JP4040297B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、詳しくは、複数のリーチ態様を有し、過去に行われたリーチ演出のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出のリーチ情報との組み合わせに基づいて、大当たりとなる信頼度等を遊技者に対して報知可能な遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、遊技球が始動口に入球したことに応じて抽選処理を行い、その抽選処理の結果が入賞(大当たり等)であれば、遊技者に有利な特別遊技モードを実行する遊技機が知られている。
【0003】
この種の遊技機には、抽選処理の結果を表示するための図柄表示部が設けられており、この図柄表示部には、それぞれ複数種類の図柄を表示可能な複数の図柄表示位置が設定されている。そして、この遊技機は、抽選処理の結果を、各図柄表示位置に表示された図柄の組み合わせにて表すべく構成されている。
【0004】
例えば、抽選処理の結果が入賞であれば、所定の図柄表示位置に同一図柄を表示させ、抽選処理の結果が非入賞であれば、所定の図柄表示位置の少なくとも一つに異なる図柄を表示させることにより、抽選処理の結果を図柄の組み合わせで表すことができる。
【0005】
上述したような抽選処理の結果を表す図柄の組み合わせは、一般には、遊技球が始動口に入球して、図柄表示部の各図柄の表示状態が変動した後、その変動中の各図柄表示位置の表示が順次停止されていくことにより表示される。
そして、この種の遊技機では入賞(大当たり等)を表す図柄の組み合わせは、残り一つの図柄で入賞あるいは非入賞が決定する、いわゆる「リーチ」の状態を経た後に表示されることとなる。
【0006】
したがって、この種の遊技機においては、図柄の変動・停止状態が繰り返し行われることによって遊技に対する面白みが高まり、加えて「リーチ」となるか否か等によって遊技者の入賞への期待感が急激に変化することとなって、遊技の興趣性を高めることができる。
【0007】
また、近年の遊技機においては、遊技の興趣性を向上させるために、上記「リーチ」の態様(種別および発展段階等)を複数設けたものが知られている。
例えば、通常のリーチ状態を示す「ノーマルリーチ」、およびこのノーマルリーチよりも大当たりの期待度が高い状態に発展したリーチ状態を示す「スーパーリーチ」を有する遊技機が知られており、これらの遊技機においては、抽選処理の結果等に応じて、これら複数のリーチ態様を制御している。このように、複数の「リーチ」を有する遊技機であれば、遊技の興趣性をより向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術においては、リーチ演出に関する情報等が、遊技者に対して特に報知等されない。そのため、遊技者は、専ら雑誌等に開示された情報をもとに、リーチ態様の状態、リーチの発展段階等を推測等して、遊技機における遊技(リーチ演出等)を楽しんでいる。
【0009】
すなわち、上記従来技術において、遊技者は、雑誌等の情報を抜きにしては、あらかじめリーチ演出に関する情報等を認識することができないため、遊技に対する集中力が散漫になるという問題があった。つまり、仮に、遊技機において、大当たり等についての信頼度が向上している場合であっても、雑誌等の情報を知らないことによって、遊技者がその状態を認識できない場合は、期待感を持って遊技を行うことができないという問題があった。
【0010】
また、上記従来技術にかかる遊技機は、一般的に複数のリーチ態様を有しており、種々のリーチ演出が行われるが、基本的に、一のリーチ演出であれば、その一のリーチ演出独自の信頼度を有し、他のリーチ演出であれば、やはりその他のリーチ演出独自の信頼度を有するものである。
したがって、遊技の前後の状況等(例えば、一のリーチ演出が行われる場合におけるその前後のリーチ演出の状況等)に関わらず、同じリーチ演出である場合には、遊技者は、毎回同じ期待感を持っていたため、遊技の面白みに欠けるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来技術にかかる遊技機の問題を解決するためになされたものであって、複数のリーチ態様を有する遊技機において、リーチ態様に関する情報を遊技者に報知すると共に、所定のリーチの組合せに応じて、大当たり等の信頼度に変化を持たせることが可能な遊技機を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、複数のリーチ演出を実行することができ、リーチ演出実行時に用いられたリーチ情報が記憶可能で、記憶された過去のリーチ情報が遊技者に対して報知可能に構成されており、前記過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態へ移行させる信頼度が、遊技者に報知される遊技機であって、前記所定状態が複数種類設けられ、前記過去のリーチ情報が所定個数だけ記憶可能であり、前記過去のリーチ情報の報知個数に応じて、前記所定状態の少なくとも一つへ移行させる信頼度が遊技者に対して報知されることを特徴としている。
【0013】
従来技術においては、リーチ演出後、大当たり等にならなかった場合には、遊技者は、この段階で遊技に対する期待感をなくしていたが、上記構成の発明によれば、前記過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態へ移行させる信頼度が遊技者に報知されるため、リーチ演出に「ハズレ」た後においても、遊技者に継続した期待感を持たせ、遊技の興趣性を高めることができる。
また、このような構成によれば、リーチ演出独自の所定状態への移行信頼度とは別に、リーチ情報の組合せに応じた移行信頼度が報知されることとなるため、同様のリーチ演出が行われる場合であっても、遊技者は、毎回異なる期待感を持って、遊技を楽しむことができる。
【0015】
また、上記構成の発明によれば、報知される前記過去のリーチ情報の個数に応じて、前記所定状態の少なくとも一つへ移行させる信頼度が遊技者に報知される。すなわち、複数の所定状態を有する遊技機においては、前記過去のリーチ情報の任意な組合せに応じて、選択的に所定状態が報知可能である。したがって、このような構成によれば、リーチ情報の組合せによって報知させる所定状態に変化を持たせているため、より興趣性の高い遊技機とすることができる。
【0016】
また、本発明にかかる遊技機においては、前記所定状態が、上位のリーチ演出に発展すること、および大当たりとなることである構成が好ましい。
【0017】
さらに、本発明にかかる遊技機においては、図柄の表示状態によって複数のリーチ演出を実行し得る図柄表示部が備えられており、前記所定状態が、上位のリーチ演出に発展すること、大当たりとなること、および非確変図柄で図柄が仮停止した後に再変動して確変図柄による大当たりに昇格することの少なくとも二つである構成が好ましい。
【0019】
また、本発明にかかる遊技機においては、図柄の表示状態によって複数のリーチ演出を実行し得る図柄表示部が備えられており、リーチ演出実行時に用いられたリーチ情報が記憶可能で、記憶された過去のリーチ情報が前記図柄表示部を用いて遊技者に対して報知可能に構成されており、前記過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態へ移行させる信頼度が、遊技者に報知される遊技機であって、前記過去のリーチ情報の報知個数が、一個の場合には、この一個の過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態が上位のリーチ演出に発展する信頼度が、遊技者に報知され、二個の場合には、この二個の過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態が大当たりとなる信頼度が、遊技者に報知される。
【0020】
の構成によれば、遊技者に対して前記リーチ情報を容易に報知可能である。また、リーチ演出独自の所定状態への移行信頼度とは別に、記憶個数が一個の場合には上位のリーチ演出に発展する信頼度が、記憶個数が二個の場合には大当たりとなる信頼度が遊技者に報知される。すなわち、過去のリーチ情報の記憶表示数に応じて、報知される所定状態が異なるため、同様のリーチ演出が行われる場合であっても、遊技者は、毎回異なる期待感を持って、遊技を楽しむことができる。
【0021】
また、本発明にかかる遊技機においては、同様の前記リーチ情報の報知(記憶および報知)が連続して行われたときに、前記遊技機の遊技状態を所定状態へ移行させる信頼度が向上する構成が好ましい。さらに、同様の前記リーチ情報の報知が連続すればするほど、前記所定状態へ移行させる信頼度がより向上する構成が好ましい。
