以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図3参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体32(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体32の前面にガイドレール33で囲まれた略円形状の遊技領域31を有している。また、遊技盤本体32の前面であってガイドレール33の外側には、前面構成部材(サイドケース)が取り付けられている。さらに、遊技領域31の右下側の前面構成部材は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレートで覆われている。そして、このガイドレール33で囲まれた遊技領域31内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域31には、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース34が取り付けられている。センターケース34に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての変動表示装置(表示装置)35が配置されている。変動表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース34の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域31のセンターケース34の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、所定領域)36が設けられている。普図始動ゲート36の内部には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)603(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過(所定条件の成立)すると、普図変動表示ゲーム(特定変動表示ゲーム)が実行される。
さらに、センターケース34の左下側には、三つの一般入賞口40が配置され、センターケース34の右下側には、一つの一般入賞口40が配置されている。また、一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口40に備えられた入賞口スイッチ(SW)604a〜604m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース34の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域、始動口1)37aが設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材37cを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域、始動口2)37bが配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37a及び第2始動入賞口37bが当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。
第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口37bの上方には、第1始動入賞口37aが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
さらに遊技領域31の第2始動入賞口37bの下方には、大入賞口ソレノイド28(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置41が設けられている。特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ605(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、及び特別変動入賞装置41の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置41の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口42が設けられている。
また、遊技領域31の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、変動表示装置35における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート36への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置41の開閉扉41aの開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、変動表示装置(第1表示領域)35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示(特定識別情報を変動表示)する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図1保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図2保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体46が設けられる。弁体46の下端は内レール44に固定され、弁体46は発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体46は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置640によって制御される払出ユニットから、前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出される。
前述のように、普図始動ゲート36内には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート36は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート36を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値(所定の乱数、普図乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。なお、当り判定用乱数値についての詳細は後述する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止結果が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート36への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口37bは、内蔵されている普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材37cが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37aへの入賞球及び第2始動入賞口37bへの入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース34の変動表示装置35においても表示される。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して変動表示装置35の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置41は、大入賞口ソレノイド28(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置41に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。なお、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第1特図始動記憶、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第2特図始動記憶とする。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37a内の第1始動口スイッチ601、第2始動入賞口37b内の第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠5に前面枠開放検出スイッチ25やガラス枠6に設けられたガラス枠開放検出スイッチ26には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図3及び図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12、一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置690に発射許可信号を出力する。発射制御装置690は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
さらに、払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置50は、遊技状態報知LED12及び状態表示器等から構成されている。状態表示器のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。状態表示器のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。状態表示器のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給される。
本実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。
また、バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカー10a及び下スピーカー10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカー10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、本発明の第1の実施の形態の遊技における特図変動表示ゲームが大当りになった場合の特別遊技状態の態様、及び、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの動作態様(普電サポート)について説明する。
〔普電サポートの態様〕
図5は、本発明の第1の実施の形態の普電サポートの態様を説明する図である。普電サポートとは、普図変動表示ゲームの当選確率や普図変動表示ゲームで当りとなり開閉部材37cを開放させるときの開放態様などを制御することにより、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞しやすい状態、すなわち遊技者に有利な状態を発生させる制御を行うことである。
普電サポート時には、普図変動表示ゲームの当選確率が高確率(250/251)に設定される。さらに、普図変動表示ゲームの変動時間が1秒に設定される。普図変動表示ゲームに当選すると、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの1.7秒間の開放が3回繰り返される。
普電サポート時には、普図変動表示ゲームが短い変動時間(1秒)で実行され、高確率で当選するため、頻繁に開閉部材37cが開放される。したがって、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しやすくなるため、第2特図変動表示ゲームが実行されやすくなる。
一方、通常時には、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率(25/251)に設定される。また、普図変動表示ゲームの変動時間が10秒に設定され、普図変動表示ゲームに当選した場合には、開閉部材37cが5.1秒間開放される。通常時では、普図変動表示ゲームの当選確率が低く、また、変動時間が長いため、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放頻度が少なくなる。ただし、一般的に、通常時の普図変動表示ゲームの当選確率は1/251程度であるが、本発明の第1の実施の形態の遊技機では、通常時の普図変動表示ゲームの当選確率が高めに設定されている。これにより、通常時であっても、ある程度、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しやすく、第2特図変動表示ゲームが実行されやすくなる可能性がある。
なお、図6では、2種類の開放パターンが例示されているが、これに限らず、複数の開放パターンを設けてもよい。例えば、通常時を低サポ状態とすると、該低サポ時よりも第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放頻度が多く、普電サポート時(高サポ状態)よりも第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放頻度が少なくなる、いわゆる中サポ状態を定義してもよい。さらに、遊技状態に応じて変動時間を設定するようにしてもよい。また、普電開放パターンを普電サポート時と通常時と同じにしてもよい。
〔特図変動表示ゲームの大当り態様〕
図6は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームに大当りが発生した場合の態様(特別遊技状態)を説明する図である。
本発明の第1の実施の形態において特図変動表示ゲームでは、2R確変大当り、15R確変大当り、15R通常大当りの3種類の大当り(特別遊技状態)が発生する。
2R確変大当りが発生すると、特別変動入賞装置41に設けられている開閉扉41aが所定時間(例えば6秒)開状態に変化し、閉状態に復帰する動作が2回(2ラウンド分)行われ、その後、大当りの発生確率が高確率に設定され、次回大当りが発生するまで普電サポートの制御が行われる。2R確変大当りは、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生する場合に、50%の確率で振り分けられる。第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には、2R確変大当りは発生しない。
