以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(発光ダイオード:光源)等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図3参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置、変動表示手段)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変遊技状態(高確率状態)、変動時間の短縮機能が作動して特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態(時短状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。なお、確変遊技状態において、潜伏確変遊技状態以外では、通常、変動時間の短縮機能が作動するため、潜伏確変遊技状態以外の確変遊技状態を確変時短遊技状態と呼ぶ場合がある。特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が通常である(低い)時短遊技状態を、確変時短遊技状態と区別して通常時短遊技状態と呼ぶ場合がある。なお、時短遊技状態では、後述の普電サポートが実行される。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体32(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体32の前面にガイドレール33で囲まれた略円形状の遊技領域31を有している。また、遊技盤本体32の前面であってガイドレール33の外側には、前面構成部材(サイドケース)が取り付けられている。さらに、遊技領域31の右下側の前面構成部材は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレートで覆われている。そして、このガイドレール33で囲まれた遊技領域31内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域31には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース34が取り付けられている。センターケース34に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての変動表示装置(表示装置)35が配置されている。変動表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部35aを備え、センターケース34の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
変動表示装置35において、表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、特図変動表示ゲームを表示する複数の特図変動表示領域が設けられており、各特図変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域31のセンターケース34の側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、普図始動領域、所定領域)36が設けられている。普図始動ゲート36の内部には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)603(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過(所定条件の成立)すると、普図変動表示ゲーム(特定変動表示ゲーム)が実行される。なお、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、普図始動領域、所定領域)36を遊技領域31のセンターケース34の左側に設けてよい。なお、普通図柄始動ゲート36は、障害釘で入球の調整ができる。
さらに、センターケース34の左下側には、三つの一般入賞口40が配置され、センターケース34の右下側には、一つの一般入賞口40が配置されている。また、一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口40に備えられた入賞口スイッチ(SW)604a〜604m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース34の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域、第1特図入賞口、始動口1)37aが設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材37cを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域、第2特図入賞口、始動口2)37bが配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37a及び第2始動入賞口37bが当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。なお、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bは、障害釘で入球の調整ができる。
第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口37bの上方には、第1始動入賞口37aが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、開閉部材37cは、駆動装置としての普電ソレノイド27(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
さらに遊技領域31の第2始動入賞口37bの下方には、大入賞口ソレノイド28(大入賞口ソレノイド1)(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置41が設けられている。特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、各大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ605(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、及び特別変動入賞装置41の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置41の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口42が設けられている。
また、遊技領域31の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、変動表示装置35における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート36への入賞(入球)をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短遊技状態が発生すると点灯して時短遊技状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置41の開閉扉41aの開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示(特定識別情報を変動表示)する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図1保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図2保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短遊技状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンド(2R)又は15ラウンド(15R))を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体46が設けられる。弁体46の下端は内レール44に固定され、弁体46は発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体46は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に入賞(入球)するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置640によって制御される払出ユニットから、前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出される。
前述のように、普図始動ゲート36内には、該普図始動ゲート36を通過(入球)した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート36は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート36を遊技球が通過(入球)すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。このように、遊技制御装置600は、普図始動記憶を記憶保持する普図始動記憶手段(第1始動記憶手段)として機能する。
また、普図始動記憶(普図保留)には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値(所定の乱数、普図乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。なお、当り判定用乱数値についての詳細は後述する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普図図柄を表示する普図変動表示手段又は普図表示領域として機能し、普通識別情報(普図、普通図柄、第1識別情報)として、点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。遊技制御装置600は、普図始動ゲート36への入球、若しくは各普図始動記憶に基づいて、普図表示器53で普図変動表示ゲームを行う。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止結果が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態(遊技者に有利な特定状態)となる。これにより、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート36への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53(普図変動表示手段)に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口37bは、内蔵されている普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材37cが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37aへの入賞球及び第2始動入賞口37bへの入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース34の変動表示装置35においても表示される。このように、遊技制御装置600は、始動記憶を記憶保持する始動入賞記憶手段として機能する。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、第2識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(第2識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して変動表示装置35の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置41は、大入賞口ソレノイド28(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置41に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。なお、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第1特図始動記憶、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第2特図始動記憶とする。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37a内の第1始動口スイッチ601、第2始動入賞口37b内の第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠5に前面枠開放検出スイッチ25やガラス枠6に設けられたガラス枠開放検出スイッチ26には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
次に、図3を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン(マイクロコンピュータ)611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12、一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターン(短縮変動と通常変動を含む)に係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチ(ロングリーチ)を実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチ(スーパーリーチ)を実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチ(特別リーチ)を実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置(本実施形態では変動表示装置35)を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の特図変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の特図変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の特図変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の特図変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての特図変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの特図変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの特図変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には、大当り遊技状態(特別遊技状態)の予告演出となる複数のリーチ演出が含まれる。特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(ロングリーチ)、スペシャル2リーチ(スーパーリーチ)、プレミアムリーチ(特別リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置690に発射許可信号を出力する。発射制御装置690は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
さらに、払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。なお、変動開始コマンドには、変動パターンコマンドが含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させる。
一括表示装置50は、遊技状態報知LED12及び状態表示器等から構成されている。状態表示器のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。状態表示器のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。状態表示器のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集装置665に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給される。
本実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。
また、バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
