JP3781457B2 - 水面での崩壊分散性を調節した水面浮遊性農薬粒剤及びそのキャリヤー - Google Patents
水面での崩壊分散性を調節した水面浮遊性農薬粒剤及びそのキャリヤー Download PDFInfo
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Description
【発明の目的】
本発明の目的は手軽に処理でき、散布者や環境に危害を与えない農薬製剤を提供することにある。
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は、水面での崩壊分散性を調節した水面浮遊性の農薬用造粒キャリヤー、及び水面浮遊性農薬粒剤、並びにその農薬粒剤を用いた水田振込用農薬製剤及び水田投げ込み用農薬製剤に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、水田用農薬はその使用の便のために、種々の剤型、例えば、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等に製剤され、水面又は稲体に散布されている。
【0004】
しかし、粉剤や水和剤は、粉立ちによる使用者や生産者の健康上の問題や環境汚染の問題があり、乳剤の場合は、有機溶媒の毒性の問題や火災の危険がある。粒剤はこういった欠点は少ないが、物流や経済性の面で不利であるばかりでなく、活性成分によっては十分な防除効果が得られない場合も多い。
【0005】
これらのことから、最近、フロアブル(以下FLと略す)やドライフロアブル(以下DFと略す)といわれる新しい剤型が開発されてきた。これらは水に希釈して、水溶液、懸濁液又は乳化液として使用される。これらFLやDFといわれる剤型は、粉立ちがなく流動性があるという点で水和剤の上記欠点を解決した剤型といえるが、従来の剤型を含めて、これらの製剤を散布するためには、まずそれを水に溶解又は分散させねばならず、その後多くの場合、散布器具が必要であり、又、散布に際し水田に入ることが必要となる。特に小規模な兼業農家にとって、溶解又は分散させる容器と散布器具を準備し、水田に入って散布することは、経済的負担や安全面の不安ばかりでなく、労力的にも時間的にも負担は大きい。特に、高齢者と女性に依存することの大きい最近の農家にとっては、このような負担は耐え難いものとなっている。
【0006】
このため、最近、散布に特殊な器具を必要とせず、手軽に散布できる方法として、除草剤のFLをプラボトルに入れ、これをキャップ部に開けた小孔から水田中に振り込む方法が開発された。この方法によれば、散布に特殊な器具を必要とせず、手軽に散布できる利点があるが、散布に際しては依然として水田に入る必要があり労力を要することや、散布方法や風向きによっては薬液の飛沫が作業者にかかる等の欠点があるため、必ずしも従来法の欠点を完全に除去し得たとは言い難い。また、使用済みの空き瓶の処理も安全面や環境上の問題を引き起こす可能性がある。
【0007】
また、水面浮遊性粒剤としては、(1)水浮遊性の担体を用いて浮遊させるもの(特公昭48−15613号公報、特公昭47−1240号公報)、(2)特定の吸水能を有する軽石や蛭石を担体とするもの(特公昭44−8600号公報)、(3)揮散性殺虫化合物を用いた粒剤(特公昭49−11421号公報)、(4)カーバメート系農薬活性成分と、その水に対する分配系数が102 以上の有機化合物を固体担体に保持させたもの(特開平2−174702号公報)、(5)固体担体と、殺菌剤、除草剤又は植物成長調節性の有効成分と、油とからなる組成物(特開平3−193705号公報)等の技術が開示されている。しかしながら、これらは散布法の点においては従来の粒剤と何ら代わることなく、散布労力の軽減にはなり得なかった。
【0008】
さらに、最近、有効成分に界面活性剤及び発泡剤を加えた水田用除草剤(特開平3−128301号公報)や、有効成分、界面活性剤、及び結合剤を含有する水田除草用錠剤又はカプセル(特開平3−173802号公報)に関する技術が開示された。これらの製剤を処理するに当たっては、散布者の安全や環境保護の面から、ポリビニルアルコールのフィルムのような水溶紙にこれらの製剤を包み、これを水田中に投げ込むのが有力な方法となる(特開平4−226901号公報)。
【0009】
このような水田投げ込み製剤は、簡単に水田農薬の処理ができるという利点はあるものの、従来の粒剤や粉剤のように均一散布をしないうえ、これら固形製剤を水中に投じると、製剤は土壌表面に沈降し、ここで発泡して有効成分を田面水中に分散させることになるため、溶けきらない原体粒子は投下地点の周辺に沈降し、また、溶解した有効成分も投下地点近傍の土壌表面近くで高濃度の溶液を形成するため、土壌に吸着され易い。このため、有効成分の水溶解度がかなり高い化合物であっても製剤投下点付近の土壌に有効成分が高濃度に吸着され、圃場条件、気象条件等によっては有効成分の不均一による薬害や効力のムラ、また場合によっては後作物への影響といった欠陥が生じ易いという欠点があった。このような有効成分の偏在をできるだけ解消するために、投げ込み製剤には通常発泡剤を配合し、固形剤をできるだけ早く崩壊分散させるようにするとともに、発泡力によって有効成分を拡散させるように工夫がされていることが多い。この際、発泡剤には、有機酸と炭酸塩を配合し、水の存在下で両者が反応して炭酸ガスが生成するメカニズムを利用するが、一方で発泡剤を含有する製剤は保存中に製剤中の成分によって両者が反応してしまうという欠点を有しており、包装が膨張したり、使用時に発泡が弱くなったりといったトラブルが生じることが多い。特に、投げ込み製剤は、水温の低い水田でも発泡力によって有効成分を水中に分散させて、できるだけ早く溶解拡散させ、土壌表面に均一な処理層を形成する必要があるため、発泡力の低下が生じると有効成分の拡散が不十分となり、上記のような欠陥の原因となる懸念があった。
【0010】
このため、最近、発泡剤を含有しない投げ込み製剤の技術が開発されてきた。例えば、特開平5−78207号公報には水溶性フィルムで包装した水面展開性農薬製剤包装体が開示されている。この技術は農薬有効成分を有機溶媒等に溶解し、水面展開性油状物質を得、これをそのまま、或いは個体状物質に保持させて水溶性フィルムに分包とするものであるが、油状物質をそのまま包装するには、有機溶媒の使用に伴う危険物の問題があり、個体状物質に保持させる場合には、その個体状物質が水溶性でないと、油状物質が完全に浮上することができず、投下点に残留するため、薬害や効力不足の原因となるし、個体状物質が水溶性の場合には、造粒時の機器腐食の問題や有効成分の安定性の問題等がある。
【0011】
また、特開平5−58804号公報、特開平5−78204号公報には、各、農薬活性成分、平均粒子径250μm以下のガラス中空体及び水溶性高分子からなり、1個当たり10〜100gの重量に成形した水面施用浮遊性農薬製剤、及び農薬活性成分、平均粒子径250μm以下の無機浮遊性物質及び高沸点溶剤を含有する粒子径600μm以下の固体状組成物の10〜100gを水溶性高分子フィルムに包装した水面施用浮遊性農薬製剤に関する技術が開示されている。しかし、前者は、成形方法に経済性の問題があり、後者には、製剤方法の問題や、有効成分の物理性によっては水面で十分な拡展性を示さなくなるという問題点がある。
【0012】
また、特開平5−155703号公報には、見かけ比重が1より小さい粒核に、農薬有効成分及び空気・水界面張力を変化させる物質を油状物質で被覆した農薬製剤が開示されている。この方法は、確かに経済性や製法の点で有利であるが、ある種の粒核では、特に液状原体の場合に、粒核に有効成分が吸着され、全量溶出しなかったり、嵩が大きくなりすぎて処理しにくかったり、有効成分の被覆が難しかったりといった問題点があった。これらのことは、生物効果や薬害、生産性、流通等に影響を与える重大な問題点となる。
【0013】
特公昭44−8600号公報には、粒状軽石又は蛭石からなる担体に主剤を吸着し、高級脂肪酸で被覆した浮遊性粒状殺虫剤組成物に関する技術が、特公昭47−1240号公報には、焼成パーライトにポリブテンにより殺虫剤を固着させた浮遊性粒剤の技術が、特公昭48−1179号公報には、稲菌核病類に有効な薬剤を田面水上に浮上させることを特徴とする粒剤の技術が、特公昭48−1181号公報には、発泡パーライトに殺虫剤と発水剤を担持させた水面浮遊性粒剤の技術が、特公昭48−1182号公報には、除草剤の乳剤を水に浮く無機質担体に担持せしめた粒剤の技術が、特公昭48−15612号公報には、拡展剤としてセルロースエーテル又はポリカルボン酸型高分子界面活性剤を担持させた水に浮く粒状農薬組成物の技術が、特公昭64−25702号公報には、農薬主剤と固状担体にポリオキシアルキレンシリコーンを配合してなる水浮遊性固状製剤に関する技術が、また、特公平3−76281号公報には、有効成分と乳化剤を含有する液状原液を熱膨張岩石粉粒体に吸蔵させた水中易溶出乳化性粉粒剤に関する技術がそれぞれ開示されている。しかしながら、これらの技術は先述した技術と同様に散布法の点で従来の粉剤や粒剤と何ら変わることなく散布労力の軽減にはなり得ないものであり、省力を目的として、特別な散布装置を用いることなく、粒剤を振込口を付した適当な容器に入れて、畦畔等から水田中に振り込むか、農薬の分包を水田中に10a当たり数個から数十個投げ込み、投げ込まれた農薬製剤をできるだけ早く水面に拡展させ、その後は短時間のうちに有効成分を水面浮遊性粒核から遊離させ、水中に溶解分散させて風による吹き寄せを防止することを目的とする下記本発明の組成物とは、発明の思想、技術内容を本質的に異にするものである。
