JPH06157203A - 水面浮遊性農薬固形剤 - Google Patents

水面浮遊性農薬固形剤

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Publication number
JPH06157203A
JPH06157203A JP22526393A JP22526393A JPH06157203A JP H06157203 A JPH06157203 A JP H06157203A JP 22526393 A JP22526393 A JP 22526393A JP 22526393 A JP22526393 A JP 22526393A JP H06157203 A JPH06157203 A JP H06157203A
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JP
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water
solid
agent
foaming
acid
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Application number
JP22526393A
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English (en)
Inventor
Masayuki Nakagawa
昌之 中川
Akihiko Kunitomo
昭彦 国友
Kinji Tanizawa
欽次 谷澤
Kazuhiko Tsubota
和彦 坪田
Hiroshi Satobi
寛 佐飛
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 手軽に処理でき散布者や環境に危害を与え
ず、かつ薬害及び効力不足のない農薬固形剤を提供する
こと。 【構成】 粉砕した発泡剤を含有し、1個の重量が0.
1乃至10gで、水に投入後5分間の水面浮遊率が80
%以上であり、水面に浮遊中に活性成分を容易に水中に
分散する発泡性農薬固形剤。 【効果】 本発明の農薬固形剤は、畦畔等から容易に投
げ込むことができ、きわめて簡単、手軽に農薬を処理す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明の目的は、手軽に処理でき散布者
や環境に危害を与えず、かつ薬害及び効力不足のない農
薬固形剤を提供することにある。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、水田へ投入後速やかに
水面に浮遊し、水面上で拡がった後、有効成分が水中に
容易に分散する発泡性農薬固形剤及び、その固形剤を水
に容易に分散又は溶解するシート(以下、水溶性シート
という)に包んだ形態の農薬製剤に関する。
【0003】
【従来の技術】これまで、水田用農薬はその使用の便の
ために、種々の剤型、例えば、粉剤、水和剤、乳剤、粒
剤等に製剤され、水面又は稲体に散布・施用されてき
た。
【0004】しかし、粉剤、水和剤には、粉立ちによる
使用者及び生産者の健康上の問題及び環境汚染の問題が
あり、乳剤には、有機溶媒の毒性の問題及び火災の危険
がある。粒剤にはこのような問題点は少ないが、物流や
経済性の面で不利であるばかりでなく、活性成分が一旦
水に溶け、根又は茎から植物に吸収されて始めて効力を
発現するものであるから、水に溶けにくい化合物、土壌
に吸着され易い化合物、又は浸透移行性がないといった
性質を有する化合物の場合には、他の剤型に比べて十分
な防除活性が得られない場合も多い。。
【0005】これらのことから、フロアブル(以下FL
と略す)やドライフロアブル(以下DFと略す)といわ
れる新しい剤型が開発されてきた。これらFLやDF
は、水に稀釈して、水溶液、懸濁液又は乳化液として使
用され、粉立ちがなく流動性があるという点で水和剤の
上記問題点を解決した剤型といえる。
【0006】しかしながら、従来の剤型ではもちろんF
L及びDFであっても、これらの製剤を散布するために
は、まずその製剤を水に溶解又は分散させて散布液を調
製することが必要であり、さらにその散布液を散布する
に際しては多くの場合散布器具を使用することが必要で
ある。又、水田全体に偏在なく有効成分を行き渡らせる
ため、散布に際し散布者が水田に入ることが必要であ
る。このように、散布液を調製するための容器及び散布
器具を準備し、さらに水田に入って散布することは、経
済的負担や安全面の不安ばかりでなく、労力的にも時間
的にも負担は大きく、特に小規模な兼業農家や、高齢者
と女性に依存することの大きい最近の農家にとっては、
このような負担は耐え難いものとなっている。
【0007】このため、最近、除草剤のFLをプラボト
ルに入れ、これをキャップ部に開けた小孔から水田中に
振り込む方法が開発された。この方法によれば、散布に
特殊な器具を必要とせず手軽に散布できるという利点が
ある。しかし、散布に際しては依然として散布者が水田
に入る必要があるため労力を要し、又、散布方法や風向
きによっては薬液の飛沫が作業者にかかり健康上問題が
ある等の欠点があるので、必ずしも従来法の問題点を完
全に解決し得たとは言い難い。しかも、使用済みの空き
瓶(プラボトル)の処理が安全面及び環境上の問題を引
き起こす可能性があるという新たな問題点もある。
【0008】これまで、水面浮遊性粒剤としては、
(1)水浮遊性の担体を用いて浮遊させるもの(特公昭
48−15613号公報、同47−1240号公報)、
(2)特定の吸水能を有する軽石や蛭石を担体とするも
の(特公昭44−8600号公報)、(3)揮散性殺虫
化合物を用いた粒剤(特公昭49−11421号公
報)、(4)カーバメート系農薬活性成分とその水に対