〔演出制御装置〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカー10a及び下スピーカー10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン(マイクロコンピュータ)710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLEDランプ等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nや第一と第二センサ87、89のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信する入力回路750、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカー10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が実行するメイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、遊技制御装置600が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(A1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(A1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(A1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A1010〜A1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。A1010及びA1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、A1012及びA1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(A1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(A1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(A1016)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A1011又はA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A1016の結果が「N」)、図6のA1039からA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6のA1017〜A1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(A1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(A1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(A1019)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A1020)。高確率でないと判定された場合には(A1020の結果が「N」)、A1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A1021)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(A1022)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(A1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(A1039)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(A1040)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(A1041)。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(A1042)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(A1043)、A1024以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、A1023又はA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1028)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(A1029)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1030)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A1030の結果が「N」)、A1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、A1028からA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A1028)の前に割り込みを許可(A1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A1028)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A1030の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(A1031)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(A1031の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1030)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(A1031の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A1032〜A1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A1032)、全出力ポートをオフに設定する(A1033)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(A1034)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A1035)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A1037)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集装置665に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(A1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1109)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(A1111)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A1112)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(A1113)。その後、A1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A1115)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1108)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。特図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、特図制御手段(第2制御手段)を構成する。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(A1202)。カウントスイッチ監視処理では、開放される特別変動入賞装置41内に設けられたカウントスイッチ605によって対応する特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、A1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A1204の結果が「N」)、A1216以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A1204の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A1208)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A1215)。大当り終了処理は、A1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特に、大当り終了処理において、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果(ここでは大当りの種類)に対応して、大当り終了後に普電サポートが有る場合(即ち、大当り終了後に通常時短遊技状態又は確変時短遊技状態に移行する大当りの場合)に、後述の普図ゲームモードフラグ領域に、普図変動表示ゲームの当選確率が高確率、及び、普電サポートがあることを示すフラグ(普図高確率&普電サポートありフラグ)をセーブする。また、大当り終了処理において、遊技制御装置600は、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば50回)をセーブする。ここで、特図変動表示ゲームの結果(大当りの種類)とは、後述の図32のような大当り終了後の遊技状態の種類に対応してこれを定める種々の大当り結果(確変電サポ有りの大当り、通常電サポ有りの大当りなど)である。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1216)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A1217)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1218)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(A1219)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A1301)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第1変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c、普電)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(A1303)。普通電動役物が作動中である場合には(A1303の結果が「Y」)、A1306以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A1303の結果が「N」)、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(A1304)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(A1305)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、A1305の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(A1305の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(A1305の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(A1306)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1307)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A1302、A1307)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A1401、A1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(1406、A1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A1408)。
遊技制御装置600は、A1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(A1409、A1410)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A1411)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE部)を準備し(A1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION部)を準備する(A1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(A1414)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A1415)。そして、A1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A1416)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A1417)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A1418)。
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(A1419)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(A1420)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(A1421)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、A1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A1422)。特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A1410の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(A1423)、コマンド設定処理を実行する(A1424)。
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合(A1431の結果が「N」)、又は、A1424のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(A1422)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かをチェックし(A1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(A1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には、普電サポート(電サポ)なし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。普電サポート(電サポ)とは、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを、所定時間(長い開放時間)、所定の時間間隔で開閉させて、第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い状態にすることをいう。
遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(A1502の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定すること(第2抽選手段)によって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(A1502の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、第1始動入賞口37aに入賞し、かつ、普電サポート(電サポ)中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み処理を実行しないようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、A1503の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A1504)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A1504の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(A1507)。そして、A1508以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A1504の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(A1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、A1505の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(A1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置600は、A1506の処理で設定した大当り情報テーブル又はA1507の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A1508)。
そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(A1509)。始動口入賞演出図柄コマンドは、例えば始動記憶に対応する事前判定結果(先読み結果)を演出制御装置700に対して通知するために使用される。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(A1510)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(A1511)。始動口入賞演出コマンドにより、例えばリーチ系統情報を演出制御装置700に対して通知できる。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A1512)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(A1513)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A1514)。ここで、前半変動パターンとは、リーチ状態になる前の変動のパターンであり、後半変動パターンとは、リーチ状態になった後の変動のパターンである。
後半変動パターン設定処理(A1513)及び変動パターン設定処理(A1514)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置600は、前半変動パターンの前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンドのMODE部を算出して準備し(A1515)、後半変動パターンの後半変動番号の値を変動コマンドのACTION部として準備し(A1516)、これらを組み合わせて演出制御装置700に送る始動口入賞演出コマンドとして設定するコマンド設定処理を実行する(A1517)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(A1518)、コマンド設定処理を実行する(A1519)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、A1515及びA1516の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、A1518の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
図12は、特図変動表示ゲームの前半変動パターンの前半変動時間と後半変動パターンの後半変動時間の組合せと全変動時間(変動表示ゲーム時間)を示したものである。前半変動パターンとして、リーチがない場合に、例えば、短縮変動(変動時間3.0秒[s])、通常変動(変動時間12.0秒)、又は、先読み演出(予告)用に用いる先読変動(変動時間12.0秒)が選択でき、リーチがある場合に、例えば、短縮変動(変動時間3.8秒)、通常変動(変動時間12.8秒)、延長変動(変動時間25.0秒)、最長変動(変動時間35.0秒)が選択できる。後半変動パターンとして、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合に、例えば、通常変動、ノーマルリーチ変動、ロングリーチ変動、スーパーリーチ変動が選択でき、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合に、例えば、特別変動(変動時間3.0秒)、大当りのラウンド数2R用のノーマルリーチ変動(変動時間3.8秒)、2R用のロングリーチ変動(変動時間8.8秒)、2R用のスーパーリーチ変動(変動時間20.8秒)、大当りのラウンド数15R用のノーマルリーチ変動(変動時間4.5秒)、15R用のロングリーチ変動(変動時間9.5秒)、15R用のスーパーリーチ変動(変動時間21.5秒)、特別リーチ変動(変動時間30.0秒)が選択できる。なお、変動表示ゲームの変動最短時間(短縮変動3.0秒)は、後述の普図変動ゲームの変動時間よりも長く設定される。なお、短縮変動は、時短遊技状態において、特図保留数が所定の数以上になった場合に選択されるようにしてもよい。
本実施形態において、前半変動パターンの前半変動時間と後半変動パターンの組合せは、図12の斜線で示した部分以外で選択可能であり、その場合の全変動時間(変動表示ゲーム時間)が示されている。例えば、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合に、前半変動パターンとして短縮変動が選択され、後半変動パターンとして2R用のノーマルリーチ変動が選択されると、全変動時間は7.6秒である。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(図8のA1211)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図14(A)は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の後半の一部の手順を示すフローチャートである。図14(B)は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の後半の他の一部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域にオン設定される大当りフラグ2をロードし(A2001)、大当りフラグ2領域をクリアする(A2002)。大当りフラグ2は、特図2変動表示ゲームの終了時にオフに設定される(図37、38参照)。なお、大当りフラグをソフトウェア的に(本実施形態に相当)又はハードウェア的に設定する手段を、一般的に条件装置と呼ぶ。
次に、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(A2003)、大当りであるか否かを判定する(A2004)。そして、大当りと判定された場合には(A2004の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(A2010)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(A2011)。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(A2004の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(A2005)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1がオン設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(A2006)。大当りフラグ1は、特図1変動表示ゲームの終了時にオフに設定される(図37、38参照)。
続いて、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(A2007)、大当りであるか否かを判定する(A2008)。そして、大当りと判定された場合には(A2008の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(A2009)。
そして、遊技制御装置600は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(A2009)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(A2011)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(A2012)。
次に、遊技制御装置600は、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し(A2013)、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A2014)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し(A2015)、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A2016)。
次に、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(A2017)、コマンド設定処理を実行する(A2018)。
続いて、遊技制御装置600は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す停止図柄パターン番号をRWMからロードし、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備し(A2019)、コマンド設定処理を実行する(A2020)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置700に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置600は、表示装置35で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(A2021)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(A2022)。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報判定フラグをロードし、当該大入賞口開放情報判定フラグに対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A2023)。
続いて、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定し(A2024)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(A2025)。
その後、遊技制御装置600は、大入賞口への不正入賞数をリセットし(A2026)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(A2027)。
そして、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を実行し(A2028)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したりする。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理については、図16を参照して後述する。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(A2008の結果が「N」)、遊技状態が時短遊技状態(時短状態)であるか否かを判定する(A2030)。遊技状態が時短遊技状態(時短状態)の場合には、所定のゲーム回数を消化すると、他の遊技状態に遷移するため、ゲームの消化回数を管理するための処理を行う必要がある。
遊技制御装置600は、遊技状態が時短状態でない場合には(A2030の結果が「N」)、現在の遊技状態を維持するので、現在の遊技状態のまま特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(A2040)、特図表示中処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、遊技状態が時短状態の場合には(A2030の結果が「Y」)、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了したため、時間短縮変動回数を1減算して更新する(A2031)。
さらに、遊技制御装置600は、A2031の処理で更新された時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(A2032)。時間短縮変動回数が0でない場合には(A2032の結果が「N」)、遊技状態を遷移せずに特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(A2040)、特図表示中処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、時間短縮変動回数が0の場合には(A2032の結果が「Y」)、特図普段処理移行設定処理1を実行し(A2040)、特図表示中処理を終了する。また、遊技制御装置600は、時間短縮変動回数が0である場合には(A2032の結果が「Y」)、時短状態を終了させるために時間短縮終了時の確率情報コマンドを準備し(A2033)、コマンド設定処理を実行する(A2034)。さらに、遊技状態を通常状態に移行して特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理2を実行し(A2035)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2では、遊技状態を時短状態から通常状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。なお、特図普段処理移行設定処理1と特図普段処理移行設定処理2については、それぞれ、図15(A)(B)を参照して後述する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(図14(B)のA2040)の詳細について説明する。図15(A)は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
特図普段処理移行設定処理1は、特図表示中処理において、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合に、特図普段処理を実行するための処理である。
遊技制御装置600は、まず、特図普段処理を実行するために、処理番号に0を設定する(A2101)。そして、特図ゲーム処理番号領域に設定された処理番号をセーブする(A2102)。
遊技制御装置600は、さらに、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(A2103)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(A2104)。特図普段処理が実行される場合には特別遊技が実行されていないため、このときに大入賞口に入賞した遊技球は不正入賞と判定するためである。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
次に、前述した特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理2(図14(B)のA2035)の詳細について説明する。図15(B)は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。
特図普段処理移行設定処理2は、時短終了後に特図普段処理を実行させるため、時短終了時に実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、特図普段処理を実行するために、処理番号に0を設定する(A2201)。そして、特図ゲーム処理番号領域に設定された処理番号をセーブする(A2202)。
続いて、遊技制御装置600は、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A2203)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A2204)。遊技制御装置600は、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態であること表示させるために、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(A2205)、普図ゲームモードフラグ領域に、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率であること、及び、普電サポートがないことを示すフラグ(低確率&普電サポートなしフラグ)をセーブする(A2206)。なお、大当り終了後の時短状態中に普電サポートがある場合、大当り終了処理(A1215)によって普図ゲームモードフラグ領域に、普図変動表示ゲームの当選確率が高確率であること、及び、普電サポートがあることを示すフラグ(普図高確率&普電サポートありフラグ)がセーブされている。
そして、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(A2207)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(A2208)。次に、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(A2209)、最後に、設定用の特殊演出情報(振分用)領域をリセットする(A2210)。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理〕
