JP2013042987A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技チップ、払出チップに対する不正の可能性が高いことを外部に報知する。
【解決手段】遊技チップは、チップIDを有し、それを払出チップへ送信する。払出チップは、チップIDを受信するとともに遊技チップに制御情報を送信する。払出送受信制御手段が受信した遊技チップのチップID及び払出チップのチップIDを遊技機外の外部装置に出力し、終了すると遊技チップに完了指令を送信する。遊技チップは、完了指令の受信に基づいて遊技制御を開始する。払出チップは、遊技チップのチップIDを記憶保持する。遊技チップから出力指示を受信すると、記憶されている遊技チップのチップID及び払出チップのチップIDを外部装置に出力する。遊技チップが外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する。遊技機状態信号に対応させてチップIDの出力を指示する。
【選択図】図4

Description

本発明は、遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能な遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このような従来の遊技機では、遊技機用演算処理装置を有する制御装置等に対して不正が行われた可能性が高いことを外部に知らせるために、例えば、ガラス枠や全面枠が開放されたことを示す信号を外部へ出力する遊技機がある(特許文献1)。
特開2008−272342号公報
しかしながら、ガラス枠等が開放されたことを示す信号を出力しているだけでは、遊技機に対して不正がされた可能性があることを報知することはできるが、遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正がされたことの可能性を高めるものとはなっていなかった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報記憶部が記憶する前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行う個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す完了指令を前記制御情報として送信し、
前記遊技演算処理装置は、前記払出送受信制御手段から前記完了指令を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする。
ここで、遊技演算処理装置は、遊技制御装置を構成する演算処理装置(遊技用マイコン、遊技チップ)であって、CPU、RAM、ROM、送受信回路等を有する。
払出演算処理装置は、払出制御装置を構成する演算処理装置(払出用マイコン、払出チップ)であって、CPU、RAM、ROM、送受信回路等を有する。
個体識別情報とは、当該マイコンを他のマイコンと識別するためのチップIDコード(チップID)であって、同じチップIDコードを有するものはほかになく、また、書き換えられることがないものである。
遊技個体識別情報は、遊技演算処理装置の個体識別情報(遊技チップのチップID)である。
払出個体識別情報は、払出演算処理装置の個体識別情報(払出チップのチップID)である。
外部装置は、情報収集端末、管理装置(ホールコンピュータ)等である。
請求項1に記載の発明によれば、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置や払出制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。つまり、不正の可能性や不正発生時の状況が判定できる情報(遊技機状態信号に対応した個体識別情報)が外部装置側に出力可能である。
遊技制御開始前に払出制御装置に個体識別情報を送信し、払出制御装置から外部装置に個体識別情報を出力するようにしたので、電源投入後においても外部装置へ個体識別情報を出力する必要があるような場合に遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
本発明によれば、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置や払出制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。つまり、不正の可能性や不正発生時の状況が判定できる情報(遊技機状態信号に対応した個体識別情報)が外部装置側に出力可能である。
遊技制御開始前に払出制御装置に個体識別情報を送信し、払出制御装置から外部装置に個体識別情報を出力するようにしたので、電源投入後においても外部装置へ個体識別情報を出力する必要があるような場合に遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
遊技機の実施形態を示す斜視図である。 遊技盤の一例を示す正面図である。 実施形態の遊技機の裏面図である。 実施形態の遊技機の制御システムのブロック図である。 実施形態の遊技制御装置(払出制御装置)に用いられているCPUのブロック図である。 遊技制御装置側のメイン処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置側の固有情報送信例である。 遊技制御装置側の固有情報送信処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置側のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置側の特図ゲーム処理を示すフローチャートである。 払出制御装置側のメイン処理を示すフローチャート2枚のうちの1枚目である。 払出制御装置側のメイン処理を示すフローチャート2枚のうちの2枚目である。 払出制御装置側の受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置側の固有情報解析処理を示すフローチャートである。 払出制御装置側のRAMマッピングを示す図である。 電源投入時の各装置間の流れを示すフローチャートである。 遊技制御装置側の外部情報編集処理を示すフローチャート2枚のうちの1枚目である。 遊技制御装置側の外部情報編集処理を示すフローチャート2枚のうちの2枚目である。 遊技制御装置側の固有情報設定処理を示すフローチャートである。 払出制御装置側の固有情報送信処理を示すフローチャートである。 個体識別情報の出力タイミングを示すタイミングチャートである。 遊技機状態信号出力時の各装置間の流れを示すフローチャートである。 変形例1における遊技制御装置側の固有情報設定処理を示すフローチャートである。 変形例1における個体識別情報の出力タイミングを示すタイミングチャートである。 変形例2における遊技制御装置側の固有情報設定処理を示すフローチャートである。 変形例2における遊技制御装置側の外部情報編集処理を示すフローチャート2枚のうちの1枚目である。 変形例2における遊技制御装置側の外部情報編集処理を示すフローチャート2枚のうちの2枚目である。 変形例2におけるタイミングチャートである。
次に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。枠装飾装置18は、半透明なプラスチックなどで形成され前面枠のほぼ全域にわたって発光可能に構成されているとともに、内蔵ランプには3原色である赤、青、緑それぞれの色を発光可能なLEDがセット(組)でマトリックス状に配置されたものが使用され、多色カラー発光が可能にされている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵穴26が設けられている。演出ボタン25は、内部に複数の検出スイッチを備え押圧することで入力とするプッシュ機能の他、傾動操作することでカーソルを上下、左右へシフトすることを指示可能なシフト操作機能を備えているものが望ましい。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2,4参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を反映させた演出やシステムへのログイン、ログアウト等を行わせることができる。
さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、実施形態における遊技盤30の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための球検出手段としての入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する球検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下隅)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ(センサ)36aと始動口2スイッチ(センサ)37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は実施形態の遊技機の裏面図である。遊技機10は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置100、この遊技制御装置100の制御下で賞球の払い出しの制御を行う払出制御装置200、各種の演出に関する制御を行う演出制御装置300、発射装置による遊技球の発射を制御する発射制御装置600、電力を供給する電源装置400、管理装置(外部装置) 800に対して外部情報、賞球信号(そして、図4、図16、図22などを参照しつつ後述するように遊技制御装置のCPUのID、払出制御装置のCPUのID)を出力する端子が設けられた外部情報端子板500を備えている。遊技制御装置100、払出制御装置200を構成する基板は、主基板であり、演出制御装置300、発射制御装置600を構成する基板はサブ基板である。
これらの各基板は次のように遊技機に取り付けられている。
図3に示すように、演出制御装置300のうち、表示装置41における表示データなど機種に依存するデータが記憶されたROMが設けられた基板は、遊技盤30の裏面側であって(前面枠本体の裏面側に取り付けられた)裏面構成部材160の開口部に臨む位置に取り付けられ、さらにその後側に遊技を制御する遊技制御装置100がボックスに収納された状態で取り付けられている。そして、演出制御装置300のうち複数の機種で共通使用可能な回路を有する基板は、裏面構成部材160に取り付けられている。また、排出装置190による賞球の払い出しを制御する払出制御装置200、遊技機10内の各装置に電力を供給する電源装置400は、それぞれボックスに収納された状態で、前面枠本体の裏面側であって開口部の下側となる位置に取り付けられている。外部情報端子板500は、貯留タンク192の(遊技機裏面から見て)右側であって、前面枠本体の上端に近い部分に取り付けられている。発射制御装置600、カードユニット接続基板700、操作パネル基板710(図4参照)も前面枠本体に取り付けられている。
すなわち、機種に依存して異なる内容を有する基板は遊技盤30に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な基板は前面枠本体もしくは裏面構成部材160に取り付けられている。よって、遊技盤30を変更することにより機種に依存する基板のみが交換され、遊技機10の遊技内容を変更することが可能である。遊技制御装置100は、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111の中のROM111Bに遊技プログラムが記憶されていて、その内容は遊技機の機種ごとに異なるものであるので、機種に依存して異なる内容を有する基板である。
図3に示すように、裏面構成部材160には、表示装置41の他、表示装置41を制御する演出制御装置300、賞球などを排出する排出装置190、排出装置190に遊技球を供給する貯留タンク192やシュート195が取り付けられている。
裏面構成部材160の前面の左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機10の裏面側から見て右側の側部に設けられた取付部材にヒンジ機構を介して回動可能に軸支されており、前面枠本体に形成された開口部の上側略半分を裏面側から覆って遊技盤30の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して開口部の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。
本体部には、裏面構成部材160が遊技盤30の裏面に臨む状態において、前面側(遊技盤30の裏面に臨む側)に開口する矩形箱状の凹部である表示ユニット配設部が形成されている。また、裏面構成部材160の裏面側から見て、表示ユニット配設部の右側に隣接して、裏面側に開口する矩形箱状の凹部である排出装置配設部が形成されている。
図4は、実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備える。遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、CPU、RAM、ROM等を有する遊技用マイクロコンピュータ(以下、図4において遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部と、入力ポートを有する入力部と、出力ポートやドライバなどを有する出力部、CPU部と入力部と出力部との間を接続するデータバスなどからなる。CPUは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAMは、普通変動入賞装置37内に設けられた始動口センサのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPUの作業領域等を備えている。ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図の変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図の変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
上記CPU部は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111に入力させるインバータなどからなる反転回路と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
出力部におけるインタフェースには、CPUから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38の駆動手段としての各種開閉ソレノイド37c、38b、演出制御装置300、一括表示装置50、賞球の払出を制御する払出制御装置200などに出力されている。
遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内に格納された遊技制御用プログラムを読み込んで実行し、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成し、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成する。そして生成された制御信号、駆動信号を出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路608(図5参照)と、発振回路からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路608の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータ609(図5参照)を備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(図10参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは電サポ動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111の入力部には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)が設けられている。近接I/Fは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111の入力部は、第1入力ポート、第2入力ポートと二つの入力ポートを有している。近接I/Fの出力は第2入力ポートへ供給されデータバスを介して遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111に読み込まれるとともに、遊技制御装置100から試射試験装置99へ供給されるようになっている。また、近接I/Fの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポートの他、反転回路を介して遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111へ入力されるように構成されている。反転回路を設けているのは、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路を設けずに直接遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/Fは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/Fには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポートが保持しているデータは、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が第2入力ポートに割り当てられているアドレスをデコードし、イネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
