以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置(変動表示装置)48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない非遊技状態(客待ち中)や、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクターが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
本発明の第1の実施の形態には、2種類の第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様(普電サポート)が含まれる。具体的には、非入賞容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり、時短状態)とが含まれる。
非入賞容易状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりにくく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくい状態である。一方、入賞容易状態は、非入賞容易状態と比較して第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりやすい状態である。例えば、非入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が1/251、開放時間が0.1秒であり、入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が250/251、開放時間が1.7秒、さらに開放回数が3回とする。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
なお、特図変動表示ゲームには、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行される特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とが含まれる。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクター図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクターの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1102)や特図普段処理(S1109)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン511の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路541が設けられており、シュミットトリガ回路541はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路541によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の開閉部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38c)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクター画像や映像データが記憶された画像ROM556が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM556から読み出されたキャラクターなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の開閉部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、本発明の第1の実施の形態の概要について説明する。具体的には、本発明の第1の実施の形態の遊技における遊技状態及び当該遊技状態の遷移について説明する。
〔実施形態の概要〕
図5は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームにおける当りの種類を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームの当りの種類には、2R大当り、15R大当り及び小当りが含まれる。これらの当りは、特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様が導出される場合に発生する。
2R大当りは、大入賞口(特別変動入賞装置42)を2ラウンド分開放する特別遊技状態が発生する。そして、特別遊技状態が終了すると、特図変動表示ゲームの当選確率(特図確率)が高確率状態に設定される。また、特別遊技状態終了後の普電サポート状態は、普電サポートなし(非入賞容易状態)となり、いわゆる潜伏確変となる。
15R大当りは、大入賞口を15ラウンド分開放する特別遊技状態が発生する。そして、特別遊技状態が終了すると、特図確率が高確率状態に設定される。また、特別遊技状態終了後の普電サポートは、普電サポートあり(入賞容易状態)となり、特図変動表示ゲームが100回実行されるまで継続される。なお、普電サポートが実行される期間を大当り図柄に応じて設定するようにしてもよい。
また、小当りが発生しても特図確率は変化せず、小当り終了後の普電サポート状態も変化しない。本発明の第1の実施の形態では、小当たりが発生した場合には大入賞口(特別変動入賞装置42)を2ラウンド分開放させるようにするが、所定数の賞球を払い出すようにしてもよい。
なお、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態となっている間には、特図変動表示ゲームが実行されるたびに転落抽選が実行され、転落抽選に当選すると、高確率状態から低確率状態に遷移(転落)する。
また、普電サポートは、確率状態の変化に依存せずに、特図変動表示ゲームが所定の回数実行されるまで継続するが、特図変動表示ゲームが所定の回数実行された後であっても、転落せずに高確率状態が維持されている場合には普電サポートを継続するようにしてもよい。
さらに、大当り後の特図確率が低確率になる2R大当り(2R通常)、15R(15R通常)があってもよい。15R通常の場合には、特図変動表示ゲームが所定回数(時短回数)実行されるまで、普電サポートが実行される。
図6は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームにおける抽選確率を示す図である。
図6に示すように、本発明の第1の実施の形態では、低確率状態では、特図変動表示ゲームの当選確率は1/300に設定されている。また、高確率時には1/30に設定されており、低確率時と比較して10倍の当選確率となっている。なお、小当りが発生する確率は、1/50程度に設定すればよい。
また、転落抽選の当選確率は、1/70に設定されている。15R大当りが発生した場合、普電サポートが終了するまで高確率状態が継続する確率は24%程度である。
図7は、本発明の第1の実施の形態の遊技状態の遷移を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の遊技状態には、通常遊技状態、チャンスモード、スペシャル(SP)チャンスモード、時短モード(時短状態)の4種類が含まれる。
通常遊技状態は、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率、かつ、普電サポートがない状態である。特図変動表示ゲームで大当り又は小当りが発生すると、チャンスモード又はSPチャンスモードに遷移する。
チャンスモードは、通常遊技状態で2R大当り又は小当りが発生した場合に遷移する遊技状態である。チャンスモードでは、背景が相違したり、特別なキャラクターが出現するなど、通常遊技状態と異なる演出が実行される。本発明の第1の実施の形態では、2R大当り及び小当りが発生すると、大入賞口が2ラウンド分開放されるため、遊技者に見分けがつかず、ゲーム性の高い遊技を行うことができる。
チャンスモードは、2R大当りが発生した場合には高確率状態、小当りが発生した場合には低確率状態となっている。また、普電サポートなしとなっている。なお、転落抽選は、特図変動表示ゲームが実行されるたびに実行されるが、本発明の第1の実施の形態では、チャンスモードにおいて表示モード転落抽選が実行される。この表示モード転落抽選に当選すると、通常遊技状態に遷移する。なお、これは演出態様が変化するだけであり(表示モード転落)、確率状態などが変化するものではない。
また、本発明の第1の実施の形態では、高確率状態であるチャンスモード(潜伏確変状態)で2R大当りが発生した場合には、特別遊技状態終了後にSPチャンスモードに遷移する。なお、低確率状態であるチャンスモードで2R大当りが発生した場合であっても特別遊技状態終了後にSPチャンスモードに遷移するようにしてもよい。また、チャンスモード実行中に小当りが発生した場合には、再びチャンスモードに遷移する。
SPチャンスモードは、通常遊技状態で15R大当りが発生した場合、チャンスモードで2R大当り又は15R大当りが発生した場合に遷移する遊技状態である。SPチャンスモードでは、チャンスモードと同様に、背景が相違したり、特別なキャラクターが出現するなど、他の遊技状態と異なる演出が実行される。したがって、SPチャンスモードは、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態、普電サポートありとなっている。SPチャンスモードは、いわゆる確変状態に対応する。
SPチャンスモードでは、転落抽選に当選せずに、時短回数上限まで普電サポートが実行されると、チャンスモードに遷移する。この場合には、通常遊技状態で2R大当りが発生した場合と同様の状態となる。また、SPチャンスモード実行中に転落抽選に当選した場合には時短モードに遷移する。
時短モードは、前述のように、SPチャンスモード実行中に転落抽選に当選した場合に遷移する。このとき、演出態様は、SPチャンスモードと同じになっている。すなわち、SPチャンスモードから時短モードに遷移しても遊技者に報知しない。時短モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率、かつ、普電サポートありの状態であり、時短回数上限まで継続する。
なお、時短モードでは、時短回数上限まで普電サポートが実行された後、通常遊技状態に遷移する。このとき、時短モードからチャンスモードに遷移するようにしてもよく、所定確率で通常遊技状態又はチャンスモードに移行するようにしてもよい。このように制御することによって、遊技者が確率状態を把握しにくくすることが可能となり、ゲーム性の高い遊技を行うことができる。
また、時短モードで2R大当り又は15R大当りが発生した場合には、当然、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態となる。
続いて、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図8Aは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図8Bは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S801)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S802)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S803)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S804)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S805)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S806)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S807)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S808)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S809)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S809の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S810〜S813)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S810及びS811の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S812及びS813の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S813の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S814)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S815)、これらの値が一致するか否かを判定する(S816)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S809の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S811又はS813の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS814の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S816の結果が「N」)、図6のS631〜S635の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S816の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図8BのS817〜S823)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S817)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S818)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S819)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S820)。