JP2017148291A - 遊技機 - Google Patents

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法広 河邉
Norihiro Kawabe
法広 河邉
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Abstract

【課題】従来の遊技機において、閉状態と開状態とに変化可能な可変式入球口を備え、所定の当否判定において当りとなると、当該可変式入球口を開状態へと変化させる当り遊技を実行していた。この当り遊技により、遊技者は多量の遊技利益を獲得可能とされていた。然しながら、何らかの故障により開閉部材が動作せず、大当りとなったにも関わらず、可変入球口が開状態とならないといった不具合が発生する場合があった。【解決手段】可変入球口の開閉部材を事前に動作確認すると共に、遊技店及び遊技者に不利益が被ることがない遊技機を提供する。【選択図】図11

Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来の遊技機において、閉状態と開状態とに変化可能な可変式入球口を備え、所定の当否判定において当りとなると、当該可変式入球口を閉状態から開状態へと変化させていた。この開状態となった可変式入球口に遊技球を入球させることで、遊技者は所定の遊技利益を獲得可能とされていた。然しながら、振動等により可変式入球口を開状態とする電気的駆動手段の電力供給線が脱落(遮断)したり、何らかの故障により電気的駆動手段が動作しなかったり、異物の混入等により可変式入球口を開閉する開閉部材が開閉動作しなかったりといった不具合が発生する可能性がある。
この様な不具合が発生した場合には、当否判定において当りとなったにも関わらず、可変入球口が開状態とならず、遊技者が遊技利益を獲得できず、不測の不利益を被る可能性がある。一方、演出上の可動部材で行われているように、事前に可変式入球口の動作確認をして不具合がないかを事前確認することも考えられる。然しながら、可変式入球口で演出上の可動部材と同様の動作確認を行うと、動作確認中の可変式入球口に遊技球が入球し、本来得るはずのない利益を付与してしまったり、動作確認期間を狙って不正に遊技球を入球させられたりといった問題が発生する恐れがある。特許文献1には、可変式始動口を開閉する始動口ソレノイドや大入賞口を開閉する大入賞口ソレノイドを有する遊技機について開示されている。
特開2015−165901
従来の遊技機や特許文献1の遊技機の構成では、前述した課題を解決することができず、遊技者に不測の損害を与える恐れがあった。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、可変式入球口等について従来にない動作制御を実行して、遊技者に不測の損害を与えることを防止することを可能にするものである。
前述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
電力を供給する電力供給手段と、
遊技球を検知する検知手段と、を備え、
前記検知手段で遊技球を検知することに基づいて遊技を進行するものであって、
前記検知手段として、少なくとも、第1検知手段と、第2検知手段と、を有し、
前記第1検知手段による遊技球の検知に基づいて当否判定を実行する判定手段と、
第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変入球口と、
前記可変入球口を前記第1の態様又は前記第2の態様に変化させる電気的駆動手段と、
前記電気的駆動手段の動作を制御する駆動制御手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球を検知する第2検知手段と、を備え、
前記判定手段による当否判定の結果が当りであると前記可変入球口を前記第2の態様に変化させ、前記第2検知手段によって遊技球が検知されると所定の遊技利益を付与可能な遊技機であって、
前記駆動制御手段は、前記電力供給手段による電力供給の開始に基づいて、前記電気的駆動手段を動作させて前記可変入球口を前記第2の態様に変化させる初期動作を実行するものであり、
前記検知手段は、前記初期動作の実行期間において無効とされ、前記初期動作の終了後に有効とされることを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、遊技機への電力供給の開始に伴って当否判定の結果とは無関係に可変入球口を強制的に第2の態様とする初期動作を実行するものとする。そして、当該初期動作の実行中は、当該可変入球口を第2の態様とするための当否判定の契機となる第1検知手段、及び、当該可変入球口への入球を検知して遊技利益を付与することとなる第2検知手段を含む、全ての遊技球検知手段を無効とし、初期動作の終了後に当該検知手段を有効とすることを可能とする。
これにより、初期動作の実行中に第1検知手段の検知に基づいて当否判定が行われて、当該当否判定に基づいて可変入球口が第2の態様に変化してしまうことを防ぐことが可能となる。すなわち、初期動作による可変入球口の動作と、当否判定による可変入球口の動作と、が重複して実行されることを防止し、正確な初期動作処理を実行することが可能となる。また、初期動作の実行によって第2の態様に変化した可変入球口に遊技球が入球したとしても、それによって遊技者に遊技利益が付与されるのを防止することが可能となる。またこれにより、本来得るはずのない遊技利益を遊技者が得てしまうことを防ぎ、公正な遊技を提供することが可能となる。
また、第2発明の遊技機は、第1発明において、
前記第1検知手段による遊技球の検知に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段を備え、
前記識別情報表示手段は、前記初期動作の実行期間において前記識別情報の変動表示を不能とし、前記初期動作の終了後に前記識別情報の変動表示を可能とすることを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、初期動作の実行期間においては、検知手段を無効にすると共に、識別情報の変動表示を不能とする。これにより、正確な初期動作処理を実行することが可能となる。
また、第3発明の遊技機は、第2発明において、
前記電力供給手段による電力供給の開始に基づいて、電力供給時制御処理と、遊技制御処理と、を実行可能な制御処理手段とを備え、
前記電力供給手段が電力供給を開始すると、前記制御処理手段は、前記電力供給時制御処理を実行し、前記電力供給時制御処理の終了後に前記遊技制御処理を実行すると共に、前記遊技制御処理の実行後は前記電力供給を遮断するまで前記電力供給時制御処理を実行しないものとされ、
前記電力供給時制御処理には、少なくとも、前記初期動作を実行する処理を含み、
前記遊技制御処理には、少なくとも、前記検知手段によって遊技球を検知する処理と、前記判定手段によって当否判定を実行する処理と、前記識別情報表示手段によって前記識別情報を変動表示する処理と、を含むことを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、電力供給の開始後に、まず初期動作を実行する処理を含む電力供給時制御処理を実行し、当該電力供給時制御処理を終了した後に、検知手段によって遊技球を検知する処理と、判定手段によって当否判定を実行する処理と、識別情報表示手段によって識別情報を変動表示する処理とを含む遊技制御処理の実行を可能とした。すなわち、電力供給開始後に実行される初期動作を終えるまで、遊技球を検知したり、当否判定を実行したり、識別情報を変動表示したりする処理を行わないため、可変入球口が第2の態様となることもない。
これにより、初期動作による可変入球口の動作と、当否判定による可変入球口の動作と、が重複して実行されることを確実に防止し、正確な初期動作処理を実行することが可能となる。また、初期動作の実行によって第2の態様に変化した可変入球口に遊技球が入球して、本来得るはずのない遊技利益を遊技者に付与してしまうことを確実に防止し、公正な遊技を提供することが可能となる。
また、第4発明の遊技機は、第3発明において、
前記初期動作に異常があるか否かを判定する異常判定手段を備え、
前記電力供給時制御処理には、少なくとも、前記異常判定手段によって異常があるか否かを判定する処理を含み、
前記異常判定手段が、前記初期動作において異常があると判定した場合に、前記遊技制御処理に移行しないことを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、電力供給時制御処理における初期動作において、可変入球口が第2の態様に変化しない等の異常があると判定した場合には、遊技制御処理に移行しないものとすることが可能となる。これにより、可変入球口が第2の態様に変化しない等の異常がある場合には、そのまま遊技を進行させず、修理等の対応をすることが可能となる。またこれにより、所定期間遊技を継続して当否判定の結果が当りになったにも関わらず可変入球口が第2の態様にならないといった事態の発生を未然に防止し、遊技意欲が減退してしまうことを防ぐことが可能となる。
また、第5発明の遊技機は、第1発明乃至第4発明において、
前記初期動作に異常があるか否かを判定する異常判定手段を備え、
前記異常判定手段が、前記初期動作において異常があると判定した場合に、エラー報知を実行することを特徴とするものである。
この様な遊技機によれば、初期動作において、可変入球口が第2の態様に変化しない等の異常があると判定した場合には、エラー報知を行うことが可能となる。これにより、可変入球口に異常がある場合には、当否判定の結果が当りとなる前に、事前把握し、修理等の対応を行うことが可能となる。またこれにより、所定期間遊技を継続して当否判定の結果が当りになったにも関わらず可変入球口が第2の態様にならないといった事態の発生を未然に防止し、遊技意欲が減退してしまうことを防ぐことが可能となる。
本発明の遊技機によれば、可変入球口の動作確認を事前に行うことで、不具合の発生しにくい遊技機を提供することが可能となる。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は小当り種別判定テーブルであり、(D)はリーチ判定テーブルであり、(E)は普通図柄当り判定テーブルであり、(F)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 ソレノイド動作確認処理のフローチャートである。 ソレノイド動作確認処理のフローチャートである。 ソレノイド動作確認終了処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 特定領域検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 実施例2のソレノイド動作確認処理のフローチャートである。 実施例2のソレノイド動作確認終了処理のフローチャートである。 実施例2の普図待機処理のフローチャートである。 実施例2の特図待機処理のフローチャートである。 実施例3のメイン処理のフローチャートである。 実施例3のソレノイド動作確認処理のフローチャートである。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。
また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。
これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。
これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。
この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。
すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。また、本実施例1のパチンコ遊技機1は、第2始動口21の可動部材23が開状態の位置にあることを検知する可動部材位置検知センサ24bと、第1大入賞口30の開閉部材32が開状態の位置にあることを検知する第1開閉部材位置検知センサ33bと、第2大入賞口35の開閉部材37が開状態の位置にあることを検知する第2開閉部材位置検知センサ38bと、を有している(図5)。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。
さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。
これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する。また第2大当り(2R大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯し、残りを消灯する。また小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し、残りを消灯することができる。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果に応じて夫々異なる表示態様に定められている。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。
また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というようにtのLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯しrのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、又は加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。尚可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチらサブ制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」と言う。
