JP7114557B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
演出制御基板に検査用パーソナルコンピュータを接続し、デバッグ処理を実行可能な遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の遊技機では、デバッグ処理の実行中は、検査用パーソナルコンピュータから外部コマンドフェースを介して入力されるコマンドに従い、デバッグの実行状態を示す処理状態提示画像を画像表示装置に表示させる。
特開2017-46993号公報
特許文献1に記載の遊技機では、音に関する検査について改善の余地があった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、特定の音に関する検査が容易になる遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば特徴部81AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
遊技の進行に応じて演出の制御を行う演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100、CPU62AK101)と、
前記演出制御手段の制御により音の出力を制御する音制御手段(例えば音声処理回路80AK100)と、
前記音制御手段が出力する音に対応した音データを記憶する記憶手段(例えば外部ROM62AK120)と、を備え、
前記音制御手段は、音データに基づき音を再生するためのチャンネルを複数有し、複数のチャンネルにより音データを再生することで遊技の進行に応じた音を出力可能であり、
前記音制御手段が出力する音に対応した音データは、該音データの再生されるチャンネルが予め定められたデータとして前記記憶手段に記憶されており、
前記音制御手段による音データの再生を停止することに対応する停止用データがあり、
前記停止用データとして、チャンネルを指定して該チャンネルでの音データの再生を停止するための停止用データ(例えば指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXH)があり、
前記音制御手段は、遊技機の複数の音出力手段(例えばスピーカ8L、8R)から音を出力可能であり、該複数の音出力手段から通常態様(例えば筐体補正されていない音)と該通常態様とは異なる特定態様(例えば筐体補正された音)とのいずれかにより音を出力可能であり、
前記演出制御手段は、
第1情報(例えば遊技用の演出制御コマンドや音声出力チェック開始コマンドF443H及びF400H)の入力に基づいて、前記音制御手段に前記特定態様により音を出力させ、
前記第1情報とは異なる検査用の第2情報(例えば音声出力チェック開始コマンドF443H及びF401H)の入力に基づいて、前記音制御手段に前記通常態様により音を出力させ
前記第1情報は、検査用の検査用第1情報と、遊技中に使用される遊技用第1情報と、を含み、
前記特定態様は遊技機の筐体に応じた筐体補正がされた音であり、前記通常態様は該筐体補正がされていない音である
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 この実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面斜視図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 表示結果判定テーブルを示す説明図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部80AKの演出制御基板に搭載された各種回路の構成例を示す図である。 特徴部80AKの音声処理回路の構成例を示す図ある。 外部ROMの記憶内容や音データの構成例を示す図である。 音データの再生手順を示す図である。 遊技用の演出制御コマンドの内容例を示す図である。 テストコマンドとなる演出制御コマンドの内容例を示す図である。 チェック処理等指定コマンドの受信順序と実行する処理との設定例を示す図である。 テストコマンドとなる演出制御コマンドの内容例を示す図である。 受信レジスタや受信バッファの構成例を示す図である。 特徴部80AKの演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 初期化処理の一例を示すフローチャートである。 割込の優先度を示す図および受け渡し用バッファ転送処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部80AKのコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部80AKの音声処理回路監視処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部80AKの音声処理回路初期化処理の一例を示すフローチャートである。
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図3参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図3参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図3参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の背面斜視図である。パチンコ遊技機1の背面には、基板ケース201に収納された主基板11が搭載されている。主基板11には、設定キー51や設定切替スイッチ52が設けられている。設定キー51は、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチとして機能する。設定切替スイッチ52は、設定変更状態において大当りの当選確率や出玉率等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。設定キー51や設定切替スイッチ52は、例えば電源基板17の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられてもよい。
主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、例えば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
表示モニタ29は、例えば連比や役比、ベースなどの入賞情報を表示可能である。連比は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。役比は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。設定変更状態や設定確認状態であるときに、表示モニタ29は、パチンコ遊技機1における設定値を表示可能である。表示モニタ29は、設定変更状態や設定確認状態であるときに、変更や確認の対象となる設定値などを表示可能であればよい。
設定キー51や設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3を閉鎖した状態であるときに、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠3aが回動可能に設けられ、ガラス扉枠3aにより遊技領域を開閉可能に構成されている。ガラス扉枠3aを閉鎖したときに、ガラス窓を通して遊技領域を透視可能である。
パチンコ遊技機1において、縦長の方形枠状に形成された外枠1aの右端部には、セキュリティカバー500Aが取り付けられている。セキュリティカバー500Aは、遊技機用枠3を閉鎖したときに、設定キー51や設定切替スイッチ52を含む基板ケース201の右側部を、背面側から被覆する。セキュリティカバー500Aは、短片500Aaおよび長片500Abを含む略L字状の部材であり、透明性を有する合成樹脂により構成されていればよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
パチンコ遊技機1では、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチに対する押下操作などに応じてオン状態となる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11には、表示モニタ29、表示切替スイッチ30、設定キー51、設定切替スイッチ52、扉開放センサ90が接続されている。扉開放センサ90は、ガラス扉枠3aを含めた遊技機用枠3の開放を検知する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図4は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図4に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチが押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Yes)、復旧処理(ステップS4)を実行した後に、設定確認処理(ステップS5)を実行する。ステップS4の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、例えば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;No)、初期化処理(ステップS6)を実行した後に、設定変更処理(ステップS7)を実行する。ステップS6の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。設定確認条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリア信号がオフ状態であることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリア信号がオフ状態である場合となるので、クリア信号がオフ状態であることも、設定確認条件に含めることができる。
ステップS5の設定確認処理において設定確認条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、ハズレ図柄などを停止表示したり、ハズレ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。設定変更条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。設定変更条件は、クリア信号がオン状態であることを含んでいてもよい。
ステップS7の設定変更処理において設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。設定変更状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、遊技効果ランプ9といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。
クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチの押下操作などによりオン状態となる。したがって、電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオンであるとともに設定キー51がオンである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオフである場合、または設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
設定確認処理または設定変更処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9)、割込みを許可する(ステップS10)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図5のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理として、図5に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図5に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率や出玉率が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率が変わるようになっている。例えば設定値は1~6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この例において、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図7は、表示結果判定テーブルの構成例を示している。図7(A)は、変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図7(B)は、変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりである。表示結果判定テーブルでは、設定値に応じて、乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に割り当てられている。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0~65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態といった高確状態であるときには、通常状態または時短状態といった低確状態であるときに比べて、大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。なお、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態の場合に、当り判定値のうち1020から1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1237までが「大当り」に割り当てられ、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態の場合に、当り判定値のうち1020から1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1346までが「大当り」に割り当てられることで、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定され、その一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1346から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定される。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320で小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1~3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4~6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
