以下、図面を参照して、本発明の実施の形態による遊技機について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図5参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図5参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図5参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ23(図3参照)によって磁気を検出したり、電波センサ24(図3参照)によって不正な電波を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
続いて、図を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の表面に、区画部材としてのガイドレール33を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口部が形成され、センターケース34はその開口部に遊技盤30の前方から嵌装される。
遊技盤30の裏面には、表示装置35を備える制御ベースユニットが配設される。表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する。制御ベースは、内部に空間を有する箱型の部材であり、制御ベースユニットは、センターケース34との間で遊技盤30を挟むようにして、遊技盤30の裏面に取り付けられる。
センターケース34の開口部34aは表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。なお、表示装置35の表示部35aは、液晶表示器に限らず、EL、CRT等であってもよい。表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの表示領域)を有しており、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。
センターケース34の左側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口37bとを備える。なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲーム(又は単に変動表示ゲーム)と称する。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材(普通電動役物)37cを備えている。開閉部材37cは、通常状態においては、遊技球の直径程度の間隔を空けた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図3参照)によって、先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入しやすい入賞容易状態(遊技者にとって有利な状態)となる。開閉部材37cは、遊技制御装置600(図3)によって制御される。
遊技制御装置600は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特定遊技状態としての時短状態(普電サポート状態)を発生させる。例えば、通常状態では、普図変動表示ゲームの当選確率を1/251、開放時間を0.1秒としているのに対し、時短状態では、普図変動表示ゲームの当選確率を250/251、開放時間を1.7秒、さらに開放回数を3回としている。
始動入賞口37の左側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が三つ配設され、始動入賞口37の右側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が一つ配設される。
始動入賞口37の下方の遊技領域31には、特別変動入賞装置41が設けられる。特別変動入賞装置41は、大入賞口と、大入賞口ソレノイド28(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して大入賞口を開放可能とするアタッカ形式の開閉扉41aと、を備える。特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するように構成されている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車や障害釘(図示省略)等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口42が配設される。
遊技盤30(遊技盤本体32)の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)における特図の変動表示、特図入賞記憶数(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームにおける普図の変動表示、普図変動表示ゲームの始動記憶数としての普図入賞記憶数、及び大当たりの決定ラウンド数等を表示する一括表示装置50が配設される。
さらに詳しく説明すると、一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)等54〜60を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置41の開閉回数)を表示するラウンド数表示部が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器60は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド数表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド数表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体46が設けられる。弁体46の下端は内レール44に固定され、弁体46は発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体46は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
遊技領域31内を流下した遊技球は、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口40、又は特別変動入賞装置41の大入賞口に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42から遊技機1の外部に排出される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口40、又は大入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ601(図3参照)によって検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。このとき、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として所定回数分(例えば、最大で4回)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器54及び表示装置35にて表示される。ここで、遊技制御装置600は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段として機能する。
そして、一括表示装置50の特図1表示器51で第1特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置35で実行される。表示装置35では、三つの数字等(記号、キャラクタ図柄など)で構成される識別情報が順に変動表示する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。
飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第1特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの表示図柄が揃った状態で停止する。この場合には、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
大当り遊技状態中では、特別変動入賞装置41の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口に遊技球が入賞することによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、第1特図変動表示ゲームが大当りとなった場合にはラウンド数は例えば2回に設定される。また、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果に基づいて特別遊技状態を生成する特別遊技状態制御手段をなしている。
大当り遊技状態後に遊技状態が時短状態(普電サポート状態)に移行すると、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)が所定回数行われるまで継続される。
普図始動ゲート36を遊技球が通過すると、ゲートスイッチ603(図3参照)によって検出され、一括表示装置50で普図変動表示ゲームが開始される。ゲートスイッチ603は、例えば、非接触型のスイッチである。普図始動ゲート36に遊技球が所定のタイミングで通過すると、普図変動表示ゲームの結果が当りとなる。この場合には、普電ソレノイド27(図3参照)によって開閉部材37cが開かれ、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート36を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶される。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。
第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。このとき、第1始動入賞口37aに入賞した場合と同様に、各種乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600の特図記憶領域に特図始動入賞記憶として第1始動入賞口37aに入賞した場合とは区別して記憶される。そして、特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図2保留表示器55及び表示装置35にて表示される。
そして、一括表示装置50で第2特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置35で実行される。表示装置35では、三つの数字等で構成される識別情報が順に変動表示する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。飾り特図変動表示ゲームについては第1特図変動表示ゲームの場合と同様である。
第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第2特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの表示図柄が揃った状態で停止する。この場合には、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。特別変動入賞装置41の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。第2特図変動表示ゲームが大当りとなった場合には、ラウンド数は例えば15回に設定される。
なお、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。
また、一括表示装置50において実行される第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームは、同時に実行されないように構成する。同様に、表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないように構成する。
さらに、本実施形態では、第2特図変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームよりも優先せずに、入賞順に特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。特図変動表示ゲームの実行については後述する。
なお、特図変動表示ゲームの実行順序はこれに限らず、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行される、すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようにしても良い。
〔遊技制御装置/演出制御装置〕
次に、図3及び図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605a〜605mが接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
カウントスイッチ605a〜605mは、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605a〜605mによって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604a〜604nなどを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、高確率表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態表示部(第2遊技状態表示器)58、ラウンド数表示部59、エラー表示器60が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。
演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が許容されるように、開閉部材37cを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605a〜605mからの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンド(主基板コマンド)を受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、入力ポート623の状態を読み込み(ステップA1004)、割込み処理のモードを設定する(ステップA1005)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(ステップA1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置600が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置600)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(ステップA1007〜ステップA1011)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(ステップA1007)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1008)。そして、ステップA1007の処理で設定したチェック回数分だけステップA1008の判定を繰り返す(ステップA1009)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(ステップA1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置600が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(ステップA1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップA1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(ステップA1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(ステップA1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、ステップA1007の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(ステップA1011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1013)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1014)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1016、ステップA1017)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、ステップA1017の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1016、ステップA1017の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1018)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1019)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1016又はステップA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1019の結果が「N」)、図6のステップA1040からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップA1020)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1021)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1021の結果が「N」)、ステップA1024以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1022)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率表示部のLEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1023)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1024)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1042)。さらに、電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1025以降の処理を実行する。
なお、ステップA1024で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1043で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、ステップA1024又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1026)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1027)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1028)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、ステップA1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1029からステップA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1029)の前に割り込みを許可(ステップA1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1033〜ステップA1039)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1033)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1036)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605a〜605mなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605a〜mが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(ステップA1111)。さらに、電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(ステップA1112)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1113)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1114)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1115)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1116)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1108)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置41内に設けられたカウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(ステップA1203)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1205)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1205の結果が「N」)、ステップA1217以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1205の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1206)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1207)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1208)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1209)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1209の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1210)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図12にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1209の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1211)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特図変動中処理の詳細については、図22にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1209の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1212)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。