JP4039519B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示装置に表示される選出図柄の組合せ態様が所定の当り態様であると、所定の賞球形態を発生させて遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、この図柄表示装置を駆動し、選出図柄を変動後停止して選出図柄を確定表示する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、前記図柄始動領域への遊技球通過を契機として、始動記憶を始動記憶手段に記憶保持し、予め定められた図柄始動条件が成立すると、始動記憶を記憶順に記憶消化すると共に、前記図柄制御手段により選出図柄を確定表示する図柄生成行程を実行し、確定表示する選出図柄を当り態様とした場合に、所定の賞球形態を発生する特別遊技作動を実行する制御内容を具備する遊技制御手段を備えたパチンコ遊技機は良く知られている。これらには、いわゆる第１種パチンコ遊技機、及び第３種パチンコ遊技機がある。
【０００３】
ここで、第１種パチンコ遊技機は、開閉片により開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置を備え、選出図柄が所定の当り態様で確定表示された場合に、特別遊技作動として、可変入賞装置の大入賞口の開放と、所定の開放制限時間の経過又はこの開放制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することを継続条件として、所定制限回数まで繰り返し実行するものである。
【０００４】
また、一般的な第３種パチンコ遊技機は、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ遊技球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴ってこの大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、選出図柄が所定の当り態様で確定表示された場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動を実行するものである。ここで、特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への遊技球通過が可能となり、かつ遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
【０００５】
さらに、従来構成にあっては、いわゆる大当り予告等を実行する構成が提案されており、さらにこの大当り予告等を、図柄生成行程を実行する毎に予め定められた実行総数を限度として順次実行する一連の連続予告演出動作を行うものがある。一般的な例として、特別図柄始動記憶の上限値が４個の構成にあって、４個目に記憶保持した特別図柄始動記憶に前記連続予告演出動作を行う内容が割り当てられると、当該特別図柄始動記憶以前に記憶保持した特別図柄図柄始動記憶に基づく図柄生成行程から、特定のキャラクタを大当り予告図柄として表出する予告演出動作を実行開始し、かつこの予告演出動作を４回連続して実行する構成が挙げられる（以下、４回型連続予告演出動作という）。このように、その実行により「大当り」となる確率が見かけ上高くなる予告演出動作を、図柄生成行程を実行する毎に実行する構成とすることにより、演出効果を高めることができると共に、遊技者の「大当り」への期待感を徐々に高めることもできる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の連続予告演出動作を実行する構成にあっては、図柄始動領域への遊技球通過を記憶する始動記憶が、所定個数以上記憶保持していることを前提として実行開始しなければならない。この理由として、演出効果を高めるためには、ある程度の数の予告演出動作を連続して実行する必要があるからである。したがって、一般的な構成の４回型連続予告演出動作は、図柄生成行程開始時に始動記憶数が２個以下であると、実行するために必要な４回分の図柄生成行程を確保できないため、かかる場合には実行されないこととなっていた。なお、このような場合に、確保できる２回分の図柄生成行程で二回型連続予告演出動作を実行する構成も提案され得るが、徐々に期待感を増幅させるといった、連続予告演出動作ならではの演出効果を十分に発揮することができないでいた。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、連続予告演出動作による演出効果を十分に発揮できるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のパチンコ遊技機において、遊技制御手段が、所定の連続予告演出実行条件成立に起因して、大当り予告図柄を図柄表示装置に表出することにより選出図柄が当り態様で確定表示される確率を見かけ上高くする予告演出動作を、予め定められた予告演出動作実行総数を限度として、図柄生成行程の実行毎に順次実行する一連の連続予告演出動作を行うものであって
連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、始動記憶手段に記憶保持した始動記憶数が、予め定められた予告演出動作実行総数に満たない所定数の場合に、連続予告演出動作を構成するいずれかの図柄生成行程で、当該図柄生成行程で選出図柄を確定表示する前に、前記予告演出動作実行総数となるように、選出図柄を所定規準で定めたハズレ態様で所要回数停止し、選出図柄の変動開始から停止に至る各期間で予告演出動作を実行する、擬似連続予告演出動作を行う制御内容を備えたパチンコ遊技機である。
【０００８】
上述の構成にあっては、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、始動記憶数が予め定められた前記予告演出動作実行総数に満たない所定数の場合であっても、図柄生成行程のなかで選出図柄が所要回数停止し、擬似的に予め定められた予告演出動作実行総数だけ予告演出動作が実行されることとなる。したがって、かかる構成とすることにより、始動記憶数の多少に関わらず、連続予告演出動作を擬似的に実行することが可能となり、連続予告演出動作ならではの演出効果を十分に発揮することができる。
【０００９】
ここで、例えば、予告演出動作実行総数が予め４回と定められている場合に、連続予告演出動作を実行することとなる連続予告演出実行条件が成立すると、予告演出動作を４回連続実行し、４回型連続予告演出動作を実行することとなる。さらにまた、選出図柄を所要回数停止する際の選出図柄の態様は、所定規準で定めたハズレ態様で停止することとなるが、この規準としては、始動記憶とは無関係に定めたハズレ態様で停止する構成が好適である。また、このハズレ態様を、始動記憶を記憶保持した際に当該始動記憶に割り当てたハズレ結果に従う構成や、他の図柄生成行程で確定表示することとしていたハズレ態様を用いる構成としても良い。さらに、予告演出動作としては、予告演出図柄を図柄表示装置に表出する構成が好適であるが、遊技領域等に設けられた装飾ランプ等を特定の点灯態様で点灯させたり、スピーカから特定の効果音を出力させたりする構成としても良い。また、予告演出動作としては、いわゆる大当り予告図柄を表出する構成が提案される。なお、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、始動記憶手段に記憶保持した始動記憶数が、予め定められた予告演出動作実行総数に達している場合には、本発明にかかる擬似連続予告演出動作は実行せず、図柄生成行程実行毎に予告演出動作を実行する。
【００１０】
また、遊技制御手段が、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、始動記憶手段に記憶保持した始動記憶数と、予め定められた予告演出動作実行総数とが、
（一番目の図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）＋１＜（予め定められた予告演出動作実行総数）
の関係にある場合に、擬似連続予告演出動作を行う制御内容を備えた構成が提案される。
【００１１】
ここで、連続予告演出動作は、一番目に実行される図柄生成行程と、この図柄生成行程実行開始時に始動記憶として記憶保持された図柄生成行程により構成される。さらに詳述すると、上述の（一番目の図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）は、始動記憶として記憶保持される図柄生成行程数に相当し、（＋１）は、一番目に実行開始された図柄生成行程数に相当する。したがって、（一番目の図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）＋１が、（予め定められた予告演出動作実行総数）に満たない場合は、連続予告演出動作を予告演出動作実行総数だけ実行するために必要な数の図柄生成行程を確保できない場合であり、本発明にかかる擬似連続予告演出動作を実行することとなる。例えば、予め定められた予告演出動作実行総数が４回で、かつ一番目の図柄生成行程実行開始時の始動記憶数が２個であると、２＋１＜４となって上述の本発明にかかる擬似連続予告演出動作を行う条件が成立することとなる。そしてかかる場合には、連続予告演出動作を構成するいずれかの図柄生成行程で１回だけ選出図柄をハズレ態様で停止し、見かけ上、選出図柄を４回確定表示して４回の予告演出動作を実行する。これにより、前記予告演出動作実行総数により構成された連続予告演出動作を擬似的に実行することが可能となる。
【００１２】
また、遊技制御手段が、擬似連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合に、図柄生成行程で選出図柄を確定表示する前に実行することとした所要回数の選出図柄停止のうち、未実行の選出図柄停止のいずれかの実行をキャンセルし、当該始動記憶の記憶消化を伴い、かつ予告演出動作を実行する図柄生成行程を新たに追加実行するようにする制御内容を備えた構成が提案される。
【００１３】
例えば、予め定められた予告演出動作実行総数が４回で、かつ連続予告演出動作にかかる一番目の図柄生成行程実行開始時の始動記憶数が２個であると、いずれかの図柄生成行程で選出図柄を１回だけ停止することとなる。かかる構成にあって、新たに始動記憶を保持した際に、前記選出図柄の停止が未実行である場合は、かかる選出図柄停止の実行をキャンセルし、当該始動記憶の記憶消化を伴う図柄生成行程を新たに追加実行することとした。これにより、３個の始動記憶に対して４回の予告演出動作を実行する関係となる。すなわち、連続予告演出動作中に保持した始動記憶を当該連続予告演出動作が終了するまで保留しておくのではなく、当該連続予告演出動作中に前倒しして記憶消化するようにすることにより、始動記憶の記憶消化を促進することができる。したがって、例えば記憶保持可能な始動記憶数に上限値が設定されている構成であっても、記憶消化が円滑となるため、始動記憶数がその上限値に達しにくくなり、記憶数が上限値に達することに起因する遊技者の発射停止行為を防止することが可能となる。
【００１４】
また、遊技制御手段が、擬似連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合にあって、当該新たに記憶保持した始動記憶の記憶消化を伴い、かつ予告演出動作を実行する図柄生成行程を最後の図柄生成行程の前に追加実行するようにした制御内容を備えた構成が提案される。
【００１５】
かかる構成とすることにより、新たに記憶保持した始動記憶を優先的に記憶消化することとなるから、始動記憶の記憶消化を促進することができる。さらに、例えば最後の図柄生成行程で遊技者が最も望む当り態様を確定表示する場合にあっても、この当り態様を常に最後の図柄生成行程で確定表示することとなるため、遊技者の利益は保護され、遊技者の遊技意欲が減退することもない。
【００１６】
また、遊技制御手段が、擬似連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持し、当該新たに記憶保持した始動記憶の記憶消化を伴い、かつ予告演出動作を実行する図柄生成行程を追加実行するようにした場合にあって、当該新たに記憶保持した始動記憶に当り結果が割り当てられている場合には、該当り結果に従う当り態様を最後の図柄生成行程で確定表示するようにした制御内容を備えた構成としても良い。
【００１７】
かかる構成にあっては、当り結果が割り当てられた始動記憶を優先的に用いることとなるから、遊技者が最も望む当り態様を早期に確定表示することが可能となり、遊技者の遊技意欲の減退を抑止することが可能となる。
【００１８】
また、本発明は、遊技制御手段が、所定の連続予告演出実行条件成立に起因して、大当り予告図柄を図柄表示装置に表出することにより選出図柄が当り態様で確定表示される確率を見かけ上高くする予告演出図柄生成行程を、予め定められた図柄生成行程総数を限度として、順次実行する一連の連続予告演出動作を行うものであって連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時に、始動記憶手段に記憶保持した始動記憶数が、予め定められた前記図柄生成行程総数に満たない所定数の場合に、連続予告演出動作中に、予め定められた図柄生成行程総数となるように、所定規準で定めた選出図柄を確定表示する予告演出図柄生成行程を、所要回数追加実行するようにした制御内容を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機である。
【００１９】
かかる構成にあっては、上述のように、連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時に、始動記憶数が予め定められた前記図柄生成行程総数に満たない所定数の場合であっても、所要回数の予告演出図柄生成行程が追加実行されることとなるため、一連の連続予告演出動作を実行するために必要な前記図柄生成行程総数を常に確保することが可能となる。したがって、かかる構成とすることにより、始動記憶数の多少に関わらず、前記図柄生成行程総数により構成された連続予告演出動作を実行することが可能となる。なお、追加実行する予告演出図柄生成行程で確定表示する選出図柄の組合せ態様を定める所定の規準は、始動記憶を記憶保持した際に、当該始動記憶に割り当てられた当り・ハズレ結果に従う構成や、当該始動記憶とは無関係に定めた当り・ハズレ態様を確定表示する構成や、他の予告演出図柄生成行程で確定表示することとしていた態様を順序を入れ替えて確定表示する構成等が提案される。なお、予告演出図柄生成行程実行開始時の始動記憶数とは、連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程を実行開始した際に、始動記憶手段で記憶保持している始動記憶の数をいう。
【００２０】
