以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示(透過色)と所定色表示(例えば青色表示や赤色表示など)とで変化させることなどにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
また、画像表示装置5の上部や下部といった、画像表示装置5の周囲には、回転及び振動等の演出動作が可能に構成された演出用可動部材32が設けられてもよい。演出用可動部材32は、図2に示す可動部材駆動モータ33により所定の動作を駆動されることにより、画像表示装置8演出のために用いられる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)がされることによって、遊技球が第2始動入賞口に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。この制御を、電チュー開放制御とも言う。電動チューリップの可動翼片が拡大開放されている状態では、第1始動入賞口よりも、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい。また、電動チューリップの可動翼片が拡大開放されていない状態では、遊技球は第2始動入賞口に入賞しない。従って、電動チューリップの可動翼片が非開放状態になっている状態では、第2始動入賞口よりも、第1始動入賞口に遊技球が入賞しやすい。なお、電動チューリップの可動翼片が非開放状態の場合に、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。なお、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となることを「遊技の結果が特図大当りとなる」とも言う。また、特図ゲームでの可変表示結果が「ハズレ」となることを、「遊技の結果が特図ハズレとなる」とも言う。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定期間(例えば29秒間や0.5秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「2」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出表示されたときには、15R大当り状態に制御される。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。
他の一例として、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。また、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御と時短制御をともに継続させる。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「5」の数字を示す特別図柄は、第1確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第1確変大当り」と称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第2確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や第1確変大当り図柄「5」、および第2確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、スーパーリーチA、スーパーリーチBといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチAやスーパーリーチBといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
なお、飾り図柄の可変表示中に、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行してもよい。一例として「滑り」や「擬似連」の可変表示演出が挙げられる。「滑り」の可変表示演出は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させる「滑り」の可変表示演出である。一方、「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行う。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定される。「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されればよい。
また、この実施の形態では、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、始動条件は成立したが開始条件が成立していない特別図柄の可変表示について、始動条件の成立時に、この可変表示(所謂ターゲット)の表示結果(特図表示結果)が「大当り」になるか否かを判定する、所謂「先読み」が行われる。そして、先読みの結果に基づいて、この先読み対象の可変表示(ターゲット)の表示結果の導出後に、当該ターゲットの可変表示の表示結果が大当りとなる可能性を示す先読み演出を、先読みの判定結果に基づいて実行されるようになっている。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9の点灯動作、あるいは演出用模型の所定動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、遊技者に予告するための予告演出が実行されることがある。予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。なお、予告演出として、大当りとなる可能性があることを予告する他、飾り図柄がリーチ状態となることや、スーパーリーチ演出といった所定のリーチ演出が実行されることなどを予告するものを実行してもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「非確変」であるともいう。こうして「非確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、「確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「確変」であるともいう。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。
このように、パチンコ遊技機1では打球発射装置を用いて遊技球を遊技領域に打ち込むことで所定の遊技(パチンコ遊技)が実行可能である。例えば、遊技球が第1又は第2始動入賞口を通過すると特図ゲームが実行され、遊技結果として可変表示結果が導出される。また、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて普図ゲームが実行され、遊技結果として確定普通図柄が停止表示(導出表示)される。そして、遊技結果に応じて遊技者に有利な制御を実行するといった遊技価値が付与可能である。例えば、特別図柄の可変表示結果が「大当り」(特定遊技結果)となった場合には、その後遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に制御される。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となった場合には、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御されるといった、遊技者に有利な制御が実行される。さらに、遊技結果に応じて遊技の進行には影響しないが演出を変化させる演出ポイントや、パチンコ遊技機1とは異なる遊技(又は遊戯)で利用可能なポイントを付与するといった遊技価値を付与可能である。本実施の形態では、一例として、普図ゲームがハズレとなった場合に所定の割合で演出画面(演出モード)を変化させるための演出ポイントを付加する。
パチンコ遊技機1は、上述した先読み演出・リーチ演出及び予告演出とは異なり、普通図柄や特別図柄の可変表示結果といった遊技の結果を示唆する特定演出を実行する場合がある。特定演出は、例えば普通図柄の可変表示結果が「当り」となり電動チューリップの可動翼片が拡大開放されるを示唆する画像や、演出ポイントが付与されることを示す画像、演出結果がハズレとなり遊技価値が付加されない事を示す画像、特別図柄の可変表示結果が特定表示結果となる可能性を報知する複数の画像、等の予め定められた遊技の結果を示唆する複数態様の画像のうち一つを演出結果として導出する演出である。このような演出により、多様な演出により遊技者の遊技結果への関心を高めることが出来る。
本実施の形態では、特定演出として、特定演出の結果として導出される態様の候補を示す候補演出(例えば、図39の(A)や図40の(A)のような)をまず実行する。続いて、遊技の結果する示唆する態様とは異なる態様の複数の選択肢(例えば演出結果が入った球やカプセルなど)が選択されたことを示す選択演出(例えば、図39(B)〜(D)や図40(B)〜(D)のような)を実行する。そして、選択された選択対象が演出結果を示す画像に変化する変化演出を実行して、遊技者に特定演出の演出結果を提示する。変化演出は、例えば図39(D)〜(E)や図40(D)〜(E)のように選択された選択肢が「ポイント」や「激アツ」といった遊技結果を示唆する態様に変化する演出である。また、選択演出では第1態様の選択肢(例えば赤の球)と第2態様の選択肢(例えば緑の球)といった複数種類の選択肢を用いる。後述するように、第1態様の選択肢が選択された場合には、変化演出で遊技の結果が第1の結果(普図当りや特図大当りなど)となる事を示唆する態様(第1種別の態様)に変化する割合が高い。一方、第2態様の選択肢が選択された場合には、変化演出で遊技の結果が第2の結果(普図ハズレや特図ハズレ、ポイントゲットなど)となる事を示唆する態様(第2種別の態様)に変化する割合が高い。このように、特定演出にて遊技の結果を示唆するにあたって、如何なる演出結果が示唆されるかを2段階の演出で煽ることにより、遊技の興趣を向上できる。
なお、この実施の形態では、後述するように、普通図柄の変動表示の開始を契機として特定演出の有無や種類が決定されて特定演出が実行される場合と、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として特定演出の有無や種類が決定されて特定演出が実行される場合とがある。以下、この実施の形態では、普通図柄の変動表示の開始を契機として決定処理が行われて実行される特定演出を「第1特定演出」といい、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として決定処理が行われて実行される特定演出を「第2特定演出」といって区別する場合がある。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用可動部材32といった演出用の電気部品である演出装置による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9における点灯/消灯動作などの全部又は一部、演出用の電気部品としての演出装置に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90における点灯/消灯駆動などを行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドとして、主基板11から演出制御基板12に対して第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンド、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンド、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンド等が送信される。可変表示結果通知コマンドとして、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別(飾り図柄の可変表示態様)を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)を示す情報が含まれる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドには、さらに画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する図柄確定指定コマンド、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンド等が含まれる。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかを示す情報が含まれる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドには、さらに大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)、15R大当り状態におけるラウンドの実行回数等を示す情報を含む大入賞口開放中通知コマンド、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンド、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンド、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンド等が含まれる。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図3は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図3に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、RAM122の所定領域に設けられた遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値である。
図4は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図5は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図4に示す各変動パターンは、図5に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図5に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図4に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図9に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、通常状態又は時短状態である場合よりも多くの決定値が特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