15R確変大当りが発生すると、特別変動入賞装置41に設けられている開閉扉41aが所定時間(例えば25秒)開状態に変化し、閉状態に復帰する動作が15回(15ラウンド分)行われ、その後、2R確変大当りの場合と同様に、大当りの発生確率が高確率に設定され、次回大当りが発生するまで普電サポートが行われる。15R確変大当りは、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には25%の確率で振り分けられ、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には75%の確率で振り分けられる。
15R通常大当りが発生すると、特別変動入賞装置41に設けられている開閉扉41aが所定時間(例えば25秒)開状態に変化し、閉状態に復帰する動作が15回(15ラウンド分)開閉し、その後、大当りの発生確率が低確率に設定され、特図変動表示ゲームが100回実行されるまで普電サポートが行われる。15R通常大当りは、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には25%の確率で振り分けられ、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合にも同様に25%の確率で振り分けられる。
以上のように、本発明の第1の実施の形態では、第2特図変動表示ゲームで大当りになった場合に、最も遊技者にとって有利な15R確変大当りが選択されやすくなるように構成されている。第2特図変動表示ゲームは、通常、普電サポート中に実行される。また、第2特図変動表示ゲームの始動記憶が第1特図変動表示ゲームの始動記憶よりも優先して消化される。さらに普電サポート時においては、第1特図変動表示ゲームの始動記憶が消化されにくいように、第2特図変動表示ゲームの始動記憶が少ない場合には(例えば始動記憶数が1又は0)、変動時間が長くなるように制御される。
また、15R通常大当りの場合に、図柄毎に普電サポートの回数を設定してもよい。さらに、2R確変大当りに普電サポートのない場合(いわゆる潜伏確変)を設定してもよく、大当りの発生確率が低確率に設定された2R通常大当りを設定するようにしてもよい。
大当りの種類の振り分けについては、図5に示した選択率は一例であり、例えば、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合であっても2R確変が選択されるようにしてもよい。さらに、特別変動入賞装置41の開閉扉41aの開閉時間を短く設定することによって、遊技者にとって突然確変状態になったように制御してもよい(いわゆる突確)。
続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図7Aは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図7Bは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(ステップA1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1010及びステップA1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、ステップA1012及びステップA1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1016の結果が「N」)、図7BのステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図7BのステップA1017〜ステップA1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1020の結果が「N」)、ステップA1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1039)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1040)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1041)。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(ステップA1042)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1024以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、ステップA1023B又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1028)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1029)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1030の結果が「N」)、ステップA1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1028からステップA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1028)の前に割り込みを許可(ステップA1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1028)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1030の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1032〜ステップA1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1032)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1033)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1034)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1035)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1037)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図9にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。なお、普図ゲーム処理の詳細については、図14にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1111)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1112)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1113)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1115)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1108)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置41内に設けられたカウントスイッチ605によって当該特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1204の結果が「N」)、ステップA1216以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1204の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図13にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1216)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1217)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1218)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1219)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37a(第1始動口)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。さらに、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1302)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1303)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(ステップA1304)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1305の結果が「Y」)、ステップA1308以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1305の結果が「N」)、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(ステップA1306)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA1307)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、ステップA1306及びステップA1307の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(ステップA1307の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(ステップA1307の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA1308)。さらに、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1309)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1310)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1303、ステップA1310)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401、ステップA1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1406、ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(ステップA1409、ステップA1410)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1411)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(ステップA1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを演出制御装置700に送信するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1414)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1415)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1417)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1418)。
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(ステップA1419)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(ステップA1420)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA1421)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(ステップA1422)。特図保留情報判定処理の詳細については、図12にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1410の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601であるか否かをチェックする(ステップA1430、ステップA1431)。監視対象が第1始動口スイッチ601の場合には(ステップA1431の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1432)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1433)。
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合(ステップA1431の結果が「N」)、又は、ステップA1433のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図11)における特図保留情報判定処理(ステップA1423)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かをチェックし(ステップA1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には、普電サポートなし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。
遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(ステップA1502の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(ステップA1502の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、第1始動入賞口37aに入賞し、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。
