<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。
メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、後述するメダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口を形成するブロックである。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック134のメダル投入口から実際のメダルを投入することもできる。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。なお、スタートレバー135の構成の詳細については後述する。
ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155より受皿210に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、受け皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、液晶表示装置(以下、LCD)を含み、各種の情報が表示される。
<スタートレバーの構成>
次に、スタートレバー135の構成について詳述する。図5Aはスタートレバー135及びその周辺周辺構造の分解斜視図、スタートレバー135およびその周辺構造の組立図(一部省略)である。スタートレバー135は、中空で略球状の操作部501と、一端に操作部501が固定され、他端に被検知部材511が連結された筒状の軸体503と、を備え、前面扉102に固定される筒状の支持部材506に支持されて遊技者が操作可能になっている。
軸体503にはスペーサ504、軸支部材505が遊嵌される。軸支部材505は支持部材506内に回動自在に支持されて軸体503の上下方向の回動を案内する部材である。軸体503には、また、ゴム等の弾性部材からなる筒状のストッパ部材507、コイルスプリング508、ワッシャ509が遊嵌され、また、止め輪510が設けられる。これらの構成は支持部材506に対する軸体503のその軸方向の移動を一定の範囲で許容すると共に、軸体503を常時上下方向の中立位置に位置させるための構成である。
軸体503の他端は被検知部材511の中央の筒状部に遊嵌され、当該筒状部に対して一定の範囲でその軸方向にスライド可能になっている。操作部501に対する操作により軸体503が上下方向に回動すると被検知部材511が上下に移動することになる。
被検知部材511はコの字型の被検知片を有し、この被検知片の移動が一対の光センサ512により検出される。一対の光センサ512は、それぞれ、発光素子および受光素子が対峙した構成であり、発光素子と受光素子との間のスリットに被検知部材511の被検知片が位置すると、発光素子からの光が遮断されて受光素子で受光されず、被検知片の存在が検出され、また、スリットに被検知片が位置しない場合は、発光素子からの光が受光素子で受光され、被検知片の非存在が検出される。
上記の通り、操作部501に対する操作により軸体503が上下方向に回動すると被検知部材511が上下に移動し、被検知片が発光素子と受光素子との間のスリットから移動することでスタートレバー135に対する遊技者の操作が検出されることになる。なお、本実施形態ではスタートレバー135に対する操作を検出する検出手段として光センサ512を採用したが、他のセンサでもよいことはいうまでもない。
次に、操作部501内には星を形どった可動の演出部材502が配設されている。操作部501は上記の通り中空で略球状であり、有色透明(つまり半透明)の材料で構成されている。従って、操作部501を通して遊技者は演出部材502を視認することができ、操作部501は遊技者が演出部材502を視認可能なように演出部材502を覆うカバー部材として機能する。本実施形態では、操作部501を有色透明の材料から構成したが、無色透明としてもよく、また、不透明な材料とした場合であっても操作部501の一部に開口部を設けて内部を覗けるようにすることで、遊技者が演出部材502を視認可能なように演出部材502を覆うようにすることもできる。
本実施形態では、演出部材502を動作させる駆動機構515を備える。駆動機構515は駆動原であるモータ402と、モータ402の出力軸に連結されてモータ402からの駆動力を演出部材502へ伝達する伝達部として機能する軸体514と、から構成されている。軸体514は筒状のスペーサ部材513、被検知部材511、軸体503を貫通してその先端が演出部材502の中心に連結されている。
しかして、モータ402を回転駆動すると演出部材502が操作部501内で回転することになる。演出部材502は例えばボーナスに内部当選した時に回転し、このような演出は当該内部当選を遊技者に報知する報知演出となる。
本実施形態では、このように、可動の演出部材502が、遊技者が操作を行なう部位であるスタートレバー135に設けられる。つまり、通常、遊技者はリール110乃至112や演出装置600のLCDの表示画像に注意を向けるところ、遊技者が余り注視していないスタートレバー135に演出部材502を配することにより、遊技者が演出部材502による演出に気付いたり、気付かなかったりする。これにより、意外性のある演出が可能となる。また、操作部501がカバー部材として機能することで、演出部材502の視認性を確保しながら、演出部材502の損傷を防止することができる。
<絵柄配列>