ここで、予告演出図柄生成行程は、例えば、その表出により選出図柄が当り態様で確定表示される確率が見かけ上高くなる予告演出図柄を表出する予告演出動作が実行される図柄生成行程である。かかる構成にあって、予め定められた図柄生成行程総数が４回である場合に、連続予告演出実行条件が成立すると予告演出動作が実行される図柄生成行程（予告演出図柄生成行程）が４回実行されることとなり、４回型連続予告演出動作が実行されることとなる。
【００２１】
また、連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時に、始動記憶手段に記憶保持した始動記憶数と、予め定められた図柄生成行程総数とが、
（予告演出図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）＋１＜（予め定められた図柄生成行程総数）
の関係にある場合に、連続予告演出動作中に、予め定められた図柄生成行程総数となるように、所定規準で定めた選出図柄の組合せ態様を確定表示する予告演出図柄生成行程を、所要回数追加実行するようにした制御内容を備えた構成が提案される。
【００２２】
ここで、連続予告演出動作は、一番目に実行される図柄生成行程と、この図柄生成行程実行開始時に始動記憶として記憶保持された図柄生成行程により構成される。さらに詳述すると、上述の（予告演出図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）は、始動記憶として記憶保持される図柄生成行程数に相当し、（＋１）は、一番目に実行開始された図柄生成行程数に相当する。したがって、（予告演出図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）＋１が、（予め定められた図柄生成行程総数）に満たない場合は、連続予告演出動作を図柄生成行程総数だけ実行するために必要な数の図柄生成行程を確保できない場合であり、本発明にかかる予告演出図柄生成行程を追加実行することとなる。例えば、予め定められた図柄生成行程総数が４回で、かつ予告演出図柄生成行程実行開始時の始動記憶数が２個であると、２＋１＜４となって上述の予告演出図柄生成行程を追加実行する条件が成立することとなる。そしてかかる場合には、予告演出図柄生成行程を１回だけ追加実行することとなる。かかる構成とすることにより、見かけ上４回の予告演出図柄生成行程が実行されることとなるため、前記図柄生成行程総数により構成された連続予告演出動作を実行することが可能となる。
【００２３】
また、遊技制御手段が、連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合に、未実行の予告演出図柄生成行程のいずれかの実行をキャンセルし、当該始動記憶の記憶消化を伴う予告図柄生成行程を新たに追加実行するようにした制御内容を備えた構成が提案される。
【００２４】
例えば、予め定められた図柄生成行程総数が４回で、かつ一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時の始動記憶数が２個であった場合は、予告演出図柄生成行程を１回だけ追加実行することとなる。かかる構成にあっては、２個の始動記憶数に対して４回の予告演出図柄生成行程を実行する関係となる。一方、かかる状況から新たに始動記憶を記憶保持した場合は、未実行の予告演出図柄生成行程のいずれかの実行をキャンセルし、新たに記憶保持した当該始動記憶の記憶消化を伴う予告演出図柄生成行程を新たに追加実行することとなる。これにより、３個の始動記憶に対して４回の予告演出図柄生成行程を実行する関係となる。すなわち、連続予告演出動作中に記憶保持した始動記憶を当該連続予告演出動作中に記憶消化するようにすることにより、始動記憶の記憶消化を促進することができる。したがって、遊技進行が円滑になると共に、例えば記憶保持可能な始動記憶数に上限値が設定されている構成であっても、始動記憶数がその上限値に達しにくくなるため、記憶数が上限値に達することに起因する遊技者の発射停止行為を防止することが可能となる。
【００２５】
また、遊技制御手段が、連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合にあって、当該新たに記憶保持した始動記憶の記憶消化に伴う予告演出図柄生成行程を最後の予告演出図柄生成行程の前に追加実行するようにした制御内容を備えた構成としても良い。
【００２６】
かかる構成とすることにより、新たに記憶保持した始動記憶を優先的に記憶消化することとなるから、始動記憶の記憶消化を促進することができる。さらに、例えば最後の図柄生成行程で遊技者が最も望む当り態様を確定表示する場合にあっても、この当り態様を必ず確定表示することとなるため、遊技者の利益は保護され、遊技者の遊技意欲が減退することもない。
【００２７】
さらに、遊技制御手段が、連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持し、当該新たに記憶保持した始動記憶の記憶消化を伴う予告演出図柄生成行程を追加実行するようにした場合にあって、当該新たに記憶保持した始動記憶に当り結果が割り当てられている場合には、該当り結果に従う当り態様を最後の予告演出図柄生成行程で確定表示するようにした制御内容を備えた構成が提案される。
【００２８】
かかる構成にあっては、当り結果が割り当てられた始動記憶を優先的に用いることとなるから、遊技者が最も望む当り態様を早期に確定表示することが可能となり、遊技者の遊技意欲の減退を抑止することが可能となる。
【００２９】
ところで、上述の遊技制御手段及び図柄制御手段は、以下のような構成が好適である。例えば、図３に示されるように、パチンコ遊技機１の遊技作動等を制御するための構成を、遊技に関する統括的な制御を処理実行する主制御基板６０と、この主制御基板６０に接続され、図柄表示装置１６で表出される図柄表示態様を制御する図柄表示制御基板６２、スピーカから発生する効果音等を制御する音源制御基板６３、パチンコ遊技機１に備えられた発光ダイオードＬＥＤ、装飾ランプ等の点灯態様を制御する光源制御基板６４、及び遊技球の貸球や賞球等を制御する払出制御基板６５等で構成する場合にあっては、図柄制御手段は図柄制御基板６２により構成される。また、この図柄制御手段に図柄生成行程を実行させたり、所定の賞球形態を発生する特別遊技作動を実行したりする制御内容を備えた遊技制御手段は上述の各基板６０〜６５や装置等により構成される。さらに、遊技制御手段に備えられた、図柄始動領域への遊技球通過を始動記憶として記憶保持し、また記憶消化される始動記憶手段は主制御基板６０の記憶装置ＲＡＭにより構成される。
【００３０】
【発明の実施の形態】
いわゆる第１種パチンコ遊技機に本発明を適用した実施形態例を説明する。
パチンコ遊技機１は、図１に示されるように、遊技島設備（図示省略）に固定される長方形状の外枠２と、この外枠２の前面開口部分を覆う遊技機本体３とからなる。
【００３１】
さらにこの遊技機本体３は、ほぼ正方形状の開口部が中央上部に形成されている板状の前面枠５を備え、この前面枠５が前記外枠２にヒンジ部材４を介して開閉可能に枢着されている。また、遊技機本体３には、遊技球が転動流下する遊技領域１４が形成される遊技盤７が前面枠５の開口部に嵌合された状態で取付けられており、さらに、遊技機本体３の前面側には、遊技盤７を覆う遊技扉６が、遊技盤７の前方に位置させて前面枠５の開口部に開閉可能に取り付けられている。また、この遊技扉６には、透明板８が装着されている。
【００３２】
この遊技盤７の下方には、前面枠５に対して開閉可能に取付けられる上皿部材９と、この上皿部材９の下方に位置する下皿部材１０とが配設されている。さらに、この下皿部材１０の右側には発射ハンドル１１が突設されている。
【００３３】
また、図２に示されるように、パチンコ遊技機１の遊技盤７には、その盤面１２上にほぼ円形を呈する誘導レール１３によって遊技領域１４が区画形成されており、この遊技領域１４のほぼ中央にセンターケース１５が配設されている。そして、このセンターケース１５には、液晶表示器、ＣＲＴ表示器等からなる図柄表示装置１６が組付けられており、さらにこの図柄表示装置１６には図柄表示領域１７が形成されている。
【００３４】
さらに、この図柄表示領域１７の中央位置には特別図柄Ａ、特別図柄Ｂ、及び特別図柄Ｃがそれぞれ表示される。この特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃ（選出図柄）は、それぞれ「０」〜「９」の数字からなると共に、各特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃは、前記の数字が順に並んだ特別図柄列を構成している。そして、後述する特別図柄始動条件が成立すると、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを変動後停止して特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様を確定表示する一連の図柄生成行程が表示実行される。すなわち、この各特別図柄列が上下方向に変動することにより特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが変動表示され、停止したときに横方向に並列表示されている停止図柄列の態様が所定の当り態様である場合に、いわゆる「大当り」となって後述の特別遊技作動が実行される。なお、本実施形態例にかかる特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃにより、本発明にかかる選出図柄が構成される。
【００３５】
一方、図柄表示領域１７内の左上位置には普通図柄表示部ｘ，ｙが形成される。この普通図柄表示部ｘ，ｙには、「７」又は「−」を示す普通図柄Ｘ，Ｙが表示される。そして、後述する普通図柄作動ゲート２２に遊技球が通過すると、普通図柄Ｘ，Ｙが変動表示され、その後停止したときにＸ＝Ｙ＝「７」となる当り態様で表示されると、後述の普通電動役物１８が拡開作動を開始する。
【００３６】
また、図柄表示装置１６の直上左位置には、四個の発光ダイオードＬＥＤからなる普通図柄始動記憶数表示部２１が配設されている。この普通図柄始動記憶数表示部２１は、後述の普通図柄始動スイッチＳ2（図３参照）の遊技球検出を、主制御基板６０（図３参照）の記憶装置ＲＡＭの一部領域が記憶した場合に、その記憶数を表示するものである。
【００３７】
さらに、図柄表示装置１６の直上右位置には、四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示部１９が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示部１９は、特別図柄始動記憶数Ｕを表示するものである。ここで、この特別図柄始動記憶とは、後述する主制御基板６０（図３参照）の記憶装置ＲＡＭの一部領域に、後述の特別図柄始動領域２０への遊技球通過ごとに記憶保持されるものである。
【００３８】
一方、センターケース１５の両側には、普通図柄作動ゲート（普通図柄始動領域）２２，２２が設けられ、遊技球が通過すると、この普通図柄作動ゲート２２，２２に内蔵された普通図柄始動スイッチＳ2が遊技球通過を検知し、かかる検知信号に基づいて、前記普通図柄Ｘ，Ｙが変動を開始する。
【００３９】
また、センターケース１５の直下位置には、内部を特別図柄始動領域２０とする普通電動役物１８が配設されている。この普通電動役物１８は、開閉翼片２６，２６を備え、普通図柄Ｘ，Ｙの図柄内容が、上述の当り態様の場合に、この開閉翼片２６，２６が所定時間拡開する。このように、普通電動役物１８が拡開作動すると特別図柄始動領域２０の開口度が変化し、遊技球が特別図柄始動領域２０を通過し易い（入賞し易い）状態となる。なお、この開閉翼片２６，２６の拡開作動は、普通電動役物ソレノイド（図３参照）により作動する。また、この普通電動役物１８内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチＳ1（図３参照）が備えられ、特別図柄始動領域２０が特別図柄始動スイッチＳ1を介して遊技球通過を検知すると、これに起因して、図柄表示装置１６の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが変動開始する。なお、この特別図柄始動領域２０により、本発明にかかる図柄始動領域が構成される。
【００４０】
普通電動役物１８の直下位置には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口２３を備える可変入賞装置２５が配設されている。この可変入賞装置２５は開閉片２４を具備し、この開閉片２４を大入賞口開放ソレノイド（図３参照）により開閉制御することにより大入賞口２３を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換する。そして、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様が所定の当り態様であると、開閉片２４が開き、さらに、その開放状態にある開閉片２４の上面が案内作用を生じ、大入賞口２３へ遊技球を案内する。そして、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、所定ラウンド数だけ開閉片２４の開閉作動を生じて、遊技者に所定の利得を付与する。この可変入賞装置２５の開閉作動は、後述する特別遊技作動を構成するものである。なお、大入賞口２３内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチＳ3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチＳ4とが設けられている。ここで特定領域スイッチＳ3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【００４１】
図３は、本発明にかかるパチンコ遊技機１の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板６０には、パチンコ遊技機１の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置ＣＰＵが配設されている。この主制御用中央制御装置ＣＰＵは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置ＣＰＵには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ＲＯＭと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置ＲＡＭとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス（図示省略）と、データのやり取りを行うデータバス（図示省略）を介して接続され、主制御基板６０の基板回路を構成している。この記憶装置ＲＯＭには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。ここで、この乱数テーブルとしては、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル 、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、変動パターン選択乱数テーブル、当り普通乱数テーブル、ハズレ普通図柄乱数テーブル等があり、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置ＣＰＵが各乱数テーブルから乱数値を選択する。また、本発明にあっては、連続予告選択乱数テーブル、連続予告変動パターン乱数テーブルも備えられている。