【0014】
特開昭58−65203号公報(特公平2−56323号公報)には、無機又は有機の多孔質体又は中空体に生物活性成分を合成樹脂又は石膏によって付着させ、外界に通ずる穴をふさいで中空体にし、かつ、比重を1.0以下、粒径5mm以下に調製した成形水面浮遊生物活性物質含有組成物に関する技術が開示されており、シラスバルーンを用いたダイアジノン5%粉粒剤や、コルク粉末を用いたMIPC4%粉粒剤が例示されている。しかしながら、この技術は先述した技術と同様に散布法の点で従来の粉剤や粒剤と何ら変わることなく散布労力の軽減にはなり得ないのみならず、浮遊率に示されるごとく、含有する生物活性物質の発現速度を物理化学的に調節する効果を有する組成物に関するものであり、下記本発明の組成物とは、発明の思想、技術内容を本質的に異にする。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このため、
▲1▼散布に際し特別な器具を必要としない
▲2▼省力的である
▲3▼散布者及び環境に対して安全
▲4▼容器の処理が簡単
▲5▼有効成分の偏析による薬効不足や薬害の恐れがない
▲6▼経時的に安定な製剤である
を満足する製剤及び処理方法が要望されていた。
【0016】
このような現状に鑑みて、本発明者らは上記の条件を満たす製剤及び処理方法の開発を目指して鋭意検討を重ねた。
【0017】
その結果、本発明の造粒キャリヤーを用いた農薬製剤及び本発明の農薬粒剤においては、粒剤が水面を拡展する間に、大部分の有効成分が水中に遊離し、気象条件に関わらず、有効成分の偏在はほとんどおこらず、問題にならないことを見い出した。また、有効成分は水面で遊離され、水中に分散・溶解するため、土壌による吸着や土壌表面への沈降も遅く、水の移動にともなって十分に水田全体の水に溶解拡散した後、土壌に吸着され処理層を形成するため、この意味からも薬害や効力のムラの心配が少ない。これらのことから、得られる粒剤は、通常の粒剤のように均一な散布をしなくても、薬害が生じること無く、効力的にも良い結果が得られるので、いわゆる投げ込み製剤や畦畔等からの額縁散布に好適な製剤になり得ることを見いだし、本発明を完成した。
【0018】
【発明の構成】
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発泡パーライト、発泡シラス、及び/又はコルクを含有し、下記(1)〜(4)の物理性を有する、水面に浮遊し崩壊分散する農薬用造粒キャリヤー、
(1) 見かけ比重が0.10〜0.40
(2) 0.710〜4.760mmの粒度区分が90%以上
(3) 3分後の懸垂度が0.5ml以下
(4) 2時間後の水面浮遊率が30%以下
発泡パーライト、発泡シラス、及び/又はコルクから選択されるキャリヤー及び農薬有効成分を含有し、下記(1)〜(4)の物理性を有し、好ましくは水中投入後、3分後の拡展距離が4m以上であり、水面拡展性向上剤として、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を配合することが望ましい、水面に浮遊し崩壊分散する造粒された農薬粒剤、
(1) 見かけ比重が0.10〜0.70
(2) 0.710〜4.760mmの粒度区分が90%以上
(3) 3分後の懸垂度が0.5ml以下
(4) 2時間後の水面浮遊率が30%以下
木粉、オガクズ、籾ガラ粉末、ヤシ殻粉末、コーヒー豆粉末、米ぬか、フスマ、甘草粉末及びセルロース粉末から選ばれる1種又は2種以上の植物性粉末を含有する、上記農薬用造粒キャリヤー及び農薬粒剤、
該農薬粒剤を振込口を付した箱、袋、瓶に包装したことを特徴とする水田振り込み用農薬製剤、
並びに上記農薬粒剤を水溶紙に分包としたことを特徴とする水田投げ込み用農薬製剤である。
【0020】
本発明において使用するパーライトの原料となる黒曜石、真珠岩、松脂岩は、主として第三紀以後の比較的新しい火山岩地帯に分布し、世界的にはアメリカ大陸の西部、ヨーロッパを経てアイスランド南部から地中海にまたがる地域と、日本からニュージーランド、オーストラリアにまたがって分布する1種の天然産ガラスである。我が国でも、秋田、山形、福島、長野、佐賀、大分、北海道等の各地で産する。パーライトはこれら黒曜石、真珠岩、松脂岩を1000℃前後の高温で加熱焼成し、結晶水や揮発性成分を気化させることによって、軟化しているガラス質を急激に膨張させたもので、内部に真珠状の空泡を有する軽石であり、建築用、断熱用、園芸用等に広く利用されている。粒度的には1mm以下の細かいものから5mm以上のものを含むものまで多くのグレードがある。原石の種類と粒度及び膨張条件によって、製品の形状、密度、粒度分布等が変化する。一般には、各サイズの粒子が適度に混合したものの製造には、真珠岩及び松脂岩が用いられ、特に細粒、極軽量の製品には黒曜石が使用される。黒曜石からは丸くて比較的硬度のある粒子が得られる。
【0021】
本発明において使用する発泡シラスの原料となるシラスは、主として南九州に広く分布する軽石流降下軽石層及びこれらの二次堆積層で非晶質の火山ガラスが約7割を示す。我が国ではこの他に北海道、十和田湖周辺、関東地方にも一部産出する。発泡シラスは、このシラス中の火山ガラスを高温で処理して発泡させた中空状のもので、嵩比重が小さく、不活性で混合性・流動性が良い微細粒〜粒状体である。比較的低温で処理したものは、膜厚6μm程度で嵩比重が比較的大きく水に浮きにくいものが混入する。高温で処理したものは膜厚3μm程度で嵩比重が小さく水に浮き易くなる。しかし、さらに高温で処理するとバルーンが破れて水に沈むようになる。粒度的には平均粒径が数十μmの細かいものから数mmの大きいものまで各種グレードがあり、各粒度別に嵩比重の大きいものと小さいものとがある。通常の発泡シラスは、バルーン率が65〜95%程度であるが、発泡シラスを風ひ又は水ひして軽い部分だけを分取すればバルーン率が高いグレードを得ることもできる。本発明においては、これらのうちで水に浮くタイプのものであればどのグレードのものも使用することができる。
【0022】
本発明において使用するコルクは、主としてポルトガルに産するコルク樫の樹皮の部分を砕いて粉末〜粒状にしたもので、一般的にはこれを種々の形に加工して壜栓やコースター、インテリア、掲示板等のボード、着火剤等に使用されている。原料となるコルクにはその粒度や上記の加工メーカーから返品される成形カス再生品の混入率によって種々のグレードがある。本発明においてはこれらのどのグレードも使用することができるが、余り大きすぎるものよりも粒径が1mm程度以下に砕いたものの方が使い易い。
【0023】
これら本発明に使用する粒剤に水面浮遊性を付与する物質は、どのグレードのものも使用できるが、本発明は、これらの物質が水に浮く性質を利用し、農薬粒剤を水面で拡展させ、有効成分を水田中に均一に処理することを目的とするものであるから、少なくとも、粒剤が水面を拡展し、広い範囲に広がるまでの間は水面に浮いている必要がある。従って、未発泡部分や破砕された区分、或いは重いコルク樹皮の部分が多く、水中で浮遊しないような成分を多く含有するものを用いると、粒が浮きにくくなり、配合量を多くしなければならなくなるので好ましくない。また、余り粒度が粗いと造粒時にバルーンが壊れたり、造粒できなかったりするので、粗すぎるものは使いにくく、通常は粒径が1mm以下、好ましくは0、5mm以下の細かいものが良い。これらを粉砕すると粒は浮きにくくなるので、粉砕することは避けねばならない。
【0024】
発泡パーライト、発泡シラス及びコルクの配合量は、造粒キャリヤー及び農薬粒剤が水中で浮遊する量であれば十分である。発泡パーライト、発泡シラスの場合、これらの種類やグレード、有効成分の種類やその他の助剤の種類、配合量等処方によっても異なるが、本発明の目的とする浮遊性を農薬粒剤に付与するためには、通常15%以上必要であり、好ましくは30〜90%配合する。コルクの場合はこれらに比べると少ない量で浮かすことができるが、通常3%以上は必要であり、好ましくは5%以上配合する。これらを混合して造粒キャリヤーや農薬粒剤を調製する場合には、上記を目安として農薬粒剤が水中で浮遊するように調製すれば良い。
【0025】
本発明の農薬用造粒キャリヤーは、これらの粒に浮遊性を付与する原料を、他の補助剤、例えばその他の増量剤、結合剤、崩壊分散剤、湿潤剤、造粒性改良剤、水面展開剤等とともに湿式造粒した後、乾燥整粒し、後述する方法で測定して、下記(1)〜(4)の物理性を有する、水面に浮遊し崩壊分散する粒状に成形する。
【0026】
(1)見かけ比重が0.10〜0.40
(2)0.710〜4.760mmの粒度区分が90%以上
(3)3分後の懸垂度が0.5ml以下
(4)2時間後の水面浮遊率が30%以下
造粒キャリヤーは、以下に述べるどの方法で調製しても良いが、これらの物理性を満足しないと、農薬粒剤が水面に浮かなかったり、有効成分が水面で吹き寄せられたり、或いは投下点の近傍に沈降して偏析したりして、薬害や効力不足の原因となる。
【0027】