特図表示結果決定テーブル130では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル130以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」などの大当り種別に割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、大当り種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」又は「1」)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、例えば大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となることなどに基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データを含んでいてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かのうち、いずれか一方又は両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図8は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図8(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図8(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブルとが、予め用意されている。この実施の形態では、遊技状態が通常状態か時短状態かにかかわらず共通の大当り変動パターン種別決定テーブル132A又はハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを参照して変動パターン種別が決定される。これに対して、通常状態と、時短状態(高ベース状態)のそれぞれに対応して、変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1又は変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。この実施の形態では、大当り種別が「非確変」か「確変」かにかかわらず各変動パターン種別に決定される割合は同じである。これに対して、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせるために、大当り種別が「非確変」か「確変」に対応して、各変動パターン種別に異なる決定値が各変動パターン種別に割り当てられていても良い。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設定されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。加えて、演出制御基板12には、演出用可動部材32を駆動して所定の演出動作実行を指示する駆動指令信号を、演出用可動部材32に対応して設けられた可動部材駆動モータ33に伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、予告実行決定用の乱数値や、各種の予告演出選択用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。本実施の形態では、さらに第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数、擬似連変動時仮停止図柄乱数、特定演出決定用乱数、特別図柄表示結果報知決定用乱数、および先読み演出決定用乱数等を用いる。
なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような物理構成により演出制御基板12は、主基板11から中継基盤15を介して送信される各種コマンドに基づいて、先読み演出、予告演出、リーチ演出、ルーレット演出(特定演出)等の各種演出を実行する。
先読み演出は、遊技球が第1又は第2始動入賞口を通過して可変表示の始動条件が成立してから開始条件が成立するまでに実行される、可変表示結果が「ハズレ」である非リーチの変動パターンに対応する可変表示中に、先読みの対象となる可変表示(当該可変表示ともいう)の可変表示結果が大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。この実施の形態では、この実施の形態では、先読み演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示態様を変更する演出が実行される。
予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでに、その可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となる可能性を予告する演出動作である。例えば予告演出として、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されリーチ状態となる前のタイミングにて、画像表示装置5の所定領域にキャラクタを示す画像を表示するといったように、遊技者に可変表示結果が「大当り」となるか否かを報知する演出を実行すればよい。この実施の形態では、「大当り」となるか否かによって異なる割合で、複数の演出態様(第1態様又は第2態様)を表示する予告演出が実行される。このような構成により、リーチ状態となる前に予告演出にて遊技者の期待を煽る事が出来る。
なお、予告演出の演出動作の具体的内容は、上記のものに限定されず、各演出態様に応じて異なる効果音を発する、異なる態様で遊技効果ランプを発光させる等、遊技者が大当り信頼度などを認識することができる任意の演出動作であればよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用可動部材32など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、特定演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予告パターンの決定結果に応じて実行される単一または複数の予告演出のそれぞれについて、演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。特定演出制御パターンは、普通図柄又は特別図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでの期間に実行される第1又は第2特定演出のそれぞれについて、演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。本実施の形態では、第1及び第2特定演出として、後述するように演出期間や演出内容が異なる複数の特定演出が含まれる。特定演出制御パターンは、複数の特定演出のそれぞれに対応する演出内容を示すデータを含む。このため、特定演出制御パターンを用いて、遊技状態に応じてふさわしい特定演出を実行することができる。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図10(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図10(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用可動部材32における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図10(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図10(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、予告パターンの決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。また、普通図柄の変動開始時に第1特定演出の演出パターンを決定し、決定結果に対応して第1特定演出の演出制御パターン(特定演出制御パターン)をセットする。また、第1又は第2始動入賞口を遊技球が通過したときなどに、第1特定演出の演出パターンを決定し、決定結果に対応して第2特定演出の演出制御パターン(特定演出制御パターン)をセットする。第1特定演出の演出制御パターンと第2特定演出の演出制御パターンとは、共通の演出制御パターンを用いてもよいし、異なる演出制御パターンを用いても良い。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の発光体、演出用可動部材32など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14、可動部材駆動モータ33などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図11に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図11に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、可動部材駆動モータ33へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図13は、特別図柄プロセス処理として、図12に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図14は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。ステップS211の処理に続いて、後述する入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211A)。そして、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図15は、入賞時乱数値判定処理として、図14のステップS211Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図13のステップS110、図16)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図13のステップS111、図18)において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211Aの入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み演出や特定演出(第2特定演出)を実行するか否かを、決定することができる。
図15に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部)などに設けられた確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。
その後、図14のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、特図表示結果決定用テーブルデータ130において「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。そして、可変表示結果が「ハズレ」となるとの判定結果に応じて、ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを、後述する変動カテゴリ判定のために用いるテーブルとして決定する(ステップS406)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用テーブルデータ131を参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する(S409)。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。そして、可変表示結果が「大当り」となるとの判定結果に応じて、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを、後述する変動カテゴリ判定のために用いるテーブルとして決定する(ステップS411)。
ステップS406、S411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて決定した変動パターン種別決定テーブルと、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。その後、ステップS412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図14に示す始動入賞判定処理や図15に示す入賞時乱数値判定処理を実行した後、図12に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図13に示す特別図柄プロセス処理のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15R大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図16は、図13のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、RAM102の所定領域(第2特図保留記憶部)にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、RAM102の所定領域(第1特図保留記憶部)にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。このとき、CPU103は、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」と「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、いずれの特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態(非確変状態)に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。他方、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」又は「確変」の大当り種別に割り当てられた決定値と比較して、大当り種別を「非確変」又は「確変」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
こうした特別図柄通常処理において、例えばステップS240にて特図表示結果を「大当り」または「ハズレ」のいずれかに決定することなどにより、大当り遊技状態に制御するか否かを、特図ゲームにおける可変表示結果としての特図表示結果が導出される以前に決定することができる。