大当り種別は、大当り種別判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、大当り種別は、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。変動パターンは、変動パターン判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、変動パターンは、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。あるいは、設定値にかかわらずノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合は共通であってもよい。その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図8のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図8に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図9は、演出制御プロセス処理として、図8のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部80AKに関する説明)
特徴部80AKについて説明する。特徴部80AKにおいて、基本説明と共通する部分(構成、処理等)については説明を省略する。
図10-1は、本実施形態の特徴部80AK(特徴部62AKでもある)に関し、演出制御基板12に搭載された各種回路の構成例を示している。特徴部80AKの演出制御基板12は、図10-1に示すような演出制御用マイクロコンピュータ62AK100を搭載可能に構成されている。また、演出制御基板12は、外部ROM62AK120、外部RAM62AK121、CGROM62AK122、入出力ポート62AK123を搭載可能に構成されている。これらの各種回路のうち、一部または全部の回路は、コネクタソケットに対しコネクタピンを挿抜することなどにより着脱可能に構成されてもよいし、一部または全部の回路は、はんだなどを用いて実装可能に構成されてもよい。このように、演出制御基板12では、外部ROM62AK120、外部RAM62AK121、CGROM62AK122といった、複数種類の記憶回路を含んだ電子部品が、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100と電気的に接続可能な状態で搭載される。
演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、CPU62AK101、内部ROM62AK102、内部RAM62AK103、ウォッチドッグタイマ62AK104、タイマ回路62AK105、割込コントローラ62AK106、シリアル通信回路62AK107、クロック回路62AK108、VDP62AK110、音声処理回路80AK100、ランプ制御回路62AK112、モータ制御回路62AK113を統合化した演出制御用のマイクロプロセッサであればよい。CPU62AK101は、例えば図3に示した演出制御用CPU120に対応して、演出制御用のコンピュータプログラムに従い制御処理を実行する。内部ROM62AK102は、例えばファームウェアといった、CPU62AK101によって実行される制御処理の基本プログラムや、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100に固有のシステム設定データなどを固定的に記憶する。内部RAM62AK103は、CPU62AK101のワークエリアを提供する。
ウォッチドッグタイマ62AK104は、内蔵レジスタの設定に基づいてカウントアップまたはカウントダウンするカウンタ回路を有し、計測時間が監視時間(タイムアウト時間)を経過してタイムアウトが発生したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させる。タイムアウト信号は、CPU62AK101をリセット状態にして再起動させる信号であればよい。ウォッチドッグタイマ62AK104は、内蔵レジスタに含まれるWDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータが順番に書き込まれることにより、カウンタ回路の格納値であるカウント値をクリアして、カウント動作をリスタートさせる。CPU62AK101は、WDTクリアレジスタにWDTクリアデータを定期的に設定すれば、ウォッチドッグタイマ62AK104をクリアしリスタートさせることができる。その一方で、何らかの障害などによりCPU62AK101の処理に遅延が生じて、ウォッチドッグタイマ62AK104をクリアできずに計測時間が監視時間を経過したときには、タイムアウト信号が発生してCPU62AK101による処理がリセットされる。
VDP62AK110は、例えば図3に示した表示制御部123に対応して設けられ、CPU62AK101からの表示制御指令やレジスタ設定などに基づいて、画像表示装置5における画像表示の制御内容を決定する。例えばVDP62AK110は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。VDP62AK110は、高速描画機能や動画像データ分離機能、映像デコード機能といった画像データ処理機能を有する画像プロセッサである。なお、VDP62AK110は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。
音声処理回路80AK100は、例えば図3に示した音声制御基板13が有する機能の一部または全部を含み、CPU62AK101やVDP62AK110からの命令やレジスタ設定などに基づいて、スピーカ8L、8Rを用いた音声出力を可能にする音声信号を生成可能である。ランプ制御回路62AK112は、例えば図3に示したランプ制御基板14が有する機能の一部または全部を含み、遊技効果ランプ9といった発光部材の点灯、消灯、点滅などの点灯態様(発光態様)を制御可能にする。モータ制御回路62AK113は、例えば図3に示したドライバ基板19が有する機能の一部または全部を含み、演出用モータ60に含まれる各種モータの回動制御などを可能にする。
演出制御用マイクロコンピュータ62AK100では、割込コントローラ62AK106により、各種割込要求が制御される。割込コントローラ62AK106は、割込の種類ごとに割込の許否や割込の優先度を設定するための割込制御レジスタを備える。例えば、割込コントローラ62AK106には、シリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用といった、各種割込に対応した割込制御レジスタが設けられていればよい。なお、Vシンク割込は、画像表示装置5に演出画像などを描画するVDP62AK110からの垂直同期信号が出力されるタイミングにあわせた割込である。それぞれの割込に対応した割込制御レジスタには、対応する割込の許否を示す内部情報データ(割込許否データ)と、対応する割込の優先度を示す内部情報データ(割込優先度データ)とが、設定可能であればよい。割込の許否は、例えば割込許否データの値が「0」であれば対応する割込が許可状態に設定され、割込許否データの値が「1」であれば対応する割込が禁止状態に設定される。割込の優先度は、例えば割込優先度データにより16段階(4ビット)の数値で設定され、「0000(=0H)」の場合に対応する割込の優先度が最も高くなり、「1111(=FH)」の場合に対応する割込の優先度が最も低くなる。
なお、シリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用の割込制御レジスタに限定されず、例えば、外部割込、シリアル送信割込、乱数回路の乱数取込による割込といった、演出の制御に関連する任意の割込に対応して、割込制御レジスタを備えてもよい。割込制御レジスタに設定される内部情報データは、予め内部ROM62AK102の所定領域(プログラム管理エリアなど)に設定されている。CPU62AK101は、パチンコ遊技機1への電源投入時に、プログラム管理エリアなどの設定内容に従って、シリアル通信回路62AK107の設定や、乱数生成の設定、内部リセット動作の設定などを行う。このとき、割込コントローラ62AK106が備えるシリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用といった、各種割込に対応した割込制御レジスタの内部情報データを設定する。これにより、シリアル受信割込やタイマ割込、Vシンク割込などの設定が行われる。
例えばシリアル受信割込設定用、タイマ割込設定用、Vシンク割込設定用の割込制御レジスタでは、内部情報データのうちの割込許否データが、いずれも「0」の値を示し、シリアル受信割込、タイマ割込、Vシンク割込は、いずれも許可状態に設定される。また、内部情報データのうちの割込優先度データは、シリアル受信割込の方がタイマ割込よりも優先度が高く、タイマ割込の方がVシンク割込よりも優先度が高くなるように、それぞれに対応する4ビット値が設定される。
外部ROM62AK120は、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100による演出制御の具体的内容として、CPU62AK101が実行するシステムプログラムやユーザプログラムなどを構成する命令コード、管理データ、テーブルデータ、演出制御パターンなどを構成する各種データを、固定的に記憶する。また、外部ROM62AK120は、演出実行用データとして各種の音データを固定的に記憶する。外部RAM62AK121は、内部RAM62AK103の補助領域として、各種データなどを一時記憶する。CGROM62AK122は、演出実行用データとして各種の画像データを固定的に記憶する。なお、外部ROM62AK120やCGROM62AK122は、例えば書換不納な半導体メモリであってもよいし、NAND型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性の記録媒体を用いて構成されたものであってもよい。入出力ポート62AK123は、例えば演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号の出力を可能にする出力ポートとを含んでいる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100が、VDP62AK110、音声処理回路80AK100、ランプ制御回路62AK112、モータ制御回路62AK113といった、各演出装置を制御する回路をワンチップで全て備えるものに限定されず、VDP62AK110、音声処理回路80AK100、ランプ制御回路62AK112、モータ制御回路62AK113の全部または一部が別に設けられていてもよい。
図10-2は、特徴部080AKの音声処理回路80AK100の構成例を示す図ある。CPU62AK101は、音声を出力することに対応した遊技用の演出制御コマンドや検査用のテストコマンドを受信すると、音声処理回路80AK100に対応した音声を出力するための命令(サブコマンドの送信)やレジスタ設定を行う。音声処理回路80AK100は、当該命令等に基づいて、外部ROM62AK120から対応する音データを読み出して、再生を行い、再生した音データをスピーカ8L、8Rから出力させる。
音声処理回路80AK100は、図10-2に示すように、再生部80AK101、スピーカボリューム80AK102、エフェクタ80AK103、マスターボリューム80AK104、出力I/F(インターフェース)105を備える。音声処理回路80AK100は、電子回路といったハードウェアで構成されてもよいし、少なくとも一部がソフトウェア処理で実現されるものであってもよい。
再生部80AK101は、外部ROM62AK120から入力された圧縮された音データを再生する。再生80AK101は、シーケンサ80AK111、デコーダ80AK112、フェーダー80AK113、パンポット80AK114を備える。再生80AK101は、音声を再生する再生チャンネル(トラック等ともいう)を40チャンネル(ch0~ch39)備え、独立した40種類の音声を同時再生可能となっている。デコーダ80AK112、フェーダー80AK113及びパンポット80AK114は、再生チャンネル毎に設けられる。
例えばBGM、飾り図柄の変動に係る音声、予告演出に係る音声(セリフ等)、リーチ演出に係る音声、エラー報知音といった同時に出力される可能性のある音は、異なる再生チャンネルにより再生されるように制御される。
シーケンサ80AK111は、各チャンネルでの音データの再生や停止を管理、制御する。デコーダ80AK112は、入力された圧縮音データをPCM音データに復号する。フェーダー80AK113は、デコーダ80AK112により復号された音データの音量(チャンネルボリューム)を設定しフェードイン、フェードアウトといったフェード制御を行う。パンポット80AK114は、フェーダー80AK113でフェード処理された音データにパンニング(音像定位の設定)を施す。複数の音データを同時に再生する指示があった場合、このような再生処理が対応するチャンネルで実行される。各チャンネルで再生された音データはミックスされ左右のスピーカ8L、8Rに対応した2本の出力バス(出力チャンネル)を介してスピーカボリューム80AK102に入力される。
スピーカボリューム80AK102は、増幅器等で構成され、それぞれの出力バスの音データに筐体補正に対応した音量(左右のスピーカ毎の音量)を設定する。なお、筐体補正に対応した補正データ(左右のスピーカ毎の音量データ)は、演出制御基板11の起動時の初期化処理において音処理回路62AK111に設定されるようになっている。よって、通常スピーカ8L、8Rは、筐体補正された音声が出力されることになる。
エフェクタ80AK103は、スピーカボリューム80AK102から出力された音データに、所定の音響効果を付与する。具体的には、エフェクタ80AK103は、例えばリミッタやコンプレッサ等としての、音声信号のピーク値が所定の値以上になることを抑止するための機能や、イコライザ等としての、特定周波数帯の音声信号を減衰させる又は強調させるための機能を有する。エフェクタ80AK103は、これ以外に、歪みやノイズの除去、残響音の付加や削除等を行うための機能を有していてもよい。
マスターボリューム80AK104は、増幅器等で構成され、エフェクタから出力された全ての出力バスの音データにマスターボリューム(パチンコ遊技機1に設定されたボリューム)に対応した音量を設定する。なお、マスターボリュームは、演出制御基板12等に設けられるスイッチ、つまみの操作や、音量調整画面においてスティックコントローラ31A、プッシュボタン31B等を操作することにより変更可能である。
出力I/F105は、音データを外部出力するためのインターフェースであり、マスターボリューム80AK104から出力された音データ(デジタル音声信号、PCMデータ)を、デジタルアンプ(図示せず)を介してスピーカ8L、8Rに出力する。デジタルアンプは、演出制御基板12、音声制御基板13あるいはスピーカの近傍等に設けられ、入力された音データ(デジタル音声信号、PCMデータ)をアナログデータに変換し、増幅してスピーカ8L、8Rに出力する。
ここで、この実施例における音データについて説明する。図10-3は、外部ROM62AK120の記憶内容や音データの構成例を示す図である。図10-3に示すように、外部ROM62AK120の記憶領域には、CPU62AK101が実行するプログラムや演出内容に対応した演出制御パターンといった制御用データが記憶される制御用データ領域と、パチンコ遊技機1に出力する音に対応した複数の音データを記憶する音データ領域と、が含まれる。
音データ領域に記憶される音データは、図10-3に示すように、それぞれ、ヘッダー、実際に出力される音に対応したフレーズデータ(圧縮された音データ)、及び、その音データの再生方法や音響効果の内容等が定義される音制御用データが含まれる。
音制御用データには、その音データを再生するチャンネルに対応した再生チャンネル情報、再生チャンネルにおけるボリューム情報(チャンネルVOL情報)、パンニングに関するPAN情報、ループ再生する否かに関するループ設定情報等が含まれる。この他、音データに付与する音響効果情報等も含まれる。
このように、音データにはその音データの再生方法や音響効果の内容等が定義される音制御用データが含まれるため、音データが読み出された場合には、予め定められた態様(音量、音像、音響効果)で音が出力されることになる。即ち、遊技中の決定内容に基づいて実行される演出において特定の音が出力される場合と、テストコマンドにより当該特定の音を出力させる場合と、で同じ態様で当該特定の音が出力される。これにより、特定の音に関する検査が容易になる。