する分配係数が102 以上の有機化合物を固体担体に保
持させたもの(特開平2−174702号公報)、
(5)固体担体と、殺菌剤、除草剤又は植物成長調節性
の有効成分と、油とからなる組成物(特開平3−193
705号公報)等の技術が開示されている。しかしなが
ら、これらは散布法の点においては従来の粒剤と何らか
わることなく、散布労力の軽減にはなりえなかった。
【0009】さらに、最近、有効成分に界面活性剤及び
発泡剤を加えた水田用除草剤(特開平3−128301
号公報)や、有効成分、界面活性剤、ならびに結合剤を
含有する水田除草用錠剤又はカプセル(特開平3−17
3802号公報)に関する技術が開示された。これらの
技術は、簡単に水田除草剤の処理ができるという利点を
有する。しかしながら、これら固形製剤を水中に投じる
と、製剤は土壌表面に沈降し、ここで発泡して有効成分
を田面水中に分散させることになるため、溶けきらない
原体粒子は投下地点の周辺に沈降し、また、溶解した有
効成分も投下地点近傍の土壌表面近くで高濃度の溶液を
形成する。従って、有効成分が土壌に吸着され易く、
又、水溶解度がかなり高い有効成分であっても投下地点
近傍で濃度が高くなり、圃場条件、気象条件等によって
は有効成分の不均一による薬害や効力不足という効力の
ムラが生じ易いという欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、 散布に際し特別な器具が不必要 散布者が水田に入らなくても処理可能 散布者及び環境に対して安全 農薬製剤が入っていた容器の処理が簡単 有効成分の偏析による薬効不足及び薬害のおそれがな
いこと を満足する処理方法が要望されていた。
【0011】このような現状に鑑みて、本発明者らは上
記の条件を満たす製剤及び処理方法の開発を目指して鋭
意検討を重ねた。
【0012】その結果、製剤形態を錠剤・ブリケットの
ような固形剤とし、必要に応じてその固形剤を水溶性シ
ートに分包することにより上記、、、の条件を
満たすこと、又、その固形剤の処方を、水田へ投入後速
やかに水面に浮上し、水面を浮遊して拡がったのち崩壊
し、水中に分散するものとすることにより、上記の条
件を満たすこと、即ち局所的な有効成分の偏在を防ぐこ
とができ薬害や生物効果のフレ等の懸念が格段に少なく
なることを見出し、さらに上記のような固形剤の処方に
おいては、固形剤の重量及び硬度、並びに発泡剤の性質
が重要であることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
【発明の構成】
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉砕した発泡
剤を含有し、1個の重量が0.1乃至10gで、水に投
入後5分間の水面浮遊率が80%以上であり、水面に浮
遊中に活性成分を容易に水中に分散する発泡性農薬固形
剤、好ましくは、水に投入後5分間の発泡量が2g当た
り50ml以上である上記発泡性農薬固形剤、更に好ま
しくは、発泡成分として、クエン酸を15〜60%、炭
酸水素ナトリウムを15〜60%配合し、かつ、全炭酸
塩量が20〜70%であることを特徴とする、上記発泡
性農薬固形剤、及び、これら農薬固形剤を、水に容易に
分散又は溶解するシートに包んだ形態の農薬製剤であ
る。
【0015】本発明の固形剤は、水田へ投入後、沈降せ
ずに浮上するか又は一旦沈降しても短時間の内に水面に
浮上し、一部崩壊・分散しながら水面上を浮遊して広範
囲に拡がりながら、活性成分を水中に分散又は溶解する
ことによって短時間で水田全体に拡散するという性質を
有する。
【0016】本発明に使用できる農薬有効成分は、殺虫
剤、殺菌剤、除草剤及び植物成長調節剤等の農薬として
水田において使用されるものであれば特に限定はない。
【0017】有効成分が殺虫剤や殺菌剤の場合、稲体に
吸収されて移行する性質のあるものが望ましいが、浸透
移行性がなくても、水中又は水面に生息する虫或は水中
や水面から感染する菌には有効である。いずれの場合
も、薬害の少ない化合物であることが望ましい。除草剤
の場合、その本来の性質や使用時期の点から、特に薬害
のない化合物を選択することが望ましい。
【0018】有効成分は、水溶性でも水に難溶性でも、
また固体でも液体でも構わない。一般的には固体の化合
物の方が本発明に適合し易いが、液状原体の場合でも、
必要に応じて適当な溶媒や乳化剤に溶解した後、適当な
キャリアーに吸収させることにより固形化できれば、十
分本発明に適用できる。この際に使用するキャリアーと
しては、一般に農薬のキャリアーとして用いられるもの
であれば特に限定はないが、好適には、ベントナイト、
タルク、クレー、硅藻土、無晶形酸化ケイ素、炭酸カル
シウム、ケイ酸カルシウム等の鉱物質微粉、結晶セルロ
ース、デンプン及びデキストリン、グルコース、砂糖、
乳糖等の糖類、木粉等の粉末状有機物である。
【0019】好適な殺虫剤としては、イソキサチオン、
プロパホス、DEP、ダイアジノン、エチルチオメト
ン、ホルモチオン、ジメトエート、モノクロトフォス、
アセフェート、カルボスルファン、チオシクラム、カル
タップ、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、カルバリ
ル、ブプロフェジン、BPMC、PHC、イミダクロプ
リド、TI304等の浸透移行性殺虫剤、シクロプロト
リン、エトフェンプロックス等のイネミズゾウムシやイ
ネドロオイムシのような水中又は水面近くに生息する害
虫に有効な合成ピレスロイド等を挙げることができる。
【0020】好適な殺菌剤としては、プロベナゾール、
イソプロチオラン、IBP、トリシクラゾール、ピロキ
ロン等のいもち剤、フルトラニル、メプロニル、MON
240、S658等のもんがれ剤、テクロフタラム等を
挙げることができる。