高確率でないと判定された場合には(S820の結果が「N」)、S823以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S820の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S821)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S822)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S823)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S839)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S840)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S841)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(S842)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S843)、S824以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S607又はS635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S824)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S825)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S826)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S827)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S828)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S829)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S630)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S630の結果が「N」)、S612の初期値乱数更新処理を再び実行し、S628からS630までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S828)の前に割り込みを許可(S827)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S828)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S830の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS829の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S831)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S831の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S830)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S831の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S832〜S838)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S832)、全出力ポートをオフに設定する(S833)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S834)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S835)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S836)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S837)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S838)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S901)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS901の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S902)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S1003)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S904)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S905)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S906)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S907)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S908)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図10にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S909)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S910)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(S911)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S912)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S913)。その後、S901の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S914)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S915)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S908)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S1001)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S1002)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1003)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、S1003の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1004の結果が「N」)、S1016以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1004の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1005)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1006)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1007)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1008)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1008の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図15にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1008の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1008の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1008の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1008の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S1013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1008の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1008の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1015)。大当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図19にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1016)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1017)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1018)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S1019)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(S1101)。さらに、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1102)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1103)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図12にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S1104)。普通電動役物が作動中である場合には(S1105の結果が「Y」)、S1108以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(S1105の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1106)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1107)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1106及びS1107の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1107の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1107の結果が「N」)、第2始動入賞口38による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(S1108)。さらに、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1109)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1110)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S1103、S1110)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1201、S1202)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1202の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1202の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1203)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1204)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1205)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1206、S1207)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1207の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1208)。
遊技制御装置500は、S1208の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1207の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1209、S1210)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1210の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1211)。さらに、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1212)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)する(S1214)。さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1215)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1216)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(S1217)、さらに、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1218)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1219)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1220)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1221)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行するために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、S1218の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1222)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(S1223)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。特図保留情報判定処理の詳細については、図13にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1210の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1230、S1231)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S1231の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1232)、コマンド設定処理を実行する(S1233)。
一方、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S1231の結果が「N」)、又は、S1233のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図12)における特図保留情報判定処理(S1223)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、先読み演出の実行条件を満たしているか否かをチェックし(S1301)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(S1302)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞した場合には、普電サポートなし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口38に入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。
遊技制御装置500は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(S1302の結果が「Y」)、転落判定処理を実行する(S1303)。転落判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる転落抽選乱数値が転落当選範囲にあるか否かを判定する。なお、転落判定処理の詳細については、図14にて後述する。
続いて、遊技制御装置500は、転落抽選に当選したという転落情報があるか否かを判定する(S1304)。そして、転落情報がない場合には(S1304の結果が「N」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1305)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置500は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合(S1302の結果が「N」)、又は、転落情報がある場合には(S1304の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、第1始動入賞口37に入賞し、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。また、先読み処理を実行する場合でも、転落判定処理において転落抽選に当選した場合には、大当り判定処理以降の処理を実行しないように構成される。