図2は各リール110乃至112に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110乃至112には、複数種類の絵柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。なお、同図の左端に示した番号0乃至20は、各リール110〜112上の絵柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール110の番号0のコマには俵の絵柄、番号1のコマにはリプレイの絵柄、番号2のコマには鶴の絵柄、番号3のコマには7の絵柄、番号8のコマには簪の絵柄、番号9のコマには将軍の絵柄、番号16のコマには姫の絵柄、がそれぞれ配置されている。絵柄は、ある絵柄と他の絵柄とを識別可能な識別子であれば如何なるものも採用でき、数字、英字、図形、イラスト、等が採用可能である。
<入賞役の種類>
次に、図9を参照して、入賞役について説明する。図9は、スロットマシン100における入賞役の種類、対応する絵柄組合せ、入賞時の配当(メダルの払出数)、及び、内部抽選の当選確率の一例を示した図である。
(1)ビッグボーナス(BB)
入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つが(RAM313の所定のエリア内に記憶される)、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され(フラグ持ち越し)、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
(2)レギュラーボーナス(RB)
入賞により、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。本実施形態ではRBについても上述したフラグ持越しを行う。BB又はRBのいずれかのフラグ持ち越しが行なわれている状態をボーナス内部当選中という。
(3)シフトレギュラーボーナス(SRB)
BBゲーム中(より詳細にはBB一般遊技中)にのみ入賞する入賞役であって、入賞によりRBゲームと内容が同じシフトレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。
(4)小役
入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。本実施形態では3種類(俵、鶴、簪)用意されている。対応する絵柄組合せや払出枚数は、同図に示す通りである。
(5)再遊技
入賞により、次回のゲームでメダルの投入を行うことなくゲームを行うことができる入賞役である。
(6)役物
RBゲーム及びSRBゲームの各遊技(役物遊技)において入賞する入賞役であり、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
各入賞役には、設定値毎に内部当選確率が設定されている。設定値は例えば6段階ある。図9ではある設定値Nの場合の各入賞役の内部当選確率が例示されている。なお、同図では内部当選確率を示しているが、実際の内部抽選時の処理としては以下のようになる。すなわち、入賞役内部抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)はあらかじめいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。これらの情報は、入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されており、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。内部抽選以外の各種の抽選処理についても同様な方式を採用することができる。
なお、スロットマシンの分野では、ボーナスゲームに移行するビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)や、新たにメダルを投入することなく次のゲームが可能となる再遊技(リプレイ)は、入賞役と区別されて「作動絵柄」と呼ばれる場合があるが、本書における「入賞役」にはビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技のいずれも含まれ、また、「入賞」にはこれらに入賞することが含まれる。
<遊技状態>
本実施形態では、大別すると、遊技状態として通常遊技、BBゲーム、RBゲーム及びSRBゲームがある。
・BBゲーム:
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施形態では、BBゲーム中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRBゲームが開始される。なお、BBゲームを、SRBゲーム中の場合とそうでない場合とを区別するため、後者をBB一般遊技と称する。BBゲームの終了条件は、例えば、予め定められた獲得枚数に達した場合(例えば235枚の払い出し)とすることができる。また、他の終了条件として、例えば、SRBの入賞回数が所定数に達した場合(例えば3回)か、BB一般遊技のゲーム回数が所定数に達した場合(例えば30回)とすることもできる。
・RBゲーム、SRBゲーム
RBゲーム及びSRBゲームの内容は複数種類考えられるが、予め定めた回数(例えば12回)の役物遊技を消化するか、あるいは、役物が予め定めた回数(例えば8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することにより終了するものとすることができる。
