以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図4参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図5参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図5参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図5参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図4参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図4参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図4参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図4参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2及び図3を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の表面に、区画部材としてのガイドレール33を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口部が形成され、センターケース34はその開口部に遊技盤30の前方から嵌装される。遊技領域31は、センターケース34によって左右の遊技領域に隔てられており、遊技球がセンターケース34の右側方を流下可能な右遊技領域と、遊技球がセンターケース34の左側方を流下可能な左遊技領域とから構成されている。
センターケース34には、左遊技領域を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くためのワープ通路80と、ワープ通路80を通過した遊技球が転動可能であって、転動した遊技球を再び遊技領域31へと誘導するステージ部90とが設けられる。
遊技盤30の裏面には、変動表示装置35を備える制御ベースユニットが配設される。変動表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する。制御ベースユニットは、動作演出や発光演出を実行可能な演出装置70をさらに備える。演出装置70は、センターケース34の上部に設けられる可動演出装置71と、下部に設けられる提灯役物320と、可動演出装置71の上方に設けられるロゴ演出装置400と、を備える。センターケース34の下部に配置された提灯役物320の詳細構成については図3にて後述する。
センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクター等、遊技の進行に基づく画像が表示される。なお、変動表示装置35の表示部35aは、液晶表示器に限らず、EL、CRT等であってもよい。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの表示領域)を有しており、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口37bとを備える。なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲーム(又は単に変動表示ゲーム)と称する。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材(普通電動役物)37cを備えている。開閉部材37cは、通常状態においては、遊技球の直径程度の間隔を空けた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図4参照)によって、先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入しやすい入賞容易状態(遊技者にとって有利な状態)となる。開閉部材37cは、遊技制御装置600(図4)によって制御される。
遊技制御装置600は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特定遊技状態としての時短状態(普電サポート状態)を発生させる。例えば、通常状態では、普図変動表示ゲームの当選確率を1/251、開放時間を0.1秒としているのに対し、時短状態では、普図変動表示ゲームの当選確率を250/251、開放時間を1.7秒、さらに開放回数を3回としている。
始動入賞口37の左側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が三つ配設され、始動入賞口37の右側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が一つ配設される。
始動入賞口37の下方の遊技領域31には、変動入賞装置41が設けられる。変動入賞装置41は、大入賞口と、大入賞口ソレノイド28(図4参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して大入賞口を開放可能とするアタッカ形式の開閉扉41aと、を備える。変動入賞装置41は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するように構成されている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車(図示省略)や障害釘(図示省略)等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口42が配設される。
遊技盤30(遊技盤本体32)の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)における特図の変動表示、特図入賞記憶数(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームにおける普図の変動表示、普図変動表示ゲームの始動記憶数としての普図入賞記憶数、及び大当たりの決定ラウンド数等を表示する一括表示装置50が配設される。
さらに詳しく説明すると、一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示部(特図2表示器)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器、大当り時のラウンド数(変動入賞装置41の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器の変動開始条件となる第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器は、特図2表示器の変動開始条件となる第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体46が設けられる。弁体46の下端は内レール44に固定され、弁体46は発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体46は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の左側を通って流下するように打ちだすこと)又は右打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の右側を通って流下するように打ちだすこと)を行うように構成されており、遊技開始直後等の通常遊技状態では遊技者によって左打ちが行われ、大当り遊技状態や時短状態(普電サポート状態)では遊技者によって右打ちが行われる。
左打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の左遊技領域を流下して、第1始動入賞口37aや第1始動入賞口37aの左側方に配設された一般入賞口40に入賞するか、アウト口42から遊技機1の外部に排出される。ワープ通路80を通ってステージ部90に導かれた遊技球も第1始動入賞口37aに入賞したり、第1始動入賞口37aの左側方の一般入賞口40に入賞したりする。なお、一般入賞口40や第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ601(図4参照)によって検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。このとき、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として所定回数分(例えば、最大で4回)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器及び変動表示装置35にて表示される。ここで、遊技制御装置600は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段として機能する。
そして、一括表示装置50の特図1表示器で第1特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35では、三つの数字等(記号、キャラクタ図柄など)で構成される識別情報が順に変動表示する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。
飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクターの出現など多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第1特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの表示図柄が揃った状態で停止する。この場合には、変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
大当り遊技状態中は、遊技球を変動入賞装置41の大入賞口へ入賞させるために、遊技者は右打ちを行うことになる。右打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の右遊技領域を流下する。変動入賞装置41の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口に遊技球が入賞することによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、第1特図変動表示ゲームが大当りとなった場合にはラウンド数は例えば2回に設定される。
大当り遊技状態後に遊技状態が時短状態(普電サポート状態)となる場合には、遊技機1では右打ちが行われる。時短状態(普電サポート状態)は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)が所定回数行われるまで継続される。
右遊技領域を流下した遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603(図4参照)によって検出され、一括表示装置50で普図変動表示ゲームが開始される。ゲートスイッチ603は、例えば、非接触型のスイッチである。普図始動ゲート36に遊技球が所定のタイミングで通過すると、普図変動表示ゲームの結果が当りとなる。この場合には、普電ソレノイド27(図4参照)によって開閉部材37cが開かれ、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート36を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶される。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクター図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。
第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ602(図4参照)によって検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。このとき、第1始動入賞口37aに入賞した場合と同様に、各種乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600の特図記憶領域に特図始動入賞記憶として第1始動入賞口37aに入賞した場合とは区別して記憶される。そして、特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図2保留表示器及び変動表示装置35にて表示される。
そして、一括表示装置50で第2特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35では、三つの数字等で構成される識別情報が順に変動表示する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。飾り特図変動表示ゲームについては第1特図変動表示ゲームの場合と同様である。
第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第2特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの表示図柄が揃った状態で停止する。この場合には、変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。変動入賞装置41の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。第2特図変動表示ゲームが大当りとなった場合には、ラウンド数は例えば15回に設定される。
なお、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。
また、一括表示装置50において実行される第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームは、同時に実行されないように構成する。同様に、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないように構成する。
さらに、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行される。
本実施形態の遊技機1では遊技者が左打ち又は右打ちを行いながら遊技が進行するので、センターケース34の右下方の遊技領域31には右打ちが推奨される遊技状態であることを遊技者に報知する可動式の報知装置100が設けられる。なお、遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aに左打ち又は右打ちの指示を表示してもよい。
ここで、図3を参照しながらセンターケース34の下部に配置された可動演出装置71について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図であり、ステージ部90の後方で、ステージ部90と提灯役物320の間を仕切る仕切り部材を除いた状態を示す図である。なお、仕切り部材は透明部材で構成されるので、遊技者は仕切り部材を介して後方の提灯役物320を視認することができる。
図3では、仕切り部材が除かれた状態であるため、ステージ部90の奥に配置された提灯役物320を臨むことができる。提灯役物320は、一個の提灯の形状を模した固定装飾部321と、二個の提灯の形状を模した2組の可動装飾部322と、を備える。
固定装飾部321は、センターケース34の下部中央に固定される。可動装飾部322は、固定装飾部321の左右両側に一つずつ配設される。可動装飾部322は、当該可動装飾部322の裏面に取り付けられる図示しないスライド部材によってスライド可能に設けられる。可動装飾部322に含まれる4個の提灯を模した役物には四季を示す文字(「春」「夏」「秋」「冬」)が付されている。
スライド部材は、図示しない動力伝達機構を介して伝達されるソレノイドの駆動力に基づいて駆動される。ソレノイド及び動力伝達機構は、左右二つの可動装飾部322毎にそれぞれ設けられる。したがって、提灯役物320は、演出態様に応じて、各可動装飾部322が同時又は個別に上下動するように構成されている。
次に、図4及び図5を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図4に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605a、605bが接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605a、605bは、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605a、605bによって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。カウントスイッチ605aは大入賞口の左端部に配設され、カウントスイッチ605bは大入賞口の右端部に配設される。カウントスイッチ605a、605bを大入賞口の両端部に設けることで、大入賞口に入賞した遊技球の検出漏れを防ぎ、大入賞口に所定個数以上の遊技球が入賞するのを防止する。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12や一括表示装置50等から構成される一括表示装置、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置690に発射許可信号を出力する。発射制御装置690は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