【0022】
この好ましい構成によれば、遊技者は、同様の前記リーチ情報が連続して報知されることを期待して遊技を行うこととなるため、より高い期待感を持って遊技を楽しむことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態にかかる遊技機(パチンコ機)の概略的な外観構成図を示したものである。図1に示すように、遊技機100は、略長方形の四辺を成すように枠組みされた四つの枠片から成る外枠101と、この外枠101に開閉自在に取り付けられた前面扉102と、外枠101内の内枠(図示省略)に嵌め込まれた遊技盤103とを備えている。
【0025】
前面扉102には、大きな矩形状の開口部が形成され、この開口部には、ガラス板等の透明板104が取り付けられており、本実施形態にかかる遊技機100は、この透明板104を介して、内部の遊技盤103が視認可能に構成されている。また、前面扉102には、遊技盤103に向けて遊技球を発射させるための発射装置(図示省略)を操作するためのハンドル部105と、発射装置に供給すべき遊技球を貯留しておくための上皿106と、この上皿106に貯留しきれない遊技球を貯留しておくための下皿107とが設けられている。
【0026】
遊技盤103には、略円弧状に形成された外側ガイドレール108と、これより半径の小さな略円弧状に形成された内側ガイドレール109とが設けられている。そして、本実施形態にかかる遊技機100においては、発射装置から発射された遊技球が、これらのガイドレール108,109に案内されて遊技盤103の上部に導かれ、遊技盤103内(遊技領域内)を転動することによって遊技が行われる。なお、この遊技盤103には、遊技球と当接することによって、遊技球を様々な方向に転動させるための複数の遊技釘が配設されているが、ここでは、図面の複雑化を避けるために遊技釘の記載を省略している。つまり、この遊技機100においては、遊技盤103の上部に導かれた遊技球は、遊技盤103に打ち込まれた複数本の遊技釘に当接し、あるいはこれらの遊技釘間を通って、下方へ落下すべく構成されている。
【0027】
遊技盤103の略中央部には、例えば液晶表示器を組み込んだ図柄表示部110が設けられ、この図柄表示部110の下方位置には、遊技球を入球可能な始動口111および入賞口112が配置されている。この始動口111および入賞口112に遊技球が入球すると、その旨が入球後の遊技球の通過経路に設けられたセンサによって検出され、入球した部位について予め定められた個数の賞球が球貸出部(図示省略)から上皿106に付与されるように構成されている。なお、始動口111は、所定条件が成立することにより、ソレノイドの作動で開放されて入球しやすい状態となり得るように構成されており、開放時間と開放回数とが高められるよう制御される。
【0028】
図柄表示部110の表示画面は、複数(例えば三個)の図柄表示位置に区画されており、各区画は、それぞれ文字、数字、記号、図形、キャラクタ等の図柄が、単独あるいは複合的に表示可能に構成されている。遊技球が始動口111に入球すると、特別遊技モードを実行するか否か(「大当たり」か「ハズレ」か)を決定するための抽選処理が行われて、図柄表示部110の所定図柄が変動を始め、所定時間経過後に、所定区画に任意の図柄が表示される。この図柄表示部110は、一般的には、抽選処理の結果が「大当たり」であれば、図柄表示部110において所定図柄を所定の図柄状態(例えば、同一図柄を同一ライン上)に揃えるべく、制御が行われる。
なお、本実施形態にかかる図柄表示部110は、今回の抽選処理の結果に基づいて図柄を変動表示させ、所定のリーチ演出等を行うべく構成された特定図柄表示領域と、過去のリーチ演出のリーチ種別等を遊技者に報知するために所定図柄等を表示可能に構成されたリーチ種別表示領域とを有している。詳細は、後述する。
【0029】
始動口111の下方位置には、大入賞口114が設けられており、この大入賞口114は、通常は幅広な開閉板113によって閉塞されている。そして、抽選処理を行った結果、大入賞(大当たり)に当選すると、ソレノイドの作動によって開閉板113が傾動して、大入賞口114が開放されるように構成されている。大入賞口114内には、特定領域(いわゆるVゾーン)を経由する第一経路、および特定領域を経由しない第二経路の二つの経路が設けられており、それぞれの経路には、入球した遊技球を計数するカウンタが設けられている。例えば、特別遊技モードでは、非特定領域(第二経路)に所定個数の遊技球が入球するまで大入賞口114が開放され、その間、特定領域(第一経路)に遊技球が一つでも入球されれば、継続権が発生して、大入賞口114が再度開放され、この一連の動作が所定回数繰り返されることとなる。
そして、この遊技機100は、大入賞口114に入球した遊技球の数(カウンタにて計数された遊技球の数)に応じて、予め定められた個数の賞球が球貸出部から上皿106に付与されるように構成されている。
【0030】
遊技盤103の下部には、始動口111、入賞口112、および大入賞口114等に入球しなかった遊技球を遊技機100本体内に回収するための排出口115が形成されている。
【0031】
また、遊技盤103の遊技領域の適宜箇所には、始動口111に入球した遊技球の数を例えば四個を上限として表示するLEDランプから成る保留ランプ116等の各種ランプが配置されている。保留ランプ116は、例えば、遊技球が始動口111に一個入球することによって一つのランプが点灯し、図柄表示部の図柄の変動表示動作が開始される毎に一つずつ消灯されるべく構成されている。
さらに、遊技盤103の遊技領域の遊技領域の周辺部には、遊技中に点滅表示される飾りランプ、賞球を払い出すときに点灯する賞球ランプ、捕球が切れたときに点灯する球切れランプ等の各種ランプ117が配置されており、外枠101の左右位置には、効果音を発する二つのスピーカ118が配置されている。
【0032】
また、上皿106の前面には、球貸出ボタン120、カード返却ボタン121、特典球貸出ボタン122、カード残高表示部123、貯留特典球数表示部124が設けられている。
球貸出ボタン120は、球貸出機(図示省略)に投入されたカードから所定度数を引き落とすためのものであって、遊技者がこのボタン120を押釦操作すると、機内の球貸出部から球貸出口125を介して遊技球が所定度数分だけ上皿106に貸し出されると同時に、投入されたカードの保有度数が貸し出された遊技球数の分だけ消費される。また、カード返却ボタン121は、球貸出機に投入されたカードを機外に排出させるためのものである。また、カード残高表示部123および貯留特典球数表示部124は、七個の発光セグメントから成るディジタル表示部であって、カード残高表示部123には、球貸出機に投入中のカードの残り度数が表示され、貯留特典球数表示部124には、現在の貯留特典球の総数が表示される。
【0033】
図2は、本実施形態にかかる遊技機の概略的な内部構成図を示したものである。遊技機100の裏面では、外枠101内の上部に貯留タンク127が設けられ、その上方から遊技球が貯留タンク127に供給される。そして、貯留タンク127内の遊技球は、誘導ノズル128を通って球貸出部129に供給される。
【0034】
球貸出部129は、上方から供給された遊技球を一個ずつ取り込んで送り出す球送出機構(図示省略)を備えている。この球送出機構は、送出モータを駆動源とするもので、この送出モータに接続されたスクリューを回転駆動させることによって、スクリューの螺旋溝に遊技球を一個ずつ取り込んで、上皿106の球貸出口125に連通する経路へと送り出すように構成されている。
【0035】
送出モータは、貸出制御部(後述する)から出力されたパルス信号の入力に応じてスクリューをピッチ単位で回転させる(すなわち貯留タンク127内の遊技球を球貸出口125から上皿106に一個ずつ送り出す)ように制御されており、このパルス信号の入力回数によって貸し出される(送り出す)遊技球の個数が決定される。例えば、始動口111、入賞口112、大入賞口114に入球したり、球貸出ボタン120あるいは特典球貸出ボタン122が押釦操作させることにより、賞球、貸出球、または特典球のそれぞれ定められた個数に相当する数のパルス信号が貸出制御部から球貸出部129に送信される。
【0036】
ここで、始動口111の賞球は例えば六個、入賞口112の賞球は例えば十個、大入賞口114の賞球は例えば十五個と定められる。また、カードの一度数分の遊技球は例えば二十五個に定められ、特典ポイントが「1」ポイント当たることによって得られる遊技球(特典球)は例えば三個に定められる。
【0037】
