以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
図1に示す遊技盤2の右側方には、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、識別情報(特別識別情報)となる特別図柄を変動可能に表示(可変表示)する。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などから構成されていればよい。識別情報となる特別図柄としては、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号といった、各々を識別可能な複数種類の図柄が予め用意されていてもよい。例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。特別図柄の可変表示は「特図ゲーム」ともいい、可変表示ゲームの一例となる。
遊技盤2に形成された遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられ、その画面上にて飾り図柄の可変表示が行われる。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域には、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアが含まれていればよい。このような飾り図柄表示エリアにて、特別図柄とは異なる識別情報(装飾識別情報)となる飾り図柄が可変表示される。飾り図柄の可変表示は、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して実行され、可変表示ゲームに含まれる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類といった、複数種類の図柄を含んで構成される。より具体的に、英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されて保留記憶表示が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示では、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)が特定可能に表示される。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部には、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに特図保留記憶数を特定可能に表示するための表示器として、第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件である。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件である。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ30が取り付けられている。スティックコントローラ30は、遊技者が把持する操作桿(レバー)を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン31Aが設けられている。トリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタン31Aに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ35A(図2を参照)が内蔵されていればよい。スティックコントローラ30の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作(レバー操作)を検知する傾倒方向センサユニット32が設けられていればよい。傾倒方向センサユニット32は、透過形フォトセンサなどを含んで構成され、操作桿のレバー傾倒方向(例えば、前後左右方向)を検知するものであればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ30の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ30の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示入力を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図2を参照)が設けられていればよい。このように、プッシュボタン31Bは、スティックコントローラ30とは別個の所定位置に設けられており、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を把持しない状態などにおいて指示操作ができるように構成されている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば電源基板、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、情報端子基板などを介してホール(遊技店、遊技場)の管理コンピュータに対し各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、大入賞口扉用のソレノイド82へと伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
CPU103には、遊技の進行を制御するプログラムの実行に使用されるレジスタなどの内蔵レジスタが設けられている。内蔵レジスタは、汎用レジスタ、プログラムカウンタ(PC)、命令レジスタなどを含んでいる。汎用レジスタは、例えばAレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタといった、複数の8ビットレジスタを含んでいる。例えばBレジスタとCレジスタ、DレジスタとEレジスタ、HレジスタとLレジスタは、それぞれ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタといった、16ビット長の演算などが実行可能な16ビットレジスタ(ペアレジスタ)としても機能させることができる。汎用レジスタには、演算などの実行結果に応じて各ビット値が変化可能なFレジスタ(フラグレジスタ)が含まれてもよい。Fレジスタのビット値により示されるフラグには、Sフラグ(サインフラグ)、Zフラグ(ゼロフラグ)、Hフラグ(ハーフフラグ)、P/Vフラグ(パリティ/オーバーフローフラグ)、Nフラグ(サブトラクトフラグ)、Cフラグ(キャリーフラグ)などが含まれていればよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。また、パチンコ遊技機1においては、特別図柄や飾り図柄などの可変表示を行い、例えば大当り遊技状態といった、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能となる。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示を実行するための始動条件(第1始動条件)が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)したときには、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示を実行するための始動条件(第2始動条件)が成立する。
なお、可変表示の始動条件(第1始動条件または第2始動条件)が成立したものの、例えば先に成立した始動条件に基づく可変表示が実行されている場合や、遊技状態が大当り遊技状態に制御されている場合などといった、可変表示を開始することができない場合には、所定の上限値(例えば第1特図と第2特図のそれぞれに対応して「4」など)に達するまで、可変表示の実行が保留される。
第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して可変表示の始動条件が成立した後、可変表示を開始するための開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が成立したときには、その可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、可変表示結果を導出表示する以前に決定される。
そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを特定可能に指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される。その後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定図柄が停止表示(導出表示)される。
画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始された後、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることがある。ここで、飾り図柄の可変表示状態は、いずれかの飾り図柄表示エリアにて停止表示された飾り図柄が予め定められた大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続することにより、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、リーチ状態となる。
具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動することにより、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単に「リーチ演出」ともいう)と称する。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光部材における点灯動作(点滅動作)、演出用可動部材の動作といった、各種の演出装置を用いて実行される演出における演出態様を、飾り図柄の可変表示状態が「リーチ」となる以前とは異なる演出態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出態様としては、互いに演出態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。なお、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合を「非リーチ」ともいい、予め定められたチャンス目などの特殊な組合せとならない限り、可変表示結果が「大当り」となる可能性はない。
第1特図や第2特図を用いた特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定特別図柄)が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定図柄(確定飾り図柄)が導出表示される。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される時点と終了する時点がほぼ同じ(全く同じでもよい)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい)であることを、「可変表示の同期」ともいう。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5において大当りを想起させるような飾り図柄の組合せ(大当り組合せ)が停止表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。他の一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されてもよい。特別図柄の可変表示結果として、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
大当り遊技状態では、大入賞口扉用のソレノイド82が駆動され、遊技領域の所定位置に設けられた大入賞口が開放状態(第1状態)となる。開放状態となった大入賞口には、遊技球が容易に進入する。そして、所定期間(例えば29.5秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態(第1状態)とするラウンドが実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口が遊技者にとって不利な閉鎖状態(第2状態)となり、遊技球が進入困難または進入不可能となる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「15」または「2」)に達するまで繰り返し実行される。大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い第1期間(例えば29.5秒間)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。通常開放ラウンドが所定の第1回数(例えば「15」)まで実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態ともいう。通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態とも称される。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い第2期間(例えば0.1秒間)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。短期開放ラウンドが第1回数よりも少ない所定の第2回数(例えば「2」)まで実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態ともいう。短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態とも称される。