また、入力部には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111等に入力するためのシュミットトリガ回路が設けられており、シュミットトリガ回路はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポートに入力され、データバスを介して遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部を介さずに直接中継基板に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、中継基板を介してリセット信号RSTを試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部の各ポートには供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111によって出力部の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部の各ポートから遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が読み込んだデータは、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部は、データバスに接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポートと、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポートとを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200へはシリアル通信で払出制御に関するコマンドと後述するチップIDコードを送信する。遊技制御装置100から演出制御装置300へは、パラレル通信で演出制御に関するコマンドが送信される。また、出力部には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポートからの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポートからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファが設けられている。
さらに、出力部には、データバスに接続された認定機関の試射試験装置99へ中継基板を介して、変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを出力するバッファが実装可能に構成されている。このバッファは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/Fから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファを通さずに中継基板を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバスからバッファ、中継基板を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板には、上記バッファから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板上のポートには、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部には、データバスに接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板500へ出力するための第5出力ポートが設けられている。外部情報端子板500から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や管理装置800(ホールコンピュータ)に供給される。
さらに、出力部には、第3出力ポートから出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成・出力し、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成・出力する第1ドライバ(駆動回路)、第3出力ポートから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ、第4出力ポートから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ、第5出力ポート137から管理装置(外部装置) 等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板500へ出力する第4ドライバが設けられている。
上記第1ドライバには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板500へ出力する第4ドライバは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファや第3出力ポート、第1ドライバ等は、遊技制御装置100の出力部、即ち、主基板ではなく、中継基板側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部には、外部の検査装置へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するための検査装置接続端子(フォトカプラ)199が設けられている。検査装置接続端子(フォトカプラ)199は、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が検査装置との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポートのようなポートは設けられていない。払出制御装置200にも、この検査装置接続端子(フォトカプラ)299が設けられている。
図4に示すように遊技制御装置100から外部情報端子板500へ向けて供給する外部情報信号は、払出制御装置200を通過して(基板上のパターンを電気信号が素通りして)送られる。それに対してチップIDコードについては、払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置)111の受信バッファに取り込まれた上で、払出用マイコン(払出演算処理装置)111により送信バッファに設定され、外部情報端子板500に向けて送られる(図16参照)。この外部情報信号もまた双方向シリアル通信により行われる。
外部情報信号は、具体的には、磁石、大入賞口、普電不正エラー信号(セキュリティ信号)、扉又は枠開放信号、大当り信号、始動口入賞信号、図柄確定回数信号であり、これらがどのようにして編集処理がなされるかについては、図17,18等を参照しつつ後述する。
払出制御装置200は、CPU211A、ROM211B、RAM(受信情報記憶部)211C、入力インタフェース、出力インタフェース等を有する払出用マイコン(払出演算処理装置)211を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(賞球コマンドやデータ)や、球貸機(カードユニット720)からの制御信号(球貸しコマンド、貸球要求信号)に基づいて所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出装置190の払出モータ191から排出させる制御を行う。
払出制御装置200の入力部には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ(ガラス枠開放SW)63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ(前面枠開放SW)64からの信号、異常な電波を検出するセンサ66からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ68からの信号(シュート球切れSW)、払いだされた球を検出する払出球検出SW67からの信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ65からの信号を取り込んでデータバスを介して払出用マイコン211に供給する入力ポートが設けられている。オーバーフロースイッチ65は、貯留タンク192(又は下皿23)に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出するスイッチである。
払出用マイコン211(払出演算処理装置) は、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111と同様にアミューズチップと呼ばれるワンチップマイコンを用いることができる。したがって、上述した遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が有する入力部、出力部と同様の構成を払出マイコン211も有して、同様の作用をすることができる。
磁気スイッチ61、振動スイッチ62、ガラス枠開放スイッチ63、前面枠開放スイッチ64、オーバーフロースイッチ65、電波検知センサ66、払出球検出スイッチ67、シュート球切れスイッチ68のいずれかが異常を検出すると、磁気スイッチ61、振動スイッチ62の場合は遊技制御装置100から払出制御装置200にその信号が送られ、その他のエラー信号の場合には払出用マイコン(払出演算処理装置)111の入力部を介して、払出マイコン211のCPU211Aがその信号を受け取る。そして、そのエラー信号を処理・解析して、所定のルールにしたがって外部情報端子板500を介して管理装置(外部装置) 800へ送る。それとともに、払出制御装置200が備えるエラーナンバー表示器298に、そのエラー内容を数字で表示してエラーの内容を視認できるようにする。遊技場の従業員が当該遊技機にやってきてエラー状態を解消するメンテナンス作業を実行した後に、エラー解除スイッチ297を従業員が操作して復帰させるようになっている。
カードユニット接続基板700は、カードユニット720と払出制御装置200とを接続する役割を果たす基板である。カードユニット720は、遊技機が列設される場合に、遊技機と遊技機との間に設けられるサンドとよばれる台間装置に設けられる玉貸し機のことであり、プリペイドカードを読み込んで残額を認識し、遊技者が球貸しボタン27を用いて消費した額を減算する処理を実行する。また遊技者が排出ボタン28を操作するとカードが排出されるようになっている。操作パネル基板710は、遊技場の従業員が操作して貸し球率(100円で遊技球を25個貸し出すのか、50個貸し出すのか、100個貸し出すのか)を設定する操作を実行するのに用いられる。カードユニット720、操作パネル基板710に必要な電源は電源装置400がカードユニット接続基板700を介して供給するようになっている。
また、発射制御装置600は、発射モータ610による遊技球の発射を制御する。発射制御装置600の主な働きは、遊技制御装置100からの発射許可及び払出制御装置200からの発射許可の双方が肯定的である場合にのみ、操作者による操作ハンドル24の操作により発射モータ610を稼働させて遊技球を発射することを可能にすることである。遊技場の従業員がメンテナンス作業のためなどの目的で発射停止をする必要がある場合に用いるのが発射停止スイッチ630、タッチスイッチ620である。
上述の各制御基板や、遊技機100に備えられた各装置には、電源回路としての電源装置400から電力が供給されるようになっている。
次に、演出制御装置300の構成について、図4を用いて説明する。
演出制御装置300は、演出の制御内容を記憶した制御ROM、画像や映像データが記憶されたCGROM、音データが記憶された音データROMなどの遊技機の機種に依存する記憶内容を有する各種ROMを備えている。
また、制御装置としてのCPU、RAMや、表示装置41における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、グラフィックプロセッサとしてのVDP(video display processor)などを含むビデオ回路、音の出力を制御する音源LSI等の複数の機種において共通使用可能な汎用回路をも備えている。これら演出制御装置300のうち、複数の機種において共通使用可能な回路を有する基板と、機種に依存し機種によって異なる内容をもつ各種ROMを有する基板とを別個に切り離して設けることも可能である。
この演出制御装置300は、遊技制御装置100から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置100の制御の下に)照明装置16,16などによる枠装飾装置18(図4の装LED141)の制御、表示装置41、表示装置41のバックライトの制御、スピーカ19a、19bによる音の出力の制御、エラー報LED241(図4参照)の制御を行う。
演出制御装置300を、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)と、該1stCPUの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)と、該2ndCPUからのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSIを備えるものとして構成する場合について以下説明する。
上記主制御用マイコン(1stCPU)と映像制御用マイコン(2ndCPU)には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROMがそれぞれ接続され、VDPにはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROMが接続され、音源LSIには音声データが記憶された音ROMが接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)は、遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコンへ出力映像の内容を指示したり、音源LSIへの再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)と映像制御用マイコン(2ndCPU)の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)と映像制御用マイコン(2ndCPU)との間、主制御用マイコン(1stCPU)と音源LSIとの間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)との間、主制御用マイコン(1stCPU)とVDPとの間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDPには、画像ROMから読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)や、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路などが設けられている。
VDPから主制御用マイコンへは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDPから映像制御用マイコンへは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT及び映像制御用マイコンからのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコンから主制御用マイコンへは、映像制御用マイコンが正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコンと音源LSIとの間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)には、主制御用マイコン(1stCPU)よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)が設けられている。このコマンドI/Fを介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/Fには信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置を駆動制御する盤装飾LED制御回路、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路(装LED)141、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記照明装置16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路は、アドレス/データバスを介して主制御用マイコン(1stCPU)と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチや上記盤演出装置内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)へ検出信号を入力するスイッチ入力回路、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路が設けられている。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
RAMクリアスイッチ440は、遊技制御装置100内のRAM及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化するスイッチである。初期化スイッチ信号はRAMクリアスイッチ440がオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111内のRAM111C及び払出用マイコン211内のRAM(受信情報記憶部)211Cに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれる。停電監視信号は遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)や映像制御用マイコン(2ndCPU)として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン、映像制御用マイコン、VDP、音源LSI、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路、スピーカを駆動するアンプ回路に供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコンの有する汎用のポートを利用して、VDPに対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコンとVDPの動作の連携性を向上させることができる。
次に、図5を参照しつつ遊技用マイコンの構成について説明する。図5は、実施形態の遊技制御装置(払出制御装置)に用いられているCPUのブロック図である。上記遊技制御装置100(払出制御装置200)を構成する遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン:アミューズチップ:遊技用演算処理装置)111(払出チップ211も同様の構成を有する)のより具体的な構成を示すブロック図である。この遊技用マイクロコンピュータ600は、遊技制御を行う遊技ブロック600Aと情報管理を行う管理ブロック600Bとに区分され、以下に説明する各回路ブロックを構成する素子が1つ半導体基板上に半導体集積回路(アミューズメントチップ、アミューズチップ)として形成されている。
遊技ブロック600Aは、CPUコア601、ユーザープログラムROM602、ユーザーワークRAM604、外部バスインターフェース606、バス切換え回路607、復号化・ROM書込み回路614、ミラードRAM605、ブートブロック613、リセット割込み制御回路610、アドレスデコーダ611、出力制御回路612、クロックジェネレータ609、乱数生成回路608及びHWパラメータROM603などの機能ブロックを含む。これらの機能ブロックおよび管理ブロック110B間は、CPUバス615によって接続されている。
