以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(発光ダイオード:光源)等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図3参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置、変動表示手段)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変遊技状態(高確率状態)、変動時間の短縮機能が作動して普図及び特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態(時短状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。なお、確変遊技状態と時短遊技状態が同時に生じることもある。なお、時短遊技状態では、後述の普電サポートが実行される。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤〕
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体32(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体32の前面にガイドレール33で囲まれた略円形状の遊技領域31を有している。また、遊技盤本体32の前面であってガイドレール33の外側には、前面構成部材(サイドケース)が取り付けられている。さらに、遊技領域31の右下側の前面構成部材は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレートで覆われている。そして、このガイドレール33で囲まれた遊技領域31内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域31には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース34が取り付けられている。センターケース34に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての変動表示装置(表示装置)35が配置されている。変動表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部35aを備え、センターケース34の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
変動表示装置35において、表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、特図変動表示ゲームを表示する複数の特図変動表示領域が設けられており、各特図変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域31のセンターケース34の側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、普図始動領域、所定領域)36が設けられている。普図始動ゲート36の内部には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)603(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過(所定条件の成立)すると、普図変動表示ゲーム(特定変動表示ゲーム)が実行される。なお、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、普図始動領域、所定領域)36を遊技領域31のセンターケース34の左側に設けてよい。
さらに、センターケース34の左下側には、三つの一般入賞口40が配置され、センターケース34の右下側には、一つの一般入賞口40が配置されている。また、一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口40に備えられた入賞口スイッチ(SW)604a〜604m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース34の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域、始動口1)37aが設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材37cを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域、始動口2)37bが配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37a及び第2始動入賞口37bが当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。
第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口37bの上方には、第1始動入賞口37aが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、開閉部材37cは、駆動装置としての普電ソレノイド27(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
さらに遊技領域31の第2始動入賞口37bの下方には、大入賞口ソレノイド28(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置41が設けられている。特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、各大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ605(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、及び特別変動入賞装置41の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置41の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口42が設けられている。
また、遊技領域31の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、変動表示装置35における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート36への入賞(入球)をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短遊技状態が発生すると点灯して時短遊技状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置41の開閉扉41aの開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示(特定識別情報を変動表示)する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図1保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図2保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短遊技状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンド(2R)又は15ラウンド(15R))を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体46が設けられる。弁体46の下端は内レール44に固定され、弁体46は発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体46は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に入賞(入球)するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置640によって制御される払出ユニットから、前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出される。
前述のように、普図始動ゲート36内には、該普図始動ゲート36を通過(入球)した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート36は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート36を遊技球が通過(入球)すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。このように、遊技制御装置600は、普図始動記憶を記憶保持する普図始動記憶手段として機能する。
また、普図始動記憶(普図保留)には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値(所定の乱数、普図乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。なお、当り判定用乱数値についての詳細は後述する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普図図柄を表示する普図変動表示手段又は普図表示領域として機能し、普通識別情報(普図、普通図柄)として、点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。遊技制御装置600は、普図始動ゲート36への入球、若しくは各普図始動記憶に基づいて、普図表示器53で普図変動表示ゲームを行う。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止結果が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態(遊技者に有利な特定状態)となる。これにより、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート36への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53(普図変動表示手段)に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口37bは、内蔵されている普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材37cが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37aへの入賞球及び第2始動入賞口37bへの入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース34の変動表示装置35においても表示される。このように、遊技制御装置600は、始動記憶手段として、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき特図変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数(所定回数)まで記憶する。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して変動表示装置35の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置41は、大入賞口ソレノイド28(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置41に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。なお、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第1特図始動記憶、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第2特図始動記憶とする。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37a内の第1始動口スイッチ601、第2始動入賞口37b内の第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠5に前面枠開放検出スイッチ25やガラス枠6に設けられたガラス枠開放検出スイッチ26には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
次に、図3を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン(マイクロコンピュータ)611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12、一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターン(短縮変動と通常変動を含む)に係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチ(ロングリーチ)を実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチ(スーパーリーチ)を実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチ(特別リーチ)を実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置(本実施形態では変動表示装置35)を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の特図変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の特図変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の特図変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の特図変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての特図変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの特図変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの特図変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には、大当り遊技状態(特別遊技状態)の予告演出となる複数のリーチ演出が含まれる。特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(ロングリーチ)、スペシャル2リーチ(スーパーリーチ)、プレミアムリーチ(特別リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置690に発射許可信号を出力する。発射制御装置690は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
さらに、払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。なお、変動開始コマンドには、変動パターンコマンドが含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させる。
一括表示装置50は、遊技状態報知LED12及び状態表示器等から構成されている。状態表示器のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。状態表示器のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。状態表示器のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集装置665に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給される。
本実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。
また、バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
