以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置(変動表示装置)48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない非遊技状態(客待ち中)や、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクターが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
本発明の第1の実施の形態には、2種類の第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様(普電サポート)が含まれる。具体的には、非入賞容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり、時短状態、普電サポート(電サポ)状態)とが含まれる。
非入賞容易状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりにくく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくい状態である。一方、入賞容易状態は、非入賞容易状態と比較して第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりやすい状態である。例えば、非入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が1/251、開放時間が0.1秒であり、入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が250/251、開放時間が1.7秒、さらに開放回数が3回とする。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
なお、特図変動表示ゲームには、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行される特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とが含まれる。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクター図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクターの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるハズレ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1102)や特図普段処理(S1109)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン511の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路541が設けられており、シュミットトリガ回路541はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路541によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の開閉部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38c)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクター画像や映像データが記憶された画像ROM556が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM556から読み出されたキャラクターなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の開閉部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
〔遊技機のスペック〕
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1のスペックを説明する図である。
本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、大当り確率が低確率時には1/298.6、高確率時には1/33.178となっている。すなわち、高確率時の大当り確率は、低確率時の9倍となっている。
また、本発明の第1の実施の形態では、2種類の始動口が設けられており、小当り確率は、始動口ごとに相違する。具体的には、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合には1/373.25、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合には1/746.5で小当りが発生する。
さらに、大当り発生時の確変(高確率)移行確率は70.0%である。この場合、16R確変だけでなく2R確変も含む。図柄毎の選択確率については後述する。また、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合(特図1)の保留よりも、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合(特図2)の保留が優先して消化される。
特図内訳は、図柄毎の特別遊技状態及び特別遊技状態終了後の特定遊技状態(特定有利遊技状態)の態様と、始動口ごとの選択確率を示している。この選択確率は、大当りが発生した場合に各図柄が選択される確率を示している。
図柄1〜3は、16R確変1〜3が割り当てられている。16R確変とは、前述した大当り時のラウンド数が16となっており、さらに、大当り(特別遊技状態)終了後に、高確率(いわゆる確変)状態に移行する。なお、16R確変1と16R確変2との相違は、図柄の相違のみである。また、16R確変3については、図柄の相違の他に、出玉が12Rとなる点で相違する。
出玉が12Rの場合には、最初の12Rは通常通りに変動入賞装置を開放し、残り4Rは変動入賞装置を高速で開放することで変動入賞装置へ球が入賞しにくくなっている。また、最初の4Rは変動入賞装置を高速で開放することで変動入賞装置へ球が入賞しにくくなっており、5R目からは通常通りに変動入賞装置を開放するようにしてもよい。
すなわち、図柄1又は2が選択されたほうが、図柄3が選択された場合よりも出玉が多くなることになり、より遊技者に有利に設定されている。
さらに、図5の点線で囲われた部分に示すように、特図2の場合には、16R確変1及び2が選択される確率が特図1の場合よりも高くなるように設定されており、第2始動入賞口に遊技球が入賞したほうが遊技者には有利になるように構成されている。
図柄4は、2R確変が割り当てられている。2R確変では、大当り時のラウンド数が2となっており、さらに、特別変動入賞装置42(大入賞口)の開閉扉42aの開閉パターンが小当りの場合と同じになっている。
また、2R確変では、大当り(特別遊技状態)終了後には大当り確率が高確率状態となる。このとき、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放しやすくなる普電サポート状態になるか否かは、大当り発生前の遊技状態に依存する。この点については、詳細を後述する。
図柄5〜13は、16R通常1〜9が割り当てられている。16R通常1〜9の相違点は停止図柄が相違する点と選択される確率である。16R通常では、大当り時のラウンド数が16となっており、本実施形態では、出玉は12R分となっている。また、特別遊技状態終了後には、低確率状態、かつ、普電サポート状態となる。普電サポート状態の継続回数(時短回数)については、大当り発生時の遊技状態に依存する。この点については詳細を後述する。
なお、2R確変、16R通常に対応する図柄が選択される場合には、特図1又は特図2のいずれの場合であっても選択確率は同じとなるように設定されている。
遊技状態には、大当り確率が低確率であるか高確率であるか、また、普電サポートの有無に応じて4種類の状態が定義されている。
図柄1〜3で大当りとなる16R確変(1〜3)の場合には、遊技状態に依存せずに、次回の大当りまで高確率状態が継続し、かつ、普電サポート状態も継続する。その他の図柄で大当りとなった場合には、遊技状態に応じて特定遊技状態の内容が変化する。以下、詳細について説明する。
遊技状態が、大当り確率が低確率状態、かつ、普電サポートが無い状態、いわゆる通常状態で、2R確変となる図柄4が選択された場合には、大当り確率が高確率状態、かつ、普電サポートが無い状態、いわゆる潜伏確変状態に移行する。また、図柄5〜13(16R通常)が選択された場合には、大当り確率が低確率状態のままで、図柄に対応する回数分の変動表示ゲームが実行されるまで、普電サポート状態が継続する。
遊技状態が、大当り確率が高確率状態、かつ、普電サポートが無い状態、いわゆる潜伏確変状態で、2R確変となる図柄4が選択された場合には、大当り確率が高確率状態、かつ、普電サポート状態に移行する。また、図柄5〜13(16R通常)が選択された場合には、通常状態の場合と同じである。すなわち、潜伏確変状態と通常状態とは、2R確変(図柄4)が選択された場合における普電サポートの有無で相違する。
遊技状態が、大当り確率が低確率状態、かつ、普電サポート状態、いわゆる時短状態で、2R確変となる図柄4が選択された場合には、潜伏確変状態の場合と同様に、大当り確率が高確率状態、かつ、普電サポート状態に移行する。また、図柄5〜13(16R通常)が選択された場合には、通常状態の場合と同様に、大当り確率が低確率状態のままで、各図柄に対応する回数分の変動表示ゲームが実行されるまで、普電サポート状態が継続する。
なお、時短状態で大当りが発生した場合は、通常状態で大当りが発生した場合と比較して、普電サポート状態が継続する回数がやや多くなるように設定されている。例えば、図柄6が選択された場合には、通常状態では普電サポート状態が50回継続するが、時短状態では普電サポート状態が60回継続するように設定されている。
遊技状態が、大当り確率が高確率状態、かつ、普電サポート状態、いわゆる確変状態の場合は、各図柄選択後の状態は、時短状態の場合と同じである。
続いて、遊技制御装置500による制御について具体的に説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図6Aは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6Bは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S601)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S602)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S603)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S604)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S605)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前にコマンドを当該払出制御装置580に送信し、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼしてしまうことを回避できる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S606)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S607)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S608)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S609)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S609の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックし(S610)、停電復旧処理を実行するか否かを判定する(S611)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S610の処理では、まず。停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックし、さらに、停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S611の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S612)。さらに、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定することで算出されたチェックサムの値が正常であるか否かを判定する(S613)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S609の結果が「Y」)、停電復旧処理を実行しない場合(S611の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS612の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S613の結果が「N」)、図6BのS632〜S634の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S613の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6BのS614〜S619)。