また、大当りラウンド決定処理を行うために必要な情報を設定する。特図表示中処理の詳細については、図23にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1209の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1213)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1209の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1209の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1215)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を「6」に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1209の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1216)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図29にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1217)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に対応する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1218)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1219)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に対応する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1220)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA1303)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1303の結果が「Y」)、ステップA1305以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1303の結果が「N」)、普電不正入賞が発生しているか否かを判定する(ステップA1304)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。ステップA1304の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生している場合には(ステップA1304の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生していない場合には(ステップA1304の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1305)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1306)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1302、ステップA1306)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1401の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1401の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(ステップA1402)。乱数が抽出されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し(ステップA1406)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(ステップA1409)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1409の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1410)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA1411)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1412)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1413)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1414)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1415)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA1417)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1416の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(ステップA1418)。特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1409の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1419)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1420)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(ステップA1418)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1501)。先読み演出の実行条件は、先読み禁止情報が設定されていないことである。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(ステップA1501の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(ステップA1501の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1502)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、ステップA1502の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1503)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(ステップA1503の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(ステップA1506)。そして、ステップA1507以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(ステップA1503の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1504)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA1504の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(ステップA1505)。
続いて、遊技制御装置600は、ステップA1505の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はステップA1506の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(ステップA1507)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(ステップA1508)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1509)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1510)。特図情報設定処理の詳細については、図19にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(ステップA1510)、変動パターン全体を設定するための変動パターン設定処理を実行する(ステップA1511)。変動パターン設定処理の詳細については、図20にて後述する。なお、特図変動表示ゲームの結果ごとに変動パターン設定処理を定義し、対象の特図変動表示ゲームの結果に応じて対応する変動パターン設定処理を実行するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(ステップA1513)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1514)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA1210)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(ステップA1601a)。さらに、特図2保留数が0の場合には(ステップA1601aの結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(ステップA1606)。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合には(ステップA1601aの結果が「N」)、変動順序フラグが特図2であるか否かを判定する(ステップA1601b)。変動順序フラグは、次に実行される変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームのいずれかであるかを示すフラグである。本実施形態では、第2特図変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームよりも優先せずに、入賞順に特図変動表示ゲームを実行する。
ここで、変動順序フラグについて図13を参照しながら説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の変動順序フラグを格納する変動順序フラグセーブ領域の一例を説明する図である。変動順序フラグセーブ領域は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611のRAM611cに記憶される。本実施形態では、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームを各々最大4回ずつ保留可能に構成され、最大8回の変動表示ゲームの実行を保留することができる。
変動順序フラグセーブ領域は、入賞順に00Hから07Hまでの領域に順次入賞した始動入賞口に対応する変動順序フラグを格納する。そして、実行中の変動表示ゲームが終了すると、変動待ち保留1用の領域から変動順序フラグが取得され、変動待ち保留2用以降の領域に記憶されている変動順序フラグが順次シフトされる。
ここで、図12のフローチャートの説明に戻る。遊技制御装置600は、変動順序フラグが特図2でない場合には(ステップA1601bの結果が「N」)、特図2変動表示ゲームを実行しないため、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(ステップA1606)。
遊技制御装置600は、変動順序フラグが特図2の場合には(ステップA1601bの結果が「Y」)、−1更新後の特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA1602)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1603)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(ステップA1604)。特図2変動開始処理の詳細については、図14(B)にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(ステップA1605)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合には(ステップA1606の結果が「N」)、−1更新後の特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA1607)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1608)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(ステップA1609)。特図1変動開始処理の詳細については、図14(A)にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(ステップA1610)、特図普段処理を終了する。
なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(ステップA1611)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(ステップA1611の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップA1612)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA1613)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1614)。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、ステップA1615以降の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1615)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図変動開始処理(ステップA1604、ステップA1609)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図変動開始処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は第1特図変動表示ゲームの開始時に実行される特図1変動開始処理、(B)は第2特図変動表示ゲームの開始時に実行される特図2変動開始処理である。まず、特図1変動開始処理について説明する。
遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をRWMの変動図柄判別領域にセーブする(ステップA1701)。次に、最先の始動記憶に対応する第1特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合に大当りフラグ1を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(ステップA1702)。
次に、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に対応する特図1停止図柄設定処理を実行する(ステップA1703)。特図1停止図柄設定処理の詳細については、図16にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(ステップA1708)。特図情報設定処理の詳細については、図19にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、特図1用の変動パターン(変動表示時間)に関する情報を、始動記憶として記憶されている乱数に基づき設定する特図1パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA1705)。続いて、第1特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行し(ステップA1706)。変動パターン設定処理の詳細については、図20にて後述する。
最後に、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(ステップA1707)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理の詳細については、図21にて後述する。
また、(B)に示す特図2変動開始処理(ステップA1609)は、特図1変動開始処理と同様の手順であり、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行される。
〔大当りフラグ設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理の詳細について説明する。図15Aは、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして、前回のセーブ内容をはずれ情報にてクリアする(ステップA4001)。
次に、遊技制御装置600は、RWMの特図1用の大当り乱数セーブ領域(特図1始動記憶領域)から判定対象となる特図1用の大当り乱数をロードして準備した後(ステップA4002)、大当り判定処理を実行する(ステップA4003)。大当り判定処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する処理であって、詳細については図18にて後述する。そして、遊技制御装置600は、判定対象の大当り乱数が大当りか否かを判定する(ステップA4004)。
次に、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りである場合には(ステップA4004の結果が「Y」)、大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブする(ステップA4005)。大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きした後、又は、大当り判定処理の判定結果が大当りではない場合には(ステップA4004の結果が「N」)、本処理を終了する。
また、図15Bは、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。大当りフラグ2設定処理は、大当りフラグ1設定処理と同様の手順であり、処理に用いるRWMの領域が異なる。
次に、前述した特図変動開始処理における特図停止図柄設定処理(ステップA1703、ステップA1713)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。図17は、本発明の第1の実施の形態の特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1が設定されているか否か、すなわち、対象の特図1変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(ステップA1801a)。大当りフラグ1が設定されている場合には(ステップA1801aの結果が「Y」)、保留数1用、すなわち、変動が開始される始動記憶に対応する特図1大当り図柄乱数格納領域から乱数をロードする(ステップA1802a)。さらに、停止図柄を決定するためのテーブルとして、特図1用の大当り図柄テーブルを設定する(ステップA1803a)。
次に、遊技制御装置600は、ステップA1802aの処理で取得した大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号をステップA1803aの処理で設定された特図1用の大当り図柄テーブルから取得し、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA1804a)。
続いて、遊技制御装置600は、現在の遊技状態に対応する大当り停止図柄情報テーブルを設定する(ステップA1805a)。そして、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを大当り停止図柄情報テーブルから取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA1806a)。さらに、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得し、確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA1807a)。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1が設定されていない場合には(ステップA1801aの結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を取得し、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA1808a)。さらに、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA1809a)。
ステップA1807a又はステップA1809aの処理が終了すると、遊技制御装置600は、飾り特図コマンドテーブルから停止図柄パターンに対応し、ACTION部及びMODE部からなる飾り特図1コマンドを準備する(ステップA1810a)。さらに、飾り特図コマンド領域に、ステップA1810aの処理で取得された飾り特図コマンドをセーブし(ステップA1811a)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1812a)。
さらに、遊技制御装置600は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1813a)。最後に、特図1用の大当り図柄乱数セーブ領域を0クリアし(ステップA1814a)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