遊技機100は、制御部が一つのみでは、処理能力に限界が生じ、遊技の演出に制限が課せられるとして、遊技にかかる部分の制御には主制御部(後述する)が用いられ、図柄表示、飾りランプ、効果音等の遊技の演出にかかる部分や、遊技球の払い出し等の遊技に付随する部分の制御にはサブ制御部が用いられる。すなわち、本実施形態にかかる遊技機100は、いわゆる制御部の「サブ化」が行われている。
具体的には、遊技機100の裏面には、サブ制御部として、商用電源から複数種類の電圧の直流を生成する電源基板(電源制御部)132、遊技の制御を行う主基板(主制御部)133、図柄表示部110の制御を行う図柄表示制御基板(図柄表示制御部)134、各種ランプ117等の制御を行うランプ制御基板(ランプ制御部)135、スピーカ118の制御を行う音声制御基板(音声制御部)136、遊技球の貸し出し処理の制御、すなわち球貸出部129の制御を行う貸出制御基板(貸出制御部)137、および発射装置の制御を行う発射制御基板(発射制御部)139が設けられている。
そして、これらの各サブ制御部は、主制御部から送信される制御信号に基づいて、ランプ117、スピーカ118、および球貸出部129等の各構成要素を適切に制御すべく構成されている。
【0038】
図3は、本実施形態にかかる遊技機の概略的な電気的構成のブロック図を示したものである。また、図4は、遊技機内の主制御部の概略図を示したものである。なお、この図3においては、各構成要素たるブロック間は見かけ上「一」の信号線にて接続された状態を示しているが、この各信号線は、物理的に「一本の」信号線を意味するものではなく、必要に応じて、一本または複数本の信号線(あるいは複数本を一に束ねた信号線)を意味するものとする。
【0039】
本実施形態にかかる遊技機100は、制御、演算の主体であるCPU1331、遊技制御プログラム等が記憶されているROM1332、データの読み書きに用いられるRAM1333、および乱数発生器1334等を有する主制御部133を備えている(図4参照)。
この主制御部133を構成するRAM1333内には、図4に示すように、例えば、乱数発生器1334にて抽選処理が行われた結果得られた、大当たりに関する情報や、リーチ演出を行う際あるいは行った後のリーチ演出に関する各種情報(リーチ種別情報等)等が記憶されるべく、大当たり情報記憶部1333a、リーチ情報記憶部1333b、および停止図柄情報記憶部1333c等が設けられている。
【0040】
図3に示すように、遊技機100においては、遊技球の貸し出し処理を行う際の貸出可能信号、貸出状態信号、球貸出要求信号、球貸出了解信号、特典球貸出要求信号、特典球貸出了解信号等の各種信号線が、貸出制御部137から中継基板141を介して球貸出機200の制御インタフェイス回路(図示省略)に接続されており、球貸出機200の制御部(図示省略)と貸出処理部137との間で各種信号のやり取りが行われる。
【0041】
ここで、貸出可能信号とは、遊技機100から球貸出機200に対し、遊技球の貸出指示を受け入れ可能な状態にあるか否かを知らせるための信号である。また、貸出状態信号とは、球貸出機200から遊技機100へと出力される信号であって、球貸出機200が遊技球の貸し出し処理を指示する状態にあるか否かを示す信号である。また、球貸出要求信号とは、球貸出機200から遊技機100へと出力される信号であって、遊技機100の貸出制御部137に、遊技球の貸出処理の実施を指示する信号である。また、球貸出了解信号とは、球貸出機200からの遊技球の貸出指示を受け取ったことを示す制御信号である。また、特典球貸出要求信号とは、球貸出機200から遊技機100へと出力される信号であって、遊技機100の貸出制御部137に特典球の貸出処理の実施を指示する信号である。また、特典球貸出了解信号とは、球貸出機200からの特典球の貸出指示を受け取ったことを示す制御信号である。
【0042】
遊技機100を成す主制御部133のCPUには、バスを介して各種の入出力部が接続されている。入力部としては、始動口111に入球された遊技球を検出する始動口センサ145、入賞口112に入球された遊技球を検出する入賞口センサ146、下皿107内に遊技機球が満杯になったことを検出する下皿センサ147、大入賞口114の一般領域に入球した遊技球を計数するカウンタ148、大入賞口114の特定領域に入球した遊技球を計数するVゾーンカウンタ149等が接続されている。また、出力部としては、電源制御部132、図柄表示制御部134、ランプ制御部135、音声制御部136、および貸出制御部137等が接続されている。
【0043】
ここで、図柄表示制御部134は、主制御部133から送られる制御信号(例えば、乱数発生器1334にて得られたリーチ情報に関する信号等、RAM133内に記憶された各種情報信号)等に基づいて、図柄表示部110で変動表示される各図柄を制御すべく構成されている。
すなわち、図柄表示制御部134は、今回変動に関する情報(抽選結果情報等)および過去のリーチ演出に関する所定情報の少なくとも一方に基づいて、三つの図柄表示領域を有する特定図柄表示領域110A中の各図柄、およびリーチ演出に関する所定情報を遊技者に報知するためのリーチ情報表示領域110Bの少なくとも一方の表示状態を制御している。つまり、図柄表示制御部134によって、図柄表示部110全体の図柄の表示状態が制御されている。
【0044】
また、ランプ制御部135および音声制御部136は、主制御部133からの制御信号に基づいて、各種ランプ116,117の点灯状態およびスピーカ118からの音声を制御する。
【0045】
主制御部133から貸出制御部137には、賞球可能信号および賞球個数信号が適宜送信される。賞球可能信号は、誘導ノズル128や球貸出部129に設けられた球切れ検出センサ(図示省略)からの信号が球切れ状態を示しているか、下皿センサ147からの信号が満杯状態を示していると、オフ状態となって賞球貸出処理を停止する信号である。また、賞球個数信号は、入球箇所の種別に応じて設定された賞球の個数を示す信号である。
【0046】
貸出処理部137のCPUは、異なる複数種類の信号(例えば、球貸出要求信号、特典球貸出要求信号、賞球個数信号)に基づいて、共通する一種類の信号(制御信号)を出力し、生成された制御信号を球貸出部129の送出モータに送信する。そして、これを受けた送出モータは、制御信号のパルス数に応じてスクリューを回転させ、対応する数の遊技球を払い出すべく作動する。
【0047】
また、本実施形態にかかる遊技機100においては、球貸出ボタン120、カード返却ボタン121、特典球貸出ボタン122、カード残高表示部123、特典球数表示部124が、中継基板142を介して球貸出機200の制御部に接続され、球貸出機200の制御下におかれる。中継基板142と球貸出機200の制御部との間でやり取りされる制御信号は、貸出受付信号、返却受付信号、表示制御信号等があり、例えば各信号線が一本のケーブルとしてまとめられている。
【0048】
以上の図1から図4に示すべく構成された遊技機100においては、始動口111に遊技球が入球した後に、主制御部133の乱数発生器1334内に設けられた「大当たり決定用乱数発生器」(図示省略)等を用いて乱数の抽選処理が行われ、その処理結果がRAM1333(大当たり情報記憶部1333a)に記憶される。そして、記憶された乱数値が予め定められた大当たり値(例えば、テーブル内の所定値)と一致しているか否かが判定され、記憶された値が大当たり値である場合には、図柄表示部110で表示される図柄が変動表示状態となった後に、予め定められた所定の図柄状態(例えば、抽選処理にて定められて停止図柄情報記憶部1333cに記憶されたた停止図柄「7・7・7」)に停止表示され、主制御部133からの制御信号に基づき、大入賞口114を閉塞している開閉板113が所定のパターンで開閉制御される。つまり、抽選処理の結果、「大当たり」に当選することによって、遊技機100は「特別遊技」状態となって、遊技者は有利な状態(幅広の開閉板113が開放等される状態)にて遊技を行うことができる。
【0049】
本実施形態にかかる遊技機100の図柄表示部110は、上述したように、特定図柄表示領域110Aおよびリーチ情報表示領域110Bを有している。
この特定図柄表示領域110Aにおいては、遊技球が始動口111に入球して、特定図柄表示領域110Aの各図柄の表示状態が変動した後、その変動中の各図柄表示位置の図柄が順次停止されていくことにより表示されるが、この停止表示の際に「大当たり」を表す図柄の組み合わせは、残り一つの図柄で入賞あるいは非入賞が決定する、いわゆる「リーチ」の状態を経た後に表示されることとなる。
また、リーチ情報表示領域110Bにおいては、過去に行われたリーチ演出に関する所定情報(後述する実施形態においては「リーチ種別」情報)、および現在実行されているリーチ演出に関する所定情報(リーチ種別情報)が、表示可能に構成されている。
【0050】