さらに、払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置50は、遊技状態報知LED12及び状態表示器等から構成されている。状態表示器のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。状態表示器のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。状態表示器のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605a、605bからの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力する。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給される。
本実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。
また、バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図5に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカー10a及び下スピーカー10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクター画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクター等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や演出装置70等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、本発明の第1の実施の形態の概要について説明する。具体的には、本発明の第1の実施の形態の遊技における遊技モード及び当該遊技モードの遷移について説明する。
〔実施形態の概要〕
図6は、本発明の第1の実施の形態の遊技モードの遷移を説明する図である。
本発明の第1の実施の形態の遊技モードには、通常モード、確変モード及び時短モードが含まれる。
通常モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率であって、普電サポートなしの状態である。また、通常モードには、内部モードとして、通常モードの他に準リーチ強制モード(特定遊技状態)が含まれている。準リーチ強制モードは、リーチが発生した場合には必ずSP1リーチ以上のリーチが発生するモードである。また、通常モードよりもリーチの発生確率が高くなるように設定されている。なお、準リーチ強制モードであっても特図変動表示ゲームの当選確率は低確率であるため、大当りが発生する確率は通常モードと同じである。この、準リーチ強制モードを設けることで、遊技が単調になりにくく、遊技者の遊技意欲を維持させることが可能となる。
また、準リーチ強制モードは、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると通常モードに遷移する。また、通常モードについても同様に所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると準リーチ強制モードに遷移する。このとき、準リーチ強制モードから通常モードへの遷移と、通常モードから準リーチ強制モードへの遷移における特図変動表示ゲームの実行回数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
さらに、本実施形態では、準リーチ強制モードが通常モードに含まれるとしているため、演出態様(表示モード)が同じになるように構成されているが、準リーチ強制モードであることを遊技者が認識可能な演出を実行するようにしてもよい。この場合には、先読み演出の態様も合わせて変更することによって遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。なお、準リーチ強制モードは期待度の高いリーチの発生確率が高くなるため、遊技者に過剰な期待感を与えないように、先読み予告の実行を禁止するように制御してもよい。
確変モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であって、普電サポートありの状態である。確変モードは、特図変動表示ゲームが所定の図柄で当選した場合に移行するモードである。
時短モードは、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率又は低確率であって、普電サポートありの状態である。時短モードは、特図変動表示ゲームが所定の図柄で当選した場合に移行する。
また、時短モードには、内部モードとして、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合に対応する内部確変モードと、低確率の場合に対応する内部低確モードとが含まれる。時短モードに他のモードから遷移する場合に大当り図柄に応じて内部確変モード又は内部低確モードに振り分けられる。
時短モードは、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると、他のモードに遷移する。内部確変モードの場合には確変モードに遷移し、内部低確モードの場合には通常モードに遷移する。内部確変モードの場合であっても内部低確モードの場合であっても同じ演出態様に制御されるため、遊技者は所定回数の特図変動表示ゲームが実行されるまで、特図変動表示ゲームの当選確率を認識することができなくなっている。
なお、内部モードを含むモードで遊技が実行されている間に停電が発生した場合には、停電復旧時に実行中の内部モードを遊技者が認識できるように背景画面を内部モードに対応する態様にして表示するようにしてもよい。
続いて、特図変動表示ゲームに当選した場合における大当りの種類及び大当り後の遊技状態について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームの当選後の遊技状態を説明する図である。(A)は第1特図変動表示ゲームが実行された場合であり、(B)は第2特図変動表示ゲームが実行された場合である。
まず、第1特図変動表示ゲームに当選した場合について説明する。(A)を参照すると、大当り図柄番号(乱数)の値が1から34の場合には、大当りの種類が「15R(ラウンド)確変」となる。この場合、大当り発生後、すなわち、特別遊技状態が終了した後には、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率に設定され、表示モードには確変モードが設定される。
また、大当り図柄番号(乱数)の値が35から40の場合には、大当りの種類が「15R確変」となる。この場合、図柄番号が1から34の場合と同様に、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率に設定されるが、表示モードには時短モードが設定される。このとき、時短モードの内部モードは、内部確変モードに設定されており、所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後、確変モードに移行する。
大当り図柄番号(乱数)の値が41から60の場合には、大当りの種類が「2R確変」となる。この場合、特別遊技状態におけるラウンド数を除き、図柄番号が1から34の場合と同様に、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率に設定され、表示モードには確変モードが設定される。
最後に、大当り図柄番号(乱数)の値が61から100の場合には、大当りの種類が「15R通常」となる。この場合、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率に設定され、表示モードには時短モードが設定される。このとき、時短モードの内部モードは、内部低確モードに設定されており、所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後、通常モードに移行する。
次に、第2特図変動表示ゲームに当選した場合について説明する。(A)を参照すると、大当り図柄番号(乱数)の値が1から48の場合には、大当りの種類が「15R確変」となる。特別遊技状態が終了した後には、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率に設定され、表示モードには確変モードが設定される。
また、大当り図柄番号(乱数)の値が49から60の場合には、大当りの種類が「15R確変」となる。この場合、図柄番号が1から34の場合と同様に、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率に設定されるが、表示モードには時短モードが設定される。このとき、時短モードの内部モードは、内部確変モードに設定されており、所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後、確変モードに移行する。
最後に、大当り図柄番号(乱数)の値が61から100の場合には、大当りの種類が「15R通常」となる。この場合、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率に設定され、表示モードには時短モードが設定される。このとき、時短モードの内部モードは、内部低確モードに設定されており、所定回数の特図変動表示ゲームが実行された後、通常モードに移行する。
ここで、第1特図変動表示ゲームに当選した場合と、第2特図変動表示ゲームに当選した場合を比較すると、第1特図変動表示ゲームに当選した場合には、第2特図変動表示ゲームに当選した場合には選択されない2R確変が発生する。特別遊技状態におけるラウンド数が多ければ賞球の数が多くなるため、第2特図変動表示ゲームのほうが第1特図変動表示ゲームの場合よりも有利な設定となっている。
また、前述のように、本発明の第1の実施の形態では、第2特図変動表示ゲームの始動記憶を優先して消化するため、特図変動表示ゲームの実行回数で遊技モードが遷移する場合(例えば、通常モードから準リーチ強制モードへの移行)などにおいて遊技モードの切り替え時に不整合が生じてしまう可能性がある。すなわち、この準リーチ強制モードにおいて実行されることとなる第1特図変動表示ゲームの始動記憶に対応する先読み予告(詳細は後述する)を実行しているときに、第2特図変動表示ゲームの始動記憶が発生すると、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームが優先して実行される。普電サポートが発生していない遊技状態では、第2特図変動表示ゲームが実行されるのは稀なことであるが、準リーチ強制モードは、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると通常モードに遷移するため、突発的に実行される第2特図変動表示ゲームによって、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されたこととなり、通常モードに遷移する可能性がある。そうすると、準リーチ強制モードにおいて実行されるはずであった第1特図変動表示ゲーム(の始動記憶)は、通常モードで実行されることとなる。従って、準リーチ強制モードにおいて実行されることとなる第1特図変動表示ゲームの始動記憶に対応する先読み予告は、誤った対応関係に基づき行われる予告となり、信憑性を欠く予告となってしまう。
続いて、遊技制御装置600による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図8Aは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図8Bは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(ステップA1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1010及びステップA1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、ステップA1012及びステップA1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1016の結果が「N」)、図8BのステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図8BのステップA1017〜ステップA1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1020の結果が「N」)、ステップA1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1023A)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
また、遊技制御装置600は、停電から復帰後、特図変動表示ゲームが8回実行されるまでの間、先読み予告の実行を禁止するために先読み禁止コマンドを送信する(ステップA1023B)。先読み予告の実行を禁止することによって、停電復帰後に演出制御装置700において先読み予告の態様を再決定した場合に停電前と異なる演出が実行されるなどの不整合が発生することを防いでいる。すなわち、演出制御装置700で使用されているデータは停電時にバックアップされないため、特図変動表示ゲームの結果と演出内容とが矛盾してしまうおそれがあるため、先読み予告などの演出の実行を禁止するように制御している。また、演出制御装置700で使用されているデータを停電時にバックアップする場合であっても特図変動表示ゲームの結果と演出内容との整合性を保証することは困難であるため、遊技者に不信感を与えないように先読み予告の実行を禁止する。なお、先読み予告の実行を禁止する回数は停電復帰前に記憶された最大の始動記憶数である8回としているが、停電復帰前の始動記憶数としてもよい。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1039)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1040)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1041)。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(ステップA1042)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1024以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、ステップA1023B又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1028)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1029)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1030の結果が「N」)、ステップA1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1028からステップA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1028)の前に割り込みを許可(ステップA1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1028)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1030の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1032〜ステップA1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1032)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1033)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1034)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1035)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1037)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605a、605bなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605a、605bが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図10にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1111)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー10から報知音を出力したり、遊技状態LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1112)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1113)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1115)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1108)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、変動入賞装置41内に設けられたカウントスイッチ605a、605bによって当該変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1204の結果が「N」)、ステップA1216以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1204の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図15にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。