JP3778968B2 - 水面浮遊拡展性非崩壊粒剤 - Google Patents

水面浮遊拡展性非崩壊粒剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の目的】
本発明の目的は手軽に処理でき、散布者や環境に危害を与えない農薬製剤を提供することにある。
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は、水中で非崩壊性の水面浮遊性の造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更に水面拡展剤を配合することを特徴とする水面浮遊拡展性農薬粒剤、及び該農薬粒剤を、振込口を付した箱、瓶、袋等に包装した水田振込用農薬製剤、並びに該農薬粒剤を水溶紙に分包とした水田投げ込み用農薬製剤に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、水田用農薬はその使用の便のために、種々の剤型、例えば、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等に製剤され、水面又は稲体に散布されている。
【0004】
しかし、粉剤や水和剤は、粉立ちによる使用者や生産者の健康上の問題や環境汚染の問題があり、乳剤の場合は、有機溶媒の毒性の問題や火災の危険がある。粒剤はこういった欠点は少ないが、物流や経費性の面で不利であるばかりでなく、活性成分によっては十分な防除効果が得られない場合も多い。
【0005】
これらのことから、最近、フロアブル(以下FLと略す)やドライフロアブル(以下DFと略す)といわれる新しい剤型が開発されてきた。これらは水に希釈して、水溶液、懸濁液又は乳化液として使用される。これらFLやDFといわれる剤型は、粉立ちがなく流動性があるという点で水和剤の上記欠点を解決した剤型といえるが、従来の剤型を含めて、これらの製剤を散布するためには、まずそれを水に溶解又は分散させねばならず、その後多くの場合、散布器具が必要であり、又、散布に際し水田に入ることが必要となる。特に小規模な兼業農家にとって、溶解又は分散させる容器と散布器具を準備し、水田に入って散布することは、経済的負担や安全面の不安ばかりでなく、労力的にも時間的にも負担は大きい。特に、高齢者と女性に依存することの大きい最近の農家にとっては、このような負担は耐え難いものとなっている。
【0006】
このため、最近、散布に特殊な器具を必要とせず、手軽に散布できる方法として、除草剤のFLをプラボトルに入れ、これをキャップ部に開けた小孔から水田中に振り込む方法が開発された。この方法によれば、散布に特殊な器具を必要とせず、手軽に散布できる利点があるが、散布に際しては依然として水田に入る必要があり労力を要することや、散布方法や風向きによっては薬液の飛沫が作業者にかかる等の欠点があるため、必ずしも従来法の欠点を完全に除去し得たとは言い難い。また、使用済みの空き瓶の処理も安全面や環境上の問題を引き起こす可能性がある。
【0007】
また、水面浮遊性粒剤としては、(1)水浮遊性の担体を用いて浮遊させるもの(特公昭48−15613号公報、特公昭47−1240号公報)、(2)特定の吸水能を有する軽石や蛭石を担体とするもの(特公昭44−8600号公報)、(3)揮散性殺虫化合物を用いた粒剤(特公昭49−11421号公報)、(4)カーバメート系農薬活性成分と、その水に対する分配系数が102 以上の有機化合物を固体担体に保持させたもの(特開平2−174702号公報)、(5)固体担体と、殺菌剤、除草剤又は植物成長調節性の有効成分と、油とからなる組成物(特開平3−193705号公報)等の技術が開示されている。しかしながら、これらは散布法の点においては従来の粒剤と何ら代わることなく、散布労力の軽減にはなり得なかった。
【0008】
さらに、最近、有効成分に界面活性剤及び発泡剤を加えた水田用除草剤(特開平3−128301号公報)や、有効成分、界面活性剤、及び結合剤を含有する水田除草用錠剤又はカプセル(特開平3−173802号公報)に関する技術が開示された。これらの製剤を処理するに当たっては、散布者の安全や環境保護の面から、ポリビニルアルコールのフィルムのような水溶紙にこれらの製剤を包み、これを水田中に投げ込むのが有力な方法となる(特開平4−226901号公報)。
【0009】
このような水田投げ込み製剤は、簡単に水田農薬の処理ができるという利点はあるものの、従来の粒剤や粉剤のように均一散布をしないうえ、これら固形製剤を水中に投じると、製剤は土壌表面に沈降し、ここで発泡して有効成分を田面水中に分散させることになるため、溶けきらない原体粒子は投下地点の周辺に沈降し、また、溶解した有効成分も投下地点近傍の土壌表面近くで高濃度の溶液を形成するため、土壌に吸着され易い。このため、有効成分の水溶解度がかなり高い化合物であっても製剤投下点付近の土壌に有効成分が高濃度に吸着され、圃場条件、気象条件等によっては有効成分の不均一による薬害や効力のムラ、また場合によっては後作物への影響といった欠陥が生じ易いという欠点があった。このような有効成分の偏在をできるだけ解消するために、投げ込み製剤には通常発泡剤を配合し、固形剤をできるだけ早く崩壊分散させるようにするとともに、発泡力によって有効成分を拡散させるように工夫がされていることが多い。この際、発泡剤には、有機酸と炭酸塩を配合し、水の存在下で両者が反応して炭酸ガスが生成するメカニズムを利用するが、一方で発泡剤を含有する製剤は保存中に製剤中の成分によって両者が反応してしまうという欠点を有しており、包装が膨張したり、使用時に発泡が弱くなったりといったトラブルが生じることが多い。特に、投げ込み製剤は、水温の低い水田でも発泡力によって有効成分を水中に分散させて、できるだけ早く溶解拡散させ、土壌表面に均一な処理層を形成する必要があるため、発泡力の低下が生じると有効成分の拡散が不十分となり、上記のような欠陥の原因となる懸念があった。
【0010】
このため、最近、発泡剤を含有しない投げ込み製剤の技術が開発されてきた。例えば、特開平5ー78207号公報には水溶性フィルムで包装した水面展開性農薬製剤包装体が開示されている。この技術は農薬有効成分を有機溶媒等に溶解し、水面展開性油状物質を得、これをそのまま、或いは固体状物質に保持させて水溶性フィルムに分包とするものであるが、油状物質をそのまま包装するには、有機溶媒の使用に伴う危険物の問題があり、固体状物質に保持させる場合には、その固体状物質が水溶性でないと、油状物質が完全に浮上することが出来ず、投下点に残留するため、薬害や効力不足の原因となるし、固体状物質が水溶性の場合には、造粒時の機器腐食の問題や有効成分の安定性の問題等がある。
【0011】
また、特開平5ー58804号公報、特開平5ー78204号公報には、それぞれ、農薬活性成分、平均粒子径250μm以下のガラス中空体及び水溶性高分子からなり、1個当たり10〜100gの重量に成形した水面施用浮遊性農薬製剤、及び農薬活性成分、平均粒子径250μm以下の無機浮遊性物質及び高沸点溶剤を含有する粒子径600μm以下の固体状組成物の10〜100gを水溶性高分子フィルムに包装した水面施用浮遊性農薬製剤に関する技術が開示されている。しかし、前者は、成形方法に経済性の問題があり、後者には、製剤方法の問題や、有効成分の物理性によっては水面で十分な拡展性を示さなくなるという問題点がある。