次に、前述した特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(図14(A)のA2028)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理は、上スピーカー10a及び/又は下スピーカー10bからファンファーレ音等を出力したり、ラウンドのインターバル中に表示装置35に画像を出力したりするファンファーレ/インターバル中処理(図8のA1212)を実行するために必要な情報を設定する。
遊技制御装置600は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理を実行するために、処理番号を「3」に設定する(A2301)。そして、特図ゲーム処理番号領域に設定された処理番号をセーブする(A2302)。このように、処理番号を「3」に設定することによって、特図ゲーム処理でファンファーレ/インターバル中処理が実行される。
次に、遊技制御装置600は、大当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(A2303)。外部情報出力データ領域に大当りの開始に関する信号などの情報をセーブすることによって、外部情報端子660を介して遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置に情報が送信される。
さらに、遊技制御装置600は、高確率状態(特図高確率状態)及び時短状態(特定遊技状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A2304)。試験信号出力データ領域に情報をセーブすることによって、遊技機1に接続された検査装置などに情報が送信される。
続いて、遊技制御装置600は、大入賞口に不正入賞したと判定された遊技球の数が記憶された大入賞口不正入賞数領域をリセット(クリア)する(A2305)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理の開始前であるから、特別遊技におけるラウンド数を0に設定し、リセットする(A2306)。
遊技制御装置600は、さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態であること表示させるために、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(A2307)。そして、普図ゲームモードフラグ領域に、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率、及び、普電サポートなしであることを示すフラグ(低確率&普電サポートなしフラグ)をセーブする(A2308)。このように、大当り遊技状態(特別遊技状態)において、普電サポートがなくなる。なお、A2004又はA2008の特図変動表示ゲームの結果(大当りかはずれか)に対応して、普図ゲームモードフラグは、設定されている。
遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(A2309)、さらに、高確率報知フラグ領域をリセットする(A2310)。続いて、特図ゲームモードフラグ領域に特図変動表示ゲームの当選確率が低確率であることを示す特図低確率フラグをセーブする(A2311)。
遊技制御装置600は、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(A2312)。そして、大当り終了後(特別遊技状態終了後)の時短変動の実行回数を格納する時短変動回数領域をリセットする(A2313)。さらに、振り分け用の特殊演出情報領域をリセットする(A2314)。
〔普図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(図7のA1109)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
普図ゲーム処理では、普図始動ゲート36の入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定を行う。普図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、普図制御手段(第1制御手段)を構成する。
遊技制御装置600は、まず、ゲートスイッチ603への遊技球の入賞を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A3001)。ゲートスイッチ監視処理では、普図始動ゲート36に遊技球が入賞すると、普図変動表示ゲームの当りを決定するための当り乱数を抽出する。なお、ゲートスイッチ監視処理の詳細については、図18を参照して、後述する。
次に、遊技制御装置600は、普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A3002)。普電入賞スイッチ監視処理では、第2始動入賞口37bに設けられた第2始動口スイッチ602のカウント数、すなわち、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球の数を監視する。なお、普電入賞スイッチ監視処理の詳細については、図20を参照して、後述する。
次に、遊技制御装置600は、当該ゲーム処理タイマが既にタイムアップしたか否か、又は、普図ゲーム処理タイマを1減算して更新し、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A3003)。そして、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A3004)。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合には(A3004の結果が「Y」)、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A3005)。
遊技制御装置600は、さらに、普図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A3006)。そして、普図ゲーム処理番号に対応する処理が完了した後に戻り先であるリターンアドレスをスタック領域に退避させる(A3007)。その後、普図ゲーム処理番号に対応する処理を実行する(A3008)。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「0」の場合には(A3008の結果が「0」)、普図普段処理を実行する(A3009)。普図普段処理は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの結果の抽選、及び普図変動中処理を行うために必要な情報の設定などを行う。なお、普図普段処理の詳細については、図21と図22を参照して、後述する。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「1」の場合には(A3008の結果が「1」)、普図変動中処理を実行する(A3010)。普図変動中処理は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図変動中処理の詳細については、図25を参照して、後述する。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「2」の場合には(A3008の結果が「2」)、普図表示中処理を実行する(A3011)。普図表示中処理は、普図変動表示ゲームの遊技結果が当りであれば、普電サポート状態に応じた第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図表示中処理の詳細については、図26を参照して後述する。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「3」の場合には(A3008の結果が「3」)、普図当り中処理を実行する(A3012)。普図当り中処理は、普図変動表示ゲームの当りが終了するか否かを判定する処理や、普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図当り中処理の詳細については、図28を参照して後述する。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「4」の場合には(A3008の結果が「4」)、普電残存球処理を実行する(A3013)。普電残存球処理は、普図変動表示ゲームの当りラウンドが最終ラウンドであれば、第2始動入賞口37b内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定などを行う。なお、普電残存球処理の詳細については、図30を参照して後述する。
遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号が「5」の場合には(A3008の結果が「5」)、普図当り終了処理を実行する(A3014)。普図当り終了処理は、普図普段処理(A3009)を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図当り終了処理の詳細については、図31を参照して後述する。
各処理番号に対応する処理が完了すると、遊技制御装置600は、普図表示器53の変動を制御するためのテーブルを準備し(A3015)、普図表示器53における図柄変動制御処理を実行する(A3016)。
一方、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合には(A3004の結果が「N」)、A3015以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(図17のA3001)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施形態のゲートスイッチ監視処理のフローチャートである。
図18に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、先ず、ゲートスイッチ603に入力があるか否かをチェックして判定する(A3101、A3102)、ゲートスイッチ34aに入力がない(A3102の結果が「N」)と判定すると、ゲートスイッチ監視処理を終了する。一方、ゲートスイッチ34aに入力がある(A3102の結果が「Y」)と判定すると、普図保留(普図始動記憶)数が上限値未満(例えば所定数4)か否かをチェックして(A3103)、普図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(A3104)を行う。
普図保留数が上限値未満である(A3104の結果が「Y」)と判定すると、普図保留数を更新(+1)する処理(A3105)を行った後、普図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(A3106)を行う。
そして、当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(A3107)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。なお、セーブした当り乱数(当り判定用乱数値)は、普図始動記憶となる。
普図保留数が上限値未満でない(A3104の結果が「N」)と判定すると、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
なお、A3107でRWMの乱数セーブ領域にセーブされる普通図柄用の当り乱数(当り判定用乱数値)は、図19(A)−(C)のように更新され、抽出される。図19(A)は、乱数モードによって更新される様子を一例として示す。図19(B)は、カウンタモードによって更新される様子を一例として示す。図19(C)は、普通図柄用の当り図柄乱数が更新される様子を一例として示す。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(図17のA3002)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施形態の普電入賞スイッチ監視処理のフローチャートである。
普図入賞スイッチ監視処理は、普図変動表示ゲームの当り中に第2始動入賞口に所定数の遊技球が入賞すると、普図変動表示ゲームの当り状態を終了させる処理である。
図20に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図変動表示ゲームの当りが発生しているか否かをチェックして、判定する(A3201、A3202)、普図変動表示ゲームの当りが発生していない(A3202の結果が「N」)と判定すると、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。一方、普図変動表示ゲームが当りである(A3202の結果が「Y」)と判定すると、第2始動口スイッチ(始動口2スイッチ)602に入力があるか否かをチェックして(A3203)、第2始動口スイッチ602に入力があるか否かを判定する処理を行う(A3204)。第2始動口スイッチ602に入力がない(A3204の結果が「N」)と判定すると、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
一方、第2始動口スイッチ602に入力がある(A3204の結果が「Y」)と判定すると、普電カウント数を更新(+1)する処理を行う(A3205)。そして、更新された普電カウント数が上限値(例えば9個)に達したか否かをチェックし(A3206)、普電カウント数が上限値に達したか否かを判定する処理を行う(A3207)。この上限値は、普通電動役物(開閉部材37c)の1回の開放での第2始動入賞口37bへの最大入賞数である。
普電カウント数が上限値に達していない(A3207の結果が「N」)と判定すると、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。一方、普電カウント数が上限値に達した(A3207の結果が「Y」)と判定すると、普図変動表示ゲームの当り状態を終了するべく、後述の普図当り中処理の普電作動移行設定処理(図29)で使用するポインタとして、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値であるポインタ(4)をセットし(A3208)、普図ゲーム処理タイマを0クリアし(A3209)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理における普図普段処理(図17のA3009)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理の前半の手順を示すフローチャートである。図22は、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理の後半の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、普図保留数が0であるか否かをチェックする(A3301)。そして、普図保留数が0であるか否かを判定する(A3302)。普図保留数が0の場合には(A3302の結果が「Y」)、次に実行されるタイマ割込み処理の普図ゲーム処理で普図普段処理を実行させるために、普図普段処理移行設定処理1を実行する(A3303)。その後、普図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普図保留数が0でない場合には(A3302の結果が「N」)、普図ゲームモードフラグ(普図ゲームモードフラグ領域のフラグ)に基づいて、普図当り確率を高確率(普図高確状態、第1状態)にするか否かを判定する(A3304)。大当り終了処理等において、普図ゲームモードフラグとして普図高確率&普電サポートありフラグが設定されている場合に、遊技制御装置600は、A3305からA3311までの処理を実行して、普図変動表示ゲームの結果が普図当りとなる普図当り確率を高確率(普図高確状態)にし、普図当りを抽選する。大当り終了処理等において、普図ゲームモードフラグとして普図高確率&普電サポートありフラグが設定されない場合(低確率&普電サポートなしフラグが設定されたままである場合)に、遊技制御装置600は、A3314からA3317までの処理を実行して、普図変動表示ゲームの結果が普図当り(特別結果)となる普図当り確率を低確率(普図低確状態、第2状態)にし、普図当りを抽選する。
なお、所定の条件を満たしている場合に、普図当り確率は高確率(普図高確状態)に維持される。本実施形態において、所定の条件は、少なくとも大当り状態(特別遊技状態)でないことを含み、例えば、大当り終了後(特別遊技状態の終了後)に時短遊技状態(通常時短遊技状態又は確変時短遊技状態)になり、且つ、A2032において時間短縮変動回数が0にならない(時短遊技状態が終了していない)ことである。所定の条件を満たしていない場合には、特別遊技状態時が含まれる。しかし、所定の条件は、種々設定可能であり、これに限定されない。例えば、所定の条件は、転落抽選により時短遊技状態が終了していないことを含めてもよい。
現在の普図当り確率を高確率にする場合には(A3304の結果が「Y」)、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備する(A3305)。さらに、普図当り確率が高確率である場合の当り判定用の下限判定値を設定する(A3306)。遊技制御装置600は、その後、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、A3305の処理でロードされた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックする(A3307)。そして、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3308)。