CPUコア601は、各種のレジスタ群、演算・論理部(ALU)、命令レジスタ(IR)、デコーダ、プログラムカウンタ(PC)、スタックポインタ(SP)、これらを結ぶデータバス、アドレスバス及び各種制御部をコア内に含み、例えば、Z80アーキテクチャで構成される。CPUコア601は、ユーザープログラムROM602に格納されている遊技制御プログラムをロードして実行することによって、遊技機10の制御に必要な各種機能をソフト的に実現する。
ユーザーワークRAM604は、CPUコア601の主記憶に相当し、例えば、S−RAM等の高速半導体デバイスで構成される。また、ユーザーワークRAM604は、遊技ブロック600Aにおける遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。なお、ユーザーワークRAM604は、遊技用マイクロコンピュータ600の端子群の一つに割り当てられた専用の端子を用いてバッテリバックアップ機能を付与できるようになっており、遊技機10の電源オフ後もその記憶内容を保持する。また、ユーザーワークRAM604は、そのチップイネーブルの禁止及び許可が、図示しないプロテクト回路によってコントロールされるようになっており、チップイネーブルの禁止状態中(遊技機10への電源非供給時)は読み出しおよび書き込みのいずれも行うことができない。
外部バスインターフェース606は、外部デバイスとの間で、メモリリクエスト信号、入出力リクエスト信号、メモリ書込信号又はメモリ読出信号及びモード信号等の各種信号の入出力制御を行うための回路である。バス切換え回路607は、図示しない外部バスとチップ内部の上記CPUバス615との間で、アドレス信号およびデータ信号の入出力を可能にするためバスの切換えを行う回路である。例えば、メモリリクエスト信号MREQ又は入出力リクエスト信号IORQをアクティブにした状態でメモリ書込み信号WRをアクティブにすると、所定の外部I/Oに外部データ信号を書き込むことができ、メモリ読出し信号RDをアクティブにすると、所定の外部I/Oから外部データ信号を取り込むことができるようになる。
復号化・ROM書込み回路614は、暗号化されて送られて来たデータを復号したり電気的に書込み可能なユーザープログラムROM602やHWパラメータROM603の書込みに必要な電圧を生成したりタイミングを制御したりする回路である。例えば、モード信号MODEをアクティブにした状態で、外部アドレス信号を順次インクリメントしながら外部データ信号を外から与えると、ユーザープログラムROM602への書込モードとなって遊技機の製造メーカ又は第三者機関による遊技プログラムの書き込みが可能になる。ただし、ユーザープログラムROM602への遊技プログラムの書き込みが終了後に、後述のHWパラメータROM603の所定領域に書込終了コードを記録すると、それ以降はユーザープログラムROM602への遊技プログラムの書き込みができないようになる。モード信号MODEが[H]レベルになっている間、バス切り換え回路607を介してアドレス信号A0〜A15やデータ信号D0〜D7を取り込み、そのデータ信号D0〜D7に含まれる情報(暗号化されたプログラム及び暗号化された変更後の固有ID)を復号化処理した後、バス615を介してユーザープログラムROM602及びHWパラメータROM603に出力する(書き込む)ものである。
バス615はデータバス、アドレスバス及び制御バスを含むものであり、バス615には管理ブロック600Bも接続されている。
ミラードRAM605は、クロックの立ち下がり時にユーザーワークエリアに記憶された情報を複製した情報を記憶する(CPUコアがZ80の場合には、クロックの立ち上がり時に処理を実行するため、同期して動くことがないようにしている)。
リセット割込制御回路610は、外部からの割込み要求信号に応答してCPUコア601に対して割込み要求を行ったり、チップ内部の回路(例えば乱数生成回路)に対して制御信号を送ったり、外部から入力されるリセット信号に応答してCPUコア601をシステムリセットするとともに、遊技用マイクロコンピュータ600の内部の各種リソースを初期状態に設定する信号を生成する回路である。また、リセット割込制御回路610は、ウォッチドッグタイマ(WDT)を含んでいる。リセット割込み制御回路610は、電源装置400の制御信号生成部430が発するリセット信号を受け取るRST端子を有している。
ブートブロック613は、ブートプログラムを格納するROMを備え、遊技用マイクロコンピュータ600のシステムリセット時にこのブートプログラムが立ち上がって、所定の簡易チェックを行う。そして、簡易チェックの結果が正常であれば、プロテクト設定処理を実行した後、遊技プログラムの所定アドレス(CPUコア601のアドレス空間内における所定アドレス(一般に当該アドレス空間の先頭番地0000h))に処理を渡す。
アドレスデコーダ611は、CPUバス615のアドレス情報をデコードして、そのデコード結果に応じて、出力制御回路612を制御する。内蔵デバイス及び内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式及びI/OマップドI/O方式によりデコードする。
出力制御回路612はアドレスデコーダ611からの信号制御を行って外部端子より8ビットのチップセレクト信号(CS0〜CS7)を外部に出力する。
クロックジェネレータ609は、外部から供給されるシステムクロックMCLKと乱数用のクロックEXCLKに基づいて、CPUコア601を含む遊技用マイクロコンピュータ600内の各ブロックに供給する動作クロックとカウンタ用のクロックを生成する。クロックジェネレータ609は、カウンタタイマサーキット(CTC)を含んでいる。
乱数生成回路608は、大当りの判定等に使用される乱数を生成する回路であり、数学的手法(例えば、合同法あるいはM系列法等)を利用して一様性乱数を生成するほか、カウンタ方式で乱数を生成する機能を有している。この実施形態においては、外付けの回路として構成せずにアミューズチップに内蔵してCPUコア601の内部バス615につながる周辺回路として設けたものである。この乱数生成回路608により生成される乱数は、例えば、大当りの抽選に用いられる。また、暗号化送受信回路632が暗号化通信のために乱数を必要とする際にこの乱数生成回路608が乱数を供給することも可能である。なお、払出制御装置210に備わる払出用マイコン211は、乱数生成回路608はなくてもよい。
シリアル送受信回路631及び暗号化送受信回路632は、例えば、遊技制御装置100と払出制御装置200との間で送受信する際に用いられる回路である。SIO接続により非暗号化信号のやりとりを行なうときには、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有するシリアル送受信回路631を用い、暗号化接続により暗号化信号のやりとりを行なうときには、暗号化送受信回路632を用いる。
HWパラメータROM603は、ユーザープログラムROM602へのプログラムの書き込みを禁止するための書込終了コードを記録したり、ユーザーシステム(ハードウェア)に特有のパラメータを設定できるようにするためのもので、電気的に書き込み可能なメモリ(例えばEPROM,EEPROM,フラッシュメモリ等)により構成されている。HWパラメータROM603には、チップIDコードの他に固有情報としてROMコメントが記憶されている。ROMコメントは、例えばメーカ名、製品名、製造年月日などを含む情報である。CPUコア601により直接アクセスすることが禁止されたアクセス禁止領域にROMコメントが書き込まれる。ROMコメントは、アミューズチップの中心的価値が遊技制御プログラム、すなわちユーザープログラムの存在にあると捉えるところから、当該ユーザープログラムが書き込まれた後のアミューズチップを「ROM」と呼ぶ慣習から生まれたネーミングである。アミューズチップのユーザープログラムROM602にユーザープログラムが書き込まれる際に、ROMコメントがHWパラメータROM603に書き込まれる。チップIDコードはユーザープログラムが書き込まれる前に所定の認証機関によって予め書き込まれている。
前述したように、HWパラメータROM603に書き込まれたチップIDコードとROMコメントには、CPUコア601が直接アクセスできない。CPUコア601がROMコメントを扱う手続には管理ブロック600Bの関与が必要となる。ブートブロック613に格納されたブートプログラムが実行される際(電源起動時、システムリセット時)にブートプログラムにより、後述する管理ブロック600BのIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 にHWパラメータROM603の内容がコピーされて、記憶される。そして、ブートプログラムの実行が終わって、ユーザープログラムが起動した後、所定のレジスタを介してCPUコア601がユーザープログラムを実行することによりROMコメントの内容を取得可能となる。
チップコードレジスタ(個体識別情報記憶部)633は、チップIDコードが記憶されたレジスタである。チップIDコードは、当該アミューズチップ(遊技機用マイコン)を識別可能なコードである。同じIDコードを持つものがほかには存在しないように設定されたものとしてチップ製造時に書き込まれるものであり書き換えることができないようになっている。チップIDコードもまた、CPUコア601はHWパラメータROM603に直接アクセスして取得することはできないようになっている。ROMコメントと同様にブートプログラムの実行により管理ブロック600BのIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 に記憶され、チップIDコードはチップコードレジスタを介してユーザープログラムにより取得可能となる。
遊技用マイコン(アミューズチップ)600における情報管理を行う管理ブロック600Bは、管理用プログラムROM(HPGプログラムROM)616、管理用ワークRAM(HPGワークRAM)619、バスモニタ回路618、IDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 、管理用制御回路(HPG)620、外部通信制御回路621及びこれらの回路ブロック間を接続するローカルバス622を含むとともに、バスモニタ回路618がローカルバス622と遊技ブロック600AのCPUバス615の両方に接続されることにより、CPUバス615を介してCPUコア601との間でデータの送受信が行えるように構成されている。
管理用ワークRAM619は、バスモニタ回路618を介して読み込まれた遊技ブロック600Aの情報を一時的に保持するための記憶領域として使用される。バスモニタ回路618は、CPUバス615の状態を監視し、CPUバス615がCPUコア601によって使用されていないときは、必要に応じてCPUバス615を介して遊技ブロック600AのユーザープログラムROM602やユーザーワークRAM604等をアクセスし、所要のデータ(遊技プログラムやユーザーワークRAM604の内容等)を管理ブロック600Bに取り込む。
IDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 には、遊技用マイクロコンピュータ600の識別や正当性の判定のために使用する固有ID(固有情報)が書き込まれる。この固有IDは、バス622および外部通信制御回路621を介して遊技機外部の管理装置(ホールコンピュータ)で読み取ることができる。これによって、管理装置(外部装置) で遊技機の固有IDを監視することができる。具体的には、予め遊技機に設定された固有IDと、管理装置(外部装置) によって読み取られた固有IDとが一致しない場合は、管理装置(外部装置) は、各種信号の入出力を不可能にする。すると、遊技制御装置100に接続された各種装置(例えば、大入賞口ソレノイド38b及び普通変動入賞口ソレノイド37c)や払出制御装置200とCPUコア102との信号の入出力が不可能となり、例えば、スイッチが操作できなくなったり、装飾用ランプが点灯しなかったりして、遊技機に異常が発生したことが明確となる。
また、IDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 には、この固有IDに加えて、遊技種別コード、ランクコード、メーカ番号、機種コード及び検査番号等の各情報が書き込まれている。なお、遊技種別コードは、パチンコ遊技機やスロットルマシン等を区別するための情報であって、例えば、パチンコ遊技機の場合は"P"、スロットルマシンの場合は"G"で表される。ランクコードは、遊技機1の機種ランクコード(第1種、第2種等を区別するためのコード)、メーカ番号当該遊技機1の製造メーカを識別するためのメーカID(又はメーカコード)である。機種コードは、製造メーカが設定する当該遊技機1の製品コードである。検査番号(又は検定コード)は、第三者機関による検査に合格した遊技機1に付与される番号である。
制御回路620は、管理ブロック600Bの動作を制御するもので、バッファメモリを有している。制御回路620は、例えば、バスモニタ回路618を介してCPUコア601の動作を監視し、非動作中に遊技ブロック600AのユーザーワークRAM604に記憶された内容をミラードRAM605へコピーする。また、検査装置からの要求に応答して管理ブロック600BのIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 の内容を外部へ転送したり、プログラム要求に応答してバスモニタ回路618を介してユーザープログラムROM602内のプログラムを外部へ転送したりする。バッファメモリは、転送時のタイミング調節のために用いられる。
外部通信制御回路621は、遊技機の外部に設けられた情報収集端末装置やID検査装置と通信を行う。例えば、情報収集端末装置が接続されている場合は、その情報収集端末装置からの要求に応答して、管理用ワークRAM619やIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 の記憶内容を要求元の情報収集端末装置に転送し、ID検査装置が接続されている場合は、そのID検査装置からの要求に応答して、少なくともIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 に記憶されている固有IDの情報を要求元のID検査装置に転送する。
〔遊技制御装置により行われる遊技制御の概要〕
次に、遊技制御装置100により行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、一括表示装置50に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、一括表示装置50に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
さらに、遊技制御装置100は、高確率状態を、特別遊技状態の終了後所定回数(例えば36回)の特図変動表示ゲームの実行期間に制限する制御(ST制御)を行うようにすることができる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、特定遊技状態として普電サポート状態(電サポ状態)を発生可能である。そして、電サポ状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置(普電)37を通常状態とは異なる状態であって、遊技者にとって有利に動作するように制御する電サポ状態とする制御(電サポ制御)を行う。
具体的には、電サポ状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの当り発生確率が通常の遊技状態より高くなるように制御される。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の電サポ動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また、遊技制御装置100は、電サポ状態で特図変動表示ゲームの変動時間を短くする、つまりゲームの結果が早く確定する時短制御を行う。
さらに、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)ようにしてもよい。また、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回ではなく、2回以上の複数回に設定されても良い。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数を複数回とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。
遊技制御装置100のCPU111Aは、各種入賞口に設けられたセンサから入力される遊技球の検出信号に基づき払出制御装置200に制御信号を出力する。払出制御装置200は、制御信号の入力に基づき排出装置190(図3参照)の払出モータ191を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。また、遊技制御装置100のCPU111Aは所定の入力信号に基づき、払出制御装置200を介して発射制御装置600に制御信号を出力する。発射制御装置600は、制御信号の入力に基づき発射モータ610を制御して遊技球が遊技領域32に発射されるようにする。このように遊技制御装置100は、遊技の進行を制御する制御装置をなし、演出制御装置300が遊技機100における種々の演出を制御する制御装置をなす。
本発明の課題である「不正の可能性が高いことを外部に報知可能な遊技機を提供する」という観点から見るとき重要な役割を果たす制御装置は、遊技制御装置100と払出制御装置200とである。図4に描かれるように、外部情報端子板500を介して管理装置(外部装置) 800にチップIDを含めた情報を送信するのは、遊技制御装置100及び払出制御装置200だからである。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について図6から図10までを参照しつつ説明し、上記払出制御装置200の払出用マイコン211によって実行される制御について図11から図15までを参照しつつ説明する。
遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(図6参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図9参照)とからなる。本発明の特徴である固有情報送信処理(図8参照)は、メイン処理においてなされる処理である。また、例えば、特図ゲーム処理(図10参照)は、タイマ割込み処理においてなされる処理である。メイン処理は、繰り返し実行されるループ処理(図6のS21からS24)を含む。ループ処理のいずれかにおいて、タイマ割込み処理を実行可能とし、そのタイマ割込み処理において遊技者にゲームを行なわせるためである。