その後、遊技制御装置600は、ステップA1503の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1504)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(ステップA1504の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(ステップA1507)。そして、ステップA1508以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(ステップA1504の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA1505の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(ステップA1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置600は、ステップA1506の処理で設定した大当り情報テーブル又はステップA1507の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA1508)。
そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA1509)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(ステップA1510)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(ステップA1511)。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1512)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(ステップA1513)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA1514)。
後半変動パターン設定処理(ステップA1513)及び変動パターン設定処理(ステップA1514)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA1515)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(ステップA1516)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1517)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA1518)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1519)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA1515及びステップA1516の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、ステップA1518の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA1209)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数が0であるか否かをチェックする(ステップA1601、ステップA1602)。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0の場合には(ステップA1602の結果が「Y」)、特図1保留数が0であるか否かをチェックする(ステップA1603、ステップA1604)。このように、特図2保留数のチェック(ステップA1601)を、特図1保留数のチェック(ステップA1603)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(ステップA1604の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(ステップA1605、ステップA1606)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(ステップA1606の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(ステップA1607)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA1608)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1609)。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、ステップA1610以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1610)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合(ステップA1602の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(ステップA1611)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(ステップA1612)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図変動表示ゲームの変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合(ステップA1604の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(ステップA1613)。
そして、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(ステップA1614)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
以上が特図変動表示ゲームを実行するための処理の説明である。続いて、普図変動表示ゲームを実行するための処理について説明する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(図8のステップA1109)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
普図ゲーム処理では、普図始動ゲート36の入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図表示器の表示の設定を行う。
遊技制御装置600は、まず、ゲートスイッチ603への遊技球の入賞を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(ステップA2101)。ゲートスイッチ監視処理では、普図始動ゲート36に遊技球が通過すると、普図変動表示ゲームの当り(当選結果)を決定するための当り乱数(所定の乱数)を抽出する。ゲートスイッチ監視処理については、図15にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普電入賞スイッチ監視処理を実行する(ステップA2102)。普電入賞スイッチ監視処理では、第2始動入賞口37bに設けられた第2始動口スイッチ602のカウント数、すなわち、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理タイマを1減算して更新し、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA2103)。そして、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA2104)。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合には(ステップA2104の結果が「Y」)、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐する際に参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する(ステップA2105)。
遊技制御装置600は、さらに、普図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA2106)。そして、普図ゲーム処理番号に対応する処理が完了した後に戻り先であるリターンアドレスをスタック領域に退避させる(ステップA2107)。その後、普図ゲーム処理番号に対応する処理を実行する(ステップA2108)。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA2108の結果が「0」)、普図普段処理を実行する(ステップA2109)。普図普段処理は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの結果の抽選、及び普図変動中処理を行うために必要な情報の設定などを行う。なお、普図普段処理については、図18にて後述する。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA2108の結果が「1」)、普図変動中処理を実行する(ステップA2110)。普図変動中処理は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA2108の結果が「2」)、普図表示中処理を実行する(ステップA2111)。普図表示中処理は、普図変動表示ゲームの遊技結果が当りであれば、普電サポート状態に応じた第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA2108の結果が「3」)、普図当り中処理を実行する(ステップA2112)。普図当り中処理は、普図変動表示ゲームの当りが終了するか否かを判定する処理や、普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA2108の結果が「4」)、普電残存球処理を実行する(ステップA2113)。普電残存球処理は、普図変動表示ゲームの当りラウンドが最終ラウンドであれば、第2始動入賞口37b内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定などを行う。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA2108の結果が「5」)、普図当り終了処理を実行する(ステップA2114)。普図当り終了処理は、普図普段処理(ステップA2109)を行うために必要な情報の設定等を行う。
各処理番号に対応する処理が完了すると、遊技制御装置600は、普図表示器53の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA2115)、普図表示器53における図柄変動制御処理を実行する(ステップA2116)。
一方、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合には(ステップA2104の結果が「N」)、ステップA2115以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップA2101)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態のゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、普図始動ゲート36を通過する遊技球を監視し、遊技球通過時に必要な処理を行う。
遊技制御装置600は、まず、ゲートスイッチ603に入力があるか、すなわち、普図始動ゲート36に遊技球が通過したか否かをチェックする(ステップA2201)。そして、ゲートスイッチ603に入力があるか否かを判定する(ステップA2202)。ゲートスイッチ603に入力がない場合には(ステップA2202の結果が「N」)、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、ゲートスイッチ603に入力がある場合には(ステップA2202の結果が「Y」)、普図保留数(普図始動記憶数)が上限値(例えば4)未満であるか否かをチェックする(ステップA2203)。そして、普図保留数が上限値未満であるか否かを判定し(ステップA2204)、普図保留数が上限値未満でない場合(ステップA2204の結果が「N」)、すなわち、普図保留数が上限値に到達している場合には、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、普図保留数が上限値未満の場合には(ステップA2204の結果が「Y」)、普図保留数を1加算して更新する(ステップA2205)。さらに、普図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA2206)。
その後、遊技制御装置600は、当り乱数を抽出し、乱数セーブ領域に当該当り乱数をセーブする(ステップA2207)。このように、遊技制御装置600は、普図始動ゲート36に遊技球が通過したことに基づいて、普図変動表示ゲームの結果を判定するための乱数を抽出し、抽出された乱数を記憶する乱数記憶手段として機能する。
最後に、遊技制御装置600は、新たに記憶された普図始動記憶に対応する普図変動表示ゲームの結果を判定するための普図保留情報判定処理を実行する(ステップA2208)。普図保留情報判定処理の詳細については、図16にて後述する。
〔普図保留情報判定処理〕
次に、前述したゲートスイッチ監視処理における普図保留情報判定処理(ステップA2208)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の普図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
普図保留情報判定処理は、新たに記憶された当り乱数に基づいて、普図変動表示ゲームの結果を事前(当該普図変動表示ゲームの実行前)に判定し、判定結果に対応したコマンドを演出制御装置700に送信する。したがって、遊技制御装置600は、乱数記憶手段に記憶された乱数に基づいて、普図変動表示ゲームの結果を事前に判定する事前判定手段として機能する。
また、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信したコマンドに基づいて所定の事前演出を実行する。したがって、演出制御装置700は、普図変動表示ゲームの結果の報知を含む事前演出手段(第2表示制御手段)として機能する。
最初に、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームの結果を判定するために、当りと判定される乱数の範囲(上限判定値、下限判定値)を設定する。まず、現在の普図変動表示ゲームの当選確率が低確率であるか否かを判定する(ステップA2301)。当りと判定される乱数の範囲は、普図変動表示ゲームの当選確率に応じて異なる上限判定値が設定される。下限判定値は、普図変動表示ゲームの当選確率によらずに同じ値が設定される。
遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率である場合には(ステップA2301の結果が「Y」)、普図低確率時の上限判定値を設定する(ステップA2302)。一方、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率でない場合(ステップA2301の結果が「N」)、すなわち、普図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合には、普図高確率時の上限判定値を設定する(ステップA2303)。
次に、遊技制御装置600は、乱数セーブ領域から当り乱数をロードし(ステップA2304)、さらに、下限判定値を設定する(ステップA2305)。さらに、当り乱数の値が下限判定値未満であるかをチェックし(ステップA2306)、下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップA2307)。
遊技制御装置600は、ロードされた当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA2307の結果が「N」)、すなわち、下限判定値以上の場合には、さらに、当り乱数の値が設定した上限判定値より大きいかをチェックする(ステップA2308)。そして、当り乱数の値が設定した上限判定値より大きいか否かを判定する(ステップA2309)。当り乱数の値が設定した上限判定値より大きくない場合(ステップA2309の結果が「N」)、すなわち、当り乱数の値が設定した上限判定値以下の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りとなるため、普図当り時の普図事前演出コマンドを算出し、演出制御装置700に送信するための準備を行う(ステップA2310)。なお、普図事前演出コマンドについては、図17にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、当り乱数の値が下限判定値未満の場合(ステップA2307の結果が「Y」)、又は、当り乱数の値が上限値よりも大きい場合には(ステップA2309の結果が「Y」)、普図変動表示ゲームの結果がはずれとなるため、普図はずれ時の普図事前演出コマンドを算出し、演出制御装置700に送信するための準備を行う(ステップA2311)。
最後に、遊技制御装置600は、準備された普図事前演出コマンドを演出制御装置700に送信するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA2312)。
図17は、本発明の第1の実施の形態の普図事前演出コマンドの一例を示す図である。
普図事前演出コマンドは、他のコマンドと同様に、MODE部とACTION部によって構成される。MODE部によって普図事前演出コマンドであることが判別され、ACTION部によって詳細が定義される。
演出制御装置700は、普図事前演出コマンドを受信すると、普図変動表示ゲームの結果に対応する演出を実行する。普図事前演出コマンドは、新たな普図保留(当り乱数)が記憶されるたびに送信される。
なお、第1の実施の形態では、普図変動表示ゲームの結果は“当り”又は“はずれ”の2種類であったが、複数種類の当りが定義されている場合には、各当りに対応する普図事前演出コマンドを算出する。例えば、通常時に開閉部材37cの開放時間の長い当りと短い当りの2種類が定義されている場合には、異なる普図事前演出コマンドを送信し、演出制御装置700が開閉部材37cの開放時間の長い当りの場合に特定の演出を実行するようにしてもよい。
〔普図普段処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップA2109)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、普図保留数が0であるか否かをチェックする(ステップA2401)。そして、普図保留数が0であるか否かを判定する(ステップA2402)。普図保留数が0の場合には(ステップA2402の結果が「Y」)、次のタイマ割込みで実行される普図ゲーム処理で普図普段処理を実行させるために、普図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA2429)。その後、普図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普図保留数が0でない場合には(ステップA2402の結果が「N」)、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率であるか否かを判定する(ステップA2403)。
遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率の場合には(ステップA2403の結果が「Y」)、普図変動表示ゲームの結果を判定するための上限判定値に普図低確率時の値を設定する(ステップA2404)。このとき、上限判定値には、例えば、25が設定される。
一方、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率でない場合(ステップA2403の結果が「N」)、すなわち、高確率の場合には、普図高確率時の上限判定値を設定する(ステップA2405)。このとき、上限判定値には、例えば、250が設定される。
次に、遊技制御装置600は、乱数セーブ領域から当り乱数をロードする(ステップA2406)。さらに、普図変動表示ゲームの結果を判定するための下限判定値を設定する(ステップA2407)。下限判定値は、例えば、1が設定される。したがって、当り乱数の範囲を0から250とすると、普図変動表示ゲームの当選確率は、高確率時には250/251、低確率時には25/251となる。
続いて、遊技制御装置600は、ロードした当り乱数が下限判定値未満であるかをチェックし(ステップA2408)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップA2409)。
遊技制御装置600は、当り乱数が下限判定値以上の場合には(ステップA2409の結果が「N」)、さらに、当り乱数が上限判定値よりも大きいかをチェックし(ステップA2408)、当り乱数が上限判定値よりも大きいか否かを判定する(ステップA2409)。
遊技制御装置600は、当り乱数が上限判定値よりも大きくない場合には(ステップA2409の結果が「N」)、すなわち、当り乱数が上限判定値以下の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りとなるので、当りフラグ領域に当り情報をセーブする(ステップA2412)。さらに、普図停止図柄に当りに対応する停止図柄番号を設定する(ステップA2413)。
一方、遊技制御装置600は、当り乱数が下限判定値未満の場合(ステップA2409の結果が「Y」)、又は、当り乱数が上限判定値よりも大きい場合には(ステップA2409の結果が「Y」)、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(ステップA2414)。さらに、はずれに対応する停止図柄番号を普図停止図柄に設定する(ステップA2415)。
以上のように、遊技制御装置600は、乱数セーブ領域(乱数記憶手段)に記憶された乱数に基づいて普図変動表示ゲーム(特定変動表示ゲーム)を実行し、該普図変動表示ゲームの結果に基づいて開閉部材37c(変動始動入賞装置)を開状態に変換する開状態制御手段として機能している。そして、前述の普図保留情報判定処理は、普図変動表示ゲームの実行前に行われる(ただし、普図始動記憶がなく、すぐに普図変動表示ゲームが開始されるときは除く)。
次に、遊技制御装置600は、RWMの当り乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA2416)。そして、普図停止図柄領域にステップA2413又はステップA2415の処理で設定された停止図柄番号をセーブする(ステップA2417)。さらに、普図停止図柄番号に対応する信号を中継基板650を介して図示しない試射試験装置に送信するために、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2418)。
次に、遊技制御装置600は、当り乱数セーブ領域をシフトし(ステップA2419)、ステップA2419の処理でシフトされた後の空き領域をクリアする(ステップA2420)。さらに、普図保留数を1減算して更新する(ステップA2421)。
続いて、遊技制御装置600は、普電サポート中であるか否かを判定する(ステップA2422)。普電サポート中の場合には(ステップA2422の結果が「Y」)、普電サポート時の変動時間を設定する(ステップA2423)。一方、普電サポート中でない場合には(ステップA2422の結果が「N」)、普電サポートなし時の変動時間を設定する(ステップA2424)。そして、設定された変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2425)。
遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームの実行情報(普図ゲーム実行情報)を通知するためのコマンドを算出し、演出制御装置700に送信するための準備を行う(ステップA2426)。そして、準備されたコマンドを演出制御装置700に送信するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA2427)。演出制御装置700は、普図ゲーム実行情報を含むコマンドを受信することによって、普図変動表示ゲームの内容に対応する演出を実行することが可能となる。
最後に、遊技制御装置600は、次に実行されるタイマ割込み処理における普図ゲーム処理で普図変動中処理が実行されるように、普図変動中処理移行設定処理を実行する(ステップA2430)。その後、普図普段処理を終了する。
なお、本実施形態では、普図変動表示ゲームの実行開始時に普図変動表示ゲームの結果を決定(当り乱数の判定)するようにしたが、当り乱数の記憶時(普図保留発生時)に普図変動表示ゲームの結果を決定してもよい。そして、この場合には、前述の普図保留情報判定処理に基づいて普図事前演出コマンドを送信するのではなく、普図変動表示ゲームの結果決定に基づいて普図事前演出コマンドを送信するようにすればよい。
以上、遊技制御装置600における制御について説明した。続いて、演出制御装置700による制御について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(ステップB1002)、CPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1006)、割込みを許可する(ステップB1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(ステップB1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(ステップB1009)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。1stシーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。1stシーン制御処理については、図20にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1014)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカー10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1015)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1017)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1018)、ステップB1008の処理に戻る。以降、ステップB1008からステップB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB1012)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1101)。テスト中モードの場合には(ステップB1101の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(ステップB1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1102の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(ステップB1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(ステップB1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(ステップB1104の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(ステップB1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(ステップB1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(ステップB1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、電源投入処理を実行する(ステップB1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、停電復旧処理を実行する(ステップB1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、客待ち処理を実行する(ステップB1110A)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。さらに、主制御用マイコン710は、複合予告領域設定処理を実行する(ステップB1110B)。