遊技制御装置600は、当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(A3308の結果が「N」)、すなわち、当り乱数の値が下限判定値以上の場合には、普図変動表示ゲームで当り結果となる確率が高確率状態である場合の上限判定値を設定する(A3309)。なお、当り乱数が取りうる範囲が0〜250である場合に、例えば、後述の図32のように普図当りの確率が高確率の250/251であれば、下限判定値は例えば1であり、上限判定値は例えば250である。
遊技制御装置600は、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かをチェック、すなわち、A3305の処理で読み込まれた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の上限値よりも大きいかをチェックする(A3310)。そして、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かを判定する(A3311)。
遊技制御装置600は、当り乱数の値が上限判定値よりも大きくない、すなわち、当り乱数の値が上限判定値以下の場合には(A3311の結果が「N」)、RWMの当りフラグ領域に当り情報をセーブする(A3312)。さらに、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定し(A3313)、A3320以降の処理を実行する。当り時の停止図柄番号は、当り図柄乱数から抽選(振分)により決定される。
また、遊技制御装置600は、当り乱数の値が下限判定値未満の場合(A3308の結果が「Y」)、もしくは、当り乱数の値が上限値よりも大きい場合には(A3311の結果が「Y」)、RWMの当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A3318)。さらに、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定し(A3319)、A3320以降の処理を実行する。はずれ時の停止図柄番号は、はずれ図柄乱数から抽選(振分)により決定される。はずれ時又は当り時の停止図柄ひいては停止図柄番号は、例えば3種類程度(はずれ、当り1、当り2など)準備されている。
一方、遊技制御装置600は、現在の普図当り確率が高確率でない場合(普図低確状態)には(A3304の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備し(A3314)、普図当り確率が低確率状態である場合(普図低確状態)の当り判定用の判定値を設定する(A3315)。そして、A3314の処理でロードした当り乱数とA3315の処理で設定した判定値とが一致するか否かをチェックし(A3316)、当該当り乱数と当該判定値とが一致するか否かを判定する(A3317)。上述の普図高確状態(第1状態)において、当り乱数を判定値の上限値及び下限値と比較して、当り乱数が上限値と下限値で画定される所定の範囲内にあるか否か判定されたが、当り判定用の判定値が少なく設定される普図低確状態(第2状態)においては、当り判定として、当り乱数と判定値とが一致するか否かが直接的に判定される。これにより、処理手順が省略されて普図の当り判定に要する処理負担を軽減することができる。
なお、A3315において、普図当り確率が低確率である場合に当りを出さないよう、当り判定用の判定値は、当り乱数が取りうる値の範囲(乱数の更新範囲)外に設定される。例えば、図19(B)のように、当り乱数が取りうる値の範囲が0〜250の乱数であれば、当り判定用の判定値は251等に設定される。これにより、低確率の普図当り確率はゼロに設定される。低確率の普図当り確率をゼロに設定する代わりに、低確率の場合に普図当りであっても普通電動役物を作動させないようにしてよい。(例えば、A3314からA3317の処理に代えて、後述の普図当り中処理の普電作動移行設定処理(図29)で使用するポインタとして、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値であるポインタ(4)を予めセットして維持しておく。)或いは、低確率の普図当り確率をゼロに設定する代わりに、A3314からA3317の処理を省略して、普図当り確率が低確率状態である場合に、普図当りの判定を行わなくてもよい。
なお、普図変動表示ゲームが特定結果となって普通電動役物を作動させることを可能とする状態を第1状態とする場合に、前述の高確率(普図高確状態)は第1状態に含まれる。普図変動表示ゲームを実行しながらも普通電動役物を作動させることを不能とする状態を第2状態とする場合に、第2状態には、普図当り確率がゼロの低確率の状態(普図低確状態)と、普図当りであっても普通電動役物を作動させない状態と、普図当りの判定を行わない状態などが含まれる。
また、大当り終了処理等において、普図ゲームモードフラグは、特図変動表示ゲームの結果(大当りの種類や、大当り/はずれの結果)に対応して、普図高確率&普電サポートありフラグ又は低確率&普電サポートなしフラグに設定されている(A1215、A2308等)。従って、A3304を実行する遊技制御装置600は、作動状態選択手段として機能し、特図変動表示ゲームの結果(大当りの種類や、大当り/はずれの結果)に対応して、第1状態と第2状態とを切り替える制御を行う。遊技制御装置600(作動状態選択手段)は、普図変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)の結果とは独立して、特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)の結果に対応して、第1状態と第2状態とを切り替える。
遊技制御装置600は、当り乱数と判定値とが一致する場合には(A3317の結果が「Y」)、当りフラグ領域に当り情報をセーブする(A3312)。さらに、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定して(A3313)、A3320以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、当り乱数と判定値とが一致しない場合には(A3317の結果が「N」)、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A3318)。さらに、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定して(A3319)、A3320以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置600は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアする(A3320)。そして、普図停止図柄領域にA3313又はA3319の処理で設定された停止図柄番号をセーブする(A3321)。さらに、普図停止図柄番号に対応する信号を、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3322)。
次に、遊技制御装置600は、当り乱数セーブ領域をシフトし(A3323)、A3323の処理でシフトされた後の空き領域をクリアする(A3324)。さらに、普図保留数を1減算して更新する(A3325)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグに基づいて、普電サポート中(即ち普図高確率)であるか否かを判定する(A3326)。そして、遊技制御装置600は、普電サポート中の場合には(A3326の結果が「Y」)、普電サポート時の普図変動表示ゲームの変動時間を設定する(A3327)。一方、遊技制御装置600は、普電サポート中でない場合には(A3326の結果が「N」)、普電サポートなし時の普図変動表示ゲームの変動時間を設定する(A3328)。
本実施形態において、普電サポート時と普電サポートなし時の普図変動表示ゲームの変動時間が共通(例えば、変動時間は1000ミリ秒)である。普図当り確率が低確率状態である場合(普電サポートがない場合)も普図当り確率が高確率状態である場合(普電サポートが有る場合)と同じく普図変動表示ゲームを短くすることで、時短時の普図変動表示ゲームの開始地点が早くなる。なお、A3326からA3328までの処理の代わりに、単に共通の変動時間を設定する処理を行ってもよい。なお、普電サポートなし時の普図変動表示ゲームの変動時間を、普電サポート(あり)時の普図変動表示ゲームの変動時間より若干長くすることもできる。
そして、遊技制御装置600は、A3327又はA3328の処理で設定された変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A3329)。
最後に、遊技制御装置600は、次に実行されるタイマ割込み処理における普図ゲーム処理で普図変動中処理が実行されるように、普図変動中処理移行設定処理を実行する(A3330)。その後、普図普段処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した普図普段処理における普図普段処理移行設定処理1(図22のA3303)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
図23に示すように、普図普段処理移行設定処理1では、まず、処理番号を0に設定し(A3401)、普図ゲーム処理番号領域にA3401で設定された処理番号(0)をセーブする(A3402)。そして、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3403)、普図普段処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
次に、前述した普図普段処理における普図変動中処理移行設定処理(図22のA3330)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
図24に示すように、普図変動中処理移行設定処理は、まず、処理番号を1に設定し(A3501)、普図ゲーム処理番号領域にA3501で設定された処理番号(1)をセーブする(A3502)。
そして、普図変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A3503)、普図変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする(A3504)。次に、普図変動制御タイマ領域に図22のA3327又はA3328で設定された変動時間に対応する変動タイマ初期値をセーブし(A3505)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(図17のA3010)の詳細について説明する。図25(A)は、本発明の第1の実施形態の普図変動中処理のフローチャートである。
図24に示す普図変動中処理移行設定処理で、普図変動制御タイマ領域に普図変動表示ゲームの変動時間に対応する変動タイマ初期値が設定されるため、普図変動表示ゲームの変動時間が経過するまで、普図ゲーム処理において、普図変動中処理は実行されず、図柄変動制御処理が実行されるため、変動時間分だけ普通図柄が変動し続ける。
普図変動中処理は、次に実行されるタイマ割込み処理の普図ゲーム処理で普図表示中処理(A3011)が実行されるように、普図表示中処理移行設定処理(A4001)を実行し、普図表示中処理を終了する。
〔普図表示中処理移行設定処理〕
普図表示中処理移行設定処理は、上述した普図変動中処理(図25(A)のA4001)で実行される処理である。図25(B)は、本発明の第1の実施形態の普図表示中処理移行設定処理のフローチャートである。
普図表示中処理移行設定処理は、普図変動表示ゲームにおける普通図柄の停止時間(普図表示時間)が経過した場合、普図表示中処理に移行させる処理である。
図25(B)に示すように、普図表示中処理移行設定処理では、処理番号を2に設定し(A4101)、A4101で設定した処理番号(2)を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A4102)。
次に、普図変動表示ゲームにおける普通図柄の停止時間である普図表示時間を設定し(A4103)、A4103で設定された普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4104)。
そして、普図変動表示ゲームが終了すること(普図変動終了)に関する信号を、普図変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4105)、普図変動制御フラグ領域に普図停止フラグをセーブし(A4106)、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(図17のA3011)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施形態の普図表示中処理のフローチャートである。
普図表示中処理は、普図変動表示ゲームにおける普通図柄の停止時間が経過するまで実行されない処理で、現在の普電サポート状態に対応する第2始動入賞口37bの開閉部材37c(普通変動入賞装置)の開放時間(普電開放時間)を決定する処理である。
図26に示すように、普図表示中処理では、まず、RWMの当りフラグ領域から当りフラグをロードし(A4201)、当りフラグ領域をクリアする(A4202)。
そして、A4201でロードされた当りフラグに基づいて、普通図柄が停止した普図変動表示ゲームが当りであるか否かをチェックし(A4203)、普図変動表示ゲームが当りであるか否かを判定する処理(A4204)を行う。
A4204において、普図変動表示ゲームが当りでない(A4204の結果が「N」)と判定すると、普電開放時間を決定しないので、普図普段処理移行設定処理1(A4205)を実行し、普図表示中処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1は、図23で説明したものと同じである。
A4204において、普図変動表示ゲームが当りである(A4204の結果が「Y」)と判定すると、普図ゲームモードフラグ(普図ゲームモードフラグ領域のフラグ)を確認し、現在の普電サポート状態が普電サポート中であるか否かを判定する処理を行う(A4206)。
A4207において、現在の普電サポート状態が普電サポート中である(A4207の結果が「Y」)と判定すると、普電サポート時の普電開放時間(例えば1500ミリ秒×3回)を設定し(A4207)、普電サポート時の当り開始ポインタとして0を設定し(A4208)、A4211に移行する。当り開始ポインタは、後述の普図当り中処理の普電作動移行設定処理(図29)で使用されるポインタである。
一方、A4206において、現在の普電サポート状態が普電サポート中でない(A4206の結果が「N」)と判定すると、普電サポートなし時の普電開放時間を設定し(A4209)、普電サポートなし時の当り開始ポインタとして4を設定し(A4210)、A4211に移行する。
なお、普電サポート中でなければ、普図当り確率が低確率(ゼロ)であるため、A4206、A4209とA4210の処理を省略してもよい。また、データ量を減らすために、普電サポートなし時と普電サポート時の普電開放時間を同じにしてもよい。
A4211では、普図当り中処理制御ポインタ領域にA4208、A4210で設定された現在の普電サポート状態に対応する当り開始の値をセーブする処理を行う。また、A4207、A4209で設定された現在の普電サポート状態に対応する普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A4212)、普図当り中処理を実行すべく普図当り中処理移行設定処理を実行して(A4213)、普図表示中処理を終了する。A4212で普図ゲーム処理タイマ領域に普電開放時間がセーブされているので、普電開放時間が経過してから普図当り中処理が実行される。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(図26のA4213)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施形態の普図当り中処理移行設定処理のフローチャートである。
普図当り中処理移行設定処理は、普電ソレノイド27を制御するためのデータ等を設定する処理である。
図27に示すように、普図当り中処理移行設定処理では、処理番号を3に設定し(A4301)、A4301で設定された処理番号(3)を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A4302)。
そして、普図変動表示ゲームで当りが発生すること(普図当り)に関する信号を、普図当りに関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4303)、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを開放するように普電ソレノイド27を制御するために、普電ソレノイド出力制御データにONデータをセーブする(A4304)。