なお、音データは、外部ROM62AK120に記憶されるものに限定されず、CGROM62AK122に記憶されるようにしてもよいし、専用の音ROMに記憶されるようにしてもよい。
図10-4は、音データの再生手順を示している。CPU62AK101は、音を出力することに対応した演出制御コマンド(遊技用の演出制御コマンドや指定音を再生することを示すテストコマンド等)を受信した場合、音声処理回路80AK100に対して再生する音データに対応した命令(コマンドの送信、レジスタ設定)を行う。該命令に応じて、音声処理回路80AK100は、命令に対応した音データを外部ROM62AK120から読み出す(T1)。そして、読み出した音データに含まれる音制御用データに対応した再生チャンネルで、音制御用データに基づいて音データを再生(復号、フェード処理、パンニング)する(T2)。具体的には、音制御用データにおけるチャンネルVOL情報に対応した音量がフェーダー80AK113で設定され、音制御用データにおけるPAN情報に応じてパンポット80AK114でパンニングされる。
続いて、各再生チャンネルで再生された音データをミックスし、出力バスに出力する(T3)。その後、スピーカボリューム80AK102にて出力バス(左右スピーカ)毎の音量(筐体補正)が設定され(T4)、音制御用データに基づいてエフェクタ80AK103により音響処理が施され(T5)、マスターボリューム80AK104で全ての出力バスの音データにマスターボリュームが設定されて(T6)、再生された音データがスピーカ8L、8Rに出力される(T7)。なお、再生している音データにループ再生設定が行われている場合には、該音データがループ再生される。
図10-5は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100に対し、遊技用として送信される演出制御コマンドの内容例を示している。以下において、添字Hは、16進数であることを示す。演出制御用マイクロコンピュータ62AK100にて受信可能な演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はコマンドの分類を表すMODEデータとなり、2バイト目はコマンドの種類を表すEXTデータとなる。演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)は先頭ビット(ビット7)が必ず「1」に設定され、演出制御コマンドの下位データ(EXTデータ)は先頭ビット(ビット7)が必ず「0」に設定される。なお、2バイト構成の演出制御コマンドに限定されず、例えば1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図10-5に示す演出制御コマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される。演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、図10-5に示す演出制御コマンドのいずれかを、遊技の進行に伴い受信する。このように、図10-5に示す演出制御コマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100に対して送信される遊技用の演出制御コマンドである。
図10-5に示す変動パターン指定コマンド80XXHは、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する。変動パターン指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、変動パターンに対応した値を示している。表示結果指定コマンド8CXXHは、可変表示の表示結果を指定する。表示結果指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、可変表示の表示結果に対応した値を示している。変動図柄指定コマンド8DXXHは、複数の特別図柄のうち、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれが、変動を開始する特別図柄であるかを指定する。変動図柄指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、例えば第1特別図柄の場合に01Hとなり、第2特別図柄の場合に02Hとなればよい。図柄確定コマンド8F00Hは、図柄の変動を終了することを指定する。初期化指定コマンド9000Hは、電源投入時の初期化を指定する。停電復旧指定コマンド9200Hは、停電復旧時に対応する画面表示として、予め定められた停電復旧画面の表示を指定する。
図10-5に示す当り開始指定コマンドA0XXHは、可変表示の表示結果が「大当り」または「小当り」に対応して、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を指定する。当り開始指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、大当り遊技状態の種別や小当り遊技状態に対応した値を示している。大入賞口開放中指定コマンドA1XXHや大入賞口開放後指定コマンドA2XXHは、大当り遊技状態などにて画像表示装置5に表示される大入賞口開放中画面または大入賞口開放後画面の表示を指定する。当り終了指定コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了を指定する。背景指定コマンドB0XXHは、遊技状態などに応じた背景画面の表示状態を指定する。第1保留記憶数指定コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を指定する。第1特図保留記憶数は、特図保留記憶数のうち、第1特別図柄表示装置4Aに対応した可変表示の保留数であり、例えば「0」~「4」のいずれかの値となる。第2保留記憶数指定コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を指定する。第2特図保留記憶数は、特図保留記憶数のうち、第2特別図柄表示装置4Bに対応した可変表示の保留数であり、例えば「0」~「4」のいずれかの値となる。入賞時判定結果指定コマンドC3XXHは、入賞時判定結果を指定する。入賞判定結果は、第1始動口スイッチ22Aが第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出したときや、第2始動口スイッチ22Bが第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出したときに、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタから抽出した遊技用乱数を示す数値データを用いて、可変表示結果が「大当り」となるか否かを判定した結果や、変動パターンを判定した結果などを示している。すなわち、入賞時判定結果は、大当り遊技状態などの有利状態に制御するか否かを決定するより前に、有利状態に制御されるか否かを判定した結果や、特定の変動パターンとなるか否かを判定した結果を示している。
図10-6は、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100が受信可能なテストコマンドとなる演出制御コマンドの内容例を示している。テストコマンドとなる演出制御コマンドも、遊技用の演出制御コマンドと同様に、2バイト構成である。テストコマンドとなる演出制御コマンドは、上位データ(MODEデータ)がF0H~F3Hのいずれかに設定される。これらの上位データ(MODEデータ)は、遊技用の演出制御コマンドでは使用されない値であり、各種検査を行うための専用コマンドとして、予め用意されたものであればよい。なお、2バイト構成のテストコマンドに限定されず、例えば1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図10-6に示すテストコマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される演出制御コマンドには含まれていない。テストコマンドは、例えばレセプタクルKRE1に信号配線を介して接続された検査用の情報処理装置(パーソナルコンピュータなど)から送信され、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100が受信したことに基づいて、受信コマンドに対応する検査処理などが実行可能となる。このように、図10-6に示すテストコマンドとなる演出制御コマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100に対して送信される遊技用の演出制御コマンドとは異なり、各種検査を行う検査処理などを実行可能にする検査用の演出制御コマンドである。
図10-6に示す黒画面表示コマンドF000Hは、画像表示装置5においてテスト用の黒画面を表示させる。テスト用の黒画面は、表示色が黒色となる表示検査用の画面である。ROMチェック画面コマンドF005Hは、例えば外部ROM62AK120といった各種ROMの検査処理について、その実行結果やバージョン情報を画像表示装置5の画面上に表示させる。赤表示コマンドF020Hは、画像表示装置5において表示色が赤色となる表示検査用の画面である赤画面を表示させる。緑表示コマンドF021Hは、画像表示装置5において表示色が緑色となる表示検査用の画面である緑画面を表示させる。青表示コマンドF022Hは、画像表示装置5において表示色が青色となる表示検査用の画面である青画面を表示させる。白表示コマンドF023Hは、画像表示装置5において表示色が白色となる表示検査用の画面である白画面を表示させる。黒表示コマンドF024Hは、画像表示装置5において表示色が黒色となる表示検査用の画面である黒画面を表示させる。
RTC値種別指定コマンドF1XXHは、RTC値の種別を指定する。RTC値種別指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、例えば、年、月、日、曜日、時、分、秒といった、RTC値の種別に対応した値を示している。RTC数値設定コマンドF2XXHは、RTC値種別指定コマンドF1XXHで指定されたRTC値の種別について、具体的な内容や数値を設定する。RTC数値設定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、年、月、日、時、分、秒について、具体的な数値に対応した値を示し、曜日について、日曜日から土曜日までに対応した値を示している。
チェック処理等指定コマンドF3XXHは、検査処理となる各種のチェック処理について、実行することを指定する。例えばチェック処理等指定コマンドの下位データ(EXTデータ)であるXXHは、1のチェック処理と他のチェック処理とで異なる固有の値を示す場合や、複数種類のチェック処理などに共通した値を示す場合とがあればよい。チェック処理等指定コマンドF3XXHは、複数のテストコマンドを構成し、複数のテストコマンドの組み合わせとして、予め定められた順番で受信した場合に、検査処理となる各種のチェック処理などを実行可能であればよい。また、検査処理となる各種のチェック処理などに対応して予め定められた複数のテストコマンドを受信する順番として、複数種類の順番が予め定められており、複数のテストコマンドの組み合わせを受信した順番の種類に応じて異なる検査処理などを実行可能であればよい。
図10-7は、受信順序リストによるテストコマンドの受信順序と実行する処理との設定例を示している。複数のテストコマンドの組み合わせにより実行可能になる処理としては、バックアップクリア、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)、高負荷チェックの各処理が、予め用意されている。図10-7(A)は、バックアップクリア処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図10-7(B)は、外部RAMチェック(ショート)処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図10-7(C)は、外部RAMチェック(ロング)処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図10-7(D)は、高負荷チェック処理を実行する場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序を示している。図10-7(A)~(D)に示す受信順序では、上から下に向かう順序で複数のテストコマンドの組み合わせを受信し、受信順序がすべて合致した場合に、対応する処理が実行される。
バックアップクリア処理は、例えば内部RAM62AK103や外部RAM62AK121に設けられたバックアップ領域の記憶内容を初期化する処理である。バックアップ領域の記憶内容には、RTC値、エラー履歴、電源オン時刻、電源オフ時刻、設定変更といった各種情報のうち、一部または全部の情報を示すデータが含まれていればよい。外部RAMチェック(ショート)処理と外部RAMチェック(ロング)処理は、外部RAM62AK121の記憶領域について、データの書込および読出を適切に行うことができるか否かをチェックする検査処理である。外部RAMチェック(ショート)処理は、外部RAMチェック(ロング)処理よりも短時間で実行可能な処理であり、外部RAMチェック(ロング)処理よりも簡素化された処理内容を含むものであればよい。高負荷チェック処理は、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100の内部回路や外部ROM62AK120、外部RAM62AK121といった、演出制御基板12に搭載された各種回路の全般について、処理負荷が高い場合でも各種処理を適切に行うことができるか否かをチェックする検査処理である。
外部RAMチェック(ショート)処理と外部RAMチェック(ロング)処理は、外部RAM62AK121という電子部品の状態を検査する検査処理である。高負荷チェック処理は、例えばVDP62AK110を含めた演出制御用マイクロコンピュータ62AK100の内部回路、あるいは、外部ROM62AK120、外部RAM62AK121といった、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100の外部にて装着可能な外付け回路など、演出制御基板12に搭載可能な電子部品の状態を検査する検査処理である。このように、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100のCPU62AK101は、複数のテストコマンドの組み合わせにより、電子部品の状態を検査する検査処理を実行することができる。
図10-7に示す受信順序に従った複数のテストコマンドの組み合わせは、受信コマンドの上位データ(MODEデータ)がすべてF3Hとなるチェック処理等指定コマンドにより構成されている。このように、検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、例えば図10-5に示される遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドとは異なる検査用の演出制御コマンドの組み合わせとして構成されている。したがって、電子部品の状態を検査する検査処理は、遊技用の演出制御コマンドを受信したことに基づいて実行されることがない。これにより、遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドに基づいて、電子部品の状態を検査する検査処理が誤って実行されてしまうことを確実に防止して、適切な検査を行うことができる。また、例えば遊技の進行中などに誤って検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行で遊技機が破損したと誤解されることによるトラブルを防止して、遊技の中断による遊技者の不利益を防ぎ、検査処理の信頼性を向上させることができる。