ここで、「リーチ種別」とは、リーチ演出を行う際の特定図柄表示領域110Aにおける種々の表示態様の一つであって、例えば、図柄の変化(図柄の拡大等)、背景表示変化、あるいは図柄の進行方向変化等があり、後述するリーチ種別決定処理においては、種々のリーチ種別の中から抽選処理等にて一のリーチ種別が定められる。
そして、本実施形態にかかる遊技機100においては、リーチ演出が実行される際の「リーチ種別」として、特定図柄表示領域110Aの中央図柄の背景に太陽の図柄が表示される「太陽リーチ」、特定図柄表示領域110Aの中央図柄が拡大される「拡大リーチ」、および特定図柄表示領域110Aの左右図柄の背景に炎の図柄が表示される「炎リーチ」が設けられている。また、これらの各リーチ種別は、リーチ情報表示領域110Bにも表示され、後述するように、「太陽リーチ」が「A」、「拡大リーチ」が「B」、および「炎リーチ」が「C」と表示される。以下、リーチ情報表示領域110Bに表示されるこれらのリーチ情報(A、B、C)は、「リーチ種別シンボル」ともいう。
【0051】
本実施形態においては、過去に行われたリーチ演出時におけるリーチ種別情報等が、リーチ情報表示領域110Bにて、A、B、Cのいずれかの表示によって、表現されるべく構成されており、遊技者は、この過去のリーチ演出時のリーチ種別と次回行われるリーチ演出時のリーチ種別との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態(例えば、大当たりとなること、スーパーリーチに発展すること等)に移行させる信頼度を認識可能となる。詳細は、後述する。
【0052】
本実施形態においては、「大当たり」となるか否か、「リーチ」演出を行うか否か、あるいはどのようなリーチ種別の「リーチ」演出を行うか否か等が、乱数発生器(乱数発生カウンタ)を用いた抽選処理にて決定され、かかる抽選処理を行うため、主制御部133には複数の乱数発生器が設けられいる。具体的には、大当たり決定用乱数発生器、リーチ決定用乱数発生器、種別決定用乱数発生器、停止図柄決定用乱数発生器(図示省略)が設けられている。なお、本実施形態においては、複数の乱数発生器を一つにまとめて、乱数発生器1334として、図4に表している。
【0053】
各乱数発生器は、「0」からはじまって「所定上限値」となるまで、所定周期(例えば1msec)で順次1ずつカウントアップ動作が行われ、このカウント値が「所定上限値」に達した場合には、初期値「0」から再度カウント動作が繰り返されるべく構成されており(いわゆる無限ループカウンタが構成されており)、各種乱数発生器は、主制御部133のCPU1331がそのカウント動作を制御している。なお、ここでは、初期値が「0」である場合について示しているが、本発明はこれに限定されず、初期値はランダムに選択されてもよい。
【0054】
主制御部133は、例えば、始動口センサ145からの信号入力に応じて、その時点で大当たり決定用乱数発生器がカウントしている乱数値を読み込み、この乱数値をRAM1333に記憶させる。つまり、主制御部133は、各センサ等からの信号入力に応じて(信号入力をトリガとして)、各乱数発生器でカウントしている乱数値を読み込み、適宜RAM1333に記憶すべく構成されている。
【0055】
各種乱数発生器において用いられる「所定上限値」としては、例えば、大当たり決定用乱数発生器が「239」、リーチ決定用乱数発生器が「10」、種別決定用乱数発生器が「10」、停止図柄決定用乱数発生器が「10(図柄の数)」等の値として定められる。
【0056】
図5は、本実施形態にかかる遊技機の主制御部におけるリーチ演出に関する制御動作のフローチャート(メインフロー)を示したものである。
なお、本実施形態においては、遊技機100を成す図柄表示部110が、上述したように、特定図柄表示領域110A、およびリーチ情報表示領域110Bを有し、特定図柄表示領域110Aは三つの図柄が変動表示可能に構成され、リーチ情報表示領域110Bは過去および現在のリーチ種別を所定個数だけ(本実施形態においては三個)表示可能に構成されている。
そして、この実施形態においては、原則として、特定図柄表示領域110Aにおける三つの図柄が全て同一図柄となった場合に、遊技者に有利な特別遊技になる場合について説明する。
【0057】
まず、図5によれば、始動口111への入球があるか否かが始動口センサ145からの信号によって判断され(ステップS51)、始動口111への入球がない場合(S51にてNo)には、リーチ演出等を行うための抽選処理等については待機状態となり、入球があった場合(S51にてYes)には、始動口センサ145からの入球した旨の信号をトリガとして、大当たり抽選処理(ステップS52)、リーチ演出抽選処理(ステップS53)、およびリーチ種別決定処理(ステップS54)が行われる。
具体的に、これらの抽選処理は、入球信号の入力に応答して、その時点で乱数発生器がカウントしている乱数値をRAM1333内に記憶することによって行われる。なお、リーチ種別決定処理(S54)については、後に詳細に説明する。
【0058】
上記リーチ抽選処理(S53)においては、リーチ演出を行うか否かの抽選と共に、リーチ演出を行う場合において、そのリーチ演出が通常のリーチ状態を示す「ノーマルリーチ」であるか「スーパーリーチ」であるかも定められる。
ここで、「スーパーリーチ」とは、例えば、ノーマルリーチよりも大当たりの期待度が高い状態に発展したリーチ状態のことをいい、本実施形態にかかる遊技機100においては、抽選処理の結果等に応じて、これら複数のリーチ演出の態様が適宜制御されている。
具体的な「スーパーリーチ」演出の態様としては、例えば、「太陽リーチ」の場合は、ノーマルリーチのときよりも太陽の輝きが増したり、太陽の大きさが拡大したり、太陽の数が増加する状態、また「拡大リーチ」の場合は、ノーマルリーチのときよりもその大きさがより拡大したり、拡大する図柄の数が増加する状態、さらに、「炎リーチ」の場合は、ノーマルリーチのときよりも炎の輝きが増したり、炎の大きさが拡大する状態等があげられる。
【0059】
リーチ種別決定処理(S54)においては、後述するように、抽選処理等に基づくリーチ種別の決定やリーチ情報記憶部1333bへの記憶等が行われており、このリーチ種別決定処理(S54)が行われた後には、過去のリーチ演出時におけるリーチ種別の記憶の有無が判断される(ステップS55)。
【0060】
リーチ種別の記憶がある場合(S55にてYes)には、図柄表示部110のリーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボルが表示された後に、特定図柄表示領域110Aの図柄の変動表示が開始される(ステップS57)。一方、リーチ種別の記憶がない場合(S55にてNo)には、リーチ情報表示領域110Bへの表示なしに、特定図柄表示領域110Aの図柄の変動表示が開始される(ステップS57)。
【0061】
図柄の変動表示が開始された(S57)後には、リーチ演出に関するリーチ抽選処理(S53)に当選したか否かが判断され(ステップS58)、当選していない場合(S58にてNo)には、特定図柄表示領域110Aの各図柄の停止表示が行われる(ステップS61)。一方、当選している場合(S58にてYes)には、そのリーチ演出に関するリーチ種別をリーチ情報記憶部1333bにて記憶するか否かが判断される(ステップS59)。
【0062】
なお、このS61にて表示される停止図柄は、本実施形態にかかるフローチャートにおいては特に説明しなかったが、基本的にリーチ演出等の抽選処理とは別の抽選処理にて定められる。
例えば、特定図柄表示領域110Aの各図柄についてそれぞれ抽選処理にて停止図柄が定められ、大当たり抽選(S52)に当選することなく、抽選結果の図柄が「ハズレ図柄」(三つが揃っていない状態の図柄)であれば、その図柄を最終的な停止図柄とするが、このような「ハズレ図柄」となった場合であっても、大当たりに当選していた場合には、「ハズレ図柄」を調整して、この大当たりに対応する図柄にする。
一方、抽選処理の結果、停止図柄が大当たり状態の図柄(三つが揃っている図柄)となった場合、大当たりに当選していれば、その図柄を最終的な停止図柄とするが、大当たりに当選していない場合には、その「大当たり図柄」を調整して(いずれかの図柄に+1等して)、「ハズレ図柄」にする。
さらに、リーチ抽選について当選したか否かに応じても、抽選して選択された図柄を適宜調整して(例えば、リーチ抽選に当選した場合には、少なくとも左右の図柄を同一の図柄となるように調整して)、停止図柄を定める。
【0063】
リーチ種別を記憶するか否かは、後述するリーチ種別決定処理にて定められ、記憶が許可される場合(S59にてYes)には、リーチ情報記憶部1333bにおけるリーチ記憶数を「1」加算(ステップS60)した後に、そのリーチ種別シンボルがリーチ情報表示領域110Bに表示されて、特定図柄表示領域110Aの各図柄の停止表示が行われる(ステップS61)。また、記憶が許可されない場合(S59にてNo)には、リーチ記憶数の加算が行われることなく、特定図柄表示領域110Aの各図柄の停止表示が行われる(ステップS61)。