次に、普図変動表示ゲームの当りが発生している間に、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球の数をカウントする普電カウント数領域をリセットし(A4305)、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが閉じている間に第2始動入賞口37bに入賞した遊技球の数を示す普電不正入賞数を記憶する普電不正入賞数領域をリセットし(A4306)、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが開放するので、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(A4307)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(図17のA3012)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施形態の普図当り中処理のフローチャートである。
普図当り中処理は、普図当りの状態を示す普図当り中処理制御ポインタ(0〜4)を更新する処理である。
図28に示すように、普図当り中処理では、普図当り中処理制御ポインタをロードして準備した後(A4401)、A4401でロードされた普図当り中処理制御ポインタが当りを終了させる値(4)であるか否かをチェックし(A4402)、普図当り中処理制御ポインタが当りを終了させる値であるか否かを判定する(A4403)。
普図当り中処理制御ポインタが当りを終了させる値でないと判定すると(A4403の結果が「N」)、普図当り中処理制御ポインタの値を更新(+1)し(A4404)、普図当り中処理制御ポインタの値に対応した普電ソレノイドの制御を実行する普電作動移行設定処理(A4405)を実行して普図当り処理を終了する。
一方、普図当り中処理制御ポインタが当りを終了させる値であると判定すると(A4403の結果が「Y」)、A4404を実行せずに、普電作動移行設定処理を実行して(A4405)、普図当り処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、前述した普図当り中処理における普電作動移行設定処理(図28のA4405)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施形態の普電作動移行設定処理のフローチャートである。普電作動移行設定処理は、普図当り中処理制御ポインタの値に対応した処理を実行する。
普電作動移行設定処理では、遊技制御装置600は、まず、普図当り中処理制御ポインタの値に応じた分岐処理(A4501)を行う。
A4501で、普図当り中処理制御ポインタの値が0又は2である場合に、遊技制御装置600は、第2始動入賞口37bの開閉部材37c(普通変動入賞装置)を閉塞する時間を示すウェイト時間を設定し(A4502)、A4502で設定されたウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A4503)、開閉部材37cを閉塞状態にするように普電ソレノイド27を制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(A4504)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、ウェイト時間が経過すると普図当り中処理が実行され、A4404で普図当り中処理制御ポインタが更新(+1)される。
次に、A4501で、普図当り中処理制御ポインタの値が1又は3である場合に、遊技制御装置600は、現在の普電サポート状態に対応する普電開放時間(A4207と同じ時間(例えば1500ミリ秒))を設定し(A4505)、A4505で設定された普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A4506)、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを開放状態にするように普電ソレノイド27を制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし(A4507)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、普電開放時間が経過すると普図当り中処理が実行され、A4404で普図当り中処理制御ポインタが更新(+1)される。
次に、A4501で、普図当り中処理制御ポインタの値が4である場合に、遊技制御装置600は、当り状態を終了し普電残存球処理を実行すべく、処理番号を4に設定し(A4508)、A4508で設定された処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(A4509)、開閉部材37cが閉塞状態であった場合に第2始動入賞口37bへの入賞を検出しても普電不正入賞数としてカウントしない時間を示す普電残存球処理時間を設定し、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A4510)、開閉部材37cを閉塞状態にするように普電ソレノイド27を制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(A4511)、普電作動移行設定処理を終了する。
以上のように、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの開放回数が3回の場合には、普図当り中処理移行設定処理のA4304で開放状態となった後、普図変動表示ゲームの当りの発生中には第2始動入賞口37bの開閉部材37c(普通変動入賞装置)の閉塞状態から開放状態への変換(ラウンド)が2回行われ、2ラウンドが終了すると普図変動表示ゲームの当りが終了する。
〔普図残存球処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理における普図残存球処理(図17のA3013)の詳細について説明する。図30(A)は、本発明の第1の実施形態の普図残存球処理のフローチャートである。
図29に示す普電作動移行設定処理で普図ゲーム処理タイマ領域に普電残存球処理時間が設定されるので、普電残存球処理時間が経過するまで、普図ゲーム処理において普電残存球処理が実行されない。
普電残存球処理では、次に実行されるタイマ割込み処理の普図ゲーム処理で普図当り終了処理(A3014)が実行されるように、普図当り終了処理移行設定処理(A4601)を実行し、普図残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述した普図残存球処理における普図当り終了移行設定処理(図30(A)のA4601)の詳細について説明する。図30(B)は、本発明の第1の実施形態の普図当り終了処理移行設定処理のフローチャートである。
普図当り終了処理移行設定処理は、普図当り終了処理に移行させるとともに、普図エンディング時間を設定して、使用された各記憶領域をリセットする処理である。
普図当り終了処理移行設定処理で、遊技制御装置600は、まず、処理番号を5に設定し(A4701)、A4701で設定された処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A4702)。そして、普図エンディング時間を設定し(A4703)、A443で設定された普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。
次に、第2始動入賞口37bの開閉部材37cの作動が終了したこと(普電作動終了)に関する信号を、試験信号出力データ領域にセーブする(A4705)。
そして、普電カウント数領域をリセットし(A4706)、普図当り中処理制御ポインタ領域をリセットして(A4707)、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、次に、前述した普図ゲーム処理における普図当り終了処理(図17のA3014)の詳細について説明する。図31(A)は、本発明の第1の実施形態の普図当り終了処理のフローチャートである。
普電作動移行設定処理で、普図ゲーム処理タイマ領域に普図エンディング時間が設定されるので、普図エンディング時間が経過するまで、普図ゲーム処理において普図当り終了処理が実行されない。
普図当り終了処理で、遊技制御装置600は、次に実行されるタイマ割込み処理の普図ゲーム処理で普図普段処理(A3009)が実行されるように、普図普段処理移行設定処理2(A4801)を実行し、普図当り終了処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理2〕
普図普段処理移行設定処理2は、上述した普図当り終了処理(図31(A)のA4801)で実行される処理である。図31(B)は、本発明の第1の実施形態の普図普段処理移行設定処理2のフローチャートである。
普図普段処理移行設定処理2で、遊技制御装置600は、まず、処理番号を0に設定し(A4901)、普図ゲーム処理番号領域にA4901で設定された処理番号(0)をセーブする(A4902)。次に、普図当りが終了したこと(普電当り終了)に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4903)。そして、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A4904)、普図普段処理移行設定処理2を終了する。
図32は、以上に述べた普通図柄について遊技状態の種類に応じてまとめた表(テーブル)である。普図当り確率は、確変遊技状態中で普電サポート有りの場合(確変時短遊技状態)において250/251であり、確変遊技状態中で普電サポートなしの場合(潜伏確変遊技状態)において0/251であり、通常状態(特図変動表示ゲームの低確率状態)中で普電サポート有りの場合(通常時短遊技状態)において250/251であり、通常状態(特図変動表示ゲームの低確率状態)中で普電サポートなしの場合(大当り遊技状態(特別遊技状態)の場合も含む)において0/251である。なお、大当り終了後における遊技状態(確変時短遊技状態、通常時短遊技状態等)は、特図変動表示ゲームの大当り図柄に基づいて、決定されてもよい。
普図変動表示ゲームの当り結果の振り分け(当り1、当り2)の振り分け率(選択率)は、確変遊技状態中で普電サポート有りの場合、当り1が98/100であり、当り2が2/100であり、通常状態中で普電サポート有りの場合、当り1が2/100であり、当り2が98/100である。
普図変動時間の設定は、二種類の場合(A、B)のいずれかが予め設定(選択)可能である。設定Aにおいて、普図変動時間は、普図変動表示ゲームの結果(はずれ、当り1、当り2)に関わらず、共通の時間(表中の1000ミリ秒[ms])に設定される。設定Bにおいて、普図変動時間は、普図変動表示ゲームの結果(はずれ、当り1、当り2)に対応した時間(それぞれ、表中の1000、1100、1200ミリ秒)が設定されている。なお、二種類の場合(A、B)に関わらず、普電サポートが有る場合と無い場合で、共通の普図変動時間(表中の1000ミリ秒)が定められている。なお、普図変動ゲームの変動時間は、変動表示ゲームの変動最短時間(短縮変動3.0秒)よりも短く設定される。
普図開放時間は、普図変動表示ゲームの結果(はずれ、当り1、当り2)に対応した時間(それぞれ、表中の0ミリ秒×0回、1500ミリ秒×3回、500ミリ秒×10回)が設定されている。
なお、上述の図26、図27、図29において、普図開放時間は1500ミリ秒×3回である例が説明されたが、普図開放時間が500ミリ秒×10回の場合には、図29においてA4502への分岐のポインタの値は、ポインタ=0、2、4、6、8、10、12、14、16となり、A4505への分岐のポインタの値は、ポインタ=1、3、5、7、9、11、13、15、17となり、A4508への分岐のポインタの値は、ポインタ=18となる。また、この場合に、A3208、A4210、A4402におけるポインタの値は、4ではなく、18となる。
より一般的には、1回の普図の当りに関して、普通変動入賞装置(第2始動入賞口37bの開閉部材37c)の開放回数がM回の場合に、図29においてA4502への分岐のポインタの値は、ポインタ=0、2、・・・、2(M−2)となり、A4505への分岐のポインタの値は、ポインタ=1、3、・・・、2(M−2)+1となり、A4508への分岐のポインタの値は、ポインタ=2(M−1)となる。また、この場合に、A3208、A4210、A4402におけるポインタの値は、2(M−1)となる。遊技制御装置600は、普通変動入賞装置(第2始動入賞口37bの開閉部材37c)の開放回数Mに応じて、普電作動移行設定処理(図29)等の制御を変更できるものとする。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。なお、演出制御装置700が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(B1002)、CPU初期化処理を実行する(B1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(B1004)、乱数初期化処理を実行する(B1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(B1006)、割込みを許可する(B1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(B1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(B1009)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(B1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(B1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(B1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(B1012)。1stシーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。1stシーン制御処理については、図34にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(B1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(B1014)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカー10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1015)。また、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(B1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(B1017)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(B1018)、B1008の処理に戻る。以降、B1008からB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(B1012)の詳細について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(B1101)。テスト中モードの場合には(B1101の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(B1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(B1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(B1102の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。シーン変更コマンドとは、後述のB1108からB1116の処理に対応するコマンドであり、例えば、「電源投入コマンド」「停電復旧コマンド」などである。