始動領域14を遊技球が通過した場合には、果実類である「イチゴ」の図柄からなる普通始動記憶図柄19aが表示される一方、第二普通図柄始動領域15を遊技球が通過した場合には、宝石類である「サファイヤ」の図柄からなる普通始動記憶図柄19bが表示される。この普通始動記憶図柄19a,19bの表示数は合わせて四個までとしている。そして、このように普通始動記憶図柄19aと普通始動記憶図柄19bとを異なる表示形態で表示することにより、第一普通図柄始動領域14と第二普通図柄始動領域15の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の普通図柄生成行程なのかを、遊技者が認識し易いようになっている。
【0024】
一方、センターケース4の左側には、図1に示すように、普通図柄始動ゲートからなる第一普通図柄始動領域14が配設されており、遊技球の通過により、この第一普通図柄始動領域14が具備する普通図柄始動スイッチS3 (図5参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記普通図柄表示部11で第一普通図柄12a,12bが変動し、所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過後に停止して種々の組合せの図柄態様が表示される。また、センターケース4の右側には、普通図柄始動ゲートからなる第二普通図柄始動領域15が配設されており、遊技球の通過により、この第二普通図柄始動領域15が具備する普通図柄始動スイッチS4 (図5参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記普通図柄表示部11で第二普通図柄13a,13bが変動し、所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過後に停止して種々の組合せの図柄態様が表示される。
【0025】
また、センターケース4の直下位置には、開閉翼片からなる開閉部材20,20により入賞口を兼ねた入り口の開口度を変化させるようにした第一図柄始動領域9としての第一普通電動役物16と、開閉翼片からなる開閉部材21,21により入り口の開口度を変化させるようにした第二図柄始動領域10としての第二普通電動役物17とが上下二段に配設されている。上側の第一普通電動役物16は、前記第一普通図柄12a,12bの変動表示結果が所定の当り態様の場合に、図4(イ)に示すように、開閉部材20,20が所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)拡開して開放され、第一図柄始動領域9を遊技球が通過し易い状態となる。この第一図柄始動領域9は、特別図柄始動スイッチS1(図5参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS1 による遊技球の通過検知に伴って、所定個数(例えば 5個)の賞球が払い出されるとともに、前記表示画面6に上述した図柄列x(図2(イ)参照)で特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。また、下側の第二普通電動役物17は、前記第二普通図柄13a,13bの変動表示結果が所定の当り態様の場合に、図4(ロ)に示すように、開閉部材21,21が所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)拡開して開放され、第二図柄始動領域10を遊技球が通過し易い状態となる。この第二図柄始動領域10は、特別図柄始動スイッチS2(図5参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS2 による遊技球の通過検知に伴って、表示画面6に上述した図柄列y(図2(ロ)参照)で特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。尚、第二図柄始動領域10の特別図柄始動スイッチS2 が遊技球の通過を検知しても賞球は払い出されない。また、第二普通電動役物17は、図4(イ),(ロ)に示すように、下方に遊技球を放出する開口部22を備えており、特別図柄始動スイッチS2 を通過した遊技球は、回収されることなく該開口部22から遊技領域3に放出されることとなる。
【0026】
ここで、下側の第二普通電動役物17を、上側の第一普通電動役物16に近接させて配設することにより、下側の第二普通電動役物17の閉鎖時にあっては、遊技球の流入が困難若しくは不能となっている。一方、上側の第一普通電動役物16は閉鎖時にあっても左右の開閉翼片からなる開閉部材20,20間に遊技球が流入し得る間隙が生ずるようになっている。これにより、両普通電動役物16,17の閉鎖時にあっては、第二図柄始動領域10に比して、第一図柄始動領域9の遊技球通過が容易となるようにしている。
【0027】
さらに、第二普通電動役物17の下方には、図1に示すように、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23を備え、かつ、横長矩形状の開閉片24を大入賞口ソレノイド25(図5参照)等の駆動源によって開閉制御することにより、大入賞口23を開放状態と閉鎖状態とに変換する可変入賞装置26が配設されている。そして、前記図柄表示装置5の表示画面6に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとしての特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉片24が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉片24の上面の案内作用を介して、大入賞口23内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒間)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞により開閉片24が起立して大入賞口23が閉鎖される開閉ラウンドを、特定領域の球通過を条件として所定制限回数(例えば15回)継続するものであって、この特別遊技作動の実行によって多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利得が供与される。可変入賞装置26の内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS5(図5参照)と、一回の開閉ラウンド毎の入賞個数を計数するカウントスイッチS6(図5参照)とが設けられている。また、特定領域スイッチS5 で検知される遊技球は、一回の開閉ラウンド中に計数される入賞個数に合算される。