遊技状態にはこの他にも例えば、いわゆるAT(アシストタイム)、CT(チャレンジタイム)、RT(リプレイタイム。リプ連とも呼ばれる。)等が挙げられる。ATとは、例えば、リール停止制御上、ストップボタン137乃至139の押し順を要求するものであり、AT期間内では当該押し順を報知するものである。また、CTとは、例えば、CT期間内では、所定の場合に少なくともいずれかのリール110乃至112を原則として遊技者がストップボタン137乃至139を操作したところで停止し、滑りコマ制御を行わないものである。RTとはリプ連期間内では他の場合よりも再遊技に高確率で内部当選し、リプ連期間におけるゲームでのメダルの消費が抑えられ、遊技者に有利に働くものである。
<制御部>
次に、図3及び図4を参照してスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300から送信されるコマンドに応じて各種デバイスを制御する副制御部400と、から構成されている。図3はスロットマシン100の主制御部300のブロック図である。また、図4はスロットマシン100の副制御部400のブロック図である。
<主制御部>
まず、図3を参照してスロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やリールを回転駆動するモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止制御データ等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。RAM313は、遊技者が所有するメダルをその投入操作によって電子的にクレジットとして貯留するために、該クレジットの数を記憶する記憶手段としても機能する。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース380、381が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース380、381を介して、メダル受付センサ320、光センサ512、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチ324、メダル払出センサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口141に通じる通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。光センサ512は、上述した通り、スタートレバー135に対する遊技者の操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。メダル投入ボタンセンサ323は、ベットボタン130または131のそれぞれに設置されており、これらに対する遊技者の操作を検出する。精算スイッチ324は、精算ボタン132に対する操作を検出し、精算ボタン132が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。メダル払出センサ326はメダル払い出し口155から払い出されるメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース381、出力インタフェース390、391がアドレスデコード回路340を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース381には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース390には、リールを回転駆動するステッピングモータ等を駆動させるためのリールモータ駆動部350と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部351と、遊技ランプ352(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、スタートランプ121、再遊技ランプ122、リールパネルランプ128等)と、7セグメント表示器353(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路370がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路370は、水晶発振器311及び水晶発振器360から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路370は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース391が接続されている。
<副制御部>
次に、図4を参照してスロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。タイマ回路415は複数設けることができる。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや演出パターンの選択用のデータ、各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300からコマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。スピーカ483には音孔160の背後に設けられたスピーカなどが含まれる。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151等を制御する。なお、CPU410は、演出装置制御部500へのコマンド送信はデマルチプレクサ419を介して実施する。演出装置制御部500は演出装置600を制御する制御部である。また、デマルチプレクサ419には演出部材502を駆動するモータ402のモータドライバ401が接続されている。従って、副制御部400はモータ402を制御する制御手段として機能することになる。
<遊技の基本的制御>