また、図17に示す特図2停止図柄設定処理は、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行され、特図1停止図柄設定処理と同様の手順であるため、説明を省略する。
〔大当り判定処理〕
次に、前述した大当りフラグ設定処理における大当り判定の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
大当り判定処理は、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数が、大当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である。具体的には、判定時の遊技状態(確率状態)に応じて判定値の上限値と下限値とを大当り乱数値と比較して判定する。
遊技制御装置600は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定する(ステップA4101)。下限判定値は、低確率用の判定値も高確率用の判定値も同一の数値である。
次に、遊技制御装置600は、判定対象の大当り乱数の値がステップA4101の処理でセットした下限判定値未満であるかをチェックし、判定する(ステップA4102)。判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合には(ステップA4103の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(ステップA4107)、本処理を終了する。
一方、判定対象の大当り乱数の値が下限判定値未満ではない場合には(ステップA4102の結果が「N」)、遊技制御装置600は、現時点が高確率時であるか否か、すなわち、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する(ステップA4103)。高確率時である場合には(ステップA4103の結果が「Y」)、高確率時の上限判定値を設定する(ステップA4104)。また、高確率時ではない場合には(ステップA4103の結果が「N」)、低確率時の上限判定値を設定する(ステップA4105)。
次に、遊技制御装置600は、判定対象の大当り乱数の値がステップA4104又はA4105の処理でセットした上限判定値よりも大きい値であるかを判定する(ステップA4106)。判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超える場合には(ステップA4106の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(ステップA4107)、本処理を終了する。
一方、判定対象の大当り乱数の値が上限判定値を超えない場合には(ステップA4106の結果が「N」)、大当り乱数の値が大当り判定値に該当する値であるため、遊技制御装置600は、判定結果として大当りを設定し(ステップA4108)、本処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA1704、ステップA1714)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(ステップA1901)。時短状態でない場合には(ステップA1901の結果が「N」)、通常時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA1902)。一方、時短状態の場合には(ステップA1901の結果が「Y」)、時短時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA1903)。
遊技制御装置600は、変動パターン選択グループ情報テーブルが設定されると、設定された変動パターン選択グループ情報テーブルから変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードする(ステップA1904)。さらに、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得し、変動振分情報1領域にセーブする(ステップA1905)。
これにより変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(特図1又は特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、時短状態か否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。
なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず、変動グループを選択し、さらに、この変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。一の変動パターンを選択する際に、新たに別の乱数を取得するようにしてもよい。
続いて、遊技制御装置600は、振分ベースポインタテーブルを設定し(ステップA1906)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(ステップA1907)。さらに、取得された振分ベースポインタに演出モード番号を加算し(ステップA1908)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA1909)、特図情報設定処理を終了する。
これにより変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報及び演出モード情報に基づいて取得される変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA1706、ステップA1716)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
変動パターン設定処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA2001)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA2002)。
そして、遊技制御装置600は、演出モード番号が2未満(0又は1のいずれか)であるか否かを判定する(ステップA2003)。演出モード番号が2未満でない場合には(ステップA2003の結果が「N」)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるか否かを判定する(ステップA2004)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合には(ステップA2004の結果が「N」)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA2007)。
一方、遊技制御装置600は、演出モード番号が2未満である場合(ステップA2003の結果が「Y」)、又は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合には(ステップA2004の結果が「Y」)、ステップA2002の処理で準備した後半変動グループテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA2005)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(ステップA2006)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA2007)。
なお、演出モード番号が2未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合は、保留数情報に対応する変動振分情報1に基づいてアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための2バイト振分処理を実行する(ステップA2008)。そして、2バイト振分処理によって選択された後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA2009)。さらに、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップA2010)。
さらに、遊技制御装置600は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択する振り分け処理を実行する(ステップA2011)。そして、振分処理によって選択された後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA2012)。この処理により、後半変動パターンが設定される。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA2013)、変動振分情報1及び変動振分情報2(決定された後半変動番号を含む)に基づいてテーブル選択ポインタを算出する(ステップA2014)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップA2015)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(ステップA2016)。
その後、遊技制御装置600は、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択する振り分け処理を実行する(ステップA2017)。そして、振分処理によって選択された前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップA2018)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定される。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA1707、ステップA1717)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動開始情報設定処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA2101)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA2102)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA2103)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA2104)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA2105)。
そして、遊技制御装置600は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA2106)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2107)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA2108)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA2109)、コマンド設定処理を行う(ステップA2110)。
次に、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(ステップA2111)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA2112)。さらに、乱数格納領域をシフトし(ステップA2113)、シフト後の空き領域を0クリアする(ステップA2114)。
その後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(ステップA2115)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(ステップA2116の結果が「Y」)、演出モード番号が3である場合には(ステップA2117の結果が「Y」)、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(ステップA2118)。
遊技制御装置600は、特図高確率中でない場合には(ステップA2118の結果が「N」)、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(ステップA2119)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(ステップA2121)、コマンド設定処理(ステップA2122)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。
また、遊技制御装置600は、特図高確率中である場合には(ステップA2118の結果が「Y」)、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブする(ステップA2120)。そして、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備し(ステップA2121)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2122)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。なお、延長表示時間が設定されていない場合には、停止情報コマンドを演出制御装置700に送信しなくてもよい。また、大当り終了後からの回転数を演出制御装置700が管理することで延長表示時間が設定された場合であっても停止情報コマンドをしないようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(ステップA2116の結果が「N」)、又は、演出モード番号が3でない場合には(ステップA2117の結果が「N」)、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず通常停止時間が設定される。
このように特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置600が、始動記憶手段(遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなしている。また、遊技制御装置600が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなしている。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は、演出制御装置700に送信され、演出制御装置700では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づいて、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置700に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置700での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA1211)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、停止延長情報(停止延長情報1又は2)があるか否かを判定する(ステップA2301)。停止延長情報がない場合には(ステップA2301の結果が「N」)、通常特図表示時間(例えば600ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2302)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図変動中処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、停止延長情報がある場合には(ステップA2301の結果が「Y」)、停止延長情報1であるか否かを判定する(ステップA2303)。停止延長情報1である場合には(ステップA2303の結果が「Y」)、特図延長表示時間1(例えば3500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2304)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、停止延長情報1でない場合(ステップA2303の結果が「N」)、すなわち停止延長情報2である場合には、特図延長表示時間2(例えば14300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2305)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置600が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなしている。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA1212)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードし(ステップA2501)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA2502)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定する(ステップA2503)。
遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2が大当りである場合には(ステップA2503の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA2511)。そして、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2512)。
一方、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2が大当りでない場合には(ステップA2503の結果が「N」)、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードし(ステップA2504)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA2505)。続いて、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定する(ステップA2506)。
遊技制御装置600は、大当りフラグ1が大当りでない場合には(ステップA2506の結果が「N」)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行し(ステップA2507)、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数更新処理を実行し(ステップA2508)、さらに、高確率状態とする変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数更新処理を実行する(ステップA2509)。そして、特図普段処理移行設定処理を実行し(ステップA2510)、その後、特図表示中処理を終了する。なお、時短状態の実行回数を管理は、変動開始時に行ってもよい。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1が大当りである場合には(ステップA2506の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2511)。そして、ステップA2514以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、特図1又は特図2が大当りの場合には、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA2514)。ラウンド数上限値テーブルは、大当りの種類に応じたラウンド数の上限値が定義されたテーブルである。
次に、遊技制御装置600は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA2515)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA2516)。これによりラウンド数表示部59に大当りのラウンド数が表示される。
その後、遊技制御装置600は、表示装置35で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA2517)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(ステップA2518)。
次に、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA2519)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2520)。
続いて、遊技制御装置600は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す停止図柄パターン番号をRWMからロードし、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップA2521)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2522)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置700に送信するように設定する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2523)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば6000ms又は48ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2524)。
そして、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置41)の大入賞口不正入賞数領域をクリアする(ステップA2525)。さらに、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA2526)。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグをロードし(ステップA2527)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(ステップA2528)。これにより特別結果が発生した際における演出モードの情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(ステップA2529)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1については、図24を参照して後述する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA2529)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