【００４２】
ここで、各乱数テーブルについて説明する。
大当り特別乱数テーブルは、０〜２９９の３００コマからなる。ここで、図柄生成行程で確定表示する特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様により、次回に「大当り」となる確率が向上する確変遊技状態、又は「大当り」となる確率が変化しない通常確率遊技状態のいずれかが発生する。そして、確変遊技状態では、大当り特別乱数テーブルから選択した大当り特別乱数値ＫがＫ＝７，１１，１２７，２３３，２７７の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は５／３００＝１／６０である。これに対し、通常確率遊技状態では、選択した大当り特別乱数値ＫがＫ＝７の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は１／３００である。そしてそれ以外はハズレとなる。
【００４３】
また、大当り図柄乱数テーブルは、０〜９の１０コマからなり、選択した大当り特別乱数値Ｋが「大当り」の内容である場合に、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの当り態様を決定するものである。例えば、この大当り図柄乱数テーブルから選択した大当り図柄乱数値ＬがＬ＝３の場合に、当り態様は「３，３，３」となる。
【００４４】
これに対し、ハズレ図柄乱数テーブルは、選択した当り特別乱数値Ｋがハズレである場合に、特別図柄Ａ,Ｂ,Ｃのハズレ態様を決定するものである。なお、このハズレ図柄乱数テーブルからは、ハズレ図柄乱数値Ｍａ，Ｍｂ，Ｍｃを選択する。
【００４５】
また、０〜１２６の１２７コマからなる変動パターン選択乱数テーブルからは変動パターン選択乱数値Ｇを選択する。この変動パターン選択乱数値Ｇは、図柄生成行程の演出態様を定めるものであって、この変動パターン選択乱数値Ｇの値に従って、図柄表示制御基板６２の記憶装置ＲＯＭに複数備えられる変動パターンテーブルの特別図柄変動パターンが振り分けられる。
【００４６】
また、０〜１９の２０コマからなるリーチ乱数テーブルからは、リーチ乱数値Ｎを選択する。このリーチ乱数値Ｎは、大当り特別乱数値Ｋの内容がハズレである場合に、図柄生成行程でリーチ変動作動を実行するか否かを決定するものである。そして、リーチ乱数値ＮがＮ＝３，１７であると、リーチ変動作動を実行することとなり、選択した変動パターン選択乱数値Ｇ等に従って振り分けられた特別図柄変動パターンに基づいてリーチ態様の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを表示する。かかる場合の特別図柄変動パターンとしては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等の種々の変動態様がある。
【００４７】
また、０〜９の１０コマからなるリーチ図柄乱数テーブルからは、リーチ図柄乱数値Ｑを選択する。このリーチ図柄乱数値Ｑは、前記リーチ変動作動を実行する際のリーチ停止態様を決定するものである。例えば、このリーチ図柄乱数値ＱがＱ＝３の場合には、特別図柄Ａ，Ｃが「３」となるリーチ態様が表示される。
【００４８】
一方、記憶装置ＲＡＭには、特別図柄始動スイッチＳ1、普通図柄始動スイッチＳ2のＯＮ作動による通過記憶等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。すなわち、記憶装置ＲＡＭに特別図柄始動記憶及び普通図柄始動記憶が記憶保持される。なお、この記憶装置ＲＡＭにより本発明にかかる始動記憶手段が構成される。
【００４９】
また、この主制御基板６０の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置（図示省略）が設けられ、主制御用中央制御装置ＣＰＵに接続されている。そして主制御用中央制御装置ＣＰＵは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーＴＭも接続されている。
【００５０】
また、この主制御基板６０の基板回路には、主制御用中央制御装置ＣＰＵが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート（図示省略）及び出力ポート（図示省略）が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板６０からの制御指令が、図柄表示制御基板６２、音源制御基板６３、光源制御基板６４、及び払出制御基板６５の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板６０の入力ポートには、上述した特別図柄始動スイッチＳ1が接続されると共に、盤面中継基板６１を介して、普通図柄始動スイッチＳ2、特定領域スイッチＳ3、及びカウントスイッチＳ4が接続されている。そして、主制御基板６０が２ｍｓごとに各スイッチＳ1〜Ｓ4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置ＣＰＵに入力され、その情報を記憶装置ＲＡＭに記憶する。また、主制御基板６０の出力ポートには、盤面中継基板６１を介して普通電動役物１８の開閉翼片２６を拡開する普通電動役物ソレノイドや、可変入賞装置２５の開閉片２４を開閉する大入賞口ソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置ＣＰＵが所定の条件を選出した場合に作動される。
【００５１】
ここで主制御用中央制御装置ＣＰＵ、及び後述する各制御基板６２，６３，６４，６５に設置されている各中央制御装置ＣＰＵは、所定のデータの処理を行う演算ユニット（ＡＬＵ）を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置ＣＰＵの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置ＣＰＵは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板６２，６３，６４，６５にそれぞれ出力し、各制御基板６２，６３，６４，６５の中央制御装置ＣＰＵがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【００５２】
上記の図柄表示制御基板６２には、図柄表示装置１６の図柄表示領域１７上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置ＣＰＵに、特別図柄変動パターンや普通図柄変動パターンに関する固定データ等が格納されている記憶装置ＲＯＭと、必要なデータを読み書きできる記憶装置ＲＡＭと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
【００５３】
ここで、図柄表示制御基板６２は、主制御基板６０から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置ＣＰＵにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバが、前記図柄データに従って図柄表示装置１６の図柄表示領域１７に所定の図柄を所定態様で表出させる。なお、この図柄表示制御基板６２により、図柄表示装置１６で図柄生成行程を実行する図柄制御手段が構成される。
【００５４】
上記の音源制御基板６３には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置ＣＰＵに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ＲＯＭと、必要なデータを読み書きする記憶装置ＲＡＭと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板６３は、上記の主制御基板６０より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置ＣＰＵで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
【００５５】
上記の光源制御基板６４には、パチンコ遊技機１に備えられた発光ダイオードＬＥＤ、装飾ランプ等で構成される電飾装置、特別図柄始動記憶数表示部１９、普通図柄始動記憶数表示部２１等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置ＣＰＵに、動作プログラムや、発光ダイオードＬＥＤ，装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが格納されている記憶装置ＲＯＭと、必要なデータを読み書きする記憶装置ＲＡＭと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板６４は、光源制御用中央制御装置ＣＰＵで、上記の主制御基板６０から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードＬＥＤや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定の発光ダイオードＬＥＤや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。なお、特別図柄始動記憶数表示部１９及び普通図柄始動記憶数表示部２１は、それぞれ最高四個まで始動記憶数を記憶保持できる。このため、各始動記憶数がこの上限値に達している遊技状態にあっては、遊技球通過は無効となり、所定数の賞球のみが遊技者に供与される。
【００５６】
上記の払出制御基板６５には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置ＣＰＵに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ＲＯＭと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置ＲＡＭと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板６５は、主制御基板６０から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置ＣＰＵで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板６５は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するＣＲ接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。なお、本発明にかかる遊技制御手段は、上述の各基板６０〜６５及び各基板６０〜６５に接続される各装置等により構成されるものであって、前記図柄制御手段を備えると共に、この図柄制御手段に図柄生成行程を実行させたり、所定の賞球形態を発生する特別遊技作動を実行したりする制御内容を備える。
【００５７】
次に、本発明の制御態様をパチンコ遊技機１の作動に従って説明する。
ここで、図４に示す始動口処理、図５に示す図柄処理、図６ＡＢＣに示す変動パターン選択処理は、上述したタイマーＴＭによりカウントされる所定単位時間（２ｍｓ）ごとに繰り返し実行される。
【００５８】
遊技球が発射装置（図示省略）より遊技領域１４に発射され、この遊技球が特別図柄始動領域２０を通過すると、特別図柄始動スイッチＳ1がＯＮ作動する。そして、図４に示されるように、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵが、特別図柄始動スイッチＳ1のＯＮ作動を認識すると、これを契機として記憶装置ＲＡＭに累積して記憶保持される特別図柄始動記憶の数が四個以下であるか否かを判定する。そして、特別図柄始動記憶数Ｕが四個以下の条件を満たさない場合は、そのまま始動口処理を終了する。
【００５９】
一方、特別図柄始動記憶数Ｕが四個以下であると、記憶装置ＲＡＭに特別図柄始動記憶を記憶する（特別図柄始動記憶数Ｕを一個加算する）。さらに、記憶装置ＲＯＭに格納されている大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、及びリーチ図柄乱数テーブルから、大当り特別乱数値Ｋ、大当り図柄乱数値Ｌ、ハズレ図柄乱数値Ｍａ，Ｍｂ，Ｍｃ、リーチ乱数値Ｎ、及びリーチ図柄乱数値Ｑをそれぞれ選択し、選択した各乱数値を一旦、記憶装置ＲＡＭに格納する。
【００６０】
次に、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか、又は通常確率遊技状態であるかを判定する。ここで、確変遊技状態と判定した場合は、選択した大当り特別乱数値Ｋを判定するための高確率用判定データをセットする。この高確率用判定データは、大当り特別乱数値ＫがＫ＝７，１１，１２７，２３３，２７３のいずれかの場合に値が一致し、大当り特別乱数値Ｋの内容を「大当り」とするものである。一方、現在の遊技状態を通常確率遊技状態であると判定した場合は、低確率用判定データをセットする。この低確率用判定データは、大当り特別乱数値ＫがＫ＝７の場合に値が一致するものである。
【００６１】
次に、大当り特別乱数値Ｋが、セットした判定データと同一であるか否かを判定する。ここで、大当り特別乱数値Ｋが判定データと同一であると、大当り特別乱数値Ｋは「大当り」となる。すなわち、当該遊技球通過に基づく特別図柄始動記憶に当り結果が割り当てられることとなる。これに対し、大当り特別乱数値Ｋと判定データとが不一致であるとハズレ結果が割り当てられることとなる。
【００６２】
そして、「大当り」であると、連続予告選択乱数値Ｊを連続予告選択乱数テーブルから選択し、格納する。ここで、この連続予告選択乱数値Ｊは、本発明にかかる連続予告演出動作を実行するか否かを定めるものである。さらに詳述すると、連続予告選択乱数テーブルは、０〜２９の３０コマからなり、大当り特別乱数値Ｋの内容が「大当り」である場合には、選択した連続予告選択乱数値ＪがＪ＝３〜１２であると連続予告演出動作を実行する。したがって、大当り特別乱数値Ｋの内容が「大当り」である場合に連続予告演出動作を実行する確率は、１０／３０＝１／３となる。一方、大当り特別乱数値Ｋの内容が「ハズレ」である場合には、選択した連続予告選択乱数値ＪがＪ＝３，７，１５であると連続予告演出動作を実行する。したがって、大当り特別乱数値Ｋの内容が「ハズレ」である場合に連続予告演出動作を実行する確率は、３／３０＝１／１０となる。また、上記以外の連続予告選択乱数値Ｊが選択された場合は、連続予告演出動作を実行しない。