【0028】
その他、遊技領域3には、大入賞口23より上方となる所定位置に複数の一般入賞口28が配設されており、その内部に具備する一般入賞スイッチS7(図5参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。
【0029】
図5は、上述のパチンコ遊技機の遊技制御手段を構成する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、大当り特別乱数テーブルk、大当り図柄乱数テーブルg,h、ハズレ図柄乱数テーブルm、リーチ乱数テーブルn、リーチ図柄乱数テーブルp、リーチ態様乱数テーブルq、当り普通乱数テーブルu、当り普通図柄乱数テーブルv,w、ハズレ普通図柄乱数テーブルi,j等の固定データが格納されている。そして所定の図柄始動条件が成立すると主制御用中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値G,H、ハズレ図柄乱数値Ma ,Mb ,Mc 、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、当り普通乱数値U、当り普通図柄乱数値V,W、ハズレ普通図柄乱数値I,J等が選出される。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 及び普通図柄始動スイッチS3 ,S4 のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマーを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0030】
上記主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーも接続されている。
【0031】
また、上記主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、図柄表示制御基板62,音源制御基板63,光源制御基板64,払出制御基板65の各入力ポートに向けて一方向に発信されるようになっている。また、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1 ,S2 が接続されるとともに、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS3 ,S4 、特定領域スイッチS5 、カウントスイッチS6 、一般入賞スイッチS7 が接続されている。そして、主制御基板60は所定時間毎(例えば2ms毎)に上記各スイッチS1 〜S7 の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド25、第一普通電動役物ソレノイド27a、第二普通電動役物ソレノイド27bが接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0032】
また、主制御用中央制御装置CPU及び上記各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65に夫々送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0033】
上記図柄表示制御基板62には、図柄表示装置5の表示画面6に表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この記憶装置ROMには、上述した特別図柄A,B,Cの図柄形態及び表出パターン,当りパターン,リーチ態様パターン等の固定データやその動作プログラムと、第一普通図柄12a,12bと第二普通図柄13a,13bの図柄形態及び表出パターン,当りパターン等の固定データやその動作プログラムが記憶されている。
【0034】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60からの制御指令信号を入力ポートを介して受信すると、図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄変動を演出する変動態様データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。該表示用ドライバは前記変動態様データに従って、図柄表示装置5の表示画面6に所定の変動態様で特別図柄A,B,C、及び第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bを夫々変動表示させる。そして、この表示用ドライバ及び図柄表示制御基板62と主制御基板60とによって、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を図柄表示装置5の表示画面6に表示させる図柄制御手段が構成されている。
【0035】
一方、上記音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに送信して、スピーカから所定の効果音を出力させる。
【0036】
また、上記光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードや装飾ランプ等の電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯,点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオード,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光演出データを出力ポートを介して光源作動基板に送信し、電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプ等を所定の演出態様で点灯,点滅させる。
