JP4121119B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示装置に確定表示された選出図柄の組合せ態様が所定の当り態様である場合に、所定の賞球形態を発生させる特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、図柄表示装置上で、選出図柄を変動後停止して選出図柄の組合せ態様を確定表示する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、図柄始動領域への遊技球通過を契機として、該図柄制御手段を介して図柄生成行程を実行すると共に、確定表示させる選出図柄の組合せ態様を所定の当り態様とした場合には、所定の賞球形態を発生することとなる特別遊技作動を実行する制御内容を具備する遊技制御手段を備えたパチンコ遊技機は良く知られている。これらには、いわゆる第1種パチンコ遊技機及び第3種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第1種パチンコ遊技機は、開閉片により開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置を備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、特別遊技作動として、可変入賞装置の大入賞口の開放と、所定の開放制限時間の経過又は該開放制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することを継続条件として、所定制限回数まで繰り返して実行するものである。
【0004】
また、一般的な第3種パチンコ遊技機は、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ遊技球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴って該大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動を実行するものである。ここで、特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への遊技球通過が可能となり、かつ特別作動領域への遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
【0005】
ところで、上述のパチンコ遊技機は、特別遊技作動が実行される「大当り」への期待感を遊技者に抱かせるために、図柄表示装置で様々な演出態様を実行している(特許文献1参照)。そして、これらの演出態様のなかでも特に、その表出により選出図柄の組合せ態様が当り態様で確定表示される確率が見かけ上高くなる大当り予告演出図柄を図柄表示装置に表出させる大当り予告演出は、演出効果が高いと共に遊技者の期待感を強く刺激するものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−165968号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大当り予告演出図柄が図柄表示装置に表出された後にハズレ態様が確定表示されるような図柄生成行程が連続して実行されると、遊技者のもつ大当り予告演出に対しての信頼が低下し、大当り予告演出図柄が表出されても遊技者が期待感を抱かなくなってしまう問題が招来する。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、遊技者の遊技意欲の減退を防止し得るパチンコ遊技機を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のパチンコ遊技機において、発射ハンドルに、発射操作の有無を検知するタッチセンサを設け、前記遊技制御手段により、所定の予見実行条件が成立すると、図柄生成行程実行中に、絵柄が夫々異なり、かつ夫々異なる表出停止解除条件を割り当てられた複数の大当り予告演出図柄のうちのいずれかを、図柄表示装置に表出するとともに、大当り予告演出図柄を予め定められた回数だけ表出すると、タッチセンサを介して検知した発射操作の連続発射操作時間が所定時間経過することを表出停止解除条件として、該条件を満たすまで該大当り予告演出図柄を表出しないようにし、表出停止後に、さらに所定の予見実行条件が成立すると、前記複数の大当り予告演出図柄のうち、前記表出停止解除条件を満たす大当り予告演出図柄のいずれかを表出することとしたことを特徴とするパチンコ遊技機である。
【0009】
かかる構成にあって、表出を停止するまでの表出回数や、表出停止解除条件の内容を変更することにより、予見演出図柄の表出頻度を調節することが可能となる。したがって、予見演出図柄を頻繁に表出しない構成となるように調節した場合には、ハズレ態様が確定表示される予見演出を頻繁に実行しないようにすることが可能となり、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまうことを防止できる。
【0010】
ここで、表出停止解除条件が、予見演出図柄の予め定められた回数の表出後における、図柄生成行程の所定回数消化である構成が提案される。このように、遊技者が最も注目する図柄生成行程の消化実行数に基づいて表出停止解除条件を定める構成とすることにより、遊技者に遊技の進行状況を明確に認識させることができる。ここで、遊技者が遊技を開始したときに、当該パチンコ遊技機が表出停止解除条件を満たしている場合と、予見演出図柄が予め定められた回数表出された直後である場合と、後少しで表出停止解除条件を満たす場合とでは、当該遊技者にとっては予見演出図柄の表出度合いが異なってくることとなる。これにより、予見演出図柄の表出確率や表出停止解除条件等の設定内容を変更しなくても、遊技を開始するタイミングによって多様な遊技形態を発生させることができる。
【0011】
また、表出停止解除条件が、予見演出図柄の予め定められた回数の表出後における、所定時間経過である構成としても良い。
【0012】