【0012】
また、特開平5ー155703号公報には、見かけ比重が1より小さい粒核に、農薬有効成分及び空気・水界面張力を変化させる物質を油状物質で被覆した農薬製剤が開示されている。この方法は、確かに経済性や製法の点で有利であるが、ある種の粒核では、特に液状原体の場合に、粒核に有効成分が吸着され、全量溶出しなかったり、かさが大きくなりすぎて処理しにくかったり、有効成分の被覆が難しかったりといった問題点があった。これらのことは、生物効果や薬害、生産性、流通等に影響を与える重大な問題点となる。
【0013】
特公昭44−8600号公報には、粒状軽石又は蛭石からなる担体に主剤を吸着し、高級脂肪酸で被覆した浮遊性粒状殺虫剤組成物に関する技術が、特公昭47−1240号公報には、焼成パーライトにポリブテンにより殺虫剤を固着させた浮遊性粒剤の技術が、特公昭48−1179号公報には、稲菌核病類に有効な薬剤を田面水上に浮上させることを特徴とする粒剤の技術が、特公昭48−1181号公報には、発泡パーライトに殺虫剤と発水剤を担持させた水面浮遊性粒剤の技術が、特公昭48−1182号公報には、除草剤の乳剤を水に浮く無機質担体に担持せしめた粒剤の技術が、特公昭48−15612号公報には、拡展剤としてセルロースエーテル又はポリカルボン酸型高分子界面活性剤を担持させた水に浮く粒状農薬組成物の技術が、特公昭64−25702号公報には、農薬主剤と固状担体にポリオキシアルキレンシリコーンを配合してなる水浮遊性固状製剤に関する技術が、また、特公平3−76281号公報には、有効成分と乳化剤を含有する液状原液を熱膨張岩石粉粒体に吸蔵させた水中易溶出乳化性粉粒剤に関する技術がそれぞれ開示されている。しかしながら、これらの技術は先述した技術と同様に散布法の点で従来の粉剤や粒剤と何ら変わることなく散布労力の軽減にはなり得ないものであり、省力を目的として、特別な散布装置を用いることなく、粒剤を振込口を付した適当な容器に入れて、畦畔等から水田中に振り込むか、農薬の分包を水田中に10a当たり数個から数十個投げ込み、投げ込まれた農薬製剤をできるだけ早く水面に拡展させ、その後は短時間のうちに有効成分を水面浮遊性粒核から遊離させ、水中に溶解分散させて風による吹き寄せを防止することを目的とする下記本発明の組成物とは、発明の思想、技術内容を本質的に異にするものである。
【0014】
特開昭58−65203号公報(特公平2−56323号公報)には、無機又は有機の多孔質体又は中空体に生物活性成分を合成樹脂又は石膏によって付着させ、外界に通ずる穴をふさいで中空体にし、かつ、比重を1.0以下、粒径5mm以下に調製した成形水面浮遊生物活性物質含有組成物に関する技術が開示されており、シラスバルーンを用いたダイアジノン5%粉粒剤や、コルク粉末を用いたMIPC4%粉粒剤が例示されている。しかしながら、この技術は先述した技術と同様に散布法の点で従来の粉剤や粒剤と何ら変わることなく散布労力の軽減にはなり得ないのみならず、浮遊率に示されるごとく、含有する生物活性物質の発現速度を物理化学的に調節する効果を有する組成物に関するものであり、下記本発明の組成物とは、発明の思想、技術内容を本質的に異にする。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このため、
▲1▼散布に際し特別な器具を必要としない
▲2▼省力的である
▲3▼散布者及び環境に対して安全
▲4▼容器の処理が簡単
▲5▼有効成分の偏析による薬効不足や薬害の恐れがない
▲6▼経時的に安定な製剤である
を満足する製剤及び処理方法が要望されていた。
【0016】
このような現状に鑑みて、本発明者らは上記の条件を満たす製剤及び処理方法の開発を目指して鋭意検討を重ねた。
【0017】
この結果、発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上を含有し、水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性とした造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更に水面拡展剤を配合した粒剤は、水中に投じると水面を広く拡展し、被覆された有効成分は、粒剤が水面を拡展する間に、大部分が水中に遊離するので、拡展し終わった後に浮遊する粒剤中の有効成分は殆ど無く、粒剤が風で吹き寄せられても、有効成分の偏在は殆ど問題にならないことを見いだした。また、有効成分は水面で遊離され、水中に溶解・分散するため、土壌による吸着や土壌表面への沈降も遅く、水の移動にともなって十分に水田全体の水に溶解拡散した後、土壌に吸着され処理層を形成するため、この意味からも薬害や効力のムラの心配が少ない。これらのことから、得られる粒剤は、通常の粒剤のように均一な散布をしなくても、薬害が生じることはなく、効力的にも良好な結果が得られるので、いわゆる投げ込み製剤や額縁散布に好適な製剤になり得ることを見いだし、かかる知見に基づき本発明を完成した。
【0018】
【発明の構成】
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水中で非崩壊性の水面浮遊性の造粒キャリヤー、並びに該造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更に水面拡展剤を配合することを特徴とする水面浮遊拡展性農薬粒剤、及び該農薬粒剤を、振込口を付した箱、瓶、袋等に包装した水田振込用農薬製剤、並びに該農薬粒剤を水溶紙に分包とした水田投げ込み用農薬製剤である。
【0020】
本発明においては、粒剤に水面浮遊性を付与するために、発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる1種以上を配合する。
【0021】
本発明において使用するパーライトの原料となる黒曜石、真珠岩、松脂岩は、主として第三紀以後の比較的新しい火山岩地帯に分布し、世界的にはアメリカ大陸の西部、ヨーロッパを経てアイスランド南部から地中海にまたがる地域と、日本からニュージーランド、オーストラリアにまたがって分布する1種の天然産ガラスである。我が国でも、秋田、山形、福島、長野、佐賀、大分、北海道等の各地で産する。パーライトはこれら黒曜石、真珠岩、松脂岩を1000℃前後の高温で加熱焼成し、結晶水や揮発性成分を気化させることによって、軟化しているガラス質を急激に膨張させたもので、内部に真珠状の空泡を有する軽石であり、建築用、断熱用、園芸用等に広く利用されている。粒度的には1mm以下の細かいものから5mm以上のものを含むものまで多くのグレードがある。原石の種類と粒度及び膨張条件によって、製品の形状、密度、粒度分布等が変化する。一般には、各サイズの粒子が適度に混合したものの製造には、真珠岩及び松脂岩が用いられ、特に細粒、極軽量の製品には黒曜石が使用される。黒曜石からは丸くて比較的硬度のある粒子が得られる。
【0022】