遊技制御装置500は、まず、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(S614)。このとき、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S615)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S616)。高確率でないと判定された場合には(S616の結果が「N」)、S619以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S616の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S617)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S618)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S619)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができる。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、まず、使用する作業領域をリセット(クリア)する(S632)。具体的には、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域、及び、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S633)。続いて、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S634)、S620以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S607又はS635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S620)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S621)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S622)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S623)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S624)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号がONに設定されているか否かをチェックする(S625)。このとき、複数回連続して停電監視信号がONに設定されている場合に停電が発生したと判断するようにしてもよく、この場合には、チェック回数を設定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S625の結果が「N」)、S624の初期値乱数更新処理を再び実行し、その後、S624及びS625の処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S624)の前に割り込みを許可(S623)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S624)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S625の結果が「Y」)、停電が発生したと判断して停電発生時の処理を実行する(S626〜S631)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S626)、全出力ポートをオフに設定する(S627)。その後、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする(S628)。具体的には、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S629)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S630)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S631)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、S803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S804の結果が「N」)、S816以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S808)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図15にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S815)。大当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける図柄の変動、具体的には、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S816)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S817)。図柄変動制御処理の詳細については、図15にて後述する。
さらに、遊技制御装置500は、特図2変動表示ゲームにおける図柄の変動、具体的には、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S818)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S819)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S901)。さらに、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(S903)。普通電動役物が作動中である場合には(S903の結果が「Y」)、S906以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(S903の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S905)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S904及びS905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S905の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S905の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備する(S906)。このとき、第2始動入賞口38による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルも準備しておく。さらに、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S902、S907)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1001、S1002)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1002の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1003)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1004)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(S1005、S1006)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1006の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1007)。
遊技制御装置500は、S1007の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数の値がオーバーフローする場合には(S1006の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(S1008、S1009)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1011)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1012)さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1013)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1014)。
次に、遊技制御装置500は、更新された特図保留数に対応するRWMの乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1015)。
遊技制御装置500は、S1004の処理で準備された大当り乱数を乱数セーブ領域にセーブする(S1016)。このときセーブされた大当り乱数は、遊技球が入賞した始動口、すなわち、特図1であるか特図2であるかに依存しない、共通の乱数となっている。さらに、対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し、乱数セーブ領域にセーブする(S1017)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値を乱数セーブ領域にセーブする(S1018)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値を乱数セーブ領域にセーブする(S1019)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値を乱数セーブ領域にセーブする(S1020)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行するために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、S1018の処理でセーブされた対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1021)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(S1022)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1009の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1030)、コマンド設定処理を実行する(S1031)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(S1022)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための処理である。本処理によって、先読み演出の実行が可能となる。