ここで、表出停止解除条件が、遊技領域に遊技球が打ち出される連続遊技球打出時間の所定時間経過である構成が提案される。このように、実際に遊技球が遊技領域に打ち出される時間に基づいて表出停止解除条件を定めても良い。かかる構成とすることにより、当該パチンコ遊技機が実質的に稼動している時間に基づいて予見演出図柄の表出態様を定めることが可能となる。したがって、実際に所定時間だけ当該遊技機で遊技をしないと表出停止解除条件を満たさない構成となるため、あらゆる遊技者にとって公平な遊技内容とすることができる。さらに、遊技者が遊技を開始するタイミングによって予見演出図柄の表出度合いが異なってくるため、多様な遊技形態を遊技者に提供することが可能となる。
【0013】
また、遊技球を遊技領域上に放出する発射ハンドルが遊技機本体に突設された構成において、発射ハンドルが、発射操作の有無を検知する発射操作検知手段を備え、遊技制御手段が、該発射操作検知手段を介して検知した発射操作の連続発射操作時間を検出する制御内容を備えると共に、表出停止解除条件が、該連続発射操作時間の所定時間経過であるパチンコ遊技機が提案される。ここで、前記発射操作は、遊技球を遊技領域上に放出するための一連の動きをいい、例えば発射ハンドルに手を掛けた状態を含むものである。このように、遊技者の発射操作時間に基づいて表出停止解除条件を定めることにより、当該パチンコ遊技機が実質的に稼動している時間に基づいて予見演出図柄の表出態様を定めることが可能となると共に、遊技者が遊技を開始するタイミングによって予見演出図柄の表出度合いが異なってくるため、多様な遊技形態を遊技者に提供することが可能となる。
【0014】
また、表出停止解除条件が、選出図柄の連続変動時間の所定時間経過である構成が提案される。
【0015】
かかる構成にあって、遊技者の実力や好不調により選出図柄の連続変動時間は異なってくる。したがって、かかる構成とすることにより、遊技内容を各遊技者の実力や調子に沿った構成とすることができる。
【0016】
また、絵柄が夫々異なり、かつ夫々異なる表出停止解除条件が割り当てられた複数の予見演出図柄を備え、遊技制御手段が、所定の予見実行条件が成立すると、前記複数の予見演出図柄のうち、表出停止解除条件を満たす予見演出図柄のいずれかを表出する制御内容を備える構成としても良い。
【0017】
かかる構成とすることにより、図柄表示装置での演出態様が多様化し、パチンコ遊技機の興趣性が向上することとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
いわゆる第1種パチンコ遊技機に本発明を適用した実施形態例を説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示されるように、遊技島設備(図示省略)に固定される長方形状の外枠2と、この外枠2の前面開口部分を覆う遊技機本体3とからなる。
【0019】
さらにこの遊技機本体3は、ほぼ正方形状の開口部が中央上部に形成されている板状の前面枠5を備え、この前面枠5が前記外枠2にヒンジ部材4を介して開閉可能に枢着されている。また、遊技機本体3には、遊技球が転動流下する遊技領域14が形成される遊技盤7が前面枠5の開口部に嵌合された状態で取付けられており、さらに、遊技機本体3の前面側には、遊技盤7を覆う遊技扉6が、遊技盤7の前方に位置させて前面枠5の開口部に開閉可能に取り付けられている。また、この遊技扉6には、透明板8が装着されている。
【0020】
この遊技盤7の下方には、前面枠5に対して開閉可能に取付けられる上皿部材9と、この上皿部材9の下方に位置する下皿部材10とが配設されている。さらに、この下皿部材10の右側には発射ハンドル11が突設されている。この発射ハンドル11は、回動可能に軸支された発射レバー11aを備え、遊技者がこの発射レバー11aを時計回りに回動することにより遊技球が遊技領域14上に放出される。
【0021】
また、図2に示されるように、パチンコ遊技機1の遊技盤7には、その盤面12上にほぼ円形を呈する誘導レール13によって遊技領域14が区画形成されており、この遊技領域14のほぼ中央にセンターケース15が配設されている。そして、このセンターケース15には、液晶表示器、CRT表示器等からなる図柄表示装置16が組付けられており、さらにこの図柄表示装置16には図柄表示領域17が形成されている。
【0022】
さらに、この図柄表示領域17の中央位置には特別図柄A、特別図柄B、及び特別図柄Cがそれぞれ表示される。この特別図柄A,B,C(選出図柄)は、それぞれ「0」〜「9」の数字からなると共に、各特別図柄A,B,Cは、前記の数字が順に並んだ特別図柄列を構成している。そして、後述する特別図柄始動条件が成立すると、特別図柄A,B,Cを変動後停止して特別図柄A,B,Cの組合せ態様を確定表示する一連の図柄生成行程が表示実行される。すなわち、この各特別図柄列が上下方向に変動することにより特別図柄A,B,Cが変動表示され、停止したときに横方向に並列表示されている停止図柄列の態様が所定の当り態様である場合に、いわゆる「大当り」となって後述の特別遊技作動が実行される。なお、本実施形態例にかかる特別図柄A,B,Cにより、本発明にかかる選出図柄が構成される。
【0023】
一方、図柄表示領域17内の左上位置には普通図柄表示部x,yが形成される。この普通図柄表示部x,yには、「7」又は「−」を示す普通図柄X,Yが表示される。そして、後述する普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄X,Yが変動表示され、その後停止したときにX=Y=「7」となる当り態様で表示されると、後述の普通電動役物18が拡開作動を開始する。
【0024】
また、図柄表示装置16の直上左位置には、四個の発光ダイオードLEDからなる普通図柄始動記憶数表示部21が配設されている。この普通図柄始動記憶数表示部21は、後述の普通図柄始動スイッチS2(図3参照)の遊技球検出を、主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域が記憶した場合に、その記憶数を表示するものである。
【0025】
