JP4068412B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、該図柄表示装置で、選出図柄を変動後停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、図柄始動領域への遊技球通過を契機として、該図柄制御手段によって図柄生成行程で表示させる図柄態様を選定すると共に、確定表示させる各選出図柄の組合せを所定の当り図柄態様とする場合には、所定の賞球形態を発生させることとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機は良く知られている。これらには、いわゆる第1種パチンコ遊技機及び第3種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第1種パチンコ遊技機は、開閉片により開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置を備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、特別遊技作動として、可変入賞装置の大入賞口の開放と、所定の開放制限時間の経過又は該開放制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することを継続条件として、所定制限回数まで繰り返して実行するものである。
【0004】
また、第3種パチンコ遊技機は、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴って該大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、選出図柄が所定の当り図柄態様で確定表示された場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動を実行するものである。ここで、特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への球通過が可能となり、かつ該球通過ごとに、大入賞口の開放と、閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
【0005】
上述した従来の第1種パチンコ遊技機又は第3種パチンコ遊技機にあって、当り図柄態様が表出することを条件に作動させる特別遊技作動は、その賞球形態により多くの賞球を遊技者に供与し得るものであるから、遊技者の最も望む遊技作動である。そして、この特別遊技作動の実行条件である当り図柄態様として、当該特別遊技作動後に、有利遊技状態を発生させる有利当り図柄態様と、該有利遊技状態を発生させない通常当り図柄態様とが構成されている。この有利遊技状態は、次回の当り図柄態様の表出、或いは、所定回数の図柄生成行程の実行のいずれかとなるまで継続されることとなっている。
【0006】
このような有利遊技状態としては、例えば、上述した第1種パチンコ遊技機にあって、図柄生成行程が当り図柄態様を表出する確率を向上する確変遊技状態、図柄生成行程の変動時間(選出図柄の変動開始から確定まで)を短縮する等を行う時短遊技状態が存在する。このような確変遊技状態及び時短遊技状態は、通常の遊技状態に比して、比較的短時間に続けて当り図柄態様を表出する可能性が高い遊技状態であるから、これら有利な遊技状態となる当り図柄態様が確定表示された場合には、遊技者は大きな達成感と多大な利益を得ることができる。このように、同じ当りであっても遊技者の得る利益に差を生じさせ、遊技を盛り上げるようにしている構成が一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の確変遊技状態や時短遊技状態等の有利遊技状態にあって、図柄生成行程が通常の当り図柄態様を表出すると、当該有利遊技状態が終了することとなる。すなわち、有利遊技状態が所定回数の図柄生成行程を実行することを限度としている構成にあっては、該限度回数に達する前に通常当り図柄態様となると、残り回数は無効となってしまう。一般的に遊技者は、有利遊技状態が継続するように、有利当り図柄態様が連続して表出することを切望していることから、有利遊技状態で通常当り図柄態様が表出すると、この有利遊技状態の利得を十分に活用できないという印象を残すこととなり、有利遊技状態に対する期待感や満足感が急速に減退することとなっていた。また、比較的パチンコ遊技に精通した遊技者は、有利遊技状態となると、再度有利当り図柄態様を表出して、有利遊技状態を継続したいという思いが強い。そのため、有利遊技状態を継続する図柄生成行程の実行回数が残っている状況で、通常当り図柄態様が表出すると、当該通常当り図柄態様をキャンセルして、そのまま有利遊技状態を継続したいと思う程、落胆することもあった。このように、遊技者に最も大きな利得を供与できる有利遊技状態において、遊技の興趣性に限界が生じていた。
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するために、有利遊技状態による有利性を、その興趣感と共に、遊技者が十分に享受でき得るパチンコ遊技機を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のパチンコ遊技機において、当り図柄態様が、当該特別遊技作動の終了後に、図柄生成行程が所定回数実行されるまでを限度として継続される、有利遊技状態を発生させる有利当たり図柄態様と、該有利遊技状態を発生させない通常当り図柄態様とを備え、前記遊技制御手段が、有利遊技状態にあって、図柄生成行程が当り図柄態様を表出することとなると、該当り図柄態様による特別遊技作動の実行に優先して、当該有利遊技状態を継続させ、該有利遊技状態の終了後に該特別遊技作動を実行すると共に、有利遊技状態にあって、複数回の当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に一回の特別遊技作動を実行すると共に、当り図柄態様の表出回数に従って図柄生成行程の限度回数を定め、特別遊技作動を実行した後、図柄生成行程が前記限度回数だけ実行されるまでを限度として有利遊技状態を継続させるようにした有利遊技制御内容を備えていることを特徴とする。
かかる構成にあっては、有利当り図柄態様による当りが発生し、有利遊技状態となった場合に、図柄生成行程が当り図柄態様を表出しても、当該当り図柄態様による特別遊技作動は直ちに実行されず、優先的に有利遊技状態を継続し、該有利遊技状態が終了した後、該特別遊技作動が実行されることとなる。従って、有利遊技状態の継続限度である所定回数の図柄生成行程が実行終了するまで、当り図柄態様、特に有利当り図柄態様の表出に向けて高揚する期待感と緊張感とを維持できる興趣溢れる遊技を提供できる。而して、遊技者は有利遊技状態の有する有利性を十分に活用することができるから、有利遊技状態で例え、通常当り図柄態様が表出された場合にあっても、再度、有利当り図柄態様の表出に向けた挑戦意欲が刺激されることとなり、娯楽性に富む遊技を満喫することができる。かかる構成により、特別遊技作動の実行条件である当り図柄態様に利益差を設けたパチンコ遊技機にあっては、有利遊技状態における興趣性が一層向上し、有利遊技状態の意義が一層高まる。
【0010】
ここで、有利遊技状態で表出した当り図柄態様による特別遊技作動は、該有利遊技状態の終了後に実行されることから、例えば、複数回の当り図柄態様が表出した場合には、その表出回数に従って特別遊技作動が連続して実行されることとなる。而して、遊技者は一度に多量の賞球利益を得ることも可能であるから、遊技者の満足感を十分満たすことができると共に、次の遊技への挑戦意欲を誘起させ得るという優れた利点も生ずる。
【0011】