本発明において使用する発泡シラスの原料となるシラスは、主として南九州に広く分布する軽石流降下軽石層及びこれらの二次堆積層で非晶質の火山ガラスが約7割を示す。我が国ではこの他に北海道、十和田湖周辺、関東地方にも一部産出する。発泡シラスは、このシラス中の火山ガラスを高温で処理して発泡させた中空状のもので、嵩比重が小さく、不活性で混合性・流動性が良い微細粒〜粒状体である。比較的低温で処理したものは、膜厚6μm程度で嵩比重が比較的大きく水に浮きにくいものが混入する。高温で処理したものは膜厚3μm程度で嵩比重が小さく水に浮き易くなる。しかし、さらに高温で処理するとバルーンが破れて水に沈むようになる。粒度的には平均粒径が数十μmの細かいものから数mmの大きいものまで各種グレードがあり、各粒度別に嵩比重の大きいものと小さいものとがある。通常の発泡シラスは、バルーン率が65〜95%程度であるが、発泡シラスを風ひ又は水ひして軽い部分だけを分取すればバルーン率が高いグレードを得ることもできる。本発明においては、これらのうちで水に浮くタイプのものであればどのグレードのものも使用することができる。
【0023】
本発明において使用するコルクは、主としてポルトガルに産するコルク樫の樹皮の部分を砕いて粉末〜粒状にしたもので、一般的にはこれを種々の形に加工して壜栓やコースター、インテリア、掲示板等のボード、着火剤等に使用されている。原料となるコルクにはその粒度や上記の加工メーカーから返品される成形カス再生品の混入率によって種々のグレードがある。本発明においてはこれらのどのグレードも使用することができるが、余り大きすぎるものよりも粒径が1mm程度以下に砕いたものの方が使い易い。
【0024】
これら本発明に使用する粒剤に水面浮遊性を付与する物質は、どのグレードのものも使用できるが、本発明は、これらの物質が水に浮く性質を利用し、農薬粒剤を水面で拡展させ、有効成分を水田中に均一に処理することを目的とするものであるから、少なくとも、粒剤が水面を拡展し、広い範囲に広がるまでの間は水面に浮いている必要がある。従って、未発泡部分や破砕された区分、或いは重いコルク樹皮の部分が多く、水中で浮遊しないような成分を多く含有するものを用いると、造粒キャリヤーが浮きにくくなり、配合量を多くしなければならなくなるので好ましくない。また、余り粒度が粗いと造粒時にバルーンが壊れたり、造粒出来なかったりするので、粗すぎるものは使いにくく、通常は粒径が1mm以下、好ましくは0、5mm以下の細かいものが良い。これらを粉砕すると粒は浮きにくくなるので、粉砕することは避けねばならない。
【0025】
発泡パーライト、発泡シラス及びコルクの配合量は、造粒キャリャー及び農薬粒剤が水中で浮遊する量であれば十分である。発泡パーライト、発泡シラスの場合、これらの種類やグレード、有効成分の種類やその他の助剤の種類、配合量等処方によっても異なるが、本発明の目的とする浮遊性を農薬粒剤に付与するためには、造粒キャリャー中に通常15%以上必要であり、好ましくは30〜90%配合する。コルクの場合はこれらに比べると少ない量で浮かすことができるが、通常3%以上は必要であり、好ましくは5%以上配合する。これらを混合して造粒キャリャーを調製する場合には、上記を目安として農薬粒剤が水中で浮遊するように調製すれば良い。
【0026】
本発明に使用できる農薬有効成分は、殺虫剤や殺菌剤の場合、稲体に吸収されて移行する性質のあるものが望ましいが、浸透移行性がなくても、水中又は水面に生息する虫或は水中や水面から感染する菌には有効である。いずれの場合も、薬害の少ない化合物であることが必要である。除草剤の場合、その本来の性質や使用時期の点から、特に薬害のない化合物を選択することが望ましい。有効成分は、水溶性でも水に難溶性でも構わないが、融点が50℃以上で、粉末プレミックスに調製し得る化合物であることが必要である。有効成分が液状や低融点の化合物の場合、経時的に造粒キャリヤーに吸着され、水田に投入しても速やかに水中に遊離されなくなる。
【0027】
本発明の粒剤は、2種以上の有効成分を含有することも可能である。
【0028】
本発明に好適な有効成分は、殺虫剤では、モノクロトフォス、アセフェート、カルボフラン、チオシクラム、カルタップ、ベンスルタップ、カルバリル、ブプロフェジン、メトールカルブ、プロポクシュア、メソミル、イミダクロプリド、ニッテンピラム、N−(2−クロロ−5−ピリジルメチル)−N’−シアノ−N−メチルアセトアミジン(NI−25、アセタミプリド)等の浸透移行性殺虫剤及びイネミズゾウムシやイネドロオイムシのような水中又は水面近くに生息する害虫に有効な化合物を挙げることができる。殺菌剤では、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、0301の有効成分等のいもち剤、フルトラニル、メプロニル、MON−240、S−658(フラメトピル)、(RS)−2−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−プロパン−2−オール(F−155)等のもんがれ剤、テクロフタラム、ベノミル等を挙げることができる。除草剤では、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェン、ピリブチカルブ、ブロモブチド、メフェナセット、ベンスルフロンメチル、アニロホス、クロルニトロフェン、クロメトキシフェン、ダイムロン、ビフェノックス、ナプロアニリド、オキサジアゾン、ベンダゾン、ジチオピル、イマゾスルフロン、キノクラミン、MCPA及びそのナトリウム塩、カリウム塩等の塩及びエステル、2,4−D及びそのナトリウム、カリウム塩等の塩並びにエステル、MCPB、キンクロラック、ピラゾスルフロンエチル、3−N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−シクロペンチロキシフェニル)−5−イソプロピリデン−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン(KPP−314)、N−[2−(3−メトキシ)チエニルメチル]−N−クロロアセト−2,6−ジメチルアニリド(NSK−850、テニルクロール)、1−(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチルベンジル)ウレア(JC−940)、シノスルフロン、シメトリン、ジメタメトリン、2’,3’−ジクロロ−4−エトキシメトキシベンズアニライド(HW−52、エトベンザニド)、1−(ジエチルカルバモイル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)−1,2,4−トリアゾール(CH−900、カフェンストロール)、HOE−404、1H−ピラゾール−5−スルホンアミド、N−{[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]}−1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)(DPX47、アジムスルフロン)、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−3−メチル−5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−4−イソチアゾールスルホンアミド、2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチル−インダン−1,3−ジオン(MK243)等の水田除草剤を挙げることができる。植物成長調節剤ではイナベンフィド、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、トリアペンテノール等に適用できる。