〔演出制御装置〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカー10a及び下スピーカー10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン(マイクロコンピュータ)710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLEDランプ等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5や演出ボタン17の内部等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nやその他のセンサ(スイッチ)87のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信する入力回路750、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。演出ボタン17と演出ボタンSW751は、遊技者の操作に応じて操作信号を発生可能な操作手段を構成する。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカー10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が実行するメイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、遊技制御装置600が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(A1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(A1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(A1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A1010〜A1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。A1010及びA1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、A1012及びA1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(A1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(A1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(A1016)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A1011又はA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A1016の結果が「N」)、図6のA1039からA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6のA1017〜A1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(A1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(A1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(A1019)。リセットする領域は、遊技枠開放監視領域や大入賞口不正入賞監視領域などである。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A1020)。高確率でないと判定された場合には(A1020の結果が「N」)、A1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A1021)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(A1022)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(A1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。停電復旧時のコマンドは、機種指定コマンド、飾り特図1保留数コマンド、飾り特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、復旧画面コマンド(又は客待ちデモコマンド)である。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(A1039)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(A1040)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(A1041)。例えば、初期化すべき領域として、客待ちデモ領域に客待ちデモ中フラグを設定し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)を設定する。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(A1042)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(A1043)、A1024以降の処理を実行する。電源投入時のコマンドは、機種指定コマンドや電源投入コマンドである。
遊技制御装置600は、A1023又はA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A1026)。初期値乱数は、当り初期値乱数、大当り図柄初期値乱数などである。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1028)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(A1029)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1030)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A1030の結果が「N」)、A1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、A1028からA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A1028)の前に割り込みを許可(A1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A1028)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A1030の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(A1031)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(A1031の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1030)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(A1031の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A1032〜A1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A1032)、全出力ポートをオフに設定する(A1033)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(A1034)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A1035)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A1037)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集装置665に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(A1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1109)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(A1111)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A1112)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(A1113)。その後、A1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A1115)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1108)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(A1202)。カウントスイッチ監視処理では、開放される特別変動入賞装置41内に設けられたカウントスイッチ605によって対応する特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、A1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A1204の結果が「N」)、A1216以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A1204の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A1208)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A1215)。大当り終了処理は、A1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特に、大当り終了処理において、遊技制御装置600は、大当り終了後に普電サポートが有る場合(即ち、大当り終了後に通常時短遊技状態又は確変時短遊技状態に移行する場合)に、後述の普図ゲームモードフラグ領域に、普図変動表示ゲームの当選確率が高確率、及び、普電サポートがあることを示すフラグ(高確率&普電サポートありフラグ)をセーブする。また、大当り終了処理において、遊技制御装置600は、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば50回)をセーブする。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1216)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A1217)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1218)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(A1219)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A1301)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c、普電)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(A1303)。普通電動役物が作動中である場合には(A1303の結果が「Y」)、A1306以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A1303の結果が「N」)、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(A1304)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(A1305)。例えば、不正発生判定個数は、5個である。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、A1305の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(A1305の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(A1305の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(A1306)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1307)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A1302、A1307)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A1401、A1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(1406、A1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A1408)。
遊技制御装置600は、A1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(A1409、A1410)。例えば、上限値は、4個である。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A1411)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE部)を準備し(A1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION部)を準備する(A1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(A1414)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A1415)。そして、A1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A1416)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A1417)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A1418)。
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(A1419)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(A1420)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(A1421)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、A1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A1422)。特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A1410の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(A1423)、コマンド設定処理を実行する(A1424)。
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合(A1431の結果が「N」)、又は、A1424のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(A1422)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かをチェックし(A1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(A1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には、普電サポート(電サポ)なし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。普電サポート(電サポ)とは、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを、所定時間(長い開放時間)、所定の時間間隔で開閉させて、第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い状態にすることをいう。
遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(A1502の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(A1502の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、第1始動入賞口37aに入賞し、かつ、普電サポート(電サポ)中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み処理を実行しないようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、A1503の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A1504)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A1504の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(A1507)。そして、A1508以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A1504の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(A1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、A1505の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(A1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置600は、A1506の処理で設定した大当り情報テーブル又はA1507の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A1508)。
そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(A1509)。始動口入賞演出図柄コマンドは、例えば始動記憶に対応する事前判定結果(先読み結果)を演出制御装置700に対して通知するために使用される。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(A1510)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(A1511)。始動口入賞演出コマンドにより、例えばリーチ系統情報を演出制御装置700に対して通知できる。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A1512)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(A1513)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A1514)。ここで、前半変動パターンとは、リーチ状態になる前の変動のパターンであり、後半変動パターンとは、リーチ状態になった後の変動のパターンである。なお、ステップA1512における特図情報設定処理、ステップA1513における後半変動パターン設定処理、ステップA1514における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理(図18参照)、後半変動パターン設定処理(図19参照)、変動パターン設定処理(図20参照)と同様であり、その詳細については後述する。