上述の有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、図柄生成行程が有利当り図柄態様を表出することとなると、当該有利遊技状態を終了して特別遊技作動を実行するようにした制御内容を備えている構成も提案される。かかる構成にあっては、例え、有利遊技状態を継続する図柄生成行程の実行回数が残っていた場合でも、有利当り図柄態様を表出すると、当該有利遊技状態を終了して特別遊技作動が実行された後、再び有利遊技状態が発生することとなる。すなわち、有利当り図柄態様が表出した場合には、引き続き有利遊技状態となることから、特別遊技作動を実行して所定の賞球利益を供与して、遊技者の満足感と、新たな有利遊技状態への挑戦意欲とを刺激することができる。また、通常当り図柄態様が表出すると、有利遊技状態が継続することとなるから、有利遊技状態における遊技者の期待感と緊張感とを刺激できる。而して、遊技者は大きな利益を獲得できる有利遊技状態の発生を切望することとなり、興趣感が一層刺激される娯楽性に富む面白い遊技を楽しむことができる。尚、この有利当り図柄態様が表出する前に、通常当り図柄態様を表出していれば、これら特別遊技作動が連続して実行され、多大な賞球を遊技者は獲得することが可能である。
【0012】
このような有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、複数回の通常当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に一回の特別遊技作動を実行すると共に、該特別遊技作動の終了後に、有利遊技状態を再発生させる制御内容を備えている構成が提案される。かかる構成にあっては、有利遊技状態を継続する所定限度回数の図柄生成行程が終了して、有利遊技状態が終了するまでに、有利当り図柄態様を表出することなく、通常当り図柄態様を複数回表出すると、特別遊技作動の実行を一回分のみとする代わり、有利遊技状態を再発生させるようにしたものである。これにより、遊技者が獲得できる賞球利益は一回分の特別遊技作動によるもののみとなるが、引き続き発生する有利遊技状態によって、比較的短時間に当り図柄態様を表出する可能性が高くなるから、新たな当り図柄態様の表出に向けた挑戦意欲が刺激され、期待感と緊張感が持続する興趣溢れる遊技を楽しむことができる。
【0013】
また、上述した有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、複数回の当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に一回の特別遊技作動を実行すると共に、当り図柄態様の表出回数に従って、継続限度とする図柄生成行程の実行回数を変化させた有利遊技状態を発生させる制御内容を備えている構成としている。かかる構成にあっては、有利遊技状態における当り図柄態様の表出回数によって、次の有利遊技状態の継続期間を決めるという新たな趣向性を有利遊技状態に付与したものである。これにより、遊技者は、次の有利遊技状態がなるべく長くなるように、当該有利遊技状態で当り図柄態様を複数回表出したいという感情が強く誘発され、より大きな利益獲得に向けた挑戦意欲が刺激される娯楽性に富む遊技に熱中することとなり得る。ここで、当り図柄態様の表出回数と、有利遊技状態の継続期間を表す図柄生成行程の限度回数との関係としては、表出回数が多いほど、限度回数を増加させる構成となる。さらには、特定の表出回数となると、限度回数が大幅に増加するような構成としても良い。
【0014】
また、有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、複数回の当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に、これら当り図柄態様の中で最も獲得利得の大きい当り図柄態様に従う特別遊技作動に限って選択実行するようにした制御内容を備えている構成も提案される。かかる構成にあっては、有利遊技状態で複数回の当り図柄態様を表出した場合には、その中で最も利得の大きい当り図柄態様による特別遊技作動を実行することにより当該利得を遊技者に供与するようにしたものである。すなわち、有利遊技状態と通常遊技状態との二種類の遊技状態を備える構成にあっては、両方の当り図柄態様が表出した場合には、特別遊技作動後に再び有利遊技状態が発生することとなる。また、例えば、継続期間が異なる複数種類の有利遊技状態を設定した構成にあっては、特別遊技作動後に、表出した当り図柄態様の中で最も継続期間の長い有利遊技状態となる。かかる構成により、遊技者は、複数回の当り図柄態様を表出しても一回分の特別遊技作動しか得られないこととなるが、最も大きい利得を獲得できるから、獲得した利得により再び大きな利益を獲得してやろうという挑戦意欲が刺激され、遊技に一層熱中することとなり得る。
【0015】
一方、このような有利遊技状態が、時短遊技状態であるとした構成が提案される。ここで、時短遊技状態は、通常遊技状態に比して、図柄生成行程に要する時間を短縮すると共に、図柄始動領域への遊技球通過を容易とする遊技状態である。例えば、特別遊技作動の実行有無を決める特別図柄と、該特別図柄の始動領域を備えた普通電動役物と、該普通電動役物を拡開作動させる普通図柄とを備える第一種パチンコ遊技機にあっては、時短遊技状態では、特別図柄と普通図柄の変動時間を短縮すると共に、普通電動役物の拡開時間を延長する構成である。このような時短遊技状態では、単位時間あたりの図柄生成行程の実行回数が増加することとなるから、連続的に当り図柄態様の表出する可能性が高い。かかる構成にあっては、この時短遊技状態を、図柄生成行程が所定回数実行するまで継続することにより、遊技者の当り図柄態様に向けて高揚する期待感と緊張感とを一層刺激することができる。
【0016】
また、有利遊技状態が、確変遊技状態であるとした構成も提案される。ここで、確変遊技状態は、図柄生成行程で当り図柄態様が表出される確率を、通常遊技状態に比して、高確率とする遊技状態であるから、比較的容易に連続して当り図柄態様が表出する可能性が高い。このような確変遊技状態により、所定回数の図柄生成行程が当り確率の高いものとなるから、遊技者の当り図柄態様に向けた期待感と緊張感とを一層高揚させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
いわゆる第1種パチンコ遊技機に本発明を適用した一実施形態例を説明する。図1はパチンコ遊技機の遊技盤1の正面図である。また図2は、遊技盤1の内側レール内の中央に配設されたセンターケース4の正面図である。ここでセンターケース4内には液晶表示器、CRT表示器、ドットマトリックスまたは7セグメント指示器等からなる図柄表示装置6が設けられる。この図柄表示装置6の図柄表示領域Fには三つの特別図柄A,B,Cと二つの普通図柄X,Yとが表示される。ここで、本実施形態例における第1種パチンコ遊技機にあっては、特別図柄A,B,Cを選出図柄としている。この特別図柄(選出図柄)A,B,Cは、「0」〜「9」の10個の数字図柄によって構成され、いずれかの数字図柄が表示される。また、普通図柄X、Yは、「7」及び「−」のいずれかを表示するものであり、普通図柄X=Y=「7」の普通図柄当り態様を表示した場合には、普通電動役物15を拡開作動する。
【0018】
図柄表示装置6の直上右位置には四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置8が設けられる。この特別図柄始動記憶数表示装置8は、後述する主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された始動記憶数を表示する。
【0019】
また、図柄表示装置6の直上左位置には、四個のパイロットランプからなる普通図柄始動記憶数表示装置12が設けられ、後述の普通図柄始動スイッチS2(図3参照)からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を表示する。
【0020】
一方、センターケース4の左右両側には、普通図柄作動ゲート(普通図柄始動領域)13,13が設けられ、遊技球の通過により該普通図柄作動ゲート13,13に内蔵された普通始動スイッチS2から遊技球検出信号が発生すると、図柄表示装置6の普通図柄X、Yが変動する。
【0021】