なお、ここにいうメイン処理、タイマ割り込み処理のいずれも遊技用マイコン111のユーザープログラムROM602に格納されたユーザープログラム(遊技制御プログラム)をCPUコア601が必要に応じて読み込んで実行することにより実現される処理である。
〔遊技制御装置側のメイン処理における電源投入時の処理(S1〜S5)〕
遊技制御装置側のメイン処理は、電源が投入され、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111のブートプログラムが簡易チェック、管理ブロックへのチップIDコード・ROMコメントのコピー、セキュリティの設定などの処理を実行して、遊技用マイコン内部の回路がすべてCPUコア601の制御対象となって機能する準備ができた後に、遊技プログラム(ユーザープログラム)の所定アドレスに処理が渡され、必要なユーザープログラムが読み込まれることによって開始される。
このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行なってから、CPUの初期設定処理を行う(ステップS2)。CPUの初期設定処理は、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定を含む。
次に、払出制御装置200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS3)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS4)、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS5)。
〔遊技制御装置側のメイン処理における電源投入時の固有情報送信処理(S6、S801〜S808、S7)〕
次に、固有情報送信処理を実行する(S6)。固有情報は、電源投入時(停電復旧時)にあっては、メーカーコード、製品コード、チップコード(個体識別情報、遊技用マイコンのチップIDコード)を含む情報であって、図7の固有情報送信例の左半分に記載されるように20バイトからなる情報である。そして、遊技機状態信号出力時(枠開放時、大当り時等)にあっては、チップコード(個体識別情報)を含む情報であって、図7の固有情報送信例の右半分に記載されるように7バイトからなる情報である。
電源投入時の固有情報の送信フォーマットは、20バイトから構成され、最初の1バイトはスタートコード、次の1バイトは区分識別コードである。区分識別コードは次の区分がメーカーコード区分であって3バイト構成であることを意味する。次の3バイトはメーカーコード1,2,3である。遊技機メーカを特定するのにこの3つのバイトを用いる。次の1バイトには区分識別コードがくる。この区分識別コードは次の区分が製品コード区分であって8バイト構成であることを意味する。そして、次の8つのバイトを用いて製品を特定する。ここでいう製品の特定は、遊技機の機種を特定するだけでなく、その機種が多くのシリーズ展開をしている場合には、その詳細に至るまで特定するものである。すべてのバイトを使用する必要のない場合には不要な桁を「0」又は「F」で埋めることとする。製品コード区分の次には、「遊技チップコード区分が4バイト構成であること」を示す区分識別コードが来て、その後の4つのバイトを用いてチップコード1,2,3,4を表す。この4つのバイトにより当該遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が唯一無二のものとして個体識別するように(ユニークに)特定される。最後の20バイト目はエンドコードである。ここで、遊技チップとは、遊技制御装置側の遊技用マイコン(アミューズチップ)のことを意味する。
なお、後述する遊技機状態信号出力時(枠開放時、大当り時等)に送信する固有情報のフォーマットは、図7の右半分に示すように最初の1バイトがスタートコード、次の1バイトが区分識別コード(次に来る遊技チップコード区分が4バイト構成であることを示すコード)、次の4バイトがチップコード1,2,3,4、そして最後にエンドコードという7バイト構成となっており、この順序に送信される。
電源投入時の固有情報送信処理(図6に描かれた遊技制御装置側のメイン処理のフローチャートにおけるステップS6)を詳しく描くと図8のフローチャートに示すようにステップS801からステップS808までに表される。すなわち、スタートコードを送信バッファに書き込み(ステップS801)、メーカーコード識別コードを送信バッファに書き込み(ステップS802)、メーカーコードを送信バッファに書き込み(ステップS803)、製品コード識別コードを送信バッファに書き込み(ステップS804)、製品コードを送信バッファに書き込み(ステップS805)、遊技チップIDコード識別コードを送信バッファに書き込み(ステップS806)、遊技チップIDコードを送信バッファに書き込み(ステップS807)、エンドコードを送信バッファに書き込み(ステップS808)、図6のステップ7へ戻る。
ここで、ステップS803におけるメーカーコードは、CPUブロック図(図5)の説明において前述したように、CPU111Aが所定のレジスタを読み込むことによりIDプロパティメモリ617に記憶されたメーカーコードを取得するものである。ステップS805における製品コードの取得、ステップS807における遊技チップIDコードの取得についても同様である。
ステップS801からステップS808までの処理はCPU111のCPUコア601がシリアル送受信回路631(図5参照)内の送信バッファに送信内容をセットする処理である。CPU111のシリアル送受信回路631は送信バッファに書き込まれた送信内容を、払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置、CPU)211のシリアル送受信回路631に向けて送信する。CPU211のシリアル送受信回路631がそれを受けてCPU211のCPUコア601に渡すと、CPU211のCPUコア601は受信完了コマンドをCPU111側に送り返す。
図6のフローチャート(遊技制御装置側のメイン処理)に戻ると、ステップS7では、受信完了コマンドを受信したか否かを判定し、受信していないならば(ステップS7;No)、この判定を繰り返す。受信したならば(ステップS7;Yes)ステップS8へ進む。固有情報を払出制御装置に送信後、払出制御装置から受信完了コマンドを受信するまでは、遊技制御を開始しない。本実施形態にあっては、管理装置(外部装置)へチップIDを出力するのに払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置)211から行うこととしたので、払出制御装置側へ遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111にチップIDコードが受信されたのを確認してから、遊技制御を始めることとしたものである。
〔遊技機制御装置側のメイン処理における停電復旧又は初期化処理(S8〜S16)〕
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS8)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS8;No)と判定すると、ステップS9で、RWM内の停電検査領域1、2の値がすべて正常な停電検査領域チェックデータ1、2であるかチェックする(ステップS9)。正常と判定すると(ステップS9;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS10)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して、一致するかを判定する(ステップS11)。そして、一致する場合(ステップS11;Yes)は、停電から正常に復旧した場合の処理、すなわち停電復旧時の初期値設定(ステップS12)及び特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS13)を実行する。
ここでRWMのうちのRAM111cには、(例えば停電検査領域1に)停電フラグ(停電確認情報)が格納されている。後述するステップS24において停電発生があったと判断された場合に、電源断処理のステップS27においてRAM111cに格納されたフラグである。ステップS9のチェックにおいては、この停電フラグをチェックして、この電源投入が停電から復旧するものであることを意味する場合には、正常であるとして、ステップS10のチェックサム算出処理以降へと進む。停電フラグのチェックの結果、この電源投入が停電から復旧するものでない場合には、ステップS9又はステップ11で正常でないと判断して図6のステップS14へ進み電源投入時の初期化の処理、すなわち使用するすべてのRWMを0クリアし(ステップS14)、初期値の必要な領域に初期値をセーブし(ステップS15)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する(ステップS16)処理を実行する。
また、初期化スイッチがオン(ステップS10;Yes)と判定された場合、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS9;No)、チェックサムが正常でない(ステップS11;No)と判定された場合は、図6のステップS14へ移行して初期化の処理(ステップS14〜S16)を実行する。
〔遊技制御装置側のメイン処理における遊技開始準備処理(S17〜S20)〕
正常に停電復旧した場合には、ステップS13からステップS17へ進む。電源投入時の初期化処理を行った場合には、ステップS16からステップS17へ進む。
ステップS17では、セキュリティ信号制御タイマの初期値をセットする(ステップS17)。ここで、セキュリティ信号とは、後述する図21,24,28のタイミングチャートにおいて磁石、大入賞口、普電不正エラー時の遊技機エラー状態信号として出力されているものである。図4を参照しつつ前述したように様々な不正についてはセンサで検出し、その結果が払出用マイコン(払出演算処理装置)211を介して遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111へ送られる。それらのエラー信号をどれだけの時間の長さだけ出力するかは、そのエラーの内容によって異なる。その長さを制御するのがセキュリティ信号制御タイマである。
セキュリティ信号制御タイマの初期値をセットした(ステップS17)後、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111内に設けられたクロックジェネレータ609(図5参照)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う(ステップS18)。CTC回路は乱数発生にも割込み処理にも必要であるので、ステップS19、ステップS20の前に起動する必要がある。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111内のクロックジェネレータに設けられているが、クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS18のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を初期設定し、起動設定する処理を行う(ステップS19)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、ステップS19で、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS20)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
〔遊技制御装置側のメイン処理における割込み許可後のループ処理(ステップS21〜S24)〕
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS21)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路608において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS21の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号のチェック回数を設定する処理をし(ステップS22)、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS23)を行い、停電が発生していない場合(ステップS23;No)又は停電が発生しても(ステップS23;Yes)、ステップS22で設定したチェック回数分だけONが継続しない場合(ステップS24;No、ステップS23;No)には、ステップS21に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。特図ゲームをはじめとするゲーム処理を割り込み処理として実行するためである。
初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS20)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
〔遊技制御装置側のメイン処理における電源断処理(ステップS25〜ステップS29)〕
上記ステップS24において、停電が発生していると判定した場合(ステップS24;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS25)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS26)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS27)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出してチェックサム領域にセーブする処理(ステップS28)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS29)を行なって、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔遊技制御装置側のタイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図9のフローチャートに記載したタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58、図9)の詳細について、図10を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図10に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップまたは特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、分岐処理で準備したテーブルの各データを作業領域にセーブした(ステップA16)後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、ステップA17へ進む。
特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を終えると、タイマ割り込み処理(図9)へ戻り、普図ゲーム処理(S59)へ進む。
〔払出制御装置側のメイン処理〕
図11〜15を参照しつつ、払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置)211(図4のCPU211A、図5のCPUコア601)が実行する処理について説明する。
まず、図11,12のフローチャートに基づき、遊技機10に電源が投入されたとき(停電から復旧したとき、システムリセットによりリスタートしたときを含む。)に払出制御装置200が実行を開始するメイン処理について説明する。メイン処理は、CPUコア601がブートブロック613に記憶されたブートプログラムをロードして実行し、各周辺回路がCPUコア601の制御下に入った後、ユーザープログラムROM602に記憶された払出制御プログラムが読み込まれてCPUコア601が当該プログラムを実行することで開始される。
図11は、払出制御装置のメイン処理を示すフローチャート2枚のうちの1枚目である。メイン処理においては、まず、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)で行われるタイマ割込みの禁止の設定(ステップS1101)、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタの設定、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタの設定、各割込みモードの設定、払出制御装置200のCPU211A周辺デバイス(CPUコア601のバス615につながる回路)の初期設定を含む処理であるCPU初期設定(ステップS1102)、払出制御装置200のRAM211Cへのアクセス許可(ステップS1103)、全出力ポートOFFデータ出力(ステップS1104)を行う。
そして、受信割込み許可を設定する(ステップS1104)。ここで、受信割込みを許可するのは、払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置)211が電源投入時の 固有情報受信(遊技演算処理装置が払出演算処理装置へ向けてチップIDを含む情報を送信するのを受信すること)を行う処理が図13に示すように割込み処理として構成されているからである。
〔払出制御装置側の受信割込み処理〕
受信割込み処理は、固有情報受信割込み信号がCPU211Aに入力されることで開始される。払出用マイコン(払出演算処理装置)211において受信割込みが発生すると、図13のフローチャートに記載した受信割込み処理が開始される。
受信割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWM(RAM211C)に移すレジスタ退避の処理(ステップS1301)を行う。なお、実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、固有情報受信割込み要求をクリアする(ステップS1302)。そして、シリアル受信バッファのデータを読み込む(ステップS1303)。
次に、固有情報の受信を継続中であるか否かを判定する(ステップS1304)。「固有情報受信継続中フラグ」を見て、それが立っているか否かで判定する。初期設定においてはフラグは立っていないので(ステップS1304;No)、ステップS1305へ進み「受信データはスタートコードか否か」を判定する。固有情報が正しく送られていれば、最初に受信するデータは図7に示すようにスタートコードであるので(ステップS1305;Yes)、「固有情報受信継続中フラグ」をセットする(ステップS1306)。そして、受信カウンタをリセットして(ステップS1307)、受信カウンタに対応する固有情報記憶領域のアドレスを算出し(ステップS1308)、算出後のアドレスに受信データをセーブする(ステップS1309)。そして、受信カウンタを更新し(ステップS1310)、固有情報解析処理に入る(ステップS1311)。