当りには複数の種別がある。図6に示すように当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「2R第3大当り」、及び「15R第4大当り」がある。「15R第1大当り」及び「15R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドを、チャンスラウンドやチャレンジラウンドということができる。「15R第2大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のチャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、この「15R第2大当り」は、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞装置36を開放させることのない大当りであるといえる。「2R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、チャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞装置36を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が前述の15R第1大当り、2R第3大当り、又は15R第4大当りとなった場合には、特定領域への遊技球の通過可能性が比較的高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。これに対して、15R第2大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができず、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
一方、小当りは、見かけ上2R第3大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞装置36を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に、特定領域39への遊技球の通過があっても小当り遊技の実行後の遊技状態を小当り遊技の実行前から変化させないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第3大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が、2R第3大当りになったのか小当りになったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第3大当りとしての特別遊技中に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合、及び2R第3大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数を、ラウンド数とは言わず、単に開放回数という。
より具体的には、本実施例1のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)、及び15R第4大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでは第2大入賞口35を最大28秒開放し、3R〜15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが容易となっている。
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放し、3R〜15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることはほぼ不可能となっている。
すなわち、15R第2大当り用の開放パターンは、15R第1大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンド及び第2ラウンドの開放態様が異なる。つまり、15R第1大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、第2大入賞口35へ遊技球が容易に入球する。そして、第2大入賞口35へ入球した遊技球は、高い可能性で特定領域39を通過する。これに対して、15R第2大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35へ遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2大当りの実行中に、遊技球が特定領域39を通過する可能性は15R第1大当りと比してかなり低くなっている。また、遊技球が特定領域39を通過する可能性は限りなく0に近いため、通過しないといってもよい。
また図6に示すように、2R第3大当りに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに2R第3大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。尚、本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。よって、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させることは十分に可能である。またこの2R第3大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)、及び、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35において最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第3大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。しかし前述の通り、特定領域39への通過があっても小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。またこの小当りは、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第3大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼないもの(入球による賞球のみ)となっている。
すなわち、本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第4大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第3大当り)、を有するものとすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、全て15R第4大当りとなっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定により大当りとなった場合には、必ず15R第4大当りとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は0〜629までの範囲で値をとる。大当り種別決定用乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。尚、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に、「リーチ乱数(「リーチ情報」ともいう)」及び「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
リーチ乱数は、特別図柄当否判定の結果が外れである場合に、演出図柄を用いてその結果を示す遊技演出(演出図柄遊技演出)においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の2個の演出図柄8R、8Lが同じ図柄で停止(仮停止)され、残り1個の中演出図柄8Cが変動中の状態をいう(「7↓7」の状態)。そして、変動中の中演出図柄8Cが停止中の演出図柄8R、8Lと同じ図柄で停止すれば、3つの演出図柄が同一の図柄で停止することとなり、当りとなる。尚、この場合の演出図柄の停止(仮停止)には、演出図柄表示領域7b内で多少揺れているような表示(揺れ変動)も含まれる。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、15R第1大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
また、15R第2大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に特定領域39を通過した場合には、「高確高ベース状態」となる。
また、通常状態(低確低ベース状態)において、2R第3大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に、「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
また、高ベース状態において、2R第3大当りとなった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(図6参照)。すなわち、特別図柄の時短機能及びベース状態については、特別遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図40に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
S101で、初期設定を行い(S101)、次いで電源投入フラグをONにする処理を行う(S106)。尚、この処理(S106)も電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。S106の処理に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず後述するソレノイド動作確認処理を行う(S211)。詳細は後述するが、このソレノイド動作確認処理により、第2始動口21の可動部材23、第1大入賞口の開閉部材32、第2大入賞口の開閉部材37が実際に開状態となるかどうかを確認することが可能となる。仮にこのソレノイド動作確認処理によって、第2始動口21の可動部材23、第1大入賞口の開閉部材32、第2大入賞口の開閉部材37の何れかが動作しないと判定すると、エラー報知等の処理を行う。次に、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、始動入球時処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[ソレノイド動作確認処理]
図12及び図13を用いてソレノイド動作確認処理(S211)を実行する。このソレノイド動作確認処理(S211)は電源投入時に実行される処理で、当否判定の結果と無関係に(当否判定を行うことなく)、ソレノイド(第2始動口ソレノイド、第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド)を動作させ、夫々のソレノイドの動作に伴って動作する可動部材23、開閉部材32、37が開状態となるかどうかを事前に確認する処理である。
このソレノイド動作確認処理(S211)を実行することで、ソレノイド(第2始動口ソレノイド、第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞口ソレノイド)や可動部材23、開閉部材32、37に不具合がないかどうかを事前に調べ、このソレノイド動作確認処理により不具合があると判定された場合には、修理や遊技機移動等の対応を行うことが可能となる。一方、この様な確認処理を行わない場合には、遊技者が所定期間(例えば長時間)遊技を行い、ようやく当否判定(普通図柄当否判定、特別図柄当否判定)の結果が当りとなり、いざ当り遊技を開始するといった際に、大入賞口等が開放せず、この時になって初めて不具合の存在に気づくといった事態が発生する恐れがある。この様な事態が発生すると、遊技者に不測の損害を与え、遊技興趣を著しく減退させるものとなる。このソレノイド動作確認処理(S211)を実行することで、この様な事態の発生を極力未然に防ぐことが可能となるのである。
具体的に、ソレノイド動作確認処理(S211)ではまず、電源投入フラグがONか否かを判定し(S5001)、電源投入フラグがONでない、すなわち電源投入時ではないと判定した場合(S5001でNO)、処理を終える。一方、S5001で、電源投入フラグがONである、すなわち電源投入時であると判定した場合(S5001でYES)、次いで普通図柄が変動中であったかどうか(普通図柄変動中断情報が記憶されているかどうか)を判定する(S5002)。普通図柄が変動中でなかったと判定した場合(S5002でNO)、S5004の処理に移行する。S5002で、普通図柄が変動中であった(普通図柄変動中断情報が記憶されている)と判定した場合(S5002でYES)、普図変動中断フラグをONにし(S5003)、S5004の処理に移行する。
ここで、電源が遮断され(OFFにされ)、その後電源が投入されるパターンとして、主制御部80のバックアップ用RAM内に記憶されているバックアップ情報に基づいて電源遮断時の遊技状態を復帰させる電源投入パターンと、主制御部80のバックアップ用RAM内の遊技情報を全て消去して初期化状態とする電源投入パターンと、がある。前者は、例えば、遊技店の営業時間内における遊技途中に停電が発生したり、何らかの不具合等を解消するために遊技機の電源を一旦OFFにしたりした後に電源投入される(復帰する)場合が該当する。この様な場合には、電源が遮断される際に必要な遊技情報をバックアップし、再度電源が投入される際には当該バックアップ情報に基づいて、極力電源遮断時の遊技状態を復帰させ、遊技者が不利益を被らないようにされている。