後半変動パターン設定処理(A1513)及び変動パターン設定処理(A1514)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置600は、前半変動パターンの前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンドのMODE部を算出して準備し(A1515)、後半変動パターンの後半変動番号の値を変動コマンドのACTION部として準備し(A1516)、これらを組み合わせて演出制御装置700に送る始動口入賞演出コマンドとして設定するコマンド設定処理を実行する(A1517)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(A1518)、コマンド設定処理を実行する(A1519)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、A1515及びA1516の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、A1518の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔カウントスイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)におけるカウントスイッチ監視処理(A1202)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態のカウントスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特別変動入賞装置41の大入賞口の大当り開放中か否かをチェックし、判定する(A1601、A1602)。そして、大入賞口の大当り開放中でない場合には(A1602の結果が「N」)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
遊技制御装置600は、大入賞口の大当り開放中である場合には(A1602の結果が「Y」)、大入賞口への遊技球の入賞を検出するカウントスイッチ605に入力があるかをチェックし、判定する(A1603、A1604)。そして、カウントスイッチ605に入力がない場合には(A1604の結果が「N」)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、カウントスイッチ605に入力がある場合には(A1604の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を1加算更新する(A1605)。そして、更新後の大入賞口カウント数が予め設定される上限値(例えば9個)に達したか否かをチェックし、判定する(A1606、A1607)。
遊技制御装置600は、大入賞口カウント数が上限値に達した場合には(A1607の結果が「Y」)、特図ゲーム処理タイマを0クリアする(A1608)。その後、カウントスイッチ監視処理を終了する。
なお、カウントスイッチ監視処理のA1602の結果が「Y」の場合は、ファンファーレ/インターバル中処理(A1212)で処理番号「4」が設定されている。このため、特図ゲーム処理タイマが0クリアされた後に、特図ゲーム処理(図8)のA1203及びA1204の処理でタイムアップしたと判定され、その後実行される処理は、大入賞口開放中処理(A1213)となる。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図普段処理(A1209)の詳細について説明する。図13は、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(A2001、A2002)。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0の場合には(A2002の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックし判定する(A2003、A2004)。このように、特図2保留数のチェック(A2001)を、特図1保留数のチェック(A2003)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)よりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(A2004の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックし判定する(A2005、A2006)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A2006の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(A2007)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(A2008)、コマンド設定処理を実行する(A2009)。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(A2006の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、A2010以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(A2010)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。特図普段処理移行設定処理1の詳細については、図26(A)にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合(A2004の結果が「N」)、すなわち特図1変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(A2011)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(A2012)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、変動中に係る試験信号、特図表示器における特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図表示器の変動中に係るフラグ、特図表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、A2011における特図1変動開始処理1の詳細については、図14にて後述する。
同様に、遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合(A2002の結果が「N」)、すなわち特図2変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(A2013)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(A2014)。なお、A2013における特図2変動開始処理1は、特図1変動開始処理1において特図1を特図2に、大当りフラグ1を大当りフラグ2に置き換えた処理に等しく、説明を省略する。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図13)における特図1変動開始処理1(A2011)の詳細について説明する。図14は、本発明の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、特図1変動表示ゲームの結果が大当りか否か判定し、停止する図柄(停止図柄)を決め、その後各種変動パターンを決定する。
遊技制御装置600は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A2101)。大当りフラグ1設定処理の詳細については、図15にて後述する。次に、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームにおける特図1停止図柄の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A2102)。特図1停止図柄設定処理の詳細については、図16にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図1停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(A2103)。信号は、そのデータの値が変化するまで出力され続ける。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A2104)。
次に、遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)を設定して準備し(A2105)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A2106)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備し(A2107)、変動パターンを決定するための各種パラメータ(特図情報)を設定する特図情報設定処理を実行する(A2108)。なお、特図情報設定処理の詳細については、図18にて後述する。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行する(A2109)。さらに、A2108で設定されたパラメータ及びA2109で設定された後半変動パターンに基づいて、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A2110)。なお、後半変動パターン設定処理及び変動パターン設定処理の詳細については、図19及び図20にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A2111)、特図1変動開始処理1を終了する。なお、変動開始情報設定処理の詳細については、図21にて後述する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図14)における大当りフラグ1設定処理(A2101)の詳細について説明する。図15は、本発明の実施の形態の大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当りフラグ2設定処理は、大当りフラグ1設定処理において、特図1を特図2に、大当りフラグ1を大当りフラグ2に置き換えた処理に等しく、大当りフラグ1設定処理と同様に行われる。
図15に示すように、大当りフラグ1設定処理では、先ず、大当りフラグ1をオフに設定して大当りフラグ1にはずれ情報をセーブした後(A2201)、RWMの特図1用の乱数セーブ領域から大当り乱数をロードして準備し(A2202)、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(A2203)を行う。なお、A2203における大当り判定処理の詳細については、図17にて後述する。
そして、A2203における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(A2203の結果が「Y」)に、大当りフラグ1をオンに設定して大当りフラグ1に大当り情報を上書きしてセーブした後(A2205)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(A2206)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、A2203における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(A2204の結果が「N」)に、大当りフラグ1にはずれ情報がセーブされた状態で、処理をA2206に移行して、それ以降の処理を行う。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図14)における特図1停止図柄設定処理(A2102)の詳細について説明する。図16は、本発明の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理において、特図1を特図2に、大当りフラグ1を大当りフラグ2に置き換えた処理に等しく、特図1停止図柄設定処理と同様に行われる。
図16に示すように、特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りであるかをチェックし判定する(A2301、A2302)。大当りである場合(A2302の結果が「Y」)は、特図1の大当り図柄テーブルを設定し(A2303)、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)から大当り図柄乱数をロードする(A2304)。なお、大当り図柄テーブルには、停止図柄番号の振り分け率を表す大当り図柄乱数の判定値と、この判定値に対応する停止図柄番号が定義されている。次に、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して準備し(A2305)、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(A2306)。大当り時の停止図柄番号は、例えば1〜21である。
その後、普電サポート中であるかを判定し(A2307)、普電サポート中である場合(A2307の結果が「Y」)に、高確率時、時短時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備し(A2308)、大当り時の停止図柄情報(大当り図柄情報)の設定処理(A2310)を行う。また、普電サポート中でない場合(A2307の結果が「N」)は、低確率時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備し(A2309)、大当り時の停止図柄情報(大当り図柄情報)の設定処理(A2310)を行う。その後、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(A2313)を行う。
停止図柄情報設定処理(A2310)では、対象の停止図柄番号に対応する図柄情報を取得し、RWMの停止図柄情報領域にセーブする処理を行う。このとき、普電サポート中であるか否かにより異なる停止図柄情報テーブルを用いるようにしているので、同じ停止図柄番号であっても普電サポート中であるか否かにより取得される図柄情報が異ならせることができる。次に、停止図柄番号に対応する当り図柄フラグを取得して当り図柄フラグ領域にセーブする。その後、停止図柄番号に対応するラウンド数の上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし、停止図柄番号に対応する大入賞口の開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする。
大当りでない場合(A2302の結果が「N」)には、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブし(A2311)、はずれ時の停止図柄番号に対応する図柄情報(はずれ図柄情報)を停止図柄情報領域にセーブする(A2312)。はずれ時の停止図柄番号は、例えば0である。そして、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理を行う(A2313)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(A2313)を行った後、図柄情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得し(A2314)、飾り特図1コマンド(MODE)を設定して(A2315)、飾り特図コマンド領域にコマンドをセーブする(A2316)。なお、飾り特図コマンド(ACTION)が飾り特図コマンドテーブル上に定義されている。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置700に送信される。その後、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1用)を0クリアし(A2317)、特図1停止図柄設定処理を終了する。なお、上記の特図2変動開始処理(A2013)においても、この処理と同様の処理が実行される。
〔大当り判定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図14)における大当り判定処理(A2203)の詳細について説明する。図17は、本発明の実施の形態の大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
図17に示すように、大当り判定処理では、先ず、大当り判定用の下限判定値を設定する処理(A2401)を行う。例えば、大当り乱数の値が0〜65536であれば、下限判定値は59571に設定できる。その後、大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、図15のA2202で読み込んだ大当り乱数の値が、当該大当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックし判定する(A2402、A2403)。
大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(A2403の結果が「N」)に、特図変動表示ゲームにて大当り結果となる確率が高確率状態であるか否か判定する(A2404)。高確率状態である場合(A2403の結果が「Y」)には、高確率時の上限判定値を設定し(A2405)、低確率状態である場合(A2404の結果が「N」)には、低確率時の上限判定値を設定する(A2406)。例えば、大当り乱数の値が0〜65536であれば、高確率時の上限判定値は61450に設定でき、低確率時の上限判定値は59758に設定できる。その後、大当り乱数の値が上限判定値より大きいかチェックし判定する(A2407、A2408)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A2408の結果が「Y」)に、特図変動表示ゲームにおける大当りの判定結果としてはずれを設定し(A2409)、大当り乱数の値が上限判定値以下の場合(A2408の結果が「N」)に、特図変動表示ゲームにおける大当りの判定結果として大当りを設定し(A2410)、大当り判定処理を終了する。
一方、大当り乱数の値が下限判定値未満である(A2403の結果が「Y」)場合にも、特図変動表示ゲームにおける大当りの判定結果としてはずれを設定し(A2409)、大当り判定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図14)における特図情報設定処理(A2108)の詳細について説明する。図18は、本発明の実施の形態の特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