造粒キャリヤーの崩壊性の程度は、結合剤の種類に依存するために、適当な結合剤を選択することが必要である。結合剤には、比較的低分子量のデキストリンやα化でんぷん、その他の種々の水溶性のでんぷん誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸の塩、カルボキシメチルセルロースの塩、比較的低分子量で鹸化率の低いポリビニルアルコール、リグニンスルホン酸の塩、アラビアゴム等の水溶性高分子物質や、ベントナイト等のモンモリロナイト系の鉱物質微粉をあげることができる。
【0028】
これらの内で、ベントナイト、リグニンスルホン酸のナトリウム塩、デキストリン、α化でんぷんは比較的安価で使い易い。また、カルボキシメチルセルロースの塩は、種々のグレードのものがあり、それ自体膨潤性を有するので、品質と配合量を調節することにより、崩壊分散性を調節することができるので特に有用である。
【0029】
結合剤の配合量は、処方構成や造粒方法、粒の大きさ等によって異なるが、通常造粒キャリヤー中に0.1〜30%程度、好適には0.5〜10%程度である。ベントナイトの場合は、安価で増量剤や造粒性向上剤としても有用で、より多く配合することができる。
【0030】
浮遊性付与物質のみでは造粒性が悪い場合、得られる粒が軽すぎて取扱いにくい場合、経済性が悪い場合には、増量剤を配合する。増量剤には、一般に農薬のキャリヤーとして用いられるベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、無晶形二酸化珪素、クレー等の他に、でんぷん、木粉、オガクズ、コーヒー豆粉末、タブ粉、セルロース粉末、微結晶セルロース、籾殻粉末、米ぬか、ふすま、ヤシ殻粉末等の植物質粉末を用いることができる。これらの中で、特に、植物質粉末は比較的安いものが多く、それ自身が比較的軽いので、浮遊性付与物質の配合量を減らすことができるという利点がある。また、ベントナイトは、それ自身が可塑性を有し、造粒性向上剤及び結合剤としての役目を兼ねるので有利である。炭酸カルシウムは、有効成分の安定性に悪影響を与えない場合が多く、使い易い。
【0031】
これら増量剤の配合量は、通常、造粒キャリヤー中に0〜80%程度である。造粒性向上剤は、農薬粒剤の造粒性向上剤として一般的に用いられる各種の界面活性剤や、組成物に可塑性を付与するような粘性を有するものが有用である。ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテルのようなノニオン界面活性剤、ジアルキルスルホサクシネートのナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩等のアニオン界面活性剤の他に、ベントナイトは安価で増量剤としても用いることができるので有用である。
【0032】
造粒キャリヤー中に配合する造粒性向上剤の配合量は、用いるものによって異なるが、界面活性剤の場合、通常0.02〜3%程度、ベントナイトの場合で、1〜50%程度である。
【0033】
崩壊剤、分散剤には多くの場合アニオン界面活性剤を用いる。好適な崩壊剤、分散剤としては、例えばリグニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、フェノールスルホン酸塩及びその縮合物、スチレンスルホン酸塩の縮合物、マレイン酸とスチレンスルホン酸との縮合物の塩、アクリル酸やマレイン酸等のカルボン酸縮合物の塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸とマレイン酸共重合体の塩、無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体の塩、アルキレンとマレイン酸共重合体の塩、ジイソブチレンとマレイン酸の共重合体の塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ラウリルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル及びその塩等のアニオン界面活性剤やトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩をあげることができる。これら崩壊剤や分散剤は、湿潤剤としても有用なものが多い。崩壊剤、分散剤や湿潤剤はこれらに限らず、ノニオン性やカチオン性或いは両性イオン性の界面活性剤であっても適当なものを使用できる。また、澱粉、カルボキシメチルセルロースやカルボキシメチル化澱粉及びこれらの塩、ポリビニルピロリドンの架橋体、微結晶セルロース、高吸水性樹脂等の水を吸収して膨潤する性質を有するものも崩壊分散剤として特に有用である。
【0034】
水面拡展剤には、アクリル酸、マレイン酸等カルボン酸の共重合物やそれらにスチレンスルホン酸、ビニル基等を共重合させたもののナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のようなポリカルボン酸型のポリソープ、ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のようなポリスルホン酸型のポリソープ、オレイン酸ナトリウムやステアリン酸カリウムのような石鹸類、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のようなアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンのアルキルエステル等のノニオン界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、プルロニックタイプの界面活性剤等の種々のノニオン界面活性剤、さらには、これらノニオン界面活性剤をリン酸又は硫酸のエステルとし、場合によってはそれらを適当なアルカリで中和した界面活性剤、フッ素を含有する界面活性剤、各種のカチオン又は両性イオン性界面活性剤、流動パラフィンやナフテン系高沸点溶媒、低粘度のポリブテン、シリコンオイル、マシン油等の鉱物油類、種々の動植物油、松脂等種々の樹脂類、樟脳白油、αピネン、樟脳、ナフタレン等が使用できる。
【0035】
これらの内、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が特に有用である。
【0036】
アセチレン系界面活性剤には、アセチレンアルコール、アセチレンジオール及びこれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤を包含する。
【0037】
アセチレンアルコールは、HOCR1 R2 −C≡CH(R1 、R2 はそれぞれ炭素数が1乃至8個のアルキル基を示す)で表される一連の化合物で、R1 がメチル基、R2 がイソブチル基のものがサーフィノール61、R1 及びR2 がメチル基のものがオルフィンB、R1 がメチル基、R2 がエチル基のものがオルフィンPの商品名で市販されている。
【0038】
アセチレンジオールは、HOCR1 R2 −C≡C−CR1 R2 OH(R1 及びR2 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数が1乃至8個のアルキル基を示す)で表される一連の化合物で、R1 がメチル基、R2 がエチル基のものがサーフィノール82、R1 がメチル基、R2 がイソブチル基のものがサーフィノール104、R1 及びR2 がメチル基のものがオルフィンYの商品名で市販されている。
【0039】
又、これらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤は、例えば、上記アセチレンアルコール、アセチレンジオールにエチレンオキサイド又は/及びプロピレンオキサイド等を付加した界面活性剤である。アルキレンオキサイドを付加したものとしては、サーフィノール104にエチレンオキサイドを付加したものがサーフィノール400シリーズの商品名で市販されている。又、サーフィノール104Sは、サーフィノール104(ワックス状)と無晶形二酸化ケイ素を40:60の重量比率で混合粉砕した、粉末状のプレミックスである。これらは、それぞれエアプロダクツ社が製造し、我が国では日信化学(株)が総代理店となって販売している。
【0040】
シリコーン系界面活性剤は、ジメチルポリシロキサンの末端及び/又は側鎖のメチル基の一部に、ポリエチレンオキサイド及び/又はポリプロピレンオキサイドを導入し、場合によっては、末端のOH基をアルキル基でエーテル化した、ポリエーテル変性シリコーンオイルを主成分とするノニオン界面活性剤で、シルガードシリーズ(ダウコーニングシリコン(株)製)、シルウェットシリーズ(ユニカー(株)製)、シリコーンオイルKFシリーズ(信越化学(株)製)、カイネチック(ヘレナケミカル(株)製)等の商品名で市販されている。
【0041】
フッ素系界面活性剤は通常のアニオン、ノニオン、カチオン、両性イオン系界面活性剤の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換した界面活性剤で、表面張力低下力に優れることで知られている。わが国では、ユニダインシリーズ(ダイキン工業(株)製)、メガファックシリーズ(大日本インキ化学工業(株)製)フタージェントシリーズ((株)ネオス製)、サーフロンシリーズ(旭硝子(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ(株)製)等の商品名で販売されている。
【0042】