特図表示中処理の詳細については、図20A及び図20Bにて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1216)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1217)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1218)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1219)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37a(第1始動口)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。さらに、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1302)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1303)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図12にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(ステップA1304)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1305の結果が「Y」)、ステップA1308以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1305の結果が「N」)、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(ステップA1306)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA1307)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、ステップA1306及びステップA1307の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(ステップA1307の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(ステップA1307の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA1308)。さらに、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1309)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1310)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1303、ステップA1310)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401、ステップA1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1406、ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(ステップA1409、ステップA1410)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1411)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(ステップA1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1414)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1415)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1417)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1418)。
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(ステップA1419)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(ステップA1420)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA1421)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(ステップA1422)。特図保留情報判定処理の詳細については、図13にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1410の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601であるか否かをチェックする(ステップA1430、ステップA1431)。監視対象が第1始動口スイッチ601の場合には(ステップA1431の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1432)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1433)。
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合(ステップA1431の結果が「N」)、又は、ステップA1433のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図12)における特図保留情報判定処理(ステップA1423)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かをチェックし(ステップA1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には、普電サポートなし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。
遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(ステップA1502の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(ステップA1502の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、第1始動入賞口37aに入賞し、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み処理を実行しないようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、ステップA1503の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1504)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(ステップA1504の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(ステップA1507)。そして、ステップA1508以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(ステップA1504の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA1505の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(ステップA1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置600は、ステップA1506の処理で設定した大当り情報テーブル又はステップA1507の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA1508)。
そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA1509)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(ステップA1510)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(ステップA1511)。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1512)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(ステップA1513)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA1514)。
後半変動パターン設定処理(ステップA1513)及び変動パターン設定処理(ステップA1514)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA1515)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(ステップA1516)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1517)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA1518)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1519)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA1515及びステップA1516の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、ステップA1518の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔先読みコマンド〕
次に、遊技制御装置600から演出制御装置700に送信される先読みコマンド(始動入賞口演出図柄コマンド、始動入賞口演出コマンド)について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンドの一例を示す図である。
先読みコマンド(始動入賞口演出図柄コマンド、始動入賞口演出コマンド)は、MODE部とACTION部を含み、各8バイトの計16バイトで構成されている。始動入賞口演出図柄コマンドは、はずれ又は大当りを通知し、大当りの種類まで含む。また、始動入賞口演出コマンドは、さらに、リーチの種類を含む。始動入賞口演出図柄コマンドのMODE部は図13に示したフローチャートのステップA1515の処理で設定され、ACTION部はステップA1516の処理で設定される。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から先読みコマンドを受信すると、受信したコマンドの内容に基づいて、保留表示を変更するなどの先読み演出を実行する。先読み演出は、常に正確な結果を示唆するものでなくてもよく、例えば、はずれの場合であっても始動入賞口演出コマンドに基づいて所定のリーチ(例えば、SP1リーチ以上)が発生すれば、結果にかかわらず先読み演出を実行し、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA1209)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA1601、ステップA1602)。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0の場合には(ステップA1602の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA1603、ステップA1604)。このように、特図2保留数のチェック(ステップA1601)を、特図1保留数のチェック(ステップA1603)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(ステップA1604の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(ステップA1605、ステップA1606)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(ステップA1606の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(ステップA1607)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA1608)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1609)。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、ステップA1610以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1610)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合(ステップA1602の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(ステップA1611)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(ステップA1612)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図変動表示ゲームの変動中に係る試験信号、特図2表示器における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器の変動中に係るフラグ、特図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合(ステップA1604の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(ステップA1613)。なお、ステップA1613における特図1変動開始処理1の詳細については、図16にて後述する。
そして、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(ステップA1614)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器の変動中に係るフラグ、特図1表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図1変動開始処理1(ステップA1613)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(ステップA1701)。
次に、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(ステップA1702)。
その後、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1703)。続いて、図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA1704)。
次に、遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)を設定して準備し(ステップA1705)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA1706)。