【0029】
これらのうちでも特に好ましい有効成分は、水に対する溶解度が1ppm以上、更に好ましくは5ppm以上の溶解度を有する化合物である。これらの比較的溶け易い有効成分の場合には、前記した従来技術で得られる投げ込み製剤の施用では投下地点に高濃度の溶液を形成してしまい、その周辺の土壌に高濃度に吸着されて有効成分の偏在が生じ易いが、本発明の農薬製剤の場合、固形剤自体が水面で広く拡展しながら有効成分が溶出し、水中に溶解拡散した後、土壌表面に処理層を形成するため上記のような土壌中における有効成分の局在が極めて少なくなるという利点を有する。
【0030】
固体の有効成分は、粒度が粗いと粒核に十分被覆できず、水田の投入点に有効成分が濃厚に沈降する原因となる。有効成分は水田に投入後、早い内に田面水中に溶解拡散し、効力を発揮する必要がある。長期間にわたり有効成分が局在すると効力不足や薬害などの不都合を生じることは言うまでもない。従って、たとえ水に対する溶解度が高いものでも、ある程度微粉砕しておく必要がある。水に対する溶解度が低いものでは特に微粉砕が必要である。このため、ハンマーミル、ジェットミル等による乾式粉砕を行って粉末プレミックスとするか、サンドミル又はアトライター等による湿式粉砕を行ったのち、必要であれば、無晶形二酸化珪素、珪藻土、珪酸カルシウムのような適当な粉末キャリヤーを加えて乾燥粉砕し、粉末プレミックスとする。粉末プレミックス中の有効成分の含量は、可能な限り高い方がよい。含量が低いと、造粒キャリヤーに被覆する粉末プレミックスの量が多くなりすぎて、粒剤が浮かなくなったり、低含量の粒剤しか作れないために、単位面積当たりの薬量が増えたりすることになる。
【0031】
本発明の水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性の造粒キャリヤーを調製するには、発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる、粒に浮遊性を付与する物質の1種以上に、必要であれば、結合剤、増量剤、造粒性向上剤、安定剤等を加えて、湿式造粒し、乾燥整粒する。
【0032】
これら粒に浮遊性を付与する物質は、ハンマーミルのような粉砕機にかけると、粒が浮きにくくなるので、これらを粉砕することは避けねばならない。
【0033】
粒剤の崩壊性の程度は、結合剤の種類に依存するために、適当な結合剤を選択することが必要である。結合剤には比較的高分子量のデキストリンやα化でんぷん、βーでんぷん、その他種々のでんぷん誘導体、タブ粉、比較的高分子量或いは鹸化率の高いポリビニルアルコールや比較的高分子量のポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースの塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子物質をあげることが出来る。
【0034】
これらの内で、でんぷんを原料とするものは比較的安価で使い易い。
【0035】
冷水に溶けないものでも熱水に溶けるものであれば、加温した練合水に溶かして糊状として用いることが出来る。
【0036】
結合剤の配合量は、処方構成や造粒方法、粒の大きさ等によって異なるが、通常、造粒キャリヤー中に0.1〜30%程度、好適には0.5〜10%程度である。
【0037】
増量剤は、浮遊性付与物質のみでは造粒性が悪い、得られる粒が軽すぎて取扱いにくい、経済性が悪いといった場合に配合する。増量剤には、一般に農薬のキャリヤーとして用いられるベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、無晶形二酸化珪素、クレー等の他に、でんぷん、木粉、オガクズ、コーヒー豆粉末、タブ粉、セルロース粉末、微結晶セルロース、籾殻粉末、米ぬか、ふすま、ヤシ殻粉末等の植物質粉末を用いることが出来る。これらの中で、特に、植物質粉末は比較的安いものが多く、それ自身が比較的軽いので、浮遊性付与物質の配合量を減らすことが出来るという利点がある。また、ベントナイトは、それ自身が可塑性を有し、造粒性向上剤及び結合剤としての役目を兼ねるので有利である。炭酸カルシウムは、有効成分の安定性に悪影響を与えない場合が多く、使い易い。
【0038】
これら増量剤の配合量は、通常、造粒キャリヤー中に0〜80%程度である。
【0039】
造粒性向上剤は、農薬粒剤の造粒性向上剤として一般的に用いられる各種の界面活性剤や、組成物に可塑性を付与するような粘性を有するものが有用である。ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテルのようなノニオン界面活性剤、ジアルキルスルホサクシネートのナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩等のアニオン界面活性剤の他に、ベントナイトやタブ粉は安価で増量剤としても用いることが出来るので有用である。
【0040】
造粒キャリヤー中に配合する造粒性向上剤の配合量は、用いるものによって異なるが、界面活性剤の場合、通常0.02〜3%程度、ベントナイトやタブ粉の場合で、1〜50%程度である。
【0041】
安定剤は、有効成分が不安定な場合に、必要に応じて配合する。例えば、pH調節剤、酸化防止剤、光安定剤、乾燥剤等を挙げることができる。
【0042】
これら安定剤の配合量は、造粒キャリヤー中に、通常0.001%〜5%程度である。
【0043】
これらの原料は、必要であれば粉砕した後、適当な造粒機を用いて湿式で造粒し、乾燥・整粒して水に浮く造粒キャリヤーを得る。
【0044】
造粒は、横押しまたはバスケットタイプの押し出し造粒機、混合造粒機、流動層造粒機、転動造粒機、噴霧乾燥機等の造粒機を用いることが出来る。発泡シラスや発泡パーライトは、強く加圧すると、バルーンが潰れ浮力が低下する。また、コルクも強く加圧すると浮力が低下するので、バスケット型押し出し造粒機や流動層造粒機のような強い圧力やせん断力がかからない造粒機を用いるのが好ましい。
【0045】
造粒キャリヤーの粒度は、細かすぎると、振込処理の場合に、風の影響を受け易くなるうえ、投げ込み処理の場合には、袋の中で粒が塊状となり、十分な拡展を示さなくなる。逆に、大きすぎると、粒の乾燥が難しくなり、有効成分を多く被覆することが難しくなる。更に、粒剤は水面で風の影響を受け易くなる。従って、0.710〜4.760mm程度、好ましくは1〜3mm程度のものが望ましい。粒の形状は、円柱状でも、球状でも、不定形でもかまわない。
【0046】
かくして得られた造粒キャリヤーには、先述した農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、本発明の粒剤とする。
【0047】