図10-7(A)に示すバックアップクリア処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF311Hとなるコマンドが含まれている。図10-7(B)に示す外部RAMチェック(ショート)処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF312Hとなるコマンドが含まれている。図10-7(C)に示す外部RAMチェック(ロング)処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF313Hとなるコマンドが含まれている。図10-7(D)に示す高負荷チェック処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには、チェック処理等指定コマンドのうちF314Hとなるコマンドが含まれている。これらのコマンドは、いずれも他の処理を実行する場合に受信する複数のテストコマンドの組み合わせには含まれていない。このように、特定の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、他の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせには含まれない固有のテストコマンドを含んでいてもよい。
例えば、チェック処理等指定コマンドのうちF303HとなるコマンドやF304Hとなるコマンドなどは、バックアップクリア処理、外部RAMクリア(ショート)処理、外部RAMクリア(ロング)処理、高負荷チェック処理のいずれを実行する場合にも、受信する複数のテストコマンドの組み合わせに含まれている。このように、特定の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、他の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせにも含まれる共通のテストコマンドを含んでいてもよい。また、例えばチェック処理等指定コマンドのうちF37FHとなるコマンドは、いずれの処理を実行する場合にも、受信する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドとなる。このように、特定の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドは、他の検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドと共通のコマンドであってもよい。
なお、複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最初に受信するテストコマンドが固有のコマンドとなる場合に限定されず、複数種類の検査処理に対応する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて共通の順序で受信する少なくとも一部のテストコマンドが固有のコマンドとなるものであってもよい。また、複数のテストコマンドの組み合わせにおいて最後に受信するテストコマンドが共通のコマンドとなる場合に限定されず、複数種類の検査処理に対応する複数のテストコマンドの組み合わせにおいて共通の順序で受信する少なくとも一部のテストコマンドが共通のコマンドとなるものであってもよい。
図10-7(A)~(D)に示す設定例では、バックアップクリア、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)、高負荷チェックの各処理に対応して、12個のテストコマンドの組み合わせを受信する順序が定められている。例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図10-5に示す変動パターン指定コマンド80XXH、表示結果指定コマンド8CXXH、変動図柄指定コマンド8DXXH、さらには、第1保留記憶数指定コマンドC1XXHまたは第2保留記憶数指定コマンドC2XXHといった、4個の演出制御コマンドを連続して受信する場合がある。これに対し、図10-7に示す設定例では、12個のテストコマンドを連続して受信した場合に、受信したテストコマンドの組み合わせに応じた処理を実行可能になる。このように、検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、例えば図10-5に示される遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドよりも、多い個数のコマンドの組み合わせとして構成されている。したがって、電子部品の状態を検査する検査処理は、遊技用として受信する個数の演出制御コマンドでは実行されることがない。これにより、遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドに基づいて、電子部品の状態を検査する検査処理が誤って実行されてしまうことを確実に防止して、適切な検査を行うことができる。また、例えば遊技の進行中などに誤って検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行で遊技機が破損したと誤解されることによるトラブルを防止して、遊技の中断による遊技者の不利益を防ぎ、検査処理の信頼性を向上させることができる。
図10-6に示された検査用の演出制御コマンドのうちには、上位データ(MODEデータ)がF3H以外であり、複数のコマンドの組み合わせに応じた設定を可能にするものがある。例えばRTC値種別指定コマンドF1XXHは、RTC値の種別を指定し、RTC数値設定コマンドF2XXHは、RTC値種別指定コマンドF1XXHにより指定されたRTC値の種別について、具体的な内容や数値を設定する。このように、図10-7(A)~(D)に示された受信順序に対応する複数のテストコマンドの組み合わせの他にも、複数のコマンドの組み合わせに応じた処理を実行可能なものであってもよい。その一方で、RTC値種別指定コマンドF1XXHおよびRTC数値設定コマンドF2XXHは、2個のコマンドの組み合わせにより、1のRTC値の種別に対応する内容や数値が設定可能になる。これに対し、図10-7(A)~(D)に示された受信順序に対応する複数のテストコマンドの組み合わせは、12個のコマンドの組み合わせにより、1の検査処理となるチェック処理などが実行可能になる。このように、電子部品の状態を検査する検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、複数のコマンドの組み合わせに応じた他の処理を実行する場合に受信する検査用の演出制御コマンドの組み合わせよりも、多い個数のコマンドの組み合わせとして構成され、検査処理に対応した組み合わせを構成する複数のテストコマンドをすべて正しい受信順序で受信した場合に、検査処理を実行することができる。したがって、電子部品の状態を検査する検査処理は、検査処理とは異なる種別の処理を実行する場合に受信する個数の演出制御コマンドでは実行されることがない。これにより、各種の設定や検査のために受信する検査用の演出制御コマンドに基づいて、電子部品の状態を検査する処理が誤って実行されてしまうことを確実に防止して、適切な検査を行うことができる。また、例えば電子部品の状態とは異なる検査や設定を行うときに誤って電子部品の状態を検査する検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行により意図しない検査や設定が行われてしまうことを防止できる。
図10-7(A)に示す受信順序で複数のテストコマンドの組み合わせを受信した場合には、バックアップクリア処理が実行される。図10-7(B)に示す受信順序で複数のテストコマンドの組み合わせを受信した場合には、外部RAMチェック(ショート)処理が実行される。図10-7(C)に示す受信順序で複数のテストコマンドの組み合わせを受信した場合には、外部RAMチェック(ロング)処理が実行される。図10-7(D)に示す受信順序で複数のテストコマンドの組み合わせを受信した場合には、高負荷チェック処理が実行される。このように、複数のテストコマンドの組み合わせとして、テストコマンドを受信する順番は複数種類がある。そして、外部RAMチェック(ショート)処理、外部RAMチェック(ロング)処理、高負荷チェック処理といった、検査処理として、複数のテストコマンドの組み合わせを受信した順番の種類に応じて異なる処理を実行することができる。また、複数のテストコマンドの組み合わせに応じて、電子部品の状態を検査する検査処理が異なる。これにより、電子部品の状態を検査する多様な検査処理を実行可能にして、適切な検査を行うことができる。
図10-7(A)~(D)に示すような12個のテストコマンドの組み合わせを所定順序で受信した場合に実行可能な処理には、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)、高負荷チェックといった検査処理となるチェック処理の他に、バックアップクリア処理という初期化処理となるクリア処理が含まれている。このように、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順番が複数種類ある場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信した順番の種類に応じて実行可能な処理には、電子部品の状態を検査する検査処理とは異なり、電子部品の状態を初期化する初期化処理が含まれていてもよい。また、電子部品の状態を初期化する初期化処理に限定されず、電子部品の状態を所定状態に設定する設定処理が含まれていてもよい。あるいは、電子部品の状態に関する決定処理や判定処理、その他、電子部品の状態を検査する検査処理とは異なる任意の処理が含まれていてもよい。したがって、複数のテストコマンドの組み合わせを受信した順番の種類に応じて、電子部品の状態を検査する検査処理とは異なる処理を実行可能であってもよい。
図10-7(E)は、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)の各処理について、実行時間の計測例を示している。図10-7(E)に示すように、外部RAMチェック(ショート)処理が実行された場合には、その実行時間が約3秒となる。これに対し、外部RAMチェック(ロング)処理が実行された場合には、その実行時間が約9.5日となる。このように、複数のテストコマンドの組み合わせとして、テストコマンドを受信する順番が複数種類ある場合に、複数のテストコマンドの組み合わせを受信した順番の種類に応じて、検査処理の実行時間が異なる場合がある。外部RAMチェック(ショート)処理と外部RAMチェック(ロング)処理は、いずれも外部RAM62AK121を対象とする検査処理である。したがって、共通の電子部品を対象として状態を検査する検査処理が実行される場合であっても、複数のテストコマンドの組み合わせに応じて、検査時間の実行時間が異なる場合がある。例えばパチンコ遊技機1の工場出荷前には、多数の検査対象となる遊技機を短期間のうちに検査を完了することが必要になる場合がある。これに対し、パチンコ遊技機1を遊技場から回収してリユースしたり修理したりするときには、個別の遊技機を詳細に検査することが必要となる場合がある。そこで、複数のテストコマンドの組み合わせに応じて、実行時間が異なる検査処理を実行可能にする。これにより、検査を行う遊技機の状況に応じて、電子部品の状態を検査する多様な検査処理を実行可能にして、適切な検査を行うことができる。
高負荷チェック処理の実行時間は、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)の各処理とは異なる実行時間であればよい。例えば高負荷チェック処理の実行時間は、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100が処理を実行する環境やチェック用プログラム、チェック用データの内容などに応じて変化してもよい。このように、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)、高負荷チェック処理といった複数種類のチェック処理には、外部RAMチェック(ショート)や外部RAMチェック(ロング)の各処理といった、実行時間が一定の時間となるチェック処理と、高負荷チェック処理といった、実行時間が変化する時間となるチェック処理とが含まれてもよい。なお、実行時間が一定の時間となるチェック処理と、実行時間が変化する時間となるチェック処理との組み合わせは、任意に変更が可能である。
図10-8は、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100が受信可能なテストコマンドのうち、音声関連のテストコマンドとなる演出制御コマンドの内容例を示している。音声関連のテストコマンドとなる演出制御コマンドも2バイト構成である。音声関連のテストコマンドとなる演出制御コマンドは、上位データ(MODEデータ)がF4H~F9H、またはFAH、FBHのいずれかに設定される。これらの上位データ(MODEデータ)は、遊技用の演出制御コマンドでは使用されない値であり、各種検査を行うための専用コマンドとして、予め用意されたものであればよい。なお、2バイト構成のテストコマンドに限定されず、例えば1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図10-8に示す音声関連のテストコマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される演出制御コマンドには含まれていない。テストコマンドは、例えばレセプタクルKRE1に信号配線を介して接続された検査用の情報処理装置(パーソナルコンピュータなど)から送信され、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100が受信したことに基づいて、受信コマンドに対応する検査処理などが実行可能となる。このように、図10-8に示すテストコマンドとなる演出制御コマンドは、遊技の進行に伴い主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100に対して送信される遊技用の演出制御コマンドとは異なり、各種検査を行う検査処理などを実行可能にする検査用の演出制御コマンドである。これにより、遊技の進行に伴い受信する遊技用の演出制御コマンドに基づいて、電子部品(音声出力)の状態を検査する検査処理が誤って実行されてしまうことを確実に防止して、適切な検査を行うことができる。また、例えば遊技の進行中などに誤って検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行で遊技機が破損したと誤解されることによるトラブルを防止して、遊技の中断による遊技者の不利益を防ぎ、検査処理の信頼性を向上させることができる。
図10-8に示す音声出力チェック開始コマンドF443H及びF400Hは、音声出力チェックを開始させるためのコマンドであり、筐体補正有りの検査用の音声(検査音、サイン波)を所定時間(例えば10秒)出力させる。音声出力チェック開始コマンドF443H及びF400Hは、2つのテストコマンドの組合せで構成されており、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、音声出力チェック開始コマンドF443H、音声出力チェック開始コマンドF403Hを連続して順番に受信した場合に、筐体補正された検査音の出力を開始する。
筐体補正とは、パチンコ遊技機1の筐体の形状や設置位置に応じた左右スピーカ8R、8Lの音量補正であり、パチンコ遊技機1のスピーカ8R、8Lからは、通常筐体補正された音声が出力される。なお、筐体補正として、左右スピーカ8R、8Lの音量のみでなく、エフェクタ80AK103による音響効果が付与されるようにしてもよい。