本発明の第1の実施の形態では、遊技制御装置500は、S1303の処理で始動記憶に対して転落判定処理を実行しているが、保留中の始動記憶に転落抽選に当選した始動記憶がある場合は、当該始動記憶が消化されるまでS1303及びS1304の処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、転落抽選に当選した始動記憶以降に保留される始動記憶に対しては、最大で4回の変動表示ゲームが終了するまで、転落判定処理を実行しないようにしてもよい。
その後、遊技制御装置500は、S1305の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S1306)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1306の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1309)。そして、S1310以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1306の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(S1307)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置500は、S1307の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(S1308)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置500は、S1308の処理で設定した大当り情報テーブル又はS1309の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1310)。
そして、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1311)。
次に、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1312)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(S1313)。
その後、遊技制御装置500は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1314)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S1315)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1316)。
後半変動パターン設定処理(S1315)及び変動パターン設定処理(S1316)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置500は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(S1317)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(S1318)、コマンド設定処理を実行する(S1319)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1320)、コマンド設定処理を実行する(S1321)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1317及びS1318の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、S1320の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔転落判定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理(図13)における転落判定処理(S1303)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の転落判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(S1401)。そして、高確率状態でない場合は(S1401の結果が「N」)、転落判定処理を終了する。
一方、高確率状態である場合は(S1401の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、S1402以降の処理で転落当選を判定する。
ここで、遊技制御装置500は、S1220においてRWMの乱数セーブ領域にセーブした転落抽選乱数値が、転落当選判定値と一致するか否かを判定する。本発明の第1の実施の形態では、転落当選判定値として連続する複数の値が設定され、転落当選範囲が設けられている。本発明の第1の実施の形態では、図6に示したように、転落当選の確率は、1/70である。
遊技制御装置500は、まず、転落抽選乱数値と比較する転落当選範囲の下限値、すなわち、転落当選判定値の下限判定値をRWMに設定する(S1402)。そして、転落抽選乱数値が下限判定値未満であるか否かをチェックして(S1403)、転落抽選乱数値が下限判定値未満である場合には(S1404の結果が「Y」)、確率状態は維持され、転落判定処理を終了する。
転落抽選乱数値が下限判定値以上である場合は(S1404の結果が「N」)、遊技制御装置500は、転落当選範囲の上限値、すなわち、転落当選判定値の上限判定値をRWMに設定して(S1405)、転落抽選乱数値が上限値以下であるか否かをチェックする(S1406)。そして、転落抽選乱数値が上限値より大きい場合は(S1407の結果が「N」)、確率状態は維持され、転落判定処理を終了する。
一方、転落抽選乱数値が上限値以下である場合は(S1407の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落抽選に当選したと判定して、転落情報をRWMの作業用の設定情報領域にセーブする(S1408)。
そして、遊技制御装置500は、当選した転落抽選乱数を記憶する始動記憶に対応して転落情報コマンドを準備し(S1409)、コマンド設定処理を実行して(S1410)、転落判定処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(S1009)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1501、S1502)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1502の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1503、S1504)。このように、特図2保留数のチェック(S1501)を、特図1保留数のチェック(S1503)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1504の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1505、S1506)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1506の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1507)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1508)、コマンド設定処理を実行する(S1509)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1506の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1510以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1510)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1502の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1511)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1512)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1504の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1513)。なお、S1513における特図1変動開始処理1の詳細については、図16にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1514)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図1変動開始処理1(S1513)の詳細について説明する。図16Aは、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、実行される特図1変動表示ゲームに対応する転落抽選を実行する(S1601a)。転落抽選は、特図変動表示ゲームが実行されるたびに行われ、当選すると、確率状態が高確率状態から通常確率状態に遷移(転落)する。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1602a)。
次に、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1603a)。
その後、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1604a)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をロードした後(S1605a)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1606a)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1607a)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(S1608a)。
続いて、遊技制御装置500は、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備し(S1609a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1610a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1611a)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1612a)。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1613a)、特図1変動開始処理1を終了する。
また、図16Bは、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1(S1511)は、特図1変動開始処理1と同様の手順である。相違するのは、S1602bの処理で特図2停止図柄設定処理が実行され、また、S1603bの処理で特図1停止図柄番号が特図2停止図柄番号に、S1606b及びS1607bの処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる。
〔転落抽選処理〕
次に、前述した特図変動開始処理(図16A、図16B)における転落抽選処理(S1601a、S1601b)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の転落抽選処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、遊技制御装置500は、S1220においてRWMの乱数セーブ領域にセーブした転落抽選乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1701)。
S1702〜S1708の処理は、前述した転落判定処理のS1401〜S1407の処理と同様である。転落判定処理では、まだ対象の始動記憶は保留状態であるので、転落抽選に当選したか否かを判定するのみで、当選しても実際に転落を実行しない。転落抽選処理では、対象の始動記憶の特図変動表示ゲームが開始される際に再び転落抽選に当選したか否かを判定し、当選したら実際に転落を実行するための処理を実行する。
具体的には、遊技制御装置500は、まず、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1702)。そして、高確率状態でない場合は(S1702の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
一方、高確率状態である場合は(S1702の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の下限判定値をRWMに設定し(S1703)、転落抽選乱数値が下限判定値未満であるか否かをチェックする(S1704)。そして、転落抽選乱数値が下限判定値未満である場合は(S1705の結果が「Y」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
転落抽選乱数値が下限判定値以上である場合は(S1705の結果が「N」)、遊技制御装置500は、転落当選判定値の上限判定値をRWMに設定して(S1706)、転落抽選乱数値が上限値以下であるか否かをチェックする(S1707)。そして、転落抽選乱数値が上限値より大きい場合は(S1708の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
一方、転落抽選乱数値が上限値以下である場合は(S1708の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、転落抽選に当選したと判定して、転落時情報設定処理を実行する(S1709)。なお、転落時情報設定処理についての詳細は、図18にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(S1710)、転落抽選処理を終了する。
〔転落時情報設定処理〕
次に、前述した転落抽選処理(図17)における転落時情報設定処理(S1709)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の転落時情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態を示す番号を表示するために、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率状態を示す番号をセーブする(S1801)。
次に、遊技制御装置500は、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(S1802)。
さらに、遊技制御装置500は、停電復旧後に停電前の遊技状態に復旧できるようにRWMの停電復旧時送信コマンド領域に低確率状態である確率情報コマンドをセーブする(S1803)。
最後に、遊技制御装置500は、低確率状態である確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためにコマンド設定処理を実行して(S1804)、転落時情報設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(S1015)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをチェックし(S1901)、確率変動判定フラグが潜伏確変突入フラグであるか否かを判定する(S1902)。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが潜伏確変突入フラグの場合には(S1902の結果が「Y」)、すなわち、潜伏確変に移行する場合には、大当り終了設定処理1を実行する(S1903)。この場合、特図変動表示ゲームの結果が2R大当りであり、遊技状態はチャンスモードに遷移する。大当り終了設定処理1の詳細については、図20にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが潜伏確変突入フラグでない場合には(S1902の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(S1905)。この場合、特図変動表示ゲームの結果が15R大当りであり、遊技状態はSPチャンスモードに遷移する。大当り終了設定処理2の詳細については、図21にて説明する。