図17は、図13のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS263又はS265の処理を実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。ここで、ステップS267の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS265にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル132Bを参照して変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定する。このときには、変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」の何れとするかが決定される。すなわち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か、及び、リーチ状態とする場合に「ノーマルリーチ演出」又は「スーパーリーチ演出」の何れを実行するか、を決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部)に設定されたランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS269の処理では、ステップS267における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS272での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図12に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図19は、普通図柄プロセス処理として、図12のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、RAM102の所定領域に設定された普図保留記憶部における保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設定された遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図18に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部1に格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普通図柄判定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える電動チューリップ型役物(普通電動役物)の可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。
図19は、図18のステップS140内にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄判定処理において、CPU103は、まず、普図保留記憶部156にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果判定用の乱数値MR5を示す数値データを読み出す(ステップS351)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、普図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、普図保留記憶部156にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR5を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS352)。
ステップS352の処理に続いて、時短フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS353)。このとき、時短フラグがオフであれば(ステップS353;No)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図20(A)に示す低ベース時普図表示結果判定テーブル201Aを設定する(ステップS355)。また、時短フラグがオンであれば(ステップS353;Yes)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図20(B)に示す高ベース時普図表示結果判定テーブル201Bを設定する(ステップS355)。
普図表示結果判定テーブル201A、201Bは、ROM101に記憶される。普図表示結果判定テーブル201A、201Bは、普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどを判定するために参照されるテーブルである。例えば、普図表示結果判定テーブル201A、201Bはそれぞれ、普図表示結果判定用の乱数値MR5を、表示結果、第2始動入賞口の開放時間や普通図柄の変動時間などに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)から構成されている。遊技状態が低ベース状態(通常状態)である場合は、図20(A)に示す低ベース時普図表示結果判定テーブル201Aが参照され、遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるときには、図20(B)に示す高ベース時普図表示結果判定テーブル201Bが参照される。
普図表示結果判定テーブル201A、201Bの設定により、高ベース状態である場合は、低ベース状態である場合よりも普図当りとなる割合が高くなっている。また、普図変動時間も、高ベース状態である場合は、低ベース状態である場合よりも短く設定されているので、表示結果が導出表示されるまでの平均的な時間が短くなり、結果として第2始動入賞口の開放される割合が多くなる。
ステップS354、S355のいずれかの処理を実行した後には、各処理で設定した普図表示結果判定テーブルを参照することで、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定を行う(ステップS356)。このとき、普図表示結果を「普図当り」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「7」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。また、普図表示結果を「普図ハズレ」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「−」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。
ステップS356にて普図表示結果の判定を行った後には、普図表示結果を「普図当り」とすると決定されたか否かを判定する(ステップS357)。ステップS357にて「普図当り」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図当りフラグをセットする(ステップS358)。
ステップS358にて普図当りフラグをセットした後、または、ステップS357にて「普図ハズレ」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;No)、普図表示結果に対応する普図変動時間の設定を行う(ステップS359)。一例として、ステップS359の処理では、CPU103が、普図変動時間を、普図表示結果判定テーブル201A、201Bを参照することなどにより特定し、特定された普図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた普図変動タイマにセットする。この場合には、図18に示すステップS141の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS359の処理では、普図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、普図変動時間に対応する普図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図18に示すステップS141の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が普図変動終了判定値に達したときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS359にて普図変動時間を設定した後には、主基板11から演出制御基板12に対して普図変動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS360)。ここで、普図変動開始コマンドは、ステップS356の処理にて判定された普図表示結果や、ステップS359の処理にて設定された普図変動時間などを示す演出制御コマンドであればよい。例えば、ステップS360の処理において、CPU103は、ROM101に記憶された普図変動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM102の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS360での設定を行った場合には、普通図柄判定処理が終了してから図12に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して普図変動開始コマンドが送信されることになる。演出制御基板12の側では、この普図変動開始コマンドに応じて第1特定演出の実行有無を決定する。第1特定演出を実行する場合には、演出制御基板12の普図変動開始コマンドが示す普図表示結果や普図変動時間に応じて特定演出の演出結果や演出内容を決定する。このようにして、普通図柄の変動開始を契機とする第1特定演出を普図変動結果に応じて実行することが出来る。
なお、普図変動開始コマンドとは別に、普図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。ただし、普図変動開始コマンドにより普図表示結果が示されることで、別個に普図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなることから、主基板11から演出制御基板12に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板11における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS360にて普図変動開始コマンドの送信設定を行った後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS361)、普通図柄判定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図21のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図21に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられ、CTCのレジスタ設定に基づき所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、図19のステップS360で主基板11から送信された普図変動開始コマンドに基づいて、演出制御バッファ設定部194の所定領域に設定された普図変動開始コマンド受信フラグをセットする等の処理が実行される。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用可動部材32A〜32Cの駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図22は、演出制御プロセス処理として、図21のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1特定演出の有無や演出態様を決定する第1特定演出決定処理を実行する(ステップS161)。
図23〜図25は、図22のステップS161にて実行される第1特定演出決定処理の一例を示すフローチャートである。第1特定演出決定処理では、普通図柄の変動表示が開始されたことに基づき、第1特定演出が開始される。
第1特定演出決定処理において、演出制御用CPU120は、第1特定演出を実行中であることを示す第1特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS731)。第1特定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、第2特定演出を実行中であることを示す第2特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS732)。第2特定演出実行中フラグがセットされている場合には、処理を終了する。第2特定演出実行中フラグがセットされていない場合には、ステップS733に移行する。
ステップS733では、演出制御用CPU120は、次変動実行フラグ(次に開始される特別図柄および飾り図柄の変動中に第1特定演出を実行することに決定されていることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する。次変動実行フラグがセットされている場合には、後述する図24のステップS751に移行する。
次変動実行フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU120は、実行待ちフラグ(特定演出の実行が決定されたが、特別図柄が変動していないため特定演出の開始を一定期間が経過するまで待っている状態であることを示すフラグ)がオンであるか否か確認する(ステップS734)。実行待ちフラグがオンでない場合(ステップS734;NO)には、ステップS735に移行する。実行待ちフラグがオンである場合(ステップS734;YES)には、後述する図24のステップS746Aに移行する。
実行待ちフラグがオンでない場合には、演出制御用CPU120は、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(ステップS735)。高ベース状態を示す値になっている場合(ステップS735;YES)には、処理を終了する。
実行待ちフラグがオンでない場合には、演出制御用CPU120は、現在が特定演出実行禁止期間であるか否か確認する(ステップS736)。例えばスーパーリーチ演出(スーパーリーチB)で動画再生を実行している場合など、特定演出実行禁止期間である場合には、(ステップS736;YES)には、特定演出は実行できないため、処理を終了する。
一方、特定演出実行禁止期間でない場合には(ステップS736;NO)、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態であるか否か確認する(ステップS737)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときに大当り遊技状態であるとする。大当り遊技状態である場合には(ステップS737;YES)、処理を終了する。
大当り遊技状態でない場合には(ステップS737;NO)、演出制御用CPU120は、普図変動開始コマンド(普通図柄変動開始指定(当り)コマンドまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド)を受信したことを示す普図変動開始コマンド受信フラグ(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS738)。セットされていない場合には(ステップS738;NO)、普通図柄が変動開始に基づく第1特定演出の実行は開始されないので、処理を終了する。