音声出力チェック開始コマンドF443H及びF401Hは、音声出力チェックを開始させるためのコマンドであり、筐体補正無しの検査用の音声(検査音、サイン波)を所定時間(例えば10秒)出力させる。音声出力チェック開始コマンドF443H及びF401Hは、2つのテストコマンドの組合せで構成されており、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、音声出力チェック開始コマンドF443H、音声出力チェック開始コマンドF401Hを連続して順番に受信した場合に、筐体補正されていない検査音の出力を開始する。
このように、この実施例では、筐体補正された検査音と筐体補正されていない検査音とを出力するためのテストコマンドが設けられている。これにより、演出制御基板12をパチンコ遊技機1の筐体(遊技機用枠3、基板ケース等)に取り付けていない状態で検査用の情報処理装置を演出制御基板12に接続して音声出力の検査を行う際に、筐体補正されていない検査音を出力させることができ、音声出力の検査が容易になる。また、音声出力の検査の際に、筐体補正された違和感のある検査音が出力されて、音声出力の検査が正常に行えなくなることを防止できる。この実施例では、演出制御基板12の起動時に筐体補正データが設定され、デフォルトでは筐体補正のかかった音声が出力されることなるが、筐体補正されていない検査音を出力させるテストコマンドを設けることで、筐体補正データをクリアする等の設定が必要なくなるため、音声出力の検査が容易になる。なお、筐体補正された検査音も出力させることが可能なので、スピーカ8R、8Lから正しく筐体補正された音声が出力されているか否か等の検査も可能となる。即ち、検査状況や検査内容に応じた検査音を出力することができるため、音声出力の検査が容易になる。
また、音声出力チェック開始コマンドを2つのテストコマンドの組合せで構成することで、1つのテストコマンドで構成される場合より、静電気等でコマンド化けが発生して誤って検査音が出力されてしまう可能性を減らすことができ、例えば遊技の進行中などに誤って検査音が出力されて、遊技の興趣を低下させてしまうことを防止できる。
音声出力チェック終了コマンドF443H及びF402Hは、音声出力チェックを終了させるためのコマンドであり、筐体補正有りの検査音の出力を停止させる。上述のように、筐体補正有りの検査音を所定時間(例えば10秒)出力されるが、音声出力チェック終了コマンドF443H及びF402Hは、その所定時間経過前に筐体補正有りの検査音の出力を停止させるためのコマンドである。音声出力チェック終了コマンドF443H及びF402Hは、2つのテストコマンドの組合せで構成されており、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、音声出力チェック終了コマンドF443H、音声出力チェック終了コマンドF402Hを連続して順番に受信した場合に、筐体補正された検査音の出力を終了する。
音声出力チェック終了コマンドF443H及びF403Hは、音声出力チェックを終了させるためのコマンドであり、筐体補正無しの検査音の出力を停止させる。上述のように、筐体補正無しの検査音を所定時間(例えば10秒)出力されるが、音声出力チェック終了コマンドF443H及びF403Hは、その所定時間経過前に筐体補正無しの検査音の出力を停止させるためのコマンドである。音声出力チェック終了コマンドF443H及びF403Hは、2つのテストコマンドの組合せで構成されており、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、音声出力チェック終了コマンドF443H、音声出力チェック終了コマンドF403Hを連続して順番に受信した場合に、筐体補正されていない検査音の出力を終了する。
このように、検査音は出力開始から所定時間(例えば10秒)出力されるが、音声出力チェック終了コマンドにより任意のタイミングで停止させることができる。例えば、正常の検査音が出力されていることが確認できたときに、検査音の出力を停止できるので、音声出力の検査が容易になる。
また、音声出力チェック停止コマンドを2つのテストコマンドの組合せで構成することで、1つのテストコマンドで構成される場合より、静電気等でコマンド化けが発生して誤って検査音が停止してしまう可能性を減らすことができ、音出力の検査の効率化を図れる。
図10-8に示す検査音の出力に関するテストコマンド(音声出力チェック開始コマンド、音声出力チェック停止コマンド)は、上位データ(MODEデータ)がすべてF3Hとなっている。また、検査音の出力に関するテストコマンドの組合せのうち、先に送信する(受信する)テストコマンドは、全てF443Hとなっている。このようにすることで、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100において検査音の出力に関するコマンドであることの判定が容易になる。
なお、音声出力チェック開始コマンド、音声出力チェック停止コマンドは、遊技用の演出制御コマンドとは異なるコマンドであればよく、任意の数値(MODEデータ、EXTデータ)で構成されていればよい。また、音声出力チェック開始コマンド、音声出力チェック停止コマンドは、1のテストコマンドで構成されてよいし、3以上のテストコマンドの組合せで構成されていてもよい。
図10-8に示す指定音再生(下位)コマンドF5XXH、指定音再生(上位)コマンドF6YYHは、パチンコ遊技機1の演出等で出力される全ての音のうち一を2つのテストコマンドにより指定して出力させる。指定音再生(下位)コマンドF5XXH、指定音再生(上位)コマンドF6YYHは、2つのテストコマンドの組合せで構成されており、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、指定音再生(下位)コマンドF5XXH、指定音再生(上位)コマンドF6YYHを連続して順番に受信した場合に、それぞれのコマンドのEXTデータであるXXH、YYHの組合せ(XXYYH)で指定される音番号の音の出力を開始する。このように、この実施例では、指定音再生コマンドとなるによりパチンコ遊技機1で出力される全ての音を指定して任意の音を出力させることができる。
パチンコ遊技機1では、主基板11におけるCPU103の表示結果や変動パターンの決定結果に基づいて、飾り図柄の変動中の音声(リーチ演出の音声、変動開始音、停止音、大当りファンファーレ等)が出力される。また、当該表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド80XXH、表示結果指定コマンド8CXXH、入賞時判定結果指定コマンドC3XXH等)に基づく、演出制御基板12におけるCPU62AK101の決定結果に基づいて予告演出等の各種演出の音声が出力されることになる。よって、例えば、通常の抽選により特定の音声(例えば出現率の低いプレミアリーチやプレミア予告に関する音声)を出力させようとすると、特定の変動パターンが出現するまで繰り返し変動させる必要があったり、CPU62AK101により特定の演出を実行することが抽選さえるまで繰り返し演出制御コマンドを送信し続ける必要があり、特定の音声に関する検査が困難になる。
この実施例では、指定音再生コマンドとなるによりパチンコ遊技機1で出力される全ての音を指定して任意の音を出力させることができるので、繰り返し変動させたり、繰り返し演出制御コマンドを送信し続ける必要がないため、特定の音の検査が容易になる。
また、指定音再生コマンドを2つのテストコマンドの組合せで構成することで、1つのテストコマンドで構成される場合より、静電気等でコマンド化けが発生して誤って音が出力されてしまう可能性を減らすことができ、例えば遊技の進行中などに無関係の音声が出力されて、遊技の興趣を低下させてしまうことを防止できる。
指定ch音再生停止コマンドF700H及びF8XXHは、音を再生する複数のチャンネルのうち一を2つのテストコマンドにより指定して、当該チャンネルでの音の再生を停止させる。指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXHは、2つのテストコマンドの組合せで構成されており、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100は、指定ch音再生停止コマンドF700H、指定ch音再生停止コマンドF8XXHを連続して順番に受信した場合に、指定ch音再生停止コマンドF8XXHコマンドのEXTデータであるXXHで指定される番号のチャンネルでの音の再生を停止させる。例えば、指定音再生コマンドにより指定された音声がループ再生設定されている場合には、指定ch音再生停止コマンドにより任意のタイミングで再生を停止させることができる。
このように、この実施例では、指定音再生コマンドでは、音を指定して再生をさせるのに対して、指定ch音再生停止コマンドでは、チャンネルを指定して音の再生を停止させるようになっている。パチンコ遊技機1で出力可能な音は非常に多い一方で、チャンネル数は上述のように40チャンネルとなっている。そのため、音を指定して再生を停止させようとするとコマンドの種類が多くなる一方で、チャンネルを指定して再生を停止させる場合には、40種類のコマンドを用意すればよいことなる。即ち、指定ch音再生停止コマンドは、40種類設けられる。これにより、コマンド数の増大を抑えることができるとともに、音の再生の停止制御が容易になる。
なお、通常の遊技中は、主基板11におけるCPU103の表示結果や変動パターンの決定結果(決定された変動時間や、遊技状態が変化すること等)に基づいて、飾り図柄の変動中の音声(リーチ演出の音声、変動開始音、停止音、大当りファンファーレ等)の出力が停止される。また、当該表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドに基づく、演出制御基板12におけるCPU62AK101の決定結果(演出の実行時間や演出モードが変化すること等)に基づいて予告演出等の各種演出の音声の出力が停止されることになる。この実施例では、指定ch音再生停止コマンドにより、任意のタイミングで任意のチャンネルにおける音の再生を停止させることができるので、音声に関する検査が容易になる。
また、指定ch音再生停止コマンドを2つのテストコマンドの組合せで構成することで、1つのテストコマンドで構成される場合より、静電気等でコマンド化けが発生して誤って音が停止してしまう可能性を減らすことができ、例えば遊技の進行中などに実行中の演出に対応した音声が停止してしまい、遊技の興趣を低下させてしまうことを防止できる。
デバッグ音量設定コマンドF9XXHは、検査中(デバッグ中)等にマスターボリュームの音量を変更させる。デバッグ音量設定コマンドF9XXHのEXTデータであるXXHは、変更するマスターボリュームの音量に対応している。マスターボリュームは、演出制御基板12等に設けられるスイッチ、つまみの操作や、音量調整画面においてスティックコントローラ31A、プッシュボタン31B等を操作することにより変更可能であるが、デバッグ音量設定コマンドF9XXHにより変更可能なので、音出力の検査を好適に実行可能となる。なお、デバッグ音量設定コマンドF9XXHにより、音量0を指定することで、スピーカ8L、8Rからの音の出力を停止させることができる。よって、デバッグ音量設定コマンドF9XXHは、音の出力の停止コマンドとしても使用可能である。
全ch音再生停止コマンドFA00Hは、音を再生する複数のチャンネルのうち全てのチャンネルでの音の再生を停止させる。このように、この実施例では、上述のチャンネルを指定して音の再生を停止させる指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXHの他に、音の再生を停止させるテストコマンドとして全ch音再生停止コマンドFA00Hが設けられている。このように、音の再生を停止させるテストコマンドが複数種類設けられていることで、検査状況に応じて音の再生を停止させることができるので、音声に関する検査が容易になる。なお、指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXHは、2つのテストコマンドの組合せで構成されている一方で、全ch音再生停止コマンドFA00Hは単一のテストコマンドとなっている。このように、音の再生を停止させるテストコマンドの種類のよってコマンド構成が異なっており、検査状況に応じて音の再生を停止させることができるので、音声に関する検査が容易になる。例えば直ちに音の再生を停止させたい場合には、全ch音再生停止コマンドFA00Hを用いることで、音の再生の停止制御が容易になる。
音声処理回路初期化コマンドFB00Hは、音声処理回路80AK100の初期化を行う。音声処理回路初期化コマンドFB00Hを設けることで、デバッグ時など任意のタイミングで音声処理回路80AK100を初期化することができる。このような音声処理回路80AK100のみを初期化可能とすることで、音出力の不具合時等に、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100全体をリセットする必要がなくなり、検査効率が向上する。また、例えば、音声処理回路80AK100がフリーズする現象が発生した場合に、音声処理回路80AK100を初期化して原因の特定を進めることができる。
なお、図10-8に示すコマンドは一例であり、音声関連のテストコマンドとなる演出制御コマンドとして、他のコマンドが設けられていてもよい。また、デバッグ音量設定コマンドF9XXH、全ch音再生停止コマンドFA00H、音声処理回路初期化コマンドFB00Hは、単一のテストコマンドであったが、他の音声関連のテストコマンドと同様に、2以上のテストコマンドの組合せで構成されてもよい。また、デバッグ音量設定コマンドF9XXH、全ch音再生停止コマンドFA00H、音声処理回路初期化コマンドFB00Hは、同じコマンドを連続で受信した場合に、対応した処理が実行されるようにしてもよい。このようにすることで、コマンド化けの発生等による誤動作を防止、軽減できる。
図10-8において、2つのテストコマンドで構成される演出制御コマンドは、上から受信順序に対応しており、2つのテストコマンドを連続して受信した場合であっても、受信順序が逆であった場合には、対応した制御は実行されない。これによっても、コマンド化けの発生等による誤動作を防止、軽減できる。
図10-9は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100などから受信した演出制御コマンドを格納するための受信レジスタや各受信バッファの構成例を示している。遊技制御用マイクロコンピュータ100などから受信した演出制御コマンドは、まず、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100のシリアル通信回路62AK107の受信レジスタに格納される。シリアル通信回路62AK107の受信レジスタは、FIFO(先入れ先出し)方式の16バイトの領域で構成され、2バイト構成の演出制御コマンドを最大で8個まで格納可能である。なお、この実施の形態では、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100の他にも、例えばレセプタクルKRE1に信号配線を介して接続された検査用の情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)から、図10-6~図10-8に示したようなテストコマンドとなる検査用の演出制御コマンドを受信する場合がある。
シリアル通信回路62AK107の受信レジスタに格納された演出制御コマンドは、シリアル受信割込が発生するごとに、内部RAM62AK103の受け渡し用バッファに転送される。シリアル受信割込は、演出制御コマンドを受信すると直ちに発生すればよい。シリアル通信回路62AK107の受信レジスタは、演出制御コマンドを最大で8個まで格納可能である。しかしながら、実質的には2以上の演出制御コマンドが蓄積して格納される場合は発生しないまたは発生しにくい。内部RAM62AK103の受け渡し用バッファは、シリアル通信回路62AK107の受信レジスタよりも容量が大きい128バイトで構成され、2バイト構成の演出制御コマンドを64個まで格納可能なリングバッファ形式のバッファであればよい。