【0037】
さらに、上記払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等が具備する各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム,貸球や賞球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この払出制御基板65は、入力ポートを介して主制御基板60から制御指令信号を受信し、該制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動させて、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、プリペイド金額を記憶したプリペイドカードの読み込み・書き込みを行うプリペイドカードユニットと、プリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続されており、プリペイド金額の残額データ等を送受する。
【0038】
次に、図5に示した制御回路からなる遊技制御手段の制御内容をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が図示しない発射装置より遊技盤1の遊技領域3に発射され、この遊技球が遊技領域3の左側の第一普通図柄始動領域14を通過し、普通図柄始動スイッチS3 がON作動すると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている当り普通乱数テーブルu、当り普通図柄乱数テーブルv、ハズレ普通図柄乱数テーブルiから抽選によって、当り普通乱数値U、当り普通図柄乱数値V、ハズレ普通図柄乱数値Iを夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。また、普通図柄始動スイッチS3 のON作動を契機として、主制御基板60から図柄表示制御基板62に送信される制御指令信号によって、普通図柄表示部11で第一普通図柄12a,12b(図3(イ)参照)の変動が開始される。
【0039】
尚、第一普通図柄12a,12bの変動中に、普通図柄始動スイッチS3 で遊技球の通過が検出されると、主制御基板60の記憶装置ROMにその遊技球検出数が記憶され、その記憶数に対応する未実行の普通図柄生成行程数が普通始動記憶図柄19a(図3(イ),(ロ)参照)によって表示画面6内の普通図柄始動記憶表示部18に表示される。この普通始動記憶図柄19aは、第一普通図柄12a,12bが変動開始する都度消去される。
【0040】
前記当り普通乱数テーブルuからは所定の確率(例えば9/10)で当りの当り普通乱数値Uが選出される。普通図柄表示部11で第一普通図柄12a,12bの変動が開始されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、当り普通乱数値Uを判定し、該当り普通乱数値Uが当りの場合には、当り普通図柄乱数値Vを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、当り普通図柄乱数値Vで指定されている第一普通図柄12aと第一普通図柄12bが同じ図柄の組合せとなる当り態様で第一普通図柄12a,12bの変動を停止させて確定表示する。
【0041】
このように、第一普通図柄12a,12bの組合せが所定の当り態様で確定表示されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、盤面中継基板61を介して第一普通電動役物ソレノイド27aを駆動して、第一普通電動役物16の開閉部材20,20を所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)開放する。
【0042】
また、前記当り普通乱数値Uが当りでない場合には、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUがハズレ普通図柄乱数値Iを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、ハズレ普通図柄乱数値Iで指定されている第一普通図柄12aと第一普通図柄12bが異なる図柄の組合せとなるハズレ態様で第一普通図柄12a,12bの変動を停止させて確定表示する。
【0043】
一方、遊技球が遊技領域3の右側の第二普通図柄始動領域15を通過し、普通図柄始動スイッチS4 がON作動すると、その信号を認識した主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている当り普通乱数テーブルu、当り普通図柄乱数テーブルw、ハズレ普通図柄乱数テーブルjから抽選によって、当り普通乱数値U、当り普通図柄乱数値W、ハズレ普通図柄乱数値Jを夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。また、普通図柄始動スイッチS4 のON作動を契機として、主制御基板60から図柄表示制御基板62に送信される制御指令信号によって、普通図柄表示部11で第二普通図柄13a,13b(図3(ロ)参照)の変動が開始される。
【0044】
尚、第二普通図柄13a,13bの変動中に、普通図柄始動スイッチS4 で遊技球の通過が検出されると、主制御基板60の記憶装置ROMにその遊技球検出数が記憶され、その記憶数に対応する未実行の普通図柄生成行程数が普通始動記憶図柄19b(図3(イ),(ロ)参照)によって表示画面6内の普通図柄始動記憶表示部18に表示される。この普通始動記憶図柄19bは、第二普通図柄13a,13bが変動開始する都度消去される。
【0045】