通常開放大当り状態では、例えば大入賞口を開放状態とする上限時間が第1期間(例えば29.5秒間)でラウンドの上限回数が「15」となることから、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(例えば0.1秒間)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすくなる有利開放制御が行われるようにしてもよい。時短制御と有利開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態または高ベース状態ともいう。確変制御が行われる遊技状態は、確変状態または高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、時短状態となる場合を、「非確変」の大当り種別と称する。可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「確変」の大当り種別と称する。なお、可変表示結果が「大当り」となり短期開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「突確」の大当り種別と称することもある。
このようなパチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
その後、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。普通図柄プロセス処理に続いて、コマンド制御処理を実行する。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理は、始動入賞の発生に基づいて各種の乱数値を示す数値データを抽出し、可変表示の保留情報として記憶するための処理を含んでいる。例えば、始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する処理が実行される。第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、第1始動入賞が発生したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、予め定められた上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。第1特図保留記憶数が上限値ではない場合には、第1特図保留記憶数を1加算するように更新する。第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、第2始動入賞が発生したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、予め定められた上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。第2特図保留記憶数が上限値ではない場合には、第2特図保留記憶数を1加算するように更新する。第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数を更新した後には、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ(遊技用ランダムカウンタ)などによって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データは、保留データとして、第1特図保留記憶部(第1始動口スイッチ22Aがオンとなった場合)または第2特図保留記憶部(第2始動口スイッチ22Bがオンとなった場合)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動領域となる第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第1始動入賞の発生に基づいて、未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留情報を、例えば保留番号「1」〜「4」のいずれかと対応付けられた記憶領域に、記憶可能に構成されている。第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動領域となる第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第2始動入賞の発生に基づいて、未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留情報を、例えば保留番号「1」〜「4」のいずれかと対応付けられた記憶領域に、記憶可能に構成されている。保留番号は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した順番を特定可能に示し、その順番に従って保留番号が増加するように、保留情報が各記憶領域に記憶されるものであればよい。変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、例えば遊技用ランダムカウンタによって更新され、始動入賞判定処理において、第1始動入賞の発生や第2始動入賞の発生に基づいて抽出され、第1特図保留記憶部または第2特図保留記憶部に記憶される保留情報に含まれる。
始動入賞判定処理では、抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、変動パターンの決定前に、特定の変動パターンに決定されるか否かを判定するパターン判定処理が実行されてもよい。また、始動入賞判定処理では、抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を用いて、大当り遊技状態に制御するか否かの決定前に、大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かを判定する大当り判定処理が実行されてもよい。パターン判定処理や大当り判定処理の判定結果は、判定結果情報を示す入賞時判定結果コマンドなどを送信することにより、主基板11から演出制御基板12の側に対して通知することができればよい。
図3に示す特別図柄プロセス処理において、ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留情報の有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば大当り種別に応じた「2」または「15」など)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部)には、確変フラグと時短フラグが設けられている。「確変」の大当り種別に対応して確変状態に制御する場合には確変フラグがオン状態にセットされ、「非確変」の大当り種別に対応して時短状態に制御する場合には時短フラグがオン状態にセットされる。確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部において、保留番号「1」に対応する記憶領域(先頭領域)に記憶されている保留情報として、各種の乱数値(乱数値MR1〜MR3)を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留情報を、1エントリずつ上位にシフトする。そして、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
第1特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部において、保留番号「1」に対応する記憶領域(先頭領域)に記憶されている保留情報として、各種の乱数値(乱数値MR1〜乱数値MR3)を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。ステップS236の処理に続いて、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。特図表示結果を「大当り」とする場合には、有利状態となる大当り遊技状態に制御することが決定される。すなわち、ステップS239の処理では、遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを決定する。
ステップS239の処理において、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変状態であり確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。確変状態は、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、「確変」の大当り種別に対応して確変フラグがオン状態にセットされることで開始される。確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図5は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、特図表示結果などを特定する(ステップS261)。例えば大当りフラグがオフに対応して特図表示結果が「ハズレ」となることが特定された場合には、時短制御が行われる時短中であるか否かと、特図保留記憶数のうちの合計保留記憶数とを特定する。時短制御は、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、「非確変」の大当り種別に対応して時短フラグがオン状態にセットされること、あるいは「確変」の大当り種別に対応して確変フラグがオン状態にセットされることで開始される。また、例えば大当りフラグがオンに対応して特図表示結果が「大当り」となることが特定された場合には、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかを特定する。
ステップS261の処理に続いて、変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS262)。例えばROM101の所定領域には、複数の変動パターン決定テーブルを構成するデータと、複数の変動パターンを格納する変動パターンテーブルを構成するデータとが、予め記憶されていればよい。CPU103は、ステップS261の処理による特定結果に基づいて、複数の変動パターン決定テーブルのうちからいずれかを使用テーブルとして選択する。
ステップS262の処理に続いて、変動パターン決定用の乱数値MR3を、変動パターンの決定に使用するための設定を行う(ステップS263)。例えばCPU103は、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、変動用乱数バッファから読み出してCPU103に内蔵のAレジスタに保持させることで、各種演算での使用を可能に設定する。その後、判定値比較処理が実行される(ステップS264)。ステップS264の判定値比較処理では、変動パターン決定用の乱数値MR3と、変動パターン決定テーブルに含まれる判定値データが示す判定値とを比較して、決定条件が成立した場合の変動パターンを使用パターンに決定する処理などが実行される。
CPU103は、判定値比較処理により決定された変動パターンに基づいて、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS265)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出されるまでの所要時間である。続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS266)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS266の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS267)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS267の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS268)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図6は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図6に示す各変動パターンに対応して、特図変動時間、飾り図柄の可変表示における表示内容、決定値が、予め定められている。したがって、変動パターンを決定することにより、特図変動時間として、特別図柄の可変表示を開始してから表示結果が導出されるまでの所要時間が決定される。また、飾り図柄の可変表示は、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームと同期して実行される。したがって、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミング、さらには可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り遊技状態に制御されるタイミングなどを、設定することができる。
変動パターンの決定値は、変動パターンの決定結果を特定可能とする数値であり、図6に示されたそれぞれの変動パターンに対して、所定の順序で1ずつ増加(または減少)するように割り当てられていればよい。図6に示す設定例では、非リーチ変動パターンとなる変動パターンPA1−1〜PA1−4、PB1−1〜PB1−3に対して、決定値01H〜07H(添字“H”は16進数であることを示す)が1ずつ増加する順番で連続するように、予め設定されている。また、リーチ変動パターンとなる変動パターンPA2−1〜PA2−3、PB2−1〜PB2−4に対して、決定値08H〜0EHが1ずつ増加する順番で連続するように、予め設定されている。大当り変動パターンとなる変動パターンPA3−1〜PA3−3、PB3−1〜PB3−4に対して、決定値0FH〜15Hが1ずつ増加する順番で連続するように、予め設定されている。なお、予め用意された全部の変動パターンに対して、所定の順序で1ずつ増加(または減少)する決定値が割り当てられるものに限定されず、例えば、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、大当り変動パターンといった、何らかの基準により分類された一部の変動パターンに対して、所定の順序で1ずつ増加(または減少)する決定値が割り当てられ、分類が異なる変動パターンでは、決定値が連続しない不連続となるように、決定値が割り当てられたものであってもよい。例えば非リーチ変動パターンに対して決定値01H〜07Hが設定されている場合に、リーチ変動パターンに対して決定値11H〜17Hが設定されているとともに、大当り変動パターンに対して21H〜27Hが設定されているものであってもよい。変動パターンの決定値は、例えば2バイト構成を有する変動パターン指定コマンドにおいて、2バイト目のEXTデータとなるコマンド値を示すものであればよい。あるいは、変動パターン指定コマンドのコマンド値とは別個に、変動パターンの決定値が設定されたものであってもよい。