また、図柄表示装置6の直下位置には、内部を特別図柄始動領域14として、開閉翼片により始動領域(入賞口兼用)の開口度を変化させるようにした普通電動役物15が配設されている。そして、普通図柄X、Yが上述の普通図柄当り態様を表示した場合には、開閉翼片が約0.5秒拡開して、特別図柄始動領域14の開口度を拡開させ、遊技球が入り易い状態となる。普通電動役物15内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が備えられ、該特別図柄始動スイッチS1による遊技球通過検知に起因して、図柄表示装置6の特別図柄A,B,Cを変動表示し、所定の特別図柄表示態様で停止表示することとなる。
【0022】
普通電動役物15のさらに下方には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23が配設され、開閉片24を大入賞口開放ソレノイド(図3参照)により開閉制御することにより大入賞口23を開放状態と閉鎖状態のいずれかに変換する可変入賞装置22が配設されている。そして、図柄表示装置6の特別図柄A,B,Cの組み合わせが当り図柄態様となると、開閉片24が開いて、その開放状態で開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球を案内すると共に、特定領域に遊技球が入ると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、連続開放作動を生じて、遊技者に所定の利得が供される。この可変入賞装置22は、後述する特別遊技作動を実行するものであって、その内部には、図3で示すように、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【0023】
図3は、本実施例にかかるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、該主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示せず)と、データのやり取りを行なうデータバス(図示せず)を介して接続され、該主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、動作プログラム、乱数テーブル等の固定データが記憶されている。この乱数テーブルにあっては、当り特別乱数テーブルk、当り図柄乱数テーブルl、ハズレ図柄乱数テーブルm、リーチ乱数テーブルn、リーチ図柄乱数テーブルp、リーチ態様乱数テーブルq、普通当り乱数テーブルu、普通当り図柄乱数テーブルv等が格納されている。そして、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUにて各乱数値の抽選が行われ、当り特別乱数値K、当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb ,Mc 、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q、普通当り乱数値U、普通当り図柄乱数値V等が抽出される。そして、これら抽出された各乱数値を用い、所定の動作プログラムを実行することにより、遊技が進行態様を決定する。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 、普通図柄始動スイッチS2 のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0024】
この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示せず)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
【0025】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、上述した特別図柄始動スイッチS1が直に接続されている。さらに、盤面中継基板61を介して普通図柄始動スイッチS2 、特定領域スイッチS3、カウントスイッチS4が接続されている。そして、主制御基板60は、2ms毎に各スイッチS1〜4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15のソレノイドや、大入賞口23のソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0026】
ここで主制御用中央制御装置CPU及び後述する各制御基板に設置されている各中央制御装置CPUは、所定の制御プログラムの制御処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、該演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板に夫々送信し、各制御基板の中央制御装置CPUが該制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0027】
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置6の図柄表示領域F上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この記憶装置ROMには、動作プログラム、図柄表示領域Fで表示する特別図柄A,B,C及び普通図柄X、Yの可変パターン及びその表示パターン、当り遊技パターン、リーチ演出パターン、祝祭表示パターン等の表示態様を行う固定データも記憶されている。
【0028】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を図柄制御用中央制御装置CPUにおいて、所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。そして、該表示用ドライバは該図柄データに従って、図柄表示装置6の図柄表示領域Fに所定の図柄を表出させる。この図柄表示装置6としては、CRT表示器やLCD(液晶)表示器等を好ましく用い得る。
【0029】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン、及び祝祭パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信して、該音データを受けてスピーカ66に出力させる。
【0030】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードLEDや装飾ランプといった電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン、及び祝祭パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に送信し、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0031】
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から受信した制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで所定の動作プログラムに従って演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、該データにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、該プリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球等のデータをやりとりする。
【0032】
このように、上述の各中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAM、動作プログラム等によって、パチンコ遊技機の遊技進行を制御実行するマイクロコンピュータシステムが構成されている。このマイクロコンピュータには、所定の動作プログラムに従って、遊技の進行態様を決定する遊技制御手段と、該遊技制御手段による制御指示信号に従って、図柄態様の表示、変動等を制御実行する図柄制御手段とが構成されている。