本発明の第1の実施の形態では、大当り終了時には、当り図柄にかかわらず、一律に確率状態が高確率状態に設定される。前述のように、時短状態、すなわち、普電サポートの態様を図柄に対応させて設定するようにしてもよい。
遊技制御装置500は、大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S1907)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1908)。
そして、遊技制御装置500は、振り分け判定フラグ領域にセーブされた変動振り分けデータをロードし(S1907)、ロードした変動振り分けデータを振り分け情報領域にセーブする(S1908)。最後に、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理3を実行し(S1909)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(S1903)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を潜伏確変状態(チャンスモード)に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、潜伏確変状態(チャンスモード)の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2001)。さらに、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2002)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏確変状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏確変状態の番号をセーブする(S2003)。
次に、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグ/普電サポートなしフラグをセーブする(S2004)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブする(S2005)。最後に、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブし(S2006)、大当り終了設定処理1を終了する。
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理2(S1904)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を確変状態(SPチャンスモード)に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確率(SPチャンスモード)の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2101)。具体的には、大当り2信号をオンに設定する。
さらに、遊技制御装置500は、高確率の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2102)。具体的には、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1高確率状態信号、普通図柄1変動時間短縮信号、普通電動役物1開放延長状態信号をオンに設定する。
また、遊技制御装置500は、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確率時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S2103)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S2104)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S2105)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S2106)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短回数(100回)をセットし(S2107)、大当り終了設定処理2を終了する。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2201)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2202)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2203)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2204)、乱数初期化処理を実行する(S2205)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2206)。そして割込みを許可する(S2207)。割込みの発生タイミングでは後述するコマンド受信割込み処理(図23)が実行される。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2208)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2203)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(S2209)。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2210)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2211)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2210)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(S2212)。シーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、特図変動表示ゲームの大当り又は高確率状態の転落を事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2213)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2214)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2215)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2216)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2217)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2218)、S2208の処理に戻る。以降、S2208からS2218までの処理を繰り返す。
〔コマンド受信割込み処理(1stCPU)〕
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるコマンド受信割込み処理の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態のコマンド受信割込み処理の手順を示すフローチャートである。コマンド受信割込み処理は、遊技制御装置500からコマンドを受信するごとに実行される処理である。コマンド受信割込み処理は、前述したメイン処理において割込みが許可された(S2207)後に実行可能である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から受信したコマンドポートの値を取り込む(S2301)。そしてCPUの状態がMODEコマンド(コマンドのMODE部)の受信を待っている状態であるか否かをチェックする(S2302)。
MODEコマンド待ち状態である場合は(S2302の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるかをチェックする(S2303)。そしてSSTBがオンである場合は(S2303の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(S2304)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(S2304の結果が「Y」)、S2305〜S2308の処理に移行する。SSTBがオンではない場合(S2303の結果が「N」)、又は受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(S2304の結果が「N」)は、S2317及びS2318の処理に移行する。
コマンドが、MODEコマンド待ち状態、かつSSTBがオンのときに受信され、該コマンドがMODEコマンドである場合は(S2302,S2303,S2304の結果が全て「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2305)。そして算出後のアドレスに受信したコマンドをMODEコマンドとしてセーブする(S2306)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマに初期値を設定してスタートさせる(S2307)。タイムアウト監視タイマは、MODEコマンドを受信してからの経過時間を計測し、設定時間以内にACTIONコマンドを受信しない場合にタイムアウトを発生させる。遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、連続して送信される。したがって、MODEコマンドを受信してから設定された時間を経過してもACTIONコマンドを受信できなかった場合には、ACTIONコマンドを取りこぼした可能性が高いと判断することができる。そしてCPUの状態をACTIONコマンド(コマンドのACTION部)待ち状態に設定する(S2308)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
次に、コマンドが、MODEコマンド待ち状態のときに受信され、このときSSTBがONではない、又は、該コマンドがMODEコマンドでない場合は(S2302の結果が「Y」、かつS2303の結果が「N」又はS2304の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマを停止する(S2317)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2318)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
一方、MODEコマンド待ち状態でない場合は(S2302の結果が「N」)、ACTIONコマンド待ち状態であり、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトしているか否かをチェックする(S2309)。すなわち、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信するまでの時間が、タイムアウト監視タイマで設定した時間を超えていないかをチェックする。
タイムアウトしていない場合は(S2309の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBがオンであるかをチェックする(S2310)。そしてSSTBがオンである場合は(S2310の結果が「Y」)、受信したコマンドがMODEコマンドであるかをチェックする(S2311)。受信したコマンドがMODEコマンドである場合は(S2311の結果が「Y」)、S2305〜S2308の処理に移行する。CPUの状態がACTIONコマンド待ち状態であってもMODEコマンドを受信した場合は、ACTIONコマンドの受信を待たずに、新しく受信した該MODEコマンドを優先に処理する。受信したコマンドがMODEコマンドでない場合は(S2311の結果が「N」)、S2312〜S2314、S2317及びS2318の処理に移行する。
また、タイムアウトしている場合(S2309の結果が「Y」)又はSSTBがオンでない場合(S2310の結果が「N」)は、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2315〜S2318の処理に移行する。
コマンドがMODEコマンドでない場合は(S2311の結果が「N])、ACTIONコマンドを受信したことになるので、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2312)。そして算出後のアドレスに受信したコマンドをACTIONコマンドとしてセーブする(S2313)。
これでMODEコマンド及びACTIONコマンドが1セット揃うので、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信済みコマンド数を1加算して更新する(S2314)。その後、タイムアウト監視タイマを停止する(S2317)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2318)。そしてコマンド受信割込み処理を終了する。
次に、MODEコマンドを受信してからACTIONコマンドを受信する前にタイムアウト監視タイマによってタイムアウトが発生した場合(S2309の結果が「Y」)、又は、SSTBがオンでない場合(S2310の結果が「N」)は、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(S2315)。そして、算出後のアドレスに基づいて、コマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する(S2316)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、タイムアウト監視タイマを停止する(S2317)。そしてCPUの状態をMODEコマンド待ち状態に設定する(S2318)。そして本処理を終了して、メイン処理に戻る。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。2ndCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S2401)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S2402)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S2403)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S2404)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S2405)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2406)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S2411)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S2407)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S2408)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2409)。システム周期待ちフラグは、図26にて後述するVブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S2409の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2410)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示する通常ゲーム処理を実行し(S2411)、S2408の処理に戻る。以降、S2408からS2411までの処理を繰り返す。