図5に示すステップS262の処理では、ステップS261の処理により特定された特図表示結果などに応じて、予め用意された複数の変動パターン決定テーブルのうちから、いずれかの変動パターン決定テーブルが選択される。ROM101の所定領域には、ステップS261の処理による特定結果と、選択される変動パターン決定テーブルとを対応付けた選択用データが記憶されていればよい。複数の変動パターン決定テーブルには、特図表示結果が「ハズレ」の場合に選択可能なハズレ変動パターン決定テーブルと、特図表示結果が「大当り」の場合に選択可能な大当り変動パターン決定テーブルとが、含まれている。
図7(A)はハズレ変動パターン決定テーブルの選択例を示し、図7(B)は大当り変動パターン決定テーブルの選択例を示している。この実施の形態では、ハズレ変動パターン決定テーブルとして、テーブルTA1−1〜TA1−3、TA2−1〜TA2−4が、予め用意されている。また、大当り変動パターン決定テーブルとして、テーブルTB1、TB2が、予め用意されている。特図表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、時短制御が行われない通常時ハズレの場合には、特図保留記憶数としての合計保留記憶数が「0,1」または「2〜4」または「5〜8」のいずれであるかに応じて、テーブルTA1−1〜TA1−3のいずれかが選択される。特図表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、時短制御が行われる時短中ハズレの場合には、特図保留記憶数としての合計保留記憶数が「0」または「1」または「2〜4」または「5〜8」のいずれであるかに応じて、テーブルTA2−1〜TA2−4のいずれかが選択される。特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」であればテーブルTB1が選択され、大当り種別が「確変」であればテーブルTB2が選択される。
図8は変動パターン決定テーブルの基本構成を示している。図8に示す変動パターン決定テーブルは、ROM101のアドレスADD_TBL0が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータは、変動パターンを決定するときの基準となる基準変動パターンに対応する決定値を示すデータ(第1データ)、変動パターン決定用の乱数値MR3とパターン判定値とを比較する処理の上限実行回数となる処理回数を示すデータ(第2データ)、決定可能な変動パターンごとに割り当てられて変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される判定値となるパターン判定値を示すデータ(判定値データ)を含んでいる。変動パターン決定テーブルでは、使用パターンとして決定可能な複数の変動パターンについて、対応する決定値が連続(1ずつ増加)するように区分けした複数のグループ毎に、第1データや第2データとともに判定値データが設けられている。このように、判定値データは、複数の変動パターンを区分けした複数のグループ毎に、変動パターンに対応して設定されたパターン判定値を示すグループ判定値データを構成する場合がある。
図8に示す変動パターン決定テーブルでは、第1グループに対応して、第1基準変動パターンの決定値を示す第1データ、第1処理回数を示す第2データ、第1パターン判定値#1、#2、・・・を示す判定値データ(第1グループ判定値データ)が設けられているとともに、第2グループに対応して、第2基準変動パターンの決定値を示す第1データ、第2処理回数を示す第2データ、第2パターン判定値#1、#2、・・・を示す判定値データ(第2グループ判定値データ)が設けられている。図8に示す変動パターン決定テーブルにおいて、第1グループに対応する先頭アドレスであるアドレスADD_TBL0には、第1グループに対応して設けられた特定アドレスにおける第1データとして、第1基準変動パターンとなる変動パターンの決定値を示すデータが記憶されている。アドレスADD_TBL0の次アドレスには、第1グループに対応して設けられた特定アドレスの次アドレスにおける第2データとして、第1処理回数を示すデータが記憶されている。第1処理回数を示すデータの記憶アドレスと連続するアドレスには、第1グループに対応して設けられた第2データの記憶アドレスに連続するアドレスにおける判定値データとして、第1パターン判定値#1、#2、・・・を示すデータが記憶されている。図8に示す変動パターン決定テーブルにおいて、第2グループに対応する先頭アドレスであるアドレスADD_TBL0_1には、第2グループに対応して設けられた特定アドレスにおける第1データとして、第2基準変動パターンとなる変動パターンの決定値を示すデータが記憶されている。アドレスADD_TBL0_1の次アドレスには、第2グループに対応して設けられた特定アドレスの次アドレスにおける第2データとして、第2処理回数を示すデータが記憶されている。第2処理回数を示すデータの記憶アドレスと連続するアドレスには、第2グループに対応して設けられた第2データの記憶アドレスに連続するアドレスにおける判定値データとして、第2パターン判定値#1、#2、・・・を示すデータが記憶されている。このように、変動パターン決定テーブルの記憶アドレスのうち、特定アドレスには第1データが記憶され、特定アドレスの次アドレスには第2データが記憶され、第2データの記憶アドレスに連続するアドレスには判定値データが記憶されている。
図9は、ハズレ変動パターン決定テーブルのうち、テーブルTA1−1〜TA1−3の構成例を示している。図10は、ハズレ変動パターン決定テーブルのうち、テーブルTA2−1〜TA2−4の構成例を示している。図11は、大当り変動パターン決定テーブルとなるテーブルTB1、TB2の構成例を示している。
図9(A)に示すテーブルTA1−1は、通常時ハズレの特図保留記憶数「0,1」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TA11が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。テーブルTA1−1では、決定可能な複数の変動パターンを3つのグループに区分けした第1〜第3グループ毎に、基準変動パターンの決定値を示す第1データ、処理回数を示す第2データ、パターン判定値を示す判定値データが設けられている。テーブルTA1−1では、第1グループに対応して、基準変動パターンの決定値「01H」と、処理回数「2」と、パターン判定値として「180」および「200」の2通りの数値とを示すデータが設けられ、第2グループに対応して、基準変動パターンの決定値「04H」と、処理回数「1」と、パターン判定値として「215」の数値とを示すデータが設けられ、第3グループに対応して、基準変動パターンの決定値「08H」と、処理回数「7」と、パターン判定値として「232」から「251」までの7通りの数値とを示すデータが設けられている。例えば基準変動パターンの決定値「01H」は、図6に示す変動パターンPA1−1に対して割り当てられた決定値である。
図9(B)に示すテーブルTA1−2は、通常時ハズレの特図保留記憶数「2〜4」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TA12が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。図9(C)に示すテーブルTA1−3は、通常時ハズレの特図保留記憶数「5〜8」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TA13が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。テーブルTA1−2、TA1−3では、それぞれ、決定可能な複数の変動パターンを2つのグループに区分けした第1、第2グループ毎に、基準変動パターンの決定値を示す第1データ、処理回数を示す第2データ、パターン判定値を示す判定値データが設けられている。
図10(A)に示すテーブルTA2−1は、時短中ハズレの特図保留記憶数「0」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TA21が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。図10(B)に示すテーブルTA2−2は、時短中ハズレの特図保留記憶数「1」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TA22が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。図10(C)に示すテーブルTA2−3は、時短中ハズレの特図保留記憶数「2〜4」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TA23が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。図10(D)に示すテーブルTA2−4は、時短中ハズレの特図保留記憶数「5〜8」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TA24が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。
図11(A)に示すテーブルTB1は、大当り種別が「非確変」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TB1が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。図11(B)に示すテーブルTB2は、大当り種別が「確変」である場合に選択され、ROM101のアドレスADD_TB2が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。
図12は、判定値比較処理として、図5のステップS264にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。LDIN命令を実行する(ステップS401)。LDIN命令は、例えば2バイト長の命令コードに対応して、以下の第1〜第4機能を1命令で順番に実現させるための特定命令である。第1機能として、第2オペランドの16ビットレジスタにおける保持データが示すアドレスに記憶された1バイト値を示す第1データを、第1オペランドの16ビットレジスタにおける下位レジスタに保持(格納)させる。第2機能として、第2オペランドの16ビットレジスタにおける保持データが示す値を1加算する。第3機能として、第2オペランドの16ビットレジスタにおける保持データが示すアドレスに記憶された1バイト値を示す第2データを、第1オペランドの16ビットレジスタにおける上位レジスタに保持(格納)させる。第4機能として、第2オペランドの16ビットレジスタにおける保持データが示す値を1加算する。このように、LDIN命令は、第2オペランドの16ビットレジスタをポインタとして用いて、特定アドレスに記憶された第1データを第1オペランドの16ビットレジスタに含まれる第1レジスタ(下位レジスタ)に設定した後に、その特定アドレスの次アドレスに記憶された第2データを第1オペランドの16ビットレジスタに含まれる第2レジスタ(上位レジスタ)に設定することができる。そして、LDIN命令を実行した後には、実行前のポインタにおける格納値が2加算された状態となる。
この実施の形態では、LDIN命令における第1オペランドがBCレジスタであり第2オペランドがHLレジスタである。例えば図5に示すステップS262の処理では、選択した変動パターン決定テーブルのROM101における先頭アドレスをHLレジスタに設定すればよい。したがって、HLレジスタをポインタとして用いて、判定値比較処理におけるステップS401の処理が最初に実行された場合には、図8に示すような変動パターン決定テーブルの基本構成において、まずは、第1基準変動パターンの決定値がBCレジスタのうちの下位レジスタであるCレジスタに設定され、続いて、第1処理回数がBCレジスタのうちの上位レジスタであるBレジスタに設定され、その後、ポインタとしてのHLレジスタの保持データにより第1パターン判定値の記憶領域における先頭アドレスが指定される。
ステップS401の処理を実行した後には、決定用乱数値として、Aレジスタが保持する変動パターン決定用の乱数値MR3を、パターン判定値と比較する(ステップS402)。ステップS402の処理では、例えばポインタとして用いられるHLレジスタの保持データに示されるアドレスの記憶データが示すパターン判定値を、Aレジスタの保持データに示される決定用乱数値と比較すればよい。この比較処理により、決定用乱数値とパターン判定値の大小関係に応じてFレジスタのビット値が示すフラグの状態を変化させることができる。
ステップS402における比較処理の実行結果として、決定用乱数値となる乱数値MR3が判定値データに示されるパターン判定値より小さいか否かを判定する(ステップS403)。ステップS403の処理では、例えばキャリーフラグがオン(ビット値が“1”)である場合に、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定すればよい。決定用乱数値がパターン判定値より大きい場合やパターン判定値と等しい場合には(ステップS403;No)、パターン判定値の読出位置を1加算する(ステップS404)。例えばポインタとして用いられるHLレジスタの保持データが示すアドレス値を、1加算するように更新する。続いて、Cレジスタの保持データが示す変動パターンの決定値を1加算する(ステップS405)。また、Bレジスタの保持データが示す処理回数を1減算した後に、その処理回数が「0」となったか否かを判定する(ステップS406)。1減算後の処理回数が「0」以外である場合には(ステップS406;No)、ステップS402の処理に戻る。1減算後の処理回数が「0」である場合には(ステップS406;Yes)、ステップS401の処理に戻る。