続いて、遊技制御装置600は、特図1用の変動パターン(変動表示時間)に関する情報を、始動記憶として記憶されている乱数に基づき設定するテーブルを準備し(ステップA1707)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(ステップA1708)。続いて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(ステップA1709)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA1710)。
その後、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(ステップA1711)、特図1変動開始処理1を終了する。
また、特図2変動開始処理1(ステップA1611)は、特図1変動開始処理1と同様の手順である。相違点は、ステップA1702の処理で特図2停止図柄設定処理が実行され、また、ステップA1703bの処理で特図1停止図柄番号が特図2停止図柄番号に、ステップA1706及びステップA1707の処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる。
ここで、遊技制御装置600は、始動記憶として記憶されている乱数に基づき実行される変動表示ゲームの変動表示時間を制御する変動表示時間制御手段として機能する。
次に、変動パターンについて説明する。変動パターンは、前半変動パターンと後半変動パターンを含む。本発明の第1の実施の形態では、変動パターン乱数1によって後半変動パターンを選択する。後半変動パターンは、特図1変動開始処理1(特図2変動開始処理1)のステップA1709の処理で選択される。
図17は、本発明の第1の実施の形態の後半変動パターンを選択するための後半変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。後半変動パターン選択テーブルには、(A)大当り時、(B)はずれ時の2種類に加えて、準リーチ強制モード(図6参照)の場合に使用される(C)特殊はずれ時の3種類が定義されている。なお、後半変動パターン選択テーブルを遊技状態や保留数などに応じて設定するようにしてもよい。
後半変動パターン選択テーブルには、変動パターン乱数1(図12の特図始動口スイッチ共通処理のステップA1419)に対するリーチ系統及び変動時間が設定されている。各後半変動パターン選択テーブルは同じ構成となっている。
(A)は、前述のように、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合の後半変動パターン選択テーブルである。大当り時に利用されるため、すべての場合においてリーチが発生するようにリーチ系統が設定されている。なお、リーチ系統に「リーチなし」を追加し、リーチなし、すなわち、後半変動なしで大当り(突発当り)を発生させるようにさせてもよい。
本発明の第1の実施の形態では、「ノーマルリーチ」、「SP1リーチ」、「SP2リーチ」、「SP3リーチ」が設定されており、それぞれ変動時間が設定されている。なお、変更時間の異なるノーマルリーチを複数設定するようにしてもよい。
また、SP1リーチ以上のリーチには、それぞれ複数のリーチが割り当てられており、遊技制御装置600からSP1リーチが指定されると、演出制御装置700が割り当てられた複数のリーチから実行するリーチを選択する。
ここで、SP3リーチに対応する変動時間は100秒(第1変動表示時間)であるが、大当り時には、SP1リーチに対応する変動時間40秒(第2変動表示時間)よりも選択されやすく制御しているため、遊技制御装置600は、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様(大当り)となる信頼度が異なる複数の変動表示時間から一の変動表示時間を選択して設定する変動表示時間選択手段として機能する。
(B)は、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合の後半変動パターン選択テーブルである。約10%程度の割合でリーチが発生するように設定されている。リーチなしの場合には、リーチが発生しないため、前半変動が終了した後、後半変動が実行されずに変動表示ゲームが終了する。
(C)は、準リーチ強制モードで特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合の後半変動パターン選択テーブルである。準リーチ強制モードでは、リーチが発生すると、必ずSP1リーチ以上のリーチが発生するように構成されている、また、リーチの発生率は約17%であり、通常時のはずれの場合と比較して高い値が設定されている。なお、準リーチ強制モードにおける特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、通常時と同様の後半変動パターン選択テーブルを利用するが、専用のテーブルを用意してもよい。
続いて、前半変動パターンについて説明する。本発明の第1の実施の形態では、変動パターン乱数3によって前半変動パターンを選択する。前半変動パターンは、特図1変動開始処理1(特図2変動開始処理1)のステップA1710の処理で選択される。
図18は、本発明の第1の実施の形態の前半変動パターンを選択するための前半変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。前半変動パターン選択テーブルには、(A)大当り時、(B)はずれ時の2種類が定義されている。
前半変動パターン選択テーブルには、リーチ系統及び変動パターン乱数3(図12の特図始動口スイッチ共通処理のステップA1421)に対する変動パターン及び変動時間が設定されている。各前半変動パターン選択テーブルは同じ構成となっている。
(A)は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合の前半変動パターン選択テーブルである。ノーマルリーチの前半変動パターンは通常変動のみであるが、SP1リーチ以上のリーチが発生する場合には、特定の図柄演出が実行される。また、通常変動に対応する変動パターンは複数設定されており、演出制御装置700側で実際に実行される変動パターンが選択される。
(B)は、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合の前半変動パターン選択テーブルである。リーチ系統にリーチなしの場合が含まれており、各前半変動パターンの選択確率が相違する以外は(A)と同様である。
さらに、図19を参照しながら具体的な変動パターンについて説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の変動パターンの構成を説明する図である。
(A)は、前半変動が変動パターン乱数3によって決定され、その後、実行される後半変動が変動パターン乱数1によって決定されることを示している。(A)に示すように、以降、前半変動は実線、後半変動は一点鎖線で表す。
(B)は、後半変動のリーチ系統が「リーチなし」であって、前半変動パターンが「通常変動」の場合の変動パターンを示している。この場合、前半変動として通常変動が実行された後、そのまま終了する(第3変動表示時間に対応する第4予告演出)。
(C)は、後半変動のリーチ系統が「ノーマルリーチ」であって、前半変動パターンが「通常変動」の場合の変動パターンを示している。この場合、前半変動として通常変動が実行された後、ノーマルリーチが発生する。
(D)は、後半変動のリーチ系統が「SP1リーチ」であって、前半変動パターンが「図柄演出1」の場合の変動パターンを示している。「図柄演出1」では、まず、通常変動が実行され、続いて1回の図柄演出が実行される(第2変動表示時間に対応する第3予告演出)。このとき、図柄演出は1種類であってもよいし、複数種類あって、演出制御装置700が選択するようにしてもよい。前半変動が終了した後、後半変動としてSP1リーチが発生する。また、図柄演出は、後半変動において実行されるSPリーチの予告演出に対応するが、単独の演出であってもよい。
(E)及び(F)は、後半変動のリーチ系統が「SP1リーチ」であって、前半変動パターンが「図柄演出3」の場合の変動パターンを示している。(E)では、前半変動として、通常変動が実行された後、3回の図柄演出(第1変動態様)が順次実行される(第1変動表示時間に対応する第1予告演出)。一方、(F)では、通常変動の後、1回目の図柄演出(第2変動態様)が実行され、その後、SP1リーチの導入部分の演出が実行される(第1変動表示時間に対応する第2予告演出)。なお、(E)及び(F)においては、どちらもSP3リーチが実行されるが、(F)では、SP1リーチの導入部分の演出を実行してからSP3リーチが実行されるので、遊技者に意外性を与えるとともに興趣を高めることとなる。
また、1回目の図柄演出(第2変動態様)が実行されると、通常は、SP1リーチの実行を遊技者に報知することとなり、遊技者がSP3リーチへ発展すると認識するのは困難となる。
演出制御装置700は、前半変動として図柄演出3が指定されると、指定された変動時間に対応する演出を組み合わせて実行する。したがって、遊技制御装置600が前半変動として「図柄演出3」、後半変動として「SP3リーチ」を指定すると、演出制御装置700が複数の変動パターンから1つの変動パターンを選択して実行する。
したがって、遊技制御装置600では従来の手順で変動パターンを指定しながら、演出制御装置700が複数の前半変動から選択して実行することによって、信頼度の高いSP3リーチを実行する前にバリエーションに富んだ発展演出を実行することが可能となる。また、演出制御装置700は、遊技制御装置600(変動表示時間制御手段)によって制御される変動表示時間に対応する演出を実行する演出制御手段及び予告選択手段を構成する。また、演出制御装置700は、複数の予告演出から遊技制御装置600(変動表示時間選択手段)によって選択された変動表示時間と対応する予告演出を選択して実行する予告演出選択手段を構成する。
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA1211)の詳細について説明する。図20Aは、本発明の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図20Bは、本発明の実施の形態の特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2(特図2)をロードする(ステップA1801)。その後、大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA1802)。
次に、遊技制御装置600は、大当りフラグ2に大当りが設定されているか否かをチェックすることによって(ステップA1803)、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生したか否かを判定する(ステップA1804)。
遊技制御装置600は、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生していない場合には(ステップA1804の結果が「N」)、大当りフラグ1領域に設定される大当りフラグ1(特図1)をロードする(ステップA1805)。その後、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA1806)。
次に、遊技制御装置600は、大当りフラグ1に大当りが設定されているか否かをチェックすることによって(ステップA1807)、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生したか否かを判定する(ステップA1808)。
遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には(ステップA1808の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1809)。
遊技制御装置600は、第2特図変動表示ゲームで大当りが発生した場合には(ステップA1804の結果が「Y」)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA1810)。さらに、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1811)。
遊技制御装置600は、ステップA1809又はステップA1811の処理が終了した後、すなわち、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、まず、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA1812)。
次に、遊技制御装置600は、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA1813)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポイントをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA1814)。
次に、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの当選確率を通常状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1815)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1816)。
続いて、遊技制御装置600は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップA1817)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1818)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置700に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置600は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA1819)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(ステップA1820)。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号、及び、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1821)。さらに、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(ステップA1822)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA1823)。
その後、遊技制御装置600は、大入賞口への不正入賞数をリセットし(ステップA1824)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA1825)。
そして、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を実行し(ステップA1826)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定したり、各種状態を示す情報を設定したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報や、停電復旧時に演出制御装置700に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのいずれも大当りが発生しない場合には(ステップA1808の結果が「N」)、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(図20BのステップA1827)。現在の遊技状態が時短状態でない場合には(ステップA1827の結果が「N」)、特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1833)。特図普段処理移行設定処理1は、前述のように、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備し、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する。
一方、遊技制御装置600は、現在の遊技状態が時短状態の場合には(ステップA1827の結果が「Y」)、時短変動回数を1減らす更新を行い、時短変動回数が0になったか否かを判定する(ステップA1829)。時短変動回数が0になっていない場合には(ステップA1829の結果が「N」)、同じ遊技状態で処理を継続するため、特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1833)。