さらに、図柄表示装置16の直上右位置には、四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示部19が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示部19は、特別図柄始動記憶数Uを表示するものである。ここで、この特別図柄始動記憶とは、後述する主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に、後述の特別図柄始動領域20への遊技球通過ごとに記憶保持されるものである。
【0026】
一方、センターケース15の両側には、普通図柄作動ゲート(普通図柄始動領域)22,22が設けられ、遊技球が通過すると、この普通図柄作動ゲート22,22に内蔵された普通図柄始動スイッチS2が遊技球通過を検知し、かかる検知信号に基づいて、前記普通図柄X,Yが変動を開始する。
【0027】
また、センターケース15の直下位置には、内部を特別図柄始動領域20とする普通電動役物18が配設されている。この普通電動役物18は、開閉翼片26,26を備え、普通図柄X,Yの図柄内容が、上述の当り態様の場合に、この開閉翼片26,26が所定時間拡開する。このように、普通電動役物18が拡開作動すると特別図柄始動領域20の開口度が変化し、遊技球が特別図柄始動領域20を通過し易い(入賞し易い)状態となる。なお、この開閉翼片26,26の拡開作動は、普通電動役物ソレノイド(図3参照)により作動する。また、この普通電動役物18内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が備えられ、特別図柄始動領域20が特別図柄始動スイッチS1を介して遊技球通過を検知すると、これを契機として、図柄表示装置16の特別図柄A,B,Cが変動開始する。なお、この特別図柄始動領域20により、本発明にかかる図柄始動領域が構成される。
【0028】
普通電動役物18の直下位置には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23を備える可変入賞装置25が配設されている。この可変入賞装置25は開閉片24を具備し、この開閉片24を大入賞口開放ソレノイド(図3参照)により開閉制御することにより大入賞口23を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換する。そして、特別図柄A,B,Cの組合せ態様が所定の当り態様であると、開閉片24が開き、さらに、その開放状態にある開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球を案内する。そして、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、所定ラウンド数だけ開閉片24の開閉作動を生じて、遊技者に所定の利得を付与する。この可変入賞装置25の開閉作動は、後述する特別遊技作動を構成するものである。なお、大入賞口23内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【0029】
図3は、本発明にかかるパチンコ遊技機1の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。ここで、この乱数テーブルとしては、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル 、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動パターン選択乱数テーブル、当り普通乱数テーブル、ハズレ普通図柄乱数テーブル等があり、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUが各乱数テーブルから乱数値を選択する。
【0030】
ここで、各乱数テーブルについて説明する。
大当り特別乱数テーブルは、0〜299の300コマからなる。ここで、図柄生成行程で確定表示する特別図柄A,B,Cの組合せ態様により、次回に「大当り」となる確率が向上する確変遊技状態、又は「大当り」となる確率が変化しない通常確率遊技状態のいずれかが発生する。そして、確変遊技状態では、大当り特別乱数テーブルから選択した大当り特別乱数値KがK=7,11,127,233,277の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は5/300=1/60である。これに対し、通常確率遊技状態では、選択した大当り特別乱数値KがK=7の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は1/300である。そしてそれ以外はハズレとなる。
【0031】
また、大当り図柄乱数テーブルは、0〜9の10コマからなり、選択した前記大当り特別乱数値Kが「大当り」の内容である場合に、特別図柄A,B,Cの当り態様を決定するものである。例えば、この大当り図柄乱数テーブルから選択した大当り図柄乱数値LがL=3の場合に、当り態様は「3,3,3」となる。
【0032】
これに対し、ハズレ図柄乱数テーブルは、選択した当り特別乱数値Kがハズレである場合に、ハズレ態様を決定するものである。なお、このハズレ図柄乱数テーブルからは、各特別図柄A,B,Cの図柄態様を定めるハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcを選択する。
【0033】
また、0〜99の100コマからなる変動パターン選択乱数テーブルからは変動パターン選択乱数値Gを選択する。この変動パターン選択乱数値Gは、図柄生成行程の演出態様を定めるものであって、この変動パターン選択乱数値Gの値に従って、図柄表示制御基板62の記憶装置ROMに複数備えられる変動パターンテーブルから特別図柄変動パターンが選出される。なお、変動パターン選択乱数値GがG=90〜99であると、その表出により特別図柄A,B,Cの組合せ態様が当り態様で確定表示される確率が見かけ上高くなる大当り予告演出図柄を図柄表示装置16に表出する特別図柄変動パターンが選出される。なお、この大当り予告演出図柄により本発明の予見演出図柄が構成される。
【0034】