〔通常ゲーム処理(2ndCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図24)における通常ゲーム処理(S2411)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)551から受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S2501)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、演出の中で静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S2502)。次に、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S2503)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S2504)。
また、始動記憶が無い場合など、変動表示ゲームが所定時間実行されない場合には、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に客待ちデモ画面を表示する客待ちデモ処理を実行する(S2505)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理のシーン制御処理(S1212)におけるシーンの描画を準備するシーン制御/表示処理を実行する(S2506)。ここでシーン制御/表示処理は、背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。そして、PROM555の内容をRAM554aに転送し、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S2507)。そして本処理を終了して、2ndCPUメイン処理のS2408の処理に戻る。
〔Vブランク割込み処理(2ndCPU)〕
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるVブランク割込み処理の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態のVブランク割込み処理の手順を示すフローチャートである。Vブランク割込み処理は、前述した2ndCPUメイン処理(図24)において割込みが許可された(S2405)後に、所定の周期(垂直同期信号V_SYNC,水平同期信号H_SYNC)で実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、フレームカウンタを1加算して更新する(S2601)。そして、フレームカウンタが規定値(例えば、2)以上か否かをチェックする(S2602)。すなわち、規定値分の周期でVDP558が表示装置48に描画し、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が通常ゲーム処理(図25)で描画データを準備する。
フレームカウンタが規定値以上になった場合は(S2602の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが0か否かをチェックする(S2603)。システム周期待ちフラグが0である場合は(S2603の結果が「Y」)、すなわち、前述したメイン処理(図24)においてシステム周期待ちフラグがクリアされた場合は(S2408)、次の処理に移行して、VDP558は前回の画面表示の描画を完了したか否かをチェックする(S2604)。これは、後述するVDP描画中フラグの状態で判断すればよい。そしてVDP558が描画を完了している場合は(S2604の結果が「Y」)、後述する今回の描画を指示する処理(S2605〜S2609)に移行する。
一方、フレームカウンタが規定値未満である場合(S2602の結果が「N」)、システム周期待ちフラグがゼロである場合(S2603の結果が「N」)、又はVDP558が描画を完了していない場合(S2604の結果が「N」)は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、本処理を終了する。すなわち、規定値分の周期で、描画が完了しなかった場合、又は、描画データの準備が終わらなかった場合に、次の周期で描画を指示するように制御する。
続いて、VDP558が描画を完了している場合には(S2604の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、今回の画面表示を準備するために表示フレームバッファを切り替える(S2605)。ここで、表示フレームバッファは、RAM554aの作業領域に設けられ、表示装置48に表示される画像データを一時的に記憶する。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、VDP558に描画開始を指示して(S2606)、VDP描画中フラグをセットする(S2607)。VDP558が描画している間は、前述したS2604の結果が「N」になるので、VDP558に対して二重に描画指示が出されることはない。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、フレームカウンタを0クリアし(S2608)、その後、システム周期待ちフラグを1にセットする(S2609)。そしてVブランク割込み処理を終了する。この後、2ndCPUメイン処理において、S2409の結果が「Y」になるので、次の処理S2410及びS2411の処理を実行することが可能となる。なお、VDP描画中フラグは、描画が完了すると図示しない別の割込み処理でクリアされる。
このように、Vブランク割込み処理は、2ndCPUメイン処理の通常ゲーム処理(S2411)で表示設定されてフレームバッファに記憶された画像の描画をVDP558に指示する。これにより、VDP558によって表示装置48に画像が表示される。
〔画面遷移例〕
図27A及び図27Bは、本発明の第1の実施の形態のスペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが実行される場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
画面(A)は、スペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示している。
画面(A)の上部には、現在実行中の遊技状態が表示される。画面(A)では「スペシャルチャンスモード」と表示される。さらに、画面中央部には、3つの識別情報が変動表示する飾り特図変動表示ゲームが実行されている。
画面(A)の左下部には、未実行の特図変動表示ゲームを示す始動記憶が表示される。本発明の第1の実施の形態では、特図2変動表示ゲームが優先して実行されるため、特図2変動表示ゲームを実行するための始動記憶(第2始動記憶)が存在する場合には、第2始動記憶が優先して表示される。第2始動記憶が存在しない場合には、特図1変動表示ゲームを実行するための始動記憶(第1始動記憶)が表示される。
画面(A)の右下部には、非転落ゲーム数表示領域が表示される。非転落ゲーム数表示領域には、高確率状態の継続が保証されるゲーム数が表示される。すなわち、少なくとも表示された回数の特図変動表示ゲームが高確率状態で実行される。なお、非転落ゲーム数の報知は、始動記憶数が上限(4)に到達した場合に開始される。
画面(B)は、始動記憶数が2増加した状態を示している。
画面(C)は、始動記憶数がさらに1増加し、始動記憶数が上限に到達した状態を示している。このとき、非転落ゲーム数の報知が開始される。画面(C)では、非転落ゲーム数表示領域に「残り4回」と表示され、現在表示されている始動記憶内に転落情報がないことが報知される。
なお、大当り終了後、始動記憶内に転落情報が含まれる場合に最初から上限数以下の回数が表示されると、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるため、始動記憶数が上限に到達した状態に限らず、ランダムに保証範囲を決定するようにしてもよい。このとき、転落情報がないことを保証する始動記憶を枠で囲う等して遊技者に報知してもよい。
画面(D)は、画面(C)に示した状態から1回分の特図変動表示ゲームが終了し、始動記憶数が増加していない状態を示している。このとき、非転落ゲーム数の表示が4回から3回に変更される。
画面(E)は、画面(D)に示した状態からさらに1回分の特図変動表示ゲームが終了し、始動記憶数が増加していない状態を示している。このとき、非転落ゲーム数の表示が3回から2回に変更される。
画面(F)は、画面(E)に示した状態で始動記憶数が1増加した状態を示している。このとき、新規の始動記憶についても転落情報が含まれていないため、非転落ゲーム数の表示が2回から3回に変更される。このように、一旦報知が開始されると、始動入賞が発生するごとに非転落ゲーム数を更新している。なお、再び始動記憶数が上限に達するまで報知しないようにしてもよい。新規の始動記憶で転落する場合には、その旨報知しないようにしてもよいし、転落することを報知するようにしてもよい。
また、非転落ゲーム数の表示は、演出ボタン31が操作されたタイミングで更新するようにしてもよいし、飾り特図変動表示ゲームにおいて識別情報が停止したタイミングで更新するようにしてもよい。
続いて、転落抽選の先読み演出を実行する手順について説明する。
〔先読み予告制御処理(1stCPU)〕
図28は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。先読み予告制御処理は、前述した主制御用マイコン(1stCPU)によって実行される1stCPUメイン処理(図22)におけるシーン制御処理(S2212)に含まれる処理のひとつである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、確率状態をチェックする(S2801)。そして、確率状態が特図変動表示ゲームの当選確率が高確率、かつ、普電サポートありであるか否かを判定する(S2802)。ここで実行される先読み演出は、高確率状態から転落したか否かであるため、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合にのみ以降の処理が実行される。また、普電サポートなしの場合、すなわち、潜伏確変の場合には、遊技性を高めるために確率状態を遊技者に報知しないようにする。したがって、確率状態が特図変動表示ゲームの当選確率が高確率でない、又は、普電サポートなしの場合には(S2802の結果が「N」)、先読み予告制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、確率状態が特図変動表示ゲームの当選確率が高確率、かつ、普電サポートありの場合には(S2802の結果が「Y」)、受信したコマンドの解析内容を確認する(S2803)。そして、飾り特図保留数コマンドを受信したか否かを判定する(S2804)。飾り特図保留数コマンドを受信していない場合には(S2804の結果が「N」)、先読み対象の始動記憶が存在しないため、先読み予告制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、飾り特図保留数コマンドを受信した場合には(S2804の結果が「Y」)、さらに、対応する始動記憶の先読みコマンドを受信済みか否かを判定する(S2805)。対応する始動記憶の先読みコマンドを受信済みでない場合には(S2805の結果が「N」)、先読みを実行するか否かを決定することができないため、先読み予告制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対応する始動記憶の先読みコマンドを受信済みの場合には(S2805の結果が「Y」)、転落情報コマンドを受信したか否かをチェックし(S2806)、転落情報コマンドがあるか否かを判定する(S2807)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したコマンドに転落情報コマンドがある場合には(S2807の結果が「Y」)、転落ありフラグをセットする(S2808)。さらに、非転落報知を行うために、現在の飾り特図保留数(始動記憶数)を確認する(S2809)。そして、確認された飾り特図保留数が所定数に到達したか否かを判定する(S2810)。具体的には、前述のように、飾り特図保留数が上限(4)に到達した場合に報知を実行する。したがって、飾り特図保留数が所定数に達してしない場合には(S2810の結果が「N」)、先読み報知を実行せずに先読み予告制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、飾り特図保留数が所定数に達した場合には(S2810の結果が「Y」)、転落ありフラグをチェックし(S2811)、転落ありフラグがオンに設定されているか否かを判定する(S2812)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落ありフラグがオンに設定されていない場合には(S2812の結果が「N」)、現在の飾り特図保留数に応じた非転落報知を実行するように設定する(S2813)。一方、転落ありフラグがオンに設定されている場合には(S2812の結果が「Y」)、非転落報知を実行できないので、先読み予告制御処理を終了する。
〔タイムチャート〕
続いて、図29を参照して、非転落報知を実行し、さらに、報知内容を更新するタイミングについて説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の先読み結果に転落情報がない場合に、非転落報知の内容を更新するタイミング説明するタイムチャートである。図29は、前述した画面遷移(図27A及び図27B)に対応する。
まず、時刻t1までの期間は、図27Aの画面(A)及び画面(B)に対応する。すなわち、始動記憶数が1から3に増加して、始動記憶数が4になるまでの間を示している。
時刻t1になると、始動記憶数が上限(4)に到達し、図27Aの画面(C)に示すように、非転落報知が実行される。
その後、実行中の特図変動表示ゲームが終了し、時刻t2で次の特図変動表示ゲームが実行される。このとき、図27Bの画面(D)に示す状態となっている。さらに、時刻t3で次の特図変動表示ゲームが実行され、図27Bの画面(E)に示す状態となる。
その後、時刻t4において指導入賞口に遊技球が入賞し、図27Bの画面(F)に示すように、始動記憶数が1増加している。このとき、新たな始動記憶についても非転落であるため、その旨報知されている。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、先読み予告として非転落を報知するので、遊技者が安心して遊技を行うことができる。さらに、非転落を保証されるゲーム数が報知されるため、遊技者がより安心して遊技を進めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、所定数の始動記憶が溜まった後に非転落を報知するので、遊技者が止め打ちすることを防止することができる。また、複数の始動記憶ごとに非転落を報知することによって、複数回にわたる安心感を遊技者に与えることができる。
(第1の実施の形態の第1変形例)
本発明の第1の実施の形態では、始動記憶数が所定ゲーム数に到達すると、以降、始動入賞口に遊技球が入賞するたびに、先読み報知を実行していた。しかし、実行された特図変動表示ゲームの数が多くなればなるほど転落する可能性が高くなるため、第1の実施の形態の第1変形例では、所定のゲーム数が実行された後は転落に関する報知を実行せずに、遊技者の期待感に悪影響を与えないようにする。
以下、第1の実施の形態の第1変形例について、図面を参照しながら説明する。第1の実施の形態と第1の実施の形態の第1変形例の相違点は、特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数に到達した場合に実行される先読み予告制御処理である。その他の構成については第1の実施の形態と同様であり、共通の構成及び処理については、同じ符号を割り当てて説明を省略する。
以下、第1の実施の形態の第1変形例における先読み予告制御処理について図30及び図31を参照して説明する。
〔画面遷移例〕
図30は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例のスペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが実行される場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
図30では、第1の実施の形態における図27Aの画面(C)の後に続いて表示される画面を示している。また、図30の画面(D)及び画面(E)は図27Bの画面(D)及び画面(E)と同じである。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の第1変形例では、特別遊技状態終了後、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると、非転落ゲーム数が報知されなくなる。
画面(D)における最後に追加された3つめの始動記憶は、非転落ゲーム数の報知が終了する所定ゲーム数に対応する特図変動表示ゲームに対応する。