【００６３】
上述の連続予告選択乱数値Ｊを選択・格納すると、次に大当り用判定データをセットする。一方、大当り特別乱数値Ｋが「大当り」でない場合は、選択したリーチ乱数値Ｎを判定し、リーチ変動作動を実行するか否かを決める。ここで、リーチ乱数値ＮがＮ＝３，１７であると、リーチ変動作動を実行することとし、次に、上述の連続予告選択乱数値Ｊを選択・格納し、ハズレ用判定データをセットする。これに対し、リーチ変動作動を実行しない場合は、後述の連続予告フラグをＯＦＦとして始動口処理を終了する。
【００６４】
大当り用又はハズレ用判定データをセットすると、次に、連続予告演出動作を実行するか否かを判定する。すなわち、これら判定用データと選択した連続予告選択乱数値Ｊとが一致するか否かを判定する。ここで、連続予告選択乱数値Ｊが判定用データと一致した場合は、連続予告演出動作を実行すると決定する。しかし、次に、連続予告フラグがＯＮであるか否かを判定し、既に連続予告演出動作を実行することが決定されていて、この連続予告フラグがＯＮである場合は、ここでは連続予告演出動作を実行しないこととし、連続予告フラグをＯＦＦとして始動口処理を終了する。これに対し、連続予告フラグ＝ＯＦＦであった場合は、連続予告演出動作を実行することとし、連続予告フラグをＯＮとして始動口処理を終了する。
【００６５】
また、連続予告選択乱数値Ｊと判定用データとが不一致であった場合は、連続予告フラグをＯＦＦとして、連続予告演出動作を実行しないこととし、始動口処理を終了する。
【００６６】
次に、図柄処理（図５参照）について説明する。
主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵは、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが変動中であるか判定し、変動中であれば変動時間経過後に、変動停止コマンドを図柄表示制御基板６２に出力して特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを停止して、図柄処理を終了する。
【００６７】
一方、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが変動中でない場合は、特別図柄始動条件（図柄始動条件）が成立し、記憶装置ＲＡＭに特別図柄始動記憶が記憶保持されているか否かを判定し、記憶保持されている場合（Ｕ≧１）は記憶保持した特別図柄始動記憶を記憶順に記憶消化し、特別図柄始動記憶数表示部１９で表示する特別図柄始動記憶数Ｕを一個減算表示する。
【００６８】
そして、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵは、選択した大当り特別乱数値Ｋの内容が「大当り」であるか否かを判定する。そして、大当り特別乱数値Ｋの内容が「大当り」であると、大当りフラグをＯＮとする。そして、変動パターン選択処理に移行する。一方、大当り特別乱数値Ｋがハズレであると、リーチ乱数値Ｎが「リーチ実行」内容であるか否かを判定し、リーチ乱数値Ｎが「リーチ実行」内容（Ｎ＝３，１７）である場合は、リーチフラグををＯＮとすると共に、リーチ図柄乱数値Ｑとハズレ図柄乱数値Ｍｂとに従ってハズレリーチ図柄を決定して、大当りフラグをＯＦＦとする。また、リーチ乱数値Ｎが「リーチ実行」内容でない場合は、リーチフラグをＯＦＦとすると共に、ハズレ図柄乱数値Ｍａ，Ｍｂ，Ｍｃに基づいて、ハズレ図柄を決定して大当りフラグをＯＦＦとする。
【００６９】
そして、大当りフラグをＯＦＦとすると、変動パターン選択処理に移行する。この変動パターン選択処理については、本発明の要部であるため後で詳述する。
【００７０】
変動パターン選択処理が終了すると、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵは、変動パターン選択処理によりセットした変動パターンデータを図柄表示制御基板６２に出力する。さらに、連続予告フラグをＯＦＦとし（既に連続予告フラグがＯＦＦであればＯＦＦを維持する）、特別図柄始動記憶を記憶保持する記憶装置ＲＡＭの始動記憶領域を順次シフトする。そしてさらに、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの変動時間をセットする。
【００７１】
次に、これまでの処理を実行すると、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵは、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを変動開始する変動開始コマンドを図柄表示制御基板６２に出力する。図柄表示制御基板６２は、かかるコマンドが入力されると、記憶装置ＲＯＭや記憶装置ＲＡＭの記憶データを用いて図柄制御用中央制御装置ＣＰＵにて演算処理を行い、その結果に従って表示用ドライバを介して図柄表示装置１６の図柄表示領域１７で特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを変動開始して、当該特別図柄始動記憶に割り当てた当り・ハズレ結果に従って特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様を確定表示する図柄生成行程を実行する。そして、変動時間経過後に特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを停止して図柄処理を終了する。
【００７２】
また、主制御用中央制御装置ＣＰＵは、特別図柄始動スイッチＳ1のＯＮ作動に基づき、演算処理して賞球指令コマンドを払出制御基板６５に出力すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令コマンドを音源制御基板６３に、賞球ランプ等の発生指令コマンドを光源制御基板６４にそれぞれ出力する。
【００７３】
賞球指令コマンドが入力された払出制御基板６５は、記憶装置ＲＯＭや記憶装置ＲＡＭの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置ＣＰＵにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
【００７４】
これと同期して、賞球音の発生指令コマンドが入力された音源制御基板６３は、記憶装置ＲＯＭや記憶装置ＲＡＭの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置ＣＰＵにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。
【００７５】
同時に光源制御基板６４でも、入力された賞球ランプの発生指令コマンドに従って光源制御用中央制御装置ＣＰＵが記憶装置ＲＯＭや記憶装置ＲＡＭの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードＬＥＤや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【００７６】
次に、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様を当り態様で確定表示する場合に実行する特別遊技作動について説明する。
特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様を当り態様で確定表示すると、主制御基板６０は、以下の賞球形態の特別遊技作動を実行する。すなわち、盤面中継基板６１を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口２３を開放する。そして、大入賞口２３に遊技球が流入し、この大入賞口２３内の特定領域スイッチＳ3やカウントスイッチＳ4がＯＮ作動すると、その信号を盤面中継基板６１を介して主制御基板６０が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板６２や払出制御基板６５に制御指令コマンドを出力する。
【００７７】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片２４を前方に傾動して大入賞口２３を開放し、開閉ラウンドを実行する。そして、大入賞口２３の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチＳ3がＯＮ作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片２４が閉鎖駆動して、一ラウンドを終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口２３を開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。一方、所定制限時間（３０秒）が経過するか、この所定制限時間内で、特定領域スイッチＳ3とカウントスイッチＳ4による遊技球の入賞検知が１０個となると、大入賞口２３が閉鎖する。このような開閉ラウンドを最大１５回繰り返す賞球形態を発生させて、遊技者に所定の利得を供与する。そして、一連の可変入賞装置２５の開閉作動が終了すると、特別遊技作動を終了する。
【００７８】
次に普通図柄Ｘ，Ｙの変動態様について概説する。
遊技球が普通図柄作動ゲート２２を通過すると、普通図柄始動スイッチＳ2がＯＮ作動する。そして、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵが普通図柄始動スイッチＳ2のＯＮ作動を認識すると、普通図柄表示部ｘ，ｙで、普通図柄Ｘ，Ｙが変動開始する。この普通図柄Ｘ，Ｙは、上述のように、「７」又は「−」のいずれかを表示する。一方、この普通図柄Ｘ，Ｙが変動中に、又は普通電動役物１８の開放動作中に、普通図柄始動スイッチＳ2が遊技球通過を検出すると、主制御基板６０の記憶装置ＲＡＭにその遊技球検出が記憶され、普通図柄始動記憶数表示部２１の発光ダイオードＬＥＤが点灯してその記憶数（普通図柄始動記憶数）を遊技者に報知する。なお、普通図柄始動記憶数表示部２１の最大記憶数は四個であり、それ以上の個数は無効とされる。
【００７９】
この普通図柄Ｘ，Ｙの変動停止後、又は普通電動役物１８の開放動作終了後に、普通図柄始動記憶数表示部２１に表示された普通図柄始動記憶数の記憶消化に基づいて普通図柄Ｘ，Ｙは再び変動開始する。そして、所定時間経過すると変動が停止し、Ｘ＝Ｙ＝「７」であれば当りとなる。そしてさらに、当りとなると普通電動役物１８が拡開作動を開始する。
【００８０】
ところで、普通図柄Ｘ，Ｙが変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板６０の記憶装置ＲＯＭに格納されている、０〜９９までの１００コマからなる当り普通乱数テーブルから選択する当り普通乱数値Ｖにより決定される。そして、普通図柄作動ゲート２２への遊技球通過により、普通図柄始動スイッチＳ2がＯＮ作動すると、主制御基板６０は記憶装置ＲＯＭに格納される当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Ｖを選択し、その内容を一旦記憶装置ＲＡＭに記憶保持する。そして、普通図柄Ｘ，Ｙが変動開始すると同時に、記憶保持した内容を判定し、当り又はハズレを決定する。ここでは、当り普通乱数値ＶがＶ＝奇数値であれば当りとなる。
【００８１】
当り普通乱数値Ｖの判定内容がハズレである場合は、当り普通乱数値Ｖと同時期に、ハズレ普通図柄乱数テーブルから選択したハズレ普通図柄乱数値Ｗに従って普通図柄Ｘ，Ｙをハズレ態様で確定表示する。このハズレ普通図柄乱数テーブルは、０〜２の３コマからなり、ハズレ普通図柄乱数値ＷがＷ＝「０」であるとＸ＝「７」，Ｙ＝「−」で確定表示され、Ｗ＝「１」であるとＸ＝「−」，Ｙ＝「７」で確定表示され、Ｗ＝「２」であるとＸ＝「−」，Ｙ＝「−」で確定表示される。
【００８２】
次に、変動パターン選択処理（図６ＡＢＣ参照）の内容について説明する。
まず、図６Ａに示される変動パターン選択処理にあっては、まず後述する予告演出動作実行回数ＨがＨ＞０であるか否かを判定する。ここで、予告演出動作実行回数ＨがＨ＝０である場合は、次に連続予告フラグがＯＮであるか否かを判定する。
【００８３】
さらに、連続予告フラグがＯＦＦである場合には、図６Ｂに示されるように、変動パターン選択乱数テーブルから変動パターン選択乱数値Ｇを選択し、格納する。そして、次に大当りフラグがＯＮであるか否かを判定する。ここで、大当りフラグがＯＮである場合は、選択した変動パターン選択乱数値Ｇに従って振り分けられた大当り変動パターンテーブルの変動パターンをセットする。一方、大当りフラグがＯＦＦである場合は、次にリーチフラグがＯＮであるか否かを判定する。ここで、リーチフラグがＯＮであると、選択した変動パターン選択乱数値Ｇに従って振り分けられたハズレリーチ変動パターンテーブルの変動パターンをセットする。これに対し、リーチフラグがＯＦＦであると、選択した変動パターン選択乱数値Ｇに従って振り分けられたハズレ変動パターンテーブルの変動パターンをセットする。
【００８４】
そして、前記の各処理に従って変動パターンをセットすると、次に、この変動パターンを、当該図柄処理で実行することとなる図柄生成行程（以下、当回図柄生成行程という）の変動パターンとする。そして、変動パターン選択処理を終了する。
【００８５】
次に、変動パターン選択処理のなかでも、本発明の特徴部分である連続予告演出動作にかかる処理内容について図６Ｃに従って説明する。なお、この処理内容にあっては、いくつかの実施形態例が提案される。
【００８６】
<第一実施形態例>
図６Ａに示されるように、変動パターン選択処理で、連続予告フラグのＯＮ・ＯＦＦを判定し、連続予告フラグがＯＮであると、連続予告演出実行条件が成立することとなり、大当り予告図柄ｆを図柄表示装置１６で表出する予告演出動作を、予め定められた予告演出動作実行総数を限度として、図柄生成行程実行毎に順次実行する一連の連続予告演出動作を実行することとなる。ここで、大当り予告図柄ｆは、その表出により特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様が当り態様で確定表示される確率が見かけ上高くなる図柄をいう。また、予め定められた予告演出動作実行総数は、本実施形態例にあっては４回としている。すなわち、前記連続予告演出実行条件が成立すると、４回型連続予告演出動作を実行することとなる。なお、予告演出動作を予告演出動作実行総数を限度として順次実行する連続予告演出動作により、本発明にかかる予告演出動作を予告演出動作実行総数を限度として順次実行する連続予告演出動作が構成される。
【００８７】
そして、図６Cに示されるように、この連続予告演出動作を実行するに際し、一番目の図柄生成行程を開始する時の特別図柄始動記憶数表示部１９で表示される特別図柄始動記憶数Ｕが、