また、0〜19の20コマからなるリーチ乱数テーブルからは、リーチ乱数値Nを選択する。このリーチ乱数値Nは、大当り特別乱数値Kの内容がハズレである場合に、図柄生成行程でリーチ変動作動を実行するか否かを決定するものである。そして、リーチ乱数値NがN=3,17であると、リーチ変動作動を実行することとなり、選択した変動パターン選択乱数値G等に従って選出された特別図柄変動パターンに従って演出態様を定める。かかる場合の特別図柄変動パターンとしては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等の種々の態様がある。
【0035】
また、0〜9の10コマからなるリーチ図柄乱数テーブルからは、リーチ図柄乱数値Qを選択する。このリーチ図柄乱数値Qは、前記リーチ変動作動を実行する際のリーチ停止態様を決定するものである。例えば、このリーチ図柄乱数値QがQ=3の場合には、特別図柄A,Cが「3」となるリーチ態様が表示される。
【0036】
一方、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2のON作動による通過記憶等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。すなわち、記憶装置RAMに特別図柄始動記憶及び普通図柄始動記憶が記憶保持される。
【0037】
また、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
【0038】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、上述した特別図柄始動スイッチS1が接続されると共に、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、及びカウントスイッチS4が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに各スイッチS1〜S4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物18の開閉翼片26を拡開する普通電動役物ソレノイドや、可変入賞装置25の開閉片24を開閉する大入賞口ソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0039】
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板62,63,64,65にそれぞれ出力し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0040】
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置16の図柄表示領域17上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、特別図柄変動パターンや普通図柄変動パターンに関する固定データ等が格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
【0041】
ここで、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記図柄データに従って図柄表示装置16の図柄表示領域17に所定の図柄を所定態様で表出させる。なお、この図柄表示制御基板62により、図柄表示装置16上で図柄生成行程を実行する図柄制御手段が構成される。
【0042】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
【0043】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機1に備えられた発光ダイオードLED、装飾ランプ等で構成される電飾装置、特別図柄始動記憶数表示部19、普通図柄始動記憶数表示部21等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。なお、特別図柄始動記憶数表示部19及び普通図柄始動記憶数表示部21は、それぞれ最高四個まで始動記憶数を記憶保持できる。このため、各始動記憶数がこの上限値に達している遊技状態にあっては、遊技球通過は無効となり、所定数の賞球のみが遊技者に供与される。
【0044】
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。なお、本発明にかかる遊技制御手段は、上述の各基板60〜65等により構成されるものであって、前記図柄制御手段を備えると共に、この図柄制御手段を介して図柄生成行程を実行したり、確定表示させる特別図柄A,B,Cの組合せ態様を当り態様とする場合に所定の賞球形態を発生する特別遊技作動を実行したりする制御内容を備える。
【0045】
次に、パチンコ遊技機1の作動に従って図柄処理等の制御態様を説明する。
ここで、以下に述べる図柄処理等は、上述したタイマーTMによりカウントされる所定単位時間(2ms)ごとに繰り返し実行される。
【0046】
遊技球が発射レバー11aの回動操作により遊技領域14上に放出され、この遊技球が特別図柄始動領域20を通過すると、特別図柄始動スイッチS1がON作動する。そして、図4Aに示されるように、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが、図柄処理で特別図柄始動スイッチS1のON作動を認識すると、特別図柄始動記憶数Uが四個未満であるか否かを判定し、特別図柄始動記憶数Uが四個未満の条件を満たさない場合は、特別図柄始動領域20へ通過した当該遊技球をオーバーフロー球として処理する。一方、特別図柄始動記憶数Uが四個未満であると、記憶装置RAMに特別図柄始動記憶を記憶する。すなわち、特別図柄始動記憶数Uに1を加算する。
【0047】
さらに、記憶装置ROMに格納されている大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、及びリーチ図柄乱数テーブルから、大当り特別乱数値K、大当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mc、リーチ乱数値N、及びリーチ図柄乱数値Qをそれぞれ選択し、選択した各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