遊技制御装置600は、時短変動回数が0になった場合には(ステップA1829の結果が「Y」)、時短状態終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA1830)、当該確率情報コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(ステップA1831)。さらに、時短状態の終了に関する処理を含む特図普段処理移行設定処理2を実行する(ステップA1832)。
遊技制御装置600は、特図普段処理移行設定処理1又は特図普段処理移行設定処理2の実行が終了すると、実行された特図変動表示ゲームの回数(特図ゲーム数)を更新する(ステップA1834)。さらに、更新された特図ゲーム数を確認し(ステップA1835)、先読み演出の実行を許可するタイミング(先読み許可タイミング)であるか否かを判定する(ステップA1836)。本発明の第1の実施の形態では、停電復帰直後や準リーチ強制モード中など、先読み演出の実行が制限されている場合がある。ステップA1836の処理では、先読み演出の実行の制限が解除されるタイミングであるか否かを判定している。
遊技制御装置600は、特図ゲーム数が先読み許可タイミングである場合には(ステップA1836の結果が「Y」)、演出制御装置700に先読み許可コマンドを送信する(ステップA1837)。なお、先読み許可コマンドは、先読みを許可するためだけのコマンドである必要はなく、例えば、通常モードに移行させるためのコマンドであってもよい。その後、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム数が先読み許可タイミングでない場合には(ステップA1836の結果が「N」)、準リーチ強制モードで用いられる特殊テーブルを使用する前であるか否かを判定する(ステップA1838)。特殊テーブルを使用する場合には(ステップA1838の結果が「Y」)、所定回数(例えば、8回)の特図変動表示ゲームが実行されるまでの間、先読み演出の実行を禁止する先読み禁止コマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1839)。このように、本発明の第1の実施の形態では、SP1リーチ以上のリーチの発生確率の高い準リーチ強制モードにおいて遊技者に過度の期待感を煽らないように先読み演出の実行を禁止している。
遊技制御装置600は、特殊テーブルを使用しない場合(ステップA1838の結果が「N」)、又は、ステップA1839の処理が終了すると、特図表示中処理を終了する。
本発明の第1の実施の形態では、始動記憶数の数に応じて変動パターンの選択率が相違するように構成されている。図21は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶数ごとの変動パターン(リーチ)と変動パターン乱数1との関係を説明する図である。なお、図21における変動パターンを選択するテーブルは通常テーブルに対応する。
本発明の第1の実施の形態では、始動記憶数が多い場合には、特図変動表示ゲームの実行回数を増やすために比較的に短い変動時間の変動パターンが選択される。一方、始動記憶数が少ない場合には、始動記憶数が0になりにくいように、比較的に長い変動時間の変動パターンが選択される。
例えば、変動パターン乱数1が15000から20000の場合、始動記憶数が1又は2であればノーマルリーチが発生する。これに対し、始動記憶数が4から8の場合には、リーチなしとなる。図21の網掛け部は、始動記憶数によってリーチの態様が異なる乱数の範囲を示している。
すなわち、特図変動表示ゲームが実行されるタイミングにおける始動記憶数を、先読み演出実行時に正確に把握することはできない。そこで、後半変動パターンが確定しない範囲の変動パターン乱数1が抽出された場合には、先読み演出を実行しないように制御してもよい。
次に、所定のタイミングで変動パターン選択テーブルを特殊テーブルに切り替える場合について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の変動パターンを選択するテーブルを通常テーブルから特殊テーブルに切り替えるタイミングと、先読みの実行可否との関係を説明する図である。
本発明の第1の実施の形態における特殊テーブルでは、前述のように、リーチが発生する場合には必ずSP1リーチ以上が発生するように構成されている。そして、大当り終了後、所定回数(例えば、50回)の特図変動表示ゲームが実行された後、変動パターンを選択するためのテーブルが通常のテーブルから特殊テーブルに切り替えられる。その後、5回の特図変動表示ゲームが実行されるまでの間、特殊テーブルに基づいて変動パターンが設定される。
前述のように、特殊テーブルでは、リーチが発生する場合には、必ずSP1リーチ以上のリーチが発生する。すなわち、通常の制御であれば、先読み演出の実行確率も高くなり、短期間に先読み演出が連続して実行されることによって、遊技者が特殊モードに移行していることを察知してしまうおそれがある。そこで、特殊テーブルを利用している期間は先読み演出を実行しないように制御する。
本発明の第1の実施の形態では、最大8個の始動記憶を保持することが可能となっている。そこで、特殊テーブルを使用するタイミングの8ゲーム前から先読み演出の実行を禁止する。図22では、42回目の特図変動表示ゲームが実行された後のタイミングとなる。そして、先読み演出を禁止するタイミングでは、遊技制御装置600は、演出制御装置700に特殊テーブルに切り替えることを通知する特殊テーブル移行前コマンドを送信する。演出制御装置700は、特殊テーブル移行前コマンドを受信すると、先読み演出を実行しないように制御する。
その後、遊技制御装置600は、特殊テーブルを使用するタイミングで特殊テーブル移行コマンドを演出制御装置700に送信する。その後、所定回数(5回)特図変動表示ゲームを実行すると、通常テーブルに戻す通常テーブル移行コマンド送信し、このタイミングで先読み演出の実行を再開する。
以下、演出制御装置700による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアする(ステップB1002)。そしてCPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(ステップB1006)。そして割込みを許可する(ステップB1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理が実行可能な状態となる。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(ステップB1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(ステップB1009)。また遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。シーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1014)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカー10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1015)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1017)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1018)、ステップB1008の処理に戻る。以降、ステップB1008からステップB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB1012)の詳細について説明する。図24は、本発明の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1101)。テスト中モードの場合には(ステップB1101の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(ステップB1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1102の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(ステップB1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(ステップB1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(ステップB1104の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(ステップB1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリにセーブする(ステップB1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(ステップB1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、電源投入処理を実行する(ステップB1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、停電復旧処理を実行する(ステップB1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、客待ち処理を実行する(ステップB1110)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、変動中処理を実行する(ステップB1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図25にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、図柄停止処理を実行する(ステップB1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、ファンファーレ処理を実行する(ステップB1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」の場合には、ラウンド中処理を実行する(ステップB1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、インターバル処理を実行する(ステップB1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、エンディング処理を実行する(ステップB1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1118)。飾り特図保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。そして、保留数コマンド受信処理は、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読み予告設定処理を実行する(ステップB1119)。先読み予告設定処理は、事前演出図柄コマンド、事前演出変動コマンドに基づいて、保留表示演出等を設定する処理であり、3段階の先読み演出が実行される場合における1段階目の演出内容が設定される。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップB1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
続いて、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1111)の詳細について説明する。図25は、本発明の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1201)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1201の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、PB(プッシュボタン)情報をクリアする(ステップB1202)。PB(プッシュボタン)情報とは、演出ボタン17による入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(ステップB1203)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を実行する(ステップB1204)。変動パターン情報設定処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて変動時間や予告演出を設定したりする。変動演出情報設定処理の詳細については、図26にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1205)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
さらに、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1206)。
続いて、主制御用マイコン710は、先読み予告制御処理1を実行する(ステップB1207)。先読み予告制御処理1は、3段階の先読み演出が実行される場合における2段階目の演出内容が設定される。先読み予告制御処理1の詳細については、図28にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動回数を管理する変動回数管理処理を実行する(ステップB1208)。さらに、変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(ステップB1209)、演出リクエストフラグをクリアする(ステップB1210)。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1201の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(ステップB1212)。
主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(ステップB1212の結果が「Y」)、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1213)。
主制御用マイコン710は、ステップB1210の処理が終了した場合、ステップB1213の処理が終了した場合、又は、更新タイマがタイムアップしていない場合には(ステップB1212の結果が「N」)、3段階目の先読み演出を制御する先読み演出予告制御処理2を実行する。先読み予告制御処理2の詳細については、図33にて後述する。その後、主制御用マイコン710は、変動中処理を終了する。
続いて、前述した変動中処理における変動演出情報設定処理(ステップB1204)の詳細について説明する。図26は、本発明の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、始動記憶数(ステップB1301)及び遊技状態(ステップB1302)を確認する。さらに、開始する変動表示ゲームの結果情報を確認する(ステップB1303)。結果情報とは、例えば、変動表示ゲームの結果が大当りか否かを示す情報である。
主制御用マイコン710は、ステップB1301からステップB1303までの処理で取得された始動記憶数、遊技状態及び結果情報に対応する後半変動パターン選択テーブルを設定する(ステップB1304)。後半変動パターン選択テーブルは、変動表示ゲームにおける後半変動を設定するためのテーブルである。後半変動は、具体的には、リーチ態様などが対応する。
次に、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600から送信された変動パターンコマンドに基づいて、リーチ系統の判定情報を取得する(ステップB1305)。リーチ系統は、前述のように、リーチなし、ノーマルリーチ、スペシャル(SP)リーチなどが該当する。
主制御用マイコン710は、ステップB1304の処理で設定された後半変動パターン選択テーブル、及び、ステップB1305の処理で取得されたリーチ系統の判定情報に基づいて、後半変動パターンを設定する(ステップB1306)。具体的には、リーチ系統がSP1リーチであれば春・夏・秋・冬の各リーチ(四季系リーチ)のいずれかを選択する。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600から送信された変動パターンコマンドに基づいて、前半変動の判定情報を取得する(ステップB1307)。そして、前半変動が通常変動であるか否かを判定する(ステップB1308)。
主制御用マイコン710は、前半変動が通常変動の場合には(ステップB1308の結果が「Y」)、結果情報に対応する通常変動パターン選択テーブルから前半変動パターンを選択する(ステップB1309)。
一方、主制御用マイコン710は、前半変動が通常変動でない場合には(ステップB1308の結果が「N」)、結果情報と指示された図柄演出に対応する図柄演出パターンテーブルに基づいて前半変動パターンを選択する(ステップB1310)。なお、図柄演出パターンテーブルの詳細については、図27にて後述する。