一方、後者は、例えば、遊技店の営業を開始する際に主制御部80のバックアップ用RAM内の遊技情報を全て消去してから遊技を開始するような場合が該当する。このバックアップ用RAM内の遊技情報を全て消去すると共に電源を投入する方法は、例えば、図示しないRAMクリアスイッチを設け、当該RAMクリアスイッチを押下(所定の操作)しながら電源投入する態様を例示することができる。また、当該RAMクリアスイッチを押下せず(操作せず)電源を投入した場合には、バックアップ用RAM内の遊技情報に基づいて電源遮断時の遊技状態を復帰させるものとすることが可能である。
また、バックアップする情報(バックアップ対象の遊技情報)としては、主に、普通図柄が変動表示の途中で中断したこと(残り変動時間、当否判定結果等)、特別図柄が変動表示の途中で中断したこと(残り変動時間、当否判定結果等)、普図当り遊技が途中で中断したこと(残り開放時間、残り開放回数、入球個数等)、特図当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)が途中で中断したこと(残り開放時間、残り開放回数、残りラウンド数、入球個数等)、普通図柄に係る保留数及び保留情報(取得した乱数値等)、特別図柄に係る保留数及び保留情報(取得した乱数値等)、確率状態(低確率又は高確率)、時短状態(時短又は非時短)等を対象としている。すなわち、S5002で、普通図柄が変動中であった(普通図柄変動中断情報が記憶されている)と判定される場合(S5002でYES)とは、遊技者が遊技中であって普通図柄の変動表示中に何らかの事情(停電や不具合解消のため)で電源が遮断(電源OFF)され、その後電源が再投入されてバックアップ情報に基づいて遊技状態が復帰した場合である。
また、「普図変動中断フラグ」は、電源投入後にソレノイド動作確認用動作を完了するまで、普通図柄の変動表示が開始するのを待機させるためのフラグである。すなわち、本実施例1のパチンコ遊技機1では、電源投入時にバックアップ情報がある場合であっても、当該バックアップ情報に基づく遊技を行う前に、ソレノイド動作確認用動作を行うものとされている。S5002で、普通図柄が変動中であったと判定した場合には、この普図変動中断フラグをONにすることで、電源投入後にバックアップ情報に基づいて普通図柄が残り変動時間の変動表示を開始するのを待機させることが可能となる。これにより、普通図柄に係る保留情報がある場合にも、当該保留情報に基づく普通図柄の変動表示も、当該普図変動中断フラグがOFFになるまで待機することとなる。
S5004では、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が変動表示中であったかどうか(特別図柄変動中断情報が記憶されているかどうか)を判定する(S5004)。特別図柄が変動中でなかったと判定した場合(S5004でNO)、S5006の処理に移行する。S5004で、特別図柄が変動中であった(特別図柄変動中断情報が記憶されている)と判定した場合(S5004でYES)、特図変動中断フラグをONにし(S5005)、S5006の処理に移行する。S5004で、特別図柄が変動中であった(特別図柄変動中断情報が記憶されている)と判定される場合(S5004でYES)とは、遊技者が遊技中であって特別図柄の変動表示中に何らかの事情(停電や不具合解消のため)で電源が遮断(電源OFF)され、その後電源が再投入されてバックアップ情報に基づいて遊技状態が復帰した場合である。
また、「特図変動中断フラグ」は、電源投入後にソレノイド動作確認用動作を完了するまで、特別図柄の変動表示が開始するのを待機させるためのフラグである。S5004で、特別図柄が変動中であったと判定した場合には、この特図変動中断フラグをONにすることで、電源投入後にバックアップ情報に基づいて特別図柄が残り変動時間の変動表示を開始するのを待機させることが可能となる。これにより、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る保留情報がある場合にも、当該保留情報に基づく特別図柄の変動表示も、当該特図変動中断フラグがOFFになるまで待機することとなる。
S5006では、第2始動口を開状態とする普図当り遊技の実行中であったかどうか(普図当り遊技中断情報)を判定する(S5006)。普図当り遊技が実行中でなかったと判定した場合(S5006でNO)、S5008の処理に移行する。S5006で、普図当り遊技が実行中であった(普図当り遊技中断情報が記憶されている)と判定した場合(S5006でYES)、普図当り遊技中断フラグをONにし(S5007)、S5008の処理に移行する。S5006で、普図当り遊技が実行中であった(普図当り遊技中断情報が記憶されている)と判定される場合(S5006でYES)とは、遊技者が遊技中であって普図当り遊技の実行中に何らかの事情(停電や不具合解消のため)で電源が遮断(電源OFF)され、その後電源が再投入されてバックアップ情報に基づいて遊技状態が復帰した場合である。
また、「普図当り遊技中断フラグ」は、電源投入後にソレノイド動作確認用動作を完了するまで、普図当り遊技が開始(再開)するのを待機させるためのフラグである。S5006で、普図当り遊技が実行中であったと判定した場合には、この普図当り遊技中断フラグをONにすることで、電源投入後にバックアップ情報に基づいて普図当り遊技の残りの開放態様(開放時間、開放回数等)が開始するのを待機させることが可能となる。これにより、新たな普図当り遊技の開始も、当該普図当り遊技中断フラグがOFFになるまで待機することとなる。
S5008では、大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)を開状態とする特図当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の実行中であったかどうか(特図当り遊技中断情報)を判定する(S5008)。特図当り遊技が実行中でなかったと判定した場合(S5008でNO)、S5010の処理に移行する。S5008で、特図当り遊技が実行中であった(特図当り遊技中断情報が記憶されている)と判定した場合(S5008でYES)、特図当り遊技中断フラグをONにし(S5009)、S5010の処理に移行する。S5008で、特図当り遊技が実行中であった(特図当り遊技中断情報が記憶されている)と判定される場合(S5008でYES)とは、遊技者が遊技中であって特図当り遊技の実行中に何らかの事情(停電や不具合解消のため)で電源が遮断(電源OFF)され、その後電源が再投入されてバックアップ情報に基づいて遊技状態が復帰した場合である。
また、「特図当り遊技中断フラグ」は、電源投入後にソレノイド動作確認用動作を完了するまで、特図当り遊技が開始(再開)するのを待機させるためのフラグである。S5008で、特図当り遊技が実行中であったと判定した場合には、この特図当り遊技中断フラグをONにすることで、電源投入後にバックアップ情報に基づいて特図当り遊技の残りの開放態様(開放時間、開放回数、残りラウンド数等)が開始するのを待機させることが可能となる。これにより、新たな特図当り遊技の開始も、当該特図当り遊技中断フラグがOFFになるまで待機することとなる。
次いで、S5010では、ソレノイド動作確認用動作の実行中であるかどうかを判定し(S5010)、実行中であると判定した場合(S5010でYES)、処理を終える。一方、S5010で、ソレノイド動作確認用動作の実行中でないと判定した場合(S5010でNO)、次いでソレノイド動作確認用動作が終了したか否かを判定する(S5011)。S5011で、ソレノイド動作確認用動作が終了していないと判定した場合(S5011でNO)、すなわち、電源投入時であって未だソレノイド動作確認用動作を開始していない場合には、S5012以降の処理を実行する。
S5012以降の処理では、まず普図ゲートセンサ(ゲートセンサ28a)を無効とし(S5012)、次いで第1始動口センサ20aを無効とし(S5013)、次いで第2始動口センサ21aを無効とし(S5014)、第1大入賞口センサ30aを無効とし(S5015)、第2大入賞口センサ35aを無効とし(S5016)、特定領域センサ39aを無効とする(S5017)。これらの各種センサ無効処理(S5012乃至S5017)を行ったうえで、ソレノイド動作確認用動作を開始し(S5018)、処理を終える。
これらの各種センサを無効化する処理は、遊技中にソレノイド動作確認用動作を行うことによって、当否判定と無関係に(当否判定を行うことなく)強制的にソレノイドを動作させて、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35を開状態にすることによる弊害を防止するための処理である。
具体的に、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35等の可変入球口(開閉式入球口)を強制的に開状態にすることの問題点として、まず、当否判定(普図当否判定又は特図当否判定)で当りとなっていないにも関わらず開状態となった入球口に遊技球が入球して遊技者に遊技利益(賞球)が付与される可能性がある点が挙げられる。この様なことになれば、本来得るはずのない遊技利益を遊技者に付与することとなり、公正な遊技とはいえない。また、遊技店側が不測の不利益を被る恐れもある。すなわち、ソレノイド動作確認処理中に可変入球口に係る遊技球検知センサが有効となっていることが問題となる。
次に、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35等の可変入球口(開閉式入球口)を所定の順序、且つ所定の動作パターンで、強制的に開状態とするソレノイド動作確認用動作を実行するところ、これら可変入球口を当否判定の結果によって動作させる可能性のある始動口センサ(作動口センサ)が有効であると、ソレノイド動作確認用動作と、当否判定の結果が当りになったことに基づく動作と、が重複して実行され、ソレノイド動作確認用動作を適切に実行できない(正確に判定できない)可能性がある点が挙げられる。すなわち、ソレノイド動作確認処理中に可変入球口を作動させる(開状態とする)こととなる作動口に係る遊技球検知センサが有効となっていることが問題となる。
これらの問題を解決するため、S5012乃至S5017の処理により、各種センサを無効としている。前者の問題を解決することを目的として、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35に係るセンサ、すなわち第2始動口センサ20a、第1大入賞口センサ30a、特定領域センサ39a及び第2大入賞口センサ35aを無効とする。これにより、開状態となったこれらの可変入球口に遊技球が入球し、遊技球が対応するセンサを通過したとしても、遊技利益が付与されることはない。
また、後者の問題を解決することを目的として、ゲート28及び第1始動口20に係るセンサ、すなわちゲートセンサ28a及び第1始動口センサ20aを無効とする。これにより、ソレノイド動作確認処理中に、ゲートセンサ28a又は第1始動口センサ20aを遊技球が通過しても、当否判定(普図当否判定、特図当否判定)が実行されることはない(識別情報も変動表示しない)。従って、ソレノイド動作確認処理中に、当否判定の結果に基づいて可変入球口が開状態となることはなく、可変入球口の開閉動作が重複することなく、ソレノイド動作確認用動作を正確に実行することが可能となる。
また、該当するセンサは無効化したが、遊技者に不当な利益を付与したり、ソレノイド動作確認処理を妨げたりといった事態に無関係のセンサ、例えば、一般入球口27に係る一般入球口センサ27aについては有効とされており、遊技球が一般入球口センサ27aで検知された場合には、所定量の遊技利益(賞球)が付与されることとなる。この一般入球口への遊技球の入球に基づいては、賞球が付与されるだけで、可変入球口を開閉するかどうかの当否判定を行ったり、識別情報の変動表示を行ったりすることはない。
次に、S5018で開始するソレノイド動作確認用動作について説明する。本実施例1のソレノイド動作確認用動作においては、可変入球口を開状態とする第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド、及び第2大入賞口ソレノイドの3個のソレノイド(電気的駆動手段)を予め定めた所定の順序で、且つ夫々に定めた所定の動作態様で動作させる。
具体的に、まず第2始動口ソレノイド24を0.5s開動作で維持することで可動部材23を0.5s開状態とし、その後第2始動口ソレノイド24を0.5s閉動作で維持することで可動部材23を0.5s閉状態とし、再度第2始動口ソレノイド24を0.5s開動作で維持することで可動部材23を0.5s開状態とし、その後第2始動口ソレノイド24を0.5s閉動作で維持することで可動部材23を0.5s閉状態とする。次に、第1大入賞口ソレノイド33を0.5s開動作で維持することで開閉部材32を0.5s開状態とし、その後第1大入賞口ソレノイド33を0.5s閉動作で維持することで開閉部材32を0.5s閉状態とし、再度第1大入賞口ソレノイド33を0.5s開動作で維持することで開閉部材32を0.5s開状態とし、その後第1大入賞口ソレノイド33を0.5s閉動作で維持することで開閉部材32を0.5s閉状態とする。次に、第2大入賞口ソレノイド38を0.5s開動作で維持することで開閉部材37を0.5s開状態とし、その後第2大入賞口ソレノイド38を0.5s閉動作で維持することで開閉部材37を0.5s閉状態とし、再度第2大入賞口ソレノイド38を0.5s開動作で維持することで開閉部材37を0.5s開状態とし、その後第2大入賞口ソレノイド38を0.5s閉動作で維持することで開閉部材37を0.5s閉状態とし、ソレノイド動作確認用動作を終了する。