前記当り普通乱数テーブルuからは所定の確率(例えば9/10)で当りの当り普通乱数値Uが選出される。普通図柄表示部11で第二普通図柄13a,13bの変動が開始されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、当り普通乱数値Uを判定し、該当り普通乱数値Uが当りの場合には、当り普通図柄乱数値Wを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、当り普通図柄乱数値Wで指定されている第二普通図柄13aと第二普通図柄13bが同じ図柄の組合せとなる当り態様で第二普通図柄13a,13bの変動を停止させて確定表示する。
【0046】
このように、第二普通図柄13a,13bの組合せが所定の当り態様で確定表示されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、盤面中継基板61を介して第二普通電動役物ソレノイド27bを駆動して、第二普通電動役物17の開閉部材21,21を所定時間(通常遊技状態では約 0.2秒間)開放する。
【0047】
また、前記当り普通乱数値Uが当りでない場合には、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUがハズレ普通図柄乱数値Jを有効にして、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は所定時間(通常遊技状態では約30秒間)経過すると、ハズレ普通図柄乱数値Jで指定されている第二普通図柄13aと第二普通図柄13bが異なる図柄の組合せとなるハズレ態様で第二普通図柄13a,13bの変動を停止させて確定表示する。
【0048】
そして、上記のように開放される第一図柄始動領域9としての第一普通電動役物16または第二図柄始動領域10としての第二普通電動役物17に遊技球が流入し、第一図柄始動領域9の特別図柄始動スイッチS1 または第二図柄始動領域10の特別図柄始動スイッチS2 がON作動すると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている各乱数テーブルから抽選によって、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値G,H、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q等を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
【0049】
さらには、特別図柄始動スイッチS1 のON信号に基づき、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に送信するとともに、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々送信する。主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットの図示しないソレノイドを作動させて所定個数(例えば 5個)の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球払出音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0050】
尚、遊技球が第一図柄始動領域9を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1 による遊技球検出数が主制御基板60の記憶装置RAMに始動記憶数として記憶され、その記憶に基づいて上述したように表示画面6の特別図柄始動記憶表示部7に始動記憶図柄8a(図3(イ),(ロ)参照)が表示される。また、遊技球が第二図柄始動領域10を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS2 による遊技球検出数が主制御基板60の記憶装置RAMに始動記憶数として記憶され、その記憶に基づいて特別図柄始動記憶表示部7に始動記憶図柄8bが表示される。この始動記憶図柄8a,8bは合わせて四個まで表示され、表示画面6の特別図柄A,B,Cが変動開始する都度消去されて、始動記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(四個)となっている場合には、第一図柄始動領域9または第二図柄始動領域10を遊技球が通過しても無効となる。
【0051】
そして、特別図柄始動スイッチS1 または特別図柄始動スイッチS2 のON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている夫々の始動記憶数の消化の何れかによる図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始される。ここで、図柄始動条件の成立が、特別図柄始動スイッチS1 の遊技球検知に起因する場合には、上述した図柄列x(図2(イ)参照)で特別図柄A,B,Cが変動し、特別図柄始動スイッチS2 の遊技球検知に起因する場合には、上述した図柄列y(図2(ロ)参照)で特別図柄A,B,Cが変動する。尚、特別図柄始動スイッチS1 を備えた第一図柄始動領域9としての第一普通電動役物16は、開閉部材20,20の閉鎖時にあっても遊技球の流入が容易であるため、通常遊技状態にあっては、特別図柄始動スイッチS1 による遊技球検知回数が多くなり、図柄列xによる特別図柄A,B,Cの変動頻度が高くなる。
【0052】
特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数値Kを判定し、大当り図柄乱数値G,Hとハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc の何れか一方を有効とするとともに、リーチ乱数値Nに従ってリーチとするかどうかを判定する。そして、これらの結果に基づき、図柄表示装置5で実行される図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
【0053】
上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、該図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の動作プログラムを用いて、表示画面6で演出する図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを順次停止し、特別図柄A,B,Cを確定表示する図柄生成行程を実行する。