これら水面拡展剤の配合量は、有効成分の種類と含有量、水面拡展剤の種類、その他成分の種類と配合量等製剤処方や剤型によって異なるが、通常0.1〜10%程度、好ましくは0.3〜5%程度、更に好ましくは0.5〜3%程度である。
【0043】
これらの原料は、必要であれば粉砕した後、適当な造粒機を用いて湿式で造粒し、乾燥・整粒して水に浮く造粒キャリヤーを得る。
【0044】
造粒は、横押しまたはバスケットタイプの押し出し造粒機、混合造粒機、流動層造粒機、転動造粒機、噴霧乾燥機等の造粒機を用いることができる。発泡シラスや発泡パーライトは、強く加圧すると、バルーンが潰れ浮力が低下する。また、コルクも強く加圧すると浮力が低下するので、バスケット型押し出し造粒機や流動層造粒機のような強い圧力やせん断力がかからない造粒機を用いるのが好ましい。
【0045】
造粒キャリヤーの粒度は、細かすぎると、振込処理の場合に、風の影響を受け易くなるうえ、投げ込み処理の場合には、袋の中で粒が塊状となり、十分な拡展を示さなくなる。逆に、大きすぎると、粒の乾燥が難しくなり、有効成分を多く被覆することが難しくなる。更に、粒剤は水面で風の影響を受け易くなる。従って、0.710〜4.760mm程度、好ましくは1〜3mm程度のものが望ましい。粒の形状は、円柱状でも、球状でも、不定形でもかまわない。また、造粒キャリヤーの見かけ比重は、0.15〜0.35であることが好ましく、3分後の懸垂度は、0.3ml以下であることが好ましく、更に2時間後の水面浮遊率は、25%以下であることが好ましい。
【0046】
本発明の水面に浮遊し崩壊分散する農薬粒剤は、上記の造粒キャリヤーを製造するいずれかの工程で農薬有効成分を配合するか、或いは上記の方法により得た造粒キャリヤーに農薬有効成分を含浸または被覆させることにより得ることができる。造粒キャリヤーは、更に農薬有効成分を被覆させねばならず、見かけ比重が小さい必要があるが、農薬粒剤は既に有効成分を含有しているから、造粒キャリヤーに比べるとより大きな見かけ比重のものであってもかまわない。
【0047】
本発明の水面に浮遊し崩壊分散する農薬粒剤に要求される物理性は、後述する方法で測定して以下の通りである。また水中投入3分後の拡展距離が、後述する方法で測定して4m以上であれば、より好ましい結果が得られる。
【0048】
(1) 見かけ比重が0.10〜0.70、好ましくは0.25〜0.55
(2) 0.710〜4.760mm、好ましくは1〜3mmの粒度区分が90%以上、好ましくは95%以上
(3) 3分後の懸垂度が0.5ml以下、好ましくは0.3ml以下
(4) 2時間後の水面浮遊率が30%以下、好ましくは25%以下である。
本発明に使用できる農薬有効成分は、殺虫剤や殺菌剤の場合、稲体に吸収されて移行する性質のあるものが望ましいが、浸透移行性がなくても、水中又は水面に生息する虫或は水中や水面から感染する菌には有効である。いずれの場合も、薬害の少ない化合物であることが必要である。除草剤の場合、その本来の性質や使用時期の点から、特に薬害のない化合物を選択することが望ましい。有効成分は、水溶性でも水に難溶性でも、また固体でも液体でも構わない。本発明の固形剤には2種以上の有効成分を含有することも可能である。
【0049】
本発明に好適な有効成分は、殺虫剤では、イソキサチオン、プロパホス、トリクロルフォン、ダイアジノン、ダイスルフォトン、ホルモチオン、ジメトエート、モノクロトフォス、アセフェート、カルボフラン、カルボスルファン、チオシクラム、カルタップ、ベンスルタップ、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、カルバリル、ブプロフェジン、フェノブカルブ、メトールカルブ、プロポクシュア、メソミル、イミダクロプリド、ニッテンピラム、N−(2−クロロ−5−ピリジルメチル)−N’−シアノ−N−メチルアセトアミジン(NI−25、アセタミプリド)等の浸透移行性殺虫剤、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン等のイネミズゾウムシやイネドロオイムシのような水中又は水面近くに生息する害虫に有効な合成ピレスロイドを挙げることができる。殺菌剤では、プロベナゾール、イソプロチオラン、イプロベンフォス、トリシクラゾール、ピロキロン、0301の有効成分等のいもち剤、フルトラニル、メプロニル、MON−240、S−658(フラメトピル)、(RS)−2−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−プロパン−2−オール(F−155)等のもんがれ剤、テクロフタラム、ベノミル等を挙げることができる。除草剤では、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェン、ピリブチカルブ、ブロモブチド、ブタミホス、メフェナセット、ベンスルフロンメチル、アニロホス、ブタクロール、プレチラクロール、チオベンカルブ、クロルニトロフェン、クロメトキシフェン、ダイムロン、ビフェノックス、ナプロアニリド、オキサジアゾン、ベンダゾン、モリネート、ピペロフォス、ジメピペレート、エスプロカルブ、ジチオピル、イマゾスルフロン、ベンフレセート、キノクラミン、シンメチリン、MCPA及びそのナトリウム塩、カリウム塩等の塩及びエステル、2,4−D及びそのナトリウム、カリウム塩等の塩並びにエステル、MCPB、キンクロラック、ピラゾスルフロンエチル、3−N−(2−フルオロ−4−クロロ−5−シクロペンチロキシフェニル)−5−イソプロピリデン−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン(KPP−314)、N−[2−(3−メトキシ)チエニルメチル]−N−クロロアセト−2,6−ジメチルアニリド(NSK−850、テニルクロール)、1−(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチルベンジル)ウレア(JC−940)、シノスルフロン、シメトリン、ジメタメトリン、n−ブチル−(R)−2−[4−(2−フルオロ−4−シアノフェノキシ)フェノキシ]プロピオネート(DEH−112、シハロホップブチル)、2’,3’−ジクロロ−4−エトキシメトキシベンズアニライド(HW−52、エトベンザニド)、1−(ジエチルカルバモイル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルフォニル)−1,2,4−トリアゾール(CH−900、カフェンストロール)、HOE−404、1H−ピラゾール−5−スルホンアミド、N−{[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]}−1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)(DPX47、アジムスルフロン)、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−3−メチル−5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ)−4−イソチアゾールスルホンアミド、2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオン(MK243)、メチル−2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]−6−[1−(メトキシイミノ)エチル]ベンゾエート(KUH920)、MY−100、NBA061等の水田除草剤を挙げることができる。植物成長調節剤ではイナベンフィド、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、トリアペンテノール等に適用できる。
【0050】
本発明の農薬粒剤は、これらのどの有効成分にも適用できるが、有効成分が低融点の場合や液状の場合、或いは水に対する溶解度が低い場合に、特に威力を発揮する。これらの化合物では、粒剤が非崩壊性の場合、有効成分が水中に溶出するのに時間がかかったり、有効成分が水面に浮いて風により吹き寄せられたり、或いは粒剤の投下点に有効成分が高濃度に沈降したりして、薬害や効力ムラの原因となり易い。一方、本発明の水面で浮遊拡展したのち崩壊分散し、比較的短時間の内に、有効成分が水中に溶解・拡散するように調節した粒剤の場合、風による吹き寄せや局所的な沈降等による有効成分の偏析が少なく、畦畔からの振込処理や投げ込み処理に最適な製剤となり得る。しかも、粒剤が水面で拡展後、崩壊分散したのちは、粒剤組成物の大部分が水中に分散するので、水面における浮遊物の量は極めて少なく、商品価値の点でも極めて優れたものとなる。
【0051】
固体の有効成分は、粒度が粗いと粒核に十分被覆できず、水田の投入点に有効成分が濃厚に沈降する原因となる。有効成分は水田に投入後、早い内に田面水中に溶解拡散し、効力を発揮する必要がある。長期間にわたり有効成分が局在すると効力不足や薬害などの不都合を生じることは言うまでもない。従って、たとえ水に対する溶解度が高いものでも、固体の場合、ある程度微粉砕しておく必要がある。水に対する溶解度が低いものでは特に微粉砕が必要である。このため、ハンマーミル、ジェットミル等による乾式粉砕やサンドミル又はアトライター等による湿式粉砕を行う。
【0052】