遊技制御装置500は、まず、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(S1101〜S1104)。具体的には、始動口2スイッチ38dが入力されたか否か、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したか否かを判定する(S1101、S1102)。第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合には(S1102の結果が「Y」)、先読み演出の実行条件を満たすため、S1105以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38ではなく、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合には(S1102の結果が「N」)、さらに、普電サポート中であるか否かを判定する(S1103)。普電サポート中の場合には(S1103の結果が「Y」)、先読み演出の実行条件を満たさないため、本処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S1103の結果が「N」)、さらに、大当り中、すなわち、特別遊技状態であるか否かを判定する(S1104)。特別遊技状態の場合には(S1104の結果が「Y」)、先読みの実行条件を満たさないため、本処理を終了する。特別遊技状態でない場合には(S1104の結果が「N」)、先読みの実行条件を満たすため、S1105以降の処理を実行する。
以上より、先読み演出を実行する条件は、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合と、第1始動入賞口37に遊技球が入賞し、普電サポート中でなく、かつ、大当り中でないこととなる。
遊技制御装置500は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1105)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、S1105の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(S1106)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1106の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1114)。そして、S1115以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1106の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを、大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置500は、始動口1スイッチ37dが入力されたか否か、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したか否かを判定する(S1107、S1108)。第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合には(S1108の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(S1110)。
一方、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37ではなく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合には(S1108の結果が「N」)、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(S1109)。
さらに、遊技制御装置500は、乱数セーブ領域に記憶された大当り図柄乱数をチェックし、大当り図柄乱数チェックテーブル1又は大当り図柄乱数チェックテーブル2から対応する入賞情報ポインタを取得する(S1111)。さらに、大当り図柄乱数に対応する大当り情報テーブルアドレステーブルを設定し(S1112)、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(S1113)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置500は、S1113の処理で設定した大当り情報テーブル又はS1114の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し(S1115)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1116)。
そして、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(S1117)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1118)。
次に、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(S1119)、始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(S1120)。
その後、遊技制御装置500は、監視対象の始動口に設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1121)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(S1122)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1123)。
後半変動パターン設定処理(S1122)及び変動パターン設定処理(S1123)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置500は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(S1124)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(S1125)、コマンド設定処理を実行する(S1126)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1127)、コマンド設定処理を実行する(S1128)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1124及びS1125の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、S1127の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(S809)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1201、S1202)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1202の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1203、S1204)。このように、特図2保留数のチェック(S1201)を、特図1保留数のチェック(S1203)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1204の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1205、S1206)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1206の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1207)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1208)、コマンド設定処理を実行する(S1209)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1206の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1210以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1210)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1202の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理を実行する(S1211)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1212)。なお、S1211における特図1変動開始処理の詳細については、図13Bにて後述する。
具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1204の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理を実行する(S1213)。なお、S1213における特図1変動開始処理の詳細については、図13Aにて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1214)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図1変動開始処理(S1213)の詳細について説明する。図13Aは、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1301a)。すなわち、大当りフラグ1設定処理において特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定している。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームで小当りが発生する場合に必要な情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(S1302a)。小当りフラグ1設定処理の詳細については、図14Aにて後述する。
次に、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1303a)。その後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1304a)。
続いて、遊技制御装置500は、特図1停止図柄設定処理によって図柄情報領域に設定された図柄情報をロードした後(S1305a)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1306a)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1307a)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1308a)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備し(S1309a)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1310a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1311a)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1312a)。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1313a)、特図1変動開始処理を終了する。