【0054】
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を上記図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に送信するとともに、電飾制御指令信号を光源制御基板64に送信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の音データをサウンドジェネレータを介してスピーカより出力する。また前記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の光演出データに基づいて、光源作動基板を介して、発光ダイオードもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。
【0055】
上述の大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値である場合、主制御基板60は、大当り図柄乱数値Gと大当り図柄乱数値Hの何れか一方を有効とするとともに、リーチ図柄乱数値P,リーチ態様乱数値Qを有効とし、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。ここで、大当り図柄乱数値Gは、第一図柄始動領域9の遊技球通過に起因して図柄列xで特別図柄A,B,Cが変動している場合に有効となり、大当り図柄乱数値Hは、第二図柄始動領域10の遊技球通過に起因して図柄列yで特別図柄A,B,Cが変動している場合に有効となるものであって、詳しくは後述する。そして、図柄表示制御基板62は、リーチ図柄乱数値Pに従い特別図柄をA=Cで停止して、リーチ態様乱数値Qに従い所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を実行した後、大当り図柄乱数値Gまたは大当り図柄乱数値Hに従って、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cを確定表示する。同時に光源制御基板64及び音源制御基板63が所定の電飾演出と効果音を発生させる。尚、リーチ態様乱数値Qによって選定されるリーチ変動態様としては、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等、種々の変動態様がある。
【0056】
このように所定の当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド25を駆動して、開閉片24を前方傾倒させることにより大入賞口23を開放する大当りとしての一連の特別遊技作動を実行する。
【0057】
即ち、サウンドジェネレータがファンファーレを発するとともに、大入賞口ソレノイド25が駆動し、開閉片24が所定作動態様で開閉駆動される開閉ラウンドが開始される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(例えば30秒間)が経過するか、この所定制限時間内で、カウントスイッチS4 と特定領域スイッチS3 とにより所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3 がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して一ラウンドが終了した後、再び大入賞口23が開放されて次の開閉ラウンドへ移行する。このような開閉ラウンドが所定制限回数(例えば15回)繰り返されると特別遊技作動が終了する。
【0058】
一方、大当り特別乱数値Kが所定の当り乱数値でない場合には、主制御基板60は、上述のハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc に基づく制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信し、該図柄表示制御基板62は、この制御指令信号に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ表示する。ここで、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc が当り図柄態様を選出していた場合には、再びハズレ図柄乱数テーブルmでハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc を選出して、ハズレ図柄態様とする。また、リーチ乱数値Nによりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数値Pに従って、特別図柄をA=Cで一旦表示し、リーチ態様乱数値Qに従って、所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を発生させるようにした後、ハズレ図柄態様を確定表示する。
【0059】
前記図柄制御手段による図柄制御をさらに詳細に説明する。
上述した主制御基板60の記憶装置ROMには、0〜629の630コマからなる大当り特別乱数テーブルkが格納されている。ここで、表示画面6に当り図柄態様で確定表示された特別図柄A,B,Cの表示内容により、当該当り図柄態様に基づいて実行される特別遊技作動後に、再度当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動と、当り図柄態様となる確率が低い通常確率遊技作動の何れかが発生する。尚、通常確率遊技作動は、通常遊技状態で実行される遊技作動である。
【0060】
高確率遊技作動では、大当り特別乱数テーブルkから選出される大当り特別乱数値KがK=7,97,157,187,247,277,337,367,457,547の場合に当りとなる。即ち、大当り確率は10/630=1/63である。一方、通常確率遊技作動では、大当り特別乱数値K=7,457の場合に当りとなる。即ち、大当り確率は2/630=1/315である。そしてそれ以外の大当り特別乱数値Kはハズレとなる。
【0061】