本発明の第1の実施の形態では、図柄演出では、図柄演出パターンテーブルに基づいて複数の演出パターンから一の演出パターンを選択することによってバリエーションに富んだ演出を実行することが可能となる。また、通常変動では、例えば、結果が大当りの場合には、期待度の高い予告演出が段階的に実行されるステップアップ予告が出現しやすくなるように制御する。
最後に、主制御用マイコン710は、選択された前半変動パターンを設定し(ステップB1311)、変動パターン情報設定処理を終了する。
続いて、変動パターン情報設定処理において前半変動パターンを選択するための図柄演出パターンテーブルの詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の図柄演出パターンテーブルの一例を示す図である。(A)は結果情報が大当りの場合、(B)は結果情報がはずれの場合を示す。
図柄演出パターンテーブルには、図柄演出パターンに対応する複数の前半変動パターンが定義されている。また、各前半変動パターンには選択確率が設定されている。
さらに、本発明の第1の実施の形態では、図柄演出パターンごとに図柄演出の実行態様が相違しており、また、図柄演出パターンごとに設定された前半変動パターンごとに図柄演出の実行態様が相違する。指示される図柄演出パターンごとに信頼度が対応し、例えば、図柄演出1、図柄演出2、図柄演出3の順で信頼度が高くなるように設定されている。
さらに、前半変動パターンについても信頼度に応じて選択される確率が異なるように設定されている。例えば、図柄演出1が図柄演出パターンとして指示された場合に、(A)に示すように結果情報が大当りの場合には図柄演出1−1の前半変動が50%の確率で選択されるが、(B)に示すように結果情報がはずれの場合には図柄演出1−1の前半変動が70%の確率で選択される。したがって、図柄演出1−1の前半変動パターンが選択された場合よりも、図柄演出1−2の前半変動パターンが選択された場合のほうが大当りの発生確率が高いと判断することができる。
また、図柄演出パターンに図柄演出3が指示された場合には、前半変動パターンとして、図柄演出3−1、図柄演出3−2及び図柄演出1−3が選択される。図柄演出3−1や図柄演出3−2が選択された場合には、図柄演出が複数回実行され、その後、信頼度の高いSP3リーチが実行されるため、遊技者は、識別図柄の変動態様から導出されるリーチ演出が予想可能となるので、予告演出の実行中の識別図柄の変動態様にも注目して楽しむことができる。
図柄演出1−3が選択された場合には、図柄演出1の場合と同じ(又は類似する)図柄演出が実行され、図柄演出1からより信頼度の高い演出にステップアップする演出が実行される。図柄演出1−3は、はずれの場合の選択確率が4%と低く設定されているため、図柄演出1−3が実行されれば信頼度が高いと遊技者は判断することができる。通常、図柄演出1が実行される場合には信頼度は高くないが、ステップアップする演出が実行されることによって遊技者に驚きを与え、さらに、大きな期待感を与えることができる。
そして、前半変動パターンは、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御装置700が選択するため、遊技制御装置600の処理負荷を抑えることができる。
〔先読み予告(第一段階)〕
続いて、前述した1stシーン制御処理における先読み予告設定処理(ステップB1119)の詳細について説明する。図28は、本発明の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。先読み予告設定処理では、多段階の先読み予告を実行する場合における第一段階の先読み予告(第1先読み予告)の態様を設定する。
主制御用マイコン710は、まず、先読み禁止状態であるか否かを判定する(ステップB1401)。選択された前半変動パターンを設定し、変動パターン情報設定処理を終了する。前述のように、先読み禁止状態は、停電復帰時や変動パターンを選択するためのテーブルを変更する時など所定の条件を満たしたとき、遊技制御装置600から送信された先読み禁止コマンドを受信した場合に設定される。
主制御用マイコン710は、先読み禁止状態の場合には(ステップB1401の結果が「Y」)、先読み禁止解除条件を達成したか否かを確認する(ステップB1402)。先読み禁止解除条件とは、例えば、停電から復帰して所定回数の変動表示ゲームが実行された後であったり、準リーチ強制モードから通常モードに復帰した場合などである。
主制御用マイコン710は、先読み禁止解除条件を達成したか否かを判定し(ステップB1403)、達成している場合には(ステップB1403の結果が「Y」)、先読み禁止状態を解除する(ステップB1404)。一方、先読み禁止解除条件を達成していない場合には(ステップB1403の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、先読み禁止状態でない場合(ステップB1401の結果が「N」)、又は、ステップB1404の処理で先読み禁止状態が解除された場合には、事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1405)。事前判定コマンドは、先読み予告を行う指示を含む。主制御用マイコン710は、事前判定コマンドを受信していない場合には(ステップB1405の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、事前判定コマンドを受信した場合には(ステップB1405の結果が「Y」)、事前判定コマンドの内容を対応する始動記憶領域にセーブする(ステップB1406)。そして、先読み予告を実行中であるか否かを判定する(ステップB1407)。先読み予告を実行中の場合には(ステップB1407の結果が「Y」)、さらに先読み予告を実行する必要がないので、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、先読み予告を実行していない場合には(ステップB1407の結果が「N」)、さらに、保留数、すなわち、未実行の変動表示ゲームが3以上であるか否かを判定する(ステップB1408)。これは、先読み予告の総演出時間が確保できているか否か判定するもので、この判定結果に応じて実行される先読み予告の種類が異なるようになっている。
主制御用マイコン710は、保留数が3以上の場合には(ステップB1408の結果が「Y」)、始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得する(ステップB1409)。さらに、変動表示ゲームの結果がはずれの場合の先読み予告実行抽選テーブルを設定する(ステップB1410)。はずれ用の先読み予告実行抽選テーブルについては、図29(A)にて説明する。
続いて、主制御用マイコン710は、ステップB1409の処理で取得された図柄情報に基づいて、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(ステップB1411)。そして、大当りの場合には(ステップB1411の結果が「Y」)、変動表示ゲームの結果が大当りの場合の先読み予告実行抽選テーブルを設定する(ステップB1412)。大当り用の先読み予告実行抽選テーブルについては、図29(B)にて説明する。
一方、主制御用マイコン710は、保留数が3未満の場合には(ステップB1408の結果が「Y」)、保留数2以下の場合の先読み予告実行抽選テーブルを設定する(ステップB1413)。保留数2以下用の先読み予告実行抽選テーブルについては、図29(C)にて説明する。
主制御用マイコン710は、先読み予告実行抽選テーブルの設定が完了すると、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶に対応するリーチ系統情報を取得する(ステップB1414)。そして、設定された先読み予告実行抽選テーブル及び取得されたリーチ系統情報に基づいて、先読み演出の実行を抽選する(B1415)。
主制御用マイコン710は、先読み演出を実行するか否かを判定し(ステップB1416)、先読み予告を実行する場合には(ステップB1416の結果が「Y」)、選択された先読み予告を実行するために必要な情報を設定する(B1417)。一方、先読み予告を実行しない場合には(ステップB1416の結果が「N」)、そのまま本処理を終了する。
続いて、先読み予告の実行可否及び実行態様を定義する先読み予告実行抽選テーブルについて説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告実行抽選テーブルの一例を示す図である。(A)は保留数が3以上で結果情報がはずれの場合、(B)は保留数が3以上で結果情報が大当りの場合、(C)は保留数が2以下の場合を示す。
先読み予告実行抽選テーブルには、リーチ系統情報に対応して先読み予告の実行確率及び先読み予告態様が定義される。先読み予告実行抽選テーブル(A)及び(B)では、先読み予告態様は必ず提灯の表示(第1先読み予告態様、所定表示態様)と定義されている。
また、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、実行されるリーチ演出の信頼度に応じて先読み予告が実行される確率が高くなるように設定されている。例えば、リーチ系統情報がリーチなしの場合には先読み演出の実行確率が5%となるのに対し、SP3リーチの場合には先読み演出の実行確率が30%となる。
また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、SP1リーチ以上の場合には、信頼度に応じて先読み演出の実行確率が高くなるように設定されているが、ノーマルリーチの場合には先読み演出が実行される確率が最も高くなるように設定されている。信頼度の低いノーマルリーチが発生した場合であっても、先読み演出が実行されれば期待度が飛躍的に高くなるため、遊技者の期待感を高めることができる。
また、リーチ系統情報がスペシャルリーチ以上の場合には、変動表示ゲームの結果がはずれの場合よりも大当りの場合のほうが先読み予告を実行する確率が高くなるように設定されている。具体的には、(A)及び(B)を参照すると、リーチ系統情報がSP2リーチの場合には、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には20%の確率で先読み予告が実行され、大当りの場合には30%の確率で先読み予告が実行される。
なお、保留数が3以上の場合における先読み予告態様は始動記憶表示を提灯役物320で表示する(第1先読み予告態様、事前報知(先読み演出)の予告)。
これに対し、(C)を参照すると、保留数が2以下の場合には、リーチ系統情報がリーチなし又はノーマルリーチの場合には、先読み予告が実行されないように設定されている。また、変動表示ゲームの結果がはずれの場合と同様に、実行されるリーチ演出の信頼度に応じて先読み予告が実行される確率が高くなるように設定されている。
さらに、スペシャルリーチが発生する場合には、リーチの種類ごとに、異なる態様で先読み予告が実行される。したがって、本発明の第1の実施の形態では、保留数及びリーチ系統情報に基づいて、異なる態様で先読み演出が実行される。
具体的には、SP1リーチの場合には、先読み予告の実行対象の始動記憶における図柄変動が、先読み予告が実行されない場合と比較して遅延して開始される。SP2リーチの場合には、先読み予告の実行対象の始動記憶における各図柄の変動がばらばらに開始される。SP3リーチの場合には、先読み予告の実行対象の始動記憶における変動開始時に各図柄が通常の変動表示とは異なる態様で回転する。例えば、図柄が移動せずに縦又は横に回転したり、図柄の中心で時計回り又は反時計回りに回転したりする。
なお、保留数が所定数(例えば、4)の場合に、複数の変動表示ゲームにまたがる先読み予告を実行するようにしてもよい。
ここで、演出制御手段700は、事前報知(先読み予告)が実行されることを、事前報知の実行前に遊技者に予告する事前報知実行予告手段として機能する。
〔先読み予告(第二段階)〕
続いて、前述した変動中処理における先読み予告制御処理1(ステップB1207)の詳細について説明する。図30は、本発明の実施の形態の先読み予告制御処理1の手順を示すフローチャートである。先読み予告制御処理1では、3段階の先読み予告を実行する場合における第二段階の先読み予告(第2先読み予告)の態様を設定する。なお、第1先読み予告態様は、先読み演出が実行されることを予告していたが、第2先読み予告では、特図変動表示ゲームの結果を報知する事前報知となっている(第1事前報知)。
主制御用マイコン710は、まず、第1先読み予告態様に制御中の始動記憶表示の存在を確認する(ステップB1501)。そして該当する始動記憶表示が存在するか否かを判定し(ステップB1502)、存在しない場合には(ステップB1502の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、第1先読み予告態様に制御中の始動記憶表示が存在する場合には(ステップB1502の結果が「Y」)、当該始動記憶発生時の最先の始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始されるかを確認する(ステップB1503)。そして、最先の始動記憶が消化されたか否かを判定する(ステップB1504)。本発明の第1の実施の形態では、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行される。したがって、第2特図変動表示ゲームの実行が割り込まれたか否かを判定するためにステップB1504の処理が実行される。
主制御用マイコン710は、最先の始動記憶が消化されていない場合(ステップB1504の結果が「N」)、すなわち、第2特図変動表示ゲームが割り込まれて実行されている場合には、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、最先の始動記憶が消化されている場合(ステップB1504の結果が「Y」)、始動入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得する(ステップB1505)。さらに、暫定先読み予告選択テーブルから暫定先読み予告の態様を選択する(ステップB1506)。なお、暫定先読み予告選択テーブルについては、図32にて後述する。
そして、主制御用マイコン710は、ステップB1506の処理で選択された暫定先読み予告の態様に基づいて、先読み対象の始動記憶表示を設定する(ステップB1507)。さらに、選択された暫定先読み予告の態様に基づいて、提灯役物320を用いた役物演出を設定する(ステップB1508)。なお、役物演出の例については、図31にて後述する。
ここで、先読み予告態様の具体例について説明する。特に、図30にて説明した先読み予告制御処理1で制御される第二段階の先読み予告(第2先読み予告、第1事前報知)について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告態様の一例を示す図である。
第二段階の先読み予告は、提灯役物320によって実行される。前述のように、提灯役物320は、一個の提灯の形状を模した固定装飾部321と、二個の提灯の形状を模した可動装飾部322と、を備えている。各提灯の内部には、発光部材が備えられており、演出制御装置700によって点灯及び消灯が制御される。中央の固定装飾部321は赤色に点灯し、可動装飾部322は白色に点灯する。
提灯役物320は、各提灯内部の発光部材が順次点灯するルーレット演出が実行される。そして、最後に点灯した提灯によって変動表示ゲームの信頼度が予告されるように構成されている。具体的には、「春」→「夏」→「家紋」→「秋」→「冬」→「春」→「秋」→「家紋」→「夏」→・・・の順に提灯が点灯するようになっている。
赤色に点灯する提灯、すなわち、中央の「家紋」が付された提灯が点灯した状態でルーレットが停止した場合には、赤第2先読み予告態様となる。また、白色に点灯する提灯、すなわち、「春」「夏」「秋」「冬」が付された提灯のいずれかが点灯した状態でルーレットが停止した場合には、白第2先読み予告態様となる。このとき、停止した提灯(季節)に応じて信頼度が異なるように設定してもよい。
続いて、暫定先読み予告選択テーブルについて説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の暫定先読み予告選択テーブルの一例を示す図である。
暫定先読み予告選択テーブルは、前述のように、第2先読み予告態様(第1事前報知態様)を選択するための情報が格納されている。すなわち、図31にて説明した役物演出の結果(先読み予告内容)及び演出態様が定義される。具体的には、始動入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報に基づいて、最終的に白色に点灯する提灯でルーレットを停止させるか、赤色に点灯する提灯で停止させるかを決定する。
図32を参照すると、大当りの場合には、赤色の提灯で停止する確率が高くなるように設定されており、はずれの場合には白色の提灯で停止する確率が高くなるようになっている。したがって、赤色の提灯でルーレットの点灯が停止した場合がより信頼度が高いことがわかる。ただし、このときの選択確率に大きな差はないため、この時点での報知は極端に正確なものではなく、曖昧なものに留めることができる。
さらに、ルーレット演出で停止した提灯役物に合わせて始動記憶表示を変更してもよい(第1事前報知態様)。第二段階の先読み予告では曖昧な報知とするため、停止した提灯の色に対応した2種類の態様で始動記憶表示の表示態様を変更してもよいし、停止した提灯の色とは独立した態様で2〜3種類程度の態様としてもよい。