（一番目の図柄生成行程実行開始時の特別図柄始動記憶数Ｕ（以下、Ｕ１という））＝３
である場合には、当回図柄生成行程及び特別図柄始動記憶として記憶保持された３回分の図柄生成行程とで、４回分の図柄生成行程が確保される。そして、この４回分の図柄生成行程を用いて、図柄生成行程実行毎に大当り予告図柄ｆを表出して、４回型連続予告演出動作を実行する。
【００８８】
これに対し、
Ｕ１＜３ （１）
である場合には、当該図柄生成行程と特別図柄始動記憶として記憶保持された図柄生成行程の数を足しても、大当り予告図柄ｆを４回表出するだけの４回分の図柄生成行程が確保できない。そこで、かかる場合は、確保した図柄生成行程のうち、いずれかの図柄生成行程を選定し、選定した図柄生成行程で特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを確定表示する前に、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを所定規準で定めたハズレ態様で所要回数停止して、この特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの変動開始から停止に至る各期間で大当り予告図柄ｆを表出することとなる。ここで、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを停止する回数は、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを合計４回停止表示する（特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの確定表示を含む）のに不足している数である。このように、擬似的に連続予見演出動作（擬似連続予見演出動作）を実行することにより、特別図柄始動記憶数Ｕ１が十分な数だけ記憶保持されていない場合であっても連続予見演出動作ならではの演出効果を十分に発揮することができる。
【００８９】
なお、上述のように、本実施形態例のパチンコ遊技機１は、記憶保持可能な特別図柄始動記憶数Ｕの上限が４個であるため、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程開始時の特別図柄始動記憶数Ｕ１が、Ｕ１≧４となることはない。また、この特別図柄始動記憶数Ｕ１の大小の判断基準として用いた前記不等式（１）の右辺の「３」は、
Ｕ１＋１＜（予め定められた予告演出動作実行総数）
で示される不等式より導かれる関係であって、本実施形態例にあっては、
Ｕ１＜４−１
となり、上述に示した
Ｕ１＜３
という関係が導かれる。
【００９０】
ここで、不等式（１）に示される関係のときに実行される擬似連続予告演出動作では、見かけ上特別図柄始動記憶の記憶消化を伴わない変動から停止に至る行程が実行される場合がある。なお、変動中の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを停止する行程は、一番目の図柄生成行程実行開始時に確保された図柄生成行程のうち、いずれの図柄生成行程を選定しても良い。
【００９１】
以下、連続予告演出動作、特に擬似連続予告演出動作の処理内容を図６ハに従って説明する。また、便宜上、連続予告演出動作にかかる一番目の図柄生成行程開始時に記憶保持された各特別図柄始動記憶を、先に記憶保持した順に、(1)，(2)，(3)と符号をつけることとする。
【００９２】
図６Ａに示される変動パターン選択処理にあって、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵが連続予告フラグのＯＮ・ＯＦＦを判定し、連続予告フラグ＝ＯＮであることを確認すると、図６Ｃに示されるように、まず連続予告演出動作にかかる一番目の図柄生成行程開始時の特別図柄始動記憶数Ｕ１が３個であるかを判定する。ここで、Ｕ１＝３である場合は、当回図柄生成行程と記憶保持された特別図柄始動記憶に基づく図柄生成行程を足して４個の図柄生成行程が確保される。そして、この確保した４回分の図柄生成行程を用いて各図柄生成行程で大当り予告図柄ｆを表出し、４回型連続予告演出動作を実行することとなる。なお、各図柄生成行程は、特別図柄始動記憶の記憶消化と共に実行開始されることとなる。
【００９３】
さらに、かかる場合の図柄生成行程での変動態様は以下のように定める。
まず、当回図柄生成行程に、図７に示される連続予告演出テーブルに備えられた連続予告変動パターン▲１▼を割り当てる。なお、連続予告変動パターン▲１▼は、図柄表示領域１７上に大当り予告図柄ｆを構成する「ニワトリ」を一羽表出する内容である。
【００９４】
次に、予告演出動作実行回数ＨをＨ＝３とする。この予告演出動作実行回数Ｈは、実行すべき予告演出動作（具体的には、大当り予告図柄ｆの表出）の実行回数を表すものであって、この変動パターン選択処理が実行されるたびに順次１ずつ減少する。そして、Ｈ＝０となるまで処理内容を繰り返す。
【００９５】
次に、記憶装置ＲＡＭに記憶保持した各特別図柄始動記憶に、連続予告変動パターンを割り当てる。すなわち、特別図柄始動記憶(1)には連続予告変動パターン▲２▼を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲３▼を、特別図柄始動記憶(3)には連続予告変動パターン▲４▼を割り当てる。なお、連続予告変動パターン▲２▼は「ニワトリ」を二羽表出し、連続予告変動パターン▲３▼は「ニワトリ」を三羽表出し、連続予告変動パターン▲４▼は「ニワトリ」を四羽表出する内容である。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【００９６】
次に本発明の特徴である擬似連続予告演出動作が実行される場合の処理内容を説明する。
上述の処理内容でＵ１≠３であって、次にＵ１＝２と判定した場合は、当回図柄生成行程を含めて合計３回分の図柄生成行程が確保できる。したがって、いずれかの図柄生成行程で特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを１回だけ停止させて、その停止に至るまでの期間で大当り予告図柄ｆを１回表出し、最終的に４回型連続予告演出動作を擬似的に実行することとなる。
【００９７】
まず、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵがＵ１＝２と判定すると、連続予告変動パターン乱数テーブルから、連続予告変動パターン乱数値Ｒを選択する。そして、この連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝０〜９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲５▼を割り当てる。なお、この連続予告変動パターン▲５▼は、図柄生成行程中に連続予告変動パターン▲１▼，▲２▼を連続して行う内容である（図７参照）。
【００９８】
そして、予告演出動作実行回数ＨをＨ＝２とし、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲３▼を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲４▼を割り当てる。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【００９９】
また、連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝１０〜１９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼を割り当てる。さらに、予告演出動作実行回数ＨをＨ＝２とし、そして、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲６▼を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲４▼を割り当てる。なお、この連続予告変動パターン▲６▼は、図柄生成行程中に連続予告変動パターン▲２▼，▲３▼を連続して行う内容である（図７参照）。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１００】
さらにまた、連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝２０〜２９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼を割り当てる。さらに、予告演出動作実行回数ＨをＨ＝２とし、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲２▼を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲７▼を割り当てる。なお、この連続予告変動パターン▲７▼は、図柄生成行程中に連続予告変動パターン▲３▼，▲４▼を連続して行う内容である（図７参照）。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１０１】
次に、Ｕ１≠２と判定し、さらにＵ１＝１と判定した場合について説明する。かかる場合は、当回図柄生成行程を含めて合計２回分の図柄生成行程が確保できる。したがって、いずれかの図柄生成行程で特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを２回だけ停止させて、その停止に至るまでの各期間で大当り予告図柄ｆを１回ずつ表出し、最終的に４回型連続予告演出動作を擬似的に実行することとなる。
【０１０２】
まず、連続予告変動パターン乱数値Ｒを選択し、かかる連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝０〜１４であるかを判定する。ここで、Ｒ＝０〜１４の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲８▼を割り当てる。さらに、予告演出動作実行回数ＨをＨ＝１とし、特別図柄始動記憶(1)に予告変動パターン▲４▼を割り当てる。なお、この連続予告変動パターン▲８▼は、図柄生成行程中に連続予告変動パターン▲１▼，▲２▼，▲３▼を連続して行う内容である（図７参照）。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１０３】
また、予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝１５〜２９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼を割り当て、予告演出動作実行回数ＨをＨ＝１とし、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲９▼を割り当てる。なお、この連続予告変動パターン▲９▼は、図柄生成行程中に連続予告変動パターン▲２▼，▲３▼，▲４▼を連続して行う内容である（図７参照）。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１０４】
最後に、Ｕ１≠１と判定し、さらにＵ１＝０と判定した場合について説明する。かかる場合は、確保できる図柄生成行程は、当回図柄生成行程のみであるため、当該図柄生成行程で特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを３回だけ停止させて、その停止に至るまでの各期間で大当り予告図柄ｆを１回ずつ表出し、最終的に４回型連続予告演出動作を擬似的に実行することとなる。
【０１０５】
かかる場合の処理内容は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターンαを割り当て、そして、予告演出動作実行回数ＨをＨ＝０とする。なお、この連続予告変動パターンαは、図柄生成行程中に連続予告変動パターン▲１▼，▲２▼，▲３▼，▲４▼を連続して行う内容である（図７参照）。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１０６】
変動パターン選択処理が終了して、図柄処理に移行すると、図５に示されるように、前記変動パターン選択処理により決定した変動パターンデータを図柄表示制御基板６２に出力し、連続予告フラグをＯＦＦとする。さらに、特別図柄始動記憶（３）を特別図柄始動記憶（２）へ、特別図柄始動記憶（２）を特別図柄始動記憶（１）とするように始動記憶領域をシフトする。そして、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの変動時間をセットし、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを変動開始する変動開始コマンドを図柄表示制御基板６２に出力する。そして、所定時間経過後に特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを停止する変動停止コマンドを図柄表示制御基板６２に出力して図柄処理を終了する。
【０１０７】
ところで、再度、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵが、変動パターン選択処理を実行する場合は、図６Ａに示されるように、予告演出動作実行回数Ｈの回数を判定し、予告演出動作実行回数Ｈが１以上（Ｈ＞０）である場合は、予告演出動作実行回数Ｈから１だけ減算し、当回図柄生成行程に特別図柄始動記憶（１）に割り当てた連続予告変動パターンを割り当てて、変動パターン選択処理を終了することとなる。かかる処理により、連続予告演出動作にかかる図柄生成行程が所要回数実行されることとなる。
【０１０８】
ここで、上述した本発明の要部にかかる擬似連続予告演出動作の図柄表示装置１６での表示態様を説明する。一例として、Ｕ１＝２と判定した場合であって、選択した連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝０〜９の場合について述べる（図８Ａ，図８Ｂ参照）。なお、図８Ａ，図８Ｂでは、特別図柄始動記憶数Ｕは、特別図柄始動記憶数表示部１９を模した、四個の○（ランプが点灯している状態は●）で示している。
【０１０９】
