JP3992560B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り態様である場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の選出図柄を変動表示する複数の選出図柄表示部が形成された図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、この図柄表示装置で、選出図柄を変動後停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、前記図柄始動領域への遊技球通過を契機として、この図柄制御手段を介して図柄生成行程を実行させ、確定表示させる選出図柄の組合せを当り態様とする場合に、所定の賞球形態を発生させることとなる特別遊技作動を実行する制御内容を有する遊技制御手段を具備するパチンコ遊技機は良く知られている。これらには、いわゆる第1種パチンコ遊技機及び第3種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第1種パチンコ遊技機は、開閉片により開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置を備え、選出図柄が所定の当り態様で確定表示された場合に、特別遊技作動として、可変入賞装置の大入賞口の開放と、所定の開放制限時間の経過又はこの開放制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することを継続条件として、所定制限回数まで繰り返して実行するものである。
【0004】
また、第3種パチンコ遊技機は、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴ってこの大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、選出図柄が所定の当り態様で確定表示された場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動を実行するものである。ここで、特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への球通過が可能となり、かつ遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
【0005】
さらに、このような従来構成にあって、当り図柄態様が、奇数図柄など特定の図柄の場合には、その当りに伴う特別遊技作動の終了後に、図柄生成行程に要する行程時間を短縮する変動時間短縮遊技状態を発生させたり、選出図柄の当り態様が確定表示されると、次の当り態様が確定表示されるまで、いわゆる大当りとなる確率が向上する高確率遊技状態を発生させたりする等の内容の、付加利得が付与されるものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、特別遊技作動の終了後に付加利得が付与される場合は、大当り図柄が特定の場合に限られており、利得の付与形態が、単調で面白みのないものとなっている。また、特別遊技作動中にあっては、開放された大入賞口に遊技球を流入させるために、遊技球を漫然と打ち込むだけであり、変化に乏しく、この作動中での遊技性の向上も求められているところである。さらに、付加利得の供与は、大当り図柄態様により定まっており、遊技者が直接関与することはなく、参加型遊技への改善が求められる。
本発明は、上述の問題を解決するために、高確率、変動時間短縮等の付加利得の供与形態を多様で斬新なものとすると共に、特別遊技作動中にあっても、遊技者の参加意欲を喚起しうる構成を備えたパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した図柄始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置上で図柄生成行程を実行するとともに、選出図柄の組合せが当り態様で確定表示されると、所定の賞球形態を発生することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を有する遊技制御手段を具備するパチンコ遊技機において、
特別遊技作動中に、相互に異なった付加利得と関係付けられる複数の選択肢を遊技者に呈示する選択肢呈示手段と、遊技者の操作により選択肢呈示手段で示されるいずれかの選択肢が選定される選択スイッチとからなり、選択肢呈示手段による選択肢の呈示と、選択スイッチによる選択肢の選定からなる利得内容選択行程を実行する利得内容選択手段を備え、
遊技制御手段が、各当り態様の確定表示によって実行される特別遊技作動の終了後に、利得内容選択手段を介して選ばれた、前記選択肢と関係付けられる付加利得を実行する制御内容を備えるものである。
ここで、付加利得としては、特別図柄の図柄生成行程に要する行程時間を短縮する特別図柄の変動時間短縮、次の当り態様が確定表示されるまで、当り態様の表出確率を向上する確変遊技状態、普通図柄の図柄生成行程に要する行程時間を短縮する普通図柄の変動時間短縮を発生させる利得や、普通電動役物の開放時間の延長等が提案され得る。
【0008】
また、選択肢呈示手段は、後述する図柄表示領域を用いた構成の他に、例えば、複数の選択スイッチを点灯、または点滅させて、その選択スイッチ自体が選択肢を構成するようにし、いずれかをオンすることによりその選択肢の選定が行われる構成など、遊技者にその選択肢が認識され、選択肢の選定を促し得るすべての構成を含むものである。
【0009】
かかる構成にあっては、これらの付加利得を、特別遊技作動中にあって、利得内容選択手段を介して選んだ選択肢により、少なくとも表面上、決定されるようにしている。これにより特別遊技作動中に、遊技者は選択肢呈示手段による呈示内容に従って選択操作をすることとなり、その結果が特別遊技作動終了後の遊技形態に大きく影響することから、選択肢の選択と、その結果、確定する付加利得の内容に大きな期待感を抱くこととなる。また、特別遊技作動終了の利得付与態様が多様化し、斬新なものとなる。
【0010】
また、遊技者自らが、付加利得を選定することとなり、遊技者の参加意欲を喚起でき、参加型の斬新なパチンコ遊技形態を実現することができる。
【0011】
ここで利得内容選択手段としては、特別遊技作動中にあって、図柄表示領域に、並列的に複数の図柄選択肢を表出する選択肢呈示手段と、パチンコ遊技機前面に配設されて、各図柄選択肢と対応する複数の選択スイッチとを備えてなるものが提案される。
【0012】
すなわち、特別遊技作動中に、図柄表示領域に、並列的に複数の図柄選択肢が呈示される。そこで、各図柄選択肢と対応する複数の選択スイッチのいずれかを選んで、指で操作する。これにより、該図柄選択肢と対応する付加利得が表出する。ここで、選択スイッチとしては、遊技機本体の前面に配設される、押し釦スイッチなどのほか、例えば、図柄選択肢上のガラス面越しに熱感知センサーなどを設けておき、指で、図柄選択肢上を押すとどの部分が選択されたかを検知する検知スイッチなどで構成することもできる。
【0013】
さらには、利得内容選択手段が、特別遊技作動中に、図柄表示領域に、複数の図柄選択肢からなる図柄選択肢列を走行変動表示する選択肢呈示手段と、パチンコ遊技機前面に配設されて、図柄選択肢列の変動停止指令を行って、いずれかの図柄選択肢を選定する選択スイッチとを備えてなるものとすることもできる。
【0014】
これは特別遊技作動中に、図柄表示領域に図柄選択肢列を走行変動表示(スクロール表示)して、図柄選択肢を呈示し、選択スイッチを操作することにより、該走行変動が停止して、いずれかの選択肢が確定するものである。すなわち、スロットマシンの停止操作に近似する態様により、利得内容選択手段を構成したものである。かかる構成にあっては、その操作により必ずしも、希望する選択肢を選定できないところに興趣がある。