受け渡し用バッファに格納された演出制御コマンドは、1ミリ秒ごとにタイマ割込が発生すると、外部RAM62AK121の解析用バッファに転送される。解析用バッファは、解析用バッファ(上位)と解析用バッファ(下位)との2つが設けられている。受け渡し用バッファから読み出された演出制御コマンドのうち、上位データ(MODEデータ)は解析用バッファ(上位)に格納され、下位データ(EXTデータ)は解析用バッファ(下位)に格納される。解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)は、それぞれ受け渡し用バッファよりも容量が大きい256バイトで構成され、2バイト構成の演出制御コマンドを256個まで格納可能なリングバッファ形式のバッファであればよい。受け渡し用バッファから解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)に演出制御コマンドを転送するときには、外部バスで接続された外部RAM62AK121へのアクセスが必要になる。これに対し、受信レジスタから受け渡し用バッファに演出制御コマンドを転送するときには、内部バスに接続されたシリアル通信回路62AK107と内部RAM62AK103にアクセスするだけで済む。そのため、受信レジスタから受け渡し用バッファに演出制御コマンドを転送するときには、受け渡し用バッファから解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)に演出制御コマンドを転送するときよりも、高速(短期間)にデータ転送を行うことができる。
リアル通信回路62AK107の受信レジスタは、16バイトの領域で構成され、2バイト構成の演出制御コマンドを最大で8個まで格納可能である。これに対し、図10-7(A)~(D)に示された受信順序に対応する複数のテストコマンドの組み合わせは、12個のテストコマンドを用いて構成されている。このように、外部RAMチェック(ショート)、外部RAMチェック(ロング)、高負荷チェックといった検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、例えばシリアル通信回路62AK107の受信レジスタといった、所定の受信コマンド格納部における記憶領域の容量よりも、データ量が多いコマンドの組み合わせとして構成されている。これに対し、遊技の進行中に特定の条件(例えば可変表示の開始)が成立したことに基づいて受信する演出制御コマンドの組み合わせは、受信コマンド格納部の記憶容量よりもデータ量が多くなることはない。このように、検査処理を実行するために受信する複数のテストコマンドの組み合わせは、所定の受信コマンド格納部の記憶容量よりもデータ量が多くなってもよい。これにより、遊技の進行中には受信することがない複数のテストコマンドの組み合わせであることが明確になり、遊技の進行中に電子部品の状態を検査する検査処理が誤って実行されてしまうことを確実に防止して、適切な検査を行うことができる。また、例えば遊技の進行中などに誤って検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行で遊技機が破損したと誤解されることによるトラブルを防止して、遊技の中断による遊技者の不利益を防ぎ、検査処理の信頼性を向上させることができる。
図10-10は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ62AK100のCPU62AK101が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ62AK100では、起動用の電力供給が開始されると、CPU62AK101が演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理を実行するためのプログラムは、内部ROM62AK102および外部ROM62AK120の一方または両方に、予め記憶されていればよい。すなわち、演出制御メイン処理を実行するためのプログラムは、一部または全部が内部ROM62AK102または外部ROM62AK120に予め記憶されていればよい。
図10-10に示す演出制御メイン処理では、初期化処理が実行される(ステップ62AKS01)。初期化処理では、例えばRAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(1ミリ秒など)を計測するタイマの初期設定などを、行うことができればよい。その後、CPU62AK101は、タイマ割込の発生を監視するループ処理に移行し、タイマ割込が発生したか否かを判定する(ステップ62AKS02)。タイマ割込が発生しない場合には(ステップ62AKS02;No)、ステップ62AKS02を繰り返して待機する。なお、ステップ62AKS02を繰り返すループ処理の実行中には、ステップ62AKS07と同様の演出用乱数更新処理が実行されてもよい。
ステップ62AKS02にてタイマ割込が発生した場合には(ステップ62AKS02;Yes)、解析用バッファ転送処理を実行する(ステップ62AKS03)。解析用バッファ転送処理は、内部RAM62AK103の受け渡し用バッファに格納された受信コマンドを、外部RAM62AK121の解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)に転送する処理である。解析用バッファ転送処理に続いて、コマンド解析処理(ステップ62AKS04)、演出制御プロセス処理(ステップ62AKS05)、エラー報知処理(ステップ62AKS06)、演出用乱数更新処理(ステップ62AKS07)を、順に実行する。その後、タイマ割込時におけるウォッチドッグタイマ62AK104のクリア設定を行ってから(ステップ62AKS08)、ステップ62AKS02に戻る。ステップ62AKS08では、演出を制御するためのタイマ割込が発生した場合に対応して、ウォッチドッグタイマ62AK104の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ62AK104をクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。例えばCPU62AK101は、WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に書き込むことで、ウォッチドッグタイマ62AK104を定期的にクリアすればよい。
図10-11は、初期化処理として、図10-10のステップ62AKS01にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10-11に示す初期化処理では、例えば外部ROM62AK120の管理データ領域に記憶されたディスプレイ情報を示すデータを読み出すことなどにより、ディスプレイ情報を取得する(ステップ62AKS11)。ディスプレイ情報は、例えば画像表示装置5のサイズ(15インチまたは19インチなど)、水平同期周波数、垂直同期周波数、解像度、RAMDAC情報といった、画像表示装置5における画像表示の制御に必要となる画面設定の一部または全部を示す情報であればよい。なお、ディスプレイ情報は、外部ROM62AK120の管理データ領域に記憶されるものに限定されず、例えば画像表示装置5の表示制御回路から提供されるものであってもよい。
ステップ62AKS11にてディスプレイ情報を取得した後には、そのディスプレイ情報を、例えば外部RAM62AK121の所定領域(システム情報設定部など)に記憶させる(ステップ62AKS12)。続いて、取得したディスプレイ情報に基づいて、ディスプレイ初期化設定を行う(ステップ62AKS13)。例えばCPU62AK101は、VDP62AK110のレジスタ設定などにより、ディスプレイ情報に応じて画像表示装置5の表示制御を行うための初期設定を行えばよい。次に、音出力の筐体補正設定を行う(ステップ80AKS11)。例えばCPU62AK101は、外部ROM62AK120から筐体補正データを読み出し、該筐体補正データに基づく音処理回路62AK111のレジスタ設定などにより、パチンコ遊技機1の筐体の形状や設置位置に応じた補正(筐体補正)を行った音声をスピーカ8L、8Rから出力するための設定を行う。その後、その他の初期化設定を行ってから(ステップ62AKS14)、初期化処理を終了する。こうした初期化処理にて記憶されたディスプレイ情報は、検査処理となる各種のチェック処理を実行するときにも使用可能である。したがって、遊技の進行に伴う表示の設定と共通の設定により、検査処理における検査対象(外部RAM62AK121など)の状態に応じた検査時表示を行うことができる。また、初期化処理において、音出力の筐体補正設定が行われるため、その後に改めて設定を行うことなく、スピーカ8L、8Rから筐体補正された音声を出力することができるので、音の検査が容易になる。
なお、筐体補正の一例としては、パチンコ遊技機1の筐体(外枠)の形状や設置位置(左右の壁の有無)により、スピーカ8L、8Rのうち一方の音声が反響して大きく聞こえやすいような場合には、当該一方のスピーカの音量が他方のスピーカの音量よりも小さく設定される。このような筐体補正を行うことで、スピーカ8L、8Rから出力される音のバランスを取ることができ、各々のパチンコ遊技機1に応じた音を好適に出力することができる。なお、この実施例では、スピーカ8L、8Rが2台の例について説明したが、スピーカが3台以上設けられていてもよい。この場合、各々のスピーカに対して筐体補正設定(音量設定)が行われる。
図10-12(A)は、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100における割込の優先度の設定例を示している。例えば図10-11に示す初期化処理のステップ62AKS14による初期化設定では、割込コントローラ62AK106が制御する割込の優先順位を初期設定することができればよい。このときには、例えば外部ROM62AK120の管理データ領域に予め記憶された割込順位設定データに基づいて、割込の優先順位を設定すればよい。図10-12(A)に示す設定例では、シリアル受信割込の方がタイマ割込よりも優先度が高く、タイマ割込の方がVシンク割込よりも優先度が高い。一例として、シリアル受信割込設定用の割込制御レジスタには、「0000(=0H)」を示す割込優先度データが設定され、タイマ割込設定用の割込制御レジスタには、「0001(=1H)」を示す割込優先度データが設定され、Vシンク割込設定用の割込制御レジスタには、「0010(=2H)」を示す割込優先度データが設定される。この場合には、割込コントローラ62AK106が制御する割込のうちで、シリアル受信割込の優先度が最も高くなり、タイマ割込の優先度が次に高くなり、Vシンク割込の優先度がタイマ割込の次に高くなる。なお、いずれの割込についても、割込禁止の設定が可能であり、その設定が行われた場合には、それぞれの割込の発生に対応した処理が実行されなくなればよい。
図10-12(B)は、受け渡し用バッファ転送処理の一例を示すフローチャートである。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100などから演出制御コマンドを受信すると、シリアル受信割込が発生する。シリアル受信割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100のCPU62AK101は、図10-12(B)に示す受け渡し用バッファ転送処理を実行する。受け渡し用バッファ転送処理では、シリアル通信回路62AK107の受信レジスタに格納されている演出制御コマンドを、内部RAM62AK103の受け渡し用バッファに転送することができる。
図10-12(B)に示す受け渡し用バッファ転送処理が開始されると、受信受け渡し転送設定を行う(ステップ62AKS21)。ステップ62AKS21の受信受け渡し転送設定では、受信した演出制御コマンドに対応するデータをシリアル通信回路62AK107の受信レジスタから読み出し、受け渡し用バッファの書込位置として指定された領域に書き込む。このときには、受け渡し用バッファの書込位置を増加更新する。演出制御コマンドは2バイト構成で伝送され、シリアル通信回路62AK107の受信レジスタには受信した演出制御コマンドに対応するデータが1バイトずつ格納される。シリアル受信割込は、演出制御コマンドのうちの上位データ(MODEデータ)を受信したときと下位データ(EXTデータ)を受信したときのそれぞれにおいて発生する。CPU62AK101は、受信した演出制御コマンドに対応するデータを、シリアル通信回路62AK107の受信レジスタから1バイトずつ読み出す。例えば演出制御コマンドは、上位データ(MODEデータ)を受信した後に下位データ(EXTデータ)を受信する。CPU62AK101は、シリアル受信割込の発生に応じて、上位データ(MODEデータ)に続き下位データ(EXTデータ)となる順番で、演出制御コマンドの構成データを読み出せばよい。受け渡し用バッファの書込位置は、例えば書込ポインタに格納されたアドレス値により特定できればよい。受信レジスタから読み出したデータを受け渡し用バッファの書込位置に書き込んだときには、書込ポインタに格納されるアドレス値を1加算(インクリメント)することにより、書込位置を増加更新すればよい。
CPU62AK101は、受け渡し用バッファが受信した演出制御コマンドに対応する記憶データで満杯になり空き領域がない状態となっているか否かを判定する(ステップ62AKS22)。例えば、受け渡し用バッファの書込位置が読出位置と合致した状態になっているときには、未読出の領域に次のデータを書き込むことになるので、受け渡し用バッファに空き領域がない状態であると判定すればよい。
ステップ62AKS22にて受け渡し用に空き領域がないと判定した場合には(ステップ62AKS22;Yes)、受け渡し解析転送設定を行う(ステップ62AKS23)。ステップ62AKS23の受け渡し解析転送設定では、受け渡し用バッファから1バイト分の記憶データを読み出し、演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)であるか否かを判定する。なお、受け渡し用バッファから読み出したデータは、例えば、データレジスタの1つに一旦格納しておき、受け渡し用バッファの読出位置を増加更新する。受け渡し用バッファの読出位置は、例えば読出ポインタに格納されたアドレス値により特定できればよい。受け渡し用バッファの記憶データを読み出したときには、読出ポインタに格納されるアドレス値を1加算(インクリメント)することにより、読出位置を増加更新すればよい。
受け渡し用バッファからは、演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)が読み出された後に下位データ(EXTデータ)が読み出される。そのため、受け渡し用バッファから読み出したデータが演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)ではなく下位データ(EXTデータ)である場合に、1つの演出制御コマンドを上位データ(MODEデータ)および下位データ(EXTデータ)のセットで読み出したことになる。この場合には、先に読み出した上位データ(MODEデータ)を解析用バッファ(上位)に書き込むとともに、今回読み出した下位データ(EXTデータ)を解析用バッファ(下位)に書き込む。このときには、書込完了フラグをオン状態にセットする。書込完了フラグは、1つの演出制御コマンドを上位データ(MODEデータ)および下位データ(EXTデータ)のセットで解析用バッファへの書き込みが完了したことを示すフラグである。受け渡し用バッファから読み出したデータが演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)である場合には、書込完了フラグをクリアしてオフ状態にする。これにより、演出制御コマンドは、受け渡し用バッファから上位データ(MODEデータ)および下位データ(EXTデータ)のセットで揃って読み出されてから、上位データ(MODEデータ)は解析用バッファ(上位)に、下位データ(EXTデータ)は解析用バッファ(下位)に、まとめて格納するように制御される。