図８Ａイに示されるように、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが確定表示され、その時点で特別図柄始動記憶数Ｕが３個である場合は、図８Ａロに示されるように、特別図柄始動記憶数Ｕが３個から２個に減算表示されると共に、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが変動開始される。すなわち、一番目の図柄生成行程が実行開始される。そして、図８Ａハに示されるように、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃ変動中に、「ニワトリ」（大当り予告図柄ｆ）が一羽表出される。そしてその後、図８Ａニに示されるように、予め選定しておいた停止用のハズレ態様「７，５，３」で特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが一旦停止する。この停止により遊技者は特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが確定表示されたと認識するが、実際は特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが確定表示されたわけではない。そして、特別図柄始動記憶の記憶消化がないまま（２個→２個）、図８Ａホに示されるように、再び特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが変動開始し、さらに図８Ａヘに示されるように、「ニワトリ」が二羽表出されて、見かけ上二回目の予告演出動作が実行開始される。そして、図８Ａトに示されるように、当回図柄生成行程（図６Ｃ参照）の実行にかかる特別図柄始動記憶に割り当てられたハズレ結果（「３，４，３」）が確定表示される。次に、図８Ａチに示されるように、特別図柄始動記憶の記憶消化を伴う（２個→１個）、二番目の図柄生成行程が実行開始される。この図柄生成行程では、図８Ｂリに示されるように、「ニワトリ」が三羽表出される。すなわち、見かけ上三回目の予告演出動作が実行開始される。そして、図８Ｂヌに示されるように、当該図柄生成行程の実行にかかる特別図柄始動記憶（１）（図６Ｃ参照）に割り当てられたハズレ結果（「８，６，２」）が確定表示される。そして、図８Ｂルに示されるように、最後に特別図柄始動記憶（２）の記憶消化と共に（1個→０個）、三番目の図柄生成行程が実行開始され、図８Ｂオに示されるように、「ニワトリ」が四羽表出される。すなわち、見かけ上四回目の予告演出動作が実行される。そして、図８Ｂワに示されるように、特別図柄始動記憶（２）に割り当てられた当り結果（「７，７，７」）が確定表示される。
【０１１０】
かかる構成とすることにより、４回型連続予告演出動作開始時に特別図柄始動記憶数Ｕ１が３個に達していなくても、擬似的連続予告演出動作を実行し、見かけ上４回型連続予告演出動作を実行することが可能となり、遊技者の大当りに対する期待感を徐々に刺激するという連続予告演出動作ならでは演出効果が期待できる。
【０１１１】
なお、特別図柄始動記憶と無関係に擬似的に一旦停止するハズレ態様（図８Ａニ参照）は、予め備えられた一旦停止用ハズレ図柄乱数テーブルから選択した乱数値によって選定される構成が好適である。
【０１１２】
また、上述の構成は、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、
Ｕ１＋１＜４回
の関係にある場合に、常に擬似連続予告演出動作を実行する構成であるが、
Ｕ１＋２＜４回
の関係にある場合に初めて擬似連続予告演出動作を実行する構成としても良い。
すなわち、予め定められた予告演出動作実行総数（４回）に満たない所定数（２回）の場合に、初めて擬似連続予告演出動作を実行する構成が提案されうる。
【０１１３】
<第二実施形態例>
次に他の実施形態例を図９イロに従って説明する。
第二実施形態例は、擬似連続予告演出動作中に、特別図柄始動記憶が新たに記憶保持されると、図柄生成行程で特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを確定表示する前に実行することとした所要回数の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの停止のうち、未実行である特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの停止の実行をキャンセルし、当該特別図柄始動記憶の記憶消化を伴い、かつ大当り予告図柄ｆが表出される図柄生成行程を新たに追加実行するようにしたものである。
【０１１４】
ここでは、図９イに従って、遊技球通過ａに基づいて実行開始される図柄生成行程（あ）の実行中に遊技球通過ｂ，ｃがあり、遊技球通過ｂに対応して特別図柄始動記憶（１）が記憶保持され、遊技球通過ｃに対応して特別図柄始動記憶（２）が記憶保持された場合について説明する。なお、特別図柄始動記憶（２）が連続予告演出動作を実行する内容が割り当てられ、かつ当り結果が割り当てられた内容（「大当り」）であるとする。
【０１１５】
特別図柄始動記憶（１）の記憶消化と共に実行開始する図柄生成行程（い）は、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程となる。そして、図柄生成行程（い）開始時の特別図柄始動記憶数Ｕ１は、Ｕ１＝１であるから、図柄生成行程（い）と特別図柄始動記憶（２）に基づく図柄生成行程とを足し合わせた２回分の図柄生成行程が確保される。ここで、予め予告演出動作実行総数を４回と定めた場合は、確保したいずれかの図柄生成行程で、変動中の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを合計２回停止し、各停止に至るまでの期間で大当り予告図柄ｆが各々表出されることになる。ここでは、特別図柄始動記憶（２）に基づいて実行される図柄生成行程（う）を選定し、この図柄生成行程（う）中に変動中の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを２回停止することとしている（停止（う’），及び停止（う’’））。なお、図柄生成行程（い）には、連続予告変動パターン▲１▼（図７参照）が割り当てられる。また、図柄生成行程（う）には、連続予告変動パターン▲９▼が割り当てられる。なお、特別図柄始動記憶（１）が記憶消化されると、特別図柄始動記憶（２）に割り当てられた内容がシフトし、特別図柄始動記憶（１）に割り当てられた内容が更改される。
【０１１６】
ここで、図９ロに示されるように、遊技がさらに進行して図柄生成行程（い）実行中に、新たに遊技球通過ｄ，ｅがあると、これらに対応する特別図柄始動記憶（２），（３）が記憶保持されることとなる。ここで、これらの特別図柄始動記憶（２），（３）は、ハズレ結果が割り当てられているとする。
【０１１７】
このように、新たに二個の特別図柄始動記憶（２），（３）が記憶保持された場合には、２回の未実行の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの停止（停止（う’）、及び停止（う’’））の実行が共にキャンセルされ、特別図柄始動記憶の記憶消化を伴い、かつ大当り予告図柄ｆが表出される図柄生成行程（え）及び図柄生成行程（お）が新たに追加実行されることとなる。ここで、三番目に実行することとなる、図柄生成行程（え）には、連続予告変動パターン▲３▼（図７参照））が割り当てられ、四番目に実行することとなる図柄生成行程（お）には、連続予告変動パターン▲４▼（図７参照））が割り当てられることとなる。
【０１１８】
また、新たに追加された図柄生成行程（え）では、図９ロに示す特別図柄始動記憶（２）に割り当てられたハズレ結果に従って所定のハズレ態様が確定表示される。一方、図柄生成行程（お）では、図柄生成行程（う）で確定表示することとしていた当り態様が確定表示される。すなわち、図柄生成行程（お）で確定表示される態様は、図９ロに示す特別図柄始動記憶（３）に割り当てられたハズレ結果に従わず、確定表示することとしていた当り態様が優先的に用いられて確定表示される。また、図柄生成行程（う）では、特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの停止（停止う’’）時のハズレ態様が表示される。さらに、特別図柄A，B，Cの停止（停止う’）及び特別図柄始動記憶（３）に割り当てられたハズレ態様は、その表示実行がキャンセルされる。
【０１１９】
かかる構成とすることにより、確定表示することとした当り態様を必ず実行することとなるから、遊技者の遊技意欲が減退することもない。また、連続予告演出動作中に当り態様が確定表示されることを回避でき、最後の図柄生成行程で当り態様を確定表示する構成の連続予告演出動作を好適に実行することが可能となる。
【０１２０】
また、かかる構成によれば、連続予告演出動作中に記憶保持した特別図柄始動記憶が前倒しして記憶消化されることとなる。これにより、記憶消化を促進することが可能となるため、特別図柄始動記憶数Ｕが上限値に達しにくくなり、遊技者の発射停止行為を防止することができる。
【０１２１】
また、以下のような構成としても良い。
例えば、図９イに示される連続予告演出動作を構成する図柄生成行程（い），（う）のうち、実行順が最後の図柄生成行程（う）で当り態様を確定表示するとした場合にあって、図柄生成行程（い）実行中に、新たに当り結果が割り当てられた特別図柄始動記憶を記憶保持した場合は、図柄生成行程（う）で確定表示するようにしていた当り態様の表示実行をキャンセルし、新たに記憶保持した特別図柄始動記憶に従う当り態様を、追加実行する図柄生成行程で確定表示する構成が提案される。
【０１２２】
また、図９イに示されるように、連続予告演出動作を構成する図柄生成行程（い），（う）のうち、実行順が最後の図柄生成行程（う）でハズレ態様を確定表示するとした場合にあって、図柄生成行程（い）実行中に、新たに当り結果が割り当てられた特別図柄始動記憶を記憶保持した場合は、新たに追加実行する図柄生成行程で、新たに記憶保持した特別図柄始動記憶に従う当り態様を確定表示する構成が好適である。
【０１２３】
また、図９イに示される連続予告演出動作を構成する図柄生成行程（い），（う）のうち、実行順が最後の図柄生成行程（う）でハズレ態様を確定表示するとした場合にあって、図柄生成行程（い）実行中に、新たにハズレ結果が割り当てられた特別図柄始動記憶を記憶保持した場合は、新たに追加実行する図柄生成行程で、新たに記憶保持した特別図柄始動記憶に従うハズレ態様を確定表示する構成が提案される。
【０１２４】
さらに、図９ロに示されるように、遊技がさらに進行して図柄生成行程（い）実行中に新たに遊技球通過ｄ，ｅがあり、２回の未実行の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの停止（停止（う’）、及び停止（う’’））の実行が共にキャンセルされ、図柄生成行程（え）及び図柄生成行程（お）が新たに追加実行されることとなった場合に、図柄生成行程（え）及び図柄生成行程（お）が図柄生成行程（う）の前に追加実行されるようにしても良い。かかる場合には、二番目に実行される図柄生成行程（え）には、連続予告変動パターン▲２▼（図７参照））が割り当てられ、三番目に実行されることとなる図柄生成行程（お）には、連続予告変動パターン▲３▼（図７参照））が割り当てられることとなる。
【０１２５】
かかる構成とすることにより、例えば、図柄生成行程（う）で遊技者が最も望む当り態様を確定表示する場合にあっても、この当り態様を常に最後の図柄生成行程で確定表示することとなるため、遊技者の利益は保護され、遊技者の遊技意欲が減退することもない。
【０１２６】
<第三実施形態例>
また、変動選択パターン処理を以下のような処理内容としても良い。以下、図１０ＡＢＣに従って説明する。なお、始動口処理（図４参照）、及び図柄処理（図５参照）についてはこれまでに述べた実施形態例と共通するため説明を省略する。
図１０Ａに示されるように、変動パターン選択処理にあっては、まず後述する残り予告回数ＴがＴ＞０であるか否かを判定する。ここで、残り予告回数ＴがＴ＝０である場合は、次に連続予告フラグがＯＮであるか否かを判定する。
【０１２７】
さらに、連続予告フラグがＯＦＦである場合には、図１０Ｂに示されるように、変動パターン選択乱数テーブルから変動パターン選択乱数値Ｇを選択し、格納する。そして、次に大当りフラグがＯＮであるか否かを判定する。ここで、大当りフラグがＯＮである場合は、選択した変動パターン選択乱数値Ｇに従って振り分けられた大当り変動パターンテーブルの変動パターンをセットする。一方、大当りフラグがＯＦＦである場合は、次にリーチフラグがＯＮであるか否かを判定する。ここで、リーチフラグがＯＮであると、選択した変動パターン選択乱数値Ｇに従って振り分けられたハズレリーチ変動パターンテーブルの変動パターンをセットする。これに対し、リーチフラグがＯＦＦであると、選択した変動パターン選択乱数値Ｇに従って振り分けられたハズレ変動パターンテーブルの変動パターンをセットする。
【０１２８】
そして、前記の各処理に従って変動パターンをセットすると、次に、この変動パターンを、当該図柄処理で実行することとなる図柄生成行程（以下、当回図柄生成行程という）の変動パターンとする。そして、変動パターン選択処理を終了する。
【０１２９】
次に、変動パターン選択処理のなかでも、本発明の特徴部分である連続予告演出動作にかかる処理内容について、図１０Ｃに従って説明する。
図１０Ａに示されるように、変動パターン選択処理で、連続予告フラグのＯＮ・ＯＦＦを判定し、連続予告フラグがＯＮであると、連続予告演出実行条件が成立することとなり、大当り予告図柄ｆを表出する予告演出図柄生成行程を、予め定められた図柄生成行程総数を限度として、順次実行する一連の連続予告演出動作を実行することとなる。また、予め定められた図柄生成行程総数は、本実施形態例にあっては４回としている。すなわち、前記連続予告演出実行条件が成立すると、４回型連続予告演出動作を実行することとなる。
【０１３０】
そして、図１０Ｃに示されるように、この連続予告演出動作を実行するに際し、一番目の予告演出図柄生成行程を開始する時の特別図柄始動記憶数Ｕ（以下、Ｕ１’という）が、
Ｕ１’＝３
である場合には、当回図柄生成行程及び特別図柄始動記憶として記憶保持された３回分の図柄生成行程とで、合計４回分の図柄生成行程が確保される。そして、これらの図柄生成行程を予告演出図柄生成行程として４回実行して、４回型連続予告演出動作を実行する。
【０１３１】
かかる場合の図柄生成行程での変動態様は以下のように定める。
当回図柄生成行程に、図１１に示される連続予告演出テーブルに備えられた連続予告変動パターン▲１▼’を割り当てる。なお、この連続予告変動パターン▲１▼’は「ニワトリ」を一羽表出する内容である。
【０１３２】
次に、残り予告回数ＴをＴ＝３とする。この残り予告回数Ｔは、実行すべき予告演出図柄生成行程の実行回数を表すものであって、この変動パターン選択処理が実行されるたびに順次１ずつ減少する。そして、Ｔ＝０となるまで処理内容を繰り返す。
【０１３３】
次に、記憶装置ＲＡＭに記憶保持した各特別図柄始動記憶に、連続予告変動パターンを割り当てる。すなわち、特別図柄始動記憶(1)には連続予告変動パターン▲２▼’を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲３▼’を、特別図柄始動記憶(3)には連続予告変動パターン▲４▼’を割り当てる。なお、連続予告変動パターン▲２▼’は、「ニワトリ」を二羽表出する内容であり、連続予告変動パターン▲３▼’は、「ニワトリ」を三羽表出する内容であり、連続予告変動パターン▲４▼’は、「ニワトリ」を四羽表出する内容である。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１３４】