【0015】
また、遊技制御手段が、各確定当り態様に従って、付与する付加利得をあらかじめ定めると共に、利得内容選択手段が、選択肢呈示手段で、関係付けられる付加利得が不明な隠蔽選択肢を呈示し、利得内容選択行程で、選択スイッチにより選定された隠蔽選択肢を、予め定めた付加利得と関係付けるようにした制御内容を備えるものである各確定当り態様に従って、付与する付加利得をあらかじめ定めると共に、利得内容選択手段が、関係付けられる付加利得が不明な隠蔽選択肢を選定するものであって、その隠蔽選択肢の選定結果を、予め定めた付加利得と関係付けるようにした制御内容を備えるものとすることができる。
【0016】
これは、当り態様の確定表示内容によって、付与する付加利得は既に定まっており、利得内容選択手段を介して、遊技者が選定したかのように制御するものである。具体的には、遊技者が選定した隠蔽選択肢を、その選定ごとに、カードを開くような態様によって、予め定めた付加利得を表示することにより、あたかも、遊技者が、主体的に所定付加利得を選択したかに思わせるものである。すなわち、利得内容選択行程は、利得内容選択ゲームともいえるものである。
【0017】
かかる構成にあっても、特別遊技作動中に、例え、かかる選択操作が、単なる演出と解っていても、遊技者は、主体的選定により、参加型ゲームとして、利得内容選択行程を楽しむことができる。
ここで利得内容選択手段は、利得内容選択行程を、所定回数だけ繰り返し実行するものとすることができる。たとえば、特別遊技作動にあって、各ラウンドごと、または奇数ラウンドごとに、利得内容選択行程を行うようにする。特に、利得内容として、当り図柄態様と関係して、複数の利得内容が供与される場合にあって、各利得内容選択行程毎に、逐次利得内容を付与することが提案される。これにより、特別遊技作動における、付加利得選定による刺激を継続して楽しむことができる。
【0018】
この利得内容選択行程の実行回数は、当り態様の種類によって決定される。これにより、大当り図柄態様の種類に、差別化を図ることができ、遊技の興趣が向上する。また、予め、大当り図柄態様の種類により、付加利得の供与数が定まっている場合に、利得内容選択行程の実行回数をその供与数に対応させることによって制御が容易となる。
【0019】
また、隠蔽選択肢の選定結果に、付加利得が供与されない、ハズレ選択態様を含むようにした制御内容を備える構成が提案される。
このように、ハズレ選択態様を生成することにより、多数回の選定操作を行っても、その結果、獲得しうる利得内容を実体に即したものとすることができる。
利得内容選択手段は、特別遊技作動中にあって、複数の利得内容選択行程を実行するものであると共に、利得内容選択行程が、選択肢の選定により、特定の付加利得への投票を行うものであり、遊技制御手段は、その投票の多寡によって付加利得を決定するようにした制御内容を備えるものとすることもできる。
【0020】
かかる構成にあっては、1R〜15Rの各開閉ラウンドで利得内容選択行程を行うようにし、多数決の結果に従って、大当り遊技終了後に付与される付加利得を決定するものである。すなわち、各開閉ラウンド毎に、選定されるのは、直接の付加利得ではなく、該付加利得への投票券といえるものである。この場合にも、予め大当り図柄態様の種類によって付加利得の内容及び数を設定しておくことができる。かかる構成にあっては、付加利得の付与数と関係なく、毎回の開閉ラウンドごとに、付加利得選定ゲームが行われうるから、特別遊技作動中に遊技者は、常にその選定過程を楽しむことができる利点がある。
【0021】
さらにまた、遊技制御手段は、複数回の利得内容選択行程により選定された複数種の付加利得で構成され、かつ相互にその利得程度が異なった複数の利得組を図柄表示領域上に呈示して、選択スイッチによる利得組の選定に供するとともに、選択スイッチにより選定された利得組を構成する付加利得を、特別遊技作動の終了後に実行する制御内容を備える構成も提案される。
【0022】
すなわち、付加利得の種類及び数の選定は、上述したように、複数回の利得内容選択行程で実行されるものとする。そして、さらに、その利得程度に変化を生じさせた、複数の利得組を呈示する。遊技者は、その利得程度に鑑みて、好みの利得組を選択スイッチを用いることにより主体的に選定する。このように、遊技者の選定により、付加利得の程度が決定されるものであるから、各利得組相互は、その全体として、利益程度がほぼ同じとなるように、バランスを考慮して定められる。すなわち、特定の付加利得が、良い場合には、他の特定の付加利得を悪くするようにする。従って、遊技者は、自己の戦略に適した利得組を選定することとなる。而して、かかる構成は、遊技者に多様な選択を可能とするものであり、さらに遊技者の参加意識が高まると共に、少なくとも、利得組の選定にあっては、実質的にも遊技者の選択が反映されることとなり、遊技者の遊技戦略を支援し得るものとなって、遊技の興趣をさらに向上することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
いわゆる第1種パチンコ遊技機に本発明を適用した実施形態例を説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示されるように、遊技島設備(図示省略)に固定される長方形状の外枠2と、この外枠2の前面開口部分を覆う遊技機本体3とからなり、これらがヒンジ部材4を介して開閉可能に枢着されている。
【0024】
さらにこの遊技機本体3は、ほぼ正方形状の開口部が中央上部に形成されている板状の前面枠5を備え、この前面枠5が前記外枠2に枢着されている。そして、この前面枠5には遊技盤7が配設され、この遊技盤7の前方に位置するよう前面枠5の開口部に遊技扉6が枢着されている。さらに、この遊技扉6には、透明板8が装着されている。
【0025】
この遊技盤7の下方には、前面枠5に対して開閉可能に取付けられる上皿部材9と、この上皿部材9の下方に位置する下皿部材10とが配設されている。さらに、この下皿部材10の右側には発射ハンドル11が突設されている。
【0026】
また、図2に示されるように、パチンコ遊技機1の遊技盤7には、その盤面12上にほぼ円形を呈する誘導レール13によって遊技領域14が区画形成されており、この遊技領域14のほぼ中央にセンターケース15が配設されている。そして、このセンターケース15には、液晶表示器、CRT表示器等からなる図柄表示装置16が組み付けられており、さらにこの図柄表示装置16には図柄表示領域17が形成されている。
【0027】
さらに、この図柄表示領域17の中央位置には特別図柄表示部(選出図柄表示部)a,b,cが左右方向に形成される。そして特別図柄表示部aには特別図柄Aが、特別図柄表示部bには特別図柄Bが、特別図柄表示部cには特別図柄Cがそれぞれ表示される。この特別図柄A,B,C(選出図柄)は、それぞれ「0」〜「9」の数字からなると共に、各特別図柄A,B,Cは、前記の数字が順に並んだ特別図柄列を構成している。そして、後述する特別図柄始動条件が成立すると、特別図柄A,B,Cを変動後停止して特別図柄A,B,Cの組合せ態様を確定表示する一連の図柄生成行程が表示実行される。すなわち、この各特別図柄列が特別図柄表示部a,b,cで上下方向に変動することにより特別図柄A,B,Cが変動表示され、停止したときに横方向に並列表示されている停止図柄列の態様が所定の当り態様である場合に、いわゆる「大当り」となって後述の特別遊技作動が実行される。なお、本実施形態例にかかる特別図柄A,B,Cにより、本発明にかかる選出図柄が構成され、特別図柄表示部a,b,cにより選出図柄表示部が構成される。
【0028】
一方、図柄表示領域17内の左上位置には普通図柄表示部x,yが形成される。この普通図柄表示部x,yには、「7」又は「−」を示す普通図柄X,Yが表示される。そして、後述する普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過すると、普通図柄X,Yが変動表示され、その後停止したときにX=Y=「7」となる当り態様で表示されると、後述の普通電動役物18が拡開作動を開始する。