図18に示すように、特図情報設定処理では、まず、特図1変動開始処理のA2105で準備した特図1変動フラグを対象の特図を示すフラグとしてRWMの作業用の図柄判別フラグ領域にセーブする(A2501)。続いて、対象の特図保留数を情報生成パラメータ1としてロードして(A2502)、特殊演出情報を情報生成パラメータ2としてロードする(A2503)。そして、普通変動入賞装置37が普電サポート状態(時短動作状態)か否かを判定する(A2504)。普電サポート状態ではないと判定した場合(A2504の結果が「N」)には、普電サポートなしの値を情報生成パラメータ3として設定して(A2505)、A2512へ移行する。
一方、A2504にて普電サポート状態であると判定した場合(A2504の結果が「Y」)には、高確率状態か否かを判定する(A2506)。高確率状態ではないと判定した場合(A2506の結果が「N」)には、低確率状態かつ普電サポート状態の値を情報生成パラメータ3として設定して(A2507)、A2512へ移行する。一方、A2506にて高確率状態であると判定した場合(A2506の結果が「Y」)には、情報生成パラメータ2が特殊演出実行中の値か否かをチェックする(A2508)。
A2509にて特殊演出実行中の値であると判定した場合(A2509の結果が「Y」)には、特殊演出実行中の値を情報生成パラメータ3として設定(A2510)して、A2512へ移行する。一方、A2509にて特殊演出実行中の値でないと判定した場合(A2509の結果が「N」)には、高確率状態かつ普電サポート状態を示す値を情報生成パラメータ3として設定する(A2511)。
A2512では、情報生成パラメータ1、3に基づいて前半変動情報1を生成し、前半変動情報1領域にセーブする。続いて、情報生成パラメータ2に基づいて前半変動情報2を生成し、前半変動情報2領域にセーブし(A2513)、作業用の図柄情報を情報生成パラメータ4としてロードする(A2514)。続いて、作業用の図柄判別フラグを情報生成パラメータ5としてロードし(A2515)、情報生成パラメータ4、5に基づいて前半変動グループ情報を生成し、対象の前半変動グループ情報領域にセーブする(A2516)。続いて、情報生成パラメータ1に基づいて後半変動グループ情報を生成し、対象の後半変動グループ情報領域にセーブし(A2517)、情報生成パラメータ2、4、5に基づいて変動グループ選択テーブルポインタを生成し、準備して(A2518)、特図情報設定処理を終了する。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図14)における後半変動パターン設定処理(A2109)の詳細について説明する。図19は、本発明の実施の形態の後半変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
図19に示すように、後半変動パターン設定処理では、まず、特図情報設定処理のステ
ップA2518にて生成された変動グループ選択テーブルポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出して準備する処理を行う(A2601)。アドレスは、変動グループ選択テーブルポインタの数だけある。
次に、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報(A2310又はA2312)がはずれ時の図柄情報(はずれ図柄情報)であるか否かをチェックして判定する(A2602、A2603)。はずれ時の図柄情報である場合(A2603の結果が「Y」)に、対象の後半変動グループ情報領域から後半変動グループ情報をロードした後(A2604)、当該後半変動グループ情報に対応するアドレスを追加算出して変動グループ選択テーブルとして準備する処理(A2605)を行って、A2606へ移行する。ここで保留数毎に変動グループ選択テーブルを変えるために追加算出を行うが、大当り時は保留数に影響しない。はずれ時の図柄情報でない場合(A2603の結果が「N」)にも、A2606へ移行する。
続けて、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(A2606)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(A2607)を行う。
次に、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(A2608)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(A2609)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理を行う(A2610)。
次に、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(A2611)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(A2612)、後半変動パターン設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図14)における変動パターン設定処理(A2110)の詳細について説明する。図20は、本発明の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
図20に示すように、変動パターン設定処理では、まず、対象の前半変動グループ情報領域から前半変動グループ情報をロードして(A2701)、当該前半変動グループ情報に対応する前半変動グループテーブルのアドレスを算出する(A2702)。アドレスは、前半変動グループ情報の数だけある。次に、後半変動番号を対象の後半変動番号領域からロードして(A2703)、算出した前半変動グループテーブルを用いて後半変動番号に対応するアドレスを算出する処理(A2704)を行う。
次に、後半変動番号が「リーチなし変動」を指示する番号であるか否かをチェックして判定する(A2705、A2706)、後半変動番号がリーチなし変動を指示する番号である場合(A2706の結果が「Y」)に、対象の前半変動情報1領域から前半変動情報1をロード(A2707)して、A2709へ移行する。後半変動番号が「リーチなし変動」を指示する番号でない場合(A2706の結果が「N」)には、対象の前半変動情報2領域から前半変動情報2をロード(A2708)して、A2709へ移行する。
次に、A2709において、算出後のテーブルを用い、前半変動情報に対応するアドレスを算出する。アドレスは、前半変動情報1又は2の数だけある。そして、算出されたアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(A2710)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数3を対象の領域からロードして準備し(A2711)、前半変動番号を特定する振り分け処理(A2712)を行う。次に、振り分け処理の結果得られた前半変動番号を取得して準備し(A2713)、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図14)における変動開始情報設定処理(A2111)の詳細について説明する。図21は、本発明の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、変動開始情報設定処理では、まず、RWMの対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアし(A2801)、前半変動時間値テーブルを設定して(A2802)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A2803)。
続けて、後半変動時間値テーブルを設定し(A2804)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A2805)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A2806)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A2807)。
次いで、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出し、準備し(A2808)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として、準備し(A2809)、コマンド設定処理(A2810)を行う。続けて、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードし、準備して(A2811)、コマンド設定処理(A2812)を行う。
このように、変動開始時では、特図保留情報判定処理(事前判定処理)時とは異なり、特図変動表示ゲームの変動時間を設定するため変動パターン乱数1〜3の値の判定を行い、当該判定後の変動パターン情報(番号)を演出制御装置700に送信するようにしている。
次いで、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(A2813)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定する(A2814)。そして、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(A2815)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(A2816)、コマンド設定処理(A2817)を行う。
次いで、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(A2818)、シフト後の空き領域を0クリアして(A2819)、変動開始情報設定処理を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図変動中処理(A1210)の詳細について説明する。図22は、本発明の実施の形態の特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
図22に示すように、特図変動中処理では、まず、特図1停止図柄設定処理で設定された図柄情報(A2310又はA2312)がはずれ時の図柄情報(はずれ図柄情報)かチェックして判定する(A3001又はA3002)。
次に、図柄情報がはずれ図柄情報である場合(A3002の結果が「Y」)に、後半変動番号がリーチなし変動の番号かチェックして判定する(A3003、A3004)。リーチなし変動である場合(A3004の結果が「Y」)に、特図変動表示ゲームがはずれ且つリーチがない場合の特図表示時間ポインタ(例えば0)を設定する(A3005)。リーチあり変動である場合(A3004の結果が「N」)に、特図変動表示ゲームがはずれ且つリーチがある場合の特図表示時間ポインタ(例えば1)を設定する(A3006)。一方、図柄情報が大当り時の図柄情報(大当り図柄情報)である場合(A3002の結果が「N」)に、特図変動表示ゲームが大当りの場合の特図表示時間ポインタ(例えば2)を設定する(A3007)。
次に、特図表示時間ポインタに対して特図表示時間を定める特図表示時間テーブルを設定し(A3008)、特図表示時間ポインタに対応する特図表示時間を取得し(A3009)、特図表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A3010)。続いて、特図表示中処理に移行するための特図表示中処理移行設定処理を行う(A3011)。なお、特図表示中処理移行設定処理の詳細については、図23にて後述する。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、前述した特図変動中処理(図22)における特図表示中処理移行設定処理(A3011)の詳細について説明する。図23は、本発明の実施の形態の特図表示中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
図23に示すように、特図表示中処理移行設定処理では、まず、当該テーブルに、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定(A3101)してから、特図ゲーム処理番号領域にその処理番号をセーブする(A3102)。次に、特図1や特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3103、A3104)。また、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値をセーブする(A3105)。その後、特図1表示器51や特図2表示器52における特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ)を対応する変動制御フラグ領域にセーブする処理(A3106、A3107)を行って、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図表示中処理(A1211)の詳細について説明する。図24は、本発明の実施の形態の特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
図24に示すように、特図表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(A4001)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(A4002)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして、大当りフラグ2が大当りであるか否か判定する(A4003、A4004)。大当りフラグ2が大当りでない場合(A4004の結果が「N」)に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(A4005)、大当りフラグ1領域をクリアする(A4006)。続いて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして、大当りフラグ1が大当りであるか否か判定する(A4007、A4008)。大当りフラグ1が大当りである場合(A4008の結果が「Y」)に、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A4009)、A4012の処理に移行する。特図1大当りの開始に関する信号として、条件装置作動中信号をオンし、役物連続作動装置の作動中信号をオンし、特図1大当り信号をオンする。大当りフラグ1が大当りでない場合(A4008の結果が「N」)に、A4027の処理に移行する。
一方、大当りフラグ2が大当りである場合(A4004の結果が「Y」)に、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(A4010)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A4011)、A4012の処理に移行する。特図2大当りの開始に関する信号として、条件装置作動中信号をオンし、役物連続作動装置の作動中信号をオンし、特図2大当り信号をオンする。
そして、A4009、或いは、A4011の後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を行う(A4012)。ラウンド数上限値テーブルには、ラウンド数上限値とラウンドLEDポインタが対応付けて定義されている。次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A4013)。続けて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A4014)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(A4015)、コマンド設定処理を行う(A4016)。続けて、停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報をRWMの停止図柄情報領域からロードし、当該停止図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備して(A4017)、コマンド設定処理を行う(A4018)。
その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(A4019)、コマンド設定処理を行う(A4020)。
次に、大入賞口開放情報を大入賞口開放情報領域からロードして、大入賞口開放情報に対応する外部情報データ(信号)をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態(高/低確率)に対応する外部情報データ(信号)をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A4021)。
大入賞口開放情報に対応するファンファーレ時間(例えば9秒)を設定し(A4022)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(A4023)。その後、大入賞口不正入賞数領域にセーブされた大入賞口への不正入賞数をリセットした後(A4024)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外であることを示す不正監視期間外フラグをセーブする(A4025)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理を行って(A4026)、特図変動中処理を終了する。具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理、大当り終了処理において変動パターン振り分け情報領域にセーブした変動パターン振り分け情報をクリア(0クリア)する処理等が行われる。
また、A4008にて、大当りフラグ1のチェックの結果、特図1変動表示ゲームが大当りでない場合(A4008の結果が「N」)に、図25の特図表示中処理の後半部分の処理が行われる。遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの変動時間の短縮機能が作動する時短遊技状態であるか否かを判定する処理を行う(A4027)。
ここで、遊技状態が時短遊技状態でない場合(A4027の結果が「N」)に、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理1(A4033)を行う。特図普段処理移行設定処理1の詳細については、図26(A)にて後述する。
一方、遊技状態が時短遊技状態である場合(A4027の結果が「Y」)に、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(即ち、時短変動回数初期値)(例えば、50回)に係る時短変動回数を更新(−1)した後(A4028)、当該更新後の時短変動回数が0であるか否かを判定する(A4029)。ここで、時短変動回数が0でない場合(A4029の結果が「N」)に、処理をA4033に移行して、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理1(A4033)を行う。
