以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1はパチンコ機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図であり、図3は図柄表示装置8の拡大図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、ガラス枠13の上方の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。また、ガラス枠13の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、特別図柄始動電動役物15の下方に大入賞口16が設けられている。そして、大入賞口16の左側に普通入賞口17、19が設けられており、右側に普通入賞口18、20が設けられている。
また、図柄表示装置8の左肩にはワープ入口22が設けられている。さらに、図柄表示装置8の下部にはワープ出口21が設けられ、ワープ入口22を通過した遊技球は図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってワープ出口21へ現出するようになっている。ワープ出口21に現出した遊技球は、ワープ出口21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下するので、特別図柄始動電動役物15に入賞しやすい。尚、遊技盤2には、上記以外に種々の電飾ランプやその他の電飾用LED、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
次に、図3を参照して図柄表示装置8について説明する。図3に示すように、図柄表示装置8は中央に表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を報知する際には、表示画面28に横並びに左、右、中央の順でデモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の3つの表示領域が設けられている。本実施の形態では、デモ図柄表示部D1〜D3には、大きい数字から成る複数種類のデモ図柄と、デモ図柄に付設され、丸で囲まれた数字からなる付加図柄が表示される。そして、デモ図柄表示部D1〜D3は、遊技者の目を惹くように後述の特別図柄表示部25よりも広い領域を占めている。
また、図柄表示装置8は、表示画面28の右下に11セグメントLEDから構成される特別図柄表示部25及び1つのLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられている。特別図柄表示部25は2つの11セグメントLEDで構成され、2文字のアルファベットの特別図柄を表示する。ここで、本実施の形態では特別図柄としてアルファベットの組み合わせを用いているため、特別図柄表示部25に全てのアルファベットを表示可能な11セグメントを備えているが、これに限られない。例えば、特別図柄として、7セグメントで表示可能なアルファベットや数字、またはこれらの組み合わせを用いる場合には7セグメントを使用できる。また、表示画面28内の一部に特別図柄表示部25を設けてもよい。一方、普通図柄表示部24は1つのLEDで構成され、点灯状態が普通当たりの当選を示し、消灯が普通当たりの落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たりの判定結果を報知することを示す変動状態とされている。
また、特別図柄表示部25の右下には2つのLEDからなる特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞し、特別図柄表示部25に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂特別図柄作動保留球数を示している。そして、その下の2つのLEDは普通図柄記憶数表示LED59であり、普通図柄始動ゲート12(図2参照)へ入賞し、普通図柄表示部24に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数を示している。特別図柄記憶数表示LED60及び普通図柄記憶数表示LED59は、共に下側のLEDのみ点灯が保留球数「1」、両方のLED点灯が保留球数「2」、下側のLEDのみ点滅が保留球数「3」、両方のLED点滅が保留球数「4」を示している。
ここで、本実施の形態のパチンコ機1の遊技及び演出について説明する。パチンコ機1では、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると、大当たりとするか否かの判定が行われる。大当たりと判定されると、所定回数大入賞口16が開放される「大当たり遊技」が実施される。大当たりの判定の結果は、特別図柄表示部25及びデモ図柄表示部D1〜D3に表示される。特別図柄表示部25では、まずそれぞれの11セグメントに表示されている図柄が変動した後に、各11セグメントに新たな図柄が順に表示される。そして、特別図柄表示部25に表示されている図柄が変動している間には、表示画面28においてデモ図柄表示部D1〜D3が変動表示され、デモ図柄表示部D1が停止表示され、次にデモ図柄表示部D2が停止表示され、次にデモ図柄表示部D3が停止表示されて、デモ図柄が確定表示される。尚、デモ図柄表示部D1〜D3の最終的な停止表示は、必ず特別図柄表示部25の停止表示以降に行われるように制御されており、デモ図柄表示部D1〜D3による報知よりも特別図柄表示部25での報知が必ず先に行われるように制御されている。
次に、特別図柄表示部25に表示される大当たり判定の結果について説明する。本実施の形態では、特別図柄表示部25に表示される特別図柄の組み合わせは676種類設けられている。図3に示すように、特別図柄表示部25には2桁の図柄が表示可能であり、A〜Zまでの26種類のアルファベットの組み合わせが表示されるようになっている。そして、本実施の形態では、A、C、E、F、H、J、L、P、U、Yの10種類のアルファベットの組み合わせ100種が「当たり特別図柄」とされており、その他の組み合わせ576種は「はずれ特別図柄」とされている。そして、「当たり特別図柄」はその組み合わせ毎に「確率変動図柄」と「非確率変動図柄」が設けられている。本実施の形態では、100種類のうちの「C、J」、「E、L」、「E、Y」、「F、E」、「H、U」、「J、C」、「J、L」、「L、H」、「P、C」、「P、J」、「U、P」、「Y、H」、「Y、A」、「A、E」、「A、F」、「A、A」の16種類が「確率変動図柄」とされている。そして、その他の「当たり特別図柄」の組み合わせは「非確率変動図柄」とされている。
次に、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される大当たり判定の結果について説明する。デモ図柄表示部D1〜D3には、後述するデモ図柄及び付加図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の順に停止するようになっている。尚、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、停止させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できる。また、表示画面28上には、デモ図柄表示部D1〜D3の背景に画像やメッセージ等も表示されるようになっている。さらに、デモ図柄表示部D1〜D3にはデモ図柄及び付加図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて画像やメッセージ等を表示できるようになっている。
次に、図4乃至図6を参照して、表示画面28内のデモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄80及び付加図柄81について説明する。図4はデモ図柄80及び付加図柄81の配列を示す図であり、図5は大当たりを報知する表示画面28の一例を示す図であり、図6は同一の付加図柄が表示され、大当たりを報知しない表示画面28の一例を示す図である。図4に示すように、それぞれのデモ図柄80には固有の付加図柄81が付設されている。そして、デモ図柄表示部D1には左図柄配列82が、デモ図柄表示部D2には右図柄配列83が、デモ図柄表示部D3には中図柄配列84がそれぞれ変動表示される。デモ図柄80は、一定の規則に従って並び方があらかじめ決められており、本実施の形態では数列0〜9を使用している。そして、表示画面28において、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄80を全て同一として確定表示させることにより、大当たりが報知される構成となっている。すなわち、図5に示すように、同一のデモ図柄80がデモ図柄表示部D1〜D3に揃うと、大当たり図柄組み合わせとなり、「大当たり遊技」に移行する。また、大当たりの中でも確率変動大当たりである場合には、デモ図柄表示部D1〜D3には、最終的には確率変動大当たりを示すデモ図柄80(確率変動図柄)が揃って表示される。本実施の形態では、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を確率変動図柄とし、それ以外の「2」、「4」、「6」、「8」、「0」を非確率変動図柄とする。
また、付加図柄81は、デモ図柄表示部D1〜D3に全て同一の図柄が表示されても、大当たりを報知しない図柄である。すなわち、図6に示すように、表示された付加図柄81が全て同一であっても、3つのデモ図柄80が同一でなければ、大当たり図柄組み合わせでないため「大当たり遊技」には移行しない構成となっている。付加図柄81は、表示画面28によって行われる様々な演出に利用される図柄である。本実施の形態では、例えば図6に示すように、全て同一である付加図柄81が付設されたデモ図柄80を疑似確定表示させ、その後にデモ図柄80及び付加図柄81の変動を再開(再変動)させる演出を行う。ここで、疑似確定表示とは、ごく僅かに図柄を変動させて、停止していない図柄をあたかも停止しているように遊技者に錯覚させる表示の態様をいう。本実施の形態では、この僅かな変動は揺れ動く変動を行っているが、これに限られるものではない。また、パチンコ機1に供給されている電源が遮断され、その後正常に電源復帰したこと、及び電源復帰時の遊技状態を報知する際に利用されるが、この詳細は後述する。本実施の形態では付加図柄81として数字の「0」、「1」、「2」、「3」、「4」を使用している。