湿式粉砕した有効成分は、噴霧乾燥等の方法により乾燥した後粉砕するか、無晶形二酸化珪素、珪藻土、珪酸カルシウム、高吸油性樹脂等適当な吸油性の高いキャリヤーに吸収させ、必要があれば乾燥粉砕して、乾式粉砕した有効成分と同様に取り扱う。或いは、本発明の粒剤を湿式造粒する際に、練合水と共に湿式粉砕したスラリーを注加して練り込み造粒することも可能である。
【0053】
液状原体や低融点化合物の場合は、必要なら適当な溶剤や乳化剤に溶解し、本発明の造粒キャリヤーそれ自身に吸収させて、製品としても良いし、上記のような吸油性の高いキャリヤーや高吸油性デキストリン、高吸油性樹脂等に吸収させるか、又は該液状原体と相溶性のある樹脂や化学物質又は他の固体の農薬有効成分等と固溶体を形成し、これを粉砕すれば、固体の有効成分と同様に取り扱うことができる。
【0054】
粒剤中に農薬有効成分を含有させるには、
▲1▼ 先の造粒キャリヤーを製造するいずれかの工程で、農薬有効成分またはその濃厚プレミックスを配合して造粒する方法
▲2▼ 前述した方法で得られる造粒キャリヤーの表面に、農薬有効成分の粉砕物または濃厚プレミックスを被覆する方法
▲3▼ 先の造粒キャリヤーに、液状または液状にした農薬有効成分、またはその濃厚プレミックスを吸収させる方法
のいずれかの方法によることができる。
【0055】
本発明の農薬粒剤中には、2種以上の農薬有効成分を含有することができるのは言うまでもない。従って、有効成分の物理性に合わせて、上記の方法を使い分ければ良い。例えば、個体の有効成分を含有する粒剤をまず調製し、得られた粒剤に、他の有効成分のプレミックスを被覆したり、或いは液状の有効成分を吸収させる等適宜選択すれば良い。
【0056】
造粒法による場合は、予め農薬有効成分を含有する濃厚プレミックスを調製し、これを造粒キャリヤーの項で述べた種々の成分と混合し、造粒・乾燥・整粒すれば良い。
【0057】
被覆法による場合は、先に調製した造粒キャリヤーを、撹はん混合機に仕込み、必要があれば、液状の結合剤を加えてキャリヤーの表面を湿らせたのち、上記の有効成分の濃厚プレミックスを加えて更に攪拌し、粒の表面に被覆する方法が最も簡便である。プレミックス中には、必要に応じて、造粒キャリヤーの項で述べたような湿潤剤、分散剤、乳化剤、水面展開剤を配合して置くこともできる。
【0058】
使用する攪拌混合機は、ナウタミキサー、リボンブレンダー、ロータリーブレンダー、V型混合機等の、低速で混合する、粒の破砕の少ない機種を選択するのが望ましい。
【0059】
また、有効成分の濃厚プレミックスを被覆した後で、水面拡展剤を最外層に被覆する方法は、水面展開剤の効果を最大限に発揮させる上で有効である。
【0060】
結合剤は被覆後、蒸発させても良いが、揮散しにくい油状(又は液状化した)結合剤を用いて被覆し、製品中にこれら結合剤を残せば、乾燥工程を省略できるので、有利な方法となる。この場合、結合剤には有効成分に粒子成長、分解等の悪影響を与えず、水面浮遊性の粒核の表面に有効成分を均一に被覆できる性質を有するものが好ましい。一般には、高沸点、低毒性で引火性が低く、低粘度で、比重が1より小さく、有効成分に対して溶解力の低い溶媒が良い。このような油状結合剤の例としては、低粘度の流動パラフィン、塩素化パラフィン、イソパラフィン、マシン油、ポリブテン、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の各種高沸点溶媒等の鉱物油、ヤシ油、大豆油、ナタネ油等の植物油、鯨油、鰯油等の動物油、シリコンオイル及びその誘導体、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、マレイン酸、フマール酸、フタール酸、アジピン酸等のモノ−又はジ−カルボン酸の種々のエステル、トリブチルホスフェートやトリスクロルエチルホスフェート等のリン酸の種々のエステル等の可塑剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のグリコール類及びそれらの種々のエステル及び(又は)エーテル類、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、N−メチルピロリドン、種々の液状界面活性剤等を挙げることができ、中でも流動パラフィン、マシン油、ポリブテン、カルボン酸エステル等は比較的安価で有効成分に悪影響を与えないものが多く、それら自身も安定で、かつ揮散性の低いものが多いので好適である。
【0061】
もちろん、これら油状の結合剤は、2種以上を混ぜ合わせて混合使用することができる。
【0062】
この目的で用いる油状結合剤の配合量は、水面浮遊性粒核の種類や組成、油状結合剤の種類、有効成分の種類や物理性、その他の補助剤の種類や配合量等処方によって異なるが、通常3〜50%程度、好ましくは10〜40%程度である。
【0063】
吸収法による場合は、先の造粒キャリヤーを上記の攪拌混合機に仕込み、攪拌下、液状または液状化した有効成分、またはその濃厚プレミックスを加えて吸収させる方法が一般的である。プレミックス中には必要に応じて溶剤、乳化剤等の補助剤を配合することができる。
【0064】
溶剤は液状原体を稀釈したり、低融点原体を液状にする場合に必要に応じて配合する。従って原体に対して溶解力があり、原体の安定性に影響を与えず、高沸点低毒性で、引火性の低いものを選択して用いる。例えば、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の高沸点溶媒や可塑剤として用いられるオレイン酸、マレイン酸、フマール酸、ヤシ油等種々の動植物油より得られる脂肪酸、フタール酸、アジピン酸、リン酸等のエステル類、ヤシ油、ナタネ油等の植物油や鯨油、鰯油等の動物油等を用いることができる。一般に、農薬の原体は比重が1以上のものが多い。このような場合、乳化粒子をできるだけ長時間に渡り水中に留め、水田に広く拡散させるためには、比重が1より小さく低粘度の溶剤を用いる方が良いことが多い。この意味で、流動パラフィンや低分子量のポリブテン等は特に好ましい。
【0065】
乳化剤は液状原体又は原体の溶液を水中に乳化させるために用いる。原体や溶剤に応じて乳剤の乳化剤を選択するのと同様にして選択して用いる。一般の乳剤の場合と異なり、使用時に人為的に攪拌をすることはないので、できるだけ自己乳化性が良く微細な乳化をする界面活性剤を選択するようにする。
【0066】
かくして得られる本発明の農薬粒剤は、田面水上に浮遊し短時間の内に広範囲に拡展したのちは、有効成分をできるだけ早く水中に遊離する必要がある。しかし、有効成分の遊離が早すぎると、粒剤が水面に広がらない内に、狭い範囲に有効成分を遊離してしまうために、粒の投下地点に有効成分の偏在が生じる。逆に、有効成分の遊離が遅すぎると、粒の吹き寄せにともなって、有効成分も吹き寄せられ、吹き寄せられた地点で有効成分の偏在が生じる。このため、粒剤は、以下の測定法で測定して下記(1)〜(4)の物理性を有するように調製し、このような欠点を除去しなければならない。
【0067】
(1)見かけ比重が0.10〜0.70である、
(2)0.710〜4.760mmの粒度区分が90%以上である、
(3)3分後の懸垂度が0.5ml以下である、
(4)2時間後の水面浮遊率が30%以下である
また、粒剤は3分後に4m以上拡展することが望ましい。
【0068】
(見かけ比重の測定法)
直径50mm、内容積100mlの金属製円筒容器の上端から正しく20cm上方に、開口径4.760mmの網を張った標準ふるいを設置する。粒剤を少量づつふるいの中に取り、その都度、その殆ど全量を刷毛で軽くはき落とし、受器の上縁より円錘状に盛り上がるまで続ける。表面を正しく擦り切り、試料重量(g)を秤量し、得られた数値を100で除して見かけ比重値とする。
【0069】
(粒度分布の測定法)
内径20cm、深さ4.5cmの標準ふるいを用い、下から受器、開口径0.710mmの標準ふるい、開口径4.760mmの標準ふるい、蓋の順にセットする。上段のふるい中に、粒剤50gを入れ、片手で1分間に150回の早さでふるい枠をたたき、25回たたく毎にふるいを約90度回転させる。このようにして1分間のふるい通過量が0.1g以下になったとき、ふるい網上に残った試料を取り出して、各区分の試料の百分率を算出する
【0070】
(懸垂度の測定法)
図1に示す懸垂度試験器に、25℃の3度硬水500mlを入れる。粒剤1gを投入し、3分後に目盛り部に沈降した試料のml数を読みとり懸垂度とする。
【0071】
(水面浮遊率の測定法)
容量1Lのガラス製ビーカーに、25℃の3度硬水1Lを入れる。粒剤0.5gを投入し、2時間静置したのち、ガラス棒を用いて1秒間に1回転の割合いで50回攪拌し、更に10分間静置する。水面浮遊物をアスピレーターを用いて全量採取し、G−2のグラスフィルターでろ過し、フィルター上の残存物を、乾燥器中で乾燥して重量を測定する。投入した粒剤に対する比率を%で求め、2時間後の水面浮遊率とする。
【0072】
(水中投入3分後における水面での拡展距離の測定法)
無風の室内に幅90cm、長さ7m、深さ10cmの枠を発泡スチロールで作成し、水平に設置する。内面に黒色のビニールシートを張り、水を入れて水深5cmに調整する。端から50cmの位置に粒剤2gを投入し3分後に製剤の先端が移動した距離を測定する。水が汚れると拡展距離が大きく異なるので、1試験毎に水とビニールシートを取り替える。
【0073】