【0048】
次に、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか、又は通常確率遊技状態であるかを判定する。ここで、確変遊技状態と判定した場合は、選択した大当り特別乱数値Kを判定するための高確率用判定データをセットする。この高確率用判定データは、大当り特別乱数値KがK=7,11,127,233,273のいずれかの場合に値が一致し、大当り特別乱数値Kを「大当り」の内容とするものである。一方、通常確率遊技状態であると判定した場合は、低確率用判定データをセットする。この低確率用判定データは、大当り特別乱数値KがK=7の場合に値が一致するものである。
【0049】
次に、大当り特別乱数値Kが、セットした判定データと同一であるか否かを判定する。ここで、大当り特別乱数値Kが判定データと同一であると、大当り特別乱数値Kは「大当り」となり、大当り図柄乱数値Lを特別図柄A,B,Cにセットして当り態様を決定する。
【0050】
一方、大当り特別乱数値Kが「大当り」でない場合は、選択したリーチ乱数値Nを判定し、リーチ変動作動を実行するか否かを決める。ここで、リーチ乱数値NがN=3,17であると、リーチ変動作動を実行することとし、リーチ図柄乱数値Qとハズレ図柄乱数値Mcとに従うリーチ態様をセットしてハズレリーチ態様を決定する。これに対し、リーチ変動作動を実行しない場合は、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcを特別図柄A,B,Cにセットしてハズレ態様を決定する。
【0051】
そして特別図柄A,B,Cの組合せ態様をセットすると、次に変動パターン選択乱数値テーブルから変動パターン選択乱数値Gを選択する。そして、後述の変動パターン選択乱数処理を実行し、選択した変動パターン選択乱数値Gに従って特別図柄変動パターンをセットすると、この変動パターン選択乱数処理を終了する。なお、かかる変動パターン選択乱数処理については本発明の要部につき後で詳述する。
【0052】
さらに、図4Bに示されるように、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄A,B,Cが変動中であるか判定し、変動中であれば変動時間経過後に、変動停止コマンドを図柄表示制御基板62に出力して特別図柄A,B,Cを停止して、図柄処理を終了する。
【0053】
一方、特別図柄A,B,Cが変動中でない場合は、特別図柄始動条件(図柄始動条件)が成立し、記憶装置RAMに特別図柄始動記憶が記憶保持されているか否か(特別図柄始動記憶数UがU≧1であるか否か)を判定し、記憶保持されている場合は記憶保持した特別図柄始動記憶を記憶順に一個記憶消化し、特別図柄始動記憶数表示部19で表示する特別図柄始動記憶数を一個減算表示する。一方、特別図柄始動記憶数UがU≧1を満たさない場合は、図柄処理を終了する。
【0054】
そして、セットした特別図柄変動パターン、及び特別図柄A,B,C等に基づいて特別図柄変動パターン指定コマンド、特別図柄指定コマンドを図柄表示制御基板62に出力し、さらに変動開始コマンドを出力した後、所定時間経過後に変動停止コマンドを出力して図柄処理を終了する。
【0055】
次に、これまでの処理を実行すると、コマンドが入力された図柄表示制御基板62は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて図柄制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って表示用ドライバを介して図柄表示装置16の図柄表示領域17で特別図柄A,B,Cを変動表示を開始して、入力されたコマンドに従って特別図柄A,B,Cの組合せ態様を確定表示する図柄生成行程を実行する。そして、変動時間経過後に特別図柄A,B,Cを停止して図柄処理を終了する。
【0056】
また、主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄始動スイッチS1のON作動に基づき、演算処理して賞球指令コマンドを払出制御基板65に出力すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令コマンドを音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令コマンドを光源制御基板64にそれぞれ出力する。
【0057】
賞球指令コマンドが入力された払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
【0058】
これと同期して、賞球音の発生指令コマンドが入力された音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。
【0059】
同時に光源制御基板64でも、入力された賞球ランプの発生指令コマンドに従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0060】
次に、特別図柄A,B,Cの組合せ態様を当り態様で確定表示する場合に実行する特別遊技作動について説明する。
特別図柄A,B,Cの組合せ態様を当り態様で確定表示すると、主制御基板60は、以下の賞球形態の特別遊技作動を実行する。すなわち、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23に遊技球が流入し、この大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動すると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令コマンドを出力する。