水面浮遊性の造粒キャリヤーの表面に有効成分及びその他の助剤を被覆する際には、適当な液体又は液状化できる結合剤を用いて水面浮遊性の造粒キャリヤーの表面に被覆するのが良い。このような結合剤は被覆後、蒸発させても良いが、揮散しにくい油状(又は液状化した)結合剤を用いて被覆し、製品中にこれら結合剤を残せば、乾燥工程を省略できるので、有利な方法となる。この場合、結合剤には有効成分に粒子成長、分解等の悪影響を与えず、水面浮遊性の粒核の表面に有効成分を均一に被覆できる性質を有するものが好ましい。一般には、高沸点、低毒性で引火性が低く、低粘度で、比重が1より小さく、有効成分に対して溶解力の低い溶媒が良い。このような油状結合剤の例としては、低粘度の流動パラフィン、塩素化パラフィン、イソパラフィン、マシン油、ポリブテン、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の各種高沸点溶媒等の鉱物油、ヤシ油、大豆油、ナタネ油等の植物油、鯨油、鰯油等の動物油、シリコーンオイル及びその誘導体、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、マレイン酸、フマール酸、フタール酸、アジピン酸等のモノ−又はジ−カルボン酸の種々のエステル、トリブチルホスフェートやトリスクロルエチルホスフェート等のリン酸の種々のエステル等の可塑剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のグリコール類及びそれらの種々のエステル及び/又はエーテル類、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、N−メチルピロリドン、種々の液状界面活性剤等を挙げることができ、中でも流動パラフィン、マシン油、ポリブテン、カルボン酸エステル等は比較的安価で有効成分に悪影響を与えないものが多く、それら自身も安定で、かつ揮散性の低いものが多いので好適である。
【0048】
もちろん、これら油状の結合剤は、2種以上を混ぜ合わせて混合使用することができる。これらのうちで、界面活性剤の中には種類と配合量によって、アセチレン系水面拡展剤の水面拡展性を阻害したり、逆に、アセチレン系水面拡展剤によってそれ自身のもつ水面拡展性や湿潤性、分散性等の特性を阻害されたりする場合があるので注意を要する。又、親水性の高い油状物質を用いる場合には、得られる農薬固形剤を水中に投入した場合に、沈み易くなるので、農薬有効成分によっては注意を要する。
【0049】
この目的で用いる油状結合剤の配合量は、水面浮遊性粒核の種類や組成、油状結合剤の種類、有効成分の種類や物理性、その他の補助剤の種類や配合量等、処方によって異なるが、通常、3〜50%程度、好ましくは10〜40%程度である。
【0050】
造粒キャリヤーに有効成分のプレミックスを被覆するには、まず、造粒キャリヤーを、例えばリボンブレンダー、ナウタミキサー、V型混合機、ドラムミキサー等の混合機に仕込み、混合しながら油状結合剤を加え、造粒キャリヤーの表面を油状結合剤で濡らし、次いで有効成分のプレミックスを加えて混合し、被覆する方法が最も簡便である。被覆量が多い場合には、一度に被覆しょうとすると、プレミックスの団粒が生じ易いので、油状結合剤及び有効成分のプレミックスをいくつかに分割し、上記操作を繰り返すことにより団粒の生成を少なくすることが出来る。
【0051】
有効成分の被覆量は多すぎると造粒キャリヤーの浮力よりもこれら被覆物の重力の方が大きくなり、粒剤を浮かせられなくなる。造粒キャリヤーの処方や、有効成分プレミックスの処方、結合剤の種類や配合量等によって、被覆できるプレミックスの量は異なるが、これらをうまく選択すれば、30%程度のプレミックスを被覆することは十分可能である。
【0052】
本発明の水面浮遊拡展性非崩壊粒剤には、更に水面拡展剤を配合する。水面拡展剤としては、アクリル酸、マレイン酸等カルボン酸の共重合物やそれらにスチレンスルホン酸、ビニル基等を共重合させたもののナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のようなポリカルボン酸型のポリソープ、ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のようなポリスルホン酸型のポリソープ、オレイン酸ナトリウムやステアリン酸カリウムのような石鹸類、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のようなアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンのアルキルエステル等のノニオン界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、プルロニックタイプの界面活性剤等の種々のノニオン界面活性剤、さらには、これらノニオン界面活性剤をリン酸又は硫酸のエステルとし、場合によってはそれらを適当なアルカリで中和した界面活性剤、フッ素を含有する界面活性剤、各種のカチオン又は両性イオン性界面活性剤、流動パラフィンやナフテン系高沸点溶媒、低粘度のポリブテン、シリコーンオイル、マシン油等の鉱物油類、種々の動植物油、松脂等種々の樹脂類、樟脳白油、αピネン、樟脳、ナフタレン等が使用できるが、これらの内アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が特に有用である。
【0053】
アセチレン系界面活性剤にはアセチレンアルコール、アセチレンジオール、及びこれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤を包含する。
【0054】
アセチレンアルコールは、HOCR12 −C≡CH(R1 、R2 はそれぞれ炭素数が1〜8のアルキル基を示す)で表される一連の化合物で、R1 がメチル基、R2 がイソブチル基のものがサーフィノール61、R1 及びR2 がメチル基のものがオルフィンB、R1 がメチル基、R2 がエチル基のものがオルフィンPの商品名で市販されている。
【0055】
アセチレンジオールは、HOCR12 −C≡C−CR12 OH(R1 及びR2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数が1〜8のアルキル基を示す)で表される一連の化合物で、R1 がメチル基、R2 がエチル基のものがサーフィノール82、R1 がメチル基、R2 がイソブチル基のものがサーフィノール104、R1 及びR2 がメチル基のものがオルフィンYの商品名で市販されている。
【0056】
又、これらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤は、例えば、上記アセチレンアルコール、アセチレンジオールにエチレンオキサイド又は/及びプロピレンオキサイド等を付加した界面活性剤である。アルキレンオキサイドを付加したものとしては、サーフィノール104にエチレンオキサイドを付加したものがサーフィノール400シリーズの商品名で市販されている。又、サーフィノール104Sは、サーフィノール104(ワックス状)と無晶形二酸化ケイ素を40:60の比率で混合粉砕した、粉末状のプレミックスである。これらは、それぞれエアプロダクツ社が製造し、我が国では日信化学(株)が販売している。
【0057】
シリコーン系界面活性剤は、ジメチルポリシロキサンの末端及び(または)側鎖のメチル基の一部に、ポリエチレンオキサイド及び(または)ポリプロピレンオキサイドを導入し、場合によっては、末端のOH基をアルキル基でエーテル化した、ポリエーテル変性シリコーンオイルを主成分とするノニオン界面活性剤で、シルガードシリーズ(ダウコーニングシリコーン(株)製)、シルウェットシリーズ(ユニカー(株)製)、シリコーンオイルKFシリーズ(信越化学(株)製)、カイネチック(ヘレナケミカル(株)製)等の商品名で市販されている。
【0058】