かくして得られた本発明の農薬粒剤は、適当な振込口を付けた箱、瓶、袋等から直接、水田中に振込処理するか、水溶紙に分包として畦畔等から投げ込み処理する。本発明の農薬製剤は、水面で拡展しながら有効成分を遊離するから、一般的な粒剤のように水田に入って均一散布しなくても畦畔等から水田中に適宜処理すれば十分な生物効果をあげることができる。
【0074】
箱、瓶、袋等を用いて直接水田中に振り込み処理する場合の包装形態は、紙、合成樹脂、ガラス、金属等の箱、瓶または袋に適当な振込口を付けたものが便利である。振込口は、樹脂製のキャップに数mm〜数cm程度の穴を開けたような簡単なもので十分であり、商品形態としてこのような容器に本発明の粒剤を直接封入しても良いし、通常の包装形態で製品としたものを振込口の付いた専用の容器に移し変えて処理しても良い。包装材質は紙のものであれば使用後直ちに焼却処分ができるので有利である。
【0075】
投げ込み処理の場合は、本発明の製剤を適当な水溶紙に分包とする。水溶紙とは、水の中で溶解または分散するような性質を有するフィルムまたはシートを意味する。水溶紙は例えばポリビニルアルコールまたはその誘導体よりなるもの、プルランフィルムよりなるもの、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩とセルロースよりなるもの、ポリエチレンオキサイド及びその誘導体よりなるもの等を挙げることができる。
【0076】
本発明の水面で浮遊拡展性を有するように調製した農薬粒剤は、拡展性を有しない水溶紙に分包とした場合、水溶紙が農薬粒剤の拡展を阻害してしまうことがある。この間に水面拡展剤が水に溶け出してしまい拡展力を失うため、分包とせずに水面に処理した状態から期待できる程度の水面拡展性は見られなくなる。このため有効成分は投下点近傍の狭い範囲に局在してしまい、好ましい結果を得ることはできない。従って、本発明においては拡展性水溶紙を用いるのが望ましい。
【0077】
拡展性水溶紙とは、それ自体、水中で容易に分散又は溶解し、当該農薬粒剤を水面に拡展させる性質を有するフィルム又はシ−トである。このような拡展性水溶紙としては、例えば、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体よりなるフィルム(以下、PVAフィルムと略す)を挙げることができる。
【0078】
PVAフィルムは重合度(Mn)1000〜2000程度、ケン化度85〜95%程度のポリビニルアルコールを少量の可塑剤、安定剤等と共にフィルム化したもので、重合体の中に少量のカルボン酸等の共重合物を含有するフィルムをも包含する。フィルムは機械強度、耐寒強度が大きく水溶性であることが必要であり、その意味で原料となるポリビニルアルコールの重合度が高すぎたり、ケン化度が高すぎたりすると冷水に溶けにくくなるので好ましくない。フィルムの厚さは25〜70μm程度のものが使用できるが、フィルム強度、溶解時間の点で30〜50μm程度のものが好ましい。
【0079】
水溶紙の端部は糊で封じてもよいが、作業性に問題があるうえ、糊付けした部分が溶解しにくくなることが多い。この点でヒートシールできるものが好都合である。
【0080】
分包にする場合の1包みの重量は約30〜150gが投げ込み易い。この程度の重さであれば、子供、女性、高齢者でも容易に15m以内の目標とした地点に投げ込むことが可能である。これ以上重いと、投げ込むのが苦痛となり、広い面積を処理するのは容易ではない。また、これ以下では風の影響を受けて目標とした地点に到達し得ない。
【0081】
本発明の農薬粒剤は、水面で広範囲に拡展し有効成分の拡散も広範囲に達するから、通常の水田では無理に遠くまで投げ入れる必要はなく、畦畔から2〜3m先の水面に落とす程度で十分である。
【0082】
水田に投げ込む分包の個数は多過ぎると投げ込むのが面倒となり省力にならないし経済的にも不利である。また、少な過ぎると農薬粒剤の拡展が不十分となることがある。一般的には10a当たり数個から数十個程度、好ましくは5個から20個程度である。
【0083】
かくして得られた本発明の農薬粒剤は、水面に拡展した後は、速やかに有効成分が水中に分散・溶解し、順次溶解拡散しなければならない。粒剤が沈降するようだと沈降した地点に有効成分の偏析が生じる。また、粒剤より有効成分が分散せず長時間水面に漂っていると風による吹寄せがおこる。
【0084】
従って、本発明の農薬粒剤は、先述したような懸垂度と水面浮遊率を有することが必要で、上記の拡展距離を有することが望ましい。
【0085】
得られた粒剤を振り込み処理する場合には、紙、樹脂、またはこれらにアルミ箔を貼り合わせたりアルミやシリカを蒸着したもの、ガラス、金属、木等よりなる袋や箱、瓶に包装する。これらの容器に、適当な振込口を付しておき、畦畔等からそのまま振込処理できるようにしておけば便利である。
【0086】
分包を投げ込み処理する場合は、紙、樹脂、またはこれらにアルミ箔を貼り合わせたりアルミやシリカを蒸着したもの、金属、木等よりなる袋や箱に外装する。
【0087】
本発明の粒剤は、物理性の点では、吸湿に対して経時的に安定である。従って、発泡製剤ほど吸湿に対して注意を払う必要はないが、水溶紙は水がかかると破れるので、適当な防水加工を施した外装を用いることが好ましい。
【0088】
【実施例】
以下に、実施例、比較例、試験例を掲げて本発明の実施の態様をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0089】
【実施例1〜10】
(造粒キャリヤーの例)
表1に示す処方の混合物各1kgをニーダーに仕込み、ニューコール291PG(日本乳化剤(株)製、ジ(2−エチルヘキシル)スルホサクシネートのナトリウム塩を主成分とする界面活性剤)0.2%溶液の表1に示す量で練合し、バスケット型造粒機L−5型(菊水制作所(株)製)を用いて、押し出し粒径1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度100℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.297mmのふるいで微粒部分を除去した。得られた造粒キャリヤーの物理性を後記の表2に記した。
【0090】
【表1】
【0091】
【実施例11〜15】
表1に示す実施例1、2、3、4、6と同一の処方により、フローコーターFLミニ型(流動層造粒機、フロイント産業(株)製)を用いて造粒・乾燥し、造粒物を開口径4.760mm及び0.590mmのふるいを用いてふるい分け、4.760〜0.590mmの粒度区分を得た。得られた造粒キャリヤーの物理性を後記の表2に記した。
【0092】
【実施例16〜20】
表1に示す実施例1、2、3、4、6と同一の処方により、スパルタンリューザー(混合型造粒機、不二パウダル(株)製)を用いて造粒し、流動層乾燥機を用いて乾燥温度100℃で乾燥し、造粒物を開口径4.760mm及び0.590mmのふるいを用いてふるい分け、4.760〜0.590mmの粒度区分の実施例16〜20をそれぞれ得た。得られた造粒キャリヤーの物理性を表2に記した。
【0093】
【表2】
【0094】
【実施例21〜40】
粒剤例
ピロキロン原体24部、タルク(局方)3部、カープレックス#80(塩野義製薬(株)製、無晶形二酸化珪素)1部を混合し、ハンマーミルにより粉砕してピロキロン85%を含有するプレミックスを得た。実施例1〜20の造粒キャリヤー73.4部をナウタミキサーに仕込み、スーパーオイルC(日本石油(株)製、粗製流動パラフィン)10.0部を加えて粒の表面を湿らせ、上記プレミックス14.1部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。次いで、サーフィノール104Sの2.5部を加えて混合・被覆し、ピロキロン12%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤の物理性を後記の表3に示した。
【0095】
【実施例41】
粒剤例
F−155原体85.0部、カープレックス#100(塩野義製薬(株)製、無晶形二酸化珪素)11.5部、ネオペレックスNo.6F(花王(株)製、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩を主成分とする界面活性剤)3.5部を混合し、ジェットオーマイザー0101型(セイシン企業(株)製、ジェットミル)により粉砕し、F−155を85%含有するプレミックスを得た。コルク(0.2〜0.5mm区分)15.0部、セロゲン7Aの4.0部、ベントナイト1の40.0部、木粉24.9部、サーフィノール104Sの2.0部、F−155プレミックス14.1部をニーダーに仕込み、ニューコール291PGの0.2%液(粉末部100部に対し、90部)により練合し、バスケット型造粒機L−5型を用いて、押し出し粒径1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度70℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.710mmのふるいで微粒部分を除去した。得られた粒剤はF−155を12.0%含有する。
【0096】
【実施例42】
粒剤例