【0021】好適な除草剤としては、ピラゾレート、ベ
ンゾフェナップ、ピラゾキシフェン、ピリブチカルブ、
ブロモブチド、メフェナセット、ベンスルフロンメチ
ル、ブタクロール、プレチラクロール、ベンチオカー
ブ、CNP、クロメトキシニル、ダイムロン、ビフェノ
ックス、ナプロアニリド、オキサジアゾン、ベンタゾ
ン、モリネート、ピペロホス、ジメピペレート、エスプ
ロカルブ、ジチオピル、イマゾスルフロン、ベンフレセ
ート、ACN、シンメスリン、MCPB、キンクロラッ
ク、ピラゾスルフロンエチル、KPP314、N−[2
−(3−メトキシ)チエニルメチル]−N−クロロアセ
ト−2,6−ジメチルアニリド(NSK850)、1−
(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチルベン
ジル)ウレア(JC940)等の水田除草剤を挙げるこ
とができる。
【0022】好適な植物成長調節剤としては、イナベン
フィド、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、トリア
ペンテノール等を挙げることができる。
【0023】これらの有効成分は、製剤自体が崩壊・分
散した後は、できるだけ早く田面水中に溶解又は懸濁し
て拡散し、効力を発揮する必要がある。従って、有効成
分が水に対する溶解度の低いものでは、微粉砕が必要で
ある。有効成分が固体である場合には、たとえ水溶解度
の高いものであっても、ある程度微粉砕した後固形剤と
して製剤する方が良い。このため、ハンマーミル、ジェ
ットミル等による乾式粉砕や、サンドミル、アトライタ
ー等による湿式粉砕を行うことが望ましい。
【0024】しかし、湿式粉砕を行うと、そのままでは
最終的に固形剤に成形する際に用いる後述の成形機にか
けられないという欠点がある。すなわち、本発明の固形
剤には水の存在下で発泡してしまう発泡剤を配合するた
め、発泡剤を混合する前に予め乾燥しておかなければな
らない。乾燥は湿式粉砕したスラリーをそのままスプレ
ードライヤー等を用いて乾燥してもよいが、他の助剤の
一部又は全部と予め混合し、また必要であれば造粒する
等した後、乾燥してもよい。得られた乾燥粉末又は粒
は、乾式粉砕品と同様に後述する成形機を用いて固形剤
に成形する。
【0025】有効成分の水溶解性は、固形剤が浮上し拡
展し易いかどうかに影響し、一般的には有効成分が水に
難溶性化合物の方が浮上し易い。
【0026】本発明の固形剤中には、必須の助剤として
発泡剤を配合し、又、必要に応じて、拡展剤、発水剤、
崩壊分散剤、湿潤剤、増量剤、結合剤、滑沢剤、粒子成
長防止剤、安定剤等その他の成分を配合して製剤する。
【0027】本発明の固形剤は、投入後長時間水中に沈
降していると、その間に有効成分が溶解してしまった
り、固形剤が崩壊分散して有効成分が投下地点の周辺に
沈降してしまったりする。その結果、投下地点の周辺の
土壌表面の有効成分濃度が高くなり、投下地点周辺の薬
害や、投下地点から離れた場所の効力不足を生ずるた
め、本発明の目的を達成し得ない。従って、固形剤はで
きるだけ短時間に水面に浮上する必要がある。できれば
水田に投入後5分程度以内に、投入した全量が水面に浮
上し拡展することが望ましいが、本発明の効果を発揮す
るためには、後述の方法による水面浮遊率が80%以上
であることがより望ましい。
【0028】固形剤が浮上・拡展し易いかどうかは、前
述した有効成分の水溶解性の他に、発泡剤である固体酸
及び炭酸塩の種類とその配合比率及び配合量並びに粉砕
の有無、拡展剤、発水剤、分散剤、滑沢剤及びその他の
助剤の種類とその配合量等種々の要因に左右される。
【0029】特に、発泡剤、拡展剤及び発水剤は、固形
剤を水面に浮上・浮遊させ、水面でできるだけ広範囲に
拡げるという点で重要である。
【0030】本発明に使用される発泡剤としては、炭酸
塩、炭酸水素塩、セスキ炭酸塩のような酸と反応して炭
酸ガスを発生する塩(以下、特に断らない限り総括して
「炭酸塩」という)と、水溶性の固体酸とを固体のまま
混合したものを用いる。炭酸塩としては、例えば、炭酸
ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸カ
ルシウムのような炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウムのような炭酸水素塩、セスキ炭酸ナトリウ
ム、セスキ炭酸カリウムのようなセスキ炭酸塩等を挙げ
ることができる。水溶性の固体酸としては、例えば、ク
エン酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、コ
ハク酸、フマール酸のような有機固体酸、ホウ酸のよう
な無機固体酸等を挙げることができる。
【0031】発泡力が強い方が固形剤は浮上し易いか
ら、発泡剤は水中で早く反応し発泡することが望まし
い。このため、固体酸としては、コハク酸、フマール
酸、ホウ酸等よりも、水に溶け易いもの、例えばクエン
酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸等の方が
好ましい。しかし、酒石酸は高価であり、シュウ酸は毒
性が高いという欠点がある。又、リンゴ酸やマレイン酸
は吸湿性が高く経時安定性に乏しい上、生産性、特に高
湿度下で生産すると打錠機の杵臼やブリケッティングマ
シンのタイヤロールに付着が多く、連続生産性に難点が
ある。従って、クエン酸が最も好適である。一方、炭酸
塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カ
リウム、炭酸マグネシウムのような炭酸塩は反応性が比
較的低いため浮上させにくく、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウムのような炭酸水素塩や、セスキ炭酸ナト