また、図13Bは、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理(S1211)は、特図1変動開始処理と同様の手順である。相違点は、S1302bの処理で小当りフラグ2設定処理が実行され、S1303bの処理で特図2停止図柄設定処理が実行され、また、S1304bの処理で特図1停止図柄番号が特図2停止図柄番号に、S1307b及びS1308bの処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる点である。
〔小当りフラグ設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理(S1302a)の詳細について説明する。図14Aは、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。小当りフラグ1設定処理は、特図1変動表示ゲームにおいて、小当りが発生する場合に必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、RWMの小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(S1401a)。さらに、大当りフラグ1設定処理でセーブされた大当りフラグ1が大当りか否かをチェックし(S1402a)、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(S1403a)。
遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(S1403aの結果が「N」)、特図1用の大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備する(S1404a)。さらに、特図1変動表示ゲームの結果を判定するための特図1判定データを準備する(S1405a)。
遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(S1406a)。そして、特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定し(S1407a)、判定結果が小当りの場合には(S1407aの結果が「Y」)、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブする(S1408a)。
遊技制御装置500は、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブした後、大当りフラグ1が大当りの場合(S1403aの結果が「Y」)、又は、小当り判定処理の判定結果が小当りでない場合には(S1407aの結果が「N」)、特図1用の大当り乱数セーブ領域を0クリアし(S1409a)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
また、図14Bは、本発明の第1の実施の形態の小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。小当りフラグ2設定処理は、特図2変動表示ゲームにおいて、小当りが発生する場合に必要な情報を設定する処理である。小当りフラグ2設定処理(S1302b)は、小当りフラグ1設定処理と同様の手順であり、特図1変動表示ゲームの情報が、特図2変動表示ゲームの情報に置き換わる。
〔図柄変動制御処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における図柄変動制御処理(S817、S819)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の図柄変動制御処理の手順を示すフローチャートである。図柄変動制御処理は、特図1表示器51又は特図2表示器52における図柄の変動を制御するための処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図1又は特図2のいずれかの制御対象の図柄の変動制御フラグをチェックし(S1501)、変動中か否かを判定する(S1502)。S817の処理で図柄変動制御処理が実行される場合には特図1が対象となり、S819の処理で図柄変動制御処理が実行される場合には特図2が対象となる。なお、制御対象の図柄の変動制御テーブルは本処理が実行される前にあらかじめ準備されており、変動制御フラグは準備された変動制御テーブルに含まれている。
遊技制御装置500は、対象の図柄が変動中の場合には(S1502の結果が「Y」)、対象の図柄に対応する変動用の図柄表示テーブルを取得する(S1503)。変動用の図柄表示テーブルのアドレスは変動制御テーブルに含まれており、当該アドレスに基づいて取得する。さらに、対象の図柄に対応する変動タイマを−1更新し、タイムアップしたか否かをチェックする(S1504、S1505)。
遊技制御装置500は、対象の変動タイマがタイムアップした場合には(S1505の結果が「Y」)、図柄変動制御タイマ初期値(例えば、200ms)を対象の変動タイマ領域にセーブする(S1506)。さらに、対象の変動図柄番号を更新する(S1507)。なお、変動図柄番号を格納する変動図柄番号領域のアドレスは、変動用の図柄表示テーブルに含まれている。
遊技制御装置500は、S1507の処理が終了した場合、又は、対象の変動タイマがタイムアップしていない場合には(S1505の結果が「N」)、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする(S1508)。
一方、遊技制御装置500は、対象の図柄が変動中でない場合には(S1502の結果が「N」)、対象の図柄に対応する停止用の図柄表示テーブルを取得する(S1509)。停止用の図柄表示テーブルのアドレスは変動制御テーブルに含まれており、当該アドレスに基づいて取得する。さらに、S1508の処理と同様に、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする(S1510)。
さらに、遊技制御装置500は、S1508又はS1510の処理で表示図柄ポインタに対応する表示データを図柄表示テーブルから取得する(S1511)。なお、表示データは、変動用の図柄表示テーブルに変動図柄番号の数分だけ格納されており、また、停止用の図柄表示テーブルに停止図柄番号の数分だけ格納されている。
さらに、遊技制御装置500は、S1511の処理で取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブし(S1512)、特図表示器に当該表示データを出力する。なお、セグメント領域のアドレスは、図柄表示テーブルに格納されている。
以上が、遊技制御装置500において実行される処理である。続いて、画面例を参照しながら、特図変動表示ゲームが実行されてから擬似連続予告演出(疑似連)の実行を経て変動表示ゲームが終了するまでの過程を説明する。
〔疑似連契機〕
本発明の第1の実施の形態では、演出制御装置550によって、特図変動表示ゲームの開始後、疑似連が実行される前に可動役物による演出が実行されるように制御される。また、可動役物演出が実行される前に疑似連の開始を示す識別情報(疑似連図柄)で変動表示が停止又は仮停止する。なお、仮停止とは、例えば、識別情報が完全に停止せずに揺れている状態などである。
図16は、本発明の第1の実施の形態の擬似連続予告演出の実行条件である疑似連図柄が停止する過程の一例を示す図である。図16には(a)〜(c)の3種類のパターンが例示されている。
また、本発明の第1の実施の形態では、疑似連図柄として、「天使」の図柄が設定されている。なお、「天使」の図柄は、疑似連を実行する場合にのみ表示されるようにしてもよいし、通常の識別図柄の一つとしてもよい。
(a)は、特図変動表示ゲームが開始され(a1)、「天使」の図柄が中央の位置でそのまま停止した場合を示している。この場合には、「天使」の図柄が停止した後、図17にて後述する可動役物演出が実行され、その後、各識別図柄が再変動して疑似連が実行される。なお、疑似連図柄の停止位置は、中央の位置でなくてもよく、左右いずれかの位置であってもよい。また、疑似連は、演出制御装置550によって実行され、演出制御装置550は、疑似連実行手段を構成している。
(b)は、特図変動表示ゲームが開始され(b1)、リーチ等が発生せずに一旦仮停止する(b2)。その後、中央の識別図柄が回転し(b3)、「天使」の図柄に変化して停止する(b4)。その後、可動役物演出が実行され、各識別図柄が再変動して疑似連が実行される。また、疑似連図柄の位置は中央でなくてもよく、(a)の場合と同様に、左右いずれか識別図柄が回転するようにしてもよい。
(c)は、特図変動表示ゲームが開始され(c1)、リーチが発生し(c2)、中央の識別図柄が「天使」の図柄で停止する(c3)。その後、可動役物演出が実行され、各識別図柄が再変動して疑似連が実行される。なお、(c)においても疑似連図柄の位置は中央でなくてもよいが、最後に停止する識別図柄が疑似連図柄となるようにする。
なお、疑似連図柄が2以上停止した場合に疑似連を実行するようにしてもよいし、疑似連図柄が停止した場合に所定の割合で疑似連を実行するようにしてもよい。さらに、停止した疑似連図柄の数や疑似連図柄が停止する位置によって期待度が異なるように設定してもよい。
前述のように、変動表示ゲームにおいて、疑似連図柄を含む識別図柄で停止すると、疑似連が実行される。本発明の第1の実施の形態では、疑似連が開始される前に、可動役物による演出が実行されるように構成されている。
図17は、本発明の第1の実施の形態の擬似連続予告演出の前に実行される可動役物演出の一例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態では、表示装置48の上方に可動役物(例えば、天使の形態を模した役物)が設置されている。変動表示ゲームにおいて擬似連続予告演出の実行条件を満たすと、すなわち、(a)に示すように、疑似連図柄である「天使」の識別図柄で停止すると、(b)に示すように、可動役物の動作が開始され、表示装置48の前面下方に向かって移動する。
その後、可動役物は、表示装置48の前面まで移動すると、表示装置48において可動役物に合わせて演出を実行し(c)、その後、擬似連続予告演出が開始される。なお、表示装置48における演出にあわせて可動役物を動作させたり、可動役物の形態を変化させたりしてもよい。
このように構成することによって、疑似連実行時に可動役物が連動して動作するため、興趣を向上させることができる。
なお、可動役物は、図17に示すように、表示装置48の上方に配置されるなど、表示装置48の近傍で作動するように配置する以外にも、センターケース46と一体に配置してもよい。さらに、センターケース46の開口部に対応する遊技盤裏面側に取り付けられていてもよい。また、遊技盤10を透明の樹脂で成型し、遊技盤10の裏側に設けるようにしてもよいし、遊技盤10ではなくクリア部材保持枠に設けてもよく、遊技者から視認可能であればよい。
〔先読みモード〕
また、本発明の第1の実施の形態では、通常の変動表示ゲームよりも変動時間の長い疑似連続予告演出が実行されるため、変動中に始動記憶が溜まりやすくなっている。そのため遊技者が遊技球の消費を抑えるために、発射を停止してしまう(いわゆる止め打ち)おそれがある。
そこで、始動記憶数の上限(例えば、4)を超えて遊技球が始動入賞口に入賞した場合、いわゆるオーバーフローが発生した場合には、先読み演出を実行することによって未実行の始動記憶に基づく変動表示ゲームの内容などを遊技者に報知する。
先読み演出は、オーバーフロー発生後、オーバーゲージの値が所定数(例えば、10)に到達した場合に実行される。オーバーゲージの値は、始動記憶数の上限を超えて遊技球が入賞した場合に加算される。オーバーゲージの値は、オーバーフロー数に対応させてもよい。本発明の第1の実施の形態では、遊技状態などに応じて加算される値が設定されている。詳細については、図21及び図22にて後述する。また、オーバーフロー状態が解消してから所定の時間が経過した場合には、オーバーゲージの値を減少させる又はリセットするようにしてもよい。以下、先読み演出における画面遷移について、図18を参照しながら説明する。
図18は、本発明の第1の実施の形態の先読み演出における画面遷移の一例について説明する図である。