続いて、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号である「3」を設定し(ステップA2801)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA2802)。
次に、遊技制御装置600は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA2803)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2804)。
その後、遊技制御装置600は、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA2805)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブする(ステップA2806)。さらに、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA2807)。
そして、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA2808)、さらに、高確率状態の表示に対応する遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部59)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアする(ステップA2809)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA2810)。
次に、遊技制御装置600は、停電復旧時に演出制御装置700に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA2811)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA2812)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常動作状態となる。
その後、遊技制御装置600は、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA2813)、演出残り回転数領域をクリアする(ステップA2814)。そして、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブし(ステップA2815)、さらに、演出モードコマンド領域に演出モード1のコマンドをセーブする(ステップA2816)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、前述した特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA2507)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(ステップA2901)。次モード移行情報が更新なしコードである場合には(ステップA2901の結果が「Y」)、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば、高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合などである。
また、遊技制御装置600は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合には(ステップA2901の結果が「N」)、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新する(ステップA2902)。そして、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(ステップA2903)。
遊技制御装置600は、演出残り回転数が0となった場合(ステップA2903の結果が「Y」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合には、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA2904)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA2905)。
そして、遊技制御装置600は、移行する演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブし(ステップA2906)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブする(ステップA2907)。さらに、移行する演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA2908)。
その後、遊技制御装置600は、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA2909)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブする(ステップA2910)。その後、コマンド設定処理を実行し(ステップA2911)、演出モード情報チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、演出残り回転数が0でない場合(ステップA2903の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも現在の演出モードが継続する場合には、演出残り回転数が規定回転数(例えば8回)であるか否かを判定する(ステップA2912)。
遊技制御装置600は、演出残り回転数が規定回転数でない場合には(ステップA2912の結果が「N」)、演出モード情報チェック処理を終了する。一方、演出残り回転数が規定回転数である場合には(ステップA2912の結果が「Y」)、先読み予告の実行を禁止する先読み禁止情報をセーブする(ステップA2913)。
さらに、遊技制御装置600は、特図保留数をロードし(ステップA2914)、さらに、特図保留数に対応した演出モード切替準備コマンドを準備する(ステップA2915)。ここで、図26を参照しながら演出モード切替準備コマンドの詳細について説明する。
図26は、本発明の第1の実施の形態の演出モード切替準備コマンドの一例を示す図である。本実施形態では、前述のように、第2特図変動表示ゲームを優先して実行せずに、入賞順に特図変動表示ゲームが実行され、最大8回分の始動記憶を保留することができる。演出モード切替準備コマンドは、特図保留数に対応するだけ定義されており、図26に示すように、特図保留数が0から8までに対応している。また、演出モード切替準備コマンドは、演出モード切替準備コマンドであることを示すMODE部(“A5h”)と特図保留数に対応するACTION部(“01h”〜“09h”)によって構成される。
ここで、図25の演出モード情報チェック処理の説明に戻る。遊技制御装置600は、演出モード切替準備コマンドが準備されると、当該演出モード切替準備コマンドを演出制御装置700に送信するためのコマンド設定処理を実行し(ステップA2916)、その後、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。
以上のように遊技制御装置600で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA2508)の詳細について説明する。図27Aは、本発明の第1の実施の形態の時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図時短(時短状態)中であるか否かを判定する(ステップA3001)。特図時短中でない場合には(ステップA3001の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合には(ステップA3001の結果が「Y」)、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数を−1更新し(ステップA3002)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(ステップA3003)。
遊技制御装置600は、時間短縮変動回数が0でない場合(ステップA3003の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が0である場合(ステップA3003の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を準備し(ステップA3004)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3005)。その後、時短終了設定処理を実行する(ステップA3006)。時短終了設定処理の詳細については、図28Aにて後述する。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA2509)の詳細について説明する。図27Bは、本発明の第1の実施の形態の高確率変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(ステップA3010)。特図高確率中でない場合には(ステップA3010の結果が「N」)、高確率変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図高確率中である場合には(ステップA3010の結果が「Y」)、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する特図高確率変動回数を−1更新し(ステップA3011)、特図高確率変動回数が0となったか否かを判定する(ステップA3012)。
遊技制御装置600は、特図高確率変動回数が0でない場合(ステップA3012の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも高確率状態が継続する場合には、高確率変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図高確率変動回数が0である場合(ステップA3012の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで高確率状態が終了する場合には、確率情報コマンド(特図高確率終了)を準備し(ステップA3013)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3014)。その後、特図高確率終了設定処理を実行し(ステップA3015)、高確率変動回数更新処理を終了する。特図高確率終了設定処理の詳細については、図28Bにて後述する。
〔時短終了設定処理〕
次に、前述した時間短縮変動回数更新処理における時短終了設定処理(ステップA3007)の詳細について説明する。図28Aは、本発明の第1の実施の形態の時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3101)、さらに、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3102)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブし(ステップA3103)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA3104)。その後、時短終了設定処理を終了する。
〔特図高確率終了設定処理〕
次に、前述した高確率変動回数更新処理における特図高確率終了設定処理(ステップA3011)の詳細について説明する。図28Bは、本発明の第1の実施の形態の高確率終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3111)、さらに、特図高確率終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3112)。
次に、遊技制御装置600は、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA3113)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA3114)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA3115)、先読み禁止情報をクリアする(ステップA3116)。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA1217)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に時短状態になる場合に設定される時短有りデータか否かを判定する(ステップA3201)。
遊技制御装置600は、時短有りデータでない場合には(ステップA3201の結果が「N」)、大当り終了設定処理1を実行する(ステップA3202)。一方、時短有りデータである場合には(ステップA3201の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(ステップA3203)。大当り終了設定処理1及び大当り終了設定処理2の詳細については、図30にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA3204)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3205)。
次に、遊技制御装置600は、演出モードの管理に必要な情報をセーブするために、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップA3206)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(ステップA3207)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップA3208)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA3209)。
その後、遊技制御装置600は、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA3210)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブし(ステップA3211)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3212)。最後に、特図普段処理移行設定処理3を実行し(ステップA3213)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA3202)及び大当り終了設定処理2(ステップA3203)の詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は大当り終了設定処理1、(B)は大当り終了設定処理2を示す。
最初に大当り終了設定処理1について説明する。遊技制御装置600は、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3301)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3302)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブし(ステップA3303)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA3304)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率・時短なし)をセーブし(ステップA3305)、時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA3306)。最後に、特図高確率変動回数領域に特図高確率変動回数初期値をセーブし(ステップA3307)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに時短なし状態(いわゆる潜伏確変状態)となる。また、時短変動回数領域をクリアし、特図高確率変動回数領域に特図高確率変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により潜伏確変状態が終了するようになる。
続いて、大当り終了設定処理2について説明する。遊技制御装置600は、まず、高確率・時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3311)、高確率・時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3312)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA3313)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率・時短フラグをセーブする(ステップA3314)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率・時短)をセーブし(ステップA3315)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば、70回)をセーブする(ステップA3316)。さらに、特図高確率変動回数領域に特図高確率変動回数初期値をセーブし(ステップA3317)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに時短状態(いわゆる確変状態)となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば70)、特図高確率変動回数領域に特図高確率変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により確変状態が終了するようになる。
なお、時短変動回数初期値と特図高確率変動回数初期値とを異なる数に設定するようにしてもよい。例えば、最大始動記憶数分(例えば、8)だけ特図高確率変動回数初期値が大きくなるように設定することによって、確変状態の終了まで高確率状態で先読み予告を実行しても、先読み予告の禁止期間を設けなくても先読み予告の内容に齟齬が生じることを防ぐことができる。また、特図高確率変動回数初期値を時短変動回数初期値よりも小さい値に設定してもよい。
以上が、遊技制御装置600(メイン基板)で実行される処理の説明である。続いて、遊技制御装置600から受信したコマンドに基づいて実行される演出制御について説明する。演出制御は、演出制御装置700(サブ基板)によって実行される。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行される1stCPUメイン処理の詳細を説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される1stCPUメイン処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン710は、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に、作業領域であるRAM711を0クリアする(ステップB1002)。次に、CPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。次に、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。
次に、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(ステップB1006)。そして、割込みを許可する(ステップB1007)。割込みの発生タイミングではコマンド受信割込み処理が実行される。
ここで、主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(ステップB1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(ステップB1009)。次に、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
次に、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1010)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。
次に、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。さらに、演出制御装置700は、映像制御用マイコン720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1014)。
次に、主制御用マイコン710は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1015)。次に、LED等の装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1017)。
次に、主制御用マイコン710は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1018)、ステップB1008の処理に戻る。以降、ステップB1008からステップB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、上述した1stメイン処理における1stシーン制御処理の詳細について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1301)。テスト中モードの場合には(ステップB1301の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、本処理を終了する。
遊技機1がテスト中モードでない場合には(ステップB1301の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1302)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1302の結果が「N」)、ステップB1307以降の処理を実行する。
シーン変更コマンドを受信している場合には(ステップB1302の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、更新する(現在の)遊技状態を取得し(ステップB1303)、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1304)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。有効なコマンドを受信していない場合には(ステップB1304の結果が「N」)、ステップB1307以降の処理を実行する。