これら可動部材23、開閉部材32、及び開閉部材37が開状態となっているかどうかは、可動部材位置検知センサ24b、第1開閉部材位置検知センサ33b及び第2開閉部材位置検知センサ38bによって各部材(可動部材23、開閉部材32、開閉部材37)が開状態の位置で検知されているかどうかによって判定される。尚、本実施例1では、各部材(可動部材23、開閉部材32、開閉部材37)が閉状態の位置にあることを検知するセンサを設けておらず、各部材が開状態となったかどうか、開状態のままかどうかを判断するものとなっている。これに加えて、閉状態の位置にあることを検知するセンサ、すなわち、第2始動口21の可動部材23が閉状態の位置にあることを検知する可動部材閉位置検知センサ24cと、第1大入賞口30の開閉部材32が開状態の位置にあることを検知する第1開閉部材閉位置検知センサ33cと、第2大入賞口35の開閉部材37が開状態の位置にあることを検知する第2開閉部材閉位置検知センサ38cと、を設けて、各部材が閉状態にあることを確実に検知できるようにしてもよい。
S5011で、ソレノイド動作確認用動作が終了したと判定した場合(S5011でYES)、次いで、ソレノイド動作確認用動作に異常があるか否かを判定する(S5019)。S5019で、ソレノイド動作確認用動作に異常はなかったと判定した場合(S5019でNO)、後述するソレノイド動作確認終了処理を実行し(S5022)、電源投入フラグをOFFし(S5023)、処理を終える。一方、S5019で、ソレノイド動作確認用動作に異常があったと判定した場合(S5019でYES)、エラー報知処理を行い(S5020)、発射停止処理を行い(S5021)、処理を終える。
ここで、ソレノイド動作確認用動作の異常とは、例えば、前述したソレノイド動作確認用動作を開始したが、第1大入賞口30の開閉部材32が開状態とならない。すなわち、検知されるべき所定のタイミングで、第1開閉部材位置検知センサ33bによる検知がないといった場合に、異常と判断される。この様な異常が発生した場合には、盤面ランプ5や画像表示装置7や枠ランプ66やスピーカ67等を用いて異常があることを報知(エラー報知)すると共に、異常があるまま遊技が行われないように発射停止処理(発射不能とする処理)を行う。これにより、遊技店側は、第1大入賞口30に異常が発生したことを認識し、第1大入賞口ソレノイドの配線やコネクタに異常はないか、異物の混入はないか等を調べ、修復することが可能となる。これにより、実際に特別図柄当否判定において大当りとなる前に異常を発見し、遊技者に不測の損害が発生するのを未然に防ぐことが可能となる。
[ソレノイド動作確認終了処理]
次に、図14を用いてソレノイド動作確認終了処理(S5022)について説明する。ソレノイド動作確認終了処理(S5022)では、ソレノイド動作確認用動作の終了に伴ってS5012乃至S5017で無効にした各種センサを有効にする処理、及び、中断していた普通図柄の変動表示等があれば中断を解除し再開させる処理を行う。
まずS5031で、普図ゲートセンサ(ゲートセンサ28a)を有効とし(S5031)、次いで第1始動口センサ20aを有効とし(S5032)、次いで第2始動口センサ21aを有効とし(S5033)、第1大入賞口センサ30aを有効とし(S5034)、第2大入賞口センサ35aを有効とし(S5035)、特定領域センサ39aを有効とし(S5036)、S5037の処理に移行する。これらの処理(S5031乃至S5036)により、ソレノイド動作確認用動作を実行している間無効にしていた各種センサを有効な状態、すなわち遊技球が通過した場合に当該遊技球を検知して所定の遊技利益(賞球、当否判定等)を付与する状態に設定する。
S5037では、普図変動中断フラグがONか否かを判定し(S5037)、ONでないと判定した場合(S5037でNO)、S5040の処理に移行する。一方、S5037で、普図変動中断フラグがONであると判定した場合(S5037でYES)、普図変動中断フラグをOFFにし(S5038)、普図変動再開処理を行い(S5039)、S5040の処理に移行する。ここで普図変動再開処理では、中断していた普通図柄の変動表示を開始すると共に、普通図柄の変動時間(残り変動時間)を計測するタイマ手段のカウントも再開させる。
S5040では、特図変動中断フラグがONか否かを判定し(S5040)、ONでないと判定した場合(S5040でNO)、S5043の処理に移行する。一方、S5040で、特図変動中断フラグがONであると判定した場合(S5040でYES)、特図変動中断フラグをOFFにし(S5041)、特図変動再開処理を行い(S5042)、S5043の処理に移行する。ここで特図変動再開処理では、中断していた特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を開始すると共に、特別図柄の変動時間(残り変動時間)を計測するタイマ手段のカウントも再開させる。
S5043では、普図当り遊技中断フラグがONか否かを判定し(S5043)、ONでないと判定した場合(S5043でNO)、S5046の処理に移行する。一方、S5043で、普図当り遊技中断フラグがONであると判定した場合(S5043でYES)、普図当り遊技中断フラグをOFFにし(S5044)、普図当り遊技再開処理を行い(S5045)、S5046の処理に移行する。ここで普図当り遊技再開処理では、中断していた普図当り遊技を開始すると共に、普図当り遊技の実行時間(残り実行時間)を計測するタイマ手段のカウントも再開させる。
S5046では、当り遊技中断フラグがONか否かを判定し(S5046)、ONでないと判定した場合(S5046でNO)、処理を終える。一方、S5046で、当り遊技中断フラグがONであると判定した場合(S5046でYES)、当り遊技中断フラグをOFFにし(S5047)、当り遊技再開処理を行い(S5048)、処理を終える。ここで当り遊技再開処理では、中断していた当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)を開始すると共に、当り遊技の実行時間(残り実行時間)を計測するタイマ手段のカウントも再開させる。これにより、電源投入時のソレノイド動作確認処理を終え、通常の遊技を行うことを可能とする。
[始動口センサ検知処理]
図15に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図16に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図17に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図18に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図19に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図20に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普図変動中断フラグがONであるか否かを判定し(S805)、普図変動中断フラグがONであると判定した場合(S805でYES)、普図変動中断処理を行い(S806)、処理を終える。ここで、普図変動中断処理では、普通図柄の変動表示を停止(中断)させると共に、普通図柄の変動時間(残り変動時間)を計測するタイマ手段のカウントを停止(中断)させる処理を行う。S805で、普図変動中断フラグがONでないと判定した場合(S805でNO)、S801の処理に移行する。
S801では、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図21に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図22に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り遊技中断フラグがONか否かを判定し(S1014)、普図当り遊技中断フラグがONであると判定した場合(S1014でYES)、普図当り遊技中断処理を行い(S1015)、処理を終える。ここで、普図当り遊技中断処理では、普図当り遊技の実行を停止(中断)させると共に、普図当り遊技の実行時間(残り実行時間)を計測するタイマ手段のカウントを停止(中断)させる処理を行う。S1014で、普図当り遊技中断フラグがONでないと判定した場合(S1014でNO)、S1001の処理に移行する。
S1001では、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図23に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図24に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図25に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1307)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」と判定された場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りと判定された場合は、15R第1大当り、15R第2大当り及び2R第3大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定された場合は、全て15R第4大当りとされる(図8(B))。
また、大当りフラグには、大当りの種別が15R第1大当り又は15R第2大当りであった場合にONする長当りフラグと、2R第3大当りであった場合にONする短当りフラグとがある。ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと15R用ランプとの2個のLEDで構成されており、2R第3大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第3大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1大当り、15R第2大当り、及び15R第4大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
一方、大当り判定(S1303、S1307)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1304でNO)、小当りか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が、小当り判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否か判定する(図8(A))。そして、小当りでないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。小当りであると判定された場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1306)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図24)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図26及び図27に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また本実施例1では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている。しかし本処理は、特図2についての変動パターン選択処理なので、特図2の抽選にて当選する大当りには15R第4大当り(長当り)しかない。従って本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1又は変動パターンP2が選択される。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも外れ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ演出無し外れがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有外れの場合には、非時短状態中リーチ有外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ有外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例1では、変動パターンP5又はP6が選択される。
リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無外れの場合には、非時短状態中リーチ無外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ無外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。本実施例1では、変動パターンP7又はP8が選択される。
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図27に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1402〜S1609と同様の流れで処理(S1410〜S1416)を行う。すなわち、大当りであれば図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し、小当りであれば図9の時短状態中且つ小当りに該当する部分を参照し、リーチ有外れであれば図9の時短状態中且つリーチ有外れに該当する部分を参照し、リーチ無外れであれば図9の時短状態中且つリーチ無外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