(a)は、始動記憶数が上限に達した状態を示している。このとき、画面左側には、オーバーゲージの値が表示される。この時点ではオーバーフローが発生したばかりであるため、オーバーゲージの値は0である。(b)は、オーバーフロー数が0から1に増えた状態を示している。
(c)は、(b)の状態から遊技を継続することによって、オーバーゲージの値が上限値(10)に到達した状態を示している。(d)は、オーバーゲージが上限値に到達した状態で、変動表示ゲームが終了した状態を示している。本発明の第1の実施の形態では、(d)に示すように、オーバーゲージが上限値に達すると、先読みモード(運命予測モード)に遷移し、先読み演出が実行される。
運命予測モードに遷移すると、(e)に示すように、始動記憶の表示がカード(四角)の形状に変化する。そして、スペシャルリーチが発生する場合など、期待度の高い何らかのイベントが発生する場合には、始動記憶に対応するカードの色や形状が変化させることによって報知する。例えば、(e)では、左から1番目と3番目のカードが他のカードと異なっており、何らかのイベントが発生することが示唆されている。
その後、(f)に示すように、イベント発生が示唆されたカードに対応する始動記憶が消化されて、変動表示ゲームが実行されると、カードが反転し、(g)に示すように、カードの裏面に具体的な変動の内容が表示される。このとき、表示される演出の内容は、(g)に示すように、スペシャル(SP)リーチが発生することを報知してもよいし、その他、大当りが発生する場合に報知するようにしてもよいし、単にリーチが発生することを報知するだけでもよい。
また、先読み演出は、運命予測モードが開始されたタイミングで保留されている始動記憶に対してのみ実行するようにしてもよい。さらに、オーバーフロー状態が継続している間は、先読みモードを継続するようにしてもよい。
〔疑似連続予告演出の第1実行例〕
ここで、変動表示ゲームが開始されてから疑似連続予告演出を実行し、大当りが発生するまでの流れについて説明する。図19に示す例では、疑似連図柄が停止するたびに役物が登場し、登場した役物の数だけ疑似連が実行されていることがわかるように構成されている。
図19は、本発明の第1の実施の形態の変動表示ゲームの開始から擬似連続予告演出の実行、大当りが発生するまでの第1の例を説明する図である。
図19に示す例では、左、右、中央のいずれかの位置で疑似連図柄である「天使」が停止すると、位置に対応する可動役物が画面下方から登場するように構成される。この可動役物は、例えば、キャラクターに対応し、出現したキャラクターの数及び種類などに応じて信頼度を遊技者が把握できるように構成してもよい。
(a)は、変動表示ゲームが開始された時点を示している。その後、(b)において疑似連図柄である「天使」が左の位置で停止し、図17に示した可動役物による演出が実行される。その後、(c)に示すように、識別情報が再変動し、すなわち、連続予告が実行され、「天使」の図柄が停止した位置(左側)にキャラクターなどに対応した可動役物が下方から登場して配置される。このように連続予告が実行された分だけ役物が配置されることによって、疑似連における再変動回数を把握することができる。
(d)は、再変動開始後、「天使」の図柄が中央の位置で停止した状態を示している。このとき、(b)の場合と同様に、図17に示した可動役物による演出が実行され、(e)に示すように、識別情報が再変動し、中央の位置に可動役物が下方から登場して配置される。したがって、この時点で2回再変動したことを把握することができる。
(f)は、再変動開始後、「天使」の図柄が右の位置で停止した状態を示している。このとき、(b)及び(d)の場合と同様に、図17に示した可動役物による演出が実行され、(g)に示すように、識別情報が再変動し、右の位置に可動役物が下方から登場して配置される。したがって、この時点で3回再変動したことを把握することができる。その後、(h)に示すように、識別情報が本停止し、大当りが発生する。
図19に示した擬似連続予告演出では、疑似連図柄が停止する限り、連続予告が継続するように構成されており、例えば、(d)の場合に、「天使」の図柄で停止しなかった場合には、擬似連続予告演出はその時点で終了する。
また、図19に示した演出では、疑似連図柄が停止した場合に対応する位置に可動役物が登場するように構成されているが、3回以上再変動するように構成してもよい。この場合には、表示装置48上にキャラクタを登場させるなどの演出を実行するようにしてもよいし、表示装置48の左右など、他の位置に可動役物を登場させることによって演出を実行するようにしてもよい。
また、疑似連図柄の停止位置にかかわらず、キャラクターに対応する可動役物が特定の順序で登場するようにしてもよい。このとき、各キャラクターは疑似連続予告演出における再変動回数に対応する。このように構成することによって、擬似連の実行中に登場したキャラクターを確認することで何回目の変動かを把握することが可能となる。そして、最終変動のリーチ中にそれまで何回連続して変動表示が実行されたかを把握することが可能となり、遊技者が大当りの期待度を把握することが可能となる。
さらに、複数種類の疑似連図柄を表示可能に構成し、疑似連図柄と登場する役物とを同じキャラクターに対応させるようにしてもよい。例えば、1回目の再変動では「◎」のキャラクター、2回目の再変動では「△」のキャラクター、3回目の変動では「■」のキャラクターが登場するようにしてもよい。こうすることによって、遊技者は実行中の疑似連の再変動回数をさらに把握しやすくすることが可能となる。また、再変動回数そのものを表示装置48などに表示するようにしてもよい。
〔疑似連続予告演出の第2実行例〕
続いて、変動表示ゲームが開始されてから疑似連続予告演出を実行し、大当りが発生するまでの流れの別の例について説明する。図20に示す例では、キャラクターに対応した疑似連図柄が停止するたびに、可動役物の動作と連動してキャラクターが助け出される演出が実行され、最後の変動で助け出されたキャラクターが主人公とともに戦闘を行う演出が実行される。
図20は、本発明の第1の実施の形態の変動表示ゲームの開始から擬似連続予告演出の実行、大当りが発生するまでの第2の例を説明する図である。
図20に示す例では、前述のように、複数種類の疑似連図柄が含まれている。具体的には、「◎」「△」「■」の3種類の疑似連図柄が含まれる。これらの疑似連図柄は、前述のように、主人公とともに活躍するキャラクターに対応する。
(a)は、変動表示ゲームが実行され、中央の位置で疑似連図柄が停止した状態を示している。(a)では、最初に疑似連図柄が停止した状態を示している。そして、(b)に示すように、表示装置48の上方に配置された可動役物が表示装置48の前面に移動し、疑似連図柄に対応するキャラクターを助け出すように上方に移動する演出が実行される。このとき、(c)に示すように、引き上げられたキャラクターに対応する役物が表示装置48の上方に配置される。なお、表示装置48の上方に配置される役物の代わりにキャラクターを表示装置48に表示してもよいし、表示装置48の上方にLEDを配置し、対応するLEDを点灯させるようにしてもよい。
その後、(d)に示すように、他の疑似連図柄(「△」「■」)についても同様に停止し、すべてのキャラクターに対応する可動役物が表示装置48の上方に配置される。その後、(e)に示すように、疑似連に含まれる最後の変動表示においてリーチが発生し、特別な演出が実行される。
(f)に示すように、本発明の第1の実施の形態では、最後の変動表示が開始されると、まず、主人公に対応するキャラクターが敵キャラクターと戦闘する演出が開始される。そして、表示装置48の上方に配置された役物に対応するキャラクターが順次表示装置48に表示され、味方キャラクターとともに敵キャラクターと戦闘を行う。(f)では、「◎」に対応するキャラクターが主人公とともに敵キャラクターと戦闘する演出が実行されている。
その後、(g)では「■」に対応するキャラクター、(h)では「△」に対応するキャラクターが主人公とともに敵キャラクターと戦闘する演出が実行される。その結果、(i)において敵キャラクターとの戦闘に勝利する演出が実行され、(j)において大当り結果となる識別情報が表示される。その後、大当りが発生し、特別遊技状態が開始される。なお、戦闘に勝利できなかった場合には変動表示ゲームの結果がはずれとなる。
図20に示す疑似連続予告演出では、最後の変動における戦闘演出で登場するキャラクターの数だけ、連続予告が実行される。また、戦闘演出で登場するキャラクターの数が多ければ多いほど、敵キャラクターに勝利する可能性が高くなるようにすれば、戦闘演出に至るまでの過程で大きな期待感を持たせることができる。また、各キャラクターの戦闘力を定義することによって、キャラクターの登場数だけでなく、登場するキャラクターの種類に応じた期待度を設定することによって、興趣を高めることができる。また、疑似連図柄に対応するキャラクターは、武器や防具などの戦闘力を向上させる道具などであってもよい。さらに特定のキャラクターの組合せや識別図柄の組合せなどによって、主人公を助ける特別なキャラクタを登場させるようにしてもよい。
〔先読み演出制御〕
以上が本発明の第1の実施の形態における疑似連続予告演出の例である。続いて、図18に示した先読みモードに遷移させるオーバーゲージの加算制御について説明する。
図21は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550における先読みモードにおいてオーバーゲージの値を制御する手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、遊技球が始動入賞口に入賞したか否か、具体的には、遊技制御装置500から遊技球が始動入賞口に入賞したことを示すコマンドを受信したか否かを判定する(S2101)。遊技球が始動入賞口に入賞しなかった場合には(S2101の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、遊技球が始動入賞口に入賞した場合には(S2101の結果が「Y」)、オーバーフローが発生しているか否かを判定する(S2102)。オーバーフローが発生していない場合には(S2102の結果が「N」)、乱数を抽出して変動パターンを決定する(S2103)。さらに、実行される変動パターンが特定のハズレ変動か否かを判定する(S2104)。
演出制御装置550は、実行される変動パターンが特定のハズレ変動の場合には(S2104の結果が「Y」)、先読み可能フラグを“ON”に設定する(S2105)。S2105の処理が終了した後、又は、実行される変動パターンが特定のハズレ変動でない場合には(S2104の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置550は、オーバーフローが発生中の場合には(S2102の結果が「Y」)、先読み可能フラグが“ON”に設定されているか否かを判定する(S2106)。先読み可能フラグが“ON”に設定されている場合には(S2106の結果が「Y」)、オーバーゲージに10加算する(S2107)。
本発明の第1の実施の形態では、オーバーゲージが10になると先読みモードに遷移し、先読み演出が実行される。したがって、特定のハズレ変動が実行された後、オーバーフローが発生すると、ただちに先読み演出を実行するように制御される。
その後、先読み可能フラグは“OFF”に設定される。なお、先読み可能フラグは、大当りが発生した場合や“ON”に設定されてから所定の時間が経過した場合など、所定の条件を満たすと、先読み演出が実行されなくても“OFF”に設定される。
演出制御装置550は、先読み可能フラグが“ON”に設定されていない、すなわち、“OFF”に設定されている場合には(S2106の結果が「N」)、オーバーゲージの値に1又は2又は3加算する(S2109)。なお、実際に加算する値は乱数で決定してもよいし、オーバーフロー数などに基づいて決定するようにしてもよい。
図22は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550における先読みモードにおいて疑似連の実行中か否かに基づいてオーバーゲージの値を制御する手順を示すフローチャートである。本処理は、図21に示した手順と組み合わせて実行するようにしてもよい。例えば、S2109の処理の代わりに図22に示す手順を実行してもよい。また、図21に示した手順の代わりに実行するようにしてもよい。