また、記憶装置ROMには、上述したように大当り図柄乱数テーブルg,hが格納されている。大当り図柄乱数テーブルg,hは夫々0〜9の10コマからなり、該大当り図柄乱数テーブルg,hから夫々選出される0〜9の何れかの大当り図柄乱数値G,Hによって、上記大当り特別乱数値Kが当りの場合における特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が決定される。即ち、例えば大当り図柄乱数値Gまたは大当り図柄乱数値Hが0の場合には、当り図柄態様が「0・0・0」となり、大当り図柄乱数値Gまたは大当り図柄乱数値Hが1の場合には当り図柄態様が「1・1・1」となるように、各大当り図柄乱数値G(0〜9)または各大当り図柄乱数値H(0〜9)が特別図柄A,B,Cの当り図柄態様(「0・0・0」〜「9・9・9」)に対応している。
【0062】
ここで、特別図柄始動スイッチS1 の遊技球検知に起因して各特別図柄A,B,Cが図柄列xで変動した場合には、大当り図柄乱数テーブルg,hの内、一方の大当り図柄乱数テーブルgが適用される。この大当り図柄乱数テーブルgにあっては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の大当り図柄乱数値Gに対応する五個の大当り図柄が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zに設定されている。また、他方の大当り図柄乱数テーブルhは、特別図柄始動スイッチS2 の遊技球検知に起因して各特別図柄A,B,Cが図柄列yで変動した場合に適用され、この大当り図柄乱数テーブルhにあっては、「1」、「2」、「3」、「5」、「6」、「7」、「9」の大当り図柄乱数値Gに対応する七個の大当り図柄が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zに設定されている。そして、表示画面6に上記何れかの特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示された場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程が、当り図柄態様が確定表示されるまで、上述した高確率遊技作動となる。また、特定図柄種z以外の通常図柄により当り図柄態様が確定表示された場合には、当該特別遊技作動以降の図柄生成行程が通常確率遊技作動となる。
【0063】
尚、上記高確率遊技作動にあっては、特別図柄A,B,Cの変動時間を短縮する時短作動が実行される。即ち、特別図柄A,B,Cの、変動開始から停止して確定表示するまでの図柄生成行程に要する平均変動時間を、通常の約10秒間から約 5秒間に短縮して時間効率のよい遊技状態を同時に実行するようにしている。さらに、第一普通図柄12a,12b及び第二普通図柄13a,13bの変動時間が通常の約30秒間から約 5秒間に短縮されるとともに、第一普通図柄12a,12bの当り態様に基づく第一普通電動役物16の開放時間と、第二普通図柄13a,13bの当り態様に基づく第二普通電動役物17の開放時間とが、通常の約0.2秒間から約 2秒間に延長される。
【0064】
かかる構成にあって、通常遊技状態において、特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示されると、当該特別遊技作動終了後に、特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示されるまで、高確率遊技作動が発生する。上述したように、高確率遊技作動時には、第一普通図柄12a,12b及び第二普通図柄13a,13bの変動時間が通常の約30秒間から約 5秒間に短縮され、該第一普通図柄12a,12bまたは第二普通図柄13a,13bの当り態様に基づく第一普通電動役物16または第二普通電動役物17の開放時間が通常の約0.2秒間から約 2秒間に延長される。これにより、遊技領域3の左側に配設されている第一普通図柄始動領域14を狙って遊技球を発射すれば、該第一普通図柄始動領域14の遊技球通過に起因して変動する第一普通図柄12a,12bの当り態様に基づいて、第一普通電動役物16の開放回数及び開放時間が増加し、第一図柄始動領域9を遊技球が通過する頻度が多くなる。ここで、該第一図柄始動領域9を遊技球が通過すればその都度、所定個数(例えば 5個)の賞球が払い出されるので、持ち球が減ることがない。また、上述したように第一図柄始動領域9の遊技球通過に起因して、5/10の割合で特定図柄種zが設定された図柄列xで特別図柄A,B,Cが変動するので、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が再度確定表示される確率は5/10となる。
【0065】
一方、上記高確率遊技作動状態にあって、遊技領域3の右側に配設されている第二普通図柄始動領域15を狙って遊技球を発射すれば、該第二普通図柄始動領域15の遊技球通過に起因して変動する第二普通図柄13a,13bの当り態様に基づいて、第二普通電動役物17の開放回数及び開放時間が増加し、第二図柄始動領域10を遊技球が通過する頻度が多くなる。ここで、該第二図柄始動領域10を遊技球が通過しても賞球は払い出されないため、持ち球は減ることとなる。しかしながら、上述したように第二図柄始動領域10の遊技球通過に起因して、7/10の割合で特定図柄種zが設定された図柄列yで特別図柄A,B,Cが変動するので、高確率遊技作動を発生する特定図柄種zで特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が再度確定表示される確率は7/10となる。
【0066】
即ち、第二普通図柄始動領域15を狙って遊技球を発射すれば、第一普通図柄始動領域14を狙った場合に比して、高確率遊技作動を高い確率で再度発生させることができる反面、高確率遊技作動中にあっても持ち球が減ってしまうこととなる。従って、第一普通図柄始動領域14と第二普通図柄始動領域15の何れを狙って球発射操作を行うかで遊技性が変わり、遊技者の選択によって好みや状況に応じた遊技を行うことが可能となる。
【0067】