リウム、セスキ炭酸カリウムのようなセスキ炭酸塩の方
が浮上させ易い。従って、炭酸水素塩又はセスキ炭酸
塩、好適には炭酸水素塩を主とした配合にすることが好
ましい。
【0032】発泡剤成分である固体酸及び炭酸塩は通常
数百μmの中位径を有する粒状結晶として市販・供給さ
れる。入浴剤や菓子、医薬等の従来の発泡製剤において
は製品の保存安定性の面から、むしろ粒度の粗い発泡剤
成分を粉砕することなく、固形化する製剤方法が採用さ
れてきた。しかしながら、本発明の農薬固形剤は、水中
に投入後速やかに水面に浮遊する必要があり、粗い発泡
剤成分を用いると浮遊させにくいため、発泡剤成分は粉
砕して用いることが必要である。発泡剤成分を粉砕する
ことにより発泡力は強くなり、固形剤は水中で浮遊し易
くなる。
【0033】発泡剤の粉砕方法は、炭酸塩及び固体酸の
みを別々に粉砕する方法、炭酸塩と固体酸を混合した後
粉砕する方法、炭酸塩と固体酸に活性成分及びその他の
助剤の全部又は一部を混合した後粉砕する方法のいずれ
でもよい。粉砕機としては、ハンマーミル、ピンミル、
エアーミル等通常の乾式粉砕機を使用できる。粉砕後の
発泡剤の粒度は中位径が少なくとも105μm以下、好
ましくは74μm以下、更に好ましくは63μm以下で
ある。
【0034】固体酸と炭酸塩の配合比率は、ちょうど中
和する当量とするより、若干固体酸の量を多めにする方
が発泡力は強くなり、好適である。
【0035】しかし、他方、水溶性の高い固体酸や炭酸
水素塩を多く配合したり、微粉砕すると製剤の経時安定
性が保持しにくくなるので、発泡力と経時安定性との兼
ね合いで妥当な接点を見出す必要がある。この点、炭酸
塩、特に炭酸ナトリウムは水和物となって安定する性質
があり、水による発泡を防ぐための吸湿剤として作用す
ることもできるから、炭酸水素塩を主として炭酸塩をも
配合する混合使用が有利である。
【0036】以上のように、浮上・浮遊性、経済性、経
時安定性等の面から最も好適な発泡剤は、固体酸として
クエン酸を固形剤全体の15〜60%、炭酸塩として炭
酸水素ナトリウムを15%以上好ましくは20〜60
%、更にその他の炭酸水素塩、セスキ炭酸塩及び炭酸塩
を必要に応じて加えて、それらを合わせた全炭酸塩量を
20%以上、好ましくは25〜70%を、粉砕して配合
するものである。この発泡剤を使用すると、硬度10k
gf程度のかなり硬い固形剤でもほとんど全てが5分以
内に水面に浮上する。
【0037】使用される拡展剤としては、例えば、ポリ
カルボン酸及びポリスルホン酸型の高分子界面活性剤、
ラウリル硫酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカルボ
ン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル、ソルビタンのアルキルエステル、アセチレ
ンアルコール、アセチレンジオール及びそれらにアルキ
レンオキサイドを付加させた界面活性剤、シリコン界面
活性剤、フッ素系界面活性剤等の種々の界面活性剤、パ
ラフィンオイル、シリコンオイル等のオイル類、松脂等
の樹脂類、樟脳、ナフタレン等を挙げることができ、好
適には、アセチレンアルコール、アセチレンジオール及
びそれらにアルキレンオキサイドを付加させた界面活性
剤、シリコン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオ
キシエチレントリスチリルフェニルエーテルのようなポ
リオキシエチレンアリールエーテル系界面活性剤であ
る。
【0038】使用される発水剤としては、例えば、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレ
イン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ステアリルアルコール
等の高級アルコール、ステアリン酸等の高級脂肪酸、シ
リコンオイル及びその誘導体、フッソ系界面活性剤、カ
チオン界面活性剤、疎水性シリカ等を挙げることができ
る。中でも、疎水性シリカは少量の配合で固形剤を発水
性にすることができるので特に有用である。
【0039】崩壊分散剤、湿潤剤は、浮遊した固形剤か
ら有効成分をぼた落ちさせずに、有効成分を水に濡らし
て容易に崩壊分散させるという点で重要である。
【0040】特に、有効成分が水に難溶性の化合物の場
合、固形剤が水面で崩壊後、有効成分粒子が水中に分散
せず、長時間水面に浮遊して風により吹寄せられ、有効
成分の局在が加速されることがある。これを避けるた
め、適当な崩壊分散剤、湿潤剤を配合して有効成分を水
中に懸濁させることが望ましい。
【0041】使用される崩壊分散剤としては、例えば、
リグニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレンスルホ
ン酸塩及びその縮合物、フェノールスルホン酸塩及びそ
の縮合物、スチレンスルホン酸塩の縮合物、マレイン酸
とスチレンスルホン酸との縮合物の塩、アクリル酸、マ
レイン酸等のカルボン酸縮合物の塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ポリオ
キシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェートの
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリ
ン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤を挙げることが
でき、好適には、リグニンスルホン酸塩、(アルキル)
ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、フェノールス