次に、図7を参照して、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について説明する。図7はパチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図7に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムに従ってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等のサブ基板及び特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72と接続している。さらに、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58にも接続している。尚、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられており、スピーカ48が接続されている。そして、図柄表示基板44にはCPU44aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
電飾基板46には電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には表示画面28及び特別図柄表示部25が接続され、払出制御基板45には賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート11に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、2個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、2個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、1つのLEDで構成された普通図柄表示部24が接続されている。
そして、払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継、主基板41から直接制御を受ける普通図柄記憶数表示LED59、特別図柄記憶数表示LED60、普通図柄表示部24への中継を行っている。また、サブ統合基板58は図柄表示基板44、電飾基板46、スピーカ48の総合的な制御を行っており、図柄表示基板44は主基板41及びサブ統合基板58からの各種コマンドを受けて、表示画面28に表示される映像やデモ図柄表示部D1〜D3の制御や、特別図柄表示部25に表示される特別図柄の制御を行っている。
また、電源基板42は、パチンコ機1に直流の安定化した電力を供給している。電源基板42には、電源回路65、バックアップ電池66、電源監視回路67が設けられている。電源回路65には交流24Vが供給されており、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を生成して各基板へ供給できるようになっている。また、バックアップ電池66はコンデンサからなるものであり、電源回路65で生成された直流の5Vを充電し、パチンコ機1に電源が供給されていない場合に、バックアップ対象(主基板41のRAM52やサブ統合基板58のRAM582等)にバックアップ用の電源を供給する。これにより、パチンコ機1は電源遮断時の種々の内容を記憶しておくことができる。また、電源監視回路67は、電源回路65に供給されている電源の電圧が所定電圧以下(本実施の形態では12V以下)に降下すると、主基板41及びサブ統合基板58に電源断信号を出力する。そして、バックアップ電池66からバックアップ対象へ、バックアップ用の電源(5V)の供給が開始される。一方、電圧が所定電圧以上に上昇すると、電源断信号の出力を停止する。尚、図7では特に図示しないが、主基板41、電源基板42、図柄表示基板44、払い出し制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、全てアースラインで接続されている。
次に、図8を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図8はROM53の記憶エリアを示す概念図である。図8に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、特別図柄表示部25に表示する特別図柄の組み合わせを記憶した特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304、特別図柄表示部25の変動パターンを記憶した特別図柄変動パターン記憶エリア5305等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図9を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図9はRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図9に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208等が設けられている。さらに、RAM52には、図示外の各種記憶エリアが設けられている。
ここで、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている各種フラグについて説明する。フラグには、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示部25の状態を示す表示状態フラグ、大当たりと判定される確率が通常よりも高い確率変動状態であるか否かを示す確率変動フラグ、時短状態であるか否かを示す時短状態フラグ等、多数のフラグが記憶されている。例えば、時短状態フラグに「1」が記憶されて「オン」となっている場合は時短状態であり、「0」が記憶されて「オフ」となっている場合は通常状態又は確率変動状態である。時短状態とは、大当たり判定により大当たりと判定される確率は通常状態と等しいが、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に遊技球を誘導する電動チューリップ(図示外)の開閉を制御し、大当たり判定に要する時間を短縮して、単位時間当たりの判定回数を通常状態よりも増やす状態である。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶される各カウンタについて説明する。カウンタ記憶エリア5201には、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタ、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタ、初期画面表示時間カウンタ、時短カウンタ等が各々記憶されている。
尚、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタの値は、割込信号発生回路57(図7参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメイン処理のカウンタ更新処理(図11、S12参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。これらの値は、後述するメイン処理(図11参照)で実施される普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて使用され、普通当たり関係情報記憶エリア5203や大当たり関係情報記憶エリア5205等に格納される。
また、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタ、初期画面表示時間カウンタは、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(図11、S12参照)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。また、時短カウンタは、時短状態中の特別図柄処理(図11、S14参照)にて、大当たり判定を行う毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタの値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞を契機に行われる。そして、普通当たりと判定されると、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を所定時間(例えば、0.5秒)開放する。普通当たり判定カウンタの最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「256」以上となった際に「0」へ戻る。そして、メイン処理(図11参照)において「普通当たり乱数」としてこの普通当たり判定カウンタの値が読み出されて、普通当たり関係情報記憶エリア5203の普通当たり乱数欄に記憶される。尚、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。
大当たり判定カウンタの値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタの最大値は「301139」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「301140」以上となった際に「0」へ戻る。そして、メイン処理(図11参照)において「大当たり乱数」としてこの大当たり判定カウンタの値が読み出されて、大当たり関係情報記憶エリア5205の大当たり乱数欄(図10参照)に記憶され、この大当たり乱数の値が大当たりとして設定されている値であるか否かにより大当たり判定が行われる。