図6はスロットマシン100における主制御部300の処理を示すフローチャートである。遊技の基本的制御はCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を実行する。以下、この処理について説明する。なお、特に説明しないが主制御部300は、スロットマシン100に対する遊技者の操作や、各処理の処理結果を示すコマンドを随時副制御部400へ送信する。副制御部400は、スロットマシン100のステータス情報としてこれをRAM413に格納しておき、スロットマシン100の状態を常時把握することができる。
電源が投入されるとS601で初期化処理が行なわれる。S602およびS603では、メダル投入・スタート操作受付処理を行なう。ここでは、主としてメダルのベットに関する処理と、スタートレバー135に対する遊技の開始操作の検知に関する処理等を行う。S604では入賞ライン確定処理を行なう。ここではS603の遊技開始処理の結果に応じてその遊技で有効となる入賞ラインを確定し、対応する入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。
S605では、乱数発生回路370で発生させた乱数を取得する。S606ではS605で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選及び内部当選状態設定処理を行う。入賞役の内部抽選は遊技者に有利となる権利の抽選の一種である。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグをONとし、その入賞役の内部当選状態が設定される。
S607では、リール停止制御テーブル選択処理を行なう。ここでリール110乃至112の停止制御の例について簡単に説明する。本実施形態においては滑りコマ制御等と称される公知のリール停止制御を採用する。このリール停止制御は、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される。一方、そうでない場合には、各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。
例えば、小役の「俵」に内部当選していない場合、「俵」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われたとしても、リール110乃至112は直ちに停止せずに俵の絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「俵」に内部当選している場合には、俵の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール110乃至112は直ちに停止せずに俵の絵柄組合せが揃うように制御されることになる。
リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データテーブルの中から内部抽選結果等に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データテーブルに示された停止位置データに従って行なわれる。S607ではこのリール停止制御テーブルの選択を行なう。
S608では全リール110乃至112の回転を開始させるリール回転処理を行なう。S609ではリール停止制御処理を行なう。ここでは、S607で選択したリール停止制御テーブルに従い、ストップボタン137乃至139に対する操作に応じて、リール110乃至112のうち、操作されたストップボタン137乃至139に対応するいずれかのリールを制御して停止させる。全リール110乃至112が停止するとS609へ進む。
S610では入賞判定処理を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、内部当選した入賞役又は内部当選中のボーナスの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「俵−俵−俵」が揃っていたならば俵(小役)入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグをリセットし、その入賞役の内部当選状態を解除する。S606の内部抽選でBB及びRBに当選しながら入賞しなかった場合はボーナスの内部当選状態が維持される(フラグがリセットされない)。
S611では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す払出処理を行なう。S612では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するボーナスゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、S602へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部400の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。副制御部400のCPU410は主制御部300からのコマンドに従って以下の処理を実行する。図8は副制御部400のメイン処理を示すフローチャート、図7は副制御部400の割り込み処理を示すフローチャートである。まず、図7を参照して所定周期で行なわれる割り込み処理から説明する。
S701では主制御部300からコマンドを受信したか否かを判定する。コマンドを受信した場合、S702へ進み、受信していない場合は一単位の処理を終了する。S702ではRAM413上の所定の記憶エリアに受信したコマンドを格納する。主制御部300からのコマンドは当該記憶エリアに順次格納されることになる。以上により一単位の処理が終了する。