ここで、固有情報記憶領域について図15の払出演算処理装置211のRAMマッピングを参照しつつ説明する。図4に示すRAM211C(図5のユーザーワークRAM604)は、図15に示すアドレスを先頭に有する第1停電復旧領域、ワークエリア、第2停電復旧領域、チェックサム領域、固有情報記憶領域、使用禁止領域、スタック領域の7つの領域に分けられている。第1停電復旧領域と第2停電復旧領域とは、チェックサムの算出の対象となりチェックサムの算出結果がチェックサム領域に保存される。ワークエリアは払出演算処理装置211の作業領域である。固有情報記憶領域には、(固有情報解析処理を含む)受信割込み処理において受信した固有情報が一時的に記憶される領域であり、チェックサムの算出領域の対象外である。
〔払出制御装置側の受信割り込み処理における固有情報解析処理〕
固有情報解析処理(ステップS1311)の詳細は、図14のフローチャートに記載されている。まず、最初の識別コードが受信済みであるか否かを判定する(ステップS1401)。ここで「最初の識別コード」とは、図7に示されている固有情報の送信フォーマットにあるように2バイト目の区分識別コードのことをいう。そして、ここでの受信済みとは、図13のステップS1303からステップS1310までの、バッファのデータを読み込んでセーブする処理が済んでいるか否かを意味する。1バイト目のスタートコードを受信済みであるが、2バイト目の区分識別コードをまだ受信していない段階では(ステップS1401;No)、図13へ戻り、ステップS1312へ進んで受信バッファが空か否かを判定する。空でない場合には(ステップS1312;No)、シリアル受信バッファのデータを読み込んで(ステップS1303)、固有情報受信継続中のフラグが立っているか否かを判定する(ステップ1304)。スタートコードを読み込んだ段階で固有情報受信継続中フラグが立っているから(ステップS1304;Yes)、受信カウンタに対応する固有情報記憶領域のアドレスを算出し(ステップS1308)、算出後のアドレスに受信データをセーブし(ステップS1309)、受信カウンタを更新し(ステップS1310)てから、固有情報解析処理(ステップ1311)に再び入る。
最初の識別コード(2バイト目の区分識別コード)を受信済みであるので(ステップ1401;Yes)、最初の識別コードを元に受信予定データ数を決定する(ステップ1402)。図7に示すように最初の区分識別コード(2バイト目のデータ)は電源投入時の20バイト送信の場合は「13H」であり、遊技機状態信号出力時の7バイト送信の場合は「34H」であって互いに異なるコードである。ここでは、「13H」というコードに基づいて、受信予定データ数が20バイトであると決定する。次に、受信データ数が受信予定データ数に達したか否かをチェックする(ステップS1403)。達していない場合(ステップS1404;No)には、図13に戻り、受信バッファが空でない(ステップ1312;No)なら、ステップ1303、1304、1308、1309、1310、1311の処理を経て、固有情報解析処理のステップS1401〜S1404を繰り返す。そして必要な回数の繰り返しの後、受信データ数が受信予定データ数に達すると(ステップS1404;Yes)、固有情報記憶領域のデータを送信バッファ領域に記憶し(ステップS1405)、払出チップIDコード識別コードを送信バッファ領域に記憶し(ステップS1406)、払出チップIDコードを読み出し送信バッファ領域に記憶し(ステップS1407)、エンドコードを送信バッファ領域に記憶し(ステップS1408)、固有情報記憶領域をクリアし(ステップS1409)、固有情報受信継続中フラグをクリアし(ステップS1410)、固有情報受信カウンタをリセットし(ステップS1411)、送信バッファに記憶した内容を遊技演算処理装置からのコマンドにより送信開始する際のパラメータを設定し(ステップS1412)、受信完了コマンドを送信バッファ領域に記憶する(ステップS1413)。ここで、払出チップは、払出制御装置側の払出用マイコン(アミューズチップ)を意味する。
これらの処理により、払出演算処理装置から管理装置(外部装置)へ向けて固有情報を送信する際にも、図7に示したものと同様のフォーマットにより固有情報の送信ができることとなる。
ステップS1413にて、一連の固有情報解析処理が完了すると図13に戻り、受信バッファは空であると判定され(ステップS1312;Yes)、ステップS1301で退避していたレジスタを復帰して(ステップS1313)、図11の払出制御演算処理装置のメイン処理へ戻る。
なお、スタートコードを受信できなくて(ステップS1305;No)、固有情報受信継続中フラグを立てられない場合には、ステップS1312でNoと判定され、ステップ1303を経てステップ1304でNoと判定された結果、再びステップS1305でNoと判定されるという無限ループに陥る。このとき遊技制御演算処理装置111へ受信完了コマンドが送られないので遊技制御も開始されないまま待機状態となる(図6のステップS7)。この場合には何らかの不正が行われた可能性があるので、遊技場の従業員が当該遊技機へ行ってメンテナンス作業を行うこととなる。
〔払出制御装置側のメイン処理における電源投入直後の受信割込みの後処理(ステップS1106〜S1108)〕
図13の受信割込み処理から図11のメイン処理へ戻ると、エンドコードを受信済みか否か(ステップS1106)と、固有情報受信継続中フラグがクリアされたか否か(ステップ1107)との二つの判定を続けて実行する。遊技制御演算処理装置からの固有情報受信を正常に終了しないうちは、払出制御を進行させないためである。これらの二つの判定のうちの一つでもNoである場合には、当該判定を繰り返すループ処理を行う。また、エンドコードを受信したにもかかわらず、固有情報受信継続中(固有情報受信継続中フラグが立てられたまま)であれば、払出制御の進行を行わない。
エンドコードを受信済みであり(ステップS1106;Yes)、かつ、固有情報受信継続中フラグがクリアされている(ステップS1107;Yes)の場合にのみ、受信完了コマンドを送信する(ステップS1108)。一方、遊技制御演算処理装置は、この受信完了コマンドを受けると、図6のステップS8以降の停電復旧処理又は初期化処理に進む。
〔払出制御装置側のメイン処理における停電復旧処理又は電源投入時の初期設定処理(ステップS1109〜S1115)〕
受信完了コマンドを送信した後、電源装置400に設けられたRAMクリアSW(スイッチ)440(図4参照)がONになって払出制御装置200のRAMを初期化する操作が行われたか否かを判定し(ステップS1109)、RAMクリアSW440がONでないと判定された場合には、停電からの復旧であることを示す停電復旧情報がRAMに設定されているか否かを判定することによって、停電復旧時の電源投入であるか否かを判定する(ステップS1110)。また、停電復旧時の電源投入であると判定された場合には、RAMに記憶されているデータが壊れている否かを判定するために、チェックサムが正常であるか否か調べる(ステップS1111,S1112)。具体的には、停電があった際にRAMに記憶されていたデータのチェックサムと、RAMに現在記憶されているデータのチェックサムとが一致するか否かを判定する。このとき、固有情報を記憶しているRAM領域はチェックサムの算出から除外される。チェックサムが正常であると判定された場合、すなわちRAMに記憶されているデータが正常であると判定された場合には、停電復旧処理を実行してRAMに停電復旧時の初期値を設定する(ステップS1113)。
一方、ステップS1109にてRAMクリアSW440がONであると判定された場合、またはステップS1110にて停電復旧時の電源投入でないと判定された場合、またはステップS1112にてチェックサムが異常であると判断された場合には、使用する全てのRAMに記憶されているデータをクリアした(ステップS1114)後に、RAMへ電源投入時の初期値を設定し(ステップS1115)、払出制御装置200のRAM211Cの初期化を実行する。
RAMの初期化、またはRAMに停電復旧時の初期値を設定したならば、次に、遊技球の貸し出しを行なうことができる状態にあるか否かをカードユニット720に通知するPRDY信号をONに設定する(ステップS1116)。そして、時間を計測しタイマ割込み信号などを発生するためのタイマであるCTC(Counter/Timer Circuit)を設定し(S1117)、ステップS1101で禁止されたタイマ割込みを許可する設定をする(S1118)。
図12は、払出制御装置のメイン処理を示すフローチャート2枚のうちの2枚目である。
タイマ割込み許可を設定した後、カードユニット70が払出制御装置210に接続されているか否かを判定し(ステップS1201)、接続されていると判定した場合には、発射制御装置600に遊技球の発射を許可する発射許可信号をON(発射許可状態)に設定する(ステップS1202)。接続されていない(ステップS1201;No)と判定した場合には、発射制御装置600に遊技球の発射を許可しない状態(発射許可信号OFF状態)に設定する(ステップS1203)。発射制御装置600は、発射モータ610を制御する装置であり、遊技制御装置100からの発射許可信号がONであり、かつ払出制御装置200からの発射許可信号がONであるときに発射モータ610が遊技球を発射できるよう制御する。
次に、払出制御モードがいずれであるかの情報を取得する(ステップS1204)。そして、取得された払出制御モード(モード0,モード1,モード2)によって処理を分岐させる(ステップS1205)。モード0の場合には、遊技球が過剰に払い出されているか否かを監視する払出過剰エラー監視処理を実行する(ステップS1206)。そして、実際に遊技球を払い出させる処理を開始させるために、払出装置制御開始判定処理を実行する(ステップS1209)。
モード1の場合には、賞球として払い出す遊技球の数を設定する賞球制御処理を実行し(ステップS1207)、払出モータ191を制御する払出制御処理を実行して、遊技球を賞球として払い出す(ステップS1210)。
モード2の場合には、貸球として払い出す遊技球の数を設定する球貸し制御処理を実行し(ステップS1208)、払出モータ191を制御する払出制御処理を実行して、遊技球を貸球として払い出す(ステップS1210)。
各モードに対応する処理を実行したならば、遊技球の払出動作時に発生したエラーの報知の編集を行うエラー報知編集処理(ステップS1211)を実行する。エラー報知はエラーナンバー表示器298へ出力することにより行なわれる。
次に、電源装置400から払出用マイコン211へ入力される停電検出信号をポートから例えば二回読み込んで、二回とも停電発生を示す信号であるか否かにより、停電が発生したか否かを判定し(ステップS1212)、停電発生と判定した場合(ステップS1212;Yes)は、一連の電源断処理、すなわち割り込み禁止を設定し(ステップS1213)、全出力ポートをOFFにし(ステップS1214)、払出制御装置200のRAM211Cの停電検査領域内に停電フラグを立てて停電復旧情報をRAMへ保存し(ステップS1215)、RAMへの電源供給遮断前におけるRAM内データのチェックサム算出および保存をし(ステップS1216)し、RAMへのアクセスを禁止(ステップS1217)へ進み、遊技機10の電源が切れるまで待機する。
ステップS1212で停電が発生していないと判定した場合(ステップS1212;No)には、ステップS1201の処理に戻り、ステップ1201からステップS1212までの処理を繰り返し実行する。
[電源投入時の各装置間の流れ(図16)]
以上、図6から図10までを参照しつつ遊技制御装置側の処理を説明し、図11から図15までを参照しつつ払出制御装置側の処理を説明した。ここで、遊技制御装置と払出制御装置との間、払出制御装置と管理装置(情報収集装置)との間のデータやコマンドの流れを、電源投入時について図16を参照しつつ説明する。図16は、電源投入時の各装置間の流れを示すフローチャートである。ここで、電源投入には遊技店における一日の最初の稼働時のみならず、システムリセットがかかって再起動する場合、停電復旧の場合などを含む。「管理装置(情報処理装置)」と記載してあるのは、通常の場合、遊技機に1対1に対応する情報収集装置が設けられて遊技機の遊技機情報等を収集し、収集された情報は島(遊技機が多数列設される場合のまとまり)ごとに設けられた中継装置を通じて管理装置(ホールコンピュータ)に集められるからである。図7に示した固有情報の送信フォーマットではスタートコード、区分識別コード、エンドコードを含むが、図16のフローチャートではそれらを省略して記載する。
遊技制御装置100は電源投入時のメイン処理(図6のステップS6、S7、図8の固有情報送信処理)において、管理ブロック600Bに備えられたIDプロパティメモリ617に記憶されているメーカーコード、製品コード、チップIDコードを所定のレジスタを介して取得して、それらを払出制御装置200へ向けて送信する(図16のステップY1601)。前述したように、チップIDコードが記憶されているチップコードレジスタ633、メーカ名、製品名などが記憶されているHWパラメータROM603には、ユーザープログラム(遊技制御プログラム、払出制御プログラム)によるアクセスが禁止されている。ユーザープログラムが起動する前に、ブートプログラム(ブートブロック613に格納されたチップ起動時に実行するプログラム)の処理において、チップIDコード及びメーカーコード、製品コード等がIDプロパティメモリ617にコピーされる。そして、バスモニタ回路618が二つのバス615、622につながることを利用して、所定のレジスタを介する情報取得を可能とするものである。
遊技制御装置100から払出制御装置200への送信は、本実施形態においてはシリアル送受信回路631を用いる。遊技用マイコン111(遊技チップ)は、シリアル送受信回路631の送信バッファに送るべき情報を設定する。そしてCPUコア601からのコマンドによりシリアル送受信回路631が当該情報を払出制御装置200に送信する。
払出制御装置200側も遊技制御装置100側を構成する遊技用マイコン(遊技チップ)111と同様のアミューズチップ(遊技用演算処理装置)からなる払出用マイコン211(払出チップ)を有しており、遊技制御装置100から払出制御装置200へ送られた信号は、払出用マイコン211(払出チップ)側のシリアル送受信回路631の受信バッファに取り込まれる。
払出制御装置200は電源投入時のメイン処理(図11のステップS1105〜S1108、図13の受信割り込み処理、図14の固有情報解析処理)において、受信バッファからメーカーコード、製品コード、遊技チップIDコードを取得する(ステップH1601)。そして、取得したメーカーコード、製品コード、遊技チップIDコードを払出用マイコン211側のシリアル送受信回路631の送信バッファに設定する(ステップH1602)。管理装置(外部装置)へ出力するためである。ここで、取得した情報を送信バッファに設定するのみならず、払出用マイコン211のRAM211Cに記憶し保持することとしてもよい。
そして、所定のレジスタを介して払出用マイコン211のIDプロパティメモリ617に記憶される払出チップIDコードを取得し(ステップH1603)、取得した払出チップIDコードを送信バッファに設定する(ステップH1604)。管理装置(外部装置)へ出力する情報に払出チップ自身のIDコードを追加するためである。
払出マイコン211が送信開始を設定する(ステップH1605)と、シリアル送受信回路631が管理装置へメーカーコード、製品コード、遊技チップIDコード、払出チップIDコードを送信する。
ここで、払出制御装置200において、遊技制御装置側から送られた固有情報に、払出チップIDを付け加えて管理装置へ送ることとしたが、払出チップIDを加えずに遊技制御装置側から送られた固有情報のみを管理装置へ送ることとしてもよい。
管理装置800では、受信した遊技チップIDコード、(払出チップIDコード)、メーカーコード、製品コードにより、不正監視を開始する(図16のステップK1601)。不正監視は、例えば不正なROM交換(遊技チップの交換、払出チップの交換)、ぶら下がり基板による不正などを検出する可能性がある。前述したようにチップIDは、チップ製造時にユニークに付されたIDであるので、ROM交換がなされると管理装置側ではその事実をすぐに知ることが可能となる。ROM交換などがなされると、通常は電源を投入し直すので、電源投入時に固有情報を管理装置(外部装置)側へ送信することの意義が大きい。
払出制御装置200では、管理装置への固有情報の送信を終えると、遊技制御装置100に向けて受信完了コマンドを送信し(ステップH1606)、払出制御処理を開始する(ステップH1607)。払出制御処理は、図11の払出制御装置側のメイン処理におけるステップS1109以降の処理、すなわち停電復旧又は電源投入時の初期化処理、PRDY信号の設定、CTCの設定、タイマ割込みの許可、カードユニット接続判定、発射制御装置への発射許可信号設定、払出過剰エラー監視処理、賞球制御処理、球貸し制御処理、払出制御処理、エラー報知編集処理、停電検出処理、電源断処理などである。
遊技制御装置100では、払出制御装置200から受信完了コマンドを受信すると(ステップY1602)、遊技制御処理を開始する(ステップY1603)。遊技制御処理は、図6の遊技制御装置側のメイン処理におけるステップS8以降の処理、すなわち停電復旧又は電源投入時の初期化処理、セキュリティ信号制御タイマの初期値設定、CTCの起動、乱数回路の初期設定及び起動、割込み許可、初期値乱数更新処理、停電検出処理、電源断処理などである。
[遊技制御装置側のタイマ割込み処理における外部情報編集処理の詳細(図17〜図19)]
次に、図9に示した遊技制御装置側のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS62)の詳細について、図17〜図19を参照しつつ説明する。外部情報(信号)は、具体的には、磁石、大入賞口、普電不正エラー信号(セキュリティ信号)、扉又は枠開放信号、大当り信号、始動口入賞信号、図柄確定回数信号である。これらは遊技者により不正が行われることを検出するのに役立つ信号である。磁石、大入賞口、普電不正エラー信号、扉又は枠開放信号はより直接的に不正を行う行為そのものの検出に役立つ信号であり、大当り信号、始動口入賞信号、図柄確定回数信号は、不正が行われた結果、遊技者が不自然な利益状態を得ている状態を検出するのに役立つ信号である。
図16まででは、電源投入時にチップIDなどの固有情報を管理装置へ送ることを主眼としていたが、図17以降は外部情報の出力タイミングとの関係でチップIDなどの固有情報を管理装置へ送ることを主眼とするものである。
外部情報編集処理(図9のステップS62)は、遊技制御装置のタイマ割込み処理の中では終わり近くに位置する処理である。レジスタを退避し(ステップS51)、入力処理をし(ステップS52)、出力処理をし(ステップS53)、コマンド送信処理をし(ステップS54)、乱数更新処理1を実行し(ステップS55)、乱数更新処理2を実行し(ステップS56)、入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行し(ステップS57)、特図ゲーム処理をし(ステップS58)、普図ゲーム処理をし(ステップS59)、セグメントLED編集処理をし(ステップS60)、磁気エラー監視処理をし(ステップS61)、その後に外部情報編集処理(ステップS62)を実行するものである。