複合予告では、変動表示装置35の表示部35aに設けられた複合予告演出領域(第2表示領域)に、普図変動表示ゲームの結果が事前に報知される。また、後述するように、複合予告演出領域には、特図変動表示ゲームの結果を事前に報知することも可能である。複合予告領域設定処理では、複合予告を行うために必要な設定を行う。複合予告領域設定処理の詳細については、図22にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、変動中処理を実行する(ステップB1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図21にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、図柄停止処理を実行する(ステップB1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、ファンファーレ処理を実行する(ステップB1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」の場合には、ラウンド中処理を実行する(ステップB1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、インターバル処理を実行する(ステップB1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、エンディング処理を実行する(ステップB1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1118)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(ステップB1119)。先読みコマンド受信処理は、事前演出図柄コマンドなどに基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップB1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔変動中処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1111)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1201)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1201の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、PB(プッシュボタン)情報をクリアする(ステップB1202)。PB(プッシュボタン)情報とは、演出ボタン17による入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(ステップB1203)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を実行する(ステップB1204)。変動パターン情報設定処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて変動時間や予告演出を設定したりする。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1205)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
さらに、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1206)。
さらに、主制御用マイコン710は、変動回数を管理する変動回数管理処理を実行する(ステップB1207)。さらに、変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(ステップB1208)、演出リクエストフラグをクリアする(ステップB1209)。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1201の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(ステップB1211)。
主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(ステップB1211の結果が「Y」)、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1212)。
主制御用マイコン710は、ステップB1209の処理の終了後、ステップB1212の処理の終了後、又は、更新タイマがタイムアップしていない場合には(ステップB1211の結果が「N」)、複合予告領域設定処理を実行する(ステップB1210)。複合予告領域設定処理については、1stシーン制御処理における複合予告領域設定処理(ステップB1110B)と同じである。その後、主制御用マイコン710は、変動中処理を終了する。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信された変動パターンコマンドに基づいて、特図変動表示ゲームの進行に関連する表示などの演出制御を行う表示制御手段(第1表示制御手段)として機能している。
〔複合予告領域設定処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理及び変動中処理における複合予告領域設定処理(ステップB1110B、ステップB1210)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の複合予告領域設定処理の手順を示すフローチャートである。複合予告領域では、普図変動表示ゲームの結果の事前予告や特図変動表示ゲームの予告が行われる。特に、普図変動表示ゲームの結果を事前に予告することで、開閉部材37cの開状態の発生を控えた状態で離席してしまうなどの不利益を遊技者に与えないようにしている。
主制御用マイコン710は、まず、普電サポート中であるか否かを判定する(ステップB1301)。普電サポート中である場合には(ステップB1301の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの結果を報知するか否かを決定するステップB1311以降の処理を実行する。普電サポート中では、高確率(250/251)で普図変動表示ゲームの結果が当りとなり、結果を事前予告する必要がないため、普図変動表示ゲームの結果の事前予告に関する処理は実行しない。なお、特図変動表示ゲームの結果を予告するものでなければ、普電サポート中の場合に複合予告領域設定処理を終了するようにしてもよい。
一方、主制御用マイコン710は、普電サポート中でない場合には(ステップB1301の結果が「N」)、複合予告演出領域演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB1302)。複合予告演出領域演出が実行中の場合には(ステップB1302の結果が「Y」)、重複して複合予告演出領域演出を実行する必要がないため、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、複合予告演出領域における演出が実行中でない場合には(ステップB1302の結果が「N」)、受信済みのコマンドを確認し(ステップB1303)、普図事前演出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1304)。普図事前演出コマンドを受信していない場合には(ステップB1304の結果が「N」)、普図事前演出を実行しないため、ステップB1311以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、普図事前演出コマンドを受信していた場合には(ステップB1304の結果が「Y」)、受信した普図事前演出コマンドの内容を確認し(ステップB1305)、普図変動表示ゲームの結果が当りとなるか否かを判定する(ステップB1306)。
主制御用マイコン710は、普図変動表示ゲームの結果が当りとなる場合には(ステップB1306の結果が「Y」)、当りに対応する普図事前演出選択テーブルを設定する(ステップB1307)。一方、普図変動表示ゲームの結果が当りとならない場合には(ステップB1306の結果が「N」)、はずれに対応する普図事前演出選択テーブルを設定する(ステップB1308)。普図事前演出選択テーブルについては、図23にて後述する。
そして、主制御用マイコン710は、設定された普図事前演出選択テーブルに基づいて普図事前演出を選択する(ステップB1309)。さらに、選択された普図事前演出の実行を開始するか否かを判定する(ステップB1310)。普図事前演出の実行を開始しないと判定された場合には(ステップB1310の結果が「N」)、本処理を終了する。
さらに、本処理によって、普図事前演出を実行しない場合、普図事前演出を実行中でない場合又は普電サポート中の場合には、表示部35a全体又は複合予告演出領域において特図変動表示ゲームに対する予告である特図演出を制御している。
主制御用マイコン710は、普図事前演出を実行しない場合(ステップB1310の結果が「N」)に、特図変動表示ゲームの開始時期であるか否かを判定する(ステップB1311)。特図変動表示ゲームの開始時期でない場合には(ステップB1311の結果が「N」)、特図演出の実行タイミングでないため、本処理を終了する。
なお、第1の実施の形態では、特図変動表示ゲームの終了間際に特図予告が実行されても遊技者の期待感を高めることはできないため、該予告の実行タイミングを特図変動表示ゲームの開始時期としているが、これに限定されない。例えば、特図変動表示ゲームの残り時間が所定の時間以上であれば特図予告を実行するようにしてもよいし、期待度の高いSPリーチ開始時としてもよい。
主制御用マイコン710は、特図変動表示ゲームの開始時期である場合には(ステップB1311の結果が「Y」)、実行中の特図変動表示ゲームの最終結果を確認し(ステップB1312)、特図変動表示ゲームが大当りを導出するか否かを判定する(ステップB1313)。
主制御用マイコン710は、特図変動表示ゲームが大当りを導出する場合には(ステップB1313の結果が「Y」)、大当りに対応する特図演出選択テーブルを設定する(ステップB1314)。一方、特図変動表示ゲームが大当りを導出しない場合には(ステップB1313の結果が「N」)、はずれに対応する特図演出選択テーブルを設定する(ステップB1315)。特図演出選択テーブルについては、図24にて後述する。最後に、設定したテーブルに基づいて特図演出を選択し(ステップB1316)、本処理を終了する。
〔普図事前演出選択テーブル〕
図23は、本発明の第1の実施の形態の普図事前演出選択テーブルを示す図である。
(A)は普図事前演出の種類を示している。本発明の第1の実施の形態の普図事前演出の種類には、「普図事前演出パターン1」と「普図事前演出パターン2」の2種類が定義されている。「普図事前演出パターン1」は普図変動表示ゲームが当りの期待度が低いことを示しており、普図変動表示ゲームがはずれとなる場合に選択されやすい。一方、「普図事前演出パターン2」は「普図事前演出パターン1」よりも普図変動表示ゲームが当りの期待度が高いことを示しており、普図変動表示ゲームが当りとなる場合に選択されやすい。
なお、後述するように、普図事前演出パターン1が実行される場合であっても、普図事前演出が実行されない場合よりも普図変動表示ゲームが当りとなる期待度が高くなり、普図事前演出が実行されること自体で普図変動表示ゲームが当りとなる期待度が高くなる。
(B)は普図変動表示ゲームが当りとなる場合に対応する普図事前演出選択テーブルである。本発明の第1の実施の形態では、特図保留数が少ないほど普図事前演出が実行されやすいように設定されている。また、普図変動表示ゲームが当りとなる場合に設定されるテーブルであるため、期待度の高い普図事前演出パターン2が普図事前演出パターン1よりも高い確率で選択されるように設定されている。
特に、特図保留数が0であって、かつ、普図変動表示ゲームが当りとなる場合には、普図変動表示ゲームが当りとなるにもかかわらず、遊技者が遊技をやめてしまうことを防止するため、必ず普図事前演出を実行するように設定されている。なお、特図保留数が0の場合には、普図事前演出を実行するのではなく、普図変動表示ゲームの結果が当りとなることを告知するようにしてもよい。
一方、特図保留数が多い場合には、普図変動表示ゲームの結果にかかわらず遊技を継続するものと考えられるため、特図保留数が少ない場合と比較して普図事前演出が実行されにくいように設定されている。
また、(C)は普図変動表示ゲームがはずれとなる場合に対応する普図事前演出選択テーブルである。普図変動表示ゲームが当りとなる場合と比較して、普図事前演出が実行される確率が低くなっている。また、期待度の低い普図事前演出パターン1が普図事前演出パターン2よりも高い確率で選択されるように構成されている。
〔特図演出選択テーブル〕
図24は、本発明の第1の実施の形態の特図演出選択テーブルを示す図である。
(A)は特図演出の種類を示している。本発明の第1の実施の形態の特図演出の種類には、「特図演出パターン1」、「特図演出パターン2」及び「特図演出パターン3」の3種類が定義されている。
「特図演出パターン1」は実行中の(もしくは開始する)特図変動表示ゲームの期待度が低いことを示す予告である。また、「特図演出パターン2」は実行中の(もしくは開始する)特図変動表示ゲームの期待度が高いことを示す予告である。「特図演出パターン1」及び「特図演出パターン2」は、複合予告演出領域だけではなく、変動表示装置35の表示部35a全体で実行される予告演出である。
また、「特図演出パターン3」は、前述した「普図事前演出パターン2」と同様の演出であり、複合予告演出領域で演出が実行される。「特図演出パターン3」は、普図保留数、普図変動開始タイミングなどで、特図変動表示ゲームに基づく演出であることが見破られないようにするためのカムフラージュとなる。
(B)は特図変動表示ゲームが大当りの場合に対応する特図演出選択テーブルである。特図変動表示ゲームで大当りが発生する場合に利用されるため、期待度の高い「特図演出パターン2」が選択されやすいように構成されている。また、普図保留数が多いほど特図演出が実行されやすいように構成されている。
(C)は特図変動表示ゲームがはずれの場合に対応する特図演出選択テーブルである。特図変動表示ゲームがはずれの場合に利用されるため、大当りが発生する場合と比較して特図演出が実行されにくいように構成されている。また、期待度の低い「特図演出パターン1」が選択されやすいように構成されている。
さらに、特図変動表示ゲームの結果の如何にかかわらず、特図演出パターン3は実行されにくいように構成されている。これは、複合予告演出領域における特図予告は付加的な演出であるためであり、選択率が全体的に低くなるように設定されている。なお、複合予告演出領域における特図予告を付加的なものとせずに、複合予告演出領域における特図予告を行う演出パターンの選択率を増やしたり、演出パターンの種類を増やしたりしてもよい。
〔演出例〕
図25は、本発明の第1の実施の形態の複合予告演出領域における演出の一例を示す図である。図25では、普図保留数が1の状態で遊技球が普図始動ゲート36を通過し、普図保留数が2となった状態における演出パターン(A)〜(C)を示している。
演出パターン(A)は、普図変動表示ゲームが当りとなる期待度の低い普図事前演出1が選択された場合を示している。複合予告演出領域における演出が開始されると、表示内容が順次切替り、普図事前演出1に対応するキャラクタが複合予告演出領域に表示される。その後、(普図保留数2となったときに発生した普図保留に基づく)普図変動表示ゲームの結果がはずれとなり、通常の変動表示に戻る。