次に図8を参照してメイン処理について説明する。S801ではRAM413上の上記記憶エリアに主制御部300からのコマンドが格納されているか否かを判定する。コマンドが格納されている場合は最も古いコマンドを取得してS802へ進み、コマンドが格納されていない場合はS801へ戻る。
S802では取得したコマンドが演出パターン設定対象コマンドか否かを判定する。該当する場合はS803へ進み、該当しない場合はS807へ進む。演出パターンとはスロットマシン100において実行される予め定めた演出の種類であり、複数種類用意されている。詳細は後述する。演出パターン設定対象コマンドとは演出パターンを選択する契機となるコマンドであり、例えば、入賞役の内部抽選結果を示すコマンドである。
S803では演出パターンの選択・設定を行う。詳細は後述する。S804ではS803で演出パターンが設定された結果、副制御部400が管理するデバイスに対する演出データのデータセット、演出装置600に演出を実行させるための演出装置制御部500へのコマンド送信が必要か否かを判定する。該当する場合はS805へ進み、該当しない場合はS806へ進む。S805では、副制御部400が管理するデバイスに対する演出データのデータセット、或いは、演出装置制御部500へのコマンド送信を行う。S806では他の処理を行ないS801へ戻る。他の処理には副制御部400が管理する各種情報の更新等が含まれる。
S807ではS801で取得したコマンドが演出更新対象コマンドか否かを判定する該当する場合はS808へ進み、該当しない場合はS806へ進む。演出更新対象コマンドとは、ある演出パターンが設定されている場合に、その演出パターンで規定されている演出内容を進行していく契機となるコマンドであり、例えば、スロットマシン100に対する遊技者の各種の操作があったことを示すコマンドである。S808では副制御部400が管理するデバイスに対する演出データのデータセット、或いは、演出装置制御部500へのコマンド送信を行いS806へ進む。
<演出の概略>
次に、スロットマシン100で実行される演出について説明する。スロットマシン100で実行される演出の内容は複数種類用意されており、それらをそれぞれ演出パターンと称する。副制御部400は演出パターン設定対象コマンドを受信すると、複数種類の演出パターンの中から予め定めた方法によりいずれかを選択し、その演出パターンで定義されている演出内容を実行する。
<演出パターン>
各演出パターンには、演出デバイスの制御内容が定義される。例えば、演出部材502の動作制御(モータ402の駆動制御)、演出装置600のLCDで表示される画像の表示制御、スピーカ483から出力される音の制御、等の内容である。
演出デバイスの制御内容を示すデータは、その演出デバイスを管理する制御部が有する。例えば、演出部材502の動作制御(モータ402の駆動制御)やスピーカ483の出力制御の制御データは副制御部400が有し、演出装置600のLCD表示される画像の表示制御の制御データは演出装置制御部500が有する。
演出部材502の動作制御(モータ402の駆動制御)やスピーカ483の出力制御の場合、副制御部400は制御データを各演出デバイスにセットすることで演出が実行される。また、演出装置600の制御について述べると、副制御部400は制御内容毎に割り当てられた識別子を保持し、設定した演出パターンの定義に従ってその識別子をコマンドとして演出装置制御部500へ送信する。コマンドを受信した演出装置制御部500はコマンドで示された識別子に対応する制御データを各演出デバイスにセットすることで演出が実行される。
副制御部400が制御データをセットする契機或いは副制御部400から演出装置制御部500へコマンドが送信される契機は新たに演出パターンを設定して(S803)、直ちに演出が実行される場合(S805)や、ある演出パターンが設定されており、その演出パターンで定義された条件に従って演出内容を進行する場合(S807、S808)である。
演出は、例えば、1ゲームの中で開始されて終了するもの、複数回のゲームに渡って実行されるもの、が挙げられる。また、スロットマシン100に対する遊技者の操作や主制御部300の制御状態に従って進行していくもの、も挙げられる。演出を実行する時期としては、演出パターン設定対象コマンドを受信した時に実行されているゲーム中のある時期、当該ゲームの次のゲーム或いは数ゲーム経過した後のゲーム中のある時期、が挙げられる。このような演出の条件は、各演出パターンに定義しておくことができる。また、このような演出の条件の一部は、S803で演出パターンを設定する際に設定することもできる。
<演出パターンの選択・設定>
図10(a)及び(b)は演出パターンの選択方法の例を示す説明図であり、遊技状態(通常遊技、BBゲーム、RB/SRBゲーム)に応じて演出パターンが選択される例を示している。図10(a)は通常遊技時の選択方法を示しており、この例では入賞役の内部抽選結果に応じて演出パターンが選択される。従って、入賞役の内部抽選結果を示すコマンドが、S802の演出パターン設定対象コマンドとなる。
なお、ある演出パターンが設定されているときに、演出パターン設定対象コマンドを副制御部400が受信した時は設定中の演出パターンを優先して演出パターンの新たな設定を行わないようにしてもよく、逆に、新たな設定をするようにしてもよい。そのような条件も各演出パターンに定義しておくことができる。