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(B1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(B1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(B1104の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(B1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(B1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(B1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(B1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したシーン変更コマンドの識別子に応じた処理を実行する(B1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「電源投入コマンド」を示す場合には、電源投入処理を実行する(B1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「停電復旧コマンド」を示す場合には、停電復旧処理を実行する(B1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「客待ちデモコマンド」を示す場合には、客待ち処理を実行する(B1110)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「変動パターンコマンド」を示す場合には、変動中処理を実行する(B1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図21にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「図柄停止コマンド」を示す場合には、図柄停止処理を実行する(B1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「ファンファーレコマンド」を示す場合には、ファンファーレ処理を実行する(B1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「大入開放n回目コマンド」を示す場合には、ラウンド中処理を実行する(B1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「インターバルコマンド」を示す場合には、インターバル処理を実行する(B1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「エンディングコマンド」を示す場合には、エンディング処理を実行する(B1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(B1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図保留数コマンドを受信する保留数コマンド受信処理を実行する(B1118)。飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)は、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(B1119)。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前判定コマンドとも呼ばれる)に基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。先読みコマンド受信処理において、主制御用マイコン710は、先読みコマンド(事前判定コマンド)として、始動口入賞演出図柄コマンド(事前演出図柄コマンド)と始動口入賞演出コマンド(事前演出コマンド)を受信し、受信した事前判定コマンドの内容を先読み情報として対応する始動記憶領域(RAM711の一部)にセーブする。主制御用マイコン710は、先読み情報として、始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得し、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する。主制御用マイコン710は、図柄情報から当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれであるか大当りであるかを判定し、さらに、先読み情報(はずれ/大当りの判定結果の情報とリーチ系統情報)に基づいて、先読み演出に関する演出情報を始動記憶領域に設定する。ここで、先読み演出は、先読み情報に基づく演出であり、先読み予告演出(連続予告演出を含む)やその他の演出である。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(B1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔変動中処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図34)における変動中処理(B1111)の詳細について説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、B1106の演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(B1201)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(B1201の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、演出ボタン17(PB、プッシュボタン)の情報をクリアする(B1202)。演出ボタン情報は、演出ボタン17によって演出ボタンSW751を介して入力された入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(B1203)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明9や電動役物(可動役物)の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動回数を管理する変動回数管理処理を行う(B1204)。その後、主制御用マイコン710は、変動パターンや変動中の演出の詳細等について設定する変動パターン情報設定処理を実行する(B1205)。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(B1206)。続いて、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理で設定した情報に対応して、変動表示装置35で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間などを管理するシーンシーケンステーブルを設定する(B1207)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。乱数シード初期化処理は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する処理である。続いて、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグをクリアする(B1208)。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合(シーン変更コマンドを受信していないような場合)には(B1201の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(B1209)。
主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(B1209の結果が「Y」)、現在、最終シーンであるか否かを判定する(B1210)。最終シーンである場合に、変動表示ゲームの終了を設定し(B1211)、最終シーンでない場合に、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(B1212)。主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップしていない場合には(B1209の結果が「N」)、今回の変動中処理を終了する。
〔演出例〕
図36は、変動中処理(図35)に基づいて、変動表示装置35の表示部35aにおいて行われる変動中の演出例を示す。図36(A)は、リーチ前の演出が実施されている状況を示す。図36(B)は、リーチ後の演出が実施されている状況を示す。図36(C)は、変動終了後に停止表示がされる状況を示す。図36(B)から図36(C)にかけて散らばっていた花びら(飾り特別図柄の構成要素)が集まって、飾り特別図柄(識別情報)としての数字のうちの一つを形成して停止表示する演出が行なわれている。
図37と図38は、従来技術との比較において、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)の開放動作等を示すタイミングチャートである。
大当りフラグがオンからオフに変化し、特図の大当り(特別遊技状態:大当りラウンド)が終了すると、大当り終了処理(A1215)によって普図当り確率は低確率から高確率に変化する。大当りラウンド中に普図カウント(ゲートスイッチ603への入力又は普図保留)があると、大当り終了時を超えて、普電サポートがない場合の変動時間(A3328において設定)で普図変動(普図変動表示ゲーム)が行われてしまうことがある。
本実施形態において、普図当り確率が低確率である特図の大当り中に、A3315等において普図当りが出さないよう設定されているので、普図当りの判定結果は「はずれ」(図中の×)であり(A3318)、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)の開放も行われない。一方、特図の大当り(大当りラウンド)が終了すると、普図当り確率は高確率(例えば250/251)であるため、大当り終了後の最初の普図変動(普図変動表示ゲーム)の普図当りの判定結果は「当り」となりやすく、すぐに普通電動役物の開放が開始する。なお、開放時間は、A4207で設定した開放時間(例えば1500ミリ秒×3回)である。
従来と異なり、特図の大当り中に、普図当りが出さないよう設定されているため、大当り終了後の最初の普図変動(普図変動表示ゲーム)が早く始まり、大当り終了後の普図当たりによる普通電動役物の開放も早く開始する。なお、従来技術では、普図当り確率が低確率であっても普図当りが出るよう設定されている。このため、従来技術では、図37の矢印のように、特図の大当り中に最後に開始した普図変動(普図変動表示ゲーム)の結果が当りであると、この普図当りのための普通電動役物の開放が長い開放時間(例えば3000ミリ秒)行われた後に、普電サポート(即ち普図高確状態)による普通電動役物の開放が開始する。従って、従来技術では、普電サポートによる普通電動役物の開放(例えば1500ミリ秒×3回)の開始が遅れることになり、遊技の興趣が損なわれる。
また、普電サポート時と普電サポートなし時の普図変動表示ゲームの変動時間が共通(例えば、変動時間は1000ミリ秒)であり、特図の大当り中(普電サポートなし時)の普図変動表示ゲームの変動時間は短いため、従来と異なり、大当り終了後の最初の普図変動(普図変動表示ゲーム)が早く始まり、大当り終了後の普図当たりによる普通電動役物の開放も早く開始する。なお、従来技術では、普電サポート時と普電サポートなし時の普図変動表示ゲームの変動時間が異なり(例えば、普電サポートなし時の変動時間は5000ミリ秒)、特図の大当り中(普電サポートなし時)の普図変動表示ゲームの変動時間は長い。このため、図38の矢印のように、特図の大当り中に最後に開始した普図変動(普図変動表示ゲーム)の結果がはずれでも、普電サポートなし時の長い変動時間のために、大当り終了後の普電サポート(即ち普図高確状態)による普通電動役物の開放(例えば1500ミリ秒×3回)は遅く開始してしまい、遊技の興趣が損なわれる。
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態において、普図抽選手段(第1抽選手段:例えばA3305〜A3311やA3314〜A3317等を実行する遊技制御装置600)は、普図変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)の結果が特定結果となるか否かの抽選を行う。普図制御手段(第1制御手段)は、普図始動記憶手段(第1始動記憶手段)に記憶された普図始動記憶(第1始動記憶)を1個あたり減少させる毎に普図変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)を1回あたり実行し、普図変動表示ゲームの結果に対応して普通電動役物(普通変動入賞装置、第1変動入賞装置)を作動させる制御を行う。作動状態選択手段(例えばA3304を実行する遊技制御装置600)は、普図変動表示ゲームが特定結果となって普通電動役物を作動させることを可能とする第1状態と、普図変動表示ゲームを実行しながらも普通電動役物を作動させることを不能とする第2状態と、を択一的に発生させる。作動状態選択手段は、特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)の結果に対応して、第1状態と第2状態とを切り替える制御を行う。
従って、普通電動役物を作動させることを不能とする第2状態を設けることで、特図変動表示ゲームの結果(例えば、大当り終了後に時短遊技状態になる大当り)に対応して、(例えば、特別遊技状態終了直後に)普通電動役物を作動させることを可能とする第1状態へ第2状態から迅速に移行できる。なお、迅速に移行した第1状態において、第1始動領域(例えば普通図柄始動ゲート36)への入球に基づいた普図変動表示ゲームの特定結果によって普通電動役物が作動し、第2始動領域(例えば、第2始動入賞口37b)に入球して特図変動表示ゲームが開始する。従って、遊技者が有利となりうる遊技状態(第1状態)における特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)の変動開始を迅速に行い遊技者の遊技興趣を向上できる。即ち、第2状態において、普通電動役物が作動しない分、特図変動表示ゲームの結果に対応して移行した第1状態における普通電動役物の作動開始が早くなり、特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)の変動も早く開始される。
本実施の形態において、普図抽選手段(第1抽選手段)は、第2状態において、普図変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)の結果を特定結果としないよう抽選する(A3314〜A3317)。普図変動表示ゲームは、第1識別情報(普通図柄)の変動表示開始から、所定の変動時間の経過後に第1識別情報を停止表示させることで実行される。変動時間は、第1状態と第2状態の各々において、同一の時間が設定される(例えば、A3327、A3328)。本実施形態では、普図低確状態などの第2状態中も普図高確状態などの第1状態中と同じく変動時間を短くすることで、特別遊技状態終了後の時短遊技状態などにおける普電サポートによる普通電動役物の開放の開始が早くなる。
本実施の形態において、普図抽選手段は、第2状態中の当り判定用の判定値を、普図抽選手段が使用する乱数が取りうる値の範囲外に設定する(A3315)。従って、簡易に、普図変動ゲームの結果を特定結果としないよう抽選できる。或いは、普図制御手段(第1制御手段)は、第2状態にて普図変動表示ゲームを実行する場合は、普図変動表示ゲームの結果が特定結果となっても、普通電動役物(第1変動入賞装置)を作動させない(普通電動役物の動作を禁止する)。これにより、容易に第2状態を実現できる。
本実施の形態において、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能である。特図変動表示ゲームは、第2識別情報(特別図柄)の変動表示開始から、所定の変動時間の経過後に第2識別情報を停止表示させることで実行される。特図変動表示ゲームの変動最短時間(最も短い変動時間)は、普図変動表示ゲームの変動時間よりも長く設定される。これにより、特図保留が溜まりやすくなり、特図変動表示ゲームが連続的に実行されるようになる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、表示装置(一括表示装置50、変動表示装置35等)の詳細に関するものである。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成は、説明が省略されることがある。
図39は、第2の実施の形態に係る一括表示装置50を示す。一括表示装置50は、表示用LEDランプA1〜A18から構成される。7セグメント型の表示器(LEDランプA1)は、一括表示装置50のうち第1特図変動表示部(特図1表示器)51を構成し、特図1変動表示ゲームを行う。7セグメント型の表示器(LEDランプA2)は、一括表示装置50のうち第2特図変動表示部(特図2表示器)52を構成し、特図2変動表示ゲームを行う。図40のテーブルのように、LEDランプA1とA2は、特図変動表示ゲームの変動中に変動用図柄番号0と1に対応する表示図柄(発光状態)を交互に繰り返す。図46のテーブルは、LEDランプA1とA2の変動の停止時の表示図柄を停止用図柄番号に対応付けて示す。
LEDランプA3〜A6は、一括表示装置50のうち特図1保留表示器54を構成し、第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=特図1保留数)を表示する。LEDランプA7〜A10は、一括表示装置50のうち特図2保留表示器55を構成し、第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=特図2保留数)を表示する。図41は、特図保留数とLEDランプA3〜A6の点灯状態の関係、及び、特図保留数とLEDランプA7〜A10の点灯状態の関係を示すテーブルである。
LEDランプA11、A12は、一括表示装置50のうち普図保留表示器56を構成し、普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。図42は、普図保留数とLEDランプA11、A12の点灯(点滅)状態の関係を示す。LEDランプA13は、一括表示装置50のうち普図表示器53を構成し、普図変動表示ゲームについて変動中は点滅して普図変動表示ゲームを表示し、普図変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合に消灯状態になり、普図変動表示ゲームの結果が「当り」のときは点灯状態になる。図43のテーブルのように、LEDランプA13は、普図変動表示ゲームの変動中に変動用普通図柄番号0と1に対応する表示図柄(普通図柄)を交互に繰り返して点滅する。