ステップS403の処理により決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には(ステップS403;Yes)、変動パターンの決定値を格納してから(ステップS407)、判定値比較処理を終了する。ステップS407の処理では、例えばCレジスタの保持データをAレジスタに転送(8ビット転送)すればよい。このように、ステップS403の処理で決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、決定条件が成立した場合であるとして、Cレジスタの保持データに示される決定値が割り当てられた変動パターンを、使用パターンとして決定する。
図13は、判定値比較処理を実行するためのプログラム部分を示している。図13において、PAT_COMP_50は、判定値比較処理を実行するプログラムの先頭アドレスとして、ステップS401の処理を実行するプログラムコードの記憶アドレスに対応して付与されたラベルである。図13に示すプログラムでは、始めに、判定値比較処理におけるステップS401の処理に対応して、“LDIN BC,(HL)”という命令が実行される。この命令により、基準変動パターンの決定値を示す第1データがCレジスタに設定され、処理回数を示す第2データがBレジスタに設定される。
図13において、PAT_COMP_100は、判定値比較処理に含まれるステップS402の処理を実行するプログラムコードの記憶アドレスに対応して付与されたラベルである。図13に示すプログラムでは、判定値比較処理におけるステップS402の処理に対応して、“CP (HL)”という命令が実行される。この命令は、ポインタであるHLレジスタの保持データに示されるアドレスの記憶データが示すパターン判定値を、Aレジスタの保持データに示される決定用判定値と比較させる。続いて、判定値比較処理におけるステップS403の処理に対応して、“JR C,PAT_COMP_200”という命令が実行される。この命令は、決定用判定値がパターン判定値より小さいことに対応して、キャリーフラグがオンである場合に、ラベルPAT_COMP_200が付与されたアドレスに分岐(条件分岐)させる。これに対し、キャリーフラグがオフである場合には、判定値比較処理におけるステップS404の処理に対応して、“INC HL”という命令が実行される。この命令は、ポインタであるHLレジスタの保持データをインクリメント(1加算)させる。これにより、パターン判定値の読出位置(読出アドレス)が1加算される。次に、判定値比較処理におけるステップS405の処理に対応して、“INC C”という命令が実行される。この命令は、Cレジスタの保持データをインクリメント(1加算)させる。これにより、変動パターンの決定値が1加算される。さらに、判定値比較処理におけるステップS406の処理に対応して、“DJNZ PAT_COMP_100”という命令が実行される。この命令は、Bレジスタの保持データを1減算した後にゼロフラグがオフである場合に、ラベルPAT_COMP_100が付与されたアドレスに分岐(条件分岐)させる。一方、ゼロフラグがオンである場合には、“JR PAT_COMP_50”という命令を実行することで、ラベルPAT_COMP_50が付与されたアドレスに分岐(強制分岐)させる。
図13において、PAT_COMP_200は、判定値比較処理に含まれるステップS407の処理を実行するプログラムコードの記憶アドレスに対応して付与されたラベルである。図13に示すプログラムでは、判定値比較処理におけるステップS407の処理に対応して、“LD A,C”という命令が実行される。この命令は、Cレジスタの保持データをAレジスタに転送させる8ビット転送命令である。これにより、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合に、変動パターンの決定値を示すCレジスタの保持データがAレジスタに格納される。その後、“RET”という命令を実行することにより、判定値比較処理を終了して、変動パターン設定処理に復帰させることができる。
決定用乱数値となる変動パターン決定用の乱数値MR3は、「0」〜「250」の範囲の値をとるように更新される。図5に示すステップS262の処理で図7(A)または図7(B)に示すような選択例に従い選択された変動パターン決定テーブルを用いて、ステップS264で判定値比較処理を実行する。こうして、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されたときに、決定条件が成立して、Cレジスタの保持データが示す変動パターンの決定値を、使用パターンとなる変動パターンの決定値とすることができる。
例えば図9(A)に示すテーブルTA1−1が選択された場合には、図12に示す判定値比較処理で最初にステップS401の処理が実行されることにより、第1グループに対応して設けられた特定アドレスにおける基準変動パターンの決定値「01H」を示す第1データをCレジスタに設定した後に、その特定アドレスの次アドレスにおける処理回数「2」を示す第2データをBレジスタに設定してから、ポインタとなるHLレジスタの保持データが第1グループに対応して設けられたパターン判定値の記憶領域における先頭アドレスを指定する。続いて、ステップS402の処理が実行されることにより、決定用乱数値としてAレジスタが保持する変動パターン決定用の乱数値を、HLレジスタの保持データが示すアドレスにおけるパターン判定値「180」と比較する。ステップS403の処理では、決定用乱数値がパターン判定値より小さいか否かを判定する。決定用乱数値がパターン判定値より大きい場合やパターン判定値と等しい場合には、ステップS404の処理が実行され、HLレジスタの保持データをインクリメント(1加算)することで第1グループに対応して設けられたパターン判定値の読出位置を1加算する。また、ステップS405の処理を実行することで、Cレジスタの保持データが示す変動パターンの決定値を1加算して「02H」とし、ステップS406の処理では、Bレジスタの保持データが示す処理回数を1減算して「1」となることで、ステップS402の処理に戻り、決定用乱数値とパターン判定値との比較処理が再び実行される。このときには、決定用乱数値となる変動パターン決定用の乱数値を、HLレジスタの保持データが示すアドレスにおけるパターン判定値「200」と比較し、決定用乱数値がパターン判定値より小さいか否かを判定する。
決定用乱数値がパターン判定値「200」より大きい場合やパターン判定値「200」と等しい場合には、ステップS404の処理でHLレジスタの保持データをインクリメント(1加算)することで、第2グループに対応して設けられた基準変動パターンの決定値「04H」を示す第1データが記憶された特定アドレスを指定する。ステップS406の処理では、Bレジスタの保持データが示す処理回数を1減算して「0」となることで、ステップS401の処理に戻り、第2グループに対応してLDIN命令に基づくレジスタ設定処理が実行される。このときには、第2グループに対応して設けられた特定アドレスにおける基準変動パターンの決定値「04H」を示す第1データがCレジスタに設定され、その特定アドレスの次アドレスにおける処理回数「1」を示す第2データがBレジスタに設定されてから、HLレジスタの保持データが第2グループに対応して設けられたパターン判定値の記憶領域におけるアドレスを指定する。続いて、ステップS402の処理が実行されることにより、変動パターン決定用の乱数値を、HLレジスタの保持データが示すアドレスにおけるパターン判定値「215」と比較する。こうして、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されるまで、またはBレジスタの保持データが示す処理回数が「0」になるまで、図12に示すステップS402〜S406の処理が繰り返し実行される。ステップS406の処理によりBレジスタの保持データが示す処理回数が「0」になった場合には、ステップS401の処理に戻ることで、LDIN命令に基づくレジスタ設定処理が実行される。これにより、複数の変動パターンを区分けした複数のグループのうちで1のグループに対応する判定値データが示すパターン判定値の全部を用いて決定用乱数値と比較しても決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されなかった場合に、次のグループに対応する判定値データが示すパターン判定値を用いて決定用乱数値との比較を行うことができる。
図9(A)に示すテーブルTA1−1において、第1グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値として「180」および「200」の数値が設定されている。また、第2グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値として「215」の数値が設定されている。第3グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値として「232」から「251」までの7通りの数値が設定されている。このような設定において、変動パターン決定用の乱数値は、「0」〜「199」のいずれかである場合に、第1グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値の数値範囲内となり、ステップS403の処理で決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定される。また、変動パターン決定用の乱数値が「200」〜「214」のいずれかである場合には、第2グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値の数値範囲内となり、ステップS403の処理で決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定される。変動パターン決定用の乱数値が「215」〜「250」のいずれかである場合には、第3グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値の数値範囲内となり、ステップS403の処理で決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定される。第1グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値の数値範囲は、第2グループや第3グループに対応して設けられた判定値データが示すパターン判定値の数値範囲よりも広くなるように設定されている。判定値比較処理では、複数のグループのうちで1のグループに対応する判定値データが示すパターン判定値の全部を用いて決定用乱数値と比較しても決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されなかった場合に、次のグループに対応する判定値データが示すパターン判定値を用いて決定用乱数値との比較を行うために、LDIN命令に基づくレジスタ設定処理が実行される。したがって、判定値データで示されるパターン判定値の数値範囲が狭いグループは、LDIN命令の実行により基準変動パターンの決定値や処理回数を設定した後に、決定用乱数値がパターン判定値の数値範囲内となる可能性が低く、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されずに次のグループに対応するLDIN命令を実行する必要が生じる可能性は高くなる。これに対し、図9(A)に示すテーブルTA1−1の第1グループのように、判定値データで示されるパターン判定値の数値範囲が広いグループについて、第2グループや第3グループのように判定値データで示されるパターン判定値の数値範囲が狭いグループよりも優先して、決定用乱数値とパターン判定値との比較処理が実行されるようにテーブルデータなどを構成することで、グループの変更に伴うLDIN命令の実行回数を抑制して、処理負荷の増大を防止することができる。
例えば図9(A)に示すテーブルTA1−1において、第2グループに対応して設けられた基準変動パターンの決定値「04H」と処理回数「1」とパターン判定値「215」とを示すデータのように、複数のグループに含まれる一部のグループで処理回数が「1」となり判定値データがパターン判定値として1個の数値のみを示す場合でも、そのグループに対応して、特定アドレスには基準変動パターンの決定値を示す第1データが記憶され、特定アドレスの次アドレスには処理回数を示す第2データが記憶される。これにより、各グループにおける処理回数や判定値データが示すパターン判定値の個数にかかわらず、判定値比較処理を共通の処理とすることができ、設計の負担を軽減するとともに、プログラム容量の増大を防止することができる。
また、図10(D)に示すテーブルTA2−4のように、単一のグループのみが設けられる場合であって、そのグループで処理回数が「1」となり判定値データがパターン判定値として1個の数値のみを示す場合でも、特定アドレスには基準変動パターンの決定値を示す第1データが記憶され、特定アドレスの次アドレスには処理回数を示す第2データが記憶される。これにより、各グループにおける処理回数や判定値データが示すパターン判定値の個数だけでなく、変動パターン決定テーブルごとに設けられるグループ数にもかかわらず、判定値比較処理を共通の処理とすることができ、設計の負担を軽減するとともに、プログラム容量の増大を防止することができる。
図14は、ハズレ変動パターンの決定例を示している。図14(A)は通常時ハズレの場合における変動パターンの決定例であり、図14(B)は時短中ハズレの場合における変動パターンの決定例である。図7(A)に示す通常時ハズレの場合には、特図保留記憶数に応じて選択される変動パターン決定テーブルとして、図9(A)〜(C)に示されたテーブルTA1−1〜TA1−3のいずれかを用いることで、図14(A)に示すような決定用乱数範囲に対応した変動パターンを決定することができる。図14に示す決定用乱数範囲は、変動パターン決定用の乱数値MR3が属する範囲である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、図5に示すステップS263の処理によりAレジスタに設定された保持データで示される。図7(A)に示す時短中ハズレの場合には、特図保留記憶数に応じて選択される変動パターン決定テーブルとして、図10(A)〜(D)に示されたテーブルTA2−1〜TA2−4のいずれかを用いることで、図14(B)に示すような決定用乱数範囲に対応した変動パターンを決定することができる。