【0033】
次に本実施例の制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が発射装置より遊技盤1に発射され、該遊技球が特別図柄始動領域14を通過し、特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、該信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が認識する。かかる信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている当り特別乱数値K、当り図柄乱数値L、ハズレ図柄乱数値Ma ,Mb ,Mc 、リーチ乱数値N、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q等を各乱数テーブルから抽出し、各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。このように始動記憶が記憶されると、該始動記憶の記憶数を表す始動記憶数Iに1が加算される。この始動記憶数Iの値に従って、上述した特別図柄始動記憶表示装置8が点灯又は消灯して、始動記憶数Iを遊技者に報知する。さらには、特別図柄始動スイッチS1のON信号に基づき、主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に発信すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々発信する。
【0034】
主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0035】
また、記憶装置RAMに始動記憶が存在する場合にあって、主制御基板60は、上述した大入賞口23を開閉作動する特別遊技作動が作動していない状態、及び特別図柄A,B,Cが変動していない状態を認識していると、主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている始動記憶を消化する。そして、記憶装置RAMに記憶保持した各乱数値を用いて所定の動作プログラムを演算処理することによって、図柄生成行程の表示態様を決定する。この表示態様を表出するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。そして、この図柄制御指令信号に従って、図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている所定の表示プログラムを用いて、図柄表示装置6で表示する図柄生成行程の一連の表示態様を決定する。そして、図柄表示制御基板62は、該表示態様に従って、特別図柄A,B,Cの変動を開始し、順次停止して所定の図柄表示態様を確定表示する図柄生成行程を実行する。
【0036】
その他、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を該図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に発信すると共に、電飾制御指令信号を光源制御基板64に発信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた音データをサウンドジェネレータを介してスピーカ66より出力する。また上記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた光データを、光源作動基板を介して、所定の発光ダイオードLEDもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。
【0037】
また、遊技球が特別図柄始動領域14に連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1による遊技球検出が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶数に従って上述したように特別図柄始動記憶数表示装置8の発光ダイオードLEDが順次点灯し、最高四回まで保留される。この発光ダイオードLEDは図柄が変動する都度、消灯されて、記憶数が減少する。なお、この始動記憶数Iが満杯(四個)となっている場合には、特別図柄始動領域14を遊技球が通過しても始動記憶は無効となる。
【0038】
ここで、上述の図柄生成行程の表示態様を決定する主制御基板60の処理行程にあって、当り特別乱数値Kが当りを選出していた場合には、主制御基板60は、図柄表示制御基板62に所定の当り図柄態様を表出するための制御指令信号を伝達する。そして、図柄表示制御基板62はこの制御指令信号に従って特別図柄A=Bで停止してリーチ状態とし、所定のリーチ作動を実行した後、特別図柄Cを停止して、特別図柄A=B=Cを所定の当り図柄態様により確定表示する。同時に光源制御基板64及び音源制御基板63が所定の電飾装置と効果音を発生させる。
【0039】
そして、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23に遊技球が流入され、該大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動されると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信し、而して、一連の特別遊技作動が実行される。
【0040】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24が前方に傾動して大入賞口23が開放され、開閉ラウンドが実行される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(30秒)が経過するか、該所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4とにより合計10個の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドが終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23が開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。このように開閉ラウンドが最大15回繰り返されて、大入賞口23の連続開放作動を生じ、遊技者に所定の利得が供される。
【0041】
一方、当り特別乱数値Kが当りを選出しない場合には、図柄表示制御基板62に、所定のハズレ図柄態様を表出させるための制御指令信号を発信する。図柄表示制御基板62は該制御指令に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ表示する。ここで、リーチ作動が実行される場合には、特別図柄A=Bのリーチ図柄を一旦表出し、所定のリーチ態様を実行した後、特別図柄Cをハズレ図柄となるように停止し、確定表示する。
【0042】
次に図柄表示装置6の図柄制御につき再度、詳細に説明する。
上述の主制御基板60の記憶装置ROMには、0〜599の600コマからなる当り特別乱数テーブルkが格納されている。ここで、通常遊技状態では、当り特別乱数値KがK=7,277であると当りとなる判定基準が設定されている。すなわち、当り確率は2/600=1/300である。そしてそれ以外はハズレとなる。
【0043】
また、上述したように記憶装置ROMには、当り図柄乱数テーブルlが格納されており、該当り図柄乱数値Lに従って、1,3,5,7,9の奇数図柄(有利図柄)により当り図柄態様を表示することとなった場合には、当該特別遊技作動後に有利遊技状態を発生させる。一方、当り図柄乱数値Lに従って当り図柄態様が0,2,4,6,8の偶数図柄(通常図柄)を表示することとなった場合には、有利遊技状態を発生させない通常遊技状態とする。ここで、有利遊技状態は本発明の要部にかかり、詳しくは後述する。