一方、普図変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS738;YES)、ステップS739に移行する。ステップS739では、演出制御用CPU120は、例えば、図26に示すように、第1特定演出の実行有無・及び実行する場合の演出種別を決定する。具体的には、ROM121の所定領域に保存された図26の決定割合に応じた第1特定演出有無・種別決定テーブルを参照して決定する。第1特定演出有無・種別決定テーブルは、普図変動開始コマンドが示す遊技の結果(普通図柄の変動結果)に応じて、演出用変数の乱数値と比較される数値(決定値)が、第1特定演出の実行有無及び実行される場合の演出種別のいずれかに割り当てらたテーブルであればよい。ステップS739では、普通図柄の変動結果が「当り」か「ハズレ」かに応じた異なる割合で、第1特定演出の実行有無と、実行される場合の演出内容(特定演出の演出結果として導出される態様、及び選択演出で選択される選択対象の種別など)が決定される。
第1特定演出では、遊技の結果が第1の結果(「普図当り」)となることを示唆する第1種別の態様(例えば、「電チュー」と記された画像など)と、第2の結果(「普図ハズレ」)となることを示唆する第2種別の態様(例えば、「ハズレ」や「ポイントゲット」と記された画像など)と、のいずれかを演出結果として導出する。図26に示す決定例では、遊技の結果が「普図当り」(第1の結果)となる場合には、「普図ハズレ」(第2の結果)となる場合よりも高い割合で第1種別の態様を演出結果として決定する。一方、遊技の結果が「普図ハズレ」(第2の結果)となる場合には、「普図当り」(第1の結果)となる場合よりも高い割合で第2種別の態様を演出結果として決定する。その結果、遊技の結果に応じて適切な内容の第1特定演出を実行できる。
また、ステップS739では、最終的な演出結果として導出される画像の態様のほか、第1特定演出の選択演出で何れの種別の選択肢が選択対象として選択されるかも決定する。図26の例では、演出結果の態様(選択演出で選択された対象から、変化演出で変化する態様)が第2の結果を示唆する第2種別の態様である場合には、高い割合で第2態様の選択肢が選択対象として決定される。一方、演出結果として第1の結果を示唆する第1種別の態様が決定された場合には、高い割合で第1態様の選択肢が選択対象として決定されるように、第1特定演出有無・種別決定テーブルの決定値が割り当てられている。その結果、選択演出で第1態様の選択肢が選択された場合には、変化演出で第1種別の態様に変化する割合が高くなる一方、第2態様の選択肢が選択された場合には第2種別の態様に変化する割合が高くなるように演出内容を制御できる。
図26では、第2の結果を示唆する第2種別の態様として、演出ポイントを付加する態様(「ポイントゲット」)が含まれている。演出結果として第2の結果(普図ハズレ)となることを示唆するだけでは、遊技者が落胆してしまう恐れがある。そこで、本実施の形態では第2の結果を示唆するにあたって「ハズレ」と表示する変わりに、遊技の進行とは関連しない所定の遊技価値(演出ポイント)が付与されることを示唆する。これにより、単に「ハズレ」と表示するよりも遊技者の落胆を軽減できる。
また、図26に示す例では、普図当りとなる場合であっても、10%の低い割合で特定演出を実行しない場合があるように構成しているが、普図当りとなる場合には、100%の割合で特定演出を実行するように構成してもよい。
演出制御用CPU120は、ステップS739の処理において、特定演出決定用乱数を抽出し、特定演出決定用乱数が特定演出を実行することに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、特定演出を実行することに決定する。なお、演出制御用CPU120は、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1特定演出決定テーブルにおける「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用し、普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1特定演出決定テーブルにおける「普通図柄当り」に関する判定値を使用する。なお、図21のステップS74のコマンド解析処理にて演出制御バッファに格納した普図変動開始コマンドを確認することにより普図当りであるか否かを判定し、普図当りであれば「普通図柄当り」に関する判定値を使用し、普図当りでなければ「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、ステップS739の処理を実行するときに、普図変動開始コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU120は、ステップS731で「Yes」と判定した場合にも、普図変動開始コマンド受信フラグがセットされていた場合には、普図変動開始コマンド受信フラグをリセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS732,S735,S736,S737,S738で「Yes」と判定した場合や、ステップS733,S734で「No」と判定した場合にステップS739の処理に移行しなかった場合にも、セットされている普図変動開始コマンド受信フラグをリセットする。このような制御により、すでに特定演出の実行中である場合や、特定演出の実行が決定されている場合、高ベース状態・大当り遊技中・特定演出禁止期間など特定演出を実行するに適さない期間に新たな第1特定演出を開始することを防止することができる。
次に、ステップS740にて、演出制御用CPU120は、ステップS739にて第1特定演出を実行することに決定したか否か確認する。第1特定演出を実行することに決定されていない場合には(S740;No)、処理を終了する。
一方、第1特定演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS743)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でなければ、ステップS744に移行する。特別図柄の変動中である場合には、演出制御用CPU120は、実行中の変動パターンにおいて第1特定演出を実行可能であるか否か確認する(ステップS746)。具体的には、まず第1特定演出の終了タイミングと、実行中の特図変動の終了タイミングと、を比較する。比較の結果、特図変動の方が早く終了する場合には第1特定演出が実行できないと判定して(ステップS746;No)、ステップS747に移行する。本実施の形態では、普通図柄の変動終了タイミングが、第1特定演出の終了タイミングとする。この場合、ステップS738で確認した普図変動開始コマンドの変動時間が示す普図の変動時間(例えば、30秒:可変入賞球装置が遊技球が進入しやすい状態に制御されるまでの期間に相当)を参照することで、第1特定演出の終了タイミングを求めることができる。一方、実行中の特図変動の終了タイミングは、図17のステップS272で主基板11から送信される変動パターン指定コマンドが示す変動時間と、演出制御プロセスタイマが示す変動開始時からの経過時間と、に基づいて求めることができる。
また本実施の形態では、ステップS746において、実行中の特図変動の演出制御パターンに特定演出実行禁止期間が設定されている場合には、特定演出実行禁止期間の開始タイミングまでに第1特定演出が終了可能か否かも確認する。特定演出実行禁止期間の開始タイミングは、後述する可変表示開始設定処理(図33)において演出制御バッファ設定部194に格納された演出制御パターンに含まれる特定演出実行禁止期間に関する情報と、演出制御タイマ設定部192に格納された演出制御プロセスタイマが示す変動開始時からの経過時間と、に基づいて求めることが出来る。第1特定演出の終了タイミングが、特図変動の終了タイミング又は特定演出実行禁止期間の開始タイミングよりも早い場合には、演出制御用CPU120は実行中の変動で第1特定演出が実行できると判定して(ステップS746;Yes)、後述する図25のステップS770に移行する。
なお、ここでは第1特定演出で第1の結果(「普図当り」)となることを示唆したタイミングと可変入賞球装置が遊技球が進入しやすい状態に制御されるタイミングの差を縮めるために、第1特定演出と普図変動時間とを対応させた。これらのタイミングの差を許容する場合には、第1特定演出の終了タイミングを普通図柄の変動終了タイミングよりも早く設定することにより、第1特定演出が実行されない割合を少なくすることが出来る。
実行中の変動が第1特定演出が実行できないと判定した場合には、演出制御用CPU120は、保留記憶がある(少なくとも第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とのいずれかが0でない)か否か確認する(ステップS748)。保留記憶がない場合には(ステップS748;NO)、ステップS754に移行する。ステップS754では、演出制御用CPU120は第1特定演出の実行を中止するための処理(特定演出実行中止処理)を実行する。具体的には、演出制御バッファ設定部194の対応する領域をフラッシュしてステップS739で決定した内容をキャンセルし、実行待ち期間計測タイマや演出短縮用タイマをリセットする。そして、演出制御用CPU120は第1特定演出決定処理を終了する。
保留記憶がある場合には(ステップS748;Yes)、演出制御用CPU120は、次変動実行フラグをセットする(ステップS749)。この結果、保留記憶に係る次の変動で第1特定演出が実行される。そして、演出短縮用タイマをセットする(ステップS750)。演出短縮用タイマは、普図変動開始コマンドを受信してから第1特定演出が開始されるまでの待ち時間分だけ第1特定演出を短縮するために、第1特定演出が始まるまでの時間を計測するために用いられる。そして、演出制御用CPU120は第1特定演出決定処理を終了する。
なお、ここでは普通図柄の変動結果を示唆する第1特定演出と特別図柄の変動結果を示唆する第2特定演出を遊技者に認識させない事を重視して、実行中の特図変動中に第1特定演出が終わらない場合であって、次の変動に係る保留情報がない場合には第1特定演出の実行をキャンセルした。しかし、特定演出が実行されるタイミングをより多様にすることを重視する場合には、複数の特図変動に跨って特定演出が実行されることや、特図変動が終了したのち新たな特図変動が開始されるまでの期間に特定演出が実行されることを許容してもよい。この場合には、ステップS746〜S750の処理を省略して、実行中の特別図柄の可変表示期間にかかわらず特定演出の実行内容を決定すればよい。あるいは、実行中の可変表示期間では特定演出が終わらない場合は、可変表示期間が短い変動種別である「リーチなしはずれ」である割合が多いので、変動種別が「リーチなしハズレ」である場合にのみステップS746の確認処理を実行することで処理を簡略化してもよい。
ステップS749で次変動実行フラグがセットされた場合、次の演出制御メイン処理のループ(図21のステップS72〜S76のループ)で実行される第1特定演出決定処理のステップS733でYesと判定される。この場合、次に演出制御用CPU120は演出短縮用タイマを経過時間に対応して更新する(ステップS751)。
そして、演出制御用CPU120は第1特定演出の短縮時間が最大短縮時間を経過したか否か確認する(ステップS752)。具体的には、演出短縮用タイマが示す演出短縮時間と、第1特定演出を実行可能な最大短縮時間(例えば、10秒)と、を比較してタイマの値が大きい場合には最大短縮時間を経過したと判定する(ステップS752;Yes)。この場合には、もはや第1特定演出が実行できないので、ステップS754にスキップして第1特定演出の実行を中止する。
一方、未だは最大短縮時間を経過していない場合には(ステップS752;No)、次に演出制御用CPU120はステップS748で確認した次の変動が開始されたか否か確認する(S753)。具体的には、演出制御プロセスフラグの値が“1”に更新された場合に、次の変動が開始されたと判定する(ステップS753;Yes)。この場合には、第1特定演出を開始するためにステップS770に移行する。一方、演出制御プロセスフラグの値が実行中の可変表示中である“2”から変化していないなど、未だ次の変動が開始していない場合には(ステップS753;No)、次の変動を待つため第1特定演出決定処理を終了する。
一方、ステップS743にて特別図柄の変動中でないと判定すると(ステップS743;No)、演出制御用CPU120は実行待ちフラグをセットする(ステップS744)。この結果、第1特定演出の実行を所定時間(例えば3秒)だけ遅らせるための変動待ち状態となる。特別図柄の可変表示が実行されていない場合に特定演出が開始されると、普通図柄の表示結果を示唆する第1特定演出であることを把握できるため、遊技者の演出への興味が低下する恐れがある。このような構成によれば、こたとえ普図変動開始コマンド受信時に特図図柄の可変表示が実行されていないばあいでも、変動待ち状態である所定時間の間に特図図柄の可変表示が開始される可能性があるので、遊技者の演出への興味の低下を低減することができる。
そして、演出制御用CPU120は実行待ち期間計測タイマをセットする(ステップS745)。実行待ち期間計測タイマは、特別図柄が変動中でないタイミングで普図変動開始コマンドを受信してから第1特定演出を開始するまでの時間を計測するために用いられる。そして、演出制御用CPU120は第1特定演出決定処理を終了する。
ステップS744で実行待ちフラグがセットされた場合、次の演出制御メイン処理のループ(図21のステップS72〜S76のループ)で実行される第1特定演出決定処理のステップS734でYesと判定される。この場合、次に演出制御用CPU120は実行待ち期間計測タイマを経過時間に対応して更新する(ステップS746A)。
そして、演出制御用CPU120は第1特定演出の実行待ち期間が所定の待ち時間(例えば3秒)を経過したか否か確認する(ステップS747)。所定の待ち時間が経過した場合には(ステップS747;Yes)、第1特定演出を開始するためにステップS770に移行する。一方、未だ待ち時間が経過していない場合には(ステップS747;No)、待ち時間の経過を待つため第1特定演出決定処理を終了する。
なお、ここでは処理の簡略化のために特別図柄の変動が開始されたか否かに関わらず所定時間だけ第1特定演出の開始を遅らせた。これに限らず、待ち時間中に特別図柄の変動が開始した場合に直ちに第1特定演出を開始させてもよい。このためには、ステップS747の前に、ステップS753と同様に新たな変動が開始されたか否かを判定し、開始された場合にはステップS770に移行すればよい。