【0029】
また、図柄表示装置16の直上左位置には、四個の発光ダイオードLEDからなる普通図柄始動記憶数表示装置21が配設されている。この普通図柄始動記憶数表示装置21は、後述の普通図柄始動スイッチS2(図9参照)の遊技球検出を、主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域が記憶した場合に、その記憶数を表示するものである。
【0030】
さらに、図柄表示装置16の直上右位置には、四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置19が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示装置19は、特別図柄始動記憶数Uを表示するものである。ここで、この特別図柄始動記憶とは、後述する主制御基板60(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に、後述の特別図柄始動領域20への遊技球通過ごとに記憶保持されるものである。
【0031】
一方、センターケース15の両側には、普通図柄作動ゲート(普通図柄始動領域)22,22が設けられ、遊技球が通過すると、この普通図柄作動ゲート22,22に内蔵された普通図柄始動スイッチS2が遊技球通過を検知し、かかる検知信号に基づいて、前記普通図柄X,Yが変動を開始する。
【0032】
また、センターケース15の直下位置には、内部を特別図柄始動領域20とする普通電動役物18が配設されている。この普通電動役物18は、開閉翼片26,26を備え、普通図柄X,Yの図柄内容が、上述の当り態様の場合に、この開閉翼片26,26が所定時間拡開する。このように、普通電動役物18が拡開作動すると特別図柄始動領域20の開口度が変化し、遊技球が特別図柄始動領域20を通過し易い状態となる。なお、この開閉翼片26,26の拡開作動は、普通電動役物ソレノイド(図9参照)により作動する。また、この普通電動役物18内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図9参照)が備えられ、この特別図柄始動スイッチS1が、特別図柄始動領域20への遊技球通過を検知すると、これに起因して、図柄表示装置16の特別図柄A,B,Cが変動開始する。なお、この特別図柄始動領域20により、本発明にかかる図柄始動領域が構成される。
【0033】
普通電動役物18の直下位置には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23を備える可変入賞装置25が配設されている。この可変入賞装置25は開閉片24を具備し、この開閉片24を大入賞口開放ソレノイド(図9参照)により開閉制御することにより、大入賞口23を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換する。そして、特別図柄A,B,Cの組合せ態様が所定の当り態様であると、開閉片24が開き、さらに、その開放状態にある開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球を案内する。さらに、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、所定ラウンド数だけ開閉片24の開閉作動を生じて、遊技者に所定の利得を付与する。この可変入賞装置25の開閉作動は、後述する特別遊技作動を構成するものである。なお、大入賞口23内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【0034】
図9は、本発明にかかるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。ここで、この乱数テーブルとしては、当り特別乱数テーブル、当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル 、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル、当り普通乱数テーブル、ハズレ普通図柄乱数テーブル等があり、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUが各乱数テーブルから乱数値を選択する。
【0035】
ここで、各乱数テーブルについて説明する。
当り特別乱数テーブルは、0〜299の300コマからなる。そして、通常確率状態では、当り特別乱数テーブルから選択した当り特別乱数値KがK=7の場合に当り態様の特別図柄A,B,Cの組合せを表出する。すなわち大当り確率は1/300である。そしてそれ以外はハズレとなる。また、高確率では、K=7,67,127,187,247(例)の場合には当りとなる。すなわち当り確率は1/60である。そしてそれ以外はハズレとなる。
【0036】
また、当り図柄乱数テーブルは、0〜9の10コマからなり、選択した当り特別乱数値Kが特別図柄A,B,Cを当り態様とする内容である場合に、特別図柄A,B,Cの組合せ態様を決定するものである。したがって、組合せ態様の異なる当り態様を複数備えることとなる。例えば、この当り図柄乱数テーブルから選択された当り図柄乱数値LがL=3の場合に、特別図柄A,B,Cの組合せ態様は「3,3,3」となる。
【0037】
これに対し、ハズレ図柄乱数テーブルは、選択した当り特別乱数値Kがハズレである場合に、特別図柄A,B,Cのハズレ態様を決定するものである。なお、このハズレ図柄乱数テーブルからは、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcが選択される。
【0038】
また、リーチ乱数テーブルからは、リーチ乱数値Nが選択される。このリーチ乱数値Nは、当り特別乱数値Kがハズレの内容である場合に、図柄生成行程でリーチ変動作動を実行するか否かを決定するものである。そして、リーチ乱数値Nがリーチ変動作動を実行する内容であると、リーチ図柄乱数テーブルから選択したリーチ図柄乱数値Pに従ってリーチ態様の特別図柄A,B,Cを表示する。
【0039】
また、当り特別乱数値Kが当り態様とする内容である場合、又はリーチ乱数値Nがリーチ変動作動を実行する内容である場合には、リーチ態様乱数テーブルから選択したリーチ態様乱数値Qに従って非リーチ状態のときと異なるリーチ変動態様を実行する。このリーチ変動態様としては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等の種々の変動態様がある。
【0040】
一方、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2のON作動による通過記憶等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。すなわち、記憶装置RAMに特別図柄始動記憶及び普通図柄始動記憶が記憶保持される。
【0041】
また、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
【0042】
この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、上述した特別図柄始動スイッチS1が接続されると共に、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、及びカウントスイッチS4が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに各スイッチS1〜S4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物18の開閉翼片26を拡開する普通電動役物ソレノイドや、大入賞口23の開閉片24を開閉する大入賞口ソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0043】