また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタには初期値として「0」が記憶されており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メイン処理(図11参照)を行わない間(メイン処理が終了し、割込信号により新たなメイン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「301140」となった際に「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら新たな初期値を取得する。尚、大当たり判定カウンタの最大値は、単一の設定値としても良いし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
そして、当たり特別図柄作成カウンタは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合にそれを報知するために特別図柄表示部25に表示される図柄を決定するために使用され、はずれ特別図柄作成カウンタは大当たり判定の結果が「はずれ」であった場合にそれを報知するために特別図柄表示部25に表示される図柄を決定するために使用される。
当たり特別図柄作成カウンタの値は、本実施の形態では、最大値「99」、最小値「0」とされている。そして、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「100」以上となった際に「0」へ戻る。当たり特別図柄作成カウンタの値は、特別図柄始動電動役物15の入賞を契機に読み出されて、大当たり関係情報記憶エリア5205の当たり特別図柄決定乱数欄(図10参照)に記憶される。また、ROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304には、確率変動大当たりの特別図柄組み合わせ16種類のそれぞれに当たり特別図柄決定乱数の0〜99の値が割り振られて記憶されており、非確率変動大当たりの特別図柄組み合わせ84種類のそれぞれに当たり特別図柄決定乱数の0〜99の値が割り振られて記憶されている。そして、大当たり判定の結果が大当たりであった場合には、大当たりの種類に応じて、特別図柄決定乱数に対応した特別図柄の組み合わせが「当たり特別図柄」として決定される。
また、はずれ特別図柄作成カウンタの値は、最大値「575」、最小値「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「576」以上となった際に「0」へ戻る。このはずれ特別図柄作成カウンタの値も特別図柄始動電動役物15の入賞を契機に読み出されて大当たり関係情報記憶エリア5205のはずれ特別図柄決定乱数欄(図10参照)に記憶される。そして、大当たり判定の結果が「はずれ」であった場合に、その値に対応した特別図柄の組み合わせが「はずれ特別図柄」として決定される。
また、変動パターン決定カウンタの値は、特別図柄の変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、この変動パターンにより特別図柄表示部25の変動開始から停止までの時間も決められている。変動パターン決定カウンタの値は、最大値「99」、最小値「0」とされており、1割込毎(2ms毎)に「1」加算されて「99」以上となった際に「0」へ戻る。変動パターンは、大当たり時に使用する大当たり変動パターンと、はずれ時に使用するはずれ変動パターンとが設けられており、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305において、「大当たり」である場合と「はずれ」である場合とでそれぞれ各変動パターンに対応して「0」〜「99」の値が割り振られて記憶されている。そして、変動パターン決定カウンタの値及び大当たり判定の結果に応じて、変動パターンが決定される。
また、時短カウンタの値は、非確率変動当たりによる大当たり遊技が終了した後に行われる時短状態の、残り変動回数をカウントするために使用される。本実施の形態では非確率変動当たりによる大当たり遊技が終了すると、その後100回の変動の間は時短状態となる。時短カウンタの値は最大値「100」、最小値「0」とされており、非確率変動大当たりとなると時短カウンタの値は「0」がセットされる。そして、特別図柄が1回変動する毎に「1」加算され、「100」となった際に時短状態が終了する。
次に、図10を参照して、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図10はRAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。図10に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア、第1記憶エリア、第2記憶エリア、第3記憶エリア、第4記憶エリアが設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図11、S14参照)において使用される。第1記憶エリア〜第4記憶エリアには、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。判定エリアには、現在行われている大当たり判定の結果報知や大当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。尚、普通当たり関係情報記憶エリア5203においても、判定エリア、第1記憶エリア、第2記憶エリア、第3記憶エリア、第4記憶エリアが設けられており、4球の遊技球の情報(普通当たり乱数等)を保留できるようになっている。
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、第1記憶エリア〜第4記憶エリアの中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「3」であれば、第3記憶エリアに記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、第1記憶エリアに記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、第1記憶エリアが判定エリアにシフトされたことに伴い、第2記憶エリアの値が第1記憶エリアへ、第3記憶エリアの値が第2記憶エリアへ、第4記憶エリアの値が第3記憶エリアへと順にシフトされ、第4記憶エリアの値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。従って、特別図柄作動保留球数の上限は4個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値は「4」より大きい値を取ることはない。
この判定エリア及び第1記憶エリア〜第4記憶エリアのそれぞれには、大当たり乱数欄、当たり特別図柄決定乱数欄、はずれ特別図柄決定乱数欄、変動パターン決定乱数欄が設けられており、大当たり乱数、当たり特別図柄決定乱数、はずれ特別図柄決定乱数、変動パターン決定乱数の各値が記憶される。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が記憶され、当たり特別図柄決定乱数欄には当たり特別図柄作成カウンタの値が記憶され、はずれ特別図柄決定乱数欄にははずれ特別図柄作成カウンタの値が記憶され、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
以上説明した主基板41のRAM52の記憶内容は、供給される電源が遮断されても消えることなく保存される。すなわち、先述したように、供給されている電源が所定の電圧以下に降下したと電源監視回路67によって判断されると、主基板41のRAM52及びサブ統合基板58のRAM582にバックアップ用の電源が供給されて各記憶内容が保存される。よって、特別図柄が変動中であるか、変動後の停止表示中であるか、停止中かを示す表示状態フラグの値や、大当たり遊技中であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグの値、大当たり判定の結果や特別図柄等を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶内容、電源遮断時に実行中であった変動パターン、変動の経過時間等、遊技中に電源が遮断しても電源復帰後に遊技を再開するために必要な全ての記憶内容が保存される。また、パチンコ機1に供給されている電源が所定電圧(本実施の形態では12V)以下に降下したと電源監視回路67により判断された場合には、RAM52のチェックサムの計算や、ハッシュ関数を利用したパスワードの生成が行われる。そして、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われると共に、様々な初期処理が行われるが、この詳細は後述する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図11乃至図13に示すフローチャートを参照して説明する。図11は主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図12及び図13はメイン処理の中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図7参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、図11を参照して、主基板41で行われるメイン処理について説明する。図11に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や中継基板47、払出制御基板45に出力される。制御コマンドとは、先述したコマンドに加え、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大入賞口16の開閉タイミングを指示する大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、時短状態を終了させる時短状態終了コマンド等がある。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17、18、19、20等への遊技球の入賞を検知するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17、18、19、20に設けられている入賞口スイッチが用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグがオンとされる。