そして、この外部情報編集処理を終えると、割込み要求をクリアし(ステップS63)、レジスタを復帰し(ステップS64)、割込みを許可して(ステップS65)、タイマ割込み処理を終えてメイン処理のループ(ステップS21〜ステップS23)へ戻る。なお、図9のフローチャートについては、「遊技制御装置側のタイマ割込み処理」の項において前述した。
図17の外部情報編集処理は、固有情報設定処理(ステップS1701、図19)から始まる。固有情報設定処理は、大まかに言うと払出制御装置から管理装置へ固有情報を送信するように、遊技制御装置から払出制御装置へのコマンドを送る処理である。「固有情報信号の出力要求フラグ」があるときにこの処理を実行する。そして、「固有情報信号の出力要求フラグ」は、繰り返し何度も実行されるタイマ割込み処理のうち、前回までのタイマ割込み処理において、図17のステップS1706、ステップS1715、図18のステップS1803でフラグが立てられたものに基づいて処理することになる。
そして、図17の外部情報編集処理で設定編集された出力データは、繰り返し何度も実行されるタイマ割込み処理のうち、次回の割り込み時に実行される出力処理(図9のS53)において出力される。
この固有情報設定処理を図19のフローチャートにしたがって説明する。まず、固有情報信号の出力要求フラグがセットされているか否かのチェック(ステップS1901)をする。出力要求フラグが立っている場合(ステップS1902;Yes)には、「対応する固有情報信号の出力要求フラグ」をクリアし(ステップS1903)、固有情報送信指令を払出制御装置に送信する(ステップS1904)。ここで、「対応する固有情報信号の出力要求フラグ」とは、磁石、大入賞口、普電不正、扉又は枠開放、大当り、始動口入賞、図柄確定回数などの複数の事象のうちのいずれに基づいて固有情報の出力をするのかを区別することを意味する。
本実施形態にあっては、遊技制御装置100から払出制御装置200の基板上をスルー接続して外部情報端子板500につながり、さらに管理装置800へ送られる外部情報は、5本の信号線によって送られる。そのうちの1本目は、磁石不正、大入賞口不正、普電不正による不正エラー信号であり、2本目は扉又は枠の開放エラー信号であり、3本目は大当り動作中信号であり、4本目は始動口信号であり、5本目は図柄確定回数信号である。これらの5つの信号はそれぞれが独立して固有情報信号の出力要求フラグを立てるものであり、外部装置800においては、いずれかの外部情報(遊技機状態信号)と同じタイミングで送られる固有情報がそれに対応するものとして扱う。固有情報そのものには、それが送られる原因となった信号パルスがいずれであるかを示す情報は持っていないので、送られたタイミングだけで対応関係が判断される。
なお、遊技制御装置100から払出制御装置200を通過して管理装置800へ送られる外部情報は5本の信号線によりパラレルに送られる5ビットの信号であるが、払出制御装置200から賞球信号が送られるので、それをも合わせると6ビット分のパラレルに送られる信号となる。ここで、賞球信号は、本実施形態にあっては10個賞球に対して4パルスの信号を出力するものである。
[不正エラーについての処理(ステップS1701〜S1712)]
図19のフローチャートのステップS1904で、固有情報送信指令を払出制御装置に送信した後には、図17のステップS1702へ進む。また、出力要求フラグが立っていない場合(ステップS1902;No)にも、図17のステップS1702へ進む。
図17のステップS1702〜S1704において、磁石不正発生中か否か(ステップS1702)、大入賞口不正発生中か否か(ステップS1703)、普電不正発生中か否か(ステップS1704)が判定される。これらの判定は、図9のタイマ割込み処理の入力処理(ステップS52)、入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)、磁気エラー監視処理(ステップS61)の結果、取得した情報に基づいてなされる。
磁石不正発生中、大入賞口不正発生中、普電不正発生中、の三つのうちのいずれかがYesである場合(ステップS1702;Yes又はステップS1703;Yes又はステップS1704;Yes)には、不正エラーでの固有情報出力要求済みであるか否かを判定する(ステップS1705)。この判定は不正エラーに基づく固有情報信号の出力要求済みフラグが立っているか否かをみることによって行う。固有情報信号の出力要求済みフラグは、その原因となる事象が5つあることに基づいて5種類設けられる。
ここで、不正エラーとは、磁石不正、大入賞口不正、普電不正の三つを総称する概念である。前述したように本実施形態にあっては、5本ある信号線のうちの1本目でこの3つのエラー信号を送る。したがってこれらの三つを総称して不正エラーと呼ぶ。
不正エラーでの固有情報出力要求済みでない場合(ステップS1705;No)には、不正エラーでの固有情報信号の出力要求フラグをセットする(ステップS1706)。この出力要求フラグは、ステップS1901にて判定対象となり、ステップS1903にてクリアの対象となる。
次に、不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットする(ステップS1707)。この出力要求済みフラグはステップS1705にて判定対象となり、ステップS1710にてクリアの対象となる。
その後、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1708)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知ONデータを設定する(ステップS1709)。ここで、遊技機エラー状態信号は、遊技制御装置100から払出制御装置200をスルーして外部情報端子板500を介して管理装置800に出力される外部情報である。遊技状態報知LEDは、遊技制御装置100の出力信号に基づき一括表示装置50の表示領域の一部にエラー報知するもの(図4参照)である。
ステップS1705の不正エラーでの固有情報出力要求済みか否かの判定で出力要求済みであると判定した場合(ステップS1705;Yes)には、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1708)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知ONデータを設定する(ステップS1709)。
磁石不正発生中、大入賞口不正発生中、普電不正発生中、の三つのすべてがNoである場合(ステップS1702;NoかつステップS1703;NoかつステップS1704;No)には、不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし(ステップS1710)、遊技機エラー状態信号OFFの出力データを設定し(ステップS1711)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知OFFデータを設定する(ステップS1712)。このとき払出制御装置200の出力信号に基づきエラーナンバーを表示するエラーナンバー表示器298にも不正エラーOFFデータを設定してもよい。
[扉又は枠の開放についての処理(ステップS1713〜S1721)]
図17のフローチャートのステップS1709、又はステップS1712で、遊技状態報知LEDの不正エラー報知データを設定した後には、図17のステップS1713へ進む。
図17のステップS1713において、扉又は枠の開放中か否か(ステップS1713)が判定される。この判定は、図9のタイマ割込み処理の入力処理(ステップS52)の結果、ガラス枠開放SW63、前面枠開放SW64の信号を払出用マイコン211が取得し、遊技用マイコン111と払出用マイコン211の間の通信により、遊技用マイコン111が取得した情報に基づいてなされる(図4、図9参照)。
扉又は枠の開放中か否かの判定がYesである場合(ステップS1713;Yes)には、扉・枠開放での固有情報出力要求済みであるか否かを判定する(ステップS1714)。この判定は扉・枠開放に基づく固有情報信号の出力要求済みフラグが立っているか否かをみることによって行う。
ここで、扉・枠開放(ガラス枠開放、前面枠開放)は、遊技者の側から遊技盤、遊技制御装置などに手を加えようとする際に考えられる事象の一つである。したがって、本実施形態にあっては、5本ある信号線のうちの2本目でこの扉・枠開放の信号を送る。
扉・枠開放での固有情報出力要求済みでない場合(ステップS1714;No)には、扉・枠開放での固有情報信号の出力要求フラグをセットする(ステップS1715)。この出力要求フラグは、ステップS1901にて判定対象となり、ステップS1903にてクリアの対象となる。
次に、扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをセットする(ステップS1716)。この出力要求済みフラグはステップS1714にて判定対象となり、ステップS1719にてクリアの対象となる。
その後、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1717)、遊技状態報知LEDの開放エラー報知ONデータを設定する(ステップS1718)。ここで、遊技機エラー状態信号は、遊技制御装置100から管理装置800に出力される外部情報である。遊技状態報知LEDは、遊技制御装置100の出力信号に基づき一括表示装置50の表示領域の一部にエラー報知するもの(図4参照)である。このとき払出制御装置200の出力信号に基づきエラーナンバーを表示するエラーナンバー表示器298にも開放エラーのデータを設定してもよい。
ステップS1714の扉・枠開放での固有情報出力要求済みか否かの判定で出力要求済みであると判定した場合(ステップS1714;Yes)には、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1717)、遊技状態報知LEDの開放エラー報知ONデータを設定する(ステップS1718)。
扉又は枠の開放中か否かの判定がNoである場合(ステップS1713;No)には、扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし(ステップS1719)、遊技機エラー状態信号OFFの出力データを設定し(ステップS1720)、遊技状態報知LEDの開放エラー報知OFFデータを設定する(ステップS1721)。このとき払出制御装置200の出力信号に基づきエラーナンバーを表示するエラーナンバー表示器298にも不正エラーOFFデータを設定してもよい。
[大当り動作中についての処理(ステップS1801〜ステップS1809)]
図17のフローチャートのステップS1718、又はステップS1721で、遊技状態報知LEDの開放エラー報知データを設定した後には、図18のステップS1801へ進む。
図18のステップS1801において、大当り動作中か否か(ステップS1801)が判定される。この判定は、例えば図10の特図ゲーム処理の特図普段処理(ステップA9)において設定された大当りフラグが立っているか否かによってなされる(図10参照)。大当りか否かの定義は、それぞれの遊技機の遊技プログラムによっては異なる場合もあるが、遊技プログラムのいずれかで大当りフラグを立てるのが一般的である。ステップS1801の判定はその大当りフラグが設定されているときに大当り動作中であるとする。
大当り動作中か否かの判定がYesである場合(ステップS1801;Yes)には、大当りでの固有情報出力要求済みであるか否かを判定する(ステップS1802)。この判定は大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグが立っているか否かをみることによって行う。
ここで、大当りは、遊技者が利益を得る場合として考えられる事象の一つである。したがって、本実施形態にあっては、5本ある信号線のうちの一つでこの大当りのタイミンの信号を送り、管理装置での監視を可能とする。
大当りでの固有情報出力要求済みでない場合(ステップS1802;No)には、大当りでの固有情報信号の出力要求フラグをセットする(ステップS1803)。この出力要求フラグは、ステップS1901にて判定対象となり、ステップS1903にてクリアの対象となる。
次に、大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットする(ステップS1804)。この出力要求済みフラグはステップS1802にて判定対象となり、ステップS1807にてクリアの対象となる。
その後、大当り信号ONの出力データを設定し(ステップS1805)、遊技状態報知LEDの大当り報知ONデータを設定する(ステップS1806)。遊技機エラー状態信号は、遊技制御装置100から管理装置800に出力される外部情報である。遊技状態報知LEDは、遊技制御装置100の出力信号に基づき一括表示装置50の表示領域の一部にエラー報知するもの(図4参照)である。このとき払出制御装置200の出力信号に基づきエラーナンバーを表示するエラーナンバー表示器298にもデータを設定してもよい。
ステップS1802の大当りでの固有情報出力要求済みか否かの判定で出力要求済みであると判定した場合(ステップS1802;Yes)には、大当り信号ONの出力データを設定し(ステップS1805)、遊技状態報知LEDの大当り報知ONデータを設定する(ステップS1806)。
大当り動作中か否かの判定がNoである場合(ステップS1801;No)には、大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし(ステップS1807)、大当り信号OFFの出力データを設定し(ステップS1808)、遊技状態報知LEDの大当り報知OFFデータを設定する(ステップS1809)。このとき払出制御装置200の出力信号に基づきエラーナンバーを表示するエラーナンバー表示器298にも大当り報知OFFデータを設定してもよい。
[始動口信号編集処理(ステップS1810)]
上述の不正エラーについての処理(ステップS1702〜S1712)、扉又は枠の開放についての処理(ステップS1713〜S1721)、大当り動作中についての処理(ステップS1801〜S1809)の次に、始動口信号編集処理(ステップS1810)を実行する。始動口信号編集処理は、始動口信号を外部情報として管理装置に向けて出力すべく設定編集する処理である。始動口信号は、始動口1SW36a、始動口2SW37aなどの始動口SWで検出した信号を遊技用マイコン111が取り込み、遊技制御装置側のタイマ割込み処理の複数の処理のうちの一つである外部情報編集処理(図17)において、外部情報として管理装置に向けて出力すべく設定編集する。
具体的な処理の詳細は、遊技機制御装置側のタイマ割込み処理の一部である特図ゲーム処理の始動口スイッチ監視処理(図10のステップA1)に基づいて、始動口SWの検出結果を取得し、当該検出ある場合に始動口信号を外部情報(管理装置に出力する情報)として設定する処理である。
始動口SWへの検出の一つ一つについて、始動口信号を設定することができる。始動口の検出(始動入賞)は頻繁に起こる事象であり個別に信号を設定しては煩雑に過ぎるので、10回の入賞をカウントして10個になった時点で一つの信号を発生させるようにしてもよい。
なお、不正エラー、扉又は枠の開放、大当りについては、その状態が続く限りはON信号を出力する状態を続け、その状態でなくなったときにOFF信号を出力するものであったので、出力要求フラグ及び出力要求済みフラグと二種類のフラグを用いたが、始動口信号については当該事象が生じた際にパルス出力をすることで足りるので出力要求フラグのみを用いる(出力要求済みフラグは用いない)。遊技制御装置側のタイマ割込み処理の一部である外部情報編集処理のステップS1810において始動口信号での固有情報信号の出力要求フラグをセットし、固有情報設定処理(ステップS1701)のステップS1901、S1902でフラグがセットされているか否かを判定し、ステップS1903でフラグをクリアし、固有情報送信指令を払出制御装置に送信する(ステップS1904)。
[図柄確定回数信号編集処理(ステップS1811)]
始動口信号編集処理(ステップS1810)の次に、図柄確定回数信号編集処理(ステップS1811)を実行する。図柄確定回数信号編集処理は、特図1ゲーム又は特図2ゲームにおいて左図柄、右図柄、中図柄のすべてが停止し、変動表示が停止すること(図柄確定)を事象として捉え、その事象が発生するたびにパルス信号を外部情報として管理装置に向けて出力すべく設定編集する処理である。図柄確定回数信号は、図柄確定の回数を遊技制御装置側でカウントして出力することを想定したネーミングであるが、回数情報を含まないパルスを図柄確定ごとに1パルスずつ出力して、外部装置の側でカウントすることとしてもよい。
特図ゲーム処理(図9のステップS58)において、例えば図柄確定フラグを立てることにより、図柄確定のタイミングを外部情報編集処理側で取得可能とする。図柄確定回数信号編集処理(図18のステップS1811)においては、特図ゲーム処理において立てた図柄確定フラグがセットされているか否かを見て、セットされていたらそれをクリアして、図柄確定での固有情報信号の出力要求フラグをセットする処理をする(図18のステップS1811)。固有情報設定処理(図19)においては、図柄確定での固有情報信号の出力要求フラグがセットされているか否かをチェックして(ステップS1901)、フラグがあれば(ステップS1902;Yes)、図柄確定での固有情報信号の出力要求フラグをクリアして(ステップS1903)、固有情報送信指令を払出制御装置に送信する(ステップ1904)。
[払出制御装置側の固有情報送信処理]
上述した図17〜図19に示す遊技制御装置100側のタイマ割込み処理の一部としての外部情報編集処理により遊技制御装置100からは外部情報として不正エラー、扉・枠開放エラー、大当り信号、始動口信号、図柄確定回数信号が管理装置800に向けて出力され(ステップS1708、S1717、S1805)、その後、当該処理を実行した割込み処理から一旦抜けてメイン処理の初期値乱数更新処理と停電監視処理のループ(図6のステップS21〜S23)に戻った後、次の割り込み処理のタイミングで外部情報編集処理のステップS1701の固有情報設定処理のステップS1904において、固有情報送信指令を払出制御装置に送信する。
払出制御装置側がこの固有情報送信指令を受信して当該処理をすることによって固有情報の管理装置へ向けての送信が完了することになる。図20に示す払出制御装置側の固有情報送信処理がその機能を果たすものである。
図20に示す払出制御装置の固有情報送信処理は、図13に示す受信割込みと同様に、払出制御装置側のメイン処理(図11,12)に対する割込み処理として実現され、遊技装置側からの固有情報設定処理のステップS1904において固有情報送信指令が払出制御装置に送信されたら、即座にそれを受信して管理装置への送信処理を実行するように構成される。なお、図20に示す処理は割込み処理であるので、図13に示す処理と同様、レジスタの退避に始まり、一連の割込み処理を実行した後、レジスタの復帰に終わってメイン処理に戻るものである。図20のフローチャートでは、それらレジスタの退避、レジスタの復帰のステップを描くのを省略した。