ルホン酸塩及びその縮合物、スチレンスルホン酸塩の縮
合物、マレイン酸とスチレンスルホン酸との縮合物の
塩、カルボン酸縮合物の塩である。
【0042】湿潤剤としては、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩の縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジ
アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩等
のアニオン界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のノニオン
界面活性剤を挙げることができ、好適には、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩の縮合物、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩である。
【0043】崩壊分散剤や湿潤剤は相互に兼用できるも
のが多い。
【0044】崩壊分散剤や湿潤剤はこれらに限られず、
ノニオン性、カチオン性又は両性イオン性のものであっ
ても適当なものであれば使用できる。また、澱粉、カル
ボキシメチルセルロース及びその塩、カルボキシメチル
化澱粉及びその塩、ポリビニルピロリドンの架橋体、結
晶セルロース、高吸水性樹脂等のような、水を吸収して
膨潤する性質を有するものも崩壊分散剤として有用であ
る。
【0045】使用される増量剤としては、ベントナイ
ト、タルク、クレー、珪藻土、無晶形二酸化ケイ素、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の一般的に農薬のキ
ャリヤーとして用いられる鉱物質微粉の他に、グルコー
ス、砂糖、乳糖等の糖類、カルボキシメチルセルロース
及びその塩類、澱粉及びその誘導体、結晶セルロース、
木粉等の有機物、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、
塩化カリウム等の水溶性無機塩類、尿素等を挙げること
ができる。これら増量剤は目的に応じそれぞれ使い分け
るが、中でも乾燥澱粉は吸湿力が強いため乾燥剤として
の能力をも有するので、固形剤の安定剤としても作用す
る。又、結晶セルロースは打錠性改良剤としての作用も
有するので特に有用である。
【0046】使用される結合剤としては、低分子量のデ
キストリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、カルボキシメチルセルロース等を挙げることがで
きる。又、リグニンスルホン酸塩は分散剤としても兼用
でき、かつ比較的安価なため増量剤としても用いること
ができるので特に有用である。
【0047】滑沢剤は、一般に成形する直前に添加し混
合することが多いので、固形剤の表面に密に分布する。
従って、親水性のものを用いると浮上させにくくなる。
このため、ポリエチレングリコール(PEG)やプロピ
レングリコールの誘導体、グリセリンエステル等親水性
の滑沢剤を用いるより、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸マグネシウム、タルク等疎水性の滑沢剤を選択
する方が望ましい。
【0048】上記の有効成分粉砕物及び助剤は、混合し
た後、適当な成形機を用いて、乾式で固形に製剤する。
その際、発泡剤の固体酸と炭酸塩とを、それぞれ単独で
又はその他の成分の一部若しくは全部を加えて、別々に
水を加えて造粒し乾燥した後、両成分を混合して固形化
することは構わないが、発泡剤の両成分を混合した後に
水を加えて固形化することは、水の存在下で固体酸と炭
酸塩が反応し発泡してしまうため避けねばならない。即
ち、固形化工程は水を加えずに加圧成形する方法を取ら
ねばならない。固形剤の剤型は、錠剤やブリケット等の
塊状剤が良い。成形機としては、錠剤の場合は打錠機
を、ブリケットの場合はブリケッティングマシンを、そ
れぞれ使用することにより得ることができる。
【0049】本発明の固形剤は、作業者が水田へ入って
施用することももちろんできるが、水田に入らずに畦畔
等から水田へ投入することによって施用可能であること
が一つの特徴である。従って、固形剤の1個の重量は水
田への投入(投げ込み)に適当な重量である必要があ
る。
【0050】水溶性シートに分包せずに固形剤自体をそ
のまま投入する場合には、投げ込み易さの点から固形剤
1個の重量は0.1g〜10g、好ましくは0.2〜3
g、更に好ましくは0.3〜1g程度が適当である。こ
の程度の重量の固形剤であれば、水中での挙動も良好
で、通常の打錠機やブリケッティングマシンで容易に生
産することができる。一般の粒剤のように、これより軽
い場合には、空中で風の影響を受けて投入目標地点まで
到達しない場合がある。また、これより重い場合には、
稲をなぎ倒したり、固形剤が田面中に沈んだまま水面に
浮遊しにくくなるという欠点がある。
【0051】水溶性シートに分包にする場合には、固形
剤1個の重量よりも1袋全体の重量がより問題となる。
従って、固形剤1個の重量は前述のものより軽くても構
わない。ただ、分包の内容物が細かすぎると、小分けの
際に粉がシートに付着してヒートシールが不完全になっ
たり、水濡れが良すぎて固形剤が多数寄り集まり、十分
に分散しないまま水中に沈降してしまう傾向にある。ま
た、固形剤1個の重量が大きすぎると袋ごと土中に埋ま
ったり、固形剤が水中から浮上できなかったり、十分な
拡展が見られなかったりする。従って、分包にする場合
も固形剤1個の重量は0.1〜10g、好ましくは0.
2〜3g、更に好ましくは0.3〜1g程度が適当であ
る。
【0052】固形剤の硬度は、経時安定性や輸送に伴う
固形剤の粉化等のトラブルを考えると、少なくとも2.