フッ素系界面活性剤は通常のアニオン、ノニオン、カチオン、両性イオン系界面活性剤の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換した界面活性剤で、表面張力低下力に優れることで知られている。わが国では、ユニダインシリーズ(ダイキン工業(株)製)、メガファックシリーズ(大日本インキ化学工業(株)製)フタージェントシリーズ((株)ネオス製)、サーフロンシリーズ(旭硝子(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ(株)製)等の商品名で販売されている。
【0059】
これら水面拡展剤は、造粒キャリヤーの造粒工程、有効成分プレミックスの粉砕工程、有効成分プレミックスの被覆工程、有効成分プレミックスを被覆した後の工程の任意の工程で添加することが出来る。
【0060】
水面拡展剤は、固体のものでも液体のものでもかまわない。
【0061】
また、その添加方法は、水面拡展剤を単独で添加しても良いし、必要であれば、例えば、無晶形二酸化珪素のような他の適当な粉砕助剤とともに粉砕しても良い。また、場合によっては、造粒キャリヤーの造粒時に、練合水に溶解して添加しても良い。疎水性の無晶形二酸化珪素を粒剤中に少量配合しておくと、粒剤を浮かせ易くなるので有利である。
【0062】
これら水面拡展剤の配合量は、有効成分の種類と含有量、水面拡展剤の種類、その他成分の種類と配合量等製剤処方や剤型によって異なるが、通常0.1〜10%程度、好ましくは0.3〜5%程度、更に好ましくは0.5〜3%程度である。
【0063】
かくして得られる本発明の水面浮遊拡展性農薬粒剤は、田面水上に浮遊し、短時間の内に広範囲に拡展したのちは、有効成分を出来るだけ早く水中に遊離する必要がある。このため以下の方法で測定した場合において、
(1)有効成分遊離率が、1分後20%以下、2時間後80%以上であること、
(2)拡展距離が、4m以上であること、
の両方を満足することが望ましい。また、有効成分を遊離したのちは、造粒キャリヤー自体が沈降する方が商品イメージの点で望ましい。
【0064】
(有効成分遊離率の測定法)
容量1Lのガラス製のビーカーに、水温25℃の精製水500mlを入れる。25℃の恒温下に静置し、開口径0.5mmの網を張った直径7.5cmのふるいを、網が水中に沈み、ふるい枠が水面にでるように水平に設置する。本発明の水面浮遊拡展性粒剤1gをふるい枠の中に投入する。粒剤投入1分後に、ふるいを持ち上げて取り出し、粒剤を取り除き、残りの水を均一に混合し、水中に遊離した有効成分の量を分析する。投入した粒剤の含量から投下薬量を求め、水中に遊離した薬量の遊離率(%)を求める。別に、全く同様に操作してふるいを設置し、粒剤投入2時間後の有効成分遊離率を求める。
【0065】
(水中投入3分後における水面での拡展距離の測定法)
無風の室内に幅90cm、長さ7m、深さ10cmの枠を発泡スチロールで作成し、水平に設置した。内面に黒色のビニールシートを張り、水を入れて水深5cmに調整した。端から50cmの位置に粒剤2gを投入し、3分後に粒剤の先端が移動した距離を測定した。水が汚れると拡展距離が大きく異なるので、1試験毎に水とビニールシートを取り替える。
【0066】
かくして得られた本発明の農薬粒剤は、適当な振込口を付けた箱、瓶、袋等から直接水田中に振込処理するか、水溶紙に分包として畦畔等から投げ込み処理する。本発明の農薬製剤は、拡展しながら有効成分を遊離するから、一般的な粒剤のように水田に入って均一散布しなくても畦畔等から水田中に適宜処理すれば十分な生物効果をあげることが出来る。
【0067】
箱、瓶、袋等を用いて直接水田中に振り込み処理する場合の包装形態は、紙、合成樹脂、ガラス、金属等の箱、瓶または袋に適当な振込口を付けたものが便利である。振込口は、樹脂製のキャップに数mm〜数cm程度の穴を開けたような簡単なもので十分であり、商品形態としてこのような容器に本発明の粒剤を直接封入しても良いし、通常の包装形態で製品としたものを振込口の付いた専用の容器に移し変えて処理しても良い。包装材質は紙のものであれば使用後直ちに焼却処分が出来るので有利である。
【0068】
投げ込み処理の場合は、本発明の製剤を適当な水溶紙に分包とする。水溶紙とは、水の中で溶解または分散するような性質を有するフィルムまたはシートを意味する。水溶紙は例えばポリビニルアルコールまたはその誘導体よりなるもの、プルランフィルムよりなるもの、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とセルロースよりなるもの、ポリエチレンオキサイド及びその誘導体よりなるもの等を挙げることが出来る。
【0069】
本発明の水面で浮遊拡展性を有するように調製した農薬粒剤は、拡展性を有しない水溶紙に分包とした場合、水溶紙が農薬粒剤の拡展を阻害してしまうことがある。この間に水面拡展剤が水に溶け出してしまい拡展力を失うため、分包とせずに水面に処理した状態から期待するほどの水面拡展性は見られなくなる。このため有効成分は投下点近傍の狭い範囲に局在してしまい、好ましい結果を得ることはできない。従って、本発明においては拡展性水溶紙を用いるのが望ましい。
【0070】
拡展性水溶紙とは、それ自体水中で容易に分散又は溶解し、当該農薬粒剤を水面に拡展させる性質を有するフィルム又はシ−トである。このような拡展性水溶紙としては、例えば、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体よりなるフィルム(以下、PVAフィルムと略す)を挙げることができる。
【0071】
PVAフィルムは重合度1000〜2000程度、ケン化度85〜95%程度のポリビニルアルコールを少量の可塑剤、安定剤等と共にフィルム化したもので、重合体の中に少量のカルボン酸等の共重合物を含有するフィルムをも包含する。フィルムは機械強度、耐寒強度が大きく水溶性であることが必要であり、その意味で原料となるポリビニルアルコールの重合度が高すぎたり、ケン化度が高すぎたりすると冷水に溶けにくくなるので好ましくない。フィルムの厚さは25〜70μm程度のものが使用できるが、フィルム強度、溶解時間の点で30〜50μm程度のものが好ましい。
【0072】
水溶紙の端部は糊で封じてもよいが、作業性に問題があるうえ、糊付けした部分が溶解しにくくなることが多い。この点でヒートシールできるものが好都合である。
【0073】
分包にする場合の1包みの重量は約30〜150gが投げ込み易い。この程度の重さであれば、子供、女性、高齢者でも容易に15m以内の目標とした地点に投げ込むことが可能である。これ以上重いと、投げ込むのが苦痛となり、広い面積を処理するのは容易ではない。また、これ以下では風の影響を受けて目標とした地点に到達し得ない。
【0074】
本発明の農薬粒剤は、水面浮遊性農薬粒剤中に水面展開剤を配合し、これを拡展性水溶紙に分包とするので、水面で広範囲に拡展し有効成分の拡散も広範囲に達するから、通常の水田では無理に遠くまで投げ入れる必要はなく、畦畔から2〜3m先の水面に落とす程度で十分である。
【0075】
水田に投げ込む分包の個数は多過ぎると投げ込むのが面倒となり省力にならないし経済的にも不利である。また、少くな過ぎると農薬粒剤の拡展が不十分となる。一般的には10a当たり数個から数十個程度、好ましくは5個から20個程度である。
【0076】