尚、時短状態中の変動パターンテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図26に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図28に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図24の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図24の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図29に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図25に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またS1608における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、及び2R第3大当りのいずれとも判定される可能性がある(図8(B))。図8(B)の第1特別図柄(特図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り又は15R第2大当りと判定された場合には、ステップS1609において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第3大当りと判定された場合には、S1609において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
[特図1変動パターン選択処理]
図30及び図31に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図26及び図27に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1702(図30)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして15R大当りである場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1又は変動パターンP2が選択される。
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、即ち2R第3大当りである場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
また、この特図1変動パターン選択処理では、S1712(図31)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当りである場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP9〜P11のいずれかが選択される。
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、即ち2R第3大当りである場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP12が選択される。
この特図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択(S1704、S1706、S1709、S1710、S1711、S1714、S1715、S1718、S1719、S1720)を行った後は、その他の処理(S1705、図30)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]
図32に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図24の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図33に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特図変動中断フラグがONであるか否かを判定し(S1913)、特図変動中断フラグがONであると判定した場合(S1913でYES)、特図変動中断処理を行い(S1914)、処理を終える。ここで、特図変動中断処理では、特別図柄の変動表示を停止(中断)させると共に、特別図柄の変動時間(残り変動時間)を計測するタイマ手段のカウントを停止(中断)させる処理を行う。S1913で、特図変動中断フラグがONでないと判定した場合(S1913でNO)、S1901の処理に移行する。
S1901では、特別図柄の変動時間(図24のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図34に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、又は15R第4大当りのいずれか)か否かを判定する(S2002)。
そして15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放パターンとして、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン(図6参照)をセットし、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2003)。
S2002において15R大当りでなければ(すなわち短当りフラグがONであれば)、大当り種別は2R第2大当りであるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放パターンとして、2R第2大当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2004)。S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(図6参照)をセットする(S2009)。
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図35に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、当り遊技中断フラグがONか否かを判定し(S2124)、当り遊技中断フラグがONであると判定した場合(S2124でYES)、当り遊技中断処理を行い(S2125)、処理を終える。ここで、当り遊技中断処理では、当り遊技の実行を停止(中断)させると共に、当り遊技の実行時間(残り実行時間)を計測するタイマ手段のカウントを停止(中断)させる処理を行う。S2124で、当り遊技中断フラグがONでないと判定した場合(S2124でNO)、S2101の処理に移行する。
S2101では、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONと判定された場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定された場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時間に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期(タイミング)に至ったか否かを判定する(S2107)。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。1ラウンド目及び2ラウンド目のいずれのラウンドでもない(すなわち、3〜15ラウンドの何れか)場合(S2108でNO)、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させる。一方、1ラウンド目又は2ラウンド目であると判定された場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させる。
V有効期間設定処理(S2109)では、1ラウンド又は2ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚本実施例1ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理(図38)のステップS2401〜S2403参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図38)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図39))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。また、15R第1大当りや2R第3大当りにおいて、1R目又は2R目のV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方で、小当り中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技後の遊技状態も通常状態とし、大当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
尚、本実施例1では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目において第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目を第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグをONにしてしまうことがない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンド又は2ラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、ラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
S2106において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2115)。「0」でないと判定された場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、「0」と判定された場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをONにし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
またS2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図23)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[遊技状態設定処理]
図36に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(図38)にてONするフラグである。そしてVフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONするとともに(S2202)、確変カウンタに「140」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにし(S2209)、時短カウンタに「100」をセットし(S2210)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数が100回になること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。また、この時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りか否かを判定する。そして、15R大当りでない、すなわち、2R第3大当りであると判定した場合(S2205でNO)、次いで大当り遊技前の遊技状態、すなわち2R第3大当りとなった際の遊技状態が、時短状態か否かを判定する(S2208)。時短状態でなかったと判定された場合(S2208でNO)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。この高確低ベース状態は、特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、及び、S2208で、2R第3大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2208でYES)、時短フラグをONにし(S2206)、時短カウンタに「140」をセットし(S2207)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
また、2R第3大当りであり、且つ当該大当り遊技中にVフラグがONにされた場合において、大当り遊技前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2208)を行うのは、大当り遊技前後の時短機能の作動状態、及び高ベース機能の作動状態を小当りと同じにするためである。これらの作動状態が小当りと2R第3大当りとで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識困難にしたとしても、その後の作動状態によって、何れの当りかが判別されてしまうからである。これにより、小当りと2R第3大当りとを大入賞口の開放パターンでの判別を困難にすると共に、その後発生する時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別困難としている。尚、時短状態かを確認しないで単にVフラグがONであれば時短フラグをONにする構成でもよい。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図37に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、当り遊技中断フラグがONか否かを判定し(S2319)、当り遊技中断フラグがONであると判定した場合(S2319でYES)、当り遊技中断処理を行い(S2320)、処理を終える。ここで、当り遊技中断処理では、当り遊技(小当り遊技)の実行を停止(中断)させると共に、当り遊技(小当り遊技)の実行時間(残り実行時間)を計測するタイマ手段のカウントを停止(中断)させる処理を行う。S2319で、当り遊技中断フラグがONでないと判定した場合(S2319でNO)、S2301の処理に移行する。