ここで、演出制御装置700は、所定表示態様で表示される始動記憶表示を、変動表示ゲームの実行情報を認識可能な第1事前報知態様に切替える第1事前報知態様制御手段として機能する。
〔先読み予告(第三段階)〕
続いて、前述した変動中処理における先読み予告制御処理2(ステップB1211)の詳細について説明する。図33は、本発明の実施の形態の先読み予告制御処理2の手順を示すフローチャートである。先読み予告制御処理2では、多段階の先読み予告を実行する場合における第三段階の先読み予告(第3先読み予告)の態様を設定する。なお、第3先読み予告では、第2先読み予告よりも明確に特図変動表示ゲームの結果を報知する事前報知(第2事前報知)を行っている。
主制御用マイコン710は、まず、第2先読み予告態様に制御中の始動記憶表示の存在を確認する(ステップB1601)。そして該当する始動記憶表示が存在するか否かを判定し(ステップB1602)、存在しない場合には(ステップB1602の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、第2先読み予告態様に制御中の始動記憶表示が存在する場合には(ステップB1602の結果が「Y」)、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始される直前かを確認する(ステップB1603)。そして、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始タイミングに合致しているか否かを判定する(ステップB1604)。すなわち、第3先読み予告態様(第2事前報知態様)による先読み演出は、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの開始直前に実行される。なお、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの開始時に第3先読み予告態様による先読み演出を実行するようにしてもよい。
主制御用マイコン710は、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの開始タイミングに合致していない場合(ステップB1604の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、最先の始動記憶が消化されている場合(ステップB1604の結果が「Y」)、始動入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得する(ステップB1605)。さらに、取得された当該始動記憶の図柄情報に基づいて、変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(ステップB1606)。
主制御用マイコン710は、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれの場合には(ステップB1606の結果が「Y」)先読み予告の態様を選択するためのテーブルとして、先読み予告選択テーブル1を設定する(ステップB1607)。一方、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(ステップB1606の結果が「N」)、すなわち、大当りの場合には、先読み予告の態様を選択するためのテーブルとして、先読み予告選択テーブル2を設定する(ステップB1608)。なお、先読み予告の態様を選択するためのテーブルについては、図35にて後述する。
主制御用マイコン710は、先読み予告の態様を選択するためのテーブルが選択されると、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する(ステップB1609)。そして、先読み予告の態様を選択するためのテーブル及びステップB1609の処理で取得されたリーチ系統情報に基づいて、先読み予告の態様を選択する(ステップB1610)。そして、対象となる始動記憶表示に選択された先読み予告の態様を設定する(ステップB1611)。なお、先読み予告の態様の詳細については、図34にて後述する。
ここで、図33で説明した先読み予告制御処理2で制御される第三段階の先読み予告(第3先読み予告)について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告態様の一例を示す図である。図34に示すように、第三段階の先読み予告態様は、始動記憶の色を信頼度(期待度)に応じて変更する(第2事前報知態様)。具体的な態様については、図37を参照しながら説明する。なお、始動記憶の色以外にも形状を変更したり、点滅等させたりしてもよい。ただし、どのような態様に変更するとしても、第二段階の先読み予告よりも、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの情報を詳細に(認識容易に)表示することとする。
続いて、先読み予告選択テーブルについて説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告選択テーブルの一例を示す図である。(A)は該当する始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれの場合であり、(B)は大当りの場合である。
先読み予告選択テーブルには、リーチ系統情報ごとに、先読み予告態様及び対応する先読み予告態様の選択率が設定されている。また、リーチの信頼度が高いほど期待度の高い先読み予告態様が選択されやすくなるように構成されている。また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合のほうが信頼度の高い先読み予告が実行されやすいようになっている。
なお、第2先読み予告態様で赤い提灯でルーレットが停止する場合には、すなわち、大当りの期待度が高い態様で第2先読み予告が実行された場合には、第3先読み予告において信頼度の高い先読み予告態様が選択されやすくなるようにしてもよい。
ここで、演出制御装置700は、始動記憶表示が第1事前報知態様に制御された後、さらに該第1事前報知態様よりも変動表示ゲームの実行情報を認識容易な第2事前報知態様に制御する第2事前報知態様制御手段として機能する。
〔画面遷移例〕
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技制御装置600及び演出制御装置700による処理である。続いて、これまでに説明した処理に基づいて実行される演出内容について画面遷移を参照しながら説明する。図36から図39は、本発明の第1の実施の形態の変動表示ゲームにおける演出内容を説明する画面遷移図である。各図は変動表示装置35に出力される画面であり、識別図柄が変動表示される。画面下部左側には第1特図変動表示ゲームの始動記憶が表示されており、画面下部右側には第2特図変動表示ゲームの始動記憶が表示されている。
まず、図36及び図37を参照しながら先読み予告演出について説明する。図36の画面(A)は、変動表示ゲーム開始後、先読み予告設定処理によって第1先読み予告が実行されている状態を示している。画面(A)では第1特図変動表示ゲームの保留数が3の状態となっており、第1先読み予告態様として始動記憶表示を提灯の形に変化させている。第1先読み予告は早期に実行されるため、遊技者は先読み対象の始動記憶を認識しやすく、期待感をもって以降の遊技を行うことができる。
その後、第1先読み予告態様に制御されている始動記憶が存在するため、先読み予告制御処理1によって第2先読み予告が実行される。前述のように、第2先読み予告態様では、提灯役物320に含まれる各提灯が順次点灯するルーレット演出が実行される。このように、役物を使用して先読み演出が実行されることによって、演出が明快になり、遊技者に期待感を感じさせやすくなる。
画面(B−1)は、「夏」が付された白色の提灯が最後に点灯する白第2先読み予告態様となっている。一方、画面(B−2)は、「家紋」が付された赤色の提灯が最後に点灯する赤第2先読み予告態様となっている。前述のように、赤第2先読み予告態様のほうが白第2先読み予告態様よりも期待度が高くなるように設定されている。第1先読み予告態様では、先読み予告が行われるか否かを報知するのみであるが、第2先読み予告態様では期待度を認識可能な態様となるため、遊技者の期待感を徐々に高めることができる。
画面(C−1)及び画面(C−2)に示すように、提灯役物320によるルーレット演出の後、さらに、先読み予告が実行されている始動記憶の表示態様が変化する。変化する始動記憶の表示態様は、ルーレット演出の結果に基づいて設定される。さらに、期待度の高いプレミア的な演出として、この段階で最終段階(第三段階、第3先読み予告態様)の表示態様に切り替えるようにしてもよい。なお、ルーレット演出後の始動記憶の表示態様の変化は必ずしもルーレット演出の結果に基づかなくてもよく、この場合には、ルーレット演出の実行前に始動記憶の表示態様を変化させてもよい。
続いて、先読み予告対象でない始動記憶による変動表示ゲームの実行が継続される(画面(D−1)(D−2))。このとき、期待度の高いプレミア的な演出として、一旦初期段階の表示に切り替えて(始動記憶表示を初期化)、次に実行される先読み予告の対象となる始動記憶による変動表示ゲームで再び先読み演出を開始するようにしてもよい。
その後、画面(E−1)及び(E−2)に示すように、先読み予告対象の始動記憶による変動表示ゲームの開始前に、先読み予告制御処理2によって第3先読み予告が実行される。画面(E−1)では、保留表示が期待度の低い青色で表示され、画面(E−2)では、期待度の高い赤色で表示されている。
以上のように、本発明の第1の実施の形態では、3段階の先読み予告を実行することによって、遊技者の期待感を徐々に高めることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
続いて、先読み演出の終了後、先読み予告対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始される。当該変動表示ゲームでは、前半変動パターンとして図柄演出3が指定されている。以下、変動表示ゲームの詳細について説明する。
なお、本発明の第1の実施の形態では、前述のように、演出制御装置700(識別図柄制御手段、予告演出選択手段)によってさらに詳細な前半変動パターンが選択されるように構成されている。ここで、画面(F−1)では、図柄演出1−3パターン(第2予告演出、第1変動態様)が選択され(図19(E)に対応)、画面(F−2)では、図柄演出3−1パターン(第1予告演出、第2変動態様)が選択されている(図19(F)に対応)ものとして、以降の説明を行う。
図19(E)(F)にて説明したように、図柄演出3に基づく前半変動パターンでは、最初に通常変動が実行される(画面(F−1)(F−2))。そして、画面(G−1)及び(G−2)に示すように、ともに、1回目の図柄演出が実行され、中図柄の「3」の表示態様が通常と異なる態様で変動表示が実行される。このとき、表示態様の異なる「3」は左図柄の識別情報と一致している。
図柄演出1−3パターンが選択されている場合には、画面(H−1)に示すように、中図柄が左図柄と同じ「3」で(仮)停止し、その後、右図柄が再び変動を開始してリーチ状態になる。さらに、画面(I−1)に示すように、SP1リーチと同様の演出が開始され、その後、図39の画面(J−1)に示すように、SP1リーチの前半の演出が実行される。
そして、画面(K−1)に示すように、SP1リーチの途中で画面表示が切り替えられ(逆転演出)、その後、画面(L−1)に示すように、SP3リーチに発展する。SP3リーチは、図柄の揃ったラインと、不揃いのラインとが変動し、図柄の揃ったラインで停止すれば大当りとなる準全回転リーチである。
このように、逆転演出では、相対的に信頼度の低いSP1リーチ(第2リーチ演出)が実行されるように見せながら信頼度の高いSP3リーチ(第1リーチ演出)に変化するので、意外性があり、興趣を高めることができる。特に、図27に示すように、SP1リーチが実行されるように見せながら信頼度の高いSP3リーチが実行される場合には(図柄演出1−3)、図柄演出が複数回実行されるその他の図柄演出(図柄演出3−1,図柄演出3−2)よりも大当りとなる期待度(確率)が高くなるように設定されているので、遊技者はSP1リーチが実行されている間であっても期待感を持つことができる。
一方、図柄演出3−1パターンが選択されている場合には、画面(H−2)に示すように、中図柄が停止しない。そして、画面(I−2)、(J−2)、(K−2)に示すように、さらに、変動を継続し、2回目及び3回目の図柄演出が実行される。このとき、識別図柄の変動速度を切り替える(高速→低速、低速→高速)ことによって、図柄演出の実行回数を遊技者が認識できるようにしてもよい。その後、画面(L−2)に示すように、SP3リーチが実行される。
以上、3段階の先読み予告、及び、図柄演出3が指定された場合に実行可能な2種類の前半変動パターンによる変動表示について説明した。続いて、図柄演出と、最も信頼度の高いSP3リーチとの関係を説明する。図40は、本発明の第1の実施の形態の図柄演出からSP3リーチが実行されるまでの画面遷移を説明する図である。
画面(M)では、図38の画面(G−1)に示したように、特定の識別図柄の表示態様が異なった態様で変動表示している図柄演出が実行されている。そして、画面(N)に示すように表示態様の異なる識別図柄が左図柄と一致したときに、画面(O)に示すように、図柄の揃ったラインと、不揃いのラインとが混在してすべての識別図柄が同時に変動を開始する演出が開始される。このような変動態様は、SP3リーチの開始時の態様と類似している。
その後、画面(P)に示すように、左図柄と右図柄とが一旦停止し、再び中図柄の変動表示が開始される。このとき、画面(M)に示すように、再び特定の識別図柄の表示態様が異なった態様で変動表示する図柄演出を実行する。ここで態様が異なる識別図柄は、左図柄と一致する「2」となる。その後、(M)から(O)に相当する変動表示が実行され、画面(O)の状態からSP3リーチに遷移する場合がある。
また、(M)から(O)に相当する変動表示が1回の図柄演出に対応し、図柄演出の実行回数が多いほどSP3リーチに遷移する確率が高くなる。また、所定回数(例えば、3回)の図柄演出が実行された場合には、必ずSP3リーチが実行されるようにしてもよい。さらに、図柄演出の回数が増えるごとに図柄の揃ったラインの数を増やすようにしてもよく、大当りの期待度に応じて図柄演出の回数を増減させてもよい。
このように、図柄演出を複数回実行させることによって、信頼度の高いSP3リーチが発生することを予見できるので、遊技者の期待感を高めることができる。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、一の変動表示時間(変動パターン)に対応して、リーチ演出が共通な複数の予告演出を実行するので、どの予告演出が選択されるか楽しむことができる。
また、第3予告演出において第2変動態様が行われた場合には、遊技者第2リーチ演出が実行されることを予想するのに対して、第2予告演出において、第2変動態様が行われた場合には、第1リーチ演出が実行されるので、意外性があり興趣が高まる。第2予告演出においては、第2リーチ演出へ発展したと見せかけてから、第1リーチ演出に発展するので、第1リーチ演出への発展がさらに意外性を持ったものになり興趣が高まる
また、本発明の第1の実施の形態によれば、先読み予告が実行される場合に、まず、変動表示ゲームの実行情報がわからないように(大当りとなるかの推察ができないように)先読み予告が実行されることを予告するので、期待感が減衰しない。そして、先読み予告が実行されることが予告されてから、実際に先読み予告が実行されるまでに期待感を持って遊技を行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、先読み予告実行のプロセスとしても、単にいきなり先読み予告が実行されるわけではなく、段階的に実行されるので予告としての盛り上がりが段階的となり興趣が高まる。
(第1の実施の形態の第1変形例)
本発明の第1の実施の形態では、特別遊技状態が終了した後、所定回数の変動表示ゲームが実行された後、所定のゲーム数が実行される間、変動パターンを選択するテーブルを通常テーブルから特殊テーブルに切り替えていた。特殊テーブルでは、ノーマルリーチが選択されないように構成されているため、リーチが発生すれば必ずSP1リーチ以上が発生するようになっていた(図17)。
しかしながら、特殊テーブルを使用した場合、変動表示ゲームの当選確率が高くなっていないにもかかわらず、より期待度の高い図柄演出が選択されやすくなっている。そこで、第1の実施の形態の変形例として、特殊テーブルを使用する前に遊技者の期待感を過剰に煽らないように、選択される前半変動パターンを変更する。その他の構成については第1の実施の形態と同様であり、共通の構成及び処理については、同じ符号を割り当てて説明を省略する。また、第1変形例以外にも、以降説明する変形例及び別実施形態については、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、重複する説明については省略する。
図41は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。第1変形例における変動パターン情報設定処理では、前半変動が通常変動でない場合(ステップB1308の結果が「N」)の処理が第1の実施の形態と相違する。