尚、スイッチ読込処理を行っているメイン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。ここで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に各々記憶されている普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタの各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタの各値が上記の所定量だけ減算される。尚、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタが各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。また、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタの各値が「0」となった場合には、それ以上の減算は行わないようにプログラムされている。
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「オン」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「オフ」となる。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。この特別図柄処理では、大当たりの判定、表示画面28に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。この特別図柄処理については、図12及び図13に示すフローチャートを参照して後述する。
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(所謂チューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。尚、普通当たりの判定は次のS16の普通図柄処理にて行われる。
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立てられている場合には、普通当たり判定カウンタの値が取得される。そして、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の普通図柄作動保留球数に「1」が加算される。そして、普通当たり判定カウンタの値が、普通当たり関係情報記憶エリア5203の第1記憶エリア〜第4記憶エリアのうちの、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204に記憶されている値に対応する番号の記憶エリアに普通当たり乱数として記憶される。そして、第1記憶エリアの値が判定エリアにシフトされて、判定エリアに記憶されている普通当たり乱数に基づいて普通当たりの判定が行われ、判定結果が報知される。尚、第1記憶エリアの値の判定エリアへのシフトに伴い、第2記憶エリアの値も第1記憶エリアへシフトされる。そして、次のメイン処理の普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われることとなる。
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)が行われ、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63を点灯・点滅させたり、スピーカ48からエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
ここで、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メイン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグがオンとされる(S11)。そして特別図柄表示部25が停止し、大当たり図柄が停止表示される。大当たり図柄の停止表示が終了すると、フラグ関係記憶エリア5208の大当たり遊技状態フラグがオンとされるので(S14)、次に実施されるメイン処理の特別電動役物処理(S13)で、大入賞口16の開放が行われ、大当たり遊技状態の動作が開始される。そして、繰り返しメイン処理が実施される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件に従って大当たり遊技状態の動作が実施される。そして、大当たり遊技状態が終了する際には、大当たり遊技状態フラグがオフとされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図12及び図13に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示部25に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へ出力するコマンドの決定等が行われる。
初めに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5208には、表示状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ、時短状態フラグ等が記憶されている。表示状態フラグは特別図柄表示部25の状態を示すフラグであり、特別図柄表示部25が変動している場合(変動中)には「1」、特別図柄表示部25が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」が記憶されている。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には「1」が記憶されて「オン」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「オフ」となっている。また、確率変動フラグは確率変動中には「1」が、確率変動中でない場合には「0」が記憶され、時短状態フラグは時短状態中には「1」が、時短状態中でない場合には「0」が記憶されている。尚、いずれも初期値は「0」である。
図12に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メイン処理のスイッチ読込処理(図11、S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「オン」となっている。そこで、S21ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「オン」であるか否かの判断が行われ、「オン」でない場合には(S21:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS25へ進む。
始動口スイッチ72に対応するフラグが「オン」である場合には(S21:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球数の数は4個である。そこで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25へ進む。
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の第1記憶エリア〜第4記憶エリアのうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が記憶され、当たり特別図柄決定乱数欄には当たり特別図柄作成カウンタの値が記憶され、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
次いで、大当たり遊技状態フラグにより、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S25)。大当たり遊技状態である場合には、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「オン」であり、大当たり遊技状態である場合には(S25:YES)、何もせずにメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「オン」でない場合には(S25:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部25の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、特別図柄表示部25が変動中であるか否かの判断が行われる(S26)。表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S26:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S27)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でない場合には(S27:NO)、大当たり判定が行われる。
そこで、図13のフローチャートに示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S28)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S28:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S28:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S29)、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第1記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第2記憶エリアに記憶されている乱数が第1記憶エリアへシフトされ、第3記憶エリアに記憶されている乱数が第2記憶エリアへシフトされ、第4記憶エリアに記憶されている乱数が第3記憶エリアへシフトされ、第4記憶エリアの値がクリアされる(S30)。ここで、先述した時短状態フラグに「1」が記憶されて「オン」となっている場合には、時短カウンタの値に「1」が加算される。そして、時短カウンタの値が最大値である「100」となれば、時短状態フラグに「0」を記憶して「オフ」とし、サブ統合基板58へ送信する時短状態終了コマンドをコマンド関係記憶エリア5207に記憶する。