演出制御装置550は、オーバーフローが発生中であるか否かを判定する(S2201)。オーバーフローが発生していない場合には(S2201の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置550は、オーバーフローが発生中の場合には(S2201の結果が「Y」)、疑似連を実行中であるか否かを判定する(S2202)。そして、疑似連を実行中の場合には(S2202の結果が「Y」)、オーバーゲージに2加算する(S2203)。また、疑似連を実行中でない場合には(S2202の結果が「N」)、オーバーゲージに1加算する(S2204)。
以上より、疑似連の実行中にはオーバーゲージの値が増加しやすくなるように制御される。疑似連続予告は通常の変動表示と比較して変動時間が長くなるため、始動記憶数が最大値に到達すると、遊技球の発射を停止(止め打ち)されやすくなるが、オーバーフローを発生させてオーバーゲージの値を増やすことによって先読み演出が実行されやすくなるように制御することによって、遊技者が遊技球の発射を停止しないように促すことができるため、遊技機の稼働率を向上させることができる。
〔効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、疑似連図柄が停止した後、可動役物による演出が実行された後に擬似連続予告演出が開始されるため、遊技の興趣をより高めることが可能となる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、始動記憶数が最大値に到達した後にさらに入賞するオーバーフローを発生させることによって先読み演出を実行させることで、遊技者が止め打ちすることを防止し、遊技機の稼働率を向上させることができる。さらに、演出時間の長い擬似連続予告演出が実行されている間は、通常時よりも先読み演出が実行されやすくなるように構成されているため、擬似連続予告演出時の止め打ちをより効果的に防止することができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、物語性を有する演出が実行されるストーリー系変動が発生可能な遊技機において、当該変動の主要部によって構成されたダイジェスト変動(ダイジェスト演出)を表示する構成について説明する。なお、遊技機1の構成及びスペックなど、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔ダイジェスト変動の概要〕
図23は、本発明の第2の実施の形態におけるストーリー系変動及び当該変動のダイジェスト変動の一例を説明する図である。
本発明の第2の実施の形態におけるA変動は、物語性を有する演出が実行されるストーリー系変動であり、中盤でリーチが発生し、60秒間継続する。また、A変動は、大当りが発生する変動パターン、若しくは、大当りの信頼度が高い変動パターンである。
しかし、A変動が実行されている60秒の間、始動記憶は消化されないため、遊技者は遊技球の発射を中止してしまうおそれがある。また、大当りが発生する可能性が高いため、遊技者は早く変動表示ゲームの結果を知りたいと思うが、変動が停止するまで待っていなければならず、興趣が減退してしまうおそれがある。
また、A変動には、大当りの信頼度を示す演出が複数含まれている。具体的には、a〜dの4つの演出が含まれている。そこで、本発明の第2の実施の形態では、所定の条件を満たす場合には、これらのa〜dの4つの演出によって構成されたダイジェスト演出(A変動ダイジェスト)を実行する。なお、A変動ダイジェストにおける演出a〜dの各内容については、図24にて後述する。演出a〜dの各内容は、信頼度に応じてそれぞれ設定される。また、演出a〜dの各内容は独立したものであってもよいし、直接関連するようなものであってもよい。
A変動ダイジェストは、大当りの信頼度を示す演出a〜dを連続して実行するように構成される。図23に示す例では、A変動ダイジェストの実行時間は11秒に短縮される。そして、所定の条件を満たした場合に、A変動の代わりにA変動ダイジェストを実行することによって、遊技者に冗長感を与えないようにすることができる。
また、A変動ダイジェストは、最初に通常変動が実行され、リーチが発生した後に実行されるようにしてもよい。さらに、演出a〜dの流れがスムースになるように、各演出の間に短い演出を挟むようにしてもよい。
なお、A変動を実行するか、A変動ダイジェストを実行するかは、遊技制御装置500から送信されたコマンドによって指定される。すなわち、A変動ダイジェストを実行するか否かは、遊技制御装置500が決定する。
また、A変動ダイジェストを実行する所定の条件としては、例えば、遊技状態が時短状態や確変状態の場合である。時短状態でA変動ダイジェストを実行すれば、変動表示回数をより多く実行でき、止め打ちを防止することができる。また、確変状態、特に、潜伏確変状態の場合にA変動ダイジェストを実行するようにすれば、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であることを遊技者に示唆することができる。
さらに、遊技者が演出を冗長に感じた場合に演出ボタン31を操作することによって、A変動の途中からA変動ダイジェストに切り替えるようにしてもよい。
また、A変動ダイジェストの演出内容は、演出制御装置550が信頼度に応じた複数のデータを保持するようにしてもよいが、演出制御装置550が実行時に編集(生成)するようにしてもよい。
さらに、A変動の実行中に役物が作動する場合には、演出内容と整合しなくなるおそれがあるため、A変動ダイジェストでは役物が作動しないように制御する。このとき、A変動ダイジェスト用の動作を実行させるようにしてもよい。
〔信頼度報知演出〕
図24は、本発明の第2の実施の形態の変動表示ゲームにおける信頼度に応じた演出の一例を示す図である。(a)は図23の演出aに対応し、同様に、(b)は演出b、(c)は演出c、(d)は演出dに対応する。
(a)の演出では、ストーリーの序盤にキャラクターが登場するシーンであり、信頼度に応じてキャラクターの色や登場するキャラクターそのものが変更される。また、キャラクターの動作を変更したり、複数のキャラクターを登場させるようにしてもよい。
(b)の演出では、リーチの発生を予告するなど、文字による予告を行う。このとき、発生するリーチの種類を報知するようにしてもよいし、信頼度に応じて文字の色や柄を変更してもよい。また、文章を変更してもよい。
(c)の演出では、カットイン表示によってキャラクターなどを表示させる。A変動ダイジェストの場合には、フレームの配色を変更したり、表示されるキャラクターを変更したりしてもよい。
(d)の演出では、変動表示ゲームの結果を表示するシーンであり、音声を出力する。A変動ダイジェストの場合には、A変動の場合とは異なる音声を出力してもよいし、音声の出力時間を短縮してもよい。
〔ダイジェスト演出の実行(電サポ中)〕
図25は、本発明の第2の実施の形態において電サポ中の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。本処理は、遊技制御装置500で実行され、本処理終了後、決定した変動パターンの実行を指示するコマンドが演出制御装置550に送信される。
遊技制御装置500は、まず、電サポ中であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(S2501)。本実施形態では、第2始動口38の開閉部材38aが頻繁に開放される時短状態で変動時間の長い変動が実行されることで、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、次の変動表示ゲームをできるだけ早く開始できるように、ダイジェスト版の変動を実行するように制御する。なお、変動表示ゲームの当選確率については、高確率の場合であってもよいし、低確率の場合であってもよい。
遊技制御装置500は、電サポ中でない場合には(S2501の結果が「N」)、変動パターンテーブル(TBL)1に基づいて変動パターンを選択する(S2502)。変動パターンテーブル1には、通常の変動パターンが定義されており、ダイジェスト変動を実行しないように構成されている。変動パターンテーブル1の詳細については図26Aを参照しながら説明する。
図26Aは、本発明の第2の実施の形態において通常状態で使用される変動パターンテーブル1の一例を示す図である。
遊技制御装置500は、変動パターンを選択するための乱数(1〜100)を発生させる。変動パターンテーブル1には、乱数の値に対応する変動パターンが定義されている。
変動パターンテーブル1を参照すると、上段に乱数の値、下段に変動パターンが示されている。乱数の値が1の場合にはA変動を実行するように、遊技制御装置500から演出制御装置550にコマンドが送信される。同様に、乱数の値が3〜11の場合にはC変動を実行するようにコマンドが送信される。なお、その他の乱数の値(12〜100)については記載を省略する。
また、前述のように、変動パターンテーブル1に定義された変動パターンには、変動時間が短縮されたダイジェスト変動は含まれておらず、通常の変動のみとなっている。
一方、遊技制御装置500は、電サポ中の場合には(S2501の結果が「Y」)、変動パターンテーブル(TBL)2に基づいて変動パターンを選択する(S2503)。変動パターンテーブル2には、変動時間が短縮されたダイジェスト変動が含まれる。変動パターンテーブル2の詳細については図26Bを参照しながら説明する。
図26Bは、本発明の第2の実施の形態の変動パターンテーブル2の一例を示す図である。
変動パターンテーブル2には、変動パターンテーブル1と同様に、乱数の値に対応する変動パターンが定義され、同じ構成となっている。
また、乱数の値が1の場合には、A変動を実行する代わりに、短縮されたA変動ダイジェストが実行されるように定義されている。B変動の場合も同様にB変動ダイジェストが実行される。対応するダイジェスト変動が定義されていないC変動の場合には変動パターンテーブル1の場合と同様に通常のC変動が実行される。
以上のように、電サポ中の場合に実行時間が短縮されたダイジェスト変動を実行することによって、次の変動表示ゲームをすぐに実行することが可能となるため、遊技球の発射が停止される止め打ちを防ぐことができる。
なお、電サポ中でなくても変動時間が短縮されたダイジェスト変動を実行してもよい。例えば、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率が高確率の場合にダイジェスト変動を実行するようにしてもよい。潜伏確変の場合にダイジェスト変動を実行すれば、潜伏確変の報知に利用することも可能である。以下、潜伏確変の場合にダイジェスト変動を実行する例を説明する。
〔ダイジェスト演出の実行(潜伏確変)〕
図27は、本発明の第2の実施の形態において潜伏確変の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、潜伏確変状態であるか否かを判定する(S2701)。潜伏確変状態の場合にのみダイジェスト変動を実行することによって、遊技者は潜伏確変であることを把握することができる。また、潜伏確変状態の場合に所定の確率でダイジェスト変動が発生するようにしてもよいし、さらに、通常状態の場合であっても低確率でダイジェスト変動を実行するように構成し、ダイジェスト変動が発生した場合には潜伏確変の可能性が高いことを曖昧に報知するようにしてもよい。
遊技制御装置500は、潜伏確変状態でない場合には(S2701の結果が「N」)、図26Aに示した変動パターンテーブル(TBL)1に基づいて変動パターンを選択する(S2702)。
一方、遊技制御装置500は、潜伏確変状態の場合には(S2701の結果が「Y」)、図26Bに示した変動パターンテーブル(TBL)2に基づいて変動パターンを選択する(S2703)。
また、本発明の第2の実施の形態では、前述のように、保留された始動記憶に大当りが含まれていることを示唆する先読み演出を実行可能に構成されている。そこで、変動表示ゲームの結果が大当りとなる始動記憶が存在する場合には、先読み演出として、大当りとなるまでの始動記憶に基づく複数の変動表示ゲームにわたり、すなわち、大当りとなる始動記憶よりも前からA変動を開始し、大当りとなる始動記憶で終了するように構成する。
〔先読み演出〕
図28は、本発明の第2の実施の形態において複数の変動表示ゲームにわたって連続して演出を実行する場合に大当りが発生する変動表示ゲームでダイジェスト変動を実行する例を説明する図である。