0kgfであることが好ましい。この程度の硬度があれ
ば、製品化後の輸送や貯蔵には十分耐えることができ
る。ただ、固形剤の硬度が高すぎると、投入後長時間に
わたって弱い発泡が続き、固形剤を水面に浮上させるた
めの浮力が不十分となって、結果として固形剤は浮上し
ない場合がある。従って、硬度は10kgf以下である
ことが好ましい。
【0053】固形剤は水に投入直後から強く発泡する必
要があり、後述の方法により測定される発泡量が2g当
たり50ml以上あることが好ましく、特に2g当たり
100ml以上あるとより好ましい。
【0054】以上詳述したように、本発明の固形剤は水
中に投入された後、できるだけ早い機会に水面に浮上す
ることが必要である。本発明の固形剤が水中で浮上する
ためには、固形剤の重力よりも浮力の方が勝ることが必
要となる。本製剤において浮力として作用するものに
は、固形剤中に含まれる空気と、発泡剤の反応により生
じ固形剤の周囲に付着している泡とがある。従って固形
剤の硬度が高すぎて見かけ比重が大きい場合には、固形
剤中に含まれる空気量が少なくなるため固形剤は浮きに
くい。又、発泡剤の粒度が粗い場合や炭酸塩及び固体酸
の水に対する溶解度が低い場合には、両者の反応が遅
く、発泡力は弱く、固形剤は浮きにくい。さらに、固形
剤が水中投入された後すぐに固形剤の中に水が浸透して
固形剤内部の空気が水で置換されてしまうと固形剤は浮
きにくい。従って、固形剤を水中に浮かせるためには、
可能な限り軽い原料を選ぶと共に、固形剤1個の重量を
必要以上に重くせず、硬度を必要以上に高くせず、発泡
剤の反応性を高めるために発泡剤の組成を選択し、これ
を粉砕しておくことが重要である。又、固形剤中への水
の浸透を防止するために、製剤の物理性に影響を与えな
い程度の疎水性の成分を選択すると共に、固形剤中の各
構成成分もある程度細かくしておくことが望ましい。
又、固形剤の形状も浮き易さと大いに関係があり、一般
に厚みのあるものより薄いものの方が浮かせ易い。
【0055】その意味で、分散剤やその他の助剤は、水
溶性の結晶質のものを用いるより、軽くかつ水に濡れに
くいものを選択する方が浮上し易い。このため、鉱物質
や、砂糖、塩化カリウム等を用いるより、デンプン誘導
体や結晶セルロース、無晶形二酸化珪素等を用いる方が
好ましい。中でも乾燥コーンスターチや乾燥バレイショ
デンプン等の乾燥デンプンを処方中に2〜50%配合す
ると、固形剤が浮上し易く、又、発泡剤の安定化剤とし
ても有効であるので特に有用である。
【0056】発生した泡を固形剤の周囲に細かく付着さ
せておくことも固形剤に浮力を持たせる意味で重要で、
界面活性剤は起泡性のよいものを選択することが好まし
い。このため、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムを配合すると浮上し易いが、消泡作用のあるアセ
チレン系界面活性剤を配合すると浮上しにくくなる。
【0057】以上、一般的傾向を示したが、固形剤が浮
上するかどうかはこれら種々の要因の総合的な結果であ
る。発泡剤としてはクエン酸及び炭酸水素ナトリウムを
主とした組成が好ましいのではあるが、実施例にも示す
ように、例えば、コハク酸や炭酸ナトリウムを用いても
固形剤を浮かせることは可能であり、又、全く同一の処
方でも、錠剤の物理性によっては浮くことも沈むことも
あり得る。従って、本発明の固形剤を得るためには、こ
れら種々の要因を考慮にいれて、総合的な結果として固
形剤を浮上させるように調製すべきである。
【0058】かくして得られた固形剤は、そのまま固形
剤自体を水田へ投入してもよいが、手で投げる場合、手
に直接触れないように手袋等の保護具が必要となるの
で、固形剤を水に容易に分散又は溶解するシート(水溶
性シート)に包んで、その固形剤を内包する分包をその
まま水田へ投入すると安全であり便利である。
【0059】使用される水溶性シートの材質としては、
例えばセルロース及びその誘導体よりなるもの、ポリビ
ニルアルコール及びその誘導体よりなるもの、ポリエチ
レンオキサイドの誘導体よりなるもの、プルランフィル
ム等が使用できるが、ヒートシールができるものが好都
合である。水溶性シートの端部を封じるときに、糊で封
じることもできるが、作業性に問題があるうえ、糊付け
した部分が水田中で溶解しにくくなることが多いため、
ヒートシールで封じることが好ましいからである。
【0060】分包にする場合の1袋の重量は約30〜1
20gが最も投げ込み易い。この程度の重さであれば、
子供、女性、高齢者でも容易に15m程度以内の投入目
標とした地点に投げ込むことが可能である。これ以上重
いと、投げ込むのが苦痛となり、広い面積を処理するた
めに多数投入する必要がある場合には容易ではない。ま
た、これ以下の軽さでは、風の影響を受けて目標とした
場所に到達しない。
【0061】分包にして一定面積中に一定量の有効成分
を施用する場合、水田への投入数が少な過ぎると活性成
分が水田全体に行き渡らず効力不足や薬害の原因とな
る。逆に投入数が多過ぎると省力の意味をなさなくな
る。従って、妥当な投入数を選択すべきである。本発明
の固形剤を分包として水田中に投げ込む場合の投入数は
10aあたり3〜30個程度、好ましくは5〜20個程
度である。