通常遊技時の演出パターンとして、図10(a)の例では演出パターンa1乃至anまでのn種類の演出パターンが用意されている。演出パターンの選択は、まず、そのゲームがボーナス内部当選中のゲームか否かと、そのゲームでの入賞役の内部抽選の結果と、に応じて定められる。つまり、内部当選状態の設定に応じて定められる。更に、各演出パターン毎の選択確率に応じて抽選により定められる。図10(a)の例では、例えば、ボーナス内部当選中ではない(同図の×)ゲームにおいて、入賞役の内部抽選結果がハズレの場合、演出パターンa1が選択される確率は2%である。
選択確率が0の演出パターンは選択されないことになる。例えば、ボーナス内部当選中ではないゲームにおいて、入賞役の内部抽選結果がBB当選の場合、演出パターンa1が選択される場合はない。選択確率の設定の仕方により、演出は内部当選状態の報知機能を有することになる。
演出による報知機能の例として、例えば、BB又はRBのような予め定めた入賞役について内部当選状態が設定されている場合には内部当選状態が設定されていない場合よりも、特定の演出パターンを高い確率で選択することが挙げられる。特定の演出パターンの高頻度の選択により同じ内容の演出が高頻度でなされ、遊技者はBBやRBの内部当選状態にあることを察知できる。確率の差は数倍以上若しくは10倍以上とすることが望ましい。
選択確率をこのように変える方法としては、特定の内部抽選結果に対応する選択確率を異ならせることが挙げられる。例えば、図10(a)の例では、内部抽選結果が「ハズレ」の場合の演出パターンa1の選択確率が、ボーナスの内部当選状態でない時は2%であるが、ボーナスの内部当選状態である時は60%であり、選択確率が後者の方が高くなっている(30倍)。
選択確率を変える別の方法としては、例えば、入賞役の内部抽選の確率を含めた、ある演出パターン(P)の総選択確率を変える方法もある。総選択確率は、(BB内部当選確率×演出パターンP選択確率)+(RB内部当選確率×演出パターンP選択確率)+・・・+(ハズレ確率×演出パターンP選択確率)で示される。しかして、(ボーナスの内部当選状態にある場合の総選択確率Q1)>(ボーナスの内部当選状態でない場合の総選択確率Q2)とする。
次に、図10(b)を参照してBBゲーム時、RBゲーム又はSRBゲーム時の演出パターンの選択方法の例を示す。BBゲーム時は複数種類の演出モード1乃至3毎に演出パターンが区分けされている。本実施形態の場合、演出モードが異なると演出内容に登場するメインキャラクター(演出装置600のLCDに表示される)が異なる。本実施形態の場合、メインキャラクターは殿、姫、爺の3種ある。演出モードはBBゲーム開始時に遊技者の選択に従い設定され、その設定処理は例えばS806の他の処理に含むことができる。演出パターンは演出モード毎に設定されており(演出パターン群)、BBゲームの進行に応じて順次選択されていくことになる。RBゲーム又はSRBゲーム時は本実施形態の場合、演出パターンは毎度同じ内容としている。
<演出部材502による演出例>
本実施形態において演出部材502はモータ402の駆動により操作部501内で回転する。演出部材502は常時回転させておくこともできるが、通常は停止しておき、予め定められた条件が成立した場合に、演出部材502が動作するよう、モータ402を制御することもできる。
予め定められて条件としては、例えば、特定の入賞役(例えば、BBやRB)に内部当選したことが挙げられ、当該内部当選中に演出部材502を回転させる。これにより、演出部材502の回転は当該入賞役の内部当選の報知演出となる。この場合、上記の特定の入賞役に内部当選した場合に所定の確率で演出部材502を回転させることもできるし、上記の特定の入賞役に内部当選していない場合でも、所定の確率で演出部材502を回転させてガセの演出とすることもできる。
また、予め定めた条件として、例えば、特定の入賞役(例えば、BBやRB)に入賞したことが挙げられ、ボーナスゲーム中に演出部材502を回転させることもできる。これにより、演出部材502の回転はボーナスゲームを盛り上げる演出となる。更に、予め定めた条件として、例えば、上述したAT、RT、CTの成立が挙げられ、これらの期間において演出部材502を回転することでこれらの期間のの報知演出となる。
また、演出部材502の回転速度を、予め定めた条件が成立した場合に変化するように、モータ402を制御することもできる。この場合、演出部材502は常時回転させておき、予め定めた条件が成立した場合その回転速度を変化するようにすることもできるし、抽選により演出部材502を回転させた後、予め定めた条件が成立した場合その回転速度を変化するようにすることもできる。予め定めた条件としては上記のものが挙げられる。
また、遊技者のスロットマシン100に対する操作を契機として回転速度を変化させることもでき、例えば、スタートレバー135の操作を契機として演出部材502の回転を開始し、ストップボタン137乃至139のいずれかの操作を契機として、上記の予め定めた条件が成立している場合には、演出部材502の回転速度を変化させることもできる。
<演出部材の駆動手段の他の例>
上記第1実施形態では、演出部材502を動作させる駆動機構515として、駆動原であるモータ402と、モータ402の出力軸に連結されてモータ402からの駆動力を演出部材502へ伝達する伝達部として機能する軸体514と、から構成した例を例示したが、他の構成を採用することもできる。
ここで、スタートレバー135のような操作部材は遊技者の操作を受け付ける部材であり、可動の部材となっている。このため、演出部材502への駆動力の伝達構成は、スタートレバー135の可動範囲を考慮した構成とする必要があり、駆動源と伝達部との間の駆動力が両者が非接触で伝達されると機構上、都合がよい。
図11A及び図11Bは駆動源から伝達部への駆動力を駆動源と伝達部とが非接触で伝達する構成例を示す図であり、図11Aは分解斜視図(一部省略)、図11Bは組立図(一部省略)である。なお、図11A及び11Bにおいて図5A及び図5Bに示した構成例と同じ構成については同じ符号を付し、説明を割愛する。