次いで、大当たり判定が行われる(S31〜S33)。大当たり判定は、判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている値を用いて、大当たりか否かの判断が行われる。確率変動フラグに「1」が記憶されて「オン」となっている確率変動状態の場合は(S31:YES)、大当たりとして決められている特定の値の数が通常状態よりも多い高確率状態で大当たり判定が行われる(S32)。確率変動フラグに「0」が記憶されて「オフ」となっている場合は(S31:NO)、通常状態で大当たり判定が行われる(S33)。
次いで、大当たりと判定された場合には(S34:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S35)、及び特別図柄決定処理(S36)が行われる。具体的には、変動パターン決定処理(S35)では、まず、大当たりである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)において、変動パターン決定乱数(判定エリアの変動パターン決定乱数欄)に対応して記憶されている変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。また、特別図柄決定処理(S36)では、判定エリアの当たり特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている大当たりの組み合わせから1つを選択する。そして、大当たりが確率変動当たりであれば(S37:YES)、確率変動フラグに「1」が記憶される(S38)。すなわち、時短状態フラグに「0」が、確率変動フラグに「1」が記憶される。大当たりが確率変動当たりでなければ(S37:NO)、確率変動フラグに「0」を記憶し、時短状態フラグに「1」を記憶して時短状態を「オン」とし(S53)、時短カウンタをセットして(S54)、S42へ進む。
大当たりと判定されなかった場合には(S34:NO)、はずれ時の変動パターン決定処理(S50)、及び特別図柄決定処理(S51)が行われる。具体的には、変動パターン決定処理(S50)では、はずれである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)において、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。また、特別図柄決定処理(S51)では、判定エリアのはずれ特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されているはずれの組み合わせから1つを選択する。そして、S52へ進む。
そして、表示状態フラグに特別図柄表示部25が変動中であることを示す「1」が記憶され(S52)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、図12のフローチャートに示すS26において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25が変動中であると判断された場合には(S26:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S40)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタの値により行われる。S35、S50でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S40:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に特別図柄停止コマンドが記憶される(S41)。そして、所定の停止表示時間(例えば、0.8秒間)が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S42)、表示状態フラグに特別図柄表示部25が停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S43)。そして特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。S40にて、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S40:NO)、特別図柄表示部25の変動が継続される。そこで、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、S27において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25が停止表示中であると判断された場合には(S27:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S44)。この判断は、特別図柄停止時間カウンタの値により行われる。S42でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値が、カウンタ更新処理(図11、S12参照)において減算され、「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S44:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部25が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が記憶される(S45)。そして、特別図柄乱数が示す図柄の組み合わせが大当たりの組み合わせである場合には(S46:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「オン」となり(S47)、大当たり開始画面表示コマンドが記憶され(S48)、所定の表示時間(例えば、11秒間)が大当たり開始画面表示時間カウンタに記憶され(S49)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。大当たりでない場合には(S46:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。S44にて、特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間はまだ経過していない場合には(S44:NO)、特別図柄表示部25には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され(S24)、大当たり判定が行われて変動パターンや特別図柄表示部25に表示される図柄が決定され、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドが記憶される(S35、S36、S50、S51)。そして、繰り返しメイン処理が実行される中で、特別図柄処理も繰り返し実施され、変動時間が経過すると(S26:YES、S40:YES)、特別図柄停止コマンドが記憶される(S41)。さらに特別図柄処理が繰り返し実行され、停止表示時間が経過すると(S27:YES、S44:YES)、大当たり判定結果の報知を終了し、大当たりであった場合には、大当たり遊技状態へ移行するために大当たり遊技状態フラグが「オン」とされ(S47)、大当たり開始画面表示コマンドが記憶され(S48)、所定の表示時間が大当たり開始画面表示時間カウンタに記憶される(S49)。そして、メイン処理へ戻る。
次に、サブ統合基板58での処理について説明する。先述したように、本実施の形態のパチンコ機1では、サブ統合基板58が主基板41から各種コマンドを受信し、さらに音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46へ各種コマンドを送信しており、本発明の要部であるデモ図柄表示部D1〜D3によるデモ図柄80及び付加図柄81の表示の制御はこのサブ統合基板58で行われている。
まず、図14及び図15を参照して、サブ統合基板58に設けられているROM583及びRAM582の記憶エリアや各種テーブルについて説明する。図14はサブ統合基板58のROM583の記憶エリアを示す概念図であり、図15はサブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。
まず、図14を参照して、ROM583の記憶エリアについて説明する。図14に示すように、ROM583には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値が記憶された初期設定記憶エリア5831、CPU581がサブ統合基板58を制御するための各種プログラムが記憶された制御プログラム記憶エリア5832、サブ統合基板58が図柄表示基板44、電飾基板46に出力する制御コマンドのテーブルを記憶した制御コマンドテーブル記憶エリア5833、特別図柄表示部25に表示される図柄の組み合わせのパターンやその組み合わせが大当たりであるかはずれであるかの情報が記憶されている特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5834、付加図柄81が付設されたデモ図柄80の変動パターンが記憶されているデモ図柄変動パターン記憶エリア5835、大当たりの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄を決定するためのデモ図柄決定テーブル記憶エリア5836等が設けられている。さらに、ROM583には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図15を参照して、RAM582の記憶エリアについて説明する。図15に示すように、RAM582には、特別図柄表示部25に表示される図柄の組み合わせを示す値が記憶される特別図柄記憶エリア5821、特別図柄表示部25の変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア5822、デモ図柄表示部D1〜D3の第1停止図柄を記憶する第1停止図柄記憶エリア5823、第2停止図柄を記憶する第2停止図柄記憶エリア5824、第3停止図柄を記憶する第3停止図柄記憶エリア5825、デモ図柄表示部D1〜D3の状態を示す各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5826、デモ図柄表示部D1〜D3を制御するために使用する各種カウンタを記憶するカウンタ関係記憶エリア5827等が設けられている。さらに、RAM582には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