【0062】2種以上の有効成分を同時に処理する必要
があるときに、これまでの剤型の場合には、配合すると
分解が生じたり、崩壊分散が劣化したりすることがあ
る。このような場合、本発明の水溶性シートに分包とす
る形態では、2種以上の固形剤を別々に作り、これらを
一包みの中に混合することにより問題が解決できるの
で、従来配合禁忌とされていた配合剤も同時処理が可能
となる。
【0063】本発明の固形剤及びその分包は、輸送等の
ため、紙袋、樹脂袋又はアルミ箔貼り合わせ樹脂袋等の
袋や箱で外装する。ただ、本発明の固形剤は発泡剤を含
有しており、吸湿によって反応し、発泡しなくなる場合
があるので、適当な防水加工を施した外装を用いるべき
である。アルミ箔を貼り合わせた包装が望ましい。外装
が膨らむような場合、アルミ箔部分にのみ小さな穴を開
けておくかアルミ箔のヒートシール部に細い糸を挟んで
おくと外装の膨張を防ぎ、吸湿をも防ぐことができる。
【0064】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明の実施態様をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0065】
【実施例1〜5】表1に示した原体プレミックスを混合
し、ジェットオーマイザー0101型(セイシン企業
(株)製)を用いて、空気圧6kg/cm2 、供給速度
1.5kg/hrで2回粉砕した。粉砕品に発泡剤成分
及び助剤部分を加え、混合したのち、ハンマーミルで粉
砕した。得られた粉砕品の粒度は開孔径63μmの篩を
全量通過した。粉砕物をローラーコンパクターミニ型
(フロイント産業(株)製)を用いて乾式造粒し、粗砕
して開口径2mmのふるいを通して整粒した。得られた
造粒物に滑沢剤を加えて混合し、打錠機を用いて直径1
cm、1錠の重さ0.5gに打錠した。得られた錠剤は
ベンスルフロンメチル0.5%、ピリブチカルブ6.0
%、ダイムロン4.5%を含有した。得られた錠剤をフ
レキシーヌ(第一工業製薬(株)製ポリエチレンオキサ
イドの誘導体よりなる水溶性フィルム,厚さ40μm)
に50gずつ小分けした。
【0066】
【実施例6〜10】表2に示した原体プレミックスを混
合し、ジェットオーマイザー0101型(セイシン企業
(株)製)を用いて、空気圧6kg/cm2 、供給速度
1.5kg/hrで2回粉砕した。粉砕品に発泡剤成分
及び助剤部分を加え、混合したのち、ハンマーミルで粉
砕した。得られた粉砕品の粒度は開孔径63μmの篩を
全量通過した。粉砕物をブリケッティングマシンK10
2型(太陽鉄工(株)製)を用いて長さ24mm、幅1
3mm、厚さ7mm、1個の重量2.0gのアーモンド
状に成形した。得られた成形物はベンスルフロンメチル
0.5%、ダイムロン4.5%、メフェナセット10.
0%を含有した。得られたブリケットを実施例1と同様
に小分けした。
【0067】
【実施例11〜14】表3に示した原体プレミックス部
分、発泡剤部分、助剤部分を量りとり、混合したのち、
ハンマーミルで粉砕した。得られた粉砕品の粒度は開孔
径63μmの篩を全量通過した。粉砕物をローラーコン
パクターミニ型を用いて乾式造粒し、粗砕して開口径2
mmのふるいを通して整粒した。得られた造粒物に滑沢
剤を加えて混合し、打錠機を用いて直径1cm、1錠の
重さ0.5gに打錠した。得られた錠剤はピロキロン2
4%を含有した。得られた錠剤をフレキシーヌのフィル
ム(厚さ40μm)に50gずつ小分けした。
【0068】
【実施例15〜22】表4に示した原体プレミックスを
混合し、ジェットオーマイザー0101型を用いて、空
気圧6kg/cm2 、供給速度1.5kg/hrで粉砕
した。粉砕品に発泡剤及び助剤部分を加え、混合した
後、ハンマーミルで粉砕した。得られた粉砕品の粒度は
開孔径63μmの篩を全量通過した。粉砕物をローラー
コンパクターミニ型を用いて乾式造粒し、粗砕して開口
径2mmの篩を通して整粒した。得られた造粒物に滑沢
剤を加えて混合し、打錠機を用いて直径1cm、1錠の
重さ0.5gに打錠した。得られた錠剤はベンスルフロ
ンメチル0.5%、ピリブチカルブ6.0%、ダイムロ
ン4.5%を含有した。得られた錠剤を、ハイセロンC
−200(日合フィルム(株)製、ポリビニルアルコー
ルフィルム、厚さ40μm)に50gずつ小分けした。
【0069】
【比較例1〜5】表1に示した処方により実施例1〜5
と同様に錠剤を調製し、小分けした。
【0070】
【比較例6〜10】表2に示した処方により実施例6〜
10と同様にしてブリケットを調製し、小分けした。
【0071】
【比較例11〜13】表3に示した処方により実施例1
1〜14と同様に錠剤を調製し、小分けした。
【0072】
【試験例】
【0073】
【試験例1】実施例1〜22及び比較例1〜13により
得た錠剤及びブリケットの物理性及び投下地点と周辺部
の濃度比を以下の方法により測定した。結果を各表に記
した。
【0074】錠剤及びブリケットの硬度測定法:新光電
子(株)製デジタルフォースゲージMFG−50型によ
り測定した。固形剤20個について測定し、平均値を求
めた(単位kgf)。
【0075】発泡量の測定方法:図1に示す装置の丸底
フラスコに20℃の水10mlを入れた。この中に固形