S2301では、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2301でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時間に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期(タイミング)に至ったか否かを判定する(S2303)。S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させる。
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚、Vタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする、即ち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であればその小当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させないようにしている。尚、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
S2302において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば、(S2302でYES)、2回の開放中における大入賞口への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否か)を判定する(S2307)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、2回の開放中における大入賞口への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2506でYES)、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、大入賞口の開放時間が経過したと判定された場合(S2307でYES)には、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定された場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
一方、S2310で「0」であると判定された場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをONにし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、大入賞口の開放が2回なされると「0」になる。
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図23)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図37)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では図38に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。特定領域センサ39aによる検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で検知があると判定された場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(図32)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第3大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定された場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定された場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S207)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで始動入球時処理(S208)を行う。図39に示すように、始動入球時処理(S208)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2502)。S2502で、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2502でYES)、S2503の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S2502でNO)、S2506の処理に移行する。S2503では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S2503)。次いで、S2504で、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S2504)。具体的に、始動口への入球時に取得した特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)が、現在の遊技状態(低確率状態か、高確率状態か)に応じて、大当りか、外れかを判定する。また、判定結果(事前判定結果)が大当りである場合には、大当りの種別を判定する。これは、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブル、に基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS2505では、S2501で読み出した第2特別図柄に係る保留球数データと、S2504で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図2始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2505)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S2503で読み出した特図2取得乱数の値の一部又は全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、第2特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例1では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S2503で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)とリーチ乱数カウンタの値(リーチ乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、セットすることが可能である。
次いでS2506では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2506)。S2506で、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2506でYES)、S2507の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S2506で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S2506でNO)、そのまま処理を終える。
S2507では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2507)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S2507でYES)、そのまま処理を終える。一方、S2507で、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S2507でNO)、S2508以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S2507でYES)、S2508以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S2508〜S2510の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S2508)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S2509)、S2501で読み出した第1特別図柄に係る保留球数データと、S2509で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図1始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2510)。尚、S2509の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では図40に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図41に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図38に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技及び小当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
以上説明した通り、実施例1のパチンコ遊技機は、電源投入に伴って(電源投入時に)、当否判定と無関係に、可変入球口(第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口)を所定の順序且つ所定の動作パターン(開閉パターン)で、開閉動作させるソレノイド動作確認処理を実行する。しかも、ソレノイド動作確認処理によって弊害が発生する可能性のある遊技球検知センサを当該処理の間、無効化し、弊害が発生する可能性のない遊技球検知センサについては有効のままとすることで、遊技中に当該ソレノイド動作確認処理を行うことを可能とした。これにより、遊技機の稼動低下を極力防止しつつ、可変入球口に係るソレノイド(電気的駆動手段)の動作確認処理を実行することを可能とした。またこれにより、可変入球口に係るソレノイドや開閉板の動作に不具合がある場合には当該不具合を事前に発見し、当否判定の結果が当りになったにも関わらず可変入球口が開状態とならないといった不具合が発生することを極力防止することが可能となる。またこれにより、遊技意欲の低下を防止することが可能となる。
次に、図42乃至図45を用いて実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。実施例1のパチンコ遊技機1は、ソレノイド動作確認用動作によって強制的に開状態とされた可変入球口に遊技球が入球することによって本来得るはずのない遊技利益を遊技者に付与することを目的として、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を検知するセンサを無効化した。更に、可変入球口に係るセンサではないものの、ソレノイド動作確認用動作と、当否判定の結果が当りになったことに基づく動作と、が重複して実行されることを防止することを目的として、可変入球口を作動させる(開状態とする)こととなる作動口に係るセンサ、すなわちゲート28及び第1始動口20に係るセンサを無効化した。
これらのうち、ゲート28及び第1始動口20については、それ自体は可変入球口ではなく、入球すること事態は問題ないため、ゲート28及び第1始動口20に係るセンサを無効化する(ゲート28及び第1始動口20への遊技球の入球を無効化する)のは、遊技者に酷(遊技者に一方的に不利)であるともいえる。この問題を解決するため、実施例2のパチンコ遊技機1は、実施例1と同様に、可変入球口に係る第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を検知するセンサ、すなわち、第2始動口センサ、第1大入賞口センサ、第2大入賞口センサ、及び特定領域センサは無効にするものの、ゲート28及び第1始動口に係るセンサ、すなわち、ゲートセンサ28a及び第1始動口センサ20aは、ソレノイド動作確認用動作の実行中も有効のままとする。
そして、ソレノイド動作確認用動作と、当否判定の結果が当りになったことに基づく動作と、が重複して実行されることを防止するため、ソレノイド動作確認用動作の実行中に第1始動口又はゲートに遊技球が入球したとしても、当該入球時に取得した取得情報(単数等)を保留として記憶しておき、ソレノイド動作確認用動作の終了後に、識別情報の変動表示及び当否判定(普通図柄当否判定、特別図柄当否判定)を実行するものとした。これにより、ソレノイド動作確認用動作と、当否判定の結果が当りになったことに基づく動作と、が重複して実行されることを確実に防止すると共に、ソレノイド動作確認用動作によって開状態とならない非可変入球口(ゲート28及び第1始動口)に係るセンサ(ゲートセンサ28a及び第1大入賞口センサ20a)については有効のままとして、遊技者が一方的に不利益を被るのを防止することを可能とした。