画面(F)では、さらに、始動入賞口に遊技球が入賞し、非転落ゲーム数の報知が終了する。このとき、画面(E)に示すように、転落抽選に当選しないゲームであることが保証される回数のみを表示するようにしてもよい。すなわち、以降の始動入賞については非転落ゲーム数を加算する更新を行わないようにする。また、画面(F)に示すように、以降、非転落ゲーム数が報知されないことを表示してもよい。
〔先読み予告制御処理(1stCPU)〕
図31は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。前述のように、図28に示した本発明の第1の実施の形態の先読み予告制御処理と共通する処理については説明を省略する。
第1の実施の形態の第1変形例では、確率状態が、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率で普電サポートありの場合には(S2802の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率になってから実行された特図変動表示ゲームのゲーム数を確認する(S3101)。そして、確認したゲーム数が非転落ゲーム数を報知しないように設定される所定回数に到達したか否かを判定する(S3102)。所定回数に到達していない場合には(S3102の結果が「N」)、第1の実施の形態と同様に、S2803以降の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、確認したゲーム数が所定回数に到達した場合には(S3102の結果が「Y」)、報知終了情報があるか否かを判定する(S3103)。報知終了情報とは、非転落報知を行わないことを示す情報である。報知終了情報がある場合には(S3103の結果が「Y」)、既に報知が終了しているため、先読み予告制御処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、報知終了情報がない場合には(S3103の結果が「N」)、非転落報知が実行されないことを示す表示設定(報知終了設定)を行う(S3104)。さらに、報知終了情報をセーブする(S3105)。
なお、S3102の処理で、確認したゲーム数が所定回数に到達した場合に非転落報知を行うようにしてもよい。すなわち、特図変動表示ゲームが所定回数実行され、特図変動表示ゲームの当選確率が低くなっている可能性が高い状態で報知するようにしてもよい。このような場合には、すでに特図変動表示ゲームが所定回数実行された後であるため、転落したことがわかっても遊技者は大きく落胆することはない。
〔第1の実施の形態の第1変形例の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の変形例によれば、特図変動表示ゲームが所定ゲーム数経過すると転落当選している確率が高まるので、転落に関する報知を実行しないようにし、遊技者の期待感に悪影響を与えないようにすることができる。
(第1の実施の形態の第2変形例)
本発明の第1の実施の形態では、特別遊技状態終了後は転落抽選に当選するまで特図確率が高確率状態となっていたが、第1の実施の形態の第2変形例では、特図変動表示ゲームが100回実行されると、転落抽選に当選したか否かにかかわらず、特図確率が低確率になる。すなわち、第1の実施の形態の第2変形例における遊技機は、いわゆるST回数が100回のST機となっている。
図32は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例の特図変動表示ゲームにおける当りの種類を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の第2変形例の特図変動表示ゲームの当りの種類には、第1の実施の形態と同じである。前述のように、第1の実施の形態では、2R大当り及び15R大当りによる特別遊技状態が終了した後、転落抽選に当選するまで特図確率が高確率状態となっていたが、第1の実施の形態の第2変形例では、特図変動表示ゲームが高確率上限回数(100回)実行されると、転落抽選に当選したか否かにかかわらず、特図確率が低確率に設定される。このとき、第1の実施の形態と同様に、特図変動表示ゲームが実行されるたびに転落抽選が行われ、転落抽選に当選すると、高確率上限回数の特図変動表示ゲームが実行される前に特図確率が低確率に設定される。
なお、本発明の第1の実施の形態の第2変形例では、高確率上限回数と時短上限回数とがともに100回に設定されているが、異なる回数を設定してもよい。
図33は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例の特図変動表示ゲームにおける抽選確率を示す図である。本発明の第1の実施の形態の第2変形例の特図変動表示ゲームにおける抽選確率は、第1の実施の形態と同じである。
図34は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例の遊技状態の遷移を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の第2変形例の遊技状態には、第1の実施の形態の遊技状態と同様に、通常遊技状態、チャンスモード、スペシャル(SP)チャンスモード、時短モード(時短状態)の4種類が含まれる。
本発明の第1の実施の形態の第2変形例では、第1の実施の形態と同様に、特別遊技状態終了後にSPチャンスモードに移行するが、高確率上限回数の特図変動表示ゲームが実行されると、通常遊技状態に遷移する。
なお、高確率上限が時短回数上限と同じであるため、転落抽選に当選せずに100回の特図変動表示ゲームが実行された後通常状態に遷移するが、高確率上限が時短回数上限よりも小さい場合には、残りの時短回数が消化されるまで時短モードに遷移する。
〔画面遷移例〕
図35は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例におけるスペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが実行される場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の第2変形例では、各画面の右下部にST回数の残り回数が表示される。なお、第1の実施の形態の第2変形例では、ST回数の残り回数はSPチャンスモードの間、常に表示されている。
また、各画面の左下部には保留表示があるが、各保留表示の色などによって、非転落又は転落が報知される。第1の実施の形態の第2変形例では、黒保留が非転落の可能性が高いことを報知しており、白保留が転落の可能性が高いことを報知している。非転落又は転落の報知は、形状によるものであってもよい。
画面(A)では、ST回数の残り回数が56回で、始動記憶数が3、そして、すべての始動記憶が非転落を示唆している。また、画面(B)では、画面(A)の状態から特図変動表示ゲームが1回実行され、新たに入賞した始動記憶が転落を示唆している。
画面(C)では、さらに新たに入賞した始動記憶が転落を示唆しており、さらに転落する可能性が高いことを示唆している。このとき、ST残り回数の表示が小さくなっており、転落可能性が高いことを示す演出が実行されている。このように、白保留の増加によって演出態様を変化させて、白保留の数が多くなればなるほど転落を示唆する報知の信頼度が向上する。
〔先読み予告制御処理(1stCPU)〕
図36は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。
第1の実施の形態の第2変形例では、遊技制御装置500から転落コマンドを受信したか否かを判定し(S2807)、判定後の処理が第1の実施の形態の先読み予告制御処理と相違する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落コマンドを受信していない場合には(S2807の結果が「N」)、転落を示唆する保留表示を行うか否かを抽選する(S3601)。そして、ガセの転落示唆を行うか否かを判定する(S3602)。そして、転落示唆を行わない場合には(S3602の結果が「N」)、非転落を示唆する保留表示を設定し(S3603)、S3606以降の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落コマンドを受信した場合(S2807の結果が「Y」)、又は、ガセの転落示唆を行う場合には(S3602の結果が「Y」)、転落を示唆する保留表示を設定する(S3604)。さらに、転落を示唆する保留表示回数を更新する(S3605)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落を示唆する保留表示回数を確認し(S3606)、転落を示唆する保留表示回数が所定数に到達したか否かを判定する(S3607)。そして、転落を示唆する保留表示回数が所定数に到達した場合には(S3607の結果が「Y」)、確変残り回数(ST回数)の表示を変更する(S3608)。転落を示唆する保留表示回数が所定数に到達していない場合(S3607の結果が「Y」)、又は、S3608の処理が終了すると、先読み予告制御処理を終了する。
ここで、第1の実施の形態の第2変形例の別の画面表示例について説明する。第1の実施の形態の第2変形例では、ST残り回数の表示を変更することによって転落を示唆していたが、ST残り回数の値によって転落を示唆してもよい。
〔画面遷移例〕
図37は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例の別の変形例におけるスペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが実行される場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
画面(A)では、ST残り回数が56回で、始動記憶数が3、そして、最新の始動記憶が転落を示唆している。画面(B)は、次の特図変動表示ゲームが実行された状態を示しており、本来であれば、ST残り回数が55回と表示されるはずが、35回と表示される。このように、転落可能性が大きい場合には、大きく減算されたST残り回数が表示される。このとき、ST残り回数の最大値を減算されたST残り回数とともに表示してもよい。
また、転落が示唆された始動記憶が実際には転落情報を含んでいなかった場合には、画面(C)に示すように、減算されたST残り回数が正確な値になるように更新される。
以上のように、転落の示唆としてST残り回数を過剰に減算して表示するが、実際に転落がある場合には、ST残り回数を過剰に減算して表示する確率を高く設定し、さらに、次の特図変動表示ゲーム実行時にはさらに減算してST残り回数を表示する。また、実際に転落しない場合であっても確率的にST残り回数を過剰に減算して表示する。そして、次の特図変動表示ゲーム実行時には、正しいST残り回数を表示するようにする。なお、ST残り回数を過剰に減算して表示する確率は、例えば、図38Aに示すように設定すればよい。
〔先読み予告制御処理(1stCPU)〕
以上説明した変形例における先読み予告制御処理について説明する。
図38Bは、本発明の第1の実施の形態の第2変形例の別の変形例の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。
第1の実施の形態の第2変形例の別の変形例では、確率状態が特図変動表示ゲームの当選確率が高確率で普電サポートありの場合には(S2802の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落ありフラグが設定されているか否かをチェックする(S3801)。そして、転落ありフラグがオンに設定されているか否かを判定する(S3802)。転落ありフラグがオンに設定されている場合には(S3802の結果が「Y」)、先読み予告制御処理を終了する。一方、転落ありフラグがオンに設定されていない場合には(S3802の結果が「N」)、第1の実施の形態と同様に、S2803以降の処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落コマンドを受信していない場合には(S2807の結果が「N」)、転落なしの場合の確変残り回数(ST残り回数)表示更新抽選を実行する(S3803)。転落なしの場合の確変残り回数表示更新抽選では、図38Aに示した表に基づいて、確変残り回数を過剰減算して表示するか否かを抽選する。具体的には、10%の確率で確変残り回数を減算して表示する。
なお、転落コマンドを受信していないため、所定ゲーム数経過後などに正しい残り回数を表示する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落コマンドを受信していた場合には(S2807の結果が「Y」)、転落ありの場合の確変残り回数表示更新抽選を実行する(S3804)。転落ありの場合の確変残り回数表示更新抽選では、図38Aに示した表に基づいて、確変残り回数を過剰減算して表示するか否かを抽選する。具体的には、70%の確率で確変残り回数を減算して表示する。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落ありフラグをオンに設定する(S3805)。
なお、転落コマンドを受信しているので、過剰減算後、さらに減算して表示する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3803又はS3804の抽選結果に基づいて、確変残り回数表示更新設定を実行する(S3806)。確変残り回数表示更新設定では、次変動開始時に確変残り回数の表示を更新するように設定したり、さらにその次以降に確変残り回数の表示の更新についても必要に応じて行う。その後、抽選結果に応じて保留表示を変更するように設定し(S3807)、本処理を終了する。
〔第1の実施の形態の第2変形例の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の第2変形例によれば、ST残り回数の表示を転落の示唆とすることができ、実際には転落しないこともST残り回数の表示によって示唆することが可能となる。したがって、バリエーションに富んだ報知を行うことが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
(第1の実施の形態の第3変形例)
本発明の第1の実施の形態の第3変形例では、特別遊技状態終了後の高確率状態における特図変動表示ゲームの実行回数(ST回数)と、SPチャンスモード残り回数(ST残り回数)とが画面に表示される。また、第1の実施の形態の第3変形例では、第2変形例と同様に、ST回数の最大値が100回となっている。したがって、通常、ST回数とST残り回数の和は100となる。
本発明の第1の実施の形態の第3変形例では、転落報知の回数などに応じてST回数を更新に変化を持たせることによって、実際に転落している可能性を示唆する。
〔画面遷移例〕
図39は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例におけるスペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが実行される場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の第3変形例では、画面右下部にST回数及びST残り回数が表示される。保留表示による転落示唆は第2変形例と同様である。
画面(A)では、ST回数が20回、SPチャンス残り回数が80回となっている。ST回数とSPチャンス残り回数との合計がSPチャンスモードの上限数である100となっており、ST回数による転落示唆は実行されていない状態である。なお、2回後に実行される特図変動表示ゲームに対応する保留表示には転落示唆がなされている。
画面(B)では、画面(A)の状態において次の特図変動表示ゲームが実行されている状態を示している。このとき実行されている特図変動表示ゲームは転落が示唆されていない始動記憶であるため、ST回数が1加算され、SPチャンス残り回数が1減算される。
画面(C)では、転落示唆がなされた保留表示に対応する特図変動表示ゲームが実行されている状態である。このとき、ST回数は更新されず、SPチャンス残り回数のみが更新される。したがって、ST回数とSPチャンス残り回数との合計と、SPチャンスモードの上限数との間にずれが生じる。そして、転落示唆がなされるたびに、このずれが大きくなるため、転落可能性がより高くなると判断することができる。
〔先読み予告制御処理(1stCPU)〕
以上の画面遷移例に対応する先読み予告制御処理について説明する。
図40は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。