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65にそれぞれ送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0044】
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置16の図柄表示領域17上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出に関するプログラムや固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。なお、この記憶装置ROMに格納された固定データは、特別図柄A,B,Cの可変パターン、特別図柄A,B,Cの組合せ態様パターン、当り遊技パターン、リーチ態様パターン、普通図柄X,Yの組合せ態様パターン等の図柄変動態様等を規定するためのデータである。
【0045】
ここで、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。そして、この表示用ドライバが、前記図柄データに従って図柄表示装置16の図柄表示領域17に所定の図柄を所定態様で表出させる。なお、この図柄表示制御基板62により、図柄表示装置16で図柄生成行程を実行する図柄制御手段が構成される。
【0046】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
【0047】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機1に備えられた発光ダイオードLED、装飾ランプ等で構成される電飾装置、特別図柄始動記憶数表示装置19、普通図柄始動記憶数表示装置21等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に送信し、この光源作動基板が、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。なお、特別図柄始動記憶数表示装置19及び普通図柄始動記憶数表示装置21は、それぞれ最高四個まで始動記憶数を記憶保持できる。このため、各始動記憶数がこの上限値に達している遊技状態にあっては、遊技球通過は無効となり、所定数の賞球のみが遊技者に供与される。
【0048】
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から受信した制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。なお、本発明にかかる遊技制御手段は、上述の各基板60〜65等により構成されるものであって、前記図柄制御手段を介して図柄生成行程等を実行したり、所定賞球形態を発生する特別遊技作動を実行したりする制御内容を備えるものである。
【0049】
次に、本実施形態の制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が発射装置(図示省略)より遊技領域14に発射され、この遊技球が特別図柄始動領域20を通過すると、特別図柄始動スイッチS1がON作動する。そして、図9に示されるように、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが、特別図柄始動スイッチS1のON作動を認識すると、記憶装置RAMに特別図柄始動記憶を記憶する。さらに、記憶装置RAMに累積して記憶保持される特別図柄始動記憶の数(特別図柄始動記憶数U)が四個以下であるか否かを判定し、特別図柄始動記憶数Uが四個以下の条件を満たさない場合は、特別図柄始動記憶数Uが四個となるように最後に記憶保持された余剰の特別図柄始動記憶を記憶消化する。そして、始動口処理を終了する。
【0050】
一方、特別図柄始動記憶数Uが四個以下であると、記憶装置ROMに格納されている当り特別乱数テーブル、当り図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル等から、それぞれ乱数値を選択し、選択した各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。そして、始動口処理を終了する。
【0051】
次に、特別図柄処理について説明する。
主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄A,B,Cが変動中であるか判定し、変動中であれば変動時間が経過し、変動が停止するのを待って特別図柄処理を終了する。
【0052】
一方、特別図柄A,B,Cが変動中でない場合は、特別図柄始動記憶が存在するか否かを判定し、存在する場合は最先に記憶保持した特別図柄始動記憶を記憶消化し、特別図柄始動記憶数表示装置19で表示する特別図柄始動記憶数Uを一個減算表示する。
【0053】
そして、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、当り特別乱数値Kが、予め備えられた当り判定用データと同一であるか否かを判定する。そして、当り特別乱数値Kがハズレであると、リーチ乱数テーブルから選択したリーチ乱数値Nに基づいてリーチ変動作動を実行するか否かを判定し、リーチ変動作動を実行する場合には、リーチ図柄乱数テーブルから選択したリーチ図柄乱数値Pに基づいてハズレリーチ図柄を決定し、リーチ態様乱数値Qに基づいてリーチパターンをセットする。これに対し、リーチ変動作動を実行しない場合には、ハズレ図柄乱数テーブルから選択したハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcに基づいてハズレ図柄を決定し、通常停止パターンをセットする。
【0054】
一方、当り特別乱数値KがK=7(通常確率時)等の当り乱数値であると、当該当り特別乱数値Kと同時期に、当り図柄乱数テーブルから選択した当り図柄乱数値Lを有効として当り態様を構成する特別図柄A,B,Cの組合せを決定する。そして、所定の処理行程に従って後述する変動時間短縮回数データを所定処理内容に従ってセットする。さらに、リーチ態様乱数テーブルから選択したリーチ態様乱数値Qに基づいてリーチパターンをセットし、変動時間をセットする。
【0055】
変動時間がセットされると、特別図柄始動条件が成立し、特別図柄A,B,Cを上述のセットした各パターンに従って変動開始して所定時間経過後に特別図柄A,B,Cを停止して、特別図柄処理を終了する。
【0056】
さらには、前記特別図柄始動スイッチS1のON作動に基づき、主制御用中央制御装置CPUは、演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に発信すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64にそれぞれ発信する。
【0057】
主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
【0058】
これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。
【0059】
同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0060】
次に、特別図柄A,B,Cの組合せを当り態様で確定表示する場合に実行する特別遊技作動について説明する。