図28は、変動表示ゲーム1を実行する時点で、変動表示ゲーム3で大当りが発生することが先読みされた場合を示している。A変動は、変動表示ゲーム1の開始時から実行されるが、変動表示ゲーム3の終了タイミングで終了するとは限らない。そこで、変動表示ゲーム3では、ストーリーの進行状況に合わせてA変動ダイジェストを実行する。このように構成することによって、複数の変動表示ゲームにわたってストーリーを楽しむことができ、さらに、演出が途中で終了することなく、演出を最後まで実行することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、始動記憶を減らすことなく連続して変動表示ゲームを実行する擬似連続予告演出を行う場合にも、通常のA変動を実行しながら、変動表示ゲームの結果を表示するタイミングにあわせて途中からA変動ダイジェストを実行するように構成してもよい。
また、前述のように、始動記憶数が最大値(例えば、4)になると、遊技者は遊技球の消費を抑えるために止め打ちをする場合がある。そこで、止め打ちを防止するために、始動記憶数が最大値となった場合には、変動時間を短縮するように制御する遊技機が知られている。
しかし、始動記憶数が最大値の状態でA変動のようなストーリー性を有する長時間にわたる演出が実行されると、変動時間の短縮は意味をなさず、その間、止め打ちされることによって、遊技機の稼働率が低下してしまう可能性がある。
そこで、始動記憶数が所定数以上となり、変動時間の長い演出が実行される場合には、ダイジェスト変動が実行されるように制御する例について説明する。特に、始動記憶数が最大値に到達した場合には、通常時の短変動(例えば、リーチ無し変動)と同程度の変動時間に設定された超ダイジェスト変動を実行するようにする。
〔超ダイジェスト演出〕
図29は、本発明の第2の実施の形態におけるストーリー系変動及び当該変動のダイジェスト変動及び超ダイジェスト変動の一例を説明する図である。本発明の第2の実施の形態では、最大4個の始動記憶を保持することが可能となっており、始動記憶数が3以上の場合に変動時間が短縮された変動を実行する。
(A)は、通常のA変動であり、変動時間60秒となっている。始動記憶数が2以下の場合には、従来通り、変動時間が短縮されていない通常のA変動が実行される。
(B)は、信頼度を報知するa〜dの演出によって構成されたA変動ダイジェストである。始動記憶数が3の場合に実行される。なお、始動記憶数が3の場合に必ずA変動ダイジェストが実行されるようにしてもよいし、所定の確率で実行されるようにしてもよい。
(C)は、信頼度を報知するa及びdの演出によって構成されたA変動超ダイジェストである。演出aはA変動であることを示し、演出dは変動表示ゲームの結果を示している。A変動超ダイジェストは、始動記憶数が最大値である4の場合に実行される。また、A変動超ダイジェストの変動時間は、(D)に示した通常時の短変動、すなわち、始動記憶数が最大値の場合の変動と同じ変動時間となっている。なお、始動記憶数が4の場合に必ずA変動超ダイジェストが実行されるようにしてもよいし、所定の確率で実行されるようにしてもよい。
また、始動記憶数にかかわらず、大当りが発生する場合にのみA変動超ダイジェストを実行するようにしてもよい。このように構成することによって、A変動超ダイジェストが発生すると、大当りであることを遊技者に報知することができる。以下、大当り発生時にA変動超ダイジェストを実行する例について説明する。
図30は、本発明の第2の実施の形態において大当りが発生する場合及び潜伏確変の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、変動パターンを決定する対象の変動表示ゲームの結果が大当りが発生するか否かを判定する(S3001)。変動表示ゲームの結果は、大当り乱数の値などに基づいて判定することができる。
遊技制御装置500は、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(S3001の結果が「Y」)、図31に示す変動パターンテーブル(TBL)3に基づいて変動パターンを選択する(S3002)。
図31は、本発明の第2の実施の形態の変動パターンテーブル3の一例を示す図である。変動パターンテーブル3の構成は、前述した変動パターンテーブル1の構成と同じである。
変動パターンテーブル3では、乱数の値が1〜5の場合にはA変動超ダイジェストを実行するように定義されている。また、乱数の値が21の場合には通常のA変動、乱数の値が23の場合にはA変動ダイジェストが実行されるように定義されている。したがって、大当りが発生する場合であっても必ずしも超ダイジェスト変動が実行されるのではなく、所定の確率で各変動が発生するように構成されている。
また、後述するように、大当りが発生しない場合には、超ダイジェスト変動が発生しないように構成されているため、超ダイジェスト変動が発生した場合には遊技者は大当りが発生したことを認識することができる。
一方、遊技制御装置500は、変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(S3001の結果が「Y」)、潜伏確変状態であるか否かを判定する(S2701)。なお、以降の処理は、図27に示した処理と同じであるため、同じ符号を割り当てる。
遊技制御装置500は、潜伏確変状態でない場合には(S2701の結果が「N」)、図26Aに示した変動パターンテーブル(TBL)1に基づいて変動パターンを選択する(S2702)。一方、潜伏確変状態の場合には(S2701の結果が「Y」)、図26Bに示した変動パターンテーブル(TBL)2に基づいて変動パターンが選択される(S2703)。
また、変動超ダイジェストは、通常時の短変動(例えば、始動記憶の保留数が4)の場合と変動時間が同じになるように設定されているため、大当りが発生しない場合にも演出制御装置550によって所定の割合で発生させてもよい。以下、通常時の短変動の代わりに所定の割合でA変動超ダイジェストを実行させる手順について説明する。
図32は、本発明の第2の実施の形態において変動表示ゲームが通常時短変動の場合に変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、変動パターンを選択する対象の変動表示ゲームにおいて、通常時短変動であるか否かを判定する(S3201)。通常時短変動の場合には(S3201の結果が「Y」)、変動表示ゲームの結果にかかわらず、所定の割合でA変動超ダイジェストを実行する(S3202)。このとき、変動表示ゲームの結果がはずれの場合よりも大当りの場合の方がA変動超ダイジェストを実行する確率が高くなるようにしてもよい。
〔第2の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、ストーリー性を有する長時間の演出が実行される場合に、当該ストーリーのダイジェストを表示することで、遊技者の冗長感を軽減しながらも、変動表示ゲームの信頼度に関連する演出を提示することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、変動表示ゲームの結果が大当りとなった後、特別遊技状態で実行される遊技状態報知ゲームの一例について説明する。遊技状態報知ゲームの結果によって特別遊技状態終了後の特定(有利)遊技状態の内容が報知される。なお、遊技機1の構成及びスペックなど、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
〔遊技状態報知ゲーム〕
図33は、本発明の第3の実施の形態の特別遊技状態における遊技状態報知ゲームで時短状態への遷移及び時短回数を報知する一例を示す図である。
(a)は、変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲーム(時短回数報知ゲーム)が開始される直前の状態を示している。
(b)は、遊技状態報知ゲームの開始直後の状態を示す図である。遊技状態報知ゲームが開始されると、画面上にカードの裏面が表示され、カードをめくるように促す指示が表示される。具体的には、演出ボタン31を操作するように、画面上に「push」と表示される。
(c)は、(b)の状態で演出ボタン31を操作した結果、カードがめくられている状態を示している。(d)は、カードがめくられ、カードの表面にポイントが表示された状態を示している。表示されるポイントは、特定遊技状態の内容に基づいて設定される。
その後、(e)に示すように、画面左側に積算された累計ポイントが表示される。なお、遊技者が各ラウンドで演出ボタン31を操作せず、カードがめくられない場合には、後のラウンドのポイントを調整するようにしてもよいし、各ラウンドの最後で強制的にめくるようにしてもよい。
そして、(b)〜(e)までの手順をラウンドごとに最終ラウンド(図33では15R)まで繰り返す。そして、最終ラウンド(15R)終了後、(f)に示すように、合計ポイントが60ポイントであることが表示され、その後、(g)に示すように、時間回数が60回であることが報知される。
図34では時短回数を報知する場合について説明したが、ポイント数が所定値(例えば100ポイント)を超えた場合には、時短状態ではなく、遊技状態が確変状態に遷移することを報知する。以下、確変状態に遷移する場合について説明する。
図34は、本発明の第3の実施の形態の特別遊技状態における遊技状態報知ゲームで確変状態への遷移を報知する一例を示す図である。
(a)は、図33と同様に、変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲームが開始される直前の状態を示している。
(b)は、最終ラウンドにおいて、画面上にカードの裏面が表示され、演出ボタン31を操作することによってカードをめくるように促す指示が表示されている状態である。(c)は、(b)の状態で演出ボタン31が操作されたことで、カードがめくられている状態を示している。
(d)は、カードがめくられて、ポイントが表示された状態を示している。ここで、累計ポイントが80ポイントで、加算されるポイントが30ポイントであるため、(e)に示すように、合計ポイントが110ポイントになる。このとき、ポイントの合計が所定の値(100ポイント)よりも大きくなったため、(f)に示すように特別遊技状態終了後確変状態に遷移することが報知される。
通常、始動入賞口に遊技球が入賞した時点で特定遊技状態を決定するための大当り乱数等が既に取得されており、遊技状態報知ゲームの結果にかかわらず、特定遊技状態の態様は決定されている。しかし、始動入賞時に取得された乱数値によらずに、特別遊技状態において実行されたゲームの結果に基づいて、特定遊技状態の態様を決定するようにしてもよい。例えば、遊技状態報知ゲームを最後まで実行した場合には、あらかじめ決定された特定遊技状態とし、後述するように、途中で遊技状態報知ゲームの実行を中断した場合には、ゲーム途中で取得されたポイントに対応するように特定遊技状態を再決定してもよい。
図33及び図34では、特別遊技状態において遊技者が遊技状態報知ゲームに参加した場合について説明したが、以下、遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の画面遷移について図35A及び図35Bを参照しながら説明する。
図35Aは、本発明の第3の実施の形態において特定遊技状態が確変状態に遷移し、遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の一例を示す図である。本発明の第3の実施の形態では、特定遊技状態が確変状態に遷移する場合には、最終ラウンド終了後に爆発を起こす演出を実行し、確変状態に遷移することを報知している。
このように、演出ボタン31の操作をしなくても、特別遊技状態終了後に特定遊技状態の内容を報知するため、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
図35Bは、本発明の第3の実施の形態において遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の一例を示す図である。本発明の第3の実施の形態では、特定遊技状態が時短状態に遷移する場合には、最終ラウンド終了後に時短回数や遊技状態を報知しない曖昧モードに遷移している。そして、あらかじめ決定された時短回数を消化すると、通常遊技状態に遷移する。
したがって、特別遊技状態において、演出ボタン31を操作しなければ、確変状態か否か、時短回数などが分からないため遊技者は期待感を持って遊技に臨むことができる。また、特定遊技状態の内容を知りたい場合には演出ボタン31を操作することによって、報知させることができるため、遊技者は、特定遊技状態の内容を知るか否かを選択することが可能となり、遊技の幅を広げることができる。