第1の実施の形態の第3変形例では、転落コマンドを受信していない場合(S2807の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落示唆保留表示実行抽選を実行する(S4001)。第3変形例では所定の確率でガセの転落示唆保留表示を実行し、転落示唆保留表示実行抽選では、ガセの転落示唆保留表示を実行するか否かを抽選する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落示唆保留表示を行うか否かを判定する(S4002)。転落示唆保留表示を行わない場合には(S4002の結果が「N」)、保留表示を非転落示唆表示に設定し(S4003)、ST回数(STにおけるゲーム実行数)を1加算するように設定する(S4004)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落コマンドを受信していた場合(S2807の結果が「Y」)、又は転落示唆保留表示を行う場合には(S4002の結果が「Y」)、保留表示を転落示唆表示に設定する(S4005)。そして、ST回数の加算は行わない。
保留表示の設定が完了すると、最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、SPチャンス残り回数を更新するように設定する(S4006)。
〔第1の実施の形態の第3変形例の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の第3変形例によれば、ST回数と、SPチャンス残り回数(ST残り回数)との関係によって転落を示唆することができる。したがって、ST回数とSPチャンス残り回数との合計と、SPチャンスモードの上限回数との差によって、より細やかな報知を行うことが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、先読み予告制御処理において、受信した始動口入賞演出コマンドに対応する始動記憶に対して、先読み予告表示設定を実行していたが、第2の実施の形態では、対応する始動記憶又は当該始動記憶の直前の始動記憶に対して、先読み予告表示設定を実行する。
〔状態遷移〕
図41は、本発明の第2の実施の形態の遊技状態の遷移を示す図である。
本発明の第2の実施の形態の遊技状態には、通常遊技状態、チャンスモード、スペシャル(SP)チャンスモード、時短モード(時短状態)の4種類に加え、さらに、SPチャンス準備モードが含まれる。通常遊技状態、チャンスモード、スペシャル(SP)チャンスモード、時短モードについては、第1の実施の形態と同様である。
SPチャンス準備モードは、チャンスモードで2R大当りが発生した場合に移行する遊技状態である。通常遊技状態で2R大当りが発生してチャンスモードに移行した場合、特図確率が高確率であるか否かを報知せずに曖昧な状態となる。そこで、第2の実施の形態では、チャンスモードで2R大当りが発生した場合には、高確率であることを報知するようにする。このように、特図確率が高確率であることを報知した状態がSPチャンス準備モードである。なお、小当りが発生したことによってチャンスモードに移行した場合であってもSPチャンス準備モードに移行する。
以上のように、第2の実施の形態では、転落の報知の他に、チャンスモードにおける特図確率の報知も実行される。
〔画面遷移例〕
図42は、本発明の第2の実施の形態におけるスペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが実行される場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態では、第1始動入賞口37への入賞と、第2始動入賞口38への入賞とを区別して始動記憶を保持する。また、特図2始動記憶が優先して消化されるように構成されている。
第2の実施の形態における画面では、画面左下部に特図1始動記憶表示領域、画面右下部に特図2始動記憶表示領域が設けられている。
画面(A)に示すように、特図1始動記憶のみが存在する場合に、転落報知を実行すると、転落する始動記憶が消化されるまでに第2始動入賞口38に入賞し、さらに、優先消化された特図2始動記憶によって転落抽選に当選する場合があるため、明確に転落報知を実行せずに曖昧に報知する。
また、特図2始動記憶によって転落又は大当りが発生する場合には、画面(B)に示すように、明確に報知するようにしてもよい。さらに、第2始動入賞口に入賞していなければ、画面(C)に示すように、非転落を示唆する報知を行ってもよい。
〔先読み予告制御処理(1stCPU)〕
以上の画面遷移例に対応する先読み予告制御処理について説明する。
図43は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。
第2の実施の形態では、転落コマンドを受信していない場合(S2807の結果が「N」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したコマンドの対象が特図2始動記憶であるか否かを判定する(S4301)。なお、S2802の処理で普電サポートのない場合にS4301の処理が実行され、第2始動入賞口38に入賞する確率は低い状態となっている。S2802の処理は、通常遊技状態で2R大当りが発生してチャンスモードに遷移した場合及びSPチャンス準備モードの場合に結果が「Y」となる。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したコマンドの対象が特図2始動記憶である場合には(S4301の結果が「Y」)、当該始動記憶が非転落であることを確定する報知を実行する(S4304)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したコマンドの対象が特図2始動記憶でない場合には(S4301の結果が「N」)、転落示唆保留表示抽選を実行する(S4302)。転落示唆保留表示抽選では、所定の確率で転落示唆を実行するか否かを抽選する。そして、抽選結果に基づいて転落示唆を実行したり、非転落曖昧報知を実行するように設定する(S4303)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落コマンドを受信した場合(S2807の結果が「Y」)、対応する始動記憶の保留表示に対して転落示唆表示を設定する(S4305)。
〔第2の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、普電サポートのない状態で、第2始動入賞口38に遊技球が入賞することによって、誤った転落報知が実行されることを防ぐことが可能となる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、SP準備モードによって、特図確率が高確率であることも報知され、演出のバリエーションを増やすことができるため、遊技の興趣をさらに高めることができる。
(第2の実施の形態の変形例)
本発明の第2の実施の形態では、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって、既に報知済みの転落示唆が誤った内容になることを防ぐために曖昧な報知を行っていた。第2の実施の形態の変形例では、さらに、転落が突発的であったことを遊技者に報知する。
〔画面遷移例〕
第2の実施の形態の変形例における画面では、第2の実施の形態と同様に、画面左下部に特図1始動記憶表示領域、画面右下部に特図2始動記憶表示領域が設けられている。また、画面中央下部には、保留消化領域が設けられ、消化される始動記憶が保留消化領域に移動する演出が実行される。
図44は、本発明の第2の実施の形態の変形例におけるスペシャルチャンスモードで特図変動表示ゲームが実行される場合に表示装置に表示される画面遷移の一例を示す図である。
画面(A)は、特図2始動記憶が存在せず、特図1始動記憶のみが存在し、さらに、特図1始動記憶はすべて転落抽選に当選していない状態を示している。また、保留内の始動記憶では転落抽選に当選していないことを報知(確定報知)している。
画面(B)は、画面(A)の状態で第2始動入賞口38に遊技球が入賞し、さらに、新たな第2始動記憶が転落抽選に当選する場合を示している。このとき、特図1の保留表示と、特図2の保留表示とが争って保留消化領域に移動する演出を実行する。この場合、特図2始動記憶が優先して消化されるため、特図2の保留表示が無理矢理、保留消化領域に割り込むような演出が実行される。
画面(C)では、転落抽選に当選した特図2始動記憶による特図変動表示ゲームが実行されている状態を示している。このとき、画面(A)で表示されていた確定報知の内容を更新し、転落することを報知している。
〔タイムチャート〕
続いて、図44の画面遷移に対応するタイムチャートを参照しながら各処理を実行するタイミングについて説明する。
図45は、本発明の第2の実施の形態の変形例においてスペシャルチャンスモードで転落演出が実行される場合を示すタイムチャートである。図45は、図44に示した画面遷移に対応する。
まず、時刻t0において、図44の画面(A)で実行されている特図変動表示ゲームが開始される。時刻t1で第1始動入賞口37に遊技球が入賞し、特図1始動記憶数が3となり、図44の画面(A)に示す状態となっている。このとき、非転落確定報知が実行されている。
その後、時刻t2において、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し、特図2始動記憶が生成される。そして、時刻t3において実行中の特図1変動表示ゲームが終了し、特図2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが実行される。このとき、画面(B)に示すように、特図1始動記憶と特図2始動記憶とが保留消化領域に移動する演出が実行され、時刻t3から時刻t4の間は特図1始動記憶数と特図2始動記憶数とがともに1減算された状態で表示される。
そして、時刻t4において、特図1始動記憶数を3に戻すことによって、特図2始動記憶が消化されたことが明確になり、画面(C)に示すように、非転落訂正報知を実行する。このタイミングで、特図確率は低確率となり、時刻t5において特図1変動表示ゲームが実行される。
〔第2の実施の形態の変形例の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態の変形例によれば、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって、結果的に誤った非転落報知がなされた場合であっても、転落が突発的であったことを示す演出を実行することによって、遊技者の不満を和らげることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、入賞した始動入賞口の区別なく始動記憶が生成される。また、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38について各最大4つ、計8つの始動記憶が生成される。そして、始動記憶8つで1セット(1ブロック)として管理され、1セット(1ブロック)単位で演出が実行される。なお、第3の実施の形態では、第1及び第2の実施の形態と異なり、第2始動記憶が優先的に消化されず、入賞した順序で始動記憶が消化される。
このとき、1セットに含まれる始動記憶に転落情報が含まれているか、又は、大当り情報が含まれているかなどによって異なる演出を実行する。
第3の実施の形態におけるセット単位の演出は、キャラクター同士で戦闘を行う演出(バトル演出)であり、1セット分の演出で1回分のバトルを行う。
以下、図46Aから図47を参照しながら、画面を例示しながらバトル演出の流れについて説明する。
〔画面遷移例〕
図46A及び図46Bは、本発明の第3の実施の形態におけるスペシャルチャンスモードの演出の画面遷移の一例を示す図である。
画面(A)は、始動記憶が8つとなったことで、バトル演出の開始を報知する画面である。画面左上部には識別情報が表示される。画面下部には1セット分の保留表示が含まれる。
保留表示は、入賞した始動入賞口を示す形状によって示される。例えば、保留表示の形状が丸の場合には第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合、保留表示の形状が四角の場合には第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合を示すようにする。なお、保留表示における数字は、実際には表示されない。また、1セット分の保留表示は枠で囲うなどして次のセットと区別可能に表示してもよい。
以降実行されるバトル演出は、セット内の転落情報が含まれるか否かなどによって演出の内容が変化する。
画面(B)は、1つめの始動記憶が消化され、バトル演出が開始された状態を示している。画面左上部の識別情報は変動中となっている。
画面(C)は、2つめの始動記憶が消化され、バトル演出が継続している状態を示している。このとき、新たに2つの始動記憶が追加されており、画面左上部の識別情報は変動中となっている。新たに追加された始動記憶が所定数(8)に到達すると、次のバトル演出が実行可能となる。
画面(D1)は、バトル演出が終了し、対応する1セット分の始動記憶に転落情報が含まれていない場合に、さらに、次のバトル演出が継続して実行されることを示している。このとき、1セット分の最後(8番目)の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの識別図柄の停止時間を延長して画面(D1)を表示する。なお、1セット分の最後(8番目)の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間を延長するようにしてもよい。
また、画面(D1)に示す状態では、次のバトル演出を実行するために必要な始動記憶が追加済みとなっており、スペシャルチャンスモードが継続するため、次のバトル演出が実行される。なお、画面(D1)を表示せずに連続してバトル演出を実行するようにしてもよい。
一方、画面(D2)は、対応する1セット分の始動記憶に転落情報が含まれていた場合に、バトル演出が継続せずに終了することを示している。このとき、1セット分の最後(8番目)の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの識別図柄の停止時間を延長して画面(D2)を表示する。また、スペシャルチャンスモードが継続しなくなるため、始動記憶をセット単位で扱う必要がなくなるため、保留表示を囲っていた枠を削除する。
なお、1セット分の保留記憶に大当りが含まれている場合には、バトル演出において遊技者側のキャラクターが勝利する演出を行うようにしてもよい。一方、転落する場合には、遊技者側のキャラクターが敗北する演出を行うようにしてもよい。
また、登場するキャラクターの動作(例えば、パンチ、キック、必殺技など)によって期待度を報知するようにしてもよい。例えば、大当りの期待度が高い場合には遊技者側のキャラクターが必殺技を出したり、転落の可能性が高い場合には敵側のキャラクターが優位にバトルを進めるようにしてもよい。
なお、転落せずにバトル演出が継続される場合であって、始動記憶が1セット分に満たない場合には、始動記憶が所定数になるまで演出を停止させてもよいし、一旦敗北した後に復活する演出を実行するようにしてもよい。
このように、複数の始動記憶を含む1セット単位で演出が実行されるため、セット内の始動記憶で転落した場合であっても、演出の最後に転落を報知するなど、報知タイミングの自由度を広げることができる。
続いて、最初に大当りが発生した場合の画面遷移について説明する。
図47は、本発明の第3の実施の形態においてスペシャルチャンスモードに遷移し、バトル演出開始時の画面遷移の一例を示す図である。
画面(A1)は、15R大当りによる特別遊技状態の終了直後の画面を示している。特別遊技状態実行中は普電サポートなしであるため、この時点の保留表示は特図1変動表示ゲームを実行するための始動記憶に対応するもののみとなっている。また、スペシャルチャンスモードでは、普電サポートありとなるため、以降、第2始動入賞口38にも遊技球が入賞可能となる。
画面(A2)は、スペシャルチャンスモード突入後、最初の特図変動表示ゲーム実行時の状態を示している。このとき、最初の特図変動表示ゲームについては変動時間を長く設定することによって、バトル演出が実行されやすいように制御してもよい。また、最初の特図変動表示ゲームが実行されている間に始動記憶が所定数に到達した場合にはそのままバトル演出が開始されるようにしてもよい。
画面(B)は、バトル演出開始後、2ゲーム目の状態を示している。画面(B)は、図46Aの画面(C)に対応し、以降、前述のようにバトル演出を継続する。
続いて、第3の実施の形態の制御について説明する。
〔先読み予告制御処理(1stCPU)〕
図48は、本発明の第3の実施の形態の先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。