特別図柄A,B,Cの組合せ態様を当り態様で確定表示すると、主制御基板60は、以下の賞球形態の特別遊技作動を実行する。すなわち、図柄表示装置16の図柄表示領域17上で開始ディレーを表示実行し、その後、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23に遊技球が流入し、この大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動すると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信する。
【0061】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24を前方に傾動して大入賞口23を開放し、開閉ラウンドを実行する。そして、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドを終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23を開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。一方、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4による遊技球の入賞検知が10個となると、大入賞口23が閉鎖する。このような開閉ラウンドを最大15回繰り返し、遊技者に所定の利得を供与する。そして、一連の可変入賞装置25の開閉作動が終了すると、図柄表示装置16の図柄表示領域17上で終了ディレーを表示実行し、その後特別遊技作動を終了する。
【0062】
次に普通図柄X,Yの変動態様について概説する。
遊技球が普通図柄作動ゲート13を通過すると、普通図柄始動スイッチS2がON作動する。そして、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが普通図柄始動スイッチS2のON作動を認識すると、普通図柄表示部x,yで、普通図柄X,Yが変動開始する。この普通図柄X,Yは、上述のように、「7」又は「−」のいずれかを表示する。一方、この普通図柄X,Yが変動中に、又は普通電動役物18の開放動作中に、普通図柄始動スイッチS2が遊技球通過を検出すると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶され、普通図柄始動記憶数表示装置21の発光ダイオードLEDが点灯してその記憶数(普通図柄始動記憶数)を遊技者に報知する。なお、普通図柄始動記憶数表示装置21の最大記憶数は四個であり、それ以上の個数は無効とされる。
【0063】
この普通図柄X,Yの変動停止後、又は普通電動役物18の開放動作終了後に、普通図柄始動記憶数表示装置12に表示された普通図柄始動記憶数の記憶消化に基づいて普通図柄X,Yは再び変動開始する。そして、所定時間経過すると変動が停止し、X=Y=「7」であれば当りとなる。そしてさらに、当りとなると普通電動役物18が拡開作動を開始する。
【0064】
ところで、普通図柄X,Yが変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板60の記憶装置ROMに格納されている、0〜99までの100コマからなる当り普通乱数テーブルから選択される当り普通乱数値Vにより決定される。そして、普通図柄作動ゲート22への遊技球通過により、普通図柄始動スイッチS2がON作動すると、主制御基板60は記憶装置ROMに格納される当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを選択し、その内容を一旦記憶装置RAMに記憶保持する。そして、普通図柄X,Yが変動開始すると同時に、記憶保持した内容を判定し、当り又はハズレを決定する。ここでは、当り普通乱数値VがV=奇数値であれば当りとなる。
【0065】
当り普通乱数値Vの判定内容がハズレである場合は、当り普通乱数値Vと同時期に、ハズレ普通図柄乱数テーブルから選択されたハズレ普通図柄乱数値Wに従って普通図柄X,Yをハズレ態様で確定表示する。このハズレ普通図柄乱数テーブルは、0〜2の3コマからなり、ハズレ普通図柄乱数値WがW=「0」であるとX=「7」,Y=「−」で確定表示され、W=「1」であるとX=「−」,Y=「7」で確定表示され、W=「2」であるとX=「−」,Y=「−」で確定表示される。
【0066】
次に、本発明の要部について詳述する。
本発明にあっては、特別遊技作動中に、利得内容選択手段を介して付加利得が選定され、特別遊技作動の終了後に、該付加利得が実行される。この付加利得としては、上述した特別図柄の図柄生成行程に要する行程時間を短縮する特別図柄の変動時間短縮▲1▼、次の当り態様が確定表示されるまで、当り態様の表出確率を向上させる特別図柄の高確率▲2▼、または普通図柄の図柄生成行程に要する行程時間を短縮する普通図柄の変動時間短縮▲3▼を発生させる利得や、普通電動役物の開放時間の延長▲4▼がある。
【0067】
特別図柄の変動時間短縮とは、特別図柄A,B,Cを停止表示するための図柄生成行程に要する平均行程時間(特別図柄A,B,Cの変動開始から停止するまでの時間)が通常10秒であるものを5秒に短縮するものである。この場合に、特別図柄始動記憶の記憶消化が促進されることとなるから、比較的短時間に当り態様が表出することとなる。
【0068】
ここで、高確率は、大当り確率が1/60(通常確率1/300)となるものである。
また、普通図柄の変動時間短縮は、普通図柄X,Yの変動時間の短縮をいい、例えば、通常状態では、30秒間であるのが、10秒間の変動時間となる。この場合には、普通図柄始動記憶の記憶消化が促進されることとなるから、普通電動役物18の拡開作動機会が増える。
さらにまた、普通電動役物18の開閉翼片26の拡開時間の延長は、通常では0.2秒であるのが、2秒に延長される。このように開閉翼片26の拡開時間が延長されると、特別図柄始動領域20へ遊技球が入賞し易くなる。
かかる本発明の実施の形態につき順次説明する。
【0069】
<実施の形態例1>
図1で示すように、上皿部材9の前面には、押釦スイッチからなる四個の選択スイッチ40a〜40dが配設されている。一方、図柄表示装置16の図柄表示領域17には、特別遊技作動中にあっては、所定回数の利得内容選択行程からなる付加利得選定ゲームモードG1が実行される。
【0070】
この付加利得選定ゲームモードG1について、図3A、図3B、図4に従って説明する。
この付加利得選定ゲームモードG1では、各開閉ラウンド毎に、左右並列に、四っの隠蔽図柄選択肢41a〜41bが表れて、利得内容選択行程が実行される。この隠蔽図柄選択肢41a〜41bと、選択スイッチ40a〜40dとは関連付けられ、選択スイッチ40aを選択して、指で押すと隠蔽図柄選択肢41aが選定されることとなる。同じく選択スイッチ40bは隠蔽図柄選択肢41bと、選択スイッチ40cは隠蔽図柄選択肢41cと、選択スイッチ40dは隠蔽図柄選択肢41dと夫々関係付けられる。
これらの各隠蔽図柄選択肢41a〜41dは、種々の利得内容を選定するための選択肢となる。また、これら隠蔽図柄選択肢41a〜41dは、選定されるまで、関係付けられる付加利得が不明である。
【0071】
ここで、この隠蔽図柄選択肢41a〜41dにより、決定される付加利得としては、上述した、特別図柄の変動時間短縮▲1▼、特別図柄の高確率▲2▼、普通図柄の変動時間短縮▲3▼、普通電動役物の開放時間延長▲4▼がある。そして、これらの利得が後述するように付与される。
【0072】
一方、この利得付与形態は、大当り図柄態様により、あらかじめ決定されており、次に詳述する利得内容選択行程にしたがって、あたかも遊技者が、主体的に所定付加利得を選択したかのようにして、ゲーム性をもたらすものである。
【0073】
ところで、この実施の形態にあっては、大当り図柄態様により、利得内容選択行程の実行回数、すなわち遊技者による選択可能回数が定まっている。図5は、この大当り図柄態様と、選択可能回数と、付加利得の内容との関係を示すものである。