ステップS746、ステップS747及びステップS753の何れかでYesと判定された場合に、演出制御用CPU120は第1特定演出を開始するための処理を実行する。まず、演出制御用CPU120はまず図25のステップS770にてこれから開始される第1特定演出の候補演出で表示する候補の種別割合を決定する。具体的には、ROM121の所定領域に保存された候補割合決定テーブルを参照して、図27の決定例のように表示する候補の種別割合を決定すればよい。候補割合決定テーブルは、ステップS739で決定した演出結果に応じて、演出用変数の乱数値と比較される数値(決定値)が、第1種別及び第2種別の表示候補の割合(数)のいずれかに割り当てられたテーブルである。ステップS770では、ステップS739で決定された演出結果が第1の結果を示唆する態様か否かに応じた異なる割合で、第1の種別の表示割合が決定される。この決定例では、表示される候補の総数を所定数(例えば5)に固定した上、そのうち第1種別の候補(及び第2種別の候補)が占める数を決定することにより、割合を決定する。そして、ステップS739で演出結果として第1の結果を示唆する態様を導出することを決定した場合には、第1の結果を示唆する第1種別の候補を多く表示する。このため、候補演出で示される第1の結果となることを示唆する態様の数によって、第1の結果となる割合(信頼度)を示すことが出来る。
また、図28の決定例では、候補演出で示される第1の結果となることを示唆する態様の候補(第1種別の候補)が多いほど、より多くの第1の結果を報知する態様へ変化する割合の高い種類の選択肢(第1態様の選択肢)を用いることを決定する割合が高い。例えば、所定数以上(例えば、2つ以上)の第1種別の候補が示される場合には、所定数未満である場合よりも、2つ以上の第1態様の選択肢を用いることを決定する割合が高い。つまり、第1態様の選択肢を用いる数の期待値が高い。この結果、対象から変化させる態様の候補として第1の結果となることを示唆する態様を多く示した場合には、第1の結果となることを示唆する態様に変化する割合が高い種類の選択肢を多く用いて選択演出を実行するので、選択演出と遊技の結果とが関連するかのような印象を遊技者に与えることが出来る。そのため、特定演出の演出効果を向上して遊技の興趣を高めることができる。
なお、ここでは第1種別の態様として特別図柄の変動結果が大当りとなることを示唆する態様(「チャンス」・「アツイ」等)が含まれている。このような構成により、演出結果として普通図柄の変動結果を示唆する場合でも、特別図柄の変動結果が第1の結果(「大当り」)となることが示唆される可能性があるかのような印象を遊技者に与えることができる。その結果、遊技者の特定演出への注目度を向上出来る。
ステップS770で種別割合を決定すると、次に演出制御用CPU120は表示候補の具体的な割り振りを決定する(ステップS771)。決定方法は、ステップS739で決定された演出結果に対応する候補を最低一つ示す限り任意に設定してよいが、ここでは演出への関心をより高めるために以下のように決定する。
まず、ステップS770で決定された演出結果の種別の候補のうち、ステップS739で決定された演出結果に対応する候補を一つ決定する。例えば演出結果が「ハズレ」である場合には、第2種別の一つを「ハズレ」として確定する。そして、第2種別の候補を複数示す場合には、他の候補を複数の第2種別の態様(「ハズレ」及び「ポイントゲット」)からランダムに決定していく。このとき、複数の演出結果の候補が高い割合で(例えば他の候補の2倍の割合で)選択されるように設定する。演出結果とは異なる種別(演出結果が第2種別である場合の第1種別、演出結果が第1種別である場合の第2種別)の候補については、割合の偏り無くランダムに決定すればよい。
ステップS771で候補演出で表示する候補を決定した後、演出制御用CPU120は選択演出で使用する選択肢を決定する(ステップS772)。ステップS772では、演出制御用CPU120は、例えば、図28に示すように、第1特定演出の選択演出で使用する選択肢の内訳を決定する。具体的には、ROM121の所定領域に保存された図28の決定割合に応じた選択肢決定テーブルを参照して決定する。選択肢決定テーブルは、ステップS770で決定した第1種別の候補の数に応じて、演出用変数の乱数値と比較される数値(決定値)が、第1態様及び第2態様の選択肢の(数)のいずれかに割り当てらたテーブルであればよい。ステップS770では、ステップS770で決定した第1種別の候補の数に応じた異なる割合で、使用する第1態様及び第2態様の選択肢の数が決定される。
この決定例では、ステップS770で第1種別の候補を多く示すと決定された場合に、第1種別の候補に変化する割合が高い第1態様の選択肢を多く用いることを決定する。よって、選択演出で選択された対象から変化させる態様の候補として第1の結果となることを示唆する態様(第1種別の態様)を多く示した場合には、第1の結果となることを示唆する態様に変化する割合が高い種類の選択肢(第1態様の選択肢)を多く用いて選択演出を実行することができる。このような特定演出を実行することにより、選択演出と遊技の結果とが関連するかのような印象を遊技者に与えることが出来る。そのため、特定演出の演出効果を向上して遊技の興趣を高めることができる。
なお、ステップS772では、図28の(A)及び(B)に示すように、ステップS739で決定した選択対象の態様に応じて異なる選択肢決定テーブルを用いる。ステップS739で第1態様の選択肢が選択されることを決定した場合には、少なくとも図28(A)のように、少なくとも一つの第1態様の選択肢を用いるように設定されたテーブルを使用する。一方、第2態様の選択肢が選択されることを決定した場合には、少なくとも図28(B)のように、少なくとも一つの第2態様の選択肢を用いるように設定されたテーブルを使用する。このような処理により、選択演出の結果として選択される選択肢と、選択演出で用いられる選択肢とを整合した、違和感の無い選択演出が実行できる。
次に、ステップS773において、演出制御用CPU120は、次変動実行フラグがセットされているか否か確認する。次変動実行フラグがセットされている場合には(ステップS773;Yes)、演出短縮用タイマの値(ステップS750,S751参照)に応じた特定演出パターンを選択する(ステップS774)。具体的には、特定演出のパターンを、未短縮の演出時間(普通図柄の変動時間に対応;例えば30秒)から演出短縮用タイマの値を減算した期間を演出期間とするパターンに決定する。
次変動実行フラグがセットされていない場合には(ステップS773;No)、演出制御用CPU120は、実行待ちフラグ(ステップS744参照)がセットされているか否か確認する(ステップS775)。実行待ちフラグがセットされている場合には(ステップS775;Yes)、演出制御用CPU120は、未短縮の演出時間(普通図柄の変動時間に対応;例えば30秒)から変動待ち時間(ここでは3秒)を減算した期間を演出期間とするパターンに決定する(ステップS776)。
実行待ちフラグがセットされていない場合には(ステップS775;No)、演出制御用CPU120は、未短縮の演出時間を演出期間とする特定演出の演出パターンを選択する(ステップS777)。標準(未短縮)の演出パターンとして、例えば、未短縮の演出時間(30秒)を演出期間とする特定演出について、最初の3秒間を候補演出に、次の20秒間を変化演出に、続く4秒間を変化演出に、最後の3秒間を結果表示演出に、といったように演出のスケジュールが設定されたデータを記録しておく。これに対して、n秒間短縮した特定演出を実行する場合には、変化演出をn秒間減少するなど、短縮した演出時間に応じて各演出の演出期間を決定すればよい。あるいは、想定される短縮時間に応じた演出スケジュールを示したデータをそれぞれROM121等に保存しておき、ステップS774又はステップS776にて短縮時間に応じたデータを演出パターンとして決定すればよい。その他、演出モード等のパチンコ遊技機1の状態に応じて、候補演出で表示する候補や結果表示演出で表示する画像・選択肢等の使用データ、演出実行用プログラムを示すデータを、演出パターンとして決定する。
そして、演出制御用CPU120は、第1特定演出実行中フラグをセットする(ステップS778)なお、第1特定演出実行中フラグをセットする場合、第1特定演出の内容を特定可能な情報を演出制御バッファ設定部194の所定領域に一時記憶する。この場合、例えばステップS739やステップS770,ステップS771及びステップS773で決定した内容を示すデータを一時記憶すればよい。そして演出制御用CPU120は、第1特定演出タイマに、決定された特定演出の演出期間に応じた時間に対応する値をセットする(ステップS779)。そして、第1特定演出決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、具体的は、第1及び第2特定演出は、特定演出制御パターンに設定されているデータに従って演出制御を実行することによって実現される。その場合には、演出制御用CPU120は、ステップS779の処理で、決定された特定演出のパターンに応じた特定演出制御パターンを選択し、選択した特定演出制御パターンに設定されているデータを用いて画像表示装置5の表示制御等を開始する。なお、特定演出制御パターンは、あらかじめROM121に格納されている。
図22に戻って、ステップS161の第1特定演出決定処理の次に、演出制御用CPU120は第2特定演出決定処理を実行する(ステップS162)。図29は、第2特定演出決定処理(ステップS161)を示すフローチャートである。第2特定演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、新たな変動カテゴリコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS5201)。新たな変動カテゴリコマンドを受信した場合には(ステップS5201;Yes)、演出制御用CPU120は、第1特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5202)。第1特定演出実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5202;No)、演出制御用CPU120は、第2特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5203)。第2特定演出実行中フラグがセットされていなければ(ステップS5203;No)、演出制御用CPU120は、第2特定演出の実行が決定されていることを示す第2特定演出決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5204)。
第2特定演出決定フラグもセットされていなければ(ステップS5204;No)、演出制御用CPU120は、実行待ちフラグ(図24のステップS744参照)がセットされているか否か確認する(ステップS5205)。実行待ちフラグがセットされていなければ(ステップS5205;No)、演出制御用CPU120は、次変動実行フラグがセットされているか否か確認する(ステップS5206)。
次変動実行フラグがセットされていない場合には(ステップS5206;No)、演出制御用CPU120は、遊技状態が高ベース状態になっているか否か確認する(ステップS5207)。高ベース状態になっている場合には(ステップS5207;Yes)、処理を終了する。
高ベース状態になっていない場合には、演出制御用CPU120は、遊技状態が大当り遊技状態であるか否か確認する(ステップS5208)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときに大当り遊技状態であるとする。大当り遊技状態である場合には(ステップS5208;Yes)、処理を終了する。
大当り遊技状態でなければ(ステップS5209;No)、演出制御用CPU120は、例えば図30(A)の決定例のように、第2特定演出の実行有無・及び実行する場合の演出種別を決定する(ステップS5209)。ここでは、図24のステップS739で第1特定演出について実行したように、ROM121の所定領域に保存された第2特定演出有無・種別決定テーブルを参照して決定する。第2特定演出有無・種別決定テーブルは、特図カテゴリコマンドが示す遊技の結果(特別図柄の変動結果)に応じて、演出用変数の乱数値と比較される数値(決定値)が、第2特定演出の実行有無及び実行される場合の演出種別のいずれかに割り当てらたテーブルであればよい。ステップS5209では、特別図柄の変動結果が「ハズレ」、「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであるかに応じた異なる割合で、第2特定演出の実行有無と、実行される場合の演出内容が決定される。
第2特定演出有無・種別決定テーブルでは、演出結果として導出される遊技の結果が第1の結果(特別図柄の可変表示結果が「大当り」)となることを示唆する第1種別の態様として、大当りとなる割合(大当り信頼度)が異なる複数の態様が設定されている。図30(A)では、「大当り」となる割合が小さい順に「チャンス」・「アツイ」・「激アツ」の3つの第1種別の態様が設定されている。さらに、また、第1の結果とは異なる第2の結果(「普図当り」・「普図ハズレ」又は「特図ハズレ」)となることを示唆する第2種別の態様も、第1特定演出と同様に「ハズレ」・「ポイントゲット」の2つが設定されている。
図30(A)の設定例では、遊技の結果が特図変動の「大当り」(第1の結果)となる場合には、「ハズレ」(第2の結果)となる場合よりも高い割合で第1種別の態様を演出結果として決定する。一方、遊技の結果が特図変動の「ハズレ」(第2の結果)となる場合には、「大当り」(第1の結果)となる場合よりも高い割合で第2種別の態様を演出結果として決定する。その結果、遊技の結果に応じて適切な内容の第2特定演出を実行できる。さらに、複数の第1種別の態様(第1の結果(大当り)となることを示唆する態様)を、大当りとなるか否かに応じて異なる割合で第2特定演出の演出結果として決定することにより、何れの第1種別の態様を導出するかによって、異なる大当り信頼度を遊技者に示すことができる。その結果、第2特定演出によって遊技者の期待感を煽ることができる。
さらに、選択された対象の種類に応じて第1の結果となる割合(信頼度)が異なる複数の第1の結果を示唆する態様の何れに変化するかの割合が異なるため、第1特定演出と同様に、第2特定演出でも選択演出及び第1の結果を示唆する態様へ変化する変化演出への関心を更に高めることが出来る。
また、ステップS5209では、最終的な演出結果として導出される画像の態様のほか、第2特定演出の選択演出で何れの種別の選択肢が選択対象として選択されるかも決定する。図30(A)の例では、演出結果の態様(選択演出で選択された対象から、変化演出で変化する態様)が第2の結果を示唆する第2種別の態様である場合には、高い割合で第2態様の選択肢が選択対象として決定される。一方、演出結果として第1の結果を示唆する第1種別の態様が決定された場合には、高い割合で第1態様の選択肢が選択対象として決定されるように、第2特定演出有無・種別決定テーブルの決定値が割り当てられている。その結果、選択演出で第1態様の選択肢が選択された場合には、変化演出で第1種別の態様に変化する割合が高くなる一方、第2態様の選択肢が選択された場合には第2種別の態様に変化する割合が高くなるように演出内容を制御できる。
図30(A)の決定例では、第2の結果を示唆する第2種別の態様として、演出ポイントを付加する態様(「ポイントゲット」)が含まれている。演出結果として第2の結果となることを示唆するだけでは、遊技者が落胆してしまう恐れがある。そこで、本実施の形態では第2の結果を示唆するにあたって「ハズレ」と表示する変わりに、遊技の進行とは関連しない所定の遊技価値(演出ポイント)が付与されることを示唆する。これにより、単に「ハズレ」と表示するよりも遊技者の落胆を軽減できる。