演出パターン(B)は、普図変動表示ゲームが当りとなる期待度の高い普図事前演出2が選択された場合を示している。複合予告演出領域における演出が開始されると、表示内容が順次切替り、普図事前演出2に対応するキャラクタが複合予告演出領域に表示される。その後、(普図保留数2となったときに発生した普図保留に基づく)普図変動表示ゲームの結果が当りとなり、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが開放される。このとき、開閉部材37cが開放されたことが報知される(「チャンス!」の表示)。そして、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶が蓄積される。
演出パターン(C)は、普図変動表示ゲームに対する事前予告ではなく、特図変動表示ゲームの予告となる特図演出パターン3が選択された場合を示している。特図演出パターン3は、図24(A)に示したように、実行中の特図変動表示ゲームに関する予告演出であり、複合予告演出領域で実行される。本発明の第1の実施の形態では、普図事前演出と同様に表示内容が順次切替った後、複合予告演出領域に「激熱」と表示され、実行中の特図変動表示ゲームの期待度が通常よりも高いことを示している。そして、実行中の特図変動表示ゲームで大当りが発生すると、特別遊技状態が開始される。
〔タイムチャート〕
図26は、本発明の第1の実施の形態の普図変動表示ゲームに関する演出の過程を説明するタイムチャートである。図26は図25の演出パターン(B)に対応し、普図事前演出が実行され、普図変動表示ゲームの結果が当りとなる場合について示している。
まず、普図保留数が1の状態において時刻t1で普図変動表示ゲームの結果が当りとなる保留が発生し、普図変動表示ゲームの先読み予告である普図事前演出が実行される。このとき実際に当りとなる普図変動表示ゲームの前に別の普図変動表示ゲームが実行されるが、普図事前演出の実行開始時点で普図保留記憶のいずれかに当りが含まれていればよい。
そして、時刻t2になると、普図事前演出が実行された普図保留記憶に対応し、結果が当りとなる普図変動表示ゲームが開始され、時刻t3で終了する。その後、時刻t4まで普電(開閉部材37b)が開放(開閉)される。普電が開放されている間、普電開閉報知演出(図25参照)が実行される。
〔複合予告演出領域表示位置例〕
図25に示した例では、複合予告演出領域が識別図柄の上方に位置していたが、これに限らない。図27は、本発明の第1の実施の形態の複合予告演出領域の表示位置の例を示す図である。
(1)では、盤面におけるゲートの位置に対応して複合予告演出領域の表示位置が設定される。具体的には、遊技盤の左側に普図始動ゲート36が配置されている場合には、表示部の左側に複合予告演出領域が配置される。一方、遊技盤の右側に配置されている場合には、表示部の右側に複合予告演出領域が配置される。
また、遊技盤の左右2ヶ所に普図始動ゲートが配置されている場合には、遊技状態に応じて遊技者が狙うべき普図始動ゲートにあわせて複合予告演出領域を配置するようにしてもよい。
(2)では、遊技状態に応じて複合予告演出領域の配置を変更する。例えば、特図保留数が少ない場合には、特図保留記憶を増やすように促すために、画面中央に複合予告演出領域を大きく表示する。一方、特図保留数が多い場合には、特図変動表示ゲームに集中できるように、画面隅に複合予告演出領域を配置する。
(3)では、特図演出が実行される場合(特に前述の特図演出パターン3が実行される場合)には、複合予告演出領域の内外で予告が表示されるように制御する。例えば、初めに「激熱」の文字を複合予告演出領域に表示させた後、該「激熱」の文字を複合予告演出領域の外、すなわち表示部35aにおける複合予告演出領域以外の領域(第1表示領域)に表示させ、特図変動表示ゲームの期待度が高いことを報知するように制御したり、「激熱」の文字が複合予告演出領域に入ったり出たりするように表示し、その後複合予告演出領域から出て表示部中央に表示されると特図変動表示ゲームが大当りとなり、複合予告演出領域に戻ると普図変動表示ゲームが当りとなるように制御したりしてもよい。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、特図変動表示ゲームに関連する演出を行う変動表示装置35に、普図変動表示ゲームの事前予告を実行可能な複合予告演出領域を設けることで、変動表示装置35の表示領域に、遊技者の興味の対象である2つの変動表示ゲームの予告が表示されることになり、遊技者の興味を引きやすくなり、興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、開閉部材37cの開状態が発生するかを事前に(普図始動ゲート36に遊技球が通過したタイミングで)判定しているので、実際に開状態が発生するよりも前に開状態となることを報知することができる。そして、事前報知から実際に開閉部材37cが開閉されるまでの時間を十分に確保することが可能となり、演出設定の自由度を高くすることが可能となる。
さらに、本発明の第1の実施の形態によれば、変動表示ゲームの終了後(遊技者が離席してしまうようなタイミングで)、開状態となるか否かに関する普図変動表示ゲームが行われる場合であっても、開状態が発生することを事前に報知するため、開状態の発生を控えた状態で離席してしまうなどの不利益を遊技者に与えないようにすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、複合予告演出領域で特図変動表示ゲームの予告を所定の確率で行うことができるため、遊技者がいずれの予告が実行されるかを期待させることで興趣を高めることができる。
(第1の実施の形態の変形例)
本発明の第1の実施の形態における遊技状態は、遊技状態として確変状態と通常状態が含まれていたが、遊技状態にさらに潜伏確変状態が含まれる場合について説明する。
〔特図変動表示ゲームの大当り態様〕
図28は、本発明の第1の実施の形態の変形例の特図変動表示ゲームに大当りが発生した場合の態様(特別遊技状態)を説明する図である。
本発明の第1の実施の形態において特図変動表示ゲームでは、5R確変大当り、15R確変大当り、5R通常大当りの3種類の大当り(特別遊技状態)が発生する。
15R確変大当りが発生した場合については、第1の実施の形態と同じであり、特別変動入賞装置41に設けられている開閉扉41aが15ラウンド分開閉し、その後、大当りの発生確率が高確率に設定され、次回大当りが発生するまで普電サポート状態となる。15R確変大当りは、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には25%の確率で振り分けられ、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には75%の確率で振り分けられる。
5R確変大当りが発生した場合には、開閉扉41aが5ラウンド分開閉する特別遊技状態が発生し、該特別遊技状態終了後の大当りの発生確率が高確率に設定される。また、大当りの発生確率が高確率に設定された状態で5R確変大当りが発生した場合には、次回大当りが発生するまで普電サポート状態となる。なお、大当りの発生確率が低確率に設定された状態で5R確変大当りが発生した場合には、普電サポートのない通常状態となる。さらに、5R確変大当りは、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生する場合に、50%の確率で振り分けられる。第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には、5R確変大当りは発生しないように設定されているが、5R確変大当りが発生するようにしてもよい。
5R通常大当りが発生した場合には、開閉扉41aが5ラウンド分開閉する特別遊技状態が発生し、該特別遊技状態終了後の大当りの発生確率が低確率に設定される。また、大当りの発生確率が高確率に設定された状態で5R通常大当りが発生した場合には、特図変動表示ゲームが100回実行されるまでの間普電サポート状態となる。なお、大当りの発生確率が低確率に設定された状態で5R通常大当りが発生した場合には、普電サポートのない通常状態となる。さらに、5R通常大当りは、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には25%の確率で振り分けられ、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合にも同様に25%の確率で振り分けられる。
さらに、5R確変大当り又は5R通常大当りが発生すると、遊技者が特図変動表示ゲームの当選確率を認識できない(認識しにくい)確率不明(曖昧)モードに移行する。具体的には、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率の場合に5R確変大当りが発生すると、普電サポートのない状態で特図変動表示ゲームの当選確率が高確率になる(いわゆる潜伏確変)。同じく、5R通常大当りが発生すると、普電サポートのない状態で特図変動表示ゲームの当選確率が低確率(のまま)となる。5R確変大当り又は5R通常大当りが発生すると、特図変動表示ゲームの当選確率がいずれの場合であっても同じになり、演出モードを確率不明(曖昧)モードとすることによって遊技者が遊技状態を認識できなく(認識しにくく)させることができる。
なお、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合に5R確変大当り又は5R通常大当りが発生した場合であっても、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームが100回実行されるまでの間は同じ態様で遊技が進行する。このとき、演出モードを確率不明モードとすることによって、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率の場合と同様に、遊技者が遊技状態を認識できなく(認識しにくく)させることができる。
また、5R確変大当り、5R通常大当り以外にも、5R確変大当り又は5R通常大当りと同様に開閉扉41aが開閉する遊技状態を発生させ、特図変動表示ゲームの当選確率が変化しない(条件装置の作動を伴わない)小当りを実装することによって、さらに遊技者が遊技状態を認識しにくくなるようにしてもよい。
〔普電サポートの態様〕
図29は、本発明の第1の実施の形態の変形例の普電サポートの態様を説明する図である。
本発明の第1の実施の形態の変形例では、普電サポート時及び通常時に複数の普電開放パターンが定義されている。具体的には、普電サポート時に、普図変動表示ゲームの当選確率が高確率(250/251)に設定され、普図変動表示ゲームの変動時間が1秒に設定される点は第1の実施の形態と同様である。普図変動表示ゲームに当選したとき、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの1.7秒間の開放が3回繰り返される場合の他に、0.85秒間の開放が6回繰り返される場合が定義されている。このように、普電サポート時に複数の普電開放パターンを定義することによって、開閉部材37cが閉状態になるタイミングで遊技球の発射を停止する止め打ちをしにくくなり、止め打ちによる球増やしによって生じる遊技者間の格差を是正することが可能となる。
また、通常時には、第1の実施の形態と同様に、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが5.1秒開放される場合の他に、0.5秒開放される場合が定義される。0.5秒開放される開放パターンは、5.1秒開放される場合のだましとして機能する。
なお、図29に示した普電開放パターンの他にさらに別の普電開放パターンを定義してもよい。また、いずれか一方の状態では普電開放パターンを1種類としてもよい。また、状態ごとに定義された複数の普電開放パターンは、均等に選択されるようにしてもよいし、特定のパターンが高い割合で選択されるようにしてもよい。さらに、普図確率や普図変動時間を異ならせた1又は複数の中サポ状態と組み合わせてもよい。
〔普図事前演出選択テーブル〕
図30は、本発明の第1の実施の形態の潜伏確変かつ当り発生時に対応する普図事前演出選択テーブルを示す図である。潜伏確変の場合以外については、第1の実施の形態の普図事前演出選択テーブルが使用される。また、普図事前演出パターンの内容についても第1の実施の形態と同様である。
潜伏確変状態では、特図変動表示ゲームで大当りが発生する確率が高くなっているため、遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを実行させやすいように、開閉部材37cの開放報知が行われやすいように構成される。このように構成することによって、遊技者の期待感を維持することができるため、潜伏確変中に遊技をやめてしまうことを防ぐことができる。特に、特図保留数が0で普図変動表示ゲームで当りが発生する場合には、図30に示すように、普図事前演出パターン2が100%実行されるようになっている。このとき、普図変動表示ゲームで確実に当りが発生することを報知するようにしてもよい。
なお、本発明の第1の実施の形態の変形例では、潜伏確変の場合に限らず、確率不明(曖昧)モードの場合に図30に示す普図事前演出選択テーブルが利用される。また、所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後には、5R確変大当りの場合のみ図30に示す普図事前演出選択テーブルを利用するようにしてもよい。このときの所定回数は、特図変動表示ゲームが高確率状態で5R通常大当りが発生した場合における普電サポート状態の継続回数である100回としてもよい。
また、普図変動表示ゲームがはずれの場合には、潜伏確変の場合であっても、第1の実施の形態に示した通常の普図事前演出選択テーブル(図23(C))を利用する。なお、この場合において、図23(C)に示した普図事前演出選択テーブルよりも事前演出の実行確率が高くなるように設定された普図事前演出選択テーブルを利用するようにしてもよい。
〔複合予告領域設定処理〕
図31は、本発明の第1の実施の形態の変形例の複合予告領域設定処理の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態の変形例の複合予告領域設定処理は、第1の実施の形態の複合予告領域設定処理と比較して、潜伏確変中の場合の処理が追加されている点で相違する。
ステップB1301からステップB1306までの処理は、第1の実施の形態の複合予告領域設定処理と同じである。主制御用マイコン710は、普図変動表示ゲームの結果が当りである場合には(ステップB1306の結果が「Y」)、さらに、潜伏確変中であるか否かを判定する(ステップB2301)。そして、潜伏確変中の場合には(ステップB2301の結果が「Y」)、当り(潜伏確変)に対応する普図事前演出選択テーブル(図30)を設定する(ステップB2302)。その他の処理、すなわち、ステップB1307以降の処理については、第1の実施の形態と同じである。