図15は、大当り変動パターンの決定例を示している。図7(B)に示す選択例において、大当り種別に応じて選択される変動パターン決定テーブルとして、図11(A)または図11(B)に示されたテーブルTB1、TB2のいずれかを用いることで、図15に示すような決定用乱数範囲に対応した変動パターンを決定することができる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用可動部材の駆動動作など、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図16は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S175の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが開始されること、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えばRAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を導出表示(完全停止表示)させる。確定飾り図柄を導出表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図17(A)は、可変表示開始設定処理として、図16のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS301)。ステップS301の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この最終停止図柄などを決定するときには、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれかを設定する。例えば可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4、変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−3のいずれかである場合には、可変表示内容を「非リーチ(ハズレ)」に設定し、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−3、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4のいずれかである場合には、可変表示内容を「リーチ(ハズレ)」に設定する。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変表示内容を「大当り」に設定する。
図17(B)は、ステップS301の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「大当り」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS301の処理では、可変表示内容が「大当り」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS301の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS301の処理における最終停止図柄などの決定に続いて、飾り図柄の可変表示中に実行される予告演出の決定を行う予告演出決定処理が実行される(ステップS302)。その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS303)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS303の処理では、ステップS302の予告演出決定処理により決定された予告演出に対応して、複数用意された演出制御パターン(予告演出制御パターン)が選択されてもよい。
ステップS303の処理に続いて、例えばRAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS304)。このとき、演出制御プロセスタイマには、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応したタイマ初期値が設定されればよい。これにより、飾り図柄の可変表示時間が設定(初期設定)されればよい。なお、演出制御プロセスタイマのタイマ値は時間経過に伴い「0」からカウントアップするように更新し、飾り図柄の可変表示時間に対応した可変表示終了判定値が設定されるようにしてもよい。ステップS304の処理を実行した後には、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS305)。例えばステップS303の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS305の処理を実行したことにより飾り図柄の可変表示が開始されるときには、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS306)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS307)、可変表示開始設定処理を終了する。
この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに、互いに演出態様が異なる複数の予告演出を、組み合わせて実行することができる。例えば、複数のタイミングにて実行可能な予告演出として、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告が、設けられていればよい。
図18および図19は、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告のそれぞれにおける演出態様(演出内容)を例示している。図18(A)や図18(B)に示すように、メッセージ予告では、例えば飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の画面上に表示された文字画像により、所定のキャラクタが発するセリフを報知する。そして、メッセージ予告は、文字画像の表示態様に応じて大当り期待度が異なり、図18(B)に示す文字画像の表示色が黒色である黒文字のメッセージ予告MS2であるときに、図18(A)に示す文字画像の表示色が白色(白抜き)である白文字のメッセージ予告MS1であるときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。このように、メッセージ予告では、例えばキャラクタが発するセリフの文字画像といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で、例えば文字画像の表示色といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
なお、文字画像によりキャラクタが発するセリフを報知するものに限定されず、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声により、キャラクタが発するセリフを報知してもよい。文字画像の表示色に応じて大当り期待度を異ならせるものに限定されず、セリフを発するキャラクタの種類や表示色、形状、表示柄といった、キャラクタ画像の一部または全部の表示態様を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。キャラクタ画像の表示態様の他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)における一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。さらには、文字画像の表示とともにスピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、演出態様の一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は異なるものと認識可能にすることで、異なる大当り期待度を示唆できれよい。
ステップアップ予告は、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出されるまでに、演出態様が所定の順番に従って1段階から複数段階まで変化可能(ステップアップ可能)な予告演出である。なお、ステップアップ予告では、最初に出現した演出態様が次の段階に変化することなく、予告演出の実行を終了させることがあるようにしてもよい。
一例として、図19(A1)〜(A4)に示すように、ステップアップ予告では、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の画面上にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示SUE1〜SUE4により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)すればよい。他の一例として、飾り図柄の可変表示中に遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)してもよい。その他にも、スピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、任意の演出態様を所定の順番に従って複数段階に変化(ステップアップ)させてもよい。
ステップアップ予告は、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り期待度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。図19(A5)に示すように、ステップアップ予告SU1〜SU4はそれぞれ、演出態様が変化するステップ数が互いに異なり、ステップ数が「1」のステップアップ予告SU1から、ステップ数が「2」のステップアップ予告SU2、ステップ数が「3」のステップアップ予告SU3、ステップ数が「4」のステップアップ予告SU4となるに従って、大当り期待度が高くなる。
ステップアップ予告における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や表示色、表示柄といった、表示態様の一部または全部が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は段階的に変化したと認識可能なものであればよい。キャラクタ画像の表示によるステップアップの他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)における一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。
なお、ステップアップ予告におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「非確変大当り」や「確変大当り」となる可能性(確変期待度)、特定のリーチ演出が実行される可能性(特定リーチ期待度)などを異ならせてもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。
図19(B1)〜(B3)に示すように、リーチ成立時予告では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、所定のキャラクタ(蝶)を示す演出画像群を表示する。一例として、リーチ成立時予告では、同一または類似した多数のキャラクタとなる蝶を示す演出画像群が画像表示装置5の画面上を通過するような演出が行われる。この場合、他の予告演出(例えばメッセージ予告やステップアップ予告など)にて用いられるキャラクタとは異なる種類のキャラクタを示す演出画像群を表示する演出動作が行われてもよいし、他の予告演出にて用いられるキャラクタと同じ種類のキャラクタを示す演出画像群を表示する演出動作が行われてもよい。他の予告演出にて用いられるキャラクタとは異なる種類でも共通するテーマのキャラクタ(例えば同じ映画やアニメの登場人物を模したキャラクタなど)を示す演出画像群を表示する予告演出が行われてもよい。リーチ成立時予告は、演出画像群により示されるキャラクタ(例えば蝶)の数に応じて大当り期待度が異なる。例えば図19(B1)に示すリーチ成立時予告GR1では蝶の数が「1」であり、図19(B2)に示すリーチ成立時予告GR2では蝶の数が「3」であり、図19(B3)に示すリーチ成立時予告GR3では蝶の数が「5」であり、この順に大当り期待度が高くなる。
なお、演出画像群により示されるキャラクタの数に応じて大当り期待度を異ならせるものに限定されず、演出画像群により示されるキャラクタの種類や表示色、形状、表示柄といった、キャラクタ画像の一部または全部の表示態様を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。キャラクタ画像の他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)を異ならせてもよい。さらには、演出画像群の表示とともにスピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、演出態様の一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音声、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は異なるものと認識可能にすることで、異なる大当り期待度を示唆できればよい。
このように、リーチ成立時予告では、例えば蝶のキャラクタを示す演出画像群といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で、例えば演出画像群により示される蝶の数といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