LEDランプA14〜A16は、大当り時のラウンド数を表示するラウンド表示部59を構成する。なお、ラウンド表示部59は、第一実施形態と異なり、2ラウンド(2R)、10ラウンド(10R)、15ラウンド(15R)をそれぞれLEDランプA14〜A16によって表示する。代わりに、第一実施形態に係る第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57は省略されている。図44は、大当り時のラウンド数とLEDランプA14〜A16の点灯状態の関係を示すテーブルである。大当り時のラウンド数が2ラウンド(2R)である場合にはLEDランプA14が点灯し、大当り時のラウンド数が10ラウンド(10R)である場合にはLEDランプA15が点灯し、大当り時のラウンド数が15ラウンド(15R)である場合にはLEDランプA16が点灯する。
LEDランプA17は、変動時間を短縮する変動時間の短縮機能が作動して時短遊技状態が発生したことを報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60を構成する。図45のテーブルのように、LEDランプA17は、変動時間の短縮機能の作動時(時短時)に点灯し、変動時間の短縮機能の未作動時(時短でない時)に消灯する。LEDランプA18は、エラー表示器58を構成し、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する。図45のテーブルのように、高確率状態であればLEDランプA18は点灯し、低確率状態等その他の状態であればLEDランプA18は消灯する。
図47(A)(B)は、第2の実施の形態に係る変動表示装置35を示す。第1の実施の形態において、変動表示装置35の表示領域(表示部35a)は、特図変動表示ゲームを表示する特図変動表示領域のみを有していた。しかし、変動表示装置35の表示領域は、特図変動表示領域201(第2表示領域)に加えて、普図変動表示領域202(第1表示領域)と、特図特別抽選表示領域203(第3表示領域)と、を有する。
普図変動表示領域202は、演出制御装置700の制御によって、普図変動表示ゲームの特定の結果態様(特定結果)の抽選結果に関する情報を普図抽選表示として表示する。図47(A)(B)では、普図変動表示領域202は、変動表示装置35の表示領域(表示部35a)の左下で変動表示装置35の保留表示領域205の隣に設けられるが、普図変動表示領域202の位置はこれに限定されるものではない。
図47(A)のように、普図変動表示領域202は、普図変動表示ゲームの実行中(LEDランプA13の点滅中)に、普図変動表示ゲームに連動させて、所定期間の間、図柄(普図抽選図柄)をルーレット状に周期的に循環させて変動表示する普図演出を行う。この所定期間は、普図変動表示ゲームの変動時間(A3327又はA3328)以内の時間である。図47(B)のように、普図変動表示領域202は、所定期間の経過後、普図変動表示ゲームの結果に関する情報を表示する。例えば、普図変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合に、変動表示させる図柄のうち「はずれ」の図柄を停止図柄として表示し、普図変動表示ゲームの結果が「当り」の場合に、変動表示させる図柄のうち「当り」の図柄を停止図柄として表示する。
なお、普図変動表示領域202における変動表示(普図演出)は、普図変動表示ゲームと同時に開始してもよいし、これより遅く開始してもよい。また、普図変動表示領域202における変動表示(普図演出)は、普図変動表示ゲームと同時に停止してもよいし、これより早く停止してもよい。普図変動表示領域202における変動表示を普図変動表示ゲームより早く停止させて、普図変動表示領域202に停止図柄を表示すると、普図変動表示領域202の表示を普図変動表示ゲームの結果に関する予告演出として使用できる。普図変動表示領域202における変動表示と普図変動表示ゲームとを略同期させると、普図変動表示領域202においても、普図の当りの抽選が行われているかの如く、遊技者に見せることができる。
図48(A)−(E)は、普図変動表示領域202において、循環して順次、変動表示される図柄(普図抽選図柄)のパターンの例を示す。パターンAでは、○と×の記号が順次繰り返して表示され、普図変動表示ゲームの「当り」結果を報知又は予告する停止図柄を○として表示し、「はずれ」結果を報知又は予告する停止図柄を×として表示する。パターンBでは、5回に一度○が表示されるように○と×の記号が表示され、「当り」結果を報知又は予告する停止図柄を○として表示する。パターンCでは、種々のキャラクターの図柄を循環させて表示し、「当り」結果を報知又は予告する停止図柄を特定の図柄として表示する。パターンDでは、普図当りの確率の如く認識させるような態様で数字(実際の確率と異なってよい)を周期的に循環させて表示し、「当り」結果を報知又は予告する停止図柄を最も大きい数字(最も高い確率)として表示する。パターンEでは、文字の図柄を循環させて表示し、「当り」結果を報知又は予告する停止図柄を特定の文字(「激熱」など)として表示する。なお、演出制御装置700は、普図変動表示領域202パターンA−Eを、乱数による抽選で選択してもよい。
また、演出制御装置700は、普図変動表示領域202の停止図柄を乱数による抽選で選択してもよく、普図変動表示ゲームの抽選結果が「当り」結果でも「はずれ」結果を報知又は予告する停止図柄を表示してもよいし、逆に、普図変動表示ゲームの抽選結果が「はずれ」結果でも「当り」結果を報知又は予告する停止図柄を表示してもよい。ただし、普図変動表示ゲームの抽選結果が「当り」結果の場合には、「はずれ」結果を報知又は予告する停止図柄が抽選させる確率(振り分け率)を低くしておく。
遊技制御装置600は、普図変動表示領域202の変動表示(普図演出)と普図変動表示ゲームを連動させるため、普図変動表示ゲームに関する各種信号を、コマンドとして演出制御装置700に送信する。普図変動表示ゲームに関する各種信号としては、例えば、図21のA3313又はA3319において設定した当り時又ははずれ時の普図停止図柄番号、図22のA3327又はA3328において設定した変動時間、図24のA3503の普図変動開始に関する信号と、図25のA4105の普図変動終了に関する信号などがある。演出制御装置700(変動表示装置の表示制御を行う変動表示制御手段)は、これら信号を受信して、変動表示させる普図変動表示領域202の図柄を普図演出として設定して、特図変動表示領域201で行われる飾り特図変動表示ゲームの変動表示とともに、飾り特図変動表示ゲームの演出に係るシーンシーケンステーブル(B1207)で管理しておくことができる。
特図特別抽選表示領域203は、演出制御装置700の制御によって、変動表示ゲームが特定の態様となるか否かに関する情報を表示する。演出制御装置700は、その始動記憶領域(RAM711の一部)の特図始動記憶(特図保留)の先読み情報に基づいて、特図始動記憶による変動表示ゲームが特定の態様となるか否か判定する。例えば、特定の態様はリーチ状態であり、特図特別抽選表示領域203は、リーチ抽選表示部として機能するが、特定の態様は、リーチ状態のうちの一種(プレミアムリーチ等)でもよい。図47では、特図特別抽選表示領域203は、変動表示装置35の表示領域(表示部35a)の右下で変動表示装置35の保留表示領域205の隣に設けられるが、特図特別抽選表示領域203の位置はこれに限定されるものではない。
図47(A)のように、特図特別抽選表示領域203は、図11のA1514とA1515で設定した特図変動表示ゲームの前半変動パターン(リーチ前の変動)に連動させて、図柄(特図特別抽選図柄)をルーレット状に周期的に循環させて変動表示させる。即ち、特図特別抽選表示領域203は、変動表示装置35が飾り特図変動表示ゲームの前半変動(リーチ前演出)を実行している期間中に、所定期間の間、図柄(特図特別抽選図柄)を周期的に循環させる演出を行う。この所定期間は、特図変動表示ゲームの前半変動時間以内の時間である。図47(B)のように、特図特別抽選表示領域203は、所定期間の経過後、変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となるか否かに関する情報を表示する。
また、例えば、特図特別抽選表示領域203は、演出制御装置700の特図始動記憶(特図保留)に基づく全ての変動表示ゲームのうちの少なくとも一つが特定の態様(リーチ状態)となる場合に、変動表示させる図柄のうち特定の図柄を停止図柄として表示してもよい。一方、特図特別抽選表示領域203は、演出制御装置700の始動記憶に基づく全ての変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)とならない場合に、特定の図柄以外の停止図柄を表示してもよい。なお、例えば、演出制御装置700は、変動表示ゲームがリーチ状態となるか否かを、始動記憶の先読み情報(始動口入賞演出コマンド)からリーチ系統情報を取得して判定できる。これにより、特図特別抽選表示領域203は、特図保留内の変動でリーチがかかる可能性があるか否かを表示できる。
なお、特図特別抽選表示領域203における変動表示(特図特別抽選演出)は、飾り特図変動表示ゲームの前半変動(リーチ前演出)と同時に開始してもよいし、これより遅く開始してもよい。また、特図特別抽選表示領域203における変動表示(特図特別抽選演出)は、飾り特図変動表示ゲームの前半変動(リーチ前演出)と同時に停止してもよいし、これより早く停止してもよい。特図特別抽選表示領域203における変動表示を飾り特図変動表示ゲームの前半変動(リーチ前演出)より早く停止させて、特図特別抽選表示領域203に停止図柄を表示すると、特図特別抽選表示領域203の表示を変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となることを予告する予告演出として使用できる。特図特別抽選表示領域203における変動表示と飾り特図変動表示ゲームの前半変動(リーチ前演出)とを略同期させると、特図特別抽選表示領域203において、特定の態様(リーチ状態)の抽選が行われているかの如く、遊技者に見せることができる。
図49(A)−(F)は、特図特別抽選表示領域203において、循環して順次、変動表示される図柄(特図特別抽選図柄)のパターンの例を示す。パターンAでは、○と×の記号が順次繰り返して表示され、リーチ状態が成立する可能性がある場合に停止図柄を特定の図柄(○)として表示し、リーチ状態が成立しない場合にそれ以外の停止図柄(×)を表示する。パターンBでは、5回に一度○が表示されるように○と×の記号が表示され、リーチが成立する可能性がある場合に特定の図柄を○として停止表示する。パターンCでは、種々のキャラクターの図柄を循環させて表示し、リーチが成立する可能性がある場合に特定の図柄を停止表示する。パターンDでは、特図変動表示ゲームの大当りの確率を示す数字(実際の確率と異なってよい)を周期的に循環させて表示し、リーチが成立する場合にそのリーチに対応した特図変動表示ゲームの大当りの確率を数字として停止表示する。パターンEでは、文字の図柄を循環させて表示され、リーチが成立する可能性がある場合に特定の図柄を特定の文字(「激熱」など)として停止表示する。パターンFでは、リーチの種類を示す図柄(文字)を循環させて表示し、リーチが成立する場合にそのリーチの種類を示す特定の図柄(文字)を停止表示する。なお、演出制御装置700は、特図特別抽選表示領域203のパターンA−Fを、乱数による抽選で選択してもよい。
また、演出制御装置700は、特図特別抽選表示領域203の停止図柄を乱数による抽選で選択してもよく、変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となる場合でも予告として特定の図柄以外の停止図柄を表示してもよいし、逆に、変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)とならない場合でも予告として特定の図柄を停止図柄として表示してもよい。ただし、変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となる場合には、特定の図柄が停止図柄として抽選される確率(振り分け率)を高くしておく。
特図特別抽選表示領域203の変動表示と特図変動表示領域201の前半変動(即ち特図変動表示ゲームの前半変動パターン)を連動させるため、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した特図変動表示ゲームに関する各種コマンドを利用する。特図変動表示ゲームに関する各種信号としては、例えば、図11のA1514において設定した前半変動パターンやその前半変動番号に対応する変動コマンドのMODE部などがある。また、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した後半変動パターンの後半変動番号の値を変動コマンドのACTION部から、変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となることを知ることができる。演出制御装置700(変動表示制御手段)は、循環させて変動表示させる特図特別抽選表示領域203の図柄を演出として設定して、特図変動表示領域201で行われる飾り特図変動表示ゲームの変動表示とともに、飾り特図変動表示ゲームのシーンシーケンステーブル(B1207)で管理しておくことができる。
演出制御装置700において、主制御用マイコン710と、映像制御用マイコン720と、VDP730とが、シーンシーケンステーブルに応じた制御を行って、変動表示装置35の表示領域(特図変動表示領域201と、普図変動表示領域202と、特別抽選表示領域203)に上記の各種変動表示等を行う。
なお、演出制御装置700は、所定の条件が成立する場合に、普図変動表示領域202に普図の抽選に関する情報(変動表示される図柄又は停止図柄)を表示するよう制御してよい。また、演出制御装置700は、この所定の条件が成立している際に、現在又は後の変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となる可能性があることを特図特別抽選表示領域203に表示してよい。これにより、普図変動表示領域202の表示と特別抽選表示領域203の表示を関連付けて連動することができる。なお、現在又は後の特図変動表示ゲームが特定の態様となる可能性があるか否かは、演出制御装置700の始動記憶(保留)の先読み情報又は受信した先読みコマンドなどから判定できる。
所定の条件は、例えば、変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となること、又は、普図変動表示ゲームの結果が「当り」(特定結果)となることである。その場合には、変動表示ゲームが特定の態様(リーチ状態)となると、普図変動表示領域202は普図の抽選に関する情報を表示し、普図変動表示ゲームの結果が「当り」になると、特図特別抽選表示領域203は現在又は後の変動表示ゲームが特定の態様となる可能性があることを表示する。このため、普図変動表示領域202の表示と特別抽選表示領域203の表示をより強く関連付けて連動することができ、遊技の興趣が高まる。
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態において、変動表示装置35(第2変動表示手段)の表示領域は、特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)を表示する特図変動表示領域201(第2表示領域)と、普図表示変動ゲーム(第1変動表示ゲーム)が特定結果になるか否か抽選した抽選結果に関する情報を表示する普図変動表示領域202(第1表示領域)と、特図変動表示ゲームが特定の態様となるか否かに関する情報を表示する特別抽選表示領域203(第3表示領域)と、を含む。普図抽選手段(第1抽選手段:遊技制御装置600)は、普図変動ゲームの結果が特定結果となるか否かの抽選を行う。第2変動表示手段の表示制御を行う変動表示制御手段(演出制御装置700)は、所定の条件が成立すると、普図抽選手段の抽選に関する情報を普図変動表示領域202にて表示し、所定の条件が成立している際に、現在又は後の特図変動表示ゲームが特定の態様となる可能性があることを特別抽選表示領域203に表示する。なお、「普図抽選手段の抽選に関する情報」は、例えば、普図変動ゲームに連動する変動表示、又は、普図変動ゲームの結果に対応する停止図柄である。
このように、普図変動表示ゲームに関する情報は、普図変動表示領域202で表示し、特図変動表示ゲームの情報(リーチ情報等)は、特別抽選表示領域203で表示し、特図変動表示ゲームの変動自体は、特図変動表示領域201で表示する。普図変動表示領域202の表示と特別抽選表示領域203の表示を関連付けて連動することができる。従って、遊技者にわかり易く各々の情報を表示させて、遊技の単調化を妨げるとともに遊技者の興趣を向上させる遊技機を提供できる。
変動表示制御手段(演出制御装置700)は、普図変動表示領域202で表示を行った後に、特別抽選表示領域203で表示を行い、普図変動表示領域の表示態様が特別なものであった場合のみ、特別抽選表示領域で表示を行う。これにより、さらに遊技の興趣が高まる。例えば、普図変動表示領域の表示態様が普図当たりを示すものであった場合に、特別抽選表示領域でも表示を行うと、特図の大当りの期待度を高めることができる。例えば、普図変動表示領域の表示態様が普図のはずれを示すものであった場合でも、特別抽選表示領域で表示を行うと、遊技者の遊技に対する興味が持続する。
また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。