【0061】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24を前方に傾動して大入賞口23を開放し、開閉ラウンドを実行する。そして、大入賞口23内の特定領域32に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドを終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23を開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。一方、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4による遊技球の入賞検知が10個となると、大入賞口23が閉鎖する。このような開閉ラウンドを最大15回繰り返す賞球形態を発生させて、遊技者に所定の利得を供与する。そして、一連の可変入賞装置25の開閉作動が終了すると、特別遊技作動を終了する。
【0062】
次に普通図柄X,Yの変動態様について概説する。
遊技球が普通図柄始動ゲート22を通過すると、普通図柄始動スイッチS2がON作動する。そして、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが普通図柄始動スイッチS2のON作動を認識すると、普通図柄表示部x,yで、普通図柄X,Yが変動開始する。この普通図柄X,Yは、上述のように、「7」又は「−」のいずれかを表示する。一方、この普通図柄X,Yが変動中に、又は普通電動役物18の開放動作中に、普通図柄始動スイッチS2が遊技球通過を検出すると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶され、普通図柄始動記憶数表示部21の発光ダイオードLEDが点灯してその記憶数(普通図柄始動記憶数)を遊技者に報知する。なお、普通図柄始動記憶数表示部21の最大記憶数は四個であり、それ以上の個数は無効とされる。
【0063】
この普通図柄X,Yの変動停止後、又は普通電動役物18の開放動作終了後に、普通図柄始動記憶数表示部21に表示された普通図柄始動記憶数の記憶消化に基づいて普通図柄X,Yは再び変動開始する。そして、所定時間経過すると変動が停止し、X=Y=「7」であれば当りとなる。そしてさらに、当りとなると普通電動役物18が拡開作動を開始する。
【0064】
ところで、普通図柄X,Yが変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板60の記憶装置ROMに格納されている、0〜99までの100コマからなる当り普通乱数テーブルから選択する当り普通乱数値Vにより決定される。そして、普通図柄作動ゲート22への遊技球通過により、普通図柄始動スイッチS2がON作動すると、主制御基板60は記憶装置ROMに格納される当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを選択し、その内容を一旦記憶装置RAMに記憶保持する。そして、普通図柄X,Yが変動開始すると同時に、記憶保持した内容を判定し、当り又はハズレを決定する。ここでは、当り普通乱数値VがV=奇数値であれば当りとなる。
【0065】
当り普通乱数値Vの判定内容がハズレである場合は、当り普通乱数値Vと同時期に、ハズレ普通図柄乱数テーブルから選択したハズレ普通図柄乱数値Wに従って普通図柄X,Yをハズレ態様で確定表示する。このハズレ普通図柄乱数テーブルは、0〜2の3コマからなり、ハズレ普通図柄乱数値WがW=「0」であるとX=「7」,Y=「−」で確定表示され、W=「1」であるとX=「−」,Y=「7」で確定表示され、W=「2」であるとX=「−」,Y=「−」で確定表示される。
【0066】
次に、本発明の要部にかかる変動パターン選択乱数処理を説明する。なお、この変動パターン選択乱数処理は複数の実施形態例が提案される。
【0067】
<第一実施形態例>
第一実施形態例は、予め単一の大当り予告演出図柄が備えられ、この大当り予告演出図柄が1回表出されると、これ以降図柄生成行程が150回実行されるまでは、当該大当り予告演出図柄を表出しない構成である。すなわち、図柄生成行程が150回実行されると、本発明にかかる図柄生成行程の所定回数消化を内容とする表出停止解除条件を満たすこととなる。
【0068】
まず、図5に示されるように、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、変動パターン選択乱数値Gが選択されているかを調べ、選択していない場合は変動パターン選択乱数処理を終了する。これに対し、変動パターン選択乱数値Gが選択されている場合は、既に設定済みの累積変動回数HがH=0であるか否かを調べる。この累積変動回数Hは、後述の処理で設定されるものであって、大当り予告演出図柄を表出した後、図柄生成行程を実行する度にH=1から順次「1」だけ加算される。そして、累積変動回数HがH>150となると表出停止解除条件を満たし、大当り予告演出図柄を再び表出し得る状態となる。
【0069】
そして、設定済みの累積変動回数HがH≠0である場合はその累積変動回数Hに1を加算して(H=H+1)、当該変動パターン選択乱数値GがG=90〜99であるかを判定する。これに対し、累積変動回数HがH=0である場合には、直ぐに当該変動パターン選択乱数値Gの値をG=90〜99であるか判定する。
【0070】
ここで、変動パターン選択乱数値GがG=90〜99のいずれかでない場合は、選択した変動パターン選択乱数値Gを特別図柄変動パターンとしてセットする。すなわち、大当り予告演出図柄を表出しない特別図柄変動パターンで図柄生成行程を実行する。
【0071】
一方、変動パターン選択乱数値GがG=90〜99のいずれかであると、累積変動回数Hがセット済みであるか否かを判定し、セット済みでない場合は、累積変動回数Hを設定すると共に、設定した累積変動回数HをH=1とする。一方、累積変動回数Hがセット済みである場合は、そのまま処理を続行する。
【0072】
次に、累積変動回数HがH=1であるか否かを判定する。ここで、累積変動回数HがH=1であると、予告実行条件(予見実行条件)が成立し、選択した変動パターン選択乱数値Gを特別図柄変動パターンとしてセットする。すなわち、大当り予告演出図柄を図柄表示装置16で表出し、大当り予告演出を実行することとなる。
【0073】