これに対し、
Ｕ１’＜３ （２）
である場合には、当回図柄生成行程と特別図柄始動記憶として記憶保持された図柄生成行程の数を足しても、予告演出図柄生成行程を４回実行するだけの図柄生成行程が確保できない。そこで、かかる場合は、所定規準で定めた特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの組合せ態様を確定表示する予告演出図柄生成行程を所要数だけ追加実行して、４回の予告演出図柄生成行程を実行して、４回型連続予告演出動作を実行可能とすることとなる。かかる構成とすることにより、特別図柄始動記憶数Ｕの多少に関わらず、前記図柄生成行程総数により構成された連続予告演出動作を実行することが可能となる。
【０１３５】
なお、上述のように、本実施形態例のパチンコ遊技機１は、記憶保持可能な特別図柄始動記憶数Ｕの上限が４個であるため、予告演出図柄生成行程開始時の特別図柄始動記憶数Ｕ１’がＵ１’≧４となることはない。また、この特別図柄始動記憶数Ｕ１’の大小の判断基準として用いた前記不等式（２）の右辺の「３」は、
Ｕ１’＋１＜（予め定められた図柄生成行程総数）
で示される不等式より導かれる関係であって、本実施形態例にあっては、
Ｕ１’＜４−１
となり、上述に示した
Ｕ１’＜３
という関係が導かれる。
【０１３６】
ここで、不等式（２）に示される関係のときに実行される連続予告演出動作では、特別図柄始動記憶の記憶消化を伴わない予告演出図柄生成行程が実行される場合がある。なお、いずれの予告演出図柄生成行程を特別図柄始動記憶の記憶消化を伴うものとするかは、適宜選択できる。
【０１３７】
ここで、本実施形態例の特徴である、新たに予告演出図柄生成行程が追加実行される場合の処理内容を説明する。
上述の処理内容で、Ｕ１’≠３であって、次にＵ１’＝２と判定したは、当回図柄生成行程を含めて合計３回分の予告演出図柄生成行程が確保できる。したがって、１回分の予告演出図柄生成行程を新たに追加実行して、４回型連続予告演出動作を実行することとなる。
【０１３８】
まず、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵがＵ１’＝２と判定すると、連続予告変動パターン乱数テーブルから、連続予告変動パターン乱数値Ｒを選択する。そして、この連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝０〜９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼’を割り当てる。さらに、予告演出図柄生成行程を二番目に追加実行することとし（以下、追加実行される予告演出図柄生成行程を追加予告演出図柄生成行程という。）、かかる追加予告演出図柄生成行程に連続予告変動パターン▲２▼’を割り当てる。
【０１３９】
そして、残り予告回数ＴをＴ＝３とし、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲３▼’を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲４▼’を割り当てる。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１４０】
また、連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝１０〜１９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼’を割り当てる。さらに、追加予告演出図柄生成行程を三番目に追加実行することとする。そして、この追加予告演出図柄生成行程に連続予告変動パターン▲３▼’を割り当て、残り予告回数ＴをＴ＝３とし、そして、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲２▼’を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲４▼’を割り当てる。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１４１】
さらにまた、連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝２０〜２９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼’を割り当てる。さらに、追加予告演出図柄生成行程を四番目に追加実行することとし、この追加予告演出図柄生成行程に連続予告変動パターン▲４▼’を割り当てる。そして、残り予告回数ＴをＴ＝３とし、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲２▼’を、特別図柄始動記憶(2)には連続予告変動パターン▲３▼’を割り当てる。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１４２】
次に、Ｕ１’≠２と判定し、さらにＵ＝１と判定した場合について説明する。かかる場合は、当回図柄生成行程を含めて合計２回分の図柄生成行程が確保できる。したがって、２回分の予告演出図柄生成行程を新たに追加実行して、４回型連続予告演出動作を実行することとなる。
【０１４３】
まず、連続予告変動パターン乱数値Ｒを選択し、かかる連続予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝０〜１４であるかを判定する。ここで、Ｒ＝０〜１４の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼’を割り当てる。さらに、二番目、三番目に追加予告演出図柄生成行程を追加実行することとする。また、この二番目の追加図柄生成行程に連続予告変動パターン▲２▼’を、三番目の追加図柄生成行程に連続予告変動パターン▲３▼’を割り当てる。そして、残り予告回数ＴをＴ＝３とし、特別図柄始動記憶(1)に予告変動パターン▲４▼’を割り当てる。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１４４】
また、予告変動パターン乱数値ＲがＲ＝１５〜２９の場合は、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼’を割り当て、三番目、四番目に追加予告演出図柄生成行程を追加実行することとする。また、この三番目の追加予告演出図柄生成行程に連続予告変動パターン▲３▼’を、四番目の追加図柄生成行程に連続予告変動パターン▲４▼’を割り当てる。そして、残り予告回数ＴをＴ＝３とし、特別図柄始動記憶(1)に連続予告変動パターン▲２▼’を割り当てる。そして、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１４５】
最後に、Ｕ１’≠１と判定し、さらにＵ１’＝０と判定した場合について説明する。かかる場合は、確保できる図柄生成行程は、当回図柄生成行程のみであるため、新たに３回分の予告演出図柄生成行程を追加実行して、４回型連続予告演出動作を実行することとなる。
【０１４６】
そして、当回図柄生成行程に連続予告変動パターン▲１▼’を割り当て、二番目、三番目、四番目に追加予告演出図柄生成行程を追加実行することとし、各追加予告演出図柄生成行程に連続予告変動パターン▲２▼’，▲３▼’，▲４▼’を割り当てる。そして、残り予告回数ＴをＴ＝３として、変動パターン選択処理を終了して再度図柄処理に移行する。
【０１４７】
ところで、再度、主制御基板６０の主制御用中央制御装置ＣＰＵが、変動パターン選択処理を実行する場合は、図１０Ａに示されるように、残り予告回数Ｔの回数を判定し、残り予告回数Ｔが１以上である場合は、残り予告回数Ｔから１だけ減算し、当回図柄生成行程に特別図柄始動記憶（１）に割り当てた連続予告変動パターンを割り当てて、変動パターン選択処理を終了することとなる。かかる処理により、連続予告演出動作にかかる予告演出図柄生成行程が４回実行されることとなる。
【０１４８】
また、上述の構成は、連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時に、
Ｕ１’＋１＜４回
の関係にある場合に、常に予告演出図柄生成行程を追加実行して、４回型連続予告演出動作を実行する構成であるが、
Ｕ１’＋２＜４回
の関係にある場合に初めて予告演出図柄生成行程を追加実行する構成としても良い。すなわち、予め定められた図柄生成行程総数（４回）に満たない所定数（２回）の場合に、初めて予告演出図柄生成行程を追加実行する構成が提案されうる。
【０１４９】
<第四実施形態例>
次に他の実施形態例を図１２イロに従って説明する。
第四実施形態例は、連続予告演出動作中に、特別図柄始動記憶が新たに記憶保持されると、未実行の予告演出図柄生成行程のいずれかの実行をキャンセルし、新たに記憶保持した当該特別図柄始動記憶の記憶消化を伴う予告演出図柄生成行程を新たに追加実行するようにしたものである。
【０１５０】
例えば、図１２イに示されるように、遊技球通過ａに基づいて実行開始する図柄生成行程（あ）の実行中に遊技球通過ｂ，ｃがあり、遊技球通過ｂに対応して特別図柄始動記憶（１）が記憶保持され、遊技球通過ｃに対応して特別図柄始動記憶（２）が記憶保持された場合について説明する。
【０１５１】
特別図柄始動記憶（２）が連続予告演出動作を実行する内容が割り当てられ、かつ「大当り」とする内容であると、特別図柄始動記憶（１）の記憶消化と共に実行開始する図柄生成行程（い）は、連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程となる。そして、予告演出図柄生成行程（い）開始時の特別図柄始動記憶数Ｕ１’は、Ｕ１’＝１であるから、特別図柄始動記憶（２）を伴う予告演出図柄生成行程（う）に加えて、２回分の追加予告演出図柄生成行程（え），（お）が追加実行されることとなる。ここでは、追加予告演出図柄生成行程が三番目、四番目に実行され、この四番目の予告演出図柄生成行程（お）で、予告演出図柄生成行程（う）で確定表示することとしていた遊技球通過ｃに基づく当り態様が確定表示される。また、予告演出図柄生成行程（う），（え）では、遊技球通過と無関係な、予め備えられたハズレ態様が確定表示される。なお、予告演出図柄生成行程（い）では、連続予告変動パターン▲１▼’（図１１参照）が、予告演出図柄生成行程（う）では、連続予告変動パターン▲２▼’が、予告演出図柄生成行程（え）では、連続予告変動パターン▲３▼’が、予告演出図柄生成行程（お）では、連続予告変動パターン▲４▼’が割り当てられる。また、特別図柄始動記憶（１）が記憶消化されると、特別図柄始動記憶（２）は特別図柄始動記憶（１）にシフトされる。さらに、ここでは、予告演出図柄生成行程（い），（う）実行時に特別図柄始動記憶数が記憶消化される。ただし、いずれの予告演出図柄生成行程で記憶消化するかは適宜選択できる。
【０１５２】
ここで、図１２ロに示されるように、遊技がさらに進行して予告演出図柄生成行程（い）実行中に、新たに遊技球通過ｄ，ｅがあると、これらに対応する特別図柄始動記憶（２），（３）が記憶保持されることとなる。ここで、これらの特別図柄始動記憶（２），（３）は、ハズレ結果が割り当てられているとする。
【０１５３】
このように、新たに２個の特別図柄始動記憶（２），（３）が記憶保持された場合には、記憶消化の伴わない未実行の予告演出図柄生成行程（え），（お）の実行がキャンセルされ、特別図柄始動記憶の記憶消化を伴う予告演出図柄生成行程（え’），（お’）が新たに追加実行されることとなる。ここで、三番目に実行することとしていた追加予告演出図柄生成行程（え）に割り当てらた連続予告変動パターン（ここでは、連続予告変動パターン▲３▼’は、新たに追加された追加予告演出図柄生成行程（え’）に割り当てられ、四番目に実行することとしていた追加予告演出図柄生成行程（お）に割り当てらた連続予告変動パターン（ここでは、連続予告変動パターン▲４▼’は、新たに追加された追加予告演出図柄生成行程（お’）に割り当てられることとなる。そしてさらに、追加予告演出図柄生成行程（お）で確定表示することとしていた当り態様は、追加予告演出図柄生成行程（お’）で確定表示される。なお、新たに記憶保持した特別図柄始動記憶に従うハズレ態様を、既に確定表示することとしていたハズレ態様に代えて確定表示するようにしても良い。
【０１５４】
このように、連続予告演出動作実行中に、新たに特別図柄始動記憶を記憶保持した場合に、未実行の予告演出図柄生成行程の実行をキャンセルし、記憶消化の伴う予告演出図柄生成行程を新たに追加実行するようにすることにより、記憶保持した特別図柄始動記憶を優先的に記憶消化することとなるから、記憶消化を促進することが可能となり、特別図柄始動記憶数Ｕ１’が上限値に達しにくくなる。したがって、これにより招来する遊技者の発射停止行為を防止することができ、パチンコ遊技機１の稼働率の低下を解消することができる。
【０１５５】
また、第四実施形態例にかかる上述の構成は、最後に当り態様を確定表示する連続予見演出動作中に、特別図柄始動記憶を新たに記憶保持した場合に、最後の予告演出図柄生成行程で該当り態様を確定表示するようにした構成である。かかる構成とすることにより、新たに記憶保持した特別図柄始動記憶を優先的に記憶消化することとなるから、始動記憶の記憶消化を促進することができると共に、確定表示することとした当り態様を必ず確定表示するようにする構成であるから、遊技者の遊技意欲が減退することもない。
【０１５６】
また、以下のような構成としても良い。
例えば、図１２イに示される連続予告演出動作を構成する図柄生成行程（い），（う），（え），（お）のうち、実行順が最後の図柄生成行程（お）で当り態様を確定表示するとした場合にあって、図１２ロに示されるように、図柄生成行程（い）実行中に、新たに当り結果が割り当てられた特別図柄始動記憶（３）を記憶保持した場合は、図柄生成行程（お）で確定表示するようにしていた当り態様に代えて、図柄生成行程（お’）で新たに記憶保持した特別図柄始動記憶に従う当り態様を確定表示する構成が提案される。
【０１５７】
また、例えば、図１２イに示されるように、連続予告演出動作を構成する図柄生成行程（い），（う），（え），（お）のうち、実行順が最後の図柄生成行程（お）でハズレ態様を確定表示するとした場合にあって、図１２ロに示されるように、図柄生成行程（い）実行中に、新たに当り結果が割り当てられた特別図柄始動記憶（３）を記憶保持した場合は、図柄生成行程（お）で確定表示するようにしていたハズレ態様に代えて、図柄生成行程（お’）で新たに記憶保持した特別図柄始動記憶に従う当り態様を確定表示する構成が好適である。
【０１５８】