【0064】
次いで、特定図柄表示領域110A中の各図柄が停止表示された後には、リーチ情報記憶部1333bにおけるリーチ記憶数が最大(本実施形態においては「3」)か否かが判断される(ステップS62)。
【0065】
リーチ記憶数が最大である場合(S62にてYes)には、リーチ情報表示領域110Bに表示中のリーチ種別シンボルが消去されて(ステップS63)、リーチ情報記憶部1333bにおけるリーチ記憶数がクリアされる(ステップS64)。そして、S52における大当たり抽選処理の結果(すなわち、特定図柄表示領域110Aに停止した図柄)が、「大当たり」であるか否かが判断される(ステップS65)。
一方、リーチ記憶数が最大でない場合(S62にてNo)には、直ちに、S52における大当たり抽選処理の結果が判断される(S65)。
【0066】
S65の処理において、大当たりである場合(S65にてYes)には、「特別遊技」(大当たり遊技等)が開始される(ステップS66)。そして、大当たりである場合にはこの特別遊技の終了後に、大当たりでない場合にはS65の処理の後に、上述した一連のリーチ演出処理が終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態は、上記リーチ情報表示領域110Bに最大で三個のリーチ種別シンボルが表示可能に構成されており、リーチ情報記憶部1333bに過去のリーチ演出時に用いられたリーチ種別に関する情報が記憶されている場合には、そのリーチ種別についてのリーチ種別シンボルが(S56)、また、リーチ成立時にその種別の記憶許可がなされている場合にはそのリーチ種別シンボルが(S60)、適宜リーチ情報表示領域110Bに表示されるべく構成されている。
【0068】
そして、本実施形態にかかる遊技機100は、今回変動時の抽選処理(大当たり抽選処理(S52)、あるいはリーチ抽選処理(S53)等)の結果を、リーチ種別シンボルの組合せによって、遊技者に報知すべく構成されている。
具体的には、リーチ種別シンボルの組合せによる、遊技機の所定状態(「スーパーリーチ」あるいは「大当たり」)への移行信頼度が遊技者にあらかじめ明示されており、リーチ情報表示領域110Bに表示されたリーチ種別シンボルの報知によって、遊技者は、今回変動時の抽選処理の結果を予測することができる。
【0069】
次に、図5のフローチャートに示されたリーチ種別決定処理(S54)について、図6を用いて具体的に説明する。
【0070】
図6は、本実施形態にかかる遊技機100の図柄表示部110において、いかなるリーチ演出を行うかを定めるための処理に関するフローチャートを示したものである。
【0071】
まず、このリーチ種別決定処理(S54)においては、図6に示すように、乱数発生器1334から乱数を取得し(ステップS5401)、その取得した乱数値と所定のテーブルとを比較検討する(ステップS5402)。ここで用いられるテーブルには、その乱数値に応じて、記憶の可否が定められている。
【0072】
比較検討の結果、リーチ種別を記憶させない場合(S5402にてNo)には、リーチ種別決定処理が終了して、図5にて示されたメインフローに戻って、S55以下の処理が行われる。
一方、リーチ種別を記憶させる場合(S5402にてYes)には、リーチ情報記憶部1333bにおけるリーチ種別記憶数がチェックされる(ステップS5403)。
【0073】
リーチ種別記憶数のチェックが行われた後、記憶数が「0」か否かが判断され(ステップS5404)、「0」である場合(S5404にてYes)には、ランダムにリーチ種別が決定された(ステップS5405)後に、リーチ種別決定処理が終了して、図5にて示されたメインフローに戻って、S55以下の処理が行われる。また、リーチ種別の記憶数が「0」でない場合(S5404にてNo)には、記憶数が「1」であるか否かが判断される(ステップS5406)。
【0074】
リーチ種別記憶数が「1」である場合(S5406にてYes)には、スーパーリーチ発展予告報知決定処理(ステップS5407)が行われた後、また、リーチ種別記憶数が「1」でない場合(S5406にてNo)には、大当たり予告報知決定処理(ステップS5408)が行われた後に、リーチ種別決定処理が終了して、図5のメインフローに戻り、S55以下の処理が行われる。
【0075】
次に、図6のリーチ種別決定処理中に示されたスーパーリーチ発展予告報知決定処理(S5407)について、図7を用いて具体的に説明する。
【0076】
図7においては、まず、リーチ抽選(S53、図5参照)の結果、スーパーリーチに当選したか否かが判断される(ステップS54071)。
【0077】
そして、スーパーリーチに当選している場合(S54071にてYes)には、リーチ種別を、原則として、現在記憶しているリーチ種別と同種別のリーチ種別(スーパーリーチ)に決定する(ステップS54072)。
一方、スーパーリーチに当選していない場合(S54071にてNo)には、リーチ種別を、現在記憶しているリーチ種別以外のリーチ種別に決定する(ステップS54073)。
【0078】
ここで、以下の表1は、本実施形態にかかる遊技機100にて定められている、リーチ種別シンボルの組合せと、スーパーリーチへ発展する信頼度の変化とを表す表を示したものである。
【0079】
【表1】
Figure 0004040297
【0080】
上記表1に示したように、本実施形態においては、いずれか一つのリーチ種別シンボルがリーチ情報表示領域110Bに表示されている状態であって、次のリーチ成立時において同一のリーチ種別のリーチ演出が行われれば、必ずスーパーリーチに発展することを、遊技者が予測可能である。つまり、表示されたリーチ種別シンボル(本発明の「リーチ情報」に相当)にて、遊技機の遊技状態をスーパーリーチ(本発明の「所定状態」に相当)へ移行させる信頼度が、遊技者に予告報知されることとなる。
【0081】
具体的には、表1に示されたように、本実施形態においては、一つのリーチ種別シンボルが表示されているときに、同一のリーチ種別のリーチ演出が行われれば、「100%」の信頼度でスーパーリーチに発展し、異なるリーチ種別のリーチ演出が行われれば、「10%」の信頼度でスーパーリーチに発展することとなる。つまり、本実施形態においては、スーパーリーチに当選していれば同種別のリーチ種別に決定しているが、異なるリーチ種別であってもスーパーリーチに発展することがあるように、図7のS54072の処理時に、数%の確率で異なるリーチ種別に決定するようにしてもよい。
【0082】
次に、図6のリーチ種別決定処理中に示された大当たり予告報知決定処理(S5408)について、図8を用いて具体的に説明する。
【0083】
図8においては、まず、大当たり抽選(S52、図5参照)の結果、大当たりに当選したか否かが判断される(ステップS54081)。
【0084】
そして、大当たりに当選している場合(S54081にてYes)には、以下の表2のリーチ種別シンボルの組合せの中から、高信頼度となる組合せを高確率で選択する(ステップS54082)。
一方、大当たりに当選していない場合(S54081にてNo)には、以下の表2のリーチ種別シンボルの組合せの中から、高信頼度となる組合せを低確率で選択する(ステップS54083)。
【0085】
ここで、以下の表2は、本実施形態にかかる遊技機100にて定められている、リーチ種別シンボルの組合せと、大当たりへ発展する信頼度の変化とを表す表を示したものである。なお、本実施形態において、大当たりへ発展する信頼度は、「A」リーチ(太陽リーチ)単独の場合には20%、「B」リーチ(拡大リーチ)単独の場合には15%、「C」リーチ(炎リーチ)単独の場合には10%である。
【0086】
【表2】
Figure 0004040297
【0087】
上記表2に示したように、本実施形態においては、リーチ情報表示領域110Bに表示されたリーチ種別シンボルの組合せに応じて、大当たりに発展する信頼度を遊技者が予測可能である。つまり、表示されたリーチ種別シンボル(本発明の「リーチ情報」に相当)にて、遊技機の遊技状態を大当たり(本発明の「所定状態」に相当)へ移行させる信頼度が、遊技者に予告報知されることとなる。
【0088】
具体的には、表2に示されたように、本実施形態においては、同一のリーチ種別シンボルが連続して表示されているとき(例えば、「A・A」)に、さらに同一のリーチ種別のリーチ演出(例えば、「太陽リーチ」)が行われれば、「100%」の信頼度で大当たりに発展することとなる。