ここで、図3Aに示すように、例えば「7・7・7」で大当りが発生し(a)、大当り遊技が開始されると、図5の図表より予め設定されている選択可能な回数を遊技者に報知する(c)。そして、ラウンドが進行し、「3R目」が開始されると図柄表示領域17上に「A・B・C・D」からなるカード状の隠蔽図柄選択肢41a〜41dが表示される(d)。ここで隠蔽図柄選択肢41bである「B」を選択する場合には、選択スイッチ40bを押す。そして、この選択操作により、カード「B」が回転して、付加利得の内容を示す指標図柄「▲3▼」が表出する。そして、この獲得された付加利得は、付加利得報知欄43に書き込まれる。利得は、尚、付加利得を示す指標図柄「▲1▼」〜「▲4▼」と、その付加利得との関係は、図3A(c)で示す、報知情報に書き込まれるなどによって、あらかじめ遊技者に報知されている。尚、指標図柄「▲1▼」〜「▲4▼」は、上述した付加利得▲1▼〜▲4▼をそのまま示すものである。
【0074】
これにより、1回目の利得内容選択行程で遊技者は、指標図柄「▲3▼」に対応する「普通図柄の変動時間短縮▲3▼」の付加利得(特典)を獲得したこととなる。
次にラウンドが進行し、「5R目」が開始されると、同じように隠蔽図柄選択肢41a〜41dである「A」〜「D」のカードが表示される(f)。ここで遊技者が選択スイッチ40dを押して、「D」のカードを選択すると、カードが回転して「ハズレ」が表出する(g)。これによって、2回目の利得内容選択行程では、付加利得は獲得できなかったことになる。
【0075】
次にラウンドが進行し、「7R目」が開始されると、隠蔽図柄選択肢41a〜41dである「A」〜「D」のカードが表示され(h)、遊技者が選択スイッチ40aを押して、「A」のカードを選択すると、カードが回転して指標図柄「▲1▼」が表出する(i)。これにより3回目の利得内容選択行程では、指標図柄「▲1▼」に対応す「特別図柄の変動時間短縮▲1▼」の付加利得が獲得されたこととなる。そして、この新たな付加利得▲1▼は、付加利得報知欄43に「▲1▼」が書き加えられることにより、遊技者に報知される。
【0076】
次に、ラウンドが進行し、「9R目」が開始されると、隠蔽図柄選択肢41a〜41dである「A」〜「D」のカードが表示され(j)、遊技者が選択スイッチ40bを押して、「B」のカードを選択すると、カードが回転して指標図柄▲4▼が表出する(k)。これにより4回目の利得内容選択行程では、指標図柄▲4▼に対応する「普通電役の開放時間延長▲4▼」の付加利得を獲得したこととなる。そして、付加利得報知欄43に「▲4▼」がさらに書き加えられる。
【0077】
最後の利得内容選択行程である「11R目」が開始されると、同じように隠蔽図柄選択肢41a〜41dである「A」〜「D」のカードが表示され(l)、遊技者が選択スイッチ40cを押して、「C」のカードを選択すると、カードが回転して指標図柄「▲2▼」が表出する(m)。これによって、指標図柄「▲2▼」に対応する「特別図柄の高確率▲2▼」の付加利得が獲得したこととなり、付加利得報知欄43に「▲2▼」が書き加えられる。
【0078】
そして、与えられた利得内容選択行程が終了すると、大当り遊技の終了ディレー時間内で(n)に示すように、遊技者が獲得した付加利得が表示される結果報知画面が表出する。
【0079】
一方、図4に示すように、「4・4・4」で大当りが発生し、大当り遊技が開始されると、図5の図表より予め設定されている選択可能な回数が遊技者に報知される(c)。そして、ラウンドが進行し、「3R目」が開始されると、図柄表示器上に「A・B・C・D」のカードが表示される(d)。例えば、遊技者が選択スイッチ40dを押して、「D」のカードを選択すると、カードが回転して指標図柄「▲3▼」が表出する(e)。これにより1回目の利得内容選択行程で遊技者は指標図柄「▲3▼」に対応する「普通図柄の変動時間短縮▲3▼」の付加利得が獲得されたこととなり、付加利得報知欄43に「▲3▼」が書き加えられる。
【0080】
次に、ラウンドが進行し、「5R目」が開始されると、上述と同じように隠蔽図柄選択肢41a〜41dである「A」〜「D」のカードが表示され(f)、遊技者が選択スイッチ40cを押して、「C」のカードを選択すると、カードが回転して「ハズレ」が表出する(g)。これにより、2回目の利得内容選択行程では、付加利得は獲得できなかったことになる。
【0081】
さらに、ラウンドが「7R目」が開始されると、隠蔽図柄選択肢41a〜41dである「A」〜「D」のカードが表出され(h)、遊技者が選択スイッチ40cを押して、「C」のカードを選択するとカードは指標図柄「▲1▼」を表出する(i)。これにより3回目の利得内容選択行程では、指標図柄「▲1▼」に対応する「特別図柄の変動時間短縮▲1▼」の付加利得を獲得したこととなり、付加利得報知欄43に「▲1▼」が書き加えられる。
【0082】
そして、与えられた利得内容選択行程が終了すると、大当り遊技の終了ディレー時間内で(j)に示すように、遊技者が獲得した付加利得が表示される結果報知画面が表出する。
【0083】
このように、大当り図柄態様に応じて与えられえる回数の利得内容選択行程を介して付加利得が決定されるものであるから、制御的には獲得結果が予め設定されていても、あたかも遊技者自身が選択したかのように見せることができ、遊技者は自分が獲得した付加利得であるとの、納得感をもって遊技を行うことができる。
【0084】
<実施の形態例2>
次に実施の形態例2について説明する。図6で示すように、上皿部材9の前面には、押釦スイッチからなる選択スイッチ50が配設されている。
一方、図柄表示装置16の図柄表示領域17には、特別遊技作動中にあって、付加利得選定ゲームモードG2が実行される。この付加利得選定ゲームモードG2にあっては、利得内容選択行程毎に、図柄表示領域17に、図7で示す複数の図柄選択肢51からなる図柄選択肢列52が走行変動表示(スクロール表示)する。
【0085】
この付加利得選定ゲームモードG2について、図8A、図8Bに従って説明する。
大当り遊技終了後に付与される付加利得を表示する図柄選択肢列52は、ハズレ図柄と数字図柄1〜4からなる20個の図柄選択肢51で構成される。ここで数字図柄「1」は、上述した指標図柄「▲1▼」と、数字図柄「2」は指標図柄「▲2▼」と、数字図柄「3」は指標図柄「▲3▼」と、数字図柄「4」は指標図柄「▲4▼」と等価であり、夫々上述した付加利得が獲得されることとなる。
【0086】
この図柄選択肢列51は大当り遊技中の奇数ラウンド(1R・3R・・・15R)で、回転表示され、遊技者が選択スイッチ50を操作することにより、これを契機として停止するようになってる。図柄選択肢列52の1周回転に要する時間は1秒となっており、1図柄が通過するには50msの所要時間となる。また、遊技者が選択スイッチ50を操作した時点から200ms経過すると、その時点の付加利得が選択される(スロットマシンと同様の制御)。
【0087】
次に、図8A、図8Bについて説明する。
「7」図柄で大当りが発生したとする(a)と、「大当り」表示(b)後に、特別遊技作動が開始され、付加利得選定ゲームモードG2が開始される。そして、開始ディレー時に、利得内容選択行程を実行するための情報(メッセージ)が表示される(c)。そして、「1R目」が開始されると、(d)に示すように図柄表示領域17上に「スタート」の文字と、中央部に矩形の枠が表示され、その中に図柄選択肢列52の先頭部の「1」が表示される。また、右下部にはこの利得内容選択行程によりで獲得した付加利得を表示する付加利得報知欄53が表示される。
【0088】
(e)〜(f)に示すように、図柄選択肢列52が上から下への回転を10秒間行うと、その間に、遊技者は矩形枠内に表示される付加利得を狙って、選択スイッチ50を操作する。例えば、(g)に示すように、遊技者が選択スイッチ50を操作して、200ms後に停止した図柄が「3」だったとすると、獲得した付加利得は「普通図柄の変動時間短縮▲3▼」が付与されることとなり、付加利得報知欄53に「▲3▼」が書き込まれる。