画像表示演出は、例えば再変動演出におけるカード図柄、メッセージ予告におけるセリフの文字画像、リーチ成立時予告における蝶のキャラクタのように、所定の示唆演出における演出画像の全部または一部を所定画像として表示する場合に、大当り遊技状態となるか否かや、大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)に応じて異なる割合で、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示するものであればよい。また、示唆演出が実行されるときに画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の一部を所定画像とするものに限定されず、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の全部を所定画像として、その所定画像の一部の表示態様を、大当り遊技状態となるか否かや大当り期待度に応じて異なる割合で、異なる表示態様で表示するものであってもよい。
各予告演出の期待度は、例えば低期待度、中期待度、高期待度といった、複数の段階に区分けすることができる。なお、低期待度の予告演出は「弱予告」とも称され、中期待度の予告演出は「中予告」とも称され、高期待度の予告演出は「強予告」とも称される。低期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%未満」であることを示唆する。中期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%以上30%未満」であることを示唆する。高期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「30%以上」であることを示唆する。こうした予告演出により示唆される大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)は、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて各予告演出における演出態様の選択割合を異ならせることで、予め設定できればよい。例えば低期待度の予告演出は、中期待度や高期待度の予告演出に比べて、大当りとなるときに選択される割合が低く、ハズレとなるときに選択される割合が高くなればよい。また、高期待度の予告演出は、低期待度や中期待度の予告演出に比べて、大当りとなるときに選択される割合が高く、ハズレとなるときに選択される割合が低くなればよい。ここで、大当り遊技状態となる可能性が0%の場合には、常に可変表示結果が「ハズレ」となり、大当り遊技状態にはならないことを意味している。また、大当り遊技状態となる可能性が100%の場合には、常に可変表示結果が「大当り」となり、必ず大当り遊技状態となることを意味している。
なお、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告といった複数の予告演出ごとに、低期待度、中期待度、高期待度といった複数の段階に対応する大当り期待度が異なるように設定されてもよい。例えば高期待度のメッセージ予告は大当り期待度が「25%以上」であることを示唆する一方、高期待度のステップアップ予告は大当り期待度が「40%以上」であることを示唆し、高期待度のリーチ成立時予告は大当り期待度が「70%以上」であることを示唆してもよい。
図20は、予告演出決定処理として、図17のステップS302にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンや可変表示結果に応じた可変表示内容を特定する(ステップS451)。このとき特定される可変表示内容は、「非リーチ(ハズレ)」、「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれかであればよい。例えば可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4、変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−3のいずれかである場合には可変表示内容を「非リーチ(ハズレ)」に設定し、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−3のいずれかである場合には可変表示内容を「ノーマルリーチ(ハズレ)」に設定し、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4のいずれかである場合には可変表示内容を「スーパーリーチ(ハズレ)」に設定する。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変表示内容を「大当り」に設定する。
ステップS451の処理に続いて、予告パターン決定テーブルを選択する(ステップS452)。例えばROM121の所定領域には、複数の予告パターン決定テーブルを構成するデータと、複数の予告パターンを格納する予告パターンテーブルを構成するデータとが、予め記憶されていればよい。演出制御用CPU120は、ステップS451の処理により特定された可変表示内容に基づいて、複数の予告パターン決定テーブルのうちからいずれかを使用テーブルとして選択する。
ステップS452の処理に続いて、予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(ステップS453)。例えば演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出制御用CPU120に内蔵のAレジスタに保持させることで、各種演算での使用を可能に設定する。その後、判定値比較処理を実行してから(ステップS454)、予告演出決定処理を終了する。ステップS454の判定値比較処理では、予告パターン決定用の乱数値と、予告パターン決定テーブルに含まれる判定値データが示す判定値とを比較して、決定条件が成立した場合の予告パターンを使用パターンに決定する処理などが実行される。ステップS454の判定値比較処理は、図12のフローチャートに示されたステップS264の判定値比較処理と同様の処理であればよい。
図21は、この実施の形態における予告パターンを示している。図21に示す各予告パターンに対応して、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立後予告といった、複数の予告演出を実行するか否かや、実行する場合の演出態様、決定値が、予め定められている。したがって、予告パターンを決定することにより、各予告演出の有無や演出態様が決定される。予告パターンの決定値は、予告パターンの決定結果を特定可能とする数値であり、図21に示されたそれぞれの予告パターンに対して、所定の順序で1ずつ増加(または減少)するように割り当てられていればよい。図21に示す設定例では、予告パターンYPA1−1、YPA1−2、YPA2−1〜YPA2−9に対して、決定値20H〜2BH(添字“H”は16進数であることを示す)が1ずつ増加する順番で連続するように、予め設定されている。なお、予め用意された全部の予告パターンに対して、所定の順序で1ずつ増加(または減少)する決定値が割り当てられるものに限定されず、何らかの基準により分類された一部の変動パターンに対して、所定の順序で1ずつ増加(または減少)する決定値が割り当てられ、分類が異なる予告パターンでは、決定値が連続しない不連続となるように、決定値が割り当てられたものであってもよい。
図20に示すステップS452の処理では、ステップS451の処理により特定された可変表示内容に応じて、予め用意された複数の予告パターン決定テーブルのうちから、いずれかの予告パターン決定テーブルが選択される。ROM121の所定領域には、ステップS451の処理により特定された可変表示内容と、選択される予告パターン決定テーブルとを対応付けた選択用データが記憶されていればよい。
図22(A)は予告パターン決定テーブルの選択例を示している。この実施の形態では、予告パターン決定テーブルとして、テーブルYT1−1〜YT1−3およびテーブルYT2が、予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、テーブルYT1−1が選択される。可変表示内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」の場合には、テーブルYT1−2が選択される。可変表示内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」の場合には、テーブルYT1−3が選択される。可変表示内容が「大当り」の場合には、テーブルYT2が選択される。
図22(B)は予告パターン決定テーブルの基本構成を示している。図22(B)に示す予告パターン決定テーブルは、ROM121のアドレスADD_YTB0が先頭アドレスとなるように予め記憶されている。予告パターン決定テーブルを構成するテーブルデータは、予告パターンを決定するときの基準となる基準予告パターンに対応する決定値を示すデータ(第1データ)、予告パターン決定用の乱数値とパターン判定値とを比較する処理の上限実行回数となる処理回数を示すデータ(第2データ)、決定可能な予告パターンごとに割り当てられて予告パターン決定用の乱数値と比較される判定値となるパターン判定値を示すデータ(判定値データ)を含んでいる。予告パターン決定テーブルでは、使用パターンとして決定可能な複数の変動パターンについて、対応する決定値が連続(1ずつ増加)するように区分けした複数のグループ毎に、第1データや第2データとともに判定値データが設けられている。このように、判定値データは、複数の予告パターンを区分けした複数のグループ毎に、予告パターンに対応して設定されたパターン判定値を示すグループ判定値データを構成する場合がある。
図22(B)に示す予告パターン決定テーブルでは、第1グループに対応して、第1基準予告パターンの決定値を示す第1データ、第1処理回数を示す第2データ、第1パターン判定値#1、#2、・・・を示す判定値データ(第1グループ判定値データ)が設けられているとともに、第2グループに対応して、第2基準予告パターンの決定値を示す第1データ、第2処理回数を示す第2データ、第2パターン判定値#1、#2、・・・を示す判定値データ(第2グループ判定値データ)が設けられている。図22(B)に示す予告パターン決定テーブルにおいて、第1グループに対応する先頭アドレスであるアドレスADD_YTB0には、第1グループに対応して設けられた特定アドレスにおける第1データとして、第1基準予告パターンとなる予告パターンの決定値を示すデータが記憶されている。アドレスADD_YTB0の次アドレスには、第1グループに対応して設けられた特定アドレスの次アドレスにおける第2データとして、第1処理回数を示すデータが記憶されている。第1処理回数を示すデータの記憶アドレスと連続するアドレスには、第1グループに対応して設けられた第2データの記憶アドレスと連続するアドレスにおける判定値データとして、第1パターン判定値#1、#2、・・・を示すデータが記憶されている。図22(B)に示す予告パターン決定テーブルにおいて、第2グループに対応する先頭アドレスであるアドレスADD_YTB0_1には、第2グループに対応して設けられた特定アドレスにおける第1データとして、第2基準予告パターンとなる予告パターンの決定値を示すデータが記憶されている。アドレスADD_YTB0_1の次アドレスには、第2グループに対応して設けられた特定アドレスの次アドレスにおける第2データとして、第2処理回数を示すデータが記憶されている。第2処理回数を示すデータの記憶アドレスと連続するアドレスには、第2グループに対応して設けられた第2データの記憶アドレスと連続するアドレスにおける判定値データとして、第2パターン判定値#1、#2、・・・を示すデータが記憶されている。このように、予告パターン決定テーブルの記憶アドレスのうち、特定アドレスには第1データが記憶され、特定アドレスの次アドレスには第2データが記憶され、第2データの記憶アドレスに連続するアドレスには判定値データが記憶されている。
図23は、複数の予告パターン決定テーブルのうち、可変表示内容が「大当り」の場合に選択されるテーブルYT2の構成例を示している。テーブルYT2では、決定可能な予告パターンを4つのグループに区分けした第1〜第4グループ毎に、基準予告パターンの決定値を示す第1データ、処理回数を示す第2データ、パターン判定値を示す判定値データが設けられている。テーブルYT2では、第1グループに対応して、基準予告パターンの決定値「27H」と、処理回数「5」と、パターン判定値として「9」から「90」までの5通りの数値とを示すデータが設けられ、第2グループに対応して、基準予告パターンの決定値「25H」と、処理回数「1」と、パターン判定値として「96」の数値とを示すデータが設けられ、第3グループに対応して、基準予告パターンの決定値「23H」と、処理回数「1」と、パターン判定値として「99」の数値とを示すデータが設けられ、第4グループに対応して、基準予告パターンの決定値「20H」と、処理回数「1」と、パターン判定値として「100」の数値とを示すデータが設けられている。例えば基準予告パターンの決定値「27H」は、図21に示す予告パターンYPA2−5に対して割り当てられた決定値である。
図20に示すステップS454で判定値比較処理が実行される場合には、まず、LDIN命令が実行される。このときには、HLレジスタがポインタとして用いられ、例えばLDIN命令が最初に実行された場合には、図22(B)に示すような予告パターン決定テーブルの基本構成において、第1基準予告パターンの決定値がBCレジスタのうちの下位レジスタであるCレジスタに設定され、第1処理回数がBCレジスタのうちの上位レジスタであるBレジスタに設定された後に、HLレジスタの保持データにより第1パターン判定値の記憶領域における先頭アドレスが指定される。
ステップS454の判定値比較処理でLDIN命令が実行された後には、決定用乱数値として、Aレジスタが保持する予告パターン決定用の乱数値を、パターン判定値と比較する。その結果として、決定用乱数値となる予告パターン決定用の乱数値が判定値データに示されるパターン判定値より小さいか否かを判定する。決定用乱数値がパターン判定値より大きい場合やパターン判定値と等しい場合には、パターン判定値の読出位置を1加算するとともに、Cレジスタの保持データが示す予告パターンの決定値を1加算して、Bレジスタの保持データが示す処理回数を1減算した後の処理回数が「0」となったか否かを判定する。こうした1減算後の処理回数が「0」以外である場合には、決定用乱数値とパターン判定値との比較処理に戻る。これに対し、1減算後の処理回数が「0」である場合には、LDIN命令を実行する処理に戻る。決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、予告パターンの決定値を格納してから、判定値比較処理を終了する。このように、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、決定条件が成立した場合であるとして、Cレジスタの保持データに示される決定値が割り当てられた予告パターンを、使用パターンとして決定する。