また、本実施形態においては、同一のリーチ種別シンボルが連続して表示されているとき(例えば、「A・A」)であっても、次に異なる種別のリーチ演出(「拡大リーチ」あるいは「炎リーチ」)が行われれば、その際の大当たりに発展する信頼度は、その異なる種別独自の有する信頼度(「15%」あるいは「10%」)となる。
【0089】
さらに、本実施形態においては、表2に示すように、異なるリーチ種別シンボルが連続して表示されているとき(例えば、「A・B」)には、その後、表示された二つのいずれとも異なるリーチ種別のリーチ演出(例えば、「炎リーチ」)が行われれば、その際の大当たりに発展する信頼度は、その異なる種別独自の有する信頼度(例えば、「10%」)となる。
一方、リーチ情報表示領域110Bに表示されているリーチ種別シンボル(例えば、「A・B」)のいずれかと同様の種別のリーチ演出(例えば、「太陽リーチ」あるいは「拡大リーチ」)が行われれば、その際の大当たりに発展する信頼度は、現在行われているリーチ種別独自の有する信頼度よりも向上する(例えば、「30%」あるいは「40%」)こととなる。さらに、このような場合には、リーチ種別が連続する方が(つまり、「A・B」の表示状態で、「B」リーチである「拡大リーチ」が行われる方が)、大当たりに発展する信頼度がより高くなるように設定されている。
【0090】
上述したように、本実施形態にかかる遊技機100は、図柄表示部110がリーチ情報表示領域110Bを有し、このリーチ情報表示領域110Bは、適宜、リーチ種別シンボルが表示可能に構成されている。そして、本実施形態は、表1および表2に示すように、これらのリーチ種別シンボルの組合せによって、所定状態へ移行する際の信頼度がそれぞれ異なるように構成され、これらの情報が、リーチ種別シンボルの表示によって、遊技者に報知される。
以下、図柄表示部110の具体的な表示状態等を用いて、本実施形態にかかる遊技機100について、さらに説明する。
【0091】
図9から図11は、上述した図1から図4に示すべく構成され、図5から図8に示されたフローチャートに基づいて機能する遊技機100について、その図柄表示部110の図柄変動状態の変化にて表現される、具体的なリーチ演出の実行例を示したものである。
【0092】
まず、図9は、遊技機100にて遊技が開始された場合において、はじめて(ここで、「はじめて」とは、その遊技機の始動後「はじめて」の場合と、リーチ種別のクリア(S64)後「はじめて」の場合とを含む。)リーチ種別の記憶が許可された場合のリーチ演出実行時の状態を示したものである。
【0093】
この図9に示すように、図9(a)の状態において、始動口111に入球されると(S51にてYes)、所定の抽選処理(S52、S53等)、およびリーチ種別決定処理(S54)等を経て、図9(b)に示すべく、特定図柄表示領域110Aにて図柄変動が開始される(S57)。
【0094】
そして、特定図柄表示領域110Aにおける各図柄は、左図柄(「5」、図9(c))、右図柄(「5」、図9(d))の順番に停止される。この図9(d)のように、左右図柄が同一の図柄で停止表示されている状態が、いわゆるリーチ状態である。
【0095】
本実施形態においては、図9(d)に示すように、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボルが表示されていないため、S5404の処理においては、記憶数が「0」であり、この際のリーチ種別はランダムに決定される(S5405)。本実施形態においては、リーチ種別を選択する抽選処理によって、「太陽リーチ」が選択決定されており、S5401の処理にて、リーチ種別を記憶する旨の乱数が取得されている。
【0096】
よって、本実施形態は、図9(e)に示すように、特定図柄表示領域110Aの中図柄の背景に「太陽」の模様が表示されると共に、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「A」が表示される(S60)。
【0097】
図9(e)に示すように、このリーチ演出時においては、「太陽」を背景として中図柄の変動表示が行われ、中図柄が最終的に停止表示されると、図9(f)に示すように、最終的な中図柄(「2」、図9(f))の背景の「太陽」は消去され、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「A」が表示された状態で、このリーチ演出が終了する。
【0098】
本実施形態においては、三個のリーチ種別シンボルが表示されるまでは、リーチ情報表示領域110Bのリーチ種別シンボル「A」は表示された状態(図9(f)の状態)のままで、遊技が継続して行われることとなる。そして、表1によれば、同一のリーチ種別が連続してリーチ情報表示領域110Bに表示される状態となれば、スーパーリーチ演出への発展信頼度は100%となる。
したがって、遊技者は、次に「太陽リーチ」演出が行われることとを期待しつつ、高い集中力を持って、遊技を行うことができる。
【0099】
また、本実施形態は、リーチ種別の記憶許可がなされた場合(S5402にてYes)にのみ、リーチ情報記憶部1333bへのリーチ種別の記憶、およびこれに基づくリーチ情報表示領域110Bへリーチ種別シンボルの表示が行われる。したがって、本実施形態においては、リーチ演出が実行される場合であっても、常に、そのリーチ演出に対応するリーチ種別シンボルがリーチ情報表示領域110Bに表示されるわけではない。よって、図柄表示部110においては、特定図柄表示領域110Aの図柄が複数回の変動表示を行っても、リーチ情報表示領域110Bの図柄は、図9(f)の状態が継続される場合もあり得る。
【0100】
続いて図10は、図9にて説明したリーチ演出の後に、はじめて、リーチ種別の記憶許可がなされた場合(S5402にてYes)のリーチ演出実行時の状態を示したものである。なお、本実施形態においては、図9(f)から図10(a)に至るまでの間に、リーチ種別の記憶許可がなされない場合(S5402にてNo)のリーチ演出が一回以上行われている。
【0101】
図10に示すように、図10(a)の状態においては、始動口111に入球されると(S51にてYes)、所定の抽選処理(S52、S53等)、およびリーチ種別決定処理(S54)等を経て、過去のリーチ演出時におけるリーチ種別の記憶があるか否かが判断されて(S55)、リーチ種別シンボル「A」が表示された(S56)後に、図10(b)に示すべく、特定図柄表示領域110Aにて図柄変動が開始される(S57)。
この図柄変動時において、遊技者は、上述した理由により、再び「太陽リーチ」演出が行われることを期待する。
【0102】
そして、特定図柄表示領域110Aにおける各図柄は、左図柄(「5」、図10(c))、右図柄(「5」、図10(d))の順番に停止されて、リーチ状態となる(図10(d))。
【0103】
本実施形態においては、図10(d)までに示すように、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「A」が一つだけ表示されているため、S5404およびS5406の処理を経て、スーパーリーチ発展予告報知決定処理(S5407)が行われることとなる。ここでは、スーパーリーチに当選せず(S54071にてNo)、「拡大リーチ」が選択決定されており(S54073)、S5401の処理にて、リーチ種別を記憶する旨の乱数が取得されている。
【0104】
よって、本実施形態は、図10(e)に示すように、特定図柄表示領域110Aの中図柄が拡大された状態で変動表示を行うと共に、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「B」が表示される(S60)。
【0105】
図10(e)に示すように、このリーチ演出時においては、中図柄が拡大された状態で変動表示が行われ、中図柄が最終的に停止表示されると、図10(f)に示すように、最終的な中図柄(「2」、図10(f))は通常の大きさに戻り、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「B」が表示された状態で(前に記憶されたリーチ種別シンボルと合わせると「A・B」と表示された状態で)、このリーチ演出が終了する。
【0106】
本実施形態においては、上述したように、三個のリーチ種別シンボルが表示されるまでは、リーチ情報表示領域110Bのリーチ種別「A・B」は表示された状態(図10(f)の状態)のままで、遊技が継続して行われることとなる。そして、表2によれば、リーチ情報表示領域110Bに表示される三個目のリーチ種別シンボルの種類(リーチ種別の種類)によって、大当たりへ発展する信頼度が変動する。つまり、本実施形態によれば、リーチ情報表示領域110Bの表示状態によって、大当たりへ発展する信頼度が遊技者に対して報知されている。