また、例えば、連続予告演出動作を構成する図柄生成行程（い），（う），（え），（お）のうち、実行順が最後の図柄生成行程（お）でハズレ態様を確定表示するとした場合にあって、図１２ロに示されるように、図柄生成行程（い）実行中に、新たにハズレ結果が割り当てられた特別図柄始動記憶（３）を記憶保持した場合は、図柄生成行程（お）で確定表示することとしていたハズレ態様に代えて、図柄生成行程（お’）で新たに記憶保持した特別図柄始動記憶に従うハズレ態様を確定表示する構成としても良い。このように、他の予告演出図柄生成行程で確定表示することとしていた組合せ態様を順序を入れ替えて確定表示する構成が提案される。
【０１５９】
さらに、図１２ロに示されるように、遊技がさらに進行して図柄生成行程（い）実行中に新たに遊技球通過ｄ，ｅがあり、２回の未実行の特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの停止（停止（う’）、及び停止（う’’））の実行が共にキャンセルされ、図柄生成行程（え）及び図柄生成行程（お）が新たに追加実行されることとなった場合に、図柄生成行程（え）及び図柄生成行程（お）が図柄生成行程（う）の前に追加実行されるようにしても良い。かかる場合には、二番目に実行される図柄生成行程（え）には、連続予告変動パターン▲２▼（図１１参照））が割り当てられ、三番目に実行されることとなる図柄生成行程（お）には、連続予告変動パターン▲３▼（図１１参照））が割り当てられることとなる。
【０１６０】
かかる構成とすることにより、例えば、図柄生成行程（う）で遊技者が最も望む当り態様を確定表示する場合にあっても、この当り態様を常に最後の図柄生成行程で確定表示することとなるため、遊技者の利益は保護され、遊技者の遊技意欲が減退することもない。
【０１６１】
なお、本発明は、第３種パチンコ遊技機に適用しても良く、また本発明の主旨を逸脱しない限り実施形態を適宜に変更することが可能である。
【０１６２】
【発明の効果】
本発明は、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、始動記憶数が予告演出動作実行総数に満たない所定数の場合に、連続予告演出動作を構成するいずれかの図柄生成行程で、当該図柄生成行程で選出図柄を確定表示する前に、前記予告演出動作実行総数となるように、ハズレ態様で所要回数停止し、擬似連続予告演出動作を行う構成としたから、始動記憶数の多少に関わらず、連続予告演出動作を擬似的に実行することが可能となり、遊技者の期待感を徐々に刺激できるという連続予告演出動作ならではの演出効果を十分に発揮することができる優れた効果がある。
【０１６３】
また、連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、始動記憶数と予告演出動作実行総数とが、
（一番目の図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）＋１＜（予め定められた予告演出動作実行総数）
の関係にある場合に、擬似連続予告演出動作を行う構成とした場合には、始動記憶数によらず、連続予告演出動作を常に実行することが可能となり、連続予告演出動作ならではの演出効果を十分に発揮することができる。
【０１６４】
また、擬似連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合に、図柄生成行程で選出図柄を確定表示する前に実行することとした所要回数の選出図柄停止のうち、未実行の選出図柄停止のいずれかの実行をキャンセルし、当該始動記憶の記憶消化を伴い、かつ予告演出動作を実行する図柄生成行程を新たに追加実行するようにした場合には、連続予告演出動作中に保持した始動記憶を当該連続予告演出動作が終了するまで保留しておくのではなく、当該連続予告演出動作中に前倒しして記憶消化することとなるから、始動記憶の記憶消化を促進することができる。したがって、例えば記憶保持可能な始動記憶数に上限値が設定されている構成であっても、記憶消化が円滑となるため、始動記憶数がその上限値に達しにくくなり、記憶数が上限値に達することに起因する遊技者の発射停止行為を防止することができる利点がある。
【０１６５】
また、新たに擬似連続予告演出動作中に記憶保持した始動記憶の記憶消化を伴い、かつ予告演出動作を実行する図柄生成行程を最後の図柄生成行程の前に追加実行するようにした場合には、新たに記憶保持した始動記憶を優先的に記憶消化することとなるから、始動記憶の記憶消化が促進されるという効果がある。さらに、例えば最後の図柄生成行程で遊技者が最も望む当り態様を確定表示する場合にあっても、この当り態様を常に最後の図柄生成行程で確定表示することとなるため、遊技者の利益は保護され、遊技者の遊技意欲が減退することない利点がある。
【０１６６】
また、新たに擬似連続予告演出動作中に記憶保持した始動記憶の記憶消化を伴い、かつ予告演出動作を実行する図柄生成行程を追加実行するようにした場合に、この新たに記憶保持した始動記憶に割り当てられた当り結果を最後の図柄生成行程で確定表示するようにした場合には、当り結果が割り当てられた始動記憶を優先的に用いることとなるから、遊技者が最も望む当り態様を早期に確定表示することが可能となり、遊技者の遊技意欲の減退を抑止することが可能となる。
【０１６７】
また、本発明は、連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時に、始動記憶数が図柄生成行程総数に満たない所定数の場合に、連続予告演出動作中に、前記図柄生成行程総数となるように予告演出図柄生成行程を所要回数追加実行する構成としたから、始動記憶数の多少に関わらず、連続予告演出動作を実行することが可能となる。これにより、遊技者の期待感を徐々に刺激できるという連続予告演出動作ならではの演出効果を十分に発揮することができる優れた効果を奏する。
【０１６８】
また、連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時に、始動記憶数と図柄生成行程総数とが、
（予告演出図柄生成行程実行開始時の始動記憶数）＋１＜（予め定められた図柄生成行程総数）
の関係にある場合に、連続予告演出動作中に、前記図柄生成行程総数となるように予告演出図柄生成行程を、所要回数追加実行するようにした構成とした場合には、始動記憶数によらず、連続予告演出動作を常に実行することが可能となり、連続予告演出動作ならではの演出効果を十分に発揮することができる。
【０１６９】
さらに、連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合に、未実行の予告演出図柄生成行程のいずれかの実行をキャンセルし、当該始動記憶の記憶消化を伴う予告図柄生成行程を新たに追加実行するようにした構成とした場合には、始動記憶が早期に記憶消化されることとなるため、例えば記憶保持可能な始動記憶数に上限値が設定されている構成であっても、始動記憶数がその上限値に達しにくくなり、記憶数が上限値に達することに起因する遊技者の発射停止行為を防止することができる優れた効果が生じる。
【０１７０】
また、新たに連続予告演出動作中に記憶保持した始動記憶の記憶消化に伴う予告演出図柄生成行程を、最後の予告演出図柄生成行程の前に追加実行するようにした場合には、新たに記憶保持した始動記憶を優先的に記憶消化することとなるから、始動記憶の記憶消化を促進することができる。さらに、例えば最後の図柄生成行程で遊技者が最も望む当り態様を確定表示する場合にあっても、この当り態様を必ず確定表示することとなるため、遊技者の利益は保護され、遊技者の遊技意欲が減退することを防止できる利点がある。
【０１７１】
さらに、連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持し、当該新たに記憶保持した始動記憶の記憶消化を伴う予告演出図柄生成行程を追加実行するようにした場合にあって、この新たに記憶保持した始動記憶に割り当てられた当り結果を最後の予告演出図柄生成行程で確定表示するようにした場合には、当り結果が割り当てられた始動記憶を優先的に用いることとなるため、遊技者が最も望む当り態様を早期かつ確実に確定表示することが可能となり、遊技者の遊技意欲の減退を抑止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】パチンコ遊技機１の正面図である。
【図２】遊技盤７の正面図である。
【図３】遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図である。
【図４】始動口処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図５】図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図６Ａ】変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図６Ｂ】図６Ａから続く、変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図６Ｃ】図６Ａから続く、変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図７】連続予告変動パターンテーブルを示す図表である。
【図８Ａ】図柄表示領域１７で演出実行される連続予告演出動作態様を示す説明図である。
【図８Ｂ】図８Ａから続く、図柄表示領域１７で演出実行される連続予告演出動作態様を示す説明図である。
【図９】第二実施形態例にかかる連続予告演出動作中に遊技球通過を記憶保持した場合における特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの変動・停止を態様を示すタイムチャートである。
【図１０Ａ】第三実施形態例にかかる変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図１０Ｂ】図１０Ａから続く、第三実施形態例にかかる変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図１０Ｃ】図１０Ａから続く、第三実施形態例にかかる変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図１１】第三実施形態例にかかる連続予告変動パターンテーブルを示す図表である。
【図１２】第四実施形態例にかかる連続予告演出動作中に遊技球通過を記憶保持した場合における特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの変動・停止を態様を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
Ａ，Ｂ，Ｃ 特別図柄
ｆ 大当り予告図柄
Ｕ，Ｕ１，Ｕ１’ 特別図柄始動記憶数
１ パチンコ遊技機
１４ 遊技領域
１６ 図柄表示装置
２０ 特別図柄始動領域
あ，い，う，え，え’，お，お’ 図柄生成行程

Claims (4)

1. 選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、
   該図柄表示装置を駆動し、選出図柄を変動後停止して選出図柄を確定表示する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段を備え、前記図柄始動領域への遊技球通過を契機として、始動記憶を始動記憶手段に記憶保持し、予め定められた図柄始動条件が成立すると、始動記憶を記憶順に記憶消化すると共に、前記図柄制御手段により選出図柄を確定表示する図柄生成行程を実行し、確定表示する選出図柄を当り態様とした場合に、所定の賞球形態を発生する特別遊技作動を実行する制御内容を具備する遊技制御手段を備えたパチンコ遊技機において、
   遊技制御手段が、所定の連続予告演出実行条件成立に起因して、大当り予告図柄を図柄表示装置に表出することにより選出図柄が当り態様で確定表示される確率を見かけ上高くする予告演出動作を、予め定められた予告演出動作実行総数を限度として、図柄生成行程の実行毎に順次実行する一連の連続予告演出動作を行うものであって
   連続予告演出動作を構成する一番目の図柄生成行程実行開始時に、始動記憶手段に記憶保持した始動記憶数が、予め定められた予告演出動作実行総数に満たない所定数の場合に、連続予告演出動作を構成するいずれかの図柄生成行程で、当該図柄生成行程で選出図柄を確定表示する前に、前記予告演出動作実行総数となるように、選出図柄を所定規準で定めたハズレ態様で所要回数停止し、選出図柄の変動開始から停止に至る各期間で予告演出動作を実行する、擬似連続予告演出動作を行う制御内容を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
2. 遊技制御手段が、擬似連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合に、図柄生成行程で選出図柄を確定表示する前に実行することとした所要回数の選出図柄停止のうち、未実行の選出 図柄停止のいずれかの実行をキャンセルし、当該始動記憶の記憶消化を伴い、かつ予告演出動作を実行する図柄生成行程を新たに追加実行するようにする制御内容を備えたことを特徴とする請求項１記載のパチンコ遊技機。
3. 選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域とを遊技領域上に設け、
   該図柄表示装置で、選出図柄を変動後停止して選出図柄を確定表示する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、
   前記図柄始動領域への遊技球通過を契機として、始動記憶を始動記憶手段に記憶保持し、予め定められた図柄始動条件が成立すると、図柄制御手段に選出図柄を確定表示する図柄生成行程を実行させ、確定表示させる選出図柄を当り態様とした場合に、所定の賞球形態を発生する特別遊技作動を実行する制御内容を具備する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、
   遊技制御手段が、所定の連続予告演出実行条件成立に起因して、大当り予告図柄を図柄表示装置に表出することにより選出図柄が当り態様で確定表示される確率を見かけ上高くする予告演出図柄生成行程を、予め定められた図柄生成行程総数を限度として、順次実行する一連の連続予告演出動作を行うものであって
   連続予告演出動作を構成する一番目の予告演出図柄生成行程実行開始時に、始動記憶手段に記憶保持した始動記憶数が、予め定められた前記図柄生成行程総数に満たない所定数の場合に、連続予告演出動作中に、予め定められた図柄生成行程総数となるように、所定規準で定めた選出図柄を確定表示する予告演出図柄生成行程を、所要回数追加実行するようにした制御内容を備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。
4. 遊技制御手段が、連続予告演出動作中に、始動記憶を新たに記憶保持した場合に、未実行の予告演出図柄生成行程のいずれかの実行をキャンセルし、当該始動記憶の記憶消化を伴う予告演出図柄生成行程を新たに追加実行するようにした制御内容を備えたことを特徴とする請求項３記載のパチンコ遊技機。

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