有効なコマンドを受信した場合には(ステップB1304の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブし(ステップB1305)、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1306)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(ステップB1311)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1307)。
受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、電源投入処理を実行する(ステップB1308)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、停電復旧処理を実行する(ステップB1309)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、客待ち処理を実行する(ステップB1310)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、変動中処理を実行する(ステップB1311)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、図柄停止処理を実行する(ステップB1312)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、ファンファーレ処理を実行する(ステップB1313)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレ音をスピーカ10から出力する。
受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、ラウンド中処理を実行する(ステップB1314)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、インターバル処理を実行する(ステップB1315)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、主制御用マイコン710は、エンディング処理を実行する(ステップB1316)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
次に、主制御用マイコン710は、図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1317)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
次に、主制御用マイコン710は、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1318)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(ステップB1319)。先読みコマンド受信処理は、受信した先読みコマンドの内容に基づいて、先読み演出の態様を設定する処理である。先読みコマンド受信処理の詳細については、図33にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行し(ステップB1320)、本処理を終了する。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。確率情報コマンド受信処理が終了すると、1stシーン制御処理を終了し、1stメイン処理に復帰する。
〔先読みコマンド受信処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB1318)の詳細について説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、先読み禁止期間中であるか否かを判定する(ステップB1801)。先読み禁止期間中でない場合には(ステップB1801の結果が「N」)、さらに、演出モード切替準備コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1802)。演出モード切替準備コマンドを受信した場合には(ステップB1802の結果が「Y」)、先読み禁止期間情報をセーブする(ステップB1803)。
一方、主制御用マイコン710は、先読み禁止期間中の場合(ステップB1801の結果が「Y」)、又は、先読み期間情報がセーブされた後には、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の状態が終了したか否かを判定する(ステップB1804)。特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の状態が終了した場合には(ステップB1804の結果が「Y」)、先読み予告の判定を行うタイミングと実際に変動表示ゲームが実行されるタイミングとで当選確率が異なる可能性があるため、矛盾が生じないように先読み禁止期間情報をクリアする(ステップB1805)。
一方、主制御用マイコン710は、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の状態を終了していない場合には(ステップB1804の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出モード切替準備コマンドを受信していない場合には(ステップB1802の結果が「N」)、先読みコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1806)。先読みコマンドを受信していない場合には(ステップB1806の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、先読みコマンドを受信した場合には(ステップB1806の結果が「Y」)、先読み情報を対応する始動記憶領域にセーブする(ステップB1807)。さらに、当該始動記憶に大当りに関する情報が含まれているかをチェックし、判定する(ステップB1808、B1809)。大当りに関する情報が含まれていない場合には(ステップB1809の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、先読み情報に対応する始動記憶に大当りに関する情報が含まれている場合には(ステップB1809の結果が「Y」)、大当りが発生することを予告するために、大当り演出設定処理(ステップB1810)、及び、予告演出設定処理を実行し(ステップB1811)、本処理を終了する。
なお、先読み情報に対応する始動記憶に大当りに関する情報が含まれていない場合でも、所定の確率で予告演出設定処理(ステップB1811)を実行するようにしても良い。この場合、始動記憶に大当りに関する情報が含まれていないと判定されると(ステップB1809の結果が「N」)、先読み情報に対応する始動記憶に所定の変動パターンの実行に関する情報が含まれているかをチェックし、所定の変動パターンの実行に関する情報が含まれている場合は、所定の乱数に基づいて予告演出設定処理(ステップB1811)を実行するか否かを決定する。
これにより、様々な予告演出を実行することができ、遊技の演出効果を向上させることが可能となる。
〔先読み予告禁止期間〕
続いて、特定遊技状態が終了するタイミングにおける先読み予告の実行態様について説明する。本実施形態では、特定遊技状態が終了するタイミングで特図変動表示ゲームの当選確率が高確率状態から低確率状態に移行するため、入賞時の確率状態と変動表示ゲーム開始時の確率状態とが異なる可能性がある。そのため、特定遊技状態が終了する前の所定期間、先読み予告を禁止する期間(先読み禁止期間)を設けている。このように先読み禁止期間を設けることによって、大当り期待度の高い先読み予告報知を行ったにもかかわらず、大当りが発生しない、リーチすら発生しないといった遊技者の大当り発生に対する期待感を裏切るような演出が発生することを防止することができる。
図34は、本発明の第1の実施の形態の先読み禁止期間を説明する図であり、(A)は先読み禁止期間が固定の場合、(B)は先読み禁止期間(先読み可能期間)が可変の場合を示す。
(A)に示すように、先読み禁止期間が固定の場合には、特定遊技状態が終了するまでの所定期間、先読み予告の実行を禁止する。例えば、先読み禁止期間は、最大始動記憶数に対応して設定される。本実施形態では、最大始動記憶数が8であるため、特定遊技状態が終了する最後の8回の変動表示ゲームの実行中における入賞については先読み予告を禁止する。
このように設定することによって、特定遊技状態の終了後に実行される特図変動表示ゲームを高確率状態で事前判定を行うことを確実に防止することができる。
先読み禁止期間となった時点で始動記憶が最大まで記憶されている場合には、その始動記憶に対応する変動表示ゲームが実行されて新たな始動記憶が記憶可能となり、その後新たに記憶された始動記憶は低確率状態で実行される。一方、始動記憶が最大まで記憶されていない場合には、先読み禁止期間となった時点で記憶可能な始動記憶数だけ、対応する特図変動表示ゲームが高確率状態で実行される。
そこで、(B)に示す態様では、特定遊技状態の残り変動回数が最大始動記憶数(本実施形態では8)と一致した時点(判定基点、所定時期)で記憶されている始動記憶については先読み予告を実行し、以降、特定遊技状態が終了するまでの間、先読み禁止期間に設定する。この場合、判定基点における始動記憶数は可変なので、先読み禁止期間も可変になる。また、先読み可能期間も可変となっており、判定基点における始動記憶数に対応する。
先読み可能期間を可変にして先読み予告禁止期間を抑えることによって、特定遊技状態で実行されるより多くの変動表示ゲームで先読み予告を行うことが可能となる。また、判定基点(所定時期)における始動記憶数に対応して先読み予告を実行可能な期間が可変となるため、多彩な先読み予告を実行することができる。さらに、判定基点における始動記憶に対して先読み予告が実行されるか否かに一喜一憂することが可能となり、判定基点からの演出を楽しむことができる。
〔先読み可能範囲(画面遷移)〕
以上説明したように、先読み禁止期間が可変となる場合の先読み可能な範囲について説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の先読み可能範囲を説明する画面遷移図である。
画面(A)では、特定遊技状態における残りゲーム数が最大始動記憶数である8回になる直前の変動表示ゲームが実行されており、画面(B)のタイミングで当該変動表示ゲームが終了している。
そして、画面(C)では、特定遊技状態における残りゲーム数が最大始動記憶数に対応する変動表示ゲームが開始され、この時点で先読み禁止期間が設定される。このとき、先読み禁止期間が設定された時点で既に記憶されている始動記憶は先読み可能となっており、画面(D)(F)(H)に示すように、以降、入賞した遊技球に基づく始動記憶は先読み予告が禁止される。
また、先読み可能な期間又は先読み禁止期間を報知するようにしてもよい。例えば、画面(E)(G)(I)に示すように、変動表示ゲームの結果がはずれの場合に停止する中図柄を先読み可能な期間に対応させるようにしてもよい。このように構成することによって、先読み予告が実行可能な期間(事前予告演出実行期間)が明確になり、先読み予告の期待感を高めることが可能となる。
また、先読み可能な期間に特図変動表示ゲームが実行される始動記憶の形状や色を変更してもよいし、先読み可能な期間の最後の始動記憶を変更するようにしてもよい。さらに、始動記憶が配置されている台座など、始動記憶に対応するオブジェクトの形状や色を変更するようにしてもよい。このように構成することによって、先読み演出の実行タイミングが明確になり、演出が発生するか否かを遊技者が集中して見ることができる。
一方、先読み可能な期間又は先読み禁止期間を報知しないようにしてもよい。このように構成することによって、先読み演出がいつまで発生するのか不明確になり、演出が発生した際に遊技者を驚愕させることができ、興趣を高めることができる。
また、特定遊技状態が終了すれば、先読み禁止期間中に記憶された始動記憶に対して先読み予告を実行してもよいが、始動記憶の色等が変化する先読み予告は通常の実行タイミングと異なってしまうため、実行できない。そのため、識別図柄を利用した先読み演出、その他のキャラクタ等を表示する先読み演出、役物や盤面装飾部材(LED等)を使用した先読み演出、音を使用した先読み演出等は実行する(変動時事前予告演出)。このように構成することによって、すべての始動記憶に対して先読み演出を実行することが可能となるため、多彩な演出を実行することができる。
ここで、特定遊技状態終了後に、先読み禁止期間中に記憶された始動記憶に基づく先読み演出を実行する変形例について説明する。先読み禁止期間に記憶された始動記憶に対する先読み予告を行う場合には、演出モード情報チェック処理(図25)の先読み禁止情報をセーブする処理(ステップA2913)を実行しないようする。このようにすることで、特図保留情報判定処理(図11)のステップA1501において、先読み演出を常に実行することが可能となる。このとき、特図高確率終了設定処理(図28B)で先読み禁止情報をクリアする処理(ステップA3116)が削除される。
〔先読みコマンド受信処理(可変先読み予告禁止期間)〕
図36は、本発明の第1の実施の形態の先読み禁止期間を可変にする先読みコマンド受信処理の手順を示す図である。
本変形例の先読みコマンド受信処理では、先読み禁止期間中に受信した先読みコマンドであっても、特定遊技状態(特図高確率状態)が終了した後に、未実行の特図変動表示ゲームの結果に対する先読み予告を可能としている。
したがって、演出制御装置700は、先読みコマンド受信処理が実行されると、まず、先読みコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB2001)。先読みコマンドを受信していれば(ステップB2001の結果が「Y」)、対応する始動記憶領域に先読み情報をセーブする(ステップB2002)。
その後、図33に示した本実施形態の先読みコマンド受信処理と同様に、先読み禁止期間中であるか否かを判定する(ステップB1801)。先読み禁止期間中以外の先読み演出の実行に関しては、図33と同様である。
一方、本変形例では、特定遊技状態(特図高確率状態)終了後に、先読み禁止期間中にセーブされた始動記憶に基づく先読み演出を実行する(ステップB2003)。演出制御装置700は、演出モード切替準備コマンド(ステップA2915)の受信で先読み禁止期間を開始し、特図高確率状態の終了を示すコマンド(ステップA3116)で先読み禁止期間を終了する。このように、先読み禁止期間は、演出制御装置700によって監視され、先読み予告の実行が制御される。
さらに、特定遊技状態で高確率状態における先読み判定テーブルを用いて先読み予告を実行し、その後、先読み禁止期間が設定された後であっても、低確率状態における先読み判定テーブルを用いて先読み予告を継続するようにしてもよい。このように構成することによって、先読み予告を継続して実行することが可能となり、演出を多彩にすることができる。さらに、先読み予告の結果と対応する特図変動表示ゲームの結果との間に齟齬が生じることを防ぐことができる。
先読み禁止期間が設定された後に、低確率状態における先読み判定テーブルを用いて先読み予告を継続する場合には、常に先読み予告を実行するため、先読み禁止期間までは特図変動表示ゲームの結果を判定するテーブルに高確率状態のテーブルを使用し、先読み禁止期間以降は低確率状態のテーブルを使用すればよい。
なお、先読み禁止期間設定後の先読み演出は、大当りとなる場合のみ実行するようにしてもよい。この場合には、始動記憶表示を変化させるなどして明確に報知するようにしてもよい。
また、高確率状態の回数と時短回数を異ならせた場合(時短回数を先に終了させる)、時短終了後の残りの高確率状態のゲームにおいて、変動表示ゲームで大当りが発生すること、及び先読み演出が発生することの両方を遊技者に期待させることができるため、遊技者の演出に対する興趣を高めることができる。
(先読み予告の変形例)
前述した先読み予告では、判定基点における始動記憶に応じて先読み予告を行うことによって先読み禁止期間を可変にしていたが、特定遊技状態の終了までの始動記憶を監視することによって高確率状態における先読み予告を最大限実行できるように制御する。
図37は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告監視期間を説明する図である。本変形例では、特定遊技状態の残り変動回数が始動記憶数と一致した時点で、特定遊技状態が終了するまでの間、先読み禁止期間に設定する。例えば、始動記憶数が5個の状態で、特定遊技状態の残りのゲーム数が5回であれば、この時点で先読み禁止期間を設定する。
このように制御することによって、特定遊技状態が終了するまで先読み予告を実行することが可能となるため、遊技状態が変化する特定遊技状態の終了間際であっても先読み予告が実行可能となり、演出を多彩にすることができる。
〔特図保留情報判定処理〕
本変形例では、始動入賞口に遊技球が入賞したタイミングで特定遊技状態の残り回数と特図保留との数が一致するか否かを判定し、高確率状態で先読み判定を行う始動記憶を特定する。図38は、本発明の第1の実施の形態の変形例の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、特図保留情報判定処理が開始されると、まず、先読み期間延長中か否かを判定する(ステップA3801)。先読み期間延長中でない場合には(ステップA3801の結果が「N」)、ステップA1501以降の通常の特図保留情報判定処理を実行する。
一方、先読み期間延長中の場合には(ステップA3801の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、特図保留数をロードし(ステップA3802)、さらに、規定回転数と特図保留数との差が0であるか否かを判定する(ステップA3803)。規定回転数と特図保留数との差が0でない場合には(ステップA3803の結果が「N」)、ステップA1501以降の通常の特図保留情報判定処理を実行する。
遊技制御装置600は、規定回転数と特図保留数との差が0の場合には(ステップA3803の結果が「Y」)、高確率状態の先読み予告が可能な期間が終了したため、先読み禁止情報をセーブし(ステップA3804)、期間延長情報をクリアする(ステップA3805)。その後、ステップA1501以降の通常の特図保留情報判定処理を実行する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、期間延長情報がセーブされるタイミングについて説明する。図39は、本発明の第1の実施の形態の変形例の演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。期間延長情報は、演出モード情報チェック処理において、演出残り回転数が規定回転数となったタイミングでセーブされる。具体的に説明すると、本実施形態では、規定回転数は最大始動記憶数である8であり、演出残り回転数が8になったタイミングで期間延長情報がセーブされる(ステップA2920)。そして、前述のように、特図保留数(始動記憶数)が演出残り回転数と一致したタイミングで期間延長情報をクリアする。
なお、ステップA2901からステップA2912までの処理は、本実施形態の演出モード情報チェック処理と同じである。
〔先読み可能範囲(画面遷移)〕
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例の先読み可能範囲を説明する図である。
画面(A)では、特定遊技状態における残りゲーム数が最大始動記憶数である8回になる直前の変動表示ゲームが実行されており、このとき、演出残り回転数が規定回転数と一致する(ステップA2912の結果が「Y」)。そして、期間延長情報がセーブされる(ステップA2920)。
そして、画面(A)で実行中の特図変動表示ゲームが終了すると(画面(B))、画面(C)では、特定遊技状態における残りゲーム数が最大始動記憶数に対応する変動表示ゲームが開始される。このとき、実行中の特図変動表示ゲームと、既に記憶されている4回分の始動記憶及び始動記憶が記憶されていない3回分の特図変動表示ゲームとが高確率状態で実行される。
その後、遊技球が始動入賞口に入賞し、始動記憶数が増加する。画面(D)では始動記憶数が画面(C)の状態から増加している。画面(E)では、特図変動表示ゲームの実行が終了するまでに、高確率状態で実行される分の始動記憶が記憶されたことを示している。このとき、演出残り回転数が特図保留数と一致し(ステップA3803の結果が「Y」)、このタイミングで先読み禁止情報がセーブされ(ステップA3804)、さらに、期間延長情報がクリアされる(ステップA3805)。このように、特定遊技状態における残りゲーム数が最大始動記憶数と一致したタイミングで始動記憶手段に記憶されていない始動記憶に対しても先読み予告が実行可能となる。また、特定遊技状態の終了まで先読み予告の実行を期待することができ、特定遊技状態における大当りの発生に対する遊技者の期待感を特定遊技状態の最後まで持続させることができる。
なお、画面(E)に示すように、高確率状態で実行される先読み可能な始動記憶の表示を通常とは異なる表示にしてもよい。また、本実施形態では、先読み可能な始動記憶数を特図変動表示ゲームの結果で報知するようにしている。画面(E)では、先読み報知が可能な特図変動表示ゲームの回数である「7」が中図柄に表示され、さらに、強調して表示される。
そして、画面(F)から(I)に示すように、以降、入賞した遊技球に基づいて実行される特図変動表示ゲームは、特定遊技状態が終了するまで、先読み禁止となる。また、先読み可能な始動記憶数が表示される(画面(G)(I))。
以上のように、本変形例によれば、先読み予告に齟齬が生じない期間を監視することによって、特定遊技状態が終了するまで最大限先読み予告を行うことが可能となる。特に、特定遊技状態が継続する回数が短い場合には有効である。例えば、特定遊技状態の継続回数が10回の場合、本実施形態のように、残り変動回数が規定回転数に到達した時点で先読み予告が禁止されると、先読み予告の対象が2回だけとなってしまう可能性があるが、本変形例のように制御することによって、特定遊技状態が継続する回数分だけ先読み予告を実行することが可能となる。
ここまで説明した遊技機では、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率となり、かつ、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放頻度が高くなる特定遊技状態となっていたが、発生した大当りに応じて特定遊技状態の内容が異なるようにしてもよい。例えば、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率のままで、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放頻度が高くなるようにしてもよい。以下、大当りの種類によって、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率に設定される場合(確変状態)と低確率のままである場合(時短状態)とが混在する例について説明する。また、いずれの場合であっても特別遊技状態終了後には、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放頻度が高くなるように設定される。
〔大当り終了処理〕