具体的に、実施例2のソレノイド動作確認処理(S211)は、図12及び図42に示す通りである。ソレノイド動作確認処理(S211)における前半部分、すなわちS、5001乃至S5009の処理ついては実施例1と実施例2とで異なる部分はないため、説明を省略する。実施例では、S5008又はS5009の処理に次いで、S5052の処理を行う。S5052では、ソレノイド動作確認用動作の実行中であるかどうかを判定し(S5052)、実行中であると判定した場合(S5052でYES)、処理を終える。一方、S5052で、ソレノイド動作確認用動作の実行中でないと判定した場合(S5052でNO)、次いでソレノイド動作確認用動作が終了したか否かを判定する(S5053)。S5053で、ソレノイド動作確認用動作が終了していないと判定した場合(S5053でNO)、すなわち、電源投入時であって未だソレノイド動作確認用動作を開始していない場合には、S5054以降の処理を実行する。
S5054以降の処理では、まず第2始動口センサ21aを無効とし(S5054)、第1大入賞口センサ30aを無効とし(S5055)、第2大入賞口センサ35aを無効とし(S5056)、特定領域センサ39aを無効とする(S5057)。これらの可変入球口に入球した遊技球を検知する各種センサのセンサ無効処理(S5054乃至S5057)を行ったうえで、変動保留フラグをONにし(S5058)、ソレノイド動作確認用動作を開始し(S5059)、処理を終える。
これらの各種センサを無効化する処理は、遊技中にソレノイド動作確認用動作を行うことによって、当否判定と無関係に(当否判定を行うことなく)強制的にソレノイドを動作させて、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35を開状態にすることによる弊害を防止するための処理である。
具体的に、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35等の可変入球口(開閉式入球口)を強制的に開状態にすることの問題点として、当否判定(普図当否判定又は特図当否判定)で当りとなっていないにも関わらず開状態となった入球口に遊技球が入球して遊技者に遊技利益(賞球)が付与される可能性がある点が挙げられる。この様なことになれば、本来得るはずのない遊技利益を遊技者に付与することとなり、公正な遊技とはいえない。また、遊技店側が不測の不利益を被る恐れもある。すなわち、ソレノイド動作確認処理中に可変入球口に係る遊技球検知センサが有効となっていることが問題となる。
これらの問題を解決するため、S5054乃至S5057の処理により、可変入球口に係る第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を検知するセンサ、すなわち第2始動口センサ20a、第1大入賞口センサ30a、特定領域センサ39a及び第2大入賞口センサ35aを無効とする。これにより、ソレノイド動作確認により強制的に開状態となった可変入球口に遊技球が入球し、遊技球が対応するセンサを通過したとしても、遊技利益が付与されることはない。一方で、ソレノイド動作確認により開状態となることはない非可変入球口に入球した遊技球を検知するセンサ(ゲートセンサ28a及び第1始動口センサ20a)、及び一般入球口に入球した遊技球を検知するセンサ(一般入球口センサ27a)については、ソレノイド動作確認用動作の実行中も有効のままとされている。
次に、S5058でONにする「変動保留フラグ」について説明する。ゲートセンサ28a及び第1始動口センサ20aは、非可変入球口に係るセンサであるものの、可変入球口を開状態に変化させることとなる作動口(始動口)とされている。従って、これらのセンサを有効のままとする場合には、このゲート又は第1始動口への遊技球の入球に基づいて可変入球口が開状態に変化しないよう、ソレノイド動作確認用動作が終了するまで、当否判定(普通図柄当否判定、特別図柄当否判定)及び識別情報(特別図柄、普通図柄)の変動表示を待機させる必要がある。このため「変動保留フラグ」をONとし、当該変動保留フラグがOFFになるまで普通図柄の変動表示及び特別図柄の変動表示をこととしている。この点、詳細は後述する。また、S5059で開始するソレノイド動作確認用動作については実施例1と同様であるので説明を省略する。
S5053で、ソレノイド動作確認用動作が終了したと判定した場合(S5053でYES)、次いで、ソレノイド動作確認用動作に異常があるか否かを判定する(S5060)。S5060で、ソレノイド動作確認用動作に異常はなかったと判定した場合(S5060でNO)、後述するソレノイド動作確認終了処理を実行し(S5063)、電源投入フラグをOFFし(S5064)、処理を終える。一方、S5060で、ソレノイド動作確認用動作に異常があったと判定した場合(S5060でYES)、エラー報知処理を行い(S5061)、発射停止処理を行い(S5062)、処理を終える。
[ソレノイド動作確認終了処理]
次に、図43を用いて実施例2のソレノイド動作確認終了処理(S5022)について説明する。ソレノイド動作確認終了処理(S5022)では、ソレノイド動作確認用動作の終了に伴ってS5054乃至S5057で無効にした各種センサを有効にする処理、及び、中断していた普通図柄の変動表示等があれば中断を解除し再開させる処理を行う。
まずS5071で、第2始動口センサ21aを有効とし(S5071)、第1大入賞口センサ30aを有効とし(S5072)、第2大入賞口センサ35aを有効とし(S5073)、特定領域センサ39aを有効とし(S5074)、S5075の処理に移行する。これらの処理(S5031乃至S5036)により、ソレノイド動作確認用動作を実行している間無効にしていた各種センサを有効な状態、すなわち遊技球が通過した場合に当該遊技球を検知して所定の遊技利益(賞球、当否判定等)を付与する状態に設定する。S5075では、変動保留フラグをOFFにし(S5075)、S5076の処理に移行する。変動保留フラグをOFFにすることで、保留していた識別情報の変動表示等の実行を可能とする。また、S5076以降の処理については、実施例1のソレノイド動作確認終了処理と同様であるので、説明を省略する。
[普通図柄待機処理]
次に、図44を用いて実施例2の普通図柄待機処理(S402)について説明する。実施例2の普通図柄待機処理(S402)ではまず、変動保留フラグがONか否かを判定し(S506)、変動保留フラグがONであると判定した場合(S506でYES)、S501乃至S505の処理を実行せず、処理を終える。これにより、変動保留フラグがONの場合には、普通図柄当否判定処理(S502)や普通図柄変動開始処理(S505)が実行されないこととなる。またこれにより、普通図柄当否判定や普通図柄変動開始処理が実行されないので、変動保留フラグがONの間、すなわちソレノイド動作確認用動作を実行している間は、普通図柄当否判定の結果に基づいて第2始動口21が開状態となることはない。またこれにより、ソレノイドの動作が重複することなく、ソレノイド動作確認用動作を正確に実行することが可能となる。
一方、S506で変動保留フラグがOFFであると判定した場合(S506でNO)、S501以降の処理に移行し、普通図柄当否判定処理(S502)や普通図柄変動開始処理(S505)を実行することとなる。尚、S502以降の処理については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
[特別図柄待機処理]
次に、図45を用いて実施例2の特別図柄待機処理(S1102)について説明する。実施例2の特別図柄待機処理(S1102)ではまず、変動保留フラグがONか否かを判定し(S1213)、変動保留フラグがONであると判定した場合(S1213でYES)、S1201乃至S1212の処理を実行せず、処理を終える。これにより、変動保留フラグがONの場合には、特図2当否判定処理(S1202)や特図1当否判定処理(S1207)や特図2変動開始処理(S1205)や特図1変動開始処理(S1210)等が実行されないこととなる。またこれにより、特図2当否判定処理や特図1当否判定処理や特図2変動開始処理や特図1変動開始処理が実行されないので、変動保留フラグがONの間、すなわちソレノイド動作確認用動作を実行している間は、特別図柄当否判定の結果に基づいて第1大入賞口30及び第2大入賞口35が開状態となることはない。またこれにより、ソレノイドの動作が重複することなく、ソレノイド動作確認用動作を正確に実行することが可能となる。
一方、S1213で変動保留フラグがOFFであると判定した場合(S1213でNO)、S1201以降の処理に移行し、特図2当否判定処理(S1202)や特図1当否判定処理(S1207)や特図2変動開始処理(S1205)や特図1変動開始処理(S1210)を実行することとなる。尚、S1201以降の処理については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
以上説明した通り、実施例2のパチンコ遊技機1は、電源投入に伴って(電源投入時に)、遊技中に当否判定(普通図柄当否判定、特別図柄当否判定)とは無関係に、可変入球口に係るソレノイドを強制的に作動させて可変入球口を開状態とすることを可能とする。また、このソレノイド確認動作用動作中は、ソレノイド確認動作用動作によって開状態となる可変入球口に係るセンサを無効にすることで、遊技者に本来得ることのない遊技利益が付与されることを防止することが可能となる。また、当否判定の結果に基づいて可変入球口を開状態とすることとなる作動口(始動口)に係るセンサは有効とし、その対応として、変動保留フラグをONにすることで、当該作動口(始動口)への入球により取得した取得情報を、ソレノイド確認動作用動作が終了するまで保留として記憶しておくことを可能とした。またこれにより、正確なソレノイド確認動作用動作を可能にすると共に、遊技者が一方的に不利益を被るのを防止することを可能とした。
次に、図46乃び図47を用いて実施例3のパチンコ遊技機1について説明する。前述した実施例1及び実施例2のパチンコ遊技機1は、電源投入に伴って(電源投入時にであって)遊技中にソレノイド動作確認処理を実行するものとしていた。これは、ソレノイド動作確認処理によって影響を受けるセンサを無効化し、影響を受けないセンサを有効化することで、ソレノイド動作確認処理の実行中も最低限の遊技を可能とするものである。然しながら、ソレノイド動作確認処理の実行中は、遊技は可能であるものの、通常は有効とされている遊技球検知センサが無効となっていたり、通常は実行される当否判定(普通図柄当否判定、特別図柄当否判定)や識別情報(普通図柄、特別図柄)の変動表示が行われなかったりといった事態が発生する。このため、遊技は可能であるものの、通常の遊技とは異なるものとなる。
実施例3のパチンコ遊技機1は、電源投入に伴って(電源投入時に)ソレノイド動作確認処理を実行する点では実施例1及び実施例2と同様であるが、実施例3では、遊技の開始前(割り込み処理(S105)の開始前)にソレノイド動作確認処理を実行する点で実施例1及び実施例2と異なる。
[主制御メイン処理]
具体的に、実施例3の主制御メイン処理ではまず、初期設定を行い(S101)、後述するソレノイド動作確認処理(S107)を実行し、S102以降の処理に移行する。この初期設定(S101)及びソレノイド動作確認処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、ソレノイド動作確認処理(S107)を、電源投入に伴って(電源投入時であって)、始動口センサ検知処理(S204)等を含む割り込み処理(S105)の前に行うため、ソレノイド動作確認処理が終了するまで全ての遊技球検知センサが無効とされている。また、もちろん、その他の処理(当否判定処理、識別情報の変動表示処理、当り遊技処理等)も実行されない。すなわち、遊技を開始する前にソレノイド動作確認処理を実行するのである。
これにより、ソレノイド動作確認処理を正確且つ確実に実行すると共に、ソレノイド動作確認処理を終え必要な(正規の遊技に必要な)センサ等を全て有効にした状態で遊技を開始することが可能となる。またこれにより、遊技者が不利益を被ることを防止することが可能となる
[ソレノイド動作確認処理]
次に、図47を用いて実施例3のソレノイド動作確認処理(S107)について説明する。実施例3のソレノイド動作確認処理は、実施例1及び実施例2と異なり、割り込み処理(S105)の開始前に行うため、普図変動を中断させたり、特図変動を中断させたりといった処理(図12のS5001乃至S5009)が不要となる。実施例3のソレノイド動作確認処理ではまず、ソレノイド動作確認用動作の実行中であるかどうかを判定し(S5101)、実行中であると判定した場合(S5101でYES)、処理を終える。一方、S5101で、ソレノイド動作確認用動作の実行中でないと判定した場合(S5101でNO)、次いでソレノイド動作確認用動作が終了したか否かを判定する(S5102)。S5102で、ソレノイド動作確認用動作が終了していないと判定した場合(S5102でNO)、すなわち、電源投入時であって未だソレノイド動作確認用動作を開始していない場合には、ソレノイド動作確認用動作を開始し(S5103)、処理を終える。
一方、S5102で、ソレノイド動作確認用動作が終了したと判定した場合(S5102でYES)、次いで、ソレノイド動作確認用動作に異常があるか否かを判定する(S5104)。S5104で、ソレノイド動作確認用動作に異常はなかったと判定した場合(S5104でNO)、処理を終える。これにより、ソレノイド動作確認処理(S107)を正常に(不具合なく)終了し、S102以降の処理(割り込み処理)に移行することが可能となる。一方、S5104で、ソレノイド動作確認用動作に異常があったと判定した場合(S5104でYES)、エラー報知処理を行い(S5105)、発射停止処理を行い(S5106)、処理を終える。
この様な異常が発生した場合には、盤面ランプ5や画像表示装置7や枠ランプ66やスピーカ67等を用いて異常があることを報知(エラー報知)すると共に、異常があるまま遊技が行われないように発射停止処理(発射不能とする処理)を行う。これにより、遊技店側は、可変入球口を開状態とさせるソレノイドや開閉板等に異常があることを認識し、ソレノイドの配線やコネクタに異常はないか、異物の混入はないか等を調べ、修復することが可能となる。またこれにより、実際に特別図柄当否判定において大当りとなる前に異常を発見し、遊技者に不測の損害が発生するのを未然に防ぐことが可能となる。