一方、累積変動回数HがH≠1であると、次に累積変動回数HがH>150であるか否かを判定する。ここで、累積変動回数HがH>150である場合は、既に表出停止解除条件を満たしていることとなり、累積変動回数Hをクリアして非設定状態とすると共に、選択した変動パターン選択乱数値Gを特別図柄変動パターンとしてセットする。すなわち、大当り予告演出図柄を表出する図柄生成行程を実行する。一方、累積変動回数HがH≦150である場合は、未だ表出停止解除条件を満たしていないため、大当り予告演出図柄を表出できない。このため、選択した変動パターン選択乱数値Gの値から10だけ減算し、減算後の変動パターン選択乱数値Gを特別図柄変動パターンとしてセットする。すなわち、大当り予告演出図柄を表出しない特別図柄変動パターンを用いて図柄生成行程を実行する。
【0074】
そして、上述の処理を経て特別図柄変動パターンをセットすると、変動パターン選択乱数処理を終了する。
【0075】
このように、予め備えられる大当り予告演出図柄が単一であって、当該大当り予告演出図柄の表出停止解除条件を満たしていない場合は、この大当り予告演出図柄を表出しない構成とすることにより、ハズレ態様が確定表示される大当り予告演出を頻繁に実行しないようにすることが可能となり、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまうことを防止できる。なお、上述構成にあって、大当り予告演出図柄の表出回数(上述の例では1回)、及び表出停止解除条件の内容(上述の例では150回)は適宜変更しうる。したがって、大当り予告演出図柄の表出頻度を調節することが可能となる。
【0076】
ところで、上述の構成に代えて、以下のような構成としても良い。
例えば、絵柄(例えばクマ、キリン等)がそれぞれ異なり、かつ表出停止解除条件を満たすのに必要な図柄生成行程実行回数(例えば、150回、200回等)がそれぞれ異なる複数の大当り予告演出図柄を備える構成が提案される。さらに詳述すると、変動パターン選択乱数テーブルから変動パターン選択乱数値Gを選択・格納すると、その値により前記複数の大当り予告演出図柄のうち、既に表出停止解除条件を満たしているいずれかの大当り予告演出図柄を選択するようにし、この選択した大当り予告演出図柄を用いて、大当り予告演出を実行する構成である。このように、表出停止解除条件を満たす大当り予告演出図柄のいずれかを表出する構成とすることにより、図柄表示装置16での演出態様が多様化し、パチンコ遊技機1の興趣性が向上することとなる。
【0077】
<第二実施形態例>
次に、第二実施形態例は、表出停止解除条件を、大当り予告演出図柄の予め定められた回数の表出後における、遊技者による発射操作の連続操作時間の所定時間経過とした構成である。以下に、大当り予告演出図柄が1回だけ表出された後、連続操作時間が600秒に達するまでは当該大当り予告演出図柄が表出されない構成について説明する。
【0078】
ここで、遊技者による発射操作の有無を検知し、発射操作の連続発射操作時間を検出する構成としては、例えば図6に示されるように、発射ハンドル11に、主制御基板60の入力ポートに接続されたタッチセンサ27を介装する構成が好適である。さらに詳述すると、発射ハンドル11は、基部側を被覆するハンドルベース28と、前部側を被覆するハンドル頭部31とで構成され、これらハンドルベース28とハンドル頭部31との間には、基部側から順に発射レバー11a、タッチセンサ27が介装されている。この発射レバー11aは、中心に嵌合された連結軸30によって、発射ハンドル11に周方向に可逆回動可能に支持されており、機裏に配設された発射コイルバネ(図示省略)に連結されて基準位置に常時付勢されている。ここで、前記タッチセンサ27により、本発明にかかる発射操作検知手段が構成される。
【0079】
かかる構成にあって、遊技者が遊技球を打ち出すために発射ハンドル11に手を掛けると、タッチセンサ27を介して主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、遊技者による発射操作を認識し、発射操作の連続発射操作時間を計測開始する。そして、遊技者が発射ハンドル11から手を離すと連続発射操作時間の計測を終了する。このように、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが検出した連続発射操作時間が、大当り予告演出図柄が1回表出された後に600秒に達すると表出停止解除条件を満たし、当該大当り予告演出図柄を表出可能となる。なお、発射操作としては、発射ハンドル11に手を掛けている状態、及び実際に発射レバー11aを回動操作している状態等、遊技球を遊技領域14上に放出するための一連の動きをいう。したがって、本発明にかかる発射操作検知手段を、発射レバー11aが回動操作されることを検知しする構成とし、かかる検知により遊技制御手段が、連続発射操作時間を計測開始する構成であっても勿論良い。
【0080】
かかる構成とすることにより、従来構成をそのまま利用でき、コスト高とならないと共に、当該パチンコ遊技機1が実質的に稼動している時間に基づいて大当り予告演出図柄の表出態様を定めることが可能となる。このため、複数のパチンコ遊技機が設置される遊技店にあっては、各パチンコ遊技機ごとに稼働率が多少異なることが一般的であるが、かかる構成によれば、各遊技機で表出停止解除条件を満たすまでの時間に格差が生じないこととなり、遊技機の設定内容を統一したい場合に管理負担が軽減される。
【0081】
また、表出停止解除条件が、遊技領域14に遊技球が打ち出される連続遊技球打出時間の所定時間経過である構成としても良い。かかる構成としては、遊技盤7の盤面12に、遊技領域14に打ち出される遊技球の通過を検出する検出スイッチを設け、かかる検出スイッチの検出信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが連続遊技球打出時間を検出構成が提案される。
【0082】