【0044】
また、記憶装置RAMには、上述したように、リーチ乱数テーブルn、リーチ図柄乱数テーブルp、リーチ態様乱数テーブルqも格納されている。当り特別乱数値Kが当りを抽出していた場合、又は、該Kがハズレであって、リーチ乱数値Nがリーチ作動を行うことを抽出していた場合に、リーチ図柄乱数値Pとリーチ態様乱数Qとを有効とし、このPに従って所定のリーチ図柄態様を表出し、Qに従って所定のリーチ作動が実行される。ここで、リーチ乱数値Nはハズレの場合にリーチ作動の実行有無を決めるものであり、リーチ図柄乱数値Pはリーチ図柄態様を決めるものであり、リーチ態様乱数値Qはリーチ作動で実行される、非リーチ状態のときと異なるリーチ変動態様の種類を選定する。ここで、リーチ変動態様としては、例えば、ロングリーチ、スペシャルリーチ、低速スクロール、低速走行からの加速的停止等、種々の変動形態がある。
【0045】
そして、特別図柄A,B,Cが変動開始し、所定の変動時間(約6.5秒)以上経過すると、該A,B,Cが順に図柄変動を停止して、所定の図柄表示態様が確定表示される。
【0046】
次に普通図柄作動につき説明する。
遊技球が普通図柄始動ゲート13を通過すると、該遊技球は普通図柄始動スイッチS2で検出される。この普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、図柄表示装置6の図柄表示領域Fで、普通図柄X、Yが変動する。この普通図柄X,Yは、それぞれ「7」、「−」の2種の図柄で構成されている。この普通図柄X,Yが変動中、又は普通電動役物15が開放中のときに、普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶される。そして、この普通始動記憶に伴って普通図柄始動記憶数表示装置12の発光ダイオードLEDが点灯し、普通図柄X,Yが変動開始になる都度消灯されて、記憶個数が表示される。尚、普通図柄始動記憶数表示装置12の最大記憶数は四個であり、それ以上は無効とされる。
【0047】
この普通図柄X、Yの確定表示後、約0.5秒以上経過すると、普通始動記憶の消化に伴って、普通図柄X,Yは再び変動開始する。普通図柄X,Yが変動開始後、約30秒以上経過すると変動が停止し、普通図柄X=Y=「7」で確定表示すると当りとなり、普通電動役物15が約0.5秒間開放される。
【0048】
ここで、普通図柄表示装置10が変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板60の記憶装置ROMに格納されている、0〜94の95コマからなる普通当り乱数テーブルuから抽出された普通当り乱数値Uにより決定される。遊技球通過により、普通図柄始動スイッチS2がON作動すると、主制御基板60は記憶装置ROMに格納されている普通当り乱数テーブルu、普通当り図柄乱数テーブルvから普通当り乱数値U、及び普通当り図柄乱数値Vを夫々に選出し、その内容を一旦記憶装置RAMに記憶する。そして、普通始動記憶の消化に伴って、普通当り乱数値Uを用いて所定の動作プログラムにより当りハズレを決定する。ここで、Uが当りの場合には、普通図柄X=Y=「7」を確定表示させる。また、Uがハズレの場合は、普通当り図柄乱数値Vに従って、普通図柄X、Yの少なくとも一方を「−」で確定表示させるハズレ図柄態様を決定する。
【0049】
次に本発明の要部につき詳細に説明する。
本実施形態例にあっては、図柄生成行程によって確定表示された有利当り図柄態様により、有利遊技状態となると、図柄生成行程が当り図柄態様を確定表示しても、特別遊技作動に優先して当該有利遊技状態を継続させ、該有利遊技状態の終了後に特別遊技作動を実行するものである。ここで、有利遊技状態は、有利遊技状態の発生後から、図柄生成行程が所定回数実行されることを限度として終了するように予め設定されている。
【0050】
このような有利遊技状態として、本実施形態例では時短遊技状態を設定している。ここで、時短遊技状態は、図柄生成行程に要する行程時間を、通常遊技状態の行程時間よりも短縮するように制御する。すなわち特別図柄A,B,Cを停止表示するための図柄生成行程に要する平均行程時間(特別図柄の変動開始から停止するまでに要する時間)が通常10秒であるものを5秒に短縮する短縮行程時間を設定する。尚、この短縮行程時間にあっては、特別図柄A,B,Cの変動開始後、特別図柄Aの停止までの変動時間も上述の6.5秒から3秒に短縮される。また、普通図柄X、Yの変動時間も、常態の約30秒から短縮され、約5秒経過すると変動が停止することとなる。さらに、普通電動役物15の拡開時間を約0.5秒間から約2秒間に延長する。この時短遊技状態にあっては、特別図柄A,B,Cの始動記憶の消化が速く進むこととなるから、比較的短時間に当り図柄態様を表出させることが可能である。さらには、普通図柄X、Yの始動記憶も速く消化されるから、比較的短時間に普通電動役物15が拡開作動することとなると共に、普通電動役物15の拡開時間も延長されることから、特別図柄始動領域14への遊技球通過が比較的容易となる。而して、このような時短遊技状態では、単位時間あたりに実行される図柄生成行程が増加することとなるから、比較的短時間に連続的に当り発生する可能性の高い、遊技者にとって有利な状態となる。かかる時短遊技状態を有利遊技状態に設定した実施例につき、以下詳細に説明する。
【0051】
(実施例1)
実施例1にあっては、特別図柄A,B,Cが奇数図柄(有利図柄)による有利当り図柄態様を確定表示すると、特別遊技作動の終了後に時短遊技状態を発生させる。この時短遊技状態は、200回の図柄生成行程が実行終了するまで継続されるように設定されており、この時短遊技状態にあって、表出された当り図柄態様の特別遊技作動は、当該時短遊技状態が終了した後に実行するようにしている。ここで、時短遊技状態で、複数回の当り図柄態様が表出した場合には、当該時短遊技状態の終了後に、まとめて特別遊技作動を実行する。すなわち、2回の当り図柄態様を表出すると、2回の特別遊技作動が連続して実行されることとなる。
【0052】
このような有利遊技状態を制御実行する有利遊技制御内容について、図4〜図6のフロー図により説明する。ここで、図4は、特別図柄処理行程を表したフロー図であり、この処理行程に従って図柄生成行程で表出される一連の表示態様を決定する。また、図5は、この特別図柄処理行程によって決定された図柄生成行程の一連の表示態様に従って、特別図柄A,B,Cを変動表示させ、所定の図柄表示態様を確定表示させる図柄生成行程を実行する、特別図柄変動行程を表すフロー図である。さらにまた、図6は、上記した特別図柄変動行程によって特別図柄A,B,Cが当り図柄態様を表出した場合に、大入賞口23を開閉作動させる特別遊技作動を実行する特別遊技作動行程を表すフロー図である。これら各処理行程は、上述したタイマーTMによりカウントされる所定単位時間(2ms)毎に夫々に繰り返し実行されるようになっている。
【0053】
主制御基板60の記憶装置RAMには、この有利遊技制御内容に従って制御処理するための、有利フラグG、有利継続係数W、特別遊技実行数Z、有利実行フラグgが備えられている。ここで、有利フラグGは時短遊技状態(有利遊技状態)ではG=1とし、通常遊技状態ではG=0として遊技状態を表す。また、有利継続係数Wは、時短遊技状態を継続する図柄生成行程の実行回数を表すものであり、有利フラグG=1となって時短遊技状態となると、限度回数の200回を示し、その後図柄生成行程が実行される毎に1づつ減算され、W=0となると当該時短遊技状態を終了する。また、特別遊技実行数Zは、当り特別乱数値Kが当りを選出する毎に1づつ累積加算されるものであって、時短遊技状態の終了後、該特別遊技実行数Zに従って特別遊技作動が連続して実行される。さらにまた、有利実行フラグgは、時短遊技状態にあって、有利当り図柄態様を表出することとなると該g=1として、当該時短遊技状態の終了し、特別遊技作動をおこなった後に、再び時短遊技状態を発生させるものである。
【0054】