決定用乱数値となる予告パターン決定用の乱数値は、「0」〜「100」の範囲の値をとるように更新される。図20に示すステップS452の処理で図22(A)に示すような選択例に従い選択された予告パターン決定テーブルを用いて、ステップS454で判定値比較処理を実行する。こうして、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されたときに、決定条件が成立して、Cレジスタの保持データが示す予告パターンの決定値を、使用パターンとなる予告パターンの決定値とすることができる。
例えば図23に示すテーブルYT2が選択された場合には、ステップS454の判定値比較処理で最初にLDIN命令が実行されることにより、第1グループに対応して設けられた特定アドレスにおける基準予告パターンの決定値「27H」を示す第1データをCレジスタに設定した後に、その特定アドレスの次アドレスにおける処理回数「5」を示す第2データをBレジスタに設定してから、ポインタとなるHLレジスタの保持データが第1グループに対応して設けられたパターン判定値の記憶領域における先頭アドレスを指定する。続いて、決定用乱数値としてAレジスタが保持する予告パターン決定用の乱数値を、HLレジスタの保持データが示すアドレスにおけるパターン判定値「9」と比較し、決定用乱数値がパターン判定値より小さいか否かを判定する。決定用乱数値がパターン判定値より大きい場合やパターン判定値と等しい場合には、HLレジスタの保持データをインクリメント(1加算)することで第1グループに対応して設けられたパターン判定値の読出位置を1加算する。また、Cレジスタの保持データが示す予告パターンの決定値を1加算して「28H」とし、Bレジスタの保持データが示す処理回数を1減算して「4」となることで、決定用乱数値とパターン判定値との比較処理に戻る。このときには、決定用乱数値となる予告パターン決定用の乱数値を、HLレジスタの保持データが示すアドレスにおけるパターン判定値「20」と比較し、決定用乱数値がパターン判定値より小さいか否かを判定する。このような、比較、判定、レジスタ値更新の処理は、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されるまで、またはBレジスタの保持データが示す処理回数が「0」になるまで、繰り返し実行される。
図23に示すテーブルYT2において、第1グループに対応して設けられた第2データが示す処理回数は「5」であり判定値データが示すパターン判定値として「9」から「90」までの5通りの数値が設定されている。また、第2グループに対応して設けられた第2データが示す処理回数は「1」であり判定値データが示すパターン判定値として「96」の数値が設定されている。第3グループに対応して設けられた第2データが示す処理回数は「1」であり判定値データが示すパターン判定値として「99」の数値が設定されている。第4グループに対応して設けられた第2データが示す処理回数は「1」であり判定値データが示すパターン判定値として「100」の数値が設定されている。このように、第1グループに対応して設けられた第2データが示す処理回数や判定値データが示すパターン判定値の個数は、第2〜第4グループに対応して設けられた第2データが示す処理回数や判定値データが示すパターン判定値の個数よりも多くなるように設定されている。判定値比較処理では、複数のグループのうちで1のグループに対応する判定値データが示すパターン判定値の全部を用いて決定用乱数値と比較しても決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されなかった場合に、次のグループに対応する判定値データが示すパターン判定値を用いて決定用乱数値との比較を行うために、LDIN命令に基づくレジスタ設定処理が実行される。したがって、処理回数やパターン判定値の個数が少ないグループは、LDIN命令の実行により基準変動パターンの決定値や処理回数を設定した後に、決定用乱数値とパターン判定値との比較処理が実行される回数が少なく、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定されずに次のグループに対応するLDIN命令を実行する必要が生じる可能性は高くなる。これに対し、図23に示すテーブルYT2のように、処理回数やパターン判定値の個数が多いグループについて、処理回数やパターン判定値の個数が少ないグループよりも優先して、決定用乱数値とパターン判定値との比較処理が実行されるようにテーブルデータなどを構成することで、グループの変更に伴うLDIN命令の実行回数を抑制して、処理負荷の増大を防止することができる。
図24は、予告パターンの決定例を示している。例えば図22(A)に示す可変表示内容が「大当り」の場合には、図23に示されたテーブルYT2を用いることで、図24に示す可変表示内容が「大当り」の場合における決定用乱数範囲に対応した予告パターンを決定することができる。図24に示す決定用乱数範囲は、予告パターン決定用の乱数値が属する範囲である。予告パターン決定用の乱数値は、図20に示すステップS453の処理により抽出され、Aレジスタに設定された保持データで示される。
図25は、可変表示中演出処理として、図16のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS471)。一例として、ステップS471の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS471にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS471;No)、予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS472)。予告演出実行期間は、例えば図17(A)に示すステップS303の処理で予告パターンに対応して決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS472にて予告演出実行期間である場合には(ステップS472;Yes)、予告演出を実行する制御を行う(ステップS473)。ステップS473の処理では、例えば予告パターンに対応する演出制御パターンから演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置により予告演出が実行されればよい。
ステップS472にて予告演出実行期間ではないと判定された場合や(ステップS472;No)、ステップS473の処理を実行した後には、リーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS474)。リーチ演出実行期間は、例えば図17(A)に示すステップS303の処理で変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS474にてリーチ演出実行期間である場合には(ステップS474;Yes)、リーチ演出を実行する制御を行う(ステップS475)。ステップS474にてリーチ演出実行期間ではないと判定された場合や(ステップS474;No)、ステップS475の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS476)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS471にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS471;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS477)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS477;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS477にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS477;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS478)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS479)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS480)、可変表示中演出処理を終了する。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御する場合の制御態様として、特図変動時間などを定める変動パターンを決定するために、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103によって、図5に示すような変動パターン設定処理が実行される。この変動パターン設定処理は、ステップS264の判定値比較処理を含み、図12に示すステップS401の処理として、LDIN命令に基づくレジスタ設定処理を実行可能にする。LDIN命令に基づくレジスタ設定処理では、例えば図8に示すアドレスADD_TBL0、ADD_TBL0_1のように、ROM101の所定領域における特定アドレスに記憶された第1データをCレジスタに設定した後に、その特定アドレスの次アドレスに記憶された第2データをBレジスタに設定する。続いて、図12に示すステップS402〜S405の処理を実行することで、複数の変動パターンに対応して予め設定されたパターン判定値を示す判定値データを用いた比較、判定、レジスタ設定などが行われる。ROM101の所定領域における特定アドレスに記憶された第1データは、制御態様に対応した変動パターンを決定する基準となる決定値として、基準変動パターンの決定値を示している。特定アドレスの次アドレスに記憶された第2データは、ステップS402〜S405の処理を実行する上限実行回数として、処理回数を示している。図8に示された変動パターン決定テーブルにおいて、第1パターン判定値#1、#2、・・・や第2パターン判定値#1、#2、・・・などを示す判定値データは、第2データの記憶アドレスと連続するアドレスに記憶されている。図12に示す判定値比較処理では、ステップS401の処理を実行して基準変動パターンの決定値と処理回数とを設定した後に、ステップS406にてBレジスタの保持データが示す処理回数が「0」になるまで、ステップS402〜S405の処理を繰り返し実行可能である。
例えば図9に示されたテーブルTA1−1〜TA1−3や図10に示されたテーブルTA2−1〜TA2−3や図11に示されたテーブルTB1、TB2のように、変動パターン決定テーブルのテーブルデータに含まれる判定値データは、決定対象となる複数の変動パターンに対応して予め設定された複数のパターン判定値を示している。図12に示す判定値比較処理では、図5に示すステップS263の処理で決定用乱数値として設定された変動パターン決定用の乱数値MR3と、判定値データに示される複数のパターン判定値のうちいずれかのパターン判定値とを用いて、ステップS402の処理などを繰り返し実行可能である。ステップS404の処理ではパターン判定値の読出位置が1加算されるので、変動パターン決定テーブルにおいて予め定められた判定値データの構成に応じた順序で、複数のパターン判定値を決定用乱数値と比較する処理が実行可能になる。ステップS402の処理に続いて実行されるステップS403の処理において、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、決定条件を満たさない場合であるとしてステップS405の処理を実行することで、Cレジスタにおける保持データの値を1加算する。これにより、ステップS403の処理で決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、Cレジスタにおける保持データが変動パターンの決定値を示すことになり、ステップS407の処理を実行してCレジスタの保持データをAレジスタに転送することなどにより、変動パターンの決定値を格納することができる。こうして、変動パターン決定テーブルのテーブルデータに含まれる第1データで示される基準変動パターンの決定値と、図12に示すステップS402〜S405の処理を実行した回数とに基づいて、データ容量の増大を防止しつつ、変動パターンを容易に決定することができる。
例えば図8に示すような変動パターン決定テーブルでは、決定対象となる複数の変動パターンについて、対応する決定値が連続(1ずつ増加)するように区分けした複数のグループ毎に、基準変動パターンの決定値を示す第1データと、処理回数を示す第2データと、パターン判定値を示す判定値データとが設けられている。これにより、決定対象となる複数の変動パターンのうちで連続する決定値が割り当てられた変動パターンについては、図12に示すステップS401のLDIN命令に基づくレジスタ設定処理を1回実行した後に、ステップS402〜S405の処理による決定用乱数値とパターン判定値との比較や判定などを繰り返し実行可能になり、効率よく様々な変動パターンに決定することができる。
そして、例えば図9(A)に示すテーブルTA1−1を用いて変動パターンを決定するときには、第1〜第3グループといった複数のグループのうちで、判定値データに示されるパターン判定値の数値範囲が広い第1グループについて、パターン判定値の数値範囲が狭い第2グループや第3グループよりも優先して、図12に示すステップS402〜S405の処理が実行される。これにより、決定対象となる変動パターンが区分けされたグループを変更するためにステップS401のLDIN命令に基づくレジスタ設定処理が実行される回数を抑制して、変動パターンを決定するための処理負担が増大することを防止できる。
例えば図9(A)に示すテーブルTA1−1において第2グループに対応して設けられた判定値データや図10(D)に示すテーブルTA2−4における判定値データのように、判定値データが1の変動パターンに対応するパターン判定値のみを示す場合でも、特定アドレスに記憶される第1データとして基準変動パターンの決定値を示すデータが設けられるとともに、特定アドレスの次アドレスに記憶される第2データとして処理回数を示すデータが設けられる。こうして、判定値データで示されるパターン判定値の個数にかかわらず、共通の判定値比較処理を実行して変動パターンを決定可能にすることで、プログラム容量が増大することを防止できる。