チオシクラム原体(85.3%)87.92部、アエロジールR972(疎水性合成シリカ、日本アエロジル(株)製)3.00部、カープレックス#100の4.08部、粉末生石灰5.00部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、チオシクラムを75%含有するプレミックスを得た。実施例4で得た造粒キャリヤー49.0部をナウタミキサーに仕込み、マレイン酸nーブチル(試薬1級)27.6部を加えて混合し、粒の表面を湿らせた。次いで、チオシクラムのプレミックス21.9部を加えて混合し、粒の表面に被覆した。更にサーフィノール104Sの1.5部を加えて混合し、粒の表面に被覆してチオシクラム16.4%を含有する粒剤を得た。
【0097】
【実施例43】
粒剤例
シラフルオフェン原体(94.8%)22.15部、サーフィノール420の5.00部、ソルベッソ150(エクソン化学(株)製、芳香族系高沸点溶媒)72.85部を混合溶解し、シラフルオフェン21%を含有するプレミックスを得た。実施例7の造粒キャリヤー67.0部にシラフルオフェンのプレミックス30.0部を加えて吸収させた。更にサーフィノール104Sの3.0部を加えて混合・被覆し、シラフルオフェンの6.3%粒剤を得た。
【0098】
【実施例44】
粒剤例
ベンタゾン原体85部、カープレックス#80の5部、サーフィノール420の5部、タルク5部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、ベンタゾンを85%含有するプレミックスを得た。コルク(0.2〜0.5mm区分)15.0部、セロゲン5Aの4.0部、ベントナイト2の20.0部、木粉32.8部、ベンタゾンプレミックス28.2部をニーダーに仕込み、ニューコール291PGの0.2%液(粉末部100部に対し、80部)により練合し、バスケット型造粒機L−5型を用いて、押し出し粒径1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度70℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.710mmのふるいで微粒部分を除去した。得られた粒剤はベンタゾンを24.0%含有する。
【0099】
【実施例45】
粒剤例
メフェナセット原体61.76部、ダイムロン原体26.47部、ロンダックス原体2.95部、カープレックス#80の3.82部、サーフィノール104Sの5部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、原体の混合プレミックスを得た。コルク20.0部、セロゲン5Aの5.0部、ベントナイト2の20.0部、ヤシ殻粉末21.0部、原体の混合プレミックス34.0部をニーダーに仕込み、ニューコール291PGの0.2%液(粉末部100部に対し、80部)により練合し、バスケット型造粒機L−5型を用いて、押し出し粒径1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度70℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.710mmのふるいで微粒部分を除去した。得られた粒剤はメフェナセット21.0%、ダイムロン9.0%、ベンスルフロンメチル1.0%を含有する。
【0100】
【実施例46】
粒剤例
ピリブチカルブ原体48.0部、ダイムロン原体36.0部、ロンダックス原体4.0部、カープレックス#80の7.0部、サーフィノール104Sの5部を混合し、ジェットオーマイザー0101型により粉砕し、原体の混合プレミックスを得た。コルク15.0部、セロゲン5Aの4.0部、ベントナイト2の20.0部、木粉21.0部、炭酸カルシウム15.0部、原体の混合プレミックス25.0部をニーダーに仕込み、ニューコール291PGの0.2%液(粉末部100部に対し、60部)により練合し、バスケット型造粒機L−5型を用いて、押し出し粒径1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度70℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.710mmのふるいで微粒部分を除去した。得られた粒剤はピリブチカルブ12.0%、ダイムロン9.0%、ベンスルフロンメチル1.0%を含有する。
【0101】
【実施例47】
粒剤例
コルク15.0部、セロゲン5Aの4.0部、ベントナイト2の20.0部、木粉33.0部、サーフィノール104Sの4.0部をニーダーに仕込み、市販のビームゾル(トリサイクラゾール20%を含有する懸濁濃縮物、武田薬品工業(株)製)120部を加えて練合し、押し出し粒径1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度70℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.710mmのふるいで微粒部分を除去した。得られた粒剤はトリシクラゾール24%を含有する。
【0102】
【実施例48】
粒剤例
ベンスルフロンメチル原体(92.9%)1.4部と炭酸カルシウム1.4部をハンマーミルで粉砕し、ベンスルフロンメチル原体プレミックスを得た。ピリブチカルブ原体(94.1%)17.0部、ロカヘルプ(三井金属鉱業(株)製、パーライト粉末)4.0部及び炭酸カルシウム2.5部を混合し、ジェットオーマイザー101型(セイシン企業(株)製)により供給速度2kg/hr、空気圧6kg/cm2 で粉砕し、ピリブチカルブ原体プレミックスを得た。ベンスルフロンメチル原体プレミックス2.8部、ピリブチカルブ原体プレミックス23.5部、デモールEPパウダー(花王(株)製、アルキレンマレイン酸共重合物のナトリウム塩)3.30部、パールレックスNP(日本製紙(株)製、リグニンスルホン酸ナトリウム)6.5部、ポリビニルピロリドンK−30(京都和光純薬(株)製、試薬)2.6部、発泡シラスPB03((株)シラックスウ製、平均粒径75μm)39部及び炭酸カルシウム15.8部をニーダー(不二パウダル(株)製)に仕込み、混合後、適量の水を加えて練合した。練合物を押し出し造粒機EXK−1型(不二パウダル(株)製)により2.0mmのスクリーンより押し出し造粒し、造粒品を流動層乾燥機(熱風温度100℃)で乾燥し、1.5〜3.0mm区分を篩わけて粒剤を得た。この粒剤93.5部をポリ袋にとり、スーパーオイルC(日本石油(株)製、粗製流動パラフィン)3.9部及びサーフィノール465(日信化学(株)製、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物)の50%プレミックス(サーフィノール465とカープレックス#100(塩野義製薬(株)製、無晶形二酸化珪素)を1:1の比率で混合粉砕したプレミックス)2.6部を加え混合し、粒の表面にサーフィノール465を弱く被覆し、ベンスルフロンメチル1.3%、ピリブチカルブ16%を含有する粒剤を得た。
【0103】
【実施例49】
粒剤例
ピラゾレート原体(97.3%)36.0部、ロカヘルプ7.0部及び炭酸カルシウム7.0部を混合し、ジェットオーマイザー101型により供給速度2kg/hr、空気圧6kg/cm2 で粉砕し、ピラゾレート原体プレミックスを得た。ピラゾレート原体プレミックス50部、デモールEPパウダー3.30部、パールレックスNP6.5部、ブドウ糖2.6部及び発泡シラスPB03の31.1部をニーダーに仕込み、混合後、適量の水を加えて練合した。練合物を押し出し造粒機EXK−1型により2.0mmのスクリーンより押し出し造粒し、造粒品を流動層乾燥機(熱風温度100℃)で乾燥し、1.5〜3.0mm区分を篩わけて粒剤を得た。この粒剤93.5部をポリ袋にとり、スーパーオイルC3.9部及びサーフィノール465の50%プレミックス(サーフィノール465とカープレックス#100を1:1の比率で混合粉砕したプレミックス)2.6部を加え混合し、粒の表面にサーフィノール465を弱く被覆し、ピラゾレート35%を含有する粒剤を得た。
【0104】
【実施例50】
粒剤例
ピラゾレート原体(96.2%)26部、CH−900原体(96.7%)6.0部、ロカヘルプ7.2部及び炭酸カルシウム4.8部を混合し、ジェットオーマイザー101型により供給速度2kg/hr、空気圧6kg/cm2 で粉砕し、原体プレミックスを得た。この原体プレミックス44.0部、実施例48のベンスルフロンメチル原体プレミックス2.6部、Sokalan CP9(BASF社製、マレイン酸−オレフィン共重合体のナトリウム塩)3.3部、パールレックスNP6.5部、ブドウ糖2.6部及び発泡シラスPB03の32.6部をニーダーに仕込み、混合後、適量の水を加えて練合した。練合物を押し出し造粒機EXK−1型により2.0mmのスクリーンより押し出し造粒し、造粒品を流動層乾燥機(熱風温度100℃)で乾燥し、1.5〜3.0mm区分を篩わけて粒剤を得た。この粒剤91.6部をポリ袋にとり、スーパーオイルC4.8部及びサーフィノール465の50%プレミックス(サーフィノール465とカープレックス#100を1:1の比率で混合粉砕したプレミックス)3.6部を加え混合し、粒の表面にサーフィノール465を弱く被覆し、ベンスルフロンメチル1.2%、ピラゾレート25%、CH−900を5.8%、含有する粒剤を得た。
【0105】
【実施例51】
粒剤例