【0089】
次に、「3R目」が開始されると、1R目と同様にスタートの文字が表示され、図柄選択肢列52の回転が開始され、遊技者が選択スイッチ50を操作して任意の付加利得を停止させる。以下(h)〜(s)に示すように、大当り遊技中の奇数ラウンドを使って利得内容選択行程が順次実行される。
【0090】
そして、「15R目」の利得内容選択行程が終了し、大当り遊技の終了ディレー時(t)に示すように、遊技者が獲得した付加利得が表示される。ここでは、「特別図柄の変動時間短縮▲1▼」「大当りの確率向上▲2▼」「普通図柄の変動時間短縮▲3▼」が、大当り遊技終了後に遊技者に付与されることとなる。
【0091】
上述の例では「7」の大当り図柄で説明を行ったが、図柄列を構成している「0」〜「9」からなる全ての大当り図柄態様にあって、大当り遊技中の奇数ラウンドを使用して、遊技者自身で大当り遊技終了後の付加利得が選択される。尚、上例では、奇数ラウンドで、利得内容選択行程を実行したが、その実行契機は種々提案される。また開閉ラウンドとは無関係に行っても良い。
【0092】
さらに、大当り図柄の種類によって、選択スイッチ50の操作が可能な回数(利得内容選択行程の実行回数)を予め決めておくこともできる。
例えば「3・5・7」の図柄の場合であれば、大当り遊技中の奇数ラウンド全てとし、「1・9」の図柄の場合は、偶数ラウンド全てとし、「2・4・6」の図柄の場合は、奇数ラウンドの「1R目」「3R目」「5R目」「7R目」「9R目」「11R目」の6回とし、「0・8」の図柄の場合は、奇数ラウンドの「1R目」「5R目」「13R目」「15R目」とすることもできる。
【0093】
<実施の形態例3>
利得内容選択行程が、選択肢の選定により、特定の付加利得への投票を行うものであり、遊技制御手段は、その投票の多寡によって付加利得を決定するようにしたものとすることもできる。
かかる構成にあっては、1R〜15Rの各開閉ラウンドで利得内容選択行程を行うようにし、多数決の結果に従って、大当り遊技終了後に付与される付加利得を決定するものである。すなわち、各開閉ラウンド毎に、選定されるのは、直接の付加利得ではなく、該付加利得への投票券といえるものである。この場合にも、予め大当り図柄態様の種類によって付加利得の内容及び数を設定しておくことができる。かかる構成にあっては、付加利得の付与数と関係なく、毎回の開閉ラウンドごとに、付加利得選定ゲームが行われうるから、特別遊技作動中に遊技者は、常にその選定過程を楽しむことができる利点がある。この場合にも、予め大当り図柄態様の種類によって付加利得の数が予め設定しておくことができる。
【0094】
例えば、大当り図柄が「3・3・3」の場合に付与される付加利得数が「3個」だとすると、▲1▼が5回投票され、▲2▼が1回、▲3▼が0回、▲4▼が7回、ハズレが2回夫々投票されたとすると、大当り遊技終了後に付与される付加利得は上位から3個選択されることとなるので、「▲1▼▲2▼▲4▼」となる。かかる構成にあっては、付加利得の付与数と関係なく、毎回の開閉ラウンドごとに、利得内容選択行程が行われうるから、特別遊技作動中に遊技者は、常にその選定過程を楽しむことができる利点がある。
【0095】
<実施の形態例4>
上述の実施形態は、各大当り図柄形態に対応して、あらかじめ供与される付加利得の種類を定めたものであるが、各付加利得は、例えば大当り図柄形態が「7」の場合には、付加利得の種類▲1▼〜▲4▼の四つ与えられている(図5参照)ように、複数の付加利得の組み合わせからなる。そこで、その組み合わせの程度に変化を生じさせて、複数の利得組を生成し、付加利得の種類が定まってから、これを選択スイッチ40a〜40dにより、いずれかの利得組を遊技者が選択可能とするようにしても良い。
【0096】
例えば、四種類の付加利得▲1▼〜▲4▼が付与される場合にあって、その利得組A〜Dを次の通り設定する。
【0097】
利得組 ▲1▼(特図時短)▲2▼(高確率) ▲3▼(普図時短)▲4▼(役物開放)
5秒 1/60 10秒 1.5秒
B 7秒 1/80 8秒 2秒
5秒 1/80 8秒 1.5秒
D 7秒 1/60 10秒 2秒
【0098】
ここで、各付加利得は、通常時よりも、利得が高いが、その程度に差異を生じさせている。ちなみにアンダーラインを付したものが、より有利となる。そこで、いずれか二つがより有利となるようにして、その均衡を保つと共に、その選択を遊技者に委ねるようにしているものである。これにより、遊技者は、自己の戦略に対応して、いずれかの種類を選択することとなる。尚、選択肢は、必ずしも四つである必要はない。
【0099】
上述の各実施形態にあって、各付加利得を所定変動回数までとすることもでき、この場合に、その制限回数を付加利得の選定要素とすることもできる。
【0100】
ここで、本発明は、第3種パチンコ遊技機に適用しても良く、また本発明の主旨を逸脱しない限り実施形態を適宜に変更することが可能である。
【0101】
【発明の効果】
本発明は、特別遊技作動中に、相互に異なった付加利得と関係付けられる複数の選択肢を遊技者に呈示し、遊技者の選択スイッチの操作によりいずれかの選択肢が選定される利得内容選択行程を実行するようにしたものであるから、
イ)従来は、付加利得は、大当り図柄態様により、利益を得るか、得ないかの二者いずれかであり、単調なものであったが、選択肢と関係付けられる多様な付加利得が設定されており、これを選定するものであるため、特別遊技作動後にあって、多様で、変化に富んだ遊技形態が実現される。
ロ)従来、漫然と遊技球を打つだけの特別遊技作動中に、利得内容選択行程が実行されて、遊技者は選択スイッチの操作及びこれに伴う判断を要求されることとなり、退屈しない。
ハ)付加利得が、少なくとも表面上、遊技者により決定されることとなり、遊技者参加型の遊技となり、遊技者の主体的参加意欲を喚起しうる。また、遊技者が自ら選択することにより、与えられた付加利得であるから、従来のように強制的に与えられる内容と違って、納得して遊技を行うことができる。
【0102】
ここで利得内容選択手段として、特別遊技作動中にあって、図柄表示領域に、並列的に複数の図柄選択肢を表出する選択肢呈示手段と、パチンコ遊技機前面に配設されて、各図柄選択肢と対応する複数の選択スイッチとを備えてなるものにあっては、各図柄選択肢と対応する複数の選択スイッチのいずれかを選んで、指で操作することとなり、確実に遊技者の選択した選択肢に決定することができる。
【0103】
さらには、利得内容選択手段が、特別遊技作動中に、図柄表示領域に、複数の図柄選択肢からなる図柄選択肢列を走行変動表示する選択肢呈示手段と、パチンコ遊技機前面に配設されて、図柄選択肢列の変動停止指令を行って、いずれかの図柄選択肢を選定する選択スイッチとを備えてなるものとした構成にあっては、図柄表示領域に図柄選択肢列を走行変動表示(スクロール表示)して、図柄選択肢を呈示し、選択スイッチを操作することにより、該走行変動が停止して、いずれかの選択肢が確定するものであり、スロットマシンの停止操作に近似する態様となって、面白みがあり、その操作により必ずしも、希望する選択肢を選定できないところに興趣がある。
【0104】
また、遊技制御手段が、各確定当り態様に従って、付与する付加利得をあらかじめ定めると共に、関係付けられる付加利得が不明な隠蔽選択肢を呈示し、選択スイッチにより選定された隠蔽選択肢を、予め定めた付加利得と関係付けるようにしたものにあっては、あたかも、遊技者が、主体的に所定付加利得を選択したかに思わせることができ、例え、かかる選択操作が、単なる演出と解っていても、遊技者は、主体的選定により、参加型ゲームとして、利得内容選択行程を楽しむことができる。
【0105】
ここで利得内容選択行程を、所定回数だけ繰り返し実行するものとすると、利得内容として、当り図柄態様と関係して、複数の利得内容が供与される場合にあって、各利得内容選択行程毎に、逐次利得内容を付与されることとなり、特別遊技作動における、付加利得選定による刺激を継続して楽しむことができる。