尚、上記実施例では、第一普通電動役物16と第二普通電動役物17とを上下二段で配設しているが、これに代えて、左右に並設させてもよい。この場合には、遊技釘の調整等によって開閉部材21,21の閉鎖時における第二普通電動役物17への遊技球の流入を困難若しくは不能とすることができる。
【0068】
また、上記実施例では、第二図柄始動領域10を遊技球が通過しても賞球を払い出さないようにしているが、これに代えて、第一図柄始動領域9の遊技球通過時に比して少ない(例えば 1個)の賞球を払い出すように構成することも可能である。
【0069】
さらに、上記実施例では、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は第三種パチンコ遊技機にも適用可能であり、この第三種パチンコ遊技機では、判定図柄が選出図柄となる。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、図柄始動領域として、第一図柄始動領域と、第二図柄始動領域とを設けるとともに、遊技制御手段が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率を、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合の方が高くなるようにした制御内容を備えてなるパチンコ遊技機であるから(請求項1)、遊技球が第二図柄始動領域を通過するように球発射操作を行えば、高確率遊技作動を容易に発生させることができる。
【0071】
上述のパチンコ遊技機にあって、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して払い出される賞球数が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して少なく設定されている構成(請求項2)とすることにより、第二図柄始動領域を遊技球が通過すると、上述のように特定図柄種で当り図柄態様となる確率が高い反面、賞球数が少なく、第一図柄始動領域を遊技球が通過すると、特定図柄種で当り図柄態様となる確率が低い反面、賞球数が多い。これにより、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れを狙って球発射操作を行うかで遊技性が変わり、遊技者の選択によって好みや状況に応じた遊技を行うことができる。
【0072】
また、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して表示画面に変動表示される特定図柄種の表示割合が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して多く設定されている構成(請求項3)にあっては、表示画面での選出図柄の変動表示が、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因するものなのかを遊技者に容易に認識させることができるとともに、どの選定図柄が特定図柄種なのかの識別が容易となる。
【0073】
また、遊技制御手段が、第一図柄始動領域または第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の図柄生成行程数を始動記憶図柄の表出数により表示する始動記憶表示部に、第一図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項4)構成にあっては、始動記憶図柄の表示形態により、第一図柄始動領域と第二図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0074】
さらに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第一普通電動役物を第一図柄始動領域として備えるとともに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第二普通電動役物を第二図柄始動領域として備え、両普通電動役物の閉鎖時にあって、第二図柄始動領域に比して、第一図柄始動領域の遊技球通過を容易とした構成(請求項5)にあっては、第一普通電動役物の閉鎖時においては、第一図柄始動領域の遊技球通過が比較的に容易であるため、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率は低いものの、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する選出図柄の変動表示頻度を高くすることができる。
【0075】
また、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第一普通図柄を変動表示させる第一普通図柄始動領域と、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第二普通図柄を変動表示させる第二普通図柄始動領域とが設けられ、遊技制御手段が、第一普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物を開放させる一方、第二普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第二普通電動役物を開放させるとともに、第一普通図柄と第二普通図柄とを相互に種類が異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示する制御内容を備えている構成(請求項6)にあっては、第一普通図柄と第二普通図柄とが種類の異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示されるので、第一普通図柄または第二普通図柄が当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物と第二普通電動役物の何れが開放されるのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【0076】