先述したように、主基板41及びサブ統合基板58にはバックアップ電池66が接続されているため、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されても、サブ統合基板58のRAM582の各記憶内容は保存される。よって、電源復帰後に遊技を再開するために必要なRAM582の全ての記憶内容が保存される。また、主基板41と同様に、パチンコ機1に供給されている電源が所定電圧以下に降下したと電源監視回路67(図7参照)により判断された場合には、RAM52のチェックサムの計算やハッシュ関数を利用したパスワードの生成が行われ、電源投入時に行われる誤り検出に利用される。
次に、図16を参照して、サブ統合基板58のCPU581で実施されるサブ統合基板処理について説明する。サブ統合基板処理では、主基板41からコマンドを受信すると、そのコマンドに従って処理が行われる。図16はサブ統合基板処理のフローチャートである。ここで使用されるフラグは、デモ図柄表示部D1〜D3が変動中であるか否かを示す変動中フラグ、確率変動中であるか否かを示す確率変動フラグ、時短中であるか否かを示す時短状態フラグ等があり、RAM582におけるフラグ関係記憶エリア5826に記憶される。
まず、電源が投入されると、本発明の要部であるサブ統合基板電源投入時処理が行われる(S101)。パチンコ機1に電源が投入されると、サブ統合基板58は電源投入時特有の様々な処理が実施された後に以下の通常の処理へ移行するが、この詳細は図18を参照して後述する。
次に、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S102)。主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したら(S102:YES)、RAM582の変動パターン記憶エリア5822に変動パターンが記憶され、変動中フラグに「1」が記憶される(S111)。そして、特別図柄変動開始コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S112)、デモ図柄変動開始コマンドが図柄表示基板44へ送信されて(S113)、S102へ戻る。そして、特別図柄表示部25及びデモ図柄表示部D1〜D3の変動開始の制御が行われる。
次いで、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S102:NO)、特別図柄指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S103)。特別図柄指定コマンドを受信したら(S103:YES)、特別図柄指定コマンドで指定されている特別図柄の組み合わせがRAM582の特別図柄記憶エリア5821に記憶され(S114)、デモ図柄決定処理が行われる(S115)。このデモ図柄決定処理では、特別図柄記憶エリア5821に記憶されている特別図柄の組み合わせにより、確率変動当たりか、非確率変動当たり、はずれかを判断し、それぞれの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄80を決定し、それに伴いデモ図柄80に付設される付加図柄81も自動的に決まる。そして、デモ図柄変動パターンが決定され、図柄と変動パターンの指定コマンドが図柄表示基板44に送信された後、S102へ戻る。ここで、本実施の形態におけるパチンコ機1では、複数記憶されている変動パターンの一部に、同一の付加図柄81が揃っていると共にデモ図柄80が揃っていない組み合わせを疑似確定表示させ、その後に変動を再開させる変動パターンを備えており、遊技者の興味を惹きつける演出を表示画面28にて行うことができる。
次いで、特別図柄指定コマンドを受信していない場合には(S103:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S104)。特別図柄停止コマンドを受信した場合には(S104:YES)、特別図柄停止コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S116)、デモ図柄停止コマンドが図柄表示基板44へ送信される(S117)。そして、変動中フラグに「0」を記憶して「オフ」とし(S118)、S102へ戻る。
次いで、特別図柄停止コマンドを受信していない場合には(S104:NO)、大当たり開始画面表示コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S105)。大当たり開始画面表示コマンドを受信した場合には(S105:YES)、大当たり画面を開始するコマンドが図柄表示基板44へ送信される(S119)。そして、フラグ関係記憶エリア5826に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「オン」となる(S120)。そして、S102へ戻る。
次いで、大当たり開始画面表示コマンドを受信していない場合には(S105:NO)、大当たり終了画面表示コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S106)。大当たり終了画面表示コマンドを受信した場合には(S106:YES)、大当たり画面を終了するコマンドが図柄表示基板44へ送信され(S121)、大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶されて「オフ」となる(S122)。そして、確率変動フラグ及び時短状態フラグの処理が行われる(S123)。すなわち、特別図柄記憶エリア5821に記憶されている特別図柄が確率変動当たりを示す特別図柄である場合には、確率変動フラグに「1」が、時短状態フラグに「0」が記憶され、非確率変動当たりの場合には確率変動フラグに「0」が、時短状態フラグに「1」が記憶される。このように、大当たり遊技状態であるか否か、確率変動状態であるか否か、時短状態であるか否かは、主基板41及びサブ統合基板58の両方で各フラグによって管理されている。そして、これらのフラグは電源投入時の遊技状態を遊技者に報知する際に用いられる。
次いで、大当たり終了画面表示コマンドを受信していない場合には(S106:NO)、その他のコマンドを受信したか否かの判断が行われる(S107)。その他のコマンドを受信した場合には(S107:YES)、そのコマンドに従った処理が行われる(S124)。例えば、主基板41から時短状態終了コマンドを受信した場合には、時短状態フラグに「0」を記憶して「オフ」とする。そして、S102へ戻る。
次に、本発明の要部である、電源の供給が遮断されている状態から電源が投入された場合の主基板41及びサブ統合基板58における処理について説明する。図17は主基板41で行われる電源投入時処理のフローチャートであり、図18はサブ統合基板58における電源投入時処理のサブルーチンのフローチャートであり、図19はサブ統合基板電源投入時処理における初期画面決定処理のサブルーチンのフローチャートである。また、図20は表示画面28に表示される確率変動中初期画面の表示形態を示す図であり、図21は表示画面28に表示される時短中初期画面の表示形態を示す図であり、図22は表示画面28に表示される通常時初期画面の表示形態を示す図である。
本実施の形態におけるパチンコ機1は、電源投入時に大当たり遊技状態でなければ、正常に電源が復帰したことを示すと共に電源投入時の遊技状態を示す初期画面を表示画面28に表示させる構成となっている。図20乃至図22に示すように、この初期画面に表示される付加図柄81は、全て同一の数字が揃う「特定パターン」を有しており、遊技者はこの特定パターンを有する初期画面を見ることで、正常に電源が復帰したことを知ることができる。そして、表示画面28が変動中又は停止表示中に電源が遮断された場合は、その後の電源投入時には、初期画面を表示させた後に電源遮断時の表示内容を再び表示させる構成となっている。
まず、図17を参照して、電源投入時の主基板41での処理について説明する。電源基板42の電源監視回路67によって、パチンコ機1に供給される電圧が所定電圧以上に上昇したと判断されると、主基板41では以下説明する電源投入時処理が行われる。その後、先述したメイン処理(図11参照)が行われる。
初めに、電源投入時処理で使用されるコマンド及びカウンタについて説明する。コマンドは、初期画面表示開始コマンド及び初期画面表示終了コマンドが用いられる。この2つのコマンドは、サブ統合基板58に初期画面の表示開始及び表示終了を指示するコマンドであり、サブ統合基板58はこれらのコマンドを受け、図柄表示基板44への初期画面の表示に関するコマンドを決定し、送信する。また、カウンタは、初期画面表示時間カウンタが用いられる。これはタイマカウンタとして使用され、本実施の形態では3秒の初期画面表示時間を計測する。
図17に示すように、主基板41の電源投入時処理が開始されると、初期処理が行われる(S201)。この初期処理では、RAM52のチェックサムの計算や、ハッシュ関数を利用したパスワードの生成を行い、それらが電源遮断時のチェックサム及びパスワードと同一か否かのチェックを行い、誤り検出が行われる。これらが同一でない場合や、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合には、パチンコ機1のリセットが行われ、ROM53の初期設定記憶エリア5301に記憶されている値に基づいて初期化が行われる。一方で、チェックサム及びパスワードが電源遮断時のものと同一であれば、バックアップ電池66からの電源により保存されていたRAM52の各記憶エリアの値の状態が、電源遮断時と同じ状態に戻される。さらに、接続状況の確認等、その他の様々な処理が行われる。