【0106】
この利得内容選択行程の実行回数を、当り態様の種類によって、決定した構成にあっては、予め、当り態様の種類により、付加利得の供与数が定まっている場合に、利得内容選択行程の実行回数をその供与数に対応させることによって制御が容易となる。また、大当り図柄の種類によって付加利得の取得チャンスが変化することとなり、従来よりも全ての大当り図柄態様に対して興味を持つようになる。
【0107】
また、隠蔽選択肢の選定結果に、付加利得が供与されない、ハズレ選択態様を含むようにした制御内容を備える構成にあっては、多数回の選定操作を行っても、その結果、獲得しうる利得内容を実体に即したものとすることができる。
【0108】
特別遊技作動中にあって、複数の利得内容選択行程を実行するものであると共に、利得内容選択行程が、選択肢の選定により、特定の付加利得への投票を行い、その投票の多寡によって付加利得を決定するようにしたものにあっては、付加利得の付与数と関係なく、毎回の開閉ラウンドごとに、付加利得選定ゲームを行うことができるから、特別遊技作動中に遊技者は、常にその選定過程を楽しむことができる利点がある。
【0109】
さらにまた、複数回の利得内容選択行程により選定された複数種の付加利得で構成され、かつ相互にその利得程度が異なった複数の利得組を図柄表示領域上に呈示し、選択スイッチにより利得組を選定するようにした構成にあっては、遊技者による多様な選択を可能として、さらに遊技者の参加意識が高まると共に、少なくとも、利得組の選定にあっては、実質的にも遊技者の選択が反映されることとなり、遊技者の遊技戦略を支援し得るものとなって、遊技の興趣をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のパチンコ遊技機1の正面図である。
【図2】遊技盤7の正面図である。
【図3A】第一実施形態の利得内容選択行程を示す図柄進行図(a)〜(i)である。
【図3B】第一実施形態の利得内容選択行程を示す図柄進行図(j)〜(n)である。
【図4】第一実施形態の他の利得内容選択行程を示す図柄進行図である。
【図5】第一実施形態の、大当り図柄態様、選択可能回数及び付与利得の関係を示す図表である。
【図6】第二実施形態のパチンコ遊技機1の正面図である。
【図7】第二実施形態の図柄選択肢列52を示す図柄列図である。
【図8A】第二実施形態の利得内容選択行程を示す図柄進行図(a)〜(j)である。
【図8B】第二実施形態の利得内容選択行程を示す図柄進行図(k)〜(t)である。
【図9】遊技制御手段を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 遊技機本体
7 遊技盤
9 上皿部材
14 遊技領域
16 図柄表示装置
17 図柄表示領域
20 特別図柄始動領域
40a〜40d 選択スイッチ
41a〜41b 隠蔽図柄選択肢
50 選択スイッチ
51 図柄選択肢
52 図柄選択肢列

Claims (3)

  1. 複数の選出図柄を図柄表示領域に変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、
    図柄表示装置上で、選出図柄を変動後停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、図柄始動領域への遊技球通過を契機として、該図柄制御手段を介して図柄生成行程を実行するとともに、選出図柄の組合せが当り態様で確定表示されると、所定の賞球形態を発生することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を有する遊技制御手段を具備するパチンコ遊技機において、
    特別遊技作動中に、相互に異なった付加利得と関係付けられる複数の選択肢を遊技者に呈示する選択肢呈示手段と、遊技者の操作により選択肢呈示手段で示されるいずれかの選択肢が選定される選択スイッチとからなり、選択肢呈示手段による選択肢の呈示と、選択スイッチによる選択肢の選定からなる利得内容選択行程を、当該当り態様の種類によって決定された実行回数だけ繰り返し実行する利得内容選択手段を備え、
    遊技制御手段が、各当り態様の確定表示によって実行される特別遊技作動の終了後に、利得内容選択手段を介して選ばれた、前記選択肢と関係付けられる付加利得を実行する制御内容を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 複数の選出図柄を図柄表示領域に変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、
    図柄表示装置上で、選出図柄を変動後停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、図柄始動領域への遊技球通過を契機として、該図柄制御手段を介して図柄生成行程を実行するとともに、選出図柄の組合せが当り態様で確定表示されると、所定の賞球形態を発生することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を有する遊技制御手段を具備するパチンコ遊技機において、
    特別遊技作動中に、相互に異なった付加利得と関係付けられる複数の選択肢を遊技者に呈示する選択肢呈示手段と、遊技者の操作により選択肢呈示手段で示されるいずれかの選択肢が選定される選択スイッチとからなり、選択肢呈示手段による選択肢の呈示と、選択スイッチによる選択肢の選定からなる利得内容選択行程を所定回数だけ繰り返し実行すると共に、利得内容選択行程が、選択肢の選定により、特定の付加利得への投票を行うものであり、遊技制御手段は、その投票の多寡によって付加利得を決定するようにした制御内容を具備する利得内容選択手段を備え、
    遊技制御手段が、各当り態様の確定表示によって実行される特別遊技作動の終了後に、利得内容選択手段を介して選ばれた、前記選択肢と関係付けられる付加利得を実行する制御内容を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。
  3. 複数の選出図柄を図柄表示領域に変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、
    図柄表示装置上で、選出図柄を変動後停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、図柄始動領域への遊技球通過を契機として、該図柄制御手段を介して図柄生成行程を実行するとともに、選出図柄の組合せが当り態様で確定表示されると、所定の賞球形態を発生することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を有する遊技制御手段を具備するパチンコ遊技機において、
    特別遊技作動中に、相互に異なった付加利得と関係付けられる複数の選択肢を遊技者に呈示する選択肢呈示手段と、遊技者の操作により選択肢呈示手段で示されるいずれかの選択肢が選定される選択スイッチとからなり、選択肢呈示手段による選択肢の呈示と、選択スイッチによる選択肢の選定からなる利得内容選択行程を所定回数だけ繰り返し実行する利得内容選択手段を備え、
    遊技制御手段は、複数回の利得内容選択行程により選定された複数種の付加利得で構成され、かつ相互にその利得程度が異なった複数の利得組を図柄表示領域上に呈示して、選 択スイッチによる利得組の選定に供するとともに、選択スイッチにより選定された利得組を構成する付加利得を、特別遊技作動の終了後に実行する制御内容を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。
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