まず、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理について説明する。図41は、本発明の第1の実施の形態の変形例の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データか否かを判定する(ステップA3221)。
遊技制御装置600は、高確率データでない場合には(ステップA3201の結果が「N」)、大当り終了設定処理1を実行する(ステップA3202)。一方、高確率データである場合には(ステップA3201の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(ステップA3203)。ステップA3204以降の処理については、図29と同様である。
〔大当り終了設定処理〕
次に、前述した本実施形態の変形例における大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA3202)及び大当り終了設定処理2(ステップA3203)の詳細について説明する。図41は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は大当り終了設定処理1、(B)は大当り終了設定処理2を示す。
最初に大当り終了設定処理1について説明する。遊技制御装置600は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3321)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3322)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA3323)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(ステップA3324)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA3325)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば70)をセーブして(ステップA3326)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
続いて、大当り終了設定処理2について説明する。遊技制御装置600は、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3331)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3332)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA3333)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする(ステップA3334)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA3335)、時間短縮変動回数領域をクリアして(ステップA3336)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。
以上のように、大当り終了設定処理を実行することによって、特別遊技状態終了後に、確変状態や時短状態の特定遊技状態に移行させることが可能となる。その後、特定遊技状態において特図変動表示ゲームが実行され、特定遊技状態を終了させる処理が相違する。具体的には、特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理が相違し、高確率変動回数更新処理を行わない点が相違する。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA2508)の詳細について説明する。図43は、本発明の第1の実施の形態の変形例の時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(ステップA3021)。特図高確率中である場合には(ステップA3021の結果が「Y」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図高確率中でない場合には(ステップA3021の結果が「Y」)、ステップA3001からステップA3006までの処理を実行する。このステップA3001からステップA3006までの処理は、図27Aに示した時間短縮変動回数更新処理と共通である。なお、ステップA3006の時短終了設定処理については図28Aに示した時短終了設定処理と一部処理が相違する。
〔時短終了設定処理〕
図44は、本発明の第1の実施の形態の変形例の時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3101)、さらに、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3102)。
次に、遊技制御装置600は、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA3121)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA3103)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA3122)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップA3123)。最後に、先読み禁止情報をクリアし(ステップA3124)、時短終了設定処理を終了する。
以上のように、時短状態(特定遊技状態)の終了時に、先読み禁止情報をクリアすることによって、以降、先読み予告を実行することが可能となる。なお、先読み禁止情報のセーブは、前述したように、演出モード情報チェック処理で行われる。
以上のように、大当り終了後に特図変動表示ゲームの当選確率が高確率になる場合と、高確率にならない場合とが混在する場合であっても、同様に、先読み予告の実行制御を行うことが可能となる。なお、大当り終了後に特図変動表示ゲームの当選確率が高確率にならない場合には、先読み予告の禁止制御を行わなくてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、変動表示ゲームにおいて、先読み可能な変動表示ゲームの数を報知していたが、第2の実施の形態の変動表示ゲームでは、識別図柄の変動表示を擬似的に停止させ、再変動させる擬似連続変動が実行可能となっている。
また、本実施形態の擬似連続変動では、停止回数が変動表示ゲームの信頼度に対応する。また、リーチ発生前、リーチ発生後、又は、リーチ発生前後のいずれの場合でも擬似連続変動を実行することが可能となっている。
さらに、擬似連続変動は、遊技制御装置600から送信された変動パターンコマンド(変動時間)に基づいて実行するか否かが決定される。また、停止回数についても同様である。なお、擬似連続変動に対応する変動パターンコマンドをあらかじめ定義することによって、遊技制御装置600が擬似連続変動の実行可否(及び停止回数)を決定可能に構成してもよい。
なお、擬似連続変動において、変動開始から仮停止(停止表示)までを「擬似変動表示」とし、このとき停止表示された図柄を「擬似識別情報」とする。また、擬似連続変動が終了し、変動表示ゲームの結果を示す図柄(確定識別情報)が表示されることを「確定表示」とする。また、以降の実施形態については、第1の実施の形態と同様の処理については説明を省略する。
擬似連続変動を含む変動表示ゲームの演出態様は、前述した第1の実施の形態の1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1311)の変動パターン情報設定処理で決定される。まず、変動中処理について説明する。
〔変動中処理〕
図45は、本発明の第2の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1501)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1501の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、PB(プッシュボタン)情報をクリアする(ステップB1502)。PB(プッシュボタン)情報とは、演出ボタン17による入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(ステップB1503)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を実行する(ステップB1504)。変動パターン情報設定処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて変動時間や予告演出を設定したりする。さらに、前述した擬似連続変動の実行可否及び停止回数なども設定される。変動パターン情報設定処理の詳細については、図46にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1505)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
さらに、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1506)。その後、変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(ステップB1507)。そして、最初のシーンを設定し、シーン更新タイマをセットする(ステップB1508)。最後に、演出リクエストフラグをクリアし(ステップB1509)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1501の結果が「N」)、シーン更新タイマが0になったか否かを判定する(ステップB1511)。シーン更新タイマが0になった場合(ステップB1511の結果が「Y」)、すなわち、シーンの切り替えタイミングの場合には、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1512)。
さらに、主制御用マイコン710は、シーンに対応する各種可動役物(演出装置)を動作させる。具体的には、奥側演出動作制御処理(ステップB1513)、下部演出動作制御処理(ステップB1514)、上部演出動作制御処理(ステップB1515)、右部演出動作制御処理(ステップB1516)が実行される。
〔変動パターン情報設定処理〕
次に、前述した変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB1504)の詳細について説明する。図46は、本発明の第2の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、擬似連続変動を実行する場合に設定される擬似連実行情報が設定されているか否かを判定する(ステップB1601)。擬似連実行情報が設定されていない場合には(ステップB1601の結果が「N」)、停止図柄情報を取得する。なお、擬似連実行情報が設定されていない場合は、例えば、変動中であって擬似連続変動を実行しない場合、擬似連続変動を実行する前の場合である。
続いて、主制御用マイコン710は、保留情報をセーブし(ステップB1603)、さらに、遊技状態を取得する(ステップB1604)。さらに、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB1605)。演出情報は、擬似連続変動を実行するか否か、リーチの種類などの情報に対応する。
主制御用マイコン710は、ステップB1605の処理で取得した演出情報に基づいて擬似連続変動を実行するか否かを判定する(ステップB1606)。擬似連続変動を実行しない場合には(ステップB1606の結果が「N」)、ステップB1602の処理で取得した停止図柄を設定する(ステップB1607)。最後に、ステップB1604の処理で取得した遊技状態と、ステップB1605の処理で取得した演出情報とに基づいて、変動パターンを決定し(ステップB1608)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、擬似連続変動を実行する場合には(ステップB1606の結果が「Y」)、取得した演出情報に基づいて擬似連回数をセーブする(ステップB1609)。さらに、擬似連実行情報をセーブする(ステップB1610)。
続いて、1回目の変動表示が実行される。主制御用マイコン710は、まず、擬似連監視回数に1加算する(ステップB1611)。さらに、左右図柄を設定する(ステップB1612)。このとき、左右図柄を同じ図柄に設定すると、リーチが発生する。
さらに、主制御用マイコン710は、擬似連回数に基づいて、中図柄の停止図柄を設定する(ステップB1613)。さらに、擬似連回数と擬似連監視回数に基づいて、確定表示パターンを選択する(ステップB1614)。さらに、擬似変動表示(擬似連続変動における1回の変動表示)に対応する変動パターンを決定する(ステップB1615)。
本実施形態では、仮停止する中図柄によって擬似連続変動が継続するか否かを遊技者が認識することができる。具体的には、図47に示すように、通常の識別図柄とは異なる態様の擬似連用の識別図柄(擬似連確定用図柄)で仮停止すると、擬似連続変動が継続される。少なくとも1回以上の擬似連続変動が実行される場合に、ステップB1611からB1615までの処理は実行される。
その後、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を終了する。そして、次に変動パターン情報設定処理が実行されると、既に擬似連実行情報がセーブされているため(ステップB1601の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、擬似連回数から1を減じた数が0であるか否か、すなわち、擬似連続変動が終了したか否かを判定する(ステップB1616)。
主制御用マイコン710は、擬似連続変動が終了していない場合には(ステップB1616の結果が「N」)、擬似連回数を1減じ(ステップB1617)、次の擬似連続変動表示を実行するために、ステップB1611からステップB1615までの処理を実行する。
一方、主制御用マイコン710は、擬似連回数から1を減じた数が0、すなわち、最後の擬似連続変動である場合には(ステップB1616の結果が「Y」)、実行中の変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(ステップB1618)。大当りでない場合には(ステップB1618の結果が「N」)、はずれ用の停止図柄を設定する(ステップB1622)。
一方、主制御用マイコン710は、実行中の変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(ステップB1618の結果が「Y」)、擬似連監視回数が3であるか否かを判定する(ステップB1619)。擬似連監視回数が3に到達すると(ステップB1619の結果が「Y」)、大当り確定演出が設定される(ステップB1620)。さらに、各停止図柄(左、中、右)を設定する(ステップB1621)。
停止図柄の設定が終了すると、主制御用マイコン710は、擬似連続変動終了後の変動パターンを設定する(ステップB1623)。さらに、疑似連実行情報をクリアし(ステップB1624)、疑似連監視回数をクリアする(ステップB1625)。その後、本処理を終了する。
〔擬似連続表示及び擬似連図柄〕
続いて、本実施形態における擬似連続変動の具体例について説明する。図47は、本発明の第2の実施の形態の擬似連続変動のパターンの一例を示す図である。図48は、本発明の第2の実施の形態の擬似連図柄の一例を示す図である。ここでは、左右図柄が同一に設定、すなわち、リーチが発生した場合について説明する。
本実施形態では、変動表示ゲームが開始されてから、左右図柄が停止し、中図柄が擬似連確定表示(擬似連確定用図柄)で仮停止すると、次の(擬似)連続表示が開始される。一方、擬似連確定表示(擬似連確定用図柄)に類似する擬似連煽り表示(擬似連煽り用図柄)で中図柄が仮停止すると、その後、対応する識別図柄で停止し、変動表示ゲームが終了する(ガセ演出)。
本実施形態では、最大3回の擬似連続変動が実行される。そして、擬似連続変動が実行されるたびに、停止する中図柄の識別情報が、大当りとなる図柄(リーチ図柄、基準識別情報)に近づくように設定される。すなわち、擬似連回数が3回の場合には、まず、リーチ図柄(基準識別情報)の±3の識別情報に対応する図柄(更新識別情報)に対応する擬似連確定表示(擬似連確定用図柄)で中図柄が仮停止する(停止表示される)。そして、3回目の停止表示でリーチ図柄の±1の図柄(更新識別情報)に対応する擬似連確定表示(擬似連確定用図柄)で中図柄が仮停止し、最後の変動を開始し、その後、本停止する。
図47に示すように、本実施形態では、3回目の擬似連続変動が実行された場合には、大当り確定となる。また、擬似連回数が多くなるほど、信頼度の高いリーチが発生するように構成されている。なお、ガセ演出の場合には、擬似連続変動は実行されず、ノーマル(N)リーチとなる。
また、図48に示すように擬似連図柄には、擬似連煽り用図柄と擬似連確定用図柄の2種類があり、擬似連確定用図柄で仮停止した場合のみ、擬似連続変動が継続される。また、擬似連図柄には、キャラ系、実写系、プレミアの3種類の図柄が定義されており、順に大当りの期待度が高くなるように設定されている。例えば、擬似連回数が3回の場合には、1回目の仮停止はキャラ系、2回目は実写系、3回目はプレミア系としてもよい。擬似連回数が2回以下の場合でも最後に停止表示された図柄(擬似識別情報)によって信頼度を報知してもよい。
なお、擬似連煽り用図柄と擬似連確定用図柄のうち、いずれか一方のみを画像ROM704に格納し、他方の図柄はVDP730がフレームバッファに描画データを展開する際に、着色又は色抜き処理を行うことによって表示データを作成するようにしてもよい。このように構成することによって、画像ROM704の容量を削減することが可能となる。
このように、擬似変動表示ごとに停止表示される中図柄(更新識別情報)によって報知演出の実行態様が報知され、更新識別情報により変動表示ゲームの結果が導出されるまでの期間が報知されるので、演出内容が理解し易い予告演出を実行することができる。
〔リーチ後擬似連続変動〕
続いて、図49から図51を参照しながら、リーチ発生後の擬似連続変動の画面遷移を説明する。図49から図51は、本発明の第2の実施の形態のリーチ発生後の擬似連続変動の画面遷移の一例を示す図である。
画面(A)は、変動表示ゲームが実行されている状態を示している。その後、リーチが発生する(画面(B))。そして、一旦、中図柄として「4」が表示される(画面(C))。
画面(C)の状態から、「5」が表示されると(画面(D1))、擬似連続変動は実行されずに、通常のリーチ演出が実行される(画面(E1))。例えば、「5」が表示された後、コマ送りのように「6」→「7」→「8」と変動し、SPリーチが発生する。ノーマルリーチの場合にはそのまま「8」で停止し、はずれが確定となる。なお、ノーマルリーチで大当りが発生する場合には、「8」まで変化せずに「7」で停止するようにしてもよい。
一方、画面(C)の状態から、中図柄が「4」のまま図柄煽り(揺れ変動、色反転、エフェクト付加など)の演出が実行されると、擬似連煽り表示(キャラ系)に変化する(画面(D2))。さらに、擬似連確定表示に変化すると(画面(E2))、擬似連2が実行される。なお、擬似連が実行される場合は、画面(A)から画面(E2)までの変動は擬似連1に対応する。また、擬似連煽り表示から擬似連確定表示に変化しない場合には、そのまま停止し、はずれが確定する。
続いて、擬似連2が開始されると(画面(F))、再び、リーチが発生する(画面(G))。このとき、背景でキャラ系の予告を行うようにしてもよい。この段階でリーチが発生することで、キャラ系のリーチに発展することを遊技者に示唆することができる。
その後、一旦、中図柄として「5」が表示される(画面(H))。画面(H)の状態から、「6」が表示されると(画面(I1))、擬似連続変動は実行されずに、通常のリーチ演出が実行される(画面(J1))。実行されるリーチは、図47に示したように、SPリーチ(弱)であるが、ノーマルリーチとしてそのままはずれを確定させてもよいし、他のリーチを発生させるようにしてもよい。
一方、画面(H)の状態から、中図柄が「5」のまま図柄煽りの演出が実行されると、擬似連煽り表示(実写系)に変化する(画面(I2))。さらに、擬似連確定表示に変化すると(画面(J2))、擬似連3が実行される。なお、擬似連煽り表示から擬似連確定表示に変化しない場合には、画面(J1)に遷移してSPリーチ(弱)などが実行される。
続いて、擬似連3が開始されると(画面(K))、再び、リーチが発生する(画面(L))。このとき、背景で実写系の予告を行うようにしてもよい。この段階でリーチが発生することで、実写系のリーチに発展することを遊技者に示唆することができる。
その後、一旦、中図柄として「6」が表示される(画面(M))。画面(M)の状態から、「7」が表示されると(画面(N1))、中図柄が再変動し、通常のリーチ演出が実行される(画面(O1))。実行されるリーチは、図47に示したように、SPリーチ(強)であるが、ノーマルリーチとしてそのままはずれを確定させてもよいし、他のリーチを発生させるようにしてもよい。
一方、画面(M)の状態から、中図柄が「6」のまま図柄煽りの演出が実行されると、擬似連煽り表示に変化する(画面(N2))。さらに、擬似連確定表示(プレミア)に変化すると(画面(O2))、大当り確定演出が実行される。大当り確定演出では、全回転リーチやプレミア演出などである。また、大当り確定演出を実行せずに、そのまま「7」を表示、大当り確定としてもよい。なお、擬似連煽り表示から擬似連確定表示に変化しない場合には、画面(O1)に遷移してSPリーチ(強)などが実行される。このように構成することによって、1回の変動で大当り発生が確定する演出場面を複数設定することができ、遊技者が興趣を高めるポイントを複数設けることが可能となる。
〔リーチ前擬似連続変動〕
続いて、図52から図54を参照しながら、リーチ発生前の擬似連続変動の画面遷移を説明する。図52から図54は、本発明の第2の実施の形態のリーチ発生前の擬似連続変動の画面遷移の一例を示す図である。
画面(A)は、変動表示ゲームが実行されている状態を示している。そして、画面(B)に示すように、左図柄が停止した後、右図柄が左図柄とは異なる図柄で停止するか否かによって擬似連続変動が実行されるか否かが決定される。右図柄が左図柄と同じ図柄で停止した場合には、リーチが発生する(画面(C1))。リーチが発生した場合には、通常のリーチ演出が発生するか、図49から図51に示したリーチ後の擬似連演出が実行される。
画面(B)の状態から、右図柄が左図柄とは異なる図柄で停止し、さらに、中図柄が「4」で図柄煽りの演出が実行されると、擬似連煽り表示(キャラ系)に変化する(画面(C2))。さらに、擬似連確定表示に変化すると(画面(D))、擬似連2が実行される。なお、擬似連煽り表示から擬似連確定表示に変化しない場合には、そのまま停止し、はずれが確定する。
続いて、擬似連2が開始されると(画面(E))、画面(B)に示した場合と同様に、右図柄が左図柄とは異なる図柄で停止するか否かによって擬似連続変動が実行されるか否かが決定される(画面(F))。右図柄が左図柄と同じ図柄で停止した場合には、リーチが発生し(画面(G1))、前述のように、通常のリーチ演出が発生するか、リーチ後の擬似連演出が実行される。このとき実行されるリーチ後の擬似連演出は、擬似連1(リーチ後)であってもよいし、擬似連2(リーチ後)であってもよい。