かくして得られた本発明の農薬粒剤は、水面に拡展した後は、速やかに有効成分が水中に分散・溶解し、順次溶解拡散しなければならない。粒剤が沈降するようだと沈降した地点に有効成分の偏析が生じる。また、粒剤より有効成分が分散せず長時間水面に漂っていると風による吹寄せがおこる。
【0077】
従って、本発明の農薬粒剤は、先述したような有効成分の遊離率と拡展距離とを有することが望ましい。
【0078】
得られた粒剤を振込処理する場合には、紙、樹脂、またはこれらにアルミ箔を貼り合わせたりアルミやシリカを蒸着したもの、ガラス、金属、木等よりなる袋や箱、瓶に包装する。これらの容器に、適当な振込口を付しておき、畦畔等からそのまま振込処理できるようにしておけば便利である。
【0079】
分包を投げ込み処理する場合は、紙、樹脂、またはこれらにアルミ箔を貼り合わせたりアルミやシリカを蒸着したもの、金属、木等よりなる袋や箱に外装する。
【0080】
本発明の粒剤は、物理性の点では、吸湿に対して経時的に安定である。従って、発泡製剤ほど吸湿に対して注意を払う必要はないが、水溶紙は水がかかると破れるので、適当な防水加工を施した外装を用いるべきである。
【0081】
【実施例】
(参考例1〜5)造粒キャリヤーの例
表1に示す処方の混合物各1kgをニーダーに仕込み、ニューコール291PG(日本乳化剤(株)製、ジエチルヘキシルスルホサクシネートのナトリウム塩を主成分とする界面活性剤)0.2%液の表1に示す量で練合し、バスケット型造粒機L−5型(菊水制作所(株)製)を用いて、押し出し粒径1.2または1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度100℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.710mmのふるいで微粒部分を除去した。
【0082】
(参考例6〜10)造粒キャリヤーの例
表1に示す参考例1〜5と同一の処方により、スパルタンリューザー(混合型造粒機、不二パウダル(株)製)を用いて造粒し、流動層乾燥機を用いて乾燥温度100℃で乾燥し、造粒物を開口径4.760mm及び0.710mmのふるいを用いてふるい分け、4.760〜0.710mmの粒度区分を得た。
【0083】
(実施例1〜10)粒剤例
ピロキロン原体24部、タルク(局方)3部、カープレックス#80(塩野義製薬(株)製、無晶形二酸化珪素)1部を混合し、ハンマーミルにより粉砕してピロキロン85%を含有するプレミックスを得た。参考例1〜10の造粒キャリヤー73.4部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルC(日本石油(株)製、粗製流動パラフィン)10.0部を加えて粒の表面を湿らせ、上記プレミックス14.1部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。次いで、サーフィノール104Sの2.5部を加えて混合・被覆し、ピロキロン12%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤の物理性を表2に示した。
【0084】
(実施例11)粒剤例
F−155原体85.0部、カープレックス#100(塩野義製薬(株)製、無晶形二酸化珪素)11.5部、ネオペレックスNo.6F(花王(株)製、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩を主成分とする界面活性剤)1.5部、ゴーセノールGL05(ポリビニルアルコール粉末、日本合成化学工業(株)製)の2.0部を混合し、ジェットオーマイザー0101型(セイシン企業(株)製、ジェットミル)により粉砕し、F−155を85%含有するプレミックスを得た。参考例4の造粒キャリヤー73.4部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルCの10.0部を加えて粒の表面をしめらせ、上記プレミックス14.1部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。次いで、サーフィノール104Sの2.5部を加えて混合・被覆し、F−155を12%含有する粒剤を得た。
【0085】
(実施例12)粒剤例
チオシクラム原体(85.3%)87.92部、アエロジールR972(疎水性合成シリカ、日本アエロジル(株)製)5.00部、カープレックス#100の2.08部、粉末生石灰5.00部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、チオシクラムを75%含有するプレミックスを得た。参考例1で得た造粒キャリヤー49.0部をナウタミキサーに仕込み、マレイン酸nーブチル(試薬1級)27.6部を加えて混合し、粒の表面を湿らせた。次いで、チオシクラムのプレミックス21.9部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。更にサーフィノール104Sの1.5部を加えて混合し、粒の表面に被覆してチオシクラム16.4%を含有する粒剤を得た。
【0086】
(実施例13)粒剤例
ベンタゾン原体85部、カープレックス#80の3部、エマルスター#30(澱粉系乳化分散剤、松谷化学(株)製)12部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、ベンタゾンを85%含有するプレミックスを得た。参考例2の造粒キャリヤー55.3部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルC15.0部を加えて混合し、粒の表面を湿らせた。次いでベンタゾンプレミックス28.2部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。更に、サーフィノール104Sの1.5部を加えて混合し、粒の表面に被覆してベンタゾン24.0%を含有する粒剤を得た。
【0087】
(実施例14)粒剤例
メフェナセット原体56.0部、ダイムロン原体24.0部、ロンダックス原体2.68部、エマルスター#30A(澱粉系乳化分散剤、松谷化学(株)製)の10.0部,ネオペレックスNo.6Fの1.32部、サーフィノール420の6.0部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、原体の混合プレミックスを得た。参考例2の造粒キャリヤー58.0部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルCの15.0部を加えて混合し、粒の表面を湿らせた。次いで原体プレミックス25.0部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。更に、サーフィノール104Sの2.0部を加えて混合し、粒の表面に被覆してメフェナセット14.0%、ダイムロン6.0%、ベンスルフロンメチル0.67%を含有する粒剤を得た。
【0088】
(実施例15)粒剤例