また、遊技制御手段が、第一普通図柄始動領域または第二普通図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の普通図柄生成行程数を普通始動記憶図柄の表出数により表示する普通図柄始動記憶表示部に、第一普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で普通始動記憶図柄を表示する制御内容を備えている構成(請求項7)にあっては、普通始動記憶図柄の表示形態により、第一普通図柄始動領域と第二普通図柄始動領域の何れの遊技球通過に起因して発生した未実行の普通図柄生成行程なのかを、遊技者が容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤1の正面図である。
【図2】(イ)は図柄列x、(ロ)は図柄列yを示す特別図柄の配列形態図である。
【図3】(イ)は表示画面6に表示される各種図柄の表示構成図、(ロ)は(イ)とは異なる表示構成図である。
【図4】(イ)は第一普通電動役物16の開放状態、(ロ)は第二普通電動役物17の開放状態を示す斜視図である。
【図5】遊技制御手段を構成する制御回路を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
5 図柄表示装置
6 表示画面
7 始動記憶表示部(特別図柄始動記憶表示部)
8a,8b 始動記憶図柄
9 第一図柄始動領域
10 第二図柄始動領域
11 普通図柄表示部
12a,12b 第一普通図柄
13a,13b 第二普通図柄
14 第一普通図柄始動領域
15 第二普通図柄始動領域
16 第一普通電動役物
17 第二普通電動役物
18 普通図柄始動記憶表示部
19a,19b 普通始動記憶図柄
20 開閉部材
21 開閉部材
29 特定指標
A,B,C 特別図柄(選出図柄)
z 特定図柄種
Claims (7)
- 表示画面に複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球が図柄始動領域を通過することに起因して、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を表示画面に表示させる図柄制御手段と、前記表示画面に選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段を備え、さらに該遊技制御手段が、当り図柄態様で確定表示された選出図柄が特定図柄種である場合に、特別遊技作動終了後に、少なくとも当り図柄態様となる確率を高めた高確率遊技作動を発生する制御内容を備えたパチンコ遊技機において、
前記図柄始動領域として、第一図柄始動領域と、第二図柄始動領域とを設けるとともに、遊技制御手段が、高確率遊技作動を発生する特定図柄種で当り図柄態様となる確率を、第一図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合に比して、第二図柄始動領域の遊技球通過に起因する場合の方が高くなるようにした制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して払い出される賞球数が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して少なく設定されていることを特徴とする請求項1に記載したパチンコ遊技機。
- 第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して表示画面に変動表示される特定図柄種の表示割合が、第一図柄始動領域の遊技球通過時に比して多く設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したパチンコ遊技機。
- 遊技制御手段が、第一図柄始動領域または第二図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の図柄生成行程数を始動記憶図柄の表出数により表示する始動記憶表示部に、第一図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で始動記憶図柄を表示する制御内容を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載したパチンコ遊技機。
- 開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第一普通電動役物を第一図柄始動領域として備えるとともに、開閉部材の開放により遊技球の通過が容易となる第二普通電動役物を第二図柄始動領域として備え、
両普通電動役物の閉鎖時にあって、第二図柄始動領域に比して、第一図柄始動領域の遊技球通過を容易としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載したパチンコ遊技機。 - 遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第一普通図柄を変動表示させる第一普通図柄始動領域と、遊技球の通過に起因して普通図柄表示部で複数の第二普通図柄を変動表示させる第二普通図柄始動領域とが設けられ、遊技制御手段が、第一普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第一普通電動役物を開放させる一方、第二普通図柄の組合せが所定の当り態様で確定表示された場合に、第二普通電動役物を開放させるとともに、第一普通図柄と第二普通図柄とを相互に種類が異なる図柄形態で普通図柄表示部に変動表示する制御内容を備えていることを特徴とする請求項5に記載したパチンコ遊技機。
- 遊技制御手段が、第一普通図柄始動領域または第二普通図柄始動領域の遊技球通過に起因して発生する未実行の普通図柄生成行程数を普通始動記憶図柄の表出数により表示する普通図柄始動記憶表示部に、第一普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合と、第二普通図柄始動領域を遊技球が通過した場合とで夫々異なる表示形態で普通始動記憶図柄を表示する制御内容を備えていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載したパチンコ遊技機。
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