さらに、第2特定演出有無・種別決定テーブルでは、選択演出の選択肢として、特定態様(図30(A)では「星」)の選択肢が割り当てられている。ここで、特定態様の選択肢が選ばれる場合には、演出結果として導出される態様が特別態様(「激アツ」)となるように設定されている。このため、選択演出で特定態様の選択肢を選択した場合には、変化演出で特別態様に変化する。そのため、遊技者が選択演出で特定態様(星印)の選択肢が選択されるか否かについて遊技者の興味を高めることが出来る。特に、本実施の形態では特別態様が特別図柄が「大当り」となる割合が特に高いことを示す「激アツ」であるため、選択演出で特定態様の選択肢が選ばれるか否かについて、遊技者の期待を強く煽ることができる。
次いで、演出制御用CPU120は、先読み予告決定処理を実行する(ステップS5210)。
図31は、先読み演出処理(ステップS5210)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用CPU120は、既に先読み演出を実行中であることを示す先読み演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS703)。なお、先読み演出実行フラグは、後述するステップS713,S714でセットされる。先読み演出実行フラグがセットされている場合には(ステップS703;Yes)、ステップS722に移行する。
ステップS703の処理が実行されることによって、先読み演出を実行中でないことを条件に先読み演出の決定処理が実行される。なお、ステップS703の処理をスキップして、複数の先読み演出を平行して実行するとしてもよい。
先読み演出実行フラグがセットされていない場合には(ステップS703;No)、演出制御用CPU120は、演出制御バッファ設定部194内に設定された始動口入賞指定コマンド格納領域に格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックする(ステップS708)。そして、チェック結果に基づいて先読み演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定する(ステップS709)。具体的には、始動口入賞指定コマンド格納領域の変動カテゴリコマンドを全て抽出し、抽出した各変動カテゴリコマンドにもとづいて、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果として記憶する変動カテゴリコマンドが全て変動カテゴリ1コマンド(コマンドC600(H)。非リーチCA2−1指定)であるか否かを確認する(ステップS709)。全て変動カテゴリ1コマンドであれば、先読み演出が実行可能なカテゴリであると判定して(ステップS709;Yes)、ステップS709Aに移行する。変動カテゴリ1コマンド以外の変動カテゴリコマンドが1つでも含まれていれば、先読み演出が実行可能なカテゴリでないと判定して(ステップS709;No)、ステップS709Aの処理を実行することなく、ステップS722に移行する。
ステップS708及びS709の処理が実行されることによって、この実施の形態では、予告対象となる変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「非リーチはずれ」となることを条件に先読み演出を実行可能になる。そのように構成することによって、先読み演出の途中でリーチ演出が割り込むことにより先読み演出の連続性が損なわれる事態が防止される。なお、先読み演出の連続性を問わない場合には、予告対象までの変動表示が全て変動カテゴリ1であるか否かの判定処理(ステップS709)を行わないようにして、予告対象までの変動表示が全て「非リーチはずれ」であるか否かにかかわらず、ステップS709A以降の処理を実行するようにしてもよい。
先読み演出が実行可能なカテゴリであると判定した場合には(ステップS709;Yes)、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果と第2特定演出の実行/非実行に応じた異なる割合で、先読み演出決定テーブルを選択する(ステップS709A)。そして、先読み演出決定テーブルと先読み演出決定用乱数とにもとづいて先読み演出を実行するか否か決定する(ステップS710)。具体的には、先読み演出決定用乱数を抽出し、乱数値に一致する判定値(先読み演出決定テーブルに設定されている判定値)に応じて、先読み演出を実行するか否か決定する。
先読み演出決定テーブルには、先読み演出を実行しないことに対応する判定値と、先読み演出を実行することに対応する判定値とが設定されている。このようなテーブルを用いて、ステップS710の処理では、例えば図31(B)に示すような決定割合で、先読み演出の有無と先読み演出パターンとが決定されればよい。図31(B)に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドによって変動パターン種別の入賞時判定結果として「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」のいずれかの判定結果が示されている場合に、高い割合で先読み演出が実行される。このため、先読み演出の対象となる特別図柄の変動表示において、「大当り」となる信頼度が高いリーチ演出(スーパーリーチ演出)が実行されることを、先読み演出で示唆できる。また、第2特定演出が実行される場合には、第2特定演出が実行されない場合に比べて高い割合で先読み演出が実行される。このため、特定演出が実行されていないときでも、先読み演出によって遊技の興趣を向上させることができる。また、高い割合で先読み演出と特定演出とが両方実行され、演出効果が高まる。
また、この実施の形態では、先読み演出は、予告対象の可変表示が開始される前の各々の可変表示中において実行される。しかし、予告対象の可変表示が開始される前の複数回の可変表示(例えば、3回の可変表示)における1回または所定回(例えば、2回)の可変表示において先読み演出を実行するようにしてもよい。その場合、演出制御用CPU120は、先読み演出を実行することに決定したときに、先読み演出の実行回数やどのタイミングで(どの回の可変表示において)先読み演出を実行するのかを、例えば、乱数を用いた抽選によって決定する。
次に、演出制御用CPU120はステップS710で先読み演出を実行すると決定したか否か確認する(ステップS711)。先読み演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS711;No)、ステップS722に移行する。
先読み演出を実行することに決定した場合には(ステップS711;Yes)、演出制御用CPU120は、始動口入賞指定コマンド格納領域に格納されている最新の始動入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS712)。第1始動口入賞指定コマンドが格納されていれば(ステップS712;Yes)、演出制御用CPU120は、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、先読み対象となる保留表示が通常態様とは異なる特定態様(例えば、銀色の球)で表示されるように更新する(ステップS713)。一方、最新の始動入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドでなければ(すなわち、第2始動入賞指定コマンドが格納されている場合であれば)(ステップS712;Yes)、演出制御用CPU120は、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、先読み対象となる保留表示が通常態様とは異なる特定態様で表示されるように更新する(ステップS714)。ステップS713及びステップS714では、演出制御用CPU120がさらに先読み演出実行フラグをセットする。ステップS713又はS714の後、先読み演出処理は終了する。
ステップS703にて先読み演出実行中であると判定されたときや(ステップS703;Yes)、ステップS709にて先読み演出実行可能カテゴリでないと判定されたとき(ステップS709;No)、又は、ステップS711にて「実行なし」と判定されたときには(ステップS711;No)、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS722)。
第1始動口入賞指定コマンドが格納されていれば(ステップS722;Yes)、演出制御用CPU120は、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、先読み対象となる保留表示が通常態様(例えば、緑色の球)で表示されるように更新する(ステップS723)。一方、最新の始動入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドでなければ(すなわち、第2始動入賞指定コマンドが格納されている場合であれば)(ステップS722;Yes)、演出制御用CPU120は、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、先読み対象となる保留表示が通常態様とは異なる特定態様で表示されるように更新する(ステップS724)。ステップS723又はS724の後、先読み演出処理は終了する。
図29に戻って、先読み演出処理(ステップS5210)の後、演出制御用CPU120は、第2特定演出を実行することに決定したか否か確認する(ステップS5211)。第2特定演出を実行する場合には(ステップS5211;Yes)、ステップS5212に移行する。
ステップS5212では、演出制御用CPU120はこれから開始される第2特定演出の候補演出で表示する候補の種別割合を決定する。具体的には、第1特定演出(ステップS770)と同様に、ROM121の所定領域に保存された候補割合決定テーブルを参照して、図30(B)の決定例のように表示する候補の種別割合を決定すればよい。候補割合決定テーブルは、ステップS739で決定した演出結果に応じて、演出用変数の乱数値と比較される数値(決定値)が、第1種別及び第2種別の表示候補の割合(数)のいずれかに割り当てられたテーブルである。図30(B)の決定例では、候補演出で示される第1の結果となることを示唆する態様の候補数によって、第1の結果となる割合(信頼度)を示すことが出来る。例えば、第1の結果となることを候補演出で示される第1の結果となることを示唆する態様の候補数が所定数(例えば5)以上である場合には、第1の結果(特図大当り)となる割合が所定割合(例えば50%以上)となる。このため、候補演出で示される第1の結果となることを示唆する態様の数によって、第1の結果となる割合(信頼度)を示すことが出来るので、遊技者が提示される候補により注目するようになる。そのため、特定演出の演出効果を向上することが出来る。
ステップS5213で種別割合を決定すると、次に演出制御用CPU120は表示候補の具体的な割り振りを決定する(ステップS5213)。ステップS5209で決定された演出結果に対応する候補を最低一つ示す限り任意に設定してよいが、ここでは第1特定演出(図25のステップS772)と同様に決定する。
ステップS5213で候補演出で表示する候補を決定した後、演出制御用CPU120は選択演出で使用する選択肢を決定する(ステップS5214)。本実施の形態では、演出制御用CPU120は、第1特定演出(ステップS772)と同様に選択肢の内訳を決定する(図28)。この結果、第2特定演出でも、選択演出で選択された対象から変化させる態様の候補として第1の結果となることを示唆する態様(第1種別の態様)を多く示した場合には、第1の結果となることを示唆する態様に変化する割合が高い種類の選択肢(第1態様の選択肢)を多く用いて選択演出を実行することができる。このような特定演出を実行することにより、選択演出と遊技の結果とが関連するかのような印象を遊技者に与えることが出来る。そのため、特定演出の演出効果を向上して遊技の興趣を高めることができる。
ステップS5212〜ステップS5214で第2特定演出の具体的な内容を決定すると、演出制御用CPU120は決定内容に応じた第2特定演出決定フラグをセットする(ステップS5215)。そして、第2特定演出タイマに、決定された特定演出の演出期間に応じた時間に対応する値をセットする(ステップS5216)。ステップS5216を終えるか、ステップS5211で第2特定演出を実行しないと判定した場合には(ステップS5211;No)、第2特定演出決定処理を終了する。なお、第2特定演出決定フラグをセットする場合、第2特定演出の内容(ステップS5209、S5212,S5213及びS5214で決定した内容)を特定可能な情報も演出制御バッファ設定部194に記憶する。
図22に戻って、ステップS162の第2特定演出決定処理を終えると、演出制御用CPU120は特定演出実行処理を実行する(ステップS163)。図32は、ステップS163で実行される特定演出実行処理の一例を示すフローチャートである。特定演出実行処理では、演出制御用CPU120はまず特定演出実行中であるか否か確認する(ステップS801)。具体的には、演出制御フラグ設定部191を参照して、第1及び第2特定演出決定フラグの何れもセットされていない場合に、特定演出実行中でないと判定する(ステップ801;No)。この場合には、特定演出実行処理を終了する。
第1又は第2特定演出決定フラグがセットされている場合には、特定演出実行中でないと判定して(ステップ801;Yes)、演出制御用CPU120は特定演出実行タイマ(第1または第2特定演出実行タイマ)を−1する(ステップS802)。そして、更新した特定演出タイマがアップしたか否か判定する(ステップS803)。
特定演出タイマがアップしていない場合には(ステップS803;No)、次に現在が候補演出実行期間であるか否か確認する(ステップS804)。一例として、演出制御バッファ設定部194に記録された実行中の特定演出の演出制御パターンが示す候補演出実行タイミングと、ステップS802で更新した特定演出タイマの値とを比較する。その結果、現在が候補演出実行期間である場合には(ステップS804;Yes)、候補演出を実行する(ステップS805)。一例として、現在の特定演出タイマに応じた、第1又は第2特定演出決定処理で決定した内容の候補演出を実行するための制御データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)を読み出し、その制御データに対応する各種指令を作成して、表示制御部124や音声出力基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送すればよい。
一方、ステップS805を終えるか、ステップS804で候補演出実行期間で無いと判定すると(ステップS804;No)、演出制御用CPU120は現在が選択演出を開始するタイミングであるか否か確認する(ステップS806)。一例として、演出制御バッファ設定部194に記録された実行中の特定演出の演出パターンが示す選択演出実行期間と、ステップS802で更新した特定演出タイマの値とを比較して、実行期間の開始時刻とタイマの値が一致すれば開始タイミングであると判定する(ステップS806;Yes)。この場合、演出制御用CPU120は、次に現在高信頼度の演出(大当りとなる割合が特定割合よりも大きい予告演出)を実行中であるか否か確認する(ステップS807)。