したがって、遊技者は、次に「太陽リーチ」あるいは「拡大リーチ」(特に「拡大リーチ」)演出が行われることを期待しつつ、高い集中力を持って、遊技を行うことができる。
【0107】
また、先にも述べたように、本実施形態は、リーチ種別の記憶許可がなされた場合のみ、リーチ情報記憶部1333bへのリーチ種別の記憶、およびこれに基づくリーチ情報表示領域110Bへリーチ種別の表示が行われる。したがって、リーチ演出が行われる場合であっても、そのリーチ演出に対応するリーチ種別シンボルが常にリーチ情報表示領域110Bに表示されるわけではない。よって、図柄表示部110においては、特定図柄表示領域110Aの図柄が変動表示を行っても、リーチ情報表示領域110Bの図柄は、図10(f)の状態が継続される場合もあり得る。
【0108】
続いて図11は、図10にて説明したリーチ演出の後に、はじめて、リーチ種別の記憶許可がなされた場合(S5402にてYes)のリーチ演出実行時の状態を示したものである。なお、本実施形態においては、図10(f)から図11(a)に至るまでの間に、リーチ種別の記憶許可がなされない場合(S5402にてNo)のリーチ演出が一回以上行われている。
【0109】
図11に示すように、図11(a)の状態においては、始動口111に入球されると(S51にてYes)、所定の抽選処理(S52、S53等)、およびリーチ種別決定処理(S54)等を経て、過去のリーチ演出時におけるリーチ種別の記憶があるか否かが判断されて(S55)、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「A・B」が表示された(S56)後に、図11(b)に示すべく、特定図柄表示領域110Aにて図柄変動が開始される(S57)。
この図柄変動時において、遊技者は、上述した理由により、「拡大リーチ」演出が行われることを期待する。
【0110】
そして、特定図柄表示領域110Aにおける各図柄は、左図柄(「5」、図11(c))、右図柄(「5」、図10(d))の順番に停止されて、リーチ状態となる(図10(d))。
【0111】
本実施形態においては、図10(d)までに示すように、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「A・B」(二つのリーチ種別シンボル)が表示されているため、S5404およびS5406の処理を経て、大当たり予告報知決定処理(S5408)が行われることとなる。そして、ここでは、大当たりに当選せず(S54081にてNo)、「炎リーチ」が選択決定されており(S54083)、S5401の処理にて、リーチ種別を記憶する旨の乱数が取得されている。
【0112】
よって、本実施形態は、図11(e)に示すように、特定図柄表示領域110Aの左右図柄の背景に「炎」の模様が表示されると共に、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボル「C」が表示される(S60)。
【0113】
図11(e)に示すように、このリーチ演出時においては、左右図柄の背景に「炎」が表示された状態で中図柄の変動表示が行われ、中図柄が最終的に停止表示されると、図11(f)に示すように、最終的な中図柄(「2」、図11(f))が停止表示され、左右図柄の背景の「炎」が消去された状態で、このリーチ演出が終了する。
また、本実施形態においては、リーチ情報表示領域110Bにおけるリーチ種別シンボルを表示する際のリーチ種別記憶数を最大三個と定めている。したがって、図11(f)に示すように、このリーチ演出が終了する際には、リーチ記憶数が最大であるため(S62にてYes)、表示中のリーチ種別シンボルが消去されて(S63)、リーチ情報記憶部1333bにおけるリーチ記憶数もクリアされる(S64)。
【0114】
以上説明したように、本実施形態にかかる遊技機100においては、始動口111への入球により特定図柄表示領域110Aが変動表示されて、リーチ演出が行われた後、大当たりとならない場合であっても、抽選処理等の結果に応じて、そのリーチ演出にかかるリーチ種別がリーチ情報表示領域110Bに表示される。そして、本実施形態にかかる遊技機100においては、このリーチ情報表示領域110Bの表示(リーチ種別シンボル)と、次回リーチ演出時のリーチ種別との組合せに基づいて、表1および表2に示すような関係が存在することが、遊技者に報知されている。具体的には、この表1および表2の関係が、遊技機100の外枠101等に明示されている。
【0115】
つまり、本実施形態においては、リーチ演出後に、特定図柄表示領域110Aにて「ハズレ表示」(例えば、図9(f)の「5・2・5」)がなされた場合であっても、リーチ情報表示領域110Bにはリーチ種別シンボル(例えば、「A」)が表示された状態となる。
【0116】
したがって、従来であれば、遊技者はリーチ演出後、大当たり等にならなかった場合には、この段階で遊技に対する期待感をなくしていたが、本実施形態によれば、リーチ種別シンボルが表示され、表1の情報が遊技者に明示されているため、次回のリーチ演出に対する期待感が持続されることとなる。
【0117】
つまり、本実施形態によれば、過去のリーチ種別と次回のリーチ種別との組合せ、および表1,2に基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態(スーパーリーチあるいは大当たり)に発展させる信頼度が遊技者に報知されることとなるため、遊技者に継続した期待感を持たせ、遊技の興趣性を高めることができる。
【0118】
さらに、本実施形態によれば、リーチ情報表示領域110Bにリーチ種別シンボルが表示された状態のときと、表示されていないときとでは、同一のリーチ種別によるリーチ演出が行われる場合であっても、その期待感は異なるものとなる。したがって、本実施形態によれば、遊技の面白みをより高めることができる。
【0119】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0120】
例えば、上記実施形態においては、記憶数が「1」のとき(すなわち、二つのリーチ種別の組合せによって「所定状態」へ移行させる信頼度を報知するとき)には、「所定状態」が「スーパーリーチ」であり、記憶数が「2」のとき(三つのリーチ種別の組合せによって「所定状態」へ移行させる信頼度を報知するとき)には、「所定状態」が「大当たり」である場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
したがって、例えば、記憶数がいずれの場合であっても、「所定状態」が「スーパーリーチ」あるいは「大当たり」のいずれか一方でもよく、また、これら以外の他の「所定状態」(例えば、非確変図柄で図柄が仮停止した後に再変動して確変図柄に昇格する信頼度等)への移行信頼度を報知するものであってもよい。さらに、記憶数の組合せに応じて、複数の「所定状態」への移行信頼度がそれぞれ異なるべく構成してもよい。
【0121】
また、上記実施形態においては、リーチ種別を記憶するか否かの抽選処理を経て、リーチ情報表示領域110Bにおけるリーチ種別シンボルの記憶表示を行う場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、リーチ演出が行われる場合には、常にリーチ種別シンボルの記憶表示を行うべく構成してもよい。
【0122】
さらに、上記実施形態においては、リーチ種別シンボルの表示数が三個になったら、その表示および記憶を全てクリアする場合について説明したが、本発明はこの構成に限られず、所定個数(例えば、本実施形態のような三個)を上限として、リーチ演出が行われるたびに、最も新しいリーチ種別を記憶表示すると共に、最も古いリーチ種別をクリアすべく構成してもよい。
【0123】
また、上記実施形態においては、表1および表2に示すべく、各発展信頼度が定められている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、各発展信頼度は、任意に設定可能である。
【0124】
さらに、上記実施形態においては、三種類のリーチ種別を有する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、二種類あるいは四種類以上のリーチ種別を有し、これらの組合せに基づいて、所定の所定状態への発展信頼度を遊技者に報知すべく構成してもよい。
【0125】
また、上記実施形態においては、リーチ種別シンボルがリーチ情報表示領域110Bに三個まで表示可能な場合について説明したが、本発明はこの構成に限られず、遊技者に報知されるリーチ種別の組合せの数等に応じて、二個あるいは四個以上表示可能であってもよい。
【0126】
さらに、上記実施形態においては、図柄表示部110に表示される図柄が数字である場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、アルファベット、記号、あるいはキャラクタ等、如何なる図柄であってもよい。