さらに、主制御基板60の記憶装置RAMには、始動記憶の消化に従って図柄生成行程の表示態様が決定したことを表す図柄生成フラグJが設けられている。この図柄生成フラグJは、図柄生成行程の表示態様が決定された場合に、J=1とし、当該図柄生成行程が終了すると、J=0とするように制御されている。すなわち、このJ=1の場合に図柄生成行程が実行されることとなる。同様に、記憶装置RAMには、特別遊技フラグHも設けられている。この特別遊技フラグHは、該H=1の場合に特別遊技作動を実行するものである。そして、特別遊技作動に優先して時短遊技状態を継続させる場合、図柄生成行程がハズレ図柄態様を表出した場合にはH=0であり、特別遊技作動は実行されない。尚、特別遊技フラグHは、常態ではH=0である。
【0055】
上述した特別図柄処理行程(図4)にあっては、2ms毎に記憶装置RAMに始動記憶が存在するか否かを調べ、存在する場合には、上述の特別遊技作動の実行中か否かと、特別図柄A,B,Cが変動中か否かとを調べる。ここで、始動記憶が存在しない場合、特別遊技作動の実行中、特別図柄A,B,Cの変動中のいずれかであると、当該特別図柄処理行程を終了する。一方、始動記憶が存在する場合に、特別遊技作動が実行されておらず、かつ、特別図柄A,B,Cが変動していないと、始動記憶を消化して、記憶装置RAMに記憶保持された各乱数値を確認すると共に、始動記憶数Iから1減算する。そして、有利フラグGを調べ、G=1(時短遊技状態)であれば、時短遊技状態が開始された時点から設定されている、当該時短遊技状態の継続期間を表す有利継続係数Wから1を減算する。
【0056】
そして、上述した当り確率の判定基準に従って、当り特別乱数値Kを判定する。このKがハズレであると、リーチ乱数値Nを判定し、リーチとするか否かを決める。ここでリーチとしない場合には、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcを有効とし、該Ma,Mb,Mcに従って特別図柄A,B,Cが確定表示するハズレ図柄態様を決定する。一方、リーチとする場合には、ハズレ図柄乱数値Mc、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Qを有効とする。そして、該Pに従って、特別図柄A=Bとするリーチ図柄態様を決定し、該Qに従ってリーチとなった場合に実行するリーチ作動を選定する。また、ハズレ図柄乱数Mcに従って特別図柄Cが確定表示する図柄を選定し、ハズレ図柄態様A=B≠Cを決定する。このようにして、図柄表示装置6で表示実行される図柄生成行程の一連の表示態様を決定すると、図柄生成フラグJ=1とする。
【0057】
一方、Kの判定結果が当りであると、当り図柄乱数値L及びリーチ態様乱数値Qを有効とし、該Lに従って特別図柄A,B,Cにより確定表示する当り図柄態様を決定する。そして、Qに従って、リーチとなった場合に実行するリーチ作動を決定する。このようにして、図柄表示装置6で表示実行される図柄生成行程の一連の表示態様を決定すると、特別遊技実行数Zに1を加算する。この特別遊技実行数Zは、通常遊技状態(G=0)ではZ=0であるので、当りとなるとZ=1となる。一方、時短遊技状態(G=1)では既にZ>0であり、累積加算されて増加する。一方、該当り図柄乱数値Lが有利図柄(奇数図柄)であった場合には、有利継続係数Wを確認し、W≠0であると有利実行フラグg=1とする。尚、通常遊技状態にあって、ハズレ図柄態様を選定した場合には特別遊技実行数Z=0である。
【0058】
そして、2ms毎に実行される特別図柄変動行程(図5)によって、図柄生成フラグJ=1が確認されると、上述の特別図柄処理行程で決定した表示態様に従って、図柄生成行程を図柄表示装置6の図柄表示領域Fで実行する。ここで、有利フラグG=1(時短遊技状態)であると、上述したように図柄生成行程の平均行程時間を、通常遊技状態より短縮する短縮行程時間を設定する。そして、特別図柄A,B,Cを変動開始すると共に、タイマーTMによって行程時間計測を開始する。その後、短縮変動時間(約3秒)が経過すると、特別図柄A,B,Cを順次停止して、特別図柄処理行程で決定した図柄表示態様に従って、特別図柄A,B,Cを確定表示する。そして、図柄生成フラグJをJ=0とする。ここで、有利フラグGを確認し、G=1(時短遊技状態)であると、有利継続係数Wを調べ、該W≠0の場合には当該特別図柄変動行程を終了する。また、該W=0の場合、又は、G=0(通常遊技状態)の場合には、特別遊技実行数Zを確認し、Z=0(ハズレ図柄態様)であると、当該特別図柄変動行程を終了する。また、Z>0の場合には特別遊技フラグH=1とする。このように、通常遊技状態にあって当り図柄態様を表出した場合、時短遊技状態の最後の図柄生成行程であって当り図柄態様を表出した場合、或いは、時短遊技状態の最後の図柄生成行程であって当該時短遊技状態で当り図柄態様を表出していた場合には、特別遊技フラグH=1として特別遊技作動を実行するように制御する。
【0059】
そして、2ms毎に実行される特別遊技作動行程(図6)によって、特別遊技フラグH=1が確認されると、特別遊技作動の実行中か否かを確認し、特別遊技作動が実行されていない場合には、上述した大入賞口23を最大15ラウンド開閉作動させる特別遊技作動が開始される。そして、特別遊技実行数Zから1減算すると共に、大入賞口23の開閉ラウンド数Rに1を加算する。さらには1ラウンドでの最大入賞数(10個)を、上述した特定領域スイッチS3及びカウントスイッチS4でカウントする入賞数rをリセットする。そして、大入賞口ソレノイドを駆動させ、開閉片24を前方に傾動させて大入賞口23を開放状態とする。この開放作動と同期して、1ラウンドの開放時間(最大30秒)の時間計測をタイマーTMにより開始する。この開放状態にあって、開放時間が30秒経過するか、入賞数rが10個に達すると、再び大入賞口ソレノイドを駆動させ、開閉片24を閉鎖して大入賞口23を閉鎖状態とする。このような大入賞口23の開閉ラウンドが、S3が遊技球を検知することを条件として最大15ラウンド実行される。そして、この開閉ラウンドが終了した場合に、特別遊技実行数Z=0であると、特別遊技フラグH=0とする。一方、該Z>0であると、再びこの特別遊技作動が連続して実行される。さらに、当該特別遊技作動の直前の図柄生成行程が有利図柄により当り図柄態様を表出していた場合には、新たにW=200として有利フラグG=1とする。また、有利実行フラグg=1である場合にもW=200としてG=1とする。一方、通常当り図柄態様又は、ハズレ図柄態様であって、g=0の場合には、有利フラグG=0とする。
【0060】
このような有利遊技制御内容に従って実行される遊技態様を図7のタイムチャートに従って説明する。例えば、通常遊技状態にあって、始動記憶の消化に従って決定された図柄生成行程により、特別図柄A,B,Cが有利当り図柄態様を表出することとなると、図柄生成フラグJ=1として、特別図柄A,B,Cを変動開始し、所定の有利当り図柄態様で確定表示させる。そして、特別遊技フラグH=1が設定されて特別遊技作動が実行される。その後、有利フラグG=1及び有利継続係数W=200が設定され、時短遊技状態が開始されることとなる。この時短遊技状態にあって、始動記憶の消化に従って図柄生成行程が実行される毎に、有利継続係数Wが1づつ減算される。この図柄生成行程では、特別図柄A,B,Cの平均行程時間が短縮される短縮行程時間が設定される。ここで、図柄生成行程により特別図柄A,B,Cが通常当り図柄態様を表出する場合には、有効フラグG=1及び特別遊技フラグH=0が継続し、図柄生成行程の終了後特別遊技作動は実行されず、時短遊技状態が継続して進行する。また、図柄生成行程により特別図柄A,B,Cが有利当り図柄態様を表出する場合にあっては、有利実行フラグg=1とすると共に、前記通常当り図柄態様の場合と同様に有効フラグG=1及び特別遊技フラグH=0が継続し、時短遊技状態を継続して進行する。尚、通常当り図柄態様及び有利図柄態様を表出する毎に、特別遊技実行数Zが累積加算される。一方、図柄生成行程がハズレ図柄態様を表出する場合にあっても、時短遊技状態を継続する。その後、時短遊技状態が進行し、有利継続係数W=0となる図柄生成行程が実行されると、特別遊技フラグH=1が設定されて、特別遊技実行数Zに従って、当該時短遊技状態で当り図柄態様を表出した回数分の特別遊技作動が連続して実行されることとなる。さらに、時短遊技状態で、有利当り図柄態様を表出していた場合には、この特別遊技作動が全て終了した後、再び時短遊技状態が開始されることとなる。