具体的には、まず後述する演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値が、特別図柄の可変表示中であることを示す“2”であるか否か確認する。演出プロセスフラグの値が“2”である場合には、実行中の可変表示の変動パターンを確認する。そして、「大当り」となる割合が特定割合(例えば、15%)よりも高いリーチ演出が実行される変動パターン(例えば、図4の変動パターンPB5−2)である場合に、高信頼度の演出(大当りとなる割合が特定割合よりも高い)を実行中であると判定する。さらに、後述する予告演出のうち、大当りとなる割合が特定割合よりも高い予告演出が実行中であるか否かを確認し、実行している場合に高信頼度の演出が実行中であると判定する。大当りとなる割合が特定割合よりも高い予告演出が実行中であるか否かは、演出制御フラグ設定部191に設定された高信頼度演出実行中フラグを参照して確認することが出来る。なお、高信頼度演出実行中フラグは後述する可変表示中演出処理(図35)において、大当り信頼度が特定割合よりも高い予告演出が開始されたタイミングでセットされる。
ステップS807で、高信頼度の演出を実行中であると判定した場合には、(ステップS807;Yes)、次に実行中の特定演出で用いられる選択肢を差し替えて、第1態様の選択肢を増やす処理を実行する(ステップS809)。ここでは、演出制御バッファ設定部194に記録された実行中の特定演出の演出制御パターンを更新して、第2態様の選択肢を少なくとも一つ第1態様の選択肢に差し替える。なお、第2態様の選択肢が無い場合についてはステップS809の処理をスキップする。
この結果、第1の結果(「特図大当り」)となる割合が特定割合よりも高い所定演出(特定演出とは異なるリーチ演出や予告演出)が実行されている場合には、実行していない場合よりも、第1の結果を示唆する態様(第1種別)に変化する割合が高い種類の選択肢(第1態様の選択肢)を多く用いて選択演出を実行することができる。また、所定演出(予告演出やリーチ演出)と特定演出(特に選択演出)とが連動しているかのような印象を与えて遊技者の期待感を煽ることが出来る。
なお、高信頼度の演出が実行されている場合に実行する第1態様選択肢増加処理は、実行されていない場合よりも第1態様の選択肢が使用される期待値が増える他の処理で代替できる。例えば、実行される選択演出で用いられる第1態様の選択肢が所定数(たとえば3つ)以下である場合にかぎって、ステップS809の処理を実行してもよい。この場合は、第1態様の選択肢が使用される期待値を増加させつつ、第1態様の選択肢が使用される数が余りに増加して、第1態様の選択肢が多い選択演出に対する遊技者の期待感が低下してしまうことを防ぐことが出来る。
ステップS809の処理を終えるか、ステップS806又はS807でNoと判定した場合には、演出制御用CPU120は現在が選択演出実行期間であるか否か確認する(ステップS810)。一例として、演出制御バッファ設定部194に記録された実行中の特定演出の演出パターンが示す選択演出実行タイミングと、ステップS802で更新した特定演出タイマの値とを比較する。その結果、選択演出実行期間である場合には(ステップS810;Yes)、選択演出を実行する(ステップS811)。一例として、現在の特定演出タイマに応じた、第1又は第2特定演出決定処理で決定した内容の選択演出を実行するための制御データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)を読み出し、その制御データに対応する各種指令を作成して、表示制御部124や音声出力基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送すればよい。
ステップS811の処理を終えるか、ステップS810でNoと判定した場合には、演出制御用CPU120は現在が変化演出実行期間であるか否か確認する(ステップS812)。一例として、演出制御バッファ設定部194に記録された実行中の特定演出の演出制御パターンが示す変化演出実行タイミングと、ステップS802で更新した特定演出タイマの値とを比較する。その結果、変化演出実行期間である場合には(ステップS810;Yes)、変化演出を実行する(ステップS811)。一例として、現在の特定演出タイマに応じた、第1又は第2特定演出決定処理で決定した内容の変化演出を実行するための制御データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)を読み出し、その制御データに対応する各種指令を作成して、表示制御部124や音声出力基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送すればよい。
ステップS812の処理を終えるか、ステップS811でNoと判定した場合には、演出制御用CPU120は現在が結果表示演出実行期間であるか否か確認する(ステップS813)。一例として、演出制御バッファ設定部194に記録された実行中の特定演出の演出パターンが示す結果表示演出実行タイミングと、ステップS802で更新した特定演出タイマの値とを比較する。その結果、結果表示演出実行期間である場合には(ステップS813;Yes)、結果表示演出を実行する(ステップS814)。一例として、変化演出で導出した演出結果の画像に、所定の画像効果(例えば、発光効果など)を加えて一定期間停止表示するような各種指令を作成して、表示制御部124や音声出力基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送すればよい。
結果表示演出の演出期間が終了すると、ステップS803にて特定演出タイマアップと判定される(ステップS803;Yes)。この場合、次に演出制御用CPU120は特定演出の演出結果が「ポイントゲット」であるか否か(即ち、第2の結果のうち「ポイント付与」が示唆されたか否か)判定する(ステップS815)。具体的には、演出制御バッファ設定部194に記録された特定演出パターンを参照して、実行された特定演出が図26又は図30(A)の「ポイントゲット」の特定演出である場合に、演出結果が「ポイントゲット」であると判定する(ステップS815;Yes)。この場合、演出制御用CPU120は、ポイント付与処理を実行する(ステップS816)。
ステップS816において、演出制御用CPU120は特定遊技状態への制御や電動チューリップの拡大開放制御とは異なる遊技価値として、演出ポイントを付与する。具体的には、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶された演出ポイント値に所定の値(例えば10ポイント)を加算する。演出ポイントが所定の閾値(例えば50ポイント)を超えた場合には、画像表示装置5に通常状態とは異なる背景画像を表示する、リーチ演出で使用する画像が変化する等、遊技者が演出(演出モード)が変化したことが認識可能な演出制御を実行すれば良い。このような演出ポイントの付与を特定演出の第2の結果を示唆する態様で報知することにより、特定遊技結果(大当り)となることとは異なる第2の結果を示唆するとしても、所定の遊技価値(演出ポイント)が付与されることを示唆できるので遊技者の落胆を軽減できる。特に、通常状態の予告演出やリーチ演出を町中の画像を背景とし、洋服姿のキャラクタ画像を用いてを実行し、演出ポイントが所定の閾値を越えたことに基づいて砂浜の画像を背景とした水着のキャラクタ画像を用いた演出に変更するなど、遊技が有利にならなくても遊技者が演出の変化を楽しめるように設定することにより、遊技者が演出ポイントの付与を期待するようになり演出の効果が高まる。
図22の演出制御プロセス処理においてステップS163の処理を終えると、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図33は、図22のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS431)。このとき、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
ステップS431において、演出制御用CPU120は、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」であった場合に、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。ただし、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」である場合は、停止図柄として、偶数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。一方、「確変(大当り)」である場合には、停止図柄として、奇数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
具体的には、「非確変(大当り)」又は「確変(大当り)」に決定されている場合には、所定の停止図柄決定のための演出用乱数を抽出し、ROM121に記憶された停止図柄決定用テーブルで定義された判定値と比較して左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。「非確変(大当り)」にすることに決定されているときには、決定された図柄が奇数図柄であった場合には、例えば1ずつらした図柄を停止図柄にする。また、「確変(大当り)」にすることに決定されているときには、決定された図柄が偶数図柄であった場合には、例えば1つづらした図柄を停止図柄にする。
はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する(下記の擬似連のチャンス目を除く。)。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、停止図柄決定用テーブルで定義された判定値と比較して左中右の停止図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合に、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
こうしたステップS431における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出選択処理を実行する(ステップS432)。予告演出選択処理では、演出制御用CPU120は、例えば図34に示すように、予告演出の実行有無・及び実行する場合の演出態様を決定する。具体的には、ROM121の所定領域に保存された予告演出決定テーブルを参照して決定する。予告演出決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」、「非確変大当り」、「確変大当り」の何れであるか応じて、演出用変数の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の実行有無及び実行される場合の演出態様のいずれかに割り当てらたテーブルであればよい。図34の例では、予告演出として第1態様と、第1態様よりも大当り信頼度が高い高信頼度の第2態様と、の2つが設定されている。ここでは、第2態様の予告演出が実行された場合の大当りとなる割合(大当り信頼度)は、特定割合(例えば、15%)よりも高い。
そして、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS433)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS432の予告演出選択処理により選択された予告パターンなどに基づいて、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとしてセットする。
ステップS433の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS434)。そして、画像表示装置5の画面上における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS435)。このときには、例えばステップS433にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。また、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を更新するための設定を行う(ステップS436)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS437)、可変表示開始設定処理を終了する。
図35は、図22のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS461)。一例として、ステップS461の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS461にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS461;No)、次に予告演出を実行するための予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS463)。予告実行期間は、例えば変動パターンに対応して使用パターンに決定された特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。ステップS463にて予告実行期間であるときには(ステップS463;Yes)、ステップS432の予告演出選択処理で選択された予告演出を、該選択結果に応じてステップS433で決定された予告パターンに基づいて実行するための演出動作制御を行う(ステップS464)。
一例として、ステップS464の処理では、予告演出の選択結果に基づき使用パターンに決定された予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。なお、ステップS464において、演出制御用CPU120は高信頼度演出(大当り信頼度が特定割合(15%)よりも高い予告演出)の実行を開始するタイミングで、演出制御フラグ設定部191に設定された高信頼度演出実行中フラグをセットする。また、予告演出を終了するにあたって高信頼度演出実行中フラグをオフにする。
ステップS463にて予告実行期間ではないとき(ステップS463;No)、あるいは、ステップS464の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS465)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS461にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS461;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS466)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS466;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS466にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS466;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出させるように表示するための制御を行う(ステップS467)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS468)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS469)、可変表示中演出処理を終了する。