まず、固有情報送信指令を受信したか否かを判定する(ステップS2001)。受信したなら(ステップS2001;Yes)、スタートコードを送信バッファに書き込み(ステップS2002)、遊技チップIDコード識別コードを送信バッファに書き込み(ステップS2003)、遊技チップIDコードを送信バッファに書き込み(ステップS2004)、払出チップIDコード識別コードを送信バッファに書き込み(ステップS2005)、払出チップIDコードを送信バッファに書き込み(ステップS2006)、エンドコードを送信バッファに書き込む。これにより、払出用マイコン211のシリアル送受信回路631の送信バッファに送るべきデータ(図7の右半分に記載された送信フォーマットのデータ)がセットされ、払出用マイコン211のCPUコア601がシリアル送受信回路631に送信指令を送ることでチップIDコードが管理装置800に送られる。
なお、図20では、遊技チップIDのみならず払出チップIDをも送ることとしたが、図20のステップS2005及びステップS2006の二つのステップを省略して払出チップIDの送信をせずに遊技チップIDだけを送信することとしてもよい。
遊技チップIDを管理装置へ送ることによって、管理装置(ホールコンピュータ)が遊技チップIDの同一性を監視できるので、遊技チップの交換、遊技チップを含む基板の交換などの不正を監視することができる。払出チップIDをも管理装置に送ることによって遊技チップの交換、遊技制御装置の基板交換のみならず、払出チップ(払出制御装置)側のチップ交換、基板交換を不正に行う行為をも監視することが可能となる。
[個体識別情報の出力タイミングを示すタイミングチャート(図21)]
図21は、個体識別情報(チップID)を出力するタイミングを例えば管理装置800側でとらえて示している。
図21(a)に示すように、遊技機10の電源投入時には、図7の左半分に示す送信フォーマットで「スタートコード」に始まり「エンドコード」に終わる20バイトの情報が送られ、管理装置800がそれを受信する。管理装置800では、受信した情報を解析して遊技機のメーカーコード、製品コード、チップコード(遊技チップのIDコード)を取得して記憶し、その後の監視に用いる基準の値とする。
図21(b1)に示すように、遊技中に不正エラー(磁石エラー、大入賞口エラー、普電不正エラー)が発生すると、遊技制御装置100がそれを検出し、外部情報編集処理(図17のステップS1708)により管理装置800に向けて送信される。この遊技機エラー状態信号(セキュリティ信号)は、規定の時間ONであり続け、その後OFFとなる信号である。
そしてそれとほぼ同じタイミングで遊技制御装置100は払出制御装置200に対して固有情報の送信指令を送り(図19のステップS1904)、払出制御装置200は、管理装置800に向けて固有情報(チップID)を送信する(図20)。その信号を示すのが図21(b2)である。この個体識別情報は、遊技チップIDのみを送信する際には図7の右側に示す送信フォーマット、すなわちスタートコード、区分識別コード、チップコード、エンドコードからなる7バイトの信号である。遊技チップIDのみならず、払出チップIDをも送信する場合には、スタートコード、区分識別コード、遊技チップコード、区分識別コード、払出チップコード、エンドコードからなる12バイトの信号である。
図21(c1)に示すように、遊技中に枠開放(ガラス枠・前面枠のいずれか、あるいは双方が開放)が発生すると、ガラス枠開放SW63、前面枠開放SW64の信号が払出用マイコン211に入力され、その情報は遊技用マイコン111に送られて遊技制御装置側の外部情報編集処理(図17のステップS1717)により管理装置800に向けて送信される。この遊技機エラー状態信号(枠開放信号)は、ガラス枠および前面枠が共に閉鎖するまでオンであり続ける信号である。ガラス枠・前面枠を共に閉じたときにオフとなる(図17のステップS1720)。
この遊技機エラー状態信号(枠開放信号)の発生とほぼ同じタイミングで遊技制御装置100は払出制御装置200に対して固有情報の送信指令を送り(図19のステップS1904)、払出制御装置200は、管理装置800に向けて固有情報(チップID)を送信する(図20)。その信号を示すのが図21(c2)である。この個体識別情報は、(b2)と同様に遊技チップIDのみを送信する際には7バイトの信号であり、遊技チップIDのみならず、払出チップIDをも送信する場合には、12バイトの信号である。
図21(d1)に示すように、遊技中(特図1、特図2)に大当りが発生すると、特図処理にて大当りフラグが設定されることに基づいて大当り信号が発生する(図18のステップS1805)。この大当り信号は、大当り状態が終了するまでオンであり続ける信号である。
この大当り信号の発生とほぼ同じタイミングで遊技制御装置100は払出制御装置200に対して固有情報の送信指令を送り(図19のステップS1904)、払出制御装置200は、管理装置800に向けて固有情報(チップID)を送信する(図20)。その信号を示すのが図21(d2)である。この個体識別情報は、(b2)、(c2)と同様に遊技チップIDのみを送信する際には7バイトの信号であり、遊技チップIDのみならず、払出チップIDをも送信する場合には、12バイトの信号である。
なお、図21には始動口信号(図18のステップS1810)、図柄確定回数信号(図18のステップS1811)を描くのを省略したが、それらについても同様である。
[遊技機状態信号出力時の各装置間の流れ]
図22は、遊技機状態信号出力時の各装置間の信号の流れを示すフローチャートである。まず、遊技制御装置100から管理装置(ホールコンピュータ)800へ向けて遊技機状態信号(セキュリティ信号、枠開放信号、大当り信号、始動口信号、図柄確定信号)を出力する(図22のステップY2201)。図22で遊技制御装置100から払出制御装置200を通過して管理装置800へと向かう実線矢印は、その遊技機状態信号が払出制御装置200の基板上の配線パターンを単にスルーして、外部情報端子板500を介して(情報収集端末、中継装置をさらに介して)管理装置800へと送られることを意味する。図4を参照しつつ前述したように遊技制御装置100から送り出される遊技機状態信号は5本の信号線を用いてシリアル通信で送られる。
一方、前述したフローチャートでは割愛したが、遊技制御装置100は、払出制御装置200が賞球信号を管理装置800へと送るように指示する情報を払出制御装置200に送る。それを受けて払出制御装置200は賞球信号を管理装置800へと送る。この賞球信号は6本目の信号線を用いてシリアル通信で送られる。図22の破線矢印は、このことを表現している。
遊技機状態信号を出力した(ステップY2201)直後(ほぼ同じタイミングで)、固有情報送信指令を送信する(ステップY2202)。この固有情報送信指令は、払出制御装置200がすでに有している情報を管理装置へ向けて出力するように命令するものである。払出制御装置200には、すでに電源投入時において遊技チップIDコードを取得している(図16のステップH1601)。
払出用マイコン211(のCPU211A)は、払出用マイコン211のRAM211Cに記憶されている遊技チップIDコードを取得し(ステップH2201)、取得した遊技チップIDコードを送信バッファに設定し(ステップH2202)、RAMに記憶されている払出チップIDコードを取得し(ステップH2203)、取得した払出チップIDコードを送信バッファに設定し(ステップH2204)、送信開始を設定する(ステップH2205)。ここでステップH2203において「RAMに記憶されている払出チップIDコード」と書いたが、払出用マイコンとして図5に記載したアミューズチップを用いる場合には、チップコードレジスタ633にチップIDコードが記憶されている。そして、チップコードレジスタ633には、払出用マイコン211のCPU211Aは直接アクセスすることが禁止されている。そこで、チップのブートプログラムを実行する際にチップコードレジスタ633から管理ブロック600BのIDプロパティメモリ617にコピーされたチップIDコードを、所定のレジスタにアクセスすることによってCPU211Aが取得するという手続をとることになる。
払出制御装置200から管理装置800へ送られたチップIDコードを管理装置800は受信し、取得した遊技チップIDコード、払出チップIDコードによる不正判定をする(ステップK2201)。
[遊技機状態信号を発生すべき事象が同時に複数生じた場合について]
上述した遊技機状態信号を発生すべき事象は、5つあった。すなわち、不正エラー(磁石不正、大入賞口不正、普電不正)、扉又は枠の開放、大当り、始動口、図柄確定、の5つである。これらのうちの二つ以上が同時に生じた場合について図17〜19及び図24(a)を参照しつつ説明する。
今、不正エラー(セキュリティ信号を発生すべき事象)と枠開放とが同時に(タイマ割込み処理として行われる外部情報編集処理が同時と認識するタイミングで同時に)生じたとする。遊技機状態信号の発生については、図17でステップS1708とステップS1717とを続けて処理するので、図24(a1)、(a2)に示すように、セキュリティ信号が発生した(図24(a1))直後に枠開放信号が発生する(図24(a2))。遊技機状態信号の送信については5本の信号線がそれぞれ設けられているので、たとえ同時に信号が生じた場合であっても支障なく送ることができる。
それに対して、固有情報設定処理において固有情報送信指令を払出制御装置に送信する(図19のステップS1904)のは、一回のタイマ割込み処理において一回であり、また管理装置800に送る信号線は1本である。したがって、図24(a3)に示すように、先の(例えば電源投入時の)個体識別情報の出力が終わった後に、枠開放時の個体識別情報の出力がなされる。枠開放信号が終わってしまってから、それに関する個体識別情報が送られることになる。しかし、個体識別情報はそれが送られる原因となった事象がいずれであるかの情報をもたない。したがって、管理装置(ホールコンピュータ)側ではどの事象に関連付けて処理すべきであるかを認識できない。
[変形例1 先に発生した事象にだけ個体識別情報を出力する]
そこで、変形例1では、遊技機状態信号を発生すべき事象が競合する場合に、先に発生した事象にだけ個体識別情報を出力すべく、図19の固有情報設定処理の替わりに図23の固有情報設定処理を用いることとする。図23の固有情報設定処理においては、個体識別情報の出力に比較的長い時間を要することに鑑みて、個体識別情報の出力が終わらない間(送信完了コマンドの受信がなされないうち)は、ほかの出力要求はすべてなくしてしまうこと(ステップS2308)を主眼とする。そのために固有情報送信指令を払出制御装置に送信した(ステップS2306)後、送信済みフラグを設定し(ステップS2307)、送信完了コマンドを受信して(ステップS2301)から、送信済みフラグをクリアする(ステップS2302)こととしている。ここで、送信完了コマンドは、払出制御装置が管理装置へ向けて固有情報を送信したことの送信完了を意味する送信完了コマンドであって、払出制御装置から遊技制御装置へ送られるコマンドである。
図23のフローチャートを参照しつつ、ステップを追って説明する。今、二つの出力要求フラグ(不正エラーに対応するものと、扉開放に対応するもの)が設定された状態で図23の固有情報設定処理に入ったとする。まず、送信完了コマンドを受信したか否かの判定(ステップS2301)において、まだ送信をしていないので「No」となり(ステップS2301;No)、送信済みか否かを判定する(ステップS2303)。この判定は送信済みフラグを見ることによって行う。この時点では、まだ送信フラグを設定していないので(ステップS2303;No)、次に出力要求フラグがあるか否かを判定する(ステップS2304)。不正エラーに対応する出力要求フラグがあるので(ステップS2304;Yes)、不正エラーに対応する出力要求フラグをクリアして(ステップS2305)、固有情報送信指令を払出制御装置に送信して(ステップS2306)、送信済みフラグを設定する(ステップS2307)。そして戻る。
この戻りは図17の外部情報編集処理のステップS1702へ進むことを意味する。二つの出力要求フラグ(不正エラーに対応するものと、扉開放に対応するもの)が設定された状態で図23の固有情報設定処理に入ったという前提で図17の処理を終えて、ステップS1702へ進んだので、すでに前回のタイマ割込み処理において不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットしてある(ステップS1707)ので、ステップS1705でYes、ステップS1708、ステップS1709を経て、ステップS1714でYes、ステップS1717、ステップS1718、ステップS1801でNo、ステップS1807、ステップS1808、ステップS1809、ステップS1810、ステップ1811を経て、戻る。この戻りは、タイマ割込みの全体を描いたフローチャート(図9)への戻りである。一連のタイマ割込みが終わってメイン処理(図6)に戻って、ループ処理の中で再びタイマ割込み(図9)へはいり、外部情報編集処理(図9のS62)に入り、図7のステップS1701で固有情報設定処理(図23)に入る。
まだこの時点では送信完了コマンドを受信していない。したがって、送信完了コマンド受信判定(ステップS2301)でやはりNoと判断され、送信済みか否か(ステップS2303)の判定において、送信済みフラグを見る。さきほど送信済みフラグを設定したので(ステップS2307)、ステップS2303でYesと判定され、ステップS2308へ進む。ここで扉開放に対応する出力要求フラグがまだ設定されたままである。ステップS2308では、その出力要求フラグ(全ての出力要求フラグ)をクリアする。そして戻る。
何度かタイマ割込みに入ることを繰り返して、ステップS2301の処理に再びはいったときに、固有情報を管理装置へ向けて送信したことの送信完了コマンドを受信したとすると、ステップ2301でYesとなり、送信済みフラグをクリアする(ステップS2302)。これにより次の出力要求を処理することが可能になる。送信済みフラグをクリアすると(ステップ2302)、ステップ2303でNo、出力要求フラグがあるかの判定(ステップ2304)でYes、ステップS2305、ステップS2306、ステップS2307の流れより、次の出力要求を処理する。
また、出力要求フラグが設定されていないとき(ステップ2304;No)には、図23の処理から抜けて、図17のステップ1702へ進む。
図24(b1)、(b2)、(b3)の図を参照しつつ、この変形例1の処理の結果出力される信号について説明する。図24(b3)に描いたように個体識別情報の出力には一定の時間が必要である。個体識別情報の出力が始まって、それが終わるまでの時間内に、不正エラーによるセキュリティ信号(b1)と枠開放信号(b2)という二つの遊技機信号が生じた場合を図24(b)は描いている。
この場合、図24(a)に示すような実施形態では、1回目の個体識別情報の出力が終わってから二回目の個体識別情報の出力をした。それに対し、変形例1では、図24(b3)に示すように、1回目の個体識別情報のみ出力し、二回目の個体識別情報はしないこととする。つまり、枠開放が発生したときは、個体識別情報出力中なので枠開放に対応させた個体識別情報は出力されない。個体識別情報の出力が終わった後に、枠開放が発生すればそのときには個体識別情報が出力されることになる。個体識別情報の出力が終わっているかどうかを判断するためのフラグが図23の送信済みフラグ(ステップS2302、S2307)である。
実施形態においては、複数の遊技機状態信号が同時に発生した場合、それに対応する個体識別情報の出力がなされるときにはすでに遊技機状態信号の出力は終わってしまっているために、いずれの遊技機状態信号に対応する個体識別情報の出力であるかが管理装置(ホールコンピュータ)の側で認識できないという不具合があったが、変形例1では、そのように個体識別情報の出力が重なる場合の二度目以降の出力をしないこととしたので、実施形態のような不具合を生じさせないことができる。また、無駄な出力を抑えることでCPUの負荷を少なくすることができる。
なお、図24(b3)では、「電源投入時の個体識別情報の出力」とあるが、その後の遊技機中における遊技機状態信号の出力に対応する個体識別情報の出力にあっても同様である。
[変形例2 競合する遊技機状態信号の出力処理を繰り延べる]
変形例2は、変形例1と同様に競合する遊技機状態信号の発生を処理することを主眼とする。変形例1においては競合する場合の二度目以降の個体識別情報の出力をなくすことで対処した。変形例2では、競合する遊技機状態信号の出力処理を繰り延べることで対処する。すなわち、個体識別情報の出力が遅れることを前提に、それに対応する遊技機状態信号の出力処理を繰り延べて遊技機状態信号の出力タイミングを遅らせることにより管理装置(ホールコンピュータ)側における対応関係を認識できるようにするものである。そのために用いる固有情報設定処理のフローチャートが図25であり、外部情報編集処理のフローチャートが図26,27であり、出力される信号のタイミングを説明するタイミングチャートが図28である。
図26,27の外部情報編集処理のフローチャートは、その大半が実施形態(図17,18)と同じであるが、図17、18と違うのは、ステップS2605、ステップS2614、ステップS2702では「いずれかで固有情報出力要求済み?」となり、当該判定で判定結果が肯定(Yes)である場合の進むステップが図17,18の進む先よりも一つ先のステップになることである。これにより競合する遊技機状態信号、例えば不正エラーと扉開放とが競合する場合の扉開放の信号をすぐに出力せずに、対応する個体識別情報の出力(固有情報)の出力のタイミングと合わせて出力するように処理を繰り延べる。ここで処理の繰り延べは、所定時間をカウントして遅延させるような時間の遅延ではなくて、この外部情報編集処理がタイマ割込みとしてメイン処理のループ処理の中で繰り返し行われる処理であることに鑑みて、遊技機状態信号を出力する処理を実行した次のタイマ割込みの処理においてすぐに個体識別情報の出力を実行するように、遊技機状態信号の出力処理を後回しにして処理を実行することを意味する。
変形例2の処理は、図25,26,27の3枚のフローチャートすべてが実施形態のそれとは異なるものとなっているので、フローチャートを最初から追って説明する。
図25、26、27のフローチャートを参照しつつ、ステップを追って説明する。いま、固有情報の送信がなされていない状態であり、前回の送信完了コマンド受信処理も終わっている状態で図25の固有情報設定処理に入ったものとする。まず、送信完了コマンド受信したか?の判定でNo(ステップS2501;No)と判定され、ステップS2503へ進む。送信済みか?の判定でNo(ステップS2503;No)と判定され、まだ出力要求フラグが設定されていないとすると、出力要求フラグあり?の判定でNo(ステップS2504;No)と判定され、図25の処理を抜けて図26のステップS2602へと進む。