剤2gを投入し、直ちに栓をして発生するガスを導管を
通じて、20℃の水を満たした捕集管に受け、発生した
ガス量(ml)を5分後に読みとった。この際、発生す
る炭酸ガスは水に溶けるうえ、水温によって溶解度が異
なるので、誤差を避けるために、水温、フラスコに入れ
る水量、ならびに発生するガスを受ける導管の太さ及び
導管先端の位置には特に注意が必要である。
【0076】水面浮遊率の測定法:1×1mの樹脂製パ
レットに25℃の水を5cmの深さに入れた。固形剤5
0個を高さ1mの位置より一時に投入し、投入後5分間
に浮上する固形剤の数を数えた。浮上した固形剤の数を
2倍して、水面浮遊率(%)を求めた。この際、浮上し
た固形剤は順次崩壊分散して形骸をとどめなくなるの
で、浮上するに従い、数え落としのないように順次数え
ることが必要である。
【0077】投下地点と周辺部の濃度比の測定法:実施
例1〜22及び比較例1〜13により得た錠剤及びブリ
ケットの分包を、図2に示すように区取りした水深5c
mの水田のA地点に落とした。7日後にA及びB,C地
点の土壌を直径7cm,厚さ1cm分採取した。B及び
C地点の土壌は均一に混合した。A地点及びB+C地点
に残存する有効成分濃度をHPLC法で分析して求め
た。各有効成分ごとにA地点の濃度をB+C地点の濃度
で除して両地点の濃度比を求めた。
【0078】又、実施例1〜22により調製した固形剤
を、水溶性シートに分包とせず、そのまま水田中に投げ
入れた。この場合、成人が一握りで投げ込むことができ
る固形剤の重量はいずれの実施例の固形剤の場合も50
〜100g程度である。投入された固形剤はいずれもほ
とんどの固形剤が5分以内に水面に浮上した。
【0079】表1乃至4に示したように、本発明の水面
浮遊率が80%以上の固形物は、何れの有効成分も、投
下地点と周辺部の濃度比は2以下であり、有効成分が区
内に均一に拡散しているが、比較例の固形剤は投下地点
における有効成分濃度が明らかに高く、拡散が不十分で
あった。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【発明の効果】本発明の農薬固形剤は、特別な器具を必
要とせず、散布者が水田に入ることなく畦畔等から容易
に投げ込むことができるという、きわめて簡単、手軽な
農薬処理方法を可能にするため、兼業農家にとっても、
出勤前のわずかな時間でも処理することができる利点を
有する。
【0085】又、従来法のような粉立ちや薬液の飛沫が
なく、散布者及び環境に対する安全性が非常に高い。
【0086】しかも、容器はガラスやプラボトルを必要
とせず、紙や樹脂あるいはアルミ箔貼り合わせ袋や箱が
使用できるので用済み後は焼却処理ができる。
【0087】更に、本発明の固形剤は、水田へ投入後、
沈降せずに浮上するか又は一旦沈降しても短時間の内に
水面に浮上し、一部崩壊・分散しながら水面上を浮遊し
て広範囲に拡がったのち、水中に崩壊・分散・溶解又は
懸濁することによって、短時間で水田全体に拡散すると
いう性質を有するため、これまでに知られている発泡剤
を含有する固形剤のような有効成分の偏析による薬効不
足及び薬害のおそれがない。
【0088】本発明の水溶性シートに分包とする形態に
は、2種以上の有効成分を含有することも可能であり、
従来配合禁忌とされていた配合剤も同時処理が可能とな
る。
【0089】このように、本発明は散布者や環境に危害
を与えない農薬組成物を提供するものであり、安全性と
省力化が求められている農薬及び農薬業界の発展に寄与
するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡量測定装置図
【図2】水田試験区画図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪田 和彦 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内 (72)発明者 佐飛 寛 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉砕した発泡剤を含有し、1個の重量が
    0.1乃至10gで、水に投入後5分間の水面浮遊率が
    80%以上であり、水面に浮遊中に活性成分を容易に水
    中に分散する発泡性農薬固形剤。
  2. 【請求項2】水に投入後5分間の発泡量が2g当たり5
    0ml以上である、請求項1に記載の発泡性農薬固形
    剤。
  3. 【請求項3】発泡剤成分としてクエン酸を15〜60
    %、炭酸水素ナトリウムを15〜60%配合し、かつ、
    全炭酸塩量が20〜70%であることを特徴とする、請
    求項1又は2に記載の発泡性農薬固形剤。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3に記載の発泡性農薬固形剤
    を、水に容易に分散又は溶解するシートに包んだ形態の
    農薬製剤。
JP22526393A 1992-09-17 1993-09-10 水面浮遊性農薬固形剤 Pending JPH06157203A (ja)

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