図36は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1が実行する第1特定演出の実行タイミングを示す図である。非リーチの変動パターンに対応する特別図柄の変動中(図36:時刻T1〜T3)に、普通図柄の変動が開始されると(時刻T2)、所定の割合で第1特定演出が実行される(図36(A))。図36(A)の例では、普通図柄の変動は、特別図柄の変動終了(時刻T3)よりも前に終わる。この場合、普通図柄の変動開始と第1特定演出の開始とのあいだに待ち時間は入らない。
一方、同じく特別図柄の変動中(時刻T1〜T3)のあいだに普通図柄の変動が開始した場合であっても、普通図柄の変動がその変動中に終わらない場合は、次の変動開始(T3)まで第1特定演出の開始を待つ場合がある(図36(B))。このときでも、第1特定演出は普通図柄の変動終了とあわせて終了するため、第1特定演出の演出期間は図36(A)よりも短縮される。これは、図25のステップS774で選択される特定演出パターンに対応する。図36(B)の例では、選択演出の実行時に高信頼度の予告演出が実行されているため、図32のS809にて第1態様の選択肢が増加される。その結果、選択演出で赤い選択肢(第1態様の選択肢)が多く用いられている。
第1特定演出は、リーチ演出と平行して実行されても良い(図36(C))。例えば、高信頼度のリーチ演出(スーパーリーチ演出など)が実行される変動パターンで実行される場合には、選択演出で第1態様の選択肢が多く用いられる。また、候補演出で第1態様の候補が多く示された場合には、第1の結果(普図当り)となる割合が高くなる。このため、リーチ演出と特定演出とが関連するような印象を与えることが出来るので、演出効果を増すことが出来る。なお、動画を用いたスーパーリーチ演出など、第1特定演出が平行して実行されると返って演出効果が低下する場合には、特図変動の該当期間を特定演出実行禁止期間に設定してもよい。この場合には、特定演出の演出期間が禁止期間と重なる場合には、図24のステップS746で実行不可と判定した上で、特定演出の実行を中止すればよい。
また、特別図柄の変動が始まっていないとき(時刻T5)に普通図柄の変動が開始した場合、所定の実行待ち時間(3秒)間だけ第1特定演出の実行開始を遅らせる(図36(D))。これは、図25のステップS776で選択される特定演出パターンに対応する。この待ち時間(時刻T5〜R6)のあいだに特別図柄の変動が開始される場合があるため、実行中の特定演出が普通図柄の結果を示唆する第1特定演出であることを遊技者が察知することにより、演出効果が低下する程度を低減することが出来る。
図37は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1が実行する第2特定演出の実行タイミングを示す図である。特別図柄の変動開始に基づいて実行される第2特定演出として、図37(A)のように変動中のタイミング(時刻T2)から開始する場合、図37(B)のように変動開始と同時(時刻T1)に開始する場合、図37(C)のようにリーチ演出と平行して実行する場合、といった様々なタイミングで第2特定演出を実行してよい。この場合の開始タイミングとして、変動パターンに予め設定された開始タイミングを用いればよい。あるいは、実行可能期間な開始タイミングからランダムに選ぶ構成も可能である。
第2特定演出でも、第1特定演出と同様に、高信頼度の予告演出が実行されている期間に選択演出を実行する場合には、第1態様の選択肢を多く用いて選択演出を実行する(図37(B))。また、スーパーリーチ演出のような高信頼度のリーチ演出が実行される場合にも、第1態様の選択肢を多く用いて選択演出を実行する(図37(C))。さらに、候補演出で第1態様の候補が多く示された場合には、第1の結果(特図大当り)となる割合が高くなる。このため、リーチ演出と特定演出とが関連するような印象を与えることが出来るので、演出効果を増すことが出来る。また、第1の結果が特図大当りを含むので、遊技者の期待を特定演出で煽ることが出来る。
図38は、第1特定演出実行時に画像表示装置5に表示される演出画面の例を示す。普通図柄の変動が開始されたことに基づいて、第1特定演出が開始されると、まず演出結果の候補を複数示す候補演出が実行される(図38(A))。ここでは、第2の結果を示唆する第2種別の候補として、「ポイント」、「×」の2種類が示されている。「ポイント」はポイントが付加されることを、「×」は遊技の結果がハズレ(ここでは普図ハズレ)であることを示唆する。また、第1の結果を示唆する第1種別の候補として、「電チュー」、「アツイ」の2種類が示されている。「電チュー」は遊技の結果が「普図当り」であることを、「アツイ」は遊技の結果が「特図大当り」あることを示唆する。
次いで、候補演出で示された候補を、一旦遊技の結果を示唆する態様とは異なる選択肢(球)で覆うかのような演出を実行する(図38(B))。ここでは、候補演出で示された候補のうち第1種別の候補の割合が小さいため、第2態様の選択肢(白の球)が多く用いられる。言い換えれば、選択演出で使用される選択肢のうち第1態様(赤の球、図38では砂目の球)の数は少ない。
そして、図38(B)で示された選択肢を用いて、ルーレットのような演出が実行される(図38(C))。そして、選択肢のうち一つが選択されたことが示される(図38(D))。図38(B)〜(D)の選択演出で一旦遊技の結果を示唆する態様とは異なる選択肢が選択されることにより、演出が溜めのあるものとなる。
そして、変化演出として、選択された選択肢が遊技の結果を示唆する態様に変化する(図38(D)〜(E))。変化演出では、第1態様の選択肢が選ばれた場合には第1の結果を示唆する態様に変化する割合が高い。このため、演出結果と選択演出の選択結果が関連するかのような印象を遊技者に与えることが出来る。これにより、選択演出への遊技者の関心を高めることが出来る。なお、変化演出で変化した遊技の結果を示唆する態様は、変化した後しばらく(例えば数秒)表示される。この演出を結果表示演出と呼ぶ。
図39は、第2特定演出実行時に画像表示装置5に表示される演出画面の例を示す。特別図柄の可変表示が開始されたことに基づいて、第2特定演出が開始されると、第1特定演出と同様に候補演出(図39(A))、選択演出(図39(B)〜(D))、変化演出(図39(D)〜(E))、結果表示演出が実行される。このように、第1特定演出と第2特定演出とを共通の演出態様で実行することにより、第1特定演出と第2特定演出とがまとまった一つの演出であるかのような印象を与えることが出来る。そのため、特別図柄の可変表示結果を示唆する第2特定演出だけでなく、普通図柄の変動結果を示唆する第1特定演出についても遊技者の興味を向上すできる。よって、多様な演出によって、多様なタイミングで遊技者の期待を煽ることができる。
図39(A)の候補演出では、第2の結果(「ハズレ」及び「普図当り」)を示唆する第2種別の候補として、「ポイント」、「電チュー」の2種類が示されている。また、第1の結果(「特図当り」)を示唆する第1種別の候補として、「チャンス」、「アツイ」、「激アツ」の3種類が示されている。第1種別の3種類の候補は、それぞれ実際に演出結果として導出した場合の大当り信頼度が異なる。
図39(B)〜(D)の選択肢には、特別態様、特定演出のほか、キャラクタを用いた予告演出(高信頼度)が実行されている。この場合は、第1態様の選択肢が多く用いられる。この場合、選択演出で第1の結果を示唆する態様に変化する割合が大きい第1態様の選択肢が選ばれやすいという印象を与えることができる。よって、第1の結果(「特図大当り」)となるか否かについて遊技者の期待を煽ることができる。また、予告演出と特定演出で連動して遊技者の期待を煽ることができる。
また、図39(B)〜(D)では、第1態様の選択肢として、特定態様の選択肢(星)が用いられている。特定態様の選択肢が選ばれた場合には、変化演出で特別態様(「激アツ」)に変化するため、遊技者に対して選択演出で特定態様の選択肢が選ばれることへの期待感を煽ることができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、選択肢が選択された後に遊技の結果を示唆する態様に変化する、溜めのある特定演出が実行できる。また、選択された対象の種類に応じて第1の結果となることが示唆されるか第2の結果となることが示唆されるかの割合が異なるため、選択演出と変化演出との2段階で演出への注目を高めることができる。そのため、特定演出の演出効果を向上して遊技の興趣を高めることができる。
また、候補演出にて選択された対象から変化する態様の候補を予め遊技者に示すことにより、何れの候補に実際に変化するかについての遊技者の興味を高めることが出来る。
さらに、対象から変化させる態様の候補として第1の結果となることを示唆する態様を多く示した場合には、第1の結果となることを示唆する態様に変化する割合が高い種類の選択肢を多く用いて選択演出を実行するので、選択演出と遊技の結果とが関連するかのような印象を遊技者に与えることが出来る。そのため、特定演出の演出効果を向上して遊技の興趣を高めることができる。
また、所定演出(予告演出やリーチ演出)として第1の結果となる割合が高い所定演出が実行されている場合には、第1の結果を示唆する態様に変化する割合が高い種類の選択肢(第1態様の選択肢)を多く用いて選択演出を実行する上、第1の結果に特定遊技結果が含まれるので、所定演出と特定演出(特に選択演出)とが連動しているかのような印象を与えて遊技者の期待感を煽ることが出来る。そのため、所定演出と特定演出との演出効果を向上して遊技の興趣を高めることができる。
また、選択された対象の種類に応じて第1の結果となる割合(信頼度)が異なる複数の第1の結果を示唆する態様の何れに変化するかの割合が異なるため、選択演出及び第1の結果を示唆する態様へ変化する変化演出への関心を更に高めることが出来る。
また、星形のような特定態様の選択画像が選ばれた場合には、特定演出の結果が特別態様(「激アツ」など)となるので、特定態様の選択肢が選択されるか否かについて遊技者の興味を高めることが出来る。特に、特別態様が「特図大当り」となる割合が高い態様であるので、特定態様の選択肢が選択されるか否かについて遊技者の期待感を煽ることができる。
また、第2の結果を示唆する態様として、「ポイントゲット」といった所定の遊技価値が付与されることを示唆する態様が含まれる。特定演出によって、特定遊技結果とは異なる遊技の結果が示唆されると、遊技者が落胆してしまう恐れがあるが、このような構成によれば特定遊技結果となることとは異なる第2の結果を示唆するとしても、所定の遊技価値が付与されることを示唆できるので遊技者の落胆を軽減できる。
また、候補演出にて所定数以上の第1の結果となることを示唆する態様が示される場合には、前記遊技の結果が前記第1の結果となる割合が特定割合よりも高い。このため、候補演出で示される第1の結果となることを示唆する態様の数によって、第1の結果となる割合(信頼度)を示すことが出来るので、遊技者が提示される候補により注目するようになる。そのため、特定演出の演出効果を向上することが出来る。
この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な応用や変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、第1特定演出では第1の結果が「普図当り」とした。一方、第2特定演出では第1の結果が「特図大当り」とした。しかし、これに限らず「ポイント付与」など任意の遊技結果を第1の結果として、第1種別の態様で報知する対象としてもよい。あるいは、所定のリーチ演出(例えばスーパーリーチ演出)が実行されることを遊技の結果ととらえ、特定演出でその演出が実行されることを示唆してもよい。
また、第1特定演出では第1種別の態様として「普図当り」を示唆する態様と、「特図大当り」を示唆する態様の2種類を設定する一方、第2特定演出では第1種別の態様としてを「特図大当り」を示唆する態様とし、「普図当り」を示唆する態様を第2種別に分類した。しかし、第1特定演出と第2特定演出の両方で「特図大当り」を示唆する態様を第1種別に分類し、「普図当り」を示唆する態様を第2種別に分類してもよい。また、特定演出は第1特定演出と第2特定演出との2種類でなくてもよく、いずれか一方だけでもよく、3種類以上の特定演出を実行してもよい。
また、上記実施の形態では、候補演出で表示する第1態様の候補の数によって大当りとなる割合を示すにあたり、第1又は第2特定演出実行有無・主意別決定処理(ステップS739やS5209)で決定した演出結果に応じて間接的に第1態様の候補を決定した。これに代わって、遊技の結果が第1の結果となるか否かに応じて第1態様の候補の数を決定しても良い。
また、特定演出の演出態様は、上記演出態様に限られない。例えば、必ずしも選択演出で選択肢を全て視認可能に表示する必要はない。例えば、選択演出として御神籤で番号を引くかのような画像を表示した後、変化演出で番号に対応して「大吉」や「凶」といったお札が現れるといったような、選択肢が選択されるまで認識できない選択演出も可能である。このような構成によれば、遊技者の嗜好に合わせた多様な演出態様で、溜めのある特定演出を実行可能である。また、画像表示装置5に画像を表示する代わりに、例えば演出用役物を用いて特定演出を実行しても良い。例えば、画像表示装置5で表示する代わりに、上記の御神籤と札をあしらった演出用役物を用いて実行してもよい。
なお、上記の各実施の形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示が実行されていない場合には、何れかの特別図柄の可変表示が開始されるか、あるいは所定時間(上述の例では3秒間)が経過するまでは、第1特定演出を開始しない例について説明した。本発明に係るその他の実施の形態として、普通図柄の可変表示が実行されていない場合に第2特定演出の開始を遅らせる構成も可能である。即ち、普通図柄の可変表示が実行されておらず、普通図柄保留記憶が0である場合には、普通図柄の可変表示が開始されるか、あるいは所定時間(例えば3秒間)が経過するまで、第2特定演出を開始しない。このためには、第2特定演出決定処理において、普通図柄が変動していない場合には普通図柄の未変動期間についてのタイマをセットして時間の経過に応じてタイマを減算しタイマが0となるまで第2特定演出の実行を遅らせればよい。そして、図66のステップS8032又はステップS8030にて、開始が遅れた時間だけ短縮した第2特定演出を含むプロセステーブルを選択する。
上記実施形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、前段階演出及び予告演出などの所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。