なお、特定遊技状態が確変状態の場合にも曖昧モードに遷移するようにしてもよいし、曖昧モードで所定回数の変動表示ゲームが実行された場合には特定遊技状態の内容を報知するようにしてもよい。また、所定の割合で曖昧モードに遷移するか否かを決定するようにしてもよい。
〔遊技状態報知ゲームの別の例(1)〕
続いて、遊技状態報知ゲームの別の例について説明する。図36に示す遊技状態報知ゲームでは、画面に表示された指示に従って、演出ボタン31を連続して操作(連打)する。
図36は、本発明の第3の実施の形態の遊技状態報知ゲームの別の例を示す図である。
(a)は、変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲームが開始された状態を示している。
図36に示す遊技状態報知ゲームでは、各ラウンドで演出ボタン31を連続して操作(連打)する。(b)は、遊技状態報知ゲームの開始時の状態を示しており、まず、演出ボタン31を連打するように指示している。このとき、遊技者が演出ボタン31を連打すると、(c)に示すように画面下部に配置されたゲージが伸びてくる。そして、延長されたゲージが「確変」のエリアに到達すると、確変状態に遷移することになる。また、連打を中止すると、伸びたゲージが縮むようになっており、遊技者はラウンドごとに演出ボタンを連打するように促される。
そして、特別遊技状態終了後の特定遊技状態が確変状態にならなかった場合には、(d)に示すように、ゲージが確変のエリアに到達することなく遊技状態報知ゲームが終了する。一方、確変状態となる場合には(e)に示すように、ゲージが確変のエリアに到達する。なお、前述のように、特別遊技状態に遷移する前に特定遊技状態の内容は決定されているため、最終ラウンドにおいてゲージの伸縮を調整するようにしてもよいし、演出ボタン31の連打が足りずに確変のエリアにゲージが到達しない場合には、図35Aに示したように特定遊技状態を報知してもよいし、図35Bに示したように曖昧モードに遷移するようにしてもよい。
〔遊技状態報知ゲームの別の例(2)〕
続いて、遊技状態報知ゲームのさらに別の例について説明する。図37に示す遊技状態報知ゲームでは、3種類のカードゲームがランダムに実行されるように構成されている。
図37は、本発明の第3の実施の形態の遊技状態報知ゲームのさらに別の例を示す図である。
(a)は、複数枚(6枚)のカードが回転するルーレットゲームであり、演出ボタン31を操作すると、所定位置のカードがめくられてポイントが表示される。このとき、カードが回転するのではなく、カードを選択する選択部が移動するようにしてもよい。
(b)は、2枚又は複数枚のカードが表示され、遊技者が選択するゲームである。このとき、演出ボタン31を操作するたびに選択するカードが変更する。そして、ラウンド終了時に選択されていたカードが選択されたものとして、選択されたカードがめくられてポイントが表示される。
なお、カードの選択は、遊技機が演出ボタンを複数備えるように構成され、対応する演出ボタンを操作して選択するようにしてもよい。また、ジョイスティックや十字キーのようなインタフェースを備えて自由にカードを選択できるようにしてもよい。
(c)は、複数枚のカードが表示され、ランダムにカードを選択するゲームである。このゲームでは遊技者の操作は介在しないが、カード選択時に演出ボタン31を操作することによって遊技者の操作を介在させるようにしてもよい。
また、表示されるカードの内容は、ポイントを表示するだけでなく、当りのカードを選択すると、途中のラウンドでも特定遊技状態の内容が報知されるようにしてもよい。また、確変状態にならない場合には、最終ラウンドでハズレのカードやマイナスポイントのカードが必ず選択されるようにしてゲームの結果と遷移する特定遊技状態とを整合させるようにしてもよい。
図38は、本発明の第3の実施の形態の遊技状態報知ゲームにおいて各ラウンドにおけるポイントの例を説明する図である。
(a)は、各ラウンドで同じ点数が設定されている場合である。すべてのラウンドで同じ点数が設定されている場合には、途中で演出ボタン31を操作せずに想定された点数に到達しない場合には、最後のラウンドで整合するようにポイントを設定してもよいし、図35A及び図35Bに示した演出を実行するようにしてもよい。
(b)は、各ラウンドでそれぞれ異なる点数が設定されている場合である。この場合には、遊技者が最終ラウンドで遊技状態報知ゲームに参加すれば違和感を覚えることなく遊技状態報知ゲームの結果と特定遊技状態の内容とを整合させることができる。
(c)は、各ラウンドで点数が加点される場合にのみカードをめくることができる場合である。この例では、ラウンドによっては遊技者が演出ボタン31を操作してもカードがめくれないようになっており、最終的に遊技状態報知ゲームの結果と特定遊技状態の内容とを整合させるようになっている。
また、各ラウンド中の所定のタイミング(例えば、各ラウンド開始から所定時間内)で演出ボタン31を操作した場合にカードをめくるようにしてもよい。この場合には、所定のタイミング以外では演出ボタン31を押してもカードをめくることはできないように構成される。
(c)の場合、途中で遊技者が演出ボタン31を全く操作しなかったり、所定のタイミング内で演出ボタン31が操作されなかったりして、合計ポイントが想定された値に到達しなかった場合には、図35A及び図35Bに示した演出を実行するなどして整合するように演出を実行してもよい。
なお、いずれの場合であっても最終ラウンドで遊技者の操作を介在させないゲームを実行することによって、遊技状態報知ゲームの結果と特定遊技状態の内容とを整合させることが可能である。
〔遊技状態報知ゲームの別の例(3)〕
続いて、遊技者が遊技状態報知ゲーム実行中に、所定のタイミングで演出ボタン31を操作する遊技状態報知ゲームについて説明する。
図39は、本発明の第3の実施の形態の演出制御装置550における大当り中演出処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、遊技制御装置500からカウントスイッチONコマンドを受信したか否かを判定する(S3901)。カウントスイッチONコマンドは、特別遊技状態において大入賞口に遊技球が入賞したことを通知するコマンドである。演出制御装置550は、カウントスイッチONコマンドを受信していない場合には(S3901の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置550は、カウントスイッチONコマンドを受信した場合には(S3901の結果が「Y」)、所定時間内に演出ボタン31が操作されたか否か、すなわち、演出ボタンSW31aがONに設定されているか否かを判定する(S3902)。演出ボタンSW31aがONに設定されていない場合には(S3902の結果が「N」)、本処理を終了する。
このとき、表示装置48には、遊技状態報知ゲームで用いられるカードが表示されている。演出制御装置550は、カウントスイッチONコマンドを受信してから所定時間内に演出ボタンSW31aがONに設定された場合には(S3902の結果が「Y」)、表示装置48に表示されているカードをめくるように制御する(S3903)。すなわち、大入賞口に遊技球が入賞してから所定時間経過するまでに演出ボタン31操作することによって、特定遊技状態の内容を報知させることが可能となる。
また、カウントスイッチONコマンドの受信は、ラウンドごとに検出するようにしてもよい。このように構成すると、図38の(c)に示したように、ラウンドごとに所定のタイミングで演出ボタン31を操作することによってポイントが加算されるようになる。そして、ラウンドごとのポイントの合計によって特定遊技状態の内容が報知される。
以上のように構成することによって、特定遊技状態の報知に遊技者の技量が反映され、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技状態報知ゲームに失敗した場合であっても、特定遊技状態が報知されないだけで実質的に遊技者に不利になることはなく、遊技の公平性を担保することができる。
〔特定遊技状態の報知例〕
続いて、遊技状態報知ゲームを完了させずに、特定遊技状態に遷移した場合の例について説明する。ここまで説明した内容では、特定遊技状態に遷移した段階で内容を報知するか、図35Bに示したように曖昧モードに遷移していた。図40に示す例では、一旦、時短回数を報知し、報知された回数分の変動表示ゲームが実行された後に延長されたかのように演出を実行制御する。
図40は、本発明の第3の実施の形態の遊技状態報知ゲームを完了させずに特定遊技状態に移行した場合を説明する図である。
遊技状態報知ゲームの途中で操作をやめたり、一部のラウンドで演出ボタン31を操作しなかったりした場合、決定された時短回数よりも少ない回数が報知された状態で遊技状態報知ゲームが終了する。図40に示す例では、実際には確変状態となるが、ポイント(時短回数)が50の状態で遊技状態報知ゲームが終了している。
このとき、まず、時短状態として50回変動表示ゲームを実行した後、(a)〜(c)に示すように1回(ラウンド)分の遊技状態報知ゲームを実行する。具体的には、まず、(a)に示すように、1枚のカードを裏面に表示し、演出ボタン31の操作を促す。演出ボタン31が操作されると、(b)に示すように、カードが回転し、(c)に示すように、「上乗せ10回」のカードが表示される。このようにして時短回数が10回追加されたことを報知する。さらに、10回の変動表示ゲームが終了すると、同様に、(a)〜(c)に示すように遊技状態報知ゲームを1回分実行する。この時点で時短回数が70回となる。
さらに、上乗せ分の時短回数を消化すると、1回分の遊技状態報知ゲームを実行する。ここで実行された遊技状態報知ゲームの結果は、「確変」となり、以降、次回の大当りまで確変状態が継続することが報知される。
以上のように制御することによって、特別遊技状態における遊技状態報知ゲームが完了しなかった場合であっても、最終的に遊技者に特定遊技状態の内容を報知することができる。また、報知の過程で遊技者を遊技状態報知ゲームに参加させることによって、興趣を向上させることができる。
〔先読み演出〕
最後に、大当り発生後の特別遊技状態において、特定遊技状態の内容を報知するとともに未実行の始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果を報知する先読み演出を実行する例について説明する。
図41は、本発明の第3の実施の形態の特別遊技状態で先読み演出が実行される場合の一例を説明する図である。
(a)は、変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲームが開始される直前状態を示している。なお、画面下方に配置された「○」は、始動記憶を示しており、図41では始動記憶数が8となっている。
(b)は、画面上にカードの裏面が表示され、演出ボタン31を操作することによってカードをめくるように促す指示が表示されている状態である。このとき、カード裏面の色によって、特定遊技状態の内容報知又は始動記憶の先読み演出が実行される。例えば、カード裏面の色が青の場合には特定遊技状態の内容が報知され、カード裏面の色が赤の場合には先読み演出が実行される。特定遊技状態の内容が報知される場合については既に説明通りであり、ここでは、カード裏面の色が赤で、先読み演出が実行される場合について説明する。
(c)は、(b)の状態で演出ボタン31を操作してカードがめくられている状態を示している。その後、(d)では、先読み演出が実行され、矢印で大当りとなる始動記憶を指し示すことによって先読み演出が実行されている。報知する内容は、大当りであるか否かではなく発生するリーチの種類であってもよいし、必ずしも報知した内容が実際に発生しなくてもよい。
このように、遊技状態を報知するゲーム以外にも、先読み演出を実行するようにしてもよい。また、いずれかのラウンドで先読み演出ゲームを実行し、その他のラウンドに遊技状態報知ゲームを実行するようにしてもよい。また、特定遊技状態が時短状態になる場合にのみ先読み演出を実行するようにしてもよい。
〔第3の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、特別遊技状態に遊技状態報知ゲームを実行することによって、時短回数の増加を期待させることができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特別遊技状態において徐々に特定(有利)遊技状態の内容を報知するので、特別遊技状態の間(大当り中)も興趣を高めることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。