【0061】
このような有利遊技制御内容によって、時短遊技状態となると、遊技者は所定限度回数の図柄生成行程が終了するまで、当該時短遊技状態の有する有利性を活用して、比較的短時間で当り図柄態様を表出できる可能性が高い。これにより、複数回の当り図柄態様を表出させることも可能であり、さらには、有利当り図柄態様を表出して、再び時短遊技状態とすることも可能である。而して、遊技者は、利得の大きい有利遊技状態を十分楽しむことができ、期待感と緊張感に富む娯楽性溢れる面白い遊技を満喫することができる。
【0062】
(実施例2)
実施例2は、有利当り図柄態様を表出して時短遊技状態となると、該時短遊技状態にあって、通常当り図柄態様を表出した場合には、上述の実施例1と同様に特別遊技作動に優先して当該時短遊技状態を継続して行う。その後、予め定められた所定回数の図柄生成行程を実行終了すると、当該時短遊技状態を終了し、特別遊技作動を実行する。ここで、複数回の通常当り図柄態様を表出していた場合にあっては、1回の特別遊技作動が実行された後、再び時短遊技状態とする。また、有利図柄態様を表出した場合には時短遊技状態を終了して、当該時短遊技状態で通常当り図柄態様の表出有無に関わらず、該有利当り図柄態様による特別遊技作動を実行した後、再び時短遊技状態とする。このように本実施形態例にあっては、時短遊技状態が終了する条件として、所定回数の図柄生成行程が実行終了した場合と、有利当り図柄態様が表出した場合とのいずれかを設定している。さらに、有利当り図柄態様が表出した場合と、複数回の通常当り図柄態様が表出した場合には、時短遊技状態の終了後に再び時短遊技状態が開始される。ここで、複数回の当り図柄態様が表出しても特別遊技作動の実行回数は1回とし、時短遊技状態は、連続して時短遊技状態を発生し易い、比較的短時間に当り図柄態様を表出する可能性の高い状態を継続するようにしたものである。
【0063】
この本実施例2は、上述した実施例1の図4〜図6のフロー図を応用して用いることができる。図4の特別図柄処理行程にあって、図柄生成行程で表出させる当り図柄態様が決定した後、有利図柄であるか否かの判定により、有利当り図柄態様を表出することとなると、有利継続係数Wの有無に関係なく、上述の有利実行フラグg=1をする。そして、図5の特別図柄変動行程にあって、特別図柄A,B,Cを当り図柄態様で確定表示した後、有利フラグGを判定し、G=1(時短遊技状態)であると、g=1の場合、又はg≠1かつ有利継続係数W=0の場合に、特別遊技フラグH=1とする。また、G≠1かつ特別遊技実行数Z>0の場合にも特別遊技フラグH=1とする。これ以外の場合は特別遊技フラグH=0のままである。すなわち、有利当り図柄態様を表出した場合、又は時短遊技状態が終了する図柄生成行程にあって、当該時短遊技状態で通常当り図柄態様を表出していた場合に、特別遊技作動が実行される。
【0064】
そして、特別遊技フラグH=1の場合には、図6の特別遊技作動行程に従って、大入賞口23を開閉作動する特別遊技作動を実行し、15ラウンドの終了、又は特定領域スイッチS3が検知しないと、当該特別遊技作動を終了する。ここで、特別遊技フラグH=0とする。その後、特別遊技実行数ZがZ>0(複数であるか否か)を判定し、Z>0の場合には有利継続係数W=200としてG=1とする。また、Z=0の場合には、有利実行フラグgを判定し、g=1(有利当り図柄態様の表出)であると、同様にW=200としてG=1とする。尚、Z=0かつg≠1の場合にはG=0とする。すなわち、有利当り図柄態様を表出した場合、又は時短遊技状態で複数回の通常当り図柄態様を表出していた場合には、特別遊技作動の終了後、時短遊技状態とする。ここで、本実施例2にあって、特別遊技実行数Zは、時短遊技状態で当り図柄態様が複数表出したか否かを確認する、いわゆる当り表出回数となる。
【0065】
このような、特別図柄処理行程(図4参照)、特別図柄変動行程(図5参照)、特別遊技作動行程(図6参照)によって、本実施例2の時短遊技状態の終了条件を制御すると共に、複数回の通常当り図柄態様の表出、又は有利当り図柄態様の表出のいずれかによって、特別遊技作動後に再び時短遊技状態を開始する制御処理を実行し得る。さらに、例え複数回の当り図柄態様を表出した場合にあっても、時短遊技状態の終了後に実行される特別遊技作動は一回とすることによって、時短遊技状態が再度時短遊技状態を生じ易くするという利得を遊技者に供与する新しい趣向性を有するものとして存在することとなる。これにより、遊技者は、時短遊技状態が開始されると、再度時短状態が実行される可能性が高い遊技を進行することとなり、比較的短時間に連続して当り図柄態様を表出可能な利得効果の高い、期待感と達成感とを満足し得る興趣溢れる遊技を満喫することができる。
【0066】
尚、この実施例2は、上述のように、有利当り図柄態様が表出することとなった場合、及び、複数回の通常当り図柄態様が表出することとなった場合に、時短遊技状態を終了すること、複数回の当り図柄態様が表出されても、一回の特別遊技作動しか実行されないように制御した以外は、上述した実施例1と同じ構成及び同じ制御を行うものであり、各構成及び制御行程を示す記号は同じ記号を用い、その説明を省略した。
【0067】
このような実施例1及び実施例2にあって、所定回数の図柄生成行程で実行される時短遊技状態を、有利当り図柄態様の表示内容によって、様々な回数が設定される構成とし、該時短遊技状態で複数回の当り図柄態様されると、当該時短遊技状態の終了後に、一回の特別遊技作動を行った後、最も多い回数の図柄生成行程の終了まで継続される時短遊技状態が開始される構成とすることもできる。これにより、一旦時短遊技状態が開始されると、遊技者は最も高い利得を求めて遊技を進行できるという趣向性を楽しむことができ、遊技の興趣を一層向上させることが可能である。
【0068】
また、時短遊技状態にあって、当り図柄態様を表出した回数によって、当該時短遊技状態を終了して特別遊技作動を実行した後に、再び発生させる時短遊技状態の継続する図柄生成行程の所定回数を決定されるようにする構成としても良い。ここで、時短遊技状態の継続する所定回数は、単純に当り図柄態様の表出した回数に従って増加する構成としても良いし、有利当り図柄態様と通常当り図柄態様との各々の表出回数によって、様々に設定される構成とすることもできる。これにより、時短遊技状態にあって、遊技者は当り図柄態様の表出回数を着目するという新たな趣向性を楽しむことができ、時短遊技状態における興趣性を一層向上させることができる。
【0069】
上述した実施例1及び実施例2にあっては、有利遊技状態を時短遊技状態とした構成のパチンコ遊技機であるが、その他の構成として、当り図柄態様の表出する確率を、通常遊技状態に比して高確率とする確変遊技状態とすることもできる。例えば、上述のように通常遊技状態における当り確率を1/300とし、確変遊技状態における当り確率を1/60に設定する。このように、所定回数の図柄生成行程を高当り確率とする確変遊技状態が、特別遊技作動に優先して実行されることにより、従来の通常当り図柄態様が表出すると確変遊技状態が終了する構成にくらべ、遊技者は連続して確変遊技状態を獲得できる可能性が一層高くなる。尚、このような確変遊技状態を行う構成にあっては、継続される図柄生成行程の回数を40回とする等、所定限度回数を、当り確率に応じて適切に変更することが好ましい。また、有利当り図柄態様の表出によって、所定限度回数の図柄生成行程が実行されるまで継続する時短遊技状態と、次に当り図柄態様が表出されるまで継続する確変遊技状態とが並行して発生する構成とすることもできる。すなわち、このような有利遊技状態にあっては、当り図柄態様が表出すると、確変遊技状態は終了するが、時短遊技状態は所定限度回数の図柄生成行程が実行終了するまで、継続することとなる。