ピリブチカルブ原体48.0部、ダイムロン原体36.0部、ロンダックス原体4.0部、ネオペレックスNo.6Fの1.2部、バニレックスN(リグニンスルホン酸のナトリウム塩、日本製紙(株)製)の5.8部、サーフィノール104Sの5.0部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、原体の混合プレミックスを得た。参考例1の造粒キャリヤー58.0部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルCの15.0部を加えて混合し、粒の表面を湿らせた。次いで原体プレミックス25.0部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。更に、サーフィノール104Sの2.0部を加えて混合し、粒の表面に被覆して、ピリブチカルブ12.0%、ダイムロン9.0%、ベンスルフロンメチル1.0%を含有する粒剤を得た。
【0089】
(実施例16)粒剤例
メガファック110の1部とカープレックス#80の4部を混合し、ハンマーミルで粉砕してメガファック110の20%プレミックスを得た。参考例1の造粒キャリヤー73.4部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルCの10.0部を加えて混合し、粒の表面を湿らせ、実施例1のピロキロンプレミックス14.1部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。次いで、メガファック110のプレミックス2.5部を加えて混合・被覆し、ピロキロン12.0%を含有する粒剤を得た。
【0090】
(実施例17)粒剤例
シリコーンオイルKF6017の2部とカープレックス#100の3部を混合し、ハンマーミルで粉砕して、シリコーンオイルKF6017の40%プレミックスを得た。実施例16と同様にして、シリコーンオイルKF6017のプレミックスを被覆したピロキロンの12%粒剤を得た。
実施例11〜17で得られた粒剤の物理性を表3に示した。
【0091】
(試験例1)
実施例で得られた粒剤の各50gを、ハイセロンC200(ポリビニルアルコールフィルム、厚さ40μm、日合フィルム(株)製)に分包とした。1区画を10x10mに畦シートで区切った水田の中央に、直径が約10cmになるように6本の箸を立てて袋が動かないようにし、その中に得られた粒剤の分包を落とした。分包が破袋し、内部の粒剤が水面に拡展したのち、風下の吹き寄せ部に棒を立てた。処理4日目に、投下点、吹き寄せ部、吹き寄せの反対側の3地点から、直径10cm、深さ10cmの土壌を採取し、凍結させた。凍結した土壌を取り出し、表層から1cmの層を輪切りにし、土壌中に存在する各成分を分析して、投下点及び吹き寄せ部に存在する有効成分量の、吹き寄せの反対側地点の量に対する倍率を求めた。結果を表4に示した。
【0092】
表に示したように、実施例のサンプルは、いずれも投下点及び吹き寄せ部に存在する有効成分量の、吹き寄せの反対側地点の量に対する比率が、約2倍以下であった。
【0093】
(試験例2)
実施例1の粒剤を、振出口を付した箱に入れ、1kg/10aの割合で畦畔から約3mの範囲に振込処理したところ、粒剤は水面を広範囲に拡展した。いもち病に対する効果を、コラトップ粒剤5(ピロキロン5%を含有する粒剤、三共(株)製)の4kg/10a均一散布区と比較したところ、同等の効果が得られ、薬害も見られなかった。粒は翌日には全量沈降した。
【0094】
(試験例3)
実施例12の粒剤を、振出口を付した箱に入れ、1kg/10aの割合で、畦畔から約3mの範囲に振込処理したところ、粒剤は水面を広範囲に拡展した。コブノメイガに対する効果を、パダン粒剤(カルタップ4%を含有する粒剤、武田薬品工業(株)製)の4kg/10a均一散布区と比較したところ、同等の効果が得られ、薬害も見られなかった。粒は翌日には全量沈降した。
【0095】
(試験例4)
実施例14の粒剤を、振出口を付した箱に入れ、0.75kg/10aの割合で、畦畔から約3mの範囲に振込処理したところ、粒剤は水面を広範囲に拡展した。除草効果を、ザークD粒剤(ベンスルフロンメチル0.17%、メフェナセット3.5%及びダイムロン1.5%を含有する粒剤、三共(株)製)の3kg/10a均一散布区と比較したところ、同等の効果が得られ、薬害も見られなかった。粒は翌日には全量沈降した。
【0096】
(試験例5)
実施例15の粒剤を、振出口を付した箱に入れ、0.5kg/10aの割合で、畦畔から約3mの範囲に振込処理したところ、粒剤は水面を広範囲に拡展した。除草効果を、カルショットフロアブル(ベンスルフロンメチル1%及びピリブチカルブ12%を含有する懸濁濃縮製剤、三共(株)製)の均一散布区と比較したところ、同等の効果が得られ、薬害も見られなかった。粒は翌日には全量沈降した。
【0097】
【表1】
Figure 0003778968
【0098】
【表2】
Figure 0003778968
【0099】
【表3】
Figure 0003778968
【0100】
【表4】
Figure 0003778968
【0101】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は手軽に処理でき、散布者や環境に危害を与えない農薬製剤を提供するものであり、安全性と省力化が求められている農業及び農薬業界の発展に寄与するところが大きい。

Claims (7)

  1. 発泡パーライト、発泡シラス、コルクより選ばれる物質の1種以上に、結合剤を加えて造粒し、水面浮遊性で、且つ水中で非崩壊性とした造粒キャリヤーに、融点が50℃以上の農薬有効成分の粉末プレミックスを被覆し、更に水面拡展剤を配合した水面浮遊拡展性農薬粒剤。
  2. 水中投入1分後の有効成分遊離率が20%以下であり、水中投入2時間後の有効成分遊離率が80%以上である請求項1に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤。
  3. チオシクラム、カルタップ、ベンタゾン、ピロキロン、イミダクロプリド、ニッテンピラム、プロベナゾール、トリシクラゾール、イソプロチオラン、フルトラニル、メプロニル、アセフェート、メフェナセット、ベンスルフロンメチル、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、CH−900、HOE404、DPX−47より選ばれる1種以上の農薬有効成分を含有する請求項1または2に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤。
  4. 水中投入3分後の拡展距離が4m以上である請求項1乃至3に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤。
  5. 水面拡展剤としてアセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求の範囲1乃至4のいずれかに記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤
  6. 請求項4または5に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤を、振込口を付した箱、瓶、袋等に包装した水田振込用農薬製剤。
  7. 請求項4または5に記載の水面浮遊拡展性農薬粒剤を、水溶紙に分包とすることを特徴とする水田投げ込み用農薬製剤。
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