図11A及び図11Bの例では、軸体514に代えて光を導光可能な透明の軸体1102の先端に演出部材502が取り付けられ、軸体1102の後端には光を導光可能な透明の風車1104が取り付けられている。軸体1102及び風車1104は伝達部1105を構成し、スペーサ部材513に代わるスペーサ部材1101により回転自在に支持されている。風車1104の側方にはファンモータ1107がモータ402に代わる駆動源として配設されている。ファンモータ1107は風車1104に風を送風する送風装置であり、軸体1102及び風車1104は、ファンモータ1107の風力により回転することになる。
なお、図11Bに示すように風車1104の後方にはLED等の光源1106が配設されており、光源1106からの光は風車1104及び軸体1102内を伝播して演出部材502に到達し、演出部材502を発光させる。つまり、これらはスタートレバ135の発光手段として機能する。演出部材502を発光させることにより、装飾性の高い演出が可能となる。演出部材502は常時発光としてもよいし、演出部材502の回転制御と同様に所定の場合に発光するようにしてもよい。
図12(a)は駆動源から伝達部への駆動力を駆動源と伝達部とが非接触で伝達する他の構成例を示す図である。本構成例は演出部材502を回転ではなく、往復移動させる。なお、図12(a)において図5A及び図5Bに示した構成例と同じ構成については同じ符号を付し、説明を割愛する。図12(a)の例では軸体514に代えて円筒状の軸体1202が採用されており、軸体1202の先端には演出部材502が取り付けられ、また、軸体1202の後端部には鉄製の部材1202’が取り付けられている。なお、軸体1202はスペーサ部材513に代わるスペーサ部材513’によりその軸方向に移動可能に支持されている。
部材1202’の後方にはモータ402に代わる電磁石1203が配設されている。操作部501内において、操作部501の後端壁と演出部材502との間にはコイルスプリング1201が介装されている。しかして、電磁石1203の作動により部材1202’が電磁石1203に吸引され、作動停止によりコイルスプリング1201の働きにより部材1202’が電磁石1203から離間する。つまり、電磁石1203の作動、停止を繰り返すことにより演出部材502が軸体1202の軸方向に往復移動する。
図12(b)は図12(a)の構成例において演出部材502にLED1210を配設した構成例を示している。つまり、LED1210はスタートレバ135の発光手段として機能する。なお、図12(c)に示すように、LED1210の配線1211は軸体1202の内部を通して、スペーサ部材513’の途中から軸体1202の外部へ導出され、駆動回路に接続される。
<他の操作部材への適用例>
上記実施形態では、スタートレバー135に演出部材502を配設した例をについて説明したが、演出部材が配設可能な操作部材はスタートレバー135に限られない。図13はベットボタン131に演出部材1308を設けた例を示す分解斜視図である。なお、図13においてはベットボタン131に対する遊技者の操作を検出するメダル投入ボタンセンサ323は省略されている。
ベットボタン131は、有色透明のカバー部材1302と、カバー部材1302を保持する受け部材1305と、を備え、カバー部材1302および受け部材1305は台座1310により前面扉102に固定される。カバー部材1302には、係合穴1304が形成されており、受け部材1305に形成された係止爪1306と係合されることで、カバー部材1302と受け部材1305とが一体に組み付けられる。
また、受け部材1305の左右側面には係止爪1307が形成される。この係止爪1307は台座1310の内壁に形成された凹部に入り込み、カバー部材1302および受け部材1305を台座1310から取り外せないようにするとともに、ベットボタン131の操作方向を規制している。
台座1310は、前面扉102の表面と当接し、ベットボタン131を所定の位置に保持するための落込み防止片となるフランジ1312が形成されている。また、台座1310の下部には、これを前面扉102に取り付けるためのネジ部1311が形成されている。
カバー部材1302及び受け部材1305と、台座1310との間にはコイルスプリング1309が介装され、コイルスプリング1309はカバー部材1302及び受け部材1305を常時上方へ付勢する。
カバー部材130及び受け部材1305内には円盤状の演出部材1308が配設されている。演出部材1308はカバー部材130を介して遊技者が視認可能である。なお、カバー部材130は操作部501と同様に無色透明としてもよく、また、不透明な材料とした場合であってもカバー部材130の一部に開口部を設けて内部を覗けるようにすることで、遊技者が演出部材1308を視認可能なように演出部材1308を覆うようにすることもできる。
図13の構成例では、演出部材1308を動作させる駆動機構1320を備える。駆動機構1320は駆動原であるモータ1322と、モータ1322の出力軸に連結されてモータ1322からの駆動力を演出部材1308へ伝達する伝達部として機能する軸体1321と、から構成されている。軸体1321は台座1310及び受け部材1305を通過して、その先端が演出部材1308の中心に連結されている。しかして、モータ1322を回転駆動すると演出部材1308がカバー部材1302及び受け部材1305内で回転し、演出を行うことになる。