次いで、大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S202)。大当たり遊技状態である場合には、初期画面の表示は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグがオンである場合には(S202:YES)、そのままS206へ進む。一方、大当たり遊技状態フラグがオフである場合には(S202:NO)、表示画面28にて初期画面を表示するため、初期画面表示開始コマンドをサブ統合基板58へ送信し(S203)、初期画面表示時間カウンタをセットして(S204)、初期画面の表示時間が終了するまで待機状態となる(S205:NO)。3秒の表示時間が終了したら(S205:YES)、初期画面表示終了コマンドをサブ統合基板58へ送信し(S206)、初期画面の表示終了を指示した後、2ms毎に行われるメイン制御処理(図11参照)へ移行する。
ここで、以上説明した電源投入時処理を経てメイン制御処理へ移行する際、初期処理(S201)にて誤り検出やリセットボタン操作によるリセットが行われなければ、先述したように、主基板41のRAM52には遊技を再開させるために必要な全ての記憶内容が保持されているため、電源遮断時の遊技をそのまま継続して再開させることができる。
次に、図18及び図19を参照して、サブ統合基板58における電源投入時処理について説明する。サブ統合基板58は、図18に示す処理では、主基板41から送信される初期画面表示開始コマンド及び初期画面表示終了コマンドの受信を契機として、表示画面28にて初期画面を表示させるか否かの決定、表示させる初期画面の決定、さらに、初期画面表示後に表示させる図柄の組み合わせ等の決定を行う。
電源基板42の電源監視回路67によって、パチンコ機1に供給される電圧が所定電圧以上に上昇したと判断されると、サブ統合基板58ではサブ統合基板電源投入時処理が行われる。まず、初期処理が行われる(S210)。この初期処理では、主基板41の電源投入時処理と同様に、チェックサムの計算やパスワードの生成を行い、これらが電源遮断時の値と同一か否かのチェックが行われる。同一でない場合や、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合には、ROM583の初期設定記憶エリア5831に記憶されている値に基づいて初期化処理が行われる。一方で、チェックサム及びパスワードが電源遮断時のものと同一であれば、バックアップ電池66からの電源により保存されていたRAM582の各記憶エリアの状態が、電源遮断時と同じ状態に戻される。さらに、接続状況の確認等、その他の様々な処理が行われる。
次いで、主基板41から初期画面表示開始コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S211)。初期画面表示開始コマンドを受信していない場合には(S211:NO)、主基板41から初期画面表示終了コマンドを受信したか否かの判断が行われ(S221)、どちらのコマンドも受信していない場合には(S221:NO)、S211に戻り、どちらかのコマンドを受信するまで待機状態となる。初期画面表示開始コマンドを受信した場合には(S211:YES)、初期画面決定処理が行われる(S212)。
ここで、図19乃至図22を参照して、初期画面決定処理(S212)、及び各遊技状態によって異なる初期画面の表示態様について説明する。この初期画面決定処理では、サブ統合基板58のRAM582におけるフラグ関係記憶エリア5826に記憶されている確率変動フラグ及び時短状態フラグの値により、電源遮断時のパチンコ機1の遊技状態が確率変動状態か、時短状態か、通常状態かを判断し、それぞれの遊技状態によって異なる初期画面を決定し、図柄表示基板44にコマンドの送信を行う。以下詳細に説明する。
図19に示すように、初期画面決定処理では、まず確率変動中であるか否かの判断が行われる(S230)。サブ統合基板58のRAM582のフラグ関係記憶エリア5826に記憶されている確率変動フラグの値が「1」、すなわち「オン」であれば(S230:YES)、パチンコ機1の遊技状態は確率変動状態であるので、サブ統合基板58のROM583の制御コマンドテーブル記憶エリア5833に記憶されている確率変動中初期画面表示コマンドを図柄表示基板44へ送信して(S231)、サブ統合基板電源投入時処理へ戻る。図柄表示基板44は、確率変動中初期画面表示コマンドを受信すると、図柄表示基板44内に備えられた図示外のROMに記憶されている確率変動中初期画面を読み出し、表示画面28に表示させる。図20に示すように、確率変動中初期画面は、デモ図柄80が「4,5,6」であり、はずれを示す組み合わせであるが、それぞれのデモ図柄80に付設された付加図柄は全て「4」である。
次いで、確率変動中でない場合には(S230:NO)、時短中であるか否かの判断が行われる。フラグ関係記憶エリア5826に記憶されている時短状態フラグの値が「1」、すなわち「オン」であれば(S232:YES)、パチンコ機1の遊技状態は時短状態であるので、ROM583の制御コマンドテーブル記憶エリア5833に記憶されている時短中初期画面表示コマンドを図柄表示基板44へ送信して(S233)、サブ統合基板電源投入時処理へ戻る。図柄表示基板44は、時短中初期画面表示コマンドを受信すると、図柄表示基板44内に備えられたROMに記憶されている時短中初期画面を読み出し、表示画面28に表示させる。図21に示すように、時短中初期画面は、デモ図柄80が「3,4,5」であり、はずれを示す組み合わせであるが、それぞれのデモ図柄80に付設された付加図柄は全て「3」である。
次いで、確率変動中でもなく(S230:NO)、時短中でもない場合には(S232:NO)、パチンコ機1の遊技状態は通常状態であるので、ROM583の制御コマンドテーブル記憶エリア5833に記憶されている通常時初期画面表示コマンドを図柄表示基板44へ送信して(S234)、サブ統合基板電源投入時処理へ戻る。図柄表示基板44は、通常時初期画面表示コマンドを受信すると、図柄表示基板44内に備えられたROMに記憶されている通常時初期画面表示を読み出し、表示画面28に表示させる。図22に示すように、通常時初期画面は、デモ図柄80が「1,2,3」であり、はずれを示す組み合わせであるが、それぞれのデモ図柄80に付設された付加図柄は全て「1」である。
また、図18に示すサブ統合基板電源投入時処理において、初期画面決定処理(S212)の終了後、RAM582のフラグ関係記憶エリア5826に記憶されている変動中フラグの値が「オン」であるか否かを判断する(S213)。変動中フラグがオンであり、図柄が変動中であれば(S213:YES)、RAM582の第1停止図柄記憶エリア5823〜第3停止図柄記憶エリア5825に記憶されている各停止図柄を初期画面表示後に表示させる図柄としてそのまま用いると共に、カウンタ関係記憶エリア5827に記憶されている各カウンタの値もそのまま用いて、表示させる最初の変動状態を決定する(S214)。これにより、変動中のどのタイミングで電源が遮断されても、電源投入時にはスムーズに変動が再開される。一方で、変動中フラグの値が「オフ」であり、図柄が変動中でなければ、初期画面表示時間終了後も表示画面28には初期画面と同じデモ図柄80及び付加図柄81の組み合わせを表示するため、第1停止図柄記憶エリア5823〜第3停止図柄記憶エリア5825に記憶されている停止図柄を、S212で決定された初期画面に表示される図柄と同じ図柄に差し替える(S215)。具体的には、RAM582の第1停止図柄記憶エリア5823〜第3停止図柄記憶エリア5825の値をクリアし、ROM583の初期設定記憶エリア5831に記憶されている各初期画面で表示される図柄を新たに記憶する。この場合はS214の場合と異なり、表示画面28は変動中でないため、各停止図柄の状態は必ず停止状態である。
次いで、主基板41から初期画面表示終了コマンドを受信したか否かが判断される(S216)。主基板41から初期画面表示終了コマンドを受信するまで待機状態となり(S216:NO)、受信すると(S216:YES)、S214及びS215で決定された各停止図柄を、決定された変動状態で表示させる(S217)。そして、図16のフローチャートに示すサブ統合基板処理へ戻り、本処理は終了する。
また、初期処理が終了した後(S210)、初期画面表示開始コマンドを受信せずに(S211:NO)、初期画面表示終了コマンドを受信した場合には(S221:YES)、パチンコ機1は大当たり遊技状態である(図17参照)。よって、表示画面28に電源遮断時に表示中であった大当たり遊技画面を表示して(S222)、図16のフローチャートに示すサブ統合基板処理へ戻り、本処理は終了する。
このように、サブ統合基板電源投入時処理を経てサブ統合基板処理(図16参照)を実行する際に、初期処理(S210)にてリセットが行われなければ、先述したように、サブ統合基板58のRAM582には遊技を再開させるために必要な全ての記憶内容が保持されているため、電源遮断時の遊技をそのまま継続して再開させることができる。
以上説明したように、本実施の形態の遊技機では、電源投入時に電源が正常に復帰したことを示す初期画面を表示画面28に表示させることができ、この初期画面は全て同一の付加図柄81を表示するが、デモ図柄80は大当たりを示さない組み合わせである。よって、デモ図柄80は同一の図柄ではないため大当たりを示す画面と混同することなく、付加図柄81は同一の図柄であるため強い印象を遊技者に与えることができる。従って、電源が復帰したことを遊技者に容易に報知することができる。
また、電源投入時の遊技状態が確率変動状態の場合には確率変動中初期画面(図20参照)を、時短状態の場合には時短中初期画面(図21参照)を、通常状態の場合には通常時初期画面(図22参照)を表示させることができる。従って、遊技者は遊技機の電源が復帰したことを知ることができると共に、電源投入時の遊技機の遊技状態を知ることができる。