【0070】
また、実施例1及び実施例2にあっては、有利遊技状態が継続する図柄生成行程の回数を、図柄表示装置6の図柄表示領域Fに表出するようにしても良い。これにより、遊技者は有利遊技状態の継続期間を認識しながら遊技を進行することができるから、一層臨場感溢れる遊技を楽しませることができる。
【0071】
本発明にあっては、上述した実施形態例の第1種パチンコ遊技機に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、第3種パチンコ遊技機にも適用することができる。尚、第3種パチンコ遊技機にあっては、いわゆる判定図柄を選出図柄とする。
【0072】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、有利当り図柄態様による当りが発生し、有利遊技状態となった場合に、図柄生成行程が当り図柄態様を表出しても、当該当り図柄態様による特別遊技作動は直ちに実行されず、優先的に当該有利遊技状態を継続し、所定回数の図柄生成行程が実行されて該有利遊技状態を終了した後に、該特別遊技作動を実行するようにした有利遊技制御内容を備えるようにしたものであるから、有利遊技状態の継続限度である所定回数の図柄生成行程が実行終了するまで、当り図柄態様の表出に向けた期待感と緊張感とが助長されるため、例え、通常当り図柄態様が表出された場合にあっても、有利当り図柄態様の表出に向けて高揚する挑戦意欲を維持できる興趣溢れる遊技を提供できる。また、有利遊技状態での当り図柄態様の表出回数に従って、当該有利遊技状態の終了後に、特別遊技作動が連続して実行されることから、遊技者は一度に多量の賞球利益を得ることも可能となり、遊技者の満足感を十分満たすことができると共に、新たな遊技への挑戦意欲を誘起させ得るという優れた利点も生ずる。
【0073】
上述の有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、図柄生成行程が有利当り図柄態様を表出することとなると、当該有利遊技状態を終了して特別遊技作動を実行するようにした制御内容を備えている構成にあっては、有利遊技状態で有利当り図柄態様が表出すると、特別遊技作動による所定の賞球利益を供与して遊技者の満足感を充足すると共に、新たな有利遊技状態への挑戦意欲を刺激することができる、娯楽性の高い遊技を提供することができる。
【0074】
このような有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、複数回の通常当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に一回の特別遊技作動を実行すると共に、該特別遊技作動の終了後に、有利遊技状態を再発生させる制御内容を備えるようにした構成にあっては、遊技者が獲得できる賞球利益は一回分の特別遊技作動によるもののみとなるが、有利遊技状態が引き続き再発生することから、新たな当り図柄態様の表出に向けた挑戦意欲が刺激され、期待感と緊張感とが持続する興趣溢れる遊技を楽しむことができる。
【0075】
また、有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、複数回の当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に一回の特別遊技作動を実行すると共に、当り図柄態様の表出回数に従って、継続限度とする図柄生成行程の実行回数を変化させた有利遊技状態を発生させる制御内容を備えている構成としたから、遊技者は次の有利遊技状態がなるべく長くなるように、当り図柄態様を複数回表出したいという感情が強く誘発され、より大きな利益獲得に向けた挑戦意欲が刺激される娯楽性に富む遊技に熱中することとなり得る。
【0076】
さらにまた、有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、複数回の当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に、これら当り図柄態様の中で最も獲得利得の大きい当り図柄態様に従う特別遊技作動に限って選択実行するようにした制御内容を備えている構成にあっては、遊技者は複数回の当り図柄態様を表出しても一回分の特別遊技作動しか得られないこととなるが、最も大きい利得を獲得できるから、獲得した利得により再び大きな利益を獲得してやろうという挑戦意欲が刺激され、遊技に一層熱中することとなる。
【0077】
このような有利遊技状態が、時短遊技状態であるとした構成にあっては、この時短遊技状態を図柄生成行程が所定回数実行するまで継続することにより、遊技者の当り図柄態様に向けて高揚する期待感と緊張感とを一層刺激することができる。
【0078】
また、有利遊技状態が、確変遊技状態であるとした構成にあっては、所定回数の図柄生成行程が当り確率の高いものとなるから、遊技者の当り図柄態様に向けた期待感と緊張感とを一層高揚させる面白い有利遊技状態を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤1の正面図である。
【図2】センターケース4の拡大正面図である。
【図3】遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図である。
【図4】実施例1の特別図柄処理行程を表すフロー図である。
【図5】実施例1の特別図柄変動行程を表すフロー図である。
【図6】実施例1の特別遊技作動行程を表すフロー図である。
【図7】実施例1の有利遊技状態における遊技進行の一例を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 センターケース
6 図柄表示装置
14 特別図柄始動領域
23 大入賞口
F 図柄表示領域
A,B,C 特別図柄
Claims (2)
- 複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、該図柄表示装置で、選出図柄を変動後停止して図柄確定する一連の図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、図柄始動領域への遊技球通過を契機として、該図柄制御手段によって図柄生成行程で表示させる図柄態様を選定すると共に、確定表示させる各選出図柄の組合せを所定の当り図柄態様とする場合には、所定の賞球形態を発生させることとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、
当り図柄態様が、当該特別遊技作動の終了後に、図柄生成行程が所定回数実行されるまでを限度として継続される、有利遊技状態を発生させる有利当たり図柄態様と、該有利遊技状態を発生させない通常当り図柄態様とを備え、
前記遊技制御手段が、有利遊技状態にあって、図柄生成行程が当り図柄態様を表出することとなると、該当り図柄態様による特別遊技作動の実行に優先して、当該有利遊技状態を継続させ、該有利遊技状態の終了後に該特別遊技作動を実行すると共に、
有利遊技状態にあって、複数回の当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に一回の特別遊技作動を実行すると共に、当り図柄態様の表出回数に従って図柄生成行程の限度回数を定め、特別遊技作動を実行した後、図柄生成行程が前記限度回数だけ実行されるまでを限度として有利遊技状態を継続させるようにした有利遊技制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 有利遊技制御内容が、有利遊技状態にあって、複数回の当り図柄態様を表出した場合には、当該有利遊技状態の終了後に、これら当り図柄態様の中で最も獲得利得の大きい当り図柄態様に従う特別遊技作動に限って選択実行するようにした制御内容を備えていることを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
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