一方、A4029にて、時間短縮変動回数が0である場合(A4029の結果が「Y」)に、即ち、時短遊技状態にて特図変動表示ゲームが所定回数(例えば、50回)の実行が完了した場合には、時短遊技状態を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(A4030)、コマンド設定処理を行う(A4031)。次に、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理2(時短終了時用)を行って(A4032)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2の詳細については、図26(B)にて後述する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図13)又は特図表示中処理(図25)における特図普段処理移行設定処理1(A2010又はA4033)の詳細について説明する。図26(A)は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図普段処理を実行するために、処理番号に0を設定する(A4101)。そして、特図ゲーム処理番号領域に設定された処理番号をセーブする(A4102)。
遊技制御装置600は、さらに、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(A4103)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(A4104)。特図普段処理が実行される場合には特別遊技が実行されていないため、このときに大入賞口に入賞した遊技球は不正入賞と判定するためである。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
次に、前述した特図表示中処理(図25)における特図普段処理移行設定処理2(A4032)の詳細について説明する。図26(B)は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。
特図普段処理移行設定処理2は、時短終了後に特図普段処理を実行させるため、時短終了時に実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、特図普段処理を実行するために、処理番号に0を設定する(A4201)。そして、特図ゲーム処理番号領域に設定された処理番号をセーブする(A4202)。
続いて、遊技制御装置600は、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A4203)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4204)。遊技制御装置600は、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態であること表示させるために、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(A4205)、普図ゲームモードフラグ領域に、普図変動表示ゲームの当選確率が低確率であること、及び、普電サポートがないことを示すフラグ(低確率&普電サポートなしフラグ)をセーブする(A4206)。なお、大当り終了後の時短状態中に普電サポートがある場合、大当り終了処理(A1215)によって普図ゲームモードフラグ領域に、普図変動表示ゲームの当選確率が高確率であること、及び、普電サポートがあることを示すフラグ(高確率&普電サポートありフラグ)がセーブされている。
そして、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(A4207)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(A4208)。次に、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(A4209)、最後に、設定用の特殊演出情報(振分用)領域をリセットする(A4210)。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。なお、演出制御装置700(主に主制御用マイコン710)が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(B1002)、CPU初期化処理を実行する(B1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(B1004)、乱数初期化処理を実行する(B1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(B1006)、割込みを許可する(B1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(B1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者によって演出ボタン17の操作があれば、操作があったことを示す操作信号(操作情報)を読み込む処理(入力処理)を実行する(B1009)。続いて、主制御用マイコン710は、演出ボタン17の操作信号(操作情報)の検出に応じたボタン演出設定処理を行う(B1010)。なお、ボタン演出設定処理の詳細については、図28にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(B1011)。さらに、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(B1012)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(B1011)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(B1013)。1stシーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。1stシーン制御処理の詳細については、図29にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(B1014)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(B1015)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカー10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1016)。また、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(B1017)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(B1018)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(B1019)、B1008の処理に戻る。以降、B1008からB1019までの処理を繰り返す。
〔ボタン演出設定処理〕
次に、前述した1stCPUメイン処理(図27)におけるボタン演出設定処理(B1010)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態のボタン演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、主制御用マイコン710は、現在、このボタン演出設定処理に係るボタン演出以外に、他のボタン演出が実行中であるか否か判定する(B1101)。ここで、ボタン演出とは、演出ボタン17の操作又は操作信号(操作情報)に応じて実行される演出である。他のボタン演出が実行中である場合(B1101の結果が「Y」)に、今回のボタン演出設定処理を終了する。
他のボタン演出が実行中でない場合(B1101の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、ボタン演出が可能な期間であることを示す後述のボタン演出可能フラグ(ボタン演出可能情報)がオンに設定されているか判定する(B1102)。ボタン演出可能フラグがオフに設定されている場合(B1102の結果が「N」)に、今回のボタン演出設定処理を終了する。
ボタン演出可能フラグがオンに設定されている場合(B1102の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710は、遊技者に演出ボタン17を押すことを促すため、変動表示装置35の表示部35aに所定の表示(PUSH表示など)を行うよう所定の表示データを設定するか、又は、演出ボタン17の内部のLEDを点灯又は点滅させるよう演出ボタンLED発光データを設定する(B1103)。所定の表示データは、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(B1015)において使用され、これによって変動表示装置35の表示部35aに所定の表示がされる。所定の表示としては、「PUSH」の文字表示やボタンの図形表示がある。演出ボタンLED発光データは、装飾制御処理(B1017)において使用され、これによって演出ボタン17の内部のLEDが点灯又は点滅するよう制御される。
次に、主制御用マイコン710は、B1009において読み込んだ演出ボタン17の操作信号(操作情報)を検出したか否か判定する(B1104)。演出ボタン17の操作信号を検出した場合(B1104の判断が「Y」)に、演出ボタン17の操作があったこと(操作又は操作信号を受付けたこと)を示す演出ボタン操作フラグ(演出ボタン操作情報)をオンに設定して、演出ボタン17の操作(操作信号)を受付ける(B1105)。演出ボタン操作フラグは、例えば、RAM711にセーブさせる。演出ボタン操作フラグがオンすること(演出ボタン操作受付)によって、後述のように、変動表示装置35の表示部35aにおける演出(表示画像)が変更される。演出ボタン17の操作信号を検出しない場合(B1104の判断が「N」)に、今回のボタン演出設定処理を終了する。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図27)における1stシーン制御処理(B1013)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(B1201)。テスト中モードの場合には(B1201の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(B1201の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(B1202)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(B1202の結果が「N」)、B1207以降の処理を実行する。シーン変更コマンドとは、後述のB1208からB1216の処理に対応するコマンドであり、例えば、「電源投入コマンド」「停電復旧コマンド」「変動パターンコマンド」などである。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(B1202の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(B1203)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(B1204)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(B1204の結果が「N」)、B1207以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(B1204の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(B1205)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(B1206)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(B1211)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したシーン変更コマンドの識別子に応じた処理を実行する(B1207)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「電源投入コマンド」を示す場合には、電源投入処理を実行する(B1208)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「停電復旧コマンド」を示す場合には、停電復旧処理を実行する(B1209)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「客待ちデモコマンド」を示す場合には、客待ち処理を実行する(B1210)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「変動パターンコマンド」を示す場合には、変動中処理を実行する(B1211)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図33にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「図柄停止コマンド」を示す場合には、図柄停止処理を実行する(B1212)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「ファンファーレコマンド」を示す場合には、ファンファーレ処理を実行する(B1213)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「大入開放n回目コマンド」を示す場合には、ラウンド中処理を実行する(B1214)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「インターバルコマンド」を示す場合には、インターバル処理を実行する(B1215)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「エンディングコマンド」を示す場合には、エンディング処理を実行する(B1216)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(B1217)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図保留数コマンドを受信する保留数コマンド受信処理を実行する(B1218)。飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)は、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(B1219)。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前判定コマンドとも呼ばれる)に基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。先読みコマンド受信処理において、主制御用マイコン710は、先読みコマンド(事前判定コマンド)として、始動口入賞演出図柄コマンド(事前演出図柄コマンド)と始動口入賞演出コマンド(事前演出コマンド)を受信し、受信した事前判定コマンドの内容を先読み情報(先読み結果)として対応する始動記憶領域(RAM711の一部)にセーブする。このため、演出制御装置700の主制御用マイコン710も、始動記憶手段として、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき特図変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数(所定回数)まで記憶し得る。
主制御用マイコン710は、先読み情報として、始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得し、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する。主制御用マイコン710は、図柄情報から当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれであるか大当りであるかを判定し、さらに、先読み情報(はずれ/大当りの判定結果の情報とリーチ系統情報)に基づいて、先読み予告演出(特定画像表示演出を含む)に関する設定を行う。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(B1220)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔先読みコマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図29)における先読みコマンド受信処理(B1219)の詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、事前判定コマンド(先読みコマンド)受信待ちの始動記憶の存在を確認し(B1301)、該当する始動記憶が存在するか否かを判定する(B1302)。そして、該当する始動記憶が存在しない場合には(B1302の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、該当する始動記憶は存在する場合には(B1302の結果が「Y」)、事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(B1303)。事前判定コマンドを受信していない場合には(B1303の結果が「N」)、今回の先読みコマンド受信処理を終了する。
主制御用マイコン710は、事前判定コマンドを受信した場合には(B1303の結果が「Y」)、受信した事前判定コマンドの内容を対応する始動記憶領域(RAMの一部)にセーブする(B1304)。
さらに、主制御用マイコン710は、既に受信している始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得する(B1305)。そして、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(B1306)。
主制御用マイコン710は、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には(B1306の結果が「Y」)、事前演出を振り分けるためテーブルとして、はずれ用の先読み予告振分テーブル1をセットする(B1307)。一方、変動表示ゲームの結果がはずれでない場合、すなわち、大当りの場合には(B1306の結果が「N」)、大当り用の先読み予告振分テーブル2をセットする(B1308)。先読み予告振分テーブルについては、図32にて後述する。