主制御用マイコン710は、前半変動が通常変動でない場合には(ステップB1308の結果が「N」)、先読み禁止状態となっているか否かを判定する(ステップB1701)。先読み禁止状態は、停電復帰時の他にも変動パターンを選択するためのテーブルを通常テーブルから特殊テーブルに変更する時に、遊技制御装置600から送信された先読み禁止コマンドを受信した場合に設定される。すなわち、先読み禁止状態であれば、特殊テーブルに切り替える前の状態であると判断することができる。
主制御用マイコン710は、先読み禁止状態でない場合には(ステップB1701の結果が「N」)、第1の実施の形態と同様に、図柄演出パターンテーブル1から図柄演出を選択する(ステップB1310)。
一方、主制御用マイコン710は、先読み禁止状態の場合には(ステップB1701の結果が「Y」)、図柄演出パターンテーブル2から図柄演出を選択する(ステップB1702)。図柄演出パターンテーブル2は、図27に示した図柄演出パターンテーブル1と略同じ構成となっているが、図柄演出3選択時に、特に期待度の高い図柄演出1−3が選択されないように構成されている。
〔第1の実施の形態の第1変形例の効果〕
以上のように構成することによって、図柄変動を選択するテーブルを特殊テーブルに切り替える前に、遊技者の期待感を過剰に煽らないようにすることができる。
(第1の実施の形態の第2変形例)
本発明の第1の実施の形態の第1変形例では、特殊テーブルを使用する前に遊技者の期待感を過剰に煽らないように、選択される前半変動パターンを変更していた。しかし、期待度の高いリーチの発生確率が高くなる特殊テーブルによってSPリーチが発生した後、通常テーブルに変更されているにもかかわらず実情にそぐわない期待感を遊技者が持ち続けてしまうおそれがある。
そこで、第2変形例として、特殊テーブルから通常テーブルに変更された後、所定の回数は期待度の高い変動が実行されないように制御する。
図42は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。第2変形例における変動パターン情報設定処理では、前半変動が通常変動でない場合(ステップB1308の結果が「N」)の処理が第1変形例と同様に第1の実施の形態と相違する。
主制御用マイコン710は、前半変動が通常変動でない場合には(ステップB1308の結果が「N」)、先読み禁止状態が解除されてから実行された変動表示ゲームの回数が所定回数以内であるかを確認する(ステップB1801)。そして、先読み禁止状態が解除されてから実行された変動表示ゲームの回数が所定回数以内であるか否かを判定し(ステップB1802)、所定以内でない場合には(ステップB1802の結果が「N」)、第1の実施の形態と同様に、図柄演出パターンテーブル1から図柄演出を選択する(ステップB1310)。
一方、主制御用マイコン710は、先読み禁止状態が解除されてから実行された変動表示ゲームの回数が所定回数以内の場合には(ステップB1801の結果が「Y」)、図柄演出パターンテーブル2から図柄演出を選択する(ステップB1802)。図柄演出パターンテーブル2は、第1変形例の場合と同じである。
〔第1の実施の形態の第2変形例の効果〕
以上のように構成することによって、図柄変動を選択するテーブルを特殊テーブルに切り替えた後に、遊技者の期待感を過剰に煽らないようにすることができる。
(その他の変形例)
以上説明した第1変形例及び第2変形例の他に、以下の変形例が挙げられる。
例えば、特定態様の先読み予告が実行されている場合にのみ、図柄演出パターンテーブル2を選択可能としてもよい。具体的には、リーチの種類を示す先読みコマンドなどを設け、当該コマンドによってリーチの種類を判別して図柄演出パターンテーブル2を選択可能とするか否かを判定するようにしてもよい。
また、普電サポートのない状態で特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合、すなわち、潜伏確変状態の場合には、期待度の高い演出が実行されるように制御してもよい。例えば、図柄変動3の場合に図柄演出1−3の選択確率を高くするように制御したり、先読み予告を実行時に、先読み予告選択テーブル2を使用したりする。
さらに、大当りとなる図柄の種類に応じて賞球数(大当り中に獲得可能な遊技球の総数)が異なる場合など、遊技者に有利になる特定の図柄でリーチとなる場合に、リーチの途中で先読み演出や図柄を差し替えられるように図柄演出パターンテーブルを差し替えるようにしてもよい。
また、遊技者が所定のタイミングで演出ボタン17を操作した場合に図柄演出パターンテーブルを変更するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、1の始動記憶で先読み予告が実行される場合には、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行が完了するまで他の始動記憶に対して先読み予告を実行しないように制御していた。これに対し、第2の実施の形態では、先読み予告を実行する始動記憶が含まれている場合であっても、後続の始動記憶に対応する変動表示ゲームの期待度が高い場合には、先読み予告の実施対象の始動記憶を変更するように制御する。このように制御することによって、より確度の高い先読み予告を実行することが可能となる。
第2の実施の形態では、前述のように、先読み予告が実行される始動記憶が含まれている場合であっても、所定の条件で、先行する始動記憶による先読み予告を中止し、後続の始動記憶に基づく先読み予告を実行するように制御する。そこで、第1の実施の形態で第一段階の先読み予告の態様を設定する先読み予告設定処理において、先読み予告を実行しているか否かを判定する処理(ステップB1407)の後に後続の始動記憶の先読み予告を実行するか否かを判定する処理を追加する。
〔先読み予告設定処理〕
図43は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。本発明の第2の実施の形態では、前述のように、第1の実施の形態の先読み予告設定処理におけるステップB1407の処理の後に、先読み予告重複時処理を実行する(ステップB2401)。その他の処理については、第1の実施の形態と同じである。先読み予告重複時処理については、図44にて後述する。
図44は、本発明の第2の実施の形態の先読み予告重複時処理の手順を示すフローチャートである。先読み予告重複時処理では、先読み予告を実行する始動記憶を変更するか否かを判定する処理である。
主制御用マイコン710は、まず、第1先読み予告対象に制御中の始動記憶表示が存在するかを確認する(ステップB2501)。第1先読み予告対象とは、3段階の先読み予告のうち第一段階の先読み予告であり、第1の実施の形態では始動記憶の形状が提灯に変化した状態となっている。
そして、主制御用マイコン710は、該当する始動記憶表示が存在するか否かを判定する(ステップB2502)。該当する始動記憶表示が存在しない場合には(ステップB2502の結果が「N」)、本処理を終了する。なお、該当する始動記憶表示が存在しても実際に演出が開始される前であれば、本処理を終了してもよい。
一方、主制御用マイコン710は、該当する始動記憶表示が存在する場合には(ステップB2502の結果が「Y」)、先読み予告を実行している先行始動記憶に対応する始動記憶入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドの内容を確認する(ステップB2503)。
さらに、主制御用マイコン710は、今回受信した後続始動記憶に対応する始動記憶入賞演出図柄コマンド及び始動口入賞演出コマンドの内容を確認する(ステップB2504)。
主制御用マイコン710は、ステップB2503の処理で取得した先行始動記憶に対応するコマンドの内容と、ステップB2504の処理で取得した後続始動記憶に対応するコマンドの内容とを比較し、先読み情報比較テーブルに基づいて先読み予告の対象の始動記憶を変更するかを確認する(ステップB2505)。先読み情報比較テーブルについては、図45にて後述する。
そして、主制御用マイコン710は、先読み予告の対象となる始動記憶を変更するか否かを判定する(ステップB2506)。先読み予告の対象となる始動記憶を変更する場合には(ステップB2506の結果が「Y」)、後続始動記憶の表示を第1先読み予告態様に設定する(B2507)。なお、先行始動記憶の第1先読み予告態様は通常の態様に戻す。このとき、先読み予告の対象が移動する演出などを実行してもよい。
図45は、本発明の第2の実施の形態の先行始動記憶又は後続始動記憶のいずれに対して先読み予告をするかを決定するための先読み情報比較テーブルの一例を示す図である。
先読み情報比較テーブルは、前述のように、先行始動記憶の内容と後続始動記憶の内容とを比較することによって先読み予告の対象を決定するためのテーブルである。第2の実施の形態では、先行始動記憶の後半変動(先行保留)と後続始動記憶の後半変動(後続保留)の対応に対し、先読み予告を変更するか否かが指定されている。
さらに具体的に説明すると、後続保留が先行保留よりも期待度が高い場合に先読み予告対象が変更される。なお、後続保留と先行保留とが同じ場合であっても、変動時間が相違する場合には変動時間が長い保留で先読み予告を実行するようにしてもよい。また、変動表示ゲームの結果に基づいて一方の始動記憶で大当りが発生する場合には、大当りが発生する始動記憶で先読み演出を実行するようにしてもよい。
〔画面遷移例〕
図46は、本発明の第2の実施の形態における先読み予告重複時における第1先読み予告態様の変化を示す画面遷移の一例を示す図である。
画面(A)は、第1特図変動表示ゲームの3番目の始動記憶に対して第1先読み予告態様の先読み予告が行われている状態で、新たに始動入賞口に遊技球が入賞した状態を示している。第1先読み予告態様の先読み予告が行われている状態で遊技球が入賞すると、先読み予告重複時処理(ステップB2401)が実行される。
画面(B)では、新たに入賞した遊技球に基づく始動記憶によって先読み予告対象を変更すると判定されたために(ステップB2506の結果が「Y」)、先読み対象の始動記憶が3番目から4番目に移動している様子を示している。そして、画面(C)は移動後の状態を示している。
〔第2の実施の形態の効果〕
本発明の第2の実施の形態では、変動パターンだけで先読み予告の対象を変更するか否かを判定しているため、変動表示ゲームの結果に依存しないように構成されている。すなわち、先行保留の変動パターンがSP1リーチであって結果が大当りであっても、後続保留の変動パターンがSP2リーチであれば、先読み予告の対象が変更される。したがって、先読み予告の対象が移動したことによって移動後の始動記憶に基づく変動表示ゲームに期待している遊技者に対し、移動前の始動記憶で大当りを発生させることによって驚きを与えることができる。
本発明の第2の実施の形態によれば、後続の始動記憶が所定表示態様に制御されるため、先読み予告そのものがなくなるわけではないので、遊技者の期待感を損ねることがない。特に、遊技者には先読み予告の対象が移動したように見えるため、後続の始動記憶に基づく変動表示ゲームの期待感をより高めることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、先読み予告の実行抽選に当選すると、直ちに先読み予告の実行が設定されていたが、第3の実施の形態では、先読み予告の対象となる始動記憶に対応する変動表示ゲームが実行されるまでの間に、複数の変動表示ゲームが実行される場合には、後のタイミングで改めて先読み予告の実行可否を判定するように構成される。
〔先読み予告設定処理〕
図47は、本発明の第3の実施の形態の先読み予告設定処理の手順を示すフローチャートである。
第3の実施の形態の先読み予告設定処理では、保留数が2以下の場合には(ステップB1408の結果が「N」)、先読み予告対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるまでの期間が短いので、第1の実施の形態と同様に、先読み予告の実行を設定する(ステップB1413〜ステップB2404)。なお、ステップB2401からステップB2404までの処理は図28のステップB1414からステップB1417までの処理と同じである。
そして、主制御用マイコン710は、保留数が3以上の場合であって(ステップB1408の結果が「Y」)、先読み予告を実行する場合には(ステップB1416の結果が「Y」)、選択された先読み予告の実行を設定するのではなく、先読み予告実行可能フラグを設定する(ステップB2405)。そして、後述する先読み予告実行処理において先読み予告実行可能フラグが設定されている場合に、遊技状態などに基づいて先読み予告を実行するか否かを判定する。
〔変動中処理〕
図48は、本発明の第3の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。第3の実施の形態では、ステップB1213又はステップB1210の処理の後、先読み予告実行処理(ステップB2501)を実行する点で第1の実施の形態と相違する。先読み予告実行処理については、図49にて後述する。
〔先読み予告実行処理〕
図49は、本発明の第3の実施の形態の先読み予告実行処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、先読み予告実行可能フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB2601)。先読み予告実行可能フラグが設定されていない場合には(ステップB2601の結果が「N」)、先読み予告を実行しないため、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、先読み予告実行可能フラグが設定されている場合には(ステップB2601の結果が「Y」)、保留数が3以上であるか否かを判定する(ステップB2602)。保留数が3以上でない場合には(ステップB2602の結果が「N」)、本処理を終了する。保留数が3以上であるか否かの判定は、先読み予告設定処理においてすでに実行されており(ステップB1408)、ステップB2602の処理は2回目の判定である。ステップB1408の処理で保留数が3であって、かつ、ステップB2602の処理が実行されるまでの間に始動記憶が消化されることで不整合が生じる可能性があるが、極めて稀な場合であるため無視してもよい。これに該当する場合であっても先読み予告が実行されないのみであり、遊技の結果に影響を与えることはない。
主制御用マイコン710は、保留数が3以上の場合には(ステップB2602の結果が「Y」)、実行中の変動表示ゲームの進行状況が所定の進行状況となっているかを確認する(ステップB2603)。そして、実行中の変動表示ゲームの進行状況が所定の進行状況となっているか否かを判定する(ステップB2603)。
所定の進行状況とは、例えば、実行中の変動表示ゲームに対する期待感が低下している場合であり、具体的には、期待度の低い予告が出現した場合、SPリーチが発生して結果がはずれだった場合、図柄の変動が終了した場合、疑似連続変動演出において失敗演出が実行された場合などである。
主制御用マイコン710は、実行中の変動表示ゲームの進行状況が所定の進行状況となっている場合には(ステップB2604の結果が「Y」)、選択済みの先読み予告を設定する(ステップB2605)。その後、先読み予告実行可能フラグをクリアし(ステップB2606)、本処理を終了する。また、実行中の変動表示ゲームの進行状況が所定の進行状況となっていない場合には(ステップB2604の結果が「N」)、本処理を終了する。
以上のように、第3の実施の形態では、所定の進行状況の場合にのみ先読み予告を実行する。第3の実施の形態では、はずれが確定した場合など、遊技者が落胆する状況を所定の進行状況としているため、遊技者の期待感を再び高めることができる。
第1の実施の形態では、先読み予告の対象となる始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始されたか否かを判定することによって第2特図変動表示ゲームの優先実行による第2先読み予告の実行タイミングを調整していた。しかし、第3の実施の形態では、第1先読み予告態様が実行されるか否かを判断するタイミングが先読み予告実行処理で設定されるため、第1先読み予告態様が開始された時点の最先始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されたか否かを判定することによって、第2先読み予告の実行タイミングを設定する。
図50は、本発明の第3の実施の形態の先読み予告制御処理1の手順を示すフローチャートである。前述のように、第3の実施の形態の先読み予告制御処理1では、第1先読み予告態様が表示されている場合に(ステップB1502の結果が「Y」)、当該第1先読み予告態様の開始時における最先始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始されているかを確認する(ステップB2701)。そして、当該第1先読み予告態様の開始時における最先始動記憶が消化されている場合に第2先読み予告態様で先読み予告を実行する。
〔第3の実施の形態の効果〕
このように、第3の実施の形態によれば、遊技者が落胆する状況で先読み予告を実行するように制御するため、遊技者の期待感を再び高めることが可能となる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。