コルク(0.2〜0.5mm区分)15.0部、セロゲン7Aの4.0部、ベントナイト1の40.0部、木粉24.9部、実施例41のF−155プレミックス14.1部をニーダーに仕込み、ニューコール291PGの0.2%液(粉末部100部に対し、80部)により練合し、バスケット型造粒機L−5型を用いて、押し出し粒径1.5mmのスクリーンから押し出し造粒した。流動層乾燥機を用いて熱風温度70℃で乾燥し、開口径4.760mmのふるいを強制し過し、0.710mmのふるいで微粒部分を除去し、F−155の高含量粒剤を得た。得られた粒剤98.0部をナウタミキサーに仕込み、サーフィノール104Sの2.0部を加えて混合し、粒剤の表面にサーフィノール104Sを弱く被覆した。得られた粒剤はF−155を12.0%含有する。
【0106】
【実施例52】
粒剤例
メガファック110の1部とカープレックス#80の4部を混合し、ハンマーミルで粉砕してメガファック110の20%プレミックスを得た。実施例51で得たF−155の高含量粒剤に実施例51と同様にして、メガファック110のプレミックスを被覆し、F−155を12.0%含有する粒剤を得た。
【0107】
【実施例53】
粒剤例
シリコーンオイルKF6017の2部とカープレックス#100の3部を混合し、ハンマーミルで粉砕して、シリコーンオイルKF6017の40%プレミックスを得た。実施例52と同様にしてシリコーンオイルKF6017のプレミックスを被覆したF−155の12%粒剤を得た。
【0108】
【実施例54〜55】
粒剤例
実施例21のサーフィノール104Sの代わりに、それぞれ実施例52のメガファック110の20%プレミックスまたは実施例53のシリコーンオイルKF6017の40%プレミックスを用いた以外は実施例21と全く同様にして、ピロキロン12%を含有する粒剤を得た。
これら実施例21〜55の粒剤の物理性を表3に示した。
【0109】
【表3】
【0110】
【比較例】
【0111】
【比較例1〜8】
造粒キャリヤーの例
表4に示す処方により、実施例1と全く同様にして、造粒キャリヤーを得た。得られた造粒キャリヤーの物理性を表5に示した。
【0112】
【表4】
【0113】
【表5】
*:一部の粒が崩壊しないまま沈んだ
【0114】
【比較例9〜16】
粒剤の例
比較例1〜8の造粒キャリヤーを用いて、実施例21と全く同じ方法によりピロキロン12%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤の物理性を後記の表6に示した。
【0115】
【比較例17〜18】
粒剤の例
実施例41で造粒した粒剤の4.760mm以上の区分(比較例17)及び0.710mm以下の区分(比較例18)を得た。これら粒剤の物理性を表6に記した。
【0116】
【表6】
*:一部の粒が崩壊しないまま沈んだ
**:ほとんどの粒が沈降した
【0117】
【試験例】
【0118】
【試験例1】
実施例及び比較例で得られた粒剤の各50g(但し、実施例48の場合のみ39g)を、ハイセロンC200(ポリビニルアルコールフィルム、厚さ40μm、日合フィルム(株)製)に分包とした。1区画を10x10mに畦シートで区切った水田の中央に、直径が約10cmになるように6本の箸を立てて袋が動かないようにし、その中に得られた粒剤の分包を落とした。分包が破袋し、内部の粒剤が水面に拡展したのち、風下の吹き寄せ部に棒を立てた。処理4日目に、投下点、吹き寄せ部、吹き寄せの反対側の3地点から、直径10cm、深さ10cmの土壌を採取し、凍結させた。凍結した土壌を取り出し、表層から1cmの層を輪切りにし、土壌中に存在する各成分を分析して、投下点及び吹き寄せ部に存在する有効成分量の、吹き寄せの反対側地点の量に対する倍率を求めた。結果を表7に示した。
【0119】
【表7】
*:土壌中はいずれのサンプルも検出限界以下
数値は吹き寄せの反対側の土壌中有効成分量に対する有効成分量の比率を示す。
【0120】
表7に示したように、実施例のサンプルは、いずれも投下点及び吹き寄せ部に存在する有効成分量の、吹き寄せの反対側地点の量に対する比率が、約2倍以下であったが、比較例のサンプルは投下点または吹き寄せ部に有効成分濃度がかなり高い地点がみられた。
【0121】
【試験例2】
実施例21の粒剤を、振出口を付した箱にいれ、1kg/10aの割合で畦畔から約3mの範囲に振込処理したところ、粒剤は水面を広範囲に拡展した。いもち病に対する効果を、コラトップ粒剤5(ピロキロン5%を含有する粒剤、三共(株)製)の4kg/10a均一散布区と比較したところ、同等の効果が得られた。
【0122】
【試験例3】
実施例42の粒剤を、振出口を付した箱にいれ、1kg/10aの割合で、畦畔から約3mの範囲に振込処理したところ、粒剤は水面を広範囲に拡展した。コブノメイガに対する効果を、パダン粒剤(カルタップ4%を含有する粒剤、武田薬品工業(株)製)の4kg/10a均一散布区と比較したところ、同等の効果が得られた。
【0123】
【試験例4】
実施例46の粒剤を、振出口を付した箱にいれ、0.5kg/10aの割合で、畦畔から約3mの範囲に振込処理したところ、粒剤は水面を広範囲に拡展した。除草効果を、カルショットフロアブル(ベンスルフロンメチル1%及びピリブチカルブ12%を含有する懸濁濃縮製剤、三共(株)製)の500ml/10a均一散布区と比較したところ、同等の効果が得られた。
【0124】
【試験例5】
実施例49の粒剤450gを板紙カートン(内寸が6cm(W)×9cm(L)×20cm(H)、容積が1080cm3 )の上部に直径6mmの円形の開口部を5個とりつけ、再封可能なシールをとりつけた容器に加え、下部をヒートシールした。この板紙カートンの材質構成は、外面から、ポリエチレン(20μm)/紙(250g/m2 )/エチレンとメタクリル酸の共重合樹脂EMAA(20μm)/アルミ箔(7μm)/ポリエステル(12μm)/ポリエチレン(30μm)をラミネートしたものである。容器の開口部の再封性シールをはがし、容器2個を手で振りながら10aの水田の畦畔を一周しながら全量の粒剤を施用した。粒剤は水面に浮遊拡展後、水中に崩壊分散し有効成分が水中に分散した。20日後の除草効果を市販のサンバード粒剤(三共(株)製、ピラゾレート10%)3kg/10a均一散布区と比較したところ同等の効果が得られた。
【0125】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は手軽に処理でき、散布者や環境に危害を与えない農薬製剤を提供するものであり、安全性と省力化が求められている農業及び農薬業界の発展に寄与するところが大きい。
【0126】
本発明の造粒キャリヤーを用いた農薬製剤及び本発明の農薬粒剤は、粒剤が水面を拡展する間に、大部分の有効成分が水中に遊離し、気象条件に関わらず、有効成分の偏在はほとんど起こらず、問題にならない。
【0127】
また、有効成分は水面で遊離され、水中に分散・溶解するため、土壌による吸着や土壌表面への沈降も遅く、水の移動にともなって十分に水田全体の水に溶解拡散した後、土壌に吸着され処理層を形成するため、この意味からも薬害や効力のムラの心配が少ない。これらのことから、得られる粒剤は、通常の粒剤のように均一な散布をしなくても、薬害が生じること無く、効力的にも良い結果が得られるので、いわゆる投げ込み製剤や畦畔等からの額縁散布に好適な製剤になり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】懸垂度試験器を示す。
Claims (8)
- 発泡パーライト、発泡シラス、及び/又はコルク、並びに結合剤を含有し、下記(1)〜(4)の物理性を有する、水面に浮遊し崩壊分散する農薬用造粒キャリヤー。
(1)見かけ比重が0.10〜0.40
(2)0.710〜4.760mmの粒度区分が90%以上
(3)3分後の懸垂度が0.5ml以下
(4)2時間後の水面浮遊率が30%以下 - 木粉、オガクズ、籾ガラ粉末、ヤシ殻粉末、コーヒー豆粉末、米ぬか、フスマ、甘草粉末及びセルロース粉末から選ばれる1種又は2種以上の植物性粉末を含有する、請求項1に記載の農薬用造粒キャリヤー。
- 発泡パーライト、発泡シラス、及び/又はコルクから選択されるキャリヤー、結合剤、水面拡展性向上剤、並びに農薬有効成分を含有し、下記(1)〜(4)の物理性を有する、水面に浮遊し崩壊分散する造粒された農薬粒剤。
(1)見かけ比重が0.10〜0.70
(2)0.710〜4.760mmの粒度区分が90%以上
(3)3分後の懸垂度が0.5ml以下
(4)2時間後の水面浮遊率が30%以下 - 木粉、オガクズ、籾ガラ粉末、ヤシ殻粉末、コーヒー豆粉末、米ぬか、フスマ、甘草粉末及びセルロース粉末から選ばれる1種又は2種以上の植物性粉末を含有する、請求項3に記載の農薬粒剤。
- 水中投入後3分後の拡展距離が4m以上である請求項3又は4に記載の農薬粒剤。
- 水面拡展性向上剤として、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤より選ばれる1種又は2種以上を配合することを特徴とする、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の農薬粒剤。
- 請求項3乃至6のいずれか一項に記載の農薬粒剤を、振込口を付した箱、袋、瓶に包装したことを特徴とする水田振り込み処理用農薬製剤。
- 請求項3乃至6のいずれか一項に記載の農薬粒剤を、水溶紙に分包としたことを特徴とする水田投げ込み用農薬製剤。
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