ステップ62AKS23による受け渡し解析転送設定の後には、受け渡し用バッファにおける記憶データの全部について読み出しが完了したか否かを判定する(ステップ62AKS24)。例えば、ステップ62AKS23による受け渡し解析転送設定の後に、受け渡し用バッファの読出位置が書込位置と合致した状態になっているときには、未読出の記憶データが存在しない状態になるので、記憶データの全部について読み出しが完了したと判定すればよい。
受け渡し用バッファにおける記憶データの全部まで読み出しが完了していない場合には(ステップ62AKS24;No)、ステップ62AKS23による受け渡し解析転送設定を繰り返し実行する。全部の読み出しが完了した場合には(ステップ62AKS24;Yes)、受け渡し用バッファにおける読出位置を調整する(ステップ62AKS25)。ステップ62AKS25では、例えば書込完了フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、読出位置の調整を行わず、ステップ62AKS25の処理を終了する。これに対し、書込完了フラグがオフである場合には、受け渡し用バッファにおける読出位置を減少更新して、読出位置の調整を行う。書込完了フラグがオフであるときには、受け渡し用バッファから最後に読み出した記憶データが演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)に対応しており、下位データ(EXTデータ)は未だ読み出されていない。このときには、解析用バッファへの転送が完了していないので、受け渡し用バッファにおける読出位置を1バイト分だけ元に戻すように調整する。ステップ62AKS25では、読出ポインタに格納されているアドレス値を1減算(デクリメント)することにより、読出位置を減少更新すればよい。
ステップ62AKS22にて受け渡し用バッファに空き領域があると判定した場合や(ステップ62AKS22;No)、ステップ62AKS25が終了した後には、受信レジスタにおける記憶データの全部について読み出しが完了したか否かを判定する(ステップ62AKS26)。このとき、読み出しが完了していなければ(ステップ62AKS26;No)、ステップ62AKS21に戻り、受信受け渡し転送設定などを繰り返し実行する。これに対し、受信レジスタからの読み出しが完了した場合には(ステップ62AKS26;Yes)、受け渡し用バッファ転送処理を終了する。
図10-10に示す演出制御メイン処理のステップ62AKS03にて実行される解析用バッファ転送処理では、まず、図10-12(B)に示した受け渡し用バッファ転送処理のステップ62AKS24と同様に、受け渡し用バッファの記憶データについて、すべて読み出しが完了している状態であるか否かを判定する。このとき、未読出の記憶データがあれば、図10-12(B)に示した受け渡し用バッファ転送処理のステップ62AKS23と同様に、受け渡し解析転送設定を行い、受け渡し用バッファの記憶データを解析用バッファ(上位)と解析用バッファ(下位)とに転送する。そして、受け渡し用バッファの記憶データについて、すべて読み出しが完了するまで、受け渡し解析転送設定を繰り返し実行する。その一方で、受け渡し用バッファの記憶データについて、すべて読み出しが完了している状態である場合には、図10-12(B)に示した受け渡し用バッファ転送処理のステップ62AKS25と同様に、受け渡し用バッファにおける記憶データの読出位置を調整して、解析用バッファ転送処理を終了する。
図10-13は、コマンド解析処理として、図10-10のステップ62AKS04にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理では、解析用バッファに格納された演出制御コマンドに対応する記憶データを読み出して解析し、その解析結果に応じたフラグの設定などが行われる。図10-13に示すコマンド解析処理では、外部RAM62AK121の解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)に格納された演出制御コマンドに対応する記憶データがあるか否かを判定する(ステップ62AKS41)。このとき、演出制御コマンドに対応する記憶データがなければ(ステップ62AKS41;No)、コマンド解析処理を終了する。
演出制御コマンドに対応する記憶データがある場合には(ステップ62AKS41;Yes)、解析用バッファ(上位)の記憶データを読み出す(ステップ62AKS42)。そして、ステップ62AKS62による読出データがF3~F8H(F3H、F4H、F5H、F6H、F7HまたはF8H)であるか否かを判定する(ステップ62AKS43)。図10-6~図10-8に示すように、演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)がF3~F8Hである場合には、複数のテストコマンドで構成される演出制御コマンドを受信している。そこで、読出データがF3~F8Hである場合には(ステップ62AKS43;Yes)、解析用バッファ(下位)の記憶データを読み出し(ステップ62AKS44)、受信コマンドを受信順序リストと照合する(ステップ62AKS45)。受信順序リストは、例えば内部ROM62AK102または外部ROM62AK120に予め記憶されて、複数のテストコマンドの組み合わせを受信する順序(図10-7、図10-8に示す順序)と、実行する処理とを、特定可能な対応関係を示していればよい。ステップ62AKS45での照合結果に基づいて、受信順序が合致する処理の有無を判定する(ステップ62AKS46)。ステップ62AKS46では、受信した複数のテストコマンドの組み合わせの順序が、受信順序リストに示された複数の処理のうち、いずれかの処理に対応するテストコマンドの受信順序と合致した場合に、受信順序が合致する処理があると判定すればよい。
受信順序が合致する処理がある場合には(ステップ62AKS46;Yes)、受信順序がすべて合致したか否かを判定する(ステップ62AKS47)。例えば、ステップ62AKS46にて受信順序が合致する処理があると判定された場合に、受信コマンドに対応する解析用バッファの記憶データをテストコマンドバッファに蓄積しておき、次に受信したテストコマンドと、受信順序リストに示された次の順序に対応するテストコマンドとを、照合可能にすればよい。あるいは、受信順序リストの照合位置を指定する照合ポインタに格納されるポインタ値を更新することにより、次に受信したテストコマンドと、受信順序リストに示された次の順序に対応するテストコマンドとを、照合可能にしてもよい。ステップ62AKS47にて、すべて合致した場合には(ステップ62AKS47;Yes)、割込禁止とする設定を行い(ステップ62AKS48)、合致した受信順序と対応するチェック処理等を開始するための設定を行う(ステップ62AKS49)。こうして、複数のテストコマンドの組み合わせについて、受信順序が合致したチェック処理の実行を開始させることができる。
複数のテストコマンドで構成される演出制御コマンドを正常な順番で受信した場合には、ステップ62AKS48、ステップ62AKS49の処理が実行されることにより、所定の演出中(飾り図柄の変動中、大当り中等)であっても、当該コマンドに対応したチェック処理や音声の再生・停止制御が実行されることになる。これにより、状況に応じたチェンク処理や音声出力の検査を行うことができ、音に関する検査が容易になる。なお、複数のテストコマンドで構成される演出制御コマンドを正常な順番で受信しない場合には、対応する制御が実行されないため、所定の演出中(飾り図柄の変動中、大当り中等)にコマンド化けの発生等による誤動作を防止、軽減できる。なお、所定の演出中(飾り図柄の変動中、大当り中等)に単一のコマンドで構成される検査用のテストコマンドを受信した場合も、当該テストコマンドに応じた処理を実行するようにしてもよい。
ステップ62AKS43にて読出データがF3~F8H以外である場合には(ステップ62AKS43;No)、他の演出制御コマンドに対応した受信時設定を行い(ステップ62AKS50)、ステップ62AKS41に戻る。また、ステップ62AKS46にてリストに示された受信順序と合致する処理がない場合や(ステップ62AKS46;No)、ステップ62AKS47にて未だすべて合致に至っていない場合にも(ステップ62AKS47;No)、ステップ62AKS41に戻る。なお、ステップ62AKS46にて受信順序が合致する処理がない場合には、テストコマンドバッファをクリアしたり、照合ポインタをクリアしたりするなどして、複数のテストコマンドの組み合わせを受信するための設定を初期化してもよい。このように、複数のテストコマンドを受信中に、予め定められた複数のテストコマンドの組み合わせ以外のコマンドを受信した場合には、検査処理となるチェック処理などを実行しないように制御(制限、規制)することができる。あるいは、ステップ62AKS46にて受信順序が合致する処理がない場合には、テストコマンドバッファや照合ポインタをクリアせず、他の受信コマンドに応じた設定を行い、その後さらにテストコマンドを受信した場合に、以前の続きから受信順序の照合を行うようにしてもよい。この場合には、複数のテストコマンドを受信中に、テストコマンドの組み合わせ以外のコマンドを受信すると、その時点では検査処理となるチェック処理などを実行しないように制御する一方で、その後さらにテストコマンドを受信して、照合結果がすべて合致すれば、合致した受信順序と対応する処理を実行することができる。
図10-13に示すようなコマンド解析処理では、ステップ62AKS47にて受信順序がすべて合致したと判定されるよりも前に、ステップ62AKS43にて読出データがF3~F8Hではないと判定された場合や、ステップ62AKS46にて受信順序が合致する処理はないと判定された場合に、ステップ62AKS49の設定によるチェック処理などの実行が開始されない。仮に、複数のテストコマンドを受信中に、そのテストコマンドの組み合わせ以外のコマンドを受信した場合でも検査処理を実行可能にすると、例えば遊技の進行中でも誤って検査処理が実行されてしまい、遊技者に不利益を与えてしまうおそれがある。これに対し、図10-13に示すようなコマンド解析処理では、複数のテストコマンドの組み合わせにより検査処理の実行を開始可能であり、複数のテストコマンドを受信中に、そのテストコマンドの組み合わせ以外のコマンドを受信した場合には、検査処理を実行しないように制御する。これにより、複数のテストコマンドの組み合わせとして予め定められたテストコマンドとは異なるコマンドを受信した場合に、誤って検査処理が実行されてしまうことを確実に防止して、電子部品の適切な検査が可能になる。また、例えば遊技の進行中などに誤って検査処理が実行される可能性を低下させるので、検査処理の誤った実行で遊技機が破損したと誤解されることによるトラブルを防止して、遊技の中断による遊技者の不利益を防ぎ、検査処理の信頼性を向上させることができる。
この実施例では、音声処理回路80AK100の動作状態をVDP62AK110により監視し、VDP62AK110により音声処理回路80AK100が異常状態であると判定されると、音声処理回路80AK100が異常状態であることがCPU62AK101に通知される。そして、音声処理回路80AK100が異常状態であることが通知されると、CPU62AK101は、音声処理回路80AK100を初期化するようになっている。
図10-14は、VDP62AK110が実行する音声処理回路監視処理の一例を示すフローチャートである。音声処理回路監視処理の動作プログラムは、例えば外部ROM62AK120に記憶される。VDP62AK110は所定周期で音声処理回路監視処理を実行する。音声処理回路監視処理では、VDP62AK110は、音声処理回路80AK100の動作状態を検査するための検査信号を出力する(ステップ80AKS101)。音声処理回路80AK100は、例えば、所定の入力ポートに対して検査信号が入力されると、正常に動作中であれば正常信号を返すようになっている。VDP62AK110は、検査信号を出力した後、音声処理回路80AK100から正常信号を受信したか否かを判定する(ステップ80AKS102)。正常信号を受信していれば(ステップ80AKS102;Yes)、音声処理回路監視処理を終了する。
正常信号を受信していなければ(ステップ80AKS102;Yes)、検査信号を送信してから正常信号受信までの待機時間が経過したか否かを判定する(ステップ80AKS103)。待機時間が経過していなければ(ステップ80AKS103;No)、ステップ80AKS102に戻る。
待機時間が経過していれば(ステップ80AKS103;Yes)、音声処理回路80AK100が異常状態であること示す異常信号をCPU62AK101に出力し(ステップ80AKS104)、音声処理回路監視処理を終了する。なお、VDP62AK110からCPU62AK101へ音声処理回路80AK100が異常状態であることを通知(入力)する方法は、異常信号(コマンド)を出力するものに限定されず、CPU62AK101が参照可能なRAM上に値を書き込む(例えば所定のフラグをオンにする)ようにしてもよいし、所定のレジスタを更新するようにしてもよい。
図10-15は、図10-10のステップ62AKS06のエラー報知処理内で実行される音声処理回路初期化処理の一例を示すフローチャートである。音声処理回路初期化処理では、CPU62AK101は、VDP62AK110から音声処理回路80AK100が異常状態であること示す異常信号を受信したか否かを判定する(ステップ80AKS111)。あるいは、音声処理回路80AK100の異常判定用のRAMの値やレジスタを確認することで、音声処理回路80AK100が異常状態であるか否かを判定する。
異常信号を受信していなければ(ステップ80AKS111;No)、音声処理回路初期化コマンドFB00Hを受信したか否かを判定する(ステップ80AKS112)。音声処理回路初期化コマンドFB00Hを受信していなければ(ステップ80AKS112;No)、音声処理回路初期化処理を終了する。
VDP62AK110から音声処理回路80AK100が異常状態であること示す異常信号を受信した場合(ステップ80AKS111;Yes)、または音声処理回路初期化コマンドFB00Hを受信した場合(ステップ80AKS112;Yes)、音声処理回路80AK100を初期化するための音声処理回路の初期化処理を実行し(ステップ80AKS111)、音声処理回路初期化処理を終了する。ステップ80AKS111の音声処理回路の初期化処理では、例えば、音声処理回路80AK100の動作を停止させ、筐体補正設定等の音声処理回路80AK100の初期設定を行う。
このように、VDP62AK110により音声処理回路80AK100の動作状態を監視するので、CPU62AK101の処理負担を軽減できる。また、音声処理回路80AK100が異常状態の場合、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100全体のリセットすることなく音声処理回路80AK100のみをリセット(初期化)するため、復旧の時間を短縮することができる。
(特徴部80AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。また、上記実施例で示した演出動作例は一例であり、同様の演出効果を達成できれば適宜変更可能である。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
上記実施例では、音声関連のテストコマンドは、例えばレセプタクルKRE1に信号配線を介して接続された検査用の情報処理装置(パーソナルコンピュータなど)から送信され、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ62AK100が受信したことに基づいて、音声処理回路80AK100による音声の再生制御などを実行するようになっていた。このような構成に限定されず、検査用の情報処理装置(パーソナルコンピュータなど)から演出制御用マイクロコンピュータ62AK100に対して音声関連のテストコマンドを発行させるためのコマンドを送信し、CPU62AK101は当該コマンドを受信したことに基づいてテストコマンドを発行して、発行したテストコマンドを音声処理回路80AK100を制御するサブプロセッサ等に送信する構成としてもよい。サブプロセッサは、テストコマンドに基づいて、音声処理回路80AK100による音声の再生制御などを実行すればよい。