画面(F)の状態から、右図柄が左図柄とは異なる図柄で停止し、さらに、中図柄が「5」で図柄煽りの演出が実行されると、擬似連煽り表示(実写系)に変化する(画面(G2))。さらに、擬似連確定表示に変化すると(画面(H))、擬似連3が実行される。なお、擬似連煽り表示から擬似連確定表示に変化しない場合には、そのまま停止し、はずれが確定する。
続いて、擬似連3が開始されると(画面(I))、画面(B)及び画面(F)に示した場合と同様に、右図柄が左図柄とは異なる図柄で停止するか否かによって擬似連続変動が実行されるか否かが決定される(画面(J))。右図柄が左図柄と同じ図柄で停止した場合には、リーチが発生し(画面(K1))、前述のように、通常のリーチ演出が発生するか、リーチ後の擬似連演出が実行される。このとき実行されるリーチ後の擬似連演出は、擬似連1(リーチ後)であってもよいし、擬似連3(リーチ後)であってもよい。
画面(J)の状態から、右図柄が左図柄とは異なる図柄で停止し、さらに、中図柄が「6」で図柄煽りの演出が実行されると、擬似連煽り表示(プレミア)に変化する(画面(K2))。さらに、擬似連確定表示に変化すると(画面(L))、大当り確定演出が実行される。大当り確定演出は、例えば、プレミア演出を表示し、その後、全図柄を半透明にして全回転リーチを行う。なお、擬似連煽り表示から擬似連確定表示に変化しない場合には、そのまま停止し、はずれが確定する。
〔擬似連続変動の効果〕
以上のように、本実施形態によれば、擬似連3において擬似連確定表示が行われるか否かで大当りが発生するか否かを報知するという、従来にない斬新な報知演出を行うことができる。さらに、擬似連の所定段階で擬似連確定表示が表示された後は、大当り確定演出等のプレミア演出を十分に楽しむことができる。
また、本実施形態では、リーチの発生を挟んで擬似連続変動を実行することが可能となっている。この場合、リーチ発生前後に合計3回以上の擬似連続変動が実行された場合に大当り確定としてもよい。さらに、4回目以降に実行される擬似連続変動では、大当り確定とした上で、大当りの種類を報知したり、特別遊技状態におけるラウンド数を報知したりしてもよい。例えば、リーチ前の擬似連続変動を2回実行した後、リーチを発生させ、さらに、3回の擬似連続変動を実行し、擬似連続変動実行の過程で大当りの種類やラウンド数を報知する。
このように、リーチの発生前後、又は、リーチの発生を挟んで擬似連続変動を実行することによって、擬似連演出の演出パターンが多様化して遊技者の興趣を高めるとともに、演出パターンが多様化しても、演出内容が理解し易い予告演出を実行することができる。
本実施形態によれば、擬似連続変動の回数(擬似識別情報の更新回数)が変動表示ゲームの報知演出の実行態様に対応し、擬似連続変動の停止図柄(擬似識別情報)が変動表示ゲームの確定識別情報に基づいて決定されているため、演出内容が理解し易い予告演出を実行することができ、遊技者の興趣を高めることができる。なお、変動表示ゲームの報知演出の実行態様には、リーチ発生後の擬似連続変動のようにリーチ演出を含む演出や、リーチ発生前の擬似連続変動のようにリーチ演出を含まない演出も含まれている。
(第3の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、特別遊技状態終了後、変動表示ゲームの当選確率が高確率であって(高確率状態)、第2始動入賞口37bが入賞容易状態(時短状態)となる特定遊技状態(確変状態)が所定回数の変動表示ゲームの実行が完了するまで継続されるように構成されていた。これに対し、第3の実施の形態の特定遊技状態では、高確率状態とはならずに時短状態になる場合、また、時短状態とはならずに高確率状態になる場合も含まれる。
例えば、大入賞口が複数回短時間(例えば、0.6秒×2回)開閉して特別遊技状態が終了し、その後、時短状態とはならずに高確率状態になる場合がある(いわゆる2R確変大当り)。また、大入賞口が2R確変大当りと同様に動作しながら、確率状態が変化しないいわゆる小当りが発生する。このとき、遊技者にとっては、特別遊技状態だけでは、2R確変大当りが発生したのか、小当りが発生したのかを判断することができない。そこで、本実施形態では、確率状態の報知を曖昧することによって(非報知モード)、興趣を高めている。また、特別遊技状態終了後、時短状態に移行しながら確率状態の報知を曖昧することによって非報知モードもある。
そこで、確率状態を明確に報知しないで遊技を実行する場合には、その現在のモードが確変モードであることを期待させるための演出を行うなどして、遊技者の遊技意欲を駆り立てる必要がある。本実施形態では、停止図柄によって確率状態が高確率である期待度を示唆するように構成されている。具体的には、非報知モードで実行される変動表示ゲームにおいて、確率状態を示唆する状態示唆識別情報を停止図柄に設定する。変動中処理における演出図柄設定処理で停止図柄が設定される。まず、変動中処理について説明する。
〔変動中処理〕
図55は、本発明の第3の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の変動中処理は、図45に示した第2の実施の形態の変動中処理と、変動パターン情報設定処理(ステップB1504)の代わりに、演出図柄設定処理(ステップB1520)が実行される点で相違する。
演出図柄設定処理は、確率状態を示唆する状態示唆識別情報に停止図柄を変化(発展)させるか否かを決定し、さらに、変化させる状態示唆識別情報を決定する。演出図柄設定処理の詳細については、図56にて後述する。また、状態示唆識別情報への変化は、数字などの識別情報が変化するのではなく、例えば、キャラクタが年老いたり、若返ったりする。なお、キャラクタの変化は図57から図59を参照しながら説明する。
〔演出図柄設定処理〕
図56は、本発明の第3の実施の形態の演出図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出図柄固定情報が設定されているか否かを判定する(ステップB1701)。演出図柄固定情報は、変動停止後、状態示唆識別情報に変化させずに図柄を固定する場合に設定される。したがって、主制御用マイコン710は、演出図柄固定情報が設定されている場合には(ステップB1701の結果が「Y」)、停止図柄を変化させる必要がないため、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出図柄固定情報が設定されていない場合には(ステップB1701の結果が「N」)、図柄パターンが選択されているか否かを判定する(ステップB1702)。図柄(発展)パターンとは、停止図柄が状態示唆識別情報に変化(発展)するパターンである。
主制御用マイコン710は、図柄パターンが選択されていない場合には(ステップB1702の結果が「Y」)、図柄パターン選択テーブルをセットする(ステップB1703)。そして、セットされた図柄パターン選択テーブルから図柄パターンを決定し(ステップB1704)、図柄の最大発展数をセーブする(ステップB1705)。
図柄パターンが選択されると(ステップB1702の結果が「Y」又はステップB1705の処理終了後)、遊技状態に応じた演出図柄を決定するための振分テーブルをセットする。主制御用マイコン710は、まず、現在の確率状態が高確率中であるか否かを判定する(ステップB1706)。
主制御用マイコン710は、現在の確率状態が高確率中である場合には(ステップB1706の結果が「Y」)、高確率非電サポ振分テーブルをセットする(ステップB1707)。さらに、電サポ中(普電サポート状態)であるか否かを判定する(ステップB1708)。電サポ中の場合には(ステップB1708の結果が「Y」)、高確率電サポ振分テーブルをセットする(ステップB1709)。
さらに、主制御用マイコン710は、特図延長表示時間であるか否かを判定する(ステップB1710)。本実施形態では、図柄が停止した後、次の変動表示ゲームが開始されるまで時間が延長される場合があり、この延長された時間が特図延長表示時間である。主制御用マイコン710は、特図延長表示時間中である場合には(ステップB1710の結果が「Y」)、図柄の発展に普電サポート状態であるか否かが影響しないため、高確率振分テーブルをセットする(ステップB1709)。
一方、主制御用マイコン710は、現在の確率状態が高確率中でない場合には(ステップB1706の結果が「N」)、低確率非電サポ振分テーブルをセットする(ステップB1712)。さらに、電サポ中であるか否かを判定する(ステップB1713)。電サポ中の場合には(ステップB1713の結果が「Y」)、低確率電サポ振分テーブルをセットする(ステップB1714)。
さらに、主制御用マイコン710は、特図延長表示時間であるか否かを判定する(ステップB1715)。特図延長表示時間中である場合には(ステップB1715の結果が「Y」)、低確率振分テーブルをセットする(ステップB1716)。
続いて、主制御用マイコン710は、設定された振分テーブルに基づいて、演出図柄を決定する(ステップB1717)。このとき、乱数などによって、図柄を発展させるか否かを判定する。すなわち、常に図柄を発展させるのではなく、確率的に図柄が発展するように制御する。
主制御用マイコン710は、図柄を発展させるか否かを判定する(ステップB1718)。図柄を発展させない場合には(ステップB1718の結果が「N」)、本処理を終了する。一方、図柄を発展させる場合には(ステップB1718の結果が「Y」)、次に図柄が発展した場合に最大発展数に到達するか、すなわち、最大発展数の直前まで発展しているか否かを判定する(ステップB1719)。最大発展数の直前まで発展していない場合には(ステップB1719の結果が「N」)、本処理を終了する。最大発展数の直前まで発展している場合には(ステップB1719の結果が「Y」)、これ以上演出図柄を発展させることができないので、演出図柄固定情報をセーブし(ステップB1720)、本処理を終了する。
〔状態示唆識別情報〕
続いて、本実施形態における状態示唆識別情報の一例について説明する。本実施形態では、各識別図柄にキャラクタが対応している。状態示唆識別情報としては、キャラクタが若いほど高確率である期待度が高くなる。図57は、本発明の第3の実施の形態の状態示唆識別情報の一例を示す図である。
各図柄は、状態示唆識別情報として、青年、中年(黒)、中年(網掛け)、老人(黒)、老人(網掛け)、老人(白)の序列で高確率の期待度が高くなるように設定されている。図57に示した状態示唆識別情報は、確率状態の非報知モード(潜伏モード)専用の図柄であり、通常時には表示されないように制御される。
さらに、子供の図柄を用意してもよい。このとき、子供を青年よりも期待度を低く設定し、老人(白)から順次発展し、青年となった後に、子供に変化して実際には期待度が低いことを報知してもよい。
〔図柄(発展)パターン〕
次に、図57に示した状態示唆識別情報が変化する図柄(発展)パターンについて説明する。図58は、本発明の第3の実施の形態の潜伏モードにおける図柄の発展パターンの選択確率の一例を示す図である。また、図59は、本発明の第3の実施の形態の図柄の発展パターンの一例を示す図である。
まず、図58について説明すると、時短状態は、20回、40回、70回、次回の大当りが発生するまでの4パターンが定義される。また、時短状態の継続回数が決まっている場合には(20回、40回、70回)、変動表示ゲームの当選確率は低確率となっており、次回の大当りまで時短状態が継続する場合には高確率となっている。
時短状態において確率状態が報知されていない場合には、図柄(発展)パターンに基づいて状態示唆識別情報が変化する。変動表示ゲームの当選確率が低確率の場合には、図59に示すパターン1、3、5のいずれかが選択される。また、時短回数が多くなるほど高確率の期待度が高いパターンが選択される。一方、高確率の場合には、すべてのパターンが選択される。また、高確率状態が確定するパターン2、4、6、7以外にも、高確率状態であることが報知されないパターン1、3、5も選択されるようになっている。
時短状態ではない非報知状態の場合には、低確率時は時短状態の場合と同様に、パターン1、3、5のいずれかが選択される。一方、高確率時には、時短状態の場合と同様に、すべてのパターンが選択可能となっている。また、高確率時と低確率時とで振り分けるパターンを略均等にすることによって、遊技者に高確率が確定する状態示唆識別情報が表示されるまで、確率状態をどちらであるか推測しにくくなるように制御して、遊技者のドキドキ感を継続させるようにしている。
ここで、図59を参照しながら、各図柄パターンについて説明する。パターン1及びパターン2は、老人(白)から順次若返るパターンである。パターン1は青年になる前に発展が終了し、パターン2は青年になるまで発展する。図58に示すように、パターン1は、低確率の場合に選択されやすく設定されており、図柄(状態示唆識別情報)が発展する演出が実行されやすくなるため、遊技者の期待感を高めることができる。
パターン3及びパターン4は、パターン1及びパターン2と比較して発展する図柄が少なくなっている。そのため、パターン1の場合よりも早く確率状態を報知することができる。また、パターン5及びパターン6は、さらに、発展する図柄が少なくなっており、キャラクタがいきなり若返るので遊技者に驚きを与えることができる。
さらに、パターン7のように、いきなり高確率を確定させることによって、意外性の富んだ演出を実行することが可能となっている。
以上のように、バリエーションに富んだ発展パターンを定義することによって、状態示唆識別情報の種類の選択を多様化できる。
なお、キャラクタが若返るだけでなく(ステップアップ)、老化するように変化させてもよい(ステップダウン)。この場合、演出図柄設定処理(図56)において、ステップB1718の処理で図柄の発展(若返り)だけでなく、衰退(老化)を判定する。このとき、ステップB1705の「最大発展数」は「最大変化数」となる。そして、ステップB1719の処理で各パターンの最大変化数に到達したか否かを判定し、ステップB1720の処理で演出図柄固定情報をセーブすればよい。
また、変動表示中の演出図柄の種類(キャラクタの世代(老人、中年、青年))に対応したリーチ演出を実行するようにしてもよい。さらに、変動表示中の演出図柄と、実行されるリーチ演出との対応が異なる場合には、期待度が高くなるようにしてもよい。例えば、図柄が「中年」でリーチ演出が「老人」の場合には大当りの期待度が高くなり、また、図柄が「老人」でリーチ演出が「中年」の場合には大当りが確定するようにしてもよい。
例えば、図柄が衰退(老化)し、遊技者ががっかりした状態でリーチが発生し、図柄と対応しないリーチ演出を実行することによって、大当りの期待度が高いことを報知するなどして遊技者の興趣を高めることができる。
具体的な処理としては、図柄のステップアップ又はステップダウンさせる抽選において、保留されている始動記憶の先読みを行い、大当り発生となる始動記憶が含まれていた場合には、所定の確率で変化後の図柄に対応しないリーチ演出を実行する。このように構成することによって、図柄の変化によって潜伏モードにおける高確率の期待度の示唆のみでなく、大当り発生に対する予告も行うことが可能となり、演出を多彩にすることができる。
〔画面遷移〕
続いて、図60を参照しながら潜伏モードにおける図柄(状態示唆識別情報)の発展について説明する。図60は、本発明の第3の実施の形態の潜伏モードにおける状態示唆識別情報が発展する態様を説明する画面遷移図であり、(A)は時短状態(普電サポート状態)で規定回数がある場合の潜伏モードA、(B)は時短状態でない場合及び時短状態で規定回数がない場合の潜伏モードBを示す。
(A)に示す潜伏モードAでは、まず、画面(1)及び(2)に示すように、老人(白)で変動表示ゲームが継続される。そして、図柄が発展するタイミングで変動表示が停止すると(画面(3))、表示されている図柄(状態示唆識別情報)がその場で回転を開始する(画面(4))。その後、図柄が老人(白)から老人(網掛け)に発展する。
このとき、画面(3)の段階で変動表示ゲームにおける図柄は確定しており、特図1表示器51又は特図2表示器52の変動表示は停止している。
一方、(B)に示す潜伏モードBでは、潜伏モードAと同様に、画面(1)及び(2)に示すように、老人(白)で変動表示ゲームが継続される。そして、図柄が発展するタイミングで、変動表示中の画面に「チャンス」等の図柄の発展を示唆する表示が出力される(画面(3))。その後、表示されている図柄の変動が停止すると、老人(網掛け)に発展した図柄が停止表示される。
〔図柄切替タイミング〕
図61は、本発明の第3の実施の形態における変動表示ゲームのタイミングチャートであり、(A)は規定回数が定義された時短状態の場合(潜伏モードA)、(B)は時短状態でない場合及び時短状態で規定回数がない場合(潜伏モードB)、(C)は変動開始時に図柄切替を行う場合を示す。
(A)に示すように、潜伏モードAでは、特図表示器による変動表示ゲーム(本特図)が停止した後、特図延長表示時間が設定され、その間に図柄切替(発展)が行われる。したがって、遊技者から見た装飾図柄による変動表示ゲームは、本特図による変動表示ゲームよりも見かけ上長い間実行されることになる。
一方、(B)に示すように、潜伏モードBでは、変動表示ゲームの実行中に図柄切替(発展)が行われ、装飾図柄による変動表示ゲームと本特図による変動表示ゲームとが同じ時間実行される。また、(C)に示すように、変動開始時に図柄切替を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、遊技状態に応じて潜伏モードが設定されているが、遊技状態又は規定回数に関わらず、(A)から(C)のいずれのタイミングで図柄切替を行ってもよい。また、図柄切替を(A)から(C)のいずれのタイミングでランダムに実行するようにしてもよい。
〔画像データ格納形式〕
本実施形態では、図57に示したように、識別情報(図柄)ごとに、各段階(期待度)に対応するキャラクタ(状態示唆識別情報)を含む図柄データを画像ROMに記憶する必要がある。そのため、画像データを記憶するための容量をより多く必要とする。ここで、図62を参照しながらキャラクタが青年の場合を例として図柄データを格納する態様について説明する。
図62は、本発明の第3の実施の形態の図柄データを格納する態様を説明する図であり、(A)は図柄データをそのまま保持する場合、(B)は識別情報(数字等)とキャラクタデータを個別に保持する場合、(C)は識別情報(数字等)とキャラクタデータを個別に保持し、さらに、キャラクタデータを分解して保持する場合を示す。
(A)では、図柄データを識別情報、キャラクタ及び世代(期待度)ごとに保持する。そのため、多くの記憶容量を必要としてしまう。一方、画像ROMからデータを取得した後、画像の合成などをせずにそのまま利用することができるため、処理を簡素化及び高速化することができる。画像ROMの容量が十分な場合や図柄データの容量が少ない場合に有効である。
(B)では、数字(識別情報)図柄データと単一のキャラクタ図柄データとを分離して保持している。同じ識別情報に対応するキャラクタが複数ある場合に有効であるが、例えば、キャラクタの表情が変化する場合には表情ごとにキャラクタデータを保持していなければならないという問題がある。また、変動表示装置に図柄を表示する場合には、数字図柄データとキャラクタ図柄データを合成する必要がある。
また、数字図柄データと背景画像を分離して管理してもよい。同一の数字(識別情報)に倒して、複数の背景画像が定義されている場合には、画像データを格納するための容量を節約することができる。
(C)では、数字(識別情報)図柄データとのキャラクタ図柄データとを分離し、さらに、キャラクタ図柄データをパーツごとに分割して保持している。本実施形態のように、同じ識別情報に対応するキャラクタが、前述のように、所定の序列(年齢、世代)で変化する場合に特に有効である。
具体的には、体型、髪型、目、服装ごとにキャラクタデータを生成し、これらの組合せによってキャラクタを生成する。また、体型を同じとして髪型と服装を異なるようにすることによって別のキャラクタを生成することができる。
さらに、同じキャラクタであっても、目などの顔のパーツを変更することによって様々な表情のキャラクタを生成することが可能となる。また、本実施形態のように、同じキャラクタであっても世代が異なる場合に、顔のパーツを世代ごとに用意することによって、遊技者が同じキャラクタであることを認識しやすくするとともに、世代が異なること、すなわち、確率状態が高確率であることの期待度を把握しやすくすることができる。
(C)に示すように、図柄データを保持することによって、キャラクタの生成に必要な画像データを削減することを可能としながら、多くの種類のキャラクタを生成することが可能となる。世代ごとの図柄データ(序列図柄データ分)の数字図柄データを記憶する必要が無くなり、また、キャラクタの画像を保持するための容量を削減することができるため、記憶領域を確保することができる。
以上のように、本実施形態によれば、潜伏(非報知)モードに制御されている遊技状態の示唆を図柄(識別情報)により行うため、従来に無い示唆演出を実行することができ、遊技者の遊技意欲を駆り立てて興趣を高めることができる。
なお、第2の実施の形態の擬似連表示図柄を状態示唆識別情報に対応させるようにしてもよい。このように構成することによって、擬似連の継続を報知するとともに、確率状態の報知を行うことが可能となる。
(第4の実施の形態)
一般的な遊技機では、遊技領域を流下する遊技球が始動入賞口に入賞すると、変動表示ゲームが開始される。特に、普電サポート状態では、普図ゲートに遊技球が通過することによって普通電動役物(第2始動入賞口)が入賞容易状態となり、始動入賞口に遊技球が入賞しやすくなる。近年、普通電動役物に遊技球が入賞した場合の賞球を1個や2個等の少量にする代わりに遊技球を入賞しやすくする遊技機が考えられている。
このような遊技機では、さらに、変動表示ゲームの変動時間が短縮され、短い間隔で実行される。このような場合、始動記憶が高速に消化されるため、普電サポート状態における演出が単調になってしまい、遊技者の興趣を損ねてしまうおそれがある。
そこで、第4の実施の形態では、上記のような遊技機を対象としながら、時短状態における変動表示ゲームの演出を興趣の高いものにすることを目的とする。具体的には、本実施形態では、表示装置において実行される変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を始動記憶に基づかずに実行可能とする。また、変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、大当りに対応する演出(予告演出、リーチ演出)などが実行される。以下、本実施形態について説明する。
〔遊技盤〕
第1から第3の実施の形態では、通常の遊技状態であっても、特定遊技状態などの普電サポート状態であっても遊技領域の左側に遊技球が流下するように入賞口などが配置されていた。第4の実施の形態では、通常遊技状態では遊技領域の左側に遊技球を流下させ、普電サポート状態では、遊技領域の右側に遊技球を流下させる。図63を参照しながら本実施形態の遊技盤について説明する。
図63は、本発明の第4の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。なお、第1から第3の実施の形態の遊技盤と機能が同一の構成については同一の符号を付与して説明を省略し、相違点を説明する。
第1の実施の形態の遊技盤30では、センターケース34の下側中央に特別変動入賞装置41が配置されていたが、本実施形態では、センターケース34の右下側に特別変動入賞装置41が配置される。そして、特別変動入賞装置41の上側には、普図始動ゲート36が配置される。