続いて、主制御用マイコン710は、既に受信した始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する(B1309)。さらに、B1307又はB1308の処理で設定されたテーブル及びリーチ系統情報から、先読み予告の有無、及び、先読み予告の種類(態様)を乱数による抽選によって選択する(B1310)。そして、図31のようなテーブルを参照して、保留先読み予告として、選択した先読み予告(先読み予告演出)の種類に対応した保留表示態様を始動記憶表示領域(保留表示領域)に表示するための表示設定を行う(B1311)。なお、始動記憶表示領域(保留表示領域)は、変動表示装置35の表示部35aの一部の領域である。また、先読み予告がある場合に、先読み予告の連続演出として特定画像表示演出を設定する(B1312)。ここで、特定画像表示演出とは、先読み用のキャラクタや文字などの特定の画像を表示する表示演出であり、先読み予告の一環として行われる連続演出である。先読み予告の種類(即ち、保留表示態様と特定画像表示演出の有無)については、図31にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、B1310の選択結果に基づいて、特定画像表示演出があるか否か(特定画像表示演出を実行するか否か)を判定する(B1313)。特定画像表示演出がある場合(B1313の結果が「Y」)に、特定画像表示演出があることを示す特定画像表示演出フラグ(特定画像表示演出の実行情報)をオンに設定する(B1314)。特定画像表示演出フラグは、例えば、RAM711にセーブされる。特定画像表示演出がない場合(B1313の結果が「N」)に、今回の先読みコマンド受信処理を終了する。
〔先読み予告〕
ここで、先読み予告(先読み予告演出)の態様について説明する。本発明の第1の実施の形態の先読み予告では、変動表示装置35に表示される始動記憶表示(保留表示)の態様を変化させるとともに、必要に応じて特定の画像(キャラクタ画像等)を表示する特定画像表示演出を行う。図31(A)は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告種類(先読み予告態様)の一例を示す図である。
図31(A)に示すように、先読み予告種類は、先読み予告の対象の始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの信頼度(期待度)に応じて、第1先読み予告、第2先読み予告、第3先読み予告の3種類の態様が定義されている。具体的には、第1先読み予告、第2先読み予告、第3先読み予告の順で信頼度(期待度)が高くなるように設定されている。
また、図31(A)に示すように、各先読み予告の保留表示態様は、始動記憶表示の色が異なっている。なお、始動記憶の色以外にも形状を変更したり、点滅等させたりしてもよい。
また、上記において、いずれかの先読み予告(第1先読み予告、第2先読み予告、第3先読み予告)がある場合には、必ず特定画像表示演出もあるように設定されている(即ち、先読み予告として、保留先読み予告と特定画像表示演出の両方が必ず行われる)。しかし、図31(B)のようなテーブルを参照して、先読み予告の種類に対応して特定画像表示演出(先読み予告の連続演出)の有無を設定してもよい。この場合に、図31(B)のようなテーブルにおいて、各先読み予告に対して特定画像表示演出の有無を設定し、図30のB1312において、このようなテーブルを参照して、先読み予告(先読み予告演出)の種類に対応して、特定画像表示演出の有無を設定してもよい。即ち、先読み予告の信頼度(期待度)が高いほど、特定画像表示演出が行なわれ、先読み予告の信頼度(期待度)が低い場合には、特定画像表示演出が行なわれない構成としてもよい。
始動記憶表示の制御は、演出制御装置700によって実行されており、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの期待度(信頼度)を示唆するように始動記憶表示の態様を制御する始動記憶表示手段として機能する。
続いて、先読み予告振分(選択)テーブルについて説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告振分テーブルの一例を示す図である。図32(A)は該当する始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれの場合の先読み予告振分テーブル1、図32(B)は大当りの場合の先読み予告振分テーブル2である。
先読み予告振分テーブルには、リーチ系統情報ごとに、先読み予告種類及び対応する先読み予告種類の選択率が設定されている。また、リーチの信頼度が高いほど期待度の高い先読み予告種類が選択されやすくなるように構成されている。また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、より信頼度の高い先読み予告が実行されやすいようになっている。なお、図32(A)において、「リーチなし」とは、短縮変動と通常変動に対応する。
〔変動中処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図29)における変動中処理(B1211)の詳細について説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、B1206の演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(B1401)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(B1401の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、演出ボタン17(PB、プッシュボタン)の情報をクリアする(B1402)。演出ボタン情報は、演出ボタン17によって演出ボタンSW751を介して入力された入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(B1403)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明9や電動役物(可動役物)の動作態様を設定する。さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図変動表示ゲームの実行回数となる変動回数を管理する変動回数管理処理を行う(B1404)。
次に、主制御用マイコン710は、ボタン演出受付期間としてボタン演出受付変動回数を設定するボタン演出受付変動回数設定処理(ボタン演出受付期間設定処理)を行う(B1405)。ボタン演出受付変動回数は、ボタン演出のための演出ボタン17の操作を受付できる所定の変動回数である。即ち、主制御用マイコン710は、ボタン演出を実行させる演出ボタン操作を受付できる期間(所定のボタン演出受付期間)を、今回の変動中処理による特図変動表示ゲームの開始から、所定の変動回数の特図変動表示ゲームが終了するまでの期間に設定する。なお、ボタン演出受付変動回数設定処理の詳細については、図34にて後述する。
その後、主制御用マイコン710は、変動パターンや変動中の演出の詳細等について設定する変動パターン情報設定処理を実行する(B1406)。なお、変動パターン情報設定処理の詳細については、図36にて後述される。次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(B1407)。続いて、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理で設定した情報に対応して、変動表示装置35で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、特定画像(演出用キャラクタ画像などの)の表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間などを管理するシーンシーケンステーブルを設定する(B1408)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。乱数シード初期化処理は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する処理である。続いて、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応する変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(B1409)、演出リクエストフラグをクリアする(B1410)。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合(シーン変更コマンドを受信していないような場合)には(B1401の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(B1411)。主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップしていない場合には(B1411の結果が「N」)、今回の変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(B1411の結果が「Y」)、B1314の特定画像表示演出フラグがオンに設定されているか否か判定する(B1412)。特定画像表示演出フラグがオンに設定されている場合に(B1412の結果が「Y」)、特定画像表示演出を実行するために演出変更処理を行い(B1413)、B1415に移行する。特定画像表示演出フラグがオフに設定されている場合に(B1412の結果が「N」)、特定画像表示演出を終了し又は実行せず(B1414)、B1415に移行する。特定画像表示演出を終了するために、例えば、特定画像(キャラクタ等の画像)に関する表示データをシーンシーケンステーブルから削除する。なお、変動終了(最終シーン)の間際に特定画像表示演出フラグがオンに設定された場合には、次の変動までの時間が短いため、B1414に移行して特定画像表示演出を実行しなくてよい。
次に、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定し(B1415)、最終シーンであるか否か判定する(B1416)。最終シーンでない場合に、今回の変動中処理を終了し、最終シーンである場合に、変動表示ゲームの終了を設定する(B1417)。
〔ボタン演出受付変動回数設定処理〕
続いて、前述した変動中処理(図33)におけるボタン演出受付変動回数設定処理(B1405)の詳細について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態のボタン演出受付変動回数設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、特定画像表示演出を実行することを示す特定画像表示演出フラグ(B1314)がオンに設定されているか否か判定する(B1501)。特定画像表示演出フラグがオンに設定されている場合(B1501の結果が「Y」)に、ボタン演出が可能であることを示すボタン演出可能フラグ(ボタン演出可能情報)がオフに設定されているか判定する(B1502)。現時点でボタン演出可能フラグがオフの場合(B1502の結果が「Y」)に、ボタン演出受付変動回数がまだ設定されていないため、ここでボタン演出が可能となるボタン演出受付変動回数を設定し(B1503)、ボタン演出が可能であることを示すボタン演出可能フラグをオンに設定する(B1504)。ボタン演出可能フラグは、例えば、RAM711にセーブされる。
ボタン演出受付変動回数は、現時点での保留数である。変動開始直前のA2815の処理によって、現時点での保留数は、先読み予告の開始時(先読み予告の設定時)の保留数から1を引いた値に等しい。先読み予告の開始時は、詳細には、先読みコマンド受信処理(図30)のB1310−B1314である。このように、遊技者が演出に介入するボタン演出が可能なボタン演出受付期間(遊技者介入期間)を、先読み予告後の最初の変動開始からその先読み予告の対象の保留に係る変動開始までの期間に設定することができる。これにより、遊技者が介入するボタン演出は、1変動単位で行われ、ボタン演出終了タイミングが不定になってしまうことを防止できる。また、始動入賞がいつあるか不明なため(入賞タイミングが不定)なのため、入賞した変動ではボタン演出を開始しないようにできる。なお、本実施形態では、保留数(未消化の始動記憶数)は、特図1保留数を前提にしているが、特図2保留数でもよい。
現時点でボタン演出可能フラグがオンの場合(B1502の結果が「N」)に、又は、B1504の次に、主制御用マイコン710は、飾り特図変動表示ゲームに係る変動がボタン演出受付変動回数だけ行われたか否か(即ち、ボタン演出受付期間が終了したか否か)を判定する(B1505)。変動がボタン演出受付変動回数だけ行われた場合(B1505の結果が「Y」)に、ボタン演出をできないようにするためボタン演出可能フラグをオフに設定し(B1506)、特定画像表示演出を終了するため特定画像表示演出フラグをオフに設定し(B1507)、今回のボタン演出受付変動回数設定処理を終了する。変動がボタン演出受付変動回数だけ行われていない場合(B1505の結果が「N」)に、今回のボタン演出受付変動回数設定処理を終了する。
一方、特定画像表示演出フラグがオフに設定されている場合(B1501の結果が「N」)に、ボタン演出ができないようにボタン演出受付変動回数をゼロに設定し(B1508)、ボタン演出可能フラグをオフに設定する(B1509)。
〔演出変更処理〕
続いて、前述した変動中処理(図33)における演出変更処理(B1413)の詳細について説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の演出変更処理の手順を示すフローチャートである。特図変動表示ゲームに係る変動中において、演出変更処理によって演出の変更が行われる。
主制御用マイコン710は、特定画像(キャラクタ等の画像)を表示する特定画像表示演出ができるよう、まず、識別情報(数字等)の変動表示の表示範囲を縮小して表示位置を右上にするよう表示設定し(B1601)、さらに、特定画像に関する表示データをシーンシーケンステーブルに追加設定する(B1602)。
次に、主制御用マイコン710は、ボタン演出可能フラグがオンに設定されているか否か判定する(B1603)。ボタン演出可能フラグがオンに設定されている場合(B1603の結果が「Y」)に、演出ボタン操作フラグはオンに設定されたか否か判定する(B1604)。演出ボタン操作フラグがオフに設定された場合に(B1604の結果が「N」)に、今回の演出変更処理を終了する。また、ボタン演出可能フラグがオフに設定されている場合(B1603の結果が「N」)に、今回の演出変更処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出ボタン操作フラグがオンに設定された場合に(B1604の結果が「Y」)、B1310で設定した先読み予告種類(即ち、先読み結果)に応じて、特定画像(キャラクタ等の画像)に関する表示データを他の表示データに変更して、シーンシーケンステーブルに設定しボタン演出を行う(B1605)。ここで、他の表示データは、特定画像の表示態様(表示部35aにおける表示位置や表示角度など)を現時点から変更するものでもよいし、特定画像が表示部35aから消えるように表示変更し、代わりに他の画像を表示するものでもよい。その後、主制御用マイコン710は、特定画像表示演出フラグをオフに設定し(B1606)、今回の演出変更処理を終了する。
B1605において、特図変動表示ゲームの大当りの信頼度(期待度)を表す先読み結果として、先読み予告種類(第1、第2、第3先読み予告)を用いる。しかし、始動記憶領域(RAM711の一部)にセーブされた先読み情報(はずれ/大当りの判定結果の情報とリーチ系統情報)を、直接的に先読み結果として用いてもよい。例えば、信頼度(期待度)が大きい先読み予告(第3先読み予告など)が行われている場合にのみ特定画像に関する表示データを他の表示データに変更することによって、信頼度(期待度)を報知してよい。また、例えば、信頼度(期待度)が大きい先読み予告であるほど、遊技者が期待の持てる演出や信頼度報知になるように変更先の他の表示データを選択してもよい。
このように、遊技者の演出ボタンの操作により演出ボタン操作フラグがオンすると、B1605のボタン演出処理によって、変動表示装置35の表示部35aにおける特定画像の表示が変更され、一連の連続演出となるように、特定画像の現在の表示部35aにおける表示態様が切替えられたり、表示部35aに現在表示されている特定画像が消滅して他の画像に切替えられたりする。また、ボタン演出受付期間における最終の変動であれば、大当りの信頼度の報知するための文字情報等の他の画像の表示データを最終シーンに設定して、他の画像によって特別に信頼度の報知を行ってもよい(図38(I)参照)。この信頼度の報知は、遊技者の演出ボタン17の操作の度合い(操作の回数など)により行ってもよい。
なお、上記のB1105、B1604−B1606の処理に関して、1回の変動中(1回の変動表示ゲーム中)に複数回の演出ボタン17が押されて、演出ボタン操作フラグが、1回の変動中(1回の変動表示ゲーム中)において複数回オンオフする場合がある。この場合に、遊技者は、演出ボタン17の操作により、1回の変動中に複数回演出に介入することができる。
〔変動パターン情報設定処理〕
続いて、前述した変動中処理(図33)における変動パターン情報設定処理(B1406)の詳細について説明する。図36は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄の情報を取得し(B1701)、保留(未消化の始動記憶)に関する情報である保留情報をメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(B1702)。また、遊技状態を取得して(B1703)、停止図柄を決定する(B1704)。そして、今回の変動に対応する始動記憶(今回の特図変動表示ゲームの実行時に消化される保留)の始動記憶領域(RAM711の一部)に記憶されている演出情報を取得して(B1705)、B1703の処理で取得した遊技状態と当該演出情報をもとにシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定して(B1706)、変動パターン情報設定処理を終了する。なお、演出情報とは、先読み情報に基づく先読み演出に関する情報などである。
〔タイムチャート〕
図37は、第1の実施の形態に係る演出制御について説明するタイムチャートである。