【0127】
また、上記実施形態においては、各表示領域110A,110Bが、横方向に所定図柄を表示可能に構成されているが、本発明はこの構成に限定されず、各表示領域が縦方向に複数の図柄を表示可能であるべく構成してもよい。また、各表示領域の表示方向を適宜異なる方向としてもよい。
【0128】
さらに、上記実施形態においては、図柄表示部が、今回変動時の図柄の変動およびリーチ演出等を行う特定図柄表示領域と、リーチ種別シンボルを表示するリーチ情報表示領域とを有する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、特定図柄表示領域において、過去のリーチ情報の表示も、今回変動時の演出等も行うべく構成してもよい。例えば、特定図柄表示領域の各図柄の背景表示等の変化によって、過去のリーチ種別情報を遊技者に報知してもよい。
【0129】
また、上記実施形態においては、大当たりに関する抽選処理、およびリーチ演出に関する抽選処理等は、それぞれ独立して行われるため、リーチ種別シンボルが一つも表示されていない状態であっても、大当たりあるいはスーパーリーチとなり得る。つまり、リーチ種別シンボルは、遊技者が、所定状態へ移行する際の信頼度を予測するために用いることは可能であるが、これの組合せが所定状態へ移行するための必要条件ではない。したがって、遊技者は、常に期待感を持ちつつ、遊技を楽しむことができる。
【0130】
さらに、上記実施形態においては、同様のリーチ演出(リーチ種別)が連続することによって、「所定状態」へ移行させる信頼度がより向上する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるわけではない。したがって、例えば、連続して、異なるリーチ演出(リーチ種別)が行われること(例えば、同様のリーチ演出が連続しないこと)等によって、「所定状態」へ移行させる信頼度がより向上すべく構成してもよい。
【0131】
また、上記各実施形態においては、遊技機と球貸出機とが通信可能に構成された場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されず、球貸出機あるいは他の機器と通信可能に接続された遊技機に限るものではない。
【0132】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる遊技機は、図柄表示部中にリーチ演出を行う特定図柄表示領域とリーチ情報表示領域とを有している。そして、このリーチ情報表示領域に表示されるリーチ種別シンボルの組合せ等に基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態に発展させる信頼度が遊技者に報知されることとなる。
【0133】
したがって、本発明によれば、複数のリーチ態様を有する遊技機において、リーチ態様に関する情報(リーチ種別)を遊技者に報知すると共に、所定のリーチ種別の組合せに応じて、大当たり等となる信頼度に変化を持たせることが可能な遊技機を得ることができる。よって、過去のリーチ情報と未来のリーチ情報との両方に対して遊技者の注意が向き、より継続した期待感を与えることが可能となる。
【0134】
また、単なるリーチ演出のみを行うわけではなくて、リーチ演出後においても、その際のリーチ種別情報が次回以降のリーチ演出等との関係において、適宜利用され、その利用態様が遊技者に報知されているため、同じリーチ演出が行われる場合であっても、遊技者に対して異なる期待感を与えることができる。よって、より興趣性の高い遊技機を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる遊技機の概略的な外観構成図を示したものである。
【図2】本発明の実施形態にかかる遊技機の概略的な内部構成図を示したものである。
【図3】本発明の実施形態にかかる遊技機の概略的な電気的構成のブロック図を示したものである。
【図4】図3に示した遊技機内の主制御部の概略図を示したものである。
【図5】本発明の実施形態にかかる遊技機の主制御部におけるリーチ演出に関する制御動作のフローチャート(メインフロー)を示したものである。
【図6】図5に示されたメインフロー中におけるリーチ種別決定処理に関するフローチャートを示したものである。
【図7】図6に示されたフロー中におけるスーパーリーチ発展予告報知決定処理に関するフローチャートを示したものである。
【図8】図6に示されたフロー中における大当たり予告報知決定処理に関するフローチャートを示したものである。
【図9】本実施形態にかかる遊技機でリーチ演出が行われる場合の図柄表示部の表示状態(一つ目のリーチ種別シンボルが表示される状態)を説明するための図である。
【図10】本実施形態にかかる遊技機でリーチ演出が行われる場合の図柄表示部の表示状態(二つ目のリーチ種別シンボルが表示される状態)を説明するための図である。
【図11】本実施形態にかかる遊技機でリーチ演出が行われる場合の図柄表示部の表示状態(三つ目のリーチ種別シンボルが表示される状態)を説明するための図である。
【符号の説明】
100…遊技機、101…外枠、102…前面扉、103…遊技盤、104…透明板、105…ハンドル部、106…上皿、107…下皿、108…外側ガイドレール、109…内側ガイドレール、110…図柄表示部、110A…特定図柄表示領域、110B…リーチ情報表示領域、111…始動口、112…入賞口、113…開閉板、114…大入賞口、115…排出口、116…保留ランプ、118…スピーカ、120…球貸出ボタン、121…カード返却ボタン、122…特典球貸出ボタン、123…カード残高表示部、124…貯留特典球数表示部、125…球貸出口、127…貯留タンク、128…誘導ノズル、129…球貸出部、132…電源制御部、133…主制御部、134…図柄表示制御部、135…ランプ制御部、136…音声制御部、137…貸出制御部、139…発射制御部、141,142…中継基板、145…始動口センサ、146…入賞口センサ、147…下皿センサ、148…カウンタ、149…Vゾーンカウンタ、200…球貸出機

Claims (5)

  1. 複数のリーチ演出を実行することができ、
    リーチ演出実行時に用いられたリーチ情報が記憶可能で、記憶された過去のリーチ情報が遊技者に対して報知可能に構成されており、
    前記過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態へ移行させる信頼度が、遊技者に報知される遊技機であって、
    前記所定状態が複数種類設けられ、前記過去のリーチ情報が所定個数だけ記憶可能であり、
    前記過去のリーチ情報の報知個数に応じて、前記所定状態の少なくとも一つへ移行させる信頼度が遊技者に対して報知される
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記所定状態が、上位のリーチ演出に発展すること、および大当たりとなることである
    請求項1に記載の遊技機。
  3. 図柄の表示状態によって複数のリーチ演出を実行し得る図柄表示部が備えられており、
    前記所定状態が、上位のリーチ演出に発展すること、大当たりとなること、および非確変図柄で図柄が仮停止した後に再変動して確変図柄による大当たりに昇格することの少なくとも二つである
    請求項1に記載の遊技機。
  4. 図柄の表示状態によって複数のリーチ演出を実行し得る図柄表示部が備えられており、
    リーチ演出実行時に用いられたリーチ情報が記憶可能で、記憶された過去のリーチ情報が前記図柄表示部を用いて遊技者に対して報知可能に構成されており、
    前記過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態を所定状態へ移行させる信頼度が、遊技者に報知される遊技機であって、
    前記過去のリーチ情報の報知個数が、
    一個の場合には、この一個の過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態が上位のリーチ演出に発展する信頼度が、遊技者に報知され、
    二個の場合には、この二個の過去のリーチ情報と、次回行われるリーチ演出に用いられるリーチ情報との組合せに基づいて、遊技機の遊技状態が大当たりとなる信頼度が、遊技者に報知される
    ことを特徴とする遊技機。
  5. 同様の前記リーチ情報の報知が連続して行われたときに、前記遊技機の遊技状態を所定状態へ移行させる信頼度が向上する請求項1から4のいずれか1項に記載の遊技機。
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