したがって、時短状態では、普図始動ゲート36に遊技球を通過させるために、センターケース34よりも右側の遊技領域に遊技球を流下させる(いわゆる右打ち)必要がある。同様に、大当り後の特別遊技状態においても右打ちする必要がある。一方、第1始動入賞口37aに遊技球を入賞させるためには、遊技領域の左側に遊技球を流下させる(いわゆる左打ち)必要があるため、通常状態では左打ちを行うことになる。
〔1stシーン制御処理〕
続いて、本実施形態における演出制御について説明する。図64は、本発明の第4の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。図32にて説明した第1の実施の形態の1stシーン制御処理とは、最後に(ステップB1320)報知演出設定処理を実行する点で相違する。報知演出設定処理は、始動記憶に基づかない報知演出ゲームを実行するための処理である。報知演出設定処理の詳細については、図65にて後述する。
〔報知演出設定処理〕
図65は、本発明の第4の実施の形態の報知演出設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、保留数(始動記憶数)が0の場合であっても報知演出ゲームを実行するように構成されている。本処理では、報知演出ゲームの結果として表示される図柄や始動記憶表示(保留表示)を設定する。
主制御用マイコン710は、まず、報知演出情報が設定されているか否かを判定する(ステップB1801)。報知演出情報が設定されていない場合には(ステップB1801の結果が「N」)、保留数(始動記憶数)が0であるか否かを判定する(ステップB1802)。保留数が0でない場合には(ステップB1802の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、保留数が0の場合には(ステップB1802の結果が「Y」)、図柄が停止中であるか否かを判定する(ステップB1803)。図柄が停止中でない場合には(ステップB1803の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、図柄が停止中の場合には(ステップB1803の結果が「Y」)、報知演出期間を決定する(ステップB1804)。報知演出期間(報知保留表示数)は、保留数が0になった場合に実行される報知演出ゲームの実行回数に相当し、仮の保留1〜8個分が設定される。
また、報知演出期間は、報知保留表示数抽選テーブルに基づいて設定される。図66は、本発明の第4の実施の形態の報知保留表示数抽選テーブルを示す図である。報知演出期間(報知保留表示数)は、変動表示ゲームの当選確率及び乱数値(0〜255)によって決定される。例えば、変動表示ゲームの当選確率が高確率で乱数値の値が0〜165の場合には、報知演出期間(報知保留表示数)に1が設定される。
また、できるだけ仮の始動記憶に基づく報知演出ゲームを実行しないようにするために、変動表示ゲームの当選確率にかかわらず、報知保留表示数が1に高い振分率が設定されている。また、変動表示ゲームの当選確率が高確率の場合には、報知保留表示数が偶数(2、4、6、8)であればそれぞれ7%、奇数(1、3、5)であれば2%の振分率が設定される。変動表示ゲームの当選確率が低確率の場合には、それぞれ3%の振分率で報知保留表示数が2〜8に設定される。
ここで、図65の報知演出設定処理のフローチャートの説明に戻る。さらに、主制御用マイコン710は、報知監視カウンタに演出回数(報知演出期間、報知保留表示数)をセットし(ステップB1805)、報知演出情報をセットする(ステップB1806)。
続いて、主制御用マイコン710は、左図柄抽選用テーブルを取得する(ステップB1807)。本実施形態の報知演出ゲームでは、左図柄に変動表示ゲームの期待度を報知する。また、中図柄及び右図柄には、後述するように、時短状態の継続回数が報知される。
図柄には序列が設定されており、高確率又は低確率に対応する図柄が設定されている。左図柄抽選用テーブルは、実際に確率状態と報知保留表示数の初期値に基づいて設定される左図柄が定義されている。左図柄抽選用テーブルの詳細については、図67にて後述する。
図67は、本発明の第4の実施の形態の左図柄抽選用テーブルの一例を示す図である。前述のように、変動表示ゲームの当選確率及び報知保留表示数ごとに選択される図柄が定義されている。±0は実際の確率に対応する図柄が選択され、+1は実際の確率に対応する図柄から、序列上1ずれた図柄が選択される。+2についても同様である。
また、変動表示ゲームの当選確率が高確率であっても低確率であっても実際の確率に対応する図柄が選択されやすく振分率が定義されている。これに対し、高確率と低確率の中間の図柄が選択されやすくなるようにして、遊技の進行に応じて実際の確率に図柄が近づくようにしてもよい。例えば、高確率を「8」、低確率を「2」とした場合に、初期の図柄を「5」に設定して遊技者には確率状態が把握できないようにし、遊技の進行に応じて図柄を変化させることによって実際の確率に近づけるようにしてもよい。
本実施形態では、前述のように、報知保留表示数に1が設定される確率が高くなるため、すでに左図柄が設定されている場合には、設定済みの図柄から報知保留表示数に基づいて、図柄の変化数を設定するようにしてもよい。この場合の+1は、現在表示されている図柄から序列上+1だけ実際の確率に対応する図柄に近づくように表示図柄を変化させ、±0は表示図柄を変化させないことになる。この場合、報知保留表示数(報知演出期間、演出回数)が新たにセットされた場合に後述する左図柄抽選処理が実行される。
ここで、図65の報知演出設定処理のフローチャートの説明に戻る。左図柄抽選用テーブルが取得されると、主制御用マイコン710は、取得された左図柄抽選用テーブルに基づいて左図柄を設定する左図柄抽選処理を実行する(ステップB1807)。その後、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、報知演出情報が設定されている場合には(ステップB1801の結果が「Y」)、報知演出ゲームが終了したタイミングであるか否かを判定する(ステップB1811)。報知演出ゲームが終了したタイミングでない場合には(ステップB1811の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、報知演出ゲームが終了したタイミングである場合には(ステップB1811の結果が「Y」)、保留情報があるか否かを判定する(ステップB1812)。保留情報がある場合には(ステップB1812の結果が「Y」)、最先の報知保留表示を通常保留表示に変更する(ステップB1813)。すなわち、新たに始動記憶が追加された場合に、仮の保留を本来の始動記憶に対応するように表示を変更する。
さらに、主制御用マイコン710は、報知監視カウンタを−1更新し(ステップB1814)、報知監視カウンタが0か否かを判定する(ステップB1815)。報知監視カウンタが0の場合には(ステップB1815の結果が「Y」)、報知演出情報をクリアする(ステップB1815)。報知監視カウンタは、報知演出ゲームの実行回数を監視し、0になった場合に新たに報知演出期間を決定し、報知演出ゲームを再開する。
そして、主制御用マイコン710は、報知保留表示を1減らすように更新し(ステップB1817)、左図柄を抽選するためにステップB1807以降の処理を実行する。
〔変動中処理〕
続いて、本実施形態の変動中処理について説明する。変動中処理は、第1の実施の形態と同様に、変動表示ゲームの開始時及び実行中に実行される処理である。図68は、本発明の第4の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の変動中処理は、図柄管理処理、演出図柄設定処理及び変動パターン情報設定処理が実行される点が通常の変動中処理と相違する。
主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットすると(ステップB1503)、図柄管理処理を実行する(ステップB1530)。図柄管理処理は、中図柄と右図柄を時短回数に応じて選択し、設定する処理である。図柄管理処理の詳細は、図69にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、演出図柄設定処理を実行する(ステップB1520)。演出図柄設定処理は、第3の実施の形態とほぼ同様の処理であり、図柄管理処理で設定された中図柄及び右図柄以外の左図柄の演出図柄を設定する。演出図柄設定処理の詳細については、図70にて後述する。
続いて、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を実行し(ステップB1504)、ステップB1505以降の処理を実行する。変動パターン情報設定処理は、第2の実施の形態と同じであるが、時短中の場合には実行されないように制御される。なお、説明については省略する。
〔図柄管理処理〕
図69は、本発明の第4の実施の形態の図柄管理処理の手順を示すフローチャートである。図柄管理処理は、前述のように、時短状態(チャンスモード)の場合に中図柄及び右図柄を設定する処理である。
主制御用マイコン710は、まず、遊技状態がチャンスモード(時短状態)であるか否かを判定する(ステップB1901)。遊技状態がチャンスモードでない場合には(ステップB1901の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技状態がチャンスモードの場合には(ステップB1901の結果が「Y」)、時短状態の残り回数(時短残り回数)を取得し(ステップB1902)、時短残り回数に応じて、中図柄及び右図柄を選択する(ステップB1903)。
主制御用マイコン710は、最後に、チャンスモード実行情報をセットし(ステップB1904)、本処理を終了する。チャンスモード実行情報がセットされると、擬似連続変動を含む通常の変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン情報設定処理が実質的に実行されないように制御される。
〔演出図柄設定処理〕
図70は、本発明の第4の実施の形態の演出図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。演出図柄設定処理は、前述のように、第3の実施の形態とほぼ同じであり、ステップB1717の演出図柄を設定する処理が、左図柄の用の演出図柄を設定する処理に変更される。
〔変動パターン例(はずれ)〕
以上、第4の実施の形態の制御について説明したが、具体的な変動パターンについて説明する。まず、特図2表示器52による変動表示ゲームの結果がはずれの場合について説明する。図71は、本発明の第4の実施の形態の特図2表示器52による変動表示ゲームの結果がはずれの場合の変動時間の一例を示す図である。
図71に示すように、本実施形態における変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)では、保留数が0の場合には、始動記憶を溜めるために変動時間を10秒とし、保留数が1以上の場合には変動時間を2秒としている。これに対し、図72に示すように、報知演出ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)では、保留数にかかわらず、演出時間が2秒に設定されている。
図72は、本発明の第4の実施の形態の時短状態において変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合を示すタイムチャートであり、(A)は保留数0の状態で変動表示ゲームが実行されている間に始動記憶が発生する場合、(B)は保留数0の状態で変動表示ゲームが実行されている間に始動記憶が発生しない場合を示す。
(A)に示すように、大当り(特別遊技状態)終了後、遊技状態が時短状態に遷移する。保留数が1以上の場合には、変動表示ゲームと報知演出ゲームとが同じタイミングで実行される。保留数が0の場合には、変動表示ゲームの変動時間は10秒間となるが、報知演出ゲームの変動時間が2秒間のままとなる。また、保留数が上限値(4)となってオーバーフローが発生した場合であっても報知演出ゲームの変動時間は同じである。
また、(B)に示すように、保留数が0となった後、新たに始動記憶が発生しない場合であっても、報知演出ゲームを継続させる。このとき、保留表示には、仮の始動記憶が表示される。このとき、保留数が0になってから所定時間経過すると、報知演出ゲームにおける変動表示を停止させるようにしてもよい。
また、操作部15に備えられたタッチセンサからの信号を演出制御装置700が受信し、受信した信号に基づいて報知演出ゲームにおける変動表示を停止させるようにしてもよい。さらに、報知演出ゲームが実行されるたびに遊技者に演出ボタン17を操作するように指示し、操作されない場合に報知演出ゲームにおける変動表示を停止させるようにしてもよい。
時短状態において、始動記憶数が1以上であれば、報知演出ゲームと変動表示ゲームのいずれも変動時間が2秒であるため、見かけ上、報知演出ゲームを変動表示ゲームに見立てることができる。
〔変動パターン例(当り)〕
図73は、本発明の第4の実施の形態の特図2表示器52による変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合の変動時間の一例を示す図である。変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、保留数が0であっても始動記憶を溜める必要がないため、変動時間が2秒となっている。
図74は、本発明の第4の実施の形態の時短状態において変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合を示すタイムチャートである。
大当りが発生する場合には、前述のように、保留数が0であっても変動時間が2秒であるため、変動表示ゲームと報知演出ゲームとが同じタイミングで実行される。そして、変動表示ゲームの結果が大当りになると、特別遊技状態に移行し、変動表示ゲーム及び報知演出ゲームが実行されなくなる。
〔はずれ変動演出例〕
次に、変動表示ゲームがはずれの場合における演出の一例について説明する。図75は、本発明の第4の実施の形態の時短状態(チャンスモード)において変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合の画面遷移を示す図である。
本実施形態では、前述のように、チャンスモードが確変である期待度を示唆する演出が実行され、左図柄で確変状態か否かの期待度を示している。画面(1)を参照すると、左図柄には「中年C」のキャラクタを含む図柄が表示されている。例えば、青年、中年(黒、網掛け)、老人(黒、網掛け、白)の順で高確率状態である期待度が高い場合には、中程度の期待度であることを遊技者が把握することができる。また、識別情報(数字)と組み合わせて期待度を報知するようにしてもよい。
また、変動表示ゲームの変動開始時には、左図柄が回転し、右図柄と中図柄の変動表示を開始した後に、期待度が高い図柄に変化する(画面(6)〜画面(8))。右図柄と中図柄の変動を開始した後に、左図柄を変化させることによって、期待度報知演出を際立たせることができる。なお、期待度の低い図柄に変化してもよいし、回転後、もとの図柄に戻して変化させなくてもよい。
一方、中図柄と右図柄は、時短状態の残り回数を示している。変動表示ゲームが実行されるたびに、中図柄と右図柄によって報知される残り時短回数が更新される(画面(1)〜画面(5))。
なお、中図柄及び右図柄の時短回数の報知と左図柄との組合せで、3ケタのぞろ目、すなわち、大当りの態様となってしまう場合には、期待度報知演出を実行して強制的に左図柄を+1するなど変更することによって、変動表示ゲームと整合するようにする。
また、時短回数は減算されるため、左図柄を+1することによって、再度調整する必要がなくなる。一方、左図柄を−1することによって、再度ぞろ目を回避するための調整処理が実行されるが、期待度報知演出の実行頻度を高くすることができるため、遊技者の期待感を高めることができる。
〔保留なしの場合の変動演出例〕
次に、始動記憶をすべて消化し、保留数が0になる場合の演出について説明する。図76は、本発明の第4の実施の形態の時短状態(チャンスモード)において保留数が0となった場合の画面遷移を示す図である。
画面(1)(2)では、最後の始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されている。そして、保留数が0の状態で実行中の変動表示ゲームが終了すると、報知演出期間(報知保留表示数)を決定する(図65のステップB1804)。報知演出期間(報知保留表示数)は、前述のように、1〜8のいずれかが選択される。本実施形態では、画面(3)に示すように、報知演出期間(報知保留表示数)には8が設定されており、8個分の仮の始動記憶が表示されている。なお、仮の始動記憶は、保留始動入賞口に遊技球が入賞した場合に発生する始動記憶とは異なる態様で表示される。
その後、画面(4)に示すように、仮の始動記憶に基づいて報知演出ゲームが開始される。このとき、通常の始動記憶に基づく報知演出ゲームと同様に処理されるが、中図柄及び右図柄によって報知される残り時短回数は同じ値が表示される(画面(3)〜画面(8))。
左図柄による確変期待度報知は、通常の始動記憶に基づく報知演出ゲームと同様に処理されるが、仮の始動記憶がすべて消化されたタイミングで表示されている左図柄によって確定する。
なお、仮の始動記憶による報知演出ゲームは、通常の始動記憶の場合と異なる演出を実行するようにしてもよい。例えば、左図柄が横軸回転(縦方向に回転)した後に変動表示を開始したり、一旦上方向に持ち上げた後に変動表示を開始したりするなどしてもよい。
このように、保留数が0になっても変動表示ゲームに続いて実行される報知演出ゲームによって識別情報の変動表示が一定間隔で実行されているように見せることができる。
〔当り変動演出例〕
次に、変動表示ゲームがあたりの場合における演出の一例について説明する。図77は、本発明の第4の実施の形態の時短状態(チャンスモード)において変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合の画面遷移を示す図である。
画面(1)では、通常の変動表示ゲームがはずれとなり、残り時短回数が69回であることを示している。その後、画面(2)に示すように、変動表示ゲームが開始される。ここで、実行されている変動表示ゲームが大当りになる場合について説明する。
変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、変動開始後、確定表示前に、画面(3)に示すように、飾り図柄が消去される。このとき、飾り図柄を縮小表示するようにしてもよい。
そして、飾り図柄が消去されたままの状態でファンファーレが開始され、その後、画面上に「大当り」と表示するなど、大当りとなったことを報知する。このとき、保留表示は非表示に設定され、大当りの組合せとなった飾り図柄が「大当り」の裏側に表示される(画面(4))。また、「大当り」が表示されている間は、飾り図柄の表示を半透明にしたり、色彩が薄くなるようにしたりする。
その後、「大当り」の表示が終了し、大当りの組合せとなった飾り図柄を表示し、ラウンド遊技(特別遊技状態)に移行する。
図78は、本発明の第4の実施の形態の変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合を示すタイミングチャートである。
まず、時刻t1で大当りとなる変動表示ゲームが開始されると(画面(2))、飾り図柄(報知演出ゲーム)及び特図2表示器52において変動表示が開始される。そして、時刻t2で飾り図柄が消去(非表示)されるが(画面(3))、このタイミングでは、特図2表示器52における変動表示ゲームは継続している。
その後、時刻t3において変動表示ゲーム(報知演出ゲーム)が終了すると、ファンファーレが出力され、飾り図柄が半透明の状態になる。このとき、「大当り」であることを報知する演出が実行される(画面(4))。
さらに、時刻t4になると、大当りであることが確定表示され、大当りとなる組合せの飾り図柄が半透明から通常の表示に変化する。そして、時刻t5になると、ファンファーレが終了し、ラウンド遊技(特別遊技状態)が開始される。ラウンド遊技については、通常通りである。
〔仮の保留による報知演出ゲーム実行時に始動記憶が追加された場合の変動演出例〕
続いて、仮の保留による報知演出ゲームが実行されている間に、始動入賞口に遊技球が入賞して始動記憶が追加された場合について説明する。図79は、本発明の第4の実施の形態の時短状態(チャンスモード)において、仮の保留による報知演出ゲームが実行されている間に保留数が増えた場合の画面遷移を示す図である。
画面(1)及び画面(2)では、仮の保留で報知演出ゲームが実行されている状態を示している。そして、報知演出ゲームの終了直前に保留数が増えると、最先の仮の保留が通常の始動記憶に置き換わり、実行中の報知演出ゲームが終了する(画面(3))。
そして、始動記憶に基づく通常の変動表示ゲームが実行されることを示唆するために、画面(4)に示すように、変動開始の図柄の態様を変化させる。その後、変動表示ゲームが開始され(画面(5))、変動表示ゲームが終了すると、残り時間回数が−1される(画面(6))。
その後、保留がすべて消化されると、仮の保留に基づく報知演出ゲームが実行される(画面(7))。そして、報知演出ゲームの実行中に新たに保留が発生した場合であっても、実行中の報知演出ゲームを継続し、最先の仮の保留が通常の始動記憶に置き換わる(画面(8))。実行中の報知演出ゲームが終了すると(画面(9))、新たな保留に基づく変動表示ゲームが実行される。
図80は、本発明の第4の実施の形態の仮の保留による報知演出ゲームが実行されている間に保留数が増えた場合を示すタイミングチャートである。
まず、時刻t1で報知演出ゲームが開始され(画面(2))、時刻t2で始動入賞口に遊技球が入賞すると、このタイミングで報知保留表示(始動記憶表示)の最先の保留表示が通常の保留表示に切り替えられる。そして、時刻t3で実行中の報知演出ゲームが終了すると(画面(3))、通常の始動記憶に基づく変動表示ゲームであることを示唆する演出が時刻t4まで実行される(画面(4))。その後、時刻t4から変動表示ゲームが実行され、報知保留表示は報知演出ゲームが実行されるたびに仮の保留がシフトされる状態となる(画面(5))。
このように、報知演出ゲームを実行している間に保留数が増えた場合であっても、実行中の報知演出ゲームが終了するまで待機することによって、報知演出ゲームと変動表示ゲームをスムーズに実行することが可能となる。
本実施形態によれば、所定結果の報知を変動表示ゲームにおいて行わないため、複数回の変動表示ゲームの実行期間を一定間隔に保つことができる。そして、始動記憶数にかかわらず変動表示ゲームが一定間隔で実行されるため、従来に無い斬新な変動表示ゲームを遊技者が楽しむことができるようになる。
なお、本実施形態では、時短状態(普電サポート状態)で所定間隔(2秒間隔)の飾り特図変動表示ゲーム(報知演出ゲーム)を実行するようにしていたが、通常状態であっても同様に飾り特図変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。この場合には、確率状態の報知や残り時短回数の報知以外の情報を報知する。例えば、前回の大当り終了後からの回転数でもよいし、その他の情報であってもよい。また、通常状態では、飾り特図変動表示ゲーム(報知演出ゲーム)の実行間隔を時短状態の場合よりも長くするようにしてもよい。
今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。