時刻(タイミング)A1において、変動表示装置35の表示部35aにおいて、飾り特別図柄(識別情報)は、左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)共に変動している。例えば、左の特別図柄(第一特別図柄)のみが停止している時刻A2において、始動入賞口(ここでは、第1始動入賞口37a)に入賞(入球)があり、先読みが開始され、先読みコマンド受信処理(図30)において、先読み予告の保留表示態様や特定画像表示演出などが設定され、特定画像表示演出フラグがオンされる(B1309−B1314)。そして、時刻A2において、保留表示における保留数は、例えば、2から3に増加し、保留先読み予告が行われる。
次に、例えば、左右の特別図柄(第一と第二特別図柄)が停止している時刻A3において、特定画像(先読み用のキャラクタ画像等)が表示される特定画像表示演出が開始される(B1413、B1602)。次に、例えば、左右中の全ての特別図柄(第一、第二、第三特別図柄)が停止した今回の変動終了直前の最終シーンにおいて、演出ボタン17の操作を促す画像として文字(図38(D)参照)が表示され、次の変動開始まで継続して表示される(時刻A4)。
次の変動表示ゲームの変動開始時において、保留表示における保留数は、例えば、3から2に減少する(A2815、B1218)。ボタン演出受付期間が、この変動開始時から先読み予告対象の保留の変動開始までの期間に設定され(B1503)、ボタン演出可能フラグがオンに設定される(B1504)。ボタン演出受付期間の間、所定の表示(PUSH表示)が表示部35aに表示される(B1103)。例えば、時刻A5、A7などにおいて、変動中に遊技者の演出ボタン17の操作により演出ボタン操作フラグがオンすると(B1105の演出ボタン操作受付)、ボタン演出として、先読み結果(先読み予告種類など)に応じて、表示部35aにおける特定画像の表示が変更を受ける(B1605)。
保留数が1の場合の変動において、演出ボタン操作フラグがオンすると(B1604)、先読み結果(先読み予告種類など)に応じて、表示部35aにおける特定画像の表示が変更を受けて(消去されて)、最終シーンが、特定画像から先読み対象の保留の大当りの信頼度の報知するための他の画像(図38(I)参照)に代えられて、次の変動の開始までそのまま表示される(時刻A9)。保留数が1の場合の変動が終了すると、ボタン演出受付期間が終了し、保留数が0になって先読み予告の対象の保留の変動が開始する。
なお、前述のように、ボタン演出受付期間としてのボタン演出受付変動回数を設定し、ボタン演出受付期間が、所定の変動の開始時から先読み予告対象の保留の変動開始までの期間に設定される(B1503)。しかし、前回の変動終了(最終シーン)の間際に特定画像表示演出フラグがオンに設定された場合には、今回の変動におけるボタン演出は不可として、次回の変動からボタン演出可能としてもよい。また、ボタン演出受付期間の開始は、変動開始にあわせたが変動開始から暫く経過して、演出ボタン17の操作を促す文字(図38(D)参照)を表示してからでも良い。ボタン演出受付期間の終了は、変動終了に合わせているが、この限りではなく、時刻A9で特定画像を先読み対象の保留の大当りの信頼度の報知する画像(図38(I)参照)に切替えた後でもよい。
また、始動入賞時に遊技制御装置600よってA1513、A1514で仮決定される変動パターンを実行することとして変動時間を計算し、合計の変動時間をボタン演出受付期間としてもよい。例えば、特図保留情報判定処理(図11)で始動入賞口に入賞したタイミングで変動パターンを仮決定したものを記憶して、特図変動開始処理(図14)でこの仮決定された変動をロードして、算出した変動時間の合計時間をボタン演出受付期間に設定してもよい。若しくは、先読み予告演出の開始後の変動時間は、予め決めた固定値とするか、先読み予告対象の保留の大当りの期待度に応じて変動時間を長く設定するようにしてもよい。
〔演出例〕
図38(A)−(I)は、上記の演出制御によって、変動表示装置35の表示部35aにおいて行われる演出例を時系列的に示す。図38(A)−(I)は、各々、図37のタイムチャートにおける時刻A1−A9における表示部35aの表示内容を示す。
変動中の時刻A2(図38(B))において、始動入賞口への入賞によって、表示部35aに表示される保留数は、2から3に増加し、増加した保留に対して保留先読み予告が行われる。そして、時刻A3(図38(C))において、特定画像としてUFO(飛行物体)の画像が表示部35aの中央に表示され、変動表示部分は表示部35aの右上に移動し小さく表示される。時刻A3から時刻A9まで、この特定画像による連続演出(特定画像表示演出)が行なわれる。時刻A4(図38(D))において、画像として文字「ボタンを押してUFOを撃退せよ!」が表示される。
時刻A4以後、ボタン演出受付期間の間、演出ボタンを押すことを促す表示(PUSH表示)が行われ、変動表示ゲームの変動が新たに開始したため、保留表示における保留数は、3から2に減少している。時刻A5(図38(E))において、演出ボタン17の操作により、特定画像(UFO画像)の表示態様が変更され、例えば、図38(F)のように位置と角度が変化するとともに、特定画像に向かって弾丸が発射される画像(又は動画)が表示される。時刻A6(図38(F))において、表示部35a右上の変動表示部分において、停止図柄が表示される。
保留数が2から1になり次の変動が開始すると、時刻A7(図38(G))において、演出ボタン17の操作により、特定画像(UFO画像)の表示態様が変更され、例えば、図38(H)(時刻A8)のように位置と角度が変化するとともに、弾丸が発射される画像が表示される。保留数が1の場合の変動が終了する時に、時刻A9(図38(I))において、大当りの信頼度の報知するための他の画像が先読み結果(先読み予告種類など)に応じて選択されて表示される。図38(I)の例では、大当りの信頼度が高いため、他の画像として、UFOが撃破された画像が表示される。時刻A9以後に、先読み対象の保留の変動が開始する。
図39は、表示部35aにタイムインジケータ125が表示される例を示す。図35に関して説明したように、1回の変動中(1回の変動表示ゲーム中)に複数回の演出ボタン17が押されて、演出ボタン操作フラグが、1回の変動中(1回の変動表示ゲーム中)において複数回オンオフすることが許容される場合がある。この場合に、表示部35aにタイムインジケータ125が表示され、タイムインジケータ125は、1つの保留に関する変動表示ゲームの変動時間(B1409で設定)に対して、変動開始からの経過時間及び残り時間を報知する。例えば、変動開始からの経過時間は、更新タイマ(B1411)の値とB1415におけるシーンの更新回数の積から求められ、残り時間は、変動時間と経過時間の差として求められるが、他の方法でも求められる。このように、変動時間に対する残り時間を遊技者にわかりやすく表示することで、遊技者は演出に介入可能な介入時間がわかるとともに、遊技者の介入回数が増えるので遊技者の期待度を向上させることが可能になる。
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態において、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置35を備える遊技機は、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果に関する情報を、この対応する変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(例えば、特図保留情報判定処理を実行する遊技制御装置600)と、遊技者の操作に応じて操作信号を発生可能な操作手段(例えば、演出ボタン17と演出ボタンSW751)と、事前判定手段の判定結果に基づいて、前記対応する変動表示ゲームの実行前に特定画像を変動表示装置35に表示させる制御手段(例えば、B1602の処理を実行する演出制御装置700)と、を備える。
制御手段(演出制御装置700)は、事前判定手段の判定結果と、操作手段の操作信号とに応じて、特定画像の表示を変更する(B1604とB1605)。従って、特定画像を表示して先読み予告に係る演出が実行されている間でも、遊技の興趣を高めることができ、これによって遊技者に遊技球の発射を継続させることができる。なお、特定画像の表示を変更することには、特定画像の表示態様を変更することや特定画像を他の画像に切替えることを含む。また、遊技者の操作の度合いにより、先読み予告の対象の始動記憶に関する変動表示ゲームの大当りの信頼度(期待度)を他の画像に切替えて報知することで、遊技者は操作を行おうとし遊技の興趣が高まる。
制御手段(演出制御装置700)が、特定画像の表示を変更するための操作信号を受付けできる受付時間を、所定回数の変動表示ゲームの開始から終了までの期間に対応させて設定する(B1503)。従って、遊技者が演出ボタン17の操作によって、変動表示装置35での演出に対して介入可能なタイミングが表示できるとともに、限られた時間(所定の受付時間)で演出に介入することで、演出介入に対して興趣が向上する。
事前判定手段の判定結果が生じた際に、制御手段(演出制御装置700)は、特定画像の表示を変更するための操作信号を受付けできる受付時間を、各始動記憶に係る変動表示ゲームの変動時間の合計に基づいて設定する。従って、始動記憶(保留)が多いほど受付時間が増えるようになり、遊技の興趣が向上する。
(第1の実施の形態の変形例1)
図40−42を参照して、第1の実施の形態の変形例1について説明する。変形例1において、演出ボタン操作フラグのオンオフが1回の変動中(1回の変動表示ゲーム中)において1回に制限される。遊技者は、全体として、保留数がゼロになるまで演出ボタン17の操作により1回の変動中に1回だけ演出に介入できる。
図40は、変動中処理(図33)における変形例1に係るボタン演出受付変動回数設定処理(B1405)を示すフローチャートである。なお、前述の図34のボタン演出受付変動回数設定処理と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。
特定画像表示演出があることを示す特定画像表示演出フラグがオンに設定されている場合(B1501の結果が「Y」)に、ボタン演出が可能となるボタン演出受付変動回数を設定し(B2002)、ボタン演出が可能であることを示すボタン演出可能フラグをオンに設定する(B2003)。
ボタン演出受付変動回数は、現時点での保留数であり、遊技者が演出に介入するボタン演出が可能なボタン演出受付期間(遊技者介入期間)は、現時点から保留数がゼロになるまでの期間に設定される。なお、前述の図34と異なり、ボタン演出受付変動回数が既に設定されている場合でも、ここでボタン演出受付期間が再設定され、現時点での保留数の増減に応じてボタン演出受付期間も増減することになる。
次に、主制御用マイコン710は、保留数がゼロになったか否か、即ち、ボタン演出受付期間が終了したか否かを判定する(B2004)。保留数がゼロになった場合(B2004の結果が「Y」)に、ボタン演出をできないようにするためボタン演出可能フラグをオフに設定し(B1506)、特定画像表示演出を終了するため特定画像表示演出フラグをオフに設定し(B1507)、今回のボタン演出受付変動回数設定処理を終了する。保留数がゼロでない場合(B2004の結果が「N」)に、今回のボタン演出受付変動回数設定処理を終了する。
図41は、変動中処理(図33)における変形例1に係る演出変更処理(B1413)を示すフローチャートである。なお、前述の図35の演出変更処理と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。
図35のステップB1604は、図41においてステップB2104に置き換えられている。B2104において、演出ボタン操作フラグは今回の変動中初めてオンに設定されたか否か判定される。従って、演出ボタン操作フラグが今回の変動中2度目以降オンに設定された場合には、特定画像に関する表示データを変更するボタン演出処理(B1605)は行われず、演出変更処理は終了する。これにより、各変動中に、演出ボタン操作フラグのオンオフが1回に限って行われ(即ち、各変動中に、演出ボタンの操作を一回だけ受付け)、遊技者は、演出ボタン17の操作により各変動中に1回だけ演出に介入できる。この場合に、演出ボタンの操作を受付ける回数が、全体で保留数と同じになる。なお、図35のB1604をB2104に置き換える代わりに、B1105において、演出ボタン操作フラグを各変動中に一回だけオンする構成としてもよい。
図42(A)(B)は、図40−41の処理に対応して、演出ボタン操作フラグのオンオフが各変動中(各変動表示ゲーム中)において1回に制限される場合の表示部35aにおける演出例について示す。この演出例において、各保留表示は、弾丸(ミサイル)の形態で行われている。保留先読み予告(保留表示態様の変更による予告)は行っても行わなくてもよい。図42(A)は、先読み予告として特定画像表示演出が開始された後で保留が1つの状況を示す。B1103において、PUSH表示とともに、保留数に対応する弾丸の数が「残りあと1発」のように表示され、さらに、「保留を追加して弾丸数を増やせ!」のように文字表示をおこなって保留の増加を遊技者に促す。図42(B)は、同様に特定画像表示演出が開始された後で保留が4つの状況を示す。
(第1の実施の形態の変形例1の効果)
変形例1によると、ボタン演出が可能なボタン演出受付期間は、保留数が増えるほど増加するため、保留先読み予告があった場合でも、遊技の興趣が増して継続して保留数を増加させる動機付けになり、遊技者が操作部15を介して遊技球を(停止せずに)発射する。遊技者が遊技球の打ち出しを停止させることが少なくなるので、打ち出し停止を嫌う遊技店にとって好ましくなる。
(第1の実施の形態の変形例2)
図43−45を参照して、第1の実施の形態の変形例2について説明する。図43は、変形例2に係る遊技盤を示す。変形例2において、前述の図2の遊技盤30は、一般入賞口225、球流路227、床部233、可動役物235を追加で備える。図44は、球流路227を遊技球が流下する様子と床部233と可動役物235の動作を示す。球流路227は、障害釘を避けて遊技球を通過させ遊技領域31の下部の始動入賞口37a付近に導くワープ流路であってもよい。
一般入賞口225は、遊技領域31の上部で、球流路227の入口として設けられる。一般入賞口225の代わりに、始動入賞口を設けてもよいし、入賞口ではなく単なる入口を設けてもよい。球流路227は、変動表示装置35の表示部35aの演出が見え難くならないよう又遊技球の流下する様子が視認できるように、透明な部材(樹脂等)で構成されてよい。
球流路227は、前半流路(入口流路)227a、中間流路227b、後半流路(排出流路)227cを備える。前半流路227aを通った遊技球は、後半流路227cから遊技領域31の下部や遊技領域31の外部へ排出される。球流路227において、中間流路227bが、略上下方向(鉛直方向)に沿って延在するよう、前半流路227aと後半流路227cの間に設けられる。
中間流路227bには、中間流路227bに沿って略上下方向に移動可能な床部233が設けられる。床部233は、弾性体(例えばバネ)などによって、上側に付勢されている。図44(A)のように、通常の状態で、床部233は、中間流路227bを塞いで前半流路227aと後半流路227cを連通させない位置(第一位置)にある。
しかし、遊技球が中間流路227bに入って床部233上に落ちると、図44(B)のように、床部233は、遊技球の重みで下側の中間流路227bの底部まで下がり、前半流路227aと後半流路227cを連通させる位置(第二位置)まで移動する。そして、図44(C)のように、遊技球は後半流路227cに流入することができる。なお、床部233は、前半流路227aと後半流路227cを連通できる厚みで形成されている。
センサ87(図2、図43、44)は、第二位置まで下がった床部233を検出する床部センサであり、例えば光学式センサであるが、床部233が磁性体(鉄等)の部分を有する場合には、磁気センサでもよい。床部233を検出したセンサ87からの検出信号は、SW入力回路750を介して、主制御用マイコン710に入力する。主制御用マイコン710は、センサ87の検出信号に対応して、盤演出装置770のうち特定の可動役物235を移動させるように制御する。なお、センサ87は、間接的に、特定領域(一般入賞口225又は球流路227)へ遊技球が流入したことを検出することになる。
図45は、変動中処理(図33)における変形例2に係る演出変更処理(B1413)を示すフローチャートである。なお、前述の図35の演出変更処理と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。図35のステップB1603の処理とB1604の処理の間に、ステップB2201とB2202の処理が追加されている。
主制御用マイコン710は、B1603の後、センサ87(床部センサ)から床部233の検出信号が入力されたか否か判定する(B2201)。センサ87の検出信号が入力された場合に(B2201の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、追加で可動体リクエストをセットすることによって、特定の可動役物235を上側に繰出して延びるように動作させ所定位置に移動させる(B2202)。一方、センサ87の検出信号が入力されていない場合に(B2201の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、特定の可動役物235を動作させずに、今回の演出変更処理を終了する。
センサ87(床部センサ)からの検出信号があった場合に、B2202で可動役物235を動作させた後、演出ボタン17の操作により演出ボタン操作フラグがオンしている場合に(B1604)、所定のボタン演出を行う(B1605)。例えば、所定のボタン演出として、可動役物235を砲身に見立てて、可動役物235から特定画像(UFO画像)に向けて弾丸が発射される演出画像を表示部35aに表示する(B1605)。この場合に特定画像の表示態様を変更してもよい。一方、センサ87(床部センサ)からの検出信号がない場合には、演出ボタン17の操作により演出ボタン操作フラグがオンしても、弾丸が発射されるような表示を行う所定のボタン演出は実行されない。
なお、上記において、センサ87からの検出信号があった場合に、主制御用マイコン710の制御によって、可動役物235を動作させる構成とした。しかし、床部233と可動役物235の動きを機械的にリンクさせて、床部233が遊技球の重みで下がったときに可動役物235が上側に移動する構成としてもよい。
(第1の実施の形態の変形例2の効果)
特定領域(例えば、一般入賞口225又は球流路227)へ遊技球の流入したことがセンサ87(検出手段)によって検出された場合(B2201)に、制御手段(演出制御装置700)は、操作手段の操作信号に応じて変動表示装置35での表示を変更する(B1605)。なお、ここでの表示の変更は、特定画像の表示の変更でも、特定画像とともに表示されるそれ以外の画像の表示の変更でもよい。特定画像表示演出(連続演出)への遊技者の介入条件(ボタン演出の条件)を、特定領域への遊技球の流入することとして、遊技者は特定領域を狙って遊技球の打ち出しを行うようになり興趣が大きく向上する。また、特定画像表示演出(連続演出)中に遊技者が打ち出しを停止させることが少なくなる。