2つのテストコマンドの組合せで構成された音声関連のテストコマンドのうち少なくとも一部を1つのテストコマンドで構成してもよい。例えば、同じテストコマンドを複数回(例えば2回)受信したことに基づいて、対応した処理(音の出力、停止等)が実行されるようにしてもよい。このようにすることで、テストコマンドを1回受信したことに基づいて対応した処理を実行する場合と比べて、コマンド化け等による誤動作の可能性を減らすことができる。
上記実施例では、初期化処理において音出力の筐体補正設定が行われるものとして説明したが、所定の操作により音出力の筐体補正設定が行われるようにしてもよい。この場合、任意の筐体補正(左右スピーカ8L、8Rのそれぞれの音量等)を設定できるようにしてもよい。
上記実施例では、VDP62AK110により音声処理回路80AK100の動作状態を監視するようになっていたが、CPU62AK101や他のプロセッサにより音声処理回路80AK100の動作状態を監視するようにしてもよい。
上記実施例では、音データに音制御用データが含まれる構成であったが、音制御用データを音データ(フレーズデータ)とは別に記憶し、音制御用データとフレーズデータが対応付けられているようにしてもよい。
(特徴部80AKに係る手段)
(1)特徴部80AKに係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば特徴部80AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
遊技の進行に応じて演出の制御を行う演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100、CPU62AK101)と、
前記演出制御手段の制御により音の出力を制御する音制御手段(例えば音声処理回路80AK100)と、
前記音制御手段が出力する音に対応した音データを記憶する記憶手段(例えば外部ROM62AK120)と、を備え、
前記音制御手段は、音データに基づき音を再生するためのチャンネルを複数有し、複数のチャンネルにより音データを再生することで遊技の進行に応じた音を出力可能であり、
前記音データは、該音データの再生されるチャンネルが予め定められたデータとして前記記憶手段に記憶されており、
前記音制御手段による音データの再生を停止することに対応する停止用データがあり、
前記停止用データとして、チャンネルを指定して該チャンネルでの音データの再生を停止するための停止用データ(例えば指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXH)があり、
前記演出制御手段は、
遊技の進行を制御する遊技制御手段から出力される第1情報(例えば変動パターン指定コマンド80XXH、表示結果指定コマンド8CXXH、入賞時判定結果指定コマンドC3XXH等の遊技用の演出制御コマンド)の入力に基づいて演出の決定を行い、決定結果に基づいて前記音制御手段に特定の音データ(例えば予告演出等の演出の音声)の再生を行わせることが可能であり(例えば遊技用の演出制御コマンドに基づいて演出の音声を再生させる)、
前記第1情報とは異なる第2情報(例えば指定音再生(下位)コマンドF5XXH、指定音再生(上位)コマンドF6YYH)の入力に基づいて、演出の決定を行うことなく前記音制御手段に前記特定の音データの再生を行わせることが可能である。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記遊技制御手段から出力される第1情報の入力に基づいて演出の決定を行い、決定結果に基づいて前記音制御手段に特定のチャンネルでの音データの再生を終了させ、
前記第1情報とは異なる第2情報(指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXH)の入力に基づいて、演出の決定を行うことなく前記音制御手段に前記特定のチェンネルでの音データの再生を終了させるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記音データには、音の出力に関する設定情報が含まれ(例えば図10-3)、
前記第1情報の入力に基づいて音データを再生するときも、前記第2情報の入力に基づいて音データを再生するときも、前記設定情報に基づいて音データを再生するようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2情報は、複数のテストコマンドの組み合わせにより構成される(例えば図10-8)ようにしてもよい。
このような構成によれば、コマンド化けの発生等による誤動作を防止、軽減できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記音制御手段に音データの再生を終了させるための前記第2情報は、単一のテストコマンドにより構成される第1停止情報(例えば全ch音再生停止コマンドFA00H)と、複数のテストコマンドの組み合わせにより構成され第2停止情報(例えば指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXH)と、があるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記音制御手段は、遊技機の複数の音出力手段(例えばスピーカ8L、8R)から音を出力可能であり、該複数の音出力手段から通常態様(例えば筐体補正されていない音)と該通常態様とは異なる特定態様(例えば筐体補正された音)とのいずれかにより音を出力可能であり、
前記演出制御手段は、
第1情報(例えば遊技用の演出制御コマンドや音声出力チェック開始コマンドF443H及びF400H)の入力に基づいて、前記音制御手段に前記特定態様により音を出力させ、
前記第1情報とは異なる第2情報(例えば音声出力チェック開始コマンドF443H及びF401H)の入力に基づいて、前記音制御手段に前記通常態様により音を出力させるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(7)上記(6)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
第1情報(例えば音声出力チェック終了コマンドF443H及びF402H)の入力に基づいて、前記音制御手段により前記特定態様で出力される音に対応した音データであって、特定のチャンネルで再生される音データの再生を終了させ、
前記第1情報とは異なる第2情報(例えば音声出力チェック終了コマンドF443H及びF403H)の入力に基づいて、前記音制御手段により前記通常態様にて出力される音に対応した音データであって、特定のチャンネルで再生される音データの再生を終了させるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
特定の音を前記通常態様により出力するための情報(例えば音声出力チェック開始コマンドF443H及びF401H)と、特定の音を前記特定態様により出力するための情報(例えば音声出力チェック開始コマンドF443H及びF400H)と、があるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(9)上記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、電源が投入されたときに、前記音制御手段に前記特定態様により音を出力させるための設定を行う(例えばステップ80AKS11の処理を実行するCPU62AK101)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(10)上記(1)から(9)のいずれかに記載の遊技機において、
前記音制御手段の動作状態を判定する判定手段(例えばVDP62AK110)を備え、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記音制御手段が異常状態であることを特定可能な特定情報(例えば音声処理回路80AK100が異常状態であること示す異常信号)が前記演出制御手段に入力され、
前記演出制御手段は、
前記特定情報に基づいて、前記音制御手段をリセットし、
前記特定情報とは異なる特別情報の入力に基づいて、前記音制御手段をリセットする(例えば音声処理回路初期化処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(11)上記(1)から(10)のいずれかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記第2情報が入力されたときに所定の演出を実行中である場合、該所定の演出を中止して前記第2情報に基づく制御を実行する(例えばステップ62AKS48、ステップ62AKS49の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(12)上記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記音制御手段は、所定の入力(例えば演出制御基板12等に設けられるスイッチ、つまみの操作や、音量調整画面においてスティックコントローラ31A、プッシュボタン31B等の操作)に基づいて出力する音の音量を設定するとともに、特定の情報(例えばデバッグ音量設定コマンドF9XXH)の入力に基づいて出力する音の音量を設定可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(特徴部81AKに係る手段)
特徴部80AKに係るパチンコ遊技機1は、特徴部81AKを含んでいる。
(1)特徴部81AKに係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば特徴部81AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
遊技の進行に応じて演出の制御を行う演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100、CPU62AK101)と、
前記演出制御手段の制御により音の出力を制御する音制御手段(例えば音声処理回路80AK100)と、
前記音制御手段が出力する音に対応した音データを記憶する記憶手段(例えば外部ROM62AK120)と、を備え、
前記音制御手段は、音データに基づき音を再生するためのチャンネルを複数有し、複数のチャンネルにより音データを再生することで遊技の進行に応じた音を出力可能であり、
前記音データは、該音データの再生されるチャンネルが予め定められたデータとして前記記憶手段に記憶されており、
前記音制御手段による音データの再生を停止することに対応する停止用データがあり、
前記停止用データとして、チャンネルを指定して該チャンネルでの音データの再生を停止するための停止用データ(例えば指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXH)があり、
前記音制御手段は、遊技機の複数の音出力手段(例えばスピーカ8L、8R)から音を出力可能であり、該複数の音出力手段から通常態様(例えば筐体補正されていない音)と該通常態様とは異なる特定態様(例えば筐体補正された音)とのいずれかにより音を出力可能であり、
前記演出制御手段は、
第1情報(例えば遊技用の演出制御コマンドや音声出力チェック開始コマンドF443H及びF400H)の入力に基づいて、前記音制御手段に前記特定態様により音を出力させ、
前記第1情報とは異なる第2情報(例えば音声出力チェック開始コマンドF443H及びF401H)の入力に基づいて、前記音制御手段に前記通常態様により音を出力させる。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(特徴部82AKに係る手段)
特徴部80AKに係るパチンコ遊技機1は、特徴部82AKを含んでいる。
(1)特徴部82AKに係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば特徴部82AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
遊技の進行に応じて演出の制御を行う演出制御手段(例えば演出制御基板12、演出制御用マイクロコンピュータ62AK100、CPU62AK101)と、
前記演出制御手段の制御により音の出力を制御する音制御手段(例えば音声処理回路80AK100)と、
前記音制御手段が出力する音に対応した音データを記憶する記憶手段(例えば外部ROM62AK120)と、を備え、
前記音制御手段は、音データに基づき音を再生するためのチャンネルを複数有し、複数のチャンネルにより音データを再生することで遊技の進行に応じた音を出力可能であり、
前記音データは、該音データの再生されるチャンネルが予め定められたデータとして前記記憶手段に記憶されており、
前記音制御手段による音データの再生を停止することに対応する停止用データがあり、
前記停止用データとして、チャンネルを指定して該チャンネルでの音データの再生を停止するための停止用データ(例えば指定ch音再生停止コマンドF700H、F8XXH)があり、
前記音制御手段の動作状態を判定する判定手段(例えばVDP62AK110)を備え、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記音制御手段が異常状態であることを特定可能な特定情報(例えば音声処理回路80AK100が異常状態であること示す異常信号)が前記演出制御手段に入力され、
前記演出制御手段は、
前記特定情報に基づいて、前記音制御手段をリセットし、
前記特定情報とは異なる特別情報の入力に基づいて、前記音制御手段をリセットする(例えば音声処理回路初期化処理を実行する)。
このような構成によれば、特定の音に関する検査が容易になる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 … パチンコ遊技機
11 … 主基板
12 … 演出制御基板

Claims (1)

  1. 遊技を行う遊技機であって、
    遊技の進行に応じて演出の制御を行う演出制御手段と、
    前記演出制御手段の制御により音の出力を制御する音制御手段と、
    前記音制御手段が出力する音に対応した音データを記憶する記憶手段と、を備え、
    前記音制御手段は、音データに基づき音を再生するためのチャンネルを複数有し、複数のチャンネルにより音データを再生することで遊技の進行に応じた音を出力可能であり、
    前記音制御手段が出力する音に対応した音データは、該音データの再生されるチャンネルが予め定められたデータとして前記記憶手段に記憶されており、
    前記音制御手段による音データの再生を停止することに対応する停止用データがあり、
    前記停止用データとして、チャンネルを指定して該チャンネルでの音データの再生を停止するための停止用データがあり、
    前記音制御手段は、遊技機の複数の音出力手段から音を出力可能であり、該複数の音出力手段から通常態様と該通常態様とは異なる特定態様とのいずれかにより音を出力可能であり、
    前記演出制御手段は、
    第1情報の入力に基づいて、前記音制御手段に前記特定態様により音を出力させ、
    前記第1情報とは異なる検査用の第2情報の入力に基づいて、前記音制御手段に前記通常態様により音を出力させ
    前記第1情報は、検査用の検査用第1情報と、遊技中に使用される遊技用第1情報と、を含み、
    前記特定態様は遊技機の筐体に応じた筐体補正がされた音であり、前記通常態様は該筐体補正がされていない音である
    ことを特徴とする遊技機。
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