以上説明した通り、実施例3のパチンコ遊技機では、電源投入に伴って、始動口センサ検知処理(S204)や普図動作処理(S205)や特図動作処理(S206)等を含む割り込み処理を開始する前に、事前にソレノイド動作確認処理(S107)を実行可能とした。これにより、各種センサを有効化する前に(全てのセンサを無効にした状態で)、正確且つ確実にソレノイド動作確認処理を実行することが可能となる。
また、当該割り込み処理を開始する前に、ソレノイド動作確認処理を実行することとしたので、強制的に開状態とした可変入球口に遊技球が入球したとしても遊技者に遊技利益を付与することもなく、ソレノイド動作確認用動作と、当否判定の結果に基づくソレノイド動作とが重複して実行されることもない。これにより、遊技開始前に確実に可変入球口に係るソレノイドの動作確認を行い、異常のない状態で遊技を開始することが可能となる。
[他の態様1]
実施例3では、ソレノイド動作確認処理の実行中に遊技球の発射を可能とし、ソレノイド動作確認用動作において異常があると判定された場合に、遊技球の発射を不能にする処理を可能とした。これに替えて、ソレノイド動作確認処理が終了するまで、遊技球の発射を不能にしておき、ソレノイド動作確認処理を異常なく終えた場合に初めて遊技球の発射を可能とし、ソレノイド動作確認処理で異常があると判定された場合には発射不能状態を維持する態様としてもよい。
[他の態様2]
また、実施例1乃至実施例3の態様に加えて、ソレノイド動作確認処理の実行中であることを報知するソレノイド動作確認報知手段を備え、画像表示装置7の表示画面7aや盤面ランプ5や枠ランプ66やスピーカ67等で報知してもよい。遊技者は、これを見て、遊技を開始するか、遊技の開始を待つか等を判断することが可能となる。
[他の態様3]
また、実施例1乃至実施例3では、電源投入に伴って必ずソレノイド動作確認処理を実行するものとしたが、この様な態様に限らない。電源を投入したときであって、所定条件を満たしたときに、ソレノイド動作確認処理を実行するものとしてもよい。具体的に、電源投入時に、バックアップ用RAM内に記憶されるバックアップ情報を消去して起動する(RAMクリア)場合に限って、ソレノイド動作確認処理を実行するものとしてもよい。
[他の態様4]
また、実施例の第2大入賞装置36において、その内部に、特定領域39への遊技球の通過を許容又は阻止するシャッター部材(「作動部材」ともいう)を備えるものとすることができる。すなわち、第2大入賞装置36がシャッター部材を備え、シャッター部材が特定領域39への遊技球の通過を妨げる(阻止する)第1の状態にあるとき、第2大入賞口35へ入球した遊技球は特定領域39ではない非特定領域を通過し、シャッター部材が特定領域39への遊技球の通過を許容する第2の状態にあるとき、第2大入賞口35へ入球した遊技球は非特定領域ではなく特定領域39を通過するように構成してもよい。尚、シャッター部材を駆動するソレノイドは、主制御基板80に接続する。このようなシャッター部材を設けた場合には、15R第2大当りにおいて第2大入賞口35が開放する1R及び2R中は、シャッター部材を第1の状態に制御して特定領域39を塞げばよい。
このようにすれば、万一0.1秒の極短時間の開放中に第2大入賞口35内へ遊技球が入球したとしても、確実に特定領域39への遊技球の通過を防ぐことができる。また、15R第2大当りにおける1R及び2R中において、シャッター部材が第2の状態にあるときは閉鎖し、シャッター部材が第1の状態にあるときに第2大入賞口35を開放するよう第2大入賞口35を開閉制御すれば、第2大入賞口35の最大開放時間を、遊技球が十分に入球可能な長さ(例えば28秒)に設定したとしても、特定領域39への遊技球の通過を防ぐことができる。尚、15R第1大当り等において特定領域39に遊技球を通過させたいときは、第2大入賞口35の開放中にシャッター部材を第2の状態に制御するようにすればよい。すなわち、前述のV有効期間(第1期間)にシャッター部材を第2の状態に制御すればよい。また、本実施例1では、小当りであっても特定領域を通過可能としたが、小当り遊技中に当該シャッター部材を第1の状態とすることで、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過するのを防ぐことができる。また、本構成に加えて、特定領域39の設置場所や特定領域39の遊技者側前方に設ける被覆部により、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過したかどうかを遊技者に視認しにくい態様としてもよい。
[その他]
前述の遊技機の構成において、「駆動制御手段は、電力供給手段による電力供給の開始に基づいて、電気的駆動手段を動作させて、可変入球口を第2の態様とし、第2可変入球口を入球可能状態とする初期動作を実行する」ものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「可動部材が第1位置(初期位置)から第2位置に移動したことを検知する開状態検知手段を設け、初期動作において開状態検知手段が(可動部材又は可動部材と共に動作するリンク部材等に設けられる)被検知片を検知することに基づいて、初期動作に異常がないと判断する」ものとしてもよい。また、検知がない場合には異常があるとみなし、エラー報知等の異常処理を実行するものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「第1検知手段」として、遊技球を検知して普通図柄当否判定を行うこととなる検知手段(ゲートセンサ28a)や、遊技球を検知して特別図柄当否判定を行うこととなる検知手段(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a)を挙げることが可能である。また、「可変入球口」として、普通図柄当否判定の結果が当りになると開状態となる可変入球口(所謂普通電動役物)や特別図柄当否判定の結果が当りになると開状態となる可変入球口(所謂特別電動役物)を挙げることが可能である。また、「電気的駆動手段」として、ソレノイドやモータを挙げることが可能である。
前述の遊技機の構成において、「第2検知手段」は、可変入球口に入球した遊技球を検知する検知手段であり、例えば、普通図柄当否判定の結果が当りとなると開状態となる可変入球口への入球を検知する検知手段(普通電動役物への入球を検知する検知手段)や、特別図柄当否判定の結果が当りとなると開状態となる可変入球口への入球を検知する検知手段(特別電動役物への入球を検知する検知手段)を挙げることが可能である。
前述の遊技機の構成において、「第3検知手段」は、電気的駆動手段により開閉しない非可変入球口への入球を検知する検知手段や、非可変入球口であって他の可変入球口を開閉する作動口となっていない(入球によって当否判定を行う機能を有しない)入球口への入球を検知する検知手段を挙げることが可能である。そして、第3検知手段によって、この入球口への入球が検知されると、所定量の遊技利益(賞球)を遊技者に付与することが可能である。
また、前述の遊技機の構成において、遊技球が入球可能な始動口と、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口と、のうち少なくとも一方を設け、始動口又は可変式始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段を設けてもよい。また、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、可変式始動口への入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとしてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとしてもよい。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
また、実施例1では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。
また、実施例1では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
また、本実施例1では特定領域39を有するパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)のみによって、大当り遊技終了後に高確率状態が付与されるかどうかが決定されるタイプの遊技機においても適用することができる。いうまでもなく、「特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示すること)に基づいて」には、このタイプの遊技機も、本実施例1のパチンコ遊技機も、他のタイプの遊技機も含まれる。また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用される。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。また、特典としては、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態を発生することが挙げられる。また、第1始動口と第2始動口とを有し、第2始動口への入球頻度を高める高ベース状態を発生するものとすることができる。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用することができる。
1 パチンコ遊技機、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、8 演出図柄、20 第1始動口、21 第2始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、39 特定領域、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部)、90 サブ制御基板(サブ制御部)、100 画像制御基板(画像制御部)、103a 演出第1特図保留表示器、103b 演出第2特図保留表示器

Claims (5)

  1. 電力を供給する電力供給手段と、
    遊技球を検知する検知手段と、
    前記検知手段での検知に基づいて、所定の遊技を実行するものであって、
    前記検知手段として、少なくとも、第1検知手段と、第2検知手段と、を有し、
    前記第1検知手段による遊技球の検知に基づいて当否判定を実行する判定手段と、
    第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変入球口と、
    前記可変入球口を前記第1の態様又は前記第2の態様に変化させる電気的駆動手段と、
    前記電気的駆動手段の動作を制御する駆動制御手段と、
    前記可変入球口に入球した遊技球を検知する第2検知手段と、を備え、
    前記判定手段による当否判定の結果が当りであると前記可変入球口を前記第2の態様に変化させ、前記第2検知手段によって遊技球が検知されると所定の遊技利益を付与可能な遊技機であって、
    前記駆動制御手段は、前記電力供給手段による電力供給の開始に基づいて、前記電気的駆動手段を動作させて前記可変入球口を前記第2の態様に変化させる初期動作を実行するものであり、
    前記検知手段は、前記初期動作の実行期間において無効とされ、前記初期動作の終了後に有効とされることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1検知手段による遊技球の検知に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段を備え、
    前記識別情報表示手段は、前記初期動作の実行期間において前記識別情報の変動表示を不能とし、前記初期動作の終了後に前記識別情報の変動表示を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記電力供給手段による電力供給の開始に基づいて、電力供給時制御処理と、遊技制御処理と、を実行可能な制御処理手段とを備え、
    前記電力供給手段が電力供給を開始すると、前記制御処理手段は、前記電力供給時制御処理を実行し、前記電力供給時制御処理の終了後に前記遊技制御処理を実行すると共に、前記遊技制御処理の実行後は前記電力供給を遮断するまで前記電力供給時制御処理を実行しないものとされ、
    前記電力供給時制御処理には、少なくとも、前記初期動作を実行する処理を含み、
    前記遊技制御処理には、少なくとも、前記検知手段によって遊技球を検知する処理と、前記判定手段によって当否判定を実行する処理と、前記識別情報表示手段によって前記識別情報を変動表示する処理と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記初期動作に異常があるか否かを判定する異常判定手段を備え、
    前記電力供給時制御処理には、少なくとも、前記異常判定手段によって異常があるか否かを判定する処理を含み、
    前記異常判定手段が、前記初期動作において異常があると判定した場合に、前記遊技制御処理に移行しないことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記初期動作に異常があるか否かを判定する異常判定手段を備え、
    前記異常判定手段が、前記初期動作において異常があると判定した場合に、エラー報知を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の遊技機。
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