〔第1の実施の形態の変形例の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の変形例によれば、潜伏確変の場合においても複合演出領域における演出を実行することが可能となり、興趣を高めることができる。さらに、潜伏確変中において普図変動表示ゲームが当選する場合の事前報知の頻度を高くすることによって、潜伏確変中であるにもかかわらず、遊技者が遊技を終了してしまうことを防ぐことができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるように制御されていたが、第2の実施の形態では、始動入賞口に入賞した順序で特図変動表示ゲームが実行されるように構成されている。
〔特図変動表示ゲームの大当り態様〕
図32は、本発明の第2の実施の形態の変形例の特図変動表示ゲームに大当りが発生した場合の態様(特別遊技状態)を説明する図である。前述のように、第2の実施の形態では、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのいずれで大当りが発生した場合であっても、各大当りの選択率が同じになるように設定されている。
図32を参照すると、大当りの種類は、第1の実施の形態の変形例と同じく、5R確変大当り、15R確変大当り及び5R通常大当りとなっている。各大当りについて、大当り後の特図確率や大当り後の普電サポートも同様に設定されている。
また、第2の実施の形態では、第2特図変動表示ゲームを実行するための特図始動記憶の数が少なくなっても、第1の実施の形態のように、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合における変動時間を長くせずに、第1特図始動記憶、第2特図始動記憶の区別なく同じ変動時間が設定されている。
図33は、本発明の第2の実施の形態の第2特図始動記憶数が0の場合の特図変動表示ゲームの変動時間を説明する図である。
特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、第2特図変動表示ゲームの優先の有無にかかわらず、10秒から100秒の変動時間が設定されている。これに対し、特図変動表示ゲームの結果が大当りではないはずれの場合には、第2特図始動記憶が優先して消化される場合には変動時間が10秒に設定されるが、第2特図始動記憶が優先して消化されない場合には変動時間が2秒に設定される。したがって、第2の実施の形態のように、第2特図始動記憶が優先して消化されない場合には、第2特図始動記憶が優先して消化される場合よりも始動記憶の消化が早くなる。
ここで、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べて、始動記憶の消化が早くなるため、普電サポート中であっても、特図始動記憶が0となって、特図変動表示ゲームの実行及び特図変動表示ゲームに基づく演出が途切れてしまう可能性が高まる。遊技機によっては、普電サポート中は、常に特図変動表示ゲームが実行されていることを想定して、連続的な表示内容からなるムービーなどを表示して演出を行う場合があり、当該演出が途切れてしまうと遊技の興趣もしくは緊張感が低下してしまう虞がある。そこで、本実施形態では、普電サポート中に特図始動記憶が0となり、特図変動表示ゲームが実行できない状態となった場合に、普図変動表示ゲームに基づいて、上記演出を引き継いで実行するようにしている。
続いて、第2の実施の形態の処理手順について説明する。以降、第2特図変動表示ゲームの実行が優先されないことによって、第1の実施の形態と相違する手順を中心に説明する。
〔特図始動口共通処理〕
まず、特図始動口共通処理について説明する。図34は、本発明の第2の実施の形態の特図始動口共通処理の手順を示すフローチャートである。前述のように、第2の実施の形態では、第2特図始動記憶が優先して消化されないため、第1始動口スイッチ601に入力があった場合に飾り特図保留数コマンドを送信する処理(図11のステップA1430からステップA1433までの処理)を実行しない。また、実行する特図変動表示ゲームに対応する始動記憶を特定するために、ステップA1423の処理の後、変動順序を設定する処理が含まれる。
具体的には、特図保留情報判定処理(ステップA1423)が終了すると、遊技制御装置600は、変動順序フラグとして対象の始動入賞フラグをロードする(ステップA1440)。そして、特図1保留数と特図2保留数との合計(総保留数)に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1441)。そして、変動順序フラグセーブ領域の算出されたアドレスに、ステップA1440の処理でロードされた変動順序フラグをセーブする(ステップA1442)。
〔特図普段処理〕
次に、特図普段処理について説明する。図35は、本発明の第2の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態では、第2特図始動記憶を優先して消化していたが、第2の実施の形態では特図始動口スイッチ共通処理のステップA1442でセーブされた変動順序フラグに基づいて、特図変動表示ゲームを実行する。
遊技制御装置600は、まず、特図1保留数及び特図2保留数の合計である総保留数が0であるかをチェックする(ステップA3601)。そして、総保留数が0であるか否かを判定する(ステップA3602)。保留数が0の場合には(ステップA3602の結果が「Y」)、第1の実施の形態と同様に、ステップA1605以降の客待ちデモを開始するための処理を実行する。
遊技制御装置600は、保留数が0でない場合には(ステップA3602の結果が「N」)、変動順序フラグセーブ領域から変動順序フラグをロードする(ステップA3603)。そして、変動順序フラグが第1特図変動表示ゲームの変動開始を示すフラグか否かを判定する(ステップA3604、A3605)。
遊技制御装置600は、変動順序フラグが第1特図変動表示ゲームの変動開始を示す場合には(ステップA3605の結果が「Y」)、特図1変動開始処理1を実行する(ステップA1613)。その後、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(ステップA1614)。
一方、遊技制御装置600は、変動順序フラグが第1特図変動表示ゲームの変動開始を示さない場合には(ステップA3605の結果が「N」)、特図2変動開始処理1を実行する(ステップA1611)。その後、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(ステップA1612)。なお、ステップA1611からステップA1614までの具体的な処理の内容については、第1の実施の形態と同じである。
〔普図ゲーム処理〕
次に、普図ゲーム処理について説明する。図36は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態との相違点は、ステップA2115の処理の前に、普図ゲーム情報コマンド設定処理が実行される点である。
普図ゲーム情報コマンド設定処理は、普図変動表示ゲームの進行状況や遊技状態などに応じたコマンドを生成し、演出制御装置700に送信するための設定を行う。したがって、普図ゲーム処理が実行されるたびに普図ゲーム情報コマンドが送信されるため、普図変動表示ゲームの進行状況や遊技状態などの詳細な情報を演出制御装置700に通知することが可能となる。
〔普図ゲーム情報コマンド設定処理〕
図37は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム情報コマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、普図保留数を確認する(ステップA2501)。次に、普図保留数に対応する普図保留数コマンドを算出し、演出制御装置700に送信するための準備を行う(ステップA2502)。
続いて、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号を確認する(ステップA2503)。普図ゲーム処理番号は、普図ゲーム処理における処理番号と同じである。さらに、普図ゲーム処理番号に対応する普図ゲーム情報コマンドを算出し、準備する(ステップA2504)。
次に、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームが当り中であるか否かを判定する(ステップA2505)。普図変動表示ゲームが当り中でない場合には(ステップA2505の結果が「N」)、準備されたコマンドに対してコマンド設定処理を実行する(ステップA2510)。
一方、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームが当り中の場合には(ステップA2505の結果が「Y」)、普電開放状態を確認し(ステップA2506)、普電開放中(開閉部材37cが開状態)であるか否かを判定する(ステップA2507)。
遊技制御装置600は、普電開放中の場合には(ステップA2507の結果が「Y」)、普電開放中に対応する普電状態コマンドを算出し、準備する(ステップA2508)。一方、普電開放中でない場合には(ステップA2507の結果が「Y」)、普電非開放中に対応する普電状態コマンドを算出し、準備する(ステップA2509)。最後に、準備されたコマンドに対してコマンド設定処理を実行する(ステップA2510)。
なお、普図ゲーム情報コマンド設定処理で送信されるコマンドについては、図38を参照しながら説明する。図38は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム情報コマンド設定処理で送信されるコマンドの一例を示す図である。前述のように、遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されるコマンドは、MODE部とACTION部によって構成されている。
普図ゲーム情報コマンド設定処理のステップA2502の処理で準備される普図保留数コマンドは、MODE部が“FAH”に設定され、保留数に応じてACTION部が定義される。普図保留数は0から4までの値となるため、それぞれの値に対応したACTION部が定義されている。
普図ゲーム情報コマンド設定処理のステップA2504の処理で準備される普図ゲーム情報コマンドは、MODE部が“FBH”に設定され、普図ゲーム処理番号に応じてACTION部が定義される。ACTION部には、普図変動表示ゲームが実行されているか否かを示す情報や普図変動表示ゲームの進行状況に対応する情報に対応して値が設定される。
さらに詳しく説明すると、普図変動表示ゲームが非実行状態であることを示す普図ゲーム情報コマンド1では、普図ゲーム処理番号1に対応する普図普段処理に対応する。なお、普図ゲーム情報コマンド1が送信された後には、他の普図ゲーム情報コマンドが送信されるまで送信しないように制御してもよい。
また、普図変動表示ゲームが実行状態であることを示す普図ゲーム情報コマンド2では、普図ゲーム処理番号2に対応する普図変動中処理に対応する。普図変動表示ゲームが表示中であることを示す普図ゲーム情報コマンド3では、普図ゲーム処理番号3に対応する普図表示中処理に対応する。普図変動表示ゲームが当り中であることを示す普図ゲーム情報コマンド4では、普図ゲーム処理番号が3〜5に対応する普図当り中処理、普図残像球処理、普図当り終了処理に対応する。
普図ゲーム情報コマンド設定処理のステップA2508の処理で準備される普図状態コマンドは、普図状態コマンド1であり、MODE部には“FCH”に設定され、ACTION部には“11H”が設定される。普図状態コマンド1は、普図変動表示ゲームが当り状態であり、かつ、普電開放中であることを示している。一方、ステップA2509の処理で準備される普図状態コマンドは、普図状態コマンド2であり、MODE部には“FCH”に設定され、ACTION部には“12H”が設定される。普図状態コマンド2は、普図変動表示ゲームが当り状態であり、かつ、普電非開放中であることを示している。
演出制御装置700は、図38に示すような普図変動表示ゲームの状態を示すコマンドを受信し、対応する演出を行う。続いて、演出制御装置700における処理について説明する。第1の実施の形態と共通する処理については説明を省略する。
〔1stシーン制御処理〕
まず、1stシーン制御処理について説明する。なお、1stシーン制御処理を実行する1stメイン処理は第1の実施の形態と同じである。図39は、本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
第1の実施の形態の1stシーン制御処理との相違点は、客待ちデモコマンドを受信した場合に、客待ち処理(ステップB1110A)の後に、複合予告領域設定処理の代わりに普図ゲーム反映処理(ステップB1110C)を実行する点である。普図ゲーム反映処理は、変動表示装置35において実行されている演出に、普図変動表示ゲームの状態を反映させる処理である。普図ゲーム反映処理の詳細については、図40にて後述する。その他の処理については、第1の実施の形態と同じである。
〔普図ゲーム反映処理〕
図40は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム反映処理の手順を示すフローチャートである。また、図41は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム反映処理において実行される普図ゲーム反映演出の一例を示す図である。
演出制御装置700の主制御用マイコン710は、普図ゲーム反映処理が実行されると、まず、普電サポート中であるか否かを判定する(ステップB2501)。普電サポート中でない場合には(ステップB2501の結果が「N」)、本処理を終了する。
なお、普電サポート中でない場合には、第1の実施の形態と同様に、複合予告演出領域を使用した演出を実行するようにしてもよい。第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームよりも有利な態様で大当りが発生しやすいようになっていない第2の実施の形態であっても、第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させることによって保留数を増やすことが可能となる。