また、パチンコ遊技機1における演出の実行を制御する場合の制御態様として、予告演出の演出態様などを定める予告パターンを決定するために、演出制御用CPU120によって、図20に示すような予告演出決定処理が実行される。この予告演出決定処理は、ステップS454の判定値比較処理として、図12に示された処理と同様の処理を含み、LDIN命令に基づくレジスタ設定処理を実行可能にする。この場合には、例えば図22(B)に示すアドレスADD_YTB0、ADD_YTB0_1のように、ROM121の所定領域における特定アドレスに記憶された第1データをCレジスタに設定した後に、その特定アドレスの次アドレスに記憶された第2データをBレジスタに設定する。続いて、図12に示されたステップS402〜S405と同様の処理を実行することで、複数の予告パターンに対応して予め設定されたパターン判定値を示す判定値データを用いた比較、判定、レジスタ設定などが行われる。ROM121の所定領域における特定アドレスに記憶された第1データは、制御態様に対応した予告パターンを決定する基準となる決定値として、基準予告パターンの決定値を示している。特定アドレスの次アドレスに記憶された第2データは、決定用乱数値やパターン判定値を用いた処理の上限実行回数として、処理回数を示している。図22(B)に示された予告パターン決定テーブルにおいて、第1パターン判定値#1、#2、・・・や第2パターン判定値#1、#2、・・・などを示す判定値データは、第2データの記憶アドレスと連続するアドレスに記憶されている。図20に示すステップS454の判定値比較処理では、LDIN命令に基づくレジスタ設定処理を実行して基準予告パターンの決定値と処理回数とを設定した後に、Bレジスタの保持データが示す処理回数が「0」になるまで、決定用乱数値やパターン判定値を用いた処理を繰り返し実行可能である。
例えば図23に示されたテーブルYT2のように、予告パターン決定テーブルのテーブルデータに含まれる判定値データは、決定対象となる複数の予告パターンに対応して予め定められた複数のパターン判定値を示している。図20に示すステップS454の判定値比較処理では、ステップS453の処理で抽出されて決定用乱数値に設定された予告パターン決定用の乱数値と、判定値データに示される複数のパターン判定値のうちいずれかのパターン判定値とを用いた処理を、繰り返し実行可能である。そして、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、図12に示すステップS404の処理と同様にパターン判定値の読出位置を1加算するので、予告パターン決定テーブルにおいて予め定められた判定値データの構成に応じた順序で、複数のパターン判定値を決定用乱数値と比較する処理が実行可能になる。決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、決定条件を満たさない場合であるとして、図12に示すステップS405の処理と同様にCレジスタにおける保持データの値を1加算する。これにより、決定用乱数値がパターン判定値より小さいと判定された場合には、Cレジスタにおける保持データが予告パターンの決定値を示すことになり、図12に示すステップS407の処理と同様にCレジスタの保持データをAレジスタに転送することなどにより、予告パターンの決定値を格納することができる。こうして、予告パターン決定テーブルのテーブルデータに含まれる第1データで示される基準予告パターンの決定値と、決定用乱数値をパターン判定値と比較する処理などの実行回数とに基づいて、データ容量の増大を防止しつつ、変動パターンを容易に決定することができる。
例えば図22(B)に示す予告パターン決定テーブルでは、決定対象となる複数の予告パターンについて、対応する決定値が連続(1ずつ増加)するように区分けした複数のグループ毎に、基準予告パターンの決定値を示す第1データと、処理回数を示す第2データと、パターン判定値を示す判定値データとが設けられている。これにより、決定対象となる複数の予告パターンのうちで連続する決定値が割り当てられた予告パターンについては、LDIN命令に基づくレジスタ設定処理を1回実行した後に、決定用乱数値とパターン判定値との比較や判定などを繰り返し実行可能になり、効率よく様々な変動パターンに決定することができる。
例えば図23に示すテーブルYT2を用いて予告パターンを決定するときには、第1〜第4グループといった複数のグループのうちで、判定値データが示すパターン判定値の個数が多い第1グループ、すなわち、区分けされた予告パターンの数が多い第1グループについて、判定値データが示すパターン判定値の個数が少ない第2〜第4グループ、すなわち、区分けされた予告パターンの数が少ない第2〜第4グループよりも優先して、決定用乱数値とパターン判定値との比較や判定などが実行される。これにより、決定対象となる変動パターンが区分けされたグループを変更するLDIN命令に基づくレジスタ設定処理が実行される回数を抑制して、変動パターンを決定するための処理負担が増大することを防止できる。
例えば図23に示すテーブルYT2において第2〜第4グループに対応して設けられた判定値データのように、判定値データが1の予告パターンに対応するパターン判定値のみを示す場合でも、特定アドレスに記憶される第1データとして基準予告パターンの決定値を示すデータが設けられるとともに、特定アドレスの次アドレスに記憶される第2データとして処理回数を示すデータが設けられる。こうして、判定値データで示されるパターン判定値の個数にかかわらず、共通の判定値比較処理を実行して予告パターンを決定可能にすることで、プログラム容量が増大することを防止できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、変動パターンを決定する場合と、予告パターンを決定する場合に、図12に示すような判定値比較処理を実行して変動パターンや予告パターンを決定可能にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、変動パターンと予告パターンとのうち、いずれか一方を決定する場合にのみ判定値比較処理の実行による決定が行われ、他方を決定する場合には判定値比較処理の実行による決定が行われないように構成されたものであってもよい。
あるいは、変動パターンや予告パターンを決定する場合に限定されず、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御する場合の制御態様と、パチンコ遊技機1における演出の実行を制御する場合の制御態様とのうち、少なくともいずれか一方の制御態様について、図12に示すような判定値比較処理を実行することで、制御態様を複数態様のいずれかに決定可能とするものであってもよい。一例として、図4に示すステップS243の処理で決定される大当り種別について、図12に示すような判定値比較処理を実行することで、大当り種別を複数種別のいずれかに決定可能とするものであってもよい。大当り種別は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数や各ラウンドにおける大入賞口の開放態様(開放状態とする上限時間、開放回数など)、大当り遊技状態の終了後に制御される遊技状態(時短制御や確変制御の有無、制御期間など)に応じて、複数種別が予め定められていればよい。この場合には、複数の大当り種別に連続する決定値が割り当てられるように設定する。また、大当り種別決定テーブルにおいて、基準大当り種別の決定値を示す第1データと、処理回数を示す第2データと、種別判定値を示す判定値データとが設けられ、第1データが特定アドレスに記憶され、第2データが特定アドレスの次アドレスに記憶され、判定値データが第2データの記憶アドレスと連続するアドレスに記憶されるように構成すればよい。その他、例えば図4に示すステップS244の処理で決定される確定特別図柄、図17(A)に示すステップS301の処理で決定される最終停止図柄など、パチンコ遊技機1における任意の制御態様について、図12に示すような判定値比較処理を実行することで、制御態様を複数態様のいずれかに決定可能なものであればよい。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が乱数値を用いて可変表示内容の判定を行い、その判定結果を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果コマンド)が演出制御基板12の側に送信されて、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120などにより先読み予告演出を実行可能にしてもよい。これに対し、例えば主基板11の側では、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が乱数値を示す演出制御コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行い、演出制御基板12の側では、主基板11からの演出制御コマンドに示された乱数値を用いて大当り判定などを行い、その判定結果に基づいて先読み予告演出が実行できるようにしてもよい。このように、始動入賞が発生した始動入賞時などのように、大当り遊技状態などの有利状態に制御するか否かを決定するより前に有利状態に制御されるか否かを判定する処理は、主基板11の側で実行されるものに限定されず、演出制御基板12の側で実行されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連変動の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、図4に示すステップS242の処理にて決定される大当り種別に「確変」が含まれており、大当り種別の決定結果が「確変」であることに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。このようなパチンコ遊技機1において、遊技の進行を制御する場合の制御態様と、演出の実行を制御する場合の制御態様とのうち、少なくともいずれか一方の制御態様について、図12に示すような判定値比較処理を実行することで、制御態様を複数態様のいずれかに決定可能なものであればよい。
この発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、スロットマシンにおける遊技の進行を制御する場合の制御態様と、スロットマシンにおける演出の実行を制御する場合の制御態様とのうち、少なくともいずれか一方の制御態様について、図12に示すような判定値比較処理を実行することで、制御態様を複数態様のいずれかに決定可能なものであればよい。一例として、入賞役を予め定められた複数の小役のいずれかに決定する場合に、上記実施の形態と同様の判定値比較処理を実行することで、複数の小役のいずれかに決定可能とするものであってもよい。他の一例として、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されるARTにて実行可能な上限ゲーム数を予め定められた複数通りのゲーム数のいずれかに決定する場合に、上記実施の形態と同様の判定値比較処理を実行することで、いずれかのゲーム数に決定可能とするものであってもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上に説明したように、上記実施の形態では、変動パターンや予告パターンなどに対応する制御態様を決定するために、図12に示すような判定値比較処理を実行可能とし、特定命令として、ROM101やROM121の特定アドレスに記憶された第1データをCレジスタに設定した後に、特定アドレスに記憶された第2データをBレジスタに設定するLDIN命令に基づくレジスタ設定処理を実行する。また、図12に示すステップS402〜S405の処理として、判定値データを用いた処理が実行される。特定アドレスに記憶された第1データは、制御態様を決定する基準となる決定値を示し、特定アドレスの次アドレスに記憶された第2データは、判定値データを用いた処理の上限実行回数を示し、判定値データは、第2データの記憶アドレスと連続するアドレスに記憶されている。こうして、第1データに示される決定値と判定値データを用いた処理の実行回数とに基づいて制御態様を決定可能にすることで、データ容量が増大することを防止できる。
判定値データは、例えば複数の変動パターンといった、複数態様の制御態様に対応して予め設定された複数種類の判定値を示し、例えば図3に示すステップS101の処理で抽出された乱数値と判定値データに示されるいずれかの判定値とを用いた処理を、予め定められた順序で繰り返し実行可能にする。このとき、判定値データを用いた処理の実行結果が決定条件を満たさなければ、例えば図12に示すステップS405の処理によりCレジスタにおける保持データの値を1加算することで、制御態様の決定が容易になる。
図8に示すような変動パターン決定テーブルや、図22(B)に示すような予告パターン決定テーブルでは、決定対象となる複数の変動パターンや予告パターンといった制御態様を区分けした複数の制御態様グループ毎に、第1データと、第2データと、判定値データとが設けられている。これにより、効率よく様々な制御態様に決定することができる。
例えば図9(A)に示すテーブルTA1−1のように、第1〜第3グループといった複数の制御態様グループのうちで、判定値データに示される判定値の数値範囲が広い制御態様グループについて、判定値の数値範囲が狭い制御態様グループに優先して、判定値データを用いた処理を実行する。これにより、処理負担が増大することを防止できる。
例えば図23に示すテーブルYT2のように、第1〜第4グループといった複数の制御態様グループのうちで、区分けされた制御態様の数が多い制御態様グループについて、区分けされた制御態様が少ない制御態様グループに優先して、判定値データを用いた処理を実行する。これにより、処理負担が増大することを防止できる。
例えば図10(D)に示すテーブルTA2−4における判定値データのように、判定値データが1の制御態様に対応する判定値のみを示す場合でも、特定アドレスには第1データが記憶されるとともに、特定アドレスの次アドレスには第2データが記憶される。これにより、共通の判定値比較処理で制御態様を決定可能にして、プログラム容量が増大することを防止できる。