次に、図14はストップボタン137乃至139に演出部材1401乃至1403をそれぞれを設けた例を示す斜視図である。同図の例では各ストップボタン137乃至139の有色透明のカバー部材137’乃至139’内に星型の演出部材1401乃至1403がそれぞれ配設されている。出部材1401乃至1403は、モータ1401’乃至1403’によりそれぞれ個別に回転することになる。
<他の遊技台への適用例>
本発明はスロットマシン以外にもパチンコ機、パロット機等、他の種類の遊技台にも適用可能である。図15は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機1500を示す図である。
パチンコ機1500は、遊技者が遊技球であるパチンコ玉の打ち出しを行なうためのハンドル1501と、ハンドル1501に対する操作により打ち出されるパチンコ玉が導入される受皿1505と、パチンコ玉が打ち出される円形の遊技領域1503と、を備える。遊技領域1503には不図示の釘が配設され、遊技領域1503の上部から落下するパチンコ玉は釘に衝突して方向を変えながら遊技領域1103の下部へ落下する。
遊技領域1503には、LCD1506および入賞口1504が配設されており、入賞口1504へパチンコ玉が入球すると予め定めた特典が遊技者に付与される。また、受け皿1505の上部には、遊技中の演出等により、押下される連打ボタン1502を含む。
図15の例において、演出部材を配設する操作部材としては、例えば、ハンドル1501または連打ボタン1502が挙げられる。ここではハンドル1501に演出部材を配設した例について説明する。
図16は、ハンドル1501の分解斜視図である。ハンドル1501は、カバー部材1601、ベース盤1602、ハンドル部材1603、ハンドルベース部1604および入力軸1605を含んで構成される。カバー部材1601は、内面の外周近傍に3つの係合部1606が形成される。これらの係合部1606は、ベース盤1602に形成された係合部1607にそれぞれ係合されてカバー部材1601がベース盤1602に取り付けられる。
カバー部材1601は、演出部材1610が視認可能なよう、有色透明の部材で形成される。なお、カバー部材1601は操作部501と同様に無色透明としてもよく、また、不透明な材料とした場合であってもカバー部材1601の一部に開口部を設けて内部を覗けるようにすることで、遊技者が演出部材1610を視認可能なように演出部材1610を覆うようにすることもできる。
ベース盤1602は、演出部材1610、伝達部材1611、モータ1612、LED1613、導線1614、係合部1607、通孔1608および軸受けボス1621を含んで構成される。演出部材1610は、イルカを模した模型であり、伝達部材1611の一方の端に接続される。伝達部材1611の他方の端はモータ1611の出力軸に接続されており、モータ1612の駆動により、演出部材1610がカバー部材1601内で回動する演出が可能である。
LED1613は導線1614を介してその駆動回路に接続された光源であり、演出部材1610に内蔵されている。演出部材1610はその全体又は一部が透明又は半透明となっており、LED1613の発光により発光する構成である。
通孔1608は、ネジ1609を通しハンドルベース部1604に形成された各取り付けリブ1620aに取り付けられる。導線1614及びモータ1612の導線は通孔1608’からハンドルベース部1604の取付リブ1620bの孔を介してハンドルベース部1604内へ導出される。
軸受けボス1621は、軸受けベース盤1602の中心に形成され、軸受けベース盤1602の裏面側からハンドル部材1603に形成された筒部1619が回動自在に嵌め込まれる。
ハンドル部材1603は、係合部1615、指掛け部1617、スリット1618および筒部1619を含んで構成される。係合部1615には、リターンバネ1616の一方の端が取り付けられる。なお、リターンバネ1616の他方の端は、一部の取り付けリブ1620aにネジ1609で取り付けられる。これにより、ハンドル部材1603は、遊技者によって回動操作された後に解放された場合、リターンバネ1616の復元力により非操作位置に戻されることとなる。
指掛け部1617は、ハンドル部材1603の外周上に形成され、遊技者がハンドル1501を回動操作する場合に指を掛ける部材である。また、スリット1618は、ハンドル部材1603の内周に円弧状で形成される。なお、取り付けリブ1620は、このスリット1618を通して前面側に突出すように配置されている。これにより、ハンドル1501は、取り付けリブ1620a及び1620bがスリット1618のエンド部分に当接することにより、回動操作部1618の回動範囲が非操作位置から最大回動位置までに規制されている。
ハンドルベース部1604は、複数の取り付けリブ1620、大径部1622および小径部1623を含んで構成される。ハンドルベース部1604は小径部1623の先端側に大径部1622が形成されて、内部が中空状にされるとともに、大径部1622の中心に開口部が形成されている。また、大径部1622には、複数の取り付けリブ1620a及び1620bが突起状に形成される。
入力軸1605は、ハンドルベース部1604の中心に形成された開口部を通って、ハンドル部材1603の筒部1619に嵌合される。これにより、ハンドル部材1603は入力軸1605回りに軸支される。しかして入力軸1605の回動量が不図示のセンサにより検出されてパチンコ玉が発射されることになる。
さて、図16の例では演出部材1610の回動による演出が可能である。ハンドル1501は一般に遊技者が常時把持している構成であるため、演出部材1610の演出に遊技者が気付きにくく、遊技者が演出部材1610による演出に気付いたり、気付かなかったりする。これにより、意外性のある演出が可能となる。演出部材1610の回動による演出は、例えば、リーチ演出時に行うことができる。