遊技機は、特定領域への流入した遊技球の重みによって動作する可動役物235を備え、制御手段(演出制御装置700)は、可動役物235の動作に対応して、変動表示装置35での表示を制御する(B2201、B2202、B1605)。実際の遊技球で可動役物235のアナログ的な動きを演出し遊技の興趣が向上する。さらに、可動役物235の動きと変動表示装置35での画像の表示を対応させて連動することで遊技の興趣が大変向上する。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、変動表示装置35の表示部35aにおける保留表示等に関するものである。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成は、説明が省略される。また、第1の実施の形態の変形例1、2を第2の実施の形態においても適用することができる。
〔ボタン演出設定処理〕
図46は、本発明の第2の実施の形態に係るボタン演出設定処理(図27のB1010)の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態のボタン演出設定処理(図28)と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。
主制御用マイコン710は、まず、先読み予告に関する設定がされたことを示す先読み予告フラグ(後述のB3101)がオンに設定されているか否か判定する(B3001)。大当たりの信頼度が低く先読み予告フラグがオンに設定されていない場合(B3001の結果が「N」)に、今回のボタン演出設定処理を終了し、通常の通り変動表示装置35の表示部35aに始動記憶(保留)ごとに一つの表示をさせる(図49参照)。
一方、先読み予告フラグがオンに設定されている場合(B3001の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710は、先読み予告フラグがオンしてから所定時間経過したか否か判定する(B3002)。先読み予告フラグがオンしてから所定時間経過した場合(B3002の結果が「Y」)に、先読み予告フラグをオフし(B3007)、ステップB1101からB1105において、ボタン演出可能フラグがオンしているなら演出ボタン操作の受付に関連する処理を行う。
一方、先読み予告フラグがオンしてから所定時間経過していない場合(B3002の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、遊技者が演出ボタン17を押すことを促すため、変動表示装置35の表示部35aに所定の表示(PUSH表示)を行うよう所定の表示データを設定するか、又は、演出ボタン17の内部のLEDを点灯又は点滅させるよう演出ボタンLED発光データを設定する(B3003)。続いて、主制御用マイコン710は、演出ボタン17の操作信号を検出したか否か判定する(B3004)。演出ボタン17の操作信号を検出しない場合(B3004の判断が「N」)に、今回のボタン演出設定処理を終了する。
演出ボタン17の操作信号(操作情報)を検出した場合(B3004の判断が「Y」)に、主制御用マイコン710は、特定画像表示演出があることを示す特定画像表示演出フラグをオンに設定し(B3005)、先読み予告の種類(大当りの信頼度)に応じて保留一括表示処理を行う(B3006)。保留一括表示処理は、複数の保留表示をまとめて複数の保留に対応する一つの長い大きな保留表示として表示する。即ち、先読み予告フラグがオンしてから所定時間内に演出ボタン17の操作信号が検出された場合に、ステップB3006の保留一括表示処理において、主制御用マイコン710は、先読み予告の種類(大当りの信頼度)に応じて保留表示をまとめて表示するよう保留表示データを設定する。この保留表示データは、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(B1015)において使用され、これによって変動表示装置35の表示部35aに保留表示がまとめて表示される。次に、主制御用マイコン710は、先読み予告フラグをオフし(B3007)、ステップB1101からB1105において、ボタン演出可能フラグがオンしているなら演出ボタン操作の受付に関連する処理を行う。
このように、先読み予告に関する設定がされたことを示す先読み予告フラグ(後述のB3101)がオンに設定されても、遊技者が演出ボタン17の押下げ(操作)を行うまで、特定画像表示演出があることを示す特定画像表示演出フラグはオンせず(特定画像を表示する特定画像表示演出は禁止される)、又、保留表示をまとめる保留一括表示処理も実行されない。また、先読み予告フラグ(後述のB3101)がオンに設定されても、遊技者が演出ボタン17を押下げない(操作しない)まま所定時間が経過した場合には、特定画像表示演出も保留一括表示処理も実行されない。即ち、特定画像表示演出と保留表示をまとめる処理とを実行するか否かについて、遊技者が演出ボタン17の押下げ(操作)を行って決定できる。
〔先読みコマンド受信処理〕
図47は、本発明の第2の実施の形態に係る先読みコマンド受信処理(図29のB1219)の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態に係る先読みコマンド受信処理(図30)のステップB1314の処理が、第2の実施の形態では、ステップB3101の処理に変更されている。なお、第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理(図30)と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。
B3101において、主制御用マイコン710は、特定画像表示演出があることを示す特定画像表示演出フラグではなく、先読み予告に関する設定がされたことを示す先読み予告フラグをオンに設定する。先読み予告フラグは、例えば、RAM711にセーブされる。遊技者が演出ボタン17の押下げ(操作)を行うことによって、初めて特定画像を表示する特定画像表示演出が実行される。従って、先読み予告フラグがオンに設定された段階では、特定画像表示演出が実行されない可能性もある。
〔演出変更処理〕
図48は、本発明の第2の実施の形態に係る演出変更処理(図33のB1413)の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態の演出変更処理(図35)と同じ処理には、同じステップ番号を付して説明を省略する。この演出変更処理は、オプションで行うものであり、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の図35の演出変更処理を行なってもよい。
主制御用マイコン710は、まず、保留一括表示処理でまとめられた保留に対応する変動の変動中であるか否か判定する(B3201)。まとめられた保留に対応する変動の変動中でない場合(B3201の結果が「N」)に、B1601に進んだ後前述の図35と同じ処理を行う。
保留一括表示処理でまとめられた保留に対応する変動の変動中である場合(B3201の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710は、保留数が1になったか否か判定する(B3202)。保留数が1になった場合(B3202の結果が「Y」)に、B1601に進んだ後、前述の図35と同じ処理を行う。まだ、保留数が1になっていない場合(B3202の結果が「N」)に、シーンシーケンステーブル(B1408)に設定した停止図柄(B1704で決定)に関するシーンデータを削除して、停止図柄が変動表示装置35の表示部35aの右上に表示されないようにする。
これにより、保留一括表示が行われている間(即ち保留一括表示が開始してから保留数が1になるまで)、停止図柄が変動表示装置35の表示部35aに表示されないようにし、保留数が1になった場合には、停止図柄が変動表示装置35の表示部35aの右上に表示されるようにする(図53(I)参照)。従って、保留一括表示が行われている間は、変動表示ゲームの変動表示もまとめられて、1回の飾り特図変動表示ゲームが行われているかのような変動演出とすることができる。また、保留一括表示が行われている間は、継続した関連する演出がなされるように、B1705の演出情報が変更設定されてもよい。
〔保留一括表示〕
図49は従来の保留表示を示し、図50は第2の実施の形態に係る保留表示を示す。前述のように、先読み予告に関する設定がされて所定時間内に演出ボタン17の操作があった場合に、ステップB3006の保留一括表示処理によって、先読み予告の種類(大当りの信頼度)に応じて保留表示がまとめられて、一つの長い表示として表示される(保留一括表示)。保留一括表示は、複数の保留に対応する表示である。主制御用マイコン710は、図50のようなテーブルを参照して、先読み予告の種類(大当りの信頼度)に応じて保留表示をまとめてよい。
図50のように、大当りの期待度(信頼度)が高い予告であるほど、保留表示が大きな保留の数まとめられる。例えば、大当りの期待度の低い第1先読み予告では、保留数2個分がまとめられた保留一括表示が行われる(ただし、全体の保留数が2未満であればまとめられない(保留一括表示なし))。例えば、大当りの期待度が中である第2先読み予告では、保留数3個分がまとめられた保留一括表示が行われる(ただし、全体の保留数が2であれば、保留数2個分がまとめられた保留一括表示となる)。例えば、大当りの期待度の大きい第3先読み予告では、保留数4個分がまとめられた保留一括表示が行われる(ただし、全体の保留数が3であれば、保留数3個分がまとめられた保留一括表示、全体の保留数が2であれば、保留数2個分がまとめられた保留一括表示となる)。
図51は、保留一括表示の態様を示す。図51(A)(B)は、連続して生じた保留2個分をまとめた保留一括表示を示す。図51(A)は、保留数が2の場合の保留一括表示で、図51(B)は、B3006において保留一括表示を設定したときに保留数が3である場合の保留一括表示である。図51(C)(D)は、連続して生じた保留3個分をまとめた保留一括表示を示す。図51(C)は、保留数が3の場合の保留一括表示であり、図51(D)は、B3006において保留一括表示を設定したときに保留数が4である場合の保留一括表示である。図51(E)は、保留4個分をまとめた保留一括表示を示す。なお、図51(E)の態様から、保留の消化毎に、図51(C)の態様を経て、図51(A)の態様に変化し、最終的には通常の保留一つ毎の保留表示となる。
なお、図51(F)のように保留2、4個目など、連続して生じていない飛び飛びの保留をまとめて保留一括表示してもよい。この場合に、まとめられた飛び飛びの保留で継続した関連する演出を行うようB1705の演出情報が変更設定されてもよい。
〔タイムチャート〕
図52は、第2の実施の形態に係る演出制御について説明するタイムチャートである。
時刻(タイミング)B1において、変動表示装置35の表示部35aにおいて、飾り特別図柄(識別情報)は、左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)共に変動している。例えば、左の特別図柄(第一特別図柄)のみが停止している時刻B2において、始動入賞口(ここでは、第1始動入賞口37a)に入賞(入球)があり、先読みが開始され、先読みコマンド受信処理(図47)において、先読み予告の種類や特定画像表示演出などが設定され、先読み予告フラグをオンに設定する(B1309−B1312、B3101)。そして、時刻B2において、保留表示における保留数は、例えば、2から3に増加し、保留先読み予告が行われる。
次に、例えば、左右の特別図柄(第一と第二特別図柄)が停止している時刻B3において、遊技者が演出ボタン17の押下げて演出ボタン操作が検出される(B3004)。そして、時刻B4において、特定画像表示演出フラグがオンして特定画像(先読み用のキャラクタ画像等)が表示される特定画像表示演出が開始されるとともに(B3005、B1413、B1602)、複数の保留をまとめた保留一括表示が開始する(B3006)。その後。画像として演出ボタン操作を促す文字(図53(E)参照)が表示される(時刻B5)。
次の変動表示ゲームの変動開始時において、保留表示における保留数は、例えば、3から2に減少する(A2815、B1218)。ボタン演出受付期間が、この変動開始時から先読み予告対象の保留の変動開始までの期間に設定され(B1503)、ボタン演出可能フラグがオンに設定される(B1504)。ボタン演出受付期間の間、所定の表示(PUSH表示)が表示部35aに表示される(B1103)。例えば、時刻B6、B7などにおいて、変動中に遊技者の演出ボタン17の操作により演出ボタン操作フラグがオンすると(B1105の演出ボタン操作受付)、ボタン演出として、先読み結果(先読み予告種類など)に応じて、表示部35aにおける特定画像の表示が変更を受ける(B1605)。
保留数が1の場合の変動において、演出ボタン操作フラグがオンすると(B1604)、ボタン演出として、先読み結果(先読み予告種類など)に応じて、表示部35aにおける特定画像の表示が変更を受けて(消去されて)、最終シーンが特定画像から大当りの信頼度の報知するための他の画像(図53(I)参照)に代えられて、次の変動の開始までそのまま表示される(時刻B9)。この信頼度の報知は、遊技者の演出ボタン17の操作の度合い(操作の回数など)により行ってもよい。保留数が1の場合の変動が終了すると、ボタン演出受付期間が終了し、保留数が0になって先読み予告の対象の保留の変動が開始する。
〔演出例〕
図53(A)−(I)は、上記の第2の実施形態の演出制御によって、変動表示装置35の表示部35aにおいて行われる演出例を時系列的に示す。図53(A)−(I)は、各々、図52のタイムチャートにおける時刻B1−B9における表示部35aの表示内容を示す。
変動中の時刻B2(図53(B))において、始動入賞口への入賞によって、表示部35aに表示される保留数は、2から3に増加し、増加した保留に対して保留先読み予告が行われる。次に、時刻B3(図53(C))において、遊技者に演出ボタン17の押下げを促すPUSH表示し、演出ボタン操作が受付けられる(B3003)。そして、時刻B4(図53(D))において、特定画像としてUFO(飛行物体)の画像が表示部35aの中央に表示され、変動表示部分は表示部35aの右上に移動し小さく表示される。時刻B4から時刻B9まで、この特定画像による連続演出(特定画像表示演出)が行なわれる。さらに、時刻B4(図53(D))において、複数(ここでは3個)の保留表示をまとめて一つの保留一括表示にする演出を行う。一つの保留一括表示が、複数の保留に対応することになる。時刻B5(図53(E))において、特定画像として文字「ボタンを押してUFOを撃退せよ!」が表示される。
時刻B5以後、ボタン演出受付期間の間、演出ボタンを押すことを促す表示(PUSH表示)が行われ(B1103)、変動表示ゲームの変動が新たに開始したため、保留表示における保留数は、3から2に減少する。そして、保留数の減少に対応して、保留一括表示の長さ(大きさ)も減少する。時刻B6(図53(F))において、演出ボタン17の操作により、特定画像(UFO画像)の表示態様が変更され、例えば、位置と角度が変化するとともに、特定画像に向かって弾丸が発射される画像(又は動画)が表示される。
時刻B7(図53(G))において、次の変動が開始するときに、保留数が2から1になり、保留一括表示は長さ(大きさ)が減少して、通常の保留表示(保留一括表示でない)になる。時刻B8(図53(H))において、演出ボタン17の操作により、特定画像(UFO画像)の表示態様が変更され、例えば、位置と角度が変化するとともに、弾丸が発射される画像が表示される。保留数が1の場合の変動が終了すると、時刻B9(図53(I))において、先読み対象の保留の大当りの信頼度の報知するための他の画像が先読み結果(先読み予告種類など)に応じて選択されて表示される。図53(I)の例では、大当りの信頼度が高いため、他の画像として、UFOが撃破された画像が表示される。時刻B9以後に、先読み対象の保留の変動が開始する。
なお、前述のように、第2の実施の形態において、保留一括表示が行われている間の変動において、飾り特図変動表示ゲームの変動表示もまとめられる構成としてもよい(B3201−B3203)。即ち、時刻B4からB8では停止図柄は表示されず、保留数が1である場合の変動が終了するときにだけ停止図柄が表示される構成としてもよい(時刻B9)。
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態において、制御手段(演出制御装置700)は、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶(保留)に対応する表示を変動表示装置35にさせ得る(B1015、B1218)。制御手段は、複数の始動記憶をまとめて、複数の始動記憶に対応する一つの一括表示(保留一括表示)をするか、始動記憶ごとに一つの表示をするかを、事前判定手段の判定結果に基づいて選択する(B1310−B1313、B3101、B3001、B3006)。事前判定手段の判定結果が大当りの期待ができるものである場合に、複数の始動記憶をまとめて変動表示装置35に表示することによって、遊技者は大当りへの期待を持つようになり興趣が向上する。
遊技機は、遊技者の操作に応じて操作信号を発生可能な操作手段(例えば、演出ボタン17と演出ボタンSW751)を備え、制御手段(演出制御装置700)は、操作信号を検出した場合に一括表示を可能にする。従って、遊技者が一括表示にするか否かを選択できるため、遊技者のニーズにあわせた変動表示装置35での演出が実行可能になる。
制御手段は、一括表示においてまとめられる複数の始動記憶の数を、事前判定手段の判定結果に応じて設定する(B3006、図50)。例えば、事前判定手段の判定結果において大当りの期待度が大きいほど、一括表示においてまとめられる複数の始動記憶の数を増加させ遊技者に期待を持たせて、興趣を向上できる。
遊技機は、変動表示ゲームにあわせて変動表示装置35にて表示演出を行う。一括表示に対応する複数の始動記憶に関する変動表示ゲームの表示演出をまとめて、一つの変動表示ゲームの表示演出(一つの飾り特図変動表示ゲーム)として表示装置に表示してもよい(図53(D)−(I))。この場合に、表示演出を1つにまとめることで、特図変動表示ゲームの一回の表示演出の時間(飾り特図変動表示ゲームの時間)が長くなり、複数回はずれの停止図柄で停止する表示演出よりも、遊技者は大当りへの期待を持つようになり興趣が向上する。
制御手段は、操作信号に応じて(操作信号を受付けた場合に)、事前判定手段の判定結果を変動表示装置35において報知する(図53(I))。従って、遊技者の関与(操作)の度合いにより事前判定手段の判定結果(期待度)を報知することで、遊技者は率先して関与(操作)を行おうとし、遊技の興趣が高まる。
なお、本発明は上記の実施の形態とその変形例に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。