今、不正エラーと扉開放とが同時に遊技制御装置100により検出され、まだ出力要求がいずれもなされていないとすると、いずれかで固有情報出力要求済み?の判定でNo(ステップS2605;No)、不正エラーでの固有情報信号の出力要求フラグをセットし(ステップS2606)、不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットし(ステップS2607)、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS2608)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知ONデータを設定する(ステップS2609)。
次に、扉又は枠の開放中か否かの判定でYes(ステップS2613;Yes)と判定されて、ステップS2614に進むが、先ほどステップS2607で固有情報信号の出力要求済みフラグをセットしたので、「いずれかで固有情報出力要求済み?」でYes(ステップ2614;Yes)と判定されて、ステップS2618へスキップして遊技状態報知LEDの開放エラー報知ONデータを設定する(ステップS2618)。つまり、ここでステップS2617を実行しないので、扉開放の遊技機情報は出力しない。固有情報信号が出力できるタイミングで遊技機情報を出力するように処理を繰り延べるものである。
その後、「大当り動作中か否か?」の判定でNoと判定されて(ステップS2701)、大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし(ステップS2707)、大当り信号OFFの出力データを設定し(ステップS2708)、遊技状態報知LEDの大当り報知OFFデータを設定し(ステップS2709)、始動口信号編集処理を実行し(ステップS2710)、図柄確定回数信号編集処理を実行し(ステップS2711)、戻る。タイマ割込み処理の次のタイミングで図26のステップS2601にくると、図25の固有情報設定処理に入る。
さきほど不正エラーでの固有情報信号の出力要求フラグをセットした(ステップS2606)が、まだ固有情報は送信されていないので、まだ送信完了コマンドを受信していない。したがって「送信完了コマンド受信?」の判定でNo(ステップS2501;No)となり、ステップS2503へ進む。「送信済みか否か?」(ステップS2503)の判定は送信済みフラグを見て判定するものであり、送信済みフラグはステップ2507で設定するものである。したがって、まだ送信済みフラグの設定はなされていないのでステップS2503でNoの判定となる。
次にステップS2504に進み、「出力要求フラグがあるか否か?」の判定をする。出力要求フラグはさきほど前回のタイマ割込み処理における外部編集処理のステップS2606において、不正エラーでの固有情報信号の出力要求フラグをセットしたので、ステップS2504でYesと判定されて、対応する出力要求フラグをクリアし(ステップS2505)、固有情報送信指令を払出制御装置に送信する(ステップS2506)。そして、送信済みフラグを設定する(ステップS2507)。その後戻る。
この戻りは、ステップS2602へ進むことを意味する。このとき、不正エラーが検出される状態、扉開放が検出される状態、大当りではない状態が続いているとすると、ステップS2605で「いずれかで情報出力要求済み?」に対してYesと判定されて、ステップS2609にスキップして報知設定をし、ステップS2614で「いずれかで情報出力要求済み?」に対してYesと判定されて、ステップS2618にスキップして報知設定をし、その後「大当り動作中?」の判定でNoと判定され、ステップS2707、S2708、S2709、S2710、S2711と進み、戻る。ここでも扉・枠開放に基づく遊技機エラー状態信号の出力データの設定(ステップS2616)はスキップされる。不正エラーでの固有情報がまだ送信完了していないので、扉開放に対応する固有情報を出力できる準備が整わないからである。
何度かタイマ割込みに入ることを繰り返して、ステップS2501の処理に再びはいったときに、固有情報を管理装置へ向けて送信したことの送信完了コマンドを受信したとすると、ステップ2501でYesとなり、送信済みフラグをクリアする(ステップS2502)。これにより次の出力要求を処理することが可能になる。送信済みフラグをクリアすると(ステップ2502)、ステップ2503でNo、出力要求フラグがあるかの判定(ステップ2504)でNoと判定されて、図25の処理から抜けて、図26のステップS2602以降へ進む。
遊技制御装置100が不正エラーの検出をしなくなると、ステップS2602でNo、ステップS2603でNo、ステップS2604でNoと判定された結果、不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし(ステップS2610)、遊技機エラー状態信号OFFの出力データを設定し(ステップS2611)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知OFFデータを設定し(ステップS2612)、扉開放の処理に進む。
遊技機制御装置100がこのとき扉開放を検出しているとすると、「扉又は枠の開放中?」でYesの判定がされ(ステップS2613;Yes)、「いずれかで固有情報出力要求済み?」でNoの判定がなされ(ステップS2614;No)、扉・枠開放での固有情報信号の出力要求フラグをセットし(ステップS2615)、扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをセットし(ステップS2616)、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS2617)、遊技状態報知LEDの開放エラー報知ONデータを設定し(ステップS2618)、その後「大当り動作中?」の判定でNoと判定され、ステップS2707、S2708、S2709、S2710、S2711と進み、戻る。
何度かタイマ割込みに入ることを繰り返して、ステップS2501の処理に再びはいったときに、ステップ2501でNoとなり、ステップ2503でNo、出力要求フラグがあるかの判定(ステップ2504)でYes、扉開放に対応する出力要求フラグをクリアし(ステップS2505)、固有情報送信指令を払出制御装置に送信し(ステップS2506)、送信済みフラグを設定する(ステップS2307)。
このようにして、変形例2においては、競合する遊技機状態信号の発生がある場合に、遊技機状態信号の出力処理を繰り延べることにより遊技機状態信号とそれに対応して出力される個体識別情報との同期をとり、管理装置(ホールコンピュータ)側で対応関係を認識できるようにする。
図28(b1)、(b2)、(b3)の図を参照しつつ、この変形例2の処理の結果出力される信号について説明する。図28(b3)に描いたように個体識別情報の出力には一定の時間が必要である。個体識別情報の出力が始まって、それが終わるまでの時間内に、不正エラーによるセキュリティ信号(b1)と枠開放という事象(b2の破線)という二つの遊技機状態が生じた場合を図28(b)は描いている。
この場合、図28(a)に示すような実施形態では、1回目の個体識別情報の出力が終わってから二回目の個体識別情報の出力をした。それに対し、変形例2では、図28(b3)に示すように、1回目の個体識別情報が終わった後に、枠開放信号(遊技機状態信号)の出力もし、それに対応させて二回目の個体識別情報を出力する。つまり、枠開放が発生したとき(図28(b2)の破線)は、すでに不正エラー(セキュリティ信号)に対応する個体識別情報出力中なので枠開放に対応させた個体識別情報は出力されない。不正エラーに対応する個体識別情報の出力が終わった後に、枠開放信号を発生させる処理を繰り延べして実行し、それに対応する個体識別情報を合わせて出力する。
実施形態においては、複数の遊技機状態信号が同時に発生した場合、それに対応する個体識別情報の出力がなされるときにはすでに遊技機状態信号の出力は終わってしまっているために、いずれの遊技機状態信号に対応する個体識別情報の出力であるかが管理装置(ホールコンピュータ)の側で認識できないという不具合があったが、変形例2では、そのように個体識別情報の出力が重なる場合の遊技機状態信号の処理を繰り延べることとしたので、実施形態のような不具合を生じさせないことができる。
なお、図28(b3)では、「電源投入時の個体識別情報の出力」とあるが、その後の遊技機中における遊技機状態信号の出力に対応する個体識別情報の出力にあっても同様である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、上記実施形態の変形例1〜2では、遊技制御装置側のタイマ割込み処理の一部である外部情報編集処理(さらに一部分である固有情報設定処理)を変更することによって遊技機信号の発生が競合する場合の手当てをしたものを説明したが、ハードウェア(電子回路)によって同様の手当てをするようにしても良い。
[発明1]
以上の説明から、本出願には、
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置に所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置を備え、
前記払出制御装置に所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行う個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す完了指令を前記制御情報として送信し、
前記遊技演算処理装置は、前記払出送受信制御手段から前記完了指令を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれていることが分かる。
これを発明1と呼ぶ。
ここで、遊技演算処理装置は、遊技制御装置を構成する遊技機用演算処理装置(遊技用マイコン、アミューズチップ)であって、CPU、RAM、ROM、送受信回路等を有する。
払出演算処理装置は、払出制御装置を構成する遊技機用演算処理装置(遊技用マイコン、アミューズチップ)であって、CPU、RAM、ROM、送受信回路等を有する。
個体識別情報とは、当該マイコンを他のマイコンと識別するためのチップIDコード(チップID)であって、同じチップIDコードを有するものはほかになく、また、書き換えられることがないものである。
遊技個体識別情報は、遊技演算処理装置の個体識別情報(遊技チップのチップID)である。
払出個体識別情報は、払出演算処理装置の個体識別情報(払出チップのチップID)である。
外部装置は、情報収集端末、管理装置(ホールコンピュータ)等である。
発明1によれば、遊技制御開始前に外部装置に遊技個体識別情報を出力するようにしたので、基板交換などの不正行為がなされた場合には、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置や払出制御装置)に対する不正の可能性が高いことを、遊技開始前に外部に報知可能となる。つまり、不正の可能性や不正発生時の状況が判定できる情報(遊技機状態信号に対応した個体識別情報)が外部装置側に出力可能である。
また、遊技制御開始前に払出制御装置に遊技個体識別情報を送信し、払出制御装置から外部装置に遊技個体識別情報を出力するようにしたので、遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
また、本出願には、発明1において、
前記払出演算処理装置は、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を記憶保持する受信情報記憶部を有し、
前記遊技演算処理装置から送信される前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記受信情報記憶部に記憶されている前記遊技個体識別情報を前記個体識別情報出力制御手段によって遊技機外の外部装置に出力し、
前記遊技演算処理装置は
当該遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段を有し、
前記遊技機状態信号に対応させて前記遊技個体識別情報の出力を指示するための前記制御情報を前記遊技送受信制御手段により前記払出制御装置に送信するようにした発明が含まれている。
上記発明によれば、遊技機状態信号に対応させて遊技個体識別情報が出力されるので、外部装置(管理装置)は、送られてくる遊技個体識別情報と対応する遊技機状態信号の整合が容易に取れるので、遊技機の状況が把握し易くなり、不正が発生した場合の対策が取り易くなる。
また、払出演算処理装置に記憶保持した遊技個体識別情報を外部装置に出力するので、遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
さらに、本出願には、発明1において、
前記遊技演算処理装置は、
前記遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合に、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号にのみ前記遊技個体識別情報の出力を指示するための制御情報を対応させて送信することを特徴とする発明が含まれている。
上記発明によれば、遊技機状態が重複して発生した場合、先に発生した遊技機状態を外部装置側へ報知する遊技機状態信号にのみ遊技個体識別情報を対応させて出力制御するようにしたので、遊技機状態との対応が不明な遊技個体識別情報の出力が行われることがなく効率的な不正報知が行える。
また、直近で同じ値であるはずの遊技個体識別情報を受けなくて済むので、ホールコン等(管理装置等)の負担を軽減することができる。
また、本出願には、発明1において、
前記遊技演算処理装置は、
前記遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合に、先に発生した遊技機状態を報知する先遊技機状態信号に対応させて前記遊技個体識別情報の出力を指示するための前記制御情報を送信し、
前記先遊技機状態信号に対応する前記遊技個体識別情報の出力制御が終了するまでは、後に発生した遊技機状態を報知する後遊技機状態信号の出力を保留し、
さらに、前記先遊技機状態信号に対応する前記遊技個体識別情報の出力制御が終了したことに基づいて、前記保留した後遊技機状態信号の出力を開始させ、
前記後遊技機状態信号の出力に対応させて前記個体識別情報の出力を指示するための制御情報を送信することを特徴とする発明が含まれている。
上記発明によれば、遊技機状態が重複して発生した場合、後に発生した遊技機状態を外部装置側へ報知する遊技機状態信号の出力を保留するようにしたので、遊技機状態との対応が不明な遊技個体識別情報の出力が行われることがなくホールコンピュータ(管理装置)の対応(プログラム)を簡単にすることができる。
[発明2]
さらに、本出願には、
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報記憶部が記憶する前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行う個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す完了指令を前記制御情報として送信し、
前記遊技演算処理装置は、前記払出送受信制御手段から前記完了指令を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれている。
この発明を発明2と呼ぶ。
発明2によれば、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置や払出制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。つまり、不正の可能性や不正発生時の状況が判定できる情報(遊技機状態信号に対応した個体識別情報)が外部装置側に出力可能である。
また、遊技制御開始前に払出制御装置に遊技個体識別情報を送信し、払出制御装置から外部装置に遊技個体識別情報を出力するようにしたので、電源投入後においても外部装置へ遊技個体識別情報を出力する必要があるような場合に遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
なお、本発明の遊技機10は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 遊技機
30 遊技盤
31 ガイドレール
34 普図始動ゲート
36 始動入賞口
37 普通変動入賞装置
38 特別変動入賞装置(大入賞口)
40 センターケース
41 表示装置
100 遊技制御装置
111 遊技用マイコン(遊技演算処理装置、遊技送受信制御手段、遊技機状態信号出力制御手段)
200 払出制御装置
211 払出用マイコン(払出演算処理装置、払出送受信制御手段、個体識別情報出力制御手段)
211c RAM(受信情報記憶部)
300 演出制御装置
400 電源装置
500 外部情報端子板
603 HWパラメータROM
617 IDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)
631 シリアル送受信回路
633 チップコードレジスタ(個体識別情報記憶部)
800 管理装置(外部装置)

Claims (1)

  1. 遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
    前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
    前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
    前記遊技演算処理装置は、
    当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
    前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
    前記払出演算処理装置は、
    当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
    前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
    前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報記憶部が記憶する前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行う個体識別情報出力制御手段と、を備え、
    前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す完了指令を前記制御情報として送信し、
    前記遊技演算処理装置は、前記払出送受信制御手段から前記完了指令を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機。
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