さらに、他の構成として、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが特別図柄A,B,Cの変動時間を検出し、この変動時間が600秒に達すると表出停止解除条件を満たす構成としても良い。かかる構成にあって、前記特別図柄A,B,Cの変動時間は、当該パチンコ遊技機1を遊技する遊技者の実力や好不調によって他のパチンコ遊技機における変動時間と異なったものとなる。したがって、各パチンコ遊技機の遊技内容を各遊技者の実力や調子に沿った構成とすることができる。
【0083】
ここで、各実施形態例に記載した構成は、その表出によりリーチ変動作動が発生することを遊技者に予見させるリーチ予告演出図柄を図柄表示装置16に表示する構成にも適用できる。
【0084】
なお、本発明は、第3種パチンコ遊技機に適用しても良く、また本発明の主旨を逸脱しない限り実施形態を適宜に変更することが可能である。
【0085】
【発明の効果】
本発明は、予見演出図柄を予め定められた回数だけ表出すると、所定の表出停止解除条件を満たすまで該予見演出図柄を表出しないこととしたから、予見演出図柄の表出を停止するまでの表出回数や、表出停止解除条件の内容を変更することにより、予見演出図柄の表出頻度を調節することが可能となる。したがって、予見演出図柄を頻繁に表出しないように調節した場合には、ハズレ態様が確定表示される予見演出を頻繁に実行しないようにすることが可能となり、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまうことを防止できる優れた効果がある。
【0086】
また、表出停止解除条件を、予見演出図柄の予め定められ回数の表出後における、図柄生成行程の所定回数消化とした場合は、遊技者が最も注目する図柄生成行程に基づいて予見演出図柄の表出態様が定まることとなり、遊技者に遊技の進行状況を明確かつ容易に認識させることができる利点がある。さらに、遊技者が遊技を開始するタイミングによって予見演出図柄の表出度合いが異なってくるため、遊技者に多様な遊技形態を発生させる効果がある。
【0087】
また、表出停止解除条件を、予見演出図柄の予め定められた回数の表出後における、所定時間経過とした場合は、予見演出図柄の表出を停止するまでの表出回数又は所定時間を適宜変更することにより、予見演出図柄の表出頻度を調節することが可能となる。
【0088】
また、表出停止解除条件が、遊技領域に遊技球が打ち出される連続遊技球打出時間の所定時間経過である構成とした場合は、実際に所定時間だけ当該遊技機で遊技球を打ち出さないと表出停止解除条件を満たさないこととなり、あらゆる遊技者にとって公平な遊技内容とすることができる。また、遊技者が遊技を開始するタイミングによって予見演出図柄の表出度合いが異なってくるため、遊技者に多様な遊技形態を発生させる効果がある。
【0089】
さらに、表出停止解除条件を、発射操作検知手段により検知した発射操作の連続発射操作時間の所定時間経過とした場合は、実際に遊技者が所定時間だけ当該遊技機で発射操作しないと表出停止解除条件を満たさないこととなり、あらゆる遊技者にとって公平な遊技内容とすることができる。また、遊技者が遊技を開始するタイミングによって予見演出図柄の表出度合いが異なってくるため、遊技者に多様な遊技形態を発生させる効果がある。
【0090】
また、表出停止解除条件を、選出図柄の連続変動時間の所定時間経過とした場合は、遊技者の実力や好不調に基づいて、表出停止解除条件を満たすまでの時間を定めることが可能となり、遊技内容を各遊技者の実力や調子に沿った構成とすることができる。
【0091】
また、複数の予見演出図柄を備え、これら複数の予見演出図柄のうち、表出停止解除条件を満たす予見演出図柄のいずれかを表出する構成とした場合には、図柄表示装置での演出態様が多様化し、パチンコ遊技機の興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機1の正面図である。
【図2】遊技盤7の正面図である。
【図3】遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図である。
【図4A】変動パターン選択乱数処理の処理内容を示すフローチャート図である。
【図4B】図4Aから続く、変動パターン選択乱数処理の処理内容を示すフローチャート図である。
【図5】変動パターン選択乱数処理の処理内容を示すフローチャート図である。
【図6】発射ハンドル11の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 遊技機本体
11 発射ハンドル
11a 発射レバー
14 遊技領域
16 図柄表示装置
20 特別図柄始動領域
A,B,C 特別図柄
Claims (1)
- 複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、
図柄表示装置上で、選出図柄を変動後停止して選出図柄の組合せ態様を確定表示する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、図柄始動領域への遊技球通過を契機として、該図柄制御手段を介して図柄生成行程を実行すると共に、確定表示させる選出図柄の組合せ態様を所定の当り態様とした場合には、所定の賞球形態を発生することとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段を備えたパチンコ遊技機において、
発射ハンドルに、発射操作の有無を検知するタッチセンサを設け、
前記遊技制御手段により、
所定の予見実行条件が成立すると、図柄生成行程実行中に、絵柄が夫々異なり、かつ夫々異なる表出停止解除条件を割り当てられた複数の大当り予告演出図柄のうちのいずれかを、図柄表示装置に表出するとともに、大当り予告演出図柄を予め定められた回数だけ表出すると、タッチセンサを介して検知した発射操作の連続発射操作時間が所定時間経過することを表出停止解除条件として、該条件を満たすまで該大当り予告演出図柄を表出しないようにし、
表出停止後に、さらに所定の予見実行条件が成立すると、前記複数の大当り予告演出図柄のうち、前記表出停止解除条件を満たす大当り予告演出図柄のいずれかを表出することとしたことを特徴とするパチンコ遊技機。
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