尚、図12に示す特別図柄処理のS24の処理を行う主基板41のCPU51が本発明における「大当たり乱数取得手段」に相当し、図13に示す特別図柄処理のS32,S33の処理を行う主基板41のCPU51が「大当たり判定手段」に相当し、S38,S53の処理を行って通常状態、確率変動状態、時短状態を生起させる主基板41のCPU51が「遊技状態生起手段」に相当する。また、表示画面28が「図柄表示手段」に相当し、図柄表示基板44のCPU44aが「図柄表示制御手段」に相当し、電源基板42の電源監視回路67が「電源遮断判断手段」及び「電源供給開始判断手段」に相当し、電源基板42のパックアップ電池66が「バックアップ電源供給手段」に相当する。また、大当たり遊技状態フラグを記憶する主基板41のRAM52におけるフラグ関係記憶エリア5208及びサブ統合基板58のRAM582におけるフラグ関係記憶エリア5826が「大当たり遊技状態記憶手段」に相当し、図10に示す主基板41のRAM52における大当たり関係情報記憶エリア5205が「大当たり判定結果記憶手段」に相当する。また、初期画面を表示させる時間を計測する初期画面表示時間カウンタが「電源復帰画面表示時間計測手段」に相当し、デモ図柄80が本発明における「主図柄」に相当する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
まず、図23を用いて、本実施の形態の変形例1について説明する。図23は変形例1の表示画面28に表示される通常時初期画面の表示形態を示す図である。変形例1では、電源投入時に電源を投入したことを示すメッセージを表示させた後、遊技を再開させる構成となっている。図23に示すように、変形例1の通常時初期画面では、付設された付加図柄81が全て「1」であるデモ図柄80の組み合わせ「1,2,3」を表示すると共に、「電源が復帰しました、遊技を再開して下さい」のメッセージを表示する。また、確率変動中初期画面及び時短中初期画面は、上記メッセージと共に、デモ図柄80がそれぞれ「4,5,6」、「3,4,5」を表示する画面であるが、この図示は省略する。この場合は、各デモ図柄の組み合わせ及びメッセージを表示させる画面を初期画面として予め図柄表示基板44のROM等に記憶させておけばよい。このように、表示画面28に同一の付加図柄81を付加したデモ図柄80の組み合わせを表示させると共に、電源が復帰したことを示すメッセージを遊技再開前に表示させることで、遊技者は電源が正常に復帰したことを容易に知ることができ、且つ遊技状態が確率変動状態か、時短状態か、通常状態かを判断することができる。
また、本実施の形態では、デモ図柄80及び付加図柄81は共に数字により構成されており、各初期画面で表示させる付加図柄81の「特定パターン」を全て同じ数字の組み合わせとしたが、これに限られない。例えば、デモ図柄80及び付加図柄81を数字以外の図柄で構成しても良いし、数字と数字以外の図柄を組み合わせて用いてもよい。また、ぞろ目を「特定パターン」としてもよい。また、例えば、デモ図柄80及び付加図柄81は共に左図柄配列に「大」を、中図柄配列に「当」を、右図柄配列に「り」を含み、デモ図柄80が「大、当、り」の組み合わせとなった場合は大当たりを示し、付加図柄81が「大、当、り」の組み合わせとなった場合は確率変動中初期画面であることを示す構成としてもよい。
また、付加図柄81をデモ図柄80の色としてもよいし、デモ図柄80の背景色や背景模様等にしてもよい。例えば、付加図柄81をデモ図柄80の色として、確率変動中初期画面では付加図柄81の色が全て赤となり、通常時初期画面では付加図柄81の色が全て青となるようにしてもよい。また、付加図柄81の色が「青、黄、赤」となる組み合わせを「特定パターン」としてもよい。また、このような様々な付加図柄81の態様を任意に組み合わせても良い。この場合には、例えば、確率変動中初期画面では色が同一の付加図柄81を表示させ、通常時初期画面では色は異なるが模様が同一の付加図柄81を表示させる構成とすることもできる。すなわち、色、模様、形状のいずれかが特定の態様となることで、電源投入時の遊技状態を識別できる。
また、本実施の形態では、全てのデモ図柄80のそれぞれに付加図柄81を1種類ずつ付設したが、付加図柄81を付設するデモ図柄80と、付設しないデモ図柄80とを混在させてもよい。この場合には、例えば、通常時初期画面では付加図柄81を付設しないデモ図柄80の組み合わせを表示させ、確率変動中初期画面では付加図柄81を付設したデモ図柄80の組み合わせを表示させることで、電源投入時の遊技状態をより識別しやすくなる。また、デモ図柄80よりも付加図柄81の方を大きく表示してもよい。
さらに、デモ図柄80及び付加図柄81の態様は図6に示す図柄に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、左図柄配列82、右図柄配列83、中図柄配列84の少なくとも1つの図柄配列には、奇数の数字からなるデモ図柄80にのみ付加図柄81を付設して、その図柄配列以外の少なくとも1つの図柄配列には、偶数の数字からなるデモ図柄80にのみ付加図柄81を付設する構成としてもよい。また、本実施の形態では3つのデモ図柄表示部D1〜D3が用いられているが、複数の図柄表示であれば適宜変更が可能であり、表示方法も横並びだけでなく、マトリックス表示等を用いてもよい。
また、表示画面28の変動表示中に電源が遮断された場合に、その変動が大当たりを報知するための変動であった場合には、この場合特有の初期画面や演出を表示させてもよい。例えば、この場合特有の大当たり変動時初期画面を表示させた後に、図柄を再変動させ、大当たりを報知する。遊技者は、大当たり変動時初期画面を見ることで、その後に大当たりが報知されることを知ることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、変動中に電源が遮断された後の電源投入時には、その変動が大当たりを報知する変動であった場合には初期画面を表示した後に再変動を行って大当たりを報知し、その変動がはずれを報知する変動であった場合には初期画面表示後の再変動を行わずにはずれを報知するようにしてもよい。この場合には、初期画面表示後に再変動が行われるか否かで、電源が遮断された時の変動の結果が大当たりであったか、はずれであったかを識別できる。
また、本実施の形態では、電源投入時の遊技状態を、初期画面の付加図柄81の数字を遊技状態毎に変えることで遊技者に報知しているが、これに限られない。例えば、確率変動状態及び時短状態での電源投入時には図柄の再変動を行い、通常状態での電源投入時には図柄の再変動を行わないような構成としてもよい。この場合には、再変動を行うか否かで、通常状態かそれ以外の状態かを認識することができる。ここで、どの状態で再変動を行い、どの状態で再変動を行わないか等は任意に設定できる。さらに、このような再変動を利用した遊技状態の報知の構成と、付加図柄81の数字を遊技状態毎に変える構成とを組み合わせてもよい。
また、本実施の形態では、付加図柄81はデモ図柄80の下部にそれぞれ付設されているが、これに限られない。例えば、デモ図柄80の上部や右下、左上等、様々な位置に付設可能であり、また、デモ図柄80の背景や内部に複数の付加図柄81を付設してもよい。
また、本実施の形態では、表示画面28に各初期画面を所定時間(3秒)表示させた後、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されている大当たりか否かの判定結果を表示させていたが、各初期画面及びメッセージの表示時間はこれに限られない。例えば、表示画面28の変動中に電源が遮断され、その後に電源が復帰した場合、主基板41の特別図柄変動時間カウンタにより計測されている変動時間が終了するまで初期画面を表示し、その後は大当たりか否かの判定結果を示す図柄の組み合わせの停止表示だけを行うようにしてもよい。また、各初期画面の表示時間とメッセージの表示時間とが変形例1のように一致する必要はない。例えば、再開された表示画面28の変動が終了するまでメッセージを表示させてもよい。
また、本実施の形態では、大当たり遊技中に電源が遮断してその後に電源が復帰した場合には、初期画面の表示を経ずに大当たり遊技を再開しているが、この場合にも初期画面を表示させる構成にしてもよい。さらに、大当たり遊技が直後に再開させる旨のメッセージや、大当たり遊技再開までのカウントダウン表示等、大当たり遊技中に電源が遮断した場合特有の初期画面を表示させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、大当たり遊技中でなく、且つ図柄の変動中でもない場合に電源が遮断すると、その後の電源復帰時は、初期画面の表示時間(3秒)が終了した後も初期画面と同じデモ図柄80及び付加図柄81の組み合わせを表示画面28に表示させるが、サブ統合基板58のRAM582に記憶されている各停止図柄を表示させる構成にしてもよい。この場合は、初期画面を表示した後に、電源遮断時に表示画面28に表示されていた図柄をそのまま表示させることで、電源が一旦遮断してもパチンコ機1のリセットが行われずに正常に電源が復帰したことを遊技者に知らせることができる。
また、本実施の形態では、表示画面28の変動中に電源が遮断すると、その後の電源復帰時は初期画面表示後にデモ図柄表示部D1〜D3の再変動を行い、記憶されているデモ図柄80の組み合わせを確定表示させるが、これに限られない。例えば、図柄の変動中に電源が遮断した場合であっても、その変動の結果が大当たりを示すもの以外は全て初期画面と同じデモ図柄80及び付加図柄81の組み合わせを表示画面28に表示させる構成としてもよい。
また、本実施の形態に係るパチンコ機1は、通常状態、時短状態、確率変動状態を備えているが、本発明が適用できるパチンコ機は、このような遊技状態を備えているパチンコ機に限られない。例えば、通常状態と確率変動状態のみを生起し、時短状態のないパチンコ機にも適用可能である。また、遊技者からは確率変動状態か通常状態か、確率変動時短状態か通常の時短状態かが判別できない、所謂確変隠し機にも適用可能である。このような場合には、本実施の形態における図19に示す初期画面決定処理において、確変隠しが行われていることが遊技者に分からないように、それぞれの遊技状態毎に表示させる初期画面を設定し、その初期画面を表示させるコマンドを図柄表示基板44へ送信できるようにすればよい。また、通常状態A、通常状態B、確率変動状態A、確率変動状態Bというように、大当たりと判定される確率が同じであっても、演出等の遊技状態が異なるように設定された遊技機にも適用可能である。この場合にも、それぞれの遊技状態毎に異なるコマンドを用いて表示させる初期画面を変えればよい。このような構成とすることで、大当たりと判定される確率が同じ通常状態Aと通常状態Bとの識別、及び確率変動状態Aと確率変動状態Bとの識別がし易くなる。