第3の実施の形態では、転落情報コマンドを受信している場合(S2807の結果が「Y」)、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落始動記憶あり情報を設定する(S4801)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出途中情報があるか否かをチェックし(S4802)、演出途中情報があるか否かを判定する(S4803)。演出途中情報とは、始動記憶数が所定数に達していない場合に暫定的に演出が実行されているか否かを示す情報である。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出途中情報がある場合には(S4803の結果が「Y」)、暫定演出引継設定処理を実行する(S4808)。暫定演出引継設定処理の詳細については、図51にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出途中情報がない場合には(S4803の結果が「N」)、始動記憶数を確認する(S4804)。そして、始動記憶数が所定数に到達したか否かを判定する(S4805)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動記憶数が所定数に到達した場合には(S4805の結果が「Y」)、一連のバトル演出を実行する1セット演出設定処理を実行する(S4806)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動記憶数が所定数に到達していない場合には(S4805の結果が「N」)、始動記憶数が所定数に到達するまでの暫定的な演出を実行する暫定演出設定処理を実行する(S4807)。
〔1セット演出設定処理〕
図49は、本発明の第3の実施の形態の1セット演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、転落始動記憶を確認し(S4901)、転落始動記憶があるか否かを判定する(S4902)。転落始動記憶がない場合には(S4902の結果が「N」)、1セット分の転落非当選パターン演出を設定する(S4905)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落始動記憶がある場合には(S4902の結果が「Y」)、転落始動記憶あり情報をクリアし(S4903)、1セット分の転落当選パターン演出を設定する(S4904)。
S4904及びS4905の処理で設定された演出は、次に実行される特図変動表示ゲームの変動開始から実行される。
〔暫定演出設定処理〕
図50は、本発明の第3の実施の形態の暫定演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、現在実行中の特図変動表示ゲームの残り変動時間を確認する(S5001)。そして、残り変動時間が所定時間以下であるか否かを判定する(S5002)。所定時間以下でない場合(S5002の結果が「Y」)、すなわち、次の変動が開始されるまで十分な時間がある場合には、新たに始動入賞口に遊技球が入賞するまで待機するために、暫定演出設定処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、残り変動時間が所定時間以下である場合には(S5002の結果が「Y」)、先に消化される始動記憶が存在するか否かを判定する(S5003)。すなわち、現在の始動記憶数が所定数に到達していないにもかかわらず、次のセットの演出を実行しなければならないか否かを判定する。先に消化される始動記憶が存在する場合には(S5003の結果が「Y」)、この始動記憶が消化されるまでの間に新たに始動入賞口に遊技球が入賞するように待機するために、暫定演出設定処理を終了する。
なお、新たに始動入賞口に遊技球が入賞するように待機せずに、すなわち、S5001からS5003までの処理を実行せずに、S5004以降の処理を実行するようにしてもよい。この場合には、始動記憶数が所定数に到達していない場合には、無条件で暫定演出を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、先に消化される始動記憶が存在しない場合には(S5003の結果が「Y」)、転落始動記憶情報を確認し(S5004)、転落始動記憶が存在するか否かを判定する(S5005)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落始動記憶が存在する場合には(S5005の結果が「Y」)、暫定的な転落当選パターン演出を設定する(S5006)。一方、転落始動記憶が存在しない場合には(S5005の結果が「N」)、暫定的な非転落当選パターン演出を設定する(S5007)。
S5006及びS5007の処理で暫定的な演出を実行する理由は、始動記憶数が所定数に到達しなければ確定的な演出が実行できないためであるが、転落始動記憶が存在する場合にはいずれにしても転落するため、確定報知を行ってもよい。非転落当選パターンについては、後で入賞した始動記憶で転落抽選に当選する可能性があるため、確定的な報知を行うことはできない。
S5006及びS5007の処理が終了すると、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出途中情報をセーブし(S5008)、さらに、所定数と現在の始動記憶数との差、すなわち、残り必要始動記憶数をセーブする(S5009)。その後、暫定演出設定処理を終了する。
〔暫定演出引継設定処理〕
図51は、本発明の第3の実施の形態の暫定演出引継設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、残り必要始動記憶数を1減算する(S5101)。本処理は始動入賞口に遊技球が入賞した場合に実行される処理であるため、始動記憶数が1追加されたことになる。そして、残り必要始動記憶数が0になれば、1セット分の演出を実行可能となり、確定的な報知を行うことができる。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、残り必要始動記憶数が0となり、始動記憶数が1セット分の所定数に到達したか否かを判定する(S5102)。始動記憶数が1セット分の所定数に到達した場合には(S5102の結果が「Y」)、転落始動記憶情報を確認する(S5103)。このとき、すでに消化された始動記憶も含めて確認する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落始動記憶が存在するか否かを判定する(S5104)。転落始動記憶が存在する場合には(S5104の結果が「Y」)、転落始動記憶あり情報をクリアし(S5105)、転落当選の最終パターン演出を設定する(S5106)。一方、転落始動記憶が存在しない場合には(S5104の結果が「N」)、転落非当選の最終パターン演出を設定する(S5107)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S5106又はS5107の処理が終了すると、1セット分の演出が最後まで実行されたので、演出途中情報をクリアし(S5108)、残り必要始動記憶数をクリアする(S5109)。その後、暫定演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動記憶数が1セット分の所定数に到達していない場合には(S5102の結果が「Y」)、すでに消化された始動記憶も含めて転落始動記憶情報を確認する(S5111)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、転落始動記憶が存在するか否かを判定する(S5112)。転落始動記憶が存在する場合には(S5112の結果が「Y」)、転落始動記憶あり情報をクリアし(S5113)、暫定の転落当選パターン演出を設定する(S5114)。一方、転落始動記憶が存在しない場合には(S5112の結果が「N」)、暫定の転落非当選パターン演出を設定する(S5115)。
〔タイムチャート〕
続いて、第3の実施の形態における各処理を実行するタイミングについて図52A〜図52Cのタイムチャートを参照しながら説明する。
図52Aは、本発明の第3の実施の形態のスペシャルチャンスモードでバトル演出が実行され、転落演出が実行される場合を示すタイムチャートである。
図52Aに示すタイムチャートでは、2回のバトル演出が実行されている。1回目のバトル演出を実行するための1セット(8ゲーム)分の始動記憶には、転落情報は含まれておらず、1セットの最後となる8番目の特図変動表示ゲームの停止時間を延長し、8回目の変動時間と延長された停止時間で継続演出(又は復活演出)が実行される。
2回目のバトル演出では、5回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選する。このとき、1セット分のバトル演出が終了するまでは、転落したことを報知しない。なお、転落を示唆する演出(例えば、バトルに敗北する演出)を実行して間接的に報知するようにしてもよい。
1セット分のバトル演出が終了すると、8番目の特図変動表示ゲームでの停止時間を延長し、8番目の特図変動表示ゲームの変動時間と延長された停止時間で転落演出が実行される。以降、スペシャルチャンスモードから通常遊技状態に遷移し、通常演出で遊技が継続される。
図52Bは、本発明の第3の実施の形態の確変大当りによってスペシャルチャンスモードに突入した場合を示すタイムチャートである。
図52Bに示すタイムチャートでは、15R大当りが発生し、特別遊技状態を経てエンディング終了後、スペシャルチャンスモードに移行する。図47にて説明したように、スペシャルチャンスモード突入後、最初の特図変動表示ゲームでは、変動時間が延長される。そして、この間に第2始動入賞口38への遊技球の入賞を促し、1セット分の始動記憶を獲得しやすいように制御する。
図52Cは、本発明の第3の実施の形態の暫定演出が実行される場合を示すタイムチャートである。
図52Cに示すタイムチャートでは、バトル演出を継続可能な状態で、次のバトル演出を実行するために必要な始動記憶が獲得できなかった場合を説明している。具体的には、先に実行されたバトル演出が終了し、次のバトル演出が開始された時点(時刻t1)で始動記憶数が3となっており、暫定演出の実行中に始動記憶数が0になり、バトル演出が中断される(時刻t2)。その後、時刻t3で始動入賞口に遊技球が入賞して始動記憶が1追加され、当該始動記憶が直ちに消化されてバトル演出が再開される(時刻t3)。
その後、1セットに必要な残りの始動記憶が追加され、1セット分のバトル演出が実行される。再開後の最初の特図変動表示ゲームの変動時間は通常の変動時間であってもよいが、図52Cに示すように、変動時間を延長してもよい。
なお、第3の実施の形態では、バトル演出を実行する1セットの始動記憶数を8としていたが、異なる数であってもよい。例えば、始動記憶数を4又は6などの8よりも小さい数に設定することによって、バトル演出が発生しやすいようにしてもよい。また、最初のバトル演出のみ必要な始動記憶数を8とし、以降の演出では少ない始動記憶数、例えば、始動記憶数を4として、連続的な演出が実行されやすいようにしてもよい。
〔第3の実施の形態の効果〕
このように、第3の実施の形態によれば、1セット(ブロック)分の始動記憶によって連続演出を実行することによって、転落抽選の当落が演出効果の高いタイミングで報知されるため、遊技の興趣を高めることができる。さらに、複数のセット単位で演出を継続して実行することが可能なため、長時間にわたる一連の演出を実行することが可能となり、さらに興趣を高めることができる。
また、第3の実施の形態によれば、セット単位で演出を実行するため、最終結果を報知する演出を行う時間を十分に確保可能であり、さらに次の演出を実行するために必要な始動記憶をためるための時間を確保することができる。
さらに、第3の実施の形態によれば、1セット分の始動記憶が溜まる前に暫定的な演出を実行することが可能となっている。この暫定的な演出を実行している間に必要な始動記憶をためることによって、1セット分の演出を実行することが可能となる。したがって、始動記憶数が所定数に満たないために演出を中断させることなく、演出を継続して実行することが可能であるため、演出の中断によって興趣を低下させることなく、遊技を継続することができる。
また、第3の実施の形態によれば、セット単位で演出が実行されるため、遊技者は常に始動記憶が上限まで溜まるように打球を継続するため、いわゆる止め打ちを防止することが可能となる。
(第3の実施の形態の変形例)
続いて、第3の実施の形態の変形例について説明する。第3の実施の形態では、チャンスモードに移行することなく復活演出が実行されるが、第3の実施の形態の変形例では、転落演出を実行し、チャンスモードに移行してから復活演出を実行する。
なお、第3の実施の形態の変形例では、転落が明確に報知されるため、転落演出が発生すると、特図確率が低確率であることを遊技者が認識することができる。第3の実施の形態の変形例では、時短モードがチャンスモードとして実行される。
〔画面遷移例〕
図53は、本発明の第3の実施の形態の変形例の復活演出を実行する画面遷移を示す図である。
画面(E)は、図46Bの画面(D2)の後に表示される画面である。図46Bの画面(D2)では、転落演出が実行された後であるため、チャンスモードに移行する。このとき、実際には低確率に転落しておらず、表示上のみチャンスモードに移行している。
その後、所定の条件を満たすと、スペシャルチャンスモードに復帰する。所定の条件には、例えば、始動記憶数が所定数(例えば、1セット分)に到達した場合や所定数の特図変動表示ゲームが実行された場合などである。画面(F)は、所定の条件を満たした後、最初に実行される特図変動表示ゲームで復活演出が開始された状態をしている。
〔タイムチャート〕
さらに、第3の実施の形態の変形例における演出の切り替えタイミングなどについて図54及び図55のタイムチャートを参照しながら説明する。
図54は、本発明の第3の実施の形態の変形例のスペシャルチャンスモードでバトル演出が実行され、転落演出が実行される場合を示すタイムチャートである。
図54に示すタイムチャートでは、バトル演出の最後(8番目)の特図変動表示ゲームの変動時間及び延長された停止時間で転落演出が実行される(時刻t1〜t2)。実際には、転落抽選には当選していないため、特図確率は高確率のままとなっている。
その後、チャンスモードに移行し、通常の特図変動表示ゲームの演出が実行される。その後、所定の条件を満たすと、復活演出が実行される(時刻t3〜t4)。具体的には、転落演出終了後、1セット分の始動記憶が溜まった場合に復活演出が実行される。この場合には、前半の4ゲームは通常の特図変動表示ゲームを実行し、後半の4ゲーム及び延長された停止時間で復活演出を実行する。
なお、復活演出が終了するまでの間に実際に転落抽選に当選した場合には、復活演出の失敗を示す演出を行う。復活演出が開始されるまでに転落抽選に当選した場合には、復活演出を実行しなくてもよい。
図55は、本発明の第3の実施の形態の変形例の大当りが発生した場合のバトル演出を説明するためのタイムチャートである。
図55に示すタイムチャートでは、時刻t1でバトル演出が開始され、バトル中演出が実行された後、最後(8番目)の特図変動表示ゲームの変動時間及び延長された停止時間でバトル決着演出が実行される(時刻t2〜t3)。バトル決着演出は、バトルの勝利又は敗北を示す演出である。また、次のバトル演出に継続することを示す演出であってもよい。
バトル演出が終了し、転落抽選に当選していない場合には、次のバトル演出が実行される(時刻t3)。そして、次のバトル演出実行中に、大当りとなる入賞があると、後半のバトル演出で特別演出が実行される(時刻t4)。この大当りとなる入賞は、次に実行されるバトル演出を行うための始動記憶となる。バトル特別演出では、次のバトル演出で大当りとなることが示唆される。例えば、バトル特別演出及びバトル特別演出の直後に実行されるバトル決着演出で、遊技者側のキャラクターが優勢な状態であることを示す演出を実行してもよい。逆に不利な状態を示す演出を実行して次のバトル演出で逆転するようにしてもよい。
図55に示すタイムチャートでは、バトル演出の前半で大当りが発生した場合を想定しているが、バトル演出の後半で大当りが発生した場合にはバトル決着演出で大当りを報知するバトル特別演出を実行してもよい。また、次のバトル演出の前半でバトル特別演出を実行するようにしてもよい。
〔第3の実施の形態の変形例の効果〕
第3の実施の形態の変形例では、一度転落演出が実行された後であっても、復活演出が実行される可能性があるため、遊技者は期待をもって遊技を継続するようになる。また、次のセットに含まれる始動記憶で大当りが発生することを報知する特別演出を実行することが可能であるため、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
以上のように、第3の実施の形態及びその変形例によれば、所定数(1セット)の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行している間にバリエーションに富んだ一連の演出を実行することができる。さらに、複数のセット単位で長時間にわたる演出を実行できるため、遊技者の興趣をさらに高めることが可能となる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。