主制御用マイコン710は、普電サポート中の場合には(ステップB2501の結果が「Y」)、さらに、普図ゲーム反映演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB2502)。普図ゲーム反映演出が実行中の場合には(ステップB2502の結果が「Y」)、普図ゲーム反映演出をさらに実行する必要はないため、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、普図ゲーム反映演出が実行中でない場合には(ステップB2502の結果が「N」)、普図保留数コマンドを確認する(ステップB2503)。そして、普図保留数が0であるか否かを判定する(ステップB2504)。普図保留数が0の場合には(ステップB2504)、普図ゲーム反映演出として、普図ゲーム反映演出パターン1を設定する(ステップB2505)。普図ゲーム反映演出パターン1は、普図保留(普図始動記憶)の発生を促す演出が実行される。普図保留を発生させることで、第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させやすい状態が発生し、結果的に特図始動記憶も発生し、遊技が進行することになる。
主制御用マイコン710は、普図保留数が0でない場合には(ステップB2504の結果が「Y」)、普図ゲーム情報コマンドを確認する(ステップB2507)。そして、受信した普図ゲーム情報コマンドが普図ゲーム情報コマンド2であるか否かを判定する(ステップB2507)。普図ゲーム情報コマンド2を受信している場合には(ステップB2507の結果が「Y」)、普図ゲーム反映演出として、普図ゲーム反映演出パターン2を設定する(ステップB2508)。普図ゲーム反映演出パターン2では、普図変動表示ゲームが実行中であることに基づいて表示内容に変化を与える演出が実行される。
主制御用マイコン710は、普図ゲーム情報コマンド2を受信していない場合には(ステップB2507の結果が「N」)、受信した普図ゲーム情報コマンドが普図ゲーム情報コマンド4であるか否かを判定する(ステップB2509)。普図ゲーム情報コマンド4を受信していない場合には(ステップB2509の結果が「N」)、普図変動表示ゲームが実行されていない(普図ゲーム情報コマンド1)、又は、普図変動表示ゲームが表示中である(普図ゲーム情報コマンド3)ため、普図ゲーム反映演出を実行せずに本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、普図ゲーム情報コマンド4を受信している場合には(ステップB2509の結果が「Y」)、普電状態コマンドを確認する(ステップB2510)。そして、受信した普電状態コマンドが普電状態コマンド1であるか否かを判定する(ステップB2511)。
主制御用マイコン710は、受信した普電状態コマンドが普電状態コマンド1である場合には(ステップB2511の結果が「Y」)、普図ゲーム反映演出として、普図ゲーム反映演出パターン3を設定する(ステップB2512)。普電状態コマンド1は開閉部材37cが開放状態の場合に送信されるため、普電開放中であることに基づいて表示内容を変化させる演出が実行される。
一方、主制御用マイコン710は、受信した普電状態コマンドが普電状態コマンド1でない場合(ステップB2511の結果が「Y」)、すなわち、受信した普電状態コマンドが普電状態コマンド2の場合には、普図ゲーム反映演出として、普図ゲーム反映演出パターン4を設定する(ステップB2513)。普電状態コマンド2は開閉部材37cが開放状態でない場合に送信されるため、普電非開放中であることに基づいて表示内容を変化させる演出が実行される。
〔演出例〕
図42は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム反映演出の一例を示す図である。なお、白丸の保留表示は第1特図変動表示ゲームの始動記憶を示し、黒丸の保留表示は第2特図変動表示ゲームの始動記憶を示す。また、図42に示す状態は、普電サポート中となっている。
画面(A)に示す状態では、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶と、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶がそれぞれ1ずつ記憶され、特図変動表示ゲームが実行されている。
その後、画面(B)では、特図変動表示ゲームの始動記憶がすべて消化された後の状態となっている。このとき、第1の実施の形態では、新たに始動入賞口に遊技球が入賞するまで画面が停止したままの状態となり、所定時間が経過すると客待ちデモが開始される。これに対し、第2の実施の形態では、このとき、以下のように、普図変動表示ゲームの実行状況などが反映された普図ゲーム反映演出が実行される。
まず、普図保留数が0の場合には(ステップB2504の結果が「Y」)、画面(C1)に示すように、普図ゲーム反映演出パターン1の普図ゲーム反映演出が実行されている。普図ゲーム反映演出パターン1では、2体のキャラクタが対峙する演出が実行され、普図保留の発生を促すように示唆されている。
次に、普図変動表示ゲームが実行されている場合には(ステップB2507の結果が「Y」)、画面(C2)に示すように、普図ゲーム反映演出パターン2の普図ゲーム反映演出が実行されている。普図ゲーム反映演出パターン2では、2体のキャラクタが格闘する演出が実行され、普図変動表示ゲームが実行中であることが示唆されている。
さらに、普図変動表示ゲームが実行され、開閉部材37cが開状態である場合には(ステップB2511の結果が「Y」)、画面(C3)に示すように、普図ゲーム反映演出パターン3の普図ゲーム反映演出が実行されている。普図ゲーム反映演出パターン3では、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞可能な状態であることが示唆されている。
そして、画面(C1)から画面(C3)の状態で始動入賞口に遊技球が入賞すると、画面(D)に示すように、普図ゲーム反映演出が終了し、その後、特図変動表示ゲームにおける演出が実行される。
普図ゲーム反映演出パターン1、普図ゲーム反映演出パターン2及び普図ゲーム反映演出パターン3で実行される演出は、特図変動表示ゲームに基づいて行われる演出と同様の演出、もしくは類似した演出であるため、遊技者は演出が途切れたと感じることなる遊技を行うことができるとともに、演出の内容を参考にすることによって、特図始動記憶を発生させ、特図変動表示ゲームの再開に導かれることになる。
〔タイムチャート〕
図43は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム反映演出が実行される過程を説明するタイムチャートである。
図43に示すように、特図変動表示ゲームに対応する演出が実行されている間には普図ゲーム反映演出は実行されない。特図保留数が0となり、特図変動表示ゲームに対応する演出が終了した後、普図ゲーム反映演出が実行される。
〔第2の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、特図始動記憶がすべて消化され、特図変動表示ゲームが実行できない状態となった場合に普図ゲーム反映演出が実行される。したがって、特図変動表示ゲームに関連する演出が終了した後に普図ゲーム反映演出が実行されるため、特図保留数が0になっても連続的な演出を実行することが可能となり、遊技者の緊張感を維持させることができる。
(第2の実施の形態の変形例)
以上説明した第2の実施の形態の普図ゲーム反映演出の他にも様々な変形例が考えられ、その一例について説明する。
〔第1変形例〕
図44は、本発明の第2の実施の形態の第1変形例における演出を説明する図である。
第1変形例では、特図始動記憶表示の後方に普図始動記憶を示す情報を表示する。図44では斜線の丸が普図始動記憶に対応する(画面(1))。
画面(2)では、特図始動記憶がすべて消化された直後の状態を示している。このタイミングで普図ゲーム反映演出が開始され、普図始動記憶が前方に移動する。このとき、2体のキャラクタの対決が一旦停止して対峙する演出を行い、画面(3)で、表示されているキャラクタ同士が対決する普図ゲーム反映演出が実行される。
その後、画面(4)では、第2始動入賞口37bに遊技球が連続して2個入賞し、普図始動記憶が再び後方に移動する。その後、特図変動表示ゲームが開始されるため、普図ゲーム反映演出が終了するが、画面(5)に示すように、普図ゲーム反映演出から継続しているように特図変動表示ゲームの演出が実行される。
このように、第2の実施の形態と同様に、特図変動表示ゲームにおける演出と、普図ゲーム反映演出とを連続的に実行することが可能となり、遊技者の緊張感を継続させることができる。さらに普図始動記憶数の報知も表示装置で行うようにするとともに、特図始動記憶が0となった場合には、普図始動記憶を特図始動記憶の表示領域に移動させ、特図始動記憶に見立てて消化するようにしたので、より確実に遊技者の緊張感を継続させることができる。また、本実施形態では普図始動記憶の表示態様と特図始動記憶の表示態様は、遊技者が明確に区別可能にしたが、同一の態様又は区別が困難な態様で表示するようにしてもよい。
〔第2変形例〕
図45は、本発明の第2の実施の形態の第2変形例における演出を説明する図である。
画面(1)では、普図ゲーム反映演出において、特図始動記憶が表示される位置に対し、キャラクタが何らかの動作を行う演出が実行される。画面(1)では、特図始動記憶が表示される位置にアクション(攻撃)が加えられている。
その後、始動入賞口に遊技球が入賞すると、変化した領域に表示された始動記憶が変形した状態で表示される演出を行ったり(画面(2))、始動記憶表示にひびが入った状態で表示され、始動記憶表示が割れる演出が実行されて先読み予告が実行されたりする(画面(3))。
このとき、特図始動記憶が表示される領域の態様を変化させるようにしてもよく、例えば、態様が変化した領域で色を変化させたり、キャラクタを表示させたりすることによって、当該領域に始動記憶が表示された場合の期待感を高めるようにしてもよい。
〔第2の実施の形態の変形例の効果〕
以上のように、第2変形例によれば、普図変動表示ゲームの内容を反映させるだけではなく、普図ゲーム反映演出に特図変動表示ゲームの先読み演出などを組み合わせることによって、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
ところで、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する表示装置と、所定条件の成立に基づいて閉状態と開状態とに変換可能に構成され、遊技球の入賞に基づき前記始動条件を発生させる変動始動入賞装置と、を備え、前記変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、前記表示装置の表示領域における表示内容を制御する表示制御手段と、前記所定条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し記憶する乱数記憶手段と、前記乱数記憶手段に記憶される乱数に基づき、特定識別情報を変動表示する特定変動表示ゲームを実行し、該特定変動表示ゲームの表示結果に基づいて前記変動始動入賞装置を開状態に変換する開状態制御手段と、前記開状態制御手段が前記特定変動表示ゲームを実行する前に、前記乱数記憶手段に記憶される乱数に基づいて前記開状態が発生するか否かを判定する事前判定手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示領域に設定される第1表示領域において前記変動表示ゲームの進行に関連する表示を行う第1表示制御手段と、前記表示領域に設定される第2表示領域において前記事前判定手段の判定結果に関連する表示を行う第2表示制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
(2)前記第2表示制御手段は、前記事前判定手段による前記乱数に対する判定結果を、前記特定変動表示ゲームが実行されるよりも前に、前記第2表示領域に表示する事前報知を所定確率で実行可能なことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記第2表示制御手段は、前記変動表示ゲームが所定表示態様となる場合には、前記第2表示領域において、前記変動表示ゲームの進行に関連する表示を行うことを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)前記始動条件の成立に基づき、前記変動表示ゲームの実行権利である始動記憶を、所定数を上限に記憶する始動記憶手段を備え、前記第2表示制御手段は、前記始動記憶手段に記憶される始動記憶の数に関連して、前記事前報知を実行することを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(5)前記第2表示制御手段は、前記始動記憶手段に始動記憶が記憶されていない場合に、前記事前報知を実行する確率を、前記所定確率よりも高めることを特徴とする(4)に記載の遊技機。
(6)前記特別結果が導出される確率を通常確率よりも高めた高確率に設定可能な確率設定手段を備え、前記第2表示制御手段は、前記確率設定手段によって前記高確率が設定されている場合に、前記事前報知を実行する確率を、前記所定確率よりも高めることを特徴とする(5)に記載の遊技機。
(7)前記第2表示制御手段は、前記始動記憶手段に始動記憶が記憶されていない場合に、前記第2表示領域を拡大して前記事前報知を実行することを特徴とする(6)に記載の遊技機。
(8)前記第2表示制御手段は、前記第2表示領域において、前記変動表示ゲームの進行に関連する表示を行う場合には、当該表示を、前記第2表示領域から前記第1表示領域へ移動させることを特徴とする(7)に記載の遊技機。
(9)前記第1表示制御手段は、前記始動記憶手段に始動記憶が記憶されていない場合に、前記第1表示領域において、前記特定変動表示ゲームに関連した表示を実行可能であることを特徴とする(8)に記載の遊技機。
(10)前記第1表示制御手段は、前記第1表示領域において、前記特定変動表示ゲームに関連した表示を行う場合に、当該特定変動表示ゲームに関連した表示の前に行われていた前記変動表示ゲームの進行に関連する表示内容を引き継ぐことを特徴とする(9)に記載の遊技機。
(11)始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する表示装置と、所定条件の成立に基づいて閉状態と開状態とに変換可能に構成され、遊技球の入賞に基づき前記始動条件を発生させる変動始動入賞装置と、を備え、前記変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、前記表示装置の表示領域における表示内容を制御する表示制御手段と、前記所定条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し記憶する乱数記憶手段と、前記乱数記憶手段に記憶される乱数に基づき、特定識別情報を変動表示する特定変動表示ゲームを実行し、該特定変動表示ゲームの表示結果が特定結果となった場合に前記変動始動入賞装置を開状態に変換する開状態制御手段と、前記乱数記憶手段に記憶される乱数に基づいて前記特定変動表示ゲームの結果として前記開状態が発生するか否かを判定する事前判定手段と、を備え、前記表示制御手段は、予め定めた予告条件の成立に基づき前記表示装置の表示領域に予告表示領域を出現させて、前記事前判定手段の判定結果に関連する事前演出を表示することが可能な予告表示手段を備えたことを特徴とする遊技機。